各図面における同様の参照符号は、同様の要素を示している。
以下では、無線通信を補助するための技術を説明する。ここに開示する技術は、一側面においては、複数のパケットデータネットワーク接続について、ハンドオフを可能にするために有用である。
図1は、無線通信システムの具体例を示している。無線通信システムは、1つ以上の基地局(base station:BS)105a、105b、1つ以上の無線デバイス110及びアクセスネットワーク125を含むことができる。基地局105a、105bは、1つ以上の無線セクタ内の無線デバイス110に無線サービスを提供できる。幾つかの具体例では、基地局(例えば、105a、105b)は、指向性アンテナを含み、2つ以上の指向性ビームを生成して、異なるセクタ内に無線カバレッジを提供する。
アクセスネットワーク125は、1つ以上の基地局105、105bと通信することができる。幾つかの具体例では、1つ以上の基地局105、105bは、アクセスネットワーク125に含まれる。幾つかの具体例では、アクセスネットワーク125は、他の無線通信システム及び有線通信システムとの接続を提供するコアネットワーク(図1には示していない。)と通信する。コアネットワークは、加入された無線デバイス110に関連する情報を保存する1つ以上のサービス加入データベース(service subscription database)を含んでいてもよい。第1の基地局105は、第1の無線アクセス技術に基づく無線サービスを提供でき、第2の基地局105は、第2の無線アクセス技術に基づく無線サービスを提供できる。基地局105は、配備状況(deployment scenario)に応じて、同じ場所に設置してもよく、フィールド内で離して設置してもよい。アクセスネットワーク125は、複数の異なる無線アクセス技術をサポートできる。
本発明の技術及びシステムを実装することができる無線通信システム及びアクセスネットワークの様々な具体例としては、特に、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access:CDMA)に基づく無線通信システム、例えば、CDMA2000 1x、HRPD(High Rate Packet Data)、eHRPD(evolved HRPD)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)、E−UTRAN(Evolved UTRAN)、LTE(Long-Term Evolution)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等が含まれる。幾つかの具体例では、無線通信システムは、異なる無線技術を用いる複数のネットワークを含むことができる。デュアルモード又はマルチモードの無線デバイスは、異なる無線ネットワークに接続するために使用することができる2つ以上の無線技術を含む。幾つかの具体例では、無線デバイスは、音声−データ同時処理(Simultaneous Voice-Data Operation:SV−DO)をサポートできる。
図2は、無線局205の一部のブロック図である。例えば、基地局又は無線デバイスである無線局205は、ここに開示する無線技術の1つ以上を実装するマイクロプロセッサ等のプロセッサ回路210を含むことができる。無線局205は、アンテナ220等の1つ以上の通信インタフェースを介して無線信号を送信及び/又は受信する送受信回路215を含むことができる。無線局205は、データを送信及び受信するための他の通信インタフェースを含むことができる。無線局205は、データ及び/又は命令等の情報を保存するように構成された1つ以上のメモリを含むことができる。幾つかの具体例では、プロセッサ回路210は、送受信回路215の少なくとも一部を含むことができる。
幾つかの具体例では、無線局205は、CDMAエアーインタフェースに基づいて互いに通信を行うことができる。幾つかの具体例では、無線局205は、直交周波数分割多重(orthogonal frequency-division multiplexing:OFDM)エアーインタフェースに基づいて互いに通信を行うことができ、OFDMエアーインタフェースは、直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency-Division Multiple Access:OFDMA)エアーインタフェースを含むことができる。幾つかの具体例では、無線局205は、例えば、CDMA2000 1x等のCDMA、HRPD、WiMAX、LTE及びUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)等、1つ以上の無線技術を使用して通信を行うことができる。
3GPP2によって定義されているeHRPD(enhanced High Rate Packet Data)ネットワークでは、UEは、EPS(Evolved Packet System)へのアタッチメントによってIPサービスを提供する。EPSは、3GPP TS23.402及び他の関連する仕様書によって指定されている。HRPDサービングゲートウェイ(HRPD Serving Gateway:HSGW)は、3GPP2によって定義されているeHRPDネットワークと、3GPP標準化団体によって指定されているEPSシステムとの間の接続を提供するネットワークエッジエンティティである。HSGWの機能及び能力の詳細は、3GPP2 TSG−Xワーキンググループによって定義されている。
ユーザ設備(User Equipment:UE)及びHSGWを含むeHRPDネットワークは、異なるPDN上で動作するアプリケーション毎に、UEに個々のIPv4アドレス及び/又はIPv6アドレスを割り当てることによって、複数のパケットデータネットワーク(Packet Data Network:PDN)へのアタッチメントをサポートするIP環境を提供する。PDNは、アクセスポイント名(Access Point Name:APN)とも呼ばれ、3GPP仕様書に詳述されているEPSコアネットワーク内に常駐する。複数のPDNをホームとするUEにおける同時アプリケーションの具体例として、ピアエンティティがインターネットドメインにある状態で、UE上で動作するインターネットブラウジングアプリケーションを挙げることができる。同時に、UEは、企業ドメインにアンカされた進行中の電話会議アプリケーションを有することができる。複数のPDNにおいて複数の同時アプリケーションをサポートするこのような概念は、3GPP2のリビジョン0「E−UTRAN−eHRPD接続仕様書」(X.S0057−0)によってサポートされている。3GPPドメインでは、同等の仕様書の組は、リリース8仕様書と呼ばれている。
3GPP仕様書のリリース9では、複数のアプリケーションを同じPDNドメインで実行することを許可することによって、UE上の複数の同時アプリケーションの概念を進歩させている。この概念は、「APNへの複数のPDN接続(Multiple PDN Connections to an APN:MUPSAP)」と呼ばれている。例えば、MUPSAPは、インターネットブラウジング、FTPダウンロード、電話会議等の2つ以上のアプリケーションが企業ドメイン内で同時に実行されることを許可する。この場合、同じ企業(PDN)ドメインをホームとするアプリケーション毎に個々のIPv4アドレス及び/又はIPv6アドレスをUEに割り当てる。3GPP2TSG−Xワーキンググループは、3GPP2のリビジョンA「E−UTRAN/eHRPD接続仕様書」(X.S0057−a)において、このようなMUPSAP能力を開発中である。
図3は、E−UTRAN−eHRPDインターワーキングアーキテクチャの具体例を示している。
eHRPD:進化型高速パケットデータ(Enhanced High Rate Packet Data)
EPC:進化型パケットコア(Evolved Packet Core)
E−UTRAN:進化型UTRAN(LTEとも呼ばれている)
3GPP E−UTRANネットワークと、3GPP2 eHRPDネットワークとの間のインターワーキング
3GPP TS23.402及び関連する仕様書、並びに3GPP2 X.S0057仕様書に指定されているプロトコルは、E−UTRAN(LTE)とeHRPDネットワークとの間のインターワーキングをサポートする。E−UTRANネットワークのカバレッジエリアと、eHRPD RAT(Radio Access Technology/Type)ネットワークのカバレッジエリアとの間をUEが移動すると、呼のシームレスな技術間モビリティ(seamless inter-technology mobility of calls)がサポートされる。このような技術間モビリティ/ハンドオフは、(a)最適化されたハンドオフ/ハンドオーバ及び(b)最適化されていないハンドオフ/ハンドオーバに分類される。
最適化されたハンドオフ/ハンドオーバは、ソースアクセスネットワークとターゲットアクセスネットワークとの間でトンネリングされたシグナリング(すなわち、アーキテクチャの図に示すS101インタフェースを介するS101シグナリング)を使用した、E−UTRANからeHRPDへの、又はこの逆のUEの移動を伴う。UEは、ソースアクセスネットワーク内にある間に、ソースアクセスネットワークを介して、ターゲットアクセスネットワークにシグナリングをトンネリングして、「予備登録(pre-register)」を行い、すなわち、無線及びIPコンテキストの両方をターゲットシステム上に作成する。予備登録の後に、UEは、ターゲット技術への無線レベルのハンドオフ/ハンドオーバを実行する。最適化されたハンドオフ/ハンドオーバは、アクティブ状態及びアイドル(休止)状態の両方のUEに適用される。
最適化されていないハンドオフ/ハンドオーバは、ソースアクセスネットワークとターゲットアクセスネットワークとの間でトンネリングされたシグナリング(すなわち、S101シグナリング)を使用しないE−UTRANからeHRPDへの、又はこの逆のUEの移動を伴う。UEは、ソースアクセスネットワークの無線環境から出て、ターゲットアクセスネットワークへの無線レベルのアタッチメントを実行し(例えば、UEがE−UTRANからeHRPDに移動する場合、eHRPDセッションを作成し)、次に、UEがソースアクセスネットワークを介して通信していたパケットデータネットワークへのハンドオーバアタッチ手続(handover attach procedure)を実行する。最適化されていないハンドオフ/ハンドオーバは、アクティブ状態及びアイドル(休止)状態の両方のUEに適用される。
E−UTRAN及びeHRPDにおけるハンドオーバの課題
先に述べたように、3GPP TS23.402及び関連する仕様書、並びに3GPP2 X.S0057仕様書に指定されているプロトコルは、E−UTRAN無線/アクセスネットワークとeHRPD無線/アクセスネットワークとの間の最適化されたハンドオーバ及び最適化されていないハンドオーバをサポートする。「リビジョン0/リリース8」のUEは、複数のパケットデータドメインにおいて、複数の同時アプリケーションをサポートできる。更に、「リビジョンA/リリース9」のUEは、各パケットデータドメイン(APN)において、同時の複数のアプリケーションをサポートできる。この後者の能力は、MUPSAPと呼ばれている。
リビジョン0/リリース8ハンドオフ/ハンドオーバ
最適化されたハンドオフ/ハンドオーバの場合について、UEが、複数のPDN/APN(PDN接続と呼ばれ、各PDN接続は、PDN−IDによって特定される。)内でアクティブな複数の同時アプリケーションを有し、E−UTRANアクセスに接続されているとする。このような複数のIP接続のための各パケットデータフロー(ベアラ接続)は、UEの各PDN接続に割り当てられた一意的なPDN−IDによって特定される。PDN−IDは、E−UTRAN内では、UEとサービングゲートウェイ(Serving Gateway:S−GW)との間で、EPSドメイン内では、S−GWとP−GWとの間でIPパケットベアラパス間の関連付けを提供する。また、PDN−IDは、S−GWとパケット課金規則機能(Packet Charging Rules Function:PCRF)との間、及びP−GWとPCRFとの間で、ポリシ及び課金制御(Policy and Charging Control:PCC)のためのシグナリングパス間の関連付けを提供する。S−GWは、E−UTRANのエッジネットワークエンティティであり、eHRPDネットワークのHSGWと同様である。
