JP5488302B2 - 燃焼器の冷却構造 - Google Patents
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Description
しかしながら、この内壁部の表面に沿って流通する冷却用流体の流れが、その流通方向下流側で内壁部をインピンジ冷却する冷却用流体の流れと衝突(所謂、クロスフロー)して当該冷却を阻害し、当初予定していた冷却性能を発揮できない場合や、冷却性能に偏りが生じて局所的な冷却ムラを招く場合がある。また、この現象は、インピンジ冷却孔の数が増加するにつれてその傾向が高くなる。
この構成を採用することによって、本発明では、堰部材の側面部が上記流通方向上流側に向かって傾斜しているので、インピンジ冷却後に内壁部表面に沿う冷却用流体の流れを、上記挟んだ位置の間において、塞き止めて滞留させやすくすることができる。そして、上記挟んだ位置の間には、内壁部を貫通して燃焼領域に連通するフィルム冷却孔が複数設けられているため、滞留した冷却用流体のほとんどを、燃焼領域側に流通させて、フィルム冷却に寄与させ、さらに、堰部材下流側へ流通する冷却用流体の流量を低減させてクロスフローによる影響を小さくすることができる。
この構成を採用することによって、本発明では、傾斜した堰部材の先端部から、内壁部に対し上記離間距離よりも離れてさらに流通方向上流側に向かって延出するフローガイドが設けられているので、インピンジ冷却後に内壁部表面に沿う冷却用流体の流れを、上記挟んだ位置の間において、より確実に塞き止めて滞留させやすくすることができる。このため、フィルム冷却への寄与率がさらに向上し、また、堰部材下流側へ流れる冷却用流体の流量をより低減させることができる。
この構成を採用することによって、本発明では、堰部材の側面部が上記流通方向下流側に向かって傾斜しているので、インピンジ冷却後に内壁部表面に沿う冷却用流体の流れを、積極的に、内壁部から上記離間距離よりも大きく離れた流れとして、堰部材の下流側に導き流すことができるので、その下流側に配置されているノズルによるインピンジ冷却のクロスフローとなることを抑制することができる。
この構成を採用することによって、本発明では、インピンジ冷却後に内壁部表面に沿う冷却用流体の流れの一部を、上記挟んだ位置の間において、フィルム冷却に寄与させて、その残部を、内壁部から上記離間距離よりも大きく離れた流れとして、堰部材の下流側に導き流すことができる。
この構成を採用することによって、本発明では、傾斜した堰部材の先端部から、内壁部に対し上記離間距離よりも離れてさらに流通方向下流側に向かって延出するフローガイドが設けられているので、内壁部から上記離間距離よりも大きく離れた流れとして堰部材の下流側に導き流された冷却用流体が、その下流側に配置されているノズルと内壁部との間に浸入して来ることを阻止することができる。
この構成を採用することによって、本発明では、櫛歯形状となったフローガイドの切欠部のそれぞれにノズルが1または複数配置される。
したがって、本発明では、冷却性能の低下及び冷却性能の偏りを抑制することができる燃焼器の冷却構造が得られる。
図1は、本発明の第1実施形態におけるガスタービン1の構成図である。
図1に示すように、ガスタービン1は、圧縮機2と、燃焼器3と、タービン4とを有する。圧縮機2は、吸気口5から吸気した外気を、タービン軸6に固定され回転自在な圧縮機動翼7とハウジング8に固定された圧縮機静翼9との間で圧縮して昇圧させて、燃焼器3が配置された圧縮空気室10に供給する構成となっている。燃焼器3は、燃料供給ノズル11を介して供給される燃料と圧縮機2から供給された圧縮空気との混合気体を、ライナ12によって形成される燃焼領域13内において燃焼させ、その燃焼ガスをタービン4に供給する構成となっている。タービン4は、タービン軸6に固定され回転自在なタービン動翼14と、ハウジング8に固定されたタービン静翼15とで燃焼器3から供給される燃焼ガスから回転運動エネルギーを得て、各タービン翼を通過した燃焼ガスを、排気口16を介して外部に排気する構成となっている。
図2は、本発明の第1実施形態における燃焼器3の構成図である。図3は、本発明の第1実施形態における燃焼器3の冷却構造の構成を示す断面図である。図4は、本発明の第1実施形態における燃焼器3の冷却構造の構成を示す斜視図である。図5は、本発明の第1実施形態におけるフローガイド41の構成を示す平面図である。
外壁部20には、複数のインピンジ冷却孔21が形成されている。インピンジ冷却孔21は、圧縮空気室10から圧縮空気(冷却用流体)を間隙Sに導き入れて、内壁部30に向けて噴射・衝突させることで、燃焼領域13側に配置されている内壁部30を冷却する構成となっている。
堰部材40は、外壁部20及び内壁部30の形成材料(本実施形態では、ハステロイ(商標))と同一材料で形成されており、内壁部30に対し、その基端部がスポット溶接等で固定されている。本実施形態の堰部材40は、金属材であるから、高温に曝される内壁部30から伝熱を受けて、間隙Sにおける熱放出面積を増加させる機能も有する。
