JP5597366B2 - 新規セロビオヒドロラーゼ及びその製造方法 - Google Patents

新規セロビオヒドロラーゼ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規なセロビオヒドロラーゼに関する。より具体的には、本発明は、マグナポルテ・オリゼ(Magnaporthe oryzae)から単離されたセロビオヒドロラーゼに関する。
近年、化石資源の枯渇化や化石資源の燃焼により発生する二酸化炭素による地球温暖化などが深刻な問題となっているため、クリーンかつ再生産可能なエネルギーの創出が求められている。石油の代替エネルギーとして自動車などの大型機械の動力源となるバイオエタノールが注目されている。バイオエタノールは、現在は主としてサトウキビやサトウダイコンのショ糖、トウモロコシのデンプンなどを原料として生産されている。植物は石油などの化石燃料に比べはるかに早いサイクルで再生産が可能である。しかし、サトウキビやサトウダイコン、トウモロコシなどはバイオエタノール原料と食料との競合により、これら原料の価格高騰や食糧危機を招いている。そのため、次世代のバイオエタノールとして、植物の葉や茎などの非食部に含まれる細胞壁の糖鎖を利用することが求められている。
植物の細胞壁は主としてセルロースやヘミセルロース、ペクチンなどの糖鎖により形成されている(非特許文献1〜3)。特にセルロースやキシログルカン、キシランの構成糖は、主としてグルコースやキシロースであり、これらを原料とした発酵によりバイオエタノールを製造することができる。
上記の細胞壁糖鎖は酸加水分解や酵素加水分解によりグルコースやキシロースなどに変換することができる。しかしながら、酸加水分解では酸の中和により生じる廃液が環境に対して大きな負荷を与えるだけでなく、大きな廃液処理費用を要する。そのため廃液量の少ない、酵素を用いた細胞壁糖鎖の加水分解法が望ましい。酵素による細胞壁糖鎖の加水分解は可能であるが、現在の技術水準では効率がよくないという問題がある。その理由として、細胞壁は糖鎖が互いに強固に結合していること、及びリグニン、高濃度のセロビオース、又はグルコースによる酵素活性(加水分解)の阻害などが挙げられる。そのため、効率的な糖化を達成するためには、細胞壁糖鎖の加水分解に適した酵素の開発が必要である。
特許文献1には、最適反応pHをpH10付近に有し、反応生成物の1つであるセロビオースによって阻害されないセルラーゼ(エンドグルカナーゼ)が開示されている。
特開2001−340074
Carpita N.C. and Gibeaut D.M.,1993,Structural models of primary cell walls in flowering plants: consistency of molecular structure with the physical properties of the walls during growth.Plant J.3,1−30 McCann M.C. and Roberts K.,1994,Changes in cell wall architecture during cell elongation.J.Exp.Bot.45,1683−1691 Cosgrove D.J.,1997,Relaxation in a high−stress environment: the molecular bases of extensible cell walls and cell enlargement.Plant Cell,9,1031−1041
植物の細胞壁糖鎖の加水分解に適した、好ましい特性を有する酵素が求められている。
イネいもち病菌(マグナポルテ・オリゼ、マグナポルテ・グリセアなどと称される)はイネに感染し、収穫量に大きな被害を与える病原菌である。イネいもち病菌がイネへ侵入する際には、イネの細胞壁分解が生じている。本発明者らは、イネいもち病菌による細胞壁分解を解明することにより、効率的な細胞壁糖鎖の加水分解が達成できると考えた。
そこで、イネいもち病菌がイネに感染する際に生産している細胞壁分解に関与している酵素及びそれらの性質を調べたところ、(i)セロビオースによる活性阻害を受けず、(ii)結晶性セルロースより水溶性の1,4−β−グルカン及びセロオリゴ糖を効率良く加水分解し、(iii)カルシウムにより活性化されるセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A、配列番号2)を見出した。また、該セロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の製造方法及び精製方法を確立した。
したがって、本発明は具体的には以下の特徴を有する。
〔1〕以下の(a)又は(b)のポリペプチドをコードするDNA:
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、
(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を含むアミノ酸配列からなり、かつセロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド。
〔2〕以下の(c)又は(d)のDNA:
(c)配列番号1に示される塩基配列からなるDNA、
(d)配列番号1に示される塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつセロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
〔3〕以下の(a)又は(b)のポリペプチド:
(a)配列番号2により示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、
(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を含むアミノ酸配列からなり、かつセロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド。
〔4〕上記〔1〕又は〔2〕に記載のDNAを含む組換えベクター。
〔5〕上記〔1〕又は〔2〕に記載のDNAにより形質転換された形質転換体。
〔6〕形質転換体がマグナポルテ属(Magnaporthe)子嚢菌である、上記〔5〕に記載の形質転換体。
〔7〕植物由来原料を請求項3に記載のポリペプチドと接触させるステップを含む、植物由来原料の糖化のための方法。
〔8〕以下のステップ:
(a)上記〔5〕又は〔6〕に記載の形質転換体を培養するステップ、及び
(b)培養後の培地及び/又は形質転換体からセロビオヒドロラーゼを回収するステップ
を含む、セロビオヒドロラーゼの製造方法。
本発明によれば、反応生成物であるセロビオースによる活性阻害を受けないセロビオヒドロラーゼが提供され、該酵素によって、効率的なセルロース及びセロオリゴ糖の加水分解、したがって植物由来材料のエネルギー源としての利用を実現することができる。
