以下、本発明の実施の形態の無線通信システムおよび基地局について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態の無線通信システムにおけるハンドオーバの動作を示すフローチャートである。以下では、ハンドオーバの動作について説明する前に、無線通信システムおよび基地局の構成について説明する。
図2は、無線通信システム1の全体構成を示す図である。無線通信システム1は、マクロセルC1の基地局10と、マクロセルC1に含まれる複数のCSGセルC2の基地局40と、端末70とを有している。本実施の形態では、マクロセルC1の基地局からCSGセルC2の基地局へのハンドオーバについて説明するので、マクロセルC1の基地局10を「SeNB10」と記載し、CSGセルC2の基地局40を「TeNB40」と記載する。なお、マクロセルC1が請求項の「第1のセル」、CSGセルC2が請求項の「第2のセル」に対応する。
CSGセルC2には、セルIDが付与されている。セルIDはセルの識別子であるが、マクロセルC1内に同じセルIDを有するセルが存在する場合もある。また、CSGセルC2は、アクセス情報としてTAIDを有している。CSGセルC2の基地局は、同じTAIDを有する端末70からのアクセスを許可する。
図3は、ハンドオーバ元の基地局(SeNB)10の構成を示す図である。SeNB10は、CSGセルC2のTeNB40との通信インターフェースである基地局通信インターフェース12と、端末70との通信インターフェースである端末通信インターフェース14と、隣接セルの情報を記憶したNCL16と、TeNB40および端末70との通信を制御する制御部18とを有する。NCL16は、SeNB10に隣接する基地局のセルIDやアクセス情報(TAID)等を有している。
制御部18は、測定報告受信部20と、ハンドオーバ判定部22と、ハンドオーバ要求送信部24と、ハンドオーバ応答受信部26と、識別情報送信部28とを有する。なお、図3では、ハンドオーバを行うために必要な構成について記載しているが、SeNB10は上記の構成のほかにも、通信制御等に必要な構成を有している。
測定報告受信部20は、端末70から送信される測定報告を受信する。測定報告には、端末70が電波を検知した基地局のセルIDとその電波の受信品質の情報が含まれている。ハンドオーバ判定部22は、測定報告に基づいてハンドオーバすべきか否かを判定する。例えば、SeNB10の受信品質とTeNB40の受信品質とを比較し、TeNB40の受信品質の方が良い場合には、TeNB40へのハンドオーバを行うと判定する。ハンドオーバ要求送信部24は、ハンドオーバ判定部22にてハンドオーバすべきと判定された場合に、ハンドオーバ先の基地局にハンドオーバ要求を送信する。ハンドオーバ要求送信部24は、NCL16のデータを用いて、CSGセルC2のセルIDおよびTAIDを求める。そして、ハンドオーバ要求送信部24は、端末70からの測定報告にて通知されたセルIDを有するCSGセルC2のうち、測定報告の送信元の端末70のTAIDと同じTAIDを有するCSGセルC2にハンドオーバ要求を送信する。ハンドオーバ応答受
信部26は、ハンドオーバ要求に対してTeNB40から送信されるハンドオーバ応答を受信する。識別情報送信部28は、ハンドオーバ応答に含まれる識別情報を端末70に送信する。
図4は、ハンドオーバ先の基地局(TeNB)40の構成を示す図である。TeNB40は、マクロセルC1のSeNB10との通信インターフェースである基地局通信インターフェース42と、端末70との通信インターフェースである端末通信インターフェース44と、SeNB10および端末70との通信制御等を行う制御部46とを有する。
制御部46は、ハンドオーバ要求受信部48と、ハンドオーバ可否判定部50と、ハンドオーバ応答送信部52と、個別信号送信部54と、RACHプレアンブル受信部56とを備えている。なお、図4では、ハンドオーバを行うために必要な構成について記載しているが、TeNB40は上記の構成のほかにも、通信制御等に必要な構成を有している。
ハンドオーバ要求受信部48は、SeNB10から送信されるハンドオーバ要求を受信する。ハンドオーバ可否判定部50は、新しく端末70に割り当てるリソースがあるか等に基づいてハンドオーバの可否を判定する。ハンドオーバ応答送信部52は、ハンドオーバ要求に対するハンドオーバ応答を送信する。ここで、ハンドオーバ応答には、第2のセル内においてTeNB40が端末70を識別する識別情報を含める。個別信号送信部54は、ハンドオーバが可能であると判定されたときに個別チャネルを用いて端末70にハンドオーバコマンドを含む個別信号を送信する。RACHプレアンブル受信部56は、端末70から送信されるRACHプレアンブルを受信する。
次に、図1を参照して第1の実施の形態の無線通信システム1の動作について説明する。図1は、SeNB10と通信中の端末70がTeNB40にハンドオーバする際の動作を示している。端末70は、SeNB10に測定報告を定期的に送信する(S2)。SeNB10は、SeNB10からの電波の受信品質と、TeNB40からの電波の受信品質を比較し、ハンドオーバすべきか否か判定する(S4)。例えば、SeNB10は、TeNB40からの電波の受信品質がSeNB10からの電波より所定の閾値以上良好である場合には、ハンドオーバすべきと判定し、SeNB10からの電波の受信品質がTeNB40よりも良好な場合には、ハンドオーバすべきでないと判定する。SeNB10は、ハンドオーバすべきでないと判定された場合には(S4でNO)、次の測定報告の受信を待つ。
ハンドオーバすべきと判定された場合には(S4でYES)、SeNB10は、測定報告にて通知されたセルIDに対応する識別子を有するTeNB40をNCL16から抽出する。続いて、SeNB10は、抽出したCSGセルC2のTeNB40のうち、端末70のTAIDと同じTAIDを有するTeNB40を求め(S6)、TeNBがCSGセルの基地局であるか否かを判定する(S8)。TeNBがCSGセルの場合は(S8でYES)、求めたTeNB40に対してハンドオーバ要求を送信する(S10)。TeNBがCSGセルでない場合は(S8でNO)、マクロセルのハンドオーバ処理を行う。
ハンドオーバ要求を受信したTeNB40は、ハンドオーバが可能であるか否かを判定する(S12)。TeNB40は、ハンドオーバ可能な場合には(S12でYES)ハンドオーバ応答をSeNB10に送信する(S14)。なお、図1は、ハンドオーバが可能な場合について記載している。ハンドオーバが不可能な場合(S12でNO)には、無線通信システム1は、ステップS14以降の動作を行わないで、フローを終了する。ハンドオーバ可能な場合、ハンドオーバ応答にこのTeNB40における端末70の識別情報を含める。本実施の形態では、この識別情報として、C−RNTIを用いる。
SeNB10は、TeNB40からハンドオーバ応答を受信すると(S14)、ハンドオーバ応答に含まれるC−RNTIを端末70に送信する(S16)。端末70はSeNB10から送信されたC−RNTIを受信することで、個別チャネルを通じてTeNB40から送信される端末70宛の個別信号を受信できるようになる。
TeNB40は、S12でハンドオーバが可能であると判定された場合、個別チャネルを通じて、端末70への個別信号の送信を開始する(S18)。ここで、個別信号には、アクセス情報およびハンドオーバコマンドに含まれる情報、例えば上り回線の同期処理に必要な情報が含まれる。TeNB40は、端末70が個別信号を受信して、RACHプレアンブルが送信されてくるまで、個別信号を繰り返し送信する(S20)。TeNB40から端末70へ繰り返し送信する個別信号の送信間隔は、端末70のgap期間より短くする。
端末70は、個別信号を受信したか否かを判定する(S22)。端末70のgap期間に個別信号が送信されてくると、端末70は個別信号を受信することができる。端末70は、個別信号を受信すると(S22でYES)、TeNB40に対するアクセスが許可されていることを確認する。本実施の形態では、ステップS6にて、SeNB10は、端末70からのアクセスが可能なTeNB40にのみハンドオーバ要求を送信しているので、端末70は、個別信号を送信しているTeNB40に対するアクセスが許可されている。従って、個別信号の受信は、個別信号送信元のTeNB40へのアクセスが許可されていることを意味する。個別信号を一定時間待って受信できなければ(S22でNO)、ハンドオーバー失敗とみなしてハンドオーバ失敗をSeNBに送信する(S24)。ここでの一定時間は、gap期間の間隔に相当する時間を意味する。
