JP5305132B2 - Chainsaw - Google Patents
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Description
本発明は、小型のエンジンを用いてソーチェーンを回転させるチェーンソーに関する。 The present invention relates to a chain saw that rotates a saw chain using a small engine.
木の幹や枝などを切断する工具として、2サイクルエンジンなどの小型エンジンにより駆動されるチェーンソーが広く用いられている。チェーンソーは、通常作業者がそれを保持した状態で作業するもので、特に、頭上の枝を伐採したり、木の上に登って作業をすることもあるため、片手でも容易に持ち上げることができるよう小型軽量であることが重要である。チェーンソーを小型化するために、エンジン本体、排気管、ソーチェーン部などの配置やハウジングへの取付などを工夫している。(特許文献1参照)。
近年のチェーンソーにおいては、エンジン本体を一体成型したハウジングに収容し、ハウジングを介してソーチェーン部等が取り付けられるが、軽量化のためハウジングをプラスチック製で構成するため、金属製のハウジングと比べて素材そのものの剛性や強度では劣るため、その設計や製造においてはいろいろ工夫されている。そして、チェーンソーにおいては、例えば、木の上で作業するような場合に、ロープにて高所までチェーンソー1を吊り上げることがあり、そのためにフックを設けている装置もあった。しかし、フックを装置から突出して形成すると、フックが作業者の体に当たったり、周囲に当たったりすることがあった。
In recent chainsaws, the engine body is housed in an integrally molded housing, and a saw chain part or the like is attached via the housing. However, since the housing is made of plastic for weight reduction, compared to a metal housing Since the rigidity and strength of the material itself are inferior, various designs have been made in its design and manufacture. In a chain saw, for example, when working on a tree, the
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、使用しないときには邪魔にならず、使いやすい吊り下げ用のフック手段を有するチェーンソーを提供することにある。 The present invention has been made in view of the above background, and an object of the present invention is to provide a chainsaw having hook means for suspending that is easy to use without being in the way when not in use.
本発明の別の目的は、安価に製造できて、強固なフック手段を有するチェーンソーを提供することにある。 Another object of the present invention is to provide a chainsaw that can be manufactured at low cost and has strong hook means.
本願において開示される発明のうち、代表的なものの特徴を説明すれば、次の通りである。 Of the inventions disclosed in the present application, typical features will be described as follows.
本発明の一つの特徴によれば、エンジンと、エンジンを収容するハウジングと、ハウジングに取り付けられるガイドバーを有し、エンジンによってガイドバーに巻回されるソーチェーンを回転させるチェーンソーにおいて、ハウジングから突出する方向に突出位置と収納位置の間でスライド移動可能なフックを設けた。フックは略円形の円環部を有し、フックが収納位置にあるとき円環部の少なくとも一部を収納し、一部を外部に露出するスリットが設けられる。固定部は、ハウジングから延びた2本の平行なアームと、アームの後端部を連結する連結部からなるコの字状部材により構成され、移動部は、コの字状部材に係合するフックにより構成される。 According to one aspect of the present invention, a chain saw having an engine, a housing for housing the engine, and a guide bar attached to the housing, and rotating a saw chain wound around the guide bar by the engine, protrudes from the housing. It provided slidable hooks between the projected position and the storage position in the direction of. The hook has a substantially circular ring part, and is provided with a slit that stores at least a part of the ring part and exposes a part to the outside when the hook is in the storage position. The fixed portion is configured by a U-shaped member including two parallel arms extending from the housing and a connecting portion that connects the rear end portions of the arms, and the moving portion engages with the U-shaped member. Consists of hooks.
本発明の他の特徴によれば、固定部は、ハウジングから延びた2本の平行なアームと、アームの後端部を連結する連結部からなるコの字状部材により構成され、移動部は、コの字状部材に係合するフックにより構成される。そして、フックはコの字状部材に固定されるプレートにより挟むように固定される。尚、ハウジングの後面を覆うカバーが取り付けられる場合には、カバーにはフックを貫通させるスリットが形成され、フックはスリットを貫通して前後方向に移動可能である。 According to another feature of the invention, the fixed part is constituted by a U-shaped member comprising two parallel arms extending from the housing and a connecting part connecting the rear end parts of the arms, and the moving part is The hook is engaged with the U-shaped member. The hook is fixed so as to be sandwiched between plates fixed to the U-shaped member. In addition, when the cover which covers the rear surface of a housing is attached, the slit which penetrates a hook is formed in a cover, and a hook penetrates a slit and can move to the front-back direction.
