[1.パチンコ遊技機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1〜図7を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する。図1は実施形態に係るパチンコ遊技機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図であり、図2はパチンコ遊技機の正面図であり、図3はパチンコ遊技機の側面図であり、図4はパチンコ遊技機の平面図であり、図5はパチンコ遊技機の背面図であり、図6はパチンコ遊技機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図であり、図7はパチンコ遊技機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。
図1〜図7において、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、遊技場(ホール)の島(パチンコ島設備ともいう、図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、本体枠3に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域605を遊技者が視認し得る遊技窓101とその遊技窓101の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿としての皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に装飾カバー板15を補強するカバー補強金具14が固着されている。また、詳細に図示しないが、外枠2は、上下の木製の上枠板10及び下枠板11と左右の軽合金(アルミニュウム)製の側枠板12,13とを、それぞれの端部を連結するための連結部材19で連結することによって方形状に組み付けられるものである。なお、外枠2の上部に設けられる上支持金具45の支持鉤穴47に、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504が着脱自在に係合されるようになっており、装飾カバー板15の一側上面に設けられる下支持金具66の支持突起68に、本体枠3の枠支持板506に形成される支持穴(図示しない)が挿入されるようになっている。また、開放側の側枠部13の上部には、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる錠装置1000のフック部1054と係合する閉鎖用突起38が取付けられているとともに、開放側の側枠部13の下部には、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる錠装置1000のフック部1065が取付けられている。錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖用突起38,41との係合が外れて本体枠3を前面側に引くことで本体枠3を外枠2に対して開放することができるようになっている。
また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置650と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット1100が取付けられ、本体枠3の後面開口580(図6を参照)を覆うカバー体1250が着脱自在に設けられている。
更に、扉枠5には、上記した皿ユニット300の他に、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット450と、ハンドル装置400とが設けられている。そして、本実施形態の特徴は、扉枠5に設けられる皿ユニット300が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていたハンドル装置400が扉枠5に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見て略同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくした点である。以下、パチンコ遊技機1を構成する部材のうち、扉枠5、本体枠3、打球発射装置650、基板ユニット1100、及び遊技盤4について詳細に説明する。
[2.扉枠の全体構成]
まず、本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図8〜図13を参照して説明する。図8は、扉枠の正面図であり、図9は、扉枠の背面図である。また、図10は、扉枠を右前方から見た斜視図であり、図11は、扉枠を左前方から見た斜視図である。図12は、扉枠の正面から見た分解斜視図であり、図13は、扉枠の背面から見た分解斜視図である。
図8、図9、図12及び図13に示すように、扉枠5は、外形が縦長の矩形状に形成され内周形状が縦長の多角形状とされた遊技窓101を有する扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の上部に取付けられる横長のトップランプ電飾ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の下部に取付けられる皿ユニット300と、扉枠ベースユニット100の後側に遊技窓101を閉鎖するように取付けられるガラスユニット450と、ガラスユニット450の後側下部を被覆するように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられる防犯カバー470とを備えている。この扉枠5における扉枠ベースユニット100には、詳細な説明は後述するが、遊技窓101の左右両側にサイドスピーカ電飾ユニット120を備えており、このサイドスピーカ電飾ユニット120、トップランプ電飾ユニット200、及び皿ユニット300によって、遊技窓101の外周が囲まれた形態となっている。また、扉枠5には、皿ユニット300の正面視左側(開放側)に遊技球の打込操作をするためのハンドル装置400が備えられている。
[2−1.扉枠ベースユニット]
続いて、扉枠5における扉枠ベースユニット100について、主に図14〜図22を参照して説明する。図14(A)は扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠ベースユニットの背面斜視図である。図15は、扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図16は、扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図17は、扉枠ベースユニットにおけるサイドスピーカ電飾ユニットの左ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図18は、図17を後ろから見た分解斜視図である。図19は、扉枠ベースユニットにおけるサイドスピーカ電飾ユニットの右ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図20は、図19を後ろから見た分解斜視図である。更に、図21は、扉枠ベースユニットにおける球送りユニットを分解して示す分解斜視図である。また、図22(A)は扉枠ベースユニットにおけるジョイントユニットの部分を拡大して示す斜視図であり、(B)はジョイントユニットを分解して示す分解斜視図である。
図示するように、扉枠ベースユニット100は、外形が縦長の矩形状に形成されると共に、前後方向に貫通し内周が縦長で多角形状に形成された遊技窓101を有した扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前側で遊技窓101の左右両側に固定されるサイドスピーカ電飾ユニット120と、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製で枠状の補強板金140と、補強板金140の後側に固定される横長の装着台160と、装着台160に固定され皿ユニット300から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ送る球送りユニット170と、扉枠ベース本体110の後側で補強板金140及び装着台160を介して固定される球送りユニット170の略下側に配置され、ハンドル装置400における操作ハンドル部410の回転操作を打球発射装置650へ伝達させるジョイントユニット180とを主に備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース本体110における皿ユニット300の球抜き経路393と対応する位置に形成された球抜き経路開口112を閉鎖する球抜き経路カバー191と、扉枠ベース本体110の後側で遊技窓101よりも下側に固定される扉装飾駆動基板192と、扉装飾駆動基板192を後方から覆う扉装飾駆動基板カバー193と、扉枠ベース本体110の後側でジョイントユニット180の直上に固定されるハンドル中継端子板194と、ハンドル中継端子板194からの配線等を収容可能な配線収容溝110bを後側から閉鎖する配線カバー195と、遊技窓101の左右上部に夫々配置され扉枠ベース本体110の後側に回動可能に軸支される止めレバー196とを備えている。
本実施形態の扉枠ベースユニット100は、合成樹脂からなる矩形状の扉枠ベース本体110の後側に、金属板金をリベット等で組立てた補強板金140が固定されることで、全体の剛性が高められていると共に、トップランプ電飾ユニット200や皿ユニット300等を充分に支持することができる強度を有している。
また、扉装飾駆動基板192は、扉枠5に設けられる電飾部品や電気部品からの配線が集約して接続され、その扉装飾駆動基板192からの配線が本体枠3の裏面に取付けられる基板ユニット1100に組み込まれる扉中継基板1102等を介しての払出制御基板1186や遊技盤4に取付けられる周辺基板ボックス622の周辺制御基板4139(図173を参照)に接続されている。
[2−1−1.扉枠ベース本体]
まず、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110は、図15及び図16等に示すように、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内形が縦長で多角形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓101によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強板金140の上側補強板金141、軸支側補強板金142、及び開放側補強板金143の幅と略同じ幅とされており、正面視における扉枠ベース本体の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大きく形成されている。従って、扉枠5の後側に配置される遊技盤4のより広い範囲を遊技者側から視認できるようになっており、従来のパチンコ遊技機よりも広い遊技領域を容易に形成することができるようになっている。
また、扉枠ベース本体110における遊技窓101よりも下方には、軸支側(正面視で左側)の上部に皿ユニット300の賞球連絡樋343が貫通する賞球通過口111と、賞球通過口111の下方で皿ユニット300における球抜き経路393と対応する位置に形成された球抜き経路開口112と、開放側(正面視で右側)の上部に球送りユニット170を装着するための球送り開口113と、球送り開口113のさらに開放側寄りに後述するシリンダ錠1010が挿通する錠穴114と、球送り開口113の下側でハンドル装置400のカム416が挿通可能なカム挿入開口115とが、扉枠ベース本体110を貫通するように夫々形成されている。
更に、扉枠ベース本体110には、遊技窓101の下端の左右両側に詳細は後述するが防犯カバー470の装着弾性片473を装着するための装着開口部116と、装着開口部116の夫々左右外側に配置され後述するサイドスピーカ電飾ユニット120における左右下側のサイドスピーカ121の後端を逃がすためのスピーカ用開口117とが、貫通するように夫々形成されている。
また、扉枠ベース本体110の後側には、遊技窓101の内周に略沿って前側へ凹みガラスユニット450の前面外周縁が当接可能なガラスユニット支持段部110aと、遊技窓101の下側で下側補強板金144の前面と略対応する位置に前側へ凹んで形成され配線を収容可能な配線収容溝110bと、カム挿入開口115が開口し前側へ向かって凹みジョイントユニット180を取付けるためのジョイントユニット装着凹部110cとを備えている。
更に、扉枠ベース本体110の後側には、その下辺から後方へ所定量突出する扉枠突片110d,110eが形成されており、これら扉枠突片110d,110eが、後述する本体枠3の係合溝584,585内に挿入されることで、扉枠5が本体枠3に対して位置決め係止されるようになっている。なお、扉枠突片110dの後方への突出量は、扉枠突片110eの突出量よりも大きくなるように形成されている。
また、扉枠ベース本体110には、図示するように、その前面上部に、トップランプ電飾ユニット200を固定するための前方へ突出した複数の取付ボス110hが備えられていると共に、その後面に、止めレバー196を回転可能に軸支するための止めレバー取付部110iが備えられている。また、その他に、扉枠ベース本体110には、サイドスピーカ電飾ユニット120、補強板金140、装着台160、皿ユニット300等を固定するための取付ボスや、取付穴が適宜位置に多数形成されている。
[2−1−2.サイドスピーカ電飾ユニット]
続いて、扉枠ベースユニット100におけるサイドスピーカ電飾ユニット120は、扉枠5の前面で遊技窓101の左右両側を電飾(発光装飾)すると共に、遊技窓101の四隅に配置された四つのサイドスピーカ121によって所定の音楽や効果音等を遊技者に対して発することができるものであり、遊技窓の101の軸支側(正面視で左側)に配置される左サイドスピーカ電飾ユニット120Lと、遊技窓101の開放側(正面視で右側)に配置される右サイドスピーカ電飾ユニット120Rとを備えている。このサイドスピーカ電飾ユニット120は、左右のユニット夫々に、縦長の電飾部122と、電飾部122の上下に夫々配置されサイドスピーカ121を有する音響部130とを備え、略左右が対称の構成となっている。
詳述すると、サイドスピーカ電飾ユニット120の電飾部122は、図17〜図20に分解して示すように、縦長の半円柱状で透明なサイド電飾レンズ123と、サイド電飾レンズ123の後側に配置されサイド電飾レンズ123と共に円柱を構成する透明なサイド電飾リフレクタ124と、サイド電飾リフレクタ124の後側に配置されるサイド電飾ベース125と、サイド電飾ベース125の後側に固定されるサイド装飾基板126と、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124の上端及び下端を夫々前側から包み込むように形成されサイド電飾ベース125に取付けられることでサイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124を支持するサイド電飾フラッシュカバー127と、サイド電飾フラッシュカバー127のフラッシュ開口127aを後側から閉鎖する透光性を有したフラッシュレンズ128と、フラッシュレンズ128の後側に配置されサイド電飾ベース125の前面に支持されるフラッシュ基板129とを備えている。
このサイドスピーカ電飾ユニット120の電飾部122は、サイド装飾基板126の前面に、上下方向に所定間隔で様々な色に発光可能な複数のカラーLED126aと、複数のLED126aの上下に高輝度の白色LED126bとが夫々実装されている。また、サイド電飾リフレクタ124及びサイド電飾ベース125におけるサイド装飾基板126のLED126a,126bと対応する位置には、夫々前後方向に貫通する開口部124a,125aが形成されており、サイド装飾基板126に実装されたLED126a,126bからの光が、サイド電飾ベース125の開口部125a、及びサイド電飾リフレクタ124の開口部124aを通して前方へ照射することができるようになっている。
また、電飾部122では、サイド電飾レンズ123とサイド電飾リフレクタ124の透明な円柱内の内側に、サイド電飾レンズ123の内周全体とサイド電飾リフレクタ124の内周の一部にかかるように断面略U字状のサイドレンズシート123aが配置されている。このサイドレンズシート123aは、透過光や反射光を、パール状或いは彩光状に見せる公知の光学シートにより形成されおり、遊技者側から見ると、このサイドレンズシート123aによって、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124により形成された透明な円柱(パイプ)内に、あたかも蛍光管(蛍光管)が配置されたような外観を呈することができるようになっている。
更に、電飾部122では、サイド電飾リフレクタ124に、サイド装飾基板126の複数のLED126aと対応して形成された複数の開口部124aを、上下方向に三つのグループに分割する分割壁124bを備えており、この分割壁124bによって所定のLED126aからの光が他のグループへ進入するのを抑制するようにしている。つまり、分割壁124bによって、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124によって形成される蛍光管を上中下の三つに明確に分割することができるようになっている。従って、サイド装飾基板126に実装された複数のLED126aを適宜発光させることで、蛍光管を全体的あるいは部分的に発光させたり、上中下の各部分毎に様々な色に発光させたりすることができるようになっている。
また、サイド電飾リフレクタ124には、サイド装飾基板126における上下のLED126bと対応した位置に、前側から凹んだレンズ凹部124cが形成されており、このレンズ凹部124cに前側から半円形状のサブレンズ122a(図19及び図20を参照)が挿入されるようになっている。本実施形態の電飾部122は、このサブレンズ122a及びLED126bにより、LED126aを発光させる前に、LED126bのみを強く発光させることで、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124によって形成される蛍光管をあたかも本物の蛍光灯のように、両端のみが光ってから点灯するような発光演出をすることができるようになっている。
更に、電飾部122は、サイド電飾フラッシュカバー127の後側に支持されるフラッシュ基板129の前面に強い光を発光可能なフラッシュライト129a(例えば、超高輝度白色LED等)が取付けられており、このフラッシュライト129aを発光させることで、閃光(フラッシュ)を遊技者側へ照射させることができるようになっている。
サイドスピーカ電飾ユニット120の音響部130は、最前部に配置され略円形のスピーカ開口131aを有したスピーカ飾り131と、スピーカ飾り131のスピーカ開口131aを後側から閉鎖するパンチングメタルからなる略円盤状のスピーカカバー132と、スピーカカバー132の後側に配置されスピーカ飾り131と協働してスピーカカバーを狭持し円形のスピーカ前支持口133aを有した飾りスペーサ133と、飾りスペーサ133のスピーカ前支持口133aを後側から閉鎖するように配置されるサイドスピーカ121と、サイドスピーカ121の外周に後側から嵌合するスピーカ嵌合口134aを有した裏押え部材134とを主に備えている。
この音響部130は、図示するように、スピーカ飾り131や飾りスペーサ133、及び裏押え部材134の形状が、取付けられる位置に応じて異なる形状とされている。具体的には、図17及び図18に示すように、正面視で左上の音響部130では、スピーカ飾り131が円筒状に形成された上で左側から外方へ延び出す装飾部131bを有し、飾りスペーサ133がスピーカ飾り131内へ挿入可能な円筒状とされると共に、裏押え部材134にはスピーカ飾り131の装飾部131bと組になる裏押え装飾部134bが形成されている。なお、左上の音響部130には、裏押え部材134の裏押え装飾部134bの上部に配置され補強板金140における上軸支部146の軸ピン145よりも下側を覆うヒンジカバー135を更に備えている。また、正面視で左下の音響部130では、スピーカ飾り131が装飾部131bを有した板状に形成されると共に、飾りスペーサ133がスピーカ飾り131の装飾部131bと組になるスペーサ装飾部133bを有した板状に形成され、裏押え部材134がリング状に形成されている。
一方、図19及び図20に示すように、正面視で右上の音響部130では、スピーカ飾り131が円筒状に形成されると共に、飾りスペーサ133と裏押え部材134とがスピーカ飾り131内へ挿入可能な円筒状に形成されている。また、正面視で右下の音響部130では、スピーカ飾り131が円環状に形成された上で、飾りスペーサ133がスピーカ飾り131の後面と当接するスペーサ装飾部133bを有した平板状に形成されると共に、裏押え部材134がリング状に形成されている。なお、右下の音響部130では、裏押え部材134の更に後側に、裏押え部材134を前側から挿通固定可能な貫通する裏押え部材固定口136aを有した飾りベース136を更に備えている。
本実施形態のサイドスピーカ電飾ユニット120における四つのサイドスピーカ121は、図示するように、遊技窓101の上下左右の四隅に配置されており、蓋然的に、遊技する遊技者の頭部に対しても上下左右の位置に配置されるようになっているので、各サイドスピーカ121に対して独立した音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、後述する下部スピーカ391を加えた2.1chサラウンド信号或いは4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができるようになっている。なお、本実施形態のサイドスピーカ121は、主に中音域から高音域を担当し、下部スピーカ391は、低音域を担当するものとなっている。
[2−1−3.補強板金]
次に、扉枠ベースユニット100における補強板金140は、主に図15及び図16に示すように、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取付けられる上側補強板金141と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取付けられる軸支側補強板金142と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取付けられる開放側補強板金143と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取付けられる下側補強板金144と、が相互にビス等で締着されて方形状に形成されている。
この補強板金140は、図15に示すように、軸支側補強板金142の上下端部に、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン145を有する上軸支部146と、その下面に軸ピン147(図9を参照)を有する下軸支部148と、が一体的に形成されている。そして、上下の軸ピン145,147が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具503及び下軸支金具509に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に設けられるものである。
また、補強板金140の下側補強板金144は、所定幅を有して扉枠ベース本体110の横幅寸法と略同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁が後方に向って折曲した下折曲突片149となっており(図16を参照)、上方長辺端縁の両側部が後方に向って折曲した上折曲突片150となっているものの、その両側部の上折曲突片150に挟まれる部分が垂直方向に延設される垂直折曲突片151となっている。下折曲突片149の突出量はあまり大きくなく、この下折曲突片149が溝部や凹部と係合して凹凸係合をなすものではなく、強度を高めるために形成されているのに対し、両側部の上折曲突片150の突出量は下折曲突片149の突出量よりもやや大きく下方からの不正具の侵入を多少防止するが、むしろ、本実施形態における下側補強板金144の構成で最も特徴的な構成は、垂直折曲突片151である。
この垂直折曲突片151は、その上端縁形状が後述するガラスユニット450のユニット枠451の下端形状に合致するように凹状に形成され、ガラスユニット450を扉枠5の裏面側に固定したときに、垂直折曲突片151の上端片がガラスユニット450のユニット枠451における幅方向(前後方向)の略中央の外周に沿って形成される係合溝451cに係合するようになっている。なお、下側補強板金144には、扉枠ベース本体110に形成された賞球通過口111の底面を除く外周を保護する賞球通過口被覆部152が形成されている。
また、補強板金140の開放側補強板金143には、上側補強板金141と下側補強板金144との間の長辺の両側に、後方へ向かって屈曲された開放側外折曲突片153及び開放側内折曲突片154が夫々形成されており、開放側外折曲突片153よりも開放側内折曲突片154の方が後方へ長く延び出したように形成されている。また、上側補強板金141には、その長辺の両側に後方へ向かって屈曲された屈曲突片155,156が夫々形成されている。更に、軸支側補強板金142には、その長辺の外側端に後方へ延び出した軸支側L字状折曲突片157が形成されている。また、開放側補強板金143の後側のほぼ上部、中央部及び下部には、錠装置1000の扉枠用フック部1041と係合するフックカバー158が夫々取付けられている。なお、錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖用突起38,41との係合が外れて本体枠3を前面側に引くことで本体枠3を外枠2に対して開放することができるようになっているが、その一方向と反対方向に回動することにより、扉枠5のフックカバー158と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041との係合が外れて扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができるようになっている。
[2−1−4.装着台・球送りユニット]
次に、扉枠ベースユニット100における装着台160及び球送りユニット170について説明する。まず、装着台160は、図9、図15、及び図16に示すように、扉枠ベースユニット100の板部裏面の上半分を覆うように取付けられ、防犯カバー470と同様に透明な合成樹脂によって前方が開放した横長直方体状に形成されている。この装着台160は、発射レール515から発射された球をスムーズに遊技盤4に導くために、扉枠5を閉めたときに装着台160の後面と本体枠3の板部511とによって発射レール515を挟持するように形成されており、装着台160の後面に球飛送誘導面161が形成されている。ところで、本実施形態に係る装着台160には、その軸支側上部に下側補強板金144に形成される賞球通過口被覆部152の後方突出部を貫通させる賞球通過口用開口162が形成されており、その開放側下部に球送りユニット170を取付ける球送りユニット取付凹部163が形成されている。この球送りユニット取付凹部163から斜め方向の領域が球飛送誘導面161となっている。
また、装着台160の中程下部には、後述する球抜き経路カバー191、扉装飾駆動基板192及び扉装飾駆動基板カバー193を取り外す際に指を入れることができる蓋用切欠き164が形成されていると共に、装着台160の上辺の一部には、垂直に立設される立壁165が形成されている。この立壁165は、図9に示すように、防犯カバー470を取付けたときに、防犯カバー470の前面と当接して防犯カバー470の下部が前方に移動しないように規制するためのものである。
更に、この装着台160には、上述した球飛送誘導面161の下方から賞球通過口用開口162にかけて斜め状に後方へ向かって突設された防犯突片166を備えている。この防犯突片166は、前述したように、本体枠3の板部511に形成される防犯空間586との間で、扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
一方、球送りユニット170は、図21に示すように、球送りユニット取付凹部163に固定される箱状の本体部171と、本体部171の支持軸171aに回動可能に軸支された球送り部材172と、球送り部材172の球受部を上方へ回動させると共に回転可能に球送り部材172に軸支された錘173とを備えている。この球送りユニット170は、球送り部材172が後述する打球発射装置650の打球槌687の往復動差に対応して揺動することで、皿ユニット300の第三傾斜面311cの流下端にある球を、本体部171に形成された打球供給口171bを通して発射レール515の発射位置に1個ずつ供給するものである。
なお、図中の符号174は、Eリングであり、本体部171の支持軸171aから球送り部材172が抜けるのを防止したり、球送り部材172から錘173が抜けるのを防止したりするものである。
[2−1−5.ジョイントユニット]
続いて、扉枠ベースユニット100におけるジョイントユニット180について説明する。ジョイントユニット180は、図22に示すように、扉枠ベース本体110のジョイントユニット装着凹部110cの内部に収納されて横方向にスライド可能なスライド体182と、スライド体182が収納された状態でジョイントユニット装着凹部110cの前面を被覆するカバー体184とから構成されている。
扉枠ベース本体110のジョイントユニット装着凹部110cは、前面が開放した直方体の箱状に形成され、その後面にカム挿入開口115が開設されている。また、ジョイントユニット装着凹部110cの一つの略対角線状に位置する隅部には、ジョイントユニット180のカバー体184を固定するための一対の取付穴110fが形成されている。更に、ジョイントユニット装着凹部110cの内側面の上辺及び底辺には、スライド体182の上下辺の外側面と当接してスライド体182がスムーズに移動できるようにするための円弧状の当接凸部110g(図22(B)では下辺の当接凸部110gだけを図示し、上辺の当接凸部110gは図示省略されている。)が突設されている。
一方、ジョイントユニット180のスライド体182は、ジョイントユニット装着凹部110cとカバー体184とによって形成される空間内に左右方向に移動可能に収納されるように、ジョイントユニット装着凹部110cよりも小さな後面が開放した直方体の箱状に形成され、その後面壁には、後方へ所定量突出し略水平方向に並んで配置された二つの案内突起182aと、背面視で右側の案内突起182aの下側に配置され後方へ突出する板状のスライド突片183と、二つの案内突起182aの間でスライド突片183よりも背面視で左側に後述するハンドル装置400の配線通し筒部428が貫通するように穿設された矩形状の筒部材貫通開口182bとを備えている。このスライド体182のスライド突片183は、スライド時の進行方向(背面視で右方向)が斜めにカットされた傾斜辺183aとなっている。また、スライド体182の前面壁には、ハンドル装置400における回転軸415の先端部に固定されるカム416が収納されるカム係合凹部182cがリブによってコ字形状に形成されている。そして、カム係合凹部182cを形成するリブの一部の垂直部分がカム係合凹部182c内に突出するように円弧状のリブとして形成され、その部分がカム416と当接するカム当接部182dとなっている。
また、ジョイントユニット180のカバー体184は、前面が開放した直方体の箱状に形成され、その前面にスライド体182の前面に突設される円筒ボス状の案内突起182aが挿入されてスライド体182の移動を案内する横長穴状の2つの案内横穴194aと、スライド体182の前面に突設されるスライド突片183が挿通される挿通横穴184bと、操作ハンドル部410の後握り部材413の後端に取付けられてカム挿入開口115から挿入される配線通し筒部428の後端部が臨む配線開口184cと、ジョイントユニット装着凹部110cの取付穴110fと対応する位置から外方へ突出するように形成された取付穴184dとを備えている。この取付穴184dを介してジョイントユニット装着凹部110cの取付穴110fへ所定のビス(図示しない)を止着することで、カバー体184をジョイントユニット装着凹部110cに取付けることができるようになっている。
ジョイントユニット180のスライド体182とカバー体184とをジョイントユニット装着凹部110cに組み付けるには、ジョイントユニット装着凹部110cにスライド体182を収納し、その状態でカバー体184を前方から被覆する。被覆する際には、案内突起182aが案内横穴194aに、スライド突片183が挿通横穴184bに、夫々挿通するようにする。そして、被覆した後には、取付穴184dを介して取付穴110fにビスで螺着することにより、スライド体182を内部に収納した状態となってジョイントユニット180の組み付けが終了する。
[2−2.トップランプ電飾ユニット]
次に、扉枠5におけるトップランプ電飾ユニット200について、主に図23〜図30を参照して説明する。図23(A)はトップランプ電飾ユニットの正面斜視図であり、(B)はトップランプ電飾ユニットの背面斜視図であり、図24はトップランプ電飾ユニットを斜め前下から示す斜視図である。図25(A)はトップランプ電飾ユニットを主な構成毎に分解して前から示す分解斜視図であり、(B)は(A)を後から示す分解斜視図である。また、図26はトップランプ電飾ユニットにおけるトップランプリフレクタユニットを分解してトップランプベースと共に前から示す分解斜視図であり、図27は図26を後から示す分解斜視図である。更に、図28はトップランプ電飾ユニットにおける左回転灯を分解して示す分解斜視図であり、図29はトップランプ電飾ユニットにおける右回転灯を分解して示す分解斜視図であり、また、図30はトップランプ電飾ユニットにおける中央回転灯を分解して示す分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5におけるトップランプ電飾ユニット200は、図24にも示すように、左右方向に並んだ三つの回転灯244,264,284(所謂、パトライト(登録商標))を備えており、それら回転灯244,264,284の大きさは正面視で左側から順に大きなものが配置されている。このトップランプ電飾ユニット200は、横長で箱状のトップランプベース210と、トップランプベース210の前面に固定されると共にトップランプベース210を挟んで扉枠ベースユニット100の前面上部に固定されるトップランプリフレクタユニット220と、トップランプリフレクタユニット220の前面に取付けられる左回転灯ユニット240、右回転灯ユニット260、及び中央回転灯ユニット280と、左回転灯ユニット240、右回転灯ユニット260、及び中央回転灯ユニット280の前面を夫々覆いトップランプリフレクタユニット220に取付けられる回転灯カバー201,202,203と、トップランプリフレクタユニットの略中央下面を覆うリフレクタインナ204と、を主に備えている(図25を参照)。
また、トップランプ電飾ユニット200には、トップランプベース210の前側右に固定されるトップランプ電源基板205と、トップランプベース210の後側に固定される二つのトップランプ基板206とを更に備えている。このトップランプ電源基板205は、トップランプ電飾ユニット200のほかに、皿ユニット300、サイドスピーカ電飾ユニット120、及び後述するガラスユニット450等の各種基板に基準電圧を供給するためのものである。また、トップランプ基板206は、トップランプリフレクタユニット220内のLEDや、中央回転灯ユニット280内のLED、及び各回転灯ユニット240,260,280のモータ245,265,285等の発光や駆動は、後述する周辺制御基板4139によって制御されている。
[2−2−1.トップランプベース]
次に、トップランプ電飾ユニット200におけるトップランプベース210は、図26及び図27に示すように、上面及び左右側面が扉枠ベースユニット100の上辺及び左右側辺と略沿った形状とされると共に、下面が扉枠ベースユニット100の遊技窓101と略沿った形状とされ、横長で前後方向の中間で仕切られたような箱状に形成されている。このトップランプベース210は、その外周沿った位置に、後側から扉枠ベース本体110の取付ボス110hが挿通されると共に、前側からトップランプリフレクタユニット220から後方へ突出する取付ボス221iの後端が嵌合して夫々を位置決めし、所定のビスが挿通可能な挿通孔を有した略筒状の取付ボス部211を複数備えている。この取付ボス部211に対して、後方から扉枠ベースユニット100の取付ボス110hの先端を挿入すると共に、前方からトップランプリフレクタユニット220の取付ボス221iの後端を挿入し、扉枠ベースユニット100の後側から所定のビスをトップランプリフレクタユニット220の取付ボス221iへ止着することで、トップランプベース210(トップランプ電飾ユニット200)が扉枠ベースユニット100に取付固定されるようになっている。
また、トップランプベース210には、トップランプリフレクタユニット220から後方へ突出する固定ボス221jの後端が嵌合し所定のビスが通過可能な挿通孔を有した複数の固定ボス部212が備えられている。この固定ボス部212を介して後側からトップランプリフレクタユニット220の固定ボス221jへ所定のビスを止着することで、トップランプベース210とトップランプリフレクタユニット220とを互いに組付けることができるようになっている。
更に、トップランプベース210には、正面視で右側端部付近に、トップランプ電源基板205の接続コネクタ205aが挿通可能なコネクタ開口部213を備えており、このコネクタ開口部213を介してコネクタ205aがトップランプベース210の後側から臨むようになっている。また、トップランプベース210の後側の左右には、夫々基板取付部214が備えられており、この基板取付部214にトップランプ基板206が取付けられるようになっている。
[2−2−2.トップランプリフレクタユニット]
続いて、トップランプ電飾ユニット200におけるトップランプリフレクタユニット220について説明する。本実施形態のトップランプリフレクタユニット220は、図26及び図27にも示すように、トップランプベース210を前方から被覆可能とされ後側が開放された箱状のリフレクタベース221を備えている。このリフレクタベース221は、前面に三つの回転灯244,264,284が並んで取付けられる、中央の回転灯284と左右の回転灯244,264との間が、前方へ大きく突出する筒状の円筒部221aと、円筒部221aから下方へ垂下すると共に下方へ向かうに従って後方へ傾斜する傾斜部221bとによって仕切られている。このリフレクタベース221は、円筒部221aには略円形の開口部が形成されていると共に、傾斜部221bには上下方向に三つ並んだ矩形状の開口部が形成されている(図24を参照)。また、リフレクタベース221には、左右両端に前方へ突出する縦長の膨出部221eを備えており、この膨出部221eの前面に縦長に開口する矩形状のスリット221fが形成されている。このリフレクタベース221は、図示するように、二つの円筒部221a及び傾斜部221bと、二つの膨出部221eによって、三つの回転灯244,264,284の取付位置が後方へ凹んだような形状となっている。
また、リフレクタベース221は、二つの円筒部221a及び傾斜部221bとの間(中央の回転灯284が配置される位置)が、後方へ凹んだ緩やかな湾曲面形状とされていると共に、二つの円筒部221a及び傾斜部221bとの間に、左右方向略中央を挟んだ左右に正面視で略台形状に貫通するレンズ開口部221gが形成されている。更に、リフレクタベース221には、各回転灯244,264,284を備えた各回転灯ユニット240,260,280の回転灯ユニットベース241,261,281の前端が後側から通過可能な回転灯取付口221hが形成されている。また、リフレクタベース221には、トップランプベース210の取付ボス部211と嵌合する後方へ突出した複数の取付ボス221iと、トップランプベース210の固定ボス部212と嵌合し後方へ突出した複数の固定ボス221jとを備えている。なお、詳細な図示は省略するが、リフレクタベース221には、トップランプベース210を介さずに、扉枠ベースユニット100へ直接取付けられる取付ボス221kも備えられている。
ところで、トップランプリフレクタユニット220は、リフレクタベース221の他に、リフレクタベース221の後側で左右方向略中央に固定される一対のトップインナレンズ222と、トップインナレンズ222の後側でリフレクタベース221のレンズ開口部221gと対応した位置に配置される一対のレンズシート223と、レンズシート223の後側に配置され前面に複数のカラーLED224aが実装された一対のリフレクタ装飾基板224と、リフレクタベース221における円筒部221a内に後側から挿入され開口部221cを閉鎖する透明な丸レンズ225と、丸レンズ225及びトップインナレンズ222を挟んでリフレクタベース221の円筒部221a及び傾斜部221bの後側に配置され前面にカラーLED226aが実装された一対の仕切装飾基板226とを備えている。
このトップインナレンズ222は、透明な樹脂により形成されており、リフレクタベース221のレンズ開口部221gを閉鎖する略台形で湾曲面状の湾曲レンズ部222aと、リフレクタベース221における傾斜部221bの三つの開口部221dを閉鎖する仕切レンズ部222bと、丸レンズ225の後端と当接する丸レンズ支持部222cとを備えている。なお、湾曲レンズ部222aの上下辺には鋸状の拡散レンズ部222dが形成されており、湾曲レンズ部222aとは異なる態様で発光することができると共に、発光していない時でも前側からの光を乱反射させることができるようになっている。
また、トップインナレンズ222には、拡散レンズ部222dの後側から後方へ板状に突出する突出片222eと、上下の突出片に挟まれ湾曲レンズ部222aの後側にレンズシート223を支持する支持凹部222fとが形成されている。なお、図示するように、リフレクタ装飾基板224では複数のLED224aが、トップインナレンズ222の突出片222eと対応した位置に列設されていると共に、トップインナレンズ222の湾曲面レンズ部222aと対応した位置にも分散配置されている。これにより、トップインナレンズ222の湾曲レンズ部222aと拡散レンズ部222dとでは、夫々異なる態様で発光させることができるようになっている。
なお、レンズシート223は、リフレクタ装飾基板224に実装されたLED224aからの透過光や、他の光源等からの反射光を、パール状或いは彩光状に見せる公知の光学シートとされている。また、仕切装飾基板226に実装されたカラーLED226aは、超高輝度LEDとされており、強い閃光を発することができるようになっている。
更に、トップランプリフレクタユニット220には、リフレクタベース221の左右の膨出部221eに形成された縦長のスリット221fを閉鎖するトップサイドレンズ227と、トップサイドレンズ227の上端を前側から固定するトップサイドレンズ押え228と、トップサイドレンズ227及びリフレクタベース221の後側に配置されるレンズシート229と、リフレクタベース221の後側に固定されることでレンズシート229を狭持するトップサイド基板ベース230と、トップサイド基板ベース230に固定されレンズシート229を介して前方のトップサイドレンズ227へ光を照射可能なカラーLED231aが前面に実装されたトップサイド基板231とを更に備えている。
このトップサイドレンズ227は、透明な樹脂により平面視でく字状に形成されると共に、上下の端部に夫々係止片227a,227bが形成されており、下端の係止片227bをリフレクタベース221におけるスリット221fの下端と係止させた上で、上端の係止片227aをトップサイドレンズ押え228により押えることで、リフレクタベース221に取付けられるようになっている。また、トップサイドレンズ227の後側に配されるレンズシート229は、上記のレンズシート223と同様の光学シートで形成されていると共に、図示するように、湾曲状に形成されており、リフレクタベース221に取付けられることで、トップサイドレンズ227の後側に、あたかも円柱状の蛍光管が配置されているような外観を呈することができるようになっている。
また、トップサイド基板ベース230は、図示するように、縦長の矩形枠状に形成され、その枠内を通して後側に固定されるトップサイド基板231のLED231aからの光が、レンズシート229及びトップサイドレンズ227を介して前面へ光を照射することができるようになっている。
[2−2−3.回転灯ユニット]
次に、トップランプ電飾ユニット200における三つの回転灯ユニット240,260,280について説明する。まず、左回転灯ユニット240は、図28に示すように、上下方向に貫通する円形状の開口241aを有し、その開口241aがリフレクタベース221の回転灯取付口221hから前側へ突出した位置となるようにリフレクタベース221の後側に固定される回転灯ユニットベース241と、回転灯ユニットベース241の開口241aと同軸上に配置され回転灯ユニットベース241の上面に固定される略円環状の回転部ベース242と、回転部ベース242と同軸上に配置され回転部ベース242の上面に摺動回転可能に載置される回転灯ベースギア243と、回転灯ベースギア243から垂下するようにその下面に固定される回転灯244と、回転灯ベースギア243の軸線と略平行でリフレクタベース221の回転灯取付口221hよりも後側の軸線上に配置され回転軸245aが回転灯ユニットベース241の上面から上方へ突出するように回転灯ユニットベース241の下面に固定される左回転灯モータ245と、左回転灯モータ245の回転軸245aに固定され回転灯ベースギア243と噛合する伝達ギア246と、回転灯ベースギア243の全体及び伝達ギア246の一部を上方から覆うと共に回転灯ベースギア243を回転部ベース242と協働して軸支し、回転灯ユニットベース241に固定される回転部ホルダ247と、回転灯ベースギア243と同軸上で回転部ホルダ247の下面に固定され、下方の回転灯244へ向かって発光可能な高輝度のカラーLED248aを有した左回転灯基板248と、を備えている。
また、左回転灯ユニット240は、回転部ホルダ247を上方から覆う回転灯ユニットカバー249と、回転灯244の回転位置を検出する左回転位置検出センサ250と、左回転位置検出センサ250が実装された左回転位置検出基板251と、を更に備えている。
この左回転灯ユニット240の回転灯ユニットベース241は、その上面に開口241aの内周に略沿って形成された取付段部241bと、開口241aよりも後側の位置で下方へ向かって垂下しリフレクタベース221の後側に取付けられる取付部241cと、開口241aの後側に配置され左回転灯モータ245を固定するモータ固定部241dとを備えており、この取付段部241b内に上方から回転部ベース242が嵌合するようになっている。また、回転部ベース242には、回転灯ユニットベース241の開口241aと同軸上で小径の軸支口242aと、回転灯ベースギア243の外周よりも外側となる上面の所定位置に左回転位置検出基板251の下端を支持する基板支持部242bと、基板支持部242bよりも後方に配置され左回転灯基板248及び左回転位置検出基板251に接続される配線を係止する配線係止部242cとを備えている。
また、回転灯ベースギア243は、外径が回転部ベース242の軸支口242aよりも大径の円環状の平歯車とされ、下面から下方へ向かって延び回転部ベース242の軸支口242a内に挿通可能な円筒状のギア軸筒(図示は省略)と、ギア軸筒よりも小径で上下方向に貫通する軸支穴243aと、下面の外周から半径方向外方へ突出した回転位置検出片243bとを備えている。この回転灯ベースギア243の軸筒の外径は、回転部ベース242の軸支口242aの内径よりも若干小径とされており、軸支口242a内へ挿入されることで、回転灯ベースギア243が軸支口242aと略同軸上に回転することができるようになっている。また、左回転灯ユニット240では、回転灯ベースギア243の回転位置検出片243bを、左回転位置検出センサ250で検出することで、回転灯244の回転位置を検出することができるようになっている。
更に、回転部ホルダ247は、図示は省略するが、回転部ベース242の軸支口242aと同軸上となる位置に下方へ突出し回転灯ベースギア243の軸支穴243a内へ挿通可能な円筒状のホルダ軸筒が形成されている。このホルダ軸筒の外径は、回転灯ベースギア243の軸支穴243aよりも若干小径とされており、ホルダ軸筒を回転灯ベースギア243の軸支穴243aへ挿入することで、回転灯ベースギア243をホルダ軸筒と略同軸上に回転させることができるようになっている。つまり、本実施形態の左回転灯ユニット240では、回転部ベース242の軸支口242a、回転灯ベースギア243のギア軸筒及び軸支穴243a、回転部ホルダ247のホルダ軸筒によって、回転灯ベースギア243が回転可能に軸支されている。なお、回転部ホルダ247のホルダ軸筒の下端に、左回転灯基板248が固定されるようになっている。また、回転部ホルダ247には、図示は省略するが、その下面の回転部ベース242の基板支持部242bと対応する位置に、左回転位置検出基板251の上端を支持する基板支持部が形成されており、左回転位置検出基板251が回転部ベース242と回転部ホルダ247とで狭持固定されるようになっている。
また、左回転灯ユニット240の回転灯244は、図示するように、回転灯ベースギア243の下側に配置される透明な円盤状の回転灯レンズ252と、回転灯レンズ252の下側に配置され回転灯ベースギア243の下面に固定されるリフレクタ253と、リフレクタ253を覆うリフレクタカバー254とで構成されている。この回転灯244のリフレクタ253は、表面に金属光沢を有したメッキ処理が施されており、円盤状のベース部253aと、ベース部253aの中央に穿設された開口部253bと、ベース部253aの下面から下方へ垂下する湾曲状の反射部253cと、ベース部253aの上面から上方へ延びだし上端が回転灯ベースギア243と当接可能な複数の取付ボス253dと、を備えている。
この回転灯244は、リフレクタ253の開口部253bから回転灯レンズ252の下面が臨むようになっていると共に、回転灯レンズ252にはリフレクタ253の取付ボス253dを挿通可能な挿通孔252aが形成されており、挿通孔252aに取付ボス253dを挿通させた上で、取付ボス253dを回転灯ベースギア243へ固定することで、回転灯レンズ252が回転灯ベースギア243とリフレクタ253との間に狭持固定されるようになっている。また、回転灯244のリフレクタカバー254は、平面視で略正八角形状とされ、上方が開放された箱状となっていると共に、リフレクタ253における反射部253cの内面側と対向する側面に開口部254aが形成されている。
続いて、右回転灯ユニット260は、図29に示すように、上下方向に貫通する円形状の開口261aを有し、その開口261aがリフレクタベース221の左側の回転灯取付口221hから前側へ突出した位置となるようにリフレクタベース221の後側に固定される回転灯ユニットベース261と、回転灯ユニットベース261の開口261aと同軸上に配置され回転灯ユニットベース261の上面に固定される略円環状の回転部ベース262と、回転部ベース262と同軸上に配置され回転部ベース262の上面に摺動回転可能に載置される回転灯ベースギア263と、回転灯ベースギア263から垂下するようにその下面に固定される回転灯264と、回転灯ベースギア263の軸線と略平行でリフレクタベース221の回転灯取付口221hよりも後側の軸線上に配置され回転軸265aが回転灯ユニットベース261の上面から上方へ突出するように回転灯ユニットベース261の下面に固定される右回転灯モータ265と、右回転灯モータ265の回転軸265aに固定され回転灯ベースギア263と噛合する伝達ギア266と、回転灯ベースギア263の全体及び伝達ギア266の一部を上方から覆うと共に回転灯ベースギア263を回転部ベース262と協働して軸支し、回転灯ユニットベース261に固定される回転部ホルダ267と、回転灯ベースギア263と同軸上で回転部ホルダ267の下面に固定され、下方の回転灯264へ向かって発光可能な高輝度のカラーLED268aを有した右回転灯基板268と、を備えている。
また、右回転灯ユニット260は、回転部ホルダ267を上方から覆う回転灯ユニットカバー269と、回転灯264の回転位置を検出する右回転位置検出センサ270と、右回転位置検出センサ270が実装された右回転位置検出基板271と、を更に備えている。
この右回転灯ユニット260の回転灯ユニットベース261は、その上面に開口261aの内周に略沿って形成された取付段部261bと、開口261aよりも後側の位置で下方へ向かって垂下しリフレクタベース221の後側に取付けられる取付部261cと、開口261aの後側に配置され右回転灯モータ265を固定するモータ固定部261dとを備えており、この取付段部261b内に上方から回転部ベース262が嵌合するようになっている。また、回転部ベース262には、回転灯ユニットベース261の開口261aと同軸上で小径の軸支口262aと、回転灯ベースギア263の外周よりも外側となる上面の所定位置に右回転位置検出基板271の下端を支持する基板支持部262bと、基板支持部262bよりも後方に配置され右回転灯基板268及び右回転位置検出基板271に接続される配線を係止する配線係止部262cとを備えている。
また、回転灯ベースギア263は、外径が回転部ベース262の軸支口262aよりも大径の円環状の平歯車とされ、下面から下方へ向かって延び回転部ベース262の軸支口262a内に挿通可能な円筒状のギア軸筒(図示は省略)と、ギア軸筒よりも小径で上下方向に貫通する軸支穴263aと、下面の外周から半径方向外方へ突出した回転位置検出片263bとを備えている。この回転灯ベースギア263の軸筒の外径は、回転部ベース262の軸支口262aの内径よりも若干小径とされており、軸支口262a内へ挿入されることで、回転灯ベースギア263が軸支口262aと略同軸上に回転することができるようになっている。また、右回転灯ユニット260では、回転灯ベースギア263の回転位置検出片263bを、右回転位置検出センサ270で検出することで、回転灯264の回転位置を検出することができるようになっている。
更に、回転部ホルダ267は、図示は省略するが、回転部ベース262の軸支口262aと同軸上となる位置に下方へ突出し回転灯ベースギア263の軸支穴263a内へ挿通可能な円筒状のホルダ軸筒が形成されている。このホルダ軸筒の外径は、回転灯ベースギア263の軸支穴263aよりも若干小径とされており、ホルダ軸筒を回転灯ベースギア263の軸支穴263aへ挿入することで、回転灯ベースギア263をホルダ軸筒と略同軸上に回転させることができるようになっている。つまり、本実施形態の右回転灯ユニット260では、回転部ベース262の軸支口262a、回転灯ベースギア263のギア軸筒及び軸支穴263a、回転部ホルダ267のホルダ軸筒によって、回転灯ベースギア263が回転可能に軸支されている。なお、回転部ホルダ267のホルダ軸筒の下端に、右回転灯基板268が固定されるようになっている。また、回転部ホルダ267には、図示は省略するが、その下面の回転部ベース262の基板支持部262bと対応する位置に、右回転位置検出基板271の上端を支持する基板支持部が形成されており、右回転位置検出基板271が回転部ベース262と回転部ホルダ267とで狭持固定されるようになっている。
また、右回転灯ユニット260の回転灯264は、図示するように、左回転灯ユニット240の回転灯244よりも全体的に大きく、回転灯ベースギア263の下側に配置される透明な円盤状の回転灯レンズ272と、回転灯レンズ272の下側に配置され回転灯ベースギア263の下面に固定されるリフレクタ273と、リフレクタ273を覆うリフレクタカバー274とで構成されている。この回転灯264のリフレクタ273は、表面に金属光沢を有したメッキ処理が施されており、円盤状のベース部273aと、ベース部273aの中央に穿設された開口部273bと、ベース部273aの下面から下方へ垂下する湾曲状の反射部273cと、ベース部273aの上面から上方へ延びだし上端が回転灯ベースギア263と当接可能な複数の取付ボス273dと、を備えている。
この回転灯264は、リフレクタ273の開口部273bから回転灯レンズ272の下面が臨むようになっていると共に、回転灯レンズ272にはリフレクタ273の取付ボス273dを挿通可能な挿通孔272aが形成されており、挿通孔272aに取付ボス273dを挿通させた上で、取付ボス273dを回転灯ベースギア263へ固定することで、回転灯レンズ272が回転灯ベースギア263とリフレクタ273との間に狭持固定されるようになっている。また、回転灯264のリフレクタカバー274は、平面視で略正八角形状とされ、上方が開放された箱状となっていると共に、リフレクタ273における反射部273cの内面側と対向する側面に開口部274aが形成されている。
次に、中央回転灯ユニット280は、図30に示すように、上下方向に貫通する円形状の開口281aを有し、その開口281aがリフレクタベース221の左右方向中央の回転灯取付口221hから前側へ突出した位置となるようにリフレクタベース221の後側に固定される回転灯ユニットベース281と、回転灯ユニットベース281の開口281aと同軸上に配置され回転灯ユニットベース281の上面に固定される略円環状の回転部ベース282と、回転部ベース282と同軸上に配置され回転部ベース282の上面に摺動回転可能に載置される回転灯ベースギア283と、回転灯ベースギア283から垂下するようにその下面に固定される回転灯284と、回転灯ベースギア283の軸線と略平行でリフレクタベース221の回転灯取付口221hよりも後側の軸線上に配置され回転軸285aが回転灯ユニットベース281の上面から上方へ突出するように回転灯ユニットベース281の下面に固定される中央回転灯モータ285と、中央回転灯モータ285の回転軸285aに固定され回転灯ベースギア283と噛合する伝達ギア286と、回転灯ベースギア283の全体及び伝達ギア286の一部を上方から覆うと共に回転灯ベースギア283を回転部ベース282と協働して軸支し、回転灯ユニットベース281に固定される回転部ホルダ287と、回転灯ベースギア283と同軸上で回転部ホルダ287の下面に固定され、下方の回転灯284へ向かって発光可能な高輝度のカラーLED288aを有した中央回転灯基板288と、を備えている。
また、中央回転灯ユニット280は、回転部ホルダ287を上方から覆う回転灯ユニットカバー289と、回転灯284の回転位置を検出する中央回転位置検出センサ290と、中央回転位置検出センサ290が実装された中央回転位置検出基板291と、を更に備えている。
この中央回転灯ユニット280の回転灯ユニットベース281は、その上面に開口281aの内周に略沿って形成された取付段部281bと、開口281aよりも後側の位置で下方へ向かって垂下しリフレクタベース221の後側に取付けられる取付部281cと、開口281aの後側に配置され中央回転灯モータ285を固定するモータ固定部281dとを備えており、この取付段部281b内に上方から回転部ベース282が嵌合するようになっている。また、回転部ベース282には、回転灯ユニットベース281の開口281aと同軸上で小径の軸支口282aと、回転灯ベースギア283の外周よりも外側となる上面の所定位置に中央回転位置検出基板291の下端を支持する基板支持部282bと、基板支持部282bよりも後方に配置され中央回転灯基板288及び中央回転位置検出基板291に接続される配線を係止する配線係止部282cとを備えている。
また、回転灯ベースギア283は、外径が回転部ベース282の軸支口282aよりも大径の円環状の平歯車とされ、下面から下方へ向かって延び回転部ベース282の軸支口282a内に挿通可能な円筒状のギア軸筒(図示は省略)と、ギア軸筒よりも小径で上下方向に貫通する軸支穴283aと、下面の外周から半径方向外方へ突出した回転位置検出片283bとを備えている。この回転灯ベースギア283の軸筒の外径は、回転部ベース282の軸支口282aの内径よりも若干小径とされており、軸支口282a内へ挿入されることで、回転灯ベースギア283が軸支口282aと略同軸上に回転することができるようになっている。また、中央回転灯ユニット280では、回転灯ベースギア283の回転位置検出片283bを、中央回転位置検出センサ290で検出することで、回転灯284の回転位置を検出することができるようになっている。
更に、回転部ホルダ287は、図示は省略するが、回転部ベース282の軸支口282aと同軸上となる位置に下方へ突出し回転灯ベースギア283の軸支穴283a内へ挿通可能な円筒状のホルダ軸筒が形成されている。このホルダ軸筒の外径は、回転灯ベースギア283の軸支穴283aよりも若干小径とされており、ホルダ軸筒を回転灯ベースギア283の軸支穴283aへ挿入することで、回転灯ベースギア283をホルダ軸筒と略同軸上に回転させることができるようになっている。つまり、本実施形態の中央回転灯ユニット280では、回転部ベース282の軸支口282a、回転灯ベースギア283のギア軸筒及び軸支穴283a、回転部ホルダ287のホルダ軸筒によって、回転灯ベースギア283が回転可能に軸支されている。なお、回転部ホルダ287のホルダ軸筒の下端に、中央回転灯基板288が固定されるようになっている。また、回転部ホルダ287には、図示は省略するが、その下面の回転部ベース282の基板支持部282bと対応する位置に、中央回転位置検出基板291の上端を支持する基板支持部が形成されており、中央回転位置検出基板291が回転部ベース282と回転部ホルダ287とで狭持固定されるようになっている。
また、中央回転体ユニット280の回転灯284は、図示するように、その大きさが左回転灯ユニット240の回転灯244と、右回転灯ユニット260の回転灯264との中間の大きさとされ、回転灯ベースギア283の下側に配置される透明な円盤状の回転灯レンズ292と、回転灯レンズ292の下側に配置され回転灯ベースギア283の下面に固定されるリフレクタ293と、リフレクタ293を覆うリフレクタカバー294とで構成されている。この回転灯284のリフレクタ293は、表面に金属光沢を有したメッキ処理が施されており、円盤状のベース部293aと、ベース部293aの中央に穿設された開口部293bと、ベース部293aの下面から下方へ垂下する湾曲状の反射部293cと、ベース部293aの上面から上方へ延びだし上端が回転灯ベースギア283と当接可能な複数の取付ボス293dと、を備えている。
この回転灯284は、リフレクタ293の開口部293bから回転灯レンズ292の下面が臨むようになっていると共に、回転灯レンズ292にはリフレクタ293の取付ボス293dを挿通可能な挿通孔292aが形成されており、挿通孔292aに取付ボス293dを挿通させた上で、取付ボス293dを回転灯ベースギア283へ固定することで、回転灯レンズ292が回転灯ベースギア283とリフレクタ293との間に狭持固定されるようになっている。また、回転灯284のリフレクタカバー294は、平面視で略正八角形状とされ、上方が開放された箱状となっていると共に、リフレクタ293における反射部293cの内面側と対向する側面に開口部294aが形成されている。
ところで、本実施形態の中央回転灯ユニット280は、図示するように、回転部ホルダ287と回転灯ユニットカバー289との間に、回転灯ユニットカバー289の前側の三つの側面に形成された複数の切欠き部289a内へ後側から挿入される複数の突出部295aを有したカバーレンズ295と、カバーレンズ295の後側に配置され表面に複数のカラーLED296aが実装されたカバー装飾基板296とを更に備えている。これらカバーレンズ295及びカバー装飾基板296は、回転部ホルダ287の前端に形成された溝状のレンズ支持部287a及び基板支持部287bに夫々下端が支持されると共に、回転灯ユニットカバー289に形成された図示しない溝状のレンズ支持部及び基板支持部に夫々上端が支持されることで取付けられるようになっている。本実施形態では、カバー装飾基板296のLEDを発光させることで、中央回転灯ユニット280の回転灯ユニットカバー289の前端を発光装飾させることができるようになっている。
[2−3.皿ユニット]
次に、扉枠5における皿ユニット300について、主に図31〜図54を参照して説明する。図31は皿ユニットの正面斜視図であり、図32は皿ユニットの背面斜視図であり、図33は皿ユニットの平面図である。図34は、図33におけるA−A断面図である。図35は皿ユニットの皿奥板を取外した状態で示す背面図であり、図36は皿ユニットの皿奥板及び貸球ユニットを取外した状態で後から示す斜視図である。また、図37は皿ユニットを主な構成部品毎に分解して前から示す分解斜視図であり、図38は図37を後ろから示す分解斜視図である。また、図39は皿ユニットにおける皿ユニット本体を分解して前から示す分解斜視図であり、図40は図39を後ろから示す分解斜視図である。更に、図41は皿ユニットにおける第一球抜き機構を示す背面図であり、図42は皿ユニットにおける第二球抜き機構を後から示す斜視図である。また、図43は皿ユニットにおける操作ボタンユニットを分解して示す分解斜視図であり、図44は皿ユニットにおける操作ボタンユニットの操作ボタンユニット基板を取外した状態の底面図であり、図45は皿ユニットにおける操作ボタンユニットのメインボタンを下から示す底面斜視図であり、図46は皿ユニットにおける操作ボタンユニットのメインボタンを分解して示す分解斜視図である。
また、図47は扉枠に取付けられたハンドル装置の断面図であり、図48はハンドル装置を構成する操作ハンドル部とジョイントユニットとの関係を示す斜視図であり、図49はハンドル装置における操作ハンドル部の分解斜視図である。更に、図50は操作ハンドル部とジョイントユニットの動作を説明するための動作図であり、図51はハンドル装置と本体枠に設けられる打球発射装置との関係を示す斜視図であり、図52はハンドル装置と打球発射装置とを連結する状態を説明するための断面図である。更に、図53(A)は皿ユニット内での遊技球の流れを示す説明図であり、(B)は皿ユニット内での第二球抜き口と遊技球の流れとの関係を示す説明図である。また、図54は、皿ユニットにおける横長の球流入口と貯留皿との関係を示す説明図である。
本実施形態の扉枠5における皿ユニット300は、後述する賞球ユニット800から払出され遊技球を貯留することができると共に、貯留した遊技球を球送りユニット170を介して後述する打球発射装置650へ供給することができるものである。この皿ユニット300は、図37及び図38にも示すように、上方及び後方が開放され所定量の遊技球を貯留可能な貯留皿311を有した皿体310と、皿体310の前面を覆う皿ユニット本体320と、皿ユニット本体320及び皿体310の後面を覆う板状の皿奥板340と、皿体310の貯留皿311に貯留された遊技球を全て排出可能な第一球抜き機構350と、皿体310の貯留皿に貯留された遊技球の一部残して排出可能な第二球抜き機構360と、パチンコ遊技機1に隣接して設置された図示しないCRユニットを作動させる貸球ユニット301と、皿体310の上面に固定され遊技状態(遊技状況)によって遊技者が操作可能な操作ボタンユニット370と、皿体310の下側で皿ユニット本体320と皿奥板340との間に配置され扉枠ベースユニット100におけるサイドスピーカ電飾ユニット120のサイドスピーカ121よりも大型の下部スピーカ391を有した下部スピーカユニット390と、皿ユニット本体320の正面視右下隅に配置されるハンドルベース303と、ハンドルベース303に支持され遊技球の打込操作をするためのハンドル装置400とを主に備えている。本実施形態のように、CRユニットと電気的に接続されるパチンコ遊技機1は、現金を投入して遊技に用いる遊技球を貸球として貸し出す球貸し機と異なり、射幸性の高い遊技内容(いわゆる、確率変動を有する遊技内容)を採用することができるようになっている。なお、符号302は、後述する皿ユニット本体320における皿電飾基板336と接続される電気配線を覆う配線カバーである。また、図示するように、皿奥板340の正面視で左側には、扉装飾駆動基板192と操作ボタンユニット370とを電気的に接続する受皿中継基板190が配置されている。この受皿中継基板190は、左サイドスピーカ電飾ユニット120Lのサイド装飾基板126とも電気的に接続されている。
この皿ユニット300における貸球ユニット301は、図示するように、左右方向の略中央で皿奥板340の上辺に固定されており、貸球ボタン301aと、貸球ボタン301aの横に配置された返却ボタン301bと、貸球ボタン301aと返却ボタン301bとの間に配置されCRユニットに現金やプリペイドカードの残数を表示する貸出残表示器(図示せず)と、を備えている。この貸球ユニット301は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられたCRユニットに対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン301aを押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の貯留皿311内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン301bを押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。
また、皿ユニット300における操作ボタンユニット370のメインボタン371及び二つのサブボタン372は、遊技盤4に設けられる液晶表示装置1400等で行われる遊技内容(遊技演出)に遊技者が参加する際に操作するものである。
[2−3−1.皿体]
まず、皿ユニット300における皿体310は、図示するように、平面視で左端から全体の略2/3を占め上方及び後方に開放された所定深さの貯留皿311と、貯留皿311内の底部の所定位置に配置され上下方向に貫通する第二球抜き口312と、貯留皿311の右端から貯留皿311と連続し第三傾斜面311cの下流側に配置されると共に遊技球が流通可能とされ遊技球を第二球抜き口312の略直下まで誘導可能な第一球抜き経路313(図35及び図38を参照)と、貯留皿311の右側で略菱形状に上方へ開放し操作ボタンユニット370を装着可能な操作ボタンユニット装着凹部314と、操作ボタンユニット装着凹部314の後側で略円形状に開口し第一球抜き機構350の第一球抜きボタン351が装着される第一球抜きボタン装着口315と、第一球抜きボタン装着口315の略直下に配置され第一球抜き機構350を支持する第一球抜き機構支持部316と、を主に備えている。
この皿体310における貯留皿311は、皿奥板340の球流入口341の前面に配置され平面視で右側及び前側へ向かって低くなる第一傾斜面311aと、第一傾斜面311aの右側端部の後部と連続し右側及び後側へ向かって低くなる第二傾斜面311bと、第二傾斜面311bの右側端部と連続し皿奥板340の球供給口342へ向かって低くなる第三傾斜面311cと、第一傾斜面311aの右側端部の前部及び第二傾斜面311bの前側端部と連続し右側及び第二傾斜面311bへ向かって低くなる第四傾斜面311dと、第四傾斜面311dの右側端部と連続し第四傾斜面311dへ向かって低くなる第五傾斜面311eと、を備えている(図33及び図34等を参照)。
また、貯留皿311には、第五傾斜面311eの後側端部から上方へ立上り遊技球が越境不能とされた仕切壁311fと、仕切壁311fと第三傾斜面311cとの間に配置され第三傾斜面311cへ向かって低くなる第六傾斜面311gとを更に備えている。なお、第二球抜き口312は、第一傾斜面311aと第二傾斜面311bとの間に配置されている。また、第二球抜き口312は、通常は第二球抜き機構360の第二球抜きシャッター364により閉鎖された状態となっている。
本実施形態の貯留皿311では、図示するように平面視で、第一傾斜面311aは、貯留皿311の大きさの略半分を占める大きさの四角形状(台形状)とされていると共に、第二傾斜面311bは、左右方向の長さが貯留皿311の長さの約1/4で前後方向の奥行きが第三傾斜面311cへ向かって狭くなるような変五角形状とされ、更に、第三傾斜面311cは、前後方向の奥行きが遊技球の外径よりも若干大きい横長の矩形状とされている。また、第四傾斜面311dは、左右方向の長さが第二傾斜面311bと略同じ長さで第二傾斜面311bへ向かうに従って長さが短くなる四角形状(台形状)とされている。更に、第五傾斜面311eは、その後側端部が左端部から右方向へ第三傾斜面311cと略平行に所定距離延びた上で後方の第三傾斜面311cへ向かって斜めに延びた後に仕切壁311fを挟んで第三傾斜面311cに沿って延びると共に、前側端部(右側端部)が後側端部の右端部へ向かって右方向へ向かうに従って後方へ向かうように延び、全体として逆へ字状に形成されており、仕切壁311fが第五傾斜面311eの後側端部に沿って形成されている。
また、この貯留皿311は、図示するように、第一傾斜面311aの左側端部と前側端部、第四傾斜面311dの前側端部、及び第五傾斜面の前側端部(右側端部)から上方へ立上る外周壁311hを備えており、この外周壁311hにより貯留皿311が皿体310の上面から下方へ所定量凹んだ形態となっている。また、貯留皿311の外周壁311hは、第一傾斜面311a、第四傾斜面311d、及び第五傾斜面311eの前側端部では右方向へ向かうに従って前方へ向かうような緩い円弧状に形成されており、球流入口341から第一傾斜面311a上へ流入した遊技球が、外周壁311hにおける球流入口341と対向する位置と当接すると、第五傾斜面311eの方向へ反射して第四傾斜面311d上へ流通するようになっている。また、第五傾斜面311eは、球流入口341から貯留皿311内へ流入してきた遊技球が登坂可能な緩斜面とされており、第五傾斜面311eの右端部まで登坂した後に、その向きを変えて第四傾斜面311dの方向(左方向)へ流下するようになっている。つまり、本実施形態の貯留皿311は、球流入口341から流入した遊技球を、一旦第五傾斜面311eへ迂回させてから球供給口342への供給路となる第三傾斜面311cへ流入させるようになっている。
また、貯留皿311における第六傾斜面311gは、他の傾斜面311a〜311eと比較して傾斜角度が急になっており、その下流側となる第三傾斜面311c上で複数の遊技球を球供給口342へ向かって左右方向へ一列に整列させ易くすることができるようになっている。なお、第三傾斜面311cには、ステンレス製のレール体304が装着されるようになっており、流通する遊技球による耐摩耗性を向上させるようにしていると共に、遊技球に帯電した静電気を除去することができるようになっている。
更に、貯留皿311の第三傾斜面311cは、図35及び図38に示すように、その右側端部が、斜め右下へ潜り込んだ上で下方へ垂下し後側が開放された溝状に形成されていると共に第一球抜き経路313と連続するように形成されており、第一球抜き経路313と連続することで左右方向に対して折り返すような流路が形成されている。この第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分は、第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356により流路が閉鎖されるようになっており、この第一球抜きスライド356に望むように皿奥板340の球供給口342が開口している。これにより、第三傾斜面311cを流下してきた遊技球が、第一球抜きスライド356により流下を遮られることで、球供給口342側へと流通するようになっている。
なお、皿体310における第一球抜き機構支持部316には、第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の横(正面視で右側、図35では左側)に第一球抜きスライド356が左右方向へスライド可能に挿入配置されるスライド溝316a、スライド溝316aを挟んで第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の反対側には後述する第一球抜きバネ357の下端部を係止する鉤部316bとが形成されている。
[2−3−2.皿ユニット本体]
次に、皿ユニット300における皿ユニット本体320は、図39及び図40に示すように、皿ユニット300の前面を構成し皿体310と下部スピーカユニット390の前面を被覆し上方及び後方が開放された箱状の本体部321を備えている。この本体部321は、正面視で左側の約3/4が前方へ膨出したような形態となっており、この膨出した部分の内側(後側)に下部スピーカユニット390が収容されるようになっている。また、本体部321には、その膨出した部分の前面の中央右寄りで下部スピーカユニット390の下部スピーカ391と対応する位置に貫通するように形成されたスピーカ用開口321aと、スピーカ用開口321aの左側に形成されたダミー開口321bと、ダミー開口321bの左側に形成された第二球抜きボタン用開口321cとが夫々貫通するように形成されている。更に、本体部321には、右下隅部にハンドルベース303を取付けるための楕円形状のハンドルベース取付口321dと、ハンドルベース取付口321dの上側に配置され後述するシリンダ錠1010が臨む錠用開口321eと、ハンドルベース取付口321dの左側で前側へ膨出した部分の右側面に開口する矩形状のダクト用開口321fと、左右方向の略中央下部に開口する矩形状の球排出口321gと、を備えている。
また、皿ユニット300における皿ユニット本体320には、本体部321のスピーカ用開口321aとダミー開口321bとを前側から覆う前面裏板322と、前面裏板322の透孔322aを通して本体部321のスピーカ用開口321aと対応する前面に配置されパンチングメタルからなり四隅が切り落とされた板状の右カバー323と、右カバー323の前面の略中央に配置され右カバー323よりも小型で表面に金属光沢のメッキ処理が施された板状の右飾りベース324と、右飾りベース324の前面の略中央に配置され右飾りベース324よりも小型で板状の右飾り325と、前面裏板322における本体部321のダミー開口321bと対応する前面に配置されパンチングメタルからなり四隅が切落とされた板状の左カバー326と、左カバー326の前面の略中央に配置され左カバー326よりも小型で表面に金属光沢のメッキ処理が施された板状の左飾りベース327と、左飾りベース327の前面の略中央に配置され左飾りベース327よりも小型で板状の左飾り328と、本体部321のスピーカ用開口321a、ダミー開口321b、及び第二球抜きボタン用開口321cの周縁を装飾する枠状の前面本体329と、を主に備えている。この皿ユニット本体320における前面裏板322には、本体部321のスピーカ用開口321aへ望むように貫通する複数の透孔322aが形成されており、これら透孔322a及び右飾りベース324のパンチング孔(図示は省略)を介して下部スピーカ391からの音を外部へ良好に伝達させることができるようになっている。
また、本実施形態の皿ユニット本体320は、受皿中継基板190の前側で本体部321の左端に固定される本体左飾りベース330と、本体左飾りベース330の前面に固定され表面に金属光沢のメッキ処理が施された本体左飾り331と、を更に備えている。この本体左飾りベース330は、透光性を有している。
更に、皿ユニット本体320は、本体部321のダクト用開口321fを覆うパンチングメタルからなる板状のダクト用カバーと、ダクト用カバーが表面から臨むようなダクト用切欠き部333aが形成され、本体部321における前側へ膨出した部分の右側面全体を覆うと共に表面に金属光沢のメッキ処理を施した本体右飾り333と、を更に備えている。
また、皿ユニット本体320は、本体部321の上縁に沿って配置され上下方向に貫通する横長のスリット334aを複数有し、表面に金属光沢のメッキ処理が施された本体上飾り334と、本体上飾り334の下側で本体部321内に配置され、本体上飾り334のスリット334a内へ挿入される導光部335aを有した上飾りレンズ335と、上飾りレンズ335の下側に配置され上面に複数のカラーLED336aが実装された皿電飾基板336と、を備えている。この皿電飾基板336のLED336aを適宜発光させることで、上飾りレンズ335を介して本体上飾り334、つまり、皿ユニット本体320の上縁を発光装飾させることができるようになっている。
[2−3−3.皿奥板]
続いて、皿ユニット300における皿奥板340は、図37及び図38等に示すように、全体が横長の板状に形成され、正面視で左上隅部に配置され横長の矩形状で前後方向に貫通する球流入口341と、球流入口341よりも右下方向へ所定距離はなれて配置され遊技球が通過可能な矩形状で貫通する球供給口342と、球流入口341と連通し後方へ延出する角筒状の賞球連絡樋343と、を主に備えている。この皿奥板340の球流入口341は、図34等に示すように、皿体310の貯留皿311内へ向かって開口すると共に、左右方向の長さが貯留皿311の第一傾斜面311aの長さと略同じ長さとされている。また、球供給口342は、貯留皿311における第三傾斜面331cの右端で第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356と対応した位置に配置されている。また、賞球連絡樋343は、球流入口341に対して正面視で左端に偏った位置に配置されていると共に、左右方向の長さが球流入口341の長さに対して約半分の長さとされ、後端が扉枠ベース本体110の賞球通過口111を貫通して後述する満タンユニット900における前方誘導通路920の流下端(前端)の出口921と連通するようになっている。
また、皿奥板340は、賞球連絡樋343の前端が球流入口341に対して後方へ所定量控えた位置に配置されており、球流入口341と賞球連絡樋343との間に、球流入口341の左右方向全長に亘って延び遊技球が流通可能な棚部344を更に有している。この棚部344により賞球連絡樋343を流通してきた遊技球を、貯留皿311の第二球抜き口312よりも下流側へ流入させることができるようになっている。
更に、皿奥板340は、後述する下部スピーカユニット390の球抜き経路393と対応し略L字状に貫通した球抜き経路用開口345と、球抜き経路用開口345の正面視左上で球流入口341(皿体310における第二球抜き口312)の下側に配置され、後述する第二球抜き機構360のラッチユニット366の後端が挿通される矩形状に貫通したラッチ用開口346と、正面視で右上隅部に配置され略矩形状に貫通する配線挿通口347と、球流入口341と配線挿通口347との間で皿奥板340の上辺に配置され貸球ユニット301を取付けるための貸球ユニット取付部348と、を備えている。
[2−3−4.第一球抜き機構]
次に、皿ユニット300における第一球抜き機構350は、図35、図36及び図41等に示すように、遊技者が押圧操作する第一球抜きボタン351と、第一球抜きボタン351を上下方向へスライド可能に支持すると共に皿体310の第一球抜きボタン装着口315に対して下側から挿入される第一球抜きボタンベース352と、第一球抜きボタンベース352の上部に皿体310を挟んで第一球抜きボタン351が上方へ突出するように固定される第一球抜きボタン装飾体353と、第一球抜きボタン装飾体353と第一球抜きボタンベース352とで支持された第一球抜きボタン351の下端の正面視で右側(図41では左側)となる皿体310の第一球抜き機構支持部316の位置に支持される回動軸354と、回動軸354に回動可能に軸支され一端側が第一球抜きボタン351の下端部と当接すると共に他端側が下方へ延出した逆L字状の第一球抜きクランク355と、第一球抜きクランク355の他端側の下端と当接可能とされると共に皿体310の第一球抜き機構支持部316に略左右方向へスライド可能に支持され、皿体310の第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分を閉鎖可能な第一球抜きスライド356と、第一球抜きクランク355が所定方向へ回動するように付勢する第一球抜きバネ357と、を備えている。
この第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356は、皿体310における第一球抜き機構支持部316のスライド溝316a内に挿入配置されることで左右方向へスライドすることができるようになっていると共に、その状態で、第一球抜きクランク355が回動することで第一球抜きクランク355の他端側の下端によって左右方向へスライドさせられるようになっている。この第一球抜きスライド356は、左右方向へスライドすることで先端部が皿体310の第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の流路内に対して進退することができるようになっており、境界部分へ前進して流路を閉鎖すると第三傾斜面311cを流通してきた遊技球を球供給口342へ供給することができ、境界部分から後退して流路を開放すると第三傾斜面311cを流通してきた遊技球を第一球抜き経路313側へ供給(排出)することができるようになっている。
また、第一球抜きクランク355には、回動軸354を挟んで第一球抜きボタン351の下端部と当接する一端側とは反対側に第一球抜きバネ357の上端部を係止する鉤部355aが形成されている。この第一球抜きバネ357は、その上端部を第一球抜きクランク355の鉤部355aに係止すると共に、下端部を皿体310における第一球抜き機構支持部316の鉤部316bに係止することで、第一球抜きクランク355を、第一球抜きスライド356が第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分を閉鎖する位置、及び第一球抜きボタン351が最も上昇した位置となる方向へ回動するように付勢することができるようになっている。
この第一球抜き機構350は、遊技者によって第一球抜きボタン351が押圧されると、第一球抜きボタン351の下端部と当接する当接ピン355bを介して、第一球抜きクランク355が第一球抜きバネ357の付勢力に抗してその一端側が下方へ移動する方向へ回動すると共に、その他端側が第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分から遠ざかる方向へ移動する。そして、第一球抜きスライド356が第一球抜きクランク355の下端と共に第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分から遠ざかる方向へと移動し、第一球抜きスライド356の先端が境界部分の流路内から後退して第三傾斜面311cと第一球抜き経路313とが連通した状態となり、第三傾斜面311cつまり貯留皿311内の全ての遊技球を、第一球抜き経路313を介して外部へ排出することができるようになっている。
なお、第一球抜きボタン351の押圧を解除すると、第一球抜きバネ357の付勢力により第一球抜きクランク355が回動して、第一球抜きボタン351が上昇すると共に、第一球抜きスライド356の先端が第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の流路内へ前進してその流路を閉鎖し、第三傾斜面311c上(貯留皿311内)の遊技球を、球供給口342を介して打球発射装置650へ供給することができるようになっている。
[2−3−5.第二球抜き機構]
続いて、皿ユニット300における第二球抜き機構360は、図42等に示すように、皿ユニット本体320における本体部321の第二球抜きボタン用開口321cから前方へ向かって突出する第二球抜きボタン361と、第二球抜きボタン361が先端に嵌合固定され後述する下部スピーカユニット390によって前後方向へスライド可能に支持された第二球抜きスライド362と、第二球抜きスライド362の前後方向の移動を伝達し下部スピーカユニット390により左右方向へ延びる軸回りに回動可能に軸支された棒状の第二球抜きクランク363と、第二球抜きクランク363の回動により皿体310における第二球抜き口312を閉鎖する閉位置と第二球抜き口312を開放する開位置との間で上下方向へ延びる軸周りに回動可能とされた第二球抜きシャッター364と、第二球抜きシャッター364を第二球抜き口312が閉鎖される閉位置へ付勢する第二球抜きバネ365と、第二球抜きバネ365の付勢力に抗して第二球抜きシャッター364を開位置へ保持可能なラッチユニット366と、第二球抜きシャッター364の下面を摺動可能に支持すると共に第二球抜き口312と対応した開口部367aを有し、皿体310の下側に固定される第二球抜きベース367と、第二球抜きスライド362の後端を摺動可能に保持すると共にラッチユニット366を支持し、後述する下部スピーカユニット390のスピーカボックス392と協同して第二球抜きクランク363を回動可能に軸支する第二球抜き機構支持体368(図35及び図38を参照)と、を備えている。
この第二球抜き機構360の第二球抜きスライド362には、その後端部に上方へ開放され第二球抜きクランク363の下端部が挿入される伝達溝362aと、後端部から後方へ突出しラッチユニット366の係合爪366aと係合可能な係合突起362bとを備えている。また、第二球抜きクランク363は、略上下方向へ延びた棒状の部材とされ、その下端部が第二球抜きスライド362の伝達溝362a内へ上方から挿入されると共に、上下方向の略中間部分で下部スピーカユニット390のスピーカボックス392により回動可能に軸支されている。而して、第二球抜きスライド362が前後方向へスライドすると、その伝達溝362aのスライドに伴って第二球抜きクランク363の下端部が移動し、第二球抜きクランク363が回動すると共に、第二球抜きクランク363の上端部が下端部とは反対方向へ移動するようになっている。
また、第二球抜きシャッター364は、図示するように、第二球抜きスライド362よりも上方に配置され、皿体310の第二球抜き口312及び第二球抜きベース367の開口部367aを閉鎖可能な平面視略半円形状(D字状)で板状の閉鎖部364aと、閉鎖部364aから左右方向の一方(正面視で左方向、図42では右方向)へ延びる棒状の棹部364bとを備えており、全体として略P字状に形成されている。また、この第二球抜きシャッター364は、棹部364bの先端が皿体310と第二球抜きベース367とによって上下方向へ延びる軸周りに回動可能に軸支されていると共に、棹部364bの後側で左右方向の略中間部分に、第二球抜きクランク363の上端部が当接するようになっている。更に、第二球抜きシャッター364における棹部364bの後側基端部分に第二球抜きバネ365の前端部が係止されるようになっている。なお、図示は省略するが、第二球抜きバネ365の後端部は、皿体310の下面から下方へ垂下する係止ボスに係止されるようになっており、第二球抜きバネ365により、第二球抜きシャッター364の閉鎖部364aが第二球抜き口312を閉鎖する閉位置(図42に示す位置)となるように付勢されている。
また、第二球抜き機構360の第二球抜きベース367は、開口部367aと第二球抜きシャッター364を軸支する位置との間に、第二球抜きクランク363の上端部が通過可能な前後方向へ延びるスリット367bを備えており、このスリット367bを介して第二球抜きベース367の下側で軸支された第二球抜きクランク363の上端部が、第二球抜きベース367の上面に配置された第二球抜きシャッター364の棹部364bと当接することができるようになっている。なお、第二球抜きベース367は、図示するように、浅い皿状に形成されており、皿体310とで第二球抜きシャッター364を収容する収容空間を形成することができるようになっている。また、第二球抜きシャッター364を収容する収容空間の高さは、遊技球の外径よりも小さく低い高さとされており、第二球抜きシャッター364が回動して第二球抜き口312が開状態となっても、皿体310と第二球抜きベース367との間に遊技球が進入しないようになっている。
本実施形態の第二球抜き機構360は、遊技者が皿ユニット本体320の前面から前方へ突出する第二球抜きボタン361を押すと、第二球抜きスライド362が後方へスライドすると共に、第二球抜きスライド362の伝達溝362aに案内されて第二球抜きクランク363の下端部が後方へと移動するように第二球抜きクランク363が回動する。そして、第二球抜きクランク363が回動することでその上端部が下端部とは反対方向の前方へ移動することとなり、第二球抜きクランク363の上端部と当接する第二球抜きシャッター364が、第二球抜きバネ365の付勢力に抗して棹部364bの先端を中心として閉鎖部364aが前方へ移動するように回動する。このようにして閉鎖部364aが前方へ移動して皿体310の第二球抜き口312及び第二球抜きベース367の開口部367aが開放されると、貯留皿311における第二球抜き口312よりも上流側に貯留された遊技球が第二球抜き口312を通って皿ユニット300の下方外部へ排出されることとなる。
なお、本実施形態の第二球抜き機構360には、ラッチユニット366を備えており、第二球抜きボタン361を押して第二球抜きスライド362の後端の係合突起362bがラッチユニット366における一対の係合爪366aの間に当接すると、一対の係合爪366aが係合突起362bを挟むように閉じて係合し、第二球抜きバネ365の付勢力に抗して第二球抜きボタン361が押された状態、つまり、第二球抜きシャッター364の閉鎖部364aにより第二球抜き口312が開いた(開放され)位置に保持することができるようになっている。この状態で、第二球抜きボタン361を押すと、ラッチユニット366の一対の係合爪366aが開いて、係合突起362bとの係合が解除され、第二球抜きバネ365の付勢力により第二球抜きシャッター364の閉鎖部364aが第二球抜き口312を閉鎖する位置へと復帰できるようになっている。
[2−3−6.操作ボタンユニット]
次に、皿ユニット300における操作ボタンユニット370は、図43〜図46等に示すように、皿ユニット300における皿体310の操作ボタンユニット装着凹部314に対して上方から装着固定されるものであり、平面視で正方形の四隅を切落とした八角形状のメインボタン371と、メインボタン371の左右両側に夫々対称に配置され平面視でホームベース形状の左サブボタン372L及び右サブボタン372Rからなる一対のサブボタン372と、メインボタン371とサブボタン372を上下方向へ摺動可能に保持すると共に皿体310の操作ボタンユニット装着凹部314内へ挿入される操作ボタンユニットベース373と、操作ボタンユニットベース373の上面を装飾する板状の操作ボタンユニット装飾部材374と、操作ボタンユニットベース373の下側に固定され操作ボタンユニット370を発光装飾させるカラーLED375aが上面に複数実装された操作ボタンユニット基板375と、を備えている。
また、操作ボタンユニット370には、メインボタン371の操作を検出するメインボタンセンサ376と、左サブボタン372Lの操作を検出する左サブボタンセンサ377Lと、右サブボタン372Rの操作を検出する右サブボタンセンサ377Rと、を更に備えている。これらメインボタンセンサ376、左サブボタンセンサ377L及び右サブボタンセンサ377Rは、夫々発光部と受光部とを備えたフォトセンサとされており、操作ボタンユニット基板375の所定位置に夫々固定されている。
この操作ボタンユニット370における操作ボタンユニットベース373には、図示するように、平面視で略菱形形状とされ、メインボタン371を上方から収容可能なメインボタン収容凹部373aと、メインボタン収容凹部373aの内周面に形成されメインボタン371を上下方向へ案内するために上方が開放された上下方向へ延びる複数の案内溝373bと、メインボタン収容凹部373aの底面に形成された略円形状の開口部373cと、メインボタン収容凹部373aの外周に沿って所定幅で開口し下側に配置された操作ボタンユニット基板375のLED375aからの光を上面側へ導く複数の導光用開口部373dと、サブボタン372を上方から収容可能な一対のサブボタン収容凹部373eと、長軸の対角線上隅部に形成されたネジ挿通孔373fと、操作ボタンユニットベース373の上面を形成する板状の天板部373gと、天板部373gの外周に沿って下面から下方へ外周を囲うように垂下する板状の側壁部373hと、を主に備えている。
この操作ボタンユニットベース373は、天板部373gと側壁部373hとにより、下面が開放された箱状に形成されており、この天板部373gの所定位置に、メインボタン収容凹部373a、複数(ここでは、八個)の導光用開口部373d、二つのサブボタン収容凹部373e、及び二つのネジ挿通孔373fが夫々開口している。また、操作ボタンユニットベース373は、メインボタン収容凹部373aは、案内溝373bが形成されていないところの厚さが肉厚に形成されており、内壁面と底面の強度・剛性が高められていると共に、メインボタン収容凹部373aの外周に形成された各導光用開口部373dが、夫々上下方向に長い筒状に形成されており、これら筒状の導光用開口部373dの外周壁によってもメインボタン収容凹部373aが補強されている(図44を参照)。
また、メインボタン371は、図45及び図46に示すように、メインボタン371の上面を形成し透光性を有したメインボタンレンズ371aと、メインボタンレンズ371aを支持し上下が開放された筒状のメインボタンベース371bと、メインボタンベース371bの下側に配置される振動体371cと、振動体371cを包み込むと共にメインボタンベース371bの下側に取付ビス371dを介して固定される振動体ホルダ371eと、を備えている。なお、図示は省略するが、メインボタン371には、上端がメインボタンベース371bの下側側面に当接すると共に、下端が操作ボタンユニットベース373におけるメインボタン収容凹部373aの底面と当接し、メインボタン371が上昇するように付勢するメインボタンバネを備えている。
このメインボタン371におけるメインボタンレンズ371aは、平面視が八角形状で下面が開放された箱状に形成され、表面側が滑らかな形状とされているのに対して、裏面側には複数の小レンズ部が形成されており、操作ボタンユニット基板375のLED375aからの光を広く拡散させて、メインボタン371の表面全体が略均一に発光装飾させることができるようになっている。
また、メインボタンベース371bは、図示するように、上端側の外形がメインボタンレンズ371aと同様の八角形状とされているのに対して、上下方向の略中間部から下端側が下方へ窄まる円錐形状とされており、下端部が操作ボタンユニットベース373におけるメインボタン収容凹部373aの底面に形成された開口部373cから下方へ延出して操作ボタンユニット基板375の中央に配置されたLED375a群の直上に位置することができるようになっている。また、メインボタンベース371bには、対向する二辺から下方へ延出するメイン係止爪371fと、操作ボタンユニットベース373の案内溝373b内へ挿入される上下方向に延びた複数の案内凸条371gと、を備えている。このメインボタンベース371bのメイン係止爪371fが、操作ボタンユニットベース373におけるメインボタン収容凹部373a内の係止部(図示は省略する)に係止されることで、メインボタン371がメインボタンバネの付勢力によりメインボタン収容凹部373aから抜け出るのを防止することができるようになっている。
更に、メインボタンベース371bは、一方のメイン係止爪371fの内側に、振動体ホルダ371e及び取付ビス371dを介して振動体371cを取付けられるようになっていると共に、振動体371cを取付ける部位の内側に、メインボタンセンサ376によって検出される検出片371h(図45を参照)が形成されている。
本実施形態のメインボタン371は、メインボタンバネの付勢力に抗してメインボタン371を下方へ押すと、メインボタンベース371bの検出片371hがメインボタンセンサ376の発光部と受光部との間に進入してその操作がメインボタンセンサ376により検出されるようになっている。また、メインボタン371は、メインボタンセンサ376により操作が検出されると、振動体371cが作動するようになっており、振動体371cの作動によってメインボタン371が振動することで、遊技者に対してメインボタン371の操作が受付けられていることを認識させることができると共に、メインボタン371の振動により遊技者を驚かせることができるようになっている。なお、操作ボタンユニット基板375には、実装されたLED375aからの光によってメインボタンセンサ376が誤作動するのを防止するための遮光板375bが取付けられている。
また、操作ボタンユニット370のサブボタン372は、平面視が略二等辺直角三角形状で透光性を有したサブボタンレンズ372aと、サブボタンレンズ372aを平面視がホームベース状の上面に支持し操作ボタンユニットベース373におけるサブボタン収容凹部373e内へ上方から収容されるサブボタンベース372bと、サブボタンベース372bとサブボタン収容凹部373eの底面との間でサブボタンレンズ372aの下方に配置されサブボタンベース372bを上昇させる方向へ付勢するサブボタンバネ372cと、を備えている。このサブボタン372のサブボタンベース372bには、サブボタンバネ372cを挟んた前後に下方へ垂下するサブ係止爪372dと、ホームベース状の長辺から下方へ垂下する板状の案内壁部372eと、案内壁部372eの下端から更に下方へ延出する検出片372fと、を備えている。
このサブボタン372は、サブ係止爪372dが、操作ボタンユニットベース373におけるサブボタン収容凹部373e内の係止部(図示は省略する)に係止されるようになっており、サブ係止爪372dが係止部に係止されることで、サブボタン372がサブボタンバネ372cの付勢力によりサブボタン収容凹部373eから抜け出るのを防止することができるようになっている。また、サブボタン372は、サブボタンバネ372cの付勢力に抗して下方へ押されると、サブボタンベース372bの検出片372fがサブボタンセンサ377の発光部と受光部との間に進入してサブボタン372の操作がサブボタンセンサ377により検出されるようになっている。
更に、操作ボタンユニット370の操作ボタンユニット装飾部材374は、図示するように、平面視形状が略菱形で板状に形成されており、メインボタン371のメインボタンレンズ371a及び二つのサブボタン372のサブボタンレンズ372aが通過可能な開口部374aが形成されていると共に、操作ボタンユニットベース373の導光用開口部373dと対応する位置に透光性を有した装飾部材レンズ374bが備えられている。また、長軸の対角線上隅部には、図示しない取付ビスが上方から挿通可能な取付孔374cが穿設されており、この取付孔374c及び操作ボタンユニットベース373のネジ挿通孔373fを介して所定の取付ビスにより操作ボタンユニット370が皿体310へ取付固定されるようになっている。なお、本実施形態では、操作ボタンユニット装飾部材374の上面には、二つの取付孔374cを隠すネジ隠し378が貼付けられるようになっている。
本実施形態の操作ボタンユニット370は、上述したように、操作ボタンユニットベース373が、メインボタン収容凹部373a、導光用開口部373d、及び側壁部373hによって三重の筒状に形成されており、強度及び剛性が高められているので、メインボタン371等を叩いたりして強く操作されても、操作ボタンユニット370が破損し難くなっている。また、操作ボタンユニット370は、皿体310の操作ボタンユニット装着凹部314に対して上方から装着固定されるようになっており、万が一、操作ボタンユニット370が破損したり不具合が発生したりした場合でも、皿体310の上方から簡単に着脱して交換することができるようになっている。更に、操作ボタンユニット370は、皿体310を介してその下側が後述する下部スピーカユニット390のスピーカボックス392に支持(載置)されているので、メインボタン371等からの耐衝撃性や耐荷重性が更に高められており、操作ボタンユニット370のみならず皿ユニット300全体が破損し難くなっている。
[2−3−7.下部スピーカユニット]
続いて、皿ユニット300における下部スピーカユニット390は、図37及び図38に示すように、扉枠ベースユニット100におけるサイドスピーカ電飾ユニット120のサイドスピーカ121よりも大径の下部スピーカ391と、下部スピーカ391を正面視における前面右寄りの位置で、皿ユニット本体320における本体部321のスピーカ用開口321aの後側となる位置に保持する箱状のスピーカボックス392と、を主に備えている。本実施形態の下部スピーカユニット390は、スピーカボックス392の内部空間が開放口392aを通して外部へ開放されたバスレフ型スピーカとされており、下部スピーカ391のスピーカ径に対してより重低音を発することができるようになっている。
このスピーカボックス392の開放口392aは、皿ユニット本体320における本体部321のダクト用開口321fに望む位置に形成されており、下部スピーカ391の振動によりスピーカボックス392内を出入りする空気の流れが、ダクト用開口321fを介して出入りするようになっている。また、下部スピーカ391の駆動(振動)によりダクト用開口321fを介して出入りする空気の流れは、ハンドル装置400における操作ハンドル部410の握り部材412,413を通るように形成されており、操作ハンドル部410を操作する遊技者の手に下部スピーカ391からの空気の流れ(風)を当てることができ、遊技者に対してこれまでにない感触を与えて、楽しませることができるようになっている。なお、下部スピーカ391に対して、人間の可聴帯域よりも低い周波数の音響信号を送ることで、ダクト用開口321fから風だけを遊技者に当てることができ、メインボタン371の振動体371cと合わせて、これまでの遊技機にない触感演出を楽しませることができるようになっている。
また、スピーカボックス392には、その後面に、皿体310の第一球抜き経路313及び第二球抜き口312の下流に配置され、第一球抜き経路313及び第二球抜き口312を流通してきた遊技球を、スピーカボックス392の左右方向略中央の下部に誘導する球抜き経路393を備えている。この球抜き経路393は、後方が開放された略L字状に形成されており、皿ユニット300における皿奥板340の球抜き経路用開口345を介して扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球抜き経路カバー191によって後側が閉鎖されるようになっている。また、球抜き経路393を流通した遊技球は、皿ユニット本体320における本体部321の球排出口321gから、皿ユニット300の下方へ排出されるようになっている。
