JP5447636B2 - 無線通信システムおよび無線装置 - Google Patents

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Description

本発明は無線通信システムおよび無線装置に関する。無線通信システムとして、例えば、移動局通信システムや無線LAN(Local Area Network)が含まれる。
近年、携帯電話機などの移動局通信の規格として、LTE(Long Term Evolution)と呼ばれる新しい高速通信サービスが見込まれており、さらにLTEの改良版であるLTE−Advancedシステムが、3GPP(3rd Generation Partnership Project)において議論が行われている。
また、LTE−Advancedシステムは、ITU−R(International Telecommunication Union Radio communications sector)において検討することが決まったIMT(International Mobile Telecommunication)−2000システムの改良版であるIMT−Advancedシステムとして提案することも目的としている。
なお、IMT−2000システムの代表的なものには、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)、CDMA oneおよびWiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)がある。
LTE−Advancedシステムでは、LTEシステムを基にして、MBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)データを送信するMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)および無線中継を行う中継装置(リレー局)の導入が検討されている(他にも上り/下りの帯域幅の拡幅、上りMIMO(Multiple Input Multiple Output)の導入なども検討されている)。以下、LTE-Advancedシステムを例として説明する。
(1)MBMSおよびMBSFNについて。
MBMSとは、不特定または特定のユーザに対してデータを報知するサービスのことである。具体的には、ニュースなどの情報を放送(Broadcast)したり、特定ユーザに向けて情報を送信(Multicast)したりすることが考えられている。
また、MBMSによる報知データ(MBMSデータ)の送信方法として、複数の基地局から同じリソースを用いて同期して、MBMSデータの送信を行うMBSFNが検討されている。
MBSFN のSFN(Single Frequency Network)とは、同一の無線周波数を使用することを意味している。すなわち、MBSFNは、通常、送信エリア(MBSFNエリア)が設定されており、そのエリア内では同じ無線周波数を使用するということである(TS36.300V8.6.0 15 MBMS参照)。
さらに、MBSFNでは、同じデータを複数の基地局から、同一周波数かつ同一タイミングで送信する。これにより、移動局は複数の基地局から送信されたMBMSデータを受信することが可能となる。
これは、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)受信の場合は、CP(Cyclic Prefix)長以下であれば、複数の受信合成が可能であることを利用したものであり、複数のデータを受信合成することによって、受信特性向上の効果を得ることが可能になる。
ここで、CPとは、データの重なりを防ぐために、データ伝送する際に付ける冗長部のことで、地上波ディジタル放送におけるGI(Guard Interval)に相当するものである。また、MBSFNで使用されるCPは、通常通信のユニキャストデータに付加されるCPよりも長くなっている。
図20は無線データのフォーマットを示す図である。無線データは、CPとデータから構成され、ユニキャスト送信時のCPはNormal CP、MBSFNのCPはExtended CPと呼ばれている。Normal CPの長さは4.69μsecであるのに対し、MBSFNのCPの長さ(MBMSデータのCP長)は16.67μsecとなっている。
図21はデータの受信合成を示す図である。移動局120が、基地局Bから送信されたMBMSデータ(データbとする)を受信し、データbの受信後に時間tだけ遅れて、基地局Aから送信されたMBMSデータ(データaとする)を受信したとする(データa、bは同じサービス内容の報知データである)。
遅延時間tが、データbの受信開始時刻からCP長の時間範囲内に収まれば、移動局120は、データbの受信だけでなくデータaも受信して、データa、bを合成することができる。このように、MBSFNでは、CPが長くなっている分、距離の離れた基地局(この例では基地局Aが該当)に対しても、その基地局から送信されたMBMSデータを受信して合成することを可能としている。
(2)中継装置(リレー局)について。
LTE−Advancedシステムでは、リレー局(Relay)が例えば、サービスエリア範囲の拡大(Cell extension)や不感エリア(Dead spot)対策のために、基地局と移動局の間に設置される。
図22はサービスエリア範囲の拡大を示す図である。基地局100のセル100aの外側に移動局120が位置している。また、セル100a内にリレー局110が設置されており、リレー局110が中継可能なエリアを中継エリア110aとし、移動局120は、中継エリア110a内に位置している。
リレー局110のような中継局が存在しなければ、移動局120はセル100a外に位置するので、基地局100と通信できない。しかし、リレー局110が設置されて、リレー局110の中継エリア110a内に移動局120が存在すれば、移動局120がセル100a外であっても、リレー局110を介して無線中継が行われることになり、基地局100と移動局120との通信が可能になる。
図23は不感エリア対策を示す図である。基地局100のセル100a内にリレー局110が設置し、セル100a内には、不感エリア110bが存在して、不感エリア110b内に移動局120が位置している。また、リレー局110の中継エリア110aは、不感エリア110bをカバーしているとする。
リレー局110のような中継局が存在しなければ、移動局120が不感エリア110b内に位置すると、基地局100との通信は困難となる。しかし、リレー局110が設置されて、リレー局110の中継エリア110aが不感エリア110bをカバーしていれば、移動局120が不感エリア110b内にあっても、リレー局110を介して無線中継が行われることになり、基地局100と移動局120との通信が可能になる。
従来のMBMSに関連する技術としては、移動局が、共通パイロットチャネルと共通制御チャネルとの送信電力差にもとづいてセル品質を推定し、セル品質の最も高い隣接セルからのデータを受信する技術が特許文献1に提案されている。
また、従来の無線中継技術として、送信装置側で、中継装置が再送信するための中継装置用信号と、受信機に直接送信するための受信機用信号とを階層化して送信し、中継装置では、中継装置用信号を復調した後、再度変調して再送信する技術が特許文献2に提案されている。
