JP5574398B2 - 有機性固形廃棄物のメタン発酵方法及びシステム - Google Patents

有機性固形廃棄物のメタン発酵方法及びシステム Download PDF

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Description

本発明は有機性固形廃棄物のメタン発酵方法及びシステムに関し、とくに有機性固形廃棄物を無希釈でメタン発酵処理する方法及びシステムに関する。
循環型社会を実現するための再資源化技術として、生ごみ等の有機性廃棄物を嫌気性微生物により分解してエネルギー源として利用可能なバイオガス(約60%のメタンガス、約40%の二酸化炭素ガス、少量の硫化水素等を含む)を回収するメタン発酵処理が実用化されている。従来のメタン発酵処理方法の一例は、例えば特許文献1が開示するように、有機性固形廃棄物を混入異物と分別したうえで5〜15%程度のTS濃度(有機固形物濃度)のスラリー状に微粉砕してメタン発酵槽(嫌気性発酵槽)に投入し、発酵槽内で有機物スラリーを嫌気性微生物と接触させてメタン発酵させる湿式法である。しかし、湿式メタン発酵法は廃棄物に対して少なくとも1〜2倍程度の希釈水を加えてTS濃度を下げる必要があるため、発酵処理後に生じる廃液の量が増える問題点がある。とくに下水道等が完備されていない地域では、廃液を公共水域に放流するため高度な二次処理が要求されるので、二次処理コスト削減等の観点から発酵処理後に生じる廃液量をできる限り少なくすることが望まれている。
他方、例えば特許文献2及び3が開示するように、有機性固形廃棄物を無希釈又は低希釈率(TS濃度20〜40%程度)で嫌気性微生物と接触させてメタン発酵させる乾式メタン発酵法が開発されている。乾式メタン発酵法によれば、湿式メタン発酵法に比して希釈水分だけ処理対象量を少なくして発酵槽の小型化を図り、処理後に生じる廃液量の削減も期待できる。しかし、従来の乾式メタン発酵処理法は、嫌気性微生物による分解速度が比較的早い易分解性有機物(例えば生ごみ等)と比較的遅い難分解性有機物(例えば紙ごみ等)とを混合して一緒に処理した場合に、難分解性有機物が分解不十分なまま発酵槽から流出してしまうため廃液中の未分解又は分解不十分な有機物を二次的に分離回収する工程や施設が必要となり、二次処理コストを削減することが難しい問題点がある。また、難分解性有機物を発酵槽において十分にメタン発酵させないまま流出させてしまうので、有機性固形廃棄物全体のメタン発酵効率(バイオガスの回収率)を高めることが難しく、非効率的な処理システムになるおそれもある。
これに対し本発明者らは、有機性固形廃棄物の全体を無希釈で効率的に処理できるメタン発酵法を開発し、特許文献4及び5に開示した。図5は、特許文献5の開示するメタン発酵装置の一例を示す。図示例のメタン発酵装置60は、有機性固形廃棄物Cを嫌気性微生物の発酵液Sと共に貯える嫌気性発酵槽61と、発酵液Sを所定時間滞留させる一時滞留槽70と、発酵槽61の発酵液Sを下部(又は上部)から抜出して滞留槽70へ送ると共に滞留槽70から発酵槽61の上部(又は下部)へ戻して循環させるポンプ68付き還流路67a、67bとを有する。
図5の発酵槽61の内部には有孔隔壁62、63で囲まれた貯留空間が形成されており、その貯留空間に発酵槽61の取入口64を介して有機性固形廃棄物Cを投入する。貯留空間内に投入された廃棄物Cは循環する発酵液Sにより徐々に分解されて有孔隔壁62、63から流出し、還流路67aに引き抜かれて滞留槽70へ送られる。一時滞留槽70の内部には例えば一対の有孔板72a、72bにより固定床71が保持されており、還流路67aを介して滞留槽70に流入した発酵液Sは、固定床71の間を上昇又は下降する間に嫌気性微生物によって有機物が分解されたのち、還流路67bを介して発酵槽61に戻る。また、滞留槽70の底部には発酵液Sを槽外の液面対応高さまで上昇させて溢流させる比較的小径の溢流路73が設けられており、有機物の分解により増加した発酵液Sは溢流路15を介して装置の外部へ排出される。
図5のメタン発酵装置60では、発酵槽61に投入された廃棄物Cのうち、易分解性有機物は比較的早期に分解されて滞留槽70へ送られるのに対し、難分解性有機物は時間をかけて分解されたのち滞留槽70へ送られる。従って、易分解性有機物と難分解性有機物とが混合されて一緒に処理される場合でも、難分解性有機物と易分解性有機物とで発酵槽61に留まる残留時間を切り分け、難分解性有機物が分解不十分なまま装置の外部に流出してしまうことがなく、廃棄物Cの全体を効率的にメタン発酵することが期待できる。なお、図中の符号65は発酵槽61内に投入された有機性固形廃棄物Cを撹拌する撹拌羽根付き撹拌装置を示し、符号74は発酵槽61の気相部と滞留槽70の気相部とを接続する連通路を示す。
特許第3064272号公報 特開11−309493号公報 特開2004−017024号公報 特開2007−044588号公報 特開2007−216135号公報 特開平5−117988号公報 特開2003−155679号公報