イネいもち病菌(マグナポルテ・オリゼ)に感染させたイネの葉での、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の遺伝子発現を表すRT−PCRの結果である。イネいもち病菌の感染に従い、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)遺伝子発現が増加しており、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)はイネいもち病菌のイネへの感染に関与していることが示された。 遺伝子導入したイネいもち病菌での本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の酵素活性(A)及びタンパク質発現(B)を示す図である。本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)遺伝子を有するイネいもち病菌を液体培地(YS培地)で1〜4日間培養し、液体培地に分泌されたセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解活性を調べた(A)。また、ヒスチジンタグに対する抗体を用いてウエスタンブロットを行い、培養日数によるセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)のタンパク質量変化を調べた(B)。 精製した組換え発現MoCel6Aを表す電気泳動像である。レーン1:タンパク質染色;レーン2:抗Hisタグ抗体によるウエスタンブロット。 本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解活性の温度依存性を表すグラフである。異なる温度条件下において、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)によるセルロース(Sigmacell 20)に対する加水分解活性を測定した。その結果、40℃において本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)による最も高い加水分解活性が得られた。 本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解活性のpH依存性を表すグラフである。異なるpH条件下において、セロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)によるセルロース(Sigmacell 20)に対する加水分解活性を測定した。その結果、pH6.0においてセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)による最も高い加水分解活性が得られた。 本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解産物のLC/MSD解析を表す図である。反応基質:(A)セロトリオース、(B)セロテトラオース。本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)によりセロテトラオースはセロビオースに加水分解され、セロペンタオース及びセロへキサオースはセロビオースとセロトリオースに加水分解された。一方、セロトリオースはまったく加水分解されなかった。 本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解産物のLC/MSD解析を表す図である。反応基質:(C)セロペンタオース、(D)セロヘキサオース。本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)によりセロテトラオースはセロビオースに加水分解され、セロペンタオース及びセロへキサオースはセロビオースとセロトリオースに加水分解された。一方、セロトリオースはまったく加水分解されなかった。 本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)のセロオリゴ糖に対する基質特異性を表すグラフである。セロテトラオースが最も速く加水分解されることが示された。 本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)による蛍光標識セロオリゴ糖の加水分解産物を表す電気泳動像である。蛍光標識したセロテトラオース(C4−SR)、セロペンタオース(C5−SR)、セロへキサオース(C6−SR)を基質として、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)による加水分解反応産物を調べた。反応産物はシリカゲル上でブタノール:酢酸:水=3:1:1で展開した。セロテトラオースはセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)により加水分解されたが、C4−SRは加水分解されなかった。C5−SRからはC3−SR、C6−SRからはC4−SRとC3−SRが検出された。この結果から、セロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)は非還元末端からセロビオース及びセロトリオース単位で加水分解するセロビオヒドロラーゼIIであることが明らかとなった。 本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解のメカニズムを表す模式図である。白丸はグルコース残基、斜線は蛍光標識の施された1−amino−1−deoxyglucitolを示す。 本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解活性に対するセロビオースの存在による活性阻害の解析を表す図である。反応基質:(A)セロペンタオース;(B)セロヘキサオース。本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解反応に高濃度セロビオース(〜15%)を加え、セロペンタオース(A)及びセロへキサオース(B)の加水分解反応の阻害を調べた。反応産物はシリカゲル上で展開し、反応基質として用いたセロペンタオース及びセロへキサオースの減少及び生産されたセロトリオースの増加により、セロビオースによる阻害を解析した。その結果、高濃度セロビオース存在下においても、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)による加水分解反応は阻害を受けないことが示された。 本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解活性に対するセロビオースの存在による活性阻害の解析を表す図である。反応基質:(A)セロペンタオース;(B)セロヘキサオース。本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解反応に高濃度セロビオース(〜15%)を加え、セロペンタオース(A)及びセロへキサオース(B)の加水分解反応の阻害を調べた。反応産物はLC−MASSに供し、反応基質として用いたセロペンタオースとセロへキサオースの減少及び生産されたセロトリオースの増加により、セロビオースによる阻害を解析した。高濃度セロビオース存在下においても、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)による加水分解反応は阻害を受けないことが示された。 本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解活性に対するセロビオースの存在による活性阻害の解析を表す図である。反応基質:(A)蛍光標識セロペンタオース;(B)蛍光標識セロヘキサオース。本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解反応に高濃度セロビオースを加え、蛍光標識したセロペンタオース及び蛍光標識したセロへキサオースの加水分解反応の阻害を調べた。反応産物はシリカゲル上で展開し、反応基質として用いたセロペンタオースとセロへキサオースの減少及び生産されたセロトリオースの増加により、セロビオースによる阻害を解析した。高濃度セロビオース存在下においても、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)による加水分解反応は阻害を受けないことが示された。 本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解活性に対する金属イオンの影響を表すグラフである。本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)はpH3.5では低い加水分解活性を示すが、カルシウムイオンにより加水分解活性が促進された。pH4.5においては至適pH6.0における加水分解活性より高い加水分解活性を示した。また、鉄イオンよってもセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)による加水分解反応が促進された。
