JP5461546B2 - バーナーアセンブリおよび燃焼方法 - Google Patents

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Description

本発明は燃焼方法とそのための装置であって炉の燃焼チャンバーに燃料ガスおよび酸化剤を別々に導入するための別々の燃料および酸化剤インジェクタを含み、燃料が酸化剤によって広い輝炎で燃焼し、それにより燃料の酸化剤による燃焼によって低減された量の窒素酸化物(NOx)を生じさせる装置とに関する。
工業的高温プロセス、たとえばガラスまたはフリットの溶融、鉄系または非鉄材料の精錬は、大量のエネルギーを使用して様々な原材料を高温製品に変え、これがその後この工業的プロセスのさらなる段階において鋳造されるか、付形されるかまたはそうでなければ処分される。この作業は1日当たり500トン(メートル法)もの溶融材料を製造することが可能な大きな炉において通常行われる。炉内での発熱量の高い燃料、たとえば天然ガス、プロパンの、または場合によっては発熱量の低い燃料たとえばいくつかの種類の高炉ガスの、酸素を含有する酸化剤による燃焼はエネルギーを供給する好ましい方法である。いくつかの場合において、燃焼は電気加熱によって補助される。たいてい、燃料および酸化剤は炉内へバーナーを通して導入されて炎を生じさせる。炎から加熱または溶融しようとする材料へのエネルギーの移動は材料の表面での対流と材料の表面へのまたは、材料が放射を通すものである場合にはその内部への放射との組み合わせに起因する。高度に放射性である炎(通常は輝炎と呼ばれる)は、それらがより優れた熱伝導、したがって、より高い燃料効率を提供するので通常好ましい。
火炎加熱にとって、加熱または溶融しようとする材料の表面上に均一に広がった炎からエネルギーを得ることも非常に重要である。そうしないと、高温および低温の領域が炉内で共存することがあり、これはこのような炉において加熱または溶融された材料を用いて製造された製品の品質に悪影響を及ぼしうるので一般に望ましくない。たとえば、溶融ガラスの浴では、低温領域にガラスストーンがあるかもしれず、高温領域において揮発量が増える場合がある。広い炎はそれらがより良好でより均一なカバレッジをもたらすので好ましい。
多くの国において、NOxの排出に関するますます厳格な規制が発布されている。そのためNOxの生成が抑えられる燃焼技術が開発されてきた。
非常に高温のプロセスでは、NOxの生成は炎および炉の高温領域における酸素および窒素分子の長い滞留時間によって促進される。空気の代わりに実質的に純粋な酸素(90%以上のO2)を酸化剤として使用することは、ほぼ全ての窒素がなくなるのでNOx排出物を90%程度低減させることに非常に好結果であることが判明している。
しかし、空気を実質的に純粋な酸素で置換することは炎の温度を高め、それにより窒素の酸素との反応性が高い領域を炉内に生じさせ、たとえそれが空気による燃焼と比較した場合に全体的には低減されるとしても、NOxの生成が比例的に増加しうる。実際、全ての窒素を炉からなくすることは実際問題として通常は不可能であり、これは工業炉が気密ではなく、燃料が通常いくらかの窒素を含有しており、および低温でない供給源から供給される酸素、たとえば真空スイング吸着プラント(VSA)によって製造される酸素が少量の残留窒素濃度を含有するからである。
低圧で動作することが可能なバーナーアセンブリであって、特に酸化剤ガス用であり、NOx排出量が低減された広い、平坦な輝炎を作り出し、炎の長さをこの炎をそれらが使用される炉に適合させるように制御する方法を与えるバーナーアセンブリはUS−A−5984667およびUS−A−6068468により知られており、出願人によって商品名Alglass(登録商標)FCおよびAlbatch(登録商標)FCで商品化されている。
前記バーナーアセンブリの必須の態様は燃料および酸化剤が物理的に離され(間隔をあけられ)、燃料流体流および酸化剤流体流に安定な、広い輝炎での燃料流体の酸化剤による燃焼を可能にする角度を与えるように幾何的に配置されることである。
より詳細には、US−A−5984667は少なくとも2つの燃料流体キャビティと、少なくとも1つの酸化剤流体キャビティと、燃料流体キャビティの少なくとも1つおよび酸化剤流体キャビティの少なくとも1つが終端する少なくとも1つの出口面とを有するバーナーアセンブリを開示している。前記バーナーアセンブリは:
a)酸化剤流体流を供給する手段と;
b)前記少なくとも1つの酸化剤流体キャビティに前記酸化剤流体流を注入して少なくとも1つの注入酸化剤流体流を生じさせる手段と;
c)燃料流体流を供給する手段と;
d)前記少なくとも2つの燃料流体チャネルに前記燃料流体流を注入して少なくとも2つの注入燃料流体流を生じさせる手段と
を有し、それにより酸化剤流体流および燃料流体流の注入の方向が実質的に燃料領域で収束して交差するが、少なくとも2つの隣接する燃料流体チャネルの方向は発散する。
このタイプのバーナーの証明された利点は:
・炎のエネルギーを炉の構造体に向けるのではなく装入物に向けることによる燃料効率の向上、
・装入物のカバレッジを高めることによる加熱均一性の向上およびホットスポットの排除、
・たとえばガラス溶融炉内での、装填物への効率的な熱伝導をもたらす高いルミノシティ、
・低い汚染物質排出量
である。
このタイプのバーナーはある範囲のプロセス条件下において、特にある範囲内にある燃焼速度では確実に動作するが、バーナーが前記範囲から外れて動作される場合に問題が生じることがある。たとえば、このタイプのバーナーによって経験される問題は、低い燃焼速度(たとえば公称燃焼速度の30%未満)ではバーナーによって作り出される炎は「弱い(lazy)」ものであり、炉の頂部に向けて上昇する傾向があり、それによって炉の頂部におけるホットスポットの形成のリスクが高まることである。非常に高い燃焼速度(たとえば公称燃焼速度の200%超では、炎の制御はますます困難になり、炎の長さが対向する炉壁へのダメージを引き起こすほどになるかもしれない。
上記の公知のタイプのバーナーの適応性を向上させる必要がある。
ガラス溶融炉では、例として、炉の引き抜き速度が高められなければならない場合もあるが、これは一般にこの炉に取り付けられたバーナーの少なくとも1つの燃焼速度の増加を伴う。ある状況下では、炉の引き抜き速度を低下させることが必要かもしれないが、これはそのバーナーの少なくとも燃焼速度を低下させることを伴う。炉内で製造される製品の品質を落とすことなく、炉のダメージのリスクを実質的に促進させることも増加させることもなく炉の燃焼速度の適応性を高めることが望ましいであろう。
本発明の目的は、上述の公知のタイプのバーナーの利点をより広い範囲のプロセス条件および特に燃焼速度にわたって確実に示すバーナーアセンブリおよび燃焼方法を提供することである。
燃料および酸化剤を共注入し(すなわち、別々の注入とは対照的に間隔をあけない燃料および酸化剤の注入)かつ高いおよび低い運動量の両方で動作することが可能なバーナーがこの技術において知られている。
EP−A−0563793は運動量の可変なオキシ燃料燃焼システムであって、概して円筒形状のハウジングを有し燃料管路が間隔をあけかつ中心を共有して前記ハウジング内に配置されたオキシ燃料バーナーを有し:
−燃料管路は前記ハウジングの主要部に沿って共に延びておりかつ前記ハウジングの火炎端と同じ平面で終端した火炎端を有し;
−燃料キャップが燃料管路内に同心に配置されており、前記燃料キャップおよび前記燃料管路は協働して環状の燃料流を前記ハウジングの前記火炎端に作り出し;
−酸化剤管路が前記ハウジングと同心に前記ハウジング内の前記燃料管路と前記ハウジングとの間に配置され、前記酸化剤管路は共存的に前記ハウジング内で延び;
−予燃焼器が前記バーナーに取り付けられ;
およびそれにより:
−燃料管路が、前記酸化剤管路に対する位置が、それらが前記ハウジングの火炎端によって規定された平面で終端する位置を含んだ長軸に沿って可変であるように適合され、前記燃料管路を囲う環状酸化剤通路開口部を規定し;および
−燃料管路および前記燃料キャップが、互いに対する位置が、それらが前記ハウジングの火炎端によって規定された平面で終端する位置を含んだ長軸に沿って可変であるように適合され、燃料を前記燃料通路におよび酸化剤を前記酸化剤通路に導入する環状燃料通路手段を規定する
