JP5450149B2 - 配電線地絡保護継電システム - Google Patents

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Description

本発明は、配電線の地絡事故時の電流、電圧から、地絡方向継電器及び地絡過電圧継電器を用いて高感度の地絡検出を実現する配電線地絡保護継電システムに関する。
一般的に非接地系統である配電線の地絡保護は、母線に設けられた接地変圧器からの零相電圧と配電線毎に設けられた零相変流器からの零相電流の方向を検出し事故回線を識別する地絡方向継電器と、零相電圧を検出し全配電回線を遮断する地絡過電圧継電器と、により実現される。
非接地系統における地絡事故の場合、有効分電流は殆ど流れないため、系統内の充電電流により動作する地絡方向継電器が採用される。この地絡方向継電器は、十分な充電電流を得ることができる配電線の回線数が多い系統において次のように動作する。
図13に示す配電系統図の通り、配電用変圧器TRにより降圧された電圧は、配電線1L〜5Lが引き出された母線1Bに接続される。配電線1Lには遮断器1CB及び零相変流器1CTが接続され、配電線2Lには遮断器2CB及び零相変流器2CTが接続され、配電線3Lには遮断器3CB、零相変流器3CTが接続され、配電線4Lには遮断器4CB及び零相変流器4CTが接続され、配電線5Lには遮断器5CB及び零相変流器5CTが接続されている。
また、各配電線1L〜5Lには、地絡方向継電器1G〜5Gが設けれており、例えば、配電線1Lの地絡方向継電器1Gは、零相変流器1CTより取り込んだ零相電流と接地変圧器GPTより取り込んだ零相電圧の大きさと、当該零相電流と零相電圧の位相関係により応動する。なお、配電線2L〜5Lに関しても同様である。また、配電線1L〜5Lには各々大地との静電容量が存在する。
実際の動作としては、例えば、5Lに地絡事故が発生すると、健全回線である1L〜4Lの大地静電容量がその時定数に応じて放電し充電電流となって事故回線に流入する。すなわち、図13において5Lに地絡事故が発生した場合、健全回線の充電電流の合成値IC1L+IC2L+IC3L+IC4L(以降ΣIC1L4Lと称する。)が事故点に流れ、地絡方向継電器5Gが動作する。
ここで、地絡方向継電器1G〜5Gの特性を示す図14の通り、各地絡方向継電器1G〜5Gは、零相電圧Vを基準として、零相電圧Vに対し零相電流Iの位相がθ進みの場合を最大感度角とし、かつ、整定値以上の零相電流Iが配電線に流入した場合に動作する。
なお、一般的な地絡方向継電器1G〜5Gでは、上記最大感度角は75°であり、零相電流は3mA以上流れた場合に動作するように整定される。そのため、健全回線の合成値ΣIC1L〜IC4Lが図14のハッチング部分に入った場合に、地絡方向継電器1G〜5Gが動作する。
このような配電線地絡保護をブロック図で示すと図15の通りである。10は主検出要素で、11は事故検出要素であり、この主検出要素10は、地絡方向継電器10A1と地絡過電圧継電器10A2を備え、各々に対してタイマ10T1、10T2が接続されている。また、地絡過電圧継電器10A2は分岐してタイマ10T3にも接続されている。
加えて、タイマ10T1からの入力とタイマ10T2からの入力を受け付けるAND回路であるAND回路10AND1と、当該AND回路10AND1からの出力とタイマ10T3からの出力を入力とするOR回路であるOR回路10ORと、を備えている。そして、このOR回路10ORは補助リレー10RYに接続されている。
実際のAND回路10AND1への入力は、地絡方向継電器10A1が動作するとタイマ10T1にて一定時間経過後に行われ、もう一方の入力は地絡過電圧継電器10A2が動作しタイマ10T2にて一定時間経過後に行われる。また、事故検出要素11では、地絡過電圧継電器11Aと、それに繋がる補助リレー11RYと、を備えている。
ここで、配電線に地絡事故が発生した場合を想定すると、地絡方向継電器10A1が動作しタイマ10T1により一定時間後出力する条件と、地絡過電圧継電器10A2が動作しタイマ10T2にて一定時間後出力する条件が夫々AND回路10AND1に入力され、AND条件が成立するとOR回路10ORを介して補助リレー10RYを動作させる。一方、事故検出要素11は、地絡過電圧継電器11Aが動作し、補助リレー11RYが動作する。
