JP5605876B1 - 液水を利用した重力機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】往復動作するシリンダー型のポンプを用い、フロート弁可動部分にフロート弁の往復動作方向へそれぞれ水の重力を作用させることで効率のよい発電や水の搬送が可能な装置を提供する。
【解決手段】往復動作するシリンダー型のポンプを用い、フロート弁が下降動作するときはシリンダー下部室の水が中央管を通って揚水され、フロート弁が上昇動作するときはシリンダー上部室の水が中央管と外管との間を通って揚水される。揚水された水は、揚水筒体の上部において溢れ出て、揚水筒体及び本体ケーシングの集水室及び流下水路形成用の柱構造体を満水状態にする。柱構造体内の重力弁により、昇降時のいずれの時も前記流下水の重力が作用する。流下水路形成用の柱構造体の下部は、水車室に連通しており、揚水した水の重力を利用して水車を回転させ、動力源及び電気を得るようにしている。更に、高い所への揚水専用装置としても機能することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、往復動作するシリンダー型のポンプを用い、汲み上げた水の重力及びフロート弁連携可動部分の重力(荷重)並びに水タンク室の貯留水の重力を利用して水を高い位置へ搬送し、これを落下させて水車を回転させることで発電したり、高い位置へ搬送した水をビニールハウスや畑地へ送って農作業に利用したり、タンクやプールへ貯水する等の他の用途への利用もすることのできる液水を利用した重力機関に関するものである。
水の重力を利用して発電する装置として特許文献1及び特許文献2に示すような技術が公知である。
特許文献1の技術は、回転軸を中心にして、複数本数の、回転支柱を放射状に設け、各回転支柱の先端に一定大きさの吊り水槽を吊り下げて装着している。吊り水槽が回転移動する最下部には、一定水量の大きさの貯水槽が設置され、循環水が充填される。貯水槽内の循環水は、ポンプによって、最上部位の吊り水槽に、順次充填される。循環水が充填された吊り水槽は、充填水量の重力によって下部に落下移動する。
下部に落下移動した吊り水槽は、貯水槽に装着の傾斜誘導板を通過することで、順次、傾斜して転倒するようになり(ひっくり返され)、内部に充填された循環水は、貯水槽内に完全排水される。これにより完全排水後の吊り水槽は、軽量となり、循環水が充填された吊り水槽の落下重力によって順次上昇して、再度、最上部に到達して循環水が充填される。前記回転軸には、増速機付き発電機が装着されており、このようにして水の重力を利用した発電が行われるようになっている。
一方、特許文献2に記載された技術は、上部の貯水タンクの下部に水車を設け、該水車を揚水ポンプ及び発電機へ連動させている。揚水ポンプの吐出側はバイパス通路を介して上部の貯水タンクへ連通させている。この特許文献2に記載された発電装置では、上部の貯水タンクの水の重力(落下荷重)を利用して水車を回転させ、これに連動して揚水ポンプ及び発電機を回転させることで、発電と上部の貯水タンクへの水の補充供給とを行っている。
特開2011−085124号公報 WO2004094816A1号公報
特許文献1に記載された技術にあっては、吊り水槽が最上部に到達してから僅かの範囲内において吊り水槽に十分な水を充填する必要があり、ポンプの吐出能力と吊り水槽の大きさの設定が難しいという欠点と、ポンプの駆動に大きな電力を必要とするという欠点があった。また吊り水槽を放射状にいくつ設置するか及び吊り水槽の容積をどれくらいの大きさにするのか等によって回転モーメントが変化し、回転モーメントが大きすぎると吊り水槽への水の補充時間が不足し、また回転モーメントが少なすぎると十分な発電が得られないという欠点があった。
更に、このような観覧車タイプの発電装置は、全体の大きさが大きくなり、広い設置スペースを必要とする欠点があった。また吊り水槽が外部へ露出するタイプなので、自然環境の影響を受けやすく、風雨により運転できない場合があり、また晴天が続くと蒸発する水の量が多くなるという欠点があった。
一方、特許文献2に記載された技術にあっては、貯水タンクの水の重力によって水車を回転させ、これを揚水ポンプ及び発電装置へ連動させている。貯水タンク下方の水車は、水の重力によって回転するが、水車の羽根に直接作用しないで通過する水もあり、水の重力を効率よく、利用することができないという欠点があった。また揚水ポンプも水車であり、揚水ポンプの羽根で下部タンクの水を掻き出して水を押し上げ、揚水しているが押し上げられずに戻って来る水もあり、効率の良い揚水が行われているとは言えなかった。要するに、貯水タンクの水の重力を十分に活用した揚水作用とは言えないという欠点があった。
そこで、本発明は、従来の前記問題点に鑑みて、これを改良除去したものであって、往復動作するシリンダー型のポンプを用い、フロート弁可動部分にフロート弁の往復動作方向へそれぞれ水の重力を作用させることで効率のよい発電や水の搬送が可能な重力機関を提供せんとするものである。
前記課題を解決するためになされた本発明が採用した請求項1の手段は、機関本体のケーシングを下方から水タンク室、水車室、出力ギヤ室、倍力装置室、重力発生室、集水室に区画すると共に、前記機関本体ケーシングの上部に前記集水室へ連通する任意高さの揚水筒体を設け、水車室、出力ギヤ室、倍力装置室、重力発生室を貫通して落下水が流通する流下水路形成用の柱構造体を設けて当該流下水路形成用の柱構造体の上部側を前記集水室へ連通させ、前記重力発生室の流下水路形成用の柱構造体内に重力シリンダーを配置し、前記水タンク室に往復動作する揚水シリンダーを配置し、そのフロート弁に中央管と外管及びパイプシャフトの三重筒体を連結固定すると共に、外管とパイプシャフトとを一体化し、前記三重筒体を前記流下水路形成用の柱構造体内の前記重力シリンダー内へ介在させ、該重力シリンダー内における前記パイプシャフトに重力弁を取り付け、重力シリンダーの上部室及び下部室に前記揚水筒体の水の重力が作用するようにし、前記三重筒体の中央管と外管とを本体ケーシング側に固定された固定中央管と固定外管とに対してスライド自在に嵌合装着し、固定中央管と固定外管とを揚水筒体の上部まで導入して、それらの先端からそれぞれオーバーフロー水が揚水筒体内へ流出するようにし、前記流下水路形成用の柱構造体の下部側を水車室へ連通させて水の噴出口を設け、前記揚水筒体から集水室及び流下水路形成用の柱構造体を通って流れる水を水車へ向けて噴出し、水車から動力源を得るようにして成り、前記揚水シリンダーのフロート弁が下降するときは揚水シリンダー下部室の水が中央管へ流入し、上昇するときは揚水シリンダー上部室の水が中央管と外管との間へ流入するようになっていることを特徴とする液水を利用した重力機関である。
