JP5475360B2 - 脊柱安定化のためのモジュラーシステム、および、安定化システムの製造方法 - Google Patents

Description

本発明は、脊柱安定化のためのモジュラーシステムおよび安定化システムの製造方法に関し、特に、脊柱の動的安定化のためのモジュラーシステム、およびそのモジュラーシステムの安定化要素を２つ以上合せて組立てる、安定化システムの製造方法に関するものである。このシステムは、ロッド状の安定化部材を形成する、非可撓性の、および／または可撓性の複数の安定化要素と、安定化部材を脊柱の椎骨に接合する骨固定具との組合せにより構成される。

１つ以上の骨ねじと、１つ以上の骨構造間の空隙を横切る接続具とを含む安定化システムは、特許文献１により公知である。１つの具体例では、接合具は、たとえば、ネジによる接続、スナップ式接続、簡易接続(quick-connect)式接続や、他の連結接続により、互いに接続できる、弾性および非弾性部品の連続した接続からなる。可撓性の接続具は、例えば柄付きネジにより、脊柱の椎骨に接続される。

脊椎外科や外傷外科において適用されるロッド状埋込み要素、および、そのようなロッド状埋込み要素を用いた安定化装置は、非可撓性の端部および可撓性の中央部を備えており、このような安定化装置は、特許文献２により公知である。

特許文献３は、形状適合(form-fit)の態様で単一の弾性ロッド要素を固定する柄付きネジのための閉鎖装置が記載されている。

米国特許出願公開２００７／０２７０８２１号公報 欧州特許出願公開１７５７２４３号公報 欧州特許出願公開１５２７７４２号公報

本発明の目的は、患者の個々の解剖学的状況および必要条件に適応可能な、脊柱の安定化のためのモジュラーシステムを提供することである。

この目的は、請求項１に記載のシステムにより達成され、さらなる展開が、従属請求項に記載されている。

脊柱の安定化システムのための必要条件は、望ましい剛性や安定性の観点から、および／または、区域の長さや椎骨の互いの角度位置のような配置形態の観点から、１つの椎間関節(motion segment)と他の椎間関節とで異なる場合もある。

このシステムは、手術場所の条件に応じて特定の安定化要素を接合することができるという利点がある。これは、たとえば、外科手術中に外科医によって行なうことができる。

たとえば非可撓性と可撓性、異なる材料、あるいは、可撓性の程度や配向のような、特性の相違を有する安定化要素を組合せることを許容する。このような要素は、患者の身体
の外で組合せて接続した後に、そのシステムを骨固定具に挿入することができる。これらの要素は、いくつかの椎間関節にわたって延びる長いエラストマーロッドに比べると、長さが短いため、その製造は簡単である。

安定化要素は、それぞれの端部において、柄付きネジのような骨固定具に固定され、それにより、屈曲や伸展のために、可撓性の要素の最も大きな部分を使用することができる。安定化要素はまた、２つの骨固定具の間の位置において、接続要素を用いて互いに接続することも可能である。

この発明には、モジュラーシステムの安定化要素を２つ以上合せて組立てる、安定化システムの製造方法の発明が含まれる。さらなる特徴および利点は、添付の図面に基づく、後述する実施形態の詳細な説明により、明らかにされる。