本発明は、マグナポルテ・オリゼ(Magnaporthe oryzae)から単離されたセロビオヒドロラーゼ、及びその変異体に関する。
本発明のセロビオヒドロラーゼは、配列番号2により示されるアミノ酸配列からなるか、あるいは配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を含むアミノ酸配列からなり、かつセロビオヒドロラーゼ活性を有する。
本発明に関してセロビオヒドロラーゼ遺伝子とは、以下の(a)又は(b)のポリペプチドをコードするDNA:
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、
(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を含むアミノ酸配列からなり、かつセロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド、
あるいは、以下の(c)又は(d)のDNA:
(c)配列番号1に示される塩基配列からなるDNA、
(d)配列番号1に示される塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつセロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA
を意味する。
一般的には、セルラーゼとの用語が、セルロース等のβ−1,4−グリコシド結合を加水分解してグルコース、セロビオース、セロオリゴ糖等を生成する酵素を意味する。セルラーゼはいくつかの異なる酵素分類に分類される酵素を含み、そのような酵素分類としては、エンドグルカナーゼ(EG;EC3.2.1.4)、セロビオヒドロラーゼ(CBH;EC3.2.1.91)、β−グルコシダーゼ(BG;EC3.2.1.21)が挙げられる(Schulein,M.,Methods in Enzymology,160:235−242,1998)。
EG、CBH、及びBG成分を含む完全セルラーゼ系は、結晶性セルロースをグルコースに変換するのに相乗的に働く。セロビオヒドロラーゼ及びエンドグルカナーゼは協働してセルロースを小さなセロオリゴ糖へと分解する。これらのオリゴ糖(主としてセロビオース)は、次いでβ−グルコシダーゼによりグルコースへと加水分解される。
本発明において、セロビオヒドロラーゼ活性とは、微結晶セルロース、膨潤セルロースなどを基質として作用して、これらのセルロースのβ−1,4−グリコシド結合をエキソ型に加水分解する活性(エキソ型セルラーゼ活性)を意味する。セロビオヒドロラーゼ活性は、具体的には、例えば、被験試料を、基質となる糖鎖(結晶性セルロース、リン酸膨潤セルロース、カルボキシメチルセルロース、セロオリゴ糖など)とともにインキュベートした後、PARBAR法(Miller,M.,1972,A new reaction for colorimetric determination of carbohydrates. Anal. Biochem.47,273−279)により還元力の増大を測定することにより検出することができる。セロビオヒドロラーゼ活性は、セロビオヒドロラーゼI活性とセロビオヒドロラーゼII活性に分類される。
本発明においてセロビオヒドロラーゼI活性とセロビオヒドロラーゼII活性とは、セロビオヒドロラーゼIがセルロース鎖の還元末端に指向性を有するのに対して、セロビオヒドロラーゼIIがセルロース鎖の非還元末端に指向性を有する点で異なる。セロビオヒドロラーゼI活性又はセロビオヒドロラーゼII活性の特異的な検出は、対象となる酵素によるセロオリゴ糖の加水分解産物を解析することにより行なうことができる。CBH IIは、セロヘキサオースからセロテトラオースを生成する。あるいは、p−ニトロフェニルラクトース(pNPL)を基質とした測定を用いることができる。pNPLはCBH I及びCBH IIのうち、CBH Iによってのみ分解されるため、そのような測定によってCBH I活性のみを測定することができる。詳細には、CBH I活性は、例えば、5mM pNPLの存在下、40℃にて60分間反応を行い、加水分解によって生じたp−ニトロフェノールを、420nmでの吸光度を定量することにより測定することができる。pNPLはSIGMA社製のものなどが市販されている。
本発明のセロビオヒドロラーゼは、1,4−β−グルカンを非還元末端から加水分解して、セロビオース及びトリオースを生じる。当該技術分野で用いられているトリコデルマ属(Trichoderma)などに由来するセロビオースの多くは、反応生成物であるセロビオースによる阻害を受ける。このことは、反応が進むにつれて酵素活性が低減することを意味し、酵素反応の効率に重大な影響を与える。本発明のセロビオヒドロラーゼは、以下に示すように、高濃度のセロビオースの存在下においても活性阻害を受けない。本発明のセロビオヒドロラーゼは、このような生成物阻害を受けない点で従来の酵素よりも有利であり、従来技術と比較して高効率な酵素反応を提供することができる。
本明細書に用いられる「ストリンジェンシー」又は「ストリンジェントな」という用語は、核酸ハイブリダイゼーションが行われる時の、温度、イオン強度、及び有機溶媒のような他の化合物の存在の条件に関して用いられる。上述のパラメータを、別々に又は一斉に変化させることにより「ストリンジェンシー」条件が変化されうることを、当業者は認識すると考えられる。「ストリンジェントな」条件では、核酸塩基対構成は、相補的塩基配列が高頻度にある核酸断片間のみ生じるであろう(例えば、「ストリンジェントな」条件下でのハイブリダイゼーションは、約70%〜100%の同一性、好ましくは約85%〜100%の同一性をもつ相同体の間で起こりうる)。中程度にストリンジェントな条件では、核酸塩基対構成は、相補的塩基配列が中間の頻度にある核酸間に生じるであろう(例えば、「中程度にストリンジェントな」条件下でのハイブリダイゼーションは、約50%〜70%の同一性をもつ相同体の間に起こりうる)。
核酸ハイブリダイゼーションに関して用いられる場合の「ストリンジェントな条件」とは、約500ヌクレオチド長のプローブを使用する場合、例えば、5×SSPE(43.8g/L NaCl、6.9g/L NaHPO・HO及び1.85g/L EDTA、NaOHでpH7.4に調整)、0.5%SDS、5×デンハルト試薬及び100μg/mL変性サケ精子DNAからなる溶液中、42℃でハイブリダイゼーション、続いて、0.1×SSPE、1.0%SDSを含む溶液中、42℃で洗浄することと等価の条件を含む。
核酸ハイブリダイゼーションに関して用いられる場合の「中程度にストリンジェントな条件」とは、約500ヌクレオチド長のプローブを使用する場合、例えば、5×SSPE(43.8g/L NaCl、6.9g/L NaHPO・HO及び1.85g/L EDTA、NaOHでpH7.4に調整)、0.5%SDS、5×デンハルト試薬及び100μg/ml変性サケ精子DNAからなる溶液中、42℃でハイブリダイゼーション、続いて、1.0×SSPE、1.0%SDSを含む溶液中、42℃で洗浄することと等価の条件を含む。
