JP5523408B2 - 動脈コンプライアンスを増加させるためのレラキシンの使用 - Google Patents
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Description
本出願は、2004年3月19日に出願された米国特許出願第60/554,716号に対する優先権を主張し、その教示は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
米国政府は、米国国立衛生研究所により資金援助された助成金番号RO1HL67937に従って、本発明における一部の権利を有し得る。
本発明は、動脈コンプライアンス、特に動脈コンプライアンスを増加させるためのレラキシンの使用の分野に属する。
動脈コンプライアンスは明白な心臓血管疾患を有さない健常個体においても年齢とともに低下する。加齢に伴って大型および小型の動脈が圧力増加に応答して拡張する能力の低下が観察される。動脈コンプライアンスの年齢と結びついた低下は心臓血管疾患の発生の独立した危険因子であり、多くの他の病理学的状態に関連している。例えば、低下した動脈コンプライアンスはまたI型糖尿病およびII型糖尿病の両方に関連している。糖尿病の動脈は、非糖尿病個体の動脈と比較して加速された速度で老化するようであることが報告されている。例えば、非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;特許文献1;特許文献2を参照のこと。
本発明は、レラキシンレセプターアゴニストを含有する有効量の処方物で減少した動脈コンプライアンスを有する個体を処置する方法を提供する。好ましい実施形態において、レラキシンレセプターアゴニストは組換えヒトレラキシン、例えばヒトH2レラキシンである。
例えば、本発明は以下を提供する:
(項目1)
被験体における動脈コンプライアンスを増加させるための方法であって、該方法は、以下:
該被験体における全体的な動脈コンプライアンスを測定する工程;
該全体的な動脈コンプライアンスが健常被験体における全体的な動脈コンプライアンスと比較して該被験体において減少していることを決定する工程;および
該被験体における動脈コンプライアンスを増加させるためにレラキシンを含有する薬学的処方物を該被験体に投与する工程、
を包含する、方法。
(項目2)
前記全体的な動脈コンプライアンスが面積法を用いて大動脈圧波形の拡張期の減衰から測定される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記全体的な動脈コンプライアンスが一回拍出量の脈圧に対する比として計算され、そして該一回拍出量が心拍出量の心拍数に対する比として定義される、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記被験体における前記全体的な動脈コンプライアンスが、該被験体への前記薬学的処方物の投与後少なくとも10%増加する、項目1〜3のいずれかに記載の方法。
(項目5)
前記被験体における前記全体的な動脈コンプライアンスが、該被験体への前記薬学的処方物の投与後15〜20%増加する、項目1〜3のいずれかに記載の方法。
(項目6)
前記薬学的処方物が、レラキシンの血清中濃度を0.5〜80ng/mlに維持するように所定の速度で前記被験体に投与される、項目1〜3のいずれかに記載の方法。
(項目7)
前記レラキシンが組換えヒトレラキシンである、項目1〜3のいずれかに記載の方法。
(項目8)
前記薬学的処方物が毎日投与される、項目1〜3のいずれかに記載の方法。
(項目9)
前記薬学的処方物が注射可能な処方物である、項目1〜3のいずれかに記載の方法。
(項目10)
前記薬学的処方物が徐放性処方物である、項目1〜3のいずれかに記載の方法。
(項目11)
前記薬学的処方物が連続注入により送達される、項目1〜3のいずれかに記載の方法。
(項目12)
前記被験体が、アテローム性動脈硬化症、I型糖尿病、II型糖尿病、冠状動脈疾患、硬皮症、脳卒中、拡張期機能不全、家族性高コレステロール血症、孤立性収縮期高血圧、原発性高血圧、二次性高血圧、左室肥大、長期間喫煙に関連する動脈壁の硬化、肥満に関連する動脈壁の硬化、年齢に関連する動脈壁の硬化、全身性エリテマトーデス、子癇前症および高コレステロール血症からなる群より選択される1つ以上の病気と診断される、項目1〜3のいずれかに記載の方法。
(項目13)
前記被験体が閉経周辺期の女性、閉経期の女性または閉経後の女性である、項目1〜3のいずれかに記載の方法。
(項目14)
被験体における動脈コンプライアンスを増加させるための方法であって、該方法は、以下:
該被験体における局所的な動脈コンプライアンスを測定する工程;
該局所的な動脈コンプライアンスが、健常被験体における全体的な動脈コンプライアンスと比較して該被験体において減少していることを決定する工程;および
