JP5653788B2 - 基地局送信電力制御方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の基地局によって形成される複数の無線ゾーン(セル)を組み合わせてサービスエリアを形成するセルラ通信システムにおける基地局送信電力制御方法及び装置に関する。
セルラ通信システムでは、各セルが利用する周波数はセル間で再利用されており、他セルからの同一の周波数をもつ信号は干渉となる。
図8は、下りリンクにおける他セルからの干渉の様子を説明するための図である。
この図において、BSは基地局、MSは端末である。ここで、隣接するセルが同一の周波数を利用しているものとする(1セル周波数繰り返し)。図示するように、基地局BSiに所属する端末MSiには、基地局BSiからの希望信号とともに基地局BSkなどの他セルの基地局BSからの干渉信号が受信されることとなる。
端末が所属する基地局からの端末における希望信号の強度を表す指標としてSINR(信号対干渉雑音比)が用いられる。SINRが高ければ伝送品質が良く、低ければ悪い。
SINRは、次式で表される。
Figure 0005653788

周辺からの干渉が大きくなればなるほど式(1)の分母が大きくなるため、SINRが低くなり、伝送品質が悪くなってしまう。
このように、セルラ通信システムでは、端末が基地局と通信を行う際、周辺基地局で送信される同一周波数の電波が干渉となり、端末において十分な伝送品質を得ることができず、システム容量(スループットやユーザの同時接続数)が制限されてしまうという問題がある。
そこで本発明者らは、各端末が要求される通信品質(SINR)を達成するように、各基地局の送信電力を協調して最適制御する基地局送信電力制御方法を提案している(特許文献1ー3)。
この複数基地局協調送信電力制御方法について説明する。
基地局iの送信電力をPi、基地局kの送信電力をPk、基地局iから該基地局iに属する端末iまでの伝搬利得をzi,i、基地局kから端末iまでの伝搬利得をzi,kとすると、端末iにおける基地局iからの希望信号電力はPii,i、基地局kからの干渉信号電力はPki,kとなる。
基地局数をNc(Ncは2以上の整数)、端末iでの雑音電力をniとすると、端末iにおける受信SINRiが所要伝送品質γiを満足するためには、以下の条件を満たす必要がある。
Figure 0005653788
全ての基地局に存在する全ての端末について、上の式(2)における不等号を等号に変換した条件式、すなわち、各端末の伝送品質がそれらの所要伝送品質に等しいものとした式を作成して展開すると、各基地局の送信電力を変数とする連立方程式が得られる。
Figure 0005653788

ただし、この連立方程式の立式に当たっては、各基地局1〜基地局Ncから全端末1〜端末Ncまでの伝搬利得zi,j及び各端末における雑音電力ni(1≦i,j≦Nc)を全て情報として把握していることが必要である。
この式(3)の連立方程式を解くことで、全ての端末におけるSINRが所要伝送品質γiとなる場合の各基地局の送信電力を求めることができる。
ただし、各基地局の送信電力Pi(1≦i≦Nc)は、基地局の最大送信電力をPmaxとして、次の式(4)で示される基地局送信電力の制約条件を満たす必要がある。
Figure 0005653788
基地局数が2の場合を例にとって説明する。
図9は、基地局数が2の場合に端末が受信する信号について説明するための図である。図示するように、端末1には、自局の所属する基地局1からの希望信号P11,1と、隣接する基地局2からの干渉信号P21,2が到達し、端末2には、その所属する基地局2からの希望信号P22,2と隣接する基地局1からの干渉信号P12,1が到達する。
この場合、端末1における受信SINR1が所要通信品質γ1を満足し、端末2における受信SINR2が所要通信品質γ2を満足するように、次の式(5)及び式(6)の連立方程式を立式する。
Figure 0005653788

ここで、n1は端末1における雑音電力、n2は端末2における雑音電力である。
上の式(5)及び式(6)は、次の式(7)及び式(8)のように整理することができる。
Figure 0005653788

