以下、本発明の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
<第一実施形態>
先ず、第一実施形態について図1〜図13に基づいて説明する。図1に示す超音波診断装置1は、超音波プローブ2、送受信部3、Bモードデータ作成部4、弾性データ作成部5、表示制御部6、表示部7、制御部8及び操作部9を備える。
前記超音波プローブ2は、生体組織に対して超音波を送信しそのエコーを受信する。この超音波プローブ2を生体組織の表面に当接させた状態で圧迫と弛緩を繰り返しながら超音波の送受信を行なって取得されたエコーデータに基づいて、後述のように弾性画像が作成される。
前記送受信部3は、前記超音波プローブ2を所定の走査条件で駆動させて音線毎の超音波の走査を行なう。また、送受信部3は、前記超音波プローブ2で受信したエコーについて、整相加算処理等の信号処理を行なう。前記送受信部3で信号処理されたエコーデータは、前記Bモードデータ作成部4及び前記弾性データ作成部5に出力される。
ちなみに、前記送受信部3は、Bモード画像を作成するためのBモード画像用走査と、弾性画像を作成するための弾性画像用走査とを別に行なう。弾性画像用走査としては、被検体における弾性画像を作成する領域(弾性画像作成領域)において、同一音線上に二回の走査を行なう。
前記Bモードデータ作成部4は、前記送受信部3から出力されたエコーデータに対し、対数圧縮処理、包絡線検波処理等のBモード処理を行い、Bモードデータを作成する。
前記弾性データ作成部5は、前記送受信部3から出力されたエコーデータに基づいて、生体組織における各部の弾性に関する物理量のデータからなる弾性データを作成する。もう少し詳しく説明すると、この弾性データ作成部5は、生体組織における各部の弾性に関する物理量として、前記超音波プローブ2による圧迫とその弛緩によって生じた生体組織における各部の変形による変位(以下、単に「変位」と云う)を算出する。前記弾性データ作成部5は、図2に示すように時間的に異なる二つのフレーム(i),(ii)に属する同一音線上における二つのエコーデータに基づいて変位を算出する。より詳細には、前記弾性データ作成部5は、後述するように前記エコーデータに相関ウィンドウW1,W2を設定し(図6参照)、これら相関ウィンドウW1,W2間で相関演算を行なって変位を算出する。一対の前記相関ウィンドウW1,W2からは一画素分の変位のデータが得られ、この変位のデータを一フレーム分作成することにより、生体組織における各部の変位のデータからなる弾性データが一フレーム分得られる。
前記弾性データは、弾性画像の作成に用いられるデータであり、本発明における弾性画像データの実施の形態の一例である。ちなみに、本発明において弾性画像データとは、弾性画像の作成に用いられるデータを云う。前記弾性データ作成部5は、本発明における弾性画像データ作成部の実施の形態の一例である。
前記表示制御部6には、前記Bモードデータ作成部4からのBモードデータ及び前記弾性データ作成部5からの弾性データが入力されるようになっている。 前記表示制御部6は、図3に示すように評価部61、メモリ62及び表示画像作成部63を有している。
まず、前記評価部61について説明すると、この評価部61は、図4に示すように、物理量平均部611及び比算出部612を有している。前記物理量平均部611は、前記弾性データが入力されると、一画素毎に算出された変位の平均をフレーム毎に算出する。前記物理量平均部611の算出値を平均値XrAVとする。前記物理量平均部611は、弾性画像作成領域(後述の関心領域R)についてフレーム毎に平均値XrAVを算出する。前記物理量平均部611は、本発明における物理量平均部の実施の形態の一例である。
前記比算出部612は、変位の平均の理想値XiAVに対する前記平均値XrAVの比Raを算出し、さらに後述するように(式1)の演算を行なってクオリティ値Qnを算出する。このクオリティ値Qnは、後述の超音波画像Gにおける弾性画像EGが、生体組織の弾性をどれだけより正確に表したものであるかを示すものである。前記比算出部612は、本発明における比較部及び比算出部の実施の形態の一例である。また、前記理想値XiAVは、本発明における予め設定された物理量の平均値の実施の形態の一例である。
ここで、前記理想値XiAVは、生体組織の弾性をより正確に反映した弾性画像を得ることができる強さで、超音波の送受信時に前記超音波プローブ2による生体組織への圧迫とその弛緩が行なわれた場合に、任意に設定される領域において得られる変位の平均値である。この理想値XiAVは、例えば腫瘍と同じ硬さの部分や正常組織と同じ硬さの部分などからなるファントム等を対象として実験を行ない、経験上得られる値である。また、この理想値XiAVは、操作者が前記操作部9において設定できるようになっていてもよいし、デフォルトとして装置に記憶されていてもよい。
前記メモリ62には、音線毎の前記Bモードデータ及び音線毎の前記弾性データが格納される。また、前記メモリ62には、フレーム毎のクオリティ値Qnが格納される。クオリティ値Qnは、どのフレームの弾性データについてのものかがわかるように、弾性データと関連付けて格納される。前記メモリ62は、本発明における記憶部の実施の形態の一例である。