本発明の一実施形態のモジュラーシステムの分解斜視図である。 １つの実施形態によるシステムの可撓性の安定化要素の斜視図である。 図２に示した可撓性の安定化要素の長手方向の軸に沿う断面図である。 ２つの図２に示した可撓性の安定化要素を接続するための内側接続要素の斜視図である。 図４に示した内側接続要素の側面図である。 図４に示した内側接続要素の正面図である。 システムの２つの安定化要素を接続するための外側接続要素の実施形態を示す斜視図である。 図７に示した外側接続要素のシリンダー軸に沿う断面を示す図である。 図７に示した外側接続要素の正面図である。 外側接続要素の２つの半割部を接続するためのロッキング要素の側面図である。 ２つの安定化要素を接続する外側接続要素を、一方の安定化要素の端部側から見た正面図である。 ２つの安定化要素を接続する外側接続要素の斜視図である。 ２つの異なる安定化要素および２つの骨固定具を有する安定化システムの拡大斜視図である。 さらなる接続要素の側面図である。 単一の安定化要素を多軸骨ネジとともに示す分解斜視図である。 図１５に示したシステムの、組立てられ固定された状態を示す斜視図である。 ２つの異なる安定化要素および骨固定具を有する安定化システムの分解斜視図である。 図１７に示したシステムの組立てられ固定された状態の部分断面斜視図である。 ２つの安定化要素および変更された骨固定具を有する安定化システムの分解斜視図である。 図１９に示したシステムの組立てられ固定された状態の部分断面斜視図である。 （ａ）は安定化要素の一変形例の側面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ線断面を示す図である。 （ａ）は安定化要素の他の変形例の側面図、（ｂ）は（ａ）のＢ−Ｂ線断面を示す図である。 （ａ）は、他の安定化要素に接続されるさらに他の変形例の安定化要素の側面図、（ｂ）は（ａ）のＣ−Ｃ線断面を示す図である。

モジュラー安定化システムが図１に概略的に示されている。これは、少なくとも２つの、常に複数のロッド状安定化要素を備え、それらの安定化要素は、その特性および形状が同一であってもよく、また異なっていてもよい。たとえば、モジュラー安定化システム１は、可撓性安定化要素２，２′を含み、これらは、内側接続要素３および外側接続要素４ａ，４ｂによって接続することができる。さらに、このモジュラー安定化システムは、可撓性の安定化要素２，２′に外側接続要素４ａ，４ｂによって接続することのできる、非可撓性の安定化要素５を含む。「可撓性」という用語は、安定化要素が患者の体内に埋め込まれたときに、脊柱の椎間関節のある程度の撓みおよび／または伸びおよび／またはねじりを許容することを意味する。「非可撓性」という用語は、脊柱の通常の荷重状態の下でそのような限られた動きをも許容しないことを意味する。モジュラー安定化システム１は、さらなるロッド状安定化要素６，７を備えることができ、これらは長さおよび形状が他の安定化要素に比べて異なっていてもよい。たとえば、安定化要素６はその断面が安定化要素２および５と異なる。安定化要素７はさらに、湾曲している。各安定化要素は、隣接する安定化要素に外側接続要素４ａ，４ｂを介して接続される。

「ロッド状」の用語は、安定化要素が長手の形状を有し、かつ、骨固定具の受け部に受け入れ可能であることを意味する。

安定化要素１は、脊柱の椎骨に固定されることになる骨固定具８に接続される。安定化要素５に関して例示的に示すように、骨固定具はロッド状安定化要素５を受け入れる受け部を有する柄付きネジであってもよい。

図２および３からわかるように、可撓性安定化要素２は第１端２ａ、第２端２ｂ、および円形の横断面を有するロッド状形状をなしている。各端において、第１端２ａおよび第２端２ｂのそれぞれからある距離伸びる止まり穴２１が設けられている。止まり穴２１は、環状のアンダーカットを形成する部分２２を備える。柔軟性を有する安定化要素２の外径は、その長さにわたって変化し、第１端２ａおよび第２端２ｂからアンダーカット２２の位置までの距離に対応する距離には、環状のリブ状突起２３が形成されている。安定化要素２の外径は、さらに、安定化要素の長手方向中央に向かってわずかに減少するように変化している。

