JP5430665B2 - 電子状態計算システム及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、材料の構造及び性質を数値計算により求めるシミュレーション技術に関する。例えば本発明は、電子状態計算システム及びプログラムに関する。
近年、材料の構造や性質を原子レベルで予測する第一原理法が注目されており、第一原理法に基づく材料シミュレーションシステムが数多く開発されている。材料の構造と性質は、材料を構成する原子核と電子の量子状態により決まる。第一原理法は、材料を構成する電子の量子状態を近似的に計算して、材料の構造と性質を予測する方法である。第一原理法に基づく材料シミュレーションは、実験による試行錯誤によらずに、材料を設計する上で有効である。
第一原理法には、材料を構成する電子全体の波動関数を求める波動関数法と、電子の密度を計算する密度汎関数(DFT:Density Functional Theory)法がある。
波動関数法は、材料を構成する電子の量子状態を記述する変数として電子の波動関数を考えることにより、材料を構成する電子全体の波動関数を近似的に求める方法である。波動関数法にはいろいろな種類があるが、最も基本的なものにハートリーフォック(HF)法がある。HF法は、材料を構成するそれぞれの電子に対して一電子軌道を導入し、波動関数を一電子軌道の反対称化積(スレーター行列式)で表し、スレーター行列式のエネルギー期待値が最小となるように一電子軌道を求めて電子状態を計算する方法である。各電子は他の電子と相互作用するので、各電子に対する一電子軌道の計算には、自己無撞着計算が必要である。HF法をはじめとする波動関数法の詳細は、非特許文献1に記載されている。
一方、DFT法は、材料電子の量子状態を記述する変数として電子密度を考え、電子エネルギーを最小にする電子密度を見出す方法である。波動関数法とDFT法が同等であることは、Hohenberg-Kohnの定理により保証されている。
電子密度の計算には、通常、Kohn-Sham法が用いられる。Kohn-Sham法は、材料を構成するクーロン相互作用するN個の電子が作る電子密度が、N個の独立な準電子(Kohn-Sham電子)が作る電子密度で与えられると仮定し、電子エネルギーを最小にする電子密度を与えるKohn-Sham電子軌道を求める方法である。DFT法に関する説明は非特許文献2の第4章及び第5章に記載されている。
Kohn-Sham電子軌道は電子密度により決まり、電子密度はKohn-Sham軌道により決まるので、電子密度及びKohn-Sham軌道の計算には繰り返し計算が必要である。しかし、Kohn-Sham軌道は独立な準電子の軌道であるため、HF法の場合のように軌道の自己無撞着計算は必要でない。このため、DFT法はHF法と比較して計算が容易である。また、DFT法の場合には、HF法では無視される電子相関を考慮することが可能である。
このように、DFT法は波動関数法と比較して計算が容易であり、かつ電子相関の効果を考慮して材料の電子状態を計算することができる。このため、現在では多くの材料シミュレーションシステムにDFT法が採用されている。
しかしながら、DFT法にはHF法をはじめとする波動関数法には見られないKohn-Sham電子の自己相互作用(Self-interaction of Kohn-Sham electrons)の問題が存在する。電子の自己相互作用とは、電子が自分自身とクーロン相互作用する非物理的な相互作用である。
自己相互作用のため、DFT法は固体のバンドギャップを過小評価する傾向がある。例えばシリコン結晶の局所密度近似のDFT法で計算すると、実測の1.12eVに対して0.6eVという値を与える。また、ゲルマニウム結晶の場合は、実測0.74eVに対して、DFT計算は0.01eVという値を与える。バンドギャップは、固体の電気的及び光学的な性質を決定するため、DFT法は、これらの性質を正しく予測できないことが多い。バンドギャップは、材料の物性を支配する重要な物理量なので、この問題は深刻である。
また、自己相互作用のため、DFT法は化学反応を正しく記述できないことが多い。化学反応の解析では、分子の外側に位置する電子の軌道を高精度に計算する必要があるのに対し、Kohn-Sham電子軌道は自己相互作用のために実際の軌道より外側に広がる傾向があり、反応に関与する分子の外側の電子の状態を正しく記述できないからである。
そこで近年、DFT法におけるKohn-Sham電子の自己相互作用を補正して、DFT法のもつこのような問題点を改善しようとする研究がなされている。DFT法における自己相互作用を低減する方法にはいろいろなものがあるが、現在最も広く用いられているのが、DFT法とHF法を組み合わせるハイブリッドDFT法及びDFT+U法である。
DFT法における自己相互作用は、Kohn-Sham電子の量子力学的な相互作用を記述する交換・相関ポテンシャルが近似的なものであることに起因する。
ハイブリッドDFT法は、Kohn-Sham電子に対する交換ポテンシャル成分を、自己相互作用を含まないHF交換ポテンシャルより部分的に記述することにより、自己相互作用を低減する方法である。ハイブリッドDFT法の例として、量子化学の分野で広く用いられているB3LYP法がある。ハイブリッドDFTについては、非特許文献2の第6章に記載されている。
ハイブリッドDFT法では、Kohn-Sham電子に対するDFT交換ポテンシャル成分を部分的にHF交換ポテンシャルで置き換えるが、置き換えの割合は実験データに基づいて決定する必要がある。B3LYP法では、分子の生成熱データベースであるG2データベースの値を再現するように、その割合を決めている。
一方、DFT+U法は原子上に局在化したd軌道又はf軌道を近似的なHF法により記述する方法である。HF計算は、電子間の相互作用パラメータUeffを用いて行う。d電子及びf電子をHF法で記述することにより、これらの局在電子の自己相互作用をとりのぞくことができる。DFT+U法は、主として固体物理の分野で、強相関材料の計算に用いられている。DFT+U法の理論は、非特許文献3に記載されている。以下では、DFT+U法に基づく計算処理を、DFT+U計算という。
DFT+U法のUeff値は、一般に測定されたバンドギャップを再現するように決定されるが、計算により求めることもできる。計算によりUeff値を求める方法は、非特許文献4に記載されている。非特許文献4の方法は、制限DFT法と呼ばれる方法である。制限DFT法では、後述するように、局在電子数を変化させてDFT計算を行い、エネルギーの電子数に関する2次微分係数としてUeff値を計算する。この場合、実験値を用いることなくUeff値を決定することができる。