E−UTRANアクセスに接続されている間、UEは、潜在的ハンドオーバターゲットとして、eHRPDアクセスネットワークの存在を認識できる。そして、UEは、CDMA測定値レポート(CDMA measurements reports)によって、eHRPDアクセスの関連する信号強度等をE−UTRANに知らせる。E−UTRANネットワークは、ハンドオーバ判定を行い、S101インタフェースを介して、eHRPDネットワークに適切なシグナリングを行い、eHRPDネットワークが潜在的ハンドオーバターゲットとなっていることを知らせる。eHRPDが可能なハンドオーバを準備するために、UEは、eHRPDネットワーク内のHSGWとの各PDN接続(一意的なPDN−IDによって特定される。)についてシグナリング(VSNCP(Vendor Specific Network Control Protocol)シグナリング)を実行し、これによって、eHRPDドメイン(HSGW)内で、アクティブなPDN接続の「予備登録(pre-registration)」を実行する。このような予備登録は、通常、UEとHSGWとの間でPPP接続を設定すること、eHRPDアクセスのためのUE認証及び認可を実行すること、及び異なるPDN/APNを介してIP接続サービスをUEに提供しているEPSドメイン内のPDNゲートウェイ(P−GW)をeHRPD(HSGW)に知らせることによって行われる。このような予備登録によって、eHRPDアクセスへの実際のハンドオーバの前に、eHRPD/HSGW上で、時間が掛かる接続のセットアップを行うことができる。しかしながら、このような予備登録では、eHRPDドメイン内のHSGWと、EPSドメイン内のP−GWとを接続しない。したがって、IPパケットデータフローは、E−UTRANドメインのエンティティを介して、UEと(EPS内の)P−GWとの間で継続する。
後に、UEが実際にeHRPDアクセスに移動したとき、eHRPDドメイン内のHSGWと、EPSドメイン内のP−GWとを接続する。このような接続は、プロキシモバイルIPv6(Proxy Mobile IPv6:PMIPv6)手続を用いて、HSGWとP−GWとの間のプロキシバインディング更新/プロキシバインディング応答(Proxy Binding Update/Proxy Binding Acknowledge:PBU/PBA)メッセージの交換によって実行される。このようなPBU/PBA手続は、HSGWにおいて、PDN−IDを介して特定された予備登録されたPDN接続のそれぞれについて実行される。E−UTRANとeHRPDエンティティとの間の接続は、S103インタフェースによってもイネーブルにされ、これによって、E−UTRANアクセスからeHRPDアクセスへのUE移行の間、E−UTRANからeHRPDへのデータパケットのトンネリングが可能になる。UE及びHSGWとの間で、時間が掛かるプロセスであるPPPセットアップ、認証/認可及びPDN接続セットアップは、予備登録によって実行されているので、PBU/PBA手続は、比較的速やかに実行でき、したがって、これを「最適化されたハンドオーバ(Optimized Handover)」と呼ぶ。
最適化されていないハンドオフ/ハンドオーバの場合、S101インタフェースを介するE−UTRANとeHRPDとの間の接続は存在しない。したがって、UEがまだE−UTRAN無線/アクセスにある間は、eHRPD内のPDN接続の予備登録を実行できない。UEがeHRPDアクセスに移動すると、UE及びeHRPDネットワークは、UE及びHSGWとの間で、PPPセッション設定、並びに認証/認可及びPDN接続セットアップのプロセスを行う。また、HSGWとP−GWとの間では、PBU/PBA手続も実行され、IP接続がE−UTRANからeHRPDに移行される。E−UTRANアクセスからeHRPDアクセスへのIP接続のこのような移行は、比較的長い遅延が生じ、データパケットの損失の可能性もあり、したがって、これを「最適化されていないハンドオーバ」と呼ぶ。
リビジョンA/リリース9ハンドオフ/ハンドオーバ
リビジョン0/リリース8の最適化されたハンドオフ/ハンドオーバ及び最適化されていないハンドオフ/ハンドオーバの全ての能力は、リビジョンA/リリース9システムによってサポートされている。更に、リビジョンA/リリース9システムは、MUPSAP PDN接続のハンドオーバもサポートしている。UEがMUPSAPをサポートし、E−UTRAN及びeHRPDネットワークの両方がMUPSAPをサポートしている(すなわち、それぞれリリース9及びリビジョンAに対応している)場合、ハンドオーバの時点で、UEがE−UTRAN(ソースアクセス)内で所与のAPNに複数のPDN接続を有する場合(MUPSAP)、UEは、eHRPDネットワーク(ターゲットアクセス)でもMUPSAP接続をサポートする。上述したように、UEのIP接続のそれぞれは、PDN−IDによって一意的に特定される。更に、所与のAPNへのMUPSAP接続のそれぞれは、他のパラメータによって特定される。このようなパラメータは、E−UTRANドメインでは、リンクされたEPSベアラID(Linked EPS Bearer Id:LBI)と呼ばれ、eHRPDドメインでは、「ユーザコンテキスト識別子」と呼ばれ、EPSドメインでは、「PDN接続ID」と呼ばれる。例えば、このような識別子が適切に存在すると、E−UTRANからeHRPDへのMUPSAPハンドオーバの成功によって、UEとHSGWとの間の「PDN−ID+ユーザコンテキストID」の関連付け、HSGWとP−GWとの間の「PDN−ID+PDN接続ID」の関連付け、HSGWとPCRFとの間の(PCCのための)「PDN−ID+PDN接続ID」の関連付け、及びP−GWとPCRFとの間の「PDN−ID+PDN接続ID」の関連付けが行われる。このような関連付けを図4に示す。
MUPSAPハンドオーバについて、一例として、リリース9対応のE−UTRANから、リビジョン0対応のeHRPDへのハンドオーバのケースについて説明する。リリース9対応のE−UTRANとは、UE及びE−UTRANがMUPSAPをサポートしていることを含意する。リビジョン−0のeHRPDとは、eHRPDドメインのエンティティがMUPSAPをサポートしていないことを含意する。E−UTRANアクセス上では、UEは、(PDN−ID+LBIの一意的な対と共に)所与のAPNへの複数のPDN接続を有することができる。UEがeHRPDへのハンドオーバを準備する場合、(一意的なPDN−IDによって特定される)所与のAPNへの単一のPDN接続だけしかハンドオーバすることができない。
この場合の問題の1つは、E−UTRANアクセス内のMUPSAP接続の何れをeHRPDアクセスにハンドオーバするかである。
MUPSAP対応のソースアクセスからMUPSAP非対応のターゲットアクセスへのハンドオーバの際のMUPSAP接続の選択のための方針の1つは、UEがそのAPNについて、最も重要な進行中のアプリケーションに対応するPDN接続を選択することである。例えば、UEが、企業ネットワーク(企業APN)において、ウェブブラウジング、電話会議及びFTPダウンロードアプリケーションを同時にアクティブにしている場合、最も重要なPDN接続は、電話会議としてもよい。この具体例では、UEがMUPSAP対応のE−UTRANソースアクセスからMUPSAP非対応のeHRPDターゲットアクセスへのハンドオーバを行う際、UEは、電話会議の継続を維持することを望む。
上述した図3に示すように、ハンドオーバの成功には、複数のドメイン内の異なるエンティティにおいて、ベアラ及びシグナリングセグメントの適切な関連付が必要である。(例えば、上述したように)UEがMUPSAP接続の1つを無作為に選択した場合、異なるベアラ及びシグナリングコンポーネントの適切な関連付けが維持されないことがある。
例えば、UE及びE−UTRANがMUPSAPをサポートし、eHRPDドメインのHSGWがMUPSAPをサポートしていないとする。HSGWは、MUPSAPをサポートしていないので、HSGWは、所与のAPNへの異なるPDN接続を特定するために使用される「ユーザコンテキスト識別子」パラメータを解釈できない。UEが、E−UTRANアクセス上のまま、HSGWにおいて、PDN接続の予備登録を実行する際、HSGWにおいては、1つのAPNあたり1つのPDN接続しか登録できないが、UEがE−UTRANアクセス上にある場合、所与のAPNへの複数のPDN接続がアクティブであることがある。例示的なアプリケーションシナリオの説明を続けると、UEは、E−UTRANアクセス上で、企業APNを介して、ウェブブラウジングアプリケーションをアクティブ化し、このようなPDN接続は、eHRPDドメイン内のHSGWに予備登録される。後に、UEは、まだE−UTRANアクセス内の予備登録の状態で、企業APNを介して、電話会議アプリケーションをアクティブ化する。UEは、HSGWにおいて、電話会議アプリケーションに対応するPDN接続を予備登録する。HSGWは、1つAPNあたり単一のPDN接続だけしかサポートできない(非MUPSAP)ので、ウェブブラウジングアプリケーションのための先の予備登録は、電話会議アプリケーションのための予備登録によって上書きされる。この後、UEは、まだE−UTRANアクセス上にあって、企業APNを介して、FTPアプリケーションを開始する。UEは、eHRPDドメイン内のHSGW上でも、このFTPアプリケーションPDN接続を予備登録する。HSGWでは、FTPアプリケーション予備登録が電話会議予備登録を上書きする。この後、UEは、eHRPDアクセスへのハンドオーバを行う。上述した可能な要求では、UEは、非MUPSAPのeHRPDアクセスへのハンドオーバを行う際は、電話会議アプリケーションの接続を維持することを望む。しかしながら、HSGWは、企業APNのPDN接続のための「最後に」予備登録された、すなわち、FTPアプリケーションのための予備登録コンテキストを有している。したがって、UEとHSGWとの間のベアラコンポーネント間の適切な関連付けは保証されない。
UE及びE−UTRANがMUPSAPをサポートしている場合の同様のシナリオについて説明する。eHRPDドメイン内のHSGWもMUPSAPをサポートしているとする。この場合、UEがE−UTRANアクセス上にある間にアクティブな全てのMUPSAP接続の予備登録は、HSGWにおいて保証することができる。但し、この具体例では、EPSドメイン内のP−GWは、MUPSAPをサポートしていない。したがって、P−GWは、「PDN接続ID」パラメータを解釈できない。P−GWのコンテキストは、その所与のAPNのための「最後」のPDN接続、この場合、FTPアプリケーションに対応する。この場合も、UEは、MUPSAP接続を無作為に選択する自由はない。
したがって、MUPSAPをサポートしているソースアクセスから、MUPSAPをサポートしていないターゲットアクセスへのハンドオーバの成功を保証するために、幾つかの規則を定義する必要がある。上述の例示的なシナリオは、最適化されたハンドオーバの場合のみについて、E−UTRANからeHRPDへのハンドオーバを説明しているが、このような規則は、最適化されていないハンドオーバにも必要である。このような規則は、MUPSAP対応のeHRPDソースアクセスからMUPSAP非対応のE−UTRANターゲットアクセスへのハンドオーバにも必要である。
例示的規則:
MUPSAP対応のソースアクセスからMUPSAP非対応のターゲットアクセスへのハンドオーバのための規則を以下に示す。
UEがソースアクセスネットワークとターゲットアクセスネットワークとの間でハンドオーバを行い、UEがソースアクセス内で所与のAPNへの2つ以上のPDN接続を有し、ターゲットアクセスでは、単一のAPNへの複数のPDN接続がサポートされない場合、ターゲットアクセスでは、所与のAPNへの1つのPDN接続だけが確立される。
UEが非MUPSAPターゲットアクセスに移動したとき、MUPSAP対応のソースアクセス上における所与のAPNのためのアクティブなPDN接続から、ネットワークエンティティが同じPDN接続を選択するように、UEは、MUPSAP対応のソースアクセス上における所与のAPNのためのアクティブなPDN接続から、最新のPDN接続、すなわち、所与のAPNのためのアクティブなPDN接続から、最後にアクティブ化されたPDN接続を選択する。
MUPSAP対応のソースアクセス上で、所与のAPNへの新たなPDN接続が確立され、ターゲットアクセス内では、そのAPNのために既に予備登録されているPDN接続がある場合、非MUPSAPで予備登録されているPDN接続は、そのAPNのための最新のPDN接続ではなくなる。この場合、非MUPSAPターゲットアクセス内で先に予備登録されたPDN接続は削除され、新たに確立されたPDN接続が予備登録される。図5は、非MUPSAPターゲットアクセス内の最後のPDN接続のMUPSAPソースアクセス予備登録におけるPDN接続の追加を示している。
MUPSAP対応のソースアクセスにおいて、最新の予備登録されたPDN接続が削除されると、ターゲットアクセス内の予備登録された情報は、不用になる。この場合、UEがまだMUPSAP対応のソースアクセス上にある間に、2番目に新しいPDN接続が最新のPDN接続になる。非MUPSAPターゲットアクセス内で先に予備登録されたPDN接続は、削除され、2番目に新しいPDN接続がターゲットアクセス内で予備登録される。図6は、MUPSAPソースアクセス内の最後のPDN接続の削除、及び非MUPSAPターゲットアクセスにおける2番目に新しいPDN接続の予備登録を示している。
3GPP2 TSG−X固有のMUPSAP能力:
上述したように、3GPP2 TSG−Xは、X.S0057仕様書のリリースAバージョンにおいて、MUPSAPをサポートするための手続を定義している可能性がある。上述した規則の説明を続けると、MUPSAP対応のE−UTRANアクセスからMUPSAP非対応のeHRPDアクセスへのハンドオーバのために、以下に示す規則の組が提案される。
図7、図8、図9、図10、図11、図12、図13、図14及び図15は、無線ネットワーク内での最適化されたハンドオフ及び最適化されていないハンドオフの間に交換されるメッセージの様々な具体例を示している。以下、これらのメッセージ交換について説明する。
