JP5363087B2 - 不飽和炭化水素系前駆体を安定化するための安定剤 - Google Patents

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Description

本願は、2007年12月19日に出願された米国仮出願第61/015,028号の優先権を主張するものであり、2008年2月27日に出願された米国特許出願第12/038,409号の一部継続出願である。
次世代型の誘電体膜ではポロジェンと有機ケイ酸塩前駆体を併用して、多孔質で低誘電率の膜(多孔質low‐k膜)を製造する。
このために、飽和又は不飽和炭化水素系ポロジェンを有機ケイ酸塩と共堆積させて、有機ケイ酸塩前駆体及び有機ポロジェンの混合物を含む最初のコンポジット膜を製造する。その後に、この膜はポロジェンを分解させる様々な処理法を受ける。このキュア工程中に、ポロジェンによって空けられた空隙を含む有機ケイ酸塩マトリクスを残して、ポロジェンの副生成物がガス状物質として遊離する。生成した孔又は空洞には、高密度マトリクス材料のものより低く、多孔質体の全体的な誘電率を減少させる効果を有する単一の固有の誘電率がある。
有機前駆体がマイクロエレクトロニクス産業で使われる他の分野としては、炭素ハードマスクの堆積及び反射防止塗膜の堆積がある。炭化水素前駆体、特に不飽和有機炭化水素を用いるプラズマ化学気相成長(PECVD)によって、これらの膜を堆積させる。
不飽和炭化水素系物質は、多孔質low‐k膜を堆積させるために、適切な有機ケイ酸塩前駆体とともに使われるポロジェン前駆体と見なされていた。
しかし、重合しやすい多くの不飽和炭化水素は、外気温度で、又は特定化学物質の通常の処理、洗浄若しくは利用の最中に主として使われる適度な温度で、徐々に分解又は重合することがある。先行技術では、オレフィン炭化水素が重合しないように炭化水素系ポロジェンを安定化させるのに使われる様々な化学物質(フェノール、アミン、ヒドロキシルアミン、ニトロ化合物、キノン化合物のような有機化合物及び特定の無機塩などの幾つかの分類に大別される)が開示されている。一例を挙げるならば、貯蔵タンク内で、又は外気温度での輸送中に、逐次重合することでよく知られているブタジエン及びイソプレンのようなモノマーであろう。
幾つかの不飽和炭化水素系前駆体が、本願発明の出願人と同一出願人による米国特許第6846515号明細書(参照によってその全てがここに含まれる)に記載されている。
2,5‐ノルボルナジエン(NBDE)は、化学気相成長法(CVD)を用いて低誘電率の膜を製造するための主要物質の1つであり、ポロジェン、炭素ハードマスク及び反射防止膜の前駆体と見なされている。イソプレンは、炭素ハードマスク及び反射防止膜を堆積させるための有望な前駆体である。しかし、NBDE及びイソプレンは、オリゴマー化/重合に対して熱的に不安定である。
NBDE及びイソプレンは、外気温度でかなりの速度で分解して、可溶性のNBDE及びイソプレンオリゴマーの分解生成物を形成する。イソプレンは、比較的速い二量化反応を受けることでも知られている。このことから、NBDE及びイソプレン中の溶解オリゴマーの濃度は、誘電体の前駆体としてそれらを利用する前に、それらの輸送中及び保管中に、いずれは徐々に増していくと予想される。さらに、この可溶性オリゴマーは、ジエトキシメチルシラン(DEMS)のような、より極性の溶媒と接触すると直ぐに沈殿するであろう。この不安定性は、前駆体輸送の問題及び膜質の問題を引き起こすと予想される。
通常、化学メーカーはNBDEに100〜1000百万分率(ppm)の2,6‐ジ‐tert‐ブチル‐4‐メチルフェノール(ブチル化ヒドロキシトルエンとしても又はBHTの頭字語によっても知られている)を与えている。現在、BHTは、輸送及び保管のためにNBDEの分解速度を落とす業界標準品として利用されている。しかし、BHTがNBDEの分解を抑える効果は限定的である。
Teffらによる近刊の米国特許出願公開第2007/0057235号明細書には、NBDEを安定化するフェノール系酸化防止剤の使用が示唆されている。
米国特許第6846515号明細書 米国特許出願公開第2007/0057235号明細書
NBDE又はイソプレンを製造環境で生存可能にするために、オリゴマー(すなわち、不揮発性残留物)含有量を最小にしてプロセス問題を回避し、また製造業者に半導体産業界で規定された厳しい膜質規格を達成させることが重要である。
本発明は、不飽和炭化水素前駆体の分解速度を落とすことによって、前駆体の不安定性を生み出す潜在的な処理と膜質の問題を軽減し、そうして、高品質の低誘電率の膜を製造するためにポロジェン、炭素ハードマスク物質及び反射防止膜の前駆体として利用される物質の生存能力を増加させるのに、使用できる効果的な安定剤を開示する。
本発明の一実施形態は、基本的に、不飽和炭化水素系前駆体並びにヒドロキシベンゾフェノン系安定剤及びニトロキシルラジカル系安定剤からなる群から選択される安定剤からなる、安定化された組成物である。
本発明の別の実施形態は、基本的に、不飽和炭化水素系物質、少なくとも1つの極性溶媒、並びにヒドロキシベンゾフェノン系安定剤、ニトロキシルラジカル系安定剤及びヒドロキノン系安定剤からなる安定剤からなる、安定化された組成物である。
本発明の別の実施形態は、基本的に、2,5‐ノルボルナジエン(NBDE)並びにヒドロキシベンゾフェノン系安定剤及びニトロキシルラジカル系安定剤からなる群から選択される安定剤からなる、安定化された組成物である。
さらに、本発明の別の実施形態は、重合しないように不飽和炭化水素系前駆体を安定化する方法である。本方法は、ヒドロキシベンゾフェノン系安定剤及びニトロキシルラジカル系安定剤からなる群から選択された安定剤を与える工程を含む。
さらに、本発明の別の実施形態は、重合しないように2,5‐ノルボルナジエン(NBDE)を安定化する方法であって、ヒドロキシベンゾフェノン系安定剤及びニトロキシルラジカル系安定剤からなる群から選択された安定剤を与える工程を含むことを特徴とする方法である。
さらに、本発明の別の実施形態は、不飽和炭化水素が少なくとも1つの極性溶媒と接触したことによって固体が沈殿しないように、不飽和炭化水素系前駆体を安定化する方法であって、
(a)ヒドロキシベンゾフェノン系安定剤、ニトロキシルラジカル系安定剤及びヒドロキノン系安定剤からなる群から選択された安定剤を不飽和炭化水素系前駆体に加える工程、並びに
(b)工程(a)の混合物を少なくとも1つの極性溶媒と接触させる工程
を含む方法である。
さらに、本発明の別の実施形態は、不飽和炭化水素系前駆体がDLI(直接液体注入)中に加熱された穴を通って堆積室へ流れている間にその場で固体にならないように、不飽和炭化水素系前駆体を安定化する方法である。
上記の実施形態については、不飽和炭化水素系前駆体は、環状構造又は非環状構造の双方を有することができる。その環状構造は、(a)式C2n−2x、(式中、xは不飽和部位の数であり、nは4〜14であり、環状構造中の炭素数が4〜10である)を有する少なくとも1つの単又は多不飽和環状炭化水素、並びに(b)式C2n−(2+2x)(式中、xは不飽和部位の数であり、nは4〜14であり、二環式構造中の炭素数は4〜12である)を有する少なくとも1つの多不飽和二環式炭化水素からなる群から選択される。
ヒドロキシベンゾフェノン系安定剤は下記構造
Figure 0005363087
(式中、R〜R10の少なくとも1つはヒドロキシル基であり、残りのR〜R10は独立して、水素、ヒドロキシル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルキル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルケニル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルコキシ基、置換又は非置換のC‐Cアリール基及びこれらの組み合わせからなる群から選択される)で表される。
ニトロキシルラジカル系安定剤は、少なくとも1つのNO基を有する下記構造
Figure 0005363087
(式中、中点「●」は1つの不対電子を示し、
〜Rは独立して、NO基に対して立体障害を起こす程の鎖長を有する、直鎖若しくは分岐鎖の、置換若しくは非置換の、アルキル又はアルケニル基(ただし、置換基は、ヒドロキシル基、カルボニル基、アルコキシド基、及びカルボキシル基からなる群から選択された酸素含有基を含む)から選択され、
及びRは独立して、直鎖若しくは分岐鎖の、置換若しくは非置換の、アルキル基又はアルケニル基から選択される)
で表される。
さらに上記の実施形態の幾つかについては、不飽和炭化水素系前駆体は2,5‐ノルボルナジエン(NBDE)及びイソプレンからなる群から選択され、ニトロキシルラジカル系安定剤は2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(TEMPO)、4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(4H‐TEMPO)及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、ヒドロキシベンゾフェノン系安定剤は2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ‐ベンゾフェノン(2H4MB)、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン(24DHB)、2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン(22DH4MB)及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、ヒドロキノン系安定剤はメチルヒドロキノン(MHQ)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(HQMME)及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、少なくとも1つの極性溶媒はジエトキシメチルシラン(DEMS)、イソプロパノール(IPA)及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
NBDEの経過サンプルを蒸発させてから得た不揮発性残留物の固体プローブ・マススペクトルである。 80℃でのNBDEの分解速度について本発明の各種の安定剤の効果を示す図である。 80℃でのNBDEの分解速度について本発明(右側)の安定剤及び先行技術の安定剤(左側)の様々な効果を示す図である。 保管及び輸送より前にNBDEが分解したときのDLI注入器での残留沈殿物の構造を示す図である。 DLI中にNBDEがその場で反応したときの残留生成物の構造を示す図である。 ジエトキシメチルシラン及びBCHD(BCHDは400ppm及び1000ppmのTEMPOを含む)を用いて堆積させた多孔質膜のダイナミック二次イオン質量分析(dSIMS)の分析結果である。
不飽和炭化水素系前駆体は環状不飽和炭化水素系でよい。
環状不飽和炭化水素系前駆体は、環状構造及び式C2n−2x(式中、xは不飽和部位の数であり、nは4〜14であり、環状構造中の炭素数が4〜10である)を有する単又は多不飽和環状炭化水素でよく、さらに所望により、少なくとも1つの単又は多不飽和環状炭化水素は、環状構造上で置換されている複数の直鎖又は分岐鎖の炭化水素系置換基を含んでよく、環内に又は炭化水素系置換基の1つに不飽和部位を含んでよい。例としては、シクロヘキセン、ビニルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキセン、t‐ブチルシクロヘキセン、α‐テルピネン、ピネン、1,5‐ジメチル‐1,5‐シクロオクタジエン、及びビニル‐シクロヘキセンが挙げられる。
環状不飽和炭化水素系前駆体は、一般式C2n−(2+2X)(式中、xは分子中の不飽和部位の数であり、n=4〜14であり、二環式構造中の炭素数は4〜12であり、環状構造は複数の直鎖又は分岐鎖の炭化水素で置換されていてもよい)の多不飽和二環式炭化水素でもよい。不飽和部位は、環内に又は環状構造に対する炭化水素系置換基の1つに位置してよい。例としては、カンフェン、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどが挙げられる。
不飽和炭化水素系前駆体は、直鎖の炭化水素系のような非環状でもよい。非環状不飽和炭化水素系前駆体の例はイソプレンである。
好ましくは、NBDE及びイソプレンが、低誘電率(low‐k)の誘電体を製造するための前駆体に選ばれる。
NBDE(2,5‐ノルボルナジエン)は、高い堆積速度及び高い利用効率のような好ましい堆積性を示すと考えられているその化学構造の高い不飽和度のために、特に魅力的な前駆体の候補である。利用効率は、所定の誘電率の多孔質low‐k膜を堆積させるために、有機ケイ酸塩前駆体に対して必要な炭化水素ポロジェン前駆体の量に関連する。不幸にも、NBDEの高い不飽和度は、それに固有の、オリゴマー化に対する熱的不安定性の原因になることもある。
ラボ評価では、NBDEが外気温度で分解して可溶性オリゴマー種を形成することが示された。分解生成物は、図1に示した様々な二量体、三量体、四量体、五量体、六量体などを含むNBDEオリゴマーの混合物の固体プローブ・マススペクトル分析によって確認された。
NBDEの分解は、低誘電率の膜を作るための前駆体として利用するときに複数の問題を起こす。高い分解速度は、前駆体の化学組成及び物理的性質が時間とともに変化することを示す。そのような変化は生成膜の性質に重大な影響を与え易く、エンドユーザーが薄膜製造業者の厳格な製造規格と一致する均質な膜を作ることを困難にする可能性がある。
