JP5332001B2 - 担体、この担体を備える反応物質複合体及び担体の製造方法 - Google Patents

担体、この担体を備える反応物質複合体及び担体の製造方法 Download PDF

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本発明は、担体、この担体を備える反応物質複合体及び担体の製造方法に関する。
近年、新規ナノスケール材料の作製及びナノスケール材料の応用が盛んに行われている。特に、ナノスケール材料に触媒を固定化して、その触媒機能や利便性を高めようとする試みが盛んである。例えば、シリカを原料とし、界面活性剤を鋳型として作製した、均一で規則的なナノ細孔を有するシリカ系メソ多孔体に、タンパク質である酵素を固定化した酵素複合体の作製、この酵素複合体をリアクター等に応用する試み等がなされている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1記載の膜状の反応物質複合体(酵素複合膜)は、例えば、図20に示すように、互いに平行な複数の貫通孔(マクロ細孔)を有する陽極酸化アルミナ膜と、当該マクロ細孔内に形成されたシリカ系メソ多孔体と、シリカ系メソ多孔体の細孔の内部に固定された反応物質(酵素)と、を備えている。そして、この反応物質複合体において、シリカ系メソ多孔体の細孔の貫通方向は、陽極酸化アルミナ膜のマクロ細孔の貫通方向と同一となっている。
このような膜状の反応物質複合体をリアクター等に応用する場合、反応物質複合体を電解液等に浸漬させ、特定物質を含有する気体を当該電解液等と接触させて、当該電解液等に当該特定物質を溶解させる方法等によって、当該特定物質と、シリカ系メソ多孔体の細孔内の反応物質と、を接触させ、当該特定物質を生成物に変えるようになっている。この場合、特定物質は反応物質と接触するために、また、生成物は反応物質複合体の外部へと移動するために、反応物質が固定された領域を拡散するようになっている。すなわち、従来のシリカ系メソ多孔体においては、反応物質が固定された固定領域と、特定物質や生成物が拡散する拡散領域と、が分離していない。
ここで、シリカ系メソ多孔体の形状としては、粉末状、顆粒状、シート状、バルク状、膜状等がある。また、その細孔の配向には、ランダムなもの、一方向に方向制御されたもの等がある。
特開2008−193979号公報
しかしながら、何れの形状、配向においても、シリカ系メソ多孔体の細孔の大きさはナノメートルオーダーであり、また、反応物質が固定された固定領域と、特定物質や生成物が拡散する拡散領域と、が分離した構造ではないため、シリカ系メソ多孔体の細孔の内部に分子量の大きな反応物質を固定すると、細孔内における特定物質や生成物の拡散性が悪くなる。したがって、特に、シリカ系メソ多孔体のアスペクト比(細孔の深さ/細孔径)が高い場合に、高速で反応を実施できないという問題がある。
本発明の課題は、担持した反応物質によって、より高速での反応を実現できる担体、この担体を備える反応物質複合体及び担体の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
特定物質と選択的に反応する反応物質を担持する担体において、
当該担体は、両端が開放された直線状の中空部分を有し、壁面部分にナノメートルオーダーの大きさの穴部複数形成された中空糸状のシリカチューブであり、
前記穴部の内部に前記反応物質が固定されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の担体において、
前記反応物質は生体物質であり、前記穴部の大きさは、当該生体物質のサイズの0.5〜2.0倍であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
反応物質複合体において、
請求項1又は2に記載の担体と、
前記担体に担持された前記反応物質と、
を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の担体の製造方法において、
所定の基材が有する貫通孔の内壁に、所定の界面活性剤を含むシリカ層を形成するシリカ層形成ステップと、
前記シリカ層から前記界面活性剤を除去して、前記シリカチューブを形成するシリカチューブ形成ステップと、
所定の溶液を用いて前記基材を溶解させる基材溶解ステップと、
を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、
請求項4に記載の担体の製造方法において、
前記シリカ層形成ステップは、
前記界面活性剤を含むシリカ源溶液を所定の吸引速度で前記貫通孔内に吸引導入する吸引導入ステップと、
前記貫通孔内に導入された前記シリカ源溶液を所定の吸引速度で吸引乾燥させる吸引乾燥ステップと、
を備え、
前記シリカチューブ形成ステップは、前記シリカ層を焼成することによって、当該シリカ層から前記界面活性剤を除去することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、
請求項4又は5に記載の担体の製造方法において、
前記基材は、アルミニウムを含む基板を陽極酸化して得た陽極酸化アルミナ基板であり、
前記貫通孔は、前記陽極酸化によって形成された孔であり、
前記溶液は、リン酸又は硝酸を含む溶液であることを特徴とする。
本発明によれば、担体は、両端が開放された直線状の中空部分を有し、壁面部分にナノメートルオーダーの大きさの穴部複数形成された中空糸状のシリカチューブであり、穴部の内部に反応物質が固定されるようになっている。
したがって、シリカチューブの壁面部分が、反応物質が固定される固定領域となって、シリカチューブの中空部分が、特定物質や生成物が拡散する拡散領域となる。すなわち、シリカチューブは、固定領域と拡散領域とが分離した構造になっているため、分子量の大きな反応物質が固定された場合であっても、シリカチューブのアスペクト比が高い場合であっても、担持した反応物質によって、より高速での反応を実現することができる担体及びこの担体を備える反応物質複合体を提供することができる。
また、本発明によれば、所定の基材が有する貫通孔の内壁に、所定の界面活性剤を含むシリカ層を形成するシリカ層形成ステップと、シリカ層から界面活性剤を除去して、シリカチューブを形成するシリカチューブ形成ステップと、所定の溶液を用いて基材を溶解させる基材溶解ステップと、によって担体を製造するようになっている。
すなわち、担持した反応物質によって、より高速での反応を実現することができる担体を、簡易な方法で製造することができる。
本発明の担体(シリカチューブ)の構成を説明するための模式図である。 本発明の反応物質複合体(反応物質複合チューブ)の構成を説明するための模式図である。 反応物質複合体の要部構成を説明するための断面模式図である。 本発明の担体を製造する際に使用する基材を模式的に示す斜視図である。 基材が有する貫通孔(複数の貫通孔のうちの1つ)近傍を模式的に示す断面図である。 基材が有する貫通孔近傍を模式的に示す断面図であって、貫通孔内に担体が形成された状態を示す図である。 基材から取り出した担体を模式的に示す断面図である。 反応物質複合体を模式的に示す断面図である。 実施例1でのSEM観察の結果を示す図である。 実施例1でのSEM観察の結果を示す図である。 実施例1でのTEM観察の結果を示す図である。 実施例6での吸光度測定の結果を示す図である。 実施例7で用いた酵素電極の作製方法を示す図である。 実施例7で作製した酵素センサを模式的に示す図である。 実施例7での応答電流計測の結果を示す図である。 実施例8で作製した酵素センサの平面斜視図である。 図16におけるXVII−XVII線における断面を模式的に示す図である。 図16におけるXVIII−XVIII線における断面を模式的に示す図である。 実施例8での応答電流計測の結果を示す図である。 従来の担体の構成を説明するための模式図である。
以下、図を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本実施形態の担体(シリカチューブ2)の構成を説明するための模式図である。図2は、本実施形態の反応物質複合体(反応物質複合チューブ1)の構成を説明するための模式図であり、図3は、本実施形態の反応物質複合チューブ1の要部構成を説明するための断面模式図である。
<シリカチューブ>
シリカチューブ2は、特定物質と選択的に反応する反応物質3を担持する担体である。
具体的には、シリカチューブ2は、ナノメートルオーダーの大きさの穴部としての細孔2aを複数有する多孔性シリカ膜(シリカ製のメッシュ体)を丸めて円筒状に形成したような形状をなしている。すなわち、シリカチューブ2は、ナノメートルオーダーの大きさの細孔2aを壁面に複数有する中空糸状のシリカ系メソ多孔体(シリカ構造体)である。
そして、シリカチューブ2においては、シリカチューブ2が有する細孔2aの内部に反応物質3が固定されるようになっている。
シリカチューブ2は、後述するように、基材100が有する貫通孔100aの内壁100a1を鋳型として形成される。具体的には、例えば、貫通孔100aの内壁100a1に、界面活性剤とシリカとの自己組織化によって有機−無機複合体(界面活性剤を含むシリカ層)を形成させ、その後、有機−無機複合体から界面活性剤を焼却除去や溶媒抽出除去することによって、周期構造を有するメソポーラスな多孔質材料(シリカチューブ2)を形成するようになっている。