該被験体における動脈コンプライアンスを増加させるためにレラキシンを含有する薬学的処方物を該被験体に投与する工程、
を包含する、方法。
(項目15)
前記被験体における前記局所的な動脈コンプライアンスが前記薬学的処方物の投与後少なくとも10%増加する、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記被験体における前記動脈コンプライアンスが前記薬学的処方物の投与後15〜20%増加する、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記薬学的処方物が、レラキシンの血清濃度を約0.5〜80ng/mlに維持するように所定の速度で前記被験体に投与される、項目14に記載の方法。
(項目18)
前記レラキシンが組換えヒトレラキシンである、項目14に記載の方法。
(項目19)
前記薬学的処方物が毎日投与される、項目14に記載の方法。
(項目20)
前記薬学的処方物が注射可能な処方物である、項目14に記載の方法。
(項目21)
前記薬学的処方物が徐放性処方物である、項目14に記載の方法。
(項目22)
前記薬学的処方物が連続注入により送達される、項目14に記載の方法。
(項目23)
前記被験体が、アテローム性動脈硬化症、I型糖尿病、II型糖尿病、冠状動脈疾患、硬皮症、脳卒中、拡張期機能不全、家族性高コレステロール血症、孤立性収縮期高血圧、原発性高血圧、二次性高血圧、左室肥大、長期間喫煙に関連する動脈壁の硬化、肥満に関連する動脈壁の硬化、年齢に関連する動脈壁の硬化、全身性エリテマトーデス、子癇前症および高コレステロール血症からなる群より選択される1つ以上の病気と診断される、項目14に記載の方法。
(項目24)
前記被験体が閉経周辺期の女性、閉経期の女性または閉経後の女性である、項目14に記載の方法。
(項目25)
被験体における動脈コンプライアンスを増加させるための方法であって、該方法は、以下:
該被験体における限局的な動脈コンプライアンスを測定する工程;
該被験体における限局的な動脈コンプライアンスが健常被験体における全体的な動脈コンプライアンスと比較して該被験体において減少していることを決定する工程;および
該被験体における動脈コンプライアンスを増加させるためにレラキシンを含有する薬学的処方物を該被験体に投与する工程、
を包含する、方法。
(項目26)
前記限局的な動脈コンプライアンスが脈波速度を用いて測定される、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記被験体における前記限局的な動脈コンプライアンスが、該被験体への前記処方物の投与後少なくとも10%増加する、項目25に記載の方法。
(項目28)
前記被験体における前記限局的な動脈コンプライアンスが、該被験体への前記薬学的処方物の投与後15〜20%増加する、項目25に記載の方法。
(項目29)
前記薬学的処方物が、レラキシンの血清濃度を約0.5〜80ng/mlに維持するように所定の速度で前記被験体に投与される、項目25に記載の方法。
(項目30)
前記レラキシンが組換えヒトレラキシンである、項目25に記載の方法。
(項目31)
前記薬学的処方物が毎日投与される、項目25に記載の方法。
(項目32)
前記薬学的処方物が注射可能な処方物である、項目25に記載の方法。
(項目33)
前記薬学的処方物が徐放性処方物である、項目25に記載の方法。
(項目34)
前記薬学的処方物が連続注入により送達される、項目25に記載の方法。
(項目35)
前記被験体が、アテローム性動脈硬化症、I型糖尿病、II型糖尿病、冠状動脈疾患、硬皮症、脳卒中、拡張期機能不全、家族性高コレステロール血症、孤立性収縮期高血圧、原発性高血圧、二次性高血圧、左室肥大、長期間喫煙に関連する動脈壁の硬化、肥満に関連する動脈壁の硬化、年齢に関連する動脈壁の硬化、全身性エリテマトーデス、子癇前症および高コレステロール血症からなる群より選択される1つ以上の病気と診断される、項目25に記載の方法。
(項目36)
前記被験体が閉経周辺期の女性、閉経期の女性または閉経後の女性である、項目25に記載の方法。
本明細書中で交換可能に使用される用語「被験体」、「宿主」、「個体」および「患者」は、診断または治療が望まれる任意の被験体、特に哺乳動物被験体、特にヒトを指す。他の被験体としては、ウシ、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマなどが挙げられ得る。多くの実施形態において被験体は、低下した動脈コンプライアンスに関連するか、その結果生じる疾患または状態に対する処置が必要なヒトである。