可撓性安定化要素２は、椎骨同士の互いの動きから生じる力が作用している状態で可撓性を有する材料により形成される。たとえば、その材料として、ポリカーボネートウレタン（ＰＣＵ）、ポリウレタン、またはポリシロキサンのようなエラストマー材料を用いることができる。しかしながら、可撓性のある他の如何なる人体適合性材料をも用いることができる。可撓性安定化要素の長さは、通常、脊椎の１つの椎間関節(motion segment)が、その安定化要素によって橋渡しできるように決定される。よって、安定化要素は、脊椎の異なる位置に適用するために、異なる長さの複数の可撓性安定化要素を含んでもよい。また、そのような可撓性安定化要素は、所望の安定化特性を有するように変更を加えてもよい。複数の可撓性安定化要素のリブ状の突起を備える端部は、後述する外側接続要素による隣接する安定化要素との接続を可能にするために、同じ寸法でなければならない。

図４〜６は、可撓性安定化要素２のうちの２つを接続するように適合させた内側接続要素３を示している。内側接続要素は、特にチタン、ステンレス鋼、人体適合性のある合金などの金属や、たとえばＰＥＥＫのような硬質プラスチック材料などのような、非可撓性の材料で形成される。内側接続要素３の形状は、ほぼバーベル状である。特に、内側接続要素は、可撓性安定化要素２の止まり穴２１のアンダーカット２２にぴったり収まるような形状を有する環状のリブ状突起３３を備える。安定化要素２が可撓性を有することから
、内側接続要素３は、それを穴に押し込むか嵌めこむことにより、１つの可撓性安定化要素２の止まり穴２１内に挿入することができる。第２の可撓性安定化要素２′への接続のために、可撓性安定化要素２は第２の可撓性安定化要素の止まり穴２１内に押し込むことができる。

このように接続されることにより、安定化システムは２つの可撓性安定化要素２を含み、それによって、脊椎の２つの移動区分を橋渡すように適合される。この接合は、内側接続要素３と可撓性安定化要素２の止まり穴２１のアンダーカット部２２との間の、形状嵌合(form-fit)接続（噛み合い嵌合（positive-fit）接続とも呼ばれる）によって確立される。

図７〜９に示す外側接続要素は、２つの長い側壁４１および２つの短い側壁４２を有するほぼ矩形の同一の半割４ａ，４ｂを備える。短い側壁４２は外側に湾曲している。この湾曲は、外側接続要素が骨固定具の受け部に導入され、その中で動くことを許容するように作用する。上側の外側接続要素４ａの下部および下側の外側接続要素４ｂの上部のそれぞれには、２つの環状の溝４４を有する円筒の部分の形状の凹部４３を備え、この凹部４３の寸法形状は、可撓性安定化要素２の環状のリブ状突起２３がぴったり嵌るように設計される。可撓性安定化要素２が、内側接続要素３を介して他の可撓性安定化要素２´に接続されるとき、外側接続要素４ａ，４ｂは、形状嵌合の態様で接続箇所と係合する。

外側接続要素は、骨固定具の受け部の外側に２つの半割４ａ，４ｂを接続するための手段を有してもよい。図１０〜１２に示すように、２つの半割４ａ，４ｂを接続するために、弾性クランプ４０を用いることができる。このような接続を実現するために、外側接続要素の半割４ａ，４ｂの安定化要素とは反対側の面に、クランプ４０のつかみ部４３０が係合するアンダーカット部４２０を有する溝４１０を有する。クランプ４０は、安定化要素を取り囲む外側接続要素に容易に嵌めることができる。それによって外側接続要素は圧力および形状嵌合により安定化要素にしっかりと接続される。外側接続要素の２つの部分を接続するための他の手段として、たとえば、ネジ接続、他の種類のスナップ式の接続、やその他の手段などが考えられる。

