JP5337779B2 - 安定化されたイミダゾール誘導体含有医薬組成物、イミダゾール誘導体の安定化方法 - Google Patents
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Description
一方、ステロイドC17,20リアーゼ阻害活性を有し、前立腺癌、乳癌等の腫瘍の予防・治療剤として有用な縮合イミダゾール誘導体の光学活性体である後述の式(I)で表される化合物が開示されている(特許文献1参照)。
したがって、本発明の目的は、医薬組成物中の生理活性を有する化合物の安定性を向上させる方法を提供すること、及び安定化した医薬組成物を提供することである。
〔1〕式:
〔2〕糖アルコールがマンニトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトールおよびラクチトールからなる群より選択される1または2以上である、前記〔1〕記載の医薬組成物;
〔3〕さらにpH調整剤を含有する前記〔1〕記載の医薬組成物;
〔4〕医薬組成物のpHを6.0-10.5に制御する量のpH調整剤を含有する前記〔3〕記載の医薬組成物;
〔5〕医薬組成物のpHを6.0-9.5に制御する量のpH調整剤を含有する前記〔3〕記載の医薬組成物;
〔6〕式:
〔7〕医薬組成物のpHを6.0-10.5に制御する量のpH調整剤を含有する前記〔6〕記載の医薬組成物;
〔8〕医薬組成物のpHを6.0-9.5に制御する量のpH調整剤を含有する前記〔6〕記載の医薬組成物;
〔9〕医薬固形組成物である前記〔1〕または〔6〕記載の医薬組成物;
〔10〕Arが置換基を有していてもよい単環もしくは二環性芳香族縮合環である前記〔1〕または〔6〕記載の医薬組成物;
〔11〕Arが置換されていてもよく、環構成原子として0ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10個の原子から構成され炭素原子で結合する芳香環である前記〔1〕または〔6〕記載の医薬組成物;
〔12〕Arが式:
〔13〕Arが式:
〔14〕Arが式:
〔15〕式(I)で表される化合物が、以下の化合物からなる群より選択されるものである、前記〔1〕または〔6〕記載の医薬組成物:
7-(5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(R)-オール、7-(5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(S)-オール、7-(5-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(R)-オール、7-(5-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(S)-オール、7-(4'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-3-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(R)-オール、7-(4'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-3-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(S)-オール、7-(4'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(R)-オール、7-(4'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(S)-オール、6-(7(R)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-N-メチル-2-ナフタミド、6-(7(S)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-N-メチル-2-ナフタミド、N-エチル-6-(7(R)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミド、N-エチル-6-(7(S)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミド、6-(7(R)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-N-イソプロピル-2-ナフタミド、6-(7(S)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-N-イソプロピル-2-ナフタミド、6-(7(R)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミドおよび6-(7(S)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミド;
〔16〕式:
〔17〕糖アルコールがマンニトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトールおよびラクチトールからなる群より選択される1または2以上である前記〔16〕記載の安定化方法;
〔18〕さらにpH調整剤を添加する前記〔16〕記載の安定化方法;
〔19〕式(I)で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有する医薬組成物のpHを6.0-10.5に制御する、前記〔18〕記載の安定化方法;
〔20〕式(I)で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有する医薬組成物のpHを6.0-9.5に制御する、前記〔18〕記載の安定化方法;
〔21〕式:
〔22〕式(I)で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有する医薬組成物のpHを6.0-10.5に制御する、前記〔21〕記載の安定化方法;
〔23〕式(I)で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有する医薬組成物のpHを6.0-9.5に制御する、前記〔21〕記載の安定化方法などに関する。
nは1ないし3の整数であるが、1が好ましい。
m1は1ないし4の整数であるが、1または2が好ましく、特に1が好ましい。
