以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技機用枠(台枠)2と、遊技機用枠2により支持固定されて遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)6とから、構成されている。遊技盤6には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域7が形成されている。この遊技領域7には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技機用枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3が設けられ、打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射するために遊技者が操作する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。遊技盤6は、遊技機用枠2の背面にて着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。
遊技盤6の所定位置(図1に示す例では、遊技領域7の下部左側)には、第1特別図柄表示器8aが設けられ、遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域7の下部右側)には、第2特別図柄表示器8bが設けられている。第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器8aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器8bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特図または第2特図の可変表示に同期した飾り図柄の可変表示を行う飾り図柄表示領域がある。すなわち、演出表示装置9は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。飾り図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報となる飾り図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアのうちには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rがある。各図柄表示エリア9L、9C、9Rの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよい。また、各図柄表示エリア9L、9C、9Rとなる表示領域として、3つ領域が接着して、あるいは、分離して、あるいは、接着及び分離が可能に、設けられてもよい。演出表示装置9における表示動作は、図5などに示す演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄表示器8aで第1特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。なお、飾り図柄を可変表示する図柄表示エリアの個数は、3つに限定されるものではなく、例えば2つ、あるいは、4つ、あるいは、9つといった、演出表示装置9の表示画面上に複数配置されたものであればよい。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、右側には、上演出LED85a、中演出LED85b及び下演出LED85cが設けられている。上演出LED85a、中演出LED85b及び下演出LED85cは、例えば再変動演出(1回の変動期間中におけるそれぞれの再変動期間(初回変動の期間も含む)において関連する表示演出が実行されるような演出)といった所定の演出動作が実行されるときに点滅する。また、左側には、可動部材78が設けられている。可動部材78は、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると移動するものであり、例えば再変動演出などが実行されるときに動作する。なお、上演出LED85a、中演出LED85b及び下演出LED85cの近傍には、各LEDの取付部分を振動させる振動モータ(図示せず)が設けられている。上演出LED85a、中演出LED85b及び下演出LED85cの点灯動作や、可動部材78の移動動作は、特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる可能性があることや、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」となる可能性があることを予告する予告演出などが実行されるときに動作してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口(第1始動口)13を形成する普通入賞球装置が設けられている。普通入賞球装置は、例えば所定の玉受部材から構成され、第1始動入賞口13を常に一定の開放状態に保っている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
普通入賞球装置の下方には、第2始動入賞口(第2始動口)14を形成する普通可変入賞球装置15が設けられている。普通可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備えている。一例として、普通可変入賞球装置15では、ソレノイド16がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口14に進入しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置15では、ソレノイド16がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口14に進入しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置15は、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口14には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置15は、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口14を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口14には遊技球が進入しないように構成してもよい。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。また、このとき第1始動入賞口13に進入した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件(「第1実行条件」ともいう)が成立する。第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。また、このとき第2始動入賞口14に進入した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件(「第2実行条件」ともいう)が成立する。
ここで、第1始動条件や第2始動条件が成立したものの、先に開始された特図ゲームが実行中であることや、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、特図ゲームを開始するための開始条件が成立しないときには、可変表示の保留が発生する。例えば、第1始動条件が成立したときに、その第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動条件が成立したときに、その第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との加算値を、合計保留記憶数という。
普通可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、ソレノイド21によって開閉駆動される開閉板を備え、その開閉板によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置20では、ソレノイド21がオフ状態であるときに開閉板が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置20では、ソレノイド21がオン状態であるときに開閉板が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置20に形成された大入賞口に進入した遊技球は、カウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、飾り図柄とは異なる装飾用(演出用)の識別情報となる第1付属図柄の可変表示を行う第1付属図柄表示器9aが設けられている。第2特別図柄表示器8bの近傍には、飾り図柄とは異なる装飾用(演出用)の識別情報となる第2付属図柄の可変表示を行う第2付属図柄表示器9bが設けられている。例えば、第1付属図柄表示器9aと第2付属図柄表示器9bはそれぞれ、2つのLEDで構成されていればよい。第1付属図柄表示器9aでは、第1特別図柄表示器8aによる第1特図の可変表示中に、第1付属図柄の可変表示が行われる。第2付属図柄表示器9bでは、第2特別図柄表示器8bによる第2特図の可変表示中に、第2付属図柄の可変表示が行われる。第1付属図柄表示器9aと第2付属図柄表示器9bにおける表示動作は、図5などに示す演出制御基板80に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。
遊技盤6の所定位置(図1に示す例では、遊技領域7の右側方)には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。例えば、普通図柄表示器10は、「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることにより、普通図柄の可変表示を行うものであればよい。あるいは、普通図柄表示器10は、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示してもよい。あるいは、普通図柄表示器10は、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示してもよい。
第1付属図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことなどに基づいて更新される第1保留記憶数を特定可能に表示する第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第2付属図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことなどに基づいて更新される第2保留記憶数を特定可能に表示する第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。例えば、第1特別図柄保留記憶数表示器18aと第2特別図柄保留記憶表示器18bはそれぞれ、4つの装飾ランプ(又はLED)から構成される表示器であればよい。第1特別図柄保留記憶数表示器18aでは、第1始動入賞口13に遊技球が入賞して第1始動条件が成立する毎に、点灯するランプ(又はLED)の数を1増加させる一方で、第1特別図柄表示器8aによる第1特図の可変表示が開始される毎に、点灯するランプ(又はLED)の数を1減少させる。また、第2特別図柄保留記憶表示器18bでは、第2始動入賞口14に遊技球が入賞して第2始動条件が成立する毎に、点灯するランプ(又はLED)の数を1増加させる一方で、第2特別図柄表示器8bによる第2特図の可変表示が開始される毎に、点灯するランプ(又はLED)の数を1減少させる。
演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との加算値である合計保留記憶数を特定可能に表示する合計保留記憶表示部18cが設けられている。この合計保留記憶表示部18cにて合計保留記憶数が特定可能に表示されることにより、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数(合計数)を把握しやすくすることができる。なお、第1特別図柄保留記憶表示器18a及び第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられていれば、合計保留記憶表示部18cは、設けられていなくてもよい。
普通図柄表示器10の上部には、普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。例えば、普通図柄保留記憶表示器41は、4つの装飾ランプ(又はLED)から構成される表示器であり、ゲート32を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。ここで、ゲート32を通過した遊技球がゲートスイッチ32aによって検出されたときには、普図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、普通図柄表示器10による普図ゲームを実行するための普図始動条件が成立する。そして、普図始動条件が成立したものの、先に開始された普図ゲームが実行中であることなどにより、普図ゲームを開始するための普図開始条件が成立しないときには、普図ゲームの保留が発生する。このときには、普図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、普通図柄保留記憶表示器41にて点灯するランプ(又はLED)の数を1増加させる。その一方で、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示が開始される毎に、普図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、普通図柄保留記憶表示器41にて点灯するランプ(又はLED)の数を1減少させる。
遊技盤6における遊技領域7内の表面には、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技盤6における遊技領域7内の所定位置には、一般入賞口となる入賞口29、30、33、39が設けられている。例えば、各入賞口29、30、33、39は、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれるものであればよい。入賞口29、30、33、39に入賞した遊技球はそれぞれ、各入賞口に対応して設けられた入賞口スイッチ29a、30a、33a、39aによって検出される。このときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤6における遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ユニット38が設置されている。例えば、操作ユニット38は、押下可能なジョグボタン、及び、回動可能なジョグダイアルといった、複数の操作部を含んで構成されていればよい。なお、操作ユニット38は、押下操作や回動操作が可能なものに限定されず、例えばタッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ユニット38に代えて、例えば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ユニット38は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ユニット38に対してなされた遊技者の操作行為は、操作検出スイッチ38aによって検出される。操作検出スイッチ38aは、操作ユニット38に含まれる複数の操作部に対する遊技者の操作態様を特定可能に検出するために、複数の検出器を含んで構成されていればよい。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
遊技領域7に入った遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aにより検出されると、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普図ゲームにおける可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。これに対して、普通図柄表示器10における可変表示の終了時に上側のランプが点灯すれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示結果が「普図当り」である場合には、普通可変入賞球装置15における可動翼片が所定回数、所定時間だけ傾動制御され、第2始動入賞口14が拡大開放状態になる。すなわち、普通可変入賞球装置15は、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」である場合に、第2始動入賞口14を遊技者にとって不利な通常開放状態から有利な拡大開放状態に変化させる。
遊技領域7に入った遊技球が第1始動入賞口13に入賞して第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特図の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特図の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1付属図柄表示器9aにおいて第1付属図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特図、第1付属図柄及び飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に基づいて実行される。第1特図の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1加算することにより、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
遊技領域7に入った遊技球が第2始動入賞口14に入賞して第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特図の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特図の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2付属図柄表示器9bにおいて第2付属図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特図、第2付属図柄及び飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に基づいて実行される。第2特図の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1加算することにより、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
演出表示装置9の合計保留記憶表示部18cには、第1始動条件や第2始動条件が先に成立した特図ゲームなどの可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。一例として、第1始動条件が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)を青色表示に変化させる。また、第2始動条件が成立したときには、通常非表示となっている表示部位のうちの1つを赤色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)と第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)のいずれかが成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、青色表示や赤色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示に戻る。なお、合計保留記憶表示部18cは、表示色の変更により合計保留記憶数を特定可能に表示するものに限定されず、所定キャラクタの表示個数や数字の表示などにより、合計保留記憶数を特定可能に表示するものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間となる所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が停止表示(導出表示)される。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「5」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「2」を示す数字を小当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示器8aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とし、「1」、「5」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする。特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置20の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態である閉鎖状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1回数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第2特定遊技状態としての大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば「2」)となる。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよく、それ以外の制御は15ラウンド大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2ラウンド大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置20とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態(「低確低ベース状態」ともいう)に比べて特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される時短状態(「低確高ベース状態」ともいう)に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短状態等の特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄のうち「3」の数字を示す特別図柄が停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とはならずに通常状態となるようにしてもよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態や通常状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、15R非確変大当り図柄(15R通常特図ともいう)と称される。
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されるとともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる高確率遊技状態としての第1確変状態(「高確高ベース状態」ともいう)に制御される。第1確変状態などのような高確率遊技状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。この実施の形態では、このような高確率遊技状態が、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。これに対して、高確率遊技状態となった後に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了するようにしてもよい。また、高確率遊技状態において所定回数の特図ゲームが実行されたり可変表示結果が「大当り」となる以前であっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で高確率遊技状態が終了することがあるようにしてもよい。あるいは、第1確変状態となった後に、可変表示結果が「大当り」となることなく所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときには、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を通常状態と同様の可変表示時間に戻す一方で、確変制御は継続して行われるようにしてもよい。こうした「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に高確率遊技状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、15R確変大当り図柄(15R確変特図ともいう)と称される。
2ラウンド大当り図柄となる「1」、「5」の数字を示す特別図柄のうち、「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく2ラウンド大当り状態が終了した後には、通常状態に制御される。こうした「1」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に通常状態に制御される2ラウンド大当り図柄は、2R非確変大当り図柄(2R通常特図ともいう)と称される。
2ラウンド大当り図柄となる「1」、「5」の数字を示す特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく2ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態や第1確変状態とは異なる特別遊技状態として、例えば特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は通常状態と同様である一方で、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる高確率遊技状態としての第2確変状態(「高確低ベース状態」ともいう)に制御される。こうした「5」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に高確率遊技状態に制御される2ラウンド大当り図柄は、2R確変大当り図柄(2R確変特図ともいう)と称される。なお、第1確変状態と第2確変状態とをまとめて確変状態ともいう。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置20が備える開閉板により大入賞口を第2期間にわたり開放状態とする動作が、第2回数に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に、大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、大入賞口を開放状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。可変入賞動作により大入賞口を開放状態とする回数が「2」である小当り遊技状態における遊技は、2ラウンド大当り状態における遊技と同様に、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態における各ラウンドで特別可変入賞球装置20とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2ラウンド大当り状態と同様の態様で、その入賞球装置を第1状態に変化させるようにすればよい。
第1確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、第1確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、第1確変状態や時短状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口14は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が第1確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。
この実施の形態では、第2確変状態にて、普図変動時間や傾動制御時間を、通常状態のときとは異なる決定割合で決定する制御が行われる。こうして、複数回の普図ゲームにおける平均的な普図変動時間や傾動制御時間などから、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかを、ある程度まで認識することができる。なお、第2確変状態では、普図変動時間や傾動制御時間を、通常状態のときとは別個の時間に決定する制御を行うようにしてもよい。この場合には、決定割合のみを異ならせる場合よりも確実に、普図変動時間や傾動制御時間から、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかを認識することができる。
第1付属図柄表示器9aや第2付属図柄表示器9bによる付属図柄の可変表示は、2つのLEDが所定時間(例えば0.5秒)毎に交互に点灯する状態を継続することによって実現されるものであればよい。ここで、第1付属図柄表示器9aによる第1付属図柄の可変表示は、第1特別図柄表示器8aによる第1特図の可変表示と同期している。また、第2付属図柄表示器9bによる第2付属図柄の可変表示は、第2特別図柄表示器8bによる第2特図の可変表示と同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであり、可変表示の期間が同じであることをいう。第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄や小当り図柄が停止表示されるときには、第1付属図柄表示器9aにおいて可変表示結果が「大当り」又は「小当り」であることを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄や小当り図柄が停止表示されるときには、第2付属図柄表示器9bにおいて可変表示結果が「大当り」又は「小当り」であることを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
付属図柄において可変表示結果が「大当り」又は「小当り」であることを想起させる表示結果の一例としては、上側のLEDが点灯されるものであればよい。その一方で、可変表示結果が「ハズレ」であることを想起させる付属図柄の表示結果としては、下側のLEDが点灯されるものであればよい。なお、付属図柄において、可変表示結果が「大当り」であることを想起させる表示結果と、可変表示結果が「小当り」であることを想起させる表示結果とを、互いに異ならせるようにしてもよい。一例として、上側のLEDが点灯される場合に可変表示結果が「大当り」であることを想起させる一方で、上側及び下側のLEDがともに点灯される場合に可変表示結果が「小当り」であることを想起させるようにしてもよい。また、第1付属図柄表示器9aおよび第2付属図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1付属図柄及び第2付属図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として可変表示されるように制御してもよい。
第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、図柄表示エリア9L、9C、9Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の図柄表示エリア9Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。なお、スクロール表示が行われる方向は、上方から下方へと向かうものに限定されず、例えば右側から左側へ、あるいは、左側から右側へと向かう横方向のものや、下方から上方へと向かうものであってもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示画面にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の図柄表示エリア9L、9Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの図柄表示エリア(例えば「中」の図柄表示エリア9Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置9の表示画面に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行されることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置9の表示画面における表示動作のみならず、スピーカ27による音声出力動作や、枠LED28の点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」ともいう)が異なる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出が実行可能であり、主基板31の側で変動パターンが決定されることなどに対応して、各々の演出動作を実行するか否かが決定される。この実施の形態における可変表示演出は、対応する演出動作が実行されるか否か応じて特図変動時間が変化するものであればよい。例えば、可変表示演出が実行される場合には、可変表示演出が実行されない場合に比べて、特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が長くなるものであればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに基づき、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の図柄表示エリア9L、9C、9Rにて飾り図柄を仮停止表示させた後、全部の図柄表示エリア9L、9C、9Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させて再可変表示を行う演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにて、図2(A)に示すような擬似連チャンス目GC1〜GC8といった、予め定められた複数種類の非特定表示結果となる飾り図柄の組合せのいずれかが仮停止表示される。ここで、図2(A)などに示す「左図柄」は「左」の図柄表示エリア9Lに表示(停止表示または仮停止表示)される飾り図柄であり、「中図柄」は「中」の図柄表示エリア9Cに表示される飾り図柄であり、「右図柄」は「右」の図柄表示エリア9Rに表示される飾り図柄である。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に停止表示された飾り図柄が確定しないことを遊技者が認識できればよい。あるいは、仮停止表示でも、停止表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出では、擬似連変動(再変動)の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように設定されていればよい。これにより、遊技者は、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかが仮停止表示されることにより、「擬似連」の可変表示演出が行われることを認識でき、擬似連変動の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる期待感が高められる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。「擬似連」の可変表示演出において擬似連変動(再変動)が1回又は複数回実行されることによる変動表示(初回変動を含む)の実行回数は、擬似連の合計変動回数ともいう。
「擬似連」の可変表示演出が実行される際には、初回変動を含む複数回の変動表示に伴って、関連する表示演出などによる再変動演出が実行されるようにしてもよい。一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、上演出LED85a、中演出LED85b及び下演出LED85cのうち点灯されるものが1つずつ増えていき、3つのLEDが全て点灯された後には3つのLEDが点滅されるように制御されてもよい。なお、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかが仮停止表示される期間(仮停止期間)では、LED(上演出LED85a、中演出LED85b、下演出LED85c)は全て消灯状態であってもよい。また、再変動(初回変動も含む)の期間中に、LEDは表示色が変わるように制御されてもよいし、点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されるのではなく上演出LED85a、中演出LED85b及び下演出LED85cのうちで点灯するものが変わるように制御されるようにしてもよい。他の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、可動部材78が動作するように制御されてもよい。さらに他の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、演出表示装置9において特定のキャラクタ画像を表示するように制御されてもよい。これらの再変動演出の一部又は全部に加えて、あるいは、これらの再変動演出の一部又は全部に代えて、LEDの点灯又は点滅、可動部材78の動作、キャラクタ画像の表示のうち、一部又は全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性や、大当り種別が「15R確変」となる可能性が高まるようにしてもよい。
再変動演出として実行される演出動作は、例えばスピーカ27からの音声出力や、装飾LED25及び枠LED28といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を含んだものであってもよい。また、例えばスピーカ27による音声や効果音の出力の違い、演出対象物(例えば可動部材78)の動きの違い(動作速度の違い、動作する距離の違い、動作方向の違いなど)、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像の動きの違い(動作速度の違い、動作する距離の違い、動作方向の違いなど)によって再変動演出の演出態様を相違させたり、演出表示装置9においてキャラクタ画像ではなく文字表示を変化させたり背景画像の表示を変化させたりして、再変動演出における演出態様を相違させてもよい。さらに、飾り図柄の変動中に実行される再変動演出とは別に、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる飾り図柄の仮停止時などに、例えばスピーカ27からの音声出力や、装飾LED25及び枠LED28といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作によりチャンス目が仮停止表示されたことを遊技者が認識できるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出とは異なる可変表示演出として、「滑り」の可変表示演出が実行されることがある。「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の図柄表示エリア9L、9R、あるいは、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部など)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の図柄表示エリア(例えば「左」の図柄表示エリア9Lと「右」の図柄表示エリア9Rのいずれか一方又は双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。一例として、「滑り」の可変表示演出では、図2(A)に示すような擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかといった、非特定表示結果となる飾り図柄の組合せのいずれかが仮停止表示される。その後、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの一部にて仮停止表示された飾り図柄を再び変動させることで、最終停止図柄となる確定飾り図柄が導出表示される。このように、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかといった所定の非特定表示結果となる飾り図柄の組合せが仮停止表示された後に一部の飾り図柄を再び変動させる「滑り」の可変表示演出は、「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出ともいう。なお、「滑り」の可変表示演出は、最終停止図柄を導出表示するものに限定されず、例えば「滑り」の可変表示演出を実行した後に擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示されて、続けて「擬似連」の可変表示演出が実行されるようにしてもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定のキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示することなどのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。この実施の形態では、「キャラクタ表示」や「ステップアップ動作」、「ジョグ操作予告」といった、複数種類の予告演出が実行可能に設定されている。予告演出となる演出動作は、それが実行されるか否かによっては特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)に変化が生じないものであればよい。
「キャラクタ表示」の予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば演出表示装置9の表示画面にて、所定位置に予め用意されたキャラクタ画像を表示させる演出表示が行われる。
「ステップアップ動作」の予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば演出表示装置9の表示画面にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り換えて表示させる演出表示により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われることがある。なお、「ステップアップ動作」の予告演出では、予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれか1つ(例えば所定の順番において最初に表示される演出画像など)が表示された後、演出画像が切り換えられることなく、予告演出における演出表示を終了させることがあるようにしてもよい。また、「ステップアップ動作」の予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば可動部材78を所定の順番に従って複数種類の動作態様で動作させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われることがある。なお、「ステップアップ動作」の予告演出では、可動部材78が1種類の動作態様で演出動作を行った後、2段階目の演出動作に切り換えられることなく、予告演出における演出動作を終了させることがあるようにしてもよい。
このように、「ステップアップ動作」の予告演出は、1回の始動入賞(第1始動入賞口13又は第2始動入賞口14に1個の遊技球が進入したこと)に対応して実行される特別図柄や飾り図柄の可変表示中に実行される予告演出の一種であり、特に予告の態様(表示、音、ランプ、可動物等)が複数段階に変化(ステップアップ)するステップアップ予告演出である。一般的には変化する回数(ステップ数)が多くなるに従い信頼度(可変表示結果が「大当り」となる可能性)が高くなる。また、ステップアップ予告演出におけるステップ数、あるいは、各ステップにおける演出態様に応じて、「15R確変大当り」や「2R確変大当り」となること、特定のリーチ演出が実行されること、「15R通常大当り」から「15R確変大当り」へと昇格することのうち、少なくともいずれか1つを予告するものであってもよい。さらに変化する回数(ステップ数)によって予告する対象も変化するものでもよい。例えば第2ステップまで行くと「リーチ確定」、第3ステップまで行くと「スーパーリーチ確定」、第4ステップまで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。予告の態様の変化(ステップアップ)としては、異なるキャラクタ画像が順番に表示されるものであってもよいし、1つのキャラクタにおける形状や色等が変化することでステップアップするようなものであってもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動物等)の状態が段階的に変化したと認識可能なものであればよい。
「ジョグ操作予告」の予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、遊技者により操作ユニット38が操作されたことに応じて、例えば演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示を変更することや、スピーカ27から出力させる音声などを変更することにより、演出動作を変化させる。一例として、「ジョグ操作予告」の予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、操作促進演出となる所定の演出動作が行われる。操作促進演出は、例えば演出表示装置9の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、遊技者による所定の操作態様での操作ユニット38の操作を促す演出動作であればよい。
遊技者による操作ユニット38の操作を促す演出動作としては、演出表示装置9に演出画像を表示させるものに限定されず、スピーカ27から所定の音声を出力させるもの、装飾LED25や枠LED28を所定の点灯パターンで点灯又は点滅させるもの、操作ユニット38に内蔵されたLED等の発光体を点灯又は点滅させるもの、可動部材78のように遊技領域7の内部又は外部に設けられた演出用役物が備える可動部材を所定の動作態様で動作させるもの、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせたものであってもよい。こうした操作促進演出が行われるときには、遊技者による操作ユニット38の操作を有効に検出する操作有効期間となる。そして、操作有効期間内に遊技者による操作ユニット38の操作が操作促進演出で提示された操作態様であることを操作検出スイッチ38aによって検出すると、その操作が検出されたタイミングにて、操作促進演出の実行を停止するとともに、例えば予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれかの演出画像を演出表示装置9に表示させることや、予め用意された複数種類の音声パターンのうちいずれかの音声パターンに対応する効果音をスピーカ27から出力させることといった、各種の演出動作が実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち15R非確変大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、所定の通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が15R非確変大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「15R非確変」(「15R通常」ともいう)の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「15R非確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り遊技状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、時短状態に制御されることになる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち15R確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、大当り種別が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後、もしくは、大当り種別が「通常」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。ここで、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が15R確変大当り図柄となることに対応して、リーチ演出が実行された後に、確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「15R確変」の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として15R確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。このように、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される場合でも、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示されるときは、「15R確変」の可変表示態様に含まれる。こうして「15R確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、第1確変状態に制御されることになる。
