JP5423364B2 - 無線基地局、送信電力制御方法およびプログラム - Google Patents

無線基地局、送信電力制御方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、無線通信を行う端末から送信される信号の送信電力を制御する無線基地局、送信電力制御方法およびプログラムに関する。
近年、携帯通信端末の通信方式として第3世代移動体通信方式であるW−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式が主流となっている。W−CDMA方式では、下りリンクをEnhancementしたHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)から、上りリンクをEnhancementしたHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)へ移行している。
また、無線通信システムにおいて、無線端末から送信される信号の送信電力を無線基地局から制御するために、当該信号の受信信号レベル対雑音レベルの割合(比率)を示す受信SIRが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−200824号公報
しかしながら、W−CDMA移動通信の無線環境においては、特定端末から送信される信号の送信電力が急激に増加する。この特定端末の送信電力の急激な増加が、他のユーザにとって大きな干渉源となり、通信品質が劣化することによる悪影響が生じてしまう。また、無線基地局に対する入力レベルの短時間での急上昇や急下降が発生すると、AGC(Automatic Gain Control)出力のサチュレーションや量子化ノイズの影響による特性劣化の要因となる。
このような端末からの送信電力の急激な変化の要因の1つとして、信号対干渉比の目標値である目標受信SIR(Signal to Interference power Ratio)に対する受信SIRの追従がなんらかの要因で悪化することが挙げられる。
HSUPAが導入されるようになると、上りリンクの高レート化により、制御チャネル(DPCCH:Dedicated Physical Control Channel)の電力に対するデータチャネル(E−DPDCH:Enhanced−Dedicated Physical Data Channel)の電力の比率が非常に大きな状態で使用される。このような場合、マルチパス環境では自身の干渉による受信SIRの劣化が無視できなくなる。
図8は、1本および互いにレベルの等しい2本パス時の目標SIRと受信SIRとの関係の一例を示すグラフである。図8において、横軸を目標SIR(Target SIR)とし、縦軸を受信SIRとして、1パスを受信した場合および等レベル2パスを受信した場合の目標SIR対受信SIRの特性概略を示す。
図8に示すように、端末の送信電力を増加させるように目標SIRを高い値に設定しても無線基地局での受信SIRが改善されない状況が発生する。具体的には、等レベル2パスの場合、他方のパスは干渉となることにより、ある程度、受信SIRの高い領域が要求されると、送信電力を増加しても自波干渉により受信SIRが増加しない状態となる。
上述した通り高い受信SIRが要求されるのは高レートのデータを送信する場合であり、端末がこのような状態に陥ると、パワーコントロールの効果が期待できないばかりか、無線基地局の入力レベルが急激に増加し、他のユーザにとって大きな干渉となってしまうという問題点が生じる。
このような自波干渉に対しては干渉キャンセラが有効であるが、実装インパクトが大きくコスト増を招いてしまう。また、AGC制御の制御範囲を超えるような急激な受信電力増加が発生した場合、AGC出力においてサチュレーションが生じ、上りの受信品質が劣化してしまう問題も無視できない。
本発明の目的は、上述した課題を解決する無線基地局、送信電力制御方法およびプログラムを提供することである。
本発明の無線基地局は、
無線通信機能を具備する端末との間で無線通信を行う無線基地局であって、
前記端末から送信されてきた信号の信号レベル対干渉レベル比である受信SIRを測定する受信SIR測定部と、
前記端末との間の通信状況に応じて、前記端末から送信される信号の送信レートを制御し、前記受信SIRの目標値である第1の目標SIRを設定し、前記端末が複数のチャネルを用いて前記信号を送信している場合、該チャネル間の受信電力比を算出するスケジューラと、
前記受信電力比と、当該無線基地局が前記端末との間で通信を行っているパス数と、該パス数が複数である場合、該パスのうち第1のパスと第2のパスとの間の受信電力差とに基づいて、前記目標SIRの閾値となる目標SIR閾値を設定し、該目標SIR閾値と前記第1の目標SIRとに基づいて、第2の目標SIRを設定し、前記目標SIR閾値と前記第1の目標SIRとに基づいて、前記端末から送信される信号の送信レートを下げるように前記スケジューラに対して指示する目標SIR制御部と、
前記測定した受信SIRと前記第2の目標SIRとに基づいて、前記端末から送信される信号の送信電力を制御する電力制御部とを有する。
また、本発明の送信電力制御方法は、
無線通信機能を具備する端末から送信される信号の送信電力を制御する送信電力制御方法であって、
前記端末から送信されてきた信号の信号レベル対干渉レベル比である受信SIRを測定する処理と、
前記端末との間の通信状況に応じて、前記受信SIRの目標値である第1の目標SIRを設定する処理と、
前記端末が複数のチャネルを用いて前記信号を送信している場合、該チャネル間の受信電力比を算出する処理と、
前記受信電力比と、前記端末と該端末との間で通信を行っている無線基地局との間でのパス数と、該パス数が複数である場合、該パスのうち第1のパスと第2のパスとの間の受信電力差とに基づいて、前記目標SIRの閾値となる目標SIR閾値を設定する処理と、
前記目標SIR閾値と前記第1の目標SIRとに基づいて、第2の目標SIRを設定する処理と、
前記目標SIR閾値と前記第1の目標SIRとに基づいて、前記端末から送信される信号の送信レートを下げるように制御する処理と、
前記受信SIRと前記第2の目標SIRとに基づいて、前記端末から送信される信号の送信電力を制御する処理とを有する。
また、本発明のプログラムは、
無線通信機能を具備する端末との間で無線通信を行う無線基地局に実行させるためのプログラムであって、
前記端末から送信されてきた信号の信号レベル対干渉レベル比である受信SIRを測定する手順と、
前記端末との間の通信状況に応じて、前記受信SIRの目標値である第1の目標SIRを設定する手順と、
前記端末が複数のチャネルを用いて前記信号を送信している場合、該チャネル間の受信電力比を算出する手順と、
前記受信電力比と、当該無線基地局が前記端末との間で通信を行っているパス数と、該パス数が複数である場合、該パスのうち第1のパスと第2のパスとの間の受信電力差とに基づいて、前記目標SIRの閾値となる目標SIR閾値を設定する手順と、