実験値に依存せずに計算が可能であるという点において、DFT+U法は、ハイブリッドDFT法と比較して優れている。
A. Szabo and N. S. Ostlund, Modern Quantum Chemistry, MacMillan Publishing Co. Inc., New York(1982). Wolfram Koch and Max C. Holthausen, A Chemist’s Guide to Density Functional Theory, Wiley-VCH, Weinheim (2000). V. I. Anisimov and A. I. Lichtenstein, Strong Coulomb Correlations in Electronic Structure Calculations; Beyond the Local Density Approximation, Gordon and Breach Science Publishers, Amsterdam(2000); Chapter 2. A. K. McMahan, R. M. Martin, and S. Satpathy, "Calculated effective Hamiltonian in La2CuO4 and solution in the impurity Anderson approximation", Physical Review B, volume 38, No.10, pp.6650-6666 (1988). C. Persson and A. F. da Siva, "Strong polarization effects on rutile TiO2 electronic band edges", Applied Physics Letters, volume 39, No.10, pp.1708 (1989). M. Akasaka et al. "The theomoelectric properties of bulk crystalline n and p-type Mg2Si prepared by the vertical Bridgman method", Journal of Applied Physics, volume 104, pp.013703 (2008). Materials Studio version 4.4, Accelrys, San Diego(2008). PHASE ver 8.0、革新的シミュレーション研究センター、東京大学生産技術研究所 (2009).
しかし、非特許文献4の方法は現在広く用いられている擬ポテンシャル法には適さないという問題がある。同文献では、LMTO法と呼ばれる全電子状態計算法を用いて原子上に局在する軌道のUeff値を求めている。LMTO法では、材料を球状の原子領域と原子の外側の領域に分割し、原子領域における電子の軌道を原子軌道で表し、原子の外側の領域における電子の軌道を平面波で表して材料の電子状態を計算する方法である。LMTO法では原子の軌道が明確であり、局在原子軌道の電子数を変化させて計算を行う制限DFT法に適している。
一方、擬ポテンシャル法では、平面波を用いて電子軌道を展開するため、原子軌道の概念が明確でない。このため、擬ポテンシャル法では制限DFT法によるUeff値の計算が困難であり、擬ポテンシャル法によるDFT+U計算では、局在原子軌道に対して経験的なUeff値を用いることが多かった。その結果、計算に任意性が入るという問題点を生じていた。しかし、擬ポテンシャル法は、材料を構成する原子の価電子のみを考慮して計算を行うことができる。すなわち、擬ポテンシャル法は、価電子のポテンシャルを第一原理的に計算できる特徴があり、LMTO法と比較してより短い時間で精度の高い計算を行うことが可能である。このため、多くの材料設計計算において、擬ポテンシャル法が用いられている。
以上の技術背景に鑑み、本発明者は、局在電子軌道に対する相互作用パラメータUeff値の算出に擬ポテンシャル法を適用する手法を新たに提供し、当該手法を用いて算出されたUeff値を用いた擬ポテンシャル法による計算により、材料(固体)の電子状態を計算する技術を提供する。より具体的には、実効ポテンシャルが擬ポテンシャルエネルギーに比べて微小である場合について、擬ポテンシャル計算に基づいて実効ポテンシャルとエネルギーギャップを計算する手法を提供する。
本発明により、局在電子軌道を有する電子系の実効ポテンシャルを、エネルギーギャップを実測することなく高精度に計算することができる。
ルチルTiO2を構成するTiの3d軌道における相互作用パラメータUeff値の計算を説明する図。 本発明の手法を用いて計算されたルチルTiO2の電子バンド構造を示す図。 従来手法を用いて計算されたルチルTiO2の電子バンド構造を示す図。 各種の遷移金属酸化物及び希土類酸化物について算出されるバンドギャップ値を対比的に説明する図。 電子状態計算システムのシステム構成例を示す図。 相互作用パラメータUeff値の計算手順を説明するフローチャート。 入力データGUIの表示例を示す図。 計算結果GUIの表示例を示す図。 電子状態計算システムのハードウェア構成例を示す図。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、後述する装置構成や処理動作の内容は発明を説明するための一例であり、本発明は、後述する装置構成や処理動作に既知の技術を組み合わせた発明や後述する装置構成や処理動作の一部を既知の技術と置換した発明も包含する。
(概念構成)
以下では、材料(固体)を構成する電子のうち遍歴性(非局在性)が高いs電子及びp電子を密度汎関数(DFT)法で扱い、材料(固体)を構成する原子に局在化するd電子及びf電子をハートリーフォック波動関数法により扱うDFT+U電子状態計算システム(プログラム)において、DFT+U計算に必要な局在電子間の相互作用パラメータUeffを第一原理的(数値的)に計算して材料(固体)の電子状態を計算することができるDFT+U電子状態計算システム(プログラム)について説明する。