ところで、上記のように、配電線の回線数が多い系統であれば十分な充電電流が得られるため、地絡方向継電器は動作できるが、配電線の回線数が少ない系統(少フィーダ系統と称する。)の場合には充電電流が少ないため、以下のような問題が生じる。
図16は、少フィーダ時の系統及び等価回路である。図16に示す通り、少フィーダ時の場合、台風等で配電線の区間開閉器が開放され、系統の静電容量Cが零になり得る。このような場合の事故電流IFの成分である充電電流ICは減少するため、有効分電流(抵抗分電流)IRのみが流れる。
この場合の有効分電流IRは、故障点抵抗RFを零と仮定した場合、接地変圧器GPTの3次側に接続される制限抵抗RNを50Ωとし、接地変圧器GPTの3次側に流れる電流をIRとすると、下記[数1]のように算出される。
[数1]
Figure 0005450149
少フィーダ時に有効分電流IRのみ流れた場合は、[数1]によれば当該IRは1.425mAとなり、上述した従来の地絡方向継電器の感度では検出することができない。つまり、従来の地絡方向継電器の最小整定は配電線系統により差異はあるものの、少フィーダになった場合、最小整定値で充電電流は前記の3mA以上を望めなく、図14に示した地絡方向継電器のハッチング以下の領域となり、地絡方向継電器は動作できない。
そのため、このような地絡方向継電器が動作できない少フィーダの場合には、バックアップの地絡過電圧継電器が動作し配電線の一斉遮断が行われ、停電範囲が拡大するといった問題が生じる。すなわち、図15において、地絡過電圧継電器10A2が動作すると、タイマ10T3時限後にOR回路10ORに入力され、補助リレー10RYが動作する。なお、図17は遮断器への遮断指令回路を示しており、前記主検出要素10の補助リレー10RYのa接点10RYaの閉路と、前記事故検出要素11の補助リレー11RYのa接点11RYaの閉路と、のAND条件が成立すると、遮断器に遮断指令が出力される。
一方で、従来の地絡方向継電器の最小整定値として3mAを適用する場合、系統1次側に必要な充電電流は以下のように求められる。例えば、図18に示す配電系統における1回線に地絡事故が発生したケースについて説明する。なお、図19は等価回路を示し、配電系統電圧は6.6kVの場合を示している。
また、図19の等価回路において、Eは電源(6,600/√3[V])、Z1は正相インピーダンス、Z2は逆相インピーダンス、RNは接地変圧器の制限抵抗、RFは地絡抵抗、1/jωcは静電容量Cのインピーダンス、I1は正相電流、I2は逆相電流、I0は零相電流を示している。ここで、制限抵抗を2次側で50Ωとおくと、1次側換算値は、前記[数1]と同様に20kΩとなる。
この場合の地絡方向継電器の入力に必要な最小動作電流値は下記[数2]の通りであり、充電電流は地絡方向継電器の最小動作値の0.4Aより大きくなければならない。
[数2]
最小動作電流値 3mA×200mA/1.5mA=0.4A
(ZCT比:200mA/1.5mA)
そして、充電電流は下記[数3]のように算出される。
[数3]
Figure 0005450149
このように、健全回線の充電電流が0.5A以上なければ、事故回線の地絡方向継電器は、故障点抵抗3kΩを検出できないことになる。そのため、複数の配電線系統で、充電電流が地絡方向継電器の最小整定を満足しても、台風等で配電線の区間開閉器が開放され、静電容量が少ない系統に至った場合は、上記を満足できず、バックアップの地絡過電圧継電器が動作し配電線が一斉遮断し、停電範囲は拡大する。
本発明は、上記のような課題を解消するために提案されたものであって、少フィーダ系統の場合の配電線地絡事故時や、最悪抵抗分電流のみ流れた場合でも、一斉遮断し停電範囲を拡大することなく、事故回線を識別し事故回線のみ遮断可能な配電線地絡保護継電システムを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明は、配電系統の接地変圧器から出力される零相電圧を極性量とし、配電線の零相変流器から出力される零相電流の位相が前零相電圧の位相よりθ1進みの場合に最大感度となり、かつ、前記零相電流が一定値以上の場合に動作する特性を有する第1の地絡方向継電器と、前記零相電圧が定格電圧の所定の割合以上の場合に動作する第1の過電圧継電器と、を備え、前記第1の地絡方向継電器と前記第1の過電圧継電器とでAND条件が成立する場合に遮断指令を出力する配電線地絡保護継電システムであって、第2の地絡方向継電器と、前記第1の過電圧継電器よりも定格電圧に対する前記零相電圧の割合が高い場合に動作する第2の過電圧継電器と、を備え、前記第2の地絡方向継電器と前記第2の過電圧継電器とでAND条件が成立する場合に遮断指令を出力し、前記第2の地絡方向継電器は、地絡検出の条件として、前記零相電流の位相が前記零相電圧と同位相の場合に最大感度となる特性と、前記零相電流の位相が前記零相電圧の位相よりθ2遅れの場合に最大感度となる特性と、を有し、前記第2の過電圧継電器は、遮断条件として、前零相電圧が定格電圧の65%以上となる場合に動作することを特徴とする。
