JP5519066B2 - 汚泥処理装置及び汚泥処理システム - Google Patents

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Description

この発明は、汚泥を減量化及び無害化するための汚泥処理装置及び汚泥処理システムに関し、特に、衝撃波を用いて汚泥の破砕・微粒化を図ることにより汚泥を減量化すると共に無害化することができる汚泥処理装置、及びこの汚泥処理装置を用いた汚泥処理システムに関する。
汚泥とは、一般に、水処理施設の沈殿槽等で水から分離されたり、河川や湖沼の水底に沈殿している泥状物を言い、下水処理場、浄水場、工場排水処理施設、土木建設現場等から発生する泥状のもの及び各種製造業の製造工程において生ずる泥状のものは、全て産業廃棄物として扱われる。この泥状のものには、動植物性原料を使用する各種製造業の排水処理等から生ずる有機質が多分に混入した泥(有機性汚泥)のみではなく、金属洗浄や浄水場の沈殿池等から生ずる無機質のもの(無機質汚泥)も含まれ、更に、土木・建設工事現場からの汚水も含まれる。
産業廃棄物としての汚泥は、年間排出量が約1億7千万トンと産業廃棄物全体の約43%を占めており(環境省発表の平成20年度実績より)、他の産業廃棄物に比べて格段に多い。これら汚泥の再資源化率は約11%であり、残りは、埋め立てや焼却等により処理されていると考えられる。
有機性汚泥は、細菌や藻類といった微生物等の生物を主要な成分としており、放置しておくと容易に腐敗してしまい腐敗に伴って強烈な悪臭と共に有害虫を発生させるため、放置することができず、その上、人間の活動の中で毎日発生するものであることから、その減量化及び無害化を図ることが早急に望まれている。
この有機性汚泥の主成分である生物体は、細胞からなることを特徴とし、細胞を構成する細胞膜や細胞壁等によって外部環境から身を守りつつ生命を維持していることから、このような汚泥細胞を破壊することにより生物体を死滅させることができる。汚泥細胞を破壊することで汚泥処理を行うものとして、例えば、「汚泥処理装置及び汚泥処理方法」(特許文献1参照)が知られている。
特開2009−233637号公報
しかしながら、従来の「汚泥処理装置」は、スラリー状の汚泥に加圧条件下でガスを溶解させるガス溶解タンクや、加圧条件下の圧力より低い圧力の下で、ガスを溶解したスラリー状の汚泥を破砕する破砕タンクに加え、汚泥返送ラインや余剰汚泥排出ライン等、複数のラインを必要とし、装置が複雑化することが避けられなかった。
この発明の目的は、装置が複雑化することなく簡素な構成で、効果的に汚泥処理を行うことができる汚泥処理装置、及び汚泥処理によって発生する残渣汚泥の一層の減容化と共に無害化を図ることができる汚泥処理システムを提供することである。
上記目的を達成するため、この発明に係る汚泥処理装置は、処理対象の汚泥を含む水を溜め置くタンクと、前記タンクから導水管を介して前記汚泥を含む水を流入させ水撃圧を発生させる水撃部と、前記水撃部に、水撃現象の発生により開状態となる開閉弁を介して連通し、前記開閉弁の閉時、閉空間を形成する圧力タンクと、前記タンクに溜め置かれた前記汚泥を含む水の水位を前記汚泥の内容物に応じて調整する水位調整部とを有し、前記圧力タンクに、開操作により圧力タンク内容物を圧力タンク外部に取り出すことができる弁を設け、前記導水管を、水撃発生周期に応じて前記水撃圧を所定回数発生させる長さに形成し、発生した前記水撃圧により前記汚泥を破砕し、破砕された汚泥の一部が前記圧力タンクに流れ込み留まることを特徴としている。
た、この発明の他の態様に係る汚泥処理装置は、前記水撃部からの排出物を貯留し固液分離を行う沈殿分離部を有することを特徴としている。
上記目的を達成するため、この発明に係る汚泥処理システムは、上述した汚泥処理装置を備え、曝気処理及び沈殿処理を経た後の処理汚泥に対し、前記汚泥処理装置による水撃処理に加え減容化処理を行うことを特徴としている。
また、この発明の他の態様に係る汚泥処理システムは、前記汚泥処理装置と共に分離槽、混合槽、曝気槽、沈殿槽及び脱水槽を備え、前記汚泥処理装置により処理された処理水が、前記分離槽による分離処理、前記混合槽による混合処理、前記曝気槽による曝気処理、前記沈殿槽による沈殿処理、及び前記脱水槽による脱水処理を経ることで、前記処理水に含まれる残渣汚泥中の富栄養化物質が再処理されることを特徴としている。
また、この発明の他の態様に係る汚泥処理システムは、曝気処理及び沈殿処理を経た後の処理汚泥に含まれる沈殿物を濃縮調整する調整槽を有し、前記調整槽からの処理水が前記汚泥処理装置に流入することを特徴としている。
