JP5532216B2 - 乳癌の検出方法 - Google Patents
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Description
現在、乳癌の予後予測は、腫瘍径、リンパ節転移個数、乳癌の異型度(組織学的異型度、核異型度)、乳癌組織でのエストロゲンレセプター、プロゲステロンレセプター、HER2発現状況等を指標として行っている。最近は、乳癌組織の遺伝子発現プロファイルを用いた予後予測評価システムが開発されており、過去20年以上もの間、世界中で乳癌の予後因子(再発の可能性を予測する因子)を同定する研究が行われてきた。しかしながら、これらの評価システムは、いずれも乳癌組織を用いて検討されたものばかりであり、患者への侵襲や苦痛を伴うものである。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)被検試料中のカテプシンEの量を測定し、当該測定結果と乳癌の可能性又は乳癌の予後とを関連付けることを特徴とする、乳癌の検出方法。
本発明において、被検試料中のカテプシンEの量が例えば35U/g以下のときは、乳癌の可能性がある、又は乳癌の再発があると判定することができる。また、本発明において使用される被検試料は血清であることが好ましい。
本発明において、カテプシンEの測定法としては、例えばカテプシンEの基質、カテプシンEに対する抗体、又はカテプシンEに対するアプタマーを用いた測定が挙げられる。
(2)カテプシンEの基質、カテプシンEに対する抗体及びカテプシンEに対するアプタマーからなる群から選択される少なくとも1つを含む、乳癌の検出用キット。
(3)カテプシンEタンパク質、カテプシンEの変異タンパク質、前記カテプシンEタンパク質又はその変異タンパク質のペプチド断片、並びにカテプシンEタンパク質の発現及び活性の促進作用を有する物質からなる群から選択される少なくとも1つを含む、乳癌の予防用医薬組成物。
(4) カテプシンEをコードする遺伝子がノックアウトされた非ヒト哺乳動物からなる、乳癌モデル動物。
(5)前記モデル動物に被検物質を接触させ、該動物において乳癌を抑制する物質を選択することを特徴とする乳癌治療薬又は予防薬のスクリーニング方法。
1.概要
本発明は、乳癌患者又は健常人由来の被検試料において、カテプシンEのレベルを指標として、乳癌の有無を検出し、あるいは乳癌における予後を検出する方法に関するものである。
これまで乳癌患者および健常人(400症例以上)の血清中のカテプシンE(蛋白質分解酵素の一種)の存在量を発明者らが開発した特異的基質KYS-1を使って定量した結果、以下の事項が明らかにされた。
(1)健常人女性の血清カテプシンE量は浸潤性乳癌患者に比べて有意に高い。
(2)非浸潤性乳癌患者の血清カテプシンE量は浸潤性乳癌患者に比べて有意に高い。
(3)再発した患者の血清カテプシンE量は再発のない患者に比べて有意に低い。また、健常人女性、非浸潤性乳癌患者、及び再発のない浸潤性乳癌患者(病期I-III)の血清カテプシンE量は遠隔転移のある乳癌患者(病期IV)に比べて有意に高い。
(4)浸潤性乳癌患者(病期I-III)において、再発のない患者の血清カテプシンE量は再発した浸潤性乳癌患者(病期I-III)に比べて有意に高い
(5)血清カテプシンE量が高い患者は血清カテプシンE量が低い患者に比べて有意に無再発健存率、全生存率(5年生存および10年生存)ともに高い。
(6)リンパ節転移(遠隔転移・浸潤度)を示す乳癌患者の血清カテプシンE量はそうでない患者に比べて有意に低い。
(7)エストロゲンレセプター陰性患者の血清カテプシンE量は陽性患者に比べて有意に低い。
(8) 乳癌患者の乳腺組織でカテプシンEの発現が検出されたのは374症例中わずか11症例のみであった。
カテプシンE量の測定に用いる生体試料としては、例えば、被検者由来の血液を用いることができる。被検者から採血する方法は公知である。
被検者は、例えば、乳癌患者、あるいは乳癌に罹患していない者であり、特に限定されるものではない。
カテプシンEの量は、血清中のカテプシンEのタンパク質濃度又は活性値、あるいは血液細胞中のカテプシンEのタンパク質濃度又は活性値、あるいはmRNA量として測定される。
カテプシンEの測定に用いる生体試料としては、例えば、健常人や乳癌患者から採取された血液サンプルを用いることができ、血清を用いることが好ましい。採血する方法及び血清を調製する方法は、当業者において周知である。