フローガイド41は、図4及び図5に示すように、上記挟んだ位置におけるノズル22が1または複数(本実施形態では3つ)配置される切欠部42を上記流通方向と直交する方向に複数有する櫛歯形状を有する。フローガイド41は、上記直交する方向で互いに間隔をあけて並列に列をなす3つのノズル22の列の間のそれぞれに延在して設けられている。本実施形態のように、フローガイド41の形状を櫛歯形状とすることで、ノズル22との配置に関し、位置ずれ等に対してある程度許容できるため、組立時の位置ずれや、実使用時における熱伸びによる位置ずれに対応することができる。
図3に示すように、外壁部20外側を流動する圧縮空気は、燃焼器3の内外の差圧によりインピンジ冷却孔21に導入される。インピンジ冷却孔21に導入された圧縮空気は、ノズル22の先端部から間隙S内に導入され、ノズル22と対向配置された内壁部30に衝突する。ノズル22は、外壁部20から内壁部30に向かって突出して設けられているので、インピンジ冷却する圧縮空気の噴射距離を最適にし、噴射の勢いを殺すことなく、圧縮空気を内壁部30に衝突させることができる。これにより、インピンジ冷却の冷却性能が向上する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図6は、本発明の第2実施形態における燃焼器3の冷却構造の構成を示す断面図である。図に示すように、第2実施形態では、堰部材40の側面部40aは、内壁部30から離間するに従って上記流通方向下流側(図3において紙面右側)に向かって傾斜しており、この堰部材40の先端部から、内壁部30に対して、ノズル22と内壁部30との離間距離よりも離れて上記流通方向下流側に向かって延出するフローガイド41が設けられている点で、上述した第1実施形態と異なる。
図6に示すように、外壁部20外側を流動する圧縮空気は、燃焼器3の内外の差圧によりインピンジ冷却孔21に導入される。インピンジ冷却孔21に導入された圧縮空気は、ノズル22の先端部から間隙S内に導入され、ノズル22と対向配置された内壁部30に衝突する(インピンジ冷却)。内壁部30に衝突した圧縮空気の一部は、内壁部30の表面(面30b)に沿って流通する。内壁部30には、複数のフィルム冷却孔31が形成されているため、インピンジ冷却後に内壁部30の表面に沿う圧縮空気は、フィルム冷却孔31に導入される。フィルム冷却孔31から燃焼領域13側に流出した圧縮空気は、燃焼ガスの流動により内壁部30に沿って流れ、内面30aに空気膜を形成する(フィルム冷却)。
Claims (7)
- 燃焼領域を形成する内壁部と、該内壁部と間隙をあけて且つ前記内壁部を挟んで前記燃焼領域と逆側に配置される外壁部と、前記外壁部に設けられ、前記外壁部の外部を流通する冷却用流体を前記間隙に導入して前記内壁部を冷却する複数のインピンジ冷却孔と、を有する燃焼器の冷却構造であって、
前記複数のインピンジ冷却孔は、前記間隙において、前記外壁部から前記内壁部に向かって突出する複数のノズルのそれぞれに設けられており、
前記間隙において、前記内壁部から前記外壁部に向かって、前記ノズルと前記内壁部との間の離間距離よりも大きく立設すると共に、その側面部が、前記間隙において、前記内壁部の表面に沿う前記冷却用流体の流通方向に対向して配置される堰部材を有し、
前記堰部材は、前記流通方向において、前記ノズルを1または複数挟んだ位置にそれぞれ設けられていることを特徴とする燃焼器の冷却構造。 - 前記挟んだ位置の間には、前記内壁部を厚さ方向で貫通する複数のフィルム冷却孔が設けられており、
前記堰部材の側面部は、前記内壁部から離間するに従って前記流通方向上流側に向かって傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の燃焼器の冷却構造。 - 前記挟んだ位置の間には、前記堰部材の先端部から、前記内壁部に対し前記離間距離よりも離れて前記流通方向上流側に向かって延出するフローガイドが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の燃焼器の冷却構造。
- 前記堰部材の側面部は、前記内壁部から離間するに従って前記流通方向下流側に向かって傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の燃焼器の冷却構造。
- 前記挟んだ位置の間には、前記内壁部を厚さ方向で貫通する複数のフィルム冷却孔が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の燃焼器の冷却構造。
- 前記挟んだ位置の間には、前記堰部材の先端部から、前記内壁部に対し前記離間距離よりも離れて前記流通方向下流側に向かって延出するフローガイドが設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の燃焼器の冷却構造。
- 前記フローガイドは、前記挟んだ位置における前記ノズルが1または複数配置される切欠部を前記流通方向と直交する方向に複数有する櫛歯形状を有することを特徴とする請求項3または6に記載の燃焼器の冷却構造。
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