しかし、図5のメタン発酵装置60は、大量の有機性固形廃棄物Cを処理するためにスケールアップ(大型化)することが難しい問題点がある。例えば、図示例の発酵装置60を用いて家庭・レストラン・食品工場等から排出される生ごみ及び紙ごみが混合した有機性固形廃棄物C(いわゆる可燃ごみ)を実際に処理してみると、紙ごみによって有孔隔壁62、63に閉塞が生じやすい問題が経験された。このような閉塞が発生した場合に図示例では発酵槽61の排出口66を介して有孔隔壁62、63に溜まった紙ごみBを掻き出して復旧可能としているが、大量の廃棄物Cを処理する場合は頻繁に掻き出し作業が必要となり、発酵槽61が大型になると復旧作業に非常に手間がかかる。また、復旧作業時に発酵液の循環(装置の運転)を一時的に中断しなければならないので、定常的なメタン発酵状態が阻害されてメタン発酵効率を低下させるおそれがある。更に、図示例の発酵装置60では大量の廃棄物Cの荷重を有孔隔壁62、63によって支持しなければならず、有孔隔壁62、63に強度不足が発生して発酵槽61の安全性が損なわれるおそれもある。図5のような発酵システムの実用化を図るためには、スケールアップしても安全性を損なわずに定常的なメタン発酵状態を維持するための改良が必要である。
そこで本発明の目的は、スケールアップしても効率的なメタン発酵処理を安定的に維持できる有機性固形廃棄物のメタン発酵処理方法及びシステムを提供することにある。
図1の実施例を参照するに、本発明による有機性固形廃棄物のメタン発酵方法は、有機性固形廃棄物Cを原料槽10に嫌気的に貯え、原料槽10と気相部が連通する嫌気性発酵槽30に廃棄物Cの分解微生物含有発酵液Sを貯え、発酵槽30内部の発酵液Sを継続的に原料槽10へ供給して廃棄物Cを浸漬させ、原料槽10内部の廃棄物C及び発酵液Sの混合液(C+S)を固液分離装置20へ継続的に抜出して固形分Eと濾液Dとに分離し且つ分離した濾液Dを発酵槽30へ送ると同時に固形分Eを原料槽10へ戻し、発酵槽30において増加する発酵液Sを発酵残渣Nとして外部へ排出し、発酵槽30内部の発酵液Sを原料槽10へ供給しながら原料槽10内部の混合液(C+S)を固液分離装置20へ抜出すことにより原料槽10の廃棄物Cを原料槽10と固液分離装置20と発酵槽30との間で循環する発酵液Sに浸漬させつつ分解し且つ分解生成ガスGを両槽30、10の気相部から回収してなるものである。
また、図1の実施例のブロック図を参照するに、本発明による有機性固形廃棄物のメタン発酵システムは、有機性固形廃棄物Cを嫌気的に貯える原料槽10、廃棄物Cの分解微生物含有発酵液Sを貯える嫌気性発酵槽30、発酵槽30内部の発酵液Sを原料槽10へ継続的に供給して廃棄物Cを浸漬させる供給装置40、原料槽10内部の廃棄物C及び発酵液Sの混合液(C+S)を継続的に抜出して固形分Eと濾液Dとに分離し且つ分離した濾液Dを発酵槽30へ送ると同時に固形分Eを原料槽10へ戻す固液分離装置20、発酵槽30において増加する発酵液Sを発酵残渣Nとして外部へ排出する排出路35又は73、並びに原料槽10及び発酵槽30の気相部に連通するガス回収路44を備え、発酵槽30内部の発酵液Sを原料槽10へ供給しながら原料槽10内部の混合液(C+S)を固液分離装置20へ抜出すことにより原料槽10の廃棄物Cを原料槽10と固液分離装置20と発酵槽30との間で循環する発酵液Sに浸漬させつつ分解し且つ分解生成ガスGを両槽30、10の気相部から回収してなるものである。
好ましくは、分離装置20の濾液Dの分離量に応じて供給装置40の発酵液Sの供給量又は分離装置20による原料槽10からの混合液(C+S)の抜出量を調整する制御装置50を設ける。また、原料槽10に内部の廃棄物C及び発酵液Sを混合撹拌する撹拌装置11を設け、発酵槽30に内部の発酵液Sを撹拌する撹拌装置31を設けることが望ましい。更に好ましくは、分離装置20又は原料槽10に開閉弁56a又は56b(図2参照)を介して接続され且つ開閉弁56a又は56bの開放時に廃棄物C中に混入した金属、ビニールその他の残渣Mを堆積しつつ原料槽10及び固液分離装置20を循環する混合液(C+S)を抜出して残渣Mを脱水分離する脱水装置53と、脱水装置53の残渣分離液Fを発酵槽30又は原料槽10へ戻す返送装置55とを設ける。
有機性固形廃棄物Cは、例えば微生物分解速度の異なる廃棄物A、Bの混合した混合有機性固形廃棄物(A+B)とすることができる。また固液分離装置20には、図3に示すように、細孔又はスリット付き隔壁21により仕切られた導入室22及び分離室23と、その隔壁21の導入室22側表面に対向して旋回する回転翼24と、原料槽10の混合液(C+S)を導入室22へ送る導入路15と、導入室22に残った固形分Eを原料槽10へ戻す返戻路27と、分離室23に排出された濾液Dを発酵槽30へ送る輸送路28とを含めることができる。
