JP5336282B2 - 基礎構造 - Google Patents
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Description
かかる要望に応えるべく、特許文献1には、基礎梁に鉄骨材を採用する構成が開示されている。
そこで、本発明は、上部構造を形成する鋼材であっても、基礎梁として使用することができる基礎構造を提供することを目的とする。
(1)少なくとも一階床と外壁とを備える上部構造を支持する基礎構造であって、
外周の地盤面よりも高位に上面を有するコンクリート製の基礎スラブと、
該基礎スラブ上に設けられ、上部構造の外壁と一階床とを支持する鋼材基礎と、
少なくとも前記基礎スラブの小口面と鋼材基礎の外側面とを覆って設けられる防水性の外気遮蔽材と、を備える基礎構造の施工方法であって、
基礎スラブの配筋を行った後に鋼材基礎を施工し、ついで、外気遮蔽材を設置した後、コンクリートを打設して基礎スラブを形成し、
その後、前記鋼材基礎上に上部構造を組み上げる
ことを特徴としている。
また、本願発明の工程によれば、コンクリート打設前に鋼材基礎と外気遮蔽材の位置関係を決めてしまうので、高い外気遮蔽材の仕上げ精度を確保することができる。
これによれば、上部構造を支持する鋼材基礎の外周に断熱層が形成されることとなるため、従来であれば上部構造の底面となる一階床下に設けられていた断熱層を省略することができるのみならず、一階床下を断熱層よりも内側に位置づけることができる。この結果、一階床下空間は室温の影響を受け易いものとなり、温度変動を室内の温度変動に追従するものとしてコントロールすることができる。また温度変動を室温近くで安定させることができるため、一階床下と一階床上の室内との間での温度勾配は抑制されることとなり、一階床近傍の温熱環境を向上させることができる。
外周の地盤面上方の日射による熱や外気の熱は温湿度を適宜変化させるが、当該熱は、当該地盤を形成する土壌を介して基礎スラブの下方まで回り込んで影響する。一方、地盤の冷却や加熱は、外気や日射、天空放射等を受ける地盤面から始まり、徐々に該地盤の深部まで進行するが、深くなるにつれて上記地盤面からの影響は緩慢となり、温度変化(熱の移動) の変動幅も小さくなることが知られている。かかる点に鑑み、本願発明では、外気遮蔽材を基礎スラブよりも深い位置まで延設することとし、これによって、熱変動の大きい浅い位置での外周回りの地盤と基礎スラブ及び基礎スラブ下の土壌との間での熱移動を抑制し、当該基礎スラブ上の床下空間の温熱環境に対する外環境の温度変化の影響を抑制することが可能となっている。また、上述の如く基礎スラブよりも下方にまで外気遮蔽材を没入させることにより、土壌を伝わる地表面からの伝熱は、当該外気遮蔽材のさらに下方を回りこんで基礎スラブに到達することとなる。したがって、本願発明によれば、伝熱経路を迂回させることができ、これによっても当該基礎スラブ上の床下空間の温熱環境を保全することができる。
発泡プラスチック断熱板としては、かかる建築用資材として利用できるものであれば如何なるものでもよく、例えば押出法ポリスチレンフォーム保温板(以下、XPSという)を利用することができる。XPSは熱伝導率も0.028〜0.040W/mKと小さく、高い断熱効果が期待できる。また、液体での水の透過がなく、気体(水蒸気)での透過に対しても透湿比抵抗400〜600mhmmHg/gと大きい。また水分による劣化を生じない材料である。したがって、土中に没入させる断熱性能を有する外気遮蔽材としては有効に機能することとなる。
本発明に係る基礎構造Aは、居室を備えた上部構造(上部躯体)Bを支持する。
ここで、基礎構造Aを説明する前に、先ず上部構造Bを簡単に説明すると、上部構造Bは、基礎構造A上に立設される鉄骨柱と、該鉄骨柱間に架け渡される鉄骨梁と、基礎構造Aや鉄骨梁に支持される一階等の床構造と、基礎構造Aや鉄骨梁に上下端部が支持されて内部に居室を形成する外壁1を具備する。
一階等の床構造は、複数枚の平板状の軽量気泡コンクリート製の床スラブ3を並べて配設することにより形成されており、該床スラブ3の上面にセルフレベリング材を介して図示しない床仕上げ材が敷設されている。そして、一階床を介して包囲される床下空間Cと、外壁に包囲される一階居室空間Dとが形成されている。尚、一階床構造には断熱層は設けられていない。