本発明のさらに他の特徴によれば、フックには折曲部が形成され、フックの引き出し時には折曲部が連結部に係合する。フックは例えば針金を曲げて製造することができ、略円形の円環部と、円環部から2方向に延びる直線部と、直線部の先端で円環面と直交方向に折り曲げられた折曲部を有する。直線部は、円環部から離れるに従って広がる形状であり、広がる部分を2本のアームで挟むようにしてフックがコの字状部材に取り付けると良い。また、固定部はハンドルを固定する機能も兼ねて、このハンドル固定用のネジなどを利用してフックを取り付けるようにすれば良い。 According to still another aspect of the present invention, the hook is bent portion is formed, at the time of withdrawal of the hook bent portion is engaged with the connecting portion. Hooks can be produced by bending, for example wire, substantially circular ring portion and a straight line extending from the annular portion in two directions and, bending bent in a direction perpendicular to the torus at the tip of the linear portion Part. The straight portion has a shape that widens as it gets away from the annular portion, and the hook is preferably attached to the U-shaped member so that the widened portion is sandwiched between two arms. Further, the fixing portion also has a function of fixing the handle, and the hook may be attached using the handle fixing screw or the like.
請求項1の発明によれば、ハウジングから突出する方向に突出位置と収納位置の間でスライド移動可能なフック手段を設けたので、使用時に引き出すことができて、不使用時には収納することにより邪魔にならないフック手段を有するチェーンソーを提供できる。また、フックが収納位置にあるとき円環部の少なくとも一部を収納するスライド移動式のフックであるため、そのスリットに要する面積はフックの厚み程度の少ない面積ですむ。 According to the first aspect of the present invention, the hook means is provided which is slidable between the protruding position and the storage position in the direction protruding from the housing. It is possible to provide a chainsaw having hook means that do not become. Further, since the hook is a sliding movement type that stores at least a part of the annular portion when the hook is in the storage position, the area required for the slit can be as small as the thickness of the hook.
請求項2の発明によれば、フック手段は、ハウジングに固定される固定部と、固定部に対しスライド移動可能に取り付けられる移動部を含むので、ハウジングと固定部を一体成型などで強固に製造した状態で、移動可能なフック手段を実現することができる。
According to the invention of
請求項3の発明によれば、ハウジングから延びた2本の平行なアームと、アームの後端部を連結する連結部からなるコの字状部材により構成され、移動部は、コの字状部材に係合するフックにより構成されるので、固定部を簡単な構成で実現できる。
According to the invention of
請求項4の発明によれば、フックは、コの字状部材に固定されるプレートにより挟むように固定されるので、簡単な構造にて移動可能にフックを固定することができる。
According to the invention of
請求項5の発明によれば、ハウジングには後面を覆うカバーが取り付けられ、カバーにはフックを貫通させるスリットが形成され、フックはスリットを貫通して前後方向に移動可能であるので、後端にエアクリーナーのカバーなどがあるチェーンソーにおいても、ハウジングに対して容易にフック手段を付加することができる。
According to the invention of
請求項6の発明によれば、フックには折曲部が形成され、フックの引き出し時には折曲部が連結部に係合するので、固定部からフックが脱落することがないフック手段を実現できる。
According to the invention of
請求項7の発明によれば、フックは針金を曲げて製造され、略円形の円環部と、円環部から2方向に延びる直線部と、直線部の先端で円環面と鉛直方向に折り曲げられた折曲部を有するので、安価な材料で容易に製造することができる。また、ヒンジやちょうつがいなどコストのかかる部品を使うことなく簡単な構成でスライド機構を実現できる。 According to the invention of claim 7, the hook is produced by bending a wire, a substantially circular ring portion, and a straight portion extending from the annular portion in two directions, the torus and the vertical direction at the tip of the straight portion Since it has the bent part bent, it can manufacture easily with an inexpensive material. Also, the slide mechanism can be realized with a simple configuration without using costly parts such as hinges and hinges.
請求項8の発明によれば、フックの直線部は、円環部から離れるに従って広がる形状であり、広がる部分を2本のアームで挟んで平行になるようにした状態でコの字状部材に取り付けられるので、収納時のフックのがたつきを防止できる。
According to the invention of
請求項9の発明によれば、チェーンソーは、作業者により把持されるハンドルを有し、固定部はハンドルを固定する機能も兼ねるので、少ない部品点数にてフック手段を実現できる。 According to the ninth aspect of the present invention, the chain saw has a handle that is gripped by an operator, and the fixing portion also functions to fix the handle. Therefore, the hook means can be realized with a small number of parts.