本発明による有機性固形廃棄物のメタン発酵方法及びシステムは、有機性固形廃棄物Cを嫌気的に貯えた原料槽10に発酵槽30から発酵液Sを継続的に供給して廃棄物Cを浸漬させ、原料槽10の廃棄物C及び発酵液Sの混合液(C+S)を固液分離装置20へ継続的に抜出して固形分Eと濾液Dとに分離し且つ分離した濾液Dを発酵槽30へ送ると共に固形分Eを原料槽10へ戻し、発酵槽30において増加する発酵液Sを発酵残渣Nとして外部へ排出し、発酵槽30内部の発酵液Sを原料槽10へ供給しながら原料槽10内部の混合液(C+S)を固液分離装置20へ抜出すことにより原料槽10と固液分離装置20と発酵槽30との間で循環する発酵液Sに原料槽10の廃棄物Cを浸漬させながら分解し、分解生成ガス(バイオガス)Gを両槽30、10の気相部から回収するので、次のような有利な効果を奏する。
(イ)原料槽10と発酵槽30との間に固液分離装置20を設け、分解速度が早く小粒径となった廃棄物Cのみを発酵槽30へ送ると共に分解速度が遅く大粒径のままの廃棄物Cを原料槽10へ戻すことで、難分解性及び易分解有機物が混合した有機性固形廃棄物の全体を効率的にメタン発酵処理することができる。
(ロ)また、固液分離装置20を原料槽10及び発酵槽30から独立させることにより、従来のように発酵槽の内部で分離する方法に比して分離装置20に堆積した残渣Mの除去・回収作業が容易であり、システムのメンテナンスに伴う停止・中断時間を最小限に抑えつつスケールアップすることができる。
(ハ)更に、固液分離装置20を原料槽10及び発酵槽30から独立させているので、分離装置20のメンテナンス時に原料槽10と発酵槽30との間の循環を一時的に中断した場合でも、例えば原料槽10及び発酵槽30の内部をそれぞれ単独で撹拌することにより、システム全体の定常的なメタン発酵状態を維持することができる。
(ニ)廃棄物Cの分解時に生じる有機酸が原料槽10から発酵槽30へ移送されるので、原料槽10内の有機酸の蓄積によるpHの低下(いわゆる酸敗)を防ぎ、原料槽10における固形廃棄物Cの効率的な分解を促進できる。
(ホ)また、発酵槽30の発酵液Sを原料槽10へ循環させることにより、原料槽10において廃棄物Cの分解時に生じるHやCOを取り込んでバイオガスを生成させることができ、原料槽10及び発酵槽30の両槽から分解生成ガスGを回収することでバイオガスの回収率を高めることができる。
図1は、本発明のメタン発酵システム1の実施例を示す。本発明の処理対象である有機性固形廃棄物Cの一例は生ごみ、生分解性プラスチック、草木系バイオマス(雑草等)等の固形の有機性廃棄物である。後述するように本発明のシステム1によれば、難分解性有機物と易分解有機物とを含む固形廃棄物Cの全体を有機物の分解速度に応じて処理時間を切り分けながら効率的にメタン発酵処理することが期待できる。一般の生ごみ中にも易分解有機物Aである果肉・果汁と難分解性有機物Bである果皮・芯とが含まれている場合があり、本発明によれば、そのような生ごみ廃棄物Cを効率的にメタン発酵処理することが期待できる。また本発明は、生ごみ等の易分解性有機物Aと紙ごみ等の難分解性有機物Bとを含むいわゆる可燃ごみ等の混合有機性固形廃棄物Cをメタン発酵処理する場合にとくに有効である。
図示例のシステム1は、有機性固形廃棄物Cを嫌気的に貯える原料槽10と、その廃棄物Cの嫌気性分解微生物が含まれる発酵液Sを貯える嫌気性発酵槽(メタン発酵槽)30と、原料槽10及び発酵槽30から独立した固液分離装置20と、発酵槽30の発酵液Sを原料槽10へ供給する供給装置40とを有する。原料槽10は廃棄物Cを気密に投入して貯えることができる嫌気槽であり、例えば取入口8から廃棄物Cを一定量(例えば1日1トン)ずつ原料槽10へ投入する。例えば取入口8にスクリューを取り付けて廃棄物投入時のガスの出入を抑えることにより、原料槽10内を嫌気状態に保持することができる。
好ましくは図示例のように、原料槽10の取入口8に破砕装置2及び選別装置3を設け、破砕装置2において包装(ビニール袋等)を破砕して混入異物(金属、ビニール等)を分別すると共に廃棄物Cを適当な大きさに粗粉砕したのち、選別装置3において所定粒径以下の廃棄物Cのみをふるい分けして原料槽10に投入する。本発明のシステム1では、原料槽10に取り入れる廃棄物Cに異物が多少混入していても、そのような混入異物の発酵槽30への進入は分離装置20により阻止されて原料槽10に戻され、残渣Mとして堆積するので、例えば分離装置20に設けた開閉弁56a(又は図2に示す原料槽10に設けた開閉弁56b)を介してシステム内の残渣Mとして比較的容易に除去することができる。従って、原料槽10へ投入する前の異物分別は簡略化できる。図示例のように、破砕装置2及び選別装置3と原料槽10との間に、粉砕・破砕した廃棄物Cを一時的に貯留する原料ホッパを設けてもよい。