以下、最適化されたハンドオーバの場合の規則を説明する。このシナリオでは、UE及びE−UTRANは、MUPSAPをサポートし、HSGWは、MUPSAPをサポートしていない。規則は、(eHRPDドメイン内で)UEとeAN/ePCFとの間でeHRPDシグナリングをトンネリングするS101インタフェースの使用を仮定する。
eHRPDシステムがMUPSAPをサポートしているか否かがUEにとって既知でない場合、UEは、VSNCP構成−要求メッセージ(VSNCP Configure-Request message)にユーザコンテキスト識別子構成オプション(User Context Identifier configuration option)を含ませることによって、自らがeHRPDシステムで維持することを望む所与のAPNへのPDN接続について予備登録を実行する。UEは、ユーザコンテキスト識別子構成オプションなしのVSNCP構成−応答メッセージを受信すると、eHRPDシステムがMUPSAPをサポートしていないことを学習する。
UEは、使用可能であれば、ANDSF機能を介して、又はVSNCPシグナリング手続を介してeHRPDシステムがMUPSAPをサポートしていないことを学習してもよい。HSGWがMUPSAPをサポートしていないことをUEが知ると、UEは、eHRPDシステム内で、先に予備登録を実行していない場合、所与のAPNへの最新のPDN接続の予備登録を実行する。UEは、VSNCP構成−要求メッセージ内にユーザコンテキスト識別子構成オプションを含ませなくてもよい。
予備登録維持期間(pre-registration maintenance period)の間、E−UTRANシステム内で同じAPNへの新たなPDN接続が確立されると、eHRPDシステムでは、先に予備登録されているPDN接続コンテキストを削除して、APNへの新たに確立されたPDN接続を予備登録してもよい。
予備登録維持期間の間、eHRPDシステムに予備登録されているAPNへのPDN接続がE−UTRANシステム内で解放されると、その予備登録されたPDN接続コンテキストは、削除され、使用可能であれば、同じAPNへの先の(2番目に新しい)PDN接続をeHRPDシステムに予備登録してもよい。
以下、アクティブモードの最適化されたハンドオーバの場合の規則を説明する。このシナリオでは、UEは、eHRPDに予備登録されており、PPPインアクティビティタイマ(PPP inactivity timer)がまだ走行しており、HSGWは、UEのための(PMIPバインディングを除く)フルコンテキストを有する。また、P−GWは、単一のAPNへの複数のPDN接続(MUPSAP)をサポートしていないと仮定する。
HSGWがMUPSAPをサポートしており、P−GWがMUPSAPをサポートしているか否かがHSGWにとって既知でなく、HSGWが所与のAPNへの複数の予備登録されたPDN接続を有する場合、HSGWは、PDN接続ID情報要素を含ませることによって、eHRPDシステムにおいて維持することを望む所与のAPNへのPDN接続のためのPBU/PBA手続をP−GWと共に実行する。HSGWは、PDN接続ID情報要素なしのPBA成功メッセージを受信すると、P−GWがMUPSAPをサポートしていないことを学習する。
HSGWがMUPSAPをサポートしており、P−GWがMUPSAPをサポートしているか否かがHSGWにとって既知ではなく、HSGWが所与のAPNへの予備登録されたPDN接続を1つだけ有している場合、HSGWは、PDN接続ID情報要素をPBUメッセージ内に含ませることによって、所与のAPNへのそのPDN接続のためのPBU/PBA手続をP−GWと共に実行する。HSGWは、PDN接続ID情報要素なしのPBA成功メッセージを受信すると、P−GWがMUPSAPをサポートしていないことを学習する。
HSGWがMUPSAPをサポートしており、P−GWがMUPSAPをサポートしていないことをHSGWが学習すると、HSGWは、先に説明したような予備登録をまだ実行していない場合、所与のAPNへの最新の予備登録されたPDN接続のためのPBU/PBA手続をP−GWと共に実行する。HSGWは、PBUメッセージにPDN接続ID情報要素を含ませなくてもよい。
HSGWがMUPSAPをサポートしていない場合、HSGWは、所与のAPNへの(唯一)予備登録されたPDN接続のためのPBU/PBA手続をP−GWと共に実行する。HSGWは、PBUメッセージにPDN接続ID情報要素を含ませなくてもよい。
以下、アイドルモードの最適化されたハンドオーバの場合の規則を説明する。このシナリオでは、UEは、予備登録手続を介して、ターゲットHSGW内で休止中のPPPセッションを有する。UEは、eHRPDに予備登録されており、PPPインアクティビティタイマ(PPP inactivity timer)がまだ走行しており、HSGWは、UEのための(PMIPバインディングを除く)フルコンテキストを有すると仮定する。また、P−GWは、単一のAPNへの複数のPDN接続(MUPSAP)をサポートしていないと仮定する。
HSGWがMUPSAPをサポートしており、P−GWがMUPSAPをサポートしているか否かがHSGWにとって既知でなく、HSGWが所与のAPNへの複数の予備登録されたPDN接続を有する場合、HSGWは、PDN接続ID情報要素をPBUメッセージに含ませることによって、eHRPDシステムにおいて維持することを望む所与のAPNへのPDN接続のためのPBU/PBA手続をP−GWと共に実行する。HSGWは、PDN接続ID情報要素なしのPBA成功メッセージを受信すると、P−GWがMUPSAPをサポートしていないことを学習する。
HSGWがMUPSAPをサポートしており、P−GWがMUPSAPをサポートしているか否かがHSGWにとって既知ではなく、HSGWが所与のAPNへの予備登録されたPDN接続を1つだけ有している場合、HSGWは、PDN接続ID情報要素をPBUメッセージ内に含ませることによって、所与のAPNへのそのPDN接続のためのPBU/PBA手続をP−GWと共に実行する。HSGWは、PDN接続ID情報要素なしのPBA成功メッセージを受信すると、P−GWがMUPSAPをサポートしていないことを学習する。
HSGWがMUPSAPをサポートしており、P−GWがMUPSAPをサポートしていないことをHSGWが学習すると、HSGWは、先に説明したような予備登録をまだ実行していない場合、所与のAPNへの最新の予備登録されたPDN接続のためのPBU/PBA手続をP−GWと共に実行する。HSGWは、PBUメッセージにPDN接続ID情報要素を含ませない。
HSGWがMUPSAPをサポートしていない場合、HSGWは、所与のAPNへの(唯一)予備登録されたPDN接続のためのPBU/PBA手続をP−GWと共に実行する。HSGWは、PBUメッセージにPDN接続ID情報要素を含ませない。
以下、UEがeHRPD(HSGW)及び/又はP−GWがMUPSAPをサポートしていないことがUEにとって既知のときの最適化されていないハンドオーバの場合の規則を説明する。このシナリオでは、以下の手続は、各APN毎に実行される。
UEは、eHRPDシステム上でPDN接続を作成するために、eHRPDシステムにおいて維持することを望む所与のAPNへの最新のPDN接続を選択する。手続は、選択されたPDN接続について実行してもよい。UEは、VSNCP構成−要求メッセージにユーザコンテキスト識別子構成オプションを含ませない。
以下、UEがeHRPD(HSGW)及び/又はP−GWがMUPSAPをサポートしていないことがUEにとって既知ではないときの最適化されていないハンドオーバの場合の規則を説明する。このシナリオでは、以下の手続は、各APN毎に実行される。
eHRPDシステムがMUPSAPをサポートしているか否かがUEにとって既知でなく、UEが所与のAPNへの複数のPDN接続を有する場合、UEは、eHRPDシステムにおいて維持することを望む所与のAPNへのPDN接続を選択し、選択された所与のAPNへのPDN接続についてのみこのような手続を実行してもよいとの制限の下でこのような手続を実行する。UEは、VSNCP構成−要求メッセージにユーザコンテキスト識別子構成オプションを含ませる。UEは、ユーザコンテキスト識別子構成オプションなしのVSNCP構成−応答メッセージを受信すると、eHRPDシステムがMUPSAPをサポートしていないことを学習する。
eHRPDシステムがMUPSAPをサポートしているか否かがUEにとって既知でなく、UEが所与のAPNへのPDN接続を1つだけ有している場合、UEは、その所与のAPNへのPDN接続を選択する。UEは、VSNCP構成−要求メッセージにユーザコンテキスト識別子構成オプションを含ませる。UEは、ユーザコンテキスト識別子構成オプションなしのVSNCP構成−応答メッセージを受信すると、eHRPDシステムがMUPSAPをサポートしていないことを学習する。
eHRPDシステムがMUPSAPをサポートしていないことがUEにとって既知になると、UEは、最新のPDN接続が上述したステップによって選択されたPDN接続でない場合、APNへの最新のPDN接続のPDN接続を確立する。UEは、VSNCP構成−要求メッセージにユーザコンテキスト識別子構成オプションを含ませない。APNへの最新のPDN接続が上述したようにして選択されたPDN接続とは異なる場合、HSGWは、上述したようにして選択されたPDN接続に関連するGW制御セッション(GW Control Session)が既に確立されていれば、このようなPDN接続のためのGW制御セッションを終了する。
以下、幾つかの例示的なメッセージフローについて説明する。
図7に示すように、(1)UEは、最初にE−UTRANにアタッチされる。UEは、IPv4アドレス及び/又はIPv6プレフィックスを取得する。データは、eNodeB及びS−GWを介して、UEとP−GWとの間で送受される。(2)無線層トリガ(Radio Layer trigger)に基づいて、UEは、潜在的ターゲットeHRPDアクセスとの予備登録手続を開始することを決定する。MME(Mobility Management Entity)とeAN/ePCFとの間には、S101シグナリング関係が存在していると仮定する。(3)UEは、S101トンネルを介して、eHRPDシステム内で新たなセッションの確立を開始する。
(4)RANレベル認証(RAN-level authentication)が必要である場合、UEは、eAN/ePCFとのAN−PPP接続を確立し、A12インタフェースを用いて、RANレベル認証を実行する。この詳細については、A.S0022−0に開示されている。
(5)eHRPD eAN/ePCFは、A11−RRQ/RRP(Registration Request/Registration Reply)メッセージを交換することによって、HSGWとのメインA10接続を確立する。A11−登録要求(A11-Registration Request)メッセージは、アクセスがS101トンネルを介して行われるとの指示を含む。この詳細については、A.S0022−0に開示されている。この情報は、HSGWが、ステップ7において、P−GWとのインタラクションを延期するために使用される。UE及びHSGWは、PPP接続確立手続を開始する。
(6a及び6b)UEは、EAP−AKA’(Extensible Authentication Protocol Method for UMTS Authentication and Key Agreement)を用いて、eHRPDアクセスシステム内でユーザ認証及び認可を実行する。EAP−AKA’メッセージは、PPPを介して、UEとHSGWとの間で転送される。EAPオーセンティケータは、HSGWに常駐する。3GPP AAAサーバは、eHRPDシステム内でのアクセスのためにUEを認証及び認可する。3GPP AAAサーバは、このステップにおいて、HSS(Home Subscriber Server)に問い合わせを行い、加入者プロファイルと、各PDN接続についてのAPN及びP−GWのアドレス対とをeHRPDシステムに返す。また、3GPP AAAサーバは、プロキシバインディング更新メッセージ内でUEを特定するために使用されるNAI(Network Access Identifier)を返す。
(6c)HSGWは、3GPP AAA/HSSサーバから受信した情報を保存する。
(7)UEは、現在、E−UTRAN内でアタッチメントを有し、eHRPD上で維持することを望む各PDN接続について、HSGWとVSNCPメッセージを交換する(ステップ8〜17は、当分野で周知である)。UEは、VSNCP構成−要求メッセージ内でアタッチタイプ(Attach Type)を「ハンドオーバ」に設定する。また、UEは、LTEを介して取得したIPアドレスをVSNCP構成−要求メッセージ内に含ませる。PDNタイプがIPv6又はIPv4v6である場合、UEは、VSNCP構成−要求メッセージ内にIPv6HSGWリンクローカルアドレスIIDオプションを含ませ、値を全てゼロに設定する。HSGWは、VSNCP構成−応答メッセージ内にIPv6HSGWリンクローカルアドレスIIDオプションを含ませ、値をHSGWリンクローカルアドレスのインタフェースIDに設定する。HSGWとPCRFとの間では、3GPP仕様書(TS23.402セクション9.3.1)に基づくインタラクションが行われる。HSGWは、hPCRFとゲートウェイ制御セッション確立/応答(Gateway Control Session Establishment/Ack)メッセージを交換し、全てのアクティブなIPフローについてベアラバインディング更新を実行するために必要なQoSポリシ規則を取得する。ローミングシナリオのための図に示すように、HPLMN内のhPCRFと、HSGWとの間のポリシインタラクションは、VPLMN内のvPCRFを介して中継される。