m2は0ないし3の整数であるが、0または1が好ましく、特に0が好ましい。
m3は1ないし5の整数であるが、1ないし3が好ましく、特に1が好ましい。
m4は0ないし4の整数であるが、0または1が好ましく、特に0が好ましい。
m5は1ないし4の整数であるが、1または2が好ましく、特に1が好ましい。
R1、R2、R3、R4およびR5で示される置換基を有していてもよいチオール基としては、無置換のチオール基の他、たとえば低級アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等のC1-4アルキルチオ)、低級アルカノイルチオ(例、アセチルチオ、プロピオニルチオ等のC1-4アルカノイルチオ)等が挙げられる。
R1、R2、R3、R4およびR5で示される置換基を有していてもよいアミノ基としては、無置換のアミノ基の他、たとえば低級アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ等のC1-4アルキルアミノ)、ジ低級アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジC1-4アルキルアミノ)、C1-4アルカノイルアミノ(例、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ等)等が挙げられる。
R1、R2、R3、R4およびR5で示されるアシル基としては、たとえばアルカノイル基(例、ホルミル、アセチル、プロピオニル等のC1-6アルカノイル)、アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1-4アルキルスルホニル)、アロイル基(例、ベンゾイル、トルオイル、ナフトイル等)、置換基を有していてもよいカルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル等のモノ-またはジ-C1-10アルキルカルバモイル基;フェニルカルバモイル、ジフェニルカルバモイル等のモノ-またはジ-C6-14アリールカルバモイル基;ベンジルカルバモイル、ジベンジルカルバモイル等のモノ-またはジ-C7-16アラルキルカルバモイル基等)、置換基を有していてもよいスルファモイル基(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル等のモノ-またはジ-C1-10アルキルスルファモイル基;フェニルスルファモイル、ジフェニルスルファモイル等のモノ-またはジ-C6-14アリールスルファモイル基;ベンジルスルファモイル、ジベンジルスルファモイル等のモノ-またはジ-C7-16アラルキルスルファモイル基等)等が挙げられる。
R1、R2、R3、R4およびR5で示されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
R1、R2、R3、R4およびR5で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば鎖式炭化水素基または環式炭化水素基等が挙げられる。
該環式炭化水素基としては例えば、炭素数3ないし18の環式炭化水素基、具体的には、例えば、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。
該「脂環式炭化水素基」としては、例えば3ないし10個の炭素原子から構成される単環式または縮合多環式の基、具体的にはシクロアルキル基、シクロアルケニル基およびこれらとC6-14アリール基(例えば、ベンゼン等)等との2または3環式縮合環等が挙げられる。該「シクロアルキル基」としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基等が、該「シクロアルケニル基」としては、例えばシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等のC3-6シクロアルケニル基等が挙げられる。
該「芳香族炭化水素基」としては、例えば6ないし18個の炭素原子から構成される単環式芳香族炭化水素基、縮合多環式芳香族炭化水素基等が挙げられ、具体的には、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-インデニル、2-アンスリル等のC6-14アリール基が挙げられ、C6-10アリール基(例えば、フェニル等)等が好ましい。
Arで示される置換基を有していてもよい芳香環における置換基としては、置換基を有していもよい水酸基、置換基を有していもよいチオール基、置換基を有していてもよいアミノ基、アシル基、ハロゲン原子または置換基を有していてもよい炭化水素基が挙げられる。該「置換基を有していてもよい水酸基」、該「置換基を有していもよいチオール基」、該「置換基を有していてもよいアミノ基」、該「アシル基」、該「ハロゲン原子」および該「置換基を有していてもよい炭化水素基」としては、それぞれ上記R1、R2、R3、R4およびR5で例示されたものが挙げられる。
式(2)で表される基のなかでは式(2-1)で表される基がより好ましく、式(2-1)で表される基の中では、m4が0でR3がハロゲン原子であるものが特に好ましい。
7-(5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(R)-オール、7-(5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(S)-オール、7-(5-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(R)-オール、7-(5-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(S)-オール、7-(4'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-3-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(R)-オール、7-(4'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-3-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(S)-オール、7-(4'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-(R)-オール、7-