システムを開示している。
EP−A−0563793による運動量の可変な燃焼システムの主たる不便な点は、アセンブリの構成部材、たとえば燃料管路、酸化剤管路および/またはハウジングの火炎端に近接した燃料キャップの位置を変更することによって、オキシ燃料炎の運動量が変えられることにある。アセンブリ内におけるオキシ燃料炎の影響、たとえば高温および場合によっては燃焼生成物または揮発した材料の堆積に曝される個所での可動部分の存在は動作中の前記燃焼システムの信頼性に悪影響を及ぼす。
EP−A−763692は同心に配置された外側の酸化剤管、中間の燃料管および内側の酸化剤管を含み、燃料管が内側および外側の酸化剤管の間に配置されているオキシ燃料バーナーであって、バーナーによって作り出される炎の特性が内側および外側の酸化剤流の相対流量を変更することによって制御されうるバーナーを開示している。内側の酸化剤管に供給される全ての酸化剤の百分率の増加は炎の長さおよびルミノシティを減少させ炎の運動量を増加させる。このタイプのバーナーは、出願人によって商品名Alglass(登録商標)VMおよびAlbatch(登録商標)VMで商品化されている。
ガラス溶融炉において証明されたこのバーナー技術の利点は:
−炉内の雰囲気を調節する可能性、
−特にオキシブースティングの場合に、炎の運動量を調節する可能性、
−炉の形態(クロスファイアリングの場合には炉の幅)に応じて炎の長さを調節する可能性、および
−装填物のタイプ(ガラス組成物)に応じて炎のルミノシティを変更する可能性
にある。
燃料および酸化剤の共注入のための上述の既知の運動量の可変な燃焼技術には、少なくとも2つの燃料通路を有し燃料および酸化剤ガスを別々の流体流で高温炉の燃焼チャンバーへ注入する、US−A−5984667およびUS−A−6068468によって知られているタイプのバーナーアセンブリにおける使用に適合するものはない。
本発明によれば、バーナーアセンブリであって、少なくとも2つの燃料流体管および少なくとも1つの酸化剤流体管を有し、酸化剤流体流および燃料流体流の注入の方向がバーナーアセンブリの下流の燃料領域で実質的に収束して交差するバーナーアセンブリが提供される。
本発明によれば、バーナーアセンブリは:
・少なくとも2つの燃料ガス管と;
・少なくとも1つの酸化剤管と;
・少なくとも2つの燃料ガス管または酸化剤管の少なくとも1つまたは両者が終端する少なくとも1つの出口面と
を有する。
本発明のバーナーはさらに:
a)酸化剤流を供給する手段と;
b)前記少なくとも1つの酸化剤流体管に前記酸化剤流を注入して少なくとも1つの注入酸化剤流を生じさせる手段と;
c)燃料ガス流を供給する手段と;
d)前記少なくとも2つの燃料ガス管に前記燃料ガス流を注入して少なくとも2つの注入燃料ガス流を生じさせる手段と
を有する。
バーナーアセンブリはさらに少なくとも1つの酸化剤流および少なくとも2つの燃料ガス流の注入の方向がバーナーアセンブリの下流の燃焼領域で実質的に収束して交差するように設計されている。
バーナーアセンブリはさらに
・少なくとも2つの燃料ガス管は内側燃料ガス出口を形成する内側燃料伝導通路および外側燃料ガス出口を形成する外側燃料伝導通路を有し、前記内側および前記外側燃料伝導通路は同軸に配置され;
・燃料ガス流を注入する手段は燃料ガス流を供給する手段から燃料ガス流を受け取る燃料ガス分配器を有し、前記燃料ガス分配器は:
i)少なくとも2つの燃料ガス管の内側燃料伝導通路と流体接続する第1の燃料ガスチャンバーであって、燃料ガス流を供給する手段によって供給される燃料ガスを受け取る第1の入口を有する第1の燃料ガスチャンバーと;
ii)少なくとも2つの燃料ガス管の外側燃料伝導通路と流体接続する第2の燃料ガスチャンバーであって、燃料ガス流を供給する手段によって供給される燃料ガスを受け取る第2の入口を有する第2の燃料ガスチャンバーと;
iii)それぞれ第1および第2の入口への燃料ガス流の流量を制御する燃料ガス流量制御手段と
を有することを特徴とする。
少なくとも2つの燃料ガス管の内側燃料伝導通路と流体接続した第1の燃料ガスチャンバーおよび少なくとも2つの燃料ガス管の外側燃料伝導通路と流体接続した第2の燃料ガスチャンバーを有する燃料ガス分配器は、少なくとも2つの燃料ガス管の全てへの、より詳細には前記少なくとも2つ燃料ガス管のそれぞれ内側および外側燃料伝導通路への燃料ガスの流量を同時に、均一にかつ確実に制御することを可能にする。以下の例において明らかにするように、このように内側および外側燃料伝導通路に燃料ガス流を分配することによって、バーナーアセンブリの燃焼速度および炎の長さの両方を制御することができる。
少なくとも2つの燃料ガス管のそれぞれの通路への燃料ガスの流量の均一かつ同時の制御はバーナーアセンブリが工業的な高温プロセスたとえばガラスの溶融において使用される場合に主として重要である。実際、少なくとも2つの燃料ガス管の不均一なまたは時間的に間隔をあけた制御は、炎の形状および燃焼領域の熱プロファイルの永続的なまたは一時的な変化をもたらし、このプロセスで得られる製品の品質または炉のダメージに可能性のある結果を伴うであろう。
また燃料ガス分配器の相対的な単純さはその堅固な構成を可能にする。さらに、燃料ガス分配器は燃焼領域の反対側でかつそこから離れたバーナーアセンブリの低温側に位置しているので、燃料ガス分配器およびその可動部分が炉内の高温の潜在的に有害な影響も燃焼生成物、凝縮生成物またはダストの堆積物の形成も受けない点で、バーナーアセンブリの信頼性を増す。
本発明は、本発明による少なくとも1つのバーナーアセンブリを備えた炉および本発明によるバーナーアセンブリを使用してバーナーアセンブリの下流の燃焼領域に燃料および酸化剤を注入して燃焼させる燃焼方法にも関する。本発明による炉は特に溶融炉、たとえばガラス溶融炉でもよいし非鉄溶融炉、たとえばアルミニウム溶融炉でもよい。
本発明によれば、少なくとも2つの燃料ガス管の内側燃料伝導通路は第1の燃料ガスチャンバーに取り付けられるであろうし、または少なくとも2つの燃料ガス管の外側燃料伝導通路は第2の燃料ガスチャンバーに取り付けられるであろう。好ましくは、少なくとも2つの燃料ガス管の内側燃料伝導通路は第1の燃料ガスチャンバーに取り付けられ、少なくとも2つの燃料ガス管の外側燃料伝導通路は第2の燃料ガスチャンバーに取り付けられる。少なくとも2つの燃料ガス管および少なくとも1つの酸化剤流体管は典型的には耐火ブロック内に配置される。燃焼領域は典型的には炉の内部に位置する。燃料ガス分配器は有利には部分的にまたは全体的に耐火ブロックの外側に配置される。耐火ブロックの上流側での燃料ガス分配器のこのような位置は燃料ガス分配器へのアクセスを容易にする。
有利な実施形態によれば、バーナーアセンブリは3つの燃料ガス管を有する。有利なバーナーアセンブリは少なくとも5つの管、特に3つの燃料ガス管および2つの酸化剤管を有し、好ましくは、燃料ガス管がバーナーアセンブリの下部に位置する場合、酸化剤管はその上部に位置するし、逆もまた同様である。
本発明の様々な実施形態、特に燃料ガス管の数、酸化剤流体管の数、それらの形状および方位ならびに使用することができる材料に関するさらなる詳細については、上述の先行文献US−A−5984667およびUS−A−6068468が参照される。
構成の容易さのために、第2の燃料ガスチャンバーは好ましくは第1の燃料ガスチャンバーを少なくとも部分的に包囲している。第2の燃料ガスチャンバーは特に第1の燃料ガスチャンバーを全体的に包囲していてもよい。
燃料ガス流を供給する手段は典型的にはバーナーアセンブリを燃料供給源に接続する燃料供給ラインを有し、前記燃料供給源は燃料リザーバ、燃料製造ユニットまたはさらなる燃料供給ライン、たとえばガスパイプラインでもよい。当然のことながら、燃料供給源において、燃料は液体の形態で存在していてもよく、たとえそうであっても前記燃料供給源の下流のバーナーアセンブリにおいて燃料は燃料ガス流の形態で存在する(たとえば膨張器を通過した後)。同様に、酸化剤流を供給する手段はバーナーアセンブリを酸化剤供給源、たとえば酸化剤リザーバ、酸化剤製造ユニットまたはさらなる酸化剤供給ラインに接続する酸化剤供給ラインを典型的に有する。