ただし、ここでのハートリーフォック法は、同一の原子に属するd電子間及びf電子間の相互作用のみを考慮する近似的ハートリーフォック法を意味するものとする。また、DFT+U電子状態計算システムは、計算に必要なデータの入力及び計算結果の表示に使用されるグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)と、計算を実行する演算装置と、計算に必要なデータや計算結果を記憶する記憶装置とを有しているものとする。
ここでのDFT+U電子状態計算システム(プログラム)は、材料(固体)を構成する原子の内殻電子が価電子に及ぼす効果を荷電子に対する擬似的なポテンシャルとして表し、価電子の波動関数を平面波の線形結合に展開して材料(固体)の電子状態を計算する機能を有するものとする。すなわち、DFT+U電子状態計算システム(プログラム)は、原子の内殻電子を無視して価電子のみを取り扱うものとする。
なお、電子状態計算システム(プログラム)は、計算に必要とされる原子の擬ポテンシャルデータを有しており、当該擬ポテンシャルデータを計算実行時に入力データとして自動的に設定する機能を有していることが好ましい。
また、電子状態計算システム(プログラム)は、計算に必要とされる固体の結晶構造の情報(格子定数、空間群、原子種及び位置)と局在化したd電子又はf電子を有する原子の情報をコンピュータディスプレイ上でマウス、キーボードその他の入力装置に対する操作を通じて入力する機能と、計算終了後に固体の電子バンド構造及び/又はバンドギャップを操作画面上に表示する機能を有していることが好ましい。
また、電子状態計算システム(プログラム)は、局在電子の相互作用パラメータueff値を零付近で段階的に変化させてDFT+U計算を行うことにより、局在電子に対するUeff値を、DFT+U計算により得られる全電子エネルギー成分と局在電子数で表されるハートリーフォック電子エネルギー成分の差として定義される電子エネルギーのDFT成分の局在電子数に関する2次微分係数として計算することが好ましい。ここで、ueffは、変数としての局在電子間の相互作用パラメータである。また、局在電子に対するueff値は、−0.5eVから0.5eV、又は0eVから0.5eV、又は−0.5eVから0eVの範囲で0.1eVずつ段階的に変化させることが好ましい。
また、電子状態計算システム(プログラム)は、電子エネルギーのDFT成分EDFTを、局在電子数をn、最小2乗パラメータA、B及びCを用いてEDFT(n)=An(n−1)+B+Cの関数で表すとき、DFT成分EDFTの局在電子数に関する2次微分係数を2Aとして計算することが好ましい。もっとも、電子状態計算システム(プログラム)は、DFT成分EDFTの局在電子数に関する2次微分係数を、電子エネルギーのDFT成分EDFTの局在電子数nの差分として計算しても良い。
なお、前述した電子状態計算システム(プログラム)における局在電子は、遷移金属元素のd電子又は希土類元素のf電子であることが好ましい。換言すると、前述した電子状態計算システム(プログラム)における材料(固体)は、遷移金属酸化物又は希土類酸化物であることが望ましい。また、前述した電子状態計算システム(プログラム)は、CMOSトランジスタのhigh-kゲート絶縁膜、熱電変換材料、金属酸化物触媒の材料設計システムに適用して好適である。
(期待される効果)
前述したように、本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)では、局在電子軌道に対する相互作用パラメータUeffを擬ポテンシャル法について第一原理的に計算し、当該計算された相互作用パラメータUeffを用いて擬ポテンシャル法によるDFT+U計算を実行することにより、局在電子軌道を有する固体の電子状態を第一原理的に計算することができる。結果的に、遷移金属酸化物や希土類酸化物における電子状態を、従来手法と比較してより正確に計算することができる。
これに対し、従来使用されているDFT法による電子状態の計算では、Kohn-Sham電子の自己相互作用のため、材料のバンドギャップが実測値に比較して過小評価される問題点があった。また、従来手法の場合、擬ポテンシャル法に基づくDFT+U法において、計算に用いる相互作用パラメータUeff値を第一原理的に決めることができず、経験的なUeff値を用いる必要があった。このため、後者の従来手法には、計算結果に任意性が入るのを避け得ない問題があった。
このように、従来使用可能な擬ポテンシャル法に基づく第一原理計算では、材料の電子状態を正確に記述できない問題があった。
一方、本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)の場合には、擬ポテンシャル法により原子に局在する軌道に対するUeff値を第一原理的に求めることを可能とし、DFT+U法による正確な電子状態の計算を可能とする。
(形態例)
本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)は、擬ポテンシャル法によるDFT+U電子状態計算プログラムと、計算に必要なGUIインターフェースと、演算装置と、記憶装置を基本構成とする。これら基本構成に関する部分には、既知の技術を流用することができる。本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)に特徴的な構成は、DFT+U計算に必要な局在電子に対する相互作用パラメータUeff値を第一原
理的に計算するための機能の搭載である。
前述したDFT+U電子状態計算プログラムは、固体を構成する原子の内殻電子が価電子に及ぼす効果を価電子に対する擬似的なポテンシャルとして表し、価電子の軌道を平面波の線形結合に展開して固体の電子状態を計算する擬ポテンシャル法に基づいた電子状態のプログラムである。擬ポテンシャル法は、比較的少ない計算コストで高精度に材料の電子状態を計算することができる。
擬ポテンシャル法による電子状態の計算では、原子の擬ポテンシャルデータが必要である。原子の擬ポテンシャルデータは、原子種ごとに異なるので、本明細書で提案するシステム(プログラム)では、擬ポテンシャルデータライブラリーより、計算に必要なポテンシャルデータを電子状態計算プログラムの入力データとして自動的に設定する機能を搭載する。
本明細書で提案するシステム(プログラム)の場合、電子状態の計算時に必要となる固体の結晶構造の情報(格子定数、空間群、原子種及び位置)及び局在化したd電子又はf電子を有する原子の位置情報を、コンピュータディスプレイ上に表示される画面を通じて設定する機能と、計算の終了後に算出された固体の電子バンド構造及びバンドギャップをコンピュータディスプレイ上に表示する機能(GUI機能)を有している。このGUI機能により、ユーザはコンピュータディスプレイ上でDFT+U電子状態計算に必要な材料データの入力を行うことができる。なお、当該設定に要する操作入力には、マウス、キーボードその他の操作入力装置が用いられる。