メタン発酵槽30は、廃棄物Cを分解する嫌気性微生物の発酵液Sを気密に貯える嫌気性消化槽であり、その気相部をガス回収路44により原料槽10の気相部と連通させたものである。発酵液Sの一例は嫌気性微生物を含有させた汚泥であるが、必要に応じて中和剤や微量栄養剤等の分解処理添加剤を加えてもよい。例えば、システム稼動時に他のメタン発酵処理において馴養された嫌気性微生物の種汚泥を添加して発酵液Sとする。発酵槽30には図5と同様の微生物固定床71を設置してもよいが、図示例では発酵槽30を固定床71のない浮遊型としている。発酵槽30及び原料槽10を連通するガス回収路44は、両槽30、10内で発生するバイオガスGの同時回収を可能にすると共に、両槽10、30間でバイオガスGを移動させることにより外部からのガス流入を抑えて両槽10、30の内部を嫌気状態に維持する機能を果たす。
好ましくは、メタン発酵槽30に内部の発酵液Sを撹拌する撹拌装置31を設ける。図示例では、発酵槽30に循環ポンプ33付き外付け循環路32を設け、内部の発酵液Sを下部(又は上部)から抜出して上部(又は下部)へ戻し、発酵槽30内に下降流(又は上昇流)を形成することにより発酵液Sを撹拌している。また、その循環路32上に保温装置34を設け、発酵槽30内の発酵液Sを嫌気性微生物の活性温度(例えば20〜65℃、好ましくは30〜60℃)に維持している。例えば、ガス回収路44にバイオガスGを貯えるガスホルダ45とバイオガスGを燃料とする温水ボイラ47とを設け、保温装置34である熱交換器に温水ボイラ47の温水を供給路48経由で送り込むことにより発酵液Sを所要温度に加温する。発酵槽30内で発生するバイオガスGを用いて発酵液Sを保温することにより、システム外部から供給するエネルギーを最小限に抑えることができる。図示例のような保温装置34に代えて、発酵槽30の周壁にジャケット型の熱交換器又はヒータ等を取り付けて保温装置34としてもよい。
供給装置40は、発酵槽30の発酵液Sを原料槽10へ継続的に供給するものであり、例えば図示例のようにポンプ42付き供給路41とすることができる。また図示例の固液分離装置20は、原料槽10の廃棄物C及び発酵液Sの混合液(C+S)を継続的に抜出して固形分Eと濾液Dとに分離するものであり、原料槽10の混合液(C+S)を抜出す導入装置14(図示例ではポンプ16付き導入路15)と、固液分離した濾液Dを発酵槽30へ送る輸送路28と、固液分離した固形分Eを原料槽10へ戻す返戻路27とを有している。固液分離の方式はとくに限定されず、例えば混合液(C+S)中の所定粒径(例えば10mm、好ましくは5mm)以上の固形物Eを濾液Dと分離する沈降分離方式、フィルタ(スクリーン)方式、振動振るい方式、膜分離方式、又は後述する図3に示すような分離装置20とすることができる。ただし、固液分離後の固形分Eは返戻路27を流れる程度の流動性を有する必要があり、例えば含水率80%以上の固形分Eを分離する固液分離装置20を用いるが、含水率90%以上の固形分Eを分離する固液分離装置20とすることが望ましい。
原料槽10に貯えた廃棄物Cの流動性が低い場合は、導入装置14により原料槽10から固液分離装置20へ廃棄物Cを抜出すことが困難となりうるが、供給装置40によって供給される発酵液Sに原料槽10内の廃棄物Cを浸漬させながら分離装置20へ抜出し、分離装置20によって分離された固形分Eを原料槽10へ戻すことにより、原料槽10と分離装置20との間で固形廃棄物Cを比較的容易に循環させることができる。好ましくは原料槽10に撹拌装置11を設け、撹拌装置11によって原料槽10の内部の廃棄物Cと発酵液Sとを撹拌しながら混合する。撹拌装置11は、例えば図示例のように原料槽10の下部(又は上部)から廃棄物C及び発酵液Sを抜出して上部(又は下部)へ戻すポンプ13付き外付け循環路12とすることができるが、図5のように撹拌羽根を有するものとしてもよい。廃棄物Cを発酵液Sに浸漬させながら撹拌することにより、廃棄物Cの流動性を高めて撹拌の容易化も図ることができる。
また、供給装置40によって原料槽10内の廃棄物Cが常に浸漬する量の発酵液Sを継続的に供給し、その混合液(C+S)から固液分離装置20によって分離された濾液Dを発酵槽30へ戻すことにより、廃棄物Cを発酵液Sに浸漬させながら発酵槽30と原料槽10と固液分離装置20との間で発酵液Sを循環させる。好ましくは、図示例のように供給装置40の発酵液Sの供給量又は分離装置20の混合液(C+S)の抜出量を調整する制御装置50を設け、分離装置20とメタン発酵槽30との間の輸送路28に濾液流量を計測する流量計29を設け、その流量計29の濾液流量応じて供給装置40の供給量又は導入装置14の抜出量を調整する。
例えば供給装置40をポンプ42付き供給路41とし、制御装置50によってポンプ42の供給流量を流量計29の濾液流量と一致するよう調整する。或いは、導入装置14をポンプ16付き導入路15とし、供給装置40の供給流量が流量計29の濾液流量と一致するように制御装置50によってポンプ16の抜出流量を調整してもよい。供給装置40の供給流量及び導入装置14の抜出流量は、原料槽10に投入される廃棄物(A+B)の量及び種類に応じて適宜調整可能であるが、例えば廃棄物Cを浸漬させる原料槽10内の発酵液Sの全量が1日〜1/6日程度、好ましくは1/2日〜1/5日程度で発酵槽30に循環するように設定することにより、原料槽10及び発酵槽30の両槽においてバイオガスGの発生量が安定するメタン発酵処理の定常状態を作り出すことができる。