したがって、シリカチューブ2の外径は、貫通孔100aの内径と略同一となり、シリカチューブ2の長さは、貫通孔100aの長さ(貫通方向の長さ)以下になる。
細孔2aは、界面活性剤のミセルを鋳型として形成された、シリカチューブ2の内壁面2bから外壁面2cにかけて貫通する孔である。細孔2aは、その貫通方向が、例えば、基材100が有する貫通孔100aの貫通方向に対して略垂直となっている。
細孔2aの大きさ(中心細孔直径)は、シリカチューブ2に担持させる反応物質3の種類等に応じて適宜任意に変更可能であり、具体的には、例えば、1nm〜50nmである。ここで、細孔2aの大きさは、界面活性剤の種類を変えて、界面活性剤のミセルの径を変えることによって制御することができる。また、細孔2aの大きさは、例えば、界面活性剤と併せて、トリメチルベンゼンやトリプロピルベンゼンなどの比較的疎水性の分子を添加し、ミセルを膨潤させて、ミセルの径を変えることによって制御することができる。
ここで、細孔2aの中心細孔直径とは、細孔2aの断面形状が正円形状であると仮定し、シリカチューブ2の細孔容積(V)を細孔2aの直径(D)で微分した値(dV/dD)を細孔2aの直径(D)に対してプロットした曲線(細孔径分布曲線)の最大ピークにおける細孔直径を意味する。なお、図1や図2に示す細孔2aの断面形状は、正六角形状である。
シリカチューブ2に担持させる反応物質3が、例えば、タンパク質等の生体物質である場合、シリカチューブ2が有する細孔2aの大きさは、生体物質のサイズの0.5〜2.0倍程度であることが好ましく、生体物質のサイズの0.7〜1.4倍程度であることがより好ましく、生体物質のサイズとほぼ同等であることが最も好ましい。細孔2aの大きさがシリカチューブ2に担持させる生体物質のサイズの0.5倍未満であると、生体物質の細孔2a内への吸着が不充分となる傾向があり、細孔2aの大きさがシリカチューブ2に担持させる生体物質のサイズの2.0倍より大きいと、生体物質の立体構造が効率よく保持されない傾向がある。
すなわち、シリカチューブ2が有する細孔2aの大きさを、シリカチューブ2に担持させる生体物質のサイズの0.5〜2.0倍程度(より好ましくは0.7〜1.4倍程度、最も好ましくはほぼ同程度)にすることによって、シリカチューブ2に対する生体物質の固定(吸着)を効率化でき、また、シリカチューブ2に固定された生体物質の立体構造の保持も容易となるため、生体物質を安定的に担持することができる。
具体的には、例えば、生体物質としてホルムアルデヒド脱水素酵素をシリカチューブ2に担持させる場合、ホルムアルデヒド脱水素酵素の直径は約8nmであるため、シリカチューブ2が有する細孔2aの大きさとしては、4nm〜16nm程度が好ましい。
なお、シリカチューブ2に担持させる反応物質3が、タンパク質であり、そのタンパク質が多量体を形成する場合には、シリカチューブ2に担持させるタンパク質のサイズは、多量体のサイズとすることができる。ここで、多量体とは、2以上のタンパク質が、直接に、又は水などの低分子を介して結合してなる化合物をいい、結合には、共有結合、イオン結合、水素結合、配位結合が含まれる。しかし、これらの結合の種類は、特に制限されない。
また、シリカチューブ2に担持させる反応物質3のサイズは、その反応物質3の形状が、球状である場合は反応物質3の直径(例えば、楕円球状のように直径が複数ある場合は、そのうちの何れか1つ)、板状である場合は反応物質3の長辺の長さ、等とすることができるが、これらに限られるものではなく、その反応物質3の形状や特性に応じて適宜任意に判断するのが好ましい。
また、シリカチューブ2に担持させる反応物質3が、例えば、タンパク質等の生体物質である場合、担持された生体物質の変性を抑制する等の観点から、シリカチューブ2の酸解離定数(pKa)は、pKa5〜14が好ましい。
また、細孔2aの深さ(すなわち、シリカチューブ2の壁面の厚み)は、シリカチューブ2に担持させる反応物質3の種類等に応じて適宜任意に変更可能であり、具体的には、例えば、1nm以上である。
ここで、シリカチューブ2の壁面の厚みを決めるファクターの1つとして、界面活性剤とシリカとの自己組織化時の吸引速度(すなわち、吸引導入時及び吸引乾燥時の吸引速度)が挙げられる。吸引速度が低下するにつれて、基材100が有する貫通孔100a内に形成される中空糸状のシリカチューブ2の壁面の厚みは厚くなり、吸引速度が所定の閾値以下になると、貫通孔100a内には、固定領域A1と拡散領域A2とが分離された構造のシリカ系メソ多孔体(中空糸状のシリカチューブ2)が形成されず、固定領域A1と拡散領域A2とが分離されていない構造のシリカ系メソ多孔体(例えば、図20に示すような従来のシリカ系メソ多孔体)が形成されてしまう。
シリカチューブ2は、0.1〜1.5mL/gの細孔容積を有するシリカ系メソ多孔体であることが好ましく、また、200〜1500mの比表面積を有するシリカ系メソ多孔体であることが好ましい。そして、シリカチューブ2は、全細孔容積に占める、中心細孔直径の±40%の範囲内の直径を有する細孔の全容積の割合が60%以上のシリカ系メソ多孔体であることが好ましい。
ここで、「全細孔容積に占める、中心細孔直径の±40%の範囲内の直径を有する細孔の全容積の割合が60%以上」とは、例えば、中心細孔直径が3.00nmである場合、この3.00nmの±40%、すなわち、1.80〜4.20nmの範囲にある細孔の容積の合計が、全細孔容積の60%以上を占めていることを意味する。
このような条件を満たすシリカ系メソ多孔体は、細孔の直径が非常に均一であることを意味し、このような細孔配列構造を有するシリカ系メソ多孔体に、例えば、反応物質3としてタンパク質等の生体物質を吸着させると、生体物質の安定性及び吸着量(固定量)をより向上させることができる。なお、細孔容積は、例えば、シリカチューブ2を液体窒素温度に冷却して窒素ガスを導入する方法(窒素吸着法)によって算出することができる。
また、シリカチューブ2は、1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークを有するX線回折パターンを示すシリカ系メソ多孔体であることが好ましい。X線回折パターンでピークが現われる場合は、そのピーク角度に相当するd値の周期構造がシリカ系メソ多孔体中にあることを意味する。
したがって、1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークがあることは、細孔が1nm以上の間隔で規則的に配列していることを意味する。このように、非常に規則的な細孔配列構造を有するシリカ系メソ多孔体に、例えば、反応物質3としてタンパク質等の生体物質を吸着させると、生体物質の安定性及び吸着量をより向上させることが可能になる。
なお、シリカチューブ2における、細孔2aの配列状態(細孔配列構造)は、特に制限されるものではない。シリカチューブ2としては、例えば、ヘキサゴナルの細孔配列構造を有するもの、キュービックやディスオーダの細孔配列構造を有するものが例示される。
ここで、シリカチューブ2がヘキサゴナルの細孔配列構造を有するとは、シリカチューブ2が有する細孔2aの配置が六方構造であることを意味する。ヘキサゴナルの細孔配列構造としては、2次元ヘキサゴナル及び3次元ヘキサゴナルが挙げられる。本発明において好適に用いることのできる2次元ヘキサゴナルの細孔配列構造を有するシリカチューブ2は、例えば、図1及び図2に示すように、2次元ヘキサゴナル配列構造に基づいて、六角柱状の細孔が互いに平行に規則的に形成されている。
また、シリカチューブ2がキュービックの細孔配列構造を有するとは、シリカチューブ2が有する細孔2aの配置が立方構造であることを意味する。
また、シリカチューブ2がディスオーダの細孔配列構造を有するとは、シリカチューブ2が有する細孔2aの配置が不規則であることを意味する。
なお、シリカチューブ2が、ヘキサゴナルやキュービック等の規則的細孔配列構造を有する場合は、細孔2aの全てがこれらの規則的細孔配列構造である必要はない。すなわち、シリカチューブ2は、ヘキサゴナルやキュービックなどの規則的細孔配列構造と、ディスオーダの不規則的細孔配列構造と、の両方を有していることが可能である。しかしながら、全ての細孔2aのうちの80%以上は、ヘキサゴナルやキュービックなどの規則的細孔配列構造となっていることが好ましい。
また、シリカチューブ2としては、有機基を有するシリカ系メソ多孔体、有機基を有しないシリカ系メソ多孔体が例示される。そして、何れのシリカ系メソ多孔体の場合においても、ケイ素以外の金属元素(例えば、Al、Zr、Ti)を更に含むことができる。なお、何れのシリカ系メソ多孔体であっても、表面にはシラノール基(−SiOH基)が存在している。
有機基を有するシリカ系メソ多孔体とは、シリカ系メソ多孔体を構成するケイ素原子の少なくとも一部に、有機基が、炭素−ケイ素結合を形成することによって結合しているものをいう。有機基としては、例えば、アルカンやアルケン、アルキン、ベンゼン、シクロアルカンなどの炭化水素から1以上の水素がとれて生じる炭化水素基、アミド基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、スルフォン基、カルボキシル基、エーテル基、アシル基、ビニル基等が挙げられる。
<反応物質>