前記目標SIR閾値と前記第1の目標SIRとに基づいて、第2の目標SIRを設定する手順と、
前記目標SIR閾値と前記第1の目標SIRとに基づいて、前記端末から送信される信号の送信レートを下げるように制御する手順と、
前記受信SIRと前記第2の目標SIRとに基づいて、前記端末から送信される信号の送信電力を制御する手順とを実行させる。
以上説明したように、本発明においては、上りリンクにおける無駄な干渉の増大を容易に防ぐことができる。
本発明の無線基地局の実施の一形態を示す図である。 等レベル2パス受信状態における各受信電力比が第1の目標SIRに対する受信SIRの特性に与える影響を示すグラフである。 受信電力比と目標SIR閾値との対応付けの一例を示す図である。 等レベルマルチパス受信状態におけるマルチパス数が第1の目標SIRに対する受信SIRの特性に与える影響を示すグラフである。 パス数に応じた受信電力比と目標SIR閾値との対応付けの一例を示す図である。 レベル差に応じた受信電力比と目標SIR閾値との対応付けの一例を示す図である。 図1に示した無線基地局における送信電力制御方法を説明するためのフローチャートである。 1本および互いにレベルの等しい2本パス時の目標SIRと受信SIRとの関係の一例を示すグラフである。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の無線基地局の実施の一形態を示す図である。
本形態における無線基地局100には図1に示すように、逆拡散部101と、受信SIR測定部102と、スケジューラ103と、目標SIR制御部104と、電力制御部105と、物理チャネルマッピング部106と、拡散部107とが設けられている。
逆拡散部101は、無線通信機能を具備する端末から送信されてきた上りリンクの信号を受信し、当該信号について逆拡散処理を行う。この逆拡散処理は、無線信号を逆拡散処理する一般的なものである。また、逆拡散部101は、逆拡散により得られるパス情報(マルチパス数、パスレベル差)を目標SIR制御部104へ出力する。また、逆拡散部101は、逆拡散されたDPCCH信号内のPilot信号を受信SIR測定部102へ出力する。
受信SIR測定部102は、逆拡散部101から出力されてきたPilot信号を用いて、受信SIRを測定する。この受信SIRの測定方法は、一般的に用いられるもので良い。また、受信SIR測定部102は、測定した受信SIRを目標SIR制御部104と、電力制御部105とへ出力する。
スケジューラ103は、端末との間の通信状況に応じて、端末から送信される信号の送信レートを物理チャネルマッピング部106および拡散部107を介して制御する。また、スケジューラ103は、端末との間の通信状況に応じて、受信SIRの目標値である第1の目標SIR(Target SIR’)を設定し、当該第1の目標SIRを目標SIR制御部104へ出力する。また、スケジューラ103は、制御チャネル(DPCCH)の電力に対するそれ以外のデータチャネル(E−DPDCH)を含む他の物理チャネルの電力の比率である受信電力比を算出し、当該受信電力比を目標SIR制御部104へ出力する。
目標SIR制御部104は、スケジューラ103から出力されてきた受信電力比と、逆拡散部101から出力されてきたパス情報に含まれるマルチパス数と、マルチパス数が複数である場合、当該マルチパスのうち第1のパスと第2のパスとの間の受信電力差(パスレベル差)とに基づいて、目標SIRの閾値となる目標SIR閾値を設定する。具体的な設定方法については、後述する。また、目標SIR制御部104は、設定した目標SIR閾値とスケジューラ103から出力されてきた第1の目標SIRとを比較する。その比較の結果、目標SIR閾値が第1の目標SIRよりも小さな値である場合、目標SIR閾値を第2の目標SIRに設定する。また、それ以外の場合(目標SIR閾値が第1の目標SIR以上の値である場合)は、第1の目標SIRを第2の目標SIRに設定する。また、目標SIR制御部104は、設定した第2の目標SIRを電力制御部105へ出力する。また、目標SIR制御部104は、目標SIR閾値が第1の目標SIRよりも小さな値である場合、端末から送信される信号の送信レートを下げるようにスケジューラ103に対して指示する。
電力制御部105は、受信SIR測定部102から出力されてきた受信SIRと、目標SIR制御部104から出力されてきた第2の目標SIRとを比較する。その比較の結果、受信SIRが第2の目標SIRよりも小さな値である場合、端末から送信される信号の送信電力を上げるように制御する。また、それ以外の場合は、端末から送信される信号の送信電力を下げるように制御する。具体的には、電力制御部105は、端末へ送信電力の増減を指示するために通知するTPC(Transmit Power Control)−Bitを生成する際、受信SIRが第2の目標SIRよりも小さな値である場合、TPC−Bitを「1」に設定する。また、それ以外の場合、TPC−Bitを「0」に設定する。また、電力制御部105は、設定したTPC−Bitを物理チャネルマッピング部106へ出力する。
物理チャネルマッピング部106は、電力制御部105から出力されてきたTPC−Bit、および、他の制御情報、データ(DL Data)をDL−DPCH(Down Link Dedicated Data Channel)としてマッピングして、拡散部107へ出力する。
拡散部107は、物理チャネルマッピング部106から出力されてきた下り信号を拡散して、端末へ送信する。
以下に、パワーコントロールが有効に動作しない可能性があると判断した場合の目標SIR制御部104における第2の目標SIRの設定方法について説明する。
この設定の契機は、
・スケジューラ103から第1の目標SIRの更新通知が入ったとき
または、
・制御チャネル(DPCCH)に対する他チャネルの電力比(DPCCH/Other Physical Channel Power)が更新されたとき
または
・パス情報が更新されたとき
とする。
端末に対するTarget SIR’(第1の受信SIR)が、受信電力比、最新のマルチパス数、およびパスレベル差に応じてそれぞれ定義された閾値(Target SIR Threshold:目標SIR閾値)以上である場合、パワーコントロールが有効に動作しない可能性があると判断する。
まずは、目標SIR制御部104における目標SIR閾値の設定方法について説明する。
図2は、等レベル2パス受信状態における各受信電力比が第1の目標SIRに対する受信SIRの特性に与える影響を示すグラフである。図2では、受信電力比PO(Power Offset)が−17dB、−12dBおよび−7dBの場合を例に挙げて示している。
図2に示すように、受信電力比POの絶対値が大きくなるにしたがって、1パス(パス数=1)の特性からの乖離が著しく大きくなる。乖離が大きくなってしまうと、第1の目標SIR(図2では「Target SIR」)を大きな値に設定しても、受信SIRが所望の値から程遠いものとなってしまう。そこで、乖離がある所定値となる第1の目標SIRを目標SIR閾値とする。