特表2008−503130号公報(段落番号〔0015〕〜〔0020〕,第1図) 特開平10−032557号公報(段落番号〔0019〕〜〔0021〕,第1図)
上記で説明したように、MBMSの無線ネットワークでは、リレー局を配置することで、サービスエリア範囲の拡大や不感エリア対策を行うことができる。また、MBSFNでは、CP長が通常のユニキャストに用いるNormal CPよりも長いExtended CPを用いて無線信号を伝送する。したがって、移動局から離れている基地局からの無線信号に対しても、リレー局を介して受信して、より多くの複数のデータによる受信合成の可能性を高めることも可能になる。
しかし、従来のMBMSの無線ネットワークでは、ユニキャストデータと、MBSFN送信されたMBMSデータとの間で識別が不可能となるといった問題があった。
図24は識別が不可能となる問題点を示す図である。基地局101〜103、移動局121〜123、リレー局110が配置されている。基地局101は、ユニキャストデータr1を移動局121へ送信し、基地局103は、ユニキャストデータr3を移動局123へ送信している。また、基地局102は、MBMSデータr2をリレー局110へ送信し、リレー局110は、MBMSデータr2を移動局122に中継送信している。
ここで、ユニキャストデータの送信では、基地局側でスクランブリングをかけて同一無線リソースを使用する他ユニキャストデータとの識別が可能となるよう処理されている。すなわち、初期値が異なるスクランブリングコードを掛けることによって識別を可能としている。したがって、図24に示すユニキャストデータr1、r3では識別可能である。また、MBSFNの送信でも複数のMBMSデータは識別可能にして伝送するので、MBMSデータ同士での識別も可能である。すなわち、同じ通信形式であるならば、互いに識別可能である。
しかし、ユニキャストデータとMBMSデータとは、通信形式が異なり、またスクランブリングコードの初期値が異なると明確に規定されていないため、スクランブリングコードによる識別が可能であることが保障されてはいない。更に、両者は同じ無線リソースを用いて同時に送信される場合もあることから、ユニキャストデータとMBMSデータとが混在する環境では両者を識別することが不可能となる恐れがある。
具体的には、PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel:ユニキャスト通信のユーザデータを運ぶ無線チャネル)に対して施されたスクランブリングのコードと、PMCH(Physical Multicast CHannel:MBSFN通信のユーザデータを運ぶ無線チャネル)に対して施されたスクランブリングのコードとの識別が保障されていないため、PDSCHとPMCHとの間で識別不可能となる恐れがある。この結果、干渉となる恐れがある。
図24の場合、移動局121は、ユニキャストデータr1とMBMSデータr2との双方を受信できる位置にあり、移動局123は、ユニキャストデータr3とMBMSデータr2との双方を受信できる位置にあるとする。
このような環境の場合、本来ユニキャストデータを受信したい移動局121、123にとっては、リレー局110から送信されているMBMSデータr2は識別不可能となり、干渉波となってしまうことになる。
一方、ユニキャストデータとMBMSデータとの識別が、たとえ一定時間可能であったとしても、基地局間または基地局とリレー局との間は、同期しているとは限らないため、スクランブリング先頭のタイミングが徐々にずれはじめてしまう。すると、コードの識別能力が劣化していくため、結局、PDSCHとPMCHとの間で識別が不可能となり、干渉が発生する。
図25はタイミングずれによる干渉発生を示す図である。黒スロットがMBSFN送信によるMBMSデータを示し、白スロットがユニキャストデータを示している。送信系列A1、B1の識別が可能である状態では、例えば、タイミングT1を見ると、2つのMBMSデータが同一タイミング内にあるので識別可能となり干渉はせず、タイミングT2では、2つのユニキャストデータが同一タイミング内にあるので識別可能となり干渉は生じない。
これに対し、タイミングずれが生じて、送信系列A1が送信系列A1aに変化したとする。この場合、送信系列A1a、B1のタイミングT3〜T6を見ると、MBMSデータとユニキャストデータが同一タイミング内に存在することになるので、識別が不可能となり干渉が生じることになる。このように識別が不可能となって干渉が生じると、ユニキャストデータとMBMSデータの両者または一方の伝送特性が劣化し、伝送品質の低下を引き起こすことになる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、識別を可能として干渉を抑制し、無線伝送特性の向上を図った無線通信システムおよび無線装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、無線通信システムが提供される。無線通信システムは、基地局と、前記基地局の無線通信範囲に位置する中継局と、前記中継局の中継範囲に位置する移動局と、を備え、前記基地局と前記中継局との間では、第1の冗長部が付加された第1の無線フォーマットの通信形式で通信を行い、前記中継局と前記移動局との間では、前記第1の冗長部よりも短い第2の冗長部が付加された第2の無線フォーマットの通信形式で通信を行う。
無線伝送品質の向上を図る。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
無線通信システムの構成例を示す図である。 無線通信システムの構成例を示す図である。 無線通信システムの構成例を示す図である。 MBSFNネットワークを示す図である。 MBSFNネットワークの動作シーケンスを示す図である。 MBSFNネットワーク上の無線通信システムを示す図である。 CPの置き換えを示す図である。 無線通信システムの構成を示す図である。 リレー局の構成を示す図である。 リレー局の構成を示す図である。 移動局の構成を示す図である。 無線通信システムの構成を示す図である。 動作シーケンスを示す図である。 無線通信システムの構成を示す図である。 無線通信システムの構成を示す図である。 動作シーケンスを示す図である。 無線通信システムの構成を示す図である。 MBMSデータの先送り通信のシーケンスを示す図である。 無線通信システムの構成を示す図である。 無線データのフォーマットを示す図である。 データの受信合成を示す図である。 サービスエリア範囲の拡大を示す図である。 不感エリア対策を示す図である。 干渉が生じる問題点を示す図である。 タイミングずれによる干渉発生を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は無線通信システムの構成例を示す図である。無線通信システム1は、無線局(第1の無線局)1r、無線局(第2の無線局)2r、無線局(第3の無線局)3rを備える。
無線局1rは、無線信号(第1の無線信号)d1の通信を行う。無線局2rは、無線信号d1に対して識別不可能なスクランブリングを施した無線信号(第2の無線信号)d2を受信する。また、無線局2rは、通信形式変換部21を含む。無線局3rは、無線局1rの無線通信範囲(サービス範囲)および無線局2rのサービス範囲に位置する。
