JP5312752B2 - 推定プログラム、記録媒体および推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、所定の溶媒を用いて分画された動脈血分画中放射能濃度の推定、局所脳血流量の推定をコンピュータに実行させるための推定プログラム等に関する。
塩酸N-イソプロピル-4-ヨードアンフェタミン[123I−IMP](123I−IMP)を用いた脳血流シンチグラフィは、各種脳神経疾患の診断、予後推定および治療効果判定等に広く用いられている。しかし、三次元脳血流分布像(SPECT像)(単光子放出コンピュータ断層撮影:Single Photon Emission Computed Tomography像)を用いた定性的な診断のみでは、患者相互の比較またはより詳細な脳循環動態を把握するための情報としては不十分である。このため、局所脳血流量(regional cerebral blood flow: rCBF)の測定による定量的評価がSPECT像を用いた定性的な診断と同時に行われることが多い。特に、脳全体の血流が変化するような病態の把握には定量的評価が不可欠であり、診断精度向上に重要な役割を果たしている。定量的評価法としては、持続動脈採血法(非特許文献1乃至8参照)、1回(1点)動脈採血法、例えばTable look up法またはARG(Autoradiography)法(非特許文献14乃至20参照)が一般的に用いられている。
持続動脈採血法は、薬剤の静脈注射直後から1ml/minの速度で5分間持続的に動脈から採血する方法である。持続動脈採血によるmicrosphere modelに基づいた局所脳血流量の算出は、解析モデルが明快であり、入力関数の積分値を実測しているため精度および再現性の点で優れた方法である。しかし、精度の高い持続採血ポンプ装置を要し、動脈内に採血チューブを留置して持続採血を行うため侵襲性および手技の煩雑性を伴い、一般の臨床病院への幅広い普及の障害となっている。このため、5分時の1回動脈採血(非特許文献7参照)および26分時の1回静脈採血(非特許文献8参照)と、全脳の時間放射能濃度曲線を用いて持続動脈採血による入力関数を推測する簡便で侵襲性の少ない方法が報告されている。一方、脳からの洗い出しを考慮した2−コンパートメント・モデルに基づいた解析法も用いられているが、この方法でも同様に入力関数が必要である。このため、上述のように侵襲性および手技の煩雑性を伴っている。
1回(1点)動脈採血法の例であるARG法は、分布容積を一定値と仮定することで3時間後のSPECT収集を省略し、標準入力関数を10分時の1回動脈採血により補正して入力関数としている。しかし、正確な時刻での採血を実施するためには動脈ラインの確保が必要となり侵襲性の軽減はあまり期待できない。
静脈採血値を用いて入力関数を推測する侵襲性の低い定量法がいくつか試みられている(非特許文献9乃至13参照)が、いずれも測定精度等の点で必ずしも十分とはいえない。その他、伊藤らによる末梢部の1回静脈採血法(非特許文献11参照)、森脇らによる加温による静脈血採血法(非特許文献12参照)が報告されているが、いずれも測定精度などの点で必ずしも十分とはいえない。
Kuhl DE,Barrio JR,Huang S-C, et al:Quantifying local cerebral blood flow by N-isopropyl-p-[123I]iodoamphetamine (IMP) tomography.J Nucl Med 1982; 23: 196-203. 犬上 篤、相沢康夫、三浦修一、菅野 巌、村上松太郎、宍戸文男、他:脳血管障害の診断におけるN-isopropyl-p-[123I]-iodoamphetamineの有用性の評価―――とくに脳血流量の定量的測定。 医学のあゆみ1985; 134: 56-58. 松田博史、関 宏恭、石田博子、隅屋 寿、辻 志郎、久田欣一、他:N-isopropyl-p-[123I]-iodoamphetamineとガンマカメラ回転型ECTによる局所脳血流測定。核医学1985; 22: 9-18. 井上 武、藤岡弘良、赤宗明久、棚田修二、濱本 研:単検出器回転型ガンマカメラと123I-IMPを用いた局所脳血流定量測定法の時間短縮と分割投与Diamox(登録商標)負荷への応用。核医学1995; 32: 1217-1226. 村瀬研也、棚田修二、最上 博、他:123I-IMPを用いた脳血流測定――Microsphere Model の妥当性について――。核医学 1989;26: 122-123. 小田野行男、大久保真樹、高橋直也、野口栄吉、大滝広雄、羽田野政義、他:動脈一点採血によるN-isopropyl-p-[123I]-iodoamphetamineとSPECTを用いた簡便な脳血流測定法―One-point sampling法―。核医学 1994; 31:1219-1226. 藤岡弘良、村瀬研也、井上 武、石丸良広、赤宗明久、山本祐司、他:1回動脈採血による123I-IMPを用いた局所脳血流測定のための入力関数の積分値の推定。 核医学 1990; 27: 7-14. 藤岡弘良、村瀬研也、井上 武、石丸良広、江原秀実、赤宗明久、他:1回静脈採血によるN-isopropyl-p-[123I]iodoamphetamineを用いた局所脳血流測定のための入力関数の積分値の推定。 核医学 1999; 36: 801-807. Matsuda H, Higashi S, Tsuji S, Seki H,Sumiya H, Fujii H, et al: A new noninvasive quantitative assessment of cerebralblood flow using N-isopropyl-(iodine 123) p-iodoamphetamine. Am J PhysiolImaging 1987; 2: 49-55. 三村浩朗、小野志磨人、福永仁夫、森田浩一、永井清久、大塚信昭、他:N-isopropyl-p-[123I]iodoamphetamineを用いたSingle PhotonEmission Computed Tomographyにおける静脈採血法による局所脳血流量の定量の検討:動脈採血法との比較。核医学 1989; 26:1327-1334. 伊藤 浩、赤井沢隆、後藤了以、小山真道、川島隆太、小野修一、他:123I-IMP SPECTを用いた簡便な局所脳血流量測定法(Table look up法およびAutoradiography(ARG)法)における一回動脈採血の静脈採血代替についての検討。核医学1994; 31: 1071-1076. 森脇 博、松本昌泰、橋川一雄、奥 直彦、岡崎 裕、半田伸夫、他:123I-IMP SPECTによる定量的脳血流量測定――前腕加温静脈採血法(WATER BATH法)による非侵襲的計測―――。核医学1993; 30: 481-488. Ramachandran GN, Lakshminarayanan AV:Three-dimensional reconstruction from radiographs and electron micrographs:Application of convolutions instead of Fourier transforms. Proc Natl Acad Sci1975; 68: 2236-2240. 小田野行男、大久保真樹、高橋直也、大滝広雄、野口栄吉、羽田野政義、他: N-isopropyl-p-[123I]-iodoamphetamine(IMP)の分配定数(Distribution volume)とSPECTを用いた新しい診断―Magic Square法の開発―。核医学1993; 30: 1211-1219. 横井孝司、飯田秀博、菅野 巌:ダイナミックSPECTとN-isopropyl-p-[123I]-iodoamphetamineを用いた局所脳血流量および分配係数の新しい解析法―グラフプロット法による定量化の試み―。核医学1991; 28:791-796. 伊藤 浩、飯田秀博、村上松太郎、Bloomfield PM、三浦修一、奥寺利男、他:N-isopropyl-p-[123I]-iodoamphetamine(123I-IMP)およびSPECTによる簡便な局所脳血流量測定法の開発。核医学 1992; 29:1193-1200. 小田野行男、大久保真樹、高橋直也、野口栄吉、大滝広雄、羽田野政義、他: 動脈一点採血によるN-isopropyl-p-[123I]-iodoamphetamineとSPECTを用いた簡便な脳血流測定法―One−point sampling法―。核医学 1994;31: 1219-1226. Iida H, Itoh H, Nakazawa M, Hatazawa J,Nishimura H, Onishi Y, et al: Quantitative mapping regional cerebral blood flowusing [123I]N-isopropyl-p-iodoamphetamine(IMP) and single photon emissiontomography. J Nucl Med 1994; 35: 2019-2030. 大久保真樹、小田野行男、高橋 誠、野口栄吉、大滝広雄、笠原敏文、他:N-isopropyl-p-[123I]-iodoamphetamine(123I-IMP)SPECTによる局所脳血流および分布容積の新しい定量測定法。核医学1996; 33: 241-249. 撫中正博、飯田秀博、村上松太郎:N-isopropyl-p-[123I]-iodoamphetamine(123I-IMP)と回転型ガンマカメラによる局所脳血流定量法―1回動脈採血による簡便法―。核医学 1992;29: 263-267.
