JP5565989B2 - 新生タンパク質の検出、分析、及び分離方法 - Google Patents
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Description
本発明は、現在のストラテジー及びデザインに関する問題や不利点を克服し、放射性アミノ酸や他の放射性標識を使用することなく、無細胞あるいは細胞翻訳系において生成される新生タンパク質の標識、検出、定量、分析及び分離の方法を供給する。本発明による1つの実施態様は、翻訳系において翻訳される新生タンパク質検出用方法を指示する。tRNA分子は、蛍光マーカーでアミノアシル化され、ミスアミノアシル・tRNAを創造する。このミスアミノアシル化、あるいは電荷tRNAは、化学的、酵素的、あるいは一部化学的かつ一部酵素的技術によって形成することが可能であり、該技術は蛍光マーカーをtRNA分子上の位置に配置して、そこから蛍光マーカーを増殖ペプチド鎖中に転移し得る。マーカーは、蛍光部位を有する天然または非天然アミノ酸、蛍光部位を有するアミノ酸類似体または誘導体、検出性標識、共役因子、あるいは蛍光部位を有するこれら成分の組み合わせを含み得る。ミスアミノアシル・tRNAは、無細胞抽出物のような翻訳系中に導入され、該システムはインキュベートされて、蛍光マーカーが新生タンパク質中に取り込まれる。
一つの実施態様では、本発明は以下を含む方法を考案する:a)tRNA分子とBODIPYマーカーを供給し;さらに、b)該tRNA分子を該BODIPYマーカーでアミノアシル化して、ミスアミノアシル・tRNAを創出する。ある実施態様による方法は、さらに、c)該ミスアミノアシル・tRNAを該マーカーが新生タンパク質中に取り込まれるような条件下で、翻訳系に導入することを含む。さらに他の実施態様による方法は、さらに、d)該マーカーを含む該新生タンパク質を検出することを含む。また他の実施態様による方法は、さらに、e)該検出された新生タンパク質を分離することを含む。
本発明はさらにキットも考案する。一つの実施態様では、キットは、a)タンパク質合成系の少なくとも1成分を含む第一容器手段(例:試験管、小瓶等);さらに、b)ミスアミノアシル・tRNAを含む第二容器手段、該tRNAがBODPYマーカーによりミスアミノアシル化されている、を含む。そのようなキットは、開始tRNA及び/またはサプレッサーtRNAを含み得る。重要なことには、このキットは、該タンパク質合成系の特定の成分に限定はされず、様々な成分(例:リボソーム)が考案されている。
[定義]
本発明の理解を容易とするために、多数の術語を以下に定義する。
術語「野生型」は、天然発生原料から分離された際にその遺伝子または遺伝子産物の特徴を有する遺伝子または遺伝子産物を言及する。野生型遺伝子は、集団内で最も頻繁に観察される遺伝子であり、従って、遺伝子の「正常」あるいは「野生型」形状が随意にデザインされている。対照的に、術語「修飾」または「突然変異体」とは、野生型遺伝子または遺伝子産物と比較すると、配列及び/または機能特性における修飾(すなわち、変更特徴)を呈示する遺伝子または遺伝子産物を言及する。天然発生突然変異体を分離することが可能であることが注目されており、野生型遺伝子または遺伝子産物と比較する際に変更された特性を有する事実によりこれらは同定される。
プライマーは、3'端上に、鋳型の特定配列のストランド(鎖)と「実質的」に相補性である領域を有するように選択される。プライマー延長を生じるためには、プライマーは、鋳型ストランドとハイブリダイズするに十分なだけ相補性でなければならない。プライマー配列は、鋳型と全く同一配列である必要はない。例えば、プライマー配列の残り部分が実質的にストランドと相補性であれば、非相補性ヌクレオチドフラグメントが、プライマーの5'端に付着し得る。プライマー配列が、鋳型配列とハイブリダイズするために十分な相補性を有し、それによってプライマーの延長生成物の合成のための鋳型プライマー複合体を形成するならば、非相補性塩基あるいはより長い配列がプライマー中に散在してもよい。
本明細書で使用される核酸配列の補体は、一つの配列の5'端が他の配列の3'端と対合されるように核酸配列と整列される際に、「アンチパラレル(逆平行)会合」状態にあるオリゴヌクレオチドを言及する。天然核酸には通常発見されない一定の塩基が、本発明による核酸に含まれることがあり、例えば、イノシン及び7‐デアザグアニンを含む。相補性は、完全である必要はなく、安定二重鎖がミスマッチ塩基対やマッチしない塩基を含んでもよい。核酸テクノロジー分野の当業者は、二重鎖の安定性を、例えば、オリゴヌクレオチドの長さ、塩基組成及びオリゴヌクレオチドの配列、イオン強度及びミスマッチ塩基対のインシデンス(頻度)を含む、多数の変数を考慮して経験的に決定することができる。
本明細書で使用される術語「プローブ」は、プローブ中の少なくとも一つの配列と他方の核酸中の配列との相補性または再現性のある誘引相互作用による他の手段ために、他の核酸配列中の配列との二重鎖構造または他の複合体を形成するオリゴヌクレオチドを言及する。
本明細書に具体化及び説明するように、本発明は、新規または新生タンパク質合成による産物の非放射性標識及び検出方法、かつ細胞または無細胞翻訳系において既存するタンパク質からそれらの新生タンパク質の分離方法を含む。放射性標識が使用されないため、廃棄物処理のため遵守されるべき特定の規定はない。放射性標識を使用する際に生じる、翻訳産物のそれ以上の利用を阻止するような放射能の危険性やリスクがなく、従って結果生じるタンパク質産物を直接的あるいはさらに精製して使用し得る。さらに、例えば、ユニークなサプレッサーtRNAを含む、タンパク質配列または構造に関する既存の知識は必要ない。さらに、遺伝子またはmRNAの配列は決定される必要がない。その結果、mRNAのコード領域におけるナンセンスコドンや特定コドンのいずれの存在も必要ではない。指定の標識についての特定のtRNAを含む、いずれのtRNAも使用することが可能であるが、そのような特異性は必要ではない。翻訳後標識とは異なり、新生タンパク質は、特異性により標識され、タンパク質構造や機能を影響する可能性がある翻訳後修飾を受けることがない。
無細胞翻訳系は、市販されており、様々な異なるタイプ及びシステムがよく知られている。無細胞システムの実例は、Escherichia coli(大腸菌)溶解物のような原核性溶解物、さらにコムギ胚芽抽出物、昆虫細胞溶解物、ウサギ網状赤血球、カエル卵母細胞溶解物及びヒト細胞溶解物のような真核性溶解物を含む。結果生じるタンパク質がグリコシル化、リン酸化または別な方法で修飾されている場合は、多数のそのような修飾は真核系でのみ可能であるために、真核性抽出物または溶解物が好ましいであろう。これらの抽出物及び溶解物のいくつかは、市販されており入手可能である(Promega; Madison, WI; Stratagene; La Jolla, CA; Amersham;Arlington Heights, IL; GIBCO/BRL; Grand Island, NY)。ミクロソーム膜を含むイヌ膵臓溶解物のような、膜性抽出物もまた入手が可能であり、分泌型タンパク質の翻訳に有用である。精製翻訳因子の混合物もまた、溶解物、または開始因子-1(IF-1)、IF-2、IF-3(α または β)、延長因子T(EF-Tu)、あるいは終止因子のような精製翻訳因子を補充した溶解物の組み合わせと同様に、タンパク質中にmRNAを翻訳する目的に使用され成功を収めている。
ある場合は、新生タンパク質の機能的特性を保存することが望ましいことがある。タンパク質機能または構造を妨害しない部位にマーカーを取り込むtRNAのサブセットを選択することが可能である。ポリペプチドのアミノまたはカルボキシル末端のアミノ酸は、機能や構造を実質的に変更しない。マーカーでミスアミノアシル化された際に、タンパク質翻訳開始のための万能コドン(AUG)を認識するtRNA分子は、アミノ末端にマーカーを配置する。原核性タンパク質合成系は、開始tRNAfMet 分子を利用し、真核性系は、開始tRNAMet 分子を利用する。いずれの系においても、開始tRNA分子は、マーカー、レポーターまたはアフィニティー特性を有する非天然アミノ酸またはアミノ酸類似体または誘導体であり得るマーカーでアミノアシル化される。結果生じる新生タンパク質は、アミノ末端でのみ標識されるが、内部に配置されたマーカーはタンパク質の構造的または機能的状況を必ずしも破壊しない。例えば、tRNALYS は、タンパク質の機能や構造を妨害しないアミノ酸誘導体である、ダンシルリジンでミスアミノアシル化され得る。さらに、ミスアミノアシル・tRNAを限定量使用することにより、極めて僅かな量のみがマーカーで標識された新生タンパク質を検出及び分離することが可能であり、これは大量のマーカーの影響が有害であったり、未知な場合のタンパク質分離に極めて有効である。
突然変異の検出は、ガンの診断及び/またはガンの素因を有する個人を含む、しかしこれに限定はされない、臨床診断において益々重要な領域となっている。タンパク質トランケーション試験(PTT)は、トランケート型タンパク質産物の発生を誘導するナンセンス及びフレームシフト突然変異検出用手法である。デュシェンヌ筋ジストロフィ、腺腫性多発結腸ポリープ症、ヒトmutL同族体、ヒトnutS同族体(どちらも結腸ガンに関連する)、及びBRAC1(家族性乳ガン)に関連する遺伝子は、今では他の疾患と共に、この方法によって突然変異をスクリーンし得る(表1参照)。
C末端マーカーとN末端マーカーからの測定値の比較は、新生タンパク質をコードする遺伝子配列中にあるフレームシフトまたは鎖終止突然変異を含む新生タンパク質の分画についての情報を供給する。C末端部近隣に位置する配列依存性マーカーのレベルは、鎖終止またはフレーム外突然変異を含まないタンパク質分画を反映する。N末端マーカーの測定は、C末端マーカーが正規化された測定に対する内部対照を供給する。C末端マーカーレベルをN末端マーカーに対して正規化することは、実験の正確性を損ない得る、翻訳中のタンパク質発現レベルにおける変化のような本質的な変異を排除する。タンパク質のN末端部またはその近隣に位置するアフィニティーマーカーを使用して、翻訳混合物からタンパク質を分離することは、翻訳中にタンパク質が、メッセージのコード領域にある内部AUGから開始される場合に生じ得るフォールススタート(不正開始)の出現を排除する。フォールススタートは、鎖終止またはフレーム外突然変異後に起こり得るために、誤った結果の原因となり得る。これは、内部AUGがメッセージを有するフレーム内にある場合特に真実である。この場合、メッセージが突然変異を含んでいても、ペプチドC末端マーカーは依然として存在する。
本発明による他の実施態様は、系から成分を分離することなく、細胞または無細胞タンパク質合成系における新生タンパク質の合成をモニタするための方法を指示する。これらのマーカーは、いったん新生タンパク質中に取り込まれると、溶液中に遊離またはtRNAと結合されているマーカーから識別可能である。このタイプのマーカーは、レポーターとも称されるが、細胞または無細胞翻訳系において直接に新生タンパク質の合成を検出及び定量するための手段を供給する。
本発明による他の実施態様は、細胞または無細胞タンパク質合成系において生産される新生タンパク質の検出または分離を容易にするマーカーの用途を指示する。そのようなマーカーは、アフィニティーマーカーと称され、受容体基を含む分子及び/または物質と選択的に相互作用する特性を有する。アフィニティーマーカーは、説明されるように、非天然アミノ酸類似体及び誘導体、さらにレポータータイプのマーカーのような他のマーカーと同一な方法で、tRNAをアミノアシル化することにより結合される。これらのアフィニティーマーカーは、いったんミスアミノアシル・tRNAが翻訳系に導入されると、新生タンパク質中に取り込まれる。
本発明による他の実施態様は、新生タンパク質のアミノ末端残基における、マーカーまたはアフィニティー特性を有する非天然アミノ酸またはアミノ酸誘導体の取り込みを指示する(図13)。これは、アミノ酸の側鎖の使用またはアミノ酸の末端アミノ基を誘導体化することにより達成し得る。どちらの場合も結果生じる分子は、アミノ酸誘導体と称される。タンパク質のアミノ末端残基は遊離基であり及、従ってその誘導体化は、新生ポリペプチドの形成を妨げないであろう。非天然アミノ酸またはアミノ酸誘導体は次に、アミノ酸合成の開始をシグナルする第一AUGコドンのみを認識する開始tRNAをミスアミノアシル化するために使用される。このミスアミノアシル開始tRNAのタンパク質合成系への導入後、マーカーは新生タンパク質のアミノ末端にのみ取り込まれる。これらの新生分子はほとんど天然立体配座にフォールドされて(折りたたまれて)いる可能性があるため、N末端残基に取り込む能力は重要である。これは、機能性新生タンパク質の検出や分離を所望するような研究では便利である。
質量分析法は分子の質量を計測する。生物学における質量分析の用途は、迅速に進歩を続けており、炭水化物、タンパク質、核酸及びバイオ分子複合体の分析を含む多様な領域に適用されている。例えば、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)質量分析(MS)の開発は、タンパク質、オリゴヌクレオチド、及びオリゴサッカリドを含むバイオ分子の分析のための重要なツールを供給した[Karas、 1987 #6180; Hillenkamp、 1993 #6175]。この手法の成功は、大型バイオ分子及び非共有結合複合体(>500,000 Da)の分子量を、高精度(0.01%)及び感度(フェムトモル量以下)で計測するその能力に基づく。これまでは、これはDNAの迅速配列、生物活性ペプチドのスクリーニング及び膜タンパク質分析を含む生物学及び医学の多様な領域に適用できることが発見されている。