例えば、その所定値を1dBとする場合を例に挙げて説明する。
図2に示すように、1パス受信時との乖離が1dBであるときのTarget SIRは、
・PO=−17dBの場合、6dB
・PO=−12dBの場合、11dB
・PO=−7dBの場合、16dB
となる。これらに基づいて、目標SIR閾値を設定する。
図3は、受信電力比(DPCCH/Other電力比)と目標SIR閾値(Target SIR Threshold[dB])との対応付けの一例を示す図である。この対応付けは、テーブルとして目標SIR制御部104に記憶される。
図3に示すように、図2に示した特性から目標SIR閾値が設定される。例えば、DPCCH/Other電力比が「0dB以上」と、Target SIR Thresholdが「25[dB]」とが対応付けられている。これは、DPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が0dB以上である場合、Target SIR Thresholdを25dBに設定することを示している。また、DPCCH/Other電力比が「−7dB以上、0dB未満」と、Target SIR Thresholdが「16[dB]」とが対応付けられている。これは、DPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−7dB以上であり、0dB未満である場合、Target SIR Thresholdを16dBに設定することを示している。また、DPCCH/Other電力比が「−12dB以上、−7dB未満」と、Target SIR Thresholdが「11[dB]」とが対応付けられている。これは、DPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−12dB以上であり、−7dB未満である場合、Target SIR Thresholdを11dBに設定することを示している。また、DPCCH/Other電力比が「−17dB以上、−12dB未満」と、Target SIR Thresholdが「6[dB]」とが対応付けられている。これは、DPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB以上であり、−12dB未満である場合、Target SIR Thresholdを6dBに設定することを示している。また、DPCCH/Other電力比が「−17dB未満」と、Target SIR Thresholdが「5[dB]」とが対応付けられている。これは、DPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB未満である場合、Target SIR Thresholdを5dBに設定することを示している。
図4は、等レベルマルチパス受信状態におけるマルチパス数が第1の目標SIRに対する受信SIRの特性に与える影響を示すグラフである。図2では、マルチパス数が2および4の場合を例に挙げて示している。また、パス数が1である場合も比較対象として示している。
図4に示すように、マルチパス数が増えるにしたがって、パス数が1である場合の特性からの乖離が著しく大きくなる。乖離が大きくなってしまうと、第1の目標SIR(図4では「Target SIR」)を大きな値に設定しても、受信するSIRが所望の値から程遠いものとなってしまう。そこで、マルチパス数に応じて、目標SIR閾値を設定するように拡張する。
図5は、パス数に応じた受信電力比(DPCCH/Other電力比)と目標SIR閾値(Target SIR Threshold[dB])との対応付けの一例を示す図である。この対応付けは、テーブルとして目標SIR制御部104に記憶される。
図5に示すように、図2および図4に示した特性から目標SIR閾値が設定される。例えば、パス数が1である場合、すべてのDPCCH/Other電力比と、Target SIR Thresholdが「上限無し」とが対応付けられている。これは、パス数が1である場合は、DPCCH/Other電力比がいくつであろうと、Target SIR Thresholdには上限値がない、つまり目標SIR閾値がないことを示している。
また、「パス数=2、3」である場合、DPCCH/Other電力比が「0dB以上」と、Target SIR Thresholdが「27[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2または3であり、DPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が0dB以上である場合、Target SIR Thresholdを27dBに設定することを示している。また、「パス数=2、3」である場合、DPCCH/Other電力比が「−5dB以上、0dB未満」と、Target SIR Thresholdが「25[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2または3であり、DPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−5dB以上であり、0dB未満である場合、Target SIR Thresholdを25dBに設定することを示している。また、「パス数=2、3」である場合、DPCCH/Other電力比が「−12dB以上、−5dB未満」と、Target SIR Thresholdが「20[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2または3であり、DPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−12dB以上であり、−5dB未満である場合、Target SIR Thresholdを20dBに設定することを示している。また、「パス数=2、3」である場合、DPCCH/Other電力比が「−17dB以上、−12dB未満」と、Target SIR Thresholdが「18[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2または3であり、DPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB以上であり、−12dB未満である場合、Target SIR Thresholdを18dBに設定することを示している。また、「パス数=2、3」である場合、DPCCH/Other電力比が「−17dB未満」と、Target SIR Thresholdが「15[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2または3であり、DPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB未満である場合、Target SIR Thresholdを15dBに設定することを示している。
