JP5287677B2 - 石英ガラスルツボ用蓋及びこれを用いた石英ガラスルツボの取り扱い方法 - Google Patents

石英ガラスルツボ用蓋及びこれを用いた石英ガラスルツボの取り扱い方法 Download PDF

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Description

本発明は、石英ガラスルツボ、中でも単結晶シリコン製造の引上げ工程に使用する石英ガラスルツボに関し、特に製造された石英ガラスルツボの保管中、搬送中、多結晶シリコンの充填、ボロンやリン等のドーパント等の充填の際に該ルツボ内面への異物の侵入を回避する構造を与えるものである。また、石英ガラスルツボ内にドーパント等を充填する工程において、充填する作業を容易とする構造を与えるものである。
単結晶シリコンを製造するに当って、その原料である多結晶シリコンの溶融に用いる、石英ガラスルツボは、その製造後、洗浄を経てから検査され、合格品は袋詰め等されて出荷されるのが一般的である。
ところで、半導体材料の高純度化に伴い、単結晶シリコンの製造中における各種汚染を抑えることが重要である。なぜなら、石英ガラスルツボ内が粉塵等により汚染されてしまうと、得られる単結晶シリコンにかかる汚染に起因した線状の結晶欠陥である転位が生じ、単結晶が得られないからである。そのことから、石英ガラスルツボの内部の汚染を最小限に抑え、クリーンな環境下にて石英ガラスルツボを使用して単結晶の引き上げを行うにあたり、その使用に先立ってルツボ内を超純水等で洗浄する等、汚染に対する細心の注意が払われている。そのため、まずは、製造したルツボの出荷から使用までの期間においても、粉塵等による汚染を防ぐことが重要である。なお、ここでいう「クリーンな環境」とは、米国のFederal Standard 209Eに規定される、クラス10000(0.0283m中に存在する、0.5ミクロンの粒子が10000個以下)の条件下にある清浄度の極めて高い環境を言うものである。
汚染の原因となる粉塵等には、大気中を浮遊する粉塵や、回転モールド法により石英ガラスルツボを製造した際に、ルツボの外面に付着した原料粉である石英粉等が含まれる。回転モールド法は、石英ガラスルツボの製造方法として一般的なものであり、この製造方法は、回転モールドの内表面に堆積させた石英粉を、モールド空間側から過熱してガラス化することによってルツボを製造する方法であり、該加熱溶融の際にモールド側から石英粉堆積層内の空気を吸引して減圧し、ガラス層内の気泡を除去する真空引きを行うことによって、実質的に気泡を含有しないシリカガラス層からなる内壁部を形成している。このとき、ルツボのモールド側、すなわち外面側には、加熱溶融されなかった石英粉が残留することとなり、かかる石英粉がルツボ内面に入り込むことにより、汚染の原因となっていた。
また、近年は、単結晶シリコンの製造効率を高めるために石英ガラスルツボのサイズが次第に大きくなる傾向にあり、例えば、直径50cm以上の大径のルツボは、相当な重量(直径50cmの場合は約85kg)となることから、作業員一人では取扱いが容易ではなく、例えば、ルツボ製造後の検査や袋詰めなどの作業中にも汚染され易いという問題を有する。また、作業員の人数を増やした場合には、労力及びコストを要することとなり、生産性の観点から問題が生じる。
このような問題を解消するために、石英ガラスルツボの洗浄後に清浄な状態で石英ガラスルツボを機械的に包装することを所期して、洗浄された石英ガラスルツボを清浄状態で自動的にラッピングする装置が、特許文献1に提案されている。
特開2000−219207号公報
