JP5637398B2 - 太陽電池セルを設計する方法及び太陽電池セルの特性を求めるためのシミュレーションプログラム - Google Patents

太陽電池セルを設計する方法及び太陽電池セルの特性を求めるためのシミュレーションプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5637398B2
JP5637398B2 JP2011176765A JP2011176765A JP5637398B2 JP 5637398 B2 JP5637398 B2 JP 5637398B2 JP 2011176765 A JP2011176765 A JP 2011176765A JP 2011176765 A JP2011176765 A JP 2011176765A JP 5637398 B2 JP5637398 B2 JP 5637398B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solar cell
current
solar
voltage
relationship
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011176765A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013041917A (ja
Inventor
哲彦 宮寺
哲彦 宮寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2011176765A priority Critical patent/JP5637398B2/ja
Publication of JP2013041917A publication Critical patent/JP2013041917A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5637398B2 publication Critical patent/JP5637398B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

本発明は、透明電極抵抗と直列抵抗とシャント抵抗とダイオード成分と電流源とを用いて太陽電池セルを表す分布定数等価回路モデルから得た、太陽電池セルの特性を求めるための非線形微分方程式を用いて、太陽電池セルを設計する方法に関する。
太陽電池セルは、図9に示されているように、大型化に伴って、特性の中で形状因子(以下、単にFFとも記載する。)及び短絡電流(以下、単にJscとも記載する。)が減衰することが知られている(図9では、短絡電流Jscを光起電流JLで割ることで無次元化している)。そこで、大型の太陽電池パネルを作製する際には、図10に示されているように、特性の減衰を避けるために補助電極の導入やスクライブによるモジュール化によって大型太陽電池パネルを分割する技術が用いられてきている。なお、図10では、並列する太陽電池セルの幅方向(図中の左右方向)の分割サイズをL2、並列する太陽電池セルの幅方向の有効サイズ(太陽発電が可能な部分の寸法)をLとしている。
しかしながら、分割によって太陽電池セルのサイズを小さくすれば一つの太陽電池セル当たりの特性は高くなるが、有効サイズLも小さくなって、モジュール全体としての効率は低下するので、太陽電池セルのサイズとモジュール全体の効率とはトレードオフの関係にある。したがって、開口率すなわちL/L2を高く保ちつつ高いセル特性が得られるように太陽電池セルの寸法を設計することが求められる。このためには、太陽電池セルの寸法とセル特性との関係を解析し、その関係から最適な構造を選択することが必要になる。従来、このような太陽電池セルの寸法とセル特性との関係の解析の際には、非特許文献1〜5に開示されているように、分布定数等価回路モデルを用いることが一般的である。
Alexis de Vos, Solar Cells 12, 311-327(1984). D.V. Rumyantsev and J.A. Rodrguez, Solar Cells 28, 241-252(1990). N. Convers Wyeth, Sol. Stat. Elect., 20(1976)629. G.C. Jain and F.M. Stuber, Adv. Energ. Conv 7(1967)167. M. Burgelman et.al, Sol. Energy Mat. & Sol. Cells 51,(1998)129.CIS
太陽電池セルの特性を求めるためには、上述した分布定数等価回路モデルから得た微分方程式を解く必要があるが、この微分方程式は非線形であるので、これを解くためには、コンピュータを用いて繰り返し計算を行うことによって数値的に非線形微分方程式を解く数値的手法か、非線形微分方程式を近似する近似手法を用いる必要がある。
しかしながら、数値的手法では、プロトタイプとなる太陽電池セルの寸法構造や特性パラメータを仮定して、それらについて個々に数値計算を行った上で、太陽電池セルの特性曲線を求め、求められた特性曲線から最適な寸法構造を選択するという手順で太陽電池セルの寸法の設計を行う必要がある。したがって、多くの時間と計算資源が必要となるという問題があった。
