JP5539236B2 - Fig4遺伝子変異を利用する方法 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本願は、2008年3月6日出願の米国仮特許出願第61/034,296号の優先権を主張するものであり、その全体の内容は、参照として本明細書に組み入れられる。
政府支援
本発明は国立衛生研究所の研究助成金GM24872号による政府の補助を受けて行われた。政府は本発明において一定の権利を有する。
発明の属する分野
本発明は神経学的疾患、特にFIG4遺伝子における変異に関係する。また、本発明はバリアントFIG4対立遺伝子を検出するためのアッセイ法、およびALSなどの疾患状態に伴うFIG4遺伝子多型および変異を検出するためのアッセイ法も提供する。
発明の背景
筋萎縮性側索硬化症(ALS、時にルー・ゲーリック病と呼ばれる)は、中枢神経系の神経細胞であり随意筋の動きを制御する運動ニューロンの変性により引き起こされる、進行性の、通常致死的な神経変性疾患である。運動ニューロン疾患のうちの1つは、上位および下位の両方の運動ニューロンが変性および死に、その結果筋肉への情報伝達が止まることにより体中に筋力低下および萎縮を引き起こす障害である。機能することができず、筋肉は次第に衰弱し、脱神経による線維束性収縮(攣縮)を発症し、ついには脱神経に起因する萎縮症を発症する。患者は最終的に、目を除く全ての随意運動を開始および制御する彼らの能力を喪失する。
認知機能は、ALSが前頭側頭型認知症に関連している場合のような特定の状況を除き、一般に残される。しかしながら、詳細な神経心理学的試験を用いた場合の、多くの患者における、よりかすかな、前頭側頭型の認知的変化の報告がある。スイッチのような機能を制御する感覚神経および自律神経系は、一般に機能的なままである。
ALSは、世界的に最も一般的な神経筋疾患の1つであり、全ての人種および民族的背景の人々が罹患する。毎年、100,000人当たり1〜2人がALSを発症する。ALSは、40〜60歳の人々を襲うことが最も多いが、より若い、およびより年配の人々もまたこの疾患を発症しうる。男性は、女性よりもわずかに高い頻度で罹患する。ALSは、遺伝的にヘテロ接合性であり、既知の遺伝子はこの疾患のほんの5%しか説明しない。ALS症例の90%は散発性(SALS)であり、10%は最も一般的な優性遺伝を有する家族性(FALS)である。
ALSの発症は、非常にかすかであるため、その症状は多くの場合見落とされる。最も初期の症状は、筋肉の攣縮、痙攣、もしくはこわばり感;腕もしくは足の筋力低下;ならびに/または不明瞭発語および鼻音症を含みうる。この疾患に最初に罹患する身体部位に関わらず、筋力低下および萎縮は、疾患の進行にしたがって他の身体部位に広がる。患者は、動作、嚥下(嚥下障害)、および話すことまたは言葉形成(構音障害)の困難性の増加を経験する。ついには、患者は自分自身で立つもしくは歩くこと、ベッドから出るもしくは入ること、または彼らの手および腕を使うことができなくなる。この疾患が通常認知能力を冒さないため、患者は彼らの進行する機能喪失を自覚し、そのため不安になり憂鬱になる。少ない割合の患者が、著しい人格的変化により特徴づけられる前頭側頭型認知症の発症に進む;これは、痴呆の家族歴をもつ患者に起こることが多い。より多くの割合の患者は、言葉の作成、注意力、または意志決定に関する中程度の問題を経験する。認知機能は、疾患経過の一部として影響を受けるか、または夜間の不良な呼吸(夜間の換気低下)に関連があり得る。
ALSに対して、治療法はまだ見つかっていない。しかしながら、米国食品医薬品局(FDA)は、この疾患に対する最初の薬物治療を認可した:リルゾール(Rilutek)。リルゾールは、グルタミン酸の放出を低下させることにより運動ニューロンに対する損傷を低下させると信じられている。ALS患者による臨床試験は、リルゾールが生存を数ヶ月延長すること、および延髄での発症を有する患者においてより大きな生存上の利益を有しうることを示した。この薬物はまた、患者が補助換気を必要とするまでの時間を引き延ばす。リルゾールは、既に運動ニューロンに起こってしまった損傷を逆転させることはなく、この薬物を服用している患者は、肝臓損傷および他の可能性のある副作用に関してモニタリングされなければならない。
ALSの診断と治療の改善だけでなく、理解が進んでいないALSの分子的基礎の特徴を決定する強い必要性があることは明らかである。
本発明は神経学的疾患に関し、特にFIG4遺伝子における変異に関する。本発明はまた、バリアントFIG4対立遺伝子を検出するためのアッセイ法、ならびにALSなどの疾患状態に伴うFIG4遺伝子多型および変異を検出するためのアッセイ法を提供する。
例えば、一部の態様では、本発明は、対象由来の生物試料における、機能喪失(例えば、早期停止コドン(early stop codon)による切り詰め(truncation)、スプライスバリアント、またはタンパク質発現および翻訳後のプロセシングにおける欠陥)を引き起こすバリアントFIG4遺伝子の有無の検出を含む、被験者のバリアントFIG4遺伝子を検出するための方法を提供する。一部の態様では、前記バリアントは、c.547C>T、c.1207C>T、c.67-1G>T、c.1386+5G>T、c.157G>T、c.143A>G、1162A>G、c.1231A>G、c.1940T>G、c.272C>A、またはc.2705T>Cである。一部の態様では、前記検出は、被験者の神経性疾患(例えばALS)の危険性を評価するために使用される。一部の態様では、バリアントFIG4遺伝子は、FIG4切り詰め型変異体(例えば、ホモ接合性変異またはヘテロ接合性変異)をコードする。一部の態様では、バリアントFIG4遺伝子は、例えばR183X、I411V、Q403X、D48G、D53Y、R388G、I411V、Y647C、T34K、I902T、スプライシング変化、欠失、またはこれらの組み合わせから選択されるアミノ酸変化をコードする。一部の態様では、生物試料は血液試料、組織試料、尿試料、DNA試料、または羊水試料である。一部の態様では、研究対象は胚、胎児、動物の新生仔、または若年動物である。一部の態様では、前記動物は人間である。一部の態様では、バリアントFIG4遺伝子の存在の検出は、核酸検出アッセイ法またはポリペプチド検出アッセイ法の実施を含む。
本発明はさらに、バリアントFIG4遺伝子(例えば、c.547C>T、c.1207C>T、c.67-1G>T、c.1386+5G>T、c.157G>T、c.143A>G、1162A>G、c.1231A>G、c.1940T>G、c.272C>A、またはc.2705T>C)を有する、ALSの症状を示す動物と試験化合物とを接触させること;および試験化合物が存在しない場合と比較し、試験化合物の存在下における症状の減少の有無を決定することを含む方法を提供する。一部の態様では、動物は非ヒト哺乳動物である。
[本発明1001]
被験者からの生物試料中のバリアントFIG4遺伝子の存在を検出する段階を含む、被験者の筋萎縮性側索硬化症を診断するための方法であって、該バリアントFIG4遺伝子がFIG4機能の喪失をもたらす、方法。
[本発明1002]
バリアントFIG4遺伝子がFIG4の切り詰めをもたらす、本発明1001の方法。
[本発明1003]
バリアントFIG4遺伝子が、早期停止コドンを生じる変異を含む、本発明1002の方法。
[本発明1004]
バリアントFIG4遺伝子が、スプライシングの欠陥を生じる変異を含む、本発明1002の方法。
[本発明1005]
バリアントFIG4遺伝子が、c.547C>T、c.1207C>T、c.67-1G>T、c.1386+5G>T、c.157G>T、c.143A>G、1162A>G、c.1231A>G、c.1940T>G、c.272C>A、およびc.2705T>Cからなる群より選択される、本発明1002の方法。
[本発明1006]
被験者からの生物試料において、c.547C>T、c.1207C>T、c.67-1G>T、c.1386+5G>T、c.157G>T、c.143A>G、1162A>G、c.1231A>G、c.1940T>G、c.272C>A、およびc.2705T>Cからなる群より選択されるバリアントFIG4遺伝子の有無を検出する段階を含む、被験者のバリアントFIG4遺伝子を検出するための方法。
[本発明1007]
上記検出を用いて被験者における神経学的疾患の危険性を評価する、本発明1006の方法。
[本発明1008]
神経学的疾患がALSである、本発明1007の方法。
[本発明1009]
バリアントFIG4遺伝子がFIG4切り詰め型変異体をコードする、本発明1006の方法。
[本発明1010]
前記変異がホモ接合性変異である、本発明1009の方法。
[本発明1011]
前記変異がヘテロ接合性変異である、本発明1009の方法。
[本発明1012]
バリアントFIG4遺伝子が、R183X、I411V、Q403X、D48G、D53Y、R388G、I411V、Y647C、T34K、I902T、スプライシング変化、欠失、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸変化をコードする、本発明1006の方法。
[本発明1013]
生物試料が、血液試料、組織試料、尿試料、DNA試料、および羊水試料からなる群より選択される、本発明1006の方法。
[本発明1014]
被験者が、胚、胎児、新生仔動物、および若年動物からなる群より選択される、本発明1006の方法。
[本発明1015]
動物がヒトである、本発明1014の方法。
[本発明1016]
バリアントFIG4遺伝子の存在の検出が、核酸検出アッセイ法の実施を含む、本発明1006の方法。
[本発明1017]
バリアントFIG4遺伝子の存在の検出が、ポリペプチド検出アッセイ法を含む、本発明1006の方法。
[本発明1018]
以下の段階を含む方法:
(a) ALSの症状を示す動物を試験化合物と接触させる段階であって、該動物が、c.547C>T、c.1207C>T、c.67-1G>T、c.1386+5G>T、c.157G>T、c.143A>G、1162A>G、c.1231A>G、c.1940T>G、c.272C>A、およびc.2705T>Cからなる群より選択されるバリアントFIG4遺伝子を有する、段階;ならびに
(b) 該試験化合物の非存在下と比較し、該試験化合物の存在下での症状低下の有無を判定する段階。
[本発明1019]
前記動物が非ヒト哺乳動物である、本発明1018の方法。
3人のALS患者における、FIG4の機能喪失型バリアントを示す。a:FIG4遺伝子におけるバリアントの位置を示す。 3人のALS患者における、FIG4の機能喪失型バリアントを示す。b〜d:散発性ALS患者E12における2つのFIG4バリアントを示す。 3人のALS患者における、FIG4の機能喪失型バリアントを示す。e:散発性ALS患者8553におけるタンパク質切り詰め型バリアントを示す。f、g:FALS患者G07におけるFIG4のエクソン2の、不変のスプライス受容部位の変異を示す。 ヌルFig4D酵母における、液胞形成のレスキューを示す。a:患者のミスセンス変異を酵母Fig4pに導入し、酵母のFig4Dヌル株において拡大した液胞を正すそれらの能力について試験した。B:患者の変異の位置を示す。 患者のFIG4変異の、配列クロマトグラムおよび進化的保存を示す。これらの変異は、本文において詳細に考察する。 患者のFIG4変異の、配列クロマトグラムおよび進化的保存を示す。これらの変異は、本文において詳細に考察する。
定義
発明の理解を助けるために、用語の定義を以下に挙げる。
本発明では、タンパク質または核酸を指す場合の「FIG4」という用語は、FIG4タンパク質または何らかの変異体の形で神経学的疾患と相関関係を持つ(例えばALS)タンパク質をコードするFIG4核酸を意味する。FIG4という用語は、野生型FIG4と相同のタンパク質と、野生型FIG4から派生する(例えば、FIG4のバリアントまたはFIG4コーディング領域の一部で構成されるキメラ遺伝子)タンパク質の両方を包含する。一部の態様では、「FIG4」は野生型FIG4核酸またはFIG4アミノ酸配列である。
本発明では、「生体試料におけるバリアントFIG4ポリペプチドの有無をそのように検出するために当該キットを使用するための指示」という用語は、バリアントと野生型のFIG4核酸またはポリペプチドを検出するために、キットに含まれる試薬を使用するための指示を含む。一部の態様では、これらの指示はさらに、in vitroでの診断製品の標識化において米食品医薬品局(FDA)により義務付けられている使用目的の記述を含む。
「遺伝子」という用語は、ポリペプチド、RNA(例えばmRNA、tRNA、rRNAを含み、ただしそれらに限定しない)、前駆体のいずれかの生成に必要なコード配列を含む核酸(例えばDNA)配列を指す。ポリペプチド、RNA、または前駆体は、完全な長さのコード配列により、または、全長または断片の望ましい活性または機能特性(例えば酵素活性、リガンド結合、シグナル伝達など)が維持される限り、コード配列の一部により、コードすることができる。また、その用語は、構造遺伝子のコード領域、およびコード領域の5’末端と3’末端の両方に隣接し、それぞれ約1 kbの距離にわたり位置し、その遺伝子が全長mRNAの長さに相当するような、コード領域を含む配列も包含する。コード領域の5’末端に位置し、mRNA上に存在する配列は、5’非翻訳配列と呼ばれる。3’末端すなわちコード領域の下流に位置し、mRNA上に存在する配列は、3’非翻訳配列と呼ばれる。「遺伝子」という用語は、cDNAとゲノムの形を取った遺伝子の両方を包含する。ゲノムの形を取った遺伝子またはクローンは、「イントロン」または「介在領域」または「介在配列」と呼ばれる非コード配列が中間に挟まったコード領域を含む。イントロンは核内RNA(hnRNA)に転写される遺伝子断片である。イントロンはエンハンサーなどの調節要素を含むことがある。イントロンは核内または一次転写物から除去すなわち「スプライス」により切り出される。このため、イントロンはメッセンジャーRNA(mRNA)により処理された転写物中には存在しない。mRNAは翻訳中に、新生ポリペプチド中の配列すなわちアミノ酸の順序を指定する機能を果たす。
本発明において、自然発生のタンパク質分子のアミノ酸配列を指すために「アミノ酸配列」という言葉を用いる場合、「アミノ酸配列」に加え、「ポリペプチド」、「タンパク質」などの類似用語は、アミノ酸配列の意味を、言及されたタンパク質分子と関連する完全な未変性のアミノ酸配列に限定しない。
イントロンを含むことに加え、ゲノムの形の遺伝子は、RNA転写物上に存在し、配列の5’末端と3’末端の両方に位置する配列も含むことがある。これらの配列は「隣接」配列または領域と呼ばれる(これらの隣接領域は、mRNA転写物上に存在する非翻訳配列に対して5’または3’の位置にある)。5’隣接領域は、遺伝子の転写に影響を与えるプロモーターやエンハンサーなどの調節配列を含むことがある。3’隣接領域は、転写終結、転写後の切断、ポリアデニル化を命令する配列を含むことがある。
「野生型」という用語は、自然発生の供給源から単離された時に、その遺伝子または遺伝子産物の特徴を持つ遺伝子または遺伝子産物を指す。野生型遺伝子は、個体群の中で最も頻繁に観察され、従って、任意に「正常」または「野生型」の遺伝子と指定される遺伝子である。それとは対照的に、「修飾」、「変異体」、「多型」、「バリアント」という用語は、野生型の遺伝子または遺伝子産物と比較し、配列と機能特性またはそのいずれかに修飾(変化した特徴)が見られる遺伝子または遺伝子産物を指す。自然発生の変異体は単離できることが知られている。これらは野生型の遺伝子または遺伝子産物と比較し、変化した特徴を持つという事実により特定される。
本発明では、「核酸分子コード」、「DNA配列コード」、「DNAコード」という用語は、デオキシリボ核酸鎖に沿ったデオキシリボ核酸の順序すなわち配列を指す。これらデオキシリボ核酸の順序は、きちんと確定した遺伝子コードに従い、ポリペプチド(タンパク質)鎖に沿ったアミノ酸の順序を決定する。つまり、DNA配列はアミノ酸配列をコードする。
