実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、パチンコ機10の裏面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図5は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース(図示省略)と、この樹脂ベース(図示省略)に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。また、内枠12は、図1に示すように、樹脂ベース(図示省略)の前面側で片開き自在な前面枠セット14を備えている。
具体的には、樹脂ベース(図示省略)は、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(後述する遊技領域30a(図2参照)と同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
前面枠セット14は、正面視左側で上下方向の開閉軸J1を軸心にして当該内枠12に対して開閉自在に取り付けられている。言い換えれば、前面枠セット14は、樹脂ベース(図示省略)に対して開閉自在となっている。
遊技盤30(図2参照)は、その遊技領域30aを樹脂ベース(図示省略)の開口部に位置させるようにして当該樹脂ベースの裏面側に着脱自在に取り付けられる。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視すると、最下部に位置する下皿ユニット13と、この下皿ユニット13の上側に位置する上皿ユニット21と、この上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23と、に大別される。これらの下皿ユニット13と上皿ユニット21とガラス枠部23とは、図示省略のベース板体の前面側各箇所にそれぞれ取り付けられて前面枠セット14が構成されている。
下皿ユニット13は、図1に示すように、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で最下部箇所に固定されている。この下皿ユニット13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18とを備えている。
球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能である。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。
遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれる。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図4参照)などで構成されている。音出力部24は、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所で、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
上皿ユニット21は、図1に示すように、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の上方位置)に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で下部箇所に固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に形成された窓部101と、この窓部101の周囲に設けられた各種の電飾部とを備えている。
つまり、前面枠セット14には、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23の中央箇所に、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞となっており、その空洞部分を略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の裏面側に取り付けられたものである。図示省略のガラスユニットは、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
さらに、ガラス枠部23は、図1に示すように、窓部101の周囲に各種の電飾部(第1電飾部300、第2電飾部302および第3電飾部304)を備えている。つまり、前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視した状態で窓部101の周囲で左箇所に、LED等を内蔵した第1電飾部300(左側電飾部)を、窓部101の周囲で右箇所に、LED等を内蔵した第2電飾部302(右側電飾部)を、窓部101の周囲で上箇所に、LED等を内蔵した第3電飾部304(上側電飾部)を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
本パチンコ機10では、第1電飾部300、第2電飾部302および第3電飾部304は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10の第1電飾部300および第2電飾部302には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
遊技盤30は、図2に示すように、正面視で四角形状の合板でその左側の両角部が取れたような形状としており、その周縁部(後述するレール51,52の外側部分)が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略楕円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて前面枠セット14の前方外側から視認可能な状態である。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33(例えば作動チャッカ)、第3の始動口34(例えばスルーゲート)および可変表示装置ユニット35を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33、第3の始動口34および可変表示装置ユニット35は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33に遊技球が入球し、当該入球が後述する図示省略の検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。
また、始動入賞装置33は、図2に示すように、上から順に、第1の始動口33a(例えば作動チャッカ)と第2の始動口33b(例えば作動チャッカ)とが上下に配設された単一の入賞装置で構成されている。そして、上部側の第1の始動口33aには図示省略の第1の始動口33a用の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその第1の始動口33a用の作動口スイッチ(図示省略)により検出される。また、下部側の第2の始動口33bには図示省略の第2の始動口33b用の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第2の始動口33bへの入球をその第2の始動口33b用の作動口スイッチ(図示省略)により検出される。すなわち、上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第2の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無く、それらの入球を個別に検出できる。
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内される。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第3の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
第1図柄表示装置40は、例えば、第1の始動口33aへの入球に基づいて変動発光等する複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cと、第2の始動口33bへの入球に基づいて変動発光等する複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40d,40eと、このLED40d,40eでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40fとを備えている。
第1の始動口33aへの入球に基づいて変動発光等するLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
上記と同様に、第2の始動口33bへの入球に基づいて変動発光等するLED40d,40eは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40d,40eの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40d,40eの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40d,40eが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40d,40eが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40d,40eが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。なお、上述した第1図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当する。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第2の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示される。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図5に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示される。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、11インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、正面視した状態で第3図柄表示装置42の表示画面をほぼ囲むようにしてこの第3図柄表示装置42の前方側にセンターフレーム47が配設されている。本実施形態では第3図柄表示装置42としてLCDを採用するが他の種類の画像表示装置(例えば、PDP:プラズマ・ディスプレイ・パネルや、EL:エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレイや、有機ELなど)でもよい。なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
図2に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当りの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当りの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特定遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。つまり、本実施例のパチンコ機10は、遊技球の投入数(遊技球発射装置38による遊技球の遊技領域30aへの発射数)の方が、遊技球の賞球払出数(一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33、第3の始動口34などへの遊技球の入球に基づく賞球払出数)よりも多い通常遊技状態(遊技球消費状態)と、遊技球の賞球払出数の方が遊技球の投入数よりも多い特定遊技状態(例えば、大当り状態)とに状態変移可能なものである。
より詳しくは、第1の始動口33aに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特定遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特定遊技状態に落選したこと)を示す。
上記と同様に、第2の始動口33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40d,40eが変動表示され、その変動停止後のLED40d,40eの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特定遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40d,40eが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40d,40eが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40d,40eが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特定遊技状態に落選したこと)を示す。
そして、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。また、遊技球が第1の始動口33aを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて表示される。また、遊技球が第2の始動口33bを通過した回数も最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40fにて表示される。なお、保留ランプ40c,40fは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するための複数本のレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は複数本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。複数本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略縦楕円環状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、内枠12に設けられた返しゴム54(図2に二点鎖線で示す部材)が位置している。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。なお、図2に破線で示すように、外レール52の先端部から内レール51の右側先端部までは、内枠12に形成された壁部60(図2に破線で示す)が位置することにより、遊技領域30aが仕切られている。
なお、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1)やプレートを貼着するためのスペースとなっている。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシール(図2のS1)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが大きく構成されている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14の図示省略の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台(図示省略)に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、後述する図4に示した主制御装置261とサブ制御装置262とを、遊技盤30に取り付けられる別々の取付台(図示省略)に搭載してそれぞれユニット化すると共に、後述する図4に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を別の取付台(図示省略)に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構部352及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成としている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,第2の始動口33bに対応する位置には第1の始動口33a用の作動口スイッチと第2の始動口33b用の作動口スイッチとがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチで検出される。第3の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第3の始動口34への遊技球の通過を当該ゲートスイッチで検出される。
入賞口スイッチ及びゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図4参照)に接続されている。また、カウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第2の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
第1制御基板ユニット201は、例えば略矩形状の取付台(図示省略)を上下2つ有し、遊技盤30の裏面側から見た状態での下側の取付台に主制御装置261が搭載され、上側の取付台にサブ制御装置262が搭載されている。ここで、主制御装置261は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベース(図示省略)と該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(図示省略)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは、封印ユニット(図示省略)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス(図示省略)が封印されている。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262および表示制御装置45に出力される。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電/非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用しているが、それ以外の発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス(被包手段)を構成するボックスベース(図示省略)とボックスカバー(図示省略)とが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できる。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて前記上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられる。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触しており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わる。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消される。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされる。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制される。
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力される。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成としており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成としており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レール401に遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流24ボルトが24ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図5に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示される。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示される。
続いて、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分について図6〜図12を用いて説明する。
図6は、実施例1の二層遊技領域形成部品60の正面図である。図7は、実施例1の二層遊技領域形成部品60の前方斜視図である。図8は、実施例1の二層遊技領域形成部品60の前方分解斜視図である。図9は、実施例1の二層遊技領域形成部品60の後方斜視図である。図10は、実施例1の二層遊技領域形成部品60の後方分解斜視図である。図11は、図6に示したA−A線断面図である。図12(a)は導光性棒体74の側面図、図12(b)は導光性棒体74の先端側から見た図、図12(c)は二層遊技領域形成部品60での遊技球Bの流下経路を示す断面図である。
遊技盤30は、図2に示すように、遊技領域30aを有するとともに、遊技球Bの流下経路を形成する複数本の釘が当該遊技領域30aに立設されたものである。なお、遊技領域30aのうちで後述する透明樹脂製の透明板62に立設された釘63はその先端にネジ山部63aが形成されたものであり、透明板62以外での釘は遊技盤30(木材)に打ち込まれる釘であるため、先端にネジ山部63aを有しない通常の釘である。
さらに、遊技盤30は、図2に示すように、遊技領域30aの左端中央箇所に、正面視でホームベース状(略五角形状)の二層遊技領域形成部品60を備えている。この二層遊技領域形成部品60は、図示しないネジまたはビス等で遊技盤30の裏面側から取り付けられている。またそれ以外の方法で取り付けてもよい。また、図2には、図6,図7に示す二層遊技領域形成部品60を模式的に示している。この二層遊技領域形成部品60は、図12(c)に示すように、その前側領域(遊技領域30aの左端中央箇所)のみならず、その奥側領域にも遊技球Bが流下可能な奥側遊技領域71a(遊技領域30aの背後に形成された別の奥側遊技領域71a)を備えたものである。
また、遊技盤30での二層遊技領域形成部品60の上側には、図2に示すように、開閉扉58が設けられている。この開閉扉58の開状態時に遊技球Bが入球すると、図12(c)に二点鎖線で示すように、後述する奥側遊技領域71aに遊技球Bが案内される。また、開閉扉58の閉状態時には、遊技球Bが入球不可であり、図12(c)に実線で示すように遊技球Bが開閉扉58上をそのまま流下する。
なお、主制御基板261aは、開閉扉58の開閉を制御している。本実施例では、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの遊技球Bの入球に基づいて主制御基板261aでの乱数発生器(図示省略)で取得された乱数の値が、開閉扉58を開状態とする値であった場合に、開閉扉58の開閉を行う。また、遊技盤30に設けられた他の入賞口(図示省略)への入球に基づいて開閉扉58が開閉するようにしてもよい。
ここで、二層遊技領域形成部品60の構成等について以下に詳細に説明する。
二層遊技領域形成部品60は、図8,図12(c)に示すように、遊技領域30aの左端中央箇所を形成する前側遊技領域形成部品61と、この前側遊技領域形成部品61の奥側(背後側)に設けられた、遊技球Bが流下する別の奥側遊技領域71aを当該遊技領域を介して視認可能に形成する奥側遊技領域形成部品71と、を備えている。
ここでまず、前側遊技領域形成部品61について説明する。
前側遊技領域形成部品61は、図6〜図8,図10に示すように、例えば、ホームベース状(略五角形状)の透明樹脂製の透明板62と、この透明板62の前面側に立設された複数本の釘63と、遊技球Bの接触などで回転軸64a周りに回転可能で遊技球Bの流下に影響を与える風車64と、奥側遊技領域71aからの遊技球Bを前側の遊技領域30aに再び排出する遊技球排出口65と、を備えている。
透明板62の前面側に立設された複数本の釘63は、図11に示すように、やや上向き傾斜(例えば、3度上向き)で立設されている。これらの釘63は、その先端部分にネジ山部63aが形成されたものである。
透明板62は、前面側での所定複数箇所(本実施例では透明板62の右半分箇所)に、釘63の先端部の径よりも小さい下穴62a(図10参照)が予め形成されており、この下穴62a(図10参照)に釘63のネジ山部63aを螺入することで釘63が立設されている。
なお、透明板62は、本実施例では、その裏面側全体に奥側遊技領域71aを存しているため、全体を透明としたものを採用しているが、前側遊技領域形成部品61としての基材を、例えば、奥側遊技領域71aの存する箇所である特定箇所が少なくとも光透過性樹脂で成型されたものとしてもよい。
なお、図8,図10では、透明板62は、ホームベース状(略五角形状)とし、図2に示す形状の遊技盤30の一部箇所である略五角形状の嵌合孔に嵌合させたものとしているが、透明板62を図2の遊技盤30自体としてもよい。つまり、遊技盤30を透明板としてもよい。
次に、奥側遊技領域形成部品71について説明する。
奥側遊技領域形成部品71は、図8,図10,図11に示すように、奥側遊技領域71aの前面境界をつけるとともに当該奥側遊技領域71aを含む大きさの前面部を有する前側部品72と、この前側部品72との間を遊技球Bが流下可能な間隔を開けて配設された後側部品73と、を備えている。
前側部品72は、透明板62と同様に、正面視でホームベース状(略五角形状)で透明板62と同じ大きさとしており、透明板62よりも光透過性が劣る光透過性(すりガラス性)の樹脂成型部品としている。例えば、前側部品72の前面または裏面の少なくとも一方に細かい凹凸をつけて当該前側部品72を不透明(すりガラス性)としている。また、前側部品72は、図8,図10に示すように、上面側に遊技球Bに入球が可能な切欠き開口部72aが形成され、且つ、横断面視でコノ字形状としている。なお、前側部品72を、透明板62と同様に透明部材としてもよい。
奥側遊技領域形成部品71は、図10〜図12に示すように、その奥側遊技領域71aの少なくとも一部に立設された、遊技球Bが衝突または接触することで遊技球Bの流下経路を形成する棒状で導光性のある複数本の導光性棒体74を備えている。
具体的には、この複数本の導光性棒体74は、図10,図11に示すように、前側部品72の奥側遊技領域71a側(背面側)に一体的に立設されている。
後側部品73は、図8,図10に示すように、前側に、前側部品72と透明板62とをその順に入れられる収納窪み部73aを備えた樹脂成型部品であり、上面側に遊技球Bが入球可能な横長孔73bが形成されている。また、この後側部品73の奥面には、前側部品72の複数本の導光性棒体74の先端がそれぞれに嵌合される複数個の嵌合孔75を備えている。この嵌合孔75は、その孔方向視で円形の孔としている。後側部品73は、図12(c)に示すように、複数個の導光性棒体74の先端が複数個の嵌合孔75に嵌合された状態で前側部品72との間隔を遊技球Bが流下可能な間隔として対向配置したものである。
また、後側部品73は遮光性部材としている。つまり、図8に示すように、後側部品73の複数個の嵌合孔75以外の部分は遮光性部材としているため、嵌合孔75以外の部分からの光の透過がない。
導光性棒体74は、図12(a),図12(b)に示すように、後端部(導光性棒体74にとって見れば図11に示すように先端部)の径に比べて当該パチンコ機前面側(導光性棒体74にとって見れば図11に示すように基端部)の径の方が大きくなるように側面視でテーパー形状としている。
また、導光性棒体74は、図12(b)に示すように、当該パチンコ機前面側である前側部品72に対する付け根部分が少なくとも断面視で縦長の長円形とするとともに、後端部(先端部)が長円形の長径よりも小さい直径の円形としている。
また、後側部品73の奥面前側には、図8に示すように、遊技球Bが入球可能な入賞部品76を備えている。入賞部品76は、図10,図11に示すように、縦方向に遊技球Bを案内して前側に排出する案内通路77と、この案内通路77の上流側位置に設けられた入球検出センサ78(通過検出センサとしての近接センサ)とを備えており、入賞部品76への遊技球Bの入球を検出可能である。そして、図12(c)に示すように、奥側遊技領域71a内でこの入賞部品76に入球した遊技球Bは、入球検出センサ78で入球検出され、案内通路77の下流位置で前側に排出され、前側部品72に形成された貫通孔72b(図8,図10参照)を通じて前側部品72の遊技球排出口65から遊技領域30aに再び排出される。
主制御基板261aは、入球検出センサ78での入球検出に基づいて、賞球払い出しをするために払出指令(遊技球Bの払出個数)が払出制御基板311aに送信される。なお、賞球払い出し以外の遊技者にとって有利な遊技状態や特典などを遊技者に付与するようにしてもよいし、入球検出センサ78での入球検出に基づいて抽選を行い、かかる抽選にて当選した場合に前記の賞球払い出しや有利な遊技状態や特典などを付与するようにしてもよい。
なお、図6〜図8に示すように、後側部品73の下部中央箇所は、奥側遊技領域71aを流下して入賞部品76に入賞しなかった遊技球Bを遊技領域30aに再び排出するための下側排出口79を備えている。
さらに、後側部品73の背面側には、図8〜図12に示すように、導光性棒体74の後端部(導光性棒体74にとって見れば図11に示すように先端部)に光を入射する光入射部材80を備えている。
光入射部材80は、図8,図10,図11に示すように、前面側に複数個の発光ダイオード(LED81)を実装したLED実装基板82と、このLED実装基板82が内側に取り付けられたケース部品83とを備え、このケース部品83が後側部品73の裏面側に取り付けられた状態では、LED実装基板82での各LED81が裏側部品の各嵌合孔75にそれぞれに対向している。
導光性棒体74は、図11に示すように、光入射部材80から入射された光の少なくとも一部を当該パチンコ機前面側(導光性棒体74にとって見れば基端部)から前方外側に出射する。二層遊技領域形成部品60を正面視すると、図6に示すように、複数本の導光性棒体74の基端部が破線長円形で示すように位置しており、複数本の導光性棒体74の先端側に光が入射されると、これらの導光性棒体74の基端部(図6に破線長円形で示す)が発光する。
なお、上述した遊技盤30が本発明における遊技部材、基材に相当し、上述した奥側遊技領域形成部品71が本発明における奥側遊技領域形成部材に相当し、上述した導光性棒体74が本発明における棒状導光部に相当し、上述した光入射部材80が本発明における光入射手段に相当し、上述した前側部品72が本発明における前側部材に相当し、上述した後側部品73が本発明における後側部材に相当する。
上述したように、本実施例1のパチンコ機10によれば、遊技球Bが流下する遊技領域30aを形成する遊技盤30,ガラス板137を備え、この遊技盤30は、前面に遊技領域30aを有するとともに遊技球Bの流下経路を形成する複数本の釘63が当該遊技領域30aに立設された透明板62と、遊技領域30aよりも奥側に、遊技球Bが流下する別の奥側遊技領域71aを当該遊技領域30aを介して視認可能に形成する奥側遊技領域形成部品71と、奥側遊技領域形成部品71の奥側遊技領域71aの少なくとも一部に立設された、遊技球Bが衝突または接触することで遊技球Bの流下経路を形成する棒状で導光性のある複数本の導光性棒体74と、導光性棒体74の後端部に光を入射する光入射部材80と、を備え、この導光性棒体74は、光入射部材80から入射された光の少なくとも一部を当該パチンコ機前面側へ導光する。
したがって、奥側遊技領域71aでの導光性棒体74の当該パチンコ機前面側が発光し、当該パチンコ機前面側の前方箇所に奥側遊技領域71aの遊技球Bが流下することがないので、当該パチンコ機前面側の光が奥側遊技領域71aの流下球で遮られることがなく、奥側遊技領域71aの流下球で遮られることがない分だけ奥側遊技領域71aの発光装飾を向上させることができる。つまり、奥側遊技領域71aを流下する遊技球Bに起因して発光装飾の印象が異なることや発光装飾の視認が困難になることもない。また、複数本の導光性棒体74が立設された奥側遊技領域71aは、当該複数本の導光性棒体74によって遊技球Bの流下経路が形成されており、前面の遊技領域30aとは別の奥側遊技領域71aとしても活用でき、遊技領域30aの発光装飾に伴って遊技領域30aが減少することもない。さらに、前面の遊技領域30aには複数本の釘63が立設されているので、釘調整することができる。その結果、遊技領域30aの発光装飾の視認性妨害を改善しつつ遊技領域30aの減少を低減できるパチンコ機(遊技機)を提供することができる。
また、奥側遊技領域形成部品71は、奥側遊技領域71aの前面境界をつけるとともに当該奥側遊技領域71aを含む大きさの前面部を有する前側部品72と、この前側部品72との間を遊技球Bが流下可能な間隔を開けて配設された後側部品73とを備え、導光性棒体74は、前側部品72での奥側遊技領域71a側に一体的に立設され、光入射部材80は、導光性棒体74の後端部に光を入射する。そして、導光性棒体74は、光入射部材80から入射された光の少なくとも一部を当該パチンコ機前面側へ導光する。したがって、複数本の釘63が立設された遊技領域30aと、この遊技領域30aよりも奥側に奥側遊技領域71aとを備え、奥側遊技領域71aにおける前側部品72での奥側遊技領域71a側に複数本の導光性棒体74が立設された構成の場合にも、導光性棒体74の先端を発光させることができる。さらに、導光性棒体74の先端から光入射するので、導光性棒体74のみに光入射でき、後側部品73での奥側遊技領域71a側に導光性棒体74を形成し当該導光性棒体74の基端部に光入射する場合では当該基端部の外側への光の漏れが生じ得るが、そのようなことがない。また、前側部品72を透明としているので、当該前側部品72に着色やデザイン装飾する必要がなく、後側部品73の前面側などに着色やデザイン装飾すればよく、後側部品73の自由度を向上させることもできる。
また、導光性棒体74は、後端部の径に比べて当該パチンコ機前面側の径の方が大きくなっており、後端部よりも大きな当該パチンコ機前面側から光が出射されるので、光入射部材80からの入光面(導光性棒体74の後端部)よりも大きな出光面(導光性棒体74の当該パチンコ機前面側)で発光装飾することができ、視認性を向上させることができる。
また、導光性棒体74は、後端部の径に比べて当該パチンコ機前面側の径の方が大きくなるように側面視でテーパー形状としているので、かかる複数本の導光性棒体74による遊技球Bの流下経路(つまり、奥側遊技領域71a)では、当該遊技球Bが前側ではなく後側寄りに流下させ易くすることができる。例えば、奥側遊技領域71aを流下する遊技球Bは、側面視でテーパー形状(奥側に向けて先細りとした形状)の導光性棒体74の上側テーパー部分や下側テーパー部分に衝突して、奥側遊技領域71aにて前側ではなく奥側に跳ねて流下し易くなっており、遊技領域30aの背後への遊技球Bの衝突を低減でき、奥側遊技領域71aを流下する遊技球Bが、前側の遊技領域30aを流下する遊技球Bの挙動に影響を与えることを低減できる。また、後端部よりも大きな当該パチンコ機前面側から光が出射されるので、光入射部材80からの入光面(導光性棒体74の後端部)よりも大きな出光面(導光性棒体74の当該パチンコ機前面側)で発光装飾することができ、視認性を向上させることができる。
また、導光性棒体74は、当該パチンコ機前面側である前側部品72に対する付け根部分が少なくとも断面視で縦長の長円形としている。つまり、導光性棒体74の少なくとも付け根部分(基端部)は、遊技球Bの落下方向である縦方向に長い長円形としているので、当該付け根部分を流下遊技球Bの衝突に対して強くすることができる。また、導光性棒体74は、その横幅は縦幅よりも狭くなっているので、複数本の導光性棒体74を横方向に並設し、且つ、各導光性棒体74間を遊技球Bが流下可能な間隔とした場合にも、横方向に大型化することがなく、横方向に省スペース化することができる。
また、後側部品73は遮光性部材としているので、光入射部材80からの光が嵌合部以外の箇所から入射されて出射されるということがなく、導光性棒体74の当該パチンコ機前面側のみを発光させることができる。
また、透明板62は、その全体が透明となっており、前側部品72は、透明板62の特定箇所よりも光透過性が劣る光透過部材としている。したがって、遊技領域30aの特定箇所の遊技球Bよりも奥側遊技領域71aの遊技球Bをぼかして見せることができ、両領域の遊技球Bの視認性を異ならせることができ、手前側の遊技領域30aを流下する遊技球Bと、奥側遊技領域71aを流下する遊技球Bとを混同しないように視認させることができる。
また、釘63は、その先端部分にネジ山部63aが形成され、透明板62は、光透過性樹脂で成型されたものとし、特定箇所の前面側での所定複数箇所に、釘63の先端部の径よりも小さい下穴62aが形成されており、下穴62aに釘63のネジ山部63aを螺入することで釘63が立設されているので、透明板62での釘63の立設箇所が破損することを低減できるし、立設後に釘63の角度調整をしても緩みが生じ難くなっており、透明板62に好適に釘63を立設することができる。
次に、実施例4のパチンコ機10について図14(b)を用いて説明する。図14(b)は、実施例4の遊技盤30の断面図である。
実施例4の遊技盤30は、その遊技領域30aに複数本の導光性棒体74を立設し、この遊技盤30の前面側に実施例1,2のガラス板137または実施例3の前面透明板90を採用している点が、前述の実施例3と異なる。この実施例4では、前述の実施例3と異なる点を中心に以下に説明する。
遊技盤30は、図14(b)に示すように、遊技領域30aの一部の箇所に形成された窪み部分にLED実装基板82が設けられ、このLED実装基板82の手前側に配設された前板91の各穴93に各LED81がそれぞれ位置しており、この前板91の前面側で各穴93に対応する箇所に複数本の導光性棒体74がそれぞれ形成されている。光入射部材80は、各LED81からの光が導光性棒体74のパチンコ機裏面側(基端部)に入射するように設けられている。
図14(b)に示すように、導光性棒体74は、前端部の径に比べてパチンコ機裏面側の径の方が大きくなっている。また、導光性棒体74は、そのパチンコ機裏面側である前板91に対する付け根部分が少なくとも断面視で縦長の長円形としている。
上述したように、本実施例4のパチンコ機10によれば、導光性棒体74は、遊技盤30の遊技領域30a面に一体的に立設され、光入射部材80は、導光性棒体74のパチンコ機裏面側に対応する遊技盤30での背面箇所に光を入射する。そして、導光性棒体74は、光入射部材80から入射された光の少なくとも一部をその先端(前端部)から出射する。したがって、遊技領域30a面に複数本の導光性棒体74が立設された遊技盤30の構成の場合にも、導光性棒体74の先端を発光させることができる。
また、導光性棒体74は、前端部の径に比べてパチンコ機裏面側の径の方が大きくなっており、パチンコ機裏面側よりも小さな前端部から光が出射されるので、光入射部材80からの入光面(導光性棒体74のパチンコ機裏面側)よりも小さな出光面(導光性棒体74の前端部)で発光装飾することができ、その発光輝度を高めることができる。
また、導光性棒体74は、そのパチンコ機裏面側である遊技盤30に対する付け根部分が少なくとも断面視で縦長の長円形としている。つまり、導光性棒体74の少なくとも付け根部分(基端部)は、遊技球Bの落下方向である縦方向に長い長円形としているので、当該付け根部分を流下遊技球Bの衝突に対して強くすることができる。また、導光性棒体74は、その横幅は縦幅よりも狭くなっているので、複数本の導光性棒体74を横方向に並設し、且つ、各導光性棒体74間を遊技球Bが流下可能な間隔とした場合にも、横方向に大型化することがなく、横方向に省スペース化することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、同様の効果を奏する別の構成としてもよく、例えば下記のように変形実施することができる。
<1>上述した実施例3の導光性棒体74の先端を、図15(a)に示すように、前板91の嵌合孔75に嵌合させるようにしてもよい。この場合には、導光性棒体74の前端部が発光し、この前端部の前方箇所に遊技球Bが流下することがないので、当該前端部の光が流下球で遮られることがなく、遊技領域30aの発光装飾を確保することができる。つまり、流下する遊技球Bの有無によって発光装飾の印象が異なるというようなことがないし、発光装飾の視認が困難になるということもないし、遊技領域30aの発光装飾の視認性妨害を改善できる。また、遊技領域30aでの複数本の導光性棒体74が立設された領域は、当該複数本の導光性棒体74によって遊技球Bの流下経路が形成されており、遊技領域30aとしても活用でき、遊技領域30aの発光装飾に伴って遊技領域30aが減少することもない。また、遊技領域30aを流下する遊技球Bを、前面透明板90を介して視認できる。さらに、前面透明板90の各導光性棒体74の先端が前板91の各嵌合部にそれぞれ嵌合されているので、各導光性棒体74を両持ち支持された状態とすることができ、遊技球Bの衝突によって導光性棒体74の先端が振動することが低減でき、導光性棒体74の先端が保持されていない場合に比べて導光性棒体74の基端部にかかる衝撃を低減でき、導光性棒体74の寿命を延ばすことができる。その結果、遊技領域30aの発光装飾の視認性妨害を改善しつつ遊技領域30aの減少を低減できるとともに遊技球Bの衝突に対する耐久性に優れる導光性棒体74を備えた遊技機を提供することができる。
<2>上述した実施例4の遊技盤30の複数本の導光性棒体74の各先端を、図15(b)に示すように、前面透明板90の複数個の嵌合孔75にそれぞれに嵌合させるようにしてもよい。
<3>上述した実施例1,2では、前側部品72を透明板62よりも光透過性が劣る光透過部材としているが、前側部品72を透明部材とし、この前側部品72の前側の透明板62を光透過性が劣る光透過部材としてもよい。つまり、実施例1,2での透明板62をすりガラスのような光透過性の劣る部材とし、前側部品72を透明部材としてもよい。この場合でも、遊技領域30aの特定箇所の遊技球Bよりも奥側遊技領域71aの遊技球Bをぼかして見せることができ、両領域の遊技球Bの視認性を異ならせることができ、手前側の遊技領域30aを流下する遊技球Bと、奥側遊技領域71aを流下する遊技球Bとを混同しないように視認させることができる。
<4>本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
(1) 遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技部材を備えた遊技機において、
前記遊技部材は、
前記遊技領域の少なくとも一部の領域に立設された、遊技球が衝突または接触することで遊技球の流下経路を形成する棒状で導光性のある複数本の棒状導光部と、
前記棒状導光部の当該遊技機裏面側より光を入射する光入射手段と、
を備え、
前記棒状導光部は、前記光入射手段から入射された光の少なくとも一部を当該遊技機前面側へ導光する
ことを特徴とする遊技機。
前記(1)に記載の発明によれば、遊技機は、遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技部材を備えている。遊技部材は、複数本の棒状導光部と光入射手段とを備えている。複数本の棒状導光部は、棒状で導光性のあるものであり、遊技領域の少なくとも一部の領域に立設されており、遊技球が衝突または接触することで遊技球の流下経路を形成している。光入射手段は、棒状導光部の当該遊技機裏面側より光を入射する。光入射手段から入射された光の少なくとも一部は、棒状導光部の当該遊技機前面側へ導光される。したがって、棒状導光部の当該遊技機前面側が発光し、当該遊技機前面側の前方箇所に遊技球が流下することがないので、当該遊技機前面側の光が流下球で遮られることがなく、遊技領域の発光装飾を確保することができる。つまり、流下する遊技球の有無によって発光装飾の印象が異なるというようなことがないし、発光装飾の視認が困難になるということもないし、遊技領域の発光装飾の視認性妨害を改善できる。また、遊技領域での複数本の棒状導光部が立設された領域は、当該複数本の棒状導光部によって遊技球の流下経路が形成されており、遊技領域としても活用でき、遊技領域の発光装飾に伴って遊技領域が減少することもない。その結果、遊技領域の発光装飾の視認性妨害を改善しつつ遊技領域の減少を低減できる遊技機を提供することができる。
(2) 遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技部材を備えた遊技機において、
前記遊技部材は、
前面に前記遊技領域を有するとともに遊技球の流下経路を形成する複数本の釘が当該遊技領域に立設された基材と、
前記遊技領域よりも奥側に、遊技球が流下する別の奥側遊技領域を当該遊技領域を介して視認可能に形成する奥側遊技領域形成部材と、
前記奥側遊技領域形成部材の前記奥側遊技領域の少なくとも一部に立設された、遊技球が衝突または接触することで遊技球の流下経路を形成する棒状で導光性のある複数本の棒状導光部と、
前記棒状導光部の当該遊技機裏面側より光を入射する光入射手段と、
を備え、
前記棒状導光部は、前記光入射手段から入射された光の少なくとも一部を当該遊技機前面側へ導光する
ことを特徴とする遊技機。
前記(2)に記載の発明によれば、遊技機は、遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技部材を備えている。遊技部材は、基材と奥側遊技領域形成部材と棒状導光部と光入射手段とを備えている。基材は、その前面に遊技領域を有するとともに、遊技球の流下経路を形成する複数本の釘が遊技領域に立設されている。奥側遊技領域形成部材は、遊技領域よりも奥側に、遊技球が流下する別の奥側遊技領域を当該遊技領域を介して視認可能に形成するものである。複数本の棒状導光部は、棒状で導光性のあるものであり、奥側遊技領域形成部材の奥側遊技領域の少なくとも一部に立設されており、遊技球が衝突または接触することで遊技球の流下経路を形成する。光入射手段は、棒状導光部の当該遊技機裏面側より光を入射する。光入射手段から入射された光の少なくとも一部は、棒状導光部の当該遊技機前面側から出射される。
したがって、奥側遊技領域での棒状導光部の当該遊技機前面側が発光し、当該遊技機前面側の前方箇所に奥側遊技領域の遊技球が流下することがないので、当該遊技機前面側の光が奥側遊技領域の流下球で遮られることがなく、奥側遊技領域の流下球で遮られることがない分だけ奥側遊技領域の発光装飾を向上させることができる。つまり、奥側遊技領域を流下する遊技球に起因して発光装飾の印象が異なることや発光装飾の視認が困難になることもない。また、複数本の棒状導光部が立設された奥側遊技領域は、当該複数本の棒状導光部によって遊技球の流下経路が形成されており、前面の遊技領域とは別の奥側遊技領域としても活用でき、遊技領域の発光装飾に伴って遊技領域が減少することもない。さらに、前面の遊技領域には複数本の釘が立設されているので、釘調整することができる。その結果、遊技領域の発光装飾の視認性妨害を改善しつつ遊技領域の減少を低減できる遊技機を提供することができる。
(3) 前記(1)に記載の遊技機において、
前記遊技部材は、遊技領域面を有する基盤と、前記基盤の前記遊技領域面の前面側に遊技球が流下可能な間隔を開けて配設された前面透明板と、を備え、
前記棒状導光部は、前記基盤の前記遊技領域面に一体的に立設されており、
前記光入射手段は、前記棒状導光部の当該遊技機裏面側に対応する前記基盤での背面箇所に光を入射する
ことを特徴とする遊技機。
前記(3)に記載の発明によれば、遊技部材は、遊技領域面を有する基盤と、この基盤の遊技領域面の前面側に遊技球が流下可能な間隔を開けて配設された前面透明板とを備えている。棒状導光部は、基盤の遊技領域面に一体的に立設されている。光入射手段は、棒状導光部の当該遊技機裏面側に対応する基盤での背面箇所に光を入射する。そして、棒状導光部は、光入射手段から入射された光の少なくとも一部を当該遊技機前面側へ導光する。したがって、遊技領域面に複数本の棒状導光部が立設された基盤の構成の場合にも、棒状導光部の先端を発光させることができる。
(4) 前記(1)に記載の遊技機において、
前記遊技部材は、遊技領域面を有する基盤と、前記基盤の前記遊技領域面の前面側に遊技球が流下可能な間隔を開けて配設された前面透明板と、を備え、
前記棒状導光部は、前記前面透明板の前記遊技領域面と対向する側に一体的に立設されており、
前記光入射手段は、前記棒状導光部の当該遊技機裏面側である先端部に光を入射する
ことを特徴とする遊技機。
前記(4)に記載の発明によれば、遊技部材は、遊技領域面を有する基盤と、この基盤の遊技領域面の前面側に遊技球が流下可能な間隔を開けて配設された前面透明板とを備えている。棒状導光部は、前面透明板の遊技領域面と対向する側に一体的に立設されている。光入射手段は、棒状導光部の当該遊技機裏面側である先端部に光を入射する。そして、棒状導光部は、光入射手段から入射された光の少なくとも一部を当該遊技機前面側に導光する。したがって、前面透明板の遊技領域面と対向する側に複数本の棒状導光部が立設された構成の場合にも、棒状導光部の基端を発光させることができる。
(5) 前記(3)に記載の遊技機において、
前記棒状導光部は、当該遊技機前面側の径に比べて当該遊技機裏面側の径の方が大きくなっている
ことを特徴とする遊技機。
前記(5)に記載の発明によれば、棒状導光部は、当該遊技機前面側の径に比べて当該遊技機裏面側の径の方が大きくなっており、当該遊技機裏面側よりも小さな当該遊技機前面側から光が出射されるので、光入射手段からの入光面(棒状導光部の当該遊技機裏面側)よりも小さな出光面(棒状導光部の当該遊技機前面側)で発光装飾することができ、その発光輝度を高めることができる。
(6) 前記(4)に記載の遊技機において、
前記棒状導光部は、当該遊技機裏面側の径に比べて当該遊技機前面側の径の方が大きくなっている
ことを特徴とする遊技機。
前記(6)に記載の発明によれば、棒状導光部は、当該遊技機裏面側の径に比べて当該遊技機前面側の径の方が大きくなっており、当該遊技機裏面側よりも大きな当該遊技機前面側から光が出射されるので、光入射手段からの入光面(棒状導光部の当該遊技機裏面側)よりも大きな出光面(棒状導光部の当該遊技機前面側)で発光装飾することができ、視認性を向上させることができる。
(7) 前記(6)に記載の遊技機において、
前記棒状導光部は、当該遊技機裏面側の径に比べて当該遊技機前面側の径の方が大きくなるように側面視でテーパー形状としている
ことを特徴とする遊技機。
前記(7)に記載の発明によれば、棒状導光部は、当該遊技機裏面側の径に比べて当該遊技機前面側の径の方が大きくなるように側面視でテーパー形状としているので、かかる複数本の棒状導光部による遊技球の流下経路では、当該遊技球が前側ではなく後側寄りに流下させ易くすることができる。例えば、流下する遊技球は、側面視でテーパー形状(奥側に向けて先細りとした形状)の棒状導光部の上側テーパー部分や下側テーパー部分に衝突して、前面透明板の方ではなく遊技部材側に跳ねて流下し易くなっており、前面透明板への遊技球の衝突を低減できる。また、当該遊技機裏面側よりも大きな当該遊技機前面側から光が出射されるので、光入射手段からの入光面(棒状導光部の当該遊技機裏面側)よりも大きな出光面(棒状導光部の当該遊技機前面側)で発光装飾することができ、視認性を向上させることができる。
(8) 前記(5)に記載の遊技機において、
前記棒状導光部は、当該遊技機裏面側である前記基盤に対する付け根部分が少なくとも断面視で縦長の長円形としている
ことを特徴とする遊技機。
前記(8)に記載の発明によれば、棒状導光部は、当該遊技機裏面側である基盤に対する付け根部分が少なくとも断面視で縦長の長円形としている。つまり、棒状導光部の少なくとも付け根部分(基端部)は、遊技球の落下方向である縦方向に長い長円形としているので、当該付け根部分を流下遊技球の衝突に対して強くすることができる。また、棒状導光部は、その横幅は縦幅よりも狭くなっているので、複数本の棒状導光部を横方向に並設し、且つ、各棒状導光部間を遊技球が流下可能な間隔とした場合にも、横方向に大型化することがなく、横方向に省スペース化することができる。
(9) 前記(6)に記載の遊技機において、
前記棒状導光部は、当該遊技機前面側である前記前面透明板に対する付け根部分が少なくとも断面視で縦長の長円形としている
ことを特徴とする遊技機。
前記(9)に記載の発明によれば、棒状導光部は、当該遊技機前面側である前面透明板に対する付け根部分が少なくとも断面視で縦長の長円形としている。つまり、棒状導光部の少なくとも付け根部分(基端部)は、遊技球の落下方向である縦方向に長い長円形としているので、当該付け根部分を流下遊技球の衝突に対して強くすることができる。また、棒状導光部は、その横幅は縦幅よりも狭くなっているので、複数本の棒状導光部を横方向に並設し、且つ、各棒状導光部間を遊技球が流下可能な間隔とした場合にも、横方向に大型化することがなく、横方向に省スペース化することができる。
(10) 前記(2)に記載の遊技機において、
前記奥側遊技領域形成部材は、前記奥側遊技領域の前面境界をつけるとともに当該奥側遊技領域を含む大きさの前面部を有する前側部材と、前記前側部材との間を遊技球が流下可能な間隔を開けて配設された後側部材と、を備え、
前記棒状導光部は、前記後側部材での前記奥側遊技領域側に一体的に立設されており、
前記光入射手段は、前記棒状導光部の当該遊技機裏面側に対応する前記後側部材での背面箇所に光を入射する
ことを特徴とする遊技機。
前記(10)に記載の発明によれば、奥側遊技領域形成部材は、奥側遊技領域の前面境界をつけるとともに当該奥側遊技領域を含む大きさの前面部を有する前側部材と、この前側部材との間を遊技球が流下可能な間隔を開けて配設された後側部材とを備えている。棒状導光部は、後側部材での奥側遊技領域側に一体的に立設されている。光入射手段は、棒状導光部の当該遊技機裏面側に対応する後側部材での背面箇所に光を入射する。そして、棒状導光部は、光入射手段から入射された光の少なくとも一部を当該遊技機前面側に導光する。したがって、複数本の釘が立設された遊技領域と、この遊技領域よりも奥側に奥側遊技領域とを備え、奥側遊技領域における後側部材での奥側遊技領域側に複数本の棒状導光部が立設された構成の場合にも、棒状導光部の先端を発光させることができる。
(11) 前記(2)に記載の遊技機において、
前記奥側遊技領域形成部材は、前記奥側遊技領域の前面境界をつけるとともに当該奥側遊技領域を含む大きさの前面部を有する前側部材と、前記前側部材との間を遊技球が流下可能な間隔を開けて配設された後側部材と、を備え、
前記棒状導光部は、前記前側部材での前記奥側遊技領域側に一体的に立設されており、
前記光入射手段は、前記棒状導光部の当該遊技機裏面側より光を入射する
ことを特徴とする遊技機。
前記(11)に記載の発明によれば、奥側遊技領域形成部材は、奥側遊技領域の前面境界をつけるとともに当該奥側遊技領域を含む大きさの前面部を有する前側部材と、この前側部材との間を遊技球が流下可能な間隔を開けて配設された後側部材とを備えている。棒状導光部は、前側部材での奥側遊技領域側に一体的に立設されている。光入射手段は、棒状導光部の当該遊技機裏面側より光を入射する。そして、棒状導光部は、光入射手段から入射された光の少なくとも一部を当該遊技機前面側へ導光する。したがって、複数本の釘が立設された遊技領域と、この遊技領域よりも奥側に奥側遊技領域とを備え、奥側遊技領域における前側部材での奥側遊技領域側に複数本の棒状導光部が立設された構成の場合にも、棒状導光部の先端を発光させることができる。さらに、棒状導光部の先端から光入射するので、棒状導光部のみに光入射でき、後側部材での奥側遊技領域側に棒状導光部を形成し当該棒状導光部の基端部に光入射する場合では当該基端部の外側への光の漏れが生じ得るが、そのようなことがない。また、前側部材を透明とした場合には、当該前側部材に着色やデザイン装飾する必要がなく、後側部材の前面側などに着色やデザイン装飾すればよく、後側部材の自由度を向上させることもできる。
(12) 前記(10)に記載の遊技機において、
前記棒状導光部は、当該遊技機前面側の径に比べて当該遊技機裏面側の径の方が大きくなっている
ことを特徴とする遊技機。
前記(12)に記載の発明によれば、棒状導光部は、当該遊技機前面側の径に比べて当該遊技機裏面側の径の方が大きくなっており、当該遊技機裏面側よりも小さな当該遊技機前面側から光が出射されるので、光入射手段からの入光面(棒状導光部の当該遊技機裏面側)よりも小さな出光面(棒状導光部の当該遊技機前面側)で発光装飾することができ、その発光輝度を高めることができる。
(13) 前記(11)に記載の遊技機において、
前記棒状導光部は、当該遊技機裏面側の径に比べて当該遊技機前面側の径の方が大きくなっている
ことを特徴とする遊技機。
前記(13)に記載の発明によれば、棒状導光部は、当該遊技機裏面側の径に比べて当該遊技機前面側の径の方が大きくなっており、当該遊技機裏面側よりも大きな当該遊技機前面側から光が出射されるので、光入射手段からの入光面(棒状導光部の当該遊技機裏面側)よりも大きな出光面(棒状導光部の当該遊技機前面側)で発光装飾することができ、視認性を向上させることができる。
(14) 前記(13)に記載の遊技機において、
前記棒状導光部は、当該遊技機裏面側の径に比べて当該遊技機前面側の径の方が大きくなるように側面視でテーパー形状としている
ことを特徴とする遊技機。
前記(14)に記載の発明によれば、棒状導光部は、当該遊技機裏面側の径に比べて当該遊技機前面側の径の方が大きくなるように側面視でテーパー形状としているので、かかる複数本の棒状導光部による遊技球の流下経路(つまり、奥側遊技領域)では、当該遊技球が前側ではなく後側寄りに流下させ易くすることができる。例えば、奥側遊技領域を流下する遊技球は、側面視でテーパー形状(奥側に向けて先細りとした形状)の棒状導光部の上側テーパー部分や下側テーパー部分に衝突して、奥側遊技領域にて前側ではなく奥側に跳ねて流下し易くなっており、遊技領域の背後への遊技球の衝突を低減でき、奥側遊技領域を流下する遊技球が、前側の遊技領域を流下する遊技球の挙動に影響を与えることを低減できる。また、当該遊技機裏面側よりも大きな当該遊技機前面側から光が出射されるので、光入射手段からの入光面(棒状導光部の当該遊技機裏面側)よりも大きな出光面(棒状導光部の当該遊技機前面側)で発光装飾することができ、視認性を向上させることができる。
(15) 前記(12)に記載の遊技機において、
前記棒状導光部は、当該遊技機裏面側である前記後側部材に対する付け根部分が少なくとも断面視で縦長の長円形としている
ことを特徴とする遊技機。
前記(15)に記載の発明によれば、棒状導光部は、当該遊技機裏面側である後側部材に対する付け根部分が少なくとも断面視で縦長の長円形としている。つまり、棒状導光部の少なくとも付け根部分(基端部)は、遊技球の落下方向である縦方向に長い長円形としているので、当該付け根部分を流下遊技球の衝突に対して強くすることができる。また、棒状導光部は、その横幅は縦幅よりも狭くなっているので、複数本の棒状導光部を横方向に並設し、且つ、各棒状導光部間を遊技球が流下可能な間隔とした場合にも、横方向に大型化することがなく、横方向に省スペース化することができる。
(16) 前記(14)に記載の遊技機において、
前記棒状導光部は、当該遊技機前面側である前記前側部材に対する付け根部分が少なくとも断面視で縦長の長円形としている
ことを特徴とする遊技機。
前記(16)に記載の発明によれば、棒状導光部は、当該遊技機前面側である前側部材に対する付け根部分が少なくとも断面視で縦長の長円形としている。つまり、棒状導光部の少なくとも付け根部分(基端部)は、遊技球の落下方向である縦方向に長い長円形としているので、当該付け根部分を流下遊技球の衝突に対して強くすることができる。また、棒状導光部は、その横幅は縦幅よりも狭くなっているので、複数本の棒状導光部を横方向に並設し、且つ、各棒状導光部間を遊技球が流下可能な間隔とした場合にも、横方向に大型化することがなく、横方向に省スペース化することができる。
(17) 前記(10)から(16)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記後側部材は遮光性部材としていることを特徴とする遊技機。
前記(17)に記載の発明によれば、後側部材は遮光性部材としているので、光入射手段からの光が嵌合部以外の箇所から入射されて出射されるということがなく、棒状導光部の当該遊技機前面側のみを発光させることができる。
(18) 前記(10)または(11)に記載の遊技機において、
前記基材は、前記奥側遊技領域の存する箇所である特定箇所が少なくとも透明としたものであり、
前記前側部材は、前記基材の前記特定箇所よりも光透過性が劣る光透過部材である
ことを特徴とする遊技機。
前記(18)に記載の発明によれば、基材は、奥側遊技領域の存する箇所である特定箇所が少なくとも透明としている。前側部材は、基材の特定箇所よりも光透過性が劣る光透過部材としている。したがって、遊技領域の特定箇所の遊技球よりも奥側遊技領域の遊技球をぼかして見せることができ、両領域の遊技球の視認性を異ならせることができ、手前側の遊技領域を流下する遊技球と、奥側遊技領域を流下する遊技球とを混同しないように視認させることができる。
(19) 前記(10)または(11)に記載の遊技機において、
前記基材は、前記奥側遊技領域の存する箇所である特定箇所が少なくとも半透明としたものである
ことを特徴とする遊技機。
前記(19)に記載の発明によれば、基材は、奥側遊技領域の存する箇所である特定箇所が少なくとも半透明としたものである。したがって、遊技領域の特定箇所の遊技球よりも奥側遊技領域の遊技球をぼかして見せることができ、両領域の遊技球の視認性を異ならせることができ、手前側の遊技領域を流下する遊技球と、奥側遊技領域を流下する遊技球とを混同しないように視認させることができる。
(20) 前記(1)から(19)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(20)に記載の遊技機によれば、遊技領域の発光装飾の視認性妨害を改善しつつ遊技領域の減少を低減できるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特定遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
(21) 前記(1)から(19)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
前記(21)に記載の遊技機によれば、遊技領域の発光装飾の視認性妨害を改善しつつ遊技領域の減少を低減できる、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特定遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお、本明細書に開示する種々の発明に関して、全ての構成要素について種々の組み合わせが可能であり、他の構成要件がなくても単独で発明として成立する点に留意されたい。