JP5438765B2 - 血圧および心拍数の調節のためのシステム - Google Patents

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Description

本願は、2009年8月7日に、PCT国際特許出願として、EnteroMedics Inc.,(米国の国立の法人であり、米国以外の全ての国の指定国に対する出願人)の名義、ならびに米国のみの指定国に対する出願人としてのKatherine S.Tweden、Richard R.Wilson、Mark B.Knudson、Dennis Dong−Won Kim、およびDeepak Bhole(米国の国民)で出願され、そして2008年8月8日に出願された米国仮特許出願番号61/087,557に対する優先権を主張する。この米国仮特許出願は、本明細書中に参考として援用される。
(発明の背景)
米国における約5000万人が高血圧を有すると推定されている。高血圧の診断の基準が変化しており、120/80mmHgの血圧は、正常とみなされ、120〜139又は80〜89mmHgは、高血圧前段階と定義されており、140〜159mmHg以上の収縮期又は90〜99mmHgの拡張期血圧は、ステージI高血圧であり、160mmHg以上の収縮期又は100mmHg以上の拡張期血圧は、ステージII高血圧である(非特許文献1)。診断された人のうち、約3分の2は、140/90mmHg未満の血圧制御を達成せず、約15%は、処置を全く受けていない。高血圧を有する人の約半数は、特有の症状がないため高血圧を有することを全く知らない。高血圧のほとんどの症例において、原因が不明であり、それゆえ、原発性高血圧と診断される。約5〜10%の人において、高血圧は、他の何らかの病状の二次的な症状である。例えば、腎疾患、副腎の腫瘍、心臓欠損又は神経系の障害などの器官の原因が存在する可能性がある。
長期高血圧の積極的薬物処置は、男女共における心疾患及び他の原因による死亡の発生率を有意に低下させ得る。糖尿病を有する人において、血圧及び血中グルコースレベルを共に制御することにより、当疾患の重篤な合併症が予防される。患者が軽度の高血圧を有し、心臓に問題がない場合、生活様式の変化は、その状態を制御するのに十分である可能性がある。より重度の高血圧、又は食事及び生活様式の変化に対して1年以内に反応しない軽度症例については、薬物処置が通常必要である。軽度から中等度の高血圧を制御するには、単剤投与計画が通常である。より重度の高血圧は、2剤以上の併用をしばしば必要とする。患者が心臓発作又は卒中のリスクが最も高い早朝の時間帯に最も有効であるように持続放出薬が開発されている。
投薬計画を厳格に維持することは非常に重要である。抗高血圧処置を中止している患者、特に喫煙者及び若齢成人は、卒中のリスクが著しく高い。高血圧に対して用いられるすべての薬物は、副作用を有する。一般的な副作用としては、疲労、咳、皮疹、性機能障害、抑うつ、心機能不全又は電解質異常が挙げられる。これらの副作用に起因して、継続的な患者服薬遵守を奨励しながら、その患者にとって最善の薬物を発見することは、困難であり得る。
うっ血性心不全(CHF)は、心臓の心ポンプ効率(心拍出量)が非常に低くなるために血液循環が組織の必要を満たすのに不十分である状態である。うっ血性心不全は、通常、漸進的に悪化していく状態であり、重篤な身体障害および死亡につながる。約500万人のアメリカ人(かなりの割合が60歳以下である)がCHFに罹患している。過去の研究で、高い心拍数を下げることによって心臓機能を改善できることが示唆されている。
The Seventh Report of the Joint National Committee on Prevention、Detection、Evaluation and Treatment of High Blood Pressure、(JNC7)、NHLBI publication、Hypertension、42巻、1206頁、2003年
多くの療法が利用可能であるにもかかわらず、高血圧及びうっ血性心不全は、依然として重大な健康上の問題である。療法の多くは、望ましくない副作用を有するか、又は血圧若しくは心拍数の十分な制御を達成しない。したがって、血圧及び/又は心拍数を調節するシステム及び方法を開発する必要性が依然としてある。
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
被験体における心拍数及び/又は血圧の障害に関連する状態を処置する方法であって、
心拍数及び/又は血圧調節の障害を有する上記被験体の標的神経又は上記標的神経に近接する組織に間欠的電気処置信号を印加することを含み、上記電気処置信号を、オン時間中に上記神経における神経活動を少なくとも部分的にダウンレギュレートし、オフ時間中に上記神経における神経活動を少なくとも部分的に回復させるように選択する、方法。
(項目2)
上記状態が高血圧又はうっ血性心不全である、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記状態が高い収縮期血圧、拡張期血圧又は両方によって特徴づけられる、項目1に記載の方法。
(項目4)
上記電気治療信号が迷走神経に印加される、項目1に記載の方法。
(項目5)
上記電気信号が、周波数、パルス幅、振幅、タイミング及びランプアップ/ランプダウン特性について選択される、項目4に記載の方法。
(項目6)
上記神経の神経活動を少なくとも50%ダウンレギュレートするように上記電気処置信号の上記オン時間が選択される、項目4に記載の方法。
(項目7)
上記電気信号が、上記信号の印加のオン時間と、それに続く上記信号が上記神経に印加されないオフ時間とを含むサイクルで間欠的に印加され、上記オン及びオフ時間が複数日にわたって1日当たり複数回適用される、項目1に記載の方法。
(項目8)
上記オン時間が、持続時間30秒以上又は180秒以下又は両方を有するように選択される、項目7に記載の方法。
(項目9)
上記電気信号が約200Hz〜25kHzの周波数で印加される、項目6に記載の方法。
(項目10)
上記電気信号が、迷走神経又は迷走神経に隣接する組織上に位置決めされている電極に印加される、項目1に記載の方法。
(項目11)
上記電気信号が前迷走神経幹、後迷走神経幹又は両方に印加される、項目1に記載の方法。
(項目12)
アップレギュレーティング信号を圧受容器に印加することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
ダウンレギュレーティング信号及び上記アップレギュレーティング信号が同時又は異なる時に印加される、項目12に記載の方法。
(項目14)
血圧制御を改善する薬剤を投与することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目15)
上記血圧制御を改善する薬剤が利尿薬、ACE阻害薬、カルシウムチャンネル遮断薬、β遮断薬、α遮断薬及びそれらの混合物からなる群から選択される、項目14に記載の方法。
(項目16)
高血圧又はうっ血性心不全を処置する方法であって、
a)そのような患者の高血圧を処置するための有効量が望ましくない副作用又は不十分な血圧制御を伴う場合の患者の高血圧を処置するための薬物を選択すること;並びに
i)1日当たり複数回、複数日にわたり上記患者の迷走神経に間欠的電気処置信号を印加することであって、ブロックが上記神経における求心性及び/又は遠心性神経活動をダウンレギュレートするように選択され、神経活動が上記ブロックの中断により少なくとも部分的に回復する、こと;及び
ii)上記患者に上記薬物を投与すること
を含む併用療法により高血圧について患者を処置すること
を含む、方法。
(項目17)
a)標的神経上に取り付けるように適応された電極;
b)電気信号を上記神経に送出するように構成された埋め込み型神経調節装置であって、上記埋め込み型神経調節装置は、上記電極に接続され、上記電気信号は、i)オン時間及びオフ時間のデューティサイクルで、患者が心臓発作又は卒中のリスク増加を経験する早朝に始まって1日に複数回送出され、ii)オン時間中に上記神経の神経活動をダウンレギュレートするように選択される周波数を有し、神経機能の少なくとも部分的な回復をもたらすように選択されるオフ時間を有し、iii)少なくとも6mAの振幅を有する、埋め込み型神経調節装置;並びに
c)データ及び出力信号を上記神経調節装置に伝達し、データを他のプログラミングデバイスに伝達するように構成された外部コイル
を含むシステム。
(項目18)
上記電極が横隔膜下部位の迷走神経上に取り付けられるように適応されている、項目17に記載のシステム。
(項目19)
上記神経調節装置が12時間以上及び18時間以下の処置期間にわたり上記電気信号を間欠的に送出するように設定されている、項目17又は項目18に記載のシステム。
(項目20)
上記神経調節装置が200〜5000Hzの周波数を有する信号を送出するように設定されている、項目17から19までのいずれか一項に記載のシステム。
(項目21)
上記神経調節装置が30秒〜5分のオン時間で信号を送出するように設定されている、項目17から20までのいずれか一項に記載のシステム。
(項目22)
上記神経調節装置が2〜20分のオフ時間を与えるように設定されている、項目17から21までのいずれか一項に記載のシステム。
(項目23)
心拍数及び/又は血圧を検知し、上記心拍数及び/又は血圧があらかじめ選択される量を超えて増加する場合に上記神経調節装置に信号を送るように設定されているセンサーをさらに含む、項目17から22までのいずれか一項に記載のシステム。
(項目24)
上記振幅が約6〜18mAである、項目17から23までのいずれか一項に記載のシステム。
(要旨)
本開示は、血圧及び/又は心拍数の制御の障害に関連する状態を処置するためのシステム及び方法を提供する。実施形態において、被験体における心拍数及び/又は血圧の障害に関連する状態を処置する方法は、心拍数及び/又は血圧調節の障害を有する被験体の標的神経又は標的神経に近接する組織に間欠的電気処置信号を印加することを含み、前記電気治療信号は、オン時間中に神経における神経活動を少なくとも部分的にダウンレギュレートし、オフ時間中に神経における神経活動を少なくとも部分的に回復させるように選択される。該方法は、高血圧及び/又はうっ血性心不全を処置するために適用することができる。
いくつかの実施形態において、電気治療信号が迷走神経に印加され、該電気信号は、周波数、パルス幅、振幅及びタイミングについて選択される。いくつかの実施形態において、該電気信号は、信号の印加のオン時間と、それに続く信号を神経に印加しないオフ時間を含む周期で間欠的に印加され、オン時間及びオフ時間は、複数日にわたり1日当たり複数回適用される。本開示のシステム及びデバイスは、薬物処置と併用することができる。システムは、血圧及び/又は心拍数の制御を可能にするように選択される周波数、オン時間及びオフ時間、振幅、位置、神経などの特性を有する電気治療信号を送出するようにプログラムされているデバイスを含む。
図1は、迷走神経に電気信号を印加するための埋め込み型のシステムの構成の概略図である。 図2は、具体例としてのインパルス発生器及び導線の概略図である。 図3は、電子アセンブリ510(「ハイブリッド回路」)及び受信コイル516を含む埋め込み型構成部品;電極導線に取り付けるための標準コネクタ512(例えば、IS−1コネクタ)を含む別の具体例としての実施形態の概略図を図示する。2つの導線が埋め込み型回路への接続用のIS−1コネクタに接続されている。両方が神経上への配置用のチップ電極を有する。患者は、制御回路に接続されたアンテナを含む外部コントローラを受け取る。外部コントロールユニットは、周波数選択、パルス振幅及びデューティサイクルに関する選択肢を含む様々な信号パラメーターをプログラムすることができる。 図4は、ブロッキング信号の印加後の迷走神経の回復を示す。 図5は、典型的なデューティサイクルを示す。 図6は、本明細書で述べる試験における患者の過度の体重減少に対する電気信号療法の効果を示す。 図7Aは、処置を受け、治療の開始時に高い血圧を有さず、6カ月の治療を完了した被験体の血圧に対する電気信号療法の効果を示す。平均ベースライン収縮期圧は、115.4mmHgであり、平均ベースライン拡張期圧は、68.0mmHgであった。正常なベースライン収縮期血圧(SBP)及び拡張期血圧(DBP)を有する被験体に1カ月目にも3カ月目にも6カ月目にも有意な変化は認められなかった。 図7Bは、6カ月の処置を完了した高い血圧を有する被験体の血圧の変化に対する電気信号療法の効果を示す。該コホートは、140mmHg以上の高い収縮期圧又は90mmHg以上の拡張期血圧又は高血圧の病歴により定義した。平均ベースライン収縮期圧は、141mmHgであり、平均ベースライン拡張期圧は、88mmHgであった。高血圧性ベースライン収縮期血圧(SBP)及び拡張期血圧(DBP)を有する被験体にすべての時点に有意な変化が認められた。 図7Cは、6カ月の処置を完了した高い血圧を有する被験体の血圧の変化に対する電気信号療法の効果を示す。該コホートは、140mmHg以上の収縮期圧及び/又は90mmHg以上の拡張期圧を有し、糖尿病でなかった患者;糖尿病であり、130mmHg以上の収縮期圧及び/又は80mmHgより高い拡張期圧を有していた患者;埋め込み時に高血圧と診断された患者;或いは糖尿病を有さず、120〜139の収縮期圧及び/又は80〜89の拡張期圧の高血圧前段階を有していた患者を含んでいた。平均ベースライン収縮期圧は、132.6mmHgであり、平均ベースライン拡張期圧は、84.6mmHgであった。高血圧性ベースライン収縮期血圧(SBP)及び拡張期血圧(DBP)を有する被験体にすべての時点に有意な変化が認められた。アステリスクは、P値がベースライン+/−SEMからの変化について有意であることを表している。 図8は、治療6カ月目の高い血圧を有する患者及び有さない患者における血圧の変化を示す。