モノヌクレオチドの五炭糖環の5’に位置するリン酸が、隣接する五炭糖の3’に位置する酸素と、リン酸ジエステル結合を介して一方向的に付着するという形で、モノヌクレオチドが反応し、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが合成されるため、DNA分子は「5’末端」と「3’末端」を持つと言われる。このため、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの末端は、5’のリン酸がモノヌクレオチド五炭糖環の3’の酸素と結合していない場合は「5’末端」と呼ばれ、3’の酸素がそれに続くモノヌクレオチド五炭糖環の5’のリン酸と結合していない場合は「3’末端」と呼ばれる。本発明において、核酸配列は、それよりも大きいオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの内部に存在する場合であっても、やはり5’末端と3’末端を持つと言われることがある。DNA分子が直鎖であるか環状であるかを問わず、別々の要素に関し、それが「下流」すなわち3’側要素の「上流」すなわち5’側にあるという言い方をする。このような言い方は、DNA鎖に沿って、転写が5’から3’の方向に進むことを反映している。結合した遺伝子の転写を命令するプロモーターおよびエンハンサー要素は、コード領域の5’側すなわち上流に位置するのが普通である。ただし、エンハンサー要素は、プロモーター要素とコード領域の3’側すなわち下流に存在する場合も、影響を与えることができる。転写終結とポリアデニル化のシグナルは、コード領域の3’側すなわち下流に位置する。
本発明において、「遺伝子をコードするヌクレオチド配列を持つオリゴヌクレオチド」および「遺伝子をコードするヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチド」はという用語は、遺伝子のコード領域を構成する核酸配列、言い換えれば、遺伝子産物をコードする核酸配列を意味する。コード領域はcDNA、ゲノムDNA、RNAのいずれかの形で存在する。DNAの形で存在する場合、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは一本鎖(センス鎖)または二本鎖である。転写の適切な開始や一次RNA転写物の正しい処理を可能にするために必要な場合、エンハンサー/プロモーター、スプライスジャンクション、ポリアデニル化シグナルなどの適切な制御要素が、遺伝子のコード領域近くに置かれることがある。それとは別に、本発明の発現ベクター中で使われるコード領域は、内因性エンハンサー/プロモーター、スプライスジャンクション、介在配列、ポリアデニル化シグナルなど、または内因性と外因性両方の制御要素の組み合わせを含むことがある。
本発明において、用語「調節要素」とは、核酸配列の発現の何らかの側面を制御する遺伝子要素を指す。例えばプロモーターは、作動可能であるように連結されたコード領域の転写開始を促進する調節要素である。他に調節要素としては、スプライシングシグナル、ポリアデニル化シグナル、終結シグナルなどがある。
本発明において、「相補的」または「相補性」は、塩基対合の法則により関連づけられるポリヌクレオチド(ヌクレオチドの配列)を指すために使われる。例えば、「5’-A-G-T-3’」という配列は、「3’-T-C-A-5’」という配列と相補的である。相補性は「部分的」な場合もあり、核酸の塩基の一部のみが塩基対合の法則に従い対応する。または、核酸の間に「完全」または「全体」相補性が存在する場合もある。核酸鎖の相補性の程度は、核酸鎖のハイブリダイゼーションの効率と強度に対して相当の影響を与える。これは増幅反応において、また、核酸間の結合に依存する検出法において、特に重要である。
「相同性」という用語は相補性の程度を指す。部分的な相同性または完全な相同性(すなわち同一性)がある。部分的に相補的な配列は、完全に相補的な配列が標的核酸とハイブリッドを形成することを少なくとも部分的に阻害する配列であって、それを指すために「実質的に相同」という機能的用語が使われる。「結合の阻害」という用語は、核酸の結合について使われる場合、標的配列との結合をめぐる相同配列の競合により起きる結合の阻害を指す。完全に相補的配列の標的配列とのハイブリダイゼーションの阻害は、低いストリンジェンシーという条件下でのハイブリダイゼーションアッセイ法か(サザンブロットまたはノーザンブロット法、溶液ハイブリダイゼーション法など)、またはオリゴヌクレオチドとmRNAまたはそのいずれかを使うマイクロアレイ法で調べることができる。実質的に相同な配列またはプローブは、低ストリンジェンシーという条件下で、完全に相同な配列と標的配列の結合(ハイブリダイゼーション)のために競合し、それを阻害する。低ストリンジェンシーという条件により、非特異的結合が可能になるわけではない。低ストリンジェンシー条件では、2つの配列の相互結合が特異的な(選択的な)相互作用であることを必要とする。非特異的結合の非存在は、部分的相補性さえない(例えば約30%未満の同一性)第2の標的を使ってテストできる。非特異的結合が存在しないと、プローブは第2の非相補的標的との間でハイブリッドを形成しない。
当業者の間で既知のように、多数の同等の条件を採用し、低ストリンジェンシー条件を構成することができる。プローブの長さと性質(DNA、RNA、塩基組成)と標的の性質(DNA、RNA、塩基組成、溶液中に存在するか、固定化されているか、など)、および塩類その他の構成要素の濃度(例えば、ホルムアミド、デキストラン硫酸、ポリエチレングリコールの有無)などの要因が考慮され、また、以上に列挙した条件とは異なるが、それらと同等の低ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件を生むために、ハイブリダイゼーション溶液を変えることもある。それに加え、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイゼーションを進める条件が、当業者の間で知られている(例えば、ハイブリダイゼーションや洗浄の温度を上げる、ハイブリダイゼーション溶液でホルムアミドを使う、など)。さらに、cDNAやゲノムクローンなどの二本鎖核酸配列に関して使われる場合、「実質的に相同」という用語は、上記の低ストリンジェンシー条件下で二本鎖核酸配列の片方または両方の鎖とハイブリッドを形成できるプローブを意味する。
遺伝子は、一次RNA転写物の差異あるスプライシングにより生じる複数のRNA種を産生する。同じ遺伝子のスプライスバリアントであるcDNAは、配列同一性または完全相同性領域と(両方のcDNAで同じエクソンまたは同じエクソンの一部が存在することを表す)、完全非同一性領域(例えば、cDNA 1にはエクソン「A」が、cDNA 2には、その代わりにエクソン「B」が、それぞれ存在することを表す)を含む。2つのcDNAは配列が同一の領域を含むため、両方のcDNAに存在する配列を含む遺伝子の全体または遺伝子の一部に由来するプローブとの間で、どちらのcDNAもハイブリッドを形成する。従って、2種のスプライスバリアントは、そのようなプローブに対し、また、相互に、実質的に相同である。
一本鎖核酸配列に関して使われる場合、「実質的に相同」という用語は、上記の低ストリンジェンシー条件下で一本鎖核酸配列とハイブリッドを形成できる(つまり、それと相補的な)プローブを意味する。
本発明において、「結合のために競合する」という用語は、活性を持つ第1のポリペプチドが活性を持つ第2のポリペプチドと同じ基質に結合し、第2のポリペプチドが第1のポリペプチドのバリアントであるか、関連するポリペプチドであるか、非類似のポリペプチドである場合に、第1のポリペプチドを指すために使われる。第1のポリペプチドによる結合の効率(例えば速度論上または熱力学上の)は、第2のポリペプチドによる基質との結合の効率と相同であるか、それよりも高いか、それよりも低い。例えば、基質との結合の平衡結合定数(KD)は、2つのポリペプチドで異なる場合がある。本発明で使われる「Km」という用語は、酵素に関するミカエリスメンテン定数であり、任意の酵素が酵素触媒反応において最大速度の半分に達する特定基質濃度と定義される。
本発明において、「ハイブリダイゼーション」という用語は、相補的核酸が対を作ることを指す。ハイブリダイゼーションとハイブリダイゼーションの強度(核酸間の結びつきの強さ)は、核酸間の相補性の程度、関与する条件のストリンジェンシー、形成されるハイブリッドのTm、核酸内のG:C比などの要因により影響を受ける。
本発明において、「Tm」という用語は「融解温度」を指すために使われる。融解温度は、二本鎖核酸分子群の半分が解離し、一本鎖になる温度である。核酸のTmを計算するための式は、当業者の間でよく知られている。標準的な参考文献で示されるように、Tm値の簡単な推定値は、Tm =81.5 + 0.41 (%G + C) という式で計算できる。ここで核酸は1 M NaClを溶媒とする水溶液の状態である(例えばAnderson and Young, Quantitative Filter Hybridization, Nucleic Acid Hybridization (1985) を参照)。他の参考文献では、配列特性だけでなく構造特性も考慮に入れてTmを計算する高度な計算方法が紹介されている。
本発明において、「ストリンジェンシー」という用語は、温度、イオン強度、および有機溶媒など、他の化合物の存在という、核酸のハイブリダイゼーションが行われる条件を指す。当業者の間で認識されるように、上記のパラメータを個別に、または合わせて変動させることにより、「ストリンジェンシー」条件を変更できる。「高ストリンジェンシー」条件では、核酸塩基の対合は相補的塩基配列の頻度が高い核酸断片間でのみ起きる(例えば、「高ストリンジェンシー」条件下でのハイブリダイゼーションは、約85〜100%の同一性、好ましくは約70〜100%の同一性を持つ相同体の間で起きることがある)。中ストリンジェンシー条件では、核酸塩基の対合は相補的塩基配列の頻度が中等度である核酸間で起きる(例えば、「中ストリンジェンシー」条件下でのハイブリダイゼーションは、約50〜70%の同一性を持つ相同体の間で起きることがある)。従って、遺伝子が多様である生物に由来する核酸では、相補的配列の頻度が普通低いため、「弱い」すなわち「低い」ストリンジェンシーがしばしば必要とされる。
核酸のハイブリダイゼーションに関する「高ストリンジェンシー条件」は、長さ約500塩基のプローブを使用し、42℃で、5X SSPE(43.8 g/l NaCl、6.9 g/l NaH2PO4 H2O、1.85 g/l EDTA、pHはNaOHで7.4に調整)、0.5% SDS、5Xデンハート反応液、100 μg/ml変性サケ精子DNAで構成される溶液中で結合すなわちハイブリダイゼーションを行い、その後、42℃で、0.1X SSPE、1.0% SDSで構成される溶液中で洗浄することと同等の条件を含む。
核酸のハイブリダイゼーションに関する「中ストリンジェンシー条件」は、長さ約500塩基のプローブを使用し、42℃で、5X SSPE(43.8 g/l NaCl、6.9 g/l NaH2PO4 H2O、1.85 g/l EDTA、pHはNaOHで7.4に調整)、0.5% SDS、5Xデンハート反応液、100 μg/ml変性サケ精子DNAで構成される溶液中で結合すなわちハイブリダイゼーションを行い、その後、42℃で、1.0X SSPE、1.0% SDSで構成される溶液中で洗浄することと同等の条件を含む。
核酸のハイブリダイゼーションに関する「低ストリンジェンシー条件」は、長さ約500塩基のプローブを使用し、42℃で、5X SSPE(43.8 g/l NaCl、6.9 g/l NaH2PO4 H2O、1.85 g/l EDTA、pHはNaOHで7.4に調整)、0.1% SDS、5Xデンハート反応液(500 mlあたり50Xデンハート:5 gフィコール(Type 400、Pharamcia)、5 g BSA(Fraction V、Sigma))、100 μg/ml変性サケ精子DNAで構成される溶液中で結合すなわちハイブリダイゼーションを行い、その後、42℃で、5X SSPE、0.1% SDSで構成される溶液中で洗浄することと同等の条件を含む。本発明は長さ約500塩基のプローブのハイブリダイゼーションに限定されない。本発明では、約10塩基から数千(例えば最低5,000)塩基までのプローブの使用が想定される。
当業者の間で既知のように、他のサイズのプローブに合わせてストリンジェンシー条件を変更できる(例えばAnderson and Young, Quantitative Filter Hybridization, Nucleic Acid Hybridization (1985) およびSambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, NY (1989) を参照)。
以下の用語は、2個以上のポリヌクレオチド間の配列に関する関係性を記述するために使われる:「基準配列」、「配列同一性」、「配列同一性の比率」、「実質的同一性」。「基準配列」は、配列を比較するための基準として使われる一定の配列である。基準配列は、例えば配列リスト中の全長cDNA配列の一部として、より大きな配列のサブセットである場合や、完全な遺伝子配列を含む場合がある。一般に、基準配列の長さは少なくとも20塩基であり、頻繁に少なくとも25塩基であり、多くの場合、長さが少なくとも50塩基である。2個のポリヌクレオチドは、各々が (1) 2ポリヌクレオチド間で類似の配列(完全なポリヌクレオチド配列の一部)を含み、(2) さらに、2ポリヌクレオチド間で多岐にわたる配列を含む場合があるため、2個(またはそれ以上)のポリヌクレオチド間の配列比較は通常、配列類似性のある局所的領域を同定し比較するための「比較域」部分についてこれら2個のポリヌクレオチドの配列を比較することにより行われる。本発明においては、「比較域」とは、少なくとも20の連続したヌクレオチド位置から成る概念的区域であって、そこでポリヌクレオチド配列を、少なくとも20の連続したヌクレオチドから成る基準配列と比較することができ、また、比較域内のポリヌクレオチド配列部分は、2つの配列の最適なアラインメントのために、基準配列(付加も欠損も含まない)と比べて20パーセント以下の付加または欠損(ギャップ)を含む場合がある。比較域を整列させるための配列の最適なアラインメントは、Smith and Watermanの局所相同性アルゴリズム(Smith and Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482 (1981))、Needleman and Wunschの相同性アラインメント・アルゴリズム(Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443 (1970))、Pearson and Lipmanの類似性法に関する研究(Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 85:2444 (1988))、これらのアルゴリズムのコンピュータでの実装(GAP, BESTFIT, FASTA, TFASTA, Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, Wis.)、あるいは目視により行うことができ、各種の方法を使い求めた最善のアラインメント(つまり、比較域において相同性の比率が最高になるもの)を選択する。「配列同一性」という用語は、2個のポリヌクレオチド配列が、比較域において同一である(ヌクレオチドごとに)ことを意味する。「配列同一性の比率」は、比較域内で2個の最適に整列させた配列を比較し、両方の配列で同一の核酸塩基(例えばA、T、C、G、U、またはI)が存在する位置の数を決定して対応した位置の数を求め、対応した位置の数を比較域中の位置の総数(すなわち比較域のサイズ)で割り、その解に100を掛けて求める。「実質的同一性」という用語は、本発明において、ポリヌクレオチド配列の特性を表し、それは少なくとも20のヌクレオチド位置から成る比較域において、頻繁に少なくとも25〜50のヌクレオチド位置から成る比較域において、基準配列と比較し、ポリヌクレオチドが少なくとも85パーセントの配列同一性を持ち、好ましくは少なくとも90〜95パーセントの配列同一性を持ち、それよりも普通には、少なくとも99パーセントの配列同一性を持つような特性であり、ここで、配列同一性の比率は、基準配列とポリヌクレオチド配列を比較して計算し、後者は比較域において全部で基準配列の20パーセント以下に相当する欠損または付加を含むことがある。基準配列は、例えば本発明で特許請求を行う組成物(例えばFIG4)の全長配列の一部として、より大きな配列のサブセットである場合がある。