本発明による他の実施態様は、電気泳動によって翻訳系において翻訳された新生タンパク質と分子または因子の相互作用を検出するための方法を指示する。この方法は、多数の化合物または因子を、タンパク質が分離されたり、その機能が同定されていなくても、特定遺伝子による発現タンパク質との相互作用の可能性について迅速なスクリーンを行うことを可能とする。この方法はさらに、遺伝子プールによって発現されているタンパク質ライブラリーを、これらのタンパク質または因子を分離する必要なく、化合物または因子との相互作用について迅速にスクリーンすることも可能にする。因子は、化合物の組み合わせライブラリーの一部であるか、または天然試料のような複雑な生物学的混合物中に存在し得る。因子は、新生タンパク質に結合することによりこれと相互作用するか、または相互作用して化学的あるいは酵素的修飾による新生タンパク質の構造の変化を生起する。
本発明は、毛管電気泳動(上記参照)を考案するが、他の方法もまた考案される。特に、マイクロスケール法は、新マーカー(例:BODIPY)及び本発明による方法と併用して使用することができる。装置上のチャネルの寸法(及び対応する液体容量)が極めて小さいこと(典型的にはピコメーター領域)において、本方法は「マイクロスケール」である。例えば、チャネルは、典型的には奥行きが約0.10 〜 0.50 μm、幅が約5 〜 500 μmである。
タンパク質の一種類中に1以上のマーカーを取り込むことが好都合なことがしばしばある。これは、ダンシルリジンのようなマーカー及びビオチン‐リジンのような共役因子の両方でミスアミノアシル化されたリジンtRNAのような単一tRNA種を使用することによって達成され得る。他方、異なるマーカーでそれぞれミスアミノアシル化された異なるtRNAもまた使用することができる。例えば、クマリン誘導体がトリプトファンtRNAのミスアミノアシル化、さらにダンシルリジンがリジンtRNAのミスアミノアシル化に使用することができる。
本発明による他の実施態様は、マーカーの存在において翻訳後に従来の方法によって分離または精製された新生タンパク質を含む組成物を指示する。組成物は、組織培養産物のコーティング及び製薬産業における試薬調製目的の製造に利用し得る。
本発明による他の実施態様は、好ましくは、mRNAまたは遺伝子によってコードされた新生タンパク質中にマーカーを取り込む特定のミスアミノアシル・tRNAを含む無細胞翻訳を含み、共役された転写‐翻訳系を必要とし、さらに疾病生物学的試料中でのみ検出可能である、診断用キットまたはエイドを指示する。そのようなキットは、ある種の疾患または障害の存在についてヒトまたは他の動物をスクリーンするための迅速な手段として有用であり得る。検出し得る疾患は、感染症、組織異常増殖及び遺伝的障害を含む。最も容易に試験できる生物学的試料は、血液、血清、組織、尿または便、出生前試料、胎児細胞、鼻細胞または髄液から成る試料を含む。一つの実例では、ミスアミノアシルfmet ‐tRNAを、原核細胞を含む生物学的試料中の細菌の存在を検出する手段として使用し得る。キットは、タンパク質を合成するために必要な翻訳試薬に加えて検出可能な非放射性マーカーで電荷されたtRNA分子を含む。細菌特異性遺伝子を含む生物学的試料の添加は、翻訳に必要とされる核酸を供給する。これらの試料からの細菌は、コリシンE1のような細菌毒素またはいくつかのその他の細菌特異性透過化因子を使用して、選択的に分解される。細菌DNA由来の特定の遺伝子はまた、本明細書に参考文献として特に編入している、米国特許第4,683,195号によって説明されているように、特定のオリゴヌクレオチドプライマーをポリメラーゼ鎖反応(PCR)と併用することにより、増幅され得る。マーカーを含む新生タンパク質は、必然的に細菌から生産されるべきである。他のマーカーまたは他のタイプの検出キットを使用して、特定の細菌感染が同定し得る。
試薬:
tRNAfmet、アミノアシル・tRNAシンテターゼ、アミノ酸、緩衝塩、及びリボヌクレアーゼ・フリー・ウオーター(リボヌクレアーゼを含まない水)は、Sigma(St. Louis, MO)から購入した。多数の蛍光色素は、Molecular Probes(Eugene, OR)から購入した。ルーチンキットを含む翻訳サプライは、Promega (Madison, WI)から購入した。Sephadex G-25は、Amersham-Pharmacia Biotech (Piscataway, NJ)から購入した。インビトロ翻訳キット及びCAT (PinPoint(登録商標))及びルシフェラーゼ(pBESTluc(登録商標))をコードするプラズミドDNAは、Promega (Wisconsin-Madison, WI)から、DHFR プラズミド DNA (pQE16-DHFR)は、Qiagen (Valencia, CA)からそれぞれ購入した。α-ヘモリジン用プラズミドDNA、pT7-WT-H6-αHLは、Prof. Hagan Bayley (Texas A &M University)よりの提供であり、α-HL DNAの大規模調製は、Qiagenプラズミド分離キットを使用して行った。バクテリオオプシンプラズミドDNA(pKKbop)は、実験室ストックから使用した。
精製tRNAfmet をまずメチオニンでアミノアシル化した。典型的な反応では、1500 pM (〜1.0 OD260)のtRNAを過剰アミノアシルtRNAシンテターゼを使用して、アミノアシル化ミックス中、37℃で45分インキュベートした。インキュベーション後、混合物に0.1容積(pH5.0)の3 M酢酸ナトリウムを添加して中和し、クロロホルム:酸フェノール抽出(1:1)を行った。エタノール(2.5容積)を水相に添加し、得られたtRNAペレットを水に溶解した(25 μl)。メチオニンのα-アミノ基への蛍光分子のNHS-誘導体の結合は、50 mM 炭酸ナトリウム(pH8.5)中で、アミノアシル・tRNA fmet (25 μl)に蛍光試薬(最終濃度=2 mM)を加えて、0℃で10分インキュベートすることにより行われ、反応はリジン(最終濃度=100 mM)の添加により停止された。修飾tRNAをエタノールで沈殿して、Sephadex G-25ゲル濾過カラム(0.5 × 5 cm)を通過させて、遊離蛍光試薬が残っている場合は、これを除去した。修飾tRNAは、自然解凍を避けるために少量のアリコートにして凍結保存(-70℃)した。アミノアシルtRNAの修飾度は、酸‐尿素ゲル電気泳動によって評価した。このtRNAは、正しく保管される場合は、少なくとも6ヶ月は安定であることが発見された。
インビトロ翻訳反応は、典型的には、最適化プレミックスを加えたE. coli T7転写‐翻訳システム(Promega)を使用して行った。典型的な翻訳反応混合物(10 μl )は、抽出物 3 μl、プレミックス 4 μl、完全アミノ酸ミックス 1 μl、30 pM 蛍光メチオニンtRNA及び適切なプラズミドDNA 0.5 μgを含んだ。最適化プレミックス(1×)は、57 mM HEPES(pH 8.2)、36 mM 酢酸アンモニウム、210 mM グルタミン酸カリウム、1.7 mM DTT、4% PEG 8000、1.25 mM ATP、0.8 mM GTP、0.8 mM UTP、0.8 mM CTP、 60 mM ホスホエノールピルビン酸、0.6 mM cAMP、及び16 mM酢酸マグネシウムを含む。翻訳反応は、37℃で45分進行させた。SDS-PAGEには、反応ミックスのアリコート 4〜10 μlを、5容積アセトンで沈降させ、さらに沈殿したタンパク質を遠心分離により収集した。ペレットは、1×ローディングバッファー(loading buffer)に溶解して、5分間煮沸後SDS-PAGEにかけた。SDS-PAGEは、Laemmliに従って行われ、アルゴンレーザーを励起瀕して使用するMolecular Dynamics FluorImager 595を使ってゲルをスキャンした。他方、ポリアクリルアミドゲル中の新生タンパク質はまた、UVトランスイルミネーターを使用して検出され、緑色フィルター(Tiffen green #58、 Polaroid DS34 camera フィルターキット)を装備したポラロイドカメラを使って、写真撮影を行った。
酵素/タンパク質活性:
α-ヘモリジンの生物学的活性は以下のように行われた:要するに、インビトロ翻訳反応混合物の様々なアリコート(0.5〜2 μl)を500 μlのTBSA (1 mg/ml BSAを含むトリス緩衝生理食塩水、 pH 7.5)に添加した。これに、ウサギ赤血球(rRBCs)10%溶液 25 μlを加え、室温で20分インキュベートした。インキュベーション後、このアッセイミックスを1分間遠心分離して、上清の吸光度を415 nmで測定した(ヘモグロビンの遊離)。TBSA 500 μl中でインキュベートした等量のrRBCsを対照としてとり、水 500 μl中でインキュベートしたrRBCsを100%溶解とした。DHFR活性を分光光度計で測定した。ルシフェラーゼ活性は、ルシフェラーゼアッセイシステム(Promega)を使用して測定し、さらにルミネッセンス(発光)は、Packard Lumi-96ルミノメーターを使用して測定した。
α-HL (His6)をコードするプラズミドの翻訳を100 μlスケールで行い、Talon-Sepharose (ClonTech)を製造元の指示に従って使用して、生産されたα-HLを精製した。α-HL中に取り込まれた蛍光を次に、幾つかの既知濃度の(標準として使用された)遊離BODIPY-FLと共に、Molecular Dynamics FluorImagerで測定した。同一試料中にあるタンパク質の量は、Pierceタンパク質アッセイキット(Pierce, Rockford, IL)を使用して、標準Bradfordアッセイにより測定した。
(FLAG抗体のビオチン化)
FLAG M2モノクローナル抗体(SIGMA Chemical, St. Louis, MO)ストック液 4.4 mg/mLを等量の100 mM重炭酸ナトリウム(〜15 mM最終抗体濃度)で希釈する。その後、NHS-LC-ビオチン(Pierce Chemical, Rockford, IL)を、最終濃度が150 mM となるように、2 mMストック液(DMF中)を加える。反応は氷上で2時間インキュベートする。この混合物を次に、マイクロ遠心分離(14,000 R.P.M)で2.5分間遠心分離することにより清澄させる。未反応標識試薬は、ゲル濾過クロマトグラフィーによって除去する。
(FLAG抗体コートELISAプレートの調製)
NeutrAvidin(登録商標)ビオチン結合タンパク質(Pierce Chemical, Rockford, IL)を、最終濃度が100 mM重炭酸ナトリウム中で50 mg/mLになるように希釈して、Microlite ( 2+ 白色不透明 96-ウェル ELISA プレート (Dynex Technologies, Chantilly, VA)をコートするために使用する。プレートをTBS-Tで洗浄し、TBS-T中の5 mg/mLビオチン化FLAG M2抗体溶液を使用してコートする。プレートをTBS-Tで洗浄し、翻訳希釈緩衝液(TDB)[TBS( pH 7.5)中、4.5% Teleostean Gelatin、2% 脱脂粉乳、 10 mM EDTA、 0.1% Tween-20、 1.25 mg/mL 免疫前マウスIgG、 2.5 mM d-ビオチン]でブロックする。
ウサギ網状赤血球抽出物を使用して、インビトロ翻訳によって生産されたトリプル・エピトープタグ付きターゲットタンパク質を、TDBで1/25〜1/75に希釈して、抗体でコートされたELISAプレートに添加する。ターゲットタンパク質の捕捉後、プレートをTBS-Tで洗浄する。c-mycの検出を、ポリクローナル抗体(Santa Cruz Biotechnology、 Santa Cruz, CA)、次にペルオキシダーゼ標識二次抗体を使用して実施する。His6 タグの検出はペルオキシダーゼ標識ニッケルキレートベース・プローブ(India( His Probe-HRP), Pierce, Rockford, IL)で達成される。抗体はTDBで希釈され、India( His Probe-HRP)は免疫前マウスIgG 5 mg/mLを補充したTBS-Tで希釈される。全ての場合、シグナルが発生には化学ルミネッセント基質系を使用する。
(ターゲットタンパク質の結合と検出)
ウサギ網状赤血球抽出物を使用して、インビトロ翻訳によって生産されたトリプル・エピトープタグ付きターゲットタンパク質を、1% BSA/TBS-Tで1/25〜1/75に希釈して、ニッケルキレートでコートしたELISAプレート(Pierce Chemical, Rockford, IL)に添加する。ターゲットタンパク質の捕捉後、プレートをTBS-Tで洗浄し、1%BSA/TBS-Tでブロックする。結合ターゲットタンパク質上のエピトープタグの検出は、モノクローナルFLAG M2抗体(SIGMA Chemical, St. Louis, MO)またはポリクローナルc-myc抗体(Santa Cruz Biotechnology, Santa Cruz, CA)を、適切なペルオキシダーゼ標識二次抗体と併用することにより達成される。ビオチン−リジシ・tRNAlys を介してターゲットタンパク質中に取り込まれたビオチンの検出は、ペルオキシダーゼに抱合されているNeutrAvidin(商標)ビオチン結合タンパク質(Pierce Chemical, Rockford, IL)を使用して達成される。NeutrAvidin(登録商標) 抱合体及び全ての抗体は、1% BSA/TBS-Tで希釈する。全ての場合、シグナルが発生には化学ルミネッセント基質系を使用する。
クマリンアミノ酸の合成:4-(ブロモメチル)-7-メトキシクマリン(図15、化合物1;6.18 mM)及びジエチルアセトアミドマロン酸塩(図15、化合物2;6.18mL)を、無水エタノール中でナトリウムエトキシド溶液に添加して、混合物を4時間還流した。反応混合物の中和及びクロロホルム抽出後に得られた中間生成物(図15、化合物3)をさらに、メタノール溶液から結晶化によって精製した。この中間生成物をアセトン及びHCl(1:1)の混合物中に溶解して、1時間還流した。反応混合物を乾燥するまで蒸発して、アセトンを使用してアミノ酸塩酸塩を沈降した。この塩酸塩は、50%エタノールに溶解しさらにピリジンを添加してpH4〜5にすることにより、遊離アミノ酸(図15、化合物4)に転化された。遊離アミノ酸のプロトン(1H) NMRスペクトルは以下であった:(m.p. 274〜276(C、分解.) -OCH3 (δ 3.85 s, 3H)、-CH2-(δ 3.5 d, 2H)、α-CH- (δ 2.9 t, 1H)、CH-CO (δ 6.25 s, 1H), 環H (δ 7.05 s, 1H)、 (δ 7.8 d, 2H)。