安定化要素と、外側および内側接続要素との間の接続の機能は、次のとおりである。内側接続要素３は、形状嵌合接続によって２つの安定化要素と接続する。それにより、仮の固定のための把持力が確立される。外側接続要素４ａ，４ｂは、安定化要素のリブ状突起が接続要素の溝と係合するため、形状嵌合接続によって付加的な把持力を付与する。骨固定具の受け部には、図１において白抜きの矢印で示すように、半割４ａ，４ｂを安定化要素に対して押し付ける圧力が作用する。そのようにして、形状嵌合および摩擦嵌合の組合せにより、最終的な接続が確立される。内側接続要素３は、可撓性安定化要素の変形を防止する。その結果、把持力が増加する。

図１３および１４は、安定化システムの骨固定具８への接続を示す。骨固定具８は、公知の態様で、ネジが切られた軸および受け部９を備える。受け部９は、略円筒形状を有し、開口端に雌ネジ１１が形成された同軸の中央穴１０と、安定化要素を受け入れるための略Ｕ字形状の凹部１２とを備える。特に図１３に示すように、外側接続要素４ａ，４ｂは、開口端から受け部９に挿入可能なように、かつ、受け部９内で軸方向に移動可能なように設計される。内側ネジ１３が、受け部にねじ込まれて、外側接続要素の上側の半割４ｂに圧力をかけるように設けられる。内側ネジにより作用する圧力は、外側接続要素の上側の半割４ｂを下側の半割４ａおよびＵ字形状の凹部１２の底に押付け、それによって、安定化要素の形状嵌合接続および摩擦把持力を確立する。

図１３にさらに示すように、安定化要素５は、少なくとも１つの椎間関節を完全に橋渡
す長さを有する。安定化要素５は、図示されているように湾曲していてもよい非可撓性の安定化要素であり、受け部９を有する骨固定具８によって、通常の態様で椎骨に固定される。受け部９には、安定化要素５の中央部分が直接挿入され、内側ネジ１３を締め付けることによって固定される。

図１３に示す骨固定具８は、単軸のタイプの骨固定具、すなわち、受け部およびネジを切られた軸が相互に回転可能に接続されてはいないタイプの骨固定具である。

図１３に示す実施形態においては、円形の横断面を有する非可撓性の安定化要素５の両端に、図１４に示す接続要素１４が設けられている。接続要素１４は、回転対称であり、第１端１４ａおよび第２端１４ｂを備える。第１端４ａに隣接して、環状のリブ状突起１５が設けられ、このリブ状突起１５は、図１に示したような内側接続要素の非可撓性リブ状突起３３と類似の形状を有する。これにより、非可撓性の安定化要素５は、可撓性の安定化要素２に接続されることができる。接続要素１４は、第２端１４ｂに隣接して、リブ状突起１６を備える。リブ状突起１６の外径および形状は、可撓性安定化要素２のリブ状突起２３の外径および形状に対応し、外側接続要素４ａ，４ｂの内側構造にぴったりと嵌合する。接続要素１４はさらに、その第２端１４ｂに、図１３に示すように、安定化要素６を挿入するための同軸とまり穴（図示せず）を備える。接続要素１４は、可撓性のタイプ、すなわち、たとえば、エラストマーのような、その中でも特にＰＣＵのような、可撓性の材料により形成されたタイプのものである。

安定化要素６は、非可撓性であり、例えば矩形などの非円形の横断面を有する。安定化要素６は、その両端に、形状嵌合の態様で接続要素１４に受け入れられる突起を有してもよい。

図１５および１６は、骨固定具の変形例を示し、この変形例は、多軸骨ネジの形態を有する。この変形例は、受け部９′に旋回可能に支持されるネジ要素８′を備える。ネジ要素８′の角度位置を固定するため、ネジ要素８′の頭部８ａを押圧する圧力要素２０が設けられている。同じ参照番号を有する他のすべての部品は、図１３に関連してすでに説明したものと同様である。図１５および１６に示す安定化要素５は、その中央部において多軸骨ネジにより固定される、非可撓性の安定化要素である。これは、安定化要素が１つよりも多くの椎間関節にわたる場合に、有用である。そのような場合には、従来の多軸骨固定具を用いることができる。

