<実施形態1>
以下、図面を用いて、本発明の実施形態1に係る遊技台(パチンコ機100)について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の実施形態1に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。本体104は、内枠と呼ばれ、外枠102の内部に備えられ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。また、本体104が開放された場合、本体104の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
前面枠扉106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。なお、この前面枠扉106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。また、前面枠扉106が開放された場合、前面枠扉106の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、下皿128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部から観察することができる。
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300に出力するRWMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口226と、普図始動口228と、第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、可変入賞口234を配設している。
一般入賞口226は、本実施例では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口230は、本実施例では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口230の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口232は、左右に開閉自在な羽根部材232aを備え、羽根部材232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当たり図柄を停止表示した場合に羽根部材232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口234は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、開閉自在な扉部材234aを備え、扉部材234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口を設けている。
このパチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
<演出装置206>
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。
この演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽手段は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。
ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。
ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技盤200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が第1特図始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、主に遊技の進行(例えば、遊技者による操作の検出、遊技状態の遷移、遊技媒体の払出制御、当否判定など)を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部660と、によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば第2特図始動口232の羽根部材232aや可変入賞口234の扉部材234a等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
なお、第1特図始動口230に球が入賞したことを球検出センサ320が検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路318に出力する。この信号を受信したカウンタ回路318は、第1特図始動口230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(詳細は後述する)。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発信器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418(例えば、チャンスボタンランプ138)の制御を行うための駆動回路420と、遮蔽装置246の駆動制御を行うための駆動回路432と、遮蔽装置246の現在位置を検出する遮蔽装置センサ430と、チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、遮蔽装置センサ430やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、CPU404からの信号に基づいてROM406に記憶された画像データ等を読み出してVRAM436のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP434(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)と、を接続している。
次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506が設けられている。
また、基本回路502には、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路516と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、演出可動体センサ424からの検出信号を基本回路502に出力するセンサ回路518と、遊技盤用ランプ532の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路530と、遊技台枠用ランプ542の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路540と、遊技盤用ランプ駆動回路530と遊技台枠用ランプ駆動回路540との間でシリアル通信による点灯制御を行うシリアル通信制御回路520と、を接続している。
<払出制御部、発射制御部、電源制御部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源制御部660について説明する。
払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源制御部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源制御部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第2副制御部500と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
<図柄の種類>
次に、図5(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。 同図(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。
第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本発明にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間(本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間(これも本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本発明にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。同図(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されており、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当たり図柄であり、「特図B」は15R大当たり図柄である。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当たり遊技終了後および15R大当たり遊技終了後はいずれも時短状態に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、時短状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当たり図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当たり図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に付与する利益量が相対的に大きな利益量になる図柄である。
「特図C」は突然確変と称される2R大当たり図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当たり図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。
「特図E」は隠れ確変と称される2R大当たり図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当たり図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、時短状態に移行しない状態である。
「特図G」は第1小当たり図柄であり、「特図H」は第2小当たり図柄であり、何れも特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当たりは、2R時短無し大当たりと同じものに相当する。すなわち、この「特図G」、「特図H」は「特図F」と同じ状態であるが、両者では装飾図柄表示装置208に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」と「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者に付与する利益量が相対的に小さな利益量になる図柄である。
なお、本実施形態のパチンコ機100には、15R特別大当たり図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当たり図柄等の他の図柄についても同様である。
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、「特図B」の15R大当たりを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに15R大当たりに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当たりを報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当たり、「特図F」の突然通常と称される2R大当たり、あるいは「特図G」の第1小当たり、「特図H」の第2小当たりを報知する場合には、「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当たり、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当たりを報知する場合には、「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。一方、「特図I」の第1はずれ、「特図J」の第2はずれを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに同図(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
図5(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図A」と、外れ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普通図柄表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図B」を停止表示する。この同図(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
<主制御部の基本回路>
次に、上述の主制御部300の基本回路302について詳細に説明する。図6は、主制御部300から基本回路302の主要部のみを抜き出して示した図である。
主制御部300の基本回路302は、主制御部300全体の制御を行うCPU304と、CPU304が実行する制御プログラムやCPU304が参照する各種データを記憶するためのROM306と、CPU304が一時的にデータを記憶するためのRAM308と、を有している。
<主制御部のCPUの内蔵レジスタ>
CPU304は、カウンタ回路、タイマ回路、シリアル通信回路、乱数回路、演算回路、リセット/割込みコントローラ等を制御するための制御レジスタのほか、CPU304が制御プログラムを実行する際に使用するレジスタなどの内蔵レジスタを備える。内蔵レジスタには、本発明の特徴点の一つであるTレジスタ(特殊レジスタ)と、汎用レジスタと、プログラムカウンタ(PC)、命令レジスタ等が含まれる。汎用レジスタの種類は特に限定されないが、本実施形態では、Iレジスタ、Aレジスタ、Fレジスタ、Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタの8ビットレジスタを備えており、BレジスタとCレジスタ、DレジスタとEレジスタ、HレジスタとLレジスタは、それぞれ、16ビット長の演算が可能なBCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタの16ビットレジスタ(ペアレジスタ)としても機能するように構成されている。
また、本実施形態では、内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(所定のデバイスから読み込んだ割込みベクタ)の値を下位8ビット、Iレジスタ(割込みベクタレジスタ、インタラプトレジスタ)の内容を上位8ビットとした合計16ビットのアドレスを、割込処理のアドレスとして読み込んで、後述する割込処理に分岐(ジャンプ)するように構成している。例えば、Iレジスタの値が00H、割込みベクタの値が60Hのときに割込処理の要求が発生した場合には、0060H(上位バイトがIレジスタの00H、下位バイトが割込みベクタの60H)で示されるアドレスに記憶された値(例えば、12H)を下位バイト、続く0061Hで示されるアドレスに記憶された値(例えば、04H)を上位バイトとする2バイトのアドレス(例えば、0412H)がPCにロードされ、このアドレスを先頭アドレスとする割込処理に分岐(ジャンプ)するように構成している。
Fレジスタは、命令が実行されると、その実行結果に従ってFレジスタ内のビット7から順にSフラグ(サインフラグ)、Zフラグ(ゼロフラグ)、SZフラグ(セカンドゼロフラグ)、Hフラグ(ハーフキャリフラグ)、ビット3(空きビット)、P/Vフラグ(パリティ/オーバーフローフラグ)、Nフラグ(サブトラクトフラグ)、Cフラグ(キャリーフラグ)の各フラグが、1または0に変化したり、あるいは変化しなかったりする。SZフラグは、Zフラグが変化する命令ではZフラグ同様に変化するとともに、Z80互換命令の全てのLD命令、全ての16ビット算術演算命令(INC命令、DEC命令も含む)、ローテートシフト命令のRLCA命令、RLA命令、RRCA命令、RRA命令、「IN A,(n)」命令で変化する。
なお、16ビット演算命令のADC命令、SBC命令は、Zフラグが変化し、他の命令ではZフラグは変化せず、16ビット演算命令の全てでSZフラグは変化する。また、「IN A,(n)」命令は、SZフラグが変化し、Zフラグが変化しない。Fレジスタ内のSZフラグや空きビットの位置は上記したビット以外のビットであってもよい。なお、後述する特殊命令の場合にSZフラグが変化しないようにしてもよい。
また、本実施形態では、A、F、B、C、D、E、H、Lの各汎用レジスタ(主レジスタ)に対応する補助レジスタ(裏レジスタ)として、A´、F´、B´、C´、D´、E´、H´、L´の各汎用レジスタを備えているが、特殊レジスタであるTレジスタのみ補助レジスタを備えていない。よって、Tレジスタの使用用途は限定され、Tレジスタの使用頻度は汎用レジスタに比べて低くなるため、不用意にTレジスタの値が書き換えられてしまうような事態(Tレジスタの内容が破壊されてしまうような事態)を未然に防止できる場合がある。なお、補助レジスタの値は各種命令によって直接読み書きすることができず、特殊な交換命令(EX命令、EXX命令)によって主レジスタの値と補助レジスタの値を交換することのみが許されている。ここでは、説明の便宜上、レジスタの値をPUSH命令・POP命令等の命令で変更し易いレジスタを汎用レジスタとしたが、これに限らず、Aレジスタ(アキュムレータ)とFレジスタ(フラグレジスタ)など特別な役割を持つレジスタを汎用レジスタに含めなくてもよい。
また、ここでは、TレジスタをCPU304に内蔵する例を示したが、例えば、CPU304の外部に設けてもよいし、CPU304とは別体のRAM308の一部に設けてもよい。すなわち、Tレジスタは、制御プログラムを記憶するための記憶手段(本実施形態ではROM306)と物理的に異なる場所に設けられていることが好ましい。さらには、Tレジスタに(後述する)特定の値を書き込む処理を行う制御部と、ROM306から制御プログラムを読み出して遊技制御を行う制御部と、が異なることが好ましい。制御部を異ならせることで、制御プログラムの改造と特定の値の不正取得の両方を行うことを困難にすることができるためである。
<主制御部のCPUのメモリ空間とI/O空間>
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304のメモリ空間とI/O空間について説明する。なお、同図(a)はCPU304のメモリマップを示した図であり、同図(b)は(a)に示すメモリマップのうちのRWM領域の詳細を示した図であり、同図(c)はCPU304のI/Oマップを示した図である。
主制御部300のCPU304は、上述の内蔵レジスタ、ROM306、RAM308などにアクセスするためのメモリ空間と、上述のI/O310との間で制御信号の入出力を行うためのI/O空間を有している。具体的には、同図(a)のメモリマップに示すように、主制御部300のROM306のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のROM領域(本実施形態では、0000H〜1FFFH(Hは16進数を示す。以下、同じ))に割り当てられ、CPU304は、このROM領域を指定してROM306からのデータの読み出しを行う。
また、内蔵レジスタのアドレス/データ信号線は、メモリ空間のレジスタエリア(本実施形態では、2000H〜20FFH)に割り当てられ、CPU304は、このレジスタエリアを介して内蔵レジスタからのデータの読み出しやレジスタへのデータの書き込みを行う。
また、RAM308のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のRWM領域(本実施形態では、7E00H〜7FFFH)に割り当てられ、CPU304は、このRWM領域を指定してRAM308からのデータの読み出しやRAM308へのデータの書き込みを行う。なお、メモリ空間の他の領域(本実施形態では、2100H〜7DFFH、8000H〜FFFFH)は非使用領域とされている。
また、同図(b)のメモリマップに示すように、RWM領域の一部は、さらに、ワークエリア(本実施形態では、7E00H〜7F3CH)と、仮スタックエリア(本実施形態では、7FC4H〜7FDFH)と、スタックエリア(本実施形態では、7FE0H〜7FFFH)に割り当てられている。なお、RWM領域の他の領域(本実施形態では、7F3DH〜7FC3H)は非使用領域とされている。
また、同図(c)のI/Oマップに示すように、主制御部300のI/O310は、I/O空間のワークエリア(本実施形態では、00H〜0AH)に割り当てられ、CPU304は、このI/O空間を介して、I/O310との間で制御信号の入出力を行う。なお、I/O空間の他の領域(本実施形態では、0BH〜FFH)は非使用領域とされている。
なお、この例では、I/OマップドI/O方式(I/O空間にI/Oデバイスを割り当てる方式)によってI/Oデバイスからのデータの読み出しやI/Oデバイスへのデータの書き込みを行う例を示したが、このI/OマップドI/O方式に替えて(または加えて)、メモリマップドI/O方式(メモリ空間にI/Oデバイスを割り当てる方式)を採用してもよい。
例えば、図8は、RWM領域の一部にI/O空間を割り当てた例を示した図である。同図(a)では、7E00H〜7FFFHの512バイトの領域全てをRAM308にアクセスするためのメモリ空間として割り当て、同図(b)では、7E00H〜7E3FHの64バイトの領域をI/OデバイスにアクセスするためのI/O空間として割り当てるとともに、残りの7E40H〜7FFFHの448バイトの領域をRAM308にアクセスするためのメモリ空間として割り当てている。また、同図(c)では、7E00H〜7E7FHの128バイトの領域をI/OデバイスにアクセスするためのI/O空間として割り当てるとともに、残りの7E80H〜7FFFHの384バイトの領域をRAM308にアクセスするためのメモリ空間として割り当てている。また、同図(d)では、7E00H〜7EBFHの192バイトの領域をI/OデバイスにアクセスするためのI/O空間として割り当てるとともに、残りの7EC0H〜7FFFHの320バイトの領域をRAM308にアクセスするためのメモリ空間として割り当てている。このように、メモリマップドI/O方式を採用した場合でも、RWM領域の先頭アドレスに変化はなく、本実施形態では7E00Hであり、その上位バイトは7EHである。
<初期化処理>
次に、図9を用いて、主制御部300の初期化処理について説明する。なお、同図は初期化処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(システムリセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、後述するセキュリティモードまたはユーザモードに移行する前に、この初期化処理を実行する。
具体的には、ステップS51では、CPU304に内蔵されたTレジスタに、特定の値(本実施形態では、上述のRWM領域の先頭アドレス7E00Hの上位バイトである7EH)を記憶する。ステップS52では、Tレジスタ以外の他のレジスタに初期値をセットした後にステップS53に進み、後述する主制御部メイン処理を実行する。
なお、Tレジスタに記憶する特定の値は7EHに限定されないことは言うまでもなく、例えば、上述のレジスタエリアの先頭アドレス(本実施形態では2000H)の上位バイトである20HをTレジスタに記憶するように構成すれば、後述するRAM308へのアクセスと同様の原理で、内蔵レジスタへのアクセス効率を高めることができる場合がある。また、第一のタイミングではTレジスタにRWM領域の先頭アドレスの上位バイトを設定し、その後(または、その前)の第二のタイミングでTレジスタにレジスタエリアの先頭アドレスの上位バイトを設定するように構成してもよい。また、所定条件が成立している場合(例えば、所定の端子にLレベルの信号が入力されている場合)にはTレジスタにRWM領域の先頭アドレスの上位バイトを設定し、所定条件が成立していない場合には、Tレジスタにレジスタエリアの先頭アドレスの上位バイトを設定するように構成してもよい。
また、この初期化処理において制御プログラムによらずに(自動的に)TレジスタにRWM領域の先頭アドレスの上位バイトを設定(または/およびTレジスタにレジスタエリアの先頭アドレスの上位バイトを設定)し、この初期化処理後に制御プログラム(例えば、後述するステップS101の初期設定1処理、ステップS107の初期設定2処理、ステップS113の初期化処理など)によって(手動で)Tレジスタにレジスタエリアの先頭アドレスの上位バイトを設定(または/およびTレジスタにRWM領域の先頭アドレスの上位バイトを設定)するように構成してもよい。
ここで、上述のリセット割込みには、システムリセット割込み(システムリセット端子に一定期間のリセット信号を入力するなど、外部イベントが要因となって行われるリセット割込み)と、ユーザリセット割込み(ユーザリセット端子に一定期間のリセット信号を入力するなど、外部イベントが要因となって行われるリセット割り込みや、WDTのタイムアウトや指定エリア外のアクセスなど、内部イベントが要因となって行われるリセット割込み)の2種類の割込みがある。システムリセット割込みによるリセットでは、制御レジスタや汎用レジスタを含む全ての内部回路が初期化され(例えば、レジスタに応じた初期値(例えばIレジスタに00Hがセットされる))、ユーザリセット割込みによるリセットでは、内部回路の一部が初期化される。
なお、システムリセットによる初期化処理を実行した後は、所定条件が成立している場合(例えば、所定の端子にLレベルの信号が入力されている場合)はセキュリティモードに移行し、所定条件が成立していない場合はユーザモードに移行する。ここで、セキュリティモードは、ユーザプログラムの認証を行うモードである。具体的には、システムリセット入力時にユーザプログラムを基に計算された認証コードが正しいかどうかの再計算を行い、結果(セキュリティチェックの結果)がOK(異常なし)の場合、このモードを終了して自動的にユーザモードに移行し、セキュリティチェックの結果がNG(異常あり)の場合、CPU304が停止するように構成している。なお、認証コードは、ROM書き込み時にユーザプログラム(以下、「制御プログラム」と称する場合がある)とともにROM306に書き込まれる。
また、ユーザモードは、ROMのリセットアドレス(上述のROM領域の先頭アドレスである0000H)からユーザプログラムを実行するモードであり、後述する主制御部メイン処理が開始される。なお、本実施形態では、CPU304がユーザプログラムを実行する際に1回の処理(1ステート)で命令レジスタに読みこむデータのバイト長を1バイト(8ビット)長としているが、1ステート当りのデータ長は特に限定されず、例えば、16ビット長や32ビット長でもよい。
また、本実施形態では、上述の初期化処理はセキュリティモードやユーザモードへの移行前に(自動的に(制御プログラムによらずに))実行されるように構成しているが、セキュリティモードやユーザモードへの移行後に実行されるよう構成してもよい。また、リセットの種類(ユーザリセット割込みの場合には割込み要因の種類)によって、初期化処理の実行タイミングが異なるように構成してもよい。
具体的には、直前に発生したリセット要因を管理するためのレジスタ(内蔵レジスタのうちの一つである)を参照して、直前に発生したリセット要因が(1)システムリセットであるか否か、(2)WDTのタイムアウトによるユーザリセットであるか否か、(3)指定エリア外のアクセスによるユーザリセットであるか否か、を判定し、判定結果に応じて初期化処理の実行タイミングを決定するように構成してもよい。また、初期化処理でセットされる特定の値と初期値は、リセットの種類やレジスタの種類によって異なるように構成してもよい(例えば、汎用レジスタはシステムリセットでもユーザリセットでも初期値として00Hがセットされ、Tレジスタはシステムリセット時は特定の値として7EHがセットされるがユーザリセット時は初期化されないように構成してもよい)。
また、セキュリティモードの時間は、設定した時間分だけ延長することも、ランダムな時間分だけ延長することも可能である。ランダムな時間分だけ延長することにより、不正行為者はユーザプログラムの開始タイミングが狙いにくくなる場合がある。また、ユーザリセット(例えばWDTのタイムアウトによるリセット)からユーザプログラムの実行開始までの時間をランダムな時間に設定可能な構成としてもよい。このような構成とすれば、ユーザプログラムの開始タイミングを狙った不正行為を未然に防止できる場合がある。
<主制御部メイン処理>
次に、図10を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定、Tレジチェック処理(詳細は後述)等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。ステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。
ステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
ステップS107では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。