また、近似手法も、等価回路モデルにおけるダイオード成分のような重要なパラメータを無視してしまうなど、実用性に欠けるという問題があった。
よって、本発明の目的は、従来技術に存する問題を解消して、太陽電池セルの分布定数等価回路モデルのパラメータを全て取り入れながら、簡便に太陽電池セルの寸法と特性との関係を表す特性曲線を求めることを可能にすることにある。
上記目的に鑑み、本発明は、透明電極抵抗と直列抵抗とシャント抵抗とダイオード成分と電流源とを用いて太陽電池セルを表す分布定数等価回路モデルから得た、太陽電池セルの特性を求めるための非線形微分方程式を用いて、太陽電池セルを設計する方法であって、理想太陽電池における電圧Vdと電流iiscとの関係を表す曲線を求めるステップと、前記電流源の電流をiLとし、前記理想太陽電池の電圧Vdと電流iiscとの関係を表す曲線において、電圧が0のときの曲線の傾きをgsc、電圧が開放電圧Vocに等しいときの曲線の傾きをgocとして、該曲線を近似式
Figure 0005637398
で近似するステップと、前記非線形微分方程式と前記近似式とを用いて、前記太陽電池セルの寸法と特性との関係を求めるステップと、求められた前記太陽電池セルの寸法と特性との関係に基づいて、太陽電池セルの寸法を設計するステップとを含む太陽電池セルの設計方法を提供する。
上記太陽電池セルの設計方法では、理想太陽電池の電圧と電流との関係を表す曲線を折れ線によって近似することにより、太陽電池セルの分布定数等価回路モデルから得られる、太陽電池セルの特性を求めるための微分方程式を線形化して、数式解として解けるようにし、太陽電池セルの等価回路モデルの特性パラメータや形状設計データから、直接的に太陽電池セルの寸法と特性との関係を表す曲線を求めることができるようにする。
上記太陽電池セルの設計方法では、例えば、前記太陽電池セルの寸法を設計するステップにおいて、前記求められた太陽電池セルの寸法と特性との関係を用いて、前記太陽電池セルに要求される発電電力が得られるように太陽電池セルの寸法を設計することができる。
また、前記太陽電池セルの特性は、例えば電流密度、形状因子又は発電電力とすることができる。
上記太陽電池セルの設計方法では、前記太陽電池セルの出力電圧をVa、前記透明電極抵抗の抵抗値をρs、前記直列抵抗の抵抗値をrc、前記シャント抵抗の抵抗値をrshとおき、
Figure 0005637398
とすると、
前記太陽電池セルの寸法がLp以下となるように選択されることが好ましい。
さらに、前記太陽電池セルの出力電圧をVa、前記透明電極抵抗の抵抗値をρs、前記直列抵抗の抵抗値をrc、前記シャント抵抗の抵抗値をrshとおき、
Figure 0005637398
とすると、
前記太陽電池セルの分布定数回路モデルにおける前記シャント抵抗rshに流れる電流が漏れ電流の大部分を占めるとき、前記太陽電池セルの寸法がLs以下となるように選択されることが好ましい。
また、本発明は、透明電極抵抗と直列抵抗とシャント抵抗とダイオード成分と電流源とを用いて太陽電池セルを表す分布定数等価回路モデルから得た、太陽電池セルの特性を求めるための非線形微分方程式を用いて、太陽電池セルの特性を求めるシミュレーションプログラムであって、理想太陽電池の電圧Vdと電流iiscとの関係を表す曲線のデータとの入力を求めるステップと、前記電流源の電流をiL、入力された前記理想太陽電池の電圧Vdと電流iiscとの関係を表す曲線において、電圧が0のときの曲線の傾きをgsc、電圧が開放電圧Vocに等しいときの曲線の傾きをgocとして、該曲線を近似式
Figure 0005637398
で近似するステップと、前記非線形微分方程式と前記近似式とを用いて、前記太陽電池セルの寸法と特性との関係を求めるステップと、求められた前記太陽電池セルの寸法と特性との関係を表示装置に表示するステップとを実行する、太陽電池セルの特性を求めるためのシミュレーションプログラムを提供する。
本発明によれば、理想太陽電池セルにおける電圧と電流との関係を表す曲線を折れ線によって近似することにより、分布定数等価回路モデルから得られる非線形微分方程式について、特性パラメータ(電流源、ダイオード成分、並列抵抗、直列抵抗、透明電極抵抗)を全て含みながらも線形化して数式解として解くことを可能にする。したがって、各特性パラメータが太陽電池セルの寸法設計への影響を考慮することを可能にしながら、複雑な計算によることなく、太陽電池セルの分布定数等価回路モデルの特性パラメータや形状設計データから、直接的に太陽電池セルの寸法と特性との関係を表す曲線を求めることができるようになる。