本発明は、動脈の硬化に伴う疾患を処置する方法;動脈コンプライアンスを増加させる方法;個体における動脈の硬化を減少する方法;および個体が低下した動脈コンプライアンスに関わる合併症または障害の1つ以上を発症する危険性を低下させる方法を提供する。本方法は、一般的に有効量のレラキシンレセプターアゴニストを、それを必要とする個体に投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、個体は年齢に関連する動脈壁の硬化を有するか、発症する危険性を有している。他の実施形態において、個体はI型糖尿病またはII型糖尿病を有し、従って、動脈の硬化を発症しているか、発症する危険性を有する。他の実施形態において、個体は閉経周辺期の女性、閉経期の女性または閉経後の女性であり、従って動脈の硬化を発症しているか、発症する危険性を有する。さらに他の実施形態において、個体は子癇前症を発症しているか、発症する危険性を有する女性である。
本発明は、有効量のレラキシンレセプターアゴニストを、これを必要とする個体に投与する工程を利用した動脈コンプライアンスを増加させるための方法を提供する。いくつかの実施形態において、個体は、アテローム性動脈硬化症、I型糖尿病、II型糖尿病、冠状動脈疾患、硬皮症、脳卒中、拡張期機能不全、家族性高コレステロール血症、孤立性収縮期高血圧、原発性高血圧、二次性高血圧、左室肥大、長期間喫煙に関連する動脈壁の硬化、肥満に関連する動脈壁の硬化、年齢に関連する動脈壁の硬化、全身性エリテマトーデス、子癇前症および高コレステロール血症を有するか、加齢関連の動脈の硬化を発症する危険性を有する。他の実施形態において、個体は閉経周辺期の女性、閉経期の女性または閉経後の女性であるか、または非加齢関連の理由により(例えば過剰な運動により、または、手術(例えば子宮摘出、卵巣摘出)の結果として)、月経を終止しており、そして動脈の硬化を発症しているか、その発症の危険性を有する女性である。
所定のレラキシン処方物またはレラキシンの所定の投薬量が動脈コンプライアンスを増加させること、動脈の硬化を減少すること、または、動脈の弾性を増加させることにおいて有効であるか否かは、任意の公知の方法を用いて決定され得る。動脈の硬化は実施例に議論する方法を含む当業者に公知のいくつかの方法により測定され得る。
本発明の方法は、薬学的に活性なレラキシンレセプターアゴニストを含有する処方物の投与を包含する。本明細書中で使用する場合、「レラキシンレセプターアゴニスト」および「レラキシン」という用語は、組換えまたはネイティブの(例えば天然に存在する)供給源に由来する生物学的に活性な(本明細書中では、「薬学的に活性な」ともいわれる)レラキシンポリペプチド;レラキシンポリペプチド改変体(例えばアミノ酸配列改変体);合成のレラキシンポリペプチド;および非ペプチドレラキシンレセプターアゴニスト(例えばレラキシン模倣物)を指すために交換可能に使用される。
本発明の方法において使用するのに適したレラキシン処方物は、薬学的に活性のレラキシンの治療有効量および薬学的に受容可能な賦形剤を含有する薬学的処方物である。処方物はいくつかの実施形態において、注射可能であり、そして、いくつかの実施形態において静脈内注射可能に設計される。
Therapy(1994)1:51−64;Kimura(1994)Human Gene Therapy 5:845−852;Connelly(1995)Human Gene Therapy 1:185−193;およびKaplitt(1994)Nature Genetics 6:148−153を参照のこと)。本発明のポリヌクレオチドのコーディング配列を含む構築物の送達のための遺伝子療法ビヒクルは、局所または全身のいずれかで投与され得る。これらの構築物は、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターのアプローチを利用し得る。このようなコーディング配列の発現は、内因性の哺乳動物または異種のプロモーターを用いて誘導され得る。コーディング配列の発現は構成的であるか、または調節的のいずれかであり得る。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、少なくとも1つのさらなる治療因子の投与を含むように改変される。適切なさらなる治療因子としては、エストロゲンレセプター調節因子、抗高血圧因子(例えばカルシウムチャンネルブロッカー)、エンドセリンレセプターアンタゴニスト、アンジオテンシンI変換酵素(ACE)インヒビター、α−アドレナリン遮断薬、血管拡張薬、利尿薬、β−アドレナリン遮断薬、レニンインヒビターおよびアンジオテンシンレセプターアンタゴニスト;ナトリウム排泄増加ペプチド(例えば心房性ナトリウム排泄増加ペプチド、脳ナトリウム排泄増加ペプチド、およびC型ナトリウム排泄増加ペプチド);コレステロール産生を遮断する物質(例えばスタチン)および糖尿病を処置するための因子が挙げられるが、これらに限定されない。
