JP5475433B2 - Inspection system and ionization probe - Google Patents
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Description
本発明は、コンタミが少なく、ロバスト性が高い運用が可能なイオン化プローブ及び当該イオン化プローブを使用した検査システムに関する。 The present invention relates to an ionization probe that can be operated with low contamination and high robustness, and an inspection system using the ionization probe.
薬物の副作用を抑え、個々の患者に最適な治療計画を行うための手法である治療薬物モニタリング(TDM)などの血液自動分析装置に質量分析技術を応用する場合、スループットが高く、ロバスト性が高く、コストが低い手法が重要となる。 When mass spectrometry technology is applied to automated blood analyzers such as therapeutic drug monitoring (TDM), which is a method for suppressing the side effects of drugs and making optimal treatment plans for individual patients, the throughput is high and the robustness is high. A low cost approach is important.
一般的な液体クロマトグラフ/質量分析計(LC/MS)を利用する場合、複雑な流路系である切り替えバルブに試料溶液が直接導入される。このため、切り替えバルブの洗浄に多量の溶媒を必要とし、洗浄時間も長くなる。また、これらの装置は、切り替えバルブや分離カラムその他の詰まりの原因になる部品が多い。 When a general liquid chromatograph / mass spectrometer (LC / MS) is used, a sample solution is directly introduced into a switching valve that is a complicated flow path system. For this reason, a large amount of solvent is required for cleaning the switching valve, and the cleaning time becomes longer. Also, these devices have many components that cause clogging such as switching valves and separation columns.
そこで、固相抽出法等により分析対象成分を含んだ溶液のみを抽出し、抽出溶液をイオン源に直接導入してイオン化と質量分析を実行する手法が用いられ始めている。この手法は、切り替えバルブや分離カラムをイオン源までの流路から排除することができる。 Therefore, a method of extracting only a solution containing a component to be analyzed by a solid phase extraction method or the like, and introducing the extracted solution directly into an ion source to perform ionization and mass spectrometry has begun to be used. This technique can eliminate the switching valve and the separation column from the flow path to the ion source.
なお、関連技術が特許文献1及び2に開示されている。特許文献1には、LC/MSのような流路を必要とせず、試料溶液をイオン源に直接導入できる装置が開示されている。具体的には、試料溶液搬送用のピペットチップに試料溶液を吸引した状態で、数μmの穴が多数開いたシリコン基板にピペットチップ先端を結合し、試料溶液をシリコン基板の穴から噴出しイオン化する技術が開示されている。特許文献2にも、LC/MSのような流路を必要とせず、試料溶液をイオン源に直接導入できる装置が開示されている。具体的には、試料溶液搬送用のシリンジの針の部分を、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)のキャピラリー電極として使用する技術が開示されている。
Related arts are disclosed in
特許文献1に記載された装置構成では、ピペットチップとシリコン基板を使い捨てにすることができる。このため、洗浄の必要が無く、スループットが高い。また、次の分析へのコンタミも少ないためロバスト性も高い。その一方で、この装置構成は、ピペットチップとシリコン基板を使い捨てにするため、消耗品のコストが高い問題がある。特に、数μmの穴を多数有するシリコン基板の形成には微細加工を要するため、部品自体が比較的高価になる。
In the apparatus configuration described in
一方、特許文献2に記載された装置構成では、シリンジの針で試料溶液を直接イオン化することができる。しかし、この装置構成は、シリンジと針を使い捨てにすることが構造上困難である。また、シリンジ及び針そのものが高コストでもあるので使い捨てには適さない。結果的に、これら部材の溶媒などによる洗浄が必要とされる。
On the other hand, in the apparatus configuration described in
また、特許文献2の方式では、イオン化効率を高めるため、シリンジの針と先端径が細いチップとを結合したり、シリンジの針をガス噴霧管に挿入したりすることができる。両者とも、シリンジの針の先端から噴霧される液滴の大きさを小さくすることが可能であり、イオン化効率の向上に非常に有効である。
In the method of
ところが、シリンジの針の先端にチップを結合する方式は、チップを使い捨てにしてシリンジや針を洗浄することでコンタミや消耗品コストを抑制できる一方で、チップの消耗品コストが新たに生じる。一方、シリンジの針をガス噴霧管に挿入する方式は、シリンジや針を洗浄することが可能である。しかし、ガス噴霧管を使い捨てにすることは構造上困難なだけでなく、高コストでもある。従って、ガス噴霧管の汚染を極力防ぐ必要がある。 However, the method of coupling the tip to the tip of the needle of the syringe can reduce the contamination and consumables cost by making the tip disposable and washing the syringe and the needle, while the consumable cost of the tip is newly generated. On the other hand, the method of inserting the syringe needle into the gas spray tube can clean the syringe and needle. However, it is not only difficult to make the gas spray tube disposable, but it is also expensive. Therefore, it is necessary to prevent contamination of the gas spray tube as much as possible.
以下では、ガス噴霧管の汚染が与える影響を説明する。このため、図1に、ガス噴霧管を有する一般的なESIイオン源(イオン化プローブ)1を搭載する検査システムの主要部分を示す。なお、図1は、技術課題の説明のために各部の構造を強調又は拡大して表している。ESIプローブ2は、キャピラリー電極3とガス噴霧管4を主要構成とする。キャピラリー電極3は中空の細管であり、ガス噴霧管4はキャピラリ電極3の先端から吐出される液滴径を小さくする気体を流す筒状の部材である。
Below, the influence which the contamination of a gas spray tube gives is demonstrated. Therefore, FIG. 1 shows a main part of an inspection system equipped with a general ESI ion source (ionization probe) 1 having a gas spray tube. FIG. 1 shows the structure of each part in an emphasized or enlarged manner for explaining the technical problem. The
キャピラリー電極3に導入された試料溶液5は、電圧源6から印加された電圧とイオン取込み部10の電圧との電位差によりイオン化され、イオン7が生成される。前述したように、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の間に気体8を流すことで、キャピラリー電極3から噴霧される液滴を小さくすることができ、イオン化効率を向上することができる。ガス噴霧管4に導入された気体8は、キャピラリー電極3の先端付近でキャピラリー電極3と同心円上に高速に噴霧されることが理想である。噴霧速度を上げるため、ガス噴霧管4の先端部9の内径は先端ほど小さく絞られているのが一般的である。生成されたイオン7は、イオン取込み部10から質量分析装置等に導入され、その検出装置11で検出される。因みに、特許文献2に記載された装置構成では、キャピラリー電極3をガス噴霧管4から抜き取り、キャピラリー電極3を洗浄する必要がある。
The
図2に、ガス噴霧管4の汚染に起因するコンタミの評価結果を示す。実験では、一回目のイオン化の後にキャピラリー電極3をガス噴霧管4の根元側(先端部9の反対側)から抜き取った後、未使用のキャピラリー電極3をガス噴霧管4に挿入し、二回目のイオン化を行った。
In FIG. 2, the evaluation result of the contamination resulting from the contamination of the
図2は、一回目と二回目のイオン化の間にガス噴霧管4を洗浄しない場合の結果と、一回目と二回目のイオン化の間にガス噴霧管4を洗浄した場合の結果を比較している。一回目のイオン化では、メタノール溶媒に溶解した、Cyclophosphamide、Quinidine、Daunorubicin、Tacrolimusの四種の薬剤をイオン化し、二回目のイオン化ではメタノール溶媒のみをイオン化した。つまり、二回目のイオン化で検出されたイオン強度が一回目の分析のコンタミ量と考えられる。図2から、100μLのメタノールによるガス噴霧管4の洗浄回数を増やすに従い、コンタミ量が減少する傾向が見られる。この結果から、一回目の分析時にガス噴霧管4の汚染が起きていることが分かる。
FIG. 2 compares the result when the
発明者は、この汚染の原因について鋭意検討した結果、以下の現象が生じているとの着想に至った。まず、キャピラリー電極3に電圧源6から電圧を印加している間やガス噴霧管4に気体8を流している間については、試料溶液5は噴霧されてイオン化され続けていると考えられる。このため、期間では、キャピラリー電極3の先端に液滴を生じることは無いと考えて良い。しかし、電圧の印加やガスの噴霧が停止されてイオン化動作が停止すると、試料溶液5の表面張力によりキャピラリー電極3の先端に液滴が形成される可能性がある。
As a result of intensive studies on the cause of this contamination, the inventor has come up with the idea that the following phenomenon has occurred. First, while the voltage is applied from the
図2の実験はメタノール溶媒で行ったが、より粘性の高い水を含んだ溶媒で行うと、更に大きな液滴が形成される可能性がある。先端に液滴が形成された状態でキャピラリー電極3をガス噴霧管4の根元方向に抜き取ると、両者の間隙が非常に狭いために、液滴がガス噴霧管4の先端や内側を汚染するのではないかと考えられる。
Although the experiment of FIG. 2 was performed with a methanol solvent, larger droplets may be formed when performed with a solvent containing water having higher viscosity. If the
仮に試料溶液5のイオン化を停止した時点ではキャピラリー電極3の先端に液滴が形成されていない場合でも、抜き取り時の振動や衝撃でキャピラリー電極3の内部に残留していた試料溶液5が滴下し、ガス噴霧管4の内側を汚染する可能性がある。
Even if no ion droplet is formed at the tip of the
以上の現象のために、ガス噴霧管4を有するESIイオン源1の構成においては、キャピラリー電極3をガス噴霧管4から抜き取って洗浄することでキャピラリー電極3自体のコンタミは抑制できるが、その過程でガス噴霧管4等の周辺部分が汚染され、次回以降の検査結果に影響を与えていると考えられる。
Due to the above phenomenon, in the configuration of the
本発明は、キャピラリーを軸方向に可動自在能に管に収容した状態のまま搬送するものとし、少なくとも試料溶液をイオン化した領域から他の領域に搬送する際には、管の先端からキャピラリーの先端が突き出た状態を保持するイオン化プローブの構造や検査システムの搬送技術を提案する。 In the present invention, the capillary is transported while being accommodated in the tube so as to be movable in the axial direction, and at least when the sample solution is transported from the ionized region to another region, the capillary tip is connected to the tip of the capillary. We propose an ionization probe structure that keeps protruding and a transport technology for inspection systems.