上記式(7)及び式(8)において、送信電力P1、P2以外は既知の変数であるので、P1、P2を変数とした通常の連立方程式として解くことができる。
上記連立方程式の解であるP1及びP2が前記式(4)の基地局送信電力の制約条件を満たしている場合には、基地局1の送信電力がP1となるように制御し、基地局2の送信電力がP2となるように制御することにより、端末1及び端末2はそれぞれの所要の通信品質γ1及びγ2を満足することができる。
さて、前記式(3)の連立方程式の解が前記式(4)の基地局送信電力の制約条件を満たさない場合は、全端末が所要通信品質を満たして通信を行うことが不可能である。そこで、前記制約条件を満たすように通信を許可する端末の数を削減する。端末が削減されると、その端末が属する基地局からの送信電力が0となり、他の基地局に属する端末への干渉量が減少する。端末を削減することにより変数を減らして再度前記式(3)の連立方程式を立式し、その解を求める。端末数を削減する際は、同時に接続できる端末数を最大化することを評価基準として、条件を満たすまで通信を許可する端末数を順に削減する。
通信を許可する端末数を削減する方法には各種の方法があるが、接続率を最大にする方法として、通信を許可する端末の全ての組み合わせについて連立方程式を解き、前記基地局送信電力の制約条件を満たす端末の組み合わせのうち、同時接続端末数が最大となるものを見つける方法(総当り法、Full search)がある。この方法によれば正確な結果を得ることができるが、何らかの条件に合致する端末を優先的に選択するということをせず、ランダムに選択するので、協調制御を行う基地局の数が増加すると計算量が指数関数的に増大するという問題がある。そこで、本発明者らは、少ない計算量でシステム容量を大幅に改善することができるセルラ通信システムにおける基地局送信電力制御方法及び装置を上記特許文献1−3において提案している。
特開2010−062664号公報 特開2010−062665号公報 特開2010−062666号公報
上述のように、複数基地局で協調して送信電力制御を行うことにより、端末における受信品質を保証し、ユーザ同時接続率を最大化することができる。
しかしながら、協調する基地局数が多い場合には、次のような問題点が生じる可能性がある。図10は、協調する基地局数が3の場合を示す図である。
図示するように基地局数が3である場合、基地局1のエリアに在圏する端末1は基地局1からの希望信号(P11,1)と基地局2及び基地局3からの干渉信号(P21,2及びP31,3)を受信する。また、基地局2のエリアに在圏する端末2は基地局2からの希望信号(P22,2)と基地局1及び基地局3からの干渉信号(P12,1及びP32,3)を受信し、基地局3のエリアに在圏する端末3は基地局3からの希望信号(P33,3)と基地局1及び基地局2からの干渉信号(P13,1及びP23,2)を受信する。
この場合には、各端末における受信SINR1、SINR2及びSINR3が、それぞれの所要通信品質γ1、γ2及びγ3を満たすとする式(9)〜式(11)からなる連立方程式を立式し、この式を解くことにより各基地局の送信電力P1、P2及びP3を求めることとなる。
Figure 0005653788
ここで、各基地局から各端末への伝搬利得zi,j(基地局jと端末iの間の伝搬利得)を完全に測定することができれば、最適な基地局の送信電力Piを求めることができる。しかしながら、実システムにおいては、一部の端末において遠方の基地局からの受信電力が雑音電力以下となり伝搬利得を測定できない場合がある。例えば、図10における端末1において遠方の基地局3からの受信電力が雑音電力以下となって伝搬利得z1,3を測定できなかったり、端末2や端末3において基地局1からの受信電力が雑音電力以下となり、伝搬利得z2,1やz3,1を測定できなかったりすることがある。この場合には、前記式(9)〜(11)を立式することができなくなり、前述した複数基地局協調送信電力制御を行うことができない。