この発明に係る汚泥処理装置によれば、処理対象の汚泥を含む水を溜め置くタンクから導水管を介して汚泥を含む水を流入させ水撃圧を発生させる水撃部を有し、水位調整部によりタンクに溜め置かれた汚泥を含む水の水位を汚泥の内容物に応じて調整し、圧力タンクに設けた弁の開操作により圧力タンク内容物を圧力タンク外部に取り出すことができ、導水管を水撃発生周期に応じて水撃圧を所定回数発生させる長さに形成して、水撃部において、発生した水撃圧により汚泥を破砕するので、装置が複雑化することなく簡素な構成で、効果的に汚泥処理を行うことができる。
また、この発明に係る汚泥処理システムによれば、曝気処理及び沈殿処理を経た後の処理汚泥に対し、上述した汚泥処理装置による水撃処理に加え減容化処理が行われるので、汚泥処理によって発生する残渣汚泥の一層の減容化と共に無害化を図ることができる。
この発明の第1実施の形態に係る汚泥処理装置の構成を概略的に示す説明図である。 図1の水撃部を拡大して示す説明図である。 この発明の第2実施の形態に係る汚泥処理システムの構成を概略的に示すブロック説明図である。 図3の分離槽の内部構造を概略的に示す縦断面説明図である。 内部に整流板を設けた沈殿槽の内部構造を概略的に示す平面説明図である。
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、この発明の第1実施の形態に係る汚泥処理装置の構成を概略的に示す説明図であり、図2は、図1の水撃部を拡大して示す説明図である。
図1に示すように、汚泥処理装置10は、処理対象の汚泥を含む水Wを溜め置く汚泥供給タンク11と、汚泥供給タンク11内の汚泥を含む水Wの水位を調整する水位調整部12と、汚泥供給タンク11から導水管13を介して汚泥を含む水Wが流入し、水撃を発生させる水撃部14と、水撃部14からの排出物が送り込まれる沈殿分離部15と、を有している。
この汚泥処理装置10は、処理対象の汚泥を含む水Wがある場所、例えば、下水処理場や食品加工工場等に設けられた汚泥槽或いは汚泥処理を行う河川や湖沼等に隣接して配置される。なお、汚泥の主要な成分は、土砂等の固形物の他、細菌、藻類といった微生物等の生物体であり、ここで、汚泥とは、成分としての汚泥に限るものではなく汚泥以外の汚泥に付随する各種付属物も含む汚泥等を言うものとする。
汚泥供給タンク11は、例えば、全長が単一内径の有底円筒体からなり、略直立した縦置き状態に配置されている。この汚泥供給タンク11には、タンク上端開口に吐出口を臨ませ、処理対象の汚泥を含む水Wの中に吸込口を位置させた第一ポンプ16を作動させることにより、汚泥を含む水Wが汲み上げられ注ぎ込まれる。第一ポンプ16として、例えば、モータ駆動により作動する電動式ポンプが用いられる。
水位調整部12は、汚泥供給タンク11へ汚泥を含む水Wを汲み上げる第一ポンプ16の駆動を制御して、汚泥を含む水Wの汲み上げ量を調整することにより、汚泥供給タンク11に溜め置かれた汚泥を含む水Wの水位、即ち、水頭値を調整する。汚泥を含む水Wの汲み上げ量は、汚泥の内容物に応じて調整する。この水位調整部12は、例えば、インバータを用いて構成されており、インバータを介してモータを駆動しモータ回転数を変えることによって、ポンプ供給量を変えることができる。これにより、第一ポンプ16により供給される汚泥供給タンク11内の汚泥を含む水Wの水位(水頭値)を、一定に維持することができる。
導水管13は、例えば円筒体からなり、一端が汚泥供給タンク11の下端排出口に取り付けられた連結部17に、他端が水撃部14の水撃タンク18の導水口に、それぞれ連結されており、連結部17を介して汚泥供給タンク11に連通している。この導水管13は、汚泥供給タンク11の下端近傍に連結部17と共に略水平に、即ち、汚泥供給タンク11と略直交して配置されており、汚泥供給タンク11から汚泥を含む水Wが導水管13を介して水撃部14へと送り込まれる。
そして、導水管13は、水撃部14において発生する水撃現象の発生周期に応じて、水撃圧を所定回数発生させる長さに形成されており、導水管13を設けることによって、汚泥供給タンク11から送り込まれる汚泥を含む水Wの流れを一定速度に維持することができる。
導水管13は、略水平に限らず傾斜して配置されていても良いが、略水平に配置することで配置が最短距離となり装置全体の小型化が可能になる。
図1及び図2に示すように、水撃部14は、横向き円筒状の水撃タンク18と、水撃タンク18の上方に設置された圧力タンク19を有しており、水撃タンク18の一端(流入口)が導水管13に連通し、他端(流出口)が曲管20を介して上向き傾斜した開口端として露出している。曲管20の内部には、水撃タンク18の弁室を流れる水流に対し傾斜配置された排水弁18a(図2参照)が設置されており、排水弁18aは、曲管20の底部外表面に突設された調整ボルト21を操作することで、転倒角度を調整することができる。