本発明が採用した請求項2の手段は、前記外管とパイプシャフトとを一つの管で一体成形した請求項1に記載の液水を利用した重力機関である。
本発明が採用した請求項3の手段は、前記重力発生室に外部電源に接続された駆動用モーターと発電機とを配置し、駆動用モーターに連動するピニオンギヤを前記パイプシャフトに設けたラックへ噛合させてパイプシャフトを昇降させ、水車室の水車の回転動力を前記発電機へ伝達して発電するようにした請求項1又は2に記載の液水を利用した重力機関である。
本発明が採用した請求項4の手段は、揚水シリンダー及びそのフロート弁に連結された三重筒体が二個一対で配置され、前記駆動用モーターと連動するピニオンギヤは前記二個一対のパイプシャフトに対向する位置で噛合している前記請求項3に記載の液水を利用した重力機関である。
本発明が採用した請求項5の手段は、倍力装置室には、らせん状の溝を備えると共に外周端面に駆動用モーターに噛合するギヤが刻設されたインサイドスライド円盤と、該インサイドスライド円盤の前記らせん状溝に前後二箇所でピンを介して嵌合するラックとが配設されており、該ラックを介して前記パイプシャフトに噛合するピニオンギヤを回転させるようにした請求項4に記載の液水を利用した重力機関である。
本発明が採用した請求項6の手段は、揚水筒体の上部に水の流出口が形成されており、ビニールハウスや畑地、ビルの高いところのタンク、プールへ水を搬送する請求項1〜5のいずれか一つに記載の液水を利用した重力機関である。
請求項1の発明によれば、往復動作するシリンダー型のポンプを用い、フロート弁に中央管、外管、パイプシャフトの三重筒体を連結固定し、フロート弁が下降動作するときはシリンダー下部室の水が中央管を通って揚水され、フロート弁が上昇動作するときはシリンダー上部室の水が中央管と外管との間を通って揚水されるようになっている。 中央管と外管とは機関本体ケーシングの上部に構築された揚水筒体(数十メートルの高さになる場合もある)の上部に導入されており、オーバーフロー水が揚水筒体及び本体ケーシングの集水室及び流下水路形成用の柱構造体へ重力によって流れ落ちるようになっている。
前記流下水路形成用の柱構造体内には重力シリンダーがもうけられており、外管と一体形成されたパイプシャフトに重力弁が取り付けられている。この重力シリンダーの上部室には、重力弁が下降動作するときに前記流下水の重力が作用するようになっている。また重力シリンダーの下部室には、重力弁が上昇動作するときに前記流下水の重力が作用するようになっている。従って、揚水シリンダーのフロート弁動作は、重力シリンダーの作用により、往復動作時にいずれも流下水の重力を利用することができ、エネルギー効率に優れた揚水動作を実現することができる。
また流下水路形成用の柱構造体の下部は、水車室に連通しており、揚水した水の重力を利用して水車を回転させ、動力源を得るようにしている。
請求項2の発明によれば、外管とパイプシャフトとを一体成型している。これにより、部品点数を削減することが可能である。この場合、一体成型した外周面に駆動モーター側に連動するピニオンと噛合するラック歯を刻設する必要がある。
請求項3の発明によれば、水車の出力を駆動用モーターと発電機とへ伝達するようにしている。駆動用モーターに連動するピニオンにより、パイプシャフトのラックが昇降動作することができ、揚水シリンダーの昇降動作を行うようにしている。
請求項4の発明によれば、揚水シリンダー及び三重筒体が二個一対で配置されており、一つのピニオンギヤで三重筒体のパイプシャフトを昇降動作させるようにしている。そのため、一つの揚水シリンダーのフロート弁が下降動作するときは他方の揚水シリンダーのフロート弁は上昇動作をし、これらのいずれの動作時にも水タンク室の水を揚水するので、絶え間なく揚水動作を確保することができる。
請求項5の発明によれば、インサイドスライド円盤のらせん状溝と、ラックのピンとの嵌合により、前記円盤の回転によりラックが直線状に往復動作するようになる。この直線運動は、前記三重筒体のパイプシャフトを昇降させるピニオンギヤを正逆回転させる。そのため、揚水シリンダーのフロート弁の昇降動作を自動的に行わせることができる、
請求項6の発明によれば、揚水筒体の上部の水を、ビニールハウス又は畑地、ビルの高いところのタンク、プール等へ自然流下により搬送することができる。
本発明の一実施の形態に係る液水を利用した重力機関の全体を示す縦断面概略側面図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、機関本体の底板形状を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、水タンク室と水車室とを区画する区画板の平面図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、揚水ポンプ機構の上昇動作時の状態を示す部分縦断面拡大図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、揚水ポンプ機構の下降動作時の状態を示す部分縦断面拡大図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、水車の機構部を示す縦断面拡大図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、水車室と出力ギヤ室との区画板を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