図示例のシステム1により固形廃棄物Cをメタン発酵処理する場合は、先ず供給装置40により発酵槽30の発酵液Sを抜出して原料槽10へ供給し、原料槽10内の廃棄物Cを発酵液Sに浸漬させつつ、好ましくは原料槽10に設けた撹拌装置11により撹拌して混合する。発酵液Sと混合することにより、原料槽10に貯えた廃棄物Cは発酵液Sの内部の嫌気性微生物により徐々に分解される。望ましくは供給路41の原料槽側端にスプレー等の分散吐出器等を取り付け、発酵液Sを分散させて原料槽10の全体に均等に供給する。次いで、導入装置14により原料槽10の撹拌された廃棄物C及び発酵液Sの混合液(C+S)を抜出し、分離装置20へ送って固形分Eと濾液Dとに分離する。
原料槽10において十分に分解されて小粒径となった廃棄物Cは、発酵液Sと共に濾液Dとして分離装置20から輸送路28を介して発酵槽30に送られ、発酵槽30と原料槽10との間で循環しながら嫌気性微生物により更にバイオガスGにまで分解される。発酵槽30で生成されたバイオガスGは回収路44を介してガスホルダ45に回収する。他方、原料槽10において未だ十分に分解されておらず大粒径の廃棄物Cは、固形分Eとして分離装置20から返戻路27を介して原料槽10に戻す。原料槽10に戻された廃棄物Cは、原料槽10を再度循環する間に更に分解されて小粒径となったのち固液分離装置20へ再導入され、この段階で十分に小粒径となっている場合は輸送路28を介して発酵槽30に送られ、未だ十分に小粒径となっていない場合は再び原料槽10に戻して循環させる。こうして原料槽10に留まる残留時間を難分解性有機物と易分解有機物とで切り分け、難分解性有機物と易分解有機物とを含む廃棄物Cの全体を効率的にメタン発酵処理することができる。
原料槽10に貯えた廃棄物Cに発酵液Sを循環させない場合には、分解反応(酸発酵)の進行により徐々に原料槽10内のpHが低下(いわゆる酸敗)して分解反応が不均一になりうるが、本発明では原料槽10で生じた有機酸が固液分離装置20により濾液Dとして分離されて発酵槽30へ移送されるので、原料槽10内の有機酸の蓄積によるpHの低下(酸敗)を防ぎ、原料槽10における固形廃棄物Cの効率的な分解を促進できる。また、原料槽10に残った有機酸も、継続的に供給される発酵液S中のメタン生成菌等の嫌気性微生物により分解されるので、原料槽10内の有機酸濃度を低く抑え、更なる酸発酵反応の促進が期待できる。更に、原料槽10では酸生成に伴いHやCOが生成されるが、継続的に供給される発酵液S中のメタン生成菌等がそれらを取り込んでバイオガスを生成するので、原料槽10においてもバイオガスGが生成され、生成されたバイオガスGを回収路44によりガスホルダ45へ回収することができる。従って本発明では、原料槽10及び発酵槽30の両槽から分解生成ガスGを回収することでバイオガスの回収率を高めることができる。
本発明のメタン発酵システム1は、固液分離装置20を原料槽10及び発酵槽30から独立させているので、図5のように発酵槽の内部で固液分離する従来方法に比して原料槽10に堆積した残渣Mの除去・回収作業が容易であり、メンテナンスに伴う停止・中断時間も最小限に抑えつつスケールアップすることができる。また、固液分離装置20のメンテナンス時に原料槽10と発酵槽30との間の循環が一時的に中断した場合でも、原料槽10及び発酵槽30にそれぞれ設けた撹拌装置11、31によってそれぞれ内部を単独で撹拌することにより、原料槽10及び発酵槽30における定常的なメタン発酵状態を維持することができる。
こうして本発明の目的である「スケールアップしても効率的なメタン発酵処理を安定的に維持できる有機性固形廃棄物のメタン発酵処理方法及びシステム」の提供を達成することができる。
なお、メタン発酵槽30の発酵液Sは、原料槽10へ循環する間に廃棄物C中の水分により補われて徐々に増加するので、その増加量に応じて廃液N(発酵残渣)として外部に排出する。例えば、発酵槽30に図5と同様な溢流路73を設け、発酵槽30の底部から廃液Nを溢流路73に進入させて外部に溢流させることができる。また、図1に示すように発酵槽30の循環ポンプ33の底部に弁35a付き廃液路35を設け、発酵槽30内の廃液Nを適宜抜出して排出してもよい。