反応物質3は、特定物質或いはその生成物と選択的に反応する物質であれば任意であり、具体的には、例えば、生体由来の分子識別素子(タンパク質等の生体物質(生体触媒)など)、パラジウムや白金などの金属触媒、酸化ルテニウムや酸化マンガン、酸化鉄、酸化チタンなどの酸化触媒、その他の有機触媒又は無機触媒、各種ポリマー、ポリマーコンプレックス、ポリイオンコンプレックス、吸光物質、蛍光物質、色素等である。
なお、シリカチューブ2に担持される反応物質3の種類は、1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。
<反応物質チューブ>
反応物質複合チューブ1は、例えば、図2及び図3に示すように、シリカチューブ2と、シリカチューブ2に担持された反応物質3と、を備えて構成される。反応物質複合チューブ1は、例えば、生化学分析や微量成分分析のためのセンサや、高分子合成や触媒反応などにおけるリアクターとして好適に適用することができる。或いは、シリカチューブ2を用いて、光合成モデルを作製することもできる。すなわち、細孔2a内に二種類のクロロフィル色素(ドナー及びアクセプター)を導入する。この際、ドナー及びアクセプターは同一のシリカチューブ2に固定化してもよいし、ドナーを固定化したシリカチューブ2とアクセプターを固定化したシリカチューブ2とを混ぜ合わせても良い。そして、これに、例えば、電子伝達体としてのキノンを媒介させて色素間のエネルギー移動を行わせることによって、光合成モデルを作製することができる。クロロフィルは非常に変性しやすい色素であるが、シリカチューブ2の細孔2a内に固定化することによって、或いは、シリカチューブ2の細孔2aの表面を所定の官能基で修飾し、その細孔2a内に固定化することによって、色素の変性を抑制できる。さらに、シリカチューブ2の壁面に細孔2aがあるとともに、シリカチューブ2に拡散領域A2があるため、エネルギー移動が起こりやすい。
ここで、シリカチューブ2は、例えば、図3に示すように、反応物質3が固定される固定領域A1と、特定物質(反応物質)及び生成物(反応生成物)が拡散する拡散領域A2と、に分けられる。
固定領域A1は、シリカチューブ2の壁面部分であり、その壁面部分に形成された細孔2aの内部に反応物質3が固定される。
拡散領域A2は、シリカチューブ2の中空部分であり、何も充填されていない空洞となっている。
したがって、例えば、反応物質複合チューブ1を電解液等に浸漬させ、特定物質を含有する気体を当該電解液等と接触させて、当該電解液等に当該特定物質を溶解させると、当該特定物質は、反応物質複合チューブ1の外部を拡散して内部(拡散領域A2)へと移動し、さらに、拡散領域A2を拡散して固定領域A1に固定された反応物質3へと移動し、当該反応物質3と接触する。そして、当該接触によって生じた生成物も、拡散領域A2を拡散して、反応物質複合チューブ1の外部へと移動する。
例えば、図20に示すような従来の反応物質複合体の場合、固定領域A1と拡散領域A2とが分離されていない構造であるため、特定物質や生成物は、反応物質3が固定された領域を拡散することになる。これに対し、本発明の反応物質複合チューブ1の場合、特定物質や生成物は、何も充填されていない空洞状態の拡散領域A2を拡散することになり、従来の反応物質複合体と比較して、特定物質や生成物の拡散性が高くなるため、高速で反応を実施することができる。
或いは、異なる反応物質を別々のシリカチューブ2に固定化したものを混ぜ合わせ、迅速な連続反応を起こさせることができる。
<反応物質複合体の製造方法>
次に、反応物質複合チューブ1の製造方法について図4〜図8を参照して説明する。反応物質複合チューブ1は、シリカチューブ2を製造し、その製造されたシリカチューブ2に反応物質3を固定することによって製造される。
図4は、基材100を模式的に示す斜視図である。図5は、基材100が有する貫通孔100a(複数の貫通孔100aのうちの1つ)近傍を模式的に示す断面図であり、図6は、基材100が有する貫通孔100a(複数の貫通孔100aのうちの1つ)近傍を模式的に示す断面図であって、貫通孔100a内にシリカチューブ2が形成された状態を示す図である。図7は、基材100から取り出したシリカチューブ2を模式的に示す断面図である。図8は、反応物質3が固定されたシリカチューブ2(すなわち、反応物質複合チューブ1)を模式的に示す断面図である。
(シリカチューブの製造)
まず、界面活性剤を含むシリカ源溶液を調製する。
ここで、シリカ源溶液とは、シリカ源となる化合物(例えば、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)等のアルコキシシラン)を含有する溶液のことである。
界面活性剤は、シリカチューブ2に担持させる反応物質3の種類等に応じて適宜任意に変更可能であり、トリブロック共重合体のCTAB、P123及びF127等を好ましく用いることができる。
具体的には、例えば、CTAB、P123及び/又はF127を、エタノールや塩酸の混合物中に溶解して、30℃〜60℃程度で、還流器を用いて数時間程度攪拌する。
次いで、これに、TEOS等のシリカ源を添加し、更に、30℃〜60℃程度で、還流器を用いて2時間〜20数時間程度攪拌することによって、界面活性剤を含むシリカ源溶液を調製する。
なお、シリカ源溶液に含まれる界面活性剤の種類は、1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。
次に、例えば、図4及び図5に示すような、互いに平行な複数の貫通孔100aを有する基材100を用意する。
ここで、基材100は、例えば、アルミニウムを含む基板(アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基板)を陽極酸化して得た陽極酸化アルミナ基板(陽極酸化アルミナ膜)である。
そして、貫通孔100aは、例えば、陽極酸化によって形成された、基材100の一方の面から他方の面にかけて貫通する円筒状の孔である。貫通孔100aの直径は、シリカチューブ2に担持させる反応物質3の種類等に応じて適宜任意に変更可能であり、具体的には、例えば、10nm〜10μmである。
なお、基材100は、陽極酸化アルミナ基板に限ることはなく、所定の金属を含む基板を陽極酸化して得た陽極酸化金属基板等の、互いに平行な複数の貫通孔100aを有する金属酸化物基板であれば任意である。
次に、基材100が有する貫通孔100aの内壁100a1に、界面活性剤を含むシリカ層を形成する(シリカ層形成ステップ)。
具体的には、例えば、調製した界面活性剤を含むシリカ源溶液を、基材100の一方の面に滴下し、真空ポンプ等の吸引装置を用いて、所定の吸引速度で、当該滴下された界面活性剤を含むシリカ源溶液を貫通孔100a内に吸引導入する(吸引導入ステップ)。
次いで、例えば、貫通孔100a内に導入された界面活性剤を含むシリカ源溶液を、真空ポンプ等の吸引装置を用いて、所定の吸引速度で、吸引乾燥させて(吸引乾燥ステップ)、貫通孔100aの内壁100a1に界面活性剤を含むシリカ層を形成する。
なお、吸引導入時の吸引速度と、吸引乾燥時の吸引速度と、は同一であっても良いし、異なっていても良い。
次に、貫通孔100aの内壁100a1に形成されたシリカ層から界面活性剤を除去して、シリカチューブ2を形成する(シリカチューブ形成ステップ)。
具体的には、例えば、貫通孔100aの内壁100a1に形成されたシリカ層を焼成することによって、当該シリカ層から界面活性剤を除去することにより、例えば、図6に示すように、貫通孔100aの内壁100a1に沿って中空糸状のシリカチューブ2を形成する。
次に、所定の溶液を用いて基材100を溶解させ(基材溶解ステップ)、基材100を除去することによって、例えば、図7に示すように、基材100からシリカチューブ2を取り出す。
以上のようにして、シリカチューブ2を製造する。
ここで、所定の溶液は、基材100は溶かし、シリカチューブ2は溶かさない溶液であれば任意であり、具体的には、基材100が陽極酸化アルミナ基板である場合は、リン酸又は硝酸を含む溶液(リン酸溶液又は硝酸溶液)等である。
(反応物質の固定)
まず、反応物質3を含む反応物質溶液を調製する。
次に、調製した反応物質溶液中に、製造されたシリカチューブ2を浸漬させて、シリカチューブ2に反応物質3を吸着固定させる。さらに、公知の固定化方法を併用することもできる。
次に、シリカチューブ2を洗浄することによって、拡散領域A2内の反応物質3を洗い流す。
以上のようにして、製造されたシリカチューブ2に反応物質3を固定化して、反応物質複合チューブ1を製造する。
なお、上記のシリカチューブ2の製造方法、反応物質複合チューブ1の製造方法は、一例であって、これに限られるものではない。
以下、具体的な実施例によって本発明を説明するが、発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1では、担体(シリカチューブ)を作製して、その担体について評価した。
まず、界面活性剤(P123)1.0gを、エタノール20mL、濃塩酸100μL及び水2mLと混合して、攪拌しながら60℃で1時間還流を行った。
次いで、これに、TEOS2.13gを添加し、還流器を用いて60℃で12時間攪拌することによって、界面活性剤を含むシリカ源溶液を調製した。
次に、リン酸溶液中でアルミニウム基板に一定電圧を印加して、当該アルミニウム基板を陽極酸化することによって、貫通孔の直径が100nm、厚みが60μmの陽極酸化アルミナ基板(基材100)を作製した。