以下の同一人に譲渡された特許及び米国特許出願は参照により本明細書に援用される:2007年1月23日に発行されたKnudsonらに対する米国特許第7,167,750号;2005年6月16日に公開されたUS2005/0131485A1、2005年2月17日に公開されたUS2005/0038484A1、2004年9月2日に公開されたUS2004/0172088A1、2004年9月2日に公開されたUS2004/0172085A1、2004年9月9日に公開されたUS2004/0176812A1及び2004年9月2日に公開されたUS2004/0172086A1。2006年3月2日に公開された国際特許出願公開番号WO2006/023498A1も参照により本明細書に援用される。
本開示は、被験体における心拍数及び/又は血圧を調節するシステム及び方法を含む。実施形態において、被験体における高い血圧及び/又は心拍数に関連する状態を処置する方法は、被験体の標的神経に間欠的神経伝達信号を印加することを含み、前記神経伝達信号は、神経における神経活動をダウンレギュレートし、前記ブロックの中断により神経における神経活動を少なくとも部分的に回復させるために選択される。いくつかの実施形態において、標的神経は、迷走神経である。いくつかの実施形態において、該信号は、心臓の迷走神経支配の下に印加される。いくつかの実施形態において、該電気信号は、周波数、振幅、パルス幅及びタイミングについて選択される。該電気信号はまた、心拍数及び/又は血圧を調節するためにさらに選択され得る。いくつかの実施形態において、該信号は、収縮期及び/又は拡張期の血圧を低下させるために、神経活動のダウンレギュレーションのために選択される。他の実施形態において、血圧を上昇させるために神経活動をアップレギュレートするために、信号を印加することができる。いくつかの実施形態において、電気信号処置のパラメーターは、心拍数を低下させるために選択される。
A.心拍数及び/又は血圧の神経制御
高血圧は、心疾患及び他の関連する心臓共存症の原因である。高血圧は、主要心事象の主要な危険因子であり、心事象に起因する死亡に関連する。高血圧は、一般的に心血管損傷又は他の有害な結果を引き起こす可能性があるレベルへの全身動脈血圧の一過性又は持続性の上昇などの高い血圧に関連する。高血圧は、140mmHg以上の収縮期血圧及び/又は90mmHg以上の拡張期血圧、或いは糖尿病患者については130mmHg以上の収縮期血圧及び/又は80mmHg以上の拡張期血圧と定義された。平均動脈圧(MAP)は、動脈における拍動性血流を考慮に入れるものであり、臓器への潅流圧力の最良の尺度である。高血圧前段階は、120〜139mmHgの収縮期血圧及び/又は80〜90mmHgの拡張期血圧と定義された(JNC7、上で引用)。血管が収縮するとき、高血圧が発生し、心臓は、より高い血圧での血流を維持するためにより懸命に働く。制御されていない高血圧の結果は、網膜血管疾患、卒中、左心室肥大及び不全、卒中、心筋梗塞、解離性動脈瘤並びに腎血管疾患を含むが、これらに限定されない。
心臓が組織潅流及び代謝性要求に対応するために十分な血流を維持することができない場合に、心不全が起こる。高血圧は、症例の90%において心不全に先行し、心不全の危険性を2〜3倍増大させる。ある種の血圧薬物療法による薬物処置は、疾患の進行を抑制するために有用である。血圧を制御することは、心不全を処置する1つの方法である。収縮期血圧を低下させることは、一様に有用であることが示された(JNC7の35頁、上で引用)。
血圧及び/又は心拍数の制御が役割を果たす他の疾患状態としては、冠動脈疾患、虚血性心疾患、糖尿病、慢性腎疾患及び脳血管疾患が挙げられる。これらの状態の処置は、血圧を低下させるための薬物による処置をしばしば含む(JNC7、上で引用)。
自律神経系(ANS)は「不随意」作用を調節するが、随意(骨格)筋の収縮は体運動神経により調節される。不随意作用を受ける器官の例は、呼吸器官及び消化器官を含み、また血管及び心臓も含む。しばしば、ANSは、腺を調節し、皮膚、眼、胃、腸及び膀胱における筋肉を調節し、心筋及び血管周囲の筋肉を調節するために不随意反射的に機能する。心拍数及び血圧は共に、ANSにより制御される。
ANSは、交感神経系、腸神経系及び副交感神経系を含むが、これらに限定されない。交感神経系は、骨格筋血流量を増加させるために血圧及び心拍数の増加、並びにエネルギーを供給するために消化の減少をもたらす「戦闘または逃亡反応」と関連する。腸神経系は、時として第2の脳と呼ばれており、胃、腸及び多くの消化管機能を制御する。副交感神経系は、身体機能の制御と関連し、血圧及び心拍数を低下させ、消化を増大させ、エネルギー収支を管理する。
心血管(CV)中枢は、脳における髄質中心に位置しており、心拍数、収縮能及び血管などの心血管機能を制御する。心血管中枢は、脳におけるより高度な中枢並びに迷走神経を含む交感神経及び副交感神経の求心性繊維からの入力を受ける。CV中枢は、迷走神経により運ばれる遠心性インパルスによる副交感神経活動により心拍数を減少させ、血管拡張を引き起こし得る。CV中枢はまた、交感神経刺激により心拍数を増加させ、血管収縮を引き起こし得る。副交感神経頭蓋流出(cranial outflow)の大部分は、迷走神経を経るものである。
迷走神経は、心臓及び血管の運動機能並びに血圧、心拍数、神経免疫調節、内分泌機能および胃腸管機能に影響を及ぼす様々な一連の信号を中枢神経系(CNS)に伝達する。例えば、CNSは、血圧及びグルコースを調節するために肝臓のような末梢部位からの信号を統合する(Bernal−Mizrachiら、Cell Metabolism、5巻、91〜102頁、2007年)。肝臓への主要な導管である門脈への長鎖脂肪酸の注入は、エピネフリン及びノルエピネフリンの循環レベルの増加、血圧の上昇並びに肝におけるグルコースの産生の加速を含む、CNSの関与を示唆する影響を有する(Benthemら、Am. J. Physio. Endocrin. Metab.、279巻、E1286〜E1293頁、2000年;Grekinら、Hypertension、26巻、193〜198頁、1995年)。迷走神経活動は脂質の門脈注入又は空腸注入により亢進するので、肝信号は、迷走神経によりCNSに伝達される可能性がある。迷走神経及び交感神経は、心臓及び心臓の近くの血管を支配する。迷走神経並びに舌咽神経及び心臓洞神経(cranial sinus nerve)などの他の神経からの神経信号はすべて、心拍数及び/又は血圧に影響を及ぼし得る。脳幹において、迷走求心信号は中継され、血圧及び心拍数を調節する脳幹心血管制御領域の大部分に影響する。
B.処置適用装置
本開示は、迷走神経における神経活動を調節するための信号を供給するインパルス発生器を含む、血圧及び/又は心拍数を調節するためのシステム及びデバイスを提供する。該システム及び方法は、高血圧、高血圧前段階、うっ血性心不全、並びに冠動脈疾患、虚血性心疾患、慢性腎疾患、糖尿病及び脳血管疾患に伴う高血圧を処置するのにとりわけ有用である。
一実施形態において、高血圧及び/又はうっ血性心不全のような状態を処置するためのシステム(図1に概略を示す)は、インパルス発生器(神経調節装置とも呼ぶ)104、外部携帯充電器101及び2つの導線アセンブリ106、106aを含む。インパルス発生器104は、処置を受ける患者の体内への埋め込み用に適応されている。いくつかの実施形態において、インパルス発生器104は、皮膚層103の直下に埋め込まれる。
いくつかの実施形態において、導線アセンブリ106、106aは、導体114、114aによりインパルス発生器104の回路に電気的に接続される。工業規格コネクタ122、122aは、導線アセンブリ106、106aを導体114、114aに接続するために備えられている。結果として、導線116、116aとインパルス発生器104を別個に埋め込むことができる。また、埋め込み後、最初に設置されたインパルス発生器104を異なるインパルス発生器に交換する間に導線116、116aを所定の位置に置いておくことができる。
導線アセンブリ106、106aは、神経調節装置とも呼ぶインパルス発生器104によって供給される治療信号に基づいて患者の神経をアップレギュレートおよび/又はダウンレギュレートする電気信号を供給する。一実施形態において、導線アセンブリ106、106aは、患者の1つ又は複数の神経上に取り付けられる遠位電極212、212aを含む。例えば、電極212、212aは、患者の迷走神経幹上に個別に取り付けることができる。例えば、導線106、106aは、患者の例えば、患者の横隔膜の直下のそれぞれ前迷走神経AVN及び後迷走神経PVN上に個別に取り付けられる遠位電極212、212aを有する。より少数又はより多数の電極をより少数又はより多数の神経上又はその近くに取り付けることができる。いくつかの実施形態において、この電極は、カフ電極である。
他の電極は、心臓の洞房結節、頸動脈洞又は大動脈弓の近くの部位の迷走神経上に取り付けることができる。電極は、上行大動脈又は頸動脈の血管内にも取り付けることができる。いくつかの実施形態において、電極を横隔膜下部位の迷走神経上に取り付け、他の電極を心臓の洞房結節の近くの右迷走神経上、又は舌咽神経若しくは心臓洞神経の周囲組織に取り付けることができる。他の実施形態において、電極を横隔膜上部位の迷走神経上に取り付けることができる。
外部携帯充電器101は、埋め込まれた神経調節装置(インパルス発生器)104と通信するための回路を含む。いくつかの実施形態において、通信は、矢印Aにより示すように皮膚103を横断する双方向無線周波数(RF)信号経路である。外部充電器101と神経調節装置104との間で伝達される通信信号の例は、本明細書で述べるように処置指示、患者データ及び他の信号を含む。本明細書で述べるように、エネルギー又は電力も外部充電器101から神経調節装置104に送ることができる。
示した例において、外部充電器101は、双方向テレメトリーにより(例えば、無線周波数(RF)信号により)、埋め込まれた神経調節装置104と通信することができる。図1に示す外部充電器101は、RF信号を送信し、受信することができるコイル102を含む。同様なコイル105を患者に埋め込み、神経調節装置104に連結することができる。一実施形態において、コイル105は神経調節装置104と一体になっている。コイル105は、信号を外部充電器101のコイル102から受信し、それに送信する役割を果たす。
例えば、外部充電器101は、RF搬送波を振幅変調又は周波数変調することにより情報をビットストリームとしてコード化することができる。コイル102、105間で伝達される信号は、好ましくは約6.78MHzの搬送周波数を有する。例えば、情報通信段階中、パラメーターの値は、半波整流と無整流の間で整流レベルをトグリングすることによって送信することができる。しかし、他の実施形態において、より高い又はより低い搬送波周波数を用いることができる。
一実施形態において、神経調節装置104は、負荷シフト(例えば、外部充電器101に誘発される負荷の変化)を用いて外部充電器101と通信する。この負荷の変化は、誘導結合された外部充電器101によって検知することができる。しかし、他の実施形態において、神経調節装置104と外部充電器101は、他の種類の信号を用いて通信することができる。
一実施形態において、神経調節装置104は、バッテリーなどの埋め込み型電源151から処置信号を発生するための電力を受ける。好ましい実施形態において、神経調節装置は、電源をさらに含み、電源151は、充電式バッテリーである。いくつかの実施形態において、電源151は、外部充電器101が接続されていないときに、埋め込み神経調節装置104に電力を供給することができる。他の実施形態において、外部充電器101は、神経調節装置104の内部電源151の定期的な再充電を可能にするように構成することもできる。しかし、代替の実施形態において、神経調節装置104は、外部電源から受ける電力に全面的に依存してよい。例えば、外部充電器101は、RFリンク(例えば、コイル102、105の間の)により神経調節装置104に電力を送ることができる。
いくつかの実施形態において、神経調節装置104は、導線アセンブリ106、106aへの治療信号の発生及び伝送を開始する。一実施形態において、神経調節装置104は、内蔵バッテリー151により電力供給されるときに治療を開始する。しかし、他の実施形態において、外部充電器101は、治療信号を発生することを開始するように、神経調節装置104をトリガーする。外部充電器101から開始信号を受信した後、神経調節装置104は、治療信号(例えば、ペーシング信号)を発生し、この治療信号を導線アセンブリ106、106aに伝送する。
他の実施形態において、外部充電器101は、治療信号を発生させる指示(例えば、パルス幅、振幅及び他のそのようなパラメーター)も与えることができる。好ましい実施形態において、外部充電器101は、数個の既定のプログラム/治療計画を神経調節装置104への送信のために保存することができるメモリーを含む。外部充電器101は、使用者が神経調節装置104への送信のためにメモリーに保存されたプログラム/治療計画を選択することを可能にすることもできる。別の実施形態において、外部充電器101は、処置指示に各開始信号を与えることができる。