更に、スピーカボックス392には、正面視で左側上部に第二球抜き機構360の第二球抜きスライド362の前端を前後方向へ摺動可能に保持する第二球抜きスライド保持孔394と、第二球抜きスライド保持孔394の後側に配置され第二球抜き機構360の第二球抜き機構支持体368を支持する第二球抜き機構支持部395と、を備えている。これら、第二球抜きスライド保持孔394及び第二球抜き機構支持部395によって、第二球抜き機構360を所定位置に支持することができるようになっている。
[2−3−8.ハンドル装置]
次に、皿ユニット300におけるハンドル装置400は、図47〜図49等に示すように、扉枠5の開放側下部前面に設けられる操作ハンドル部410と、操作ハンドル部410に対応する扉枠5の裏面に組み付けられて操作ハンドル部410の回動操作に応じて回転する回転軸415と連携され且つ回転軸415の回転運動をスライド運動に変化させるジョイントユニット180と、から構成されている。
まず、操作ハンドル部410は、扉枠5における皿ユニット300の皿ユニット本体320における本体部321のハンドルベース取付口321dから前方へ突出するように取付けられる円筒状のハンドルベース303のハンドル支持筒部303aに挿入固定される。このハンドル支持筒部303aは、パチンコ遊技機1の上方から見た平面視で外側(右側)に向くように傾斜して形成されているため、ハンドル支持筒部303aに挿入固定される操作ハンドル部410も平面視で外側に傾斜(換言するならば、パチンコ遊技機1の前面垂直面に直交する線に対してその先端部がパチンコ遊技機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠5に取付固定されることになる。このように、操作ハンドル部410を平面視で外側に向けて傾斜させることにより、遊技者が操作ハンドル部410を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行いやすいという利点がある。そして、本実施形態においては、後述するように、操作ハンドル部410を傾斜設置しても、操作ハンドル部410の回転軸415の回転運動がスムーズに伝達されて打球発射装置650の弾発力を調整することができる構造が採用されている。なお、操作ハンドル部410のハンドル支持筒部303aへの挿入後、ハンドル支持筒部303aと操作ハンドル部410(正確には、後握り部材413)とをビス等で連結して操作ハンドル部410がハンドル支持筒部303aから引き抜きできないようになっている。
また、操作ハンドル部410は、図49に示すように、前握り部材412と、後握り部材413と、前握り部材412と後握り部材413との間で回動自在に軸支される回動操作部材414と、回動操作部材414にその一端部が固定される直線円柱状の回転軸415と、回転軸415の他端部に固定されるカム416と、から構成されている。後握り部材413は、ハンドル支持筒部303aに嵌合される小径部と小径部の前方の大径部とが一体的に形成され、その中心に回転軸415が貫通される軸貫通穴418が形成されている。回転軸415が軸貫通穴418に挿通される際には、軸受ブッシュ417が軸貫通穴418の後端に嵌めこまれ、その軸受ブッシュ417に回転軸415が挿通される。一方、軸受ブッシュ417を介して軸貫通穴418に貫通された回転軸415は、後握り部材413の前面側に固定される固定軸受部材423の軸受穴424を貫通して回動操作部材414の中心に形成される軸嵌合穴426に嵌合される。
また、後握り部材413の前面側には、タッチセンサ420、発射停止スイッチ422を固定するための突起や取付穴(共に図示しない)が設けられると共に、単発ボタン421が揺動自在に支持される揺動ピン(図示しない)が形成され、それらの突起や取付穴及び揺動ピンにタッチセンサ420、発射停止スイッチ422及び単発ボタン421が取付けられている。そして、それらが取付けられた状態でタッチセンサ420や発射停止スイッチ422からの配線が纏められて後握り部材413の軸貫通穴418の側方に形成される配線通し穴419を有した配線通し筒部428及び配線開口184c(図22を参照)から扉枠5の裏面に導き出され、ハンドル中継端子板194(図15及び図16を参照)に接続されるようになっている。このハンドル中継端子板194からの配線は、上述した下補強板36に沿って取付けられており、後述する払出制御基板1186に電気的に接続されるようになっている。また、固定軸受部材423と回動操作部材414との間には、付勢スプリング425が回転軸415に周設されるように設けられ、この付勢スプリング425が回動操作部材414を常に元の位置に復帰させるようになっている。更に、回動操作部材414の軸嵌合穴426の外側にはスイッチ接触凸部427が突設され、回動操作部材414が付勢スプリング425の付勢力により元位置にある場合に、スイッチ接触凸部427が発射停止スイッチ422のアクチュエータに接触して発射停止スイッチ422をOFFとし、回動操作部材414が遊技者によって回動操作されるとスイッチ接触凸部427が発射停止スイッチ422のアクチュエータと離れてONとする。また、発射停止スイッチ422がONとなっている状態で単発ボタン421が揺動可能になるので、単発ボタン421を押圧することにより、発射停止スイッチ422のアクチュエータをOFF操作することができるようになっている。
なお、回動操作部材414の外周表面には、導電性のメッキが施されており、遊技者が回動操作部材414に接触することによりタッチセンサ420が接触を検出するようになっている。そして、遊技者が回動操作部材414を回動して発射停止スイッチ422がONとなり且つタッチセンサ420が接触を検出しているときに打球発射装置650の後述する発射モータ695(図68を参照)が回転駆動されるようになっている。
また、回転軸415の先端に固定されるカム416は、勾玉状に形成され、回転軸415の回転にしたがって後述するジョイントユニット180のスライド体182(図22及び図50を参照)のカム当接部182dを押圧して一方向にスライドさせるようになっている。そして、本実施形態においては、この回転軸415の先端に固定されるカム416とジョイントユニット180のスライド体182との連携構造によって前述したような操作ハンドル部410の平面視での傾斜状取付けが可能となっている。
上述したように、操作ハンドル部410を扉枠5の前面側からハンドルベース303のハンドル支持筒部303aに挿通支持し、ジョイントユニット180を扉枠5の裏面側からジョイントユニット装着凹部110cに取付けることにより、図47に示すように、回転軸415の先端部に固定されるカム416がスライド体182のカム係合凹部182cに収納されるようになっている。この場合、操作ハンドル部410が平面視で傾斜状に取付けられることにより、カム416も扉枠5の垂直面に対して傾斜状となっているが、カム係合凹部182cが前後方向に所定の空間幅を有しているので、傾斜したカム416の全体をカム係合凹部182cの空間内に収納できるようになっている。また、その収納状態は、図50(A)に示すように、カム416の回転中心がカム当接部182dの側方に位置し、勾玉状のカム416の先端がカム係合凹部182cの下方空間内に位置するようになっている。
上述した状態で操作ハンドル部410の回動操作部材414を遊技者が回動操作すると、回転軸415が回動し、それにつれてカム416も回転するので、図50(B)に示すように、カム係合凹部182cのカム当接部182dとカム416の一側外形面(回転前方の外形面)との当接によってスライド体182が一方向(図50の場合には、図示の右側方向)にスライド移動する。つまり、回転軸415の回転運動がスライド体182のスライド運動に変換される。このため、図50(A)に示す初期状態(回動前)におけるカム416の回転中心とスライド体182のスライド突片183の進行方向の端辺との距離S1が、カム416の最大限の回転によって距離S1よりも大きな距離S2となる。つまり、スライド体182のスライド突片183が「S2−S1」の距離だけスライドすることになる。そして、ジョイントユニット180のスライド突片183のスライド移動が、図48、図51、図52に示すように、打球発射装置650のスライド部材710に伝達されて打球発射装置650の付勢バネ684(図68を参照)の張力を調節し、もって打球槌687の付勢力の強弱を調整して遊技者の望む打球の弾発力を得ることができる。なお、ハンドル装置400と打球発射装置650との関係については、打球発射装置650についての説明の後で詳細に説明する。
なお、操作ハンドル部410の内部から配線通し穴419、配線通し筒部428及び配線開口184cを通って扉枠5の裏面に導出された配線は、扉枠5の裏面下辺に沿って軸支側に引き回され、その後、本体枠3の裏面側に取付けられる基板ユニット1100に集約して取付けられる払出制御基板1186の操作ハンドル用端子1194(図90を参照)に接続されるようになっている。
[2−3−9.皿ユニットの作用効果]
続いて、本実施形態の皿ユニット300の貯留皿311内における遊技球の流れについて図53及び図54を主に参照して説明する。本実施形態では、後述する賞球ユニット800から払出された遊技球が、満タンユニット900、皿奥板340の賞球連絡樋343を介して球流入口341から貯留皿311内へ流入するようになっており、球流入口341から流入した遊技球が、初めに第一傾斜面311aへと流入するようになっている。この第一傾斜面311aは、前側及び正面視右側が低くなるように形成されており、球流入口341から第一傾斜面311aへ流入した遊技球は、第一傾斜面311aの傾斜に沿って貯留皿311の前側外周を囲う外周壁311hの球流入口341と略対向する位置と当接することとなる。外周壁311hのこの位置は、球流入口341が形成された皿裏板340の面に対して曲線状に傾斜しており、外周壁311hに当接した遊技球は、正面視で右方向へ反射するようになっている。
そして、球流入口341から貯留皿311内へ流入して外周壁311hで右方向へ反射した遊技球は、第四傾斜面311dを越えて第五傾斜面311eへと進入する。この第五傾斜面311eは、正面視で左側、つまり、第四傾斜面311d側が低くなると共に、その傾斜角度が第一傾斜面311aから進入してきた遊技球が登坂可能な緩い斜度とされており、第四傾斜面311dを越えて第一傾斜面311aから進入してきた遊技球が、第五傾斜面311eを上りながら第五傾斜面311eの上部(平面視で右側端部)へと流通することとなる。また、この第五傾斜面311eは、前側から右側端部を巡って後側までが外周壁311hと仕切壁311fとによって仕切られており、第五傾斜面311eへ進入した遊技球は、その周りを囲う外周壁311h及び仕切壁311fに略沿うように第五傾斜面311e内を巡って第五傾斜面311eの左側に配置された第四傾斜面311d側へ戻るようになっている。
第五傾斜面311eから第四傾斜面311dへ進入した遊技球は、第四傾斜面311dの傾斜に従って第四傾斜面311dの後側にある第二傾斜面311bへと流通し、更に、第二傾斜面311bから右側の第三傾斜面311cへと進入して、第三傾斜面311cの下流端に配置された皿裏板340の球供給口342から打球発射装置650へと供給されるようになっている。つまり、球流入口341から貯留皿311内へ流入した遊技球は、第一傾斜面311aから第二傾斜面311bを介して直接第三傾斜面311cへ向わずに、第一傾斜面311aから第四傾斜面311dを介して第五傾斜面311eへ一旦進入した上で、第四傾斜面311d及び第二傾斜面311bを介して第三傾斜面311cへ至るようになっており、球流入口341から流入した遊技球を迂回させることができるようになっている。
これにより、貯留皿311の全体を有効に使って複数の遊技球を貯留することができ、従来のパチンコ遊技機のように貯留の少ない状態で貯留され遊技球が球流入口341を塞いでしまうことで、満タンユニット900の満タンスイッチ916が作動して、遊技球の払い出しが停止してしまったり、打球発射装置650での遊技球の発射動作が停止してしまったりして遊技が中断してしまうのを良好に防止することができるようになっている。
ところで、本実施形態の皿ユニット300の貯留皿311に多くの遊技球が貯留されることで球流入口341が貯留された遊技球によって閉鎖されて、皿裏板340の賞球連絡樋343と賞球ユニット800との間に配置された満タンユニット900内で遊技球が滞留すると、満タンユニット900の満タンスイッチ916が作動して、賞球ユニット800からの遊技球の払い出しを停止したり、打球発射装置650での遊技球の発射動作を停止したりするようになっており、特に打球発射装置650の発射動作が停止されると遊技を中断せざる負えなくなるので、遊技者は、貯留皿311に貯留された遊技球が適宜の量となったら第一球抜きボタン351や第二球抜きボタン361を操作して、貯留皿311から遊技球を皿ユニット300の下方に配置した容器(例えば、ドル箱)へ排出する必要がある。なお、本実施形態では、満タンスイッチ916が作動すると、貯留皿311内が満タンである旨を遊技者に案内してから打球発射装置650の発射動作を停止させるようになっている。
この貯留皿311内から遊技球を排出するには、皿ユニット300の上面に配置された第一球抜きボタン351を操作する(押す)と、第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356がスライドして、第三傾斜面311cの下流端と第一球抜き経路313との間の閉鎖を解除し、第三傾斜面311cの遊技球を第一球抜き経路313へと流下させ、球抜き経路393を介して球排出口321gから皿ユニット300の下方へと排出することができるようになっている。この第一球抜きボタン351の操作により、貯留皿311における最も低い位置となる第三傾斜面311cの下流端から遊技球を抜くことができるので、貯留皿311内から全ての遊技球を排出することができるようになっている。しかしながら、第一球抜きボタン351の操作による球抜きでは、第三傾斜面311cにおいて遊技球が一列に整列されるので、球抜きに時間がかかる問題がある。
そこで、皿ユニット300の前面左側に配置された第二球抜きボタン361を操作する(押す)と、第二球抜き機構360の第二球抜きシャッター364が移動して貯留皿311内の第二球抜き口312が開放され、貯留皿311内における第二球抜き口312よりも上流側の遊技球が第二球抜き口312を通り、球抜き経路393を介して球排出口321gから皿ユニット300の下方へと排出することができるようになっている(図53(B)を参照)。この第二球抜き口312は、図示するように、遊技球の外径よりも数倍大きい開口とされており、一度に多くの遊技球を素早く排出することができるようになっている。従って、第一球抜きボタン351と第二球抜きボタン361の二つのボタンの存在により、遊技者に対して球抜きにかける時間の長短を選択させることができるようになっている。また、遊技中に大当りとなった場合に皿ユニット300に大量の球が払出されることになり、これを放置して遊技を継続すると皿ユニット300の上流側に設けられる満タンスイッチ916(図80を参照)の機能が作動して払出動作が停止されたり弾発動作が停止されて大当り中であるにもかかわらず遊技球の打球動作が停止して遊技が継続できなくなったりする虞れがあり、このような場合に、第二球抜きボタン361の操作を行うことにより、皿ユニット300に貯留されつつある球を球抜すると同時に発射位置への球の供給を維持して大当り中の遊技を継続することができるようになっている。
また、本実施形態の皿ユニット300では、第二球抜きボタン361を操作すると、第二球抜き機構360のラッチユニット366により、第二球抜きシャッター364が開位置で保持され、第二球抜き口312が開いたままの状態とすることができるようになっている。この状態で第二球抜き口312よりも上流側の遊技球が排出されて、第一傾斜面311a上の遊技球が殆どなくなると、球流入口341から流入する遊技球は、上述したように、外周壁311hで反射して第五傾斜面311eの方向へ流通しようとし、第四傾斜面311dや第五傾斜面311e、及び第二球抜き口312よりも下流側の第二傾斜面311bや第三傾斜面311c上に遊技球が供給されるようになっている。従って、打球発射装置650の発射動作により第三傾斜面311c上の遊技球が消費されても、球流入口341から貯留皿311内へ遊技球が流入して来る限り、第二傾斜面311b、第四傾斜面311d、及び第五傾斜面311eを介して第三傾斜面311cへ遊技球が供給されると共に、遊技球の発射動作を停止させて流入してきた遊技球が多くなれば第二球抜き口312から輩出されることとなるので、第二球抜き口312を開放したままでも、常に貯留皿311内に一定量の遊技球を確保して、遊技を継続させることができるようになっている。つまり、大当り遊技中等の遊技球の払い出しが連続するような状態でも、貯留皿311内の遊技球の量を気にすることなく遊技を続けることができるようになっている。
本実施形態の皿ユニット300では、皿体310の貯留皿311は、図54等に示すように、その底面が第一傾斜面311a、第二傾斜面311b、第三傾斜面311cが連続して正面視で右方向(球供給口342)へ向うに従って低くなるようになっているのに対して、皿奥板340の球流入口341は、略水平に左右方向へ長く延びた矩形状とされているので、蓋然的に、貯留皿311の底面と球流入口341の底辺との間に段差が形成されるようになっていると共に、その段差が正面視右方向へ向うほど大きくなるようになっている。この貯留皿311の底面と球流入口341の底辺との間の段差は、球流入口341の左端では殆ど段差がない状態となっており、球流入口341の右端では遊技球の外径よりも若干高い段差となっている。これにより、賞球連絡樋343を介して前後方向へ略真直ぐに流入してきた遊技球は、主に段差の少ない球流入口341の中央寄りも左側の部分を通って貯留皿311内へ流入することとなるので、段差の少ない分、球流入口341から貯留皿311へ落下する遊技球の位置エネルギー(落下エネルギー)も小さく、貯留皿311へ与える負荷を軽減させて貯留皿311が破損するのを防止することができるようになっている。
ところで、貯留皿311内での遊技球の貯留量が多くなって第一傾斜面311a上にも多くの遊技球が貯留されるようになると、賞球連絡樋343を介して球流入口341から貯留皿311内へ流入する遊技球が、貯留皿311内に貯留された遊技球を横から押すような形となり、各遊技球に横方向の力が作用することで遊技球同士が押し合った状態となる。その状態で、球供給口342を介して貯留皿311(第三傾斜面311c)内の遊技球が消費されると、第三傾斜面311cの上流付近(第二傾斜面311b)で遊技球の流路の幅が狭くなると、遊技球同士が押し合って遊技球の流動性が低下し球詰りが発生する場合があるが、本実施形態では、上述したように、球流入口341が左右方向へ延びた矩形状とされているので、賞球連絡樋343からの遊技球が棚部344を通って第二傾斜面311bへ直接流入し、第三傾斜面311cへ遊技球を供給することができるようになっている(図53(B)を参照)。
また、球流入口341の左右方向中央よりも右側の部分は、球流入口341の下辺が貯留皿311の底面に対して遊技球の外径よりも高くなっているので、棚部344を介して貯留皿311内へ流入する遊技球が、貯留皿311内に貯留された遊技球の上側に流入することとなり、遊技球同士が横方向へ押し合うのを抑制して遊技球の流動性が低下すのを防止することができると共に、上から流入する遊技球により下側の遊技球(特に皿奥板340の前面と当接した遊技球)は横方向への移動が促され、自然と球詰りを解消させることができるようになっている(図54を参照)。
このように、本実施形態の皿ユニット300は、貯留皿311内に貯留された遊技球の量が多くなっても、賞球ユニット800から払出された遊技球を、横長の球流入口341の棚部344を介して貯留皿311内に貯留された遊技球の上側へ流入させるようにしているので、貯留皿311内で遊技球の球詰りが発生するのを良好に防止することができ、貯留皿311内の遊技球を気にすることなく遊技を継続させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[2−4.ガラスユニット]
次に、扉枠5におけるガラスユニット450について、主に図55〜図57を参照して説明する。図55はガラスユニットの正面斜視図であり、図56はガラスユニットを分解して前から示す分解斜視図であり、図57は図56を後から示す分解斜視図である。このガラスユニット450は、図示するように、遊技窓101よりも大きな開口を有し合成樹脂で成型した環状で縦長八角形状のユニット枠451と、ユニット枠451の開口の前後端を夫々閉鎖する二枚の透明なガラス板452と、二枚のガラス板452の間でユニット枠451の内周に添って配置される帯状のガラス装飾基板453と、を備えている。
このガラスユニット450におけるユニット枠451は、後方側が開放されガラス装飾基板453が挿入される基板挿入溝451aと、基板挿入溝451aからユニット枠451の内周側へ向って開口する複数の開口部451bと、ユニット枠451の前後方向略中央の外周に形成された係合溝451cと、正面視で左側上端より左方向へ突出する端子板支持部451dと、上下方向中央に対して上寄りの外周位置から左右方向へ夫々突出する止め片451eと、下辺の両端から左右方向外方へ夫々突出する係止突起451fと、を備えている。
また、ガラスユニット450におけるガラス装飾基板453は、帯状で可撓性を有しており、表面側(ユニット枠451の内面側)にユニット枠451の開口部451bと対応する位置に複数のカラーLED453aが実装されており、ガラス装飾基板453をユニット枠451の基板挿入溝451a内へ挿入すると、LED453aが開口部451bを介してユニット枠451の内面側へ臨むようになっている。
更に、ガラスユニット450は、ガラス装飾基板と接続されユニット枠451の端子板支持部451dに支持されるガラス装飾中継基板454と、ガラス装飾中継基板454にガラス装飾基板453の端部を固定する基板押え455と、ガラス装飾中継基板454を支持したユニット枠451の端子板支持部451dを覆う端子板ホルダ456と、を更に備えている。
このガラスユニット450は、ユニット枠451の基板挿入溝451a内にガラス装飾基板453が挿入された状態で、ユニット枠451の前後にガラス板452が夫々接着固定されている。そして、このガラスユニット450は、ユニット枠451の外周下辺に形成された係合溝451cが補強板金140の垂直折曲突片151と係合すると共に、ユニット枠451の外周縁と止め片451e及び係止突起451fとが扉枠ベース本体110のガラスユニット支持段部110a内に後側から嵌合された上で、止めレバー196により扉枠5に対して脱着可能に取付けられるようになっている。
また、ガラスユニット450は、ガラス装飾基板453のカラーLED453aを適宜発光させることで、二つのガラス板452の間を発光装飾させることができるようになっており、これまでのパチンコ遊技機とは異なる雰囲気(ムードのある)の遊技窓101を有したパチンコ遊技機1とすることができるようになっている。
[2−5.防犯カバー]
続いて、扉枠5における防犯カバー470について、主に図12及び図13を参照して説明する。この防犯カバー470は、上記したガラスユニット450の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与されたものであり、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金142,143の間のガラスユニット450の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部が遊技盤4の内レール603の下方円弧面に沿った円弧状の当接凹部471として形成されていると共に、その当接凹部471に沿って後方に向って防犯後突片474が突設されている。また、防犯カバー470を取付けた状態で軸支側裏面には、防犯後端部突片475が斜め状に突設形成されている。一方、防犯カバー470の前面には、防犯カバー470を取付けた状態でガラスユニット450におけるユニット枠451の下方形状に沿った防犯前突片472が突設されると共に、下部両端にU字状に形成される装着弾性片473が前方に向けて突設形成されている。
上記のように構成される防犯カバー470は、装着弾性片473を扉枠ベースユニット100に形成される装着開口部116に装着することにより、扉枠5の裏面側に着脱自在に取付けられる。そして、取付けた状態では、図示は省略するが、防犯前突片472がガラスユニット450のユニット枠451の後方下片面と対面するようになっている。また、防犯前突片472の前端は、垂直折曲突片151と当接している。また、防犯後突片474及び防犯後端部突片475は、後方へ突出した状態となっているが、扉枠5を閉じたときに、防犯後突片474の軸支側の半分は、遊技盤4に固定される内レール603の下側面に侵入して対面した状態となるが、防犯後突片474の開放側の半分は、前構成部材601の内レール603に形成されたレール防犯溝607に挿入された状態となり、また、防犯後端部突片475は、本体枠3の軸支側に形成される防犯突起608の上面に沿って重合状の位置となる。
而して、防犯カバー470を取付けて扉枠5を閉じた状態においては、前述した扉枠突片110dと係合溝584,585とによる防犯構造、及び後述する防犯突片166と防犯空間586とによる防犯構造に加えて、ガラスユニット450の下方から不正具を侵入させようとしても、防犯前突片472とユニット枠451との重合により、防犯カバー470の前面下方方向からの不正具の侵入が防止され、防犯後突片474と前構成部材601を構成する内レール603との重合により、防犯カバー470の後面下方方向からの不正具の侵入が防止される。特に、扉枠5の軸支側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、防犯突起608と防犯後端部突片475との重合構造によって外レール602への不正具の侵入が阻止され、さらに内レール603と防犯後突片474との重合構造によって遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができるようになっている。
また、同様に、扉枠5の開放側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、前述した開放側補強板金143の二重の折曲突片153,154による防犯構造に加えて、レール防犯溝607と防犯後突片474との凹凸係合によりさらに遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができる。なお、防犯カバー470の裏面側の防犯後突片474と防犯後端部突片475との間の垂直面は、扉枠5を閉じた状態で外レール602と内レール603とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うものであるため、誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板452への衝突を防止する機能も有している。
[3.本体枠]
次に、パチンコ遊技機1における本体枠3について、図58〜図66を参照して説明する。図58は、部品を取付ける前の本体枠主体500の正面図であり、図59は、部品を取付ける前の本体枠主体500の背面図であり、図60は、部品を取付ける前の本体枠主体500の側面図であり、図61は、部品を取付ける前の本体枠主体500の背面から見た斜視図であり、図62は、部品を取付けた本体枠3の前方から見た斜視図であり、図63は、部品を取付けた本体枠3を外枠2に軸支した状態を前方から見た斜視図であり、図64は、部品を取付けた本体枠3の背面図であり、図65は、部品を取付けた本体枠3の背面から見た斜視図であり、図66は、パチンコ遊技機1の中程(主制御基板ボックス624部分)の水平線で切断したパチンコ遊技機の断面平面図である。
本実施形態の本体枠3は、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、打球発射装置650と、賞球を払い出すための賞球タンク720とタンクレール部材740と球通路ユニット770と賞球ユニット800と満タンユニット900と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う錠装置1000と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板1136等が一纏めに設けられている基板ユニット1100と、後面開口580を覆うカバー体1250と、等の各種の部品が装着される本体枠主体500を備えている。
まず、上記した各種の部品が装着される本体枠主体500及び各種の部品が装着された本体枠3について説明する。図58において、本体枠主体500の一側上下には、本体枠3を外枠2に開閉軸支するための上軸支金具503及び下軸支金具509(共に図62を参照)を取付けるための軸支金具取付段部501,502が形成され、この軸支金具取付段部501,502に上軸支金具503及び下軸支金具509を取付けた状態では、本体枠主体500の上辺及び側辺が上軸支金具503の上辺及び側辺と略同一平面状となり、本体枠主体500の下辺及び側辺が下軸支金具509の下辺及び側辺と略同一平面状となっている(図64を参照)。なお、本体枠主体500の一側下(図62において左側部)には、後述する枠基板用ホルダ1101に形成された配線用開口部1124(図86を参照)と連通する配線用開口537が形成されている。ここで、上軸支金具503と下軸支金具509について図62と図64を参照して説明する。上軸支金具503は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその上端辺が前方に突出し、その前方に突出した上面に軸支ピン504が立設固定され、その軸支ピン504の側方に扉軸支穴505が穿設されている。
一方、下軸支金具509は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその下端辺及びやや上部に2つの支持板506,507が一体的に突設されている。下方に位置する支持板506は、本体枠3を外枠2の下支持金具66に支持するための枠支持板506を構成するものであり、上方に位置する支持板507は、扉枠5の下軸支部148を本体枠3に支持するための扉支持板507を構成するものである。このため、枠支持板506に外枠2の下支持金具66の支持突起68を挿入するための軸支穴(図示しない)が形成され、扉支持板507に扉枠5の下軸支部148に突設される軸ピン147を挿入するための軸支穴508が穿設されている。
ところで、本体枠主体500は、正面から見た場合に、長方形状に形成され、その上部の約3/4が遊技盤4を設置するための遊技盤設置凹部510(図62を参照)となっており、その遊技盤設置凹部510の下方のやや奥まった領域が板部511となっている。また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部及び前面開放側辺部は、扉枠5の裏面と対面するように所定幅を有して形成されており、前面上辺部には、横方向に平行状に突設される突起によって上部防犯二重溝581が形成され、正面から見て右側の前面開放側辺部には、外側に側部防犯溝582が形成されると共に内側に後端が第一側面壁540に接続される傾斜面となっている内壁によって形成される防犯凹部583が形成され、正面から見て左側の前面軸支側辺部は、前面上辺部や前面開放側辺部と異なり扉枠5の裏面と対面する所定幅を有するように形成されていないが、本体枠主体500の前面軸支側辺部が前面上辺部や前面開放側面部に比べて前方への突出量が多い軸支辺部587(図79を参照)となっている。
より詳細に説明すると、前面上辺部に形成される上部防犯二重溝581は、扉枠5の上辺部裏面に取付固定される上側補強板金141の両長辺端を後方に向って折曲される折曲突片155,156が夫々挿入されるようになっているものである。また、前面開放側辺部に形成される側部防犯溝582及び防犯凹部583は、扉枠5の開放部裏面に取付固定される開放側補強板金143の両長辺端を後方に向って折曲される開放側外折曲突片153及び開放側内折曲突片154が夫々挿入されるようになっているものである。更に、前面軸支側辺部の軸支辺部587には、扉枠5の軸支側裏面に取付固定される軸支側補強板金142の軸支側L字状折曲突片157の先端部が当接するようになっている。
そして、上記した構造によって扉枠5と本体枠3との当接面の隙間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を防止することができ、特に、最も不正行為が行われやすい開放側辺部や次いで不正行為が行われやすい上辺部における不正行為の防止をはかることができる構造となっている。もちろん、軸支側における軸支側補強板金142と軸支側L字状折曲突片157との当接による不正行為の防止も充分に機能するが、多くの場合、軸支側は、頑丈な支持金具45,66と軸支金具503,509とで本体枠3と扉枠5とが連結されているため、上辺部及び開放側辺部に比べて本体枠3と扉枠5との間に隙間が作り難い。このため、本実施形態においては、二重の防犯構造ではなく、一重の防犯構造としている。これらの点については、後に詳述する。
また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部、前面開放側辺部、及び前面軸支側辺部には、上記した構成以外に前面開放側辺部の上部、中間部、下部に本体枠3の開放側裏面に取付けられる後述する錠装置1000に設けられる扉枠用フック部1041を貫通させて前方に飛び出させるための扉用フック穴549が開設されており、また、前面軸支側辺部の内側面に遊技盤4に形成される位置決め凹部611と係合するための盤位置決め突起576が設けられている。更に、前面軸支側辺部の盤位置決め突起576のやや下方位置の内側前方面に、扉枠5を閉じた状態で軸支側補強板金142の軸支側L字状折曲突片157の先端が挿入される上下2つの規制突起577が突設されている。この規制突起577の作用については前述した通りである。また、図58に示すように、開放側の平面部分と遊技盤設置凹部510との境目の上下に遊技盤4に設けられる遊技盤止め具614の端部が係合される盤止め具挿入穴578が形成されている。
次に、板部511の構成について図58〜図63を参照して説明する。板部511の上面は、遊技盤4を載置するための遊技盤載置部512となっており、その遊技盤載置部512の略中央に遊技盤4を載置したときに、遊技盤4に形成されるアウト口606(図97を参照)の下面を支持する通路支持突起513が突設されている。また、図58に示すように、板部511の前面の中央部から開放側の端部に向かってレール取付ボス514が所定間隔を置いて突設され、このレール取付ボス514に発射レール515(図62を参照)がビス止め固定されている。また、発射レール515の先端位置に対応する板部511の前面には、レール接続部材516が突設され、遊技盤設置凹部510に遊技盤4が設置されたときに、遊技盤4の内レール603の下流端である接続通路部609と隣接するようになっている。
また、レール接続部材516の側方位置(発射レール515と反対側の位置)には、遊技盤4の下部を固定するための楕円形状の遊技盤固定具519(図62を参照)の上端部を取付けるための固定具取付ボス517が突設され、その斜め下方にストッパー518が突設されている。つまり、遊技盤固定具519は、固定具取付ボス517を中心にして回転自在に設けられ、遊技盤載置部512に遊技盤4が載置された状態で時計方向に回動して遊技盤固定具519を遊技盤4の前面に押圧して遊技盤4を固定するものである。また、遊技盤を取り外す場合には、遊技盤固定具519を反時計方向に回して取り外すことにより、簡単に行うことができる。この場合、遊技盤固定具519はストッパー518により反時計方向の余分な回転ができないようになっている。
また、板部511の開放側下部は、手前側に膨出状に突設された(裏面から見れば凹状となっている)直方体状の発射装置取付部520が形成されており、この発射装置取付部520に本体枠主体500の裏面から打球発射装置650が固定されている。この点については、後に詳述する。上記した発射装置取付部520の前面壁部分には、前述したジョイントユニット180のスライド突片183と連携されるスライド部材710(図72を参照)が収納されるハンドル連結窓522が形成され、そのハンドル連結窓522の隣接する位置に打球槌687の軸受689(図68を参照)の端面が臨む軸用穴523が開設されている。また、発射装置取付部520の上壁部分には、打球発射装置650の打球槌687が上方に突出するための槌貫通開口521が切欠形成され、その槌貫通開口521の斜め上方の板部511の前面に錠装置1000のシリンダ錠1010が貫通するシリンダ錠貫通穴526が開設されている。
一方、板部511の裏面には、図59に示すように、軸支側の上部から板部511の中央部分に向けて延設された後下方に向かう球抜排出通路524が形成されている。この球抜排出通路524は、後述する球抜接続通路880(図62を参照)から排出される球をパチンコ遊技機1の下方から島の内部に排出するためのものである。また、上述した発射装置取付部520の上方には、円柱状の案内突起525が後方に向かって突設され、この案内突起525に後述する基板ユニット1100の案内孔1125(図87を参照)が差し込まれて基板ユニット1100の取付けを容易にしている。また、基板ユニット1100をビスで取付けるための取付穴部527が板部511の左右上下に形成され、この取付穴部527に基板ユニット1100の取付片1122を対応させてビスで止着する。また、発射装置取付部520の凹状の内部には、打球発射装置650を取付けるための発射装置取付ボス529が後方に向かって突設され、更に、開放側の最下端部には、図61に示すように、本体枠3を外枠2に対して閉じる際に、装飾カバー板15の上面に当接しながら本体枠3の閉止動作を案内するために先端が先細状で縦長形状の案内突片528が後方に向かって突設されている。
板部511には、以上説明した構成以外に、図61に示すように、軸支側の端部上面に球抜排出通路524の上流端の開口である球抜接続開口530が形成されている。この球抜接続開口530に球抜接続通路880の下流端が接続されるようになっている。また、球抜接続開口530に隣接する部分は、後に詳述する満タンユニット900(図62を参照)を載置するための満タンユニット載置部531が板部511と直交するように水平状に形成され、その満タンユニット載置部531の前方部分に満タンユニット900の係合片924(図80を参照)と係合するユニット係合溝532が形成されている。更に、図62に示すように、満タンユニット載置部531の前方の板部511の前面には、扉枠5の開放時に満タンユニット900の出口921から排出される賞球を堰き止める出口開閉装置579が設けられている。
この出口開閉装置579については、詳細に説明しないが、扉枠5が閉じているときには、扉枠5の裏面に当接するレバーによって開閉板が下降した状態となっているが、扉板5が開放されるとレバーへの当接がなくなるため開閉板が上昇して出口921を閉塞するものである。このため、扉枠5の開放時においても満タンユニット900内に貯留された賞球が出口921から零れ落ちることがない。また、図62に示すように、板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている。この締結連杆534は、本体枠3からの遊技盤4の取り外しを防止するための機構である。
次に、遊技盤設置凹部510の構成について説明する。遊技盤設置凹部510は、軸支側の内側面及び上記した上辺部及び開放側の鍔面部から後方へ周設される第一側面壁540と、第一側面壁540から後方に周設される第二側面壁541と、第二側面壁541から後方に周設される第三側面壁542と、第三側面壁542から後方に周設される第四側面壁543、とにより、本体枠3の左右側辺及び上辺の後方部分が囲まれた凹状に形成されているものである。
なお、第一側面壁540〜第四側面壁543は、背面から見て上辺及び右辺(軸支側の辺)が段差をもって後方に真っ直ぐに延長されるように形成されるのに対し、左辺(開放側の辺)が第一側面壁540から第四側面壁543に向かうにしたがって内側に傾斜する段差状(図66を参照)に形成される。これは、左辺(開放側の辺)の第一側面壁540から第四側面壁543までを後方に真っ直ぐ形成したときに、本体枠3を開放する際に、第四側面壁543の最後端部が外枠2の側枠板13の内面と当接してスムーズに開放できない場合があるため、開放側の第一側壁面540から第四側面壁543までが内側傾斜状とすることによりスムーズに開放することができるようにしたものである。
また、それと同時に開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取付けられるが、その取付けを第一側面壁540の後端辺に設けられる錠取付穴547を利用して行うため、その錠取付穴547を形成するためにも開放側の第一側面壁540から第四側面壁543を傾斜段差状に形成したものである。更に、第一側面壁540〜第四側面壁543の段差の寸法も、第一側面壁540と第二側面壁541との段差は、後述する遊技盤4の裏面の周辺と当接する必要があるため、ある程度大きな段差をもって形成されるが、それ以外の段差は、極めて小さな段差となっている。もちろん、第二側面壁541〜第四側面壁543までは段差を形成することなく連続的に形成してもよい。
そして、上記した側面壁540〜543は、図60に示すように、夫々奥行き幅寸法d1,d2,d3,d4を有するように形成され、本実施形態の場合、d1+d2+d3+d4=約135mmとなっている。特に、第一側面壁540の幅寸法d1は、遊技盤4の厚みに相当し、残りの第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間に遊技盤4に設けられる各種の遊技装置の後方突出部分が収納されるようになっている。
つまり、第一側面壁540は、遊技盤4の厚さと略同じ奥行寸法を有する前側面壁を構成し、第二側面壁541〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部裏面と当接する段差部を有して第一側面壁540から後方に向かって略第一側面壁540と平行状に延設され且つ遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁を構成するものである。特に、本実施形態の場合には、図4に示すように、第二側面壁541〜第四側面壁543のすべての部位の後方への突出量が、本体枠3の裏面側上部に固定される賞球タンク720の球を貯留する貯留部728の後面壁722と略同じ位置となるように形成されている。
これにより、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4の略全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。
また、図59及び図61に示すように、第四側面壁543の後端辺からは背面から見てその左辺(開放側)、上辺及び右辺(軸支側)に、開放側後面壁544、上後面壁545及び後面壁としての軸支側後面壁546が夫々パチンコ遊技機の正面と平行となるように内側に向かって突設されている。軸支側後面壁546は、その前面が平板状(図58を参照)となっており、その後面に球払出機構を構成する後述の球通路ユニット770と賞球ユニット800とが着脱自在に取付けられるようになっている。従って、軸支側後面壁546の内側への突出幅寸法は、球通路ユニット770と賞球ユニット800とを取付ける幅があれば充分である。
また、上後面壁545は、その前面が平板状(図58を参照)となっており、その後面に後述するタンクレール部材740が取付けられるため、その下端辺が傾斜状に形成されている。従って、上後面壁545の内側への突出幅は、傾斜状に取付けられるタンクレール部材740の高さ幅寸法があれば充分である。更に、開放側後面壁544には、その前面が平板状(図58を参照)となっており、その後面にカバー体1250の軸支ピン1251を軸支するカバー体支持筒部575が形成されている。したがって、開放側後面壁544の内側への突出幅寸法は、カバー体支持筒部575を形成する幅寸法があれば充分である。
上述したように、第四側面壁543の後端辺から内側に向かって突設される開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の前面が平板状に形成され、この平板状部分が遊技盤4の周辺部に対応するものであるため、上記したように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4の略全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の内側は、後面開口580となっており、この後面開口580がカバー体1250によって開閉自在に閉塞されるようになっている。
次に、遊技盤設置凹部510の更に詳細な構成について説明すると、前述したように、開放側の平面部分には、錠装置1000の扉枠用フック部1041が貫通する扉用フック穴549が上中下の3箇所開設されているが、その上下の扉用フック穴549のさらに上中下に錠装置1000の後述する係止突起1004が係合される錠係止穴548(図59を参照)が形成されている。また、開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取付けられるが、その取付けをビスで行うための錠取付穴547(図59を参照)が第一側面壁540の後端部の上部と中程に形成されている。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003とシリンダ錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させてビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、図61に示すように、第一側面壁540の上辺前方の左右には、本体枠3を外枠2に対して閉止する際に、外枠2の上枠板10の内周面と当接する案内円弧突起552が突設され、第一側面壁540の後端辺中央に後述する賞球タンク720の切欠部729と連通する逃げ凹部551が形成され、第一側面壁540と第二側面壁541と接続する垂直面にタンク取付溝550が形成されている。そして、このタンク取付溝550に賞球タンク720の取付鍔部733を取付けたときには、図65に示すように、賞球タンク720の切欠部729が逃げ凹部551と連通して賞球タンク720内に貯留された球の球圧が増加したときに圧抜きして球詰まりが発生しないように機能する。また、賞球タンク720を本体枠3に取付けたときには、平面視で賞球タンク720の正面側から見て奥側の後面壁722と第四側面壁543の後端辺が略一致(図4を参照)するようになっている。なお、上記した案内円弧突起552は、本体枠3の上辺を外枠2の上枠板10の内周面と当接させることにより、本体枠3を持ち上げて本体枠3の下辺と装飾カバー板15との間に隙間を形成し、その隙間から不正器具を挿入するような不正行為を防止するためのものである。
また、前述した上後面壁545には、タンクレール部材740を取付けるためのレール係止溝553が後面開口580の開口縁に沿って形成されており、また、第四側面壁543と上後面壁545の屈曲部にレール係止溝554が形成されている。そして、これらレール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750(図75を参照)を係止させることにより、タンクレール部材740を本体枠3に取付けることができる。また、タンクレール部材740を取付けたときの下流側に対応する上後面壁545の上部には、レール掛止弾性片555が形成され、レール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750を係止させて、タンクレール部材740を本体枠3に取付けたときに、その係止状態が外れないようにレール掛止弾性片555がタンクレール部材740の下流側上端の上から当接するようになっている。
このタンクレール部材740を取り外すときには、レール掛止弾性片555を後方へ押圧しておいてからレール係止溝553,554と係止突片749,750との係止状態を解除すべくタンクレール部材740を上方に持ち上げればよい。また、レール掛止弾性片555の側方に逃げ穴556が穿設され、レール掛止弾性片555の下方にアース線接続具557(図79等を参照)形成されている。逃げ穴556は、タンクレール部材740に設けられる整列歯車747の軸ピン748の端部を逃がすために穿設されるものであり、また、アース線接続具557は、タンクレール部材740の内部に貼着される金属製の導電板(図示しない)に接触していると共に、電源基板1136に設けられるアース用コネクタに接続される配線が接続されるものである。
また、軸支側後面壁546には、図59及び図61に示すように、軸支側後面壁546の左右両端に垂直状の立壁560を立設し、その立壁560の間に球通路ユニット770と賞球ユニット800とが取付けられる。また、左右の立壁560の間の最上流部から中流部よりやや上方まで賞球案内突起561が屈曲状に突設されている。この賞球案内突起561は、軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように後方に向かって突設され、後述する球通路ユニット770を取付けたときに、球通路ユニット770の球落下通路772に対応するもので、賞球を一列状に誘導するものである。また、賞球案内突起561の左右には、球通路ユニット770をビスで止着するための通路ユニット取付ボス562、及び位置決めするための位置決めピン574が突設されると共に、後述する球切れスイッチ778に対面するスイッチ対応突起563が突設されている。通路ユニット取付ボス562及び位置決めピン574については、後に詳述する。
更に、左右の立壁560の中流部から下流部にかけて賞球ユニット800の係合部としての鉤状係合部824(図77を参照)と係合する係止部としての係合突片565と、賞球ユニット800のボタン挿通係合穴821(図77を参照)と係合するロック用弾性爪564と、が形成されると共に、賞球ユニット800のスプロケット807の回転軸808(図77を参照)の端部が受入れられる逃げ穴566が形成されている。また、軸支側後面壁546の下方には、払出モータ用逃げ開口部572が形成されており、この払出モータ用逃げ開口部572に賞球ユニット800の駆動モータとしての払出モータ815が臨むようになっている(図62を参照)。そして、賞球ユニット800は、軸支側後面壁546の裏面最下端に形成される係止溝573のその下端を係止して係合突片565及びロック用弾性爪564によって軸支側後面壁546に着脱自在に取付けられるようになっている。この着脱自在の構成については、後に詳述する。
また、軸支側後面壁546の開放側の端部には、そのカバー体1250の開放側の端辺が入り込むカバー体当接溝567が形成されていると共に、カバー体当接溝567の下方に施錠壁569が突設されている。カバー体当接溝567には、カバー体1250の止め穴1253(図65を参照)に対応する止め穴568が形成されており、これら止め穴1253,568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができるようになっている。また、施錠壁569には、平面視U字状の施錠用突出鉤片570が突設され、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570をカバー体1250に形成される貫通穴1254(図65を参照)を貫通させ、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。なお、カバー体1250の左下部には接続操作用開口1255が設けられており、カバー体1250を開放する作業を行うことなく、RAMクリアスイッチ624a(図100を参照)を操作したり、試験用の試験用端子624b,624c(図100を参照)に検査機器を接続したりすることができるようになっている。
以上、遊技盤設置凹部510及び板部511とからなる本体枠主体500の構成について説明してきたが、上記に説明した以外に、板部511の最下端辺部に、扉枠5を閉じたときに、扉枠ベース本体110の下辺を後方に向けて折曲した扉枠突片110d,110e(図16を参照)が挿入される係合溝584,585(図58を参照)が形成されている。係合溝584は、前述した発射装置取付部520の下方に形成される溝であり、係合溝585は、係合溝584の一端から軸支側に向って形成される溝である。なお、係合溝585に対応する扉枠突片110dは、係合溝584に対応する扉枠突片110eの突出量よりも大きくなるように後方に向って突設されている。ただし、開放端下部には、突出量の多い扉枠突片110dが僅かに形成されている。そして、上記した扉枠突片110d,110eと係合溝584,585とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
上記のように板部511には、発射レール515や出口開閉装置579が設けられ且つレール接続部材516や発射装置取付部520が突設形成されているが、発射装置取付部520及び発射レール515の板部511における配置位置が開放側に偏り、しかもそれらが板部511の表面よりも突出して形成されている。このため、扉枠5を閉じた状態において、発射装置取付部520及び発射レール515が配置される板部511の略中央部から開放側にいたる領域は、扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面とが密着した状態となるため、前述した扉枠突片110dと係合溝585との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具を扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面との間をさらに上手にすり抜けさせて遊技盤4の表面側若しくは遊技盤4の裏面側に到達させることは極めて困難である。
一方、発射装置取付部520及び発射レール515が配置されない板部511の略中央部から軸支側にいたる領域は、板部511の表面に突出した部分がないため、扉枠5を閉じた状態において、扉枠5の裏面と板部511の前面との間に空間586が生じてしまう。このため、前述した扉枠突片110dと係合溝584との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具が扉枠5の裏面と板部511の前面との間の空間586を簡単にすり抜けてしまうことができるため、この空間586を不正具が上方に向ってすり抜けないように、扉枠5の裏面下部に取付けられる装着台160には、扉枠5を閉じた状態で空間586に侵入する防犯突片166が形成されている。この防犯突片166は、板部511の略中程から軸支側端部までいたるように装着台160に形成されている。したがって、発射レール515及び遊技盤4に取付けられる外レール602の下方空間は、装着台160に突設される防犯突片166を受入れる防犯空間586を構成している。そして、この防犯突片166と防犯空間586とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
本体枠3は、上記したように、遊技盤4、打球発射装置650、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、満タンユニット900、錠装置1000、基板ユニット1100及びカバー体1250が取付けられるが、以下、これらのうち、打球発射装置650、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、満タンユニット900、及び基板ユニット1100を順次説明する。
[3−1.打球発射装置]
次に、打球発射装置650について図67〜図72を参照して説明する。図67は、打球発射装置650の全体の斜視図(A),発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)であり、図68は、打球発射装置650の分解斜視図であり、図69は、打球発射装置650と発射レール515との関係を示す正面図(A),発射モータ部分の斜視図(B)であり、図70は、操作ハンドル部410を操作していない状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図71は、操作ハンドル部410を操作している状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図72は、打球発射装置650に設けられるスライド部材710の平面図(A),正面図(B),正面から見た斜視図(C),正面図(B)のA−A断面図(D)である。
打球発射装置650は、発射ベース枠651に打球槌687を回動自在に軸支すると共に、その打球槌687に往復回動を付与する発射モータ695を発射ベース枠651に取付け、さらに打球槌687に復帰する付勢力を付与する付勢バネ684の付勢力を調節するスライド杆677及びスライド部材710が発射ベース枠651に設けられることにより構成される。
より詳細に説明すると、図68に示すように、発射ベース枠651は、合成樹脂によって横長な長方形状に成型されるものであり、その略中心に打球槌687の軸受689が嵌合される軸受筒652が形成され、その上部及び側方に打球槌687の発射原点位置を規制するゴムストッパー部材653,654が取付け固定されている。つまり、ゴムストッパー部材653,654は、打球槌687が付勢バネ684の付勢力により発射原点位置に戻ったときに打球槌687の衝撃を受け止めるものである。また、発射ベース枠651の後方(発射レール515の下方に対応する部位の反対側)の上方に横長細溝状のスライド案内孔655が形成され、そのスライド案内孔655の下方にスライド部材収納空間656が形成されている。
このスライド案内孔655は、後述するスライド杆677の後端上部に突設される案内係止片678が挿入されてスライド杆677のスライド移動を案内するものであり、スライド部材収納空間656には、スライド部材710が左右方向に移動可能に収納されるものである。なお、スライド杆677の前方部分のスライド案内は、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682によって発射ベース枠651に形成される止め穴662に止着される案内ブッシュ681を貫通させることにより行われる。また、スライド部材収納空間656の底面には、図69に示すように、長方形状の連結開口664が形成されている。
また、発射ベース枠651の上辺の前方部分には、発射ベース枠651の本体に対して庇部が形成されており、軸受筒652の上方の庇部に作動片用開口657が穿設されている。この作動片用開口657には、扉枠5の皿ユニット300の下流側の打球供給口171b(図9を参照)に臨んで設けられている球送り部材172(図9を参照)の錘173と当接する作動片658が作動片用開口657の開口縁の後方上部に突設されている取付部660に止めピン659によって揺動自在に設けられるものである。作動片658は、「て」字状に形成され、その上辺の後端部が止めピン659によって軸支され、その軸支部から下方の円弧部に打球槌687と一体的に回動するベース板690に突設される作動片当接部693と当接し、打球槌687の往復動作に連動して上辺部が球送り部材172を揺動させ、球送り部材172の揺動動作により打球供給口171bから流出する打球を1個ずつ発射レール515の発射位置に供給するようになっている。
更に、発射ベース枠651には、発射モータ695を内蔵するモータカバー694を止着するためのモータ取付ボス661が後方下部に2箇所と前方上部に1箇所の合計3箇所に突設されていると共に、スライド部材収納空間656の下部後方にスライド杆677をスライドさせるためにスライド部材710と連結される揺動片672の下端の軸穴673が挿入される揺動片用ボス663が突設されている。
上記した発射ベース枠651には、打球発射装置650の剛性を高めるために金属プレート665が略密着するように取付けられている。このため、金属プレート665には、軸受筒652、下方のゴムストッパー部材653、スライド案内孔655、案内ブッシュ681、及び揺動片用ボス663に夫々対応する貫通孔666,667,668,669,671が形成されていると共に、スライド部材710の連結凸部712が貫通する横長楕円状の貫通孔670も貫通されている。上記のように構成される金属プレート665は、スライド部材710をスライド部材収納空間656に収納した後、夫々の貫通孔666〜671がそれに対応する部材652,653,655,681,712,663を貫通あるいは一致させるように発射ベース枠651に密着させてビス止めすることにより発射ベース枠651に固定されるものである。
金属プレート665が取付けられた発射ベース枠651の揺動片用ボス663の先端部分が貫通孔671から頭を出しているが、その頭の部分に揺動片672の軸穴673が挿通されて、揺動片672が下端を中心にして揺動自在に軸支される。揺動片672は、図68に示すように、縦長杆状に形成され、その下端に軸穴673が形成され、その中程にスライド部材710の連結凸部712が挿入されるやや縦長穴形状の連結穴674が形成されている。そして、その連結穴674より上方の前方面がスライド杆677の一端(後端)と当接する当接部675となっている。しかして、揺動片672を揺動片用ボス663に挿通し、且つ貫通孔670から頭を出しているスライド部材710の連結凸部712に連結穴674を挿入してワッシャ付きピン676を連結凸部712に止着することにより、揺動片672が発射ベース枠651に取付けられる。そして、取付けられた揺動片672は、スライド部材710のスライドに伴って下端を中心にしてその上方部分が揺動するようになっている。
また、金属プレート665の上部前面には、横長杆状のスライド杆677が左右方向にスライド可能に取付けられる。つまり、スライド杆677の後方上部に突設されるL字状の案内係止片678を金属プレート665の貫通孔668に貫通係合させ、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682を有する案内ブッシュ681を貫通させて止めネジ682を止め穴662に止着する。上記した案内係止片678と貫通孔668、及び案内長孔680と案内ブッシュ681とにより、スライド杆677が金属プレート665を介して発射ベース枠651にスライド可能に装着される。また、スライド杆677には、その一端(後端)に上述した揺動片672の当接部675と当接する被当接部679が形成され、その他端(前端)に付勢バネ684の一端の係止輪685を掛け止めるためのバネ係止部683が突設されている。
金属プレート665が取付けられた発射ベース枠651の軸受筒652が貫通孔666から突出しているが、その軸受筒652には、打球槌687の軸受689が抜け落ちないように嵌合されている。軸受689の軸には、打球槌687の下端部が固着されると共に同時にベース板690が固着される。ベース板690には、その前方裏面側に作動片658と当接する作動片当接部693が突設され、その前方前面に付勢バネ684の他端の係止輪686を掛け止めるためのバネ係止部692が突設され、さらにその後方前面に発射モータ695のモータカム697と係脱するモータ当接突片691が突設されている。打球槌687の上端には、合成樹脂製の槌先688が固着されており、この槌先688が発射レール515の下端部とその上方に固着される発射位置ストッパー702とによって形成される発射位置に突入するように臨んでいる。
一方、発射ベース枠651の前述したモータ取付ボス661には、モータカバー694に収納された発射モータ695が取付けられる。より具体的には、図69(B)に示すように、モータカバー694は、内部に発射モータ695を収納するように形成された円筒部と、円筒部の前方に拡大してモータ取付ボス661に取付けるための取付固定穴699が形成される取付部と、が一体的に形成され、円筒部の内部に収納される発射モータ695の回転軸696の先端に逆回転防止カム698とモータカム697とが固定されている。
この逆回転防止カム698の外周には、多数の逆歯が形成されており、ストッパー片取付ボス701に揺動自在に固定されるストッパー片700(図70を参照)と係合して発射モータ695の逆方向の回転を防止している。これは、モータカム697が逆方向に回転してモータカム697とモータ当接突片691とが噛み合って打球発射装置650が駆動できなくなる故障が発生しないように防止するためである。また、モータカム697は、勾玉状に形成されており、発射モータ695の回転に伴いモータ当接突片691と係脱しながら打球槌687を往復動作させる。なお、モータカバー694をモータ取付ボス661に取付けたときには、図67(A)に示すように、打球発射装置650の主たる構成が後面から見て被覆されたような状態となっている。
ところで、前述したスライド部材収納空間656に収納されてスライド移動するスライド部材710は、図72に示すように、後方が開放した直方体状に形成され、その前面に楕円形状の楕円凸部711が突設され、更に、楕円凸部711の後方位置に円形状の連結凸部712が突設されている。また、上面及び下面には、スライド部材収納空間656内をスライドし易いように断面円弧状のスライド用当接突部713がその両端に突設されている。一方、直方体状に形成されるスライド部材710の空間は、扉枠5の裏面下部に設けられるジョイントユニット180のスライド突片183が挿入される挿入空間714となっている。
そして、この挿入空間714は、スライド方向前方の側壁手前側に第一傾斜面715が形成されると共に、その第一傾斜面715のやや後方寄りに上面及び下面の内側から内部に向かって突設され且つ相互の先端間に所定の間隔が形成される挟持片716が形成されている。挟持片716の手前側にも奥に向かって側方視でハ字状に傾斜する第二傾斜面717も形成されている。しかして、スライド突片183が挿入空間714に挿入された状態では、図72(B)に示すように、スライド突片183の傾斜辺183a側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態となっている。なお、スライド部材710の挿入空間714の側方に空間部718が形成されているが、この空間部718は、特に機能を奏しているわけではない。
而して、上記のように構成されるスライド部材710は、スライド部材収納空間656に収納された状態で、図69(A)に示すように、スライド部材収納空間656の底面に形成される楕円形状の連結開口664に挿入空間714が臨むように形成されていると共に、スライド部材710がスライド部材収納空間656の一方の空間内壁に当接した状態(図69(A)では左の空間内壁に当接しているように図示されているが、通常の状態では右の空間内壁に当接した状態となっている。)となっている。
そこで、まず、スライド部材710と打球発射装置650の付勢バネ684の強弱を調整する関係について説明すると、スライド部材710がスライド部材収納空間656の内部の初期位置(図69(A)において右の空間内壁に当接した位置)にあるときには、図70に示すように、スライド部材710の連結凸部712に連結された揺動片672が略垂直状態となっている。このため、揺動片672と当接しているスライド杆677も付勢バネ684の付勢力により一方向(図70において左側方向)に付勢された状態で揺動片672の当接部675とスライド杆677の被当接部679とが当接した状態となっている。この状態では、付勢バネ684が張力されていないので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動しても、打球槌687の復帰力も弱く、発射位置にある打球が弾発されても遊技盤4の遊技領域605に到達することはない。
一方、スライド部材収納空間656の内部をスライド部材710が初期位置から他方方向に移動したとき(図69(A)において左の空間内壁方向に向かって移動したとき)、図71に示すように、揺動片672が下端の軸穴673を軸として揺動して傾動するため、当接部675と被当接部679との当接によりスライド杆677が他方向(図71において右側方向)に向かってスライド移動する。すると、スライド杆677のバネ係止部683に係止されている付勢バネ684も張力されて伸びた状態となる。この状態では、付勢バネ684が張力されているので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動したときの打球槌687の復帰力が強くなり、発射位置にある打球が強く弾発されて遊技盤4の遊技領域605に到達する。そして、この打球の弾発力の強弱は、スライド部材710のスライド部材収納空間656内でのスライド量に応じて調整することができる。
上記したように、スライド部材710を移動させることにより、打球発射装置650による弾発力を調整することができるが、このスライド部材710の移動は、前述したハンドル装置400の操作ハンドル部410の回動操作部材414の回動操作に応じて移動するジョイントユニット180のスライド体182の移動と連動するようになっている。この点について図51等を参照して説明する。
前述したように、ハンドル装置400の操作ハンドル部410の回動操作部材414を回転させることにより、回転軸415の先端に固着される勾玉状のカム416も回転するため、ジョイントユニット180のスライド体182がジョイントユニット装着凹部110cの内部を一方向に向かってスライド移動する。このため、スライド体182の前面に突設されるスライド突片183も同じ方向にスライド移動することになる。スライド体182のスライド突片183は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態では、本体枠5の発射装置取付部520に形成される連結開口664を貫通してスライド部材710の挿入空間714に挿入されるようになっている。この場合の挿入状態は、前述したようにスライド突片183の傾斜辺183a側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態である。したがって、スライド突片183が一方向に向かってスライド移動すると、スライド部材710も同一方向に向かってスライド移動することになる。このとき、前述したように、スライド部材710のスライド移動に伴ってスライド杆677もスライド移動するので、付勢バネ684の付勢力を調整することができる。つまり、ハンドル装置400の回動操作部材414を回動操作することにより、打球発射装置650の打球の弾発力を調整することができるものである。
ところで、本実施形態においては、ハンドル装置400が扉枠5に設けられ、打球発射装置650が本体枠3に設けられているので、扉枠5を開閉する毎にハンドル装置400のスライド突片183と打球発射装置650のスライド部材710とが連携したり離れたりすることになる。しかし、本実施形態においては、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じることにより、スライド突片183がスライド部材710の挿入空間714に自動的に挿入されてハンドル装置400と打球発射装置650とが連携され、逆に、本体枠3に対して扉枠5を開放することにより、スライド突片183が挿入空間714から離れてハンドル装置400と打球発射装置650とを分離することができるので、極めて簡単に扉枠5の開閉に伴ってハンドル装置400と打球発射装置650との連携・分離を行うことができる。特に、スライド突片183が挿入空間714に挿入される際には、スライド突片183の位置が上下方向に多少ずれていても、挿入空間714内に突設される挟持片716の第二傾斜面717によってスライド突片183がスムーズに挟持位置に挿入されるようになっている。
また、時として、操作ハンドル部410の回動操作部材414に遊技者が詰め物を詰めてある程度回動した位置で固定している場合があるが、遊技場の店員がその詰め物を知らずに扉枠5を開閉する場合がある。このような場合でも、扉枠5を開放する場合には、単にスライド突片183が挿入空間714から離れるだけであるので問題はないが、扉枠5を閉める場合に、スライド突片183の位置が多少一方向にずれた状態となっているものの、スライド突片183の傾斜辺183aとスライド部材710の第一傾斜面715との協働作用により、扉枠5の閉止動作に伴ってスライド部材710を一方向に移動させながら最終的にスライド突片183とスライド部材710とが係合するようになっている。つまり、本実施形態においては、操作ハンドル部410の回動操作部材414がどのような回動位置で固定されていても、ハンドル装置400と打球発射装置650との連携を行うことができるものである。
[3−2.賞球タンク]
次に、本体枠3の裏面上部に取付けられる賞球タンク720について、主として図73を参照して説明する。図73は、賞球タンク720の斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。賞球タンク720は、前述したように、本体枠3の裏面上部に形成されるタンク取付溝550(図61を参照)に着脱自在に取付けられるものである。しかして、賞球タンク720は、長方形状の箱状に形成され、パチンコ遊技機1の正面側から見て、その前面壁721に切欠部729が形成され、その底面が上流側壁724から下流側壁723に向かって傾斜する第一傾斜底面726と前面壁721から次に説明する排出口730に向かって傾斜する第二傾斜底面727とによって貯留部728が形成されている。
また、その第二傾斜底面727の傾斜下端に排出口730が形成されるが、この排出口730は、パチンコ遊技機1の正面側から見て賞球タンク720の後面壁722よりも外側に突出するように下流側壁723と後面壁722とをコ字状に連結する排出口突出壁725に囲まれるように形成されている。また、賞球タンク720の前面壁721の両端外側には、タンク取付溝550と係合する取付鍔部733が形成されていると共に、賞球タンク720の底面の裏面側に本体枠3の第四側面壁543に載置当接する載置当接片731,732が突設され、さらに、賞球タンク720の上流側の後面壁722の下部に後述する球ならし部材744を取付けるための球ならし取付軸735が突設されている。また、排出口730を除く賞球タンク720の後面壁722及び上流側壁724には、球の跳ね飛びを防止するための溢れ防止部材734が着脱自在に取付けられるようになっている。
上記のように構成される賞球タンク720においては、本体枠3のタンク取付溝550に対して取付鍔部733を上方から差し込むように取付け、載置当接片731,732を本体枠3の第四側面壁543に当接させる。これによって、賞球タンク720が本体枠3の裏面側上部に載置して取付けられるが、この取付けられた状態においては、図65に示すように、前面壁721の切欠部729を介して貯留部728と本体枠3の裏面に形成された逃げ凹部551とが連通し、また、図4に示すように、排出口730が次に説明するタンクレール部材740の上流端部に臨むようになっている。したがって、賞球タンク720において、球を貯留する貯留部728(第一傾斜底面726及び第二傾斜底面727に対応する貯留空間部分)の前後方向の幅は、本体枠3の第二側面壁541〜第四側面壁543までの前後方向の幅と略同じとなるように形成されると共に、それらの側面壁541〜543までの上部に載置されるようになっている。
また、前述したように、本体枠3の第一側面壁540〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部の後方突出空間を覆うように深く形成されているので、その側面壁541〜543の上部に載置される賞球タンク720の貯留部の深さは、従来の貯留タンクにくらべて浅く形成されているものの、賞球が貯留されて重量が増加しても賞球タンク720の全体を本体枠3の側面壁542〜543で支持しているので、傾斜底面726,727が変形することなく貯留された球をスムーズに排出口730に導くことができる。また、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているため、貯留部728に貯留された球の流れが第二傾斜底面727から外側に向かって流れるように構成されている。このため、従来のように傾斜底面の一部に開口を設けて排出口としていた賞球タンクに比べて、排出口近傍の貯留部に球詰まり解消のための球崩し突部を突出形成することなく球詰まりが発生し難い構造とすることができる。
[3−3.タンクレール部材]
続いて、上記した賞球タンク720の下方に配置されるタンクレール部材740について主として図74及び図75を参照して説明する。図74は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ遊技機1の背面側から見た斜視図であり、図75は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ遊技機1の正面側から見た斜視図である。
タンクレール部材740は、前述したように、本体枠3の上後面壁545のレール係止溝553,554(図61を参照)に着脱自在に取付けられるものである。そのため、タンクレール部材740には、その後面側の側面の左右辺及び下辺にレール係止溝553に上から差し込まれる複数の係止突片749が突設されると共に、その後面側側面の上辺中央にレール係止溝554に上から掛け止められる鉤状の係止突片750が突設されている。しかして、タンクレール部材740は、上面が開放した傾斜樋状に形成され、その上流端上面が賞球タンク720の排出口730に臨み、その下流端下面が後に詳述する球通路ユニット770に臨んでいる。また、タンクレール部材740の内部は、図4に示すように、仕切壁741によって球が2列に整列して流下する通路742となっている。
なお、通路742の底面は、細溝が切り欠けられており、通路742を球と一緒に転動する異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、通路742の側壁には、静電気を除去するための金属板(図示しない)が貼付されており、この金属板の下流端が前述したアース線接続具557(図59を参照)に接続されている。このため、タンクレール部材740を流下する球に帯電していた静電気が金属板からアース線接続具557を介して電源基板1136のアース用コネクタを経て外部にアースされるようになっている。
また、タンクレール部材740の中流域のやや下流側に重錘を有する卵形状の球ならし部材744が揺動自在に設けられている。この球ならし部材744は、前述した賞球タンク720の球ならし取付軸735に揺動自在に軸支されるものであり、タンクレール部材740における2列の夫々の通路742内に向かって垂下され、各通路742を流下する球が上下方向に複数段で流下してきたときに1段となるように整流するものである。また、球ならし部材744の設置位置より下流側のタンクレール部材740の上面が球押え板745によって被覆されている。この球押え板745は、球ならし部材744によって1段とならなかった球を強制的に1段とするように傾斜円弧状に形成されるものである。
更に、タンクレール部材740の下流端部には、夫々の通路742に臨んで一対の整列歯車747が軸ピン748によって回転自在に軸支されている。この整列歯車747は、外周に複数の歯が形成され、一対の整列歯車747における歯のピッチが半ピッチずつずれるようにして軸ピン748に固定されている。このため、タンクレール部材740の各通路742を流下してきた球の上部が整列歯車747の歯と噛み合いながら下流側に流下するときに2列の通路742の球が交互に1つずつ送られることになる。なお、整列歯車747は、その上面を円弧状の歯車カバー746によって被覆されている。
[3−4.球通路ユニット]
次に、上記したタンクレール部材740から一列状に落下される球を賞球ユニット800に導くための球通路ユニット770について、主に図74〜図78を参照して説明する。図74及び図75は、前述したとおりであり、図76は、本体枠3と球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す分解斜視図である。
本実施形態の球通路ユニット770は、略長方形状の板材の裏面(背面から見える面を表面という。)に屈曲した一対の屈曲通路壁771によって球落下通路772が形成されている。この球落下通路772は、図76に示すように、その上流が前後方向(背面から見て奥行方向)に屈曲する前後屈曲通路部772aと、前後屈曲通路部772aに連通して左右方向(背面から見て左右方向)に屈曲する左右屈曲通路部772bと、左右屈曲通路部772bに連通して略垂直状となっている垂直通路部772cとからなっている。
この前後屈曲通路部772aは、上述したタンクレール部材740から落下する上端入口773の位置が前述したように2列の通路742の略中央であるため、本体枠3の上後面壁545及び軸支側後面壁546の表面から背面側に離れた位置となっているので、前後屈曲通路部772aと軸支側後面壁546に突設される賞球案内突起561とによって球落下通路772を軸支側後面壁546の表面に近い位置とするように前後方向に屈曲するものである。また、左右屈曲通路部772bは、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球の勢いを弱めるために球通路ユニット770の略横幅一杯にコ字状に屈曲して形成されるものである。
更に、垂直通路部772cも略垂直状に形成されているものの若干緩やかに湾曲して形成され、その垂直通路部772cを構成する一方の屈曲通路壁771に切欠部775が形成され、その切欠部775に上端が支軸777によって軸支される球切れ検出片776が揺動自在に取付けられている。この球切れ検出片776の側方には、球切れスイッチ778が取付けられ、球切れスイッチ778のアクチュエータが球切れ検出片776に当接している。球切れ検出片776及び球切れスイッチ778によって垂直通路部772cでの球切れを検出する球切れ検出機構が構成されている。
しかして、垂直通路部772cに球が存在しているときには、垂直通路部772cに存在する球によって球切れ検出片776が押圧されてアクチュエータを押して球切れスイッチ778をONとするが、垂直通路部772cに球詰まりや球欠乏により球が存在しなくなると球切れ検出片776が垂直通路部772c内に向かって揺動するので、アクチュエータが球切れスイッチ778をOFFとする。球切れスイッチ778がOFFになると、後述する賞球ユニット800の払出モータ815の回転が停止して賞球の払出が停止されるようになっている。
また、球通路ユニット770には、上記した球落下通路772を避けた位置に止め穴782と位置決めボス783とが形成されている。位置決めボス783は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される位置決めピン574に係合されるものであり、止め穴782は、同様に軸支側後面壁546に形成される通路ユニット取付ボス562に対応するものである。しかして、球通路ユニット770を本体枠3に取付けるには、位置決めボス783を位置決めピン574に係合させながら通路ユニット取付ボス562と止め穴782とを一致させ、その状態で止め穴782からビス784を螺着することにより行うことができる。更に、球通路ユニット770には、その一側中程にカバー体1250の係合片1252と係合するカバー体係合溝785が形成されていると共に、下部に賞球ユニット800と連結するための連結蓋部材786が回動自在に設けられている。
連結蓋部材786は、長方形状の板材の裏面に円弧状に突設される一対の通路壁790を突設することにより構成されており、球通路ユニット770の下部表面の左右両端部に突設される軸支部としての支持突片787に、連結蓋部材786の両端部から延びる支持片788の先端に突設される回転軸部としての突起軸789を嵌合することにより回動自在に軸支されるものである。また、連結蓋部材786は、閉じることにより球通路ユニット770の下方に延長されて通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通した状態と、開放することにより通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通しない状態と、に回動し得るが、開放した状態から閉じた状態に移行する際に、連結蓋部材786の支持片788を案内する案内突起791が球通路ユニット770の後面下端部に突設されている。
而して、球通路ユニット770を本体枠3の軸支側後面壁546に固定した状態で、しかも、後述するように賞球ユニット800を同じく軸支側後面壁546に装着した状態で、連結蓋部材786を閉じて賞球ユニット800に設けられる係止弾性爪820によってその後面を係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772と賞球ユニット800の屈曲通路803とを通路壁790にて連通して、球通路ユニット770の球落下通路772を落下する球を賞球ユニット800の屈曲通路803に導くことができるものである。このように球通路ユニット770に回動自在な連結蓋部材786を設けた理由は、後述するように賞球ユニット800を本体枠3に対して着脱自在に装着し易くすることと、その着脱自在に装着したことに起因して球通路ユニット770と賞球ユニット800との間に形成される空間が球のスムーズな落下を阻害しないようにするためである。
また、球通路ユニット770に突設される一対の屈曲通路壁771の間に本体枠3の軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように突設される賞球案内突起561を挿入することで、球落下通路772の上端入口773がタンクレール部材740の2列の通路742の略中央下部に位置するように、球落下通路772の上流部を背面からみて前後方向に屈曲する前後屈曲通路部772aとして形成する。これにより、一対の整列歯車747によって2列で流下する球を交互に1個ずつ賞球ユニット800側に送り出す構成において、球落下通路772を通して球を1個ずつスムーズに賞球ユニット800に送り出すことができる。また、この構成によれば、複数の部材の組立体から球落下通路772を構成する必要がないため、球落下通路772を構成する部品点数を削減することができると共に、球落下通路772の組み付け作業性を向上することができる。
また、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球は、左右屈曲通路部772bを通過することでその勢いを弱め、その後、垂直通路部772cを通って賞球ユニット800に送られる。また、勢いが弱められた状態で球が送り込まれる垂直通路部772cには、球切れを検出するための球切れ検出機構(球切れ検出片776及び球切れスイッチ778)が設けられる。これにより、球落下通路772での球切れ、言い換えれば賞球ユニット800に供給する球が切れたこと(球切れ)を確実に検出することができる。
[3−5.賞球ユニット]
次に、上記した球通路ユニット770の下流側に配置される賞球ユニット800について、主に図77及び図78を参照して説明する。図77は、賞球ユニット800の背面側から見た分解斜視図であり、図78は、払出モータ815と払出部材としてのスプロケット807との関係を説明するための背面図である。
図77において、賞球ユニット800は、一対の屈曲通路壁802によって球通路を構成する屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成されるユニットベース体801と、ユニットベース体801の後面を覆うユニットサブ板825と、ユニットサブ板825の上部表面(後面側)に取付けられる賞球ユニット内中継端子板830と、ユニットサブ板825の略中央表面領域(後面側領域)に設けられるギア群843,844,847及び検出円盤850(回転伝達部材)を被覆するギアカバー866とから構成されている。以下、これらの構成を順次説明する。
ユニットベース体801は、略長方形状の板状(この板部分を「底面」という場合がある。)に形成され、その板状のユニットサブ板825側に向かって突設される一対の屈曲通路壁802によって屈曲通路803が形成されている。屈曲通路壁802は、ユニットベース体801の上部中央から下流側の略中程まで球の直径よりもやや大きな間隔で突設されるが、その中程から下流側に大きく左右に分かれて中程から下流端までユニットベース体801の両端辺の側壁を兼ねている。また、中程の屈曲通路壁802が大きく左右に分かれた部分は、球送り回転体としてのスプロケット807が配置される振分空間805を構成し、その振分空間805の下部からユニットベース体801の下流端までに左右に分かれた屈曲通路壁802の対をなすように通路区画壁809が突設形成されている。
つまり、中程から下流側の左右の屈曲通路壁802と通路区画壁809とによって振分空間805から左右に2つの通路が構成されることなり、一方の通路が賞球通路810を構成し、他方の通路が球抜通路811を構成している。なお、通路区画壁809も左右に大きく分かれており、その分かれた通路区画壁809の内側に払出モータ815を収納するモータ収納空間814が形成されている。つまり、払出モータ815は、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)を避けた位置であって、その球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納固定される。なお、屈曲通路803は、通路803内に停留する球のスプロケット807への圧力を弱めるために蛇行状に形成されて振分空間805に到達しているが、その振分空間805の上流側の底面に楕円形状の開口804が形成されている。この開口804は、屈曲通路803内に入った小さなゴミ等を貯留するもので、賞球ユニット800を本体枠3から取り外したときに溜まったゴミ等を取り出すことができるようになっている。
また、上記した振分空間805には、外周に球が嵌り合う複数(図示の場合は、3つ)の凹部が形成された払出部材としてのスプロケット807が回転自在に配置されるが、このスプロケット807が固定される回転軸808の他端を軸支する軸受筒806が振分空間805の底面に形成されている。また、振分空間805の底部を構成する通路区画壁809の上端部は、スプロケット807の回転円弧に沿った凹円弧状に形成され、その一方に形成される賞球通路810の上流部には、計数スイッチ812が着脱自在に装着されている。
この計数スイッチ812は、先端部に球が通過する円形状の通過穴が形成された直方体状の磁気センサからなり、その後端部の形状と合致するスイッチ嵌合凹部865を屈曲通路壁802で形成することにより、簡単に着脱自在に取付けられるものである。なお、計数スイッチ812からの配線(図示しない)は、後述する賞球ユニット内中継端子板830に接続されるようになっている。更に、賞球通路810を構成する屈曲通路壁802の下流側には、ユニットサブ板825と一体的に形成される通路蓋板部859に形成される係止部860と係合する係止爪813が複数形成されている。ただし、複数の係止爪813のうち、通路蓋板部859の下端の一方の係止部860と係合する係止爪813は、通路区画壁809側に形成されている。
また、ユニットベース体801の下方であって賞球通路810と球抜通路811との間には、払出モータ815を収納する円形状のモータ収納空間814が形成されるが、このモータ収納空間814の内部に払出モータ815の円筒状本体が収納されるようになっている。ただし、払出モータ815は、その前面に形成される一対の取付片816によってユニットサブ板825の下方に取付けられるアルミ放熱板841の裏面側にビス817で固着されるようになっている。そして、払出モータ815がユニットサブ板825のアルミ放熱板841に取付けられた状態で、払出モータ815の回転軸818は、アルミ放熱板841に穿設された軸挿通穴842を貫通して第一ギア843が固着されるようになっている。
また、ユニットサブ板825及びアルミ放熱板841でユニットベース体801の後面側を被覆することにより、上記した屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成される奥行幅方向の空間内に払出モータ815の円筒状本体部分も収納配置されることになる。そして、払出モータ815を収納するモータ収納空間814と前述したスプロケット807が配置される振分空間805とが、上下方向の極めて近い位置関係に形成されているため、ユニットベース体801の上下方向の長さを短くすることができ、結果的に賞球ユニット800のコンパクト化を図ることができる。
更に、ユニットベース体801には、上記した球抜通路811の最下端に球抜きされた球を賞球ユニット800の裏面側に誘導する誘導突片819が突設され、この誘導突片819に誘導された球が後述する球抜接続通路880に誘導されて最終的にパチンコ遊技機1の外部(島台の下方に設けられる回収樋)に放出されるようになっている。また、ユニットベース体801の上部には、前述した球通路ユニット770の連結蓋部材786を係止する係止弾性爪820が突設されると共に、賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に着脱自在に取付けるためのボタン挿通係合穴821及び鉤状係合部824と、ユニットベース体801とユニットサブ板825を挟持した状態でギアカバー866とを連結するための取付ボス823が設けられている。
このボタン挿通係合穴821には、ユニットベース体801の上部一側に設けられて棒状の着脱ボタン822が奥行幅方向に摺動自在に取付けられるものであり、後述するように、その前方先端が本体枠3の軸支側後面壁546に形成されるロック用弾性爪564に対応している。また、ボタン挿通係合穴821の後端面は、図76に示すように、ロック用弾性爪564の先端部が入り込むように凹状となっている。また、鉤状係合部824は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される係合突片565と係合するもので、賞球ユニット800を軸支側後面壁546に押し当てて下方に押下げることにより、鉤状係合部824と係合突片565とが係合するものである。そして、その係合状態においてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合するので、賞球ユニット800の上方向の移動ができないようになっている。
なお、鉤状係合部824は、ユニットベース体801の上部左右に形成されている。また、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギアカバー866とを連結するための取付ボス823は、後面側に向かって長く突設され、ユニットサブ板825に穿設される貫通穴858を貫通した後、ギアカバー866の取付穴867に対応させ、そのギアカバー866の表面からネジ868を螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギアカバー866とを連結している。
上記したユニットベース体801を被覆するユニットサブ板825の構成について説明すると、ユニットサブ板825は、ユニットベース体801の屈曲通路803部分と振分空間805部分と賞球通路810部分とを覆う合成樹脂製の板材に払出モータ815が取付けられると共に球抜通路811の下流部分とを覆うアルミ放熱板841を取付けることにより構成されている。そして、ユニットサブ板825の合成樹脂板部の表側(後面側)には、賞球ユニット内中継端子板830を取付けるための中継基板領域826が上部に形成され、その下方に複数のギア843,844,847や検出円盤850が取付けられるギア領域840が形成されている。
この中継基板領域826は、略正方形状に形成され、その正方形状に沿って賞球ユニット内中継端子板830を載置する載置リブ827が突設され、その一側垂直辺の上下に後述する基板カバー835の係合突起836と係合する係合溝部828が形成され、その他側垂直辺の中央に基板カバー835の係止突部837と係合する係止爪部829が形成されている。また、中継基板領域826には、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴834と賞球ユニット内中継端子板830をビス(図示しない)で止着するための取付ボス部832が形成されている。
上記した中継基板領域826に取付けられる賞球ユニット内中継端子板830は、賞球ユニット800に設けられる上述した計数スイッチ812、払出モータ815、及び後述する回転角スイッチ855からの配線と、後述する払出制御基板1186(図62及び図84を参照)からの配線とを中継するもので、そのために複数のコネクタが設けられると共に、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴833と取付ボス部832に対応する取付穴831とが穿設されている。しかして、賞球ユニット内中継端子板830を中継基板領域826の載置リブ827に載置した状態で取付穴831と取付ボス部832とを合致させて図示しないビスで止着することにより賞球ユニット内中継端子板830をユニットサブ板825の表面(後面)に止着することができる。
また、上記のように取付けられる賞球ユニット内中継端子板830は、基板カバー835によって被覆される。基板カバー835は、略正方形状の前面側が開放したボックス状に形成され、その一側垂直辺の上下基部に係合突起836と他側垂直辺の略中央側面に係止突部837が形成されている。また、基板カバー835の正方形状の垂直面には、ボタン開口838と接続開口部839とが形成されている。しかして、基板カバー835の係合突起836を中継基板領域826の係合溝部828に差し込んで係合した後、係止突部837と係止爪部829とを係合させることにより、簡単に基板カバー835で賞球ユニット内中継端子板830を被覆することができる。逆に、取り外す場合には、係止爪部829を弾性変形させて係止突部837との係合を解除すると共に基板カバー835を斜め手前側に引いて係合突起836と係合溝部828との係合を解除することができる。なお、基板カバー835を被覆した状態では、ボタン挿通係合穴821に係合されている着脱ボタン822の頭部がボタン挿通穴833,834を挿通してボタン開口838から外部に僅かに臨んでいる。また、賞球ユニット内中継端子板830に接続された配線は、接続開口部839から外部に引き出されるようになっている。
次に、ユニットサブ板825に形成されるギア領域840に設けられるギア843,844,847、及び検出円盤850について説明する。前述したように、払出モータ815の回転軸818の先端は、ユニットサブ板825のアルミ放熱板841に穿設される軸挿通穴842を貫通してユニットサブ板825の表面(後面側)に突出しており、その突出した部分に第一ギア843(駆動ギア、歯数Z1=30)が固着されている。第一ギア843の上方には、第一ギア843と噛合する第二ギア844(回転伝達ギア、歯数Z2=30)がギアカバー866の裏面(前面側)に一端が圧入され且つアルミ放熱板841に穿設される軸穴846に他端が支持される軸845に回転自在に設けられ、その第二ギア844の上方には、第二ギア844と噛合する第三ギア847(回転伝達ギア、歯数Z3=20)がユニットサブ板825に形成される軸穴849に圧入された軸848に回転自在に設けられている。更に、第三ギア847の上方には、第三ギア847と噛合するギア部852(従動ギア、歯数Z4=34)を有する検出円盤850がスプロケット807を軸支する回転軸808に回転自在に設けられている。
なお、回転軸818の先端部がギアカバー866に形成される受穴に遊嵌されている。また、回転軸808は、その一端がユニットベース体801に形成される軸受筒806に圧入されて支持され、その他端がギアカバー866に形成される軸受穴に支持されるものであるが、ギア領域840の中央よりやや下方に形成された軸貫通穴864を貫通して振分空間805においてスプロケット807を回転自在に軸支し、ユニットサブ板825とギアカバー866とによって形成される空間において検出円盤850を回転自在に軸支している。ただし、スプロケット807の後端部が検出円盤850の中心前面部と係合した状態となっているので、スプロケット807と検出円盤850とは、回転軸808を中心として一体的に回転するようになっている。したがって、払出モータ815が回転駆動すると、その回転が第一ギア843、第二ギア844、第三ギア847、検出円盤850のギア部852を介してスプロケット807を回転するように伝達される。
ここで、スプロケット807の回転速度は、第一ギア843、第二ギア844、第三ギア847、検出円盤850のギア部852によって、払出モータ815の回転軸818の回転速度を減速したものとなる。この減速比nは、機構学による計算により、第一ギア843の歯数Z1(=30)/検出円盤850のギア部852の歯数Z4(=34)に設定されている。本実施形態では、払出モータ815はその回転軸818が48ステップで1回転する4相ステッピングモータであるため、スプロケット807が1回転するには、払出モータ815の回転軸818が約54ステップ回転することとなる。この場合、スプロケット807は1ステップで7.5度(=360度/48ステップ)回転し、スプロケット807は払出モータ815の回転軸818の1ステップで約6.6度(7.5度×減速比n)回転することとなる。
検出円盤850の外周は、ギア部852の円よりも一回り大きく形成されており、そのギア部852よりも外側に突出している外周部分には、スプロケット807の凹部と同じ数(図示の場合には、3個)の検出切欠851が形成されている。この検出切欠851は、ユニットサブ板825の表面に形成される基板取付部857に挟持支持されるセンサ基板854に設けられる投受光方式の回転角スイッチ855によって検出されるものである。そして、回転角スイッチ855は、払出動作時において所定のインターバル時間内に検出切欠851の検出個数を検出することにより、スプロケット807が正常に回転しているか否かを監視するためのものである。仮に、回転角スイッチ855により、異常回転が検出されたとき(多くは、スプロケット807による球噛み状態)には、スプロケット807を所定回数正逆回転させて異常状態(例えば、球噛み状態)を解消するものである。なお、実際に払いだされた球の個数は、前述した賞球通路810に設けられる計数スイッチ812によって検出して計数のために使用している。なお、センサ基板854の他端辺もギアカバー866に形成される基板取付部に挟持されるようになっている。
ここで、上述したように、検出切欠851は、スプロケット807の凹部と同じ数の3個であり、検出円盤850の外周に等分(120度ごと)に形成されている。また、払出モータ815の回転軸818は、第一ギア843、第二ギア844、第三ギア847、検出円盤850のギア部852を介してスプロケット807の回転となる。払出モータ815の回転軸818が約54ステップ回転することでスプロケット807が1回転するため、検出円盤850(スプロケット807)の各検出切欠851間(120度)の回転は、払出モータ815の回転軸818の18ステップ(=約54ステップ/3)の回転となる。
上述したように、ギア領域840に設けられる複数のギアのうち、第二ギア844だけがギアカバー866側に圧入される回転軸845に回転自在に設けられているところ、ギア領域840を覆うギアカバー866には、ユニットベース体801に突設されてユニットサブ板825の貫通穴858を貫通する取付ボス823の先端部に対応する位置に穿設される取付穴867が形成されている。そして、ギアカバー866側に設けられる第二ギア844の歯とユニットサブ板825側に設けられる第一ギア843及び第三ギア847の歯とを噛み合わせながら、取付穴867と取付ボス823とを一致させた状態でギアカバー866の後面からネジ868で螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持する状態でユニットベース体801とギアカバー866とが一体的に固定される。また、ギアカバー866の一側側面には、賞球ユニット内中継端子板830に接続される配線(例えば、賞球ユニット内中継端子板830と後述する払出制御基板1186とを接続する配線等)を掛け留めて纏める配線処理片869が突設されている。
以上、賞球ユニット800の構成について説明してきたが、ユニットベース体801とユニットサブ板825と賞球ユニット内中継端子板830と基板カバー835とギアカバー866とを組み付けた状態においては、払い出すべき球が導かれる屈曲通路803の下方位置に払出モータ815の円筒状の本体部分が収納されるように位置する。また、ユニットベース体801には、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)内に配置されたスプロケット807と、球通路を避けた位置であって球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納された払出モータ815と、を設け、ユニットサブ板825には、その非閉塞面側に沿って払出モータ815の回転軸818の回転をスプロケット807の回転軸808に伝達する回転伝達部材(第一ギア843、第二,3ギア844,847、及び検出円盤850のギア部852)を設け、しかも、払出モータ815と屈曲通路803の振分空間805に配置される払出部材としてのスプロケット807とをユニットサブ板825の後面のギア領域840に設けられる複数のギア843,844,847,850(852)によって回転駆動するように連結した構造となっている。つまり、ユニットベース体801とユニットサブ板825との間に形成される球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)の奥行き幅内にスプロケット807と払出モータ815とを収納し、しかも、スプロケット807と払出モータ815とを連結する回転伝達部材(第一ギア843、第二,3ギア844,847、及び検出円盤850のギア部852)をユニットサブ板825の非閉塞面側の所定幅内に沿って設けたので、球通路の外側に払出モータやスプロケットの一部を配置したものに比べて、賞球ユニット800を薄型化することができる。