(a)及び(b)は太陽電池セルの分布定数等価回路モデルを示す説明図、(c)は本発明に従って理想太陽電池セルの電流−電圧特性曲線を折れ線で近似した近似曲線を示すグラフである。 本発明に従って求めた太陽電池セルの電流密度と出力電圧との関係を示すグラフである。 本発明に従って求めた太陽電池セルの長さと短絡電流及び形状因子との関係を示すグラフである。 太陽電池セルの長さと短絡電流及び形状因子との関係を表す曲線と共に、太陽電池セルの長さと太陽電池セルの出力電力との関係を表す曲線を示したグラフである。 (a)は補助電極で囲まれた太陽電池セルの全体構成を示す全体構成図であり、(b)は補助電極で囲まれた太陽電池セルの短絡電流と長さL及び幅Wとの関係を表す、数値的解法で求めた曲線及び本発明による折れ線近似曲線を示すグラフである。 太陽電池セルの透明電極抵抗が太陽電池セルの特性に与える影響を示すグラフである。 太陽電池セルの開放電圧が太陽電池セルの特性に与える影響を示すグラフである。 太陽電池セルのシャント抵抗が太陽電池セルの特性に与える影響を示すグラフである。 太陽電池セルの電流値及び形状因子と長さとの関係を示すグラフである。 太陽電池セルの構成を示す全体構成図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による太陽電池セルを設計する方法を説明する。なお、本願における「太陽電池セルを設計する方法」とは、太陽電池モジュールなどで使用される太陽電池セルの寸法(例えば太陽電池モジュールにおいて並列に配置される太陽電池セルの長さ)や形状によってセル特性がどのように変化するかを解析し、解析結果に基づいて、要求される仕様が得られるように太陽電池セルの最適な寸法を設計する方法を意味する。また、以下の説明では、太陽電池セルの長さとは、電流の流れる方向(図10における左右方向)を意味する。
太陽電池セルは、図1(a)に示すように、電流源、ダイオード成分、シャント抵抗(すなわち並列抵抗)、直列抵抗を組み合わせて構成した分布定数等価回路モデルによって表すことができる。詳細には、透明電極と下部電極との間に、電流源、ダイオード成分、シャント抵抗とを並列に配置し且つこれと直列に直列抵抗を配置したものを透明電極抵抗を挟んでx方向に並列に複数接続した形態となっている。ここで、シャント抵抗の抵抗値をrsh、直列抵抗の抵抗値rc、透明電極抵抗の抵抗値をρsとし、また、太陽電池セルの長さをL、出力電圧をVaとし、x軸が図中左右方向に延び、左端がx=0、右端がx=Lとなるように定義するものとする。
このような分布定数等価回路モデルにおいて、図1(b)に示されるように、位置xにおける透明電極上の電位及び電流をそれぞれV(x)及びi(x)とすると共に、位置xにおいて、直列抵抗を流れる電流、シャント抵抗を流れる電流、電流源を流れる電流(光起電流)、ダイオード成分を流れる電流を、それぞれ、ic(x)、ish(x)、iL、idとすると、局所的な電圧及び電流から、電気素量q、ボルツマン係数kB、ダイオード因子n、測定温度Tを用いて以下の関係式が得られる。
Figure 0005637398
さらに、上関係式から以下の微分方程式が導かれる。
Figure 0005637398
しかしながら、微分方程式(1)は非線形であり、これを数式解として解くことはできない。このため、従来は、コンピュータを用いた数値的解法により上記非線形微分方程式(1)を解いていた。これに対して、本発明による太陽電池セルを設計する方法では、図1(c)に示されているように、ショックレーモデルによる理想太陽電池の電流−電圧特性(図1(b)で破線によって囲まれた部分においてシャント抵抗rshを無限大としic(x)に相当する電流をiiscとしたときのiiscとVdとの関係)を表す曲線を以下の近似式(2)により近似し、iisc=id+iLと表すことができることと近似式(2)とを利用して、非線形微分方程式(1)を線形化する。
Figure 0005637398
ここで、gscは、理想太陽電池の電流−電圧特性を表す曲線において、電圧が0のときの曲線の傾き、gocは、理想太陽電池の電流−電圧特性を表す曲線において、電圧が開放電圧Vocに等しいときの曲線の傾きである。
このように近似式(2)を用いて微分方程式(1)を線形化することにより、微分方程式(1)の数式解を得ることができ、太陽電池セルの出力特性を解析的に求めることが可能となる。
図2は、近似式(2)を用いて微分方程式(1)を解くことにより求めた太陽電池セルの電流密度(太陽電池セルの出力電流/太陽電池セルの発電部分の表面積)と出力電圧との関係を表すグラフを示す。近似式(2)を用いると、微分方程式(1)が線形化され、数式解を求めることが可能となるので、太陽電池の長さごとに太陽電池セルの電流密度と出力電圧との関係を表す曲線を容易に求めることができ、太陽電池の寸法の設計が容易になる。また、数式解を求めることができるので、例えば表計算ソフトなどを用いて太陽電池セルの電流密度と出力電圧との関係を表す曲線を求めることができるようになり、コンピュータ資源及び労力の大幅な節約を実現することが可能になる。
図3は、近似式(2)を用いて非線形微分方程式(1)を線形化して解くことにより求めた、短絡電流値(jsc/iL)及び形状因子(FF)と太陽電池セルの長さとの関係を表す曲線を示す。図3において、実線で示されているのが、近似式(2)を用いて微分方程式(1)を数式解を求めることにより得られる短絡電流値及び形状因子と太陽電池セルの長さとの関係を表す曲線であり、破線で示されているのが、微分方程式(1)を従来の数値的手法で解くことにより得られる短絡電流値及び形状因子と太陽電池セルの長さとの関係を表す曲線である。図3から、近似式(2)を用いて微分方程式(1)を数式解を求めることにより得られる短絡電流値及び形状因子と太陽電池セルの長さとの関係を表す曲線と、微分方程式(1)を従来の数値的手法で解くことにより得られる短絡電流値及び形状因子と太陽電池セルの長さとの関係を表す曲線とはほぼ一致していることが分かる。なお、正確には、図3では、短絡電流値を理想太陽電池の光起電流iLで割ることにより無次元化した値を示している。