端末70は、個別信号を受信すると、個別信号に含まれるハンドオーバコマンドに基づいて、ハンドオーバの処理を開始する。具体的には、端末70は、TeNB40に対し、上り回線の同期処理を開始するためのRACHプレアンブルを送信し(S26)、TeNB40への接続処理を開始する。TeNB40は、RACHプレアンブルを受信すると、個別信号の送信を停止する(S28)。
なお、端末70が一定時間にわたって個別信号を受信しなかった場合には、端末70は、アクセスが許可されていないCSGセルC2に近づいていると考えられる。ここでの一定時間は、gap期間の間隔に相当する時間を意味する。TeNB40は、個別信号の送信開始から一定時間が経過した場合には、個別信号の送信を停止する。以上、第1の実施の形態の無線通信システム1および基地局10,40について説明した。
第1の実施の形態のTeNB40はC−RNTIを含むハンドオーバ応答を送信し、SeNB10から端末70に対してC−RNTIを通知させる構成を採用することにより、ハンドオーバコマンドの指示を受ける前にTeNB40における個別チャネルを割り当てることができ、円滑にハンドオーバ処理を行うことができる。
次に、個別信号をgap期間より短い送信間隔で送信していることによる効果について説明する。
図5は、第1の実施の形態の無線通信システム1におけるハンドオーバ時に送受信される信号の流れの一例を示す図である。図5に示すように、第1の実施の形態のTeNB40は、gap期間より短い間隔で個別信号を繰り返し送信しているので、gap期間に少なくとも一度は個別信号が送信されることになる。従って、端末70は、最初のgap期間に、確実に個別信号を受信することができ、短時間でハンドオーバを行うことができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態の無線通信システムについて説明する。第2の実施の形態の無線通信システムも、第1の実施の形態と同様に、マクロセルC1の基地局(SeNB)10と、マクロセルC1に含まれる複数のCSGセルC2の基地局(TeNB)40と、端末70とを有している。
図6は、ハンドオーバ元の基地局(SeNB)10の構成を示す図である。SeNB10は、CSGセルC2のTeNB40との通信インターフェースである基地局通信インターフェース12と、端末70との通信のインターフェースである端末通信インターフェース14と、隣接セルの情報を記憶したNCL16と、TeNB40および端末70との通信制御等を行う制御部18とを有する。なお、図6では、ハンドオーバを行うために必要な構成について記載しているが、SeNB10は上記の構成のほかにも、通信制御等に必要な構成を有している。
制御部18は、測定報告受信部20と、ハンドオーバ判定部22と、ハンドオーバ要求送信部24と、ハンドオーバ応答受信部26と、アクセス許否判定部32と、ハンドオーバコマンド送信部30とを有する。
測定報告受信部20は、端末70から送信される測定報告を受信する。測定報告には、端末70が電波を検知したTeNB40のセルIDとその電波の受信品質の情報が含まれている。ハンドオーバ判定部22は、測定報告に基づいてハンドオーバをすべきか否かを判定する。
ハンドオーバ要求送信部24は、ハンドオーバ判定部22にてハンドオーバすべきと判定された場合に、ハンドオーバ先のTeNB40にハンドオーバ要求を送信する。ハンドオーバ要求送信部24は、NCL16のデータを用いて、CSGセルのセルIDを求める。そして、ハンドオーバ要求送信部24は、端末70からの測定報告にて通知されたセルIDを有するCSGセルC2のTeNB40にハンドオーバ要求を送信する。
ハンドオーバ応答受信部26は、ハンドオーバ要求に対してTeNB40から送信されるハンドオーバ応答を受信する。アクセス許否判定部32は、端末70から送信された測定報告に含まれるアクセス情報に基づいて、端末70からハンドオーバ先のTeNB40へのアクセスが許可されているか否かを判定する。ハンドオーバコマンド送信部30は、端末70にハンドオーバコマンドを送信する。
図7は、ハンドオーバ先の基地局(TeNB)40の構成を示す図である。TeNB40は、SeNB10との通信インターフェースである基地局通信インターフェース42と、端末70との通信インターフェースである端末通信インターフェース44と、SeNB10および端末70との通信制御等を行う制御部46とを有する。
制御部46は、ハンドオーバ要求受信部48と、ハンドオーバ可否判定部50と、ハンドオーバ応答送信部52と、報知情報送信部58と、RACHプレアンブル受信部56とを備えている。なお、図7では、ハンドオーバを行うために必要な構成について記載しているが、TeNB40は上記の構成のほかにも、通信制御等に必要な構成を有している。
ハンドオーバ要求受信部48は、SeNB10から送信されるハンドオーバ要求を受信する。ハンドオーバ可否判定部50は、新しく端末70に割り当てるリソースがあるか等に基づいてハンドオーバの可否を判定する。ハンドオーバ応答送信部52は、ハンドオーバ要求に対するハンドオーバ応答を送信する。報知情報送信部58は、共通チャネルを通じて、アクセス情報を含む報知情報(SU−1信号)を送信する。報知情報送信部58は、ハンドオーバ要求受信部48にて受信したハンドオーバ要求についてハンドオーバが可能であると判定されたときに、報知情報の送信間隔をgap期間より短くする。RACHプレアンブル受信部56は、端末70から送信されるRACHプレアンブルを受信する。
図8は、第2の実施の形態の無線通信システムにおけるハンドオーバの動作を示すフローチャートである。端末70は、通信中のSeNB10に対して、測定報告を送信する(S30)。SeNB10は、SeNB10からの電波の受信品質とTeNB40からの電波の受信品質を比較し、ハンドオーバすべきか否か判定する(S32)。SeNB10は、ハンドオーバすべきでないと判定した場合には(S32でNO)、次の測定報告の受信を待つ。
ハンドオーバすべきと判定した場合には(S32でYES)、SeNB10は、測定報告にて通知されたセルIDに対応する識別子を有するTeNB40をNCL16から抽出する(S34)。続いて、TeNBがCSGセルの場合は(S36でYES)、SeNB10は、抽出したCSGセルC2のTeNB40に対してハンドオーバ要求を送信する(S38)。TeNBがCSGセルでない場合は(S36でNO)、マクロセルのハンドオーバ処理を行う。
ハンドオーバ要求を受信したTeNB40は、ハンドオーバが可能であるか否かを判定し(S40)、ハンドオーバ可能な場合には(S40でYES)ハンドオーバ応答をSeNB10に送信する(S42)。ハンドオーバが不可能な場合(S40でNO)には、無線通信システムは、ステップS42以降の動作を行わないで、フローを終了する。ハンドオーバが可能な場合、TeNB40は、SU−1信号の送信間隔をハンドオーバ要求の受信前より短くし(S44)、SU−1信号を繰り返し送信する(S46)。
端末70は、SU−1信号を受信したか否かを判定する(S48)。SU−1を一定時間待って受信できなければ(S48でNO)、ハンドオーバ失敗とみなして、ハンドオーバ失敗をSeNBに送信する(S50)。ここでの一定時間は、gap期間の間隔に相当する時間を意味する。gap期間にSU−1信号が送信されてくると、端末70は、SU−1信号を受信することができる。端末70は、SU−1信号を受信したと判定すると(S48でYES)、SU−1信号からTeNB40のTAIDを読み出す。そして、端末70は、TeNB40のTAIDと自端末70のTAIDとを比較して、TeNB40に対するアクセスが許可されているか否かを判定する。そして、端末は、アクセス許否の判定結果を含む測定報告をSeNB10に送信する(S52)。
SeNB10は、端末70から測定報告を受信すると、測定報告に基づいてTeNB40に対するアクセスが許可されているか否かを判定する。SeNB10は、端末70のアクセスが許可されている場合には、端末70にハンドオーバコマンドを送信する(S54)。端末70は、ハンドオーバコマンドを受信すると、ハンドオーバの処理を開始する。具体的には、端末70は、TeNB40に対し、上り回線の同期処理を開始するためのRACHプレアンブルを送信し(S56)、TeNB40への接続処理を開始する。TeNB40は、RACHプレアンブルを受信すると、SU−1信号の送信間隔をハンドオーバ処理の開始前の間隔に戻す(S58)。以上、第2の実施の形態の無線通信システムについて説明した。
第2の実施の形態のTeNB40はハンドオーバ可能であると判定したときに、端末70に対して送信するSU−1信号の送信間隔をハンドオーバ要求の受信前より小さくする構成を採用しているので、端末70は、TeNB40から送信されるアクセス情報を含むSU−1信号を、送信間隔を短くした後の最初のgap期間に確実に受信できる。
図9、図10は、第2の実施の形態の無線通信システムにおけるハンドオーバ時に送受信される信号の流れの一例を示す図である。図9は、アクセスが許可されたTeNB40に端末70が近づいた場合の信号の流れを示し、図10は、アクセスが許可されていないTeNB40に端末70が近づいた場合の信号の流れを示している。
図9に示すように、第2の実施の形態のTeNB40は、gap期間より短い間隔でSU−1信号を送信しているので、端末70は、アクセスが許可されたTeNB40から送信されるSU−1を、SU−1の送信間隔を短くしてから最初のgap期間に受信することができる。これにより、短時間でハンドオーバを行うことができる。
第2の実施の形態では、図10に示すように、端末70からのアクセスを許可していないTeNB40からもgap期間より短い間隔でSU−1信号を送信するので、端末70は、SU−1信号を受信した時点で、そのSU−1信号に含まれるアクセス情報に基づいて、TeNB40に対するアクセスを許可されていないことを知ることができる。
なお、端末70は、図10に示すように、アクセスを許可していないTeNB40に対して、RACHプレアンブルを送信することはない。また、同じく図10に示すように、端末70が、アクセスを許可しているTeNB40から離れている場合にも、RACHプレアンブルをTeNB40に送信しない。従って、TeNB40がSU−1信号の送信間隔を元に戻すためのトリガとしてタイマを用いてもよい。すなわち、TeNB40は、SU−1信号の送信間隔を短くしてから一定時間が経過したら、SU−1信号の送信間隔を元に戻す処理を行う。ここでの一定時間は、gap期間の間隔に相当する時間を意味する。
上記した本実施の形態では、SU−1信号の送信間隔をgap期間より短くする例について説明したが、SU−1信号の送信間隔がgap期間より長くても、ハンドオーバ要求を受信する前のSU−1信号の送信間隔より短くすれば、SU−1信号の受信の確率が高くなるという効果を有する。このような態様も本発明に含むものとする。
図11は、第2の実施の形態の別の態様の無線通信システムにおけるハンドオーバの動作を示すフローチャートである。端末70は、通信中のSeNB10に対して、測定報告を送信する(S30)。SeNB10は、測定報告を受信し、SeNB10からの電波の受信品質とTeNB40からの電波の受信品質を比較し、ハンドオーバすべきか否か判定する(S32)。SeNB10は、ハンドオーバすべきでないと判定した場合には(S32でNO)、次の測定報告の受信を待つ。
ハンドオーバすべきと判定した場合には(S32でYES)、SeNB10は、測定報告にて通知されたセルIDに対応する識別子を有するTeNB40をNCL16から抽出する(S34)。続いて、SeNBは、TeNBがCSGセルの基地局であるか否か判定する(S36)。TeNBがCSGセルの場合は(S36でYES)、SeNB10は、抽出したCSGセルC2のTeNB40に対してSU−1送信頻度変更命令を送信する(S39)。TeNBがCSGセルでない場合は(S36でNO)、マクロセルのハンドオーバ処理を行う。
SU−1送信頻度変更命令を受信したTeNB40は、SU−1信号の送信間隔をハンドオーバ要求の受信前より短くし(S44)、SU−1信号を繰り返し送信する(S46)。
端末70は、SU−1信号を受信したか否かを判定する(S48)。gap期間にSU−1信号が送信されてくると、端末70は、SU−1信号を受信することができる。端末70は、SU−1信号を受信したと判定すると(S48でYES)、SU−1信号からTeNB40のTAIDを読み出す。そして、端末70は、TeNB40のTAIDと自端末70のTAIDとを比較して、TeNB40に対するアクセスが許可されているか否かを判定する。そして、端末は、アクセス許否の判定結果を含む測定報告をSeNB10に送信する(S52)。SU−1を一定時間待って受信できなければ(S48でNO)、ハンドオーバー失敗とみなして、ハンドオーバ失敗をSeNBに送信する(S50)。ここでの一定時間は、gap期間の間隔に相当する時間を意味する。
SeNB10は、端末70から測定報告を受信すると、測定報告に基づいてTeNB40に対するアクセスが許可されているか否かを判定する。SeNB10は、端末70のアクセスが許可されている場合には、TeNB40に対してハンドオーバ要求を送信する(S38)。ハンドオーバ要求を受信したTeNB40は、ハンドオーバが可能であるか否かを判定し(S40)、ハンドオーバ可能な場合にはハンドオーバ応答をSeNB10に送信する(S42)。なお、図11は、ハンドオーバが可能な場合について記載している。ハンドオーバが不可能な場合(S40でNO)には、無線通信システムは、ステップS42以降の動作を行わないで、フローを終了する。SeNB10は、TeNB40からハンドオーバ応答を受信すると、端末70にハンドオーバコマンドを送信する(S54)。端末70は、ハンドオーバコマンドを受信すると、ハンドオーバの処理を開始する。具体的には、端末70は、TeNB40に対し、上り回線の同期処理を開始するためのRACHプレアンブルを送信し(S56)、TeNB40への接続処理を開始する。TeNB40は、RACHプレアンブルを受信すると、SU−1信号の送信間隔をハンドオーバ処理の開始前の間隔に戻す(S58)。以上、第2の実施の形態の無線通信システムについて説明した。
第2の実施の形態のTeNB40はハンドオーバ可能であると判定したときに、端末70に対して送信するSU−1信号の送信間隔をハンドオーバ要求の受信前より小さくする構成を採用しているので、端末70は、TeNB40から送信されるアクセス情報を含むSU−1信号を、送信間隔を短くした後の最初のgap期間に確実に受信できる。
図12、図13は、第2の実施の形態の別の態様の無線通信システムにおけるハンドオーバ時に送受信される信号の流れの一例を示す図である。図12は、アクセスが許可されたTeNB40に端末70が近づいた場合の信号の流れを示し、図13は、アクセスが許可されていないTeNB40に端末70が近づいた場合の信号の流れを示している。
図12に示すように、第2の実施の形態のTeNB40は、gap期間より短い間隔でSU−1信号を送信しているので、端末70は、アクセスが許可されたTeNB40から送信される個別信号を、個別信号の送信を開始してから最初のgap期間に受信することができる。これにより、短時間でハンドオーバを行うことができる。
第2の実施の形態では、図13に示すように、端末70からのアクセスを許可していないTeNB40からもgap期間より短い間隔でSU−1信号を送信するので、端末70は、SU−1信号を受信した時点で、そのSU−1信号に含まれるアクセス情報に基づいて、TeNB40に対するアクセスを許可されていないことを知ることができる。
なお、端末70は、図13に示すように、アクセスを許可していないTeNB40に対して、RACHプレアンブルを送信することはない。また、同じく図13に示すように、端末70が、アクセスを許可しているTeNB40から離れている場合にも、RACHプレアンブルをTeNB40に送信しない。従って、TeNB40がSU−1信号の送信間隔を元に戻すためのトリガとしてタイマを用いてもよい。すなわち、TeNB40は、SU−1信号の送信間隔を短くしてから一定時間が経過したら、SU−1信号の送信間隔を元に戻す処理を行う。ここでの一定時間は、gap期間の間隔に相当する時間を意味する。
上記した本実施の形態では、SU−1信号の送信間隔をgap期間より短くする例について説明したが、SU−1信号の送信間隔がgap期間より長くても、ハンドオーバ要求を受信する前のSU−1信号の送信間隔より短くすれば、SU−1信号の受信の確率が高くなるという効果を有する。このような態様も本発明に含むものとする。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態の無線通信システムおよび基地局について説明する。第3の実施の形態の基地局の基本的な構成は、第2の実施の形態の基地局と同じである(図6、図7参照)。しかし、第3の実施の形態においては、SeNB10は、ハンドオーバをすべきと判定したときに、ハンドオーバの対象の端末70からのアクセスを許可しているTeNB40に対してのみハンドオーバ要求を送信する点が第2の実施の形態のSeNB10と異なる。すなわち、ハンドオーバ要求送信部24は、NCL16に基づいて、測定報告を送信してきた端末70のTAIDと同じTAIDを有するTeNB40を求め、求めたTeNB40に対してハンドオーバ要求を送信する。
図14は、第3の実施の形態の無線通信システムにおけるハンドオーバの動作を示すフローチャートである。第3の実施の形態の無線通信システムのハンドオーバの基本的な動作は、第2の実施の形態の無線通信システムにおけるハンドオーバの動作と同じである。以下では、第2の実施の形態の無線通信システムの動作と異なる点を中心に説明する。
第3の実施の形態の無線通信システムでは、SeNB10がハンドオーバすべきと判定した場合(S32でYES)、SeNB10は、NCL16から、測定報告にて通知されたセルIDに対応するTeNB40を抽出する。続いて、SeNB10は、抽出したTeNB40のうち、端末70のTAIDと同じTAIDを有するTeNB40を求め(S35)、求めたTeNB40に対してハンドオーバ要求を送信する(S36)。
ハンドオーバ要求を受信したTeNB40の動作は、第2の実施の形態と同じである。ハンドオーバ要求を受信していないTeNB40は、ハンドオーバに関する処理を行わず、SU−1信号を一定間隔で送信する。
図15は、第3の実施の形態の無線通信システムにおけるハンドオーバ時に送受信される信号の流れの一例を示す図である。図15に示すように、SeNB10は、アクセスが許可されたTeNB40に対してハンドオーバ要求を送信し、アクセスが許可されていないTeNB40に対してハンドオーバ要求を送信しない。従って、端末70からのアクセスを許可していないTeNB40が頻繁にSU−1信号を送信するという事態を防止でき、SU−1信号を送信するリソースの浪費を防止できる。
端末70が、アクセスが許可されていないCSGセルC2に近づいており、アクセスが許可されたCSGセルC2から離れている場合には、端末70はSU−1信号を受信できない。従って、端末70が一定時間にわたってSU−1信号を受信しなかった場合、すなわち、SU−1信号の送信間隔を短くしてから一定時間経過してもRACHプレアンブルが送信されてこない場合には、TeNB40は、SU−1信号の送信間隔を元に戻す。
図16は、第3の実施の形態の別の態様の無線通信システムにおけるハンドオーバの動作を示すフローチャートである。第3の実施の形態の無線通信システムのハンドオーバの基本的な動作は、第2の実施の形態の無線通信システムにおけるハンドオーバの動作と同じである。以下では、第2の実施の形態の無線通信システムの動作と異なる点を中心に説明する。
第3の実施の形態の無線通信システムでは、SeNB10がハンドオーバすべきと判定した場合(S32でYES)、SeNB10は、NCL16から、測定報告にて通知されたセルIDに対応するTeNB40を抽出する。続いて、SeNB10は、抽出したTeNB40のうち、端末70のTAIDと同じTAIDを有するTeNB40を求め(S35)、求めたTeNB40に対してSU−1送信頻度変更命令を送信する(S39)。
SU−1送信頻度変更命令を受信したTeNB40の動作は、第2の実施の形態と同じである。SU−1送信頻度変更命令を受信していないTeNB40は、ハンドオーバに関する処理を行わず、SU−1信号を一定間隔で送信する。
図17は、第3の実施の形態の別の態様の無線通信システムにおけるハンドオーバ時に送受信される信号の流れの一例を示す図である。図17に示すように、SeNB10は、アクセスが許可されたTeNB40に対してSU−1送信頻度変更命令を送信し、アクセスが許可されていないTeNB40に対してSU−1送信頻度変更命令を送信しない。従って、端末70からのアクセスを許可していないTeNB40が頻繁にSU−1信号を送信するという事態を防止でき、SU−1信号を送信するリソースの浪費を防止できる。
端末70が、アクセスが許可されていないCSGセルC2に近づいており、アクセスが許可されたCSGセルC2から離れている場合には、端末70はSU−1信号を受信できない。従って、端末70が一定時間にわたってSU−1信号を受信しなかった場合、すなわち、SU−1信号の送信間隔を短くしてから一定時間経過してもRACHプレアンブルが送信されてこない場合には、TeNB40は、SU−1信号の送信間隔を元に戻す。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態の無線通信システムおよび基地局について説明する。第4の実施の形態の基地局の基本的な構成は、第3の実施の形態の基地局と同じである(図6、図7参照)。しかし、第4の実施の形態においては、SeNB10は、ハンドオーバ応答を受信したあとに、即座にハンドオーバコマンドを端末70に対して送信する点が異なる。この際、ハンドオーバコマンドには端末70に対してSU−1を受信させる指示命令が含まれる。
また、第4の実施の形態においてはSU−1信号の送信頻度の変更を行わない点も第3の実施の形態とは異なる。これにより、ハンドオーバコマンドを受信した端末70はハンドオーバコマンドを受信後にTeNB40からのSU−1信号の受信を開始する。端末70は、SU−1信号を受信して、TeNB40のTAIDと自端末70のTAIDとを比較して、TeNB40に対するアクセスが許可されているか否かを判定する。そして、端末70は、アクセス許可がある場合はRACHプレアンブルをTeNB40に送信し、アクセス許可が無い場合はハンドオーバ失敗をSeNBに送信する。これにより端末70がアクセス可能なCSGセルに近づいている場合にはハンドオーバー時間を大幅に短縮できる。
図18は第4の実施の形態の無線通信システムにおけるハンドオーバの動作を示すフローチャートである。端末70は、通信中のSeNB10に対して、測定報告を送信する(S30)。SeNB10は、SeNB10からの電波の受信品質とTeNB40からの電波の受信品質を比較し、ハンドオーバすべきか否か判定する(S32)。SeNB10は、ハンドオーバすべきでないと判定した場合には(S32でNO)、次の測定報告の受信を待つ。
ハンドオーバすべきと判定した場合には(S32でYES)、SeNB10は、測定報告にて通知されたセルIDに対応する識別子を有するTeNB40をNCL16から抽出する(S34)。続いて、SeNB10は、TeNBがCSGセルの基地局か否か判定する(S36)。TeNBがCSGセルの場合は(S36でYES)、SeNB10は、抽出したCSGセルC2のTeNB40に対してハンドオーバ要求を送信する(S38)。TeNBがCSGセルでない場合は(S36でNO)、マクロセルのハンドオーバ処理を行う。
ハンドオーバ要求を受信したTeNB40は、ハンドオーバが可能であるか否かを判定し(S40)、ハンドオーバ可能な場合にはハンドオーバ応答をSeNB10に送信する(S42)。ハンドオーバが不可能な場合(S38でNO)には、無線通信システムは、ステップS40以降の動作を行わないで、フローを終了する。
SeNB10はハンドオーバ応答を受信後、端末70に対してハンドオーバコマンドを送信する(S54)。このハンドオーバコマンドには端末がSU−1信号の受信をするよう指示命令が含まれており、これにより端末70は、SU−1信号の受信処理を開始し、SU−1信号を受信する。端末70は、ハンドオーバコマンド受信後にはTeNB40の送信周波数帯で受信できるため、gapを設けてTeNB40からの信号を受信する必要はない。従って、端末70は、gapを設けない通常の受信処理でTeNBからのSU−1信号を受信できる。端末70は、SU−1信号からTeNB40のTAIDを読み出す。そして、端末70は、TeNB40のTAIDと自端末70のTAIDとを比較してTeNB40に対するアクセスが許可されているか否か判定する(S62)。TeNB40に対するアクセス許可されていれば(S62でYES)、TeNB40に対し、上り回線の同期処理を開始するためのRACHプレアンブルを送信する(S66)。一方、TeNB40に対するアクセス許可が無ければ(S64でNO)、ハンドオーバ失敗とみなしてハンドオーバ失敗をSeNBに送信する(S47)。以上、第4の実施の形態の無線通信システムについて説明した。
第4の実施の形態はSeNB10がハンドオーバコマンドによって端末70にSU−1信号の受信を指示することで、端末70は受信周波数帯を切り換えるので、gap期間を用いずにSU−1信号を受信することが可能になる。これによりTeNB40がSU−1信号の送信間隔の変更をすることなく、端末70は確実にアクセス確認が可能となり、ハンドオーバ時間を短くすることが可能となる。
図19、図20は、第4の実施の形態の無線通信システムにおけるハンドオーバ時に送受信される信号の流れの一例を示す図である。図19は、アクセスが許可されたTeNB40に端末70が近づいた場合の信号の流れを示し、図20は、アクセスが許可されていないTeNB40に端末70が近づいた場合の信号の流れを示している。
図19に示すように、第4の実施の形態の端末70は、gap期間を用いないでSU−1信号を受信できる。これにより、短時間でハンドオーバを行うことができる。
なお、端末70は、図20に示すように、アクセスを許可していないTeNB40に対して、RACHプレアンブルを送信することはない。また、同じく図20に示すように、端末70が、アクセスを許可しているTeNB40から離れている場合にも、RACHプレアンブルをTeNB40に送信しない。
以上、本発明の基地局、無線通信システムおよびハンドオーバ方法について、実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。上記した実施の形態では、個別信号またはSU−1信号を用いて端末にアクセス情報を通
知する例について説明しているが、これら以外の信号によって端末にアクセス情報を通知してもよい。この場合には、アクセス情報を通知するための信号の送信間隔をハンドオーバ要求の受信前より短く、好ましくはgap期間より短くすることにより、ハンドオーバに要する時間を短縮できる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態の無線通信システムおよび基地局および端末について説明する。第5の実施の形態の無線通信システムでは、端末のgap期間のタイミングを制御することにより、ハンドオーバに要する時間を短縮する。
図23は、ハンドオーバ元の基地局(SeNB)10の構成を示す図である。SeNB10は、CSGセルC2のTeNB40との通信インターフェースである基地局通信インターフェース12と、端末70との通信インターフェースである端末通信インターフェース14と、隣接セルの情報を記憶したNCL16と、TeNB40および端末70との通信を制御する制御部18とを有する。NCL16は、SeNB10に隣接する基地局のセルIDやアクセス情報(TAID)等を有している。
制御部18は、測定報告受信部20と、ハンドオーバ判定部22と、ハンドオーバ要求送信部24と、ハンドオーバ応答受信部26と、ハンドオーバコマンド送信部30と、gap制御部34と、gap制御信号送信部36とを有する。なお、図23では、ハンドオーバを行うために必要な構成について記載しているが、SeNB10は上記の構成のほかにも、通信制御等に必要な構成を有している。
測定報告受信部20と、ハンドオーバ判定部22と、ハンドオーバ要求送信部24と、ハンドオーバ応答受信部26と、ハンドオーバコマンド送信部30は図6にて説明したSeNB10が備える各構成と同じ機能を有する。gap制御部34は、測定報告受信部20からの測定結果に含まれるgap期間のタイミングとTeNBのフレームタイミングとのタイミング差から端末のgap期間のタイミングをTeNBのSU−1信号の送信タイミングにあわせるようにずらす。gap制御信号送信部36では、gap制御部34で新たに設定したgap期間のタイミングを端末に通知することで、基地局と端末のgap期間のタイミングを合わせる。
図24は、端末(UE)70の構成を示す図である。端末70は、マクロセルC1のSeNB10やCSGセルC2のTeNB40との通信インターフェースである基地局通信インターフェース72と、SeNB10およびTeNB40との通信を制御する制御部74とを有する。
制御部74は、同期信号及びRS信号受信部76と、受信品質を測定する受信品質測定部78と、基地局に対して測定報告を送信する測定報告送信部80とを備える。また、制御部74は、gap制御信号を受信するgap制御信号受信部82と、gap制御信号に基づいてgap期間のタイミングを制御するgap制御部84とを備える。さらに、制御部74は、報知情報を受信する報知情報受信部86と、報知情報に基づいてアクセスの許否を判定するアクセス許否判定部88と、ハンドオーバコマンドを受信するハンドオーバコマンド受信部90と、基地局との通信を開始する際にRACHプレアンブルを送信するRACHプレアンブル送信部とを備える。
図25は、第5の実施の形態の無線通信システムにおけるハンドオーバの動作を示すフローチャートである。端末70は、gap期間中にセルサーチを行いTeNB40からの送信タイミングを検出する。端末70は、TeNB40からの送信タイミングとgap期間のタイミングとの差分を算出し、TeNB40の受信品質と共にSeNB10に対して、測定報告を送信する(S30)。SeNB10は、SeNB10からの電波の受信品質とTeNB40からの電波の受信品質を比較し、ハンドオーバすべきか否か判定する(S32)。SeNB10は、ハンドオーバすべきでないと判定した場合には(S32でNO)、次の測定報告の受信を待つ。
ハンドオーバすべきと判定した場合には(S32でYES)、SeNB10は、測定報告にて通知されたセルIDに対応する識別子を有するTeNB40をNCL16から抽出する(S35)。続いて、TeNBがCSGセルの場合は(S36でYES)、SeNB10は、抽出したCSGセルC2のTeNB40に対してハンドオーバ要求を送信する(S38)。TeNBがCSGセルでない場合は(S36でNO)、マクロセルのハンドオーバ処理を行う。
ハンドオーバ要求を受信したTeNB40は、ハンドオーバが可能であるか否かを判定し(S40)、ハンドオーバ可能な場合には(S40でYES)ハンドオーバ応答をSeNB10に送信する(S42)。ハンドオーバが不可能な場合(S40でNO)には、無線通信システムは、ステップS42以降の動作を行わないで、フローを終了する。
ハンドオーバ応答を受信したSeNB10は、測定報告で通知されたTeNB40の送信タイミングとgap期間のタイミングとのタイミング差から、端末70におけるgap期間がSU−1信号の送信タイミングに合うようにgap期間のタイミングの変更値を決定し、gap制御情報として端末70にこのgap期間のタイミングの変更値を通知する(S70)。続いて、端末70およびSeNB10は、gap期間のタイミングを同時に変更する(S72、S74)。さらに、SeNB10は、端末70にハンドオーバコマンド(S76)を送信する。
端末70は、変更したgap期間のタイミングでSU−1信号を検出し(S78)、アクセス許可を確認する(S80)。アクセス許可があると判定すると(S80でYES)、端末70は、TeNB40に対し、上り回線の同期処理を開始するためのRACHプレアンブルを送信し(S84)、TeNB40への接続処理を開始する。アクセス許可が無いと判断すると(S80でNO)、端末70は、ハンドオーバ失敗をSeNB10に通知する(S82)。以上、第5の実施の形態の無線通信システムについて説明した。
図26、図27は、第5の実施の形態の無線通信システムにおけるハンドオーバ時に送受信される信号の流れの一例を示す図である。図26は、アクセスが許可されたTeNB40に端末70が近づいた場合の信号の流れを示し、図27は、アクセスが許可されていないTeNB40に端末70が近づいた場合の信号の流れを示している。
図26に示すように、第5の実施の形態によれば、ハンドオーバ先のCSGセルの基地局であるTeNB40による報知情報(SU−1信号)の送信間隔を短くすることなく、かつ、端末70が報知情報を受信するためのgap期間を長くすることもなく、短時間にハンドオーバを行うことができる。
(第6の実施の形態)
最初に第6の実施の形態の無線通信システムの背景について説明する。基地局の報知情報にはSU−1信号に含まれるセルのアクセス情報のほかに、端末にアクセスさせないセルのリストとしてアクセス不許可リストが含まれる。このアクセス不許可リストはコアネットワークから基地局を経由して端末に通知される。アクセス不許可リストを受信した端末は、リストに含まれたセルに対してはハンドオーバできない。
現在は、CSGセルとマクロセルにおいて使用する周波数が異なるシステム(ここではシステム1とする)が検討されている。システム1においては、端末は、周波数の相違によってのみCSGセルとマクロセルを識別できる。一方、将来のシステム(ここではシステム2とする)として、周波数ではなくセルIDによって、CSGセルとマクロセルを識別するシステムが考えられる。システム2においては、端末は、セルIDによってCSGセルとマクロセルを識別できる。また、システム2においては、CSGセルのリストとして、隣接するCSGセルのセルIDリストが定義され、報知情報としてコアネットワークから基地局を経由して端末に通知される。
このようなシステムが登場した場合にはシステム間の報知情報の互換性を保つため、現在のシステムであるシステム1で使用される端末は、将来のネットワークであるシステム2でも使用できる必要がある。
上述したように、システム1の端末は、セルIDによるCSGセルとマクロセルの識別機能を持たないため、システム2のCSGセルをマクロセルと誤判断する可能性がある。一般にアクセス制限があるCSGセルの方が相当に多いので、CSGセルにアクセスを試みた場合、CSGセルのアクセス制限により接続ができないことが多く、通信リソースが無駄になってしまう。第6の実施の形態は、システム1の端末が、システム2で用いられる際に、通信リソースの浪費しないように工夫した無線通信システムを提供する。
次に、第6の実施の形態の無線基地局および端末について説明する。図28は、基地局(SeNBおよびTeNBを総称してeNBとする)100の構成を示す図である。eNB100は、コアネットワークとの通信インターフェースであるコアNW通信インターフェース102と、端末120との通信インターフェースである端末通信インターフェース104とコアNWおよび端末120との通信を制御する制御部106とを有する。
制御部106は、アクセス不許可セルリスト受信部108とCSGセルリスト受信部110と新アクセス不許可セルリスト生成部112と報知情報送信部114とを有する。なお、図28では、報知情報の送信に必要な構成について記載しているが、eNB100は上記の構成のほかにも、通信制御等に必要な構成を有している。
アクセス不許可セルリスト受信部108はコアネットワークからアクセス不許可セルリストを受信し、新アクセス不許可セルリスト生成部112へと送信する。CSGセルリスト受信部110はコアネットワークからCSGセルリストを受信し、新アクセス不許可セルリスト生成部112へと送信する。
図29(a)はアクセス不許可セルリストの例を示す図、図29(b)はCSGセルリストを示す図である。アクセス不許可セルリストは、アクセスを許可しないセルを特定するセルIDを列挙したリストである。CSGセルリストは、CSGセルを特定するために用いることのできるセルIDの範囲を示すリストである。図29(b)に示されるように、CSGセルのセルIDとしては、300〜350、450〜500のセルIDが用いられる。システム2の端末は、セルIDがこの範囲に含まれているか否かによって、セルIDによって特定されたセルが、マクロセルかCSGセルかを識別できる。
新アクセス不許可セルリスト生成部112ではアクセス不許可セルリスト受信部108からアクセス不許可セルリストを取り込み、CSGセルリスト受信部110からCSGセルリストを取り込んで、新しいアクセス不許可セルリストを作成する。新アクセス不許可セルリスト生成部112は、CSGセルリストの中から隣接するCSGセルのみを抽出し、抽出したCSGリストをアクセス不許可セルリストに追加することによって、新アクセス不許可セルリストを生成する。
図30は、新アクセス不許可リスト生成部112にて生成された新アクセス不許可リストの例を示す図である。図30に示されるように、新アクセス不許可セルリストは、アクセス不許可セルリストと隣接CSGセルリストを含む。この例では、新アクセス不許可セルリスト内のセルIDがアクセス不許可セルを示すか隣接CSGセルを示すかは、そのセルIDがCSGセルリストに規定されたセルIDの範囲に含まれるか否かによって判断する。
図31は、新アクセス不許可セルリスト生成部112にて生成される新アクセス不許可セルリストの別の例を示す図である。図31に示す新アクセス不許可セルリストは、CSGセルとアクセス不許可セルリストを識別するためのフラグを有している。
報知情報送信部114は、CSGセルリスト受信部110からのCSGセルリストと新アクセス不許可セルリスト生成部108から新アクセス不許可セルリストが入力されると、入力された新アクセス不許可セルリストを報知情報として端末120に送信する。
図32は、端末(UE)120の構成を示す図である。端末120は、基地局との通信インターフェースである基地局通信インターフェース122と基地局との通信を制御する制御部124とを有する。
制御部124は、新アクセス不許可セルリスト受信部126と、CSGセルリスト受信部128と、アクセス不許可セルリストおよび隣接CSGセルリスト抽出部130とを有する。新アクセス不許可セルリスト受信部126は、基地局からの報知情報から新アクセス不許可リストを受信する。CSGセルリスト受信部128は、基地局からの報知情報からCSGセルリストを受信する。アクセス不許可セルリストおよび隣接CSGセルリスト抽出部130は、入力された新アクセス不許可セルリストとCSGセルリストに基づいて、アクセス不許可セルリストと隣接CSGセルリストを抽出する。ここで、アクセス不許可セルリストは、新アクセス不許可リストの中からCSGセルリストに含まれるセルを除外することによって抽出される。隣接CSGセルリストは、除外されたCSGセルから生成される。
なお、図31に示すように、新アクセス不許可セルリストにフラグを導入した場合は、フラグによりアクセス不許可セルリストと隣接CSGセルリストを抽出できる。なお、図28では、アクセス不許可セルリストの抽出に必要な構成について記載しているが、端末120は上記の構成のほかにも、通信制御等に必要な構成を有している。
図33は、第6の実施の形態の無線通信システムにおける端末120のアクセス不許可セルリスト抽出の動作を示すフローチャートである。コアネットワーク140はアクセス不許可セルリストおよびCSGセルリストを基地局(eNB)100に送信する(S90、S92)。基地局100は、アクセス不許可セルリストとCSGセルリストから新アクセス不許可セルリストを生成する(S94)。基地局100は、生成した新アクセス不許可リストを報知情報として端末120に送信する(S96)。端末120は、報知情報として送信された新アクセス不許可セルリストに基づいて、アクセス不許可セルリストおよび隣接CSGセルリストを抽出する(S98)。これにより、端末120は、アクセス不許可セルリストおよび隣接CSGセルリストに基づいて、アクセスが許可されているセル、許可されていないセルを識別して、適切な無線通信処理を行える。
第6の実施の形態では、アクセス不許可セルリストと隣接CSGセルリストとを統合した新アクセス不許可セルリストを用いているので、セルIDによってCSGセルとマクロセルを識別することができないシステム1の端末にとっては、新アクセス不許可セルリストの全体がアクセス不許可のセルを示すように見える(図30、図31参照)。つまり、
システム1の端末にとっては、新アクセス不許可セルリストを通常のアクセス不許可セルリストとして扱うことができる。これにより、システム2の隣接CSGセルもアクセス不許可セルであると判断することになるので、システム1の端末は、一般にアクセス制限によりアクセスを拒否される可能性の高いCSGセルに対するアクセスを行わないように制御でき、通信リソースの浪費を防止できる。
また、上記実施の形態で説明したとおり、システム2の端末は、新アクセス不許可セルリストから、アクセス不許可セルリストと隣接CSGセルリストを抽出することができるので、これらのリストを用いて適切な無線通信処理を行うことができる。
以上のことから、第6の実施の形態では、システム2においてシステム1の端末が問題なく動作し、かつシステム2の端末はアクセス不許可セルリスト及び隣接CSGセルリストを問題なく受信できる。
なお、本実施の形態では、新アクセス不許可セルリストを報知情報として端末120に送信する例を挙げて説明したが、新アクセス不許可セルリストを送信するための情報は報知情報に限らず、別の情報として送信してもよい。
(他の実施の形態)
以下、本発明の他の実施の形態について説明する。
CSGセルの基地局からの送信信号は、マクロセルの基地局からの送信信号とは異なる周波数帯で通信される場合もある。その場合、端末が基地局から送信されるSU−1を受信してアクセス許可を確認するためには、マクロセルの基地局との通信を一時中止する必要がある。マクロセルの基地局との通信を一時的に中止する期間を、本明細書では、「gap期間」という。なお、gap期間においても、端末は、異なる周波数帯で通信されるセルからの電波を検知することは可能である。
CSGセルは以上のような性質を有することから、端末は、gap期間に、ハンドオーバ先から送信されるSU−1を受信し、ハンドオーバ先のCSGセルに対してアクセス可能であるか否かを判断する必要があると考えられる。
図22は、現在策定中の仕様をもとに、マクロセルの基地局からCSGセルの基地局にハンドオーバを行う際の動作を示す図である。なお、図22に示すフローは、現在策定中のフローの改善点を分り易く説明するための仮想のフローであり、公知ではない。図22において、UEは端末、SeNBはハンドオーバ元のマクロセルの基地局、TeNBはハンドオーバ先のCSGセルの基地局を示す。TeNBは、端末に対して定期的にSU−1を送信している。端末は、SeNBから送信される信号を受信する期間と、TeNBから送信される信号を受信する期間(gap期間)を切り替えるタイムシェアリングにより、周波数の異なる両方の基地局からの信号を受信する。
端末は、SeNBの電波およびTeNBからの電波を検知し、その受信品質のレポートを現在通信中のSeNBに送信する。SeNBは、SeNBとTeNBとの受信品質に基づいてハンドオーバすべきか否かを判定する。例えば、SeNBは、SeNBとTeNBの受信品質を比較し、TeNBの方が受信品質が良い場合には、TeNBへのハンドオーバをすべきと判定する。ハンドオーバをすべき場合には、TeNBに対してハンドオーバ要求を送信する。ハンドオーバ要求を受信したTeNBは、新しい端末を接続するリソースがあるか等に基づいてハンドオーバの可否を判定し、ハンドオーバ応答をTeNBに送信する。ここでは、TeNBは、ハンドオーバOKのレスポンスを返したとする。
次に、SeNBは、端末からのレポートに基づいて、端末からTeNBへのアクセスが許可されているか否かを判断する。詳細には、端末は、SU−1を受信したときに、SU−1に含まれるTAIDを検知し、端末のTAIDとSeNBのTAIDとを比較してアクセス可能か否かを判定する。端末は、アクセス可否の情報を測定報告に含めてSeNBに送信する。SeNBは、端末から基地局へのアクセスが許可されている場合には、SeNBは、端末にハンドオーバコマンドを送信する。端末は、ハンドオーバコマンドを受信すると、SeNBに対してRACHプレアンブルを送信し、TeNBへの接続動作を行う。図22では、以下の動作の記載を省略している。
図22に示すように、ハンドオーバ先のSeNBへのアクセスが許可されているか否かを判定するために、端末は、SeNBから送信されるSU−1を受信する必要がある。gap間にSU−1が送信されてこないと次のgap期間までSU−1を受信する機会がない。しかも、次のgap期間のタイミングに、必ずしもSU−1が送信されてくるとも限らない。例えば、現在策定中の仕様では、数10msごとに存在するgap期間は、たったの6msであるので、その6msのgap間にSU−1が送信されてこないと次のgap期間までSU−1を受信する機会がない。しかも、次のgap期間のタイミングに、必ずしもSU−1が送信されてくるとも限らない。このため、アクセスが許可されているか否かの判定に時間を要し、ひいてはハンドオーバに長時間を要する可能性がある。
そこで、以下に説明する他の実施の形態は、上記背景に鑑み、アクセス許可があるか否かを迅速に判定し、円滑なハンドオーバを実現する基地局および無線通信システムを提供することを目的とする。
実施の形態の基地局は、第1のセルと、前記第1のセルに包含される第2のセルとを有するネットワークにおいて前記第2のセル内の端末との通信を制御する基地局であって、前記第1のセルから前記第2のセルへ前記端末をハンドオーバさせるためのハンドオーバ要求を、前記第1のセルの基地局から受信するハンドオーバ要求受信部と、前記ハンドオーバ要求に対する応答であって前記端末の第2のセルにおける識別情報を含むハンドオーバ応答を前記第1のセルの基地局に送信し、前記第1のセルの基地局から前記端末に前記識別情報を通知させるハンドオーバ応答送信部と、前記識別情報を用いて設定した個別チャネルを通じて、前記端末が前記第2のセルの基地局からのデータを受信可能な期間より短い時間間隔で、ハンドオーバコマンドを含む個別信号を前記端末に繰り返し送信するハンドオーバコマンド送信部とを備える。
このようにハンドオーバ要求に対して識別情報を含むハンドオーバ応答を送信し、第1のセルの基地局から端末に対して識別情報を通知させることにより、第1のセルの基地局にハンドオーバ応答を返すという処理を行うだけで、個別チャネルを用いて端末に個別信号を送信することが可能になる。また、個別信号の送信間隔を、端末が第2のセルの基地局からのデータを受信可能な期間より短くしているので、個別信号の送信開始後の最初の受信可能期間に、端末が個別信号を受信でき、短時間でハンドオーバを行える。
上記基地局は、前記個別信号に応じて前記端末から送信されるRACHプレアンブルコマンドを受信するRACHプレアンブルコマンド受信部を備え、前記個別信号送信部は、前記RACHプレアンブルコマンドを受信したとき、あるいは、前記個別信号の送信開始から所定時間が経過したときに前記個別信号の送信を停止してもよい。
このように所定時間が経過したときに個別信号の送信を停止することにより、端末が第2のセルにハンドオーバしない場合に、個別チャネルのリソースを適切な時期に解放することができる。
実施の形態の別の態様の基地局は、第1のセルと、前記第1のセルに包含される第2のセルとを有するネットワークにおいて前記第2のセル内の端末との通信を制御する基地局であって、前記第1のセルから前記第2のセルへ前記端末をハンドオーバさせるためのハンドオーバ要求を、前記第1のセルの基地局から受信するハンドオーバ要求受信部と、前記ハンドオーバ要求に対するレスポンスを前記第1のセルの基地局に送信するハンドオーバ応答送信部と、共通チャネルを通じて、アクセス情報を含む報知情報を送信する報知情報送信部とを備え、前記報知情報送信部は、前記ハンドオーバ要求に応じてハンドオーバを行うときに、前記ハンドオーバ要求を受信する前より前記報知情報の送信間隔を小さくする構成を有する。
このようにハンドオーバ要求に応じてハンドオーバを行うときに報知情報の送信間隔をハンドオーバ要求の受信前より小さくすることにより、報知情報を受信し損ねる確率を低減でき、短時間でハンドオーバを行える。なお、報知情報の送信間隔を第2のセルの基地局からのデータを受信可能な期間より短い間隔とすれば、最初の受信可能期間で報知情報を受信できる。
上記基地局は、前記個別信号に応じて前記端末から送信されるRACHプレアンブルコマンドを受信するRACHプレアンブルコマンド受信部を備え、前記報知情報送信部は、前記RACHプレアンブルコマンドを受信したとき、あるいは、前記報知情報の送信間隔を小さくしてから所定時間が経過したときに前記報知情報の送信間隔を元に戻してもよい。
このように所定時間が経過したときに個別信号の送信を停止することにより、共通チャネルのリソースの使用状態を元に戻すことができる。
実施の形態の別の態様の基地局は、第1のセルと、前記第1のセルに包含される第2のセルとを有するネットワークにおいて前記第1のセル内の端末との通信を制御する基地局であって、前記端末から、その端末が電波を検知した前記第2のセルのセル識別子およびその電波の品質情報を含む測定報告を受信する測定報告受信部と、前記測定報告に基づいて前記第1のセルから前記第2のセルへ前記端末をハンドオーバすべきと判定したときに、ハンドオーバ先と判定されたセル識別子を有する第2のセルの基地局のうち前記端末からのアクセスが許可されている基地局にハンドオーバ要求を送信するハンドオーバ要求送信部と、前記ハンドオーバ要求に対する応答であって前記第2のセルにおける前記端末の識別情報を含むハンドオーバ応答を前記第2のセルから受信するハンドオーバ応答受信部と、前記ハンドオーバ応答に含まれる前記識別情報を前記端末に通知する識別情報送信部とを備える。
このようにハンドオーバ要求のレスポンスに含まれる識別情報を端末に対して通知することにより、第2のセルの基地局から端末に対し、個別チャネルを用いて個別信号を送信することが可能になる。
実施の形態の別の態様の基地局は、第1のセルと、前記第1のセルに包含される第2のセルとを有するネットワークにおいて前記第1のセル内の端末との通信を制御する基地局であって、前記端末から、その端末が電波を検知した前記第2のセルのセル識別子およびその電波の品質情報を含む測定報告を受信する測定報告受信部と、前記測定報告に基づいて前記第1のセルから前記第2のセルへ前記端末をハンドオーバすべきと判定したときに、ハンドオーバ先と判定されたセル識別子を有する第2のセルの基地局にハンドオーバ要求を送信するハンドオーバ要求送信部と、前記ハンドオーバ要求に対するハンドオーバ応答を前記第2のセルから受信するハンドオーバ応答受信部と、前記端末から、前記第2のセルに対するアクセス許否の情報を受信するアクセス許否通知受信部と、前記第2のセルの基地局に対するアクセスが許可されている場合に、前記端末に対しハンドオーバコマンドを送信するハンドオーバコマンド送信部とを備える。
このように端末からのアクセスが許可されているか否かに関わらず、ハンドオーバ先と判定されたセル識別子を有するすべての基地局にハンドオーバ要求を送信するので、第2のセルの基地局は、端末に対し、アクセスの可否についての情報を送信できる。例えば、第2のセルの基地局が通常の報知情報の送信間隔より短い間隔でアクセス情報を含む報知情報を送信することにより、端末は早期に第2のセルの基地局に対するアクセス可否を知ることができる。
上記基地局において、前記ハンドオーバ要求送信部は、前記測定報告に基づいてハンドオーバすべきと判定されたセル識別子を有する第2のセルの基地局のうち前記端末からのアクセスが許可されている基地局に前記ハンドオーバ要求を送信してもよい。
このようにハンドオーバ先と判定されたセル識別子を有する第2のセルの基地局のうち端末がアクセス可能な基地局にハンドオーバ要求を送信することにより、ハンドオーバ要求を送信するためのリソースを節約できるとともに、ハンドオーバ要求を受信する基地局が減るので、基地局の処理負担を軽減できる。
実施の形態の別の態様の基地局は、端末から測定報告を受信する受信部と、受信した測定報告に基づいて端末をハンドオーバさせるべきか否か判定する判定部と、ハンドオーバさせるべきと判定された場合は、ハンドオーバ先の基地局装置に報知情報の送信頻度を変更する指示を送信する送信部とを備える。
このようにハンドオーバ先の基地局から送信される報知情報の送信間隔をハンドオーバさせるべきとの判定の前より小さくすることにより、報知情報を受信し損ねる確率を低減でき、短時間でハンドオーバを行える。なお、報知情報の送信間隔を第2のセルの基地局からのデータを受信可能な期間より短い間隔とすれば、最初の受信可能期間で報知情報を受信できる。
実施の形態の基地局は、ハンドオーバ先の基地局からハンドオーバ可能の応答を受信したときに、前記端末に対して、前記ハンドオーバ先の基地局から送信される報知情報の受信指示を含むハンドオーバコマンドを送信するハンドオーバコマンド送信部を備えてもよい。
これにより、端末は、ハンドオーバ先の基地局から送信される報知情報を受信処理に切り替え、報知情報を確実に受信することができる。
実施の形態の無線通信システムは、第1のセル内の端末との通信を制御する第1の基地局と、前記第1のセルに包含される第2のセル内の端末との通信を制御する第2の基地局とを有する無線通信システムであって、前記第1の基地局は、前記第1のセルから前記第2のセルへ前記端末をハンドオーバさせるためのハンドオーバ要求を前記第2の基地局に送信し、前記第2の基地局は、前記ハンドオーバ要求に対する応答であって前記端末の第2のセルにおける識別情報を含むハンドオーバ応答を前記第1のセルの基地局に送信し、前記第1の基地局は、前記ハンドオーバ応答に含まれる前記識別情報を前記端末に通知し、前記第2の基地局は、前記識別情報を用いて設定した個別チャネルを通じて、前記端末が前記第2のセルの基地局からのデータを受信可能な期間より短い時間間隔で、ハンドオーバコマンドを含む個別信号を前記端末に繰り返し送信する。
このように第1の基地局から端末に対して、第2のセルにおける識別情報を通知させることにより、第2の基地局は、第1のセルの基地局にハンドオーバ応答を返すという処理を行うだけで、個別チャネルを用いて端末に個別信号を送信することが可能になる。第2の基地局から端末に対し、個別チャネルを用いて、個別信号を送信することが可能になる。また、ハンドオーバコマンドを含む個別信号の送信間隔を、第2のセルの基地局からのデータを受信可能な期間より短い間隔としているので、個別信号の送信開始後の最初の受信可能期間に、端末が個別信号を受信でき、短時間でハンドオーバを行える。
実施の形態の別の態様の無線通信システムは、第1のセル内の端末との通信を制御する第1の基地局と、前記第1のセルに包含される第2のセル内の端末との通信を制御する第2の基地局とを有する無線通信システムであって、前記第1の基地局は、前記第1のセルから前記第2のセルへ前記端末をハンドオーバさせるためのハンドオーバ要求を前記第2の基地局に送信し、前記第2の基地局は、前記ハンドオーバ要求に対するハンドオーバ応答を前記第1のセルの基地局に送信し、前記第2の基地局は、前記ハンドオーバ要求に応じてハンドオーバを行うときに、前記ハンドオーバ要求を受信する前より、共通チャネルを通じて送信するアクセス情報を含む報知情報の送信間隔を小さくする。
このように第2の基地局がハンドオーバ要求を受信したときに報知情報の送信間隔をハンドオーバ要求の受信前より小さくすることにより、端末が報知情報を受信し損ねる確率を低減でき、短時間でハンドオーバを行える。なお、報知情報の送信間隔を第2のセルの基地局からのデータを受信可能な期間より短い間隔とすれば、最初の受信可能期間で報知情報を受信できる。
実施の形態のハンドオーバ方法は、第1のセルと、前記第1のセルに包含される第2のセルとを有するネットワークにおいて前記第2のセル内の端末との通信を制御する基地局が行うハンドオーバ方法であって、前記第1のセルから前記第2のセルへ前記端末をハンドオーバさせるためのハンドオーバ要求を、前記第1のセルの基地局から受信するステップと、前記ハンドオーバ要求に対する応答であって前記端末の第2のセルにおける識別情報を含むハンドオーバ応答を前記第1のセルの基地局に送信し、前記第1のセルの基地局から前記端末に前記識別情報を通知させるステップと、前記識別情報を用いて設定した個別チャネルを通じて、前記端末が前記第2のセルの基地局からのデータを受信可能な期間より短い時間間隔で、ハンドオーバコマンドを含む個別信号を前記端末に繰り返し送信するステップとを備える。
このようにハンドオーバ要求に対して識別情報を含むハンドオーバ応答を送信し、第1のセルの基地局から端末に対して識別情報を通知させることにより、第1のセルの基地局にハンドオーバ応答を返すという処理を行うだけで、個別チャネルを用いて端末に個別信号を送信することが可能になる。また、個別信号の送信間隔を、端末が第2のセルの基地局からのデータを受信可能な期間より短くしているので、個別信号の送信開始後の最初の受信可能期間に、端末が個別信号を受信でき、短時間でハンドオーバを行える。
実施の形態の別の態様のハンドオーバ方法は、第1のセルと、前記第1のセルに包含される第2のセルとを有するネットワークにおいて前記第2のセル内の端末との通信を制御する基地局が行うハンドオーバ方法であって、前記第1のセルから前記第2のセルへ前記端末をハンドオーバさせるためのハンドオーバ要求を、前記第1のセルの基地局から受信するステップと、前記ハンドオーバ要求に対するレスポンスを前記第1のセルの基地局に送信するステップと、前記ハンドオーバ要求に応じてハンドオーバを行う場合に、前記ハンドオーバ要求を受信する前より、共通チャネルを通じて送信するアクセス情報を含む報知情報の送信間隔を小さくするステップとを備える。
このようにハンドオーバ要求を受信したときに報知情報の送信間隔をハンドオーバ要求の受信前より小さくすることにより、端末が報知情報を受信し損ねる確率を低減でき、短時間でハンドオーバを行える。なお、報知情報の送信間隔を第2のセルの基地局からのデータを受信可能な期間より短い間隔とすれば、最初の受信可能期間で報知情報を受信できる。
実施の形態によれば、第2のセルの基地局は、ハンドオーバ要求に対して識別情報を含むレスポンスを送信し、第1のセルの基地局から端末に対して識別情報を通知させることにより、第1のセルの基地局にハンドオーバ応答を返すという処理を行うだけで、個別チャネルを用いて端末に個別信号を送信することが可能になる。また、ハンドオーバコマンドとの送信間隔を、第2のセルの基地局からのデータを受信可能な期間より短い間隔としているので、個別信号の送信開始後の最初の受信可能期間に、端末が個別信号を受信でき、短時間でハンドオーバを行える。