「低いストリンジェンシーの条件」とは、約500ヌクレオチド長のプローブを使用する場合、例えば、5×SSPE(43.8g/L NaCl、6.9g/L NaHPO・HO及び1.85g/L EDTA、NaOHでpH7.4に調整)、0.1% SDS、5×デンハルト試薬[50×デンハルト試薬500mlあたり、5gフィコール(400型、ファルマシア(Pharmacia))、5g BSA(フラクションV;シグマ(Sigma))を含む]及び100g/mL変性サケ精子DNAからなる溶液中、42℃ではハイブリダイゼーション、続いて、5×SSPE、0.1% SDSを含む溶液中、42℃で洗浄することと等価の条件を含む。
配列番号1に示される配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列は、配列番号1に示される配列に対して、好ましくは少なくとも70%、75%、80%、85%、又は90%の同一性、より好ましくは95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有する。
2つのアミノ酸配列又は塩基配列の%同一性を決定するためには、最適な比較がなされるように配列をアライメントする。2つの配列間の%同一性は、配列が共有する同一な位置の数の関数である(すなわち、%同一性=同一な位置の数/位置(例えば、一部重複する位置)の総数×100)。1つの態様において、比較対象の2つの配列は同じ長さである。2つの配列間の%同一性は、ギャップを許容する場合、許容しない場合の両方で、以下に述べるものに類似した方法を用いて決定し得る。%同一性の算出に関しては、一般的に、厳密に一致するもののみを算定する。
2つの配列間の%同一性の決定は、数学的アルゴリズムを用いて達成することができる。2つの配列の比較に用いられる数学的アルゴリズムの好ましい非限定的な例は、Karlin及びAltschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90,5873−5877において改変された、Karlin及びAltschul(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,2264のアルゴリズムである。この種のアルゴリズムは、Altschulら,(1990)J.Mol.Biol.,215,403のNBLAST及びXBLASTプログラムに組み込まれている。本発明のポリペプチドの変異体を得るには、BLASTのタンパク質検索を、スコア=30、ワード長(wordlength)=3としたXBLASTプログラムを用いて実行するとよい。本発明のDNAの変異体を得るためには、BLASTヌクレオチド検索を、スコア=100、ワード長=12としたNBLASTプログラムを用いて実行するとよい。比較用のギャップが入ったアライメントを得るためには、Altschulら,(1997)Nucleic Acid Res.,25,3389に記載されたGapped BLASTを用いるとよい。
配列番号1に示される配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列によりコードされるポリペプチドは、配列番号2に示されるポリペプチドに対して、好ましくは80〜100%、より好ましくは95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有する。配列番号2に示されるポリペプチドに対してアミノ酸の変化を有するそのような変異体が、本明細書中に示される配列番号2に示されるポリペプチドと同一又は同等の活性及び性質を有する限り、該変異体は本発明において用いられるのに好適である。アミノ酸の変化とは、アミノ酸の欠失、置換又は付加を含む。
ここで、アミノ酸の置換に関して、アミノ酸の側鎖は、疎水性、電荷などの化学的性質又は構造的性質においてそれぞれ異なるものであるが、実質的にポリペプチド全体の3次元構造(立体構造とも言う)に影響を与えないという意味で保存性の高い幾つかの関係が、経験的にまた物理化学的な実測により知られている。本発明のアミノ酸間の置換は、化学的又は構造的性質の類似したアミノ酸間の保存的置換でもよいし、あるいは、そのような性質の異なるアミノ酸間の非保存的置換でもよい。化学的又は構造的性質の類似したアミノ酸は次のように分類することができる。
疎水性アミノ酸群には、アラニン(Ala)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、バリン(Val)、メチオニン(Met)、プロリン(Pro)が含まれる。極性アミノ酸群には、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、グリシン(Gly)、グルタミン(Gln)、アスパラギン(Asn)、システイン(Cys)が含まれる。芳香族アミノ酸群には、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、トリプトファン(Trp)が含まれる。酸性アミノ酸群には、グルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)が含まれる。塩基性アミノ酸群には、リジン(Lys)、アルギニン(Arg)、ヒスチジン(His)が含まれる。
例えば、保存的置換の例としては、グリシン(Gly)とプロリン(Pro)、グリシンとアラニン(Ala)又はバリン(Val)、ロイシン(Leu)とイソロイシン(Ile)、グルタミン酸(Glu)とアスパラギン酸(Asp)、グルタミン(Gln)とアスパラギン(Asn)、システイン(Cys)とスレオニン(Thr)、スレオニンとセリン(Ser)又はアラニン、リジン(Lys)とアルギニン(Arg)等のアミノ酸の間での置換が含まれる。
好ましくは、本発明のセロビオヒドロラーゼは、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなる。
本発明はまた、本発明のセロビオヒドロラーゼ遺伝子を含む組換えベクター、及び該ベクターで形質転換された形質転換体にも関する。
本発明の組換えベクターは、適当なベクターに本発明のセロビオヒドロラーゼ遺伝子を連結することにより得ることができる。本発明のセロビオヒドロラーゼ遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、例えば、プラスミドDNA、ファージDNA等が挙げられる。プラスミドDNAとしては、酵母由来のプラスミド(例えばYEp13、YEp24、YCp50等)、大腸菌由来のプラスミド(例えばpBR322、pUC118等)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB110、pTP5等)、などが挙げられ、ファージDNAとしてはλファージ(Charon4A、Charon21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11、λZAP等)が挙げられる。
ベクターに本発明の遺伝子を挿入するには、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、適当なベクターDNAの制限酵素部位又はマルチクローニングサイトに挿入してベクターに連結する方法などが採用される。
上記ベクターには複製開始点、選択マーカー、プロモーターを含み、必要に応じてエンハンサー、ターミネーター、リボソーム結合部位、ポリアデニル化シグナル等を含んでいてもよい。
複製開始点としては、酵母用ベクターには、例えば2μm DNA、ARS1由来のものが、大腸菌用ベクターには、例えばColE1、R因子、F因子由来のものが、動物細胞用ベクターには、SV40、アデノウイルス由来のものが用いられる。
