JP5351134B2

JP5351134B2 - ネクタイの結び目用芯部材

Info

Publication number: JP5351134B2
Application number: JP2010283011A
Authority: JP
Inventors: 千秋松原
Original assignee: 有限会社フタバ
Priority date: 2010-12-20
Filing date: 2010-12-20
Publication date: 2013-11-27
Anticipated expiration: 2030-12-20
Also published as: JP2012132110A

Description

本発明は、ネクタイの結び目の形態を整える結び目用芯部材に関する。

図６に示したように、ネクタイ１００の正面視略逆三角形に形成される結び目１０１に対し、上方に開いた開口部分１０１ａから内部に入れて結び目１０１内に装填される結び目用芯部材１０２が従来より存在する。

実開昭５８−１８０２２８号公報

特許文献１に記載された従来の芯部材１０２は、弾性体であるスポンジを球形にした構造であったため、その弾性により結び目１０１を外側に膨らませる向きに力が作用する。したがって、結び目１０１に「えくぼ」等を形成して変化を与えようとしても、芯部材１０２の弾性が邪魔をして思うような仕上がりにならない可能性があった。
また、丸いスポンジを結び目に挿入する際、入れやすくするために指で潰しても、離した瞬間に丸く復元して結び目の開口部分に引っ掛かるため、指で中まで完全に押し込む必要があり、装填に時間が掛かるおそれがあった。通常、ネクタイを締める時間帯は、出勤前で慌ただしいことが予想されるため、僅かな時間のロスでも使用を躊躇させる要因になりかねない。

本発明は上記に鑑みなされたもので、その目的は、ネクタイの結び目の形態を好みの形状に整えることができ、しかも迅速に装着することが可能なネクタイの結び目用芯部材を提供することにある。なお、本発明において結び目の形態を整えるという概念には、結び目の形態をきちんとした形にする場合の他、逆に結び目の形態をきちんとした形から任意の形状に意図的に変形させるものをも包含する。

上記の目的を達成するため本発明は、ネクタイの正面視略逆三角形に形成される結び目に対し、結び目の上方に開いた開口部分から内部に装填して結び目形態を整える芯部材であって、柔軟性と可塑性を備えた自在芯材と、伸縮可能な薄い素材により下側が窄まり上に向かって拡がる袋形態に形成される伸縮カバー材と、を有し、前記伸縮カバー材の中に前記自在芯材を封入してなるネクタイの結び目用芯部材を提供する。

また、請求項２に記載したように、前記自在芯材は、工作用油粘土に油等の柔軟添加剤を加えて混練したものである請求項１記載のネクタイの結び目用芯部材を提供する。

また、請求項３に記載したように、前記伸縮カバー材は、薄い合成ゴムで形成されている請求項１又は２に記載のネクタイの結び目用芯部材を提供する。

また、請求項４に記載したように、前記伸縮カバー材は、薄い合成ゴム製の手袋から切断した指の部分を袋形態にして形成したものである請求項３に記載のネクタイの結び目用芯部材を提供する。

本発明の結び目用芯部材は、柔軟性と可塑性を備えた自在芯材を袋形態の伸縮カバー材の中に封入したものであるため、伸縮カバー材が変形可能な範囲内において自由に変形させることができる。したがって、ネクタイの結び目にボリュームを与えてきちんとした形に整えたり或は結び目の一部に凹みを設けて崩れたデザインに意図的に変形させる、ということが自由に行える。また、片手で握るだけで細く絞った形状に変形させることができるため、結び目の上部開口に容易に滑り込ませることができるから装着に殆ど時間が掛からない。また、結び目に入れた後でも、簡単に変形可能であるため、使い勝手が非常によい。

また、芯部材の材質としては、請求項２に記載したように工作用油粘土に油等の柔軟添加剤を加えて混練したものが最適であり、これを伸縮カバー材に入れて封入すれば、長期間柔軟さを失わない。

また、請求項３のように、伸縮カバー材を薄い合成ゴムで形成することにより、自在芯材にまとわりつくような状態で一体に変形し、なおかつ、ネクタイの布地に対する摩擦抵抗が大きいため、ネクタイの弛み止めとしても機能させることができる。

また、請求項４のように、薄い合成ゴム製の手袋から切断した指の部分を袋形態にして伸縮カバー材とすることにより、伸縮カバー材の製造に要する初期コストを低く抑えることができる。

芯部材を装着する状態を示すネクタイの斜視図である。芯部材を装着した状態を示すネクタイの正面図である。芯部材の正面図である。芯部材の側面図である。芯部材の分解斜視図である。従来の芯部材を装着する状態を示すネクタイの斜視図である。

以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明の芯部材１は、概ね大人の親指を一回り大きくした程度の大きさであり、図５に示したように自在芯材２と伸縮カバー材３で構成される。