そこで、本発明は、端末において遠方の基地局からの受信電力が雑音以下となり伝搬利得が測定できない場合であっても前記式(3)の連立方程式を立式して、各基地局の送信電力を決定することが可能な複数基地局協調送信電力制御方法及び装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の基地局送信電力制御方法は、複数の基地局と複数の端末とを有するセルラ通信システムにおいて前記複数の基地局の送信電力を制御する基地局送信電力制御方法であって、前記基地局と前記端末の間の伝搬利得の測定が可能な場合は該伝搬利得の測定値を用いてまた、前記基地局と前記端末の間の伝搬利得測定不可能である場合は、前記伝搬利得の測定値に代えて、前記基地局と前記端末の間の距離の推定値に基づいて算出された伝搬利得の推定値を用いて、前記複数の端末における信号対干渉雑音比が所要値になるように前記複数の基地局の送信電力を変数とする連立方程式を立式し、該連立方程式の解を求める第1のステップと、前記連立方程式の解が基地局送信電力の制約条件を満たしている場合に、その解を前記複数の基地局の送信電力として設定する第2のステップと、前記連立方程式の解が前記基地局送信電力の制約条件を満たしていない場合に、前記複数の基地局のうち選択された基地局に所属する端末を削減して前記第1のステップに移行し、端末を削減された基地局の送信電力を遮断した条件で新たに前記連立方程式を立式させる第3のステップとを有し、前記基地局と前記端末の間の距離の推定値は、前記基地局と当該端末が所属する基地局の間の距離と、前記基地局が当該端末が所属する基地局に隣接する基地局であるか否かに応じて異なる値とされた調整値とに基づいて算出されるものである。
また、本発明の基地局送信電力制御装置は、複数の基地局と複数の端末とを有するセルラ通信システムにおける前記複数の基地局の送信電力を制御する基地局送信電力制御装置であって、前記基地局と前記端末の間の伝搬利得の測定が可能な場合は該伝搬利得の測定値を用いてまた、前記基地局と前記端末の間の伝搬利得測定不可能である場合は、前記伝搬利得の測定値に代えて、前記基地局と前記端末の間の距離の推定値に基づいて算出された伝搬利得の推定値を用いて、前記複数の端末における信号対干渉雑音比が所要値になるように前記複数の基地局の送信電力を変数とする連立方程式を立式し、該連立方程式の解を求める第1の手段と、前記連立方程式の解が基地局送信電力の制約条件を満たしている場合に、その解を前記複数の基地局の送信電力として設定する第2の手段と、前記連立方程式の解が前記基地局送信電力の制約条件を満たしていない場合に、前記複数の基地局のうち選択された基地局に所属する端末を削減して、前記第1の手段に端末を削減された基地局の送信電力を遮断した条件で新たに前記連立方程式を立式する処理を実行させる第3の手段とを有し、前記基地局と前記端末の間の距離の推定値は、前記基地局と当該端末が所属する基地局の間の距離と、前記基地局が当該端末が所属する基地局に隣接する基地局であるか否かに応じて異なる値とされた調整値とに基づいて算出されるものである。
このような本発明の基地局送信電力制御方法及び装置によれば、遠方の基地局からの受信電力が雑音電力以下となって、該基地局から端末までの伝搬利得が測定できない場合であっても、推定値を用いて前記連立方程式を立式して複数基地局で協調して送信電力制御を行うことが可能となり、受信品質を保証するユーザ同時接続率の改善について、伝搬利得を測定できる場合とほぼ同様の効果を得る事が可能となる。
本発明の複数基地局協調送信電力制御方法が適用されるセルラ通信システムの構成の一例を示す図である。 本発明の複数基地局協調送信電力制御処理の流れを示すフローチャートである。 本発明における伝搬利得の推定方法について説明するための図である。 本発明の複数基地局協調送信電力制御を基地局数が3の場合に適用した例について説明するための図である。 基地局送信電力の制約条件を満たさない場合について説明するための図である。 通信を制限する端末の選択手順について説明するための図である。 計算機シミュレーションにより、本発明の複数基地局協調送信電力制御を適用した場合のユーザ同時接続率の評価を行った結果を示す図である。 下りリンクにおける他セルからの干渉の様子を説明するための図である。 基地局数が2の場合に端末が受信する信号について説明するための図である。 協調する基地局数が3の場合を示す図である。