上述のように、定量的評価法の持続動脈採血法(非特許文献1乃至8参照)には、精度の高い持続採血ポンプ装置を要し、ARG法等の1回(1点)動脈採血法には、動脈内に採血チューブを留置するためどちらも侵襲性および手技の煩雑性を伴うという問題があった。上述の静脈採血値を用いて入力関数を推測する侵襲性の低い定量法、伊藤らによる末梢部の1回静脈採血法、森脇らによる加温による静脈血採血法等には、採血箇所による影響や測定精度等の点で必ずしも十分とはいえないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、精度の高い持続採血ポンプ装置を要さず、動脈内に採血チューブを留置して持続採血を行うというような侵襲性および手技の煩雑性を伴うことなく、且つ十分な測定精度等を有する所定の溶媒を用いて分画された動脈血分画中放射能濃度の推定をコンピュータに実行させるための推定プログラムを提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記動脈血分画中放射能濃度の推定結果に基づき、局所脳血流量の推定をコンピュータに実行させるための推定プログラムを提供することにある。
この発明の推定プログラムは、所定の溶媒を用いて分画された動脈血分画中放射能濃度の推定をコンピュータに実行させるための推定プログラムであって、ここで所定の溶媒はオクタノールであり、コンピュータに、脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとに基づき、該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する動脈血分画中放射能濃度推定ステップを実行させるための推定プログラムであって、前記動脈血分画中放射能濃度推定ステップは、脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び前記所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとを用いて、所定の関数の値を計算する関数計算ステップと、前記関数計算ステップで計算された関数の値に静脈血分画中放射能濃度を乗じて該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する推定ステップとを備え、前記所定の関数は、脳血流トレーサ投与後に測定された動脈血中放射能濃度及び動脈血分画中放射能濃度と、前記静脈血中放射能濃度と、前記静脈血分画中放射能濃度と、該動脈血中放射能濃度及び該動脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、該静脈血中放射能濃度及び該静脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、前記全脳の2つの時間放射能カウントと、該全脳の2つの時間放射能カウントに基づく所定の指標との間の関係を、該動脈血分画中放射能濃度と該静脈血分画中放射能濃度との比を目的変数として重回帰分析により求めた関数であることを特徴とする推定プログラムである。
この発明の推定プログラムは、局所脳血流量の推定をコンピュータに実行させるための推定プログラムであって、コンピュータに、脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとに基づき、該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する動脈血分画中放射能濃度推定ステップであって、ここで所定の溶媒はオクタノールであり、前記動脈血分画中放射能濃度推定ステップで推定された動脈血分画中放射能濃度に基づき局所脳血流量を推定する局所脳血流量推定ステップを実行させるための推定プログラムであって、前記動脈血分画中放射能濃度推定ステップは、脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び前記所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとを用いて、所定の関数の値を計算する関数計算ステップと、前記関数計算ステップで計算された関数の値に静脈血分画中放射能濃度を乗じて該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する推定ステップとを備え、前記所定の関数は、脳血流トレーサ投与後に測定された動脈血中放射能濃度及び動脈血分画中放射能濃度と、前記静脈血中放射能濃度と、前記静脈血分画中放射能濃度と、該動脈血中放射能濃度及び該動脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、該静脈血中放射能濃度及び該静脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、前記全脳の2つの時間放射能カウントと、該全脳の2つの時間放射能カウントに基づく所定の指標との間の関係を、該動脈血分画中放射能濃度と該静脈血分画中放射能濃度との比を目的変数として重回帰分析により求めた関数であることを特徴とする推定プログラムである。
ここで、この発明の推定プログラムにおいて、前記脳血流トレーサは、N−isopropyl-4-[123I]iodoamphetamine(123I−IMP)することができる。
この発明の記録媒体は、本発明のいずれかの推定プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
この発明の推定方法は、コンピュータを用いた所定の溶媒を用いて分画された動脈血分画中放射能濃度の推定方法であって、ここで所定の溶媒はオクタノールであり、脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとに基づき、該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する動脈血分画中放射能濃度推定ステップを備えたことを特徴とする推定方法であって、前記動脈血分画中放射能濃度推定ステップは、脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び前記所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとを用いて、所定の関数の値を計算する関数計算ステップと、前記関数計算ステップで計算された関数の値に静脈血分画中放射能濃度を乗じて該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する推定ステップとを備え、前記所定の関数は、脳血流トレーサ投与後に測定された動脈血中放射能濃度及び動脈血分画中放射能濃度と、前記静脈血中放射能濃度と、前記静脈血分画中放射能濃度と、該動脈血中放射能濃度及び該動脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、該静脈血中放射能濃度及び該静脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、前記全脳の2つの時間放射能カウントと、該全脳の2つの時間放射能カウントに基づく所定の指標との間の関係を、該動脈血分画中放射能濃度と該静脈血分画中放射能濃度との比を目的変数として重回帰分析により求めた関数であることを特徴とする