カテプシンEの測定は、例えば、カテプシンEの基質、カテプシンEに結合する抗体、あるいはカテプシンEに対して特異的に親和性を有するペプチド性化合物(アプタマー)を利用することができる。以下、それぞれの測定方法について説明する。
KYS-1は、下記式:
MOCAc-Gly-Ser-Pro-Ala-Phe-Leu-Ala-Lys(Dnp)-D-Arg-NH2
(MOCAcは(7-methoxycoumarin-4-yl)acetylを表わし、Dnpはdinitrophenylを表わす)
で示される構造を有し(配列番号3)、Yamamotoらによってデザイン・合成された物質である(特開2003-246798号公報、Yasuda Y. et al., Biol Chem, Vol. 386, pp. 293-305, 2005)。本基質は、類似酵素であるカテプシンDやペプシン、さらには他のタンパク質分解酵素のカテプシンB,L,Hなどでは分解されない高い特異性を有する。通常の測定では、80μlの緩衝液(50 mM 酢酸緩衝液(pH 4.0))、10 μlの200μM KYS-1、および酵素溶液10 μlを含む反応液(全量100μl)を40℃で10分間インキュベーションし、その後、2 mlの5%トリクロロ酢酸を加えて反応を止め、蛍光分光光度計(蛍光波長393 nm、励起波長328 nm)を用いて反応中に基質分解によって発生した蛍光を測定する。本基質はペプチド合成により得ることができるが、市販品(株式会社ペプチド研究所)として入手可能である。
カテプシンEに対する抗体は、当業者に周知の技法を用いて得ることができる。
まず、カテプシンEをコードする塩基配列は下記の通り公知であることから、抗原であるカテプシンEは、遺伝子工学的手法を用いて大腸菌等により発現させて得ることができる(具体的手法については、Sambrook, Fritsch and Maniatis, ”Molecular Cloning: A Laboratory Manual” 2nd Edition (1989), Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照)。
GeneBankTM/EMBL Data Bank:アクセッション番号 J05036 (ヒト)、M88652(モルモット)、L08418(ウサギ)、D38104(ラット)、Y10928(マウス)
本発明に用いる抗体は、ポリクローナル抗体でもよく、モノクローナル抗体でもよい。例えば、カテプシンEに対するポリクローナル抗体は、抗原であるカテプシンEを感作した哺乳動物(ラット、マウス、ウサギ等のヒト以外の実験動物)から採血し、公知の方法により血清を分離する。ポリクローナル抗体としては、ポリクローナル抗体を含む血清を使用することができる。あるいは必要に応じ各種クロマトグラフィーを用いて、この血清からポリクローナル抗体を含む画分をさらに精製することもできる。
また、モノクローナル抗体を得るには、上記抗原を感作した哺乳動物から免疫細胞を採取して骨髄腫細胞などと細胞融合させる。得られたハイブリドーマをクローニングして、その培養物から目的のモノクローナル抗体を回収することができる。
カテプシンEに対する抗体を用いた測定には、免疫測定法又はプロテインチップが採用されるが、操作が容易で高感度である点で免疫測定法を用いた方法が好ましい。
免疫測定法としては、例えば放射免疫測定法(RIA)、免疫蛍光測定法(FIA)、免疫発光測定法、酵素免疫測定法(例えば、Enzyme Immunoassay(EIA)、Enzyme-linked Immunosorbent assay (ELISA)、イムノクロマト法、ラッテクス粒子凝集法)などが挙げられる。
RIAで標識に用いる放射性物質としては、例えば、125I、131I、14C、3H、35S、又は32Pが挙げられ、FIAで標識に用いる蛍光物質としては、例えば、Eu(ユーロピウム)、FITC、TMRITC、Cy3、PE、又はTexas-Redなどが挙げられる。また、免疫発光測定法で標識に用いる発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン等が挙げられ、酵素免疫測定法で標識に用いる酵素としては、例えば西洋わさびペルオキシターゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(ALP)、グルコースオキシターゼ(GO)等が挙げられる。さらに、抗体又は抗原と、これらの標識物質との結合にビオチン-アビジン系を用いることもできる。