プロモーターとしては、酵母用ベクターには、gal1プロモーター、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、AOX1プロモーター等が、大腸菌用ベクターには、T7プロモーター、trpプロモーター、lacプロモーター、PLプロモーター、PRプロモーター等が用いられる。
選択マーカーとしては、酵母用ベクターには、His3、Ade2、Lys2、Leu2、Trp1、Ura3遺伝子等の栄養要求性マーカー遺伝子、オーレオバシジン、セルレニン、カナバニン、ゼオシン、シクロヘキシミド、テトラサイクリン等の薬剤耐性遺伝子等が、大腸菌用ベクターには、カナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子等が用いられる。
ベクターは商業的に入手可能なものを使用することができるが、そのようなベクターには、宿主細胞が酵母である場合は、例えばpESP−1発現ベクター(STRATAGENE社製)、pAUR123ベクター(宝酒造社製)、pPICベクター(Invitrogen社製)、pYES2ベクター(Invitrogen社製)、pRSベクター(STRATAGENE社製)等が、宿主細胞が大腸菌である場合は、例えばpETベクター(Novagen社製)、pTrxFUSベクター(Invitrogen社製)、pCYBベクター(NEW ENGLAMD Bio Labs社製)等がそれぞれ挙げられる。
本発明の形質転換体の宿主としては、限定するものではないが、大腸菌、酵母(サッカロミセス・セレビジエ)、枯草菌、トリコデルマ属(Trichoderma)子嚢菌、マグナポルテ属(Magnaporthe)子嚢菌、植物細胞などが挙げられる。好ましい宿主は、マグナポルテ属子嚢菌である。最も好ましい宿主は、マグナポルテ・オリゼ(Magnaporthe oryzae)である。
宿主細胞への遺伝子導入は、PEG法(Jeong, J.S.,Mitchell,T.K.and Dean,R.A.(2007)The Magnaporthe grisea snodprot1 homolog,MSP1,is required for virulence.FEMS Microbiol Lett.273(2),157−165)、リン酸カルシウム法(Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.,9.1.4〜9.1.9,1999)、リポフェクション、エレクトロポレーションなどの公知の手法を用いて行なうことができる。
本発明はまた、植物由来原料を本発明のセロビオヒドロラーゼと接触させるステップを含む、植物由来材料を糖化するための方法にも関する。
本発明のセロビオヒドロラーゼは、以下に示すように、結晶性セルロース、膨潤セルロース、カルボキシメチルセルロースなど、広範な基質を加水分解し得るので、植物由来原料の処理に適している。本発明のセロビオヒドロラーゼを用いて糖化処理を施した植物由来原料は、エネルギー源として用いることができる。例えば、糖化処理後、発酵に供することにより、バイオエタノールの生成に用いることができる。
本発明はさらに、以下のステップ:
(a)本発明のセロビオヒドロラーゼ遺伝子で形質転換された形質転換体を培養するステップ、及び
(b)培養後の培地及び/又は宿主からセロビオヒドロラーゼを回収するステップ
を含む、セロビオヒドロラーゼの製造方法にも関する。
マグナポルテ属子嚢菌は、例えば、YG液体培地中で、200rpm、25℃にて培養することができる。培養は、2〜7日間、好ましくは4日間行う。
培養後の培地及び/又は宿主からのセロビオヒドロラーゼの回収は、例えば、培地から回収する場合、フィルター濾過及び遠心分離により培養物から液体培地を回収し、限外濾過により濃縮及び脱塩(グルコース、オリゴ糖の除去も含む)を行なうことにより実施することができる。宿主(例えば、封入体)からセロビオヒドロラーゼを回収する場合には、培養物を超音波処理に供することにより宿主細胞を破砕し、遠心分離により封入体を回収し、次いでSDS処理により可溶化し、透析により溶媒を交換し、限外濾過により濃縮及び脱塩(グルコース、オリゴ糖の除去も含む)を行なうことにより実施することができる。
宿主に遺伝子導入する際に、導入される遺伝子をタグなどのペプチド配列との融合タンパク質として発現されるようにすることで、濃縮画分から、さらにセロビオヒドロラーゼを精製することができる。例えば、導入される遺伝子をHisタグとの融合タンパク質として発現される融合遺伝子とした場合、市販の金属アフィニティーカラムにより所望のタンパク質を精製することができる。
得られたセロビオヒドロラーゼの加水分解活性は、例えば、セルロースとリン酸ナトリウム(100mM、pH6.0)、酵素標品(液体培地の濃縮液)を含む100μLの反応液を30℃で18時間処理した後、PARBAR法(Miller,M.,1972,A new reaction for colorimetric determination of carbohydrates. Anal. Biochem.47,273−279)によって水可溶性画分の還元力を測定することにより、検出することができる。
トリコデルマ属宿主に遺伝子導入した場合、トリコデルマ属宿主は細胞壁糖鎖の加水分解に関与する酵素を多量に産生しているため、本発明のセロビオヒドロラーゼをそれらの他の加水分解酵素とともに、バルクで酵素製剤として得ることができる。そのような製剤は、植物由来材料の細胞壁糖鎖の加水分解を効率的に行なうことができるため、有利である。
以下に、本発明を実施例によってより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
イネいもち病菌(マグナポルテ・オリゼ(Magnaporthe oryzae))由来セロビオヒドロラーゼのクローニング
マグナポルテ・オリゼ(イネいもち病菌)がイネに感染する際に発現している細胞壁分解酵素の遺伝子を解析した結果、マグナポルテ・グリセアのMG05520.6遺伝子に相同性を有する遺伝子が高発現していることを見出した。MG05520.6遺伝子配列に基づき、以下のプライマーを作製した。
センス:5’−atggctagcaagctgttcctcgccg−3’(配列番号3)
アンチセンス:5’−ctacaagggtgggttggcgttggtg−3’(配列番号4)
YG液体培地中で増殖させたイネいもち病菌(マグナポルテ・オリゼIna72株、神戸大学 土佐幸雄教授から供与)からtotal RNAを抽出し、オリゴdT及び逆転写酵素を用いて逆転写反応をFirst strand cDNAを合成した。このcDNAを鋳型として、上記のプライマーを用い、PCRによりマグナポルテ・オリゼ由来遺伝子を増幅した。得られたDNAのシーケンス解析から、当該遺伝子の塩基配列を決定した。この遺伝子の配列は、マグナポルテ・グリセア由来のMG05520.6遺伝子の配列と100%の同一性を有していた。
予想されるアミノ酸配列から、この遺伝子は、セロビオヒドロラーゼ、GH(Glycosyl Hydrolase)ファミリー6に属するタンパク質をコードすると考えられたため、得られた遺伝子をMoCel6Aと命名した。
[実施例2]
イネいもち病菌(マグナポルテ・オリゼ(Magnaporthe oryzae))のイネ感染時におけるセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)遺伝子の発現解析
イネいもち病菌(マグナポルテ・オリゼ(Magnaporthe oryzae)Ina72株)(神戸大学 土佐幸雄教授から供与)をスプレーによりイネへ感染し、1、2、3、4日後のイネの葉を回収した。これらから抽出したtotal RNAに対して、オリゴdTと逆転写酵素を用いて逆転写反応を行い、First strand cDNAを合成した。本発明のセロビオヒロドラーゼ(MoCel6A)遺伝子に対する特異的なプライマーを用いてPCRを行い、セロビオヒロドラーゼ(MoCel6A)のDNA断片を増幅した。アガロース電気泳動により本発明のセロビオヒロドラーゼ(MoCel6A)の発現量を測定した。