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。 The above and other objects and novel features of the present invention will become apparent from the following description and drawings.
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の機能を有する部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。図1は、本発明の実施形態に係るチェーンソーの外観を示す斜視図、図2は別の角度からの外観を示す斜視図、図3はさらに別の角度からの外観を示す斜視図、図4は正面図、図5は背面図、図6は底面図である。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. In the following drawings, parts having the same function are denoted by the same reference numerals, and repeated description is omitted. 1 is a perspective view showing an appearance of a chainsaw according to an embodiment of the present invention, FIG. 2 is a perspective view showing an appearance from another angle, FIG. 3 is a perspective view showing an appearance from another angle, and FIG. Is a front view, FIG. 5 is a rear view, and FIG. 6 is a bottom view.
図1において、チェーンソー1は、2サイクルや4サイクルエンジンなどの小型のエンジンを搭載し、本体部の前方にガイドバー11が突出する。ガイドバー11の周縁には、ソーチェーン(図示せず)が巻回され、ソーチェーンを高速で回転させることによって木や枝などの切断が可能となる。後述するエンジンは、横置きでハウジング2内に収納される。ハウジング2はエンジンを収容するだけでなく、その周囲にガイドバー11やカバー類を取り付けるもので、チェーンソー1の骨格部分である。ハウジング2の上方には、メインハンドル3が設けられ、メインハンドルの前端付近から横及び下方向にフロントハンドル6が延びるように設けられる。
In FIG. 1, a
メインハンドル3は、作業者が右手で把持するためのハンドルであり、フロントハンドル6は作業者が左手で把持するためのハンドルである。メインハンドル3の上部付近には、セーフティトリガ7aが設けられ、前端付近にはイグニッションスイッチ7bが設けられる。メインハンドルの前方側には、ハンドガード12が設けられる。ハンドガード12は、作業者の手に、枝や切断物などがあたらないように保護する役割をする。さらに、ハンドガード12を前方に傾けることによりソーチェーンの回転を停めるブレーキの役割を兼用させても良い。ハウジング2の左側(以下、本明細書は、作業者がチェーンソー1を保持した際を基準に、図1のように前後左右を定義して説明する。)は、レフトカバー4で覆われる。レフトカバー4の内側には、エンジンを始動するためのリコイル式のスタータ(図示せず)が収容され、レフトカバー4を貫通してスターターハンドル13が取り付けられる。レフトカバー4の前方には、燃料タンク用のキャップ14aと、チェーンオイルタンク用のキャップ15aが設けられる。
The
図2において、ハウジング2の右側はガイドバー11が、ハウジング2から延びる2本のボルト(図示せず)とナット17a、17bによって固定される。ハウジング2の右側には、さらに後述するソーチェーンへの駆動力伝達機構が取り付けられ、それを覆うライトカバー5が設けられる。ハウジング2とガイドバー11の取り付け部付近には、チェーンキャッチャー16が設けられる。
2, the
図3において、ライトカバー5の後方には、エンジンのマフラー66の熱からガードするため、表面の大部分にメッシュ状の通風口が設けられたマフラーガード8が取り付けられる。チェーンソー1の後端には、後述するエアクリーナーを覆うためのリアカバー9が設けられる。リアカバー9は、固定ネジ18により着脱可能にハウジング2に固定される。固定ネジ18の右側には、前後にスライド移動可能な引き出し式のフック20が設けられる。このフック20は、例えば、木の上で作業する場合に、ロープにて高所までチェーンソー1を引き上げる際に、ロープをかけるために用いられる。図3に示す状態は、フック20が収納されている状態であり、手で引き出すための必要な部分を除き、フック20はリアカバー9の外側にほとんど突出しない。このため、リアカバー9のフック取り付け部付近だけ、周囲に対してやや窪んだ形状にしてあり、収納時にフック20が作業者の体に当たったり、周囲に当たったりすることを防止できる。
In FIG. 3, a
図4は、チェーンソー1を前方からみた正面図である。ハウジング2は、フロントハンドル6を除いた本体部でみると、左右方向でほぼ中央部に位置する。ハウジング2とチェーンガード11は、図示のように所定の間隔だけ離してナット17a、17bによって固定される。ガイドバー11の後方には、エンジンのクランク軸に遠心クラッチ44(図6)を介して連結された後述するスプロケットが設けられ、このスプロケットを回転させることによりソーチェーンは駆動される。