代表的に、外部充電器101に保存されたプログラム/治療計画のそれぞれは、患者の個々の必要に適合するように医師が調整することができる。例えば、コンピュータデバイス(例えば、ノート型コンピュータ、パーソナルコンピュータ等)100は、外部充電器101に通信接続することができる。そのような接続を確立することにより、医師はコンピュータデバイス107を用いて、保存又は神経調節装置104への送信のために療法を外部充電器101にプログラムすることができる。
神経調節装置104は、処置指示及び/又は患者データを保存することができるメモリーも含んでいてよい。例えば、神経調節装置104は、どのような治療を患者に提供すべきかを示す治療プログラムを保存することができる。神経調節装置104は、患者がどのように治療システムを利用し、かつ/又は提供された療法に反応するかを示す患者データも保存することができる。
図1を参照すると、外部携帯充電器101の回路170は、外部コイル102に接続することができる。コイル102は、患者に埋め込まれてインパルス発生器104の回路150に接続されている同様なコイル105と通信する。外部携帯充電器101とインパルス発生器104との間の通信は、述べるようなペーシングパラメーター及び他の信号の通信を含む。
外部携帯充電器101からの信号によりプログラムされて、インパルス発生器104は、導線106、106aへのアップレギュレーティング信号又はダウンレギュレーティング信号を発生する。述べるように、外部携帯充電器101は、インパルス発生器104内のバッテリーの定期的な再充電を可能にし、記録を保持し、モニターすることも可能にするという付加的な機能を有し得る。
インパルス発生器104用の埋め込み型(充電式)電源が好ましいが、代替設計により、電力がRFリンク(すなわち、コイル102、105間の)により埋め込まれたモジュールに送られる外部電源を利用することができる。この代替構成において、外部から電力供給を受けるが、固有のブロッキング信号の源は、外部電源ユニット又は埋め込みモジュールに由来することができる。
電子通電パッケージは、所望の場合、主として体外にあってよい。RF電源デバイスは、必要なエネルギーレベルを供給することができる。埋め込み構成要素は、導線/電極アセンブリ、コイル及びDC整流器に限定することができる。そのような配置により、所望のパラメーターでプログラムされたパルスは、RF搬送波により皮膚を経て伝送され、この信号がその後整流されて、迷走神経活動を調節するための迷走神経への刺激として印加するためのパルス信号を再生する。これにより、バッテリー交換の必要が実際上なくなる。
しかし、外部送信機は、患者が持ち運ばなくてはならず、不便である。また、システムが完全に埋め込まれた場合より、単純な整流システムでは検出が困難であり、起動に大きい電力が必要である。いずれにしても、完全に埋め込まれたシステムは、大部分の処置用途において比較的小さい電力が必要であるため、場合によって数年に及ぶ比較的長い耐用年数を示すことが見こまれる。また、本明細書で先に述べたように、あまり望ましいことではないが、埋め込まれた神経電極の組まで経皮的に延長した導線を備えた外部インパルス発生器を用いることが可能である。後者の技術で遭遇する重大な問題は、感染の可能性である。その利点は、患者が、この特定の患者の過体重に関連する状態が処置の成功につながるかどうかを決定するための短期試験を可能にする比較的に簡単な手順を受けることができることである。もしこれが当てはまるならば、より永続的な埋め込みを行うことができる。
本発明の一実施形態によれば、電気信号を患者の内部の解剖学的特徴に印加するための装置が記載される。該装置は、電極に信号を印加すると解剖学的特徴(例えば、神経)に信号を印加するために、患者に埋め込み、解剖学的特徴に設置するための少なくとも1つの電極を含む。埋め込み型構成要素は、患者の身体の皮膚層の下に挿入され、電極に接続された埋め込み回路を有する。埋め込み回路は、埋め込み通信アンテナを含む。外部構成要素は、皮膚の上に設置するための外部通信アンテナを含む外部回路を有し、無線周波数通信により皮膚を越えて埋め込みアンテナと電気的に連結するように適応させる。外部回路は、情報を使用者に提供するための情報インターフェース及び使用者からの入力を受けるための入力インターフェースを含む複数の使用者インターフェースを有する。
図2を参照すると、信号を神経に印加するためのデバイスが示されている。胃Sを、迷走神経調節信号を印加することについての理解を深める目的のために略図で示す。食道Eは、開口部又は裂孔Hにおいて横隔膜Dを貫通している。食道Eが横隔膜Dを貫通している領域において、迷走神経の幹(前迷走神経AVN及び後迷走神経PVNとして示す)が食道Eの両側に配置されている。前迷走神経AVN及び後迷走神経PVNの相互及び食道Eに対する正確な位置は患者集団内で高度の変動を受けることが理解される。しかし、ほとんどの患者について、前迷走神経AVN及び後迷走神経PVNは、食道Eが隔膜Dを貫通している裂孔Hにおいて食道Eに近接している。
前迷走神経AVN及び後迷走神経PVNは、胃を直接及び腸神経系を介して神経支配する複数の幹に分かれ、膵臓、胆嚢及び腸などの他の臓器に進み得る神経の一部を含み得る。一般的に、前迷走神経AVN及び後迷走神経PVNは、食道Eと胃Sの接合部の領域では食道E及び胃とまだ近接している(かつまだ広範に分岐していない)。裂孔Hの領域において、食道組織から胃組織への移行部が存在する。この領域は、Z線(図に「Z」と表示する)と呼ばれる。Z線より上では、食道の組織は薄く、脆い。Z線より下では、食道E及び胃Sの組織は、実質的に厚くなっており、より血管性である。患者集団内において、Z線は、下部食道括約筋の一般領域にある。この位置は、裂孔Hの位置のわずか上、わずか下又は同じ位置にある可能性がある。
本明細書で述べるような血圧調節の障害に関連する状態を処置するのに有用なデバイスの他の実施形態を図3に示す。図3を参照すると、デバイスは、電子アセンブリ510(「ハイブリッド回路」)及び受信コイル516を含む埋め込み型構成要素;電極導線に取り付けるための標準コネクタ512(例えば、IS−1コネクタ)を含む。埋め込み型構成要素は、周波数、電圧、振幅、パルス幅及びタイミングを含む特定のパラメーターを有する電気信号を送出するように構成することができるメモリー及び/又はマイクロプロセッサーも含んでいてよい。2つの導線は、埋め込まれた回路に接続するためのIS−1コネクタに接続されている。両方が神経上に取り付けるための電極を有する。止めねじは、514に示し、電極の取付けの調節を可能にする。いくつかの実施形態において、導線の後ろ又は前を示すマーカー513が備えられている。適切な部位での埋め込みを可能にする縫合タブ511が備えられている。いくつかの実施形態において、張力緩和515が備えられている。患者は、制御回路に接続されたアンテナを含む外部コントローラを受け取る。外部コントロールユニットは、周波数選択、パルス振幅及びデューティサイクルに関する選択肢を含む様々な信号パラメーターをプログラムすることができる。
一実施形態において、神経周囲の組織に電気信号を通すことによって神経AVN、PVNを間接的に刺激する。いくつかの実施形態において、電極は、双極対(すなわち、交互の陽電極及び陰電極)である。いくつかの実施形態において、複数の電極を前迷走神経AVN及び/又は後迷走神経PVNの上に取り付けることができる。結果として、複数の電極に電圧を加えることにより、前迷走神経AVN及び後迷走神経PVN及び/又はそれらの分枝への信号の印加がもたらされる。いくつかの治療用途において、電極の一部をブロッキング電気信号源(下記のようなブロッキング周波数及び他のパラメーターを有する)に接続することができる。もちろん、すべての電極がブロッキング若しくはダウンレギュレーティング信号に関連する電極の単一アレイのみを用いることができる。
インパルス発生器への電極の電気的接続は、埋め込み型インパルス発生器(例えば、104)に電極を直接接続する導線(例えば、106、106a)を備えることにより以前に述べた通りであってよい。或いは、以前に述べたように、電極を、信号を受信するための埋め込まれたアンテナに接続して、電極に電圧をかけることができる。
双極性信号を得るために2対の電極をパルス発生器に接続することができる。他の実施形態において、迷走神経VNの一部を食道Eから切り離す。電極を神経VNと食道Eとの間に取り付ける。他の電極を第1の電極と反対の神経の側の迷走神経VNの上に取り付け、電極を軸方向に整列させる(すなわち、互いに直接向い合せる)。説明の容易さのために示さないが、電極は、神経VNを取り囲む共通のキャリヤ(例えば、PTFE又はシリコーンカフ)上に保持することができる。電極の他の可能な設置は、2005年6月16日に公開されたUS2005/0131485に記載されており、この特許出願公開は、参考として援用される。
前述の電極のいずれも平らな金属パッド(例えば、白金)であり得るが、電極は、様々な目的のために構成することがきる。一実施形態において、電極をパッチ上に保持する。他の実施形態において、電極を、両方が共通の導線に接続され、両方が共通のパッチに接続される2つの部分に分割する。いくつかの実施形態において、各電極を導線に接続し、1つの電極から他の電極へと治療を提供するように取り付ける。柔軟性のあるパッチは、神経VNに対する応力を軽減するように電極の各部分の関節運動を可能にする。
神経調節装置(インパルス発生器)
神経調節装置(インパルス発生器)は、プログラムされた治療計画に従って電気インパルスの形の電気信号を発生する。ある実施形態において、ダウンレギュレーティング信号又はブロッキング信号を本明細書で述べるように印加する。インパルス発生器は、マイクロプロセッサー並びに他の電気構成要素及び電子構成要素を利用し、デバイスを制御又はその状態を示すために非同期シリアル通信により外部プログラマー及び/又はモニターと通信する。データの完全性のためにパスワード、ハンドシェーク及びパリティ検査を用いる。インパルス発生器はまた、あらゆるバッテリー作動デバイスについて重要であり、該デバイスが障害の医学的処置のために埋め込まれる場合に特に重要である、エネルギーを節約する手段、及びデバイスの偶発的なリセットを予防することなどの種々の安全機能を提供する手段を含む。
患者の安全及び快適さの目的のための特徴をインパルス発生器に組み込むことができる。いくつかの実施形態において、患者の快適さは、信号の印加を増加させることによって向上させることができる。該デバイスは、神経の損傷を防ぐために迷走神経にかけることができる最大電圧(例えば、20ボルト)を制限するためのクランプ回路も有してよい。付加的な安全機能は、上で述べたものと同様な技術及び手段による手動での動作停止に応じて信号の印加を停止させるためのデバイスを実装することによって備えることができる。このような方法で、何らかの原因で突然に耐えられなくなった場合に、患者は信号の印加を中断することができる。
ブロッキングの間欠的態様は、所定のデューティサイクルに従って信号を印加することにある。パルス信号は、プリセットパラメーターの電気パルスのトレイン又はシリーズが迷走神経枝に加えられる既定のオン時間に続く既定のオフ時間を有するようにプログラムされている。それにもかかわらず、電気パルス信号の連続的な印加も有効であり得る。
両側アップレギュレーション又はダウンレギュレーションをもたらすために1つが右迷走神経に、他が左迷走神経に対応するインパルス発生器を用いることができる。本発明の方法を実施するために埋め込みインパルス発生器を使用することが好ましいが、完全な入院より拘束の程度はいくぶん低いが、考えられる限りでは、処置を外来で外部装置を用いて行うことができる。1つ又は複数のインパルス発生器の埋め込みは、もちろん患者が完全に歩行することを可能にするものであり、そのため勤務能力を含む正常な日常活動は影響を受けない。
いくつかの実施形態において、信号は、噴門切痕又はその近傍などの横隔膜下部位の迷走神経から離れた神経系の部分にも印加することができる。信号は、ダウンレギュレーティング信号などの信号の迷走神経への印加と組み合わせて、他の交感神経及び/又は圧受容器にも印加することができる。ここでは、少なくとも1つのインパルス発生器を1つ又は複数の電極とともに埋め込み、その後、所望の位置の近くの迷走神経又は他の神経若しくは受容器の間接的なブロッキング、ダウンレギュレーション又はアップレギュレーションをもたらすために電気信号を内部で発生させ、患者の神経系の一部に印加するために導線を介して動作可能なようにインパルス発生器に連結する。
いくつかの実施形態において、他のダウンレギュレーティング信号及び/又はアップレギュレーティング信号の迷走神経又は他の神経への印加を行わずに、心臓領域の迷走神経支配の下の部位の迷走神経をダウンレギュレートするために、電気信号を間欠的に印加する。
噴門領域の神経支配の下の部位、例えば、横隔膜下の迷走神経のダウンレギュレーションが血圧及び心拍数を低下させるのに有効であることは驚くべきである。場合によっては、血圧は、正常範囲又はその近くに低下する。高血圧の一般的な状況において、迷走神経は心拍数を遅くするように作用して、血圧の低下を促進するものであり、したがって、迷走神経のダウンレギュレーティング及び/又はブロッキングが心拍数及び血圧を低下させるのに有効であることは驚くべきである。さらに、臨床的有益性としては、治療における早期に血圧を低下させること、有害な臨床的影響が最小限であることが挙げられる。薬物処置にしばしば副作用が伴うことと対照的に、この処置に伴う副作用はほとんど又は全く認められなかった。高血圧を有さない、又は高血圧前段階を有さない患者は、電気信号処置中に血圧に対する効果を示さない。