結果を図1に示す。イネいもち病菌(マグナポルテ・オリゼ(Magnaporthe oryzae))のイネへの感染時に、MoCel6Aが高発現していることが見て取れる。このことから、当該遺伝子はイネいもち病菌のイネ感染時の細胞壁糖鎖の加水分解に深く関与していることが示唆された。
[実施例3]
本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)を生産するイネいもち病菌の作出
配列番号1に示されるセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の遺伝子(1〜1461塩基)及び連続する7個のヒスチジン(ヒスチジンタグ)をコードする遺伝子を含むpBAFベクターをPEG法によりイネいもち病菌(マグナポルテ・オリゼ(Magnaporthe oryzae))に遺伝子導入した(Jeong,J.S.,Mitchell, T.K. and Dean,R.A.(2007)The Magnaporthe grisea snodprot1 homolog, MSP1, is required for virulence.FEMS Microbiol Lett.273(2),157−165)。遺伝子導入されたイネいもち病菌(形質転換イネいもち病菌)はビアラフォス(Bialaphos sodium salt、250μg/mL、和光純薬工業)を含むYSプレート(1%Yeast extract、1% Sucrose、1.5% Agar)上で選抜し、それぞれの形質転換イネいもち病菌をYG液体培地で25℃、4日間培養した。フィルター濾過と遠心分離により液体培地を回収し、限外濾過により濃縮及び脱塩(グルコースやオリゴ糖の除去も含む)した後、加水分解活性を測定した。加水分解反応は、セルロース(Sigmacell 20(Sigma)、5mg)とリン酸ナトリウム(100mM、pH6.0)、酵素標品(液体培地の濃縮液)を含む100μLの反応液を30℃で18時間処理した後、PARBAR法(Miller,M.(1972)A new reaction for colorimetric determination of carbohydrates.Anal.Biochem.47,273−279)により水可溶性画分の還元力を測定することにより、加水分解活性を決定した。以上の方法により加水分解活性を有し、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)を生産するイネいもち病菌を作出した。
[実施例4]
セロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の精製及びウエスタンブロット
本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)を生産する形質転換イネいもち病菌を4日間培養した培地を限外濾過で濃縮した後、ヒスチジン結合樹脂(TALON Metal Affinity Resin、Clontech)を用いてセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の精製を行った。
限外濾過により濃縮したイネいもち病菌の培養液にヒスチジン結合緩衝液(50mM sodium phosphate、0.3M NaCl、pH7.0)を加え、ヒスチジン結合樹脂にアプライした。ヒスチジン結合樹脂及び洗浄液(50mM sodium phosphate、0.3M NaCl、15mM imidazole、pH7.0)でヒスチジン結合樹脂を洗った後、溶出液(50mM sodium phosphate、0.3M NaCl、150mM imidazole、0.2M EDTA、pH7.0)で溶出した。精製したセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)をSDS−PAGEに供した後、染色し(Imperial Protein Statin、Pierce)、分子量からセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)が精製されていることを確認した。またSDS−PAGE、PVDFメンブレンへのトランスファー、抗Hisタグ抗体(Anti−His tag、Qiagen)を用いたウエスタンブロットを順次行い、精製したタンパク質がセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)であることを確認した。
結果を図2及び図3に示す。
培養日数3〜4日目において、高い加水分解活性及び本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)が高濃度に蓄積されていることが明らかとなった(図2)。この結果から、培養日数4日目にセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の調製を行うこととした。
ヒスチジンタグを有する本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)は、SDS−PAGEにより単一のバンドを示すとともに、ヒスチジンタグに対する抗体を用いたウエスタンブロットにより認識された。イネいもち病菌を用いたタンパク質発現により、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)はイネいもち病菌の培養液1リットルから約500μg得ることができた。
[実施例5]
セロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の活性測定
本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)、セルロース(Sigmacell 20、5mg)又はセロオリゴ糖(0.8mg)、リン酸ナトリウム(100mM、pH6.0)を含んだ反応液(100μL)を30℃、18時間処理した。その後、PARBAR法及びLC/MASS解析、TLC(Thin layer chromatography)により本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解活性を決定した。
PARBAR法では、反応液に300μLのPARBAR溶液(50mgの4−Hydroxybenzhydrazideを1mLの0.5N HClで溶解した後、4mLの0.5N NaOHで溶解した)を加え、100℃、10分間処理した。自然冷却後、410nmにおける吸光度を測定することにより、セロビオヒドロラーゼの加水分解活性を決定した。なおセルロース(Sigmacell 20)を基質として用いた場合、酵素反応後に遠心分離を行い、上清をPARBAR法により解析した。
LC−MASSによる解析では、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)を用いた加水分解反応により生じた反応産物をPMP溶液(0.5M 3−methyl−1−phenyl−5−pyrazolone、0.3M NaOHを含むメタノール)に加え、70℃、30分間処理した。塩酸(0.3M HCl)で中和した後、減圧乾燥を行い、再度メタノールで溶解した。PMP処理を施した反応産物はLC/MASS(Agilent technologies)を用いて分離・解析した。分離条件は、A:80mM酢酸アンモニウム溶液;B:アセトニトリル溶液=80:20でカラム(Agilent ZORBAX Eclipse XDB−C18)を緩衝した後、サンプルをアプライした。溶出は20分後にA液:B液=70:30になるグラジエントを用いた。また流速は0.5mL/分とした。標準試料として、PMP処理したグルコース及びセロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、及びセロへキサオースを用いた。