なお、HSGWは、UEがeHRPDに到着するまで、P−GWとのインタラクションを延期し、この到着の時点で、PBUをP−GWに送信してPDN接続を完成する。
(8)ネットワークは、全てのベアラを確立するためのリソース予約手続を開始する。この時点で、UEは、eHRPDアクセスシステムに登録され、これはAAA/HSSによって認証されている。また、この時点で、UEがeHRPD上で維持することを望むPDN接続のためのHRPDコンテキスト及びIPコンテキストが確立されている。これらのコンテキストを変更する必要がある場合、ステップ9及び/又はステップ10を実行してコンテキストを更新してもよい。
(9)UEとeAN/ePCFとの間のeHRPD無線セッション構成を変更することが必要になる場合がある。例えば、これは、新たなeAN/ePCFのカバレッジエリアの下での移行の結果、必要となることがある。これは、S101トンネリングを介するUEとeAN/ePCFとの間のeHRPDシグナリング交換によって達成される。
(10)UEがE−UTRAN上で動作している間に何らかのベアラが追加され、変更され又は削除された場合、UEとHSGWとの間のコンテキストにおいて、同様の変更が行われる。これは、S101トンネリングを介して、UEとHSGWとの間でこれらの変更をシグナリングすることによって達成される。同様に、UEがE−UTRANで動作している間に何らかのPDN接続が追加され又は削除された場合、VSNCPを使用して、HSGW内で同様の変更が行われる。
(10a)HSGWは、P−GWアイデンティティを有さないPDN接続についてのVSNCP構成−要求を受信すると、HSS/AAAとのAAR/AAA交換を介してその情報を得る。HSGWが対応するP−GW IPアドレスを既に有し、又はVSNCP構成−要求メッセージに関連するHSS/AAAからそれを受信した場合、HSGWは、P−GWとPBU/PBAメッセージを交換する。AAR(Authorize-Authenticate-Request)/AAAメッセージの交換は、図には示していない。
(10b)HSGWは、削除するべきPDN接続のPDN−IDを含むPDN接続のVSNCP終了−要求(VSNCP Terminate-Request)を受信すると、PDN接続コンテキスト情報を削除し、VSNCP終了−応答(VSNCP Terminate-Ack)によってUEに応答する。PDN接続のためにGW制御セッションコンテキストがセットアップされている場合、HSGWは、PCRFとのGW制御セッション終了/応答(GW Control Session Termination/Ack)手続を実行して、HSGWにおいて先に予備登録されているこのPDN接続のGW制御コンテキストを削除する。
(11)セッション維持のためにPCRFインタラクションがまだ開始されていない場合、PCRFインタラクションは、PCRF又はHSGWによって開始できる。PCRFは、TS23.203において指定されているゲートウェイ制御及びQoS規則準備手続(Gateway Control and QoS Rules Provision Procedure)を開始する。HSGWは、TS23.203において指定されているゲートウェイ制御及びQoSポリシ要求手続(Gateway Control and QoS Policy Rules Request Procedure)を開始する。
以下、図8を参照して、様々なネットワークエンティティ間で交換される信号の具体例を説明する。
(1)UEは、最初にE−UTRANにアタッチされる。UEは、IPv4アドレス及び/又はIPv6プレフィックスを取得する。データは、eNodeB及びS−GWを介して、UEとP−GWとの間で送受される。
(2)無線層トリガ(Radio Layer trigger)に基づいて、UEは、潜在的ターゲットeHRPDアクセスとの予備登録手続を開始することを決定する。MMEとeAN/ePCFとの間には、S101シグナリング関係が存在していると仮定する。UEは、選択されたHSGWとのPPP接続をセットアップするためにステップを実行し、eHRPDアクセスについてUE認証を実行する。UEは、UEがE−UTRANシステム内でアタッチメントを有し、UEがHRPDシステムにおいて維持することを望む各APNについてステップ3〜ステップ11を実行する。HSGWがMUPSAPをサポートしていないことがUEにとって既知である場合は、ステップ3〜ステップ6は実行しない。
(3)UEは、メインサービス接続を介して、eHRPDシステムにおいて維持することを望む所与のAPNへのPDN接続のためのVSNCP構成−要求(VSNCP Configure-Request)メッセージを送信する。メッセージ内の情報は、PDN−ID、ユーザコンテキスト識別子、PDNタイプ、APN、PDNアドレス、プロトコル構成オプション及びアタッチタイプ(Attach Type)=「ハンドオーバ」を含む。他の構成オプションを含ませてもよい。
(4)HSGWは、PCRFとのゲートウェイ制御セッション(Gateway Control Session)セットアップ手続を実行してもよい。これを実行する場合、HSGWは、ステップ3で提供されたUE能力及び自らの能力に基づいて、可能なベアラ制御モードを指示する。PCRFは、使用するベアラ制御モードを選択する。
(5)HSGWは、MUPSAPをサポートしていないので、ユーザコンテキスト識別子構成オプションなしのVSNCP構成−応答(VSNCP Configure-Ack)メッセージを返す。これによって、UEは、HSGWがMUPSAPをサポートしていないことを知る。ステップ3において選択されたAPNへのPDN接続がそのAPNへの最新のPDN接続である場合、そのAPNについては、ステップ6〜ステップ9は、実行しない。
(6)UEは、メインサービス接続を介して、所与のAPNへの最新のPDN接続のためのVSNCP構成−要求メッセージ(VSNCP Configure-Request)を送信する。メッセージ内の情報は、PDN−ID、PDNタイプ、APN、PDNアドレス、プロトコル構成オプション及びアタッチタイプ(Attach Type)=「ハンドオーバ」を含む。
(7)ステップ4においてGW制御セッションコンテキストがセットアップされている場合、HSGWは、PCRFとのGW制御セッション終了/応答手続(GW Control Session Termination/Ack)を実行して、HSGWにおいて先に予備登録されているこのPDN接続のGW制御コンテキストを削除する。
(8)HSGWは、PCRFとのゲートウェイ制御セッション(Gateway Control Session)セットアップ手続を実行してもよい。これを実行する場合、HSGWは、ステップ6で提供されたUE能力及び自らの能力に基づいて、可能なベアラ制御モードを指示する。PCRFは、使用するベアラ制御モードを選択する。
(9)HSGWは、メインサービス接続を介して、VSNCP構成応答(VSNCP Configure-Ack)(PDN−ID、APN、PDNアドレス、PCO、アタッチタイプ、アドレス割当根拠(Address Allocation Cause))メッセージをUEに送信する。他の構成オプションを含ませてもよい。
ステップ10及びステップ11は、ステップ5の直後に実行してもよい。この場合、ステップ9の後に実行されるステップ10における情報は、ステップ5の直後に実行されたステップ10における情報を上書きする。
(10)HSGWは、VSNCP構成−要求メッセージを送信して、RFC3772に指定されているプロトコルを完了する。このメッセージは、PDN−ID構成オプションを含む。
(11)UEは、VSNCP構成−応答(VSNCP Configure-Ack)メッセージによって応答する。
(12)ネットワークは、全てのベアラを確立するためのリソース予約手続を開始する。この時点で、APNへのPDN接続のためのHRPDコンテキスト及びIPコンテキストは、HSGWにおいて確立されている。E−UTRANシステム上でAPNへの新たなPDN接続が追加され、又はE−UTRANシステム上でAPNへの予備登録されたPDN接続が削除されている場合、ステップ13〜ステップ19を実行して、HSGWにおいて予備登録情報を更新する。
(13)UEは、HSGWとVSNCPメッセージを交換し、HSGWにおいて予備登録コンテキストを更新する。
a.E−UTRANシステム上でAPNへのPDN接続が追加される場合、UEは、新たなPDN接続のPDN−IDを含むVSNCP構成−要求メッセージをこのAPNに送信し、HSGWにおいて予備登録コンテキストを更新する。アタッチタイプは、「ハンドオーバ」に設定される。上述したステップ6で指定したような他の構成オプションも含まれる。
b.E−UTRANシステム内でAPNへの予備登録されたPDN接続が解放されると、UEは、使用可能であれば、同じAPNへの先の(2番目に新しい)PDN接続のPDN−IDを含むVSNCP構成−要求(VSCNP Configure-Request)メッセージを送信して、HSGWにおいて予備登録コンテキストを更新する。アタッチタイプは、「ハンドオーバ」に設定される。上述したステップ6で指定したような他の構成オプションも含まれる。
c.E−UTRAN上で新たなAPNへのPDN接続が追加される場合、ステップ21において、IPコンテキスト維持手続(IP context maintenance procedures)が実行される。
d.E−UTRANシステム内でAPNへの予備登録されたPDN接続が解放され、このAPNへの他のPDN接続がない場合、ステップ21bにおいて、IPコンテキスト維持手続が実行される。
(14)上の13(a)及び13(b)では、ステップ4又はステップ8においてGW制御セッションコンテキストがセットアップされている場合、HSGWは、PCRFとのGW制御セッション終了/応答(GW Control Session Termination/Ack)手続を実行して、HSGWにおいて先に予備登録されたPDNコンテキストのGW制御コンテキストを削除する。
(15)上の13(a)及び13(b)では、HSGWは、HSGWにおいて新たに特定された予備登録されたコンテキストのために、PCRFとのゲートウェイ制御セッション(Gateway Control Session)セットアップ手続を実行してもよい。これを実行する場合、HSGWは、ステップ13で提供されたUE能力及び自らの能力に基づいて、可能なベアラ制御モードを指示する。PCRFは、使用するベアラ制御モードを選択する。
(16)HSGWは、メインサービス接続を介して、VSNCP構成応答(VSNCP Configure-Ack)(PDN−ID、APN、PDNアドレス、PCO、アタッチタイプ、アドレス割当根拠(Address Allocation Cause))メッセージをUEに送信する。上述のステップ9で指定したような他の構成オプションを含ませてもよい。
(17)HSGWは、VSNCP構成−要求メッセージを送信して、RFC3772に指定されているプロトコルを完了する。このメッセージは、PDN−ID構成オプションを含む。
(18)UEは、VSNCP構成−応答(VSNCP Configure-Ack)メッセージによって応答する。
(19)ネットワークは、全てのベアラを確立するためのリソース予約手続を開始する。
この時点で、全てのHRPDコンテキスト及びIPコンテキストが確立されている。これらのコンテキストを変更する必要がある場合、ステップ20及び/又はステップ21を実行してコンテキストを更新してもよい。
(20)UEとeAN/ePCFとの間のeHRPD無線セッション構成を変更することが必要になる場合がある。例えば、これは、新たなeAN/ePCFのカバレッジエリアの下での移行の結果、必要となることがある。これは、S101トンネリングを介するUEとeAN/ePCFとの間のeHRPDシグナリング交換によって達成される。
(21)UEがE−UTRAN上で動作している間に何らかのベアラが追加され、変更され又は削除された場合、UEとHSGWとの間のコンテキストにおいて、同様の変更が行われる。これは、S101トンネリングを介して、UEとHSGWとの間でこれらの変更をシグナリングすることによって達成される。同様に、UEがE−UTRANで動作している間に何らかのPDN接続が追加され又は削除された場合、VSNCPを使用して、HSGW内で同様の変更が行われる。
a.HSGWは、P−GWアイデンティティを有さないPDN接続についてのVSNCP構成−要求を受信すると、HSS/AAAとのAAR/AAA交換を介してその情報を得る。HSGWが対応するP−GW IPアドレスを既に有し、又はVSNCP構成−要求メッセージに関連するHSS/AAAからそれを受信した場合、HSGWは、P−GWとPBU/PBAメッセージを交換する。AAR/AAAメッセージの交換は、図には示していない。