図1の実施例は、廃棄物C中に混入した残渣M(例えば非分解性の金属、ビニール、難分解性の木質系廃棄物等)をシステム外に排出するため、固液分離装置20に開閉弁56a付き抜出路56を介して残渣除去装置52を接続している。本発明において残渣Mは、分離装置20により発酵槽30への進入が阻止され、固形物Eと共に原料槽10に戻されて堆積するが、システム全体のメタン発酵効率を維持するために、原料槽10又は分離装置20に滞留する残渣Mを定期的に除去する必要がある。上述したように、固液分離装置20を原料槽10及び発酵槽30から独立させた本発明では、図示例のように分離装置20に残渣除去装置52を接続することで、原料槽10及び分離装置20を循環する混合液(C+S)中の残渣Mをまとめて除去することができ、更に除去作業の容易化・自動化を図ることができる。
図示例の残渣除去装置52は、分離装置20の混合液(C+S)を抜出して残渣Mを脱水分離する脱水装置53と、脱水装置53で分離した残渣分離液Fを発酵槽30又は原料槽10へ戻す返送装置55とを有する。開閉弁56aの開放時に、抜出路56を介して分離装置20から混合液(C+S)を脱水装置53へ抜出し、脱水装置53において混合液(C+S)を脱水処理して混合液(C+S)中の残渣Mを分離する。残渣分離液Fは、例えば濾液受け槽54に一旦貯留したのち、ポンプ等の返送装置55により返送路57を介して発酵槽30又は原料槽10へ戻してシステムに返送させる。このような残渣Mの除去作業を適当な時間継続することにより、原料槽10及び分離装置20を循環する混合液(C+S)中の残渣Mを纏めて自動的に除去することができる。残渣Mの除去作業は、返戻路27の開閉弁27aを閉鎖して原料槽10と分離装置20との間の循環を停止したうえで行うこともできるが、開閉弁27aを開放して上述した原料槽10と分離装置20との間の循環と並行して行うことも可能である。また、システムに返送させる残渣分離液Fは、返送路57の開閉弁57aを開放して発酵槽30に戻すことができるが、開閉弁57bを開放して原料槽10に戻してもよい。
図2は、本発明に適用可能な残渣除去装置52の他の実施例を示す。この実施例では、分離装置20に代えて原料槽10の導入装置14に開閉弁56bを介して脱水装置53を接続し、開閉弁56bの開放時に原料槽10から導入装置14を介して混合液(C+S)を脱水装置53に抜出して残渣Mを分離している。或いはそれに代えて又は加えて、原料槽10に脱水装置53と接続された開閉弁17a(又は開閉弁17b)付き抜出路17を設け、原料槽10から直接的に混合液(C+S)を抜出して脱水装置53により残渣Mを分離することも可能である。抜出路17を用いる方法は、とくに(開閉弁17aを介して)原料槽10の上部液面に浮遊する軽量の残渣Mを除去する場合、又は(開閉弁17bを介して)原料槽10の底に沈殿した比重の大きい残渣Mを除去する場合に有効である。軽量の残渣Mと比重の大きい残渣Mとは異なる脱水装置を用いて分離することができ、比重の大きい残渣Mについてはメッシュ又はフィルター等の脱水装置53を用いて固液分離してもよい。また、図2の実施例では、脱水装置53の残渣分離液Fの返送路57を原料槽10の取入装置8に接続し、開閉弁57cを開放して残渣分離液Fを原料槽10の取入口に戻すことを可能としている。このように脱水装置53の残渣分離液Fを原料槽10の取入装置8へ戻すことは、例えば原料槽10の取入装置8の目詰まり等を防止するために有効である。
図3は、紙料精選方式の固液分離装置20を用いて生ごみAと紙ごみBとを含む混合有機性固形廃棄物(可燃ごみ)Cをメタン発酵処理する本発明の実施例を示す。図示例の分離装置20は、細孔又はスリット付き隔壁21により仕切られた導入室22及び分離室23と、その隔壁21の導入室22側表面に対向して旋回する回転翼24と、原料槽10の混合液(C+S)を導入室22へ送る導入路15とを有する。密閉された導入室22と分離室23との間に平板状の細孔又はスリット付き隔壁21を設けると共に、その隔壁21と垂直な回転軸26を有する回転翼24を隔壁21の導入室側表面に対向させて配置し、駆動装置25で回転軸26を回転させることにより回転翼24を隔壁21の導入室側表面と対向する平面上で旋回させる。原料槽10から導入路15を介して混合液(C+S)が導入室22に導入され、隔壁21の細孔又はスリットによって混合液(C+S)中の小粒径廃棄物と大粒径廃棄物とが分離されるが、隔壁21の導入室側表面に微小間隙を介して回転翼24を旋回させることにより、その旋回により導入した混合液(C+S)をほぐすと共に隔壁21の細孔又はスリットの目詰まり(閉塞)を防止する。回転翼24は、隔壁21の全表面にわたる目詰まりを確実に防止できる大きさとすることが望ましい。
また、固液分離装置20の導入室22には導入室22に残った固形分Eを原料槽10へ戻す返戻路27を接続し、分離室23には隔壁21を介して排出された濾液Dを発酵槽30へ送る輸送路28を接続する。このように返戻路27及び輸送路28を接続することにより、混合液(C+S)のうち比較的分解しにくい大粒径の紙ごみBを原料槽10へ戻し、比較的分解しやすく小粒径となった生ごみAのみをメタン発酵槽30へ送ることができ、分解速度の異なる紙ごみB及び生ごみAに応じて原料槽10に留まる残留時間を分離装置20によって切り分けることができる。