他の実施形態において、心拍数及び/又は血圧を低下させるために、ダウンレギュレーティング信号を心臓の迷走神経支配の下の部位の迷走神経に印加し、洞房結節の右迷走神経に印加されるアップレギュレーティング信号又は心臓の神経を支配する交感神経に印加されるダウンレギュレーティング信号のような他の信号を他所に印加することができる。他の例において、血圧を低下させるために、ダウンレギュレーティング信号を心臓の迷走神経支配の下の部位の迷走神経に印加し、洞房結節の右迷走神経に印加されるアップレギュレーティング信号、圧受容器へのアップレギュレーティング信号、又は心臓の神経を支配する交感神経に印加されるダウンレギュレーティング信号のような他の信号を他所に印加することができる。
或いは、電気信号は、横隔膜下部位の迷走神経への間接的な印加のために患者の神経系の一部に非侵襲的に印加することができる。電気信号は、血管内に位置決めした電極に印加することができる。
インパルス発生器は、プログラミングの必要性及び本明細書で述べた信号パラメーターに従って開発された適切なプログラミングソフトウエアを用いてプログラミングワンド及びパーソナルコンピュータによりプログラミングすることができる。その目的は、もちろん、プログラミングソフトウエアが埋め込まれた後にモニタリング及びプログラミング機能についてのエレクトロニクスパッケージとの非侵襲的通信を可能にすることである。必須の機能を超えて、プログラミングソフトウエアは、直接的なメニュー方式操作、HELP機能、プロンプト及びシーケンスの各ステップで起こるすべてのことを使用者に十分に知らせ続けると同時に簡単かつ迅速なプログラミングを促進するメッセージを提供するように構築すべきである。プログラミング能力は、エレクトロニクスパッケージの調節可能なパラメーターを修正する能力、デバイス診断をテストする能力、遠隔測定データを保存して読み出す能力を含むべきである。埋め込まれたユニットが問い合わせを受けるとき、プログラマーが調節可能なパラメーターのいずれか又はすべてを同時に都合よく変更することができるように、調節可能なパラメーターの現在の状態がPCモニターにディスプレーされ、特定のパラメーターを変更のために選択する場合、プログラマーがインパルス発生器に入力するための適切な所望の値を選択することができるように、当パラメーターのすべての許容できる値がディスプレーされることが望ましい。
調節可能なパラメーターとしては、周波数、パルス幅、オン時間及びオフ時間、電流、ならびにON/OFFランプが挙げられる。有害な臨床的影響なしに心拍数及び/又は血圧を低下させるために1つ又は複数のパラメーターを選択する。
周波数は、神経の活動の少なくとも部分的な低下をもたらすように選択する。いくつかの実施形態において、神経調節装置は、約200Hz〜25kHz、200Hz〜約15kHz、200Hz〜約10kHz、200〜5000Hz、250〜5000Hz、300〜5000Hz、400〜5000Hz、500〜5000Hz、200〜2500Hz、300〜2500Hz、400〜2500Hz、500〜2500Hz及び200Hz〜25kHzのいずれかの周波数又はそれらの組合せの信号を送出するように設定する。
オン時間は、神経活動の少なくとも部分的な低下を得るために選択される。ある実施形態において、神経調節装置は、30秒〜30分、30秒〜20分、30秒〜10分、30秒〜5分、30秒〜3分、30秒〜2分もしくは30秒〜1分又はそれらの組合せのオン時間をもたらすように設定する。オフ時間は、神経活動の少なくとも部分的な回復を可能にするように選択される。実施形態において、神経調節装置は、30秒〜30分、30秒〜20分、30秒〜10分、30秒〜5分、30秒〜3分、30秒〜2分もしくは30秒〜1分又はそれらの組合せのオフ時間をもたらすように設定する。
他の実施形態において、患者の状態及び処置に対する反応性に対して適宜、他のオン時間及びオフ時間を用いることができる。例えば、オン時間が30分以上であり、少なくとも24時間又はそれ以上のオフ時間がそれに続いてよい。特定の実施形態は、7日まで又はそれ以上の治療オフ期間が介在した30分までの1つ又は複数の治療オン期間を含む。
実施形態において、電流及び/又は電圧は、患者に対する処置の安全性及び有効性に基づいて調節すされる。いくつかの実施形態において、信号の振幅は、0.5mA〜約18mAの範囲であり得、この値は、0.25mA又は他のより大きい若しくはより小さい増加量だけ異なる中間の振幅を含み、患者の反応に基づいて上方調節又は下方調節される。電圧は、0.25ボルトから20ボルトまでの範囲又は0.25ボルト又は他のより大きい若しくはより小さい増加量だけ異なる中間の電圧であり得、患者の反応に基づいて上方調節又は下方調節される。
処置時間は、24時間全期間、18〜24時間、16〜24時間、12〜24時間、及び8〜24時間、6〜24時間、4〜24時間もしくは患者の治療必要性ならびに/又は日常生活の活動に適合する他の間隔あるいはそれらの組合せであってよい。処置時間は、患者が睡眠中に血圧の低下を経験するかどうかによって変化させてよい(Pickeringら、N. Eng. J.Med.、354巻、22頁(2002年))。高血圧を有する一部の患者は、覚醒時に135/85mmHg以上、睡眠しているときに120/75mmHg以上の血圧を有する。それらの患者については、患者の睡眠時間中のうちの一部の間は処置は行われない。しかし、ほとんどの場合に、心臓発作または卒中につながり得る早朝の血圧の急上昇を最小限にするために、処置は早くも午前4時に再開される(Pickeringら、上で引用)。他の場合に、睡眠中に血圧の低下を経験しない患者については、処置は24時間全期間行うことができる。
適切なソフトウエア及び関連エレクトロニクスの他の望ましい特徴は、患者コード、デバイスシリアル番号、バッテリー稼働時間数、出力の時間数、及び最後の1回又は複数回の起動の日時を示す情報のスクリーン上のディスプレーのための磁気の起動の回数(患者インターセッションを示す)を含む既存データを保存し、検索する能力を含む。
該デバイスの適切な稼働を確認し、通信、バッテリー又は導線/電極インピーダンスなどに関する問題の存在を示すために、診断試験を実施すべきである。例えば、低いバッテリー示度数は、バッテリーの寿命の差し迫った末期及び新たなデバイスの埋め込みの必要を示す。しかし、本発明のパルス発生器の起動の必要の頻度が比較的低いので、バッテリーの寿命は、心臓ペースメーカなどの他の埋め込み型医療デバイスのバッテリーの寿命をかなり超えるはずである。いずれにしても、神経電極は、診断試験で認められるそれらに関する問題の徴候がなく、無期限の使用が可能である。
該デバイスは、この患者の通常の食事時間に起動が自動的に起こるように概日又は他のプログラミングも利用することができる。これは、本明細書で上述したような手動での食間の定期的及びセンシング−トリガー(sensing−triggered)起動に追加されてよい。
インパルス発生器はまた、該デバイスの適切な実装による様々な手段のいずれかにより患者が手動で起動させることができる。これらの技術としては、インパルス発生器を起動させ、それにより電極への所望の変調信号の印加をもたらすための、外部磁石、若しくは外部RF信号発生器の患者の使用、又はインパルス発生器の上の面上のタッピングが挙げられる。処置の他の形は、プログラムされた間隔で血糖制御を生じさせる迷走神経活動の調節を定期的にもたらすようにインパルス発生器をプログラムすることによって実施することができる。
C.方法
本開示は、心拍数及び/又は血圧を調節する方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、間欠的な電気信号をある部位の標的神経に印加することを含み、前記電気信号は、神経における神経活動をダウンレギュレート及び/又はアップレギュレートするように選択され、神経活動は、前記信号の中断により少なくとも部分的に回復する。いくつかの実施形態において、方法は、血圧を制御又はうっ血性心不全を処置する有効量の薬剤を含む組成物を被験体に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、デバイスを埋め込むか、又は本明細書で述べるようなシステムを用いることにより、電気信号を神経に印加する。
いくつかの実施形態において、被験体における高血圧又は高血圧前段階を治療する方法は、高血圧を有する被験体の迷走神経上の部位の標的神経に間欠的神経伝達信号を印加することを含み、前記神経伝達信号は、神経における神経活動をダウンレギュレートし、前記信号の中断により神経における神経活動を少なくとも部分的に回復するように選択される。他の実施形態において、神経伝達信号が処置の時間中に連続的に印加される。ある実施形態において、迷走神経又は他の神経上への他のアップレギュレーティング信号若しくはダウンレギュレーティング信号をいずれも用いずに治療を適用する。実施形態において、処置及び/又は信号特性は、他の有害な臨床的影響が起こらないように選択される。
いくつかの実施形態において、被験体における高血圧を処置する方法は、高血圧を有する被験体の迷走神経上の部位の標的神経に間欠的神経伝達信号を印加することを含み、前記神経伝達信号は、神経における神経活動をアップレギュレートし、前記信号の中断により神経における神経活動を少なくとも部分的に回復するように選択される。他の実施形態において、神経伝達信号は治療の時間中に連続的に印加される。
他の実施形態において、方法は、患者の高血圧、うっ血性心不全又は他の状態を処置するための薬物を選択すること(そのような患者のそのような状態を処置するための有効量が好ましくない副作用又は血圧制御の障害を伴う場合);並びにa)1日当たり複数回、複数日にわたり患者の標的神経に間欠的神経ブロックを印加すること(ブロックは、神経における求心性及び/又は遠心性神経活動をダウンレギュレートするように選択され、神経活動は、前記ブロックの中断により少なくとも部分的に回復する);及びb)患者に前記薬物を投与することを含む併用療法により患者を処置することを含む、高血圧、うっ血性心不全、高血圧前段階又は構成要素として高血圧を有する他の状態の処置を含む。
他の実施形態において、ダウンレギュレーティング信号は、他の神経又は他の位置におけるアップレギュレーティング信号と組み合わせることができる。例えば、高血圧の処置のために、ダウンレギュレーティング信号を横隔膜下部位の迷走神経に印加し、アップレギュレーティング信号を圧受容器又は圧受容器の周囲組織に印加することができる。他の場合に、ダウンレギュレーティング信号を横隔膜下部位の迷走神経に印加し、アップレギュレーティング信号を頸動脈洞又は大動脈弓における迷走神経に印加することができる。ダウンレギュレーティング信号は、心臓を神経支配する交感神経系に関連する神経にも印加することができる。
信号の印加
本開示の一態様において、神経における神経活動をダウンレギュレート及び/又はアップレギュレートするために、可逆性間欠性調節信号を標的神経に印加される。他の実施形態において、処置時間中に神経活動を連続的にダウンレギュレート又はアップレギュレートするために、信号は標的神経に印加される。ある実施形態において、標的神経は、迷走神経である。
本明細書で述べる方法の実施形態において、神経伝達ブロックがある部位の標的神経に適用され、前記神経伝達ブロックは、神経における神経活動をダウンレギュレートするように選択され、前記信号の中断により神経活動が少なくとも部分的に回復する。
いくつかの実施形態において、前記調節信号は、電気信号を印加することを含む。信号は、神経活動をダウンレギュレート又はアップレギュレートし、信号の中断により神経活動の少なくとも部分的な回復を可能にするように選択される。上述のようなインパルス発生器は、可逆性間欠性信号を得るために信号の特性を変化させるために、信号の印加を調節するのに用いることができる。信号の特性としては、信号の位置、信号の周波数、信号の振幅、信号の電圧、信号のパルス幅、ランプアップ特性及びランプダウン特性並びに信号の適用サイクルが挙げられる。いくつかの実施形態において、信号の特性は、心拍数及び/又は血圧の改善をもたらすように選択される。
いくつかの実施形態において、標的神経に当てられる電極は、間欠的なブロッキング信号又はダウンレギュレーティング信号により電圧が加えられる。信号は、限定された時間(例えば、5分)印加される。神経活動の回復の速度は、被験体ごとに異なる。しかし、20分がベースラインに回復するのに必要な時間の妥当な例である。回復後、ブロッキング信号の印加が神経活動を再びダウンレギュレートし、神経活動は、信号の停止後に少なくとも部分的に回復することができる。信号の新たな印加は、完全な回復の前に行うことができる。例えば、限られた時間(例えば、10分)後にブロッキングを再開して、ベースラインと比較したときに有意に低いレベルを超えない平均神経活動をもたらすことができる。いくつかの実施形態において、電気信号を、信号の印加のオン時間とそれに続く信号を神経に印加しないオフ時間を含むサイクルで間欠的に印加され、オン時間及びオフ時間は、複数日にわたり1日当たり複数回適用する。
迷走神経活動などの神経活動の回復の認識は、高度の制御及び高度の処置選択肢を有する処置療法及び装置を容認する。図4に上述のようなブロッキング信号の印加に応じての迷走神経活動の時間的推移を示し、ブロッキング信号の停止後の迷走神経活動の回復をさらに示す。図4のグラフは例示にすぎないことが理解される。患者ごとのかなりの変動があることが予想される。例えば、一部の患者のブロッキング信号に対する反応は、例示したように劇的でない可能性がある。他の患者は、例示したより急又は浅い回復の勾配を経験する可能性がある。また、一部の患者の迷走神経活動は、ベースライン活動に向かって増加する前には低いレベルで平坦のままである可能性がある。しかし、前述の動物実験に基づいて、図4は、ブロッキングに対する生理的反応の正しい表示であると考えられる。