具体的には、最初に、電源基板に設けたRWMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113に進む。
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックエリアに記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、後述するように、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた所定のレジスタの値を読み出し、これらのレジスタに再設定した後、割込許可(EI)の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。
本実施形態に係るCPU304は、PUSH命令として、「PUSH TI」命令、「PUSH ALL」命令、「PUSH GRP」命令を備えている。「PUSH TI」命令は、T、Iレジスタに記憶されている値を上述のスタックエリアに退避させる命令であり、具体的には、PUSH命令実行時のスタックポインタをSPとした場合、PUSH命令実行時にTレジスタに記憶されている値を、(SP−1)で示されるアドレスに退避させ、PUSH命令実行時にIレジスタに記憶されている値を、(SP−2)で示されるアドレスに退避させる。また、「PUSH ALL」命令は、PUSH命令実行時にT、I、A、F、B、C、D、E、H、L、IXH、IXL、IYH、IYLレジスタに記憶されている値を、この順番でスタックエリアに退避させる命令である。また、「PUSH GRP」命令は、PUSH命令実行時にA、F、B、C、D、E、H、Lレジスタに記憶されている値を、この順番でスタックエリアに退避させる命令である。
また、CPU304は、POP命令として、「POP TI」命令、「POP ALL」命令、「POP GRP」命令を備えている。「POP TI」命令は、スタックエリアに記憶されている値をT、Iレジスタに復帰させる(RAM308の記憶領域からT、Iレジスタにデータをロードする)命令であり、具体的には、POP命令実行時のスタックポインタをSPとした場合、POP命令実行時に(SP−1)で示されるアドレスに記憶されている値をTレジスタに復帰させ、POP命令実行時に(SP−2)で示されるアドレスに記憶されている値をIレジスタに復帰させる。また、「POP ALL」命令は、POP命令実行時にスタックエリアに記憶されている値を、T、I、A、F、B、C、D、E、H、L、IXH、IXL、IYH、IYLレジスタに復帰させる命令である。また、「PUSH GRP」命令は、POP命令実行時にスタックエリアに記憶された値を、A、F、B、C、D、E、H、Lレジスタに復帰させる命令である。
なお、Tレジスタをスタックエリアから復帰させるためには、「POP TI」命令を使用する必要があるが、Iレジスタを使用しない場合でも、Iレジスタにもスタックエリアの値が復帰されてしまうことになる。このように、Tレジスタをオペランドとする命令の汎用性を無くすことによって(使い難くすることによって)、Tレジスタをオペランドとする命令が多用されることを未然に防ぐことができ、Tレジスタの値が不用意に書き替ってしまうような事態(Tレジスタの内容が破壊されてしまうような事態)を回避できる場合がある。
また、CPU304は、割込み要求の受付を許可する命令(EI命令)と、割込み要求の受付を禁止する命令(DI命令)を備えており、上述の「POP TI」命令は、DI命令によって割込み要求の受付が禁止されている場合にのみ実行するように構成され、EI命令によって割込み要求の受付が許可されている場合に実行しないように構成されている。このように、割込み要求の受付が許可されている状態において「POP TI」命令の実行しないように構成すれば、「POP TI」命令の実行によって、割込みベクタレジスタやインタラプトレジスタとして機能するIレジスタに、スタックエリアから予期しない値が復帰されてしまうおそれがなく、割込み処理を確実に実行することで信頼性の高い遊技制御を行うことができる場合がある。
また、CPU304は、上述の命令の他にも、8ビットロード(転送)命令、16ビットロード(転送)命令、スタック操作命令、8ビット算術論理演算命令、16ビット算術論理演算命令、乗算・除算命令、アキュムレータ操作命令、MPUコントロール命令、交換命令、ブロック転送命令、ブロックサーチ命令、ビット操作命令、ローテート・シフト命令、無条件ジャンプ命令・条件付きジャンプ命令、コール命令・リターン命令、入出力命令、複合命令などを備えている。
本実施形態では、電断時には、「PUSH GRP」命令によってT、Iレジスタを含まない、A、F、B、C、D、E、H、Lレジスタの値をスタックエリアに退避(記憶)させ、復電時には、「POP GRP」命令によってT、Iレジスタを含まない、A、F、B、C、D、E、H、Lレジスタの値をスタックエリアから復帰させるように構成しており、Tレジスタについては「PUSH GRP」命令による退避と「POP GRP」命令による復帰の両方ができないように構成している(これらの命令のオペランドとしてTレジスタが指定できないように構成している)。また、本実施形態では、加算命令(INC命令)や減算命令(DEC命令)のオペランドとしてもTレジスタが指定できないように構成している。後述するように、TレジスタはRAM308へのアクセスにおいて重要な役割を果たす特殊レジスタであるが、コーディングミスなどによってTレジスタに予期しない値が設定されてしまうような事態を確実に回避することができ、安定した遊技制御が可能である。また、TレジスタについてはPUSH命令による退避とPOP命令による復帰の両方を行わないため、電断時や復帰時の処理を速めることができる場合がある。
また、主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止(DI)の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、および特図タイマ乱数値それぞれを生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。なお、初期値生成用乱数カウンタは、後述するステップS207でも更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS115の処理を繰り返し実行する。
<Tレジチェック処理>
図11(a)は、初期設定1で行うTレジチェック処理の流れを示すフローチャートであり、同図(b)は、Tレジチェック処理のプログラムリストの一例である。
このTレジチェック処理のステップS131では、Tレジスタの値をAレジスタにセットし(LD A,T)、次のステップS132では、Aレジスタの値が特定の値(7EH)に一致するか否かを判定し(SUB 7EH、JP Z,SEIJYOU)、一致しない場合(異常の場合;Aレジスタの値から特定の値(7EH)を減算した値が0以外の値となりZフラグが0になった場合)にはステップS133に進み、一致した場合(正常の場合;Aレジスタの値から特定の値(7EH)を減算した値が0となりZフラグが1になった場合)には、Tレジスタの値が正常であると判定してTレジチェック処理を終了し、後続の処理に進む。ステップS133では、Tレジスタの値が異常であると判定してTレジスタに特定の値(7EH)をセットした後に(LD T,7EH)、Tレジチェック処理を終了して後続の処理に進む。
なお、Tレジチェック処理は図11に示す処理に限定されるものではなく、例えば、図12に示すような処理でもよい。図12(a)は、変形例に係るTレジチェック処理の流れを示すフローチャートであり、同図(b)は、変形例に係るTレジチェック処理のプログラムリストの一例である。
この変形例に係るTレジチェック処理では、上記ステップS133の処理に替えて、ステップS135のエラー処理を行うように構成している。具体的には、ステップS132においてAレジスタの値が特定の値(7EH)に一致しないと判定した場合(異常の場合;Aレジスタの値から特定の値(7EH)を減算した値が0以外の値となりZフラグが0になった場合)にはステップS135に進みエラー処理を行う(SUB 7EH、JP NZ,moError)。このエラー処理の内容は特に限定されないが、例えば、無限ループに入って後続の主制御部メイン処理を実行しないように構成したり、後続の主制御部メイン処理において液晶表示装置やスピーカなどを用いてエラーを報知したりすることが考えられる。
<LD命令>
次に、主制御部300が備えるLD命令について説明する。LD命令(LD OP1,OP2)は、第1オペランドOP1で示されるレジスタに、第2オペランドOP2で示されるレジスタに記憶された値(または、第2オペランドOP2で示されるイミディエイト値(即値または直値ともいう。以下同じ)を記憶するための命令である。例えば、上述のTレジチェック処理の実行前にTレジスタに7EHが記憶されている状態で「LD A,T」の命令を実行した場合、Aレジスタには第2オペランドで示されるTレジスタに記憶された値、すなわち7EHが記憶される。また、「LD A,7EH」の命令を実行した場合にも、Aレジスタには第2オペランドで示されるイミディエイト値、すなわち7EHが記憶される。
一方、第1オペランドOP1をTレジスタとするLD命令では、第2オペランドはイミディエイト値に限定されており、第2オペランドにレジスタを設定することは禁止されている(機械語にアセンブルされる過程でエラーとなりアセンブルすることができない)。したがって、上述のTレジチェック処理で説明したように、第2オペランドをイミディエイト値とするLD命令(先の例では「LD T,7EH」)のプログラミング(コーディング)は認められるが、第2オペランドにレジスタを設定するLD命令(例えば「LD T,A」)のプログラミング(コーディング)は認められない。このように、第1オペランドOP1をTレジスタとするLD命令では、Tレジスタに対して直値でデータを転送するよう構成されているので、セットしているデータを確認し易くなる場合がある。また、Tレジスタに対して他のレジスタを介してデータを転送できないように構成されているので、Tレジスタの値を不用意に変更することができなくなる結果、コーディングミスの発生を減少させることができる場合がある。
図13はプログラムリストからLD命令のみを抜き出して示した図である。この例では、5つのLD命令を使用しているが、例えば、(4)のLD命令「LD B,A」の実行後にBレジスタに記憶される値についてデバッグでトレースを行う場合を考える。この場合、LD命令「LD B,A」の第2オペランドであるAレジスタについて、プログラムリストを遡ってトレースすることが必要であるが、例えば、「LD A」という検索キーでプログラムリストの検索を行った場合、(1)のLD命令「LD A,B」に加えて(3)のLD命令「LD A,H」がヒットすることになる。すなわち、第1オペランドにAレジスタを設定したLD命令は、第2オペランドにレジスタを設定することと、第2オペランドをイミディエイト値とすることの両方が認められているため使用頻度が高く、コーディングの見直し作業や、デバッグ(例えば、Aレジスタのトレースなど)の効率を低下させる一因となり得る。なお、ここでは、最も利用頻度が高いAレジスタについて説明したが、Tレジスタを除く他のレジスタを利用した場合にも同様のことが言える。
一方、第1オペランドにTレジスタを設定したLD命令は、第2オペランドにレジスタを設定することが禁止され、第2オペランドをイミディエイト値とすることのみが認められているため、Aレジスタを利用したLD命令よりも相対的に使用頻度が低く、コーディングの見直し作業や、デバッグ(例えば、Tレジスタのトレースなど)の効率を高めることが可能となり、制御プログラムの開発効率が向上する場合がある。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図14を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、各種の球検出センサを含む各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップS207およびステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS115で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値、特図1乱数値、および特図2乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。なお、本実施形態では特図1の乱数値を取得するためのカウンタと特図2の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよい。
ステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特別図柄表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口226、234や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228および可変入賞口234への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS203における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。第1特図始動口230へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、カウンタ回路318の当選用カウンタ値記憶用レジスタから値を特図1当選乱数値として取得するとともに特図1乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図1乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。第2特図始動口232へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、カウンタ回路318の当選用カウンタ値記憶用レジスタから値を特図2当選乱数値として取得するとともに特図2乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図2乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。普図始動口228へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を普図当選乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。可変入賞口234へ入賞があった場合には、可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口234に球が入球したことを示す情報を格納する。
ステップS219では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は、例えば1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当たり図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、外れ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄(図5(c)に示す普図A)および外れ図柄(図5(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口232の羽根部材232aの開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材232aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド332に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、普図外れフラグがオンされる。この普図外れフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
ステップS223では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
また、主制御部300のRAM308の当否判定結果記憶領域には、15R大当りフラグ、2R大当たりフラグ、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図5(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオンの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当たりフラグがオンの場合には特図G、第2小当たりフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Iそれぞれの態様となるように、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は、15R特別大当たり図柄(特図A)、15R大当たり図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第2はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフする。
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材234aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材234aを閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施例では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当たり遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた時短回数記憶部に時短回数100回をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、時短回数記憶部に時短回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンすることもない。ここにいう時短とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。この時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に大当りする可能性が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間および特図変動遊技の変動時間は短くなる。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、第2特別始動口232の一対の羽根部材232aの1回の開放における開放時間が長くなりやすい。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材232aは多く開きやすい。また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当たり遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当たり遊技中に普図高確率状態であると、大当たり遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口232に多くの遊技球が入球し、大当たり中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、はずれフラグがオンされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227に移行するようにしている。
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231)。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
ステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS233では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、表示回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O310)を介して第1副制御部400に出力する。
ステップS239では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進む。
ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
次に、図15を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のストローブ割込み処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ変数更新割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第1副制御部400の画像制御処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、S307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS311では、チャンスボタンの押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタンの押下に応じた演出データに変更する処理を行う。ステップS313では、S309で読み出した演出データの中にVDP434への命令がある場合には、この命令をVDP434に出力する(詳細は後述)。
ステップS315では、S309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。ステップS317では、S309で読み出した演出データの中に各種ランプ418への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
ステップS319では、S309で読み出した演出データの中に遮蔽装置246への命令がある場合には、この命令を駆動回路432に出力する。ステップS321では、S309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S303へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS501では、第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS503では、ステップS319で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、同図(d)を用いて、第1副制御部400のメイン処理におけるステップS313の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
ステップS601では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU404は、まず、VRAM436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPU404は、VDP434のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM406の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM436の転送先アドレス)などを設定した後、ROM406からVRAM436への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP434は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM406からVRAM436に転送する。その後、VDP436は、転送終了割込信号をCPU404に対して出力する。
ステップS603では、VDP434からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS605に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップS605では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU404は、ステップS601でVRAM436に転送した画像データに基づいてVRAM436の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。VDP434はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS607では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU404は、VDP434に画像の描画開始を指示する。VDP434は、CPU404の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS609では、画像の描画終了に基づくVDP434からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS611に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS611では、RAM408の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<第2副制御部500の処理>
次に、図16を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS701では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS701で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS703では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS705の処理に移行する。
ステップS705では、タイマ変数に0を代入する。ステップS707では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS709では、演出制御処理を行う。例えば、S707で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS711では、第1副制御部400からの遊技盤用ランプ532や遊技台枠用ランプ542への命令がある場合には、この命令をシリアル通信制御回路520に出力する。
ステップS713では、第1副制御部400からの演出可動体224への命令がある場合には、この命令を駆動回路516に出力し、S703に戻る。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS801では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第2副制御部タイマ割込処理のステップS901では、第2副制御部メイン処理におけるステップS703において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS703において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。第2副制御部タイマ割込処理のステップS903では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<主制御部のROM>
次に、図17を用いて、主制御部300のROM306に記憶されるデータの種類について説明する。なお、同図は、上述のROM306に記憶されるデータの一例を示した図である。
ROM306の記憶領域に対応するROM領域(本実施形態では、0000H〜1FFFHの8Kバイト領域)は、ROM制御領域(本実施形態では、0000H〜0BB0H)、非使用領域(本実施形態では、0BB1H〜0FFFH)、ROMデータ領域(本実施形態では、1FFFH〜18FDH)およびその他領域(本実施形態では、18FEH〜1FFFH)で構成されている。このROM制御領域に対応するROM306の記憶領域には、CPU304が実行する複数種類の命令それぞれに対応する命令データ(オペコード)やCPU304がそれぞれの命令を実行するために必要な補足データ(オペランド)によって構成される制御プログラム用のデータ(単に、制御プログラムデータと称する場合がある)が記憶され、非使用領域に対応するROM306の記憶領域には、特定値(本実施形態では、00H)が一律に記憶され、ROMデータ領域に対応するROM306の記憶領域には、上記の制御プログラムによって参照される参照データ(例えば、上述の各種抽選データ)が記憶されている。また、その他領域に対応するROM306の記憶領域には、制御プログラムを管理するための管理データ(例えば、制御プログラムデータの最終アドレスを示すデータ)などが記憶されている。なお、本実施形態では、ROM領域の各々のアドレスに対応するROM306の記憶領域には、1バイト(8ビット)のデータが記憶可能であり、上述の各データ(命令データ、補足データ、参照データ、管理データ)が1バイトを超えるバイト数(例えば、2バイト)のデータである場合には、ROM制御領域の連続する複数のアドレスに対応するROM306の記憶領域に1バイト毎に分割して記憶している。