図１７および１８に示す安定化システムは、特に、骨固定具として、可撓性安定化要素２，２′を固定するための多軸骨固定具が適用されている点で、図１５および１６に示す安定化システムと異なる。ネジ要素８′は、図１５および１６に示すネジ要素８′と同じである。受け部９″も旋回可能にネジ要素に接続されており、ネジ要素８′の頭部８ａを旋回可能に保持するために一端において先細りにされた中央穴１０を備える。また、図１５および１６の実施形態と同様に、受け部９″内には、Ｕ字状の凹部１２と、内側ネジ１３をねじ込むための雌ネジ１１が設けられている。受け部９″は、２つの可撓性安定化要素２，２′を取り囲む外側接続要素４００ａ，４００ｂおよび内側接続要素３が、その内側に収容可能なように設計された高さを有する。可撓性安定化要素２，２′は、図２〜６に示したものと同様である。

外側接続要素は、ほぼ円筒形状をなす２つの半割４００ａ，４００ｂからなり、これらの半割は、可撓性要素の端部を間に収容するように、円筒の部分の形状の凹部４０１を有する。図７〜９に示した外側接続要素４ａ，４ｂと同様に、外側接続要素４００ａ，４００ｂは、安定化要素２，２′の環状リブ２３と形状嵌合を確立する環状の溝４０４を備える。外側接続要素の下側の半割４００ａは、ネジ要素の頭部８ａに工具を到達可能にする
中央穴４０５を備える。さらに、外側接続要素の下側の半割４００ａは、円筒の部分の形状の凹部４０１の反対側に、略半球の凹部（図示せず）を備え、これは、ネジ要素８′の頭部８ａをちょうど嵌め込む形状を有する。よって、外側接続要素の下側の半割４００ａの機能も、図１５に示した圧力要素２０の機能と同様に、ネジ要素の頭部の角度位置をロックするようにネジ要素の頭部に圧力を作用する。外部接続要素の上側の半割４００ｂは、たとえば、平坦な表面４０６を備える。

図１８に組立てられた状態を示すように、内側ネジ１３を下方へ締め付けると、内側ネジ１３は上側の半割４００ｂを下側の半割４００ａに対して押し付け、形状嵌合の態様で安定化要素２，２′の端部と係合する。内側ネジ１３が最後まで締め付けられると、受け部に対するネジ要素の角度位置、および、２つの可撓性要素の間の接続が固定される。

図１９および２０に示す安定化システムは、図１７および１８に示した安定化システムと、外側接続要素５００ａ，５００ｂが部分的に受け部９０と一体に形成されている点で異なる。また、内側接続要素３′を外側接続要素に適合させている。前述した実施形態と同様に、受け部９０はネジ要素８′に旋回可能に接続されている。受け部９０は、Ｕ字状の凹部１２により形成された溝の両側に、外側接続要素の下側の半割を形成する、円筒の部分の形状の突起５００ａを有する。円筒の部分の形状の突起５００ａは、前述した実施形態と同様に、可撓性安定化要素２，２′の環状のリブ状突起２３との形状嵌合の目的で、環状溝５０４を備える。受け部９０の他のすべての部分は、前述した実施形態の受け部９′と同一である。

外側接続要素の上側の半割５００ｂは、Ｕ字状の凹部１２により形成される溝の円筒軸と平行な円筒軸を有する、略円筒形状をなしている。上側の半割５００ｂは、内側接続要素３′を押圧する中央主要部５０１と、両端に設けられた２つの円筒の部分の形状の端部５０２とを備え、これらの端部は、受け部９０の部分５００ａと相補的に設けられるとともに、可撓性安定化要素の環状リブ２３を収容するように形成された環状溝５０４を有する。中央主要部５０１の長さは、上側の半割５００ｂが受け部９０に挿入されたときに、端部５０２がＵ字状の凹部を越えて延在し、受け部の部分５００ａと対向する部分を有するように決められる。内側接続要素３′は、長く延びた中央部分を有し、その中央部分の長さは、その端部が受け部９０を越えて延びるように決められる。さらに、図１５に示した従来の圧力要素と同じ圧力要素２０が、ネジの頭部８ａの位置をロックするために設けられる。