適切なエストロゲンレセプター調節因子は、種々のエストロゲン化合物、ならびに選択的エストロゲンレセプター調節因子(「SERM」)のいずれかを包含する。SERMとしては、タモキシフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、イドキシフェン、ラソフォキシフェン、CP−336,156、GW5638、LY353581、TSE−424、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−フェニル−2,2−ジメチルプロパノエート、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾンおよびSH646が挙げられるが、これらに限定されない。
適切なACEインヒビターとしては、ベナゼプリル(Lotensin(登録商標))、カプトプリル(Capoten(登録商標))、エナラプリル、エナラプリラット、フォシノプリル(Monopril(登録商標))、リシノプリル(Zestril(登録商標);Prinivil(登録商標))、ペントプリル、キナプリル(Accupril(登録商標))、キナプリラット、ラミプリル(Altace(登録商標))、トランドラプリル(Mavik(登録商標))、ゾフェノプリル、モエキシプリル(Univasc(登録商標))、ペリンドプリル(Coversyl(登録商標);Aceon(登録商標))、Vasotec(登録商標)、シラザプリル(Inhibace(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。
適切なスタチンとしては、Crestor、Lipitor、Lescol、Mevacor、Pravochol、Zocorのような製品および関連の化合物、例えばRev.Port.Cardio.(2004)23(11);1461−82;Curr Vasc Pharmacol.(2003)3:329−33に記載されているもの挙げられるが、これらに限定されない。
レラキシンとの複合療法において使用するための他の適切な因子としては、I型糖尿病を処置するための治療因子およびII型糖尿病を処置するための治療因子(例えばインスリン感受性を増加させる因子)が挙げられる。
いくつかの実施形態において、II型糖尿病を有する個体を処置するための本発明の処置レジメンはさらに、インスリン抵抗性を減少させる(例えばインスリン感受性を増加させる)さらなる因子を投与する工程を包含する。インスリン抵抗性を処置する適切な因子としては、ビグアニド(例えばMetformin(例えば一日当たり3回500mgまたは850mgの量で投与))、Phenforminまたはその塩;チアゾリジンジオン化合物(例えばトログリタゾン(例えば米国特許第4,572,912号を参照のこと))、ロシグリタゾン(SmithKlineBeecham)、ピオグリタゾン(Takeda)、Glaxo−WelcomeのGL−262570、エングリタゾン(CP−68722、Pfizer)またはダルグリタゾン(CP−86325、Pfizer、イサグリタゾン(MCC−555;Mitsubishi;例えば米国特許第5,594,016号を参照のこと)、レグリタザール(JTT−501)、L−895645(Merck)、R−119702(Sankyo/WL)、NN−2344、YM−440(Yamanouchi)、Ragaglitazar(NNC61−0029またはDRF2725;NovoNordisk)、ファルグリタザール(GI262570)、テサグリタザール(AZ242)、KRP−297など;および複合物(例えばAvandametTM(ロシグリダゾンマレエートとメトホルミン−HCl))が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の方法による処置に適した個体としては、いずれかの理由により動脈の硬化(または低下した動脈コンプライアンス)を有する任意の個体が挙げられる。このような個体としては、減少した動脈コンプライアンスに関連または起因する障害(アテローム性動脈硬化症、I型糖尿病、II型糖尿病、冠状動脈疾患、硬皮症、脳卒中、拡張期機能不全、家族性高コレステロール血症、孤立性収縮期高血圧、原発性高血圧、二次性高血圧、左室肥大、長期間喫煙に関連する動脈壁の硬化、肥満に関連する動脈壁の硬化、年齢に関連する動脈壁の硬化、全身性エリテマトーデス、子癇前症および高コレステロール血症が挙げられるが、これらに限定されない)を有する個体が挙げられる。
(方法)
(動物)
12〜14週齢のLong−Evans雌性ラットを、Harlan Sprague−Dawley(Frederick,Maryland USA)から購入した。これらには0.48%ナトリウムを含有するPROLAB RMH2000飼料(PME Feeds Inc.,St.Louis,MO USA)および水を自由摂取させた。ラットは12時間の明期/暗期サイクルで維持した。Institutional Animal Care and Use Committee of the Magee−Womens Research Instituteは全ての動物手順を認可している。