圧力タンク19は、水撃タンク18の周壁上面の開口部を介して水撃タンク18の弁室に連通しており、開口部には、水撃現象発生時、開状態となる揚水弁19aが設置されている。また、圧力タンク19には、開操作により、タンク内に溜められたタンク内容物をタンク外部に取り出すことができる弁19b(図2参照)が設けられている。
そして、導水管13から汚泥を含む水Wが水撃部14の水撃タンク18に流れ込み、排水弁18aを閉状態にすることで、水流の慣性により水路内に瞬間的な水撃圧(衝撃と高水圧)をもたらす水撃(ウォータハンマ)現象が発生する。この水撃現象の発生により弁室内の圧力が上昇すると、一時的に揚水弁19aが開状態となり弁室内の汚泥を含む水Wが開口部を通り圧力タンク19に流れ込む。
つまり、導水管13から汚泥を含む水Wが水撃部14に流れ込むことにより、所定サイクルで排水弁18a及び揚水弁19aが開閉状態を繰り返し、排水弁18aが開状態のとき弁室からの排出が行われ、排水弁18aが閉状態のとき水撃現象が発生する。
なお、排水弁18aの開状態角度は、水撃圧を高めるため垂直に対し90度(水平)以上としている。
水撃現象の発生により、水撃タンク18及び水撃タンク18に連通する導水管13の内部の汚泥を含む水Wに水撃圧が作用し、汚泥を含む水Wに含まれる汚泥が破砕される。破砕された汚泥を含む水Wsは、水圧低下に伴って排水弁18aが開くことにより水撃部14の他端から排出され、他端の下方に位置する受水槽22に流れ込む。受水槽22には、第一ポンプ16と同様の第二ポンプ23が設置されており、第二ポンプ23の作動により、受水槽22に溜め置かれた破砕された汚泥を含む水Wsが、受水槽22に隣接する沈殿分離部15に送り出される。
沈殿分離部15は、沈殿槽24と、沈殿槽24より一段低い位置に設置された分離槽25からなり、沈殿槽24には第二ポンプ23の排出口が配置され、分離槽25には沈殿槽24の排出口が配置されている。受水槽22から沈殿槽24に送り出された破砕された汚泥を含む水Wsは、沈殿槽24に溜め置かれることにより破砕された汚泥Sが沈殿槽24の底部に堆積して、沈殿槽24の上部に位置する破砕された汚泥を除いた水Wcと、沈殿槽24の底部に位置する破砕された汚泥Sとに分離される。沈殿槽24の底部に堆積した破砕された汚泥Sは、沈殿槽24の排出口から分離槽25へと流れ出て、分離槽25に蓄積し、その後、廃棄される。
沈殿槽24における破砕された汚泥Sの沈殿が早い場合は、このように沈殿槽24と分離槽25を別個に設置するが、破砕された汚泥Sの沈澱が遅い場合、沈殿槽24と分離槽25を一体化して沈澱分離槽としても良い。沈澱分離槽として槽容量が増加すると、槽内における破砕された汚泥を含む水Wsの動揺が減少するので、破砕された汚泥Sが沈降するのを促進することができる。
この汚泥処理装置10において、汚泥供給タンク11内に貯留される汚泥を含む水Wの水位、即ち、水頭値は、水位調整部12によって調整することができる。汚泥供給タンク11内で維持する汚泥を含む水Wの水位を変えることにより、汚泥供給タンク11から送り出された汚泥を含む水Wの導水管13の中の流速が変わるので、運動量(汚泥を含む水Wの質量×速度)が変わることになる。つまり、曲管20の内部に設置した排水弁18aが、導水管13内の汚泥を含む水Wの流れから受ける流水抵抗により瞬時に閉鎖することで、水撃現象を発生させるが、その時の水撃圧が変わることになる。これは、水撃圧は導水管13内を流れる汚泥を含む水Wの流速に支配され、流速は汚泥供給タンク11内の汚泥を含む水Wの水位(水頭値)に支配されるためである。
水撃現象発生時の水撃圧は、破砕対象となる汚泥には種々の微生物が混在していることが予測されるため、破砕対象となる汚泥に含まれる全ての微生物が破砕できる最適な強さに設定する。水撃圧の最適な強さは、処理対象の汚泥を含む水Wに対して試験的な処理を行うことにより、推定することができ、水撃圧の最適な強さを得るために、水位調整部12により汚泥供給タンク11に溜め置く汚泥を含む水Wの高さを維持する。汚泥供給タンク11内の汚泥を含む水Wの高さ(水頭値、即ち、静水圧)は、汚泥供給タンク11から導水管13へと流れ込む汚泥を含む水Wの流れる速度を支配することになる。よって、汚泥供給タンク11は、溜め置く汚泥を含む水Wの高さを確保することができるために十分な高さを有している。
ここで、試験的な処理を行って得られた、汚泥を含む水Wを溜め置く汚泥供給タンク11における水頭値と水撃圧の強さの一例を示す。水頭値1.5m程度で水撃圧約0.4Mpaが得られることから、水頭値4.0〜5.0mとすることで水撃圧約1.0Mpaを、水頭値8.0〜10.0mとすることで水撃圧約2.0Mpaを得ることができる。水撃圧約1.0Mpa以上とすることにより、土砂等の固形物の他、細菌、藻類といった微生物等の生物体を主要な成分とする汚泥を、効果的に破砕することができる。
また、導水管13は、導水管13の内部を流れる汚泥を含む水Wの流速を安定させるため、ある程度の長さを必要とするが、必要とする長さは流速で決定される。