b.HSGWは、削除するべきPDN接続のPDN−IDを含むPDN接続のVSNCP終了−要求(VSNCP Terminate-Request)を受信すると、PDN接続コンテキスト情報を削除し、VSNCP終了−応答(VSNCP Terminate-Ack)によってUEに応答する。PDN接続のためにGW制御セッションコンテキストがセットアップされている場合、HSGWは、PCRFとのGW制御セッション終了/応答(GW Control Session Termination/Ack)手続を実行して、HSGWにおいて先に予備登録されているこのPDN接続のGW制御コンテキストを削除する。
(22)セッション維持のためにPCRFインタラクションがまだ開始されていない場合、PCRFインタラクションは、PCRF又はHSGWによって開始できる。PCRFは、TS23.203において指定されているゲートウェイ制御及びQoS規則準備手続(Gateway Control and QoS Rules Provision Procedure)を開始する。
以下、図9を参照して、アクティブモードの最適化されたハンドオフの間に交換されるメッセージの具体例を説明する。
(1a)E−UTRANは、UEからのCDMA測定レポートを受信し、HO(ハンドオーバ/ハンドオフ)判定を行う。
(1b)UEは、HRPD接続要求メッセージをE−UTRANに送信し、HRPDトラヒックチャンネルを要求する。この要求は、MMEにフォワードされる。この詳細に関しては、TS23.402に記載されている。
(1c)MMEは、S101トンネルを介して、HRPD接続要求メッセージと共に、P−GWアドレス関連するAPN及びアップリンクGREキーをeHRPDアクセスノードに送信する。
なお、ステップ1cで送信される(各PDN接続あたり1つの)GREキーは、更に、ステップ2aにおいてHSGWに送信され、HSGWは、HOの後に、P−GWへのアップリンクトラヒックのためにこれを使用する。同じキーは、HOの前にS−GWとP−GWとの間でも使用される。同じキーを使用することによって、HSGWが、ステップ8bでPBAを受信する前にアップリンクデータを送信することを決定した場合であっても、P−GWは、アップリンクデータを正しいPDN接続に確実に関連付けることができる(なお、23.402に定義されているP−GWは、バインディングを更新する前であっても、同じGREキーのデータを受信するように構成されている)。
(2a)eHRPD−eAN/ePCFは、要求された無線リソースを割り当て、A11−RRQメッセージをHSGWに送信する。eAN/ePCFは、P−GWアドレス、ステップ1cで受信した各PDN接続のための関連するアップリンクGREキー及びUEがトンネルを介して通信していることを示すインジケータ(A.S0022のトンネルモードインジケータ(Tunnel Mode indicator)参照)をこのメッセージに含ませる。
(2b)HSGWは、フォワード先アドレス(すなわち、HSGW IPアドレス、GREキー及び関連するAPN)を含むA11−RRPによって応答する。
(3)eHRPD−eAN/ePCFは、ステップ1cで受信したHRPD接続要求メッセージに応じて、S101メッセージ内で、HRPDトラヒックチャンネル割当(HRPD Traffic Channel Assignment:TCA)メッセージをMMEに送信する。また、S101メッセージは、HSGW IPアドレス、データフォワーディングのためのGREキー及び関連するAPNを搬送する。
(4a)MMEは、間接的なデータフォワーディングのためにリソースを構成し、HSGW IPアドレス及びGREキーをS−GWにシグナリングする。S−GWは、データフォワーディングリソースを確認する。
(4b)MMEは、S101メッセージに埋め込まれているHRPD TCAメッセージをE−UTRANにフォワードし、E−UTRANは、エアーリンクを介して、これをUEにフォワードする。
(5)E−UTRANは、S103インタフェースを介して、HSGWに送信すべきダウンリンクIPパケットをS−GWに返してもよい。HSGWは、IPパケットに関してあらゆる必要な処理を施し、これらを適切なA10接続を介してeAN/ePCFにフォワードする。
(6a)L2アタッチが完了する(すなわち、UEがeHRPD無線を取得する)。
(6b)UEは、トラヒックチャンネル完了(Traffic Channel Completion:TCC)メッセージをeHRPD eAN/ePCFに送信する。
(7a)eHRPD eAN/ePCFは、アクティブスタート(Active Start)エアーエアリンクレコードと、UEが、現在、eHRPD無線上で動作していることを示すインジケータとを搬送するA11−RRQをHSGWに送信する。
(7b)HSGWは、A11−RRPによって、eHRPD eAN/ePCFに応答する。
(8a)HSGW/MAGは、ステップ7aによってトリガされて、PBUを送信し、UEが関連しているP−GWとの各PDN接続のためのPMIPv6トンネルを確立する。HSGWは、認証の成功に応じて、Mobile−Node−Identifier AVP内で受信したNAIを使用して、UEを特定する。HSGWにおいてMUPSAPがサポートされている場合、HSGWは、PBUメッセージにPDN接続ID情報要素を含ませる。
(8b)P−GWは、PBUを処理し、UEのためのバインディングキャッシュエントリを更新する。UEには、同じIPアドレス又はプレフィックスが割り当てられる。P−GW/LMA(Local Mobility Anchor)は、UEに割り当てられたIPアドレス/プレフィックスを含むPBAをHSGW/MAGに送信する。これによって、PMIPv6トンネルがセットアップされる。P−GWにおいてMUPSAPがサポートされており、PBUメッセージ内でPDN接続ID情報要素が受信されると、P−GWは、PBAメッセージに同じPDN接続ID情報要素を含ませる。
(8c)P−GWは、ポリシを実施するために構成を必要とし、P−GWは、IP−CAN(IP-Connectivity Access Network)セッション変更(Modify IP-CAN session)メッセージをhPCRFに送信する。P−GWがIP−CANセッション変更を要求すると、hPCRFは、IP−CANセッション変更応答(Modify IP-CAN session Ack)メッセージによってP−GWに応答する。このメッセージは、P−GWに組み込まれたポリシ及び課金規則を含む。
なお、ステップ8a〜8cは、確立すべき各PDN接続毎に繰り返される。
(8d)eHRPD eAN/ePCFは、ハンドオフ完了をMMEにシグナリングし、HO完了を確認し、応答を受信する。
(9)L3アタッチが完了し、これによって、UEは、eHRPDアクセスネットワークに/からパケットを送信/受信できるようになる。
(10)eNodeB、MME、S−GW及びP−GWを含むE−UTRANシステムは、リソースを解放し、これは、TS29.275で指定されているように、PMIPv6 BRIメッセージをP−GWからS−GWに送信することを含む。これについては、TS23.402にも記載されている。
(11)UEが、E−UTRAN上でPDN接続及びベアラ追加/削除を完了していない場合、UEは、eHRPD無線上でこれらのアクティビティを完了する。UEがE−UTRAN上で動作している間に何らかのPDN接続が追加又は削除された場合、VSNCPを使用して、HSGWでも同様の変更が行われる。
(11a)HSGWは、P−GWアイデンティティを有さないPDN接続についてのVSNCP構成−要求を受信すると、HSS/AAAとのAAR/AAA交換を介してその情報を得る。HSGWが対応するP−GW IPアドレスを既に有し、又はVSNCP構成−要求メッセージに関連するHSS/AAAからそれを受信した場合、HSGWは、P−GWとPBU/PBAメッセージを交換する。AAR/AAAメッセージ及びPBU/PBAの交換は、図には示していない。
(11b)HSGWは、削除するべきPDN接続のPDN−IDを含むPDN接続のVSNCP終了−要求(VSNCP Terminate-Request)を受信すると、PDN接続コンテキスト情報を削除し、VSNCP終了−応答(VSNCP Terminate-Ack)によってUEに応答する。PDN接続のためにGW制御セッションコンテキストがセットアップされている場合、HSGWは、PCRFとのGW制御セッション終了/応答(GW Control Session Termination/Ack)手続を実行して、HSGWにおいて先に予備登録されているこのPDN接続のGW制御コンテキストを削除する。
以下、図10を参照して、E−UTRANからMUPSAPをサポートしていないeHRPD P−GWへのアクティブモードの最適化されたハンドオフの間に交換されるメッセージの具体例を説明する。
(1)UEは、最初にE−UTRANにアタッチされる。UEは、eHRPDにおいて、アクティブなPDN接続の予備登録を実行している。
(2)E−UTRANは、UEからのCDMA測定レポートを受信し、HO判定を行う。UEは、HRPD接続要求メッセージをE−UTRANに送信し、HRPDトラヒックチャンネルを要求する。これによって、eHRPD上にトラヒックチャネルがセットアップされ、eAN/ePCFがHSGWとのA10接続をセットアップする。
HSGWがMUPSAPをサポートしている場合、HSGWは、HSGW上で予備登録されたPDN接続を有する各APNについてステップ3〜ステップ8を実行する。P−GWがMUPSAPをサポートしていないことがHSGWにとって既知の場合、ステップ3〜ステップ5は実行されない。
HSGWがMUPSAPをサポートしていない場合、ステップ3〜ステップ5は実行されない。
(3)HSGW/MAGは、PBUメッセージを送信し、APNについてUEが関連付けられているP−GWとのPMIPv6トンネルを確立する。HSGWにおいて予備登録されているAPNへの複数のPDN接続がある場合、HSGWは、eHRPDシステム上で維持することを望むAPNへのPDN接続の1つを選択する。APNへの予備登録されたPDN接続が1つしかない場合、そのPDN接続が選択される。HSGWは、認証の成功に応じて、Mobile−Node−Identifier AVP内で受信したNAIを使用して、UEを特定する。HSGWは、選択されたPDN接続のためのPDN接続ID情報要素をPBUメッセージ内に含ませる。
(4)P−GWは、PBUを処理して、このAPNのためのUEのバインディングキャッシュエントリを更新する。P−GWは、MUPSAPをサポートしていないので、そのバインディングキャッシュエントリは、APNへの最新のPDN接続に割り当てられたIPアドレス又はプレフィックスを含む。P−GW/LMAは、APNへの最新のPDN接続に割り当てられたIPアドレス/プレフィックスを含むPBAをHSGW/MAGに送信する。これによって、PMIPv6トンネルがセットアップされる。P−GWは、PDN接続ID情報要素なしでPBAメッセージを返す。
(5)P−GWは、ポリシを実施するために構成を必要とし、P−GWは、IP−CANセッション変更(Modify IP-CAN session)メッセージをhPCRFに送信する。P−GWがIP−CANセッション変更を要求すると、hPCRFは、IP−CANセッション変更応答(Modify IP-CAN session Ack)メッセージによってP−GWに応答する。このメッセージは、P−GWに組み込まれたポリシ及び課金規則を含む。
この段階で、HSGWは、P−GWがMUPSAPをサポートしていないことを知る。APNへのPDN接続が1つしかない場合、又はステップ3〜ステップ5においてPBU/PBA手続が実行されるAPNへのPDN接続がAPNへの最新のPDN接続である場合、ステップ6〜ステップ8は実行されない。
(6)HSGW/MAGは、PBUメッセージを送信し、APNについてUEが関連付けられているP−GWとのPMIPv6トンネルを確立する。HSGWにおいて予備登録されているAPNへの複数のPDN接続がある場合、HSGWは、HSGWは、APNへの最新のPDN接続を選択する。HSGWがMUPSAPをサポートしていない場合、APNへの唯一の予備登録されたPDN接続が選択される。HSGWは、認証の成功に応じて、Mobile−Node−Identifier AVP内で受信したNAIを使用して、UEを特定する。HSGWは、PBUメッセージ内にPDN接続ID情報要素を含ませない。
(7)P−GWは、PBUを処理して、このAPNのためのUEのバインディングキャッシュエントリを更新する。UEには、同じIPアドレス又はプレフィックスが割り当てられる。P−GW/LMAは、UEに割り当てられたIPアドレス/プレフィックスを含むPBAをHSGW/MAGに送信する。これによって、PMIPv6トンネルがセットアップされる。
(8)P−GWは、ポリシを実施するために構成を必要とし、P−GWは、IP−CANセッション変更(Modify IP-CAN session)メッセージをhPCRFに送信する。P−GWがIP−CANセッション変更を要求すると、hPCRFは、IP−CANセッション変更応答(Modify IP-CAN session Ack)メッセージによってP−GWに応答する。このメッセージは、P−GWに組み込まれたポリシ及び課金規則を含む。
(9)eHRPD eAN/ePCFは、ハンドオフ完了をMMEにシグナリングし、HO完了を確認し、応答を受信する。
(10)L3アタッチが完了し、これによって、UEは、eHRPDアクセスネットワークに/からパケットを送信/受信できるようになる。