図4において、迷走神経活動をベースライン(すなわち、本発明の治療を受けないときの迷走神経活動)のパーセントとして示す。迷走神経活動は、かなり多数の方法で測定することができる。例えば、単位時間当たりに産生される膵外分泌物の量は、そのような活動の間接的な尺度である。また、活動は、迷走神経上又はその近くの電極をモニターすることにより直接的に測定することができる。そのような活動は、定性的に確認することもできる(例えば、患者の膨満感又は胃腸運動性の正常であることの感覚により)。
図4において、垂直軸は、患者のベースライン活動(患者ごとに異なる)のパーセントとしての仮想的な患者の迷走神経活動である。水平軸は、時間の経過を表し、患者が記述されているようにブロッキング信号を受けている、又はブロッキング信号が止められている(「ブロッキングなし」と表示)例示的な間隔を示す。図4に示すように、ブロッキング信号を受けている短い期間中に、迷走神経活動は劇的に低下する(示す例では、ベースラインの約10%に)。ブロッキング信号の停止後、迷走神経活動はベースラインに向かって上昇し始める(上昇の勾配は患者ごとに異なる)。迷走神経活動は、ベースラインに戻ることを許容されることができ、或いは図4に示すように、迷走神経活動がまだ低いときにブロッキング信号を再開することができる。図4において、迷走神経活動がベースラインの約50%に増加しているときにブロッキング信号が始まっている。結果として、平均迷走神経活動は、ベースライン活動の約30%に低下している。ブロッキングの持続時間及び「ブロッキングなし」の持続時間を変化させることにより、平均迷走神経活動を著しく変化させることができることが理解される。
信号は、間欠的又は連続的であってよい。好ましい神経伝達ブロックは、埋め込み型インパルス発生器(インパルス発生器104又は外部コントローラなど)により制御される電極による迷走神経における信号によってもたらされる電子ブロックである。神経伝達ブロックは、可逆性ブロックであり得る。例えば、超音波、温度の変化又は薬物ブロックを用いることができる。電子ブロックは、ペルチエ固体素子であり得、これは、電流に反応して冷却し、冷却を調節するために電気的に制御することができる。ピエゾ電気素子を用いて、機械的エネルギーを神経に加えて活動を調節することができる。薬物ブロックは、ポンプ制御皮下薬物送達を含んでいてよい。
そのような電極伝導ブロックについては、ブロックパラメーター(信号の種類及びタイミング)は、インパルス発生器により変化させることができ、アップレギュレーティング信号と調和させることができる。例えば、筋肉についての神経伝達ブロックパラメーターは、Solomonowら、「Control of Muscle Contractile Force through Indirect High−Frequency Stimulation」、Am. J. of Physical Medicine、62巻、2号、71〜82頁(1983年)に開示されている。いくつかの実施形態において、神経伝達ブロックには、ブロッキング信号を印加する部位の神経(例えば、求心性、遠心性、有髄線維及び無髄線維)の全横断面をブロックするように(神経線維の選択されるサブグループの逆、又は求心性であり遠心性でない、若しくはその逆)選択される電気信号が加えられ、より好ましくは、200Hz閾周波数を超えるように選択される周波数を有する。さらに、より好ましいパラメーターは、5000Hzの周波数である(他のパラメーターは、非限定的な例として、6mAの振幅、0.09m秒のパルス幅、並びに5分オン及び5分オフのデューティサイクルである)。より十分に述べるように、本発明は、医師に個々の患者に対して選択されるペーシングパラメーター及びブロッキングパラメーターに関する大きい自由裁量の範囲を与える。
ある実施形態において、信号パラメーターは、好ましくは他の心臓機能に影響を及ぼさずに心拍数及び/又は血圧の低下をもたらす。周波数は、神経の活動の少なくとも部分的な低下をもたらすように選択される。いくつかの実施形態において、神経調節装置は、約200Hz〜25kHz、200Hz〜約15kHz、200Hz〜約10kHz、200〜5000Hz、250〜5000Hz、300〜5000Hz、400〜5000Hz、500〜5000Hz、200〜2500Hz、300〜2500Hz、400〜2500Hz、500〜2500Hz及び200Hz〜25kHzのいずれかの周波数又はそれらの組合せの信号を送出するように設定される。
オン時間は、神経活動の少なくとも部分的な低下をもたらすように選択される。ある実施形態において、神経調節装置は、30秒〜30分、30秒〜20分、30秒〜10分、30秒〜5分、30秒〜3分、30秒〜2分又は30秒〜1分あるいはそれらの組合せのオン時間をもたらすように設定される。オフ時間は、神経活動の少なくとも部分的な回復を可能にするように選択される。ある実施形態において、神経調節装置は、30秒〜30分、30秒〜20分、30秒〜10分、30秒〜5分、30秒〜3分、30秒〜2分あるいは30秒〜1分又はそれらの組合せのオフ時間をもたらすように設定される。
他の実施形態において、患者の状態及び処置に対する反応性に対して適宜、他のオン時間及びオフ時間を用いることができる。例えば、オン時間が30分以上であり、少なくとも30分のオフ時間がそれに続き、或いは少なくとも30分のオン時間に24時間以上のオフ時間が続いてよい。特定の実施形態は、7日まで又はそれ以上の治療オフ期間が介在した少なくとも30分の1つ又は複数の治療オン期間を含む。
実施形態において、電流及び/又は電圧は、患者に対する処置の安全性及び有効性に基づいて調節すされる。いくつかの実施形態において、信号の振幅は、0.5mA〜約18mAの範囲であり得、この値は、0.25mA又は他のより大きい若しくはより小さい増加量だけ異なる中間の振幅を含み、患者の反応に基づいて上方調節又は下方調節される。電圧は、0.25ボルトから20ボルトまでの範囲又は0.25ボルト又は他のより大きい若しくはより小さい増加量だけ異なる中間の電圧であり得、患者の反応に基づいて上方調節又は下方調節される。
処置時間は、24時間全期間、18〜24時間、16〜24時間、12〜24時間、及び8〜24時間、6〜24時間、4〜24時間もしくは患者の治療必要性ならびに/又は日常生活の活動に適合する他の間隔あるいはそれらの組合せであってよい。処置時間は、患者が睡眠中に血圧の低下を経験するかどうかによって変化させてよい(Pickeringら、N. Eng. J.Med.、354巻、22頁(2002年))。高血圧を有する一部の患者は、覚醒時に135/85mmHg以上、睡眠しているときに120/75mmHg以上の血圧を有する。それらの患者については、患者の睡眠時間中のうちの一部の間は処置は行われない。しかし、ほとんどの場合に、心臓発作または卒中につながり得る早朝の血圧の急上昇を最小限にするために、処置は早くも午前4時に再開される(Pickeringら、上で引用)。他の場合に、睡眠中に血圧の低下を経験しない患者については、処置は24時間全期間行うことができる。
実施形態において、ダウンレギュレーティング信号が心臓の迷走神経支配の下の部位の迷走神経に印加される。他の実施形態において、ダウンレギュレーティング信号が心臓の迷走神経支配の下の部位の迷走神経に印加され、ダウンレギュレーティング信号が心臓の神経を支配する交感神経に印加される。
本明細書で述べる方法の実施形態において、信号をある部位の標的神経に適用し、前記信号は、神経における神経活動をアップレギュレートするように選択され、前記信号の中断により神経活動が少なくとも部分的に回復する。いくつかの実施形態において、心拍数及び/又は血圧を改善するために、アップレギュレーティング信号をダウンレギュレーティング信号と組み合わせて印加することができる。
信号は、神経活動をアップレギュレートし、信号の中断による神経活動の回復を可能にするように選択される。心拍数及び血圧を低下させるために、アップレギュレーティング信号を心臓の洞房結節の近くの右迷走神経に印加することができ、又はアップレギュレーティング信号を圧受容器に印加することができる。可逆性間欠性信号を得るために信号の特性を変化させるために、上述のようなインパルス発生器を用いて信号の印加を調節する。信号の特性としては、信号の周波数、信号の位置及び信号の適用サイクルが挙げられる。
いくつかの実施形態において、標的神経に当てられる電極は、アップレギュレーティング信号により電圧が加えられる。信号は、限定された時間(例えば、5分)印加される。神経活動の回復の速度は、被験体ごとに異なる。しかし、20分がベースラインに回復するのに必要な時間の妥当な例である。回復後、アップレギュレーティング信号の印加により、神経活動がアップレギュレートされ、信号の停止後に神経活動は回復することができる。完全な回復の前に信号の新たな印加を行うことができる。例えば、限られた時間(例えば、10分)後にアップレギュレーティング信号を再び印加することができる。アップレギュレーションの周波数としては、約1〜200Hz、1〜150Hz、1〜100Hz、1〜75Hz、1〜50Hz、1〜25Hz又はそれらの組合せなどの周波数が挙げられる。
いくつかの実施形態において、心拍数及び/又は血圧を改善するために、アップレギュレーティング信号をダウンレギュレーティング信号と組み合わせて印加することができる。アップレギュレーティング信号及びダウンレギュレーティング信号を異なる神経に同時に印加、同じ神経に異なる時間に印加、又は異なる神経に異なる時間に印加することができる。例えば、ダウンレギュレーティング信号を血圧がより高い傾向がある日中に、その後、刺激性信号を睡眠中に印加することができる。
信号印加の位置
神経活動の調節は、標的神経の神経活動のアップレギュレーティング及び/又はダウンレギュレーティングにより達成することができる。
いくつかの実施形態において、電極を標的神経上又はその近くの多くの異なる部位及び位置に置くことができる。標的神経としては、迷走神経、舌咽神経、心臓洞神経(cardiac sinus nerve)及び心臓の神経を支配する交感神経が挙げられる。いくつかの実施形態において、電極は、被験体の横隔膜の近位又は遠位の神経に電気信号を印加するように位置決めされる。電極は、アップレギュレーティング信号に対立するものとしてのダウンレギュレーティング信号を印加するために異なる神経上に位置決めされ得る。例えば、ダウンレギュレーティング信号を迷走神経上に印加し、アップレギュレーティング信号を圧受容器に印加することができる。他の場合に、ダウンレギュレーティング信号を心臓の迷走神経支配の下の位置の迷走神経上に印加し、ダウンレギュレーティング信号を心臓の神経を支配する交感神経に印加することができる。
いくつかの実施形態において、迷走神経の枝又は幹に信号を印加するように電極を位置決めする。他の実施形態において、前迷走神経幹(anteror trunk)、後迷走神経幹(posteror trunk)又は両方に信号を印加するように電極を位置決めする。いくつかの実施形態において、電極を横隔膜下部位のような心臓の迷走神経支配の下に位置決めする。
一実施形態において、ブロッキング電極をGI管神経支配に対して迷走神経上の高位(例えば、横隔膜の直下)に取り付けるか、又は単独ブロッキング電極を下位(例えば、膵/胆管神経支配の近位)に取り付けることができる。上述のような全迷走神経のブロッキングを用いて、心拍数及び/又は血圧の障害に伴う状態の処置を含む様々な利点のために迷走神経をダウンレギュレートすることができる。他の実施形態において、横隔膜の上又は下の食道Eの領域における迷走神経上又はその近くに電極を設置する代替デザインを提供する。
双極信号を得るために2つの対になった電極を1つのパルス発生器に接続することができる。他の実施形態において、迷走神経VNの一部を食道Eから切り離す。電極を神経VNと食道Eとの間に取り付ける。電極を電極と反対の神経の側の迷走神経VNの上に取り付け、これらの電極を軸方向に整列させる(すなわち、互いに直接向い合せる)。電極の他の可能な設置は、2005年6月16日に公開されたUS2005/0131485に記載されており、この特許出願公開は、参考として援用される。
信号の周波数及びタイミング
いくつかの実施形態において、ダウンレギュレーティング信号は、少なくとも200Hz、25kHzまでの周波数又は中間のいずれかの周波数を有する。他の実施形態において、信号を約500〜5000Hzの周波数で印加する。出願人は、最も好ましいブロッキング信号は2つ以上の双極電極によりかけられる2000Hzから5,000Hz以上の周波数を有すると判断した。そのような信号は、100マイクロ秒の好ましいパルス幅(5000Hzの周波数に関連する)を有する。この周波数及びパルス幅は、ブロッキングからの神経の回復を最も良くもたらし、パルスサイクルにおける無信号の期間を避けることにより神経の再分極を回避すると考えられる。パルスサイクルにおける短い「オフ」時間(例えば、サイクル間又はサイクル内)は、神経の再分極を回避するのに十分に短い限り、許容できる。波形は、方形若しくは正弦波形、単相性若しくは二相性、又は他の形状であってよい。5000Hz以上のより高い周波数は、ブタ試験において、より一貫性のある神経伝達ブロックをもたらすことが見いだされた。好ましくは信号は、神経上の2つ以上の電極に送出される双極性二相性である。
いくつかの実施形態において、0.5〜8mAの信号振幅は、ブロッキングに十分である。0.5mA〜18mAなどの他の振幅は、本明細書で述べたように十分である可能性がある。他の信号属性は、神経又は臓器による順応の可能性を低減するために変化させることができる。これらは、出力、波形又はパルス幅の変更を含む。