燃料ガス流量制御手段は第1および/または第2の入口を部分的にまたは完全に閉じて、それぞれ第1および第2の入口を通って流れる燃料ガス流を制御する効果を達成することができる1つ以上の弁を有していてもよい。
これらの弁は手動および/または自動で動作されるであろう。
この文脈において、入口の部分的閉鎖は入口の開口の制限、それにより入口を通るガス燃料の流れが部分的に遮断されることを意味すると理解される。
好ましい実施形態によれば、燃料ガス流量制御手段は特に第2の燃料ガスチャンバーの入口を、部分的または全体的に、選択的に開閉するように装備されている。
本発明は少なくとも2つの燃料管を通る、より詳細には前記管の内側および外側燃料伝導通路を通る燃料ガスの運動量を、第1の入口へのおよびそれにより第1の燃料ガスチャンバーへの燃料ガスの流量ならびに第2の入口へのおよびそれにより第2の燃料ガスチャンバーへの燃料ガスの流量を制御することによって、同時におよび均一に制御することを可能にする。
本発明によれば、第1の燃料ガスチャンバーおよび第2の燃料ガスチャンバーは第1および第2の入口の一方を介して互いに流体接続している。燃料供給手段は、燃料ガス分配器の第1または第2の入口のいずれかに、すなわち第1または第2の燃料ガスチャンバーのいずれかの入口に燃料ガス流を供給する。この実施形態によれば、燃料ガス流量制御手段は、燃料供給手段が燃料ガス流を供給する燃料ガスチャンバーから他方の燃料ガスチャンバーへ前記他方の燃料ガスチャンバーの入口を通って流れる燃料ガス流の一部を制御するように装備されている。典型的には、燃料ガス流量制御手段は、はじめの燃料ガスチャンバーから他方の燃料ガスチャンバーへ流れる燃料ガス流の一部を制御し、それによりそれぞれ少なくとも2つの燃料ガス管の内側燃料伝導通路および少なくとも2つの燃料ガス管の外側燃料伝導通路を通して注入される燃料ガス流の割合を同時にかつ均一に制御するために、後者の入口を部分的にまたは全体的に閉じることが可能な弁を有する。本発明によれば、前記弁は手動および/または自動で動作されるであろう。
好ましくは、燃料供給手段は第1の入口へ、すなわち第1の燃料ガスチャンバーの入口に燃料ガス流を供給し、燃料ガス流量制御手段は第1の燃料ガスチャンバーから第2の燃料ガスチャンバーへ第2の入口を通って流れる燃料ガス流の一部を制御するように装備されている。第1の燃料ガスチャンバーから第2の燃料ガスチャンバーへ流れる燃料ガス流の一部は、燃焼領域へ少なくとも2つの燃料ガス管の外側燃料伝導通路を介して注入され、第1の燃料ガスチャンバーから第2の燃料ガスチャンバーへ流れない燃料ガス流の残りは、少なくとも2つの燃料ガス管の内側燃料伝導通路を介して注入される。
あるいは、燃料供給手段は第2の入口へ、すなわち第2の燃料ガスチャンバーの入口へ燃料ガス流を供給してもよく、燃料ガス流量制御システムは第2の燃料ガスチャンバーから第1の燃料ガスチャンバーへ第1の入口を通って流れる燃料ガス流の一部を制御するように装備される。この場合、第2の燃料ガスチャンバーから第1の燃料ガスチャンバーへ流れる燃料ガス流の一部は燃焼領域へ少なくとも2つの燃料ガス管の内側燃料伝導通路を介して注入され、第2の燃料ガスチャンバーから第1の燃料ガスチャンバーへ流れない燃料ガス流の残りは、少なくとも2つの燃料ガス管の外側燃料伝導通路を介して注入される。
この場合、燃料ガス流を供給する手段から来る同じ燃料ガスが第1および第2の燃料ガスチャンバーの両方に(または、一方のチャンバーから他方のチャンバーへ流れる燃料ガス流の一部がゼロに等しい場合、これら燃料ガスチャンバーの一方のみに)供給される。
たとえば:
(a)燃料供給手段が第1の入口およびそれにより第1の燃料ガスチャンバーへ燃料ガス流を供給する場合および燃料ガス流量制御手段が第2の燃料ガスチャンバーへの第2の入口を完全に閉じる場合、燃料ガス流の全体が少なくとも2つの燃料ガス管の内側燃料伝導通路を通して注入される;および
(b)一方、前記燃料ガス流量制御手段が第2のガスチャンバーへの第2の入口を部分的にまたは全体的に開いたままにしておく場合、燃料ガス流の一部が第2の入口を通って第2の燃料ガスチャンバーへ流れ、この場合、第2の燃料ガスチャンバーに流れる燃料ガス流の前記一部は少なくとも2つの燃料管の外側燃料伝導通路を通して注入され、および第2のガスチャンバーに流れない燃料ガス流の残りは少なくとも2つの燃料ガス管の内側燃料伝導通路を通して注入される。
燃料供給手段が第2の入口へ燃料ガス流を供給する場合はこの逆である。
燃料ガス流を供給する手段から燃料ガス分配器への燃料ガスの同一の流量のために、燃料ガスが少なくとも2つの燃料ガス管を通して注入される全体の運動量は、燃料ガスの全てが内側燃料伝導通路を通して注入されるケース(a)では、燃料ガスの一部が外側燃料伝導通路を通して注入され燃料ガスの残りが内側燃料伝導通路を通るケース(b)と比べた場合に高い。
前述したように、本発明は本発明の上述の実施形態のいずれか1つに係る少なくとも1つのバーナーアセンブリを有する炉にも関する。前記炉は特に溶融炉、たとえばガラス溶融炉またはアルミニウム溶融炉でありうる。
本発明のもう1つの態様は燃料の酸化剤による燃焼方法であって上で説明した本発明の実施形態のいずれか1つに係るバーナーアセンブリを使用する方法である。前記方法は
a)酸化剤流を供給し(前記酸化剤流は酸化剤流を供給する手段によって供給される);
b)少なくとも1つの酸化剤流体管に前記酸化剤流を注入して少なくとも1つの注入酸化剤流を生じさせ;
c)燃料ガス分配器へ燃料ガス流を供給し(前記燃料ガス流は燃料ガス流を供給する手段によって供給される);
d)第1および第2の入口への前記燃料ガス流の流量を制御し(前記燃料ガス流の流量は燃料ガス流量制御手段によって制御される);
e)前記少なくとも2つの燃料ガス管に前記燃料ガス流を注入して少なくとも2つの注入燃料ガス流を生じさせ;
f)前記少なくとも1つの注入酸化剤流および前記少なくとも2つの注入燃料ガス流が交差する、前記バーナーアセンブリの下流の燃料領域において、前記少なくとも1つの注入酸化剤流および前記少なくとも2つの注入燃料ガス流を燃焼させる
ことを含む。
酸化剤は酸化剤たとえば空気または酸素富化された空気からなっていてもよい。酸化剤流は有利には少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%および最も好ましくは少なくとも95%の酸素モル濃度を有する酸化剤からなる。このような酸化剤は少なくとも50体積%の酸素を含有する酸素富化された空気、低温空気分離プラントによって製造された「工業的な」純酸素(99.5%)またはたとえば真空スイング吸着プロセスによって製造された純粋でない酸素(88体積%以上のO2)または空気もしくは他の任意の供給源からろ過、吸着、吸収、膜分離、などによって製造された「不純な」酸素などの酸素を含み、この酸化剤は室温でも予熱された形態にあってもよい。
本発明のバーナーアセンブリの場合、燃料ガス供給手段は第1および第2の入口の一方に燃料ガス流を供給し、第1および第2の燃料ガスチャンバーは第1および第2の入口の他方を介して互いに流体接続しており:
・燃焼方法の工程c)は典型的に第1および第2の燃料ガスチャンバーの一方へ前記燃料ガスチャンバーの入口を介して燃料ガス流を供給することを含み、および:
・この方法の工程d)は:
d1)前記第1および第2のガス燃料チャンバーの一方へ前記燃料ガスチャンバーの入口を介して供給される燃料ガス流の流量を制御し、
d2)前記第1および第2の燃料ガスチャンバーの一方から他方の燃料ガスチャンバーへ前記他方の燃料ガスチャンバーの入口を介して流れる前記燃料ガス流の一部を制御する
ことを含む。
上で説明したように、燃料ガス流を供給する手段が(第1の燃料ガスチャンバーの)第1の入口に燃料ガス流を供給する場合、前記燃焼方法の工程c)は第1の燃料ガスチャンバーへ第1の入口を介して燃料ガス流を供給することを含み、この方法の工程d)は:
d1)第1の燃料ガスチャンバーへ第1の入口を介して供給される燃料ガス流の流量を制御し、
d2)前記第1の燃料ガスチャンバーから第2の燃料ガスチャンバーへ前記第2の入口を介して流れる前記燃料ガス流の一部を制御する
ことを含む。
逆に、燃料ガス流を供給する手段が(第2の燃料ガスチャンバーの)第2の入口へ燃料ガス流を供給する場合、前記燃焼方法の工程c)は燃料ガス流を第2の燃料ガスチャンバーへ第2の入口を介して供給することを含み、この方法の工程d)は:
d1)第2の燃料ガスチャンバーへ第2の入口を介して供給される燃料ガス流の流量を制御し、
d2)前記第2の燃料ガスチャンバーから第1の燃料ガスチャンバーへ第1の入口を介して流れる前記燃料ガス流の一部を制御する
ことを含む。
また上で述べたように、第2の燃料ガスチャンバーは第1の燃料ガスチャンバーを少なくとも部分的におよび好ましくは全体的に包囲していてもよい。
本発明による方法の代替的な実施形態では、燃料ガス分配器へ燃料ガス流を供給する工程c)は:
−第1の燃料ガスチャンバー(111)の第1(131)入口へ第1の燃料ガス流を供給する工程c1)と、
−第2の入口(132)へ第2の燃料ガス流を供給する工程c2)と
を含み、一方でそれぞれ第1の入口および第2の入口への煙道ガス流の流量を制御する工程d)は:
−第1の入口(131)への第1の燃料ガス流の流量を制御する工程d1)と、
−第2の入口(132)への第2の燃料ガス流の流量を制御する工程d2)と
を含む。
前記方法はさらに:
−第1の燃料ガスチャンバー(111)から少なくとも2つの燃料ガス管(110)の内側燃料伝導通路(101)へ第1の燃料ガス流を注入する工程e1)と;
−第2の燃料ガスチャンバー(112)から少なくとも2つの燃料ガス管(110)の外側燃料伝導通路(102)へ第2の燃料ガス流を注入する工程e2)と;
−少なくとも1つの注入酸化剤流および少なくとも2つの注入燃料ガス流が交差する、バーナーアセンブリの下流の燃料領域において、少なくとも1つの注入酸化剤流および少なくとも2つの注入燃料ガス流を燃焼させる工程f)と
を含む。
この場合、バーナーアセンブリは典型的に(a)第1の燃料ガスチャンバーの第1の入口へ第1の燃料ガス流を供給する手段と、(b)第2の燃料ガスチャンバーの第2の出口へ第2の燃料ガス流を供給する手段と、(c)第1の入口への第1の燃料ガス流の流量を制御し、第2の入口への第2の燃料ガス流の流量を制御するように装備されている燃料ガス流量制御手段とを有する、燃料ガス流を供給する手段を有する。
第1の燃料−ガス流が発熱量の低い燃料ガスからなり、第2の燃料ガス流が発熱量の高い燃料ガスからなっていてもよく、その逆でもよい。
有利には、第1の燃料ガス流は発熱量の低い燃焼ガスからなり、第2の燃料ガス流は発熱量の高い燃焼ガスからなる。
好ましくは:
i)燃料ガス流量制御手段は第1の燃料ガス流を供給する手段から第1の入口への、すなわち第1の燃料ガスチャンバーの入口へのおよびそこから内側燃料伝導通路への第1の燃料ガス流の流量を、第1の燃料ガス流が少なくとも2つの注入された燃料ガス流の0ないし90体積%を構成するように制御し、および
ii)燃料ガス流量制御手段は第2の燃料ガス流を供給する手段から第2の入口への、すなわち第2の燃料ガスチャンバーの入口へのおよびそこから外側燃料伝導通路への第2の燃料ガス流の流量を、第2の燃料ガス流が少なくとも2つの注入された燃料ガス流の100ないし10体積%を構成するように制御する。
この燃焼方法の特定の実施形態によれば、第1の燃料ガス流は少なくとも2つの注入燃料ガス流の0ないし50体積%を構成し、第2の燃料ガス流は少なくとも2つの注入燃料ガス流の100ないし50体積%を構成する。この後者の実施形態はバーナーアセンブリがその公称出力以下の出力で動作する場合に特に有用である。
第1の燃料ガス流は有利には内側燃料ガス出口を5m/秒ないし50m/秒の注入速度で出る。
第2の燃料ガス流は有利には外側燃料ガス出口を18m/秒ないし30m/秒の注入速度で出る。
前に述べたように、このようなバーナーアセンブリおよび対応する燃焼方法は、バーナーアセンブリ/燃焼方法およびその結果としてさらにバーナーアセンブリが取り付けられた炉が、現場でまたは低い費用で入手可能でありうる熱量の低い燃料ガスを使用することを可能にするという主な利点を示す。発熱量の低い燃料ガスは、たとえば炉内の温度が低い場合の起動時の一時的な性質かもしれないが、点火が困難であったり炎の不安定性を生じたりすることがある。本発明は、単独で(すなわち発熱量の低い燃料の同時注入なしに)一時的(たとえば起動時)に発熱量の高い燃料の注入によりまたは(一時的にまたは連続的に)発熱量の低い燃料の同時注入によりこれらの問題を克服し、これは少なくとも2つの燃料管について同時にかつ均一に行うことを可能にする。
この実施形態によるバーナーアセンブリでは、第1の燃料ガスチャンバーは通常第1の燃料ガスチャンバーと流体接続していない。したがって第1の燃料ガスチャンバーに供給された第1の燃料ガス流の全ては通常、少なくとも2つの燃料ガス管の内側燃料伝導通路内に流れて燃焼領域へ注入され、第2の燃料ガスチャンバーに供給された第2の燃料ガス流の全ては少なくとも2つの燃料ガス管の外側燃料伝導通路内に流れて燃焼領域へ注入される。
第1の燃料ガス流の組成は第2の燃料ガス流の組成と同じでも異なっていてもよい。第1および第2の燃料ガス流が異なる組成を有する場合、少なくとも2つの燃料ガス管を通して注入される燃料ガスの全体の組成は、燃料ガス流量制御手段を使用して、第1の燃料ガスチャンバーへの第1の燃料ガス流の流量と第2の燃料ガスチャンバーへの第2の燃料ガス流の流量との間の比を制御することによって同時にかつ均一に制御される。
特に、第1の燃料ガス流の燃料ガスは第2の燃料ガス流の燃料ガスよりも高いまたは低い発熱量(LHVすなわちより低い発熱量(Lower Heating Value)とも呼ばれる)を有していてもよい。特に、第1の燃料ガス流の燃料ガスは発熱量の低い燃料でもよいし第2の燃料ガス流の燃料ガスは発熱量の高い燃料でもよく、またはその逆でもよい。
第1および第2の燃料ガス流が異なる発熱量を有する場合、少なくとも2つの燃料ガス管を通して注入される燃料ガスの全体の発熱量は、燃料ガス流量制御手段を使用して、第1の入口へのしたがって第1の燃料ガスチャンバーへの第1の燃料ガス流の流量と第2の入口へのしたがって第2の燃料ガスチャンバーへの第2の燃料ガス流の流量との間の比を制御することによって同時にかつ均一に制御される。
この文脈において、「発熱量の低い燃料」は発熱量が5kWh/Nm未満である燃料を意味すると理解され、「発熱量の高い燃料」は発熱量が少なくとも5kWh/Nmである燃料を意味すると理解される。発熱量の低い燃料の例はたとえば発熱量が0.90ないし0.98kWh/Nmであるいくつかの種類の高炉ガスである。発熱量の高い燃料の例は発熱量が約10kWh/Nmの天然ガスである。(標準立方メートル(Nm)は標準状態(0℃および1atm)で1mの容積を占めるガスの量に対応する)。
このようなバーナーアセンブリならびに対応する燃焼方法および炉はより大きな適応性(より広い範囲のプロセス条件)を提供するだけでなく、前記炉および燃焼方法における発熱量の低い燃料の価格安定も可能にする。
実際、一方で一般的に、燃焼領域に注入される燃料の発熱量の変動は温度、温度分布および炎の安定性のかなりの変動をもたらすことがあるが、本発明によるバーナーアセンブリならびに対応する燃焼方法および炉は炎の構造の、したがってさらに炎の安定性の、熱エネルギー放出のおよび汚染物、たとえばNOxの生成のよりよい制御を与えることに特に適合し、これは幅広い範囲の燃料ガスおよび全体の発熱量ならびに全体の発熱量の変動について適合している。
炎の安定性は1つ以上の補助酸化剤ジェットを少なくとも2つの燃料注入管の出口を通してまたはその近傍に注入することによって高めることもできる。好ましい実施形態によれば、補助酸化剤ジェットは燃焼領域に少なくとも2つの燃料管の出口を通してまたはその近傍に注入され、それにより前記補助酸化剤ジェットは少なくとも2つの注入燃料ガス流を包囲する。当然のことながら、炎の安定性を高めるこのような方策は先に説明した本発明による方法の第1の実施形態においても使用することができる。
1つ以上の補助酸化剤ジェットを注入する場合、前記1つ以上の補助酸化剤ジェットの注入速度は有利には1m/秒ないし12m/秒であり、好ましくは10m/秒±1m/秒であり、それにより炎の安定性が向上する。