(4'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-(S)-オール、6-(7(R)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-N-メチル-2-ナフタミド、6-(7(S)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-N-メチル-2-ナフタミド、N-シクロプロピル-6-(7(R)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミド、N-シクロプロピル-6-(7(S)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミド、N-エチル-6-(7(R)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミド、N-エチル-6-(7(S)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミド、N-シクロブチル-6-(7(R)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミド、N-シクロブチル-6-(7(S)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミド、6-(7(R)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-N-イソプロピル-2-ナフタミド、6-(7(S)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-N-イソプロピル-2-ナフタミド、6-(7(R)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミド、および6-(7(S)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミド。
尚、式(I)で表される化合物またはその塩は水和物であってもよく、いずれも本発明の範囲内である。以下、塩、水和物も含め化合物(I)と称する。
化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のイミダゾール窒素がアシル化またはアルキル化された化合物(例、ジメチルアミノスルホニル化、アセトキシメチル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メトキシカルボニルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、ベンジルオキシメチル化された化合物等);化合物(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、硫酸化、ホウ酸化された化合物(例、化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって製造することができる。
化合物(I)のプロドラッグはそれ自身であっても、薬理学的に許容される塩であってもよい。このような塩としては、化合物(I)のプロドラッグがカルボキシル基等の酸性基を有する場合、無機塩基(例、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、鉄、銅等の遷移金属等)や有機塩基(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン等の有機アミン類、アルギニン、リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸類等)等との塩が挙げられる。
また、化合物(I)のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。
化合物(I)は、水酸基が結合したキラル中心の他に、分子内に1ないしそれより多いキラル中心を有する場合があるが、これらキラル中心に関しR配置、S配置のいずれも本発明に包含される。
化合物(I)としては、好ましくは、下式:
あるいは、本発明の医薬組成物中に含有される生理活性を有する化合物は、化合物(I)の光学異性体の混合物であってもよく、ラセミ体も本発明に含まれる。
糖アルコールの配合割合は、医薬組成物重量に対して、通常10%〜90%重量、好ましくは20%〜85%重量、さらに好ましくは30%〜80%重量である。
この発明において、使用するpH調整剤としてはアルカリ化剤または塩基性アミノ酸から選ばれる1種または2種以上を配合することにより、十分な安定性が得られる。アルカリ化剤としては、特に限定されず塩基性を示す物質であればよいが、とりわけ、アルカリ金属のリン酸水素2塩(例えばリン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム等);アルカリ金属の炭酸2塩(例えば炭酸2ナトリウム等);金属酸化物(例えば酸化マグネシウム等);アルカリ土類金属水酸化物(例えば水酸化カルシウム等)、アルカリ金属水酸化物(例えば水酸化ナトリウム等);アルカリ金属のエデト酸2塩(例えばエデト酸2ナトリウム等);メグルミン、トロメタモール[トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン]等が挙げられる。好ましくは、リン酸水素2ナトリウム、リン酸2水素カリウムを用いる。より好ましくはリン酸水素2ナトリウムを用いる。アミノ酸としては、例えばアルギニン、アスパラギン等が挙げられる。なお、これらの溶媒和物(例えば、水和物、エタノール溶媒和物)でもよい。
pH調整剤は、医薬組成物のpHを、通常6.0〜10.5、好ましくは6.0〜9.5、より好ましくは6.2〜9.5、さらに好ましくは6.5〜9.0、特に好ましくは7.0〜9.0に制御する量を配合する。本明細書において医薬組成物のpHとは液状組成物については該組成物のpHをいい、固形組成物については該組成物1錠(裸錠として285 mg)を精製水3 mLに懸濁した状態で示すpHをいう。具体的にはアルカリ化剤、アミノ酸の添加総量として、医薬組成物重量に対して、0.01%〜50%重量、好ましくは0.01%〜30%重量、より好ましくは0.05%〜20%重量である。
糖アルコールの配合割合は、医薬組成物重量に対して、通常10%〜90%重量、好ましくは20%〜85%重量、さらに好ましくは30%〜80%重量である。