(11)eNodeB、MME、S−GW及びP−GWを含むE−UTRANシステムは、リソースを解放し、これは、TS29.275で指定されているように、PMIPv6 BRIメッセージをP−GWからS−GWに送信することを含む。これについては、TS23.402にも記載されている。
(12)UEが、E−UTRAN上でPDN接続及びベアラ追加/削除を完了していない場合、UEは、eHRPD無線上でこれらのアクティビティを完了する。部分的なコンテキストによる予備登録の場合、UEがeHRPDを介してPDN接続をセットアップしたとき、eNodeB、MME、S−GWを含むEPSリソースが解放される。UEがE−UTRAN上で動作している間に何らかのPDN接続が追加又は削除された場合、VSNCPを使用して、HSGWでも同様の変更が行われる。
(12a)HSGWは、P−GWアイデンティティを有さないPDN接続についてのVSNCP構成−要求を受信すると、HSS/AAAとのAAR/AAA交換を介してその情報を得る。HSGWが対応するP−GW IPアドレスを既に有し、又はVSNCP構成−要求メッセージに関連するHSS/AAAからそれを受信した場合、HSGWは、P−GWとPBU/PBAメッセージを交換する。AAR/AAAメッセージ及びPBU/PBAの交換は、図には示していない。
(12b)HSGWは、削除するべきPDN接続のPDN−IDを含むPDN接続のVSNCP終了−要求(VSNCP Terminate-Request)を受信すると、PDN接続コンテキスト情報を削除し、VSNCP終了−応答(VSNCP Terminate-Ack)によってUEに応答する。PDN接続のためにGW制御セッションコンテキストがセットアップされている場合、HSGWは、PCRFとのGW制御セッション終了/応答(GW Control Session Termination/Ack)手続を実行して、HSGWにおいて先に予備登録されているこのPDN接続のGW制御コンテキストを削除する。
(13)HSGWがMUPSAPをサポートしており、P−GWによってサポートされないAPNへのPDN接続を有する場合、HSGWは、削除すべき接続のPDN−IDを含むVSNCP終了−要求メッセージを送信することによって、このようなPDN接続コンテキスト情報を削除する。UEは、PDN接続コンテキスト情報を削除し、VSNCP終了−応答によってHSGWに応答する。PDN接続のためにGW制御セッションコンテキストがセットアップされている場合、HSGWは、PCRFとのGW制御セッション終了/応答(GW Control Session Termination/Ack)手続を実行して、HSGWにおいて先に予備登録されているこのPDN接続のGW制御コンテキストを削除する。
以下、図11を参照して、E−UTRANからeHRPDへのアイドルモードの最適化されたハンドオフの間に交換されるメッセージの具体例を説明する。
(1)UEは、E−UTRANネットワークにアタッチされ、ECM_IDLE状態にある。UEは、予備登録手続を介して、ターゲットeHRPD AN内で休止中のeHRPDセッションを有する。
(2)UEは、アイドルモードにある。あるトリガに基づいて、アイドル中のUEは、eHRPD ANへのセル再選択を実行することを決定する。なお、セル再選択は、UEがE−UTRANネットワークにアタッチされている場合、いつでも実行することができる(UEが予備登録を完了した直後を含む)。
(3)UEは、eHRPD手続に従って、UEが技術間アイドルモードモビリティイベント(inter-technology idle mode mobility event)を実行し、現在、eHRPDにチューニングされていることをeANに通知する。
(4)eANは、全てのA10についてA11−登録要求を送信する。このA11−RRQは、UEがeHRPD無線上で動作していることをHSGWに示すための、「0」に設定された「トンネルモードモードインジケータ(tunneled mode indicator)」を含む。トンネルモードインジケータ(Tunnel Mode Indicator)が存在していない場合、HSGWは、UEがeHRPD無線上で動作していると仮定し、UEのための全てのPMIPバインディングを確立する必要がある。
(5)及び(6):継続期間タイマ(lifetime timer)がゼロではなく、トンネルモードインジケータ「0」に設定されている又は存在していない、eHRPDセッションのためのA11−登録要求メッセージを受信すると、HSGWは、このUEのためのPMIPv6バインディングを有していないことを判定し、適切なP−GWとPBU/PBAメッセージを交換する。HSGW及びP−GWにおいてMUPSAPがサポートされている場合、HSGW及びP−GWは、PDN接続ID情報要素をPBU/PBAメッセージ内に含ませる。PMIPv6PBA内のUEアドレス情報は、UEに割り当てられているIPアドレスを返す。この時点で、ユーザプレーンは、HSGWを介して、P−GWをeHRPDアクセスネットワークに切り換える。P−GWは、AAR/AAAメッセージの交換を用いて、HSS/AAAを更新する(図には示していない)。
(6a)及び(6b)P−GWは、IP−CANセッション変更(IP-CAN Session Modification)メッセージの指示(Indication)をPCRFに送信し、PCRFがこれに応答する。ステップ6及びステップ6aは、何れもステップ5において、PBUによってトリガされるので、ステップ6及びステップ6aは、並列的に実行してもよい。
なお、複数のPDN接続について、ステップ5〜6及びステップ6a〜6bは、各PDN接続毎に実行される。
(7)新たなA10接続が確立される場合、A11−登録要求メッセージは、検証され、HSGWは、承諾指示(accept indication)を含むA11−登録応答メッセージを返すことによってA10接続を承諾する。このステップは、ステップ4の後、いつでも実行できる。
(8)ステップ6の後の任意の時点で、P−GWは、TS23.402のサブクローズ5.6.2.2に定義されているように、E−UTRAN内でリソース割当非アクティブ化手続を開始する。
(9)UEがeHPRDにアタッチされる。
(10)UEが、E−UTRAN上でPDN接続及びベアラ追加/削除を完了していない場合、UEは、eHRPD無線上でこれらのアクティビティを完了する。UEがE−UTRAN上で動作している間に何らかのPDN接続が追加又は削除された場合、VSNCPを使用して、HSGWでも同様の変更が行われる。
(10a)HSGWは、P−GWアイデンティティを有さないPDN接続についてのVSNCP構成−要求を受信すると、HSS/AAAとのAAR/AAA交換を介してその情報を得る。HSGWが対応するP−GW IPアドレスを既に有し、又はVSNCP構成−要求メッセージに関連するHSS/AAAからそれを受信した場合、HSGWは、P−GWとPBU/PBAメッセージを交換する。AAR/AAAメッセージ及びPBU/PBAの交換は、図には示していない。
(10b)HSGWは、削除するべきPDN接続のPDN−IDを含むPDN接続のVSNCP終了−要求(VSNCP Terminate-Request)を受信すると、PDN接続コンテキスト情報を削除し、VSNCP終了−応答(VSNCP Terminate-Ack)によってUEに応答する。PDN接続のためにGW制御セッションコンテキストがセットアップされている場合、HSGWは、PCRFとのGW制御セッション終了/応答(GW Control Session Termination/Ack)手続を実行して、HSGWにおいて先に予備登録されているこのPDN接続のGW制御コンテキストを削除する。
以下、図12を参照して、E−UTRANからMUPSAPをサポートしていないeHRPDへのアイドルモードの最適化されたハンドオフの間に交換されるメッセージの具体例を説明する。
(1)UEは、最初にE−UTRANにアタッチされる。UEは、eHRPDにおいて、アクティブなPDN接続の予備登録を実行している。UEは、予備登録手続を介して、ターゲットeHRPDネットワーク内で休止中のeHRPDセッションを有する。
(2)UEは、E−UTRANにアタッチされ、ECM_IDLE状態にある。あるトリガに基づいて、アイドル中のUEは、eHRPD ANへのセル再選択を実行することを決定する。UEは、eHRPD手続に従って、UEが技術間アイドルモードモビリティイベント(inter-technology idle mode mobility event)を実行し、現在、eHRPDにチューニングされていることをeANに通知する。
(3)eANは、全てのA10についてA11−登録要求を送信する。このA11−RRQは、UEがeHRPD無線上で動作していることをHSGWに示すための、「0」に設定された「トンネルモードモードインジケータ」を含む。トンネルモードインジケータが存在していない場合、HSGWは、UEがeHRPD無線上で動作していると仮定し、UEのための全てのPMIPバインディングを確立する必要がある。
(4)HSGWは、A11−登録応答を送信してeHRPDアクセスを承認する。新たなA10接続が確立される場合、A11−登録要求メッセージは、検証され、HSGWは、承諾指示(accept indication)を含むA11−登録応答メッセージを返すことによってA10接続を承諾する。
HSGWがMUPSAPをサポートしている場合、HSGWは、予備登録されたPDN接続を有する各APNについてステップ5〜ステップ10を実行する。P−GWがMUPSAPをサポートしていないことがHSGWにとって既知の場合、ステップ5〜ステップ7は実行されない。
HSGWがMUPSAPをサポートしていない場合、ステップ5〜ステップ7は実行されない。
(5)HSGW/MAGは、ステップ3によってトリガされて、PBUメッセージを送信し、APNについてUEが関連しているP−GWとの各PDN接続のためのPMIPv6トンネルを確立する。HSGWにおいて予備登録されているAPNへの複数のPDN接続がある場合、HSGWは、eHRPDシステム上で維持することを望むAPNへのPDN接続の1つを選択する。APNへの予備登録されたPDN接続が1つしかない場合、そのPDN接続が選択される。HSGWは、認証の成功に応じて、Mobile−Node−Identifier AVP内で受信したNAIを使用して、UEを特定する。HSGWは、選択されたPDN接続のためのPDN接続ID情報要素をPBUメッセージ内に含ませる。
(6)P−GWは、PBUを処理して、このAPNのためのUEのバインディングキャッシュエントリを更新する。P−GWは、MUPSAPをサポートしていないので、そのバインディングキャッシュエントリは、APNへの最新のPDN接続に割り当てられたIPアドレス又はプレフィックスを含む。P−GW/LMAは、APNへの最新のPDN接続に割り当てられたIPアドレス/プレフィックスを含むPBAをHSGW/MAGに送信する。これによって、PMIPv6トンネルがセットアップされる。P−GWは、PDN接続ID情報要素なしでPBAメッセージを返す。
(7)P−GWは、ポリシを実施するために構成を必要とし、P−GWは、IP−CANセッション変更(Modify IP-CAN session)メッセージをhPCRFに送信する。P−GWがIP−CANセッション変更を要求すると、hPCRFは、IP−CANセッション変更応答(Modify IP-CAN session Ack)メッセージによってP−GWに応答する。このメッセージは、P−GWに組み込まれたポリシ及び課金規則を含む。
この段階で、HSGWは、P−GWがMUPSAPをサポートしていないことを知る。APNへのPDN接続が1つしかない場合、又はステップ5〜ステップ7においてPBU/PBA手続が実行されるAPNへのPDN接続がAPNへの最新のPDN接続である場合、ステップ8〜ステップ10は実行されない。
(8)HSGW/MAGは、PBUメッセージを送信し、APNについてUEが関連付けられているP−GWとのPMIPv6トンネルを確立する。HSGWにおいて予備登録されているAPNへの複数のPDN接続がある場合、HSGWは、HSGWは、APNへの最新のPDN接続を選択する。HSGWがMUPSAPをサポートしていない場合、APNへの唯一の予備登録されたPDN接続が選択される。HSGWは、認証の成功に応じて、Mobile−Node−Identifier AVP内で受信したNAIを使用して、UEを特定する。HSGWは、PBUメッセージ内にPDN接続ID情報要素を含ませない。
(9)P−GWは、PBUを処理して、UEのバインディングキャッシュエントリを更新する。UEには、同じIPアドレス又はプレフィックスが割り当てられる。P−GW/LMAは、UEに割り当てられたIPアドレス/プレフィックスを含むPBAをHSGW/MAGに送信する。これによって、PMIPv6トンネルがセットアップされる。
(10)P−GWは、ポリシを実施するために構成を必要とし、P−GWは、IP−CANセッション変更(Modify IP-CAN session)メッセージをhPCRFに送信する。P−GWがIP−CANセッション変更を要求すると、hPCRFは、IP−CANセッション変更応答(Modify IP-CAN session Ack)メッセージによってP−GWに応答する。このメッセージは、P−GWに組み込まれたポリシ及び課金規則を含む。
(11)P−GWは、TS23.402のサブクローズ5.6.2.2に定義されているように、E−UTRAN内でリソース割当非アクティブ化手続を開始する。