図1は、本発明の基地局送信電力制御方法が適用されるセルラ通信システム10の構成の一例を示す図である。この図において、BS1〜BSNcは協調の対象となる複数の基地局、MS1〜MSNcはそれぞれ基地局BS1〜BSNcのセルに在圏する端末、11は前記複数の基地局BS1〜BSNcに接続された基地局送信電力制御装置である。ここで、基地局数Ncは2以上の整数であれば任意の数とすることができる。各基地局BS1〜BSNcによりそれぞれセルが形成されており、各セルで同一の周波数を利用する端末数は1台とする。なお、前記基地局送信電力制御装置11は、前記複数の基地局BS1〜BSNcが接続されたネットワーク上に設置してもよいし、あるいは、任意の一つの基地局内に設置してもよい。
前記基地局送信電力制御装置11は、接続されている各基地局BS1〜BSNcから全端末MS1〜MSNcまでの伝搬路の情報(伝搬利得)及び各端末MS1〜MSNcにおける雑音電力の情報を全て把握している。そして、同時接続ユーザ数を最大化させるように、各基地局BS1〜BSNcの送信電力を決定する。すなわち、各端末MS1〜MSNcがそれぞれの所要通信品質γi(1≦i≦Nc)を満たすとする前記式(3)の連立方程式を立式し、該連立方程式を解くことにより、全ユーザ(端末)が所要の通信品質を満たすことができる各基地局BS1〜BSNcの送信電力を決定する。そして、前記基地局送信電力制御装置11は、各基地局に対して該決定した送信電力を通知する。各基地局は、自己の送信電力を該通知された送信電力となるように制御する。このようにして複数基地局が協調して送信電力制御を行い、システム内の端末の受信品質を保証することができる。
図2は、本発明の複数基地局協調送信電力制御の一例を示すフローチャートである。この処理は、前記基地局送信電力制御装置11において実行される。なお、ここでは、全ての端末が所要伝送品質を満たすように基地局送信電力を決定することが不可能であった場合に通信を許可する端末数を削減する方法として、前述した総当り法を採用する場合について説明するが、総当り法ではなく、前記特許文献1〜3に示した所定の基準に基づいて削減する端末を決定する方法など、他のアルゴリズムを採用することができる。
電力割当制御が開始されると、まず、前記式(3)の連立方程式を立式するための前処理、すなわち、各基地局から全端末までの伝搬利得及び各端末における雑音電力の情報を準備する(ステップS11)。
各基地局は一定の電力でパイロット信号(参照信号)を常時送信しているため、基地局BSj(1≦j≦Nc)から端末MSi(1≦i≦Nc)までの伝搬利得zi,jは、例えば、各端末MS1〜MSNcにおける各基地局BS1〜BSNcからのパイロット信号の受信電力を用いて測定することができる。各端末MS1〜MSNcにおいて、それぞれ基地局BS1〜BSNcからのパイロット信号の受信電力を計測し、その計測値を上りのチャネルを介してその端末iが所属している基地局BSiに通知し、該基地局BSiから基地局送信電力制御装置11に通知する。基地局送信電力制御装置11は、通知された各端末MS1〜MSNcにおける基地局BS1〜BSNcからのパイロット信号の受信電力と各基地局BS1〜BSNcのパイロット信号の送信電力piに基づいて、各基地局BS1〜BSNcから各端末MS1〜MSNcまでの伝搬利得zi,jを測定する。
また、各基地局から送信されて端末に到達したパイロットチャネルの信号の受信電力が雑音電力以下となった端末についてはパイロットチャネルの信号の受信電力が測定できず、伝搬利得が測定不可能であるため、本発明では、前記伝搬利得zi,jに代えて、後述する方法で推定した推定値z i,jを伝搬利得として用いるようにしている。
各端末MS1〜MSNcにおける雑音電力n1〜nNcは、例えば、各端末MS1〜MSNcにおけるパイロット信号の受信電力から前記各基地局BS1〜BSNcからのパイロット信号の受信電力を減算することにより算出することができる。その他、帯域幅からも推定することができる。各端末MS1〜MSNcにおいてそれぞれにおける雑音電力n1〜nNcを求めて、その値をその端末MS1〜MSNcが接続している基地局BS1〜BSNcに通知を行う。
前記伝搬利得の測定が不可能なときに、伝搬利得zi,jに代えて用いられる前記推定値z i,jの求め方について説明する。