また、「パス数≧4」である場合、DPCCH/Other電力比が「0dB以上」と、Target SIR Thresholdが「25[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が4以上であり、DPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が0dB以上である場合、Target SIR Thresholdを25dBに設定することを示している。また、「パス数≧4」である場合、DPCCH/Other電力比が「−5dB以上、0dB未満」と、Target SIR Thresholdが「16[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が4以上であり、DPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−5dB以上であり、0dB未満である場合、Target SIR Thresholdを16dBに設定することを示している。また、「パス数≧4」である場合、DPCCH/Other電力比が「−12dB以上、−5dB未満」と、Target SIR Thresholdが「14[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が4以上であり、DPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−12dB以上であり、−5dB未満である場合、Target SIR Thresholdを14dBに設定することを示している。また、「パス数≧4」である場合、DPCCH/Other電力比が「−17dB以上、−12dB未満」と、Target SIR Thresholdが「12[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が4以上であり、DPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB以上であり、−12dB未満である場合、Target SIR Thresholdを12dBに設定することを示している。また、「パス数≧4」である場合、DPCCH/Other電力比が「−17dB未満」と、Target SIR Thresholdが「8[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が4以上であり、DPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB未満である場合、Target SIR Thresholdを8dBに設定することを示している。
さらに、マルチパスのうち、第1のパス(1stパス)と第2のパス(2ndパス)とのレベル差(受信電力差)に応じて乖離具合が変化する特性を用いて目標SIR閾値を設定しても良い。このように拡張設定することでより細かな制御が可能となる。
図6は、レベル差に応じた受信電力比(DPCCH/Other電力比)と目標SIR閾値(Target SIR Threshold[dB])との対応付けの一例を示す図である。この対応付けは、テーブルとして目標SIR制御部104に記憶される。
図6に示すように、図2に示した特性およびレベル差から目標SIR閾値が設定される。例えば、パス数が1である場合、すべてのDPCCH/Other電力比と、Target SIR Thresholdが「上限無し」とが対応付けられている。これは、パス数が1である場合は、DPCCH/Other電力比がいくつであろうと、Target SIR Thresholdには上限値がない、つまり目標SIR閾値がないことを示している。
また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「0〜4dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「0dB以上」と、Target SIR Thresholdが「30[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が0〜4dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が0dB以上である場合、Target SIR Thresholdを30dBに設定することを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「0〜4dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−5dB以上、0dB未満」と、Target SIR Thresholdが「26[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が0〜4dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−5dB以上であり、0dB未満である場合、Target SIR Thresholdを26dBに設定することを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「0〜4dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−12dB以上、−5dB未満」と、Target SIR Thresholdが「23[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が0〜4dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−12dB以上であり、−5dB未満である場合、Target SIR Thresholdを23dBに設定することを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「0〜4dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−17dB以上、−12dB未満」と、Target SIR Thresholdが「16[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が0〜4dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB以上であり、−12dB未満である場合、Target SIR Thresholdを16dBに設定することを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「0〜4dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−17dB未満」と、Target SIR Thresholdが「12[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が0〜4dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB未満である場合、Target SIR Thresholdを12dBに設定することを示している。