ここで、無線信号d1と無線信号d2とが識別不可能ということは、無線信号d1に対して施されているスクランブリングのコードと、無線信号d2に対して施されているスクランブリングのコードとの識別が不可能であるということである。
無線局2r内の通信形式変換部21では、無線信号d2を受信すると、無線信号d1に対して識別可能なスクランブリングを無線信号d2に施して通信形式を変換した無線信号d2a(第3の無線信号)を生成して、無線信号d2aで無線局3rと通信を行う。
なお、無線信号d2aは、サービス信号の内容自体は無線信号d2と同じであるが、通信形式が無線信号d1に対して識別が可能となるよう変換されたものである。
このように、無線信号d1と無線信号d2とが、識別が不可能である場合であっても、通信形式変換部21において、無線信号d2の通信形式を、無線信号d1に対して識別可能となるように変換して、識別可能な無線信号d2aで無線局3rと通信を行う構成とした。
なお、無線信号d2と無線信号d1が識別可能となるために、第1の無線局と第2の無線局の送信フレーム(またはフレームを構成するスロット)が同期していることが望ましい。更に、無線信号d2と無線信号d1使用する無線リソースを異なるものとしてもよい。
これにより、無線信号d1、d2aを互いに識別可能とすることにより、互いに干渉しないので、無線局3rにおける受信品質およびシステム全体の無線伝送品質の向上を図ることが可能になる。
図2は無線通信システムの構成例を示す図である。無線通信システム1Aは、基地局(第1の基地局)10−1、基地局(第2の基地局)10−2、中継局(以下、リレー局と呼ぶ)20、移動局30を備える。
基地局10−1は、無線信号(第1の無線信号)d1の通信を行う。基地局10−2は、無線信号d1に対して識別不可能な無線信号(第2の無線信号)d2を送信する。リレー局20は、通信形式変換部21を含み、基地局10−2から送信された無線信号d2の中継処理を行う。
通信形式変換部21では、無線信号d2の通信形式を、無線信号d1に対して識別可能な通信形式に変換し、変換後の通信形式を持つ無線信号d2aを生成して、無線信号d2aで移動局30と通信する。
ここで、リレー局20が、無線信号d2を基地局10−2から受信したときと同じ通信形式で、移動局30へ中継してしまうと、無線信号d1と無線信号d2とは識別が不可能であるため干渉が発生してしまう。
これに対し、無線通信システム1Aでは、リレー局20において、無線信号d2の通信形式を、無線信号d1に対して識別可能になるように変換した無線信号d2aを生成して、中継通信を行う。これにより、無線信号d1、d2aは互いに識別可能となり干渉しないので、移動局30における受信品質およびシステム全体の無線伝送品質の向上を図ることが可能になる。
図3は無線通信システムの構成例を示す図である。無線通信システム1−1は、無線信号d1を通常通信信号d1とし、無線信号d2を報知信号d2とした場合であり、システム構成は図2と同じである。
通信形式変換部21は、報知信号d2を受信すると、報知信号d2の通信形式である報知形式を、通常通信信号d1の通信形式である通常通信形式に変換し、通常通信形式で報知信号d2の中継送信を行う。
通常通信形式に変換された報知信号d2aを移動局30へ送信することにより、移動局30が通常通信信号d1および報知信号d2aをともに受信可能な環境にいても、通常通信信号d1と報知信号d2aとは同じ通信形式(通常通信形式)であるので(すなわち、同じ通信形式の無線信号は識別が可能であることが保障されるので)、互いに干渉が発生することがない。このため、移動局30における受信品質およびシステム全体の無線伝送品質の向上を図ることが可能になる。
次に無線通信システム1−1の1つの適用例として、MBMSに適用した場合のシステム構成および動作について説明する。最初に無線通信システム1−1が適用されるMBSFNネットワークの全体構成について説明する。
図4はMBSFNネットワークを示す図である。MBSFNネットワーク40は、MCE(Multi-Cell/Multicast Coordination Entity)であるMBMS制御装置またはMBMS制御部(以後MBMS制御装置と総称する)41、MBMS GW(Gate Way)42、基地局(BTS:Base Transceiver Station)43a、43b、移動局30−1〜30−4を有している。
MBMSの無線信号は、MBMSデータと、MBMSを受信するための制御信号(以下、MBMS制御信号と呼ぶ)とで構成され、MBMS制御装置41は、MBMS送信を制御して、MBMS制御信号をMBMS GW42、基地局43a、43bへ送信し、MBMS GW42は、MBMSデータを基地局43a、43bへ送信する。MBMS GW42は、MBMSデータを記憶し管理する装置であり、MBMSデータ記憶装置と呼んでもよい。
図5はMBSFNネットワークの動作シーケンスを示す図である。MBMS制御装置41において、スケジューリングにより送信するMBMSデータ及びその送信方法(変調方式、符号化方法、送信タイミング、使用無線周波数等)を決定する。続いて決定した変調方式、符号化方式等の情報とそれらを基に作成した制御信号をMBMS GW42に通知する。
更にMBMS GW42に対して、MBMSデータを基地局へ伝送することを要求する。通知を受けたMBMS GW42は、制御信号(MCCH:Multicast Control Channel)とMBMSデータ(MTCH:MBMS Traffic Channel)を基地局に伝送する。更に、MBSFN送信のための送信タイミングや使用無線周波数等の制御情報を基地局に通知する。
これらの制御情報とMBMSデータ及び制御信号の通知を受けた基地局は、制御情報に従ってMBSFN送信を実施する。MBSFN送信を受信したDF(Decode and Forward:受信した無線信号を復調、誤り訂正復号、再符号・変調処理等の処理を行って中継する方式)のリレー局は、復調・復号し、誤り訂正を実施し、再び符号化・変調し移動局へMBMSデータを送信する。
MBMSデータは、論理チャネルであるMTCHを構成し、トランスポートチャネルであるMCH(Multicast CHannel)にマッピングされて、無線チャネルであるPMCHで無線送信される。なお、MBMSデータの送信に際しては、MBSFNエリア毎のID(識別子)を基にスクランブリングを実施している(TS36.211参照)。
また、MBMSの制御信号は、論理チャネルであるMCCHを構成し、トランスポートチャネルであるMCHにマッピングされて、無線チャネルであるPMCHで無線送信される。
MBMS制御装置41は、リソース割り当て、MCS(Modulation and Coding Scheme)、MBMSデータの送信タイミングなどのスケジューリングを行い、スケジューリング結果を、MBMS制御信号に重畳して送信する。基地局43a、43bでは、このスケジューリング結果にもとづいて無線送信が実施される。
なお、上記のMCSとは(AMC(Adaptive Modulation and Coding)と呼ぶ場合もある)、変調・符号化方式のことであり、無線回線品質によって適応的に変調方式や符号化率を変更して使用する方法であり、変調方式、符号化率および転送速度などの属性から構成される。