本発明により、検査工程における管その他のキャピラリーの周辺部品のコンタミを大幅に抑制することができ、ロバスト性が向上する。また、洗浄効率を高め、消耗品コストを低減できる。 According to the present invention, contamination of pipes and other peripheral parts of the capillary in the inspection process can be significantly suppressed, and robustness is improved. In addition, the cleaning efficiency can be increased and the cost of consumables can be reduced.
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、後述する装置構成や処理動作の内容は発明を説明するための一例であり、本発明は、後述する装置構成や処理動作に既知の技術を組み合わせた発明や後述する装置構成や処理動作の一部を既知の技術と置換した発明も包含する。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. It should be noted that the contents of the device configuration and processing operation described below are examples for explaining the invention, and the present invention relates to an invention in which a known technology is combined with the device configuration and processing operation described later, and the device configuration and processing operation described later. It also includes inventions that partially replace known techniques.
なお、以下に説明する各実施例は、ESIイオン源を搭載する検査システムに関するものであり、試料溶液をイオン化する場所(領域)と、試料溶液をキャピラリーに吸引する場所(領域)と、キャピラリー及び又はガス噴霧管等を洗浄する場所(領域)と、発生されたイオンを検査する検査装置と、各領域間でイオン化プローブを搬送する搬送機構を有するものとする。また、実施例の説明に使用する各図は、各実施例に特有な構造や処理動作の説明のために、構造や処理動作の内容を強調して又は簡略化して描画している。 Each example described below relates to an inspection system equipped with an ESI ion source. A place (region) where a sample solution is ionized, a place (region) where the sample solution is sucked into a capillary, a capillary and Alternatively, a place (area) for cleaning the gas spray tube, an inspection apparatus for inspecting the generated ions, and a transport mechanism for transporting the ionization probe between the areas are provided. In addition, the drawings used for describing the embodiments are drawn with emphasis or simplification of the structure and the contents of the processing operations in order to explain the structures and processing operations unique to the embodiments.
[実施例1]
(動作シーケンスの概要)
実施例1では、ESIイオン源(イオン化プローブ)1が試料溶液の吸引場所から試料溶液をイオン化する場所に搬送され、さらに洗浄場所に搬送される場合に使用して好適なESIイオン源1の構造と搬送動作について説明する。なお、ESIイオン源1の移動には、ロボット機構であるESIイオン源ホルダが使用される。
[Example 1]
(Overview of operation sequence)
In Example 1, the structure of the
図3は、ESIプローブ2(キャピラリー電極3とガス噴霧管4の構造部分)に着目し、各部におけるESIイオン源(イオン化プローブ)1の使用態様を概略的に示す。図3では、矢印の順番に、試料溶液吸引場所13でのESIプローブ2の使用態様、イオン化場所14でのESIプローブ2の使用態様、洗浄場所15でのESIプローブ2の使用態様を示す。
FIG. 3 focuses on the ESI probe 2 (structure portion of the
試料溶液吸引場所13では、キャピラリー電極3の先端が試料容器16の試料溶液5中に位置決めされ、試料溶液5を吸引する。ここで、キャピラリー電極3は中空形状を有する導電性の細管であり、ガス噴霧管4はキャピラリー電極3の先端から吐出される液滴径を小さくする気体を流す筒状の部材である。後述すように、キャピラリー電極3はガス噴霧管4の根元側(先端部9と反対側)で、直接又は間接的に不図示の連結部を通じて連結されている。また、キャピラリー電極3は、略円筒形状のガス噴霧管4の中心軸方向に可動自在に収容されているものとする。試料溶液5がキャピラリー電極3に吸引されると、ESIイオン源1は、イオン化場所14に搬送される。すなわち、キャピラリー電極3とガス噴霧管4が一体的にイオン化場所14に搬送される。
At the sample
この搬送中に又はイオン化場所14において、キャピラリー電極3の先端とガス噴霧管4の先端の相対位置が変更される。具体的には、図3に示すように、キャピラリー電極3の先端部9が、ガス噴霧管4の先端からわずかに突き出た状態に変更される。この相対位置の変更は、キャピラリー電極3を軸方向にガス噴霧管4に移動させることによっても、ガス噴霧管4をキャピラリー電極3の軸方向に移動させることによっても、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の両方をそれぞれ軸方向に移動させることによっても行うことができる。相対位置の変更には不図示の移動機構や連結部を使用する。
During this conveyance or at the
イオン化場所14では、キャピラリー電極3の先端から試料溶液5が液滴として吐出された後、ガス噴霧管4に供給された気体8によりイオン7が生成される。発生されたイオンの検出が終了すると、ESIイオン源1は、洗浄場所15に搬送される。やはり、キャピラリー電極3とガス噴霧管4が一体的に洗浄場所15に搬送される。この搬送の際、キャピラリー電極3の先端はガス噴霧管4の先端から突き出した状態のまま搬送される。従って、イオン化の終了時にキャピラリー電極3の先端に液滴が形成されたとしても、搬送中の振動によりキャピラリー電極3に残留した試料溶液5が滴下したとしても、ガス噴霧管4の内側及び先端を汚染することはない。なお、この搬送中に又はイオン化場所14において、キャピラリー電極3の先端とガス噴霧管4の先端の相対位置が変更される。
At the
洗浄場所15では、洗浄容器17に入った洗浄液18により、キャピラリー電極3が洗浄される。ただし、洗浄は、キャピラリー電極3をガス噴霧管4に収容した状態のまま、キャピラリー電極3の先端をガス噴霧器4の先端から大きく突き出した状態で行う。ガス噴霧器4の内側の汚染を避けるためである。洗浄液18の吸入と排出を複数回繰り返すことにより、キャピラリー電極3の表面だけでなく、その内側についても洗浄される。なお、キャピラリー電極3に残留している試料溶液5は洗浄場所15において、又は、廃液場所で廃棄される。キャピラリー電極3の洗浄が終了すると、ESIイオン源1は、次に分析する試料溶液5が格納されている試料容器17に搬送される。以後、前述と同様の手順により吸引、イオン化、洗浄が繰り返し実行され、複数の試料溶液5に対する分析が可能となる。
In the
なお、一番目の分析に用いる試料溶液5を吸引する前に、キャピラリー電極3を洗浄することも可能である。この場合、使用前にキャピラリー電極3に付着している汚れを洗浄することができる。
The
図3に示すように、本実施例では、試料溶液吸引場所13で試料溶液5を吸引する際、ガス噴霧管4の先端は試料溶液5に接しない位置に移動させる。このため、ガス噴霧管4に試料溶液5が付着するのを防止できる。また、イオン化場所14でのイオン化の実行時には、ガス噴霧管4の先端をキャピラリー電極3の先端付近の位置に移動させる。また、洗浄場所15でキャピラリー電極3を洗浄する際は、吸引時と同様に、ガス噴霧管4を洗浄液18に接しない位置に移動させる。これにより、ガス噴霧管4に洗浄液18が付着するのを防止できる。以上により、ガス噴霧管4の汚染を抑制することができる。
As shown in FIG. 3, in the present embodiment, when the
なお前述したように、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の相対位置の変更又は相対移動は、試料溶液吸引場所13、イオン化場所14、洗浄場所15の各間でESIイオン源1を搬送する途中のタイミングで実行することが望ましい。特に、試料溶液吸引場所13や洗浄場所15にESIプローブ2がある状態で、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の相対位置を変化させると、ガス噴霧管4を試料溶液5や洗浄液18で汚染する可能性が高くなる。一方、イオン化場所14においては、ガス噴霧管4の汚染のリスクは相対的に高くないので、イオン化場所14でキャピラリー電極3とガス噴霧管4の相対位置を変化させることがより望ましい。
As described above, the relative position change or relative movement between the
(詳細動作)
(試料溶液吸引場所における動作)
ここでは、試料溶液吸引場所13において、試料溶液5をキャピラリー電極3に吸引する際の詳細動作を説明する。図4に、ISEイオン源1の構造例と、試料溶液5を吸引する際の使用態様を示す。図4に示すように、ESIイオン源1は、図3に示したキャピラリー電極3及びガス噴霧管4以外にも、吸引吐出機構19、ガス噴霧管移動機構20、配管21、気密機構22を有している。
(Detailed operation)
(Operation at the sample solution suction location)
Here, a detailed operation when the
吸引吐出機構19は、試料溶液5の吸引又は吐出を実現する駆動機構である。吸引吐出機構19は、キャピラリー電極3の管内にある空気層を介して試料溶液5の吸引や吐出を実現する装置であり、周知の装置を使用する。なお、キャピラリー電極3の内径は、詰まり防止などの観点から0.1mm以上であることが望ましい。
The suction /
ここでのガス噴霧管移動機構20は、ガス噴霧管4を試料溶液5に接しない位置まで相対的に移動させるために使用される。ガス噴霧管移動機構20には、回転運動を直線運動に変換する直動ステージ、油圧駆動機構その他の直線駆動機構を使用する。
Here, the gas spray