pH調整剤は、医薬組成物のpHを、通常6.0〜10.5、好ましくは6.0〜9.5、より好ましくは6.2〜9.5、さらに好ましくは6.5〜9.0、特に好ましくは7.0〜9.0に制御する量を配合する。具体的にはアルカリ化剤、アミノ酸の添加総量として、医薬組成物重量に対して、0.01%〜50%重量、好ましくは0.01%〜30%重量、より好ましくは0.05%〜20%重量である。
ここでいう結合剤において、結合剤の選定は特に限定せず、ゼラチン、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、結晶セルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、マクロゴール、アラビアゴム、デキストラン、ポリビニルアルコール(PVA)、でんぷん糊などが使用することができる。好ましくはヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが望ましく、さらに、好ましくはヒドロキシプロピルセルロースが望ましい。
崩壊剤としては、選定は特に限定せず、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、架橋ポリビニルピロリドン、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、陽イオン交換樹脂、部分α化でんぷん、トウモロコシデンプンなどを用いることができる。医薬組成物の物理化学的特性を満足するため、たとえば製造性、錠剤の場合は、崩壊性、硬度などの適正化するため、好ましくは低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの使用が望ましい。その配合割合は好ましくは医薬組成物中に3%〜15%重量である。
滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ワックス類、DL-ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、マクロゴール、エアロジル(帯電防止剤としても可能)などを使用できるが、好ましくはステアリン酸マグネシウムが望ましい。
着色剤としては、医薬品に適用可能な合成着色剤(例えば、サンセットイエロー等及びそれらのアルミニウムレーキなど)、黄色三二酸化鉄(黄ベンガラ)、三二酸化鉄(赤ベンガラ)、リボフラビン、リボフラビン有機酸エステル(例えば、リボフラビン酪酸エステル)、リン酸リボフラビンあるいはそのアルカリ金属、アルカリ土類金属塩、フェノールフタレイン、酸化チタンなどが挙げられる。遮光剤としては酸化チタンなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、BHT、トコフェロール、トコフェロールエステル(例えば、酢酸トコフェロール)、アスコルビン酸あるいはそれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などが挙げられる。
還元剤としては、シスチン、システインなどが挙げられる。
キレート剤としては、EDTA、EDTAのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、クエン酸、酒石酸などのアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
なお、本発明の実施形態としては、上記の賦形剤に規定されるものではない。 賦形剤としては、上記糖アルコールの他、例えば乳糖、白糖、ブドウ糖、麦芽糖、トウモロコシデンプン、小麦粉デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、デキストリン、カルボキシメチルデンプン、ゼラチン、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
増粘剤の好適な例としては、例えば天然ガム類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体等が挙げられる。溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油等が挙げられる。分散剤の好適な例としては、例えば、ツイーン(Tween)(例えばTween 80、Tween 60、Tween 20)、HCO(例えばHCO60、HCO50)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン等が挙げられる。緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコール等が挙げられる。防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸及びそれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。
このうち、活性成分の放出をpH依存的に制御するためのコーティング物質としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP-55, HP-50、信越化学(株)製)、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC、フロイント産業(株)製)、メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体(Eudragit L100, S100、Rohm社製)、メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体(Eudragit L100-55, L30D-55)、メタクリル酸・アクリル酸メチル・メタクリル酸メチル共重合体(Eudragit FS30D、Rohm社製)、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS 信越化学(株)製)、ポリビニルアセテートフタレート、シェラックなどが用いられる。
コーティング物質は単独であるいは必要により組み合わせて用いてもよい。さらにコーティングには必要に応じてポリエチレングリコール、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、トリアセチン、クエン酸トリエチルなどの可塑剤、安定化剤などを用いてもよい。