ミスアミノアシル・tRNAを生起するために使用される一般的ストラテジーを図16に示し、これはtRNA分子のトランケーション、ジヌクレオチド合成(図17)、ジヌクレオチドのアミノアシル化(図18)及びリガーゼ媒介結合を含む。
a)トランケート型tRNA分子は、Neu 及び Heppel (J. Biol. Chem. 239:2927〜34, 1964)によって基本的に説明されるように、リジン及びアルカリホスファターゼの存在下で、過ヨウ素酸分解によって生成された。要するに、4 mM 非電荷E. coli tRNALys 分子(Sigma Chemical;St. Louis, MO)は、50 mMメタ過ヨウ素酸ナトリウムと0.5 MリジンをpH 9.0、60℃で30分、総容量50 μlで、2回連続処理することによりトランケートされた。反応条件は常に50℃以上で、10倍の過剰メタ過ヨウ素酸塩を使用した。過剰過ヨウ素酸塩は1 Mグリセロール5 μlで処理することにより破壊された。溶液pHは、最終濃度が0.1 Mになるように、トリス・塩酸15 μlを加えて、8.5に調整した。反応容量は、水 100 μlを加えて150 μlまで増加した。アルカリホスファターゼ(15 μl、 30ユニット)を加えて、次に反応混合物を60℃で2時間再インキュベートした。インキュベーションに続いて、総tRNAのエタノール沈降、エタノール洗浄、ペレットの乾燥及びペレットの水20 μlへの溶解が行われた。この工程を2回繰り返して、トランケート型tRNAが得られた。
デオキシシチジン保護:全ての反応は、特記されない限りは室温で行われた。第一に、デオキシシチジンの5’及び3’ヒドロキシル基を、4.1当量の塩化トリメチルシリルで、一定の撹拌を加えながら2時間反応させることにより保護した。環外アミノ官能基を1.1当量のFmoc-Clと3時間反応させることにより保護した。5'及び3'ヒドロキシル基の脱保護は、0.05当量のKFを加えて30分インキュベートすることにより達成された。最終産物(図17、化合物19)は収率87%で生産された。リン酸基は、この化合物を、1当量のビス‐(2‐クロロフェニル)ホスホロクロリデイトを加えてインキュベートし、その混合物を0℃で2時間インキュベートすることによって添加された。この場合の収率は、25〜30%であった。
ジヌクレオチド合成:保護デオキシシチジン、化合物20、と保護アデノシン、化合物25(図17)を、テトラヒドロフラン中で、1.1当量の2‐クロロフェニルビス‐(1‐ヒドロキシ‐ベンゾトトリアゾリル)リン酸塩を加えて、30分間一定の撹拌を加えることにより結合させた。次に、N‐メチルイミダゾールの存在下で、30分間1.3当量の保護アデノシン、化合物25を加えた。結合収率は、約70%であり、結合産物、化合物26、のプロトンNMRスペクトルは以下であった:(δ 8.76 m, 2H)、 (δ 8.0 m, 3H)、 (δ 7.8 m, 3H) (δ 7.6 m, 4H)、 (δ 7.5 m, 3H))、(δ 7.4 m, 18H)、 (δ 7.0 m, 2H)、 (δ 4.85 m, 14H)、 (δ 4.25 m, 1H); (δ 3.6 m, 2H)、 (δ 3.2 m, 2H)(δ 2.9 m, 3H)、 (δ 2.6 m, 1H)、 (δ 2.0-1.2 m, 7H)。
抽出物の調製:コムギ胚芽胚抽出物は、シクロヘキサンと四塩化炭素の混合物(1:6)を使用して、胚濃厚化のためにコムギ胚芽の浮上により調製し、その後一晩乾燥した(約14時間)。浮上コムギ胚芽胚(5 g)は、微細な粉末を得るために5 gの粉末ガラスを加えて、モルタル中で粉砕した。滑らかなペーストが得られるまで、抽出用媒質(緩衝液I 10 mM トリス酢酸緩衝液(pH 7.6)、1 nM 酢酸マグネシウム、90 mM酢酸カリウム、及び1 mM DTT)を少量ずつ加えた。破壊された胚を含むホモジネート及び抽出用媒質 25 mlを23,000 x gで2回遠心分離した。抽出物をSephadex G-25微細カラムにかけて、緩衝液II(10 mM トリス酢酸緩衝液(pH 7.6)、3 mM 酢酸マグネシウム、50 mM 酢酸カリウム、及び1 mM DTT)で溶出した。明るい黄色バンドがゲル粒子以外の容量で移動し、1 mlの分画として回収(S-23)され、液体窒素中で凍結された。
取り込み混合物(100 μl )は、S-23 抽出物を50 μl 、 5 mM 酢酸マグネシウム、 5 mM トリス酢酸(pH7.6)、20 mM Hepes-KOH 緩衝液(pH7.5); 100 mM 酢酸カリウム、 0.5 mM DTT、0.375 mM GTP、2.5mM ATP、 10 mM クレアチンリン酸、クレアチンキナーゼ を60 μg/ml及びバクテリオオプシンをコードする遺伝配列を含むmRNAを100 μg/ml含んだ。ミスアミノアシル・PCB-リジンまたはクマリンアミノ酸・tRNAlys 分子を、170 μg/ml加え、マグネシウムイオン及びATP濃度を最適化した。混合物を25℃で1時間インキュベートした。
ストレプトアビジンでコートされた磁性Dynabeads M-280 (Dynal; Oslo, Norway)は、1 mgビーズ当たり10 μgのビオチン化タンパク質の結合能力を有する。濃度2 mg/mlでビーズを少なくとも3回洗浄して、安定化BSAを除去した。新生タンパク質中に取り込まれたPCB-リジンを含む翻訳混合物に、ストレプトアビジンでコートされたビーズを加えて混合し、室温で30分インキュベートした。磁性粒子集線装置(MPC:magnetic particle concentrator) (Dynal;Oslo, Norway)を使用して、0.5〜1.0分磁場をかけ、上清をピペットで取り除いた。反応混合物を3回洗浄して、磁性ビーズを50 μlの水に懸濁した。
[実施例 6]: 蛍光を使用する検出の低限
ホウ酸塩緩衝液(pH8.0)中に0.25 mg/mlになるように懸濁したウシ血清アルブミン(BSA)を、50 mg/ml の25倍モル過剰フルオレサミン(Sigma Chemical; St. Louis, MO) と合わせて、修飾蛍光BSAを生産した。修飾タンパク質の様々な量(1 ng、 5 ng、 10 ng、 25 ng、 50 ng、75 ng、 100 ng、 150 ng、 200 ng)をローディングバッファー(ブロモフェノールブルー、グリセロール、2‐メルカプトエタノール、トリス・塩酸(pH 6.8)、SDS)中に懸濁して、3%濃縮剤を加えた12%ポリアクリルナミドゲルの1.5 mmの厚さの個別ウェル中に添加した。水冷ゲルを50Vで4時間電気泳動した。電気泳動後、ゲルを電気泳動装置から除去して、UVトランスイルミネーター上に配置し、10秒の露光時間を使用してpolaroid Type 667フィルムを使って写真撮影をした。これらの条件で観察された最低限度は10 ngであった。これらの結果は、典型的な分子生物学実験室で見られる装置を使用して、蛍光標識タンパク質は、ng量単位で検出され得ることを示した。さらに高度な検出手順や装置を使用すると、検出レベルをさらに向上することができる。
無細胞翻訳を、ベンゾピレン・フルオロフォア部分と結合されたリジンでミスアミノアシル化された電荷tRNAlys 分子及びリジンに対する21コドンを含むヒトγ-インターフェロンmRNAを使用して、説明したように実施する。混合物の試料は、ブロモフェノールブルー、グリセロール、2‐メルカプトエタノール、トリス・塩酸(pH 6.8)、SDSを含む緩衝液を補充して、分子量マーカーセットと共に、12%ポリアクリルアミドゲル(3%濃縮剤)に直接加える。電気泳動を50Vで3時間行う。ゲルを電気泳動装置から除去して、UV光線下で写真撮影をする。蛍光標識インターフェロンタンパク質のバンドは、分子量約25 Kdaで特異的に検出される。ゲル上では他の有意な蛍光活性は観察されない。遊離ミスアミノアシル・tRNA分子は、ゲルの外に電気泳動され、特に検出されないであろう。
無細胞翻訳反応は、上記に説明するように化学的ミスアミノアシル化により調製され、TE中で1.7 mg/ml)となるように懸濁されたPCB-クマリンアミノ酸・tRNAleu 10 μl、S-23抽出物 50 μl、水 10 μl及び10 μlの50 mM酢酸マグネシウム、50 mMトリス酢酸(pH 7.6)、200 mM Hepes-KOH 緩衝液( pH 7.5);1 M酢酸カリウム、5 mM DTT、3.75 mM GTP、25 mM ATP、100 mMクレアチンリン酸から成る溶液及び600 μg/mlのクレアチンキナーゼを混合することにより実施される。この混合物を、組み換え型IL-2 cDNAから転写かつ分離された500 μg/mlヒトIL-2mRNA(26ロイシンコドンを含む)を20 μl追加するまで、氷上に保持する。混合物は、25℃で1時間インキュベートして、氷上に置く。ストレプトアビジンでコートした磁性Dynabeads (2 mg/ml)100 μlを混合物に加えて、室温で30分放置する。インキュベーション後、混合物をマイクロフュージで3,000 x g、5分間遠心分離するか、またはMPCを使用して溶液に磁場をかける。上清を取り除いて、TEを使用して手順を3回繰り返す。最終洗浄ペレットを、50 mMトリス・塩酸(pH7,5)50 μlに再懸濁し、クオーツキュベットに移す。Black-Ray 長波長 UV ランプからのUV光線を、約1秒懸濁液に照射する。MPCで溶液に1.0分磁場をかけてから、上清をピペットで除去する。上清を滅菌濾過して、50%グリセロール、1.8% NaCl及び25 mM 重炭酸ナトリウムを含む等量の滅菌緩衝液を加えて混合する。タンパク質濃度は、O.D.260を測定することにより決定される。
E. coli tRNAfmet をまずメチオニンで定量的にアミノアシル化し、幾つかのフルオロフォアのNHS‐誘導体を使用して、α-アミノ基を特異的の修飾した。試験された蛍光レポーター分子(フルオロフォア)のリスト及びその特性を表2に示す。修飾条件下で、修飾メチオニン・tRNAfmet は安定であることが、酸‐尿素ゲルによる評価によって発見されている。試験された全ての蛍光分子は、異なる光学特性(励起及び発光)を有するために、我々は、新生タンパク質を含むゲルの定量のために使用された条件下で、相対蛍光強度を測定した。
新生タンパク質中に取り込まれるBODIPY-FL量を最適化するために、存在するBODIPY-FL-メチオニン・tRNAfmet 量を反応当たり3〜60 pMの範囲で増加して、α-HLの翻訳反応を行った。反応は、ウサギ赤血球の溶血活性によって測定されるα‐HLと同様な量を生産し、これは、この範囲内で外因的に添加されるBODIPY-FL-メチオニン・tRNAfmet は、タンパク質合成を阻害しないことを示した。対照的に、α‐HLに対応する蛍光バンド強度は、10 μl反応当たり30 pM BODIPY-FL-メチオニン・tRNAまで増加を続けた(データの表示なし)。このレベル以上の増加は、蛍光を増加を生じることはなく、従って、以後の反応はこのBODIPY-FL-メチオニン・tRNAレベルを使用して実施した。
B ODIPY-FL取り込みを最適化するために使用した第二ステップは、反応混合物からN‐ホルミル‐テトラヒドロ葉酸塩(fTHF)を省くこと基づいた。原核細胞では、N‐ホルミル‐テトラヒドロ葉酸塩(fTHF)は、酵素 メチオニン・tRNAトランスホルミラーゼの補因子として作用し、メチオニンによるアミノアシル化後に開始tRNAをホルミル化する。タンパク質合成は、次にこの修飾tRNA(ホルミル‐メチオニン・tRNA)を使用して開始される。本発明をいずれの特定メカニズムに限定することなく、反応混合物からfTHFを省くことは、この内在性開始tRNAと外因的に添加された修飾開始tRNA間のタンパク質合成開始に対する競合を、内在性開始tRNAのホルミル化を防止することにより、低減すると考えられる。これは、反応混合物中にfTHFが存在する、また存在しない場合の反応についてのSDS-PAGEから直接蛍光を測定することにより確認された。後者の場合、2〜3倍の蛍光増加が見られた(データの表示なし)
[実施例 11]:他のタンパク質中への取り込み
このアプローチの一般的適応性を探索するために、BODIPY-FL-メチオニン・tRNAfmetを使用する転写/翻訳反応を、ジヒドロフォレート還元酵素(DJFR)、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(アセチル基転移酵素)(CAT)及びバクテリオロドプシン(BR)をコードする様々なプラズミドDNAを使用して実施した。BRは、膜タンパク質を代表するために含まれ、典型的には極めて疎水性である。他のタンパク質への取り込みを調査するために、Talon金属キレート樹脂(ClonTech, Palo Alto, CA)を使用して、遊離BODIPY-FL及びBODIPY-FL-メチオニン・tRNAfmet と共に、最適共役化された転写/翻訳系を使用した。結果は図21A(レーザーベースのMolecular Dynamics FluorImager 595を使用して可視化)、及び21B(UVトランスイルミネーターを使用して可視化)に示す。レーン1はDNAを含まない対照である。レーン2、3、4、5及び6は、それぞれ、ヘモリジン、DHFR、ルシフェラーゼ、CAT及びバクテリオロドプシンである。