以上のような本発明によれば、配電線が少フィーダ時のように充電電流が少なく有効分電流が大きい場合であっても、所定の特性を有する地絡方向継電器を用いることで、有効分電流のみで動作するよう地絡検出感度を高感度とし、かつ、地絡過電圧継電器により零相電圧が定格電圧の70%以上を条件に事故回線を識別することができるので、配電線の一斉遮断による停電範囲を拡大することなく、事故回線のみ遮断することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムの構成を示すブロック図 本発明の第1の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムに用いる高感度形地絡方向継電器の特性を示す図 従来技術である地絡方向継電器の特性を示す図 本発明の第2の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムの構成を示すブロック図 本発明の第2の実施形態に係る配電線3回線時の配電系統を示す図(1Lに地絡事故が発生した場合) 本発明の第3の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムに用いる高感度形地絡方向継電器の特性を示す図 本発明の第3の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムの構成を示すブロック図 本発明の第3の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムの特性を示す概略構成図 本発明の第3の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムに用いる選択型地絡方向継電器による内部方向判定の特性を示す図 本発明の第3の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムに用いる選択型地絡方向継電器の特性を示す図 本発明の第4の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムの構成を示すブロック図 本発明の第4の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムに用いる電流変化検出型地絡方向継電器の特性を示す図 従来技術に係る配電線5回線時の配電系統を示す図(5Lに地絡事故が発生した場合) 従来技術に係る地絡方向継電器の特性を示す図 従来技術に係る配電線地絡保護継電システムの構成を示すブロック図 従来技術に係る少フィーダ時における配電系統及び等価回路を示す図 従来技術に係る遮断器の遮断指令回路を示す図 従来技術に係る配電線3回線時の配電系統を示す図 従来技術に係る配電線3回線時の配電系統の等価回路を示す図
[本実施形態]
[1.第1の実施形態]
[1.1.構成]
次に、第1の実施形態に係配電線地絡保護継電システムの構成ついて、図1〜3を参照して以下に説明する。なお、配電系統の構成例は、従来技術で示した図13と同様のものや少フィーダ系統のものを採用する。また、図1は、配電線地絡保護システムの構成を示す機能ブロック図であり、図2は、高感度形地絡方向継電器の特性を示している。
図1に示す通り、第1の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムは、前述した従来技術である図15の構成に加え、下記に示すA〜C特性を有する高感度形地絡方向継電器10B1と、零相電圧が定格電圧の70%以上となるケースを検出する地絡過電圧継電器10B2と、を備える構成に特徴を有する。
すなわち、図1に示す通り、10は主検出要素で、11は事故検出要素であり、この主検出要素10は、従来技術と同様に地絡方向継電器10A1と地絡過電圧継電器10A2を備え、各々に対してタイマ10T1、10T2が接続されている。また、タイマ10T1からの入力とタイマ10T2からの入力を受け付けるAND回路であるAND回路10AND1を備えている。