ここで、前記超音波プローブ2で得られたエコーデータであって、後述のBモード画像データ及びカラー弾性画像データに変換される前のデータをローデータ(Raw
Data)と云うものとする。前記メモリ62に格納されるBモードデータ及び弾性データは、ローデータである。
前記表示画像作成部63は、前記Bモードデータを、エコーの信号強度に応じた輝度情報を有するBモード画像データに変換するとともに、前記弾性データを変位に応じた色相情報を有するカラー弾性画像データに変換する。輝度情報及び色相情報は所定の階調(例えば256階調)からなる。そして、前記表示画像作成部63は、前記Bモード画像データ及び前記カラー弾性画像データを加算処理することによって合成し、前記表示部7に表示する超音波画像の画像データを作成する。この画像データは、図5に示すように白黒のBモード画像BGとカラーの弾性画像EGとが合成された超音波画像Gとして前記表示部7に表示される。本例では、前記弾性画像EGは、関心領域R内に半透明で(背景のBモード画像が透けた状態で)表示される。前記関心領域Rは、前記弾性画像作成領域であり、本発明における生体組織の弾性画像が作成される領域の実施の形態の一例である。
また、前記表示画像作成部63は、図5に示すように、超音波画像Gとともに前記表示部7に表示されるクオリティ表示QGを作成する。このクオリティ表示QGは、本例では横軸が時間、縦軸が前記クオリティ値Qnを表すグラフgrからなる。前記クオリティ表示QGの作成については、後で詳述する。前記クオリティ表示QGは、前記表示部7に表示される。前記表示部7は、本発明における報知部の実施の形態の一例である。
さらに、前記表示画像作成部63は、後述するように、リアルタイムモードではなくメモリ再生モードにおいて超音波画像Gを表示させる場合、前記メモリ62に記憶された弾性データのうち、前記クオリティ値Qnが所定の閾値以上であるフレームの弾性データのみを読み出して画像データを作成し、超音波画像Gを表示させる。詳細は後述する。前記表示画像作成部63は、本発明における表示画像作成部の実施の形態の一例である。
前記制御部8は、CPU(Central Processing Unit)で構成され、図示しない記憶部に記憶された制御プログラムを読み出し、前記超音波診断装置1の各部における機能を実行させる。また、前記操作部9は、操作者が指示や情報を入力するためのキーボード及びポインティングデバイス(図示省略)などを含んで構成されている。
さて、本例の超音波診断装置1の作用について説明する。前記超音波診断装置1においてリアルタイムでの撮影を行なう場合(リアルタイムモード)、先ず、前記送受信部3は、前記超音波プローブ2から被検体の生体組織へ超音波を送信させ、そのエコーデータを取得する。このとき、前記超音波プローブ2により、被検体への圧迫とその弛緩を繰り返しながら超音波の送受信を行う。
そして、前記Bモードデータ作成部4は、前記エコーデータに基づいてBモードデータを作成する。また、前記弾性データ作成部5は、前記エコーデータに基づいて弾性データを作成する。前記Bモードデータ及び前記弾性データは、前記メモリ62に格納され、また前記表示画像作成部63においてBモード画像データ及びカラー弾性画像データに変換される。そして、これらBモード画像データ及びカラー弾性画像データが合成されて、図5に示すようにBモード画像BGと弾性画像EGとが合成された超音波画像Gが、リアルタイムの画像として前記表示部7に表示される。
また、前記表示部7には、前記超音波画像Gの下方に、前記表示画像作成部63により作成されたクオリティ表示QGが表示される。
前記弾性データ作成部5における弾性データの作成と、前記表示画像作成部63における前記クオリティ値Qnの算出及び前記クオリティ表示QGの作成について詳細に説明する。前記弾性データを作成するにあたり、前記弾性データ作成部5は、フレーム(i),(ii)に属するエコーデータのそれぞれに相関ウィンドウを設定する。具体的には、前記弾性データ作成部5は、図6に示すようにフレーム(i)に属するエコーデータに相関ウィンドウW1を設定し、フレーム(ii)に属するエコーデータに相関ウィンドウW2を設定する。そして、前記弾性データ作成部5は、前記相関ウィンドウW1,W2間で相関演算を行なって変位を算出する。
具体的に説明すると、図6において、前記フレーム(i),(ii)は、複数本の音線上において取得されたエコーデータからなる。図6では、前記フレーム(i)における複数本の音線の一部として、五本の音線L1a,L1b,L1c,L1d,L1eが示され、また前記フレーム(ii)において前記音線L1a〜L1eに対応する音線として、音線L2a,L2b,L2c,L2d,L2eが示されている。すなわち、前記音線L1a及び前記音線L2a、前記音線L1b及び前記音線L2b、前記音線L1c及び前記音線L2c、前記音線L1d及び前記音線L2d、前記音線L1e及び前記音線L2eは、異なる二つのフレームに属する同一音線に該当する。また、図6においてR(i),R(ii)は、前記関心領域Rに対応する領域を示している。