図２０に示すように、可撓性安定化要素２，２′は、外側接続要素の部分５００ａと上側半割５００ｂとの間で締付け固定される。その締め付けは、受け部９０の中央部の外側で行なわれる。受け部９０の中央穴１０内には、非可撓性の内側接続要素が締付け固定される。この設計の利点は、可撓性の安定化要素が、前述の各実施形態よりも短くできることである。外側接続要素の下側の半割５００ａは、受け部９０と一体形状である必要はなく、圧力要素２０が受け部を越えて延びる延長部を備えることも考えられることに留意すべきである。

図２１〜２３は、可撓性安定化要素の変形例を示す。図２１の（ａ）および（ｂ）は、湾曲し、略矩形の横断面を有する可撓性安定化要素２″を示す。この構造により、方向性のある可撓性、すなわち、要素が１つの方向に他の方向よりも高い剛性を有するという特性を得ることができる。一般に、安定化要素の２つの端部の間の部分において、要素の横断面を、所望の剛性または方向性のある可撓性を達成するように設計することができる。

図２２の（ａ）および（ｂ）は、可撓性安定化要素２０′の更なる変形例を示し、この変形例は、一つのリブ状環状突起に代えて、複数の細い環状リブ２０ａ′が設けられ、こ
れらの環状リブ２０ａ′により、外側接続要素４ａ，４ｂの範囲内において安定化要素の長さのバランスを取ることを可能にする点で、前述の変形例と異なる。

図２３の（ａ）および（ｂ）は、可撓性安定化要素２００，２００′の更なる変形例を示し、この変形例は、端部に向かって直径が増加する球形の部分の形状の突起２００ａが設けられている点で、前述の可撓性安定化要素と異なる。この変形例により、外側接続要素の簡単な取り付け構造と、その自由回転配列を可能にする。

他の変形例が考えられる。安定化要素の端部は、環状のリブ状突起を有する必要はない。形状嵌合接続をもたらす如何なる構造も適用可能である。非可撓性の安定化要素は、その端部を可撓性安定化要素の止まり穴に挿入可能な形状にすることができる。内側接続要素を省いてもよい。

外側接続要素は、可撓性安定化要素の端部の形状に適合させなければならない。外側接続要素４ａ，４ｂが、別の要素としてではなく、骨固定具に一体に設けられる特殊な変形例も考えられる。この場合、Ｕ字状の凹部の底部および内側ネジ１３の下部の、いずれか一方、あるいはそれらの両方が、形状嵌合による係合構造を有する。それに代えて、上側または下側構造の一方のみを受け部に一体に設け、相補的な他の構造を別の要素内に設けることもできる。外側接続要素を別の要素として設けることは、既存の骨固定具を用いて、外側接続要素とともに改良を図ることができるという利点を有する。

如何なる既知の骨固定具をも用いることができる。固定方式は、固定要素として内側ネジを用いたものには限られない。

手術において外科医は、少なくとも２つの、通常複数の骨固定具を、安定化しようとする脊椎の部分の隣接する椎骨内に固定する。その後、適切な可撓性または非可撓性の安定化要素を選んで、患者の体外で接続して、安定化要素が組立てられる。そのようにして作り上げられたロッド状安定化システムは、接続箇所で骨固定具内において固定されるように、挿入される。最後に、内側ネジが安定化システムを骨固定具内に固定するように締め付けられる。