前記自在芯材２は、例えば炭酸カルシウム、脂肪酸ナトリウム、油脂等を混練してなる市販の工作用油粘土（例えば、有限会社キューピットスタップ社製、商品名「油ねんど」）に、さらに５重量％〜１０重量％程度の柔軟添加剤（例えば機械油や食用油等の油）を加えて混練したものであり、適度な柔軟性と可塑性を備えている。なお、市販の工作用油粘土をそのまま混練して自在芯材２としてもよいが、実施形態のように柔軟添加剤を加えた方が柔軟性が増して使い勝ってがよく、なおかつ長期間硬化しないため寿命も長い。

前記伸縮カバー材３は、伸縮可能な素材により下側が窄まり上に向かって拡がる袋形態になっており、伸縮可能な性質と形状並びに大人の親指より一回り大きい程度の大きさという条件から、既存の合成ゴム（極薄ニトリルゴム）製の手袋の指の部分がぴったり適合する。したがって合成ゴム製の手袋から指の部分を切断すれば、各種サイズの伸縮カバー材３が金型などの設備を要することなく簡単に製造できる。もちろん伸縮カバー材３を大量生産する場合には専用の金型などの設備を用意して製造すればよい。

そして、この伸縮カバー材３に自在芯材２を図５矢示のように入れて袋形態の上の口を紐４で縛って封入すれば図３，図４に示したような芯部材１が出来上がる。この芯部材１は、例えば正面を押さえると図３，図４のように簡単に凹む柔軟性があり、また、凹んだまま戻らない可塑性がある。なお、上記した芯部材１を試作して出願時において９ヶ月以上経過しているが、現時点でも柔軟性と可塑性は持続している。

以上のように構成される本発明の芯部材１は、図１矢示のようにネクタイ５の正面視略逆三角形に形成される結び目６に対し、上方に開いた開口部分６ａから内部に入れて結び目６内に装填される。その際、芯部材１が結び目６に入れにくい場合は片手で握って細く絞るようにしてから入れてもよい。
そして、その状態からさらにネクタイ５の結び目６を締めてその形を手で整えると、加えた力に応じて中の芯部材１も一緒に変形し、そうして変形した形が芯部材１によって維持されるため、結び目６の形態を思い通りに整えることが出来る。

なお、ネクタイ５の結び方は多様であるが、いずれの場合も最終段階で大剣部７を結び目６に通すから、その段階で上方に生じる開口部分６ａに芯部材１を入れればよい。
また、前記のように合成ゴム製の手袋から伸縮カバー材３を形成することにより、例えば親指で「大」、人差し指、中指、薬指で「中」、小指で「小」の各サイズが出来るから、ネクタイ５の幅や材質に合わせて芯部材１のサイズが選択できるような複数サイズのセットを形成してもよい。

以上本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば実施形態では、工作用油粘土に加える柔軟添加剤として油を使用したが、試作品による実験を繰り返した結果、柔軟添加剤としてゼラチンや水飴も使用可能であることが確認されている。要は工作用油粘土の柔軟性をさらに高めることができればどのようなものでもよい。

また、本発明の芯部材１は、柔軟性と可塑性を備えた自在芯材２を伸縮カバー材３に封入したものであって、粘土細工をしているような心地よい感触が手を汚さず得られることより、握って変形させる動作を繰り返すなどして例えば腕機能や脳機能などの身体の機能を回復するリハビリ器具として利用することもできる。その場合、伸縮カバー材３を合成ゴムで形成しておけば、使用後の消毒もアルコール等により簡単に行えるから、複数人による使い回しも容易である。

１ …芯部材
２ …自在芯材
３ …伸縮カバー材
５ …ネクタイ
６ …結び目
６ａ…開口部分

Claims

ネクタイの正面視略逆三角形に形成される結び目に対し、結び目の上方に開いた開口部分から内部に装填して結び目形態を整える芯部材であって、
柔軟性と可塑性を備えた自在芯材と、
伸縮可能な薄い素材により下側が窄まり上に向かって拡がる袋形態に形成される伸縮カバー材と、を有し、
前記伸縮カバー材の中に前記自在芯材を封入してなることを特徴とするネクタイの結び目用芯部材。
前記自在芯材は、工作用油粘土に油等の柔軟添加剤を加えて混練したものであることを特徴とする請求項１記載のネクタイの結び目用芯部材。
前記伸縮カバー材は、薄い合成ゴムで形成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載のネクタイの結び目用芯部材。
前記伸縮カバー材は、薄い合成ゴム製の手袋から切断した指の部分を袋形態にして形成したものであることを特徴とする請求項３に記載のネクタイの結び目用芯部材。