例えば、MCS1なら変調方式はQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、符号化率は1/8、転送速度は1.891Mb/sであり、MCS5なら変調方式は16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、符号化率は1/2、転送速度は15.221Mb/sといったように設定されている。通常は、移動局の受信状態に応じて最適なMCSが選択される。
MBMS制御装置41では、このような複数のMCSの中から、1つのMCSを選択することになる。MCSの選択方法の1つの例としては、最も伝搬特性(伝搬環境)の悪いセルを基準にしてMCSを選択し、MBSFNエリア内は、すべて同じ選択されたMCSを適用する方法がある。
例えば、伝搬特性の最も悪いセルに対して、MCS1で通信を行うことを決定したならば、MBSFNエリア内の他のすべてのセルに対してもMCS1を適用するものである(伝搬特性の良好なセルに対してもMCS1が適用される)。なお、伝搬環境に依存せずに、一定のMCSを設定するといったことも可能である。
次にMBSFNネットワーク上における無線通信システムの動作について具体的に説明する。なお、以降では、通常通信信号の一例としてユニキャストデータ、通常通信形式の一例としてユニキャスト通信形式、報知信号の一例としてMBMSデータ、報知形式の一例としてMBSFNとして説明する。
図6はMBSFNネットワーク上の無線通信システムを示す図である。無線通信システム1aは、MBMS制御装置41、MBMS GW42、基地局43a〜43c、リレー局20、移動局30−1〜30−4を有している。リレー局20は、通信形式変換部21を含む。
基地局43aは、移動局30−1およびリレー局20に対して、MBSFNによってMBMSデータを送信している。基地局43bは、移動局30−3に対して、ユニキャスト通信形式によってユニキャストデータを送信している。基地局43cは、移動局30−4に対して、ユニキャスト通信形式によってユニキャストデータを送信している。
リレー局20内の通信形式変換部21は、MBSFNのMBMSデータを受信すると、MBSFNをユニキャスト通信形式に変換して、ユニキャスト通信形式でMBMSデータを送信する。
ここで、移動局30−2が、リレー局20からの中継データを受信し、かつ基地局43bから送信されたユニキャストデータの受信もできる範囲に位置しているとする。
このような状況で、もし、リレー局20がMBMSデータをMBSFNの通信形式のままで移動局30−2に中継送信すると、移動局30−2では、MBSFNの通信形式を持つMBMSデータと、ユニキャスト通信形式を持つユニキャストデータの双方のデータ信号を受けることになる。
MBSFNの通信形式は、MBMSデータをPMCHの無線チャネルで送信し、ユニキャスト通信形式では、ユニキャストデータをPDSCHの無線チャネルで送信する。しかし、PMCHに対して施されたスクランブリングのコードと、PDSCHに対して施されたスクランブリングのコードとは識別が保障されないので、識別不可能となる恐れがあり、移動局30−2では、MBMSデータとユニキャストデータとが干渉してしまうことになる。
これに対し、リレー局20内に通信形式変換部21がある場合、通信形式変換部21は、MBSFNの通信形式のMBMSデータを受信すると、MBMSデータの通信形式をMBSFNからユニキャスト通信形式に変換して、ユニキャスト通信形式を持ったMBMSデータを中継送信する。
すなわち、MBSFNの送信フォーマットを、ユニキャスト通信形式の送信フォーマットに変換するので(フォーマット変換としては、Extended CPを使用した送信フォーマットからNormal CPを使用した送信フォーマットに変換する)、MBMSデータをPMCHではなく、PDSCHの無線チャネルで送信することができる。
これにより、リレー局20から送信されたユニキャスト通信形式のMBMSデータと、基地局43bから送信されているユニキャスト通信形式のユニキャストデータとで干渉が発生することがない。
すなわち、MBMSデータとユニキャストデータは、同じPDSCHの無線チャネルで送信されているので、MBMSデータとユニキャストデータとの識別は保障されているため、干渉の発生を抑制することができる。このため、移動局30−2では、リレー局20から送信された、本来受信したいMBMSデータを感度よく受信することが可能になる。
なお、上記では、通信形式変換部21は、MBSFNをユニキャスト通信形式に変換して中継送信したが、MBSFNをSingle Cell MBMSの通信形式に変換して中継送信しても、干渉の発生を抑制することができる。以下、Single Cell MBMSについて説明する。
LTEシステムでは、MBSFN送信の他に、特定のセルだけMBMSデータを送信するSingle cell MBMS送信(TS36.300ではSingle Cell送信と記載されているが、ユニキャスト送信との差別化のためSingle Cell MBMS送信とする)も検討されている。
これは、MBSFN送信のように複数のセルの集合であるエリア全体に送信するのではなく、特定の1つのセルだけに送信するものである。よって、複数基地局間での同一データを同一周波数で同期して送信しなくてよく、このため、そのスケジューリングは基地局によって行われる。
また、1つのセルで送信するため、MBSFNの伝搬距離と比較し、伝搬距離が短くなる。よって、CP長を短くすることができる。言い換えるとユニキャスト通信で用いている通常のCP(Normal CP)を使用することができる。通常のCPを用いることができるので、ユニキャスト送信を実施することも可能である。すなわち、ユニキャスト通信の無線チャネルであるPDSCHを用いて送信を実施することが可能となる。
したがって、通信形式変換部21では、MBSFNのMBMSデータを受信すると、MBSFNをユニキャスト通信形式またはSingle Cell MBMS通信形式に変換してもよく、ユニキャスト通信形式でMBMSデータの中継送信、またはSingle Cell MBMS通信形式でMBMSデータの中継送信を行うことで、移動局における干渉の発生が抑制される。
ここで、フォーマット変換(冗長部(CP)の置き換え)について説明する。図7はCPの置き換えを示す図である。通信形式変換部21が、MBSFNをユニキャスト通信形式またはSingle Cell MBMS通信形式に変換する場合、データフォーマットとして、Extended CPをNormal CPに置き換えて変換することになる。
受信データに短いNormal CPを付加することにより、空いた分のフィールドに送信可能な情報量を増やすことが可能になり(∵Normal CPの長さ<Extended CPの長さ)、または符号化率を低下してパリティビットを増やして送信することができる。これにより、伝送特性の向上を図ることが可能になる(符号化率を変えず、未使用のビットに対して“0”または“1”のパディングを挿入してもよい)。
次にユニキャスト通信形式をMBSFNに変換する場合について説明する。図8は無線通信システムの構成を示す図である。無線通信システム1a−0は、システム構成は図6と同じであるが、通信形式の変換として、ユニキャスト通信形式をMBSFNに変換する場合を示している。
基地局43aは、移動局30−1およびリレー局20に対して、ユニキャスト通信形式によってユニキャストデータを送信している。基地局43bは、移動局30−3に対して、MBSFN通信形式によってMBMSデータを送信している。基地局43cは、移動局30−4に対して、MBSFN通信形式によってMBMSデータを送信している。