また、近似式(2)を用いて微分方程式(1)を解くにあたって、以下のようなパラメータLp得られる。
Figure 0005637398
太陽電池セルの長さがこのLpとなる位置が図3に矢印で示されており、太陽電池セルの長さがLpを超えると、短絡電流値(実際には短絡電流値jscを光起電流iLによって割った値)が急激に減衰すると共に、形状因子(FF)が減衰しなくなり飽和状態になることが分かる。すなわち、太陽電池セルの長さがLpとなるときに太陽電池セルの最大出力を得ることができると言える。したがって、上記パラメータLpは太陽電池セルの長さの設計指標として利用することができ、太陽電池セルの長さはLp以下となるように選択することが好ましい。また、パラメータLpは長さを所定の値にしたときの太陽電池セルの特性を求めることなく求められるので、Lpを設計指標として利用すれば、太陽電池セルの長さの設計が容易になる。
図4は、近似式(2)を用いることにより、短絡電流値(jsc/iL)及び形状因子(FF)と太陽電池セルの長さとの関係を表す曲線と共に、太陽電池セルの出力電力(正確には出力電力Pを長さL=0の極限における出力電力P0によって割って無次元化した値)と太陽電池セルの長さとの関係を表す曲線とを示したグラフである。図4においても、図3と同様に、太陽電池セルの長さがLpとなる位置が矢印で示されている。
図4から、太陽電池セルの出力電力Pは、太陽電池セルの長さがLp以下の場合、直線的に減衰しており、太陽電池セルの長さL=0の極限における形状因子をF0とすると、太陽電池セルの出力電力Pは、
P〜P0(1−1/(4F0))L/Lp
と表すことができることが分かる。すなわち、太陽電池セルの長さがLp以下の場合、太陽電池セルの特性を求めることなく、出力電力を上式から近似して求めることができる。また、Lpの前後で曲線の傾きが変わっており、Lpは、太陽電池セルの設計の際に、開口率と発電効率とのトレードオフ関係を考えるためにも有用となることが分かる。
また、上記パラメータLpは、長さ方向だけでなく、幅方向(平面において長さ方向と垂直な方向)を含む2次元の特性解析にも適用することが可能である。図5(a)に示されているように、コの字状に補助電極で囲まれた太陽電池セルの寸法を設計する場合において、太陽電池セルの長さをL、幅をWとするとき、L又はW/2をLp以下になるように設計することにより、電流の急激な減衰を防止することができる。すなわち、図5(b)の黒く塗りつぶされた領域(矢印で折れ線モデルと指された領域)から長さL及び幅Wの値を選択することにより、発電効率のよい太陽電池セルを設計することができる。また、本発明による太陽電池セルを設計する方法を用いて、補助電極の形状及び寸法に関する設計も行うことが可能になる。
図6〜図8は、近似式(2)を微分方程式(1)に適用して解くことにより得られた数式解から求めた、透明電極抵抗ρs、開放電圧Voc、シャント抵抗rshが太陽電池セルの特性に与える影響を示すグラフである。
図6(a)及び(b)は、透明電極抵抗ρsの値を変えたときの、太陽電池セルの長さLと電流密度(図6(a))及び形状因子FF(図6(b))との関係、図6(c)はLpと透明電極抵抗ρsとの関係を示し、図7(a)及び(b)は、開放電圧Vocの値を変えたときの、太陽電池セルの長さLと電流密度(図7(a))及び形状因子FF(図7(b))との関係、図7(c)はLpと開放電圧Vocとの関係を示す。透明電極抵抗ρsや開放電極Vocの値に拘わらず、長さの増加に対して電流又は電流密度が急激に減衰する傾向及び長さの増加に対して形状因子FFの減衰が飽和する傾向があり、電流又は電流密度が急激に減衰するポイント及び形状因子FFがほぼ飽和するポイントとLpとの間に相関がある。したがって、Lpを設計指標として使用できることが分かる。
図8(a)及び(b)は、シャント抵抗rshの値を変えたときの、太陽電池セルの長さLと電流密度(図8(a))及び形状因子FF(図8(b))との関係、図8(c)はパラメータLpとシャント抵抗rshとの関係を示す。シャント抵抗rshの値が大きいとき(例えばrsh≧500Ωcmのとき)には、長さの増加に対して電流又は電流密度が急激に減衰する傾向及び長さの増加に対して形状因子FFの減衰が飽和する傾向があり、電流又は電流密度が急激に減衰するポイント及び形状因子FFがほぼ飽和するポイントとパラメータLpとの間に相関がある。したがって、パラメータLpを設計指標として使用できることが分かる。一方、シャント抵抗rshが小さいとき(例えばrsh<500Ωcmのとき)には、上記のような傾向があてはまるとは言えない。このようにシャント抵抗rshが小さいときには、図8(c)から、以下のような指標Lsを導入すれば、Lsが設計指標となることが分かる。
Figure 0005637398
次に、本発明による太陽電池セルの設計方法の手順を説明する。
まず、透明電極抵抗と直列抵抗とシャント抵抗とダイオード成分とを用いた太陽電池セルを表す分布定数等価回路モデルから、太陽電池セルの特性を求めるための非線形微分方程式を求める。非線形微分方程式は例えば上述した式(1)のようになる。