FIG. 4 is a front view of the
図5は、チェーンソー1を後方からみた背面図である。この図からフック20の配置が良く理解できるであろう。フック20は、これを使ってチェーンソー1を吊り下げた際にバランス的に良い位置に設けるのが好ましい。しかしながら、フック20の取付位置は比較的自由であり、吊り下げたときにチェーンソー1の配置が良好な状態、例えば、ガイドバー11の長手方向が上下になるような状態に保てるならば、チェーンソー1のメインハンドル部3の後方や、側方付近に設けても良い。フック20を取り付けるために、リアカバー9にはスリット9aが形成されているが、スライド移動式のフック20であるため、そのスリットに要する面積はフックの厚み程度の少ない面積ですむ。また、フック20がスリットに介在していることもあり、クリーナカバー9の内側に粉塵などを入りにくくすることができる。さらに、フック20は、後述するようにリアカバー9でなく、ハウジング2に直接固定させているので、リアカバー9の装着が不完全であっても影響されず、安定した状態でチェーンソー1を吊り下げることができる。
FIG. 5 is a rear view of the
図6は、チェーンソー1を下からみた底面図である。この図ではフック20が収納された状態を示すが、フック20の周辺に窪み9bが形成されている点、及び、フック20の後端面とリアカバー9の最後端部がほぼ一致していることが理解できるであろう。ハウジング2の底面には2本のボルト33、34が設けられる。これらのボルト33、34は、前後方向(チェーンガード11の長手方向)に同一位置でなく、図面上で見てボルト33が右寄り、ボルト34が左寄りにオフセットされて設けられる。この理由については後述する。スプロケット43は遠心クラッチ44のロータ部と一体に構成されるもので、スプロケット43にソーチェーンが巻回されることにより、エンジン50の回転駆動力がソーチェーンに伝達される。スプロケット43の後方側には、エンジン50の排気音を消音するためのマフラー66が設けられる。
FIG. 6 is a bottom view of the
次に、図7に示す断面図を用いて、チェーンソー1の内部構造を説明する。チェーンソー1のハウジング2の内部には、エンジン50がほぼ横置きで収容される。ここで、横置きとは、稼働時にピストンの運動方向が水平になることを言い、厳密に言うと本実施形態ではピストンの運動方向は完全に水平でなく、先端部がやや下がった状態の“ほぼ水平”の状態である。これは、エンジン50を完全に横置きにすると、その上側に配置されるキャブレター67とエアフィルター68を配置する関係からチェーンソー1の後端部の高さが高くなってしまうので、下側に傾けるようにしたものである。この実施形態では、エンジン50として2サイクルエンジンの例を示しているが、4サイクルエンジンであっても良い。エンジン50は、クランク64にコンロッド63を介して取り付けられるピストン62が往復運動をしながら、吸気−圧縮−燃焼−排気の行程を行う。エンジン50は、上側から2本のボルト31(図8)、32によって、下側から2本のボルト33(図8)、34によってハウジング2に固定される。ハウジング2の前方側には、エンジン50用の燃料タンク14と、ソーチェーンに給油するためのチェーンオイルタンク15が設けられる。
Next, the internal structure of the
図8は、ハウジング2とエンジン50の取付状態を説明するための斜視図であり、図9はこれらの別の角度からの斜視図である。ハウジング2は、例えばプラスチックの一体成型により構成され、エンジン50が図8の矢印で示す方向に挿入され、上下方向から4つのボルト31〜34で固定される。エンジン50には、これらボルトと螺合する4つのネジ穴(図8では31b、32bだけ示す)が形成される。図9において、ハウジング2のエンジンを挿入する側と反対の面(右側の面)の前方側には、平面部2aが形成され、平面部2aの外側にはハウジング2に固定された2本のボルト19a、19bにガイドバー11が取り付けられ、ナット17a、17bによって固定される。
FIG. 8 is a perspective view for explaining a mounting state of the
平面部2aの後方には、図示しないオイルポンプを収容するため、外部から見て内側に略長方形に窪んでいる窪み部2bが形成される。この窪み部2bを形成することによりハウジング2の剛性を一層高くすることができる。窪み部2bにはクランク軸51を貫通させるための穴2cが形成され、この穴2cの側方に穴69aが開けられ、横方向ボルト41によってエンジン50のネジ穴69と横方向から螺合する。ここで、本実施例ではエンジン50の上下方向から固定する4つのボルト31〜34に加えて、第5のボルトである横方向ボルト41によりエンジン50のクランクケース部を固定することにより、強度的にも振動特性上も良好な状態でエンジン50をハウジング2に固定することができる。
In order to accommodate an oil pump (not shown), a recessed
窪み部2bは、図示しないオイルポンプが収容された後、オイルポンプカバー40により覆われる。オイルポンプカバー40は、穴40aを介してクランク軸51を貫通させて、3つのネジ42によりハウジング2に固定される。ここで、ネジ42は、ハウジングに形成されたネジ穴に螺合するもので、エンジン50とは接触しない。
The