リレー局20内の通信形式変換部21は、ユニキャスト通信形式のユニキャストデータを受信すると、ユニキャスト通信形式をMBSFNに変換して、MBSFNでユニキャストデータを送信する(フォーマット変換としては、Normal CPを使用した送信フォーマットからExtended CPを使用した送信フォーマットに変換する)。
これにより、リレー局20から送信されたMBSFNの通信形式によるユニキャストデータと、基地局43bから送信されているMBSFNのMBMSとで干渉が発生することがない。このように、図6で説明した通信形式の変換と逆の変換を行うことも可能である。
次にリレー局20の構成について説明する。なお、リレー局20の中継方式として、大きく分けてAF(Amplify and Forward)方式とDF方式とがある。AFは、基地局または移動局から送信された無線信号を、リレー局で受信した際に、受信した無線信号を増幅して、移動局または基地局に対して送信するものである。
一方、DFは、上述したように、基地局または移動局から送信された無線信号を、リレー局で受信すると、復調・復号化を行って誤り訂正処理を行い、再び符号化・変調して、移動局または基地局に対して送信するものである。ここではDF機能を有するリレー局の構成について説明する。
図9、図10はリレー局20の構成を示す図である。リレー局20は、アンテナa1、受信部22a−1、復調・復号部22a−2、無線回線品質情報収集部23a、スケジューラ24a、回線設定部25a、上り接続要求信号抽出部26a−1、上り接続要求信号作成部26a−2、上り送信制御信号作成部26a−3、回線品質測定部27a−1、回線品質情報作成部27a−2、符号・変調部28a−1、送信部28a−2を含む。
さらに、アンテナa2、受信部22b−1、復調・復号部22b−2、下り送信制御信号抽出部23b−1、MBMS制御信号抽出部23b−2、下り制御信号作成部23b−3、MBSFN送信制御部23b−4、送信データバッファ24b、通信形式変換部21、符号・変調部25b−1、送信部25b−2を含む。
受信部22a−1および復調・復号部22a−2は、スケジューリング結果にもとづいて、移動局から送信された上り無線信号を、アンテナa1を介して受信してダウンコンバートし、ダウンコンバート後の上り信号の復調・復号を行う。
無線回線品質情報収集部23aは、復調・復号された後の上り信号から無線回線品質情報(リレー局と移動局間の無線回線品質指標)を収集し、スケジューラ24aへ送信する。
上り接続要求信号抽出部26a−1は、復調・復号された後の上り信号から上り接続要求信号を抽出し、回線設定部25aへ送信する。回線設定部25aは、上り接続要求信号を受信すると、スケジューリング結果にもとづき、上り接続要求信号作成指示を送信する。
上り接続要求信号作成部26a−2は、上り接続要求信号作成指示を受信すると、上り接続要求信号を作成する。上り送信制御信号作成部26a−3は、スケジューリング結果にもとづき、上り送信制御信号を作成する。
回線品質測定部27a−1は、基地局とリレー局20との間の回線品質を測定し測定結果を回線品質情報作成部27a−2へ送信する。回線品質情報作成部27a−2は、測定結果にもとづき、回線品質情報を作成する。
符号・変調部28a−1、送信部28a−2は、スケジューリング結果にもとづいて、上り接続要求信号、上り送信制御信号および回線品質情報の符号・変調を行い、これらの信号を重畳してアップコンバートし、アンテナa2を介して基地局へ送信する。
一方、受信部22b−1および復調・復号部22b−2は、下り送信制御信号の符号化・変調情報にもとづいて、基地局から送信された下り無線信号を、アンテナa2を介して受信してダウンコンバートし、ダウンコンバート後の下り信号の復調・復号を行う。下り送信制御信号抽出部23b−1は、下り信号から下り送信制御信号を抽出し、受信部22b−1および復調・復号部22b−2に送信する。
MBMS制御信号抽出部23b−2は、下り信号からMBMS制御信号を抽出し、MBSFN送信制御部23b−4へ送信する。MBSFN送信制御部23b−4は、スケジューラ24aにMBSFN制御の設定を行う。
送信データバッファ24bは、下り信号のバッファリングを行い、スケジューリング結果にもとづきデータ出力を行う。通信形式変換部21は、バッファリング後の下り信号の通信形式を変換する(例えば、MBSFN→ユニキャスト)。下り制御信号作成部23b−3は、スケジューリング結果にもとづき、下り制御信号を作成する。
符号・変調部25b−1、送信部25ba−2は、スケジューリング結果にもとづいて、下り制御信号および通信形式変換後の下り信号の符号・変調を行い、アップコンバートして、アンテナa1を介して移動局へ送信する。
次に移動局の構成について説明する。図11は移動局の構成を示す図である。移動局30は、アンテナa3、受信部31を有する。ここで、移動局30が、無線信号(第1の無線信号)d1と、無線信号d1に対して識別不可能な無線信号(第2の無線信号)d2とを受信可能な範囲に位置しているとする。
この場合、受信部31は、無線信号d1を受信する場合は、無線信号d1の受信処理を行う。または、無線信号d2の通信形式が、局側で無線信号d1に対して識別可能な通信形式に変換され、変換後の通信形式を持つ無線信号d2aの受信処理を行う。
次に無線通信システムの詳細動作について説明する。第1の実施の形態として、MBSFNをユニキャスト通信形式に変換して中継送信する場合の動作について説明する。なお、リレー局にMBMSのスケジューリング機能を持たせたシステム構成とする。
図12は無線通信システムの構成を示す図である。無線通信システム1a−1は、MBMS制御装置41、MBMS GW42、基地局43a、43b、リレー局20a、移動局30−1〜30−3を有している。リレー局20aは、通信形式変換部21およびスケジューラ2aを含む。
なお、リレー局20aは、ユニキャスト通信のスケジューラを元々有しているが、スケジューラ2aは、ユニキャスト通信のスケジューリング機能の他に、MBMSのスケジューリング機能も追加した構成のものである。
基地局43aは、移動局30−1およびリレー局20aに対して、MBSFNによってMBMSデータを送信している。基地局43bは、移動局30−3に対して、ユニキャスト通信形式によってユニキャストデータを送信している。
リレー局20a内の通信形式変換部21は、MBSFNのMBMSデータを受信すると、MBSFNをユニキャスト通信形式に変換して、ユニキャスト通信形式でMBMSデータを移動局30−2に送信している。
ここで、移動局30−2は、リレー局20aおよび基地局43aを介して、MBMS制御装置41にMBSFNを中継することを要求する。要求を受けたリレー局20aは、基地局43aを介してMBMS制御装置41に対して、MBSFNの中継を要求すると共に、MBMS制御装置41で管理しているMBMS制御情報を、リレー局20aに対して送信することを要求する。
図13は動作シーケンスを示す図である。図13において、移動局からの中継要求は、少なくともリレー局へ通知され、またリレー局を介して基地局へ通知され、更に基地局を介してMBMS制御装置へ通知されるとする。