、倍力装置室のインサイドスライド円盤を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、倍力装置室のラック溝を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、倍力装置室のラックとピニオンの関係を示す下から見た図面である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、インサイドスライド円盤と、ラック及びピニオンの関係を示す図面であって、上半分は中心位置で縦断面した側面図であり、下半分はラックとピニオンの噛合位置で縦断面した側面図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、パイプシャフトと昇降用ピニオンとの噛合関係を示す横断面図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、中央管と外管とパイプシャフトと昇降用ピニオンとの関係を示す一部縦断面側面図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、揚水ポンプ機構部から重力利用機構部までの機構部を示す概略側面図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、図(A)は重力シリンダーの横断平面図、図(B)は同シリンダーの底部を示す縦断面側面図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、集水室の配管状態を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、揚水筒体の上部を示す縦断面側面図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、揚水筒体の配管状態を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係るものであり、揚水筒体の途中に設けた通水を遮蔽する円盤状の弁機構を示すものであって、図(A)は平面図、図(B)は中心を通る部分の縦断面側面図、図(C)は一対の中央管及び外管の中心を通る部分で縦断面した側面図である。 本発明の水車駆動機構部の他の変形実施例を示す、噴射ケーシング部の半縦断面図である。 本発明の水車駆動機構部の他の変形実施例を示す、噴射ケーシング部の横断面平面図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明の一実施の形態について説明する。図1は、液水を利用した重力機関Aの全体を示す概略側面図である。同図に示すように、液水を利用した重力機関Aは、平面視で八角形状の機関本体ケーシング1と、この本体ケーシング1の上部に立設された円筒状の揚水筒体2とから成っている。そして、八角柱形状の機関本体ケーシング1は、下方から水タンク室B、水車室C、出力ギヤ室D、倍力装置室E、重力発生室F、集水室Gに区画されている。この場合の八角柱形状の機関本体ケーシング1の大きさは、対向する壁面間の距離が980mmで高さが2250mm程度である。これに対して、円筒状の揚水筒体2は、使用目的に応じて任意の10〜35メートルの任意高さ範囲内に設定することが可能である。
本体ケーシング1の水タンク室Bの底部には、図2の平面図に示す形状の底板3が配設されている。この底板3には、水タンク室Bに垂直に立設される揚水シリンダー4の根元の部分を装着するための嵌合孔5が設けられている。揚水シリンダー4は、二個一対で配置され、この実施の形態では合計八個が配置されている。また前記底板3の中央には、四角形状の通水口6が開口形成されている。通水口6は、揚水シリンダー4のフロート弁7が上昇動作をするときに、シリンダー下部室8に水タンク室B内の水を補給するためのものである。水タンク室Bと水車室Cとを区画する区画板10は、図3の平面図に示す通りであり、揚水シリンダー4の上部側を嵌合保持する装着孔11が形成されている。また区画板10の中央には、大きな円形状の通水孔10Aが形成されている。これは水車を回転させた噴射水が水タンク室Bへ還流するためのものである。詳細は、後述する。
従って、揚水シリンダー4は、その根元側を底板3の嵌合孔5に保持され、上部側を区画板10の装着孔11に嵌合保持されて固定されている。
水タンク室3に配設された各揚水シリンダー4は、上昇動作の終端間際の状態を示す図4及び下降動作の開始時の状態を示す図5に示す通りであり、シリンダー本体12内に所定の間隙をもってフロート弁7が装着されている。このフロート弁7には、中央管13と、外管14と、パイプシャフト15との三重筒体が連結固定されている。中央管13は、フロート弁7の内部まで侵入しており、外管14とパイプシャフト15とは、一体化されてフロート弁7の上端側に固定されている。なお、これらの三重筒体は、図4、図5及び図15等に示すように、パイプシャフトケーシング15A内に装着されている。
フロート弁7の上部側の内部において、前記中央管13は、その先端側が閉塞されて通水用の小孔16が多数穿設された通水板17に連結固定されている。通水板17はフロート弁7のケーシングに固定されている。この通水板17の上方には、中央管13に外嵌装着された逆止弁(円盤)18が配置されており、水圧により自動的に昇降動作をし、前記通水板17の小孔16を遮蔽又は開放するようになっている。そして、中央管13の下部側の周側面には、流入ポート19が開口形成されている。更に、通水板17の下方には水の流入室20が設けられており、該流入室20に臨んでフロート弁7のケーシングには通水用の小孔21が多数穿設されている。