この発明の推定方法は、コンピュータを用いた局所脳血流量の推定方法であって、脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとに基づき、該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する動脈血分画中放射能濃度推定ステップであって、ここで所定の溶媒はオクタノールであるものと、前記動脈血分画中放射能濃度推定ステップで推定された動脈血分画中放射能濃度に基づき局所脳血流量を推定する局所脳血流量推定ステップとを備えたことを特徴とする推定方法であって、前記動脈血分画中放射能濃度推定ステップは、脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び前記所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとを用いて、所定の関数の値を計算する関数計算ステップと、前記関数計算ステップで計算された関数の値に静脈血分画中放射能濃度を乗じて該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する推定ステップとを備え、前記所定の関数は、脳血流トレーサ投与後に測定された動脈血中放射能濃度及び動脈血分画中放射能濃度と、前記静脈血中放射能濃度と、前記静脈血分画中放射能濃度と、該動脈血中放射能濃度及び該動脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、該静脈血中放射能濃度及び該静脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、前記全脳の2つの時間放射能カウントと、該全脳の2つの時間放射能カウントに基づく所定の指標との間の関係を、該動脈血分画中放射能濃度と該静脈血分画中放射能濃度との比を目的変数として重回帰分析により求めた関数であることを特徴とする
ここで、この発明の推定方法において、前記脳血流トレーサは、N−isopropyl-4-[123I]iodoamphetamine(123I−IMP)することができる。
本発明の動脈血分画中放射能濃度の推定をコンピュータに実行させるための推定プログラムによれば、コンピュータが、脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度を入力する。次に、上記脳血流トレーサ投与後に測定された所定の溶媒を用いて分画された静脈血オクタノール分画中放射能濃度を入力する。脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントを入力する。入力した静脈血中放射能濃度と、静脈血オクタノール分画中放射能濃度と、2つの全脳放射能カウントとに基づき、上記脳血流トレーサ投与後に測定されるであろう動脈血オクタノール分画中放射能濃度を推定する。すなわち、本発明の動脈血分画中放射能濃度の推定をコンピュータに実行させるための推定プログラムを用いれば、持続動脈採血が不要であるため、精度の高い持続採血ポンプ装置を要さず、動脈内に採血チューブを留置して採血を行うというような侵襲性および手技の煩雑性を伴うことなく、且つ上述したように十分な測定精度等を有する動脈血分画中放射能濃度の推定を行うことができる。
さらに、本発明の局所脳血流量の推定をコンピュータに実行させるための推定プログラムによれば、上記動脈血オクタノール分画中放射能濃度の推定結果に基づき、局所脳血流量の推定を行うことができるという効果がある。
以下、各実施例について図面を参照して詳細に説明する。
概要.
本発明の動脈血分画中放射能濃度の推定をコンピュータに実行させるための推定プログラム(以下、「動脈血分画中放射能濃度の推定プログラム」と略す。)および局所脳血流量の推定をコンピュータに実行させるための推定プログラム(以下、「局所脳血流量の推定プログラム」と略す。)の概要について説明する。本発明の動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムは、持続動脈採血値を1回の静脈採血の血中123I−IMP濃度から簡便に推定する機能を有している。当該機能の詳細は以下で説明していくが、その根拠となる発明者らの研究は以下の通りである。まず、110例の中枢神経疾患患者に実施した123I−IMP SPECTの検査情報を用いて、静脈血オクタノール分画中放射能濃度(Octanol-extracted Venous radioactivity concentration : Cvoct)と動脈血オクタノール分画中放射能濃度(Octanol-extracted Arterial radioactivity concentration :Caoct)との実測比(Caoct/Cvoct)と、123I−IMP SPECT検査で得られた種々の指標との因果性を重回帰分析により関数化した。関数化の指標として、1)薬剤投与後27分に採取した静脈血中放射能濃度、2)オクタノール分画中放射能濃度、3)それらの比率および4)5)4検出器型ガンマカメラにより収集した薬剤投与後5分と28分とを中心時間とした1分間の全脳放射能カウントの合計5因子を用いた場合、Caoct/Cvoct比と重回帰分析結果より推定したその予測値Caoct’/Cvoct’比との間には高い相関性(相関係数r=0.900)が認められた。さらに、本発明の動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムにより予測した入力関数を用いて算出した局所脳血流量と従来の持続動脈採血値を用いて算出した局所脳血流量(rCBF)との間にも良好な相関性(r=0.857)が認められ、臨床応用の可能性が示唆された。
以上の研究に基づき、発明者らは、動脈血関連指標、静脈血関連指標および脳組織中の経時的変化の指標の関係を重回帰分析を用いて関数化し、静脈採血指標から持続動脈採血指標の推定を行う動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムおよび方法を開発した。本方動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムおよび方法は、個人から得られた多くの検査情報を用いて入力関数を推定している点に大きな特徴を有する。局所脳血流量の推定プログラムは、この動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムおよび方法により推定した入力関数を用いてrCBF値を算出(推定)する。本明細書では、算出したrCBF値の臨床応用の可能性について、従来から行われているKuhlらのmicrosphere model法(非特許文献3および7参照)の改良法によって求めたrCBFと比較検討した。
以下、動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムおよび局所脳血流量の推定プログラムについて説明する。図1は、動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムおよび方法と局所脳血流量の推定プログラムおよび方法の機能および流れをフローチャートで示す。図2に示されるように、コンピュータに、脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度を入力する(ステップS10)。入力は、後述する入力操作部110によりまたは外部インタフェース(I/F)部111を介して行われ、入力した静脈血中放射能濃度は後述する記録装置108a等に記録される(以下同様)。脳血流トレーサとしては、123I−IMPが好適である。静脈血中放射能濃度の測定は薬剤投与後27分に採取した静脈血により行うことが好適である。