図示例のような回転翼24を有する固定分離装置20として、例えば従来から紙料原料中の良質繊維の分離のために使用される紙料精選装置(特許文献6及び7参照)を用いることができる。図示例のような平板状の隔壁21に代えて、例えば特許文献6が開示するような円筒状(ドラム型)の隔壁21を有する分離装置20を用いることもできる。ただし隔壁21の口径や開口率は、メタン発酵槽30へ送られる生ごみA及び紙ごみBが効率的に発酵処理される大きさ(例えば10mm以下、好ましくは5mm以下)となるように選定する必要がある。隔壁21の口径や開口率は生ごみA及び紙ごみBの種類・粒径等の条件に応じて選択可能であるが、口径3mm程度の細孔付き隔壁21を用いることでメタン発酵槽30へ送られる有機物の細粒化が図れることを実験的に見出した。
[実験例1]
生ごみA・紙ごみBの混合有機性固形廃棄物Cを適切に処理できることを確認するため、図3に示すように原料槽10と固液分離装置20とを接続した実験装置を用いて実験を行った。本実験では、固形廃棄物C150kgと水1.2mとを増粘剤15kgと共に混合した試料を原料槽10に投入し、原料槽10から分離装置20への試料導入量を流量計19で計測し、分離装置20からの濾液分離量を流量計29で計測しながら、分離装置20の濾液中に含まれる有機物の粒度分布を計測して粒径加積曲線を作成した。先ず幅0.45mmのスリット付き隔壁21を設けた分離装置20を用いて粒径加積曲線を作成し、次いで口径3mmの丸型パンチング細孔付き隔壁21を設けた分離装置20を用いて粒径加積曲線を作成した。これらの実験結果を図4のグラフに示す。
図4のグラフから分かるように、幅0.45mmのスリット付き隔壁21及び口径3mmの細孔付き隔壁21の何れを用いた場合も、濾液中の有機物に4.75mm以上のものはなく、メタン発酵槽30で効率的に発酵処理できる程度の粒径(5mm以下)の有機物のみが固液分離されることを確認することができた。濾液中の有機物の最大粒径がスリットの幅及び細孔の口径より大きい理由は、有機物が変形しながら隔壁21を透過するためと考えられる。また、何れの隔壁21を用いた場合も、実験中における細孔又はスリットの目詰まりは回転翼24の旋回によって防止されており、図示例のような回転翼24付き固液分離装置20を用いることで、隔壁21の閉塞を避けながら粘度の高い固形廃棄物Cを安定的に固液分離できることが確認できた。
更に本発明者は、図4の実験結果から、スリット付き隔壁21を用いた場合に比して細孔付き隔壁21を用いることにより、濾液中の有機物の粘土分(0.005mm以下)、シルト分(0.005〜0.075mm)、及び細粒分(0.075〜0.250mm)の割合が高くなり、隔壁21を透過する有機物の細粒化が図れることを見出した。スリット付き隔壁41ではなく細孔付き隔壁41を用いることで有機物の細粒化が促進される機構の詳細は不明であるが、濾液中の有機物の粒径は細かいほどメタン発酵槽30における発酵効率(バイオガスの回収率)を高めることができる。従って、本発明で用いる固液分離装置20としては、スリット付き隔壁21よりも適当な口径の細孔付き隔壁21を用いることがメタン発酵処理に適している。
本発明のメタン発酵システムの一実施例の説明図である。 本発明のメタン発酵システムの他の実施例の説明図である。 本発明で用いる固液分離装置の一例の説明図である。 図3の固液分離装置を用いた実験結果を示すグラフである。 従来の固形廃棄物のメタン発酵システムの一例の説明図である。
符号の説明
1…メタン発酵システム 2…粉砕装置
3…選別装置 7…原料ホッパ
8…(スクリュー付き)取入口
10…原料槽 11…撹拌装置
12…外付け循環路 13…循環ポンプ
14…導入装置 15…導入路
16…導入ポンプ 17…抜出路
19…流量計
20…固液分離装置 21…細孔又はスリット付き隔壁
22…導入室 23…分離室
24…回転翼 25…駆動装置
26…回転軸 27…返戻路
28…輸送路 29…流量計
30…メタン発酵槽 31…撹拌装置
32…外付け循環路 33…循環ポンプ
34…保温装置(熱交換器) 35…廃液路
40…供給装置 41…供給路
42…供給ポンプ
44…ガス回収路 45…ガスホルダ
46…脱硫装置 47…温水ボイラ
48…温水供給路
50…制御装置
52…残渣除去装置 53…脱水装置
54…濾液受け槽 55…返送装置(返送ポンプ)
56…抜出路 57…返送路
60…メタン発酵装置 61…嫌気発酵槽
62…有孔隔壁 63…有孔隔壁
64…取入口 65…撹拌装置
66…排出口 67…還流路
68…還流ポンプ
70…一時滞留槽 71…微生物固定床
72…有孔板 73…溢流路
74…気相部連通路
A…易分解有機物 B…難分解性有機物
C…有機性固形廃棄物 D…濾液
E…固形分 F…残渣分離液
M…残渣 N…廃液
S…発酵液 G…分解生成ガス(バイオガス)

Claims (14)