(12)UEがeHPRDにアタッチされる。
(13)UEが、E−UTRAN上でPDN接続及びベアラ追加/削除を完了していない場合、UEは、eHRPD無線上でこれらのアクティビティを完了する。UEがE−UTRAN上で動作している間に何らかのPDN接続が追加又は削除された場合、VSNCPを使用して、HSGWでも同様の変更が行われる。
(13a)HSGWは、P−GWアイデンティティを有さないPDN接続についてのVSNCP構成−要求を受信すると、HSS/AAAとのAAR/AAA交換を介してその情報を得る。HSGWが対応するP−GW IPアドレスを既に有し、又はVSNCP構成−要求メッセージに関連するHSS/AAAからそれを受信した場合、HSGWは、P−GWとPBU/PBAメッセージを交換する。AAR/AAAメッセージ及びPBU/PBAの交換は、図には示していない。
(13b)HSGWは、削除するべきPDN接続のPDN−IDを含むPDN接続のVSNCP終了−要求(VSNCP Terminate-Request)を受信すると、PDN接続コンテキスト情報を削除し、VSNCP終了−応答(VSNCP Terminate-Ack)によってUEに応答する。PDN接続のためにGW制御セッションコンテキストがセットアップされている場合、HSGWは、PCRFとのGW制御セッション終了/応答(GW Control Session Termination/Ack)手続を実行して、HSGWにおいて先に予備登録されているこのPDN接続のGW制御コンテキストを削除する。
(14)HSGWがMUPSAPをサポートしており、P−GWによってサポートされないAPNへのPDN接続を有する場合、HSGWは、削除すべき接続のPDN−IDを含むVSNCP終了−要求メッセージを送信することによって、このようなPDN接続コンテキスト情報を削除する。UEは、PDN接続コンテキスト情報を削除し、VSNCP終了−応答によってHSGWに応答する。PDN接続のためにGW制御セッションコンテキストがセットアップされている場合、HSGWは、PCRFとのGW制御セッション終了/応答(GW Control Session Termination/Ack)手続を実行して、HSGWにおいて先に予備登録されているこのPDN接続のGW制御コンテキストを削除する。
以下、図13を参照して、部分的HSGWコンテキスト(partial HSGW context)において、E−UTRANからeHRPDへの最適化されていないハンドオフの間に交換されるメッセージの具体例を説明する。
(1)UE及びeAN/ePCFは、既存のeHRPDセッションを再接続する。
(2)ePCFは、UEに関連するA10セッションが使用可能であることを認識し、A11−登録要求メッセージ内で「アクティブスタート(Active Start)」の指示をHSGWに送信する。
(3)HSGWは、A11−登録応答(A11-Registration Reply)メッセージで応答する。
(4)HSGWは、HSS/AAAから、UEのための全てのPDN接続によって現在使用されているP−GWのIPアドレスを含むUEコンテキストを取得する。
ステップ5〜ステップ12は、UEが再確立する各PDN接続毎に繰り返される。
(5)UEは、メインサービス接続を介して、VSNCP構成−要求メッセージを送信する。メッセージ内の情報は、PDN−ID、PDNタイプ、APN、PDNアドレス、プロトコル構成オプション及びアタッチタイプ(Attach Type)=「ハンドオーバ」を含む。また、MUPSAPがサポートされている場合、ユーザコンテキスト識別子も含まれる。既知である場合、PDNタイプは、UEに関連するIPスタックの能力であるUE IPバージョン能力(IPv4、IPv4/IPv6、IPv6)を示す。プロトコル構成オプションは、ネットワークが開始したベアラをUEがサポートしているか否かを示す。
(6)HSGWは、PCRFとのゲートウェイ制御セッション確立(Gateway Control Session Establishment)手続を実行する(TS23.203参照)。このステップの一部として、PCRFは、HSGWにQoS規則及びイベントを送信する。
(7)HSGWは、PMIPバインディング更新をP−GWに送信して、登録を更新する(TS29.275参照)。HSGWにおいてMUPSAPがサポートされている場合、HSGWは、PBUメッセージにPDN接続ID情報要素を含ませる。
(8)P−GWは、PCRFインタラクションを実行してQoSポリシパラメータを取得する。
(9)P−GWは、PBAによってHSGWに応答する(TS29.275参照)。P−GWがMUPSAPをサポートしており、PBUメッセージ内でPDN接続ID情報要素が受信された場合、P−GWは、PBAメッセージに同じPDN接続ID情報要素を含ませる。
(10)HSGWは、メインサービス接続を介して、VSNCP構成応答(VSNCP Configure-Ack)(PDN−ID、PBAメッセージ内でPDN接続ID情報要素が受信された場合、ユーザコンテキスト識別子、APN、PDNアドレス、PCO、アタッチタイプ)メッセージをUEに送信する。プロトコル構成オプションパラメータは、選択されたベアラ制御モードを指示してもよい。
なお、ダイナミックポリシがサポートされていない場合、選択されたベアラ制御モードは、「MSのみ(MS-only)」である。
(11)HSGWは、RFC3772で指定されているVSNCP構成−要求メッセージを送信してプロトコルを完了する。直ちに又は後にIPv4アドレスが割り当てられる場合、このメッセージは、PDN−ID及びIPv4デフォルトルータアドレス(IPv4 Default Router Address)を含む。MUPSAPがサポートされている場合、メッセージは、UEから受信したVSNCP構成−要求メッセージ内で受信したものと同じ値に設定されたユーザコンテキスト識別子構成オプションを含む。
(12)UEは、VSNCP構成−応答(VSNCP Configure-Ack)メッセージによって応答する。
ステップ13は、全てのPDN接続のための全てのベアラが再確立されるまで必要に応じて繰り返される。
(13)PDN接続のためのベアラは、選択されたベアラ制御モードに基づいて、eHRPD上で再確立される。
(13a)選択されたベアラ制御モードが「MSのみ(MS-only)」である場合、HSGWは、UEが全てのベアラを再確立すると仮定する。UEは、全てのベアラについて、UEが要求するベアラリソース割当を実行する。QoS情報(QoS info)に変更がない場合、QoS情報及びサービス接続が保持されるので、ステップは、実行されない。再確立ベアラの一部として、1つ以上のベアラをRANによって削除する必要があることがある。UEは、標準のHRPD手続を実行して、対応する予約を削除する。
(13b)選択されたベアラ制御モードが「MS/NW」である場合、HSGWは、全てのベアラを再確立する。HSGWは、NW(network)によって開始された専用のベアラセットアップを実行する。QoS情報(QoS info)に変更がない場合、QoS情報及びサービス接続が保持されるので、ステップは、実行されない。再確立ベアラの一部として、1つ以上のベアラを削除する必要があることがある。
なお、選択されたベアラ制御モードが「MS/NW」である場合、古くなったベアラをどのように削除するかは、研究課題である。
「MS/NW」モードにおいてUEがどのIPフローを開始したかをHSGWがUEにどのように知らせるかは、研究課題である。
以下、図14を参照して、ヌルHSGWコンテキスト(null HSGW context)において、最適化されていないハンドオフの間に交換されるメッセージの具体例を説明する。
(1)UEがeAN/ePCFとの既存のeHRPDセッションを有し、HSGWは、UEのための保存されたコンテキストを有さないと仮定する。UEは、eHRPDへの予備登録のためにS101を使用しない。UEがeHRPDに再びアタッチすると、UEは、HSGWと共に完全なコンテキストを確立する必要がある。
(2)UEは、LTE内にある。あるトリガに基づいて、UEは、eHRPD ANへのセル再選択を実行することを決定する。なお、セル再選択は、UEがE−UTRANネットワークにアタッチされている場合、いつでも実行することができる。UEをeHRPDにリダイレクトする際にeNB(evolved Node B)を関係させてもよい。
(3)UEは、eHRPD手続に従って、eANとの接続を確立する。
(4)eHRPDセッションは、このサブネット内にあり、A10接続は、存在していないので、eHRPD eAN/ePCFは、全てのA10を確立するためにA11−登録要求を送信する。このA11−RRQは、UEがeHRPD無線上で動作していることをHSGWに示すための、「0」に設定されたトンネルモードモードインジケータを含む。トンネルモードインジケータが存在していない場合、HSGWは、常に、UEがeHRPD無線上で動作していると仮定する。
(5)HSGWは、ステップ4によってトリガされて、A11−登録応答を送信してeHRPDアクセスを承認する。A11−登録要求メッセージは、検証される。
(6)UEは、以前にeHRPD上にあり、予備登録のためにS101を使用していないので、UEは、VSNCP構成−要求をHSGWに送信する。また、MUPSAPがサポートされている場合、ユーザコンテキスト識別子構成オプションも含まれる。UEは、UEがeHRPD上でコンテキストを確立した前回からの部分的コンテキストをHSGWが維持していると仮定する。
(7)HSGWは、UEのための保存されたコンテキストを有していないと判定する。HSGWは、UEのためのPPP、認証、CCP及びPDNコンテキストを確立するためのLCP(Link Control Protocol)及び他の手続を開始する。このステップは、ステップ6においてVSNCP構成−要求を送信する前に実行してもよい。
(8)(オプションのステップ)UEが延期されたIPアドレス割当(deferred IP address allocation)を要求している場合、UEは、この時点で、BEサービス接続上で(オプションとして急速コミットオプション(rapid commit option)有りの)DHCPv4発見(DHCPv4 DISCOVER)メッセージを発行できる。
(9a)UEは、ルータ要請メッセージ(Router solicitation message)を送信してもよい。
(9b)P−GWがIPv6プレフィックスをHSGWに送信した場合、HSGWは、ルータ広告(Router Advertisement)メッセージを送信する。
(10)UE、RAN、HSGW及びPCRFは、ベアラ制御モード(Bearer Control Mode)に基づいて、専用のベアラの再確立に進む。
(10a)選択されたBCMがNWによって開始されたQoS(NW-initiated QoS)を示す場合、LTE上でセットアップされている専用のベアラ(IPフロー)のそれぞれについて、手続を実行する。
(10b)選択されたBCMがUEによって開始されたQoS(UE-initiated QoS)を示す場合、UEが確立することを望むLTE上でセットアップされている専用のベアラ(IPフロー)のそれぞれについて、手続を実行する。
以下、図15を参照して、既存のeHRPDセッションがない最適化されていないハンドオフを補助するために交換されるメッセージの具体例を説明する。
(1)UEは、eAN/ePCFとの既存のeHRPDセッションを有さない(したがって、HSGWは、UEのための保存されたコンテキストを有さない)と仮定する。UEは、eHRPDへの予備登録のためにS101を使用しない。UEがeHRPDに再びアタッチすると、UEは、完全なeHRPDセッション確立を行い、HSGWと共に完全なコンテキストを確立する必要がある。
(2)UEは、LTE内にある。あるトリガに基づいて、UEは、eHRPD ANへのセル再選択を実行することを決定する。なお、セル再選択は、UEがE−UTRANネットワークにアタッチされている場合、いつでも実行することができる。UEをeHRPDにリダイレクトする際にeNBを参加させてもよい。
(3)UEは、コールフローからのステップ1〜7bに従って、HSGWとのeHRPDセッション及びPPP及び認証セッションを確立する。
ステップ4〜11は、UEがLTEシステムから移行した各PDN接続毎に繰り返される。
(4)UEは、メインサービス接続を介して、VSNCP構成−要求メッセージを送信する。メッセージ内の情報は、PDN−ID、MUPSAPがサポートされている場合のユーザコンテキスト識別子、PDNタイプ、APN、PDNアドレス、プロトコル構成オプション及びアタッチタイプ(Attach Type)=「ハンドオーバ」を含む。既知である場合、PDNタイプは、UEに関連するIPスタックの能力であるUE IPバージョン能力(IPv4、IPv4/IPv6、IPv6)を示す。プロトコル構成オプションは、ネットワークが開始したベアラをUEがサポートしているか否かを示す。
(5)HSGWは、PCRFとのゲートウェイ制御セッション確立(Gateway Control Session Establishment)手続を実行する(TS23.203参照)。このステップの一部として、PCRFは、HSGWにQoS規則及びイベントを送信する。
(6)HSGWは、PMIPバインディング更新をP−GWに送信して、登録を更新する(TS29.275参照)。HSGWにおいてMUPSAPがサポートされている場合、HSGWは、PBUメッセージにPDN接続ID情報要素を含ませる。