次に、理想太陽電池(図1(b)において破線で囲まれた部分によって構成されると仮定した太陽電池)における電流−電圧特性を求める。理想太陽電池の電流−電圧特性としては、設計しようとする太陽電池セルと同じ材料によって構成された十分に小さな寸法(例えば長さ2mm)の試験太陽電池セルに様々な電圧を印加したときの出力電流を測定することによって実験的に得た電流−電圧特性を用いることができる。
得られた電流−電圧特性の曲線から、iL、Voc、rc、rsh、i0をさらに定めることができる。ここで、iLは分布定数等価回路モデルにおける電流源の電流値である。詳細には、得られた太陽電池セルの電流−電圧曲線において電圧が0のときの電流の値からiLが、電流が0のときの電圧の値からVocが定まる。また、rsh、rcは、それぞれ、得られた試験太陽電池セルの電流−電圧曲線における電圧が0のときの曲線の傾き、電圧が開放電圧Vocに等しいときの曲線の傾きに等しいと近似することにより求めることができる。さらに、上述したようにして求めたiLの値を用いて、得られた試験太陽電池セルの電流−電圧曲線に以下の式(3)をフィッティングすることにより、定数i0を定めることができる。
Figure 0005637398
なお、透明電極抵抗ρsは、透明電極の材料の特性から求めればよい。
次に、得られた理想太陽電池の電圧Vdと電流iiscとの関係を表す曲線において、電圧が0のときの曲線の傾きをgsc、電圧が開放電圧Vocに等しいときの曲線の傾きをgocとして、該曲線を上述した近似式(2)で近似し、非線形微分方程式(1)と近似式(2)とを用いて、太陽電池セルの寸法と特性との関係、例えば、太陽電池セルの長さと、電流密度、形状因子又は出力電力との関係を求める。そして、求められた関係から、太陽電池セルに要求される発電電力が得られるように太陽電池セルの寸法を設計する。
非線形微分方程式(1)と近似式(2)とから、Lpを求め、Lp以下となるように、太陽電池セルの寸法を選択してもよい。Lp以下となるように太陽電池セルの寸法を選択すれば、発電効率のよい太陽電池セルを設計することができる。
本発明は、透明電極抵抗の抵抗値、理想太陽電池の電流−電圧特性データを入力すると、電池非線形微分方程式(1)と近似式(2)とを用いて、太陽電池セルの特性を求め、求められた太陽電池セルの特性をディスプレイなどの表示装置に表示するシミュレーションプログラムとして利用することもできる。

Claims (6)

  1. 透明電極抵抗と直列抵抗とシャント抵抗とダイオード成分と電流源とを用いて太陽電池セルを表す分布定数等価回路モデルから得た、太陽電池セルの特性を求めるための非線形微分方程式を用いて、太陽電池セルを設計する方法であって、
    理想太陽電池における電圧Vdと電流iiscとの関係を表す曲線を求めるステップと、
    前記電流源の電流をiLとし、前記理想太陽電池の電圧Vdと電流iiscとの関係を表す曲線において、電圧が0のときの曲線の傾きをgsc、電圧が開放電圧Vocに等しいときの曲線の傾きをgocとして、該曲線を近似式
    Figure 0005637398
    で近似するステップと、
    前記非線形微分方程式と、前記近似式とを用いて、前記太陽電池セルの寸法と特性との関係を求めるステップと、
    求められた前記太陽電池セルの寸法と特性との関係に基づいて、太陽電池セルの寸法を設計するステップとを含むことを特徴とした太陽電池セルの設計方法。
  2. 前記太陽電池セルの寸法を設計するステップにおいて、前記求められた太陽電池セルの寸法と特性との関係を用いて、前記太陽電池セルに要求される発電電力が得られるように太陽電池セルの寸法を設計する、請求項1に記載の太陽電池セルの設計方法。
  3. 前記太陽電池セルの特性は、電流密度、形状因子又は発電電力である、請求項1又は請求項2に記載の太陽電池セルの設計方法。
  4. 前記太陽電池セルの出力電圧をVa、前記透明電極抵抗の抵抗値をρs、前記直列抵抗の抵抗値をrc、前記シャント抵抗の抵抗値をrshとおき、
    Figure 0005637398
    とすると、
    前記太陽電池セルの寸法がLp以下となるように選択される、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の太陽電池セルの設計方法。
  5. 前記太陽電池セルの出力電圧をVa、前記透明電極抵抗の抵抗値をρs、前記直列抵抗の抵抗値をrc、前記シャント抵抗の抵抗値をrshとおき、
    Figure 0005637398
    とすると、
    前記太陽電池セルの分布定数等価回路モデルにおける前記シャント抵抗rshに流れる電流が漏れ電流の大部分を占めるとき、前記太陽電池セルの寸法がLs以下となるように選択される、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の太陽電池セルの設計方法。
  6. 透明電極抵抗と直列抵抗とシャント抵抗とダイオード成分と電流源とを用いて太陽電池セルを表す分布定数等価回路モデルから得た、太陽電池セルの特性を求めるための非線形微分方程式を用いて、太陽電池セルの特性を求めるためのシミュレーションプログラムであって、