確定飾り図柄が通常大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されてもよい。再抽選演出では、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの有効ライン上に通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「15R非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する変動中昇格失敗演出が行われる。これに対して、大当り種別が「15R確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する変動中昇格成功演出が実行されることもあれば、変動中昇格失敗演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、15ラウンド大当り状態が終了するまでの期間にて、第1確変状態等の高確率遊技状態に制御するか否かの報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。ここで、大当り中昇格演出が実行されるタイミングは、可変表示結果(最終停止図柄)が停止表示されてから、15ラウンド大当り状態における最初のラウンドが開始される以前の期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態においていずれかのラウンドが実行中の期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間であってもよいし、15ラウンド大当り状態において最終のラウンドが終了してから、次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間であってもよい。あるいは、15ラウンド大当り状態の終了後における最初の特別図柄や飾り図柄の変動中に、大当り中昇格演出に相当する演出動作が行われるようにしてもよい。15ラウンド大当り状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が高確率遊技状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、高確率遊技状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、演出表示装置9の表示画面にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、高確率遊技状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。「15R非確変」の大当り種別に基づく15ラウンド大当り状態などにて大当り中昇格演出が実行されるときには、大当り中昇格失敗演出が行われる。これに対して、「15R確変」の大当り種別に基づく15ラウンド大当り状態などにて大当り中昇格演出が実行されるときには、大当り中昇格成功演出が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」や「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合、また、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、例えば図2(B)に示すような2回開放チャンス目TC1〜TC4として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示される。特図ゲームにおける確定特別図柄が2R非確変大当り図柄である「1」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「2R非確変」(「突然通常大当り」ともいう)の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。特図ゲームにおける特別図柄が2R確変大当り図柄である「5」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「2R確変」(「突然確変大当り(突確)」ともいう)の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。
なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄や小当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄や小当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、2回開放チャンス目TC1〜TC4とは異なる所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
こうして「2R非確変」や「2R確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、2ラウンド大当り状態に制御され、その2ラウンド大当り状態が終了すると、「2R非確変」であれば通常状態に制御される一方、「2R確変」であれば第2確変状態に制御されることになる。可変表示結果が「小当り」となった後には、小当り遊技状態に制御されて可変入賞動作が行われた後、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が継続する。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームに対応して、特別遊技状態を終了する旨の判定がなされた場合には、小当り遊技状態の終了後に通常状態へと制御される。
可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」及び「2R確変」のいずれかとなる場合や、可変表示結果が「小当り」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に2回開放前演出を実行することがある。2回開放前演出では、2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態に制御されることに対応して予め定められた演出動作が行われる。また、2回開放前演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作に限定されず、2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態となる期間の一部又は全部においても、可変表示中から継続して実行される演出動作を含んでいてもよい。2回開放前演出が開始されるときには、可変表示中の飾り図柄を消去して、2回開放前演出が実行された後には、確定飾り図柄が導出表示されないようにしてもよい。大当り種別が「2R非確変」及び「2R確変」の「大当り」や「小当り」をまとめて「2R当り」ともいう。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9などにおける演出態様が異なる複数の演出モードを備えている。図3は、演出モードの移行例を説明するための図である。この実施の形態では、図3(B)に示すように、モードA、モードB、モードJ、モードK、モードM、モードNという、6つの演出モードが設けられている。これらの演出モードは、図3(A)に示すように、大当り遊技状態又は小当り遊技状態が終了したときや、飾り図柄の可変表示が開始されるときなどに、現在の演出モードや大当り種別等に応じて切り替わる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の演出モードが設けられてもよい。
図3(A)、(B)に示すように、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R確変」である場合には、大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)の終了後にモードKの演出モードとなる。すなわち、モードKの演出モード中は第1確変状態(高確高ベース状態)である。モードKの演出モードでは、例えば「確変中」といった高確率遊技状態であることを報知する演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させること、及び/又は、演出表示装置9の表示画面における背景画像や飾り図柄の表示態様を他の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、高確率遊技状態であることを遊技者が認識できるようにしてもよい。可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R非確変」である場合には、大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)の終了後にモードJの演出モードとなる。すなわち、モードJの演出モード中は時短状態(低確高ベース状態)である。モードJの演出モードでは、例えば「時短中」といった時短状態であることを報知する演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させること、及び/又は、演出表示装置9の表示画面における背景画像や飾り図柄の表示態様を他の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、時短状態であることを遊技者が認識できるようにしてもよい。
可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R確変」又は「2R非確変」である場合には、大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)の終了後にモードAまたはモードBの演出モードとなる。また、可変表示結果が「小当り」である場合には、小当り遊技状態の終了後にモードAまたはモードBの演出モードとなる。このように、モードAやモードBの演出モード中は、「2R確変」の大当り種別に基づき第2確変状態(高確低ベース状態)となっていることもあれば、「2R非確変」の大当り種別に基づき通常状態(低確低ベース状態)となっていることがある。また、「小当り」の可変表示結果に基づき通常状態(低確低ベース状態)、時短状態(低確高ベース状態)、第1確変状態(高確高ベース状態)、第2確変状態(高確低ベース状態)のいずれかとなることもある。
モードA、モードBの演出モードのいずれかである場合には、例えば確変状態といった確変制御が行われる所定の特別遊技状態に制御されているときと制御されていないときとで共通の演出が実行され、その特別遊技状態(確変状態)に制御されているか否かが特定不能となる。
可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R確変」となった場合は、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が第2確変状態となるが、この場合は、モードBよりもモードAに移行されやすくなっている。また、確変状態において、可変表示結果が「小当り」となった場合も、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態となるが、この場合も、モードBよりもモードAに移行されやすくなっている。即ち、モードAとモードBは、共に確変状態であるか否かを特定できない演出モードであるが、モードAである場合の方が、モードBである場合よりも確変状態である割合が高くなる。これにより、モードAであるかモードBであるかに応じて、現在の遊技状態が確変状態であるか否かを示唆することができる。具体的には、モードAであれば確変状態である可能性が高いことを示唆でき、モードBであれば確変状態(高確状態)である可能性が低いことを示唆できる。
飾り図柄の可変表示が開始されるときに、モードA、モードB、モードMのいずれかであれば、演出モードを他のモードに移行して変更するモード移行を実行するか否かの判定が行われる。モードAの演出モードであるときにモード移行を実行すると判定された場合には、モードBに演出モードが変更される。モードBの演出モードであるときにモード移行を実行すると判定された場合には、モードNに演出モードが変更される。モードMの演出モードであるときにモード移行を実行すると判定された場合には、モードNに演出モードが変更される。
モードNは、モードBやモードMから移行する演出モードであり、モードNの演出モード中は通常遊技(低確低ベース状態)である。パチンコ遊技機1の初期設定状態では、演出モードはモードNとなる。
モードJの演出モードであるときに可変表示結果が「大当り」とならずに時短状態が終了すれば、モードMの演出モードとなる。モードMの演出モード中は、モードNの演出モード中と同様に、遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)となるが、モードMにおいて可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R確変」となった場合は、他の演出モードにおいて可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R確変」となった場合に比べて、モードBよりもモードAに移行されやすくなっている。これにより、モードMにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R確変」又は「2R非確変」となった場合や、可変表示結果が「小当り」である場合には(モードAまたはモードBに移行する場合には)、現在の遊技状態を把握しやすくなるというメリットを遊技者に与えることができる。なお、モードMの演出モード中は、モードNの演出モード中と背景の色を異ならせるなどにより、モードMの演出モードであることを認識できるようにすればよい。
時短状態といった遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)が終了して通常状態に制御されたときは、遊技者が遊技をやめる契機となりやすい。この実施の形態では、時短状態が終了した後に、上述のようなモードMの演出モードに移行させるようにしたことで、時短状態終了後も遊技者に遊技を継続させやすくすることができる。
パチンコ遊技機1には、例えば図4に示すような主基板(遊技制御基板)31、演出制御基板80、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、払出制御基板37といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板31と演出制御基板80との間で伝送される各種の制御信号を中継する中継基板77なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤6などの背面には、例えば電源基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されていればよい。
主基板31は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板31は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板80などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板31は、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器10の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板31には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ560や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ560に伝送する入力ドライバ回路58、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのソレノイド駆動信号をソレノイド16、21に伝送する出力回路59などが搭載されている。
演出制御基板80は、主基板31とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板77を介して主基板31から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置9、スピーカ27及び装飾LED25、枠LED28等を含んだ演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板80は、演出表示装置9における表示動作や、スピーカ27からの音声出力動作の全部又は一部、装飾LED25や枠LED28等の発光体における点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声出力基板70は、演出制御基板80とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板80からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ27から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプドライバ基板35は、演出制御基板80とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板80からの指令や制御データなどに基づき、装飾LED25や枠LED28等の発光体における点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図4に示すように、主基板31には、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a、30a、33a、39aからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a、30a、33a、39aは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板31には、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線の他にも、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線などが接続されている。その他にも、主基板31には、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)などが、搭載されていてもよい。
主基板31から演出制御基板80に向けて伝送される制御信号は、中継基板77によって中継される。主基板31には、例えば中継基板77に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ560との間には、例えば図5に示すように、出力バッファ回路を含んだ出力ポート571が接続されている。出力ポート571に含まれる出力バッファ回路は、主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板77から主基板31への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板80や中継基板77の側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。
中継基板77には、例えば主基板31から演出制御基板80に対して制御信号を伝送するための配線毎に、例えば図5に示すような伝送方向規制回路74が設けられていればよい。各伝送方向規制回路74は、主基板31対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板80対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路74は、演出制御基板80から中継基板77への信号の入力を阻止して、主基板31から演出制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板80の側から主基板21側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板77において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路74を設けるとともに、主基板31にて遊技制御用マイクロコンピュータ560と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を含んだ出力ポート571設けることで、外部から主基板31への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板77を介して主基板31から演出制御基板80に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置9における演出画像の表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ27からの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、装飾LED25や枠LED28等の発光体における点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図6(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図6(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図6(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9の表示画面における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、第1及び第2変動開始コマンドと、変動パターン指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1特図及び第2特図のいずれが変動開始となるかの指定内容と、変動パターンの指定内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)と変動パターンとの組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを特定できるようにしてもよい。ここで、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)に応じた2種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動開始となる特別図柄を指定する演出制御コマンドと、変動パターンを指定する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動開始となる特別図柄に対応した2種類の演出制御コマンドと、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図6(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれとなるかの事前決定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様(大当り種別)が「15R非確変」、「15R確変」、「2R非確変」、「2R確変」のいずれとなるかの大当り種別決定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「15R非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「15R確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「2R非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「2R確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C05Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第6可変表示結果通知コマンドである。
この実施の形態では、変動パターン指定コマンドと可変表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンと、可変表示結果通知コマンドに示される可変表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動パターンと可変表示結果(「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれかと、「大当り」となる場合における大当り種別)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果とを特定できるようにしてもよい。ここで、変動パターンと可変表示結果とを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、複数種類の可変表示結果に応じた複数種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動パターンを指定する演出制御コマンドと、可変表示結果を通知する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドと、可変表示結果の種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8F00Hは、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rで飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えば図6(C)に示すように、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が通常状態、時短状態、第1及び第2確変状態のいずれであるかなどに対応して、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド9500Hは、遊技状態が通常状態であることを示す第1遊技状態指定コマンドである。コマンド9501Hは、遊技状態が時短状態であることを示す第2遊技状態指定コマンドである。コマンド9502Hは、遊技状態が第1確変状態であることを示す第3遊技状態指定コマンドである。コマンド9503Hは、遊技状態が第2確変状態であることを示す第4遊技状態指定コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。当り開始指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り開始指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間おける演出画像(例えばラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示を指定する大入賞口開放後指定コマンドである。大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば15ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)や、2ラウンド大当り状態又は可変入賞動作における大入賞口の開放回数(例えば「1」又は「2」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかにかかわりなく、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始時点から、あるいは、飾り図柄の可変表示開始時点から、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時点まで、継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。なお、2ラウンド大当り状態及び/又は小当り遊技状態に制御されるときには、当り開始指定コマンドや大入賞口開放中指定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドの一部又は全部が伝送されず、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンにより、2ラウンド大当り状態中及び/又は小当り遊技状態中における演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドB001Hは、普通入賞球装置が形成する第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことに基づき、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB002Hは、普通可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことに基づき、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC0XXHは、演出表示装置9の表示画面に設けられた合計保留記憶表示部18cなどにて合計保留記憶数を特定可能に表示するために、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。保留記憶数通知コマンドでは、例えば図19に示す第1特図保留記憶部151Aにおける保留データと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数(例えば「1」〜「8」)、あるいは、始動データ記憶部151Cにおける始動データの総記憶数(例えば「1」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板80の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、主基板31から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数を特定することができる。
この実施の形態では、第1及び第2始動口入賞指定コマンドと保留記憶数指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1始動条件及び第2始動条件のいずれが成立したかの通知内容と、合計保留記憶数の通知内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、成立した始動条件(第1始動条件あるいは第2始動条件)と合計保留記憶数との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、成立した始動条件と合計保留記憶数とを特定できるようにしてもよい。ここで、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを、合計保留記憶数とともに1つの演出制御コマンドで特定可能とする場合には、例えば合計保留記憶数の上限値が「8」である場合に、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれが成立した場合に対応して8種類ずつの合計16種類の演出制御コマンドを用意しなければならない。これに対して、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを特定可能な演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能な演出制御コマンドとを別個に用意すれば、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれを特定可能な2種類の演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能とする8種類の演出制御コマンドの、合計10種類の演出制御コマンドを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、例えば図3に示すように、ゲーム制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)54と、ゲーム制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)55と、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)56と、I/O(Input/Output port)57と、CPU56とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路503とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、CPU56がROM54から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU56がROM54から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU56がRAM55に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU56がRAM55に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU56がI/O57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU56がI/O57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ560を構成する1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56の他にRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/O57は、外付けであってもよい。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ560ではCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
主基板31では、例えば図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備える乱数回路503などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図7は、主基板31の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、主基板31の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2−1、リーチ決定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路503は、これらの乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU56は、例えば図18に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路503とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路503によりCPU56とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2−1、MR2−2、MR3、MR4、MR5を示す数値データは、CPU56がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路503により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。乱数回路503は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ560とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2−1は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「15R非確変」、「15R確変」、「2R非確変」、「2R確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。リーチ決定用の乱数値MR2−2は、可変表示結果を「ハズレ」とする場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「239」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「241」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、飾り図柄の変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「201」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14を遊技球が進入しがたい状態(通常開放状態)から遊技球が進入しやすい状態(拡大開放状態)へと変化させるか否かなどの決定を行うために用いられる。
図8は、この実施の形態における飾り図柄の変動パターンを示している。図8(A)は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、予め用意された飾り図柄の変動パターンを例示している。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。図8(B)は、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる場合に対応して予め用意された飾り図柄の変動パターンを例示している。なお、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に対応した変動パターンは当り変動パターンと称される。
図8(A)に示すように、この実施の形態では、非リーチ変動パターンとして、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−5、変動パターンPB1−1、変動パターンPB1−2、変動パターンPC1−1、変動パターンPC1−2が、予め用意されている。また、リーチ変動パターンとして、変動パターンPA2−1、変動パターンPA2−2、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−8が、予め用意されている。図8(B)に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した当り変動パターンとして、変動パターンPA4−1、変動パターンPA4−2、変動パターンPA5−1〜変動パターンPA5−3、変動パターンPA6−1〜変動パターンPA6−5が、予め用意されている。また、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」及び「2R確変」のいずれかとなる場合や、可変表示結果が「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンとして、変動パターンPF1−1〜変動パターンPF1−6が、予め用意されている。
図8(B)に示す変動パターンPF1−1〜変動パターンPF1−4では、2回開放前演出が終了した後に確定飾り図柄が導出表示されて停止する。これに対して、変動パターンPF1−1〜変動パターンPF1−4の一部又は全部では、2回開放チャンス目TC1〜TC4などが仮停止表示された後に2回開放前演出が行われるようにしてもよいし、2回開放前演出が実行されるときに飾り図柄の表示が消去され、確定飾り図柄が導出表示されないようにしてもよい。
図9は、この実施の形態における飾り図柄の変動パターン種別を示している。図8(A)及び図8(B)に示す各変動パターンは、図9に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作などに基づいて分類された1つ又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。
この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した変動パターン種別として、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−4、変動パターン種別CB1−1〜変動パターン種別CB1−3、変動パターン種別CC1−1〜変動パターン種別CC1−3が、予め用意されている。また、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した変動パターン種別として、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−4が、予め用意されている。
可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R非確変」又は「15R確変」となる場合に対応した変動パターン種別として、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−4が、予め用意されている。加えて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」又は「2R確変」となる場合や、可変表示結果が「小当り」となる場合に対応した変動パターン種別として、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−3が、予め用意されている。さらに加えて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」又は「2R確変」となる場合に対応した変動パターン種別として、変動パターン種別CA4−4〜変動パターン種別CA4−6が、予め用意されている。各変動パターン種別は、それぞれの内容に沿った1つ又は複数の変動パターンを含んで構成されたものであればよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図9に示すように、変動パターン種別CA1−1は、通常状態や第2確変状態において特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されず、また、「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出が実行されない「短縮なし(通常状態/第2確変状態)」の変動パターン種別であり、「短縮なし(通常状態/第2確変状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA1−2は、通常状態や第2確変状態において合計保留記憶数が「3」又は「4」である場合に対応して特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されて、「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出が実行されない「保留3,4個短縮(通常状態/第2確変状態)」の変動パターン種別であり、「保留3,4個短縮(通常状態/第2確変状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA1−3は、通常状態や第2確変状態において合計保留記憶数が「5」〜「8」のいずれかである場合に対応して特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されて、「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出が実行されない「保留5〜8個短縮(通常状態/第2確変状態)」の変動パターン種別であり、「保留5〜8個短縮(通常状態/第2確変状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA1−4は、通常状態や第2確変状態において可変表示態様が「非リーチ」となる場合に「擬似連」や「滑り」の可変表示演出が実行される「擬似連,チャンス目停止後滑り」の変動パターン種別であり、「擬似連,チャンス目停止後滑り」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。
変動パターン種別CB1−1は、第1確変状態において特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が通常状態よりも短縮される一方で、合計保留記憶数に基づく短縮は行われず、「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出が実行されない「短縮なし(第1確変状態)」の変動パターン種別であり、「短縮なし(第1確変状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CB1−2は、第1確変状態において合計保留記憶数が「2」〜「8」である場合に対応して特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されて、「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出が実行されない「保留2〜8個短縮(第1確変状態)」の変動パターン種別であり、「保留2〜8個短縮(第1確変状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CB1−3は、第1確変状態において飾り図柄の可変表示中に「擬似連」の可変表示演出を実行することもある「擬似連含む(第1確変状態)」の変動パターン種別であり、「擬似連含む(第1確変状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。
変動パターン種別CC1−1は、時短状態において特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が通常状態よりも短縮される一方で、合計保留記憶数に基づく短縮は行われず、「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出が実行されない「短縮なし(時短状態)」の変動パターン種別であり、「短縮なし(時短状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CC1−2は、時短状態において合計保留記憶数が「2」〜「8」である場合に対応して特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されて、「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出が実行されない「保留2〜8個短縮(時短状態)」の変動パターン種別であり、「保留2〜8個短縮(時短状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CC1−3は、時短状態において飾り図柄の可変表示中に「擬似連」の可変表示演出を実行することもある「擬似連含む(時短状態)」の変動パターン種別であり、「擬似連含む(時短状態)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。