本方法の感度を評価するために、オリジナル反応混合物 0.003〜0.5 μlに対応する翻訳抽出物の様々な希釈液をSDS-PAGEで分析した。対照として、DNAを欠損して実施された反応からの抽出物を分析した。図22Bに見られるように、オリジナル反応混合物の0.007 μlに対応するほど少量のα-HLバンドからの蛍光が検出可能であった。インビトロ系において生産される総新生タンパク質、50〜80 μg/mlの範囲、に関する我々の推定に基づくと、これは、0.35〜0.5 ngの α‐ヘモリジンに対応する。これは、新生タンパク質のそのような低い発現はX線フィルムへの長時間の曝露を必要とし、その結果重大なバックグラウンド問題を生じることのある、新生タンパク質のラジオアイソトープ標識を使用して得られる感度に劣ることはない。これはさらに、市販されているクーマシーブルー(8〜100 ng)を使用して現在ゲル上でタンパク質を測定する感度を超越している。BODIPY-FL取り込みレベルを向上し、さらにゲル材料、抽出物及び添加された修飾tRNAにおける蛍光不純物に起因すると思われるバックグラウンド蛍光を低減することによって、感度はさらに改善されると予測される。
新生タンパク質合成を時間の関数としてモニタするための蛍光標識アプローチの能力をまた評価した。この目的には、α-HL転写/翻訳混合物の小量アリコート(4 μl)を、反応中の様々な時間に取り出して、SDS-PAGEで分析した。図22Aに見られるように、α‐HLに起因するバンドは、早い場合はインキュベーション開始5分後に明らかに検出され得る。蛍光標識α‐HLの合成は、翻訳の15分後には飽和状態となると思われる。
ミスアミノアシル・tRNAを形成するために使用されるアミノアシル化後修飾の場合、重要な要素は、天然アミノ酸に修飾を加えるために使用される修飾試薬である。例えば、フルオロフォアBODIPY FLの場合は、BODIPY-FL-SE 及び BODIPY-FL-SSE (Molecular Probes)として知られる2種類の異なる市販のBODIPY FL NHS試薬がある。どちらの試薬も、脱離基としてN‐ヒドロキシスクシンイミド(NHS)に基づいている。しかし、スルホン酸(スルホ)基の一つの形状(SSE)の存在により、この2つの形状は水溶解性が異なる(構造については表2を参照のこと)。この実例では、これらの2種類の異なる試薬を使用して、メチオニンによってアミノアシル化されている精製tRNAfmet に、BODIPY FLフルオロフォアを添加することを目的として、標準生化学的手順に基づく最適化反応を行った。この目的には、まずtRNAfmet をメチオニンでアミノアシル化した。典型的な反応では、1500 pM (〜1.0 OD260)のtRNAを過剰量のアミノアシル・tRNAシンテターゼを使用して、アミノアシル化ミックス中、37℃で45分インキュベートした。アミノアシル化ミックスは、20 mM イミダゾール・塩酸緩衝液(pH 7.5)、150 mM NaCl、10 mM MgCl2、2 mM ATP 及び 1600 ユニットのアミノアシル・tRNAシンテターゼから構成された。アミノアシル化度は、酸‐尿素ゲル、さらに35S‐メチオニンを使用することにより測定した。インキュベーション後、混合物に0.1容積の3 M酢酸ナトリウム(pH5.0)を添加して中和し、グロロホルム:酸フェノール抽出(1:1)を行った。エタノール(2.5容積)を水相に添加し、得られたtRNAペレットを水に溶解して(37.5 (1)、修飾に使用した。
上記のアミノアシル・tRNA溶液に、1N NaHCO3 2.5 (lを加え(最終濃度=50 mM、pH 8.5)、次に水中で10 mM BODIPY-FL-SSE溶液 10 (l(Molecular Probes)を加えた。混合物を0℃で10分インキュベートして、リジンを添加して反応を消光した(最終濃度=100 mM)。結果生じる溶液に、0.1容積の3 M NaOAc(pH 5.0)を加えて、修飾tRNAを3容積のエタノールで沈降した。沈降物を水50mlマイクロリットルに溶解して、Sephadex G-25ゲル濾過カラム(0.5 × 5 cm)で精製して、遊離蛍光試薬が残っている場合は、これを除去した。修飾tRNAは、自然解凍を避けるために少量のアリコートにして凍結保存(-70℃)した。
上記のアミノアシル・tRNA溶液に、1N NaHCO3 2.5 (lを加え(最終濃度=50 mM、pH 8.5)、次にDMSO 20 (l(Molecular Probes)を加え、その後、DMSO で10 mM BODIPY-FL-SE溶液 10 (l(Molecular Probes)を加えた。混合物を0℃で10分インキュベートして、リジンを添加して反応を消光した(最終濃度=100 mM)。結果生じる溶液に、0.1容積の3 M NaOAc(pH 5.0)を加えて、修飾tRNAを3容積のエタノールで沈降した。沈降物を水 50mlに溶解して、Sephadex G-25ゲル濾過カラム(0.5×5 cm)で精製して、遊離蛍光試薬が残っている場合は、これを除去した。修飾tRNAは、自然解凍を避けるために少量のアリコートにして凍結保存(-70℃)した。
メチオニンのα‐アミノ基の修飾度は、NHSBODIPY FL試薬の非スルホン酸化形と比較してNHS BODIPY FLのスルホン酸化形を使用ことにより、実質的に高くなることが、HPLCを使って経験的に発見されている。さらに、スルホン酸化形を使用して形成されたミスアミノアシル・ tRNAfmetは、優れた特性を呈示することが発見されている。BIDOPY FLをタンパク質(T7プロモーター制御下でHL遺伝子を含むプラズミドを使用するヘモリジン)中に取り込むために、最適化S30 E.coli翻訳系において使用されると、発現されたHLに対応するSDSPAGEゲル上のバンドは、非スルホン酸形を使用して形成されたミスアミノアシル化を使う同様な系と比較して、アルゴンレーザーベースの蛍光イメージャーを使用して検出される際に、約2倍高い蛍光レベルを呈示した。
上記に説明されたことと同様な結果が、クマリンの非スルホン化及びスルホン化NHS誘導体、これらはまた市販されており、それぞれスクシンイミジル7‐アミノ‐メチル‐アミノ‐酢酸クマリン(AMCA-NHS; Molecular Probes)及びスルホスクシンイミジル7‐アミノ‐4‐メチルクマリン‐3‐酢酸(AMCA-sulfo-NHS; Pierce Chemicals)として言及されている、を比較することにより得られた。この場合は、メチオニンによってアミノアシル化されている精製tRNAfmet に、クマリンフルオロフォアを添加するために、標準生化学的手順に基づくこれらの2種類の異なる試薬を使用して、最適化反応を行った。
一般的に、水溶解度特性は、いくつかの方法によって化学試薬に分与することができる。これらのいくつかを以下に要約する:
‐(スルホン酸化NHSのような)脱離基への極性官能基の導入。
‐スペーサーアームへの極性官能基の導入。
‐試薬部分それ自体への極性官能基の導入。
-SO3-Na+ (スルホ-)基の導入が好ましいが、(DSPのような)他の極性電離基もまた使用することができ、DSPを以下に示す:
この実施例では、新生タンパク質を検出するために3マーカーシステム、すなわち、N末端マーカー、C末端マーカー、及びアフィニティーマーカー(後者は内在性アフィニティーマーカー)を使用する。実験は、1)マーカーを有するtRNAの調製、従ってマーカーが(翻訳中)にタンパク質のN末端に導入され得る;2)野生型及び突然変異型ヘモリジンをコードする核酸でヘモリジンを翻訳;及び4]マーカーの定量を含む。
精製tRNAfmet (Sigma Chemicals, St. Louis, MO)をまずにメチオニンでアミノアシル化した。典型的なアミノアシル化反応は、1500 PM (-1.0 OD260) tRNA、20 mM イミダゾール・塩酸緩衝液(pH 7.5)、10 mM MgCl2、1 mM メチオニン、2 mM ATP、150 mM NaCl 及び過剰量のアミノアシルtRNAシンテターゼ(Sigma)を含んだ。反応混合物を37℃で45分インキュベートした。インキュベーション後、反応混合物に0.1容積の3 M酢酸ナトリウム(pH 5.0)を添加して中和し、クロロホルム:酸フェノール抽出(1:1)を行った。エタノール(2.5容積)を水相に添加し、得られたtRNAペレットを水に溶解した(25 μl)。メチオニンのα-アミノ基へのNHS-ビオチンの結合は、50 mM 炭酸ナトリウム緩衝液(pH 8.0)中で、アミノアシル・tRNA fmet (25 μl)にNHS-ビオチン(最終濃度=2 mM)を加えて0℃で10分インキュベートすることにより行われ、反応はリジン(最終濃度=100 mM)の添加により消光された。修飾tRNAをエタノールで沈降して、Sephadex G-25ゲル濾過カラム(0.5 × 5 cm)を通過させて、遊離試薬が残っている場合は、これを除去した。
WT及びアンバー(135位置)突然変異型プラズミドDNAを、そのC末端にアミノ酸配列His-His‐His‐His‐His‐His (His‐6)(配列番号 5)を担う32 kDaタンパク質である、α-ヘモリジン(α‐HL)をコードするために使用した。WT及びアンバー突然変異型α-HL遺伝子(Amb 135)のインビトロ翻訳を、E. coli T7環状転写/翻訳系(Promega Corp., Wisconsin, WI)を使用して、ビオチン-メチオニン・tRNAfmet(AmberGen, Inc)の存在下で行った。100 μlの翻訳反応は、E. coli 抽出物(Promega Corp., Wisconsin, WI)を30 μl、アミノ酸を含まないプレミックスを40 μl、アミノ酸混合物(1 mM)を10 μl 、WT及び突然変異体α-HL をコードするプラズミドDNAを5 μg 、ビオチン-メチオニン・tRNAfmetを150 pM及びリボヌクレアーゼフリー・ウオーターを使用して行った。プレミックス(1×)は、57 mM HEPES(pH 8.2)、36 mM 酢酸アンモニウム、210 mM グルタミン酸カリウム、1.7 mM DTT、4% PEG 8000、1.25 mM ATP、0.8 mM GTP、0.8 mM UTP、0.8 mM CTP、 60 mM ホスホエノールピルビン酸、0.6 mM cAMP、及び16 mM酢酸マグネシウムを含む。翻訳反応プレミックスから、n‐ホルミル‐テトラヒドロ葉酸塩(fTHF)が省かれた。翻訳は、37℃で1時間行われた。DNAを含まずにインキュベートされた翻訳反応混合物を対照とする。翻訳反応混合物が、等量のTBS(トリス緩衝生理食塩水、pH 7.5)で希釈された後。各試料を2つのアリコートに分割して、以下に説明するようにそれぞれプロセスした。
抗ウサギ‐IgGでコートされたマイクロ滴定プレート(Pierce Chemicals, Rockford, Il)をSuperblock緩衝溶液(Pierce)で洗浄し、Superblock緩衝溶液中で調製した抗-α-HLポリクローナル抗体溶液(Sigma Chemicals, St. Louis, MO) 100 μg/mlを加えて、マイクロ滴定プレートシェーカー(振とう器)上で、室温で1時間インキュベートした。プレートを次にSuperblock緩衝液で洗浄して(3 回 x 200 μl)、将来の使用のために4℃で保存した。
対照、WT及びアンバーα-HL DNA用の翻訳反応混合物(50 μl)を、抗-α-HL抗体マイクロ滴定プレートの異なるウェル内にいれ、シェーカー上で、室温で30分インキュベートした。インキュベーション後、200 μl のSuperblock緩衝液で、ウェルを5回洗浄し(各5〜10 分)、上清を捨てた。これらのウェルに、100 μlの1:1000希釈ストレプトアビジン‐西洋ワサビペルオキシダーゼ(Streptavidin-HRP; 0.25 mg/ml; Promega)を加え、プレートを振とう条件下で、室温で20分インキュベートした。インキュベーション後、Superblock緩衝液で念入りに洗浄することにより(各5 回x5 分)、過剰ストレプトアビジン‐HRPを取り除いた。最後に、HPR(HPR緩衝液中のOPD)用基質 200 μlを加えて、分光高度計を使用して、441 nmで吸光度を測定することにより、HPR活性を測定した。
対照、WT及びアンバーα-HL DNA用の実施例2からの翻訳反応混合物(50 μl)を、抗-α-HLマイクロ滴定プレートの異なるウェル内にいれ、シェーカー上で、室温で30分インキュベートした。インキュベーション後、200 μl のSuperblock緩衝液で、ウェルを5回洗浄し(各5〜10 分)、上清を捨てた。これらのウェルに、100 μlの1:1000希釈抗-His-6抗体(ClonTech, Palo Alto, CA)を加え、プレートを振とう条件下で、室温で20分インキュベートした。インキュベーション後、Superblock緩衝液で念入りに洗浄することにより(各5 回 x 5 分)、過剰抗体を取り除いた。その後、ウェルに二次抗体(抗マウスIgG‐HPR、Roche-BM, Indianapolis, IN)を加えて、室温で20分インキュベートした。過剰二次抗体を洗浄後、上記に説明するようにHPR活性を測定した。
上記に説明する定量の結果を図23A(N末端、ビオチンマーカーの定量)及び図23B(C末端、His-6マーカー)に示す。ビオチン-メチオニン・tRNAの存在におけるWT α-HL DNAのインビトロ転写/翻訳の場合は、合成されたタンパク質は、タンパク質のC末端部に翻訳されたHis-6タグを有し、α-HL分子のいくつかは、さらにそのN末端部に、ビオチン-メチオニン・tRNAを使用して取り込まれた、ビオチンを担うであろう。α-HLを含む全翻訳反応混合物が、抗-α-HL抗体プレート上でインキュベートされた場合は、選択的に全てのα-HLが、抗体と内在性アフィニティーマーカーとの相互作用によりプレートに結合するであろう。非結合タンパク質は洗浄除去され、結合タンパク質のN及びC末端は、ストレプトアビジン‐HPR及び抗His-6抗体を使用して、それぞれ定量し得る。WT α-HLの場合は、タンパク質は、N末端(ビオチン)及びC末端(His-6)タグのどちらも担い、従って、どちらの場合もHRPシグナルを生じ、ストレプトアビジン‐HRP及び二次抗体‐HRPが使用されたHis-6と抱合するであろう(HL、図23A)。他方、アンバー突然変異型α-HLの場合は、α-HLのN末端フラグメント(最初の134アミノ酸のみが生産され、N末端マーカー、ビオチンのみを有するが、コドン番号135におけるアンバー突然変異のためにHis-6マーカーを有しないであろう。この突然変異の結果、アンバーα-HL DNAを使用して生産されたタンパク質は、抗体プレートと結合するが、ストレプトアビジン-HRP(HL-AMB、 図 23A)の場合のみにシグナルを生じ、抗hisX6抗体(HL-AMB、 図23B)にはシグナルを生じないであろう。