例えばESIイオン源1を全体的に保持する部材にキャピラリー電極3が固定されている場合、ガス噴霧管移動機構20はガス噴霧管4だけを移動させる。これに対し、ESIイオン源1を全体的に保持する部材にガス噴霧管4が固定されている場合、ガス噴霧管移動機構20はキャピラリー電極3だけを移動させる。この場合は、キャピラリー電極移動機構と呼ぶ。いずれの駆動態様を選択するかは自由である。なお、ESIイオン源1を全体的に保持する部材に対して、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の両方をそれぞれ対応するガス噴霧管移動機構20で独立に駆動しても良い。このガス噴霧管移動機構20が、特許請求の範囲における移動機構に相当する。
For example, when the
なお、配管21や気密機構22は、イオン化の際に使用する部材である。詳細については、イオン化場所における動作の項で説明する。
The
(イオン化場所における動作)
ここでは、イオン化場所14において、試料溶液5をイオン化する際の詳細説明を説明する。図5に、試料溶液5をイオン化する際におけるISEイオン源1と、イオン取り込み口10及び検出装置11との位置関係を示す。この場合、ガス噴霧管4の先端部9は、質量分析装置その他の検出装置11に配置されたイオン取込み部10の開口近傍に配置される。この配置により、イオン取込み部10におけるイオン7の導入効率が向上し、検出装置11における検出効率が向上する。
(Operation at ionization site)
Here, a detailed description of ionizing the
イオン化場所14では、キャピラリー電極3の先端が、ガス噴霧管4の先端からわずかに突き出るように位置決めされる。勿論、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の位置関係の変更にはガス噴霧管移動機構20が用いられる。この場合、ガス噴霧管移動機構20は、キャピラリー電極3の先端とガス噴霧管4の先端を近づけるように、ガス噴霧管4を移動させる。図5においては、キャピラリー電極3がESIイオン源1を全体的に保持している部材に固定されており、ガス噴霧管4だけが先端部9の方向に移動された様子を描画している。もっとも、前述の通り、ESIイオン源1を全体的に保持している部材にガス噴霧管4が固定されている場合には、キャピラリー電極3がガス噴霧管4に収容される方向に駆動される。勿論、どちらの駆動方式を採用しても良い。
At the
キャピラリー電極3の先端とガス噴霧管4の先端とがイオン化に適した位置に移動すると、キャピラリー電極3の中に吸引されていた試料溶液5が、キャピラリー電極3の先端から吐出される。この際、キャピラリー電極3とイオン取込み部10との間には電位差が印加されている。この電位差により、吐出された試料溶液5はイオン化し、イオン7が生成される。
When the tip of the
この際、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の間に対し、配管21を介して気体8が供給される。気体8の供給は不図示のポンプを用いて行われる。気体8は、ガス噴霧管4の先端部9に設けられた開口から外部に出力される。この気体8の流れにより、キャピラリー電極3から噴霧される液滴を小さくすることができ、イオン化効率を向上することができる。
At this time, the
ガス噴霧管4から噴霧される気体8は、キャピラリー電極3の先端付近でキャピラリー電極3と同心円上で高速に噴霧されることが理想である。高速度での噴霧のため、ガス噴霧管4の先端部9の内径は先端に近づくほど小さく絞られている。ガス噴霧管4により気体8を噴霧する方式は、キャピラリー電極3の外径が0.2mmを超える程度の大きさの場合に効果的である。また、生成されたイオン7によりガス噴霧管4が汚染されるのを防止するため、キャピラリー電極3の先端はガス噴霧管4の先端に対し、少なくとも0.5mm程度突出している必要がある。
Ideally, the
因みに、キャピラリー電極3に印加される電圧が正の場合には正イオン、電圧が負の場合には負イオンが生成される。また、キャピラリー電極3とガス噴霧管4は同電位に設定しても良い。生成されたイオン7は、イオン取込み部10から導入され、質量分析装置等の検出装置11で検出される。なお、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の間隙(キャピラリー電極3の外壁とガス噴霧管4の内壁で囲まれた空間)の一端は、配管21から導入された気体8が先端部9の方向にのみ流れるように気密機構22で封止される。気密機構22は、配管21の取り付け位置よりもガス噴霧管4の根元側に配置される。気密機構22は、キャピラリー電極3の軸方向への可動を妨げない材料及び又は構造であることが求められる。
Incidentally, positive ions are generated when the voltage applied to the
(洗浄場所における動作)
ここでは、洗浄場所15において、キャピラリー電極3を洗浄する際の詳細説明を説明する。図6に、キャピラリー電極3を洗浄する際におけるISEイオン源1と、洗浄容器17との位置関係を示す。キャピラリー電極3の洗浄は、吸引吐出機構19により洗浄液18を吸引又は吐出することで実行される。吸引と吐出を複数回繰り返せば、キャピラリー電極3の内側の洗浄効果を一層高めることができる。
(Operation at the washing place)
Here, a detailed description of the case where the
なお、キャピラリー電極3の洗浄時、ガス噴霧管4は、その先端部9が洗浄液18に接しないように位置決めされる。位置決めにはガス噴霧管移動機構20が用いられる。図6では、この位置決め動作を表すため、ガス噴霧管移動機構20の高さ方向の長さを図5の場合よりも短く描いている。
When the
すなわち、図6は、ESIイオン源1の全体を保持している部材にキャピラリー電極3が固定されている場合について表している。反対に、ESIイオン源1の全体を保持している部材にガス噴霧管4が固定されている場合には、ガス噴霧管移動機構20により、キャピラリー電極3を相対的に移動させる構成を採用する。前述の通り、キャピラリー電極3とガス噴霧管4のどちらを移動させるかは実装時の判断による。
That is, FIG. 6 shows a case where the
また、キャピラリー電極3による洗浄液18の吸引又は吐出によるキャピラリー電極3の内側の洗浄と同時に、洗浄容器17には開口端側に配置された配管23を介して洗浄液18を導入し、底面側に配置された配管24を介して洗浄液18を廃棄する。このような配管構造を採用することにより、洗浄容器17に貯蔵された洗浄液18を入れ替えることができる。この結果、洗浄容器17に貯蔵される洗浄液18を常に清浄な状態に維持することができ、洗浄性能を向上させることができる。
Simultaneously with cleaning of the inside of the
(搬送経路の説明)
続いて、実施例において想定するESIイオン源1の搬送経路を説明する。図7に、ESIイオン源1の搬送経路を上方から見た平面図を示す。前述の通り、ESIイオン源1は不図示のESIイオン源ホルダを用いて、試料溶液吸引場所13、イオン化場所14、洗浄場所15の順番に移動し、この動作を繰り返す。前述の通り、使用前のキャピラリー電極3の洗浄のため、一番目の分析の吸引前に洗浄を行っても良い。
(Description of transport route)
Subsequently, a transport path of the
まず、試料溶液吸引場所13で試料溶液5の吸引を終えたESIイオン源1は、経路25を通じてイオン化場所14に搬送される。その後、イオン化を終えたESIイオン源1は、経路26を通じて洗浄場所15に搬送される。その後、洗浄を終えたESIイオン源1は、経路27を通じて試料溶液吸引場所13に搬送される。一番目の分析のための試料溶液5の吸引前にキャピラリー電極3を洗浄する場合には、経路27が最初となる。
First, the
なお、次回以降の分析対象となる複数個の試料容器16で構成される試料容器群28(図中破線で示す)は、経路25〜27に交差する方向に一列に配置する。この配置の場合、試料容器群28の試料容器16を経路29の方向に順番に搬送することで、異なる試料溶液5に対する分析動作を順次実行することができる。ここで、経路29による搬送を行わない場合には、同じ試料溶液5を繰り返し分析することができる。
Note that the sample container group 28 (shown by broken lines in the figure) composed of a plurality of
図7に示した通り、試料溶液吸引場所13、イオン化場所14、洗浄場所15を一直線上に配置すると、ESIイオン源1の搬送に使用する経路25〜27がX軸方向63のみになる。すなわち、Y軸方向64の駆動は不要となる。このように、搬送経路が一直線であると、単軸制御によるESIイオン源1の駆動で充分となり、低コスト化を実現できる。
As shown in FIG. 7, when the sample
さらに、図7に示すように、吸引後のESIイオン源1が洗浄場所15の上を通らない配置構成の採用により、ESIイオン源1の搬送中における試料溶液5の滴下などによる洗浄液18の汚染を防ぐことができる。
Furthermore, as shown in FIG. 7, by adopting an arrangement configuration in which the
なお、ESIイオン源1の退避場所やESIイオン源1の交換等を行うメンテナンス場所等が必要な場合には、前述したESIイオン源1の経路25〜27の延長上に配置する。全ての搬送場所を直線上に配置することにより、ESIイオン源1の搬送を単軸制御機構のみで実現できる。しかし、試料容器群28を移動することができない場合や、障害物が存在するなどの関係上、Y軸方向64にESIイオン源1を搬送する必要がある場合には、XY方向に可動可能な2軸制御機構を用いれば良い。
When a retreating place for the
[実施例2]
実施例2においては、他の搬送経路について説明する。すなわち、実施例2は、検査システムが直線制御を実行する搬送機構を搭載しない場合について説明する。なお、ESIイオン源1の構造や検査に関係する処理動作は、基本的に実施例1と同じである。
[Example 2]
In the second embodiment, another conveyance path will be described. That is, the second embodiment describes a case where the inspection system does not include a transport mechanism that performs linear control. The processing operations related to the structure and inspection of the
図8に、実施例2に係るESIイオン源1の搬送経路を上方からみた平面図を示す。図3でも説明した通り、ESIイオン源1は、試料溶液吸引場所13、イオン化場所14、洗浄場所15を順番に搬送され、この搬送動作を繰り返す。前述の通り、使用前のキャピラリー電極3の洗浄のため、一番目の分析対象である試料溶液5の吸引前にキャピラリー電極3の洗浄を行っても良い。
FIG. 8 is a plan view of the transport path of the
試料溶液吸引場所13で試料溶液5の吸引を終えたESIイオン源1は経路25でイオン化場所14に移動する。その後、イオン化を終えたESIイオン源1は経路26で洗浄場所15に移動する。その後、洗浄を終えたESIイオン源1は経路27で試料溶液吸引場所13に移動する。一番目の分析対象である試料溶液5の吸引前にキャピラリー電極3の洗浄を行う場合は、経路27が最初となる。