例えば、前記音線L1c上のエコーデータに、前記相関ウィンドウW1として相関ウィンドウW1cが設定され、前記音線L2c上のエコーデータに、前記相関ウィンドウW2として相関ウィンドウW2cが設定されたとする。前記弾性データ作成部5は、前記相関ウィンドウW1c,W2c間で相関演算を行ない、変位を算出する。前記弾性データ作成部5は、前記音線L1c,L2c上において、前記領域R(i),R(ii)の上端100から下端101まで相関ウィンドウW1c,W2cを順次設定し、変位を算出する。また、前記弾性データ作成部5は、前記領域R(i),R(ii)内の他の音線についても同様にして変位を算出する。これにより、変位のデータからなる一フレーム分の弾性データが得られる。
次に、前記クオリティ値Qnの算出及び前記クオリティ表示GRの作成について説明する。このクオリティ表示GRの作成にあたり、前記弾性データが前記表示制御部6へ入力されると、先ず前記物理量平均部611が、前記関心領域R(前記領域R(i),R(ii))における変位の平均値XrAVを算出する。ちなみに、変位は負になることもあることから、前記平均値XrAVは負になることもあるものとする。次に、前記比算出部612が、XrAV/XiAVの演算を行ない、前記比Raを算出する。さらに、前記比算出部612は、前記比Raを次の(式1)に代入し、数値Yを得る。
Y=1.0−|log10|Ra||・・・(式1)
ここで、Yは、前記クオリティ値Qnの一例であり、本発明において比較部による比較結果及び比較部の算出値の実施の形態の一例である。
ちなみに、この(式1)は、前記比Raを0から1までの範囲にするためのものであり、この(式1)で得られるYは、前記理想値XiAVに対する平均値XrAVの比と同等である。この(式1)で表される関数をグラフで表すと、図7に示すグラフとなる。この図7に示すように、0≦Y≦1となる。
また、0.1≦|Ra|≦10であるものとし、|Ra|がこの範囲を超えた場合、Yは零とする。
前記比算出部612の算出値Yは、前記メモリ62に格納されるとともに、前記表示画像作成部63へ入力される。ここで、前記算出値Yはフレーム毎に算出される。前記表示画像作成部63では、フレーム毎の前記算出値Yをクオリティ値Qnとしてプロットし、横軸が時間、縦軸が前記クオリティ値Qnを表すグラフgrからなるクオリティ表示QGを作成する。この時、前記表示画像作成部63は、前記クオリティ値Qnの複数フレーム分の平均を算出し、この平均値をプロットしていってもよい。これにより、数値のばらつきのない安定したグラフgrを得ることができる。
0≦Y≦1であるため、0 ≦Qn≦1となる。クオリティ値Qnが1に近くなるほど、弾性画像EGのクオリティとしては良好であることを意味し、一方でクオリティ値Qnが0に近くなるほど、弾性画像EGのクオリティとしては悪くなることを意味する。ここで、弾性画像EGのクオリティが良好であるとは、生体組織の弾性をより正確に反映した弾性画像であることを意味し、一方で弾性画像のクオリティが悪いとは、生体組織の弾性を正確に反映した弾性画像ではないことを意味する。
クオリティ値Qnと弾性画像EGのクオリティとの関係についてより詳細に説明すると、図7のグラフから分かるように、前記平均値XrAVが前記理想値XiAVと等しい場合(すなわち、|Ra|が1)、Yすなわちクオリティ値Qnは1となる。従って、クオリティ値Qnが1、または1に近い値であれば、前記超音波プローブ2による生体組織に対する圧迫とその弛緩の度合いが適切であり、生体組織の弾性を正確に反映した弾性画像EGが得られていることになる。
一方で、前記平均値XrAVが前記理想値XiAVと離れた値になるほど(すなわち、|Ra|が1から離れた値になるほど)、クオリティ値Qnは零に近づく。ここで、前記平均値XrAVが前記理想値XiAVと離れた値になるということは、前記超音波プローブ2による生体組織に対する圧迫やその弛緩の度合いが足りない、または過剰であることを意味する。従って、クオリティ値Qnが零に近づくほど、生体組織に対する圧迫やその弛緩の度合いが足りないか、または過剰である結果、生体組織の弾性を正確に反映した弾性画像EGが得られていないことになる。
ちなみに、リアルタイムの超音波画像Gを表示させる場合において、前記クオリティ値Qnが低いフレームについては、前記弾性画像EGの表示を行わないようにしてもよい。
前記表示画像作成部63によって作成されたクオリティ表示QGは、前記超音波画像Gと合成される。これにより、前記表示部7には前記超音波画像Gの下方に前記クオリティ表示QGが表示される。
前記クオリティ表示QGについてさらに詳細に説明すると、前記超音波画像Gが動画で表示される場合、前記表示画像作成部63は、現在表示されている超音波画像Gにおけるクオリティ値Qnをフレーム毎にプロットすることにより、前記グラフgrを作成する。従って、前記表示部7において、前記グラフgrは、図8、図9、図10に示すように、時間の経過とともに左から右へ流れるように表示される。この場合、前記グラフgrの左端が現在表示されているフレームのクオリティ値を表す。
