JP5582377B2 - 摺動底蓋付き注出容器 - Google Patents
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Description
さらに、内容液の光による品質低下を抑制するためには容器本体に遮光性を付与する必要がある。
すなわち、摺動底蓋付き注出容器に遮光性を付与するためには、容器本体全体に遮光性を付与しながら、光が透過可能な透視窓を配設するという、謂わば、二律背反的な問題をそのバランスを考慮しながら解決する必要がある。
透明性の容器本体の透視窓となる部分を除いた部分に遮光性のフィルムにより外装する方法では、口部や肩部にも遮光性フィルムを外装するのは困難であり、遮光性が十分でなくなる。
さらに、透明性の容器本体の外表面全体に蒸着膜を形成し、この蒸着膜を部分的にレーザー光で除去して透視窓を形成する手段もあるが、この場合は工程が複雑になり、コストが上昇してしまう。
下端を開口端とした筒状の胴部の上端にテーパー筒状の肩部を介して口筒部を起立設した ものである容器本体に対し、の口筒部にノズルヘッドを有するポンプを組付け固定すると共に、胴部内に軸心方向に沿って密摺動可能に摺動底蓋を嵌装した注出容器において、
容器本体は、透明性を有する筒状の内壁体をインサート材とし、遮光性を有する外壁体を射出成形して内壁体の外側に外壁体を積層したものとし、
口筒部を外壁体だけで形成し、
外壁体は胴部の所定高さ位置に貫通孔を形成したものとし、
この貫通孔を介して内壁体が外表面に露出した部分により、内部が透視可能な透視窓を形成し、
外壁体がこの透視窓を除く全領域で内壁体を外装する構成とする、
と云うものである。
なお、透視窓の形成は1箇所に限定されるものではなく、目的に応じて、たとえば高さ方向に複数個所に形成することもできる。
また、内壁体は半透明性とすることもできる。
外壁体の遮光性は基体となる合成樹脂に遮光性を有するフィラー、着色剤、紫外線吸収剤等を分散させることで達成することができる。
また、透明性が損なわれない範囲で、紫外線吸収剤等を分散させて内壁体に遮光性を付与し、透過窓を含めて容器本体全体としての遮光性を強化することも可能である。
そして、インサート成形によれば、内壁体の露出を外壁体の外表面と面一の状態で実現することができ、外観を損なうことなく透視窓を高品位に形成することが可能となる。
上記構成により、外壁体と内壁体を同種の合成樹脂製とすることにより、外壁体と内壁体を熱溶着により接着し、両壁体のシール性をより確実にすることができ、また容器本体を外壁体と内壁体が一体化したものとすることができる。
本発明の主たる構成を有するものにあっては、
容器本体の射出成形の際にインサート材として外壁体あるいは内壁体の一方を射出成形金型内にセットし、他方を形成する溶融樹脂を射出することにより、
二次加工によることなく成形と同時に、外壁体により口筒部や肩部も含めて容器本体の透過窓を除く全域に遮光性を付与することができると共に、外壁体の貫通孔を介して内壁体を外表面に露出させて透視窓を構成することができる。
図1は本発明の摺動底蓋付き注出容器の一実施例を示す側面図であり、図2は図1中の容器本体1に摺動底蓋21を嵌装し、さらに底カバー27を嵌合した状態を示す半縦断面である。
この注出容器はノズルヘッド32を有する手動押下げ式のポンプ31を組付きキャップ35により容器本体1の口筒部2に組付け固定したものである。
図3(a)は側面図、図3(b)は図3(a)中のA−A線に沿った平断面図、図4は図3(b)中のB−B線に沿った半縦断面図である。
この内壁体13は胴部4aの上端にテーパー筒状の肩部3aを有し、胴部4aの上端部には透視窓5を形成する凸部14が突設されている。
内壁体13をインサート材として円柱状のコア金型に外接状に外嵌設置し、円筒状のキャビティ金型とこの内壁体13で形成される間隙に外壁体11を形成する溶融樹脂を射出することにより、内壁体13の外側に外壁体11を密着状に積層することができる。
本実施例の場合は外壁体11と内壁体13は共にPP樹脂製であり、特にシールのための部材を使用することなく、外壁体11と内壁体13を熱溶着により一体化して、両者のシールを確実に達成することができる。
また、底カバー27には通気孔28が形成されており、摺動底蓋21の上昇に従って外気が進入できるようにしている。
まず、使用前、使用中に亘って、外壁体11により口筒部2と肩部3を含めて透視窓5を除く容器本体1の全領域に亘って遮光性を確実に維持することができる。
そして、ノズルヘッド32を押下げて内容液を注出するが、内容液を注出すると容器本体1内が減圧状態となり摺動底蓋21が上昇変位する。
使用開始前の摺動底蓋21は、図2中、実線で示される下降限に位置しており、内容液がほとんどなくなった状態では二点鎖線で示される上昇限に位置する。
たとえば、透視窓の形状、形成位置は、外観や視覚効果を考慮して様々に設計することができ、摺動底蓋の着色態様と組み合わせて、多様な残量表示機能を発揮させることができ、透視窓を複数個所に形成することもできる。
また、本実施例では外壁体、内壁体の双方をPP樹脂製としたが、たとえば外壁体を遮光性を有する着色したPP樹脂製、内壁体を透明なポリエチレンテレフタレート樹脂製とする等、成形性や外観を考慮して適宜に選択することができる。
2 ;口筒部
3 ;肩部
3a;(内壁体の)肩部
4 ;胴部
4a;(内壁体の)胴部
5 ;透視窓
11;外壁体
12;貫通孔
13;内壁体
14;凸部
21;摺動底蓋
22;底部
23;シール筒片
27;底カバー
28;通気孔
31;ポンプ
32;ノズルヘッド
35;組付きキャップ
Claims (4)
- 下端を開口端とした筒状の胴部(4) の上端にテーパー筒状の肩部(3)を介して口筒部(2)を起立設したものである容器本体(1)に対し、前記口筒部(2)にノズルヘッド(32)を有するポンプ(31)を組付け固定すると共に、前記胴部(4)内に軸心方向に沿って密摺動可能に摺動底蓋(21)を嵌装した注出容器において、
前記容器本体(1)は、透明性を有する筒状の内壁体(13)をインサート材とし、遮光性を有する外壁体(11)を射出成形して前記内壁体(13)の外側に外壁体(11)を積層したものとし、前記口筒部(2)を外壁体(11)だけで形成し、
前記外壁体(11)は胴部(4)の所定高さ位置に貫通孔(12)を有するものとし、該貫通孔(12)を介して前記内壁体(13)が外表面に露出した部分により、内部が透視可能な透視窓(5)を形成し、
前記外壁体(11)が前記透視窓(5)を除く全領域で内壁体(13)を外装する
構成としたことを特徴とする摺動底蓋付き注出容器。
- 外壁体(11)と内壁体(13)を熱溶着可能に同種の合成樹脂製とした請求項1記載の摺動底蓋付き注出容器。
- 外壁体(11)と内壁体(13)を共にポリプロピレン樹脂製とし、前記外壁体(11)は遮光機能を有するフィラー、着色剤、若しくは紫外線吸収剤を分散させたポリプロピレン樹脂製とした請求項2記載の摺動底蓋付き注出容器。
- 透視窓(5)を遮光性を有するシール片で取り剥がし可能に被覆する構成とした請求項1または2記載の摺動底蓋付き注出容器。
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