次に、上記脳血流トレーサ投与後に測定された所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度を入力する(ステップS12)。所定の溶媒としてはオクタノールが好適である。オクタノールを用いた分画とは、オクタノールを用いることにより、静脈(動脈)血中の血中放射能から脳内に移行可能な真のトレーサ量を分離測定することであり、静脈(動脈)血オクタノール分画中放射能濃度とはそのように分離測定された放射能濃度のことである。脳に入力される薬剤(脳血流トレーサ)は脂溶性であるため、採取した全血液中から脂溶性成分を分画してウエルカウンターで測定することにより、静脈血分画中放射能濃度(以下、「静脈血オクタノール分画中放射能濃度」と言う。)を得ることができる。この静脈血オクタノール分画中放射能濃度(上記Cvoct)を入力する。
脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された2つの時間の全脳放射能カウントを入力する(ステップS14)。放射能カウントは多検出器型ガンマカメラにより収集することが好適であり、第1時間は薬剤投与後5分とし、第2時間は薬剤投与後28分とすることが好適である。より詳しくは、薬剤投与後5分と28分とを中心時間とした各1分間の全脳放射能カウントを収集する。この2つの全脳放射能カウントを入力する。
ステップS10で入力した静脈血中放射能濃度と、ステップS12で入力した静脈血オクタノール分画中放射能濃度と、ステップS14で入力した2つの全脳放射能カウントとに基づき、上記脳血流トレーサ投与後に測定されるであろう動脈血分画中放射能濃度(以下、「動脈血オクタノール分画中放射能濃度」と言う。)を推定する(動脈血分画中放射能濃度推定ステップまたは動脈血オクタノール分画中放射能濃度推定ステップ)。この動脈血オクタノール分画中放射能濃度推定ステップは、図1のステップS16およびS18から構成される。
すなわち、ステップS10で入力した静脈血中放射能濃度と、ステップS12で入力した静脈血オクタノール分画中放射能濃度と、ステップS14で入力した2つの全脳放射能カウントとを用いて、所定の関数の値を計算する(関数計算ステップ。ステップS16)。所定の関数としては、脳血流トレーサ投与後に測定された動脈血中放射能濃度および動脈血分画中放射能濃度(好適には動脈血オクタノール分画中放射能濃度。上記Caoct)と、静脈血中放射能濃度と、静脈血オクタノール分画中放射能濃度(Cvoct)と、動脈血中放射能濃度および動脈血オクタノール分画中放射能濃度(Caoct)に基づく所定の指標と、静脈血中放射能濃度および該静脈血オクタノール分画中放射能濃度(Cvoct)に基づく所定の指標と、全脳の2つの時間放射能カウントと、全脳の2つの時間放射能カウントに基づく所定の指標との間の関係を、動脈血オクタノール分画中放射能濃度(Caoct)と静脈血オクタノール分画中放射能濃度(Cvoct)との比(Caoct/Cvoct)を目的変数として重回帰分析により求めた関数である。上記所定の指標については後述する。
次に、関数計算ステップ(ステップS16)で計算された上記関数の値(後述するように、上記予測値Caoct’/Cvoct’となる。)に静脈血オクタノール分画中放射能濃度(Cvoct)を乗じて、動脈血オクタノール分画中放射能濃度(Caoct’)を推定する(推定ステップ。ステップS18)。動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムは以上のステップS10からステップS18により構成される。
局所脳血流量の推定プログラムは、上記動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムにより算出(推定)された動脈血オクタノール分画中放射能濃度(Caoct’)に基づき、局所脳血流量(rCBF)を推定する(局所脳血流量推定ステップ。ステップS20)。すなわち、局所脳血流量の推定プログラムは、以上のステップS10からステップS20により構成される。
以下、対象とした被験者、放射能カウントの収集方法、採血および血中放射能濃度の測定方法、重回帰分析、局所脳血流量算出、結果および考察について、順に説明していく。
1.対象とした被験者
対象は、110症例(男性54例、女性56例、17〜89歳、平均65.7±15.6歳(平均値±標準偏差)で、その内訳はアルツハイマー型痴呆23例、脳梗塞31例、パーキンソン病26例、その他30例である。
2.放射能カウントの収集方法(データ収集と画像処理)
データ収集には、123Iの光子エネルギーに対応したLEGP(低エネルギー汎用型;Low Energy General Purposes)コリメータを装着した4検出器型ガンマカメラ(GAMMA VIEW SPECT 2000H−40、株式会社日立メディコ(登録商標)製)を用いた。
図2は採血時期と画像収集時期とのタイムスケジュールを示す。図2において、採血10側が採血時期のタイムスケジュールを示し、データ収集側20が画像収集時期とのタイムスケジュールを示す。まず、全脳の時間放射能カウント曲線を作成するため、123IMP(123I-イオフェタミン、株式会社第一ラジオアイソトープ研究所製)投与直後(11)から5分30秒間(23)と27分30秒(26)から1分間(27)とのPlanar像を同時4方向から、マトリックスサイズ(Matrix size)64×64(3.4mm/pixel)、1フレーム当たり30秒で、それぞれ11フレームの画像データと2フレームの画像データとを連続的にダイナミック(dynamic)収集した(21、28)。これらのPlanar画像データから、123IMP投与5分後(5分を中心とする符号22から23で示される1分間。第1時間)の全脳放射能カウント(Brain radioactivity count at 5 min. : Cb、count/min)、SPECT収集の中央時間である17分後のカウント(Cb17、count/min)、28分後(上記5分後と同様に、28分を中心とする符号26から27で示される1分間。第2時間)のカウント(Brain radioactivity count at 28 min. :Cb28、count/min)、5分後から28分後までの23分間の全脳放射能カウントの増加量(Increase of brain radioactivity count from 5 to 28 min. :Cb28−5、counts)を求めた。Cb17にはCbとCb28の平均値を、Cb28−5にはCb28とCbとの差を用いた。なお、全脳放射能カウントには、前後左右から収集した4方向の平均値を用いた。
SPECT収集は8分後(24)から開始し、マトリックスサイズ(Matrix size)64×64、1方向当たり15秒で64方向から収集し(25)、4検出器分を集計して画像再構成に用いた。画像再構成には、Convolution補正関数としてRamachandran(非特許文献13参照)を、前処理フィルタにはWinner filter(分解能m:2.5、Pn/Ps:0.15)を用い、吸収・散乱補正は行わなかった。
3.採血および血中放射能濃度の測定方法
動脈採血は、左上腕動脈にJELICO針(24G)を挿入した後、持続採血器(Harvard infusion-withdrawal pump, Model944)を用いて、図2に示されるように、123I−IMP静注直後(11)から5分49秒間(13)一定の速度(1.23ml/min)で行った(12)。123I−IMPは167または222MBqを右肘正中皮静脈もしくは中心静脈内に速やかに投与し、その後直ちに約10mlの生理食塩水によるフラッシュを行った。静脈血は、薬剤投与後27分が中央時間となるように留意し、右前腕皮静脈より約5mlを採取した(14)。なお、静脈採血部位は薬剤投与部位より少なくとも3cm以上末梢側とした。