シリンダー本体12の上部側には、スカート部材22がシリンダー本体12との間に所定の間隙をもって外嵌装着されている。このスカート部材22は、フロート弁7が下降動作をするときに、シリンダー上部室9に補給水を供給する流路を形成するためのものであり、下端側はシリンダー本体12の途中の高さ位置で開放されている。スカート部材22とシリンダー本体12との間に形成された流路23は、シリンダー上部室9に連通している。シリンダー上部室9には、水圧により自動的に昇降動作をして前記流路23のポートを遮蔽又は開放するための逆止弁(円盤)24が配置されている。またこの上部室9に臨むパイプシャフト15と外管14とには、流入ポート25が開口形成されており、水圧により自動的に昇降動作するハット状の逆止弁26の筒状部27によって遮蔽又は開放されるようになっている。
一方、シリンダー本体12の下部室8は、パンチング平板と筒状部とからなる逆止弁28及び流入ポート29を介して水タンク室Bに連通している。
水車室Cに配設された水車は、図6に示すように、駆動用水車30と出力用水車31とが同軸上で相互に回転自在に軸支されている。これらの水車30及び31を支承する水車軸32は、水タンク室Bと水車室Cとを区画する区画板10に下端側が回転自在に支承されており、水車室Cと出力ギヤ室Dとを区画する区画板33を貫通し、出力ギヤ室Dと倍力装置室Eとを区画する区画板34に上端側が回転自在に支承されている。
水車室Cの仕切板10の上には、十文字状に配置された水の導入水路35(図1、図6及び図7参照)が形成されており、この導入水路35は水車軸32の下部側に所定の空間をもって配置された流量調整弁36の弁室37に連通接続されている。弁室37を形成する円筒状ケーシング38の下部側には、前記導入水路35に臨んで長孔の流入ポート39が開口形成されており、その上部に長孔の流出ポート40が開口形成されている。そして、有底筒状の弁体41が昇降動作することにより、流出ポート40の開口面積を制御し、水車側へ流れる水の流量を調整するようになっている。弁体41の昇降は、水車軸32と弁体41とを螺合させ、弁体41に回り止め(例えば、ケーシング38とスプライン嵌合させる)を施すことにより、水車軸32の上端側に取り付けたハンドル42を回転させることで実現している。
流量調整弁36の円筒状ケーシング38の外周側には、噴射室43を形成するための噴射ケーシング44が配設されている。このケーシング44の周側面には、駆動用水車30及び三段に構成された出力用水車31に向けて水を斜め方向へ噴射するための噴射口45が形成されている。駆動用水車30は、水車軸32に回転自在に外嵌装着された内筒軸46に連結固定されている。三段構成の出力用水車31は、前記内筒軸46の外側に更に回転自在に装着された外筒軸47に連結固定されている。
出力ギヤ室Dにおいて、外筒軸47には出力用のプーリー48が連結されており、内筒軸46には駆動用のプーリー49が連結されている。駆動用プーリー49は、ベルト50を介してプーリー51に接続されている。図1に示すように、前記プーリー51の駆動軸52の途中には、上下二段のギヤ53,54が配設されており、これらのギヤ53,54はインサイドスライド円盤55,56の外周端面に刻設された大ギヤに噛合している。また駆動軸52の他端側はプーリー57及びベルトを介して駆動用モーター58に接続されている。一方、出力用のプーリー48は、ベルト59、プーリー60、出力軸61、プーリー62及ベルトを介して発電機63に接続されている。
次に、図1と、図8乃至図11を参照して倍力装置室Eの構成について説明する。図8はインサイドスライド円盤55,56を示す図面であり、図9は倍力装置室Eの上下の区画板64、65を示す図面である。インサイドスライド円盤55は、区画板64の上方に回転自在に装着されている。区画板64、65には、直線状のラック溝66が開口形成されており、両区画板64、65のラック溝66どうしは、相互に直交する方向に配置されている。区画板64にあっては下方からラック67がスライド自在に嵌合装着されており、区画板65にあっては上方からラック68が嵌合装着されている。ラック67の下面側の両端と、ラック68の上面側の両端とにはラック歯69、69が刻設されており、ピニオン70,70及び71,71と噛合している。ピニオン70,70は、区画板64から吊り下げ支持されたアーム72に回転自在に支承されている。ピニオン71,71は区画板65の上面に立設された支持アーム(図示せず)に支承されている。
ところで、ラック67,68はその長手方向の両端側にピン部材73,74がスプリング75により突出退入自在に嵌合装着されており、前記ピン部材73,74は図11の下半分に示すように、インサイドスライド円盤55,56のインサイドスライド溝75に対して嵌合又は離脱するようになっている。インサイドスライド溝75は、らせん状の溝であり、中心側の溝底は傾斜した面76に形成され、その終端側ではピン部材74がインサイドスライド溝75から溝底スロープを使って溝山を越えることができるようになされている。インサイドスライド円盤55が回転することにより、ラック67のピン73,74のいずれか一方がインサイドスライド溝75の外周側に嵌合して円盤中心側へ移動し、他方は嵌合を外れて自由な状態となる。次に、自由なピンがインサイドスライド溝75へ外周側で嵌合し、他方は自由な状態となる。これを繰り返すことで、ラック67は図11の紙面に対して垂直方向に往復動作をし、ピニオン70,70を回転させる。同様にして、インサイドスライド円盤56が回転すると、ラック68は図11の左右方向へ往復移動し、ピニオン71,71を回転させる。
次に、揚水シリンダー4のフロート弁7を昇降動作させる機構について説明する。図1に示すように、フロート弁7に連結された中央管13、外管14、パイプシャフト15の三重筒体は、水車室C、出力ギヤ室D、倍力装置室E、重力発生室Fを貫通して設けられた流下水路形成用の柱構造体(以下、「柱構造体」という)77内に位置しており、一つの柱構造体77内には二個一対の揚水シリンダー4、4に対応するフロート弁7の三重筒体が存在している。倍力装置室Eにおける柱構造体77に介在する二個一対のパイプシャフト15、15には、対向する面にラック歯78、78が縦方向に刻設されている。このラック歯78,78には、前記ピニオン70、71にシャフト79を介して連結されたピニオン80が噛合している。従って、ピニオン80が一定方向へ回転すると、二個一対の揚水シリンダー4,4の一方のフロート弁7は上昇動作をし、他方のフロート弁7は下降動作をするようになる。