次に、リアルタイムでの撮影が終了した後に、前記メモリ62に格納された前記Bモードデータ及び前記弾性データに基づいて作成された超音波画像Gを表示させる場合(メモリ再生モード)について説明する。前記表示画像作成部63は、前記メモリ62に記憶されたBモードデータ及び弾性データを読み出し、これらをBモード画像データ及びカラー弾性画像データに変換してこれらを合成し画像データを作成する。
ただし、前記表示画像作成部63は、所定の基準を満たさない弾性データ及びこの弾性データと対のBモードデータは読み出さない。詳しく説明すると、前記表示画像作成部63は、前記メモリ62に格納された弾性データのうち、クオリティ値Qnが所定の閾値以上であるフレームの弾性データのみを読み出すとともに、この弾性データと対になるBモードデータを前記メモリ62から読み出す。ここで、前記閾値は、生体組織の弾性を所望の度合いで正確に反映した弾性画像が得られる値に設定される。前記閾値は、例えば前記操作部9において入力され設定されるようになっていてもよい。
前記メモリ62からの読み出しについて、具体的に図11に基づいて説明する。図11には、フレーム単位の弾性データED1,ED2,ED3,ED4及びBモードデータBD1,BD2,BD3,BD4が示されている。ちなみに、弾性データED1及びBモードデータBD1の時相が最も古く、弾性データED4及びBモードデータBD4の時相が最も新しいものとする。
例えば、弾性データED1のクオリティ値Qnが0.8、弾性データED2のクオリティ値Qnが0.7、弾性データED3のクオリティ値Qnが0.8、弾性データED4のクオリティ値Qnが0.9であったとする。閾値を0.8とすると、前記表示画像作成部63は、前記弾性データED1,ED3,ED4を読み出し、前記弾性画像データED2については読み出さない。
ここで、図11に示す前記BモードデータBD1は、エコーの信号強度に応じた輝度情報を有する前記Bモード画像データに変換された後、前記弾性データED1に基づいて得られるカラー弾性画像データと合成されることになるデータである。すなわち、前記BモードデータBD1は、前記弾性データED1と対になるデータである。同様に、前記BモードデータBD2は、前記弾性データED2と対になるデータであり、前記BモードデータBD3は、前記弾性データED3と対になるデータである。また、前記BモードデータBD4は、前記弾性データED4と対になるデータである。
前記表示画像作成部63は、前記弾性データED1,ED3,ED4を読み出すとともに、これらと対になるBモードデータBD1,BD3,BD4を読み出す。一方、前記表示画像作成部63は、前記弾性画像データBD2と対のBモードデータBD2は読み出さない。そして、前記表示画像作成部63は、前記BモードデータBD1,BD3,BD4をBモード画像データBGD1,BGD3,BGD4に変換する。また、前記表示画像作成部63は、前記弾性データED1,ED3,ED4をカラー弾性画像データEGD1,EGD3,EGD4に変換する。
このようにして前記Bモード画像データBGD1,BGD3,BGD4及び前記カラー弾性画像データEGD1,EGD3,EGD4が得られると、前記表示画像作成部63は、図12に示すように、前記Bモード画像データBGD1及び前記カラー弾性画像データEGD1を合成して画像データGD1を作成し、また前記Bモード画像データBGD3及び前記カラー弾性画像データEGD3を合成して画像データGD2を作成し、さらに前記Bモード画像データBGD4及び前記カラー弾性画像データEGD4を合成して画像データGD3を作成する。これにより、前記画像データGD1に基づく超音波画像G1、前記画像データGD2に基づく超音波画像G2、前記画像データGD3に基づく超音波画像G3が、連続フレームからなる動画像として前記表示部7に表示される。
なお、メモリ再生モードにおいても、リアルタイムモードと同様に前記クオリティ表示QGを表示させる。この場合、クオリティ表示QGとしては、表示されているフレームのクオリティ値Qnのみが表示され、所定の閾値以上のクオリティ値Qnが表示される。
メモリ再生モードにおいて前記クオリティ表示QGを表示させる場合、リアルタイムモードと同様にして表示させてもよいが、再生の初めから終わりまでのグラフgrを作成して表示してもよい。この場合、図13に示すように、前記クオリティ表示QGは、前記グラフgrのほかに、現在表示されている超音波画像Gがどの時間のフレームのものであるかを示す縦方向の線分bを含んでいてもよい。この線分bは、時間の経過とともに左から右へ移動する(図中矢印の方向)。
ちなみに、前記線分bの長さは、前記比算出部612でフレーム毎に算出される前記クオリティ値Qnの最小値と最大値の間の長さになっている。
本例の超音波診断装置1によれば、前記メモリ62に格納された前記Bモードデータ及び前記弾性データに基づいて作成された超音波画像Gを表示させる場合に、所定の基準を満たし、生体組織の弾性をより正確に反映したフレームの弾性データから作成された弾性画像EGを含む超音波画像Gが、連続フレームからなる動画像として途切れることなく前記表示部7に表示される。従って、生体組織の弾性をより正確に反映した弾性画像EGを、従来よりも見やすく表示させることができる。