The
この実施例の場合も、次回の分析に使用する試料容器群28は、経路25〜27に交差するように配置する。試料容器群28を構成する試料容器16を順送りに経路29の方向に搬送することで、異なる試料溶液5を順次分析することができる。また、経路29による試料容器16の搬送を行わない場合は、同じ試料溶液5を繰り返し分析することができる。
Also in this embodiment, the
図8に示すように、この実施例では、試料溶液吸引場所13、イオン化場所14、洗浄場所15を同一中心の曲線上に配置する。この配置の場合、ESIイオン源1の搬送経路は、1つの軸を中心とした回転制御で実現でき、搬送機構の低コスト化を実現できる。また、単軸の直動機構と曲線状の溝カム等の案内機構を組み合わせることによっても、同様の経路25〜27によるESIイオン源1の搬送を実現できる。因みに、さらに複雑な形状の溝カム等で構成される案内機構を設計することにより、より複雑な経路を一軸制御で実現することも可能である。
As shown in FIG. 8, in this embodiment, the sample
なお、この実施例の場合にも、吸引後のESIイオン源1が洗浄場所15の上方を通らない搬送経路を採用することにより、ESIイオン源1の搬送による試料溶液5の滴下等による洗浄液18の汚染を防ぐことができる。また、ESIイオン源1の退避場所やESIイオン源1の交換等を行うメンテナンス場所等が必要な場合も、実施例1の場合と同様に、前述のESIイオン源1の搬送経路の延長上に配置することにより、単軸制御による駆動のみで搬送動作を実現できる。しかし、試料容器群28を移動することができない場合や、障害物が存在する等の場合には、もう1つ別の単軸制御を追加すれば良い。
In the case of this embodiment as well, by adopting a transport path in which the
[実施例3]
この実施例では、ガス噴霧管4の移動に直動ステージその他の直線駆動機構を必要としない駆動方式について説明する。なお、その他のESIイオン源1の構造や検査に関係する処理動作は、基本的に実施例1と同じである。
[Example 3]
In this embodiment, a drive system that does not require a linear motion stage or other linear drive mechanism to move the
図9に、実施例3に係るESIイオン源1の構造例と駆動の前後の様子を示す。この実施例では、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の相対位置を移動させる移動機構にバネ30を使用する。バネ30は、特許請求の範囲における移動機構の一例である。もっとも、バネ以外の弾性体を用いることもできる。また、図9は、ESIイオン源1の全体を保持している部材にキャピラリー電極3が固定されている場合について表している。
FIG. 9 shows a structural example of the
図9は、試料溶液吸引場所13においてキャピラリー電極3に試料溶液5を吸引する際の使用態様を示している。図9の左図は試料溶液5の吸引を開始する前の位置関係を示し、図9の右図は試料溶液5を吸引する際の位置関係を示している。
FIG. 9 shows a usage mode when the
この実施例に係るESIイオン源1の場合、バネ30以外の特有の構造として、ガス噴霧管4の外周に段差状のストッパ受け31及び32を配置する。ストッパ受け31はガス噴霧管4の先端側に配置され、ストッパ受け32はガス噴霧管4の根元側に配置される。ストッパ受け31及び32はそれぞれ対応するストッパ33及び34に接触した場合、ガス噴霧管4の移動方向へのそれ以上の移動を停止させる。
In the case of the
試料溶液5の吸引時や洗浄時には、試料容器16や洗浄容器15にキャピラリー電極3の先端が挿入される必要があるが、試料溶液5の吸引の前後やイオン化場所14においては、キャピラリー電極3の先端がガス噴霧管4の先端部9からわずかに突き出す位置に配置する。
When the
図9の左図は、試料溶液5の吸引の前後やイオン化場所14における位置関係を表している。この場合、バネ30の弾性力により、ガス噴霧管4は下方向に押し付けられる。このとき、ESIイオン源1の全体を保持している部材に固定されているストッパ34にストッパ受け32が押し当てられる。これにより、図5に示したイオン化場所14でのキャピラリー電極3とガス噴霧管4の相対位置関係で保持される。
The left diagram of FIG. 9 shows the positional relationship before and after the
図9の右図は、ESIイオン源1が全体的に下降された場合における位置関係を表している。このESIイオン源1の降下の過程で、ガス噴霧管4に形成されたストッパ受け31が、試料容器16の下方に配置されたストッパ33に当たる。ガス噴霧管4の先端部9は、ストッパ33より先には下降することができない。さらに、ESIイオン源1の下降が続くと、ストッパ33はストッパ受け31を押し上げる方向に作用する。この外力により、キャピラリー電極3の根元付近に配置されたバネ30は圧縮変形される。結果的に、ガス噴霧管4を試料溶液5から離した状態のまま、ESIイオン源1の降下と共にキャピラリー電極3が突出する。なお、ESIイオン源1の降下はキャピラリー電極3の先端が試料溶液5に挿入されるまで継続する。
The right figure of FIG. 9 represents the positional relationship when the
試料溶液5の吸引後は、ESIイオン源1を上昇させることで、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の相対位置を、図9の左図の状態に戻すことができる。従って、図9の左図の状態のままESIイオン源1をイオン化場所14に移動すれば、イオン化を即座に開始することができる。
After the
同様に、洗浄場所15の付近にもストッパ33と同様のストッパを配置する。これにより、洗浄の際にも、洗浄液18とガス噴霧管4が接しない位置まで移動することができる。
Similarly, a stopper similar to the
前述の通り、この実施例に係るESIイオン源1の場合には、バネ30だけにより、ガス噴霧管4を移動できる。従って、この実施例は、直動ステージその他の直線駆動機構を用いる場合に比して、低コスト化や軽量化を実現できる。なお、図9では省略しているが、ガス噴霧管4の上下移動に際してストッパ34とぶつかる構造物(例えば配管21など)がある場合には、その部分だけにストッパ34との衝突を回避する切り欠き構造等を配置する必要がある。因みに、本実施例は、ESIイオン源1の全体を保持している部材にキャピラリー電極3が固定された構成で、全体に対してガス噴霧管4が移動する構造の場合にのみ有効である。なお、本実施例に係る駆動方式は、実施例1だけでなく実施例2に対しても利用できる。
As described above, in the case of the
[実施例4]
ここでは、キャピラリー電極3の先端部分の汚染を、ガス噴霧管4の所定位置に収容する前に除去する方法を説明する。なお、その他のESIイオン源1の構造や検査に関係する処理動作は、基本的に実施例1と同じである。
[Example 4]
Here, a method for removing the contamination at the tip of the
試料溶液5を吸引する場合、試料容器16の中の試料溶液5にキャピラリー電極3の先端を挿入する。このため、キャピラリー電極3の先端の外側が汚染される。吸引の信頼性を確保するためには、キャピラリー電極3の先端を最低でも数mm程度は浸すことが理想である。その一方で、イオン化の際には、図5に示したように、キャピラリー電極3の先端をガス噴霧管4の先端から突出させる必要があり、場合によってはこの突出量が0.5mm程度である場合がある。この数値は、吸引時に生じるキャピラリー電極3の先端の汚染範囲よりも小さい。すなわち、吸引後の状態のままキャピラリー電極3と先端をガス噴霧管4の相対位置を図5に示す状態に変化させると、ガス噴霧管4を汚染してしまう可能性がある。
When the
従って、汚染の可能性がある場合には、本実施例で説明する手法を組み合わせることが望ましい。図10に、気体噴霧により、キャピラリー電極3の先端部分の汚染を除去する方法を示す。図10は、試料溶液吸引場所13で試料溶液5を吸引した後の状態を示す。
図10に矢印で示すように、本実施例の場合には、試料溶液5の吸引終了後、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の間隙に配管21を介して気体8を導入し、ガス噴霧管4の先端から気体8を噴霧する。噴霧された気体8の一部はキャピラリー電極3の表面に沿って流れるので、吸引時にキャピラリー電極3の先端に付着した汚染箇所35(破線で囲んで示す)の汚染を吹き飛ばすことができる。
Therefore, when there is a possibility of contamination, it is desirable to combine the methods described in this embodiment. FIG. 10 shows a method for removing contamination at the tip of the
As shown by arrows in FIG. 10, in the case of the present embodiment, after the suction of the
なお、気体8の噴霧は、ガス噴霧管4の先端が汚染箇所35に触れない程度にガス噴霧管4の先端になるべく近づけた位置で実行することが望ましい。また、気体8の噴霧により汚染除去を行う場合、周辺への汚染拡大が懸念される。従って、専用の廃棄場所を設けて、その廃棄場所にて気体8の噴霧を実行することが望ましい。その場合、廃棄場所を図7や図8で示したESIイオン源1を搬送する経路25〜27の延長上に配置することで、単軸制御による駆動が可能となる。
It is desirable that the
本実施例によるキャピラリー電極3の先端部分の汚染除去方法は、図6に示した洗浄後の洗浄液による汚染に対しても有効であり、同様の手法にてキャピラリー電極3の先端部分の外側に付着した洗浄液18を吹き飛ばすことができる。
The decontamination method for the tip portion of the
[実施例5]
ここでも、キャピラリー電極3の先端の汚染を、ガス噴霧管4の所定位置に収容する前に除去する方法を説明する。なお、その他のESIイオン源1の構造や検査に関係する処理動作は、基本的に実施例1〜4とほぼ同様である。
[Example 5]
Here again, a method for removing the contamination at the tip of the
実施例4では気体8の噴霧による汚染除去方法について説明したが、キャピラリー電極3の先端に付着した試料溶液5が乾燥してしまうと、気体8の噴霧による汚染除去の効果が低下してしまう。そこで、本実施例では、洗浄液による洗浄を提案する。
In the fourth embodiment, the decontamination method by spraying the
図11に、洗浄液によるキャピラリー電極3の先端部分の洗浄を実現するESIイオン源1の構造と使用態様を示す。図11は、試料溶液吸引場所13で試料溶液5を吸引した後の状態である。本実施例では、図11に示すように、洗浄液37をキャピラリー電極3とガス噴霧管4の間隙に導入するための配管36を追加的に配置する。図11では、気体8の導入に使用する配管21の対向位置に配管36を配置しているが、配管36の配置位置は任意である。