図10は、横方向ボルト41によりエンジン50のクランクケース部を固定する効果を説明するための模式図である。チェーンソー1において、エンジン50を駆動させてクランク軸51が回転し、遠心クラッチを介してスプロケット43が回転すると、スプロケット43及びガイドバー11に巻回されるソーチェーン10が回転する。この回転によって、木や枝などが切断される。この際、ソーチェーン10から受ける反力としてクランク軸51には、矢印47の方向に力が作用し、これはエンジン50を矢印48の方向に移動させる力となる。このようにエンジン50に対して力が作用すると、振動の原因となり、ハウジング2とエンジン50でバタツキを生じる。本実施形態では、この力の作用する方向を考慮して横方向ボルト41でクランク軸と平行方向にエンジン50のクランクケース(53、54)を固定するようにした。この横方向ボルト41は、ハウジング2の窪み部2bに固定されるので、窪み部2bのエンジン側がクランクケース(53、54)の固定部と良好に接触させることができる。
FIG. 10 is a schematic diagram for explaining the effect of fixing the crankcase portion of the
横方向ボルト41を設ける位置は、前後方向でみて、クランク軸51とボルト19aの間の領域で固定することが好ましい。横方向ボルト41の上下方向位置は比較的自由であり、横から見てフライホイール54の内周側に配置するのが良く、ソーチェーンの巻回範囲と比較した場合は、その内側に位置させても良いし外側に位置させても良い。但し、クランク軸51周りに、反力によるトルク発生が大きいので、クランク軸51に比較的近いところが良く、ソーチェーンの巻回範囲の内側であることが特に好ましい。尚、本実施形態ではハウジング2の形状の関係から横方向ボルト41の位置で固定しているが、可能であれば横方向ボルト41に替えて、又は、それに加えて、領域41bでボルトにて固定しても良い。また、横方向ボルト41は、ボルトだけでなく、ナットやその他の公知の固定手段で固定するようにしても良い。
The position where the
本実施形態においては、横方向ボルト41は、クランクケースのうち右側クランクケース52の外周側に形成された固定穴に螺合される。エンジン50側から見ても、クランクケース52の外周側にて横方向に固定されるので、チェーンソー1の上から見て上下方向に固定するボルト31〜34のボルトがシリンダ軸51の後ろ側、横方向ボルト41がシリンダ軸51の前側で固定されることになるので、エンジン50を良好にハウジング2に固定することができ、ハウジング2とエンジン50のバタツキも押さえることができる。
In the present embodiment, the
図11は、ハウジング2のエンジン取付穴の配置を示す斜視図である。上側の2つの取付穴31a、32aは、これら2点を含む直線を引いた際に、その直線はクランク軸51の軸線とは平行でない。また、下側の2つの取付穴33a、34aは、これら2点を含む直線を引いた際に、その直線はクランク軸51の軸線とは平行でない。
FIG. 11 is a perspective view showing the arrangement of engine mounting holes in the
次に、図12及び図13を用いてエンジン50について説明する。図12はエンジン50の前方左上側からみた斜視図であり、図13は後方左下側から見た斜視図である。クランクケースは、右側クランクケース52と左側クランクケース53とからなる分割式であり、その分割面はクランク軸51の軸線と鉛直な面である。右側クランクケース52からは、出力軸であるクランク軸51が突出し、左側クランクケース52からはクランク軸の先端にフライホイール54が取り付けられる。右側クランクケース52と左側クランクケース53は、それらの間に図示しないガスケットを介して3つのボルト65a、65b、65cによって固定される。これら3つのボルト65a、65b、65cと螺合するために、右側クランクケース52には、雌ネジ部が形成される。
Next, the
さらにクランクケースには、エンジン50をハウジング2に固定するための2つのボルト穴31b、32bがエンジン50の上側に設けられる。ボルト穴31bは左側クランクケース53に設けられ、ボルト穴32bは右側クランクケース52に設けられる。同様にして、2つのボルト穴33b、34bがエンジン50の下側に設けられる。ボルト穴33bは左側クランクケース53に設けられ、ボルト穴34bは右側クランクケース52に設けられる。さらに、右側クランクケース52には、横方向ボルト41と螺合するネジ穴69が設けられ、その内周側に雌ネジが形成される。
Furthermore, the crankcase is provided with two
フライホイール54は、フィンと一体に構成され、外周側の一部には、点火コイル59によって点火用の高圧電気を発生させるための永久磁石が設けられる。フィンの内周側には、スタータと接続するための、クラッチ爪が設けられる。点火コイル59で発生された高圧電気は、点火コイル59から伸びる高圧コードによってプラグキャップ60に伝達され、プラグキャップ60を介して点火プラグ61(図7)に供給される。
The
ここで、図14を用いて、ボルト穴31b、32b、33b、34bの位置関係について詳細に説明する。図14(1)は、横置きされたエンジン50のクランクケース部を、上から見た際の拡大図であり、(2)はエンジン50のクランクケース部の下側から見た際の拡大図である。(1)において、ハウジング2の上側から固定するための2つのボルト穴31b、32bは、図示のように双方の位置がクランクケースの分割面に対し、非対称の位置に配置される。また、この図上で2つのボルト穴31b、32bの中心点を通る直線である上側ボルト連結線71を引いた場合、クランク軸の軸線70に対して一定の傾斜角θ1を有する。同様に、図14(2)において、ハウジング2の上側から固定するための2つのボルト穴33b、34bは、図示のように双方の位置がクランクケースの分割面に対し、非対称の位置に配置される。2つのボルト穴33b、34bの中心点を通る直線である下側ボルト連結線72を引いた場合、クランク軸の軸線70に対して一定の傾斜角θ2を有する。