本発明における基地局jと端末iの間の伝搬利得z i,jの推定の基本的な考え方は、基地局jと端末iの間の伝搬利得の推定値z i,jを、基地局jと端末iの間の距離r i,jを推定し、該推定された距離r i,jに対して距離伝搬特性を適用すること、すなわち、伝搬利得が距離の−β乗(β:距離減衰係数)に比例する(r i,j )とすることにより決定するというものである。
ここで、基地局jと端末iの間の距離r i,jは、基地局jと端末iが所属する基地局iとの間の距離ri,jを基本として、これに調整値Δrを加えることにより推定する。
すなわち、伝搬利得の推定値z i,jは次の式(12)により推定される。
Figure 0005653788
前記調整値Δrの設定方法は各種考えられるが、その一例について図3を参照して説明する。
この図に示した例は、計算機シミュレーション結果に基づくものであり、(a)基地局iと基地局jが隣接している場合と、(b)基地局iと基地局jが隣接していない場合とで、異なる調整値を用いるようにしている。
(a)基地局iと基地局jが隣接している場合
端末iの存在確率が基地局iのカバーエリア内で一様であるものと仮定すると、基地局jを中心とした円のうち、基地局iのカバーエリアを横断する弧が最も長くなるとき、その弧の上に存在する端末の存在確率の合計が最も高くなる。そこで、そのときの円の半径(ri,j+0.4R)(R=基地局iのカバーエリアの半径)を基地局jと端末iの距離の推定値として用いる。すなわち、Δr=0.4Rとして、伝搬利得の推定値z i,jを次の式(13)により推定する。
Figure 0005653788
(b)基地局iと基地局jが隣接していない場合
基地局間の距離が大きくなればなるほど、その基地局の影響は小さくなるため、粗い近似でよくなる。そこで、基地局jから端末iまでの干渉信号が最も高くなる場合を想定し、伝搬利得の値が常にz i,j≧zi,jとなるように調整値Δrを加える。すなわち、Δr=−Rとして、伝搬利得の推定値z i,jを次の式(14)により推定する。
Figure 0005653788

なお、距離減衰係数βは、基地局が常時送信する参照信号などから推定できる変数であり、ここでは、理想的に3.5としている。
このようにして、各基地局から全端末までの間の伝搬利得の測定値zi,j又はその推定値z i,j、及び、各端末における雑音電力niの準備をした後、ステップS12に進む。ここで、削減する端末の数を示す変数iに初期値0をセットして、ステップS13に進む。ステップS13では、Nc台の端末からi台の端末を取り除く組合せを全通り計算する。
そして、Nc端末からi台取り除く組合せの中の順番を示す変数jに1をセットする(ステップS14)。
次に、前記ステップS13で求めた組合せの中のj番目の組合せに対し、前記式(3)の連立方程式を立式し、その解を求める(ステップS15)。初期状態では、取り除く端末の台数が0であり、前述した基地局送信電力Piを変数とする連立方程式を立式して、その解を求めることとなる。
一部の端末で伝搬利得が測定できず、前述した推定値z i,jを用いて連立方程式を立式する場合について、図4に示す例を用いて説明する。
図4に示す例は、基地局数が3の場合である。基地局1から送信されたパイロットチャネルの信号の端末2及び端末3における受信電力、及び、基地局3から送信されたパイロットチャネルの信号の端末1における受信電力がいずれも雑音電力以下であったとする。このとき、基地局1と端末2との間の伝搬利得z2,1、基地局1と端末3との間の伝搬利得z3,1及び基地局3と端末1との間の伝搬利得z1,3がいずれも測定不可能となる。
この場合には、図中(a)で示す連立方程式において四角で囲まれたz1,3、z2,1及びz3,1の値が不明となるため、この連立方程式を立式することができない。そこで、実際の伝搬利得z1,3、z2,1及びz3,1に代えて、前述した方法により算出された伝搬利得の推定値z 1,3、z 2,1及びz 3,1を用いることで、図中(b)で示す連立方程式を立式することが可能となる。
このように、本発明によれば、伝搬利得が測定不可能な端末が存在する場合であっても、連立方程式を立式することができ、その解を求めることができる。
このようにしてステップS15で連立方程式を立式してその解を求めた後、ステップS16で、得られた解Piが前記式(4)の基地局電力の制約条件を満たしているか否かを判定する。