ポリペプチドに使われる場合、「実質的同一性」という用語は、2個のペプチド配列が、GAPまたはBESTFITプログラムでデフォルトギャップ加重を使うなどの方法で、最適に整列された時、少なくとも80パーセントの配列同一性、好ましくは少なくとも90パーセントの配列同一性、より好ましくは少なくとも95パーセントの配列同一性またはそれ以上(例えば99パーセントの配列同一性)を共有することを意味する。同一ではない残基位置における違いが、保存的アミノ酸置換であることが好ましい。保存的アミノ酸置換とは、類似の側鎖を持つ残基が交換可能であることを意味する。例えば、脂肪族側鎖を持つアミノ酸類は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンである。脂肪族ヒドロキシ化合物の側鎖を持つアミノ酸類は、セリンとスレオニンである。アミド含有側鎖を持つアミノ酸類は、アスパラギンとグルタミンである。芳香族側鎖を持つアミノ酸類は、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンである。塩基性側鎖を持つアミノ酸類は、リジン、アルギニン、ヒスチジンである。イオウ含有側鎖を持つアミノ酸類は、システインとメチオニンである。好ましい保存的アミノ酸置換群は、バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リジン−アルギニン、アラニン−バリン、アスパラギン−グルタミンである。
本発明で使われる「断片」という用語は、未変性タンパク質と比べ、アミノ末端とカルボキシ末端またはそのいずれかが欠損し、しかし、残りのアミノ酸配列は、全長cDNA配列から推定されるアミノ酸配列中の対応する位置と同一であるようなポリペプチドを意味する。通常、断片は最低4個の長さのアミノ酸であり、好ましくは最低20個の長さのアミノ酸であり、普通は50個以上の長さのアミノ酸であり、種々のリガンドや基質と組成物(本発明で特許請求を行うもの)との分子間結合に必要とされるポリペプチドの部分全体にまたがる。
「多型遺伝子座」という用語は、集団の構成要素中に変異があるような(つまり、最も多い対立遺伝子の出現頻度が0.95未満)集団中に存在する遺伝子座を指す。対照的に、「単型遺伝子座」は、集団の構成要素中に変異がほとんど、あるいは全く見られない遺伝子座である(一般に、集団の遺伝子プールにおいて、最も多い対立遺伝子の出現頻度が0.95を超える遺伝子座と考えられる)。
本発明において、「遺伝子変異情報」または「遺伝子バリアント情報」という用語は、特定遺伝子(例えばFIG4遺伝子)の任意の対立遺伝子における1つ以上のバリアント核酸配列(例えば多型または変異)の存在または非存在を指す。
本発明において、「検出アッセイ法」という用語は、特定遺伝子(例えばFIG4遺伝子)の任意の対立遺伝子におけるバリアント核酸配列(例えば多型または変異)の存在または非存在を検出するためのアッセイ法を指す。
本発明において、ある物体に対して「自然発生」という用語を用いた場合、その物体が自然の中に見つかることを意味する。例えば、生物(ウィルスを含む)中に存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列であって、自然の供給源から単離することができ、実験室で人により意図的に修飾されていないものは、自然発生である。
本発明において、「プライマー」という用語は、精製した制限酵素分解産物中に自然に存在するか、合成されるかを問わず、核酸鎖と相補的なプライマー延長産物の合成が誘導される条件下(ヌクレオチドとDNAポリメラーゼなどの誘導物質が存在し、適切な温度とpHに設定)に置かれた時に、合成の開始点として働くことが可能なオリゴヌクレオチドを指す。プライマーは、増幅の効率を最大にするために、好ましくは一本鎖であるが、その代わりに二本鎖であってもよい。二本鎖の場合、プライマーは最初に鎖を分離する処理を受け、その後、延長産物の産生に使われる。好ましくは、プライマーはオリゴデオキシリボヌクレオチドである。プライマーは誘導物質の存在下で延長産物の合成を引き起こすために十分な長さを持つ必要がある。プライマーの正確な長さは、温度、プライマー供給源、方法の使用法など、多数の要因に依存する。
本発明において、「プローブ」という用語は、精製した制限酵素分解産物中に自然に存在するか、遺伝子組み換えまたはPCR増幅により合成されるかを問わず、注目する別のオリゴヌクレオチドとハイブリッドを形成する能力を持つオリゴヌクレオチド(ヌクレオチドの配列)を指す。プローブは一本鎖か二本鎖のどちらかである。プローブは特定遺伝子配列の検出、同定、単離に利用できる。本発明で使われるプローブは、「レポーター分子」で標識し、酵素(例えばELISA、および酵素を使う組織化学的アッセイ法)、蛍光、放射性、発光システムを含み、それらに限定しない検出システムにより、検出可能である。本発明を特定の検出システムまたは標識に限定することは意図しない。
本発明において、「標的」という用語は、検出または特性決定の対象である核酸配列または構造を指す。従って、「標的」は他の核酸配列から選別することが求められる。「セグメント」は標的配列内の核酸の領域と定義される。
「単離されたオリゴヌクレオチド」または「単離されたポリヌクレオチド」など、核酸に関して「単離された」という用語が使われる場合、それは核酸配列が同定され、自然の供給源において通常それに付随する少なくとも1つの混在性の核酸から、それが分離されていることを意味する。単離された核酸は、自然に見つかる場合とは異なる形または状況で存在する。対照的に、単離されていない核酸は、自然に存在する状態で見つかるDNAやRNAなどの核酸である。例えば、DNA配列(例えば遺伝子)は宿主細胞の染色体で隣の遺伝子の近くに存在する。特定のタンパク質をコードする特異的mRNA配列などのRNA配列は細胞中で、多数のタンパク質をコードする膨大な数の他のmRNAと混在する形で存在する。しかし、FIG4をコードする単離された核酸は、例えば、細胞中で普通にFIG4を発現する核酸であるが、自然な細胞とは異なる染色体上の位置にあるか、または自然に見られるものとは異なる核酸配列の側にあるような核酸を含む。単離された核酸、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドは、一本鎖か二本鎖の形を取る。単離された核酸、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドをタンパク質の発現に使おうとする場合、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、最低限、センスまたはコード鎖を含むが(つまり、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは一本鎖)、センスとアンチセンス両方の鎖を含むこともある(つまり、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは二本鎖)。
本発明において、「染色体の一部」とは、染色体の別々のセクションを指す。細胞遺伝学では、染色体を部位またはセクションに分けている。染色体の短腕(セントロメアと比較して)は「p」腕と呼ばれる。長腕は「q」腕と呼ばれる。次に、各腕が領域1と領域2と呼ばれる2つの領域に分かれる(領域1の方がセントロメアに近い)。各領域はさらにバンドに分かれる。バンドはさらにサブバンドに分かれる。例えば、ヒト染色体11の11p15.5という部分は、染色体11(11)上で、短腕(p)第1領域(1)第5バンド(5)サブバンド5(.5)に位置する。染色体の部分が「変化」することがある。例えば、欠損により部分全体がなくなる場合や、配置が変わることがある(例えば、逆転、転座、反復領域の変化による伸長と短縮)。欠損の場合、染色体の特定部分と相同なプローブのハイブリダイゼーション(特異的に結合させること)を試みると、マイナスの結果が(つまり、染色体に欠けた部分がある遺伝子材料を含む試料とプローブが結合できない)得られる可能性がある。従って、染色体の特定部分と相同なプローブのハイブリダイゼーションは、染色体の一部における変質の検出に利用できる。
「染色体と関連する配列」という用語は、染色体の標本(例えば中期染色体スプレッド)、染色体DNAを含む試料から抽出される核酸(ゲノムDNA標本)、染色体上に位置する遺伝子の転写により産生されるRNA(例えばhnRNAやmRNA)、染色体上に位置するDNAから転写されるRNAのcDNAコピーを意味する。染色体と関連する配列は、サザンブロットおよびノーザンブロットとプローブとのハイブリダイゼーション、上に列挙した標本中の核酸と相同な配列を含むプローブと、RNA、DNA、または中期染色体とのin situハイブリダイゼーションなど、多数の技法により検出することができる。
本発明において、構造遺伝子に関して「コード領域」という用語を使用する場合、それはmRNA分子を翻訳した結果である新生ポリペプチド中のアミノ酸をコードする核酸配列を意味する。コード領域は真核生物では、イニシエーターのメチオニンをコードする「ATG」というヌクレオチドのトリプレットにより5’側に結合され、ストップコドンを指定する3種類のトリプレット(TAA、TAG、TGA)の1種により、3'側に結合される。
本発明において、「精製した」または「精製すること」という用語は、試料から混在物質を除去することを指す。例えば、FIG4抗体は混在する免役グロブリン以外のタンパク質を除去して精製される。また、FIG4と結合しない免疫グロブリンの除去によっても精製される。免疫グロブリン以外のタンパク質の除去やFIG4と結合しない免疫グロブリンの除去により、試料中でFIG4反応性の免疫グロブリンが占める比率が上昇する。別の例では、組み換えFIG4ポリペプチドは細菌宿主内で発現され、ポリペプチドは宿主タンパク質を除去することにより精製される。その結果、組み換えFIG4ポリペプチドの比率が試料中で上昇する。
本発明において、「組み換えDNA分子」という用語は、分子生物学的技法を使い連結されたDNAセグメントを含むDNA分子を指す。
本発明において、「未変性タンパク質」という用語は、あるタンパク質がベクターの配列によりコードされたアミノ酸残基を含まないことを意味する。すなわち、未変性タンパク質は、自然発生のタンパク質中に見られるアミノ酸のみを含む。未変性タンパク質は、組み換えという手段により産生するか、または自然発生の供給源から単離することができる。
本発明において、「抗原決定基」という用語は、特定の抗体と接触する抗原の特定部分(エピトープ)を指す。宿主動物を免疫化するためにタンパク質またはタンパク質の断片を使用すると、そのタンパク質の多数の領域がタンパク質上のある領域または三次元構造と特異的に結合する抗体の産生を誘導する。これらの領域または構造が抗原決定基と呼ばれる。抗原決定基は、抗体との結合をめぐりインタクトな抗原(免疫反応を起こすために使われる「免疫原」)と競合することがある。
本発明において、「導入遺伝子」という用語は、新たに受精した卵子または初期胚に遺伝子を導入することにより生物中に導入される外来遺伝子、異種遺伝子、自己遺伝子のいずれかを指す。「外来遺伝子」という用語は、実験操作により動物のゲノムに導入される核酸(例えば遺伝子配列)を指し、導入された遺伝子が自然発生遺伝子と同じ位置に常在しない限り、その動物中に見つかる遺伝子配列を含むことができる。「自己遺伝子」という用語は、自然発生遺伝子のバリアント(例えば多型または変異)を含むものと意図されている。従って、導入遺伝子という用語は、自然発生遺伝子をその遺伝子のバリアントで置き換えたものを包含する。
本発明において、「ベクター」という用語は、1つの細胞から別の細胞にDNAセグメントを移す核酸分子を指すために使われる。「運び屋」という用語は「ベクター」と互換的に使われることがある。
本発明において、「発現ベクター」という用語は、機能を果たすよう連鎖したコード配列の特定宿主生物における発現に必要な望ましいコード配列と適切な核酸配列を含む組み換えDNA分子を指す。原核生物における発現に必要な核酸配列は普通、プロモーター、オペレーター(オプション)、リボソーム結合部位を含み、しばしば他の配列も含む。真核生物の細胞は、プロモーター、エンハンサー、終結シグナル、ポリアデニル化シグナルを使うことが知られている。
本発明において、「宿主細胞」という用語は、存在場所がin vitroであるかin vivoであるかを問わず、何らかの真核生物または原核生物の細胞を指す(例えば、大腸菌などの細菌の細胞、酵母細胞、哺乳類の細胞、鳥類の細胞、両生類の細胞、植物の細胞、魚類の細胞、昆虫の細胞)。例えば、宿主細胞は遺伝子導入動物の体内に存在することがある。
「過剰発現」または「過剰発現すること」という用語と、それと文法的に同等な用語は、対照動物または非遺伝子導入動物中の組織で観察される通常のレベルよりも約3倍高い発現レベルを意味するmRNAレベルを指す。mRNAのレベルは、ノーザンブロット分析を含み、だがそれに限定されない、当業者の間で既知の数種類の技法を使って測定される。分析する各組織からロードしたRNA量の差を調べるための対照として、ノーザンブロットには適切な対照が含まれる(例えば、28S rRNAは全組織にほぼ同量存在する豊富なRNA転写物であるが、各試料中に存在する28S rRNAの量を、ノーザンブロット上で観察されるFIG4 mRNA特異シグナルの正規化または標準化の手段として使うことができる)。正しくスプライスしたFIG4導入遺伝子RNAに対応するサイズのバンドに存在するmRNAの量を数量化する。導入遺伝子プローブとハイブリッドを形成する他のあまり重要でないRNA種は、遺伝子導入mRNAの発現の数量化において考慮に入れない。
本発明において、「形質移入」という用語は、外来DNAを真核生物細胞に導入することを指す。形質移入は、リン酸カルシウムとDNAの共沈殿、DEAEとデキストランを使う形質移入、ポリブレンを使う形質移入、電気穿孔、微量注入、リポソーム融合、リポフェクション、プロトプラスト融合、レトロウィルス感染、微粒子銃など、多種多様な手段を用いて達成できる。
「安定した形質移入」または「安定した形で形質移入された」という用語は、外来DNAを形質移入される細胞のゲノムに導入し、それと統合することを指す。「安定した形質移入」という用語は、外来DNAをゲノムDNAに安定した形で統合した細胞を指す。
「一過性形質移入」または「一過性の形で形質移入された」という用語は、外来DNAを細胞に導入したが、その外来DNAが形質移入された細胞のゲノムと統合できない場合を指す。外来DNAは数日間、形質移入された細胞の核にとどまる。この間に、外来DNAは、染色体中の内在性遺伝子の発現を支配する調節制御の対象となる。「一貫性形質移入細胞」という用語は、外来DNAを取り込んだが、このDNAを統合できなかった細胞を指す。
「試験化合物」という用語は、疾患、病気、不調、身体機能の障害を治療するか、または予防するため、またはそれ以外に、試料の生理学的状態または細胞の状態を変えるために使用できる化学的実体、製薬、薬品などを指す。試験化合物は既知の治療用化合物と潜在的治療用化合物の両方を含む。試験化合物は、本発明のスクリーニング法を使うスクリーニングにより、治療効果があると決定できる。「既知の治療用化合物」とは、そのような治療または予防において効果があることが明らかにされた(例えば、動物試験を通じ、または以前にヒトに投与した経験を通じ)治療用化合物を指す。
本発明において、「試料」という用語はきわめて広義に使われる。ヒト染色体またはヒト染色体と関連する配列を含むと思われる試料としては、細胞、細胞から単離された染色体(例えば中期染色体スプレッド)、ゲノムDNA(溶液中、またはサザンブロット分析などで固体支持体に固定)、RNA(溶液中、またはノーザンブロット分析などで固体支持体に固定)、cDNA(溶液中、または固体支持体に固定)などが含まれる。タンパク質を含むと思われる試料としては、細胞、組織の部分、1種以上のタンパク質を含む抽出物などが含まれる。
本発明において、アッセイに関して「反応」という用語が使われる場合、それは検出可能なシグナルの生成を指す(例えば、レポータータンパク質の蓄積、イオン濃度の上昇、検出可能な化学産物の蓄積)。