採取した動脈血および静脈血は、試験管およびオクタノール5.0mlが封入された遠心管の各々3本に0.5mlずつ分注した。遠心管はボルテックスミキサーによる十分な混合の後、2500rpmで5分間遠心分離し、その上清液1.0mlを別の試験管に注入した。次いで、動脈・静脈の全血と上澄液の各3本(合計12本)とバックグラウンド用試験管3本とをウェルカウンタ(Auto Well Gamma System ARC−360、ALOKA(登録商標)株式会社製)で10分間計測し、バックグラウンドの減算と減衰補正を行い、それぞれの平均値から、動脈血中放射能濃度(Arterial radioactivity concentration : Ca、counts/min/ml)、オクタノール抽出後の動脈血中放射能濃度(Caoct、counts/min/ml)、静脈血中放射能濃度(Venous radioactivity concentration :Cv、counts/min/ml)、オクタノール抽出後の静脈血中放射能濃度(Cvoct、counts/min/ml)を求めた。さらに、動脈血および静脈血のオクタノール抽出率(Arterial octanol-extracted ration : Na、Venous octanol-extracted ration : Nv。NaはCaおよびCaoctに基づく所定の指標。NvはCvおよびCvoctに基づく所定の指標。)を以下の式1、2により求めた。
Na = 10( Caoct / Ca ) (1)
Nv = 10( Cvoct / Cv ) (2)
4.重回帰分析
発明者らは、上記研究において10種類のパラメータを使用した。このうち、血液関連のパラメータは、Ca、Caoct、Cv、Cvoct、NaおよびNvの6種類、脳組織集積関連のパラメータは、Cb、Cb28、Cb17/Cb(Count ratio of brain radioactivity at 5 min to 17 min)およびCb28−5の4種類である(Cb17/Cb、Cb28−5はCb、Cb28に基づく所定の指標)。これら10因子すべてを用い、入力信号と出力信号との経時的因果性を観察した。すなわち、入力信号として重要なCaoctと出力信号として重要なCvoctの両者の比を目的変数とし、10因子の関連性を観察した。次に、実測値より算出したCaoct/Cvoctと重回帰分析により算出したCaoct’/Cvoct’との関連性を検討した。Caoct’およびCvoct’の「’」は予測値であることを示す。さらに、1)10因子のうち持続動脈採血値関連の因子Ca、CaoctおよびNaを省いた残り7因子(Cv、Cvoct、Nv、Cb、Cb28、Cb/Cb17、Cb28−5)を用いた場合、2)脳組織関連因子のうち他の因子より算出可能な因子Cb/Cb17およびCb28−5を省いた5因子(Cv、Cvoct、Nv、Cb、Cb28)を用いた場合、3)オクタノール抽出率Nvを省いた4因子(Cv、Cvoct、Cb、Cb28)を用いた場合も同様に、それぞれの推測値(Caoct’/Cvoct’)と実測値(Caoct/Cvoct)との関連性を研究した。
5.局所脳血流量算出
本方法によるrCBF値算出の臨床応用の可能性を評価するために、持続動脈採血値を用いて算出したrCBF値と静脈採血値を用いて算出したrCBF値との相関性を検討した。対象は110症例より無作為に抽出した49例とし、1症例当たり5箇所の関心領域(Region of Interest :ROI)を設定した。持続動脈採血値を用いたrCBF値の算出には、式3を用いた。
Fa=100・R・Cb/(Na・A) (3)
ここで、FaはrCBF値(ml/100g/min)、Rは持続採血速度(1.23ml/min)、CbはSPECT画像にROIを設定して求めた脳組織中の放射能カウント、Aは全動脈血の放射能濃度(=Ca・T・R、T:採血時間)、Naは先に記載した式1で示されるオクタノール抽出率である。Cb値は、SPECT値を全脳の放射能比(Cb/Cb17)で補正して求めた。
静脈採血値を用いたrCBF値の算出には、式3を変形した式4を用いた。
Fv=100・Cb/Caoct’・T (4)
ここで、FvはrCBF値(ml/100g/min)、Cb、Tは上記と同じである。Caoct’は今回検討した10因子のうち持続動脈採血値関連因子を省いた因子(上述の4における1)乃至3))を用いて予測した。すなわち、Caoct’は今回の検討で得た回帰式を用いて予測したCaoct’/Cvoct’にCvoctを乗ずることにより推定した(動脈血オクタノール分画中放射能濃度を推定する推定ステップ)。
FaとFvとの比較は回帰式の説明変数が7因子、5因子あるいは4因子の場合のそれぞれについて行った。
6.結果
(1)重回帰分析
表1は、10種類のパラメータ(Variables)およびCaoct/Cvoctの平均値(Mean)、標準偏差(S.D.)および共分散(C.V.)の各値を示す。
Figure 0005312752
表1に示されるように、最も小さいC.V.値を示したのはNaで4.2%、次いでCb/Cb17は5.8%、Nvは13.4%、後はCb28、Ca、Caoct、Cb、Cv、Cb28−5、Cvoctの順に大きくなり、Caoct/Cvoctは40.7%と最も大きなC.V.値を示した。この結果から、Caoct/Cvoctは個体差を鋭敏に反映する因子と考えられる。そこで、以下では目的変数をCaoct/Cvoctとして血液関連および脳組織集積関連の合計10因子との因果性を関数化した。
目的変数であるCaoct/Cvoctと上記10種類の因子との因果性を重回帰分析した結果、両者の間には、式5で示されるような関係式(重回帰式。所定の関数)が得られた。
Caoct’/Cvoct’=
A・Ca+B・Caoct+C・Cv+D・Cvoct+E・Na+F・Nv
+G・Cb +H・Cb28 +I・(Cb/Cb17)+J・Cb28−5
+K (5)
ここでAからKは回帰式の係数であり、詳細は表2に示す。
Figure 0005312752
表2の左欄は説明変数(explanatory variables)の数、右欄第1列は10因子(10th)の場合の係数、右欄第2列は7因子(7th)の場合の係数、右欄第3列は5因子(5th)の場合の係数、右欄第4列は4因子(4th)の場合の係数を示す。
10因子の場合.
図3は、10因子すべてを用いて予測したCaoct’/Cvoct’(縦軸)と実測値を用いて算出したCaoct/Cvoct(横軸)との関係をグラフ30で示す。図3に示されるように、両者の間には高い相関性(式6)が認められた。
r=0.975、y=0.951x+0.5008 (6)
ここで、rは相関係数、yは図3の縦軸の変数、xは横軸の変数である(以下、同様)。Caoct/Cvoct、Caoct’/Cvoct’の平均値および標準偏差は、それぞれ10.24±4.17(表1参照)と10.24±4.06(図3による)であり、両者の間に統計学的有意差は認められなかった。
次に、説明変数の因子数を順次減らした場合の、重回帰分析の妥当性を評価した。
7因子の場合.
図4は、持続動脈採血値関連の因子を省いた合計7因子(Cv、Cvoct、Nv、Cb、Cb28、Cb/Cb17、Cb28−5)を用いて予測したCaoct’/Cvoct’(縦軸)と実測値を用いて算出したCaoct/Cvoct(横軸)との関係をグラフ40で示す。この場合の回帰式を式7に示す。
Caoct’/Cvoct’=
C・Cv+D・Cvoct+F・Nv+G・Cb
+H・Cb28 +I・(Cb/Cb17)+J・Cb28−5
+K (7)
この場合も図4に示されるように、両者の間には高い相関性(式8)が認められた。
r=0.8992、y=0.8086x+1.9605 (8)
Caoct’/Cvoct’の平均値および標準偏差は、10.24±3.75(図4による)であり、Caoct/Cvoctのそれ(表1参照)と比較して統計学的有意差は認められなかった。
5因子の場合.