アプタマーとは、特異的に標的物質に結合する能力を持つ合成DNA又はRNA分子及びペプチド性分子である。アプタマーは、試験管内において化学的に短時間で合成することができる。例えば、in vitro selection法又はSELEX法として知られている進化工学的手法により得ることができる。
核酸アプタマーは、血流中ではヌクレアーゼにより速やかに分解及び除去される。このため、必要に応じて2'-フッ化ピリミジンやポリエチレングリコール(PEG)鎖などによる分子修飾を行い、核酸アプタマーの半減期を1日以上に伸ばすことが好ましい。
本発明においては、上記アプタマーを使用することができる。
イムノクロマト法の原理を利用し、カテプシンE特異的アプタマーをろ紙片等の基材に固定化し、それを血清や細胞抽出液等の生体試料に浸した後、トラップされたカテプシンEを発色基質溶液に浸潤することで定量する。また、金コロイド標識カテプシンE特異的アプタマー1を固定化した基材に血清や細胞抽出液等の生体試料を滴下し、親和性クロマト法によって展開した後、トラップしたカテプシンE/金コロイド標識アプタマー複合体を基材の異なる位置(展開先)に固定化された別のカテプシンE特異的アプタマー2でトラップし定量する。さらに、2種類の異なるカテプシンE特異的アプタマーをラテックスビーズに固定化し、これらを血清や細胞抽出液等の生体試料と混合し、トラップされたカテプシンEの親和性凝集反応を分光分析装置で定量する。
カテプシンEの量は、乳癌の患者由来の血清で発現が低下しているため、被検者由来の血液試料(例えば血清)中のカテプシンEは、乳癌を検出するための腫瘍マーカーとして利用することができる。すなわち、本発明は、被検者由来の血液試料中のカテプシンEの量を測定することを含む、乳癌の検出方法を提供する。
そして、血中のカテプシンE量の臨界値(cut-off値)は、血清中濃度で、例えば14.0U/ml. 13.5U/ml、13.0U/ml、12.5U/ml、12.0U/ml、11.5U/ml、11.0U/ml、10.5U/ml、10.0U/ml、9.5U/ml、9.0U/ml、8.5U/ml、8.0U/ml、7.5U/ml、7.0U/ml、6.5U/ml、6.0U/ml、5.5U/ml、5.0U/ml、4.5U/ml、4.0U/ml、3.5U/ml、3.3U/ml、2.5U/ml、2.0U/ml、1.5U/ml又は1.0U/mlであり、好ましくは3.3U/mlである。
ここで、cut-off値を決定するためのカテプシンEの量は、例えば、次のように求めることができる。先ず、乳癌患者由来の生体試料におけるカテプシンE量を測定する。このとき、対象となる患者の例数は2例以上であり、例えば、10例以上、50例以上、100例以上又は500例以上である。また、2例以上の正常試料におけるカテプシンE量も測定しておくことが好ましく、対象となる正常試料の例数は、例えば2例以上、10例以上、50例以上、100例以上又は500例以上である。そして、乳癌患者由来の生体試料群と正常試料群の両方を含む全体から、カテプシンE量の至適閾値(cut-off値)を、統計処理により求める。統計処理としては、例えば、Kaplan-Meier解析等が挙げられる。統計解析を行うための症例は、乳癌患者間において、病期、再発の有無、転移の有無等により分類することもできる。さらに、統計処理は、健常人のカテプシンEの測定値と、乳癌患者において癌の種類(浸潤癌及び非浸潤癌)、再発の有無及び転移の有無により分類したときのカテプシンEの測定値とを適宜組み合わせて行うこともできる。
この場合、測定されたカテプシンE量が、上記cut-off値以下であるときに、乳癌が検出されたと判断できる。本発明においては、前記判定のための血清中濃度の値に上限値を設けても良く、例えば、上記各cut-off値以上であって、かつ、所定上限値以下(例えば14.0U/ml 以下、好ましくは5U/ml以下、4U/ml以下、3U/ml以下又は2U/ml以下)であるときに、乳癌を検出することができる。
乳癌患者のカテプシンEの量は、被検試料(例えば血清)中の濃度が4U/ml以下であれば健常人との統計学的差異は90%以上であり、3.5U/ml以下において健常人との統計学的差異は95%である。従って、これらの濃度以下であれば乳癌患者と健常人との間で区別することができる。
被検者由来の試料は、健康診断等の集合検診により得られる場合もあれば、乳癌と診断された患者から得られる場合もある。従って、検出の内容は、目的に応じて適宜使い分けることができる。例えば、被検者が健康診断を目的とした場合は、上記(a)項目が主な判断の対象になり、被検者が乳癌の患者の場合は、その予後を観察するために、上記 (b)、(c)、(d)項目が主な判断の対象になる。但し、これらの内容は例示であり限定されるものではない。