本発明において、「レポーター遺伝子」という用語は、アッセイできるタンパク質をコードする遺伝子を指す。レポーター遺伝子の例としては、ルシフェラーゼ(例えば、deWet et al., Mol. Cell. Biol. 7:725 (1987) および米国特許第6,074,859号、5,976,796号、5,674,713号、5,618,682号を参照。これら各々の全体がこの参照により開示に含まれる)、緑色蛍光タンパク質(例えば、GenBank Accession Number U43284 CLONTECH Laboratories, Palo Alto, CAが数種類のGFPバリアントを販売している)、クロラムフェニコールアセチル基転移酵素、βガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼが含まれるが、それらに限定されない。
本発明において、「コンピュータメモリ」および「コンピュータメモリデバイス」という用語は、コンピュータプロセッサにより読み取り可能なあらゆるストレージ媒体を指す。コンピュータメモリの例としては、RAM、ROM、コンピュータチップ、デジタルビデオディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、ハードディスクドライブ(HDD)、磁気テープが含まれるが、それらに限定されない。
本発明において、「コンピュータ読み取り可能媒体」という用語は、情報を(例えばデータや指示)保存し、コンピュータプロセッサに提供するための装置またはシステムを指す。コンピュータ読み取り可能媒体の例としては、DVD、CD、ハードディスクドライブ、磁気テープ、およびネットワークを介したストリーミングメディアのためのサーバが含まれるが、それらに限定されない。
本発明において、「その遺伝的変異情報を、そのコンピュータに入力する」などの形で「入力」という用語を使用する場合、それは情報を「コンピュータ読み取り可能媒体」に移すことを指す。情報は何らかの適切な方法で移すことができ、それには手動(例えば、コンピュータにタイプ入力)または自動(例えば、別の「コンピュータ読み取り可能媒体」から「プロセッサ」を介して移す)が含まれるが、それらに限定されない。
本発明において、「プロセッサ」、「中央処理装置」、「CPU」という用語は互換的に使われ、コンピュータメモリ(例えばROMその他のコンピュータメモリ)からプログラムを読み出し、そのプログラムに従い一連の作業を実行することができる装置を指す。
本発明において、「コンピュータに実装された方法」という用語は、「CPU」および「コンピュータ読み取り可能媒体」を使う方法を指す。
発明の詳細な説明
本発明は神経学的疾患、特にFIG4遺伝子における変異に関係する。また、本発明はバリアントFIG4対立遺伝子を検出するためのアッセイ法、およびALSなどの疾患状態に伴うFIG4遺伝子多型および変異を検出するためのアッセイ法も提供する。
本発明の特定の態様について以下に説明する。本発明はここに説明する態様に限定されない。当業者の間で認識されるように、他の態様も本発明の範囲内である。
FIG4/SAC3は、後期エンドソームコンパートメントの膜の細胞質ゾル表面上に存在するシグナル伝達脂質であるPI(3,5)P2の細胞の存在量を調節する、ホスホイノシチド5-ホスファターゼである(Volpicelli-Daley and De Camilli, P. Nat Med 13, 784-6 (2007))。PI(3,5)P2は、エンドソーム小胞の、トランスゴルジ網への逆行性輸送を媒介する(Rutherford et al., J Cell Sci 119, 3944-57 (2006); Zhang et al., Proc Natl Acad Sci U S A 104, 17518-23 (2007))。ホモ接合性pale tremorマウスにおけるFig4の不活性化は、感覚神経節と自律神経節、運動皮質、線条体、およびCNSの他の領域のニューロンの大量の変性をもたらす(Chow et al., Nature 448, 68-72 (2007), 参照により本明細書に含まれる)。坐骨神経伝導速度が低下し、腹側脊髄の運動ニューロンが影響を受ける。ニューロンおよび他の細胞の広範な空胞化が、細胞死よりも前に起こる。染色体6q21上のヒトFIG4遺伝子の変異は、早期発症ならびに感覚神経および運動神経の合併症を伴うシャルコー・マリー・トゥース病の重篤な形である劣性遺伝病CMT4J(OMIM #611228)の原因である(Chow et al., supra)。CMT4J患者は複合ヘテロ接合体であり、非同義変異I41Tと組み合わせて機能喪失型対立遺伝子を保有する。30を上回る遺伝子がCMTを引き起こすことが知られており、FIG4は、症例のおよそ4%を占める(Chow et al., supra)。CMT4Jを含むあるファミリーでは、成人発症および主に運動の特徴は、ALSを有する患者と類似していた。本発明が進展する間に実施された実験は、FIG4における変異がALSのある特定の症例に関連していることを実証した。
I. 診断適用
一部の態様において、本発明はFIG4のバリアント対立遺伝子の有無に基づき、ALSまたは関連する状態を診断する方法を提供する。
A. FIG4対立遺伝子
以下に記述するように、本発明の一部の態様が進展する間に実施された実験の結果、ALSに関連するバリアントFIG4対立遺伝子が同定された。従って、一部の態様において、本発明は疾患状態と関連するFIG4変異対立遺伝子を提供する。一部の態様において、機能喪失を引き起こす、FIG4における任意の変異が検出される。一部の態様において、この変異は、切り詰めを引き起こす(例えば、停止コドン、スプライシングバリアント等)。他の態様において、変異は、タンパク質フォールディング、mRNA、またはタンパク質輸送、または翻訳後修飾を含む問題を引き起こす。例えば、一部の態様では、FIG4変異対立遺伝子は、エクソン6におけるR183X(c.547C>T)、エクソン11におけるI411T(c.1231A>G)、エクソン11におけるQ403X(c.1207C>T)、イントロン1におけるスプライス部位バリアント(c.67-1G>T)、エクソン12におけるスプライス部位バリアント(c.1386+5G/T)、エクソン2におけるD53Y(c.157G>T)、エクソン2におけるD48G(c.143A>G)、エクソン11におけるR388G(c.1162A>G)、エクソン11におけるI411V(c.1231A>G)、エクソン17におけるY647C(c.1940T>G)、T34K(c.272C>A)、およびエクソン23におけるI902T(c.2705T>C)をコードする対立遺伝子を含むが、それらに限定されない(表2および3、ならびに図1参照)。一部の態様において、患者はFIG4においてヘテロ接合性変異を有する(例えば複合ヘテロ接合体)。一部の態様において、患者ではFIG4タンパク質の切り詰めを引き起こす任意のFIG4の変異が見られ、それはホモ接合状態またはヘテロ接合状態で存在する。
本発明の他の態様において、FIG4の他の対立遺伝子が提供される。好ましい態様においては、対立遺伝子は遺伝子多型または変異(核酸配列の変化)の結果であり、変化したmRNAまたはポリペプチドを産生する(例えば上記のもの)。遺伝子には、対立遺伝子という形が皆無の場合、1つの場合、多数存在する場合がある。対立遺伝子を生む変異による変化として一般的なものは、核酸の欠損、付加、置換が原因である。このようなタイプの各変化は、単独で起きるか、または他と組み合わせて起き、1つの配列において1回またはそれ以上の率で起きる。
本発明の一部の態様において、開示されるFIG4配列のバリアントを提供する。好ましい態様においては、バリアントは多型または変異(核酸配列の変化)の結果であり、変化したmRNAまたはポリペプチドを産生する。遺伝子には対立遺伝子という形が皆無の場合、1つの場合、多数存在する場合がある。対立遺伝子を生む変異による変化として一般的なものは、核酸の欠損、付加、置換が原因である。このようなタイプの各変化は、単独で起きるか、または他と組み合わせて起き、1つの配列において1回またはそれ以上の率で起きる。
一部の態様において、本発明はFIG4ポリペプチド配列をコードするFIG4ポリヌクレオチド配列を提供する。本発明の他の態様は、これらのFIG4タンパク質の断片、融合タンパク質、機能的にそれに相当する物のいずれかを提供する。本発明のさらに他の態様において、FIG4バリアント、相同体、変異体に対応する核酸配列を使い、適切な宿主細胞中でFIG4のバリアント、相同体、変異体の発現を命じる組み換えDNA分子を産生することができる。本発明の一部の態様においては、ポリペプチドは自然に精製された産物であり、他の態様においては、化学合成手順の産物であり、さらに他の態様においては、原核生物または真核生物を用いた(例えば細菌、酵母、高等植物、昆虫、哺乳類の培養細胞)組み換え技法により産生される。一部の態様において、組み換え遺伝子産生手順で用いる宿主により、本発明のポリペプチドはグリコシル化されている場合と、グリコシル化されていない場合がある。他の態様において、本発明のポリペプチドは、最初のメチオニンのアミノ酸残基も含むことがある。
B. FIG4対立遺伝子の検出
一部の態様において、本発明はFIG4核酸またはポリペプチドの野生型またはバリアント(例えば変異体または多型)の存在を検出する方法を提供する。FIG4変異体の検出は疾患(例えばALS)の診断に利用できる。
従って、本発明は、ある個体におけるFIG4対立遺伝子のバリアントの有無を決定することにより、その患者においてALSに対する感受性が上昇しているか否かを決定する方法を提供する。他の態様において、本発明は1つ以上のバリアントFIG4対立遺伝子(例えば、本発明に記述されるもの)の有無に基づき、ある個体においてALSに関する危険性が上昇しているか否かを決定する方法(例えば、バリアントを持たない個体と比較するか、または一般の人々と比較する)を提供する。一部の態様において、そのバリエーションはFIG4タンパク質の切り詰めを引き起こす。
核酸配列のバリアント(例えば変異体または多型)の分析には、数種類の方法を使用できる。バリアント(例えば変異体または多型)を検出するためのアッセイ法は、数種類のカテゴリーに分類され、それには直接配列決定アッセイ法、断片多型アッセイ法、ハイブリダイゼーションアッセイ法、コンピュータによるデータ分析などがあるが、それらに限定されない。これらのアッセイ法の複数のバリエーションを実施するために、プロトコルや市販キットまたはサービスを利用できる。一部の態様において、アッセイは組み合わせて、または混成して実施される(例えば、複数のアッセイ法で使う異なる試薬や技術を組み合わせ、1回のアッセイを行う)。本発明では、以下の例示的アッセイ法および技術が有用である。追加的な検出アッセイ法は、当技術分野において公知である。
A. 試料
FIG4核酸またはポリペプチドを含むいかなる患者試料も、本発明の方法に従い検査することができる。非限定的な例を挙げると、試料は組織、血液、尿、精液、あるいはその分画(例えば血漿、血清、唾液、毛髪)などである。
患者試料は、FIG4核酸またはポリペプチド、あるいはFIG4を含む細胞を得るために、試料を単離または濃縮することを意図した予備処理を受けることがある。この目的で使用できる多様な技法が当業者の間で知られており、それには遠心分離、免疫捕捉、細胞溶解、核酸標的捕捉などがあるが、それらに限定されない(例えば、EP Pat. No. 1 409 727を参照。この参照により全体が開示に含まれる)。
B. DNAとRNAの検出
本発明のFIG4バリアントは、当業者の間で知られる多様な核酸検出技法を使い、ゲノムDNAまたはmRNAとして検出することができる。検出技法としては、核酸配列決定、核酸ハイブリダイゼーション、核酸増幅などがあるが、それらに限定されない。
1. 配列決定
これらに限定されない核酸配列決定技法の例として、チェーンターミネーター配列決定法(Sanger法)とダイターミネーター配列決定法があるが、ただしそれらに限定されない。当業者の間で認識されるように、RNAの方が細胞中で安定性が低く、ヌクレアーゼにより切断されやすいため、実験上、RNAは通常、配列決定の前にDNAに逆転写される。
チェーンターミネーター配列決定法では、修飾ヌクレオチド基質を使い、DNA合成反応の配列特異性の終結を利用する。伸長はテンプレートDNA上の特定部位で開始され、テンプレート上のその領域と相補的で、放射性物質、蛍光色素、または他の方法で標識した短いオリゴヌクレオチド・プライマーを使う。オリゴヌクレオチド・プライマーは、DNAポリメラーゼ、普通の4種のデオキシヌクレオチド塩基、そして鎖の伸長を停止させる低濃度のヌクレオチド(最もよく使われるのはジデオキシヌクレオチド)を使い、伸長される。この反応が4本の別々の試験管内で繰り返され、それぞれ異なる1種のジデオキシヌクレオチドを使用する。鎖の伸長を停止させるヌクレオチドのDNAポリメラーゼによる限定的取り込みにより、その特定のジデオキシヌクレオチドが使われる位置でのみ停止した一連の関連DNA断片が得られる。各反応試験管に関し、ポリアクリルアミドスラブゲルまたは粘稠性ポリマーを充填したキャピラリーを使う電気泳動により、断片をサイズ別に分離する。ゲルを上から下までスキャンし、可視化された標識プライマーのマークがある列を読み取ることにより、配列を決定する。
ダイターミネーター配列決定法では、ターミネーターを標識する。ジデオキシヌクレオチドのチェーンターミネーターを、異なる波長で蛍光を発する別々の蛍光色素で標識することにより、1回の反応で完全な配列決定を行うことができる。
2. ハイブリダイゼーション
説明に役立つ非限定的な核酸ハイブリダイゼーション技法例としては、in situハイブリダイゼーション法(ISH)、マイクロアレイ法、サザンまたはノーザンブロット法があるが、それらに限定されない。in situハイブリダイゼーション法(ISH)は、標識した相補的DNAまたはRNA鎖をプローブとして使い、組織(in situ)の一部または断片、あるいは組織が十分小さい場合は、組織全体(ホールマウントISH)の特異的DNAまたはRNA配列の位置を決定する。DNA ISHは染色体の構造決定に使用できる。RNA ISHは組織断片またはホールマウント内でmRNAその他の転写物の量を測定し、位置を決定するために使われる。標的転写物を固定し、プローブとの接触の可能性を改善するために、試料細胞は処理される。温度を上げてプローブと標的配列の間でハイブリッドを形成させ、残ったプローブを洗浄して除去する。放射標識塩基、蛍光標識塩基、抗体標識塩基のいずれかで標識したプローブに関し、それぞれオートラジオグラフィー法、蛍光顕微鏡法、免疫組織化学法を使い、組織中の位置を決定し、定量化する。ISHでは複数のプローブを使い、それらを放射能活性または非放射性標識で標識し、複数の転写物を同時に検出することもできる。
3. マイクロアレイ法
一部の態様では、FIG4核酸配列の検出のために、マイクロアレイ法を使う。マイクロアレイ法の例としては、DNAマイクロアレイ法(例えばcDNAマイクロアレイ法やオリゴヌクレオチド・マイクロアレイ法)、タンパク質マイクロアレイ法、組織マイクロアレイ法、形質移入または細胞マイクロアレイ法、化合物マイクロアレイ法、抗体マイクロアレイ法などがあるが、それらに限定されない。遺伝子チップ、DNAチップ、またはビオチップと通称されるDNAマイクロアレイは、固体表面(例えばガラス、プラスチック、シリコンチップ)に付着した微視的DNAスポットの集合でアレイを形成したもので、同時に数千個の遺伝子の発現プロファイル決定つまり発現レベルのモニタリングを行うことを目的とする。付着したDNAセグメントはプローブと呼ばれ、1つのDNAマイクロアレイで数千のプローブを使用できる。マイクロアレイ法は、疾患細胞と正常細胞の遺伝子発現を比較し、疾患遺伝子を同定するために利用できる。マイクロアレイには多様な作製方法があり、それにはスライドガラスに先が尖ったピンでプリントする方法、事前に作製したマスクを使うフォトリソグラフィ法、可動式マイクロミラーデバイスを使うフォトリソグラフィ法、インクジェットプリント、微小電極アレイでの電気化学的方法などが含まれるが、それらに限定されない。
特定座位でのコピー数の変異を検出するためにも、アレイを使うことができる。これらのゲノムマイクロアレイは、疾患を引き起こす対立遺伝子を生む微小な欠損や、その他のバリアントを検出する。