図5は、さらに脳組織関連因子のうち他の因子より算出可能な因子を省いた合計5因子(Cv、Cvoct、Nv、Cb、Cb28)を用いて予測したCaoct’/Cvoct’(縦軸)と実測値を用いて算出したCaoct/Cvoct(横軸)との関係をグラフ50で示す。この場合の回帰式を式9に示す。
Caoct’/Cvoct’=
C・Cv+D・Cvoct+F・Nv+G・Cb+H・Cb28+K (9)
この場合も図5に示されるように、両者の間には高い相関性(式10)が認められた。
r=0.8995、y=0.8006x+2.0423 (10)
Caoct’/Cvoct’の平均値および標準偏差は、10.24±3.73(図5による)であり、Caoct/Cvoctのそれ(表1参照)と比較して統計学的有意差は認められなかった。
4因子の場合.
図6は、さらにオクタノール抽出率Nvを省いた合計4因子(Cv、Cvoct、Cb、Cb28)を用いて予測したCaoct’/Cvoct’(縦軸)と実測値を用いて算出したCaoct/Cvoct(横軸)との関係をグラフ60で示す。この場合の回帰式を式11に示す。
Caoct’/Cvoct’=
C・Cv+D・Cvoct+G・Cb
+H・Cb28+K (11)
両者の相関性はやや低下した(式12)。
r=0.807、y=0.6507x+3.5769 (12)
しかし、Caoct’/Cvoct’の平均値および標準偏差は、10.24±3.36(図6による)であり、Caoct/Cvoctのそれ(表1参照)と比較して統計学的有意差は認められなかった。
(2)局所脳血流量
図7は、回帰式の説明変数の数が7因子(Cv、Cvoct、Nv、Cb、Cb28、Cb/Cb17、Cb28−5)の場合のFv(縦軸)とFa(横軸)との関係をグラフ70で示す。図7に示されるように、両者の間には高い相関性(式13)が認められた。
r=0.863、y=0.7571x+5.4823 (13)
Fa、Fvの平均値および標準偏差は、それぞれ25.92±10.64と、25.11±9.34(ml/100g/min)であり、両者の間に統計学的有意差は認められなかった。
図8は、回帰式の説明変数の数が5因子(Cv、Cvoct、Nv、Cb、Cb28)の場合のFv(縦軸)とFa(横軸)との関係をグラフ80で示す。図8に示されるように、両者の間には比較的高い相関性(式14)が認められた。
r=0.857、y=0.7526x+5.5661 (14)
Fvの平均値および標準偏差は25.08±9.35(ml/100g/min)であり、25.92±10.64(ml/100g/min)と比較して平均値および標準偏差は低値に算出される傾向が認められるものの、統計学的に有意な差は認められなかった。
図9は、回帰式の説明変数の数が4因子(Cv、Cvoct、Cb、Cb28)の場合のFv(縦軸)とFa(横軸)との関係をグラフ90で示す。図9に示されるように、両者の間には比較的高い相関性(式15)が認められた。
r=0.804、y=0.6376x+8.8881 (15)
Fvの平均値および標準偏差は25.42±8.44(ml/100g/min)であり、25.92±10.64(ml/100g/min)と比較して平均値および標準偏差は低値に算出される傾向が認められるものの、統計学的に有意な差は認められなかった。
7.考察
123I−IMPを用いた脳血流シンチグラフィにおいて、定性的(視覚的)な画像診断に加えて局所脳血流量を用いた定量的診断を付加する意義は大きい。特に、脳全体の血流が変化するような病態では、通常の視覚的評価のみでは血流状態の評価は困難である。
今回、発明者らは、静脈血関連指標および脳組織中の経時的変化の指標の関係を重回帰分析を用いて関数化し、静脈採血指標から持続動脈採血指標の推定を行う方法を開発した。本方法は、個人から得られた多くの検査情報を用いて入力関数を推定している点に大きな特徴を有する。この方法により推定した入力関数を用いて算出したrCBF値の臨床応用の可能性について、持続動脈採血法によるrCBF値と比較検討した。
対象とした110症例より得た10因子とCaoct/Cvoctの分散を検討した結果、Caoct/Cvoctが最も高値を示し個体差を鋭敏に反映する因子と考えられた。そこで、目的変数をCaoct/Cvoctとして血液関連と脳組織集積関連の合計10因子との因果性を関数化する試みを行った。得られた関数式を用いて推定したCaoct’/Cvoct’と実際に測定したCaoct/Cvoctとの関係を検討したところ、両者の間には良好な相関関係が認められた。その回帰式の傾きは0.951で1.0に近似した値を示し、y軸との切片も小さな値(0.50)を示した。また、Caoct/Cvoctの平均値とCaoct’/Cvoct’の平均値とを比較したところ、両者間に有意差は認められなかった。これらの結果から、入力信号と出力信号との経時的因果性を関数化することが可能と思われた。
持続動脈採血を行わずにrCBF値を算出するためには、動脈血関連の指標を省く必要がある。このため、10因子から動脈血関連の指標を除いた7因子で同様に関数化を試みた。その結果、Caoct’/Cvoct’とCaoct/Cvoctとの間には、良好な相関関係(r=0.899)が認められ、27分に採取された静脈血関連の3指標とガンマカメラにより収集された脳組織集積関連の4指標の合計7指標を関数式に代入することにより、持続動脈採血による入力関数の推測が可能となった。ただし、その回帰式の傾きおよびy切片は、0.809および1.98であり、Caoct’/Cvoct’の推定値は若干低値に算出される傾向を示した。簡便で効率性の高い臨床使用を想定した場合、関数式に代入する項目は少ないことが望まれる。そこで、脳組織関連因子のうち他の因子より算出可能な因子を省いた合計5因子と、さらにオクタノール抽出率も省略した4因子による入力関数の推定も検討した。その結果、5因子では7因子の結果とほぼ同様な結果を得られたのに対し、4因子における一次式の相関係数(r=0.807)は若干低下した(多項式ではr=0.861。図6参照)。さらに、4因子による推定では、110症例中1例において推定されたCaoct’/Cvoct’がマイナス値を示した(図6参照)。関連因子を必要以上に削除することは算出精度の低下を招くため、今回の検討結果からは5因子までに留めた方が良いと思われた。
この様にして推定されたCaoct’/Cvoct’のCvoct’に実際に計測したCvoctを乗ずることにより得たCaoct’を用いてrCBF値(Fv)を算出し、持続動脈採血値を用いて算出したrCBF値(Fa)との関係を、無作為に抽出した49例(245点)で観察した。その結果、両者の間には高い相関性(7因子でr=0.863、5因子でr=0.857、4因子でr=0.804)が認められ、臨床応用の可能性が示唆された。
静脈採血の時期に関しては、種々の時間が採用されている(非特許文献8および11参照)。発明者らは、27分30秒から収集を開始するPlanner像が採血行為に起因した体動に影響されることを危惧し、27分後の採血時期(26分30秒から27分30秒までの1分間で採血。図2参照)を選択した。これは上記の報告等から考え妥当と思われる。
採血部位については、今回は薬剤投与部位より若干末梢側からの採血を採用した。
今回の検討では4検出器型ガンマカメラを使用したため、全脳放射能カウントを前後左右から収集した4方向の平均値より求めた。
結語.