ここで、第1の実施形態では、この主検出要素10に、上記に加え、所定特性を有する高感度形地絡方向継電器10B1と所定の零相電圧を検出する地絡過電圧継電器10B2を備え、当該高感度形地絡方向継電器10B1にはタイマ10T3が接続されている。また、AND回路10AND1からの出力とこの高感度形地絡方向継電器10B1が接続されたタイマ10T3からの出力を入力とするOR回路であるOR回路10ORを備えている。そして、このOR回路10ORは補助リレー10RYに接続されている。
なお、事故検出要素11では、従来技術と同様に、地絡過電圧継電器11Aと、それに繋がる補助リレー11RYと、を備えている。
ここで、第1の実施形態で採用する高感度形地絡方向継電器10B1は、図2に示す通り、零相変流器ZCTの残留電流で動作しないように動作整定値である地絡検出感度を高感度化したA特性と、零相電流の位相が基準電圧の零相電圧の位相と同じ時に地絡検出感度が最大感度となるB特性と、零相電流の位相を基準電圧の零相電圧の位相より15°遅れとするC特性と、においてAND条件が成立した場合に動作する特性を有している。
この各特性について、横軸を有効分電流IR、縦軸を無効分電流(充電電流)ICで表した従来の地絡方向継電器の特性である図3を参照して以下に説明する。
まず、図3において、事故点抵抗が0Ωで有効分電流のみの約1.4mAの場合では、有効分電流IR上の点になり、従来の地絡方向継電器の特性では動作できない。これに対して第1の実施形態で採用する高感度形地絡方向継電器10B1のA特性では、網掛けの円に示すように零相変流器ZCTの残留電流等の不確定ゾーンで誤動作しないように動作整定値が設定されている。
また、この零相変流器ZCTの残留電流は、JEC規格により規定されている「零相1次電流100mA時の零相2次電流以内であること」を考慮し、2次側に換算した場合、0.75mAとなる。実際には相配置や零相変流器ZCTを貫通する際のケーブルの偏心も影響するが、それらを含めた規格値であることから、一般的には実力値として0.75mA以下である。そのため、第1の実施形態で採用する高感度形地絡方向継電器10B1のB特性では、図2に示す通り、上記の零相変流器ZCTの残留電流で動作しない値、かつ、事故点抵抗が0Ωで有効分電流のみの場合の1.4mAで動作するよう、基準電圧V0と同位相の時に最大感度となるよう地絡検出感度を設定する。
また、このB特性の最大感度は零相電圧V0と同位相となるため、事故時の有効分電流が、零相変流器ZCTの位相誤差により、図2のグラフの第4象限に入る可能性がある。そのため、第1の実施形態で採用する高感度形地絡方向継電器10B1のC特性として、基準電圧V0の位相より15°遅れのブラインダ特性を設け、これにより誤動作を防止する。
一方、第1の実施形態で採用する地絡過電圧継電器10B2は、零相電圧の定格の70%以上のものを検出する。つまり、少フィーダ時の零相電圧は、最大の事故点抵抗である3kΩの場合は定格電圧の65%であり、事故点抵抗が少なくなれば零相電圧は65%以上の値となる。そのため、少フィーダ系統時は、マージンを見て、この地絡過電圧継電器10B2により、零相電圧が定格電圧の70%以上発生したことを条件に、図1の高感度形地絡方向継電器10B1を適用する。
[1.2.作用効果]
次に、上記のような構成を有する第1の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムの作用を以下に説明する。
少フィーダ事故時の場合、高感度形地絡方向継電器10B1が動作し、タイマ10T3の一定時間経過後出力する条件と、地絡過電圧継電器10B2の動作条件がAND回路10AND2に入力され、AND条件が成立した場合に、OR回路10ORを介し、補助リレー10RYを動作させる。言い換えれば、少フィーダ事故時に、地絡方向継電器10B1にて、零相変流器ZCTの残留電流で動作しないように動作整定値である地絡検出感度を高感度化したA特性と、零相電流の位相が基準電圧の零相電圧の位相と同じ時に地絡検出感度が最大感度となるB特性と、零相電流の位相を基準電圧の零相電圧の位相より15°遅れとするC特性と、の間でAND条件が成立し、かつ、地絡過電圧継電器10B2にて、入力される零相電圧が定格電圧の70%以上である場合を検出したことを条件に、補助リレー10RYを動作させる。
一方、事故検出要素11では、地絡過電圧継電器11Aが動作し、補助リレー11RYが動作する。