サザンおよびノーザンブロット法は、それぞれ特異的DNAまたはRNAの配列を検出するために使われる。試料から抽出したDNAまたはRNAを切断し、マトリクスゲル上で電気泳動にかけて分離し、メンブレンフィルターに移す。フィルターに固定されたDNAまたはRNAと、目的の配列と相補的な標的プローブとの間で、ハイブリダイゼーションを行う。ハイブリッドを形成し、フィルターに結合したプローブを検出する。この手順の変形版であるリバースノーザンブロット法では、メンブレンに固定する基質核酸が、単離されたDNA断片の集合で、プローブが組織から抽出し、標識したRNAである。
4. 増幅
検出の前または検出と同時に、FIG4核酸を増幅することができる。説明に役立つ非限定的な核酸増幅法としては、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT-PCR)、転写介在増幅法(TMA)、リガーゼ連鎖反応法(LCR)、鎖置換増幅法(SDA)、核酸配列ベース増幅法(NASBA)などがあるが、それらに限定されない。当業者の間では、特定の増幅法(例えばPCR)で、増幅に先立ちRNAをDNAに逆転写する必要がある(例えばRT-PCR)のに対し、他の増幅法では、RNAを直接増幅する(例えばTMAとNASBA)ことが認識されている。
PCR法と通称されるポリメラーゼ連鎖反応法では(米国特許第4,683,195号、4,683,202号、4,800,159号、4,965,188号を参照。各々の全体がこの参照により開示に含まれる)、標的核酸配列のコピー数を級数的に増やすために、変性、プライマーペアとそれに対応する鎖のアニーリング、プライマーの伸長というサイクルが何度も繰り返される。この方法のバリエーションであるRT-PCR法では、逆転写酵素(RT)を使い、mRNAから相補的DNA(cDNA)を作り、そのcDNAをPCR法で増幅し、多数のDNAコピーを産生する。PCR法を組み合わせて用いる他の方法については、例えば、米国特許第4,683,195号、4,683,202号、4,800,159号およびMullis et al., Meth. Enzymol. 155: 335 (1987)、Murakawa et al., DNA 7:287 (1988) を参照のこと(各々の全体がこの参照により開示に含まれる)。
TMA法と通称される転写介在増幅では(米国特許第5,480,784号、5,399,491号を参照。各々の全体がこの参照により開示に含まれる)、実質的に一定の温度、イオン強度、pHで、標的配列の複数のRNAコピーが自己触媒的に追加コピーを合成するような条件下で、自己触媒的に標的核酸配列の複数のコピーを合成する。米国特許第5,399,491号、5,824,518号を参照のこと(各々の全体がこの参照により開示に含まれる)。米国特許出願公開第20060046265号(全体がこの参照により開示に含まれる)に記述されたバリエーションでは、TMA法でブロッキング部分、終結部分、その他の修飾部分を選択して導入し、TMAプロセスの感度と精度を改善している。
LCR法と通称されるリガーゼ連鎖反応法では(Weiss, R., Science 254: 1292 (1991)を参照。全体がこの参照により開示に含まれる)、2セットの相補的DNAオリゴヌクレオチドを使い、それらが標的核酸の隣接領域とハイブリッドを形成する。DNAオリゴヌクレオチドはDNAリガーゼにより共有結合され、熱変性、ハイブリダイゼーション、連結というサイクルを繰り返し、検出可能な二本鎖の連結されたオリゴヌクレオチド産物を産生する。
SDA法と通称される鎖置換増幅では(Walker, G. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 392-396 (1992)および米国特許第5,270,184号、5,455,166号を参照。各々の全体がこの参照により開示に含まれる)、反応のサイクルが反復される。1回のサイクルでは、プライマー配列ペアと標的配列の逆鎖とのアニーリング、dNTPαSの存在下でのプライマーの伸張、ヘミホスホロチオエート形態の二本鎖プライマー伸長産物の産生、半修飾制限エンドヌクレアーゼ認識部位のエンドヌクレアーゼによるニッキング、そのニックの3'末端からのポリメラーゼによるプライマー伸長により、既存の鎖を置換し、次回のプライマーのアニーリング、ニッキング、鎖置換に使う鎖を作る。このサイクルを繰り返し、産物の幾何級数的増幅を行う。好熱性SDA法(tSDA)では、ほぼ同じ方法で、高温状態で好熱性エンドヌクレアーゼおよびポリメラーゼを使用する(EP Pat. No. 0 684 315)。
他の増幅法としては、例えば、NASBA法と通称される核酸配列ベース増幅法(米国特許第5,130,238号を参照。その全体がこの参照により開示に含まれる)、Qβレプリカーゼと通称され、RNAレプリカーゼを使い、プローブ分子自体を増幅する方法(Lizardi et al., Bio Technol. 6: 1197 (1988) を参照。その全体がこの参照により開示に含まれる)、転写ベース増幅法(Kwoh et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 1173 (1989))、自家持続配列複製法(Guatelli et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 1874 (1990))などがある(各々の全体がこの参照により開示に含まれる)。既知の増幅法に関してさらに詳しくは、Diagnostic Medical Microbiology: Principles and Applications (Persing et al., Eds.), pp. 51-87 (American Society for Microbiology, Washington, DC (1993) のPersing, David H., "In Vitro Nucleic Acid Amplification Techniques"を参照のこと。
5. 検出方法
未増幅または増幅後のFIG4核酸は、従来の手法で検出できる。例えば、核酸は検出を可能にするために標識したプローブとハイブリッドを形成させ、その結果生じたハイブリッドを測定することにより、検出できる。検出方法の説明に役立つ非限定的な例を以下に掲げる。
ハイブリダイゼーション保護アッセイ法(HPA)という説明に役立つ検出方法では、化学発光オリゴヌクレオチドプローブ(例えばアクリジニウムエステル標識(AE)プローブ)と標的配列の間でハイブリダイゼーションを行い、ハイブリッドを形成しなかったプローブに存在する化学発光標識を選択的に加水分解し、残ったプローブが発する化学発光をルミノメーターで測定する。例えば、米国特許第5,283,174号およびNorman C. Nelson et al., Nonisotopic Probing, Blotting, and Sequencing, ch. 17 (Larry J. Kricka ed., 2d ed. 1995) を参照のこと(各々の全体がこの参照により開示に含まれる)。
別の説明に役立つ検出方法では、リアルタイムで増幅プロセスの数量的評価を行う。増幅プロセスの「リアルタイム」評価には、増幅反応中に連続的または定期的に、反応混合液中の単位複製配列の量を求め、その数値を使い、試料中に最初に存在した標的配列の量を計算する。当業者の間では、リアルタイム増幅に基づき試料中に最初に存在した標的配列量を求めるための多様な方法が知られている。それには米国特許第6,303,305号、6,541,205号で開示された方法が含まれる(各々の全体がこの参照により開示に含まれる)。試料中に最初に存在した標的配列量を求めるための別法であるが、リアルタイム増幅に基づくものではない方法が、米国特許第5,710,029号で開示されている(全体がこの参照により開示に含まれる)。
増副産物は、種々の自己ハイブリダイゼーションプローブ(大部分がステムループ構造を持つ)を使い、リアルタイムで検出できる。そうした自己ハイブリダイゼーションプローブは、プローブが自己ハイブリダイゼーション状態であるか、あるいは標的配列とのハイブリダイゼーションにより変化した状態であるかに従い、異なる検出可能なシグナルを発するように標識される。非限定的例として、「分子トーチ」という自己ハイブリダイゼーションプローブは、明確な自己相補性領域(「標的結合ドメイン」と「標的閉鎖ドメイン」と呼ばれる)を含み、それらの領域は連結領域(例えば非ヌクレオチド・リンカー)で連結され、事前に定めたハイブリダイゼーションアッセイ条件下で、互いの間でハイブリッドを形成する。好ましい態様において、分子トーチの標的結合ドメインは一本鎖塩基領域を含み、それは長さが1塩基から約20塩基であり、鎖置換条件下の増幅反応中に存在する標的配列とハイブリッドを形成することができる。鎖置換条件下で、完全または部分的に相補的である分子トーチの2つの相補領域同士で起きるハイブリダイゼーションが優先されるが、標的配列が存在する場合は例外であり、その場合、それが標的結合ドメインに存在する一本鎖領域と結合し、標的閉鎖ドメインの全部または一部に取って代わる。分子トーチの標的結合ドメインと標的閉鎖ドメインは、分子トーチが自己ハイブリダイゼーションを起こした場合と、標的配列とハイブリダイゼーションを行った場合とで、異なるシグナルが生じるよう配置された検出可能な標識または相互作用する標識ペア(例えば発光剤/消光剤)を含む。このため、ハイブリッドを形成していない分子トーチの存在下で、試験試料中のプローブと標的の二重鎖を検出できる。分子トーチおよび多様な相互作用標的ペアは、米国特許第6,534,274号で開示されている(この参照により開示に含まれる)。
自己相補性を持つ検出プローブの別の例が、「分子ビーコン」である。分子ビーコンは、標的に対して相補的な配列を持つ核酸分子、増幅反応に使われる標的配列が存在しない状態で閉構造内にプローブを保持する親和性ペア(または核酸の腕)、プローブが閉構造内にある時に相互作用する標識ペアを含む。標的配列と標的に対して相補的配列とのハイブリダイゼーションにより、親和性ペアの構成要素が分離され、プローブが開構造に移行する。開構造への移行は、フルオロフォアと消光剤など(例えばDABCYLとEDANS)の標識ペアの相互作用が減少することにより検出可能できる。分子ビーコンは米国特許第5,925,517号、6,150,097号で開示されている(その全体がこの参照により開示に含まれる)。
当業者の間でよく知られる他の自己ハイブリダイゼーションプローブがある。非限定的な例として、米国特許第5,928,862号(その全体がこの参照により開示に含まれる)で開示された相互作用標識を持つプローブ結合ペアを、本発明での使用のために調整できる。一塩基多型(SNP)の検出に用いるプローブ検出系も、本発明で使用することができる。他の検出系としては、米国特許出願公開第20050042638号で開示された「分子スイッチ」がある(その全体がこの参照により開示に含まれる)。インターカレーターである色素や蛍光色素などを含む他のプローブも、本発明における増副産物の検出に有用である。例えば米国特許第5,814,447号を参照のこと(その全体がこの参照により開示に含まれる)。
C. バリアントFIG4タンパク質の検出
他の態様において、バリアントFIG4ポリペプチドが検出される(例えば実施例1で説明するものを含むが、それに限定されない)。以下に記述するものを含め、ただしそれらに限定せず、切り詰められたFIG4ポリペプチドまたは変異を起こしたFIG4ポリペプチドを検出するために、何らかの適切な方法を使うことができる。
例えば、本発明の一部の態様において、抗体(抗体産生については後述)を使い、個体がバリアントFIG4ポリペプチドをコードする対立遺伝子を含むかどうかを決定する。好ましい態様において、バリアント(切り詰められたタンパク質)と野生型のタンパク質を区別するために抗体を使用する。特に好ましい一部の態様において、抗体はFIG4タンパク質のC末端に対して作られる。N末端により認識されるが、C末端抗体ではないタンパク質は切り詰められる。一部の態様において、C末端とN末端の抗体結合比を求めるために、定量的免疫測定法を用いる。他の態様において、FIG4のバリアントの同定は、野生型またはバリアントのFIG4タンパク質との間で差異のある結合をする抗体を用いて行う。
抗体結合は当業者の間で知られる技法により検出され、例えば放射免疫測定法、ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)、「サンドイッチ」免疫測定法、免疫放射線測定法、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散測定法、in situ免疫測定法(例えばコロイド金、酵素、放射性同位元素の標識を用いる方法)、ウェスタンブロット、沈降反応、凝集測定法(例えばゲル凝集法、血球凝集法)、補体結合測定法、免疫蛍光測定法、プロテインA測定法、免疫電気泳動測定法などがある。
ある態様において、抗体結合は一次抗体上の標識を検出することにより検出される。別の態様においては、一次抗体は二次抗体または試薬と一次抗体との結合を検出することにより検出される。さらに別の態様においては、二次抗体が標識される。免疫測定法で結合を検出するための多数の方法が当業者の間で知られており、それらは本発明の範囲内である。
一部の態様において、自動検出方式の測定法が使われる。免疫測定法の自動化方法には、米国特許第5,885,530号、4,981,785号、6,159,750号、5,358,691号に記述されるものが含まれ、その各々の全体がこの参照により開示に含まれる。一部の態様において、結果の分析および表示も自動化される。例えば、一部の態様において、免疫測定の結果に基づく予後診断を作成するソフトウェアが使われる。他の態様において、免疫測定法は米国特許第5,599,677号、5,672,480号に記述され、その各々の全体がこの参照により開示に含まれる。
C. FIG4疾患の危険性を分析するためのキット
本発明は、ある個体が野生型またはバリアント(例えば変異または多型)のFIG4を持つか否かを決定するためのキットも提供する。一部の態様において、キットは被験者におけるALS発症の危険性の有無を決定するために役立つ。診断キットは多様な方法で作製される。一部の態様において、キットは変異FIG4対立遺伝子またはタンパク質を特異的に検出するために有用であるか、必要であるか、十分である最低1種の試薬を含む。好ましい態様において、キットはFIG4ポリペプチドにおける切り詰めを検出するための試薬を含む。好ましい態様において、試薬は変異を含む核酸との間でハイブリッドを形成し、変異を含まない核酸とは結合しない核酸である。他の好ましい態様において、試薬は変異を含むDNAの領域を増幅するためのプライマーである。さらに他の態様において、試薬は野生型、切り詰め型、バリアントのいずれかのFIG4タンパク質と優先的に結合する抗体である。
一部の態様において、キットは被験者がALS病にかかる危険性の有無を決定するための指示を含む。好ましい態様において、それらの指示では、ALS病にかかる危険性が、被験者における変異FIG4対立遺伝子の有無を検出することにより決定され、その場合、変異対立遺伝子を持つ被験者の方がFIG4疾患に罹患する危険性が高いことを指定する。
FIG4遺伝子の疾患と関連する変異の有無は、療法または他の医療面での決定を下すために使うことができる。例えば、ALS病の家族歴を持つ夫婦は、人工授精と着床前遺伝子診断を利用して子を妊娠することを選択する場合がある。この場合、FIG4遺伝子の変異(例えば疾患と関連する変異)対立遺伝子に関する受精胚のスクリーニングを行い、野生型対立遺伝子を持つ胚のみを子宮に着床させる。
他の態様において、発生中の胎児に対して子宮内でのスクリーニングを行う(例えば羊水穿刺または絨毛膜絨毛スクリーニング)。さらに他の態様において、新生児または乳幼児の遺伝子スクリーニングを行う。ALS病と関連することが判明しているFIG4対立遺伝子の早期検出により、早期の治療介入が可能になる。
一部の態様において、キットは緩衝剤、核酸安定化試薬、タンパク質安定化試薬、シグナル発生系(例えばFRETなどの蛍光発生系)などの補助試薬、およびソフトウェア(例えばデータ分析ソフトウェア)を含む。検査キットは何らかの適切な種類のパッケージであり、通常、必要に応じて1容器または種々の容器中の構成要素と、検査を実施するための指示を記した紙が収納される。一部の態様において、キットは好ましくは、正の対照の試料も含む。
D. バイオインフォマティクス