Here, the positional relationship between the bolt holes 31b, 32b, 33b, and 34b will be described in detail with reference to FIG. FIG. 14 (1) is an enlarged view when the crankcase portion of the
図14(3)は、ハウジング2の上方から投影して見た際の4つのボルト穴の配置を示す図である。ここで、下側ボルト連結線72は図14(2)と傾斜の向きが反対のように見えるが、これは(2)はハウジング2の下側から見た図であるのに対し、(3)は上側から投影した際の図であるからで、両者の配置は変わらない。(3)において理解できるように、4つのボルト穴は、エンジンのピストンの運動方向にみると、軸線70と、シリンダ55とクランクケース52、53の分割線73の間に位置している。また、横方向、即ち、クランク軸51の軸方向にみると、クランクケースの幅である線74aと74bの間の範囲に含まれる。さらに、連結線71と72の直線の傾斜は反対であり、連結線71を延長すると、クランクケースの幅の外部、フライホイール54側で軸線70と交差する。
FIG. 14 (3) is a diagram showing the arrangement of the four bolt holes when viewed from above the
同様に、連結線72を延長すると、クランクケースの幅の外部、ガイドバー11側で軸線70と交差する。クランクケースの分割面から4つのボルトへの距離は、上側がそれぞれL1であるのに対し、下側がL2であり、上側と下側で異なる。また、軸線70からそれぞれのボルト穴31b、32b、34b、33bまでの距離はそれぞれ異なる。そして図14(3)で示した4つのボルトを、31b→32b→34b→33b→31bと結ぶと四角形の領域ができる
Similarly, when the connecting
上側ボルト連結線71及び下側ボルト連結線72が軸線70に平行に延びる構成である場合には、クランク軸51の駆動時に、ガイドバー11が設けられた側から見て、上側及び下側のボルトによる固定部を支点としてエンジン50がハウジング2に対して回動する方向に力が加わりやすい。また、上側ボルト連結線71及び下側ボルト連結線72が軸線70に対して同様の角度で傾斜した構成である場合には、クランク軸51の駆動時に、ガイドバー11が設けられた側から見て、上側及び下側のボルトによる固定部を支点としてエンジン50がハウジング2に対して回動する方向の力を上述の構成に比べて小さくすることができるものの、上から見た際にエンジン50がハウジング2に対して回動する方向の力が加わりやすい。
When the upper
本発明では、上述のように、上側ボルト連結線71及び下側ボルト連結線72の少なくとも一方が軸線70に対して傾斜した構成としたことにより、ガイドバーが設けられた側から見て、上側及び下側のボルトによる固定部を支点としてエンジンがハウジングに対して回動する方向の力を小さくすることとができると共に、前記連結線(第1の線)のいずれかが軸線70に対して傾斜した側(上側)の反対側に位置する側(下側)の連結線が第1の線に対して異なる角度となっていることにより、上から見た際のエンジン50がハウジング2に対して回動する方向の力を小さくすることができるものである。
In the present invention, as described above, since at least one of the upper
尚、本実施形態では、上側ボルト連結線71及び下側ボルト連結線72が、軸線70に対して反対方向に傾斜した構成となっていることにより、上から見た際のエンジンがハウジングに対して回動する方向の力をさらに小さくすることができるものである。本実施形態では、このようなボルトの配置構造にして、振動特性を測定したところ、チェーンソーにおいて良好な特性を得ることができた。
In the present embodiment, the upper
以上のように、エンジン50のハウジング2への取り付けボルトの位置を工夫することにより、振動特性を良好にしたチェーンソーを実現できた。尚、本実施形態では、同じ太さ、同じ長さのボルト31〜34でエンジンを固定するようにしたが、エンジンの特性や振動の発生状況に合わせて、太さや長さの異なるボルトで固定するようにしても良い。
As described above, a chain saw with good vibration characteristics can be realized by devising the position of the mounting bolt to the
次に、図15を用いて、フック手段の詳細構造を説明する。図15(1)は、フック20を収納した状態を示す図で、フック手段を構成するコの字状部材35は、ハウジング2から平行に延びた上側アーム35a及び下側アーム35bと、これらの後端部を橋渡しして連結する連結部35cから構成される。コの字状部材35は、ハウジングの後方に延びるように構成され、ハウジング2と一体成型にて製造するのが好ましい。上側アーム35aにはネジ穴36aが、下側アーム35bにはネジ穴36b及び36cが形成される。図15(2)は、フック20を引き出した状態を示す図で、フック20の折曲部が連結部35cに係合することにより、フック20がハウジング2と強固に連結される。尚、コの字状部材35を形成する位置は、フック20でチェーンソー1を吊り上げた際に、バランス的に良い場所で、前後方向と鉛直な面における重心位置付近に設けるのが最も好ましい。