以上のような第1の実施形態によれば、配電線が少フィーダ時のように充電電流が少なく有効分電流が大きい場合であっても、高感度地絡方向継電器により有効分電流のみで動作するよう地絡検出感度を高感度とし、かつ、地絡過電圧継電器により零相電圧が定格電圧の70%以上を条件に、事故回線を識別することができるので、配電線の一斉遮断による停電範囲を拡大することなく、事故回線のみ遮断することが可能となる。
[2.第2の実施形態]
[2.1.構成]
次に、本発明の第2の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムの構成ついて、図4〜6を参照して以下に説明する。なお、従来技術及び第1の実施形態と共通する構成については同じ符号を付し、説明は省略する。また、図4は、第2の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムの構成を示す機能ブロック図である。
図4に示す通り、第2の実施形態では、第1の実施形態で用いた地絡方向継電器10A1の代わりに、事故回線と健全回線との交差電流を零相電流I0の入力とする地絡方向継電器10Cを適用する点に特徴を有する。
例えば、図5(a)に示すような配電系統で、配電線3回線時の1Lの地絡事故が発生した場合における、この地絡方向継電器10Cがとる交差電流について説明する。図5(a)において1Lに地絡事故が発生すると2L、3Lより対地静電容量による充電電流が1Lの事故点に流入する。この場合の交差電流は次のように算出される。
[数4]
1Lの入力=I1−Σ(I2+I3)
2Lの入力=I2−Σ(I1+I3)
3Lの入力=I3−Σ(I1+I2)
すなわち、図5(b)に示す通り、従来のバランスリレーと同様に、地絡方向継電器の入力を交差電流から取り込むように構成したものである。そのため、第2の実施形態で採用する配電線地絡保護用の地絡方向継電器の特性は図6に示す通りとなる。
[2.2.作用効果]
上記のような構成を有する第2の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムの作用は、事故回線の地絡方向継電器10Cの入力量を事故回線の電流と健全回線の電流の交差電流を入力とする以外は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上のような第2の実施形態によれば、事故回線の地絡方向継電器の入力量を事故回線の電流と健全回線の電流の交差電流にすることで地絡検出感度を向上させることができ、配電線が少フィーダの場合のような充電電流が少ない系統であっても、事故回線の動作量を多く取り込むことで確実に事故回線を識別することが可能である。また、交差電流を入力しているため、健全回線の地絡方向継電器の入力はほぼ零となり、確実に不動作とすることも可能になる。
[3.第3の実施形態]
[3.1.構成]
次に、本発明の第3の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムの構成ついて、図7〜10を参照して以下に説明する。なお、従来技術及び第1の実施形態と共通する構成については同じ符号を付し、説明は省略する。また、図7は、第3の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムの構成を示す機能ブロック図である。
図7に示す通り、第3の実施形態では、第1の実施形態における高感度形地絡方向継電器10B1の代わりに、最大となる事故電流の回線を選択する機能を設けた選択型地絡方向継電器10Dを採用する構成に特徴を有する。すなわち、第3の実施形態では、図8に示すように、図2で示した地絡方向継電器の特性により内外部事故を判定し、かつ、選択型地絡方向継電器10Dにより内部方向に流れる最大の事故電流の回線を選択し、事故回線を識別するように構成したものである。なお、図9は図8の内部方向判定の特性を示す図であり、図10は、この選択型地絡方向継電器10Dの特性を示す図である。
[3.2.作用効果]
上記のような構成を有する第3の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムの作用を以下に説明する。