また、このような賞球ユニット800は、賞球ユニット800内の球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)が一条の通路形状で形成されることにより、より一層の薄型化が図られている。つまり、従来のように、払出モータ815を賞球ユニットの前面側又は後面側又は側方側に突出させるものと異なり、本体枠3の軸支側後面壁546の後面側に取付けたときに、賞球ユニット800のいずれの部分もさらに後方に向かって突出することがない構造とすることができる。なお、払出モータ815の前端部分がユニットベース体801の後面よりも僅かに突出して構成されているが、この突出部分は、図62に示すように、軸支側後面壁546の下方の払出モータ用逃げ開口部572から本体枠3の前方部分に臨むようになっているため、結果的にその突出寸法から軸支側後面壁546の板厚寸法を差し引いた寸法だけ突出する程度となり、軸支側後面壁546よりも前方に向かう突出量は僅かなものとなっている。また、このような構成をとることにより、本実施形態では、賞球ユニット800が取付けられる本体枠3の軸支側後面壁546と遊技盤4の裏面との間に、遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部分を収納する収納空間を奥行き幅方向で大きくとることができる。
更に、上記のように構成される賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に取付けるためには、図76に示すように、鉤状係合部824と係合突片565とを対応させて位置合わせした後、賞球ユニット800の下端を係止溝573に掛け止め且つ鉤状係合部824と係合突片565とを係合させるために賞球ユニット800を軸支側後面壁546に密着させたまま下方に押下げる。このとき、賞球ユニット800の下端部と係止溝573とが係合し且つ鉤状係合部824と係合突片565とが係合しているので、取付自体は完了しているが、賞球ユニット800を上方に移動させることにより簡単に上記の夫々の係合状態が解除されてしまうため、これを防止するために、ロック用弾性爪564がボタン挿通係合穴821に係合するようになっている。
つまり、ロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合することにより、取付状態で賞球ユニット800の上方への移動を防止している。このように、賞球ユニット800を取付けた後に、球通路ユニット770の連結蓋部材786を前述したように回動して係止弾性爪820で係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772下流端と賞球ユニット800の屈曲通路803の上流端とを一対の通路壁790によって構成される通路を介して連通化することができる。また、賞球ユニット800を取付けた状態では、賞球通路810の下流端と後に詳述する満タンユニット900の賞球入口927とが接続され、球抜通路811の下流端が球抜接続通路880の上流端と接続される。
一方、賞球ユニット800を取り外すときは、係止弾性爪820による係合を解除して連結蓋部材786を手前側に回動し、その後、着脱ボタン822を押圧してロック用弾性爪564を前面側に移動させてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821との係合を解除させ、その後着脱ボタン822を押圧したままの状態で賞球ユニット800を上方に引き上げて賞球ユニット800の下端部と係止溝573との係合及び鉤状係合部824と係合突片565との係合を解除して賞球ユニット800を手前側に引き出すことにより、賞球ユニット800を簡単に取り外すことができる。
[3−6.満タンユニット]
続いて、上記した賞球ユニット800の下流側に配置される満タンユニット900について、主として図79〜図83を参照して説明する。図79は、賞球ユニット800と満タンユニット900との関係を示す斜視図であり、図80は、満タンユニット900の斜視図であり、図81は、満タンユニット900の正面から見た分解斜視図であり、図82は、満タンユニット900の背面から見た分解斜視図であり、図83は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す一部破断斜視図である。
満タンユニット900は、前述したように本体枠3の満タンユニット載置部531に載置固定されるものであり、図81に示すように、上面が開放したボックス状に形成されるボックス主体901と、ボックス主体901の上面を覆う蓋体926とから構成されている。ボックス主体901は、賞球通路810の下流端から流入した球が内部をジグザグ状に誘導されて出口921から排出されるようになっている。このため、その上流部に蓋体926に形成される賞球入口927から流入した球を一端から他端に向かって側方に誘導する側方誘導通路902が形成されている。側方誘導通路902の賞球入口927の直下の一端部には、球を側方に向かって誘導するように凹円弧状に形成される側方誘導受部903が設けられ、側方誘導通路902の他端内面に側方誘導通路902を流れてきた球の衝撃を受け止めて球を下流側に誘導する緩衝部材904が設けられている。
また、側方誘導通路902の他端内面に設けられる緩衝部材904に衝突した球は、向きを下流側に変えた後、側方誘導通路902の球の流れと逆方向に流れるように誘導される逆側方誘導通路905が形成されている。逆側方誘導通路905を流れた球は、その後、前方に向かって形成される前方誘導通路920に導かれて前方誘導通路920の流下端に形成される出口921から前述した皿ユニット300の賞球連絡樋343に導かれる。
ところで、逆側方誘導通路905の上流側の底面には、その底面の全域に亘って開口する底面開口906が形成され、その底面開口906を底面揺動板907が揺動自在に閉塞している。底面開口906は、上面が開放された略正方形の凹状に形成され、その内部の正面から見て前後方向の側壁に一対の軸支突起911が突設されている。また、底面開口906の凹状の底面にバネ913の下端を位置決めするための円形状のバネ載置凹部912が形成されている。一方、底面開口906を閉塞する底面揺動板907は、略正方形状に形成され、その裏面下流側に正面から見て軸支突起911に嵌合することにより軸支される半円形状の軸受部908が突設形成されている。
また、底面揺動板907の裏面中央には、バネ913の上端が係止されるバネ係止突起910が下方に向かって突設されている。したがって、底面揺動板907は、バネ913の付勢力によりその上流側が常に上方へ揺動された方向に付勢されている。そして、バネ913は、通常の賞球の払出個数(例えば、15個)が一度に底面揺動板907上に載置したときでも底面揺動板907が下方に揺動せず、賞球の払出個数以上の所定個数の球が底面揺動板907上に載置したときに下方に揺動するようなバネ係数を有するバネ部材によって形成されている。更に、底面揺動板907の上流側に検出突片909が前方に向かって突出されている。この検出突片909は、底面揺動板907の軸受部908を軸支突起911に嵌合軸支したときに、連通孔929を貫通して次に説明するスイッチ収納空間914に位置するようになっている。
また、逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側には、満タンスイッチ916を収納するためのスイッチ収納空間914が一体的に形成されている。スイッチ収納空間914に満タンスイッチ916を取付けるために、スイッチ収納空間914の上部であって逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側面にスイッチ取付部918が形成され、そのスイッチ取付部918に満タンスイッチ916を保持するスイッチホルダ915の取付片917がネジ919によって止着されている。満タンスイッチ916は、投光器と受光器とからなるスイッチとして構成され、その受光器と投光器との間を検出突片909が上下に揺動することによりON・OFFを検出するものである。
更に、逆側方誘導通路905の下流側の一側方にファール球通路922が形成されている。ファール球通路922は、その上流側のファール球入口923が図83に示すように、前述したファール口610に連通し、その下流側が前方誘導通路920の上流側に連通するように屈曲して形成されている。このため、ファール口610に取り入れられたファール球は、ファール球入口923から屈曲したファール球通路922を通って前方誘導通路920に導かれ、さらに出口921及び賞球連絡樋343を通って皿ユニット300に戻される。
また、ボックス主体901には、出口921の両側方とファール球入口923の一側方に満タンユニット載置部531に形成されるユニット係合溝532に係合される係合片924が突設されると共に、蓋体926に形成される掛止片928と係合する掛止突起925が形成されている。この掛止突起925は、ボックス主体901の左右後方の側壁上部に適宜形成されている。
一方、蓋体926は、ボックス主体901の側方誘導通路902、逆側方誘導通路905、前方誘導通路920、及びファール球通路922の上面を覆うような板形状に形成され、側方誘導通路902に上流端に対応する位置に正方形状の賞球入口927が開口されている。また、蓋体926の周囲には、ボックス主体901の掛止突起925と係合するための掛止片928が下方に向かって突設されている。
上記のように構成される満タンユニット900においては、図79に示すように、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球が賞球入口927から側方誘導通路902の上流側に入って側方誘導受部903によって側方に向かって誘導されて緩衝部材904に衝突する。緩衝部材904に衝突した球は、そのまま下流側に向かって逆側方誘導通路905を側方誘導通路902の誘導方向と逆方向に誘導されて前方誘導通路920に導かれ、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋343を通って皿ユニット300に導かれる。また、ファール球入口923から入ったファール球も屈曲したファール球通路922によって球の勢いを弱められて前方誘導通路920に合流し、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋343を通って皿ユニット300に導かれる。
そして、通常時、満タンユニット900内を球が自然に流れているときには、側方誘導通路902から逆側方誘導通路905に球が移動する際に、底面揺動板907に落下するが、通常の賞球の払出個数程度では、バネ913の弾発力が強いので、底面揺動板907が揺動することがなく、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間に入ってスイッチが導通しない状態(OFF)となっている。これに対し、皿ユニット300に賞球が貯留されて満タンユニット900内にも球が充満してきたときには、前方誘導通路920及び逆側方誘導通路905の上流側の全域に形成される底面揺動板907上に貯留された球の圧力により底面揺動板907がバネ913の付勢力に抗して下方に揺動し、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間から外れてスイッチが導通した状態(ON)となる。満タンスイッチ916がONすると、賞球ユニット800の払出モータ815の回転駆動が停止(所定個数の賞球を払い出している最中にON信号が導出された場合には、その所定個数の賞球が払出されてから停止)するようになっている。
上記したように、満タンユニット900においては、球が流下する通路(図示の場合には、逆側方誘導通路905)の通路底面の幅と略同じ幅の底面揺動板907によって満タンスイッチ916を作動させるようにすると共に、通常時の球の流れによって揺動せずある程度の球が載置したときに底面揺動板907揺動するように付勢部材(バネ913)で付勢したので、従来のように一部の通路の底面等に球が載置したことにより球詰まりを検出するものに比べて、その一部の通路部分における球の載置が球詰まりによって検出されない事態を確実に防止することができる。このことは、球の満タンを確実に検出することができるものである。
また、本実施形態に係る満タンユニット900においては、本体枠3の満タンユニット載置部531に着脱自在に取付けるものであるため、従来のように、満タン装置を本体枠に形成された払出通路の内部に組み付けるものに比べて、本体枠に満タン構造のための通路を形成する必要がない。また、満タンユニット900の内部をジグザグ状の通路とすることにより、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球の勢いを弱めながら皿ユニット300に誘導することができるので、払い出された賞球が皿ユニット300から外に飛び出すこともない。更に、本実施形態に係る満タンユニット900は、ファール球を導くファール球通路922が賞球を払い出す前方誘導通路920の途中に球の勢いを弱めて合流するようになっているので、賞球の流れを阻害することなくファール球を合流させることができる。
[3−7.基板ユニット]
次に、本体枠3の裏面下部に取付けられる基板ユニット1100について、図84〜図96を参照して説明する。図84は、基板ユニットを背面側から見た斜視図であり、図85は、基板ユニットの背面側から見た分解斜視図であり、図86は、基板ユニットを前面側から見た斜視図であり、図87は、基板ユニットの前面側から見た分解斜視図であり、図88は、基板ユニットの主体をなす枠用基板ホルダの前面側から見た正面図であり、図89は、枠用基板ホルダの背面図であり、図90は、基板ユニットの背面図であり、図91は、払出制御基板ボックス及び端子基板ボックスを取り外した状態の基板ユニットの背面図であり、図92は、基板ユニットに設けられる各基板の接続関係を示す平面図であり、図93は、基板ユニットと遊技盤との電気的な接続を示す概略図であり、図94は、払出制御基板と基板ユニットとの配線等を示すパチンコ遊技機の背面図の一部であり、図95は、図96の断面図の断面箇所を説明するための遊技盤の正面図であり、図96は、図95のC−C断面図である。
基板ユニット1100は、本体枠3の裏面下部に複数形成されるホルダ用の取付穴部527(図59及び図61を参照)に取付けられるものであり、図84及び図85に示すように、合成樹脂成形された枠用基板ホルダ1101に、扉中継基板1102、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、払出制御基板ボックス1105、主ドロワ中継基板1107、及び副ドロワ中継基板1108の各種基板を取付けることにより構成されている。上記の基板のうち、扉中継基板1102、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、及び払出制御基板ボックス1105は、枠用基板ホルダ1101の後面側に前後方向に重複して取付けられ、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108は、枠用基板ホルダ1101の前面側に取付けられるものである。電源基板1136は+34V、+18V及び+9Vを作成して供給するため極めて高温な熱源となっており、電源基板ボックス1103に収納される電源基板1136から発せられた熱が上昇する。このため、払出制御基板1186を収納する払出制御基板ボックス1105を電源基板ボックス1103の上面に重複して取付けることによって、その上昇する熱を受けずに済むようになっている。なお、払出制御基板ボックス1105の裏面には、電源基板1136等からの電磁波の影響を防止すると共に電源基板1136から発せられる熱を放熱するために金属製のシールド放熱板1106が取付けられ、また、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108は、基板カバー1109に被覆されて取付けられている。以下、基板ユニット1100を構成する各部材について詳細に説明する。
なお、本実施形態におけるシールド放熱板1106は、特に、電源基板ボックス1103の上面から熱が発せられた熱を外部(外気)に放熱するために、図85及び図87に示すように、シールド放熱板1106の板面が凹凸状の凹凸面1106aとして形成されている。シールド放熱板1106によって払出制御基板1186に伝達される熱を小さく抑えることができる。凹凸面1106aによって外部(外気)との接触面積を増加させて放熱効果を高めるものである。また、凹凸面1106aは、設置したときに熱が放熱し易いように垂直状若しくは傾斜状に形成することが望ましい。もちろん、シールド放熱板1106に凹凸面1106aを形成しても電磁波に対するシールド効果が損なわれることはない。シールド放熱板1106は電源基板1136等からの電磁波の影響を防止する。これにより、電磁波によるノイズの影響を抑えることができるため、ノイズの影響による払出制御基板ボックス1105に収納された払出制御基板1186の誤動作を防止することができる。また、このシールド放熱板1106のシールド放熱機能は、電源基板ボックス1103と払出制御基板ボックス1105との間だけではなく、枠用基板ホルダ1101に他の複数の基板ボックスが重複して取付けられる場合には、その下側に位置する基板ボックスと上側に位置する基板ボックスとの間に、本実施形態と同じシールド放熱板1106を設けることによっても奏されるものである。
電源基板1136の熱は、図示しない凹凸状の放熱フィンで電源基板ボックス1103の内部に放熱されるようになっている。この放熱フィンは、電源基板ボックス1103の内部にあるため、その大きさに構造上の制約を受けている。このため、放熱フィンを巨大なものにして高熱源である電源基板1136の熱を電源基板ボックス1103の内部に放熱することが困難となっている。高熱源である電源基板1136を収納する電源基板ボックス1103の上面及び下面には、図85及び図87に示すように、電源基板ボックス1103の上面に前後方向に長い放熱口が所定間隔を置いて複数形成され、これらの放熱口と対応する電源基板ボックス1103の下面に前後方向に長い吸入口が所定間隔を置いて複数形成されている。これにより、電源基板1136から発する熱は上昇して電源基板ボックス1103の上面に形成された放熱口を通って放出されると(吐き出されると)、この放出される(この吐き出される)空気に引っ張られて電源基板ボックス1103の下面に形成された吸入口を通って電源基板ボックス1103の内部に外気が取り入れられるようになっている。
パチンコ遊技機1が設置されるパチンコ島設備には、パチンコ遊技機1と同様に各種ランプが極めて多く取り付けられたパチンコ遊技機が背向で列設されるため、これらのパチンコ遊技機に取り付けられた電源基板から発する熱によってパチンコ島設備の内部の温度も高くなってきている。このため、電源基板ボックス1103の内部の温度と、電源基板ボックス1103の周囲の温度と、の温度差が小さくなるため電源基板ボックス1103からその周囲に放熱する効率が低下し、電源基板ボックス1103の内部に電源基板1136の発した熱がこもって電源基板ボックス1103の内部の温度が上昇することとなる。そこで、本実施形態では、電源基板ボックス1103を背面から見てその上面の左半分に形成された放熱口であって、電源基板ボックス1103の後面側に重複して取り付ける払出制御基板ボックス1105が取り付けられる位置と対応する位置には、図84に示すように、電源基板1136を冷却するための空冷ファンユニット1500が取り付けられている。この空冷ファンユニット1500は、電源基板ボックス1103の上面側と対応する位置が開口された箱状の空冷ファンユニット本体1501と、この空冷ファンユニット本体105の内部に収納された空冷ファン1502と、から構成されている。この空冷ファン1502が回転して外気を取り込むと、この取り込んだ空気を空冷ファンユニット本体1501の上面前方の辺に沿って形成された細長い矩形状の排気口1503から排気している。図84では、空冷ファンユニット1500の空冷ファン1502が電源基板ボックス1103の上面に形成された放熱口を塞ぐように配置されているため、空冷ファン1502が回転すると、空冷ファン1502で塞がれた放熱口を通して電源基板ボックス1103の内部の空気を取り込み、この取り込んだ空気を排気口1503から排気している。電源基板ボックス1103の内部の空気が空冷ファン1502により取り込まれると、この取り込まれた空気に引っ張られて電源基板ボックス1103の下面に形成された吸入口を通って電源基板ボックス1103の内部に外気が取り入れられる。このように、空冷ファン1502の回転によって電源基板ボックス1103の内部の空気が強制的に入れ換えられるため、電源基板ボックス1103に収納される電源基板1136が空冷されている状態となっている。これにより、電源基板1136の凹凸状の放熱フィンも空冷されるため、+34V、+18V及び+9Vを作成する各種電圧作成回路から発せられる熱を電源基板ボックス1103の内部に放熱する効率が低下しないようになっている。なお、本実施形態では、空冷ファン1502の回転が停止して電源基板ボックス1103の内部が空冷されなくなった状態であっても、パチンコ遊技機1の照明が全消灯状態となることによって電源基板1136への負荷を抑えるようになっている。放熱フィンの大きさは、そのような状態であっても発熱による電源基板1136が故障しないように設計されており、遊技者はパチンコ遊技機1が全消灯状態であっても遊技を続行できるようになっている。
枠用基板ホルダ1101は、横長状に合成樹脂で成形され、図85及び図88に示すように、その後面側一側部(図88において右側部)に配線用開口1124が形成され、配線用開口1124の内側に扉中継基板1102を取付けるための中継基板用凹部1110が形成されている。この中継基板用凹部1110は、略正方形状の扉中継基板1102の外形に合致するように正方形状の凹部として形成され、この中継基板用凹部1110内の上下辺には、扉中継基板1102の裏面を支える当接突部1113が突設されると共に、中継基板用凹部1110に扉中継基板1102を収納した状態で扉中継基板1102の一側縦辺の表面と係止する止め爪1111が形成されている。また、中継基板用凹部1110の外側寄りの上下には、電源基板ボックス1103の一端辺に形成される係合係止穴1135に係合されて図示しないビスで止着するための取付ボス1112が突設されている。
また、枠用基板ホルダ1101の後面側において、上記した中継基板用凹部1110よりも中央寄りに内部に通す配線を係止して纏めるための2つの配線処理片1114が形成されている。この配線処理片1114は、垂直面に対して側方から見たときにL字状に突出形成されるもので、その垂直面とL字状突片との間に配線を掛け止めるようになっている。更に、枠用基板ホルダ1101の中継基板用凹部1110の上部から略中央よりやや他端側に近い部分までが電源基板ボックス1103を取付けるための領域(次に説明する右側の低い領域)となっており、その上下辺に電源基板ボックス1103の裏面と当接する当接突部1115が突設されている。したがって、この電源基板ボックス取付領域に電源基板ボックス1103を当接突部1115に当接するように取付けた状態では、電源基板ボックス1103の裏面と枠用基板ホルダ1101の垂直面との間に空間が形成され、この空間内に基板相互を接続する配線が収納されることになり、この収納された配線を係止して纏めるものが2つの配線処理片1114である。
なお、電源基板ボックス1103を取付ける領域の他端辺から枠用基板ホルダ1101の他端辺(図88において左側辺)までは、後方への突出量が大きく形成されている。つまり、枠用基板ホルダ1101は、背面から見たときに、中央よりやや左側の位置で左側が高く右側が低い段差状に形成されており、その右側の低い領域が電源基板ボックス1103を取付けるための領域(以下、「電源基板ボックス取付領域」という場合がある。)となっている。そして、この電源基板ボックス取付領域の他端辺側には、電源基板ボックス1103の他端辺上下に突設される挿入突起1134が挿入される挿入口1115aが形成されている。このため、電源基板ボックス1103を取付けるためには、挿入突起1134を挿入口1115aに差し込んだ後、電源基板ボックス1103の一端辺上下に形成される係合係止穴1135を取付ボス1112に上から差し込んで図示しないビスで止着することにより、電源基板ボックス1103を枠用基板ホルダ1101に固定することができる。
更に、枠用基板ホルダ1101の背面側において、上記した段差状の高い領域は、払出制御基板ボックス1105を取付けるための領域(以下、「払出制御基板ボックス取付領域」という場合がある。)の一部を構成するものであり、この段差状の高い領域の一部には、横L字状の凹状の配線引き廻し空間1116が形成されている。この配線引き廻し空間1116の底面には、配線用開口1121(図87〜図90を参照)が形成されており、電源基板ボックス取付領域内の2つの配線処理片1114に掛け止められた配線を配線引き廻し空間1116及び配線用開口1121から枠用基板ホルダ1101の前面側に引き出すようになっている。また、払出制御基板ボックス取付領域の他端側(図85の左端部側)には、払出制御基板ボックス1105の係合弾性片1184が係合するための係止突部1117が突設形成されている。
次に、枠用基板ホルダ1101の前面側の構成について説明すると、図86、図87、図89に示すように、枠用基板ホルダ1101の前面側の略中央には、アウト球通路1119が逆さL字状に形成されている。このアウト球通路1119は、前述したアウト口606(図97を参照)、球抜排出通路524(図59を参照)の下流側、及び盤用基板ホルダ623の底面に形成された落下口629(図66を参照)と対応するように上方が幅広く形成され、下流側が球を列状に排出するように幅狭く形成されている。したがって、基板ユニット1100を本体枠3に取付けたときには、図62に示すように、アウト球通路1119の幅広上流部がアウト口606の下面を支持する通路支持突起513の後方に位置するようになっている。そして、アウト球通路1119の下流端からアウト球や入賞球、あるいは球抜き球がパチンコ遊技機の外部(一般的に、島の回収樋)に向かって放出されるものである。
また、枠用基板ホルダ1101の前面側であって払出制御基板ボックス取付領域に対応する前面側には、その上方領域に主ドロワ中継基板1107と副ドロワ中継基板1108とを横方向に所定間隔を空けて並列状に取付けるドロワ取付領域1120が形成されている。ドロワ取付領域1120には、夫々の中継基板1107,1108に形成された支持穴1204,1205が貫通されて各中継基板1107,1108を支持するためのドロワ取付ボス1118が突設されると共に、夫々の中継基板1107,1108の中間位置の上下に接合案内孔1126と案内孔1125が穿設されている。この接合案内孔1126は、図96に示すように、遊技盤4を本体枠3に装着する作業に伴って、基板ユニット1100側に設けられるドロワコネクタ1200,1202(ホルダ側コネクタ)と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ626,627(遊技盤側コネクタ)とが自然に接続されるように遊技盤4の盤用基板ホルダ623に形成される接合案内突起628が挿入されるものである。一方、案内孔1125は、基板ユニット1100を本体枠3に取付ける際に、本体枠3に突設される案内突起525(図59及び図61を参照)が挿入されるもので、基板ユニット1100の位置決めを行うと共に装着作業の容易化を図っているものである。また、枠用基板ホルダ1101の左右両辺及び下辺には、基板ユニット1100を本体枠3に取付けるための取付片1122が外側に向かって突設され、取付片1122を本体枠3の取付穴部527(図59を参照)に対応させて図示しないビスで止着することにより、基板ユニット1100が本体枠3の背面下部に取付けられる。なお、取付穴部527は、図61に示すように、取付片1122の外形形状に合致する外周壁を有して形成されている。更に、枠用基板ホルダ1101の他端側(図86の右側)側壁の外側に、配線を係止するための配線掛止片1123が突設形成されている。
枠用基板ホルダ1101の構成は、概ね上記した通りであるが、そのような構成を有する枠用基板ホルダ1101に取付けられる各種の基板の構成について説明する。まず、枠用基板ホルダ1101の後面側の中継基板用凹部1110に装着される扉中継基板1102について説明すると、扉中継基板1102には、図85に示すように、多ピンコネクタ形式の内部接続端子1130と扉枠用接続端子1131とが設けられている。扉枠用接続端子1131は、枠用基板ホルダ1101にすべての基板を取付けた状態においても、図90に示すように、背面から見て外部から視認できるようになっており、扉枠5に設けられるランプ及びLEDからなる電飾部品やスピーカ等の扉枠用配線1212(図92を参照)が配線用開口1124を通って扉枠用接続端子1131に接続されるものである。また、内部接続端子1130は、副ドロワ中継基板1108に設けられる扉枠用コネクタ1203に内部配線1213(図92を参照)によって接続されるものである。ただし、この内部配線1213は、前述した配線処理片1114及び配線引き廻し空間1116、配線用開口1124を敷設されるように枠用基板ホルダ1101の内部に設けられている。
また、枠用基板ホルダ1101の後面側の電源基板ボックス取付領域に取付けられる電源基板ボックス1103は、電源基板1136(図91を参照)を固定するボックス主体1132と、ボックス主体1132を被覆するカバー体1133と、から構成されている。ボックス主体1132には、その一端部の上下に取付ボス1112と係合する係合係止穴1135が一体的に形成され、その他端部の上下に挿入口1115aに挿入される挿入突起1134が一体的に形成されている。また、電源基板1136のカバー体1133に被覆されない部分(図91の右側部と左下部)には、図91に示すように、電源スイッチ1137と電源線コネクタ1138とCRユニット電源コネクタ1139とアース用コネクタ1140と払出制御基板用電源コネクタ1141とが設けられている。電源スイッチ1137は、パチンコ遊技機1の全ての電気機器に電源を供給するためのスイッチであり、パチンコ遊技機1を使用する際にONとするものである。また、電源線コネクタ1138は、島内に供給されている交流24V(AC24V)の電源用配線からの電源配線を接続したり、パチンコ遊技機1に帯電したノイズ等を外部にフレームグランドとしてアースしたりするためのコネクタである。CRユニット電源コネクタ1139は、パチンコ遊技機1に隣接されるカード式球貸器(図示しない;一般的に、CRユニットと言われている。)への電源を供給したりするためのコネクタである。アース用コネクタ1140は、パチンコ遊技機1に設けられる帯電防止用の種々のアース線が電気的に接続されており、パチンコ遊技機1に侵入したノイズ等を、電源線コネクタ1138を介して、外部にアースするためのコネクタである。具体的には、扉枠5(補強板211〜214)からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドとしてアース用コネクタ1140aと電気的に接続され、タンクレール部材740を流下する球からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG1としてアース用コネクタ1140bと電気的に接続され、賞球ユニット800からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG1としてアース用コネクタ1140cと電気的に接続され、CRユニットからのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドとしてアース用コネクタ1140dと電気的に接続されている。これらのフレームグランドは、電源線コネクタ1138のフレームグランドと電気的に接続されており、このフレームグランドを介して、パチンコ遊技機1の外部にアースされる。更に、払出制御基板用電源コネクタ1141には、図92に示すように、電源供給用配線1214が接続され、電源供給用配線1214が払出制御基板1186の電源用端子1192に接続されている。そして、この電源供給用配線1214により、払出制御基板1186を介して他の制御基板等(例えば、主制御基板ボックス624に収納される主制御基板4100や周辺基板ボックス622に収納される周辺制御基板4139等)に電源を供給するようになっている。なお、電源供給用配線1214は、払出制御基板用電源コネクタ1141から配線引き廻し空間1116に導かれ払出制御基板ボックス1105の裏面から後方に引き出されて電源用端子1192に接続されるようになっている。つまり、この電源供給用配線1214も枠用基板ホルダ1101の内部に敷設された状態となっている。
ところで、電源基板ボックス1103のカバー体1133の後面は、図85に示すように、段差状に形成され、その段差の高い領域が端子基板ボックス1104を取付けるための取付領域1142となっており、段差の低い領域が払出制御基板ボックス1105を取付けるための取付領域1143となっている。取付領域1143は、枠用基板ホルダ1101の前述した払出制御基板ボックス取付領域と一緒になって横長の払出制御基板ボックス1105を取付けるための取付領域を構成するものである。なお、上記した段差部の略中央には、払出制御基板ボックス1105の後述する係合片1182(図87を参照)が係合挿入される係合穴1146が形成されている。
端子基板ボックス1104を取付けるための取付領域1142を構成するカバー体1133には、端子基板ボックス1104の裏面側に形成される位置決めピン1148及び係合片部1147と夫々位置決め若しくは係合する位置決め穴1145及び取付係合穴1144が形成されている。係合片部1147は、断面L字状に形成される一方、取付係合穴1144は、幅広部と幅狭部とが連続する穴状に形成されているので、係合片部1147を取付係合穴1144の幅広部に挿入した後、一方向(図示の場合は、枠用基板ホルダ1101の中央方向)にスライド移動させることにより、L字状の係合片部1147と取付係合穴1144の幅狭部とが係合するようになっている。なお、端子基板ボックス1104の他側辺の下部に掛止片1149が突設され、端子基板ボックス1104がカバー体1133にスライド移動係合されたときに、掛止片1149が払出制御基板ボックス1105のボックス主体1180の一部と係合するようになっている。なお、この係合は、少し力を入れて端子基板ボックス1104を非係合方向にスライド移動させることにより、簡単に外れる程度の係合状態である。
また、端子基板ボックス1104には、図90に示すように、複数の外部情報端子1151と払出制御基板用端子1156とが設けられる外部端子板1150aと、度数表示器用端子1152と電源アース端子1153とCRユニット用端子1154と払出制御基板用端子1155とが設けられるCRユニット端子板1150bと、の2つの基板が上下方向に並列状に収納されている。外部端子板1150aに設けられる複数の外部情報端子1151は、大当り情報出力信号や始動口入賞情報出力信号等のパチンコ遊技機1の管理に必要な各種の情報信号を外部(例えば、遊技場に設置してある管理コンピュータ(ホールコンピュータ))に導出するためのコネクタであり、それらの情報信号は、主として主制御基板ボックス624に収納されている主制御基板4100から後に詳述する主ドロワ中継コネクタ1200を介して払出制御基板1186に伝送され、さらに払出制御基板1186に設けられる外部端子板用端子1188と払出制御基板用端子1156との接続により、最終的に複数の外部情報端子1151の夫々に伝達される。CRユニット端子板1150bの度数表示器用端子1152は、パチンコ遊技機1の、例えば皿ユニット300に設けられるプリペイドカードの残度数表示器、貸球スイッチ、及び返却スイッチとの配線が接続されるものである。また、電源アース端子1153は、2つのコネクタから構成され、一方のコネクタ(図90の左側)には電源基板1136のCRユニット電源コネクタ1139からの配線が接続され、他方のコネクタには電源基板1136の複数のアース用コネクタ1140のうちの1つのアース用コネクタ1140からの配線が接続されるものである。更に、CRユニット用端子1154は、図示しないCRユニットからの配線が接続されるものであり、払出制御基板1186のCRユニット端子板用端子1189と払出制御基板用端子1155とが接続されることにより、払出制御基板1186とCRユニットとが接続されることになる。
上記したように、端子基板ボックス1104は、主制御基板ボックス624に収納される主制御基板4100からの遊技情報を外部に導出する外部端子板1150aと、払出制御基板1186とCRユニットとの接続を中継するCRユニット端子板1150bと、の両方の基板を収納するものであり、これらは従来別々の基板ボックスに収納されてパチンコ遊技機1の裏面に別々の位置に設けられていたが、本実施形態においては、1つの端子基板ボックス1104に纏めて枠用基板ホルダ1101に装着したものである。このため、特に、本実施形態の場合、主制御基板4100と外部端子板1150aとを直接配線で接続することなく、払出制御基板1186を介して接続した独特な構成を有するものとなっている。
次に、枠用基板ホルダ1101の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される取付領域1143とにわたって取付けえる払出制御基板ボックス1105について、主として図85、図87及び図90を参照して説明する。払出制御基板ボックス1105は、横長の長方形状の払出制御基板1186が図示しないビス等で固定されるボックス主体1180と、ボックス主体1180に取付けられて払出制御基板1186の表面を覆うカバー体1181と、から構成されている。ボックス主体1180とカバー体1181とは、その一側辺(図90の右側辺)を係合させ、その他側辺(図90の左側辺)に分離切断部1183でカシメ固定している。これによってボックス主体1180とカバー体1181とを分離するためには、分離切断部1183を切断しないと分離できないようになっている。ただし、分離切断部1183におけるカシメ固定は、複数箇所(図示の場合は、1〜4の数字で示す4箇所)のうち、いずれかをカシメ部材でカシメれば良く、例えば、検査等で分離する必要がある場合には、3回まで行うことができる。もちろん、不正に分離した場合には、切断した痕跡が残ることになるので、不正行為があったか否かを直ちに知ることができる。また、ボックス主体1180の一側短辺中央には、電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される係合穴1146に差し込まれる係合片1182が突設形成され、他側短辺下部には、枠用基板ホルダ1101に形成される係止突部1117に弾性係合する係合弾性片1184が形成されている。したがって、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101に取付けるには、係合片1182を係合穴1146に差し込んだ後、係合弾性片1184を係止突部1117に係合させることにより、簡単に取付けることができる。そして、枠用基板ホルダ1101の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される取付領域1143とにわたって払出制御基板ボックス1105を取付けた状態においては、それらの取付領域1143内に払出制御基板ボックス1105が収納された状態となり左右方向にも上下方向にも移動できないように固定された状態となっている。逆に、取り外す場合には、係合弾性片1184を弾性方向と逆方向に押圧して係合弾性片1184と係止突部1117との係合を外して払出制御基板ボックス1105を引き上げながら、係合穴1146から係合片1182を引き抜くことにより、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101から外すことができる。
また、上記したボックス主体1180とカバー体1181とによって被覆される払出制御基板1186には、その一側部(図90の右側部)に扉枠開放スイッチ用端子1185a、本体枠開放スイッチ用端子1185b、賞球ユニット用端子1187、外部端子板用端子1188、CRユニット端子板用端子1189、操作ハンドル用端子1194、エラーLED表示器4130、エラー解除スイッチ4131、及び球抜きスイッチ4132が設けられ、その他側下部(図90の左側部)に満タンスイッチ用端子1190、検査用出力端子1191、電源用端子1192、発射モータ用端子1193、及び内部接続端子1195が設けられている。
扉枠開放スイッチ用端子1185aは、扉枠5が本体枠3から開放されたことを検出する扉枠開放スイッチ4133からの配線が接続されるコネクタである。本体枠開放スイッチ用端子1185bは、本体枠3が外枠2から開放されたことを検出する本体枠開放スイッチ4134からの配線が接続されるコネクタである。賞球ユニット用端子1187は、前述した賞球ユニット800の中継基板480からの配線が接続される多ピンコネクタである。外部端子板用端子1188は、前述したように外部端子板1150aの払出制御基板用端子1156に接続される多ピンコネクタである。CRユニット端子板用端子1189は、前述したようにCRユニット端子板1150bの払出制御基板用端子1155に接続される多ピンコネクタである。満タンスイッチ用端子1190は、満タンユニット900の満タンスイッチ916からの配線が接続されるコネクタである。エラーLED表示器4130は、CRユニット接続異常等のパチンコ遊技機の状態を表示する。エラー解除スイッチ4131は、操作されるとエラーLED表示器4130に表示されているエラーに応じた解除方法の案内がサイドスピーカ121や下部スピーカ391から流れる。球抜きスイッチ4132は、操作されると賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留された球を排出開始する(球抜き開始する)。検査用出力端子1191は、払出制御基板1186を検査する際に検査機器に接続するためのコネクタであり、検査用の各種の出力信号を出力するための端子である。電源用端子1192は、前述したように電源基板1136の払出制御基板用電源コネクタ1141に電源供給用配線1214によって接続されるコネクタである。発射モータ用端子1193は、打球発射装置650の発射モータ695からの配線が接続されるコネクタである。操作ハンドル用端子1194は、ハンドル装置400の操作ハンドル部410の内部に設けられるタッチセンサ420及び発射停止スイッチ422からの配線が接続されるコネクタである。内部接続端子1195は、主ドロワ中継基板1107に設けられる払出制御基板用コネクタ1201に信号電源配線1215によって接続されるコネクタである。
なお、エラー解除スイッチ4131の左方近傍には、図90に示すように、抵抗R1194a〜R1194dが配置されている。これらの抵抗R1194a〜R1194dは、操作ハンドル用端子1194に入力された各種検出信号に扉枠5(図9に示した補強板211〜214)からのノイズ等が侵入した際に、グランド(GND)が不安定にならないようにするものであり、その詳細な説明は後述する。
次に、枠用基板ホルダ1101の前面側に形成されるドロワ取付領域1120に取付ける主ドロワ中継基板1107と副ドロワ中継基板1108について説明する。図87に示すように、主ドロワ中継基板1107には、遊技盤4の裏面側に取付けられる中継端子板625に設けられる主ドロワコネクタ626(遊技盤側コネクタ:図101を参照)と接続される主ドロワ中継コネクタ1200(ホルダ側コネクタ)と、払出制御基板1186の内部接続端子1195と信号電源配線1215を介して接続される払出制御基板用コネクタ1201とが上下に設けられている。また、副ドロワ中継基板1108には、遊技盤4の裏面側に取付けられる中継端子板625に設けられる副ドロワコネクタ627(遊技盤側コネクタ:図101を参照)と接続される副ドロワ中継コネクタ1202(ホルダ側コネクタ)と、扉中継基板1102の内部接続端子1130と内部配線1213を介して接続される扉枠用コネクタ1203とが上下に設けられている。また、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108には、各基板の左右両側に支持穴1204,1205が穿設され、支持穴1204,1205をドロワ取付領域1120に突設されるドロワ取付ボス1118に差し込むことにより、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108をドロワ取付領域1120内に位置決め支持され、その後、基板カバー1109で被覆することにより、堅固に固定される。
ところで、基板カバー1109には、主ドロワ中継基板1107に設けられる主ドロワ中継コネクタ1200及び払出制御基板用コネクタ1201と、副ドロワ中継基板1108に設けられる副ドロワ中継コネクタ1202及び扉枠用コネクタ1203とが基板カバー1109の外側に突出するための長方形状のコネクタ用開口1206,1207,1208,1209が開設され、また、基板カバー1109の裏面側に、ドロワ取付ボス1118の先端部が挿通されるピン挿通穴1210(図85を参照)が形成されると共に、左右両端に基板カバー1109を枠用基板ホルダ1101に図示しないビスで止着するための止め穴1211が形成されている。このため、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108の支持穴1204,1205をドロワ取付領域1120に突設されるドロワ取付ボス1118に差し込み、ドロワ取付ボス1118の先端部をピン挿通穴1210に挿通しながら基板カバー1109で被覆し、止め穴1211に図示しないビスで止着することにより、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108をドロワ取付領域1120内に堅固に固定することができる。
以上、基板ユニット1100の構成について説明してきたが、本実施形態の場合には、パチンコ遊技機1を駆動制御するために必要な各種の基板のうち、遊技盤4の変更に伴って交換される主制御基板4100及び周辺制御基板4139以外の基板である扉中継基板1102、電源基板ボックス1103に収納された電源基板1136、端子基板ボックス1104に収納された外部端子基板1150、払出制御基板ボックス1105に収納された払出制御基板1186を、枠用基板ホルダ1101に予め組み付けてユニット化し、その組み付けてユニット化した基板ユニット1100を本体枠3の背面側下部に取付けるだけの簡単な作業によって、従来別々に本体枠3の背面側に取付けていた各種の基板取付作業に比べ、作業能率を向上することができる。また、この場合、基板ユニット1100にユニット化される各基板同士の配線も枠用基板ホルダ1101の内部に収めることができるので、基板同士を接続する配線が乱雑に入り乱れることがなく、整然と敷設することができる。
また、本実施形態においては、基板ユニット1100の前面に主ドロワ中継コネクタ1200(ホルダ側コネクタ)を有する主ドロワ中継基板1107と副ドロワ中継コネクタ1202(ホルダ側コネクタ)を有する副ドロワ中継基板1108とが設けられているので、図96に示すように、本体枠3に遊技盤4をその前面側から装着する作業に伴って、遊技盤4の裏面側に設けられる中継端子板625の主ドロワコネクタ626と副ドロワコネクタ627(遊技盤側コネクタ)が夫々対応する主ドロワ中継コネクタ1200と副ドロワ中継コネクタ1202(ホルダ側コネクタ)とに接続されるので、遊技盤4の装着と基板間の接続とを同時に行うことができる。このため、遊技盤4の交換作業を手際よく行うことができる。
更に、本実施形態においては、基板ユニット1100を本体枠3の裏面に固定した後に、本体枠3に設けられる各種の電気機器との配線の接続作業が必要な払出制御基板ボックス1105と、外部のCRユニットや管理コンピュータとの接続作業が必要な端子基板ボックス1104と、を基板ユニット1100の最も後方の視認し易い位置に並列状に配置する一方、外部との接続作業の必要性が少ない電源基板ボックス1103や扉中継基板1102を内部に配置しているので、複数の基板を前後方向に効率よく重複配置することができ、基板ユニット1100の大きさを最小限に設計することができる。ただし、内部に配置される電源基板ボックス1103や扉中継基板1102においても、外部に接続される端子部分は、すべて外部から視認できるようになっているので、それらの接続作業が手探りになるという問題はない。
[3−7−1.基板ユニットと遊技盤との電気的な接続(ドロワコネクタによる接続)]
次に、基板ユニット1100と遊技盤4との電気的な接続について図93を参照して説明する。上述したように、遊技盤4側にはドロワコネクタ626,627が設けられ、基板ユニット1100側にはドロワコネクタ1200,1202が設けられている。図93(a)に示すように、遊技盤4側のドロワコネクタ626,627を基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202に挿入することで電気的に接続することができる。遊技盤4側のドロワコネクタ626,627は、図93(b)に示すように、ターミナル626a,627aを備えており、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202は、図93(c)に示すように、コンタクト1200a,1202aを備えている。遊技盤4側のドロワコネクタ626,627を基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202に挿入すると、図93(c)に示すように、ターミナル626a,627aがコンタクト1200a,1202aを押し下げコンタクト1200a,1202aが変位する。この変位によって発生したコンタクト1200a,1202aの反発力は、ターミナル626a,627aを強く接触することで電気的な導通状態となる。これにより、遊技盤4側のドロワコネクタ626,627と、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202と、には、各種制御基板相互による(例えば、主制御基板4100と払出制御基板1186とによる)各種制御信号を伝える制御信号ラインが形成される。また遊技盤4側のドロワコネクタ626と、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200と、には、さらに、電源基板1136によって作成された各種電圧を供給する電圧供給ラインが形成される。このように、遊技盤4を本体枠3に着脱自在に装着することで、遊技盤4側のドロワコネクタ626,627と、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202と、による制御信号ライン及び電圧供給ラインが接離自在に接続することができる。
なお、本実施形態におけるターミナル626a,627a及びコンタクト1200a,1202aは、ベローズタイプのものを採用している。ピンタイプのものでは作業時にうっかりピンに触れて曲げてしまうおそれがあるが、ベローズタイプのものではそのおそれがない。また、ターミナル626a,627a及びコンタクト1200a,1202aのメッキには摩擦係数の小さい金メッキを採用している。これにより、遊技盤4の着脱時のすべり良さ(嵌合の良さ)が確保されている。
ここで、遊技盤4を本体枠3に取付けるときに、図91に示した電源スイッチ1137を入れたままの状態で、その作業を行うと、ターミナル626aとコンタクト1200aとの接点、具体的には、各種電圧供給ライン用接点では大電流(後述する突入電流)が流れるため溶着することとなる。この溶着した状態のまま、遊技盤4を本体枠3に無理に押し込んで取付けようとすると、コンタクト1200aが折れ曲がって壊れたり、その遊技盤4を本体枠から取り外すときに、コンタクト1200aがドロワコネクタ1200から剥がれて破損したりして、ドロワコネクタ1200が使用できなくなる。
また、ターミナル626aとコンタクト1200aとが溶着すると、コネクタの破損にともない、各種制御基板が誤動作したり、各種制御基板に実装された電子部品が破損したりするおそれもある。そこで、本実施形態では、溶着を防止する回路を後述する主制御基板4100に設けて対応している。その詳細な説明については後述する。
[3−7−2.賞球ユニットとの配線等]
次に、払出制御基板ボックス1105に収納された払出制御基板1186と賞球ユニット800との配線等について図94を参照して説明する。賞球ユニット内中継端子板830には、上述したように、計数スイッチ用コネクタ830a、払出モータ用コネクタ830b、回転角スイッチ用コネクタ830c、球切れスイッチ用コネクタ830d、アース用コネクタ830e、及び払出制御基板用コネクタ830fが設けられている。
計数スイッチ用コネクタ830aは計数スイッチ812からの配線が接続され、払出モータ用コネクタ830bは払出モータ815からの配線が接続され、回転角スイッチ用コネクタ830cは回転角スイッチ855からの配線が接続され、球切れスイッチ用コネクタ830dは球通路ユニット770の球切れスイッチ778からの配線が接続され、アース用コネクタ830eは払出モータ815からのアース線が接続されている。払出制御基板用コネクタ830fは払出制御基板1186の賞球ユニット用端子1187と配線(ハーネス)により接続されている。
球切れスイッチ778からの配線及び回転角スイッチ855からの配線を除いた、計数スイッチ812からの配線、払出モータ815からの配線、払出モータ815からのアース線、及び賞球ユニット用端子1187とのハーネスは、配線処理片869により掛け留めてまとめられている。
島から供給された球は、上述したように、賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留され、球通路ユニット770に取り込まれ、賞球ユニット800に導かれる。球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生する。このため、賞球ユニット800はノイズの影響を受けやすり環境下にある。
上述したように、賞球ユニット800のセンサ基板854には回転角スイッチ855が設けられており、この回転角スイッチ855からの検出信号は、球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。また、上述した、払出制御用コネクタ480fと賞球ユニット用端子1187とを接続するハーネス、つまり賞球ユニット800と払出制御基板1186とを接続するハーネスも球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。
[4.遊技盤の詳細構成]
次に、パチンコ遊技機1における遊技盤4の構成について、主に図97〜図102を参照して説明する。図97は遊技盤の正面図であり、図98は遊技盤を斜め右前から見た斜視図であり、図99は、遊技盤を斜め左前から見た斜視図であり、図100は、遊技盤を斜め左後から見た斜視図であり、図101は、遊技盤を主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図102は、分解したものを斜め後から見た斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ遊技機1における遊技盤4は、外レール602及び内レール603を有し、遊技球が打ち込まれる遊技領域605の外周を区画形成する枠状の前構成部材601と、前構成部材601の後側で遊技領域605を閉鎖するように配置された遊技パネル600と、遊技領域605の外側でアウト口606よりも右側の前構成部材601下部に配置された機能表示ユニット640と、遊技領域605内の左右方向略中央でアウト口606の上側に配置され遊技パネル600の前面に支持されたアタッカユニット2000と、アタッカユニット2000の左側で遊技領域605の外周に沿って配置され遊技パネル600の前面に支持されたサイド入賞口部材2100と、遊技領域605内の上下方向中央からやや上寄り左側に配置され遊技パネル600の前面に支持されたゲート部材2200と、遊技領域605の略中央部分に配置され遊技パネル600に支持された枠状のセンター役物2300と、遊技パネル600の後側に取り付けられた裏ユニット3000と、裏ユニット3000の後側に遊技パネル600及びセンター役物2300の枠内を通して遊技者側から視認可能に取り付けられ所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置1400と、を主に備えている。
また、裏ユニット3000を構成する裏箱3001は、遊技領域605に設けられる各種入賞口に入球した遊技球を下流側に整列して誘導するものであり、その裏面下方には、盤用基板ホルダ623が固定されている。この盤用基板ホルダ623の底面には落下口629が形成されており、裏箱3001によって整列誘導された遊技球が落下口629を介して基板ユニット1100に形成されたアウト球通路1119(図86を参照)に誘導されるようになっている。また盤用基板ホルダ623の裏面には、遊技の進行を制御する主制御基板4100が収容された主制御基板ボックス624が取り付けられている。
液晶表示装置1400の後側には、主制御基板4100からのコマンドに基づいて演出の進行を制御する周辺制御基板4139が収容された周辺基板ボックス622と、液晶表示装置1400へ電源を供給するインバータ基板1411が収容されたインバータ基板ボックス1410と、が取り付けられている。この液晶表示装置1400は、裏ユニット3000に脱着可能に取り付けられている。以下、遊技パネル600に装着された各装置の構成について詳細に説明する。
[4−1.アタッカユニット]
まず、図103及び図104を参照し、アタッカユニット2000について説明する。図103は、遊技パネルに装着される各装置を、部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図104は、アタッカユニットを斜め前から見た斜視図である。本実施形態のアタッカユニット2000は、遊技パネル600における左右方向中央の下部に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。このアタッカユニット2000は、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされた複数の受入口(入賞口)を有している。具体的には、左右方向の略中央に配置された第一始動口2001と、第一始動口2001の下側に配置された第二始動口2002と、第二始動口2002の下側に配置され第一始動口2001や第二始動口2002よりも左右方向へ大きく延びた矩形状の大入賞口2003と、を備えている。
第一始動口2001は、上側が開放されており遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。一方、第一始動口2001の下側に配置された第二始動口2002は、第一始動口2001との間に始動口ソレノイド2015(図172を参照)により拡開可能な一対の可動片2005が配置されており、一対の可動片2005が略垂直に立上った状態では第一始動口2001と一対の可動片2005とによって第二始動口2002へ遊技球が受入不能となるのに対して、一対の可動片2005が左右方向へ拡開した状態(図104の状態)では第二始動口2002へ遊技球が受入可能となるようになっている。つまり、第二始動口2002が一対の可動片2005により可変入賞口となっている。なお、一対の可動片2005は、後述するゲート部材2200のゲートセンサ2202による遊技球の通過の検出に基づいて開閉されるようになっている。
大入賞口2003は、その開口を閉鎖可能な横長矩形状の開閉部材2006によって開閉可能とされている。この開閉部材2006は、下辺が回動可能に軸支されており、略垂直な状態(図104に示す状態)では大入賞口2003を閉鎖して遊技球を受入不能とし、上辺が前側へ傾斜するように回動すると大入賞口2003を開放して遊技球を受入可能とするようになっている。この開閉部材2006は、通常の遊技状態では大入賞口2003を閉鎖した状態となっており、第一始動口2001や第二始動口2002へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで抽選される特別抽選結果に応じて(特別抽選結果が「大当り」又は「小当り」の時に)アタッカソレノイド2016(図172を参照)の駆動により開閉するようになっている。
[4−2.サイド入賞口部材]
図103及び図105を参照し、サイド入賞口部材2100について詳細に説明する。図105は、サイド入賞口部材を斜め前から見た斜視図である。サイド入賞口部材2100は、遊技パネル600における左右方向中央から左寄りの下部で、アタッカユニット2000が挿入固定される開口部600eよりも左側に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものであり、遊技領域605の外周に沿って配置された4つの一般入賞口2101を備えている。これら4つの一般入賞口2101は、図示するように、上方に開放され遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。
また、サイド入賞口部材2100には、左側の端部が遊技領域605の外周と接するような位置に配置され、右側へ向うに従って低くなるように傾斜した棚部2102を上部に備えており、この棚部2102によって遊技領域605の外周に沿って流下してきた遊技球を遊技領域605の中央側へ寄せることができるようになっている。なお、4つの一般入賞口2101は、棚部2102の右側の端部よりも右側に配置されており、棚部2102により遊技球が遊技領域605の中央側へ寄せられても、一般入賞口2101へ入賞する可能性があるようになっている。また、サイド入賞口部材2100の前面側(遊技者側)には装飾部2103が設けられており、その後方に配置された発光基板(図示しない)からの光により発光装飾することが可能になっている。
[4−3.ゲート部材]
図103に示すように、ゲート部材2200は、遊技パネル600における左右方向中央よりも左側で上下方向中央からやや上寄りの位置に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。このゲート部材2200は、遊技球が1つのみ通過可能な幅のゲート2201を有しており、そのゲート2201内に配置されたゲートセンサ2202によりゲート2201を通過した遊技球を検出することができるようになっている。
[4−4.センター役物]
次に、図103、及び図106〜図113を参照し、センター役物2300の構成について詳細に説明する。図106は、センター役物を斜め前から見た斜視図であり、図107は、センター役物を主な部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図108は、センター役物のセンターユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図109は、センター役物の可動棚ユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図110は、可動棚ユニットの棚駆動ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図111は、センター役物の右下飾りユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図112は、右下飾りユニットの要部の構成を示す断面図であり、図113は、センター役物の右側飾りユニットを分解して斜め前から見た斜視図である。
図103に示すように、センター役物2300は、遊技パネル600の略中央を貫通するように大きく形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものであり、図示するように、遊技領域605の大半を占める大きさで枠状に形成されている。なお、このセンター役物2300の左側の外周面と遊技領域605の外周との間にゲート部材2200が配置されている。
図106及び図107に示すように、センター役物2300は、枠状のセンターユニット2310と、その下部に配設された可動棚ユニット2330と、センターユニット2310の右下に配設された右下飾りユニット2360と、その上側に配設された右側飾りユニット2370と、を具備して構成されている。図107及び図108に示すように、センターユニット2310は、透明の樹脂部材からなる枠状の台板2311と、台板2311の前面に配設された複数の装飾部材2321とを備えている。台板2311は、略円環状の形状を呈しており、下部には、可動棚ユニット2330に形成されたチャンス口2334a(図109を参照)に入球した遊技球をセンター役物2300の下方の遊技領域605に放出するチャンス出口2311aが前後方向に貫通して設けられている。また、台板2311の右下には右下飾りユニット2360を装着するための台座部2311bが下方に突出して形成されている。
また、台板2311の前面に装着された装飾部材2321は、台板2311の上部に配設されたレンガ形状の上部レンガ型飾り2312と、台板2311の左上に配設された左上飾り2313と、台板2311の左側内周面に沿って配設されたレンガ形状の左レンガ型飾り2314と、左上飾り2313の下側に配設されたR字形のR型飾り2315、及び「電話」の形状を模した電話型飾り2316と、その下側に配設され「電話ボックス」の形状を模した電話ボックス型飾り2317と、台板2311の下部に配設された略円弧状の台板下飾り2320とを備えて構成されており、左レンガ型飾り2314及び台板下飾り2320以外の装飾部材2321は、遊技パネル600の前面よりも遊技者側に突出して設けられている。つまり、センターユニット2310の外側からセンターユニット2310内に遊技球が進入しないように構成されている。ただし、電話ボックス型飾り2317の裏側には内部にワープ通路2318aを有するワープ通路形成部材2318が設けられており、センター役物2300の左側の遊技領域605を転動する遊技球を取込み、可動棚ユニット2330に形成された上段転動面2334b(図109を参照)に送ることが可能になっている。つまり、ワープ通路2318aは、遊技球が入球可能なワープ入口を左側に有するとともに、右側端部が球誘導部材2319に連通しており、ワープ入口から取込まれた遊技球が、ワープ通路2318a及び球誘導部材2319を介して上段転動面2334bに送られるようになっている。
ところで、ワープ通路2318aはセンターユニット2310内に隠れた状態で組込まれているため、遊技球がワープ通路2318a内に取入れられても、そのことに気づかせることができず、ひいてはワープ通路2318aを演出の一部として注目させることが困難となるおそれがある。そこで、本実施形態では、ワープ通路形成部材2318を透明の樹脂部材で形成するとともに、電話ボックス型飾り2317の前面に覗き窓2317aを備え、覗き窓2317aを通してワープ通路2318a内を覗き込むこと、つまり、ワープ通路2318aに遊技球が取入れられたか否かを視認することが可能になっている。
しかしながら、このように覗き窓2317aが形成されていても、ワープ通路2318aに遊技球が取入れられる頻度が少ない場合には、覗き込むタイミングと遊技球が通過するタイミングとが一致する可能性、つまり覗き窓2317aを通して遊技球を視認できる可能性が極めて少なくなることから、覗き窓2317aに対する興趣を損なう虞がある。特に、覗き窓2317aの大きさが比較的小さい場合には、遊技球を視認できる可能性がさらに少なくなるため、覗き込もうとする意欲を失うとともに、遊技球を視認できないことに対して不満を生じさせることが懸念される。
そこで、本実施形態では、覗き窓2317aを、後述する可動キャラクタ体3192(図138を参照)の前方に配置し、覗き窓2317aを通して待機位置(原位置)における可動キャラクタ体3192を見せることを可能にしている。つまり、遊技パネル600またはセンターユニット2310の後側に隠れている可動キャラクタ体3192を、ワープ通路2318aの背景として見せることにより、覗き窓2317aを通して内部を覗き込もうとする意欲を高めるとともに、遊技球が視認できない場合でもそれに対する不満を軽減することができるようになっている。
次に、可動棚ユニット2330について説明する。図107及び図109に示すように、可動棚ユニット2330は、センターユニット2310内に取込まれた遊技球を左右方向に転動させるものであり、特に、転動面の一部を左右方向に往復運動させることで遊技球の通路を変化させることが可能になっている。詳細に説明すると、可動棚ユニット2330は、「チーズ」を模した形状のチーズ型棚部2331と、チーズ型棚部2331の左側上面に配設された星型レンズ2332と、チーズ型棚部2331に対し下側から光を照射する発光基板2333とを備えている。また、チーズ型棚部2331の前側には、チャンス口2334a及び上段転動面2334bを有する後棚2334と、チャンス口2334aの前側に配設され左右方向に摺動可能に支持された可動棚部2339と、後棚2334の下側に配設され可動棚部2339を左右方向に往復運動させる棚駆動ユニット2340とが備えられている。
後棚2334の上段転動面2334bは、波形状に形成されるとともに、左端が球誘導部材2319に連通しており、ワープ通路2318a及び球誘導部材2319を通して送られる遊技球を左右方向に転動させることが可能になっている。特に、上段転動面2334bは、左右方向の略中央部分が山形に隆起するとともに、その頂上部分には前方に向かって下り勾配に形成された第一流出部2344cが設けられ、さらにその左右外側の谷部分にはそれぞれ前方内側に向かって下り勾配に形成された第二流出部2344dが設けられている。つまり、左右方向に転動する遊技球の勢いが、左右方向の中央部分(頂上部分)でなくなった場合には、その遊技球は、中央の第一流出部2344cから前方に向かって流出され、一方、中央部分以外の部位で勢いがなくなった場合には、第二流出部2344dから前方内側に向かって流出されるようになっている。
可動棚部2339は、図109及び図110に示すように、左右方向の中央部分に形成された略円弧状のチャンス誘導部2339aと、チャンス誘導部2339aの左右外側にそれぞれ形成された平坦状の転動部2339bとを備えて構成されており、チャンス誘導部2339a及び転動部2339bが、突起部2339cによって区画されている。チャンス誘導部2339aは、後棚2334のチャンス口2334aに対応しており、チャンス誘導部2339aに送られた遊技球が、チャンス口2334aに入球し、台板2311(図108を参照)のチャンス出口2311aから第一始動口2001の真上の遊技領域605に排出されるようになっている。なお、チャンス口2334aの後側には、球受け部2341が配設されており、チャンス口2334aに入球した遊技球が、台板2311の下部に向かって案内されるようになっている。一方、可動棚部2339における左右の転動部2339bは、チャンス口2334aに連通しておらず、遊技球を、前棚2335の下段転動面2335aに向かって案内するように構成されている。なお、この可動棚部2339は左右方向に往復運動することで、後棚2334に対する相対的な位置が変化するようになっており、後棚2334の第二流出部2344dから流出する遊技球のタイミングと、そのときの可動棚部2339の位置とに基づいて、流出する遊技球が、チャンス誘導部2339aに送られる場合(つまり有利性が高い場合)と、転動部2339bに送られる場合(つまり有利性が低い場合)とに振分けられるようになっている。なお、後棚2334の中央の第一流出部2344cから流出した遊技球は、可動棚部2339の位置に拘らず、常にチャンス誘導部2339aに送られるようになっている。
棚駆動ユニット2340は、図110に示すように、立設されたモータ台2342と、モータ台2342の後面に固定された駆動モータ2343と、駆動モータ2343の回転軸に接続されたモータカム2344と、モータカム2344に連結され、モータカム2344の回転運動を左右方向の往復直線運動に変換する第一リンク2345及び第二リンク2346と、可動棚部2339の後面及び第二リンク2346を連結する一対のピン2347とを備えて構成されている。なお、ピン2347は、後棚2334(図109を参照)の前後方向に貫通する一対の長孔部2334eを通して配置されており、長孔部2334eによって可動方向が左右方向に案内されるようになっている。また、モータ台2342の前面には、可動棚部2339の原位置を検出するフォトセンサ2349(図109を参照)が備えられている。
一方、図109に示すように、可動棚部2339の前側には、下段転動面2335aを有する前棚2335が配設され、その下側には、可動棚部2339及び前棚2335に向かって光を照射する発光基板2338が備えられている。また、チーズ型棚部2331と後棚2334との境界部分には、上段転動面2334bの後壁となる棚シールド2336と、その右側上部に配設され「フォーク」を模した形状のフォーク型飾り2337とが設けられている。
図107及び図111に示すように、右下飾りユニット2360は、後述する発光基板2362を除いて台板2311の台座部2311bの前面に配設されており、飾り部材として、円弧状の飾りベース2361と、飾りベース2361における上下方向の中央部分に配設された第一爆発型レンズ2363と、台座部2311bの下部前面に配設された第二爆発型レンズ2369とを備えている。なお、第二爆発型レンズ2369は、レンズ枠2365と、その内部の爆発型透光部2366と、「TRAP」の文字を模したTRAP型透光部2367とから構成されている。また、第一爆発型レンズ2363、及び第二爆発型レンズ2369の後側には、それぞれの飾り部材に光を照射する発光基板2364,2368が配設され、また、飾りベース2361の後側には、台座部2311bの後面に取り付けられ台座部2311bに形成された窓部2311cを通して飾りベース2361に光を照射する発光基板2362が配設されており、これらの発光基板2362,2364,2368によって全ての飾り部材を発光装飾させることが可能になっている。
また、飾りベース2361は、台板2311よりも右斜め下方に突出する板状の突出片2361aを備えており、一方、爆発型透光部2366には、突出片2361aと対向する突出部2366aが形成されており、図112の断面図に示すように、突出片2361aと突出部2366aとの間に、遊技球Kを通過させることが可能な通路Sが形成されている。特に、飾りベース2361の突出片2361aには、通路S側に向かって突出する第一突起部2361b及び第二突起部2361cが形成されており、通路Sを通過する遊技球Kを爆発型透光部2366の突出部2366aに衝突させながら流下させることで、アウト口606に送られる遊技球の速度を抑制している。詳しく説明すると、センター役物2300の右側の遊技領域605には障害釘等が設けられていないため、右側の遊技領域605に打ち込まれた遊技球は大きな運動エネルギーを持ったままアウト口606に向かうことになるが、本実施形態のように通過する遊技球Kを突出部2366aに衝突させることにより、遊技球Kの勢いを低下させ、アウト口606に入球しやすくすることが可能になっている。なお、突出部2366aの角部は、遊技球Kの衝突する可能性が高いが、この部分に面取りを形成することにより衝突による破損が抑制されている。また、下流側の第二突起部2361cは、第一突起部2361bよりも突出する高さが低くなっており、ジグザグに転動する遊技球Kの挙動を第二突起部2361cによって整流させることが可能になっている。
図107及び図113に示すように、右側飾りユニット2370は、右下飾りユニット2360の上側に位置する台板2311の前面に配設されており、右足を模した形状の右足型飾り2371、及びその中央に配置された爆発型マーク2372からなる右足ユニット2374と、右足ユニット2374の後側に光を照射し右足ユニット2374を発光装飾させる発光基板2373と、右足ユニット2374の上側に配設され「GYA」の文字を有するGYA型レンズ2375と、GYA型レンズ2375及びレンズシート2376を前側に収容し、フレームレンズ2378を後側に収容するフレーム2377と、フレームレンズ2378及びレンズシート2376を通してGYA型レンズ2375に光を照射する発光基板2379と、を備えて構成されている。また、フレーム2377の右上には後述する第一キャラクタの一部として設けられたキャラクタ背中部材2380及びキャラクタ左足部材2382と、発光基板2379から放射された光をキャラクタ背中部材2380に向かって誘導するフレーム状のリフレクタ2381と、キャラクタ左足部材2382の右上に配設された右上飾り2383とが備えられている。さらに発光基板2379の後側に位置する台板2311の後面には、センター右上駆動基板2384が基板カバー2385に覆われて設けられている。
[4−5.裏ユニット]
次に、図114〜図167を参照し、裏ユニット3000の構成について詳細に説明する。図114は、裏ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図115は、第一キャラクタ役物ユニットによる演出状態を示す遊技盤の正面図であり、図116は、第一キャラクタ役物ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図117は、第一キャラクタ役物ユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図118は、第一キャラクタ役物ユニットの左腕ユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図119は、第一キャラクタ役物ユニットの右腕ユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図120は、第一キャラクタ役物ユニットの腕駆動ユニットを斜め後から見た斜視図であり、図121は、第一キャラクタ役物ユニットの顔スライドユニットを斜め前から見た斜視図であり、図122は、顔スライドユニットを顔スライド機構部と顔移動部とに分解し、斜め前から見た斜視図であり、図123は、顔スライド機構部を分解して斜め前から見た斜視図であり、図124は、顔スライド機構部の駆動部を斜め前から見た斜視図であり、図125は、その駆動部を斜め後から見た斜視図であり、図126は、顔移動部と顔型ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図127は、顔移動部を口機構ユニットと顔ベース部とに分解し、斜め前から見た斜視図であり、図128は、口機構ユニットを斜め後から見た斜視図であり、図129は、口機構ユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図130は、顔ベース部を分解して斜め前から見た斜視図であり、図131は、第一キャラクタ役物ユニットの顔型ユニットを透明にし、斜め前から見た斜視図である。
また、図132は、看板型役物ユニットによる演出状態を示す遊技盤の正面図であり、図133は、看板型役物ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図134は、看板型役物ユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図135は、看板型役物ユニットの看板可動部を分解して斜め前から見た斜視図である。
また、図136は、第二キャラクタ役物ユニットによる演出状態を示す遊技盤の正面図であり、図137は、第二キャラクタ役物ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図138は、第二キャラクタ役物ユニットのキャラクタユニットを斜め前から見た斜視図であり、図139は、キャラクタユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図140は、分解したものを斜め後から見た斜視図であり、図141の(a)は、キャラクタユニットの機構部を斜め前から見た斜視図であり、(b)はカバー部材を取り外した状態の正面図であり、図142は、キャラクタユニットの機構部の動作を示す説明図であり、図143は、第二キャラクタ役物ユニットの扉ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図144は、扉ユニットを斜め後から見た斜視図であり、図145は、遊技盤における覗き窓付近の拡大正面図であり、図146は、キャラクタユニットとその後側に配置された部材とを、斜め後から見た斜視図であり、図147は、キャラクタユニットとその後側に配置された部材とを分解して、斜め後から見た斜視図である。
また、図148は、壷型役物ユニットによる演出状態を示す遊技盤の正面図であり、図149は、壷型役物ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図150は、壷型役物ユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図151は、壷型役物ユニットにおける壷型装飾体が初期位置である状態を示す正面図であり、図152は、壷型装飾体が中間位置に移動した状態を示す正面図であり、図153は、壷型装飾体が終端位置に移動した状態を示す正面図である。
また、図154は、複合役物ユニットによる演出状態を示す遊技盤の正面図であり、図155は、複合役物ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図156は、複合役物ユニットを斜め後から見た斜視図であり、図157は、複合役物ユニットのカバー部材を外して斜め前から見た斜視図であり、図158は、複合役物ユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図159は、複合役物ユニットの動作状態を示す斜視図である。
また、図160は、トラップ型役物ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図161は、トラップ型役物ユニットの動作状態を示す斜視図であり、図162は、トラップ型役物ユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図163は、球誘導通路及び星発光導光板を斜め前から見た斜視図であり、図164は、球誘導通路及び星発光導光板の縦断面図であり、図165は、液晶表示装置及びその周囲の飾り部を斜め前から見た斜視図であり、図166は、裏箱及び駆動基板等を斜め前から見た斜視図であり、図167は、それを分解して斜め前から見た斜視図である。
図98及び図114に示すように、裏ユニット3000は、遊技パネル600の後側に取り付けられており、主に、遊技パネル600から所定距離後側へ離れた位置に液晶表示装置1400を支持する裏箱3001と、裏箱3001内において、液晶表示装置1400の前方右上側に配設された第一キャラクタ役物ユニット3010と、第一キャラクタ役物ユニット3010の左側に配設された看板型役物ユニット3150と、液晶表示装置1400の前方左側に配設された第二キャラクタ役物ユニット3180と、液晶表示装置1400の前方右側に配設された壷型役物ユニット3240と、液晶表示装置1400の前方下側に配設された複合役物ユニット3270と、裏箱3001の右側下部に配設されたトラップ型役物ユニット3310と、裏箱3001の左側下部に配設された球誘導通路3340及び星発光導光板3341と、トラップ型役物ユニット3310の左側に配設された始動口誘導通路3347と、を備えて構成されている。
裏箱3001は、図114に示すように、前側が開放された箱状に形成され、前端に外方へ突出するフランジ状の固定部3001aが複数個備えられており、この固定部3001aを介して遊技パネル600の後側に固定されるようになっている。また、裏箱3001は、後壁3001bの略中央に矩形状の開口3001cが形成されており、この開口3001cを通して、後側に支持される液晶表示装置1400を視認させることが可能になっている。さらに、裏箱3001には、第一キャラクタ役物ユニット3010や第二キャラクタ役物ユニット3180、及び各基板等を取り付けて固定するための取付部が適宜位置に形成されている。
第一キャラクタ役物ユニット3010について詳細に説明する。第一キャラクタ役物ユニット3010は、液晶表示装置1400の前方右上側に配置された可動役物であり、図97に示す待機位置(原位置)から図115に示す演出位置(可動限界位置)に移動(下降)した場合には、図115に示すように、液晶表示装置1400の前方に配置され、液晶表示装置1400の右上約1/3を遮蔽する大きさとなっている。図116及び図117に示すように、第一キャラクタ役物ユニット3010は、腕駆動ユニット3020と顔スライドユニット3060とを備えて構成されている。腕駆動ユニット3020は猫をイメージさせる第一キャラクタ(以下「猫キャラクタ」と称す)の左右の腕を可動させるものであり、左腕ユニット3021と、右腕ユニット3030と、駆動部3040とから構成されている。左腕ユニット3021は、図117及び図118に示すように、「猫キャラクタ」の左腕を模して造形されたものであり、上下に長い左腕部3022と、左腕部3022の先端に配設された左手部3023と、左腕部3022及び左手部3023に向かって後側から光を照射しこれらを発光装飾させる発光基板3024と、を備えて構成されている。また、左腕部3022の上部には、後方に屈曲しさらに上方に向かって延出された断面L字形の取付部3022aが形成されており、その後面には、左腕ベース3025が組み付けられている。左腕ベース3025の上部には、取付部3022aの貫通孔3022bに後方から挿入される軸支部3025aが形成され、左腕ベース3025の下部右側には、前後方向に突出する円筒状の嵌合筒部3025bが形成されている。なお、軸支部3025aの中心には腕軸部3026が嵌挿され、嵌合筒部3025bには左側ブッシュ3053を介してガイドピン3027が嵌挿されている。
図117及び図119に示すように、右腕ユニット3030は、「猫キャラクタ」の右腕を模して造形されたものであり、左右に長い右腕部3031と、右腕部3031の先端に配設された右手部3032と、右腕部3031及び右手部3032に向かって後側から光を照射しこれらを発光装飾させる発光基板3033と、を備えて構成されている。なお、右手部3032の中央には、前後方向に貫通する星形の開口部3032aが形成されており、星型フレーム3034及び星型レンズ3035が開口部3032a内に後側から嵌め込まれている。また、右腕部3031の右側部分には、略長方形の取付部3031aが延出して形成されており、その後面には、右腕ベース3036が組み付けられている。右腕ベース3036の右側端部には、軸支部3036aが形成され、右腕ベース3036の上部左側には、前後方向に突出する円筒状の嵌合筒部3036bが形成されている。なお、軸支部3036aの中心には腕軸部3037が嵌挿され、嵌合筒部3036bには右側ブッシュ3054を介してガイドピン3038が嵌挿されている。
図117及び図120に示すように、駆動部3040は、「猫キャラクタ」が腕を振るように、左腕ユニット3021及び右腕ユニット3030をそれぞれ揺動させるものであり、後面が開放された薄箱状のギアボックスベース3041と、ギアボックスベース3041の後面を閉鎖するギアボックス蓋(図示しない)と、ギアボックスベース3041の前面右上に配設された腕駆動モータ3043と、ギアボックスベース3041内に収容され腕駆動モータ3043の動力を伝達して左腕ユニット3021及び右腕ユニット3030を可動させる機構ユニット3039と、を備えて構成されている。機構ユニット3039には、腕駆動モータ3043に接続されたモータギア3044と、ギアピン3045によって回転可能に支持され、外周の大歯車3046aがモータギア3044に噛合された第一中間ギア3046と、第一中間ギア3046に形成された小歯車(図示しない)に噛合された扇状の左側駆動ギア3047と、が含まれている。左側駆動ギア3047の回転中心3047aは、腕軸部3026(図118を参照)を介して左腕ユニット3021の軸支部3025aに連結されており、左側駆動ギア3047の回動が左腕ユニット3021に伝達されるようになっている。なお、ギアボックスベース3041の下部右端には、前後方向に貫通した円弧状のガイド溝3041aが形成されており、ガイドピン3027(図118を参照)が嵌挿されることで、左腕ユニット3021を円滑に回動させるとともに、左腕ユニット3021の可動範囲を機械的に制限している。
また、機構ユニット3039には、ギアピン3048によって回転可能に支持されるとともに、第一中間ギア3046の小歯車(図示しない)に噛合された第二中間ギア3049と、第二中間ギア3049に噛合された扇状の右側駆動ギア3050と、が含まれている。右側駆動ギア3050の回転中心3050aは、腕軸部3037(図119を参照)を介して右腕ユニット3030の軸支部3036aに連結されており、右側駆動ギア3050の回動が右腕ユニット3030に伝達されるようになっている。なお、ギアボックスベース3041の左側端部には、前後方向に貫通した円弧状のガイド溝3041bが形成され、ガイドピン3038(図119を参照)が嵌挿されることで、右腕ユニット3030を円滑に回動させるとともに、右腕ユニット3030の可動範囲を機械的に制限している。また、右側駆動ギア3050にはトーションバネ3051が設けられており、右腕ユニット3030が上側停止位置に向かって付勢されている。また、ギアボックスベース3041内には、複数のフォトセンサ3052が配設されており、左腕ユニット3021及び右腕ユニット3030の可動位置(原位置と可動限界位置と)を検出することが可能になっている。
一方、図117及び図121に示すように、顔スライドユニット3060は、顔型ユニット3061と、顔スライド機構部3070と、顔移動部3100とから構成されている。顔型ユニット3061は、立体的なキャラクタである「猫キャラクタ」の顔を模して造形されたものであり、柔軟性及び光透過性を有する素材、具体的には軟質のポリ塩化ビニルによって中空に形成された顔部3062と、顔部3062に装着された4本の髭部3063とから構成されている。なお、顔部3062の後側には開口(図示しない)が形成されており、顔移動部3100に対し前方から被せて装着されている。
顔スライド機構部3070は、顔移動部3100を斜め上下方向に昇降させるものである。図122及び図123に示すように、顔スライド機構部3070は、ユニットベース3071と、ユニットベース3071の後側に配設されたシャフトベース板金3072と、シャフトベース板金3072の後側に配設された板金押え3073と、をベース部材として備えている。シャフトベース板金3072は、ユニットベース3071及び板金押え3073に挟まれて支持されるとともに、下端から前方に延出されたシャフト下部支え片3072a、上端から前方に延出されたシャフト上部支え片3072b、及び上端右端から前方に大きく延出されたモータ支え片3072cがユニットベース3071の前面よりも前方に突出して取り付けられている。
また、顔スライド機構部3070は、ユニットベース3071の前側に配設されたスライド移動部3075を備えている。スライド移動部3075は、図124に示すように、上下方向に摺動可能に支持されたスライドベース3076と、スライドベース3076の後面に装着された中継基板3077(図123参照(図124では省略))と、中継基板3077を後側から支える押え部材3078とを備えて構成されている。スライドベース3076は、正面視形状が略長方形状で中央に開口部3076aを有する基部3076bと、基部3076bの左端に形成された箱状の左支持部3076cと、基部3076bの右端に形成された箱状の右支持部3076dとから構成されている。また、スライド移動部3075は、後述する螺合部材3092及びベアリング押え3097を介して顔移動部3100(図122を参照)に連結されており、スライド移動部3075を顔移動部3100とともに昇降させる構成となっている。なお、顔型ユニット3061(図116を参照)、顔移動部3100、及びスライド移動部3075からなる昇降可能な全体のユニットを、可動ユニット3079として説明する。
ところで、可動ユニット3079は比較的大型のものとなり、しかも多くの機構を備えることから、重量が大幅に増え、小型の駆動モータでは可動ユニット3079を昇降させることが困難となる。なお、大型の駆動モータを使用した場合には、可動ユニット3079を昇降させることが可能になるが、これによれば駆動モータの寸法が大きくなり、限られたスペースに配置させることが困難となる。そこで、本実施形態では、図125に示すように、スライド移動部3075の後側に定荷重ばね3081を配設し、ユニットベース3071(図123を参照)に組み付けられた定荷重ばね3081を介して可動ユニット3079を吊り下げた状態で支持している。定荷重ばね3081は、コンストン(商品名)ばねと称されるものであり、小型のバネドラム3082と、バネドラム3082に一定の曲率で密着巻きされた長尺の板バネ部3083とからなり、バネドラム3082がユニットベース3071に取り付けられ、板バネ部3083の先端部分がスライドベース3076の後面に接続されている。この定荷重ばね3081は、板バネ部3083を直線に引き伸ばすときに生じる戻り力(荷重)がストロークにかかわらず略一定になっており、可動ユニット3079は、その自重が定荷重ばね3081の戻り力とバランスが取られた状態で支持されている。このため、可動ユニット3079の重量が理論上ゼロとなり、小さな出力の駆動モータ3088で昇降させることができるようになっている。また、定荷重ばね3081は、可動ユニット3079における左右方向の略中央位置に接続されており、可動ユニット3079は、左右のバランスが取られた状態で吊り下げられている。なお、可動ユニット3079の原位置は、ユニットベース3071に取り付けられたフォトセンサ3098により検出されるようになっている。
また、図124及び図125に示すように、可動ユニット3079を昇降させる駆動部3085は、シャフトベース板金3072(図123を参照)のモータ支え片3072cに取り付けられた駆動モータ3088と、駆動モータ3088の回転軸に接続されたモータギア3089と、モータギア3089に噛合されたシャフトギア3090と、シャフトギア3090に連結され、周面に螺旋状の送りねじ3091aが形成された回転シャフト3091と、送りねじ3091aに螺合されるとともに、スライドベース3076の右支持部3076dに固定された螺合部材3092と、を備えている。なお、回転シャフト3091は、シャフトベース板金3072のシャフト下部支え片3072a、及びモータ支え片3072cによって回転可能に支持されている。右支持部3076dには、平面視がU字形となる溝部(図示しない)が上下方向に貫通して形成されており、溝部内に回転シャフト3091が前方から挿入されるとともに、前面が螺合部材3092によって閉鎖されている。螺合部材3092は、回転シャフト3091の送りねじ3091aに螺合する突条(図示しない)が内面に形成されており、右支持部3076dの前面に固定されることにより、回転シャフト3091の回転によって発生する推進力がスライドベース3076に伝達されるようになっている。このように、送りねじ3091aが形成された回転シャフト3091を用いて可動ユニット3079を昇降させることから、駆動モータ3088の負荷が一層小さくなっている。なお、駆動モータ3088は、図123に示すように、モータカバー3086及びカバー蓋3087に囲まれて収容されている。
また、螺合部材3092は、スライドベース3076の右側端部に接続されているため、定荷重ばね3081の板バネ部3083と干渉することなく配置させることが可能である。また、駆動部3085をスライドベース3076の一端側に寄せて配置することで、スライドベース3076の後側に比較的広いスペースを設けることができ、例えば他の部材をスライドベース3076に近づけて配置することも可能になっている。
ところで、上記のように定荷重ばね3081の板バネ部3083をスライドベース3076における左右方向の略中央に接続し、螺合部材3092をスライドベース3076の一端側に接続したものでは、バネドラム3082の接続点から螺合部材3092の接続点までの距離が長くなることから、可動ユニット3079を昇降させる際、定荷重ばね3081の接続点を中心として可動ユニット3079を回転させようとするモーメントが大きくなる。
これに対し、本実施形態では、スライドベース3076の左側端部が摺動可能に支持されており、可動ユニット3079を昇降させる際、スライドベース3076の右側端部に動力が加えられても、水平状態を維持することができ、ひいては可動ユニット3079を滑らかに昇降させることが可能となっている。具体的には、スライドベース3076の左支持部3076cは、平面視がU字形となる溝部が上下方向に貫通して形成されるとともに、溝部内にスライドカラー(図示しない)を収容しており、軸方向を上下方向とするスライドシャフト3095がスライドカラーに嵌挿されている。なお、スライドシャフト3095は、シャフトベース板金3072のシャフト下部支え片3072a及びシャフト上部支え片3072bによって支持されている。
一方、図126及び図127に示すように、顔移動部3100は、前側の口機構ユニット3110と、後側の顔ベース部3140とから構成されている。顔ベース部3140は、図127及び図130に示すように、顔型ユニット3061(図126を参照)における顔部3062の後側を内側から支える後側支持部材3141を備えている。後側支持部材3141は樹脂製の部材からなり、正面視が略半円形の形状を呈し、前面には複数の凹凸部が形成されている。また、後側支持部材3141は、全面にメッキ加工がなされており、軟質のポリ塩化ビニルからなる顔部3062が接触しても、可塑剤による樹脂の浸食を防ぐことが可能となっている。後側支持部材3141の前面、特に略右半分の領域には、2つの発光基板3143が後側絶縁部材3142を介して配設されており、顔部3062の後側から顔部3062の内面に光を照射させることで、顔部3062を発光装飾させることが可能になっている。また、後側絶縁部材3142は非導電性の樹脂部材であり、後側絶縁部材3142を介して発光基板3143を装着させることにより、発光基板3143とメッキとを絶縁させることができ、発光基板3143の破損や誤動作を防止することが可能になっている。
口機構ユニット3110は、図127〜図129に示すように、顔部3062の前側を内側から支える樹脂製の前側支持部材3111を備えている。前側支持部材3111の外周面には、光反射面3111aが形成されており、顔ベース部3140の発光基板3143(図130を参照)から放射された光を反射させるようになっている。これについて詳しく説明する。発光基板3143の前方に前側支持部材3111を備えるものでは、発光基板3143から放射された光が前側支持部材3111に遮られ、顔部3062の前面側に光が照射され難くなる場合がある。また、これにより、顔部3062の表面の明るさに斑が生じたり、前側支持部材3111の輪郭が影絵のように映し出されたりするおそれがある。
これに対し、本実施形態では、前側支持部材3111が後側支持部材3141よりも小さく形成され、前側支持部材3111の少なくとも外周縁に光反射面3111aが形成されている。これにより、発光基板3143から放射された光が光反射面3111aに照射し、前側支持部材3111の外周縁を光らせることが可能になっている。特に、光反射面3111aはメッキ加工によって形成されているため、なめらかな表面に仕上げられ、顔部3062の表面に凹凸が現れないようになっている。また、前側支持部材3111の外周縁にメッキ加工を行うことで、顔部3062の内面に直接当接しても、可塑剤による樹脂の浸食を防ぐことが可能になっている。
また、前側支持部材3111の前面には、発光基板3113が前側絶縁部材3112を介して装着されている。これによれば、発光基板3113によって顔部3062の前面部分に光が照射され、顔部3062全体を光らせることが可能になっている。特に、図131に示すように、前側支持部材3111は、後側支持部材3141に対する間隔が、右端側が左端側よりも広がるように、前後方向に傾いて配置されており、これによれば、後側支持部材3141の前面に配置された発光基板3143から放射された光は、右側の方から放射されやすくなり、顔部3062の右側の面を照射する割合が増える。一方、前側支持部材3111は前後方向に傾いて配置されているため、その前面に装着された発光基板3113から放射された光は、顔部3062の左側の面を照射する割合が増える。したがって、二枚の発光基板3143,3113によって顔部3062全体を効率的に且つ均一に光らせることが可能になっている。また、後側支持部材3141の前面のうち、間隔が狭くなっている左側の領域には発光基板3143が配設されていないため、顔部3062に対する照射効率が低い部分での無駄な発光を抑えることができ、エネルギーの消費を抑制することが可能になっている。また、左側の領域の前方には、顔部3062の口部分を変形させる変形動作機構(後述する)が配設されているが、その後方には発光基板3143が配設されていないため、変形動作機構の輪郭が映し出されることはない。なお、前側絶縁部材3112は、後側絶縁部材3142と同様、非導電性の樹脂部材であり、前側絶縁部材3112を介して発光基板3113を装着させることにより、発光基板3113とメッキとを絶縁させることができ、発光基板3113の破損や誤動作を防止することが可能である。また、発光基板3113の前側には、発光基板3113から放射される一部の光(例えば異なる色の光)を、顔部3062の目に相当する部分に対して案内する目型リフレクタ3114が配設されている。
また、図129に示すように、前側絶縁部材3112の後面には、基板取付板金3115を介して門形の口機構ベース板金3116が取り付けられており、口機構ベース板金3116に、変形動作機構を構成する上顎板金3119と、下顎板金3121に連結された第一リンク板金3117とがそれぞれ回動可能に支持されている。上顎板金3119及び下顎板金3121は、顔部3062における口部分に配設され、互いに反対方向に回動させることにより、顔部3062における口部分を開閉させることが可能になっている。下顎板金3121は、リンクシャフト3122を介して第一リンク板金3117の先端部分に軸支されるとともに、左側から後方に延出された延出部3121が口機構ベース板金3116に支持されている。また、第一リンク板金3117は、側面視がL字形の部材であり、スペーサ3123を介して口機構ベース板金3116の下部の第一孔部3116aに軸支されるとともに、上端部分に設けられたリンクシャフト3129aの両端が口機構ベース板金3116の上部側面に形成された円弧状のガイド溝3116cに挿入されている。一方、上顎板金3119は、リンクシャフト3119aを介して口機構ベース板金3116の下部先端の第二孔部3116bに軸支されるとともに、後端部分に設けられたリンクシャフト3120が第二リンク板金3118の先端部分に連結されている。第二リンク板金3118の後端部分は、第一リンク板金3117の上端に設けられたリンクシャフト3129aに軸支されている。また、リンクシャフト3129aには、リンク3129bが左右方向に摺動可能に嵌挿され、リンク3129bには、軸方向を上下方向とするリンクピン3130が上方から嵌挿されている。このリンクピン3130は、駆動モータ3127の回転軸に接続されたモータリンク3128に対し偏心した位置に連結されている。
これによれば、駆動モータ3127が動作してモータリンク3128が回転すると、リンクピン3130及びリンク3129bは駆動モータ3127の回転軸を中心に旋回する。リンク3129bは、リンクシャフト3129aに対し左右方向に摺動可能に支持されているため、リンクシャフト3129aは、リンク3129bの前後方向の成分に対して変位し、第二リンク板金3118及び第一リンク板金3117を動かせる。すると、第一リンク板金3117の動きに伴って下顎板金3121が変位し、第二リンク板金3118の動きに伴って上顎板金3119が変位し、下顎板金3121及び上顎板金3119は互いに反対方向に動くこととなる。このように、駆動モータ3127を一回転させるごとに下顎板金3121及び上顎板金3119が一往復し、あたかもキャラクタが話しかけているように顔部3062の口部分を動かすことが可能になっている。なお、下顎板金3121及び上顎板金3119の原位置はフォトセンサ3131によって検出されている。また、上顎板金3119には、発光基板3124が基板ベース3125を介して装着されており、顔部3062の口部分(口の中)を光らせることが可能になっている。
次に、看板型役物ユニット3150について詳細に説明する。看板型役物ユニット3150は、液晶表示装置1400の前方左上側に配置された可動役物であり、図97に示す待機位置(原位置)から図132に示す演出位置(可動限界位置)に移動した場合には、図132に示すように、液晶表示装置1400の前方左上から右下に向かって傾斜するようになっている。図133及び図134に示すように、看板型役物ユニット3150は、看板の形状を呈した看板可動部3151と、看板可動部3151を回動可能に支持する看板ケース3161及びケース蓋3162と、看板本体3152を所定範囲(原位置から可動限界位置までの範囲)内で回動させる駆動部3165と、看板可動部3151の回動位置(原位置と可動限界位置と)を検出する2つのフォトセンサ3173と、看板ケース3161及びケース蓋3162の右側の側面を覆うレンガ型装飾部3174と、を備えて構成されている。
図134及び図135に示すように、看板可動部3151は、前面に所定の文字(TOM・JERRY)を象った窓部3052aを有する箱状の看板本体3152と、窓部3052aに後側から嵌め込まれたロゴレンズ3153と、ロゴレンズ3153の後側から看板本体3152に光を照射し発光装飾させる発光基板3154と、を備えている。また、看板本体3152の前面右下部分にはチーズを模した形状のチーズ型装飾体3156が装着され、看板本体3152の前面左側にはフォトセンサ3173用の検出片3160aを有するフォト遮蔽板3160が装着されている。また、発光基板3154とロゴレンズ3153との間には、発光基板3154の一部から放射された光(例えば他とは異なる色の光)をロゴレンズ3153の所定部位に案内するリフレクタ3155,3157が配設されている。なお、看板本体3152の前面に装着されたチーズ型装飾体3156は発光基板3154にネジ(図示しない)を介して取り付けられており、これによりロゴレンズ3153、及びリフレクタ3155,3157が看板本体3152と発光基板3154との間に挟持された状態で支持されている。また、発光基板3154の後側には、基板カバー3158が配設されている。