膜の存在における光分解またはオリゴマー形成のいずれかによるSDSゲル上の蛍光標識新生タンパク質の電気泳動易動度の変化を実証するために、我々は、C末端にアミノ酸配列His-His‐His‐His‐His‐His (His-6) (配列番号 5)を担う32 kDaタンパク質をコードするα-ヘモリジン(α-HL)のプラズミドDNAを使用した。α-HL遺伝子のインビトロ翻訳は、E. coli T7環状転写/翻訳系(Promega Corp., Wisconsin, WI)を使用して、BODIPY-FL-メチオニン・tRNAfmet(AmberGen, Inc)の存在下で行った。本実験は、1)翻訳中のN末端マーカーの導入のためのtRNAマーカーの調製、2)翻訳、3)精製、4)プロテアーゼ処理、または5)オリゴマー形成を含んだ。
BODIPY-FL-メチオニン・tRNAは、まず精製tRNAfmet (Sigma Chemicals, St. Louis, MO)をメチオニンを使用してアミノアシル化し、次にメチオニンのα-アミノ基をBODIPY-FL-SSE(4‐ジフルオロ‐5,7‐ジメチル‐4‐ボラ‐3a,4a‐ジアザ‐s‐インダセンプロピオン酸、スルホスクシンイミジルエステル;Molecular Probes, Eugene, OR)を使用して修飾することにより調製した。典型的なアミノアシル化反応(100 μl)は、1500 pM (-1.0 OD260) tRNA、20 mM イミダゾール・塩酸緩衝液(pH 7.5)、10 mM MgCl2、1 mM メチオニン、2 mM ATP、150 mM NaCl 及び 過剰量のアミノアシルtRNAシンテターゼ(Sigma)を含んだ。反応混合物を37℃で45分インキュベートした。インキュベーション後、反応混合物に0.1容積の3 M酢酸ナトリウム(pH5.0)を添加して中和し、クロロホルム:酸フェノール抽出(1:1)を行った。エタノール(2.5容積)を水相に添加し、得られたtRNAペレットを水に溶解した(25 μl)。メチオニンのα-アミノ基へのBODIPY-FL-SSEの結合は、50 μl の反応容積中で、50 mM 重炭酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)を使用して、25 μlのアミノアシル・tRNA fmet(1.5 nM)に10 μlのof BODIPY-FL-SSE (10 mM)を加えて、0℃で10分インキュベートすることにより行われ、反応はリジン(最終濃度=100 mM)の添加により消光した。修飾tRNAをエタノールで沈降して、さらにペレットをリボヌクレアーゼフリー・ウオーターに溶解して、Sephadex G-25ゲル濾過カラム(0.5 × 5 cm)を通過させて、遊離蛍光試薬が残っている場合は、これを除去した。
100 μLの翻訳反応は、E. coli 抽出物(Promega Corp., Wisconsin, WI)を30μl 、アミノ酸を含まないプレミックスを40 μl 、アミノ酸混合物(1 mM)を10 μl 、α-HL をコードするプラズミドDNAを5 μg 、150 pMのBODIPY-FL-メチオニン・tRNAfmet 及びリボヌクレアーゼフリー・ウオーターを含んだ。プレミックス(1×)は、57 mM HEPES(pH 8.2)、36 mM 酢酸アンモニウム、210 mM グルタミン酸カリウム、1.7 mM DTT、4% PEG 8000、1.25 mM ATP、0.8 mM GTP、0.8 mM UTP、60 mM ホスホエノールピルビン酸、0.6 mM cAMP、及び6 mM酢酸マグネシウムを含む。翻訳反応プレミックスから、n‐ホルミル‐テトラヒドロ葉酸塩(fTHF)を省いた。翻訳は、37℃で1時間行われた。DNAを含まずにインキュベートされた翻訳反応混合物を対照とする。
50 μlの翻訳反応混合物(上記より)を、Hls-6-α-HL精製のために、Talon-Sepharose (ClonTech, Palo Alto, CA)クロマトグラフィーにかけた。これは粗抽出物を、150 mM NaCl を含む50 mM トリス・塩酸( pH 8.0 )で予め平衡化したTalon-Sepharose カラム上に装填し、さらに非結合タンパク質を除去するためにカラムを洗浄することにより行った。結合タンパク質は次に上記緩衝液に100 mMイミダゾールを加えることにより溶出された。溶出されたα-HLは、50 mMトリス・塩酸緩衝液(pH 7.5)に対して透析された。
精製蛍光標識α-HL (-5 μg)(実施例3)を、50 nM酢酸緩衝液(pH5.0)(100:1;タンパク質:プロテアーゼ比)中で、0.0.5 μgの精製トリプシン(Sigma Chemicals, St. Louis, MO)を加えて、37℃で5分インキュベートした。タンパク質分解反応は、1X SDSゲルローディングバッファーを加え、試料を5分煮沸することにより停止された。SDS-PAGEは、4〜20%勾配ゲル(ready-gel, Bio-Rad, Richmond, CA)を使用して、Laemmli (Laemmli, U. K. 1970、 Nature 227, 680〜685)により説明されるように行った。ゲル電気泳動後、ゲルを、FluorlmagerF 595 (Molecular Dynamics, Sunnyvale, CA)を使用して目視観察した。
全翻訳反応混合物(10 μl)(上記参照)を、ウサギ赤血球(rRBCs、Charles River Farm, CT)が存在する場合と存在しない場合について、0℃で30分インキュベートした。インキュベーション後、過剰非結合α-HLを除去するために洗浄し、さらに1 mg/ml BSAを含む (TBSA)トリス緩衝生理食塩水(TBS)中でrRBCs を37℃で20分インキュベートし、その期間中にrRBCsの分解が起こった。rRBC膜を遠心分離後に分離して、1X SDS-ゲル ローディングバッファーに溶解して、試料を加熱しないで、SDS-PAGE (4〜20%勾配ゲル)にかけた。ゲル電気泳動後、FluorImager F595を使用してゲルを目視観察した。
[実施例 18]:リジン・tRNAlysを使用する取り込み
この実施例は、リジン-tRNAlysを使用する、新生タンパク質中への蛍光標識の取り込みを説明する。より詳しくは、様々な蛍光分子は、リジン・ tRNAlysを使用して、1)E coli 翻訳系における翻訳中にヘモリジン、及び2)コムギ胚芽系における翻訳中にルシフェラーゼ中に取り込まれる。実験は、1)tRNAマーカー化合物の調製、2)翻訳、及び3)ゲル上の検出を含んだ。
精製tRNAlys (Sigma Chemicals, St. Louis, MO)をまずにリジンでアミノアシル化した。典型的なアミノアシル化反応(100 μl)は、1500 pM (-1.0 OD260) tRNA、20 mM イミダゾール・塩酸緩衝液(pH 7.5)、10 mM MgCl2、1 mM リジン、2 mM ATP、150 mM NaCl 及び過剰量のアミノアシル・tRNAシンテターゼ(Sigma)を含んだ。反応混合物を37℃で45分インキュベートした。インキュベーション後、反応混合物に0.1容積の3 M酢酸ナトリウム(pH 5.0)を添加して中和し、クロロホルム:酸フェノール抽出(1:1)を行った。エタノール(2.5容積)を水相に添加し、得られたtRNAペレットを水に溶解した(25 μl)。リジンのε -アミノ基への様々な蛍光分子のNHS-誘導体(表2を参照)の結合は、50 mM CAPS緩衝液( pH10.5)中で、アミノアシル・tRNAlys(25 μl)に蛍光試薬(最終濃度=2 mM)を加えて0℃で10分インキュベートすることにより行い、反応はリジン(最終濃度=100 mM)の添加により消光した。修飾tRNAをエタノールで沈降して、さらにペレットをリボヌクレアーゼフリー・ウオーター 50μlに溶解して、Sephadex G-25ゲル濾過カラム(0.5 × 5 cm)を通過させて、遊離蛍光試薬が残っている場合は、これを除去した。修飾tRNAは、自然解凍を避けるために少量のアリコートにして凍結保存(-70℃)した。アミノアシル・tRNAの修飾度は、酸‐尿素ゲル電気泳動(Varshney, U., Lee, C.P. 及びRajBhandary, U.L.、 1991 J. Biol. Chem 266, 24712〜24718)により評価された。
典型的な翻訳反応混合物(10 μl)は、E. coli 抽出物(Promega Corp., Wisconsin, WI)を3μl 、プレミックスを4 μl 、アミノ酸ミックス(1 mM)を1μl 、30 PM 蛍光リジン・tRNA 、αヘモリジン(αHL)プラズミドDNAを0.5 μg含んだ。プレミックス(1×)は、57 mM HEPES(pH 8.2)、36 mM 酢酸アンモニウム、210 mM グルタミン酸カリウム、1.7 mM DTT、4% PEG 8000、1.25 mM ATP、0.8 mM GTP、0.8 mM CTP、60 mM ホスホエノールピルビン酸、0.6 mM cAMP、及び6 mM酢酸マグネシウムを含む。翻訳反応は、37℃で45分進行させた。SDS-PAGEには、反応ミックスのアリコート 4〜10 μlを、5容積アセトンで沈降させ、さらに沈殿したタンパク質を遠心分離により収集した。ペレットは、1×ローディングバッファーに溶解して、5分間煮沸後SDS-PAGEにかけた。SDS-PAGEは、Laemmli((Lammli, U.K. 1970、 Nature, 227、 680〜685)に従って行った。
典型的な翻訳反応混合物(10 μl)は、TnTコムギ胚芽抽出物(Promega Corp., Wisconsin-Madison, WI )を5μl 、TnT反応緩衝液を0.4 μl、アミノ酸ミックス(1 mM)を1μl 、T7 RNAポリメラーゼを0.2 μl、30 pM 蛍光リジン・tRNA、及びルシフェラーゼRNA(Promega)を0.5 μg、さらにリボヌクレアーゼフリー・ウオーターを含んだ。翻訳反応は、37℃で45分進行させ、不溶性物質を除去するために反応混合物を5分遠心分離した。清澄抽出物を次に5容積アセトンで沈降させ、さらに沈殿したタンパク質を遠心分離により収集した。ペレットは、1×ローディングバッファーに溶解して、5分間煮沸後SDS-PAGEにかけた。SDS-PAGEは、Laemmli((Lammli, U.K. 1970、 Nature, 227、 680〜685)に従って行った。
新生タンパク質を含むゲルは、アルゴンレーザー(488 nm)を励起源として、FluorImager 595(Molecular Dynamics, Sunnyvale, CA)を使用してスキャンし、さらにポリアクリルアミドゲル内の新生タンパク質は、UVトランスイルミネー夕ーを使用して検出し、Tiffen緑色フィルターを装備したポラロイドカメラ(Polaroid, Cambridge, MA)を使って、写真撮影を行った。図26A及び26Bは、様々な蛍光tRNAlysの存在において生産されるα-HLのインビトロ翻訳の結果を示す。この結果から、NBD、フルオレセイン誘導体等のような色素を含む、ミスアミノアシル・tRNA(フルオロフォア修飾リジン・tRNAlys)を使用して新生タンパク質中に様々な蛍光分子を取り込むことができることは明白である (レーン1:DNAを含まない対照;レーン2:BODIPY-FL-SSE(4,4‐ジフルオロ‐5,7‐ジメチル‐4‐ボラ‐3a,4a‐ジアザ‐s‐インダセンプロピオン酸、スルホスクシンイミジルエステル);レーン3:BODIPY-FL-SE(4‐ジフルオロ‐5,7‐ジメチル‐4ボラ‐3a,4a‐ジアザ‐s‐インダセンプロピオン酸、スクシンイミジルエステル);レーン4:NBD-X-SE(スクシンイミジル6‐(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジメチル-4-yl)アミノヘキサン酸塩;レーン5:BODIPY-TMR-SE((6-994,4-ジフロロ-1,3-ジメチル-5-(4-メトキシフェニル)-4-ボラ-3a, 4a-ジアザ-s-インダセン-2-プロピオニル)アミノ)ヘキサン酸、スクシンイミジルエステル;レーン6:BODIPY-R6G-SE((4,4-ジフロロ-5-フェニル-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン-3プロピオン酸、スクシンイミジルエステル);レーン7:FAM-SE (5-(6-)-カルボキシフルオレセイン、スクシンイミジルエステル);レーン8:SFX-SE (6-フルオレセイン-5-(and 6-)カルボキシアミド)ヘキサン酸、スクシンイミジルエステル);レーン9:PyMPO-SE(1-(3-(スクシンイミジルオキシカルボニル)ベンジル)-4-(5-(4-メトキシフェニル)オキサゾール-2-yl)臭化ピリジニニウム(PyMPO));及びレーン10:TAMRA-SE (6-(テトラメチルローダミン-5-(and-6)-カルボキシアミド)ヘキサン酸、スクシンイミジルエステル)。
2種類のBODIPY分子(すなわち、BODIPY-FL-SSE と BODIPY-FL-SE)について上記の結果が得られたため、取り込みに適するように他のマーカーを誘導体化する試みが行われた。本実施例は、1)標識tRNAの調製、2)翻訳、及び3)標識(またはマーカー)を含む新生タンパク質の検出を含む。