また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「4〜8dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「0dB以上」と、Target SIR Thresholdが「上限無し」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が4〜8dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が0dB以上である場合、Target SIR Thresholdの設定値に上限はないことを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「4〜8dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−5dB以上、0dB未満」と、Target SIR Thresholdが「30[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が4〜8dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−5dB以上であり、0dB未満である場合、Target SIR Thresholdを30dBに設定することを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「4〜8dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−12dB以上、−5dB未満」と、Target SIR Thresholdが「27[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が4〜8dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−12dB以上であり、−5dB未満である場合、Target SIR Thresholdを27dBに設定することを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「4〜8dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−17dB以上、−12dB未満」と、Target SIR Thresholdが「20[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が4〜8dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB以上であり、−12dB未満である場合、Target SIR Thresholdを20dBに設定することを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「4〜8dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−17dB未満」と、Target SIR Thresholdが「15[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が4〜8dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB未満である場合、Target SIR Thresholdを15dBに設定することを示している。
また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「8〜12dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「0dB以上」と、Target SIR Thresholdが「上限無し」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が8〜12dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が0dB以上である場合、Target SIR Thresholdの設定値に上限はないことを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「8〜12dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−5dB以上、0dB未満」と、Target SIR Thresholdが「上限無し」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が8〜12dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−5dB以上であり、0dB未満である場合、Target SIR Thresholdの設定値に上限はないことを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「8〜12dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−12dB以上、−5dB未満」と、Target SIR Thresholdが「30[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が8〜12dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−12dB以上であり、−5dB未満である場合、Target SIR Thresholdを30dBに設定することを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「8〜12dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−17dB以上、−12dB未満」と、Target SIR Thresholdが「24[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が8〜12dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB以上であり、−12dB未満である場合、Target SIR Thresholdを24dBに設定することを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「8〜12dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−17dB未満」と、Target SIR Thresholdが「19[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が8〜12dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB未満である場合、Target SIR Thresholdを19dBに設定することを示している。