特許文献1に記載された装置を用いてラッピングすることによって、洗浄された石英ガラスルツボを清浄状態に保管し、特に出荷時や運搬中における汚染を回避することが可能になったが、かかるラッピングには、高価な装置を必要とし、かつ、ラッピングを再利用することができないことから、ルツボ内の汚染の防止することに要するコストが莫大なものとなっていた。また、ラッピングを取り除いた後の工程、すなわち、ルツボ内へ単結晶シリコンを充填する工程や、その後のドーパント等を充填する工程において、ルツボ内に粉塵等の異物が混入し、ルツボ内が汚染され易いものとなっている。そのことから、安価にて石英ガラスルツボ内の汚染を回避するための方途の提供が希求されている。
そこで、本発明は、安価にて、石英ガラスルツボ内への異物侵入を、ルツボの実際の使用時期までと、実際の使用時において、確実に回避し、汚染されない状態でのルツボの取り扱いを可能にすることを目的とする。
本発明の要旨構成は、次のとおりである。
(1)椀状の底部、及び、該底部から延在し、該底部から離間する側に開口した周壁部からなる有底円筒状の石英ガラスルツボを密閉するための蓋であって、
該石英ガラスルツボの蓋は、該石英ガラスルツボの周壁部の開口側の縁部に着脱自在であり、かつ、ドーパントを該ルツボ内に挿入するための、開閉可能な挿入部を具えることを特徴とする石英ガラスルツボ用蓋。
(2)前記(1)に記載の蓋において、前記挿入部は、前記蓋の内外を連通させる孔と、該孔上に貼着された着脱自在なシールであることを特徴とする石英ガラスルツボ用蓋。
(3)前記(1)または(2)に記載の蓋において、識別子を有することを特徴とする石英ガラスルツボ用蓋。
(4)前記(1)、(2)または(3)に記載の蓋において、該蓋の少なくとも一部が透明であることを特徴とする石英ガラスルツボ用蓋。
(5)前記(1)から(4)のいずれかに記載の蓋において、前記挿入部の少なくとも一部が透明であることを特徴とする石英ガラスルツボ用蓋。
(6)単結晶シリコンを製造するに際し、石英ガラスルツボ内に多結晶シリコンを装入後、該多結晶シリコンの溶融を行うまでの待機期間は、前記(1)から(5)のいずれかに記載の蓋を、前記石英ガラスルツボの周壁部の開口側の縁部に装着することを特徴とする石英ガラスルツボの取り扱い方法。
(7)前記(6)に記載の石英ガラスルツボの取り扱い方法において、前記待機期間後、前記多結晶シリコンを溶融する前に、前記挿入部を開放し、該挿入部を介してドーパントを充填してから、該挿入部を閉塞する工程を更に含むことを特徴とする石英ガラスルツボの取り扱い方法。ここでいう「ドーパント」とは、半導体にドーピングされる不純物のことであり、かかるドーパントの多結晶シリコンへの注入により、N型半導体もしくはP型半導体の作成が可能とするものである。
本発明によれば、回転モールド法により得られた石英ガラスルツボの外面に付着した石英粉のルツボ内面への侵入、ひいては石英ガラスルツボ内への異物の侵入が確実に回避されるため、ルツボの出荷から多結晶シリコンの溶融工程までの期間にわたり、内面が汚染されない状態にて石英ガラスルツボを取り扱うことができる。また、多結晶シリコンやドーパント等を充填する工程において、内面が汚染されない状態にて石英ガラスルツボを取り扱うことができる。更に、ドーパント等を充填する工程において、充填する作業を容易とすることができる。
(a)及び(b)は、本発明に従う蓋及びルツボを示す径方向断面図であり、(c)は、(a)及び(b)に示す蓋の斜視図であり、(d)は、(c)に示す蓋のシールを引き剥した状態を示す斜視図である。 本発明に従う別の蓋を示す斜視図である。 本発明に従う別の蓋を示す斜視図である。 本発明に従う別の蓋を示す斜視図である。 (a)及び(b)は、本発明に従う別の蓋及びルツボの径方向断面図であり、(c)は、(a)及び(b)に示す蓋の斜視図である。 (a)及び(b)は、本発明に従う別の蓋及びルツボの径方向断面図であり、(c)は、(a)及び(b)に示す蓋の斜視図である。 蓋を取り付けたルツボを単結晶の引上げ装置に装着した図である。 ルツボの取り扱いを示すフローチャートである。 ルツボの取り扱いを示す工程図である。 ルツボの取り扱いを示す工程図である。 (a)は、比較のための蓋及びルツボの径方向断面図であり、(b)は、(a)に示す蓋の斜視図である。