次に、調製した界面活性剤を含むシリカ源溶液を、作製した陽極酸化アルミナ基板の一方の面に滴下し、吸引装置を用いて、吸引速度10L/minで、当該陽極酸化アルミナ基板の貫通孔内に吸引導入した。
次いで、貫通孔内に吸引導入した界面活性剤を含むシリカ源溶液を、吸引装置を用いて、吸引速度10L/minで、吸引乾燥させることによって、当該貫通孔内に界面活性剤を含むシリカ層を形成した。
次に、貫通孔内に界面活性剤を含むシリカ層が形成された陽極酸化アルミナ基板を、デシケータ中で一晩乾燥させた後、500℃で6時間焼成して、当該シリカ層から界面活性剤を除去することによって、陽極酸化アルミナ基板の貫通孔内に担体を形成した。
次に、貫通孔内に担体が形成された陽極酸化アルミナ基板を、貫通孔に対して斜めに切断し、その断面を、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察した。その結果を図9に示す。
図9に示すように、SEM観察の結果、陽極酸化アルミナ基板の貫通孔の内壁に沿って、中空糸状の構造体(チューブ体)が形成されていることが確認された。
また、貫通孔内に担体が形成された陽極酸化アルミナ基板を、EDX(エネルギー分散型X線分光法)を用いて解析した。
その結果、陽極酸化アルミナ基板の貫通孔の内壁に沿って、シリカが分布していることが確認された。
次に、貫通孔内に担体が形成された陽極酸化アルミナ基板を10%リン酸溶液中に一晩浸漬させて、鋳型である陽極酸化アルミナ基板を溶解させた後、それを遠心分離して担体を取り出し、減圧下で一晩乾燥させることによって、担体を作製した。
次に、作製した担体を、SEMを用いて観察した。その結果を図10に示す。
図10に示すように、SEM観察の結果、中空糸状の構造体が作製されていることが確認された。また、SEM観察の結果、この中空糸状の構造体は、外径が約100nm、長さが使用した陽極酸化アルミナ基板の厚み(貫通孔の長さ)以下であることが確認された。
また、作製した担体を、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて観察した。その結果を図11に示す。
図11に示すように、TEM観察の結果、作製された中空糸状の構造体は、メッシュ状の均一な3次元構造であることが確認された。また、TEM観察の結果、この中空糸状の構造体は、壁面の厚みが約8.0nmであることが分かった。さらに、TEM観察の結果、この中空糸状の構造体が有する細孔(細孔2a)は、断面形状が略正六角形状であり、平均細孔サイズが約8.0nmであることが確認された。ここで、細孔サイズとは、六角形における、一辺と、当該一辺に対向する他の一辺と、の間の距離のことである。
以上のSEM、TEM及びEDXの結果から、本発明の担体の製造方法によって、中空糸状のシリカチューブ2を作製できることが確認された。
さらに、貫通孔の直径が20nm、100nm及び200nmである陽極酸化アルミナ基板(厚みは45μm)を用いて、上記した方法で、3種類の担体を作製した。
次に、作製した3種類の担体それぞれを、SEMを用いて観察し、それぞれの外径を計測した。その結果を表1に示す。
表1に示すように、SEM観察の結果、使用した陽極酸化アルミナ基板が有する貫通孔の直径と略同一の外径(外直径)を有するシリカチューブ2が作製されていることが確認された。
以上の結果から、使用する基材100が有する貫通孔100aの直径によって、中空糸状のシリカチューブ2の外径を制御できることが分かった。
また、作製した3種類の担体それぞれを、SEMを用いて観察し、それぞれの長さを計測したところ、使用した陽極酸化アルミナ基板の厚み(貫通孔の長さ)以下の長さを有するシリカチューブ2が作製されていることが確認された。
<実施例2>
実施例2では、担体を作製して、界面活性剤を含むシリカ源溶液中の、界面活性剤の量及びTEOSの量について評価した。
まず、界面活性剤(P123)を、エタノール20mL、濃塩酸100μL及び水2mLと混合して、攪拌しながら60℃で1時間還流を行った。
次いで、これに、TEOSを添加し、還流器を用いて60℃で12時間攪拌することによって、界面活性剤を含むシリカ源溶液を調製した。
次に、リン酸溶液中でアルミニウム基板に一定電圧を印加して、当該アルミニウム基板を陽極酸化することによって、貫通孔の直径が100nm、厚みが60μmの陽極酸化アルミナ基板(基材100)を作製した。
次に、調製した界面活性剤を含むシリカ源溶液を、作製した陽極酸化アルミナ基板の一方の面に滴下し、吸引装置を用いて、吸引速度10L/minで、当該陽極酸化アルミナ基板の貫通孔内に吸引導入した。
次いで、貫通孔内に吸引導入した界面活性剤を含むシリカ源溶液を、吸引装置を用いて、吸引速度10L/minで、吸引乾燥させることによって、当該貫通孔内に界面活性剤を含むシリカ層を形成した。
次に、貫通孔内に界面活性剤を含むシリカ層が形成された陽極酸化アルミナ基板を、デシケータ中で一晩乾燥させた後、500℃で6時間焼成して、当該シリカ層から界面活性剤を除去することによって、陽極酸化アルミナ基板の貫通孔内に担体を形成した。
次いで、貫通孔内に担体が形成された陽極酸化アルミナ基板を10%リン酸溶液中に一晩浸漬させて、鋳型である陽極酸化アルミナ基板を溶解させた後、それを遠心分離して担体を取り出し、減圧下で一晩乾燥させることによって、担体を作製した。
ここで、P123の量が0.6g,1.0g及び1.5gである各シリカ源溶液(TEOSの量は2.13g)を用いて、3種類の担体を作製した。
また、TEOSの量が1.28g,2.13g及び3.2gである各シリカ源溶液(P123の量は1.0g)を用いて、3種類の担体を作製した。
次に、作製した6種類の担体それぞれを、TEMを用いて観察した。
その結果、P123の量が0.6g及び1.5gの場合、中空糸状のシリカチューブ2が作製されていることは確認されたが、そのシリカチューブ2が有する細孔2aは、不規則に配置され、形状が歪んだ略六角柱状であった。
これに対し、P123の量が1.0gの場合は、例えば、図1及び図2に示すような、互いに平行な規則的に配置された略正六角柱状の細孔2aを有する中空糸状のシリカチューブ2が、作製されていることが確認された。
また、TEOSの量が1.28g及び3.2gの場合、中空糸状のシリカチューブ2が作製されていることは確認されたが、そのシリカチューブ2が有する細孔2aは、不規則に配置され、形状が歪んだ略六角柱状であった。
これに対し、TEOSの量が2.13gの場合は、例えば、図1及び図2に示すような、互いに平行な規則的に配置された略正六角柱状の細孔2aを有する中空糸状のシリカチューブ2が、作製されていることが確認された。
以上の結果から、界面活性剤としてP124を用いるときは、シリカチューブ2が有する細孔2aの形状等の観点から、P123の量が1.0g、TEOSの量が2.13gであるシリカ源溶液を用いてシリカチューブ2を作製することが好適であることが分かった。
同様にして、界面活性剤F127についても、陽極酸化アルミナ基板の貫通孔内に担体を形成して、界面活性剤を含むシリカ源溶液中の、界面活性剤の量及びTEOSの量について評価した。
その結果、界面活性剤としてF127を用いるときは、シリカチューブ2が有する細孔2aの形状等の観点から、F127の量が0.92g、TEOSの量が2.0gであるシリカ源溶液(具体的な組成は実施例4参照)を用いてシリカチューブ2を作製することが好適であることが分かった。
また、同様にして、界面活性剤CTABについても、陽極酸化アルミナ基板の貫通孔内に担体を形成して、界面活性剤を含むシリカ源溶液中の、界面活性剤の量及びTEOSの量について評価した。
その結果、界面活性剤としてCTABを用いるときは、シリカチューブ2が有する細孔2aの形状等の観点から、CTABの量が1.52g、TEOSの量が11.57gであるシリカ源溶液(具体的な組成は実施例4参照)を用いてシリカチューブ2を作製することが好適であることが分かった。
<実施例3>
実施例3では、担体を作製して、界面活性剤を含むシリカ源溶液を貫通孔100a内に吸引導入する時(吸引導入時)及び貫通孔100a内に吸引導入された界面活性剤を含むシリカ源溶液を吸引乾燥させる時(吸引乾燥時)の吸引速度について評価した。
まず、界面活性剤(P123)1.0gを、エタノール20mL、濃塩酸100μL及び水2mLと混合して、攪拌しながら60℃で1時間還流を行った。
次いで、これに、TEOS2.13gを添加し、還流器を用いて60℃で12時間攪拌することによって、界面活性剤を含むシリカ源溶液を調製した。
次に、リン酸溶液中でアルミニウム基板に一定電圧を印加して、当該アルミニウム基板を陽極酸化することによって、貫通孔の直径が100nm、厚みが60μmの陽極酸化アルミナ基板(基材100)を作製した。
次に、調製した界面活性剤を含むシリカ源溶液を、作製した陽極酸化アルミナ基板の一方の面に滴下し、吸引装置を用いて、当該陽極酸化アルミナ基板の貫通孔内に吸引導入した。
次いで、貫通孔内に吸引導入した界面活性剤を含むシリカ源溶液を、吸引装置を用いて、吸引導入時と同一の吸引速度で、吸引乾燥させることによって、当該貫通孔内に界面活性剤を含むシリカ層を形成した。
次に、貫通孔内に界面活性剤を含むシリカ層が形成された陽極酸化アルミナ基板を、デシケータ中で一晩乾燥させた後、500℃で6時間焼成して、当該シリカ層から界面活性剤を除去することによって、陽極酸化アルミナ基板の貫通孔内に担体を形成した。