また、制御プログラムは、複数のサブルーチンによって構成されており、後述するCALL命令やEXESUB(EXECUTE SUBROUTINE)命令などによってサブルーチンの先頭アドレスに移動して、当該サブルーチンを順次実行することが可能になっている。
ところで、遊技台の分野では、制御プログラムの検査効率化の観点から、制御プログラムデータを記憶する記憶領域を制限する必要があり、本実施形態では、上述の通りROM制御領域を0000H〜0BB0Hに制限している。また、不正改造の抑止の観点から、制御プログラムデータ間に非使用領域や非使用のデータを設けないようにROM制御領域の若いアドレスに詰めて制御用プログラムデータを記憶する必要があるため、開発段階で非使用となった制御プログラムデータの記憶領域を埋めるために別の制御プログラムデータを分割して割り当てるなどの作業が発生し、結果としてサブルーチンを呼び出す制御プログラムデータが多数必要となってくる。さらに、制御プログラムの開発効率を向上させるためや、制御プログラムのデバッグ作業等のメンテナンス作業を簡便にするためにもサブルーチンを多用しているため、サブルーチンを呼び出す制御プログラムデータが多数必要となってくる。
このような開発環境の中で遊技の興趣を高めることを可能にするためには、ROM制御領域に対応するROM306の記憶領域に記憶されている従来の制御プログラムデータ(例えば、上述のサブルーチンを呼び出す制御プログラムデータ)を圧縮し、ROM制御領域に対応するROM306の記憶領域に新しい制御プログラムデータを追加することが可能な記憶領域を確保することが必要となってくる。
特に、所定の周期(例えば、10ms)毎に所定の処理を実行するタイマ割込み処理を実行するための制御プログラムには、複数の遊技制御処理のうちランダムに発生する複数の外部情報(各センサの変化等)を検出する処理(例えば、入力ポート状態更新処理(ステップS205))や外部情報の検出結果に基づいた処理(例えば、デバイス監視処理(ステップS237))など多くのサブルーチンを呼び出すための制御プログラムデータが含まれているため、このタイマ割込み処理を実行するための制御プログラムに含まれるサブルーチンを呼び出す制御プログラムデータの圧縮が必要となってくる。
また、安定した遊技制御をおこなえるようにするためには、上述のタイマ割込み処理を重点的に安定化させなければならない。具体的には、コーディングミスを抑止すること、所定の周期(例えば、10ms)毎に所定の処理を実行させるために(リアルタイム性を確保するために)処理速度を向上させることなどが必須となるため、サブルーチンを呼び出す制御プログラムに関する工夫が必要となる(詳細は後述する)。
<主制御部の命令データ>
次に、主制御部300の命令データについて説明する。図18は、主制御部300の命令データの構成の一例を示した図である。また、図19(a)は、主制御部300の命令データの上位ビットと下位ビットを示した図であり、同図(b)は、命令データテーブルの一例を示した図である。
主制御部300の命令データは、例えば、命令データが1バイト(8ビット)のデータによって構成される場合には、最大で256パターン定義することが可能である。なお、定義された命令データはROM306に記憶されているものではなく、CPU304にハード的に組み込まれているものである。また、1バイトの命令データについて、各々を上位4ビットと下位4ビットによって分類分けすると、上記パターンと命令データの関係性は、図19(b)に示される通りとなる。例えば、「INC BC(BCレジスタを1つ加算する命令)」に使用されるINC(命令データ)は、上位ビット0H(0000B)、下位ビット3H(0011B)に割り当てられ、「DEC B(Bレジスタを1つ減算する命令)」に使用されるDEC(命令データ)は、上位ビット0H(0000B)、下位ビット5H(0101B)に割り当てられている。
なお、1バイト長で定義可能な256パターンの命令データを上回るパターン数の命令データを割り当てる方法として、例えば、上記1バイトで定義される256パターンのうち1パターンに対してさらに新たな1バイトで定義される256パターンを対応付けることで最大511パターン(255パターン(1バイトの命令データ)+256パターン(2バイトの命令データ))の命令データを定義する方法があるが、拡張した命令データは、2バイトのデータによって構成されるため、この命令を使用すると、上述の1バイトの命令データを使用するよりもROM制御領域に対応するROM306の記憶領域を圧迫してしまう。
そこで、本実施形態では、図19(b)の太線で囲った領域、すなわち、上位ビット1H(0001B)と下位ビット8H(1000B)〜FH(1111B)の組合せと、上位ビット3H(0011B)と下位ビット8H(1000B)〜FH(1111B)の組合せからなる領域を、後述するEXESUB命令を割り当てるための特別な領域としている。このように、従来、命令データが割り当てられていない、または、割り当てられていた命令データが削除された空き領域を特別な領域として利用することで、限られたハードウェア資源(例えば、1バイトで定義可能なパターン(256パターン))を有効利用することができ、命令データによるROM制御領域に対応するROM306の記憶領域の圧迫を抑制することができる。
また、命令データは、アセンブル後の機械語のチェックを簡便にするためにも役割ごとにグループ化(一の上位ビットに対して連続する複数の下位ビットの組合せからなる領域、または、一の下位ビットに対して連続する複数の上位ビットの組合せからなる領域に、同系統の役割を持つ命令データを割り当てる)して命令データテーブルに割り当てている(例えば、上位ビット8H(1000B)と下位ビット0H(0000B)〜7H(0111B)の組合せで定義される部分におけるADD命令)。近年では、チップの開発負担を軽減するため、従来の命令データテーブルに割り当てている命令データの削減、または削減した命令データを割り当てていた部分への新たな命令データを追加するなどしてチップの開発を行う。このため、アセンブル後の機械語のチェックを簡便にしつつも、データ圧縮のために命令データを新たに追加する際には、追加する同系統の命令データをグループにして割り当てていく必要があり、本実施形態では、EXESUB命令をグループにして特別な領域に割り当てることで解決を図っている。さらに、小分けされた特別な領域に対して新たな命令データを効率良く割り当てるためには、追加する命令データのグループを小分けのグループにして割り当てていく必要があり、本実施形態では、さらに、EXESUB命令を小分けのグループにして小分けされた特別な領域に割り当てることで解決を図っている。
<CALL命令>
次に、上述の制御プログラムの一つであるCALL命令について説明する。図20は、CALL命令によるアドレスの移動の一例を概念的に示したものであり、図21は、CALL命令の命令データと補足データの一例を示した図である。
例えば、実行中の制御プログラムのアドレスが0700Hで、移動先のサブルーチンの先頭アドレスが03FFHの場合には、図20の符号Xで示すように、両者の相対アドレス(移動元のアドレスと移動先のアドレスの差)は、0301H(=0700H−03FFH)であり、この相対アドレスは2バイトのデータで表現可能である。ここで、この制御プログラムをCALL命令によって表現すると、図21(a)に示すように、CALL命令を示す1バイトの命令データと移動先のアドレスを示す2バイトの補足データで合計3バイトの制御プログラムデータが必要となる。
また、実行中の制御プログラムのアドレスが0700Hで、移動先のサブルーチンの先頭アドレスが075FHの場合には、図20の符号Yで示すように、両者の相対アドレスは、005FH(=075FH−03FFH)であり、この相対アドレスは1バイトのデータで表現可能である。この場合であっても、この制御プログラムをCALL命令によって表現すると、図21(b)に示すように、CALL命令を示す1バイトの命令データと移動先のアドレスを示す2バイトの補足データで合計3バイトの制御プログラムデータが必要である。
すなわち、CALL命令を実行するための制御プログラムは、移動先のアドレス(2バイトで定義可能な記憶領域(0000H〜FFFFH)内の任意のアドレス)に関わらず、3バイトの制御プログラムデータが必要となる。
なお、CALL命令を実行する際にCPU304は、具体的に、PCレジスタ(プログラムカウンタ)に記憶されているデータ(2バイト)をスタックエリアに記憶させる処理を実行した後に、CALL命令を実行するための補足データ(移動先のサブルーチンの先頭アドレスを示すデータ(2バイト))をPCレジスタ(プログラムカウンタ)に記憶させる処理(サブルーチンの先頭アドレスに移動)を実行することで、サブルーチンを呼び出すことが可能となる。
<EXESUB命令>
次に、上述の制御プログラムの一つであるEXESUB命令について説明する。図22(a)は、EXESUB命令の構成の一例を示した図であり、同図(b)は、図19(b)の空き領域に対してEXESUB命令を割り当てた命令データテーブルを示した図である。
EXESUB命令は、上述のCALL命令同様にサブルーチンを呼び出すことが可能となる命令という点では同じであるが、命令データ/補足データの構造および制御プログラムデータに必要な記憶容量が異なる(詳細は後述する)。
<EXESUB命令/命令データ>
EXESUB命令の命令データは、本実施形態では、最上位ビット7(MSB)から最下位ビット0(LSB)の順番で、ビット7の0(固定値)、ビット6の0(固定値)、ビット5のα(可変値)、ビット4の1(固定値)、ビット3の1(固定値)、ビット2のβ(可変値)、ビット1のγ(可変値)、ビット0のδ(可変値)の合計8ビット(1バイト)で構成されている。すなわち、EXESUB命令は上述の可変値を変えることによって定義されるパターン(2の4乗=16パターン)の命令データとなる。なお、ビット5のα、ビット2のβ、ビット1のγおよびビット0のδの合計4ビットのデータであるmは、0H〜FHの数値範囲を表現可能であり、呼び出すサブルーチンの先頭アドレスを識別可能な識別情報(バイナリ形式)の一部である。
また、EXESUB命令の命令データは、上述の通り、命令データテーブルのうちの同図(b)に示す太線で囲った領域、すなわち、上位ビット1H(0001B)と下位ビット8H(1000B)〜FH(1111B)の組合せと、上位ビット3H(0011B)と下位ビット8H(0111B)〜FH(1111B)の組合せからなる空き領域(従来、命令データが割り当てられていない、または、割り当てられていた命令データが削除された領域)に割り当てられる。
なお、上述の通り、EXESUB命令の命令データが、可変値のビットと可変値のビットの間に、固定値のビットが入るように構成されていることにより、EXESUB命令の命令データをグループ化しつつ、上述の空き領域に割り当てることが可能になる。よって、EXESUB命令データの機械語のチェックを簡便となり、コーディングミスを抑制することができる。
さらに、上述の通り、EXESUB命令の命令データが、1または複数の固定値のビット(例えば、上記のビット4、ビット3)を挟んで上位にある可変値のビット数(例えば、1(上記のビット5))と比較して当該固定値のビットを挟んで下位にある可変値のビット数(例えば、3(上記のビット2、ビット1、ビット0))が大きくなる(記憶容量が大きくなる)ように構成されていることにより、EXESUB命令の命令データをグループ化しつつも、きめ細かく上述の空き領域に割り当てることが可能になる。よって、限られたハードウェア資源(例えば、1バイトで定義可能なパターン(256パターン))を有効利用することができ、命令データの圧縮によるROM制御領域に対応するROM306の記憶領域に記憶されている従来の制御プログラムデータの圧縮が可能となる。なお、1または複数の固定値のビットを挟んで下位にある可変値のビット数と比較して当該固定値を挟んで上位にある可変値のビット数が大きくなる(記憶容量が大きくなる)ように構成した場合であっても、上述の効果を奏する。
なお、上述の可変値α、β、γおよびδとEXESUB命令の命令データのビット7〜0の対応関係は上述の対応関係に限らず、例えば、ビット4に可変値αを対応させ、同様に、ビット2に可変値β、ビット1に可変地γ、ビット0に可変値δを対応させてもよく、上述した対応関係であればよい。
さらに、命令データを構成する可変値α、β、γおよびδの順序は、任意の順序としてもよいが、上述の順序(上位ビットから順にα、β、γ、δ)、すなわち、後述するアドレスmnのmを上位ビットからα、β、γ、δの順に並べることで定義可能になる順序とすることで、EXESUB命令データの機械語のチェックを簡便となり、コーディングミスを抑制することができる。
<EXESUB命令/補足データ>
EXESUB命令の補足データは、本実施形態では、00H〜FFHの数値範囲を示す8ビットのデータであるnで構成されている。
よって、EXESUB命令は、命令データに含まれる4ビットのデータであるmと、8ビットの補足データであるnを、この順番で並べて(mを上位、nを下位として)構成される合計12ビットのアドレスmnによって定義可能なアドレス領域(0000H〜0FFF)に先頭アドレスを持つサブルーチンを呼び出すことができる命令となる。すなわち、nは呼び出すサブルーチンの先頭アドレスを識別可能な識別情報(バイナリ形式)から、当該識別情報の一部(m)を除いた情報の少なくとも一部である。
<EXESUB命令/サブルーチンの呼び出し>
図23は、EXESUB命令によるアドレスの移動の一例を概念的に示した図である。本実施形態では、m(4ビットのデータ)は、同図(a)に示すように、ROM領域のアドレス0000H〜0FFFHのうち、上位1バイトの下位4ビット(0H〜FH)を示し、n(8ビットのデータ)は、同図(b)に示すように、上位アドレスmによって表現される100H単位の記憶領域(0m00H〜0mFFH:m=0H〜FH)を1ブロックとしたときに、当該1ブロック内のアドレス(00H〜FFH)を示す値である。
なお、移動先のアドレスを設定可能なアドレス領域を、nまたはmのいずれのデータを上位アドレスのデータとして定義しても、後述する制御プログラムデータの削減の効果は得られるが、上述の通り、命令データに含まれるmを上位アドレスのデータとして定義することで、図23(a)に示すように、アドレス領域に対してEXESUB命令の命令データをグループ化して対応付けることができ、コーディングミスを抑制することができる。
また、EXESUB命令の命令データは、呼び出すサブルーチンの先頭アドレスの一部を構成するデータであるmを含んで構成されていることから、移動先のアドレスデータを間違ってしまった場合であっても、間違ってしまったデータが命令データに含まれていれば、制御プログラムの実行が停止されるため、コーディングミスを抑制することができる。
図24は、EXESUB命令によるサブルーチンの先頭アドレスの呼び出しの一例を示したものであり、図25は、EXESUB命令の命令データと補足データの一例を示した図である。
例えば、実行中の制御プログラムのアドレスが0700Hで、移動先のサブルーチンの先頭アドレスが03FFHの場合を挙げる。この制御プログラムをCALL命令で表現すると、上述の通り、図24の符号X'で示す両者の相対アドレス(移動元のアドレスと移動先のアドレスの差)は、0301H(=0700H−03FFH)であり、この相対アドレスは2バイトのデータで表現可能であり、1バイトの命令データと2バイトの補足データで合計3バイトの制御プログラムデータが必要である。
一方、この制御プログラムをEXESUB命令で表現すると、移動先のアドレスへの移動は概念的にX''で示すものとなり、この相対アドレスは、1バイトのデータで表現可能な00FFH(=03FFH−0300H)となる。すなわち、EXESUB命令は、図25(a)に示すように、00011011Bで表される1バイトの命令データと、11111111Bで表される1バイトの補足データで合計2バイトの制御プログラムデータが必要となる。
また、実行中の制御プログラムのアドレスが0700Hで、呼び出し先のサブルーチンの先頭アドレスが075FHの場合を挙げる。この場合は、この制御プログラムがCALL命令またはEXESUB命令のいずれで表現する場合であっても、上述の通り、図24の符号Y'で示すように、両者の相対アドレスは、1バイトで表現可能な005FH(=0C5FH−0C00H)であり、この相対アドレスは1バイトのデータで表現可能であるが、この制御プログラムをCALL命令で表現すると、1バイトの命令データと2バイトの補足データで合計3バイトの制御プログラムデータが必要となる。
一方、この制御プログラムをEXESUB命令で表現すると、図25(b)に示すように、00011111Bで表される1バイトの命令データと、01011111Bで表される1バイトの補足データの合計2バイトの制御プログラムデータが必要となり、上述のCALL命令よりも、1命令当りのデータを1バイト削減することができる。
よって、EXESUB命令を実行するための制御プログラムは、移動先のアドレス(12ビットで定義可能な記憶領域(0000H〜0FFFH)内の任意のアドレス)に関わらず、2バイトの制御プログラムデータが必要となり、上述のCALL命令よりも、1命令当りの制御プログラムデータを1バイト削減することができる。
すなわち、サブルーチンを呼び出す制御プログラムに上述のEXESUB命令を用いることで、従来のサブルーチンを呼び出す制御プログラム(例えば、CALL命令)を圧縮することができ、ROM制御領域に対応するROM306の記憶領域に記憶されている従来の制御プログラムデータを圧縮することが可能となる。
なお、EXESUB命令を実行する際にCPU304は、具体的に、PCレジスタ(プログラムカウンタ)に記憶されているデータ(2バイト)をスタックエリアに記憶させる処理を実行した後に、EXESUB命令を実行するための補足データ(移動先のサブルーチンの先頭アドレスを示すデータ(2バイト))をPCレジスタ(プログラムカウンタ)に記憶させる処理(サブルーチンの先頭アドレスに移動)を実行することで、サブルーチンを呼び出すことが可能となる。
また、サブルーチンを呼び出す制御プログラムに上述のEXESUB命令を用いることで、上述制御プログラムの圧縮に起因して従来(例えば、CALL命令)よりもサブルーチンを呼び出す制御プログラムの処理速度を向上させる(ステート数を少なくする)ことができる。
さらに、上述のように、ROM領域は、上述のEXESUB命令によって呼び出すことができる領域(本実施形態では、0000H〜0FFFH)に対応するROM306の記憶領域に、全ての制御プログラムデータが記憶されるようにROM制御領域(本実施形態では、0000H〜0BB1H)を設け、少なくとも、上述のEXESUB命令によって呼び出すことができる領域(本実施形態では、0000H〜0FFFH)から、制御プログラムデータが記憶されているROM制御領域(本実施形態では、0000H〜0BB1H)を除いた領域(本実施形態では、0BB1H〜0FFFH)を、非使用領域となるように構成されるとともに、非使用領域の後にROMデータ領域が続くように構成されている。
このようにROM領域を構成した遊技台において、サブルーチンを呼び出す制御プログラムに上述のEXESUB命令を用いる(ROM制御領域に対応するROM306の記憶領域にEXESUB命令の制御プログラムデータを記憶する)ことで、CPU304が制御プログラムデータおよび非使用データを除くデータを命令データとして直接読み込むことがないため、補足データのコーディングミスによるCPU304の誤作動を防止できる場合がある。
<制御プログラムの一例>
図26は、上述の主制御部タイマ割込処理の制御プログラムの一例を示したプログラムリストである。なお、「**」はEXESUB命令の補足データを示す。
CPU304は、タイマ割込み処理を開始すると、まずWDTをリスタートする処理を実行し、所定の処理(詳細は省略)を実行し、その後、EXESUB命令(1)〜(19)を用いて、それぞれ、以下のサブルーチンを読み出す処理を実行する。入力ポート状態更新処理、基本乱数初期値更新処理、基本乱数更新処理、演出乱数更新処理、タイマ更新処理、入賞口カウンタ更新処理、入賞受付処理、払出要求数送信処理、普図状態更新処理、普図関連抽選処理特図先読み制御処理、特図2状態更新処理、特図1状態更新処理、特図2関連抽選処理、特図1関連抽選処理、コマンド設定送信処理、外部出力信号設定処理、デバイス監視処理、を実行し、その他の処理(詳細は省略)を実行する。なお、詳細は省略するが、上述のEXESUB命令(1)〜(19)によって呼び出されるサブルーチンの先頭アドレスはROM制御領域(本実施形態では、0000H〜0BB0H)に含まれている。
このように、タイマ割込み処理におけるサブルーチンを呼び出す制御プログラムに上述のEXESUB命令を用いる(ROM制御領域のうちタイマ割り込み処理の領域に対応するROM306の記憶領域にEXESUB命令の制御プログラムデータを記憶する)ことで、タイマ割込み処理を安定化させることができる。
ところで、遊技台の開発では、一般的に従来の制御プログラムの一部を変更(削除や追加など)することで新たな遊技台を開発している。特に、遊技制御の安定化を図るためにできるだけ制御プログラムの変更は避けることが望まれる。
よって、ROM領域(例えば、タイマ割込み処理の領域)におけるサブルーチンを呼び出す制御プログラムすべてに、上述のEXESUB命令を用いる必要はなく、必要(例えば、上述の制御プログラムデータの圧縮の要求の有無)に応じて適宜用いればよい。
さらに、上述のEXESUB命令は、従来の1バイトの命令データと2バイトの補足データで構成される3バイト命令の制御プログラムデータ(例えば、CALL命令)を、1バイトの命令データと1バイトの補足データで構成される2バイト命令の制御プログラムデータに圧縮した制御プログラムであるが、命令データと補足データで構成される制御プログラムを圧縮する制御プログラムであればよい。すなわち、EXESUB命令は、呼び出すサブルーチンの先頭アドレスを識別可能な識別情報(バイナリ形式)の一部を含んで構成される命令データと、当該識別情報から当該命令データに含まれた識別情報を除いた情報の少なくとも一部で構成される補足データとで構成される制御プログラムであればよく、さらに言えば、上述の命令データおよび補足データそれぞれが、CPU304が一回の処理で読み込むデータ長(例えば、8ビット)の整数倍であればよい。
<ROM制御領域の変形例>
図27は、ROM領域が、上述のEXESUB命令(EXESUBmn)によって呼び出すことができる領域(本実施形態では、0000H〜0FFFH)よりも、制御プログラムデータが記憶されているROM制御領域(本実施形態では、0000H〜11B8H)が広くなるように構成されている場合を示した図である。また、図28(a)および(b)は、EXESUB命令(EXESUBmn)によって呼び出すことができるサブルーチンの先頭アドレスの領域を拡張した場合の一例を示した図である。
例えば、図27に示すように、ROM制御領域(本実施形態では、0000H〜11B8H)が、EXESUB命令(EXESUBmn)で呼び出すことができるサブルーチンの先頭アドレスの領域(本実施形態では、0000H〜0FFFH)より広い場合、ROM制御領域は、EXESUB対象領域(本実施形態では、0000H〜0FFFH)と、EXESUB非対象領域(例えば、1000H〜11B8H)で構成されることとなる。
この場合、EXESUB非対象領域に対応するアドレスを先頭アドレスに持つサブルーチンを呼び出す命令に上述のCALL命令を用いて補ったとしても、上述の通り、遊技の興趣を高めることを可能にしつつ、安定した遊技制御を実現することは可能である。
しかし、図28に示すように、EXESUB命令(EXESUBmn)によって呼び出すことができるサブルーチンの先頭アドレスの領域を拡張することで、上述の効果をより高めることが可能になる。
具体的な手段としては、図28(a)および(b)に示すように、後述する可変値σを用いて、EXESUB命令(EXESUBmn)に要する記憶容量を維持しつつ、EXESUB命令(EXESUBmn)の命令データを拡張するものである。なお、以下は、同図に新たに追加した可変値σについて説明することとする。
可変値σは、EXESUB命令(後述のEXESUBm'n)を拡張するために用いられ、図28(a)に示すように、EXESUB命令(後述のEXESUBm'n)の命令データ(本実施形態では、8ビット)のビット6を構成する値であり、呼び出すサブルーチンの先頭アドレスを示すアドレスm'nのうちm'の値に応じて変化するものである。
また、命令データテーブルには、図28(b)に示すように、可変値σによって拡張されたEXESUB命令(EXESUBm'n)が、同図(b)に示す太線で囲った領域、すなわち、上位ビット5H(0101B)と下位ビット8H(1000B)および9H(1001B)の組合せからなる空き領域に割り当てられている。
ここで、m'は、図22(a)で示したmと同一の役割を持つデータであるが、上述のmがビット5のα、ビット2のβ、ビット1のγおよびビット0のδの合計4ビットのデータであったのに対して、m'はビット6のσ、ビット5のα、ビット2のβ、ビット1のγおよびビット0のδの合計5ビットのデータである点が異なり、m'は、00H〜11Hの数値範囲を表現可能なデータであり、呼び出すサブルーチンの先頭アドレスを識別可能な識別情報(バイナリ形式)の一部である。
このように、上述のEXESUB命令(EXESUBmn)の命令データのビット6に可変値σを設けたEXESUB命令(EXESUBm'n)を用いて、アドレスmnによって定義可能なアドレス領域(000H〜FFF)を拡張(アドレスm'nによって定義可能なアドレス領域を0000H〜11FFHに)することで、上述のEXESUB非対象領域に対応するアドレスを先頭アドレスに持つサブルーチンをEXESUB命令(EXESUBm'n)を用いて呼び出すことができる。
なお、上述の可変値σ、α、β、γおよびδとEXESUB命令(EXESUBm'n)の命令データのビット7〜0の対応関係は上述の対応関係に限らず、例えば、ビット5に可変値σを対応させ、同様に、ビット4に可変値α、ビット2に可変値β、ビット1に可変地γ、ビット0に可変値δを対応させてもよく、図22を用いて説明した対応関係と同じであればよい。
さらに、命令データを構成する可変値σ、α、β、γおよびδの順序は、任意の順序としてもよいが、上述の順序(上位ビットから順にσ、α、β、γ、δ)、すなわち、後述するアドレスm'nのm'を上位ビットからσ、α、β、γ、δの順に並べることで定義可能になる順序とすることで、EXESUB命令データの機械語のチェックを簡便となり、コーディングミスを抑制することができる。
このように、上述のROM制御領域(例えば、0000H〜11B8H)に対応させて上述のEXESUB命令(EXESUBm'n)の命令データを設けることで、ROM制御領域に対応するROM306の記憶領域に記憶されている従来の制御プログラムデータの圧縮が可能となる。
さらに、上述のように、ROM領域は、上述のEXESUB命令(EXESUBm'n)によって呼び出すことができる領域(本実施形態では、0000H〜11FFH)よりも、制御プログラムデータが記憶されているROM制御領域を除いた領域(本実施形態で
ところで、図17および図27で示したように、制限されたROM制御領域の中でも開発された遊技台ごとに設けられたROM制御領域が異なる場合があるが、このような遊技台それぞれに対して、上述のEXESUBmnまたはEXESUBm'nそれぞれを命令データとして備えているCPUを使い分けて開発を行うことは、開発工数およびコストの観点からも無駄であるとともに、コーディングミスの原因ともなり、安定した遊技制御の実現を困難にしてしまうこととなる。よって、図17で示したROM制御領域を持つ遊技台であっても、EXESUB命令にEXESUBm'nを用いた方が望ましい。
この場合であっても、EXESUBm'nによって呼び出すことができる領域(本実施形態では、0000H〜11FFH)よりも、制御プログラムデータが記憶されているROM制御領域(本実施形態では、0000H〜0BB1H)が狭くなるように構成されているため、少なくとも、上述のEXESUBm'nによって呼び出すことができる領域から、制御プログラムデータが記憶されているROM制御領域を除いた領域(本実施形態では、0BB1H〜11FFH)を、非使用領域で構成するとともに、非使用領域の後にROMデータ領域が続くように構成すればよい。
<特図状態更新処理、普図状態更新処理>
次に、図29を用いて、上述の特図2状態更新処理(ステップS225)、特図1状態更新処理(ステップS227)、普図状態更新処理(ステップS221)の制御プログラムの一部について説明する。なお、同図(a)は特図2状態更新処理および特図1状態更新処理の制御プログラムの一部を抜き出したものであり、同図(b)は普図状態更新処理の制御プログラムの一部を抜き出したものである。
例えば、同図(a)に示す特図状態更新処理では、まず最初に、「LD L,Low.vbTokuzuStatus」の命令を実行することによって、同図(d)においてvbTokuzuStatusとして定義されたアドレス(この例では、RAM308に設けた特図ステータス用記憶領域を示すアドレスである7E60H)の下位バイト(この例では、60H)をLレジスタに記憶する。
続いて、「JP moReadMemory」の命令を実行することによって、同図(c)に示すmoReadMemory(メモリ読出し処理)に移動し、当該処理を実行する。このメモリ読み出し処理では、まず最初に「LD H,7EH」の命令を実行することによってHレジスタに7EHを記憶した後、「LD A,(HL)」の命令を実行することによってHLレジスタで示されるアドレス(この例では、7E60H)の内容(この例では、特図ステータス)をAレジスタに記憶する。続いて、「AND A」の命令を実行した後に、読み出し元の特図状態更新処理に戻る。なお、同図(b)に示す普図状態更新処理も共通のサブルーチンであるmoReadMemory(メモリ読出し処理)を利用することによって、RAM308の普図ステータス用記憶領域に記憶された普図ステータスの読みだしを行う、