解が前記基地局電力の制約条件を満たさない場合について、図5を参照して説明する。ここでは、基地局数Nc=4、各端末の所要通信品質γi=10[dB](i=1〜4)であるとしている。また、規格化最大送信電力を1(真値)としている。
図5の(a)に示す例は、前記連立方程式を解いた結果、得られた送信電力P4が負の値「−0.4」となった場合である。また、(b)に示す例は、送信電力P1の値が「1.3」、送信電力P3の値が「1.1」となって、最大送信電力を上回る値となった場合である。
このように、連立方程式の解として得られたPiの値が前記式(4)に示す基地局送信電力の制約条件を満たさない場合がある。
前記ステップS16の判定の結果、得られた解Piが前記制約条件を満たしている場合は、その解を各基地局の送信電力として決定し、各基地局に割り当てて(ステップS17)、この電力割当制御処理を終了する。
一方、得られた解Piの中に前記制約条件を満たしていないものがある場合は、その組合せがNc端末からi台取り除く組合せNciの最後のものであるか否かを判断する(ステップS18)。その結果、最後の組合せではないときには、jをj+1として(ステップS20)、前記ステップS15に進み、次の組合せについて、再度前記連立方程式を立式し、その解を求め、前述した処理を繰り返す。
また、前記ステップS18の判定の結果、その組み合わせが最後のものであったときには、iがNcに等しいか否かを判定し(ステップS19)、i=Ncであるときは、全ての端末を削減したこととなるため、送信電力の割当が不可であるとして、この電力割当制御処理を終了する。
また、iがNcに等しくないときは、ステップS21でiをi+1にして(削減する端末の数を1つ増やして)前記ステップS13に進み、Nc端末からi個取り除く組み合わせの計算から再度前述した処理を繰り返す。
このように、前記連立方程式を解いた結果得られた解Piの中に、前記基地局送信電力の制約条件を満たさないものがあった場合は、通信を許可する端末の数を削減、すなわち、幾つかの端末の通信を一時的に遮断して、その端末が所属する基地局の送信出力を遮断することにより変数を減らし、再度前記連立方程式を立式して、その解を求める。
通信を制限する端末の選択手順について図6を参照して説明する。ここでは、基地局数Nc=4であるものとする。
図6の(a)に示すように、全ての基地局のセルにそれぞれ1台の端末が存在する場合に、前記制約条件が満足されないものとする。このとき、4台の端末のうちの1つを選択し、その通信を制限(除外)する。図6の(b)は、4台の端末のうちの1台を除外する組合せを示す図であり、セルの色が濃くなっているセルの端末が除外されることを示している。除外された端末MSjが所属する基地局BSjの送信電力Pjは0とされる。このように、まず1台の端末を除外し、再度前記連立方程式を立式して解くことにより得られた解Piが全て前記制約条件を満たしている場合には、その結果を用いて各基地局の送信電力Piを決定する。一方、(b)に示す4台の端末のうちの1台を除外する全ての組合せにおいても、制約条件が満足されなかった場合には、4台の端末のうち2台の端末を選択し、その通信を除外する。4台の端末のうち2台の端末を除外する6通りの組合せのうち、例えば、図6の(c)に示す組合せの場合に、再度立式した連立方程式を解いた結果得られた解Piが前記制約条件を満たしたとすると、その得られた結果を基地局送信電力Piとして決定する。このときの同時接続率は、2/4=0.5となる。
このように、通信を制限する端末数を最小化して、所要の通信品質を満たすユーザ数を可能な限り多くすることが可能となる。
次に、計算機シミュレーションを用いて、本発明の基地局送信電力制御方法を所要通信品質γを満たす端末数の割合(ユーザ同時接続率)で評価した結果について、図7を参照して説明する。