次いで、貫通孔内に担体が形成された陽極酸化アルミナ基板を10%リン酸溶液中に一晩浸漬させて、鋳型である陽極酸化アルミナ基板を溶解させた後、それを遠心分離して担体を取り出し、減圧下で一晩乾燥させることによって、担体を作製した。
ここで、吸引導入時及び吸引乾燥時の吸引速度を、0.1L/min、0.5L/min、1L/min、2L/min、3L/min、5L/min、8L/min及び10L/minとして、8種類の担体を作製した。
次に、作製した8種類の担体それぞれを、TEMを用いて観察した。その結果を表2に示す。
表2に示すように、TEM観察の結果、吸引速度が1L/min以上である場合は、中空糸状のシリカ構造体が作製されていることが確認された。すなわち、細孔2aの貫通方向が、貫通孔100aの貫通方向に対して略直交しており、かつ、中空部分(拡散領域A2)を有するシリカ系メソ多孔体(シリカチューブ2)が作製されていることが確認された。
これに対し、吸引速度が0.5L/min以下の場合は、中空糸状のシリカ構造体ではなく、細孔サイズが約8.0nmの細孔を有する従来のシリカ系メソ多孔体(例えば、図20参照)が、作製されていることが確認された。すなわち、細孔の貫通方向が、貫通孔100aの貫通方向と略同一であり、かつ、中空部分を有さないシリカ構造体が形成されていることが確認された。
また、表2に示すように、TEM観察の結果、吸引速度が1L/min以上である場合、吸引速度が増加するにつれて、中空糸状のシリカチューブ2の壁面の厚みが薄くなっていくことが確認された。
以上の結果から、上記組成の溶液(界面活性剤を含む溶液)を用い、かつ、貫通孔100aの直径が100nmである基材100を用いた場合、中空糸状のシリカチューブ2を形成するためには、1L/min以上の吸引速度で吸引導入及び吸引乾燥する必要があることが分かった。また、吸引速度によって、中空糸状のシリカチューブ2の壁面の厚みを制御できることが分かった。
<実施例4>
実施例4では、シリカチューブ2を作製して、界面活性剤を含むシリカ源溶液中の界面活性剤の種類と、中空糸状のシリカチューブ2が有する細孔2aの大きさと、の関係について評価した。
まず、界面活性剤(P123)1.0gを、エタノール20mL、濃塩酸100μL及び水2mLと混合して、攪拌しながら60℃で1時間還流を行った。
次いで、これに、TEOS2.13gを添加し、還流器を用いて60℃で12時間攪拌することによって、界面活性剤を含むシリカ源溶液を調製した。
次に、リン酸溶液中でアルミニウム基板に一定電圧を印加して、当該アルミニウム基板を陽極酸化することによって、貫通孔の直径が100nm、厚みが60μmの陽極酸化アルミナ基板(基材100)を作製した。
次に、調製した界面活性剤を含むシリカ源溶液を、作製した陽極酸化アルミナ基板の一方の面に滴下し、吸引装置を用いて、吸引速度10L/minで、当該陽極酸化アルミナ基板の貫通孔内に吸引導入した。
次いで、貫通孔内に吸引導入した界面活性剤を含むシリカ源溶液を、吸引装置を用いて、吸引速度10L/minで、吸引乾燥させることによって、当該貫通孔内に界面活性剤を含むシリカ層を形成した。
次に、貫通孔内に界面活性剤を含むシリカ層が形成された陽極酸化アルミナ基板を、デシケータ中で一晩乾燥させた後、500℃で6時間焼成して、当該シリカ層から界面活性剤を除去することによって、陽極酸化アルミナ基板の貫通孔内にシリカチューブ2を形成した。
次いで、貫通孔内にシリカチューブ2が形成された陽極酸化アルミナ基板を10%リン酸溶液中に一晩浸漬させて、鋳型である陽極酸化アルミナ基板を溶解させた後、それを遠心分離してシリカチューブ2を取り出し、減圧下で一晩乾燥させることによって、シリカチューブ2を作製した。
また、界面活性剤(F127)0.92gを、エタノール23.5mL、濃塩酸200μL及び水1.33mLと混合して、攪拌しながら60℃で1時間還流を行った。
次いで、これに、TEOS2.0gを添加し、還流器を用いて60℃で12時間攪拌することによって、界面活性剤を含むシリカ源溶液を調製した。
そして、界面活性剤P123を含むシリカ源溶液の場合と同様にして、陽極酸化アルミナ基板の貫通孔内にシリカチューブ2を形成した。
次いで、貫通孔内にシリカチューブ2が形成された陽極酸化アルミナ基板を10%リン酸溶液中に一晩浸漬させて、鋳型である陽極酸化アルミナ基板を溶解させた後、それを遠心分離してシリカチューブ2を取り出し、減圧下で一晩乾燥させることによって、シリカチューブ2を作製した。
また、界面活性剤(CTAB)1.52gを、エタノール15g及び濃塩酸4mLと混合して、攪拌しながら60℃で1時間還流を行った。
次いで、これに、TEOS11.57gを添加し、還流器を用いて60℃で12時間攪拌することによって、界面活性剤を含むシリカ源溶液を調製した。
そして、界面活性剤P123を含むシリカ源溶液の場合と同様にして、陽極酸化アルミナ基板の貫通孔内にシリカチューブ2を形成した。
次いで、貫通孔内にシリカチューブ2が形成された陽極酸化アルミナ基板を10%リン酸溶液中に一晩浸漬させて、鋳型である陽極酸化アルミナ基板を溶解させた後、それを遠心分離してシリカチューブ2を取り出し、減圧下で一晩乾燥させることによって、シリカチューブ2を作製した。
次に、作製した3種類のシリカチューブ2それぞれを、TEMを用いて観察した。その結果を表3に示す。
表3に示すように、TEM観察の結果、界面活性剤の種類によって、中空糸状のシリカチューブ2が有する細孔2aの大きさが異なることが確認された。
以上の結果から、シリカ源溶液に含まれる界面活性剤の種類のよって、シリカチューブ2が有する細孔2aの大きさを制御できることが分かった。
次に、作製した3種類のシリカチューブ2それぞれを、SEMを用いて観察し、それぞれの外径及び長さを計測した。
その結果、界面活性剤としてP123を用いた場合も、F127を用いた場合も、CTABを用いた場合も、作製されたシリカチューブ2の外径は、使用した陽極酸化アルミナ基板が有する貫通孔の内径と略同一(すなわち、約100nm)であり、作製されたシリカチューブ2の長さは、使用した陽極酸化アルミナ基板の厚み(貫通孔の長さ)以下であることが確認された。
以上の結果から、中空糸状のシリカチューブ2の外径は、界面活性剤の種類に依存しないことが分かった。
<実施例5>
実施例5では、作製したシリカチューブ2に、反応物質3として生体物質(具体的には、ホルムアルデヒド脱水素酵素)を固定して、酵素複合体(酵素複合チューブ)を作製し、その酵素複合チューブについて評価した。
まず、貫通孔100aの直径が100nm、厚みが60μmの陽極酸化アルミナ基板を使用して、実施例1と同様の方法で、貫通孔内にシリカチューブ2が形成された陽極酸化アルミナ基板を作製した。
次いで、貫通孔内にシリカチューブ2が形成された陽極酸化アルミナ基板を10%リン酸溶液中に一晩浸漬させて、鋳型である陽極酸化アルミナ基板を溶解させた後、それを遠心分離してシリカチューブ2を取り出し、減圧下で一晩乾燥させることによって、シリカチューブ2を作製した。
一方、ホルムアルデヒド脱水素酵素を、リン酸バッファ(pH7.4)に溶解させて、ホルムアルデヒド脱水素酵素濃度が1.2mg/mLの酵素溶液を調製した。
次いで、調製した酵素溶液中に、作製したシリカチューブ2を浸漬させて3℃で一晩静置することによって、シリカチューブ2に酵素を吸着固定させた。
次いで、酵素が吸着固定されたシリカチューブ2を、5mLの脱イオン水を入れたコニカルチューブ中で良く振り混ぜて洗浄した後、それを遠心分離して酵素が吸着固定されたシリカチューブ2を取り出した。
このようにして、シリカチューブ2中の拡散領域A2内の酵素が洗い流された酵素複合チューブを作製した。
次に、TG−DTA(熱重量示差熱同時分析計)を用いて、作製した酵素複合チューブにおける酵素固定量を測定した。
その結果、100mgの酵素複合チューブに対して、200μgのホルムアルデヒド脱水素酵素が固定されていることが確認された。
<実施例6>
実施例6では、特定物質(具体的には、ホルムアルデヒド)を含有する特定物質溶液を用いて、実施例5で作製した酵素複合チューブについて評価した。
具体的には、ホルムアルデヒドをギ酸に酸化する反応(HCHO + NAD + 3HO ―(ホルムアルデヒド脱水素酵素)→ HCOO + NADH + 2H)を利用して(すなわち、NAD(酸化型)の還元によって生じるNADH(還元型)に特徴的な波長340nmを選び、その吸光度の変化から、生成したNADH濃度を求めることによって)、実施例5で作製した酵素複合チューブが備えるホルムアルデヒド脱水素酵素の活性を測定した。
まず、実施例5で作製した酵素複合チューブ10mgを、3.0mLのリン酸バッファ(pH7.4)に加えた。
次いで、これに、補酵素(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD))10mgと、ホルムアルデヒド濃度が0.3%のホルムアルデヒド水溶液300μLと、添加して25℃で静置し、試料(実施例6用の試料)を作製した。
次に、吸光光度計を用いて、攪拌しながら作製した実施例6用の試料の340nmにおける吸収を測定した。その結果を図12に示す。
比較例1として、遊離酵素でも同様の測定を行った。
具体的には、実施例5で作製した酵素複合チューブ10mgに代えて、ホルムアルデヒド脱水素酵素20μgを用いて、実施例6と同様の方法で、試料(比較例1用の試料)を作製した。