このように、同図(c)に示す従来のメモリ読出し処理を利用した場合には、「LD H,7EH」という命令により、特図ステータス用記憶領域や普図ステータス用記憶領域のアドレスの上位(7EH)が解析され、不正行為を誘発するおそれがある。このため、本実施形態では、同図(c)に示す従来のメモリ読出し処理に替えて、同図(e)に示すメモリ読出し処理を採用する。
この本実施形態に係るメモリ読出し処理では、「LD A,T」の命令を実行することによって、Tレジスタの値をAレジスタに記憶するが、上述のように、Tレジスタには特定の値(7EH)が記憶されているため、Aレジスタには7EHが記憶される。以降の処理は従来の処理と同様であるが、イミディエイト値を利用する代わりにTレジスタを利用しているため、特図ステータス用記憶領域や普図ステータス用記憶領域のアドレスの上位(7EH)が解析されるおそれが少なく、不正行為を未然に防止できる場合がある。また、イミディエイト値を利用した場合には、例えば、7EHを7FHと間違って入力するなど、コーディングミスの可能性が高くなるが、Tレジスタを利用すればコーディングミスを未然に防止できる場合がある。
図30は、図29(c)に示す従来のメモリ読出し処理の機械語と、図29(e)に示す本実施形態に係るメモリ読出し処理の機械語と、を比較した図である。従来のメモリ読出し処理における1行目の「LD H,7EH」命令をアセンブルした場合、機械語は「267EH」となり「7EH」を含むため、従来のメモリ読出し処理では、特図ステータス用記憶領域や普図ステータス用記憶領域のアドレスの上位(7EH)が解析されてしまうおそれがある。一方、本実施形態のメモリ読出し処理における1行目の「LD A,T」命令をアセンブルした場合、機械語は「ED01H」となり「7EH」を含まないため、本実施形態のメモリ読出し処理では、特図ステータス用記憶領域や普図ステータス用記憶領域のアドレスの上位(7EH)が解析されるおそれが極めて低く、不正行為を未然に防止できる場合がある。
<特図1関連抽選処理>
次に、図31を用いて、上述の主制御部タイマ割込処理における特図1関連抽選処理について説明する。なお、同図は、特図1関連抽選処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1001では、特別図柄乱数移行処理を行う。この特別図柄乱数移行処理では、一次記憶した乱数値を、RAM308に設けた特別図柄関連抽選乱数の格納領域に移行(記憶)する。ステップS1002では、特別図柄当り抽選処理を行う。この特別図柄当り抽選処理では、上述の特図乱数値(特図1乱数値、特図2乱数値)と、ROM306に予め記憶している特別図柄抽選データを比較する抽選を行い、当該抽選結果に応じて、上述の15R大当りフラグ、2R大当たりフラグ、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグなどを設定し、特別図柄遊技状態を変動中に設定する。
ステップS1003では、表示図柄抽選処理を行う。この表示図柄抽選処理では、RAM308に記憶している表示図柄判定乱数と、ROM306に予め記憶している表示図柄抽選データを比較する抽選を行い、当該抽選結果に応じて、15R特別大当たり図柄(特図A)、15R大当たり図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第2はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄を設定する。
ステップS1004では、特別図柄変動時間抽選処理を行う(詳細は後述する)。ステップS1005では、特別図柄変動時間設定処理を行う。この特別図柄変動時間設定処理では、上記ステップS1004の特別図柄変動時間抽選処理で取得した変動パターン(パターン番号)に応じたタイマを特別図柄変動タイマとして設定(記憶)する。ステップS1006では、特別図柄保留内情報移行処理を行う。この特別図柄保留内情報移行処理では、特別図柄保留内情報を変動順が先の格納領域に移行(記憶)した後に処理を終了する。
<主制御部のデータテーブルと変数記憶領域>
次に、図32および図33を用いて、主制御部300のROM306に記憶されるデータテーブルの一部と、RAM308に設けられる変数記憶領域の一部について説明する。
<テーブル選択用テーブル>
図32(a)は、テーブル選択用テーブルの一例を示した図であり、図33は、主制御部300のROM306に記憶されるデータテーブルの定義の一部と、RAM308に設けられる変数格納領域の定義の一部を示したプログラムリストの一例である。
図32(a)に示すテーブル選択用テーブルには、後述する第1変動パターン選択テーブルが記憶されるROM306のアドレスを示す飛先アドレスが、特図変動遊技の保留数毎に0個用〜3個用の4つに区分けされて記憶されている。具体的には、ROMデータ領域のアドレス1600H〜1601Hに対応するROM306の2バイトの記憶領域には、保留数が0の場合に参照する第1変動パターン選択テーブルの飛先アドレスとして174FHが記憶されている(1600 DEFB 174FH)。また、ROMデータ領域のアドレス1602H〜1603Hに対応するROM306の2バイトの記憶領域には、保留数が1の場合に参照する第1変動パターン選択テーブルの飛先アドレスとして174FHが記憶されている(1602 DEFB 174FH)。また、ROMデータ領域のアドレス1604H〜1605Hに対応するROM306の2バイトの記憶領域には、保留数が2の場合に参照する第1変動パターン選択テーブルの飛先アドレスとして174FHが記憶されている(1604 DEFB 174FH)。また、ROMデータ領域のアドレス1606H〜1607Hに対応するROM306の2バイトの記憶領域には、保留数が3の場合に参照する第1変動パターン選択テーブルの飛先アドレスとして1755Hが記憶されている(1606 DEFB 1755H)。
<第1変動パターン選択テーブル>
図32(b)は、第1変動パターン選択テーブルの一例を示した図である。この第1変動パターン選択テーブルには、当該テーブルのアドレスと、後述する第2変動パターン選択テーブルが記憶されたアドレスとの差(オフセット)と、乱数の個数が記憶されている。具体的には、ROMデータ領域のアドレス1750Hに対応するROM306の1バイトの記憶領域には、オフセットとしてAEHが記憶されているとともに、このアドレスに連続する1751Hに対応するROM306の1バイトの記憶領域には、乱数の個数として20が記憶され(1750H DEFB AEH,20)、以降のROMデータ領域のアドレス1752H〜1759Hに対応するROM306の記憶領域には、図32(b)および図33に示すように、1バイト長のオフセットと、1バイト長の乱数の個数が交互に連続して記憶されている。なお、第1変動パターン選択テーブルにおいて乱数の個数は10進数で示している。
<第2変動パターン選択テーブル>
図32(c)は、第2変動パターン選択テーブルの一例を示した図である。この第2変動パターン選択テーブルには、パターン番号と、乱数の個数が記憶されている。具体的には、ROMデータ領域のアドレス1800Hに対応するROM306の1バイトの記憶領域には、パターン番号として01Hが記憶されているとともに、このアドレスに連続する1801Hで示される1バイトの領域には、乱数の個数として255が記憶され(1800H DEFB 01H,255)、以降のROMデータ領域のアドレス1802H〜180FHに対応するROM306の記憶領域には、図32(c)および図33に示すように、1バイト長のパターン番号と、1バイト長の乱数の個数が交互に連続して記憶されている。なお、第2変動パターン選択テーブルにおいて乱数の個数は10進数で示している。
<変数記憶領域>
図32(d)は、RWM領域のアドレス7E40H〜7E42Hに対応するRAM308の記憶領域に設けられる保留数記憶領域、乱数1記憶領域、乱数2記憶領域を示した図である。RWM領域のアドレス7E40Hに対応するRAM308の1バイトの記憶領域には保留数記憶領域が設けられ(7E40 vbHoryuuSP1 DEFS 1)、この保留数記憶領域には保留数が記憶される。また、アドレス7E41Hに対応するRAM308の1バイトの記憶領域には乱数1記憶領域が設けられ(7E41 vbRndHendou1 DEFS 1)、この乱数1記憶領域には乱数1が記憶される。また、アドレス7E42Hに対応するRAM308の1バイトの記憶領域には乱数2記憶領域が設けられ(7E42 vbRndHendou2 DEFS 1)、この乱数2記憶領域には乱数2が記憶される。
<特別図柄変動時間抽選処理>
次に、図34および図35を用いて、上述の特図1関連抽選処理における特別図柄変動時間抽選処理について説明する。なお、図34は、特別図柄変動時間抽選処理の流れを示すフローチャートであり、図35は、特別図柄変動時間抽選処理のプログラムリストの一例である。
ステップS1101では、演出用乱数取得処理を行う。この演出用乱数取得処理では、上述の特図1関連抽選処理で取得した特図1乱数値(0〜255)を、上述の乱数値1記憶領域(RWM領域のアドレス7E41H)に記憶し、上述の特図2関連抽選処理で取得した特図2乱数値(0〜255)を、上述の乱数値2記憶領域(RWM領域のアドレス7E42H)に記憶する。
次のステップS1102では、上述のテーブル選択用テーブル(図32(a))の先頭アドレス(本実施形態では、1600H)を、HLレジスタに転送する(LD HL,tableSelectTable)。これにより、HLレジスタに1600Hが記憶される。
次のステップS1103では、上述の保留数記憶領域(RWM領域のアドレス7E40H)に記憶された保留数を、Aレジスタに転送する(LDT A,(40H))。ここで、「LDT A、(n:イミディエイト値)」命令は、図36に示すように、Tレジスタを上位、イミディエイト値を下位で示すアドレスのデータをAレジスタにロードする命令である。本実施形態では、Tレジスタに7EHを記憶しているため、「LDT A,(40H)」命令を実行した場合、Tレジスタ(7EH)を上位、イミディエイト値(40H)を下位で示すアドレス(7E40H)のデータ、すなわち保留数記憶領域に記憶された保留数がAレジスタにロード(転送)される。例えば、保留数記憶領域に記憶された保留数が2の場合には、Aレジスタに02Hがロード(転送)される。
次のステップS1104では、Aレジスタの値にAレジスタの値を加算する(ADD A,A)。先の例では、Aレジスタの値(02H)にAレジスタの値(02H)を加算することによってAレジスタに04Hが記憶される。次のステップS1105では、HLレジスタにAレジスタの値を加算する(ADDTWOONE HL,A)。詳細は後述するが、ADDTWOONE命令(ADDTWOONE HL,A)は、HLレジスタに記憶された2バイト長の値に、Aレジスタに記憶された1バイト長の値を加算するための命令である。先の例では、HLレジスタ(1600H)にAレジスタの値(04H)を加算することによってHLレジスタに1604Hが記憶される。
次のステップS1106では、HLレジスタが示すアドレスの値をDEレジスタに転送する(LDTWO DE,(HL))。ここで、「LDTWO DE,(HL)」命令は、図36に示すように、HLレジスタが示すアドレスのデータをDEレジスタにロードする命令である。先の例では、HLレジスタが示すアドレス(1604H)の値(174FH)をDEレジスタに転送することによってDEレジスタには174FHが記憶される。
次のステップS1107では、DEレジスタの値とHLレジスタの値を交換する(EX DE,HL)。先の例では、DEレジスタの値(174FH)とHLレジスタの値(1604H)を交換することによって、HLレジスタには174FHが記憶され、DEレジスタには1604Hが記憶される。
次のステップS1108では、上述の乱数1記憶領域に記憶された乱数1(特別図柄変動時間判定乱数1)をAレジスタに転送する(LDT A,(41H))。本実施形態では、Tレジスタに7EHを記憶しているため、「LDT A,(41H)」命令を実行した場合、Tレジスタ(7EH)を上位、イミディエイト値(41H)を下位で示すアドレス(7E41H)のデータ、すなわち乱数1記憶領域に記憶された乱数1がAレジスタにロード(転送)される。例えば、乱数1記憶領域に記憶された乱数1が250の場合には、Aレジスタに250が記憶される。
次のステップS1109では、HLレジスタの値で示されるアドレスの次の連続した2つのアドレスに格納された値をBCレジスタに転送する(INCTENSOU BC,(HL))。詳細は後述するが、「INCTENSOU BC,(HL)」命令は、HLレジスタに記憶された2バイト長の値に1を加算し、加算後のHLレジスタの値で示されるアドレスに記憶された1バイト長の値を、BCレジスタのうちの下位のCレジスタに記憶した後に、HLレジスタに記憶された2バイト長の値にさらに1を加算し、加算後のHLレジスタの値で示されるアドレスに記憶された1バイト長の値を、BCレジスタのうちの上位のBレジスタに記憶するための命令である。先の例では、HLレジスタに記憶された2バイト長の値(174FH)に1を加算し、加算後のHLレジスタの値(1750H)で示されるアドレスに記憶された1バイト長の値(AEH)を、BCレジスタのうちの下位のCレジスタに記憶した後に、HLレジスタに記憶された2バイト長の値にさらに1を加算し、加算後のHLレジスタの値(1751H)で示されるアドレスに記憶された1バイト長の値(20)を、BCレジスタのうちの上位のBレジスタに記憶する。
次のステップS1110では、Aレジスタの値からBレジスタの値を減算する(SUB B)。先の例では、Aレジスタの値(250)からBレジスタの値(20)を減算する。次のステップS1111では、ステップS1110の減算の結果、キャリーが発生したか否か、すなわち減算の結果が負の値になったかどうかを判定し、該当する場合にはステップS1112に進み、該当しない場合には該当するまでステップS1109〜S1111の処理を繰り返し実行する(JP NC,LOOP01)。先の例では、ステップS1109〜S1111の処理を3回繰り返すことによってキャリーが発生し、ステップS1112に進む際には、Bレジスタの値が8、Cレジスタ値がB0H、HLレジスタの値が1755Hになる。
次のステップS1112では、HLレジスタの値にCレジスタの値を加算する(ADDTWOONE)。先の例では、HLレジスタの値(1755H)にCレジスタの値(B0H)を加算することによってHLレジスタには1805Hが記憶される。次のステップS1113では、上述の乱数2記憶領域(本実施形態では、7E42H)に記憶された乱数2(特別図柄変動時間判定乱数2)をAレジスタに転送する(LDT A,(42H))。本実施形態では、Tレジスタに7EHを記憶しているため、「LDT A,(42H)」命令を実行した場合、Tレジスタ(7EH)を上位、イミディエイト値(42H)を下位で示すアドレス(7E42H)のデータ、すなわち乱数2記憶領域に記憶された乱数2がAレジスタにロード(転送)される。例えば、乱数2が148の場合には、Aレジスタに148が記憶される。
次のステップS1114では、HLレジスタの値で示されるアドレスの次の連続した2つのアドレスに格納された値をBCレジスタに転送する(INCTENSOU BC,(HL))。先の例では、HLレジスタに記憶された2バイト長の値(1805H)に1を加算し、加算後のHLレジスタの値(1806H)で示されるアドレスに記憶された1バイト長の値(04H)を、BCレジスタのうちの下位のCレジスタに記憶した後に、HLレジスタに記憶された2バイト長の値にさらに1を加算し、加算後のHLレジスタの値(1807H)で示されるアドレスに記憶された1バイト長の値(128)を、BCレジスタのうちの上位のBレジスタに記憶する。
次のステップS1115では、Aレジスタの値からBレジスタの値を減算する(SUB B)。先の例では、Aレジスタの値(148)からBレジスタの値(128)を減算する。次のステップS1116では、ステップS1115の減算の結果、キャリーが発生したか否か、すなわち減算の結果が負の値になったかどうかを判定し、該当する場合にはステップS1117に進み、該当しない場合には該当するまでステップS1114〜S1116の処理を繰り返し実行する(JP NC,LOOP02)。先の例では、ステップS1114〜S1116の処理を2回繰り返すことによってキャリーが発生し、ステップS1117に進む際には、Bレジスタの値が32、Cレジスタの値が05H、HLレジスタの値が1809Hになる。ステップS1117では、その他の処理を行った後に処理を終了する。
<主制御部の特殊命令>
次に、図36および図37を用いて、主制御部300が備える特殊命令について説明する。なお、図36は、主制御部300が備える命令の一部と、その説明を示した図である。また、図37(a)は、主制御部300の命令データの上位ビットと下位ビットを示した図であり、同図(b)は、命令データテーブルの一例を示した図である。
<特殊命令/LDT命令>
特殊命令の一つである「LDT A、(n:イミディエイト値)」命令は、上述のとおり、Tレジスタを上位、イミディエイト値を下位で示すアドレスのデータをAレジスタにロードする命令であり、例えば、上述の特別図柄変動時間抽選処理のステップS1103では、「LDT A、(40H)」命令を実行することによって、Tレジスタ(7EH)を上位、イミディエイト値(40H)を下位で示すアドレス(7E40H)のデータ、すなわち保留数記憶領域に記憶された保留数をAレジスタにロード(転送)している。
また、図示はしないが、主制御部300は、さらに、Aレジスタに記憶されたデータを、Tレジスタを上位、イミディエイト値を下位で示すアドレスにロードするための「LDT (n:イミディエイト値),A」命令を備えている。一方、Tレジスタを上位、汎用レジスタ(例えば、Hレジスタ)を下位で示すアドレスのデータをAレジスタにロードする命令(例えば、「LDT A,H」のような命令)や、Aレジスタに記憶されたデータを、Tレジスタを上位、汎用レジスタ(例えば、Hレジスタ)を下位で示すアドレスにロードするための命令(例えば、「LDT H,A」のような命令)は備えていない。
すなわち、LDT命令によって指定可能なアドレスの下位バイトは、イミディエイト値に限定されており、汎用レジスタを指定することは禁止されている(機械語にアセンブルされる過程でエラーとなりアセンブルすることができない)。このため、LDT命令では、プログラムリストの確認などを行う際にアドレスの確認が容易となる上に、Tレジスタの値(アドレスの上位バイト)を不用意に変更することができなくなる結果、コーディングミスや不具合の発生を減少させることができる場合がある。
<特殊命令/LDTWO命令>
特殊命令の一つである「LDTWO OP1,(OP2)」命令は、上述のとおり、第2オペランドOP2で示される2つのレジスタが示すアドレスのデータを第1オペランドOP1で示される2つのレジスタにロードする命令であり、「LDTWO (OP2),OP1」命令は、第2オペランドOP2で示される2つのレジスタが示すアドレスに第1オペランドOP1で示される2つのレジスタのデータをロードする命令であり、例えば、上述の特別図柄変動時間抽選処理のステップS1106では、「LDTWO DE,(HL)」命令を実行することによって、HLレジスタが示すアドレス(1604H)の値(174FH)をDEレジスタにロード(転送)してDEレジスタには174FHを記憶している。OP2がHLレジスタではないBCレジスタまたはDEレジスタである場合、OP1がBCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ、IYレジスタとなり、OP2がHLレジスタである場合のみ、OP1がBCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、ACレジスタ、AEレジスタ、BDレジスタ、IXレジスタ、IYレジスタとなる。LDTWO命令は、AレジスタやHLレジスタを保護するのに適している。
また、LDTWO命令では、必要なステート数は14ステート、必要なバイト数は2バイトである。一方、従来の命令によってLDTWO命令と同様の処理を行う場合には、図36に示すように、必要なステート数は14ステート(=4+6+4)、必要なバイト数は3バイト(=1+1+1)である。したがって、HLレジスタが示すアドレスのデータをDEレジスタにロードする場合にLDTWO命令を使用すれば、制御プログラムの処理時間を短縮して制御負担を軽減することができる上に、プログラムコード量を削減することができ、メモリ容量が制限されているROMの記憶領域を有効に利用することができる場合がある。また、遊技性を高めるためにプログラムコードが増えたとしても、プログラム容量の増加や処理速度の低下を抑止できる場合がある。また、プログラム容量を削減することによって、開発者のコーディングミスやチェックミスを減らし、デバッグが容易で開発効率を高めることが可能となることに加えて、遊技台として適正な機能を有するか否かを外部機関が確認する際にも、確認作業のミスを防止でき、遊技者が安心して遊技を行うことができる遊技台を提供できる場合がある。
<特殊命令/ADDTWOONE命令>
特殊命令の一つであるADDTWOONE命令(ADDTWOONE OP1,OP2)は、第1オペランドOP1で示される2つのレジスタに記憶された2バイト長の値に、第2オペランドOP2で示されるレジスタに記憶された1バイト長の値(または、第2オペランドOP2で示される1バイト長のイミディエイト値)を加算するための命令である。ADDTWOONE命令の命令コードの上位1バイトは固定値(この例ではEDH)とし、下位バイトは、命令データテーブルの上位ビット4H(0100B)と下位ビット0H(0000B)〜2H(0010B)の組合せと、命令データテーブルの上位ビット4H(0100B)と下位ビット4H(0100B)〜7H(0001B)、9H(1001H)の組合せに割り当てている。このように、従来は空き領域とされていた命令の領域を利用することで、限られたハードウェア資源を有効利用することができる上に、空き領域に不正な命令(隠し命令)を埋め込むような不正行為を未然に防止することができ、遊技の公平性を担保できる場合がある。なお、本実施形態では、特殊命令の命令コードを2バイト長としているが、命令コードのバイト長は特に限定されず、例えば1バイト長でもよい。また、ADDTWOONE命令のうちの特定の命令(例えば、「ADDTWOONE HL,A」命令)のみ、他のADDTWOONE命令よりも命令コードが短く(例えば、1バイト長)てもよい。また、「ADDTWOONE OP1,A」命令のうちの特定の命令(例えば、「ADDTWOONE HL,A」命令)のみ、他のADDTWOONE命令よりも命令コードが短く(例えば、1バイト長)てもよい。この場合、該命令の利便性を高めることができる。
「ADDTWOONE HL,C」命令を例に挙げると、第1オペランドで示されるペアレジスタHLに記憶された2バイト長の値に、第2オペランドで示されるCレジスタに記憶された1バイト長の値を加算する場合に使用される命令であり、例えば、上述の特別図柄変動時間抽選処理のステップS1112では、「ADDTWOONE HL,C」を実行することによって、HLレジスタに記憶された2バイト長の値(1755H)に、Cレジスタに記憶された1バイト長の値(B0H)を加算することによって、HLレジスタの値を1805Hに更新している。なお、ADDTWOONE命令(ADDTWOONE OP1,OP2)は、キャリーが発生し難いが、HLレジスタに記憶された2バイト長の値(例えば、FF01H)にCレジスタに記憶された1バイト長の値(例えば、FFH)を加算する場合には、キャリーが発生する。すなわち、ADDTWOONE命令(ADDTWOONE OP1,OP2)を実行後にキャリーが発生する場合には、HレジスタがFFHであると判断することができる。
また、「ADDTWOONE HL,C」命令では、必要なステート数は8ステート、必要なバイト数は2バイトである。一方、従来の命令によって「ADDTWOONE HL,C」命令と同様の処理を行う場合には、図36に示すように、必要なステート数は22ステート(=4+4+10+4)、必要なバイト数は6バイト(=1+1+3+1)である。したがって、HLレジスタに記憶された2バイト長の値にCレジスタに記憶された1バイト長の値を加算する場合に「ADDTWOONE HL,C」命令を使用すれば、制御プログラムの処理時間を短縮して制御負担を軽減することができる上に、プログラムコード量を削減することができ、メモリ容量が制限されているROMの記憶領域を有効に利用することができる場合がある。また、遊技性を高めるためにプログラムコードが増えたとしても、プログラム容量の増加や処理速度の低下を抑止できる場合がある。また、プログラム容量を削減することによって、開発者のコーディングミスやチェックミスを減らし、デバッグが容易で開発効率を高めることが可能となることに加えて、遊技台として適正な機能を有するか否かを外部機関が確認する際にも、確認作業のミスを防止でき、遊技者が安心して遊技を行うことができる遊技台を提供できる場合がある。
また、従来CPUに実行可能に備えられている8ビット演算命令では、「ADD A,E」命令のように、加算結果(「SUB A,E」命令の場合は減算結果)をAレジスタに入れるしかなかったが、ADDTWOONE命令を実行して「ADDTWOONE HL,E」命令とすることで「ADD L,E」を可能にしており、Aレジスタを使用せずに温存することができる(使用用途が広いAレジスタを他の命令で使用することが可能となる結果、プログラム容量を削減できる場合がある)。また、「LD H,00H」命令を実行してHレジスタに00Hを転送した後に、「ADDTWOONE HL,E」命令を実行してLレジスタにEレジスタの値を加算して「SRL H」命令を実行してLレジスタが桁あふれしたかどうかをキャリーフラグが立ったか否かで確認することでAレジスタを使用せずに温存することができる(使用用途が広いAレジスタを他の命令で使用することが可能となる結果、プログラム容量を削減できる場合がある)。
すなわち、「ADD A,L」命令は実行可能であり、「ADD L,A」命令は実行不可能であるが、「ADDTWOONE HL,A」命令を実行可能にした命令セットを備えたことにより、命令セットにおける命令数を1つ増やすだけで、8ビット演算の加算結果を格納可能なレジスタを増やすことができるとともに、16ビット−8ビット演算も可能にしており、命令セットを1命令増やすだけで2つの機能を実現可能としている。
換言すると、加算命令「特定のレジスタペア←特定のレジスタペア+特定のレジスタ」を命令セットに含むとともに、特定のレジスタペアの下位側のレジスタを8ビット演算のアキュムレータとは異なるレジスタとした。
従来では、命令セットにおける命令数を増やしたくなかったため、16ビット演算と8ビット演算しか搭載せず、さらに16ビットのアキュムレータは複数のレジスタペアのうちの特定レジスタペアのみとし、8ビットのアキュムレータは複数のレジスタのうちの特定レジスタのみとしていたが、上記構成により、少ない命令数の増加で複数の機能を実現することができる。
また、HLレジスタが0か否かを確認するために従来では、「LD A,H」命令でHレジスタの値をAレジスタに転送した後に「OR A,L」命令を実行後に0フラグが立つか否かでHLレジスタが0か否かを確認していた。すなわち、8ビット演算を実行して0か否かを確認しているため、8ビット演算のアキュムレータ(この場合はAレジスタ)を使用してしまっていた。しかし、「ADDTWOONE HL,n(00H)」命令後に0フラグが立つか否かを確認することによってAレジスタを使用しないで済む。すなわち、「ADDTWOONE HL,n」命令は、16ビットレジスタペアに8ビットの直値を加算する機能と、16ビットレジスタペアが0か否かを確認する機能と、Aレジスタを温存する機能とを備えている。また、命令に直値を使用しているので、プログラムソースの可読性を向上できる。
<特殊命令/INCTENSOU命令>
特殊命令の一つであるINCTENSOU命令(INCTENSOU OP1,OP2)は、第2オペランドOP2で示される2つのレジスタに記憶された2バイト長の値に1を加算し、加算後の2つのレジスタの値で示されるアドレスに記憶された1バイト長の値を、第1オペランドOP1で示される2つのレジスタのうちの下位のレジスタに記憶した後に、第2オペランドOP2で示される2つのレジスタに記憶された2バイト長の値にさらに1を加算し、加算後の2つのレジスタの値で示されるアドレスに記憶された1バイト長の値を、第1オペランドOP1で示される2つのレジスタのうちの上位のレジスタに記憶するための命令である。INCTENSOU命令の命令コードの上位1バイトは固定値(この例ではEDH)とし、下位バイトは、命令データテーブルの上位ビット1H(0001B)と下位ビット8H(1000B)〜9H(10001B)の組合せと、命令データテーブルの上位ビットDH(1101B)と下位ビット4H(0100B)〜6H(0110B)の組合せに割り当てている。本例では、第1オペランドOP1にアキュムレータを含む機械命令のコードを連番(例えば、「INCTENSOU AC,(HL)」命令のコードがEDD4H、「INCTENSOU AE,(HL)」のコードがEDD5H)にしている。また、第1オペランドOP1にアキュムレータを含む命令のうちの特定のINCTENSOU命令の機械命令のコード(例えば、「INCTENSOU AE,(HL)」命令のコードがEDD5H)と、第1オペランドOP1にアキュムレータを含まない命令のうちの特定のINCTENSOU命令の機械命令のコード(例えば、「INCTENSOU BD,(HL)」命令のコードがEDD6H)を連番にしている。また、第1オペランドOP1にアキュムレータを含まずペアレジスタを含む命令のうちの複数のINCTENSOU命令の機械命令のコード(例えば、「INCTENSOU BC,(HL)」命令のコードがED18H、「INCTENSOU DE,(HL)」命令のコードがED19H)と、第1オペランドOP1にアキュムレータを含まない命令のうちの特定のINCTENSOU命令の機械命令のコード(例えば、「INCTENSOU BD,(HL)」命令のコードがEDD6H)とを離れた番号にしている。このように、従来は空き領域とされていた命令の領域を利用することで、限られたハードウェア資源を有効利用することができる上に、空き領域に不正な命令(隠し命令)を埋め込むような不正行為を未然に防止することができ、遊技の公平性を担保できる場合がある。