また、前記理想値XiAVに対する前記平均値XrAVの比Raに基づいて算出される前記クオリティ値Qnの時間変化を表すグラフgrからなるクオリティ表示QGが表示されるので、操作者は、前記超音波プローブ2による生体組織に対する圧迫とその弛緩の度合いが足りなかったり、また過剰であったりしないかどうかを容易に判断することができる。これにより、生体組織の弾性を正確に反映した弾性画像であるか否かを従来よりも幅広い観点から評価することができる。
また、操作者は、前記グラフgrを見ることにより、クオリティ値Qnが高い所で前記超音波画像Gをフリーズし、この超音波画像Gを印刷等によって出力してもよい。これにより、生体組織の弾性をより正確に反映した超音波画像を印刷等によって出力することができる。さらに、リアルタイムモード時においては、操作者は、前記グラフgrを見ることによって前記超音波プローブ2による生体組織への圧迫とその弛緩の度合いを調節することもできる。
次に、第一実施形態の変形例について説明する。この変形例では、前記物理量平均部611は、相関係数C(0≦C≦1)が所定の閾値CTH以上である相関演算が行なわれた相関ウィンドウを選択してその変位の平均算出を行ない、平均値XrAV′を得る。そして、前記比算出部612が、前記平均値XrAV′を用いて前記比Raを算出し、また(式1)を用いてYを算出してクオリティ値Qnを得る。従って、このようにして算出された算出値Yが前記メモリ62に格納される。さらに、前記表示画像作成部63が、前記算出値Yを用いて前記クオリティ表示QGを作成し、またメモリ再生モードにおいては、前記算出値Yを用いて前記弾性データの読み出しを行なう。
前記平均値XrAV′は、エコーの信号強度が不十分な部分、生体組織の横ずれが生じている部分など、相関係数が低い部分の変位が除かれて得られた平均値である。従って、このような平均値XrAV′から得られたクオリティ値Qnは、前記超音波プローブ2による圧迫とその弛緩が適切な強さで行なわれているか否かを示すものとなる。以上より、メモリ再生モードにおいて、所定の閾値以上のクオリティ値Qnになっているフレームの弾性データを読み出すようにすることで、前記超音波プローブ2による圧迫とその弛緩が適切な強さで行なわれている状態で取得されたエコーデータに基づいて作成された弾性データを読み出すことができる。これにより、生体組織の弾性をより正確に反映した弾性画像EGを含む超音波画像Gを表示させることができる。
また、操作者は、前記クオリティ表示QGから、前記超音波プローブ2による圧迫とその弛緩が適切な強さで行なわれているか否かをより正確に把握することができる。例えば、前記クオリティ値Qnが1から離れている場合、前記超音波プローブ2による圧迫とその弛緩が適切な強さで行なわれていないことを把握することができる。一方で、前記クオリティ値Qnが1或いは1に近い値であれば、操作者は前記超音波プローブ2による圧迫が適切な強さで行なわれていることを把握することができる。
また、仮に相関係数が低い相関演算で得られた変位を含めて前記平均値XrAVの算出を行った場合、前記超音波プローブ2による生体組織への圧迫とその弛緩の度合いが適切であっても、例えばエコーの信号強度が弱い場合は、前記平均値XrAVが小さくなり、前記クオリティ値Qnが1から離れてしまう。従って、この変形例のように、相関係数が低い部分の変位を除いて前記平均値XrAVの算出を行なうことにより、前記超音波プローブ2による生体組織への圧迫とその弛緩の度合いが適切であれば、常に前記クオリティ値Qnが1に近くなる。以上より、生体組織に対する圧迫とその弛緩の度合いが適切であるか否かをより正確に反映したクオリティ表示QGを表示させることができる。
<第二実施形態>
次に、第二実施形態について図14に基づいて説明する。なお、第一実施形態と同一の構成については説明を省略する。
本例において、前記評価部61は前記物理量平均部611及び比算出部612を備えておらず、代わりに相関係数平均部613を有している。この相関係数平均部613は、本発明における相関係数平均部の実施の形態の一例である。
本例の作用について説明する。本例においては、前記クオリティ値Qnの算出方法が第一実施形態と異なっている。具体的に説明すると、前記相関係数平均部613は、前記弾性データ作成部5によって行なわれた各相関演算における相関係数Cの関心領域R(領域R(i),R(ii))における平均値CAVをフレーム毎に算出する。本例では、この相関係数Cの平均値CAVをクオリティ値Qnとする。従って、前記メモリ62には前記平均値CAVが格納され、またメモリ再生モードにおいて、前記表示画像作成部63は、前記平均値CAVを用いて前記弾性データの読み出しを行なう。具体的には、前記表示画像作成部63は、平均値CAVが所定の閾値以上であるフレームの弾性データを読み出す。ここで、前記閾値は、生体組織の弾性を所望の度合いで正確に反映した弾性画像が得られる値に設定される。