FIG. 11 shows the structure and usage of the
この実施例の場合、試料溶液5の吸引後に、配管36を通じてキャピラリー電極3とガス噴霧管4の間隙に洗浄液37を導入し、吸引によって生じたキャピラリー電極3の先端部分の汚染箇所35を洗浄する。洗浄液37による洗浄方式なので、乾燥した汚染にも効果的である。
In this embodiment, after the
この実施例の場合にも、洗浄液37の導入は、実施例4の気体8の導入と同様に、ガス噴霧管4の先端が汚染箇所35に触れない程度でガス噴霧管4の先端になるべく近づけた位置で実行することが望ましい。また、洗浄液37による洗浄を行う場合、周辺への汚染拡大が懸念される。従って、専用の廃棄場所を設けて、その廃棄場所にて洗浄液37を導入することが望ましい。廃棄場所を図7や図8で示したESIイオン源1を搬送する経路25〜27の延長上に配置することで、単軸制御による駆動が可能となる。
Also in this embodiment, the introduction of the cleaning
なお、本実施例のように洗浄液37で洗浄すると、キャピラリー電極3の外側やガス噴霧管4の内部が乾燥するまで時間がかかる。しかし、乾燥が不充分なままイオン化を行うと、イオン化に悪影響を与えるおそれがある。このため、分析スループットを向上したい場合には、洗浄液37による洗浄後、配管21を通じてガス噴霧管4に気体8を導入し、キャピラリー電極3の外側やガス噴霧管4の内壁の乾燥時間を早めることが望ましい。乾燥に気体8を用いる場合、ガス噴霧管4の内側に残留した洗浄液37がガス噴霧管4の先端から噴霧される可能性があるので、実施例4の汚染除去方式や洗浄液37による洗浄方式と同様に気体8による乾燥も専用の廃棄場所にて行うことが望ましい。
In addition, when it wash | cleans with the washing | cleaning
[実施例6]
ここでは、シリンダとピストンで構成される吸引吐出機構19を有するESIイオン源1について説明する。
[Example 6]
Here, the
図12に、実施例6に係るESIイオン源1の構造と使用態様例を示す。図12は、シリンジ(シリンダ38とピストン39)で構成された吸引吐出機構19を使用して、試料溶液5をキャピラリー電極3に吸引する状態を示している。勿論、試料溶液5の吐出にも使用できる。
FIG. 12 shows the structure and usage example of the
シリンダ38とピストン39の間が気密された状態でピストン39を引き上げると、シール部40に負圧が作用する。発生した負圧により、キャピラリー電極3の内部に試料溶液5が吸引される。吸引後、ピストン39を押し下げると、シール部40に正圧が作用し、キャピラリー電極3の先端から試料溶液5が吐出される。この吐出により、図5と同様に、試料溶液5のイオン化が可能になる。
If the
また、吸引と吐出を繰り返すことで、図6の場合と同様に、キャピラリー電極3を洗浄することができる。シール部40には、気密性、摺動性、低摩擦性、耐薬品性などを兼ね備えたフッ素樹脂などで作られたものを使用することが望ましい。本実施例に係る吸引吐出機構は、実施例1〜5においても利用できる。
Further, by repeating the suction and discharge, the
[実施例7]
ここでは、図12に示した吸引吐出機構19の変形例を示す。図12の場合には、吸引吐出機構19の開口部をキャピラリー電極3の一方の開口端に直接接続した。しかし、この実施例では、吸引吐出機構19の開口部とキャピラリー電極3の一方の開口端とが、配管を通じて相互に接続する場合について説明する。
[Example 7]
Here, a modification of the suction /
図13に、本実施例に係るESIイオン源1の構造例と使用態様例を示す。図13では、吸引吐出機構19の開口部とキャピラリー電極3とが柔軟な配管41を通じて接続されている使用態様を示す。基本的な吸引の原理は図12の場合と同様である。すなわち、シリンダ38とピストン39の間が気密された状態でピストン39を引き上げると、シール部40に負圧が発生し、キャピラリー電極3の内部に試料溶液5が吸引される。
In FIG. 13, the structural example and usage example of the
なお、図12に示す構造の場合には、デッドボリュームに存在している空気の影響で正確な液量の吸引又は吐出ができない可能性がある。しかし、配管41を通じて吸引吐出機構19の開口部とキャピラリー電極3を接続して配管41の内部を液体42で満たす場合には、配管41の内部に満たされた液体42によりデッドボリュームを小さくすることができる。その分、正確な吸引又は吐出が可能になる。
In the case of the structure shown in FIG. 12, there is a possibility that accurate liquid volume suction or discharge cannot be performed due to the influence of air present in the dead volume. However, when the opening of the suction /
液体42には、試料溶液5と反応を起こさないような有機溶媒や水系の溶液を使用することが望ましい。また、配管41の内部への液体42の充填は、試料溶液5の吸引と同じ要領で行うことができる。この場合、液体42を満たす場所を、図7や図8で示したESIイオン源1が搬送される経路25〜27の延長上に配置することで、単軸制御による駆動が可能となる。
As the liquid 42, it is desirable to use an organic solvent or an aqueous solution that does not react with the
勿論、試料溶液5の吸引後に、ピストン39を押し下げることでキャピラリー電極3の先端から試料溶液5が吐出される。この吐出により、図5と同様に、試料溶液5のイオン化が可能になる。また、吸引と吐出を繰り返すことで、図6と同様に、キャピラリー電極3を洗浄することができる。洗浄後は、次の分析が開始される前に、配管41の内部に充填された液体42を入れ替えても良い。
Of course, the
本実施例の場合には、吸引吐出機構19とピストン39の駆動装置(図示せず)を、柔軟な配管41を通じてESIイオン源1に接続することができる。このため、ESIイオン源1が試料溶液吸引場所13、イオン化場所14、洗浄場所15の間で搬送される際にも、吸引吐出機構19とピストン39の駆動手段を、ESIイオン源1と一緒に移動する必要がない。このため、ESIイオン源1の搬送機構の負荷を小さくできる。このため、ESIイオン源1の搬送機構の小型化、低コスト化が可能となる。
In the case of this embodiment, the suction /
この実施例の場合にも、シール部40には、気密性、摺動性、低摩擦性、耐薬品性などを兼ね備えたフッ素樹脂などで作られたものを使用することが望ましい。本実施例に係る吸引吐出機構は、実施例1〜5においても利用できる。
Also in this embodiment, it is desirable to use a
[実施例8]
ここでは、イオンの生成を促進するために、イオン化場所14の付近を加熱する方法を説明する。図14に、本実施例に係る検査システムの構造例と使用態様例を示す。図14に示す構造例と使用態様例は図5の場合とほぼ同様である。相違点は、キャピラリー電極3の先端から吐出された試料溶液5をイオン化してイオン7を生成する空間付近を加熱源43で加熱する点である。
[Example 8]
Here, in order to promote the production | generation of ion, the method of heating the vicinity of the
加熱源43を配置することにより、キャピラリー電極3の先端から噴霧される液滴の気化が促進され、イオン化効率の向上が達成される。加熱源43には、加熱ガスを吹き付ける方式やランプ加熱方式などがある。この構造は、キャピラリー電極3の外径が0.2mmを超える程度の大きさの場合に効果的である。本実施例は、実施例1〜7においても利用できる。
By disposing the
[実施例9]
ここでは、ガス噴霧管4から気体8を噴霧することなく、試料溶液5をイオン化する方式について説明する。
[Example 9]
Here, a method of ionizing the
図15に、本実施例に係るESIイオン源1の構造例と使用態様例を示す。ESIイオン源1の構造自体は、図5に示す構造とほぼ同じである。しかし、図5と図15を対比して分かるように、図15の場合には気体8の導入を示す矢印が描画されていない。本実施例において、イオン化のために気体8を導入しない理由は、キャピラリー電極3の外径が0.2mmより小さい場合に、ガスの噴霧がイオン化に必須で無い場合があるためである。
FIG. 15 shows a structural example and usage example of the
ガス噴霧を必要としないのであれば、当然、ガス噴霧管4は必須ではない。しかし、図15の例では、ガス噴霧管4を有する構成を示している。これは、ガス噴霧管4はイオン化以外でも、図10や図11で示したように、試料溶液5を吸引した際に生じるキャピラリー電極3の先端の汚染対策に使用できるためである。
Of course, the
また、ガス噴霧を必要としない小径のキャピラリー電極3だけを、試料溶液吸引場所13、イオン化場所14、洗浄場所15の各々の間で搬送しようとすると、キャピラリー電極3が小径であるために搬送時の振動や衝撃により大きく変形して揺れることが予測される。キャピラリー電極3の先端が揺れることは、吸引した試料溶液5が飛散する問題や、イオン化場所14への正確な位置決めが困難になる等の新たな問題を発生させる。
Further, if only the small-
そこで、この実施例では、キャピラリー電極3の搬送時の揺れに起因する問題を解決するためにも、ガス噴霧管4を設置している。従って、この実施例におけるガス噴霧管4は、キャピラリー電極3の単なる収容管として機能する。特許請求の範囲における管には、前述した実施例におけるガス噴霧管4だけでなく、この実施例における使用態様での収容管も含まれる。本実施例は、実施例1〜8においても利用できる。
Therefore, in this embodiment, the
[実施例10]
実施例10では、キャピラリー電極3に電圧を印加することなく、試料溶液5をイオン化する方式について説明する。
[Example 10]
In Example 10, a method of ionizing the
図16に、本実施例に係るESIイオン源1の構造例と使用態様例を示す。ESIイオン源1の構造自体は、図5に示す構造とほぼ同じである。しかし、図5と図16を対比して分かるように、図16の場合には電圧を印加する電圧源6が描画されていない。
In FIG. 16, the structural example and usage example of the
図5で説明したように、前述した他の実施例の場合には、キャピラリー電極3に電圧を印加することにより、キャピラリー電極3とイオン取込み部10の電位差により試料溶液5をイオン化する。一方、本実施例の場合には、キャピラリー電極3とイオン取込み部10との間に電位差を生じさせるため、イオン取込み部10に電圧源44を接続し、所定の大きさの電圧を印加する。
As described with reference to FIG. 5, in the case of the other embodiments described above, the