手短には、ラットをNalgene代謝ケージ(VWR Scientific Products)に1週間馴化させ、その後、代謝ケージ内において、ハーネス/7.5cmスプリングアセンブリに対してさらに1週間馴化させた(Harvard Apparatus,Holliston,MA USA)。動物をイソフラン麻酔下にハーネスにフィットさせた。この馴化期間の後、ラットを、60mg/kgケタミンを筋肉内および21mg/kgペントバルビタール腹腔内で麻酔し、そして加熱パッド上に腹臥位に置いた。70%エタノールおよびベタジンを全ての露出した皮膚領域に適用した後、アンピシリンを皮下投与(125mg/ml溶液を0.2ml)し、アトロピンも皮下投与した(0.4mg/ml溶液を0.075ml)。次にリンゲル液を含有するシリンジに連結した滅菌tygonカテーテル(18インチ長、0.015インチ内径、0.030外径)ならびに滅菌熱希釈マイクロプローブ(22cm長、F#1.5;Columbus Instruments、Columbus、OH USA)をスプリングの内側に通した。その後、tygonカテーテルをハーネス内の孔に通し、次に18ゲージのトロカールを用いて耳後部の小切開部に出るように肩甲骨中間地点から皮下を貫通させた。
Sciences International,St.Paul,MN USA)を皮下ポケットに挿入した。次にマウス圧力カテーテルを右頚動脈2.8cmに移植し、これによりカテーテルの先端が右頚動脈と大動脈弓の交会部に位置するようにした。全ての創傷部を4−0シルクまたはオートクリップで閉鎖した。頸静脈カテーテルにヘパリン溶液0.05mlを滴加し、ストレートピンでプラグした後、ラットを代謝ケージに入れ、2日間飲料水によりアンピシリンを与えた(デキストロース小さじ2杯で100mg/50ml)。ケージ上部から出ているスプリングおよびカテーテルは固定した。
時間コントロール研究を、まず5匹のラットにおいて行うことにより手術後17日間に渡る全身の血液力学の安定性を実証した。測定は、術後4〜5日、7〜8日、9〜10日、13〜14日および16〜17日に記録した。低用量および高用量のrhRLXプロトコルは、それぞれラット6匹および7匹を要した。さらにrhRLX用のビヒクル(20mM 酢酸ナトリウム、pH5.0)を別のラット6匹に投与した。術後第5日および7日の全身血液力学の2ベースライン測定の後、低用量または高用量のいずれかのrhRLXまたはビヒクルを浸透圧ミニポンプにより投与した。全身血液力学は再度、rhRLXまたはビヒクル注入開始後3日、6日、8日および10日に評価した。
非妊娠雌性ラットにrhRLX(4μg/h)またはビヒクルを、浸透圧ミニポンプを用いて5日間投与した。腎臓を摘出し、氷冷HEPES緩衝生理食塩水(PSS、改変Kreb’s緩衝液)中に入れた。HEPES−生理食塩水溶液の組成(mmol/L)は、塩化ナトリウム142、塩化カリウム4.7、硫酸マグネシウム1.17、塩化カルシウム2.5、リン酸カリウム1.18、HEPES10、グルコース5.5からなり、37°CでpH7.4であった。Gandleyら、((2001)Am.J.Physiol.280:R1−R7)の記載に従ってステレオ切開顕微鏡、微小鉗子および虹彩切除ハサミを用いて葉間動脈を単離した(未加圧内径100〜200μm)。次に動脈切片を等圧動脈造影デバイス(Living Systems Instrumentation,Burlington,VT USA)に移し、チャンバー内に懸垂した2つのガラスマイクロカニューレ上にマウントした。残余の血液を動脈管腔から洗浄した後、遠位のカニューレを閉塞して流動を防止した。近位のカニューレを圧力変換器、圧力サーボコントローラーおよび蠕動ポンプに連結した。サーボコントローラーは段階的様式で変化する選択された管腔内圧力を維持した。電子寸法分析システムにより動脈直径測定値を得た。
血清の浸透圧を、凝固点低下機器浸透圧計を用いて測定した(Model 3 MO;Advanced Instruments、Needham Heights、MA USA)。血清中のrhRLXのレベルを、以前に記載されている通り定量的サンドイッチイムノアッセイにより測定した(Jeyabalanら、(2003)Circ Res.93(12):1249−57)。
2個のモデル2002の浸透圧ミニポンプ(Durect Corporation、Cupertino、CA USA)を用いて10日間4μg/hの用量でrhRLXを送達し、これにより、ラットの早期〜中期の妊娠期間に測定される循環レラキシン濃度、すなわちこの種において妊娠に誘導される腎血管拡張が最大となる時期の10〜20ng/mlと類似する循環レラキシン濃度を生じた。1個のモデル2ML2浸透圧ミニポンプを用いて、この種においてCOがさらに増加しSVRが低下する中期〜後期の妊娠期間に記録される数値に匹敵する循環ホルモン濃度が生じることが予測される25μg/hの用量で10日間rhRLXを送達した。20mM 酢酸ナトリウム、pH5.0中の5.0mg/ml溶液として提供されたrhRLX(Connetics、Palo Alto、California USA)を、同じ緩衝液中に希釈した。