次に、吸光光度計を用いて、作製した比較例1用の試料の340nmにおける吸収を測定した。その結果も図12に示す。
また、従来例1として、従来のシリカ系メソ多孔体に固定化された酵素でも同様の測定を行った。
ここで、従来例1で使用した担体は、従来のシリカ系メソ多孔体であるため、例えば、図20に示すシリカ系メソ多孔体のように、固定領域A1と拡散領域A2とが分離されていない。
具体的には、実施例5と同様の方法で、従来のシリカ系メソ多孔体にホルムアルデヒド脱水素酵素を固定化した。そして、この従来のシリカ系メソ多孔体における酵素固定量を測定したところ、100mgのシリカ系メソ多孔体に対して、450μgのホルムアルデヒド脱水素酵素が固定されていることが確認された。
次いで、実施例5で作製した酵素複合チューブ10mgに代えて、酵素が固定化された従来のシリカ系メソ多孔体4.5mgを用いて、実施例6と同様の方法で、試料(従来例1用の試料)を作製した。
次に、吸光光度計を用いて、作製した従来例1用の試料の340nmにおける吸収を測定した。その結果も図12に示す。
図12においては、横軸に反応時間(すなわち、ホルムアルデヒド水溶液を添加してからの経過時間)、縦軸に測定された340nmの吸光度を示す。また、丸プロット(○)は実施例6の結果、三角プロット(△)は比較例1の結果、四角プロット(□)は従来例1の結果を示す。
図12に示すように、吸光度測定の結果、実施例6の固定化酵素(すなわち、実施例5で作製した酵素複合チューブが備える酵素)は、アスペクト比の高いシリカチューブ2内に固定されているにも関わらず、比較例1の遊離酵素と同等の反応速度及び酵素活性を有することが分かった。
その一方で、従来例1の固定化酵素(すなわち、従来のシリカ系メソ多孔体に固定化された酵素)は、アスペクト比が高く、かつ、固定領域A1と拡散領域A2とが分離されていない従来のシリカ系メソ多孔体内に固定されているため、特定物質(ホルムアルデヒド)や生成物の拡散性が制限されて、反応速度が比較例1の遊離酵素よりも小さくなることが分かった。
以上の結果から、本発明のシリカチューブ2は、担持した反応物質3によって、遊離酵素と同等の反応速度での反応を実現できることが分かった。
<実施例7>
実施例7では、特定物質(具体的には、ホルムアルデヒド)を含有する特定物質溶液を用いて、実施例5で作製した酵素複合チューブ(酵素複合チューブT1)について評価した。
まず、酵素複合チューブT1を用いて酵素電極E1を作製した。
具体的には、電極E11(作用電極)として、直径3.2mm、面積0.1cmの円柱状のグラッシカーボン電極を準備した。
次いで、準備した電極E11の表面に、酵素複合チューブT1を10mg採取して塗布・固定した。さらに、酵素複合チューブT1の漏出等を防ぐために、例えば、図13に示すように、ナイロンネットフィルターE12(孔径1μm)及びOリングE13を用いて、酵素複合チューブT1を電極E11上に固定化した。このようにして、電極E11と、シリカチューブ2及び反応物質3である酵素(ホルムアルデヒド脱水素酵素)により形成される酵素複合チューブT1と、を備えて構成される酵素電極E1を作製した。なお、酵素電極E1は使用時まで4℃で保存した。
次に、酵素電極E1を用いた酵素センサS1を使用して、電気化学的計測法により特定物質を検出した。
具体的には、酵素電極E1を用いて、例えば、図14に示すように、酵素センサS1を作製した。酵素センサS1は、例えば、反応器S11内に、リードに接続された作用電極(酵素電極E1)と、リードに接続された対電極S12と、リードに接続された参照電極S13と、を有し、電解液S11aとして、1mMニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)を溶解させたリン酸緩衝液(pH=7.41)10mLを収容している。また、作用電極(酵素電極E1)と対電極S12と参照電極S13に接続されたリードには、酵素電極E1において発生した電流値を測定するためのポテンショスタットS14が接続されている。ポテンショスタットS14は、例えば、定電圧計S14aと、電流計測器S14bと、を有している。
酵素センサS1の作用電極(酵素電極E1)に、参照電極S13を基準として+600mVの電位を印加した状態で、電解液S11a中に基質(特定物質)を添加すると、その基質と酵素及び補酵素等が反応する。この際、酵素電極E1上で補酵素が酸化されることで、酵素電極E1に電流が流れる。この応答電流をポテンショスタットS14で測定することによって、溶液中の特定物質を検出することができる。
また、例えば、濃度と応答電流との関係を示す検量線を予め作成しておくと、酵素センサS1からの応答電流に基づいて、特定物質溶液の特定物質濃度も測定することができる。
ここで、特定物質であるホルムアルデヒドは、酵素複合チューブT1(シリカチューブ2)中の拡散領域A2を拡散して、シリカチューブ2中の固定領域A1に固定された反応物質3であるホルムアルデヒド脱水素酵素と接触するようになっている。そして、当該接触によって生成された生成物は、シリカチューブ2中の拡散領域A2を拡散して、酵素複合チューブT1の外部へと移行するようになっている。
より具体的には、作用電極(酵素電極E1)に参照電極S13を基準として+600mVの電位を印加することによって、酵素センサS1からの応答電流の計測を開始し、当該計測の開始から約300秒経過後に、電解液S11aにホルムアルデヒド水溶液(濃度:250μM)を10μL添加した。その結果を図15に示す。
比較例2として、遊離酵素でも同様の測定を行った。
具体的には、まず、酵素センサS1から酵素複合チューブT1を取り除いたものを用意した。
次いで、電解液S11aに、ホルムアルデヒド脱水素酵素20μgを加えて、比較例2のセンサを作製した。
次いで、実施例7と同様の方法で、ホルムアルデヒド濃度が250μMのホルムアルデヒド水溶液10μLを、酵素を含む電解液S11aに添加した際の、比較例2のセンサからの応答電流を計測した。その計測結果も図15に示す。
また、従来例2として、従来のシリカ系メソ多孔体に固定化された酵素でも同様の測定を行った。
ここで、従来例2で使用した担体は、従来のシリカ系メソ多孔体であるため、例えば、図20に示すシリカ系メソ多孔体のように、固定領域A1と拡散領域A2とが分離されていない。
具体的には、実施例5と同様の方法で、従来のシリカ系メソ多孔体にホルムアルデヒド脱水素酵素を固定化した。そして、この従来のシリカ系メソ多孔体における酵素固定量を測定したところ、100mgのシリカ系メソ多孔体に対して、450μgのホルムアルデヒド脱水素酵素が固定されていることが確認された。
次いで、実施例5で作製した酵素複合チューブ(酵素複合チューブT1)10mgに代えて、酵素が固定化された従来のシリカ系メソ多孔体4.5mgを用いて、実施例7と同様の方法で、従来例2のセンサを作製した。
次いで、実施例7と同様の方法で、ホルムアルデヒド濃度が250μMのホルムアルデヒド水溶液10μLを電解液S11aに添加した際の、従来例2のセンサからの応答電流を計測した。その計測結果も図15に示す。
図15においては、横軸に応答電流の計測開始からの経過時間、縦軸に計測された応答電流を示す。また、実線は実施例7の結果、一点鎖線は比較例2の結果、破線は従来例2の結果を示す。
図15に示すように、応答電流計測の結果、比較例2のセンサ(遊離酵素センサ)においては、応答がほとんど観測されなかった。これは、比較例2のセンサの酵素量(20μg)は、実施例7のセンサ及び従来例2のセンサの酵素量と略同一であるが、酵素が担体に担持されておらず、電解液S11a中に溶存していて希薄なため、特定物質と効率よく接触できなかったためと考えられる。
実施例7のセンサ(酵素センサS1)においては、酵素がアスペクト比の高いシリカチューブ2内に固定されているにも関わらず、応答の立ち上がり及び飽和電流値が、比較例2のセンサ及び従来例2のセンサよりも大きいことが分かった。すなわち、シリカチューブ2には空洞状態の拡散領域A2が存在するため、シリカチューブ2内での特定物質や生成物の拡散性は溶液中での拡散性と同程度に良好であり、かつ、シリカチューブ2の壁面(固定領域A1)には反応物質3(酵素)が高密度に固定されているため、特定物質と反応物質3とが効率よく接触できることが分かった。
その一方で、従来例2のセンサにおいては、固定領域A1と拡散領域A2とが分離されていない従来のシリカ系メソ多孔体を用いたため、特定物質や生成物の拡散性が制限されて、応答が遅くなることが分かった。
以上の結果から、本発明のシリカチューブ2は、担持した反応物質3によって、従来の担体(従来のシリカ系メソ多孔体)よりも高速での反応を実現できることが分かった。
<実施例8>
実施例8では、特定物質(具体的には、ホルムアルデヒド)を含有する特定物質ガスを用いて、実施例5で作製した酵素複合チューブを束にした酵素複合チューブ束T2について評価した。
まず、実施例1と同様の方法で、貫通孔内にシリカチューブ2が形成された陽極酸化アルミナ基板を作製した。
次いで、貫通孔内にシリカチューブ2が形成された陽極酸化アルミナ基板を直径4mmの円板状に切り出し、その片面にスパッタ法によって約1μmの厚みのカーボン層を形成した。