前述したように、本明細書で提案するシステム(プログラム)の最大の特徴は、擬ポテンシャル法により局在電子に対するUeff値を第一原理的に計算できる点にある。この点について、以下に詳細に説明する。
DFT+U法は、遍歴性の高いs電子とp電子をDFT法で記述し、局在性の高いd電子とf電子をHF法で記述する方法である。Ueff値は、これら局在電子間の相互作用を記述するパラメータである。Ueff値は、非特許文献4に記載されているように、制限DFT法と呼ばれる方法を用いて計算することができる。非特許文献4では、以下に示す式1を用いてUeff値を計算する。
Figure 0005430665
ここで、Eは、制限DFT法により計算される材料の全電子エネルギー、constは定数、ε0 はDFT法で計算される局在電子のエネルギー、nは局在電子数、O(n)はnに関する3次の無視できる項である。
制限DFT法は、局在電子数nを変化させてDFT法により材料の電子状態を計算する方法である。通常のDFT計算では、nは電子エネルギーが最小になるように決定されるが、制限DFT法ではnを外部パラメータとしてDFT電子状態計算を行う点に特徴がある。この場合、相互作用パラメータUeff値は、電子エネルギーEの局在電子数nに関する2次微分係数として計算される。
非特許文献4では、LMTO法を用いて制限DFT計算を行い、式1を用いてUeff値を求めている。LMTO法では、原子の電子軌道を局在化した原子軌道で表すので、nを変化させる電子状態計算が容易である。非特許文献4では、原子領域の局在電子軌道が非局在化した他の軌道と混成しないようにして制限DFT計算を行っている。
しかし、擬ポテンシャル法では、非局在化した平面波を用いて電子の軌道を表すため、局在電子数を変化させて電子状態計算を行う制限DFT法の計算が容易ではない。このため、擬ポテンシャル法によりUeff値を求めてDFT+U計算を行う場合、経験的なUeff値を用いて計算を行う必要があった。その結果、計算に任意性が入り、DFT+U計算を第一原理的に行うことが困難であった。
そこで、本明細書で提案するシステム(プログラム)においては、疑ポテンシャル法により近似的な制限DFT計算を実行することによりこの問題点を解決する。
一般的に、DFT+U計算では、局在軌道に対するUeff値を変化させることによりnが変化することが知られている。従って、Ueffを変えた場合におけるDFT+U計算よりE(n)をなんらかの形で求めることができれば、式1によりUeff値を計算できることになる。
DFT+U計算により得られる電子エネルギーEDFT+U(n)は次式で与えられることが知られている。
Figure 0005430665
ここで、EDFT(n)は、EDFT+U(n)のDFT成分であり、右辺第2項はEDFT+U(n)のハートリーフォック成分である。Ueffを変数とみなして式2を書き換えると式3が得られる。
Figure 0005430665
ここで、ueffは変数としてのUeff値であり、n’は変数としてのnである。ueff=0の場合、DFT+U計算はDFT計算と一致し、EDFT(n)=E(n)である。nはDFT計算により得られる局在電子の数、EはDFT計算により得られるエネルギーである。ueff≠0の場合、一般的にEDFT+U(n’)≠E(n’)であるが、ueffが0に近い場合、E(n’)≒EDFT(n’)で近似できる。
本明細書で提案するシステム(プログラム)では、ueffを0付近で微小に変化させてDFT+U計算を行って得られるn’とEDFT(n’)より、式4に従い、Ueff値を求めるようにした。
Figure 0005430665
ここで、n’は、微小なueff値を用いるDFT+U計算により得られる局在軌道の電子数であり、EDFT(n’)は計算により得られる電子エネルギーのDFT成分、Ueffは局在電子に対するUeff値である。Ueff値は、EDFT(n’)のn’に関する2次微分として計算される。ここで、ueff値とUeffは異なるものである。
2次微分計算は、最小2乗法を用いてEDFT(n’)をn’の2次関数で表し、関数のn’に関する2次微分係数を計算することにより求めるか、EDFT(n’)をn’で数値差分して求める。
以下では、本明細書で提案するシステム(プログラム)の適用例を示す。ここでは、ルチルTiO2について説明する。ルチルTiO2は、チタン(Ti)原子と酸素(O)原子からなり、Ti原子は局在化した3d軌道を有している。ルチルTiO2を構成するTi原子の3d軌道に対するueff値を−1.0eVから1.0eVまで0.1eVおきに変化させてDFT+U計算を行った場合のTiの3d軌道の電子数n’と電子エネルギーのDFT成分EDFT(n’)の関係を表1に示す。計算に用いた交換相関関数はLDAである。ueff値を変化させるとn’及びEDFT(n’)が変化することが確認できる。なお、変化幅は0.1eVに限定されず、0.05eVでも、0.001eVでも構わない。
Figure 0005430665
図1に、表1の電子数n’とDFT成分EDFT(n’)との関係をプロットして示す。図1のY軸は、EDFT(n’)−EDFT(n’0)である。n’0は、ueffの値が0の場合におけるn’ の値である。プロットの各データ点は、それぞれueffが異なるDFT+U計算による。ここで、電子エネルギーのDFT成分EDFT(n’)を、局在電子数n’と最小2乗パラメータA、B及びCを用いて表した2次関数(EDFT(n’)=An’(n’−1)+Bn+C)を最小2乗フィットすると、以下の関数が得られる。
Figure 0005430665
ここで、最小2乗パラメータA、B及びCはそれぞれ5.3309、−24.142及び40.738である。このとき、式4の両辺をn’について2階微分すると、次式が得られる。
Figure 0005430665
式6より、Tiの3d軌道のUeff’値として約10.66が得られている。この例では、−1.0eVから1.0eVまでueff値を変化させてDFT+U計算を行い、得られるn’及びEDFT(n’)よりTiの3d軌道に対するUeff値を算出している。しかし、ueff値を−0.5eVから0.5eVまでUeff値を変化させて同様の計算を行っても良い。この場合も、Ueff値として約10.66eVが得られる。