あるいは、それぞれの患者のデータを前記母集団の値に組み込んでカテプシンEの量を再度データ処理し、対象となる患者(母集団)の例数を増やすこともできる。例数を増やすことにより、カテプシンEの臨界値の精度を高め、これにより検出又は診断精度を高めることができる。
そして、前記(i)の場合のカテプシンE量が、前記(ii)の場合のカテプシンE量と比較して低い場合、例えば、正常試料におけるカテプシンE量の約90%以下、約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、又は約10%以下の場合に、乳癌が検出されたと判断できる。なお、ここで使用する「検出」の用語の意味は、前記と同様である。
本発明は、(i)カテプシンEの基質、(ii)カテプシンEに対する抗体、及び(iii)カテプシンEのアプタマーからなる群から選択される少なくとも1つを含有する乳癌の検出薬キットを提供する。本発明のキットは、乳癌の臨床診断や予後診断のための試薬として使用される。
カテプシンEの基質、カテプシンEに対する抗体及びカテプシンEに対するアプタマーは前記の通りである。
カテプシンEの基質、カテプシンEに対する抗体、及びカテプシンEに対するアプタマーは、それぞれ単独で、あるいは任意に組み合わせてキットに含めることができる。
本発明においては、前記検出により乳癌が検出された被検者(特に、乳癌が疑われた被検者、再発が疑われた被検者等)に対し、カテプシンE又はその変異タンパク質及びペプチド断片又はカテプシンEタンパク質の発現及び活性の促進作用を有する物質を投与することにより、上記乳癌を予防することができる。
カテプシンEの変異タンパク質及びペプチド断片又はカテプシンEタンパク質の発現及び活性の促進作用を有する物質とは、カテプシンEと同様の生物学的機能を奏するタンパク質を意味する。
本発明の別の態様では、カテプシンE又はその変異タンパク質及びペプチド断片又はカテプシンEタンパク質の発現および活性の促進作用を有する物質を含む、乳癌の予防用医薬組成物(乳癌の予防剤)が提供される。
ヒトのカテプシンEのアミノ酸配列を配列番号2に示す。
「カテプシンEの変異タンパク質」とは、カテプシンEのアミノ酸配列(配列番号2)において、1又は複数(例えば、1又は数個)のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつカテプシンEと同様の生物学的機能を奏するタンパク質を意味する。ここで、本発明において「カテプシンEと同様の生物学的機能」とは、乳癌を改善、防止又は遅延させる機能を意味する。
A群:ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリン、ノルバリン、アラニン、2−アミノブタン酸、メチオニン、o−メチルセリン、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、シクロヘキシルアラニン;
B群:アスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2−アミノアジピン酸、2−アミノスベリン酸;
C群:アスパラギン、グルタミン;
D群:リジン、アルギニン、オルニチン、2,4−ジアミノブタン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸;
E群:プロリン、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン;
F群:セリン、スレオニン、ホモセリン;
G群:フェニルアラニン、チロシン。
カテプシンEタンパク質をコードする遺伝子は、好ましくは配列番号2のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドである。本明細書において、「ポリヌクレオチド」とは、DNA又はRNAを意味する。
カテプシンEタンパク質をコードする遺伝子の例としては、配列番号1に示す塩基配列を有するDNAが挙げられる。
また、カテプシンE遺伝子または該遺伝子が組み込まれたベクターから、カテプシンEタンパク質を製造することも可能である。すなわち、いわゆる無細胞タンパク質合成系を採用して、カテプシンEタンパク質を産生することが可能である。
本発明の医薬組成物の体内への投与は、例えば、非経口又は経口等の公知の用法で行うことができ、好ましくは非経口投与である。