「INCTENSOU BC,(HL)」命令を例に挙げると、第2オペランドで示されるペアレジスタHLに記憶された2バイト長の値に1を加算し、加算後のペアレジスタHLの値で示されるアドレス(HL)に記憶された1バイト長の値を、第1オペランドで示されるペアレジスタBCのうちの下位のレジスタCに記憶した後に、第2オペランドで示されるペアレジスタHLに記憶された2バイト長の値にさらに1を加算し、加算後のペアレジスタHLの値で示されるアドレス(HL)に記憶された1バイト長の値を、第1オペランドで示されるペアレジスタBCのうちの上位のレジスタBに記憶するための命令である。INCTENSOU命令は、HLレジスタの値で示されるアドレスの次以降のアドレスに格納されている値をレジスタに転送するのに適している。また、INCTENSOU命令は、該命令実行後にHLレジスタに記憶された値が示すアドレスに格納された値に基づいて該命令を繰り返すか否かの判断処理を行う場合、繰り返すと判断した場合には該命令でHLレジスタにプラス1することでHLレジスタに記憶された値が示すアドレスを次のアドレスにできるために該命令を使用するのに適している。
例えば、上述の特別図柄変動時間抽選処理のステップS1109では、「INCTENSOU BC,(HL)」を実行することによって、HLレジスタに記憶された2バイト長の値(174FH)に1を加算し、加算後のHLレジスタの値(1750H)で示されるアドレスに記憶された1バイト長の値(AEH)を、BCレジスタのうちの下位のCレジスタに記憶した後に、HLレジスタに記憶された2バイト長の値にさらに1を加算し、加算後のHLレジスタの値(1751H)で示されるアドレスに記憶された1バイト長の値(20)を、BCレジスタのうちの上位のBレジスタに記憶している。
また、「INCTENSOU BC,(HL)」命令では、必要なステート数は14ステート、必要なバイト数は2バイトである。一方、従来の命令によってINCTENSOU命令と同様の処理を行う場合には、図36に示すように、必要なステート数は26ステート(=6+7+6+7)、必要なバイト数は4バイト(=1+1+1+1)である。したがって、HLレジスタの値で示されるアドレスの次の連続した2つのアドレスに格納された値をBCレジスタに転送する場合に「INCTENSOU BC,(HL)」命令を使用すれば、制御プログラムの処理時間を短縮して制御負担を軽減することができる上に、プログラムコード量を削減することができ、メモリ容量が制限されているROMの記憶領域を有効に利用することができる場合がある。
また、遊技性を高めるためにプログラムコードが増えたとしても、プログラム容量の増加や処理速度の低下を抑止できる場合がある。特に、本実施形態では、ステップS1109〜S1111のループ処理、またはステップS1114〜S1116のループ処理においてINCTENSOU命令を繰り返し実行することになるため、処理速度の短縮の効果が高い。また、プログラム容量を削減することによって、開発者のコーディングミスやチェックミスを減らし、デバッグが容易で開発効率を高めることが可能となることに加えて、遊技台として適正な機能を有するか否かを外部機関が確認する際にも、確認作業のミスを防止でき、遊技者が安心して遊技を行うことができる遊技台を提供できる場合がある。
<特殊命令/TENSOUINC命令>
特殊命令の一つであるTENSOUINC命令(TENSOUINC OP1,OP2)は、第2オペランドOP2で示される2つのレジスタの値で示されるアドレスに記憶された1バイト長の値を、第1オペランドOP1で示される2つのレジスタのうちの下位のレジスタに記憶し、第2オペランドOP2で示される2つのレジスタに記憶された2バイト長の値に1を加算した後に、第2オペランドOP2で示される2つのレジスタの値で示されるアドレスに記憶された1バイト長の値を、第1オペランドOP1で示される2つのレジスタのうちの上位のレジスタに記憶し、第2オペランドOP2で示される2つのレジスタに記憶された2バイト長の値にさらに1を加算するための命令である。TENSOUINC命令の命令コードの上位1バイトは固定値(この例ではEDH)とし、下位バイトは、命令データテーブルの上位ビット1H(0001B)と下位ビット6H(0110B)〜7H(0111B)の組合せと、命令データテーブルの上位ビットDH(1101B)と下位ビット0H(0000B)〜2H(0010B)の組合せに割り当てている。本例では、第1オペランドOP1にアキュムレータを含む機械命令のコードを連番(例えば、「TENSOUINC AC,(HL)」命令のコードがEDD0H、「TENSOUINC AE,(HL)」のコードがEDD1H)にしている。また、第1オペランドOP1にアキュムレータを含む命令のうちの特定のTENSOUINC命令の機械命令のコード(例えば、「TENSOUINC AE,(HL)」命令のコードがEDD1H)と、第1オペランドOP1にアキュムレータを含まない命令のうちの特定のTENSOUINC命令の機械命令のコード(例えば、「TENSOUINC BD,(HL)」命令のコードがEDD2H)を連番にしている。また、第1オペランドOP1にアキュムレータを含まずペアレジスタを含む命令のうちの複数のTENSOUINC命令の機械命令のコード(例えば、「TENSOUINC BC,(HL)」命令のコードがED16H、「TENSOUINC DE,(HL)」命令のコードがED17H)と、第1オペランドOP1にアキュムレータを含まない命令のうちの特定のTENSOUINC命令の機械命令のコード(例えば、「TENSOUINC BD,(HL)」命令のコードがEDD2H)とを離れた番号にしている。また、TENSOUINC命令とINCTENSOU命令は、同一の第1オペランドOP1の命令はTENSOUINC命令のほうがINCTENSOU命令よりも番号が若い(例えば、「TENSOUINC BC,(HL)」命令のコードがED16H、「INCTENSOU BC,(HL)」命令のコードがED18H)。また、第1オペランドOP1にアキュムレータを含むTENSOUINC命令の機械命令のコード(例えば、「TENSOUINC AC,(HL)」命令のコードがEDD0H)と、第1オペランドOP1にアキュムレータを含むINCTENSOU命令の機械命令のコード(例えば、「INCTENSOU AC,(HL)」命令のコードがEDD4H)とは離れた番号、および/またはTENSOUINC命令とINCTENSOU命令以外の命令の機械命令のコード(例えば、コードEDD3H)の前後にしている。
「TENSOUINC BC,(HL)」命令を例に挙げると、第2オペランドで示されるペアレジスタHLの値で示されるアドレス(HL)に記憶された1バイト長の値を、第1オペランドで示されるペアレジスタBCのうちの下位のレジスタCに記憶し、第2オペランドで示されるペアレジスタHLに記憶された2バイト長の値に1を加算した後に、第2オペランドで示されるペアレジスタHLの値で示されるアドレス(HL)に記憶された1バイト長の値を、第1オペランドで示されるペアレジスタBCのうちの上位のレジスタBに記憶し、第2オペランドで示されるペアレジスタHLに記憶された2バイト長の値にさらに1を加算するための命令である。TENSOUINC命令は、HLレジスタの値で示されるアドレス以降のアドレスに格納されている値をレジスタに転送するのに適している。また、TENSOUINC命令は、該命令を実行後にBレジスタの値が0か否かで該命令を繰り返すか否かの判断処理を行う場合、繰り返すと判断した場合には判断前にHLレジスタにプラス1されているために該命令を使用するのに適している。また、繰り返し処理を行わない場合にもTENSOUINC命令後はHLレジスタの値をプラス1した状態で次の処理を行うことができるので該命令を使用するのに適している。
また、「TENSOUINC BC,(HL)」命令では、必要なステート数は14ステート、必要なバイト数は2バイトである。一方、従来の命令によってTENSOUINC命令と同様の処理を行う場合には、図36に示すように、必要なステート数は26ステート(=7+6+7+6)、必要なバイト数は4バイト(=1+1+1+1)である。したがって、HLレジスタの値で示されるアドレスと次のアドレスに格納された値をBCレジスタに転送する場合に「TENSOUINC BC,(HL)」命令を使用すれば、制御プログラムの処理時間を短縮して制御負担を軽減することができる上に、プログラムコード量を削減することができ、メモリ容量が制限されているROMの記憶領域を有効に利用することができる場合がある。また、遊技性を高めるためにプログラムコードが増えたとしても、プログラム容量の増加や処理速度の低下を抑止できる場合がある。また、プログラム容量を削減することによって、開発者のコーディングミスやチェックミスを減らし、デバッグが容易で開発効率を高めることが可能となることに加えて、遊技台として適正な機能を有するか否かを外部機関が確認する際にも、確認作業のミスを防止でき、遊技者が安心して遊技を行うことができる遊技台を提供できる場合がある。なお、INCTENSOU命令とTENSOUINC命令は、CPUに両方実行可能に備えるようにしても良いし、何れか一方のみ実行可能に備えるようにしてもよい。
<特殊命令/CPT命令>
特殊命令の一つである「CPT A,(n:イミディエイト値)」命令は、Aレジスタの内容と、Tレジスタを上位、イミディエイト値を下位で示すアドレスのデータを比較する命令であり、例えば、Tレジスタに7EHが記憶された状態で「CPT A,(40H)」を実行した場合、Aレジスタの内容と、Tレジスタを上位、イミディエイト値を下位で示すアドレス(7E40H)のデータが比較される。
<特殊命令/ADDONETWO命令>
特殊命令の一つであるADDONETWO命令(ADDONETWO OP1,OP2)は、第1オペランドOP1で示されるレジスタに記憶された1バイト長の値に、第2オペランドOP2で示される2つのレジスタに記憶された2バイト長の値(または、第2オペランドOP2で示される2バイト長のイミディエイト値)を加算するための命令である。ADDONETWO命令の命令コードの上位1バイトは固定値(この例ではEDH)とし、下位バイトは、命令データテーブルの上位ビット4H(0100B)と下位ビットAH(1010B)の組合せに割り当てている。このように、従来は空き領域とされていた命令の領域を利用することで、限られたハードウェア資源を有効利用することができる上に、空き領域に不正な命令(隠し命令)を埋め込むような不正行為を未然に防止することができ、遊技の公平性を担保できる場合がある。なお、ADDONETWO命令(ADDONETWO OP1,OP2)は、キャリーが発生し易く、Aレジスタに記憶された1バイト長の値(例えば、00H)にHLレジスタに記憶された2バイト長の値(例えば、0100H)を加算する場合には、キャリーが発生する。すなわち、Hレジスタが00H以外である場合にADDONETWO命令(ADDONETWO OP1,OP2)を実行することでキャリーを発生させることができる。なお、ADDTWOONE命令とADDONETWO命令は、CPUに両方備えるようにしても良いし、何れか一方のみ備えるようにしてもよい。
<特殊命令/SUBTWOONE命令>
特殊命令の一つであるSUBTWOONE命令(SUBTWOONE OP1,OP2)は、第1オペランドOP1で示される2つのレジスタに記憶された2バイト長の値から、第2オペランドOP2で示されるレジスタに記憶された1バイト長の値(または、第2オペランドOP2で示される1バイト長のイミディエイト値)を減算するための命令である。SUBTWOONE命令の命令コードの上位1バイトは固定値(この例ではEDH)とし、下位バイトは、命令データテーブルの上位ビット4H(0100B)と下位ビット8H(1000B)の組合せに割り当てている。このように、従来は空き領域とされていた命令の領域を利用することで、限られたハードウェア資源を有効利用することができる上に、空き領域に不正な命令(隠し命令)を埋め込むような不正行為を未然に防止することができ、遊技の公平性を担保できる場合がある。なお、SUBTWOONE命令(SUBTWOONE OP1,OP2)は、キャリーが発生し難いが、HLレジスタに記憶された2バイト長の値(例えば、0001H)からAレジスタに記憶された1バイト長の値(例えば、FFH)を減算する場合には、キャリーが発生する。すなわち、SUBTWOONE命令(SUBTWOONE OP1,OP2)を実行後にキャリーが発生する場合には、Hレジスタが00Hであると判断することができる。
<データテーブルの変形例>
次に、図38を用いて、上述のデータテーブルの変形例について説明する。なお、同図は、テーブル選択用テーブル、第1変動パターン選択テーブル、および第2変動パターン選択テーブルの変形例を示した図であり、上記図32に相当する図である。
同図(b)に示す第1変動パターン選択テーブルでは、上記図32(b)に示す第1変動パターン選択テーブルに対して、乱数の個数の項目を乱数の上限の項目に変更している。また、同図(c)に示す第2変動パターン選択テーブルでは、上記図32(c)に示す第2変動パターン選択テーブルに対して、乱数の個数の値を変更している。
<特別図柄変動時間抽選処理の変形例>
次に、図39を用いて、上記図34に示す特別図柄変動時間抽選処理の変形例について説明する。なお、同図は、変形例に係る特別図柄変動時間抽選処理の流れを示すフローチャートである。
この変形例に係る特別図柄変動時間抽選処理では、上記図34に示す特別図柄変動時間抽選処理の「INCTENSOU BC,(HL)」命令を用いたステップS1109の処理やステップS1114の処理を、「INCTENSOU AC,(HL)」命令を用いたステップS1150の処理やステップS1152の処理に変更するとともに、ステップS1151、S1153において、上述のCPT命令を利用している。
具体的には、ステップS1150では、HLレジスタの値で示されるアドレスの次の連続した2つのアドレスに格納された値をACレジスタに転送する(INCTENSOU AC,(HL))。例えば、HLレジスタの値が174FHの場合には、HLレジスタの値で示されるアドレスの次の連続した2つのアドレス(1750H、1751H)に格納された値をACレジスタに転送することによって、Aレジスタに19を、CレジスタにAEHを記憶する。
次のステップS1151では、「CPT A,(41H)」を実行することによって、Aレジスタの内容と、Tレジスタ(7EH)を上位、イミディエイト値(41H)を下位で示すアドレス(7E41H)のデータ、すなわち、上述の乱数1記憶領域に記憶された乱数1と、を比較する(Aレジスタの値から乱数1を減算する)。次のステップS1154では、ステップS1151の比較(減算)の結果、キャリーが発生しないか否か、すなわち減算の結果が正の値になったかどうかを判定し、該当する場合にはステップS1112に進み、該当しない場合には該当するまでステップS1150〜S1151の処理を繰り返し実行する。
また、ステップS1152では、HLレジスタの値で示されるアドレスの次の連続した2つのアドレスに格納された値をACレジスタに転送する(INCTENSOU AC,(HL))。例えば、HLレジスタの値が17FFHの場合には、HLレジスタの値で示されるアドレスの次の連続した2つのアドレス(1800H、1801H)に格納された値をACレジスタに転送することによって、Aレジスタに255を、Cレジスタに01Hを記憶する。
次のステップS1153では、「CPT A,(42H)」を実行することによって、Aレジスタの内容と、Tレジスタ(7EH)を上位、イミディエイト値(42H)を下位で示すアドレス(7E42H)のデータ、すなわち、上述の乱数2記憶領域に記憶された乱数2を比較する(Aレジスタの値から乱数2を減算する)。次のステップS1155では、ステップS1153の比較(減算)の結果、キャリーが発生しないか否か、すなわち減算の結果が正の値になったかどうかを判定し、該当する場合にはステップS1117に進み、該当しない場合には該当するまでステップS1152〜S1153の処理を繰り返し実行する。
<初期設定処理>
次に、図40および図41を用いて、上述の主制御部メイン処理の初期設定2(ステップS107)で実行される初期設定処理について説明する。なお、図40(a)は、ROM306に記憶される初期設定データテーブルの一例を示した図であり、同図(b)は、初期設定処理後のRAM308の記憶領域の一部を示した図であり、同図(c)は、初期設定処理の流れを示すフローチャートである。また、図41は、初期設定処理のプログラムリストの一例である。
ステップS1201では、上述のTENSOUINC命令(「TENSOUINC BD,(HL)」によって、HLレジスタの値で示されるアドレス(HL)に記憶された1バイト長の値を、BDレジスタのうちの下位のDレジスタに記憶し、HLレジスタに記憶された2バイト長の値に1を加算した後に、HLレジスタの値で示されるアドレス(HL)に記憶された1バイト長の値を、BCレジスタのうちの上位のBレジスタに記憶し、HLレジスタに記憶された2バイト長の値にさらに1を加算する。例えば、HLレジスタに、同図(a)に示す初期設定データテーブルの先頭アドレスである100DHを設定した場合には、Dレジスタには7EHが、Bレジスタには3が記憶される。
次のステップS1202では、上述のTENSOUINC命令(「TENSOUINC AE,(HL)」によって、HLレジスタの値で示されるアドレス(HL)に記憶された1バイト長の値を、AEレジスタのうちの下位のEレジスタに記憶し、HLレジスタに記憶された2バイト長の値に1を加算した後に、HLレジスタの値で示されるアドレス(HL)に記憶された1バイト長の値を、AEレジスタのうちの上位のAレジスタに記憶し、HLレジスタに記憶された2バイト長の値にさらに1を加算する。例えば、先の例では、Eレジスタには、100FHに記憶されている値である17Hが、Aレジスタには、1010に記憶されている値である01Hが記憶され、HLレジスタの値は1011Hに更新される。
次のステップS1203では、Aレジスタの値をDEレジスタの値で示されるアドレス(DE)に記憶する。先の例では、Aレジスタの値である01Hを、DEレジスタの値で示されるアドレスであるRAM308の7E17Hに記憶する(同図(b)参照)。
次のステップS1204では、Bレジスタの値から1を減算し、減算結果が0になるまでステップS1202〜S1203の処理を繰り返し実行し(ステップS1202の処理のアドレスまで相対ジャンプして処理を実行し)、減算結果が0になった場合にはステップS1205に進む。
先の例では、Bレジスタが2の場合には、ステップS1202の処理により、Eレジスタには、1011Hに記憶されている値である20Hが、Aレジスタには、1012Hに記憶されている値である16Hが記憶され、HLレジスタの値は1013Hに更新され、ステップS1203の処理により、Aレジスタの値である16Hを、DEレジスタの値で示されるアドレスであるRAM308の7E20Hに記憶する(同図(b)参照)。
また、Bレジスタが1の場合には、ステップS1202の処理により、Eレジスタには、1013Hに記憶されている値である3AHが、Aレジスタには、1014Hに記憶されている値である06Hが記憶され、HLレジスタの値は1015Hに更新され、ステップS1203の処理により、Aレジスタの値である06Hを、DEレジスタの値で示されるアドレスであるRAM308の7E3AHに記憶する(同図(b)参照)。なお、上記7E17H、7E20H、7E3AHに記憶する遊技設定(遊技制御に用いる各種情報)としては、例えば電源ステータス、払出制御コマンド加工種別、表示器表示ステータスなどが挙げられ、また、遊技設定の数は、複数でもよいし、1つのみでもよい。また、初期設定処理(moDataSet)は、処理開始時のHLレジスタの値を異ならせることにより(HLレジスタに設定するアドレスを、初期設定データテーブルとは異なる他のテーブルの先頭アドレスなどに設定することにより)、複数の処理から呼び出し可能な(例えば、HLレジスタを引数として呼び出し可能な)汎用的なデータ設定処理モジュールとして扱ってもよい。この場合、プログラム容量の削減や処理速度の向上を図ることができる。
この初期設定処理では、ステップS1201、S1202でTENSOUINC命令を使用しているため、ステート数を従来の26ステートから14ステートに削減することができ、処理時間を短縮することができる上に、バイト数を従来の4バイトから2バイトに削減することができ、プログラム容量を削減することができる。特に、この例では、ステップS1202〜S204のループ処理においてTENSOUINC命令を繰り返し実行することになるため、処理速度の短縮の効果が高い。
また、TENSOUINC命令の中でも、Aレジスタ(アキュムレータ)と他のレジスタのペアをオペランドとする命令(本実施形態では、TENSOUINC AC,(HL)、TENSOUINC AE,(HL))は、Aレジスタの値を変更すると同時に、ペアレジスタ(本実施形態では、BCレジスタとDEレジスタ)の上位バイトのレジスタ(本実施形態では、BレジスタとDレジスタ)を固定しつつ、ペアレジスタの下位バイトのレジスタ(本実施形態では、CレジスタとEレジスタ)の値だけを変更することができるため、従来よりも高度なプログラミングが可能で、プログラム容量の削減や処理速度の向上を図ることができる。
また、TENSOUINC命令の中でも、第1のペアレジスタ(本実施形態では、BCレジスタ)の上位バイトのレジスタ(本実施形態では、Bレジスタ)と、第2のペアレジスタ(本実施形態では、DEレジスタ)の上位バイトのレジスタ(本実施形態では、Dレジスタ)のペアをオペランドとする命令(本実施形態では、TENSOUINC BD,(HL))は、第1のペアレジスタと第2のペアレジスタの上位バイトのレジスタの値のみを変更することができるため、従来よりも高度なプログラミングが可能で、プログラム容量の削減や処理速度の向上を図ることができる。
また、TENSOUINC命令の中でも、オペランドにBレジスタを含む命令(本実施形態では、TENSOUINC BC,(HL)、TENSOUINC BD,(HL))を利用し、かつ、上述の初期設定処理のステップS1202〜S1204のループ処理のように、Bレジスタによってループ処理の回数を判定するように構成すれば、ループ処理のプログラム容量の削減や処理速度の向上を図ることができる。
なお、CPUは304、TENSOUINC命令とINCTENSOU命令両方を実行可能であり、遊技制御プログラムは第一の命令(TENSOUINC)によるテーブルサーチと第二の命令(INCTENSOU)によるテーブルサーチの両方を実行するようにしてもよい。
「テーブルサーチ」は一般的な用語どおりの意味としてもよく、例えば、一または複数の行と一または複数の列から構成されたテーブル(例えば、図32、図38の第1変動パターン選択テーブル・第2変動パターン選択テーブル、図40の初期設定データテーブル)から対応する行を探し出し、その行の一または複数の列の値を取り出す処理を示してもよいし、探し出した行のテーブル内の行の位置(例えば行番号)を導出する処理としてもよい。同様に対応する列を探し出し、その列の一または複数の行の値を取り出す処理を示すものとしてもよいし、探し出した列のテーブル内の列の位置(例えば列番号)を導出する処理としてもよい。
ここで対応する行を探し出す処理は、探している一または複数の値が、テーブル内の特定の行における一または複数の特定の列の値と一致または関係する場合に、当該特定の行を対応する行とするような処理としてもよい。対応する列を探し出す処理も同様としてもよい。
<実施形態2>
以下、図面を用いて、本発明の実施形態2に係る遊技台(スロットマシン1100)について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図42を用いて、本発明の実施形態2に係るスロットマシン1100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン1100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
同図に示すスロットマシン1100は、本体1101と、本体1101の正面に取り付けられ、本体1101に対して開閉可能な前面扉1102と、を備える。本体1101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール1110、中リール1111、右リール1112)収納され、スロットマシン1100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール1110乃至1112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール1110乃至1112が構成されている。リール1110乃至1112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓1113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール1110乃至1112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール1110乃至1112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン1100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール1110乃至1112の背面には、図柄表示窓1113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン1100内部において各々のリール1110乃至1112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール1110乃至1112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ1120は、有効となる入賞ライン1114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン1114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン1114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ1123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ1124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ1122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ1128は演出用のランプである。
ベットボタン1130乃至1132は、スロットマシン1100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン1130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン1131が押下されると2枚投入され、ベットボタン1132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン1132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ1129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ1121が点灯する。
メダル投入口1141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン1130乃至1132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口1141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器1125は、スロットマシン1100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器1126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器1127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器1125、遊技情報表示器1126、および、払出枚数表示器1127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー1135は、リール1110乃至1112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口1141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン1130乃至1132を操作して、スタートレバー1135を操作すると、リール1110乃至1112が回転を開始することとなる。スタートレバー1135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット1136には、ストップボタン1137乃至1139が設けられている。ストップボタン1137乃至1139は、スタートレバー1135の操作によって回転を開始したリール1110乃至1112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール1110乃至1112に対応づけられている。以下、ストップボタン1137乃至1139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン1137乃至1139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン1137乃至1139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン1133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン1134は、スロットマシン1100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口1155から排出するためのボタンである。ドアキー孔1140は、スロットマシン1100の前面扉1102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。ストップボタンユニット1136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル1162が設けられている。タイトルパネル1162の下部には、メダル払出口1155、メダルの受け皿1161が設けられている。