変動パターン種別CA2−1は、可変表示結果が「ハズレ」の場合に飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後に通常のリーチ演出(ノーマルリーチ)を実行する「ノーマルリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(ハズレ)」と予め対応付けられたリーチ変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA2−2は、可変表示結果が「ハズレ」の場合に飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後に複数種類のスーパーリーチのうちでスーパーリーチαとして予め定められたリーチ演出を実行する「スーパーリーチα(ハズレ)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチα(ハズレ)」と予め対応付けられたリーチ変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA2−3は、可変表示結果が「ハズレ」の場合に飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後に複数種類のスーパーリーチのうちでスーパーリーチαとは演出態様が異なるスーパーリーチβとして予め定められたリーチ演出を実行する「スーパーリーチβ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチβ(ハズレ)」と予め対応付けられたリーチ変動パターンを含んでいる。スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチとなるリーチ演出は、ノーマルリーチといった通常のリーチ演出に比べて、そのリーチ演出が出現した後に可変表示結果が「大当り」となる可能性(信頼度)が高い。変動パターン種別CA2−4は、可変表示結果が「ハズレ」の場合に擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかといった所定の非特定表示結果となる飾り図柄の組合せが仮停止表示された後に一部の飾り図柄を再び変動させる「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出が実行され、その可変表示演出が終了したときにリーチハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「チャンス目停止後滑り(ハズレ)」の変動パターン種別であり、「チャンス目停止後滑り(ハズレ)」と予め対応付けられたリーチ変動パターンを含んでいる。
変動パターン種別CA3−1は、可変表示結果が「大当り」の場合に飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後に通常のリーチ演出(ノーマルリーチ)を実行し、その後に大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(大当り)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA3−2は、可変表示結果が「大当り」の場合に飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチαのリーチ演出を実行し、その後に大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチα(大当り)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチα(大当り)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA3−3は、可変表示結果が「大当り」の場合に飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチβのリーチ演出を実行し、その後に大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチβ(大当り)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチβ(大当り)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA3−4は、可変表示結果が「大当り」の場合に擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかといった所定の非特定表示結果となる飾り図柄の組合せが仮停止表示された後に一部の飾り図柄を再び変動させる「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出が実行され、その可変表示演出が終了したときに大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「チャンス目停止後滑り(大当り)」の変動パターン種別であり、「チャンス目停止後滑り(大当り)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。
変動パターン種別CA4−1は、通常状態や第2確変状態において飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とすることなく2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定飾り図柄が停止表示される「2回開放チャンス目停止(通常状態/第2確変状態)」の変動パターン種別であり、「2回開放チャンス目停止(通常状態/第2確変状態)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA4−2は、第1確変状態において飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とすることなく2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定飾り図柄が停止表示される「2回開放チャンス目停止(第1確変状態)」の変動パターン種別であり、「2回開放チャンス目停止(第1確変状態)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA4−3は、時短状態において飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とすることなく2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定飾り図柄が停止表示される「2回開放チャンス目停止(時短状態)」の変動パターン種別であり、「2回開放チャンス目停止(時短状態)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。
変動パターン種別CA4−4は、通常状態や第2確変状態において飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチαなどのリーチ演出を実行し、そのリーチ演出から2回開放前演出へと移行してリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される「2回開放時リーチハズレ(通常状態/第2確変状態)」の変動パターン種別であり、「2回開放時リーチハズレ(通常状態/第2確変状態)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA4−5は、第1確変状態において飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチαなどのリーチ演出を実行し、そのリーチ演出から2回開放前演出へと移行してリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される「2回開放時リーチハズレ(第1確変状態)」の変動パターン種別であり、「2回開放時リーチハズレ(第1確変状態)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA4−6は、時短状態において飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチαなどのリーチ演出を実行し、そのリーチ演出から2回開放前演出へと移行してリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される「2回開放前リーチハズレ(時短状態)」の変動パターン種別であり、「2回開放前リーチハズレ(時短状態)」と予め対応付けられた当り変動パターンを含んでいる。
このように、図9に示す変動パターン種別の設定例では、まず、非リーチ変動パターン、リーチ変動パターン、当り変動パターンに分類している。その上で、非リーチ変動パターンである場合には、通常状態及び第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれに対応しているかや、合計保留記憶数に対応して可変表示時間が短縮されるか否か、「擬似連」や「チャンス目停止後滑り」といった可変表示演出が実行されるか否か、などに応じて分類した1つ以上の変動パターンが含まれるように、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−4、変動パターン種別CB1−1〜変動パターン種別CB1−3、変動パターン種別CC1−1〜変動パターン種別CC1−3のそれぞれを設定している。また、リーチ変動パターンである場合には、リーチ演出がノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβのいずれであるかや、「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出が実行されるか否か、などに応じて分類した1つ以上の変動パターンが含まれるように、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−4のそれぞれを設定している。さらに、当り変動パターンである場合には、可変表示結果が「大当り」と「小当り」のいずれに対応しているかや、大当り種別が「2R非確変」及び「2R確変」に対応しているか否か、リーチ演出がノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβのいずれであるか、「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて分類した1つ以上の変動パターンが含まれるように、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−4、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−6のそれぞれを設定している。
なお、変動パターン種別の構成は、図9に示すものに限定されず、飾り図柄の可変表示中に実行される任意の演出動作に基づき各変動パターンを分類したものなどであればよい。一例として、リーチ変動パターンや当り変動パターンについて、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かや、実行される場合における擬似連変動の実行回数(初回変動を除く)などに応じて分類した変動パターンにより、各変動パターン種別を構成するようにしてもよい。この構成例では、例えば擬似連変動の実行回数が3回(再変動3回)となるリーチ変動パターン及び当り変動パターンを含む変動パターン種別として、図8(A)に示す変動パターンPA3−7と、図8(B)に示す変動パターンPA6−4とを含む変動パターン種別が設定されればよい。
図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるROM54には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM54には、CPU56が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM54には、CPU56が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、飾り図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
図10は、ROM54に記憶される図柄表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、図柄表示結果決定テーブルとして、図10(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図10(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bと、図10(C)に示す普図表示結果決定テーブル130Cとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示器8aによる特図ゲームにおいて、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。普図表示結果決定テーブル130Cは、普通図柄表示器10による普図ゲームにおいて可変表示結果となる確定普通図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「普図当り」として第2始動入賞口14を遊技球が進入しやすい状態とする傾動制御を行うか否かを、普図表示結果決定用の乱数値MR5に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態であるか第1確変状態又は第2確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」及び「小当り」及び「ハズレ」の可変表示結果のいずれかに割り当てられている。なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかに応じて、可変表示結果に対する決定値の割り当てが異なる決定テーブルを用意している。これに対して、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとで共通の決定テーブルを使用して、大当り遊技状態に制御するか否かを決定するようにしてもよい。これにより、ROM54に記憶されるデータ容量を削減することができる。また、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bとでは、「小当り」の可変表示結果に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。一例として、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて、「小当り」の可変表示結果に割り当てられる決定値の個数が少なくなるようにしてもよい。このような設定により、第2特図を用いた特図ゲームでは、第1特図を用いた特図ゲームに比べて、可変表示結果が「小当り」となる確率を低下させて、第1確変状態や時短状態における遊技に間延びが生じることによる遊技興趣の減退を抑制することができる。
普図表示結果決定テーブル130Cでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であるか第1確変状態又は時短状態であるか第2確変状態であるかに応じて、普図表示結果決定用の乱数値MR5と比較される数値(決定値)が、「普図当り#1」〜「普図当り#4」の一部や「普図ハズレ」の各普図表示結果に割り当てられている。普図表示結果決定テーブル130Cは、「普図当り#1」〜「普図当り#4」及び「普図ハズレ」のそれぞれに対応して、普図変動時間を複数種類のいずれかに設定するための設定用データや、乱数値MR5が「普図当り#1」〜「普図当り#4」の普図表示結果のいずれかに割り当てられた決定値と合致した場合に第2始動入賞口14を遊技球が進入しやすい状態とする傾動制御を行う時間(開放時間)と回数(開放回数)を設定するための設定用データなどを、含んでいてもよい。
図10(C)に示す普図表示結果決定テーブル130Cの設定では、遊技状態が通常状態又は第2確変状態である場合に対応して、普図表示結果決定用の乱数値MR5が「1」〜「60」のいずれかであるときに「普図当り」の普図表示結果とすることが決定される。その一方で、遊技状態が第1確変状態又は時短状態である場合に対応して、普図表示結果決定用の乱数値MR5が「1」〜「180」のいずれかであるときに「普図当り」の普図表示結果とすることが決定される。これにより、第1確変状態や時短状態であるときには、通常状態や第2確変状態であるときに比べて、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率が高くなり、第2始動入賞口14を遊技球が進入しやすい状態とする傾動制御が行われる頻度を高めることができる。また、遊技状態が第1確変状態や時短状態であるときには、普図表示結果が「普図当り」でも「普図ハズレ」でも、普図変動時間が「1秒」となり、遊技状態が通常状態や第2確変状態のときよりも短くなる。これにより、第1確変状態や時短状態であるときには、通常状態や第2確変状態であるときに比べて、普図ゲームの実行時間が短くなり、第2始動入賞口14を遊技球が入賞しやすい状態とする傾動制御が行われる頻度を高めることができる。さらに、遊技状態が第1確変状態や時短状態であるときには、開放時間と開放回数が「1.7秒×3回」となり、遊技状態が通常状態や第2確変状態のときよりも長時間で多数回開放される。これにより、第1確変状態や時短状態であるときには、通常状態や第2確変状態であるときに比べて、遊技球が第2始動入賞口14に進入しやすくなる。
また、普図表示結果決定テーブル130Cの設定では、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかに応じて、「普図当り#1」〜「普図当り#3」の普図表示結果に対する決定値の割当てが異なっている。図10(C)に示す設定例では、遊技状態が通常状態であるときには、普図表示結果決定用の乱数値MR5が「1」〜「6」のいずれかであれば「普図当り#1」の普図表示結果に決定される一方、遊技状態が第2確変状態であるときには、乱数値MR5が「1」〜「30」のいずれかであれば「普図当り#1」の普図表示結果に決定される。これにより、第2確変状態であるときには、通常状態であるときに比べて、「普図当り#1」の普図表示結果に決定される確率が高くなる。加えて、図10(C)に示す設定例では、遊技状態が通常状態であるときには、普図表示結果決定用の乱数値MR5が「7」〜「18」のいずれかであれば「普図当り#2」の普図表示結果に決定される一方、遊技状態が第2確変状態であるときには、乱数値MR5が「31」〜「54」のいずれかであれば「普図当り#2」の普図表示結果に決定される。これにより、第2確変状態であるときには、通常状態であるときに比べて、「普図当り#2」の普図表示結果に決定される確率が高くなる。
そして、「普図当り#1」〜「普図当り#3」の普図表示結果のいずれかに決定された場合には、各普図表示結果に応じて、普図変動時間や開放時間及び開放時間の組合せが異なっている。例えば、「普図当り#2」の普図表示結果に決定された場合には、普図変動時間が「5秒」となり、「普図当り#1」又は「普図当り#3」の普図表示結果に決定された場合の普図変動時間である「10秒」よりも短くなる。また、「普図当り#1」の普図表示結果に決定された場合には、開放時間及び開放回数の組合せが「1.5秒×2回」となり、「普図当り#2」又は「普図当り#3」の普図表示結果に決定された場合の開放時間及び開放回数の組合せである「0.3秒×2回」よりも長時間で多数回開放される。
こうした普図表示結果決定テーブル130Cの設定により、普図表示結果が「普図当り」となる場合の普図変動時間や開放時間及び開放回数の組合せから、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかを、ある程度まで認識することができる。図10(C)の設定例では、通常状態であるときよりも第2確変状態であるときの方が、「普図当り#1」の普図表示結果に決定される確率が高いために開放時間及び開放回数(傾動制御時間)が長時間で多数回となる可能性が高く、「普図当り#2」の普図表示結果に決定される確率が高いために普図変動時間が短時間となる可能性が高い。なお、通常状態であるか第2確変状態であるかに応じて、普図表示結果が「普図当り」となる場合の普図変動時間や開放時間及び開放回数の組合せの決定割合を異ならせる一方で、第2始動入賞口14に遊技球が進入する可能性は、通常状態であるか第2確変状態であるかに関わりなく同程度になるように設定してもよい。例えば、通常状態であるときよりも第2確変状態であるときの方が、「普図当り#1」の普図表示結果に決定される確率を高くして開放時間及び開放回数(傾動制御時間)が長時間で多数回となる可能性を高める一方で、「普図当り#2」の普図表示結果に決定される確率を低くして普図変動時間が短時間となる可能性を低下させることで、通常状態であっても第2確変状態であっても、第2始動入賞口14に遊技球が進入する容易性は同程度(時短状態や第1確変状態に比べて進入しがたい)となるようにしてもよい。また、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかに応じて、普図表示結果が「普図ハズレ」となる場合の普図変動時間の決定割合を異ならせるようにしてもよい。
図11は、ROM54に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、可変表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2−1に基づき、飾り図柄の可変表示態様を「15R非確変」、「15R確変」、「2R非確変」、「2R確変」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、図19に示す遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)が「1」であるか「2」であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2−1と比較される数値(決定値)が、「15R非確変」、「15R確変」、「2R非確変」、「2R確変」の大当り種別に割り当てられている。ここで、変動特図指定バッファ値は、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「1」となり、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「2」となる。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、15ラウンド大当り状態に制御するか2ラウンド大当り状態に制御するかの決定結果や、大当り遊技状態の終了後には高確率遊技状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「15R非確変」又は「15R確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、15ラウンド大当り状態に制御するとの決定結果に対応する一方で、「2R非確変」又は「2R確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、2ラウンド大当り状態に制御するとの決定結果に対応している。また、「15R非確変」又は「2R非確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、高確率遊技状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「15R確変」又は「2R確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、高確率遊技状態に制御するとの決定結果を示している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「0」〜「3」のいずれか)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
図11に示す大当り種別決定テーブル131では、変動特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、各大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。例えば、「15R非確変」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「1」〜「15」の範囲の決定値が割り当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に「1」〜「35」の範囲の決定値が割り当てられる。「15R確変」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「16」〜「40」の範囲の決定値が割り当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に「36」〜「95」の範囲の決定値が割り当てられる。「2R非確変」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「41」〜「60」の範囲の決定値が割り当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には決定値が割り当てられていない。「2R確変」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「61」〜「100」の範囲の決定値が割り当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に「96」〜「100」の範囲の決定値が割り当てられている。
図11に示す設定例では、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定したときには、大当り種別を「2R非確変」として2ラウンド大当り状態に制御した後に遊技状態を通常状態にすると決定されることがない。また、第2開始条件の成立に基づき大当り遊技状態に制御すると決定したときには、第1開始条件の成立時よりも低い決定割合で、大当り種別を「2R確変」として2ラウンド大当り遊技状態に制御した後に遊技状態を第2確変状態にすると決定される。これにより、第1確変状態や時短状態にて第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくなっているときに、大当り種別が「2R非確変」となり賞球がほとんど得られずに通常状態に制御されてしまうことや、大当り種別が「2R確変」となり賞球がほとんど得られずに第2確変状態に制御されてしまうことを防止して、遊技興趣の減退を抑制することができる。
図12は、ROM54に記憶されるリーチ決定テーブルの構成例などを示している。この実施の形態では、リーチ決定テーブルとして、図12(A)〜(C)に示すリーチ決定テーブル132A〜132Cが、予め用意されている。リーチ決定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にするか否かを、リーチ決定用の乱数値MR2−2に基づいて、決定するために参照されるテーブルである。各リーチ決定テーブル132A〜132Cは、図12(D)に示すようなテーブル選択設定に従って選択される。すなわち、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、選択される。各リーチ決定テーブル132A〜132Cでは、リーチ決定用の乱数値MR2−2と比較される数値(決定値)が、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態にしない旨の決定結果や、リーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態にする旨の決定結果に割り当てられている。
例えば、図12(A)に示すリーチ決定テーブル132Aの設定では、合計保留記憶数が「0」である場合に対応して、「1」〜「204」の範囲の値が非リーチHA1−1に割り当てられ、「205」〜「239」の範囲の値がリーチHA2−1に割り当てられている。合計保留記憶数が「1」である場合に対応して、非リーチHA1−1に割り当てられる決定値の個数よりも多い「1」〜「217」の範囲の値が、非リーチHA1−2に割り当てられている。合計保留記憶数が「2」である場合に対応して非リーチHA1−1や非リーチHA1−2に割り当てられる決定値の個数よりも多い「1」〜「220」の範囲の値が、非リーチHA1−3に割り当てられている。合計保留記憶数が「3」又は「4」である場合に対応して、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−3のそれぞれに割り当てられる決定値の個数よりも多い「1」〜「230」の範囲の判定値が、非リーチHA1−4に割り当てられている。合計保留記憶数が「5」〜「8」のいずれかである場合に対応して、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−4のそれぞれに割り当てられる決定値の個数よりも多い「1」〜「233」の範囲の判定値が、非リーチHA1−5に割り当てられている。このような設定によって、特図ゲームの保留数である合計保留記憶数が所定数(例えば、「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にする旨の決定がなされる割合が低くなる。そして、非リーチ変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間がリーチ変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
図13は、ROM54に記憶される大当り変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、大当り変動パターン種別決定テーブルとして、図13(A)〜(C)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cが、予め用意されている。大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cは、可変表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cは、遊技状態が通常状態又は第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、選択される。すなわち、通常状態又は第2確変状態であるときには大当り変動パターン種別決定テーブル133Aが選択され、第1確変状態であるときには大当り変動パターン種別決定テーブル133Bが選択され、時短状態であるときには大当り変動パターン種別決定テーブル133Cが選択される。
各大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cでは、大当り種別の決定結果が「15R非確変」、「15R確変」、「2R非確変」、「2R確変」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−4、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−6のいずれかに割り当てられている。大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている。例えば、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は第2確変状態である場合に用いられる図13(A)に示す変動パターン種別決定テーブル133Aでは、大当り種別が「15R非確変」であるか「15R確変」であるかに応じて、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−4に対する決定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。なお、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して決定値が割り当てられるようにしてもよい。例えば、「15R非確変」の大当り種別である場合には変動パターン種別CA3−1に対して決定値が割り当てられる一方で、「15R確変」の大当り種別である場合には変動パターン種別CA3−1に対して決定値が割り当てられないようにしてもよい。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
大当り種別が「2R非確変」又は「2R確変」である場合には、変動パターン種別CA4−1〜変動パターンCA4−6といった、大当り種別が「15R非確変」又は「15R確変」である場合には決定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、決定値が割り当てられている。こうして、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」又は「2R確変」に応じて2ラウンド大当り遊技状態に制御する場合には、15ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
大当り種別が「15R非確変」である場合に、遊技状態が通常状態又は第2確変状態であるときに用いられる図13(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル133Aと、第1確変状態であるときに用いられる図13(B)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル133Bと、時短状態であるときに用いられる図13(C)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル133Cとでは、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−4に対する決定値の割当てが異なっている。このように、大当り種別が「15R非確変」、「15R確変」、「2R非確変」、「2R確変」のいずれかに決定された場合に、遊技状態に応じて選択される大当り変動パターン種別決定テーブル133A(通常状態又は第2確変状態のときに選択)、大当り変動パターン種別決定テーブル133B(第1確変状態のときに選択)、大当り変動パターン種別決定テーブル133C(時短状態のときに選択)を比較すると、遊技状態が通常状態又は第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割り当てが異なることがある。こうして、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、遊技状態に応じて異なる変動パターン種別に対して決定値が割り当てられるようにしてもよい。例えば、大当り種別が「15R非確変」である場合に、通常状態又は第2確変状態であれば変動パターン種別CA3−1に対して決定値が割り当てられる一方で、第1確変状態や時短状態であれば変動パターン種別CA3−1に対して決定値が割り当てられないようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。また、通常状態であるか第2確変状態であるかに応じて、異なる変動パターン種別に対して決定値が割り当てられることや、各変動パターン種別に対する決定値の割当てが異なることがあるようにしてもよい。これにより、決定された変動パターン種別の違いや、変動パターン種別の決定割合などから、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかを、ある程度まで認識することができる。
図14は、ROM54に記憶される小当り変動パターン種別決定テーブル134の構成例を示している。小当り変動パターン種別決定テーブル134は、可変表示結果を「小当り」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。小当り変動パターン種別決定テーブル134では、遊技状態が通常状態又は第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−3のいずれかに割り当てられている。
小当り変動パターン種別決定テーブル134にて、遊技状態が通常状態又は第2確変状態である場合に決定値の全部が割り当てられる変動パターン種別CA4−1には、図13(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル133Aにおいて、大当り種別が「2R非確変」又は「2R確変」である場合に応じて決定値の一部が割り当てられている。小当り変動パターン種別決定テーブル134にて、遊技状態が第1確変状態である場合に決定値の全部が割り当てられる変動パターン種別CA4−2には、図13(B)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル133Bにおいて、大当り種別が「2R非確変」又は「2R確変」である場合に応じて決定値の一部が割り当てられている。小当り変動パターン種別決定テーブル134にて、遊技状態が時短状態である場合に決定値の全部が割り当てられる変動パターン種別CA4−3には、図13(C)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル133Cにおいて、大当り種別が「2R非確変」又は「2R確変」である場合に応じて決定値の一部が割り当てられている。このように、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−3は、大当り種別が「2R非確変」又は「2R確変」となる場合と、可変表示結果が「小当り」となる場合とで、共通の変動パターン種別となっている。すなわち、大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cにて大当り種別が「2R非確変」又は「2R確変」に対応したテーブルデータと、小当り変動パターン種別決定テーブル134を構成するテーブルデータとには、共通の変動パターン種別が含まれるように設定されている。
図15は、ROM54に記憶されるリーチ変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、リーチ変動パターン種別決定テーブルとして、図15(A)〜(C)に示すリーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cが、予め用意されている。リーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cは、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする旨の決定がなされたときに、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各リーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cは、遊技状態が通常状態又は第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、選択される。すなわち、通常状態又は第2確変状態であるときにはリーチ変動パターン種別決定テーブル135Aが選択され、第1確変状態であるときにはリーチ変動パターン種別決定テーブル135Bが選択され、時短状態であるときにはリーチ変動パターン種別決定テーブル135Cが選択される。
各リーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cは、図12(A)〜(C)に示すリーチ決定テーブル132A〜132Cのいずれを用いてリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1といったリーチ状態にする旨の決定がなされたかに応じて、使用テーブルとして選択されるようにしてもよい。すなわち、図12(A)に示すリーチ決定テーブル132Aを用いてリーチHA2−1〜リーチHA2−3のいずれかに決定された場合にはリーチ変動パターン種別決定テーブル135Aが使用テーブルとして選択され、図12(B)に示すリーチ決定テーブル132Bを用いてリーチHB2−1に決定された場合にはリーチ変動パターン決定テーブル135Bが使用テーブルとして選択され、図12(C)に示すリーチ決定テーブル132Cを用いてリーチHC2−1に決定された場合にはリーチ変動パターン決定テーブル135Cが使用テーブルとして選択されればよい。これにより、遊技状態に対応してリーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cのいずれかを選択するためのテーブル選択設定を示すデータが不要となる。
各リーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cでは、リーチ状態とする旨の決定結果がリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1、リーチHC2−1のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3の値と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−4に割り当てられている。
リーチ変動パターン種別決定テーブル135Aでは、リーチ状態とする旨の決定結果がリーチHA2−1〜リーチHA2−3のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている。例えば、リーチHA2−1の決定結果に対応して、「1」〜「190」の範囲の値(決定値)が変動パターン種別CA2−1に割り当てられ、その他の値が変動パターン種別CA2−2〜変動パターン種別CA2−4に割り当てられている。また、リーチHA2−2の決定結果に対応して、「1」〜「195」の範囲の値が変動パターン種別CA2−1に割り当てられている。さらに、リーチHA2−3の決定結果に対応して、「1」〜「215」の範囲の値が変動パターン種別CA2−1に割り当てられている。リーチHA2−1には、図12(A)に示すリーチ決定テーブル132Aによって、合計保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR2−2と比較される決定値が割り当てられている。リーチHA2−2には、合計保留記憶数が「1」や「2」である場合に対応して、決定値が割り当てられている。リーチHA2−3には、合計保留記憶数が「3」又は「4」である場合や「5」〜「8」のいずれかである場合に対応して、決定値が割り当てられている。これらの設定によって、合計保留記憶数が所定数(例えば、「1」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、通常のリーチ演出(ノーマルリーチ)が実行される変動パターン種別CA2−1に決定される割合が高くなる。そして、ノーマルリーチとなるリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間がスーパーリーチとなるリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
図16は、ROM54に記憶される非リーチ変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、非リーチ変動パターン種別決定テーブルとして、図16(A)〜(C)に示す非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cが、予め用意されている。非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cは、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態としない旨の決定がなされたときに、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cは、遊技状態が通常状態又は第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、選択される。すなわち、通常状態又は第2確変状態であるときには非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Aが選択され、第1確変状態であるときには非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Bが選択され、時短状態であるときには非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Cが選択される。
各非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cは、例えば非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2といったリーチ状態にしない旨の決定結果のうち、いずれの決定結果であるかに応じて、使用テーブルとして選択されるようにしてもよい。すなわち、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5のいずれかに決定された場合には非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Aが使用テーブルとして選択され、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2のいずれかに決定された場合には非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Bが使用テーブルとして選択され、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2のいずれかに決定された場合には非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Cが使用テーブルとして選択されればよい。これにより、遊技状態に対応して非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cのいずれかを選択するためのテーブル選択設定を示すデータが不要となる。
各非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cでは、リーチ状態としない旨の決定結果が非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2、非リーチHC1−1、非リーチHC1−2のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3の値と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−4、変動パターン種別CB1−1〜変動パターン種別CB1−3、変動パターン種別CC1−1〜変動パターン種別CC1−3のいずれかに割り当てられている。
図17は、ROM54に記憶される当り変動パターン決定テーブル137の構成例を示している。当り変動パターン決定テーブル137は、可変表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。当り変動パターン決定テーブル137では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、可変表示結果を「大当り」とする場合に対応した複数の変動パターン(大当り変動パターン)に割り当てられている。
図18は、ROM54に記憶されるハズレ変動パターン決定テーブル138の構成例を示している。ハズレ変動パターン決定テーブル138は、可変表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、リーチ状態にするか否かや変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ハズレ変動パターン決定テーブル138では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、可変表示結果を「ハズレ」とする場合に対応した1つ又は複数の変動パターン(ハズレ変動パターン)に割り当てられている。
ハズレ変動パターン決定テーブル138では、変動パターン種別CA1−4、変動パターン種別CB1−3、変動パターン種別CC1−3のいずれかとなる場合に対応して、変動パターンPA1−4といった再変動を1回行う「擬似連」の可変表示演出が実行される変動パターン(図8(A)参照)に、決定値が割り当てられている。このような設定により、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」となる場合でも、変動パターンPA1−4が選択されることにより、「擬似連」の可変表示演出を実行することができる。また、ハズレ変動パターン決定テーブル138では、変動パターン種別CA1−4となる場合に対応して、変動パターンPA1−5といったチャンス目停止を含む「滑り」の可変表示演出が実行される変動パターン(図8(A)参照)に、決定値が割り当てられている。このような設定により、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」となる場合でも、変動パターンPA1−5が選択されることにより、「チャンス目停止後滑り」などの可変表示演出を実行することができる。
変動パターン種別CA1−4に対しては、図16(A)に示す非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Aにおいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される決定値のうち、非リーチHA1−1に対応して「217」〜「241」の範囲の値が割り当てられ、非リーチHA1−2に対応して「230」〜「241」の範囲の値が割り当てられ、非リーチHA1−3に対応して「231」〜「241」の範囲の値が割り当てられ、非リーチHA1−4と非リーチHA1−5のそれぞれに対応して「237」〜「241」の範囲の値が割り当てられている。ここで、図12(A)に示すリーチ決定テーブル132Aでは、リーチ決定用の乱数値MR2−2と比較される決定値のうち、合計保留記憶数が「0」に対応して「1」〜「204」の範囲の値が非リーチHA1−1に割り当てられ、合計保留記憶数が「1」に対応して「1」〜「217」の範囲の値が非リーチHA1−2に割り当てられ、合計保留記憶数が「2」に対応して「1」〜「220」の範囲の値が非リーチHA1−3に割り当てられ、合計保留記憶数が「3」、「4」に対応して「1」〜「230」の範囲の値が非リーチHA1−4に割り当てられ、合計保留記憶数が「5」〜「8」に対応して「1」〜「233」の範囲の値が非リーチHA1−5に割り当てられている。したがって、合計保留記憶数が「1」や「2」である場合には、合計保留記憶数が「0」である場合に比べて、変動パターン種別CA1−4に決定される割合が低くなる。また、合計保留記憶数が「3」、「4」あるいは「5」〜「8」のいずれかである場合には、合計保留記憶数が「0」である場合や、「1」又は「2」である場合に比べて、変動パターン種別CA1−4に決定される割合が低くなる。