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

１ モジュラー安定化システム、２，２′，２０′，２００，２００′ 可撓性安定化要素、２ａ 第１端、２ｂ 第２端、３，３′ 内側接続要素、４ａ，４ｂ，４００ａ，４００ｂ，５００ａ，５００ｂ 外側接続要素、５，６，７ ロッド状安定化要素、８ 骨固定具、８′ ネジ要素、８ａ 頭部、９，９′，９″受け部、１１ 雌ネジ、１２ 凹部、１３ 内側ネジ、１４ 接続要素、１４ａ 第１端、１４ｂ 第２端、１５，１６，２３，３３ リブ状突起、２０ 圧力要素、２１ とまり穴、２２ アンダーカット部、４０ 弾性クランプ、４１，４２ 側壁、４３ 凹部、４４ 溝。

Claims (11)

1. 脊柱または他の骨の安定化のためのモジュラーシステムであって、
   第１安定化要素（２）と、
   前記第１安定化要素（２）に接続される第２安定化要素（２′，５，６，７）と、
   前記第１安定化要素を前記第２安定化要素に接続するための外側接続要素（４ａ，４ｂ；４００ａ，４００ｂ；５００ａ，５００ｂ）とを備え、
   前記第１安定化要素の端部および前記第２安定化要素の端部はそれぞれ、形状嵌合接続を確立するように前記外側接続要素に設けられた対応する構造（４４，４０４，５０４）に係合する構造（２３）を含み、
   骨内に固定される軸部と前記第１安定化要素および前記第２安定化要素のそれぞれの端部を受け入れる受け部（９，９′，９０）とを含む少なくとも１つの骨固定具と、
   前記第１および第２安定化要素を前記受け部に固定するための固定装置（１３）とをさらに備え、
   前記外側接続要素（４ａ，４ｂ；４００ａ，４００ｂ；５００ａ，５００ｂ）は、それぞれが前記安定化要素の構造と係合する構造を有する２つの相補的な半割からなり、
   前記外側接続要素（４ａ，４ｂ；４００ａ，４００ｂ；５００ａ，５００ｂ）は、前記受け部に挿入されるか、または前記骨固定具（８，８′）の前記受け部（９，９′）の外で前記２つの半割を接続するための手段を含む、モジュラーシステム。
2. 少なくとも前記第１安定化要素（２，２′，２″，２′″，２０，２００）が可撓性を有する、請求項１に記載のモジュラーシステム。
3. 前記安定化要素がエラストマーで形成されている、請求項２に記載のモジュラーシステム。
4. 前記第２安定化要素（５，６，７）が、生体適合性のある金属または硬質プラスチックのような硬質の材料で形成されている、請求項１〜３のいずれか１項に記載のモジュラーシステム。
5. 前記第１安定化要素を前記第２安定化要素に接続する内側接続要素（３）が設けられた、請求項１〜４のいずれか１項に記載のモジュラーシステム。
6. 前記内側接続要素（３）が非可撓性である、請求項５に記載のモジュラーシステム。
7. 前記内側接続要素が、ロッド状の形状を有し、前記第１および第２安定化要素の端部のそれぞれの穴（２１）に係合する、請求項５または６に記載のモジュラーシステム。
8. 前記構造（３２，４４）が、リブ状突起（２３）、および／または、アンダーカット（２２）を有する同軸穴（２１）を備える、請求項１〜７のいずれか１項に記載のモジュラーシステム。
9. 前記第１および第２安定化要素がロッド形状を有する、請求項１〜８のいずれか１項に記載のモジュラーシステム。
10. 可撓性安定化要素（２，２′）の長さが、脊柱の単一の可動部分のみを前記安定化要素で橋渡すことができるように設計されている、請求項１〜８のいずれか１項に記載のモジュラーシステム。
11. 脊柱のための安定化システムを製造するための方法であって、請求項１〜１０のいずれか１項に記載のモジュラーシステムの安定化要素を、少なくとも２つ合せて組立てる工程を備える、安定化システムの製造方法。

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