本明細書において、アンドロゲンあるいはエストロゲンの低下薬とは、アンドロゲンの生成の抑制およびそれに続くエストロゲンの生成を抑制する(エストロゲンはアンドロゲンを基質として合成される)作用を有する医薬を意味する。
本発明の医薬組成物の投与経路は、種々の状況により特に制限されないが、例えば経口あるいは非経口経路で投与することができる。ここで使用される「非経口」には、静脈内、筋肉内、皮下、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、腟内および腹腔内等への投与を含む。
本発明の医薬組成物の投与期間および間隔は、種々の状況に応じて変更されるものであり、医師の判断により随時判断されるものであるが、分割投与、連日投与、間歇投与、短期大量投与、反復投与等の方法がある。例えば、経口投与の場合は、1日1ないし数回(特に1日2ないし3回)に分割して投与することが望ましい。また、徐放性の製剤として投与することや長時間かけて点滴静注することも可能である。
以下の比較例、参考例、実施例で用いられるD-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、乳糖、トウモロコシデンプン、酸化チタン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910、マクロゴール6000としては、第十四改正日本薬局方適合品を、リン酸水素2ナトリウム、三二酸化鉄は、医薬品添加物規格1998適合品を用いた。
国際公開第02/040484号パンフレットに記載の方法で製造した6-(7(S)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-N-メチル-2-ナフタミド((+)−体)(以下化合物Aという)4.0 g、乳糖 816.0 g、トウモロコシデンプン 114.0 gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース72.0 gを流動造粒乾燥機(パウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロース26 gを溶解した水溶液433.3 gをスプレーして、造粒末を得た。得られた造粒末全量を、20号篩を通し整粒末とした。得られた整粒末928.8 gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース86.4 gおよびステアリン酸マグネシウム10.8 gをポリエチレン袋内で混合して、混合末とした。この混合末1026 gを打錠機(菊水製作所製)により打錠し、素錠を得た。
化合物A 4.0 g、D-マンニトール 930.0 gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース72.0 gを流動造粒乾燥機(パウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロース26 gを溶解した水溶液433.3 gをスプレーして、造粒末を得た。得られた造粒末全量を、20号篩を通し整粒末とした。得られた整粒末928.8 gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース86.4 gおよびステアリン酸マグネシウム10.8 gをポリエチレン袋内で混合して、混合末とした。この混合末1026 gを打錠機(菊水製作所製)により打錠し、素錠を得た。
化合物A 4.0 g、乳糖 814.8 g、トウモロコシデンプン 114.0 gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース72.0 gを流動造粒乾燥機(パウレック社製)に入れ、予熱混合し、リン酸水素2ナトリウム 1.2 gを溶解した水溶液120.0 gをスプレーし、続けて、ヒドロキシプロピルセルロース26 gを溶解した水溶液433.3 gをスプレーして、造粒末を得た。得られた造粒末全量を、20号篩を通し整粒末とした。得られた整粒末928.8 gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース86.4 gおよびステアリン酸マグネシウム10.8 gをポリエチレン袋内で混合して、混合末とした。この混合末1026 gを打錠機(菊水製作所製)により打錠し、素錠を得た。
化合物A 4.0 g、D-マンニトール 928.8 gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 72.0 gを流動造粒乾燥機(パウレック社製)に入れ、予熱混合し、リン酸水素2ナトリウム 1.2 gを溶解した水溶液120.0 gをスプレーし、続けて、ヒドロキシプロピルセルロース26 gを溶解した水溶液433.3 gをスプレーして、造粒末を得た。得られた造粒末全量を、20号篩を通し整粒末とした。得られた整粒末928.8 gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース86.4 gおよびステアリン酸マグネシウム10.8 gをポリエチレン袋内で混合して、混合末とした。この混合末1026 gを打錠機(菊水製作所製)により打錠し、素錠を得た。
精製水1260 gに、酸化チタン42 g、三二酸化鉄2.52 gを分散させ、精製水2520 gにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC-5、信越化学工業(株))312.48 gおよびマクロゴール6000 63 gを溶解し、それらを混合して、被覆剤を製した。
化合物A 18 g、D-マンニトール 4185 gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース324 gを流動造粒乾燥機(パウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロース117 gを溶解した水溶液1950 gをスプレーして、造粒末を得た。得られた造粒末4386 gをパワーミル(昭和化学機械工作所製)を用いて整粒末とした。得られた整粒末4128.0 gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース384 gおよびステアリン酸マグネシウム48 gをタンブラー混合機(昭和化学機械工作所製)を用いて混合末とした。この混合末3990 gを打錠機(菊水製作所製)により打錠し、素錠を得た。