各種注射剤の場合は、例えば、単位投与量アンプル又は多投与量容器の状態や、使用時に溶解液に再溶解させる凍結乾燥粉末の状態で提供することができる。非経口剤には、前述した有効成分のほかに、各種形態に応じ、公知の各種賦形剤や添加剤を上記有効成分の効果が損なわれない範囲で含有することができる。例えば、各種注射剤の場合は、水、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
経口剤の投与量(1回あたり)は限定されるものではなく、例えば適用対象(患者)の体重1kgあたり0.01mg〜10g、好ましくは0.1mg〜1000mgであることが好ましく、より好ましくは1mg〜500mgである。投与回数は、症状の改善の程度により1回から数十回、好ましくは1回から数回である。
本発明は、カテプシンEが欠損した非ヒト哺乳動物を提供する。
本発明におけるカテプシンEをコードする遺伝子がノックアウトされた非ヒト哺乳動物とは、配列番号1に示されるカテプシンEをコードする内在性遺伝子の全部又は一部が、破壊、欠失及び置換等により不活性化され、カテプシンEを発現する機能を喪失した非ヒト哺乳動物を意味する。
換言すれば、本発明の非ヒト哺乳動物は、カテプシンE遺伝子の機能が染色体上で喪失した動物であると言うこともできる。詳しくは、本発明の非ヒト哺乳動物とは、カテプシンEホモ欠損の遺伝子型〔(-/-)〕又はヘテロ欠損の遺伝子型〔(+/-)〕を有する非ヒト哺乳動物を意味し、野生型の遺伝子型〔(+/+)〕は除かれる。
カテプシンE遺伝子をノックアウトする方法は特に限定されるものではなく、当分野において公知の手法を採用することができる。以下、ノックアウトマウスの作出を例に説明する。
本発明は、上記カテプシンEノックアウト非ヒト哺乳動物を用いて、乳癌に対する抗癌剤をスクリーニングする方法を提供する。
上記動物が経産雌カテプシンEノックアウトマウスの場合、生後25週齢頃から乳癌が自然発症し始める。従って、本発明のカテプシンEノックアウト非ヒト哺乳動物に被検物質を接触させ、乳癌を抑制するかどうかを指標として、当該被検物質を抗乳癌薬として選択することができる。
「抗乳癌薬」とは、乳癌の治療薬及び予防薬のいずれをも意味する。カテプシンEノックアウト動物が乳癌を自然発症する前に候補となる被検物質を投与した際、自然発症する日数を超えても乳癌が発症しなければ、使用された被検物質は乳癌の予防薬として選択される。また、乳癌が自然発症した後に候補となる被検物質を投与し、その後乳癌の増殖が抑制され、あるいは乳癌が縮小したときは、当該被検物質は乳癌の治療薬として選択することができる。
(i) 接触工程
被検非ヒト動物に接触させる候補物質としては、例えば、ペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物(高分子又は低分子化合物)、発酵生産物、細胞抽出液、細胞培養上清、植物抽出液、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ブタ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒトなど)の組織抽出液又は血液成分などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよく、また天然であっても人為的に合成されたものでもよい。さらに、これら候補物質は塩を形成していてもよく、候補物質の塩としては、生理学的に許容される酸(例えば、無機酸や有機酸など)や塩基(例えば金属酸など)等との塩が用いられる。
本工程において評価の対象としては、例えば、乳癌発症の有無、乳癌縮小の有無又は度合い、乳癌細胞の増殖の有無又は度合い等が挙げられる。これらの評価は、動物の外見、組織学的解析、動物におけるカテプシンEの発現量等を指標として行うことができる。
まず、カテプシンEを含むヒト血清(20μl)に250μlの20mMリン酸緩衝生理食塩水(pH7.0)を加え、それに各種抗体(Yamamotoらによって作製された抗カテプシンE抗血清、抗プロカテプシンE抗体、精製抗カテプシンE抗体)およびコントロールの正常ウサギ血清をそれぞれ20μl 添加し、37℃、10分間インキュベーションした後、4℃で一晩放置して抗原―抗体複合体を形成させた。次に、生じた複合体をセファロースビーズに固相されたプロテインGと共存させ4℃で一晩反応させた。遠心後の上清中カテプシンE活性量を前述の合成基質KYS-1で測定した。