第3の実施形態では、少フィーダ事故時の場合、選択型地絡方向継電器10Dが動作することで、入力される各回線からの事故電流のうちから最大の事故電流を有する回線を判別する条件と、地絡過電圧継電器10B2の動作条件がAND回路10AND2に入力される。そして、AND回路10AND2にてAND条件が成立した場合に、OR回路OR回路10ORを介し、補助リレー10RYを動作させる。
すなわち、少フィーダ時において、選択型地絡方向継電器10Dは、各回線から入力される零相電流のうち、最大のものを事故電流として選択し、当該回線を事故回線として判別する。そして、選択型地絡方向継電器10Dにより事故回線の電流が選択され、かつ、地絡過電圧継電器10B2により零相電圧が定格電圧の70%以上である場合を検出したことを条件に、補助リレー10RYを動作させる。
一方、事故検出要素11は、地絡過電圧継電器11Aが動作し、補助リレー11RYが動作する。
以上のような第3の実施形態によれば、配電線が少フィーダの場合のような充電電流が少ない系統であっても、事故回線に流入する電流を選択することができるので、最大となる事故電流の回線を選択することで確実に事故回線を識別し、事故回線のみ遮断することが可能となる。
[4.第4の実施形態]
[4.1.構成]
次に、本発明の第4の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムの構成ついて、図11及び12を参照して以下に説明する。なお、従来技術及び第1の実施形態と共通する構成については同じ符号を付し、説明は省略する。また、図11は、第4の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムの構成を示す機能ブロック図である。
図11に示す通り、第4の実施形態では、第1の実施形態に係る高感度形地絡方向継電器10B1の代わりに、事故電流の変化分を検出する機能を有する電流変化検出型地絡方向継電器10Eを適用する構成に特徴を有する。この電流変化検出型地絡方向継電器10Eは、図12に示すように、第1の実施形態に係る高感度形地絡方向継電器10B1が有する機能に加え、所定の範囲で電流の変化分を検出することで当該変化分に応動する特性を有している。
[4.2.作用効果]
上記のような構成を有する第4の実施形態に係る配電線地絡保護継電システムの作用を以下に説明する。
少フィーダ事故時の場合、電流変化検出型地絡方向継電器10Eが動作し、タイマ10T3の一定時間経過することで、事故電流の所定の変化分を検出する条件と、地絡過電圧継電器10B2の動作条件と、がAND回路10AND2に入力される。すなわち、検出した事故電流の変化分に応じてこの地絡方向継電器10Eが動作するよう作用する。
そして、AND回路10AND2にてAND条件が成立した場合に、OR回路10ORを介し、補助リレー10RYを動作させる。一方、事故検出要素11は、地絡過電圧継電器11Aが動作し、補助リレー11RYが動作する。
以上のような第4の実施形態によれば、配電線が少フィーダの場合のような充電電流が少なく有効電流のみが流れる場合であっても、電流の変化分に対して本地絡保護継電システムは動作するので、確実に事故回線を識別し事故回線のみを遮断することができる。また、電流の変化分に応動させているので、零相変流器の残留電流などの固定分誤差の影響を排除することが可能となり、地絡検出感度の一層の高度化を図ることができる。
1B…母線
TR…配電用変圧器
GPT…接地変圧器
1CB〜4CB…遮断器
1CT〜5CT…零相変流器
1G〜5G…地絡方向継電器
1L〜5L…配電線
10…主検出要素
10A1…地絡方向継電器
10A2…地絡過電圧継電器
10B1…高感度形地絡方向継電器
10B2…地絡過電圧継電器
10C…高感度形地絡方向継電器
10D…選択型地絡方向継電器
10E…電流変化検出型地絡方向継電器
10AND1、10AND2…AND回路
10OR…OR回路
10RY…補助継電器(補助リレー)
10RYa…補助継電器(補助リレー)a接点
10T1〜10T3…タイマ
11…事故検出要素
11A…地絡過電圧継電器
11RY…補助継電器(補助リレー)
11RYa…補助継電器(補助リレー)a接点
20…地絡過電圧継電器

Claims (6)

  1. 配電系統の接地変圧器から出力される零相電圧を極性量とし、配電線の零相変流器から出力される零相電流の位相が前零相電圧の位相よりθ1進みの場合に最大感度となり、かつ、前記零相電流が一定値以上の場合に動作する特性を有する第1の地絡方向継電器と、前記零相電圧が定格電圧の所定の割合以上の場合に動作する第1の過電圧継電器と、を備え、前記第1の地絡方向継電器と前記第1の過電圧継電器とでAND条件が成立する場合に遮断指令を出力する配電線地絡保護継電システムであって、