この場合でも、吸引吐出機構19を通じてキャピラリー電極3先端から吐出された試料溶液5はイオン化しイオン7が生成する。このとき、イオン取込み部10に印加する電圧が正であれば負イオンが、電圧が負であれば正イオンが生成される。図5のようにキャピラリー電極3に電圧を印加する方式では、キャピラリー電極3を金属製とするか、その表面を導電被膜で被覆したガラスキャピラリー等を用いる必要があるが、本実施例に係るキャピラリー電極3の場合にはガラスキャピラリーその他の絶縁材で構成できる。本実施例は、実施例1〜9においても利用できる。
Even in this case, the
[実施例11]
この実施例では、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の内部で相対位置を可変するのに適した気密機構22の構成例を説明する。
[Example 11]
In this embodiment, a configuration example of an
図17に、実施例に係る気密機構22を採用したESIイオン源1の構造例と使用態様を示す。なお、図17は、イオン化場所14における使用態様を示す。図5で説明したように、イオン化の際にキャピラリー電極3とガス噴霧管4の間隙に気体8を導入し、ガス噴霧管4の先端から気体8を噴出させることは、試料溶液5のイオン化効率を向上させる上で非常に有効である。
In FIG. 17, the structural example and usage mode of the
しかし、実施例1で説明したように、試料溶液吸引場所13、イオン化場所14、洗浄場所15において、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の相対位置を移動させる場合、気体8を気密でき、かつ、両者の相対位置を変化させることが可能な気密機構22が必要となる。
However, as described in Example 1, when the relative positions of the
本実施例では、気密機構22を構成する本体のうちキャピラリー電極3との接触面に溝45を形成し、その内側に弾性部材46と摺動部材47を配置する。ここで、摺動部材47がキャピラリー電極3の外壁面と接触し、弾性部材46は溝45の底面側に配置される。気密機構22の主たる本体は、ガス噴霧管4と一体化又はガス噴霧管4との間で気密を保持できる状態で固定されている。
In the present embodiment, a
弾性部材46には、ゴム、スポンジ、ある種の樹脂その他の弾性変形による反発力が期待される部材を使用する。この反発力により、キャピラリー電極3と気密機構22との密着性が高まり、気密性が確保される。ただし、ゴムその他の弾性部材46は、一般に摩擦抵抗が高く、摺動性が悪い。そこで、気密性と柔軟性と摺動性を兼ね備えたフッ素樹脂などの樹脂製の摺動部材47を弾性部材46とキャピラリー電極3の間に挿入し、気密性と摺動性との両立を確保する。
As the
因みに、図17は、キャピラリー電極3を直接気密する構造図を示しているが、キャピラリー電極3が小径になると気密構造を構成すること自体が困難になる。そのような場合には、キャピラリー電極3と気密部材22を一体化又は気密を保持できる状態で固定し、溝45(弾性部材46、摺動部材47が配置される空間)をガス噴霧管4の内壁と接触する面に配置しても良い。
Incidentally, FIG. 17 shows a structural diagram in which the
気密機構22以外のESIイオン源1の構造及び使用態様は図5とほぼ同様である。本実施例は、実施例1〜10においても利用できる。
The structure and usage of the
[実施例12]
この実施例では、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の相対位置を移動させる際の両者の気密機構22が、ジャバラ構造その他の伸縮可能な部品により構成される場合について説明する。
[Example 12]
In this embodiment, a case will be described in which the
図18に、本実施例に係るESIイオン源1と使用態様例を示す。図18は、イオン化場所14において、試料溶液5をイオン化する際の状態を示している。図18に示すように、気密構造22はガス噴霧管4の内側ではなく、ガス噴霧管4の根元部分とガス噴霧管移動機構20の間に配置する。このため、気密構造22は、キャピラリー電極3と一体化又は気密保持できる状態で固定されている部材48と、ガス噴霧管4と一体化又は気密保持できる状態で固定されている部材49の間を伸縮可能なジャバラ構造体50で気密保持した状態で固定する。
FIG. 18 shows an
ジャバラ構造体50には、ベローズやゴム製のジャバラホース等の気密保持しながら伸縮可能な部品を利用することができる。ジャバラ構造体50に金属製のベローズなどを用い、部材48及び49も金属製のものを用いると、キャピラリー電極3とガス噴霧管4を同電位で使用する際、ガス噴霧管4に電圧を印加すれば良いため、電圧を印加するための配線が容易になる利点がある。
For the
また、この構造は、キャピラリー電極3が気密状態で摺動する距離が短く済むため、キャピラリー電極3が小径化した場合でも適用が可能である。なお、気密機構22以外のESIイオン源1の構造及び使用態様は図5とほぼ同様である。ただし、この実施例では、ガス噴霧管移動機構20が、気密機構22のジャバラ構造体50を通じて間接的にガス噴霧管4の位置を移動させるように動作する。本実施例は、実施例1〜10においても利用できる。
In addition, this structure can be applied even when the
[実施例13]
この実施例でも、実施例12の場合と同様に、気密機構22がジャバラ構造その他の伸縮可能な部品により構成される場合について説明する。ただし、この実施例では、気体8をジャバラ構造体50の外側から導入する方式について説明する。
[Example 13]
In this embodiment as well, as in the case of the twelfth embodiment, the case where the
図19に、本実施例に係るESIイオン源1の構造例と使用態様例を示す。図19は、イオン化場所14で試料溶液5をイオン化する際の使用態様を示す。図19に示すESIイオン源1も、図18の場合と同様、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の相対位置を移動させる際の気密を確保する気密機構22がジャバラ構造体50のような伸縮可能な部品で構成されている。
FIG. 19 shows a structural example and usage example of the
図19の場合、気密機構22は、キャピラリー電極3と一体化又は気密保持できる状態で固定された部材48と、ガス噴霧管4と一体化又は気密保持できる状態で固定された部材49の間に、伸縮可能なジャバラ構造体50が気密保持できる状態で固定されている。ただし、図19における部材49は箱型であり、ジャバラ構造体50と部材48をその内部に収容する。また、この構造のため、部材49とガス噴霧管移動機構20は一体化又は気密保持できる状態で固定されている。
In the case of FIG. 19, the
本実施例の場合、箱型の部材49の側壁に配管21が取り付けられており、当該配管21を通じて気体8が導入される。因みに、配管21は、ジャバラ構造体50と部材49で囲まれた密閉空間に形成されている。従って、気体8は、ジャバラ構造体50の外部から導入される。
In this embodiment, the
ジャバラ構造体50には、ベローズ等の気密保持しながら伸縮可能な部品を用いる。ただし、ベローズ等の部品は、圧力にもよるが内部が高圧になる状態での使用は耐久性の観点からあまり好ましくない。一方、本実施例のように、ジャバラ構造体50の外側に気体8を導入すると、ジャバラ構造体50の内部が外部に対し高圧になることがない。このため、本実施例の構造は、ジャバラ構造体50の耐久性を向上させ、寿命や信頼性などの観点で利点がある。
For the
勿論、図18の場合と同様に、ジャバラ構造体50に金属製のベローズ等を用い、部材48及び49にも金属製の部材を使用すると、キャピラリー電極3とガス噴霧管4を同電位で使用する際にはガス噴霧管4に電圧を印加すれば良いので、電圧を印加するための配線が容易になる。気密機構22以外のESIイオン源1の構造及び使用態様は図5とほぼ同様である。本実施例は、実施例1〜10においても利用できる。
Of course, as in the case of FIG. 18, when a metal bellows or the like is used for the
[実施例14]
この実施例では、洗浄場所15において、洗浄液18を吸引及び又は吐出することにより、ガス噴霧管4のみを洗浄する方式について説明する。
[Example 14]
In this embodiment, a method of cleaning only the
図20に、本実施例に係るESIイオン源1の構造例と使用態様例を示す。図20は、洗浄場所15でガス噴霧管4を洗浄する際の使用態様を示す。
FIG. 20 shows a structural example and usage example of the
この実施例の場合、ガス噴霧管4だけを洗浄するために、キャピラリー電極3を洗浄液18に接しない位置まで移動させる必要がある。ここでの移動にも、ガス噴霧管移動機構20を使用する。
In the case of this embodiment, in order to clean only the
図に示すように、ガス噴霧管移動機構20によるガス噴霧管4の突出量(引き下げ量)を増大することで、キャピラリー電極3をガス噴霧管4の内側に完全に収容した位置関係を実現することができる。ただし、この位置関係の前提として、キャピラリー電極3の洗浄が終了していることが要求される。キャピラリー電極3の洗浄が終了していなければ、キャピラリー電極3に残留する溶液がガス噴霧管4を再び汚染する可能性が高まるためである。
As shown in the drawing, the positional relationship in which the
ガス噴霧管4の洗浄は、ガス噴霧管4に接続された配管51を通じて吸引吐出機構52が洗浄液18を吸引又は吐出することで行う。勿論、吸引及び吐出は複数回繰り返して行うことにより洗浄効果を向上させることができる。
The
試料溶液5の吸引時に試料溶液5が付着する可能性の高いキャピラリー電極3の先端は、図10や図11を用いて説明した方法によって洗浄可能であるが、微量でも試料溶液5が残留するとガス噴霧管4を汚染してしまい次の分析への悪影響が懸念される。
The tip of the
そこで、本実施例では、ガス噴霧管4も独立に洗浄可能にすることでコンタミをさらに低減させる。なお、イオン化の際には、キャピラリー電極3の先端が汚染される可能性があるので、図6に示した方式でキャピラリー電極3の洗浄を行った後に、本実施例で説明するガス噴霧管4の洗浄を組み合わせて実行することにより、より高い洗浄効果が実現される。
Therefore, in this embodiment, the contamination is further reduced by allowing the
また、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の洗浄を交互に繰り返し行うことで、更なる洗浄効果が得られる。なお、洗浄したガス噴霧管4の内部が乾燥するまでには時間がかかる。そして、乾燥が不充分なままだと、次の分析に悪影響を与えるおそれがある。
Further, the cleaning of the