1.静脈採血値および脳組織中の経時的変化指標の関係を重回帰分析を用いて関数化し、静脈採血値を用いて局所脳血流量を算出する動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムおよび方法と局所脳血流量の推定プログラムおよび方法とを開発した。
2.本発明の動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムおよび方法により推定した動脈血オクタノール分画中放射能濃度と静脈血オクタノール分画中放射能濃度濃度との比(Caoct’/Cvoct’)は、実測した値(Caoct/Cvoct)と高い相関性を示し、持続動脈採血による入力関数を静脈採血値で代用可能である。
3.本発明の動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムおよび方法を用いれば侵襲性が少なく簡便であり、本発明の動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムおよび方法で推定した入力関数による局所脳血流量は持続動脈採血法によるそれと高い相関性を示し、臨床使用の可能性は高い。
以上より、本発明の実施例1によれば、コンピュータが、脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度を入力する。次に、所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度を入力する。脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントを入力する。入力した静脈血中放射能濃度と、静脈血オクタノール分画中放射能濃度と、2つの全脳放射能カウントとに基づき、上記脳血流トレーサ投与後に測定されるであろう動脈血オクタノール分画中放射能濃度を推定する。
当該推定は、詳しくは、入力した静脈血中放射能濃度と、静脈血オクタノール分画中放射能濃度と、2つの全脳放射能カウントとを用いて、所定の関数の値を計算する。所定の関数としては、脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度と、静脈血オクタノール分画中放射能濃度と、静脈血中放射能濃度および該静脈血オクタノール分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、全脳の2つの時間放射能カウントと、全脳の2つの時間放射能カウントに基づく所定の指標との間の関係を、動脈血オクタノール分画中放射能濃度と静脈血オクタノール分画中放射能濃度との比を目的変数として重回帰分析により求めた関数である。次に、計算された上記関数の値に静脈血オクタノール分画中放射能濃度を乗じて、脳血流トレーサ投与後に測定されるであろう動脈血オクタノール分画中放射能濃度を推定する。
局所脳血流量の推定プログラムは、上記動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムにより算出(推定)された動脈血オクタノール分画中放射能濃度に基づき、局所脳血流量(rCBF)を推定する。
本発明の動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムによれば、持続動脈採血が不要であるため、精度の高い持続採血ポンプ装置を要さず、動脈内に採血チューブを留置して持続採血を行うというような侵襲性および手技の煩雑性を伴うことなく、且つ上述したように十分な測定精度等で、動脈血オクタノール分画中放射能濃度の推定を行うことができる。
本発明の局所脳血流量の推定プログラムによれば、上記動脈血オクタノール分画中放射能濃度の推定結果に基づき、局所脳血流量の推定を行うことができる。
図10は、本発明の動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムおよび局所脳血流量の推定プログラムを実行するコンピュータの内部回路100を示すブロック図である。図10に示されるように、CPU101、ROM102、RAM103、画像制御部106、コントローラ107、入力制御部109および外部I/F部111はバス112に接続されている。図10において、上述の本発明のコンピュータ・プログラムは、ROM102、ディスク108aまたはDVD若しくはCD−ROM108n等の記録媒体(脱着可能な記録媒体を含む)に記録されている。ディスク108aには、入力した静脈血中放射能濃度(Cv)、静脈血オクタノール分画中放射能濃度(Cvoct)および全脳放射能カウント(Cb、Cb28等)を記録しておくことができる。このコンピュータ・プログラムは、ROM102からバス112を介し、あるいはディスク108aまたはDVD若しくはCD−ROM108n等の記録媒体からコントローラ107を経由してバス112を介しRAM103へロードされる。画像制御部106は、ディスク108a等に記録された上記データまたは推定(算出)された動脈血分画中放射能濃度、局所脳血流量等を表示するためのデータをVRAM105へ送出する。表示装置104はVRAM105から送出された上記データ等を表示するディスプレイ等である。VRAM105は表示装置104の一画面分のデータ容量に相当する容量を有している画像メモリである。入力操作部110はコンピュータに入力を行うためのマウス、テンキー等の入力装置であり、入力制御部109は入力操作部110と接続され入力制御等を行う。外部I/F部111は、例えば全脳放射能カウントを行うカウンタ等と接続する際のインタフェース機能を有している。
上述のようにCPU101が本発明のコンピュータ・プログラムを実行することにより、本発明の目的を達成することができる。当該コンピュータ・プログラムは上述のようにDVD若しくはCD−ROM108n等の記録媒体の形態でコンピュータCPU101に供給することができ、当該コンピュータ・プログラムを記録したDVD若しくはCD−ROM108n等の記録媒体も同様に本発明を構成することになる。当該コンピュータ・プログラムを記録した記録媒体としては上述された記録媒体の他に、例えばメモリ・カード、メモリ・スティック、光ディスク、FD等を用いることができる。
本発明の活用例として、一般臨床病院における局所脳血流量の推定等に適用することができる。
動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムおよび方法と局所脳血流量の推定プログラムおよび方法の機能および流れを示すフローチャートである。 採血時期と画像収集時期とのタイムスケジュールを示す図である。 10因子すべてを用いて予測したCaoct’/Cvoct’(縦軸)と実測値を用いて算出したCaoct/Cvoct(横軸)との関係を示すグラフ30である。 持続動脈採血値関連の因子を省いた合計7因子(Cv、Cvoct、Nv、Cb、Cb28、Cb/Cb17、Cb28−5)を用いて予測したCaoct’/Cvoct’(縦軸)と実測値を用いて算出したCaoct/Cvoct(横軸)との関係を示すグラフ40である。 さらに脳組織関連因子のうち他の因子より算出可能な因子を省いた合計5因子(Cv、Cvoct、Nv、Cb、Cb28)を用いて予測したCaoct’/Cvoct’(縦軸)と実測値を用いて算出したCaoct/Cvoct(横軸)との関係を示すグラフ50である。 さらにオクタノール抽出率Nvを省いた合計4因子(Cv、Cvoct、Cb、Cb28)を用いて予測したCaoct’/Cvoct’(縦軸)と実測値を用いて算出したCaoct/Cvoct(横軸)との関係を示すグラフ60である。 回帰式の説明変数の数が7因子(Cv、Cvoct、Nv、Cb、Cb28、Cb/Cb17、Cb28−5)の場合のFv(縦軸)とFa(横軸)との関係を示すグラフ70である。 回帰式の説明変数の数が5因子(Cv、Cvoct、Nv、Cb、Cb28)の場合のFv(縦軸)とFa(横軸)との関係を示すグラフ80である。 回帰式の説明変数の数が4因子(Cv、Cvoct、Cb、Cb28)の場合のFv(縦軸)とFa(横軸)との関係を示すグラフ90である。 本発明の動脈血分画中放射能濃度の推定プログラムおよび局所脳血流量の推定プログラムを実行するコンピュータの内部回路100を示すブロック図である。
符号の説明
10 採血側タイムスケジュール、 11 123I−IMP静注時点、 12 持続動脈採血時間、 13、22、23、26、27 時間、 14 静脈血採取時点、 20 データ収集側タイムスケジュール、 21 Planar画像収集時間、 24 SPECT開始時点、 25 SPECT収集時間、 30、40、50、60、70、80、90 グラフ、 100 内部回路、 101 CPU、 102 ROM、 103 RAM、 104 表示装置、 105 VRAM、 106 画像制御部、 107 コントローラ、 108a ディスク、 108n DVD、CD−ROM、 109 入力制御部、 110 入力操作部、 111 外部I/F部、 112 バス。