例えば、一部の態様において、検出アッセイ法により得た生データ(例えばある種のFIG4対立遺伝子またはポリペプチドの有無あるいは量)を、医師のための適中率データに読み換えるために、コンピュータによる分析プログラムを使用する。医師は適切な手段により、適中率データにアクセスすることができる。従って、一部の好ましい態様において、本発明は遺伝学や分子生物学の訓練を受けていない医師が、生データを理解する必要がないという、さらなる利点を提供する。データは最も役立つ形式で、医師に対して直接提示される。その後、医師は直ちにその情報を利用し、患者の治療を最適化することができる。
本発明では、アッセイを実施する検査施設、情報提供者、医療関係者、被験者の間で、情報の授受、処理、伝達を行うことができる方法を検討する。例えば、本発明の一部の態様において、試料(例えば生検、血清、尿試料)は被験者から採取され、世界各地の(例えば、被験者が居住する国や、情報が最終的に使われる国とは異なる国)プロファイリング・サービスに(例えば、医療施設内の臨床検査室、ゲノムプロファイリング事業者など)提出され、そこで生データが得られる。試料が組織または他の生体試料を含む場合、被験者が医療センターに赴き、試料の採取を受け、それがプロファイリング・センターに送付されるか、あるいは被験者が自分で試料を集め(例えば尿試料)、それを直接、プロファイリング・センターに送付する。試料が所定の生物学的情報を含む場合は、情報は被験者が直接、プロファイリング・センターに送付する(例えば、情報を記入した情報カードをコンピュータでスキャンし、電子通信システムを使い、データをプロファイリング・センターのコンピュータに伝送する)。プロファイリング・サービスで受領した後、試料は処理され、その被験者に関して必要な診断または予後診断情報に特異的なプロファイルが作成される(すなわち、FIG4の野生型またはバリアントの存在)。
次に、治療を行う医師による解釈に適した形式にプロファイル・データを整理する。例えば、生データを提供する代わりに、整理した形式では、被験者に関する診断または危険性評価(例えばALS発症の尤度またはALSの診断)に、特定の治療オプションに関する推奨を提示する場合がある。データは適切な方法で医師に提示することができる。例えば、一部の態様において、プロファイリング・サービスは、医師がプリントできるか(例えば治療現場で)、または医師がコンピュータのモニター画面に表示できる報告書を作成する。
一部の態様において、情報は治療現場または地域医療施設で最初に分析する。次に、生データを中央処理施設に送り、そこでさらなる分析を加え、生データを医師または患者に役立つ情報に変換するか、またはそのいずれかを行う。中央処理施設は、データ分析のプライバシー(全データが一律の保安規約に従い、中央施設に保管される)、速度、均一性という利点を持つ。被験者の治療後、中央処理施設はデータのその後に関して決定権を持つ。例えば、電子通信システムを使い、中央施設はデータを医師、被験者、研究者に提供することができる。
一部の態様において、被験者は電子通信システムを使い、データに直接アクセスすることができる。被験者はその結果に基づき、さらなる介入またはカウンセリングを選択できる。一部の態様において、データは研究用に使われる。例えば、疾患の特定の状態または段階を示すために有用な指標としてのマーカーの使用と除外をさらに最適化するために、データを使うことができる。
IV. FIG4抗体の作製
本発明は単離した抗体または抗体断片(例えばFAB断片)を提供する。抗体はFIG4タンパク質の検出を可能にするために作製される。抗体は種々の免疫原を使い作製できる。ある態様において、免疫原はヒトFIG4ペプチドであり、ヒトFIG4タンパク質を認識する抗体が作られる。そのような抗体には、モノクローナル、キメラ、単鎖、Fab断片、Fab発現ライブラリー、組み換え(例えばキメラ、ヒト化など)抗体が含まれるが、タンパク質を認識できる限りにおいて、それらに限定されない。従来の抗体または抗血清作製方法に従い、本発明のタンパク質を抗原として使い、抗体を作製することができる。
当業者の間で知られる種々の方法を使い、FIG4に対するポリクローナル抗体を作製することができる。抗体作製のために、ウサギ、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギなどを含め、ただしそれらに限定せず、種々の宿主動物に、FIG4エピトープに対応するペプチドを注射し、免疫化することができる。好ましい態様において、ペプチドを免疫原性キャリア(例えばジフテリア毒素、ウシ血清アルブミン(BSA)、またはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH))と共役結合させる。宿主動物種により、免疫反応増強のために種々のアジュバントを使用することができ、それにはフロイント(完全と不完全)、ミネラルゲル(例えば水酸化アルミニウム)、界面活性剤(例えばリゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、オイルエマルジョン、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、およびBCG(カルメット・ゲラン桿菌)、Corynebacterium parvumなど、潜在的に有用であるヒト・アジュバント)が含まれるが、それらに限定されない。
FIG4に対するモノクローナル抗体の作製については、連続的な培養細胞株による抗体分子の産生を可能にする技法を、本発明で使用できるものと想定する(例えば、Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NYを参照)。これには、Kohler and Milstein(Kohler and Milstein, Nature 256:495-497 (1975))により最初に開発されたハイブリドーマ法、トリオマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法(例えば、Kozbor et al., Immunol. Tod., 4:72 (1983))、ヒト・モノクローナル抗体を作製するためのEBVハイブリドーマ法(Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96 (1985))が含まれるが、それらに限定されない。
本発明のさらなる態様において、PCT/US90/02545に記述されたような技術を使い、無菌動物の体内でモノクローナル抗体が作製される。さらに、ヒト抗体はヒト・ハイブリドーマにより(Cote et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:2026-2030 (1983))、またはin vitroでヒトB細胞をEBVウィルスで形質転換することにより(Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, pp. 77-96 (1985))、作製されると想定する。
それに加え、単鎖抗体作製に関して記述された技法(参照により開示に含まれる米国特許第4,946,778号)を、FIG4特異性単鎖抗体の作製に使用できる。本発明のさらなる態様において、Fab発現ライブラリーの構築について記述された技法(Huse et al., Science 246:1275-1281 (1989))を使い、FIG4に対する望ましい特異性による迅速かつ容易なモノクローナルFab断片の同定が可能になる。
他の態様は、本発明のタンパク質に対する組み換え抗体またはその断片に関するものである。組み換え抗体には、ヒト化抗体とキメラ抗体が含まれるが、それらに限定されない。組み換え抗体の作製法は、当業者の間で知られており(例えば、米国特許第6,180,370号および6,277,969号、ならびに"Monoclonal Antibodies" H. Zola, BIOS Scientific Publishers Limited 2000. Springer- Verlay New York, Inc., New York。それらの各々がこの参照により開示に含まれる)。
抗体断片の作製に適した技法を、抗体分子のイディオタイプ(抗原結合領域)を含む抗体断片の作製に使用できるものと想定する。例えば、そのような断片としては、抗体分子のペプシンによる分解で生じるF(ab’)2断片、F(ab’)2断片のジスルフィド架橋の還元により生じるFab’断片、抗体分子をパパインと還元剤で処理することにより生じるFab断片を含むが、それらに限定されない。
抗体の作製において、望ましい抗体のスクリーニングは、当業者の間で知られる技法を用いて行われ、例えば放射免疫測定法、ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)、「サンドイッチ」免疫測定法、免疫放射線測定法、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散測定法、in situ免疫測定法(例えばコロイド金、酵素、放射性同位元素の標識を用いる方法)、ウェスタンブロット、沈降反応、凝集測定法(例えばゲル凝集法、血球凝集法)、補体結合測定法、免疫蛍光測定法、プロテインA測定法、免疫電気泳動測定法などがある。
ある態様において、抗体結合は一次抗体上の標識を検出することにより検出される。別の態様においては、一次抗体は二次抗体または試薬と一次抗体との結合を検出することにより検出される。さらに別の態様においては、二次抗体が標識される。免疫測定法で結合を検出するための多数の方法が当業者の間で知られており、それらは本発明の範囲内である。当業者の間で知られるように、免疫原性ペプチドは、免疫化プロトコルで使われる担体分子が存在しない状態で提供すべきである。例えば、ペプチドがKLHと共有結合していた場合は、スクリーニング・アッセイでそれをBSAと共有結合させるか、または直接使用することができる。
さらに、以上の方法を使い、FIG4タンパク質のバリアントを認識し、FIG4タンパク質の野生型を認識しない抗体を作製できる。
前述の抗体は、当業者の間で知られるFIG4タンパク質の位置と構造に関係する方法(例えばウェスタンブロット分析法、免疫沈降法、免疫組織化学法)において、適切な生体試料におけるそれらのレベルの測定などに使用できる。抗体は個体から採取した生体試料中のFIG4タンパク質の検出に使用できる。生体試料としては、血液、血清、血漿、間質液、尿、脳脊髄液などの細胞を含む体液があるが、それらに限定されない。
次に、適切な戦略(例えばELISAまたは放射免疫測定法)と形式(例えばマイクロウェル、尿試験紙(例えば国際特許公報WO 93/03367号に記述されたもの)など)を使用し、生体試料におけるヒトFIG4タンパク質の存在を直接検査することができる。それに代わる方法として、試料中のタンパク質をサイズに基づき分離し(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)処理を行うか、または行わないポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)による)、免疫ブロット法で(ウェスタンブロット)FIG4タンパク質の存在を検出する。タンパク質のエピトープに対応するペプチドに対して作製された抗体では、一般に免疫ブロット法の法が効果的であるため、本発明に特に適している。
別の方法では、シグナル伝達を変える作用因子として抗体を使用する。細胞内シグナル伝達に関与するFIG4または他のタンパク質の結合領域に結合する特異抗体を使い、種々のタンパク質間の相互作用および他のリガンドとの相互作用を阻害できる。また、複合体と結合する抗体を使い、FIG4による種々の生理的影響と細胞への影響を引き起こすシグナル伝達経路中のタンパク質複合体の相互作用を阻害する治療が可能である。そのような抗体は、疾患状態を示す可能性があるFIG4タンパク質の異常発現またはタンパク質複合体の異常形成を測定するために、診断に利用することができる。
V. FIG4を用いる遺伝子治療
本発明はFIG4タンパク質の発現、産生、機能を変える遺伝子治療に適した方法と組成物も提供する。前述のように、本発明はヒトFIG4遺伝子を提供し、他の種からFIG4遺伝子を獲得する方法を提供する。従って、以下に記述する方法は、一般に多数の種にまたがり適用可能である。一部の態様は、被験者にFIG4の野生型対立遺伝子(すなわち、FIG4疾患を起こす変異を含まない対立遺伝子)を提供することにより、遺伝子治療を行うことに関するものである。そのような治療を必要とする被験者は、前述の方法により特定される。
in vivoまたはex vivoのターゲティングと治療手順によく使われるウィルスベクターは、DNAベースのベクターとレトロウィルスベクターである。ウィルスベクターを作製し、使用する方法は、当業者の間で知られている(例えば、Miller and Rosman, BioTech., 7:980-990 (1992)を参照)。好ましくは、ウィルスベクターは複製欠損であり、標的細胞中で自律的に複製することができない。一般に、本発明の範囲内で使われる複製欠損ウィルスベクターのゲノムは、感染細胞中でウィルスの複製に必要な領域を最低1つ欠いている。これらの領域は、除去されるか(全部または部分)、あるいは当業者の間で知られる何らかの技法により、機能を喪失する。そのような技法としては、全面的除去、置換(他の配列、特に挿入された核酸による置換)、部分的削除、必須(複製に)領域に対する1以上の塩基の付加などがある。そのような技法はin vitro(すなわち単離されたDNA上で)またはin situで、遺伝子操作法を使い、または変異原性剤で処理し、実施することができる。
好ましくは、複製欠損ウィルスは、ウィルス粒子をカプセルに封入するために必要なゲノムの配列を保持している。DNAウィルスベクターは弱毒つまり欠陥DNAウィルスを含み、それは単純ヘルペスウィルス(HSV)、パピローマウィルス、エプスタイン・バーウィルス(EBV)、アデノウィルス、アデノ随伴ウィルス(AAV)などを含むが、それらに限定されない。欠陥ウィルスは細胞に導入後、感染性を持たないため、ウィルス遺伝子を完全に、またはほぼ完全に欠いた欠陥ウィルスが好ましい。欠陥ウィルスベクターを使うことにより、ベクターが他の細胞を感染する心配をせずに、特定の局所的部分の細胞に投与することができる。従って、特定の組織を特異的に標的にすることができる。特定のベクターの例としては、欠陥ヘルペスウィルス1(HSV1)ベクター(Kaplitt et al., Mol. Cell. Neurosci., 2:320-330 (1991))、糖タンパク質L遺伝子を欠く欠陥ヘルペスウィルスベクター(例えば、特許公開番号RD 371005 A号を参照)、または他の欠陥ヘルペスウィルスベクター(例えば、WO 94/21807、WO 92/05263を参照)、Stratford-Perricaudet et al. に記述されたベクター(J. Clin. Invest., 90:626-630 (1992)、La Salle et al., Science 259:988-990 (1993) も参照)などの弱毒アデノウィルスベクター、欠陥アデノ随伴ウィルスベクター(Samulski et al., J. Virol., 61:3096-3101 (1987)、Samulski et al., J. Virol., 63:3822-3828 (1989)、Lebkowski et al., Mol. Cell. Biol., 8:3988-3996 (1988))などがあるが、それらに限定されない。
好ましくは、in vivo投与においてウィルスベクター(例えばアデノウィルスベクター)と併せて適切な免疫抑制処置を行い、ウィルスベクターと形質移入細胞の免疫不活性化を回避する。例えば、インターロイキン12(IL-12)、インターフェロンガンマ(IFN-γ)、抗CD4抗体などの免疫抑制サイトカインを投与し、ウィルスベクターに対する液性または細胞性免疫反応を阻害する。さらに、最低数の抗原を発現するよう操作されたウィルスベクターを採用することが有益である。