そこで、分析のスループットを向上したい場合には、洗浄液による洗浄後に、配管21を介して気体8を導入することで、ガス噴霧管4の内側の乾燥時間を早めることができる。気体8でガス噴霧管4の内側を乾燥させる場合、内部に残留した洗浄液18がガス噴霧管4の先端から噴霧される可能性がある。従って、実施例4や実施例5で説明した汚染除去方式の場合と同様に、気体8による乾燥も専用の廃棄場所で行うことが望ましい。その場合、図7や図8で説明したESIイオン源1が搬送される経路25〜27の延長上に廃棄場所を配置することで、単軸制御による駆動が可能となる。本実施例は、ガス噴霧管4を洗浄することやキャピラリー電極3を洗浄液18に触れない位置まで移動すること以外は、図6とほぼ同様である。本実施例は、実施例1〜13においても利用できる。
Therefore, when it is desired to improve the throughput of the analysis, the drying time inside the
[実施例15]
この実施例では、ガス噴霧管4の内部を洗浄するための他の手法について説明する。具体的には、ガス噴霧管4の内側に洗浄液を導入することにより、ガス噴霧管4のみを洗浄する。
[Example 15]
In this embodiment, another method for cleaning the inside of the
図21に、本実施例に係るESIイオン源1の構造例と使用態様例を示す。図21は、ガス噴霧管4を洗浄する際の使用態様を示す。前述したように、洗浄の際には、ガス噴霧管移動機構20によりキャピラリー電極3を洗浄液37に接しない位置まで事前に移動させておく。ガス噴霧管4の洗浄は、配管36を通じて洗浄液37をガス噴霧管4の内部に導入することで行う。
FIG. 21 shows a structural example and usage example of the
洗浄液37でガス噴霧管4の内側を洗浄する場合、周辺への汚染拡大が懸念されるので、専用の廃棄場所を設けて、その廃棄場所にて行うことが望ましい。その場合、廃棄場所を図7や図8で示したESIイオン源1が搬送される経路25〜27の延長上に配置することにより、単軸制御による駆動が可能となる。ただし、前述の通り、洗浄液37によりガス噴霧管4の内側を洗浄すると、ガス噴霧管4の内部が乾燥するまでに一定の時間がかかる。しかし、乾燥が不充分であると、次の分析に悪影響を与えるおそれがある。
When cleaning the inside of the
従って、分析のスループットを向上したい場合には、洗浄液37による洗浄の後、配管21を通じて気体8をガス噴霧管4の内側に導入することで、ガス噴霧管4の乾燥に要する時間を短縮することが可能となる。なお、気体8を用いてガス噴霧管4の内側を乾燥させる場合、内部に残留した洗浄液37がガス噴霧管4の先端から噴霧される可能性がある。従って、実施例4や実施例5で説明した汚染除去方式と同様に、気体8による乾燥も専用の廃棄場所にて行うことが望ましい。
Therefore, when it is desired to improve the throughput of the analysis, the time required for drying the
ただし、本実施例の場合には、ガス噴霧管4の内部しか洗浄することができない。このため、図20に示した洗浄方式と併用することで、より高い洗浄効果が得られる。また、図6に示したキャピラリー電極3の洗浄を併用することも可能である。さらに、本実施例の洗浄方式と、図6及び図20の洗浄方式のどちらか一方又は両方の方式と交互に繰り返し行うと、更に高い洗浄効果を得ることができる。
However, in the present embodiment, only the inside of the
本実施例は、ガス噴霧管4の内部を洗浄することやキャピラリー電極3を洗浄液18に触れない位置まで移動すること以外は、図6とほぼ同様である。本実施例は、実施例1〜13においても利用できる。
This embodiment is substantially the same as FIG. 6 except that the inside of the
[実施例16]
この実施例では、洗浄場所15において、キャピラリー電極3とガス噴霧管4を同時に洗浄する方式について説明する。
[Example 16]
In this embodiment, a method of simultaneously cleaning the
図22に、本実施例に係るESIイオン源1の構造例と使用態様例を示す。図22は、洗浄場所15でキャピラリー電極3とガス噴霧管4を同時に洗浄する際の使用態様を示す。この実施例の場合、キャピラリー電極3とガス噴霧管4の相対位置は、図5に示すイオン化の際と同様の位置関係を使用する。すなわち、キャピラリー電極3の先端がガス噴霧管4の先端からわずかに突き出た状態で使用する。この位置関係を採用することで、キャピラリー電極3の先端とガス噴霧管4の先端を同時に洗浄液18に浸し洗浄する。
FIG. 22 shows a structural example and usage example of the
キャピラリー電極3の洗浄は、図6で説明した場合と同様、吸引吐出機構19による洗浄液18の吸引と吐出の繰り返しにより行う。一方、ガス噴霧管4の洗浄は、図20で説明した場合と同様、吸引吐出機構52による洗浄液18の吸引と吐出の繰り返しにより行う。両者の吸引と吐出は、同時に実行しても良いし、交互に実行しても良い。
The
また、図21に示したように、ガス噴霧管4の内部に洗浄液37を導入する方式を併用しても良い。図21の方式を併用する場合、周辺への汚染拡大が懸念されるので、専用の廃棄場所を設け、その廃棄場所にて行うことが望ましい。その場合、廃棄場所を図7や図8で示したESIイオン源1が搬送される経路25〜27の延長上に配置することで、単軸制御による駆動が可能となる。
Further, as shown in FIG. 21, a method of introducing the cleaning
この実施例の場合にも、洗浄液による洗浄後は、ガス噴霧管4の内部が乾燥するまでに一定の時間がかかる。しかし、乾燥が不充分であると、次の分析に悪影響を与えるおそれがある。従って、分析のスループットを向上したい場合には、洗浄液37による洗浄の後、配管21を通じて気体8をガス噴霧管4の内側に導入することで、ガス噴霧管4の乾燥に要する時間を短縮することが可能となる。なお、気体8を用いてガス噴霧管4の内側を乾燥させる場合、内部に残留した洗浄液17及び37がガス噴霧管4の先端から噴霧される可能性がある。従って、実施例4や実施例5で説明した汚染除去方式と同様に、気体8による乾燥も専用の廃棄場所にて行うことが望ましい。
Also in this embodiment, after the cleaning with the cleaning liquid, it takes a certain time until the inside of the
本実施例は、キャピラリー電極3とガス噴霧管4を同時に洗浄すること以外は、図6、図20、図21とほぼ同様である。本実施例は、実施例1〜13においても利用できる。
The present embodiment is substantially the same as FIGS. 6, 20, and 21 except that the
[実施例17]
この実施例においては、洗浄場所15においてキャピラリー電極3とガス噴霧管4を同時に超音波洗浄する場合について説明する。図23に、本実施例に係る検査システムの構造例と使用態様例を示す。図23は、洗浄場所15でキャピラリー電極3とガス噴霧管4を同時に洗浄する際の使用態様を示す。図23に示す検査システムの構造と図22に示す構造はほぼ同じであるが、洗浄容器17の下面に超音波振動子53を取り付けた点で異なっている。超音波振動子53を取り付けることにより、キャピラリー電極3とガス噴霧管4を超音波洗浄することが可能となる。本実施例は、図6や図20で説明した方式とも併用が可能である。超音波洗浄を行うことで細かい部分の汚染も洗浄することが可能となる。本実施例は、実施例1〜16においても利用できる。
[Example 17]
In this embodiment, the case where the
[実施例18]
この実施例では、イオン化場所14にESIイオン源1を取り付ける際に適した取り付け対象側の形状を説明する。図24に、本実施例に係る検査システムの構造例と使用態様例を示す。ESIイオン源1は、ESIイオン源ホルダ54に取り付けた状態で、経路25、経路55を経てイオン化場所14の所定位置に設置される。同じくイオン化後のESIイオン源1は、経路56、経路26を経て洗浄場所15に搬送される。
[Example 18]
In this embodiment, the shape on the attachment target side suitable for attaching the
キャピラリー電極3とガス噴霧管4の間隙に気体8を導入する方式では、一般的に気体8として窒素などの不活性ガスが用いられる。窒素を用いる場合、安全上、イオン化場所14にカバー57を設置する必要がある。カバー57の開口部58にパッキン59を介してESIイオン源ホルダ54を設置することで気密が保持される。ガス噴霧を行わない場合はカバー57やパッキン59は必要ないが、位置決めなどの理由から開口部58を有する受けなどが必要となる。ESIイオン源1が試料溶液吸引場所13から経路25を経てイオン化場所14に搬送される際、キャピラリー電極3の先端から試料溶液5が滴下するおそれがある。同様に、ESIイオン源1がイオン化場所14から経路26を経て洗浄場所15に移動する際にも滴下のおそれがある。
In the system in which the
経路55及び56は上下方向の経路なので基本的に無視できるが、横方向の経路25及び26は試料溶液5の滴下により汚染される可能性がある。ESIイオン源1の中心軸60から開口部58の内壁面までの距離のうち、経路25の延長上方向の距離61と経路26の延長上方向の距離62は、小さすぎると汚染範囲が中心軸60に近くなるため、ESIイオン源1の汚染などにつながり、次回以降の分析に悪影響を与える可能性がある。
Although the
従って、距離61及び62はなるべく大きくすることが望ましく、少なくても各々10mm以上にすることで、コンタミのリスクを大幅に低減することができる。ここで、距離61及び62に関しては非常に重要になるが、経路25及び26の移動方向以外の位相(例えば経路25及び26から直角方向に外れた位相)は、基本的に上空をESIイオン源1が通過しないため、距離61及び62ほど大きく設ける必要は無い。すなわち、開口部58は、ESIイオン源1の移動方向に細長い形状であって良い。本実施例は、実施例1〜17においても利用できる。
Therefore, it is desirable to make the
[他の実施例]
実施例1〜18で説明した方法は、固相抽出法等で抽出された溶液だけでなく、液体クロマトグラフ法、遠心分離法、溶媒沈殿法その他の成分分離機構を用いた前処理を行った溶液なども試料溶液5として用いることができる。固相抽出法も含め、これらの成分分離機構を用いた前処理を行うことで、前処理前の試料に含まれる夾雑物などの影響を排除することができ、目的とする成分のイオン化の効率を向上することができ、安定したイオン化を実現することができる。
[Other examples]
In the methods described in Examples 1 to 18, the pretreatment using not only the solution extracted by the solid phase extraction method or the like but also the liquid chromatographic method, the centrifugal separation method, the solvent precipitation method and other component separation mechanisms was performed. A solution or the like can also be used as the