また、0.0eVから0.5eVまで又は−0.5eVから0.0eVまでueff値を変化させてDFT+U計算を実行すると、Ueff値としてそれぞれ10.42eV又は10.56eVが得られる。
このようにして得られたUeff値は、非特許文献5に記載されているルチルTiO2を構成するTiの3d軌道に対する経験的なUeff値(10eV)に極めて近い。
前述したように、本明細書で提案するシステム(プログラム)は、ueff値を0付近で非連続的に変化させてDFT+U計算を実行する。このため、ueff値の変化数を少なくでき、DFT+U計算の量を少なくできる。すなわち、必要な計算量を減らすことができる。
その一方で、変化数を減少させると2次微分係数の計算に用いるデータ点も減少し、微分計算に誤差を生じる可能性が大きくなる。
そこで、本明細書で提案するシステム(プログラム)では、計算量を少なくするのと同時に誤差を少なくするために、ueff値を−0.5eVから0.5eVまで0.1eVずつ段階的に変化させてDFT+U計算を行い、局在軌道に対するUeff’値を求めるようにした。また、ueff値を−0.5eVから0eV又は0.0eVから0.5eVまで変化させて局在軌道に対するUeff’値を求めるようにした。このように0(ゼロ)付近のueff値を用いることにより、計算量を少なく抑えつつ計算誤差を小さくすることができる。
これらの例では、式5に示す最小2乗フィッティング関数を解析的に計算してUeff値を求めたが、表1のデータを用いて式5を差分法により計算してUeff値を求めることも可能である。表1に示すueff値が−0.1eV、0.0eV及び0.1eVの場合のn’とEDFT(n’)を用いて式6の2次微分係数をの差分法を用い式7で評価するとTiの3d軌道のUeff’値として約10.67eVを得る。この値は、式5及の最小2乗フィッティング関数を用いて式5を解析的に計算して得た値10.67eVとほぼ等しい。
Figure 0005430665
…(式7)
ここで、EDFT(n’)Ueff=0.1eV及びn’ Ueff=0.1eVは、それぞれueff値が0.1eVの場合におけるEDFT(n’)値及びn’値である。また、ueff値が−0.1eV及び0.0eVの場合に対応する他の変数も同様である。
計算により得られたTiの3d軌道に対するUeff値(10.66eV)を用いてルチルTiO2の電子状態をLDA+U擬ポテンシャル法により計算すると、図2に示すバンド構造が得られる。図2のバンドギャップEgは2.98eVである。この値は、実測バンドギャップ(3.0eV)に極めて近い。
一方、バンドギャップEgの算出に、既存のLDA擬ポテンシャル法を用いた場合のバンド構造を図3に示す。図3の場合、ハンドギャップEgは1.66eVであり、実測ギャップと比較して半分程度の値であることが分かる。
このように、本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)を使用した場合には、擬ポテンシャル法により局在電子に対するUeff値を数値的に求め、その結果を用いて材料のバンドギャップEgを正確に予測できることが分かる。このような計算法は従来にはないものである。従って、本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)は、材料のバンドギャップEgを過小評価するDFT法、経験的に求められるUeffを用いるDFT+U法その他の従来技術と比較して、電子状態計算法として優れていることが分かる。
なお、前述した説明においては、ルチルTiO2を例に、Tiの3d軌道のUeff値を計算する方法を説明したが、計算対象とする固体が希土類酸化物の場合には、本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)を用いて、希土類元素の4f軌道に対するUeff値を計算することができる。例えば、6方晶型La2O3のLaの4f電子に対するUeff値を同様に計算すると、9.3eVを得る。このUeff値を用いて6方晶型La2O3のバンドギャップEgをDFT+U法により計算すると、4.4eVという値が得られる。この値は、実測値4.3eVに極めて近い。
このように、本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)を用いれば、遷移金属酸化物及び希土類酸化物の局在電子に対するUeff値を第一原理的に計算でき、それら酸化物の電子状態をDFT+U法により正確に計算することができることが分かる。
図4に、各種の遷移金属酸化物及び希土類酸化物であるランタンオキサイド(La2O3)の電子状態を、本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)により計算し、計算により得られたバンドギャップEgを実測値と比較した結果を示す。なお、本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)により得られる計算結果と実測値との対応関係を、図4では■(塗りつぶしで示す四角)で示す。なお、TiO2の計算には、DFT交換相関ポテンシャルにLDAを使用し、その他の物質の計算には、ポテンシャルにGGAを使用した。また、遷移金属酸化物の局在電子の計算はd軌道について実行し、ランタンオキサイドの局在電子の計算はf軌道について実行した。
本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)では、これらの局在電子に対するUeff値を第一原理的に算出し、算出されたUeff値を用いてDFT+U法により材料の電子状態(バンドギャップEg)を計算した。なお、実際の計算では、前述したように、ueffを−0.5eVから0.5eVの範囲で0.1eVずつ変化させた。
図4には、従来技術であるDFT法によるバンドギャップEgの計算結果も示している。図4では、従来手法で得られた計算結果と実測値との対応関係を○(白丸)で示している。図に示すように、DFT法によるバンドギャップEgは、6方晶La2O3の場合を除けば実測値を常に過小評価する傾向があることが分かる。
これに対し、本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)によるDFT+U電子状態の計算結果は、各種の遷移金属酸化物及び希土類酸化物のバンドギャップの実測値を正しく再現できていることが図4からも確認できる。