組成の異なる第1および第2の燃料ガス流の使用は、燃焼方法/バーナーアセンブリおよびその結果としてバーナーアセンブリが取り付けられた炉が、現場でまたは低い費用で入手可能でありうる発熱量の低い燃料ガスを使用することを可能にするという主な利点を示す。発熱量の低い燃料ガスは、たとえば炉内の温度が低い場合の起動時の一時的な性質かもしれないが、点火が困難であったり炎の不安定性を生じたりすることがある。本発明は、単独で(すなわち発熱量の低い燃料の同時注入なしに)一時的(たとえば起動時)に発熱量の高い燃料の注入によりまたは(一時的にまたは連続的に)発熱量の低い燃料の同時注入によりこれらの問題を克服し、これは少なくとも2つの燃料管について同時にかつ均一に行うことを可能にする。
本発明の実施形態および利点を以下の例において説明し、ここで添付の図面を参照する。
図1は本発明によるバーナーを使用する燃料ガスおよび酸化剤の燃焼の概略斜視図であって、燃料ガスを第1の平面に位置する3つ(3)の燃料ガス管を通して注入することによって燃料ガスの「シート」が作られ、酸化剤は第2の平面に位置する2つ(2)の酸化剤管を通して注入される。 図2は図1のバーナーアセンブリの第1の実施形態の燃料ガス管を横切る概略断面図であって、第1の燃料ガス流が第1の燃料ガスチャンバーへ供給され、第2の燃料ガス流が第2の燃料ガスチャンバーへ供給される。 図3は図1のバーナーアセンブリの第2の実施形態の燃料ガス管を横切る概略断面図であって、燃料ガス分配器に供給される燃料ガス流が第1チャンバーへ供給される第1の燃料ガス流と第2の燃料ガスチャンバーへ供給される第2の燃料ガス流とに分けられる。 図4は図1のバーナーアセンブリのさらなる実施形態の燃料ガス管を横切る概略断面図であって、燃料ガス分配器に供給される燃料ガス流が燃料ガスチャンバーの一方に供給され、こうして前記燃料ガスチャンバーへ供給された燃料ガス流の制御された部分が第2の燃料ガスチャンバーへ通される。 図5は図1のバーナーアセンブリのさらなる実施形態の燃料ガス管を横切る概略断面図であって、燃料ガス分配器に供給される燃料ガス流が燃料ガスチャンバーの一方に供給され、こうして前記燃料ガスチャンバーへ供給された燃料ガス流の制御された部分が第2の燃料ガスチャンバーへ通される。 図6は図1のバーナーアセンブリのさらなる実施形態の燃料ガス管を横切る概略断面図であって、燃料ガス分配器に供給される燃料ガス流が燃料ガスチャンバーの一方に供給され、こうして前記燃料ガスチャンバーへ供給された燃料ガス流の制御された部分が第2の燃料ガスチャンバーへ通される。 図7は図1のバーナーアセンブリのさらなる実施形態の燃料ガス管を横切る概略断面図であって、燃料ガス分配器に供給される燃料ガス流が燃料ガスチャンバーの一方に供給され、こうして前記燃料ガスチャンバーへ供給された燃料ガス流の制御された部分が第2の燃料ガスチャンバーへ通される。
I.一般的な態様
本発明の1つの態様によれば、低い酸化剤供給圧力、たとえば真空スイング吸着酸素製造ユニットによって得られる圧力で動作する燃焼方法およびそのためのバーナーアセンブリが提供される。低い酸化剤圧力は105,000ないし170,000Pa(絶対圧力)(50mbarないし0.7bar/相対圧力)にわたる圧力を意味している。
本発明によれば、燃料および酸化剤はバーナーアセンブリの別々の管を通して炉に導入される。用語「燃料ガス」は、本発明によれば、ガスの形態にある燃料、たとえば室温(約25℃)のまたは予熱された形態にある、メタン、天然ガス、プロパンなどを意味する。本発明による「酸化剤」は空気でもよい。酸化剤は好ましくは少なくとも50%の酸素モル濃度をもつガスである。このような酸化剤は少なくとも50体積%の酸素を含有する酸素富化された空気、極低温空気分離プラントによって製造された「工業的な」純酸素(99.5%)またはたとえば真空スイング吸着プロセスによって製造された純粋でない酸素(88体積%以上のO2)または空気もしくは他の任意の供給源からろ過、吸着、吸収、膜分離、などによって製造された「不純な」酸素などの酸素を含み、酸化剤は室温でも予熱された形態にあってもよい。
動作のために取り付ける際、本明細書で定義される管は、通常、セラミックブロックもしくはブロックアセンブリを貫通するかまたは炉壁を貫通する。管は好ましくは概して円形の断面を有する。任意の等価な断面、たとえば方形、矩形、楕円、長円などを使用することができる。管および通路は有利には管状部材から作られており、セラミックブロック、ブロックアセンブリまたは炉壁の中に設置されて後者にダメージを与えるのを避けるまたは低減することができる。前記管状部材は金属管、セラミック端を有する金属管もしくは金属パイプ、セラミック管、またはこれらの組み合わせでありうる。インジェクタ管に適したセラミック材料の例はアルミナ、ジルコニア、イットリア、シリコンカーバイド、などを含む。インジェクタが金属製である場合にはインジェクタに様々なステンレス鋼を使用することができ、セラミックインジェクタについて述べたような材料を用いた耐熱耐火コーティングを有する金属製インジェクタも可能である。
燃料ガス注入は、好ましくは実質的に同一の寸法である、好ましくは少なくとも2つの管によってなされ、これらの軸は好ましくは、さらに第1の燃料平面と呼ばれる同一平面内に位置する。燃料および酸化剤の出口は物理的に分離され幾何的に配置され、バーナーアセンブリの下流の燃焼領域において、燃料流体流および酸化剤流に燃料流体の酸化剤による安定で、広い輝炎での燃焼を可能にする角度および速度を与える。
好ましい実施形態において、燃料管はある初期角で発散し、その後この初期発散角は燃料が燃焼領域に入る直前でわずかに増加して最終発散角になる。この最終発散角は好ましくは第1の発散角よりも数度だけ大きい。2つの隣接する燃料管の間の好ましい最終角は3ないし10度の間にある。
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、たとえば最終発散角を好ましくは15度より小さくする少なくとも2つの燃料管によって、燃料流体の「シート」を加熱しようとする表面上に生じさせる方法が提供され、前記燃料管は第1の燃料平面に位置し、燃料流体よりも低い速度(好ましくは毎秒60m(m/秒)を超えないをもつ酸化剤流体を、好ましくは少なくとも2つの酸化剤管を用いて、加熱しようとする表面上に注入し、2つの隣接する酸化剤管が15度よりも小さな最終発散角をつくる。これらの酸化剤管の軸は好ましくは、燃焼チャンバーにおいて第1の燃料平面に収束して交差する第2の酸化剤平面に位置している。燃料シートと交差する低速の酸化剤流体ジェットは、燃料の流れによって燃料シートに沿って引きずられ、「シート」に沿って広がる燃焼領域を生じさせる。したがって、燃焼チャンバーの燃焼領域の開始時には、かなりの量の煤が形成される燃料雲の下に燃料リッチ領域が維持される。煤および燃料は次に燃焼領域に沿って拡散する酸化剤によって次第に酸化される。
燃焼システムによって使用される燃料および酸化剤の総量は通常、酸素の流量が、燃料の流れの完全燃焼を得るのに必要な酸素の理論的化学量論流量の0.95から1.05にわたるようなものである。この状態の別の表現は燃焼比が0.95ないし1.05の間にあるということである。
II.例
図1は、たとえばガラス溶融タンクにおいて使用される、本発明によるバーナーアセンブリを用いる燃料ガスおよび酸化剤の燃焼の概略斜視図を示している。
第1の平面2にある3つ(3)の燃料ガス管を介してバーナーアセンブリの出口面を出る3つの注入燃料ガス流によって燃料ガス「シート」または「雲」が形成される。2つ(2)の注入酸化剤流6が第2の平面4にある酸化剤管を出て、炉の燃料チャンバー70において燃焼シートと交差する。
燃料ガスの酸化剤による燃焼が2つの流れの間の界面で起き、溶融物9の上方に炎8を生じさせる。燃料ガスを平面に広げ、溶融物の全面上に溶融物に実質的に平行に平面層または「シート」を作り出し、酸化剤、特に酸素を上方から「シート」の方向へ向けて「シート」と交差させることによって、酸化剤流体と燃焼ガスとの間でそれらが互いに交差するところで燃焼が起こる。
このような燃焼プロセスおよびその利点はUS−A−5984667およびUS−A−6068468に記載されている。
図2は図1のバーナーアセンブリの第1の実施形態の燃料ガス管(平面2)を横切る概略断面図であって、第1の燃料ガス流が第1の燃料ガスチャンバーへ供給され、第2の燃料ガス流が第2の燃料ガスチャンバーへ供給される。