1…ESIイオン源、2…ESIプローブ、3…キャピラリー電極、4…ガス噴霧管、5…試料溶液、6…電圧源、7…イオン、8…気体、9…先端部、10…イオン取込み部、11…検出装置、13…試料溶液吸引場所、14…イオン化場所、15…洗浄場所、16…試料容器、17…洗浄容器、18…洗浄液、19…吸引吐出機構、20…ガス噴霧管移動機構、21…配管、22…気密機構、23…配管、24…配管、25…経路、26…経路、27…経路、28…試料容器群、29…経路、30…バネ、31…ストッパ受け、32…ストッパ受け、33…ストッパ、34…ストッパ、35…汚染箇所、36…配管、37…洗浄液、38…シリンダ、39…ピストン、40…シール部、41…配管、42…液体、43…加熱源、44…電圧源、45…溝、46…弾性部材、47…摺動部材、48…部材、49…部材、50…ジャバラ構造体、51…配管、52…吸引吐出機構、53…超音波振動子、54…ESIイオン源ホルダ、55…経路、56…経路、57…カバー、58…開口部、59…パッキン、60…中心軸、61…距離、62…距離、63…X軸方向、64…Y軸方向。
DESCRIPTION OF
Claims (14)
試料溶液をイオン化する領域と、
試料溶液をキャピラリーに吸引する領域と、
前記キャピラリー及び又は前記管を洗浄する領域と、
発生されたイオンを検査する検査装置と、
前記イオン化プローブを前記領域間で搬送する搬送機構とを有し、
前記移動機構は、少なくとも試料溶液をイオン化した領域から他の領域に搬送する際における前記キャピラリーの先端を前記管の先端から突き出した状態に保持し、かつ、前記キャピラリーがいずれの前記領域にある場合でも前記キャピラリーの一部分が前記管の中に収容されている
ことを特徴とする検査システム。 An ionization probe having a capillary, a tube that movably accommodates the capillary in the axial direction, and a moving mechanism that varies the relative position of the capillary and the tube;
A region for ionizing the sample solution;
An area for sucking the sample solution into the capillary;
A region for washing the capillary and / or the tube;
An inspection device for inspecting the generated ions;
A transport mechanism for transporting the ionization probe between the regions;
The moving mechanism holds at least the tip of the capillary protruding from the tip of the tube when the sample solution is transported from the ionized region to another region , and the capillary is in any of the regions However , the inspection system is characterized in that a part of the capillary is accommodated in the tube .
前記キャピラリーの先端部分の突出量は0.5mm以上である
ことを特徴とする検査システム。 The inspection system according to claim 1,
The amount of protrusion at the tip of the capillary is 0.5 mm or more.
前記管はガス噴霧管である
ことを特徴とする検査システム。 The inspection system according to claim 2,
The inspection system, wherein the tube is a gas spray tube.
前記キャピラリーによる試料溶液の吸引終了後及び又は洗浄終了後、前記キャピラリーが前記管の所定位置に収容されるまでの途中の位置において、前記キャピラリーの先端部分に気体を噴霧してキャピラリー表面に付着した液を除去する配管を有する
ことを特徴とする検査システム。 The inspection system according to claim 3,
After the completion of the suction of the sample solution by the capillary and / or after the cleaning, the gas was sprayed on the tip of the capillary and adhered to the capillary surface at a midway position until the capillary was accommodated in the predetermined position of the tube. An inspection system characterized by having a pipe for removing liquid.
前記キャピラリーによる試料溶液の吸引終了後及び又は洗浄終了後、前記キャピラリーが前記管の所定位置に収容されるまでの途中の位置において、前記管の先端部分から洗浄液を噴霧して前記キャピラリー表面に付着した液を洗浄する配管を有する
ことを特徴とする検査システム。 The inspection system according to claim 3,
After aspiration after completion and or washing the end of the sample solution by the capillary at a point halfway up the capillary is accommodated in a predetermined position of the tube, attached to the capillary surface by spraying the cleaning liquid from the tip portion of the tube An inspection system characterized by having a pipe for cleaning the liquid.
前記キャピラリー及び又は前記管を洗浄する領域は、試料溶液を吸引したキャピラリーが試料溶液をイオン化する領域に搬送される経路区間の外部に配置される
ことを特徴とする検査システム。 The inspection system according to claim 1,
The region for washing the capillary and / or the tube is arranged outside the path section where the capillary that sucked the sample solution is transported to the region for ionizing the sample solution.
前記キャピラリーを軸方向に可動自在能に収容する管と、
少なくとも試料溶液をイオン化した領域から他の領域に搬送する際における前記キャピラリーの先端を前記管の先端から突き出した状態に保持し、かつ、前記キャピラリーがいずれの前記領域にある場合でも前記キャピラリーの一部分が前記管の中に収容されているように前記キャピラリーと前記管の相対位置を可変する移動機構と
を有するイオン化プローブ。 Capillary,
A tube that accommodates the capillary in an axially movable manner;
At least the tip of the capillary when the sample solution is transported from the ionized region to another region is held in a state protruding from the tip of the tube , and a part of the capillary is in any region. An ionization probe comprising: a moving mechanism that varies a relative position of the capillary and the tube so that is accommodated in the tube.
前記キャピラリーの先端部分の突出量は0.5mm以上である
ことを特徴とするイオン化プローブ。 The ionization probe according to claim 7,
An ionization probe characterized in that the amount of protrusion at the tip of the capillary is 0.5 mm or more.
前記管はガス噴霧管である
ことを特徴とするイオン化プローブ。 The ionization probe according to claim 8,
The ionization probe, wherein the tube is a gas spray tube.
前記移動機構は弾性体である
ことを特徴とするイオン化プローブ。 The ionization probe according to claim 7,
The ionization probe, wherein the moving mechanism is an elastic body.
前記移動機構は、直線駆動機構である
ことを特徴とするイオン化プローブ。 The ionization probe according to claim 7,
The ionization probe, wherein the moving mechanism is a linear drive mechanism.
前記キャピラリーと前記管を可動自在に連結する気密機構を有する
ことを特徴とするイオン化プローブ。 The ionization probe according to claim 7,
Ionization probe and having an airtight mechanism for connecting the pipe and the capillary chromatography movably.
前記気密機構は、前記キャピラリーを前記管の軸方向に可動自在に連結するジャバラ構
造を有する
ことを特徴とするイオン化プローブ。 The ionization probe according to claim 12,
The ionization probe characterized in that the airtight mechanism has a bellows structure that movably connects the capillary in the axial direction of the tube.
前記気密機構は、前記キャピラリーを前記管の軸方向に可動自在に連結するゴムを有す
る
ことを特徴とするイオン化プローブ。 The ionization probe according to claim 12,
The ionization probe, wherein the airtight mechanism includes a rubber that movably connects the capillary in the axial direction of the tube.
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