Next, the detailed structure of the hook means will be described with reference to FIG. FIG. 15 (1) is a diagram showing a state in which the
図15(3)は、フック20の形状を示す図である。フック20は、略円形の輪になった部分20eが形成され、その前方側に絞り込み部20dが形成され、2本の直線部20cを経て図15(3)でみた上側に降り曲がる折曲部20bが形成され、折曲部20bから先に短い距離の水平部20aが形成される。フック20は、例えば針金などを曲げて製造できる。この際、水平部20cが折曲部20bの方向に行くに従ってやや開く(2本の直線部が離れる)ように形成すると良い。そうすると、このフック20が、円形の輪の部分でバネ効果を発揮し、図中の矢印に方向に付勢するような効果を有する。このようなフック20をコの字状部材35に取り付けることによって、上側アーム部35aの下側と、下側アーム部35bの上側に対して、これらにフック20の直線部20cを押しつけるような力が作用し、フック20を収納した際にフック20によるがたつきやゆるみを効果的に防止することができる。尚、直線部20cは押し込まれた際にハウジングに当接することにより、前方に移動した際(引き込んだ際)のストッパの役目を果たすことができる。
FIG. 15 (3) is a diagram showing the shape of the
図16は、コの字状部材35の形状を示す別の斜視図である。ここで、図16(1)で理解できるように、下側アーム部35bの上側には、フック20の直線部20cをガイドするための溝37が形成される。また、図16(2)で示すように、上側アーム部35aの右側の面には、窪み部38が形成される。尚、連結部35cの中央部の左右方向の厚さは、上側アーム部35a及び下側アーム部35bよりも薄くなっており、押さえ板21によって押さえた際のフック20を収容するスペースを確保するために、連結部35cの右側面は上側アーム部35a及び下側アーム部35bの右側面よりも低い形状となり、段差状になっている。同様にして、図16(3)から理解できるように、連結部35cの左側面、上下方向中央部付近は、上側アーム部35a及び下側アーム部35bの左側面よりも窪んだ形状39bとなっている。
FIG. 16 is another perspective view showing the shape of the
図17は、フック20取付状態を説明するための斜視図である。フック20はコの字状部材の上側及び下側アーム35a、35bの間に設置され、右側を押さえ板21で固定される。押さえ板21は2つのネジ22により下側アーム35bに固定される。押さえ板21の上側の穴には、ネジ24がダンパー23及びメインハンドル3の取付部3aを介して貫通し、上側アーム35aに固定される。つまり、上側アーム35aはメインハンドル3の取付部の機能を兼ねているもので、このように構成することにより、取り付けのための部品点数を減らし、コストダウンを図ることができる。また、コの字状部材35はメインハンドル3と連結されているので、強度的にも強固なフック取付部を実現できる。さらに、フック手段を設けるに当たって、ヒンジやちょうつがいなどを用いずに実現したので強度的にも強固なフック手段を実現きる。
FIG. 17 is a perspective view for explaining the
図18は、フック20の取付後の状態を示す斜視図であり、マフラーガード8を外した状態を示している。この図において、メインハンドル3の後端側の取り付け部3aが、フック取付部により固定されることを理解できるであろう。
FIG. 18 is a perspective view showing a state after the
図19は、フック20を引き出した状態を示す斜視図である。この図から、フック20がリアカバー9よりも十分に引き出されて、吊り下げ用のロープが通し易く配置されることが理解できるであろう。
FIG. 19 is a perspective view showing a state in which the
以上、本発明を示す実施形態に基づき説明したが、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、本願ではチェーンソーについて説明したが、他の小型エンジンを用いる携帯用工具においても同様に適用できる。 As mentioned above, although demonstrated based on embodiment which shows this invention, this invention is not limited to the above-mentioned form, A various change is possible within the range which does not deviate from the meaning. For example, in the present application, the chain saw has been described, but the present invention can be similarly applied to a portable tool using another small engine.