Claims (7)

  1. 所定の溶媒を用いて分画された動脈血分画中放射能濃度の推定をコンピュータに実行させるための推定プログラムであって、ここで所定の溶媒はオクタノールであり、コンピュータに、
    脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとに基づき、該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する動脈血分画中放射能濃度推定ステップを実行させるための推定プログラムであって、
    前記動脈血分画中放射能濃度推定ステップは、
    脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び前記所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとを用いて、所定の関数の値を計算する関数計算ステップと、
    前記関数計算ステップで計算された関数の値に静脈血分画中放射能濃度を乗じて該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する推定ステップとを備え、
    前記所定の関数は、脳血流トレーサ投与後に測定された動脈血中放射能濃度及び動脈血分画中放射能濃度と、前記静脈血中放射能濃度と、前記静脈血分画中放射能濃度と、該動脈血中放射能濃度及び該動脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、該静脈血中放射能濃度及び該静脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、前記全脳の2つの時間放射能カウントと、該全脳の2つの時間放射能カウントに基づく所定の指標との間の関係を、該動脈血分画中放射能濃度と該静脈血分画中放射能濃度との比を目的変数として重回帰分析により求めた関数であることを特徴とする推定プログラム
  2. 局所脳血流量の推定をコンピュータに実行させるための推定プログラムであって、コンピュータに、
    脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとに基づき、該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する動脈血分画中放射能濃度推定ステップであって、ここで所定の溶媒はオクタノールであり
    前記動脈血分画中放射能濃度推定ステップで推定された動脈血分画中放射能濃度に基づき局所脳血流量を推定する局所脳血流量推定ステップを実行させるための推定プログラムであって、
    前記動脈血分画中放射能濃度推定ステップは、
    脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び前記所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとを用いて、所定の関数の値を計算する関数計算ステップと、
    前記関数計算ステップで計算された関数の値に静脈血分画中放射能濃度を乗じて該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する推定ステップとを備え、
    前記所定の関数は、脳血流トレーサ投与後に測定された動脈血中放射能濃度及び動脈血分画中放射能濃度と、前記静脈血中放射能濃度と、前記静脈血分画中放射能濃度と、該動脈血中放射能濃度及び該動脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、該静脈血中放射能濃度及び該静脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、前記全脳の2つの時間放射能カウントと、該全脳の2つの時間放射能カウントに基づく所定の指標との間の関係を、該動脈血分画中放射能濃度と該静脈血分画中放射能濃度との比を目的変数として重回帰分析により求めた関数であることを特徴とする推定プログラム。
  3. 請求項1又は2記載の推定プログラムにおいて、前記脳血流トレーサは、N−isopropyl-4-[123I]iodoamphetamine(123I−IMP)であことを特徴とする推定プログラム。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の推定プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  5. コンピュータを用いた所定の溶媒を用いて分画された動脈血分画中放射能濃度の推定方法であって、ここで所定の溶媒はオクタノールであり、
    脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとに基づき、該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する動脈血分画中放射能濃度推定ステップを備えたことを特徴とする推定方法であって、
    前記動脈血分画中放射能濃度推定ステップは、
    脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び前記所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとを用いて、所定の関数の値を計算する関数計算ステップと、
    前記関数計算ステップで計算された関数の値に静脈血分画中放射能濃度を乗じて該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する推定ステップとを備え、
    前記所定の関数は、脳血流トレーサ投与後に測定された動脈血中放射能濃度及び動脈血分画中放射能濃度と、前記静脈血中放射能濃度と、前記静脈血分画中放射能濃度と、該動脈血中放射能濃度及び該動脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、該静脈血中放射能濃度及び該静脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、前記全脳の2つの時間放射能カウントと、該全脳の2つの時間放射能カウントに基づく所定の指標との間の関係を、該動脈血分画中放射能濃度と該静脈血分画中放射能濃度との比を目的変数として重回帰分析により求めた関数であることを特徴とする推定方法
  6. コンピュータを用いた局所脳血流量の推定方法であって、
    脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとに基づき、該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する動脈血分画中放射能濃度推定ステップであって、ここで所定の溶媒はオクタノールであるものと、
    前記動脈血分画中放射能濃度推定ステップで推定された動脈血分画中放射能濃度に基づき局所脳血流量を推定する局所脳血流量推定ステップとを備えたことを特徴とする推定方法であって、
    前記動脈血分画中放射能濃度推定ステップは、
    脳血流トレーサ投与後に測定された静脈血中放射能濃度及び前記所定の溶媒を用いて分画された静脈血分画中放射能濃度と、該脳血流トレーサ投与後、所定の第1時間及び第2時間が経過した後に測定された全脳の2つの時間放射能カウントとを用いて、所定の関数の値を計算する関数計算ステップと、
    前記関数計算ステップで計算された関数の値に静脈血分画中放射能濃度を乗じて該脳血流トレーサ投与後に測定される動脈血分画中放射能濃度を推定する推定ステップとを備え、
    前記所定の関数は、脳血流トレーサ投与後に測定された動脈血中放射能濃度及び動脈血分画中放射能濃度と、前記静脈血中放射能濃度と、前記静脈血分画中放射能濃度と、該動脈血中放射能濃度及び該動脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、該静脈血中放射能濃度及び該静脈血分画中放射能濃度に基づく所定の指標と、前記全脳の2つの時間放射能カウントと、該全脳の2つの時間放射能カウントに基づく所定の指標との間の関係を、該動脈血分画中放射能濃度と該静脈血分画中放射能濃度との比を目的変数として重回帰分析により求めた関数であることを特徴とする推定方法。
  7. 請求項5又は6記載の推定方法において、前記脳血流トレーサは、N−isopropyl-4-[123I]iodoamphetamine(123I−IMP)であことを特徴とする推定方法。
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