図8(A)に示すハズレ変動パターンの設定例では、「擬似連」や「チャンス目停止後滑り」などの可変表示演出が実行されない変動パターンPA1−1における可変表示時間が12000ミリ秒[ms]に、変動パターンPA1−2における可変表示時間が7000ミリ秒[ms]に、変動パターンPA1−3における可変表示時間が5500ミリ秒[ms]に、それぞれ定められている。これに対して、「擬似連」の可変表示演出が実行される変動パターンPA1−4における可変表示時間は、24000ミリ秒[ms]に定められている。また、「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出が実行される変動パターンPA1−5における可変表示時間は、32000ミリ秒[ms]に定められている。すなわち、可変表示態様が「非リーチ」である場合に、「擬似連」の可変表示演出が実行される変動パターンPA1−4における可変表示時間や、「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出が実行される変動パターンPA1−5における可変表示時間は、これらの演出が実行されない変動パターンにおける可変表示時間に比べて長くなっている。そして、合計保留記憶数が「1」以上である場合には、「0」である場合に比べて「擬似連」の可変表示演出や「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出を実行する変動パターン種別CA1−4に決定される割合が低くなっており、また、合計保留記憶数が「3」以上である場合には「3」未満である場合に比べて、変動パターン種別CA1−4に決定される割合が低くなっている。こうして、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な可変表示時間を短縮することができる。
図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるRAM55は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM55には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図19に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図19に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、始動データ記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置が形成する第1始動入賞口13に遊技球が入賞して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口13への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第1始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路503等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14に遊技球が入賞して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口14への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第2始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路503等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
始動データ記憶部151Cは、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14のいずれに遊技球が入賞したかを示す始動データを、各遊技球の入賞順を特定可能として記憶する。一例として、始動データ記憶部151Cは、第1始動入賞口13への入賞を示す「第1」の始動データ、あるいは、第2始動入賞口14への入賞を示す「第2」の始動データを、各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部152に、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、小当りフラグ、確変フラグ、時短フラグなどが設けられている。
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームの進行や、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームの進行などを制御するために実行される図38のステップS15や図39に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示器10による普通図柄を用いた普図ゲームの進行などを制御するために図38のステップS16や図47に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに可変表示結果を「大当り」とする旨の決定(事前決定)に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、大当りフラグがクリアされてオフ状態となる。小当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに可変表示結果を「小当り」とする旨の決定(事前決定)に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、小当りフラグがクリアされてオフ状態となる。
確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が第1確変状態や第2確変状態といった高確率遊技状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、高確率遊技状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態や第1確変状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、時短状態や第1確変状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。こうして、パチンコ遊技機1における遊技状態は、確変フラグ及び時短フラグの状態から特定することができる。すなわち、確変フラグ及び時短フラグがいずれもオフであれば、遊技状態は通常状態である。確変フラグがオフであり時短フラグがオンであれば、遊技状態は時短状態である。確変フラグ及び時短フラグがいずれもオンであれば、遊技状態は第1確変状態である。確変フラグがオンであり時短フラグがオフであれば、遊技状態は第2確変状態である。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部153に、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板31の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
特図変動タイマは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板31の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板31の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部154に、ランダムカウンタ、第1始動入賞判定カウンタ、第2始動入賞判定カウンタ、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ、合計保留記憶数カウンタ、時短回数カウンタ、ラウンド数カウンタなどが設けられている。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる乱数値を示す数値データの一部を、乱数回路503とは別個に、あるいは、乱数回路503から抽出された数値データを用いて、CPU56がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2−1、MR2−2、MR3、MR4、MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU56によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU56がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路503における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路503から抽出された数値データにスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
第1始動入賞判定カウンタは、第1始動口スイッチ13aから伝送される遊技球の検出信号となる第1始動入賞信号における信号状態がオンであることが、続けて判定された回数をカウントするためのものである。例えば、第1始動口スイッチ13aからの第1始動入賞信号における信号状態がオンであると判定されるごとに、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値が1加算される。そして、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値が予め定められた入賞判定値に達したときに、第1始動入賞口13に進入した遊技球を正常に検出した旨の判定がなされる。また、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値は、第1始動入賞信号における信号状態がオフであると判定されたときや、入賞判定値に達したと判定されたときなどに、クリアされて「0」に初期化されればよい。
第2始動入賞判定カウンタは、第2始動口スイッチ14aから伝送される遊技球の検出信号となる第2始動入賞信号における信号状態がオンであることが、続けて判定された回数をカウントするためのものである。例えば、第2始動口スイッチ14aからの第2始動入賞信号における信号状態がオンであると判定されるごとに、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値が1加算される。そして、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値が予め定められた入賞判定値に達したときに、第2始動入賞口14に進入した遊技球を正常に検出した旨の判定がなされる。また、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値は、第2始動入賞信号における信号状態がオフであると判定されたときや、入賞判定値に達したと判定されたときなどに、クリアされて「0」に初期化されればよい。
第1保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの数である第1保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第1保留記憶数カウンタには、第1保留記憶数に対応したカウント値データが、第1保留記憶数カウント値として記憶され、第1保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。第2保留記憶数カウンタは、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの数である第2保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第2保留記憶数カウンタには、第2保留記憶数に対応したカウント値データが、第2保留記憶数カウント値として記憶され、第2保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。合計保留記憶数カウンタは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合計した合計保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、合計保留記憶数カウンタには、合計保留記憶数に対応したカウント値データが、合計保留記憶数カウント値として記憶され、合計保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
時短回数カウンタは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態であるときに、時短制御を終了するまでに実行可能な特図ゲームの残存回数を特定可能にカウントするためのものである。一例として、時短回数カウンタには、大当り遊技状態が終了するときに、大当り種別バッファ値が「0」であるに対応したカウント初期値「100」を示すデータが、時短回数カウント値として設定される。その後、可変表示結果が「大当り」となるまでは、特図ゲームが終了するごとに、時短回数カウント値が1減算されるなどして更新される。そして、時短回数カウント値が「0」に達したときには、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短状態を終了して通常状態へと移行する制御が行われる。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数などをカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンドが終了して次回のラウンドが開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
遊技制御バッファ設定部155パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部155に、送信コマンドバッファ、始動口バッファ、変動特図指定バッファ、大当り種別バッファなどが設けられている。
送信コマンドバッファは、主基板31からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。例えば、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM54における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
始動口バッファには、第1始動入賞口13と第2始動入賞口のいずれに進入した遊技球が検出されたかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1始動入賞口13に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「1」が設定される。また、第2始動入賞口14に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「2」が設定される。
変動特図指定バッファには、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれの特図ゲームが実行されるかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「1」が設定される。また、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「2」が設定される。そして、特図ゲームが終了したことなどに対応して、変動特図指定バッファ値が「0」に設定される。
大当り種別バッファには、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別を複数種類のいずれかとする決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、図11に示すような大当り種別決定テーブル131での設定に基づき、大当り種別が「15R非確変」であれば大当り種別バッファ値には「0」が設定され、大当り種別が「15R確変」であれば大当り種別バッファ値には「1」が設定され、大当り種別が「2R非確変」であれば大当り種別バッファ値には「2」が設定され、大当り種別が「2R確変」であれば大当り種別バッファ値には「3」が設定される。
図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるI/O57は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図4に示す演出制御基板80には、例えば図5に示すような演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、付属図柄を可変表示する第1付属図柄表示器9a及び第2付属図柄表示器9bにおける表示制御や、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9における表示制御などを行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤6に設けられている装飾LED25の点灯制御や、遊技機用枠2に設けられている枠LED28の点灯制御などを行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27における音声出力制御を行う。
図5は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用CPU101や、演出に関する情報を記憶するRAMなどを含んで構成されていればよい。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていなくてもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。なお、以下では、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けのROMを、演出制御用ROMともいう。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを一時記憶(展開)するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御基板80に搭載された入力ポート107には、操作検出スイッチ38aからの情報信号としての操作検出信号を伝送するための配線が接続されている。入力ポート107に入力された操作検出信号は、演出制御用マイクロコンピュータ100へと伝送される。演出制御用マイクロコンピュータ100では、操作検出スイッチ38aからの操作検出信号に基づいて、例えば予告演出等の遊技の演出を行うための処理を実行する。
演出制御コマンド及び演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路であればよい。入力ドライバ102に入力された演出制御コマンド等は、入力ポート103を介して演出制御用マイクロコンピュータ100へと伝送される。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。さらに、上演出LED85a、中演出LED85b及び下演出LED85cの近傍に設けられ各LEDの取付部分を振動させる振動モータ87a、87b、87cを、出力ポート106を介して駆動する。ここで、振動モータ87aは上演出LED85aを振動させ、振動モータ87bは中演出LED85bを振動させ、振動モータ87cは下演出LED85cを振動させる。さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介しランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。加えて、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介し音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号に基づいて、枠LED28などといった遊技機用枠2の側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤6の側に設けられている装飾LED25、上演出LED85a、中演出LED85b及び下演出LED85cに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声データROM704には、音番号データに応じた音声データが格納されている。音番号データに応じた音声データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生させるための音声データを音声データROM704から読み出して所定の音声RAM等に一時記憶(展開)した後、音声データに対応して生成した音声信号(アナログ音声信号)を増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100では、内蔵又は外付けの乱数回路(図示せず)などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図20は、演出制御基板80の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図19に示すように、この実施の形態では、演出制御基板80の側において、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1〜SR1−3、再抽選前仮停止図柄決定用の乱数値SR2、第1〜第3擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR3−1〜SR3−3、再抽選演出実行決定用と大当り中昇格演出実行決定用の乱数値SR4−1、SR4−2、演出モード移行決定用の乱数値SR5、予告実行決定用と予告パターン決定用の乱数値SR6−1、SR6−2、背景色決定用の乱数値SR7のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けの乱数回路は、これらの乱数値の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。演出制御用CPU101は、例えば図37に示す演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けの乱数回路により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。また、演出制御基板80に乱数回路が搭載されていない場合には、演出制御用CPU101がランダムカウンタを用いて、乱数値の全部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄として、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに導出表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数値である。なお、ここでの最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rそれぞれにて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。一例として、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1は「1」〜「80」の範囲の値をとり、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2は「1」〜「70」の範囲の値をとり、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3は「1」〜「96」の範囲の値をとる。
再抽選前仮停止図柄決定用の乱数値SR2は、変動中昇格演出となる再抽選演出が実行される場合に、その再抽選演出が実行される以前に「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにて仮停止表示させる通常大当り組合せの飾り図柄を決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「80」の範囲の値をとる。第1〜第3擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR3−1〜SR3−3は、「擬似連」の可変表示演出が実行される場合に、その可変表示演出を実行するにあたり「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにて仮停止表示させる飾り図柄(仮停止図柄)を決定するために用いられる乱数値である。一例として、第1擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR3−1は「1」〜「211」の範囲の値をとり、第2擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR3−2は「1」〜「229」の範囲の値をとり、第3擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR3−3は「1」〜「311」の範囲の値をとる。再抽選演出実行決定用の乱数値SR4−1は、再抽選演出を実行するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「103」の範囲の値をとる。大当り中昇格演出実行決定用の乱数値SR4−2は、大当り中昇格演出を実行するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「101」の範囲の値をとる。
予告実行決定用の乱数値SR6−1は、予告演出を実行するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「111」の範囲の値をとる。予告パターン決定用の乱数値SR6−2は、予告演出を実行する場合における演出動作の内容に対応した予告パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「201」の範囲の値をとる。背景色決定用の乱数値SR7は、モードMの演出モードにおける背景色を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」の範囲の値をとる。
演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けの演出制御用ROMには、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、演出制御用ROMには、演出制御用CPU101が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
図21(A)〜(C)は、演出制御用ROMに記憶される最終停止図柄決定テーブル160A〜160Cの構成例を示している。最終停止図柄決定テーブル160A〜160Cは、予め定められた複数通りの非リーチ組合せのうちから、確定飾り図柄となる飾り図柄の組合せを決定するために参照されるテーブルである。例えば、最終停止図柄決定テーブル160Aは、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄のうち、「左」の図柄表示エリア9Lにて停止表示される確定飾り図柄となる左最終停止図柄FZ1−1を、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Aでは、左最終停止図柄FZ1−1となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1と比較される数値(決定値)が割り当てられている。最終停止図柄決定テーブル160Bは、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄のうち、「右」の図柄表示エリア9Rにて停止表示される確定飾り図柄となる右最終停止図柄FZ1−2を、左最終停止図柄FZ1−1や第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Bでは、左最終停止図柄FZ1−1として決定された飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、右最終停止図柄FZ1−2となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2と比較される数値(決定値)が割り当てられている。最終停止図柄決定テーブル160Cは、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄のうち、「中」の図柄表示エリア9Cにて停止表示される確定飾り図柄となる中最終停止図柄FZ1−3を、左最終停止図柄FZ1−1や右最終停止図柄FZ1−2、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3などに基づいて決定するために参照されるテーブルである。
ここで、演出制御用ROMには図22に示すような左右出目判定テーブル161を構成するテーブルデータが記憶されており、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組合せから、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR18、LR31〜LR38のいずれに該当するかの判定が行われる。最終停止図柄決定テーブル160Cでは、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR18、LR31〜LR38のいずれに該当するかの判定結果に応じて、中最終停止図柄FZ1−3となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。
最終停止図柄決定テーブル160Bでは、左最終停止図柄FZ1−1となる飾り図柄の図柄番号と右最終停止図柄FZ1−2となる飾り図柄の図柄番号とが同一となる部分には、決定値が割り当てられていない。このような設定により、最終停止図柄として所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄を決定する場合に、その確定飾り図柄の組合せがリーチ組合せや大当り組合せとはならないようにすることができる。また、最終停止図柄決定テーブル160Cでは、左最終停止図柄FZ1−1、右最終停止図柄FZ1−2、中最終停止図柄FZ1−3の組合せが、予め定められた飾り図柄の組合せとなる部分には、決定値が割り当てられていない。例えば、リーチ組合せや大当り組合せ以外であっても、図2(A)に示す擬似連チャンス目GC1〜GC8となる部分や、図2(B)に示す2回開放チャンス目TC1〜TC4となる部分、さらには、図23に示すような一定の非リーチ組合せとなる部分には、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3と比較される決定値が割り当てられていない。図23に示すような飾り図柄の組合せは、例えば擬似連チャンス目GC1〜GC8や2回開放チャンス目TC1〜TC4などに含まれる飾り図柄で構成され、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける飾り図柄の並び順が異なるといったように、遊技者が擬似連チャンス目GC1〜GC8や2回開放チャンス目TC1〜TC4などと見まちがえる可能性が高い飾り図柄の組合せを含んでいる。このような設定により、最終停止図柄として所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄を決定する場合に、その確定飾り図柄が擬似連チャンス目GC1〜GC8、2回開放チャンス目TC1〜TC4などや、こうしたチャンス目と類似する一定の非リーチ組合せとはならないようにすることができる。
図24(A)及び(B)は、演出制御用ROMに記憶される最終停止図柄決定テーブル162A、162Bの構成例を示している。最終停止図柄決定テーブル162A、162Bは、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄を決定するためのテーブルである。例えば、最終停止図柄決定テーブル162Aは、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄のうち、「左」の図柄表示エリア9Lにて停止表示される確定飾り図柄となる左最終停止図柄FZ2−1と、「右」の図柄表示エリア9Rにて停止表示される確定飾り図柄となる右最終停止図柄FZ2−2とを、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル162Aでは、左最終停止図柄FZ2−1及び右最終停止図柄FZ2−2として同一になる飾り図柄(左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2)の図柄番号「1」〜「8」に、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1と比較される数値(決定値)が割り当てられている。最終停止図柄決定テーブル162Bは、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄のうち、「中」の図柄表示エリア9Cにて停止表示される確定飾り図柄となる中最終停止図柄FZ2−3を、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
リーチハズレ組合せを構成する中最終停止図柄FZ2−3は、左最終停止図柄FZ2−1や右最終停止図柄FZ2−2となる飾り図柄の図柄番号との差分値である図柄差により特定される。すなわち、飾り図柄の可変表示において、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにて飾り図柄の変動を開始させ、「左」→「右」→「中」といった所定順序で飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する場合に、最後に飾り図柄が導出表示される「中」の図柄表示エリア9C以外の「左」及び「右」の図柄表示エリア9L、9Rに導出表示される左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2が最終停止図柄決定テーブル162Aを用いて決定された後、最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて「中」の図柄表示エリア9Cに導出表示される中最終停止図柄FZ2−3と左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2との差分(図柄差)を決定する。このとき決定された図柄差に応じて、「中」の図柄表示エリア9Cに導出表示される中最終停止図柄FZ2−3となる確定飾り図柄が決定される。最終停止図柄決定テーブル162Bでは、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに対応して、図柄差「−2」、「−1」、「+1」、「+2」に、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。
図25(A)〜(C)は、演出制御用ROMに記憶される最終停止図柄決定テーブル163A〜163Cの構成例を示している。最終停止図柄決定テーブル163A〜163Cは、予め定められた複数通りの大当り組合せなどのうちから、確定飾り図柄となる飾り図柄の組合せを決定するために参照されるテーブルである。例えば、最終停止図柄決定テーブル163Aは、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄として、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにて揃って停止表示される左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3を、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル163Aでは、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる通常図柄の図柄番号「2」、「4」、「6」、「8」に、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1と比較される数値(決定値)が割り当てられている。最終停止図柄決定テーブル163Bは、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄として、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにて揃って停止表示される左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3を、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル163Bでは、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる確変図柄の図柄番号「1」、「3」、「5」、「7」に、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1と比較される数値(決定値)が割り当てられている。最終停止図柄決定テーブル163Cは、2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定飾り図柄として、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにて停止表示される左中右最終停止図柄FZ4−1、FZ4−2、FZ4−3を、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル163Cでは、2回開放チャンス目TC1〜TC4のそれぞれに、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1と比較される数値(決定値)が割り当てられている。
図26(A)は、演出制御用ROMに記憶される再抽選演出実行決定テーブル164Aの構成例を示している。再抽選演出実行決定テーブル164Aは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R非確変」又は「15R確変」である場合に、再抽選演出を実行するか否かを、再抽選演出実行決定用の乱数値SR4−1に基づいて、決定するために参照されるテーブルである。再抽選演出実行決定テーブル164Aでは、大当り種別が「15R非確変」及び「15R確変」のいずれであるかや、「15R確変」の大当り種別である場合に最終停止図柄が通常図柄(通常大当り組合せ)及び確変図柄(確変大当り組合せ)のいずれであるかに応じて、再抽選演出実行決定用の乱数値SR4−1と比較される数値(決定値)が、再抽選演出を実行するか否かの決定結果、また、再抽選演出を実行する場合に昇格成功(変動中昇格成功演出)及び昇格失敗(変動中昇格失敗演出)のいずれとするかの決定結果に、割り当てられている。
図26(B)は、演出制御用ROMに記憶される大当り中昇格演出実行決定テーブル164Bの構成例を示している。大当り中昇格演出実行決定テーブル164Bは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R非確変」又は「15R確変」である場合に、大当り中昇格演出を実行するか否かを、大当り中昇格演出実行決定用の乱数値SR4−2に基づいて、決定するために参照されるテーブルである。大当り中昇格演出実行決定テーブル164Bでは、大当り種別が「15R非確変」及び「15R確変」のいずれであるかに応じて、大当り中昇格演出実行決定用の乱数値SR4と比較される数値(決定値)が、大当り中昇格演出を実行するか否かの決定結果、また、大当り中昇格演出を実行する場合に昇格成功(大当り中昇格成功演出)及び昇格失敗(大当り中昇格失敗演出)のいずれとするかの決定結果に、割り当てられている。ここで、大当り中昇格成功演出では、第1確変状態といった高確率遊技状態となる旨が報知される。その一方で、大当り中昇格失敗演出では、高確率遊技状態となる旨が報知されない。
図27は、演出制御用ROMに記憶される再抽選前仮停止図柄決定テーブル165の構成例を示している。再抽選前仮停止図柄決定テーブル165は、再抽選演出が実行される場合において、その再抽選演出が実行される以前に仮停止表示させる飾り図柄を、再抽選前仮停止図柄決定用の乱数値SR2に基づいて、決定するために参照されるテーブルである。再抽選前仮停止図柄決定テーブル165では、左中右仮停止図柄KZ7−1、KZ7−2、KZ7−3として同一になる通常図柄の図柄番号「2」、「4」、「6」、「8」に、再抽選前仮停止図柄決定用の乱数値SR2と比較される数値(決定値)が割り当てられている。
図28は、「擬似連」の可変表示演出が実行される場合に仮停止表示される飾り図柄などを決定するために用いられる擬似連時仮停止図柄決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、擬似連時仮停止図柄決定テーブルとして、図28(A)〜(D)に示す擬似連時仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dが、予め用意され、演出制御用ROMの所定領域に記憶されている。各擬似連時仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dは、「擬似連」の可変表示演出が実行される場合などに、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでに実行される擬似連変動(全再変動)となる表示動作の残り回数などに応じて、使用テーブルとして選択される。擬似連変動の残り回数は、例えば、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の変動(擬似連変動)では「0」となり、その1回前に仮停止図柄が停止表示される飾り図柄の変動(擬似連変動)では「1」となり、2回前に仮停止図柄が停止表示される飾り図柄の変動(擬似連変動)では「2」となるように、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示される擬似連変動が実行されるまでに、あと何回の擬似連変動(仮停止図柄が停止表示される変動)が実行されるかに対応している。なお、「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出が実行されるか否かによって、擬似連変動の残り回数に差異は生じない。この実施の形態において、擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Aは、「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出が実行される場合に仮停止表示される飾り図柄を決定するためにも用いられる。
一例として、擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Aは、変動パターンPA1−4が指定されたことに応じて、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでに実行される擬似連変動の残り回数が「1」である場合に、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ2−1、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ2−2、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ2−3を決定するための使用テーブルとして選択される。また、擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Aは、変動パターンPA1−5、変動パターンPA3−8、変動パターンPA6−5、変動パターンPF1−5、変動パターンPF1−6のいずれかといった、「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出が実行される変動パターンが指定されたことに応じて、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部にて仮停止表示させる飾り図柄を決定するための使用テーブルとしても選択される。
擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Bは、変動パターンPA1−4以外に「擬似連」の可変表示演出が実行される変動パターンが指定されたことに応じて、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでに実行される擬似連変動の残り回数が「1」である場合に、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ2−1、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ2−2、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ2−3を決定するための使用テーブルとして選択される。図8(A)及び(B)に示すハズレ変動パターン及び大当り変動パターンの設定例では、変動パターンPA1−4以外の変動パターンとして、変動パターンPA2−2、変動パターンPA3−2、変動パターンPA3−3、変動パターンPA3−5〜変動パターンPA3−8、変動パターンPA4−2、変動パターンPA5−2、変動パターンPA5−3、変動パターンPA6−2〜変動パターンPA6−5、変動パターンPF1−2、変動パターンPF1−4、変動パターンPF1−6において、「擬似連」の可変表示演出が実行される。
擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Cは、変動パターンPA3−3、変動パターンPA3−6、変動パターンPA3−7、変動パターンPA5−3、変動パターンPA6−3、変動パターンPA6−4のいずれかが指定されたことに応じて、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでに実行される擬似連変動の残り回数が「2」である場合に、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ3−1、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ3−2、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ3−3を決定するための使用テーブルとして選択される。擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Dは、変動パターンPA3−7、変動パターンPA6−4のいずれかが指定されたことに応じて、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでに実行される擬似連変動の残り回数が「3」である場合に、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて仮停止表示させる左図柄となる左仮停止図柄KZ4−1、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて仮停止表示させる右図柄となる右仮停止図柄KZ4−2、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて仮停止表示させる中図柄となる中仮停止図柄KZ4−3を決定するための使用テーブルとして選択される。