図2に示すように、3つ(3)の燃料ガス管100の各々は内側燃料ガス出口を形成する内側燃料伝導通路101および外側燃料ガス出口を形成する同軸の外側燃料伝導通路102を有する。
3つの燃料ガス管100は燃料ガス分配器110と流体接続している。燃料ガス分配器は第1の燃料ガスチャンバー111および第2の燃料ガスチャンバー112を有する。燃料ガスを燃料ガス分配器へ供給する手段は、(1)第1の燃料ガスチャンバー111へ第1の入口131を介して第1の燃料ガスを供給する第1の供給ライン121を有する手段によって第1の供給ラインに燃料ガスを供給すること、および(2)第2の燃料ガスチャンバー112へ第2の入口132を介して第2の燃料ガスを供給する第2の供給ライン122を有する。第1の流量コントローラ141は第1の燃料供給源から第1の供給ライン121および第1の入口131を介する第1の燃料ガスチャンバーへの第1の燃料ガスの流量を制御し、第2の流量コントローラ142は第2の燃料供給源からの第2の供給ライン122および第2の入口132を介する第2の燃料ガスチャンバー112への第2の燃料ガスの流量を制御する。2つの流量コントローラ141、142は制御ユニット140によって自動的に操作される。3つの内側燃料伝導通路101の各々は第1の燃料ガスチャンバー111に取り付けられ、これと流体接続している。同様に、外側燃料伝導通路102の各々は第2の燃料ガスチャンバー112に取り付けられている。
動作中、流量コントローラ141によって制御される第1の燃料ガスの流れは第1の燃料ガスチャンバー111へ供給され、バーナーアセンブリの下流の燃焼領域への注入のために前記第1の燃料ガスチャンバー111によって内側燃料伝導通路101へ分配される。同様に、流量コントローラ142によって制御される第2の燃料ガスの流れは第2の燃料ガスチャンバー112へ供給され、バーナーアセンブリの下流の燃料領域への注入のために前記第2の燃料ガスチャンバー112によって外側燃料伝導通路102へ分配される。
特に興味深い動作モードによれば、第1の燃料ガス(以下:リッチ燃料ガス)は高い発熱量をもつ燃料ガス、たとえば天然ガスであり、第2の燃料ガス(以下:プア燃料ガス)は低い発熱量をもつ燃料ガス、たとえば高炉ガスである。
バーナーアセンブリへの、したがって燃焼領域へのリッチおよびプア燃料ガスの流量を制御することによって、本発明は燃料ガス管の各々によって注入される燃料ガス流の全体の運動量および全体の発熱量の同時で均一な制御を可能にする。
たとえば、炉の起動中に、炉の内側がまだ低温にあって点火および炎の安定性が達成困難な場合、流量コントローラ141および142は、主にリッチ燃料ガスまたはリッチ燃料ガスのみが燃料ガス分配器へ流れ分配器から燃焼領域へ流れるように動作される。炉の内側が熱くなり、点火および炎の安定性が容易になったら、流量コントローラ141および142は、燃料ガス分配器へ流れるプア燃料ガスのリッチ燃料ガスに対する比を増加させるように動作され、それにより、燃焼領域内の条件に応じて、プア燃料ガスのみを用いてバーナーアセンブリを動作させることができる。当然のことながら、いつ何時でも、必要であれば、リッチ燃料ガスのプア燃料ガスに対する比を増加させることができる。したがって本発明は単純かつ確実にプア燃料ガスを価格安定させることを可能にする。
高い炎の安定性のために、各々の注入された燃料ガス流の近傍に、たとえば各燃料ガス流を囲う補助酸化剤ガスを注入するようにバーナーアセンブリを装備してもよい。
本発明は単一の燃料ガスの供給源を用いる場合に燃料ガス管の各々を通して注入される燃料ガス流の全体の運動量を単純かつ確実に制御することも可能にする。
図3は図1のバーナーアセンブリの第2の実施形態の燃料ガス管を横切る概略断面図であって、燃料ガス分配器に供給される燃料ガス流が第1のチャンバーへ供給される第1の燃料ガス流と第2の燃料ガスチャンバーへ供給される第2の燃料ガス流とに分けられる。
図3に示すように、燃料ガスを燃料ガス分配器に供給する手段は供給ライン120を有する。流量コントローラ150は燃料ガス供給源(図示せず)から燃料ガス分配器110への供給ライン120を介する燃料ガスの流量を制御する。流量コントローラ150の下流で、供給ライン120は、(1)燃料ガスを第1の燃料ガスチャンバー111へ第1の入口131を介して供給する第1の供給ブランチおよび(2)燃料ガスを第2の燃料ガスチャンバー112へ第2の入口132を介して供給する第2の供給ブランチ122に分かれている。図示した実施形態では第2の供給ブランチに取り付けられている弁162が、第2の供給ブランチ122へ流れ、前記第2の供給ブランチから第2の燃料ガスチャンバー112へ第2の入口132を介して流れる、供給ライン120によって供給される燃料ガスの一部を制御する。図示した実施形態では、弁162は手動で動作させられるが、自動弁でも可能である。同様に、第2の供給ブランチの代わりに第1の供給ブランチに、または両方のブランチに弁を取り付けてもよい。
動作中、第1の燃料ガスチャンバー111へ第1の供給ブランチ121を介して供給される燃料ガスの一部は、バーナーアセンブリの下流の燃焼領域への注入のために前記第1の燃料ガスチャンバー111によって内側燃料伝導通路101へ分配される。同様に、第2の燃料ガスチャンバー112へ第2の供給ブランチ122を介して供給される燃料ガスの一部は、バーナーアセンブリの下流の燃料領域への注入のために前記第2の燃料ガスチャンバー112によって外側燃料伝導通路102へ分配される。
それぞれ第1および第2の燃料ガスチャンバーへの燃料ガスの流量を制御することによって、本発明は、所定の燃料供給流に対して、燃料ガス管の各々によって注入される燃料ガス流の全体の運動量の同時かつ均一な制御を可能にする。
図4および図5は図1のバーナーアセンブリのさらなる実施形態の燃料ガス管を横切る概略断面図であって、燃料ガス分配器に供給される燃料ガス流が燃料ガスチャンバーの一方に供給され、こうして前記燃料ガスチャンバーへ供給された燃料ガス流の制御された一部が第2の燃料ガスチャンバーへ通されてもよい。
図示した実施形態では、供給ライン120が燃料ガスを第1の燃料チャンバー111へ第1の入口131を介して供給する。第2の入口132は第1の燃料ガスチャンバー111を第2の燃料ガスチャンバーへ接続する。前記第2の入口132は手動弁またはストッパ160のための弁座として働く。図4に示したように、弁160が第2の入口132を完全に閉じている場合、供給ライン120によって第1の燃料ガスチャンバー111へ供給される燃料ガス流の全てが燃焼領域へ燃料ガス管100の内側燃料伝導通路101を介して注入される。一方、弁160が第2の入口132を封鎖していない、すなわち、図5に示すように、第2の入口132を完全には閉じていない場合、第1の燃料ガスチャンバー111へ供給される燃料ガス流の制御された部分が第2の燃料ガスチャンバー112へ第2の入口132を介して流れ込み、その後に燃焼領域へ燃料ガス管の外側燃料伝導通路102を介して注入される。
弁160の代替的な形態を図6に示している。
図7に示すように、2つの燃料ガスチャンバーを接続する入口を開閉するために自動弁160を使用してもよい。図示した実施形態では、供給ライン120は第2の燃料ガスチャンバー112へ第2の入口132を介して燃料ガスを供給する。第1の入口131は第2の燃料ガスチャンバー112を第2の燃料ガスチャンバーへ接続する。自動弁160は前記第1の入口に取り付けられている。弁160が第1の入口131を完全に閉じている場合、供給ライン120によって第2の燃料ガスチャンバー112へ供給された燃料の全てが燃焼領域へ燃料ガス管100の外側燃料伝導通路102を介して注入される。一方、弁160が第1の入口131を閉鎖していないすなわち第1の入口131を完全には閉鎖していない場合、第2の燃料ガスチャンバー112へ供給される燃料ガスの制御された一部は第1の燃料ガスチャンバー111へ第1の入口131を介して流れ込み、その後に燃焼領域へ燃料ガス管の内側燃料伝導通路101を介して注入される。図示した実施形態では、同一の制御ユニットが流量コントローラ150および弁160に指令する。
第1および第2の燃料ガスチャンバーの一方への燃料ガスの流量を制御することによっておよび前記燃料ガスチャンバーから他方の燃料ガスチャンバーへの燃料ガスの流量を制御することによって、本発明は、所定の燃料ガス流に対して、燃料ガス管の各々によって注入される燃料ガス流の全体の運動量の同時かつ均一な制御を可能にする。