  1. 有機性固形廃棄物を原料槽に嫌気的に貯え、前記原料槽と気相部が連通する嫌気性発酵槽に前記廃棄物の分解微生物含有発酵液を貯え、前記発酵槽内部の発酵液を原料槽へ継続的に供給して廃棄物を浸漬させ、前記原料槽内部の廃棄物及び発酵液の混合液を固液分離装置へ継続的に抜出して固形分と濾液とに分離し且つ分離した濾液を発酵槽へ送ると同時に固形分を原料槽へ戻し、前記発酵槽において増加する発酵液を発酵残渣として外部へ排出し、前記発酵槽内部の発酵液を原料槽へ供給しながら前記原料槽内部の混合液を固液分離装置へ抜出すことにより前記原料槽の廃棄物を当該原料槽と固液分離装置と発酵槽との間で循環する発酵液に浸漬させつつ分解し且つ分解生成ガスを両槽の気相部から回収してなる有機性固形廃棄物のメタン発酵方法。
  2. 請求項1のメタン発酵方法において、前記固液分離装置の濾液分離量に応じて前記原料槽への発酵液供給量又は前記原料槽からの混合液抜出量を調整してなる有機性固形廃棄物のメタン発酵方法。
  3. 請求項1又は2のメタン発酵方法において、前記原料槽に、当該原料槽内の廃棄物及び発酵液を混合撹拌する撹拌装置を設けてなる有機性固形廃棄物のメタン発酵方法。
  4. 請求項1から3の何れかのメタン発酵方法において、前記発酵槽に、当該発酵槽内の発酵液を撹拌する撹拌装置を設けてなる有機性固形廃棄物のメタン発酵方法。
  5. 請求項1から4の何れかのメタン発酵方法において、前記分離装置又は原料槽に開閉弁を介して脱水装置を接続し、前記開閉弁の開放時に前記廃棄物中に混入した金属、ビニールその他の残渣を堆積しつつ原料槽及び固液分離装置を循環する混合液を抜出して残渣を脱水分離すると共に残渣分離液を発酵槽又は原料槽へ戻してなる有機性固形廃棄物のメタン発酵方法。
  6. 請求項1から5の何れかのメタン発酵方法において、前記有機性固形廃棄物を、微生物分解速度の異なる廃棄物の混合した混合有機性固形廃棄物としてなる有機性固形廃棄物のメタン発酵方法。
  7. 有機性固形廃棄物を嫌気的に貯える原料槽、前記廃棄物の分解微生物含有発酵液を貯える嫌気性発酵槽、前記発酵槽内部の発酵液を原料槽へ継続的に供給して廃棄物を浸漬させる供給装置、前記原料槽内部の廃棄物及び発酵液の混合液を継続的に抜出して固形分と濾液とに分離し且つ分離した濾液を発酵槽へ送ると同時に固形分を原料槽へ戻す固液分離装置、前記発酵槽において増加する発酵液を発酵残渣として外部へ排出する排出路、並びに前記原料槽及び発酵槽の気相部に連通するガス回収路を備え、前記発酵槽内部の発酵液を原料槽へ供給しながら前記原料槽内部の混合液を固液分離装置へ抜出すことにより前記原料槽の廃棄物を当該原料槽と固液分離装置と発酵槽との間で循環する発酵液に浸漬させつつ分解し且つ分解生成ガスを両槽の気相部から回収してなる有機性固形廃棄物のメタン発酵システム。
  8. 請求項7のメタン発酵システムにおいて、前記分離装置の濾液分離量に応じて前記供給装置の発酵液供給量又は前記分離装置による原料槽からの混合液抜出量を調整する制御装置を設けてなる有機性固形廃棄物のメタン発酵システム。
  9. 請求項7又は8のメタン発酵システムにおいて、前記原料槽に、当該原料槽内の廃棄物及び発酵液を混合撹拌する撹拌装置を設けてなる有機性固形廃棄物のメタン発酵システム。
  10. 請求項7から9の何れかのメタン発酵システムにおいて、前記発酵槽に、当該発酵槽内の発酵液を撹拌する撹拌装置を設けてなる有機性固形廃棄物のメタン発酵システム。
  11. 請求項7から10の何れかのメタン発酵システムにおいて、前記分離装置又は原料槽に開閉弁を介して接続され且つ開閉弁の開放時に前記廃棄物中に混入した金属、ビニールその他の残渣を堆積しつつ原料槽及び固液分離装置を循環する混合液を抜出して残渣を脱水分離する脱水装置と、前記脱水装置の残渣分離液を発酵槽又は原料槽へ戻す返送装置とを設けてなる有機性固形廃棄物のメタン発酵システム。
  12. 請求項7から11の何れかのメタン発酵システムにおいて、前記有機性固形廃棄物を、微生物分解速度の異なる廃棄物の混合した混合有機性固形廃棄物としてなる有機性固形廃棄物のメタン発酵システム。
  13. 請求項7から12の何れかのメタン発酵システムにおいて、前記固液分離装置に、細孔又はスリット付き隔壁により仕切られた導入室及び分離室と、当該隔壁の導入室側表面に対向して旋回する回転翼と、前記原料槽の混合液を導入室へ送る導入路と、前記導入室に残った固形分を原料槽へ戻す返戻路と、前記分離室に排出された濾液を発酵槽へ送る輸送路とを含めてなる有機性固形廃棄物のメタン発酵システム。
  14. 請求項7から13の何れかのメタン発酵システムにおいて、前記原料槽の廃棄物取入口に、前記固形廃棄物を粉砕・破砕する破砕装置と、前記粉砕・破砕後の廃棄物から所定粒径以下の廃棄物をふるい分けする選別装置とを設けてなる有機性固形廃棄物のメタン発酵システム。
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