データを平均+SEMとして表示する。反復測定一元配置ANOVAまたは反復測定二元配置ANOVA(Zar(1984)Biostatistical Analysis、Englewood Cliffs、NJ:Prentice Hall)を用いて種々の群間の平均値を比較した。有意な主効果または相互作用が観察された場合は、群間の比較をFisherの最小有意差法またはDunnett検定を用いて行った。対応のあるスチューデントt検定を用いてrhRLXの注入の間の複合平均値(すなわちrhRLX注入の間の全時点に渡って平均された値)をベースラインと比較した。最小二乗法による回帰分析をσ−RmおよびEinc−Rmの関係について行った。過分散(または自乗の過総和)の分析を用いてビヒクルとレラキシン処置群との間のこれらの関係を比較した。p<0.05を有意と見なした。
(インビボ研究)
時間コントロール。コントロールラットにおける術後17日間にわたる全身動脈血液力学的および負荷の安定性(表1)。心拍数は前に報告されている通り訓練効果により有意に低下した(ConradおよびRuss(1992)Am.J.Physiol.31.R472−477)。一回拍出量はCOが未変化となるように相互に増加した。全ての他の変数は、術後17日間の期間にわたって有意に変化せず、従って、この覚醒ラットモデルは次に記載する実験条件下で意味のあるデータを得るために使用され得る(表1)。
動脈の受動的機序。これらのインビトロの実験を、血管壁の受動的(すなわち活性な平滑筋の緊張の非存在下)機械的特性に対するrhRLX投与の効果を調べるために実施した。上述した通り(方法の節)、主要な測定は、管腔内圧力の種々のレベルにおける血管の内径および外径からなるものとした。周囲壁応力(σ)および壁中央の半径(Rm)をこれらの主要測定値から計算し、σ−Rmの関係を用いて血管壁弾性挙動(例えば漸増弾性率、Einc)を定量した。小腎動脈に関わるσ−Rm(図4A)およびEinc−Rm(図4B)の関係は2群間で有意に異なり(過分散の分析によりp<0.001)、これによりσおよびEincはレラキシン処置群の所定のRmについてはより小さかった。対照的に、非応力のRm、Rmo(すなわちσ=0におけるRm)は2群間で差がなかった(レラキシン処置:105±5μm;ビヒクル処置:98±6μm)。従って、Rm軸は周囲壁応力と考えることができる。これらのデータは、レラキシン処置が適合したRm(緊張)値において血管壁の硬化(Einc)を有意に低下させることを示している。この減少した受動的壁硬化は、レラキシン処置した覚醒動物において観察される上昇した全体的ACに寄与している(上出)。
(方法)
(動物)
12〜14週齢のLong−Evans雄性および雌性ラットをHarlan Sprague−Dawley(Frederick、Maryland USA)から購入した。これらには0.48%ナトリウムを含有するPROLAB RMH2000飼料(PME Feeds Inc.,St.Louis,MO USA)および水を自由摂取させた。ラットは12時間:12時間の明期−暗期サイクルで維持した。この研究は、米国国立衛生研究所により公開されている実験動物の管理と使用に関する指針(NIH Publication No.85−23,1996年改定)に合致している。
rhRLX(BAS、Palo Alto、California USA)は緩衝液(20mM 酢酸ナトリウム、pH5.0)中の5.0mg/ml溶液として提供された。これを必要に応じて同じ緩衝液中に希釈した。低用量注入プロトコルについては、2個のモデル2002の浸透圧ミニポンプ(Durect Corporation、Cupertino、CA USA)を用いて10日間4μg/hの用量でrhRLXを送達した。この用量は、ラットの早期〜中期の妊娠期間に測定される循環レラキシン濃度、すなわち10〜20ng/mlと類似する循環レラキシン濃度を生じるように設計した(Sherwood OD、Endocrinol Rev 25(2):205−234、2004)。高用量注入プロトコルについては1個のモデル2ML2浸透圧ミニポンプを用いて、この種においてCOがさらに増加しSVRが減少する時期(Gilsonら、Am J Physiol 32:H1911−H1918、1992;Slangenら、Am J Physiol 270:H1779−1784、1996)の後期の妊娠期間に記録される数値に匹敵する血清濃度がもたらされることが予測される50μg/hの用量で6日間rhRLXを送達した(Sherwood OD、Endocrinol Rev 25(2):205−234,2004)。最後に第3のプロトコルにおいて、rhRLXを3分間にわたって静脈内ボーラスにより投与し(13.4μg/ml)、その後4時間静脈内連続注入した。