本発明の主な利点はその動作の容易さ、およびバーナーアセンブリの必要とされる可動部が燃焼領域から離れて配置され、したがって前記燃焼領域内部の雰囲気および温度の有害な効果から保護されるという事実にある。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]・少なくとも2つの燃料ガス管(100)と;・少なくとも1つの酸化剤管と;・前記少なくとも2つの燃料ガス管または前記酸化剤管の少なくとも1つまたは両者が終端する少なくとも1つの出口面とを有するバーナーアセンブリであって、前記バーナーアセンブリはさらに:a)酸化剤流を供給する手段と;b)前記少なくとも1つの酸化剤流体管に前記酸化剤流を注入して少なくとも1つの注入酸化剤流を生じさせる手段と;c)燃料ガス流を供給する手段(120)と;d)前記少なくとも2つの燃料ガス管(100)に前記燃料ガス流を注入して少なくとも2つの注入燃料ガス流を生じさせる手段とを有し、前記少なくとも1つの注入酸化剤流および前記少なくとも2つの注入燃料ガス流の注入の方向が前記バーナーアセンブリの下流の燃焼領域で実質的に収束して交差し、・前記少なくとも2つの燃料ガス管(100)は内側燃料ガス出口を形成する内側燃料伝導通路(101)および外側燃料ガス出口を形成する外側燃料伝導通路(102)を有し、前記内側および前記外側燃料伝導通路は同軸に配置され;ならびに・前記燃料ガス流を注入する前記手段は前記燃料ガス流を供給する手段(120)から前記燃料ガス流を受け取る燃料ガス分配器(110)を有し、および:i)前記少なくとも2つの燃料ガス管(100)の内側燃料伝導通路(101)と流体接続する第1の燃料ガスチャンバー(111)であって、前記燃料ガス流を供給する手段によって供給される燃料ガスを受け取る第1の入口(131)を有する第1の燃料ガスチャンバーと;ii)前記少なくとも2つの燃料ガス管(100)の外側燃料伝導通路(102)と流体接続する第2の燃料ガスチャンバー(112)であって、前記燃料ガス流を供給する手段によって供給される燃料ガスを受け取る第2の入口(132)を有する第2の燃料ガスチャンバー(112)と;iii)それぞれ前記第1および第2の入口への前記燃料ガス流の流量を制御する燃料ガス流量制御手段(140、141、142、150、160、162)とを有することを特徴とするバーナーアセンブリ。
[2]前記第2の燃料ガスチャンバー(112)は少なくとも部分的に、好ましくは全体的に第1の燃料ガスチャンバー(111)を包囲する[1]に記載のバーナーアセンブリ。
[3]・燃料ガス流を供給する前記手段(120)は前記第1(131)および第2(132)の入口の一方に前記燃料ガス流を供給し、・前記第1(111)および第2(112)の燃料ガスチャンバーは前記第1(131)および第2(132)の入口の他方を介して互いに流体接続し、・前記燃料ガス流量制御手段(140、150、160)は前記第1および第2の燃料ガスチャンバーの一方から他方の燃料ガスチャンバーへ前記第1および第2の入口の他方を介して流れる前記燃料ガス流の一部を制御するように装備されている
[1]または[2]に記載のバーナーアセンブリ。
[4]燃料ガス流を供給する前記手段(120)は前記第1の入口(131)へ前記燃料ガス流を供給し、前記燃料ガス流制御手段は前記第1の燃料ガスチャンバー(111)から前記第2の燃料ガスチャンバー(112)へ前記第2の入口(132)を介して流れる前記燃料ガス流の一部を制御するように装備されている[3]に記載のバーナーアセンブリ。
[5]燃料ガス流を供給する前記手段(120)は前記第2の入口(132)へ前記燃料ガス流を供給し、前記燃料ガス流量制御手段は前記第2の燃料ガスチャンバー(112)から前記第1の燃料ガスチャンバー(111)へ前記第1の入口(131)を介して流れる前記燃料ガス流の一部を制御するように装備されている[3]に記載のバーナーアセンブリ。
[6][1]ないし[5]のいずれかに記載のバーナーアセンブリを有する炉であって、好ましくは溶融炉である炉。
[7][1]ないし[5]のいずれかに記載のバーナーアセンブリを使用して燃料ガスを酸化剤で燃焼させる方法であって:a)酸化剤流を供給し;b)少なくとも1つの酸化剤流体管に前記酸化剤流を注入して少なくとも1つの注入酸化剤流を生じさせ;c)前記燃料ガス分配器へ燃料ガス流を供給し;d)前記第1(131)および前記第2(132)の入口への前記燃料ガス流の流量を制御し;e)前記少なくとも2つの燃料ガス管(100)に前記燃料ガス流を注入して少なくとも2つの注入燃料ガス流を生じさせ;f)前記少なくとも1つの注入酸化剤流および前記少なくとも2つの注入燃料ガス流が交差する、前記バーナーアセンブリの下流の燃料領域において、前記少なくとも1つの注入酸化剤流および前記少なくとも2つの注入燃料ガス流を燃焼させることを含む方法。
[8][3]に記載のバーナーアセンブリを使用する[7]に記載の方法であって:・前記燃料ガス分配器(110)へ燃料ガス流を供給する前記工程c)は、前記第1(111)および第2(112)の燃料ガスチャンバーの一方へ前記燃料ガスチャンバーの入口を介して前記燃料ガス流を供給することを含み、および:・前記第1および第2の入口への前記燃料ガスの流量を制御する前記工程d)は:d1)前記第1および第2のガス燃料チャンバーの一方へ前記燃料ガスチャンバーの入口を介して供給される燃料ガス流の流量を制御し、d2)前記第1および第2の燃料ガスチャンバーの一方から他方の燃料ガスチャンバーへ前記他方の燃料ガスチャンバーの入口を介して流れる前記燃料ガス流の一部を制御することを含む方法。
[9][1]または[2]に記載のバーナーアセンブリを使用して燃料ガスを酸化剤で燃焼させる方法であって:a)酸化剤流を供給し;b)少なくとも1つの酸化剤流体管に前記酸化剤流を注入して少なくとも1つの注入酸化剤流を生じさせ;c1)前記第1の燃料ガスチャンバー(111)の前記第1(131)の入口へ第1の燃料ガス流を供給し;c2)前記第2の燃料ガスチャンバー(111)の前記第2の入口(132)へ第2の燃料ガス流を供給し;d1)前記第1の入口(131)への前記第1の燃料ガス流の流量を制御し;d2)前記第2の入口(132)への前記第2の燃料ガス流の流量を制御し;e1)前記第1のガスチャンバー(111)から前記少なくとも2つの燃料ガス管(110)の前記内側燃料伝導通路(101)へ前記第1の燃料ガス流を注入し;e2)前記第2の燃料ガスチャンバー(112)から前記少なくとも2つの燃料ガス管(110)の前記外側燃料伝導通路(102)へ前記第2の燃料ガス流を注入し;f)前記少なくとも1つの注入酸化剤流および前記少なくとも2つの注入燃料ガス流が交差する、前記バーナーアセンブリの下流の燃料領域において、前記少なくとも1つの注入酸化剤流および前記少なくとも2つの注入燃料ガス流を燃焼させることを含む方法。
[10]前記第1の燃料ガス流は第2の燃料ガス流よりも高い発熱量を有するかまたはその逆である[9]に記載の方法。
[11]前記第1および第2の燃料ガス流の一方は5kWh/Nm 未満の発熱量を有し、前記第1および第2の燃料ガス流の他方は少なくとも15kWh/Nm の発熱量を有する[9]に記載の方法。
[12]前記酸化剤流は少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の酸素モル濃度を有する酸化剤からなる[7]ないし[11]のいずれかに記載の方法。
[13]前記少なくとも2つの燃料注入管の出口を通してまたはその近傍に補助酸化剤ジェットを注入し、前記補助酸化剤ジェットは好ましくは前記少なくとも2つの注入燃料ガス流を包囲する[7]ないし[12]のいずれかに記載の方法。

Claims (15)

  1. ・少なくとも2つの燃料ガス管(100)と;
    ・少なくとも1つの酸化剤管と;
    ・前記少なくとも2つの燃料ガス管または前記酸化剤管の少なくとも1つまたは両者が終端する少なくとも1つの出口面と
    を有するバーナーアセンブリであって、
    前記バーナーアセンブリはさらに:
    a)酸化剤流を供給する手段と;
    b)前記少なくとも1つの酸化剤流体管に前記酸化剤流を注入して少なくとも1つの注入酸化剤流を生じさせる手段と;