次いで、10%リン酸溶液で陽極酸化アルミナ基板を溶解させて当該陽極酸化アルミナ基板を除去し、シリカチューブ2を残すことによって、カーボン層上に複数のシリカチューブ2が形成されたチューブ束を作製した。作製したチューブ束を、SEMを用いて観察した結果、チューブ束を構成する各シリカチューブ2が、カーボン層上に、カーボン層に対して垂直かつ互いに平行に規則的に形成されていることが確認された。
一方、ホルムアルデヒド脱水素酵素を、リン酸バッファ(pH7.4)に溶解させて、ホルムアルデヒド脱水素酵素濃度が1.2mg/mLの酵素溶液を調製した。
次いで、調製した酵素溶液中に、作製したチューブ束を浸漬させて3℃で一晩静置することによって、チューブ束に酵素を吸着固定させた。
次いで、酵素が吸着固定されたチューブ束を取り出して、脱イオン水で数回リンス(洗浄)した。
このようにして、チューブ束を構成する各シリカチューブ2中の拡散領域A2内の酵素が洗い流された酵素複合チューブ束T2を作製した。
次に、図16〜図18に示すガス検出用の酵素センサS2を作製した。
酵素センサS2は、酵素複合チューブ束T2が備える反応物質3の特性を利用して気体試料(特定物質ガス)中の特定物質を電気化学的計測法によって検出するセンサである。具体的には、酵素センサS2は、例えば、図16〜図18に示すように、センサヘッドS21と、酵素複合チューブ束T2と、を備えて構成される。
センサヘッドS21は、下側本体部S211と、下側本体部S211上に配置された上側本体部S212と、下側本体部S211と上側本体部S212との間に配置された電極部S213と、センサヘッドS21内に形成された液相部S214及び気相部S215と、液相部S214と気相部S215とを隔てるガス透過膜S216と、等を備えて構成される。
電極部S213は、作用電極S213aと、対電極S213bと、参照電極S213cと、等を備えている。
また、液相部S214は、液相部S214に溶液を導入するための溶液導入口S214aと、液相部S214に導入された溶液を排出するための溶液排出口S214bと、等を備えている。
また、気相部S215は、気相部S215に特定物質ガスを導入するためのガス導入口S215aと、気相部S215に導入された特定物質ガスを排出するためのガス排出口S215bと、等を備えている。
酵素複合チューブ束T2は、液相部S214内における、電極部S213とガス透過膜S216との間に、酵素複合チューブ束T2を構成する各シリカチューブ2中の拡散領域A2の貫通方向が電極部S213の上面に対して略直交するように配置されている。
ここで、気相部S215に導入された特定物質ガス中の特定物質は、ガス透過膜S216を透過して、液相部S214へと移行し、液相部S214内に配置された酵素複合チューブ束T2(シリカチューブ2)中の拡散領域A2を拡散して、シリカチューブ2中の固定領域A1に固定された反応物質3と接触するようになっている。そして、当該接触によって生成された生成物は、シリカチューブ2中の拡散領域A2を拡散して、酵素複合チューブ束T2下部のカーボン層、すなわち、電極部S213へと移行するようになっている。
なお、酵素センサS2は、例えば、室温(25℃)で、参照電極S213cに対して作用電極S213aに所定の電圧(例えば、+600mVの電圧)を印加し、アンペロメトリー法による電流計測によって、酵素センサS2からの応答電流を計測することにより、特定物質ガス中の特定物質を検出するようになっている。
また、例えば、濃度と応答電流との関係を示す検量線を予め作成しておくと、酵素センサS2からの応答電流に基づいて、特定物質ガスの特定物質濃度も測定することができる。
次に、NAD12mgを、3mLのリン酸バッファ(pH7.4)に溶解させて、液相部S214を満たすための電解液を調製した。
次いで、調製した電解液を、溶液導入口S214aから液相部S214内へと導入し、溶液排出口S214bから漏れ出すまで導入し続けることによって、酵素複合チューブ束T2が配置された液相部S214内を当該電解液で満たした。
次に、酵素センサS2からの応答電流の計測を開始し、当該計測の開始から約6000秒経過後に、気相部S215内への特定物質ガスの導入を開始した。特定物質ガスとしては、ホルムアルデヒド濃度が100ppbのホルムアルデヒドガス(HCHOガス)を使用した。その計測結果を図19に示す。
比較例3として、遊離酵素でも同様の測定を行った。
具体的には、まず、酵素センサS2から酵素複合チューブ束T2を取り除いたもの(すなわち、センサヘッドS21)を用意した。
次いで、実施例8と同様の方法で調製した電解液(液相部S214を満たすための電解液)に、ホルムアルデヒド脱水素酵素を加えて、ホルムアルデヒド脱水素酵素濃度が12mg/ccの酵素溶液を調製した。
次いで、調製した酵素溶液で、センサヘッドS21が備える液相部S214内を満たすことによって、比較例3のセンサを作製した。
次いで、実施例8と同様の方法で、ホルムアルデヒド濃度が100ppbのホルムアルデヒドガスを導入した際の、比較例3のセンサからの応答電流を計測した。その計測結果も図19に示す。
また、従来例3として、従来のシリカ系メソ多孔体であるFSMに固定されたFSM固定化酵素でも同様の計測を行った。
ここで、FSMは、従来のシリカ系メソ多孔体であるため、例えば、図20に示すシリカ系メソ多孔体のように、固定領域A1と拡散領域A2とが分離されていない。また、図20に示すシリカ系メソ多孔体は、細孔の配向が一方向に方向制御されているが、FSMは、細孔の配向がランダムで方向制御されていない。
具体的には、まず、酵素複合チューブ束T2に代えて、ホルムアルデヒド脱水素酵素が担持されたFSMをセンサヘッドS21の電極部S213とガス透過膜S216との間に配置することによって、従来例3のセンサを作製した。
次いで、実施例8と同様の方法で調製した電解液(液相部S214を満たすための電解液)で、従来例3のセンサが備える液相部S214内を満たした。
次いで、実施例8と同様の方法で、ホルムアルデヒド濃度が100ppbのホルムアルデヒドガスを導入した際の、従来例3のセンサからの応答電流を計測した。その計測結果も図19に示す。
図19においては、横軸に応答電流の計測開始からの経過時間、縦軸に計測された応答電流を示す。また、実線は実施例8の結果、一点鎖線は比較例3の結果、破線は従来例3の結果を示す。
図19に示すように、応答電流計測の結果、実施例8の酵素センサS2においては、酵素がアスペクト比の高いシリカチューブ2内に固定されているにも関わらず、応答の立ち上がりが、比較例3のセンサと同等であることが分かった。すなわち、シリカチューブ2には空洞状態の拡散領域A2が存在するため、シリカチューブ2内での特定物質や生成物の拡散性は、溶液中での拡散性と同程度に良好であることが分かった。
また、実施例8の酵素センサS2においては、酵素複合チューブ束T2が備える酵素はシリカチューブ2に高密度に固定されているため、飽和電流値が、比較例3のセンサよりも大きくなることが分かった。
その一方で、従来例3のセンサにおいては、応答の立ち上がりが、比較例3のセンサよりも鈍いことが分かった。これは、固定領域A1と拡散領域A2とが分離されておらず、かつ、細孔の配向がランダムな担体(FSM)に酵素が固定されているためであると考えられる。
以上の結果から、本発明のシリカチューブ2は、担持した反応物質3によって、従来の担体(従来のシリカ系メソ多孔体)よりも高速での反応を実現でき、かつ、遊離酵素と同等の反応速度での反応を実現できることが分かった。
以上説明した本発明の担体(シリカチューブ2)及びこの担体を備える反応物質複合体(反応物質複合チューブ1)によれば、担体は、ナノメートルオーダーの大きさの細孔2aを壁面に複数有する中空糸状のシリカチューブ2であり、反応物質3は、細孔2aの内部に固定される。
したがって、シリカチューブ2の壁面部分が、反応物質3が固定される固定領域A1となって、シリカチューブ2の中空部分が、特定物質や生成物が拡散する拡散領域A2となる。すなわち、シリカチューブ2は、固定領域A1と拡散領域A2とが分離した構造になっているため、分子量の大きな反応物質3が固定された場合であっても、シリカチューブ2のアスペクト比(シリカチューブ2(拡散領域A2)の長さ/シリカチューブ2の外径)が高い場合であっても、シリカチューブ2には空洞状態の拡散領域A2が存在するため、シリカチューブ2内での特定物質や生成物の拡散性は、溶液中での拡散性と同程度に良好であり、担持した反応物質3によって、より高速での反応を実現することができる。
また、以上説明した本発明のシリカチューブ2及びシリカチューブ2を備える反応物質複合チューブ1によれば、反応物質3は生体物質であり、細孔2aの大きさは、当該生体物質のサイズの0.5〜2.0倍である。
すなわち、シリカチューブ2が有する細孔2aの内部に、タンパク質等の生体物質しっかりと固定することができるため、生体物質の立体構造の変化を防止することができる。さらに、シリカチューブ2が有する細孔2aの内部に生体物質をしっかりと固定することで、生体物質は適度に分散された状態に維持されるため、生体物質が凝集を起こして失活する等を防止することができる。また、シリカチューブ2は多孔質であり、比表面積が非常に大きい。したがって、シリカチューブ2を用いると、シリカチューブ2よりも比表面積が小さい担体を用いる場合と比較して、より大きな固定量でより高濃度に反応物質3を固定することができる。
したがって、反応物質複合チューブ1は、長寿命で、優れた安定性を有するものとなり、また、反応物質複合チューブ1を適用したセンサやリアクターは、長寿命で、優れた安定性や感度を有するものとなって、好適である。