結果を図1に示す。図1より、抗カテプシンE抗体と血清中カテプシンEが抗原抗体反応を引き起こし、その結果、免疫沈降後の上清中KYS-1活性値がコントロールの上清中KYS-1活性値に比べて有意に低値であることが示された。また、血清抗カテプシンE抗体や抗プロカテプシンE抗体では血清中カテプシンEは反応しなかった。前者の結果は、血清中のカテプシンEあるいはカテプシンE類似酵素が免疫反応後も残存し、活性に影響したためと思われる。後者の結果は、ヒト血清中カテプシンEが活性型で存在することを示している。これらの結果から、ヒト血清中に検出されるKYS-1分解活性は90%以上がカテプシンEによるものであることが分かる。なお、活性値は血清1mlあたりのユニット(U)で示されている。
80 μlの緩衝液(50 mM 酢酸緩衝液(pH 4.0))、10μlの200 μM KYS-1、および血清1μlを含む反応液(全量100μl)を40℃で10分間インキュベーションし、その後、2 mlの5%トリクロロ酢酸を加えて反応を止め、蛍光分光光度計(蛍光波長393 nm、励起波長328 nm)を用いて反応中に基質分解によって発生した蛍光を測定した。さらに、カテプシンEのタンパク質量(μg/μl)とKYS-1分解活性(Unit/ml)との相関関係を調べるため、精製したリコンビナントヒトカテプシンEのタンパク量を測定し、そのKYS-1活性量を測定した。
結果を図2〜4に示す。活性値は血清1gあたりのユニット(U)で示されている。図2より、再発した患者の血清カテプシンE量は再発のない患者に比べて有意に低いこと、また、健常人女性、非浸潤性乳癌患者、及び再発のない浸潤性乳癌患者(病期I-III)の血清カテプシンE量は遠隔転移のある乳癌患者(病期IV)に比べて有意に高いこと、さらには浸潤性乳癌患者(病期I-III)において、再発のない患者の血清カテプシンE量は再発した浸潤性乳癌患者(病期I-III)に比べて有意に高いことが示された。
また、図3より、健常人女性の血清カテプシンE量は浸潤性乳癌患者に比べて有意に高いこと、非浸潤性乳癌患者の血清カテプシンE量は浸潤性乳癌患者に比べて有意に高いことが示された。なお、活性値は血清1mlあたりのユニット(U)で示されている。
カテプシンEの測定方法は実施例2と同じであり、統計解析はKaplan-Meier法で求めた。
結果を図5に示す。図5より、血清カテプシンE量が高い患者は血清カテプシンE量が低い患者に比べて有意に無再発健存率(局所再発を含む)、全生存率(5年生存および10年生存)ともに高いことが示された。
結果を図6に示す。図6より、Cut-off値を3.3U/mlとした場合、無再発健存率(局所再発を含む)、全生存率ともに浸潤癌患者血清におけるカテプシンE活性値が有意に低値であることが示された。
結果を図7に示す。図7より、リンパ節転移(遠隔転移・浸潤度)を示す乳癌患者の血清カテプシンE量はそうでない患者に比べて有意に低いことが示された。
乳癌患者の乳腺組織でのカテプシンEの発現が検出されたのは374症例中11例であったが、そのうちの1症例における乳癌組織におけるカテプシンEの発現を免疫組織化学的に検査した(図8)。
具体的な方法として、10%中性緩衝ホルマリン溶液に浸透させた乳癌組織をパラフィン包埋し、その後3μmに薄切した。脱パラフィン後、抗原賦活化はEDTA緩衝液にて100℃、90分間行い、内因性ペルオキシダーゼの除去を行った後、一次抗体(抗カテプシンE抗体)で30分間反応後、二次抗体で8分間反応させた。発色はDABを用い、対比染色にはヘマトキシリン溶液を用いた。
結果を図8に示す。図8より、乳癌組織中に検出されたカテプシンEの局在は細胞質であること、また、カテプシンEが検出された数少ない症例の中でも、その発現レベルは非常に低いことが示された。
<トランスジェニックマウス及びノックアウトマウスの作製>
(1)マウス
野生型マウス(CatE+/+)、カテプシンE欠損マウス(CatE-/-)及びカテプシンE過剰発現トランスジェニックマウス(CatETg)は同じ遺伝的背景を有するC57BL/6Nマウスである。野生型マウスはセアック吉冨(福岡、日本)から購入した。
(2)カテプシンE欠損マウスの作製
カテプシンE欠損マウス(CatE-/-)は公知方法(Tsukuba et al., J. Biochem., Vol. 134, No. 6, pp.893-902 (2003))に従って作製した。
(3)カテプシンE過剰発現トランスジェニックマウスの作製