TLCによる解析では、反応液をシリカゲル上にスポットし、酢酸エチル:酢酸:水=2:1:1の溶媒で展開した。シリカゲルは0.5%チモール(Thymol)を含む硫酸/エタノール(5:95)に浸し、110℃で加熱することでグルコース及びセロオリゴ糖を検出した。
結果を図4〜図7及び表1、2に示す。
本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)による結晶性セルロースの加水分解は、至適温度が40℃(図4)、至適pHがpH6.0(図5)であった。また、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)は、セルロース(Sigmacell 20)やリン酸膨潤セルロース、CMC(カルボキシメチルセルロース)、1,3−1,4−β−グルカンヒドロキシエチルセルロースなどの1,4−β−グルカンを有する糖鎖を加水分解した(表1)。表1のデータは、反応基質としてセルロース(Sigmacell 20、5mg)、アビセル(Avicell(Fluka)、5mg)、リン酸膨潤セルロース(Phosphoric acid swollen cellulose 20、アビセルをリン酸で膨潤して調製、1mg)、カルボキシメチルセルロース(CMC、Carboxymethyl cellulose(Sigma)、500mg)、1,3−1,4−β−グルカン(1,3−1,4−β−glucan(Megazyme)、500mg)、ヒドロキシエチルセルロース(Hydroxyethyl cellulose(Fluka)、500mg)、キシラン(Xylan(Sigma)、500mg)を用いて、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解反応を調べた結果を示している。セルロースに対する加水分解量を100とし、相対値で表した。本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)は、特に、結晶性セルロース(Sigmacell20、Avicel)に比べ、水溶性の1,4−β−結合を有する糖鎖に対して高い加水分解を触媒したことが明らかとなった。
Figure 0005597366
さらに、セルロースやセロオリゴ糖を基質として本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)による加水分解産物をLC−MASSにより解析した結果、セルロースやセロへキサオース、セロペンタオースはセロビオース及びセロトリオースに分解され、セロテトラオースはセロビオースのみに分解された(図6)。一方、セロトリオースやセロビオースは本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の反応基質とは成り得なかった。LC−MASSの分析結果を定量化したところ、セロテトラオースに対する加水分解反応が最も触媒されることが明らかとなった。また、セルロースより水可溶性のセロオリゴ糖の方が反応基質として良く分解されることが明らかとなった。これらの結果より、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)はセロビオヒドロラーゼ活性を示すことが証明された。
また、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)によって生成される加水分解産物はセロテトラオースの加水分解によって生じるセロビオースが最も多かった(図7)。セロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)のカイネティクスの結果では、セロペンタオースに対して親和性が最も高く、セロヘキサオースに対して反応速度は最も高い結果となった(表2)。表2では、反応基質としてセロテトラオース、セロペンタオース、セロへキサオースを用いて、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解反応のカイネティクスをLineweaver−Burkプロットにより算出した結果を示している。これらの結果より、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)はセロオリゴ糖に対する加水分解力が最も高く、次に水溶性の1,4−β−グルカンに対して高い加水分解力を示した。
Figure 0005597366
[実施例6]
セロオリゴ糖の蛍光標識化
10mgのセロオリゴ糖(C2:セロビオース、C3:セロトリオース、C4:セロテトラオース、C5:セロペンタオース、C6:セロへキサオース、生化学工業)を3mLのSodium cyanoborohydoride(4%)を含む飽和炭酸水素アンモニウムに溶解し、室温、7日間放置した。この溶液を凍結乾燥及びBio−Gel P−2(Bio−Rad)によるゲル濾過を行った後、ニンヒドリン反応により陽性を示す画分を再度凍結乾燥した。次にホウ酸ナトリウム(3%、pH9.0)にアミノ化したセロオリゴ糖を溶解し、Lissamine Rhodamine B−Sulfonyl Chloride(1.33%)(Polysciences)を加え、室温、16時間放置した。未反応の蛍光色素を除くため、反応液をBio−Gel P−2にアプライし、蛍光標識したセロオリゴ糖を精製した。蛍光標識したセロオリゴ糖を基質として本発明のセロビオヒドロラーゼの加水分解反応を解析する際、反応産物をシリカゲル上においてブタノール:酢酸:水=3:1:1で分離した。
得られた蛍光標識セロオリゴ糖の予想される構造は、以下の通りである。
Figure 0005597366
[実施例7]
蛍光標識セロオリゴ糖を用いた本発明のセロビオヒドロラーゼの酵素活性解析
上記で調製した蛍光標識したセロテトラオース(C4−SR)、セロペンタオース(C5−SR)、セロへキサオース(C6−SR)を基質として、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)による加水分解反応産物を調べた。具体的には、以下の反応条件を用いた:蛍光標識したセロオリゴ糖200μg、本発明のセロビオヒドロラーゼ0.5μg、リン酸ナトリウム100mMを含む反応液20μLを、30℃でインキュベートした。反応産物はシリカゲル上でブタノール:酢酸:水=3:1:1で展開した。
結果を図8に示す。
本発明のセロビオハイロドラーゼ(MoCel6A)は、C6−SR(セロヘキサオースの蛍光標識)を加水分解し、C3−SR(セロトリオースの蛍光標識)とC4−SR(セロテトラオースの蛍光標識)が検出された。また、C5−SR(セロペンタオースの蛍光標識)からはC3−SRが検出された。本発明のセロビオハイロドラーゼ(MoCel6A)は、セロテトラオース(標識なし)をセロビオースに加水分解することができるが、C4−SRを加水分解することはできなかった(図8)。本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)によるC6−SRの加水分解反応からC4−SRが検出されるのは、セロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)が非還元末端からセロビオース単位で加水分解したためであり、このことから、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)はセロビオヒドロラーゼII活性を有することが証明された(図8)。