また、以上説明した本発明のシリカチューブ2の製造方法によれば、基材100が有する貫通孔100aの内壁100a1に、所定の界面活性剤を含むシリカ層を形成するシリカ層形成ステップと、シリカ層から界面活性剤を除去して、シリカチューブ2を形成するシリカチューブ形成ステップと、所定の溶液を用いて基材100を溶解させる基材溶解ステップと、を備えている。そして、シリカ層形成ステップは、界面活性剤を含むシリカ源溶液を所定の吸引速度で貫通孔100a内に吸引導入する吸引導入ステップと、貫通孔100a内に導入された界面活性剤を含むシリカ源溶液を所定の吸引速度で吸引乾燥させる吸引乾燥ステップと、を備え、シリカチューブ形成ステップでは、シリカ層を焼成することによって、当該シリカ層から界面活性剤を除去するようになっている。
すなわち、担持した反応物質3によって、より高速で高感度な反応を実現することができるシリカチューブ2を、簡易な方法で製造することができる。
また、以上説明した本発明のシリカチューブ2の製造方法によれば、基材100は、アルミニウムを含む基板を陽極酸化して得た陽極酸化アルミナ基板であり、貫通孔100aは、陽極酸化によって形成された孔であり、溶液は、リン酸又は硝酸を含む溶液である。
したがって、基材100は、互いに平行な複数の貫通孔100aが容易かつ確実に形成されているとともに、強度や安定性が高いため、基材として好適である。また、溶液は、基材100が陽極酸化アルミナ基板である場合に、当該基板を確実に溶かすことができるため、好適である。
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
シリカチューブ2が有する細孔2aの貫通方向は、基材100が有する貫通孔100aの貫通方向に対して略垂直に限ることはなく、細孔2aが中空糸状のシリカチューブ2の内壁面2bから外壁面2cにかけて貫通しているのであれば任意である。
また、シリカチューブ2が有する穴部は、シリカチューブ2の内壁面2bから外壁面2cにかけて貫通する細孔2aに限ることはなく、シリカチューブ2の壁面に形成されているのであれば任意であり、例えば、シリカチューブ2の内壁面2bに形成された凹部(すなわち、内壁面2b側が開口して外壁面2c側が閉口した穴)であっても良いし、シリカチューブ2の外壁面2cに形成された凹部(すなわち、外壁面2c側が開口して内壁面2b側が閉口した穴)であっても良い。
シリカチューブ2の製造方法において、シリカ層形成ステップは、吸引導入ステップと吸引乾燥ステップとを備えるものに限ることはなく、貫通孔100aの内壁100a1に、所定の界面活性剤を含むシリカ層を形成することができるのであれば任意である。
また、シリカチューブ2の製造方法において、界面活性剤除去の手法は、焼成法に限ることはなく、界面活性剤を除去できるのであれば、例えば、溶媒抽出法であっても良い。
反応物質複合チューブ1の製造方法において、製造されたシリカチューブ2を、反応物質3を含む反応物質溶液に浸漬させて、シリカチューブ2に反応物質3を吸着固定させることによって、シリカチューブ2に反応物質3を担持させるようにしたが、反応物質3の固定化の方法は、浸漬法に限ることはなく、例えば、シリカチューブ2の表面に予め所定の官能基を導入して反応物質3を化学修飾しても良いし、導電性高分子、グルタルアルデヒド、光架橋性樹脂等を用いた公知の固定化方法を用いても良いし、或いは、これらの固定化法を併用しても良い。
反応物質複合チューブ1の製造方法において、製造されたシリカチューブ2を、反応物質3を含む反応物質溶液に浸漬させて、シリカチューブ2に反応物質3を吸着固定させることによって、シリカチューブ2に反応物質3を担持させるようにしたが、これに限ることはなく、シリカチューブ2に反応物質3を担持させることができるのであれば、シリカチューブ2の製造方法や反応物質複合チューブ1の製造方法は任意である。
具体的には、反応物質3が酸化触媒である場合、例えば、製造したシリカチューブ2を金属アルコキシド等の溶液に浸漬して加水分解することで、シリカチューブ2に表面被覆を施し、その後、焼成することによって、金属粒子の酸化(酸化触媒の生成)を行い、反応物質複合チューブ1を製造することができる。或いは、例えば、界面活性剤と、シリカ源と、ルテニウムやマンガン、鉄、チタンなどの金属粒子と、を含む溶液を、所定の吸引速度で、基材100が有する貫通孔100a内に吸引導入して、吸引乾燥した後、焼成することによって、シリカ層からの界面活性剤の除去と、金属粒子の酸化(酸化触媒の生成)と、を同時に行い、反応物質複合チューブ1を製造するようにしても良い。
基材100は、陽極酸化アルミナ基板等の金属酸化物基板に限ることはなく、互いに平行な複数の貫通孔100aを有する基板であれば任意である。
具体的には、例えば、ナノレベルの周期的な円柱構造をテンプレートとして用いて、高分子ポリマー、金属、セラミックス等の薄膜へ転写することによって、互いに平行な複数の貫通孔100aを有する基材100を作製することもできる。
また、基材100は、互いに平行な複数の貫通孔100aを有するものに限ることはなく、1又は複数の貫通孔100aを有する基板であれば任意である。
さらに、中空糸状のシリカチューブ2の表面にカーボン系材料、金属系材料、カーボンに他の元素を添加して電気伝導性や表面撥水性を向上させた材料等をコーティングすることによって、多孔体導電材料を作製することもできる。
カーボン系材料としては、例えば、ケッチェンブラック等の高導電性材料の他に、カーボンナノチューブやフラーレンなどの機能性カーボン材料を用いることもできる。
金属系材料としては、チタン、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、クロム、金、白金等を用いることができる。
また、コーティングの方法としては、スプレー法、スパッタ法等の公知の方法を用いることができる。また、適当な結着剤を予め混ぜ込んだものをコーティングしても良い。
作製された多孔体導電材料は、ナノメートルオーダーの大きさの細孔2aを壁面に複数有するため、十分に大きな表面積(及び大きな固定表面積)を有した拡散性の良い中空糸状の導電性チューブ材料となる。例えば、この導電性チューブ材料を用いて電極を形成し、この電極に酵素等の触媒を固定化することで固定化電極を作製することができる。このようにして作製した電極は、電極上での酵素反応を高効率で行わせることができ、電極近傍での酵素反応現象を効率よく電気信号として捉えることが可能である。しかも、酵素等の生体物質を固定化した場合、その安定性が向上するため、例えば、高性能なバイオセンサやバイオ電池などへの応用に好適なものとなる。
本発明は、流体中の特定物質を分析する分析分野、流体中から特定物質を分離する分離分野等において利用可能である。また、流体中の特定物質に所定の反応を起こさせるリアクター等に利用可能である。
1 反応物質複合チューブ(反応物質複合体)
2 シリカチューブ(担体)
2a 細孔(穴部)
2b 内壁面(壁面)
2c 外壁面(壁面)
3 反応物質
100 基材
100a 貫通孔
100a1 内壁

Claims (6)

  1. 特定物質と選択的に反応する反応物質を担持する担体において、
    当該担体は、両端が開放された直線状の中空部分を有し、壁面部分にナノメートルオーダーの大きさの穴部複数形成された中空糸状のシリカチューブであり、
    前記穴部の内部に前記反応物質が固定されることを特徴とする担体。
  2. 請求項1に記載の担体において、
    前記反応物質は生体物質であり、前記穴部の大きさは、当該生体物質のサイズの0.5〜2.0倍であることを特徴とする担体。
  3. 請求項1又は2に記載の担体と、
    前記担体に担持された前記反応物質と、
    を備えることを特徴とする反応物質複合体。
  4. 請求項1又は2に記載の担体の製造方法において、
    所定の基材が有する貫通孔の内壁に、所定の界面活性剤を含むシリカ層を形成するシリカ層形成ステップと、
    前記シリカ層から前記界面活性剤を除去して、前記シリカチューブを形成するシリカチューブ形成ステップと、
    所定の溶液を用いて前記基材を溶解させる基材溶解ステップと、
    を備えることを特徴とする担体の製造方法。
  5. 請求項4に記載の担体の製造方法において、
    前記シリカ層形成ステップは、
    前記界面活性剤を含むシリカ源溶液を所定の吸引速度で前記貫通孔内に吸引導入する吸引導入ステップと、
    前記貫通孔内に導入された前記シリカ源溶液を所定の吸引速度で吸引乾燥させる吸引乾燥ステップと、
    を備え、
    前記シリカチューブ形成ステップは、前記シリカ層を焼成することによって、当該シリカ層から前記界面活性剤を除去することを特徴とする担体の製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載の担体の製造方法において、
    前記基材は、アルミニウムを含む基板を陽極酸化して得た陽極酸化アルミナ基板であり、
    前記貫通孔は、前記陽極酸化によって形成された孔であり、
    前記溶液は、リン酸又は硝酸を含む溶液であることを特徴とする担体の製造方法。
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