NBDE及びイソプレンの分解が引き起こす第二の問題は、一般にそのような液体の前駆体に使われる化学物質の輸送法に関する。主にNBDE及びイソプレンのような揮発性の液体は、業界ではDLI又は直接液体注入と呼ばれる技術によって輸送される。DLIシステムでは、液体が注入口によって加熱された注入連結管の中に入るように、前駆体を精密に計量して装置に供給する。連結管を高温及び減圧で稼動させて前駆体を急激に蒸発させる。蒸発するとすぐに、ガス状の前駆体は堆積室に運ばれる。DLI供給法は、溶解したオリゴマー分解生成物とともにNBDE又はイソプレンの液体を装置に無制限に運ぶものである。オリゴマーは、加熱された注入連結管の温度及び圧力条件下では、揮発性に乏しいか、又は不揮発性のいずれかの筈である。低揮発度のオリゴマー成分の輸送によって、前記オリゴマー種が装置の配管に徐々に蓄積して、操作手段及び/又は膜質に有害な影響を与えるであろう。この注入工程は、分解を促進させたり自己重合を起こしたりするほどのエネルギーを与え、工程に悪影響を与える不揮発性の固体残留物を輸送システムに残すであろう。保存期間(静的安定性)を延ばすのに必要な安定剤及び濃度は、加熱された蒸気注入器による輸送(動的安定性)を達成するほどではないであろう。さらに、加熱された蒸気注入器による輸送(動的安定性)を達成する安定剤及び濃度は、注入器の温度に左右されるであろう。
本発明は、工業的に妥当な条件で加熱された、流動力学的な蒸気注入器によって輸送を達成するための好ましい安定剤の実施形態を開示する。
分解したNBDEを用いたときの予想される第三の問題は、部分的に分解したNBDEがDEMS(ジエトキシメチルシラン)のような、より極性の化学物質と接触することによって装置上に生じる可能性のある沈殿物に関する。高濃度の溶解したオリゴマー分解生成物を含むNBDEが、かなりの量のより極性の溶媒(例えば、アルコール又はDEMSのようなアルコキシシラン)と接触し始めれば、オリゴマーの瞬間的な沈殿が起きる筈である。この効果は実施例24、25及び30で説明されている。この沈殿は、かなりの量のDEMSがNBDEに加えられたときに液体混合物の全体的な極性が増加することによって引き起こされると考えられている。装置内の沈殿は、オリゴマー分解生成物を含むNBDEが、ポロジェン及びシリカ原料の共堆積中に、より極性の成分(例えばDEMS)と接触し始めたときに起こる筈である。そのような装置上の沈殿は、装置の動作不能時間を増加させるか、及び/又は、前駆体を詰まらせないように、或いは流量問題を避けるために、より頻繁な装置の予防的整備を余儀なくさせるであろう。オリゴマーの沈殿は、膜質への悪影響、及び/又はウエハー上の粒子数の増加などの間接的な問題も起こすであろう。
DLI中に安定化されていないNBDEを用いるときの、第四の不利点は、自己重合に使われるその低い活性化エネルギーに由来する。DLI中に、その液体の前駆体は、加熱された穴を通して高圧の滴下部を越えさせられる。この条件は超音速流が可能なほどである。この注入器の設計では、ほぼ90°の屈曲部や複数の衝突部が生じてしまう。室温を超える温度では、分子同士の激突、又は分子と注入器表面との激突は、自己重合するほどのエネルギーを与える。純NBDEモノマーを使用したときでさえも、その輸送条件は、DLIの範囲内で、より高分子量の不揮発性物質がその場で形成されて、処理工程に悪影響を与える可能性がある。
前駆体を製造環境で実行可能にするために、それらは製品の保管寿命に関する実用的要求を満たさなければならない。その製品の保管寿命は、エンドユーザー又は製造業者に、対象の化学物質を保管寿命の規格で決められた期間内に使用したときには所定の最低限の標準成績を備えるであろうという確信を抱かせるものである。実際には、主に製品の保管寿命は時間で決まり、化学物質は重要な化学成分に関する所定の純度要求を満たすであろう。このNBDE及びイソプレンの分解速度は、それらが最低限の保管寿命の基準に適したときにだけ、低誘電率の膜を製造するための前駆体として製造環境で実行可能になるような合格水準まで下がるに違いない。
我々のラボ試験によれば、NBDEは前述の態様において、外気温度では約1.4質量%/年の速度(1.6ppm/時間に相当する)で分解する。80℃では、分解速度は160倍に、つまり258ppm/時間まで増加する。NBDEに200ppmの(主に化学メーカーから供給される)BHTを混ぜると、その分解速度を31%だけ減少させるので、それは80℃では179ppm/時間で分解する。したがって、BHTがNBDEの分解速度を減少させるとはいえ、それを現在の用途で実用化するほど低下させるものではない。これらの実験は実施例2〜4で説明され、表1並びに図2及び3にまとめられている。
Teffらの米国特許出願公開第2007/0057235号明細書で明らかにされている安定剤MHQ及びHQMMEに関する我々のラボ試験によれば、確かにそれらはBHTよりもNBDEの重合を防止するのに効果的であった。例えば、200ppmのMHQはNBDEの分解速度を80℃で53ppm/時間に減少させ、或いは、200ppmのHQMMEは分解速度を80℃で47ppm/時間に落とすので、僅かに効果的であった。これらは、安定化されていないNBDEと比較して、分解速度についてそれぞれ79%及び82%の減少率を示している。このように、MHQ及びHQMMEは、NBDEを安定化させるのにBHTよりも効果的であるが、比較用試験条件下ではNBDE分解速度を31%までしか減少させない後述の防止剤と同程度であると分かった。したがって、MHQ及びHQMMEはBHTより効果的であるとはいえ、それらがNBDEのオリゴマー化を抑制する能力は限定的なものでもあり、現在の用途でNBDEを安定化する効用は限定的であろう。これらの実験は実施例4、7及び9で説明され、表1及び図3にまとめられている。
静的試験の結果に加えて、我々のラボ試験によれば、NBDEモノマーは、85℃では注入器によるDLI中に0.5質量%を超える割合で分解する。Teffらの米国特許出願公開第2007/0057235号明細書に開示されている200ppmの4‐メチルフェノール(「4MP」)は、85℃の注入器温度での動的安定性が不十分である。
本発明では、NBDEを安定化させるのに効果的な2種類の物質が開示されている。
これらの2種類の物質は、ヒドロキシベンゾフェノン及びニトロキシルラジカルである。キノン又はフェノール酸化防止剤と違って、これら2種類の防止剤には、最適に利用するために酸素が存在する必要が無い。
第一の種類の安定剤は、ヒドロキシベンゾフェノンとして知られている。ヒドロキシベンゾフェノンは、活性なUV吸収剤である光安定剤になることで知られている。それらは、熱的に不安定な不飽和炭化水素のオリゴマー化反応を抑制する能力では知られていない。
この種類の安定剤は、下記構造式
Figure 0005363087
(式中、R〜R10の少なくとも1つがOHであり、残りのR〜R10はそれぞれ、水素、ヒドロキシル基、直鎖、分岐鎖若しくは環状C‐C18アルキル基、直鎖、分岐鎖若しくは環状C‐C18アルケニル基、直鎖、分岐鎖若しくは環状C‐C18アルコキシ基、又は置換若しくは非置換のC‐Cアリール基でよい)で表される。R〜R10の適切な例としては、限定されるものではないが、水素、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert‐ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基又はtert‐ブトキシ基が挙げられる。
ヒドロキシベンゾフェノン系安定剤の適切な例としては、限定されるものではないが、2‐ヒドロキシ‐4‐(n‐オクチルオキシ)ベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン(2H4MB)、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン(24DHB)、2‐ヒドロキシ‐4‐(n‐ドデシルオキシ)ベンゾフェノン、2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン(22DH4MB)、2,2’‐ジヒドロキシ‐4,4’‐ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、4‐ヒドロキシベンゾフェノン及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
好ましいヒドロキシベンゾフェノンの例は、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ‐ベンゾフェノン(2H4MB)、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン(24DHB)、及び2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン(22DH4MB)である。
安定剤の量は、静的安定性については、好ましくは1〜5000百万分率(ppm)、より好ましくは5〜1000ppm、最も好ましくは20〜200ppmである。
安定剤の量は、工業的なDLI条件での動的安定性については、好ましくは1〜10,000百万分率(ppm)、より好ましくは200〜10,000ppm、最も好ましくは1000〜5000ppmである。
好ましい実施形態では、NBDE又はイソプレンが、低誘電率(low‐k)の誘電体を製造するための不飽和炭化水素系前駆体に選ばれ、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ‐ベンゾフェノン、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン、又は2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノンがヒドロキシベンゾフェノン系安定剤に選ばれる。安定剤の量は20〜200ppmである。ここで述べた好ましい実施形態の安定剤は、先行技術で開示されているものよりも分解速度を低く抑えるという点で著しく効果的であって、低誘電率の誘電体を製造するための前駆体を十分に大量生産する可能性を高めることが分かる。
ニトロキシルラジカルとして知られている第二の種類の安定剤は、下記構造で表される。
Figure 0005363087
前記ニトロキシルラジカル化合物には少なくとも1つのNO基があり、式中では、
中点「●」は1つの不対電子を示し、
さらに窒素原子は2つの炭素原子と結合していて、
〜Rは、同一又は異なった、NO基に立体障害を起こす程の鎖長の、直鎖若しくは分岐鎖の、置換若しくは非置換の、アルキル又はアルケニル基(ただし、置換基はヒドロキシル基、カルボニル基、アルコキシド基、カルボキシル基、これらの置換基などのような酸素含有基を含んでよい)であり、
及びRは同一の又は異なる、直鎖若しくは分岐鎖の、置換若しくは非置換の、アルキル又はアルケニル基であり、さらに様々な架橋基により結合して環状構造を形成してよく、例えば、別の飽和、部分的に不飽和若しくは芳香族の環と縮合していてよく、前述の環状構造又は環構造のいずれかは、例えば、直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又はヒドロキシル基、カルボニル基、アルコキシド基、カルボキシル基のような酸素含有基、これらの置換体などのような、環の置換基を有してよい。
〜Rの適切な例としては、限定されるものではないが、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、n‐ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、tert‐ブチル基、ネオ‐ペンチル基、オクタデシル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
及びRの適切な例としては、限定されるものではないが、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、n‐ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、tert‐ブチル基、ネオ‐ペンチル基、オクタデシル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基が挙げられ、またR及びRは6員環ピペリジン、5員環ピロリドンなどのような環状構造の一部を構成してよく、その例を下記に示す。これらの環構造は置換されていてよい。
Figure 0005363087
ニトロキシルラジカル系安定剤の適切な例としては、限定されるものではないが、2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(TEMPO)及び4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(4H‐TEMPO)、ジ‐tert‐ブチルニトロキシル、1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐オン、酢酸1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、2‐エチルヘキサン酸1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、ステアリン酸1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、安息香酸1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、4‐tert‐ブチル安息香酸1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、コハク酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、アジピン酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、セバシン酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、n‐ブチルマロン酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、フタル酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、イソフタル酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、テレフタル酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、ヘキサヒドロテレフタル酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、N,N’‐ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)アジポアミド、N‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)‐カプロラクタム、N‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)‐ドデシルスクシンイミド、イソシアヌル酸2,4,6‐トリス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、2,4,6‐トリス‐[N‐ブチル‐N‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル]‐s‐トリアジン、並びに4,4’‐エチレンビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペラジン‐3‐オン)が挙げられる。