    理想太陽電池の電圧Vdと電流iiscとの関係を表す曲線のデータ入力させるステップと、
    前記電流源の電流をiL、入力された前記理想太陽電池の電圧Vdと電流iiscとの関係を表す曲線において、電圧が0のときの曲線の傾きをgsc、電圧が開放電圧Vocに等しいときの曲線の傾きをgocとして、該曲線を近似式
    Figure 0005637398
    で近似するステップと、
    前記非線形微分方程式と前記近似式とを用いて、前記太陽電池セルの寸法と特性との関係を求めるステップと、
    求められた前記太陽電池セルの寸法と特性との関係を表示装置に表示するステップと、
    を実行することを特徴とする太陽電池セルの特性を求めるためのシミュレーションプログラム。
JP2011176765A 2011-08-12 2011-08-12 太陽電池セルを設計する方法及び太陽電池セルの特性を求めるためのシミュレーションプログラム Expired - Fee Related JP5637398B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011176765A JP5637398B2 (ja) 2011-08-12 2011-08-12 太陽電池セルを設計する方法及び太陽電池セルの特性を求めるためのシミュレーションプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011176765A JP5637398B2 (ja) 2011-08-12 2011-08-12 太陽電池セルを設計する方法及び太陽電池セルの特性を求めるためのシミュレーションプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013041917A JP2013041917A (ja) 2013-02-28
JP5637398B2 true JP5637398B2 (ja) 2014-12-10

Family

ID=47890071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011176765A Expired - Fee Related JP5637398B2 (ja) 2011-08-12 2011-08-12 太陽電池セルを設計する方法及び太陽電池セルの特性を求めるためのシミュレーションプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5637398B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103399491B (zh) * 2013-08-06 2015-06-03 清华大学 光伏发电系统光伏组件机理模型参数辨识方法
CN105207619A (zh) * 2015-10-26 2015-12-30 中国科学院广州能源研究所 光伏组件的诊断方法
CN108664737A (zh) * 2018-05-11 2018-10-16 深圳供电局有限公司 一种考虑局部遮阴的光伏电池仿真模型建立方法及装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009168559A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Tohoku Univ 評価方法、評価装置、評価プログラム、太陽電池解析評価方法
JP5403608B2 (ja) * 2009-09-18 2014-01-29 学校法人東京理科大学 太陽電池アレイの診断方法、及びパワーコンディショナ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013041917A (ja) 2013-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Nguyen et al. Modeling and simulation of solar PV arrays under changing illumination conditions
Lun et al. A new explicit I–V model of a solar cell based on Taylor’s series expansion
Lun et al. An explicit approximate I–V characteristic model of a solar cell based on padé approximants
Banu et al. Modeling and simulation of photovoltaic arrays
Fathabadi Lambert W function-based technique for tracking the maximum power point of PV modules connected in various configurations
Fell et al. Quokka version 2: selective surface doping, luminescence modeling and data fitting