実施例1のように、ラットを、60mg/kgケタミンを筋肉内および21mg/kgペントバルビタールを腹腔内で麻酔した。次いでこれらを、滅菌技術を用いて、以下の通りに機器処置に付した:(i)tygonカテーテルを前大静脈および右心房の接合部に先端が位置するように右頸静脈内に移植し、(ii)熱希釈マイクロプローブ(36cm長、F#1.5;Columbus Instruments、Columbus、OH USA)を左腎動脈の1.0cm下に先端が位置するように左大腿動脈を介して腹部大動脈内に移植し、そして(iii)マウス圧カテーテル(TA11PA−C20;F#1.2;Data Sciences International、St.Paul、MN USA)を右頚動脈および大動脈弓の接合部に先端が位置するように右頚動脈内に移植した。rhRLXの急性投与のためには、別のtygonカテーテルを右腎動脈の1.0cm下に先端が位置するように左大腿動脈を介して下大静脈内に移植した。
低用量および高用量のrhRLXプロトコルはそれぞれ雄性ラット7匹および雌性ラット9匹を要した。術後第5日および第7日の全身血液力学の2ベースライン測定の後、低用量または高用量のいずれかのrhRLXを浸透圧ミニポンプにより投与した。全身血液力学は再度、レラキシン注入開始後、低用量雄性ラットでは第3日、6日、8日および10日に、そして高用量雌性ラットでは3日および6日に測定した。各測定はラットが睡眠または安静時に得た心拍出量および血圧波形の4〜8個の記録からなるものとした。記録の間は7〜10分間設けた。これらの測定値は午前9時〜午後3時の間に得た。
ACarea=Ad/[SVR(P1−P2)]
を用いて大動脈圧波形[P(t)]の拡張期の減衰から計算し、ここで、P1およびP2はそれぞれ拡張期の減衰曲線の開始時および終了時の圧力であり、そしてAdはこの領域に渡るP(t)波形下の面積である。全体的な動脈コンプライアンスの第2の測定を、一回拍出量の脈圧に対する比、SV/PPとして計算した(Chemlaら、Am J Physiol 274:H500−H505、1988)。一回拍出量を、CO/HRとして定義した。
血清の浸透圧を、凝固点低下機器浸透圧計を用いて測定した(Model 3 MO;Advanced Instruments、Needham Heights、MA USA)。血清中のrhRLXのレベルを、以前に記載されている通り定量的サンドイッチイムノアッセイにより測定した(Jeyabalanら、Circ Res 93:1249−1257、2003)。
データを平均±SEMとして表示する。低用量および中程度の用量のrhRLXを雌性ラットに投与した以前の試験(Conradら、Endocrinology 145(7):3289−3296、2004;実施例1)のデータを比較のために含める。反復測定二元配置ANOVA(Zar JH、Biostatistical Analysis.Englewood Cliffs:Prentice Hall、1984)を用いて種々の時点における低用量の雄性ラットと雌性ラットとの間の平均値を比較した。同じ分析を、種々の時点での雌性ラットにおけるrhRLXの低用量、中程度の用量および高用量間の平均値を比較するために実施した。反復測定一元配置ANOVA(Conradら、Endocrinology 145(7):3289−3296、2004)を用いて高用量rhRLX急性注入開始後の種々の時点における平均値をベースライン値と比較した。有意な主効果または相互作用が観察された場合は、群間の対比較をFisherの最小有意差法試験を用いて行った。対応のあるスチューデントt検定を用いてrhRLXの慢性注入の間の複合平均値(後に定義)をベースラインと比較した。p<0.05を有意と見なした。最後に直線回帰を用いてレラキシン注入に応答した個々のラットの各動脈特性の変化の程度とその特性のベースライン値との関係を分析した。直線回帰パラメーターにおける群の差を、ダミー変数を用いた多重直線回帰として行われるANCOVAを用いて検査した(Gujarati D、Am Statistician 24:18−22、1970)。
低用量rhRLXを投与した雄性ラット(4μg/h)。ベースラインの数値のパーセントとして表示したいくつかの全身血液力学の変数の一時的パターンは図5に示す通りであり、これらの変数の絶対値を表4に示す。比較のために雌性ラットにおける4μg/hでのrhRLX注入の効果を試験した本発明者等の以前の試験(Conradら、Endocrinology 145(7):3289−3296、2004)のデータも図5に示す。低用量rhRLXは、雄性ラットにおいてベースラインと比較してCOを有意に増加させた。わずか(約6%)であるが統計学的に有意なHRの上昇がレラキシン処置雄性ラットにおいて観察された(図5A)。しかし、より大きなSVの上昇(図5B)が観察され、これは、COの上昇は大部分がSV増加に起因しており、そしてHRの上昇に起因する程度は低かったこと示唆している。平均動脈圧はrhRLX注入の間有意に変化しなかった(図5D)。最終時点(すなわちrhRLX注入開始後10日)において、雄性ラットおよび雌性ラットの全身血液力学に対するrhRLX投与の効果には統計学的有意差はなかった。