また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「12〜17dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「0dB以上」と、Target SIR Thresholdが「上限無し」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が12〜17dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が0dB以上である場合、Target SIR Thresholdの設定値に上限はないことを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「12〜17dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−5dB以上、0dB未満」と、Target SIR Thresholdが「上限無し」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が12〜17dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−5dB以上であり、0dB未満である場合、Target SIR Thresholdの設定値に上限はないことを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「12〜17dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−12dB以上、−5dB未満」と、Target SIR Thresholdが「上限無し」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が12〜17dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−12dB以上であり、−5dB未満である場合、Target SIR Thresholdの設定値に上限はないことを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「12〜17dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−17dB以上、−12dB未満」と、Target SIR Thresholdが「29[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が12〜17dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB以上であり、−12dB未満である場合、Target SIR Thresholdを29dBに設定することを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「12〜17dB」である場合、DPCCH/Other電力比が「−17dB未満」と、Target SIR Thresholdが「24[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が12〜17dBであり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB未満である場合、Target SIR Thresholdを24dBに設定することを示している。
また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「17dB以上」である場合、DPCCH/Other電力比が「0dB以上」と、Target SIR Thresholdが「上限無し」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が17dB以上であり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が0dB以上である場合、Target SIR Thresholdの設定値に上限はないことを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「17dB以上」である場合、DPCCH/Other電力比が「−5dB以上、0dB未満」と、Target SIR Thresholdが「上限無し」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が17dB以上であり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−5dB以上であり、0dB未満である場合、Target SIR Thresholdの設定値に上限はないことを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「17dB以上」である場合、DPCCH/Other電力比が「−12dB以上、−5dB未満」と、Target SIR Thresholdが「上限無し」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が17dB以上であり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−12dB以上であり、−5dB未満である場合、Target SIR Thresholdの設定値に上限はないことを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「17dB以上」である場合、DPCCH/Other電力比が「−17dB以上、−12dB未満」と、Target SIR Thresholdが「上限無し」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が17dB以上であり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB以上であり、−12dB未満である場合、Target SIR Thresholdの設定値に上限はないことを示している。また、「パス数≧2」であり、かつ「1stパス−2ndパスレベル差」が「17dB以上」である場合、DPCCH/Other電力比が「−17dB未満」と、Target SIR Thresholdが「30[dB]」とが対応付けられている。これは、パス数が2以上であり、かつ1stパスと2ndパスとのレベル差が17dB以上であり、かつDPCCHのパスの受信電力とそれ以外のパスの受信電力との電力比が−17dB未満である場合、Target SIR Thresholdを30dBに設定することを示している。