以下、本発明の蓋を装着した石英ガラスルツボについて、図面を参照して詳しく説明する。図1(a)に、本発明の蓋を装着前のルツボの径方向断面を示し、同図(b)に蓋を装着後のルツボの径方向断面を示す。なお、ここでいう「ルツボの径方向断面」とは、ルツボの中心軸線を通る任意の位置にて径方向に切断した断面を言うものである。
同図において、符号1は石英ガラス製のルツボ1(以下、単にルツボと示す)であり、符号101はルツボ1の椀状の底部101であり、符号102は、底部101から延在し、かかる底部101から離間する側に開口した周壁部102を示したものである。また、かかるルツボ1の周壁部102の開口側の縁部2に蓋3を装着する。この蓋3は、前記周壁部102の開口側の縁部2と相似の円盤状であり、ルツボ1の周壁部102の開口側の縁部2の外周端2aと密着するフランジ部4を有する。すなわち、蓋3は、図1(b)に示すように、フランジ部4が外周端2aに密着することによってルツボ1の周壁部102の開口側の縁部2に取り付けられる。ここで、フランジ部4の径を、ルツボ1の外径と同等またはやや小さくすることが、周壁部102の開口側の縁部2を隙間なく塞ぐために好ましい。さらに、蓋3をABS樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩ビ、アクリル樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネイトなどの可撓性材から構成することによって、装着時に、蓋3を径方向外側に撓ませることによって、その復元力を利用してフランジ部4を外周端2aに押し付け可能とすることが、蓋3の着脱を確実に行う上で好ましい。


かような構成の蓋3を、ルツボ1の周壁部102の開口側の縁部2に装着すると、蓋3が周壁部102の開口側の縁部2の外周端2a及び周端面2bに密着し、周壁部102の開口側の縁部2が確実に塞がれ、ルツボ1の外面に付着した石英粉や埃等が例えばラッピングに導かれて内部に案内されるような事態は未然に防がれるから、ルツボ内への異物の侵入を確実に回避できる。
また、蓋3には、蓋3の内外を連通する孔5が設けられており、かかる孔5上に孔5を開閉させるためのシール状の開閉部6が取り付けられており、孔5及びシール状の開閉部6により挿入部Sが構成されている。図1に示すシール6は、着脱自在であり、図1(c)に示す取手部分6aを起点に引き剥がすことにより、図1(d)に示すように、孔5が露出して、蓋3の内外が連通することとなる。孔5が内外に連通することにより、蓋3を取り外すことなく、係る孔5を介して、ドーパント等をルツボ1内に充填することができる。蓋3を取り外す必要がなくなることから、ルツボ1内が汚染される危険性も有効に低減させることが可能となる。その後、開閉部6が着脱自在なシール状であることから、再度、孔5上に貼着して、孔5を塞ぐことにより、ルツボ1が密封され、ルツボ1内の汚染を防止することが可能となる。
一方、例えば、蓋3に上記した挿入部7を設けない場合には、多結晶シリコンを充填した後、追加してルツボ1内にドーパント等を充填する都度、蓋3を着脱する必要が生じ、係る着脱の作業は、複数名によらなければ実施することができないことから、生産性を低下させることとなってしまう。然るに、上記したように、孔5及び開閉部6からなる挿入部7を蓋3に設けることにより、蓋3を着脱することなく、ドーパント等をルツボ内に容易に充填することが可能となる。また、開閉部6を開閉して、孔5を介してドーパント等を充填する作業は、一人でも充分に実施し得ることから、生産性の低下を懸念がなくなる。
図2〜4は、この発明に従う別の蓋3A、3B、3Cである。図2に示すように、蓋3Aに、孔5上に円状スライド式の開閉部6Aを取り付けた構成としたり、図3に示すように、蓋3Bに、孔5上に区形状のスライド式の開閉部6Bを取り付けた構成としたり、図4に示すように、蓋3Cに、孔5上に矩形円状折畳み式の開閉部6Cを取り付けた構成等を採用することも可能である。