1 チェーンソー 2 ハウジング 3 メインハンドル
3a (メインハンドルの)取付部 4 レフトカバー 5 ライトカバー
6 フロントハンドル 7a セーフティトリガ 7b イグニッションスイッチ
8 マフラーガード 9 リアカバー 9a (リアカバーの)スリット
10 ソーチェーン 11 ガイドバー 12 ハンドガード
13 スターターハンドル 14 燃料タンク 14a キャップ
15 チェーンオイルタンク 15a キャップ 16 チェーンキャッチャー
17a、17b ナット 18 固定ネジ 19a、19b ボルト
20 フック 21 押さえ板 22 ネジ 23 ダンパー
24 ネジ
31、32、33、34 (エンジン固定用)ボルト
31a、32a、33a、34a (エンジン固定用)ボルト穴
31b、32b、33b、34b ネジ穴
35 コの字状部材 35a 上側アーム部 35b 下側アーム部
35c 連結部 36 ネジ穴 37 溝
40 オイルポンプカバー 40a (オイルポンプカバーの)穴
41 横方向ボルト 42 (オイルポンプカバー固定用)ネジ
43 スプロケット 44 遠心クラッチ
50 エンジン 51 クランク軸 52 右側クランクケース
53 左側クランクケース 54 フライホイール 55 シリンダ
56 吸気口 57 排気口
59 点火コイルユニット 60 プラグキャップ 61 点火プラグ
62 ピストン 63 コンロッド 64 クランク
65a、65b、65c ボルト 66 マフラー 67 キャブレター
68 エアフィルター 69 ネジ穴 70 (クランク軸の)軸線
71 上側ボルト連結線 72 下側ボルト連結線
74a、74b クランクケースの幅を示す線
DESCRIPTION OF
31, 32, 33, 34 (For engine fixing)
Claims (9)
前記ハウジングから突出する方向に突出位置と収納位置の間でスライド移動可能なフックを有し、
前記フックは略円形の円環部を有し、
前記フックが収納位置にあるとき前記円環部の少なくとも一部を収納し、一部を外部に露出するスリットが設けられることを特徴とするチェーンソー。 In a chain saw that has a drive source, a housing that houses the drive source, and a guide bar that is attached to the housing, and rotates a saw chain that is wound around the guide bar by the drive source.
Have a slidable hook between the housing position and the projecting position in a protruding direction from the housing,
The hook has a substantially circular ring part,
A chain saw characterized in that when the hook is in the storage position, a slit is provided for storing at least a part of the annular part and exposing a part of the annular part to the outside .
前記フックは前記固定部に対しスライド移動可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のチェーンソー。 The housing has a fixing portion for supporting the hook;
The chain saw according to claim 1, wherein the hook is slidably attached to the fixed portion.
前記フックは、前記コの字状部材に係合することを特徴とする請求項2に記載のチェーンソー。 The fixed portion is constituted by a U-shaped member comprising two parallel arms extending from the housing and a connecting portion for connecting the rear end portions of the arms,
The chain saw according to claim 2, wherein the hook engages with the U-shaped member.
前記フックは前記スリットを貫通して前後方向に移動可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のチェーンソー。 A cover that covers the vicinity of the hook of the housing is attached, and the slit is formed in the cover ,
The chain saw according to any one of claims 1 to 4, wherein the hook is movable in the front-rear direction through the slit.
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