好ましいニトロキシルラジカルの例はTEMPO及び4H‐TEMPOである。これら2つの化合物の構造を次に示す。
Figure 0005363087
安定剤の量は、好ましくは、1〜5000百万分率(ppm)、より好ましくは5〜1000ppm、最も好ましくは20〜200ppmである。
好ましい実施形態では、低誘電率の誘電体を製造するためにNBDE又はイソプレンが不飽和炭化水素系前駆体に選ばれ、またTEMPO又は4H‐TEMPOがニトロキシルラジカル系安定剤に選ばれる。安定剤の量は20〜200ppmである。ここで述べた好ましい実施形態の安定剤は、先行技術で開示されたものよりもNBDEの分解速度を低く抑えるという点で著しく効果的であって、多孔質low‐k誘電体を製造するためにそれを大量生産する可能性を高めることが分かる。
本発明をより詳しく説明するために次の実施例を示す。これらは単に説明的なものにすぎず、いかなる意味においても本発明を制限するものではない。
NBDEは外気温度でかなりの速度で分解して可溶性オリゴマー副生成物を形成する。分解によってNBDE液の変色が起きるかどうかは分からない。NBDE液中のオリゴマーの濃度を決定することで分解の程度を評価する。しかし、ガスクロマトグラフィー(有機溶媒に使われる最も一般的な化学分析法)は、NBDE溶液中のオリゴマーを計量する効果的な方法ではない。オリゴマーは反応性なのでGCにより正確に定量化できないし、そのような性質なので、それらはオリゴマー化する傾向がある。その高分子量のために、それらはとても長い保持時間の後にしかGCカラムから溶出しないが、おそらくまるで溶出しないので、それらは一般に不揮発性でもある。
NBDE溶液中のオリゴマーの量を確実に測定するために不揮発性残留物量試験が開発された。この評価を行なうために、ヘリウムのような高純度の不活性ガスをNBDE容器にパージしてNBDEを蒸発させ、不揮発性残留成分を残す。安定した最終質量を得るために、蒸発工程中に容器を少し加熱してよい。不揮発性残留物の質量は、このようにして決定され、溶液中のオリゴマーの量の評価基準に使われて、NBDEの分解の程度を示唆する。この大まかな方法は、実施例1でさらに詳しく説明する。
安定化されていないNBDEは、外気温度では約1.4%/年の速度で分解する。これは、約270ppm/週又は約1.6ppm/時間に相当する。実施期間内の相対的な分解を評価するために、安定化されていない及び安定化されたNBDEの各種のサンプルを標準化された加速経時変化試験の条件下に曝した。この試験は、NBDEを蒸留して不揮発性の分解生成物を除去する工程からなる。24時間以内に、蒸留したNBDEを後述する石英製容器の中に置き、60〜80℃で6〜7日間加熱した。この期間後に、容器を室温に冷やして、分解物の量を決定した。この態様では、各種の安定剤がNBDEの分解を低く抑える相対的な能力によって、それらを評価した。実施例2〜23では、有効な、安定化されたNBDEの各種サンプルの不揮発性残留物量(すなわち、分解の程度)の測定を説明する。実施例2に使われたNBDEは室温で経時変化させた。実施例3〜23で評価されたNBDEは、ここで述べた加速経時変化条件下に曝した。
実施例1
直前に蒸留したNBDEの残留物量の評価
回転式エバポレーターを用いて、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留物をGCにより分析すると、分析上の純度は99.4%であった。空の、洗浄されている1.2L石英製バブラーの風袋質量を排気後に記録した。先にバブラーにガス吸気口及び排気口(いずれもテフロン(登録商標)弁を取り付けられている)を取り付けた。バブラーの吸気口は、容器の底から1/8インチ以内まで達する浸漬管を有する。約600gのNBDEを窒素含有乾燥ボックス内の石英製バブラーに加えた。バブラーを再秤量してNBDEの質量を決めた。研究品質のHeのシリンダーをバブラー吸気管につないだ。バブラー温度を35℃に上げてNBDEの蒸気圧を上げた。Heをバブラーによって3.0SLPM(標準L/分)の流速で4時間パージしてNBDEを蒸発させた。この時点で、バブラー温度を80℃に上げ、バブラーを2.0時間排気して安定質量を得た。本実験を2回行なった。この2回の不揮発性残留物の質量は0.59g及び<0.01gであり、0.05質量%の平均残留物量に相当した。実験結果を表1にまとめる。
実施例2
外気温度で保管されたNBDEの分解速度の評価
13.0LのNBDEのサンプルを大気圧蒸留で精製した。蒸留したサンプルをGCにより分析すると、分析上の純度は99.4%であった。サンプルは薬品保管庫内に計287日間保管した。この時点で、実施例1で説明したように、前洗浄して事前に風袋測定したバブラーの中に約200gのNBDEを入れた。バブラーを35℃において3.0SLPMで4.0時間動かして、NBDEを蒸発させた。バブラー温度を80℃に上げ、バブラーを2.0時間排気して安定質量を得た。排気工程後にバブラーの最終質量を記録して、不揮発性残留物の質量を決定した。本実験を2回行なった。この2回の不揮発性残留物の質量は2.29g及び2.24gであり、1.12質量%の平均残留物量に相当した。これは、残留物の質量と287日間の経時変化を基準にすると、1.63ppm/時間の分解速度と等しい。実験結果を表1にまとめる。
実施例3
加速経時変化条件を用いたときの安定化されていないNBDEの分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。約150〜200gの蒸留したNBDEを、実施例1で説明したような洗浄済みの事前に風袋測定したバブラーに入れた。バブラーをオーブンの中に入れて80℃で7日間保持した。本研究では次の2つの理由から80℃の温度を選択した。
(1)分解速度が、10℃の温度上昇ごとに倍増する単純なアレニウス型挙動に従うと仮定して、80℃での7日間は、サンプルを外気温度で1年間経時変化させると起こるであろう分解の量を想定するように意図されている。
(2)化学気相成長ハードウェア内の混ぜ鉢及び/又は堆積室より前で前駆体を蒸発させるのに使われる加熱された連結管の常温が、80℃である。
7日間後に石英製バブラーを80℃のオーブンから出した。Heを3SLPMで6時間パージしながら、バブラーを35℃に保持した。この時点で、バブラー温度を80℃に上げ、バブラーを2.0時間排気して安定質量を得た。排気工程後にバブラーの最終質量を記録して、不揮発性残留物の質量を決定した。各種の安定剤を評価する「対照」に使うので、本実験を計6回行った。これらの平均不揮発性残留物量は4.33質量%であり、258ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。実験結果を表1並びに図2及び3にまとめる。
実施例4
加速経時変化条件を用いたときの200ppmのBHTで安定化されたNBDEの分解速度の評価
典型的には、NBDEの市販サンプルは、BHTで安定化されている。本実施例では、比較実験を行なって、安定剤としてBHTを用いたときのNBDEの分解速度を評価した。
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに200質量ppmのBHT安定剤を混ぜた。これは、化学品の供給業者から与えられたNBDEに存在するBHTと共通の量である。実施例3で説明したように、80℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は2.64質量%であり、179ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が31%減少したことを示す。実験結果を表1及び図3にまとめる。
実施例5
加速経時変化条件を用いたときの200ppmのTBCで安定化されたNBDEの分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに200質量ppmのTBC(p‐tert‐ブチルカテコール)安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、80℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は2.64質量%であり、157ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が39.1%減少したことを示す。実験結果を表1及び図3にまとめる。
実施例6
容器の上部に酸素を8体積%含むときの200ppmのTBCで安定化されたNBDEの分解速度の評価
典型的には、安定剤と併用した酸素の利用は、化学物質の輸送中及び保管中の安定性を高めるために行なわれる。酸素が、保管されている液体の上部にあるガスの5〜20%を占めている容器中に、重合性化学物質を保管することにより実現できる。この態様では、酸素は炭化水素液に溶けるので、重合反応の抑制を促進できる。酸素を窒素又はヘリウムなどの不活性ガスで希釈して、容器の上部のガス中に好ましい酸素含有量を与えることができる。一般に、材料が安定化される不燃性の環境を確保するために使われる。また、好ましいガス状酸素含有量にするために、適切な量の外気を容器の中に入れてよい。
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに200質量ppmのTBC安定剤を混ぜた。実施例1で説明したように、TBCで安定化されたNBDE約170g(約200mL)を窒素乾燥ボックス内の500mL石英製バブラーに加えた。バブラーを乾燥ボックスから取り出した。シリンジを使って、25sccm(標準立方センチメートル)の窒素をバブラー上部から抜いた。その後に、酸素ガスをバブラーの中に再注入することにより、25sccmの研究品質の酸素を上部に加えた。このように調製されたNBDEのバブラーの上部には、形式的に8体積%の酸素がある。実施例3で説明したように、80℃で7日間加熱することにより、サンプルを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は0.97質量%であり、57ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が77.7%減少したことを示す。実験結果を表1及び図3にまとめる。
実施例7
加速経時変化条件を用いたときの200ppmのMHQで安定化されたNBDEの分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに200質量ppmのMHQ(メチルヒドロキノン)安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、80℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は0.79質量%であり、47ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が81.7%減少したことを示す。実験結果を表1及び図3にまとめる。
実施例8
容器の上部に酸素を5体積%含むときの200ppmのMHQで安定化されたNBDEの分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに200質量ppmのMHQ安定剤を混ぜた。実施例1で説明したように、MHQで安定化されたNBDE約150g(約180mL)を窒素乾燥ボックス内の500mL石英製バブラーに加えた。バブラーを乾燥ボックスから取り出した。シリンジを使って、16sccm(標準立方センチメートル)の窒素をバブラー上部から抜いた。その後に、酸素ガスをバブラーの中に再注入することにより、16sccmの研究品質の酸素を容器の上部に加えた。このように調製されたNBDEのバブラーの上部には、形式上5体積%の酸素がある。実施例3で説明したように、80℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は0.39質量%であり、23ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が91.1%減少したことを示す。実験結果を表1及び図3にまとめる。
実施例9
加速経時変化条件を用いたときの200ppmのHQMMEで安定化されたNBDEの分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに200質量ppmのHQMME(ヒドロキノンモノメチルエーテル)安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、80℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は0.90質量%であり、53ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が79.3%減少したことを示す。実験結果を表1及び図3にまとめる。
実施例10