前記二個一対のパイプシャフト15,15は、図14に示すように、重力発生室Fの重力シリンダー81,81内へ導入されており、該シリンダー内で重力弁82,82が取り付けられている。重力シリンダー81,81は、その上下部に、図15に示す円筒状鍔部83と、四角形状の平板部84とからなる開閉制御弁85が設けられており、これらの中間部のシリンダー本体部分は四角形状である。従って、重力弁82,82も四角形状をなしている。
そして、二個一対の重力シリンダー81,81は、図15の図(B)に示すように、上下の開閉制御弁85の部分において、連絡通路86が形成されており、交互に開閉制御される二つのポート87,88を有している。また制御弁85は、前記ポート87に対応するポート89が開口形成されている。更に、重力シリンダー81,81の円筒状鍔部83が嵌合装着された円筒状ケーシング90の部分には、周側面に柱構造体77内の水が浸入し得るポート91が開口形成されている。
ところで、重力シリンダー81,81内におけるパイプシャフト15には、本体ケーシング1に固定された固定外管14Aが上方から挿し込まれている。また固定外管14A内に装着された固定中央管13Aは、パイプシャフト15内の外管14内を下方から立ち上がって来る中央管13にスライド自在に外嵌又は内嵌装着されている。
固定外管14Aと固定中央管13Aとは、図16に示すように、集水室Fにおいて、合計八個が中央側へ集合し、揚水筒体2内をその上部まで立ち上がるように配管接続されている。そして、図17に示すように、固定外管14Aと固定中央管13Aとの上端側に、それぞれ水圧により昇降動作する逆止弁92,93を配置している。図18は、これらの揚水筒体2内における配管及び逆止弁92,93を平面から見た図面である。
図19は、揚水筒体2の下部側(途中)に配設された開閉制御弁94を示すものである。この開閉制御弁94は、液水を利用した重力機関Aの駆動を一時的に停止するような場合に、揚水筒体2及び中央管13、外管14内にある水が流れ落ちないように、流路を一時的に遮断し、次の再開時にはこれらの流路を満水状態にする準備時間を省略するようにするためである。同図の図(B)及び図(C)に示すように、この開閉制御弁94は、揚水筒体2の内部を区画する区画板95の上に設置されている。区画板95は、中央に円形状の通水孔96が形成されており、この区画板95上に円盤状の下部側弁座97と、回動弁体98と、上下に僅かに昇降できる円盤状の可動弁座99とがサンドイッチ状に重ねて配設されている。
上下の弁座97及び99の中心側には、通水孔形成用の円盤100と、101が対向して配置されている。下方の円盤100は、傘歯車102が形成された部分を有し、その歯車軸103は回動弁体98を貫通して上方の円盤101に形成された雌螺子部を有するボス部104に螺子嵌合している。前記傘歯車102は、揚水筒体2の外部にハンドル105が取り付けられた軸106の先端に設けられた傘歯車(ピニオン)107と噛合し、この傘歯車107により、水平方向へ回動するようになっている。
そして、上下の円盤100及び101の傘歯車102よりも外側の領域には、通水孔108と孔がもうけられていない部分(図19の図(A)において斑点模様で表した部分)109とが放射状に交互に形成されている。
一方、上下の弁座97と99とにサンドイッチされた回動弁体98は、前記上下の円盤100,101の通水孔108に対応する通水孔110を有している。回動弁体98は、揚水筒体2の外部に設けられた操作レバー(図示せず)を回動させることにより、通水孔110が上下の円盤100,101の通水孔108の位置にきたり、孔が形成されていない部分へ位置するようになり、上下の円盤100,101の通水孔108を連通させたり又は遮断したりできるようになっている。
更に、図19の図(A)及び図(C)に示すように、揚水筒体2内に立ち上がる固定外管14A及び固定中央管13Aは、途中で切断されてそれぞれが上側弁座99及び下側弁座97に接続されている。そして、これらの外管14A及び13Aに対応する回動弁体98の位置には、外管連通孔111と中央管連通孔112とが形成されており、回動弁体98を回動させることにより、分割された固定外管14Aどうし及び固定中央管13Aどうしを連通させたり、または遮断したりできるようになっている。
次に、このように構成された液水を利用した重力機関Aの動作態様を説明する。なお、水タンク室B内には図1に示すように、揚水シリンダー4の上部高さ位置まで、水が貯水されているものとする。また最初に運転を開始するに当たっては、図6に示す、水車軸32のハンドル42を回転させて流量調整弁36の弁体41を下降させておき、流出ポート40を閉塞しておく。このような状態から外部電源又はバッテリーを使用して駆動用モーター58を駆動させると、ベルト及びプーリー57、軸52、ピニオン53,54を介して倍力装置室Eのインサイドスライド円盤55,56を回転駆動させる。これらのインサイドスライド円盤55,56の回転により、らせん状溝75にピン73又は74のいずれか一つが嵌合するラック67及び68がそれぞれ直線状の往復動作をするようになる。
この直線運動について、インサイドスライド円盤56及びラック68の場合を例に説明すると、図8及び図11に示す状態から、図8の反時計方向へインサイドスライド円盤56が回転をすると、ラック68のピン74はらせん状溝75の中心側の傾斜した溝底76を登り、溝山を越えて平坦部へ移動するようになる。他方側のピン73は、らせん状溝75に案内されてラック68を図8及び図11の右方向へ移動させる。そして、インサイドスライド円盤56が一回転して図8の状態へ戻った状態では、ピン74はらせん状溝75の入口側に位置し、次第にこれと嵌合するようになる。このとき他方側のピン73はらせん状溝75の傾斜溝底76を登りはじめ、やがて溝山を越えるようになる。
この状態から更にインサイドスライド円盤56が回転すると、ピン74はらせん状溝75に案内されて同図の左方向へ直線状に移動する。このようにして、ピン73とピン74が交互にらせん状溝75と嵌合又は離脱を繰り返すことで、ラック68を左右方向に往復動作させている。