図28(A)及び(B)に示す擬似連時仮停止図柄決定テーブル166A、166Bではそれぞれ、「左」の図柄表示エリア9Lにおける最終停止図柄(左最終停止図柄)となる飾り図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、左中右仮停止図柄KZ2−1、KZ2−2、KZ2−3の組み合わせによって構成される擬似連チャンス目GC1〜GC8に、第1擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR3−1と比較される数値(決定値)が割り当てられている。図28(C)に示す擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Cでは、擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Bを用いて決定された左仮停止図柄KZ2−1、右仮停止図柄KZ2−2、中仮停止図柄2−3の組合せが擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれであるかに応じて、左中右仮停止図柄KZ3−1、KZ3−2、KZ3−3の組み合わせによって構成される擬似連チャンス目GC1〜GC8に、第2擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR3−2と比較される数値(決定値)が割り当てられている。図28(D)に示す擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Dでは、擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Cを用いて決定された左仮停止図柄KZ3−1、右仮停止図柄KZ3−2、中仮停止図柄KZ3−3の組合せが擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれであるかに応じて、左中右仮停止図柄KZ4−1、KZ4−2、KZ4−3の組み合わせによって構成される擬似連チャンス目GC1〜GC8に、第3擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR3−3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。
こうした擬似連時仮停止図柄決定テーブル166A〜166Dを用いて仮停止図柄を決定することによって、例えば、図29に示すように、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(初回変動を含む)の実行回数に応じて、各回の変動で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部において仮停止表示させる飾り図柄を、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかに決定することができる。
なお、変動パターンPA3−8、変動パターンPA6−5のいずれかである場合には、「擬似連」の可変表示演出において擬似連変動が1回実行された後に、「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出が実行される(図8(A)及び(B)参照)。そこで、これらの変動パターンである場合には、図28(A)に示す擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Aを用いて決定された仮停止図柄を「擬似連」の可変表示演出において仮停止表示させてから再び変動(擬似連変動)させた後、「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出においても同一の仮停止図柄を仮停止表示させてもよい。あるいは、「擬似連」の可変表示演出において仮停止表示させる飾り図柄については、図28(B)に示す擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Bを用いて決定する一方、「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出において仮停止表示させる飾り図柄については、図28(A)に示す擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Aを用いて決定するようにしてもよい。
図30は、演出制御用ROMに記憶されるモード移行決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、モード移行決定テーブルとして、図30(A)〜(D)に示すモード移行決定テーブル167A〜167Dが予め用意されている。モード移行決定テーブル167A〜167Dは、飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、演出モードを複数種類のいずれかに変更するモード移行を実行するか否かや、実行する場合に移行される演出モードなどを、演出モード移行決定用の乱数値SR5に基づいて、決定するために参照されるテーブルである。
各モード移行決定テーブル167A〜167Dでは、演出モード移行決定用の乱数値SR5と比較される数値(決定値)が、移行なし、モードA、モードB、モードNといった、モード移行により移行される演出モードとなる移行先演出モードの決定結果に割り当てられている。なお、移行先演出モードが移行なしである場合には、モード移行が実行されない。
図30(A)に示すモード移行決定テーブル167Aは、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「2R確変」となった場合や、確変状態において可変表示が「小当り」となった場合に、2ラウンド大当り状態または小当り遊技状態の終了後に、モードA、モードBのいずれの演出モードに移行させるかを、現在の演出モードなどに基づいて決定するためのテーブルである。モード移行決定テーブル167Aの設定では、移行先の演出モードとして、モードBよりもモードAに決定されやすくなっている。また、現在の演出モードがモードMである場合には、他の演出モードである場合に比べて、モードBよりもモードAに決定されやすくなっている。
可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「2R確変」となった場合や、確変状態において可変表示が「小当り」となった場合には、2ラウンド大当り状態または小当り遊技状態の終了後の遊技状態は確変状態となる。従って、上記のような設定により、モードAである場合の確変状態である割合を高くすることができる。また、モードMからモードAに移行した場合には、さらに確変状態である割合が高くなる。
また、同じモードMである場合でも、モードM移行後の変動回数に応じて、移行先の演出モードとしてモードAに決定される割合が異なっている。具体的には、同じモードMであっても、モードM移行後の変動回数が10回以下の場合、11回以上の場合に比べて、モードBよりもモードAに決定されやすくなっている。このようにすることで、モードM移行後のどの段階で演出モードが移行されたかによって、確変状態である可能性が異なるので、遊技の興趣が向上する。
図30(B)に示すモード移行決定テーブル167Bは、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「2R非確変」となった場合や、低確状態において可変表示が「小当り」となった場合に、2ラウンド大当り状態または小当り遊技状態の終了後に、モードA、モードBのいずれの演出モードに移行させるかを、現在の演出モードなどに基づいて決定するためのテーブルである。モード移行決定テーブル167Bの設定では、移行先の演出モードとして、モードAよりもモードBに決定されやすくなっている。また、現在の演出モードがモードMである場合には、他の演出モードである場合に比べて、モードAよりもモードBに決定されやすくなっている。
可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「2R非確変」となった場合や、低確状態において可変表示が「小当り」となった場合には、2ラウンド大当り状態または小当り遊技状態の終了後の遊技状態は低確状態となる。従って、上記のような設定により、モードBである場合の低確状態である割合を高くすることができる。また、モードMからモードBに移行した場合には、さらに低確状態である割合が高くなる。
また、同じモードMである場合でも、モードM移行後の変動回数に応じて、移行先の演出モードとしてモードBに決定される割合が異なっている。具体的には、同じモードMであっても、モードM移行後の変動回数が10回以下の場合、11回以上の場合に比べて、モードAよりもモードBに決定されやすくなっている。このようにすることで、モードM移行後のどの段階で演出モードが移行されたかによって、低確状態である可能性が異なるので、遊技の興趣が向上する。
以上のような、モード移行決定テーブル167A、167Bの設定により、モードAが確変状態である可能性が高いことを示唆する演出モードとなり、モードBが低確状態である可能性が高いこと(確変状態である可能性が低いこと)を示唆する演出モードとなる。また、モードMからモードAまたはモードBに移行した場合には、その可能性より高くなる。さらに同じモードMであっても、モードM移行後のどの段階でモードAまたはモードBに移行したかによって、その可能性が変化する。これにより確変状態であるか否かを特定できない演出モードであっても、モードAとモードBのいずれであるかに応じて確変状態であるか否かを示唆できるようになる。また、モードMからモードAまたはモードBに移行した場合には、より遊技状態が把握しやすくなるため、モードMを遊技者にメリットのある演出モードとすることができる。また、モードMのどの段階でモードAまたはモードBに移行したかに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
図30(C)に示すモード移行決定テーブル167Cは、演出モードがモードAである場合に、モードBの演出モードに移行させるか否かを、モードAにおける変動回数(共通演出モード継続回数カウント値)に基づいて決定するためのテーブルである。演出モードがモードAである場合、毎回の変動毎に演出モードを移行するか否かの判定が行われる。モード移行決定テーブル167Cの設定では、モードAにおける変動回数が20回未満であれば移行なしにのみ決定される。即ち、モードAは、最低でも20回変動が行われるまで継続する。また、モード移行決定テーブル167Cの設定では、モードAにおける変動回数が20回以上であれば移行なしまたはモードBに移行することが決定される。そして、モードAにおける変動回数が20回以上30回未満のときよりも、モードAにおける変動回数が30回以上であるときの方が、高い割合でモードBに移行することが決定される。即ち、モードAにおける変動回数が多くなるほど、モードBに移行されやすくなっている。
図30(D)に示すモード移行決定テーブル167Dは、遊技状態が低確状態であって演出モードがモードBである場合に、モードNの演出モードに移行させるか否かを、モードBにおける変動回数(共通演出モード継続回数カウント値)に基づいて決定するためのテーブルである。遊技状態が低確状態であって演出モードがモードBである場合、毎回の変動毎に演出モードを移行するか否かの判定が行われる。なお、遊技状態が確変状態であれば演出モードは移行しない。モード移行決定テーブル167Dの設定では、モードBにおける変動回数が20回未満であれば移行なしにのみ決定される。即ち、モードBは、最低でも20回変動が行われるまで継続する。また、モード移行決定テーブル167Dの設定では、モードBにおける変動回数が20回以上であれば移行なしまたはモードNに移行することが決定される。そして、モードBにおける変動回数が20回以上30回未満のときよりも、モードBにおける変動回数が30回以上であるときの方が、高い割合でモードNに移行することが決定される。即ち、モードBにおける変動回数が多くなるほど、モードNに移行されやすくなっている。
図31は、演出制御用ROMに記憶される背景色決定テーブル168の構成例を示している。背景色決定テーブル168は、モードMの演出モードにおける背景の色を、背景色決定用の乱数値SR7に基づいて、複数種類から決定するために参照されるテーブルである。背景色決定テーブル169では、モードMの終了条件に応じて、背景色を示す決定結果「青」、「緑」、「赤」に、予告実行決定用の乱数値SR7と比較される数値(決定値)が割り当てられている。
背景色決定テーブル168の設定では、決定された背景色が「赤」>「緑」>「青」である順番に、終了条件が最も成立しにくくなりやすく(終了判定値が多くなりやすく)なっている。このような設定により、モードMの演出モードにおける背景色により、モードMの終了条件を遊技者に示唆することができるようになる。
図32は、演出制御用ROMに記憶される予告演出実行決定テーブル169の構成例を示している。予告演出実行決定テーブル169は、予告演出を実行するか否かを、予告実行決定用の乱数値SR6−1に基づいて、決定するために参照されるテーブルである。予告演出実行決定テーブル169では、可変表示結果が「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれであるかに応じて、予告演出の有無を示す決定結果に、予告実行決定用の乱数値SR6−1と比較される数値(決定値)が割り当てられている。
図33は、演出制御用ROMに記憶される予告パターン決定テーブルなどの構成例を示している。この実施の形態では、予告パターン決定テーブルとして、図33に示す予告パターン決定テーブル170が予め用意されている。予告パターン決定テーブル170は、予告演出を実行するときに、予告パターン決定用の乱数値SR6−2に基づいて、予告パターンを予め複数用意されたいずれかに決定するために参照されるテーブルである。予告パターン決定テーブル170では、可変表示結果が「ハズレ(非リーチ)」、「ハズレ(リーチ)」、「大当り(15R)」、「大当り(2R)」、「小当り」のいずれであるかに応じて、予告パターン決定用の乱数値SR6−2と比較される数値(決定値)が、予告X、予告Y、予告Zのいずれかの予告パターンに割り当てられている。
ここで、図33に示す「ハズレ(非リーチ)」の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」である場合を示し、「ハズレ(リーチ)」の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」である場合を示す。また、「大当り(15R)」の可変表示結果は、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R非確変」又は「15R確変」である場合を示し、「大当り(2R)」の可変表示結果は、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」又は「2R確変」である場合を示す。また、予告Xの予告パターンは、「キャラクタ表示」の予告演出を実行する予告パターンであり、予告Yの予告パターンは、「ステップアップ動作」の予告演出を実行する予告パターンであり、予告Zの予告パターンは、「ジョグ操作予告」の予告演出を実行する予告パターンである。
予告パターン決定テーブル170では、可変表示結果が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各予告パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各予告パターンに割り当てられている。
なお、予告パターン決定テーブル170においても、予告演出を実行しない決定結果に対して、決定値が割り当てられるようにしてもよい。また、予告演出を実行するか否かと、実行する場合における予告パターンとを、単独の乱数値を用いて決定するようにしてもよい。予告X、予告Y、予告Zの予告パターンを決定した後、各予告演出におけるより詳細な演出動作の内容を決定するようにしてもよい。例えば、予告Xの予告パターンに決定した場合には、所定の乱数値や決定テーブルを用いることにより、表示するキャラクタ画像の種類や個数、表示色などを、可変表示結果及び/又は変動パターンに応じて異なる決定割合で決定してもよい。また、予告Yの予告パターンに決定した場合には、所定の乱数値や決定テーブルを用いることにより、ステップアップ動作の実行回数や各ステップにおける演出動作の内容などを、可変表示結果及び/又は変動パターンに応じて異なる決定割合で決定してもよい。さらに、予告Zの予告パターンに決定した場合には、所定の乱数値や決定テーブルを用いることにより、ジョグ操作ユニット38の操作に応答して実行される演出動作の内容などを、可変表示結果及び/又は変動パターンに応じて異なる決定割合で決定してもよい。
図32に示す予告演出実行判定テーブル169や、図33に示す予告パターン決定テーブル170では、可変表示結果が複数種類のいずれであるかに応じて、予告演出を実行するか否かや、実行する場合における予告パターンを決定できるように設定されている。これに対して、主基板31から伝送される変動パターン指定コマンドに示された変動パターンが複数種類のいずれであるかに応じて、予告演出を実行するか否かや、実行する場合における予告パターンを決定できるようにしてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けされた演出制御用ROMには、モードA、モードB、モードM、モードJ、モードK、モードNといった複数種類の演出モードに対応して、図34(A)に示すような演出制御パターンテーブル180A〜180Fを構成するテーブルデータが記憶されている。また、演出制御用ROMには、図34(B)に示すようなモード移行演出制御パターンテーブル181や、図34(C)に示すような各種演出制御パターンテーブル182などを構成するテーブルデータが記憶されている。モード移行演出制御パターンテーブル181には、モード移行に伴って実行されるモード移行演出などにおける、各種の演出制御の内容を示すデータが、モード移行演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。各種演出制御パターンテーブル182には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間などにおける、各種の演出制御の内容を示すデータが、各種演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。なお、各種演出制御パターンテーブル182は、モードA、モードB、モードM、モードJ、モードK、モードNの各演出モードに対応して、演出制御パターンテーブル180A〜180Fのそれぞれに含まれるように構成してもよい。この場合には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間などにおける演出動作の内容を、パチンコ遊技機1における演出モードが複数種類のいずれであるかに応じて、異ならせることができる。
図34(A)に示す各演出制御パターンテーブル180A〜180Fには、パチンコ遊技機1における演出モードが複数のモードA、モードB、モードM、モードJ、モードK、モードNのいずれであるかに応じて、互いに演出態様が異なる各種の演出動作の制御内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。例えば、演出制御パターンテーブル180A〜180Fのそれぞれには、図35(A)に示す図柄変動制御パターンテーブル185と、図35(B)に示す予告演出制御パターンテーブル186とが、含まれている。
図柄変動制御パターンテーブル185には、複数の変動パターン等に対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示画面における飾り図柄の可変表示動作や、リーチ演出における演出表示動作、「擬似連」や「チャンス目停止後滑り」などの可変表示演出における飾り図柄の表示動作といった、各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されていればよい。予告演出制御パターンテーブル186には、予め複数用意された予告パターン等に対応して、予告演出における演出動作の制御内容を示すデータが、予告演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。なお、各演出制御パターンテーブル180A〜180Fは、複数種類の演出制御パターンを構成するパターンデータの記憶アドレスを管理するアドレス管理テーブルとしてもよい。この場合、演出制御用ROMにおいて、各演出制御パターンテーブル180A〜180Fを構成するテーブルデータが所定の記憶領域に記憶され、この記憶領域とは別の領域に、個々の演出制御パターンを構成するパターンデータが記憶されればよい。
図柄変動制御パターンテーブル185に格納される図柄変動制御パターンや、予告演出制御パターンテーブル186に格納される予告演出制御パターンには、パチンコ遊技機1における演出モードが複数のモードA、モードB、モードM、モードJ、モードK、モードNのいずれであるかにかかわりなく、共通する演出動作の制御内容を示すデータが含まれていてもよい。この場合、各演出モードに共通する演出動作の制御内容を示すデータについては、各演出モードに対応した演出制御パターンテーブル180A〜180Fとは別個に設けた共通演出制御パターンテーブルなどに、共通演出制御パターンとして格納されてもよい。一例として、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前の期間における飾り図柄の可変表示に伴う演出動作の制御内容は、各演出モードに対応して個別のものとして、各演出制御パターンテーブル180A〜180Fに格納された図柄変動制御パターンにより指定される。その一方で、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった以後のリーチ演出などを含む演出動作の制御内容は、各演出モードに共通するものとして、共通演出制御パターンテーブルに格納された図柄変動制御パターンにより指定されてもよい。
図36(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。モード移行演出制御パターンテーブル181に格納されたモード移行演出制御パターンや、各種演出制御パターンテーブル182に格納された各種演出制御パターン、図柄変動制御パターンテーブル185に格納された図柄変動制御パターン、予告演出制御パターンテーブル186に格納された予告演出制御パターンといった、各種の演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば操作ユニット38に含まれるジョグボタンやジョグダイアルといった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定する操作検出制御データなどが、含まれてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、図37に示す演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ100において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ27からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば装飾LED25や枠LED28といった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。可動部材制御データには、例えばモータ86に連結された可動部材78といった、可動部材における動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、可動部材制御データは、可動部材の駆動動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図36(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用マイクロコンピュータ100において、演出制御用CPU101は演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ27から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で発光体を点滅させる制御を行い、可動部材制御データにより指定される態様で可動部材78を動作させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、演出制御用ROMから読み出してRAMの所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータの演出制御用ROMにおける記憶アドレスを、RAMの所定領域に一時記憶させて、演出制御用ROMにおける記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU101は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、装飾LED25及び枠LED28といった発光体、可動部材78といった可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、可動部材制御データ#1〜可動部材制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用マイクロコンピュータ100からVDP109や音声出力基板70などに対して出力される。演出制御用マイクロコンピュータ100からの指令を受けたVDP109では、その指令に示される画像データをCGROMから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100からの指令を受けた音声出力基板70では、例えば音声合成用IC703がその指令に示される音声データを音声データROM704から読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けされたRAMには、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図37に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図37に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示状態といった演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板31では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ560が起動し、CPU56によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU56は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM55がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU56へ送出され、CPU56は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU56は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図38のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図38に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU56は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、入力ドライバ回路110を介してゲートスイッチ32a、第1及び第2始動口スイッチ13a、14a、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板31の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU56は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置20における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU56は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器10における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置15における可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理では、パチンコ遊技機1における遊技状態が第1確変状態や時短状態であるときに、通常状態や第2確変状態であるときと比べて第2始動入賞口14に遊技球が進入する可能性を高めるための設定や制御が行われる。例えば、第1確変状態や時短状態であるときには、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間を通常状態や第2確変状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態や第2確変状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置15における可動翼片の傾動時間を通常状態や第2確変状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態や第2確変状態のときよりも増加させる制御、あるいは、これらの制御の一部又は全部を組み合わせて行うための設定などが行われる。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU56は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板31から演出制御基板80などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O57に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板80に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理が終了すると、割込み許可状態としてから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図39は、特別図柄プロセス処理として、図38に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図40及び図41は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図40及び図41に示す始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、所定の入力ポートレジスタに格納された入力ポートデータを読み出す(ステップS201)。ここで、入力ポートレジスタは、例えばI/O57に含まれる入力ポートにおける外部信号の入力状態を示すビット値などが、格納されるレジスタである。この実施の形態では、入力ポートレジスタのビット番号[0]に格納される入力ポートデータが、第1始動口スイッチ13aから伝送される検出信号となる第1始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示し、入力ポートレジスタのビット番号[1]に格納される入力ポートデータが、第2始動口スイッチ14aから伝送される遊技球の検出信号となる第2始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示している。
ステップS201にて読み出した入力ポートレジスタのビット番号[1]におけるビット値が“1”であるか否かを判定する(ステップS202)。このとき、ビット値が“1”であれば(ステップS202;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2始動入賞判定カウンタの格納値である第2始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS203)。これに対して、ステップS202にて“0”であると判定された場合には(ステップS202;No)、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(ステップS204)。
ステップS203、S204の処理のいずれかを実行した後には、ステップS201にて読み出した入力ポートレジスタのビット番号[0]におけるビット値が“1”であるか否かを判定する(ステップS205)。このとき、ビット値が“1”であれば(ステップS205;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1始動入賞判定カウンタの格納値である第1始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS206)。これに対して、ステップS205にて“0”であると判定された場合には(ステップS205;No)、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(ステップS207)。
ステップS206、S207の処理のいずれかを実行した後には、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値として予め定められた所定の判定値(例えば「2」)に達したか否かを判定する(ステップS208)。このとき、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS208;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS209)。また、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS210)。
ステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS208;No)、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したか否かを判定する(ステップS211)。このとき、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS211;No)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS211;Yes)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS212)。また、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS213)。
ステップS210、S213の処理のいずれかを実行した後、CPU56は、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を読み出す(ステップS214)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み出し、始動口バッファ値が「2」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み出す。そして、ステップS214における読出値が、所定の上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(図41のステップS215)。このとき、ステップS214での読出値が上限値に達していなければ、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始するための始動条件が有効に成立することになる。例えば、図40に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立する。また、図40に示すステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第2始動条件が成立する。
このように、ステップS215にて読出値が上限値に達していないときには(ステップS215;No)、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算する(ステップS216)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留記憶数カウント値を1加算し、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2保留記憶数カウント値を1加算する。そして、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を示す合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算する(ステップS217)。
ステップS217の処理に続いて、CPU56は、始動口バッファ値に応じた始動データを、始動データ記憶部151Cにおける空き領域の先頭にセットして記憶させる(ステップS218)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、「第1」を示す始動データをセットし、始動口バッファ値が「2」であるときには、「第2」を示す始動データをセットする。そして、CPU56は、乱数回路503やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データを、抽出する(ステップS219)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS220)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1、MR2−1を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1、MR2−1を示す数値データがセットされる。
ステップS220にて乱数値を記憶した後には、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、ROM54における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレス(先頭アドレス)を送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、始動口バッファ値が「2」であるときには、ROM54における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレス(先頭アドレス)を送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図38に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
また、CPU56は、例えばROM54における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板80に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS222)。なお、第1始動口入賞指定コマンドテーブルが、第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定データと、保留記憶数通知コマンドを送信するための設定データとを含むように構成されるとともに、第2始動口入賞指定コマンドテーブルが、第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定データと、保留記憶数通知コマンドを送信するための設定データとを含むように構成されている場合には、ステップS221、S222の処理として第1始動口入賞指定コマンドテーブルと第2始動口入賞指定コマンドテーブルのうち、始動口バッファ値に応じたコマンドテーブルの記憶アドレスだけを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納すればよい。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図38に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドに続いて、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
ステップS215にて読出値が上限値に達している場合や(ステップS215;Yes)、ステップS222の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS223)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS223;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS224)、図40に示すステップS211の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS223;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS225)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、2ミリ秒内で実行される処理によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、図40に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図40に示すステップS209、S210、S214の処理を実行してから、図41に示すステップS215〜S222の処理を実行した後、ステップS223にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS224の処理を実行してから、図40に示すステップS211の処理に進む。そして、ステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図40に示すステップS212〜S214の処理を実行してから、図41に示すステップS215〜S222の処理を実行した後、ステップS223にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS225の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
以上のような始動入賞判定処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値に応じて、図39に示すステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄、付属図柄などの可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの事前決定結果や、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かのリーチ決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。さらに、大当りフラグ及び小当りフラグがいずれもオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「15R非確変」、「15R確変」、「2R非確変」、「2R確変」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「15R非確変」又は「15R確変」であることに対応して15ラウンド大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドの実行回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定する。これに対して、大当り種別が「2R非確変」又は「2R確変」であることに対応して2ラウンド大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、ラウンドの実行回数となる大入賞口の開放回数を「2回」に設定する。
ステップS115の大入賞口開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド21に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS116の大入賞口開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大入賞口開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置9やスピーカ27、枠LED28及び装飾LED25などといった演出用の電気部品(演出装置)により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して特別遊技状態あるいは通常状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において可変入賞動作の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば可変表示結果が「小当り」であることに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、可変入賞動作における大入賞口の開放回数を「2回」に設定すればよい。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド21に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、演出表示装置9やスピーカ27、枠LED28及び装飾LED25などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。
図42は、図39のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図42に示す特別図柄通常処理において、CPU56は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値が「0」であるか否か、すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数の合計値である合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。このとき、合計保留記憶数カウント値が「0」以外であれば(ステップS231;No)、始動データ記憶部151Cから始動データを読み出す(ステップS232)。ここでは、始動データ記憶部151Cにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている始動データを読み出せばよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば合計保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、合計保留記憶数を1減算するように更新するとともに、始動データ記憶部151Cにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された始動データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS233)。そして、ステップS232にて読み出した始動データが「第1」と「第2」のいずれであるかを判定する(ステップS234)。
ステップS234にて始動データが「第1」であると判定された場合には(ステップS234;第1)、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始する第1開始条件が成立したことに対応して、遊技制御バッファ設定部155に記憶される変動特図指定バッファ値を「1」に設定する(ステップS235)。他方、ステップS234にて始動データが「第2」であると判定された場合には(ステップS234;第2)、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始する第2開始条件が成立したことに対応して、変動特図指定バッファ値を「2」に設定する(ステップS236)。
ステップS235、S236の処理のいずれかを実行した後には、ステップS232にて読み出した始動データに応じた特図保留記憶部から、保留データを読み出す(ステップS237)。例えば、始動データが「第1」である場合には、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データとを、それぞれ読み出す。これに対して、始動データが「第2」である場合には、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データとを、それぞれ読み出す。
ステップS237の処理に続いて、始動データに応じた保留記憶数カウント値を1減算するとともに、始動データに応じた特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS238)。例えば、始動データが「第1」である場合には、第1保留記憶数カウント値を1減算するとともに、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる。これに対して、始動データが「第2」である場合には、第2保留記憶数カウント値を1減算するとともに、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる。
ステップS238の処理に続いて、可変表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、始動データに応じた特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、始動データが「第1」であれば図10(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルとしてセットする一方で、始動データが「第2」であれば図10(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルとしてセットする。CPU56は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブルを参照することにより、ステップS237にて読み出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」の可変表示結果に割り当てられた決定値のいずれかと合致するか否かに応じて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを決定する(ステップS240)。