精製tRNAfmet (Sigma Chemicals, St. Louis, MO)をまずにメチオニンでアミノアシル化した。典型的なアミノアシル化反応(100 μl)は、1500 pM (約1.0 OD260) tRNA、20 mM イミダゾール・塩酸緩衝液(pH 7.5)、10 mM MgCl2、1 mM リジン、2 mM ATP、150 mM NaCl 及び 過剰量のアミノアシル・tRNAシンテターゼ(Sigma)を含んだ。反応混合物を37℃で45分インキュベートした。インキュベーション後、反応混合物に0.1容積の3 M酢酸ナトリウム(pH 5.0)を添加して中和し、クロロホルム:酸フェノール抽出(1:1)を行った。エタノール(2.5容積)を水相に添加し、得られたtRNAペレットを水に溶解した(25 μl)。クマリンのNHS誘導体[要するに、スルホスクシンイミジル7-アミノ-4-メチルクマリン-3-酢酸 [1] (AMCA-sulfo-NHS; Pierce Chemicals)、Alexa 350-N-ヒドロキシ-スクシンイミジルエステル (Molecular Probes) 及び スクシンイミジル 7-aメチル-アミノ-酢酸クマリン (AMCA-NHS Molecular Probes)]のメチオニンのα-アミノ基への結合は、50 mM 重炭酸ナトリウム緩衝液(pH 8.5)中で、アミノアシル・tRNA fmet (25 μl)に蛍光試薬(最終濃度=2 mM)を加えて0℃で10分インキュベートすることにより行い、反応は遊離リジン(最終濃度=100 mM)の添加により消光した。AMCA-NHSの場合は、試薬はDMSOに溶解され、結合反応は、40%DMSOの存在下で行われた。修飾tRNAをエタノールで沈降して、をリボヌクレアーゼフリー・ウオーター 50μlに溶解して、Sephadex G-25ゲル濾過カラム(0.5 × 5 cm)を通過させて、遊離蛍光試薬が残っている場合は、これを除去した。修飾tRNAは、自然解凍を避けるために少量のアリコートにして凍結保存(-70℃)した。アミノアシル・tRNAの修飾度は、酸‐尿素ゲル電気泳動(Varshney, U., Lee, C.P. 及びRajBhandary, U.L.、 1991 J. Biol. Chem 266, 24712〜24718)により評価された。
典型的な翻訳反応混合物(10 μl)は、E. coli S-30抽出物(Promega Corp., Wisconsin, WI)を3μl 、プレミックスを4 μl 、 アミノ酸ミックス(1 mM)を1μl 、30 pM 蛍光メチオニン・tRNA 、及びαヘモリジン(α-HL)プラズミドDNAを0.5 μg を含んだ。プレミックス(1×)は、57 mM HEPES(pH 8.2)、36 mM 酢酸アンモニウム、210 mM グルタミン酸カリウム、1.7 mM DTT、4% PEG 8000、1.25 mM ATP、0.8 mM GTP、0.8 mM UTP、0.8 mM CTP、 60 mM ホスホエノールピルビン酸、0.6 mM cAMP、及び6 mM酢酸マグネシウムを含む。翻訳反応は、37℃で45分進行させた。SDS-PAGEには、反応ミックスのアリコート 4〜10 μlを、5容積アセトンで沈降させ、さらに沈殿したタンパク質を遠心分離により収集した。ペレットは、1×ローディングバッファーに溶解して、5分間煮沸後SDS-PAGEにかけた。SDS-PAGEは、Laemmli(Laemmli, U.K. 1970、 Nature, 277、 680〜685)に従って行った。
新生タンパク質を含むゲルは、長波長用UV電球(>300 nm )を装備したUVトランスイルミネー夕ーを使用して目視観察し、Tiffen緑色フィルターを装備したポラロイドカメラ(Polaroid, Cambridge, MA)を使って写真撮影を行った。図27は、様々な蛍光tRNAの存在において生産されたα-HLのインビトロ翻訳の結果を示す(レーン1は、DNAを含まない対照を示し;レーン2は、AMCA-NHSで修飾されたメチオニン・tRNAfmet による結果を示し;レーン3は、AMCA-スルホ-NHSで修飾されたメチオニン・tRNAfmet による結果を示し;さらにレーン4は、Alexa-NHSで修飾されたメチオニン・tRNAfmet による結果を示す)。明らかに、蛍光分子の水溶性NHSエステル(レーン3)によって修飾されたミスアミノアシル・tRNAを使用して、新生タンパク質中にクマリン誘導体分子を取り込むことができる。さらに、負の電荷を有する色素(Alexa、レーン4)は、その中性対(AMCA;レーン3)のようには取り込まないように思われる。
[実施例 20]:毛管電気泳動
この実施例は、易動度シフトによるインビトロ合成蛍光タンパク質の検出のための毛管電気泳動(CE)の用途について説明する。この実施例は、1)BODIPYマーカーを含むtRNAの調製、2)インビトロ翻訳、3)精製、4)プロテアーゼ消化、及び5)易動度シフトアッセイによる検出を説明する。
精製tRNAfmet をまずメチオニンでアミノアシル化した。典型的な反応では、1500 pM (〜1.0 OD260)のtRNAを過剰量のアミノアシル・tRNAシンテターゼを使用して、アミノアシル化ミックス中、37℃で45分インキュベートした。アミノアシル化ミックスは、20 mM イミダゾール・塩酸緩衝液( pH 7.5)、 150 mM NaCl、 10 mM MgCl2、 2 mM ATP 及び 1600 ユニットのアミノアシル・tRNAシンテターゼを含んだ。アミノアシル化度は、酸‐尿素ゲル、さらに35S‐メチオニンを使用することにより測定された。インキュベーション後、混合物に0.1容積の3 M酢酸ナトリウム(pH5.0)を添加して中和し、クロロホルム:酸フェノール抽出(1:1)を行った。エタノール(2.5容積)を水相に添加し、得られたtRNAペレットを水に溶解して(37.5 μl)、修飾に使用した。上記のアミノアシル・tRNA溶液に、1N NaHCO3 2.5 μlを加え(最終濃度=50 mM、pH 8.5)、次に水中で10 mM BODIPY-FL-SSE溶液 10 μl(Molecular Probes)を加えた。混合物を0℃で10分インキュベートして、リジンを添加して反応を消光した(最終濃度=100 mM)。結果生じた溶液に、0.1容積の3 M NaOAc(pH 5.0)を加えて、修飾tRNAを3容積のエタノールで沈降した。沈降物を50ul の水に溶解して、Sephadex G-25ゲル濾過コラム(0.5 × 5 cm)で精製して、遊離蛍光試薬が残っている場合は、これを除去した。修飾tRNAは、自然解凍を避けるために少量のアリコートにして凍結保存(-70℃)した。
500 ulの翻訳反応は、E. coli 抽出物(Promega Corp., Wisconsin, WI)を150 ul 、アミノ酸を含まないプレミックスを200 ul 、 アミノ酸混合物(1 mM)を50 ul 、α-HL をコードするプラズミドDNAを25 ug 、1000 pMのBODIPY-FL-メチオニン・tRNAfmet 及びリボヌクレアーゼフリー・ウオーターを含んだ。プレミックス(1×)は、57 mM HEPES(pH 8.2)、36 mM 酢酸アンモニウム、210 mM グルタミン酸カリウム、1.7 mM DTT、4% PEG 8000、1.25 mM ATP、0.8 mM GTP、0.8 mM UTP、0.8 mM CTP、 60 mM ホスホエノールピルビン酸、0.6 mM cAMP、及び16 mM酢酸マグネシウムを含む。翻訳反応プレミックスから、n‐ホルミル‐テトラヒドロ葉酸塩(fTHF)を省いた。翻訳は、37℃で1時間行われた。DNAを含まずにインキュベートされた翻訳反応混合物を対照とする。
500 μlの翻訳反応混合物(上記ステップ2を参照)を、Hls-6-α-HL精製のために、Talon-Sepharose (ClonTech, Palo Alto, CA)クロマトグラフィーにかけた。これは粗抽出物を、150 mM NaCI を含む50 mM トリス・塩酸( pH 8.0 )で予め平衡化したTalon-Sepharose カラムに装填し、さらに非結合タンパク質を除去するためにカラムを洗浄することにより行った。結合タンパク質は次に上記緩衝液中で100 mMイミダゾールを加えることにより溶出された。溶出されたα-HLは、50 mMトリス・塩酸緩衝液(pH 7.5)に対して透析された。精製かつ透析したαHLの蛍光をMolecular Dynamics FluorImager F595でチェックした。
精製蛍光標識α-HL (〜5 ug)(上記ステップ3を参照)を、50 mMトリス・塩酸緩衝液(pH 7.5)中で、純正トリプシン(Sigma Chemicals, St. Louis, MO)0.1 ugを加えて(50:1;タンパク質:プロテアーゼ比)、室温で10分インキュベートした。タンパク質分解反応は、1X CESDSゲルローディングバッファーを加えて試料を10分煮沸することにより停止された。
SDS-毛管電気泳動(SDS-CGE)は、Bio-Rad BioFocus 3000CEシステムを使用して実施した。毛管は、内径75 um、全長24 cm、及び検出器までの長さ19.5 cmの溶融シリカ製であった。蛍光標識タンパク質試料(α-HL) 50μlを、SDS-CGE試料ローディングバッファーを加えて混合し、95℃で10分インキュベートした。毛管は、各注入前に、0.1 M NaOH、 0.1 M HCl 及び SDS-ランバッファー で、それぞれ60、 60 及び120秒洗浄した。試料は電気泳動注入(10 kVで20秒)を使用して注入した。分離は15 kV (定圧)で25分行った。毛管及び試料は20℃で維持した。試料の検出は、488 nmアルゴンレーザー及び520 nm発光フィルターを使用して行った。
これは、ミスアミノアシル・tRNAを使用して取り込まれるマーカーと共に、N及びC末端マーカーが取り込まれるような条件下でインビトロでタンパク質が生産される実例である。実施例は、1)N末端及びC末端検出マーカーを有するプライマーによるPCR、2)tRNAの調製、3)インビトロ翻訳、4)新生タンパク質の検出を含む。
α-ヘモリジン、pT7-WT-H6-αHLのプラズミドDNAを、以下のプライマーを使用して、PCR増幅した。
フォワードプライマー(HL-5)は:
フォワードプライマーにおける下線配列は、T7プロモーター、太字領域は、リボソーム結合部位(Shine-Dalgarno配列)、太字及び下線配列は、C-mycエピトープを含み、イタリック体で示されるヌクレオチドは、α-ヘモリジン配列の相補領域である。リバースプライマーでは、下線配列は、HisXエピトープ配列に対応する。100 ulのPCR反応混合物は、鋳型DNAを100 ng、0.5 uM 各プライマー、1 mM MgCl2、PCRマスターミックス(Qiagen, CA)を50 ul、及びヌクレアーゼフリー・ウオーター(Nuclease free water)(Sigma Chemicals, St. Louis, MO)水を含んだ。PCRは、ホットリドを取り付けたHybaid Omni-E thermocyler (Hybaid, Franklin, MA)を使用して、以下の条件で行われた:95℃(2 分)の後、95℃(1分)、61℃(1分)、及び72℃(2分)から成るサイクルを35回繰り返し、最終伸長は72℃で7分行った。PCR産物を次に、Qiagen PCR クリーンアップキット (Qiagen, CA)を使用して精製した。精製PCR DNAは、翻訳反応に使用された。
精製tRNAlys(Sigma Chemicals, St. Louis, MO)をまずにリジンでアミノアシル化した。典型的なアミノアシル化反応は、1500 pM (〜1.0 OD260) tRNA、20 mM イミダゾール・塩酸緩衝液(pH 7.5)、10 mM MgCl2、1 mM リジン、2 mM ATP、150 mM NaCl 及び過剰量のアミノアシルtRNAシンテターゼ(Sigma Chemicals, St. Louis, M)を含んだ。反応混合物を37℃で45分インキュベートした。インキュベーション後、反応混合物に0.1容積の3 M酢酸ナトリウム(pH 5.0)を添加して中和し、クロロホルム:酸フェノール抽出(1:1)を行った。エタノール(2.5容積)を水相に添加し、得られたtRNAペレットを水に溶解した(35 μl)。この溶液に、0.5 M CAPS緩衝液(pH 10.5) 5 ulを加えて(最終濃度 50 mM)、その後10 mM BODIPY-FL-SSE溶液 10 ulを加えた。混合物を0℃で10分インキュベートして、リジンを添加して反応を消光した(最終濃度=100 mM)。結果生じた溶液に、0.1容積の3 M NaOAc(pH 5.0)を加えて、修飾tRNAを3容積のエタノールで沈降した。沈降物を50ul の水に溶解して、Sephadex G-25ゲル濾過コラム(0.5 × 5 cm)で精製して、遊離蛍光試薬が残っている場合は、これを除去した。修飾tRNAは、自然解凍を避けるために少量のアリコートにして凍結保存(-70℃)した。アミノアシルtRNAの修飾度は、酸‐尿素ゲル電気泳動によって評価した。Varshney et al.、J. Biol. Chem. 266:24712〜24718 (1991)。
典型的な翻訳反応混合物(20 μl)は、TnTコムギ胚芽抽出物(Promega Corp., Wisconsin-Madison, WI)を10μl、TnT反応緩衝液を0.8 μl、アミノ酸ミックス(1 mM)を2μl 、T7 RNAポリメラーゼを1 μl、30 pM BODIPY-FL-lリジン・tRNAlys、プラズミドまたはPCR DNA(実施例1)を1〜2 ug、さらにリボヌクレアーゼフリー・ウオーター水を含んだ。翻訳反応は、37℃で60分進行させ、不溶性物質を除去するために反応混合物を5分遠心分離した。清澄抽出物を次に5容積アセトンで沈降させ、さらに沈殿したタンパク質を遠心分離により収集した。ペレットは、1×ローディングバッジファーに溶解して、5分間煮沸後SDS-PAGEにかけた。SDS-PAGEは、Laemmli Nature、 227: 680〜685に従って行った。