次に、目標SIR制御部104における設定された目標SIR閾値(Target SIR Threshold)に基づいた第2の目標SIRの設定方法について説明する。
上述したテーブルの対応付けについて真である場合、すなわち、パワーコントロール制御が有効に動作しない可能性のある場合、目標SIR制御部104は、設定された目標SIR閾値(Target SIR Threshold)と、スケジューラ103から出力されてきた第1の目標SIRとを比較する。
比較の結果、目標SIR閾値が第1の目標SIRよりも小さな値である場合、目標SIR制御部104は、目標SIR閾値を第2の目標SIRに設定する。また、それ以外の場合は、目標SIR制御部104は、第1の目標SIRを第2の目標SIRに設定する。そして、目標SIR制御部104は、設定した第2の目標SIRを電力制御部105へ出力する。
また、目標SIR制御部104は、目標SIR閾値が第1の目標SIRよりも小さな値である場合、端末から送信される信号の送信レートを下げるようにスケジューラ103に対して指示する。
その後、電力制御部105が、目標SIR制御部104から出力されてきた第2の目標SIRと、受信SIR測定部102から出力されてきた受信SIRとを比較し、比較に結果に基づいて、上述した電力制御を行う。
以下に、本形態における送信電力制御方法について説明する。
図7は、図1に示した無線基地局100における送信電力制御方法を説明するためのフローチャートである。
まず、逆拡散部101から出力されてきたPilot信号を用いて、受信SIR測定部102にて受信SIRが測定される(ステップS1)。測定された受信SIRは、受信SIR測定部102から電力制御部105へ出力される。
また、スケジューラ103によって、端末から送信される信号の送信レートが制御されている(ステップS2)。
また、スケジューラ103によって、第1の目標SIRが設定される(ステップS3)。設定された第1の目標SIRは、スケジューラ103から目標SIR制御部104へ出力される。
ここで、ステップS1〜S3の処理は、上述したように一般的に行われている処理である。
すると、目標SIR制御部104にて、受信電力比と、無線基地局100が端末との間で通信を行っているパス数と、そのパス数が複数である場合、パスのうち第1のパスと第2のパスとの間の受信電力差とに基づいて、目標SIRの閾値となる目標SIR閾値が設定される(ステップS4)。この設定には、図3、図5および図6に示したテーブルが用いられる。
続いて、設定された目標SIR閾値とスケジューラ103から出力されてきた第1の目標SIRとが、目標SIR制御部104にて比較される(ステップS5)。
比較の結果、目標SIR閾値が第1の目標SIRよりも小さな値である場合、目標SIR制御部104にて目標SIR閾値が第2の目標SIRとして設定される(ステップS6)。また、端末から送信される信号の送信レートを下げるように、目標SIR制御部104からスケジューラ103に対して指示が行われ、スケジューラ103によって端末からの送信レートを下げる制御が行われる(ステップS7)。
一方、ステップS5の比較の結果、目標SIR閾値が第1の目標SIRよりも小さな値ではない場合は、目標SIR制御部104にて第1の目標SIRが第2の目標SIRとして設定される(ステップS8)。
そして、目標SIR制御部104にて設定された第2の目標SIRは、目標SIR制御部104から電力制御部105へ出力される。
すると、電力制御部105にて、受信SIR測定部102から出力されてきた受信SIRと、目標SIR制御部104から出力されてきた第2の目標SIRとが比較される(ステップS9)。
比較の結果、受信SIRが第2の目標SIRよりも小さな値である場合、端末から送信される信号の送信電力を上げるような制御が電力制御部105によって行われる(ステップS10)。
一方、受信SIRが第2の目標SIRよりも小さな値ではない場合は、端末から送信される信号の送信電力を下げるような制御が電力制御部105によって行われる(ステップS11)。
このように、高レート通信中の端末の電力制御が有効に働かなくなるTarget SIRとならないように制御を実施することで、急激なレベル増加によるAGCの追従遅延によるサチュレーションや量子化誤差の悪影響を最小限に抑えられる。また、無駄に上りリンクの干渉を増大させない制御が可能となる。その理由は、制御チャネルとデータチャネルの電力比、および、パス情報により、Target SIRを補正することで、端末の送信電力の上昇を抑制可能であるためである。
また、急激な上り干渉量の増大による他ユーザ、他セルへの悪影響を非常に少ないコストで回避可能である。その理由は、一般的な技術である高速TPC制御を応用したものであるためである。
上述した無線基地局100に設けられた各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を記述したプログラムを無線基地局100にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを無線基地局100に読み込ませ、実行するものであっても良い。無線基地局100にて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、無線基地局100に内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、無線基地局100に設けられたCPU(不図示)にて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
100 無線基地局
101 逆拡散部
102 受信SIR測定部
103 スケジューラ
104 目標SIR制御部
105 電力制御部
106 物理チャネルマッピング部
107 拡散部

Claims (12)

  1. 無線通信機能を具備する端末との間で無線通信を行う無線基地局であって、
    前記端末から送信されてきた信号の信号レベル対干渉レベル比である受信SIRを測定する受信SIR測定部と、
    前記端末との間の通信状況に応じて、前記端末から送信される信号の送信レートを制御し、前記受信SIRの目標値である第1の目標SIRを設定し、前記端末が複数のチャネルを用いて前記信号を送信している場合、該チャネル間の受信電力比を算出するスケジューラと、
    前記受信電力比と、当該無線基地局が前記端末との間で通信を行っているパス数と、該パス数が複数である場合、該パスのうち第1のパスと第2のパスとの間の受信電力差とに基づいて、前記目標SIRの閾値となる目標SIR閾値を設定し、該目標SIR閾値と前記第1の目標SIRとに基づいて、第2の目標SIRを設定し、前記目標SIR閾値と前記第1の目標SIRとに基づいて、前記端末から送信される信号の送信レートを下げるように前記スケジューラに対して指示する目標SIR制御部と、
    前記測定した受信SIRと前記第2の目標SIRとに基づいて、前記端末から送信される信号の送信電力を制御する電力制御部とを有する無線基地局。