遺伝子治療のためのDNAベクターは、当業者の間で知られる方法により、望ましい宿主細胞に導入することができ、それらの方法としては、形質移入、電気穿孔、微量注入、形質導入、細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈殿、遺伝子銃の使用、DNAベクタートランスポーターの使用などがあるが、それらに限定されない(例えば、Wu et al., J. Biol. Chem., 267:963 (1992)、Wu and Wu, J. Biol. Chem., 263:14621 (1988)、Williams et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:2726 (1991)を参照)。受容体介在性DNA送達方法も使用できる(Curiel et al., Hum. Gene Ther., 3:147 (1992)、Wu and Wu, J. Biol. Chem., 262:4429 (1987))。
VI. 外来性FIG4遺伝子およびその相同体、変異体、バリアントを発現する遺伝子導入動物
本発明では、外来性FIG4遺伝子およびその相同体、変異体、バリアントを含む遺伝子導入動物の作製を意図する。好ましい態様において、遺伝子導入動物は野生型動物と比較し、変化した表現型を示す。一部の態様において、変化した表現型では、野生型でのFIG4発現レベルと比較し、FIG4遺伝子のmRNAの過剰発現が見られる。他の態様においては、変化した表現型で、野生型での内在性FIG4発現レベルと比較し、内在性FIG4遺伝子のmRNAの発現が低下する。一部の好ましい態様において、遺伝子導入動物はFIG4の変異(例えば切り詰め)対立遺伝子を含む。そのような表現型の有無を分析する方法としては、ノーザンブロット法、mRNA保護アッセイ法、RT-PCR法などがある。他の態様において、遺伝子導入マウスはFIG4遺伝子のノックアウト変異を持つ。好ましい態様において、遺伝子導入動物はALS病の表現型を示す。
そのような動物は、薬物スクリーニング用途(例えば、ALS病を防ぐ薬物のスクリーニングを目的とする)だけでなく、研究用途(例えば、ALSに関与するシグナル伝達経路の同定)にも利用できる。例えば、一部の態様において、試験化合物(例えば、ALS病の治療に役立つと予想される薬物)と対照化合物(例えばプラセボ)を遺伝子導入動物と対照動物に投与し、効果を評価する。次に、試験化合物と対照化合物の疾患症状に対する効果を評価する。
遺伝子導入動物は多様な方法により作製できる。一部の態様において、種々の発生段階の胚細胞を使い、遺伝子導入動物を作製するための導入遺伝子を導入する。胚細胞の発生段階により、異なる方法が使われる。接合体は微量注入の最善の標的である。マウスにおいて、オスの前核は直径約20ミクロンのサイズに達するため、DNA溶液1〜2ピコリットル(pl)の再現性のある注入が可能である。遺伝子導入の標的として接合体を使用すると、ほとんどの場合、注入したDNAが最初の卵割以前に宿主ゲノムに取り込まれるため、接合体の使用には大きな利点がある(Brinster et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:4438-4442 (1985))。その結果、遺伝子導入非ヒト動物の全細胞が、取り込まれた導入遺伝子を持つ。生殖細胞の50%が導入遺伝子を持つため、一般に反映として、樹立株の子孫に導入遺伝子が効率良く伝達されることになる。米国特許第4,873,191号に、接合体の微量注入の方法が記述されている。この特許の開示は、その全体がこの開示に含まれる。
他の態様において、導入遺伝子を非ヒト動物に導入するために、レトロウィルス感染が使われる。一部の態様において、レトロウィルスベクターを使い、卵母細胞の囲卵腔にレトロウィルスベクターを注入することにより、卵母細胞への形質移入を行う(米国特許第6,080,912号。参照により開示に含まれる)。他の態様において、発生中の非ヒト胚をin vitroで胚盤胞期まで培養する。この間、卵割球をレトロウィルス感染の標的にすることができる(Janenich, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 73:1260 (1976))。酵素処理により透明帯を除去することにより、卵割球を効率的に感染できる(Hogan et al., Manipulating the Mouse Embryo, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY (1986))。導入遺伝子を導入するために使われるウィルスベクター系は、通常、導入遺伝子を運ぶ複製欠損レトロウィルスである(Jahner et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:6927 (1985))。単層のウィルス産生細胞上で卵割球を培養することにより、容易に、効率良く、形質移入を行うことができる(Van der Putten, supra、Stewart, et al., EMBO J., 6:383 (1987))。それに代わる方法として、それよりも後の段階で感染させることもできる。ウィルスまたはウィルス産生細胞を、胞胚腔に注入することができる(Jahner et al., Nature 298:623 (1982))。遺伝子導入動物を形成する細胞の一部でのみ導入が起きるため、樹立株の大部分で、導入遺伝子はモザイク状になる。さらに、樹立株のゲノムのさまざまな位置に、種々のレトロウィルス挿入による導入遺伝子が取り込まれる場合があり、それらは通常、子孫では分離される。それに加え、効率は低いが、妊娠中期胚の子宮内レトロウィルス感染により、生殖系列に導入遺伝子を導入することも可能である(Jahner et al., supra (1982))。遺伝子導入動物を作製するためにレトロウィルスまたはレトロウィルスベクターを使用するさらなる手段として、当業者の間で知られている方法では、レトロウィルス粒子またはレトロウィルスを産生するマイトマイシンC処理細胞を受精卵または初期胚の囲卵腔に微量注入する(PCT International Application WO 90/08832 (1990)、Haskell and Bowen, Mol. Reprod. Dev., 40:386 (1995))。
他の態様において、導入遺伝子は胚性幹細胞に導入され、形質移入された肝細胞を使い、胚が形成される。ES細胞は適切なin vitroの条件下で着床前胚を培養することにより獲得できる(Evans et al., Nature 292:154 (1981)、Bradley et al., Nature 309:255 (1984)、Gossler et al., Proc. Acad. Sci. USA 83:9065 (1986)、Robertson et al., Nature 322:445 (1986))。導入遺伝子は、当業者の間で知られる多様な方法を使い、DNA形質移入によりES細胞に効率的に導入され、それにはリン酸カルシウム沈殿法、プロトプラストまたはスフェロプラスト融合法、リポフェクション法、DEAEデキストラン介在形質移入法などが含まれる。導入遺伝子は、レトロウィルス介在形質導入または微量注入により、ES細胞に導入することもできる。その後、そのような形質移入ES細胞は、胚盤胞期胚の胞胚腔に導入後、胚でコロニーを形成し、その結果、キメラ動物の生殖系列が生まれる(総論としてはJaenisch, Science 240:1468 (1988) を参照)。形質移入されたES細胞を胞胚腔に導入する前に、形質移入ES細胞に対して種々の選択プロトコルを実施し(導入遺伝子がそのような選択の手段を提供すると仮定する)、導入遺伝子を取り込んだES細胞を濃縮することができる。それに代わる方法として、ポリメラーゼ連鎖反応を使い、導入遺伝子を取り込んだES細胞のスクリーニングを行うことができる。この技法により、胞胚腔への移入に先立ち、形質移入ES細胞を適切な選択条件下で増殖させる必要性がなくなる。
さらに別の態様において、相同組み換えを使い、遺伝子機能をノックアウトするか、または欠損変異体を作製することができる。相同組み換えの方法は、米国特許第5,614,396号に記述され、それは参照により開示に含まれる。
実験
以下の実施例は、本発明の特定の好ましい態様および側面を実証し、さらに明確に説明するために提供するものであり、それにより本発明の範囲が限定されると解釈しないものとする。
実施例1
A. 方法
ALS患者
全ての患者は、ヨーロッパ人祖先の患者であった。発病年齢は、SALS患者は53±15歳(平均±SD、n=79)(中央値54歳)、FALS患者は55±15歳(中央値55歳)(n=62)であった。罹病期間は、SALS患者では4.8±4年、およびFALS患者では3.4±3.2年であった。男女比は、SALS患者では2:1、およびFALS患者では1:1.3であった。疾患発症部位は、SALS患者では23%が延髄、43%が上肢、28%が下肢、および7%が複数部位であり、FALS患者では27%が延髄、31%が上肢、37%が下肢、および5%が複数部位であった。
対照
神経学的に正常な、対照としての192個体からのゲノムDNAを、コリエル研究所から入手した(パネル NDPT006およびNDPT009、それぞれ96点の試料)。個人的にも家族歴にも神経学的疾患が存在しない、60歳より年齢が上の111の対照の集合が、以前に記載されている。ALS患者の配偶者は、92の対照を提供した。重複する神経学的に正常な対照としてのさらなる163人の個体はコリエルから入手した;これらは上記のコリエルパネルと重複していなかった。
患者および対照における変異の検出
FIG4のコード配列およびスプライス部位における病原性変異について患者をスクリーニングするために、FIG4の23のエクソンをゲノムDNAから増幅した。11のエクソンを、全ての患者において直接的に配列決定した(エクソン2、7、8、9、10、17、18、19、20、21、および23)。残った12のエクソンを、まずCSGE (conformation sensitive gel electrophoresis)により試験した。CSGEゲル上で異常な移動度を有する産物を、次に配列決定した。第2の部位の変異を同定するために、表1の、3人の患者からの全てのFIG4のエクソンを配列決定した。全てのFIG4のエクソンは、188人の対照としての個体から配列決定した。
(表1)FIG4遺伝子における一塩基多型
Figure 0005539236
B.結果
ALSにおけるFIG4の役割を評価するために、88の孤発例、109の家族性症例、および500を上回る民族的に一致した対照をスクリーニングした。FIG4の23のエクソンを、ゲノムDNAから増幅し、ヘテロ二本鎖分析および直接配列決定の組み合わせにより試験した。FIG4遺伝子における多型SNPに関連する観察された対立遺伝子頻度を表1に示す。
ヘテロ接合性の機能喪失型変異が、ALSの特徴を有する3人の患者において検出された(表2)。あるSALS患者は、62歳で、主に皮質脊髄および皮質延髄の運動ニューロンに影響を与えるALSの形態を有すると診断された;筋電図検査で3肢において下位運動機能障害が検出されたが、臨床的には顕著ではなかった。2つのFIG4バリアントが、SALS患者において同定され、これは536人の民族的に一致した対照には存在しなかった(表2)。エクソン6におけるR183Xは、インフレームの停止コドンTGAを導入し、SACホスファターゼドメインの開始部位に近い907残基の全長FIG4タンパク質を切り詰め、その結果酵素機能の喪失をもたらす(図1a)。R183Xは、アルギニンコドンにおけるC>Tヌクレオチド置換の結果であり、また、CMT4Jを有する1人の患者にも存在し(図1a)、そのため一般的な変異機構であるCpGメチル化に起因する可能性がある(Kearney et al., Pediatr Neurol 34, 116-20 (2006))。本発明における第2の変異は、保存的アミノ酸置換であるI411Vをもたらす(図1c、d)。
第2のSALS散発性発症患者はまた、60歳での延髄での発症を伴う顕著な皮質脊髄の特徴、および24年を超える長い疾患経過も示した。この患者は、変異Q403Xとインフレームの停止コドンTAAについてヘテロ接合性であり、これはFIG4タンパク質を、活性部位配列C486X5RTの上流にあるSACホスファターゼドメイン内に切り詰め、その結果酵素機能の喪失をもたらす(表1、図1e)。この変異は、539人の民族的に一致する対照においては検出されなかった。この個体における全てのFIG4エクソンの配列決定は、別の変異を検出しなかった。
あるFALS患者は、優勢な下位運動ニューロンサインを伴う晩期発症型疾患を77歳で経験し、2年後に死亡した。この患者のG>Tスプライス部位変異は、エクソン2の必須のスプライス受容部位コンセンサスの不変のGヌクレオチドを変化させ、エクソン1からエクソン2への正しいスプライシングを妨げる(図1f)。新しいフレーム外(out-of-frame)のコンセンサス部位が、元の部位の2bp下流に生じた(図1g)。この予想部位に対するスプライシングは、停止コドンTAAを導入し、その結果タンパク質の切り詰めをもたらすと考えられる(R23fsX30)。
188の対照からの、全てのFIG4エクソンの完全な配列は、いかなるスプライス部位または停止コドンの変異も同定しなかった。運動ニューロンの生存に必要とされることが知られている遺伝子におけるこれらの3つの明白な変異の同定は、FIG4の変異がALSの危険因子であることを示す。
ホモ接合性ヌルマウスにおけるFIG4の不在は、後期エンドソームに由来するニューロンの空胞化および拡大した液胞の蓄積をもたらす(Chow et al., Nature 448, 68-72 (2007))。ヌルヘテロ接合体におけるこの経路の低下した機能に起因するハプロ不全は、晩期に発症する疾患につながる、再利用された膜構成要素の漸進的な蓄積をもたらしうる。本発明は特定の機構に限定されない。実際、本発明の実施には、機構を理解する必要はない。それにもかかわらず、ヒト運動ニューロンが、FIG4のヘテロ接合性変異の影響を特に受けやすいと考えられる。その理由は、それらが一生の何十年にもわたり、長い軸索突起からの膜構成要素の継続的なターンオーバーに必要とされるからである(Volpicelli-Daley and De Camilli, Nat Med 13, 784-6 (2007))。
臨床的影響の範囲は、異なるFIG4遺伝子型に関連する。ALS患者における遺伝子型+/-およびI441V/-は、60〜77歳の晩期の発症、および運動ニューロンに限定される神経変性をもたらす。CMT4J遺伝子型I41T/-は典型的に小児期発症および運動神経に加えて感覚神経の合併症を伴って顕在化する。マウスのみに観察されたホモ接合性ヌルは、致死的である。アミノ酸置換を有する患者における臨床的な重篤度は、残存する酵素活性の量と相関関係を持ちうる。CMT4J患者におけるI41Tバリアントは、進化的に不変のアミノ酸残基の非保存的置換であり、酵素活性に対し、SALS患者でのI441V置換よりもより深刻な影響を有することが予想される(図1d)。FIG4臨床範囲内の疾患の重篤度は、類似する変異を有するCMT4Jファミリーにおける変動する発症年齢により示されるように、遺伝的背景および/または環境曝露に影響されると考えられる(Chow et al., supra)。
+/-ヘテロ接合体における疾患の発症が77歳もの晩期でありうるため、この遺伝子型を有する、発症していないより若い個体が存在するであろうことが予想された。CMT4Jを有する患者の家族において、臨床的疾患の無い3人の+/-個体が特定され、1人は子供であり、1人は30代の成人であり、1人は60代の成人であった(Chow et al., supra)。これらのヘテロ接合体は、より晩期に発症する疾患の危険性を有する。神経学的疾患は、最大1.5年齢のFig4 +/-マウスでは観察されなかった。しかし、ヒトにおいて晩期発症型疾患を引き起こす変異は、多くの場合、より短命の動物モデルでは疾患を発症することができない。