このように、本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)は、従来技術と比較して、遷移金属酸化物及び希土類酸化物の電子状態をより正確に計算することができる。
本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)は、Siトランジスタ用のhigh-kゲート絶縁膜、酸化物系熱電変換材料、金属酸化物触媒の電子状態を従来技術と比較してより正確に計算でき、これら材料の設計に応用することができる。
例えば図4に見られるように、従来技術であるDFT法によりhigh-k材料であるLa2O3、単斜晶HfO2、立方晶HfO2のバンドギャップEgを計算すると、計算値は実測値よりも小さいだけでなく、材料間の実測ギャップの大小関係も正確に再現されていない。一方、本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)の場合には、材料間の実測ギャップの大小関係も正確に再現できる。従って、high-k材料の絶縁性の目安であるバンドギャップEgの予測に有効である。
なお、熱電変換材料のゼーベック係数もバンドギャップEgに敏感に依存する。このため、本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)は、熱電変換材料の設計に用いても有効である。なお、ゼーベック係数は、非特許文献6に示されているように、電子速度より計算可能である。
この公知技術を応用すれば、本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)により材料の電子状態を計算し、計算された電子状態に基づいて材料のゼーベック係数を求めることができる。
また、本明細書で提案する電子状態計算システム(プログラム)においては、原子に局在化したd電子の状態を従来法と比較してより正確に記述できる。このため、遷移金属酸化物触媒のd電子の状態を正確に記述してd電子に起因する触媒活性をより正確に予測することができる。
(実施例)
以下では、前述した電子状態計算システム(プログラム)の実施例を説明する。図5は、実施例に係る電子状態計算システムのシステム構成である。なお、実施例に係る電子状態計算システムは、計算を実行する演算装置と、計算に必要なデータや計算結果を記憶する記憶装置と、ユーザインターフェースその他の入力装置で構成されるコンピュータ上で実行されるプログラムによって実現される。図5は、電子状態計算システムのシステム構成を機能的に表している。
従って、図5に示す電子状態計算システムは、メインシステム1、GUI2、材料データベース3、擬ポテンシャル(PP)データベース4、入力ファイル5、Ueff計算サブシステム6、DFT+U電子状態計算プログラム7、出力ファイル8で構成されている。図中、実線はシステムの機能面での構成を示し、破線は計算データの流れを示している。
なお、メインシステム1は、実施例に係る電子状態計算システムのメインプログラムに対応する。このメインシステム1により、電子状態の計算処理の全体が管理される。GUI2は、DFT+U電子状態計算プログラム7が必要とする入力ファイル5の作成を支援するプログラムである。GUI2は、後述するように、DFT+U電子状態計算プログラム7が必要とする材料の構造データ(格子定数、空間群、原子座標及び原子種)、DFT+U電子状態計算に関する入力データ(交換相関ポテンシャルの種類、局在軌道の種類及び局在軌道に対するUeff値の計算に関する入力)を選択的に又は記述的に入力するための操作画面を、コンピュータディスプレイ上に表示する機能を提供する。当該操作画面を通じて入力又は設定されたデータに基づいて入力ファイル5が生成される。
材料データベース3は、公知材料の結晶構造が記憶装置に保存されているデータベースである。材料データベース3に保存されている結晶構造のデータは、ユーザによるGUI2の操作を通じて取り出され、計算対象とする材料構造の入力値として入力ファイル5に書き込まれる。
擬ポテンシャル(PP)データベース4は、DFT+U電子状態計算プログラム7が電子状態の計算時に必要とする原子の擬ポテンシャルを保存するデータベースである。この実施例の場合、前述したGUI2は、ユーザが入力した材料に含まれる原子の擬ポテンシャルデータを、擬ポテンシャル(PP)データベース4から自動的に選択する機能を有するものとする。勿論、ユーザが個別に選択することもできるが、操作性の観点からは自動的な選択機能の搭載が望ましい。いずれにしても、選択された擬ポテンシャルデータのファイル名は入力ファイル5に書き込まれる。なお、GUI2の機能は、公知技術を用いて構成することができる。GUI2に関する機能を実現する公知技術として、非特許文献7がある。
eff計算サブシステム6は、前述した手法を用いてDFT+U計算又はLDA+U計算に必要なUeff値を自動的に計算するプログラムとして実現される。このUeff計算サブシステム6が、特許請求の範囲における第2の演算装置に対応する。この実施例の場合、Ueff計算サブシステム6は、Ueff値の算出処理に必要なデータをGUI2を通じて取得する。また、Ueff計算サブシステム6は、Ueff値の計算に必要なueff値を入力ファイル5に書き込む。ここで、Ueff計算サブシステム6には、局在電子に対するueff値が−0.5eVから0.5eVの範囲、又は0eVから0.5eVの範囲、又は−0.5eVから0eVの範囲で与えられる。この実施例では、−0.5eVから0.5eVが、設定範囲のデフォルト値として設定されている。Ueff計算サブシステム6は、局在軌道に対するueff値が設定された範囲であるDFT+U計算又はLDA+U計算を順次実行し、各ueff値における電子エネルギーのDFT成分(擬ポテンシャル成分)と局在軌道の電子数の関係に基づいて、すなわち式6又は式7に基づいて局在電子に対するUeff値を算出する。Ueff値の算出後、Ueff計算サブシステム6は、決定された局在電子に対するUeff値を入力ファイル5に書き込む。さらに、Ueff計算サブシステム6は入力ファイル5を監視し、DFT+U電子状態計算プログラム7が必要とする全てのデータが記載された状態が確認されると、DFT+U電子状態計算プログラム7を起動する。