(7)P−GWは、PCRFインタラクションを実行してQoSポリシパラメータを取得する。
(8)P−GWは、PBAによってHSGWに応答する(TS29.275参照)。P−GWがMUPSAPをサポートしており、PBUメッセージ内でPDN接続ID情報要素が受信された場合、P−GWは、PBAメッセージに同じPDN接続ID情報要素を含ませる。
(9)HSGWは、メインサービス接続を介して、VSNCP構成応答(VSNCP Configure-Ack)(PDN−ID、PBAメッセージ内でPDN接続ID情報要素が受信された場合、ユーザコンテキスト識別子、APN、PDNアドレス、PCO、アタッチタイプ)メッセージをUEに送信する。プロトコル構成オプションパラメータは、選択されたベアラ制御モードを指示してもよい。
なお、ダイナミックポリシがサポートされていない場合、選択されたベアラ制御モードは、「MSのみ(MS-only)」である。
(10)HSGWは、RFC3772で指定されているVSNCP構成−要求メッセージを送信してプロトコルを完了する。直ちに又は後にIPv4アドレスが割り当てられる場合、このメッセージは、PDN−ID及びIPv4デフォルトルータアドレス(IPv4 Default Router Address)を含む。MUPSAPがサポートされている場合、メッセージは、UEから受信したVSNCP構成−要求メッセージ内で受信したものと同じ値に設定されたユーザコンテキスト識別子構成オプションを含む。
(11)UEは、VSNCP構成−応答(VSNCP Configure-Ack)メッセージによって応答する。
(12−オプション)ステップ8において、UEが延期されたIPアドレス割当(deferred IP address allocation)を要求している場合、UEは、この時点で、BEサービス接続上で(オプションとして急速コミットオプション(rapid commit option)有りの)DHCPv4発見(DHCPv4 DISCOVER)メッセージを発行できる。
(13a)UEは、ルータ要請メッセージ(Router solicitation message)を送信してもよい。
(13b)P−GWがIPv6プレフィックスをHSGWに送信した場合、HSGWは、ルータ広告(Router Advertisement)メッセージを送信する。
ステップ14は、全てのPDN接続のための全てのベアラが再確立されるまで必要に応じて繰り返される。
(14)PDN接続のためのベアラは、選択されたベアラ制御モードに基づいて、eHRPD上で再確立される。
(14a)選択されたベアラ制御モードが「MSのみ(MS-only)」である場合、HSGWは、UEが全てのベアラを確立すると仮定する。UEは、全てのベアラについて、UEが要求するベアラリソース割当を実行する。
(14b)選択されたベアラ制御モードが「MS/NW」である場合、HSGWは、全てのベアラを確立する。HSGWは、NWによって開始された専用のベアラセットアップを実行する。
図16は、無線通信のプロセス1600のフローチャートである。1602において、複数の共存するパケットデータネットワーク(PDN)接続をサポートしている現在のアクセスネットワーク(AN)から、複数の共存するPDN接続をサポートしていないハンドオーバターゲットANにローミングを行う際、ハンドオーバターゲットAN内での動作のために、複数のアクティブなPDN接続から単一のPDN接続を選択する。この選択は、ここに説明する技術の1つに基づいて実行してもよい。1604において、メッセージを交換して、ハンドオーバターゲットAN内で、単一のPDN接続を登録する。上述したように、幾つかの実施の形態では、メッセージは、UEと、HSGW等のゲートウェイサーバとの間で交換される。
図17は、無線通信装置1700の一部のブロック図である。モジュール1702は、複数の共存するパケットデータネットワーク(PDN)接続をサポートしている現在のアクセスネットワーク(AN)から、複数の共存するPDN接続をサポートしていないハンドオーバターゲットANにローミングを行う際、ハンドオーバターゲットAN内での動作のために、複数のアクティブなPDN接続から単一のPDN接続を選択するためのモジュールである。モジュール1704は、メッセージを交換して、ハンドオーバターゲットAN内で、単一のPDN接続を登録するためのモジュールである。装置1700及びモジュール1702、1704は、本明細書で開示した1つ以上の技術を実装するように更に構成してもよい。
図18は、無線通信のプロセス1800のフローチャートである。1802において、現在のアクセスネットワーク(AN)内で、プロキシバインディング更新/プロキシバインディング応答(PBU/PBA)手続を実行して、アクセスポイント名(APN)への複数の共存するパケットデータネットワーク(PDN)接続をサポートしている現在のANから、APNへの複数の共存するPDN接続をサポートしていないハンドオーバターゲットANへのユーザ設備のローミングを補助するネットワークゲートウェイサーバを準備する。1804において、ターゲットAN内のゲートウェイサーバがAPNへの複数のPDN接続をサポートしているか否かを学習する。1806において、ターゲットAN内でのPDN接続の予備登録を補助する。
図19は、無線通信装置1900の一部のブロック図である。モジュール1902は、現在のアクセスネットワーク(AN)内で、プロキシバインディング更新/プロキシバインディング応答(PBU/PBA)手続を実行して、アクセスポイント名(APN)への複数の共存するパケットデータネットワーク(PDN)接続をサポートしている現在のANから、APNへの複数の共存するPDN接続をサポートしていないハンドオーバターゲットANへのユーザ設備のローミングを補助するネットワークゲートウェイサーバを準備するためのモジュールである。モジュール1904は、ターゲットAN内のゲートウェイサーバがAPNへの複数のPDN接続をサポートしているか否かを学習するためのモジュールである。モジュール1906は、ターゲットAN内でのPDN接続の予備登録を補助するためのモジュールである。装置1900及びモジュール1902、1904、1906は、本明細書で開示した1つ以上の技術を実装するように更に構成してもよい。
複数のパケットデータネットワーク接続のハンドオフを可能にするための幾つかの技術について説明した。
更に、複数の共存するPDN接続をサポートしている現在のアクセスネットワークから、複数の共存するPDN接続をサポートしていない(すなわち、単一のPDN接続のみをサポートする)ハンドオーバターゲットANへのローミングの際に、複数の同時のパケットデータネットワーク接続の1つを選択する幾つかの技術を開示した。
ここに開示した実施の形態及び他の実施の形態、モジュール並びに機能的な動作は、デジタル電子回路で実現してもよく、本明細書に開示した構造及びこれらの構造的な均等物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア又はハードウェアで実現してもよく、これらの1つ以上の組合せで実現してもよい。ここに開示した実施の形態及び他の実施の形態は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、すなわち、コンピュータが読取可能な媒体内に符号化され、データ処理装置によって実行され、又はデータ処理装置の動作を制御するコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実現することもできる。コンピュータが読取可能な媒体は、機械可読のストレージデバイス、機械可読のストレージ基板、メモリデバイス、機械可読の伝播信号に作用する組成物又はこれらの1つ以上の組合せであってもよい。用語「データ処理装置」は、データを処理するための全ての装置、デバイス及び機械を包含し、一例としてプログラミング可能なプロセッサ、コンピュータ、複数のプロセッサ又はコンピュータがこれに含まれる。装置は、ハードウェアに加えて、当該コンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェアを構成するコード、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム又はこれらの1つ以上の組合せを含むことができる。伝播信号は、人工的に生成された信号であり、例えば、適切な受信装置への送信のために情報を符号化するように機械が生成した電気信号、光信号又は電磁波信号である。
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト又はコードとも呼ばれる。)は、コンパイラ言語又はインタープリタ言語を含む如何なる形式のプログラミング言語で書いてもよく、例えば、スタンドアロンプログラムとして、若しくはモジュール、コンポーネント、サブルーチン又は演算環境での使用に適する他のユニットとして、如何なる形式で展開してもよい。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応していなくてもよい。プログラムは、他のプログラム又はデータを含むファイル(例えば、マークアップ言語文書内に保存された1つ以上のスクリプト)の一部に保存してもよく、当該プログラムに専用の単一のファイルに保存してもよく、連携する複数のファイル(例えば、モジュール、サブプログラム又はコードの一部を保存する1つ以上のファイル)に保存してもよい。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で実行されるように展開してもよく、1つの場所に設けられた又は複数の場所に亘って分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開してもよい。
本明細書に開示したプロセス及びロジックフローは、入力データを処理し、出力を生成することによって機能を実現する1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラミング可能なプロセッサによって実現してもよい。プロセス及びロジックフローは、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array:FPGA)又は特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)等の専用論理回路によって実行してもよい。
コンピュータプログラムの実行に適するプロセッサには、一例として、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びにあらゆる種類のデジタルコンピュータの1つ以上のプロセッサの何れかを含ませてもよい。プロセッサは、通常、読出専用メモリ又はランダムアクセスメモリ、若しくはこれらの両方から命令及びデータを受け取る。コンピュータの基本的な要素は、命令を実行するプロセッサと、命令及びデータを保存する1つ以上のメモリデバイスである。また、コンピュータは、通常、データを保存するための1つ以上の大容量記憶装置、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク又は光ディスクを含み、若しくは、大容量記憶装置からデータを受信し、大容量記憶装置にデータを送信し、又はこの両方の動作を行うように大容量記憶装置に動作的に接続されている。但し、コンピュータは、必ずしもこのような装置を有する必要はない。コンピュータプログラム命令及びデータの格納に適するデバイスには、一例として挙げれば、半導体記憶デバイス、例えば、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイスを含む全ての形式の不揮発性メモリ、磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスク、光磁気ディスク、並びにCD−ROMディスク及びDVD−ROMディスク等が含まれる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補ってもよく、専用論理回路に組み込んでもよい。
本明細書は、多くの詳細事項を含んでいるが、これらの詳細事項は、特許請求している又は特許請求することができる本発明の範囲を限定するものとは解釈されず、本発明の特定の実施の形態の特定の特徴の記述として解釈される。本明細書おいて、別個の実施の形態の文脈で開示した幾つかの特徴を組み合わせて、単一の実施の形態として実現してもよい。逆に、単一の実施の形態の文脈で開示した様々な特徴は、複数の実施の形態に別個に具現化してもよく、適切な如何なる部分的組合せとして具現化してもよい。更に、以上では、幾つかの特徴を、ある組合せで機能するものと説明しているが、初期的には、そのように特許請求している場合であっても、特許請求された組合せからの1つ以上の特徴は、幾つかの場合、組合せから除外でき、特許請求された組合せは、部分的組合せ又は部分的な組合せの変形に変更してもよい。同様に、図面では、動作を特定の順序で示しているが、このような動作は、所望の結果を達成するために、図示した特定の順序又は順次的な順序で行う必要はなく、また、図示した全ての動作を行う必要もない。
幾つかの具体例及び実施例のみを開示した。ここに開示した内容に基づいて、上述した具体例及び実施例及び他の実施例を変形、変更及び拡張することができる。