ここで、0≦C≦1であるので、本例においても、0≦Qn≦1である。相関演算における相関係数は、1に近づくほど生体組織の弾性をより正確に反映した変位を得ることができ、一方で零に近づくほど生体組織の弾性を正確に反映した変位を得ることができなくなる。従って、本例においても、Qnが1に近づくほど弾性画像EGのクオリティが良好になり、一方でQnが零に近づくほど弾性画像EGのクオリティが悪くなる。
ちなみに、前記クオリティ表示QGの作成にあっては、前記表示画像作成部63は、前記平均値CAVを前記クオリティ値Qnとしてプロットし、前記グラフgrからなるクオリティ表示QGを作成する。この時、前記表示画像作成部63は、第一実施形態と同様に、前記クオリティ値Qnの複数フレーム分の平均を算出し、この平均値をプロットしていってもよい。
本例によれば、メモリ再生モードにおいて、例えばエコーデータの取得時に生体組織に対する圧迫とその弛緩が過剰であったり、エコーの信号強度が不十分であったりすることなどに起因して前記平均値CAVが低く、生体組織の弾性を正確に反映していない弾性データに基づいて作成された弾性画像EGは表示されず、一方で前記平均値CAVが所定の閾値以上であって生体組織の弾性をより正確に反映した弾性画像EGを含む超音波画像Gを、連続フレームからなる動画像として途切れることなく表示することができる。
また、相関係数Cの平均値CAVであるクオリティ値Qnの時間変化を表すグラフgrからなるクオリティ表示QGが表示されるので、操作者は、表示されている弾性画像について、例えば生体組織に対する圧迫とその弛緩が過剰であったり、エコーの信号強度が不十分であったりすることなどに起因して相関係数が低い相関演算で得られた変位に基づいて作成された弾性画像データの画像であるか否かを把握することができる。これにより、生体組織の弾性画像を正確に反映した画像であるか否かを従来とは異なる観点から評価することができる。
<第三実施形態>
次に、第三実施形態について図15に基づいて説明する。なお、第一、第二実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本例において、前記評価部61は、前記物理量平均部611、前記比算出部612、前記相関係数平均部613を有し、さらに乗算部614を有している。前記乗算部614は、本発明における乗算部の実施の形態の一例である。
本例におけるクオリティ値Qnの算出について説明する。前記物理量平均部611は、第一実施形態の変形例と同様に、相関係数Cが所定の閾値CTH以上である相関演算が行なわれた相関ウィンドウを選択してその変位の平均値XrAV′を算出し、また前記比算出部612が、前記平均値XrAV′を用いて前記比Raを算出し、前記(式1)からYを算出する。また、第二実施形態と同様に、前記相関係数平均部613が相関係数Cの平均値CAVを算出する。
そして、前記乗算部614は、前記比算出部612で得られた算出値Yと、前記相関係数平均部613で得られた相関係数Cの平均値CAVとを乗算し、乗算値Mを算出する。この乗算値Mはフレーム毎に算出される。本例では、この乗算値Mをクオリティ値Qnとする。従って、前記メモリ62には前記乗算値Mが格納され、またメモリ再生モードにおいて、前記表示画像作成部63は、前記乗算値Mを用いて前記弾性データの読み出しを行なう。具体的には、前記表示画像作成部63は、前記乗算値Mが所定の閾値以上であるフレームの弾性データを読み出す。ここで、前記閾値は、生体組織の弾性を所望の度合いで正確に反映した弾性画像が得られる値に設定される。
ここで、0≦Y≦1、0≦CAV≦1であるので、0≦M≦1となる。従って、本例においても、0≦Qn≦1である。前記乗算値Mは、前記算出値Yと前記相関係数Cの平均値CAVとの乗算値であるため、乗算値M、すなわちクオリティ値Qnが1に近づくほど弾性画像EGのクオリティが良好になり、一方でQnが零に近づくほど弾性画像EGのクオリティが悪くなる。
ここで、前記乗算部614は、前記算出値Yと前記相関係数Cの平均値CAVとを乗算する時に、重み付けをして乗算してもよい。
ちなみに、前記クオリティ表示QGの作成にあっては、前記表示画像作成部63は、前記乗算値Mを前記クオリティ値Qnとしてプロットし、前記クオリティ表示QGを作成する。この時、前記表示画像作成部63は、第一、第二実施形態と同様に、前記クオリティ値Qnの複数フレーム分の平均を算出し、この平均値をプロットしていってもよい。
本例においても、前記クオリティ表示QGを構成するグラフgrは、第一、第二実施形態と同様に、時間の経過とともに左から右へ流れるように表示されてもよい。また、前記クオリティ表示QGは、前記グラフgrのほかに縦方向の線分bを含んでいてもよい。
ここで、第一実施形態の変形例のように、所定の閾値CTH以上の相関係数Cの相関演算で得られた変位の平均値XrAV′から算出されたクオリティ値Qnを前記クオリティ表示QGとして表示すると、相関係数は弾性画像のクオリティの評価の要素として全く反映されないことになる。一方で、第二実施形態のように、相関係数Cの平均値CAVを前記クオリティ表示QGとして表示すると、前記超音波プローブ2による生体組織への圧迫とその弛緩の度合いが足りなかったとしても、相関係数Cとしては高くなるために前記クオリティ値Qnとしては良好な値が表示されることがある。従って、本例では、前記平均値XrAV′を用いて算出された前記比Raを用いて得られる算出値Yと前記相関係数Cの平均値CAVとを乗算することにより、生体組織への圧迫とその弛緩の度合いの要素と、相関係数の要素とを加味したクオリティ値Qnを算出し、またこのクオリティ値Qnからなるクオリティ表示QGを表示することができる。これにより、生体組織の弾性を正確に反映した弾性画像であるか否かを、従来よりも幅広い観点から評価することができる。