電気泳動後、ゲルを、励起源としてアルゴンレーザーを備えるFluorImager 595(Molecular Dymanics, Sunnyvale, CA)を使用してスキャンした。BODIPY-FL標識新生タンパク質の可視化には、最大励起に最も近値であるために励起源として488 nmを使用し、発光には、530+/-30フィルタを使用した。ゲルは、PMT 電圧 1000 V、さらに100または200ミクロンピクセルサイズのいずれかを使用してスキャンした。
本発明を特定のプライマーに限定することは意図していない。新生タンパク質中に究極的にマーカーを取り込む目的で、本発明において使用するために、(上記の説明のように)様々なプライマーが考案されている。この実施例は、1)マーカーを有するプライマーによるPCR、2)インビトロ翻訳、及び3)新生タンパク質の検出を含む。
フォワードプライマー:
これは、アフィニティー領域がタンパク質中に取り込まれその後に検出されるような条件下でインビトロでタンパク質が生産される実例である。実施例は、1)エピトープをコードする配列を含むプライマーによるPCR、2)tRNAの調製、3)インビトロ翻訳、4)新生タンパク質の検出を含む。
ヒト結腸由来の全RNA(Clontech, Palo Alto, CA)に、ClonTech RT-PCR キットを使用して、ワンステップRT-PCR反応を行った。フォワードプライマー、PTT-T7-P53は、
2.tRNA 標識
精製tRNAlys (Sigma Chemicals, St. Louis, MO)をまずにリジンでアミノアシル化した。典型的なアミノアシル化反応(100 μl)は、1500 pM (-1.0 OD260) tRNA、20 mM イミダゾール・塩酸緩衝液(pH 7.5)、10 mM MgCl2、1 mM リジン、2 mM ATP、150 mM NaCl 及び過剰量のアミノアシルtRNAシンテターゼ(Sigma)を含んだ。反応混合物を37℃で45分インキュベートした。インキュベーション後、反応混合物に0.1容積の3 M酢酸ナトリウム(pH 5.0)を添加して中和し、クロロホルム:酸フェノール抽出(1:1)を行った。エタノール(2.5容積)を水相に添加し、得られたtRNAペレットを水に溶解した(35 μl)。この溶液に、0.5 M CAPS緩衝液(pH 10.5)を5 ul加えて(最終濃度 50 mM)、その後10 mM BODIPY-FL-SSE溶液を10 ul加えた。混合物を0℃で10分インキュベートして、リジンを添加して反応を消光した(最終濃度=100 mM)。結果生じた溶液に、0.1容積の3 M NAOAc(pH 5.0)を加えて、修飾tRNAを3容積のエタノールで沈降した。沈降物をリボヌクレアーゼフリー・ウオーター 50 μlに溶解して、Sephadex G-25ゲル濾過コラム(0.5 × 5 cm)を通過して、遊離蛍光試薬が残っている場合は、これを除去した。修飾tRNAは、自然解凍を避けるために少量のアリコートにして凍結保存(-70℃)した。アミノアシルtRNAの修飾度は、酸‐尿素ゲル電気泳動 [Varshney, U., Lee, C.P. 及びRajBhandary, U.L.、J. Biol. Chem. 266, 24712〜24718(1991)、またはHPLC[Anal Biochem. 279:218〜225 (2000)] により評価された。
P53 DNAの翻訳(上記ステップ1を参照)は、蛍光tRNAの存在下(上記ステップ2)、ウサギ網状赤血球翻訳抽出物中で行われた。
4.検出
いったん翻訳が終了したら、アリコート(5μl)をSDS-PAGEにかけて、Fluorlmager SI (Molecular Dynamics, Sunnyvale, CA)を使用して、新生タンパク質を目視観察した。目視観察後、ゲルをトランスファーバッファー(12 mM トリス、 100 mM グリシン 及び0.01 % SDS、 pH 8.5)中に10分浸した。ゲルからのタンパク質は、次に標準ウェスタンブロッティング・プロトコルにより、BioRad液浸トランスファーユニットを1時間使用して、PVDF膜に転移された。転移後、次に転移量をチェックするために、膜をフェロジン(Ferrozine)/鉄全タンパク質染色を使用して、1分逆染色し、その後、アンバーブロッキング溶液(トリス緩衝生理食塩水(pH7.5)中、4.5% (容量/容量) teleosteanゼラチン、2% (重量/容量)脱脂粉乳末、0.1% (重量/容量) Tween-20)を使って2時間ブロックして、その後適切に希釈した抗体を加えて、(4℃で12〜15 時間、定速シェーカー上で)一晩インキュベートした。Flag検出には、2000倍希釈抗Flag M2抗体(Sigma)、His-6検出には、500倍抗His6抗体(Santa-Cruz Biotech, CA)、及びc-Myc検出には、500倍希釈抗C-Myc抗体(Santa-Cruz Biotech, CA)を使用した。
タンパク質におけるトランケート型突然変異の検出は、Roestと共同研究者らにより始めて報告され、Vogelstein、 Kinzler及び共同研究者らにより、APC遺伝子におけるトランケート型突然変異の検出に応用された。翻訳タンパク質におけるトランケーションは、フレームシフト、スプライシング、及び点突然変異によって起こり、その結果、遺伝子のリーディングフレーム内における終止コドンの出現を生じる。トランケート型ポリペプチドは、放射線標識(例:35S-メチオニン)が存在するインビトロ系においてターゲット遺伝子に対応するDNAの特異的領域を翻訳し、さらに標準PAGE法を使用して結果生じたポリペプチドを分析することによって検出し得る。そのようなアプローチは、BRCA1/BRCA2、 ATM、MHS2、 MLH1を含む様々なガン関連遺伝子におけるトランケート型突然変異分析について報告されている。しかし、放射性アイソトープの使用は、検出に必要とされる時間(5時間以上)の点から問題があり、これは、高スループット分析には重大である。この理由で、放射能を検出のためのより迅速な手段に置き換えることは非常に好都合であろう。
臨床試料は、常染色体優性ガン症候群である家族性腺腫性ポリープ症(FAP)の特徴である、APC遺伝子における鎖トランケーションについてのスクリーニングのために、ワシントン大学分子診断学検査室から付託された。ゲノムDNAを分離して、APC遺伝子の特定領域(エクソン15-セグメント2)が、まずT7プロモーターとKozak配列をDNA中に取り込んだプライマーを使用して、PCRにより増幅した。フォワードプライマー、T7-APC2は、
精製tRNAlys (Sigma Chemicals, St. Louis, MO)をまずにリジンでアミノアシル化した。典型的なアミノアシル化反応(100 μl)は、1500 pM (-1.0 OD260) tRNA、20 mM イミダゾール・塩酸緩衝液(pH 7.5)、10 mM MgCl2、1 mM リジン、2 mM ATP、15 mM NaCl 及び過剰量のアミノアシルtRNAシンテターゼ(Sigma)を含んだ。反応混合物を37℃で45分インキュベートした。インキュベーション後、反応混合物に0.1容積の3 M酢酸ナトリウム(pH 5.0)を添加して中和し、クロロホルム:酸フェノール抽出(1:1)を行った。エタノール(2.5容積)を水相に添加し、得られたtRNAペレットを水に溶解した(35 μl)。この溶液に、0.5 M CAPS緩衝液(pH 10.5)を5 ul加えて(最終濃度 50 mM)、その後10 mM BODIPY-FL-SSE溶液を10 ul加えた。混合物を0℃で10分インキュベートして、リジンを添加して反応を消光した(最終濃度=100 mM)。結果生じた溶液に、0.1容積の3 M NAOAc(pH 5.0)を加えて、修飾tRNAを3容積のエタノールで沈降した。沈降物をリボヌクレアーゼフリー・ウオーター 50 μlに溶解して、Sephadex G-25ゲル濾過コラム(0.5 × 5 cm)を通過して、遊離蛍光試薬が残っている場合は、これを除去した。修飾tRNAは、自然解凍を避けるために少量のアリコートにして凍結保存(-70℃)した。アミノアシルtRNAの修飾度は、酸‐尿素ゲル電気泳動(Varshney, U., Lee, C.P. 及びRajBhandary, U.L.、 1991 J. Biol. Chem 266, 24712〜24718)により評価された。
PCR産物(上記ステップ1を参照)を精製しないで、BODIPYリジン・tRNA (上記ステップ2を参照)もまた含んでいる、Promegaウサギ網状赤血球TnTクイックシステムの少量アリコートに直接に加えた。より詳細には、PCR後、0.5 〜 1μlのPCR産物を、PCR産物用ウサギ網状赤血球抽出物(Promega)を8μl、1 mM完全アミノ酸ミックスを0.5μl、BODIPY-FL-リジン・tRNAを1μl含む翻訳反応混合物に直接に添加した。翻訳反応を1時間進行させ、反応生成物を14%SDS-PAGEで分析した。Molecular Dynamics Fluorlmagerを使用して、画像診断を1〜2分以下で行った。
図31は、APCタンパク質のフラグメント内に蛍光標識を取り込むためにBODIPY-FL-リジン・tRNAlys を使用した、いくつかの異なるヒトゲノム試料の分析結果を示す。レーン1はDNA欠如対照である。レーン2は、野生型DNAの結果を示し、レーン3〜8は、FAP(結腸ガン)を罹患する患者から分離された様々な突然変異型DNAについての結果を示す。最終レーンは、蛍光分子量マーカーである。図31に示すように、WT DNA(レーン2)は、APC遺伝子フラグメントのセグメント2、正常エクソン15に対応するバンドを生じる。対照的に、全ての他のレーン(レーン6を除く)は、WTバンド及びエクソン15‐セグメント2のトランケート型フラグメントに対応する追加バンドを呈示する。従って、これらの個人は異型接合体性であり、APC遺伝子中に1個のWT及び1個の鎖トランケート型突然変異を担っている。対照的に、レーン6の結果は、どちらの遺伝子についても本領域においてWT配列を示す。大学分子診断学検査室が行った、伝統的放射性PAGE法を使用する患者試料の分析によっても、同様な結論が独立して得られた。
[実施例 25]: ガン遺伝子用ゲルフリーPTT
実施例24(上記)における蛍光標識による放射能の置換は現在のPTTテクノロジーの改良を示すが、未だにハイスループットスクリーニングへの適用が困難であるゲルの使用に依存している。この理由で、この実施例は、化学ルミネッセント検出の使用に基づく非ゲルアプローチを実証する。本アプローチでは、ガン関連タンパク質またはタンパク質由来のポリペプチドフラグメントは、特別にデザインされたプライマーとtRNAを使用して、N末端、C末端及びタンパク質の2端間に取り込まれた異なる検出及び結合タグを有する対応する遺伝子から、インビトロで発現される。検出及び結合タグは、トランケートしているタンパク質分画またはタンパク質フラグメントを定量する手段を供給し、タンパク質の2端間に位置するタグがトランケーション領域を決定するために使用される。例えば、全長タンパク質は、N及びC末端タグの両方を含むが、トランケート型タンパク質はN末端タグのみを含む。タンパク質の2端間にあるランダムリジンに取り込まれたタグからのシグナル(鎖内シグナル)は、トランケートフラグメントのサイズに比例して減少するであろう。結合による鎖トランケーションの妨害を回避するために、N末端に近位にあるマーカーでタンパク質を捕捉することがさらに重要である。
A.APC セグメント3
まず、ゲノムDNA(WT及び突然変異APC遺伝子を有する細胞株から分離されたもの)を以下のプライマーを使用してPCR増幅した。フォワードプライマー、, PTT-T7-APC3は、
フォワードプライマーにおける下線配列は、T7プロモーター、イタリック体で示されるヌクレオチドは、His-6タグに対応し、太字の配列は、FLAG-トエピトープをコードし、残りのプライマーは、APCセグメント3DNAの相補領域である。リバースプライマーでは、下線配列は、c-Mycエピトープ配列に対応する。50 μlのPCR反応混合物は、200〜500 ngの 鋳型DNA(WTまたは突然変異体)、0.5μM 各プライマー、及び25μl のPCRマスターミックス(Qiagen, CA)、さらにヌクレアーゼフリー・ウオーター(Sigma Chemicals, St. Louis, MO)水を含んだ。PCRは、ホットリドを取り付けたHybaid Omni-E thermocyler (Hybaid, Franklin, MA)を使用して、以下の条件で行われた:95℃(3分)の後、95℃(45秒)、55℃(1分)、及び72℃(2分)から成るサイクルを40回繰り返し、最終伸長を72℃で7分行った。PCR産物を、1%アガロースゲルで分析して、PCR増幅DNAは、さらに精製することなく翻訳反応に使用された。
p53 DNAは、実施例23(上記)に説明するように調製した。
2.tRNAの調製