FIG4に加えて、ホスホイノシチドシグナル伝達に影響する他の遺伝子における欠陥は、シャルコー・マリー・トゥース病4B1型、4B2型、および4H型、ならびにマウスにおいて末梢神経障害の原因であるが(Chow et al., supra; Zhang et al., Proc Natl Acad Sci U S A 104, 17518-23 (2007); Begley et al., Proc Natl Acad Sci U S A 103, 927-32 (2006); Bolino et al., J Cell Biol 167, 711-21 (2004); Bolino et al., Nat Genet 25, 17-9 (2000); Bonneick et al., Hum Mol Genet 14, 3685-95 (2005); Senderek et al., Hum Mol Genet 12, 349-56 (2003); Stendel et al., Am J Hum Genet 81, 158-64 (2007); an Delague et al., Am J Hum Genet 81, 1-16 (2007))、この経路は以前にはALSと関連づけられていなかった。この実施例において、FIG4の機能喪失型変異が1〜2%のALS患者において検出された。これらの患者において観察された特徴は、晩期の発症、皮質脊髄および皮質延髄の特徴が優勢であること、ならびに長期の生存を含む。
(表2)散発性および家族性のALSを有する患者におけるFIG4の機能喪失型バリアント
全ての患者および対照は、ヨーロッパ民族であった。SALS、散発性ALS;FALS、家族性ALS。対照の頻度、試験した対照DNA試料の数で割ったヘテロ接合性の個体の数。配列クロマトグラムについては、図1を参照。
Figure 0005539236
実施例2
FIG4の役割を評価するために、364の孤発例および109の家族性症例を含む473人の患者からのDNAをスクリーニングした。全ての患者および対照は、ヨーロッパ人祖先の患者および対照であった。SALS症例は、National Institute of Neurological Disorders and StrokeのパネルNDPT025(長期のALS生存者)、NDPT026(延髄での発症)、およびNDPT029(上肢での発症)(Web Resources参照)からの個体、ならびに、53±15歳で発症し(平均±SD)、罹病期間が4.8±4年、男女比が2:1である、Massachusetts General Hospitalからの92人のSALS患者を含んだ。疾患発症部位は23%が延髄、43%が上肢、28%が下肢、および7%が複数部位であった。FALS患者は55±15歳で発症し(中央値55歳)、罹病期間が3.4±3.2年であり、男女比は1:1.3であった。FALS患者は以前にSOD1における変異について試験され、彼らの疾患発症部位は、27%が延髄、31%が上肢、37%が下肢、および5%が複数部位であった。
コード配列およびスプライス部位における病原性変異についてスクリーニングするために、FIG4の23のエクソンを473の患者ゲノムDNA試料から増幅した。11のエクソンを、全ての患者について直接的に配列決定した(エクソン2、7、8、9、10、17、18、19、20、21、および23)。他の12のエクソンを、まず、ヘテロ二本鎖分析(コンフォメーション高感度ゲル電気泳動) (Escayg et al., (2000). Nat. Genet. 24, 343-345)によりスクリーニングし、異常な移動度を有するエクソンを配列決定した。全てのバリアントを、少なくとも2つの独立したPCRおよび配列決定反応にて確認した。可能性のある第2の部位の変異を検出するために、全ての23のエクソンを、表3の個体について配列決定した。
患者において検出されたバリアントを、395〜558人の民族的に一致する対照において試験した。コリエル研究所からの対照試料は、神経学的に正常な対照のパネルNDPT006およびNDPT009からの192の試料、ならびにこのパネルに重複していない163の神経学的に正常な個体の試料を含む。個人的にも家族歴にも神経学的疾患が存在しない、60歳より年齢が上の111の対照のセットが、以前に記載されている(Rainier et al., (2006). Arch. Neurol. 63, 445-447)。ALS患者の配偶者は、92の対照を提供した。患者および対照において検出されたSNPを、表5に示す。
FIG4の10の独特な非同義バリアントが、SALSを有する6人の患者およびFALSを有する3人の患者を含む9人の患者において同定された(表3)。7人の患者は、確実に、またはほぼ確実にALSであるという診断を有し、および2人の患者はPLSであるという診断を有し、平均の発症年齢は56±14歳であり(平均±SD)、平均の期間は9 5 11年であった。これらの患者の臨床的な知見を表4に示す。顕著な皮質脊髄の知見が存在する。人格におけるかすかな変化が2つの症例において言及された。
各変異は1人の患者において発見され、対照(表3)またはdbSNPには存在せず、これは、これらの変異が共通する多型ではないことを示す。バリアントは2つのタンパク質切り詰め型変異、コンセンサススプライス部位における2つの変異、および6つのミスセンス変異を含む(表3)。配列クロマトグラムおよび進化的保存を図3に示す。
2つのタンパク質切り詰め型変異であるR183XおよびQ403Xは、SACホスファターゼ活性部位の上流に位置し(Duex et al., (2006). J. Cell Biol. 172, 693-704; Hughes et al., (2000). Biochem. J. 350, 337-352)、結果としてFIG4ホスファターゼ活性の喪失をもたらす。
エクソン2スプライス受容部位変異は、不変の1Gヌクレオチドを変化させ、正しいスプライシングを妨げる。この変異は、新しいフレーム外コンセンサス受容部位を、元の部位の2bp下流に生じさせる(図3)。この新しい部位に対するスプライシングは、ヒトでの-1位での変異の分析から強く予測される(Vorechovsky, (2006). Nucleic Acids Res. 34, 4630-4641)。この結果、タンパク質の切り詰めR23fsX30が起こる。エクソン2のスキッピングは、33の進化的に保存されたアミノ酸のインフレームの欠失をもたらし、タンパク質機能を妨げる可能性がある。
エクソン12のドナー部位におけるスプライス部位変異は、多くのヒト変異の部位である重要な+5G残基を変化させる。13 予想される結果は、エクソン12のスキッピングであり、39アミノ酸残基の、SACホスファターゼドメインからのインフレームの欠失をもたらす。13 あるいは、イントロン12へのリードスルー(read through)は、インフレームの停止コドンK463fsX474を生じさせると考えられた。
この6つのミスセンス変異は、タンパク質予測プログラムであるPolyPhenおよびSIFTを用いて分析した。D53Yは、有害であると最も強く予測された(表3)。ミスセンス変異のうちの4つは、酵母において保存的なアミノ酸残基を変化させる。Fig4Dヌル酵母株において拡大した液胞をレスキューするというこれらの能力を試験した。酵母アッセイにおいて機能的であるために、バリアントタンパク質は、PI(3,5)P2調節性複合体の他のタンパク質に結合し、液胞膜に局在化しなければならず、かつホスファターゼ活性を保持しなければならない。14 予想と一致して、D53Yは有害な対立遺伝子であり、野生型FIG4よりも低い活性を有し(p < 0.001)、かつ比較のために含めたCMT4J変異対立遺伝子I41Tよりも低い活性を有する(p < 0.02)(図2A)。R388Gも、野生型対立遺伝子よりも有意に低い活性を有する(p < 0.02)。バリアントD48GおよびI411Vは、機能において野生型に近く、これらの病原性は不確定のままである(図2A)。変異D48GおよびD53Yは、予測されたbシートドメインの2つの末端に位置し、タンパク質の切り詰めにおける影響と一致する。
全体として、10のバリアントのうち6つは、明らかに有害である:2つの停止コドン、2つのコンセンサススプライス部位バリアント、およびミスセンス変異D53YおよびR388G(図2B)。SALS患者E12は、2つのバリアントR183XおよびI411Vを保持していた。ミスセンス変異が、1人の患者において同定された。
CMTJ4ファミリーに対する以前の研究において、FIG4のヌル対立遺伝子のヘテロ接合性の保因者であるが臨床症状を示していない2人の親および1人の兄弟姉妹が観察された(Chow et al., (2007). Nature 448, 68-72)。これらの個体は、晩期発症型ALS患者よりも若く、発症前であるか、または不完全な浸透度を反映している可能性がある。本発明は特定の機構に限定されない。実際に、本発明を実施するために、機序を理解する必要はない。それにもかかわらず、FIG4のヘテロ接合性ミスセンス変異は、それらの影響を、部分的な機能喪失を介して、または多量体PI(3,5)P2調節性複合体への取り込みについての野生型タンパク質との競合を介したドミナントネガティブ機構により及ぼしうると考えられる (Jin et al., (2008). EMBO J. Published online November 27, 2008)。CMT4Jファミリーにおける、幼児期から成人期までの、変動する発症時年齢は、遺伝的背景および/または環境曝露が臨床経過を変更することを示唆する。これらの因子はまた、他の遺伝子における変異により引き起こされるALSの顕在化に影響を及ぼすと考えられる。本明細書に記載される、運動ニューロンの生存におけるFIG4の既知の役割および患者特異的バリアントの欠陥性の機能は、これらの変異がALSの発病に寄与するという見解を支持する。
CMT4J患者において、彼らのFIG4活性の全ては、欠陥のある対立遺伝子I41Tの1つのコピーに由来する;結果として、彼らは、欠陥のある対立遺伝子に加えて1つの野生型を有するALS患者よりも低いFIG4活性を有する。ほとんどのCMT4J患者は、幼児期に発症しており、経過が重篤である。成人発症型CMT4J患者は、低下した神経伝導速度および腓腹神経の脱髄により示されるように、彼らのシュワン細胞の関与という点でALS患者とは異なる(Zhang et al., (2008). Brain 131, 1990-2001)。ALS患者および成人発症型CMT4J患者は、どちらも非対称性の進行、感覚的症状の不在、および痴呆の不在を示す。ALSおよびPLSの症例は、正常な伝導速度および目立った皮質脊髄路サインを有する。SALS症例において、皮質脊髄のサインは、最も顕著な知見であった(表4)。同様に、FIG4ヌルマウスにおいて、神経変性は、脊髄運動ニューロンよりも運動皮質において、極めて早期かつより広範である(Chow, supra)。
ホスホイノシチドは、細胞内小胞用の分子タグとしての役割を果たし、小胞輸送を媒介する。ホスホイノシチドシグナル伝達に影響する他の遺伝子は、シャルコー・マリー・トゥース病4B1型、4B2型、および4H型、ならびにSPG15の原因であり、皮質脊髄運動ニューロンを標的とする(Bolino et al., (2000). Nat. Genet. 25, 17-19; Senderek et al., (2003). Hum. Mol. Genet. 12, 349-356; Stendel et al., (2007). Am. J. Hum. Genet. 81, 158-164; Delague et al., (2007). Am. J. Hum. Genet. 81, 1-16; Hanein et al., (2008). Am. J. Hum. Genet. 82, 992-100)。ホスホイノシチド代謝は、以前にはALSと関連づけられていなかった。本発明は特定の機構に限定されない。実際に、本発明を実施するために、機序を理解する必要はない。それにもかかわらず、ヒト運動ニューロンは、膜輸送に影響を与える変異の影響を特に受ける可能性があると考えられる。その理由は、それらが、一生の何十年もの間、長い軸索突起からの膜構成要素のターンオーバーを必要とするからである(Volpicelli-Daley et al., (2007). Nat. Med. 13, 784-786)。
以前に同定されたALS遺伝子のそれぞれは、症例のうちのほんの数パーセントを占める(Pasinelli et al., (2006). Nat. Rev. Neurosci. 7, 710-723; Valdmanis et al., (2008). Neurology 70, 144-152)。ALS患者の1%〜2%におけるこのFIG4変異の同定は、FIG4が、この遺伝的にヘテロ接合性である疾患に寄与するもう1つのものであることを示す。
(表3)
Figure 0005539236
PolyPhenスコアは以下の通り:1、良性;2、害のある可能性あり;3、ほぼ確実に害がある。SIFTスコアは以下の通り:1、許容的;2、タンパク質構造に影響。10のバリアントのうち最初の5つおよびR388Gは病原性である可能性が高い。「n.a.」は該当無し(ミスセンスではない)を示す。これらの患者の臨床的な記述については、表S1 SALS、プレート1p1. FALS、プレート1p2を参照。
(表4)
Figure 0005539236
(表5)
Figure 0005539236
上記明細書で言及したすべての公報ならびに特許は、参照により開示に含まれる。本発明の記述された方法および方式の種々の変更態様および変型例は、本発明の範囲と精神から逸脱することなく、当業者にとり明らかなものとする。本発明は特定の好ましい実施例と関連づけて記述されているが、請求項に記載された発明は、そのような特定実施例に不当に限定されないことを理解するものとする。実際、本発明を実施するために記述された態様の種々の変更態様であって、分子生物学、遺伝学、または関連分野の当業者にとり明白なものは、以下の請求項の範囲内と意図される。

Claims (14)

  1. 被験者からの生物試料中のバリアントFIG4遺伝子の有無を検出するためのプローブで、被験者からの生物試料をアッセイする段階を含む、被験者の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の存在の決定を補助する方法であって、
    該プローブはc.547C>T、c.1207C>Tおよびc.67-1G>Tらなる群より選択された変異を含むバリアントFIG4遺伝子を検出することができ、
    該バリアントFIG4遺伝子がFIG4機能の喪失をもたらし、そして、
    該バリアントFIG4遺伝子の存在が、ALSの存在を示す、
    前記方法。
  2. 被験者からの生物試料において、c.1207C>Tおよびc.67-1G>Tらなる群より選択されるバリアントFIG4遺伝子の有無を検出する段階を含む、被験者のバリアントFIG4遺伝子を検出するための方法。
  3. 上記検出を用いて被験者における神経学的疾患の危険性を評価する、請求項2記載の方法。
  4. 神経学的疾患が筋萎縮性側索硬化症(ALS)である、請求項3記載の方法。
  5. バリアントFIG4遺伝子がFIG4切り詰め型変異体をコードする、請求項2記載の方法。
  6. 前記変異がホモ接合性変異である、請求項5記載の方法。
  7. 前記変異がヘテロ接合性変異である、請求項5記載の方法。
  8. バリアントFIG4遺伝子がQ403X、スプライシング変化、欠失、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸変化をコードする、請求項2記載の方法。
  9. 生物試料が、血液試料、組織試料、尿試料、DNA試料、および羊水試料からなる群より選択される、請求項2記載の方法。
  10. 被験者が、胚、胎児、新生仔動物、および若年動物からなる群より選択される、請求項2記載の方法。
  11. 動物がヒトである、請求項10記載の方法。
  12. バリアントFIG4遺伝子の存在の検出が、核酸検出アッセイ法の実施を含む、請求項2記載の方法。
  13. バリアントFIG4遺伝子の存在の検出が、ポリペプチド検出アッセイ法を含む、請求項2記載の方法。
  14. 被験者からの生物試料中のバリアントFIG4遺伝子の有無を検出するためのプローブで、被験者からの生物試料をアッセイする段階を含む、被験者の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の危険性を評価するための方法であって、
    該プローブはc.547C>T、c.1207C>T及びc.67-1G>Tらなる群より選択された変異を含むバリアントFIG4遺伝子を検出することができ、
    該バリアントFIG4遺伝子がFIG4機能の喪失をもたらし、そして、
    該バリアントFIG4遺伝子の存在が、ALSの危険性を示す、
    前記方法。
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