音孔1180はスロットマシン1100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉1102の左右各部に設けられたサイドランプ1144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉1102の上部には演出装置1160が配設されており、演出装置1160の上部には音孔1143が設けられている。この演出装置1160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ1163a、左シャッタ1163bからなるシャッタ(遮蔽装置)1163と、このシャッタ1163の奥側に配設された液晶表示装置1157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ1163a、左シャッタ1163bが液晶表示装置1157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置1157の表示画面がスロットマシン1100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
図43は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン1100を示す正面図である。本体1101は、上面板1261、左側の側面板1260、右側の側面板1260、下面板1264および背面板1242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体1101の内部には、背面板1242の上部に設けた通風口1249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース1210が配置され、この主制御基板収納ケース1210の下方に、3つのリール1110乃至1112が配置されている。主制御基板収納ケース1210及びリール1110乃至1112の側方、即ち向って左側の側面板1260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース1220が配設してある。また、向かって右側の側面板1260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン1100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板1248が取り付けられている。
そして、下面板1264には、メダル払出装置1180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置1180の上方、即ちリール1110乃至1112の下方には、電源基板を有する電源装置1252が配設され、電源装置1252正面には電源スイッチ1244を配設している。電源装置1252は、スロットマシン1100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部1300、副制御部1400、1500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部1300のRAM1308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置1180の右側には、メダル補助収納庫1240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置1252には、電源コード1264を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード1264が、本体1101の背面板1242に開設した電源コード用穴1262を通して外部に延出している。
前面扉1102は、本体1101の左側の側面板1260にヒンジ装置1276を介して蝶着され、図柄表示窓1113の上部には、演出装置1160、および、この演出装置1160を制御する演出制御基板(図示省略)、上部スピーカ1272、を設けている。図柄表示窓1113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ1170、このメダルセレクタ1170が不正なメダル等をメダル受皿1161に落下させる際にメダルが通過する通路1266等を設けている。さらに、音孔1180に対応する位置には低音スピーカ1277を設けている。
図44を用いて、スロットマシン1100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン1100の制御部は、大別すると、主に遊技の進行(例えば、遊技者による操作の検出、遊技状態の遷移、遊技媒体の払出制御、当否判定など)を制御する主制御部1300と、主制御部1300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う第1副制御部1400と、第1副制御部1400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部1500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン1100の主制御部1300について説明する。主制御部1300は、主制御部1300の全体を制御する基本回路1302を備えており、この基本回路1302には、CPU1304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM1306と、一時的にデータを記憶するためのRAM1308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1312と、WDT(ウォッチドックタイマ)1314を搭載している。なお、ROM1306やRAM1308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部1400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路1302のCPU1304は、水晶発振器1314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU1304は、電源が投入されるとROM1306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ1312に送信し、カウンタタイマ1312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU1304に送信する。CPU1304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器1314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ1312の分周値を1/256、ROM1306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部1300は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路1316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路1338を備えており、CPU1304は、この起動信号出力回路1338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部1300には、センサ回路1320を備えており、CPU1304は、割り込み時間ごとに各種センサ1318(ベットボタン1130センサ、ベットボタン1131センサ、ベットボタン1132センサ、メダル投入口1141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー1135センサ、ストップボタン1137センサ、ストップボタン1138センサ、ストップボタン1139センサ、精算ボタン1134センサ、メダル払出装置1180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール1110のインデックスセンサ、リール1111のインデックスセンサ、リール1112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路1320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路1316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路1316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口1141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー1135センサは、スタートレバー1135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン1137センサ、ストップボタン1138センサ、および、ストップボタン1139は、各々のストップボタン1137乃至1139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン1130センサ、ベットボタン1131センサ、および、ベットボタン1132センサは、メダル投入ボタン1130乃至1132のそれぞれに設置されており、RAM1308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン1134センサは、精算ボタン1134に設けられている。精算ボタン1134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置1180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール1110のインデックスセンサ、リール1111のインデックスセンサ、および、リール1112のインデックスセンサは、各リール1110乃至1112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU1304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部1300は、リール装置1110乃至1112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路1322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ1170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路1324、メダル払出装置1180に設けたモータを駆動する駆動回路1326、各種ランプ1338(入賞ライン表示ランプ1120、告知ランプ1123、遊技メダル投入可能ランプ1124、再遊技ランプ1122、遊技メダル投入ランプ1129は、遊技開始ランプ1121、貯留枚数表示器1125、遊技情報表示器1126、払出枚数表示器1127)を駆動する駆動回路1328を備えている。
また、基本回路1302には、情報出力回路1334(外部集中端子板1248)を接続しており、主制御部1300は、この情報出力回路1334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路1652にスロットマシン1100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部1300は、電源管理部(図示しない)から主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路1330を備えており、電圧監視回路1330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路1302に出力する。
また、主制御部1300は、第1副制御部1400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部1400との通信を可能としている。なお、主制御部1300と第1副制御部1400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部1300は第1副制御部1400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部1400からは主制御部1300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン1100の第1副制御部1400について説明する。第1副制御部1400は、主制御部1300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部1400の全体を制御する基本回路1402を備えており、この基本回路1402は、CPU1404と、一時的にデータを記憶するためのRAM1408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1412を搭載している。基本回路1402のCPU1404は、水晶発振器1414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部1400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
CPU1404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM1406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ1412に送信する。カウンタタイマ1412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU1404に送信する。CPU1404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部1400には、音源IC1418を設けており、音源IC1418に出力インタフェースを介してスピーカ1272、1277を設けている。音源IC1418は、CPU1404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ1272、1277から出力する音声の制御を行う。音源IC1418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ1272、1277から出力する。
また、第1副制御部1400には、駆動回路1422が設けられ、駆動回路1422に入出力インタフェースを介して各種ランプ1420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ1144、タイトルパネル1162ランプ、等)が接続されている。
また、CPU1404は、出力インタフェースを介して第2副制御部1500へ信号の送受信を行う。第2副制御部1500は、演出画像表示装置1157の表示制御を含む演出装置1160の各種制御を行う。なお、第2副制御部1500は、例えば、液晶表示装置1157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ1163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
第2副制御部1500は、第1副制御部1400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部1500の全体を制御する基本回路1502を備えており、この基本回路1502は、CPU1504と、一時的にデータを記憶するためのRAM1508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1512と、を搭載している。基本回路1502のCPU1504は、水晶発振器1514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部1500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
CPU1504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM1506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ1512に送信する。カウンタタイマ1512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU1404に送信する。CPU1504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部1500には、シャッタ1163のモータを駆動する駆動回路1530を設けており、駆動回路1530には出力インタフェースを介してシャッタ1163を設けている。この駆動回路1530は、CPU1504からの命令に応じてシャッタ1163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第2副制御部1500には、センサ回路1532を設けており、センサ回路1532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ1538を接続している。CPU1504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ1538状態を監視している。
また、第2副制御部1500には、VDP1534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP1534には、バスを介してROM1506、VRAM1536が接続されている。VDP1534は、CPU1504からの信号に基づいてROM1506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM1536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置1157に画像を表示する。
<図柄配列>
次に、図45(a)を用いて、上述の各リール1110乃至1112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール1110、中リール1111、右リール1112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール1110乃至1112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール1110乃至1112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール1110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール1111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール1112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図45(b)を用いて、スロットマシン1100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
スロットマシン1100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部1300のRAM1308の当否判定結果記憶領域に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。 「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール1110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール1111と右リール1112の図柄はどの図柄でもよい。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン1100の遊技状態の種類について説明する。遊技状態とは、抽選などにおいて選択する抽選データの種別を識別するための情報である。本実施形態では、スロットマシン1100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、内部当選遊技は、通常遊技に含まれる区分けであってもよい。
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定、又は、停止表示結果がいずれの役の図柄組合せに該当しないハズレの停止表示結果が概ね導出される設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、遊技に用いられるメダルの消費が抑えられ、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施形態では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を複数回数実行可能であればよく、例えば、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば、8回)の入賞があった場合に終了する。RB遊技は、予め定めた回数(少なくとも2回)の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。上述したBB遊技は、RB遊技を複数回数実行可能であるので、一回のRB遊技を行った場合には、BB遊技で得られるメダルの総数よりも少ないメダル数を獲得して終了することとなる。
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。なお、BB遊技、RB遊技は両者とも遊技者にとって利益となる遊技状態であるため、総じて、ボーナス遊技、又は、特別遊技と称する場合がある。
<主制御部メイン処理>
図46を用いて、主制御部1300のCPU1304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部1300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)1338を設けている。この起動信号を入力した基本回路1302のCPU1304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM1306に予め記憶している制御プログラムに従って、この主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS2101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU1304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O1310の初期設定、RAM1308に記憶する各種変数の初期設定、WDT1314への動作許可及び初期値の設定等を行う。ステップS2103ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ1120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー1135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー1135の操作があればステップS2105へ進む。
ステップS2105では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップS2107では乱数発生回路1316で発生させた乱数を取得する。ステップS2109では、現在の遊技状態に応じてROM1306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS2107で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。ステップS2111では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS2113では全リール1110乃至1112の回転を開始させる。ステップS2115では、ストップボタン1137乃至1139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール1110乃至1112の何れかをステップS2111で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール1110乃至1112が停止するとステップS2117へ進む。ステップS2117では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン1114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。ステップS2119では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。ステップS2121では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。以上により1ゲームが終了する。以降ステップS2103へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<主制御部1300タイマ割込処理>
次に、図47を用いて、主制御部1300のCPU1304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部1300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ1312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS2201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU1304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。ステップS2203では、WDT1314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT1314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS2205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O1310の入力ポートを介して、各種センサ1318のセンサ回路1320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM1308に各種センサ1318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS2207では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ1318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン1137乃至1139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。ステップS2209では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS2211では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部1400に送信される。なお、第1副制御部1400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール1110乃至1112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン1137乃至1139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール1110乃至1112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、遊技状態を示すコマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。第1副制御部1400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部1300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS2213では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM1308に記憶している遊技情報を、情報出力回路1334を介してスロットマシン1100とは別体の情報入力回路1652に出力する。