つまり、仮に水撃現象の発生周期を1秒とした場合、その流速で流れた場合の1秒間に進む距離Lが求められるので、導水管13の長さをLとすれば1秒後に排出されることになり、導水管13の長さをLの2倍(2L)にすれば、排出までに2秒掛かるので排出される寸前で2回目の水撃現象を発生させることになる。同様に、導水管13の長さをLの3倍(3L)或いは5倍(5L)にすれば、3回或いは5回の水撃現象を発生させることになり、導水管13の長さをLの2倍以上とすることによって、水撃現象を複数回発生させることができる。
この水撃現象は、通常1秒程度の周期で発生するが、1秒間に汚泥供給タンク11から導水管13へと流れ込む汚泥を含む水Wの量と、導水管13の中で汚泥が水撃圧を受けるための水撃現象の発生回数を考慮して、ここでは、汚泥が水撃圧を受けて十分破砕されるために水撃現象の発生回数が10〜15回になるよう、導水管13の長さを5〜10m程度とした。なお、水撃圧を受けた汚泥における破砕状況は、汚泥の種類や成分内容等で異なる。
また、導水管13の長さが同じでも水撃現象の発生周期(時間、間隔)が短くなれば、多くの回数の水撃圧を受けることになる。水撃現象の発生周期は、曲管20の調整ボルト21を操作して排水弁18aの転倒角度を調整し排水弁18aの運動範囲を強制的に変えることにより、変更することができる。
また、水撃現象発生により、汚泥を含む水Wの汚泥は水撃圧を受けて破砕され、破砕された汚泥の一部は圧力タンク19に流れ込み、残りは受水槽22に排出されるが、圧力タンク19の破砕された汚泥と受水槽22の破砕された汚泥の破砕状態を比較することにより、水撃現象により汚泥を破砕するための最良の条件を設定することができる。
圧力タンク19に流れ込んだ破砕された汚泥は、圧力タンク19に留まっている間、水撃現象発生に伴い連続して繰り返し水撃圧を受けることになるので、数回の水撃圧を受けて水撃タンク18から受水槽22に流出する破砕された汚泥とは破砕状態が異なると考えられる。
そこで、圧力タンク19に設けられた弁19bの開操作により圧力タンク19から取り出した破砕された汚泥と、受水槽22から取り出した破砕された汚泥とを、色彩や臭気等の人間の五感を用いて或いは顕微鏡等の観察機器を用いて観察し、破砕された汚泥の破砕状態を確認し比較する。比較した結果、圧力タンク19と受水槽22それぞれの破砕された汚泥の破砕状態が異なっていなければ、汚泥供給タンク11の水位(水頭値)を上げて水撃現象に伴う水撃圧を増加させ、汚泥に対し最も破砕効果のある汚泥供給タンク11の水位(水頭値)を決定する。
圧力タンク19において充分破砕された汚泥は、弁19bを開状態にして少しずつ圧力タンク19から排出され、破砕された汚泥の排出に伴って、圧力タンク19には、水撃現象の発生により排出相当量が供給される。なお、水撃タンク18から受水槽22へと排出された破砕された汚泥について、破砕状況に応じ更に破砕が必要と判断した場合、再度、汚泥供給タンク11へと戻しても良い。
上述したように、この発明に係る汚泥処理装置10は、水撃現象を発生させて処理対象である汚泥を含む水Wの汚泥を破砕する際に、汚泥の種類や成分内容等に応じて、汚泥を含む水Wを溜め置く汚泥供給タンク11における水位(水頭値)を変化させ、汚泥が受ける水撃圧を調整することができる。即ち、汚泥供給タンク11における水位を変化させるだけで、破砕対象の汚泥に対し1.0Mpa以上の衝撃圧を加えることができる。
また、水撃部14内での汚泥を含む水Wの運動量の急激な変化の発生に伴い、導水管13内への水撃波の伝達によって汚泥に対し水撃圧が繰り返し作用するように、導水管13の長さを決定している。更に、水撃現象を発生させる排水弁18aの運動範囲を変えるだけで、水撃現象の発生周期を容易に調整することができるため、水撃圧が作用する周期が短くなるようにしている。
この結果、以下に示す効果を奏する。
・無機物の微細化:汚泥中の無機質に対する水撃圧の作用により、汚泥に含まれる固形物が細粒化し粒子径の極小化を図ることができる。有機物が微生物によって分解される速度は、微生物の種類及び数が多い程、また微生物がアタックする比表面積が広い程、早くなるので、汚泥処理が促進される。
・有機物の二次処理:微生物に対し水撃圧が繰り返し作用することにより細胞の破砕が生じ、沈殿した微生物の体内に取り込まれて未消化となった有機物を再度他の微生物が取り込める状態になるので、再処理が促進される。
つまり、汚泥の破砕・微粒子化等によって、汚泥の比表面積が数万倍にも増大し固体表面での物質の溶解や内部崩壊、更には表面付着微生物数の増大を図ることができ、再度極小微生物の捕食し易い状態になるので、再処理が可能となって微細菌の発酵による消化・消散が飛躍的に向上する。