看板ケース3161は、前面側に駆動部3165(駆動モータ3166以外)及びフォトセンサ3173を収容可能なスペースを有し、下部右側には前後方向に貫通する軸受部3161aが形成されている。軸受部3161aには、看板本体3152の左側に連結されたシャフト3159が挿入されており、看板可動部3151は、軸受部3161aを中心に回動可能に支持されている。ケース蓋3162は看板ケース3161の前面側に装着されており、看板ケース3161の内部に収容された駆動部3165及びフォトセンサ3173等を遮蔽している。
駆動部3165は、看板ケース3161の後面に配設された駆動モータ3166と、看板ケース3161の前側に配設され駆動モータ3166の回転軸に接続されたモータギア(図示しない)と、看板ケース3161の後面とカバー体3168との間に配設されモータギアに噛合された大歯車3169aを外周に有する第一ギア3169と、第一ギア3169の内側に形成された小歯車(図示しない)に噛合された第二ギア3170と、第二ギア3170に噛合されるとともに、中心にブッシュ3172を介してシャフト3159が嵌挿された扇形の第三ギア3171と、を備えて構成されている。これによれば、駆動モータ3166を動作させると、モータギア、第一ギア3169、第二ギア3170、及び第三ギア3171を介して、シャフト3159に回転運動が伝達され、看板可動部3151がシャフト3159を中心に回動するようになっている。なお、モータギアは、ギアカバー3167によって前側から覆われている。また、レンガ型装飾部3174は、看板ケース3161の右側端部から前後方向に突出するネジ孔形成筒部3161bに対し、ネジ(図示しない)によって取り付けられている。
次に、第二キャラクタ役物ユニット3180について詳細に説明する。第二キャラクタ役物ユニット3180は、液晶表示装置1400の前方左側に配置された可動役物であり、図97及び図98に示す待機位置(原位置)から図136に示す演出位置(可動限界位置)に移動した場合には、図136に示すように、液晶表示装置1400の表示領域の前面に出現するようになっている。図137に示すように、第二キャラクタ役物ユニット3180は、キャラクタユニット3190と、扉ユニット3220とから構成されている。キャラクタユニット3190は、図138〜図140に示すように、前面及び右側面が開放された箱状のケース部材3191と、ケース部材3191の内部に収容されるとともにケース部材3191の右側から出没させることが可能な可動キャラクタ体3192と、可動キャラクタ体3192を可動させる駆動装置3199と、を備えて構成されている。
可動キャラクタ体3192は、ネズミをイメージさせる第二キャラクタ(以下「ネズミキャラクタ」と称す)を模して造形された装飾体3193と、装飾体3193に対して後側から光を照射し発光装飾させる発光基板3194と、装飾体3193及び発光基板3194に組み付けられるとともに、左右方向に摺動可能に支持された摺動部材3195とを備えている。なお、摺動部材3195は横断面が略コ字形の部材であり、左右方向に細長く形成されている。また、可動キャラクタ体3192は、ネズミキャラクタの左手を模した形状の左手部3196を備えており、ネズミキャラクタの顔及び上半身からなる装飾体3193とは別に可動させることができるようになっている。
図139及び図141に示すように、駆動装置3199は、ケース部材3191の後面に配設された駆動モータ3204と、ケース部材3191の内部に収容されるとともに、駆動モータ3204の駆動力を可動キャラクタ体3192に伝達する駆動機構3199aとから構成されている。駆動機構3199aは、後支持板3209及び後述する第二ラック3207によって左右方向に摺動可能に支持されるとともに、可動キャラクタ体3192を支持する可動ベースユニット3200(ベース板3201及びカバー部材3202からなる)と、駆動モータ3204の回転軸に接続された第一歯車3203と、可動ベースユニット3200の前面に固定されるとともに、第一歯車3203に噛合され、第一歯車3203の回転運動を可動ベースユニット3200の左右方向への直線運動に変換する第一ラック3205と、可動ベースユニット3200(ベース板3201)に配設され回転可能に支持された第二歯車3206と、ケース部材3191に固定されるとともに、第二歯車3206に噛合され、可動ベースユニット3200の直線運動を第二歯車3206の回転運動に変換する第二ラック3207と、可動キャラクタ体3192に装着されるとともに、第二歯車3206に噛合され、第二歯車3206の回転運動を可動キャラクタ体3192の左右方向への直線運動に変換することで、可動キャラクタ体3192を可動ベースユニット3200上で、可動ベースユニット3200の進行方向と同一方向に移動させる第三ラック3208と、を具備して構成されている。
この駆動機構3199aによれば、駆動モータ3204が動作して第一歯車3203が回転すると、第一歯車3203に噛合された第一ラック3205を介して可動ベースユニット3200に動力が伝達される。つまり、第一歯車3203の回転運動が第一ラック3205によって直線運動に変換され、可動ベースユニット3200は右方向に移動する。ここで、可動ベースユニット3200上には、可動キャラクタ体3192が設けられており、可動キャラクタ体3192も可動ベースユニット3200とともに所定方向に移動する。
一方、可動ベースユニット3200には回転可能に支持された第二歯車3206が設けられており、第二歯車3206は、ケース部材3191に固定された第二ラック3207に噛合されているため、可動ベースユニット3200が移動すると、可動ベースユニット3200の直線運動が第二歯車3206の回転運動に変換される。
可動キャラクタ体3192は、可動ベースユニット3200に対し摺動可能に支持され、且つ第二歯車3206に噛合する第三ラック3208を備えているため、第二歯車3206の回転運動が可動キャラクタ体3192(第三ラック3208)の直線運動に変換され、可動キャラクタ体3192は可動ベースユニット3200上で、その進行方向と同一方向(つまり右方向)に移動する。この結果、可動キャラクタ体3192の相対的な移動距離は、可動ベースユニット3200の移動距離に、可動キャラクタ体3192自体の移動距離を加えたものとなる。したがって、駆動装置3199の配設スペースが比較的狭い場合であっても、可動キャラクタ体3192を大きく動かすことができ、ひいては演出における可動キャラクタ体3192のインパクトを高めることが可能になる。また、第二ラック3207及び第二歯車3206によって、可動キャラクタ体3192を移動させるための駆動力を発生させることから、比較的簡単で安価な構成とすることができる。
また、第二ラック3207及び第三ラック3208は互いに対向して配置され、それらの間に平歯車からなる第二歯車3206が介装されているため、全体の機構を極めて簡単なものとすることができ、全体を小型化することが可能となっている。また、第二歯車3206の数は1つであるため、第二ラック3207に対する可動ベースユニット3200の進行方向と、第三ラック3208の進行方向(つまり可動キャラクタ体3192の進行方向)とを一致させることが可能となっている。
また、可動キャラクタ体3192に備えられた装飾体3193は、第二のキャラクタである「ネズミキャラクタ」を模して造形された立体的なものであるため、ネズミキャラクタが大きく動く様子を遊技者に視認させることができ、視覚的な演出効果を高めることが可能になっている。
また、可動ベースユニット3200に対して摺動可能に支持された摺動部材3195は、左右方向に沿って長く形成されているため、可動ベースユニット3200に対する摺動面の面積を比較的大きくすることができ、安定した状態で摺動させることが可能となっている。特に、第三ラック3208が摺動部材3195に取り付けられているため、摺動部分の近傍に動力を伝達することができ、摺動部分を支点とする可動キャラクタ体3192のねじれを抑制することが可能になっている。また、上記のように摺動部材3195を左右方向に沿って細長く形成するものでは、可動ベースユニット3200と発光基板3194との間に空間が形成されることとなるが、この空間を利用して第二歯車3206を配置することで、第二歯車3206を第二ラック3207に噛合させることができ、さらに第二歯車3206が比較的大きな場合でも、配置スペースを容易に確保することが可能になっている。
また、可動ベースユニット3200は、板状のベース板3201と、それに取り付けられたカバー部材3202とを備えて構成され、カバー部材3202によって、ベース板3201、第二歯車3206、及び第三ラック3208が遮蔽されている。また、第一歯車3203は、ケース部材3191に取り付けられたギアカバー3211によって遮蔽されている。このため、可動キャラクタ体3192の背景として、第二歯車3206や第三ラック3208等の伝達機構が露出されることを防止でき、見栄えの低下を抑制することが可能となっている。
また、カバー部材3202には、第三ラック3208及び摺動部材3195の移動を左右方向に案内するガイド部3202aが形成されている。このため、摺動部材3195等を案内するための機構を別途備える必要がなく、全体の構成をさらに簡略化することが可能となっている。
また、ベース板3201には、左右方向に沿って形成された長孔3201aが設けられ、第三ラック3208の裏面には、ベース板3201の長孔3201aに嵌挿する突起部3208a(図140を参照)が形成されている。このため、第三ラック3208及び摺動部材3195の移動方向が規制され、第三ラック3208及び摺動部材3195は左右方向に対して一層滑らかに案内されるようになっている。また、長孔3201aの長さによって、可動キャラクタ体3192の可動範囲が制限され、進行方向の終端位置を正確に定めることが可能となっている。
ところで、可動キャラクタ体3192の一部として設けられた左手部3196は、可動キャラクタ体3192が所定位置まで移動した際、可動キャラクタ体3192の進行方向(つまり右方向)への動力を利用して進行方向とは異なる方向に変位するようになっている。図141及び図142を基に詳しく説明すると、左手部3196は、左右方向に長く形成されるとともに、左端部分が摺動部材3195の後面に軸支されており、さらに左端部分から上方に向かって延出されたアーム部3196aが設けられている。また、左手部3196には、左手部3196を第一位置側(時計方向側)に付勢するスプリング3197が取り付けられている。一方、ベース板3201には、右側端部から右方向に延長されさらに前方に湾曲した当接部3201bが形成されており、可動キャラクタ体3192(摺動部材3195)が所定位置まで移動した際(図142(a)を参照)、アーム部3196aが当接部3201bに当接し、可動キャラクタ体3192の移動を利用して左手部3196を第二位置側(反時計方向)に移動させることが可能となっている(図142(b)を参照)。なお、図142(b)に示す状態から可動キャラクタ体3192(摺動部材3195)が左側に移動すると、左手部3196はスプリング3197の付勢力によって第二位置から第一位置に変位するようになっている。なお、アーム部3196aに当接する当接部3201bは、ベース板3201の先端部分に設けられているため、可動ベースユニット3200に対して可動キャラクタ体3192を比較的大きく移動させた後であっても、アーム部3196aを当接部3201bに当接させることが可能になっている。
このように、可動キャラクタ体3192が所定位置まで移動すると、左手部3196は、可動キャラクタ体3192の進行方向とは異なる方向に変位するため、可動キャラクタ体3192全体の動きを複雑なものとすることができ、演出効果を高めることが可能となる。特に、左手部3196は、可動キャラクタ体3192が進行方向へ移動する際の動力を利用して変位するため、専用の駆動源を別途備えることなく左手部3196を動かすことが可能になっている。
特に、左手部3196が変位し始める所定位置は、可動キャラクタ体3192の可動終端位置の手前であり、可動キャラクタ体3192が所定位置から可動終端位置に移動する機械的な動作を受けて、左手部3196を第一位置(図142(a)を参照)から第二位置(図142(b)を参照)に移動させるため、可動キャラクタ体3192が可動終端位置で停止する直前に左手部3196が変位することとなり、ひいては可動キャラクタ体3192の動作を最後まで(停止するまで)注目させることができる。
また、図138に示すように、左手部3196が可動キャラクタ体3192における進行方向の先端に配置されているため、可動キャラクタ体3192の先端部分を注目させることができ、可動キャラクタ体3192の移動距離を一層長く感じさせることが可能になっている。特に、先端の左手部3196が動くことから、可動キャラクタ体3192が進行方向に延出されるようなイメージを喚起させ、可動キャラクタ体3192を大きく見せることができる。
また、左手部3196は、前後方向を軸方向として回動可能に支持されているため、可動キャラクタ体3192の直線運動を左手部3196の回転運動に変換することにより、左手部3196を円弧に沿って移動させることが可能になる。したがって、極めて簡単な構成で、左手部3196を、可動キャラクタ体3192の進行方向とは異なる方向に移動させることが可能となっている。
また、左手部3196は装飾体3193よりも小さく、しかもその移動距離は、装飾体3193の移動距離よりも短くなっているため、装飾体3193に比べて左手部3196を目立たないようにすることができ、ひいては左手部3196の動きを凝視させることが可能となる。
さらに、左手部3196は装飾体3193と関連性のある造形物であるため、左手部3196の動きを装飾体3193の動きに関連付けて見せることができ、たとえ左手部3196の動きが極めて小さなものであっても、その動きによって演出効果を高めることが可能になっている。特に、「ネズミキャラクタ」の顔及び上半身を模した装飾体3193を出現させた後に、手を模した左手部3196を動かすことで、「ネズミキャラクタ」が手を振っているかのように見せることができ、「ネズミキャラクタ」の動きに躍動感を与えることができる。
また、可動ベースユニット3200は、装飾体3193が可動ベースユニット3200の前方に位置するように配置されているため、装飾体3193を遊技者に正対させるとともに、可動ベースユニット3200を装飾体3193の背景として視認させることが可能となっている。このため、装飾体3193を収容する空間全体が移動し、さらにその空間から装飾体3193が飛び出すようなイメージを想起させることができ、装飾体3193の躍動感を高めることが可能となる。
また、可動キャラクタ体3192は、遊技パネル600によって遮蔽される待機位置(原位置)と、センター役物2300の開口窓2300aを通して視認可能となる演出位置(可動限界位置)との間で移動するようになっている。このため、可動キャラクタ体3192の視認状態を変化させる(見え隠れさせる)ことができ、遊技者に大きなインパクトを与えることが可能になっている。特に、可動キャラクタ体3192を大きく移動させることで、演出位置(可動限界位置)において装飾体3193の略全貌を視認させることが可能となっている(図136を参照)。
さらに、本実施形態では、可動キャラクタ体3192の移動停止位置を制御することにより、左手部3196が移動する期待大位置と、左手部3196が移動しない期待小位置とを区別して、特別抽選結果(大当り状態)の期待度を示唆するようになっている。つまり、大当りとなる可能性が高い場合には、左手部3196が移動する位置(期待大位置)まで可動キャラクタ体3192を移動させ(図142(b)を参照)、一方、大当りとなる可能性が低い場合には、期待大位置に達する前の期待小位置で可動キャラクタ体3192の移動を停止させる(図142(a)を参照)。このため、左手部3196が動くか否かを視認させることによって、特別抽選結果に対する期待度を把握させることが可能になり、ひいては左手部3196への注目を一層高めることが可能になっている。
一方、扉ユニット3220は、図143及び図144に示すように、キャラクタユニット3190(図138を参照)におけるケース部材3191の右側開口部を開閉可能とするものであり、遊技パネル600に対して直角に配置されるとともに、可動キャラクタ体3192の出入口3221aが設けられた扉壁部3221と、扉壁部3221の右側に配設され出入口3221aを閉鎖する扉体3222と、扉壁部3221の左側において出入口3221aを囲うように配設され、扉裏レンズ3223を介して扉壁部3221に光を照射する発光基板3224とを備えている。扉体3222は、後端部分を回転軸(図示しない)としセンター役物2300の内側に向かって開放可能に支持されており、扉体3222の上側の扉壁部3221には、電球型装飾体3227が電球押え3228によって取り付けられている。
また、扉壁部3221の下端から左側に延出されるように、上面が開放されたモータケース3230が設けられており、モータケース3230の下面にはモータカバー3231に収容された駆動モータ3232が配設され、モータケース3230の内部には、駆動モータ3232の動力によって扉体3222を開閉させる機構部、つまり駆動モータ3232の回転軸に接続された扉カム3233と、扉カム3233の回転を扉体3222の回転軸近傍に伝達する第一リンク3234、第二リンク3235、及び第三リンク3236とが設けられている。なお、モータケース3230には、扉カム3233に形成された検出片3233aを検出することで扉体3222の原位置を検出するフォトセンサ3237が配設されている。
このように、可動キャラクタ体3192の出入口3221aが扉体3222によって閉鎖されているため、待機位置(原位置)に配置された可動キャラクタ体3192は出入口3221a側から視認不能な状態または視認困難な状態となる。したがって、可動キャラクタ体3192が演出位置(可動限界位置)に向かって飛び出す際、思いがけない動作によって遊技者に一層大きなインパクトを与えることが可能になっている。特に、扉体3222は後端側の回転軸(図示しない)を中心としてセンター役物2300の内側に向かって開放されるようになっているため、遊技者側から見て、可動キャラクタ体3192の移動方向(突出方向)と扉体3222が開く方向とを一致させることができ、あたかも可動キャラクタ体3192が扉体3222を押し開けるかのように、可動キャラクタ体3192の動きを力強く見せることが可能となっている。また、可動キャラクタ体3192が演出位置(可動限界位置)に移動すると、扉体3222の内面が可動キャラクタ体3192の背景として視認可能になるため、立体的な装飾によって臨場感が高められている。
さらに、可動キャラクタ体3192を待機位置(原位置)から演出位置(可動限界位置)に移動させる際、まず、駆動モータ3232の動作によって扉体3222が開放されるようになっている。このため、可動キャラクタ体3192が扉体3222に衝突することを防止でき、可動キャラクタ体3192の破損を防ぐことが可能になっている。また、扉体3222を開放させることで、可動キャラクタ体3192が出現することへの期待感が高められ、可動キャラクタ体3192の動きを注目させることが可能になっている。
一方、図145に示すように、待機位置(原位置)の可動キャラクタ体3192(特に装飾体3193)の前方には、ワープ通路2318aを形成する透明なワープ通路形成部材2318が配設されており、さらにワープ通路形成部材2318の前側には、覗き窓2317aを有する電話ボックス型飾り2317が配設されている。つまり、覗き窓2317aを通して待機位置(原位置)における装飾体3193を見せることが可能になっている。このため、遊技パネル600またはセンターユニット2310の後側に隠れている装飾体3193を、ワープ通路2318aの背景として見せることにより、覗き窓2317aを通して内部を覗き込もうとする意欲を高めるとともに、遊技球が視認できない場合でもそれに対する不満を軽減することが可能になっている。さらに、待機位置(原位置)に隠れている装飾体3193を見せることにより、可動キャラクタ体3192の存在を意識させ、可動キャラクタ体3192の動作に対して興味を持たせることが可能になっている。
特に、可動キャラクタ体3192の装飾体3193は「ネズミキャラクタ」を模して造形されたものであるため、可動キャラクタ体3192への興味を高めるとともに、覗き窓2317aを通して見る内部の空間(壁の鼠穴)に、「ネズミキャラクタ」が住んでいるようなイメージを喚起させることができ、覗き込もうとする意欲を一層高めることが可能になっている。また、覗き窓2317aは、装飾体3193の一部のみが視認可能な大きさであるため、装飾体3193の全貌が視認可能となる演出位置(可動限界位置)と、隠れて見えなくなる待機位置(原位置)とを差別化することができ、演出位置(可動限界位置)におけるインパクトの低下を抑制することが可能となる。
また、待機位置(原位置)の装飾体3193は発光基板3194によって発光演出されるため、可動キャラクタ体3192が配置された空間が暗くても、装飾体3193の外観を明瞭に視認させることができ、演出効果を高めることができるようになっている。なお、発光基板3194の発光状態が、発光状態制御手段によって制御され、装飾体3193が明瞭に見える状態と、装飾体3193が見えなくなる状態(または見え難くなる状態)とに切り替えられるようになっている。このため、覗き込んだ結果にメリハリをつけることができ、装飾体3193を視認できたことに対して幸せ感を喚起させることが可能になる。
ところで、遊技パネル600の後側のスペースは限られた大きさであり、しかも可動キャラクタ体3192は目立つようにある程度大きく形成しなければならないため、駆動装置3199(図139を参照)の大きさが制限されることとなる。特に、駆動モータ3204が駆動機構3199a及びケース部材3191から後方に突出して設けられているため、駆動装置3199全体の大きさが比較的大きなものとなりやすく、限られたスペースの中に配置することが困難となる。そこで、本実施形態では、図146及び図147に示すように、駆動装置3199の後側に配設されたモータ駆動基板3363に、駆動モータ3204を挿入可能とする大きさの開口部3364が形成されている。このため、駆動モータ3204を開口部3364に挿入させることで、駆動装置3199とモータ駆動基板3363とを接近させて配置することが可能となっている。つまり、駆動モータ3204の配置スペースが確保されているため、モータ駆動基板3363の前方の空間が比較的狭い場合であっても、駆動装置3199全体を限られたスペースの中で配置することが容易となる。
特に、モータ駆動基板3363に形成された開口部3364は、駆動モータ3204が嵌挿される形状、つまり駆動モータ3204の外形に略一致した形状を呈しており、駆動モータ3204はモータ駆動基板3363に嵌め込まれた状態となっている。したがって、モータ駆動基板3363を組み付けた後に駆動装置3199を組み付ける場合には、モータ駆動基板3363の開口部3364が駆動装置3199を組み付ける際の位置決め及びガイドとして機能し、モータ駆動基板3363に対して駆動装置3199を正しい位置に組み付けることが可能となる。なお逆に、駆動装置3199を組み付けた後にモータ駆動基板3363を組み付ける場合には、駆動モータ3204がモータ駆動基板3363を組み付ける際の位置決め及びガイドとして機能し、駆動装置3199に対してモータ駆動基板3363を正しい位置に組み付けることが可能となる。
また、駆動装置3199の後側に配置されたモータ駆動基板3363は、電子部品3363aの搭載面3363cを後側に向けて配置されている。換言すれば、搭載面3363cの前側の面は電子部品3363aが搭載されておらず、平坦な面となっている。このため、モータ駆動基板3363と駆動機構3199aとをさらに接近させることができ、駆動装置3199における配置スペースの確保が一層容易になっている。
また、モータ駆動基板3363は樹脂製のモータ駆動基板ケース3368によって覆われており、搭載面3363cに配置された電子部品3363aやモータ駆動基板3363上の電気回路が保護されている。特に、モータ駆動基板ケース3368には、モータ駆動基板3363の開口部3364と対向する位置に孔部3371が設けられており、駆動モータ3204が大きく突出している場合でも、駆動モータ3204をモータ駆動基板ケース3368の孔部3371に挿通させることで、モータ駆動基板ケース3368に突き当たることなく、駆動装置3199とモータ駆動基板3363とを近づけて配置することが可能となっている。また、孔部3371を通して駆動モータ3204の熱をモータ駆動基板ケース3368の外部に放出できるため、駆動モータ3204の過熱を抑制することが可能である。
また、モータ駆動基板ケース3368には、孔部3371に連通する筒状の突出筒部3372が、モータ駆動基板ケース3368の内面から前方に突出して形成されており、その内部空間は、駆動モータ3204の外形に略一致している。つまり、突出筒部3372に対して、駆動モータ3204を真直ぐに且つ滑らかに挿入させることが可能となっている。
また、モータ駆動基板ケース3368は、搭載面3363cから突出する電子部品3363aの高さに対応するように、厚みの厚い部分3369と厚みの薄い部分3370とからなり、突出筒部3372は、厚みの厚い部分3369に設けられている。このため、モータ駆動基板ケース3368の内面とモータ駆動基板3363との間隔が大きくなり、突出筒部3372の長さが比較的長く形成されている。また、駆動モータ3204はモータ駆動基板ケース3368の外部に突出することなく、突出筒部3372内に収容されているため、駆動モータ3204をモータ駆動基板ケース3368によって保護することができ、駆動モータ3204の破損を防止することが可能となっている。
また、駆動モータ3204には電力供給用のハーネス3204aが設けられており、モータ駆動基板3363の搭載面3363cには、ハーネス3204aの先端のコネクタ3204bが接続される接続用端子3363bが取り付けられている。なお、接続用端子3363bは、モータ駆動基板ケース3368における厚みの薄い部分3370に形成された開口部3368aを貫通して設けられており、モータ駆動基板ケース3368の後方からコネクタ3204bが接続されるように構成されている。また、ハーネス3204aは、開口部3364及び突出筒部3372を貫通して配線されているため、モータ駆動基板3363またはモータ駆動基板ケース3368の大きさに拘らず、極めて容易に配線することができ、しかもハーネス3204aの長さを極力短くすることが可能となっている。なお、突出筒部3372は、モータ駆動基板ケース3368における厚み(基板からの突出高さ)の厚い部分3369と薄い部分3370との境界部分に形成されているため、厚い部分3369によって駆動モータ3204を保護しつつ、薄い部分3370からモータ駆動基板ケース3368の外部にハーネス3204aを引き出すことが可能になっている。したがって、ハーネス3204aの長さを一層短くすることができるとともに、ハーネス3204aがモータ駆動基板ケース3368の後方にはみ出ることを防止し、ひいてはハーネス3204aの断線等を抑制することが可能となっている。
また、駆動装置3199は裏箱3001(図167を参照)内に配置され、一方、モータ駆動基板3363は裏箱3001の後側の面に装着されている。図166及び図167に示すように、裏箱3001には、モータ駆動基板3363の開口部3364と合致する貫通孔3001dが形成されている。このため、駆動機構3199aから後方に突出する駆動モータ3204を、裏箱3001の貫通孔3001d及びモータ駆動基板3363の開口部3364に挿入させることができ、後側の面にモータ駆動基板3363が装着された裏箱3001と駆動装置3199とを接近させて配置することが可能になっている。したがって、裏箱3001内の配設スペースが比較的狭い場合であっても、駆動装置3199を裏箱3001内に収容することが容易となる。
次に、壷型役物ユニット3240について詳細に説明する。壷型役物ユニット3240は、液晶表示装置1400の前方右側に配置された可動役物であり、図97に示す待機位置(原位置)から図148に示す演出位置(可動限界位置)に移動した場合には、図148に示すように、液晶表示装置1400の表示領域の前面に出現するようになっている。図151〜図153に示すように、壷型役物ユニット3240は、「壷」が左水平方向に飛び出しながら転倒する動き、つまり「壷」の重心よりも上部側に位置する「壷」の側面に対し略左方向の外力を加えた際に生じる「壷」の転倒運動、によく似た動きとなるように擬似動作させる機構を備えており、これにより、壷型装飾体3241に現実みを持たせることができるようになっている。
図149〜図151を基に詳しく説明すると、壷型役物ユニット3240は、「壷」を模して造形された壷型装飾体3241と、壷型装飾体3241に対し後側から光を照射し発光装飾させる発光基板3242と、壷型装飾体3241及び発光基板3242を、上記のように擬似動作させる駆動装置3243とを備えて構成されている。駆動装置3243は、ベース部材であるモータ台3244と、モータ台3244の後面に配設された駆動モータ3245と、駆動モータ3245の回転軸に接続された歯車3246と、モータ台3244に対して回転軸3247aを中心に回転可能に支持されるとともに歯車3246に噛合された歯車部3247cを有するアーム部材3247と、を備えて構成されている。
アーム部材3247は、略「く」字形に形成され、上端の連結部3247dが第一軸部材3248を介して壷型装飾体3241の上部接続部分3241aに軸支されている。また、モータ台3244の左側は上方に延出されており、その部分に左斜め上に向かって略円弧状に形成された長孔からなるガイド部3244aが形成されている。このガイド部3244aには、コロ3250及びワッシャ3251によって摺動可能に支持された第二軸部材3249が挿入されている。第二軸部材3249は、第一軸部材3248と平行に配設されるとともに、先端が壷型装飾体3241の下部接続部分3241bに軸支されている。
これによれば、駆動モータ3245の動力が歯車3246を介してアーム部材3247に伝えられると、アーム部材3247は壷型装飾体3241の下方に配置された回転軸3247aを中心に回動する。アーム部材3247の上端の連結部3247dは壷型装飾体3241の上部接続部分3241aに接続されているため、壷型装飾体3241も回転軸3247aを中心に旋回する。なお、アーム部材3247の連結部3247dは、壷型装飾体3241に対し第一軸部材3248を介して接続されているため、壷型装飾体3241はアーム部材3247の先端を中心に回動可能となっている。
一方、壷型装飾体3241の下部接続部分3241bには第二軸部材3249が接続され、その第二軸部材3249は、ガイド部3244aによって変位方向が案内されるようになっているため、壷型装飾体3241が回転軸3247aを中心に旋回すると、その旋回に伴う第二軸部材3249の変位方向がガイド部3244aによって案内され、壷型装飾体3241は上部接続部分3241aを中心に回動(自転)する。つまり、壷型装飾体3241は、壷型装飾体3241の外部(下方)に設けられた回転軸3247aを中心とする大きな径の円弧に沿って略水平方向に移動しながら、壷型装飾体3241上の上部接続部分3241aを中心に自転することになる。
つまり、大きな径の円弧に沿って壷型装飾体3241を略水平方向に移動させることにより、「壷」の側面に水平方向の外力を加えた際に生じる略水平方向の運動を作り出し、一方、壷型装飾体3241を自転させることにより、外力を加える位置が壷の重心よりも上部側であることによる運動(つまり重心を中心としてひっくり返ろうとする回転運動)を作り出している。したがって、2つの回動機構を組み合わせることにより、図151(図97)に示す待機位置(原位置)から図152に示す中間位置に変位させ、さらに図153に示す演出位置(可動限界位置)まで変位させることで、「壷」の実際の転倒運動を模した動きを実現することが可能になっている。特に、壷型装飾体3241を自転させる際、壷型装飾体3241の回動を動力として利用することから、壷型装飾体3241を自転させるための動力源が不要となり、ひいては全体の機構の小型化及び低廉化が可能となっている。
ところで、第一軸部材3248及び第二軸部材3249はともに壷型装飾体3241に支持されており、それらの間隔は常に一定となっている。このため、アーム部材3247の先端の連結部3247dが大きな円弧上で移動すると、それに合わせて第二軸部材3249も大きく変位し、ひいては第二軸部材3249の変位方向を案内するガイド部3244aも大きくなる可能性がある。これに対し、本実施形態では、第二軸部材3249が壷型装飾体3241の下部における回転軸3247a側の縁部に配置されているため、第二軸部材3249を回転軸3247aの近くに配置することができ、これによれば第二軸部材3249の可動範囲が小さくなり、ひいてはガイド部3244aを小さく構成することが可能になっている。
また、アーム部材3247の上部は右側に大きく張り出しており、その端部には上下方向に延びる略円弧状の長孔からなる支持部3247bが形成されている。支持部3247bには、ワッシャ3253を介して摺動可能に支持された補助軸部3252が挿入されている。補助軸部3252は、第一軸部材3248と平行に配設されるとともに、先端が壷型装飾体3241の中間接続部分3241cに接続されている。このように、壷型装飾体3241の中間接続部分3241c(特に下部接続部分3241bの反対側の縁部)に補助軸部3252を設けることにより、壷型装飾体3241は三点で支持され、たとえ壷型装飾体3241を勢いよく移動させる場合でも、安定した状態で動かすことができるようになっている。なお、支持部3247bはアーム部材3247に一体成形されているため、部品点数が少なくなり、一層簡単に構成することが可能である。
また、モータ台3244には、アーム部材3247の原位置を検出するフォトセンサ3254と、発光基板3242に接続されたハーネスH(図149を参照)を吊り下げ支持するハーネス吊り手3258と、駆動モータ3245及び発光基板3242への駆動信号を中継する中継基板3259も取り付けられている。ハーネス吊り手3258の上部には、縦長の孔部3258aが前後方向に貫通して形成されており、孔部3258aを通してハーネスHを配線することが可能になっている。さらに詳しく説明すると、ハーネスHは、壷型装飾体3241とともに可動する発光基板3242と、モータ台3244に固定された中継基板3259とを繋ぐものであり、発光基板3242の下端のガイド部3242aから後方に引き出されたハーネスHが、ハーネス吊り手3258の孔部3258aに通された後、ハーネス吊り手3258の後面に沿って垂下するように配線されている。なお、孔部3258aは、壷型装飾体3241が中間位置(図149の二点鎖線を参照)に達した際のガイド部3242aの後方に位置し、ガイド部3242aとの間に所定の間隔を設けて配置されている。また、孔部3258aとガイド部3242aとの間に架け渡されるハーネスHの長さは前記所定の間隔よりも長くなっており、ハーネスHに張力(機械的な負荷)をかけることなく、発光基板3242を演出位置(可動限界位置)と待機位置(原位置)との間で回動させることが可能になっている。
ところで、壷型装飾体3241は、センター役物2300または遊技パネル600によって遮蔽される待機位置(原位置)と、センター役物2300の開口窓2300aを通して視認可能となる演出位置(可動限界位置)との間で移動するようになっている。このため、壷型装飾体3241を見え隠れさせることができ、遊技者に与えるインパクトを大きくすることが可能になっている。特に、壷型装飾体3241が出現する際、水平方向に飛び出しながら転倒するため、迫力のある演出を行うことが可能である。
次に、複合役物ユニット3270について詳細に説明する。複合役物ユニット3270は、図154及び図155に示すように、液晶表示装置1400の前方右下に配設されたテレビ型役物3271と、液晶表示装置1400の前方下側に配設された土管型役物3272とを組み合わせた可動役物であり、図97〜図99に示す待機位置(原位置)から図154に示すそれぞれ演出位置(可動限界位置)に移動した場合には、図154に示すように液晶表示装置1400の表示領域の前面にそれぞれ出現するようになっている。
図155及び図156に示すように、複合役物ユニット3270は、ベース部材であるモータベース3275と、モータベース3275の前面に装着されたカバー部材3276と、モータベース3275の右側に配設されテレビの枠を模して造形された開口部3277aを有するテレビ枠型装飾体3277と、テレビ枠型装飾体3277に対して後側から光を照射し発光装飾させる枠形の発光基板3278とを備えて構成されている。液晶表示装置1400の表示領域に対して垂直な面で切断したときの開口部3277aを取り囲むテレビ枠型装飾体3277の断面形状は、液晶表示装置1400の表示領域に向かって開口部3277aを狭める傾斜状に形成されることによって肉厚が徐々に厚くなるように形成されている。発光基板3278には、カラーLED3278aが複数実装されている。
また、図156〜図158に示すように、テレビ枠型装飾体3277を回動させる機構として、モータベース3275の後面に配設された駆動モータ3279と、モータベース3275の前側に配設され駆動モータ3279の回転軸に接続された第一ギア3280と、第一ギア3280に噛合された第二ギア3281とが備えられ、テレビ枠型装飾体3277の左下から延出された左アーム部3277aが第二ギア3281の回転軸3282に連結されている。また、テレビ枠型装飾体3277の右下から延出された右アーム部3277bの下端は、モータベース3275の右側面に沿って形成された円弧状のガイド溝3275aに挿入され、ガイドブッシュ3283によって支持されている。
これによれば、駆動モータ3279が動作して第一ギア3280が回転すると、回転運動が第二ギア3281及び回転軸3282を介してテレビ枠型装飾体3277の左アーム部3277aに伝わり、テレビ枠型装飾体3277は回転軸3282を中心として回動する。例えば、待機位置(原位置)から演出位置(可動限界位置)に変位する場合には、図155に示す傾斜状態から、図159に示す垂設状態に変化する。なお、テレビ枠型装飾体3277における右アーム部3277bの下端はガイド溝3275aに沿って案内されるため、円滑に回動するとともに回動範囲が制限されるようになっている。
また、テレビ枠型装飾体3277を液晶表示装置1400の表示領域外から表示領域の前面に出現させている状態では、つまりテレビ枠型装飾体3277を待機位置(原位置)から演出位置(可動限界位置)まで作動させている状態では、開口部3277aを取り囲むテレビ枠型装飾体3277の部分である枠状部によって、この開口部3277aを介して視認する液晶表示装置1400の表示領域に描画されている画像からテレビ枠型装飾体3277までの距離寸法が、図159に示す液晶表示装置1400の表示領域とテレビ枠型装飾体3277とが配置された実際の距離寸法dよりも長い距離寸法を有しているような奥行き感を表現することができる。換言すると、液晶表示装置1400の表示領域で大迫力のある映像表現による演出を行いながら、テレビ枠型装飾体3277の出現による奥行き感を表現するという斬新な演出を行うこともできるようになっているため、映像表現による演出が単調なものになりにくく興趣の向上を図ることに寄与することができる。したがって、斬新な演出を行って興趣の向上を図ることができる。
また、テレビ枠型装飾体3277は液晶表示装置1400の表示領域の前面に出現する部分の形状が開口部3277aを有する枠状に形成されているため、テレビ枠型装飾体3277が液晶表示装置1400の表示領域外から表示領域の前面に出現している状態では、つまりテレビ枠型装飾体3277を待機位置(原位置)から演出位置(可動限界位置)まで作動させている状態では、テレビ枠型装飾体3277と対応する領域に描画されている画像がテレビ枠型装飾体3277によって妨げられずテレビ枠型装飾体3277に形成された開口部3277aを介して視認することができるようになっている。換言すると、液晶表示装置1400の表示領域で大迫力のある映像表現による演出の効果を失うことなく、テレビ枠型装飾体3277の出現による演出の効果を発揮することができるようになっている。したがって、液晶表示装置1400の表示領域に描画されている画像と、テレビ枠型装飾体3277の作動と、による演出を効果的に使用することができる。
更にまた、液晶表示装置1400の表示領域に対して垂直な面で切断したときの開口部3277aを取り囲むテレビ枠型装飾体3277の断面形状は、液晶表示装置1400の表示領域に向かって開口部3277aを狭める傾斜状に形成されることによって肉厚が徐々に厚くなるように形成されているため、開口部3277aを取り囲むテレビ枠型装飾体3277の部分である枠状部がいわゆる「フード」形状となることによって、不要な光を遮ることができ、液晶表示装置1400の表示領域のうちテレビ枠型装飾体3277と対応する領域に描画されている画像を開口部3277aを介して視認する際に、その視認性を高めることができる。
そして、テレビ枠型装飾体3277が液晶表示装置1400の表示領域の前面に出現した際に、テレビ枠型装飾体3277の発光基板3278に実装されたカラーLED3278aが発光することによってテレビ枠型装飾体3277が液晶表示装置1400の表示領域の前面に配置されていることを強調することができるとともに、カラーLED3278aが発光しても、テレビ枠型装飾体3277がいわゆる「フード」形状となっていることによって、カラーLED3278aの発光によるテレビ枠型装飾体3277の内側への光を遮ることができる。
一方、土管型役物3272は、「土管」を模して造形された土管本体3290と、土管本体3290に対して後側から光を照射し発光装飾させる発光基板3291と、土管本体3290の前面に貼着された帯状の土管用シール3292と、土管本体3290の下側に配設された土管フレーム3293と、を備えて構成されている。土管本体3290の裏面には、上下左右に配設された4つのガイドブッシュ3296が備えられており、モータベース3275の中央に形成された一対の縦溝3275bに嵌挿されている。また、土管フレーム3293の裏面中央には、後述するギア3295に噛合するラック(図示しない)が上下方向に形成されている。土管フレーム3293及び土管本体3290を昇降させる機構として、モータベース3275の後面に配設された駆動モータ3294と、駆動モータ3294の回転軸に接続されるとともに、土管フレーム3293の裏面に形成されたラックに噛合されたギア3295とを備えている。つまり、駆動モータ3294が動作してギア3295が回転すると、その回転運動がラックによって直線運動に変換され、土管フレーム3293及び土管本体3290が縦溝3275bに沿って摺動するように(つまり昇降するように)なっている。
なお、図156に示すように、土管フレーム3293の後面には、磁着プレート3298が、モータベース3275の上部に設けられた磁石3297と対向して配設されており、土管フレーム3293が演出位置(可動限界位置)まで上昇すると、磁着プレート3298が磁石3297に当接し、磁力によって土管本体3290及び土管フレーム3293を演出位置(可動限界位置)に保持することが可能になっている。また、図158に示すように、モータベース3275の左端部分には、収容部3275cに収容された中継基板3299が備えられており、中継基板3299を介して駆動モータ3294及び駆動モータ3279への信号が中継されるようになっている。さらに、モータベース3275には、その裏面の所定箇所にテレビ枠型装飾体3277の原位置を検出するためのフォトセンサ3285が配設され、その正面の所定箇所に土管フレーム3293の原位置を検出するためのフォトセンサ3286が配設されている。
次に、トラップ型役物ユニット3310について詳細に説明する。トラップ型役物ユニット3310は、センター役物2300(図154を参照)の右斜め下方に配設されており、図160及び図161に示すように、第一キャラクタである「猫キャラクタ」の尻尾に相当する尻尾型役物3311と、「猫キャラクタ」を捕まえるための罠を模した罠型役物3312とを組み合わせた可動役物である。なお、図160は尻尾型役物3311及び罠型役物3312が可動する前の待機状態(原位置)を示し、図161は尻尾型役物3311及び罠型役物3312が可動した後の演出位置(可動限界位置)を示している。
図160及び図162に示すように、トラップ型役物ユニット3310は、ベース部材3316と、ベース部材3316の前面上部に回動可能に支持された尻尾本体3313及びその先端の尻尾先部3314と、ベース部材3316の前面下部に装着された罠型装飾体3325とを備えて構成されている。なお、罠型装飾体3325には、トラップレバー3326が回動可能に支持されている。また、尻尾本体3313の後側、及び罠型装飾体3325の後側には、それぞれ発光基板3315,3327が配設されており、発光装飾させることが可能になっている。また、ベース部材3316の後側にもベース部材3316の後面全体に光を照射する発光基板3317が配設されている。
また、尻尾本体3313及び尻尾先部3314を回動させる機構として、ベース部材3316の後面に配設された駆動モータ3318と、駆動モータ3318の回転軸に接続されるとともに尻尾本体3313に連結された支持部材3319とが設けられている。なお、支持部材3319には、遮光板3320が形成されており、フォトセンサ3321によって支持部材3319の原位置を検出することが可能になっている。また、駆動モータ3318はモータ押え3322によって支持されている。
また、トラップ型役物ユニット3310は、罠型役物3312のトラップレバー3326を回動させる機構として、ベース部材3316の後面に配設されたモータ台3330と、モータ台3330に取り付けられた駆動モータ3329と、駆動モータ3329の回転軸に接続されたアーム部材3331とを備えており、トラップレバー3326のレバーシャフト3328に連結されたレバークランプ3332が、アーム部材3331の先端と干渉するように配置されている。つまり、駆動モータ3329が動作してアーム部材3331が時計方向に回動すると、レバークランプ3332を押下げ、トラップレバー3326を図160に示す状態(待機状態)から図161に示す状態(演出状態)に変位させることが可能になっている。なお、演出状態において、アーム部材3331が反時計方向に回動すると、レバークランプ3332はバネ3332aの付勢力によって跳ね上げられ、トラップレバー3326は元の状態(待機状態)に戻されるようになっている。なお、アーム部材3331の原位置はフォトセンサ3333によって検出されるようになっている。
次に、裏箱3001の左側下部に配設された球誘導通路3340等について説明する。図163に示すように、球誘導通路3340は、サイド入賞口部材2100(図105を参照)の後方に配設され、サイド入賞口部材2100の各一般入賞口2101に入球した遊技球を所定の位置に案内するものであり、透明の部材で形成されている。なお、球誘導通路3340の右上部には、磁石を用いた不正な遊技を検出するための磁気センサ3345が設けられている。
また、球誘導通路3340の前面上部には、球誘導通路3340と一体に成形された星発光導光板3341が設けられ、また、球誘導通路3340の上部後面には、発光基板3344が配設されており、遊技パネル600(図97を参照)におけるサイド入賞口部材2100の上方に配設された複数の透孔部600aを通して、遊技者側に光を放射させることが可能になっている。具体的には、星発光導光板3341には、前方に突出する円柱状の導光突出部3342が複数個形成されており、図164に示すように、それぞれの導光突出部3342が遊技パネル600に形成された透孔部600aに後側から挿入されている。つまり、発光基板3344から放射された光を導光突出部3342を通して遊技パネル600の前面側へ誘導することにより、あたかも遊技パネル600の前面が光っているように見せることが可能になっている。なお、隣接する導光突出部3342同士の間には補強部3343が一体的に形成されており、導光突出部3342の強度を高めるとともに、補強部3343を遊技パネル600の裏面に当接させることで、遊技パネル600の前面と導光突出部3342の先端との相対位置を正確に定めることが可能になっている。
一方、図166及び図167に示すように、球誘導通路3340の後側に位置する裏箱3001の前面には下前駆動基板3361が配設され、裏箱3001の上部には、左上駆動基板3362が配設されている。また、裏箱3001の後側には、モータ駆動基板3363、下ランプ駆動基板3365、上ランプ駆動基板3366、及びパネル中継端子板3367が配設されている。なお、モータ駆動基板3363はモータ駆動基板ケース3368に収容され、下ランプ駆動基板3365は下ランプ駆動基板ケース3374に収容され、上ランプ駆動基板3366は上ランプ駆動基板ケース3375に収容されている。また、モータ駆動基板3363の右側には液晶表示装置1400(図165を参照)を支持するLCDガイド3376が取り付けられている。
また、図165に示すように、液晶表示装置1400の周囲には、液晶飾りユニット3350が配設されている。液晶飾りユニット3350は、液晶表示装置1400の前面左下に配置された薄板状の左下飾り部3351と、液晶表示装置1400の前面右下に配置された右下飾り部3352と、液晶表示装置1400の右側に配置された右側飾り部3353と、液晶表示装置1400の右側全体に亘って貼着された複数の飾り枠シール3354とを備えて構成されている。
ここで、すべての役物を待機位置(原位置)から演出位置(可動限界位置)に可動させた場合について簡単に説明する。図168はすべての役物を演出位置に可動させた場合の遊技盤の正面図である。上述したように、液晶表示装置1400の表示領域の前面には、この表示領域に描画される画像による演出に合わせて複数の役物が可動されるようになっている。具体的には、図168に示すように、第一キャラクタ役物ユニット3010、看板型役物ユニット3150、第二キャラクタ役物ユニット3180、壷型役物ユニット3240、複合役物ユニット3270、及びトラップ型役物ユニット3310が可動されるようになっている。第一キャラクタ役物ユニット3010及び看板型役物ユニット3150は、センター役物2300の開口窓2003aを通して常時視認可能であるが、可動すると液晶表示装置1400の表示領域の前面に位置する。特に、第一キャラクタ役物ユニット3010は、下方に飛び出すだけでなく、左右の大きな手及び口も動くようになっており、「体が大きく凶暴だが、おっちょこちょいでどこか憎めない部分のある猫」のイメージを喚起させている。
第二キャラクタ役物ユニット3180、壷型役物ユニット3240、及び複合役物ユニット3270は、待機位置(原位置)では遊技パネル600によって遮蔽されており、演出画像に合わせて可動すると、液晶表示装置1400の表示領域の前面に移動し、センター役物2300の開口窓2300aを通して視認可能となる。このため出現した際、遊技者に大きなインパクトを与えることが可能になっている。
特に、第二キャラクタ役物ユニット3180では、可動キャラクタ体3192を大きく且つ速やかに移動させることで、「体は小さいが頭脳明晰で、追いかけてくる猫をさらりとかわすネズミ」のイメージを喚起させている。また、可動キャラクタ体3192の左手部3196が動くか否かを視認させることによって、大当りに対する期待度を把握させることが可能であり、可動キャラクタ体3192の動きを最後まで注目させることが可能になっている。
また、壷型役物ユニット3240は、実際の「壷」の転倒運動、によく似た動きとなるように擬似動作させる機構を備えているため、壷型装飾体3241のインパクトを高めるとともに、壷型装飾体3241に現実みを持たせることができるようになっている。
[4−6.機能表示ユニット]
次に、パチンコ遊技機1における機能表示ユニット640は、図169に示すように、機能表示基板640a、カバー部材640bを備えている。この機能表示基板640aは、図示するように、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12を備えおり、セグメント表示器SEG1には第一特別図柄表示器641が割り当てられ、セグメント表示器SEG2には第二特別図柄表示器642が割り当てられている。セグメント表示器SEG1,SEG2は、英数字及び図形等を表示することができるようになっており、これらの英数字及び図形等を特別図柄として表示することによって、アタッカユニット2000の第一始動口2001に遊技球が入賞すると、セグメント表示器SEG1が所定の特別図柄を変動表示し、第二始動口2002に遊技球が入賞すると、セグメント表示器SEG2が所定の特別図柄を変動表示するようになっている。
また、LED1には第一特別図柄記憶ランプ643a、LED2には第一特別図柄記憶ランプ643bが夫々割り当てられ、LED3には第二特別図柄記憶ランプ644a、LED4には第二特別図柄記憶ランプ644bが夫々割り当てられている。第一始動口2001へ入賞した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入賞した遊技球の球数を保留数として第一特別図柄記憶表示器643が点灯又は点滅するようになっている。具体的には、保留球(始動記憶)が1球のときには第一特別図柄記憶ランプ643aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ643bが消灯し、保留球が2球のときには第一特別図柄記憶表示器643がともに点灯し、保留球が3球のときには第一特別図柄記憶ランプ643aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ643bが点灯し、保留球が4球のときには第一特別図柄記憶表示器643がともに点滅する。一方、第二始動口2002へ入賞した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入賞した遊技球の球数を保留数として第二特別図柄記憶表示器644が点灯又は点滅するようになっている。具体的には、保留球(始動記憶)が1球のときには第二特別図柄記憶ランプ644aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ644bが消灯し、保留球が2球のときには第二特別図柄記憶表示器644がともに点灯し、保留球が3球のときには第二特別図柄記憶ランプ644aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ644bが点灯し、保留球が4球のときには第二特別図柄記憶表示器644がともに点滅する。
更に、LED5には普通図柄表示器645が割り当てられている。LED5は赤色/緑色/橙色を点灯することができるLEDであり、これらの赤色/緑色/橙色を組み合わせて点灯することもできるようになっている。LED5は、その点灯する色を普通図柄として表示することによって、ゲート2201を遊技球が通過すると、所定の普通図柄が変動表示するようになっている。
また、LED6〜LED9には普通図柄記憶表示器646が夫々割り当てられている。ゲート2201を通過した遊技球は、普通図柄の変動表示で使用されないとき(普通図柄表示器645にて普通図柄の変動表示を実行しているとき及び可動片2005を開閉動作させているときにゲート2201を通過したことにより即座に普通図柄の変動表示に使用されない遊技球)には、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶表示器646が点灯するようになっている。具体的には、保留球が1球のときには普通図柄記憶ランプ646aが点灯して普通図柄記憶ランプ646b〜646dが消灯し、保留球が2球のときには普通図柄記憶ランプ646a,646bが点灯して普通図柄記憶ランプ646c,646dが消灯し、保留球が3球のときには普通図柄記憶ランプ646a〜646cが点灯して普通図柄記憶ランプ646bが消灯し、保留球が4球のときには普通図柄記憶表示器646がすべて点灯する。
また、LED10には遊技状態表示器647が割り当てられている。LED10は赤色/緑色/橙色を点灯することができるLEDであり、これらの赤色/緑色/橙色を組み合わせて点灯することもできるようになっている。LED10は、その点灯する色を遊技状態として表示することによって、遊技状態が確率変動又は小当りが生じている旨を報知するようになっている。
更に、LED11には2ラウンド表示ランプ648a、LED12には15ラウンド表示ランプ648bが夫々割り当てられている。上述したように、2ラウンド表示ランプ648aは大入賞口2003が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回である旨を点灯して報知するようになっており、一方、15ラウンド表示ランプ648bはラウンドが15回である旨を点灯して報知するようになっている。
このように、機能表示基板640aに実装された、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12は、第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648が夫々割り当てられており、各種機能表示を行う、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12、つまり第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648が機能表示基板640aに集約された構成になっている。
また、第一特別図柄表示器641及び第二特別図柄表示器642は、大当り遊技状態を特別図柄として夫々変動表示するため、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648と区別して、それらに割り当てられるLED1〜LED12と異なるセグメント表示器SEG1,SEG2を用いて、英数字及び図形等を特別図柄として変動表示している。第一特別図柄表示器641及び第二特別図柄表示器642は、図柄を変動開始して停止図柄を表示する直前までは、図形「−」を点滅させることで図柄の変動表示を行い、後述する演算方法に従って演算して求めた特別図柄を停止図柄として表示する。
なお、普通図柄記憶表示器646に割り当てられるLED6〜LED9の数と、ラウンド表示器648に割り当てられるLED11,LED12の数と、の和が固定値6となっている。
ところで、機能表示基板640aは、カバー部材640bに図示しないネジで固定され、カバー部材640bが遊技盤4の前構成部材601の裏面から図示しないネジで取付けられるようになっている。前構成部材601には、機能表示基板640aのセグメント表示器SEG1,SEG2に対応する位置にセグメント表示器用開口601cが形成されており、これらのセグメント表示器SEG1,SEG2が表示する内容を視認できるようになっている。
また、前構成部材601には、図169にも示すように、機能表示基板640aのLED1〜LED12に対応する位置にLED用挿通孔601dが夫々設けられており、カバー部材640bを前構成部材601の裏面に取付ける際に、LED1〜LED12が遊技盤4と干渉しないようになっている。これらのLED用挿通孔601dは、LED1〜LED12の点灯又は点滅した光が隣接するLEDの点灯又は点滅した光と誤認されないように円筒状に形成されている。なお、セグメント表示器SEG1,SEG2が表示する内容、LED1〜LED12が点灯又は点滅して表示する内容は、後述する機能表示シール649に印刷されている。前構成部材601には、機能表示シール649を貼り付ける機能表示シール貼付部601eが形成されている。なお、機能表示シール貼付部601eには凹部601fが形成されている。この凹部601fにマイナスドライバ等の工具を挿入して貼り付けた機能表示シール649を剥がし易くしている。ここで、機能表示シール649を剥がし易くするために機能表示シール649に突出部を設けることも考えられるが、扉枠5を本体枠3から開閉する際に、その突出部が何らかの原因によって引っ張られて機能表示シール649が機能表示シール貼付部601eから剥がれるおそれがある。そこで本実施形態では、機能表示シール貼付部601eに凹部601fを形成することによって、扉枠5を本体枠3から開閉する際に、機能表示シール649が機能表示シール貼付部601eから剥がれないようにしている。
[4−6−1.機能表示シール]
次に、遊技盤4における機能表示シール649は、図170に示すように、その表面に機能表示ごとにグループGrp1〜Grp3にグループ化等されて印刷されており、遊技盤4の非遊技領域である前構成部材601に形成された機能表示シール貼付部601eに貼り付けられている。
グループGrp1は、図170に示すように、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643から構成されており、これらの第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643を視認できる実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL1で囲まれた領域は、第一特別図柄表示器641による表示や第一特別図柄記憶表示器643による点灯又は点滅を視認できるように、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643と対応する位置が透明となっている。グループGrp1では、第一始動口2001への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を表示する。例えば、第一始動口2001へ始動入賞すると、第一特別図柄表示器641が所定の特別図柄を変動表示したり、入賞した遊技球の球数を保留数として第一特別図柄記憶表示器643が点灯又は点滅したりする。このように、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643を1つのグループGrp1にグループ化することによって、これらの第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643が第一始動口2001への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されたグループGrp1を目視することによって第一始動口2001への遊技球の始動入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
一方、グループGrp2は、図170に示すように、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644から構成されており、これらの第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644を視認できる実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL2で囲まれた領域は、第二特別図柄表示器642による表示や第二特別図柄記憶表示器644による点灯又は点滅を視認できるように、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644と対応する位置が透明となっている。このグループGrp2では、第二始動口2002への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を表示する。例えば、第二始動口2002へ遊技球が始動入賞すると、第二特別図柄表示器642が所定の特別図柄を変動表示したり、入賞した遊技球の球数を保留数として第二特別図柄記憶表示器644が点灯又は点滅したりする。このように、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644を1つのグループGrp2にグループ化することによって、これらの第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644が第二始動口2002への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されたグループGrp2を目視することによって第二始動口2002への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
また、グループGrp3は、図170に示すように、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646から構成されており、これらの普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646を視認できる実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL3で囲まれた領域は、普通図柄表示器645による点灯や普通図柄記憶表示器646による点灯を視認できるように、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646と対応する位置が透明となっている。普通図柄表示器645は、上述したように、可動片2005の開閉の有無を所定の普通図柄として変動表示し、可動片2005が閉状態から開状態となると、遊技球が第二始動口2002へ入賞し易くなる。このため、普通図柄表示器645には、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648と見分けが付くように星印が印刷されている。このグループGrp3では、ゲート部材2200のゲート2201に関する各種情報を表示することもできるようになっている。例えば、ゲート2201を遊技球が通過すると、普通図柄表示器645が所定の普通図柄を変動表示したり、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶表示器646が点灯したりする。このように、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646を1つのグループGrp3にグループ化することによって、これらの普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646が普通図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されたグループGrp3を目視することによって普通図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
更に、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648と対応する位置には、図170に示すように、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648が視認できる実線SL4〜SL6で夫々囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL4〜SL6で囲まれた領域は、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648による点灯を視認できるように、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648と対応する位置が透明となっている。ラウンド表示器648には、ラウンドの最大回数を理解し易いように、2ラウンド表示ランプ648aと対応する位置であって実線SL5で囲まれた領域内の中央にラウンドの最大回数である値2が印刷され、15ラウンド表示ランプ648bと対応する位置であって実線SL6で囲まれた領域内の中央にラウンドの最大回数である値15が印刷されている。上述したように、遊技状態表示器647は点灯する色を遊技状態として表示することによって遊技状態が確率変動又は小当りが生じている旨を報知し、2ラウンド表示ランプ648aは大入賞口2003が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回である旨を点灯して報知し、15ラウンド表示ランプ648bはラウンドが15回である旨を点灯して報知する。これにより、遊技者は、実線SL4で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷された遊技状態表示器647を目視することによって遊技状態を容易に確認することができ、実線SL5で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷された2ラウンド表示ランプ648aを目視することによってラウンドの最大回数が2回であるか否かを容易に確認することができ、実線SL6で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷された15ラウンド表示ランプ648bを目視することによってラウンドの最大回数が15回であるか否かを容易に確認することができる。
なお、本実施形態では、上述したように、グループGrp1〜グループGrp3は実線SL1〜SL6で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されており、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648と対応する位置は遊技状態表示器647、ラウンド表示器648が視認できる実線SL4〜SL6で夫々囲まれた状態で区画されて印刷されている。
このように、機能表示シール649は、図169に示した機能表示基板640aに集約して実装された、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能がグループGrp1〜Grp3等のようにグループ化されてその内容が印刷されており、区画されている。また普通図柄表示器645等には星印が印刷されており、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12が表示する内容が、機能表示シール649に集約して印刷されても、それらの意味を容易に理解することができるようになっている。
このような機能と印刷された内容との対応関係が、図170に示すように、シール管理番号649aとして機能表示シール649に印刷されている。このシール管理番号649aは、扉枠5を本体枠3に閉じた際に、遊技窓101を介して遊技窓101から視認し難い位置に印刷されており、遊技者に必要ではない情報を伝えないようになっている。また、機能表示シール貼付部601eに設けた凹部601fも、扉枠5を本体枠3に閉じた際に、遊技窓101を介して視認し難い位置に形成されており、凹部601fを遊技者に視認し難くしている。
また、シール管理番号649aは、パチンコ遊技機1を製造するメーカの作業者が、パチンコ遊技機1を組み立てる際に、誤って別仕様の機能表示シールを取付ける作業ミスを防止するためのものである。また、シール管理番号649aは機能表示シール649の在庫管理にも用いられており、グループGrp1〜グループGrp3等の態様がシール管理番号649aに紐付けされて管理されている。これにより、シール管理番号649aを調べると、シール管理番号649aに対応する機能表示シール649の在庫が分かるようになっている。
ここで、近年のパチンコ遊技機は、そのライフサイクルの短縮化にともないパチンコ遊技機の開発期間も短くなってきている。このため、本実施形態では、例えば、大入賞口2003が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回、15回である旨を点灯して報知する2ラウンド表示ランプ、15ラウンド表示ランプに加えて、ラウンド数が5回、8回である旨を点灯して報知する5ラウンド表示ランプや8ラウンド表示ランプを追加する場合、始動口の数を2つから1つに減らす場合等によるパチンコ遊技機1の仕様変更には、共通の機能表示基板640aを使用することで対応することができるようになっている。このようなパチンコ遊技機1の仕様変更にともない機能表示シールに印刷する内容も変更するため、上述した、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能と、機能表示シールに印刷された内容と、の対応関係を、シール管理番号として機能表示シールに印刷している。これにより、例えばパチンコ遊技機1の製造元では、ラインの作業者が遊技盤4に機能表示シール649を貼り付ける前に、パチンコ遊技機1の仕様と機能表示シール649とが対応しているか否かを、シール管理番号649aを目視することによって確認することができ、パチンコ遊技機1の仕様に対応しない機能表示シール649が貼り付けられるのを防止することができる。なお、機能表示シール649はシールであり、接着剤などを機能表示シール649の裏面等に塗る作業工程がなく、生産性の向上に寄与している。
[4−6−2.セグメント表示器に停止表示される特別図柄を決定するための演算方法]
次に、セグメント表示器SEG1,SEG2に停止表示される特別図柄を決定するための演算方法について、図171を参照して詳細に説明する。図171はセグメント表示器に停止表示される特別図柄を決定するための演算方法の一例を示すテーブルである。この演算方法による演算は、後述する特別図柄変動表示パターン設定処理の一処理として行われるようになっている。
セグメント表示器SEG1,SEG2は、セグメントa、セグメントb、セグメントc、セグメントd、セグメントe、セグメントf、及びセグメントgの計7つのセグメントと、1つのドットDtと、から構成されており、セグメントa〜セグメントgがすべて点灯すると数字「8」が表示され、ドットDtが点灯すると、その数字「8」の右下方に「.」が表示されるようになっている。セグメントa〜セグメントg、及びドットDtを個別に点灯させる場合には、計8つの制御信号が必要となる。つまり8ビットの情報に基づいて、セグメントa〜セグメントg、及びドットDtを個別にビット制御することによって、セグメントa〜セグメントg、及びドットDtを組み合わせて点灯することができ、英数字及び図形等を特別図柄として変動表示することができるようになっている。この8ビットの情報では、値0〜値255の計256通りの値を表現することができるため、セグメントa〜セグメントg、及びドットDtの点灯態様は256通りとなる。
このように変動表示される特別図柄は、その後所定の図柄で停止されるようになっている。この停止表示される特別図柄は、演算によって作成されている。セグメント表示器SEG1,SEG2は、上述したように、8ビットの情報に基づいてセグメントa〜セグメントg、及びドットDtを個別に点灯させることができるため、計256通りの点灯態様がある。そこで、この値0〜値255を割り振り値として、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数の値にそれぞれ割り振っている。具体的には、大当り図柄用乱数の範囲は、値0〜値199の計200通りに対して、その値0〜値199まで値1だけ増加するごとに、割り振り値1〜割り振り値200までがそれぞれ対応付けられるとともに、小当り図柄用乱数は、値0〜値49の計50通りに対して、その値0〜値49まで値1だけ増加するごとに、割り振り値201〜割り振り値250までがそれぞれ対応付けられている。つまり割り振り値1〜割り振り値250までの範囲は、割り振り値がとぎれることなく連続して大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数の値にそれぞれ対応付けられている。
大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数の値に基づいて停止表示される特別図柄の演算方法は、まず、上述したそれぞれの割り振り値1〜割り振り値250と、第1の演算定数である値102(ビット表示で表すと、「01100110B(「B」はビットを表す。)」となる。)と、の排他的論理和の演算を実行する(「第1の排他的論理和演算処理」という)。この演算結果の値を2進数のビット表現としたときに、ビットが立っている数、つまり値1がセットされているビットの総数をシフト量として決定する(「シフト量決定処理」という)。この決定したシフト量だけ、第1の排他的論理和演算処理による演算結果の値に対して、1ビットずつ、左ビットシフトの演算を実行する(「左ビットシフト演算処理」という)。この左ビットシフト演算処理は、実際には、決定したシフト量だけ、第1の排他的論理和演算処理による演算結果の値に対して、1ビットずつ、左ローテイトの演算を実行する(「左ローテイト演算処理」ともいう)。この左ビットシフト演算処理による演算結果の値と、第1の演算定数を反転させた第2の演算定数である値153(ビット表示で表すと、「10011001B」となる。)と、の排他的論理和の演算を実行する(「第2の排他的論理和演算処理」という)。この演算結果の値がセグメント表示器SEG1,SEG2へ出力される情報となる。この演算は、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642に図形「−」を点滅させる変動表示を開始する前に実行されるようになっている。
具体的には、例えば、大当り図柄用乱数の値が値0における停止表示される特別図柄を演算して求めてみると、図171に示すように、その値0に割り振られた値が割り振り値1であるため、この値を2進数のビット表現とすると、「00000001B」となる。第1の排他的論和演算処理において、その「00000001B」と、第1の演算定数である「01100110B」と、の排他的論理和の演算を実行する。この演算結果の値を2進数のビット表現とすると、「01100111B」となる。続いてシフト量決定処理において、この演算結果の値にビットが立っている個数、つまり値1がセットされているビットの総数を求めて、この「5コ」をシフト量として決定する。続いて左ビットシフト演算処理において、その決定したシフト量だけ、第1の排他的論理和演算処理による演算結果の値「01100111B」に対して、1ビットずつ、左ビットシフトの演算を実行する。この演算結果の値を2進数のビット表現とすると、「11101100B」となる。続いて第2の排他的論理和演算処理において、この演算結果と、第2の演算定数である「10011001B」と、の排他的論理和の演算を実行すると、この演算結果の値を2進数のビット表現とすると、「01110101B」となる。つまり、この演算結果である「01110101B」がセグメント表示器SEG1,SEG2へ出力される8ビットの情報となる。このビットが立っている部分と対応する、セグメントa〜セグメントg、及びドットDtが点灯するこことなる。
なお、はずれの場合に、セグメント表示器SEG1,SEG2に停止表示される特別図柄は1つに設定されており、割り振り値0が割り振られている。この割り振り値0における停止表示される特別図柄を上述した演算方法に従って演算して求めてみると、演算結果が「11111111B」となる。つまり、このビットが立っている部分と対応する、セグメントa〜セグメントg、及びドットDtが点灯するこことなるため、はずれの場合には、セグメントa〜セグメントg、及びドットDtがすべて点灯することとなる。一方、割り振り値251〜割り振り値255までは、使用されていない。特に割り振り値255を、上述した演算方法に従って演算して求めてみると、演算結果が「00000000B」となる。つまり、このビットが立っている部分が1つも存在しないこととなるため、セグメントa〜セグメントg、及びドットDtがすべて消灯することとなり、特別図柄として使用することはできない。割り振り値251〜割り振り値254までの値は、はずれ、大当り図柄用乱数の値、及び小当り図柄用乱数の値と対応付けられていないものの、上述した演算方法に従って停止表示される特別図柄を演算して求める際に、割り振り値0〜割り振り値250までの値が何らかの原因により(例えば、ノイズの影響を受けて)割り振り値251〜割り振り値254までのいずれかの値へと変化した場合には、割り振り値255に基づいて演算方法に従って停止表示される特別図柄を強制的に演算して求めるようになっており、演算結果が常に「00000000B」、つまりセグメントa〜セグメントg、及びドットDtがすべて消灯するようになっている。このように、割り振り値251〜割り振り値255までのいずれかの値に基づいて演算方法に従って演算を行っても、特別図柄として使用されないこととなる。なお、割り振り値1〜割り振り値250までのうち、第一の演算定数(値102)及び第二の演算定数(第一の演算定数を反転させた値153)を用いて上述した演算方法に従って停止表示される特別図柄を演算して求めた結果が、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642に変動中に表示される図形「−」と同一となる場合には、第一の演算定数である値102を他の値に変更するようになっている。この変更された第一の演算定数を用いて上述した演算方法に従って停止表示される特別図柄を演算して求めた結果は、第一の演算定数が値102を用いた場合における、割り振り値1〜割り振り値250に基づく演算結果、つまり第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642に停止表示される図形と同一図柄とならいないようになっている。また、上述した演算方法に従って停止表示される特別図柄を演算して求めた結果が、何らかの原因により(例えば、ノイズの影響を受けて)、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642に変動中に表示される図形「−」と同一となった場合には、同一カテゴリーの他の割り振り値に基づいて演算方法に従って停止表示される特別図柄を演算して求めるようになっている。例えば、大当り図柄用乱数の値0と対応する割り振り値1に基づいて演算方法に従って停止表示される特別図柄を演算して求めた演算結果が図柄「−」である場合には、同一カテゴリーである、大当り図柄用乱数の値1と対応する割り振り値2に基づいて演算方法に従って停止表示される特別図柄を演算して求めるし、小当り図柄用乱数の値0と対応する割り振り値201に基づいて演算方法に従って停止表示される特別図柄を演算して求めた演算結果が図柄「−」である場合には、同一カテゴリーである、小当り図柄用乱数の値1と対応する割り振り値202に基づいて演算方法に従って停止表示される特別図柄を演算して求める。
本実施形態では、大当り図柄用乱数の範囲である値0〜値199に割り振られた割り振り値1〜割り振り値200に基づいて演算された、セグメント表示器SEG1,SEG2に停止表示される特別図柄は、大当り遊技状態を発生させるものであり、その点灯態様が大当り時点灯態様である「大当り図柄」となる。この大当り時点灯態様は、大当り図柄用乱数と同一の200通りとなり、確変、非確変等が識別可能なものとなっている。小当り図柄用乱数の範囲である値0〜値49に割り振られた値201〜値250に基づいて演算された、セグメント表示器SEG1,SEG2に停止表示される特別図柄は、遊技状態が小当り(小当り遊技状態)を発生させるものであり、その点灯態様が大当り時点灯態様と異なる小当り時点灯態様である「小当り図柄」となる。この小当り時点灯態様は、小当り図柄用乱数と同一の50通りとなる。大当り遊技状態及び小当り遊技状態を発生させないはずれであるときには、割り振り値0が割り振られている。この割り振り値0に基づいて演算された、セグメント表示器SEG1,SEG2に停止表示される特別図柄は、上述したように、セグメントa〜セグメントg、及びドットDtがすべて点灯する態様となり、唯一のはずれ時点灯態様である「はずれ図柄」となる。なお、大当り時点灯態様、小当り時点灯態様、及びはずれ時点灯態様には、上述した演算方法に従って演算されることによって、同一の点灯態様となるものが存在しない。つまり、大当り時点灯態様、小当り時点灯態様、及びはずれ時点灯態様のうちいずれの点灯態様にも重複するものが1つとして存在しない。
このように、本実施形態では、セグメント表示器SEG1,SEG2に停止表示される特別図柄を同一の演算方法で求める制御を採用したことにより、プログラムの開発段階において、セグメントa〜セグメントg、及びドットDtの点灯態様を予め作成する必要がなくなり、その手間を省くことができるし、これらの点灯態様をデータとして主制御内蔵ROMに記憶させる必要がないため、その空いたデータの領域を、演出のバリエーションを増やすための他のデータを記憶するための領域として流用することができる。
また、セグメント表示器SEG1,SEG2に停止表示される特別図柄を、少なくとも、割り振り値1〜割り振り値250までの計250通りのバリエーションに富んだものとすることができるため、セグメント表示器SEG1,SEG2に停止表示される特別図柄の点灯態様が報知する内容を遊技者に分かり難くすることができる。
更に、上述した、第1の排他的論理和演算処理、左ビットシフト演算処理(左ローテイト演算処理)、そして第2の排他的論理和演算処理という3つのビット演算を用いることにより、大当り図柄、小当り図柄、及びはずれ図柄を重複することなく極めて簡単に決定することができる。なお、3つのビット演算は、算術演算である。この算術演算には、四則演算以外にAND、OR等の論理演算やシフト処理、ローテイト処理等を実行することができる。
なお、本実施形態では、同一の演算方法に従ってセグメント表示器SEG1,SEG2に停止表示される特別図柄を演算して求めているものの、同一の演算結果であっても、セグメント表示器SEG1を構成するセグメントa〜セグメントg、及びドットDtと、セグメント表示器SEG2を構成するセグメントa〜セグメントg、及びドットDtと、が同一表示内容とならないように、配線方法を異なるようにしている。例えば、セグメント表示器SEG1を構成するセグメントa、セグメントb、セグメントc、セグメントd、セグメントe、セグメントg、そしてドットDtへの配線順序を、セグメント表示器SEG2を構成するドットDt、セグメントg、セグメントf、セグメントe、セグメントd、セグメントc、セグメントb、そしてセグメントaへの配線順序としている。これにより、同一の演算結果であっても、セグメント表示器SEG1,SEG2に停止表示される特別図柄の点灯態様を極めて簡単に異なる点灯態様とすることができる。
また、本実施形態では、第1の演算定数は、8ビットの情報であり、その上位4ビットと下位4ビットとが同一の情報から構成されている。上位4ビットには、値1がセットされるビットが隣り合うように設定されている。第1の演算定数は、値102(「01100110B」)であるため、上位4ビットと下位4ビットとの情報が「0110B」と同一となっており、かつ、値1がセットされているビットが隣り合うように設定されている。このようなビットの並び方としては、上位4ビットと下位4ビットとが同一の情報となる他の例として「1100B」や「0011B」を挙げることができる。また、値1がセットされているビットが隣り合わなくても、値0がセットされているビットが隣り合うように設定さていてもよい。例えば上位4ビットと下位4ビットとが同一情報となるものとして、「1001B」を挙げることができる。なお、上位4ビットと下位4ビットとが同一情報となる他の例として、値1にセットさているビットと、値0がセットされているビットと、が交互に設定された「1010B」や「0101B」を挙げることもできるが、上述した演算方法により、例えば、第1の変換定数が「01010101B」である場合において、大当り図柄用乱数の値が値0であるとき、つまり割り振り値が値1であるときには、「00001000B」となるため、ビットが立っている個数(値1がセットされているビットの個数)が極めて少なくなるため、セグメント表示器SEG1,SEG2に停止表示される特別図柄の点灯態様に複雑さがなくなって遊技者にメモ用紙等に簡単に記録され、特別図柄の点灯態様とその報知する内容との関係が分析され易くなる。
なお、最近のパチンコ遊技機では、特別図柄の点灯態様を複数設けて遊技者に遊技状態を把握困難としたり、液晶表示装置1400にさまざまな演出を繰り広げることで魅力ある演出を遊技者に提供したりすることにより、遊技性を向上させている。特別図柄の点灯態様を増加させると、この増加した点灯態様のデータも主制御内蔵ROMに記憶する必要があるし、液晶表示装置1400で繰り広げられるさまざまな演出を決定するための変動パターンを選択するための複数のテーブルも主制御内蔵ROMに記憶する必要がある。ところが、主制御内蔵ROMの記憶容量には、パチンコ遊技機特有の諸事情により制限が設けられている(例えば、データ容量は3キロバイト未満に制限されている)ため、プログラム開発者は、この限られた容量において、遊技性を向上することが求められ、1バイトの容量でも無駄に使用することを避ける必要がある。そこで、本実施形態では、セグメント表示器SEG1,SEG2に停止表示される特別図柄を同一の演算方法で演算して求める制御を採用したことにより、セグメントa〜セグメントg、及びドットDtの点灯態様をデータとして主制御内蔵ROMに記憶させる必要がなくなった。これにより、特別図柄の点灯態様のデータを記憶する容量を、例えば、液晶表示装置1400で繰り広げられるさまざまな演出を決定するための変動パターンを選択するためのテーブルをさらに追加することができるため、遊技性を向上させることに寄与することができる。
[5.主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板]
次に、パチンコ遊技機1の各種制御を行う制御基板について、図172及び図173を参照して説明する。図172は主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板のブロック図であり、図173は図172のつづきを示すブロック図である。パチンコ遊技機1の制御構成は、図172及び図173に示すように、主制御基板4100、払出制御基板1186及び周辺制御基板4139から主として構成されており、各種制御が分担されている。まず、主制御基板4100について説明し、続いて払出制御基板1186、周辺制御基板4139について説明する。
[5−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図172に示すように、マイクロプロセッサとしての主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、上述したRAMクリアスイッチ624aと、を備えている。主制御MPU4100aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵されるほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPU4100aは、第一始動口2001に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ2011、第二始動口2002に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ2012、及びサイド入賞口部材2100に設けられた4つの一般入賞口2101のうち上側2つの一般入賞口2101に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ2014からの検出信号が主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲート部材2200のゲート2201を通過した遊技球を検出するゲートセンサ2202、サイド入賞口部材2100に設けられた4つの一般入賞口2101のうち下側2つの一般入賞口2101に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ2014、大入賞口2003に入球した遊技球を検出するカウントセンサ2013、及び遊技盤4の裏ユニット3000に取り付けられて磁石を用いた不正行為を検出する磁気センサ3345からの検出信号が遊技盤4に取り付けられたパネル中継端子板3367、そして主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりする。主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポート4100bそしてパネル中継端子板3367を介して始動口ソレノイド2015及びアタッカソレノイド2016への駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継端子板3367、そして機能表示基板640aを介して第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2012、ゲートセンサ2202、及びカウントセンサ2013には、非接触タイプのセンサである電磁式の近接センサを用いているのに対して、一般入賞口センサ2014,2014には、接触タイプのON/OFF動作のセンサであるメカセンサを用いている。これは、遊技球が第一始動口2001や第二始動口2002に頻繁に入球するし、ゲート部材2200のゲート2201を頻繁に通過するため、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2012、及びゲートセンサ2202による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2012、及びゲートセンサ2202には、寿命の長い近接センサを用いている。また、大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2003が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントセンサ2013による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントセンサ2013にも、寿命の長い近接センサを用いている。一方、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2101,2101には、一般入賞口センサ2014,2014による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ2014,2014には、近接センサより寿命が短いメカセンサを用いている。
また、主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンド等を、主制御I/Oポート4100b、そして主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186に送信したり、この払出制御基板1186からのパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンド等を、主ドロワ中継基板1107、そして主制御I/Oポート4100bを介して受信したりする。また、主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して周辺制御基板4139に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御基板4139との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、払出制御基板1186からパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御基板4139に送信している。
主制御基板4100には、電源基板1136から各種電圧が供給されている。この電源基板1136は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図174参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をその内蔵するRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶することができるようになっている。なお、記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ624aが操作されると、主制御内蔵RAMから消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ624aの操作信号(検出信号)は、主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路4100d(図174参照)が設けられている。この停電監視回路4100dは、電源基板1136から供給される各種電圧の低下を監視しており、これらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力されるほかに、主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186に出力され、周辺制御基板4139及びインバータ基板1411にも出力されるようになっている。
[5−2.払出制御基板]
遊技球の払い出し等を制御する払出制御基板1186は、図172に示すように、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部4110と、発射モータ695の発射制御を行う発射制御部4120と、パチンコ遊技機1の状態を表示するエラーLED表示器4130と、エラー解除スイッチ4131と、球抜きスイッチ4132と、を備えて構成されている。
[5−2−1.払出制御部]
払い出しに関する各種制御を行う払出制御部4110は、図172に示すように、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU4110aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4110bと、払出制御MPU4110aが正常に動作しているか否かを監視する外部ウォッチドックタイマ4110c(以下、「外部WDT4110c」と記載する。)と、払出モータ815に駆動信号を出力する払出モータ駆動回路4110dと、を備えて構成されている。払出制御MPU4110aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵されるほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御MPU4110aは、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポート4110bを介して受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ624aの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポート4110bを介して入力されたりするほかに、満タンスイッチ916からの検出信号が払出制御I/Oポート4110bを介して入力されたり、球切れスイッチ778、計数スイッチ812及び回転角スイッチ855からの検出信号が賞球ユニット内中継端子板830、そして払出制御I/Oポート4110bを介して入力されたりする。なお、扉枠開放スイッチ4133からの開放信号(検出信号)、及び本体枠開放スイッチ4134からの開放信号(検出信号)は、払出制御基板1186、そして主ドロワ中継基板1107を介して、主制御基板4100に入力されるようになっている。
また、払出制御MPU4110aは、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポート4110bを介して受信すると、その受信した払い出しに関する各種コマンドに基づいて払出制御I/Oポート4110bを介して払出モータ駆動回路4110dから賞球ユニット内中継端子板830を介して払出モータ815に駆動信号を出力したり、球抜きスイッチ4132が操作されると、この操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポート4110bを介して入力され、この入力された検出信号に基づいて賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留された遊技球を排出する(球抜きする)ために払出制御I/Oポート4110bを介して払出モータ駆動回路4110dから賞球ユニット内中継端子板830を介して払出モータ815に駆動信号を出力したり、図示しないCRユニットからの貸球要求信号がCRユニット端子板1150b、そして払出制御I/Oポート4110bを介して入力されると、この貸球要求信号に基づいて払出制御I/Oポート4110bを介して払出モータ駆動回路4110dから賞球ユニット内中継端子板830を介して払出モータ815に駆動信号を出力したり、満タンスイッチ916からの検出信号が払出制御I/Oポート4110bを介して入力されると、この検出信号に基づいて払出制御I/Oポート4110bを介して払出モータ駆動回路4110dから賞球ユニット内中継端子板830を介して払出モータ815への駆動信号を停止して払出モータ815を停止したりする。
また、払出制御MPU4110aは、パチンコ遊技機1の状態を払出制御I/Oポート4110bを介してエラーLED表示器4130に表示したり、その状態を示す各種コマンドを払出制御I/Oポート4110bを介して主制御基板4100に送信したり、計数スイッチ812からの検出信号が賞球ユニット内中継端子板830、そして払出制御I/Oポート4110bを介して入力されると、この検出信号に基づいて、実際に払い出した遊技球の球数を払出制御I/Oポート4110bを介して外部端子板1150aに出力したりする。この外部端子板1150aは、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
なお、エラーLED表示器4130は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ遊技機1の状態を表示している。エラーLED表示器4130が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板4100と払出制御基板1186との基板間の電気的な接続に異常が生じている(各種コマンド信号に異常が生じている)旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨を報知している。
[5−2−2.発射制御部]
発射モータ695の発射制御を行う発射制御部4120は、図172に示すように、各種信号が入力される入力回路4120aと、定時間毎にクロック信号を出力する発信回路4120bと、このクロック信号に基づいて発射モータ695の回転速度を決定する基準パルスを出力する発射制御回路4120cと、この発射制御回路4120cからの基準パルスに基づいて発射モータ695に駆動信号を出力する発射モータ駆動回路4120dと、を備えて構成されている。発射制御回路4120cは、発信回路4120bからのクロック信号に基づいて、1分当たり約99.95個の遊技球が遊技領域605に向けて発射されるよう発射モータ695の回転速度を制御している。つまり、打球槌687の可動を制御している。
入力回路4120aには、ハンドル装置400(操作ハンドル部461)に内蔵された、タッチセンサ420及び発射停止スイッチ422からの検出信号が入力されている。具体的には、操作ハンドル部461の回動操作部材464に触れるとタッチセンサ420により検出されて検出信号がハンドル中継端子194を介して入力回路4120aに入力され、単発ボタン421を操作すると、発射停止スイッチ422により検出されて検出信号がハンドル中継端子194を介して入力回路4120aに入力されるようになっている。また、入力回路4120aには、CRユニットがCRユニット端子板1150bに電気的に接続されると、CR接続信号がCRユニット端子板1150bを介して入力されるようになっている。
払出制御基板1186には、電源基板1136から各種電圧が主制御基板4100と同様に供給されている。この電源基板1136は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板1186に電力を供給するキャパシタBC1(図174参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU4110aは電源遮断時にでも払い出しに関する各種の払出情報をその内蔵するRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶することができるようになっている。なお、記憶した払出情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ624aが操作されると、その内容が払出制御内蔵RAMから消去(クリア)されるようになっている。
[5−3.周辺制御基板]
周辺制御基板4139は、図173に示すように、主制御基板4100からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部4140と、この周辺制御部4140からの制御データに基づいて液晶表示装置1400の描画制御を行う液晶制御部4150と、を備えて構成されている。
[5−3−1.周辺制御部]
演出制御を行う周辺制御部4140は、図173に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えて構成されている。
周辺制御MPU4140aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤4の各発光基板に設けられたカラーLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して上ランプ駆動基板3366や下ランプ駆動基板3365へ切り替えながら出力したり、遊技盤側モータ(駆動モータ2343,3043,3088,3127,3166,3204,3232,3245,3279,3294,3318,3329)への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATを、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して上ランプ駆動基板3366を介してモータ駆動基板3363へ出力したり、扉側モータである、トップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285への駆動信号を出力するための回転灯モータ駆動データと、メインボタン371の振動体371cへの駆動信号を出力するための振動体駆動データと、扉側に設けられた各種カラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側モータ駆動発光データST−DAT(図177参照)を扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLK(図177参照)と同期して副ドロワ中継基板1108、そして扉中継基板1102を介して扉装飾駆動基板192へ出力したり、液晶表示装置1400に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を液晶制御部用シリアルI/Oポートから液晶制御部用クロック信号と同期して液晶制御部4150に出力したりする。なお、本実施形態では、遊技盤側モータと、扉側モータである、トップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285と、はそれらの回転軸が48ステップで1回転する4相ステッピングモータが採用されている。それらの回転速度は、周辺制御MPU4140aの後述する周辺制御部2ms定常処理において制御されるようになっており、2msというパルス幅で駆動される場合に最高回転数に達し、このとき、1回転で96ms(=48ステップ×2ms)となるため、1秒当たり1/96ms回だけ回転し、1分当たりでは625(=60s/96ms)回となり、回転軸が高速回転することができようになっている。