Claims (28)
- 被験体における動脈コンプライアンスを増加させることにより、子癇前症を治療するための薬学的処方物であって、ここで該被験体において測定された全体的な動脈コンプライアンスは、健常被験体における全体的な動脈コンプライアンスと比較して該被験体において減少しており、そして該薬学的処方物は該被験体における動脈コンプライアンスを増加させるために有効な量のヒトH2レラキシンを含有し、該被験体が妊婦である、薬学的処方物。
- 前記全体的な動脈コンプライアンスが面積法を用いて大動脈圧波形の拡張期の減衰から測定される、請求項1に記載の薬学的処方物。
- 前記全体的な動脈コンプライアンスが一回拍出量の脈圧に対する比として計算され、そして該一回拍出量が心拍出量の心拍数に対する比として定義される、請求項1に記載の薬学的処方物。
- 前記被験体における前記全体的な動脈コンプライアンスが、該被験体への前記薬学的処方物の投与後少なくとも10%増加する、請求項1〜3のいずれかに記載の薬学的処方物。
- 前記被験体における前記全体的な動脈コンプライアンスが、該被験体への前記薬学的処方物の投与後15〜20%増加する、請求項1〜3のいずれかに記載の薬学的処方物。
- 前記薬学的処方物が、レラキシンの血清濃度を0.5〜80ng/mlに維持するように所定の速度で前記被験体に投与される、請求項1〜3のいずれかに記載の薬学的処方物。
- 前記レラキシンが組換えヒトレラキシンである、請求項1〜3のいずれかに記載の薬学的処方物。
- 前記薬学的処方物が毎日投与される、請求項1〜3のいずれかに記載の薬学的処方物。
- 前記薬学的処方物が注射可能な処方物である、請求項1〜3のいずれかに記載の薬学的処方物。
- 前記薬学的処方物が徐放性処方物である、請求項1〜3のいずれかに記載の薬学的処方物。
- 前記薬学的処方物が連続注入により送達される、請求項1〜3のいずれかに記載の薬学的処方物。
- 被験体における動脈コンプライアンスを増加させることにより、子癇前症を治療するための薬学的処方物であって、ここで該被験体において測定された局所的な動脈コンプライアンスが、健常被験体における全体的な動脈コンプライアンスと比較して該被験体において減少しており、そして該薬学的処方物は該被験体における動脈コンプライアンスを増加させるために有効な量のヒトH2レラキシンを含有し、該被験体が妊婦である、薬学的処方物。
- 前記被験体における前記局所的な動脈コンプライアンスが前記薬学的処方物の投与後少なくとも10%増加する、請求項12に記載の薬学的処方物。
- 前記被験体における前記動脈コンプライアンスが前記薬学的処方物の投与後15〜20%増加する、請求項12に記載の薬学的処方物。
- 前記薬学的処方物が、レラキシンの血清濃度を約0.5〜80ng/mlに維持するように所定の速度で前記被験体に投与される、請求項12に記載の薬学的処方物。
- 前記薬学的処方物が毎日投与される、請求項12に記載の薬学的処方物。
- 前記薬学的処方物が注射可能な処方物である、請求項12に記載の薬学的処方物。
- 前記薬学的処方物が徐放性処方物である、請求項12に記載の薬学的処方物。
- 前記薬学的処方物が連続注入により送達される、請求項12に記載の薬学的処方物。
- 被験体における動脈コンプライアンスを増加させることにより、子癇前症を治療するための薬学的処方物であって、ここで該被験体において測定された限局的な動脈コンプライアンスが健常被験体における全体的な動脈コンプライアンスと比較して該被験体において減少しており、そして該薬学的処方物は該被験体における動脈コンプライアンスを増加させるために有効な量のヒトH2レラキシンを含有し、該被験体が妊婦である、薬学的処方物。
- 前記限局的な動脈コンプライアンスが脈波速度を用いて測定される、請求項20に記載の薬学的処方物。
- 前記被験体における前記限局的な動脈コンプライアンスが、該被験体への前記処方物の投与後少なくとも10%増加する、請求項20に記載の薬学的処方物。
- 前記被験体における前記限局的な動脈コンプライアンスが、該被験体への前記薬学的処方物の投与後15〜20%増加する、請求項20に記載の薬学的処方物。
- 前記薬学的処方物が、レラキシンの血清濃度を約0.5〜80ng/mlに維持するように所定の速度で前記被験体に投与される、請求項20に記載の薬学的処方物。
- 前記薬学的処方物が毎日投与される、請求項20に記載の薬学的処方物。
- 前記薬学的処方物が注射可能な処方物である、請求項20に記載の薬学的処方物。
- 前記薬学的処方物が徐放性処方物である、請求項20に記載の薬学的処方物。
- 前記薬学的処方物が連続注入により送達される、請求項20に記載の薬学的処方物。
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