ステップS240にて可変表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされた場合には(ステップS240;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図11に示す大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS242)。そして、ステップS237にて読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データに基づき、ステップS242にてセットした大当り種別決定テーブル131を参照することにより、大当り種別を、「15R非確変」、「15R確変」、「2R非確変」、「2R確変」という予め複数設定された大当り種別のいずれかに決定する(ステップS243)。なお、ステップS236の処理で変動特図指定バッファ値を「2」に設定した場合には、大当り種別決定テーブル131にて「2R非確変」の大当り種別に対して大当り種別決定用の乱数値MR2−1が割り当てられていないことから、大当り種別が「2R非確変」に決定されることはない。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を更新することなどにより、決定された大当り種別を記憶させる(ステップS244)。一例として、大当り種別が「15R非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「15R確変」であれば「1」とし、「2R非確変」であれば「2」とし、「2R確変」であれば「3」とすればよい。
ステップS240にて可変表示結果を「大当り」としない旨の決定がなされた場合には(ステップS240;No)、ステップS237にて読み出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「小当り」の可変表示結果に割り当てられた決定値のいずれかと合致するか否かに応じて、可変表示結果を「小当り」とするか否かを決定する(ステップS245)。そして、「小当り」とする決定がなされたときには(ステップS245;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS246)。
ステップS244、S246の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS247)。一例として、ステップS245にて可変表示結果を「小当り」としない旨の決定がなされた場合には、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS245にて可変表示結果を「小当り」とする旨の決定がなされた場合には、可変表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS240にて可変表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされた場合には、ステップS243における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「15R非確変」とする決定結果に応じて、15R非確変大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「15R確変」とする決定結果に応じて、15R確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「2R非確変」とする決定結果に応じて、2R非確変大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「2R確変」とする決定結果に応じて、2R確変大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS247にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。また、ステップS231にて合計保留記憶数が「0」である場合には(ステップS231;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS249におけるデモ表示設定では、例えば演出表示装置9において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する客待ちデモ指定コマンドが、主基板31から演出制御基板80に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、例えばROM54における客待ちデモ指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、客待ちデモ指定コマンドの送信設定を行う。こうして設定された客待ちデモ指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図38に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
図43は、図39のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図43に示す変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて、大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cのいずれかを選択し、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS262)。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグや時短フラグの状態から特定すればよい。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS263;Yes)、小当り変動パターン種別決定テーブル134を選択し、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS264)。
ステップS263にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS263;No)、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は第2確変状態、第1確変状態、時短状態のいずれであるかに基づき、図12(D)に示すテーブル選択設定に従い、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定するための使用テーブルとして、リーチ決定テーブル132A〜132Cのいずれかを選択してセットする(ステップS265)。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定する(ステップS266)。続いて、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどから、リーチ決定用の乱数値MR2−2を抽出する(ステップS267)。そして、ステップS267にて抽出したリーチ決定用の乱数値MR2−2に基づき、ステップS265にてセットしたリーチ決定テーブル132A〜132Cのいずれかを参照することにより、リーチ状態の有無を決定し(ステップS268)、その決定結果がリーチ状態ありとするものであるか否かを判定する(ステップS269)。
ステップS269にて可変表示状態をリーチ状態とする決定結果であると判定された場合には(ステップS269;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて、リーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cのいずれかを選択し、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS270)。これに対して、可変表示状態をリーチ状態としない決定結果である場合には(ステップS269;No)、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて、非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cのいずれかを選択し、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS271)。
ステップS262、S264、S270、S271の処理のいずれかを実行した後には、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどから、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を抽出する(ステップS272)。そして、ステップS272にて抽出した変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき、ステップS262、S264、S270、S271のいずれかにてセットした使用テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS273)。なお、ステップS262にて大当り変動パターン種別決定テーブル133A〜133Cのいずれかを選択してセットした場合には、ステップS273の処理を実行する際に、例えば大当り種別バッファ値などに基づいて大当り種別が「15R非確変」、「15R確変」、「2R非確変」、「2R確変」のいずれに決定されたかを特定し、特定された大当り種別に応じて変動パターン種別の決定が行われるようにすればよい。また、ステップS264にて小当り変動パターン種別決定テーブル134を選択してセットした場合には、ステップS273の処理を実行する際に、例えば確変フラグや時短フラグの状態からパチンコ遊技機1における遊技状態を特定し、特定された遊技状態に応じて変動パターン種別の決定が行われるようにすればよい。ステップS270にてリーチ変動パターン種別決定テーブル135A〜135Cのいずれかを選択してセットした場合や、ステップS271にて非リーチ変動パターン種別決定テーブル136A〜136Cのいずれかを選択してセットした場合には、ステップS268におけるリーチ状態の有無の決定結果に応じて変動パターン種別の決定が行われるようにすればよい。
ここで、ステップS272、S273の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示器8aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示器8bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかに関わりなく、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する。また、ステップS272、S273の処理では、ステップS268におけるリーチ状態の有無の決定結果に関わりなく、変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。一例として、ステップS273の処理では、決定テーブルポインタにセットされたROM54のアドレスに記憶された決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定を行うようにすればよい。
こうしてステップS273にて変動パターン種別が決定された後には、可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの決定結果(事前決定結果)、あるいは、ステップS273にて決定された変動パターン種別に応じて、図17に示す当り変動パターン決定テーブル137及び図18に示すハズレ変動パターン決定テーブル138のいずれかを選択し、変動パターンを予め複数用意された変動パターンのいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS274)。続いて、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどから、変動パターン決定用の乱数値MR4を抽出する(ステップS275)。そして、ステップS275にて抽出した変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、ステップS274にてセットした変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS276)。
ここで、ステップS275、S276の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示器8aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示器8bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかに関わりなく、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する。また、ステップS275、S276の処理では、ステップS268におけるリーチ状態の有無の決定結果に関わりなく、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。一例として、ステップS276の処理では、決定テーブルポインタにセットされたROM54のアドレスに記憶された決定テーブルを参照して変動パターンが決定されればよい。
このようなステップS276における変動パターンの決定に続いて、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS277)。その後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS278)。一例として、変動特図指定バッファ値が“1”であれば、第1特別図柄表示器8aによる第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が“2”であれば、第2特別図柄表示器8bによる第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS278の処理を実行した後には、特別図柄の可変表示開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS279)。例えば、変動特図指定バッファ値が“1”である場合に、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM54における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が“2”である場合に、CPU56は、主基板31から演出制御基板80に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM54における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
こうしたステップS279での設定を行った場合には、変動パターン設定処理が終了してから図38に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板31から演出制御基板80に対して、各種の演出制御コマンドが順次に送信されることになる。図44は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示を開始する際に、主基板31から演出制御基板80に対して演出制御コマンドを送信する動作の一例を示すタイミング図である。特図ゲームを開始するための開始条件が成立したときには、図43に示すステップS279による送信設定に基づき、図38に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、CPU56にてタイマ割込みが発生するごとに、遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順で送信されるようにしてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS280)、変動パターン設定処理を終了する。
図45は、図39のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図45に示す特別図柄停止処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理では、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS292の処理に続いて、当り開始指定コマンドを主基板31から演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。例えば、ステップS293の処理では、当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM54における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。その後、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS294)。また、第1確変状態又は第2確変状態や時短状態といった特別遊技状態を終了するための設定を行う(ステップS295)。例えば、ステップS295では、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、時短状態が終了するまでに実行可能な特図ゲームの残存回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS296)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS291にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS291;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS297)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS297;Yes)、小当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS298)。例えば、ステップS298の処理では、小当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。続いて、ステップS293の処理と同様に、当り開始指定コマンドを主基板31から演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS299)。その後、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS300)。また、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップ301)。
ステップS297にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS297;No)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する(ステップS302)。ステップS301、S302の処理のいずれかを実行した後には、第1確変状態又は第2確変状態や時短状態といった特別遊技状態を終了させるか否かの判定を行ってから(ステップS303)、特別図柄停止処理を終了する。例えば、ステップS303の処理では、時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、例えば1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」など)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短制御を終了すればよい。他方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持して、ステップS303の処理を終了すればよい。なお、時短フラグがオンであるとともに確変フラグがオンとなっている第1確変状態については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続して時短制御が行われるようにしてもよい。あるいは、第1確変状態でも時短制御を終了するか否かの判定を行い、終了するとの判定結果に基づき時短制御を終了するようにしてもよい。こうして時短制御を終了するときには、確変制御もあわせて終了することにより通常状態となるようにしてもよいし、確変制御については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、あるいは、さらに所定回数の特図ゲームが実行されるまで、継続させて第2確変状態となるようにしてもよい。
また、ステップS303の処理では、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタから、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM54などに格納された確変制御終了判定テーブルを参照すること、あるいは、確変制御中における特図ゲームの実行回数が所定の確変終了判定値に達したことなどにより、確変制御を終了するか否かの判定を行うようにしてもよい。これに対して、ステップS303の処理では、確変制御を終了するための処理を実行せず、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御を継続させるようにしてもよい。あるいは、確変制御終了判定用の乱数値を示す数値データに基づき確変制御を終了するか否かを判定する処理は、例えば図42に示すステップS231にて合計保留記憶数カウント値が「0」以外の値であると判定した後、ステップS240にて可変表示結果を「大当り」とするか否かを決定(事前決定)するより前に、実行されるようにしてもよい。
図46(A)は、図39のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図46(A)に示す大当り終了処理において、CPU56は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。一例として、図39に示すステップS116の大入賞口開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS311の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS311;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS312)。続いて、ステップS312にて読み出した大当り種別バッファ値である大当り種別バッファ読出値に応じた遊技状態の制御を開始するための設定を行う(ステップS313)。図46(B)は、ステップS313での設定例を示す説明図である。図46(B)に示すように、大当り種別バッファ読出値が「0」であるときには、遊技状態を時短状態とする制御を開始するための設定を行う。このとき、例えばCPU56は、時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)を、時短回数カウンタに設定する。大当り種別バッファ読出値が「1」であるときには、遊技状態を第1確変状態とする制御を開始するための設定を行う。このとき、例えばCPU56は、確変フラグ及び時短フラグをともにオン状態にセットする。大当り種別バッファ読出値が「2」であるときには、遊技状態を通常状態とする制御を開始するための設定を行う。このとき、例えばCPU56は、確変フラグ及び時短フラグをともにオフ状態に維持する。大当り種別バッファ読出値が「3」であるときには、遊技状態を第2確変状態とする制御を開始するための設定を行う。このとき、例えばCPU56は、確変フラグをオン状態にセットする一方で、時短フラグをオフ状態に維持する。
ステップS313における設定を行った後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS314)、大当り終了処理を終了する。
図47は、図38のステップS16にて実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、ゲート32に設けられたゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、ゲート32を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行う(ステップS131)。遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS131;Yes)、ゲート通過時処理を実行する(ステップS132)。他方、ゲートスイッチ32aからの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS131;No)、ステップS132の処理をスキップする。
ステップS132にて実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。すなわち、まず、RAM55の所定領域に設けられた普図保留記憶部に記憶されている保留データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球検出は無効として、そのままゲート通過時処理を終了する。これに対して、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、例えばCPU56が、遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどにより更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値MR5を示す数値データを保留データとして、普図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットする。以上のようなゲート通過時処理を実行した後や、ステップS131にてゲートスイッチ13aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普図プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS140〜S144の各処理を実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器10による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部に格納された保留データがある場合には、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS141の普通図柄判定処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄判定処理では、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データに基づき、図10(C)に示す普図表示結果決定テーブル130Cを参照して、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果としての普図表示結果を、「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかの決定などが行われる。ここで、普図表示結果決定テーブル130Cでは、遊技状態が第1確変状態又は時短状態である場合に、通常状態や第2確変状態である場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定がなされる割合が高くなるように、乱数値MR5と比較される決定値が普図表示結果に割り当てられている。これにより、第1確変状態や時短状態では、通常状態や第2確変状態に比べて普図表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、普通可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が拡大開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
また、普通図柄判定処理では、普図表示結果に対応する普図変動時間の決定も行われる。ここで、普図表示結果決定テーブル130Cでは、第1確変状態又は時短状態である場合に、通常状態や第2確変状態である場合よりも普図変動時間が短くなるように設定されている。これにより、第1確変状態や時短状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が拡大開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。加えて、普図表示結果決定テーブル130Cでは、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかに応じて、普図変動時間の決定割合が異なるように設定されている。これにより、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかを、普図変動時間からある程度まで遊技者が認識できるように示唆することができる。
さらに、普通図柄判定処理では、普図表示結果を「普図当り」とする場合に、第2始動入賞口14を拡大開放状態とする開放時間及び開放回数からなる傾動制御時間を設定してもよい。ここで、普図表示結果決定テーブル130Cでは、第1確変状態又は時短状態である場合に、通常状態や第2確変状態である場合よりも開放時間が長時間で開放回数が多数回となるように設定されている。これにより、第1確変状態や時短状態といった特別遊技状態では、第2始動入賞口14が拡大開放状態となる時間が長くなるとともに開放回数が多くなることで、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。加えて、普図表示結果決定テーブル130Cでは、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかに応じて、開放時間及び開放回数の決定割合が異なるように設定されている。これにより、遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかを、開放時間及び開放回数の組合せからある程度まで遊技者が認識できるように示唆することができる。なお、傾動制御に関する設定は、ステップS143の普通図柄停止処理やステップS144の普通電動役物作動処理にて行うようにしてもよい。
ステップS142の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおいて普通図柄を変動させるための設定が行われる。こうした設定に基づいて変動する普通図柄は、ステップS143の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動が停止して普通図柄の可変表示結果となる普図表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。そして、普図変動時間に達したときには、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS143の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器10にて普通図柄の可変表示結果を停止表示させるための設定が行われる。なお、普通図柄の可変表示結果を停止表示させるための設定は、ステップS142の普通図柄変動処理にて、計測された経過時間が普図変動時間に達したときに、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する以前に、行われるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普図表示結果が「普図当り」である場合に、例えば普通可変入賞球装置15が備える可動翼片に連結された普通電動役物用のソレノイド16を駆動するための普電作動パターンの設定といった、可動翼片を傾動位置とする傾動制御のための設定を行ってから、普図プロセスフラグの値が“4”に更新される。
ステップS143の普通図柄停止処理にて普電作動パターンを設定する場合には、ステップS141の普通図柄判定処理で決定された普図表示結果に対応する普電作動パターンを選択することにより、普図表示結果に応じて異なる開放時間及び開放回数が設定されるようにすればよい。あるいは、ステップS142にて普電作動パターンを設定するときに、時短フラグがオンであるか否かを判定して、判定結果に対応した普電作動パターンを設定してもよい。この場合、普通図柄の可変表示を開始するときには、例えば大当り遊技状態であることなどに対応して時短フラグがオフであったものの、普通図柄の可変表示結果が停止表示されるときには、大当り遊技状態の終了後に第1確変状態や時短状態となったことに対応して時短フラグがオンとなっている場合に、第1確変状態や時短状態において普図表示結果が「普図当り」となったことに対応した第2始動入賞口14の開放時間や開放回数を設定することができる。これにより、例えば第1確変状態や時短状態となる以前に普通図柄の可変表示が開始されたために第1確変状態や時短状態となってから普図表示結果が「普図当り」となっても第2始動入賞口14に遊技球が進入しがたくなってしまうことを防止できる。ステップS143の普通図柄停止処理にて、普図表示結果が「普図ハズレ」であると判定された場合には、普図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
ステップS144の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置15が備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口14を通常開放状態から拡大開放状態に変化させる傾動制御の設定などが行われる。例えば、普通電動役物作動処理では、ステップS143の普通図柄停止処理にてセットされた普電作動パターンの設定に応じて、普通電動役物用のソレノイド16を駆動するための駆動制御信号の生成が行われるようにすればよい。また、普通電動役物作動処理では、普通電動役物用のソレノイド16を駆動して第2始動入賞口14を拡大開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が普電作動パターンに対応した傾動制御時間(開放時間)に達したか否かの判定が行われる。そして、経過時間が傾動制御時間に達した場合には、普通電動役物用のソレノイド16の駆動を停止して可動翼片を傾動位置から垂直位置に戻すことにより、第2始動入賞口14を拡大開放状態から通常開放状態に変化させるための設定を行う。そして、第2始動入賞口14を拡大開放状態とする傾動回数が普電作動パターンに対応した開放回数に達したときには、普図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化すればよい。
次に、演出制御基板80における動作を説明する。演出制御基板80では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101が起動し、図48のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図48に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU101は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS401)、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMのクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板80に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS402)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMの演出制御カウンタ設定部193などに設けられたランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS403)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。
また、演出制御基板80の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU101は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU101は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、例えば図5に示す入力ポート103のうちで、中継基板77を介して主基板31から伝送された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMの演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU101は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS403にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS403;No)、ステップS402の処理に戻る。他方、ステップS403にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS404)、コマンド解析処理を実行する(ステップS405)。ステップS405にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS405にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS406)。この演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作、スピーカ27からの音声出力動作、枠LED28及び装飾LED25における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
図49は、図48に示すステップS405におけるコマンド解析処理内で実行される遊技状態記憶処理の一例を示すフローチャートである。図49に示す遊技状態記憶処理は、主基板31から演出制御基板80へと伝送された遊技状態指定コマンドで示された遊技状態を、演出制御基板80の側で記憶して演出制御用CPU101などにより特定可能とする処理である。
図49に示す遊技状態記憶処理において、演出制御用CPU101は、まず、遊技状態指定コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS451)。このとき、遊技状態指定コマンドの受信がなければ(ステップS451;No)、そのまま遊技状態記憶処理を終了する。これに対して、遊技状態指定コマンドの受信があれば(ステップS451;Yes)、その遊技状態指定コマンドにおける2バイト目のEXTデータを抽出する(ステップS452)。そして、ステップS452にて抽出したEXTデータを演出制御バッファ設定部194などに設けられた遊技状態バッファに記憶させてから(ステップS453)、遊技状態記憶処理を終了する。こうして、ステップS453の処理による遊技状態バッファの記憶内容から、演出制御基板80の側においてパチンコ遊技機1の遊技状態が複数種類のいずれであるかを特定することが可能になる。
図50は、図48のステップS406にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図50に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS160〜S166の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS160の飾り図柄変動開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動開始待ち処理には、主基板31から伝送される変動開始コマンドとして、第1変動開始コマンドと第2変動開始コマンドのいずれかを受信したか否かに応じて、演出表示装置9の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける飾り図柄の可変表示や、第1付属図柄表示器9aあるいは第2付属図柄表示器9bにおける付属図柄の可変表示を、開始するか否かの判定を行う処理などが含まれている。このとき、可変表示を開始する旨の判定がなされれば、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS161の飾り図柄変動設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動設定処理には、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームの開始や第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームの開始に対応して、飾り図柄や付属図柄の可変表示を含めた各種の演出動作を行うために、変動パターンや可変表示結果などに応じた最終停止図柄となる確定飾り図柄や仮停止図柄、擬似連パターン、予告演出の有無、予告パターン等を決定し、その決定結果に応じて、予め用意された複数種類の演出制御パターンのいずれかを、使用パターンとして選択して設定する処理などが含まれている。こうした決定や設定などが行われた後には、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS162の飾り図柄変動中処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動中処理には、例えば演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値などに対応して、使用パターンとなる演出制御パターンなどから各種の制御データを読み出して、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。そして、例えば演出制御プロセスタイマ値が所定の可変表示終了値(例えば「0」)となったこと、あるいは、主基板31から伝送される飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。演出制御プロセスタイマ値が可変表示終了値となったことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板31からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板80の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS163の飾り図柄変動終了時処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動終了時処理には、主基板31から伝送される当り開始指定コマンドを受信したか否かを判定する処理が含まれている。このとき、当り開始指定コマンドを受信した旨の判定がなされれば、その当り開始指定コマンドから特定される可変表示結果が「大当り」である場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新され、可変表示結果が「小当り」である場合には、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。また、当り開始指定コマンドを受信せずに所定時間が経過したときには、可変表示結果が「ハズレ」であることに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS164の大当り制御中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り制御中演出処理には、例えば可変表示結果が「大当り」となったことなどに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させることや、音声出力基板70に対する音番号データの出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する信号出力により枠LED28及び装飾LED25等の発光体を点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、例えば主基板31から伝送される当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS165の小当り制御中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り制御中演出処理には、例えば可変表示結果が「小当り」となったことなどに対応した各種演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させることや、音声出力基板70に対する音番号データの出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する信号出力により枠LED28及び装飾LED25等の発光体を点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出動作を制御する処理が含まれている。一例として、ステップS165の小当り制御中演出処理では、図34に示す各種演出制御パターンCST2−2、CRE1−1を順次に使用する演出制御パターンとして選択して、各種演出制御パターンテーブル182から読み出し、演出制御プロセスタイマの設定を行う。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、演出動作を制御するための各種設定などを行うようにすればよい。こうした設定によって実行される演出動作は、大当り種別が「2R非確変」又は「2R確変」となった場合にも実行されることがある2R大当り・小当り共通の演出動作であればよい。そして、例えば主基板11から伝送される当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS166のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理には、大当り遊技状態や小当り遊技状態が終了することなどに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させることや、音声出力基板70に対する音番号データの出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する信号出力により枠LED28及び装飾LED25等の発光体を点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了に対応した各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、こうした演出動作が終了したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。このときには、例えば図3に示す演出モードの移行例に従い、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了に対応した演出モードの設定が行われればよい。
図51は、図50のステップS160にて実行される飾り図柄変動開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。図51に示す飾り図柄変動開始待ち処理において、演出制御用CPU101は、まず、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンドといった、主基板31から伝送される変動開始コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、第1変動開始コマンド及び第2変動開始コマンドをいずれも受信していなければ(ステップS501;No)、演出制御フラグ設定部191に設けられたデモ表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS502)。なお、デモ表示中フラグは、後述するステップS506の処理が実行されたときにオン状態にセットされる一方で、ステップS512、S516の処理のいずれかが実行されたときにクリアされてオフ状態となる。