カテプシンE過剰発現トランスジェニックマウス(CatETg)は公知方法(Kawakubo et al., Cancer Res., Vol.67, No. 22, pp.10869-10878 (2007)) (Supplementary Fig. S2)に記載の方法に従って作製した。
(4)マウスの飼育環境
同系(C57/BL6)の各種経産雌マウスは、無菌飼育環境下(SPF)において12時間明暗リズム、温度21±2℃、湿度55%のSPFバリアシステムで飼育した。
結果を図9に示す。図9より、カテプシンE過剰発現マウス、野生型マウスでは、乳腺癌自然発症率は限りなくゼロに近いが、カテプシンE欠損マウスでは、経時的に発症頻度が高くなり78週齢のカテプシンE欠損経産雌マウスにおいては、90%以上が乳腺癌を発症することが示された。
摘出した乳腺癌組織を10%中性緩衝ホルマリンで固定し、パラフィン包埋後、約3μmの厚さで薄切し、染色はHE染色を施した。
結果を図11に示す。図11より、カテプシンE欠損マウスに生じた乳腺癌には浸潤像が認められ、一視野における細胞分裂像が非常に多いことから、増殖・浸潤能が非常に高い癌種であることが示された。
本実施例は、マウス乳腺におけるカテプシンE発現をmRNA量およびタンパク質量をそれぞれ定量的RT-PCR法およびウェスタンブロット法で解析したものである。
まず、C57BL/6野生型雌マウスから乳腺組織を含めた各臓器を摘出し、total RNAをRNeasy Mini Kit(QIAGEN. Valencia, CA)を用いて採取した。total RNAはReady-to-Go RT-PCR Beads(Amersham Biosciences Co., Piscataway, NJ)を用いて逆転写反応を行い、得られたcDNAを用いて定量的PCRを行った(DyNAmo HS SYBR Green qPCR Kit(Finnzymes, Espoo, Finland), Rotor-Gene 3000(NIPPN TechnoCluster, Inc., Tokyo, Japan))。内部標準としての遺伝子にはGAPDHを用いた。
また、タンパク質の解析のために、マウス乳腺組織をホモジナイズし、遠心後に得られた上清を用いて細胞抽出液とした。酸処理は、0.1 M sodium acetate 緩衝液(pH 3.5)で37℃、10分間インキュベーションした後、0.1 M Tris-HCl緩衝液(pH 9.0)を加え、反応液を中性に戻した。また、ウエスタンブロッティング法は還元条件下で行った。
結果を図12に示す。図12より、メッセージレベルでの発現量は胃や脾臓より少ないものの、脳や膵臓よりも多いことが示された。しかしながらこの実験では、全乳腺組織でのRNAを試料としているため、必ずしも乳腺上皮細胞におけるカテプシンEの発現レベルを示すものではないことを追記する。また、タンパク質レベルにおいてもカテプシンEは乳腺組織に発現が確認され、酸処理での分子量の変動がなかったことから、乳腺組織においてカテプシンEが成熟型として存在していることが示された。
本実施例では、野生型マウスにおける乳腺組織のHE染色ならびに抗カテプシンE抗体を用いた免疫組織学的解析を行った。
結果を示す図である。HE染色は実施例5と同様に行い、カテプシンEに対する免疫染色は実施例4と同様に行った。
結果を図13に示す。図13より、カテプシンEはマウス乳腺組織の中でも特に、乳腺上皮細胞に非常に多く発現していることが明らかとなった。
配列番号3:(7-methoxycoumarin-4-yl)acetyl(存在位置:1)
配列番号3:dinitrophenyl(存在位置:8)
配列番号3: D体アミノ酸(存在位置:9)
Claims (6)
- 被検試料中のカテプシンEの活性量を測定し、当該活性量が3.3U/ml−6.0U/mlのときは、乳癌の可能性がある又は乳癌の再発があると検出することを特徴とする、乳癌の検出方法。
- 活性量が3.3U/ml−4.0U/mlである、請求項1に記載の方法。
- 活性量が3.3U/ml−3.5U/mlである、請求項1に記載の方法。
- 活性量が3.3U/mlである、請求項1に記載の方法。
- 被検試料が血清である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 測定がカテプシンEの基質、カテプシンEに対する抗体、又はカテプシンEに対するアプタマーを用いた測定である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
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