なお、外周の地盤面とは、当該上部構造Bを支持する基礎構造Aの周囲の地盤面のことであって、当該上部構造B及び基礎構造A直下の地盤を除くものである。
また、基礎スラブ4の上面で基礎梁7の配設位置に対応する部位にもその長手方向に所定の間隔をあけて複数のコンクリート板9が埋設施工されており、該コンクリート板9の上に鋼材製の複数の支持体11がアンカーボルトによってそれぞれ固定され、該支持体11の上に基礎梁7が支持されている。尚、基礎梁7の長手方向における支持体11の設置間隔は任意であるが、例えば900〜2000mm程度の間隔で設置されるのが好ましい。また、基礎梁7は支持体11上に載置されているもので支持体11には接合はされていない。
また、外気遮蔽材13の没入深さは、少なくとも基礎スラブ4の下面から200mm程度とするのが好ましい。深い方が土を経由する熱流の経路が長くなり、断熱上有利となるためである。
また外気遮蔽材13は、基礎梁7とは接触させないか、接触させるにしても部分的に接触させるのが好ましい。熱の輸送経路を少なくして断熱効果を高めるためである。
また設置された外気遮蔽材13の上端と外壁1の間にはシーリング材14が充填され、これによって床下空間Cへの外気の流入がより確実に防止される。
更に外気遮蔽材13の外面のうち、外気に露出する面には、主として紫外線劣化防止のために、保護塗装層15が形成される。かかる保護塗装層15の形成には、モルタルの薄塗りが一般的であるが、ポリマーセメントモルタルとエナメル系トップ塗装材からなる複塗装材を塗布することもできる。また、外気遮蔽材13に表面強度を付与することが望まれる場合には、外気遮蔽材13の外面もしくは内面又は複層とする場合は層間に金属メッシュを設けることもできる。
B 上部構造
C 床下空間
D 居室空間
E 空隙
1 外壁
2 アングル
3 床スラブ
4 基礎スラブ
5 鋼材基礎
6 柱脚体
7 基礎梁
8 防湿材
9 嵩上げ部材
10 コンクリート板
11 支持体
12 プレート
13 外気遮蔽材
14 シーリング材
15 保護塗装層
Claims (4)
- 少なくとも一階床と外壁とを備える上部構造を支持する基礎構造であって、
外周の地盤面よりも高位に上面を有するコンクリート製の基礎スラブと、
該基礎スラブ上に設けられ、上部構造の外壁と一階床とを支持する鋼材基礎と、
少なくとも前記基礎スラブの小口面と鋼材基礎の外側面とを覆って設けられる防水性の外気遮蔽材と、を備える基礎構造の施工方法であって、
基礎スラブの配筋を行った後に鋼材基礎を施工し、ついで、外気遮蔽材を設置した後、コンクリートを打設して基礎スラブを形成し、
その後、前記鋼材基礎上に上部構造を組み上げる
ことを特徴とする基礎構造の施工方法。 - 前記外気遮蔽材は、断熱性能を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の基礎構造の施工方法。 - 前記外気遮蔽材は、前記基礎スラブの下面よりも下方となる位置まで延設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の基礎構造の施工方法。 - 前記外気遮蔽材は、発泡プラスチック断熱板により形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の基礎構造の施工方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009163341A JP5336282B2 (ja) | 2009-07-10 | 2009-07-10 | 基礎構造 |
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JP2009163341A Active JP5336282B2 (ja) | 2009-07-10 | 2009-07-10 | 基礎構造 |
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2009
- 2009-07-10 JP JP2009163341A patent/JP5336282B2/ja active Active
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