ステップS502にてデモ表示中フラグがオフである場合には(ステップS502;No)、演出制御フラグ設定部191に設けられたデモ表示設定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS503)。なお、デモ表示設定フラグは、主基板31から伝送される客待ちデモ指定コマンドを受信したときや、後述するステップS513の処理が実行されたときに、オン状態となる。その一方で、デモ表示設定フラグは、ステップS505、S518の処理のいずれかが実行されたときにクリアされてオフ状態となる。ステップS503にてデモ表示設定フラグがオフであれば(ステップS503;No)、演出プロセスフラグの値が“0”に更新されてから客待ちデモ指定コマンドの受信がないことから、デモ画面を表示するための設定が行われず、飾り図柄変動開始待ち処理を終了する。
ステップS503にてデモ表示設定フラグがオンである場合には(ステップS503;Yes)、所定のデモ表示待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS504)。ここで、デモ表示待ち時間は、可変表示結果が「ハズレ」となる飾り図柄の可変表示が終了したことや、大当り遊技状態又は小当り遊技状態の終了を報知するための演出動作が完了したことに基づき、主基板31から伝送された客待ちデモ指定コマンドを受信したタイミングから、デモンストレーション画像によるデモ画面の表示を演出表示装置9にて開始させるまでの待機時間として予め設定された時間であればよい。このとき、デモ表示待ち時間が経過していなければ(ステップS504;No)、飾り図柄変動開始待ち処理を終了する。
ステップS504にてデモ表示待ち時間が経過した旨の判定がなされた場合には(ステップS504;Yes)、デモ表示設定フラグをクリアしてオフ状態とする一方で(ステップS505)、デモ表示中フラグをオン状態にセットする(ステップS506)。続いて、デモ画面表示を開始させるための設定を行う(ステップS507)。一例として、演出制御用CPU101は、VDP109に対して所定の表示制御指令を送信するなどして、演出表示装置9における表示を初期化させる。また、演出制御用CPU101は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵又は外付けされたROMから、所定のデモ表示用演出制御パターンを読み出し、デモ画面表示中における演出動作を制御するための使用パターンとしてセットする。
ステップS502にてデモ表示中フラグがオンである場合や(ステップS502;Yes)、ステップS507の処理を実行した後には、デモ画面表示指令処理を実行する(ステップS509)。このデモ画面表示指令処理において、演出制御用CPU101は、例えば演出制御プロセスタイマを更新し、ステップS507にてセットしたデモ表示用演出制御パターンから、更新後の演出制御プロセスタイマ値に応じた制御データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)を読み出し、その制御データに対応する各種指令を作成して、VDP109や音声出力基板70、ランプドライバ基板35などに対して伝送させればよい。
ステップS509にてデモ画面表示指令処理を実行した後には、デモ表示期間が終了したか否かを判定する(ステップS510)。このとき、デモ表示期間が終了していなければ(ステップS510;No)、飾り図柄変動開始待ち処理を終了する。これに対して、デモ表示期間が終了した場合には(ステップS510;Yes)、デモ画面表示を終了させるための設定を行う(ステップS511)。一例として、演出制御用CPU101は、VDP109に対して所定の表示制御指令を送信するなどして、演出表示装置9における表示を初期化させる。また、演出制御用CPU101は、デモ表示待ち時間に対応したタイマ初期値を演出制御プロセスタイマにセットしてもよい。このときには、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態とする一方で(ステップS512)、デモ表示設定フラグをオン状態にセットしてから(ステップS513)、飾り図柄変動開始待ち処理を終了する。
ステップS501にて変動開始コマンドの受信があると判定された場合には(ステップS501;Yes)、デモ表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS514)。このとき、デモ表示中フラグがオンであれば(ステップS514;Yes)、デモ画面表示を終了させるための設定を行う(ステップS515)。一例として、演出制御用CPU101は、ステップS515の処理において、ステップS511の処理と同様に、VDP109に対して所定の表示制御指令を送信するなどして、演出表示装置9における表示を初期化させる。その一方で、ステップS515の処理においては、ステップS511の処理とは異なり、デモ表示待ち時間に対応したタイマ初期値を演出制御プロセスタイマにセットする必要はない。このときには、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS516)。
ステップS514にてデモ表示中フラグがオフである場合や(ステップS514;No)、ステップS516の処理を実行した後には、デモ表示設定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS517)。このとき、デモ表示設定フラグがオンであれば(ステップS517;Yes)、デモ表示設定フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS518)。ステップS517にてデモ表示設定フラグがオフである場合や(ステップS517;No)、ステップS518の処理を実行した後には、演出プロセスフラグの値を飾り図柄変動設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS519)、飾り図柄変動開始待ち処理を終了する。
図52は、図50のステップS161にて実行される飾り図柄変動設定処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄変動設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、例えば可変表示結果通知コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、可変表示結果が「ハズレ」であるか否かを判定する(ステップS531)。このとき、可変表示結果が「ハズレ」であれば(ステップS531;Yes)、例えば変動パターン指定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS532)。
ステップS532にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS532;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS533)。一例として、ステップS533の処理では、まず、図21(A)に示す最終停止図柄決定テーブル160Aを選択してセットする。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定テーブル160Aを参照することにより、左最終停止図柄FZ1−1となる飾り図柄を決定する。次に、図21(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bを選択してセットする。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−2を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定テーブル160Bを参照することにより、右最終停止図柄FZ1−2となる飾り図柄を決定する。このときには、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組合せに基づき、図22に示すような左右出目判定テーブル161を参照することにより、左右出目タイプDC1−1が複数種類のいずれとなるかを判定する。その後、図21(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cを選択してセットする。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3を抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−3と、左右出目タイプDC1−1とに基づき、最終停止図柄決定テーブル160Cを参照することにより、中最終停止図柄FZ1−3となる飾り図柄を決定する。
こうして、ステップS533の処理では、最終停止図柄決定テーブル160A〜160Cや、左右出目判定テーブル161を参照して、左中右最終停止図柄FZ1−1〜FZ1−3となる飾り図柄を決定することで、確定飾り図柄の組合せがリーチ組合せや大当り組合せ、あるいは、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれか、2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれか、さらには、図23に示すような所定の非リーチ組合せとなることを防止できる。
ステップS532にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS532;No)、リーチハズレ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS534)。一例として、ステップS534の処理では、まず、図24(A)に示す最終停止図柄決定テーブル162Aを、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定テーブル162Aを参照することにより、左最終停止図柄FZ2−1と右最終停止図柄FZ2−2となる同一の飾り図柄を決定する。次に、図24(B)に示す最終停止図柄決定テーブル162Bを、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−3を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定テーブル162Bを参照することにより、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに応じて、左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる飾り図柄と中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄との図柄差を決定する。こうして決定された図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄が決定される。
このように、ステップS534の処理では、まず、最終停止図柄決定テーブル162Aを用いて、最後に飾り図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9C以外の「左」及び「右」の図柄表示エリア9L、9Rに停止表示される左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる飾り図柄が決定される。その後、最終停止図柄決定テーブル162Bを用いて、最後に飾り図柄が停止表示される「中」の図柄表示エリア9Cにおける中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄と、左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2となる飾り図柄との図柄差を決定し、決定された図柄差に応じて、中最終停止図柄FZ2−3となる飾り図柄が決定される。
ステップS531にて可変表示結果が「ハズレ」以外である場合には(ステップS531;No)、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R非確変」又は「15R確変」となる15ラウンド大当りであるか否かを判定する(ステップS535)。このとき、15ラウンド大当りではないと判定されれば(ステップS535;No)、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」又は「2R確変」となる2ラウンド大当りである場合や、可変表示結果が「小当り」である場合に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS536)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPF1−1、PF1−2、PF1−5、PF1−6のいずれかが指定された場合に対応して、2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、図25(C)に示す最終停止図柄決定テーブル163Cを、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定テーブル163Cを参照することにより、2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる左中右最終停止図柄FZ4−1、FZ4−2、FZ4−3の組合せを、確定飾り図柄として決定する。また、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPF1−3、PF1−4のいずれかが指定された場合には、例えばステップS534と同様の処理を実行することにより、リーチハズレ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS535にて15ラウンド大当りであると判定された場合には(ステップS535;Yes)、大当り中昇格演出を実行するか否かを決定するための使用テーブルとして、図26(B)に示す大当り中昇格演出実行決定テーブル164Bを選択してセットする(ステップS537)。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、大当り中昇格演出実行決定用の乱数値SR4−2を示す数値データを抽出する(ステップS538)。そして、抽出した乱数値SR4−2を示す数値データに基づき、大当り中昇格演出実行決定テーブル164Bを参照することにより、大当り中昇格の有無を決定する(ステップS539)。
ステップS539の処理に続いて、ステップS539での決定結果が大当り中昇格演出を実行しない「昇格演出なし」とするものであるか否かを判定する(ステップS540)。このとき、「昇格演出なし」とする決定結果であれば(ステップS540;Yes)、大当り種別が「15R非確変」であるか否かを判定する(ステップS541)。そして、大当り種別が「15R確変」であり、「15R非確変」ではない場合には(ステップS541;No)、確変大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS542)。一例として、ステップS542の処理では、図25(B)に示す最終停止図柄決定テーブル163Bを、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定テーブル163Bを参照することにより、確変大当り組合せのいずれかとなる左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3の組合せを、確定飾り図柄として決定する。
ステップS540にて「昇格成功」又は「昇格失敗」として、「昇格演出あり」とする決定結果である場合や(ステップS540;No)、ステップS541にて大当り種別が「15R非確変」である場合には(ステップS541;Yes)、通常大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS543)。一例として、ステップS543の処理では、図25(A)に示す最終停止図柄決定テーブル163Aを、使用テーブルとして選択してセットする。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR1−1を示す数値データに基づき、最終停止図柄決定テーブル163Aを参照することにより、通常大当り組合せのいずれかとなる左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3の組合せを、確定飾り図柄として決定する。こうして、ステップS540にて大当り中昇格演出が実行されると判定した場合には、ステップS543における決定結果に基づき、飾り図柄の可変表示結果として通常大当り組合せを構成する最終停止図柄を導出表示させ、確変大当り組合せを構成する最終停止図柄の導出表示を防止する。これにより、確変大当り組合せを構成する最終停止図柄が導出表示されたにもかかわらず大当り中昇格演出が実行されてしまうことで遊技者等が受ける違和感を防止できる。
ステップS533、S534、S536、S542、S543の処理のいずれかを実行した後には、可変表示中演出設定処理を実行する(ステップS544)。図53は、ステップS544にて実行される可変表示中演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図53に示す可変表示中演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターン(例えば変動パターンPA1−4、変動パターンPA2−2、変動パターンPA4−2など)であるか否かを判定する(ステップS601)。そして、「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンであると判定された場合には(ステップS601;Yes)、「擬似連」の可変表示演出にて仮停止表示させる擬似連時仮停止図柄や、「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出(変動パターンPA3−8、変動パターンPA6−5、変動パターンPF1−6のいずれかである場合)にて仮停止表示させるチャンス目停止時仮停止図柄を決定する(ステップS602)。
一例として、ステップS602の処理では、まず、受信した変動パターン指定コマンドに示される変動パターンにおける擬似連変動の実行回数を定数Mにセットする。すなわち、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の実行回数(初回変動を含まない)が1回の変動パターンである場合には定数Mを「1」に設定し、擬似連変動の実行回数が2回の変動パターンである場合には定数Mを「2」に設定し、擬似連変動の実行回数が3回の変動パターンである場合には定数Mを「3」に設定する。続いて、決定し終えた仮停止図柄の組合せ数を示す変数Nに「0」を設定する。また、変動パターンPA1−4、変動パターンPA3−8、変動パターンPA6−5、変動パターンPF1−6のいずれかが指定された場合には、図28(A)に示す擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Aを使用テーブルとして選択し、これら以外の変動パターンが指定された場合には、図28(B)に示す擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Bを使用テーブルとして選択する。その後、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第1擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR3−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR3−1を示す数値データに基づき、選択した擬似連時仮停止図柄決定テーブル166A、166Bのいずれかを参照することにより、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる左中右仮停止図柄KZ2−1、KZ2−2、KZ2−3の組合せを決定する。このときには、変数Nを1加算して更新し、更新後の変数Nが定数Mと合致するか否か判定する。
更新後の変数Nが定数Mと合致すれば、擬似連時仮停止図柄の決定を終了する。これに対して、更新後の変数Nが定数Mと合致しなければ、演出制御用CPU101は、図28(C)に示す擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Cを使用テーブルとして選択する。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第2擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR3−2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR3−2を示す数値データに基づき、擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Cを参照することにより、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかになる左中右仮停止図柄KZ3−1、KZ3−2、KZ3−3の組合せを決定する。このときには、変数Nを1加算して更新し、更新後の変数Nが定数Mと合致するか否か判定する。
更新後の変数Nが定数Mと合致すれば、擬似連時仮停止図柄の決定を終了する。これに対して、更新後の変数Nが定数Mと合致しなければ、演出制御用CPU101は、図28(D)に示す擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Dを使用テーブルとして選択する。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、第3擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR3−3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR3−3を示す数値データに基づき、擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Dを参照することにより、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかになる左中右仮停止図柄KZ4−1、KZ4−2、KZ4−3の組合せを決定する。このときには、変数Nを1加算して更新することで、更新後の変数Nが定数Mと合致するので、擬似連時仮停止図柄の決定を終了する。
また、変動パターンPA3−8、変動パターンPA6−5、変動パターンPF1−6のいずれかが指定された場合には、擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Aを用いて決定された擬似連時仮停止図柄を、チャンス目停止時仮停止図柄としても使用するように設定すればよい。あるいは、擬似連時仮停止図柄については、擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Bを用いて決定する一方、チャンス目停止時仮停止図柄については、擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Aを用いて決定するようにしてもよい。
ステップS601にて「擬似連」の可変表示演出を実行しない変動パターンであると判定された場合には(ステップS601;No)、変動パターンPA1−5又は変動パターンPF1−5が指定されたか否かを判定する(ステップS603)。そして、変動パターンPA1−5又は変動パターンPF1−5が指定された場合には(ステップS603;Yes)、チャンス目停止時仮停止図柄を決定すればよい(ステップS604)。例えば、ステップS604の処理では、擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Aを使用テーブルとして選択し、第1擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値SR3−1を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR3−1を示す数値データに基づき、擬似連時仮停止図柄決定テーブル166Aを参照することにより、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる左中右仮停止図柄KZ2−1、KZ2−2、KZ2−3の組合せを、チャンス目停止時仮停止図柄として決定すればよい。
ステップS602、S604の処理のいずれかを実行した後や、ステップS603にて変動パターンPA1−5及び変動パターンPF1−5のいずれでもないと判定された場合には(ステップS603;No)、再抽選演出を実行するか否かを決定するための使用テーブルとして、図26(A)に示す再抽選演出実行決定テーブル164Aを選択してセットする(ステップS605)。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、再抽選演出実行決定用の乱数値SR4−1を示す数値データを抽出する(ステップS606)。そして、抽出した乱数値SR4−1を示す数値データに基づき、再抽選演出実行決定テーブル164Aを参照することにより、再抽選演出の有無を決定する(ステップS607)。なお、変動パターンを決定する際に再抽選演出の有無が決定される場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンから、再抽選演出の有無を特定すればよい。
ステップS607の処理に続いて、ステップS607での決定結果が「昇格成功」又は「昇格失敗」といった、「再抽選演出あり」とするものであるか否かを判定する(ステップS608)。このとき、「再抽選演出あり」とする決定結果であれば(ステップS608;Yes)、再抽選演出を実行するより前に仮停止表示させる飾り図柄としての再抽選前仮停止図柄を決定する(ステップS609)。
一例として、ステップS609の処理では、まず、図27に示す再抽選前仮停止図柄決定テーブル165を、使用テーブルとして選択する。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、再抽選前仮停止図柄決定用の乱数値SR2を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値SR2を示す数値データに基づき、再抽選前仮停止図柄決定テーブル165を参照することにより、通常大当り組合せとなる左中右仮停止図柄KZ7−1、KZ7−2、KZ7−3の組合せを決定する。なお、再抽選演出を実行するより前に仮停止表示する通常大当り組合せの飾り図柄は、図52に示すステップS542やステップS543の処理で決定された最終停止図柄となる確定飾り図柄に基づいて決定されるようにしてもよい。例えば、ステップS543の処理で通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が決定された場合には、その確定飾り図柄と同一の飾り図柄を、再抽選前仮停止図柄に決定すればよい。これに対して、ステップS542の処理で確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が決定された場合には、任意の通常図柄のうちから、仮停止表示する飾り図柄を決定してもよいし、確定飾り図柄とは図柄番号が「1」だけ異なる通常図柄を、仮停止表示する飾り図柄に決定してもよい。
ステップS608にて再抽選演出を実行しない「再抽選演出なし」とする決定結果である場合や(ステップS608;No)、ステップS609の処理を実行した後には、第1モード移行設定処理(ステップS610)と、予告演出設定処理(ステップS611)とを実行してから、可変表示中演出設定処理を終了する。
図54は、ステップS610にて実行される第1モード移行設定処理の一例を示すフローチャートである。図54に示すモード移行設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、例えば遊技状態バッファの記憶内容などから、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、時短状態、第1確変状態及び第2確変状態のいずれであるかを特定する(ステップS621)。また、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出モードバッファの記憶内容などから、現在の演出モードがモードA、モードB、モードM、モードJ、モードK、モードNのいずれであるかを特定する(ステップS622)。ここで、演出モードバッファは、現在の演出モードと対応付けられた格納値が設定されることなどにより、現在の演出モードを特定可能に記憶できるものであればよい。
ステップS622の処理に続いて、ステップS622にて特定された演出モードがモードJであるか否かを判定する(ステップS623)。ここで、図3に示すように、モードJの演出モードは、「15R非確変」の大当り種別に基づく大当り遊技状態の終了後に時短状態(低確高ベース状態)となったことに対応して制御される演出モードである。したがって、演出モードがモードJである場合には(ステップS623;Yes)、ステップS621にて特定された遊技状態に基づき、時短状態が終了したか否かを判定する(ステップS624)。このとき、時短状態が終了していれば(ステップS624;Yes)、演出モードをモードMに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS625)。そして、モードMにおける変動回数をカウントするためのモードM継続回数カウンタをリセットする(ステップS626)。ステップS624にて時短状態が終了していない場合や(ステップS624;No)、ステップS626の処理を実行した後には、第1モード移行設定処理を終了する。
ステップS623にて演出モードがモードJではないと判定された場合には(ステップS623;No)、演出モードがモードKであるか否かを判定する(ステップS627)。ここで、図3に示すように、モードKの演出モードは、「15R確変」の大当り種別に基づく大当り遊技状態の終了後に第1確変状態となったことに対応して制御される演出モードである。そして、次に可変表示結果が「大当り」とするまで第1確変状態(高確高ベース状態)に継続して制御される場合には、飾り図柄の可変表示を開始する際にモード移行を行う必要がない。したがって、演出モードがモードKである場合には(ステップS627;Yes)、第1モード移行設定処理を終了する。なお、可変表示結果が「大当り」となる以前に第1確変状態が終了することもあるように設定された場合には、ステップS621にて特定された遊技状態に基づき、第1確変状態が終了したか否かの判定を行い、終了していればモードNやモードMの演出モードに移行させるモード移行を実行すればよい。
ステップS627にてモードKの演出モードではないと判定された場合には(ステップS627;No)、演出モードがモードMであるか否かを判定する(ステップS628)。演出モードがモードMであると判定された場合には(ステップS628;Yes)、モードMを終了させるか否かを判定するためのモードM終了判定処理を実行する(ステップS629)。その後、第1モード移行設定処理を終了する。
ステップS628にてモードMの演出モードでないと判定された場合は(ステップS628;No)、演出モードはモードAまたはモードBのいずれかである。このとき、モードAまたはモードBにおける変動回数をカウントするための共通演出モード継続回数カウンタの値(共通演出モード継続回数カウント値)を1加算する(ステップS630)。
そして、モード移行により移行される演出モードを決定するための使用テーブルとして、図30(C)、(D)に示すモード移行決定テーブル167C、167Dのいずれかをセットする(ステップS631)。ここでは、演出モードがモードAである場合にはモード移行決定テーブル167Cがセットされ、演出モードがモードBであって遊技状態が低確状態である場合にはモード移行決定テーブル167Dがセットされる。なお、演出モードがモードBであって遊技状態が確変状態である場合には、ステップS631〜S635の処理をスキップして、第1モード移行設定処理を終了する。
続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、演出モード移行決定用の乱数値SR5を示す数値データを抽出する(ステップS632)。そして、抽出した乱数値SR5を示す数値データに基づき、ステップS631にてセットしたモード移行決定テーブル167C、167Dのいずれかを参照することにより、モード移行の実行後における演出モードとなる移行先演出モードを決定する(ステップS633)。ただし、ステップS633にて移行先演出モードが「移行なし」に決定された場合には、モード移行を実行しないことが決定される。
そして、ステップS633においてモード移行が実行されることが決定されたか否かを判定する(ステップS634)。モード移行が実行されることが決定された場合には(ステップS634;Yes)、モードAまたはモードBにおける変動回数をカウントするための共通演出モード継続回数カウンタをリセットして(ステップS635)、第1モード移行設定処理を終了する。モード移行が実行されることが決定されなかった場合には(ステップS634;No)、そのまま第1モード移行設定処理を終了する。
図55は、図54のステップS629にて実行されるモードM終了判定処理の一例を示すフローチャートである。図55に示すモードM終了判定処理において、演出制御用CPU101は、まず、モードM終了条件変更判定を行う(ステップS701)。
このモードM終了条件変更判定では、予め定められた変更条件が成立したか否かを判定する。例えば、変動パターン指定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが所定の変動パターンであるか否かを判定する。そして、所定の変動パターンである場合には、終了条件を変更すると判定する。具体的には、変動パターンが所定のリーチ演出を伴う変動パターンである場合に終了条件を変更すると判定するようにしてもよい。また、乱数値を抽出し、その乱数値が予め定められた判定値と合致する場合に終了条件を変更すると判定するようにしてもよい。即ち、変更条件は予め定められた条件であればよく、任意に設定可能である。
ステップS701の終了条件変更判定において、終了条件を変更すると判定された場合(ステップS702;Yes)、モードMの終了条件を判定するための終了条件判定値に10加算する(ステップS703)。なお、この実施の形態では、モードMの終了条件は、モードMにおいて所定回数の変動が実行されたことである。その所定回数に対応した値が、モードM移行前に予め終了条件判定値にセットされる。ステップS701の終了条件変更判定において、終了条件を変更すると判定された場合には、終了条件判定値に10加算することによって、モードM終了までの変動回数が10回延長することになる。このように終了条件を延長可能としたことで、より遊技者に遊技を継続させやすくすることができる。
ステップS703の処理の後や、ステップS701の終了条件変更判定において、終了条件を変更しないと判定された場合(ステップS702;No)、モードMにおける変動回数をカウントするためのモードM継続回数カウンタの値(モードM継続回数カウント値)を1加算する(ステップS704)。
そして、モードM継続回数カウント値がモードMの終了条件判定値に達したか否かを判定する(ステップS705)。モードM継続回数カウント値がモードMの終了条件判定値に達していれば(ステップS705;Yes)、モードMを終了してモードNに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS706)。ステップS706の後や、モードM継続回数カウント値がモードMの終了条件判定値に達していないと判定された場合(ステップS705;No)、モードM終了判定処理を終了する。
図56(A)は、図53のステップS164、及び、S165の処理内にて実行される第2モード移行設定処理の一例を示すフローチャートである。第2モード移行設定処理は、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となったことを契機に演出モードを移行させるための処理である。図56(A)に示す第2モード移行設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、例えば可変表示結果通知コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R確変」であるか否かを判定する(ステップS721)。
このとき、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R確変」であれば(ステップS721;Yes)、大当り遊技状態終了後に、モードKに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS722)。その後、第2モード移行設定処理を終了する。
可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R確変」でなければ(ステップS721;No)、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R非確変」であるか否かを判定する(ステップS723)。
このとき、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R非確変」であれば(ステップS723;Yes)、大当り遊技状態終了後に、演出モードをモードJに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS724)。
可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R非確変」となった場合は、大当り遊技状態終了後に時短状態に移行する。この時短状態において、演出モードはモードJとなるが、可変表示結果が「大当り」となる前に時短状態が終了すると、演出モードがモードMに移行する。そのため、ステップS724の処理に続いて、モードJからモードMに移行した際の、モードMの終了条件やモードMにおける背景色もここで決定する。
ステップS724の処理の後には、図52のステップS543にて決定された通常大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄がいずれの数字を示すものであったかを特定する(ステップS725)。そして、モードMの終了条件として、図56(B)に示す設定に従って、ステップS725にて特定した最終停止図柄に対応したモードM終了判定値をセットする(ステップS726)。
この実施の形態では、モードJ移行時(時短状態移行時)の通常大当り組合せを構成する最終停止図柄に応じて、その後に移行するモードMの終了条件が決定される。ステップS726では、最終停止図柄が「2」である場合には、モードM終了判定値として「20」がセットされ、最終停止図柄が「4」である場合には、モードM終了判定値として「30」がセットされ、最終停止図柄が「6」である場合には、モードM終了判定値として「40」がセットされ、最終停止図柄が「8」である場合には、モードM終了判定値として「50」がセットされる。即ち、この実施の形態では、最終停止図柄を示す数字が大きければ大きいほど、終了条件が遊技者にとって有利になっている。
ステップS726に続いて、モードM移行時の背景色を決定するための使用テーブルとして、図31に示す背景色決定テーブル168をセットする(ステップS727)。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、背景色決定用の乱数値SR7を示す数値データを抽出する(ステップS728)。そして、抽出した乱数値SR7を示す数値データに基づき、背景色決定テーブル168を参照することにより、モードM移行時の背景色を決定する(ステップS729)。このときには、モードM終了判定値に応じて異なる決定割合で、背景色が決定される。これにより、モードMにおける背景色に応じて、モードMの終了条件を遊技者に示唆することができる。
ステップS723にて、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R非確変」でないと判定された場合(ステップS723;No)、例えば可変表示結果通知コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、可変表示結果を特定する(ステップS730)。ここでは、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「2R確変」または「2R確変」であること、あるいは、可変表示結果が「小当り」であることが特定される。
続いて、例えば遊技状態バッファの記憶内容などから、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、時短状態、第1確変状態及び第2確変状態のいずれであるかを特定する(ステップS731)。また、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出モードバッファの記憶内容などから、現在の演出モードがモードA、モードB、モードM、モードJ、モードK、モードNのいずれであるかを特定する(ステップS732)。
そして、ステップS730にて特定した可変表示結果や、ステップS731にて特定した遊技状態に基づいて、図30に示すモード移行決定テーブル167Aまたは167Bのいずれかを選択してセットする(ステップS733)。ステップS733では、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「2R確変」である場合、または、可変表示結果が「小当り」であって遊技状態が高確状態(第1確変状態、第2確変状態)である場合には、モード移行決定テーブル167Aがセットされ、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「2R非確変」である場合、または、可変表示結果が「小当り」であって遊技状態が低確状態(時短状態、通常状態)である場合には、モード移行決定テーブル167Aがセットされる。
続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、演出モード移行決定用の乱数値SR5を示す数値データを抽出する(ステップS734)。そして、抽出した乱数値SR5を示す数値データに基づき、モード移行決定テーブル167Aまたは167Bを参照することにより、移行する演出モードを決定する(ステップS735)。このときには、現在の演出モードや、演出モードがモードMである場合にはモードMにおける変動回数(モードM継続回数カウント値)に応じて異なる決定割合で、移行先の演出モードが決定される。
モード移行決定テーブル167Aは、モード移行後の遊技状態が高確状態である場合に使用されるテーブルである。モード移行決定テーブル167Aの設定では、モード移行前の演出モードがモードMである場合には、モードM以外である場合に比べて、モードBよりモードAに移行する割合が高くなるようになっている。モード移行決定テーブル167Bは、モード移行後の遊技状態が低確状態である場合に使用されるテーブルである。モード移行決定テーブル167Bの設定では、モード移行前の演出モードがモードMである場合には、モードM以外である場合に比べて、モードAよりモードBに移行する割合が高くなるようになっている。これにより、モードMからモードAまたはモードBに移行した場合(モードMにおいて、「2R確変」、「2R非確変」、または「小当り」になった場合)には、その後の遊技状態が把握しやすくなるため、モードMを遊技者にメリットのある演出モードとすることができる。また、モードMのどの段階でモードAまたはモードBに移行したかに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
ステップS735の後には、共通演出モード継続回数カウンタをリセットしてから(ステップS736)、第2モード移行設定処理を終了する。
図57は、図53のステップS611にて実行される予告演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図57に示す予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、予告演出を実行するか否かを決定するための使用テーブルとして、図32に示す予告演出実行決定テーブル169を選択してセットする(ステップS641)。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、予告実行決定用の乱数値SR6−1を示す数値データを抽出する(ステップS642)。そして、抽出した乱数値SR6−1を示す数値データに基づき、予告演出実行決定テーブル169を参照することにより、予告演出の有無を決定する(ステップS643)。このときには、例えば可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果が「ハズレ」、「小当り」、「大当り」のいずれであるかに応じて異なる決定割合で、予告演出の有無が決定される。
ステップS643の処理に続いて、ステップS643での決定結果が予告演出を実行する「予告演出あり」とするものであるか否かを判定する(ステップS644)。このとき、「予告演出あり」とする決定結果であれば(ステップS644;Yes)、予告パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図33に示す予告パターン決定テーブル170をセットする(ステップS646)。さらに、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果を特定する(ステップS647)。続いて、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどから、予告パターン決定用の乱数値SR6−2を示す数値データを抽出する(ステップS648)。そして、抽出した乱数値SR6−2を示す数値データに基づき、ステップS646にてセットした予告パターン決定テーブル170を参照することにより、予告パターンを予告X、予告Y、予告Zのいずれかに決定する(ステップS649)。
ステップS644にて予告演出を実行しない「予告演出なし」とする決定結果である場合や(ステップS644;No)、ステップS649にて予告パターンを決定した後には、予告演出設定処理を終了する。こうして予告演出設定処理が終了すれば、図53に示すような可変表示中演出設定処理も終了する。
図52に示すステップS544にて可変表示中演出設定処理を実行した後には、演出制御パターンを予め複数用意されたいずれかに決定する(ステップS545)。このとき、演出制御用CPU101は、例えば変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに対応して、図柄変動制御パターンテーブル185に複数格納された図柄変動制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、例えば図54に示すステップS630にて決定されたモード移行の実行後における演出モードに対応して、モード移行演出制御パターンテーブル181に複数格納されたモード移行演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。さらに、図57に示すステップS649にて決定された予告パターンに対応して、予告演出制御パターンテーブル186に複数格納された予告演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS545の処理に続いて、例えば変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS546)。そして、演出表示装置9における飾り図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS547)。このときには、例えばステップS545にて使用パターンとして決定された図柄変動制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令をVDP109に対して伝送させることなどにより、演出表示装置9の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS548)、飾り図柄変動設定処理を終了する。
図58は、図50のステップS162にて実行される飾り図柄変動中処理の一例を示すフローチャートである。図58に示す飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)してから(ステップS561)、更新後の演出制御プロセスタイマ値を演出制御パターンにて示される演出制御プロセスタイマ判定値と比較して、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う(ステップS562)。そして、いずれのタイマ判定値とも合致しなければ(ステップS562;No)、飾り図柄変動中処理を終了する。