また、周辺制御MPU4140aは、扉装飾駆動基板192から出力されるシリアルデータが扉中継基板1102そして副ドロワ中継基板1108を介して入力されている。このシリアルデータは、操作ボタンユニット370に設けられた、左サブボタン372Lの操作を検出する左サブボタンセンサ377Lからの検出信号LB−SEN、及び右サブボタン372Rの操作を検出する右サブボタンセンサ377Rからの検出信号RB−SEN、及びメインボタン371の操作を検出するメインボタンセンサ376からの検出信号CB−SENを扉装飾駆動基板192の扉側シリアル送信回路192c(図177参照)でシリアル化されたものであり、このシリアル化されたボタン操作検出データTS−DAT(図177参照)がボタン操作検出クロック信号TS−CLK(図177参照)と同期されて扉側シリアル送信回路192cから扉中継基板1102、そして副ドロワ中継基板1108を介して周辺制御MPU4140aのボタン操作検出用シリアルI/Oポートに入力されている。
また、周辺制御MPU4140aは、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤側モータ駆動データSM−DATをモータ駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して上ランプ駆動基板3366を介してモータ駆動基板3363へ出力した後に、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−LATをパラレルI/Oポートから上ランプ駆動基板3366を介してモータ駆動基板3363へ出力したり、扉側モータ駆動発光データST−DATを扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して副ドロワ中継基板1108、そして扉中継基板1102を介して扉装飾駆動基板192へ出力した後に、扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LAT(図177参照)をパラレルI/Oポートから副ドロワ中継基板1108、そして扉中継基板1102を介して扉装飾駆動基板192へ出力したり、音ROM4140dから抽出する音情報を示す制御信号(音コマンド)をパラレルI/Oポートから音源IC4140cに出力したりする。
また、周辺制御MPU4140aは、遊技盤側位置検出センサ(フォトセンサ2349,3052,3098,3131,3173,3237,3285,3254,3286,3321,3333)からの検出信号IN1−SEN〜IN11−SENがモータ駆動基板3363、そして上ランプ駆動基板3366を介してパラレルI/Oポートに入力されている。周辺制御MPU4140aは、これらの検出信号IN1−SEN〜IN11−SENに基づいて、遊技盤4の裏ユニット3000に設けられた各種役物ユニットの可動役物の待機位置(原位置)を把握している。また周辺制御MPU4140aは、扉枠5の回転灯244,264,284の回転位置を検出する左回転位置検出センサ250、右回転位置検出センサ270、中央回転位置検出センサ290からの検出信号LT−SEN,RT−SEN,CT−SEN(図177参照)が扉中継基板1102、そして副ドロワ中継基板1108を介してパラレルI/Oポートに入力されている。周辺制御MPU4140aは、これらの検出信号LT−SEN,RT−SEN,CT−SENに基づいて各回転灯244,264,284の原位置を把握している。また周辺制御MPU4140aは、電源基板1136を空冷するための電源用空冷ファン1502が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が扉中継基板1102、そして副ドロワ中継基板1108を介してパラレルI/Oポートに入力されている。周辺制御MPU4140aは、この動作信号に基づいて電源用空冷ファン1502の動作を監視している。また周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150からパラレルI/Oポートに入力されている。周辺制御MPU4140aは、この動作信号に基づいて液晶制御部4150の動作を監視している。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROM4140dから音情報を抽出し、副ドロワ中継基板1108、扉中継基板1102、そして扉装飾駆動基板192を介してスピーカ121,391(扉枠5のサイドスピーカ121や下部スピーカ391)から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行っている。
なお、周辺制御基板4139には、その内蔵されたウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)4140af(図176参照、)のほかに、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(以下、「外部WDT」と記載する。)も備えており、周辺制御MPU4140aは、周辺制御内蔵WDT4140afと外部WDTとを併用して周辺制御MPU4140aのシステムが暴走していないかを診断している。
ここで、各基板間でシリアル通信を行う場合に設定されるクロック信号のビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)について説明する。本実施形態では、遊技盤4に備える各種基板間でシリアル通信を行う場合にはクロック信号のビットレートとして300キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する。)が設定され、遊技盤4に備える基板と扉枠5に備える基板との基板間でシリアル通信を行う場合にはクロック信号のビットレートとして100kbpsが設定されている。具体的には、周辺制御MPU4140aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートから出力される遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLK、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから出力される遊技盤側発光クロック信号SL−CLK、及び液晶制御部用シリアルI/Oポートから出力される液晶制御部用クロック信号のビットレートとして300kbpsが設定され、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから出力される扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLK、及びボタン操作検出用シリアルI/Oポートに入力されるボタン操作検出クロック信号TS−CLKのビットレートとして100kbpsが設定されている。
このように、本実施形態では、遊技盤4に備える各種基板間でシリアル通信を行う場合と、遊技盤4に備える基板と扉枠5に備える基板との基板間でシリアル通信を行う場合と、では、クロック信号のビットレートが異なるように設定されている。遊技盤4に備える各種基板は、遊技盤4の外形の内側に密集して取り付けられているため、各基板間の距離が短く、各基板間を電気的に接続するハーネスの長さも短くなっている。これに対して、遊技盤4に備える基板と扉枠5に備える基板との基板間は、遊技盤4に密集して取り付けられた各種基板と異なり、遊技盤4に備える基板と扉枠5に備える基板との基板間が離れており、また遊技盤4に備える基板と扉枠5に備える基板との基板間を電気的に接続するハーネスを、図85に示した枠基板用ホルダ1101に形成された配線用開口部1124、そして図62に示した本体枠3に形成された配線用開口部537に通す必要があるため、ハーネスを引き回すこととなって遊技盤4に備える基板と扉枠5に備える基板との基板間を電気的に接続するハーネスの長さが遊技盤4に備える各種基板を電気的に接続するハーネスの長さに比べて極めて長くなっている。
遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生するため、このようなノイズが各種基板間を電気的に接続するハーネスに侵入して各種基板に影響を与えるおそれがある。発明者は、遊技球の静電放電によるノイズ幅が約0.8マイクロ秒(μs)程度であることを把握している。ところが、シリアル通信を高速で行う場合には、クロック信号のビットレートを高く設定する必要があるため、クロック信号のパルス幅がノイズ幅へ近づくこととなる。そうすると、基板間を電気的に接続するハーネスにシリアルデータが高速に伝送されている場合には、このハーネスにノイズが侵入した際に、このノイズの影響を受けて正規と異なるシリアルデータとなって基板間で正確なシリアルデータを互いに伝えることが困難となる。このため、クロック信号に設定することができるビットレートには、そのパルス幅がノイズ幅よりも大きくなければならない。
上述したように、遊技盤4に備える各種基板は、遊技盤4の外形の内側に密集して取り付けられており、各基板間の距離が短く、各基板間を電気的に接続するハーネスの長さも短くなっているため、シリアルデータの1ビットあたりのハーネスに伝送される時間も短い。これに対して、遊技盤4に備える基板と扉枠5に備える基板との基板間は、遊技盤4に備える基板と扉枠5に備える基板との基板間が離れており、また遊技盤4に備える基板と扉枠5に備える基板との基板間を電気的に接続するハーネスを配線開口部537等に通す必要があり、ハーネスを引き回すこととなって遊技盤4に備える基板と扉枠5に備える基板との基板間を電気的に接続するハーネスの長さが遊技盤4に備える各種基板を電気的に接続するハーネスの長さに比べて極めて長くなっているため、シリアルデータの1ビットあたりのハーネスに伝送される時間も長い。つまり、遊技盤4に備える基板と扉枠5に備える基板との基板間を電気的に接続するハーネスの方が遊技盤4に備える各種基板を電気的に接続するハーネスに比べてノイズの影響を受ける時間が長くなる。
そこで、本実施形態では、ハーネスの長さが短い、遊技盤4に備える各種基板でシリアル通信を行う場合には、クロック信号のパルス幅をノイズ幅より大きくし、クロック信号のビットレートとして高速な300kbps(パルス幅、約1.7μs)が設定されている。一方ハーネスの長さが長い、遊技盤4に備える基板と扉枠5に備える基板との基板間でシリアル通信を行う場合には、クロック信号のパルス幅をノイズ幅より極めて大きくするため、クロック信号のビットレートとして100kbps(パルス幅、5.0μs)が設定されている。
[5−3−2.液晶制御部]
液晶表示装置1400の描画制御を行う液晶制御部4150は、図173に示すように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、液晶表示装置1400を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、液晶表示装置1400に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
液晶制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部4140からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDP4150cを制御して液晶表示装置1400の描画制御を行う。なお、液晶制御MPU4150aは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部4140に出力する。また液晶制御MPU4150aは、VDP4150cから後述するDMA実行中信号DMAFLAGが入力されており、DMA実行中信号DMAFLAGの出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
液晶制御ROM4150bは、液晶表示装置1400に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御部4140からの制御データ(表示コマンド)に対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)に対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1400に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM4150dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って液晶表示装置1400に描画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。液晶制御MPU4150aは、周辺制御部4140からの制御データ(表示コマンド)に対応するスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。そして液晶制御MPU4150aは、先頭の画面データに続く画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MPU4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ、液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、液晶制御MPU4150aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいてキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出して液晶表示装置1400に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示装置1400に出力する。またVDP4150cは、液晶制御MPU4150aからの画面データを受け入れないときに、その旨を伝えるDMA実行中信号DMAFLAGを液晶制御MPU4150aに出力する。なお、VDP4150cは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、液晶表示装置1400の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを液晶表示装置1400に出力する方式である。
キャラROM4150dには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまり液晶表示装置1400に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアクセス速度が無視できなくなり、液晶表示装置1400に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出している。スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM4150dに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、液晶表示装置1400にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、液晶表示装置1400に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、液晶表示装置1400に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて液晶表示装置1400に表示される。なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
液晶表示装置1400は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。液晶表示装置1400は、液晶制御部4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として液晶表示装置1400の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、液晶表示装置1400は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として液晶表示装置1400の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。なお、液晶表示装置1400には、インバータ基板1411によって点灯制御されるバックライト(冷陰極管)が内蔵されている。
[6.電源システム]
次に、パチンコ遊技機1に供給される電力について説明する。まず、電源基板1136について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。図174はパチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図であり、図175は図174のつづきを示すブロック図である。
[6−1.電源基板]
電源基板1136は、電源線コネクタ1138が図示しない電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグがパチンコ島設備の電源コンセントに差し込まれている。電源スイッチ1137を操作すると、パチンコ島設備から供給されている電力が電源基板1136に供給され、パチンコ遊技機1の電源投入を行うことができる。
電源基板1136は、図174に示すように、+34V作成回路1136a、+18V作成回路1136b、+9V作成回路1136cを備えて構成されている。+34V作成回路1136aは、パチンコ島設備から供給されている交流24ボルト(AC24V)を整流して直流+34V(DC+34V、以下、「+34V」と記載する。本実施形態では、最大電流として6アンペア(A)を流すことができる。)を作成している。+18V作成回路1136bは、パチンコ島設備から供給されているAC24Vを整流して+34Vを作成し、作成した+34Vから直流+18V(DC+18V、以下、「+18V」と記載する。本実施形態では、最大電流として4Aを流すことができる。)を作成している。+9V作成回路1136cは、+18V作成回路1136bが作成した+18Vから直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。本実施形態では、最大電流として0.4Aを流すことができる。)を作成している。+34V作成回路1136a、+18V作成回路1136b、+9V作成回路1136cがそれぞれ作成した電圧は、払出制御基板1186に供給されている。またパチンコ島設備から供給されているAC24Vは、+34V作成回路1136a及び+18V作成回路1136bのほかに、CRユニット端子板1150aにも電源基板1136を介して供給されている。
また、電源基板1136は、キャパシタBC0,BC1を備えている。キャパシタBC0は、主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RAM)のバックアップ電源であり、キャパシタBC1は、払出制御基板1186の払出制御MPU4110aに内蔵されたRAM(払出制御内蔵RAM)のバックアップ電源である。主制御内蔵RAMのバックアップ電源であるキャパシタBC0は、後述する主制御シリーズレギュレータ4100cで作成された電圧が主ドロワ中継基板1107を介して印加されることによって充電されるようになっており、この充電された電圧が主VBBとして主ドロワ中継基板1107を介して主制御内蔵RAMに供給されるようになっている。払出制御内蔵RAMのバックアップ電源のバックアップ電源であるBC1は、後述する払出制御シリーズレギュレータ1186aで作成された電圧が印加されることによって充電されるようになっており、この充電された電圧が払VBBとして払出制御内蔵RAMに供給されるようになっている。
[6−2.各制御基板等に供給される電源]
次に、各制御基板等に供給される電源について説明する。電源基板1136から供給される、+34V、+18V及び+9Vは、図174及び図175に示すように、払出制御基板1186に供給され、主ドロワ中継基板1107を介して主制御基板4100に供給されている。そして主制御基板4100に供給された+34V及び+18Vは、周辺制御基板4139に供給されている。周辺制御基板4139に供給された+34V及び+18Vは、上ランプ駆動基板3366に供給されているほかに、副ドロワ中継基板1108、そして扉中継基板1102を介して扉装飾駆動基板192にも供給されている。また周辺制御基板4139に供給された+34Vは、インバータ基板1411にも供給されている。上ランプ駆動基板3366に供給された+34V及び+18Vは、モータ駆動基板3363に供給されている。ここでは、まず、払出制御基板1186に供給される電源について説明し、続いて主制御基板4100に供給される電源、周辺制御基板4139に供給される電源、インバータ基板1411に供給される電源、上ランプ駆動基板3366に供給される電源、モータ駆動基板3363に供給される電源、下ランプ駆動基板3365に供給される電源、そして扉装飾駆動基板192に供給される電源について説明する。
[6−2−1.払出制御基板に供給される電源]
払出制御基板1186は、払出制御MPU4110a等のほかに、払出制御シリーズレギュレータ1186aも備えている。この払出制御シリーズレギュレータ1186aは、電源基板1136からの+9Vが供給されており、この+9Vから払出制御基板1186の基準電圧である直流+5V(DC+5V、以下、「+5V」と記載する。)を作成している。この+5Vは、電源基板1136のキャパシタBC1に供給されるほかに、図172に示した、払出制御部4110の払出制御MPU4110a、払出制御I/Oポート4110b、外部WDT4110c、払出モータ駆動回路4110dや発射制御部4120の入力回路4120a、発射制御回路4120c、発射モータ駆動回路4120d等にも供給されている。
電源基板1136からの+34Vは、払出モータ駆動回路4110dのほかに、発射モータ駆動回路4120dにも供給されており、図172に示した払出モータ815及び発射モータ695等の駆動電源として使用されている。なお、電源基板1136からの+18Vは、扉枠開放スイッチ4133のほかに、図172に示した、本体枠開放スイッチ4134、満タンスイッチ916、球切れスイッチ778、計数スイッチ812、回転角スイッチ855等にも供給されている。
[6−2−2.主制御基板に供給される電源]
主制御基板4100は、主制御MPU4100a等のほかに、主制御シリーズレギュレータ4100c、停電監視回路4100dも備えている。主制御シリーズレギュレータ4100cは、払出制御基板1186からの+9Vが供給されており、この+9Vから主制御基板4100の基準電圧である+5Vを作成している。この+5Vは、電源基板1136のキャパシタBC0に供給されるほかに、図172に示した、主制御MPU4100a、主制御I/Oポート4100b等にも供給されている。停電監視回路4100dは、払出制御基板1186からの+18V及び+9Vが供給されており、これら+18V及び+9Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。また停電監視回路4100dは、電波検出スイッチ4100eからの電波検出信号が入力されており、この電波検出信号を監視している。この電波検出スイッチ4100eは、主制御シリーズレギュレータ4100cの近傍に配置されており、主制御シリーズレギュレータ4100cに高周波が照射されることにより、主制御シリーズレギュレータ4100cが+5Vの作成を一時的に停止しているか否かを検出するものである。
停電監視回路4100dは、停電又は瞬停の兆候を検出すると、又は、電波検出スイッチ4100eからの電波検出信号が入力されると、停電予告として停電予告信号を、主制御MPU4100aほかに、周辺制御基板4139に出力するとともに、主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186にも出力している。インバータ基板1411には、周辺制御基板4139を介して停電予告信号が入力されている。
払出制御基板1186からの+34Vは、図172に示した、アタッカソレノイド2016、始動口ソレノイド2015等の駆動電源として使用されている。なお、払出制御基板1186からの+18Vは、図172に示した、第一始動口センサ2011、ゲートセンサ2202等にも供給されている。
なお、主制御基板4100は、活線故障防止回路4100fを備えている。払出制御基板1186からの+34V、+18及び+9Vは、まず活線故障防止回路4100fに供給されるようになっている。ここで「活線」とは、配線(ハーネス)に電流が流れている状態のことをいう。活線故障防止回路4100fは、電源スイッチ1137を手動でOFF操作することなく、つまりパチンコ遊技機1の電源投入がされたままの状態(電源基板1136により作成されている+34V、+18及び+9Vが払出制御基板1186を介して主ドロワ中継基板1107に供給されたままの状態)で、遊技盤4を本体枠3に取り付ける作業を行うときに、主ドロワ中継基板1107に設けた主ドロワ中継コネクタ1200と、遊技盤4の中継端子板625に設けた主ドロワコネクタ626と、が接触した瞬間に、払出制御基板1186からの+34V、+18及び+9Vが主制御基板4100に向かって供給される際に、主ドロワ中継コネクタ1200と主ドロワコネクタ626との接触部分に一時的に大電流が流れることによる主ドロワ中継コネクタ1200と主ドロワコネクタ626との溶着を防止するための回路である。
[6−2−3.周辺制御基板に供給される電源]
周辺制御基板4139は、周辺制御MPU4140a、周辺制御ROM4140b、液晶制御MPU4150a、VDP4150c等のほかに、周辺制御電源回路4139aも備えている。この周辺制御電源回路4139aは、主制御基板4100からの+18Vが供給されており、この+18Vから、液晶制御ROM4150b、周辺制御ROM4140b等の基準電圧である直流+1.8V(DC+1.8V、以下、「+1.8V」と記載する。)と、液晶制御基板4150、周辺制御MPU4140a等の基準電圧である直流+3.3V(DC+3.3V、以下、「+3.3V」と記載する。)と、VDP4150cの電源である直流+1.5V(DC+1.5V、以下、「+1.5V」と記載する。)、直流+2.5V(DC+2.5V、以下、「+2.5V」と記載する。)と、を作成している。+3.3V及び+1.8Vは、図示しないバスバッファ回路にも供給されている。このバスバッファ回路は、周辺制御MPU4140aと周辺制御ROM4140bとにそれぞれ異なる電圧が供給されていたり、液晶制御MPU4150aと液晶制御ROM4150bとにそれぞれ異なる電圧が供給されていたりしても、周辺制御MPU4140aからの+3.3V系の信号を周辺制御ROM4140bの+1.8V系の信号へ信号電圧のレベル変換を行うことにより周辺制御MPU4140aと周辺制御ROM4140bとをインターフェースしたり、液晶制御MPU4150aからの+3.3V系の信号を液晶制御ROM4150bの+1.8V系の信号へ信号電圧のレベル変換を行うことにより液晶制御MPU4150aと液晶制御ROM4150bとをインターフェースしたりするものである。
+3.3Vは、周辺制御MPU4140a、液晶制御MPU4150a、バスバッファ回路のほかに、図172に示した、音源IC4140c、VDP4150c、液晶表示装置1400を駆動する図示しない液晶ドライブ回路等にも供給されている。+1.8Vは、周辺制御ROM4140b、バスバッファ回路のほかに、図172に示した音ROM4140d等にも供給されている。+1.5Vは、VDP4150cのほかに、図172に示した、キャラROM4150d及びキャラRAM4150eにも供給されている。VDP4150cは、+1.5V、+2.5V及び+3.3Vが供給されることによりバスバッファ回路を介すことなく、キャラROM4150d及びキャラRAM4150eに直接アクセスすることができるとともに、液晶制御MPU4150aとの信号のやりとりも直接行うことができる。
主制御基板4100からの+18Vは、例えば図2に示した、サイドスピーカ121,121及び下部スピーカ391から出力する音楽及び効果音等を増幅する図示しない増幅回路にも供給されている。なお、主制御基板4100からの+34Vは、周辺制御基板4139では使用されておらず、周辺制御基板4139を介して上ランプ駆動基板3366、扉装飾駆動基板192、及びインバータ基板1411にそのまま供給されている。
[6−2−4.インバータ基板に供給される電源]
インバータ基板1411は、冷陰極蛍光ランプ点灯回路1411aを備えている。冷陰極蛍光ランプ点灯回路1411aは、周辺制御基板4139からの+34Vが供給されており、液晶表示装置1400のバックライトである冷陰極管を点灯させている。
[6−2−5.上ランプ駆動基板に供給される電源]
上ランプ駆動基板3366は、上ランプ駆動側電源回路3366a、階調制御IC3366b、電飾駆動回路群3366c等を備えている。上ランプ駆動側電源回路3366aは、周辺制御基板4139からの+18Vが入力されており、この+18Vから上ランプ駆動基板3366の基準電圧である+3.3Vを作成している。この+3.3Vは、階調制御IC3366b等に供給されている。この階調制御IC3366bは、遊技盤4の各発光基板に設けられたカラーLEDを点灯、点滅及び階調点灯させるICである。周辺制御基板4139からの+18Vは、電飾駆動回路群3366cに供給されている。この電飾駆動回路群3366cは、階調制御IC3366bからの点灯信号、点滅信号及び階調点灯信号に従ってカラーLEDを駆動するものである。なお、周辺制御基板4139からの+34Vは、上ランプ駆動基板3366では使用されておらず、上ランプ駆動基板3366を介してモータ駆動基板3363にそのまま供給されている。
[6−2−6.モータ駆動基板に供給される電源]
モータ駆動基板3363は、モータ駆動側電源回路3363a、遊技盤側モータ駆動回路群3363b、シリアルパラレル変換IC群3363c等を備えている。モータ駆動側電源回路3363aは、上ランプ駆動基板3366からの+18Vが供給されており、この+18Vからモータ駆動基板3363の基準電圧である+3.3Vを作成している。この+3.3Vは、シリアルパラレル変換IC群3363c等に供給されている。シリアルパラレル変換IC群3363cは、受信したシリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアルパラレル変換ICが複数数珠つなぎに接続された、いわゆる「デイジーチェーン接続」されて構成されたものであり、遊技盤側モータ(駆動モータ2343,3043,3088,3127,3166,3204,3232,3245,3279,3294,3318,3329)へ駆動信号を出力するためのシリアルデータ(遊技盤側モータ駆動データSM−DATをパラレルデータに変換するものである。遊技盤側モータ駆動回路群3363bは、シリアルパラレル変換IC群3363cからの駆動信号に従って、駆動モータ2343,3043,3088,3127,3166,3204,3232,3245,3279,3294,3318,3329を駆動するものである。
[6−2−7.下ランプ駆動基板に供給される電源]
下ランプ駆動基板3365は、下ランプ駆動側電源回路3365a、階調制御IC3365b、電飾駆動回路群3365c等を備えている。下ランプ駆動側電源回路3365aは、モータ駆動基板3363からの+18Vが入力されており、この+18Vから下ランプ駆動基板3365の基準電圧である+3.3Vを作成している。この+3.3Vは、階調制御IC3365b等に供給されている。この階調制御IC3365bは、上ランプ駆動基板3366の階調制御IC3366bが点灯、点滅及び階調点灯させていない遊技盤4の各発光基板に設けられたカラーLEDを点灯、点滅及び階調点灯させるICである。モータ駆動基板3363からの+18Vは、電飾駆動回路群3365cに供給されている。この電飾駆動回路群3365cは、階調制御IC3365bからの点灯信号、点滅信号及び階調点灯信号に従ってカラーLEDを駆動するものである。
[6−2−8.扉装飾駆動基板に供給される電源]
扉装飾駆動基板192は、扉装飾駆動側電源回路192a、扉側モータ駆動回路群192b、扉側シリアル送信回路192c、シリアルパラレル変換IC群192d等を備えている。扉装飾駆動側電源回路192aは、周辺制御基板4139からの+18Vが副ドロワ中継基板1108、そして扉中継基板1102を介して供給されており、この+18Vから扉装飾駆動基板192の基準電圧である+3.3Vを作成している。この+3.3Vは、扉側シリアル送信回路192c、シリアルパラレル変換IC群192d等に供給されている。扉側シリアル送信回路192cは、操作ボタンユニット370に設けられた、左サブボタン372Lの操作を検出する左サブボタンセンサ377Lからの検出信号LB−SEN、及び右サブボタン372Rの操作を検出する右サブボタンセンサ377Rからの検出信号RB−SEN、及びメインボタン371の操作を検出するメインボタンセンサ376からの検出信号CB−SENを、シリアル化してボタン操作検出データTS−DAT(図177参照)として、扉中継基板1102、そして副ドロワ中継基板1108を介して周辺制御基板4139へ送信するものである。シリアルパラレル変換IC群192dは、受信したシリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアルパラレル変換ICが複数個、デイジーチェーン接続されて構成されたものであり、シリアルデータである扉側モータ駆動発光データST−DAT(図177参照)のうち、扉側モータである、トップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285への駆動信号を出力するための回転灯モータ駆動データと、メインボタン371の振動体371cへの駆動信号を出力するための振動体駆動データと、をパラレルデータに変換するものである。周辺制御基板4139からの+34V及び+18Vは、扉側モータ駆動回路群192bに供給されている。この扉側モータ駆動回路群192bは、シリアルパラレル変換IC群192dからの駆動信号に従って左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、中央回転灯モータ285、及び振動体371cを駆動するものである。
[7.周辺制御MPU]
次に、周辺制御基板4139に実装されるマイクロコンピュータである周辺制御MPU4140aについて説明する。図176は周辺制御MPUの概略を示すブロック図である。
周辺制御MPU4140aは、図176に示すように、周辺制御CPUコア4140aaを中心として構成されており、周辺制御内蔵RAM4140ab、周辺制御DMA(Direct Memory Accessの略)コントローラ4140ac、周辺制御各種シリアルI/Oポート4140ae、周辺制御内蔵WDT4140af、及び周辺制御各種パラレルI/Oポート4140ag等がバス4140ahを介して回路接続されている。
周辺制御内蔵RAM4140abには、ランプ駆動基板側送信データ領域4140aba、扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abb、及びモータ駆動基板側送信データ領域4140abcが設けられており、ランプ駆動基板側送信データ領域4140abaには、遊技盤4の各発光基板に設けられたカラーLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATがセットされる記憶領域であり、扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbには、扉側モータである、トップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285への駆動信号を出力するための回転灯モータ駆動データと、メインボタン371の振動体371cへの駆動信号を出力するための振動体駆動データと、扉側に設けられた各種カラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側モータ駆動発光データST−DAT(図177参照)がセットされる記憶領域であり、モータ駆動基板側送信データ領域4140abcには、遊技盤側モータである、センター枠用モータ2352、左モータ3110、右モータ3210、下モータ3310、左上モータ3410、及び右上モータ3510への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされる記憶領域である。
なお、ランプ駆動基板側送信データ領域4140aba、扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abb、及びモータ駆動基板側送信データ領域4140abcは、第1領域及び第2領域という2つの領域にそれぞれ分割されている。ランプ駆動基板側送信データ領域4140abaは、後述する周辺制御部16ms定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ領域4140abaの第1領域に、遊技盤側発光データSL−DATが記憶され、次の周辺制御部16ms定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ領域4140abaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATが記憶されるようになっており、周辺制御部16ms定常処理が実行されるごとに、ランプ駆動基板側送信データ領域4140abaの第1領域,第2領域に遊技盤側発光データSL−DATが交互に記憶されている。周辺制御部16ms定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部16ms定常処理においてランプ駆動基板側送信データ領域4140abaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATが記憶されるときには、前回の周辺制御部16ms定常処理が実行された際に、ランプ駆動基板側送信データ領域4140abaの第1領域に記憶した遊技盤側発光データSL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbは、後述する周辺制御部2ms定常処理が実行されると、扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbの第1領域に、扉側モータ駆動発光データST−DATが記憶され、次の周辺制御部2ms定常処理が実行されると、扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbの第2領域に扉側モータ駆動発光データST−DATが記憶されるようになっており、周辺制御部2ms定常処理が実行されるごとに、扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbの第1領域,第2領域に扉側モータ駆動発光データST−DATが交互に記憶されている。周辺制御部2ms定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部2ms定常処理において扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbの第2領域に扉側モータ駆動発光データST−DATが記憶されるときには、前回の周辺制御部2ms定常処理が実行された際に、扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbの第1領域に記憶した扉側モータ駆動発光データST−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
モータ駆動基板側送信データ領域4140abcは、周辺制御部2ms定常処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ領域4140abcの第1領域に、遊技盤側モータ駆動データSM−DATが記憶され、次の周辺制御部2ms定常処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ領域4140abcの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATが記憶されるようになっており、周辺制御部2ms定常処理が実行されるごとに、モータ駆動基板側送信データ領域4140abcの第1領域,第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATが交互に記憶されている。周辺制御部2ms定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部2ms定常処理においてモータ駆動基板側送信データ領域4140abcの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATが記憶されるときには、前回の周辺制御部2ms定常処理が実行された際に、モータ駆動基板側送信データ領域4140abcの第1領域に記憶した遊技盤側モータ駆動データSM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
周辺制御DMAコントローラ4140acは、周辺制御CPUコア4140aaを介すことなく、独立してデータ転送を行う専用のコントローラであり、本実施形態では、ランプ駆動基板側送信データ領域4140abaにセットされた遊技盤側発光データSL−DAT、扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbにセットされた扉側モータ駆動発光データST−DAT、及びモータ駆動基板側送信データ領域4140abcにセットされた遊技盤側モータ駆動データSM−DATを、周辺制御CPUコア4140aaを介すことなく、周辺制御各種シリアルI/Oポート4140aeから出力する制御を行っている。なお、周辺制御DMAコントローラ4140acは、DMA0〜DMA3の4つのチャンネル、を有している。
周辺制御各種シリアルI/Oポート4140aeは、周辺制御CPUコア4140aaを直接介すことなく独立して周辺制御DMAコントローラ4140acにより制御される、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポート、モータ駆動基板用シリアルI/Oポート、及び扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートのほかに、周辺制御CPUコア4140aaにより直接制御される液晶制御部用シリアルI/Oポート、及びボタン操作検出用シリアルI/Oポートを有している。
周辺制御各種パラレルI/Oポート4140agは、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号SM−LAT、扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LAT(図177参照)、及び音ROM4140dから抽出する音情報を示す制御信号(音コマンド)等を出力する一方、扉枠5の回転灯244,264,284の回転位置を検出する左回転位置検出センサ250、右回転位置検出センサ270、中央回転位置検出センサ290からの検出信号LT−SEN,RT−SEN,CT−SEN(図177参照)、遊技盤4の裏ユニット3000に設けられた各種役物ユニットの可動役物の待機位置(原位置)を検出する遊技盤側位置検出センサ(フォトセンサ2349,3052,3098,3131,3173,3237,3285,3254,3286,3321,3333)からの検出信号IN1−SEN〜IN11−SEN、及び電源基板1136を空冷するための電源用空冷ファン1502が正常に動作している旨を伝える信号、液晶制御部4150が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)、等が入力されている。
周辺制御内蔵ウォッチドックタイマ(周辺制御内蔵WDT)4140afは、周辺制御MPU4140aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御CPUコア4140aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせた場合には、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)にそのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御内蔵WDT4140afに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御CPUコア4140aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせて一定期間内にクリア信号を周辺制御内蔵WDT4140afに出力するときには、タイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
[8.扉枠に備える各種基板の電気的な接続及び各基板が取り込むシリアルデータ]
次に、遊技盤4に備える周辺制御基板4139から扉枠5に備える各種基板までに亘る電気的な接続と、扉枠5に備える各種基板が取り込む周辺制御基板4139からのシリアルデータと、について説明する。図177は遊技盤に備える周辺制御基板から扉枠に備える扉装飾駆動基板までに亘る電気的な接続を示すブロック図であり、図178は扉装飾駆動基板から皿ユニット、左サイドスピーカ電飾ユニットそしてガラスユニットまでに亘る電気的な接続を示すブロック図であり、図179はガラスユニットからトップランプ電飾ユニットそして右サイドスピーカ電飾ユニットまでに亘る電気的な接続を示すブロック図である。
[8−1.扉枠に備える各種基板の電気的な接続]
まず、遊技盤4に備える周辺制御基板4139から扉枠5に備える扉装飾駆動基板192までに亘る電気的な接続について簡単に説明すると、遊技盤4が本体枠3に装着されることにより、周辺制御基板4139と図85に示した基板ユニット1100の枠用基板ホルダ1101に備える副ドロワ中継基板1108との基板間が電気的に接続されるようになっている。この副ドロワ中継基板1108と枠用基板ホルダ1101に備える扉中継基板1102との基板間は、ハーネスを介して電気的に接続され、この扉中継基板1102と扉装飾駆動基板192との基板間は、図85に示した枠用基板ホルダ1101に形成された配線用開口部1124、そして図62に示した本体枠3に形成された配線用開口部537を通るハーネスを介して電気的に接続されるようになっている。
次に、扉装飾駆動基板192と扉枠5に備えるその他の基板との電気的な接続について簡単に説明すると、図177〜図179に示すように、扉装飾駆動基板192と皿ユニット300に備える受皿中継基板190との基板間は、ハーネスを介して電気的に接続され、この受皿中継基板190と左サイドスピーカ電飾ユニット120Lに備えるサイド装飾基板126(以下、「左サイド装飾基板126L」と記載する。)との基板間は、ハーネスを介して電気的に接続され、この左サイド装飾基板126Lとガラスユニット450に備えるガラス装飾中継基板454との基板間は、ハーネスを介して電気的に接続され、このガラス装飾中継基板454とトップランプ電飾ユニット200に備えるパチンコ遊技機1を正面から見て左側のトップランプ基板206(以下、「左トップランプ基板206L」と記載する。)との基板間は、ハーネスを介して電気的に接続され、この左トップランプ基板206Lと同ユニットに備えるパチンコ遊技機1を正面から見て右側のトップランプ基板206(以下、「右トップランプ基板206R」と記載する。)との基板間は、ハーネスを介して電気的に接続され、この右トップランプ基板260Rと右サイドスピーカ電飾ユニット120Rに備えるサイド装飾基板126(以下、「右サイド装飾基板126R」と記載する。)との基板間は、ハーネスを介して電気的に接続されている。
[8−2.各基板が取り込むシリアルデータ]
[8−2−1.扉装飾駆動基板で取り込むシリアルデータ]
次に、扉装飾駆動基板192で取り込むシリアルデータについて説明する。扉装飾駆動基板192は、図177に示すように、扉側モータ駆動回路群192b、シリアルパラレル変換IC群192d等を備えている。扉側モータ駆動回路群192bは、トップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245を駆動する扉側モータ駆動回路192baと、同ユニットの右回転灯モータ265を駆動する扉側モータ駆動回路192bbと、同ユニットの中央回転灯モータ285を駆動する扉側モータ駆動回路192bcと、メインボタン371の振動体371cを駆動する扉側モータ駆動回路192bdと、を備えて構成されている。シリアルパラレル変換IC群192dは、8ビットのシリアルパラレル変換IC192da,192dbが数珠繋ぎに電気的に接続されたデイジーチェーン接続されて構成されており、シリアルパラレル変換IC192daは、左回転灯モータ245を駆動する扉側モータ駆動回路192baへの駆動信号として4ビット、右回転灯モータ265を駆動する扉側モータ駆動回路192bbへの駆動信号と4ビットが割り当てられ、シリアルパラレル変換IC192dbは、中央回転灯モータ285を駆動する扉側モータ駆動回路192bcへの駆動信号として4ビット、振動体371cを駆動する扉側モータ駆動回路192bdへの駆動信号として1ビットが割り当てられている。
初段のシリアルパラレル変換IC192daは、周辺制御基板4139からのシリアルデータである扉側モータ駆動発光データST−DATを、周辺制御基板4139からの扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、内蔵する8ビットのシフトレジスタに1ビットずつ取り込む。そして、シフトレジスタは、1ビットずつ取り込むごとに、その取り込んだシリアルデータを1ビットずつシフトしてデイジーチェーン接続端子から吐き出すようになっている。このデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータが扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、次段である最終段のシリアルパラレル変換IC192dbへ入力されることにより、シリアルパラレル変換IC192dbに内蔵する8ビットのシフトレジスタに1ビットずつ取り込まれるようになっている。
シリアルパラレル変換IC192da,192dbは、周辺制御基板4139からの扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATが入力されたことを契機として、内蔵する8ビットのシフトレジスタに取り込んだシリアルデータ(扉側モータ駆動発光データST−DATを構成する、トップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285への駆動信号を出力するための回転灯モータ駆動データと、メインボタン371の振動体371cへの駆動信号を出力するための振動体駆動データと、)をパラレルデータに変換し、シリアルパラレル変換IC192daが扉側モータ駆動回路192ba,192bbへ駆動信号を出力するとともに、シリアルパラレル変換IC192dbが扉側モータ駆動回路192bbへ駆動信号を出力する。これにより、扉側モータ駆動回路192baは、シリアルパラレル変換IC192daからの駆動信号に従って左回転灯モータ245及び右回転灯モータ265を駆動することができるとともに、扉側モータ駆動回路192bbは、シリアルパラレル変換IC192dbからの駆動信号に従って中央回転灯モータ285及び振動体371cを駆動することができる。
なお、最終段のシリアルパラレル変換IC192dbのデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータは、つまり扉側モータ駆動発光データST−DATは、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、扉装飾駆動基板192と皿ユニット300に備える受皿中継基板190との基板間を電気的に接続するハーネスを介して受皿中継基板190に伝送され、周辺制御基板4139からの扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATがそのハーネスを介して受皿中継基板190に伝送されるようになっている。また、周辺制御基板4139からの+18Vは、扉装飾駆動基板192からそのハーネスを介して受皿中継基板190に供給され、扉装飾駆動基板192から電源用ハーネスを介してトップランプ電飾ユニット200に備えるトップランプ電源基板205に供給されている。
[8−2−2.受皿中継基板で取り込むシリアルデータ]
次に、受皿中継基板190で取り込むシリアルデータについて説明する。扉装飾駆動基板192からの扉側モータ駆動発光データST−DAT、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLK及び扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATは、図178に示すように、受皿中継基板190に備えるシリアルパラレル変換IC群190aに入力されている。このシリアルパラレル変換IC群190aは、上述した扉装飾駆動基板192のシリアルパラレル変換IC群192dと同一構成となっており、8ビットのシリアルパラレル変換ICが複数個数珠繋ぎに電気的に接続されたデイジーチェーン接続されて構成されている。本実施形態では、皿ユニット300には、皿ユニット本体320に6系統のカラーLED336aと、操作ボタンユニット370に5系統のカラーLED375aと、が設けられており、皿ユニット300全体で計11系統(=皿ユニット本体320の6系統+操作ボタンユニット370の5系統)となるため、シリアルパラレル変換IC群190aは、8ビットのシリアルパラレル変換ICを2つ有するものとして構成されている。
シリアルパラレル変換IC群190aの初段のシリアルパラレル変換ICは、扉装飾駆動基板192からの扉側モータ駆動発光データST−DATを、扉装飾駆動基板192からの扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、内蔵する8ビットのシフトレジスタに1ビットずつ取り込む。そして、シフトレジスタは、1ビットずつ取り込むごとに、その取り込んだシリアルデータを1ビットずつシフトしてデイジーチェーン接続端子から吐き出すようになっている。このデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータが扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、次段である最終段のシリアルパラレル変換ICへ入力されることにより、その内蔵する8ビットのシフトレジスタに1ビットずつ取り込まれるようになっている。
シリアルパラレル変換IC群190aのシリアルパラレル変換ICは、扉装飾駆動基板192からの扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATが入力されたことを契機として、内蔵する8ビットのシフトレジスタに取り込んだシリアルデータ(扉側モータ駆動発光データST−DATを構成する、カラーLED336a,375aへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データ)をパラレルデータに変換し、電飾駆動回路群190bへ点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力する。これにより、電飾駆動回路群190bは、シリアルパラレル変換IC群190aのシリアルパラレル変換ICからの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号に従って皿ユニット本体320のカラーLED336a及び操作ボタンユニット370のカラーLED375aを点灯したり、点滅したり、階調点灯したりすることができる。電飾駆動回路群190bは、扉装飾駆動基板192から供給される+18Vを、皿ユニット本体320のカラーLED336a及び操作ボタンユニット370のカラーLED375aの発光用電源としている。シリアルパラレル変換IC群190aのシリアルパラレル変換ICの基準電圧である+3.3Vは、トップランプ電飾ユニット200に備えるトップランプ電源基板205から供給されている。
このように、扉装飾駆動基板192に備えるシリアルパラレル変換IC群192dにおける最終段のシリアルパラレル変換IC192dbのデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータ、つまり扉側モータ駆動発光データST−DATが、受皿中継基板190に備えるシリアル変換IC群190aにおける初段のシリアルパラレル変換ICに入力されているため、扉装飾駆動基板192に備えるシリアルパラレル変換IC群192dと、受皿中継基板190に備えるシリアルパラレル変換IC群190aと、は数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成となっている。
なお、シリアルパラレル変換IC群190aの最終段のシリアルパラレル変換ICのデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータは、つまり扉側モータ駆動発光データST−DATは、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、受皿中継基板190と左サイドスピーカ電飾ユニット120Lに備える左サイド装飾基板126Lとの基板間を電気的に接続するハーネスを介して左サイド装飾基板126Lに伝送され、受皿中継基板190からの扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATがそのハーネスを介して左サイド装飾基板126Lに伝送されるようになっている。また、扉装飾駆動基板192からの+18Vは、受皿中継基板190からそのハーネスを介して左サイド装飾基板126Lに供給されるようになっている。
[8−2−3.左サイド装飾基板で取り込むシリアルデータ]
次に、左サイド装飾基板126Lで取り込むシリアルデータについて説明する。受皿中継基板190からの扉側モータ駆動発光データST−DAT、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLK及び扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATは、図178に示すように、左サイド装飾基板126Lに備えるシリアルパラレル変換IC群126Laに入力されている。このシリアルパラレル変換IC群126Laは、上述した扉装飾駆動基板192のシリアルパラレル変換IC群192dと同一構成となっており、8ビットのシリアルパラレル変換ICが複数個数珠繋ぎに電気的に接続されたデイジーチェーン接続されて構成されている。本実施形態では、左サイドスピーカ電飾ユニット120Lには、電飾部122に13系統のカラーLED126a、白色LED126b及びフラッシュライト129aが設けられているため、シリアルパラレル変換IC群126Laは、8ビットのシリアルパラレル変換ICを2つ有するものとして構成されている。
シリアルパラレル変換IC群126Laの初段のシリアルパラレル変換ICは、受皿中継基板190からの扉側モータ駆動発光データST−DATを、受皿中継基板190からの扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、内蔵する8ビットのシフトレジスタに1ビットずつ取り込む。そして、シフトレジスタは、1ビットずつ取り込むごとに、その取り込んだシリアルデータを1ビットずつシフトしてデイジーチェーン接続端子から吐き出すようになっている。このデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータが扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、次段である最終段のシリアルパラレル変換ICへ入力されることにより、その内蔵する8ビットのシフトレジスタに1ビットずつ取り込まれるようになっている。
シリアルパラレル変換IC群126Laのシリアルパラレル変換ICは、受皿中継基板190からの扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATが入力されたことを契機として、内蔵する8ビットのシフトレジスタに取り込んだシリアルデータ(扉側モータ駆動発光データST−DATを構成する、カラーLED126a、白色LED126b及びフラッシュライト129aへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データ)をパラレルデータに変換し、電飾駆動回路群126Lbへ点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力する。これにより、電飾駆動回路群126Lbは、シリアルパラレル変換IC群126Laのシリアルパラレル変換ICからの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号に従って電飾部122のカラーLED126a、白色LED126b及びフラッシュライト129aを点灯したり、点滅したり、階調点灯したりすることができる。電飾駆動回路群126Lbは、受皿中継基板190から供給される+18Vを、電飾部122のカラーLED126a、白色LED126b及びフラッシュライト129aの発光用電源としている。シリアルパラレル変換IC群126Laのシリアルパラレル変換ICの基準電圧である+3.3Vは、トップランプ電飾ユニット200に備えるトップランプ電源基板205から供給されている。
このように、受皿中継基板190に備えるシリアルパラレル変換IC群190aにおける最終段のシリアルパラレル変換ICのデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータ、つまり扉側モータ駆動発光データST−DATが、左サイド装飾基板126Lに備えるシリアル変換IC群126Laにおける初段のシリアルパラレル変換ICに入力されているため、受皿中継基板190に備えるシリアルパラレル変換IC群190aと、左サイド装飾基板126Lに備えるシリアルパラレル変換IC群126Laと、は数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成となっている。
なお、シリアルパラレル変換IC群126Laの最終段のシリアルパラレル変換ICのデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータは、つまり扉側モータ駆動発光データST−DATは、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、左サイド装飾基板126Lとガラスユニット450に備えるガラス装飾中継基板454との基板間を電気的に接続するハーネスを介してガラス装飾中継基板454に伝送され、左サイド装飾基板126Lからの扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATがそのハーネスを介してガラス装飾中継基板454に伝送されるようになっている。また、受皿中継基板190からの+18Vは、左サイド装飾基板126Lからそのハーネスを介してガラス装飾中継基板454に供給されるようになっている。
[8−2−4.ガラス装飾中継基板で取り込むシリアルデータ]
次に、ガラス装飾中継基板454で取り込むシリアルデータについて説明する。左サイド装飾基板126Lからの扉側モータ駆動発光データST−DAT、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLK及び扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATは、図178に示すように、ガラス装飾中継基板454に備えるシリアルパラレル変換IC群454aに入力されている。このシリアルパラレル変換IC群454aは、上述した扉装飾駆動基板192のシリアルパラレル変換IC群192dと同一構成となっており、8ビットのシリアルパラレル変換ICが複数個数珠繋ぎに電気的に接続されたデイジーチェーン接続されて構成されている。本実施形態では、ガラスユニット450には、ユニット枠451に6系統のカラーLED453aが設けられているため、シリアルパラレル変換IC群454aは、8ビットのシリアルパラレル変換ICを1つ有するものとして構成されている。
シリアルパラレル変換IC群454aの初段のシリアルパラレル変換ICは、左サイド装飾基板126Lからの扉側モータ駆動発光データST−DATを、左サイド装飾基板126Lからの扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、内蔵する8ビットのシフトレジスタに1ビットずつ取り込む。そして、シフトレジスタは、1ビットずつ取り込むごとに、その取り込んだシリアルデータを1ビットずつシフトしてデイジーチェーン接続端子から吐き出すようになっている。このデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータが扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、次段である最終段のシリアルパラレル変換ICへ入力されることにより、その内蔵する8ビットのシフトレジスタに1ビットずつ取り込まれるようになっている。
シリアルパラレル変換IC群454aのシリアルパラレル変換ICは、受皿中継基板190からの扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATが入力されたことを契機として、内蔵する8ビットのシフトレジスタに取り込んだシリアルデータ(扉側モータ駆動発光データST−DATを構成する、カラーLED453aへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データ)をパラレルデータに変換し、電飾駆動回路群454bへ点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力する。これにより、電飾駆動回路群454bは、シリアルパラレル変換IC群454aのシリアルパラレル変換ICからの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号に従ってユニット枠451のカラーLED453aを点灯したり、点滅したり、階調点灯したりすることができる。電飾駆動回路群454bは、左サイド装飾基板126Lから供給される+18Vを、ユニット枠451のカラーLED453aの発光用電源としている。シリアルパラレル変換IC群454aのシリアルパラレル変換ICの基準電圧である+3.3Vは、トップランプ電飾ユニット200に備えるトップランプ電源基板205から供給されている。
このように、左サイド装飾基板126Lに備えるシリアルパラレル変換IC群126Laにおける最終段のシリアルパラレル変換ICのデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータ、つまり扉側モータ駆動発光データST−DATが、ガラス装飾中継基板454に備えるシリアル変換IC群454aにおける初段のシリアルパラレル変換ICに入力されているため、左サイド装飾基板126Lに備えるシリアルパラレル変換IC群126Laと、ガラス装飾中継基板454に備えるシリアルパラレル変換IC群454aと、は数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成となっている。
なお、シリアルパラレル変換IC群454aの最終段のシリアルパラレル変換ICのデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータは、つまり扉側モータ駆動発光データST−DATは、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、ガラス装飾中継基板454とトップランプ電飾ユニット200に備える左トップランプ基板206Lとの基板間を電気的に接続するハーネスを介して左トップランプ基板206Lに伝送され、ガラス装飾中継基板454からの扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATがそのハーネスを介して左トップランプ基板206Lに伝送されるようになっている。また、左サイド装飾基板126Lからの+18Vは、ガラス装飾中継基板454からそのハーネスを介して左トップランプ基板206Lに供給されるようになっている。
[8−2−5.左トップランプ基板で取り込むシリアルデータ]
次に、左トップランプ基板206Lで取り込むシリアルデータについて説明する。ガラス装飾中継基板454からの扉側モータ駆動発光データST−DAT、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLK及び扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATは、図179に示すように、左トップランプ基板206Lに備えるシリアルパラレル変換IC群206Laに入力されている。このシリアルパラレル変換IC群206Laは、上述した扉装飾駆動基板192のシリアルパラレル変換IC群192dと同一構成となっており、8ビットのシリアルパラレル変換ICが複数個数珠繋ぎに電気的に接続されたデイジーチェーン接続されて構成されている。本実施形態では、トップランプ電飾ユニット200には、トップランプリフレクタユニット220に18系統のカラーLED224a,226a,231aが設けられているため、シリアルパラレル変換IC群206Laは、8ビットのシリアルパラレル変換ICを3つ有するものとして構成されている。
シリアルパラレル変換IC群206Laの初段のシリアルパラレル変換ICは、ガラス装飾中継基板454からの扉側モータ駆動発光データST−DATを、ガラス装飾中継基板454からの扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、内蔵する8ビットのシフトレジスタに1ビットずつ取り込む。そして、シフトレジスタは、1ビットずつ取り込むごとに、その取り込んだシリアルデータを1ビットずつシフトしてデイジーチェーン接続端子から吐き出すようになっている。このデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータが扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、次段である中段のシリアルパラレル変換ICへ入力されることにより、その内蔵する8ビットのシフトレジスタに1ビットずつ取り込まれ、1ビットずつ取り込むごとに、その取り込んだシリアルデータを1ビットずつシフトしてデイジーチェーン接続端子から吐き出し、このデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータが扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、次段である最終段のシリアルパラレル変換ICへ入力されることにより、その内蔵する8ビットのシフトレジスタに1ビットずつ取り込まれるようになっている。
シリアルパラレル変換IC群206Laのシリアルパラレル変換ICは、ガラス装飾中継基板454からの扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATが入力されたことを契機として、内蔵する8ビットのシフトレジスタに取り込んだシリアルデータ(扉側モータ駆動発光データST−DATを構成する、カラーLED224a,226a,231aへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データ)をパラレルデータに変換し、電飾駆動回路群206Lbへ点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力する。これにより、電飾駆動回路群206Lbは、シリアルパラレル変換IC群206Laのシリアルパラレル変換ICからの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号に従ってトップランプリフレクタユニット220のカラーLED224a,226a,231aを点灯したり、点滅したり、階調点灯したりすることができる。電飾駆動回路群206Lbは、ガラス装飾中継基板454から供給される+18Vを、トップランプリフレクタユニット220のカラーLED224a,226a,231aの発光用電源としている。シリアルパラレル変換IC群206Laのシリアルパラレル変換ICの基準電圧である+3.3Vは、トップランプ電飾ユニット200に備えるトップランプ電源基板205から供給されている。
このように、ガラス装飾中継基板454に備えるシリアルパラレル変換IC群454aにおける最終段のシリアルパラレル変換ICのデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータ、つまり扉側モータ駆動発光データST−DATが、左トップランプ基板206Lに備えるシリアル変換IC群206Laにおける初段のシリアルパラレル変換ICに入力されているため、ガラス装飾中継基板454に備えるシリアルパラレル変換IC群454aと、左トップランプ基板206Lに備えるシリアルパラレル変換IC群206Laと、は数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成となっている。
なお、シリアルパラレル変換IC群206Laの最終段のシリアルパラレル変換ICのデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータは、つまり扉側モータ駆動発光データST−DATは、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、左トップランプ基板206Lとトップランプ電飾ユニット200に備える右トップランプ基板206Rとの基板間を電気的に接続するハーネスを介して右トップランプ基板206Rに伝送され、左トップランプ基板206Lからの扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATがそのハーネスを介して右トップランプ基板206Rに伝送されるようになっている。また、ガラス装飾中継基板454からの+18Vは、左トップランプ基板206Lからそのハーネスを介して右トップランプ基板206Rに供給されるようになっている。
[8−2−6.右トップランプ基板で取り込むシリアルデータ]
次に、右トップランプ基板206Rで取り込むシリアルデータについて説明する。左トップランプ基板206Lからの扉側モータ駆動発光データST−DAT、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLK及び扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATは、図179に示すように、右トップランプ基板206Rに備えるシリアルパラレル変換IC群206Raに入力されている。このシリアルパラレル変換IC群206Raは、上述した扉装飾駆動基板192のシリアルパラレル変換IC群192dと同一構成となっており、8ビットのシリアルパラレル変換ICが複数個数珠繋ぎに電気的に接続されたデイジーチェーン接続されて構成されている。本実施形態では、トップランプ電飾ユニット200には、上述したトップランプリフレクタユニットに18系統のLED224a,226a,231aのほかに、左回転灯ユニット240に3系統のカラーLED248aと、右回転灯ユニット260に3系統のカラーLED268aと、中央回転灯ユニット280に6系統のカラーLED288a,296aと、の計12系統のカラーLEDが設けられているため、シリアルパラレル変換IC群206Raは、8ビットのシリアルパラレル変換ICを2つ有するものとして構成されている。
シリアルパラレル変換IC群206Raの初段のシリアルパラレル変換ICは、左トップランプ基板206Lからの扉側モータ駆動発光データST−DATを、左トップランプ基板206Lからの扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、内蔵する8ビットのシフトレジスタに1ビットずつ取り込む。そして、シフトレジスタは、1ビットずつ取り込むごとに、その取り込んだシリアルデータを1ビットずつシフトしてデイジーチェーン接続端子から吐き出すようになっている。このデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータが扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、次段である最終段のシリアルパラレル変換ICへ入力されることにより、その内蔵する8ビットのシフトレジスタに1ビットずつ取り込まれるようになっている。
シリアルパラレル変換IC群206Raのシリアルパラレル変換ICは、左トップランプ基板206Lからの扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATが入力されたことを契機として、内蔵する8ビットのシフトレジスタに取り込んだシリアルデータ(扉側モータ駆動発光データST−DATを構成する、カラーLED248a,268a,288a,296aへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データ)をパラレルデータに変換し、電飾駆動回路群206Rbへ点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力する。これにより、電飾駆動回路群206Rbは、シリアルパラレル変換IC群206Raのシリアルパラレル変換ICからの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号に従って左回転灯ユニット240のカラーLED248a、右回転灯ユニット260のカラーLED268a、及び中央回転灯ユニット280のカラーLED288a,296aを点灯したり、点滅したり、階調点灯したりすることができる。電飾駆動回路群206Rbは、左トップランプ基板206Lから供給される+18Vを、左回転灯ユニット240のカラーLED248a、右回転灯ユニット260のカラーLED268a、及び中央回転灯ユニット280のカラーLED288a,296aの発光用電源としている。シリアルパラレル変換IC群206Raのシリアルパラレル変換ICの基準電圧である+3.3Vは、トップランプ電飾ユニット200に備えるトップランプ電源基板205から供給されている。
このように、左トップランプ基板206Lに備えるシリアルパラレル変換IC群206Laにおける最終段のシリアルパラレル変換ICのデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータ、つまり扉側モータ駆動発光データST−DATが、右トップランプ基板206Rに備えるシリアル変換IC群206Raにおける初段のシリアルパラレル変換ICに入力されているため、左トップランプ基板206Lに備えるシリアルパラレル変換IC群206Laと、右トップランプ基板206Rに備えるシリアルパラレル変換IC群206Raと、は数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成となっている。
なお、シリアルパラレル変換IC群206Raの最終段のシリアルパラレル変換ICのデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータは、つまり扉側モータ駆動発光データST−DATは、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、右トップランプ基板206Rと右サイドスピーカ電飾ユニット120Rに備える右サイド装飾基板126Rとの基板間を電気的に接続するハーネスを介して右サイド装飾基板126Rに伝送され、右トップランプ基板206Rからの扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATがそのハーネスを介して右サイド装飾基板126Rに伝送されるようになっている。また、左トップランプ基板206Lからの+18Vは、右トップランプ基板206Rからそのハーネスを介して右サイド装飾基板126Rに供給されるようになっている。
[8−2−7.右サイド装飾基板で取り込むシリアルデータ]
次に、右サイド装飾基板126Rで取り込むシリアルデータについて説明する。右トップランプ基板206Rからの扉側モータ駆動発光データST−DAT、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLK及び扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATは、図179に示すように、右サイド装飾基板126Rに備えるシリアルパラレル変換IC群126Raに入力されている。このシリアルパラレル変換IC群126Raは、上述した扉装飾駆動基板192のシリアルパラレル変換IC群192dと同一構成となっており、8ビットのシリアルパラレル変換ICが複数個数珠繋ぎに電気的に接続されたデイジーチェーン接続されて構成されている。本実施形態では、右サイドスピーカ電飾ユニット120Rには、電飾部122に13系統のカラーLED126a、白色LED126b及びフラッシュライト129aが設けられているため、シリアルパラレル変換IC群126Laは、8ビットのシリアルパラレル変換ICを2つ有するものとして構成されている。
シリアルパラレル変換IC群126Raの初段のシリアルパラレル変換ICは、右トップランプ基板206Rからの扉側モータ駆動発光データST−DATを、右トップランプ基板206Rからの扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、内蔵する8ビットのシフトレジスタに1ビットずつ取り込む。そして、シフトレジスタは、1ビットずつ取り込むごとに、その取り込んだシリアルデータを1ビットずつシフトしてデイジーチェーン接続端子から吐き出すようになっている。このデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータが扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して、次段である最終段のシリアルパラレル変換ICへ入力されることにより、その内蔵する8ビットのシフトレジスタに1ビットずつ取り込まれるようになっている。
シリアルパラレル変換IC群126Raのシリアルパラレル変換ICは、右トップランプ基板206Rからの扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATが入力されたことを契機として、内蔵する8ビットのシフトレジスタに取り込んだシリアルデータ(扉側モータ駆動発光データST−DATを構成する、カラーLED126a、白色LED126b及びフラッシュライト129aへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データ)をパラレルデータに変換し、電飾駆動回路群126Rbへ点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力する。これにより、電飾駆動回路群126Rbは、シリアルパラレル変換IC群126Raのシリアルパラレル変換ICからの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号に従って電飾部122のカラーLED126a、白色LED126b及びフラッシュライト129aを点灯したり、点滅したり、階調点灯したりすることができる。電飾駆動回路群126Rbは、右トップランプ基板206Rから供給される+18Vを、電飾部122のカラーLED126a、白色LED126b及びフラッシュライト129aの発光用電源としている。シリアルパラレル変換IC群126Raのシリアルパラレル変換ICの基準電圧である+3.3Vは、トップランプ電飾ユニット200に備えるトップランプ電源基板205から供給されている。
このように、右トップランプ基板206Rに備えるシリアルパラレル変換IC群206Raにおける最終段のシリアルパラレル変換ICのデイジーチェーン接続端子から吐き出されるシリアルデータ、つまり扉側モータ駆動発光データST−DATが、右サイド装飾基板126Rに備えるシリアル変換IC群126Raにおける初段のシリアルパラレル変換ICに入力されているため、右トップランプ基板206Rに備えるシリアルパラレル変換IC群206Raと、右サイド装飾基板126Rに備えるシリアルパラレル変換IC群126Raと、は数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成となっている。
本実施形態では、上述したように、(1)扉装飾駆動基板192に備えるシリアルパラレル変換IC群192dと、受皿中継基板190に備えるシリアルパラレル変換IC群190aと、は数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成となっている点、(2)受皿中継基板190に備えるシリアルパラレル変換IC群190aと、左サイド装飾基板126Lに備えるシリアルパラレル変換IC群126Laと、は数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成となっている点、(3)左サイド装飾基板126Lに備えるシリアルパラレル変換IC群126Laと、ガラス装飾中継基板454に備えるシリアルパラレル変換IC群454aと、は数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成となっている点、(4)ガラス装飾中継基板454に備えるシリアルパラレル変換IC群454aと、左トップランプ基板206Lに備えるシリアルパラレル変換IC群206Laと、は数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成となっている点、(5)左トップランプ基板206Lに備えるシリアルパラレル変換IC群206Laと、右トップランプ基板206Rに備えるシリアルパラレル変換IC群206Raと、は数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成となっている点、そして、(6)右トップランプ基板206Rに備えるシリアルパラレル変換IC群206Raと、右サイド装飾基板126Rに備えるシリアルパラレル変換IC群126Raと、は数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成となっている点によって、扉装飾駆動基板192に備えるシリアルパラレル変換IC群192dから、受皿中継基板190に備えるシリアルパラレル変換IC群190a、左サイド装飾基板126Lに備えるシリアルパラレル変換IC群126La、ガラス装飾中継基板454に備えるシリアルパラレル変換IC群454a、左トップランプ基板206Lに備えるシリアルパラレル変換IC群206La、右トップランプ基板206Rに備えるシリアルパラレル変換IC群206Ra、そして、右サイド装飾基板126Rに備えるシリアルパラレル変換IC群126Raがこのような順番で数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成となっている。
このため、周辺制御基板4139の周辺制御MPU4140aは、扉枠5に備える扉装飾駆動基板192へ扉側モータ駆動発光データST−DATのシリアル通信を行うときには、周辺制御基板4139から最も遠い基板である右サイド装飾基板126Rに備えるシリアルパラレル変換IC群126Raから最も近い基板である扉装飾駆動基板192に備えるシリアルパラレル変換IC群192dの順番となるように、扉側モータ駆動発光データST−DATを作成さいている。具体的には、周辺制御MPU4140aは、右サイド装飾基板126Rに備えるシリアルパラレル変換IC群126Ra用の扉側発光データ、右トップランプ基板206Rに備えるシリアルパラレル変換IC群206Ra用の扉側発光データ、左トップランプ基板206Lに備えるシリアルパラレル変換IC群206La用の扉側発光データ、ガラス装飾中継基板454に備えるシリアルパラレル変換IC群454a用の扉側発光データ、左サイド装飾基板126Lに備えるシリアルパラレル変換IC群126La用の扉側発光データ、受皿中継基板190に備えるシリアルパラレル変換IC群190a用の扉側発光データ、そして扉装飾駆動基板192に備えるシリアルパラレル変換IC群192d用の振動体駆動データ及び回転灯モータ駆動データ、という順番で扉側モータ駆動発光データST−DATを作成している。
また、上述したように、8ビットのシリアルパラレル変換ICは、扉装飾駆動基板192に備えるシリアルパラレル変換IC群192dに2つ、受皿中継基板190に備えるシリアルパラレル変換IC群190aに2つ、左サイド装飾基板126Lに備えるシリアルパラレル変換IC群126Laに2つ、ガラス装飾中継基板454に備えるシリアルパラレル変換IC群454aに1つ、左トップランプ基板206Lに備えるシリアルパラレル変換IC群206Laに3つ、右トップランプ基板206Rに備えるシリアルパラレル変換IC群206Raに2つ、そして、右サイド装飾基板126Rに備えるシリアルパラレル変換IC群126Raに2つであるため、計14個となっている。これにより、シリアルデータである扉側モータ駆動発光データST−DATのビット長は、112ビット(=14個×8ビット)となる。このため、周辺制御基板4139から扉枠5に備えるデイジーチェーン接続された各種基板へシリアル通信を行う場合には、上述したように、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKのビットレートが100kbpsに設定されているため、すべての扉側モータ駆動発光データST−DATを送信完了するための時間は、1.12ミリ秒(ms)(=112÷100kbps)となる。
扉側モータ駆動発光データST−DATには、トップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285への駆動信号を出力するための回転灯モータ駆動データと、メインボタン371の振動体371cへの駆動信号を出力するための振動体駆動データと、が含まれているため、例えば、左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285を高速回転させる場合もあり、周辺制御基板4139の周辺制御MPU4140aは、後述する周辺制御部2ms定常処理において扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATを出力している。つまり、2ms経過するごとに、扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATよって左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285を駆動するパルスが生み出されることとなる。このパルスの幅が2msとなるときに、左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285が最高回転速度に達する。
このように、左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285の回転速度の制御は、周辺制御MPU4140aの周辺制御部2ms定常処理において行われるようになっているが、この2msの期間内に、扉側モータ駆動発光データST−DATを、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期してすべて送信完了しなければならない。ところが、上述したように、扉側モータ駆動発光データST−DATをすべて送信完了するのには、1.12ミリ秒(ms)かかるため、その処理を周辺制御部2ms定常処理で行うと、2msの56%(=1.12ms÷2ms×100)の時間を占めることとなる。つまり、図176に示した、周辺制御MPU4140aの周辺制御CPUコア4140aaが直接、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートを制御して扉側モータ駆動発光データST−DATをすべて送信するまで待機する状態では、扉側モータ駆動発光データST−DATの送信開始から送信完了までにかかる時間、つまり2msの56%もの時間を周辺制御CPUコア4140aaが費やすこととなるため、周辺制御CPUコア4140aaが2ms内で行う他の処理を行うには時間が足りない。
そこで、本実施形態では、図176に示した、周辺制御MPU4140aの周辺制御DMAコントローラ4140acを利用して扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行っている。周辺制御DMAコントローラ4140acは、周辺制御CPUコア4140aaを使わずに、つまり独立してデータを転送する機能であり、転送要求が発生するごとに転送元の1データ(1バイト)を、バス4140ahを介して転送先へデータ転送するものである。周辺制御DMAコントローラ4140ac及び周辺制御CPUコア4140aaは、図176に示した、同じバス4140ahを使用しているものの、周辺制御DMAコントローラ4140acのバス使用権は、周辺制御CPUコア4140aaのバス使用権よりも高く設定されており、周辺制御CPUコア4140aaがバス4140ahを使用していない場合には、周辺制御DMAコントローラ4140acがバス4140ahを使用すると、その使用が終了するまで、周辺制御DMAコントローラ4140acによるバス4140ahの使用が優先されるようになっている。このような方式を「サイクルスチール方式」という。本実施形態では、このサイクルスチール方式を採用することにより、転送要求が発生してから8ビットのデータ転送を完了するまでの動作を高速に行うことできるようになっている。
このようなサイクルスチール方式を採用することで、周辺制御DMAコントローラ4140acは、転送要求が発生するごとに、バス4140ahを介して、図176に示した、転送元である周辺制御内蔵RAM4140abの扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbにセットされた扉側モータ駆動発光データST−DATの1データ(1バイト)を、転送先である扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファに転送して書き込む。具体的には、まず、周辺制御CPUコア4140aaは、作成した112ビット長を有する(14バイトを有する)扉側モータ駆動発光データST−DATを、バス4140ahを介して、周辺制御内蔵RAM4140abの扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbにセットする。周辺制御CPUコア4140aaは、周辺制御DMAコントローラ4140acの要求要因に扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートの送信を指定し、扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbの先頭アドレスに格納された扉側モータ駆動発光データST−DATのうちの最初の1バイト(つまり、右サイド装飾基板126Rに備えるシリアルパラレル変換IC群126Raのうちの最終段のシリアルパラレル変換IC用の扉側発光データ)を、バス4140ahを介して、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファに転送して書き込む。扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファのデータを送信レジスタに転送し、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して送信レジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。周辺制御DMAコントローラ4140acは、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファに書き込まれた1バイトのデータが送信レジスタに転送され、その送信バッファに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4140aaがバス4140ahを使用していない場合に、扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbに格納された残り13バイトの扉側モータ駆動発光データST−DATを1バイトずつ、バス4140ahを介して、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファに転送して書き込むことで、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファのデータを送信レジスタに転送し、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して送信レジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。そして、周辺制御DMAコントローラ4140acは、扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbに格納されたすべての扉側モータ駆動発光データST−DATを、バス4140ahを介して、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファに転送して書き込みを完了すると、周辺制御DMAコントローラ4140acのバス使用権が周辺制御MPU4140aのバス使用権に返ることとなる。
なお、本実施形態では、周辺制御CPUコア4140aaによる周辺制御DMAコントローラ4140acの要求要因をセットするのに4サイクルのバス使用時間が必要となるものの、この4サイクルというバス使用時間は、周辺制御MPU4140aに入力されている外部クロックの周波数が22メガヘルツ(MHz)であるため、約182(=4サイクル÷22MHz)ナノ秒(ns)となる。このように、周辺制御CPUコア4140aaは、上述した直接、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートを制御する場合と異なり、周辺制御部2ms定常処理において、この2msのうち、約182nsである約9%(=182ns÷2ms×100)という極めて低い率でバス4140ahを使用することとなり、2ms内で他の処理を行うのに十分な時間を確保することができる。また、周辺制御CPUコア4140aaは、上述したように、112ビット長を有する(14バイトを有する)扉側モータ駆動発光データST−DATを、バス4140ahを介して、周辺制御内蔵RAM4140abの扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbにセットしたのち、残りの13バイトの扉側モータ駆動発光データST−DATを1バイトずつ、つまり13回、周辺制御DMAコントローラ4140acが、バス4140ahを介して、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファに転送して書き込んでいるため、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートの連続送信における周辺制御DMAコントローラ4140acによるバス4140ahの使用時間が約2.37(=約182ns×13回)マイクロ秒(μs)となる。つまり、この約2.37μsという時間は、周辺制御CPUコア4140aaが直接、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートを制御して扉側モータ駆動発光データST−DATをすべて送信するまで待機する状態における扉側モータ駆動発光データST−DATの送信開始から送信完了までにかかる時間(1.12ms)と比べて極めて短くなっている。
また、本実施形態では、遊技盤4に備える周辺制御基板4139と、扉枠5に備える扉装飾駆動基板192と、の基板間をシリアル方式によるデータ転送を行っているため、周辺制御基板4139から、扉枠5に備える、皿ユニット300、左サイドスピーカ電飾ユニット120L、ガラスユニット450、トップランプ電飾ユニット200及び右サイドスピーカ電飾ユニット120Rへの各種制御信号を、ハーネスを介して個別に伝送する場合と比べると、図85に示した枠用基板ホルダ1101に形成された配線用開口部1124、そして図62に示した本体枠3に形成された配線用開口部537に通すハーネスの本数を極めて少なくすることができる。扉枠5を本体枠3から開放して再び閉鎖する場合には、ハーネスが引っ張り出された状態から奥へ強制的に押し込まれることで屈曲した状態となってそのハーネスによる反力が発生するものの、ハーネスの本数が極めて少なくなることによって、その反力も抑制されるため、扉枠5を本体枠3に閉鎖する際に、扉枠5が徐々に重たくなったと、ホールの店員等の作業者に感じさせることがない。また、ハーネスの本数が極めて少なくなることによって(本実施形態では、扉側モータ駆動発光データST−DAT、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLK、及び扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATの3本)、ハーネスが他のハーネスに隠れて視認困難とならないため、ホールの店員等の作業者は、各ハーネスが扉枠5と本体枠3との間に挟まれないよう、各ハーネスの位置を確認しながら、扉枠5を本体枠3に閉鎖することができる。したがって、各ハーネスが扉枠5と本体枠3との間に挟まれて断線するのを防止することができる。
ところで、扉装飾駆動基板192に対して、受皿中継基板190、左サイド装飾基板126L、ガラス装飾中継基板454、左トップランプ基板206L、右トップランプ基板206R、及び右サイド装飾基板126Rの各基板と、個別にハーネスを介して電気的に接続されている場合には、各基板からのハーネスが扉装飾駆動基板192に集中するため、扉装飾駆動基板192の周辺ではハーネスが複数入り乱れた状態となり、ハーネスを見ても、どの基板が扉装飾駆動基板192と電気的に接続されているのか、直ちに判別することが困難である。また、各基板から扉装飾駆動基板192までに亘るハーネスを引き回すための空間を扉枠5に設ける必要があるが、ハーネスを複数束ねる部分では、その空間を大きく形成しすぎると、図7に示した、遊技領域605を遊技者が視認し得る遊技窓101の外形が小さくなって遊技領域605の外周の一部を覆い被さることとなる。つまり、扉枠5に電飾等を複数設けて魅力ある発光演出等を行うとすると、電飾等への制御信号を伝えるハーネスの本数が増えるため、扉枠5には、ハーネスを引き回すための空間を、ハーネスを複数束ねる部分で大きく形成する必要があり、遊技窓101の外形を小さくせざるを得ない。したがって、遊技領域605の全体に散りばめた電飾等を用いる場合など、遊技領域605の全体に亘って遊技者に魅力ある演出を行う場合には、遊技領域605の大きさを小さくすれば、扉枠5に設ける電飾等の数を増やすことができる一方、遊技領域605の大きさを大きくすれば、扉枠5に設ける電飾等の数を減らす必要があるという、遊技領域605の大きさと、扉枠5に設ける電飾等の数と、の関係が相反する関係となっている。
これに対して、本実施形態では、扉装飾駆動基板192から、受皿中継基板190、左サイド装飾基板126L、ガラス装飾中継基板454、左トップランプ基板206L、右トップランプ基板206R、そして、右サイド装飾基板126Rがこのような順番で数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成となっているため、扉装飾駆動基板192に対して、扉枠5に備える基板からは、受皿中継基板190からのハーネスのみが電気的に接続された状態であって、左サイド装飾基板126L、ガラス装飾中継基板454、左トップランプ基板206L、右トップランプ基板206R、及び右サイド装飾基板126Rの各基板からのハーネスが個別に直接、電気的に接続されていない。これにより、各基板からのハーネスが扉装飾駆動基板192に集中することがないため、扉装飾駆動基板192の周辺ではハーネスが複数入り乱れた状態とならない。これは、各基板間を電気的に接続するハーネスについても同様である。つまり、扉装飾駆動基板192と受皿中継基板190との基板間はハーネスにより電気的に接続され、この受皿中継基板190と左サイド装飾基板126Lとの基板間はハーネスにより電気的に接続され、この左サイド装飾基板126Lとガラス装飾中継基板454との基板間はハーネスにより電気的に接続され、このガラス装飾中継基板454と左トップランプ基板206Lとの基板間はハーネスにより電気的に接続され、この左トップランプ基板206Lと右トップランプ基板206Rとの基板間はハーネスにより電気的に接続され、そして、この右トップランプ基板206Rと右サイド装飾基板126Rとの基板間はハーネスにより電気的に接続されているため、ハーネスを見れば、どの基板間を電気的に接続するハーネスであるのか、直ちに判別することができる。