    第2の地絡方向継電器と、前記第1の過電圧継電器よりも定格電圧に対する前記零相電圧の割合が高い場合に動作する第2の過電圧継電器と、を備え、
    前記第2の地絡方向継電器と前記第2の過電圧継電器とでAND条件が成立する場合に遮断指令を出力し、
    前記第2の地絡方向継電器は、地絡検出の条件として、前記零相電流の位相が前記零相電圧と同位相の場合に最大感度となる特性と、前記零相電流の位相が前記零相電圧の位相よりθ2遅れの場合に最大感度となる特性と、を有し、
    前記第2の過電圧継電器は、遮断条件として、前零相電圧が定格電圧の65%以上となる場合に動作することを特徴とする配電線地絡保護継電システム。
  2. 前記第2の地絡方向継電器が動作する前記零相電流の前記一定値は、前記零相変流器の残留電流値よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の配電線地絡保護継電システム。
  3. 配電系統の接地変圧器から出力される零相電圧を極性量とし、配電線の零相変流器から出力される零相電流の位相が前零相電圧の位相よりθ1進みの場合に最大感度となる特性を有する第1の地絡方向継電器と、前記零相電圧が定格電圧の所定の割合以上の場合に動作する第1の過電圧継電器と、を備え、前記第1の地絡方向継電器と前記第1の過電圧継電器とでAND条件が成立する場合に遮断指令を出力する配電線地絡保護継電システムであって、
    第2の地絡方向継電器と、前記第1の過電圧継電器よりも定格電圧に対する前記零相電圧の割合が高い場合に動作する第2の過電圧継電器と、を備え、
    前記第2の地絡方向継電器と前記第2の過電圧継電器とでAND条件が成立する場合に遮断指令を出力し、
    前記第1の地絡方向継電器は、前記配電線間の前記零相電流の交差電流を算出する手段を備え、
    前記第2の地絡方向継電器は、地絡検出の条件として、算出された前記交差電流が一定値以上の場合に動作する特性と、前記零相電流の位相が前記零相電圧と同位相の場合に最大感度となる特性と、前記零相電流の位相が前記零相電圧の位相よりθ2遅れの場合に最大感度となる特性と、を有し、
    前記第2の過電圧継電器は、遮断条件として、前零相電圧が定格電圧の65%以上となる場合に動作することを特徴とする配電線地絡保護継電システム。
  4. 前記第2の地絡方向継電器は、
    前記配電線からの各零相電流を対比し、零相電流が最大となる配電線を内部事故回線と判別する手段を備え、
    この判別された配電線の零相電流を動作量として使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の配電線地絡保護継電システム。
  5. 配電系統の接地変圧器から出力される零相電圧を極性量とし、配電線の零相変流器から出力される零相電流の位相が前零相電圧の位相よりθ1進みの場合に最大感度となる特性を有する第1の地絡方向継電器と、前記零相電圧が定格電圧の所定の割合以上の場合に動作する第1の過電圧継電器と、を備え、前記第1の地絡方向継電器と前記第1の過電圧継電器とでAND条件が成立する場合に遮断指令を出力する配電線地絡保護継電システムであって、
    第2の地絡方向継電器と、前記第1の過電圧継電器よりも定格電圧に対する前記零相電圧の割合が高い場合に動作する第2の過電圧継電器と、を備え、
    前記第2の地絡方向継電器と前記第2の過電圧継電器とでAND条件が成立する場合に遮断指令を出力し、
    前記第2の地絡方向継電器は、
    前記零相電流の変化量を検出する手段を備え、
    地絡検出の条件として、検出された前記零相電流の変化量が一定値以上の場合に動作する特性と、前記零相電流の位相が前記零相電圧と同位相の場合に最大感度となる特性と、前記零相電流の位相が前記零相電圧の位相よりθ2遅れの場合に最大感度となる特性と、を有し、
    前記第2の過電圧継電器は、遮断条件として、前零相電圧が定格電圧の65%以上となる場合に動作することを特徴とする配電線地絡保護継電システム。
  6. 前記θ1は、75°であり、
    前記θ2は、15°であることを特徴とする請求項1、3、のいずれか1項に記載の配電線地絡保護継電システム。
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