加速経時変化条件を用いたときの50ppmのHQMMEで安定化されたNBDEの分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに50質量ppmのHQMME安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、80℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。2回分の111g及び130gのNBDEを用いて、この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は1.42質量%であり、84ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が67.3%減少したことを示す。実験結果を表1及び図3にまとめる。
実施例11
加速経時変化条件を用いたときの500ppmのHQMMEで安定化されたNBDEの分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに500質量ppmのHQMME安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、80℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDE(209g)を加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。その不揮発性残留物量を測定すると1.73質量%であり、103ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が60.1%減少したことを示す。実験結果を表1及び図3にまとめる。
実施例12
加速経時変化条件を用いたときの200ppmの2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン(2H4MB)で安定化されたNBDEの分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに200質量ppmの2H4MB安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、80℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は0.33質量%であり、20ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が92.3%減少したことを示す。実験結果を表1並びに図2及び3にまとめる。
実施例13
加速経時変化条件を用いたときの200ppmの2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン(24DHB)で安定化されたNBDEの分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに200質量ppmの24DHB安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、80℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は0.21質量%であり、12ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が95.2%減少したことを示す。実験結果を表1並びに図2及び3にまとめる。
実施例14
加速経時変化条件を用いたときの200ppmの2、2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン(22DH4MB)で安定化されたNBDEの分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに200質量ppmの22DH4MB安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、80℃で7日間加熱して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は0.21質量%であり、13ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が95.1%減少したことを示す。実験結果を表1並びに図2及び3にまとめる。
実施例15
加速経時変化条件を用いたときの200ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの80℃における分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに200質量ppmのTEMPO安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、80℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は0.02質量%であり、1ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が99.4%減少したことを示す。実験結果を表1並びに図2及び3にまとめる。
実施例16
加速経時変化条件を用いたときの50ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの80℃における分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに50質量ppmのTEMPO安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、80℃で7日間加熱して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は0.04質量%であり、3ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が99.0%減少したことを示す。実験結果を表1並びに図2及び3にまとめる。
実施例17
加速経時変化条件を用いたときの20ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの80℃における分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに20質量ppmのTEMPO安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、80℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は0.10質量%であり、6ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が97.7%減少したことを示す。実験結果を表1並びに図2及び3にまとめる。
実施例18
加速経時変化条件を用いたときの5ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの80℃における分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに5質量ppmのTEMPO安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、80℃で6日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。その不揮発性残留物量は0.13質量%であり、9ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が96.5%減少したことを示す。実験結果を表1並びに図2及び3にまとめる。
実施例19
加速経時変化条件を用いたときの200ppmの4H‐TEMPOで安定化されたNBDEの80℃における分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに200質量ppmの4H‐TEMPO安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、80℃で6日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は0.10質量%であり、7ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が97.2%減少したことを示す。実験結果を表1並びに図2及び3にまとめる。
実施例20
加速経時変化条件を用いたときの20ppmの4H‐TEMPOで安定化されたNBDEの80℃における分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに20質量ppmの4H‐TEMPO安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、80℃で6日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は0.08質量%であり、6ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が97.8%減少したことを示す。実験結果を表1並びに図2及び3にまとめる。
実施例21
加速経時変化条件を用いたときの200ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの60℃における分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに200質量ppmのTEMPO安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、60℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は0.02質量%であり、1ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が99.5%減少したことを示す。実験結果を表1並びに図2及び3にまとめる。
実施例22
加速経時変化条件を用いたときの50ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの60℃における分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに50質量ppmのTEMPO安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、60℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は0.06質量%であり、3ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が98.7%減少したこと示す。実験結果を表1並びに図2及び3にまとめる。
実施例23
加速経時変化条件を用いたときの20ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの60℃における分解速度の評価
実施例1で説明したように、NBDEのサンプルをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。蒸留したNBDEに20質量ppmのTEMPO安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、60℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝して、次にHeをパージして不揮発性残留物の量を決定した。この試験を2回行なった。これら2回の平均不揮発性残留物量は0.03質量%であり、2ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。安定化されていないNBDEと比べて、分解速度が99.3%減少したことを示す。実験結果を表1並びに図2及び3にまとめる。
実施例24
経時変化した、安定化されていないNBDEと極性溶媒のDEMSとの混合
本実施例では、徐々に溶媒の実質的な極性を高めることにより、非極性オリゴマーを強制的に沈殿させる。窒素含有乾燥ボックス内で作業しながら、102.0gの安定化されていないNBDE(ただし、外気温度で287日間経時変化させたもの)を200mLパイレックス(登録商標)ボトルの中に入れた。同質量のDEMSを、2本目の同型のパイレックス(登録商標)ボトルの中に入れた。NBDEとDEMSは両方ともに、残留物や沈殿の兆候の無い透明、無色の液体であった。DEMSをNBDEに静かに加えて、2つの液体を混合した。約20gのDEMSを追加した後に、DEMS‐NBDE混合物には少量の白色の完全な沈殿物が見られた。DEMSの残りをNBDEに加えるにつれて、この沈殿物はより目立つようになった。白色沈殿物は、徐々にパイレックス(登録商標)容器の底に沈んだ。パイレックス(登録商標)容器の中身をシュレンク管に移した。このフラスコを室温で4時間、動的真空状態にしてから、1.20gの白色固体を残して、DEMSとNBDEの液を取り出した。この不揮発性固体残留物の質量は、NBDEの初期質量の1.18質量%に相当する。これは、1.71ppm/時間の外気温度における分解速度に等しい。この方法で決定した残留物の質量%は、図2及び3に示したHeパージ不揮発性残留物量試験によって測定された残留物の量とよく一致している。
実施例25
経時変化した、安定化されていないNBDEをDEMSと混合したときの沈殿物の評価
実施例1で説明したように、回転式エバポレーターを用いて、NBDEをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。GCにより蒸留物を分析すると、分析上の純度は99.4%であった。安定剤はNBDEに加えなかった。実施例3で説明したように、石英製バブラー内で、80℃で7日間加熱することにより、安定化されていないNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝した。2回分の87.64g及び90.23gのNBDEを用いて、この試験を2回行なった。80℃のオーブンから2つのバブラーを取り出したときに、NBDE液の沈殿や変退色の兆候は見られなかった。NBDEを室温に冷却した後に、溶解しているオリゴマー分解生成物を沈殿させるために、注入管を通してDEMSを各バブラーに静かに入れた。35〜40gのDEMSを安定化されていないNBDEに加えた後に、最初の完全な沈殿が見られた。各バブラーのDEMSに対するNBDEの質量比が1になるまで、追加のDEMSを加えた。この時点で、大量の白沈が見られ、かなりの量のオリゴマー分解生成物が存在することを示唆した。バブラーを30℃で4時間、動的真空状態にして、次に最後の排気を80℃で1時間行なうと、0.73gと1.04gの白色の固体残留物が残った。この量は、NBDEの初期質量を基準として平均不揮発性残留物量が1.00%であることを示し、59ppm/時間の80℃での分解速度に相当する。