Jung et al. A mathematical model for cell-to-module conversion considering mismatching solar cells and the resistance of the interconnection ribbon
Kong et al. New approach on mathematical modeling of photovoltaic solar panel
Aoun et al. Evaluation and validation of equivalent five-parameter model performance for photovoltaic panels using only reference data
JP5637398B2 (ja) 太陽電池セルを設計する方法及び太陽電池セルの特性を求めるためのシミュレーションプログラム
Guo et al. Analysing solar cells by circuit modelling
Vorasayan et al. Spatially distributed model for the analysis of laser beam induced current (LBIC) measurements of thin film silicon solar modules
Polo et al. Modeling IV curves of photovoltaic modules at indoor and outdoor conditions by using the Lambert function
Devasia et al. Teaching solar cell IV characteristics using SPICE
Sarquis Filho et al. A complete framework for the simulation of photovoltaic arrays under mismatch conditions
Farrell et al. Modeling and simulation of the lateral photovoltage scanning method
Suwanarat et al. Simple and efficient estimation of I–V photovoltaic using nonlinear curve fitting equivalent circuit model in Lambert W function form
Sabry et al. Influence of temperature on methods for determining silicon solar cell series resistance
Zinßer et al. Finite element simulation of electrical intradevice physics of thin-film solar cells and its implications on the efficiency
CN202221470U (zh) 用于太阳能电池的自然光辐照i-v特性测试系统
Sharma et al. Modeling and simulation of photovoltaic cell using Matlab/Simulink
Ramaprabha et al. Development of an improved model of SPV cell for partially shaded solar photovoltaic arrays
Johansson et al. Modelling shading on amorphous silicon single and double junction modules
Jiang et al. Generic photovoltaic system emulator based on lambert omega function
Müller et al. Optimizing the geometry of local aluminum-alloyed contacts to fully screen-printed silicon solar cells

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140826

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140903

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141007

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141008

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5637398

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees