JP5399338B2 - 多孔質材料の緻密さ評価方法および多孔質材料の緻密さ評価システム - Google Patents

多孔質材料の緻密さ評価方法および多孔質材料の緻密さ評価システム Download PDF

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Description

本発明は、例えば、コンクリート、又は、モルタル等の多孔質材料の緻密さを評価する多孔質材料の緻密さ評価方法および多孔質材料の緻密さ評価システムに関する。
コンクリートのような多孔質材料の性質の重要な要素は、空隙量などの材料の緻密さである。よって、材料の緻密さの正確な評価は重要である。
コンクリートの緻密さは、従来、コンクリート製造時の配合等の情報から定性的に推測されてきた。しかし、実際に施工された硬化コンクリート構造体は水とセメントの配合に問題を有しないにもかかわらず、施工や養生の不具合によって生じる緻密さの不足により劣化因子(二酸化炭素、塩分等)が予想以上に早く侵入し、早期に劣化を生じて問題となる多くの事例が見られる。そのため、コンクリートの緻密さに関する品質評価が求められている。
コンクリートの緻密さの評価に関する技術として、水銀圧入法、透気性試験、透水試験等が挙げられる。
特開2008−224649号公報
水銀圧入法は、水銀の圧入の程度が硬化コンクリート中の空隙の大きさや量に依存するのでコンクリートの空隙構造を評価する指標とされている。しかし、水銀圧入法は、実験室でサンプル(数グラム程度の小片)を用いた試験方法であり、実構造物の現場評価は不可能である。また、水銀の圧入は硬化体組織の破壊を伴うため、測定の原理上、コンクリートの緻密さは実態と異なる。さらに、評価を行う小片程度のサンプルの採取位置による「点」の情報しか得られない。このため、評価値はある特定の小さな領域の評価にすぎず、構造体の評価に適していると言い難い。また、現場適用のため、水溶性の高分子を圧入する方法の研究例も見られるが、高分子は、通常、コンクリートに圧入できないで実用化に至っていない。
透気性試験は空気を圧入してコンクリート組織の緻密さを評価するものである。この試験は、サンプルを採取して実験室で行う方法と、トレント法と呼ばれる装置・手法により実構造物の測定を行うものが欧米で開発・提案されている。これらの手法は圧入物質として空気を用いるので、空気の浸透範囲の制御に関して原理的に困難である。また、影響範囲が不可視であるため誤差の要素が多い。また、測定は専門性を要するので、汎用性を欠く。さらに、コンクリート表面のひび割れの存在、内部の水分状態の影響によるバラツキがある。また、装置構成上、暖気運転等の準備は数時間を要するので、実用上の課題も多い。
透水試験は水をコンクリートに通すものであり、サンプルを採取して実験室で行う方法と、現場適用型の試験方法を有する。しかし、コンクリート中への水の浸透が容易でないので、透水量による評価は難しい。また、この試験は、透気性試験と同様にひび割れや内部水分の影響を受けるので、測定精度に問題を有し、また、測定器具の設置等に時間を要する。
そこで、本発明の目的は、現場で多孔質材料の緻密さを精度よく測定する多孔質材料の緻密さ評価方法および多孔質材料の緻密さ評価システムを提供することにある。
以下、符号を付して本発明の特徴を説明する。なお、符号は参照のためであり、本発明を実施形態に限定するものでない。
本発明の第1の特徴に係わる多孔質材料の緻密さ評価方法は、多孔質材料の実構造物の表面に識別材を塗布して、前記識別材を前記多孔質材料に吸収または吸着させる識別処理前の多孔質材料の特性を測定して基準値を決定し、前記識別処理後の多孔質材料の特性を測定して識別処理値を決定し、前記基準値と識別処理値との差としての特性値を決定し、 前記特性値に基づいて前記多孔質材料の緻密さを決定する。
本発明の第2の特徴に係わる多孔質材料の緻密さ評価システムは、孔質材料の実構造物の表面に識別材を塗布して、前記識別材を前記多孔質材料に吸収または吸着させる識別処理前の多孔質材料の特性を測定して基準値を決定する共に前記識別処理後の前記多孔質材料の特性を測定して識別処理値を決定する測定装置と、前記基準値と識別処理値と差から特性値を決定すると共に特性値に基づいて前記多孔質材料の緻密さを決定する分析装置とを有する。
以上の第1および第2の特徴にあって、前記多孔質材料の特性は色彩であり、前記基準値は基準色彩値であり、前記識別処理値は識別処理色彩値であり、前記特性値は基準色彩値と識別処理色彩値の差としての色差である。
前記多孔質材料の特性は成分であり、前記基準値は基準成分値であり、前記識別処理値は識別処理成分値であり、前記特性値は基準成分値と識別処理成分値との差としての成分差である。
前記多孔質材料の特性は電気抵抗率であり、前記基準値は基準電気抵抗率値であり、前記識別処理値は識別処理電気抵抗率値であり、前記特性値は基準電気抵抗率値と識別処理電気抵抗率値の差としての電気抵抗率差である。

本発明の特徴によれば、水銀圧入法等のようにサンプル採取を必要としないので、現場で実施可能であり、非破壊で多孔質材料の実構造物に対して緻密さを検査することができる。
実施形態に係る多孔質材料の緻密さ評価システムの構成要素を示すブロック図である。 多孔質材料の緻密さ評価方法の処理手順を示すフローチャートである。 実験例1の試験結果を示し、各測定指標に対して色差を示すグラフである。 (A)、(B)、(C)は、実験例1の試験結果を示し、各水/セメント比のコンクリートの粒径に対してL(明度)、a(緑〜赤)、b(青〜黄)の色差を示すグラフである。 実験例2の試験結果を示し、(A)は各水/セメント比のセメントペーストに対する色差(ΔL)を示すグラフであり、(B)は各水/セメント比のセメントペーストについて着色後、研磨後、水洗後の色差を示すグラフである。
以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。
図1に示すように、多孔質材料の緻密さ評価システム10は、多孔質材料を測定する測定装置11と、多孔質材料の測定結果を分析する分析装置12と、測定結果および分析結果を格納する記憶装置13と、分析結果を出力する出力装置14を有する。多孔質材料とは、例えば、コンクリート、モルタル、セラミックの無機材料である。また、多孔質材料は、有機材料、金属材料も含む。
測定装置11は、識別処理前の多孔質材料の特性を測定して基準値を決定し、また、識別処理後の多孔質材料の特性を測定して識別処理値を決定する。ここで、識別処理とは、多孔質材料の表面に粉体・液体(水、着色水、成分含有水、有機溶剤)の識別材を塗布し、吸収または吸着させることである。多孔質材料の特性とは、例えば、成分、色彩、電気抵抗率である。測定装置11は、例えば、携帯可能な蛍光X線装置、測色装置、色差装置、電気抵抗率測定装置である。蛍光X線装置は、多孔質材料の識別処理前の基準成分値及び識別処理後の識別処理成分値を測定する。測色装置、色差装置は、多孔質材料の反射光を分光し、例えば、L表色系(L:明度、a:緑〜赤、b:青〜黄)の各色彩値を決定する。測色装置等は多孔質材料の識別処理前の基準色彩値および識別処理後の識別処理色彩値を測定する。電気抵抗率測定装置は、多孔質材料の識別処理前の基準電気抵抗率値及び識別処理後の識別処理電気抵抗率値を測定する。
分析装置12は、処理プログラムに従ってデータを処理するCPU(Central Processing Unit)と、処理プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、CPUの処理に必要なデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)を有する。分析装置12は、多孔質材料の識別処理前の基準値と識別処理後の識別処理値と差から特性値を決定する。また、分析装置12は特性値に基づいて多孔質材料の緻密さを決定する。ここで、特性値と多孔質材料の緻密さとの関係を予め決定しておく。すなわち、多孔質材料の緻密さと関連する特性値の閾値を求めておく。
成分の場合、分析装置12は、基準成分値と識別処理成分値との差としての成分(濃度)差(特性値)を決定し、成分差に基づいて多孔質材料の緻密さを決定する。色彩の場合、分析装置12は、基準色彩値と識別処理色彩値との差としての色差(特性値)を決定し、色差に基づいて多孔質材料の緻密さを決定する。導電性の場合、分析装置12は、識別処理前の基準の表面あるいは体積電気抵抗率と、識別処理後の表面あるいは体積電気抵抗率との差としての電気抵抗率差(特性値)を決定し、電気抵抗率差に基づいて多孔質材料の緻密さを決定する。
記憶装置13は、例えば、ハードディスク、CD、DVD、USBメモリを用いる。記憶装置13は、測定装置11の基準値、識別処理値、特性値、多孔質材料の緻密さを格納する。
出力装置14は、例えば、液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)表示装置のような画像表示装置、及び、インクジェットプリンタ方式又はレーザプリンタ方式の印刷装置を有する。出力装置14は、分析結果としての特性値、多孔質材料の緻密さを出力、表示する。
次に、多孔質材料の緻密さ評価方法を説明する。
図2に示すように、多孔質材料を表面処理する(ステップS11)。すなわち、多孔質材料の表面の汚れ等を取り除き、必要に応じて平滑となるように研磨する。
測定装置11を用いて識別処理前の多孔質材料の特性を測定して基準値を決定し、基準値を記憶装置13に格納する(ステップS12)。色彩の場合、測色装置は識別処理前の多孔質材料の表面を測色して基準色彩値を決定する。成分の場合、蛍光X線装置は識別処理前の多孔質材料の成分を測定して基準成分値を決定する。導電性の場合、電気抵抗率計は識別処理前の多孔質材料の電気抵抗率を測定して基準電気抵抗率を決定する。
多孔質材料を識別処理する(ステップS13)。色彩の場合、多孔質材料に識別材としての着色材を塗布する。着色材は、例えば、水、着色水、着色粉体である。続いて、多孔質材料の表面で吸収または吸着されずに残った残留成分を除去する。必要により、簡易な研磨、水洗を用いてもよい。水分を使用した場合、多孔質材料は吸水して色合いが変化するため、必要によりドライヤーやエアーを用いて乾燥させてもよい。
成分の場合、多孔質材料に各種成分を含有する材料を塗布する。材料は、例えば、粉体、スラリー、溶液である。続いて同様に表面処理を施す。すなわち、多孔質材料の表面に吸収または吸着されずに残った残留成分を除去する。必要により簡易な研磨、水洗を用いてもよい。水分を使用した場合、多孔質材料は吸水して色合いが変化するため、必要によりドライヤーやエアーを用いて乾燥させてもよい。
導電性の場合、多孔質材料に導電材を塗布する。導電材は、例えば、粉体、スラリー、溶液である。続いて、多孔質材料の表面に吸収または吸着されずに残った残留成分を除去する。必要により簡易な研磨、水洗を用いてもよい。水分を使用した場合、多孔質材料は吸水して色合いが変化するため、必要によりドライヤーやエアーを用いて乾燥させてもよい。
測定装置11を用いて識別処理後の多孔質材料の特性を測定して識別処理値を決定し、識別処理値を記憶装置13に格納する(ステップS14)。色彩の場合、測色装置は着色処理後の多孔質材料の表面の色彩を測定して識別処理色彩値を決定する。識別処理に水分を使用した場合、水分による影響を取り除くため、識別処理後の測定前にドライヤーや高音のエアーで強制乾燥して測定時間を短縮してもよい。その場合、多孔質材料の表面温度を計測して管理する。表面温度が加熱前の状態に戻ればそのまま吸収、識別処理後の測定を行い、表面温度が高い場合は冷風や放熱によって温度を低下させる。あるいは予め得た温度補正式により補正を行う。成分の場合は、蛍光X線装置は識別処理後の多孔質材料の成分を測定して識別処理成分値を決定する。導電性の場合、電気抵抗率計は識別処理後の多孔質材料の電気抵抗率を測定して識別処理電気抵抗率値を決定する。
分析装置12は、多孔質材料の基準値と識別処理値とを比較し、基準値と識別処理値との差から特性値を決定する(ステップS15)。色彩の場合、分析装置12は基準色彩値と識別処理色彩値との差から特性値としての色差を決定する。成分の場合、分析装置12は、基準成分値と識別処理成分値との差から特性値としての成分差を決定する。導電性の場合、分析装置12は、基準電気抵抗率と識別処理電気抵抗率との差から特性値としての電気抵抗率差を決定する。
分析装置12は特性値に基づいて多孔質材料の緻密さを決定する(ステップS16)。色彩の場合、分析装置12は、予め得た色差(特性値)と緻密さの関係に基づいて多孔質材料の緻密さを決定する。成分の場合、分析装置12は、予め得た成分差(特性値)と緻密さとの関係に基づいて多孔質材料の緻密さを決定する。導電性の場合、分析装置12は、予め得た電気抵抗率差(特性値)と緻密さとの関係に基づいて多孔質材料の緻密さを決定する。
このような手順で多孔質材料に損傷を与えることなく、多孔質材料の緻密さを評価する。これにより、予め劣悪な多孔質材料を発見、排除することができる。
以上の実施形態によれば、現場において非破壊で多孔質材料の実構造物に対して緻密さを評価することができる。
また、実構造物の多孔質材料を、現場で、損傷を与えず、迅速に、容易にひび割れの影響もなく、評価することができる。
すなわち、本実施形態の測定は、短時間で簡易な手法であるので、透気試験、透水試験等のように、長時間を要しない。
測色計、色差計、電気抵抗率計は、取り扱いに専門知識の不要な測定機器なので、誰でも、容易に作業実施を可能にする。
測定装置は携帯可能なハンディタイプのものを利用するので、取り扱い労力は透気試験と異なって少なく、水銀圧入法のように専用装置は必要とされない。
多孔質材料のひび割れは可視化されているので、ひび割れ自体の評価が可能になり、ひび割れの影響をほとんど受けない。一方、透気試験、透水試験において、ひび割れは測定に過大な影響を及ぼす。
さらに、現場に適用した場合、多孔質材料の表層部の緻密さを評価することができる。また、現場で採取したサンプルに対する室内試験の場合、多孔質材料の内部の緻密さの分布状況を評価することができる。
サンプル採取後の試験において、水銀等の取り扱いに注意を要する材料は不要である。また、サンプルは他の試験で再利用可能である。
なお、本発明は本実施形態に限定されず、また、各実施形態は発明の趣旨を変更しない範囲で変更、修正可能である。
実験例1
多孔質材料としてのコンクリートの緻密さを評価した。
(1)試験体
水/セメント比0.4、0.7の2種類のコンクリートを用いた。各コンクリートは数年経年させた。
(2)試験方法
識別処理用の着色材として赤色チョーク粉末を用いた。このチョーク粉末の主成分は炭酸カルシウムであり、ふるい残留により300、150、75μmの粒径に分けられた。
着色方法はチョーク粉末を大粒径から小粒径の順に散布し、擦り付けた。除去方法はウェスでコンクリート表面からチョーク粉末を除去した。
測定機器は色差計を用いた。測定指標は、L(明度)、a(緑〜赤)、b(青〜黄)、YI(黄色度)、Gloss(光沢度)を用いた。測定部位はコンクリートの打設底面、側面とした。測定時期は、着色前と着色除去後に測定した。着色前の測定値を基準色彩値とし、着色除去後の測定値を識別処理色彩値とした。基準色彩値と着色除去後の識別処理色彩値との差、すなわち、色差を評価した。
(3)試験結果
図3は、水/セメント比0.7のコンクリート底面についての各測定値を比較したグラフである。YI(黄色度)、Gloss(光沢度)の基準色彩値と各測定値、すなわち、識別処理式差値との色差は小さかった。これに対して、 L、a、bの基準色彩値と各識別処理色彩値との色差は大きかった。以上から、L、a、bは指標として有効であると判断される。
図4は水/セメント比の影響を示すグラフである。同図(A)の縦軸はLを示す。同図(B)の縦軸はaを示す。同図(C)の縦軸はbを示す。いずれの結果でも、着色材の粒径が小さいほど、色差が大きくなった。また、水/セメント(W/C)比0.7のコンクリートは、水/セメント比0.4のコンクリートより、大きな色差を示した。さらに、水/セメント比0.4と0.7は、着色材の粒径が小さいほど、色差が大きくなった。
また、各水/セメント比のコンクリート目視観察の結果から、水/セメント(W/C)比0.7のコンクリートは、水/セメント比0.4のコンクリートより、多くの気孔を有していた。つまり、色差が大きくなる程、コンクリートの緻密さは減少するという知見が得られた。
以上から、L、a、bの指標を用いて、コンクリートの緻密さを評価できることが確認された。また、着色粉末は、小さな粒径になる程、コンクリートの緻密さを評価し易い。
実験例2
多孔質材料としてのセメントペーストの緻密さを評価した。
(1)試験体
試験対として水/セメント比0.3、0.4、0.5、0.6のセメンペーストを用いた。各セメントペーストは調製後約3ヶ月経過したものである。
(2)試験方法
識別処理用の着色材として赤色チョーク粉末を用いた。このチョーク粉末の主成分は炭酸カルシウムであり、ふるい残留により75μm以下の粒径に調整した。
着色方法はチョーク粉末に水を混ぜた水溶液をスポイトで10滴、セメントペースト底面に滴下した。除去方法は、ウェスでセメントペースト底面からチョーク粉末を拭き取り、セメントペースト底面をバフ研磨し、水洗いした。
測定機器として色差計を用いた。測定指標は、L(明度)を用いた。測定時期は、着色前、着色除去後、バフ研磨後、水洗後のそれぞれで測定した。着色前の測定値を基準色彩値とし、着色除去後、バフ研磨後、水洗後の測定値を識別処理色彩値とした。基準色彩値と識別処理色彩値との差、すなわち、色差を評価した。
(3)試験結果
図5(A)は、水/セメント(W/C)比に対する色差(ΔL)を示すグラフである。水/セメント比0.3以外で、水/セメント比が大きくなるにつれて、色差も増加した。また、チョーク粉末による色差は、粉末状態と比較して水溶液の方が大きくなった。
また、各水/セメント比のセメントペーストの表面を目視観察した。その結果、水/セメント比0.3のセメントペーストは最も多くの気孔を有した。水/セメント比が0.4、0.5.0.6と増加するにしたがって、セメントペーストの気孔量は増加した。
以上から、水/セメント比だけでは緻密さの評価ができないことが理解される。また、着色材は粉末状態より水に混ぜた状態の方が有効である。
図5(B)は、着色後、研磨後、水洗後の色差を比較するグラフである。着色後の水/セメント比0.4、0.5、0.6のセメントペーストは互いに明確な色差(ΔL)を有する。一方、バフ研磨後、水洗後の水/セメント比0.4、0.5、0.6のセメントペーストの色差(ΔL)は、着色後のそれと比較して小さくなった。また、水洗後の水/セメント比0.5、0.6のセメントペーストの色差(ΔL)の関係は、着色後、研磨後の色差の関係から逆転した。以上から、着色後の測定が有効であることが理解される。
10 多孔質材料の緻密さ評価システム
11 測定装置
12 分析装置
13 記憶装置
14 出力装置

Claims (8)

  1. 多孔質材料の実構造物の表面に識別材を塗布して、前記識別材を前記多孔質材料に吸収または吸着させる識別処理前の多孔質材料の特性を測定して基準値を決定し、
    前記識別処理後の多孔質材料の特性を測定して識別処理値を決定し、
    前記基準値と識別処理値との差としての特性値を決定し、
    前記特性値に基づいて前記多孔質材料の緻密さを決定する、
    多孔質材料の緻密さ評価方法。
  2. 前記多孔質材料の特性は色彩であり、
    前記基準値は基準色彩値であり、
    前記識別処理値は識別処理色彩値であり、
    前記特性値は基準色彩値と識別処理色彩値の差としての色差である、請求項1に記載の多孔質材料の緻密さ評価方法。
  3. 前記多孔質材料の特性は成分であり、
    前記基準値は基準成分値であり、
    前記識別処理値は識別処理成分値であり、
    前記特性値は基準成分値と識別処理成分値との差としての成分差である、請求項1に記載の多孔質材料の緻密さ評価方法。
  4. 前記多孔質材料の特性は電気抵抗率であり、
    前記基準値は基準電気抵抗率値であり、
    前記識別処理値は識別処理電気抵抗率値であり、
    前記特性値は基準電気抵抗率値と識別処理電気抵抗率値の差としての電気抵抗率差である、請求項1に記載の多孔質材料の緻密さ評価方法。
  5. 多孔質材料の実構造物の表面に識別材を塗布して、前記識別材を前記多孔質材料に吸収または吸着させる識別処理前の多孔質材料の特性を測定して基準値を決定する共に前記識別処理後の前記多孔質材料の特性を測定して識別処理値を決定する測定装置と、
    前記基準値と識別処理値と差から特性値を決定すると共に特性値に基づいて前記多孔質材料の緻密さを決定する分析装置とを有する多孔質材料の緻密さ評価システム。
  6. 前記多孔質材料の特性は色彩であり、
    前記基準値は基準色彩値であり、
    前記識別処理値は識別処理色彩値であり、
    前記特性値は基準色彩値と識別処理色彩値の差としての色差である、請求項5に記載の多孔質材料の緻密さ評価システム。
  7. 前記多孔質材料の特性は成分であり、
    前記基準値は基準成分値であり、
    前記識別処理値は識別処理成分値であり、
    前記特性値は基準成分値と識別処理成分値との差としての成分差である、請求項5に記載の多孔質材料の緻密さ評価システム。
  8. 前記多孔質材料の特性は電気抵抗率であり、
    前記基準値は基準電気抵抗率値であり、
    前記識別処理値は識別処理電気抵抗率値であり、
    前記特性値は基準電気抵抗率値と識別処理電気抵抗率値の差としての電気抵抗率差である、請求項5に記載の多孔質材料の緻密さ評価システム。
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