実施例26
200ppmのHQMMEで安定化された、経時変化したNBDEとDEMSとを混合したときの沈殿物の減少量の評価
実施例1で説明したように、回転式エバポレーターを用いて、NBDEをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。GCにより蒸留物を分析すると、分析上の純度は99.4%であった。NBDEに200質量ppmのHQMME安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、石英製バブラー内で、80℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝した。2回分の98.77gと71.93gのNBDEを用いて、この試験を2回行なった。80℃のオーブンから2つのバブラーを取り出したとき、NBDE液の沈殿や変退色の兆候は見られなかった。NBDEを室温に冷却した後に、溶解しているオリゴマー分解生成物を沈殿させるために、注入管を通してDEMSを各バブラーに静かに加えた。各バブラーのDEMSに対するNBDEの質量比が1になるまで、DEMSを加え続けた。2つのバブラーのそれぞれに、かすかに濁った溶液ができたので、溶液から少量のオリゴマーが沈殿したことが分かった。バブラーを30℃で4時間、動的真空状態にして、次に最後の排気を80℃で1時間行なうと、0.17gと0.14gの白色の固体残留物が残った。この量は、NBDEの初期質量を基準として平均不揮発性残留物量が0.18質量%であることを示し、11ppm/時間の80℃での分解速度に相当した。実施例13で説明したものと同じ経時変化条件の安定化されていないNBDEを沈殿させたときと比べて、分解速度が82%減少したことを示す。実験結果を表2にまとめる。
実施例27
200ppmのMHQで安定化された、経時変化したNBDEとDEMSとを混合したときの沈殿物の減少量の評価
実施例1で説明したように、回転式エバポレーターを用いて、NBDEをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。GCにより蒸留物を分析すると、分析上の純度は99.4%であった。NBDEに200質量ppmのMHQ安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、石英製バブラー中で80℃において7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝した。2回分の105.17gと98.53gのNBDEを用いて、この試験を2回行なった。80℃のオーブンから2つのバブラーを取り出したとき、NBDE液の沈殿や変退色の兆候は見られなかった。NBDEを室温に冷却した後に、溶解しているオリゴマー分解生成物を沈殿させるために、注入管を通してDEMSを各バブラーに静かに加えた。各バブラーのDEMSに対するNBDEの質量比が1になるまで、DEMSを加え続けた。生成したNBDE‐DEMS混合物は、沈殿の兆候の見られない無色透明のままであった。バブラーを30℃で4時間、動的真空状態にして、次に最後の排気を80℃で1時間行なうと、0.10gと0.03gの白色の固体残留物が残った。この量は、NBDEの初期質量を基準として平均不揮発性残留物量が0.06質量%であることを示し、4ppm/時間の分解速度に相当した。実施例13で説明したものと同じ経時変化条件の安定化されていないNBDEを沈殿させたときと比べて、分解速度が94%減少することを示す。実験結果を表2にまとめる。
実施例28
200ppmの22DH4MBで安定化された、経時変化したNBDEとDEMSとを混合したときの沈殿物の減少量の評価
実施例1で説明したように、回転式エバポレーターを用いて、NBDEをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。GCにより蒸留物を分析すると、分析上の純度は99.4%であった。NBDEに200質量ppmの22DH4MB安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、石英製バブラー中で80℃において7日間加熱して、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝した。2回分の111.53gと106.22gのNBDEを用いて、この試験を2回行なった。80℃のオーブンから2つのバブラーを取り出したとき、NBDE液の沈殿や変退色の兆候は見られなかった。NBDEを室温に冷却した後に、溶解しているオリゴマー分解生成物を沈殿させるために、注入口を通してDEMSを各バブラーに静かに加えた。各バブラーのDEMSに対するNBDEの質量比が1になるまで、DEMSを加え続けた。こうして2つのバブラーのそれぞれに、濁った溶液が生じ、溶液から少量のオリゴマーが沈殿したことが分かった。バブラーを30℃で4時間、動的真空状態にして、次に最後の排気を80℃で1時間行なうと、0.51gと0.65gの白色の固体残留物が残った。これは、NBDEの初期質量を基準とした0.53質量%の平均不揮発性残留物量と一致し、32ppm/時間の80℃での分解速度に相当する。実施例25で説明したものと同じ経時変化条件の安定化されていないNBDEを沈殿させたときと比較して、分解速度が46%減少したことを示す。実験結果を表2にまとめる。
実施例29
200ppmのTEMPOで安定化された、経時変化したNBDEとDEMSとを混合したときの沈殿物の減少量の評価
実施例1で説明したように、NBDEをフラッシュ蒸留して、不揮発性不純物を除去した。GCにより蒸留物を分析すると、分析上の純度は99.4%であった。NBDEに200質量ppmのTEMPO安定剤を混ぜた。実施例3で説明したように、石英製バブラー中で、80℃で7日間加熱することにより、安定化されたNBDEを加速経時変化試験の条件下に曝した。2回分の94.77gと110.56gのNBDEを用いて、この試験を2回行なった。80℃のオーブンから2つのバブラーを取り出したとき、沈殿の兆候は見られなかった。NBDEを室温に冷却した後に、溶解しているオリゴマー分解生成物を沈殿させるために、注入口を通してDEMSを各バブラーに静かに加えた。各バブラーのDEMSに対するNBDEの質量比が1になるまで、DEMSを加え続けた。生成したNBDE‐DEMS混合物は、濁りや沈殿の兆候が見られず、透明なままだった。バブラーを30℃で4時間、動的真空状態にして、次に最後の排気を80℃で1時間行なうと、0.11gと0.10gの黄色がかった残留物が残った。これは、NBDEの初期質量を基準とした0.10質量%の平均不揮発性残留物量と一致し、6ppm/時間の分解速度に相当する。実施例25で説明したものと同じ経時変化条件の安定化されていないNBDEを沈殿させたときと比較して、分解速度が90%減少したことを示す。実験結果を表2にまとめる。
実施例30
経時変化した、安定化されていないNBDEと極性溶媒との混合
実施例24と同様に、窒素含有乾燥ボックス内で作業して、2.0mL(1.6g)のイソプロピルアルコール(IPA)を2.0mLの安定化されていないNBDE(1.7g)に静かに加えた。本試験に使用したNBDEを外気温度で287日間、経時変化させた。本実験に使用したNBDEとIPAは両方ともに、沈殿物や残留物の兆候のない無色透明の液体であった。最初に数滴のイソプロパノールを、経時変化させたNBDEに加えた後、すぐに完全な沈殿が見られた。沈殿物の量は、2.0mLのIPAの残りを加えるにつれて顕著になった。本実施例は、溶媒の実質的な極性を高めることによって非極性オリゴマーの大部分が沈殿することを再確認するものである。
実施例31
NBDE分解生成物の特性化
室温で数ヶ月間保管した、安定化されていないNBDEのサンプル50gを、テフロン(登録商標)弁を備えた100mL石英製アンプルの中に入れた。アンプルを室温で2時間排気すると、灰色がかった不揮発性残留物が生じた。生成した固体を集めて、固体ブローブ・マススペクトル分析法で分析した。この分析によって、二量体、三量体、四量体、五量体、六量体などのような、NBDEの様々なオリゴマーの存在が確認された。本分析による固体プローブ・マススペクトルを図1に示す。
Figure 0005363087
Figure 0005363087
実施例32
安定化されていない、経時変化したNBDEの流れ試験
100gのNBDEを新たに蒸留した。次に、室温での1年を想定して、この液体を80℃で1週間加熱した(加速経時変化)。実施例3の結果を基準にすると、予想される不揮発性オリゴマー濃度は約4質量%であり、その機構は図4に示されている。不活性雰囲気下でこの液体をエア プロダクツ アンド ケミカルズ社(ペンシルバニア州アレンタウン)製Chemguard(登録商標)液体貯蔵システムに移した。アプライド マテリアルズ社製Precision(登録商標)5000プラットフォームとホリバエステック(登録商標)2410蒸気注入器をプラットフォーム動的流れ試験に使用した。注入器温度を70℃にセットした。ヘリウムガスを30psiの圧力で使用して、この液体を蒸気注入器に押し出した。追加の200sccmのヘリウムを、注入面を横切る不活性キャリヤーとして使用した。下流のチャンバー圧を8torrにセットした。流速は1000mg/分であった。流れ試験を終えた後に、注入器に残留物があるかどうか検査した。かなりの量の固体を注入面上及び出口の内側で見つけた。
実施例33
安定化されていない、新たに蒸留したNBDEの流れ試験
100gのNBDEを新たに蒸留した。予想される不揮発性オリゴマー濃度は0であった。不活性雰囲気下でこの液体をエア プロダクツ ケミカルズ社(ペンシルバニア州アレンタウン)製Chemguard(登録商標)液体貯蔵システムに移した。アプライド マテリアルズ社製Precision(登録商標)5000プラットフォームとホリバエステック(登録商標)2410蒸気注入器をプラットフォーム動的流れ試験に使用した。注入器温度を80℃にセットした。ヘリウムガスを30psiの圧力で使用して、この液体を蒸気注入器に押し出した。追加の400sccmのヘリウムを、注入面を横切る不活性キャリヤーとして使用した。下流のチャンバー圧を10torrにセットした。流速は1800mg/分であった。製造条件を想定して、3分稼動、2分休止というサイクルで流した。蒸発前には不揮発性残留物が存在しないので、形成された残留物のいずれも、注入器内で、その場で生じた筈であり、図5に示した機構と一致する。流れ試験を終えた後に、注入器に残留物があるかどうか検査した。かなりの量の固体を注入面上及び出口の内側で見つけた。
実施例34
60℃の注入器温度における100ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの流れ試験
100gのNBDEを新たに蒸留して100ppmのTEMPOを加えた。予想される不揮発性オリゴマー濃度は0であった。不活性雰囲気下でこの液体をエア プロダクツ アンド ケミカルズ社(ペンシルバニア州アレンタウン)製Chemguard(登録商標)液体貯蔵システムに移した。アプライド マテリアルズ社製Precision(登録商標)5000プラットフォームとホリバエステック(登録商標)2410蒸気注入器をプラットフォーム動的流れ試験に使用した。注入器温度を60℃にセットした。ヘリウムガスを30psiの圧力で使用して、この液体を蒸気注入器に押し出した。追加の200sccmのヘリウムを、注入面を横切る不活性キャリヤーとして使用した。下流のチャンバー圧を8torrにセットした。流速は1000mg/分であった。製造条件を想定して、3分稼動、2分休止というサイクルで流した。流れ試験を終えた後に、注入器に残留物があるかどうか検査した。かなりの量の固体を注入面上及び出口の内側で見つけた。100ppmのTEMPOは室温安定性を伸ばすのに十分であるが、工業的条件でのDLI中の動的安定性を得るには不十分である。
実施例35
70℃の注入器温度における100ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの流れ試験
100gのNBDEを新たに蒸留して100ppmのTEMPOを加えた。予想される不揮発性オリゴマー濃度は0であった。不活性雰囲気下でこの液体をエア プロダクツ アンド ケミカルズ社(ペンシルバニア州アレンタウン)製Chemguard(登録商標)液体貯蔵システムに移した。アプライド マテリアルズ社製Precision(登録商標)5000プラットフォームとホリバエステック(登録商標)2410蒸気注入器をプラットフォーム動的流れ試験に使用した。注入器温度を70℃にセットした。ヘリウムガスを30psiの圧力で使用して、この液体を蒸気注入器に押し出した。追加の200sccmのヘリウムを、注入面を横切る不活性キャリヤーとして使用した。下流のチャンバー圧を8torrにセットした。流速は1000mg/分であった。製造条件を想定して、3分稼動、2分休止というサイクルで流した。流れ試験を終えた後に、注入器に残留物があるかどうか検査した。かなりの量の固体を注入面上及び出口の内側で見つけた。100ppmのTEMPOは室温安定性を伸ばすのに十分であるが、工業的条件でのDLI中の動的安定性を得るには不十分である。結果を表3にまとめた。
実施例36
70℃の注入器温度における200ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの流れ試験