  2. 請求項1に記載の無線基地局において、
    前記目標SIR制御部は、前記目標SIR閾値が前記第1の目標SIRよりも小さな値である場合、前記目標SIR閾値を前記第2の目標SIRに設定し、前記端末から送信される信号の送信レートを下げるように前記スケジューラに対して指示し、それ以外の場合は、前記第1の目標SIRを前記第2の目標SIRに設定し、
    前記電力制御部は、前記測定した受信SIRが前記第2の目標SIRよりも小さな値である場合、前記端末から送信される信号の送信電力を上げるように制御し、それ以外の場合は、前記端末から送信される信号の送信電力を下げるように制御することを特徴とする無線基地局。
  3. 請求項1に記載の無線基地局において、
    前記目標SIR制御部は、前記受信電力比の絶対値が小さな値であるほど、また前記パス数が少ないほど、また前記受信電力差の絶対値が大きな値であるほど、前記目標SIR閾値を大きな値に設定することを特徴とする無線基地局。
  4. 請求項1に記載の無線基地局において、
    前記スケジューラは、前記端末が制御チャネルとそれ以外の物理チャネルとを用いて前記信号を送信している場合、前記制御チャネルと前記物理チャネルとの受信電力比を算出することを特徴とする無線基地局。
  5. 無線通信機能を具備する端末から送信される信号の送信電力を制御する送信電力制御方法であって、
    前記端末から送信されてきた信号の信号レベル対干渉レベル比である受信SIRを測定する処理と、
    前記端末との間の通信状況に応じて、前記受信SIRの目標値である第1の目標SIRを設定する処理と、
    前記端末が複数のチャネルを用いて前記信号を送信している場合、該チャネル間の受信電力比を算出する処理と、
    前記受信電力比と、前記端末と該端末との間で通信を行っている無線基地局との間でのパス数と、該パス数が複数である場合、該パスのうち第1のパスと第2のパスとの間の受信電力差とに基づいて、前記目標SIRの閾値となる目標SIR閾値を設定する処理と、
    前記目標SIR閾値と前記第1の目標SIRとに基づいて、第2の目標SIRを設定する処理と、
    前記目標SIR閾値と前記第1の目標SIRとに基づいて、前記端末から送信される信号の送信レートを下げるように制御する処理と、
    前記受信SIRと前記第2の目標SIRとに基づいて、前記端末から送信される信号の送信電力を制御する処理とを有する送信電力制御方法。
  6. 請求項5に記載の送信電力制御方法において、
    前記目標SIR閾値と前記第1の目標SIRとを比較する処理と、
    前記目標SIR閾値が前記第1の目標SIRよりも小さな値である場合、前記目標SIR閾値を前記第2の目標SIRに設定する処理と、
    前記目標SIR閾値が前記第1の目標SIRよりも小さな値ではない場合、前記第1の目標SIRを前記第2の目標SIRに設定する処理と、
    前記目標SIR閾値が前記第1の目標SIRよりも小さな値である場合、前記端末から送信される信号の送信レートを下げるように制御する処理と、
    前記受信SIRと前記第2の目標SIRとを比較する処理と、
    前記受信SIRが前記第2の目標SIRよりも小さな値である場合、前記端末から送信される信号の送信電力を上げるように制御する処理と、
    前記受信SIRが前記第2の目標SIRよりも小さな値ではない場合、前記端末から送信される信号の送信電力を下げるように制御する処理とを有することを特徴とする送信電力制御方法。
  7. 請求項5に記載の送信電力制御方法において、
    前記受信電力比の絶対値が小さな値であるほど、また前記パス数が少ないほど、また前記受信電力差の絶対値が大きな値であるほど、前記目標SIR閾値を大きな値に設定する処理を有することを特徴とする送信電力制御方法。
  8. 請求項5に記載の送信電力制御方法において、
    前記端末が制御チャネルとそれ以外の物理チャネルとを用いて前記信号を送信している場合、前記制御チャネルと前記物理チャネルとの受信電力比を算出する処理を有することを特徴とする送信電力制御方法。
  9. 無線通信機能を具備する端末との間で無線通信を行う無線基地局に、
    前記端末から送信されてきた信号の信号レベル対干渉レベル比である受信SIRを測定する手順と、
    前記端末との間の通信状況に応じて、前記受信SIRの目標値である第1の目標SIRを設定する手順と、
    前記端末が複数のチャネルを用いて前記信号を送信している場合、該チャネル間の受信電力比を算出する手順と、
    前記受信電力比と、当該無線基地局が前記端末との間で通信を行っているパス数と、該パス数が複数である場合、該パスのうち第1のパスと第2のパスとの間の受信電力差とに基づいて、前記目標SIRの閾値となる目標SIR閾値を設定する手順と、
    前記目標SIR閾値と前記第1の目標SIRとに基づいて、第2の目標SIRを設定する手順と、
    前記目標SIR閾値と前記第1の目標SIRとに基づいて、前記端末から送信される信号の送信レートを下げるように制御する手順と、
    前記受信SIRと前記第2の目標SIRとに基づいて、前記端末から送信される信号の送信電力を制御する手順とを実行させるためのプログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムにおいて、
    前記目標SIR閾値と前記第1の目標SIRとを比較する手順と、
    前記目標SIR閾値が前記第1の目標SIRよりも小さな値である場合、前記目標SIR閾値を前記第2の目標SIRに設定する手順と、
    前記目標SIR閾値が前記第1の目標SIRよりも小さな値ではない場合、前記第1の目標SIRを前記第2の目標SIRに設定する手順と、
    前記目標SIR閾値が前記第1の目標SIRよりも小さな値である場合、前記端末から送信される信号の送信レートを下げるように制御する手順と、
    前記受信SIRと前記第2の目標SIRとを比較する手順と、
    前記受信SIRが前記第2の目標SIRよりも小さな値である場合、前記端末から送信される信号の送信電力を上げるように制御する手順と、
    前記受信SIRが前記第2の目標SIRよりも小さな値ではない場合、前記端末から送信される信号の送信電力を下げるように制御する手順とを実行させるためのプログラム。
  11. 請求項9に記載のプログラムにおいて、
    前記受信電力比の絶対値が小さな値であるほど、また前記パス数が少ないほど、また前記受信電力差の絶対値が大きな値であるほど、前記目標SIR閾値を大きな値に設定する手順を実行させるためのプログラム。
  12. 請求項9に記載のプログラムにおいて、
    前記端末が制御チャネルとそれ以外の物理チャネルとを用いて前記信号を送信している場合、前記制御チャネルと前記物理チャネルとの受信電力比を算出する手順を実行させるためのプログラム。
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