通知を受けたMBMS制御装置は、MBSFNで受信したMBMSデータをDFリレー局でユニキャストに変換し移動局に送信するために、DFリレー局に対してMBMS制御装置の保持していたMBSFN送信情報(例えば送信するMBMSデータの種類やどこまで送信したかなどの情報)をリレー局に通知する。なお図13では、MBMS制御装置のスケジューリングより時間的に前に通知しているが、スケジューリングの時間的に後に通知してもよい。
また、移動局からリレー局へ通知される無線回線品質情報は、基地局からリレー局へのMBSFN送信より時間的に後でもよい。さらにまた、リレー局から移動局に通知される中継開始タイミング通知は、ユニキャスト通信よりも事前であればよい。以下、MBSFN送信によってMBMSデータがDFリレー局へ伝送される。
MBMSデータを受信したDFリレー局は、MBMS制御装置から通知されたMBMS制御情報または基地局から送信されたMBMSデータに含まれているMBMS制御情報の少なくとも一方の情報を用い、かつ移動局から通知された無線回線品質情報を基に、移動局向けのMBMS制御情報を作成する。そして、ユニキャスト通信用の制御情報として移動局に通知し、続いてMBMSデータを送信する。
MBMS制御情報の要求を受けたMBMS制御装置は、移動局が受信しているサービスに関する情報等が含まれるMBMS制御情報を、基地局経由でリレー局に通知する。サービスに関するMBMS制御情報の具体例としては、あるサービスデータの内、どこまで該当移動局が受信したかなどといった制御情報がある。これは、サービスの継続性を維持する上でも重要な制御情報となる。
上記のようなMBMS制御情報を基にして、リレー局は、MBMS制御信号を作成し、論理チャネルであるMCCHとして作成する。このMCCHをトランスポートチャネルであるMCHにマッピングし、無線チャネルであるPDSCHで無線送信する。
なお、MBMS制御装置からMBMS制御信号が伝送されなかった場合や、リレー局においてMBMS制御信号の作成(MCCHの作成等)を実施できない場合には、移動局に対して、MBSFNの中継が不可能であることを通知し、MBSFNの中継を実施しない。
さらに、MBSFNの中継を要求する移動局数が、事前に設定された閾値より小さい場合または大きい場合は、MBSFN中継を実施せず、該当移動局に対して中継を実施しないことを通知する。
中継できないことを通知された移動局は、他のリレー局や基地局にハンドオーバを実施する。具体的には、他のリレー局や基地局からの受信電力を測定し、最も高い受信電力の基地局をハンドオーバ先として選択し、ハンドオーバを実施することになる。
次に移動局30−2から送信された、リレー局20aと移動局30−2間の下り無線回線品質(または無線回線品質指標)を基にして、リレー局20a内のスケジューラ2aは、リレー局20aと移動局30−2間で伝送されるユニキャストデータと同様にスケジューリングを行う。そして、MBMSデータおよびMBMS制御信号を送信するための無線リソースや変調方式を決定する。
なお、スケジューリングに際して、ユニキャストデータと、中継するMBMSデータとを区別することなく公平にスケジューリングしてもよいし、どちらか一方を優先してスケジューリングしてもよい。またユニキャストデータの通信とMBMSデータの通信とのスケジューリングを別々に実施してもよい。
上記のように、リレー局20aがMBMS制御情報を受信してスケジューリングを行い、スケジューリングの結果、MBSFNが中継可能となった場合、MBSFNの中継を要求した移動局30−2に対して、中継可能を通知する。
すなわち、移動局30−2に対してユニキャストデータの通信形式で、MBMSデータを中継することを、制御情報として通知することになる。通知を受けた移動局30−2は、下り物理制御チャネル(DPCCH)を受信することで、下りユニキャストデータ通信の制御情報(例えばMCSなど)を抽出し、MBMS制御情報にしたがってMBMSデータを含んだ下り無線チャネルPDSCHを受信する。
そして、無線チャネルPDSCHを受信し、MBMSデータを誤りなく受信できた場合には、リレー局20aに対してACKを返送し、誤りを含んで受信した場合はNACKを返送する(なお、MBMSデータを中継する場合は、ACK/NACKを返送しない方法も可能である)。
次にMBMSデータを中継する場合の処理について説明する。基地局43aから送信されたMBMSデータをリレー局20aが受信した場合、Extended CPのスロットフォーマットに復号した受信データを、Normal CPを使用したスロットフォーマットに変換する。そして、符号化・変調を実施して、移動局30−2へ送信する。
移動局30−2は、リレー局20aからDPCCHを用いて送信された送信制御信号を基に、復調方式および復号方法を設定し、ユニキャストデータを伝送するPDSCHを受信することで、MBMSデータを受信する。
なお、上記では、移動局30−2がリレー局20aを通じてMBSFNの中継を要求したが、ハンドオーバに伴って基地局またはその上位の無線回線制御局が、リレー局20aに対して、MBSFNの中継を要求してもよい。
また、MCCHの作成をリレー局20aで実施したが、MBMS制御情報の管理をリレー局20aで実施し、MBMSデータの送信に際して、MBMS制御情報をMBMS制御装置41へ通知し、MBMS制御装置41でMCCHを作成してもよい。
以上により、リレー局20aが受信したMBMSデータをユニキャスト通信形式で移動局30−2へ中継することにより、干渉が発生することなくMBMSデータの中継が可能となる。
また、通信形式の変換時、Extended CPをNormal CPに替えたフォーマットにするので、符号化率を低下してパリティビットを増やして送信することができ、伝送特性や伝送速度を改善することが可能になる。
さらに、リレー局20aと移動局30−2間の下り無線回線品質を基に、リレー局20aと移動局30−2間で伝送されるユニキャストデータと同様にスケジューリングを行うことで、最適な送信方法が選択可能となる。その結果、伝送特性や伝送速度を改善することができる。
次に第2の実施の形態として、MBSFNをSingle Cell MBMSの通信形式に変換して中継送信する場合の動作について説明する。図14は無線通信システムの構成を示す図である。無線通信システム1a−2は、図12のシステム構成と同じであるが、異なる点は、通信形式変換部21において、MBSFNをSingle Cell MBMSの通信形式に変換することである。
第1の実施の形態と同様に、移動局30−2がMBSFNの中継を要求し、基地局43aは、同様にMBMS制御装置41に対してMBMS制御情報をリレー局20aへ通知するよう要求する。
MBMS制御情報の伝送を要求されたMBMS制御装置41は、要求に従いMBMS制御情報をリレー局20aへ通知する。通知されたMBMS制御情報を基に、リレー局20aにおいて、制御信号を作成し、論理チャネルであるMCCHとして作成する。このMCCHをトランスポートチャネルであるDL−SCH(Downlink Shared Channel)にマッピングし、無線チャネルであるPDSCHを用いてSingle Cell MBMS送信を実施する。
Single Cell MBMS送信では、ユニキャストデータ送信と同様にshort CPを用いることができるので、リレー局20aにおいて、Extended CPを用いて基地局43aから送信されたMBMSデータを受信し、復調・復号後、第1の実施の形態と同様に、Normal CPを用いたフォーマットに変換し、符号化・変調を施して移動局30−2に対して送信する。