100gのNBDEを新たに蒸留して、200ppmのTEMPOを加えた。予想される不揮発性オリゴマー濃度は0であった。不活性雰囲気下でこの液体を、エア プロダクツ アンド ケミカルズ社(ペンシルバニア州アレンタウン)製Chemguard(登録商標)液体貯蔵システムに移した。アプライド マテリアルズ社製Precision(登録商標)5000プラットフォームとホリバエステック(登録商標)2410蒸気注入器をプラットフォーム動的流れ試験に使用した。注入器温度を70℃にセットした。ヘリウムガスを30psiの圧力で使用して、この液体を蒸気注入器に押し出した。追加の200sccmのヘリウムを、注入面を横切る不活性キャリヤーとして使用した。下流のチャンバー圧を8torrにセットした。流速は1000mg/分であった。製造条件を想定して、3分稼動、2分休止というサイクルで流した。流れ試験を終えた後に、注入器に残留物があるかどうか検査した。注入器には何もなかった。結果を表3にまとめた。
実施例37
80℃の注入器温度における200ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの流れ試験
100gのNBDEを新たに蒸留して、200ppmのTEMPOを加えた。予想される不揮発性オリゴマー濃度は0であった。不活性雰囲気下でこの液体をエア プロダクツ アンド ケミカルズ社(ペンシルバニア州アレンタウン)製Chemguard(登録商標)液体貯蔵システムに移した。アプライド マテリアルズ社製Precision(登録商標)5000プラットフォームとホリバエステック(登録商標)2410蒸気注入器をプラットフォーム動的流れ試験に使用した。注入器温度を80℃にセットした。ヘリウムガスを30psiの圧力で使用して、この液体を蒸気注入器に押し出した。追加の400sccmのヘリウムを、注入面を横切る不活性キャリヤーとして使用した。下流のチャンバー圧を10torrにセットした。流速は1800mg/分であった。製造条件を想定して、3分稼動、2分休止というサイクルで流した。流れ試験を終えた後に、注入器に残留物があるかどうか検査した。注入器には残留物が軽く粉化していることが分かった。結果を表3にまとめた。
実施例38
85℃の注入器温度における200ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの流れ試験
100gのNBDEを新たに蒸留して200ppmのTEMPOを加えた。予想される不揮発性オリゴマー濃度は0であった。不活性雰囲気下でこの液体をエア プロダクツ アンド ケミカルズ社(ペンシルバニア州アレンタウン)製Chemguard(登録商標)液体貯蔵システムに移した。アプライド マテリアルズ社製Precision(登録商標)5000プラットフォームとホリバエステック(登録商標)2410蒸気注入器をプラットフォーム動的流れ試験に使用した。注入器温度を85℃にセットした。ヘリウムガスを30psiの圧力で使用して、この液体を蒸気注入器に押し出した。追加の400sccmのヘリウムを、注入面を横切る不活性キャリヤーとして使用した。下流のチャンバー圧を10torrにセットした。流速は1800mg/分であった。製造条件を想定して、3分稼動、2分休止というサイクルで流した。流れ試験を終えた後に、注入器に残留物があるかどうか検査した。注入器にかなりの残留物が見つかった。結果を表3にまとめた。
実施例39
80℃の注入器温度における400ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの流れ試験
100gのNBDEを新たに蒸留して400ppmのTEMPOを加えた。予想される不揮発性オリゴマー濃度は0であった。不活性雰囲気下でこの液体をエア プロダクツ アンド ケミカルズ社製Chemguard(登録商標)液体貯蔵システムに移した。アプライド マテリアルズ社製Precision(登録商標)5000プラットフォームとホリバエステック(登録商標)2410蒸気注入器をプラットフォーム動的流れ試験に使用した。注入器温度を80℃にセットした。ヘリウムガスを30psiの圧力で使用して、この液体を蒸気注入器に押し出した。追加の400sccmのヘリウムを、注入面を横切る不活性キャリヤーとして使用した。下流のチャンバー圧を10torrにセットした。流速は1800mg/分であった。製造条件を想定して、3分稼動、2分休止というサイクルで流した。流れ試験を終えた後に、注入器に残留物があるかどうか検査した。目視によると注入器には何もなかったが、ルーペで確認すると蒸気口の周りに僅かな粒子が見えた。結果を表3にまとめた。
実施例40
85℃の注入器温度における400ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの流れ試験
100gのNBDEを新たに蒸留して400ppmのTEMPOを加えた。予想される不揮発性オリゴマー濃度は0であった。不活性雰囲気下でこの液体をエア プロダクツ アンド ケミカルズ社(ペンシルバニア州アレンタウン)製Chemguard(登録商標)液体貯蔵システムに移した。アプライド マテリアルズ社製Precision(登録商標)5000プラットフォームとホリバエステック(登録商標)2410蒸気注入器をプラットフォーム動的流れ試験に使用した。注入器温度を85℃にセットした。ヘリウムガスを30psiの圧力で使用して、この液体を蒸気注入器に押し出した。追加の400sccmのヘリウムを、注入面を横切る不活性キャリヤーとして使用した。下流のチャンバー圧を10torrにセットした。流速は1800mg/分であった。製造条件を想定して、3分稼動、2分休止というサイクルで流した。流れ試験を終えた後に、注入器に残留物があるかどうか検査した。注入器から測定可能な量の粘性残留物が見つかった。結果を表3にまとめた。
実施例41
90℃の注入器温度における1000ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの流れ試験
100gのNBDEを新たに蒸留して1000ppmのTEMPOを加えた。予想される不揮発性オリゴマー濃度は0であった。不活性雰囲気下でこの液体をエア プロダクツ アンド ケミカルズ社(ペンシルバニア州アレンタウン)製Chemguard(登録商標)液体貯蔵システムに移した。アプライド マテリアルズ社製Precision(登録商標)5000プラットフォームとホリバエステック(登録商標)2410蒸気注入器をプラットフォーム動的流れ試験に使用した。注入器温度を90℃にセットした。ヘリウムガスを30psiの圧力で使用して、この液体を蒸気注入器に押し出した。追加の400sccmのヘリウムを、注入面を横切る不活性キャリヤーとして使用した。下流のチャンバー圧を10torrにセットした。流速は1800mg/分であった。製造条件を想定して、3分稼動、2分休止というサイクルで流した。流れ試験を終えた後に、注入器に残留物があるかどうか検査した。注入器には何もなかった。結果を表3にまとめた。
実施例41
90℃の注入器温度における1000ppmのTEMPOで安定化されたNBDEの流れ試験
100gのNBDEを新たに蒸留して1000ppmのTEMPOを加えた。予想される不揮発性オリゴマー濃度は0であった。不活性雰囲気下でこの液体をエア プロダクツ アンド ケミカルズ社(ペンシルバニア州アレンタウン)製、Chemguard(登録商標)液体貯蔵システムに移した。アプライド マテリアルズ社製Precision(登録商標)5000プラットフォームとホリバエステック(登録商標)2410蒸気注入器をプラットフォーム動的流れ試験に使用した。注入器温度を90℃にセットした。ヘリウムガスを30psiの圧力で使用して、この液体を蒸気注入器に押し出した。追加の400sccmのヘリウムを、注入面を横切る不活性キャリヤーとして使用した。下流のチャンバー圧を10torrにセットした。流速は1800mg/分であった。製造条件を想定して、3分稼動、2分休止というサイクルで流した。流れ試験を終えた後に、注入器に残留物があるかどうか検査した。注入器には何もなかった。結果を表3にまとめた。
実施例42
90℃の注入器温度におけるDEMS/NBDE膜の堆積
アプライド マテリアルズ社製Precision(登録商標)5000プラットフォームPECVDシステムとホリバエステック(登録商標)2410蒸気注入器を用いて、多孔質膜を堆積させて、次に広帯域UV照射によってポロジェン種を除去した。堆積の条件としては、90℃の注入器温度、275℃のチャンバー温度、600Wの電力、350ミルの電極間隔、8torrのチャンバー圧、450mg/分のDEMS流速と450mg/分のNBDE流速、及び400sccmのヘリウム流量が挙げられる。UV硬化の条件としては、12分の広帯域照射時間が挙げられる。400ppmと1000ppmのTEMPO安定剤の処方を用いて、膜を堆積させた。TEMPOが9質量%の窒素を含むので、窒素が混和した膜を調べるために、ダイナミック二次イオン質量分析(dSIMS)を行なった。結果を図6にまとめる。前駆体溶液の安定剤濃度には2倍を超える差があるとはいえ、dSIMS分析結果では窒素濃度に検出可能な差はない。
実施例43
90℃の注入器温度でさらに持続させたときの1800ppmのTEMPOで安定化させたNBDEの流れ試験
500gのNBDE(前の流れ試験の体積の5倍)を新たに蒸留して、1800ppmのTEMPOを加えた。予想される不揮発性オリゴマー濃度は0であった。不活性雰囲気下でこの液体をエア プロダクツ アンド ケミカルズ社(ペンシルバニア州アレンタウン)製Chemguard(登録商標)液体貯蔵システムに移した。アプライド マテリアルズ社製Precision(登録商標)5000プラットフォームとホリバエステック(登録商標)2410蒸気注入器をプラットフォーム動的流れ試験に使用した。注入器温度を90℃にセットした。ヘリウムガスを30psiの圧力で使用して、この液体を蒸気注入器に押し出した。追加の400sccmのヘリウムを、注入面を横切る不活性キャリヤーとして使用した。下流のチャンバー圧を10torrにセットした。流速は1800mg/分であった。製造条件を想定して、3分稼動、2分休止というサイクルで流した。流れ試験を終えた後に、注入器に残留物があるかどうか検査した。注入器には何もなかった。
Figure 0005363087
上記で列挙した本発明の実施形態は、実施例も含めて、本願発明を構成できる典型的な多数の実施形態である。具体的に開示されたもの以外にも、本方法には多数の他の形態を使うことができるし、本方法に使われる材料は、多数の材料から選択できると考えられる。要するに、本発明は特定の実施形態について説明されているが、本発明の全範囲は特許請求の範囲から判明するものである。

Claims (40)

  1. ノルボルネン、2,5‐ノルボルナジエン及びそれらの組み合わせから成る群から選択される物質;並びに
    以下の:
    (a)下記構造:
    Figure 0005363087
    {式中、R〜R10の少なくとも1つがヒドロキシル基であり、残りのR〜R10のそれぞれが独立して、水素、ヒドロキシル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルキル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルケニル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルコキシ基、置換又は非置換C‐Cアリール基及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。}
    を有するヒドロキシベンゾフェノン、及び
    (b)下記構造:
    Figure 0005363087
    {式中、中点「●」は1つの不対電子を示し、
    〜R のそれぞれは独立して、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、n‐ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、tert‐ブチル基、ネオ‐ペンチル基、オクタデシル基、プロペニル基、ブテニル基及びペンテニル基からなる群から選択され、
    及びRは独立して、直鎖若しくは分岐鎖の、置換若しくは非置換の、アルキル基又はアルケニル基から選択され、前記R 及びR 中のアルキル基又はアルケニル基は、架橋基により結合して、飽和、部分的不飽和又は芳香族環の環状構造を形成してもよい。}
    を有するニトロキシルラジカル
    から成る群から選択される安定剤;
    から成る、安定化された組成物。