DFT+U電子状態計算プログラム7は、DFT+U計算機能を有する擬ポテンシャル法による電子状態の計算プログラムである。このDFT+U電子状態計算プログラム7が、特許請求の範囲における第1の演算装置に対応する。DFT+U電子状態計算プログラム7は、入力ファイル5から材料構造に関する構造データ、電子状態に関する入力データ、変数としてのueff値及び擬ポテンシャルデータのファイル名を読み込んだ後、擬ポテンシャルデータのファイル名を参照して対応する擬ポテンシャルデータを擬ポテンシャル(PP)データベース4から読み込む。この後、DFT+U電子状態計算プログラム7は、これらのデータに基づいてDFT+U電子状態の計算を行う。なお、DFT+U電子状態計算プログラム7には公知技術を用いることができる。例えば非特許文献78のプログラムを用いることができる。
DFT+U電子状態計算プログラム7は、DFT+U電子状態計算の計算結果を出力ファイル8に出力する。出力ファイル8はGUI2を通じて読み出され、計算結果としてコンピュータディスプレイを操作するユーザに提示する。
図6に、Ueff計算サブシステム6によって局在電子のUeff値が算出されるまでの処理手順の概要を示す。まず、電子状態を求めようとする材料の構造がGUI2を通じて入力される(ステップS1)。次に、GUI2を通じて局在電子が指定される(ステップS2)。本実施例の場合、遷移金属酸化物及び希土類酸化物が対象である。従って、局在電子軌道として遷移金属のd電子及び希土類元素のf電子の軌道がGUI2を通じて指定される(ステップS3)。
続いて、局在軌道に対するUeff値の計算に使用するueff値の範囲が入力される(ステップS4)。前述したように、−0.5eVから0.5eVの範囲、又は0eVから0.5eVの範囲、又は−0.5eVから0eVの範囲が推奨範囲である。また、デフォルトの範囲は−0.5eVから0.5eVである。
これらの値がGUI2を通じて入力ファイル5に入力されると、Ueff計算サブシステム6は、指定された範囲のueff値を用いたDFT+U計算を実行し、DFT+U電子エネルギーのDFT成分EDFT(n’)を、nの2次関数で最小2乗フィットする(ステップS5)。
最小2乗フィットする2次関数(例えば式5)が得られると、Ueff計算サブシステム6は、n’に関する2次微分係数Aを求め、その値に基づいてUeff値(=2A)を算出する(ステップS6)。なお、図6では、Ueff値をフィッティング関数の2次微分係数として求めるフローチャートを示しているが、前述の通り、フィッティングを行うことなく、差分法(式7)を用いてUeffを計算しても良い。
図7に、GUI2の入力画面例を示す。図7に示す入力画面は、入力GUIウインドウ9、10及び11で構成されている。このうち入力GUIウインドウ9は、材料構造の入力及び表示用のウインドウである。この実施例では、材料構造が3次元的に表示される。図7では、ルチルTiO2の構造が表示されている。
入力GUIウインドウ10は、材料構造のデータ入力用のウインドウである。この実施例では、格子定数(Lattice)、空間群(Space Group)及び原子の位置パラメータ(Positional Parameter)を入力できる。入力GUIウインドウ10には、材料構造のデータがキーボードで入力される。図7は、ルチルTiO2の構造データの入力例である。因みに、図7の場合には、チタン(Ti)及び酸素(O)の位置パラメータがキーボードにより直接入力される。
入力GUIウインドウ11は、DFT+U計算入力用のウインドウである。この実施例では、交換相関汎関数(DFT)の選択、局在軌道(Localized Orbital)の指定、Ueff値の指定、計算方法の指定及びueff値の可変範囲及び可変刻みを入力することができる。図7の場合、選択にはラジオボタンが使用され、値の指定にはキーボードによる直接入力が使用される。なお、図7は、交換相関汎関数(DFT)としてLDAが選択され、局在軌道(Localized Orbital)としてルチルTiO2を構成するTi原子の3d軌道が選択された様子を表している。また、Ueff値(Ueff)に関する選択可能なオプションには、ユーザによる直接入力(Input)とUeff計算サブシステム6による計算(Calc.)がある。図7では、2つのうち計算オプションが選択された様子を表している。計算方法は、前述の通り、最小2乗法を用いる方法(Least-Square)と差分法(numerical)の2つが選択可能である。図7では、最小2乗法を用いる方法が選択されている。また、図7では、ueff値の範囲は−0.5eVから0.5eVであり、ueff値のステップ幅が0.1eVに設定されている様子を表している。これらの設定はデフォルト値であり、ueffの推奨設定である。勿論、ユーザがこれらの値を直接入力することもできる。
図8は、計算終了後におけるGUIの出力画面例である。図8に示す出力画面は、出力GUIウインドウ12と13で構成される。出力GUIウインドウ12はバンド構造表示用のウインドウである。一方、出力GUIウインドウ13は状態密度表示用のウインドウである。図8の場合、ルチルTiO2を構成するTiの3d軌道に対するUeff値の計算結果(10.67eV)と、その値を用いたDFT+Uバンド構造が示されている。DFT+Uバンド構造は、バンドギャップEgの位置及び値と共に示されている。なお、バンドギャップEgはA点の直接遷移型であり、ギャップ値は2.98eVである。出力GUIウインドウ13には全状態密度(total)、チタン(Ti)サイトの局所状態密度(Ti)、酸素(O)サイトの局所状態密度(O)が示されている。
図9に、実施例に係る電子状態計算システムのハードウェア構成例を示す。前述したように、実施例に係る電子状態計算システム(プログラム)は、演算装置と記憶装置を有するコンピュータ17と、その周辺装置(コンピュータディスプレイ14、キーボード15、マウス16)として実現することができる。図5に示すシステムを実現するコンピュータプログラムは、コンピュータ17内のハードディスク(記憶装置)に格納されている。また、図5に示すシステムの実現に必要とされる計算処理やファイルの入出力処理は、コンピュータ17を構成するメモリ(記憶装置)及び演算装置により行う。図7及び図8に示したようなGUIウインドウは、コンピュータディスプレイ14の画面上に表示される。なお、図9に示すハードウェア構成の場合、図7に示すGUI画面に対するデータの入力操作(英数字の直接入力だけでなく、選択入力も含む。)には、キーボード15及びマウス16が用いられる。