また、メモリ再生モードにおいて、前記乗算値Mを用いて弾性データが読み出されるので、生体組織の弾性をより正確に反映したフレームの弾性データから作成された弾性画像EGを含む超音波画像Gが、連続フレームからなる動画像として途切れることなく表示される。
<第四実施形態>
次に、第四実施形態について説明する。本例では、前記比算出部612で得られる算出値Y、前記相関係数平均部613で得られる相関係数Cの平均値CAV及び前記乗算部614で得られる乗算値Mの全てを算出することができるようになっており、これら算出値Y、平均値CAV及び乗算値Mのうち、いずれかを選択して算出を行ない、クオリティ値Qnとする。そして、選択されたクオリティ値Qnからなるクオリティ表示QGが前記表示画像作成部63によって作成される。前記算出値Y、前記平均値CAV、前記乗算値Mのいずれを前記クオリティ値Qnとして選択するかは、操作者により前記操作部9において指示入力される。クオリティ値Qnとしていったん選択されたものを変更できるようになっていてもよい。
本例によれば、前記各実施形態と同様に、生体組織の弾性をより正確に反映した弾性画像EGを、従来よりも見やすく表示させることができるほか、前記比算出部612で得られる算出値Yを用いて作成されたクオリティ表示QG、前記相関係数平均部613で得られる相関係数の平均値CAVを用いて作成されたクオリティ表示QG、前記乗算部614で得られる乗算値Mを用いて作成されたクオリティ表示QGを切り替えて表示させることができるので、生体組織の弾性を正確に反映した弾性画像であるか否かを、従来よりも幅広い観点から評価することができる。
<第五実施形態>
次に、第五実施形態について図16及び図17に基づいて説明する。なお、第一〜第四実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。本例の超音波診断装置20では、前記送受信部3で信号処理されたエコーデータを格納するメモリ21を備えている。このメモリ21は本発明における記憶部の実施形態の一例である。
前記メモリ21には、Bモード画像用走査で得られたエコーデータと、弾性画像用走査で得られたエコーデータとが格納される。本例では、Bモード画像用走査で得られたエコーデータを第一エコーデータとし、弾性画像用走査で得られたエコーデータを第二エコーデータとする。
また、前記表示制御部6は、図17に示すように前記評価部61及び前記表示画像作成部63を有する。本例では、前記評価部61は、第一実施形態と同様に前記物理量平均部611及び前記比算出部612を有している(図4参照)。
本例の作用について説明すると、メモリ再生モードにおいては、前記メモリ21から前記第一エコーデータ及び前記第二エコーデータが読み出される。前記第一エコーデータは前記Bモードデータ作成部4に入力され、前記第二エコーデータは前記弾性データ作成部5に入力される。そして、前記Bモードデータ作成部4は、前記第一エコーデータについてBモード処理を行なってBモードデータを作成する。また、前記弾性データ作成部5は、前記第二エコーデータに基づいて弾性データを作成する。
前記Bモードデータ及び前記弾性データは、前記表示制御部6に入力される。そして、前記評価部61の物理量平均部611が変位の平均値を算出し、さらに前記比算出部612が比Raを算出した後に数値Yを算出しクオリティ値Qnを得る。
ここで、本例では、前記クオリティ値Qnは前記メモリ21に格納されておらず、上述のようにメモリ再生モードにおいてもクオリティ値Qnを算出するようになっている。
前記表示画像作成部63は、クオリティ値Qnが所定の閾値以上であるフレームの弾性データについてのみカラー弾性画像データに変換し、このカラー弾性画像データと、前記Bモードデータから得られたBモード画像データとを合成して画像データを作成し、この画像データに基づく超音波画像Gが表示される。これにより、所定の基準を満たし、生体組織の弾性をより正確に反映したフレームの弾性画像データから作成された弾性画像EGを含む超音波画像Gが、連続フレームからなる動画像として途切れることなく前記表示部7に表示される。従って、生体組織の弾性をより正確に反映した弾性画像EGを、従来よりも見やすく表示させることができる。
ちなみに、リアルタイムモードにおいては第一実施形態と同様にして前記超音波画像G及びクオリティ表示QGが作成され表示される。また、クオリティ表示QGは、メモリ再生モードにおいても第一実施形態と同様にして作成され表示される。