また、扉装飾駆動基板192から、受皿中継基板190、左サイド装飾基板126L、ガラス装飾中継基板454、左トップランプ基板206L、右トップランプ基板206R、そして、右サイド装飾基板126Rがこのような順番で数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成では、各基板間を電気的に接続するハーネスを複数束ねる部分が存在しないため、扉枠5に形成する、ハーネスを引き回すための空間を最小限の大きさで済む。つまり、扉装飾駆動基板192から、受皿中継基板190、左サイド装飾基板126L、ガラス装飾中継基板454、左トップランプ基板206L、右トップランプ基板206R、そして、右サイド装飾基板126Rがこのような順番で数珠繋ぎに電気的に接続されてデイジーチェーン接続された構成では、扉枠5に極めて多くの電飾等を設けて魅力ある発光演出等を行っても、これに伴って電飾等への制御信号を伝えるハーネスの本数が増えることがないため(1本のハーネスには、少なくとも、扉側モータ駆動発光データST−DAT、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLK、及び扉側モータ駆動発光ラッチ信号ST−LATの3つの信号配線と固定であり)、各基板間を電気的に接続するハーネスを複数束ねる部分が存在せず、扉枠5に、ハーネスを引き回すための空間を最小限の大きさで形成することができる。例えば、左サイド装飾基板126Lは、その受信側が受皿中継基板190と1本のハーネスを介して電気的に接続され、その送信側がガラス装飾中継基板454と1本のハーネスを介して電気的に接続されているため、扉枠5に極めて多くの遊技演出用の各種電気部材を設けて魅力ある演出を行っても、これに伴って左サイド装飾基板126Lの受信側及び送信側のハーネスの本数を増やす必要はなく、左サイド装飾基板126Lにおけるシリアルパラレル変換IC群126Laのシリアルパラレル変換ICを増設することで対応することができるため、左サイド装飾基板126Lの受信側及び送信側を1本のハーネスでそれぞれ扉側モータ駆動発光データST−DATを伝送することができる。つまり、左サイド装飾基板126Lの受信側及び送信側には、ハーネスを複数束ねる部分が存在せず、扉枠5に、ハーネスを引き回すための空間を最小限の大きさで形成することができる。これは、扉装飾駆動基板192、受皿中継基板190、ガラス装飾中継基板454、左トップランプ基板206L、右トップランプ基板206R等についても事情は変わらない。これにより、遊技領域605の大きさと、扉枠5に設ける電飾等の数と、の関係が相反する関係が成立することはなく、遊技領域605の大きさを大きく形成するとともに、極めて多くの電飾等を扉枠5に設けることができる。したがって、遊技領域605の大きさにかかわらず、電飾等を扉枠5に複数設けることができる。
なお、本実施形態では、扉側モータである、トップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285と、メインボタン371の振動体371cと、が扉装飾駆動基板192からの駆動信号によって駆動されるようになっており、扉装飾駆動基板192が扉側モータを駆動するための専用基板と位置付けられている。このように、扉側モータが扉装飾駆動基板192からの駆動信号によって駆動されるため、扉側モータ駆動発光データST−DATを構成する、トップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285への駆動信号を出力するための回転灯モータ駆動データと、メインボタン371の振動体371cへの駆動信号を出力するための振動体駆動データと、が並んだ配列となる。これにより、プログラム作成者は、周辺制御MPU4140aが作成した扉側モータ駆動発光データST−DATの内容を確認する際に、扉側モータ駆動発光データST−DATを構成する、回転灯モータ駆動データ及び振動体駆動データと、扉側に設けられた各種カラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、を容易に判別することができる。換言すれば、プログラム作成者は、周辺制御MPU4140aが作成した扉側モータ駆動発光データST−DATの内容に意図しないデータが含まれていたときには、まず、扉側モータに関するデータ、又は扉側に設けられた各種カラーLED等に関するデータのいずれに問題が生じているのかを、大きなグループで判別することができるため、問題解決の糸口となって早期解決とつながる。
[9.主制御基板の送受信に関する各種コマンド]
次に、主制御基板4100から払出制御基板1186へ送信される各種コマンドと、主制御基板4100から周辺制御基板4139へ送信される各種コマンドについて説明する。まず、主制御基板4100から払出制御基板1186へ送信される払い出しに関するコマンドである賞球コマンドについて説明し、続いて主制御基板4100から周辺制御基板4139へ送信される各種コマンドについて説明し、主制御基板4100が受信する払出制御基板1186からの各種コマンドについて説明する。図180は主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図181は主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図182は図181の主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドのつづきを示すテーブルであり、図183は主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドの一例を示すテーブルである。
[9−1.主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンド]
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図172に示した、一般入賞口センサ2014,2014、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2012、及びカウントセンサ2013等の各種入賞センサからの検出信号が入力されると、これらの検出信号に基づいて、予め定めた球数の遊技球を賞球として払い出すための賞球コマンドを払出制御基板へ送信する。この賞球コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドである。本実施形態では、パチンコ遊技機1とCRユニット(パチンコ遊技機と通信して、パチンコ遊技機(賞球ユニット)の払出モータを駆動して貯留皿に貸球として遊技球を払い出す装置)とが電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ遊技機を「CR機」という。)、図180(a)に示すように、主制御基板4100から払出制御基板1186に送信する賞球コマンドには、コマンド10H〜コマンド1EH(「H」は16進数を表す。)が用意されており、コマンド10Hでは賞球1個が指定され、コマンド11Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド1EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板1186は、払出モータ815を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
また、パチンコ遊技機1と球貸し機(遊技球を貯留皿に貸球として直接払い出す装置)とが遊技場(ホール)に隣接して設置され、パチンコ遊技機1と球貸し機が電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ遊技機を「一般機」という。)、図180(b)に示すように、主制御基板4100から払出制御基板1186に送信する賞球コマンドには、コマンド20H〜コマンド2EHが用意されており、コマンド20Hでは賞球1個が指定され、コマンド21Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド2EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板1186は、払出モータ815を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
なお、CR機及び一般機の共通のコマンドとして、図180(c)に示すように、コマンド30Hが用意されており、このコマンド30Hではセルフチェックが指定されている。送信側は、コマンド送信後、所定期間、受信側からコマンドの受け取り確認として出力するACK信号が入力されない場合に、コマンド30Hを送信して、ACK信号が入力されるか否かをチェックすることで接続状態を確認する。本実施形態におけるCR機の場合では、払出制御基板1186がCRユニットとの接続状態を確認する。
[9−2.主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンド]
次に、主制御基板4100から周辺制御基板4139へ送信される各種コマンドについて説明する。主制御基板4100の主制御MPU4100aは、遊技の進行に基づいて周辺制御基板4139に各種コマンドを送信する。これらの各種コマンドは、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、図181及び図182に示すように、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、から構成されている。
各種コマンドは、図181及び図182に示すように、特図1同調演出関連、特図2同調演出関連、大当り関連、電源投入、普図同調演出関連、普通電役演出関連、報知表示、状態表示、及びその他に区分されている。
[9−2−1.特図1同調演出関連]
特図1同調演出関連は、図172に示した第一始動口センサ2011からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図181に示すように、図172に示した機能表示基板640aの第一特別図柄表示器641に関する、特図1同調演出開始、特別図柄1指定、特図1同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「A*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図1同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄1指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図1同調演出終了コマンドは、特図1同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図1同調演出開始コマンドは、特別図柄1変動開始時に送信され、特別図柄1指定コマンドは、特図1同調演出開始の直後に送信され、特図1同調演出終了コマンドは、特別図柄1変動時間経過時(特別図柄1確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、特図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[9−2−2.特図2同調演出関連]
特図2同調演出関連は、図172に示した第二始動口センサ2012からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図181に示すように、図172に示した機能表示基板640aの第二特別図柄表示器642に関する、特図2同調演出開始、特別図柄2指定、及び特図2同調演出終了という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「B*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図2同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄2指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図2同調演出終了は、特図2同調演出終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図2同調演出開始コマンドは、特別図柄2変動開始時に送信され、特別図柄2指定コマンドは、特図2同調演出開始の直後に送信され、特図2同調演出終了コマンドは、特別図柄2変動時間経過時(特別図柄2確定時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[9−2−3.大当り関連]
大当り関連という区分には、図181に示すように、大当りオープニング、大入賞口1開放N回目表示、大入賞口1閉鎖表示、大入賞口1カウント表示、大当りエンディング、大当り図柄表示、小当りオープニング、小当り開放表示、小当りカウント表示、及び小当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「C*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始を指示するものであり、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放中開始(図104に示した、アタッカユニット2000の大入賞口2003のN回目のラウンドの開放中又は開放開始)を指示するものであり、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、ラウンド間の大入賞口1閉鎖中開始(アタッカユニット2000の大入賞口2003のラウンド間の閉鎖中又は閉鎖開始)を指示するものであり、大入賞口1カウント表示コマンドは、カウント0〜10個をカウントした旨(図172に示したカウントセンサ2013によって検出された、大入賞口2003に入球した遊技球の球数)を伝えるものであり、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始を指示するものであり、大当り図柄表示コマンドは、大当り図柄情報表示を指示するものである。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始を指示するものであり、小当り開放表示コマンドは、小当り開放中開始(小当り時における、アタッカユニット2000の大入賞口2003の開放中又は開放開始)を指示するものであり、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞演出(小当り中における、大入賞口2003に入球した遊技球がカウントセンサ2013によって検出された場合における演出)を指示するものであり、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始時に送信され、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放時(アタッカユニット2000の大入賞口2003のN回目のラウンドの開放時)に送信され、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、大入賞口1閉鎖時(アタッカユニット2000の大入賞口2003の閉鎖開始)に送信され、大入賞口1カウント表示コマンドは、大入賞口1開放時及び大入賞口1へのカウント変化時(アタッカユニット2000の大入賞口2003の開放時、及び大入賞口2003に入球した遊技球がカウントセンサ2013によって検出された時)に送信され、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始時に送信され、大当り図柄表示コマンドは、大入賞口開放時(アタッカユニット2000の大入賞口2003の開放時)に送信される。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始時に送信され、小当り開放表示コマンドは、小当り開放時(小当り時における、アタッカユニット2000の大入賞口2003の開放時)に送信され、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞時(小当り中における、大入賞口2003に入球した遊技球がカウントセンサ2013によって検出された時)に送信され、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[9−2−4.電源投入]
電源投入という区分には、図181に示すように、電源投入という名称の各種コマンドから構成されている。この電源投入コマンドには、ステータスとして「D*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
電源投入コマンドは、RAMクリア演出開始及びそれぞれの状態演出開始を指示するものである(例えば、図172に示したRAMクリアスイッチ624aが操作された時における演出の開始を指示したりするものである)。
電源投入コマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ遊技機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、RAMクリアスイッチ624aが操作されたときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で電源投入コマンドが送信される。
[9−2−5.普図同調演出関連]
普図同調演出関連は、図172に示したゲートセンサ2202からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図181に示すように、図172に示した機能表示基板640aの普通図柄表示器645に関する、普図同調演出開始、普図柄指定、普図同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「E*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで普図同調演出開始を指示するものであり、普図柄指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、普図同調演出終了コマンドは、普図同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図同調演出開始コマンドは、普通図柄1変動開始時に送信され、普図柄指定コマンドは、普図同調演出開始の直後に送信され、普図同調演出終了コマンドは、普通図柄変動時間経過時(普通図柄確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、普図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[9−2−6.普通電役演出関連]
普通電役演出関連は、図172に示した始動口ソレノイド2015の駆動により開閉される図104に示した一対の可動片2005に関するものであり、その区分には、図181に示すように、普図当りオープニング、普電開放表示、及び普図当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「F*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始を指示するものであり、普電開放表示コマンドは、普電開放中開始(一対の可動片2005が始動口ソレノイド2015の駆動により左右方向へ拡開した状態、又は拡開する時)を指示するものであり、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始時に送信され、普電開放表示コマンドは、普電開放時(一対の可動片2005が始動口ソレノイド2015の駆動により左右方向へ拡開する時)に送信され、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[9−2−7.報知表示]
報知表示の区分には、図182に示すように、入賞異常表示、接続異常表示、断線・短絡異常表示、磁気センサ異常表示、扉開放、及び扉閉鎖という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「6*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時(大当り中でもないのに、アタッカユニット2000の大入賞口2003に遊技球が入球してその遊技球をカウントセンサ2013が検出した時に入賞異常報知の開始を指示するものであり、接続異常表示コマンドは、例えば、主制御基板4100と払出制御基板1186との基板間に亘る経路において電気的な接続異常がある場合に接続異常報知の開始を指示するものであり、断線・短絡異常表示コマンドは、例えば、主制御基板4100と、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2012、カウントセンサ2013等との電気的な接続の断線・短絡が生じた場合に断線・短絡異常表示の開始を指示するものであり、磁気センサ異常表示コマンドは、図172に示した磁気センサ3345に異常が生じた場合に磁気センサ異常報知の開始を指示するものである。
また、扉開放コマンドは、図172に示した、払出制御基板1186を介して入力される扉開放スイッチ4133及び本体枠開放スイッチ4134からの検出信号(開放信号)に基づいて、本体枠3が外枠2に対して開放された状態である場合や、扉枠5が本体枠3に対して開放された状態である場合に、扉開放報知を指示するものであり、扉閉鎖コマンドは、その扉開放スイッチ4133及び本体枠開放スイッチ4134からの検出信号に基づいて、本体枠3が外枠2に対して閉鎖された状態であるとともに、扉枠5が本体枠3に対して閉鎖された状態である場合に扉開放報知終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時に送信され、接続異常表示コマンドは、主制御基板4100から払出制御基板1186へのコマンド送信時に払出制御基板1186からのACK返信(ACK信号)がなかった時に送信され、断線・短絡異常表示コマンドは、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2012、カウントセンサ2013等のうち、いずれが断線または短絡状態となった時に送信され、磁気センサ異常表示コマンドは、磁気センサ3345の異常を検知した時に送信され、扉開放コマンドは、扉開放を検知した時(扉開放スイッチ4133及び本体枠開放スイッチ4134からの検出信号に基づいて、本体枠3が外枠2に対して開放された状態である場合や、扉枠5が本体枠3に対して開放された状態である場合)に送信され、扉閉鎖コマンドは、扉閉鎖を検知した時(扉開放スイッチ4133及び本体枠開放スイッチ4134からの検出信号に基づいて、本体枠3が外枠2に対して閉鎖された状態であるとともに、扉枠5が本体枠3に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[9−2−8.状態表示]
状態表示の区分には、図182に示すように、枠状態1、エラー解除ナビ、及び枠状態2という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「7*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドは、払出制御基板1186から送信されたコマンドであり、これらの詳細な説明は、後述する。なお、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、払出制御基板1186からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、図181に示すように、「7*H」をステータスとして設定するとともに、その受信したコマンドをそのままモードとして設定する。つまり、主制御MPU4100aは、払出制御基板1186からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、これら受信したコマンドに付加情報である「7*H」を付加することにより、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドに整形する。
整形された、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これら整形された、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[9−2−9.テスト関連]
テスト関連の区分には、図182に示すように、テストという名称の各種コマンドから構成されている。このテストコマンドには、ステータスとして「8*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
テストコマンドは、周辺制御基板4139の各種検査を指示するものである(例えば、図173に示した、音源IC4140c、液晶制御部4150、上ランプ駆動基板3366、下ランプ駆動基板3365、及び扉装飾駆動基板192等の各種基板の検査を行うものである)。
テストコマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ遊技機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、RAMクリアスイッチ624aが操作されたときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理でテストコマンドが送信される。
[9−2−10.その他]
その他の区分には、図182に示すように、始動口入賞、変動短縮作動終了指定、高確率終了指定、特別図柄1記憶、特別図柄2記憶、普通図柄記憶、特別図柄1記憶先読み演出、及び特別図柄2記憶先読み演出という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「9*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ遊技機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
始動口入賞コマンドは、始動口入賞演出開始を指示するものであって、第一始動口センサ2011からの検出信号に基づいて第一始動口2001に遊技球が入球した場合における演出の開始と、第二始動口センサ2012からの検出信号に基づいて第二始動口2002に遊技球が入球した場合における演出の開始と、をそれぞれ指示するものであり、変動短縮作動終了指定コマンドは、変動短縮作動状態から変動短縮非作動状態への状態移行を指示するものであり、高確率終了指定コマンドは、高確率状態から低確率状態への状態移行を指示するものであり、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1保留0〜4個(図104に示した第一始動口2001に遊技球が入球して機能表示基板640aの第一特別図柄表示器641で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2保留0〜4個(図104に示した第二始動口2002に遊技球が入球して機能表示基板640aの第二特別図柄表示器642で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1保留0〜4個(図103に示したゲート部材2200のゲート2201を遊技球が通過して機能表示基板640aの普通図柄表示器645で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1保留が機能表示基板640aの第一特別図柄表示器641で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄1保留に基づく第一特別図柄表示器641による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものであり、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2保留が機能表示基板640aの第二特別図柄表示器642で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄2保留に基づく第二特別図柄表示器642による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、始動口入賞コマンドは、始動口入賞時(第一始動口センサ2011からの検出信号に基づいて第一始動口2001に遊技球が入球した時や、第二始動口センサ2012からの検出信号に基づいて第二始動口2002に遊技球が入球した時)に、図17及び図19に示したサイドスピーカ121や図37に示した下部スピーカ391から主に音声でその旨を報知するために送信され、変動短縮作動終了指定コマンドは、規定回数の変動短縮を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、高確率終了指定コマンドは、「高確率N回」の場合の高確率回数を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1作動保留球数変化時(第一始動口2001に遊技球が入球して機能表示基板640aの第一特別図柄表示器641で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第一始動口2001に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第一特別図柄表示器641で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2作動保留球数変化時(第二始動口2002に遊技球が入球して機能表示基板640aの第二特別図柄表示器642で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第二始動口2002に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第二特別図柄表示器642で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1作動保留球数変化時(ゲート部材2200のゲート2201を遊技球が通過して機能表示基板640aの普通図柄表示器645で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらにゲート部材2200のゲート2201を遊技球が通過して保留数が増加した時や、その保留数から普通図柄表示器645で普通図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1作動保留球数増加時(第一始動口2001に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信され、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2作動保留球数増加時(第二始動口2002に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
ところで、始動口入賞コマンドは、上述したように、始動口入賞時(第一始動口センサ2011からの検出信号に基づいて第一始動口2001に遊技球が入球した時や、第二始動口センサ2012からの検出信号に基づいて第二始動口2002に遊技球が入球した時)に、サイドスピーカ121や下部スピーカ391から主に音声でその旨を報知するために送信されるが、図173に示した周辺制御基板4139が始動口入賞コマンドをどのように利用するかについては、パチンコ遊技機の仕様によって異なる場合もある。例えば、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、サイドスピーカ121や下部スピーカ391から音声で報知するほかに、後述するように、不正行為の有無を監視するためにも利用するという仕様のものであるのに対して、他のパチンコ遊技機1’では、周辺制御基板4139’が始動口入賞コマンドを単に受信するだけで、サイドスピーカ121’や下部スピーカ391’から音声で報知しない仕様のものもある。
[9−3.主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンド]
次に、主制御基板4100が受信する払出制御基板1186からの各種コマンドについて説明する。
払出制御基板1186からの各種コマンドの区分には、図183に示すように、枠状態1、エラー解除ナビ及び枠状態2という名称のコマンドから構成されており、枠状態1、エラー解除ナビ、そして枠状態2の順で優先順位が設定されている。
枠状態1コマンドには、球切れ、満タン、50個以上のストック中、接続異常及びCR未接続が用意されており、球切れではビット0(B0、「B」はビットを表す。)に値1がセットされ、満タンではビット1(B1)に値1がセットされ、50個以上のストック中ではビット2(B2)に値1がセットされ、接続異常ではビット3(B3)に値1がセットされ、CR未接続ではビット4(B4)に値1がセットされる。枠状態1コマンドのビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B5に値1、B6に値0、そしてB7に値0がセットされている。
エラー解除ナビコマンドには、球がみ、計数スイッチエラー及びリトライエラーが用意されており、球がみではビット2(B2)に値1がセットされ、計数スイッチエラーではビット3(B3)に値1がセットされ、リトライエラーではビット4(B4)に値1がセットされる。ここで、「計数スイッチエラー」とは、計数スイッチ812の不具合が生じているか否かを示すものである。「リトライエラー」とは、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球の払い出しが繰り返し行われたことを示すものである。エラー解除ナビコマンドのビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B5に値0、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
枠状態2コマンドには、球抜き中が用意されており、球抜き中ではビット0(B0)に値1がセットされる。枠状態2コマンドのビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B5に値1、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS360のコマンド送信処理で送信される。
[10.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ遊技機1の遊技の進行に応じて主制御基板4100が行う各種制御処理について、図184〜図193を参照して説明する。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理、特別図柄及び特別電動役物制御処理、特別図柄変動待ち処理について説明する。図184は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図185は図184の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図186は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図187は特別図柄及び特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートであり、図188は図187の特別図柄及び特別電動役物制御処理のつづきを示すフローチャートであり、図189は始動口入賞時処理の一例を示すフローチャートであり、図190は記憶先読み処理の一例を示すフローチャートであり、図191は図190の記憶先読み処理のつづきを示すフローチャートであり、図192は特別図柄変動待ち処理の一例を示すフローチャートであり、図193は特別図柄変動表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
[10−1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数と、この大当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための大当り判定用初期値決定用乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのリーチ判定用乱数と、図172に示した、第一特別図柄表示器641及び第二特別図柄表示器642で変動表示される特別図柄の変動表示パターンの決定に用いるための変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに第一特別図柄表示器641及び第二特別図柄表示器642で導出表示される大当り図柄の決定に用いるための大当り図柄用乱数と、この大当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための大当り図柄用初期値決定用乱数、小当り遊技状態を発生させるときに第一特別図柄表示器641及び第二特別図柄表示器642で導出表示される小当り図柄の決定に用いるための小当り図柄用乱数、この小当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための小当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、図104に示した可動片2005を開閉動作させるか否かの決定に用いるための普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数と、図172に示した普通図柄表示器645で変動表示される普通図柄の変動表示パターンの決定に用いるための普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
ここで、大当り判定用乱数の範囲について説明する。大当り判定用乱数は、値0〜値32767の範囲を更新され、非確変時においては、大当り範囲は、値32668〜値32767に設定されている。また予備範囲は、その上限値が大当り範囲の非確変下限値ORG−NV−LOWの値(値32668)より1つ小さい値32667と連続する値に設定されており、その範囲が値32667〜値32665に設定されている。このように、非確変時における、「予備範囲」+「大当り範囲」が値32265〜値32767まで連続する値となっている。また、確変時においては、大当り範囲は、値32438〜値32767に設定されている。また予備範囲は、その上限値が大当り範囲の確変下限値ORG−PV−LOWの値(値32438)より1つ小さい値32437と連続する値に設定されており、その範囲が値32437〜値32435に設定されている。このように、確変時における、「予備範囲」+「大当り範囲」が値32435〜値32767まで連続する値となっている。なお、本実施形態では、大当り範囲の上限値ORG−V−UPPは、大当り判定用乱数の範囲の上限値(値32767)と同値となるように設定されている。
[10−2.主制御側電源投入時処理]
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図184及び図185に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御MPU4100aは、スタックポインタの設定を行う(ステップS10)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS10では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS10に続いて、図174に示した停電監視回路4100dに停電クリア信号の出力を開始する(ステップS12)。この停電監視回路4100dは、電圧比較回路と、DタイプフリップフロップICと、から構成されている。電圧比較回路は、+18Vとリファレンス電圧との電圧を比較したり、+9Vとリファレンス電圧との電圧を比較したりすることで、その比較結果を出力する。この比較結果は、停電又は瞬停が生じていない場合ではその論理がHIとなってDタイプフリップフロップICのプリセット端子であるPR端子に入力される一方、停電又は瞬停が生じた場合ではその論理がLOWとなってDタイプフリップフロップICのプリセット端子であるPR端子に入力されるようになっている。ステップS12では、このDタイプフリップフロップICのクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を開始する。この停電クリア信号は、主制御I/Oポート4100bを介して、その論理がLOWとなってクリア端子に入力される。これにより、主制御MPU4100aは、DタイプフリップフロップICのラッチ状態を解除することができ、ラッチ状態をセットするまでの間、DタイプフリップフロップICのプリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する状態とすることができ、その1Q端子からの信号を監視することができる。
ステップS12に続いて、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS14)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS16)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路4100dから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると停電監視回路4100dから停電予告信号が入力される。そこで、ステップS14のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS16の判定でその停電予告信号が入力されているか否かの判定を行っている。この判定では、停電予告信号として、上述したDタイプフリップフロップICの出力端子である1Q端子から出力されている信号に基づいて行う。
ステップS16に続いて、DタイプフリップフロップICのクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を停止する(ステップS18)。この停電クリア信号の出力を停止することで、主制御I/Oポート4100bを介して、その論理がHIとなってクリア端子であるCLR端子に入力される。これにより、主制御MPU4100aは、DタイプフリップフロップICをラッチ状態にセットすることができる。DタイプフリップフロップICは、そのプリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチすると、出力端子である1Q端子から停電予告信号を出力する。
ステップS18に続いて、図172に示したRAMクリアスイッチ624aが操作されているか否かを判定する(ステップS20)。この判定は、主制御基板4100のRAMクリアスイッチ624aが操作され、その操作信号(検出信号)が主制御MPU4100aに入力されているか否かにより行う。検出信号が入力されているときにはRAMクリアスイッチ624aが操作されていると判定しする一方、検出信号が入力されていないときにはRAMクリアスイッチ624aが操作されていないと判定する。
ステップS20でRAMクリアスイッチ624aが操作されているときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットし(ステップS22)、一方、ステップS20でRAMクリアスイッチ624aが操作されていないときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS24)。このRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報を消去するか否かを示すフラグであり、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS22及びステップS24でセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU4100aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS22又はステップS24に続いて、ウェイトタイマ処理2を行う(ステップS26)。このウェイトタイマ処理2では、図173に示した、周辺制御基板4139の液晶制御部4150による液晶表示装置1400の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。例えば、図173に示した液晶制御ROM4150bから圧縮された各種の制御プログラムを読み出して、同図に示した液晶制御MPU4150aに内蔵されたRAMに展開して記憶する。本実施形態では、ブートするまでの時間(ブートタイマ)として2秒(s)が設定されている。
ステップS26に続いて、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS28)。上述したように、RAMクリア報知フラグRCL−FLGは、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS28でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0であるとき、つまり遊技情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS30)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS30に続いて、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS32)。一致しているときには、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS34)。このバックアップフラグBK−FLGは、遊技情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等のバックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS34でバックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したときには、復電時として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS36)。この設定は、バックアップフラグBK−FLGに値0をセットするほか、主制御MPU4100aに内蔵されたROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。ここで「復電時」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態に加えて、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、高周波が照射されたことを検出してリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS36に続いて、電源投入時コマンド作成処理を行う(ステップS38)。この電源投入時コマンド作成処理では、バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。
一方、ステップS28でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり遊技情報を消去するときには、又はステップS32でチェックサムの値(サム値)が一致していないときには、又はステップS34でバックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS40)。具体的には、値0を主制御内蔵RAMに書き込むことよって行う(なお、初期値として主制御内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい)。これにより、例えば、上述した、大当り判定用乱数や初期値更新型のカウンタ等の値に初期値0をセットする。
ステップS40に続いて、初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS42)。この設定は、主制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS42に続いて、RAMクリア報知及びテストコマンド作成処理を行う(ステップS44)。このRAMクリア報知及びテストコマンド作成処理では、主制御内蔵RAMをクリアして初期設定を行った旨を報知するための図181に示した電源投入に区分される電源投入コマンドを作成するとともに、周辺制御基板4139の各種検査を行うための図182に示したテスト関連に区分されるテストコマンドを作成して、送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域にそれぞれ記憶する。
ステップS38又はステップS44に続いて、割り込み初期設定を行う(ステップS46)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では4msに設定されている。
ステップS46に続いて、割り込み許可設定を行う。(ステップS48)。この設定によりステップS46で設定した割り込み周期、つまり4msごとに主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS48に続いて、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Aをセットする(ステップS50)。このウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS50に続いて、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS52)。この判定では、停電監視回路4100dからの停電予告信号に基づいて行う。パチンコ遊技機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりすると、電圧が停電予告電圧より小さくなり、停電監視回路4100dから停電予告として停電予告信号が入力される。
ステップS52で停電予告信号の入力がないときには非当落乱数更新処理を行う(ステップS54)。この非当落乱数更新処理では、上述した、大当り判定用初期値決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。例えば、大当り判定用乱数を更新するカウンタは、上述した初期値更新型のカウンタであり、大当り判定用乱数の下限値から上限値までの範囲(値0〜値32767の範囲)を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算される(カウントアップする)。このカウンタは、非当落乱数更新処理により大当り判定用初期値決定用乱数が設定(更新)されると、この大当り判定用初期値決定用乱数から上限値(値32767)までカウントアップし、続いて下限値(値0)から大当り判定用初期値決定用乱数までカウントアップする。そして再び非当落乱数更新処理により大当り判定用初期値決定用乱数が更新される。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数を更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。普通図柄当り判定用乱数等は、上述した大当り判定用乱数の更新方法と同一であり、その説明を省略する。
ステップS54に続いて、再びステップS50に戻り、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Aをセットし、ステップS52で停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS54で非当落乱数更新処理を行い、ステップS50〜ステップS54を繰り返し行う。なお、このステップS50〜ステップS54の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS52で停電予告信号の入力があったときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS56)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、遊技情報の書き換えを保護している。
ステップS56に続いて、停電クリア信号を、主制御I/Oポート4100bを介して停電監視回路4100dのDタイプフリップフロップICのクリア端子であるCLR端子に出力したり、図172に示した、始動口ソレノイド2015、アタッカソレノイド2016、第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第2特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648等に出力している駆動信号を停止する(ステップS58)。停電クリア信号が出力されることによりDタイプフリップフロップICはラッチ状態を解除することができる。
ステップS58に続いて、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS60)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、主制御内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS60に続いて、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする。(ステップS62)、これによりバックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS62に続いて、ウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS64)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。
ステップS64に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、主制御MPU4100aにリセットがかかり、その後主制御MPU4100aは、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS56〜ステップS64の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
パチンコ遊技機1(主制御MPU4100a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS32では主制御内蔵RAMに記憶されているバックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS34では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主制御内蔵RAMに記憶されているバックアップ情報を2重にチェックすることによりバックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[10−3.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図184及び図185に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図186に示すように、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Bをセットする(ステップS70)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)のステップS50においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS70に続いて、割り込みフラグのクリアを行う(ステップS72)。この割り込みフラグがクリアされることにより割り込み周期が初期化され、次の割り込み周期がその初期値から計時される。
ステップS72に続いて、スイッチ入力処理を行う(ステップS74)。このスイッチ入力処理では、主制御I/Oポート4100bの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、図172に示した、サイド入賞口部材2100に設けられた4つの一般入賞口2101のうち上側2つの一般入賞口2101に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ2014からの検出信号、サイド入賞口部材2100に設けられた4つの一般入賞口2101のうち下側2つの一般入賞口2101に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ2014からの検出信号、大入賞口2003に入球した遊技球を検出するカウントセンサ2013からの検出信号、第一始動口2001に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ2011からの検出信号、第二始動口2002に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ2012からの検出信号、ゲート部材2200のゲート2201を通過した遊技球を検出するゲートセンサ2202からの検出信号、磁石を用いた不正行為を検出する磁気センサ3345からの検出信号や後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを図172に示した払出制御基板1186が正常に受信した旨を伝える払出制御基板1186からのACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。また、第一始動口2001に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ2011からの検出信号、第二始動口2002に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ2012からの検出信号をそれぞれ読み取ると、これと対応する図182に示したその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。つまり、第一始動口センサ2011からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるし、第二始動口センサ2012からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるようになっている。なお、本実施形態では、一般入賞口2101に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ2014からの検出信号、一般入賞口2101に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ2014からの検出信号、大入賞口2003に入球した遊技球を検出するカウントセンサ2013からの検出信号、第一始動口2001に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ2011からの検出信号、第二始動口2002に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ2012からの検出信号、及びゲート2201を通過した遊技球を検出するゲートセンサ2202からの検出信号は、このスイッチ入力処理が開始されると、まず1回目としてそれぞれ読み取られ、所定時間(例えば、10μs)経過した後、2回目としてそれぞれ再び読み取られる。そして、この2回目に読み取られた結果と、1回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを判定する。同結果でないものについては、さらに、3回目として再び読み取られ、この3回目に読み取られた結果と、2回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果でないものについては、さらに、4回目として再び読み取られ、この4回目に読み取られた結果と、3回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果とならいものについては、遊技球の入球がないものとして扱う。このように、スイッチ入力処理では、一般入賞口センサ2014,2014、カウントセンサ2013、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2012、及びゲートセンサ2202からの検出信号を、1回目〜3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目〜4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避することができるため、一般入賞口センサ2014,2014、カウントセンサ2013、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2012、及びゲートセンサ2202からの検出信号の信頼性を高めることができる。
ステップS74に続いて、タイマ減算処理を行う(ステップS76)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って第一特別図柄表示器641及び第二特別図柄表示器642が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器645が点灯する時間のほかに、主制御基板4100(主制御MPU4100a)が送信した各種コマンドを払出制御基板1186が正常に受信した旨を伝えるACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS76に続いて、当落乱数更新処理を行う(ステップS78)。この当落乱数更新処理では、上述した、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図185に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS54の非当落乱数更新処理で更新される、大当り判定用初期値決定用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。これらの大当り判定用初期値決定用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている(なお、本実施形態では、大当り判定用初期値決定用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数を、図185に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS54の非当落乱数更新処理、及び本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS78の当落乱数更新処理でそれぞれ更新しているが、割り込みタイマが発生するごとに本ルーチンの処理時間にムラが生じて次の割り込みタイマが発生するまでの残り時間内において主制御側メイン処理を繰り返し実行することによりステップS54の非当落乱数更新処理の実行回数がランダムとなる場合には、大当り判定用初期値決定用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数をステップS54の非当落乱数更新処理においてのみ更新する仕組みとしてもよい)。これに対して、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数は、当落判定(大当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。例えば、大当り判定用乱数を更新するカウンタは、大当り判定用乱数の下限値から上限値までの範囲を、主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとにカウントアップする。このカウンタは、大当り判定用初期値決定用乱数から上限値までをカウントアップし、続いて下限値から大当り判定用初期値決定用乱数までをカウントアップする。大当り判定用乱数の下限値から上限値までの範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により大当り判定用初期値決定用乱数は更新される(この大当り判定用初期値決定用乱数は上述した非当落乱数更新処理でも更新される)。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。普通図柄当り判定用乱数等は、上述した大当り判定用乱数の更新方法と同一であり、その説明を省略する。
ステップS78に続いて、賞球制御処理を行う(ステップS80)。この賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出すための図180に示した賞球コマンドを作成したり、主制御基板4100と払出制御基板1186との基板間の接続状態を確認するための図180に示したセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを払出制御基板1186に送信する。例えば、図104に示した大入賞口2003に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成して払出制御基板1186に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板1186が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板4100と払出制御基板1186との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板1186に送信したりする。
ステップS80に続いて、枠コマンド受信処理を行う(ステップS82)。払出制御基板1186は、図183に示した状態表示に区分される1バイト(8ビット)の各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を送信する。ステップS82の枠コマンド受信処理では、この各種コマンドを正常に受信すると、その旨を払出制御基板1186に伝える情報を、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、その正常に受信したコマンドを2バイト(16ビット)のコマンドに整形し(図182の状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド))、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS82に続いて、不正行為検出処理を行う(ステップS84)。この不正行為検出処理では、賞球に関する異常状態を確認する。例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合にカウントセンサ2013からの検出信号が入力されているとき(大入賞口2003に遊技球が入球するとき)等には、異常状態として図182に示した報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS84に続いて、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS86)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、上述した大当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り範囲内(例えば、大当り範囲として、非確変時では、非確変下限値ORG−NV−LOW(値32668)から上限値ORG−V−UPP(値32767)までに亘る範囲に設定されているのに対して、確変時では、確変下限値ORG−PV−LOW(値32438)から上限値ORG−V−UPP(値32767)までに亘る範囲に設定されている。)の値であるか否かを判定(大当り遊技状態を発生させるか否かを判定)したり、大当り図柄用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている確変当り判定の範囲内の値であるか否かを判定(確率変動を発生させるか否かの判定)したり等する。これらの判定結果が第一始動口センサ2011によるものである場合には図181に示した特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、その抽選結果が第二始動口センサ2012によるものである場合には図181に示した特図2同調演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するするとともに、その決定した特別図柄の変動表示パターンに従って第一特別図柄表示器641又は第二特別図柄表示器642を点灯させるよう第一特別図柄表示器641又は第二特別図柄表示器642への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには、図181に示した大当り関連に区分される各種コマンド(大当りオープニングコマンド、大入賞口1開放N回目表示コマンド、大入賞口1閉鎖表示コマンド、大入賞口1カウント表示コマンド、大当りエンディングコマンド、及び大当り図柄表示コマンド)を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶したり、開閉部材2006を開閉動作させるようアタッカソレノイド2016への駆動信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、大入賞口2003が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回であるときには、2ラウンド表示ランプ648aを点灯させるよう2ラウンド表示ランプ648aへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、ラウンドが15回であるときには、15ラウンド表示ランプ648bを点灯させるよう15ラウンド表示ランプ648bへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、確率変動の発生の有無を所定の色で点灯させるよう遊技状態表示器647への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したりする。
ステップS86に続いて、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS88)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいてゲート入賞処理を行う。このゲート入賞処理では、入力情報からゲートセンサ2202からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出してゲート情報として主制御内蔵RAMのゲート情報記憶領域に記憶する。
このゲート情報記憶領域には、第0区画〜第3区画(4つの区画)が設けられており、第0区画、第1区画、第2区画、そして第3区画の順にゲート情報が格納されるようになっている。例えばゲート情報がゲート情報記憶の第0区画〜第2区画に格納されている場合、ゲートセンサ2202からの検出信号が入力端子に入力されていたときにはゲート情報をゲート情報記憶の第3区画に格納する。
ゲート情報はゲート情報記憶の第0区画に格納されているものが主制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。このゲート情報がセットされると、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画に、ゲート情報記憶の第3区画のゲート情報がゲート情報記憶の第2区画に、それぞれシフトされてゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。例えば、ゲート情報記憶の第1区画〜第2区画にゲート情報が記憶されている場合には、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画にそれぞれシフトされてゲート情報記憶の第2区画及びゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。ここで、ゲート情報記憶の第1区画〜の第3区画にゲート情報が格納されていると、格納されたゲート情報の総数を保留球として普通図柄記憶表示器646を点灯させるよう、上述したゲート情報に基づいて普通図柄記憶表示器646の点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ゲート入賞処理に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされたゲート情報を読み出し、この読み出したゲート情報から普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」という)。この判定結果(普通抽選による抽選結果)により可動片2005を開閉動作させるか否かが決定する。この決定と対応する普通図柄の変動表示パターンを上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、図181に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄の変動表示パターンに従って普通図柄表示器645を点灯させるよう普通図柄表示器645への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、例えばその取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致しているときには、図181に示した普通電役演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、可動片2005を開閉動作させるよう始動口ソレノイド2015への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定し、図181に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器645を点灯させるよう普通図柄表示器645への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS88に続いて、ポート出力処理を行う(ステップS90)。このポート出力処理では、主制御I/Oポート4100bの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。例えば、出力情報に基づいて出力端子から、払出制御基板1186からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板1186に出力したり、大当り遊技状態であるときには大入賞口2003の開閉部材2006の開閉動作を行うアタッカソレノイド2016に駆動信号を出力したり、可動片2005の開閉動作を行う始動口ソレノイド2015に駆動信号を出力したりするほかに、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力情報、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板1186に出力したりする。
ステップS90に続いて、周辺制御基板コマンド送信処理を行う(ステップS92)。この周辺制御基板コマンド送信処理では、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を周辺制御基板4139に送信する。この送信情報には、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理で作成した、図181に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図182に示した、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドが記憶されている。
ステップS92に続いて、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Cをセットする(ステップS94)。ステップS94でウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Cがセットされることにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、ステップS70においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS94に続いて、レジスタの切替(復帰)を行い(ステップS96)、このルーチンを終了する。ここで、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御MPU4100aは、ハード的に汎用レジスタの内容をスタックに積んで退避する。これにより、主制御側メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。ステップS96では、スタックに積んで退避した内容を読み出し、もとのレジスタに書き込む。なお、主制御MPU4100aは、ステップS96による復帰の後に割り込み許可の設定を行う。
[10−4.特別図柄及び特別電動役物制御処理]
次に、特別図柄及び特別電動役物制御処理について、図187を参照して説明する。この特別図柄及び特別電動役物制御処理は、図186に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS86で実行されるものである。
特別図柄及び特別電動役物制御処理が開始されると、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図187に示すように、図172に示した第一始動口センサ2011からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS100)。この判定は、図186に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS74のスイッチ入力処理で第一始動口センサ2011からの検出信号の有無を読み取って主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶した入力情報に基づいて行う。ステップS100では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して第一始動口センサ2011からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS100で入力情報に第一始動口センサ2011からの検出信号があるときには、第一始動口センサ2011と対応する図182に示したその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し(ステップS102)、図104に示した第一始動口2001に遊技球が入球したことを示す値を主制御内蔵RAMの始動口識別領域に格納し(ステップS104)、始動口入賞時処理を行う(ステップS106)。この始動口入賞時処理では、その詳細な説明は後述するが、上述した各種乱数の取得等を行う。なお、始動口識別領域に記憶される値等は、上述した遊技情報であり、図185に示した主制御側電源断時処理においてバックアップされる。
ステップS106に続いて、又は、ステップS100で入力情報に第一始動口センサ2011からの検出信号がないときには、図172に示した第二始動口センサ2012からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS108)。この判定は、主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS74のスイッチ入力処理で第二始動口センサ2012からの検出信号の有無を読み取って主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶した入力情報に基づいて行う。ステップS108では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して第二始動口センサ2012からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS108で入力情報に第二始動口センサ2012からの検出信号があるときには、第二始動口センサ2012と対応するその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し(ステップS110)、図104に示した第二始動口2002に遊技球が入球したことを示す値を主制御内蔵RAMの始動口識別領域に格納し(ステップS112)、始動口入賞時処理を行う(ステップS114)。
ステップS114に続いて、又は、ステップS108で入力情報に第二始動口センサ2012からの検出信号がないときには、遊技の進行に応じて実行される分岐処理の種類が指定された遊技進行状態変数の値を調べる(ステップS116)。この遊技進行状態変数は、主制御内蔵RAMの遊技進行状態記憶領域に記憶されており、遊技の進行に応じて実行された各分岐処理において更新される。ステップS116では、遊技進行状態記憶領域に記憶されている遊技進行状態変数の値に基づいて指定された分岐処理へと移行し、その分岐処理を終えると、このルーチンを終了する。なお、遊技進行状態記憶領域に記憶される遊技進行状態変数の値等は、遊技情報であり、主制御側電源断時処理においてバックアップされる。
ステップS116では、遊技進行状態変数の値に基づいて、分岐処理として、特別図柄変動待ち処理(ステップS118)、特別図柄変動中処理(ステップS120)、特別図柄大当り判定処理(ステップS122)、特別図柄はずれ停止処理(ステップS124)、特別図柄大当り停止処理(ステップS126)、大入賞口開放前インターバル処理(ステップS128)、大入賞口開放処理(ステップS130)、大入賞口閉鎖中処理(ステップS132)、又は大入賞口開放終了インターバル処理(ステップS134)を行う。
ステップS118の特別図柄変動待ち処理では、図104に示した第一始動口2001や第二始動口2002に遊技球が入球したことに基づいて、図169に示した、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642における特別図柄の変動表示を開始させる処理等を行う。
ステップS120の特別図柄変動中処理では、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642における特別図柄の変動表示を開始させる処理等を行う。
ステップS122の特別図柄大当り判定処理では、第一始動口2001や第二始動口2002に遊技球が入球したことに基づいて、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定等を行う。
ステップS124の特別図柄はずれ停止処理では、大当り遊技状態を発生させない場合に第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642における特別図柄の変動表示を停止させてその旨を報知する処理等を行う。
ステップS126の特別図柄大当り停止処理では、大当り遊技状態を発生させる場合に第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642における特別図柄の変動表示を停止させてその旨を報知する処理等を行う。
ステップS128の大入賞口開放前インターバル処理では、大当り遊技状態を発生させて大当り動作が開始される旨を報知するための処理等を行う。
ステップS130の大入賞口開放処理では、図104に示した、開閉部材2006を閉じた状態から開いた状態とすることにより大入賞口2003に遊技球が入球容易とする大当り動作に関する処理等を行う。
ステップS132の大入賞口閉鎖中処理では、開閉部材2006を開いた状態から閉じた状態とすることにより大入賞口2003に遊技球が入球困難とする大当り動作に関する処理等を行う。
ステップS134の入賞口開放終了インターバル処理では、大当りに動作が終了したか否かを判定して終了しているときにはその旨を報知する処理等を行う。
[10−4−1.始動口入賞時処理]
次に、始動口入賞時処理について、図189を参照して説明する。この始動口入賞時処理は、図187に示した特別図柄及び特別電動役物制御処理におけるステップS106又はステップS114で実行されるものである。
始動口入賞時処理が開始されると、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図189に示すように、制御データとして第二始動口入賞時制御データテーブルをセットする(ステップS140)。この第二始動口入賞時制御データテーブルは、図104に示した第二始動口2002に入球した遊技球が図172に示した第二始動口センサ2012で検出されたことに基づいて、遊技の進行に使用される上述した各種乱数が第二始動記憶情報として格納されるデータテーブルであり、主制御内蔵RAMの始動口入賞時制御データ記憶領域に記憶される。第二始動口入賞時制御データテーブルは、複数の第二始動記憶情報を区画して管理しており、第二始動記憶情報が格納されている区画の総数で第二始動口2002に入球した遊技球が未だ遊技の進行に使用されていない特別図柄2作動保留球数を把握することができるようになっている。本実施形態では、第二始動口入賞時制御データテーブルに第二始動記憶情報が格納される区画の総数は、第0区画から第3区画までの計4個に設定されている。なお、始動口入賞時制御データ記憶領域に記憶されるデータテーブルの情報等は、上述した遊技情報であり、図185に示した主制御側電源断時処理においてバックアップされる。
ステップS140に続いて、第二始動口センサ2012からの検出信号が入力されているか否かの判定を行う(ステップS142)。この判定は、図187に示した特別図柄及び特別電動役物制御処理におけるステップS104又はステップS112の処理で主制御内蔵RAMの始動口識別領域に格納されている値に基づいて行う。ステップS142では、この始動口識別領域から値を読み出して第二始動口センサ2012からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS142で第二始動口センサ2012からの検出信号がないときには、制御データとして第一始動口入賞時制御データテーブルをセットする(ステップS144)。この第一始動口入賞時制御データテーブルは、図104に示した第一始動口2001に入球した遊技球が図172に示した第一始動口センサ2011で検出されたことに基づいて、遊技の進行に使用される上述した各種乱数が第一始動記憶情報として格納されるデータテーブルであり、上述した始動口入賞時制御データ記憶領域に記憶される。第一始動口入賞時制御データテーブルは、複数の第一始動記憶情報を区画して管理しており、第一始動記憶情報が格納されている区画の総数で第一始動口2001に入球した遊技球が未だ遊技の進行に使用されていない特別図柄1作動保留球数を把握することができるようになっている。本実施形態では、第一始動口入賞時制御データテーブルに第一始動記憶情報が格納される区画の総数は、第0区画から第3区画までの計4個に設定されている。
ステップS144に続いて、又は、ステップS142で第二始動口センサ2012からの検出信号があるときには、制御データから特別図柄*作動保留球数を取得する(ステップS146)。特別図柄*作動保留球数の「*」は、ステップS144に続いてステップS146を行う場合には、ステップS144で制御データに第一始動口入賞時データテーブルがセットされているため、この第一始動口入賞時データテーブルにおける第一始動記憶情報が格納されている区画の総数で特別図柄1作動保留球数を取得するという意味であるのに対して、ステップS142で第二始動口センサ2012からの検出信号があるときに続いてステップS146を行う場合には、ステップS140で制御データに第二始動口入賞時データテーブルがセットされているため、この第二始動口入賞時データテーブルにおける第二始動記憶情報が格納されている区画の総数で特別図柄2作動保留球数を取得するという意味である。つまりステップS146では、特別図柄1作動保留球数、又は特別図柄2作動保留球数を取得する。
ステップS146で取得した特別図柄1作動保留球数、又は特別図柄2作動保留球数が値4以上であるか否かを判定する(ステップS148)。この値4は、第一始動口入賞時制御データテーブルに第一始動記憶情報が格納される区画の総数と、第二始動口入賞時制御データテーブルに第二始動記憶情報が格納される区画の総数と、が本実施形態においてそれぞれ設定されている値と同値である。ステップS148では、特別図柄1作動保留球数、又は特別図柄2作動保留球数に基づいて、第一始動口入賞時制御データテーブルに第一始動記憶情報を格納するための空き区画が残っているか否か、又は、第二始動口入賞時制御データテーブルに第二始動記憶情報を格納するための空き区画が残っているか否か、を判定する。
ステップS148で特別図柄1作動保留球数、又は特別図柄2作動保留球数が値4以上でない(値4未満である)とき、つまり第一始動口入賞時制御データテーブルに第一始動記憶情報を格納するための空き区画が残っているときには、又は、第二始動口入賞時制御データテーブルに第二始動記憶情報を格納するための空き区画が残っているときには、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、及び小当り図柄用乱数を取得して制御データに格納する(ステップS150)。このステップS150では、制御データに第一始動口入賞時データテーブルがセットされている場合には、取得した各種乱数を第一始動記憶情報として第一始動口入賞時データテーブルに格納するのに対して、制御データに第二始動口入賞時データテーブルがセットされている場合には、取得した各種乱数を第二始動記憶情報として第二始動口入賞時データテーブルの空き区画に格納する。例えば、ステップS150では、制御データに第一始動口入賞時データテーブルがセットされている場合において、ステップS148の判定で特別図柄1作動保留球数が値2であるとき、つまり第一始動口入賞時制御データテーブルの第0区画〜第1区画まで既に第一始動記憶情報が格納されている場合には、第一始動口入賞時制御データテーブルの第1区画に続く第2区画及び第3区画が空き区画となっているため、この第1区画に続く第2区画に、ステップS150で取得した大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、及び小当り図柄用乱数を格納するようになっている。このように、ステップS150では、第一始動口入賞時制御データテーブルの第0区画〜第3区画、又は第二始動口入賞時制御データテーブルの第0区画〜第3区画までに空き区画が複数存在する場合に、区画番号が小さいものに、取得した大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、及び小当り図柄用乱数を格納するようになっている。
ステップS150に続いて、特別図柄保留識別履歴更新処理を行う(ステップS152)。この特別図柄保留識別履歴更新処理では、第一始動口入賞時データテーブルに格納された第一始動記憶情報と、第二始動口入賞時データテーブルに格納された第二始動記憶情報と、が互いにどのような順番で格納されたのか、その順番の履歴を作成して始動口識別履歴情報として主制御内蔵RAMの保留識別履歴記憶領域に格納する。
ステップS152に続いて、記憶先読み処理を行い(ステップS154)、このルーチンを終了する。この記憶先読み処理では、その詳細な説明は後述するが、その処理が開始されると、この時点において未だ遊技の進行に使用されていないステップS150で取得した各種乱数に基づいて演出の種類を決定して行うことにより、その取得した各種乱数が実際に遊技の進行に使用される遊技演出を行う以前からその取得した各種乱数に関する情報(例えば、大当りやリーチはずれ)を遊技者に報知する。換言すれば、記憶先読み処理では、その未だ遊技の進行に使用されていないステップS150で取得した各種乱数を先読みして先読み演出の種類を決定し、その取得した各種乱数が実際に遊技の進行に使用される遊技演出を行う以前から決定した先読み演出を実施することにより、その取得した各種乱数に関する情報を遊技者に報知する。
一方、ステップS148で特別図柄1作動保留球数が値4以上であるとき、つまり特別図柄1作動保留球数第一始動口入賞時制御データテーブルに第一始動記憶情報を格納するための空き区画が残っていないとき、又は特別図柄2作動保留球数が値4以上であるとき、つまり第二始動口入賞時制御データテーブルに第二始動記憶情報を格納するための空き区画が残っていないときには、そのままこのルーチンを終了する。
なお、本実施形態では、始動口入賞時処理が開始されると、まず、ステップS140で制御データとして第二始動口入賞時制御データテーブルをセットしてから、ステップS142で第二始動口センサ2012からの検出信号の有無を判定し、この判定において、第二始動口センサ2012からの検出信号がないときには、ステップS144で制御データとして第一始動口入賞時制御データテーブルをセットするという流れ(フロー)となっている。つまり、第二始動口センサ2012からの検出信号の有無を判定し、この判定後に2つのフローに分岐して制御データとして、第一始動口入賞時制御データテーブル、又は第二始動口入賞時制御データテーブルをセットするというフローとなっていない。これは、パチンコ遊技機1が遊技球の静電放電によるノイズの影響を極めて受けやすい環境下にあり、主制御基板4100が遊技の進行を制御するための重要な制御基板の1つであるため、ノイズ対策の一環である。仮に、遊技球の静電放電によるノイズの影響をたまたま第二始動口センサ2012からの検出信号の有無を判定している際に受けてこの判定がスキップされると、この判定後の2つのフローに分岐することができなくなって制御データとして、第一始動口入賞時制御データテーブル及び第二始動口入賞時制御データテーブルのいずれもセットすることができなくなり、第一始動記憶情報又は第二始動記憶情報が格納されないという、遊技者にとって不利な状態となる。これに対して本実施形態では、ステップS142の判定で遊技球の静電放電によるノイズの影響をたまたま受けたとしても、ステップS140で制御データとして第二始動口入賞時制御データテーブルが既にセットされるため、少なくとも、第二始動記憶情報として格納されることにより、遊技者にとって不利な状態とならない。
また、本実施形態では、ステップS152の特別図柄保留識別履歴更新処理において、第一始動口入賞時データテーブルに格納された第一始動記憶情報と、第二始動口入賞時データテーブルに格納された第二始動記憶情報と、が互いにどのような順番で格納されたのか、その順番の履歴を作成しているが、この作成した履歴を利用して遊技の進行に用いる仕様となっている他のパチンコ遊技機と処理の共通化を図るために導入されている。なお、本実施形態では、後述するように、第二始動記憶情報を第一始動記憶情報よりも優先して遊技の進行に用いる仕様となっているため、ステップS152で作成した履歴に基づいて第二始動記憶情報や第一始動記憶情報を遊技の進行に用いないものの、後述する特別図柄変動待ち処理において、その作成した履歴に第一始動記憶情報や第二始動記憶情報が格納されている否かの判定に用いている。
[10−4−2.記憶先読み処理]
次に記憶先読み処理について、図190及び図191を参照して説明する。この記憶先読み処理は、図189に示した始動口入賞時処理におけるステップS154で実行されるものである。記憶先読み処理では、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数の値に基づいて先読み演出の実施の当選、落選を判定して先読み演出の決定を行う。このとき、大当り判定用乱数は、上述した主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り範囲を参照して比較するものではなく、大当り範囲と同一の範囲が予め設定された抽選判定範囲を主制御内蔵ROMから参照するようになっている。つまり主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り範囲は、図188に示した特別図柄及び特別電動役物制御処理におけるステップS118の特別図柄変動待ち処理において参照されるようになっているのに対して、主制御内蔵ROMに予め記憶されている抽選判定範囲は、本ルーチンである記憶先読み処理において参照されるようになっている。非確変時においては、抽選判定範囲は、大当り範囲と同様に、値32668〜値32767に設定されている。非確変下限値NV−LOWは、大当り範囲の非確変下限値ORG−NV−LOWの値(値32668)と同一の値であり、抽選判定範囲の上限値V−UPPは、大当り範囲の上限値ORG−V−UPP(大当り判定用乱数の範囲の上限値(値32767))と同一の値となっている。また、抽選判定範囲と連続する予備範囲については、その上限値が抽選判定範囲の非確変下限値NV−LOWの値(値32668)より1つ小さい値32667と連続する値に設定されており、その範囲が値32667〜値32665に設定されている。このように、非確変時における、「予備範囲」+「抽選判定範囲」が値32265〜値32767まで連続する値となっている。また、確変時においては、抽選判定範囲は、大当り範囲と同様に、値32438〜値32767に設定されている。確変下限値PV−LOWは、大当り範囲の確変下限値ORG−PV−LOWの値(値32438)と同一の値であり、抽選判定範囲の上限値V−UPPは、大当り範囲の上限値ORG−V−UPP(大当り判定用乱数の範囲の上限値(値32767))と同一の値となっている。また、抽選判定範囲と連続する予備範囲については、その上限値が抽選判定範囲の確変下限値PV−LOWの値(値32438)より1つ小さい値32437と連続する値に設定されており、その範囲が値32437〜値32435に設定されている。このように、確変時における、「予備範囲」+「抽選判定範囲」が値32435〜値32767まで連続する値となっている。
記憶先読み処理が開始されると、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図190及び図191に示すように、第二始動口センサ2012からの検出信号が入力されているか否かの判定を行う(ステップS160)。この判定は、図187に示した特別図柄及び特別電動役物制御処理におけるステップS104又はステップS112の処理で主制御内蔵RAMの始動口識別領域に格納されている値に基づいて行う。ステップS160では、この始動口識別領域から値を読み出して第二始動口センサ2012からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS160で第二始動口センサ2012からの検出信号がないときには、時短中であるか否かを判定する(ステップS162)。この判定は、図188に示した特別図柄及び特別電動役物制御処理におけるステップS118の特別図柄変動待ち処理において設定された遊技情報に基づいて行う。この遊技情報は、上述したように、主制御内蔵RAMに格納されている。ステップS162では、主制御内蔵RAMに格納されている遊技情報に基づいて、時短フラグの値を取得してパチンコ遊技機1の遊技状態として時短遊技状態が発生している状態であるか否かを判定する。
ステップS162で非時短であるときには、大当り中であるか否かを判定する(ステップS164)。この判定は、特別図柄及び特別電動役物制御処理におけるステップS118の特別図柄変動待ち処理において設定された遊技情報に基づいて行う。ステップS162では、主制御内蔵RAMに格納されている遊技情報に基づいて、大当りフラグの値を取得してパチンコ遊技機1の遊技状態として大当り遊技状態が発生している(大当り中である)か否かを判定する。
ステップS164で大当り中であるとき、又はステップ160で第二始動口センサ2012からの検出信号があるときには、制御データから大当り判定用乱数を取得する(ステップS166)。この制御データは、始動口入賞時処理におけるステップS140でセットされた第二始動口入賞時データテーブル、又はステップS144でセットされた第一始動口入賞時データテーブルである。ステップS166では、始動口入賞時処理におけるステップS150において、第一始動口入賞時制御データテーブルの第0区画〜第3区画、又は第二始動口入賞時制御データテーブルの第0区画〜第3区画までに空き区画が複数存在する場合に、区画番号が小さいものに、格納した各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、及び小当り図柄用乱数)から大当り判定用乱数を取得する。例えば、ステップS150で、第一始動口入賞時制御データテーブルの第2区画に、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、及び小当り図柄用乱数を格納した場合には、この第2区画に格納された大当り判定用乱数を取得する。
ステップS166に続いて、確変フラグの値に基づいて、パチンコ遊技機1の遊技状態に確率変動が発生している状態であるか否かを判定する(ステップS168)。この判定は、特別図柄及び特別電動役物制御処理におけるステップS118の特別図柄変動待ち処理において設定された遊技情報に基づいて行う。ステップS162では、主制御内蔵RAMに格納されている遊技情報に基づいて、確変フラグの値を取得してパチンコ遊技機1の遊技状態に確率変動が発生している状態であるか否かを判定する。
ステップS168で確変フラグの値が非確変を示すものであるとき、つまりパチンコ遊技機1に確率変動が発生していない状態であるとき(非確変時)には、ステップS166で取得した大当り判定用乱数が非確変下限値NV−LOW以上であるか否かを判定する(ステップS170)。
一方、ステップS168で確変フラグの値が確変を示すものであるとき、つまりパチンコ遊技機1に確率変動が発生している状態であるとき(確変時)には、ステップS166で取得した大当り判定用乱数が確変下限値PV−LOW以上であるか否かを判定する(ステップS174)。
ステップS170で大当り判定用乱数が非確変下限値NV−LOW以上であるとき、又は、ステップS172で大当り判定用乱数が確変下限値PV−LOW以上であるときには、大当り判定用乱数が上限値V−UPP以上であるか否かを判定する(ステップS174)。本実施形態では、パチンコ遊技機1の遊技状態に、確率変動が発生している状態と、確率変動が発生していない状態と、の2つフローに分岐させて、大当り判定用乱数の下限値の判定を行っているのに対して、大当り判定用乱数の上限値の判定では、上限値V−UPPという共通値を用いている。なお、確変下限値PV−LOWは、非確変下限値NV−LOWより大きくて上限値V−UPPより小さい値に設定されている。つまり非確変下限値NV−LOW<確変下限値PV−LOW<上限値V−UPPという関係を有している。
ステップS174で大当り判定用乱数が上限値V−UPP以上でない(未満である)ときには、つまり大当り判定用乱数が抽選判定範囲内であるときには、先読み演出の実施に当選したものとして、制御データから大当り図柄用乱数を取得する(ステップS176)。この制御データは、上述したように、始動口入賞時処理におけるステップS140でセットされた第二始動口入賞時データテーブル、又はステップS144でセットされた第一始動口入賞時データテーブルである。ステップS176では、ステップS166と同様に、始動口入賞時処理におけるステップS150において、第一始動口入賞時制御データテーブルの第0区画〜第3区画、又は第二始動口入賞時制御データテーブルの第0区画〜第3区画までに空き区画が複数存在する場合に、区画番号が小さいものに、格納した各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、及び小当り図柄用乱数)から大当り図柄用乱数を取得する。例えば、ステップS150で、第一始動口入賞時制御データテーブルの第2区画に、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、及び小当り図柄用乱数を格納した場合には、この第2区画に格納された大当り図柄用乱数を取得する。
ステップS176に続いて、大当り図柄用乱数に基づく先読み演出の種類判定処理を行う(ステップS178)。この大当り図柄用乱数に基づく先読み演出の種類判定処理では、ステップS176で取得した大当り図柄用乱数に基づいて、先読み演出の種類を判定する処理を行う。本実施形態では、先読み演出として、複数種類のものが用意され、かつ、1種類の先読み演出に対して複数のパターンが用意されている。このため、本実施形態では、約400パターンの先読み演出が用意されている。