  2. 前記物質が、2,5‐ノルボルナジエン(NBDE)である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記構造(a)において、前記残りのR〜R10のそれぞれが、水素、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert‐ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert‐ブトキシ基及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記ヒドロキシベンゾフェノンが、2‐ヒドロキシ‐4‐(n‐オクチルオキシ)ベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン(2H4MB)、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン(24DHB)、2‐ヒドロキシ‐4‐(n‐ドデシルオキシ)ベンゾフェノン、2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン(22DH4MB)、2,2’‐ジヒドロキシ‐4,4’‐ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、4‐ヒドロキシベンゾフェノン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記構造(b)において、前記R及びR中のアルキル基又はアルケニル基が、架橋基により結合して、飽和、部分的不飽和又は芳香族環の環状構造を形成している、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記構造(b)において、前記R及びRのそれぞれが、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、n‐ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、tert‐ブチル基、ネオ‐ペンチル基、オクタデシル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、並びに6員環ピペリジン又は5員環ピロリドンの環状構造及びその置換環状構造の一部分からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記ニトロキシルラジカルが、2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(TEMPO)、4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(4H‐TEMPO)、ジ‐tert‐ブチルニトロキシル、1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐オン、酢酸1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、2‐エチルヘキサン酸1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、ステアリン酸1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、安息香酸1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、4‐tert‐ブチル安息香酸1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、コハク酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、アジピン酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、セバシン酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、n‐ブチルマロン酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、フタル酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、イソフタル酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、テレフタル酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、ヘキサヒドロテレフタル酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、N,N’‐ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)アジポアミド、N‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)‐カプロラクタム、N‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)‐ドデシルスクシンイミド、イソシアヌル酸2,4,6‐トリス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、2,4,6‐トリス‐[N‐ブチル‐N‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル]‐s‐トリアジン、4,4’‐エチレンビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペラジン‐3‐オン)及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記ニトロキシルラジカルが、2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(TEMPO)及び4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(4H‐TEMPO)からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記安定剤が1〜10,000ppmの範囲内で存在する、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記安定剤が200〜10,000ppmの範囲内で存在する、請求項に記載の組成物。
  11. 前記安定剤が1000〜5,000ppmの範囲内で存在する、請求項10に記載の組成物。
  12. 2,5‐ノルボルナジエン(NBDE);並びに
    以下の:
    (a)下記構造:
    Figure 0005363087
    {式中、R〜R10の少なくとも1つがヒドロキシル基であり、残りのR〜R10のそれぞれが独立して、水素、ヒドロキシル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルキル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルケニル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルコキシ基、置換又は非置換C‐Cアリール基及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。}
    を有するヒドロキシベンゾフェノン、及び
    (b)下記構造:
    Figure 0005363087
    {式中、中点「●」は1つの不対電子を示し、
    〜R のそれぞれは独立して、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、n‐ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、tert‐ブチル基、ネオ‐ペンチル基、オクタデシル基、プロペニル基、ブテニル基及びペンテニル基からなる群から選択され、
    及びRは独立して、直鎖若しくは分岐鎖の、置換若しくは非置換の、アルキル基又はアルケニル基から選択され、前記R 及びR 中のアルキル基又はアルケニル基は、架橋基により結合して、飽和、部分的不飽和又は芳香族環の環状構造を形成してもよい。}
    を有するニトロキシルラジカル
    から成る群から選択される安定剤;
    から成る、安定化された組成物。
  13. 前記安定剤が1〜10,000ppmの範囲内で存在する、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記安定剤が200〜10,000ppmの範囲内で存在する、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記安定剤が1000〜5,000ppmの範囲内で存在する、請求項14に記載の組成物。
  16. 前記構造(a)において、前記R〜R10のそれぞれが独立して、水素、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert‐ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基及びtert‐ブトキシ基からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
  17. 前記ヒドロキシベンゾフェノンが、2‐ヒドロキシ‐4‐(n‐オクチルオキシ)ベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン(2H4MB)、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン(24DHB)、2‐ヒドロキシ‐4‐(n‐ドデシルオキシ)ベンゾフェノン、2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン(22DH4MB)、2,2’‐ジヒドロキシ‐4,4’‐ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、4‐ヒドロキシベンゾフェノン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
  18. 前記構造(b)において、さらに、前記R及びR中のアルキル基又はアルケニル基が、架橋基により結合して、飽和、部分的不飽和又は芳香族環の環状構造を形成している、請求項12に記載の組成物。
  19. 前記構造(b)において、前記R及びRのそれぞれが独立して、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、n‐ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、tert‐ブチル基、ネオ‐ペンチル基、オクタデシル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、並びに6員環ピペリジン又は5員環ピロリドンの環状構造及びその置換環状構造の一部分からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
  20. 前記ニトロキシルラジカルが、2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(TEMPO)、4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(4H‐TEMPO)、ジ‐tertブチルニトロキシル、1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐オン、酢酸1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、2‐エチルヘキサン酸1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、ステアリン酸1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、安息香酸1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、4‐tert‐ブチル安息香酸1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、コハク酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、アジピン酸ビス(1‐オキシル2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、セバシン酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、n‐ブチルマロン酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、フタル酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、イソフタル酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、テレフタル酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、ヘキサヒドロテレフタル酸ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)、N,N’‐ビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)アジポアミド、N‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)‐カプロラクタム、N‐(1‐オキシル2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル)‐ドデシルスクシンイミド、イソシアヌル酸2,4,6‐トリス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル、2,4,6‐トリス‐[N‐ブチル‐N‐(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐4‐イル]‐s‐トリアジン、4,4’‐エチレンビス(1‐オキシル‐2,2,6,6‐テトラメチルピペラジン‐3‐オン)及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
  21. 前記ニトロキシルラジカルが、2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(TEMPO)及び4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(4H‐TEMPO)からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
  22. ノルボルネン、2,5‐ノルボルナジエン及びそれらの組み合わせから成る群から選択される物質;
    少なくとも1つの極性溶媒;並びに
    以下の:
    (a)下記構造:
    Figure 0005363087
    {式中、R〜R10の少なくとも1つがヒドロキシル基であり、残りのR〜R10のそれぞれが独立して、水素、ヒドロキシル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルキル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルケニル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルコキシ基、置換又は非置換C‐Cアリール基及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。}
    を有するヒドロキシベンゾフェノン、
    (b)下記構造:
    Figure 0005363087