アップレギュレーティング信号は、200Hz未満、より好ましくは10〜150Hz、最も好ましくは10〜50Hzの周波数の信号を含む。
神経活動をアップレギュレートおよび/又はダウンレギュレートし、かつ/又は神経活動の回復を可能にする信号の選択は、信号の種類及び信号の印加のタイミングの選択を含み得る。例えば、電極伝導ブロックに関して、ブロックパラメーター(信号の種類及びタイミング)は、インパルス発生器により変化させることができ、刺激信号と調和させることができる。ブロッキングを達成するための正確な信号は、患者ごとに、また神経部位で異なる可能性がある。ブロッキング部位における神経伝達ブロッキングを達成するために、正確なパラメーターを個別に調整することができる。
いくつかの実施形態において、信号は、本明細書で述べたように信号が神経に印加されるON時間とそれに続く信号が神経に印加されないOFF時間を含むデューティサイクルを有する。
いくつかの実施形態において、被験体は、埋め込み可能構成要素104(図1)を受ける。電極212、212aは、患者の横隔膜の直下の前迷走神経AVN及び後迷走神経PVN上に取り付られる。外部アンテナ(コイル102)は、埋め込まれた受信コイル105の上の患者の皮膚上に設置される。外部コントロールユニット101は、周波数、パルス振幅及びデューティサイクルの選択肢に関する選択肢を含む様々な信号パラメーターをプログラムすることができる。ブロッキング信号については、周波数選択肢は、2500Hz及び5000Hz(両方が200Hzの閾ブロッキング周波数を十分上回っている)を含む。大多数の処置は、100マイクロ秒のパルス幅を有する5,000Hzの交流信号である。振幅選択肢は、1〜18mAを含む。刺激信号については、周波数は、200Hz未満が選択される。
デューティサイクルも制御することができる。代表的なデューティサイクルは、5分のブロッキング周波数とそれに続く5分の無信号である。デューティサイクルは、デバイスの使用中反復される。
図5に具体例としてのデューティサイクルを示す。各ON時間は、5,000Hz信号がゼロアンペアから6〜8mAの目標に増加するランプアップを含む。各ON時間は、全電流からON時間の終了時のゼロ電流へのランプダウンをさらに含む。患者の約50%において、ランプ存続時間は20秒であり、残りでは、ランプ存続時間は5秒であった。いくつかの実施形態において、オン時間は、30秒以上又は180秒以下又は両方の持続時間を有するように選択される。オン時間の持続時間は、神経活動の少なくとも部分的なブロッキング又はダウンレギュレーションをもたらすように選択される。オフ時間は、神経活動の少なくとも部分的な回復をもたらすように選択される。
ランプアップ及びランプダウンの使用は、全電流5,000Hz信号が突然印加され又は終了するという感覚を患者が持つ可能性を避けるための保守的な処置である。
いくつかの実施形態において、小デューティサイクルを適用することができる。一実施形態において、小デューティサイクルは、全電流が達成されるまで小ON時間から小ON時間まで漸進的に増加する(又はランプダウンの場合には漸進的に減少する)電流での5,000Hzの180ミリ秒間の小ON時間を含む。そのような小ON時間のそれぞれの間に、変化し得るが、信号が印加されない持続時間が一般的に約20ミリ秒である小OFF時間が存在する。したがって、各20秒のランプアップ及びランプダウンにおいて、それぞれ200ミリ秒の持続時間を有し、それぞれが約180ミリ秒のON時間及び約20ミリ秒のOFF時間を含む約100の小デューティサイクルが存在する。
通常、患者は、覚醒時にのみデバイスを使用する。治療提供の時間帯は、臨床医がデバイスにプログラムすることができる(例えば、午前5:00時に自動的に入り、午後10時から午前1:00時までのある時間に自動的に切れる)。場合によって、治療の時間帯は、日中などの血圧が変動する時間に対応するように修正される。例えば、治療の時間帯は、心臓発作及び卒中が起こる可能性が高い早朝に始まるように調整することができる。実施形態において、患者が覚醒している間の12時間以上治療を提供するようにデバイスが設定される。
処置時間は、24時間全期間、18〜24時間、16〜24時間、12〜24時間、8〜24時間、6〜24時間、4〜24時間又は患者の反応をもたらす期間あるいはそれらの組合せであってよい。処置時間は、患者が睡眠中に血圧の低下を経験するかどうかによって変化させてよい。高血圧を有する一部の患者は、覚醒時に135/85mmHg以上、睡眠しているときに120/75mmHg以上の血圧を有する。それらの患者については、患者の睡眠時間のうちの一部の間は処置は行われない。しかし、ほとんどの場合に、心臓発作及び卒中につながり得る早朝の血圧の急上昇を回避するために、処置は早くも午前4時に再開される。他の場合に、睡眠中に血圧の低下を経験しない患者については、処置は24時間全期間行うことができる。
RF出力型のインパルス発生器において、該デバイスの使用は、患者の管理下にある。例えば、患者は、外部アンテナを身に着けないことを選択することができる。デバイスは、受信アンテナが患者の皮膚を経る無線周波数(RF)連結により外部アンテナに連結される時間を示すことにより使用を追跡し続ける。
場合によって、外部コントローラ101と埋め込みインパルス発生器104との間の信号連絡の喪失は、主としてコイル102、105間の位置合わせ不良のために起こる。コイルの配列不良は、1日を通しての体表の形状の変化(例えば、座る、立つ又は横になることに起因する変化)に少なくとも一部起因すると考えられる。これらの変化は、コイル102、105間の距離、コイル102、105の側面配列及びコイル102、105の平行配列を変化させ得る。配列不良は、デバイスにより検出することができ、コイルの配列は、信号が回復することを保証するために患者又は医師により調節される。デバイスは、配列不良が存在した場合に患者又は医師への通知を含むことができる。
いくつかの実施形態において、外部構成要素101は、インパルス発生器構成要素104に様々な情報について問い合わせることができる。いくつかの実施形態において、1デューティサイクル当たり30秒〜180秒の治療時間は、1デューティサイクル当たり30秒未満又は1デューティサイクル当たり180秒超の治療時間より好ましい。
10分のデューティサイクル中(すなわち、意図する5分の治療とそれに続く5分のOFF時間)、患者は、複数回の処置開始を有することができる。例えば、所定の5分の意図するON時間内に患者が35秒のON時間及び1.5分の実際のON時間(5分の意図するON時間の残りは、信号の中断のため無治療の期間である)を経験した場合、1回のみが意図されたとしても、患者は2回の実際の処置開始を有することができる。処置開始の回数は、患者が経験したON時間の長さと反比例して変動する。
迷走神経活動などの平均神経活動を変化させる柔軟性は、担当医に患者の処置における大きい自由裁量の範囲を与える。例えば、高血圧を処置するに際して、短い「無ブロッキング」時間を伴うブロッキング信号を印加することができる。患者が不快感を経験する場合、患者の快適性を改善するために「無ブロッキング」期間の長さを延長することができる。ブロッキング持続時間及び無ブロッキング持続時間は、患者快適性を達成するために調節することができる。電流振幅及び周波数を含む他のパラメーターを調節することができる。
患者快適性は、ブロッキング及び無ブロッキングの持続時間に関する適切なパラメーターを決定するためのフィードバックとして十分であり得るが、より客観的な試験を開発することができる。例えば、ブロッキング及び無ブロッキングの持続時間は、血圧制御の所望のレベルを達成するために調節することができる。そのような試験は、患者ごとに測定および適用され得、又は患者の統計的標本抽出に基づいて実施し、患者の一般集団に適用され得る。
いくつかの実施形態において、センサーを用いることができる。検知電極SEを加えて、神経活動及びデューティサイクルをどのようにして調整するかを判断する方法として神経活動をモニターすることができる。検知電極はブロッキング電極への追加の電極であってよいが、単一電極が両方の機能を果たしてもよいことが理解される。検知電極及びブロッキング電極を図1に示すようなコントローラに接続することができる。そのようなコントローラは、検知電極から信号を受信する付加的機能を有する前述のコントローラ102と同じである。
いくつかの実施形態において、センサーは、検知電極、センサー又は目的の生物学的分子もしくはホルモンを検知するセンサーであり得る。センサーはまた、心拍数、血圧又は心臓機能あるいはそれらの任意の組合せを測定するのに用いることができる。検知電極SEがあらかじめ選択された血圧(例えば、130mmHg以上及び/又は80mmHg以上)又は目標最大迷走神経活動若しくは緊張(例えば、図4に示すベースラインの50%)を表す信号を発する場合、検知電極からの信号を受信する付加的機能を有するコントローラは、ブロッキング信号を用いてブロッキング電極BEを活動させる。コントローラ102に関して述べたように、検知電極からの信号を受信する付加的機能を有するコントローラは、ブロッキング持続時間及び無ブロッキング持続時間のパラメーター並びにブロッキング記号を開始するための標的に関して遠隔でプログラムすることができる。
本明細書で述べる装置及び方法のいくつかの実施形態は、迷走神経活動のダウンレギュレーションの程度を制御するために迷走神経の回復を用いる。これは、医師に、最小の患者不快感で最大の治療有効性について患者の治療を制御する高い能力を与えるものである。
被験体の血圧を変化させる薬剤
本開示は、被験体における血圧及び/又は心拍数に影響を及ぼす薬剤を含む組成物を被験体に投与することを含む、血圧及び/又は心拍数の障害に関連する状態を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、患者は、高血圧の処置用の1つ又は複数の医薬品に不応性である可能性がある。その場合、他の薬剤の投与なしに迷走神経活動の調節を用いることができる。他の場合、1つ又は複数の薬物に不応性の患者について、迷走神経活動の調節と1つ又は複数の薬剤の投与の組合せが有用である可能性がある。他の実施形態において、心臓疾患を処置するために用いられる薬物は血圧低下作用を伴う可能性があり、したがって、該薬物は、血圧を上昇させる電気処置信号とともに投与することができる。
血圧制御の障害に影響を及ぼす薬剤は、標的神経の神経活動を変化させるための信号の印加の処置を補足する能力に基づいて選択することができる。本明細書で述べたように、迷走神経などの標的神経における神経活動を調節するための信号の印加との補足又は相乗効果をもたらし得る薬剤が選択される。相乗又は補足効果は、患者が1つ又は両処置単独と比較して本明細書で述べたような血圧及び/又は心拍数の改善を有するかどうかを判断することによって判定することができる。
いくつかの実施形態において、異なる部位に又は異なる経路を経て作用する薬剤を本明細書で述べる方法に用いるために選択することができる。処置を補足する薬剤は、被験体の心拍数及び/又は血圧制御に影響を及ぼす異なる作用機序を含む薬剤である。
推奨用量でのその使用を妨げる望ましくない副作用を有する可能性がある、或いは不十分な血圧制御をもたらす薬剤も投与されるように、又はそれが追加して投与されるように選択される可能性がある。さらに、心疾患、肝疾患又は腎疾患を有する患者は、有害副作用に起因して推奨用量の1つ又は複数の薬剤での処置に耐えることができない可能性がある。
望ましくない副作用を有する薬物の投与と標的神経における神経活動の調整との併用は、より低い用量での薬物の投与を可能にし、それにより副作用を最小限にする可能性があり、多剤の代わりに単剤の投与を可能にする可能性があり、或いはより高い用量の薬物の投与を可能にする可能性がある。さらに、本明細書で述べたような神経ダウンレギュレーションに起因する胃排出の遅延によって吸収が遅くなる場合に薬物動態の変化を示す薬物が選択される可能性がある。他の実施形態において、推奨用量をより少ない有害副作用を有する量に低くすることができる。ある実施形態において、推奨用量を少なくとも25%低くすることができる可能性があると予想される。他の実施形態において、用量を推奨用量の少なくとも25%又はそれ以上の任意のパーセントに低くすることができる。いくつかの実施形態において、用量は、推奨用量の少なくとも25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100%低くされる。
一実施形態において、方法は、血圧及び/又は心拍数の障害に関連する状態の処置を可能にする。血圧及び/又は心拍数の障害に関連する状態としては、高血圧、高血圧前段階、うっ血性心不全、虚血性心疾患、冠動脈疾患、慢性腎疾患及び脳血管疾患が挙げられる。方法は、高血圧又はうっ血性心不全の処置に有用であり、効果を得るための推奨用量を有する薬物(患者が前記推奨用量で好ましくない副作用を経験する可能性がある)を選択すること;並びに神経における求心性及び/又は遠心性神経活動をダウンレギュレートするように選択されるブロックにより1日複数回、複数日にわたり患者の標的神経に間欠的神経ブロックを適用し、前記ブロックの中断により神経活動が回復すること;並びに前記推奨用量より低い用量で患者に前記薬物を投与することを含む併用処置により患者を処置することを含む。いくつかの実施形態において、そのような患者に対する有効量は、前記患者が薬物処置を順守しないことの一因である好ましくない副作用に関連する。いくつかの実施形態において、患者は、心疾患、肝臓障害又は腎障害を有する患者であり、1つ又は複数の薬剤での処置に耐えることができない可能性がある。