[実施例8]
セロビオースによる本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解活性の阻害
セロビオヒドロラーゼによるセルロースやセロオリゴ糖の加水分解により生じるセロビオース及び反応系に加えられたセロビオースは、セロビオヒドロラーゼの加水分解反応を阻害することが報告されている(Morag,E.,Halevy,I.,Bayer,E.A.and Lamed,R.(1991)Isolation and properties of a major cellobiohydrolase from the cellulosome of Clostridium thermocellum.J.Bacteriol.173,4155−4162)。したがって、本発明のセロビオヒドロラーゼの加水分解活性に対するセロビオースの影響を調べるために、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解反応系に1〜15%のセロビオースを添加し、基質となるセロペンタオース及びセロへキサオースの加水分解を調べた。セロビオース(0〜15%)、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)、セロペンタオース(0.8%)又はセロへキサオース(0.8%)、リン酸ナトリウム(100mM、pH6.0)を加えた反応液(100μL)を30℃でインキュベートした。反応産物はTLC、LC−MASS、蛍光標識セロオリゴ糖を利用することにより解析した。本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解のメカニズムを表
す模式図を、図9に示す。白丸はグルコース残基、斜線は蛍光標識の施された1−amino−1−deoxyglucitolを表す。
結果を図10〜12に示す。
反応産物をTLCにより分離した結果、基質として用いたセロペンタオース(C5)及びセロへキサオース(C6)の加水分解は添加したセロビオースによる影響なく触媒された(図10)。また、加水分解により生じたセロトリオースは添加したセロビオースによる影響なく生産された。これらの結果より、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)は、セロビオース(1〜15%)の存在により活性阻害を受けず、加水分解反応を触媒し得ることが示された。
また、LC−MASSを用いた反応産物の解析結果から、添加されたセロビオースの影響なしに、セロペンタオース(C5)又はセロへキサオース(C6)が加水分解により減少し、セロトリオース(C3)が増加していることが明らかとなった。これにより、LC−MASSによる解析からも、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解反応はセロビオースにより阻害されないことが示された(図11)。
蛍光標識したセロオリゴ糖を利用したセロビオースによる阻害を調べた結果においても、セロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)によりC6−SRとC5−SRは加水分解により減少し、反応産物であるC4−SRやC3−SRが増加していた。この結果からも、本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)は添加されたセロビオース(〜15%)の存在により活性阻害を受けないことが示された(図12)。
[実施例9]
本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の加水分解活性に対する金属イオンの影響
本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)とセルロース(Sigmacell 20)、リン酸ナトリウム(100mM、pH6.0)、金属塩化物(CaCl、MnCl、ZnCl、FeCl、SnCl、又はNaCl)を加えた反応液(100μL)を30℃、18時間インキュベートした。反応産物の解析はPARBAR法(Miller,M.(1972)A new reaction for colorimetric determination of carbohydrates.Anal.Biochem.47,273−279)により行った。
結果を図13A及びBに示す。
イネいもち病菌由来の本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)はpH6.0付近において高い加水分解活性を示し、pH3.5〜pH4.5付近においては低い加水分解活性を示す(図5)。カルシウムイオン(Ca2+)の添加により、pH6.0付近では加水分解活性に大きな変化はないが、pH3.5及びpH4.5においては、カルシウムイオンを添加しない場合に比べ、約2倍の加水分解活性が得られた(図13A)。また、他の金属イオンによる本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の活性増加について調べたところ、カルシウムイオンと鉄イオンの存在による本発明のセロビオヒドロラーゼ(MoCel6A)の活性増加が認められた(図13B)。
本発明によれば、植物由来原料の糖化を容易に行なうことが可能となり、植物由来原料のエネルギー源としての利用が実現される。したがって、本発明は、工業、エネルギー産業分野での利用可能性を有する。
配列番号3〜4:プライマー

Claims (8)

  1. 以下の(a)又は(b)のポリペプチドをコードするDNA:
    (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、
    (b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を含むアミノ酸配列からなり、かつセロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド。
  2. 以下の(c)又は(d)のDNA:
    (c)配列番号1に示される塩基配列からなるDNA、
    (d)配列番号1に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を有し、かつセロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
  3. 以下の(a)又は(b)のポリペプチド:
    (a)配列番号2により示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、
    (b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を含むアミノ酸配列からなり、かつセロビオヒドロラーゼ活性を有するポリペプチド。
  4. 請求項1又は2に記載のDNAを含む組換えベクター。
  5. 請求項1又は2に記載のDNAにより形質転換された形質転換体。
  6. 形質転換体がマグナポルテ属(Magnaporthe)子嚢菌である、請求項5に記載の形質転換体。
  7. 植物由来原料を請求項3に記載のポリペプチドと接触させるステップを含む、植物由来原料の糖化のための方法。
  8. 以下のステップ:
    (a)請求項5又は6に記載の形質転換体を培養するステップ、及び
    (b)培養後の培地及び/又は形質転換体からセロビオヒドロラーゼを回収するステップ
    を含む、セロビオヒドロラーゼの製造方法。
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