化合物A 1800 g、D-マンニトール 2403 gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース324 gを流動造粒乾燥機(パウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロース117 gを溶解した水溶液1950 gをスプレーして、造粒末を得た。得られた造粒末4386 gをパワーミル(昭和化学機械工作所製)を用いて整粒末とした。得られた整粒末4128.0 gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース384 gおよびステアリン酸マグネシウム48 gをタンブラー混合機(昭和化学機械工作所製)を用いて混合末とした。この混合末3990 gを打錠機(菊水製作所製)により打錠し、素錠を得た。
実施例4で得られた裸錠に、フィルムコーティング機(フロイント社製)中で、参考例1で得られた被覆剤を噴霧し、1錠当たり14mgの被覆を行い、フィルムコーティング錠を得た。
実施例5で得られた裸錠に、フィルムコーティング機(フロイント社製)中で、参考例1で得られた被覆剤を噴霧し、1錠当たり14mgの被覆を行い、フィルムコーティング錠を得た。
化合物A 30 g、D-マンニトール246 gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース21.6 gを流動造粒乾燥機(パウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロース12 gを溶解した水溶液200 gをスプレーして、造粒末を得た。得られた造粒末全量を20号篩を通し整粒末とした。得られた整粒末258 gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース24 gおよびステアリン酸マグネシウム3 gをポリエチレン袋内で混合して、混合末とした。この混合末25 gを打錠機(菊水製作所製)により打錠し、素錠を得た。
化合物A 30 g、D-マンニトール234 gおよび結晶セルロース33.6 gを流動造粒乾燥機(パウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロース12 gを溶解した水溶液200 gをスプレーして、造粒末を得た。得られた造粒末全量を20号篩を通し整粒末とした。得られた整粒末258 gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース24 gおよびステアリン酸マグネシウム3 gをポリエチレン袋内で混合して、混合末とした。この混合末285 gを打錠機(菊水製作所製)により打錠し、素錠を得た。
化合物A 120 g、D-マンニトール156 gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース21.6 gを流動造粒乾燥機(パウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロース12 gを溶解した水溶液200 gをスプレーして、造粒末を得た。得られた造粒末全量を20号篩を通し整粒末とした。得られた整粒末258 gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース24 gおよびステアリン酸マグネシウム3 gをポリエチレン袋内で混合して、混合末とした。この混合末285 gを打錠機(菊水製作所製)により打錠し、素錠を得た。
化合物A 120 g、D-マンニトール144 gおよび結晶セルロース33.6 gを流動造粒乾燥機(パウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロース12 gを溶解した水溶液200 gをスプレーして、造粒末を得た。得られた造粒末全量を20号篩を通し整粒末とした。得られた整粒末258 gと低置換度ヒドロキシプロピルセルロース24 gおよびステアリン酸マグネシウム3 gをポリエチレン袋内で混合して、混合末とした。この混合末285 gを打錠機(菊水製作所製)により打錠し、素錠を得た。
精製水600 gに酸化チタン14 g、三二酸化鉄0.84 gを分散させ、精製水660 gにヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC-5、信越化学工業(株))104.2 gおよびマクロゴール6000 21 gを溶解し、それらを混合して、被覆剤を製した。
実施例8で得られた裸錠に、フィルムコーティング機(フロイント社製)中で、参考例2で得られた被覆剤を噴霧し、1錠当たり14 mgの被覆を行い、フィルムコーティング錠を得た
実施例9で得られた裸錠に、フィルムコーティング機(フロイント社製)中で、参考例2で得られた被覆剤を噴霧し、1錠当たり14 mgの被覆を行い、フィルムコーティング錠を得た。
実施例10で得られた裸錠に、フィルムコーティング機(フロイント社製)中で、参考例2で得られた被覆剤を噴霧し、1錠当たり14 mgの被覆を行い、フィルムコーティング錠を得た。
実施例11で得られた裸錠に、フィルムコーティング機(フロイント社製)中で、参考例2で得られた被覆剤を噴霧し、1錠当たり14 mgの被覆を行い、フィルムコーティング錠を得た。
実施例1で製造したD-マンニトールを主たる賦形剤とした1 mg製剤及び比較例で製造した乳糖・トウモロコシデンプンを主たる賦形剤とした1 mg製剤をガラス瓶に入れ、開栓状態で40℃/75%RH、約1ヵ月間保存した後、類縁物質量及び光学異性体量(エナンチオマー)を液体クロマトグラフィーで測定し、イニシャルから変化及び両製剤の安定性の比較を行った。その結果、〔表1〕に示すように、D-マンニトールを主たる賦形剤とした製剤とすることで、酸性雰囲気下の分解に起因する脱水体の生成及びエナンチオマーの増加が顕著な比較例に対して、それらの増加を顕著に抑制した。また、それら以外の分解を示すその他の類縁物質(合計)でも顕著に抑制した。