    c)燃料ガス流を供給する手段(120)と;
    d)前記少なくとも2つの燃料ガス管(100)に前記燃料ガス流を注入して少なくとも2つの注入燃料ガス流を生じさせる手段と
    を有し、
    前記少なくとも1つの注入酸化剤流および前記少なくとも2つの注入燃料ガス流の注入の方向が前記バーナーアセンブリの下流の燃焼領域で実質的に収束して交差し、
    ・前記少なくとも2つの燃料ガス管(100)は内側燃料ガス出口を形成する内側燃料伝導通路(101)および外側燃料ガス出口を形成する外側燃料伝導通路(102)を有し、前記内側および前記外側燃料伝導通路は同軸に配置され;ならびに
    ・前記燃料ガス流を注入する前記手段は前記燃料ガス流を供給する手段(120)から前記燃料ガス流を受け取る燃料ガス分配器(110)を有し、および:
    i)前記少なくとも2つの燃料ガス管(100)の内側燃料伝導通路(101)と流体接続する第1の燃料ガスチャンバー(111)であって、前記燃料ガス流を供給する手段によって供給される燃料ガスを受け取る第1の入口(131)を有する第1の燃料ガスチャンバーと;
    ii)前記少なくとも2つの燃料ガス管(100)の外側燃料伝導通路(102)と流体接続する第2の燃料ガスチャンバー(112)であって、前記燃料ガス流を供給する手段によって供給される燃料ガスを受け取る第2の入口(132)を有する第2の燃料ガスチャンバー(112)と;
    iii)それぞれ前記第1および第2の入口への前記燃料ガス流の流量を制御する燃料ガス流量制御手段(140、141、142、150、160、162)と
    を有し、
    ・前記燃料ガス流を供給する手段(120)は前記第1(131)および第2(132)の入口の一方に前記燃料ガス流を供給し、
    ・前記第1(111)および第2(112)の燃料ガスチャンバーは前記第1(131)および第2(132)の入口の他方を介して互いに流体接続し、
    ・前記燃料ガス流量制御手段(140、150、160)は前記第1および第2の燃料ガスチャンバーの前記一方から他方の燃料ガスチャンバーへ前記第1および第2の入口の他方を介して流れる前記燃料ガス流の一部を制御するように装備されている
    ことを特徴とするバーナーアセンブリ。
  2. 前記第2の燃料ガスチャンバー(112)は少なくとも部分的に第1の燃料ガスチャンバー(111)を包囲する請求項1に記載のバーナーアセンブリ。
  3. 前記第2の燃料ガスチャンバー(112)は全体的に第1の燃料ガスチャンバー(111)を包囲する請求項1に記載のバーナーアセンブリ。
  4. 燃料ガス流を供給する前記手段(120)は前記第1の入口(131)へ前記燃料ガス流を供給し、前記燃料ガス流制御手段は前記第1の燃料ガスチャンバー(111)から前記第2の燃料ガスチャンバー(112)へ前記第2の入口(132)を介して流れる前記燃料ガス流の一部を制御するように装備されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のバーナーアセンブリ。
  5. 燃料ガス流を供給する前記手段(120)は前記第2の入口(132)へ前記燃料ガス流を供給し、前記燃料ガス流量制御手段は前記第2の燃料ガスチャンバー(112)から前記第1の燃料ガスチャンバー(111)へ前記第1の入口(131)を介して流れる前記燃料ガス流の一部を制御するように装備されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のバーナーアセンブリ。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のバーナーアセンブリを有する炉。
  7. 前記炉が溶融炉である請求項6に記載の炉。
  8. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のバーナーアセンブリを使用して燃料ガスを酸化剤で燃焼させる方法であって:
    a)酸化剤流を供給し;
    b)少なくとも1つの酸化剤流体管に前記酸化剤流を注入して少なくとも1つの注入酸化剤流を生じさせ;
    c)前記燃料ガス分配器へ燃料ガス流を供給し;
    d)前記第1(131)および前記第2(132)の入口への前記燃料ガス流の流量を制御し;
    e)前記少なくとも2つの燃料ガス管(100)に前記燃料ガス流を注入して少なくとも2つの注入燃料ガス流を生じさせ;
    f)前記少なくとも1つの注入酸化剤流および前記少なくとも2つの注入燃料ガス流が交差する、前記バーナーアセンブリの下流の燃料領域において、前記少なくとも1つの注入酸化剤流および前記少なくとも2つの注入燃料ガス流を燃焼させる
    ことを含み、
    ・前記燃料ガス分配器(110)へ燃料ガス流を供給する前記工程c)は、前記第1(111)および第2(112)の燃料ガスチャンバーの一方へ前記燃料ガスチャンバーの入口を介して前記燃料ガス流を供給することを含み、および:
    ・前記第1および第2の入口への前記燃料ガスの流量を制御する前記工程d)は:
    d1)前記第1および第2のガス燃料チャンバーの前記一方への前記燃料ガスチャンバーの入口を介する前記燃料ガス流の流量を制御し、
    d2)前記第1および第2の燃料ガスチャンバーの前記一方から他方の燃料ガスチャンバーへ前記他方の燃料ガスチャンバーの入口を介して流れる前記燃料ガス流の一部を制御する
    ことを含む方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって:
    ・前記燃料ガス分配器(110)へ燃料ガス流を供給する前記工程c)は、前記第1(111)の燃料ガスチャンバーへ前記第1の燃料ガスチャンバーの入口を介して前記燃料ガス流を供給することを含み、および:
    ・前記第1および前記第2の入口への前記燃料ガス流の流量を制御する前記工程d)は:
    d1)前記第1の燃料ガスチャンバーへの前記第1の燃料ガスチャンバーの前記入口を介する前記燃料ガス流の流量を制御し;
    d2)前記第1の燃料ガスチャンバーから前記第2の燃料ガスチャンバーへ前記第2の燃料ガスチャンバーの入口を介して流れる前記燃料ガス流の一部を制御する
    ことを含む方法。
  10. 請求項8に記載の方法であって:
    ・前記燃料ガス分配器(110)へ燃料ガス流を供給する前記工程c)は、前記第2(112)の燃料ガスチャンバーへ前記第2の燃料ガスチャンバーの入口を介して前記燃料ガス流を供給することを含み、および:
    ・前記第1および前記第2の入口への前記燃料ガスの流量を制御する前記工程d)は: d1)前記第2の燃料ガスチャンバーへの前記第2の燃料ガスチャンバーの前記入口を介する前記燃料ガス流の流量を制御し;
    d2)前記第2の燃料ガスチャンバーから前記第1の燃料ガスチャンバーへ前記第1の燃料ガスチャンバーの入口を介して流れる前記燃料ガス流の一部を制御する
    ことを含む方法。
  11. 前記酸化剤流は少なくとも50%の酸素モル濃度を有する酸化剤からなる請求項8ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記酸化剤流は少なくとも80%の酸素モル濃度を有する酸化剤からなる請求項8ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記酸化剤流は少なくとも90%の酸素モル濃度を有する酸化剤からなる請求項8ないし10のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記少なくとも2つの燃料ガス管の前記出口を通してまたはその近傍に補助酸化剤ジェットを注入する請求項8ないし13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記少なくとも2つの燃料ガス管の前記出口を通してまたはその近傍に補助酸化剤ジェットを注入し、前記補助酸化剤ジェットは前記少なくとも2つの注入燃料ガス流を包囲する請求項8ないし13のいずれか1項に記載の方法。
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