そして、この汚泥処理装置10にあっては、供給された水の持つエネルギによって、所定サイクルで排水弁18a及び揚水弁19aが開閉を繰り返し、排水弁18aが閉じるときに水撃現象を生じさせて、そのとき発生する水撃圧により、汚泥を含む水Wの汚泥を破砕している。つまり、汚泥を破砕するための衝撃圧を発生させるための動力を全く必要とせず、流体の流下エネルギのみを利用して、汚泥を含む水Wの汚泥を破砕している。
よって、例えば、ガス溶解タンクや破砕タンク、汚泥返送ラインや余剰汚泥排出ライン等の複数のラインを必要としないので、装置が複雑化すること無く簡素な構成で、効果的に汚泥を処理することができる。
加えて、沈殿分離部15を設けることにより、汚泥処理後の破砕された汚泥を含む水Wsの固液分離ができるので、最終処理物であり残留汚泥となる沈殿する破砕された汚泥Sの脱水濃縮が可能になり、処理量が極めて少量となるので小規模での処理が可能になる。このため、脱水濃縮後の残留固形物は廃棄処理されるが、脱水濃縮処理により廃棄量を著しく減少させることができるので、廃棄に伴う運搬費用の軽減を含む汚泥処理にかかる費用の軽減を図ることができる。
(第2実施の形態)
図3は、この発明の第2実施の形態に係る汚泥処理システムの構成を概略的に示すブロック説明図である。
図3に示すように、汚泥処理システム30は、第1実施の形態の汚泥処理装置10に加え、調整槽31、分離槽32、混合槽33、第二曝気槽34、第二沈殿槽35、及び脱水槽36を有し、下水処理場等の既存の汚泥処理施設に設置されている第一曝気槽37及び第一沈殿槽38と組み合わせて用いられる。既存の汚泥処理施設は、通常、曝気槽(第一曝気槽37)、沈殿槽(第一沈殿槽38)及び脱水槽を有しており、それぞれにおいて曝気(エアレーション)処理、沈殿処理、脱水処理が行われる。
なお、下水処理場等の既存の汚泥処理施設に設置されている第一曝気槽37及び第一沈殿槽38と同様の構成及び機能を有する曝気槽及び沈殿槽を、予め汚泥処理システム30に備えていても良い。この場合、汚泥処理施設がない場所等、汚泥処理施設を利用することができない状況においても、汚泥処理システム30による汚泥処理を行うことができる。
この汚泥処理システム30は、一般に下水道を通して汚泥処理施設に流入する汚泥、特に、人糞や畜産酪農現場で発生する家畜糞尿(豚糞や牛糞)等の生汚泥を処理対象としており、生汚泥に対する曝気処理及び沈殿処理を経た後の処理汚泥に対し、水撃処理に加え減容化処理を行う。
処理対象となる生汚泥は、それぞれの汚泥発生場所から汚泥処理施設に集められ、第一曝気槽37から第一沈殿槽38を経て、汚泥処理システム30の調整槽31へと送り込まれる。その後、汚泥処理システム30内で、汚泥処理装置10から分離槽32、混合槽33、第二曝気槽34、第二沈殿槽35、脱水槽36へと順番に送られ、脱水槽36での処理を経た後、脱水ケーキとして汚泥処理システム30から排出される(図3参照)。
この汚泥処理装置10において、沈殿分離部15の沈殿槽24には、沈殿槽24と汚泥供給タンク11を直接連通させる連通路、沈殿槽24と混合槽33を直接連通させる連通路が設けられており、各連通路を介して沈殿槽24からの排出物を汚泥供給タンク11及び混合槽33のそれぞれに送り出すことができる。また、圧力タンク19には、弁19bを介して或いは弁19bとは別個に、圧力タンク19と分離槽32を直接連通させる連通路が設けられている(図3参照)。更に、沈殿槽24には、内部に後述する整流板が設けられている。
第一曝気槽37は、好気性微生物の生命活動を利用して処理対象汚泥を曝気処理するために用いられ、曝気を行って好気環境を維持する。汚泥処理施設に集められ第一曝気槽37に送られた生汚泥は、好気性微生物に餌として取り込まれ、好気性微生物が増殖する際のエネルギとなる。曝気を行う際は、空気と流体の吐出を調整して3次元流動を発生させ、これにより曝気効果の促進を図る。曝気処理後の処理汚泥は、第一沈殿槽38へと送られる。
第一沈殿槽38は、生汚泥を餌として取り込み増殖した好気性微生物を沈殿処理するために用いられる。生汚泥を充分に補食した好気性微生物は、他の混入物と共にフロック状となり水中で浮力を失って沈降し、余剰(残渣)汚泥として第一沈殿槽38の水中底部に溜まる。この余剰汚泥は、余剰汚泥を沈殿させている水(上水)と共にポンプ圧送により調整槽31へと送られる。
調整槽31は、第一沈殿槽38から水と共に沈殿物を回収し、回収した沈殿物を濃縮すると共にその濃度を調整処理するために用いる。回収した沈殿物は微生物以外の無機物質を含むので、調整槽31の水中においてそれらを沈澱させ処理微生物のみを浮揚させる。調整槽31の沈殿物は、第一沈殿槽38から調整槽31へと送られた余剰汚泥と同質のものであり、調整槽31の水と共に、ポンプ圧送或いは自然流下により汚泥処理装置10の汚泥供給タンク11へと送られる。