ラック67と68の直線往復動作は、図10に示すように、そのラック歯69に噛合するピニオン70、70及び71、71を正逆方向へ回転させる。これらのピニオン70,70及び71,71の回転は、図10、図12乃至図14に示すように、軸79及びピニオン80を介して二個一対の揚水シリンダー4,4のパイプシャフト15,15を昇降動作させるようになる。一対のパイプシャフト15,15は、一方が上昇するときは、他方は下降動作をする。
パイプシャフト15が上昇動作をするときは、図1及び図4に示すように、これに連結された揚水シリンダー4のフロート弁7がシリンダー上部室9の水を圧縮するので、逆止弁26は水圧により押下げられ下降しており、その筒状部27は外管14の流入ポート25を開放する。またシリンダー室9の水圧により、逆止弁24は押し上げられて図4に示すように、補給水路23の流入口を閉塞している。従って、シリンダー上部室9の水は、流入ポート25から外管14と中央管13との間に形成された流路を上っていき、揚水される。このとき、シリンダー下部室8には負圧が発生する。この負圧により、シリンダー底部の逆止弁28が浮き上がり、底板3の開口6、流入ポート29、逆止弁28のパンチング小孔を経てシリンダー下部室8にタンク室B内の水が補充される。この補充水は、水タンク室B内に貯留された水の重力によりフロート弁7を押し上げるように助成する。
これに対して、パイプシャフト15が下降動作をするときは、図1及び図5に示すように、これに連結された揚水シリンダー4のフロート弁7がシリンダー下部室8の水を圧縮するので、その底部の逆止弁28は水圧により押下げられてその筒状部が流入ポート29を閉塞するようになる。そのため、シリンダー下部室8の水は、フロート弁7のケーシングと揚水シリンダー本体12との間の流路を通ってフロート弁7のケーシング上部に設けた小孔21から流入室20へ入り、逆止弁18を押し上げる。これにより、シリンダー下部室8の水は、流入室20へ入り込んだ後、通水板17の小孔16を通り、逆止弁18を迂回して中央管13の流入ポート19から中央管13内へ入り、これを上っていき、揚水される。このフロート弁7が下降動作するときは、フロート弁7及びパイプシャフト15、中央管13並びに外管14の荷重がフロート弁7に作用し、その下降動作を助成する。
またフロート弁7が下降動作するときは、シリンダー上部室9に負圧が発生する。この負圧により、逆止弁26が浮き上がり、その筒状部27が外管14の流入ポート25を閉塞するようになり、外管14と中央管13との間の水が逆流するのを防止する。またシリンダー上部室9の負圧により、逆止弁24は下降動作をする。そのため、シリンダー本体12と、スカート部材22との間に形成された流路23を通じて水タンク室Bの水がシリンダー上部室9へ補充されるようになる。
このようにして揚水シリンダー4のフロート弁7の下降動作により、シリンダー下部室8の水を中央管13を通じて揚水し、フロート弁7の上昇動作によりシリンダー上部室9の水を中央管13と外管14との間の流路を通じて揚水している。揚水された水は、図17に示すように、最終的には揚水筒体2の最上部に位置する固定中央管13A及び固定外管14Aとの開口端から溢れ出て揚水筒体2内を流下し、本体ケーシング1の柱構造体77及び揚水筒体2内を満水状態にする(水車室Cにおける弁室37の流出ポート40が閉塞されているため)。なお、揚水筒体2の天井には、エアー抜きバルブ(図示せず)が設けられており、水の水位が上昇するに連れてエアーを外部へ排気するようにしている。
前記揚水シリンダー4は、二個一対で四組が設けられており、八個の揚水シリンダー4が水を押し上げる水量は、フロート弁7の半径を8.0cmとし、ストロークを36cmとすると、一往復のストロークで115.84リットルとなる。一往復のストロークに要する時間は、1秒程度である。従って、一時間で416,000リットル(416キロリットル)の水を揚水することが可能である。
柱構造体77の下部は、十文字状の流路35を通じて水車側へ流入するが、最初の運転開始時には流量調整弁36によって、水車側への水の噴出が遮断されているので、柱構造体77と揚水筒体2内に水が補充され、その水面は次第に高くなっていく。重力発生室Fの重力シリンダー81よりも貯水された水の水面が高くなると、この水の重力が重力シリンダー81に作用し、揚水シリンダー4のフロート弁7を昇降させる力になる。
この事を更に詳しく説明すると、図14及び図15において、左側の重力シリンダー81が上昇動作を開始し、右側の重力シリンダー81が下降動作をするものとする。右側の重力シリンダー81の重力弁82が下降動作をすると、シリンダー下部室の水が圧縮されるので、その底部の開閉制御弁85の平板部84がポート88を閉塞し、円筒状鍔部83がポート91を閉塞する。また円筒状鍔部83のポート89は連絡通路86のポート87と連通するようになる。
これに対して、上昇動作する左側の重力シリンダー81においては、シリンダー下部室に負圧が発生するので、開閉制御弁85は浮き上がり、連絡通路86のポート88を開放する。これにより、右側の重力シリンダー81の下部室の水が左側の重力シリンダー81の下部室へ流入し、補充される。一方、左側の重力シリンダーのポート91が開放されるので、柱構造体77の水圧がシリンダー下部室へ作用し、柱構造体77及び揚水筒体2内に貯留された水の重力が重力弁82に作用し、水の重力を利用して重力弁82を押し上げるようになる。この重力の作用は、駆動用モーター58を補助することになる。
この重力弁82に作用する水の重力は、重力シリンダー81,81の上部側においても同様に行われる。上部側では、左側の重力シリンダー81のシリンダー上部室から右側の重力シリンダー81の上部室へ連絡通路86を通じて補給水が補充され、右側の重力シリンダー81の重力弁82に柱構造体77及び揚水筒体2に貯留された水の重力が作用する。この場合、重力弁82を押下げる方向に水の重力は作用する。