次に、第五実施形態の変形例について説明する。先ず、第一変形例について説明する。第一変形例においては、前記第一実施形態の変形例と同様に、前記物理量平均部611は、相関係数C(0≦C≦1)が所定の閾値CTH以上である相関演算が行なわれた相関ウィンドウを選択してその変位の平均算出を行なって得られた平均値XrAV′を用いてYを算出し、クオリティ値Qnとしてもよい。
次に、第二変形例について説明する。この第二変形例においては、前記第二実施形態と同様に、前記評価部61は前記相関係数平均部613を有している(図14参照)。そして、この相関係数平均部613によって算出される平均値CAVをクオリティ値Qnとする。
次に、第三変形例について説明する。この第三変形例においては、前記第三実施形態と同様に、前記評価部61は、前記物理量平均部611、前記比算出部612、前記相関係数平均部613を有し、さらに前記乗算部614を有する(図15参照)。前記物理量平均部611は、相関係数C(0≦C≦1)が所定の閾値CTH以上である相関演算が行なわれた相関ウィンドウを選択してその変位の平均算出を行なって得られた平均値XrAV′を用いてYを算出する。また、前記相関係数平均部613が相関係数の平均値CAVを算出する。そして、前記算出値Yと前記平均値CAVとを乗算して得られる乗算値Mをクオリティ値Qnとする。
次に、第四変形例について説明する。この第四変形例においては、前記第四実施形態と同様に、前記比算出部61で得られる算出値Y、前記相関係数平均部613で得られる相関係数の平均値CAV及び前記乗算部614で得られる乗算値Mの全てを算出することができ、これら算出値Y、平均値CAV及び乗算値Mのうち、いずれかを選択して算出を行ない、クオリティ値Qnとする。
以上説明した第五実施形態では、メモリ再生モード時においてもクオリティ値Qnを算出しているが、このような場合に限られるものではなく、リアルタイムモード時に算出されたクオリティ値Qnを前記メモリ21に格納してもよい。この場合、メモリ再生モード時において画像データを作成する時に、前記メモリ21に格納されたクオリティ値Qnが所定の閾値以上であるフレームの弾性データを読み出して画像データの作成を行なう。
以上、本発明を前記各実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、前記第一〜第四実施形態において、前記クオリティ値Qnは前記メモリ62に格納されていなくてもよい。この場合、メモリ再生モード時においても前記クオリティ値Qnの算出を行なう。
また、前記第一〜第四実施形態においては、前記メモリ62には、ローデータである前記Bモードデータ及び前記弾性データが格納されるようになっているが、前記メモリ62には、前記表示画像作成部63によって作成された前記Bモード画像データ及び前記カラー弾性画像データが格納されるようになっていてもよい。この場合、前記表示画像作成部63は、本発明における弾性画像データ作成部の実施の形態の一例である。前記クオリティ値Qnを前記メモリ62に格納する場合は、どのフレームのカラー弾性画像データについてのものかがわかるように、カラー弾性画像データと関連付けて格納する。そして、メモリ再生モードにおいては、前記メモリ62に格納された前記カラー弾性画像データのうち、前記各実施形態と同様に、クオリティ値Qnに基づいて所定の基準を満たすカラー弾性画像データを読み出して画像データの作成を行なう。
また、前記弾性データ作成部5は、生体組織の弾性に関する物理量として、生体組織の変形による変位の代わりに生体組織の歪みや弾性率を算出してもよい。
また、前記比算出部612では、前記比Raのみを算出し、(式1)の演算を行わなくてもよい。この場合、前記比|Ra|をクオリティ値Qnとする。前記比|Ra|を前記クオリティ値Qnとしてプロットして作成され、前記表示部7に表示されるクオリティ表示QGの一例を図18に示す。図18において、横軸は時間、縦軸は比|Ra|である。この図18に示すように、前記比|Ra|が1に近い所定の範囲に、帯状の部分Oを表示してもよい。この帯状の部分Oは、生体組織の弾性を正確に反映した弾性画像EGが得られる比|Ra|の範囲に設定される。このような帯状の部分Oを表示することにより、クオリティ表示QGがこの帯状の部分Oに入るように、操作者が前記超音波プローブ2による生体組織への圧迫と弛緩を行なえば、生体組織の弾性を正確に反映した弾性画像を得ることができる。
なお、前記クオリティ表示QGは、グラフgrからなるものに限られず、例えば図19に示すように、バーBからなるものであってもよい。このバーBは、縦方向の長さが前記クオリティ値Qnの値(0≦Qn≦1)に相当し、クオリティ値Qnの変化とともに、縦方向に伸縮する。
また、バーBは、クオリティ値Qnに応じて縦方向に伸縮するものではなく、クオリティ値Qnに応じて色が変化するものであってもよい。
その他、クオリティ表示QGは、前記表示部7に数値で表示されてもよい。さらに、前記クオリティ値Qnをクオリティ表示QGとして表示するものに限られない。例えば、クオリティ値Qnを音として発するためのスピーカー(図示省略)を備えていてもよい。このスピーカーは、本発明における報知部の実施の形態の一例である。この場合には、クオリティ値Qnの高低を、音の高低で表すようにする。