方法は、心疾患を処置するのに有用であり、効果を得るための推奨用量を有する薬物(患者が前記推奨用量で低血圧などの好ましくない副作用を経験する可能性がある)を選択すること;並びに1日複数回、複数日にわたり患者の標的神経に間欠的神経伝達信号を印加すること(この信号は、神経活動をアップレギュレートするように選択され、前記信号の中断により神経活動が回復する);並びに前記推奨用量より低い用量で患者に前記薬物を投与することを含む併用処置により患者を処置することを含む。ある実施形態において、標的神経は、心臓の迷走神経支配の下の部位の迷走神経である。
多くの経口薬及び非経口薬が高血圧の処置に利用可能である。これらの薬物のいくつかは、うっ血性心不全の処置にも一般的に用いられている。
β遮断薬(β−アドレナリン作動性遮断薬)は、心臓への交感神経入力を減少させることによって作用する。したがって、心臓は、1分当たりより低い頻度で、より小さい力で鼓動する。その後、心臓はその働きを減らし、血圧が低下する。β遮断薬としては、プロプラノロール、メトプロロール、アテノロール及び多くの他のものが挙げられる。α遮断薬(α−アドレナリン作動性遮断薬)は、血管を弛緩させ、血液がより容易に通ることを可能にする神経系を標的とする。α遮断薬の例は、ドキサゾシン、プラゾシン及びテラゾシンである。α−β遮断薬(α−及びβ−アドレナリン作動性遮断薬)は、基本的にα遮断薬及びβ遮断薬の併用と同じ作用を有する。それらは、血管を弛緩させ、また心拍を遅くするように作用する神経系を標的とする。結果として、より少ない血液がより広い血管を経て送られ、全体の血圧が低下する。α−β遮断薬としては、ラベタロール及びカルベジロールが挙げられる。
利尿薬は、身体に水及び塩を排泄させる。これは、血漿量の減少につながり、それにより、その後全身血圧が低下する。利尿薬としては、フロセミド、ヒドロクロロチアジド及びスピロノラクトンが挙げられる。
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は、通常血管を狭くするホルモンであるアンジオテンシンIIの身体による産生を妨げることによって作用する。その結果として、血管はより広いままであり、それにより、血圧が低下する。アンジオテンシンIIは、通常、ナトリウムの身体による保持の原因となるアルドステロンと呼ばれる別のホルモンの放出も刺激する。したがって、より広い血管を作ることに加えて、ACE阻害薬は、利尿薬の作用をある程度まで模倣する。結果として、血管はより低い圧力を受け、心臓はより少ない仕事を行う。ACE阻害薬の例としては、エナラプリル、カプトプリル及びリシノプリルが挙げられる。アンジオテンシンII拮抗薬は、ACE阻害薬の服用の副作用としての咳を発現する患者に主として用いられる。この薬剤は、アンジオテンシンIIに拮抗し、それにより、その作用を阻害する。例としては、ロサルタン及びバルサルタンが挙げられる。
カルシウムチャンネル遮断薬は、カルシウムが心臓及び血管の筋細胞に流入することを抑制する。心臓及び血管は、弛緩し、血圧を低下させる。いくつかのカルシウムチャンネル遮断薬は、ニフェジピン、ベラパミル及びジルチアゼムである。
血管拡張薬は、血管壁の筋肉を弛緩させることによって作用する。ヒドララジン及びミノキシジルは、両方とも血管拡張薬のジェネリック形態である。
高血圧又はうっ血性心不全に対して用いられるすべての薬物が副作用を有する。一般的な副作用としては、疲労、咳、皮疹、性機能不全、抑うつ、心機能不全又は電解質異常が挙げられる。さらに、薬物の一部は、心疾患を有する人に投与される他の薬物と適合性がない可能性がある。継続的な患者遵守は困難である可能性がある。一部の臨床医は、心理過程に対する抗高血圧薬の長期影響を懸念した。
被験体への投与量は、当業者が容易に決定することができる。用量に関する指針は、例えば、同様な薬物のクラスにおける他の薬物を参照することにより見い出すことができる。例えば、用量は、承認済み薬物又は臨床試験中の薬物のいずれかについて確認され、用量の範囲は、薬物の種類に依存する。有害副作用を伴う用量は、公知であるか、又はモデル試験に基づいて容易に決定することもできる。副作用を最小限にすると同時に血圧の改善を達成するための有効量の決定は、動物試験又はヒト試験によって決定することができる。
薬剤は、適正医療(good medical practice)と調和した方法で処方され、服用され、投与される。この状況における考慮すべき因子としては、処置される特定の障害、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達の部位、投与方法、投与計画及び開業医に公知の他の因子が挙げられる。薬剤は、問題となる障害を予防又は処置するために現在用いられている1つ又は複数の薬剤とともに配合する必要は必ずしもないが、場合によっては配合される必要がある。そのような他の薬剤の有効量は、製剤中に存在する被験体の血糖制御を改善する薬剤の量、障害又は処置の種類及び上述の他の因子に依存する。これらは、一般的に同じ用量で、上文で用いられたような投与経路で、又はこれまでに用いられた用量の約1〜99%で用いられる。
薬剤を含む治療用製剤は、所望の純度を有する薬剤を任意選択の生理学的に許容されるキャリア、賦形剤又は安定剤と混合することにより(Remington’s Pharmaceutical Sciences、16版、Osol A.編(1980年))、水溶液、凍結乾燥又は他の乾燥製剤の形で保存用に調製される。許容されるキャリア、賦形剤又は安定剤は、用いられる用量及び濃度で受容者に対して毒性のないものであり、リン酸塩、クエン酸塩、ヒスチジン及び他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸及びメチオニンが挙げられる酸化防止剤;保存剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルアルコール又はベンジルアルコール;メチルパラベン又はプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;及びm−クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン又はリシンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース又はデキストリンなどの単糖、二糖及び他の炭水化物;EDTAなどのキレート化剤;ショ糖、マンニトール、トレハロース又はソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体);ならびに/あるいはTWEENTM、PLURONICSTM若しくはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。
本明細書における製剤は、処置する特定の適応症に対する必要に応じて複数の活性化合物を含んでいてもよい。そのような実施形態において、化合物は、相互に有害な影響を及ぼさない補足的な活性を有する。そのような分子は、意図された目的のために有効である量で組み合わせで適切に存在する。
治療剤は、非経口、皮下、経口、皮内、腹腔内など、及びエアゾールによるなどの適切な手段により投与される。非経口注入としては、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内又は皮下投与が挙げられる。薬物溶出デバイス及びカプセルに加えて、さらにポンプも用いることができる。
(実施例1)
材料および方法/実験的デザイン
前迷走神経幹及び後迷走神経幹の間欠的電気ブロッキングをもたらす本明細書に記載するデバイスの実現可能性並びに安全性及び有効性を評価するために、オープンラベル前向きベースライン対照4施設臨床試験を実施した。参加施設は、Flinders Medical Centre(Adelaide、Australia);Circle of Care(Sydney、Australia);University Hospital(Basal、Switzerland);及びSt. Olavs University Hospital(Trondheim、Norway)であった。
患者
25〜60歳(25歳と60歳を含む)の男性又は女性の肥満被験体(BMI:31.5〜55kg/m)を4つの施設において募集した。本試験ではデバイスの安全性及び有効性を6カ月間にわたり評価した。
すべての試験来院及び手順を完了する能力が適格性要件であった。該当する除外基準は、経口血糖降下薬によるコントロール不十分な、又は胃不全麻痺を含む自律神経障害を伴う現在の1型糖尿病(DM)又は2型DM;事前の3カ月以内のやせ薬療法による処置若しくは禁煙又は事前の12カ月における10%を超える体重の減少;胆嚢切除術及び子宮摘出術を除く以前の胃切除術又は他の腹部大手術;臨床的に重要な裂孔ヘルニア又は外科的修復若しくは手術時に食道胃接合部の広範な切開を必要とする術中に判定された裂孔ヘルニア;及び永久的に埋め込まれた電動医療デバイス又は埋め込まれた胃腸デバイス若しくは人工器官の存在を含んだ。
治療計画が事前の6カ月間安定であった場合、三環系薬剤による甲状腺障害、てんかん又はうつ病の同時の処置は、参加を許容した。
デバイスの埋め込み
デバイスは、2つの電極(各迷走神経幹について1つ)、皮下に留置される神経調節装置(インパルス発生器)及びデバイスをプログラムするための外部コントローラを含んだ。
全身麻酔下で、迷走神経ブロッキングシステム(図4)の2つの導線(電極)を腹腔鏡下で埋め込んだ。本試験に参加した経験を積んだ外科医によるデバイスの埋め込みは、一般的に60〜90分を要した。この際、5つのポートが通常用いられた。電極自体は、10mmの活性表面積を有し、神経を部分的に取り囲むために「c」の形状であった。
腹腔内切開及び電極留置は、以下の順序で実施した。胃肝間膜を切開して食道胃接合部(EGJ)を露出させ、EGJ上のわずかな張力を維持するために胃を下方及び側方にけん引した。後迷走神経幹の位置を探すために、右横隔膜脚を識別し、その食道付着部から分離した。前迷走神経幹を、それが横隔膜裂孔を走るときにその位置を突きとめることによって識別した。両迷走神経幹が識別された後、直角グラスパーを用いて後迷走神経幹の下に5mmウインドウを切開した。次いで、迷走神経幹の下に造成したウインドウを通して直角グラスパーを位置合わせすることにより、電極を設置した。次いで、電極の遠位縫合タブをつかみ、電極を所定の位置に引き寄せ、神経を電極カップ内に収容した。同じ工程を繰り返して、第2の電極を前迷走神経幹の周りに取り付けた。最後に、各電極の遠位縫合タブに通して設置した単一縫合糸を用いて各電極を所定の位置に固定し、食道の外層に取り付けた。
次いで、導線を神経調節装置に接続し、剣状突起の直下の中線における皮下ポケットに埋め込んだ。次いで、適切な電極の設置を、埋め込み時に2つの異なる方法で判断した。第1に、正しい解剖学的構造上の電極−神経位置合わせを視覚により確認した。第2に、術中及びその後頻繁な時間間隔でインピーダンス測定を用いて有効な電気的接触を確認した。手術からの回復の後、充電式電源を含むプログラマブル外部コントローラを用いて外部発信コイルを介して埋め込まれた神経調節装置と経皮的に通信した。
電気信号の印加
外部コントローラを周波数、振幅及びデューティサイクルについてプログラムした。迷走神経幹における神経インパルスをブロックするために選択した治療周波数は、膵外分泌腺分泌の迷走神経阻害の動物試験に基づいて、5000Hzであった。用いた振幅は、1〜6mAの範囲であったが、ほぼすべての場合に、振幅は6mAであった。デバイスは、朝起動させ、睡眠の前に停止させた。治験実施計画書には1日当たり12時間にわたり5分のブロッキングと5分のブロッキング不使用とを交互に行うというアルゴリズムが規定されていた。有効電気接触を、術後頻繁な間隔でのインピーダンス測定を用いて確認した。
実験的治療及びフォローアップ試験
迷走神経ブロッキングシステムの効果に焦点を合わせるために、6カ月の試験期間中に研究被験体に肥満に対する同時に行われる食事カウンセリングも行動カウンセリングも薬物療法も受けさせなかった。すべての試験参加者にデバイスを埋め込んだ。埋め込み後2週目に、間欠的高周波数電気アルゴリズムをすべての被験体において開始した。被験体を、4週間にわたり週1回、次いで12週まで2週ごと、次いで月1回の来院で体重、身体的検査及び有害事象(AE)質問について追跡調査した。さらに、12誘導心電図(ECG)及び臨床化学検査を中核施設で解析した。
過体重減少率の計算
理想体重を、各被験体の身長を測定し、次いで、当該被験体の25.0のBMIをもたらす体重を求めることによって計算した。すなわち、理想体重(kg)=25×身長(m)である。EWLを、体重減少を過体重[(総体重)−(理想体重)]で割って、100を掛けることによって計算した。したがって、EWL%=(体重減少(kg)/過体重(kg))×100である。
データ及び統計解析
ベースライン特性及び人口統計データは、記述統計学を用いて要約した。連続変数を、平均値及び平均値の対応する標準誤差(SEM)により要約した。カテゴリ(二値を含む)変数を、度数分布により要約した。
体重減少に対する効果を評価するための主要エンドポイントは、規定の時点(4週及び12週並びに6カ月)の平均過体重減少率(EWL%)であり、5%有意水準での両側一標本t検定でゼロと比較した。報告したP値は、多重比較について調整しなかった。しかし、ホッホベルクの多重比較法を適用した後に統計的有意性は変化しなかった。