参考までに説明すると、揚水筒体2の高さを26mとしたときの水の重力は、2.6Kg/平方センチメートルであり、重力弁82の面積を250平方センチメートルとしたときの、重力弁82に作用する重力は650kg/平方センチメートルである。これは重力弁82の下降動作時及び上昇動作時のいずれにおいても作用する。
以上の説明で明らかなように、この実施の形態の揚水シリンダー4は、下降動作時には、揚水した水の重力と、フロート弁7及びパイプシャフト15、可動側の中央管13及び外管14の重力(荷重)との二つの重力を利用して水タンクB内の水を揚水している。また揚水シリンダー4の上昇動作時には、揚水した水の重力と、水タンク室B内の水の重力との二つの水の重力を利用して水タンク室B内の水を揚水している。このように、揚水した水及び水タンク室B内の水の重力、並びにフロート弁7等の可動部分の荷重を利用して揚水シリンダー4で水タンク室B内の水を揚水することで、非常に少ないエネルギーでの揚水が可能である。揚水筒体2のある程度の高さ位置まで、水が貯留されてきた後は、水車室Cの水車軸32を回動させて、流量調整弁36を上昇させ、流出ポート40から噴射室43へ水を導入させ、噴射口45から駆動用水車30及び出力用水車31へ向けて水を噴射させればよい。駆動用水車30の回転は、インサイドスライド円盤55,56及び駆動用モーター58に伝達される。出力用水車31の回転は、発電機63に伝達される。
ところで、水車30及び31の回転のために噴射された水は、図3に示す区画板10の中央の大きな円形状の通水孔10Aから水タンク室Bへ還流される。そして、還流された水は、順次、各揚水シリンダー4により汲み上げられて揚水され、重力を利用して再び水車30及び31へ噴射され、水タンク室Bへ戻るという循環経路を形成する。水タンク室Bの満水量は、およそ1.5立法メートルである。
また水タンク室Bの水は、運転開始当初において、柱構造体77及び揚水筒体2内を満水状態にするまでは、徐々に減っていくが、水位に自動的に反応して開閉する弁により、水道水等から減った分について自動的に水が補給されるようになっている。
このように、本実施の形態の装置では、揚水筒体2に貯留された水の高さ位置エネルギー(重力)を利用して水車30及び31に噴射するので、水車の回転力に優れており、フロート弁7の半径を8.0cmとし、ストロークを36cmとし、揚水筒体2の高さを26m程度にした場合でも十分な発電が可能である。発電した電気は、そのまま家庭用電気や工場用電気として利用したり、またバッテリー等の蓄電設備に蓄電しておくことも可能である。
なお、参考までに本実施の形態装置のスペックを示すと、フロート弁7の半径を8.0cm、フロート弁7とシリンダー本体12との間の隙間を1mm、ストロークを36cm、中央管13と外管14とのそれぞれの有効な開口(口径)面積を1.546629平方センチメートル、本体ケーシング1の八角形の対向面間の距離を98cm、本体ケーシング1の高さを225cm、揚水筒体2の高さを26mとしている。このとき、フロート弁7の底面積は、201.06176平方センチメートルとなる。中央管13と外管14とのそれぞれのフロート弁7に対する面積比率は1:130である。
従って、フロート弁7の一ストローク(36cm)時の水の排斥量(揚水量)は、7238.22336立法センチメートル、中央管13と外管14との一ストローク時の揚水量は55.67864立法センチメートルとなる。また本装置では、揚水シリンダー4を八個設置しているので、一ストローク時の揚水量は、7238.22336立法センチメートル×8=57.92リットルとなり、一工程(フロート弁7の往復動作)では115.84リットルの揚水が行われる。一工程に要する時間は、1秒であり、一時間あたり417.024キロリットルの水を揚水することが可能である。
揚水筒体2の高さは、揚水シリンダー4による水の揚水能力の半分程度にすれば、図17に示す、揚水筒体2の最上部に位置する固定中央管13A及び固定外管14Aとの開口端から揚水した水を十分な量だけ溢れさせることが可能である。前記スペックにおいては、フロート弁7の一ストロークの排水量は、7238.22336立法センチメートルであり、1.546629平方センチメートルの中央管13と外管14とにおいては、4680cmの高さまで揚水することが可能となる。そこで、本実施の形態の装置では、揚水筒体2の高さ寸法を、半分程度の25mとしている。
ところで、この液水を利用した重力機関Aの駆動を一時的に停止しておく場合は、図19に示す開閉制御弁94を閉塞し、揚水筒体2内の水及び揚水筒体2内における固定中央管13Aと、固定外管14Aとに存在する水が流れ落ちないようにすればよい。この場合、開閉制御弁94には水圧がかかっており、そのままでは回動弁体98を回動操作することができない。そのため、先ずハンドル105を回動操作し、傘歯車のピニオン107を介して傘歯車102を回動させ、その軸103の螺子部を利用して上側弁座(スプライン等により回動が抑制されている)99を押し上げ、回動弁体98の回動操作ができるようにしている。然る後は、回動弁体98を図示しないレバーで回動操作する。これにより、上下の円盤100,101の通水孔108が回動弁体98により遮断され、また固定中央管13Aと固定外管14Aのそれぞれの連通が遮断される。液水を利用した重力機関Aを再駆動させる場合は、同様にして回動弁体98を回動操作し、それぞれが連通するようにすればよい。
図20及び図21は、水車室Cに配設された水車駆動機構部の他の変形実施例を示すものである。同図に示すように、十文字の流路35に連通接続された噴射ケーシング44の下部側を機関本体側へ固定し、噴射ケーシング44の駆動用水車30と、三段に構成された出力用水車31の各段に対応すべく、噴射ケーシング44の上部側を四段の可動噴射ケーシング44A〜44Dとしている。そして、これらの噴射ケーシング44、44A〜44Dの内側に機関本体側へ固定された固定内側噴射ケーシング113を設けている。この固定内側噴射ケーシング113には、長方形と三角形を組み合わせた形状の流量調整口114が形成されている。流量調整口114は、可動噴射ケーシング44A〜44Dに開口形成された噴射口45に対応して位置し、当該噴射口45の開口面積を制御するように構成されている。