水と共に汚泥供給タンク11へと送られた、調整槽31における沈殿物は、上述した汚泥処理装置10により破砕処理される。汚泥処理装置10において、処理対象となる沈殿物は、汚泥供給タンク11により約2.5mの落差を得て作られた自然流下で、タンク中の水と共に導水管13を通り水撃部14へと流れ込む。ここで、水撃現象により発生した流体中を瞬時に伝わる衝撃波が水中に生息する微生物に作用することで、微生物の堅い細胞殻も破砕することができる。
水撃部14で破砕された水中の微生物や細胞内の富栄養化物質は、水撃により破砕された水撃処理水として受水槽22に落下し、受水槽22から沈殿分離部15の沈殿槽24(図1参照)へと自然流下により送られる。水撃処理水が受水槽22に落下して作られた流れは次の水撃が発生する原動力となり、水撃現象はこの流れが続く限り動力無しで発生するので、水撃処理水は次々に受水槽22に流入する。なお、微生物等の中には復数回の水撃では破砕できないものがあるので、破砕できなかったものは沈殿槽24の水中で再度沈澱させ、沈殿物(破砕微生物)はポンプ圧送により汚泥供給タンク11へと戻される。
この水撃部14で水撃が発生すると、導水管13の内部や圧力タンク19の内部への流体の入りと戻りが繰り返されることになり、何十回と衝撃圧を受ける圧力タンク19の内部では衝撃圧が高まるため、微細な細胞のみならず菌までも破砕処理が可能である。従って、圧力タンク19では高次反芻による破砕処理が行われることになりタンク内部の微生物は殆どが余すところ無く破砕される。なお、水撃圧による瞬時の衝撃圧の伝達速度は速く、しかも水撃を発生させた排水弁18aに通ずる全ての部分に衝撃圧力が伝達するので、圧力タンク19を大型化することにより処理量を増大させることが可能である。
圧力タンク19で、微生物が物理的な圧力破砕により処理された水撃処理水は、水撃圧により分離槽32へと押し流される。圧力タンク19から流入した富栄養化の高い水撃処理水は、分離槽32において水分が分離処理され、再処理に有効な富栄養化物を多く含む状態となる。物理的な圧力により破砕された微生物の細胞内部から排出された富栄養化物質は、微生物の餌となるので再度微生物処理の対象とすることができ、再度微生物処理することで、効果的な減容化が可能になる。
図4は、図3の分離槽の内部構造を概略的に示す縦断面説明図である。図4に示すように、分離槽32は、槽体32aの内部が、交互に上下端側に隙間を有し略等間隔離間して配置された複数の仕切板32bにより仕切られ、仕切板32bによる隣接空間と各隙間からなる移動流路(白抜き矢印参照)を形成する密閉槽構造を有している。この密閉槽構造を有することにより、圧力タンク19から水撃処理水が流れ込む分離槽32において、水中を高速で伝搬する衝撃波の伝搬を軽減しながらも水撃処理水の流れを形成することができる。
仕切板32bにより複数個所に区画された分離槽32の底部には、区画毎にドレーンバルブ32cが設置されており、水撃処理水が槽内を移動するのに伴って沈殿し底部に溜まった汚泥Sを、ドレーンバルブ32cを介し強制的に排出することで、分離槽32における処理水移動機能を確保することができる。
この分離槽32は圧力タンク19に連通していることから、水撃部14で繰り返し発生する水撃圧による水撃作用毎に衝撃圧と共に圧力タンク19に流入する水撃処理水は、圧力タンク19を介して順次分離槽32に送り出される。分離槽32を設けたのは、混合槽33に伝達される衝撃圧を低減させつつ、水撃処理水を連続的に混合槽33に導くためである。つまり、圧力タンク19から水撃処理水を直接混合槽33に送ると、圧力タンク19内部の衝撃圧が直接混合槽33に伝わってしまい、水撃発生装置である水撃タンク18や圧力タンク19の内部における圧力作用が変化して水撃タンク18が停止することが考えられるからである。
分離槽32の内部では、仕切板32bがあるために、壁や障害物に当たると反射する性質がある衝撃波はお互いに干渉して低減することになるが、質量を持つ水撃処理水だけは順次前方へと送られる。この分離槽32を設けることにより、水撃タンク18からの衝撃波を回避しながらも質量輸送を可能にし、更に、例えば破砕藍藻から溶出した富栄養化成分を攪拌する機能も有する。
分離槽32において、再処理に有効な富栄養化物を多く含む状態となった水撃処理水は、自然流下により混合槽33へと流れ出る。
混合槽33には、分離槽32からの富栄養化物を多く含む水撃処理水(富栄養化物と水)、即ち、再度微生物処理の対象となる水撃処理水と共に、汚泥処理装置10の沈殿槽24から自然流下により流れ出た水撃処理水(富栄養化物と水)、即ち、再度微生物処理の対象となる水撃処理水の上水が、入り込む。
沈殿槽24は、内部に整流板を設けることで槽内での沈降を促進させることができる。