心拍数及び血圧の変化を、平均値及びSEMを用いて所定の期間にわたって要約した。ECG記録を、独立中核施設(Mayo Medical Laboratories、Rochester、MN、USA)により収集し、解析した。エンドポイントは、心拍数(HR)の変化、PR間隔、QRS時間及びQTcB間隔(QT間隔バゼット補正)を含んだ。ECGは、すべての既知の事例において、もしあるとしたら持続的影響を検出するために迷走神経のブロッキングを行わない状態で記録した。
有害事象(AE)を、表にし、報告した。先験的仮説は設定しなかったので、有害事象の発生率に関して有害事象の正式な統計解析は実施しなかった。
結果
参加者、人口統計データ及び外科的処置の結果
39例の被験体(平均肥満指数41.2±4.1kg/m)がデバイスの埋め込みを受けた。人口統計データを表Iに示す。
Figure 0005438765
デバイスの埋め込みに伴う重大な術中合併症はなかった。具体的には、我々は、臓器穿孔にも、著しい出血にも、術後腹腔内感染にも、電極移動にも、組織びらんにも遭遇しなかった。デバイスを、6カ月の試験後に所定の位置に残した。それらの参加者については、そのようなデバイスに関する安全性コホートの一部として追跡調査を継続し、デバイスの有効性を最大限にするために電気的パラメーターを修正することができるかどうかを判断するためにさらなる試験が行われている。
体重減少
デバイスの埋め込み後4週目及び12週目並びに6カ月目の平均過体重減少は、それぞれ9.1%、15%及び20.2%であった(すべての変化がベースラインと比較して有意であった、p<0.0001)。処置の全般的な有益な効果が4施設すべてにおいて認められた。図6にEWL率変化の分布を示す。腰回りの減少も認められた。腰回りは、123.4cmの平均ベースラインから3カ月目に約6.4±1.4cm、6カ月目に7.8cm±1.7cm減少した。
有害事象
医療デバイス又は電気信号療法のいずれかに関連した死亡はなく、重篤な有害事象(SAE)はなく、試験中に予期しなかった有害なデバイスの影響はなかった。デバイス又は迷走神経ブロッキング療法と無関係であったSAEを有していた3例の被験体は、短期間の入院を必要とし、それらは、1例の術後下部気道感染(1日入院)、1例の皮下埋め込み部位漿液腫(3日入院)及び1例の試験期間中2週目のClostridium difficile下痢(5日入院)であった。これらの3件のSAEは、完全に可逆性であり、患者は試験に参加し続けた。
心拍数及び血圧に対する効果
心拍数及び血圧の変化についても患者を評価した。
6カ月の処置を完了した患者のすべてを血圧の変化について評価したとき、収縮期血圧及び拡張期血圧の約10%の低下が6カ月間の期間にわたって認められた(データは示さず)。患者の一部は、治療の開始時に正常血圧を有しており、これらの患者は、血圧に対する有意な効果を経験しなかった。それらの患者は、115.4mmHgの平均ベースライン収縮期圧及び68.0mmHgの平均ベースライン拡張期圧を有していた。血圧の有意な変化は処置期間にわたって認められなかった。図7Aを参照のこと。
140mmHg以上の高い収縮期血圧及び/又は90mmHg以上の拡張期血圧を有していた患者、或いは高血圧の病歴を有していた患者は、電気信号処置の前に141mmHgの平均ベースライン収縮期圧及び88mmHgの拡張期圧を有していた。6カ月の処置後に、平均ベースライン出発圧から収縮期圧が17mmHg低下し(約12%の低下)、拡張期圧が7.6mmHg(約8.6%)低下した。図7Bを参照のこと。
140mmHg以上の高い収縮期圧及び/又は90mmHg以上の拡張期血圧を有し、糖尿病性でなかった患者、130mmHg以上の収縮期圧及び/又は80mmHg以上の拡張期圧を有し、糖尿病であった患者、高血圧の病歴を有していた患者、並びに120〜139mmHgの収縮期圧及び/又は80〜90mmHgの拡張期圧の高血圧前段階を有していた患者は、電気信号処置の前に132.6mmHgの平均ベースライン収縮期圧及び84.6mmHgの拡張期圧を有していた。6カ月の処置後に、平均ベースライン開始圧から収縮期圧が10.2mmHg低下し(約8%の低下)、拡張期圧が4.8mmHg(約5.7%)低下した。図7Cを参照のこと。糖尿病及び高血圧の両方を有していた患者は、処置の開始時の平均ベースラインからの収縮期血圧及び拡張期血圧の有意な低下を示したことも注意すべきである(データは示さず)。
高血圧被験体の平均動脈圧(MAP)も1、3及び6カ月目に低下を示した。ベースライン平均動脈圧は、101±2mmHgであった。1カ月目にMAPは、9±3低下した(p=0.002)。3カ月目の低下は、7±2mmHg(p=0.01)であった。6カ月目の低下は、6±2であった(p=0.02)。
高血圧被験体の別の試験において、1週間の処置後に、収縮期圧、拡張期圧及び平均動脈圧の有意な低下が認められた(データは示さず)。
6カ月来院時の高い血圧を有さない患者と高い血圧を有する患者の間の収縮期血圧及び拡張期血圧の転換を示す結果を図8に示す。高い収縮期血圧を有する患者の約70%が130mmHg未満への収縮期血圧の低下を経験した。高い拡張期血圧を有する患者の約40%が80mmHg未満への拡張期血圧の低下を示した。6例の被験体は、高血圧の同時診断を有し、抗高血圧薬の投与を受けていた。これらの6例のうちの2例は、抗高血圧薬の減少を有し、第3例は、すべての抗高血圧薬を中止した。これらの例のすべてにおいて、血圧は正常範囲に留まっていた。
12週間の処置期間にわたる心拍数の評価の結果を表2に示す。
Figure 0005438765
現在までのところ、35例の被験体のうちの15例の12週間ECGデータが解析に利用可能である。結果を表3〜6に示す。
Figure 0005438765
Figure 0005438765
Figure 0005438765
Figure 0005438765
ベースラインと比較して、HRは、観測された体重減少と一致して、平均6.9bpm減少した(p<0.001)。平均PR間隔及びQRS時間は不変であった(それぞれ+2.5m秒、p=0.53及び+0.13m秒、p=0.94)。平均QTcBは−10.9m秒変化し(p=0.05)、これはHRの変化と一致しており、臨床的に重要とみなされなかった。
考察
間欠的迷走神経ブロッキング(電気信号療法)をもたらす埋め込み型システムの本臨床試験において、我々は、EWL%により測定された安全性及び有効性についてここに報告する。%EWLは、患者が6カ月の処置後に20%のEWLを有していたことを示す。さらに、実施したサブ試験で体重減少が、高い血圧を有する患者における血圧の低下を伴うことが示された。
本試験で認められた体重減少は、6カ月の追跡調査で漸進的であり、明らかなプラトーはなかった。体重に対するこの効果が、何らかの介入による体重減少を増大させる可能性がある食事又は行動の変更の付加的な恩恵なしに達成されたことに注目することは重要である。我々はプラセボ効果を完全には排除することはできないが、低いカロリー摂取、食事時の飽食までの時間及び食間の空腹が処置の開始後早期に達成され、6カ月の試験中維持されており、有意かつ持続的体重減少を伴っていたことから、オープン試験デザインを考慮すると我々はこれはあり得ないと予想する。
本明細書で述べたような新規なデバイス及び適用される電気信号の安全性は、唯一の注目に値する合併症が外科的手順又はC.difficile下痢に関連する3例の感染であり、それらのすべてが独立データ安全性モニタリング委員会によりデバイス自体と無関係であるとみなされたことによって裏付けられている。重大な術中合併症はなかった。具体的には、我々は臓器穿孔や重大な出血に遭遇しなかった。さらに、我々は術後腹腔内感染も、電極移動も、組織びらんも認めなかった。
本試験は、電気信号療法に伴う体重減少のメカニズムに関するいくつかの洞察を提供している。迷走神経は、臓器の機能の複数の側面において極めて重要な役割を有する。高い血圧を有する患者の血圧及び心拍数の低下などの心血管パラメーターの変化は、この処置の有効性及び安全性をさらに裏付けるものとなっている。高血圧を有さない又は高血圧前段階を有さない患者は、処置期間にわたって血圧の有意な変化を示さなかった。本試験での標本の大きさは小さいが、迷走神経は胸部レベルの心血管系に対する副交感神経緊張の顕著なレギュレータであるので、血圧及び心拍数に対する効果を注目することが重要である。間欠的な迷走神経遮断が横隔膜下レベルで適用されるが、これは、ECGパラメーターによって明らかなように他の心臓機能に有害な影響を及ぼすことなく、或いは他の副作用を伴うことなく、血圧を低下させるのに有効である。場合によって、該処置は、血圧を正常化し、患者が薬物処置を中止するのを可能にするのに有効であった。他の例において、該処置は、患者が服用していた薬物の減少をもたらした。
本臨床試験からの所見に基づいて、新規なプログラマブル医療デバイスを用いた間欠的腹腔内迷走神経ブロッキングは、有意な過体重減少及び望ましい安全性プロファイルを随伴すると結論することができる。さらに、試験データは、高血圧、うっ血性心不全及び/又は高血圧を構成要素として有する他の状態の処置のための間欠的腹腔内迷走神経ブロッキングの治療上の根拠の裏付けとなるものである。
本発明の上記の詳細な説明により、本発明の目的が好ましい方法でどのように達成されたかが示された。当業者に容易に想到し得る開示した概念の変更態様及び同等物は、本明細書に添付する特許請求の範囲に含まれることが意図される。
従来技術の教示に関する本願の項において、本発明の実施形態の理解を容易にするために、従来技術特許の明細書を実質的に再現する。本願の目的で、それらの特許における情報の正確さは、独立の検証なしに受け入れる。本明細書で引用するすべての刊行物は、参照により組み込まれている。

Claims (13)

  1. a)横隔膜下部位において迷走神経上に取り付けられ、埋め込み型神経調節装置に動作可能に接続されるように適応された少なくとも1つの電極;
    b)電源モジュールおよび治療適用モジュールを備える埋め込み型神経調節装置であって、前記治療適用モジュールは、電気信号を含む第1の治療プログラムを前記神経に送出するように構成されており、前記電気信号は、i)オン時間及びオフ時間のデューティサイクルで、患者が心臓発作又は卒中のリスク増加を経験する早朝に始まって1日に複数回送出され、ii)オン時間中に前記神経の神経活動をダウンレギュレートするように選択される周波数を有し、神経機能の少なくとも部分的な回復をもたらすように選択されるオフ時間を有し、iii)少なくとも6mAの振幅を有する、埋め込み型神経調節装置;並びに
    c)アンテナならびにプログラム可能な保存および通信モジュールを備える外部構成要素であって、前記プログラム可能な保存および通信モジュールは、データ及び出力信号を前記神経調節装置に伝達し、データを他のプログラミングデバイスに伝達するように構成されている、外部構成要素
    を含む、被験体における心拍数および/または血圧の障害に関連する状態を処置するためのシステム。
  2. 前記治療適用モジュールが12時間以上及び18時間以下の処置期間にわたり前記電気信号を間欠的に送出するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記治療適用モジュールが200〜5000Hzの周波数を有する信号を送出するように構成されている、請求項1から2までのいずれか一項に記載のシステム。
  4. 前記治療適用モジュールが30秒〜5分のオン時間で信号を送出するように構成されている、請求項1から3までのいずれか一項に記載のシステム。
  5. 前記治療適用モジュールが2〜20分のオフ時間を与えるように構成されている、請求項1から4までのいずれか一項に記載のシステム。
  6. 心拍数及び/又は血圧を検知し、前記心拍数及び/又は血圧があらかじめ選択される量を超えて増加する場合に前記神経調節装置に信号を送るように構成されているセンサーをさらに含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載のシステム。
  7. 前記治療適用モジュールが、約6〜18mAの振幅を有する信号を送出するように構成されている、請求項1から6までのいずれか一項に記載のシステム。
  8. 心臓洞神経、舌咽神経、心臓の洞房結節近傍の迷走神経、または心血管内に取り付けられるように適応された第2の電極をさらに備える、請求項1〜7までのいずれか一に記載のシステム。
  9. 前記治療モジュールが、電気信号を含む第2の治療プログラムを前記第2の電極に送するように構成されており、前記電気信号が、i)オン時間及びオフ時間のデューティサイクルで、患者が心臓発作又は卒中のリスク増加を経験する早朝に始まって1日に複数回送出され、ii)オン時間中に圧受容器の活動をアップレギュレートするように選択される周波数を有し、神経機能の少なくとも部分的な回復をもたらすように選択されるオフ時間を有する、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記治療適用モジュールが1〜200Hzの周波数を有する信号を前記第2の電極に送出するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記治療適用モジュールが30秒〜5分のオン時間で信号を前記第2の電極に送出するように構成されている、請求項9から10までのいずれか一項に記載のシステム。
  12. 前記治療適用モジュールが2〜20分のオフ時間を前記第2の電極に与えるように構成されている、請求項9から11までのいずれか一項に記載のシステム。
  13. 前記第1の治療プログラムおよび前記第2の治療プログラムが、同時又は異なる時に前記治療モジュールによって送出される、請求項8から12までのいずれか一項に記載のシステム。
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