一方、ステップS170で大当り判定用乱数が非確変下限値NV−LOW以上でない(未満である)とき、又は、ステップS172で大当り判定用乱数が確変下限値PV−LOW以上でない(未満である)とき、又は、ステップS174で上限値V−UPP以上であるときには、つまり大当り判定用乱数が抽選判定範囲内でない(抽選判定範囲外である)ときには、制御データからリーチ判定用乱数を取得する(ステップS180)。この制御データは、上述したように、始動口入賞時処理におけるステップS140でセットされた第二始動口入賞時データテーブル、又はステップS144でセットされた第一始動口入賞時データテーブルである。ステップS180では、ステップS166と同様に、始動口入賞時処理におけるステップS150において、第一始動口入賞時制御データテーブルの第0区画〜第3区画、又は第二始動口入賞時制御データテーブルの第0区画〜第3区画までに空き区画が複数存在する場合に、区画番号が小さいものに、格納した各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、及び小当り図柄用乱数)からリーチ判定用乱数を取得する。例えば、ステップS150で、第一始動口入賞時制御データテーブルの第2区画に、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、及び小当り図柄用乱数を格納した場合には、この第2区画に格納されたリーチ判定用乱数を取得する。
ステップS180に続いて、ステップS180で取得したリーチ判定用乱数に基づいて、リーチ(リーチはずれ)を行うか否かを判定する(ステップS182)。この判定では、取得したリーチ判定用乱数がリーチ判定の範囲内の値であるかを判定する。
ステップS182でリーチ判定用乱数がリーチ判定の範囲内の値であるときには、先読み演出の実施に当選したものとして、リーチ判定用乱数に基づく先読み演出種類判定処理を行う(ステップS184)。このリーチ判定用乱数に基づく先読み演出の種類判定処理では、大当り判定用乱数が非確変時における抽選判定範囲の非確変下限値NV−LOWと連続する値であってその非確変下限値NV−LOWより小さい値を上限値とする予備範囲(値32665〜値32667)内であるとき、又は確変時における抽選判定範囲の確変下限値PV−LOWと連続する値であってその確変下限値PV−LOWより小さい値を上限値とする予備範囲(値32435〜値32437)内であるときに、ステップS178の大当り図柄用乱数に基づく先読み演出種類判定処理において判定される先読み演出の種類の中からいずれかの先読み演出の種類を判定する処理を行う一方、大当り判定用乱数が非確変時における抽選判定範囲の非確変下限値NV−LOWと連続する値であってその非確変下限値NV−LOWより小さい値を上限値とする予備範囲(値32665〜値32667)内でないとき、又は確変時における抽選判定範囲の確変下限値PV−LOWと連続する値であってその確変下限値PV−LOWより小さい値を上限値とする予備範囲(値32435〜値32437)内でないときに、ステップS180で取得したリーチ判定用乱数に基づいて先読み演出の種類を判定する処理を行う。
ステップS178、又はステップS184に続いて、制御データから変動表示パターン用乱数を取得する(ステップS186)。この制御データは、上述したように、始動口入賞時処理におけるステップS140でセットされた第二始動口入賞時データテーブル、又はステップS144でセットされた第一始動口入賞時データテーブルである。ステップS186では、ステップS166、ステップS176、又はステップS180と同様に、始動口入賞時処理におけるステップS150において、第一始動口入賞時制御データテーブルの第0区画〜第3区画、又は第二始動口入賞時制御データテーブルの第0区画〜第3区画までに空き区画が複数存在する場合に、区画番号が小さいものに、格納した各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、及び小当り図柄用乱数)から変動表示パターン用乱数を取得する。例えば、ステップS150で、第一始動口入賞時制御データテーブルの第2区画に、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、及び小当り図柄用乱数を格納した場合には、この第2区画に格納された変動表示パターン用乱数を取得する。
ステップS188に続いて、ステップS188で決定した先読み演出に基づいて、図182に示したその他に区分される特別図柄*記憶先読み演出コマンド、及び特別図柄*記憶コマンドを作成して、送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域にそれぞれセットし(ステップS190)、このルーチンを終了する。特別図柄*記憶先読み演出コマンド、及び特別図柄*記憶コマンドの「*」は、第一始動口入賞時データテーブルの第一始動記憶情報に基づいて、ステップS188で決定された特別図柄1記憶先読み演出コマンドを作成するとともに、特別図柄1記憶コマンドを作成して、送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域にそれぞれセットするという意味であるのに対して、第二始動口入賞時データテーブルの第二始動記憶情報に基づいて、ステップS188で決定された特別図柄2記憶先読み演出コマンドを作成するとともに、特別図柄2記憶コマンドを作成して、送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域にそれぞれセットするという意味である。
一方、ステップS162で時短中であるとき、又は、ステップS164で大当り中であるとき、又は、ステップS182でリーチ判定用乱数がリーチ判定の範囲外の値であるときには、先読み演出の実施に落選したものとして(先読み演出の抽選にはずれたものとして)、先読み演出を実施しないことが決定するため、ステップS190で特別図柄1記憶先読み演出コマンド、及び特別図柄2記憶先読み演出コマンドを作成しないが、特別図柄*記憶コマンドを作成して、送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域にセットし、このルーチンを終了する。
このように、本実施形態では、第一始動口入賞時データテーブルに格納された第一始動記憶情報よりも第二始動口入賞時データテーブルに格納された第二始動記憶情報を優先して第二始動記憶情報に基づいて示唆演出である先読み演出の実施に当選しているか否かを判定するように構成されている。この第二始動記憶情報が記憶(格納)されなかった場合において、ステップS164で非時短遊技状態に制御されている(非時短中である)と判定されたときには、第一始動記憶情報に基づいて先読み演出の実施に当選しているか否かを、ステップS174の大当り判定用乱数に基づく判定や、ステップS182のリーチ判定用乱数に基づく判定を行う一方、時短遊技状態に制御されている(時短中である)と判定されたときには、第一始動記憶情報に基づいて先読み演出の実施に当選しているか否かの判定を行わないようになっており、ステップS174の大当り判定用乱数に基づく判定や、ステップS182のリーチ判定用乱数に基づく判定を行わないようになっている。これにより、第二始動記憶情報に基づく先読み演出の実施の抽選に落選して先読み演出を実施していないときに、第一始動口2001にたまたま遊技球が侵入して第一始動口センサ2011からの検出信号に基づく第一始動記憶情報が第一始動口入賞時データテーブルに格納されても、時短遊技状態に制御されている(時短中である)ときには、この第一始動記憶情報に基づく先読み演出の実施の抽選が行われないようになっているため、仮に、この第一始動記憶情報に基づく先読み演出の実施の抽選に当選していても、先読み演出が実施されないことによって第一始動記憶情報に大当り等する可能性が高いことを報知することがない。つまり、パチンコ遊技機1自体が大当り遊技状態を連続発生させる方法を遊技者に報知するものとなり得ないようになっている。
また、時短遊技状態に制御されているときにおいても、第二始動口2002に遊技球が侵入すると、第二始動口センサ2012からの検出信号に基づく第二始動記憶情報が第二始動口入賞時データテーブルに格納され、この第二始動記憶情報に基づく先読み演出の実施に当選しているか否かの判定を行うようになっているため、時短遊技状態に制御されているときには、第一始動記憶情報に基づく先読み演出の実施の抽選が行われないのに対して、非時短遊技状態又は時短遊技状態に制御されているのに関係なく、第二始動記憶情報に基づく先読み演出の実施が行われるようになっている。つまり、時短状態に制御されているときに第二始動記憶情報に基づく先読み演出の実施に当選すると、この先読み演出の実施による期待感を遊技者が得ることができるようになっている。したがって、時短状態に制御されているときにおける遊技の興趣の低下を抑えることができる。
[10−5.特別図柄変動待ち処理]
次に、特別図柄変動待ち処理について、図192を参照して説明する。この特別図柄変動待ち処理は、図188に示した特別図柄及び特別電動役物制御処理におけるステップS118で実行されるものである。
特別図柄変動待ち処理が開始されると、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図192に示すように、特別図柄保留識別履歴領域に格納されている値がゼロ(値0)でないか否かを判定する(ステップS200)。この判定は、図189に示した始動口入賞時処理におけるステップS152の特別図柄保留識別履歴更新処理で主制御内蔵RAMの保留識別履歴記憶領域に格納された始動口識別履歴情報に基づいて行う。この始動口識別履歴情報は、上述した、第一始動口入賞時データテーブルに格納された第一始動記憶情報と、第二始動口入賞時データテーブルに格納された第二始動記憶情報と、が互いにどのような順番で格納されたのか、その順番の履歴を示すものである。ステップS200では、始動口識別履歴情報に第一始動記憶情報や第二始動記憶情報が格納された総数に基づいて、総数がゼロ(値0)であるときには始動口識別履歴情報に第一始動記憶情報や第二始動記憶情報が何も格納されていないと判定する一方、総数がゼロ(値0)でないときには始動口識別履歴情報に第一始動記憶情報や第二始動記憶情報が格納されていると判定する。
ステップS200で特別図柄保留識別履歴領域に格納されている値がゼロ(値0)であるとき、つまり始動口識別履歴情報に第一始動記憶情報や第二始動記憶情報が何も格納されていないときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS200で特別図柄保留識別履歴領域に格納されている値がゼロ(値0)でないとき、つまり始動口識別履歴情報に第一始動記憶情報や第二始動記憶情報が格納されているときには、変動設定データとして特別図柄2変動設定データをセットする(ステップS202)。この特別図柄2変動設定データは、上述した始動口入賞時制御データ記憶領域に記憶される第二始動口入賞時制御データテーブルの第0区画〜第4区画のうち第0区画を示すアドレスがセットされる。
ステップS202に続いて、特別図柄2作動保留球数を取得する(ステップS204)。この特別図柄2作動保留球数は、上述したように、第二始動口入賞時データテーブルにおける第二始動記憶情報が格納されている区画の総数により取得する。
ステップS204に続いて、取得した特別図柄2作動保留球数がゼロ(値0)でないか否かを判定する(ステップS206)。この判定では、ステップS204で取得した第二始動記憶情報が格納されている区画の総数に基づいて行い、総数がゼロ(値0)でないときには第二始動記憶情報が格納されているため、図104に示した第二始動口2002に入球した遊技球が未だ遊技の進行に使用されていない特別図柄2作動保留球数があることを把握する一方、総数がゼロ(値0)であるときには第二始動記憶情報が格納されていないため、第二始動口2002に入球した遊技球が未だ遊技の進行に使用されていない特別図柄2作動保留球数がないことを把握する。
ステップS206で取得した特別図柄2作動保留球数がゼロ(値0)であるとき、つまり第二始動口2002に入球した遊技球が未だ遊技の進行に使用されていない特別図柄2作動保留球数がないときには、変動設定データとして特別図柄1変動設定データをセットする(ステップS208)。この特別図柄1変動設定データは、上述した始動口入賞時制御データ記憶領域に記憶される第一始動口入賞時制御データテーブルの第0区画〜第4区画のうち第0区画を示すアドレスがセットされる。
一方、ステップS206で取得した特別図柄2作動保留球数がゼロ(値0)でないとき、つまり第二始動口2002に入球した遊技球が未だ遊技の進行に使用されていない特別図柄2作動保留球数があるときには、又はステップS208に続いて、保留履歴のシフトを行う(ステップS210)。ステップS210では、ステップS202で変動設定データとして特別図柄2変動設定データがセットされたときには、変動設定データにセットされた第二始動口入賞時制御データテーブルの第0区画を示すアドレスに従って第0区画に格納された第二始動記憶情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットするとともに、第1区画〜第3区画のうち第二始動記憶情報が格納されている場合には、区画番号が小さくなるように、各区画番号に格納されている第二始動記憶情報をシフトする。例えば、第1区画に第二始動記憶情報が格納されているときには、この第二始動記憶情報を第1区画から第0区画にシフトしたり、第2区画に第二始動記憶情報が格納されているときには、この第二始動記憶情報を第2区画から第1区画にシフトしたり、第3区画に第二始動記憶情報が格納されているときには、この第二始動記憶情報を第3区画から第2区画にシフトしたりする。また、ステップS210では、ステップS208で変動設定データとして特別図柄1変動設定データがセットされたときには、変動設定データにセットされた第一始動口入賞時制御データテーブルの第0区画を示すアドレスに従って第0区画に格納された第一始動記憶情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットするとともに、第1区画〜第3区画のうち第一始動記憶情報が格納されている場合には、区画番号が小さくなるように、各区画番号に格納されている第一始動記憶情報をシフトする。例えば、第1区画に第一始動記憶情報が格納されているときには、この第一始動記憶情報を第1区画から第0区画にシフトしたり、第2区画に第一始動記憶情報が格納されているときには、この第一始動記憶情報を第2区画から第1区画にシフトしたり、第3区画に第一始動記憶情報が格納されているときには、この第一始動記憶情報を第3区画から第2区画にシフトしたりする。
ステップS210に続いて、特別図柄・フラグ設定処理を行う(ステップS212)。この特別図柄・フラグ設定処理では、ステップS210で作業領域にシフトされた第一始動記憶情報又は第二始動記憶情報に基づいて、大当り判定用乱数の値を取り出して、主制御内蔵ROMに予め記憶されている、大当り範囲内の値であるか否かを判定(大当り遊技状態を発生させるか否かを判定)したり(「特別抽選」という。)、又は小当り判定の範囲内の値であるか否かを判定(小当り遊技状態を発生させるか否かを判定)したり、大当り図柄用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている確変当り判定の範囲内の値であるか否かを判定(確率変動を発生させるか否かの判定)したりする。ここで、「確率変動」とは、大当りする確率が通常時(非確変時ともいう。通常時(非確変時)に設定される大当りする確率のことを低確率という。)に比べて高く設定された高確率(確変時)に変化することであり、上述した大当り範囲は、低確率においては(非確変時においては)通常時判定テーブルから読み出され、一方、高確率においては(確変時においては)確変時判定テーブルから読み出される。また特別図柄・フラグ設定処理では、図169に示した、第一特別図柄表示器641及び第二特別図柄表示器642で変動表示する特別図柄の変動時間が通常時に比べて短く設定された時短遊技状態を発生させる場合には時短フラグの値として値1(時短中)を設定し、時短遊技状態を発生させない場合には時短フラグの値として値0(非時短中)を設定する。また特別図柄・フラグ設定処理では、大当り遊技状態を発生させる場合には大当りフラグの値として値1(大当り)を設定し、大当り遊技状態を発生させない場合には大当りフラグの値として値0(はずれ)を設定する。また特別図柄・フラグ設定処理では、確率変動を発生させる場合には確変フラグの値として値1(確変)を設定し、確率変動を発生させいない場合には確変フラグの値として値0(非確変)を設定する。
ステップS212に続いて、特別図柄変動表示パターン設定処理を行い(ステップS214)、このルーチンを終了する。この特別図柄変動表示パターン設定処理では、ステップS210で作業領域にシフトされた第一始動記憶情報又は第二始動記憶情報に基づいて、第一特別図柄表示器641又は第二特別図柄表示器642で特別図柄を導出表示するための時間(つまり、図柄の変動開始から変動停止するまでの変動時間)を設定して、図181に示した特図1同調演出関連又は特図2同様演出関連に区分される各種コマンドを送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
なお、本実施形態では、ステップS202で変動設定データとして特別図柄2変動設定データをセットしてから、ステップS206で特別図柄2作動保留球数がゼロ(値0)でないか否かを判定し、この判定において、特別図柄2作動保留球数がゼロ(値0)であるときには、ステップS206で変動設定データとして特別図柄1変動設定データをセットするという流れ(フロー)となっている。つまり、特別図柄2作動保留球数がゼロ(値0)でないときには、特別図柄1作動保留球数の存在にかかわらず、優先してステップS202で変動設定データとしてセットされた特別図柄2変動設定データ(第二始動口入賞時制御データテーブルの第0区画〜第4区画に格納される第二始動記憶情報)に基づいてその後の処理が進行するようになっている。このような、ステップS202〜ステップS208までの処理を「優先変動処理」という。
[10−6.特別図柄変動表示パターン設定処理]
次に、特別図柄変動表示パターン設定処理について、図193を参照して説明する。この特別図柄変動表示パターン設定処理は、図192に示した特別図柄変動待ち処理におけるステップS214で実行されるものである。
特別図柄変動表示パターン設定処理が開始されると、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図193に示すように、大当りフラグの値を調べる(ステップS220)。この判定は、図192に示した特別図柄変動待ち処理におけるステップS212の特別図柄・フラグ設定処理で設定された大当りフラグの値に基づいて行う。この大当り判定フラグは、上述したように、大当り遊技状態を発生させる場合には「大当り」として値1が設定され、大当り遊技状態を発生させない場合には「はずれ」として値0が設定される。
ステップS220で大当りフラグが値1であるとき、つまり大当りであるときには、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた第*始動記憶情報から大当り図柄用乱数を取得する(ステップS221A)。この第*始動記憶情報の「*」は、図192に示した特別図柄変動待ち処理におけるステップS210の処理(保留履歴のシフト)において、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた情報が、第一始動記憶情報であるときにはこの第一始動記憶情報から大当り図柄用乱数を取得するという意味であるのに対して、第二始動記憶情報であるときにはこの第二始動記憶情報から大当り図柄用乱数を取得するという意味である。つまりステップS221Aでは、作業領域にシフトされた、第一始動記憶情報から大当り図柄用乱数を取り出したり、又は第二始動記憶情報から大当り図柄用乱数を取り出したりする。
ステップS221Aに続いて、取り出した大当り図柄用乱数に基づいて、特別図柄決定処理を行う(ステップS221B)。この特別図柄決定処理では、図171に示した演算方法に従ってセグメント表示器に停止表示される特別図柄を演算して求めるものであり、第1の排他的論理和演算処理、シフト量決定処理、左ビットシフト演算処理、そして第2の排他的論理和演算処理を順次行う。ステップS221Aで取り出した大当り図柄用乱数が第一始動記憶情報に格納されているものであれば第一特別図柄表示器641に停止表示される特別図柄を決定するための演算を行ったり、又はステップS221Aで取り出した大当り図柄用乱数が第二始動記憶情報に格納されているものであれば第二特別図柄表示器642に停止表示される特別図柄を決定するための演算を行ったりする。この演算により決定される特別図柄は、セグメント表示器の7つのセグメント(セグメントa〜セグメントg)及びドット(ドットDt)のうちいずれかが点灯するととともにいずれかが消灯する態様(大当り時点灯態様)となる。この演算結果は、大当り時点灯態様が第一特別図柄表示器641又は第二特別図柄表示器642に導出表示されるまで、作業領域に格納され、特別図柄の変動表示が停止する際に、つまり停止図柄として、上述した、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS221Bに続いて、大当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS222)。この大当り時変動表示パターンテーブルは、確変大当り、又は非確変大当りを発生させる際に、第一特別図柄表示器641、又は第二特別図柄表示器642に特別図柄を導出表示するための時間(つまり、図柄の変動開始から変動停止するまでの変動時間)が複数規定されたテーブルであり、主制御MPU4100aの主制御内蔵ROMに予め記憶されている。この変動時間では、液晶表示装置1400でさまざまな演出が繰り広げられており、例えば、大当り遊技状態が発生する可能性の低い単純なリーチ(ノーマルリーチ)をともなって大当り遊技状態を発生させるもの、このノーマルリーチよりも実行時間が長く大当り遊技状態が発生する可能性の高いスーパーリーチをともなって大当り遊技状態を発生させるもの等のリーチ態様を有するもの等があり、変動時間終了後、大当り遊技状態が発生する。
ステップS222に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた第*始動記憶情報から変動表示パターン用乱数を取得する(ステップS224)。この第*始動記憶情報の「*」は、図192に示した特別図柄変動待ち処理におけるステップS210の処理(保留履歴のシフト)において、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた情報が、第一始動記憶情報であるときにはこの第一始動記憶情報から変動表示パターン用乱数を取得するという意味であるのに対して、第二始動記憶情報であるときにはこの第二始動記憶情報から変動表示パターン用乱数を取得するという意味である。つまりステップS224では、作業領域にシフトされた、第一始動記憶情報から変動表示パターン用乱数を取り出したり、又は第二始動記憶情報から変動表示パターン用乱数を取り出したりする。
ステップS224に続いて、取り出した変動表示パターン用乱数に基づいて、ステップS222で選択された大当り時変動表示パターンテールから変動表示パターンを決定する(ステップS226)。ここでは、図171に示したセグメント表示器に停止表示される特別図柄を決定するための演算方法に従って、作業領域にシフトされた、第一始動記憶情報から大当り図柄用乱数を取り出して第一特別図柄表示器641に表示する特別図柄を決定するための演算を行ったり、又は第二始動記憶情報から大当り図柄用乱数を取り出して第二特別図柄表示器642に表示する特別図柄を決定するための演算を行ったりする。この演算により決定される特別図柄は、セグメント表示器の7つのセグメント(セグメントa〜セグメントg)及びドット(ドットDt)のうちいずれかが点灯するととともにいずれかが消灯する態様(大当り時点灯態様)となる。この演算結果は、大当り時点灯態様が第一特別図柄表示器641又は第二特別図柄表示器642に導出表示されるまで、作業領域に格納され、特別図柄の変動表示が停止する際に、上述した、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS226に続いて、決定した変動表示パターンに基づいて、演出コマンドを作成し(ステップS228)、このルーチンを終了する。ここでは、演出コマンドとして、図181に示した特図*同調演出関連に区分される特図*同調演出開始コマンドを作成して、上述した、送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域にセットする。なお、特図*同調演出関連、及び特図*同調演出開始コマンドの「*」は、第一特別図柄表示器641に関するものについては、特図1同調演出関連に区分される特図1同調演出開始コマンドを作成するという意味であるのに対して、第二特別図柄表示器642に関するものについては、特図2同調演出関連に区分される特図2同調演出開始コマンドを作成するという意味である。
一方、ステップS220で大当りフラグが値0であるとき、つまりはずれであるときには、特別図柄決定処理を行う(ステップS229)。この特別図柄決定処理は、ステップS221Bの処理で行う演算方法と同一のものであって、図171に示した演算方法に従ってセグメント表示器に停止表示される特別図柄を演算して求めるものであり、第1の排他的論理和演算処理、シフト量決定処理、左ビットシフト演算処理、そして第2の排他的論理和演算処理を順次行う。ここでは、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた情報が、第一始動記憶情報であるときには第一特別図柄表示器641に停止表示されるはずれを伝える特別図柄を演算して求め、第二始動記憶情報であるときには第二特別図柄表示器642に停止表示されるはずれを伝える特別図柄を演算して求める。この演算により決定される特別図柄は、図171に示したように、「11111111B」となり、セグメント表示器の7つのセグメント(セグメントa〜セグメントg)及びドット(ドットDt)がすべて点灯する態様(はずれ時点灯態様)となる。この演算結果は、はずれ時点灯態様が第一特別図柄表示器641又は第二特別図柄表示器642に導出表示されるまで、作業領域に格納され、特別図柄の変動表示が停止する際に、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS229に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた第*始動記憶情報からリーチ判定用乱数を取得する(ステップS230)。この第*始動記憶情報の「*」は、図192に示した特別図柄変動待ち処理におけるステップS210の処理(保留履歴のシフト)において、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた情報が、第一始動記憶情報であるときにはこの第一始動記憶情報からリーチ判定用乱数を取得するという意味であるのに対して、第二始動記憶情報であるときにはこの第二始動記憶情報からリーチ判定用乱数を取得するという意味である。つまりステップS230では、作業領域にシフトされた、第一始動記憶情報からリーチ判定用乱数を取り出したり、又は第二始動記憶情報からリーチ判定用乱数を取り出したりする。
ステップS230に続いて、取得したリーチ判定用乱数に基づいてスーパーリーチであるか否かを判定する(ステップS232)。リーチ判定用乱数は、上述したように、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのものである。リーチ態様には、上述したように、大当り遊技状態が発生する可能性の低い単純なリーチ(ノーマルリーチ)、このノーマルリーチよりも大当り遊技状態が発生する可能性の高いスーパーリーチ等があり、ステップS232の判定では、リーチ態様としてスーパーリーチをともなうリーチはずれを発生させるか否かを判定している。リーチ判定用乱数の範囲には、リーチ態様としてスーパーリーチに決定するための範囲(スーパーリーチ態様決定範囲)が規定されており、主制御内蔵ROMに記憶されている。ステップS232の判定では、リーチ判定用乱数の値が、スーパーリーチ態様決定範囲内であるか否かを判定することにより、リーチ態様としてスーパーリーチをともなうリーチはずれを発生させるか否かを判定する。
ステップS232でスーパーリーチであるとき、つまりリーチ判定用乱数の値がスーパーリーチ態様決定範囲内であるときには、スーパーリーチ時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS234)。このスーパーリーチ時変動表示パターンテーブルは、リーチ態様としてスーパーリーチを発生させる際に、第一特別図柄表示器641、又は第二特別図柄表示器642に特別図柄を導出表示するための変動時間が複数規定されたテーブルであり、主制御MPU4100aの主制御内蔵ROMに予め記憶されている。この変動時間では、大当り遊技状態が発生する可能性の高いスーパーリーチをともなう演出が液晶表示装置1400で繰り広げられているものの、変動時間終了後、大当り遊技状態が発生することなく、はずれとなる。
ステップS234に続いて、上述したステップS224へ進み、主制御内蔵RAMの作業領域にシフトされた、第一始動記憶情報から変動表示パターン用乱数を取り出したり、又は第二始動記憶情報から変動表示パターン用乱数を取り出したりする。続いて、上述したステップS226へ進み、その取り出した変動表示パターン用乱数に基づいて、ステップS234で選択されたスーパーリーチ時変動表示パターンテールから変動表示パターンを決定する。続いて、上述したステップS228へ進み、その決定した変動表示パターンに基づいて、演出コマンドを作成し、このルーチンを終了する。ここでも、上述したように、演出コマンドとして、図181に示した特図*同調演出関連に区分される特図*同調演出開始コマンドを作成して、上述した、送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域にセットする。
一方、ステップS232でスーパーリーチでないとき、つまりリーチ判定用乱数の値がスーパーリーチ態様決定範囲以外であるときには、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた第*始動記憶情報から変動表示パターン用乱数を取得する(ステップS236)。このステップS236の処理は、上述したステップS224の処理と同一の処理であり、作業領域にシフトされた、第一始動記憶情報から変動表示パターン用乱数を取り出したり、又は第二始動記憶情報から変動表示パターン用乱数を取り出したりする。
ステップS236に続いて、取り出した変動表示パターン用乱数に基づいて、リーチ時はずれ時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS238)。このリーチ時はずれ時変動表示パターンテーブルは、リーチ態様としてノーマルリーチを発生させる際に、第一特別図柄表示器641、又は第二特別図柄表示器642に特別図柄を導出表示するための変動時間と、リーチ態様をともなうことなくはずれる通常変動態様を発生させる際に、第一特別図柄表示器641、又は第二特別図柄表示器642に特別図柄を導出表示するための変動時間と、が複数規定されたテーブルであり、主制御MPU4100aの主制御内蔵ROMに予め記憶されている。この変動時間では、大当り遊技状態が発生する可能性の低いノーマルリーチをともなう演出が液晶表示装置1400で繰り広げられたり、ノーマルリーチをともなわない演出が液晶表示装置1400で繰り広げられたりするものの、変動時間終了後、どちらも大当り遊技状態が発生することなく、はずれとなる。なお、本実施形態では、特別図柄1作動保留球数、及び特別図柄2作動保留球数等の作動保留球数が値0から値1、値2、そして値3に増加するにつれて、リーチ態様を発生させる確率(リーチ態様が出現する確率(出現率))が確率A(1/10)>確率B(1/15)>確率C(1/20)>確率D(1/30)という具合に順に低くなるように設定されている。このような設定は、リーチ態様と変動表示パターン用乱数とを対応付けてリーチ時はずれ時変動表示パターンテーブルに予めテーブルとして記憶されている。
ステップS238に続いて、上述したステップS226へ進み、ステップS236で取り出した変動表示パターン用乱数の値に基づいて変動表示パターンを決定する。本実施形態では、変動表示パターン用乱数の範囲には、ノーマルリーチに決定するための範囲(ノーマルリーチ態様決定範囲)と、リーチ態様をともなわない通常変動に決定するための範囲(通常変動態様決定範囲)と、が規定されている。このため、ステップS226の処理において、ステップS236で取り出した変動表示パターン用乱数の値が、ノーマルリーチ態様決定範囲内であるときにはリーチ時はずれ時変動表示パターンテーブルからノーマルリーチを発生させる変動表示パターンを決定する一方、通常変動決定範囲内であるときにはリーチ時はずれ時変動表示パターンテーブルからリーチ態様をともなわない通常変動を発生させる変動表示パターンを決定する。続いて、上述したステップS228へ進み、その決定した変動表示パターンに基づいて、演出コマンドを作成し、このルーチンを終了する。ここでも、上述したように、演出コマンドとして、図181に示した特図*同調演出関連に区分される特図*同調演出開始コマンドを作成して、上述した、送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域にセットする。
本実施形態では、上述したように、特別図柄1作動保留球数、及び特別図柄2作動保留球数等の作動保留球数が値0から値1、値2、そして値3に増加するにつれて、リーチ態様を発生させる確率が確率A(1/10)>確率B(1/15)>確率C(1/20)>確率D(1/30)という具合に順次低くなるように設定されている。このような、作動保留球数の増加に応じてリーチ態様が発生する確率(出現率)が低く設定される場合では、保留球の球数が減った状態ではリーチ態様が発生しやすくなっているためスーパーリーチも出現しやすくなっている一方、保留球の球数が増えた状態ではリーチ態様が発生し難くなっているためスーパーリーチも出現し難くなっている。例えば、作動保留球数が値0であるときに選択されたスーパーリーチの方が、作動保留球数が値3であるときに選択されたスーパーリーチと比べて、スーパーリーチの出現率が高くなることとなる。換言すると、例えば、遊技者は、遊技を開始して間もないときには保留球の球数が減った状態であるため、スーパーリーチが出現しやすくなっていると体感する一方、遊技を開始して保留球の球数が増えた状態となるときにはスーパーリーチが出現し難くなっていると体感することとなる。
ところで、パチンコ遊技機の仕様を決定する際に、スーパーリーチの発生に対する大当り遊技状態の発生確率(期待度)が予め設定されている。しかし、このスーパーリーチの発生に対する大当り遊技状態の発生確率は、予め設定されて不変なものであるにもかかわらず、遊技者は、遊技を開始して保留球の球数が増えた状態でスーパーリーチが出現して大当り遊技状態が発生すると、保留球の球数が減った状態であるときよりも増えた状態であるときの方のがスーパーリーチに対する大当り遊技状態の発生確率を高く体感することとなる。
そこで、本実施形態では、リーチ判定用乱数をスーパーリーチの発生の有無判定に用いるとともに、変動表示パターン用乱数をノーマルリーチ及び通常変動の発生の有無判定に用いることにより、ステップS220の判定ではずれであるときには、まずステップS232の判定でリーチ判定用乱数に基づいてスーパーリーチであるか否かを判定し、この判定でスーパーリーチでないときには、ステップS238の処理で変動表示パターン用乱数に基づいてノーマルリーチ、又は通常変動を、作動保留球数の増加に応じてリーチ態様が出現する確率(出現率)が順次低くなるように予め設定された確率で選択するという制御フローを採用している。具体的には、従来のパチンコ遊技機では、例えば作動保留球数の増加に応じてリーチ態様を発生させる確率が確率A(1/10)>確率B(1/15)>確率C(1/20)>確率D(1/30)という具合に順次低くなるように設定されている場合であって、ノーマルリーチ(NR)とスーパーリーチ(SR))との出現率が、確率A〜確率Dにおいて、NR:SR=9:1にすべて予め設定されている場合には、作動保留球数が値1であるとき、つまり保留球が1球であるときには確率Aに基づくノーマルリーチ(NR)とスーパーリーチ(SR)との出現率(NR:SR=9:1)に従って得られるスーパーリーチの出現率が1/100(=確率A(1/10))×SRの確率(1/10))となり、作動保留球数が値2であるとき、つまり保留球が2球であるときには確率Bに基づくノーマルリーチ(NR)とスーパーリーチ(SR)との出現率(NR:SR=9:1)に従って得られるスーパーリーチの出現率が1/150(=確率B(1/15))×SRの確率(1/10))となり、作動保留球数が値3であるとき、つまり保留球が3球であるときには確率Cに基づくノーマルリーチ(NR)とスーパーリーチ(SR)との出現率(NR:SR=9:1)に従って得られるスーパーリーチの出現率が1/200(=確率C(1/20))×SRの確率(1/10))となり、作動保留球数が値4であるとき、つまり保留球が4球であるときには確率Dに基づくノーマルリーチ(NR)とスーパーリーチ(SR)との出現率(NR:SR=9:1)に従って得られるスーパーリーチの出現率が1/300(=確率D(1/30))×SRの確率(1/10))となる。つまり、従来のパチンコ遊技機では、確率Aに基づくノーマルリーチ(NR)とスーパーリーチ(SR)との出現率に従って得られるスーパーリーチの出現率(=1/100)と、確率Dに基づくノーマルリーチ(NR)とスーパーリーチ(SR)との出現率に従って得られるスーパーリーチの出現率(=1/300)と、では、3倍もの違いが生ずるという問題があった。そこで、従来のパチンコ遊技機では、スーパーリーチの発生に対する大当り遊技状態の発生確率(期待度)を、保留球の球数に応じて変化させることにより対応することもできるものの、この場合には、その処理を実行するための専用プログラムを、図193に示した特別図柄変動表示パターン設定処理とは別の処理として新たに作成する必要があるし、この専用プログラムを記憶するための容量を主制御内蔵ROMに確保する必要があり、手間だけが増えるという問題があった。
これに対して、本実施形態では、作動保留球数の増加に応じてリーチ態様を発生させる確率が確率A(1/10)>確率B(1/15)>確率C(1/20)>確率D(1/30)という具合に順次低くなるように設定されている場合であっても、確率A〜確率Dにスーパーリーチの出現率がすべて1/100と一定値に予め設定されている。これにより、作動保留球数が値1であるとき、つまり保留球が1球であるときには確率Aに基づくスーパーリーチの出現率も1/100となり、作動保留球数が値2であるとき、つまり保留球が2球であるときには確率Bに基づくスーパーリーチの出現率も1/100となり、作動保留球数が値3であるとき、つまり保留球が3球であるときには確率Cに基づくスーパーリーチの出現率も1/100となり、作動保留球数が値4であるとき、つまり保留球が4球であるときには確率Dに基づくスーパーリーチの出現率も1/100となる。また、スーパーリーチの発生に対する大当り遊技状態の発生確率(期待度)を、保留球の球数に応じて変化させる必要もないため、上述した従来における専用プログラムを作成する必要がないし、この専用プログラムを記憶するための容量を主制御内蔵ROMに確保する必要もない。
このように、本実施形態では、ノーマルリーチの出現率は作動保留球数の増加に応じて順次低くなるようになっているのに対して、スーパーリーチの出現率は作動保留球数の増加に無関係に一定となっている。これにより、保留球の球数である作動保留球数の値の増加に応じてリーチ態様が順次低くなるように設定されても、リーチ態様のうちスーパーリーチの出現率を一定にすることができる。したがって、遊技者に誤解を招かせて遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
また、上述した制御フローによって、作動保留球数の値によらず、つまり作動保留球数のどの値においても、スーパーリーチの出現率を同一とすることができるため、遊技者は、遊技を開始して間もないときのように保留球の球数が減った状態であるときや、遊技を開始して保留球の球数が増えた状態であるときにも、保留球の球数に関係なく、同一の出現率で発生するスーパーリーチに対して、保留球の球数に応じて大当り遊技状態の発生確率を低く体感したり、高く体感したりすることがなくなる。したがって、予め設定されたスーパーリーチの発生に対する大当り遊技状態の発生確率(期待度)と、遊技者の体感によるスーパーリーチの発生に対する大当り遊技状態の発生確率(期待度)と、を合致させることができる。
更に、確率A〜確率Dにスーパーリーチの出現率がすべて1/100と一定値に予め設定されているため、リーチ態様のうち特にスーパーリーチの態様をいろいろと観たいという遊技者は、保留球の球数を減らすために遊技を中断する必要がなくなる。これにより、パチンコ遊技機1の稼働率の低下によるホール側の損益を抑制することができる。
更にまた、確率A〜確率Dにスーパーリーチの出現率がすべて1/100と一定値に予め設定されているため、遊技者が保留球の球数をなかなか増加できなくて、つまり第一始動口2001や第二始動口2002に遊技球がなかなか入球できなくてイライラしていても、ノーマルリーチよりも実行時間が長いスーパーリーチが何度も実行されるという状態を回避することができるようになっており、スーパーリーチの複数回の出現による遊技者のイライラ感の増幅を抑制することができる。
そして、確率A〜確率Dにスーパーリーチの出現率がすべて1/100と一定値に予め設定されているため、スーパーリーチを何度も繰り返し実行している他の従来のパチンコ遊技機を観た遊技者が、スーパーリーチが出現しやすいパチンコ遊技機という勘違いを防止することができ、他のパチンコ遊技機に目移りすることを抑制することができる。
[11.払出制御基板の各種制御処理]
次に、払出制御基板1186が行う各種制御処理について、図194〜図197を参照して説明する。まず、払出制御部電源投入時処理について説明し、続いて払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。図194は払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図195は図194の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図196は図195に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図197は払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。
[11−1.払出制御部電源投入時処理]
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、払出制御基板1186の払出制御MPU4110aは、図194〜図196に示すように、払出制御部電源投入時処理を行う。この払出制御部電源投入時処理が開始されると、払出制御MPU4110aは、割り込みモードの設定を行う(ステップS300)。この割り込みモードは、払出制御MPU4110aの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この払出制御部タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理を行う。
ステップS300に続いて、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS302)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPU4110aのI/Oポートの入出設定等を行う。
ステップS302に続いて、ウェイトタイマ処理1を行う(ステップS304)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(突発的に電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が主制御基板4100の停電監視回路4100dから入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では電圧が停電予告電圧以下となると停電監視回路4100dからの停電予告信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理1では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より高くなるまで待っている。本実施形態では、この待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。
ステップS304に続いて、RAMクリアスイッチ624aが操作されているか否かを判定する(ステップS306)。この判定は、主制御基板4100のRAMクリアスイッチ624aが操作され、その操作信号(検出信号)が払出制御MPU4110aに入力されているか否かにより行う。検出信号が入力されているときにはRAMクリアスイッチ624aが操作されていると判定し、一方、検出信号が入力されていないときにはRAMクリアスイッチ624aが操作されていないと判定する。
ステップS306でRAMクリアスイッチ624aが操作されているときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値1をセットし(ステップS308)、一方、ステップS306でRAMクリアスイッチ624aが操作されていないときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値0をセットする(ステップS310)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU4110aに内蔵されたRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶されている、例えば、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS308及びステップS310でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU4110aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS308又はステップS310に続いて、払出制御内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS312)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。
ステップS312に続いて、スタックポインタの設定を行う(ステップS314)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS314では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS314に続いて、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS316)。上述したように、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS316で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0であるとき、つまり払出情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS318)。このチェックサムは、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS318に続いて、算出したチェックサムの値が後述する払出制御部電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS320)。一致しているときには、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS322)。この払出バックアップフラグHBK−FLGは、払出情報、チェックサムの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御部電源断時処理において払出制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御部電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御部電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS322で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるとき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了したときには、復電時として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS324)。この設定は、払出バックアップフラグHBK−FLGに値0をセットするほかに、払出制御MPU4110aに内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を払出制御内蔵RAMの作業領域にセットする。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている上述した払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報、時間管理情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタリセット判定時間等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態に加えて、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態をいう。
一方、ステップS316で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去するときには、又はステップS320でチェックサムの値が一致していないときには、又はステップS322で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了していないときには、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS326)。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報がクリアされる。
ステップS326に続いて、初期設定として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS328)。この設定は、払出制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出制御内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS324又はステップS328に続いて、割り込み初期設定を行う(ステップS330)。この設定は、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では1.75msに設定されている。
ステップS330に続いて、割り込み許可設定を行う(ステップS332)。この設定によりステップS330で設定した割り込み周期、つまり1.75msごとに払出制御部タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS332に続いて、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS334)。上述したように、パチンコ遊技機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が主制御基板4100の停電監視回路4100dから入力される。ステップS334の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS334で停電予告信号の入力がないときには1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS336)。この1.75ms経過フラグHT−FLGは、後述する、1.75msごとに処理される払出制御部タイマ割り込み処理で1.75msを計時するフラグであり、1.75ms経過したとき値1、1.75ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS336で1.75ms経過フラグHT−FLGが値0であるとき、つまり1.75ms経過していないときには、ステップS334に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。
一方、ステップS336で1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり1.75ms経過したときには、1.75ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし(ステップS338)、外部ウォッチドックタイマ(外部WDT)4110cに外部WDTクリア信号を出力する(ONする、ステップS340)。この外部WDT4110cは、払出制御MPU4110aの動作(システム)を監視するものであり、外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間に停止されないときには払出制御MPU4110a及び払出制御I/Oポート4110bにリセット信号を出力してリセットをかける(払出制御MPU4110aのシステムが暴走していないかを定期的に診断している)。
ステップS340に続いて、ポート出力処理を行う(ステップS342)。このポート出力処理では、払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を払出制御I/Oポート4110bの出力端子から出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンド(図180に示した、賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を正常に受信した旨を伝える払主ACK情報、払出モータ815への駆動制御を行う駆動情報、払出モータ815が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、エラーLED表示器4130に表示するLED表示情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて払出制御I/Oポート4110bの出力端子から、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときには払主ACK信号を主制御基板4100に出力したり、払出モータ815に駆動信号を出力したり、払出モータ815が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数情報信号として外部端子板1150aに出力したり(本実施形態では、払出モータ815が実際に10個の遊技球を払い出すごとに外部端子板1150aに賞球数情報信号を出力している。)、エラーLED表示器4130に表示信号を出力したりする。
ステップS342に続いて、ポート入力処理を行う(ステップS344)。このポート入力処理では、払出制御I/Oポート4110bの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、エラー解除スイッチ4131の操作信号、回転角スイッチ855からの検出信号、計数スイッチ812からの検出信号、満タンスイッチ916からの検出信号、CRユニットからのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板4100が正常に受信した旨を伝える主制御基板4100からの主払ACK信号等、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS344に続いて、タイマ更新処理を行う(ステップS346)。このタイマ更新処理では、上述したスプロケット807による球がみ状態が生じているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球がみ判定時間、スプロケット807の定位置判定を行わない際に設定されているスキップ判定時間、上述した、賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留されている遊技球を排出する際に設定されている球抜き判定時間、満タンユニット900が遊技球で満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、球切れスイッチ778からの検出信号により球通路ユニット770に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行うほかに、スプロケット807の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に計数スイッチ812で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを監視するための不整合カウンタINCCをリセットするか否かの判定を行う際にその判定条件と設定されている不整合カウンタリセット判定時間の時間管理を行う。例えば、球がみ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が1.75msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球がみ判定時間を1.75msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球がみ判定時間を正確に計っている。
本実施形態では、スキップ判定時間が22.75ms、球抜き判定時間が60060ms、満タン判定時間が504ms、球切れ判定時間が119ms、不整合カウンタリセット判定時間が7000s(約2時間)にそれぞれ設定されており、このタイマ更新処理を行うごとに球抜き判定時間、満タン判定時間、球切れ判定時間及び不整合カウンタリセット判定時間を1.75msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球抜き判定時間、満タン判定時間、球切れ判定時間及び不整合カウンタリセット判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS346に続いて、CR通信処理を行う(ステップS348)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、CRユニットからの各種信号(BRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号)が入力されているか否かを判定する。CRユニットからの各種信号に基づいて、払出制御MPU4110aは、CRユニットと各種信号のやり取りを行う。ステップS324の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元することができる。これにより、賞球ユニット800による遊技球の払出動作を実行している際に、瞬停又は停電して払出動作を続行することができなくなっても、復電時に、その払出動作を続行することができるため、過不足なく遊技球を貯留皿311に払い出すことができる。換言すれば、払出制御MPU4110aは、CR通信処理において、CRユニットと各種信号のやり取りを行いながら、遊技球を貯留皿311に払い出している際に、瞬停又は停電してCRユニットと各種信号のやり取りが遮断され、遊技球の払い出しを続行することができなくなっても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値が、払出バックアップ情報として記憶された、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元されることによって、瞬停又は停電する直前における、パチンコ遊技機1(払出制御MPU4110a)とCRユニットとによる各種信号のやり取りを、復電時から継続することができるとともに、遊技球の払い出しを引き続き行うことができるようになっている。このように、パチンコ遊技機1(払出制御MPU4110a)とCRユニットとによる各種信号のやり取りは、瞬停又は停止しても、復電時に、瞬停又は停止する直前の状態に復元されるようになっており、瞬停又は停止による影響によってパチンコ遊技機1(払出制御MPU4110a)とCRユニットとによる各種信号が変化しないようになっている。したがって、パチンコ遊技機1(払出制御MPU4110a)とCRユニットとによる各種信号のやり取りの信頼性を高めることができる。また、CR通信情報記憶領域に記憶される各種情報は、上述したように、払出バックアップ情報に含まれている。CR通信処理では、復電時に、ステップS324の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において設定された、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、例えば貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、そのPRDY信号を払出制御I/Oポート4110bの出力端子からCRユニットへ出力する。そして、主要動作設定処理の一処理として行われる、例えばリトライ動作監視処理において、払出バックアップ情報に含まれている、払出制御内蔵RAMに記憶されている賞球情報記憶領域の不整合カウンタINCCの値に基づいて、この不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かを判定し、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断して、つまり賞球ユニット800による遊技球の払出動作が異常状態であると判断して、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値1をセットし、払出球抜き判定設定処理において、CRユニットへのエラー状態の出力の設定として、例えばCRユニットと通信中でないときには貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態(LOW)をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、CR通信処理では、復電時から次のタイマ割り込みで、このPRDY信号の論理の状態を、CR通信情報記憶領域から読み出してそのPRDY信号を払出制御I/Oポート4110bの出力端子からCRユニットへ出力する。このように、例えば、瞬停する直前において、賞球ユニット800による遊技球の払出動作が異常状態であった場合には、復電時に、その状態が復元されるため、復電してから極めて早い段階で、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号を払出制御I/Oポート4110bの出力端子からCRユニットへ出力することができ、CRユニットに賞球ユニット800による遊技球の払出動作が異常状態である旨を伝えることができる。これにより、復電時から極めて早い段階で、CRユニットからの無駄な貸球要求信号であるBRDYが出力されるのを防止することができる。またCR通信処理では、ステップS344のポート入力処理で、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域からCR接続信号を読み出してこのCR接続信号に基づいて、その論理がHIであるとき、つまりパチンコ遊技機1が電源投入されているときであって、払出制御基板1186とCRユニットとがCRユニット端子板1150bを介して電気的に接続されているときには、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をHIとして払出制御I/Oポート4110bの出力端子からCRユニットへ出力する一方、その論理がLOWであるとき、つまりパチンコ遊技機1が電源投入されているときであって、払出制御基板1186とCRユニットとがCRユニット端子板1150bを介して電気的に接続されていないときには、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をLOWとして払出制御I/Oポート4110bの出力端子からCRユニットへ出力する。なお、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号の論理の状態は、EXS信号出力設定情報として払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域に記憶され、払出制御基板1186とCRユニットとが電気的に接続されているか否かを伝えるCR接続信号は、CR接続情報として状態情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS348に続いて、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS350)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タンスイッチ916からの検出信号により上述した満タンユニット900が遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、球切れスイッチ778からの検出信号により上述した球通路ユニット770に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、満タンユニット900が遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期1.75msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ916からの検出信号がON、前回(1.75ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ916からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タンスイッチ916からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS346のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間(504ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ916からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タンスイッチ916からの検出信号がONであるときには、満タンユニット900が遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タンスイッチ916からの検出信号がOFFであるときには、満タンユニット900が遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域域に記憶する。
球通路ユニット770に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期1.75msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がON、前回(1.75ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切れスイッチ778からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS346のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間(119ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチ778からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切れスイッチ778からの検出信号がONであるときには、球通路ユニット770に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切れスイッチ778からの検出信号がOFFであるときには、球通路ユニット770に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS350に続いて、コマンド受信処理を行う(ステップS352)。このコマンド受信処理では、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンド(図180に示した、賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を受信する。この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝える払主ACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板4100と払出制御基板1186との基板間の接続に異常が生じている(各種コマンド信号に異常が生じている)旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS352に続いて、コマンド解析処理を行う(ステップS354)。このコマンド解析処理では、ステップS352で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS354に続いて、主要動作設定処理を行う(ステップS356)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球がみ等の動作設定を行ったり、リトライの動作判定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。
ステップS356に続いて、LED表示データ作成処理を行う(ステップS358)。このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、払出制御基板1186のエラーLED表示器4130に表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に基づいて、球通路ユニット770に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、対応する表示データ(本実施形態では、表示値1(数字「1」))を作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS358に続いて、コマンド送信処理を行う(ステップS360)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいて図183に示した状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を作成して主制御基板4100に送信したりする。例えば、状態情報記憶領域から球切れ情報を読み出すと、この球切れ情報に基づいて、球通路ユニット770に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、枠状態1コマンドを作成して主制御基板4100に送信したりする。
ステップS360に続いて、外部ウォッチドックタイマ(外部WDT)4110cに外部WDTクリア信号の出力を停止する(OFFする、ステップS362)。これにより、外部WDT4110cをクリアし、払出制御MPU4110a及び払出制御I/Oポート4110bにリセットがかからないようにする。また外部WDT4110cは、外部WDTクリア信号の出力が停止されると、クリア信号解除時間の計時を開始する。
ステップS362に続いて、再びステップS334に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS336で1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定し、この1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり1.75ms経過したときには、ステップS338で1.75ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし、ステップS340で外部WDT4110cに外部WDTクリア信号を出力(ON)し、ステップS342でポート出力処理を行い、ステップS344でポート入力処理を行い、ステップS346でタイマ更新処理を行い、ステップS348でCR通信処理を行い、ステップS350で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS352でコマンド受信処理を行い、ステップS354でコマンド解析処理を行い、ステップS356で主要動作設定処理を行い、ステップS358でLED表示データ作成処理を行い、ステップS360でコマンド送信処理を行い、ステップS362で外部WDT4110cに外部WDTクリア信号の出力を停止(OFF)し、ステップS334〜ステップS362を繰り返し行う。なお、このステップS334〜ステップS362の処理を「払出制御部メイン処理」という。
主制御基板4100による遊技の進行に応じて払出制御部メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPU4110aの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPU4110aは、ステップS342のポート出力処理において、主制御基板4100からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝える払主ACK信号を、優先して主制御基板4100に出力している。これにより、払出制御MPU4110aは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS334で停電予告信号の入力があったときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS364)。この設定により後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。ステップS364に続いて、払出モータ815への駆動信号の出力を停止する(ステップS366)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。ステップS366に続いて、外部WDT4110cに外部WDTクリア信号を出力してその出力を停止する(ON/OFFする、ステップS368)。これにより、外部WDT4110cをクリアする。ステップS368に続いて、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS370)。このチェックサムは、ステップS318で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値の記憶領域を除く、払出制御内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。ステップS370に続いて、払出バックアップフラグHBK−FLGに値1をセットする。(ステップS372)、これにより、払出バックアップ情報の記憶が完了する。ステップS372に続いて、払出制御内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS374)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。ステップS374に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、外部WDT4110cにクリア信号をON/OFFしない。このため、外部WDT4110cは、払出制御MPU4110a及び払出制御I/Oポート4110bにリセット信号を出力してリセットをかける。その後払出制御MPU4110aは、この払出制御部電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS364〜ステップS374の処理及び無限ループを「払出制御部電源断時処理」という。
パチンコ遊技機1(払出制御MPU4110a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御部電源投入時処理を行う。
なお、ステップS320では払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS322では払出制御部電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[11−2.払出制御部タイマ割り込み処理]
次に、払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御部タイマ割り込み処理は、図194〜図196に示した払出制御部電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、1.75ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御部タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御基板1186の払出制御MPU4110aは、図197に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS380)。ここでは、上述した払出制御部メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御部タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS380に続いて、1.75ms経過フラグHT−FLGに値1をセットする(ステップS382)。この1.75経過フラグHT−FLGは、この払出制御部タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり1.75msごとに1.75msを計時するフラグであり、1.75ms経過したとき値1、1.75ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS382に続いて、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS384)。この復帰は、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタから汎用記憶素子(汎用レジスタ)に切り替える。この汎用レジスタを払出制御部メイン処理で使用することにより補助レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタの内容の破壊を防いでいる。ステップS384に続いて、割り込み許可の設定を行い(ステップS386)、このルーチンを終了する。
[12.周辺制御基板の各種制御処理]
次に、主制御基板4100(主制御MPU4100a)から各種コマンドを受信する周辺制御基板4139の各種処理について説明する。まず、周辺制御部の各種制御処理について説明し、続いて液晶制御部の各種制御処理について説明する。
[12−1.周辺制御部の各種制御処理]
周辺制御部4140の各種制御処理について、図198〜図207を参照して説明する。まず、周辺制御部電源投入時処理について説明し、続いて周辺制御部2ms定常処理、周辺制御部ベースタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、周辺制御部コマンド受信終了割り込み処理、液晶シリアルコマンド制御処理、送信バッファ空割り込み処理、DSP−ACK信号割り込み処理、始動口入賞異常報知判定処理、始動口入賞異常報知処理について説明する。図198は周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図199は周辺制御部2ms定常処理の一例を示すフローチャートであり、図200は周辺制御部ベースタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図201は周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図202は周辺制御部コマンド受信終了割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図203は液晶シリアルコマンド制御処理の一例を示すフローチャートであり、図204は送信バッファ空割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図205はDSP−ACK信号割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図206は始動口入賞異常報知判定処理の一例を示すフローチャートであり、図207は始動口入賞異常報知処理の一例を示すフローチャートである。なお、液晶シリアルコマンド制御処理は、後述する周辺制御部2ms定常処理におけるステップS762で行われ、始動口入賞異常報知判定処理は、後述する周辺制御部電源投入時処理におけるステップS728の払出状態判定処理の一処理で行われる。また、周辺制御部4140の各種制御処理ついて、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、周辺制御部コマンド受信終了割り込み処理、DSP−ACK信号割り込み処理、送信バッファ空割り込み処理、周辺制御部ベースタイマ割り込み処理、周辺制御部2ms定常処理、そして周辺制御部電源投入時処理におけるステップS710〜ステップS740の周辺制御部16ms定常処理の順番で優先順位が設定されている。
[12−1−1.周辺制御部電源投入時処理]
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aは、図198に示すように、周辺制御部電源投入時処理を行う。この周辺制御部電源投入時処理が開始されると、周辺制御MPU4140aは、初期設定処理を行う(ステップS700)。この初期設定処理は、周辺制御MPU4140aを初期化する処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理と、遊技盤4の各発光基板に設けられたカラーLEDを点灯、点滅、又は階調点灯させるパターン作成用のデータから構成された初期データを、一度に、上ランプ駆動基板3366や下ランプ駆動基板3368に送信する処理等を行う。なお、周辺制御MPU4140aは、この初期設定処理で、まず自身を初期化する処理を行うことによって、主制御基板4100から出力される、遊技演出の制御に関する各種コマンドやパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドを受信することができる状態となっており、割り込み許可が設定された状態となっている。この周辺制御MPU4140aを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御MPU4140aを初期化することができる。
ステップS700に続いて、16ms経過フラグST−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS702)。この16ms経過フラグST−FLGは、後述する周辺制御部2ms定常処理で16msを計時するフラグであり、16ms経過したとき値1、16ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップ702で16ms経過フラグST−FLGが値1でない(値0である)ときには、再びステップS702に戻って16ms経過フラグST−FLGが値1であるか否かを判定する。そして、ステップS702で16ms経過フラグST−FLGが値1であるとき、つまり16ms経過したときには、16ms経過フラグST−FLGに値0をセットし(ステップS704)、16ms処理中フラグSP−FLGに値1をセットする(ステップS706)。この16ms処理中フラグSP−FLGは、周辺制御部16ms定常処理を開始するとき値1、終了するとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS706に続いて、周辺制御基板4139に設けられた図示しない外部ウォッチドックタイマ(周辺制御外部WDT)に外部WDTクリア信号を出力する(ONにする、ステップS710)。この周辺制御外部WDTは、周辺制御MPU4140aの動作(システム)を監視するものであり、外部WDTクリア信号がクリア信号解除時間に停止されないときには周辺制御MPU4140aにリセットかける(周辺制御MPU4140aのシステムが暴走していないか定期的に診断している)。なお、周辺制御MPU4140aは、ステップS710では、周辺制御外部WDTに外部WDTクリア信号をONするほかに、図176に示した周辺制御内蔵WDT4140afもクリアしている。このように、周辺制御MPU4140aは、周辺制御外部WDTと周辺制御内蔵WDT4140afとを併用して周辺制御MPU4140aのシステムが暴走していないか診断している。
ステップS710に続いて、テストモードフラグTM−FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS712)。このテストモードフラグTM−FLGは、後述するコマンド解析処理で主制御基板4100(主制御MPU4100a)から受信したコマンドが図182に示したテスト関連に区分されるテストコマンドであるか否かを示すフラグであり、テストコマンドであるとき値1、テストコマンドでないとき値0に設定される。なお、ステップS712では、16ms前に後述するコマンド解析処理で解析したコマンドに基づいて行う。
ステップS712でテストモードフラグTM−FLGが値0であるとき、つまり主制御基板4100(主制御MPU4100a)から受信したコマンドがテストコマンドでないときには、演出選択スイッチ入力処理を行う(ステップS716)。この演出選択スイッチ入力処理では、図177に示した、操作ボタンユニット370に設けられた、左サブボタン372Lの操作を検出する左サブボタンセンサ377Lからの検出信号LB−SEN、及び右サブボタン372Rの操作を検出する右サブボタンセンサ377Rからの検出信号RB−SEN、及びメインボタン371の操作を検出するメインボタンセンサ376からの検出信号CB−SENを扉装飾駆動基板192の扉側シリアル送信回路192cでシリアル化されたボタン操作検出データTS−DATが扉側シリアル送信回路192cから扉中継基板1102、そして副ドロワ中継基板1108を介して周辺制御MPU4140aのボタン操作検出用シリアルI/Oポート(このボタン操作検出用シリアルI/Oポートは、図176に示した周辺制御各種シリアルI/Oポート4140aeを構成するうちの1つである。)に入力されているか否かを判定する。具体的には、操作ボタンユニット370の左サブボタンセンサ377L、右サブボタンセンサ377R、及びメインボタンセンサ376からの検出信号LB−SEN,RB−SEN,CB−SENの各履歴情報に基づいて行う。1バイト(8ビット:最上位ビットB7、B6、B5、B4、B3、B2、B1、最下位ビットB0、「B」はビットを表す。)の記憶容量を有する履歴情報が検出信号LB−SEN,RB−SEN,CB−SENに割り当てられており、この演出選択スイッチ入力処理が実行されるごとに、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって各ビットに記憶されている情報をシフトする処理を行い、最下位ビットB0に、入力された検出信号LB−SEN,RB−SEN,CB−SENを記憶している。例えば、操作ボタンユニット370のメインボタン371の履歴情報のうち、値1が記憶されているところには、メインボタン371が操作されたことにより操作ボタンユニット370からの検出信号CB−SENの論理がHIとなっていることを意味し、値0が記憶されているところには、操作ボタンユニット370が操作されなかったことにより操作ボタンユニット370からの検出信号CB−SENの論理がLOWとなっていることを意味している。演出選択スイッチ入力処理では、各履歴情報の下位4ビット(B3、B2、B1そしてB0)に記憶されている値がすべて値1であるとき、つまり操作ボタンユニット370の左サブボタンセンサ377L、右サブボタンセンサ377R、及びメインボタンセンサ376からの検出信号LB−SEN,RB−SEN,CB−SENの論理が4回連続して(64ms(=16ms×4回)の間、)HIであったか否かを判定する。
ステップS716に続いて、階調制御ICへのDMAシリアル連続送信処理を行う(ステップS718)。この階調制御ICへのDMAシリアル連続送信処理では、図176に示した周辺制御MPU4140aの周辺制御DMAコントローラ4140acを利用してランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。図176に示した周辺制御MPU4140aの周辺制御CPUコア4140aaは、後述するコマンド解析処理で主制御基板4100(主制御MPU4100a)から受信したコマンドに基づいて遊技盤4の各発光基板に設けられたカラーLEDへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DAT(512バイト(=64系統×8バイト)の大きさを有している。)を作成し、図176に示した、バス4140ahを介して、周辺制御内蔵RAM4140abのランプ駆動基板側送信データ領域4140abaにセットする。そして周辺制御CPUコア4140aaは、周辺制御DMAコントローラ4140acの要求要因にランプ駆動基板用シリアルI/Oポート(このランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、図176に示した周辺制御各種シリアルI/Oポート4140aeを構成するうちの1つである。)の送信を指定し、ランプ駆動基板側送信データ領域4140abaの先頭アドレスに格納された遊技盤側発光データSL−DATのうちの最初の1バイトを、バス4140ahを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファに転送して書き込む。これにより、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファのデータを送信レジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信レジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。周辺制御DMAコントローラ4140acは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファに書き込まれた1バイトのデータが送信レジスタに転送され、その送信バッファに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4140aaがバス4140ahを使用していない場合に、ランプ駆動基板側送信データ領域4140abaに格納された残り511バイトの遊技盤側発光データSL−DATを1バイトずつ、バス4140ahを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファに転送して書き込むことで、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファのデータを送信レジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信レジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。上ランプ駆動基板3366及び下ランプ駆動基板3365は、それぞれ64系統のすべての系統に対して遊技盤4の各発光基板に設けられたカラーLED等の電飾への点灯、点滅、及び階調点灯の制御を行うことができることにより、電飾による多様な演出を実現するこができ、リーチ演出や大当り演出等において華やかで魅力ある演出を遊技者に提供している。なお、ステップS718では、16ms前にコマンド解析処理で解析したコマンドに基づいて行う。
ステップS718に続いて、音源IC4140cの初期化を行う(ステップS720)。この音源IC4140cの初期化では、図示しないボリュームつまみのアナログ量を検出して、そのアナログ量に見合う音量が、図2に示した、サイドスピーカ121及び下部スピーカ391から流れるように音源IC4140cのマスターボリューム値の設定等を行う。
ステップS720に続いて、DSP−RUN信号が入力されているか否かを判定する(ステップS722)。DSP−RUN信号は、液晶制御部4150から入力され、液晶制御部4150が正常動作している旨を伝える信号である。なお、DSP−RUN信号の読み込みは、後述する周辺制御部2ms定常処理で行われ、ステップS722の判定では、周辺制御部2ms定常処理で読み込まれたDSP−RUN信号に基づいて行う。
ステップS722でDSP−RUN信号が入力されているとき、つまり液晶制御部4150が正常動作しているときには、RAM−CLR信号を液晶制御部4150に出力する(ONする、ステップS724)。このRAM−CLR信号は、液晶制御部4150を強制的にリセットする信号であり、リセットしないときON、リセットするときOFFにする。
一方、ステップS722でDSP−RUN信号が入力されていないとき、つまり液晶制御部4150が正常動作していないときには、又はステップS724に続いて、コマンド解析処理を行う(ステップS726)。このコマンド解析処理では、主制御基板4100からの各種コマンドを、後述する、周辺制御部コマンド受信割り込み処理及び周辺制御部コマンド受信終了割り込み処理で受信し、この受信した各種コマンドの解析を行う。各種コマンドには、図181に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図182に示した、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドがある。
ステップS726に続いて、RAMクリア判定処理を行う(ステップS727)。このRAMクリア判定処理では、ステップS726のコマンド解析処理で解析したコマンドがRAMクリア報知コマンドであるか否かの判定を行い、解析したコマンドがRAMクリア報知コマンドであるときには、その旨の報知を行う。
ステップS727に続いて、払出状態判定処理を行う(ステップS728)。この払出状態判定処理では、ステップS726のコマンド解析処理で解析したコマンドが図182に示した状態表示に区分される各種コマンドであるか否かの判定を行い、解析したコマンドが状態表示に区分される各種コマンドであるときには、その解析したコマンドに基づいて各種報知処理を行う。例えば、不正行為の有無を監視する始動口入賞異常報知判定処理を行ったりする。この始動口入賞異常報知判定処理ついては、その詳細な説明を後述する。
ステップS728に続いて、演出選択スイッチメイン処理を行う(ステップS730)。この演出選択スイッチメイン処理では、ステップS716の演出選択スイッチ入力処理の判定結果(操作ボタンユニット370のメインボタンセンサ376、左サブボタンセンサ377L、及び右サブボタンセンサ377Rからの演出選択信号の各履歴情報に基づく判定結果)に基づいて演出に関する各種処理を行う。
ステップS730に続いて、スケジューラメイン処理を行う(ステップS732)。このスケジューラメイン処理では、音源IC4140c、上ランプ駆動基板3366の階調制御IC3366b、下ランプ駆動基板3365の階調制御IC3365b、及び扉装飾駆動基板192に関する各種データをステップS726で解析したコマンドに基づいて新たに設定したり、この設定した各種データを進行(ポインタを進行)させたりする。例えば、スケジューラメイン処理では、ステップS726で解析した、図182に示したその他に区分される始動口入賞コマンドに基づいて、第一始動口2001に遊技球が入球した旨や、第二始動口2002に遊技球が入球した旨を、サイドスピーカ121や下部スピーカ391から音声で報知するために、音源IC4140cに各種データを設定したりする。またスケジューラメイン処理では、その一処理としてタイマ更新処理も含んでいる。このタイマ更新処理では、後述する周辺制御部16ms定常処理において使用される各種タイマの計時開始がセットされると、各種タイマの計時を開始したり、更新したりする処理を行う。
ステップS732に続いて、図柄メイン処理を行う(ステップS734)。この図柄メイン処理では、ステップS726で解析したコマンドに基づいて液晶制御部4150に出力する制御データ(表示コマンド)の準備を行う。この表示コマンドは、液晶表示装置1400に描画させる画面を示すものであり、具体的には、主制御基板4100からのコマンドである当り又ははずれを示す当落情報コマンド、この当落情報コマンドに基づいて決定した演出パターンの種類(アニメーションによる演出、実写による演出、これらの複合による演出等)を示す演出パターン情報コマンド、アニメーションによる演出から実写による演出を切り替える切替点等から構成されている。周辺制御MPU4140aは、その作成した表示コマンドを、周辺制御MPU4140aの周辺制御内蔵RAM4140abに設けた周辺制御部送信リングバッファに記憶する。この「周辺制御部送信リングバッファ」とは、バッファの最後と先頭が繋がっているように使われるバッファのことであり、バッファの先頭から順次データを記憶し、バッファの最後まできたら最初に戻って記憶する。
一方、ステップS712でテストモードフラグTM−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり主制御基板4100(主制御MPU4100a)から受信したコマンドがテストコマンドであるときには、テストコマンド取得処理を行う(ステップS736)。このテストコマンド取得処理では、ステップS726のコマンド解析処理で解析したテストコマンドに基づいて、上ランプ駆動基板3366、下ランプ駆動基板3365、及び扉装飾駆動基板192の各種検査を行うための検査コマンドの準備を行うとともに、音源IC4140c、及び液晶制御部4150の各種検査を行うための制御データ(検査コマンド)の準備を行う。
ステップS736に続いて、テスト処理を行う(ステップS738)。このテスト処理では、ステップS736のテストコマンド取得処理で準備した検査コマンドを、上ランプ駆動基板3366、下ランプ駆動基板3365、及び扉装飾駆動基板192に送信するとともに、ステップS736のテストコマンド取得処理で準備した制御データ(検査コマンド)を、音源IC4140c、及び液晶制御部4150に出力する。
ステップS734又はステップS738に続いて、周辺制御外部WDTに外部WDTクリア信号の出力を停止する(OFFにする、ステップS740)。これにより、周辺制御外部WDTをクリアし、周辺制御MPU4140aにリセットがかからないようにする。また周辺制御外部WDTは、外部WDTクリア信号の出力が停止されると、クリア信号解除時間の計時を開始する。なお、周辺制御MPU4140aは、ステップS710でのみ周辺制御内蔵WDT4140afをクリアしており、16msごとに(後述する周辺制御部16ms定常処理が開始されるごとに)、周辺制御内蔵WDT4140afをクリアするようになっている。このように、周辺制御内蔵WDT4140afは、16msごとにクリアされないと、周辺制御MPU4140aにリセットをけるようになっている。なお、ステップS710〜ステップS740の処理を「周辺制御部16ms定常処理」という。
ステップS740に続いて、16ms処理中フラグSP−FLGに値0(周辺制御部16ms定常処理の終了)をセットし(ステップS742)、再びステップS702に戻る。
ステップS702に戻ると、16ms経過フラグST−FLGが値1であるか否かを判定し、この16ms経過フラグST−FLGが値1であるとき、つまり16ms経過したときには、ステップS704で16ms経過フラグST−FLGに値0をセットし、ステップS706で16ms処理中フラグSP−FLGに値1をセットし、ステップS710〜ステップS740の周辺制御部16ms定常処理を行い、ステップS742で16ms処理中フラグSP−FLGに値0をセットし、再びステップS702に戻る。一方、ステップS702で16ms経過フラグST−FLGが値1でないとき、つまり16ms経過していないときには、再びステップS702に戻る。
[12−1−2.周辺制御部2ms定常処理]
次に、周辺制御部2ms定常処理について説明する。この周辺制御部2ms定常処理が開始されると、周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aは、図199に示すように、2ms経過フラグSTB−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS750)。この2ms経過フラグSTB−FLGは、後述する周辺制御部ベースタイマ割り込み処理で2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS750で2ms経過フラグSTB−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、2ms経過フラグSTB−FLGに値0をセットし(ステップS752)、テストモードフラグTM−FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS754)。このテストモードフラグTM−FLGは、上述したように、図198に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS726のコマンド解析処理で主制御基板4100(主制御MPU4100a)から受信したコマンドがテストコマンドであるか否かを示すフラグであり、テストコマンドであるとき値1、テストコマンドでないとき値0に設定される。
ステップS754でテストモードフラグTM−FLGが値0であるとき、つまり主制御基板4100(主制御MPU4100a)から受信したコマンドがテストコマンドでないときには、スイッチ入力処理を行う(ステップS756)。このスイッチ入力処理では、遊技盤側位置検出センサ(フォトセンサ2349,3052,3098,3131,3173,3237,3285,3254,3286,3321,3333)からの検出信号IN1−SEN〜IN11−SENがモータ駆動基板3363、そして上ランプ駆動基板3366を介してそれぞれ入力されているか否かを判定したり、図177に示した、扉枠5の回転灯244,264,284の回転位置を検出する左回転位置検出センサ250、右回転位置検出センサ270、中央回転位置検出センサ290からの検出信号LT−SEN,RT−SEN,CT−SEN(図177参照)が扉中継基板1102、そして副ドロワ中継基板1108を介してそれぞれ入力されているか否かを判定したりする。
なお、スイッチ入力処理では、入力された各種検出信号の履歴を作成している。具体的には、1バイト(8ビット:最上位ビットB7、B6、B5、B4、B3、B2、B1、最下位ビットB0、「B」はビットを表す。)の記憶容量を有する履歴情報が各検出信号に割り当てられており、このスイッチ入力処理が実行されるごとに、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって各ビットに記憶されている情報をシフトする処理を行い、最下位ビットB0に、入力された各種検出信号を記憶している。例えば、回転装飾体3102(第一回転部材3112)の回転位置を検知する回転位置検出センサ3134からの検出信号IN1−SENの論理がHIであるときには値1を記憶し、論理がLOWであるときには値0を記憶する。