図5は、内部に整流板を設けた沈殿槽の構造を概略的に示す平面説明図である。図5に示すように、沈殿槽24は、槽体24aの内部を区画する、内部水流方向(図中、白抜き矢印参照)と交差配置された複数(一例として3個を図示)の整流板24bを設けている。各整流板24bには、板体表裏面を貫通する内径が例えば約20mmの通水用の孔24cが、各孔24cの中心間隔を例えば約40mmとして全面にわたり千鳥配列されており、各整流板24bは、各孔24cが直線的に連続することが無いように配置されている。
沈殿槽24は、一箇所の流入口と、汚泥供給タンク11及び混合槽33への連通路にそれぞれ連通する二箇所の排出口が設けられ、沈殿槽24に流れ込んだ水撃処理水は、徐々に整流板24bの各孔24cを通過して流入口側から排出口側へと移動し、上水は混合槽33へ、沈殿物(破砕微生物)は汚泥供給タンク11へと送り出される。このとき、整流板24bにより、槽体24aの内部における水の運動や流れが制御されて短時間で整流されることになるので、沈降を促進させることができる。
混合槽33の内部では、分離槽32から排出された再処理富栄養化した水撃処理水と沈殿槽24から排出された水撃処理水が混合処理され、混合処理された水撃処理水は、ポンプ圧送により第二曝気槽34へと送り出される。
第二曝気槽34は、第一曝気槽37と同様の構成及び機能を有しており、第二曝気槽34に流入した混合処理水は、好気性微生物の生命活動を利用した曝気処理を経て第二沈殿槽35へと送り出される。この第二曝気槽34には、種汚泥(活性汚泥)が供給される。第二沈殿槽35は、第一沈殿槽38と同様の構成及び機能を有しており、第二沈殿槽35に流入した曝気処理水は、沈殿処理により水中底部に溜まる余剰(残渣)汚泥と余剰汚泥を沈殿させている水(上水)として、脱水槽36へと送り出される。
この第二沈殿槽35における余剰汚泥は、第一沈殿槽38で沈殿処理された余剰(残渣)汚泥中に含まれる未処理な富栄養化物質が、汚泥処理システム30による再処理、即ち、水撃処理とそれに加えて減容化処理されることで、第一沈殿槽38での余剰汚泥に比べ大幅に削減されることになる。このため、汚泥処理システム30による最終処分量の著しい減容化が可能になり、第二沈殿槽35における沈殿汚泥量Q1は、既存の汚泥処理施設における沈殿汚泥量Q2に比べ略1/3から略1/5にすることができ、条件が良ければ略1/10(Q1=0.1×Q2)にすることができる。
なお、既存の汚泥処理施設の場合、第一曝気槽37、第一沈殿槽38及び脱水槽(図示しない)が設置されており、それぞれの汚泥発生場所から汚泥処理施設に集められた生汚泥は、第一曝気槽37から第一沈殿槽38を経て脱水槽へと送り込まれ、順番に曝気処理、沈殿処理、脱水処理が行われる。これらの処理を経ることで、既存の汚泥処理施設においては、含水比約80%の脱水ケーキが生成される。
そして、第二沈殿槽35から脱水槽36に送り込まれた、余剰(残渣)汚泥と余剰汚泥を沈殿させている水は、脱水槽36において脱水処理され、その後、脱水槽36から、汚泥処理システム30により著しく減容化された脱水ケーキとして、例えば汚泥吸排車(バキュームカー)で運び出され、産業廃棄物として処理される。
即ち、第一曝気槽37及び第一沈殿槽38による一次の曝気及び沈殿処理の後に、汚泥処理システム30によって、水撃処理に加えて、第二曝気槽34及び第二沈殿槽35による二次の曝気及び沈殿処理(再度の曝気及び沈殿処理)を行っている。
従来の汚泥処理においては、一次の曝気及び沈殿処理を経た残渣汚泥の段階で脱水処理した後の処理汚泥を、焼却場に搬出し焼却していたが、この処理汚泥は多くの微生物の死骸としての細胞を含んでおりこの細胞が破砕されていないため、細胞内の水分を脱水することができず脱水効率を高めることが困難であった。
これに対し、汚泥処理システム30にあっては、生汚泥に対する一次の曝気及び沈殿処理を経た残渣汚泥に対し、汚泥処理装置10の水撃部14による水撃処理を行って残渣汚泥に多く含まれる微生物細胞を破砕することにより、脱水効率の向上を図ると共に細胞中に含まれる富栄養化成分を再度処理可能な状態にすることができる。そして、汚泥処理装置10で再度処理可能な状態にした富栄養化成分が、分離槽32、混合槽33、第二曝気槽34、第二沈殿槽35、及び脱水槽36を経ることで、未処理な残渣汚泥中の富栄養化物質を再処理することができ、この結果として、第二沈殿槽35に沈殿する残渣汚泥を最小化することができ、最終処分量の大幅な減容化が可能になる。
ここで、汚泥処理装置10を用いた汚泥処理システム30における処理対象汚泥に対する水撃処理の有効性について説明する。
1.微生物に衝撃波を用いて破砕処理することにより、微生物は生命維持ができなくなり繁殖機能が失われるので、繁殖時分泌物の成生による悪臭の発生を抑制することができる。その結果、処理後のアオコでは悪臭が無くなり、無害化が可能になる。
2.微生物処理において汚泥等を処理する場合、最終的に汚泥を脱水分離し、例えば産業廃棄物として廃棄するが、微生物の細胞壁が破砕されない限り細胞内に存在する多量の水分を脱水処理できないため、微生物の混在する汚泥では脱水に限界があった。しかしながら、水撃処理により細胞壁を破砕することで、脱水効率を飛躍的に向上させることができる。