次に第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、基地局において、MBMSのスケジューリング機能を実施する構成である。また、複数のリレー局が配置している構成とする。
図15は無線通信システムの構成を示す図である。無線通信システム1a−3は、MBMS制御装置41、MBMS GW42、基地局43a−1、43b、リレー局RN、移動局30−1〜30−3を有している。基地局43a−1は、MBMSのスケジューラ4を含む。
なお、リレー局には、AFリレー局RNAFとDFリレー局RNDFが混在することも考えられる。ここでは、AFリレー局RNAFとDFリレー局RNDFが混在または1つのDFリレー局が、基地局43a−1のセル内にあり(図13ではAFリレー局RNAFとDFリレー局RNDFが混在しているリレー局群を示し、これをリレー局RNとしている)、基地局43a−1において、すべてのリレー局と移動局30−2間とのスケジューリングを実施する場合について説明する(なお、AFリレー局では、復調・復号を実施しないため、通信形式変換は行わない)。
図16は動作シーケンスを示す図である。図16は、Centralized schedulingを実施した場合の処理シーケンス例である。図13との差分は3点ある。1つ目は、DFリレー局と移動局間の無線回線品質情報を、リレー局を介して基地局に通知している点である。2つ目は、無線回線品質等や基地局と直接通信している移動局が測定した基地局−移動局間の無線回線品質情報を基に、リレー局配下の移動局及び基地局に直接通信している移動局を含めて一括してスケジューリングする点である。3つ目は、スケジューリングの結果決定したMBSFN中継方法に関する制御情報やMBMSデータを、リレー局を介して移動局に通信している点である。
リレー局RNと移動局30−2間のスケジューリング方法としては、基地局43a−1のセル内におけるリレー局RNのスケジューリングをまとめて、基地局43a−1で実施する方法も検討されている。
このように基地局43a−1のセル内にあり、中継を実施する1つまたは複数のリレー局RNの送受信スケジュールを基地局43a−1でスケジューリングする方法を、中心の基地局でスケジューリングするといった意味で、Centralized schedulingと呼んでいる。
ここで、ユニキャストデータ通信やSingle Cell MBMS送信において、移動局30−2からリレー局RNに送信されたリレー局RNと移動局30−2間の無線回線品質情報をリレー局RNから基地局43a−1へ送信する。
基地局43a−1は、DFリレー局RNDFや直接通信している移動局30−1からの無線回線品質情報をスケジューラ4に集約し、スケジューリングを実施する。そして、これらのスケジューリング情報を基地局43a−1からDFリレー局RNDFに無線チャネルを使用して通知する。
通知を受けたDFリレー局RNDFは、MBMS制御情報を基に制御信号を作成し、論理チャネルであるMCCHとして作成する。このMCCHをトランスポートチャネルであるMCHにマッピングし、無線チャネルであるPDSCHまたは無線チャネルであるPMCHで無線送信する。DFリレー局RNDFでは、MBMSデータを受信すると、ユニキャスト通信形式またはSingle Cell MBMSに変換して、移動局30−2へ送信する。
次に第4の実施の形態について説明する。上記では、基地局とリレー局間の伝送はMBSFN通信としたが、第4の実施の形態では、基地局とリレー局間の伝送はユニキャスト通信を実施し、リレー局と移動局間の伝送にMBSFN通信を実施する構成とする。
図17は無線通信システムの構成を示す図である。無線通信システム1a−4は、MBMS制御装置41、MBMS GW42、基地局43a−2、43b、43c、リレー局20b、移動局30−1〜30−3を有している。
基地局43cは、移動局30−1に対して、ユニキャスト通信形式でユニキャストデータを送信し、基地局43bは、移動局30−2、30−3に対して、MBSFNの通信形式によってMBMSデータを送信している。
基地局43a−2は、通信形式変換部21−1を含み、リレー局20bは、通信形式変換部21−2を含む。基地局43a−2内の通信形式変換部21−1は、MBSFN通信形式をユニキャスト通信形式に変換して、ユニキャスト通信形式でMBMSデータを送信する。リレー局20b内の通信形式変換部21−2は、ユニキャスト通信形式をMBSFN通信形式に変換して、MBSFN通信形式でMBMSデータを送信する。
動作について説明する。移動局30−2からリレー局20bに対してMBSFN中継の要求が通知された場合、リレー局20bは、その旨を基地局43a−2およびMBMS制御装置41に通知する。通知を受けたMBMS制御装置41は、移動局30−2および中継するリレー局20bに対して送信されるMBMSデータを、通常のMBSFN送信タイミングよりも前に(例えばリレー局20bの中継の処理遅延分以上前に)、MBMS GW42から基地局43a−2に対してMBMSデータを伝送するように指示する。
MBMSデータを受信した基地局43a−2は、通信形式変換部21−1において、通常のMBSFN送信に用いるExtended CPではなくNormal CPを用いたフォーマットに変換して、ユニキャストデータの通信形式で、リレー局20bに対してMBMSデータを送信する。
ユニキャスト通信形式でMBMSデータを受信したリレー局20bは、通信形式変換部21−2において、Normal CPのフォーマットをExtended CPを用いたフォーマットに変換し、移動局30−2に対してMBSFNによるMBMSデータの送信を実施する。
これにより、基地局43a−2と基地局43c間に対して干渉を与えることなく、基地局43a−2とリレー局20b間のMBSFN送信を実施することができる。また、基地局43a−2は、MBMSデータを通常のMBSFN送信タイミングよりも先送りで送信するので、移動局30−2は、リレー局20bを介して受信したMBMSデータと、基地局43bから送信されたMBMSデータとの受信合成を行うことが可能になる。
図18はMBMSデータの先送り通信のシーケンスを示す図である。
〔S1〕基地局43a−2は、通常のMBSFN送信タイミングよりも前に、例えば、リレー局20bの中継の処理遅延時間分以上前に(例えば、リレー局20bがDFタイプであれば、復調・復号/符号・変調の一連の処理遅延時間分前に)、MBMSデータをユニキャスト通信形式でリレー局20bへ送信する。
〔S2〕リレー局20bは、MBMSデータの復調・復号/符号・変調処理を行う。
〔S3〕リレー局20b内の通信形式変換部21−2は、ユニキャスト通信形式をMBSFN通信形式に変換し、Normal CPを用いたフォーマットをExtended CPを用いたフォーマットに変換する。
〔S4〕リレー局20bは、MBSFN通信形式のMBMSデータを移動局30−2へ送信する。
〔S5〕基地局43bは、MBSFN通信形式のMBMSデータを移動局30−2へ送信する。
〔S6〕移動局30−2は、リレー局20bを介して受信したMBMSデータと、基地局43bから送信されたMBMSデータとの受信合成を行う。
なお、上記のシーケンスでは、先送り送信を示す際に、リレー局20bで、ユニキャスト送信をMBSFN送信の通信形式に変換しているが、MBSFN送信をユニキャスト送信に変換する場合であっても、基地局43bでは同様にして先送り送信を行うものである。