ステップS756に続いて、モータ駆動基板へのDMAシリアル連続送信処理を行う(ステップS758)。このモータ駆動基板へのDMAシリアル連続送信処理では、図176に示した周辺制御MPU4140aの周辺制御DMAコントローラ4140acを利用してモータ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。図176に示した周辺制御MPU4140aの周辺制御CPUコア4140aaは、図198に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS726のコマンド解析処理で主制御基板4100(主制御MPU4100a)から受信したコマンドに基づいて、遊技盤側モータ(回転装飾体駆動モータ3106、昇降駆動モータ3160、揺動駆動モータ3212、天井駆動モータ3312、キャラクタ体駆動モータ3418、右腕駆動モータ3472、及び歯車駆動モータ3514)、及び遊技盤側ソレノイド(ロックソレノイド3127、及び頭部ソレノイド3455)への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DAT(4バイトの大きさを有している。)を作成し、図176に示した、バス4140ahを介して、周辺制御内蔵RAM4140abのモータ駆動基板側送信データ領域4140abcにセットする。そして周辺制御CPUコア4140aaは、周辺制御DMAコントローラ4140acの要求要因にモータ駆動基板用シリアルI/Oポート(このモータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、図176に示した周辺制御各種シリアルI/Oポート4140aeを構成するうちの1つである。)の送信を指定し、モータ駆動基板側送信データ領域4140abcの先頭アドレスに格納された遊技盤側モータ駆動データSM−DATのうちの最初の1バイトを、バス4140ahを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファに転送して書き込む。これにより、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファのデータを送信レジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信レジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。周辺制御DMAコントローラ4140acは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファに書き込まれた1バイトのデータが送信レジスタに転送され、その送信バッファに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4140aaがバス4140ahを使用していない場合に、モータ駆動基板側送信データ領域4140abcに格納された残り3バイトの遊技盤側モータ駆動データSM−DATを1バイトずつ、バス4140ahを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファに転送して書き込むことで、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファのデータを送信レジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信レジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。モータ駆動基板3363は、遊技盤側モータ(駆動モータ2343,3043,3088,3127,3166,3204,3232,3245,3279,3294,3318,3329)の駆動制御を行うことにより、図114に示した遊技盤4の裏ユニット3000に設けられた各種役物ユニットの可動役物が可動されて多様な演出を実現するこができ、リーチ演出や大当り演出等において華やかで魅力ある演出を遊技者に提供している。
ステップS758に続いて、扉装飾駆動基板へのDMAシリアル連続送信処理を行う(ステップS760)。この扉装飾駆動基板へのDMAシリアル連続送信処理では、図176に示した周辺制御MPU4140aの周辺制御DMAコントローラ4140acを利用して扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。図176に示した周辺制御MPU4140aの周辺制御CPUコア4140aaは、図198に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS726のコマンド解析処理で主制御基板4100(主制御MPU4100a)から受信したコマンドに基づいて、トップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285への駆動信号を出力するための回転灯モータ駆動データと、メインボタン371の振動体371cへの駆動信号を出力するための振動体駆動データと、扉側に設けられた各種カラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側モータ駆動発光データST−DAT(14バイトの大きさを有している。)を作成し、図176に示した、バス4140ahを介して、周辺制御内蔵RAM4140abの扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbにセットする。そして周辺制御CPUコア4140aaは、周辺制御DMAコントローラ4140acの要求要因に扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポート(この扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートは、図176に示した周辺制御各種シリアルI/Oポート4140aeを構成するうちの1つである。)の送信を指定し、扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbの先頭アドレスに格納された扉側モータ駆動発光データST−DATのうちの最初の1バイトを、バス4140ahを介して、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファに転送して書き込む。これにより、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファのデータを送信レジスタに転送し、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して送信レジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。周辺制御DMAコントローラ4140acは、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファに書き込まれた1バイトのデータが送信レジスタに転送され、その送信バッファに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア4140aaがバス4140ahを使用していない場合に、扉装飾駆動基板側送信データ領域4140abbに格納された残り13バイトの扉側モータ駆動発光データST−DATを1バイトずつ、バス4140ahを介して、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファに転送して書き込むことで、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファのデータを送信レジスタに転送し、扉側モータ駆動発光クロック信号ST−CLKと同期して送信レジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、扉装飾駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。扉装飾駆動基板192は、左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、中央回転灯モータ285、及び振動体371c等の電気的駆動源の制御を行うことができ、受皿中継基板190、左サイド装飾基板126L、ガラス装飾中継基板454、左トップランプ基板206L、右トップランプ基板206R、及び右サイド装飾基板126Rは、扉枠5に複数設けられた各種カラーLED等の電飾への点灯、点滅、及び階調点灯の制御を行うことができることにより、電気的駆動源及び電飾による多様な演出を実現するこができ、リーチ演出や大当り演出等において華やかで魅力ある演出を遊技者に提供している。
ステップS760に続いて、液晶シリアルコマンド制御処理を行う(ステップS762)。この液晶シリアルコマンド制御処理では、その詳細な説明は後述するが、液晶制御部4150に、上述した、液晶表示装置1400に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を出力する。表示コマンドは、上述したように、周辺制御内蔵RAM4140abに設けた周辺制御部送信リングバッファに記憶されており、周辺制御MPU4140aは、この周辺制御部送信リングバッファから表示コマンドを抽出して液晶制御部用シリアルI/Oポート(この液晶制御部用シリアルI/Oポートは、図176に示した周辺制御各種シリアルI/Oポート4140aeを構成するうちの1つである。)から液晶制御部4150に送信する。
一方、ステップS754でテストモードフラグTM−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり主制御基板4100(主制御MPU4100a)から受信したコマンドがテストコマンドであるとき又はステップS762に続いて、2ms更新カウンタCの値に値1を加算する(インクリメントする。ステップS764)。この2ms更新カウンタCは、この周辺制御部2ms定常処理が行われた回数をカウントするカウンタであり、2ms更新カウンタCの値1は2msの時間に相当する。
ステップS764に続いて、2ms更新カウンタCが値8であるか否か、つまり16ms(=2ms更新カウンタC×2ms)であるか否かを判定する(ステップS766)。ステップS766で16msであるときには、16ms経過フラグST−FLGに値1をセットする(ステップS768)。このとき、2ms更新カウンタCに値0をセットする。
ステップS768に続いて、16ms処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり図198に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS710〜ステップS740の周辺制御部16ms定常処理を行っているか否かを判定する(ステップS770)。
ステップS770で16ms処理中フラグSP−FLGが値0であるとき、つまり周辺制御部16ms定常処理を行っていないときには、作業領域のバックアップを行い(ステップS772)、このルーチンを終了する。この作業領域のバックアップは、図198に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS710〜ステップS740の周辺制御部16ms定常処理で処理した情報を、周辺制御内蔵RAM4140abに設けた作業領域上のコピー領域にコピーする。
一方、ステップS750で2ms経過フラグSTB−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり2ms経過していないとき、ステップS766で16ms経過していないとき又はステップS770で周辺制御部16ms定常処理中に情報の設定がなかったときには、そのままこのルーチンを終了する。
[12−1−3.周辺制御部ベースタイマ割り込み処理]
次に、周辺制御部ベースタイマ割り込み処理について説明する。この周辺制御部ベースタイマ割り込み処理は、ベースクロックである130.227μsごとに繰り返し行われる。周辺制御部ベースタイマ割り込み処理が開始されると、周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aは、図200に示すように、ベース更新カウンタBCの値に値1を加える(インクリメントする。ステップS780)。このベース更新カウンタBCは、この周辺制御部ベースタイマ割り込み処理が行われた回数をカウントするカウンタであり、ベース更新カウンタBCの値1はベースクロックである130.227μsの時間に相当する。
ステップS780に続いて、ベース更新カウンタBCが値16であるか否か、つまり2ms(ベース更新カウンタBC×130.227μs)であるか否かを判定する(ステップS782)。ステップS782で2msでないときには、このルーチンを終了する一方、ステップS782で2msであるときには、2ms経過フラグSTB−FLGに値1をセットし(ステップS784)、このルーチンを終了する。ステップS782の処理では、ベース更新カウンタBCに値0をセットする。この2ms経過フラグSTB−FLGは、上述したように、2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
[12−1−4.周辺制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、周辺制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。この周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aは、図201に示すように、主制御基板4100からのコマンドを受信開始する信号(以下、「WR信号」という。)と、主制御基板4100からの各種基板をセレクトする信号(以下、「SEL信号」という。)と、がともに値1であるか否かを判定する(ステップS790)。主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず周辺制御基板4139に対応するSEL信号を値1、そしてWR信号を値1にそれぞれセットして周辺制御基板4139にコマンドを送信する。
このコマンドは、1パケット4ニブルにより構成されている。この「ニブル」とは、4ビットを意味し、2ニブルでは8ビット(1バイト)、つまり4ニブルでは16ビット(2バイト)となる。1ニブルのデータの抽出は、WR信号が値0から値1に立ち上がって(「アップエッジ」という。)、所定時間(例えば、20マイクロ秒(μs)〜50μs)保持された後、WR信号が値1から値0に立ち下がる(「ダウンエッジ」という。)ことによって行い、1パケットでは合計4回行う。
ステップS790でWR信号及びSEL信号がともに値1であるとき、つまり主制御MPU4100aが周辺制御基板4139にコマンドを送信するときには、コマンド受信処理を行い(ステップS792)、このルーチンを終了する。このコマンド受信処理は、受信した1ニブル分のコマンド(4分割されたコマンドのうち1つ)を周辺制御内蔵RAM4140abに設けた周辺制御部受信リングバッファに記憶する。この「周辺制御部受信リングバッファ」とは、バッファの最後と先頭が繋がっているように使われるバッファのことであり、バッファの先頭から順次データを記憶し、バッファの最後まできたら最初に戻って記憶する。
周辺制御部受信リングバッファに記憶したあと、続いてバッファライトカウンタを値1だけ加算する。このバッファライトカウンタは、コマンド受信処理を行うごとに値1ずつ加算する。このため、1パケット(4ニブル)を記憶するとバッファライトカウンタは値4になる。
一方、ステップS790でSEL信号及びWR信号がともに値0であるとき、つまり主制御MPU4100aが周辺制御基板4139にコマンドを送信しないときには、そのままこのルーチンを終了する。なお、主制御基板4100から周辺制御基板4139へのコマンド送信時には、上述したようにWR信号のアップエッジからダウンエッジまでの所定時間(例えば、20μs〜50μs)、SEL信号、WR信号、データ(4ビット)が一定に保持されているが、ノイズの影響により信号が乱れ、コマンドを正常に受信できないおそれがある。そこで、このノイズ対策として、周辺制御MPU4140aは、SEL信号、WR信号、データ(4ビット)を受信(1回目)すると所定時間経過(例えば、1μs)後、再びSEL信号、WR信号、データ(4ビット)を受信する。そして、1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致しているか否かを判定する。1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致しているときには、ステップS790でWR信号及びSEL信号がともに値1であるか否かを判定する。一方、1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致していないときには、所定時間経過後、再びSEL信号、WR信号、データ(4ビット)を受信し、1回目に受信したSEL信号、WR信号、データ(4ビット)と一致するまで判定を繰り返し行う。
[12−1−5.周辺制御部コマンド受信終了割り込み処理]
次に、周辺制御部コマンド受信終了割り込み処理について説明する。この周辺制御部コマンド受信終了割り込み処理が開始されると、周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aは、図202に示すように、WR信号及びSEL信号がともに値0であるか否かを判定する(ステップS795)。主制御基板4100の主制御MPU4100aは、周辺制御基板4139にコマンドの送信を完了すると、WR信号に値0をセットした後、SEL信号を値0にセットする(ダウンエッジ)。
ステップS795でWR信号及びSEL信号がともに値0であるとき、つまり主制御MPU4100aが周辺制御基板4139にコマンドの送信を完了したときには、コマンド受信終了処理を行い(ステップS797)、このルーチンを終了する。このコマンド受信終了処理は、図201に示した周辺制御部コマンド受信割り込み処理で加算されたバッファライトカウンタに値0をセットする。コマンドを正常に受信できたときには、1パケット4ニブルであるため、バッファライトカウンタは値4となる。また、1パケット分の受信を行えなかったとき、つまりバッファライトカウンタが値4未満のときには、受信したコマンドを破棄する。
一方、ステップS795でWR信号及びSEL信号がともに値0でないとき、つまり主制御MPU4100aが周辺制御基板4139にコマンドの送信を完了していないときには、そのままこのルーチンを終了する。なお、上述したように、ノイズ対策として、周辺制御MPU4140aは、SEL信号を受信(1回目)すると所定時間経過(例えば、1μs)後、再びSEL信号を受信し、1回目に受信したSEL信号と一致しているか否かを判定する。1回目に受信したSEL信号と一致しているときには、ステップS795でWR信号及びSEL信号がともに値0であるか否かを判定する。一方、1回目に受信したSEL信号と一致していないときには、所定時間経過後、再びSEL信号を受信し、1回目に受信したSEL信号と一致するまで判定を繰り返し行う。
[12−1−6.液晶シリアルコマンド制御処理]
次に、液晶シリアルコマンド制御処理について説明する。この液晶シリアルコマンド制御処理は、制御データ(表示コマンド)をシリアルデータとして周辺制御基板4139から液晶制御部4150に出力する。
液晶シリアルコマンド制御処理が開始されると、周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aは、図203に示すように、表示コマンドがあるか否かを判定する(ステップS800)。この表示コマンドは、上述したように、液晶表示装置1400に表示させる画面を示すものであり、周辺制御内蔵RAM4140abに設けた周辺制御部送信リングバッファに記憶されている。ステップS800では、この周辺制御部送信リングバッファに表示コマンドが記憶されているか否かを判定する。
ステップS800で表示コマンドがあるとき、つまり周辺制御部送信リングバッファに表示コマンドが記憶されているときには、送信中フラグTX−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS802)。この送信中フラグTX−FLGは、表示コマンドを液晶シリアルデータDSP−SERとして液晶制御部4150に送信しているか否かを示すフラグであり、液晶シリアルデータDSP−SERを送信中であるとき値1、液晶シリアルデータDSP−SER送信中でないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS802で送信中フラグTX−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり液晶シリアルデータDSP−SERを送信中でないときには、送信バッファが空であるか否かを判定する(ステップS804)。この判定は、液晶シリアルデータDSP−SERを液晶制御部4150に送信する液晶制御部用シリアルI/Oポートの送信バッファの状態を示すステータスに基づいて送信バッファが空であるか否かを判定する。
ステップS804で送信バッファが空であるときには、サム値を算出する(ステップS806)。このサム値は、周辺制御部送信リングバッファに記憶されている表示コマンドに基づいて行う。ここで、表示コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するモードと、から構成される基コマンドを1つ又は複数連なって構成されている。ステータスはコマンドの種類を示すものであり、モードは演出のバリエーションを示すものである。基コマンドは、図181及び図182に示した主制御基板4100から周辺制御基板4139へ送信される各種コマンドであり、その1バイト目としてステータス、その2バイト目としてモードが割り振られている。ステップS806では、基コマンドの1バイト目として割り振られたステータスが示す情報と、基コマンドの2バイト目として割り振られたモードが示す情報と、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。そして、その算出したサム値を基コマンドに付加して、つまり基コマンドの3バイト目として拡張して割り振ることによって送信用基コマンドを作成する。つまり送信用基コマンドは、1バイト目として基コマンドのステータスが割り振られ、2バイト目として基コマンドのモードが割り振られ、3バイト目として基コマンドのステータスと基コマンドのモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。このように、送信用基コマンドは、3バイトの記憶容量を有しており、3バイトで構成されたパケットとして扱われている。
ステップS806に続いて、送信バッファに1バイト目をセットする(ステップS808)。ここでは、送信バッファに送信用基コマンドの1バイト目として割り振られたステータスをセットすることによってシリアル入出力ポートから1ビットずつステータスの情報を液晶制御部4150に送信する。これにより、制御データ(表示コマンド)を液晶シリアルデータDSP−SERとして送信開始する。
ステップS808に続いて、送信カウンタTXCに値1をセットする(ステップS810)。この送信カウンタTXCは、送信用基コマンドの何バイト目を送信バッファにセットしたかを示すカウンタであり、送信用基コマンドの1バイト目が送信バッファにセットされると値1、送信用基コマンドの2バイト目が送信バッファにセットされると値2、送信用基コマンドの3バイト目が送信バッファにセットされると値3となる。なお、送信カウンタTXCは、電源投入時等に初期値0にセットされる。
ステップS810に続いて、DSP−ACK信号待ち時間をセットする(ステップS812)。このDSP−ACK信号待ち時間は、液晶制御部4150からのDSP−ACK信号が入力され得る期間を設定するものである。本実施形態では、周辺制御部4140から液晶制御部4150への送信方式として調歩同期式シリアルを採用しており、ビットレートとして19.2kbps、液晶シリアルデータDSP−SERのフォーマットとして8ビット通信、LSBファースト、偶数パリティ付加、ストップ1ビットとなっている。これにより、送信用基コマンドは、上述したように、3バイト(24ビット)の記憶容量を有しているため、処理時間等を含め、DSP−ACK信号待ち時間として1.6ミリ秒(ms)に設定している。ここで、DSP−ACK信号は、液晶制御部4150の液晶制御MPU4150aが液晶シリアルデータDSP−SERを受信した旨を伝える信号であり、液晶制御MPU4150aは、周辺制御MPU4140aがステップS808で送信開始した表示コマンドをDSP−ACK信号待ち時間内で受信した際に、その旨を伝えるDSP−ACK信号を周辺制御MPU4140aに出力する。
ステップS812に続いて、液晶シリアルデータDSP−SERを送信中であるとして送信中フラグTX−FLGに値1をセットし(ステップS814)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS802で送信中フラグTX−FLGが値1であるとき、つまり液晶シリアルデータDSP−SERを送信中であるときには、DSP−ACK信号待ち時間がタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS816)。
ステップS816でDSP−ACK信号待ち時間がタイムアウトしたとき、つまりDSP−ACK信号が液晶制御部4150から入力され得る期間を超えているときには、周辺制御部送信リングバッファに記憶されている表示コマンドを構成する基コマンドを再送信するために、ステップS804で送信バッファが空であるか否かを判定し、送信バッファが空であるときにはステップS806で基コマンドの1バイト目として割り振られたステータスが示す情報と、基コマンドの2バイト目として割り振られたモードが示す情報と、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値を基コマンドの3バイト目として拡張して割り振ることによって送信用基コマンドを作成する。そしてステップS810で送信用基コマンドの1バイト目が送信バッファにセットされたとして送信カウンタTXCに値1をセットし、ステップS812でDSP−ACK信号待ち時間をセットしてDSP−ACK信号が液晶制御部4150から入力される期間を設定し、ステップS814で液晶シリアルデータDSP−SERを送信中であるとして送信中フラグTX−FLGに値1をセットし、このルーチンを終了する。なお、本実施形態では、再送信する回数として4回に設定しており、同一の送信用基コマンドを最大で5回、液晶制御部4150に送信するようになっている。
一方、ステップS816でDSP−ACK信号待ち時間がタイムアウトしていなとき、つまりDSP−ACK信号が液晶制御部4150から入力され得る期間内であるときには、ステップS806で作成した送信用基コマンドの2バイト目として割り振られたモード、そして3バイト目として割り振られたサム値を順に送信するため、そのままこのルーチンを終了する。なお、モード及びサム値は、送信バッファが空になると、これを契機として割り込みが発生し、この割り込み処理の中で、それぞれ送信バッファにセットされてシリアル入出力ポートから1ビットずつ液晶制御部4150に送信される。
一方、ステップS800で表示コマンドがないとき、つまり周辺制御部送信リングバッファに表示コマンドが記憶されていないときには、液晶制御部4150に送信する表示コマンドがないため、そのままこのルーチンを終了し、ステップS804で送信バッファが空でないときには、送信バッファが空になるのを待つため、そのままこのルーチンを終了する。
この液晶シリアルコマンド制御処理は、上述したように、図199に示した周辺制御部2ms定常処理におけるステップS762で行われている。つまり2msごとに繰り返し行われている。周辺制御MPU4140aは、液晶シリアルコマンド制御処理におけるステップS806で送信用基コマンドを作成してその1バイト目を送信バッファにセットすると、シリアル入出力ポートから1ビットずつ液晶制御部4150に送信開始し、ステップS812でDSP−ACK信号待ち時間をセットし、ステップS814で液晶シリアルデータDSP−SERを送信中であるとして送信中フラグTX−FLGに値1をセットする。これにより、2ms経過後に、液晶シリアルコマンド制御処理が開始されても、液晶シリアルデータDSP−SERを送信中であるとして送信中フラグTX−FLGに値1がセットされているため、DSP−ACK信号待ち時間がタイムアップしないかぎり、つまりDSP−ACK信号が液晶制御部4150から入力され得る期間内では、送信用基コマンドの1バイト目に続く、2バイト目そして3バイト目を送信バッファにセットしないようになっている。送信用基コマンドの2バイト目は、送信バッファにセットされた1バイト目の送信が完了して送信バッファが空になると、これを契機として割り込みが発生し、この割り込み処理の中で送信バッファにセットされてシリアル入出力ポートから1ビットずつ液晶制御部4150に送信開始される。そして、送信用基コマンドの3バイト目は、送信バッファにセットされた2バイト目の送信が完了して送信バッファが空になると、この割り込み処理の中で送信バッファにセットされて液晶制御部用シリアルI/Oポートから1ビットずつ液晶制御部4150に送信開始される。このように、液晶シリアルコマンド制御処理は、ステップS806で送信用基コマンドを作成してその1バイト目を送信バッファにセットすると、送信用基コマンドの2バイト目及び3バイト目を送信する制御から切り離されるようになっている。これにより、2msごとに行われる、図199に示した周辺制御部2ms定常処理の負荷を軽減している。
なお、表示コマンドが基コマンドを複数連なって構成されている場合において、これらすべての基コマンドを液晶制御部4150が受信することによって液晶制御部4150が液晶表示装置1400の描画制御を行う場合には、周辺制御MPU4140aは、シリアル入出力ポートから1ビットずつ基コマンドを数珠繋ぎにして液晶制御部4150に送信し、すべての基コマンドを送信完了したのちに、サム値を送信することができる。このサム値は、送信した基コマンドを数値とみなしてその合計を算出した値である。液晶制御部4150の液晶制御MPU4150aは、すべての基コマンド及びサム値を受信したのち、これらの受信した基コマンドを数値とみなしてその合計であるサム値を算出し、この算出したサム値と、受信したサム値と、が一致しているか否かを判定することによって受信したすべての基コマンド、つまり表示コマンドが正しく周辺制御部4140から液晶制御部4150に伝わったか否かを確認することができる。そして一致していないときには、周辺制御MPU4140aは、同一の表示コマンドを液晶制御部4150に再送信する。ところが、すべての基コマンドを送信完了してからサム値を送信して液晶制御MPU4150aが上述したサム値による判定で表示コマンドが正しく周辺制御部4140から液晶制御部4150に伝わったか否かを判定していると、例えば、表示コマンドが大きい場合、つまり基コマンドの数が大きい場合では、そのうちの1つの基コマンドが、周辺制御基板4139と液晶制御部4150との基板間を電気的に接続するハーネスに侵入したノイズの影響をたまたま受けて変化すると、他の基コマンドは正しく周辺制御部4140から液晶制御部4150に伝わったにもかかわらず、液晶制御MPU4150aは上述したサム値による判定で表示コマンドが正しく周辺制御部4140から液晶制御部4150に伝わらなかったと判断することとなり、周辺制御MPU4140aは、同一の表示コマンドを液晶制御部4150に再送信することとなる。そうすると、周辺制御部4140と液晶制御部4150との間で無駄な送信時間を費やすことによって上位である主制御基板4100と下位である周辺制御基板4139の液晶制御部4150との同期性を維持できなくなる。そこで、本実施形態では、基コマンドに基づいてサム値を算出し、この算出したサム値を基コマンドに付加して送信用基コマンドを作成し、この作成した送信用基コマンドを液晶制御部4150に送信している。これにより、送信用基コマンドが、周辺制御部4140と液晶制御部4150との間に侵入したノイズの影響をたまたま受けて変化しても、周辺制御MPU4140aは、同一の送信用基コマンドを液晶制御部4150に再送信することによって、表示コマンドを構成するすべての基コマンドを液晶制御部4150に再送信する必要がなくなり、無駄な送信時間を費やすことがなくなる。したがって、基コマンドごとに送信用基コマンドを作成して液晶制御部4150に送信する方法を採用することで、上位である主制御基板4100と下位である周辺制御基板4139の液晶制御部4150との同期性を維持することできる。
[12−1−7.送信バッファ空割り込み処理]
次に、送信バッファ空割り込み処理について説明する。この送信バッファ空割り込み処理は、周辺制御MPU4140aの液晶制御部用シリアルI/Oポートの送信バッファが空になると、これを契機として開始される。
送信バッファ空割り込み処理が開始されると、周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aは、図204に示すように、送信カウンタTXCが値3であるか否かを判定する(ステップS820)。この送信カウンタTXCは、上述したように、送信用基コマンドの何バイト目を送信バッファにセットしたかを示すカウンタであり、送信用基コマンドの1バイト目が送信バッファにセットされると値1、送信用基コマンドの2バイト目が送信バッファにセットされると値2、送信用基コマンドの3バイト目が送信バッファにセットされると値3となる。
ステップS820で送信カウンタTXCが値3でないとき、つまり送信用基コマンドの3バイト目が送信バッファにセットされていないときには、送信バッファに送信用基コマンドの次バイト目をセットし(ステップS822)、送信カウンタTXCの値に値1を加え(インクリメントし、ステップS824)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS820で送信カウンタTXCが値3であるとき、つまり送信用基コマンドの3バイト目が送信バッファにセットされたときには、そのままこのルーチンを終了する。
図203に示した液晶シリアルコマンド送信制御処理におけるステップS808では、上述したように、送信用基コマンドの1バイト目が送信バッファにセットされており、この送信用基コマンドの1バイト目が、液晶制御部用シリアルI/Oポートから1ビットずつ液晶制御部4150に出力され、送信バッファが空になると、この送信バッファ空割り込み処理が開始される。そして、図204に示した送信バッファ空割り込み処理におけるステップS822で送信バッファに送信用基コマンドの2バイト目をセットし、送信用基コマンドの2バイト目が送信バッファにセットされたとしてステップS824で送信カウンタTXCの値に値1を加え、送信カウンタの値を値2にセットし、このルーチンを終了する。送信バッファにセットされた送信用基コマンドの2バイト目が、液晶制御部用シリアルI/Oポートから1ビットずつ液晶制御部4150に出力され、送信バッファが空になると、再びこの送信バッファ空割り込み処理が開始される。そしてステップS822で送信バッファに送信用基コマンドの3バイト目をセットし、送信用基コマンドの3バイト目が送信バッファにセットされたとしてステップS824で送信カウンタTXCの値に値1を加え、送信カウンタの値を値3にセットし、このルーチンを終了する。送信バッファにセットされた送信用基コマンドの3バイト目が、液晶制御部用シリアルI/Oポートから1ビットずつ液晶制御部4150に出力され、送信バッファが空になると、再びこの送信バッファ空割り込み処理が開始される。この場合、送信カウンタTXCがすでに値3となっているため、ステップS820でそのままこのルーチンを終了する。このように、図203に示した液晶シリアルコマンド送信制御処理は送信用基コマンドの1バイト目のみ送信バッファにセットし、送信バッファ空割り込み処理は送信用基コマンドの2バイト目及び3バイト目を送信バッファにセットするようになっている。
[12−1−8.DSP−ACK信号割り込み処理]
次に、DSP−ACK信号割り込み処理について説明する。このDSP−ACK信号割り込み処理は、液晶制御部4150からのDSP−ACK信号が周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aに入力されると、これを契機として開始される。
DSP−ACK信号割り込み処理が開始されると、周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aは、図205に示すように、送信中フラグTX−FLGに値0をセットし(ステップS830)、このルーチンを終了する。この送信中フラグTX−FLGは、上述したように、表示コマンドを液晶シリアルデータDSP−SERとして液晶制御部4150に送信しているか否かを示すフラグであり、液晶シリアルデータDSP−SERを送信中であるとき値1、液晶シリアルデータDSP−SER送信中でないとき値0にそれぞれ設定される。
周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150からDSP−ACK信号が入力されると、表示コマンドを構成する基コマンドに基づいて作成した送信用基コマンドを液晶制御部4150が受信完了したとして、ステップS830で送信中フラグTX−FLGに値0をセットしている。なお、周辺制御MPU4140aは、ステップS830で送信中フラグTX−FLGに値0をセットするほかに、周辺制御内蔵RAM4140abに設けた周辺制御部送信リングバッファに記憶されている表示コマンドを構成する次基コマンドがあれば、この次基コマンドを抽出できるように、次基コマンドが記憶されているアドレスにポインタを進める。
[12−1−9.始動口入賞異常報知判定処理]
次に、始動口入賞異常報知判定処理について説明する。この始動口入賞異常報知判定処理が開始されると、周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aは、図206に示すように、始動口入賞コマンドがあるか否かを判定する(ステップS840)。この判定では、図198に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部16ms定常処理におけるステップS726のコマンド解析処理で解析した主制御基板4100からの各種コマンドに、図182に示したその他に区分される始動口入賞コマンドが含まれているか否かを判定するとともに、この始動口入賞コマンドが図172に示した第一始動口2001に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ2011と対応するものであるか否かを判定する。つまり、ステップS840では、図104に示した第一始動口2001の下側に配置された第二始動口2002に遊技球が入球したか否かを判定するのではなく、第一始動口2001に遊技球が入球したか否かを判定する。
ステップS840で第一始動口2001に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ2011と対応する始動口入賞コマンドが主制御基板4100から受信した各種コマンドに含まれているときには、始動口入賞コマンド受信カウンタPCCの値に値1を加算する(インクリメントする。ステップS842)。この始動口入賞コマンド受信カウンタPCCは、第一始動口2001に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ2011と対応する始動口入賞コマンドを受信した回数をカウントするカウンタであり、復電時(電源投入時、リセット時等)に初期値として値0が設定されている。
一方、ステップS840で第一始動口2001に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ2011と対応する始動口入賞コマンドが主制御基板4100から受信した各種コマンドに含まれていないときには、又はステップS842に続いて、カウンタ初期化タイマTMRが15分を経過したか否かを判定する(ステップS844)。このカウンタ初期化タイマTMRは、始動口入賞コマンド受信カウンタPCCを、15分という所定期間ごとに、初期化するためのタイマであり、図198に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部16ms定常処理におけるステップS732のスケジューラメイン処理に含まれるタイマ更新処理において計時されている。つまりカウンタ初期化タイマTMRは、周辺制御部16ms定常処理という16msが経過するごとに計時されている。タイマ更新処理では、カウンタ初期化タイマTMRの計時開始がセットされると、カウンタ初期化タイマTMRの計時を開始する。またカウンタ初期化タイマTMRは、復電時(電源投入時、リセット時等)に初期化されて計時開始がセットされる。
ステップS844でカウンタ初期化タイマTMRが15分を経過したときには、カウンタ初期化タイマTMRを初期化し、始動口入賞コマンド受信カウンタPCCが上限値LMT以上であるか否かを判定する(ステップS846)。この上限値LMTは、単位時間当りに第一始動口2001に遊技球が入球可能な回数(「単位始動数」という。)の上限値に基づいて定められる値である。本実施形態では、パチンコ遊技機1が設置されるホールにもよるが、実際に遊技者が遊技を開始しても単位始動数が最大で約7回/分程度であること等を考慮すると、単位始動数の想定値として10回/分が設定されている。これにより、上限値LMTは、カウンタ初期化タイマTMRが15分経過したときでは値150(=15分×単位始動数(10回/分))となる。
ステップS846で始動口入賞コマンド受信カウンタPCCが上限値LMT(値150)以上であるとき(始動口入賞コマンド受信カウンタPCCが上限値LMTに達しているとき)には、報知時間を計時するタイマである報知タイマHTMRの計時開始をセットして始動口入賞異常報知処理を行う(ステップS848)。この始動口入賞異常報知処理では、その詳細な説明は後述するが、計時される報知タイマHTMRに基づいて、扉枠5や遊技盤4に設けられた各種LEDを発光させて第一始動口2001に入球する遊技球が単位始動数の想定値を超えている旨をホールの店員等に報知する。
一方、ステップS846で始動口入賞コマンド受信カウンタPCCが上限値LMT(値150)以上でないとき(始動口入賞コマンド受信カウンタPCCが上限値LMTに達していないとき)には、又はステップS848に続いて、始動口入賞コマンド受信カウンタPCCの値に値0をセットして初期化し(ステップS850)、カウンタ初期化タイマTMRをリセットして初期化し、計時開始を再びセットし(ステップS852)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS844でカウンタ初期化タイマTMRが15分を経過していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
このように、15分経過するごとに、ステップS850で始動口入賞コマンド受信カウンタPCCを初期化することができるため、ステップS846で第一始動口2001に入球する遊技球が単位始動数の想定値を超えているか否かの判定を15分ごとに行うことができる。つまり、第一始動口2001に入球する遊技球が単位始動数の想定値を超えているか否かを15分ごとに監視することができるようになっている。これにより、例えば第一始動口2001に遊技球が1球入球するタイミングを狙って、パチンコ遊技機1の前面から第一始動口2001に向かって電波発信機で電波を照射させることにより、主制御基板4100に入力される第一始動口センサ2011からの1つの検出信号を複数の検出信号に分割させて、あたかも第一始動口2001に遊技球が複数球入球(「連球」という。)したかのように装う不正行為が行われても、15分ごとに行われるステップS846の判定により、第一始動口2001に入球した遊技球の球数が単位始動数の想定値を超えているときにはステップS848の始動口入賞異常報知処理で扉枠5や遊技盤4に設けられた各種LEDを発光させて不正行為が行われている旨をホールの店員等に報知することができるようになっている。このため、遊技者は、そのような不正行為の発覚をおそれてその行為を止めざるを得なくなり、継続することが極めて困難となる。したがって、遊技者に獲得される不正な遊技球の球数を抑えることができる。
また、本実施形態では、上述したように、図186に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS74のスイッチ入力処理で第一始動口センサ2011等からの検出信号を、1回目〜3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目〜4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避して第一始動口センサ2011等からの検出信号の信頼性を高めているため、第一始動口2001に向かって電波発信機で電波を照射させて主制御基板4100に入力される第一始動口センサ2011からの1つの検出信号を複数の検出信号に分割させても、この分割された検出信号の波形と、第一始動口2001に遊技球が連球する場合における実際の第一始動口センサ2011からの検出信号の波形と、が整合しない場合には、その分割された検出信号の波形をチャタリングやノイズ等の影響によるものとして、このスイッチ入力処理において除去されるようになっている。また、スイッチ入力処理では、第一始動口センサ2011からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、図186に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92の周辺制御基板コマンド送信処理でその始動口入賞コマンドを周辺制御基板4139へ送信するようになっている。このように、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避するためにもともとスイッチ入力処理に組み込まれたプログラムによっても、第一始動口2001に向かって電波発信機で電波を照射させる不正行為を防止することができるようになっているため、その不正行為が行われたからといって、第一始動口センサ2011からの検出信号と対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に必ず記憶されるというわけではない。換言すれば、送信情報記憶領域に送信情報として記憶される始動口入賞コマンドの数が、その不正行為に従って必ず増加するというわけではない。ところが、その不正行為によって、第一始動口センサ2011からの1つの検出信号を複数の検出信号に分割させたときに、各検出信号のうちの一部の検出信号がスイッチ入力処理をすり抜ける場合もある。このような場合には、そのすり抜けた検出信号を第一始動口センサ2011からの検出信号と判断してその対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されることとなる。そこで、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板4139側において、図206に示した始動口入賞異常報知判定処理で第一始動口センサ2011からの検出信号と対応する始動口入賞コマンドを受信した数に基づいて、第一始動口2001に入球した遊技球の球数が単位始動数の想定値を超えているか否かを15分ごとに判定することにより、第一始動口2001に遊技球が不正に入球しているか否か、つまり不正行為の有無を監視することができるようになっている。
ところで、不正行為としては、上述した、第一始動口2001に向かって電波発信機で電波を照射させるもののほかに、遊技球を磁石で吸着させて第一始動口2001に誘導するもの等、さまざまなものがある。このため、パチンコ遊技機のメーカは、既知な不正行為に対しては機構、電気回路、及びプログラム等で対応することができるものの、メーカの想定を超える未知な不正行為に対してはその予防を構築するのは難しい。そこで、本実施形態では、第一始動口センサ2011からの検出信号に基づいて第一始動口2001に遊技球が入球した時に、主に音声でその旨を報知するためにもともと用意された始動口入賞コマンドと、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避するためにもともとスイッチ入力処理に組み込まれた主制御基板4100側のプログラムと、を利用することによって、始動口入賞異常報知判定処理という周辺制御基板4139側のプログラムにおいて第一始動口2001に入球した遊技球の球数が単位始動数の想定値を超えているか否かを15分ごとに繰り返し判定することにより、未知な不正行為に対する予防となっている。未知な不正行為によって遊技者に不正な遊技球が獲得されるものの、上述したように、周辺制御基板4139側の始動口入賞異常報知判定処理というプログラムで15分ごとに繰り返し不正行為の有無を監視し、不正行為があると、扉枠5や遊技盤4に設けられた各種LEDを発光させてホールの店員等に報知するようになっているため、未知な不正行為を行う遊技者は、発覚をおそれてその未知な不正行為を止めざるを得なくなり、その未知な不正行為を繰り返し行うことができなくなる。したがって、未知な不正行為が行われても、遊技者に獲得される不正な遊技球の球数を抑えることができる。
なお、上述したように、遊技パネル600には複数の障害釘が植設されているが、障害釘と障害釘との間に、偶発的に遊技球が引っかかり、この遊技球の上に次々と遊技球が乗ってぶどう状に遊技球の塊ができる場合がある。このような塊ができる場所によっては、遊技球を第一始動口2001に誘導する経路となる場合もある。このような状態で遊技が継続されても、本実施形態では、上述したように、第一始動口2001に入球した遊技球の球数が単位始動数の想定値を超えている場合には扉枠5や遊技盤4に設けられた各種LEDを発光させてホールの店員等に報知するようになっているため、遊技者は、その行為を止めざるを得なくなる。したがって、ぶどう状に遊技球の塊を利用して遊技球を第一始動口2001に誘導する経路が形成されても、この経路によって遊技者に獲得される遊技球の球数を抑えることができる。
[12−1−10.始動口入賞異常報知処理]
次に、始動口入賞異常報知処理について説明する。この始動口入賞異常報知処理が開始されると、周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aは、図207に示すように、報知タイマHTMRが5分を経過したか否かを判定する(ステップS860)。この報知タイマHTMRは、報知時間を計時するタイマであり、図198に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部16ms定常処理におけるステップS732のスケジューラメイン処理に含まれるタイマ更新処理において計時されている。つまり報知タイマHTMRは、周辺制御部16ms定常処理という16msが経過するごとに計時されている。タイマ更新処理では、報知タイマHTMRの計時開始がセットされると、報知タイマHTMRの計時を開始する。また報知タイマHTMRは、復電時(電源投入時、リセット時等)に初期化される。
ステップS860で報知タイマHTMRが5分を経過していないときには、扉枠5及び遊技盤4に設けられた各種LEDを全点灯する発光態様(例えば、赤色に発光する態様)とし(ステップS862)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS860で報知タイマHTMRが5分を経過したときには、ステップS862で全点灯させている扉枠5及び遊技盤4に設けられた各種LEDを遊技状態の発光態様に戻すとともに、報知タイマHTMRをリセットして初期化し(ステップS864)、このルーチンを終了する。
ステップS862で扉枠5及び遊技盤4に設けられた各種LEDが全点灯することによって、全点灯するパチンコ遊技機1の存在を、ホールに設置された他のパチンコ遊技機よりも目立たせ、ホールの店員等の目に留まりやすくすることができる。これにより、扉枠5及び遊技盤4に設けられた各種LEDが全点灯開始してから早い段階で、全点灯するパチンコ遊技機1を発見することができるため、第一始動口2001に入球する遊技球が単位始動数の想定値(本実施形態では、10回/分)を超えている旨、つまり不正行為が行われている旨又はその可能性がある旨をホールの店員等に伝えることができる。
また、本実施形態では、ステップS862で扉枠5及び遊技盤4に設けられた各種LEDを全点灯させるという1段階の報知態様を採用している。仮に、徐々に報知態様をエスカレートさせるという多段階の報知態様を採用した場合には、遊技者が不正行為を行って、初期段階からある段階の報知態様まで移行したときに、さらに遊技者がその不正行為を継続して次段階から本格的な報知態様へ移行すると、その報知態様が遊技者に対して単なる「お知らせアラーム」となる。このように、多段階の報知態様を採用した場合には、多段階の報知態様のうち、初期段階からある段階の報知態様までなら、不正行為がホールの店員等に発覚され難いと遊技者に思わせる場合もあり、好ましくない。
[12−2.液晶制御部の各種制御処理]
次に、周辺制御部4140(周辺制御MPU4140a)から制御データ(表示コマンド)を受信する液晶制御部4150の各種処理について、図208〜図211を参照して説明する。まず、液晶制御部電源投入時処理について説明し、続いて描画制御処理、液晶制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。図208は液晶制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図209は描画制御処理の一例を示すフローチャートであり、図210は液晶制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図211は液晶シリアルデータの送信及び受信確認を示すタイミングチャートである。
[12−2−1.液晶制御部電源投入時処理]
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、液晶制御部4150の液晶制御MPU4150aは、図208に示すように、液晶制御部電源投入時処理を行う。この液晶制御部電源投入時処理が開始されると、液晶制御MPU4150aは、ブート処理を行う(ステップS1000)。このブート処理では、液晶制御ROM4150bに記憶されている各種プログラムを、液晶制御MPU4150aに内蔵されたRAM(以下、「液晶制御内蔵RAM」と記載する。)にコピーしたりする。液晶制御MPU4150aは、必要に応じて液晶制御内蔵RAMから各種プログラムを読み出して実行する。なお、本実施形態では、液晶制御内蔵RAMの容量の制限によってスケジュールデータについてはコピーせず液晶制御ROM4150bから抽出しているが、液晶制御内蔵RAMの容量に余裕があればスケジュールデータもコピーしてもよい。
ステップS1000に続いて、SIO初期設定処理を行う(ステップS1002)。このSIO初期設定処理では、液晶制御MPU4150aに内蔵されたシリアル入出力の初期設定を行い、周辺制御部4140からの液晶表示装置1400に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を液晶シリアルデータDSP−SERとして受信するコマンド割り込み処理の許可を設定する。これにより、液晶制御MPU4150aに内蔵されたシリアル入出力の受信バッファが表示コマンドを受信すると、割り込み受信があった旨を液晶制御MPU4150aに内蔵された中央演算処理装置であるCPUコアに伝えている。
ステップS1002に続いて、転送IC初期設定処理を行う(ステップS1004)。この転送IC初期設定処理では、液晶制御部4150に実装された図示しない転送ICの初期化を行う。この転送ICは、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータをアクセス速度の速いキャラRAM4150eに転送してコピーする。
ステップS1004に続いて、スプライトデータ常駐領域転送開始処理を行う(ステップS1006)。このスプライトデータ常駐領域転送開始処理では、転送ICのレジスタ群に転送元アドレス、転送先アドレス、転送バイト数等の各種設定値を書き込んで設定し、スプライトデータ転送開始信号を転送ICに出力する。このスプライトデータ転送開始信号が入力されると、転送ICは、レジスタ群に書き込まれた各種設定値に基づいてキャラROM4150dに記憶されているスプライトデータをキャラRAM4150eの常駐領域に転送開始する。転送ICは、スプライトデータ常駐領域転送開始処理を行うと、液晶制御MPU4150aによる制御を介すことなく、つまり独立して、レジスタ群に書き込まれた各種設定値に基づいてキャラROM4150dに記憶されているスプライトデータをキャラRAM4150eの常駐領域に転送開始する。具体的には、例えば、パチンコ遊技機1の電源投入時等のように、最初に電源復旧中である旨を伝えるため、液晶制御MPU4150aは、転送ICのレジスタ群に転送元アドレス、転送先アドレス、転送バイト数等の各種設定値を書き込んで設定し、スプライトデータ転送開始信号を転送ICに出力する。転送ICは、キャラRAM4150eの常駐領域に「電源復旧中です」という文字のスプライトデータを転送してコピーする。これにより、VDP4150cは、「電源復旧中です」のスプライトデータ(液晶表示装置1400の所定の位置に描画する情報を含んでいる。)をキャラRAM4150eの常駐領域から抽出し、この抽出したスプライトデータを仮想スクリーンであるキャンバスでビットマップに展開して描画データを生成する。その後、液晶表示装置1400には、この液晶電源投入時処理が開始されると、まず「電源復旧中です」という文字が描画されることとなる。そして、この「電源復旧中です」という文字が描画されている間では、背景のスプライトデータや、「大当り」の文字等のスプライトデータ等、突発的に液晶表示装置1400に描画するためのスプライトデータが、継続してキャラRAM4150eの常駐領域に転送されている。なお、本実施形態では、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータが極めて多いため、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータをキャラRAM4150eの常駐領域に転送開始してから転送完了するまでに、約10秒(s)かかっている。
ステップS1006に続いて、ポート設定処理を行う(ステップS1008)。このポート設定処理では、液晶制御MPU4150aに内蔵された各種入出力ポートの設定を行う。具体的には、各種入出力ポートの入出力方向の設定等を行う。
ステップS1008に続いて、VDP初期設定処理を行う(ステップS1010)。このVDP初期設定処理では、VDP4150cの初期設定を行う。具体的には、VDP4150cのVDPレジスタに、描画条件設定データのうち、VDP4150cの環境設定に関するデータを書き込む。この描画条件設定データは、仮想スクリーンであるキャンバスの大きさを設定するデータ、キャンバスの一部をウィンドウの形状(矩形領域)に切り出して画面に表示させるデータ、グループ化されたスプライトをレイヤに配置して合成画面を設定するデータ、ラインバッファから液晶表示装置1400の表示領域の左右方向を描画する1ライン分の大きさを設定するデータ、解像度を設定するデータ等から構成されている。ここでは、VDP4150cのVDPレジスタに、VDP4150cの環境設定に関するデータとして、仮想スクリーンであるキャンバスの大きさを設定するデータ、キャンバスの一部をウィンドウの形状(矩形領域)に切り出して画面に表示させるデータ、ラインバッファから液晶表示装置1400の左右方向を描画する1ライン分の大きさを設定するデータ、解像度を設定するデータを書き込む。なお、VDP4150cは、このVDP初期設定処理により、DMA実行中信号DMAFLAGの出力準備が完了する。
ステップS1010に続いて、非割り込み側定常処理を繰り返し行う(ステップS1012)。この非割り込み側定常処理では、液晶表示装置1400に表示させる遊技の結果に影響しないスプライトを表示させるか否かの判定等を行う。
なお、パチンコ遊技機1が設置されるホールには、他の多種多様なパチンコ遊技機が設置されている。このため、ホールの電力事情などによって、パチンコ遊技機1に供給される電力が一時停止する瞬停が発生するおそれがある。遊技者がパチンコ遊技機1で遊技を行っている最中に、瞬停が発生すると、復電時に、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、図184に示した主制御側電源投入時処理を行い、周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aは、図198の周辺制御部電源投入時処理を行い、液晶制御部4150の液晶制御MPU4150aは、図208に示した液晶制御部電源投入時処理を行う。
主制御MPU4100aは、主制御側電源投入時処理におけるステップS26のウェイトタイマ2では、液晶制御部電源投入時処理におけるステップS1000のブート処理が完了するまで待っている処理であり、その後、主制御側電源投入時処理におけるステップS46で割り込み許可を設定した後、4msごとに、図186に示した主制御側タイマ割り込み処理で遊技の進行を行っている。周辺制御MPU4140aは、周辺制御部電源投入時処理におけるステップS700の初期設定処理でマイクロ秒(μs)オーダーという極めて短い時間で自身を初期化する処理を行い、割り込み許可を設定した後、図201に示した周辺制御部コマンド受信割り込み処理で主制御基板4100からの各種コマンドを受信することができるようになり、また2msごとに、図199示した周辺制御部2ms定常処理で演出の進行を行っている。この周辺制御部2ms定常処理におけるステップS762の液晶シリアルコマンド制御処理で液晶制御部4150に制御データ(表示コマンド)を出力することができるようになる。液晶制御MPU4150aは、液晶制御部投入時処理におけるステップS1000のブート処理を行い、続いてステップS1002のSIO初期設置処理を行う。このSIO初期設定処理では、上述したように周辺制御部4140からの液晶表示装置1400に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を液晶シリアルデータDSP−SERとして受信することができる状態となる。ステップS1002のSIO初期設置処理続いてステップS1003の転送IC初期設定処理、そしてステップS1006のスプライトデータ常駐領域転送開始処理によって、転送ICは、スプライトデータ常駐領域転送開始処理を行うと、液晶制御MPU4150aによる制御を介すことなく、つまり独立して、各種レジスタに書き込まれた設定値に基づいてキャラROM4150dに記憶されているスプライトデータをキャラRAM4150eの常駐領域に転送開始する。
このように、瞬停が発生しても、復電時に、液晶制御MPU4150aは、液晶制御部電源投入時処理におけるステップS1000のブート処理に続いて、同処理におけるステップS1002のSIO初期設定処理を行うことができるため、周辺制御部4140からの液晶シリアルデータDSP−SERを取りこぼすことなく受信することができる。また、転送ICは、そのレジスタ群の各種レジスタ群に設定値が液晶制御MPU4150aにより書き込まれると、設定値に基づいて液晶制御MPU4150aによる制御を介すことなく、つまり独立して、各種レジスタに書き込まれた設定値に基づいてキャラROM4150dに記憶されているスプライトデータをキャラRAM4150eに転送開始する。このため、液晶制御MPU4150aは、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータをキャラRAM4150eに転送開始してから転送完了するまで待たずに、液晶制御部電源投入時処理におけるステップS1008のポート設定処理を行うことができ、続いてステップS1010のVDP初期設定処理を速やかに行うことができる。したがって、瞬停が発生しても、復電時に遊技を速やかに再開することができる。
[12−2−2.描画制御処理]
次に、描画制御処理について説明する。この描画制御処理は、図173に示したVDP4150cからのDMA実行中信号DMAFLAGが16msごとに停止されたことを契機として割り込み処理として行われるようになっており、16msごとに繰り返し行われる。
描画制御処理が開始されると、液晶制御部4150の液晶制御MPU4150aは、図209に示すように、多重割り込み許可の設定を行う(ステップS1020)。この多重割り込み許可の設定では、図173に示したVDP4150cからのDMA実行中信号DMAFLAGによる割り込み、周辺制御部4140からの制御データ(表示コマンド)を受信する際の割り込み等の各種割り込み処理を有効に設定する。これらの各種割り込み処理の設定が、例えばノイズの影響を受けて有効から無効に変化すると、各種割り込み処理が行えなくなるおそれがあり、遊技を中断せざるを得ない状態となる。そこで、本実施形態では、この描画制御処理という割り込み処理の中で、つまり16msごとに、多重割り込み許可の設定を行っている。
ステップS1020に続いて、ノイズキャンセル判定処理を行う(ステップS1022)。このノイズキャンセル判定処理では、VDP4150cからのDMA実行中信号DMAFLAGが入力される端子のノイズの影響を判定する。具体的には、その端子に入力された信号をサンプリングして(「端子レベル」という。)ノイズ除去時間を超えているか否かにより行う。
ステップS1022に続いて、端子レベルは正常か否かの判定を行う(ステップS1024)。この判定は、ステップS1022の端子レベルに基づいて行う。具体的には、端子レベルがノイズ除去時間を超えているとき、つまり端子に入力されたDMA実行中信号DMAFLAGがノイズの影響を受けていない信号であるときには正常と判定する一方、端子レベルがノイズ除去時間を超えていないとき、つまり端子に入力されたDMA実行中信号DMAFLAGがノイズの影響を受けている信号であるときには異常と判定する。
ステップS1024で端子レベルが異常であるとき、つまり端子に入力されたDMA実行中信号DMAFLAGがノイズの影響を受けている信号であるときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS1024で端子レベルが正常であるとき、つまり端子に入力されたDMA実行中信号DMAFLAGがノイズの影響を受けていない信号であるときには、ポート設定処理を行う(ステップS1026)。このポート設定処理では、図208に示した液晶制御部電源投入時処理におけるステップS1008のポート設定処理と同一の処理を行い、液晶制御MPU4150aに内蔵された各種入出力ポートの設定を行う。
ステップS1026に続いて、VDP初期設定処理を行う(ステップS1028)。このVDP初期設定処理では、液晶制御部電源投入時処理におけるステップS1010のVDP初期設定処理で行った処理と同一の処理を行い、VDP4150cのVDPレジスタに、VDP4150cの環境設定に関するデータとして、仮想スクリーンであるキャンバスCVの大きさを設定するデータ、キャンバスの一部をウィンドウの形状(矩形領域)に切り出して画面に表示させるデータ、ラインバッファから液晶表示装置1400の表示領域の左右方向を描画する1ライン分の大きさを設定するデータ、解像度を設定するデータを書き込む。つまりそれぞれのデータを上書きする。
ステップS1028に続いて、コマンド解析処理を行う(ステップS1030)。このコマンド解析処理では、図173に示した周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aからの制御データ(表示コマンド)を、後述する液晶制御部コマンド受信割り込み処理で受信し、この受信した表示コマンドの解析を行う。
ステップS1030に続いて、描画条件設定データ設定処理を行う(ステップS1032)。この描画条件設定データ設定処理では、ステップS1030で解析した表示コマンドに対応するスケジュールデータを図173に示した液晶制御ROM4150bから抽出し、この抽出したスケジュールデータから先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出し、この抽出した先頭の画面データのうち、描画条件設定データをVDP4150cのVDPレジスタに出力したり、又はそのスケジュールデータが進行中であるときには、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを1つ進めて次の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出し、この抽出した画面データのうち、描画条件設定データをVDP4150cのVDPレジスタに出力したりする。描画条件設定データは、仮想スクリーンであるキャンバスCVの大きさを設定するデータ、キャンバスCVの一部をウィンドウの形状(矩形領域)に切り出して画面に表示させるデータ、グループ化されたスプライトをレイヤに配置して合成画面を設定するデータ、ラインバッファから液晶表示装置1400の表示領域の左右方向を描画する1ライン分の大きさを設定するデータ、解像度を設定するデータ等から構成されている。
ステップS1032に続いて、スプライト設定データ設定処理を行う(ステップS1034)。このスプライト設定データ設定処理では、ステップS1030で解析した表示コマンドに対応するスケジュールデータを液晶制御ROM4150bから抽出し、この抽出したスケジュールデータから先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出し、この抽出した先頭の画面データのうち、スプライト設定データをVDP4150cのスプライトレジスタに出力したり、又はそのスケジュールデータが進行中であるときには、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを1つ進めて次の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出し、この抽出した画面データのうち、スプライト設定データをVDP4150cのスプライトレジスタに出力したりする。スプライト設定データは、キャラクタを複数張り合わせてスプライトとして画面に表示させるデータ、スプライトの描画色を設定するデータ、スプライトの描画位置を設定するデータ、複数のスプライトをグループ化するデータ等から構成されている。
VDP4150cに出力は、ステップS1032の描画条件設定データ設定処理、及びステップS1034のスプライト設定データ設定処理により、仮想スクリーンであるキャンバスCVでビットマップ形式に展開された描画データを生成し、この生成した画像データを液晶表示装置1400の表示領域に描画している。
ステップS1034に続いて、スプライト最適化処理を行い(ステップS1036)、このルーチンを終了する。このスプライト最適化処理では、キャンバスCVでビットマップ形式に展開された描画データのうち、液晶表示装置1400の表示領域から外れるようなスプライトを削除している。これにより、VDP4150cには、不要なスプライトがなくなるため、VDP4150cの演算処理能力を向上させることができる。
[12−2−3.液晶制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、液晶制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。液晶制御部4150の液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4139からの液晶シリアルデータDSP−SERが送信開始されると、これを契機として液晶シリアルデータDSP−SERを液晶制御MPU4150aの内蔵するシリアル入出力ポートで1バイト(8ビット)の情報を受信バッファに取り込み、この取り込みが完了すると、これを契機として割り込みが発生し、この液晶制御部コマンド受信割り込み処理を行う。液晶シリアルデータDSP−SERは、上述したように、表示コマンドを構成する基コマンドに基づいて作成された送信用基コマンドであり、送信用基コマンドの1バイト目として基コマンドのステータスが割り振られ、送信用基コマンドの2バイト目として基コマンドのモードが割り振られ、送信用基コマンドの3バイト目として基コマンドのステータスと基コマンドのモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。
液晶制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、液晶制御部4150の液晶制御MPU4150aは、図210に示すように、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1100)。この1バイト受信期間タイマは、周辺制御基板4139から送信される液晶シリアルデータDSP−SERのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を設定するものである。
ステップS1100で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり周辺制御基板4139から送信される液晶シリアルデータDSP−SERのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間内であるときには、液晶制御MPU4150aの内蔵するシリアル入出力ポートの受信バッファから受信した1バイトの情報を取り込み(ステップS1102)、受信カウンタRXCに値1を加える(インクリメントする、ステップS1104)。この受信カウンタRXCは、受信バッファから取り出した回数を示すカウンタであり、周辺制御基板4139から液晶シリアルデータDSP−SER、つまり送信用基コマンドの1バイト目であるステータスを受信バッファから取り出すと値1、送信用基コマンドの2バイト目であるモードを受信バッファから取り出すと値2、送信用基コマンドの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出すと値3となる。なお、受信カウンタRXCは、電源投入時等に初期値0がセットされる。
ステップS1104に続いて、DSP−ACK信号をONからOFFにセットする(ステップS1106)。このDSP−ACK信号をONからOFFにセットすることで送信用基コマンドの1バイト目であるステータスを受信開始した旨を、周辺制御基板4139に伝えている。
ステップS1106に続いて、受信カウンタRXCが値3である否か、つまり送信用基コマンドの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出したか否かを判定する(ステップS1108)。この判定では、送信用基コマンドの1バイト目であるステータスに続いて、送信用基コマンドの2バイト目であるモード、そして送信用基コマンドの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したか否かを判定している。
ステップS1108で受信カウンタRXCが値3でないとき、つまり送信用基コマンドの1バイト目であるステータスに続いて、まだ送信用基コマンドの2バイト目であるモード、そして送信用基コマンドの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出していないときには、1バイト受信期間タイマのセットを行い(ステップS1110)、このルーチンを終了する。ステップS1110で1バイト受信期間タイマがセットされることで、送信用基コマンドの2バイト目であるモード又は送信用基コマンドの3バイト目であるサム値を受信し得る期間が設定される。
一方、ステップS1108で受信カウンタRXCが値3であるとき、つまり送信用基コマンドの1バイト目であるステータスに続いて、送信用基コマンドの2バイト目であるモード、そして送信用基コマンドの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したときには、受信カウンタRXCに初期値0をセットし(ステップS1112)、サム値を算出する(ステップS1114)。この算出は、ステップS1102で受信バッファからすでに取り出した、送信用基コマンドの1バイト目であるステータスと、送信用基コマンドの2バイト目であるモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。
ステップS1114に続いて、ステップS1102で受信バッファからすでに取り出した送信用基コマンドの3バイト目であるサム値と、ステップS1114で算出したサム値と、が一致しているか否かを判定する(ステップS1116)。ステップS1102で受信バッファからすでに取り出した送信用基コマンドの3バイト目であるサム値は、上述したように、図203に示した液晶シリアルコマンド制御処理におけるステップS806で算出したものであるため、ステップS1116で算出したサム値と一致しているはずである。ところが、パチンコ遊技機1は、上述したように、パチンコ島設備から遊技球が供給されており、遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生するため、パチンコ遊技機1はノイズの影響を受けやすり環境下にある。そこで、本実施形態では、周辺制御部4140側では、表示コマンドを構成する基コマンドに基づいて送信用基コマンドを作成している。この送信用基コマンドは、上述したように、送信用基コマンドの1バイト目として基コマンドのステータスが割り振られ、送信用基コマンドの2バイト目として基コマンドのモードが割り振られ、送信用基コマンドの3バイト目として基コマンドのステータスと基コマンドのモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。一方、液晶制御部4150側では、受信した送信用基コマンドの1バイト目として割り振られたステータスと、2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値が、受信した送信用基コマンドの3バイト目として割り振られたサム値と一致しているか否かを判定している。これにより、周辺制御部4140と液晶制御部4150との間において、送信用基コマンドがノイズの影響を受けて正規と異なる送信用基コマンドに変化したか否かを判定している。
ステップS1116で、ステップS1102で受信バッファからすでに取り出した送信用基コマンドの3バイト目であるサム値と、ステップS1114で算出したサム値と、が一致しているときには、受信した送信用基コマンドを液晶制御部受信リングバッファに記憶する(ステップS1118)。この「液晶制御部受信リングバッファ」とは、バッファの最後と先頭が繋がっているように使われるバッファのことであり、バッファの先頭から順次データを記憶し、バッファの最後まできたら最初に戻って記憶する。なお、液晶制御MPU4150aは、ステップS1118で液晶制御部受信リングバッファに記憶する際に、受信した送信用基コマンドの1バイト目として割り振られたステータスと、2バイト目として割り振られたモードと、を対応付けて記憶しており、3バイト目として割り振られたサム値を破棄している。
ステップS1118に続いて、DSP−ACK信号をOFFからONにセットし(ステップS1120)、このルーチンを終了する。このDSP−ACK信号をOFFからONにセットすることで送信用基コマンドの1バイト目であるステータス、2バイト目であるモード、そして3バイト目であるサム値を受信完了した旨を、周辺制御基板4139に伝えている。
一方、ステップS1100で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり周辺制御基板4139から送信される液晶シリアルデータDSP−SERのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を超えているときには、又はステップS1116で、ステップS1102で受信バッファからすでに取り出した送信用基コマンドの3バイト目であるサム値と、ステップS1114で算出したサム値と、が一致していないときには、そのままこのルーチンを終了する。これにより、液晶制御MPU4150aは、DSP−ACK信号をOFFからONにセットすることができなくなり、上述したように、図203に示した液晶シリアルコマンド制御処理におけるステップS816で、DSP−ACK信号待ち時間タイムがタイムアップしたと判定され、再び同一の基コマンドから送信用基コマンドを作成してその1バイト目〜3バイト目を順に送信開始することとなる。
次に、液晶シリアルデータの送信及び受信確認について図211のタイミングチャートを用いて説明する。本実施形態では、上述したように、周辺制御部4140から液晶制御部4150への送信方式として調歩同期式シリアルを採用しており、ビットレートとして19.2kbps、液晶シリアルデータDSP−SERのフォーマットとして8ビット通信、LSBファースト、偶数パリティ付加、ストップ1ビットとなっている。
周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aは、周辺制御内蔵RAM4140abに設けた周辺制御部送信リングバッファに表示コマンドが記憶されていると、表示コマンドを構成する基コマンドに基づいて送信用基コマンドを作成し、この作成した送信用基コマンドの1バイト目として割り振られたステータスSTTSを周辺制御MPU4140aの液晶制御部用シリアルI/Oポートの送信バッファにセットする(タイミングT0、図203に示した液晶シリアルコマンド制御処理におけるステップS808)。この送信バッファに送信用基コマンドの1バイト目として割り振られたステータスをセットすることによってシリアル入出力ポートから1ビットずつ、図211(a)に示す液晶シリアルデータDSP−SERとして液晶制御部4150に送信開始する(送信内容は、図211(c)に示すステータスSTTSとなる)。
続いて、液晶制御部4150の液晶制御MPU4150aは、周辺制御部4140から送信された送信用基コマンドの1バイト目として割り振られたステータスを液晶制御MPU4150aに内蔵されたシリアル入出力ポートの受信バッファで取り込み、この取り込みが完了すると、受信バッファから送信用基コマンドの1バイト目として割り振られたステータスを取り込み、図211(b)に示すDSP−ACK信号をONからOFFにセットする(タイミングT1、図210に示した液晶制御部コマンド受信割り込み処理におけるステップS1106)。
続いて、周辺制御MPU4140aは、送信用基コマンドの1バイト目として割り振られたステータスを、液晶制御部用シリアルI/Oポートから1ビットずつ液晶制御部4150に出力し、液晶制御部用シリアルI/Oポートの送信バッファが空になると、送信バッファに送信用基コマンドの2バイト目として割り振られたモードをセットする(タイミングT2、図204に示した送信バッファ空割り込み処理におけるステップS822)。この送信バッファに送信用基コマンドの2バイト目として割り振られたモードをセットすることによってシリアル入出力ポートから1ビットずつ、図211(a)に示す液晶シリアルデータDSP−SERとして液晶制御部4150に送信開始する(送信内容は、図211(c)に示すモードMODEとなる)。
続いて、液晶制御MPU4150aは、周辺制御部4140から送信された送信用基コマンドの2バイト目として割り振られたモードをシリアル入出力ポートの受信バッファで取り込み、この取り込みが完了すると、受信バッファから送信用基コマンドの2バイト目として割り振られたステータスを取り込む。このとき、図211(b)に示すDSP−ACK信号は、OFFしたままの状態となっている。
続いて、周辺制御MPU4140aは、送信用基コマンドの2バイト目として割り振られたモードを、液晶制御部用シリアルI/Oポートから1ビットずつ液晶制御部4150に出力し、液晶制御部用シリアルI/Oポートの送信バッファが空になると、この送信バッファに送信用基コマンドの3バイト目として割り振られたサム値をセットする(タイミングT3、図204に示した送信バッファ空割り込み処理におけるステップS822)。この送信バッファに送信用基コマンドの3バイト目として割り振られたサム値をセットすることによってシリアル入出力ポートから1ビットずつ、図211(a)に示す液晶シリアルデータDSP−SERとして液晶制御部4150に送信開始する(送信内容は、図211(c)に示すサム値SUMとなる)。
続いて、液晶制御MPU4150aは、周辺制御部4140から送信された送信用基コマンドの3バイト目として割り振られたサム値を液晶制御MPU4150aに内蔵されたシリアル入出力ポートの受信バッファで取り込み、この取り込みが完了すると、受信バッファから送信用基コマンドの3バイト目として割り振られたサム値を取り込み、すでに受信バッファから取り込んだ、送信用基コマンドの1バイト目として割り振られたステータスと、送信用基コマンドの2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値と、取り込んだ受信バッファから送信用基コマンドの3バイト目として割り振られたサム値と、が一致しているか否かを判定する。そして一致しているときには、図211(b)に示すDSP−ACK信号をOFFからONにセットする(タイミングT4、図210に示した液晶制御部コマンド受信割り込み処理におけるステップS1120)。
[13.演出]
次に、液晶表示装置1400の表示領域に描画される演出について説明する。まず、先読み演出について説明し、続いてテレビ型役物3271のテレビ枠型装飾体3277によるテレビ演出について説明する。液晶表示装置1400の表示領域に描画される、先読み演出、テレビ演出等の各種演出の進行は、主制御基板4100からの各種コマンド(図181に示した、特図1同調演出開始コマンド、特図2同調演出開始コマンド等)に基づいて周辺制御基板4139の周辺制御部4140が制御し、周辺制御部4140からの制御データ(表示コマンド)に基づいて周辺制御基板4139の液晶制御部4150が液晶表示装置1400の表示領域の描画を制御する。この描画は、図209に示した描画制御処理において制御されている。図212は液晶表示装置の表示領域に描画される1変動の一例を示す先読み演出であり、図213はテレビ演出の一例を示す演出であり、図214は図213のつづきを示す演出である。
[13−1.先読み演出]
液晶表示装置1400の表示領域に描画される先読み演出について、図212を参照して説明する。ここでは、パチンコ遊技機1の対面に直座する遊技者が、液晶表示装置1400の表示領域に描画される1変動の演出の進行途中において、図104に示した第二始動口2002に遊技球が入球した場合の先読み演出の一例について説明する。なお、「1変動」とは、図169に示した第二特別図柄表示器642が特別図柄の変動表示を開始してから停止するまでであり、液晶表示装置1400の表示領域に描画される演出も特別図柄の変動表示される時間に合わせて行われている。
液晶表示装置1400の表示領域に描画される1変動の演出は、図212(a)に示すように、第二特別図柄表示器642が特別図柄の変動表示を開始すると、表示領域の左上方には装飾図柄1400a、中央には装飾図柄1400b、そして右上方には装飾図柄1400cの変動表示が開始される。装飾図柄1400a〜1400cは背景画像が視認できる程度に半透明であり、装飾図柄1400aは表示領域の左上方から左下方に、装飾図柄1400bは表示領域の上方から下方に、装飾図柄1400cは表示領域の右上方から右下にそれぞれリールが回転しているかのような態様で変動表示される。装飾図柄1400a〜1400cの変動表示が開始されたときに、図104に示した第一始動口2001に入球した遊技球が未だ遊技の進行に使用されていない遊技球の球数(保留数)が2個である場合には、液晶表示装置1400の左下側の特別図柄1作動保留球数描画領域1400dに楕円形状を有する作動保留画像1400da、1400dbが描画されるとともに、第二始動口2002に入球した遊技球が未だ遊技の進行に使用されていない遊技球の球数(保留数)が1個である場合には、液晶表示装置1400の右下側の特別図柄2作動保留球数描画領域1400eに楕円形状を有する作動保留画像1400eaが描画される。
その後、装飾図柄1400a〜1400cの変動表示が停止するまでに、第二始動口2002に遊技球が入球すると、未だ変動表示中であるため、この入球した遊技球は遊技の進行に使用されず保留球となるため、保留球が2個となって、図212(b)に示すように、液晶表示装置1400の右下側の特別図柄2作動保留球数描画領域1400eに楕円形状を有する作動保留画像1400ebが作動保留画像1400eaの右方に描画される。このとき、図191で示した記憶先読み処理におけるステップS178の大当り図柄用乱数に基づく先読み演出の種類判定処理、又はステップS184のリーチ判定用乱数に基づく先読み演出の種類判定処理で先読み演出の種類が判定されて、続いてステップS188の先読み演出決定処理で先読み演出が決定されると、図212(c)に示すように、液晶表示装置1400の右下側の特別図柄2作動保留球数描画領域1400eに描画された作動保留画像1400ebと異なる星形状を有する作動保留画像1400eb’に変化することで先読み演出が実施される。このとき、図2に示した、サイドスピーカ121,121及び下部スピーカ391から出力する音楽及び効果音も変化するようになっている。このように、本実施形態では、先読み演出が実施された保留球が遊技の進行に実際に使用されるまでの間に、遊技の進行に使用されて1つずつ保留球が消化されるにつれて、大当り遊技状態が発生する可能性があるという期待感を遊技者に対して徐々に高めることができるようになっている。
本実施形態では、遊技者にとって有利な大当り遊技状態を発生させる先読み演出が複数種類用意されているほかに、大当り遊技状態を発生させるものではないがその可能性を期待させる先読み演出も複数種類用意されている。また、大当り判定用乱数の範囲のうち、「予備範囲」に続いて「大当り範囲」が連続する構成となっているため、大当り判定用乱数が「予備範囲」+「大当り範囲」内であると、例えば、図212(c)に示した、特別図柄2作動保留球数描画領域1400eに描画された作動保留画像1400ebと異なる星形状を有する作動保留画像1400eb’に変化する先読み演出が実施されるようになっている。つまり、図212(c)に示した先読み演出は、図191で示した記憶先読み処理におけるステップS178の大当り図柄用乱数に基づく先読み演出の種類判定処理、続いてステップS188の先読み演出決定処理で先読み演出が決定された場合に実施されることもあれば、ステップS184のリーチ判定用乱数に基づく先読み演出の種類判定処理において大当り判定用乱数が予備範囲内であるときに、ステップS188の先読み演出決定処理で先読み演出が決定された場合にも実施されるようになっている。換言すると、このような先読み演出が実施されて大当り遊技状態が発生しない場合には、大当り判定用乱数が「大当り範囲」内ではなく、これに連続する「予備範囲」内であったため、大当り遊技状態が発生することなく、はずれとなった、ということを遊技者に報知することができるようになっている。したがって、このような先読み演出が実施されることにより、先読み演出に対して、あと一息のところで大当りとならず残念という気持ちを、遊技者に抱かせることができる。
[13−2.テレビ演出]
液晶表示装置1400の表示領域に描画される画像と、液晶表示装置1400の前方右下に配設されたテレビ型役物3271のテレビ枠型装飾体3277と、によるテレビ演出について、図213及び図214を参照して説明する。図104に示した第一始動口2001又は第二始動口2002に遊技球が入球し、この遊技球が遊技の進行に使用されると、図213(a)に示すように、液晶表示装置1400の表示領域の全体に描画されている背景画像上に、表示領域の左上方には装飾図柄1400a、中央には装飾図柄1400b、そして右上方には装飾図柄1400cの変動表示が開始される。装飾図柄1400a〜1400cは背景画像が視認できる程度に半透明であり、装飾図柄1400aは表示領域の左上方から左下方に、装飾図柄1400bは表示領域の上方から下方に、装飾図柄1400cは表示領域の右上方から右下にそれぞれリールが回転しているかのような態様で変動表示される。装飾図柄1400a〜1400cの変動表示が開始されたときに、図104に示した第一始動口2001に入球した遊技球が未だ遊技の進行に使用されていない遊技球の球数(保留数)がある場合には、上述したように、液晶表示装置1400の左下側の特別図柄1作動保留球数描画領域1400dに楕円形状を有する作動保留画像が描画されるとともに、第二始動口2002に入球した遊技球が未だ遊技の進行に使用されていない遊技球の球数(保留数)がある場合には、液晶表示装置1400の右下側の特別図柄2作動保留球数描画領域1400eに楕円形状を有する作動保留画像が描画される。
装飾図柄1400a〜1400cの変動表示が開始されると、図213(b)に示すように、テレビ枠型装飾体3277が待機位置(原位置)から演出位置(可動限界位置)まで作動されて、液晶表示装置1400の表示領域の前面に出現するとともに、テレビ枠型装飾体3277の発光基板3278に実装されたカラーLED3278aが発光する。このとき、液晶表示装置1400の表示領域の全体に描画されている背景画像が境界線BLに沿って第1領域REG0と第2領域REG1とに分割される。境界線BLは、テレビ枠型装飾体3277に沿って配置されており、パチンコ遊技機1の対面に直座する遊技者から視認することが困難となっている。
第1領域REG0は、テレビ枠型装飾体3277の開口部3277aと対応する領域であって、テレビ枠型装飾体3277が液晶表示装置1400の表示領域の前面に出現する前までに描画されていた背景画像と同一の輝度が設定された画像が描画されるようになっている。第1領域REG0は、境界線BLがテレビ枠型装飾体3277に沿って配置されていることにより開口部3277aの外形よりやや大きい領域となっている。第1領域REG0に描画される画像は、このテレビ演出が実行されない場合における図213(a)に示した背景画像上に装飾図柄1400a〜1400cが単に変動表示して停止図柄を導出表示する通常演出と比べて遊技者にとって有利な大当り遊技状態が発生する確率が予め高く設定されている発展演出のうち、つまり期待度が予め高く設定された発展演出のうち、どの種類の発展演出がテレビ演出に続いて実行されるかを示唆するものである。ここでは、ねずみキャラクタCH0が描画されている。このねずみキャラクタCH0が描画されることによりテレビ演出につづいてバトル演出という発展演出が実行されることを示唆している。なお、本実施形態では、発展演出としてバトル演出のほかに、ロケット演出、天空演出等の複数のものが用意されている。ロケット演出を示唆するものとして、第1領域REG0にはロケットが描画され、天空演出を示唆するものとして第1領域REG0にはエレベータが描画されるようになっている。
第2領域REG1は、第1領域REG0を除いた他の表示領域であり、テレビ枠型装飾体3277が液晶表示装置1400の表示領域の前面に出現する前までに描画されていた背景画像と比べて輝度が極めて小さく設定された画像が描画されるようになっている。ここでは、第2領域REG1には、黒色に近い灰色の画像が描画されている。
続いて、テレビ枠型装飾体3277に沿って配置された境界線BLは、液晶表示装置1400の表示領域の左側、左上側、そして上側に向かって、不規則な線を有して移動開始するとともに、テレビ枠型装飾体3277の発光基板3278に実装されたカラーLED3278aが消灯する。換言すると、境界線BLがまるでアメーバー状に移動開始する。境界線BLの移動開始によって、第1領域REG0に描画されている画像と、第2領域REG1に描画されている画像と、の境界線BL近傍において、第2領域REG1に描画されている画像が第1領域REG0に描画されている画像により削られる描画態様となる。これにより、液晶表示装置1400の表示領域のうち第1領域REG0に描画されている画像を、第2領域REG1に描画されている画像に向かって侵食させる描画態様を行うことができる。このような描画態様によって、テレビ枠型装飾体3277の内側に存在するはずのねずみキャラクタCH0が、テレビ枠型装飾体3277の内側という小さな世界からテレビ枠型装飾体3277の外側という大きな世界へと飛び出すかのような迫力ある演出を実行することができるため、液晶表示装置1400の表示領域で大迫力のある映像表現による演出とテレビ枠型装飾体3277とによる斬新な演出を行うことができる。
境界線BLは、液晶表示装置1400の表示領域の左側、左上側、そして上側に向かって、移動するに従って、第1領域REG0の面積が大きくなる一方、第2領域REG1の面積が小さくなり、第1領域REG0には、ねずみキャラクタCH0のほかに、猫キャラクタCH1が少しずつ描画される。そして、第1領域REG0が液晶表示装置1400の表示領域全体に描画されると、図214(d)に示すように、ねずみキャラクタCH0と猫キャラクタCH1とが互いに厳しい目つきでじっと見る表示態様となり、その後、ねずみキャラクタCH0と猫キャラクタCH1とが争うバトル演出という発展演出へと演出が進行する。
このように、テレビ枠型装飾体3277の開口部3277aと対応する第1領域REG0に描画される画像の輝度を、テレビ枠型装飾体3277の開口部3277aと対応しない第2領域REG1に描画される画像の輝度と比べて高く設定することができるため、輝度の高い画像に対して遊技者の視線を向けることができるとともに、輝度の高い画像が輝度の低い画像に向かって侵食するという描画態様を強調して表現することができる。
また、テレビ枠型装飾体3277を液晶表示装置1400の表示領域外から表示領域の前面に出現させている状態では、つまりテレビ枠型装飾体3277を待機位置(原位置)から演出位置(可動限界位置)まで作動させている状態では、開口部3277aを取り囲むテレビ枠型装飾体3277によって、この開口部3277aを介して視認する液晶表示装置1400の第1領域REG0に描画されている画像からテレビ枠型装飾体3277までの距離寸法が、図159に示した、液晶表示装置1400の表示領域とテレビ枠型装飾体3277とが配置された実際の距離寸法dよりも長い距離寸法を有しているような奥行き感を表現することができる。
更に、第1領域REG0に描画される画像を視認することによって、複数の発展演出のうち、どの発展演出が将来実行されるのかを遊技者が理解することができるため、テレビ枠型装飾体3277が液晶表示装置1400の表示領域外から表示領域の前面に出現するというテレビ枠型装飾体3277の作動によって発展演出の選択が行われることを遊技者に示唆することができる。また、遊技者にとって有利な大当り遊技状態が発生する確率として、発展演出が実行されない通常演出と比べて発展演出の方が高く予め設定されているため、テレビ枠型装飾体3277の作動に対して大当り遊技状態が発生するかもしれないという期待感が生じ、テレビ枠型装飾体3277の作動による演出効果をさらに高めることに寄与することができる。
更にまた、第1領域REG0に描画される画像の輝度を、第2領域REG1に描画される画像の輝度と比べて高く設定することができるため、輝度の高い画像に対して遊技者の視線を向けることができるとともに、輝度の高い画像が輝度の低い画像に向かって侵食するという描画態様を強調して表現することができる。
以上説明した本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、複合役物ユニット3270等を備える裏ユニット3000を備えており、この裏ユニット3000を周辺制御基板4139で制御することにより各種演出を実行している。裏ユニット3000は、液晶表示装置1400、複合役物ユニット3270に備えるテレビ型役物3271のテレビ枠型装飾体3277、複合役物ユニット3270に備える駆動モータ3279、第一ギア3280、及び第二ギア3281、を備えている。液晶表示装置1400は、演出に関する各種画像を液晶表示装置1400の表示領域に描画することにより大迫力のある映像表現による演出を行っている。テレビ枠型装飾体3277は、複合役物ユニット3270に備える駆動モータ3279、第一ギア3280、及び第二ギア3281により作動させられて液晶表示装置1400の表示領域外から表示領域の前面に出現することができるようになっている。このように、テレビ枠型装飾体3277は、液晶表示装置1400の表示領域外である待機位置(原位置)から液晶表示装置1400の表示領域の前面である演出位置(可動限界位置)まで作動させられている。
テレビ枠型装飾体3277は、液晶表示装置1400の表示領域の前面に出現する部分の形状が開口部3277aを有する枠状の枠状部として形成されている。
周辺制御基板4139が裏ユニット3000を制御してテレビ枠型装飾体3277を液晶表示装置1400の表示領域外から表示領域の前面に出現させている状態では、つまりテレビ枠型装飾体3277を待機位置(原位置)から演出位置(可動限界位置)まで作動させている状態において、液晶表示装置1400の表示領域を、可動体と対応する領域である第1領域REG0と、可動体と対応しない他の領域である第2領域REG1と、に分けて画像を、図209の描画制御処理によって、それぞれ描画することができる。
テレビ枠型装飾体3277が液晶表示装置1400の表示領域外から表示領域の前面に出現している状態では、つまりテレビ枠型装飾体3277が待機位置(原位置)から演出位置(可動限界位置)まで作動させられている状態では、液晶表示装置1400の表示領域のうち可動体と対応する領域である第1領域REG0に描画されている画像を、開口部3277aを介して、視認することができるようになっている。
このように、テレビ枠型装飾体3277は液晶表示装置1400の表示領域の前面に出現する部分の形状が開口部3277aを有する枠状に形成されているため、テレビ枠型装飾体3277が液晶表示装置1400の表示領域外から表示領域の前面に出現している状態では、つまりテレビ枠型装飾体3277を待機位置(原位置)から演出位置(可動限界位置)まで作動させている状態では、テレビ枠型装飾体3277と対応する領域である第1領域REG0に描画されている画像がテレビ枠型装飾体3277によって妨げられずテレビ枠型装飾体3277に形成された開口部3277aを介して視認することができるようになっている。換言すると、液晶表示装置1400の表示領域で大迫力のある映像表現による演出の効果を失うことなく、テレビ枠型装飾体3277の出現による演出の効果を発揮することができるようになっている。したがって、液晶表示装置1400の表示領域に描画されている画像と、テレビ枠型装飾体3277の作動と、による演出を効果的に使用することができる。
また、テレビ枠型装飾体3277が液晶表示装置1400の表示領域外から該表示領域の前面に出現している状態における、つまりテレビ枠型装飾体3277が待機位置(原位置)から演出位置(可動限界位置)まで作動させられている状態において液晶表示装置1400の表示領域のうちテレビ枠型装飾体3277と対応する領域である第1領域REG0に描画されている画像は、液晶表示装置1400の表示領域全体で実行される複数の発展演出のうちいずれの発展演出が実行されるかを示すものとなっている。第1領域REG0に描画される画像は、液晶表示装置1400の表示領域に描画される画像と、液晶表示装置1400の前方右下に配設されたテレビ型役物3271のテレビ枠型装飾体3277と、によるテレビ演出が実行されない、図213(a)に示した背景画像上に、装飾図柄1400a〜1400cが単に変動表示して停止図柄を導出表示する通常演出と比べて、遊技者にとって有利な大当り遊技状態が発生する可能性が高い、つまり期待度が高い発展演出のうち、どの種類の発展演出がテレビ演出に続いて実行されるかを示唆するものとなっている。このため、第1領域REG0に描画される画像を視認することによって、複数の発展演出のうち、どの発展演出が将来実行されるのかを遊技者が理解することができるため、テレビ枠型装飾体3277が液晶表示装置1400の表示領域外から表示領域の前面に出現するというテレビ枠型装飾体3277の作動によって発展演出の選択が行われることを遊技者に示唆することができる。また、遊技者にとって有利な大当り遊技状態が発生する確率として、発展演出が実行されない通常演出と比べて発展演出の方が高く予め設定されているため、テレビ枠型装飾体3277の作動に対して大当り遊技状態が発生するかもしれないという期待感が生じ、テレビ枠型装飾体3277の作動による演出効果をさらに高めることに寄与することができる。
更に、液晶表示装置1400の表示領域のうちテレビ枠型装飾体3277と対応する領域である第1領域REG0に描画されている画像を、テレビ枠型装飾体3277と対応しない他の領域である第2領域REG1に描画されている画像に向かって侵食させる描画態様を実行している。これにより、液晶表示装置1400の表示領域のうちテレビ枠型装飾体3277と対応する領域である第1領域REG0に描画されている画像を、テレビ枠型装飾体3277と対応しない他の領域である第2領域REG1に描画されている画像に向かって侵食させることができるため、液晶表示装置1400の表示領域のうち第1領域REG0に描画されている画像を、第2領域REG1に描画されている画像に向かって侵食させる描画態様を行うことができる。換言すると、液晶表示装置1400の表示領域のうちテレビ枠型装飾体3277と対応する領域である第1領域REG0に描画されている画像がテレビ枠型装飾体3277と対応しない他の領域である第2領域REG1に描画されている画像に向かって広がることによって、テレビ枠型装飾体3277と対応する領域である第1領域REG0に描画されている画像と、テレビ枠型装飾体3277と対応しない他の領域である第2領域REG1に描画されている画像と、の境界線BL近傍において、テレビ枠型装飾体3277と対応しない他の領域である第2領域REG1に描画されている画像がテレビ枠型装飾体3277と対応する領域である第1領域REG0に描画されている画像により削られる描画態様となるため、液晶表示装置1400の表示領域で大迫力のある映像表現による演出と、テレビ枠型装飾体3277と、による斬新な演出を行うことができる。
更にまた、液晶表示装置1400の表示領域のうちテレビ枠型装飾体3277と対応する領域である第1領域REG0に描画される画像の輝度を、テレビ枠型装飾体3277と対応しない他の領域である第2領域REG1に描画される画像の輝度と比べて高くなるように、テレビ枠型装飾体3277と対応する領域である第1領域REG0に描画される画像の輝度とテレビ枠型装飾体3277と対応しない他の領域である第2領域REG1に描画される画像の輝度とを個別に設定している。これにより、テレビ枠型装飾体3277と対応する領域である第1領域REG0に描画される画像の輝度を、テレビ枠型装飾体3277と対応しない他の領域である第2領域REG1に描画される画像の輝度と比べて高く設定することができるため、輝度の高い画像に対して遊技者の視線を向けることができるとともに、輝度の高い画像が輝度の低い画像に向かって侵食するという描画態様を強調して表現することができる。
[14.別例]
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、パチンコ遊技機1を例にとって説明したが、本発明が適用できる遊技機はパチンコ遊技機に限定されるものではなく、パチンコ遊技機以外の遊技機、例えばスロットマシン又はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させた融合遊技機(遊技球を用いてスロット遊技を行うもの。)などにも適用することができる。