次に、この開口面積の制御機構について説明する。前記四段の可動噴射ケーシング44A〜44Dの外周面にギヤ115A〜115Dを刻設し、これに固定側のケーシングの上下方向に装着した作動軸117A〜117Bに取り付けられたピニオン118A〜118Bを噛合させている。そして、作動軸117A〜117Dの下端側で、操作軸120A〜120Dの先端側に取り付けたウォームギヤ119A〜119Dに噛合させている。
これにより、各段の可動噴射ケーシング44A〜44Dは、操作軸120A〜120Dを回転駆動させることにより、それぞれが固定内側噴射ケーシング113の周囲を45度の角度範囲で回動動作するようになる。そのため、噴射口45と、流量調整口114とが重なる開口面積が変化し、噴射口45から噴射される水の量が調整される。つまり、駆動用30と出力用の水車31の回転数を個別にコンロトールすることが可能である。図20において、一点鎖線で示す噴射口45の位置は全閉時(開口面積ゼロ)である。この状態から同図の左方向へ移動することで、流量調整口114と重なる開口面積が徐々に増大し、長方形状の部分で全開となる。なお、その他の構成並びに作用効果は、図6に示す水車機構の場合と同じである。
ところで、上記の説明は、本発明装置Aを発電に利用する場合のみを説明したが、揚水筒体2の上部に開閉制御弁等を介して流出口を設け、該流出口からビルの上階にあるプールや貯水タンクへ水を搬送したり、またビニールハウスや畑地等へ水を搬送したりすることも可能である。この場合、水車室Cの流量調整弁36を調整して、本装置の駆動及び発電に使用する水量と、外部へ搬送する水量とを調節するようにすればよい。
また上記説明では、柱構造体77及び揚水筒体2内が空っぽの状態から揚水した水をオーバーフローさせて満水にし、水車室Cの流量調整弁36を調整して発電等を行うようにしたが、運転を開始するに当たって、前記流量調整弁36を閉塞状態にしておき、揚水筒体2の天井側から水道水等の外部の水を導入して柱構造体77及び揚水筒体2内を満水状態にし、しかる後に前記流量調整弁36を開口して運転を開始するようにしてもよい。
更に、上記説明では、液水として水の場合を説明したが、油やその他の液体であっても利用することが可能である。
更にまた、本発明の重力機関を例えば、船舶等に搭載した場合は、揚水筒体2の高さが高くなり過ぎて橋の下を通過することが困難になるような場合や強風の場合に折損事故が発生することが予測される。このような使用形態では、揚水筒体2及びその内部の中央管並びに外管をスライド式又は折れ曲がり自在式にすれば便利である。
A…液水を利用した重力機関
B…水タンク室
C…水車室
D…出力ギヤ室
E…倍力装置室
F…重力発生室
G…集水室
1…本体ケーシング
2…揚水筒体
4…揚水シリンダー
7…フロート弁
13…中央管
14…外管
15…パイプシャフト
55,56…インサイドスライド円盤
58…駆動用モーター
63…発電機
75…らせん状溝
77…柱構造体
81…重力シリンダー

Claims (6)

  1. 機関本体のケーシングを下方から水タンク室、水車室、出力ギヤ室、倍力装置室、重力発生室、集水室に区画すると共に、前記機関本体ケーシングの上部に前記集水室へ連通する任意高さの揚水筒体を設け、水車室、出力ギヤ室、倍力装置室、重力発生室を貫通して落下水が流通する流下水路形成用の柱構造体を設けて当該流下水路形成用の柱構造体の上部側を前記集水室へ連通させ、前記重力発生室の流下水路形成用の柱構造体内に重力シリンダーを配置し、前記水タンク室に往復動作する揚水シリンダーを配置し、そのフロート弁に中央管と外管及びパイプシャフトの三重筒体を連結固定すると共に、外管とパイプシャフトとを一体化し、前記三重筒体を前記流下水路形成用の柱構造体内の前記重力シリンダー内へ介在させ、該重力シリンダー内における前記パイプシャフトに重力弁を取り付け、重力シリンダーの上部室及び下部室に前記揚水筒体の水の重力が作用するようにし、前記三重筒体の中央管と外管とを本体ケーシング側に固定された固定中央管と固定外管とに対してスライド自在に嵌合装着し、固定中央管と固定外管とを揚水筒体の上部まで導入して、それらの先端からそれぞれオーバーフロー水が揚水筒体内へ流出するようにし、前記流下水路形成用の柱構造体の下部側を水車室へ連通させて水の噴出口を設け、前記揚水筒体から集水室及び流下水路形成用の柱構造体を通って流れる水を水車へ向けて噴出し、水車から動力源を得るようにして成り、前記揚水シリンダーのフロート弁が下降するときは揚水シリンダー下部室の水が中央管へ流入し、上昇するときは揚水シリンダー上部室の水が中央管と外管との間へ流入するようになっていることを特徴とする液水を利用した重力機関。
  2. 前記外管とパイプシャフトとを一つの管で一体成形した請求項1に記載の液水を利用した重力機関。
  3. 前記重力発生室に外部電源に接続された駆動用モーターと発電機とを配置し、駆動用モーターに連動するピニオンギヤを前記パイプシャフトに設けたラックへ噛合させてパイプシャフトを昇降させ、水車室の水車の回転動力を前記発電機へ伝達して発電するようにした請求項1又は2に記載の液水を利用した重力機関。
  4. 揚水シリンダー及びそのフロート弁に連結された三重筒体が二個一対で配置され、前記駆動用モーターと連動するピニオンギヤは前記二個一対のパイプシャフトに対向する位置で噛合している前記請求項3に記載の液水を利用した重力機関。
  5. 倍力装置室には、らせん状の溝を備えると共に外周端面に駆動用モーターに噛合するギヤが刻設されたインサイドスライド円盤と、該インサイドスライド円盤の前記らせん状溝に前後二箇所でピンを介して嵌合するラックとが配設されており、該ラックを介して前記パイプシャフトに噛合するピニオンギヤを回転させるようにした請求項4に記載の液水を利用した重力機関。
  6. 揚水筒体の上部に水の流出口が形成されており、ビニールハウスや畑地、ビルの高いところのタンク、プールへ水を搬送する請求項1〜5のいずれか一つに記載の液水を利用した重力機関。
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