実施例2で製造したpH調整剤を添加した乳糖・トウモロコシデンプンを主たる賦形剤とした1 mg製剤をガラス瓶に入れ、開栓状態で40℃/75%RH、2ヵ月間保存した後、類縁物質量及び光学異性体量を測定し、イニシャルからの類縁物質量または光学異性体量の変化を評価した。比較例で製造した乳糖・トウモロコシデンプンを主たる賦形剤とした1 mg製剤の4週間保存後の結果と比較すると〔表2〕に示すように、製剤中にpH調整剤を配合することによって、酸性雰囲気下の分解に起因する脱水体の生成及びエナンチオマーの増加が顕著な比較例に対して、それらの増加を顕著に抑制した。また、それら以外の分解を示すその他の類縁物質(合計)でも抑制した。
実施例3で製造したpH調整剤を添加したD-マンニトールを主たる賦形剤とした1 mg製剤をガラス瓶に入れ、開栓状態で40℃/75%RH、2ヵ月間保存した後、類縁物質量及び光学異性体量を測定し、イニシャルからの類縁物質量または光学異性体量の変化を評価した。比較例で製造した乳糖・トウモロコシデンプンを主たる賦形剤とした1 mg製剤の4週間保存後の結果と比較すると〔表3〕に示すように、D-マンニトールを主たる賦形剤とした製剤とし、さらに製剤中にpH調整剤を配合することによって、酸性雰囲気下の分解に起因する脱水体の生成及びエナンチオマーの増加が顕著な比較例に対して、それらの増加を顕著に抑制した。また、それら以外の分解を示すその他の類縁物質(合計)でも抑制した。
実施例6で製造したD-マンニトールを主たる賦形剤とした1 mg製剤及び実施例7で製造したD-マンニトールを主たる賦形剤とした100 mg製剤をガラス瓶に入れ、キャップをし、密栓状態でそれぞれ40℃、2ヶ月保存した後に、含量及び類縁物質を測定した。その結果、〔表4〕に示すように保存後の含量及び類縁物質の変化はほとんどなく安定であることが確認された。
Claims (15)
- 式:
- 前記アルカリ化剤または塩基性アミノ酸が、アルカリ金属のリン酸水素2塩、アルカリ金属の炭酸2塩、金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属のエデト酸2塩、メグルミンまたはトロメタモールである請求項1記載の医薬組成物。
- 前記アルカリ化剤または塩基性アミノ酸が、リン酸水素2ナトリウムまたはリン酸2水素カリウムである請求項1記載の医薬組成物。
- 前記アルカリ化剤または塩基性アミノ酸が、リン酸水素2ナトリウムである請求項1記載の医薬組成物。
- 医薬組成物のpHを6.0-10.5に制御する量のアルカリ化剤または塩基性アミノ酸を含有する請求項1記載の医薬組成物。
- 医薬組成物のpHを6.0-9.5に制御する量のアルカリ化剤または塩基性アミノ酸を含有する請求項1記載の医薬組成物。
- 医薬固形組成物である請求項1記載の医薬組成物。
- Arが式:
- 式(I)で表される化合物が、以下の化合物からなる群より選択されるものである、請求項1記載の医薬組成物:
7-(5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(R)-オール、
7-(5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(S)-オール、
7-(5-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(R)-オール、
7-(5-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(S)-オール、
7-(4'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-3-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(R)-オール、
7-(4'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-3-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(S)-オール、
7-(4'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(R)-オール、
7-(4'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7(S)-オール、
6-(7(R)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-N-メチル-2-ナフタミド、
6-(7(S)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-N-メチル-2-ナフタミド、
N-エチル-6-(7(R)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミド、
N-エチル-6-(7(S)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミド、
6-(7(R)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-N-イソプロピル-2-ナフタミド、
6-(7(S)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-N-イソプロピル-2-ナフタミド、
6-(7(R)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミドおよび
6-(7(S)-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-7-イル)-2-ナフタミド。 - 式:
- 前記アルカリ化剤または塩基性アミノ酸が、アルカリ金属のリン酸水素2塩、アルカリ金属の炭酸2塩、金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属のエデト酸2塩、メグルミンまたはトロメタモールである請求項10記載の安定化方法。
- 前記アルカリ化剤または塩基性アミノ酸が、リン酸水素2ナトリウムまたはリン酸2水素カリウムである請求項10記載の安定化方法。
- 前記アルカリ化剤または塩基性アミノ酸が、リン酸水素2ナトリウムである請求項10記載の安定化方法。
- 式(I)で表される化合物またはその塩を含有する医薬組成物のpHを6.0-10.5に制御する、請求項10記載の安定化方法。
- 式(I)で表される化合物またはその塩を含有する医薬組成物のpHを6.0-9.5に制御する、請求項10記載の安定化方法。
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