ステップS2215では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS2205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ1318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ1170(メダルセレクタ1170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ1338、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS2217では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS2221に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS2219に進む。
ステップS2219では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS2201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップS2221では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM1308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
次に、図48を用いて、第1副制御部1400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部1400のCPU1404が実行するメイン処理のフローチャートであり、同図(b)は、第1副制御部1400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。また、同図(c)は、第1副制御部1400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS2301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS2301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM1408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS2303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS2305の処理に移行する。ステップS2305では、タイマ変数に0を代入する。ステップS2307では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第1副制御部1400のCPU1404は、主制御部1300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS2309では、演出制御処理を行う。この演出制御処理では、例えば、ステップS2307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM1406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS2311では、ステップ2309の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS2309で読み出した演出データの中に音源IC1418への命令がある場合には、この命令を音源IC1418に出力する。ステップS2313では、ステップ2309の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS2309で読み出した演出データの中に各種ランプ1420への命令がある場合には、この命令を駆動回路1422に出力する。
ステップS2315では、ステップ2309の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS2309で読み出した演出データの中に第2副制御部1500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS2303へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部1400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部1400が、主制御部1300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS2401では、主制御部1300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM1408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部1400のCPU1404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部1400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS2501では、第1副制御部メイン処理におけるステップS2303において説明したRAM1408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS2303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS2503では、ステップS2315で設定された第2副制御部1500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<第2副制御部500の処理>
次に、図49を用いて、第2副制御部1500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部1500のCPU1504が実行するメイン処理のフローチャートであり、同図(b)は、第2副制御部1500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。また、同図(c)は、第2副制御部1500のタイマ割込処理のフローチャートであり、同図(d)は、第2副制御部1500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS2601では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS2601で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM1508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS2603では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS2605の処理に移行する。ステップS2605では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS2607では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部1500のCPU1504は、第1副制御部1400のCPU1404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS2609では、演出制御処理を行う。この演出制御処理では、例えば、ステップS2607で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM1506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS2611では、ステップS2609の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS2609で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。ステップS2613では、ステップS2609の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップS2609読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップS2603へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部1500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部1500が、第1副制御部1400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS2701では、第1副制御部1400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM1508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部1500のCPU1504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部1500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS2801では、第2副制御部メイン処理におけるステップS2603において説明したRAM1508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS2603において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS2803では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、同図(d)を用いて、第2副制御部1500のメイン処理におけるステップS2613の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
ステップS2901では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU1504は、まず、VRAM1536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置1157に表示される。次に、CPU1504は、VDP1534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM1506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM1536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM1506からVRAM1536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP1534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM1506からVRAM1536に転送する。その後、VDP1534は、転送終了割込信号をCPU1504に対して出力する。
ステップS2903では、VDP1534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS2905に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップS2905では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU1504は、ステップS2901でVRAM1536に転送した画像データに基づいてVRAM1536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM1536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP1534に指示する。VDP1534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS2907では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU1504は、VDP1534に画像の描画開始を指示する。VDP1534は、CPU1504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。ステップS2909では、画像の描画終了に基づくVDP1534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS2911に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS2911では、RAM1508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
このようなスロットマシン1100の主制御部1300に対しても、次に説明する本発明の特徴点の一つ、複数、または全てを適用することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ機100(またはスロットマシン1100)は、複数のアドレスそれぞれで示される記憶領域(例えば、ROM領域)に制御プログラムデータを含む複数種類のデータ(例えば、非使用データや参照データ)を記憶したROM(例えば、ROM306)と、前記ROMに記憶された前記制御プログラムデータに基づいて所定の周期毎に実行される割込み処理(例えば、主制御部タイマ割込み処理)を含む複数種類の遊技制御処理を実行するCPU(例えば、CPU304)と、を備え、前記ROMは、1又は複数の前記制御プログラムデータであって、前記CPUが実行する複数種類の命令それぞれに対応した命令データ(オペコード)と、1又は複数の前記制御プログラムデータであって、前記CPUが該命令を実行するために必要な補足データ(オペランド)と、を記憶し、該命令データであって、特定のアドレス(例えば、サブルーチンの先頭のアドレス)を識別可能にする特定識別情報(例えば、サブルーチンの先頭のアドレスをバイナリ形式で表現した情報)の一部である第1の識別情報を示す第1のアドレスデータ(例えば、m)および該第1のアドレスデータと異なる別データ(例えば、EXESUB命令の命令データからmを除いたデータ)で構成され、該特定のアドレスで示される記憶領域に記憶されたデータを前記CPUに読み込ませる特定命令(例えば、EXESUB命令)に対応した特定命令データ(例えば、EXESUB命令の命令データ)と、該補足データであって、該特定識別情報から該第1の識別情報を除いた情報のうちの少なくとも一部である第2の識別情報を示す第2のアドレスデータ(例えば、n)で構成され、前記CPUが該特定命令を実行するために必要な特定補足データと、を前記割込み処理で実行される命令に対応するように(例えば、ROM制御領域のうちタイマ割り込み処理の領域に対応するROM306の記憶領域(タイマ割込み処理に対応したアドレスで示される記憶領域)に)記憶していることを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係るパチンコ機100(またはスロットマシン1100)によれば、命令データに含まれる第1のアドレスデータmを上位アドレスのデータとして定義することで、アドレス領域に対して命令データをグループ化して対応付けることができ、コーディングミスを抑制することができる場合がある。また、命令データは、呼び出すサブルーチンの先頭アドレスの一部を構成するデータを含んで構成されていることから、移動先のアドレスデータを間違ってしまった場合であっても、間違ってしまったデータが命令データに含まれていれば、制御プログラムの実行が停止される場合があるため、コーディングミスを抑制することができる場合がある。また、従来のサブルーチンを呼び出す制御命令(例えば、CALL命令)を圧縮することができ、ROM制御領域に対応するROM306の記憶領域に記憶されている従来の制御プログラムデータを圧縮することが可能となる。また、制御プログラムの圧縮に起因して従来(例えば、CALL命令)よりもサブルーチンを呼び出す制御プログラムの処理速度を向上させる(ステート数を少なくする)ことができる場合がある。
また、前記ROMは、少なくとも前記第1の識別情報、前記第2の識別情報の順序に定義することにより前記特定のアドレスを識別可能にする前記特定識別情報(例えば、mn)のうち、前記第1の識別情報を示す前記第1のアドレスデータおよび前記別データで構成される前記特定命令データと、該特定識別情報のうち前記第2の識別情報を示す前記第2のアドレスデータで構成される前記特定補足データと、を前記割込み処理で実行される命令に対応するように記憶してもよい。
このような構成とすれば、命令データは、呼び出すサブルーチンの先頭アドレスの一部を構成するデータを含んで構成されていることから、移動先のアドレスデータを間違ってしまった場合であっても、間違ってしまったデータが命令データに含まれていれば、制御プログラムの実行が停止されるため、コーディングミスを抑制することができる場合がある。
また、前記ROMは、少なくとも前記第1のアドレスデータの一部である第1の構成データ(例えば、EXESUB命令の命令データのビット7)、前記別データの少なくとも一部である第2の構成データ(例えば、EXESUB命令の命令データのビット6〜3)、前記第1のアドレスデータから該第1の構成データを除いた第3の構成データ(例えば、EXESUB命令の命令データのビット2〜0)の順序で構成された前記特定命令データをを前記割込み処理で実行される命令に対応するように記憶してもよい。
このような構成とすれば、命令データをグループ化しつつも、きめ細かく命令データテーブルの空き領域に割り当てることが可能になる。よって、限られたハードウェア資源(例えば、1バイトで定義可能なパターン(256パターン))を有効利用することができ、命令データの圧縮によるROM制御領域に対応するROMの記憶領域に記憶されている従来の制御プログラムデータの圧縮が可能となる。
また、前記第3の構成データ(例えば、EXESUB命令の命令データのビット2〜0)が前記第1の構成データ(例えば、EXESUB命令の命令データのビット7)と比較してデータ容量が大きくなる、または、前記第1の構成データが前記第3の構成データと比較してデータ容量が大きくなる(例えば、3ビットに対して1ビット)ように構成された前記特定命令データを前記割込み処理で実行される命令に対応するように記憶してもよい。
このような構成とすれば、命令データをグループ化しつつも、きめ細かく命令データテーブルの空き領域に割り当てることが可能になる。よって、限られたハードウェア資源(例えば、1バイトで定義可能なパターン(256パターン))を有効利用することができ、命令データの圧縮によるROM制御領域に対応するROMの記憶領域に記憶されている従来の制御プログラムデータの圧縮が可能となる。
また、前記ROMは、前記特定命令の実行により前記CPUが読み込み可能なデータが記憶されている特定の記憶領域(例えば、0000H〜0FFFHや0000H〜11FFH)に全ての前記制御プログラムデータを記憶するとともに、該特定の記憶領域から前記制御プログラムデータが記憶された制御記憶領域(例えば、ROM制御領域に対応するROM306の記憶領域)を除いた記憶領域(例えば、非使用領域に対応するROM306の記憶領域)の全てに前記遊技制御処理の実行に使用されない非使用データ(例えば、00H)を記憶するようにしてもよい。
このような構成とすれば、CPU304が非使用データおよび制御プログラムデータを除くデータ(例えば、参照データや管理データ)を直接命令データとして読み込まれることがないため、補足データのコーディングミスによるCPU304の誤作動を防止できる場合がある。
また、前記ROMは、複数のアドレスそれぞれで示される記憶領域に特定のデータ長(例えば、1バイト(8ビット))で表される複数種類のデータを記憶するものであり、前記CPUは、前記ROMの記憶された一のアドレスに示される記憶領域に記憶されたデータを一処理毎に読み込むことで前記割込み処理を含む複数種類の遊技制御処理を実行するものであり、前記ROMは、さらに、前記特定のデータ長の2以上の整数倍である第1のデータ長(例えば、2バイト(16ビット))で表現される前記特定のアドレスを識別可能な前記特定識別情報の一部である前記第1の識別情報を示す前記第1のアドレスデータおよび前記別データで構成される前記特定命令データと、該第1のデータ長よりも前記特定のデータ長の整数倍のデータ長だけ短い第2のデータ長(例えば、1バイト(8ビット))で表現される前記第2のアドレスデータで構成される前記特定補足データと、を前記割込み処理で実行される命令に対応するように記憶してもよい。
このような構成とすれば、命令データをグループ化しつつも、きめ細かく命令データテーブルの空き領域に割り当てることが可能になる。よって、限られたハードウェア資源(例えば、1バイトで定義可能なパターン(256パターン))を有効利用することができ、命令データの圧縮によるROM制御領域に対応するROMの記憶領域に記憶されている従来の制御プログラムデータの圧縮が可能となる。
また、本実施形態に係るパチンコ機100(またはスロットマシン110)は、複数の制御プログラムデータで構成される制御プログラムを記憶しているROM(例えば、ROM306)と、前記制御プログラムに基づいて遊技制御を実行するCPU(例えば、CPU304)と、を備え、前記ROMは、前記複数の制御プログラムデータのうち、第1のデータ(例えば、EXESUB命令(EXESUBmn)の命令データにおける、ビット6およびビット7)、第2のデータ(例えば、EXESUB命令(EXESUBmn)の命令データにおける、ビット5(α))、第3のデータ(例えば、EXESUB命令(EXESUBmn)の命令データにおける、ビット3およびビット4)、第4のデータ(例えば、EXESUB命令(EXESUBmn)の命令データにおける、ビット0(δ)、ビット1(γ)、ビット2(β))、第5のデータ(例えば、EXESUB命令(EXESUBmn)の命令データにおける、補足データ(n))を含んで構成された特定の制御プログラムデータ(EXESUB命令(EXESUBmn)の命令データを、少なくとも、該第2のデータ、該第3のデータ、該第4のデータ、順番に並べて(例えば、アドレスの若い順番)記憶するものであり、前記CPUは、前記特定の制御プログラムデータを読み込んだ場合に、前記第1および第3のデータを用いて特定される第1の命令(例えば、サブルーチンの先頭のアドレスを呼び出す命令)と、前記第2のデータ、前記第4のデータおよび前記第5のデータを用いて特定される第2の命令(例えば、呼び出すサブルーチンの先頭アドレスを特定する命令)と、で特定される特定命令(例えば、EXESUB命令)を所定周期で実行される割込処理(例えば、タイマ割込み処理)中に実行することを特徴とする遊技台とも言える。
なお、前記ROMは、前記第1のデータと前記第2のデータの間、前記第2のデータと前記第3のデータの間および前記第3のデータと前記第4のデータの間のうち少なくともいずれか1つのデータ間に別のデータを含んで構成される前記特定の制御プログラムデータを記憶するものであってもよいが、前記ROMは、前記第1のデータ、前記第2のデータ、前記第3のデータおよび前記第4のデータでのみで構成される前記特定の制御プログラムデータを記憶するものであると、よりアセンブル後の機械語のチェックが簡便になり、コーディングミスを抑制することができる。
また、前記第1のデータ、前記第2のデータ、第3のデータおよび前記第4のデータを合わせたデータ長と、前記第4のデータのデータ長を同一のデータ長(例えば、1バイト(8ビット)長)としてもよい。さらに、前記CPUが一度に読み込むデータのデータ長と前記第4のデータのデータ長を同一のデータ長としても良い。
また、本実施形態に係るパチンコ機100(またはスロットマシン1100)は、遊技の進行を中心とした遊技制御を行うCPU(例えば、CPU304(またはCPU1304)を有する主制御部(例えば、主制御部300(または主制御部1300))と、前記主制御部の遊技制御に基づいて遊技の演出制御を行う副制御部(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500(または、第1副制御部1400、第2副制御部1500))と、を備えた遊技台であって、前記CPUは、第一レジスタ(例えば、「POP TI命令」、「PUSH TI命令」などのロード命令で使うことができるが、演算命令では使うことができない(演算命令によって直接、自身の値を変化させることができない)Tレジスタ)と第二レジスタ(例えば、Aレジスタ、Fレジスタ、Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタ、およびこれらの裏レジスタ)を備えるとともに、前記第一レジスタに前記第二レジスタを介してデータを転送する命令(例えば「LD T,A」命令のように、TレジスタにAレジスタを介して直接、データを転送する命令)を備えず、前記第一レジスタに直値(イミディエイト値や即値ともいう)によりデータを設定する命令(例えば、「LD T,7EH」命令)を備えることを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係るパチンコ機100(またはスロットマシン1100)によれば、第一のレジスタに対して直値でデータを転送するよう構成されているので、セットしているデータを確認し易くなる場合がある。また、第一のレジスタに対して他のレジスタを介してデータを転送できないように構成されているので、第一のレジスタの値を不用意に変更することができなくなる結果、コーディングミスの発生を減少させることができる場合がある。また、第一レジスタは直値によるデータの転送のみが認められているため、レジスタを介したデータの転送と直値によるデータの転送の両方が認められている他のレジスタよりも相対的に使用頻度が低くなる。このため、コーディングの見直し作業や、デバッグ(例えば、Tレジスタのトレースなど)の効率を高めることが可能となる。
また、前記第二レジスタは、一の特定レジスタ(例えば、Aレジスタ)と複数の非特定レジスタ(例えば、Fレジスタ、Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタ、およびこれらの裏レジスタ)で構成されており、前記CPUは、前記非特定レジスタに前記第一レジスタを介してデータを転送する命令(例えば、「LD B,T」命令のように、BレジスタにTレジスタを介してデータを転送する命令)を備えず、前記特定レジスタに前記第一レジスタを介してデータを転送する命令(例えば、「LD A,T」命令)を備えてもよい。
このような構成とすれば、第一のレジスタを他のレジスタに比べて使いにくくすることができるため、第一のレジスタの値を不用意に変更することができなくなる結果、コーディングミスの発生を減少させることができる場合がある。
また、前記第一レジスタおよび前記第二レジスタは、8ビット長の値を記憶可能な8ビットレジスタであり、前記非特定レジスタは、他のレジスタと合わせて16ビット長の演算が可能なレジスタの組み合わせ(例えば、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ)を構成可能なレジスタであるが、前記第一レジスタは、他のレジスタと合わせて前記16ビット長の演算が可能なレジスタの組み合わせを構成不可能なレジスタであってもよい。
このような構成とすれば、第一のレジスタを他のレジスタに比べて使いにくくすることができるため、第一のレジスタの値を不用意に変更することができなくなる結果、コーディングミスの発生を減少させることができる場合がある。なお、Tレジスタは、他のレジスタと合わせて16ビット長の演算が可能なレジスタの組み合わせを構成不可能であるが、上述の通り、「PUSH TI」命令や、「POP TI」命令では、Iレジスタと合わせて16ビット長の退避・復帰が可能である。換言すれば、Tレジスタは、演算命令のオペランドとしては利用できないが、転送命令のオペランドとしては利用することができるレジスタである。
また、前記遊技制御に用いるデータを記憶する記憶手段を備え、前記記憶手段は、前記CPUが実行するプログラムを記憶するROM(例えば、ROM306(またはROM1306))と、前記CPUが前記遊技制御を行う際に用いるデータを一時記憶可能なRAM(例えば、RAM308(またはRAM1308))と、を少なくとも有し、前記CPUは、前記遊技制御を開始する前(例えば、「電源投入後、主制御部300のCPU304がユーザプログラム(制御プログラム)を実行する前」、「システムリセット後、主制御部300のCPU304がユーザプログラム(制御プログラム)を実行する前」、「セキュリティモードに移行した直後」、「セキュリティチェックの結果がOKとなってユーザモードに移行した直後」、「システムリセットによる初期化処理の期間中」など)に、前記RAMの先頭アドレスのうちの上位アドレスを示す特定の値(例えば、7EH)を、(前記プログラムによらずに、)前記第一レジスタに設定してもよい。