BODIPY-FL-リジン・tRNAlysは、実施例23(上記)に説明するように調製した。ビオチンリジン・tRNAlys and PC-ビオチン-リジン・tRNAlys の調製は、以下のように行った。精製tRNAlys(Sigma Chemicals, St. Louis, MO)をまずにリジンでアミノアシル化した。典型的なアミノアシル化反応は、1500 pM (-1.0 OD260) tRNA、20 mM イミダゾール・塩酸緩衝液(pH 7.5)、10 mM MgCl2、1 mM リジン、2 mM ATP、150 mM NaCl 及び過剰アミノアシルtRNAシンテターゼ(Sigma Chemicals, St. Louis, M)を含んだ。反応混合物を37℃で45分インキュベートした。インキュベーション後、反応混合物に3M酢酸ナトリウムの0.1容積(pH 5.0)を添加して中和し、クロロホルム:酸フェノール抽出(1:1)を行った。エタノール(2.5容積)を水相に添加し、得られたtRNAペレットを水に溶解した(35 μl)。この溶液に、0.5 M CAPS緩衝液(pH 10.5) 5μlを加えて(最終濃度 50 mM)、その後ビオチンまたは光開裂型ビオチンのいずれかの10 mM溶液10 μlを加えた。混合物を0℃で10分インキュベートして、リジンを添加して反応を消光した(最終濃度=100 mM)。結果生じた溶液に、0.1容積の3 M NaOAc(pH 5.0)を加えて、修飾tRNAを3容積のエタノールで沈降した。沈降物を水 50ulに溶解して、Sephadex G-25ゲル濾過コラム(0.5 × 5 cm)で精製して、遊離」蛍光試薬が残っている場合は、これを除去した。修飾tRNAは、自然解凍を避けるために少量のアリコートにして凍結保存(-70℃)した。アミノアシルtRNAの修飾度は、酸‐尿素ゲル電気泳動(Varshney, U., Lee, C.P. 及びRajBhandary, U.L.、 1991 J. Biol. Chem 266, 2471224718)により評価された。
典型的な翻訳反応混合物(20μl)は、16μlのPCR DNA 用TNTウサギ網状赤血球抽出物(Promega, Madison, WI)、1μlのアミノ酸ミックス(1 mM)、1〜2μlのPCR DNA(上記に説明するAPC及びp53調製法を参照のこと)及びリボヌクレアーゼ・フリーウオーター(Rnase-free water)を含んだ。蛍光検出には、翻訳反応混合物中にBODIPY-FL-リジン・tRNAlys が含まれた。翻訳反応は、30℃で60分進行させた。
図33Aは、RT-PCR中にp53タンパク質中に取り込まれた鎖トランケーションを検出するためにデザインされた当初の実験の結果を示す。この場合、N末端FLAGエピトープは、捕捉のために使用され(実験セクションの始めに記載の96ウェルELISAプレートを使用する捕捉アッセイの説明を参照のこと)、His6 及び c-mycはそれぞれN末端及びC末端マーカーとして使用された。N末端Hisタグの検出は、ペルオキシダーゼ標識ニッケルキレートベース・検出用プローブ(India (登録商標) His Probe-HRP, Pierce, Rockford, IL)を使用して達成された。C末端の検出は、ヒトc-mycエピトープに対するウサギポリクローナル抗体の後、ペルオキシダーゼ標識マウス抗[ウサギIgG]二次抗体を使用して達成された。観察されるように、C/N末端シグナル比は、WTと比較してトランケート型タンパク質では約25倍低下される。本アッセイのさらに最適化した結果、1/100突然変異体/WT p53タンパク質のトランケート型突然変異を検出するために十分な感度が得られ、従って非侵襲性結腸ガンスクリーニングへの適用を可能とするにちがいない。
[実施例 26]: 蛍光免疫沈降法
本実施例では、免疫沈降法におけるフルオロタグtRNAの使用を説明する。本実験では、標識tRNAの存在において、いったん新生タンパク質が合成されると、特異的抗体を使用して、それはプロテイン‐Gビーズ上に捕捉された。全ての他(非結合)物質は除去される。所望する結合タンパク質は、次にSDS-処理によってビーズから遊離され、さらにPAGEにより分析される。
BODIPY標識開始tRNAを使用する際、内在性開始tRNA(非標識)間に競合を生じ、標識の取り込み低下を起因する。この競合を克服するために、本発明は、アンバー終止コドン及び対応するサプレッサーtRNAの使用を考案する。
1.BODIPY-バリン-pdCpAの調製
第一ステップは、サプレッサーtRNAへの付着用のBODIPY-アミノ酸抱合体の調製を含む。この合成は図35に示す。合成は、5-メチル-1(2-ニトロフェニル)エタノール(化合物 2)の調製から始まる。まず、5-メチル-2-ニトロアミノアセトフェノン(Olejnik, J.、S. Sonar、E. Krzymanska-Olejnik、及び K. J. Rothschild. 1995 Proc Natl Acad Sci U S A. 92:7590〜4; Olejnik, J.、E. Krzymanska-Olejnik、及びK. J. Rothschild. 1998. Methods Enzymol. 291:135〜54)を5 mlのエタノールに溶解した。この溶液に、分析TLCが5-メチル-1(2-ニトロフェニル)エタノールへの完全転化を示すまで、5 mgの水素化ホウ素ナトリウムを少量ずつ添加した。反応は、5 mlのアセトンを加えることにより停止し、1 N HClでpH=3.0に酸性化後、クロロホルムで抽出した。有機層を乾燥し、黄色様油としてターゲット化合物が得られるまで蒸発した。この化合物はさらに精製しないで使用された。
15 OD260 のNpe-バリン-pdCpAを、500 ul の25 mM NaOAc(pH = 4.5)に溶解し、365 nm光線(BlakRay XX-15、 UVP)を使用して20分照射した。166 ulのBODIPY-FL-SE (@10mg/ml;7当量、が添加された)後、140 ulの1N NaHCO3を加えた。BODIPYFLSE溶液の他の部分(2 x 166 ul、合計 21当量)を5分、10分後にそれぞれ加え、さらに反応混合物を室温で45分渦を巻くように混合した。生成物(化合物 7)を、分離用HPLC Novapak C18(10x100mm、50 mM TEAA中のアセトニトリルの直線勾配(ph 5.4)で90分、速度ml/min)を使用して分離し、260 及び505 nmにおける吸光によりキャラクタライズした。収率7.25 OD260。
突然変異型tRNAfmet(遺伝子を含むnusAオペロンのPstIフラグメント(S. Ishi et al. PNAS v.81、 pp409〜413、 1984)を、pGEM4ベクター(Promega, Madison, wl)中にクローンした。E. coli XL-blue 2細胞の一晩培養液(100 ml)から、フェノール抽出及びエタノール沈降により全tRNAを分離した。サプレッサーtRNA fmet を、天然PAGE(Seong 及び RajBhandary、PNAS v.84 pp.334〜338、1987)を使用して精製した。
1 OD260 の精製開始サプレッサーtRNAを、 50 uLの50 mMトリス・塩酸(pH7.5);10 mM MgCl2 及び 100 mM NaClに溶解した。この溶液に、0.5ユニットのVPD Iを抑え、さらに混合物を0℃で30分インキュベートした。フェノール抽出後、tRNAをEtOHで沈降、乾燥して、さらに100 uLの水に溶解した。3’末端からの選択的(-CA)ジヌクレオチド除去を、8%、7Mの尿素PAGE分析で確認した。
図36の機構に示すように、tRNAは、連結反応において、BODIPY-アミノ酸抱合体で電荷される。0.5 OD260のtRNAに、100 ulのリゲーションバッファー(50 mM トリス・塩酸( pH 7.8); 10 mM MgCl2; 10 mM DTT; 1 mM ATP 30% の DMSO )中の0.5 OD260 ユニットのpdCpA 及び200ユニットのT4 RNA リガーゼ(New England Biolabs, Beverly, MA )を加えて、37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、tRNAを3〜4容量のEtOHで沈降し、50ulの水に溶解して、G25 MicroSpinカラム(Amersham Pharmacia Biotech Inc.)を使用して、スピン濾過を行った。結合tRNAをアリコートに分けて、-70℃で保存した。生成物は、開始/アンバーサプレッサーtRNAと言及される。
翻訳は、20 ul総量の無細胞E. coli S30抽出物(Promega, Madison, WI)中において行った。混合物は、特定のタンパク質(1 ug)をコードするDNA及び化学的アミノアシル化によって調製された開始アンバーサプレッサーtRNA(1 ug)を含んだ。混合物を37℃で1時間インキュベートし、次に1 ulをローディングバッファーと混合して、加熱変性してから14%SDS-PAGE(150 V、1 時間)にかけた。ゲルを次に簡単にリンスして、BODIPY標識の場合は、Fluoroimagerを使用して分析した。PC-ビオチンの場合は、ゲルをPVDF膜上にブロットして、ストレプトアビジン‐HRPを使用してビオチンを検出した。
レーン8は、DHFR DNA + BODIPY-リジン・tRNAについての結果を示す。レーン9は、アンバー‐1 DHFR DNA+BODIPY-リジン・tRNAを示し、レーン10は、アンバー‐1 DHFR DNA+BODIPY-バリン・開始/アンバーサプレッサーtRNAについての改良された結果を示す。
ヒトゲノムプロジェクトの完了は、創薬における新しい時代を開幕する。薬物ライブラリーが一つのタンパク質に対してスクリーンされる従来の方法とは対照的に、今では全プロテオームのスクリーニングが利用可能である。しかし、そのような薬物‐プロテオームスクリーニングは、ゲノムのプロテオームへの迅速な転換、特別標識タンパク質の工作及び1時間当たりに何千もの試料のスクリーニングを必要とするために、従来のテクノロジーを使って達成することは困難である。
Claims (20)
- a)核酸鋳型、
b)5’側から
i)プロモータに対応する配列、
ii)リボソーム結合部位に対応する配列、
iii)開始コドン
iv)第1エピトープマーカーをコードする配列、
v)前記第1エピトープマーカーと異なる第2エピトープマーカーをコードする配
列、及び
vi)前記鋳型に相補的な領域
を備える第1オリゴヌクレオチドプライマー、ならびに
c)5’側から
i)少なくとも1つの終止コドン、
ii)前記第1及び第2エピトープマーカーと異なる第3エピトープマーカーをコー
ドする配列、及び
iii)前記鋳型に同一な領域
を備える第2オリゴヌクレオチドプライマーを含む反応混合物。
- 前記第1プライマーの相補的な領域は、長さが15塩基よりも長い請求項1に記載の反
応混合物。
- 前記第2プライマーの同一な領域は、長さが15塩基よりも長い請求項1に記載の反応
混合物。
- 前記第1及び第3エピトープマーカーは、配列番号5、6、7、8及び9からなる群か
ら選択される請求項1に記載の反応混合物。
- 前記鋳型は、遺伝子の領域を含み、該遺伝子は、APC遺伝子、NF1遺伝子、NF2
遺伝子、BRCA1遺伝子及びBRCA2遺伝子からなる群から選択される請求項1に記
載の反応混合物。
- (a)(1)核酸鋳型、
(2)5’側から
i)プロモータに対応する配列、
ii)リボソーム結合部位に対応する配列、
iii)開始コドン
iv)第1エピトープマーカーをコードする配列
v)前記第1エピトープマーカーと異なる第2エピトープマーカーをコー
ドする配列及び
vi)前記鋳型に相補的な領域
を備える第1オリゴヌクレオチドプライマー、
(3)5’側から
i)少なくとも1つの終止コドン及び
ii)前記第1及び第2エピトープマーカーと異なる第3エピトープマーカ
ーをコードする配列及び
iii)前記鋳型に同一な領域
を備える第2オリゴヌクレオチドプライマーならびに
(4)ポリメラーゼ
を準備し、
(b)前記テンプレートを、増幅鋳型を産生する条件下で、第1プライマー、第2プラ
イマー及びポリメラーゼと混合することを含み、前記増幅鋳型は、第1、第2及び第3エ
ピトープマーカーをコードする、
エピトープマーカー用コード配列の核酸への導入方法。
- 前記第1プライマーの相補的な領域は、長さが15塩基よりも長い請求項6に記載の方
法。
- 前記第2プライマーの同一な領域は、長さが15塩基よりも長い請求項6に記載の方法
。
- 前記第3エピトープマーカーは、配列番号5、6、7、8及び9からなる群から選択さ
れる請求項6に記載の方法。
- 前記鋳型は、遺伝子領域からなり、該遺伝子は、APC遺伝子、NF1遺伝子、NF2
遺伝子、BRCA1遺伝子及びBRCA2遺伝子からなる群から選択される請求項6に記
載の方法。
- 前記第2エピトープマーカーは、アフィニティーマーカーである請求項6に記載の方法
。
- (a)請求項6の増幅鋳型及び翻訳系を準備し、
(b)前記増幅鋳型を、新生タンパク質を生成する条件下で、前記翻訳系に導入し、そ
れによって、新生タンパク質は、第1エピトープマーカー、第2エピトープマーカー及び
第3エピトープマーカーを備えることを含む方法。
- さらに(c)トランケート型タンパク質の検出を可能にするゲルフリーの条件下で、新
生タンパク質を試験することを含む請求項12に記載の方法。
- 前記翻訳系が、無細胞翻訳系である請求項12に記載の方法。
- 無細胞翻訳系が、大腸菌(Escherichia coli)溶解物、コムギ胚芽抽出物、昆虫細胞溶
解物、ウサギ網状赤血球溶解物、カエル卵母細胞溶解物、イヌ膵臓溶解物、ヒト細胞溶解
物、精製あるいは半精製翻訳因子の混合物及びそれらの組み合わせからなる群から選択さ
れる請求項14に記載の方法。
- (b)の後、さらに(c)第3エピトープマーカーに反応性の抗体を添加する請求項1
2に記載の方法。
- 抗体が、HIS−Tag、C−myc−Tag、FLAG−Tag、STREP−Ta
g及びHA−Tagからなる群から選択されるエピトープ配列に反応性がある請求項16
に記載の方法。
- (a)請求項6の増幅鋳型、
アフィニティーマーカーを含むミスアミノアシル化tRNA及び
翻訳系を準備し、
(b)増幅鋳型及びミスアミノアシル化tRNAを、アフィニティーマーカーが反応混
合物中の新生タンパク質に導入される条件下で、前記翻訳系に導入し、それによって、新
生タンパク質は、第1エピトープマーカー、第2エピトープマーカー及びアフィニティー
マーカーを備えることを含む方法。
- 前記アフィニティーマーカーがビオチニル部分を含む請求項18の方法。
- ミスアミノアシル化tRNAは、BODIPY−FL−lysyl−tRNAを含む請求項
18の方法。
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