    {式中、中点「●」は1つの不対電子を示し、
    〜R のそれぞれは独立して、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、n‐ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、tert‐ブチル基、ネオ‐ペンチル基、オクタデシル基、プロペニル基、ブテニル基及びペンテニル基からなる群から選択され、
    及びRは独立して、直鎖若しくは分岐鎖の、置換若しくは非置換の、アルキル基又はアルケニル基から選択され、前記R 及びR 中のアルキル基又はアルケニル基は、架橋基により結合して、飽和、部分的不飽和又は芳香族環の環状構造を形成してもよい。}
    を有するニトロキシルラジカル、及び
    メチルヒドロキノン(MHQ)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(HQMME)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるヒドロキノン
    から成る群から選択される安定剤;
    を含む、安定化された組成物。
  23. 前記安定剤が1〜10,000ppmの範囲内で存在する、請求項22に記載の組成物。
  24. 前記安定剤が200〜10,000ppmの範囲内で存在する、請求項23に記載の組成物。
  25. 前記安定剤が1000〜5,000ppmの範囲内で存在する、請求項24に記載の組成物。
  26. 前記物質が、2,5‐ノルボルナジエン(NBDE)であり、
    前記ニトロキシルラジカルが、2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(TEMPO)、4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(4H‐TEMPO)及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
    前記ヒドロキシベンゾフェノンが、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ‐ベンゾフェノン(2H4MB)、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン(24DHB)、2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン(22DH4MB)及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
    前記少なくとも1つの極性溶媒がジエトキシメチルシラン(DEMS)、イソプロパノール(IPA)及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、
    請求項22に記載の組成物。
  27. さらに、前記ヒドロキノンと併用して、NO、NO、NO、CO、O、及びこれらの組み合わせからなる群から選択された酸化ガスを含む、請求項22に記載の組成物。
  28. 以下の:
    (a)下記構造:
    Figure 0005363087
    {式中、R〜R10の少なくとも1つがヒドロキシル基であり、残りのR〜R10のそれぞれが独立して、水素、ヒドロキシル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルキル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルケニル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルコキシ基、置換又は非置換C‐Cアリール基及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。}
    を有するヒドロキシベンゾフェノン、及び
    (b)下記構造:
    Figure 0005363087
    {式中、中点「●」は1つの不対電子を示し、
    〜R のそれぞれは独立して、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、n‐ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、tert‐ブチル基、ネオ‐ペンチル基、オクタデシル基、プロペニル基、ブテニル基及びペンテニル基からなる群から選択され、
    及びRは独立して、直鎖若しくは分岐鎖の、置換若しくは非置換の、アルキル基又はアルケニル基から選択され、前記R 及びR 中のアルキル基又はアルケニル基は、架橋基により結合して、飽和、部分的不飽和又は芳香族環の環状構造を形成してもよい。}
    を有するニトロキシルラジカル
    から成る群から選択される安定剤を与える工程を含む、
    ノルボルネン、2,5‐ノルボルナジエン及びそれらの組み合わせから成る群から選択される物質が重合しないように該物質を安定化する方法。
  29. 前記安定剤が1〜10,000ppmの範囲内で存在する、請求項28に記載の方法。
  30. 前記安定剤が200〜10,000ppmの範囲内で存在する、請求項29に記載の方法。
  31. 前記安定剤が1000〜5,000ppmの範囲内で存在する、請求項30に記載の方法。
  32. 前記物質が、2,5‐ノルボルナジエン(NBDE)であり、
    前記ニトロキシルラジカルが、2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(TEMPO)、4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(4H‐TEMPO)及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
    前記ヒドロキシベンゾフェノンが、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ‐ベンゾフェノン(2H4MB)、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン(24DHB)、2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン(22DH4MB)及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、
    請求項28に記載の方法。
  33. 2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ‐ベンゾフェノン(2H4MB)、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン(24DHB)、2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン(22DH4MB)及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるヒドロキシベンゾフェノン、並びに
    2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(TEMPO)、4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(4H‐TEMPO)及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるニトロキシルラジカル
    からなる群から選択される安定剤を与える工程を含む、2,5‐ノルボルナジエン(NBDE)が重合しないように2,5‐ノルボルナジエン(NBDE)を安定化する方法。
  34. ノルボルネン、2,5‐ノルボルナジエン及びそれらの組み合わせから成る群から選択される物質が少なくとも1つの極性溶媒と接触したことによって固体が沈殿しないように、該物質を安定化する方法であって、
    (i)以下の:
    (a)下記構造:
    Figure 0005363087
    {式中、R〜R10の少なくとも1つがヒドロキシル基であり、残りのR〜R10のそれぞれが独立して、水素、ヒドロキシル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルキル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルケニル基、直鎖、分岐鎖又は環状C‐C18アルコキシ基、置換又は非置換C‐Cアリール基及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。}
    を有するヒドロキシベンゾフェノン、
    (b)下記構造:
    Figure 0005363087
    {式中、中点「●」は1つの不対電子を示し、
    〜R のそれぞれは独立して、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、n‐ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、tert‐ブチル基、ネオ‐ペンチル基、オクタデシル基、プロペニル基、ブテニル基及びペンテニル基からなる群から選択され、
    及びRは独立して、直鎖若しくは分岐鎖の、置換若しくは非置換の、アルキル基又はアルケニル基から選択され、前記R 及びR 中のアルキル基又はアルケニル基は、架橋基により結合して、飽和、部分的不飽和又は芳香族環の環状構造を形成してもよい。}
    を有するニトロキシルラジカル、及び
    (c)メチルヒドロキノン(MHQ)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(HQMME)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるヒドロキノン
    から成る群から選択される安定剤を該物質に加える工程、並びに
    (ii)前記工程(i)の混合物を該少なくとも1つの極性溶媒と接触させる工程
    を含む、前記方法。
  35. 前記物質が、2,5‐ノルボルナジエン(NBDE)であり、
    前記ニトロキシルラジカルが、2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(TEMPO)、4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシ(4H‐TEMPO)及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
    前記ヒドロキシベンゾフェノンが、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ‐ベンゾフェノン(2H4MB)、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン(24DHB)、2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン(22DH4MB)及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
    前記少なくとも1つの極性溶媒が、ジエトキシメチルシラン(DEMS)、イソプロパノール(IPA)及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、
    請求項34に記載の方法。
  36. さらに、前記ヒドロキノンと併用して、NO、NO、NO、CO、O、及びこれらの組み合わせからなる群から選択された酸化ガスを前記物質に加える工程を含む、請求項34に記載の方法。
  37. 前記構造(a)において、前記残りのR〜R10のそれぞれが、水素、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert‐ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert‐ブトキシ基及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項22に記載の組成物。
  38. 前記構造(b)において、前記R及びRのそれぞれが、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、n‐ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、tert‐ブチル基、ネオ‐ペンチル基、オクタデシル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、並びに6員環ピペリジン又は5員環ピロリドンの環状構造及びその置換環状構造の一部分からなる群から選択される、請求項22に記載の組成物。
  39. 前記構造(a)において、前記残りのR〜R10のそれぞれが、水素、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert‐ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert‐ブトキシ基及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項28又は34に記載の方法。
  40. 前記構造(b)において、前記R及びRのそれぞれが、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、n‐ブチル基、n‐ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、tert‐ブチル基、ネオ‐ペンチル基、オクタデシル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、並びに6員環ピペリジン又は5員環ピロリドンの環状構造及びその置換環状構造の一部分からなる群から選択される、請求項28又は34に記載の方法。
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