次に無線通信システムの変形例について説明する。上記では、MBSFNではExtended CPを用いたフォーマットで伝送することを説明した。この理由は、遠くの基地局からMBSFN送信を受信しやすくし、受信合成が可能なMBMSデータの数を増やすためである。すなわち、伝搬遅延の大きいMBMSデータを受信可能とするためである。
そこで、Extended CPを用いることで、伝搬遅延が大きくても受信可能となることを利用すると、セル半径を大きくすることができる。したがって、変形例では、Normal CPを用いるセルより、より広いセルの場合を構成する場合には、MBMSデータに限らず、Extended CPを用いて通信を行うものとする。
また、セル半径の大きいセルに、リレー局が配置されている場合、リレー局のセル半径は、その用途からセル半径が小さいので、変形例でのリレー局は、Normal CPを用いて通信を行うものとする。
図19は無線通信システムの構成を示す図である。無線通信システム1bは、基地局43a、リレー局20cおよび移動局30−1、30−2を有する(MBMS制御装置41、MBMS GW42などの図示は省略する)。リレー局20cは、無線送受信部2c−1、通信形式変換部2c−2を含む。
セル51は、基地局43aのサービス範囲であり、セル52は、リレー局20cの中継範囲である。リレー局20cおよび移動局30−1は、セル51内に位置する。また、移動局30−2は、セル51外にあり、またセル52内に位置している。
無線送受信部2c−1は、基地局43a、移動局30−2との無線送受信処理を行う。通信形式変換部2c−2は、基地局43aと通信を行う場合は、第1の冗長部(例えば、Extended CP)が付加された第1の無線フォーマットの通信形式で通信を行い、移動局30−2と通信を行う場合は、第1の冗長部よりも短い第2の冗長部(例えば、Normal CP)が付加された第2の無線フォーマットの通信形式で通信を行う。
ここで、下り伝送において、基地局43aは、Extended CPを用いたフォーマットの通信形式でデータD1を送信する。リレー局20c内の通信形式変換部2c−2は、データD1を受信すると、Normal CPを用いたフォーマットの通信形式にしたデータD2を移動局30−2へ送信する。
上り伝送において、移動局30−2は、Normal CPを用いたフォーマットの通信形式でデータD2をリレー局20cへ送信する。リレー局20c内の通信形式変換部2c−2は、データD2を受信すると、Extended CPを用いたフォーマットの通信形式にしたデータD1を生成して、基地局43aへ送信する。
このような構成により、セル51内に位置する移動局30−1は、Extended CPフォーマットのデータを受信するので、複数のデータ受信合成を行って、受信品質の向上を図ることができる。また、リレー局20cでは、移動局30−2に対して、Normal CPフォーマットによる中継を行うので、符号化率を低下しパリティビットを増やして送信することができ、伝送特性を向上させることが可能になる。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
1 無線通信システム
1r、2r、3r 無線局
21 通信形式変換部
d1、d2、d2a 無線信号

Claims (8)

  1. 基地局と、
    前記基地局の無線通信範囲に位置する中継局と、
    前記中継局の中継範囲に位置する移動局と、
    を備え、
    前記基地局と前記中継局との間では、第1の冗長部が付加された第1の無線フォーマットの通信形式で通信を行い、
    前記中継局と前記移動局との間では、前記第1の冗長部よりも短い第2の冗長部が付加された第2の無線フォーマットの通信形式で通信を行う、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 第1の無線局と第2の無線局と通信を行う無線装置において、
    前記第1の無線局および前記第2の無線局との送受信処理を行う無線送受信部と、
    前記第1の無線局と通信を行う場合は、第1の冗長部が付加された第1の無線フォーマットの通信形式で通信を行い、前記第2の無線局と通信を行う場合は、前記第1の冗長部よりも短い第2の冗長部が付加された第2の無線フォーマットの通信形式で通信を行う通信形式変換部と、
    を有することを特徴とする無線装置。
  3. 第2の無線局を介して第1の無線局と通信を行う無線装置において、
    第1の無線局と第2の無線局の通信で用いる第1の冗長部を用いた第1の無線フォーマットの通信形式とは異なる、
    第1の冗長部よりも短い第2の冗長部を用いて第2の無線フォーマットの通信形式を用いて、第2の無線局と通信を行う無線送受信部を有する、
    ことを特徴とする無線装置。
  4. 第2の無線局を介して第1の無線局と通信を行う無線装置において、
    第1の無線局と第2の無線局での通信で用いる第1の冗長部を用いた第1の無線フォーマットの通信形式とは異なる、
    第1の冗長部よりも長い第2の冗長部を用いた第2の無線フォーマットの通信形式を用いて、第2の無線局と通信を行う無線送受信部を有する、
    ことを特徴とする無線装置。
  5. 基地局と、
    前記基地局の無線通信範囲に位置する中継局と、
    前記中継局の中継範囲に位置する移動局と、
    を備え、
    前記基地局と前記中継局との間では、第1の冗長部が付加された第1の無線フォーマットの通信形式で通信を行い、
    前記中継局と前記移動局との間では、前記第1の冗長部よりも長い第2の冗長部が付加された第2の無線フォーマットの通信形式で通信を行う、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  6. 第1の無線局と第2の無線局と通信を行う無線装置において、
    前記第1の無線局および前記第2の無線局との送受信処理を行う無線送受信部と、
    前記第1の無線局と通信を行う場合は、第1の冗長部が付加された第1の無線フォーマットの通信形式で通信を行い、前記第2の無線局と通信を行う場合は、前記第1の冗長部よりも長い第2の冗長部が付加された第2の無線フォーマットの通信形式で通信を行う通信形式変換部と、
    を有することを特徴とする無線装置。
  7. 第2の無線局を介して第1の無線局と通信を行う無線装置において、
    第1の無線局と第2の無線局の通信で用いる第1の冗長部を用いた第1の無線フォーマットの通信形式とは異なる、
    第1の冗長部よりも長い第2の冗長部を用いて第2の無線フォーマットの通信形式を用いて、第2の無線局と通信を行う無線送受信部を有する、
    ことを特徴とする無線装置。
  8. 第2の無線局を介して第1の無線局と通信を行う無線装置において、
    第1の無線局と第2の無線局での通信で用いる第1の冗長部を用いた第1の無線フォーマットの通信形式とは異なる、
    第1の冗長部よりも短い第2の冗長部を用いた第2の無線フォーマットの通信形式を用いて、第2の無線局と通信を行う無線送受信部を有する、
    ことを特徴とする無線装置。
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