シミュレーション諸元は、次の通りである。セル構成を19セル六角形正則配置とし、ユーザ発生モデルは各セルに1ユーザ(端末)が存在し、セル内に一様分布するものとした。伝搬特性は、送受信間距離の−β乗に比例する長区間変動を考慮し、伝搬利得は距離rの3.5乗に反比例するものとした。基地局アンテナ特性はオムニセル構成(水平面内指向性は無指向)とし、セル半径、基地局最大送信電力(Pmax)、雑音電力についてはセル端での受信SNRが最大で10dBとした。受信電力が雑音電力以下となる場合、推定値z i,jを用いるものとした。また、ユーザ所要通信品質(所要SINR)γiは全ての端末で同値とし、各端末の雑音電力は等しいものとした。
複数基地局協調を行わない方式として、全基地局が最大電力で送信する“電力制御なし”を比較対象とした。
図7は、横軸を所要通信品質とした場合のユーザ同時接続率を示す図である。この図において、Aは電力制御なし、Bは伝搬利得測定が不可能な場合に上述した推定値を用いる本発明の方式、Cは伝搬利得の測定が完全に行うことができる場合を示している。
このシミュレーション結果から、本発明の方式では、ユーザ同時接続率の劣化が、伝搬利得の測定が理想的である場合に対して、10%以下に抑えられている。また、本発明の式では、電力制御を行わない場合と比較して、所要SINRが10dBの場合においても、約2倍と十分高いユーザ同時接続率を維持することができる。
10:セルラ通信システム、11:基地局送信電力制御装置、BS:基地局、MS:端末、Pi:基地局iの送信電力、zi,k:基地局kから端末iまでの伝搬利得

Claims (2)

  1. 複数の基地局と複数の端末とを有するセルラ通信システムにおいて前記複数の基地局の送信電力を制御する基地局送信電力制御方法であって、
    前記基地局と前記端末の間の伝搬利得の測定が可能な場合は該伝搬利得の測定値を用いてまた、前記基地局と前記端末の間の伝搬利得測定不可能である場合は、前記伝搬利得の測定値に代えて、前記基地局と前記端末の間の距離の推定値に基づいて算出された伝搬利得の推定値を用いて、前記複数の端末における信号対干渉雑音比が所要値になるように前記複数の基地局の送信電力を変数とする連立方程式を立式し、該連立方程式の解を求める第1のステップと、
    前記連立方程式の解が基地局送信電力の制約条件を満たしている場合に、その解を前記複数の基地局の送信電力として設定する第2のステップと、
    前記連立方程式の解が前記基地局送信電力の制約条件を満たしていない場合に、前記複数の基地局のうち選択された基地局に所属する端末を削減して前記第1のステップに移行し、端末を削減された基地局の送信電力を遮断した条件で新たに前記連立方程式を立式させる第3のステップとを有し、
    前記基地局と前記端末の間の距離の推定値は、前記基地局と当該端末が所属する基地局の間の距離と、前記基地局が当該端末が所属する基地局に隣接する基地局であるか否かに応じて異なる値とされた調整値とに基づいて算出されることを特徴とする基地局送信電力制御方法。
  2. 複数の基地局と複数の端末とを有するセルラ通信システムにおける前記複数の基地局の送信電力を制御する基地局送信電力制御装置であって、
    前記基地局と前記端末の間の伝搬利得の測定が可能な場合は該伝搬利得の測定値を用いてまた、前記基地局と前記端末の間の伝搬利得測定不可能である場合は、前記伝搬利得の測定値に代えて、前記基地局と前記端末の間の距離の推定値に基づいて算出された伝搬利得の推定値を用いて、前記複数の端末における信号対干渉雑音比が所要値になるように前記複数の基地局の送信電力を変数とする連立方程式を立式し、該連立方程式の解を求める第1の手段と、
    前記連立方程式の解が基地局送信電力の制約条件を満たしている場合に、その解を前記複数の基地局の送信電力として設定する第2の手段と、
    前記連立方程式の解が前記基地局送信電力の制約条件を満たしていない場合に、前記複数の基地局のうち選択された基地局に所属する端末を削減して、前記第1の手段に端末を削減された基地局の送信電力を遮断した条件で新たに前記連立方程式を立式する処理を実行させる第3の手段とを有し、
    前記基地局と前記端末の間の距離の推定値は、前記基地局と当該端末が所属する基地局の間の距離と、前記基地局が当該端末が所属する基地局に隣接する基地局であるか否かに応じて異なる値とされた調整値とに基づいて算出されることを特徴とする基地局送信電力制御装置。
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