ステップS562にてタイマ判定値と合致した場合には(ステップS562;Yes)、そのタイマ判定値と対応付けて演出制御パターンに格納された演出制御実行データ(例えば、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データの一部又は全部)又は終了コードを読み出す(ステップS563)。ここで、ステップS562の処理で演出制御パターンにて示される複数のタイマ判定値が演出制御プロセスタイマ値と合致した場合には、合致した各々のタイマ判定値と対応付けて格納されている複数の演出制御実行データを、ステップS563の処理にて読み出すようにすればよい。そして、ステップS563にて終了コードが読み出されたか否かの判定を行う(ステップS564)。このとき、終了コードではないと判定されれば(ステップS564;No)、ステップS563にて読み出された演出制御実行データに従った演出動作の制御を実行してから(ステップS565)、飾り図柄変動中処理を終了する。例えば、ステップS565の処理では、表示制御データが指定する表示制御指令をVDP109に対して伝送させること、音声制御データが指定する音声データに応じた指令を音声出力基板70に対して伝送させること、ランプ制御データが指定する信号出力をランプドライバ基板35に対して行うこと、可動部材データが指定するモータ駆動信号をモータ86に対して伝送させることのうち、一部又は全部が順次に又は並行して(1つの動作のみであれば単独で)行われればよい。また、ステップS565の処理では、例えば予告Zの予告パターンに対応して図52に示すステップS545にて決定された予告演出制御パターンCYZといった、所定の演出制御パターンに含まれる操作検出制御データなどに基づき、操作ユニット38に対する遊技者の操作に関する演出制御が実行されてもよい。より具体的には、操作検出制御データや演出制御プロセスタイマ値などから、操作ユニット38に対する操作を有効に検出する操作有効期間であるか否かを判定する。このとき、操作有効期間であれば、操作検出スイッチ38aから伝送される検出信号に基づき、操作ユニット38に対する遊技者の操作が検出ありとなったか否かを判定する。そして、操作の検出があった場合には、その操作態様などに対応した演出動作を実行するために、表示制御データなどについて演出制御パターンからの読出制御を行ったり、各種の制御基板や演出装置などに制御指令などを伝送したりすればよい。また、操作有効期間にて操作ユニット38に対する操作が検出されたときには、操作有効期間を終了して、操作ユニット38に対する操作を無効化してもよいし、さらに操作ユニット38に対する操作を有効に検出して、検出された操作に対応する更なる演出動作を実行できるようにしてもよい。こうして、演出制御パターンに含まれる操作検出制御データなどに基づき、ステップS565の処理では、操作ユニット38に対する操作が検出されたか否かに応じて、所定の演出動作を実行する制御と実行しない制御とのいずれかが行われるようにすればよい。
ステップS564にて終了コードであると判定された場合には(ステップS564;Yes)、例えば所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定することなどにより、当り開始指定コマンド受信待ち時間の設定を行う(ステップS566)。そして、演出プロセスフラグの値を飾り図柄変動終了時処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS567)、飾り図柄変動中処理を終了する。なお、主基板31から演出制御基板80に対して飾り図柄停止コマンドが送信される場合には、ステップS564にて終了コードであると判定されたときに、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにて例えば飾り図柄の揺れ変動表示を行うように仮停止表示させ、図50に示すステップS163の飾り図柄変動終了時処理にて飾り図柄停止コマンドを受信したことに応答して、飾り図柄を完全停止(最終停止)させればよい。
図59は、図50のステップS163にて実行される飾り図柄変動終了時処理の一例を示すフローチャートである。図59に示す飾り図柄変動終了時処理において、演出制御用CPU101は、まず、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS581)。ここで、当り開始指定コマンド受信待ち時間は、図58に示すステップS566の処理で設定される時間である。ステップS581にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS581;No)、主基板31から伝送される当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS582)。このとき、当り開始指定コマンドの受信がなければ(ステップS582;No)、飾り図柄変動終了時処理を終了する。
ステップS582にて当り開始指定コマンドの受信があったと判定された場合には(ステップS582;Yes)、各種演出制御パターンテーブル182に複数格納された各種演出制御パターンのうちで、大当り遊技状態の開始を報知するために用意された各種演出制御パターンCST1−1、各種演出制御パターンCST1−2、各種演出制御パターンCST2−1のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする(ステップS583)。このときには、例えば可変表示結果通知コマンドから特定された大当り種別や、図52に示すステップS539、S540の処理における大当り中昇格演出の有無の決定結果などに基づき、各種演出制御パターンCST1−1、各種演出制御パターンCST1−2、各種演出制御パターンCST2−1のいずれを使用パターンとするかが決定されればよい。
その後、例えばステップS583にて選択した各種演出制御パターンなどに含まれる演出制御実行データを読み出す(ステップS584)。続いて、ステップS584にて読み出された演出制御実行データに従った当り報知動作の制御を実行する(ステップS585)。例えば、ステップS585の処理では、表示制御データが指定する表示制御指令をVDP109に対して伝送させること、音声制御データが指定する音声データに応じた指令を音声出力基板70に対して伝送させること、ランプ制御データが指定する信号出力をランプドライバ基板35に対して行うこと、可動部材データが指定するモータ駆動信号をモータ86に対して伝送させることのうち、一部又は全部が順次に又は並行して(1つの動作のみであれば単独で)行われればよい。これにより、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示や、スピーカ27からの音声や効果音の出力動作、枠LED28及び装飾LED25等の発光体における点灯動作、可動部材78の移動動作などにより、可変表示結果が「大当り」又は「小当り」となって、遊技状態が大当り遊技状態又は小当り遊技状態に制御されることを報知できる。
ステップS585の処理を実行したときには、演出プロセスフラグの値を大当り制御中演出処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS587)、飾り図柄変動終了時処理を終了する。また、ステップS581にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したと判定された場合には(ステップS581;No)、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS588)、飾り図柄変動終了時処理を終了すればよい。
以上説明したように、この実施の形態では、時短状態(低確低ベース状態)が終了して通常状態(低確低ベース状態)に移行したときに、モードMの演出モードに移行する。モードMにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R確変」又は「2R非確変」となった場合や、可変表示結果が「小当り」である場合には(モードAまたはモードBに移行する場合には)、現在の遊技状態を把握しやすくなるというメリットを遊技者に与えることができ、遊技状態が通常状態となった後にも遊技者に遊技を継続させやすくすることができる。
また、モードMの終了条件が複数設けられており、図31に示す背景色決定テーブル168に基づいて、終了条件に応じて異なる割合でモードMにおける背景色が決定される。モードMの演出モードにおける背景色により、モードMの終了条件を遊技者に示唆することができるようになり、遊技の興趣が向上する。
また、モードMにおいて、モードM終了条件変更判定(図55のステップS701)を行い、予め定められた変更条件が成立していれば、モードM終了条件をより成立しにくい終了条件に変更する。これにより、変更条件の成立に遊技者が興味を持つようになり、遊技の興趣が向上するとともに、終了条件がより成立しにくい終了条件となることで、より遊技者に遊技を継続させやすくすることができる。
また、同じモードMであっても、モードM移行後のどの段階(変動回数)でモードAまたはモードBに移行されたかによって、確変状態である可能性が異なるので、モードAまたはモードBに移行されタイミングに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
また、図56(A)のステップS726では、時短状態移行時の通常大当り組合せを構成する最終停止図柄に応じて、その後に移行するモードMの終了条件として、異なる終了条件がセットされる。これにより、大当り遊技状態に制御されたときの表示態様に遊技者が興味を持つようになり、遊技の興趣が向上する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、図43に示すステップS273の処理にて、例えば図13〜図16に示す変動パターン種別決定テーブルのいずれかを用いて、変動パターン種別を予め複数用意されたいずれかに決定する。その後、変動パターン種別の決定結果に基づき、図43に示すステップS276の処理にて、例えば図17及び図18に示す変動パターン決定テーブルのいずれかを用いて、変動パターンを予め複数用意されたいずれに決定する。これにより、変動パターン種別の追加や発生率の変更を行う場合には、変動パターン種別決定テーブルにおける決定値の設定のみを変更すればよいので、設定時間を短縮化することができる。また、詳細な変動パターンの追加や発生率の変更を行う場合には、変動パターン決定テーブルにおける決定値の設定のみを変更すればよいので、設定時間を短縮化することができる。すなわち、変動パターン種別の決定割合と、変動パターンの決定割合とを、別個に設定することができるので、変動パターン種別や変動パターンの振分けにかかわる設計変更を容易に行うことができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施の形態では、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての時短状態(低確高ベース状態)が終了して通常状態(低確低ベース状態)に移行したときに、遊技者が遊技状態を把握しやくすくなるモードMの演出モードに移行するものとして説明した。本発明はこれに限定されず、遊技状態の有利度合いを低下させる制御が行われたときにモードMの演出モードに移行するものであればよい。例えば、(1)高確高ベース状態から高確低ベース状態に移行したとき、(2)高確低ベース状態から低確低ベース状態に移行したとき、(3)高確高ベース状態から低確高ベース状態に移行したとき、(4)高確高ベース状態から低確低ベース状態に移行したときに、上記実施の形態のモードMの演出モードに移行するようにしてもよい。このような遊技状態の有利度合いを低下させる制御が行われたときも、遊技者が遊技をやめる契機となりやすい。このようなタイミングでモードMの演出モードに移行させることで、遊技者に遊技を継続させやすくすることができる。なお、いずれの場合も遊技状態の有利度合いを低下させる制御が行われたことを遊技者が認識できる遊技機に有効である。
高確高ベース状態から高確低ベース状態に移行したときにモードMの演出モードに移行する場合の変形例について説明する。例えば、この変形例の遊技機では、図60(A)に示すように、大当り種別として、「15R非確変」、「15R第1確変」、「15R第2確変」、「2R非確変」、「2R確変」が設けられた遊技機であるものとする。「15R非確変」、「2R非確変」、「2R確変」については、上記実施の形態と同様である。また、「15R第1確変」は上記実施の形態の「15R確変」と同様である。「15R第2確変」となった場合、15ラウンド大当り状態に制御された後、高確高ベース状態に制御されるが、変動が100回実行された時点で高ベース制御(時短制御)が終了して高確低ベース状態に移行する。従って、この変形例では、高確高ベース状態から高確低ベース状態となる場合がある。この場合、演出モードは、図60(B)に示すように、「15R第2確変」となって、15ラウンド大当り状態に制御された後には、モードJの演出モードに移行する。そして、高確高ベース状態から高確低ベース状態に移行したときには、モードJからモードMの演出モードに移行するようにすればよい。
次に、高確低ベース状態から低確低ベース状態に移行したときにモードMの演出モードに移行する場合、及び、高確高ベース状態から高確低ベース状態に移行したときにモードMの演出モードに移行する場合の変形例について説明する。例えば、この変形例の遊技機では、図61(A)に示すように、大当り種別として、上記実施の形態と同様に「15R非確変」、「15R確変」、「15R第2確変」、「2R非確変」、「2R確変」が設けられた遊技機であるものとする。ただし、「15R確変」または「2R確変」となって大当り遊技状態の終了後に高確状態に移行した後、変動が50回実行された時点で高確制御が終了して低確状態に移行する。即ち、「15R確変」となった場合、15ラウンド大当り状態に制御された後、高確高ベース状態に制御されるが、変動が50回実行された時点で高確制御が終了し低確高ベース状態に移行する。低確高ベース状態に制御された後には、変動が100回実行された時点で高ベース制御(時短制御)も終了して低確低ベース状態に移行する。また、「2R確変」となった場合、2ラウンド大当り状態に制御された後、高確低ベース状態に制御されるが、変動が50回実行された時点で高確制御が終了し低確低ベース状態に移行する。従って、この変形例では、高確低ベース状態から低確低ベース状態となる場合や、高確高ベース状態から低確高ベース状態となる場合がある。この場合、演出モードは、図61(B)に示すように、「15R確変」となって、15ラウンド大当り状態に制御された後には、モードKの演出モードに移行する。そして、変動が50回実行されて高確高ベース状態から低確高ベース状態に移行したときには、モードKからモードMの演出モードに移行するようにすればよい。また、「2R確変」となって、2ラウンド大当り状態に制御された後には、モードAまたはモードBの演出モードに移行する。そして、変動が50回実行されて高確低ベース状態から低確低ベース状態に移行したときには、モードAまたはモードBからモードMの演出モードに移行するようにすればよい。なお、モードKの演出モードにおいて変動が50回実行されて高確高ベース状態から低確高ベース状態に移行したときには、モードKからモードJの演出モードに移行するようにしてもよい。そして、こうして移行したモードJの演出モードにおいては、モードMと同様のモード移行制御が実行されるようにしてもよい。
また、図61に示した例では、「15R確変」となった場合、15ラウンド大当り状態に制御された後、高確高ベース状態に制御されるが、変動が50回実行された時点で高確制御が終了し低確高ベース状態に移行し、変動が100回実行された時点で高ベース制御(時短制御)も終了して低確低ベース状態に移行するようになっていたが、高確制御、及び、高ベース制御がともに同じ変動回数(例えば100回)で終了するようにしてもよい。このようにすると、「15R確変」となった場合、15ラウンド大当り状態に制御された後、高確高ベース状態に制御されるが、変動が100回実行された時点で、高確高ベース状態から低確低ベース状態に移行する。高確高ベース状態から低確低ベース状態に移行したタイミングにおいて、演出モードをモードMに移行するようにしてもよい。
また、15ラウンド大当り遊技状態が終了した後に、高ベース制御が実行される場合と実行されない場合とがある遊技機にも本発明を適用することができる。例えば、この変形例の遊技機では、図62(A)に示すように、大当り種別として、「15R非確変」、「15R第1確変」、「15R第2確変」、「2R非確変」、「2R確変」が設けられた遊技機であるものとする。この変形例の遊技機では、「15R第1確変」となった場合、15ラウンド大当り状態に制御された後、高確高ベース状態に移行する。そして、次に可変表示結果が「大当り」となるまで高確高ベース状態が継続する。また、「15R第2確変」となった場合、15ラウンド大当り状態に制御された後、高確低ベース状態に移行する。そして、次に可変表示結果が「大当り」となるまで高確低ベース状態が継続する。そして、「15R非確変」となった場合、15ラウンド大当り状態に制御された後、低確低ベース状態に移行する。このように、この変形例の遊技機では、15ラウンド大当り状態に制御された後、低ベース状態に制御される場合がある。なお、「2R非確変」、「2R確変」については、上記実施の形態と同様である。この場合、演出モードは、図62(B)に示すように、「15R第2確変」または「15R非確変」となって、15ラウンド大当り状態に制御された後には、モードMの演出モードに移行するようにすればよい。15ラウンド大当り状態に制御された後、高ベース状態に制御された場合も、遊技者が遊技をやめる契機となりやすい。このようなタイミングでモードMの演出モードに移行させることで、遊技者に遊技を継続させやすくすることができる。なお、高ベース状態に制御されたか否かは、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されたか否かによって、遊技者が把握可能である。
図63は、図62に示すような大当り種別、演出モードが設けられた変形例における図53のステップS164、及び、S165の処理内にて実行される第2モード移行設定処理の一例を示すフローチャートである。図63に示す第2モード移行設定処理では、演出制御用CPU101は、まず、例えば可変表示結果通知コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R第1確変」であるか否かを判定する(ステップS741)。なお、可変表示結果通知コマンドのEXTデータは、大当り種別に応じて、異なる値が設定されればよい。
このとき、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R第1確変」であれば(ステップS741;Yes)、大当り遊技状態終了後に、モードKに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS722)。その後、第2モード移行設定処理を終了する。
可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R第1確変」でなければ(ステップS741;No)、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R第2確変」であるか否かを判定する(ステップS742)。
可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R第2確変」でなければ(ステップS742;No)、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R非確変」であるか否かを判定する(ステップS743)。
このとき、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R第2確変」である場合や(ステップS742;Yes)、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R非確変」である場合や(ステップS743;Yes)、大当り遊技状態終了後に、演出モードをモードMに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS744)。ステップS744の後には、上記実施の形態と同様のステップS725以降の処理を実行する。また、ステップS743にて可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R非確変」でないと判定された場合(ステップS743;No)、上記実施の形態と同様のステップS730以降の処理を実行する。なお、この変形例では、図54に示す上記実施の形態におけるステップS623〜S626の処理は省略される。その他の処理については、上記実施の形態と同様であってよい。
なお、図62に示した例では、15ラウンドの大当り種別として「15R非確変」、「15R第1確変」、「15R第2確変」の3種類が設けられていたが、15ラウンドの大当り種別として、少なくとも15ラウンド大当り遊技状態後に、高ベース状態に移行するものと、高ベース状態に移行しないものと、があればよく、高確状態に移行するか否かは任意であってよい。そして、15ラウンド大当り遊技状態後に高ベース状態に移行しなかった場合に、モードMの演出モード移行するようにすればよい。例えば、15ラウンドの大当り種別として図62における「15R第1確変」、「15R第2確変」の2種類のみが設けられているものであってもよい。また、15ラウンド大当り遊技状態後に高ベース状態に移行する「15R非確変」と、15ラウンド大当り遊技状態後に高ベース状態に移行する「15R非確変」と、の2種類のみが設けられているものであってもよい。そして、15ラウンド大当り遊技状態後に高ベース状態に移行しなかった場合に、モードMの演出モード移行するようにすればよい。
また、上記実施の形態では、モードMの終了条件がモードMにおける変動回数であったが、モードMの終了条件は他の条件であってもよい。例えば、モードMに移行してからの可変表示結果が「2R非確変」、「2R確変」、「小当り」(これらをまとめて「2R当り」ともいう)のいずれかになった回数をモードMの終了条件としてもよい。
なお、モードMにおいて、可変表示結果が「2R当り」になった場合、見かけ上の演出モードはモードAまたはモードBに移行するが、この実施の形態では、モードMの終了条件となる所定回数「2R当り」となるまで、モードMと同様のモード移行制御が実行される。
図64(A)は、そのような変形例における図53のステップS164、及び、S165の処理内にて実行される第2モード移行設定処理の一例を示すフローチャートである。図64(A)に示す第2モード移行設定処理は、ステップS751において、図64(B)に示す設定に従って、ステップS725にて特定した最終停止図柄に対応したモードM終了判定値をセットする点が、上記実施の形態と異なる。上記実施の形態では、モードMが継続する変動回数に対応した値がモードM終了判定値としてセットされていたが、この変形例では、モードMが継続する「2R当り」の回数に対応した値がモードM終了判定値としてセットされる。
この変形例では、上記実施の形態と同様に、モードJ移行時(時短状態移行時)の通常大当り組合せを構成する最終停止図柄に応じて、その後に移行するモードMの終了条件が決定される。ステップS726では、最終停止図柄が「2」または「4」である場合には、モードM終了判定値として「1」がセットされ、最終停止図柄が「6」または「8」である場合には、モードM終了判定値として「2」がセットされる。即ち、この変形例でも、最終停止図柄を示す数字が大きければ大きいほど、終了条件が遊技者にとって有利になっている。
その後、ステップS752では、その終了条件に対応した図64(C)に示す背景色決定テーブル201がセットされる。そして、ステップS753においてその背景色決定テーブル201を参照することによりモードMにおける背景色が決定される。モードMにおいて、背景色により終了条件を示唆できる点は上記実施の形態と同様である。
また、ステップS733の処理では、図65(A)、(B)に示すモード移行決定テーブル167Eまたは167Fがセットされる。図65(A)に示すモード移行決定テーブル167Eは、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「2R確変」となった場合や、確変状態において可変表示が「小当り」となった場合に、2ラウンド大当り状態または小当り遊技状態の終了後に、モードA、モードBのいずれの演出モードに移行させるかを、現在の演出モードなどに基づいて決定するためのテーブルである。モード移行決定テーブル167Eの設定では、移行先の演出モードとして、モードBよりもモードAに決定されやすくなっている。また、現在の演出モードがモードM(モードM移行後の1回目の「2R当り」)である場合には、他の演出モードである場合に比べて、モードBよりもモードAに決定されやすくなっている。また、演出モードがモードAまたはモードBであって、モードM移行後に「2R当り」となった回数が所定回数未満(モードM移行後の2回目以降の「2R当り」)である場合(モードMフラグがオン状態である場合)にも、モードMを除く他の演出モードである場合に比べて、モードBよりもモードAに決定されやすくなっている。
モード移行決定テーブル167Eの設定では、モードM(モードM移行後の1回目の「2R当り」)である場合の方が、モードAまたはモードBであって、モードM移行後に「2R当り」となった回数が所定回数未満(モードM移行後の2回目以降の「2R当り」)である場合よりも、モードBよりもモードAに決定されやすくなっている。即ち、モードM移行後最初に「2R当り」となったときの方が、モードM移行後に「2R当り」となった回数が所定回数未満であって2回目以降に「2R当り」となった場合よりも、モードBよりもモードAに決定されやすくなっている。このようにすることで、モードM移行後の何回目の「2R当り」であるかによって、遊技状態の把握しやすさが変化することになり、遊技の興趣が向上する。
図65(B)に示すモード移行決定テーブル167Fは、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「2R非確変」となった場合や、低確状態において可変表示が「小当り」となった場合に、2ラウンド大当り状態または小当り遊技状態の終了後に、モードA、モードBのいずれの演出モードに移行させるかを、現在の演出モードなどに基づいて決定するためのテーブルである。モード移行決定テーブル167Bの設定では、移行先の演出モードとして、モードAよりもモードBに決定されやすくなっている。また、現在の演出モードがモードM(モードM移行後の1回目の「2R当り」)である場合には、他の演出モードである場合に比べて、モードAよりもモードBに決定されやすくなっている。また、演出モードがモードAまたはモードBであって、モードM移行後に「2R当り」となった回数が所定回数未満(モードM移行後の2回目以降の「2R当り」)である場合(モードMフラグがオン状態である場合)にも、モードMを除く他の演出モードである場合に比べて、モードAよりもモードBに決定されやすくなっている。
モード移行決定テーブル167Fの設定では、モードM(モードM移行後の1回目の「2R当り」)である場合の方が、モードAまたはモードBであって、モードM移行後に「2R当り」となった回数が所定回数未満(モードM移行後の2回目以降の「2R当り」)である場合よりも、モードAよりもモードBに決定されやすくなっている。即ち、モードM移行後最初に「2R当り」となったときの方が、モードM移行後に「2R当り」となった回数が所定回数未満であって2回目以降に「2R当り」となった場合よりも、モードAよりもモードBに決定されやすくなっている。このようにすることで、モードM移行後の何回目の「2R当り」であるかによって、遊技状態の把握しやすさが変化することになり、遊技の興趣が向上する。
以上のような、モード移行決定テーブル167E、167Fの設定により、上記実施の形態と同様に、モードAが確変状態である可能性が高いことを示唆する演出モードとなり、モードBが低確状態である可能性が高いこと(確変状態である可能性が低いこと)を示唆する演出モードとなる。また、モードMからモードAまたはモードBに移行した場合には、その可能性より高くなる。さらにモードMに移行してから所定回数「2R当り」となるまでは、モードAやモードBに移行していても、モードMと同様のモード移行制御が行われる。これにより確変状態であるか否かを特定できない演出モードであっても、モードAとモードBのいずれであるかに応じて確変状態であるか否かを示唆できるようになる。また、モードMからモードAまたはモードBに移行した場合には、より遊技状態が把握しやすくなるため、モードMを遊技者にメリットのある演出モードとすることができる。また、モードMになってから何回目の「2R当り」でモードAまたはモードBに移行したかに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
また、図64(A)に示す第2モード移行設定処理は、ステップS736の処理の後において、モード終了判定処理を実行する点が異なる。なお、この変形例では、図54に示すステップS629の処理は省略される。即ち、この変形例では、モードMの終了条件が「2R当り」の回数なので、変動が行われる毎に実行される第1モード移行設定処理内ではモードM終了判定処理を実行せず、「2R当り」となったときに実行される第2モード移行設定処理内でモードM終了判定処理するようになっている。
図66は、この変形例における図64(A)のステップS737で実行されるモードM終了判定処理の一例を示すフローチャートである。図66に示すモードM終了判定処理において、演出制御用CPU101は、まず、上記実施の形態と同様のモードM終了条件変更判定を行う(ステップS701)。
ステップS701の終了条件変更判定において、終了条件を変更すると判定された場合(ステップS702;Yes)、モードMの終了条件を判定するための終了条件判定値に1加算する(ステップS711)。なお、この変形例では、モードMの終了条件は、モードMに移行されてから所定回数の「2R当り」になったことである。その所定回数に対応した値が、モードM移行前に予め終了条件判定値にセットされる。ステップS701の終了条件変更判定において、終了条件を変更すると判定された場合には、終了条件判定値に1加算することによって、モードM終了までの「2R当り」の回数が1回増えることになる。このように終了条件を延長可能としたことで、より遊技者に遊技を継続させやすくすることができる。
ステップS711の処理の後や、ステップS701の終了条件変更判定において、終了条件を変更しないと判定された場合(ステップS702;No)、モードMにおける「2R当り」の回数をカウントするためのモードM継続回数カウンタの値(モードM継続回数カウント値)を1加算する(ステップS704)。
そして、モードM継続回数カウント値がモードMの終了条件判定値に達したか否かを判定する(ステップS705)。モードM継続回数カウント値がモードMの終了条件判定値に達していれば(ステップS705;Yes)、モードMフラグをクリアする(ステップS712)。なお、モードMフラグは、演出モードがモードMに移行されたときに、例えば図54のステップS625の処理などでセットされればよい。このモードMフラグがセットされている場合には、図65(A)、(B)に示すモード移行決定テーブル167E、167Fの設定に従って、モードMと同様のモード移行制御が実行される。
そして、ステップS712の処理の後や、モードM継続回数カウント値がモードMの終了条件判定値に達していないと判定された場合(ステップS705;No)、モードM終了判定処理を終了する。
以上のようにすることで、モードMの終了条件をモードM移行後の「2R当り」の回数とすることができる。このようにすることでも、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図60〜図62に示したようにモード移行する遊技機においても、図64、図66に示すような処理を実行することで、モードMの終了条件をモードM移行後の「2R当り」の回数としてもよい。
例えば、図62に示したようにモード移行する遊技機においてモードMの終了条件をモードM移行後の「2R当り」の回数とする場合には、図67に示すような第2モード移行設定処理が実行されるようにすればよい。図67に示す第2モード移行設定処理では、演出制御用CPU101は、まず、例えば可変表示結果通知コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R第1確変」であるか否かを判定する(ステップS741)。なお、可変表示結果通知コマンドのEXTデータは、大当り種別に応じて、異なる値が設定されればよい。
このとき、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R第1確変」であれば(ステップS741;Yes)、大当り遊技状態終了後に、モードKに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS722)。その後、第2モード移行設定処理を終了する。
可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R第1確変」でなければ(ステップS741;No)、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R第2確変」であるか否かを判定する(ステップS742)。
可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R第2確変」でなければ(ステップS742;No)、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R非確変」であるか否かを判定する(ステップS743)。
このとき、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R第2確変」である場合や(ステップS742;Yes)、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R非確変」である場合や(ステップS743;Yes)、大当り遊技状態終了後に、演出モードをモードMに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS744)。ステップS744の後には、図64(A)と同様のステップS725以降の処理を実行する。また、ステップS743にて可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「15R非確変」でないと判定された場合(ステップS743;No)、図64(A)と同様のステップS730以降の処理を実行する。なお、この変形例では、図54に示す上記実施の形態におけるステップS623〜S626の処理は省略される。その他の処理については、図64〜図66に示した変形例などと同様であってよい。
上記実施の形態や変形例の遊技機は、遊技者にとって有利な遊技状態から有利度合い低い遊技状態になったとき、または、大当り遊技状態後に特別遊技状態に制御されなかったときなど、遊技者が遊技を止める契機となるタイミングにおいて、遊技者が現在の遊技状態(高確状態であるか否か)を把握しやすくなる演出モードであるモードMに移行するようにしたことで、遊技者に遊技を継続させやすくすることができる。このように、一つの演出モードとすることに限定されず、遊技者にとって有利な遊技状態から有利度合い低い遊技状態になったとき、または、大当り遊技状態後に特別遊技状態に制御されなかったときなどに、所定期間(所定回数変動が行われるまでや、所定回数「2R当り」となるまで)遊技者が現在の遊技状態(高確状態であるか否か)を把握しやすくなる制御が行われるようになっていればよく、そのための制御の方法は任意である。
また、上記実施の形態や変形例では、モードMに移行する前に大当りとなったときの最終停止図柄に基づいて、モードMの終了条件を決定していたが、大当りとなったときの変動パターンなど、他の条件に基づいて決定するようにしてもよい。また、モードMの終了条件は、最終停止図柄に対応して一意に決定されるようになっていたが、抽選で決定するようにしてもよい。また、大当り遊技状態の後に時短状態(低確高ベース状態)に制御されることがある遊技機においては、時短状態に対応したモードJに移行する前に、モードMの終了条件やモードMにおける背景色を決定していたが、モードJからモードMに移行するときに決定するようにしてもよい。なお、モードMの終了条件やモードMにおける背景は一定であってもよい。
また、上記実施の形態や変形例では、モードMにおける背景色によりモードMの終了条件を示唆するようになっていたが、背景色に限定されず、キャラクタ画像や文字、音声、ランプなどのいずれか、または、これらの組合せなどにより、モードMの終了条件を示唆するようにしてもよい。
また、モードM移行後のいずれの段階であるか(モードM移行してからの変動回数や「2R当り」の回数)に応じて、「2R当り」になったときにモードAまたはモードBのいずれの演出モードに移行させるかの決定割合が異なっていたが、モードM移行後の段階によらず、一定の割合で移行先の演出モードが決定されるようにしてもよい。
また、上記実施の形態や変形例では、モードMの終了条件として、モードMに移行してからの変動回数と、モードMに移行してからの「2R当り」の回数と、を示したが、これら以外の終了条件であってもよい。例えば、モードMに移行してからの時間を計時し、その時間を終了条件としてもよい。また、モードMの終了条件は、複数パターンのうちから選択されるようにしてもよい。例えば、モードMの終了条件として、モードMに移行してからの変動回数と、モードMに移行してからの「2R当り」の回数と、モードMに移行してからの時間と、を設けて、これらから1つを終了条件として選択するようにしてもよい。
モードMの終了条件をモードMに移行してからの「2R当り」の回数とする場合には、終了条件の変更条件をモードMになってからの「ハズレ」の回数としてもよい。例えば、モードMに移行してから可変表示結果が「大当り」や「小当り」とならずに(モード移行せずに)、所定回数(例えば100回)可変表示結果が「ハズレ」となった場合に、モードMの終了条件をより有利な終了条件に変更するようにしてもよい。このようにすることで、変動が所定回数実行されるまで可変表示結果が「大当り」や「小当り」にならなかったとしても、終了条件がより有利な終了条件に変更されるので、遊技の興趣の低下を防止できるとともに、遊技者に遊技を継続させやすくすることができる。
また、モードMの終了条件の変更条件が成立して、終了条件がより有利な終了条件に変更された場合には、その旨を報知するようにしてもよい。例えば、終了条件がより有利な終了条件に変更された場合に、その変更された終了条件に基づいて再度背景色をいずれにするかを決定し(例えば、図56(A)に示すステップS727〜S729、または、図64に示すステップS752、S728、S753の処理を実行し)、背景色を変更することにより終了条件が変更されたことを背景色により示唆するようにしてもよい。
また、上記実施の形態や変形例では、「2R当り」になった場合には必ず、遊技状態(高確状態であるか否か)を特定できない演出モードであるモードAまたはモードBに移行するようになっていたが、「2R当り」になった場合、所定の割合で遊技状態(高確状態であるか否か)を特定できない演出モードに移行し、所定の割合で遊技状態(高確状態であるか否か)を特定できる演出モードに移行するようにしてもよい。
また、上記実施の形態や変形例では、「2R当り」になった場合に、遊技状態(高確状態であるか否か)を特定できない演出モードであるモードAまたはモードBに移行するようになっていたが、「2R当り」になったこと以外を契機に遊技状態(高確状態であるか否か)を特定できない演出モードであるモードAまたはモードBに移行するようにしてもよい。例えば、毎回の変動毎に遊技状態を特定できない演出モードに移行させるか否かの判定を行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態や変形例では、図3(A)、に示したように、モードAからモードBに移行するか否かのモード移行判定、及び、モードBからモードNに移行するか否かのモード移行判定が行われるようになっていたが、モードAからモードNに移行するか否かのモード移行判定、モードBからモードAに移行するか否かのモード移行判定など、他のモード移行判定が行われるようにしてもよい。また、上記実施の形態や変形例で示した場合以外にも、所定の割合でモードMに移行するようにしてもよい。
確変状態や時短状態といった遊技者にとって有利な遊技状態であることや、その有利な遊技状態が終了したことを報知する報知手段としては、演出表示装置9における表示、スピーカ27からの音声、装飾ランプの点灯など、演出装置を用いて報知するものであってもよいし、このような演出装置を用いず、確変状態や時短状態において第2始動入賞口14の高開放制御を行うことにより報知するものであってもよい。また、演出装置による報知と、第2始動入賞口14の高開放制御を行うことによる報知と、を組み合わせで報知するものであってもよい。例えば、高ベース状態であるか低ベース状態であるかの報知を第2始動入賞口14により行い、高確状態であるか低確状態であるかの報知を演出装置により行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態や変形例では、モードMである場合(モードMフラグがオン状態である場合)に、可変表示結果が「2R非確変」、「2R確変」、「小当り」を含む「2R当り」となったときには、モードM以外の演出モードである場合(モードMフラグがオフ状態である場合)よりも、その後の演出モードを把握しやすくなるモード移行制御が実行されるようになっていたが、「2R当り」のうち一部の当りとなったときに、その後の演出モードを把握しやすくなるモード移行制御が実行されるようにしてもよい。例えば、モードMである場合(モードMフラグがオン状態である場合)に、可変表示結果が「2R非確変」、「2R確変」となったときのみ、あるいは、可変表示結果が「小当り」となったときのみ、モードM以外の演出モードである場合(モードMフラグがオフ状態である場合)よりも、その後の演出モードを把握しやすくなるモード移行制御が実行されるようにしてもよい。このように、モードM(モードMフラグがオフ状態である場合)において、「2R当り」のうち一部の当りとなったときにその後の演出モードを把握しやすくなるモード移行制御が実行されるようにしても、モードM以外の演出モードである場合よりも、相対的に遊技状態が把握しやすい演出モードに移行されやすくなるので、上記実施の形態や変形例と同様の効果を得ることができる。
また、モード移行が実行されるタイミングは、飾り図柄の可変表示が開始されるタイミングに限定されず、飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる最終停止図柄が停止表示されるまでの所定期間内にて実行されてもよい。あるいは、最終停止図柄が停止表示された後、次の可変表示が開始されるまでの所定期間内に実行されてもよい。
なお、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶される保留データや、これに相当する特別図柄や飾り図柄の可変表示が保留されていることを示すデータなどに基づいて、モード移行の有無や予告演出が決定されるようにしてもよい。一例として、主基板31では、第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14のいずれかにて遊技球の進入が検出された始動入賞時に、CPU56が図41に示すステップS219にて抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づき第1特図表示結果決定テーブル130A又は第2特図表示結果決定テーブル130Bを適宜参照して、可変表示結果が「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとなるかを特定する。そして、特定された可変表示結果を指定する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板80に対して伝送させる。始動入賞指定コマンドは、例えば可変表示結果に応じて異なるEXTデータが設定される演出制御コマンドであればよい。演出制御基板80では、始動入賞指定コマンドを受信したときに、その始動入賞指定コマンドに示される可変表示結果を特定可能な保留データを記憶する。その後、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、保留データの記憶数が複数であれば、続けて実行される2回の可変表示中におけるモード移行の有無や移行される演出モードや予告演出を決定すればよい。より具体的には、保留データの3番目に対応する可変表示でモード移行を実行すると決定したときに、保留データの2番目に対応する可変表示で実行される予告演出を、移行される演出モードや、遊技状態などに応じて、異なる決定割合で複数種類の予告演出のいずれかに決定するなどしてもよい。
上記実施の形態では、演出表示装置9、スピーカ27、装飾LED25及び枠LED28といった発光体、可動部材78といった演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70及びランプドライバ基板35が設けられるものとして説明した。これに対して、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ、可動部材など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
図5に示す構成において、音声出力基板70に搭載されたマイクロコンピュータやランプドライバ基板35に搭載されたマイクロコンピュータにより、上記実施の形態にて演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が実行した処理のうち、任意の一部が実行されるようにしてもよい。このように、演出動作を制御するために複数の制御基板が設けられた場合には、演出表示装置9における表示動作の制御内容を決定するための処理、スピーカ27における音声出力動作の制御内容を決定するための処理、装飾LED25及び枠LED28といった発光体における点灯動作の制御内容を決定するための処理といった、各種の演出動作の制御内容を決定するための処理がそれぞれ、いずれの制御基板で実行されるかの組合せは、任意の組合せであればよい。
上記実施の形態では、第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8bを備えたパチンコ遊技機1について説明したが、1つの特別図柄表示器が設けられたパチンコ遊技機にも本発明を適用することができる。
図11に示す大当り種別決定テーブル131では、変動特図指定バッファ値が“2”である場合に、「2R非確変」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていないために、第2開始条件の成立に基づいて可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御する場合には、大当り種別を「2R非確変」として2ラウンド大当り状態の終了後に通常状態となることがないものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第2開始条件の成立に基づいて可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御する場合でも、一定の決定割合で大当り種別を「2R非確変」に決定することができるようにしてもよい。この場合には、大当り種別決定テーブル131において、変動特図指定バッファ値が“2”である場合でも、「2R非確変」の大当り種別に対して決定値を割り当てればよい。また、大当り種別決定テーブル131では、変動特図指定バッファ値にかかわりなく、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別を決定するようにしてもよい。これにより、大当り種別決定テーブル131におけるテーブルデータを簡素化して、ROM54に記憶されるデータ容量を削減することができる。なお、第2開始条件の成立時には、第1開始条件の成立時に比べて低い決定割合で「2R非確変」の大当り種別とする決定がなされるようにしてもよい。これにより、第1確変状態や時短状態といった所定の特別遊技状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくなっているときに、大当り種別が「2R非確変」に決定されて出玉がほとんど得られない2ラウンド大当り状態となる可能性を低下させ、遊技興趣の減退を抑制することができる。
再抽選演出や大当り中昇格演出を実行するか否かの決定は、主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56などにより、行うようにしてもよい。この場合には、例えば大当り種別として、再抽選演出の有無や大当り中昇格演出の有無に対応した複数種類の大当り種別を設け、図42に示すステップS243にて大当り種別を決定することにより、再抽選演出や大当り中昇格演出の有無などが決定されるようにしてもよい。あるいは、変動パターン種別や変動パターンとして、再抽選演出の有無や大当り中昇格演出の有無に対応するものを設け、図43に示すステップS273にて変動パターン種別を決定することや、ステップS276にて変動パターンを決定することにより、再抽選演出や大当り中昇格演出の有無などが決定されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて小当り遊技状態に制御され、小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われない。その一方で、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」となったことに基づく2ラウンド大当り状態の終了後には通常状態に制御され、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R確変」となったことに基づく2ラウンド大当り状態の終了後には第2確変状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大当り種別が「2R確変」となる場合の他に、大当り種別が「2R非確変」となる場合と、可変表示結果が「小当り」となる場合のいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。