3.一般の脱水装置は、水中に含まれる汚泥物質(SS)を増大させる物質の分離を目的としたもので、汚泥物質そのものの破砕機能を有していなかったが、この発明に係る汚泥処理装置10を用いた汚泥処理システム30により、水中を瞬時に伝わる衝撃波を用いて物質や微生物を破砕するので、汚泥物質から水分を分離することができ、より効果的に脱水することができる。
4.脱水過程において微細物質や細胞を破砕するとき脱水効率の向上を目的として高分子凝集剤を用いる場合、破砕による接触面積の増大により凝集沈殿効果を促進させるので、凝集剤の効果を一層高めることができる。
5.下水処理場における微生物処理では微生物による富栄養化物質を捕食させ処理しているが、捕食には生物学的限界があり微生物は満腹状態で死滅することから、その量が多いと全てが微生物の死骸等を含む沈降汚泥となってしまい、処理場での脱水量や最終処理の汚泥量を増大させる結果になる。この微生物死骸の体内には、未消化の富栄養化物質が多く含まれるので、破砕処理することにより富栄養化物質を再度微生物の餌として捕食させることができ、富栄養化物質の減容化が可能になる。
上述したように、この発明に係る汚泥処理システム30は、一般に下水道を通して汚泥処理施設に流入する汚泥、特に、人糞や畜産酪農現場で発生する家畜糞尿(豚糞や牛糞)等の生汚泥を、効率良く微生物処理することで、即ち、従来処理できなかった残渣汚泥中に存在する残渣微生物の体内に蓄積されている富栄養化成分を、再度微生物処理することで、残渣汚泥を効果的に脱水して減容化することができる。この結果、処理対象である生汚泥の処理場での最終的な廃棄処理における経済的且つ物理的な節減化を図ることができる。
このように、この発明に係る汚泥処理装置10により、装置が複雑化することなく簡素な構成で、効果的に汚泥処理を行うことができ、また、この発明に係る汚泥処理システム30により、汚泥処理によって発生する残渣汚泥の一層の減容化と共に無害化を図ることができる。
10 汚泥処理装置
11 汚泥供給タンク
12 水位調整部
13 導水管
14 水撃部
15 沈殿分離部
16 第一ポンプ
17 連結部
18 水撃タンク
18a 排水弁
19 圧力タンク
19a 揚水弁
19b 弁
20 曲管
21 調整ボルト
22 受水槽
23 第二ポンプ
24 沈殿槽
24a 槽体
24b 整流板
24c 孔
25 分離槽
30 汚泥処理システム
31 調整槽
32 分離槽
32a 槽体
32b 仕切板
32c ドレーンバルブ
33 混合槽
34 第二曝気槽
35 第二沈殿槽
36 脱水槽
37 第一曝気槽
38 第一沈殿槽
S 破砕された汚泥
W 処理対象の汚泥を含む水
Wc 破砕された汚泥を除いた水
Ws 破砕された汚泥を含む水

Claims (5)

  1. 処理対象の汚泥を含む水を溜め置くタンクと、
    前記タンクから導水管を介して前記汚泥を含む水を流入させ水撃圧を発生させる水撃部と、
    前記水撃部に、水撃現象の発生により開状態となる開閉弁を介して連通し、前記開閉弁の閉時、閉空間を形成する圧力タンクと、
    前記タンクに溜め置かれた前記汚泥を含む水の水位を前記汚泥の内容物に応じて調整する水位調整部とを有し、
    前記圧力タンクに、開操作により圧力タンク内容物を圧力タンク外部に取り出すことができる弁を設け、
    前記導水管を、水撃発生周期に応じて前記水撃圧を所定回数発生させる長さに形成し、発生した前記水撃圧により前記汚泥を破砕し、破砕された汚泥の一部が前記圧力タンクに流れ込み留まる汚泥処理装置。
  2. 前記水撃部からの排出物を貯留し固液分離を行う沈殿分離部を有する請求項1に記載の汚泥処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の汚泥処理装置を備え、
    曝気処理及び沈殿処理を経た後の処理汚泥に対し、前記汚泥処理装置による水撃処理に加え減容化処理を行う汚泥処理システム。
  4. 前記汚泥処理装置と共に分離槽、混合槽、曝気槽、沈殿槽及び脱水槽を備え、
    前記汚泥処理装置により処理された処理水が、前記分離槽による分離処理、前記混合槽による混合処理、前記曝気槽による曝気処理、前記沈殿槽による沈殿処理、及び前記脱水槽による脱水処理を経ることで、前記処理水に含まれる残渣汚泥中の富栄養化物質が再処理される請求項に記載の汚泥処理システム。
  5. 曝気処理及び沈殿処理を経た後の処理汚泥に含まれる沈殿物を濃縮調整する調整槽を有し、前記調整槽からの処理水が前記汚泥処理装置に流入する請求項3または4に記載の汚泥処理システム。
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