このような構成とすれば、RAMのデータを読み書きする場合には、第一のレジスタをRAMの上位アドレスを示す値として固定することで、RAMの下位アドレスだけを指定すればよく、プログラムコード量の削減や処理速度の向上を実現することが可能となる上に、第一のレジスタの値を不用意に変更することができなくなる結果、コーディングミスの発生を減少させることができる場合がある。
また、プログラムを書き換えただけでは遊技を思い通りに制御することができないため、プログラムの書き換えによる不正行為を効果的に防止できる場合がある。特に、CPUのユーザによって設定されたユーザプログラムを実行可能なユーザモードと、該ユーザプログラムを実行不可能な非ユーザモード(例えば、セキュリティモード)と、を備え、該非ユーザモードにおいて前記特定の値を第一レジスタに設定すれば、特定の値が他の値に改ざんされたり、特定の値が読みだされたりするような不正行為を未然に防止できる場合がある。
また、前記RAMは、第一エリア(例えば、7E00H〜7EFFHのワークエリア(または、I/OマップドI/O方式でアクセス可能なエリア))と第二エリア(例えば、7FE0H〜7FFFHのスタックエリア(または、メモリマップドI/O方式でアクセス可能なエリア))を有して構成されており、前記特定の値は、前記第一エリアの上位アドレス(7EH)を示す値であってもよい。
このような構成とすれば、RAMの第一エリアのデータを読み書きする場合には、第一のレジスタをRAMの第一エリアの上位アドレスを示す値として固定することで、RAMの第一エリアの下位アドレスだけを指定すればよく、プログラムコード量の削減や処理速度の向上を実現することが可能となる上に、第一のレジスタの値を不用意に変更することができなくなる結果、コーディングミスの発生を減少させることができる場合がある。また、第一エリアの上位アドレスを固定することによって、第一エリアの読み書きを行うつもりが誤って第二エリアの読み書きを行ってしまうようなミスを未然に防止できる場合がある。
また、本実施形態に係るパチンコ機100(またはスロットマシン1100)は、遊技の進行を中心とした遊技制御を行うCPU(例えば、CPU304(またはCPU1304)と、前記遊技制御に用いるデータを記憶する記憶手段と、を備えた遊技台であって、前記記憶手段は、前記CPUが実行するプログラムを記憶するROM(例えば、ROM306(またはROM1306))と、前記CPUが前記遊技制御を行う際に用いるデータを一時記憶可能なRAM(例えば、RAM308(またはRAM1308))と、を少なくとも有し、前記CPUは、前記遊技制御を開始する前(例えば、「電源投入後、主制御部300のCPU304がユーザプログラム(制御プログラム)を実行する前」、「システムリセット後、主制御部300のCPU304がユーザプログラム(制御プログラム)を実行する前」、「セキュリティモードに移行した直後」、「セキュリティチェックの結果がOKとなってユーザモードに移行した直後」、「システムリセットによる初期化処理の期間中」など)に、前記RAMの先頭アドレスのうちの上位アドレスを示す特定の値(例えば、7EH)を、(前記プログラムによらずに、)特定レジスタ(例えば、ROM306とは別体のCPU304に内蔵されたTレジスタ)に設定することを特徴とする遊技台である。
また、本実施形態に係る遊技機は、CPU(例えば、CPU1304)と、RAM(例えば、RAM1308)と、遊技制御プログラムが少なくとも記憶されたROM(例えば、ROM1306)と、を少なくとも内蔵するマイクロコンピュータ(例えば、基本回路1302)を備えた遊技台であって、前記遊技台は、スロットマシン(例えば、スロットマシン1100)であり、前記RAMの先頭アドレスの上位バイトは、前記ROMの先頭アドレスの上位バイトよりも大きく、前記CPUは、少なくとも第一のレジスタ(例えば、Tレジスタ)を有し、前記第一のレジスタは、複数の方法のうちのいずれかの方法で値をセット可能なレジスタであり、前記複数の方法のうちの少なくとも一つは、第一の方法であり、前記複数の方法のうちの少なくとも一つは、第二の方法であり、前記第一の方法は、直値により値をセットする方法であり、前記第二の方法は、前記RAMの先頭アドレスの上位バイトと同じ値(例えば、7EH)を初期値としてセットする方法であり、前記CPUは、前記第一のレジスタに値をセットする機能のうち、LD命令を受けたことに基づいて行われる機能としては、前記第一の方法により値がセットされる機能(例えば、直値をTレジスタにロードする(LD T,直値)命令)のみを有し、前記CPUは、前記第一のレジスタに値をセットする機能のうち、前記LD命令を受けたことに基づいて行われる機能以外の機能としては、前記第二の方法により値がセットされる機能を少なくとも有し、前記第二の方法は、前記遊技制御プログラムによらずに実行され、前記遊技制御プログラムは、前記複数の方法のうちのいずれかの方法で値がセットされた前記第一のレジスタを用いて前記RAMをアクセスする命令を少なくとも含むプログラムである、ことを特徴とする遊技台である。
また、本実施形態に係る遊技機は、CPU(例えば、CPU304)と、RAM(例えば、RAM308)と、遊技制御プログラムが少なくとも記憶されたROM(例えば、ROM306)と、を少なくとも内蔵するマイクロコンピュータ(例えば、基本回路302)を備えた遊技台であって、前記遊技台は、ぱちんこ機(例えば、パチンコ機100)であり、前記RAMの先頭アドレスの上位バイトは、前記ROMの先頭アドレスの上位バイトよりも大きく、前記CPUは、少なくとも第一のレジスタ(例えば、Tレジスタ)を有し、前記第一のレジスタは、複数の方法のうちのいずれかの方法で値をセット可能なレジスタであり、前記複数の方法のうちの少なくとも一つは、第一の方法であり、前記複数の方法のうちの少なくとも一つは、第二の方法であり、前記第一の方法は、直値により値をセットする方法であり、前記第二の方法は、前記RAMの先頭アドレスの上位バイトと同じ値(例えば、7EH)を初期値としてセットする方法であり、前記CPUは、前記第一のレジスタに値をセットする機能のうち、LD命令を受けたことに基づいて行われる機能としては、前記第一の方法により値がセットされる機能(例えば、直値をTレジスタにロードする(LD T,直値)命令)のみを有し、前記CPUは、前記第一のレジスタに値をセットする機能のうち、前記LD命令を受けたことに基づいて行われる機能以外の機能としては、前記第二の方法により値がセットされる機能を少なくとも有し、前記第二の方法は、前記遊技制御プログラムによらずに実行され、前記遊技制御プログラムは、前記複数の方法のうちのいずれかの方法で値がセットされた前記第一のレジスタを用いて前記RAMをアクセスする命令を少なくとも含むプログラムである、ことを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係る遊技台によれば、RAMのデータを読み書きする場合には、第一のレジスタをRAMの上位アドレスを示す値として固定することで、RAMの下位アドレスだけを指定すればよく、プログラムコード量の削減や処理速度の向上を実現することが可能となる上に、第一のレジスタの値を不用意に変更することができなくなる結果、コーディングミスの発生を減少させることができる場合がある。
また、前記LD命令とは、レジスタに値を転送するロード命令の一種のことであってもよい。また、前記第一のレジスタは、リセットが発生した場合に前記初期値がセットされるものでもよく、前記リセットとは、システムリセットのことであってもよい。また、前記複数の方法のうちの少なくとも一つは、第三の方法であり、前記第三の方法は、前記CPUにおける前記第一のレジスタに値をセットする機能のうち、前記LD命令を受けたことに基づいて行われる機能以外の機能による方法であり、前記第三の方法は、スタック操作命令を受けたことに基づいて行われる機能による方法であってもよい。
また、前記CPUは、少なくとも複数のレジスタを有し、前記複数のレジスタのうちの少なくとも一つは、前記第一のレジスタであり、前記複数のレジスタのうちの少なくとも一つは、第二のレジスタであり、前記第二のレジスタは、フラグレジスタであってもよい。
また、前記マイクロコンピュータは、セキュリティモードを経てユーザモードに移行可能なものであり、前記遊技制御プログラムは、前記ユーザモードにおいて、前記CPUによって実行され、前記セキュリティモードにおいて、前記遊技制御プログラムが正常なプログラムかどうかのチェックが行われるものでもよい。
また、前記マイクロコンピュータが少なくとも設けられた払出制御手段(例えば、払出制御部600)を備え、前記払出制御手段は、少なくとも賞球を払出する払出制御を少なくとも実行可能な制御手段であり、前記遊技制御プログラムとは、払出制御プログラムのことであってもよい。
また、前記マイクロコンピュータが少なくとも設けられた主制御手段(例えば、主制御部300)を備え、前記主制御手段は、少なくとも賞球を払出する払出制御を少なくとも実行可能な払出制御手段(例えば、払出制御部600)に対して、コマンドを少なくとも送信可能な制御手段であってもよい。
また、プログラムを書き換えただけでは遊技を思い通りに制御することができないため、プログラムの書き換えによる不正行為を効果的に防止できる場合がある。特に、CPUのユーザによって設定されたユーザプログラムを実行可能なユーザモードと、該ユーザプログラムを実行不可能な非ユーザモード(例えば、セキュリティモード)と、を備え、該非ユーザモードにおいて前記特定の値を第一レジスタに設定すれば、特定の値が他の値に改ざんされたり、特定の値が読みだされたりするような不正行為を未然に防止できる場合がある。
また、前記CPUは、非特定レジスタ(例えば、Aレジスタ、Fレジスタ、Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタ、およびこれらの裏レジスタ)をさらに備えるとともに、前記特定レジスタに前記非特定レジスタを介してデータを転送する命令(例えば「LD T,A」命令のように、TレジスタにAレジスタを介してデータを転送する命令)を備えず、前記特定レジスタに直値によりデータを設定する命令(例えば、「LD T,7EH」命令)を備えてもよい。
このような構成とすれば、特定レジスタに対して直値でデータを転送するよう構成されているので、セットしているデータを確認し易くなる場合がある。また、特定レジスタに対して他のレジスタを介してデータを転送できないように構成されているので、特定レジスタの値を不用意に変更することができなくなる結果、コーディングミスの発生を減少させることができる場合がある。また、特定レジスタは直値によるデータの転送のみが認められているため、レジスタを介したデータの転送と直値によるデータの転送の両方が認められている他のレジスタよりも相対的に使用頻度が低くなる。このため、コーディングの見直し作業や、デバッグ(例えば、Tレジスタのトレースなど)の効率を高めることが可能となる。
また、前記CPUは、前記特定レジスタに直値によりデータを転送する命令に基づいて、前記特定レジスタに前記特定の値を転送することができるようにしてもよい。
このような構成とすれば、ループ処理などで汎用レジスタの空きがなくなった場合に臨時的に特定レジスタを使用した後に、初期値に戻すことができ、利便性を高めることができる。
また、前記CPUは、前記RAMから前記特定レジスタにデータを転送する命令に基づいて、前記特定レジスタに前記特定の値を転送(例えば、「POP TI」命令による転送)することができるように構成してもよい。
このような構成とすれば、特定レジスタを特定の処理に使用することが可能となり、特定レジスタの利便性を高めることができる場合がある。
また、前記RAMは、第一エリア(例えば、7E00H〜7EFFHのワークエリア(または、I/OマップドI/O方式でアクセス可能なエリア))と第二エリア(例えば、7FE0H〜7FFFHのスタックエリア(または、メモリマップドI/O方式でアクセス可能なエリア))を有して構成されており、前記特定の値は、前記第一エリアの上位アドレス(7EH)を示す値であってもよい。
このような構成とすれば、RAMの第一エリアのデータを読み書きする場合には、特定レジスタをRAMの第一エリアの上位アドレスを示す値として固定することで、RAMの第一エリアの下位アドレスだけを指定すればよく、プログラムコード量の削減や処理速度の向上を実現することが可能となる上に、特定レジスタの値を不用意に変更することができなくなる結果、コーディングミスの発生を減少させることができる場合がある。また、第一エリアの上位アドレスを固定することによって、第一エリアの読み書きを行うつもりが誤って第二エリアの読み書きを行ってしまうようなミスを未然に防止できる場合がある。
また、前記CPUは、所定の割込み条件が成立したことに基づいて実行される割込み処理(例えば、主制御部メイン処理)を実行可能であるとともに、電源投入後、最初の前記割込み処理を実行する前に、前記特定レジスタに前記特定の値が設定されているかを判定する処理(例えば、Tレジチェック処理)を実行してもよい。なお、「電源投入後、最初の前記割込み処理を実行する前」の例としては、他にも、「電源投入後、主制御部メイン処理のステップS105の低電圧状態の確認前」や、「電源投入後、主制御部メイン処理のステップS109の電断前の状態に復帰する否かの確認前」や、「電源投入後、第1副制御部の立ち上りの確認前」などを挙げることができる。また、「判定する処理」の結果に応じて、上記図11に示すように、特定レジスタに特定の値を設定したり、上記図12に示すように、エラー処理を実行してもよい。
このような構成とすれば、特定レジスタの値を確認することで遊技台が正常動作をしているか否かを判断できる場合がある。
また、本実施形態に係るパチンコ機100(またはスロットマシン1100)は、プログラムデータおよび一時的なデータを記憶する記憶手段(例えば、ROM306、RAM308(またはROM1306、RAM1308))と、前記記憶手段に記憶されているデータを用いて遊技の進行を中心とした遊技制御を行う主制御部(例えば、主制御部300(または、主制御部1300))と、前記主制御部の遊技制御に基づいて遊技の演出制御を行う副制御部(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500(または、第1副制御部1400、第2副制御部1500))と、を備えた遊技台であって、前記主制御部は、第一のビット長(例えば、8ビット長)からなる複数のレジスタ(例えば、Aレジスタ、Fレジスタ、Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタ、Tレジスタ)を有し、前記第一のビット長の倍のビット長である第二のビット長(例えば、16ビット長)の演算が可能なレジスタの組み合わせである前記複数のレジスタ(例えば、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ)のうちの第一のレジスタと第二のレジスタ(例えば、HレジスタとLレジスタ)に格納された値によって示される前記記憶手段における第一のアドレス(例えば、1750H)、および該第一のアドレスと連続する第二のアドレス(例えば、1751H)に格納された第一の値(例えば、AEH)と第二の値(例えば、19)を、前記複数のレジスタのうちの第三のレジスタ(例えば、Cレジスタ)と第四のレジスタ(例えば、Aレジスタ)にそれぞれ転送する所定の命令(例えば、「INCTENSOU AC,(HL)」命令)を備え、該所定の命令を前記遊技制御(例えば、特別図柄変動時間抽選処理)において実行し、前記第三のレジスタと前記第四のレジスタは、前記第二のビット長の演算が可能なレジスタの組み合わせ(BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ)とは異なることを特徴とする遊技台である。なお、「第一のアドレスと連続する第二のアドレス」は第一のアドレスよりも大きなアドレスに限定されず、第一のアドレスよりも小さなアドレスでもよく、先の例では、第一アドレスが1750H、第二アドレスが174FHでもよい。
本実施形態に係るパチンコ機100(またはスロットマシン1100)によれば、1回の命令によって、連続して配置されたアドレスに格納された2つのデータを、レジスタペアを構成しない2種類のレジスタに格納することができるため、プログラム容量を削減することができ、遊技性を向上させるためのプログラムに容量を割り当てることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。また、処理時間を短縮でき、安定した遊技制御を行うことができる場合がある。また、プログラム容量を削減することでプログラムが見やすくなり、コーディングミスやバグの発生を抑制できる場合がある。また、第三のレジスタと第四のレジスタとはレジスタペアではないため、16ビット演算処理を行う場合にプログラムを注意して作成することができ、コーディングミスやバグの発生を抑制できる場合がある。
また、前記第三のレジスタと前記第四のレジスタの少なくとも何れかは、前記第二のビット長の演算が可能なレジスタの組み合わせを構成してもよい(例えば、Bレジスタは、16ビット長の演算が可能なレジスタペアであるBCレジスタを構成する)。
このような構成とすれば、16ビット演算を行うレジスタペアの一方のレジスタの値を固定にすることができ、所定の命令前に設定した一方のレジスタの値を退避することなく所定の命令後の処理で使用することができプログラム容量を削減することができる場合がある。また、16ビット演算処理を行う場合にプログラムを注意して作成することができ、コーディングミスやバグの発生を抑えることができる場合がある。
また、前記第三のレジスタと前記第四のレジスタの少なくとも何れかは、前記第二のビット長の演算が可能なレジスタの組み合わせの上位レジスタであってもよい(例えば、Bレジスタは、16ビット長の演算が可能なレジスタペアであるBCレジスタの上位レジスタである)。
このような構成とすれば、16ビット演算を行うレジスタペアの上位8ビットの値を変更することができ、レジスタペアで示されるアドレスの上位を変更して所定の命令後の処理で使用することができる場合がある。例えば、第三のレジスタと第四のレジスタの各々を違う処理に利用(例えば、一方をINCTENSOU命令で利用し、他方をループ処理の回数をカウントするためのカウンタとして利用)することができ、数の限られたレジスタを有効に活用することができる。また、16ビット演算処理を行う場合にプログラムを注意して作成することができ、コーディングミスやバグの発生を抑えることができる場合がある。
また、前記所定の命令は、前記第一のレジスタと前記第二のレジスタのうちの下位レジスタの値に所定値加算する処理(例えば、HLレジスタに2を加算する処理)を含んでいてもよい。
このような構成とすれば、所定の命令終了後に所定のアドレスから所定値加算されたアドレスの値をレジスタに設定した状態で次の処理を行うことができ、例えば、アドレスを1加算する命令を所定値回実行するようなプログラムに比べ、プログラム容量を削減できる場合がある。
また、前記第一のアドレスは、前記所定の命令を実行する前の前記第一のレジスタと前記第二のレジスタに格納された値によって示されるアドレス(例えば、174FH)の次のアドレス(例えば、1750H)であってもよい。
このような構成とすれば、繰り返し処理の際に最初にアドレスを指定することができ、繰り返し処理を抜けた際には所定の命令前のアドレスから所定値加算されたアドレスの値をレジスタに設定した状態で次の処理を行うことができる。特に、2種類のデータを交互に記憶したデータテーブルを利用する場合には、データテーブルから所望のデータを素早く読みだすことが可能となる。
また、本実施形態に係るパチンコ機100(またはスロットマシン1100)は、プログラムデータおよび一時的なデータを記憶する記憶手段(例えば、ROM306、RAM308(またはROM1306、RAM1308))と、前記記憶手段に記憶されているデータを用いて遊技の進行を中心とした遊技制御を行う主制御部(例えば、主制御部300(または、主制御部1300))と、前記主制御部の遊技制御に基づいて遊技の演出制御を行う副制御部(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500(または、第1副制御部1400、第2副制御部1500))と、を備えた遊技台であって、前記主制御部は、第一のビット長(例えば、8ビット長)の値を記憶可能な第一のレジスタ(例えば、Cレジスタ)および前記第一のビット長の整数倍の第二のビット長(例えば、16ビット長)の値を記憶可能な第二のレジスタ(例えば、HLレジスタ)を含む複数のレジスタ(例えば、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ)を有し、前記第二のレジスタの値に前記第一のレジスタの値を加算して前記第二のレジスタに格納する所定の命令(例えば、「ADDTWOONE HL,C」命令)を備え、該所定の命令を前記遊技制御(例えば、特別図柄変動時間抽選処理)において実行することを特徴とする遊技台である。なお、第二のレジスタは、第一のビット長の整数倍の第二のビット長の値を記憶可能であればよく、例えば、第一のレジスタのビット長が4ビットである場合には4の倍数(4、8、12、…)をビット長とするレジスタでもよく、第一のレジスタのビット長が16ビットである場合には16の倍数(16、32、64、…)をビット長とするレジスタでもよい。
本実施形態に係るパチンコ機100(またはスロットマシン1100)によれば、桁上がり処理を別途行う必要がないため、プログラム容量を削減することができ、遊技性を向上させるためのプログラムに容量を割り当てることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。また、処理時間を短縮でき、安定した遊技制御を行うことができる場合がある。また、プログラム容量を削減することでプログラムが見やすくなり、コーディングミスやバグの発生を抑制できる場合がある。さらに、ビット長が異なるレジスタ同士の加算演算を行うことができるため、例えば、従来は16ビット長のレジスタペアを2つ使用して行っていた加算演算を、16ビット長のレジスタペアと8ビット長のレジスタで行うことができる場合があり、数の限られたレジスタを有効に活用することができる。
また、前記第一のレジスタ(例えば、Cレジスタ)は、第二のビット長の演算が可能なレジスタ(例えば、BCレジスタ)の組み合わせの下位レジスタであってもよい。
このような構成とすれば、レジスタペアの上位8ビットの値を固定にすることができ、16ビット演算処理を行う場合にプログラムを注意して作成することができ、コーディングミスやバグの発生を抑制できる場合がある。また、レジスタペアの上位レジスタと下位レジスタの各々を違う処理に利用(例えば、一方をADDTWOONE命令で利用し、他方をループ処理の回数をカウントするためのカウンタとして利用)することができ、数の限られたレジスタを有効に活用することができる。
また、前記主制御部は、前記第二のレジスタ(例えば、HLレジスタ)に格納された値によって示される所定のアドレスに基づく連続する2つのアドレスに格納された第一の値と第二の値を、前記複数のレジスタのうちの前記第一のレジスタ(例えば、Cレジスタ)と第三のレジスタ(例えば、Bレジスタ)にそれぞれ転送する所定の第二の命令(例えば、「INCTENSOU BC,(HL)」命令)を備え、該所定の第二の命令を実行した後、前記所定の命令を行ってもよい。
このような構成とすれば、連続する2つのアドレスに格納された値の何れかを第一レジスタに加算することで、所定のアドレスに関連したアドレスを示す値を第一レジスタに設定した状態で次の処理を行うことができ、プログラム容量を削減できる場合がある。
また、前記主制御部は、前記所定の第二の命令を実行した後に所定の判定処理(例えば、上記ステップS1110〜S1111に示すような、Bレジスタ(第三のレジスタ)から特定の値(RAMの所定記憶領域に記憶された値など)を減算してキャリーが発生するか否かを判定する処理)を行い、該所定の判定処理の結果が所定の値のときに(例えば、キャリーが発生したときに)前記所定の命令を行ってもよい。
このような構成とすれば、所定の判定処理の結果が所定の値のときに、所定のアドレスに関連したアドレスを示す値を第一レジスタに設定した状態で次の処理を行うことができ、プログラム容量を削減できる場合がある。
また、前記主制御部は、前記所定の命令を行った後、再度前記所定の第二の命令と前記所定の判定処理を実行してもよい(例えば、上記ステップS1109でINCTENSOU命令を実行し、上記ステップS1112でADDTWOONE命令を実行した後に、上記ステップS1114でINCTENSOU命令を再度実行し、上記ステップS1116でBレジスタから特定の値を減算してキャリーが発生するか否かを判定する)。
このような構成とすれば、例えば、2段階抽選の2回目のテーブルアドレスを設定することができ、2段階抽選のプログラムを見やすく作ることができ、コーディングミスやバグの発生を抑制できる場合がある。
なお、本発明に係る遊技台は、上述のパチンコ機100やスロットマシン1100に限定されない。したがって、例えば、上記実施形態では、リトルエンディアンのCPUの例を示したが、ビッグエンディアンのCPUに適用することもできる。また、8ビットCPUに限定されず、16ビットCPU、32ビットCPU等にも適用できる。また、命令の名称は上記実施形態で示した名称に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、RAMの先頭アドレスの上位バイトをTレジスタ(特殊レジスタ)に設定する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、RAM以外の特定装置(例えば、IC)に割り当てた(マッピングした)アドレス(例えば、先頭アドレス)の一部または全てを特殊レジスタに設定してもよい。
このような構成とすれば、特定装置を制御するための特別な処理が必要となり、主制御部の汎用性を無くすことができる。このため、必要以上に市場に出回ることがなく、内部が解析される可能性を従来よりも低くすることができ、不正行為を未然に防止できる場合がある。また、従来はROMに設定していたアドレス情報を特殊レジスタに設定することで、制御プログラムが解析されてアドレス情報が読みとられてしまう危険性を無くすことができ、不正行為を防止することが可能となる。
また、主制御部300のCPU304(または、主制御部1300のCPU1304)に適用した例を示したが、他の制御部のCPUに適用してもよい。また、記憶手段は、ROM、RAMに限定されず、他の記憶手段を適用してもよい。
また、図50(a)に示す、「紙幣投入口2002に紙幣を投入し、ベット2004およびスタート2006操作に基づいて抽選を実行し、抽選結果を抽選結果表示装置2008で表示し、当選時には特典コイン数を残クレジット数に加算し、キャッシュアウト2009が選択された場合には、レシート発行機2010から残クレジット数に対応するコードが記載されたレシートを発行するカジノマシン2000」に本発明を適用してもよい。また、アレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機、スマートボール等に適当してもよい。
また、同図(b)に示すように、本発明の構成を含む制御部を備えている携帯電話機3000、同図(c)に示すように、本発明の構成を含む制御部を備えているポータブルゲーム機4000、本発明の構成を含む制御部を備えている家庭用テレビゲーム機5000、に本発明を適用してもよい。
より具体的には、同図(b)における携帯電話機3000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを携帯電話回線を通して取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータを記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う、本発明の構成を含む制御部と、を備えている。
また、同図(c)におけるポータブルゲーム機4000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを所定の記憶媒体(DVD等)から取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータを記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う、本発明の構成を含む制御部と、を備えている。
また、同図(c)における家庭用テレビゲーム機5000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを所定の記憶媒体(DVD等)から取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータを記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う、本発明の構成を含む制御部を備えている。
さらには、同図(d)に示すように、本発明の構成を含む制御部を備えるデータサーバ6000に適用してもよい。このデータサーバ6000からインターネット回線を介して同図(d)に示す家庭用テレビゲーム機5000に本発明の構成を含むプログラムコードをダウンロードするような場合がある。また、パチンコ機等の実機の動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用することができる。
また、本発明の実施例に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。また、複数種類の実施例を示したが、各々の実施例を入れ替えたり組み合わせてもよい。