1…メインシステム、2…グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)、3…材料データベース、4…擬ポテンシャルデータベース、5…入力ファイル、6…Ueff計算サブシステム、7…DFT+U電子状態計算プログラム、8…出力ファイル、9…入力GUIウインドウ、10…入力GUIウインドウ、11…入力GUIウインドウ、12…出力GUIウインドウ、13…出力GUIウインドウ、14…コンピュータディスプレイ、15…キーボード、16…マウス、17…コンピュータ。

Claims (12)

  1. 遍歴性(非局在性)が高い電子を密度汎関数(DFT)で扱い、局在性が高い電子をハートリーフォック波動関数で扱うDFT+U法に基づいて、指定入力された材料の電子状態を計算する第1の演算装置と、
    前記DFT+U法による計算に必要なデータを入力する入力装置と、
    前記第1の演算装置による計算結果を出力する出力装置と、
    前記データ及び前記計算結果を記憶する記憶装置と、
    前記第1の演算装置による計算に先立って、指定入力された前記材料の局在性が高い電子間の相互作用パラメータUeffを擬ポテンシャル法により第一原理的に計算し、計算結果を前記第1の演算装置に与える第2の演算装置と
    を有し、
    前記第2の演算装置は、
    局在性の高い電子の相互作用パラメータU eff 値を零付近で段階的に変化させて、各相互作用パラメータU eff 値に対するDFT+U法の計算を実行し、当該計算により得られるDFT+U電子エネルギーとハートリーフォック電子エネルギーの差として定義される電子エネルギーのDFT成分の局在電子数に関する2次微分係数として、局在性の高い電子に対する相互作用パラメータU eff 値を計算し、計算された相互作用パラメータU eff 値を前記第1の演算装置に与える
    ことを特徴とする電子状態計算システム。
  2. 前記相互作用パラメータUeffは、変数としての局在電子間の相互作用パラメータである
    ことを特徴とする請求項に記載の電子状態計算システム。
  3. 局在性の高い電子に対する相互作用パラメータUeff値を、−0.5から0.5eVの範囲、又は0から0.5eVの範囲、又は−0.5から0eVの範囲内で段階的に変化させる
    ことを特徴とする請求項に記載の電子状態計算システム。
  4. 前記電子エネルギーのDFT成分EDFTを、局在電子数nと最小2乗パラメータA、B及びCを用いて、EDFT(n)=An(n−1)+Bn+C、と表すとき、前記2次微分係数を2Aとして計算する
    ことを特徴とする請求項に記載の電子状態計算システム。
  5. 前記電子エネルギーのDFT成分EDFTを、局在電子数nと最小2乗パラメータA、B及びCを用いて、EDFT(n)=An(n−1)+Bn+Cで表すとき、前記2次微分係数を、EDFTとnとの差分演算により計算する
    ことを特徴とする請求項に記載の電子状態計算システム。
  6. 前記局在性の高い電子は、遷移金属元素のd電子又は希土類元素のf電子である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子状態計算システム。
  7. 指定入力された前記材料は、遷移金属酸化物又は希土類酸化物である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子状態計算システム。
  8. 指定入力された前記材料について算出される電子状態に基づいて、high-kゲート絶縁膜、酸化物系熱電変換材料又は金属酸化物触媒の材料を設計する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子状態計算システム。
  9. 前記第1の演算装置は、
    前記材料を構成する原子の内殻電子が価電子に及ぼす効果を価電子に対する擬似的なポテンシャルとして表し、価電子の軌道を平面波の線形結合に展開して前記材料の電子状態を計算する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子状態計算システム。
  10. 前記記憶装置は、前記DFT+U計算に必要な原子の擬ポテンシャルデータを有し、
    前記第1の演算装置は、指定入力された材料に関する前記擬ポテンシャルデータを前記記憶装置から自動的に取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子状態計算システム。
  11. 前記入力装置は、計算に必要なデータとして指定入力された材料の結晶構造の情報(格子定数、空間群、原子種及び位置)と局在性の高い電子を有する原子の情報の入力に使用され、
    前記出力装置は、計算結果として指定入力された材料の電子バンド構造及び状態密度を出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子状態計算システム。
  12. コンピュータに、
    遍歴性(非局在性)が高い電子を密度汎関数で扱い、局在性が高い電子をハートリーフォック波動関数で扱うDFT+U法に基づいて、指定入力された材料の電子状態を計算する第1の演算処理と、
    前記DFT+U法による計算に必要なデータの入力を受け付ける処理と、
    前記第1の演算処理による計算結果を出力する処理と、
    前記データ及び前記計算結果を記憶装置に記憶させる処理と、
    前記第1の演算処理による計算に先立って、指定入力された前記材料の局在性が高い電子間の相互作用パラメータUeffを擬ポテンシャル法により第一原理的に計算し、計算結果を前記第1の演算処理に与える第2の演算処理と
    実行させるコンピュータプログラムであり、
    前記第2の演算処理は、
    局在性の高い電子の相互作用パラメータU eff 値を零付近で段階的に変化させて、各相互作用パラメータU eff 値に対するDFT+U法の計算を実行し、当該計算により得られるDFT+U電子エネルギーとハートリーフォック電子エネルギーの差として定義される電子エネルギーのDFT成分の局在電子数に関する2次微分係数として、局在性の高い電子に対する相互作用パラメータU eff 値を計算し、計算された相互作用パラメータU eff 値を前記第1の演算処理に与える
    ことを特徴とするコンピュータプログラム
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