また、図5に示すように、前記したフランジ部4をルツボ側に向かって2段階にわけて屈曲して径方向外側に延びる段差形状とすることも可能である。かかる屈曲している部分は、径方向内側にある第一の屈曲部4aと、第一の屈曲部4aに対し、径方向外側にある第二の屈曲部4bからなる。図5(b)に示すように、かような構成の蓋3Dを、ルツボ1の周壁部102の開口側の縁部2に装着すると、蓋3Dが周壁部102の開口側の縁部2の外周端2a及び周端面2bに部分的に密着しつつも、周壁部102の開口側の縁部2が確実に塞がれ、かつ、蓋3Dがルツボ1に対し接触する面積が小さくなる。そうすることで、輸送時等に、振動によって仮に蓋3Dがルツボ1に対し移動し、両者の摩擦によりルツボ1及び/又は蓋3Dが摩耗して摩耗粉が生じることとなっても、蓋3Dとルツボ1とが接触している面積が小さいことから、そのことに比例して、発生する摩耗粉の量が減り、ルツボ1内への異物の侵入を更に有効に回避することが可能となる。
また、図5に示すが如く、蓋3Dを外側に突出した形状とすることにより、ルツボ内の空間3aを大きく確保することが可能となり、後述する単結晶シリコンの製造時に多結晶シリコンを山盛りで装入する場合に有利である。かかる蓋3Dは、蓋3Dの上面8が、透明かつレンズ形状を有していることから、ルツボ1内に多結晶シリコンやドーパント等を装入し、蓋3Dをルツボ1に取り付けたとしても、製造時にルツボ1内の状態を詳細に知る上で極めて有効である。このとき、蓋3Dの上面8のレンズとしての機能を損なわせない観点から、ドーパントを充填するための孔5及び開閉部6は、同図の如く、蓋3の側面に設けることが好ましい。
あるいは、図6に示すように、蓋3Eを、外側に突出したカップ形状とし、かつ、その内面に蓋3Eの強化を目的としたビード9を設けることも可能である。かかるビード9は、ビード加工(ひも出し加工とも呼ばれる)により設けられるものである。勿論、蓋の強化を目的として、その他の加工を施すことも可能であることには留意されたい。
加えて、上記した蓋3に、バーコードやQRコードなどの識別子を付与しておくことが好ましい。石英ガラスルツボにバーコードを掘り込んで識別可能としても、図7に示すように、蓋3を取付けたルツボ1を単結晶の引上げ装置Mに装着した後に、ルツボ1内の多結晶シリコン10を加熱、溶融するために、ルツボ1をヒーターにより加熱することから、ルツボ1のロットによる外部からの識別ができなくなるという問題を有する。そのことから、上記構成を採用し、蓋3にバーコードを付与し、かかる蓋3をルツボ1に取り付けた状態にて引上げ装置Mに装着しておけば、石英ガラスルツボをヒーターにより加熱したとしても、ルツボ1の識別が可能となる。ちなみに、従来のラッピングシートにバーコードシールを貼れば、単体での移動は可能となるが、例えばルツボ内に多結晶シリコンを入れるため、一度ラッピングシートを剥がすと、これを再利用できない不利がある。更に、ラッピングシートは、引上げ装置Mのヒーターを用いてルツボ1を過熱した際に溶解してしまうことから、加熱後のルツボ1の識別に使用することができない。
また、昨今急速に普及しつつある、ICタグ等の電子データを内蔵し得る識別子を蓋3に取り付けることも製造上大変に有効である。なぜなら、ICタグ等の電子データを内蔵し得る識別子を蓋3に取り付けて、外部から電気信号を送り込むだけで、ICタグ内に電子データを書き込むことができ、かかる電子データに基づき、ルツボ内に装入する材料を容易に識別することが可能となるからである。これにより、ルツボ1の管理も容易となり、所望されるルツボ1の取り扱いが容易となる。また、ICタグ等の電子データを内蔵し得る識別子は、何度も使いまわすことができることから、製造コスト削減の観点からも好ましい。
なお、ルツボ1の周壁部102の開口側の縁部2に装着した蓋3を外して該ルツボ1を使用に供する際、例えばルツボ1内に多結晶シリコン(Si)を充填するに当たって装着した蓋3を外す際には、一度ルツボ1を反転させて、その周壁部の開口側の縁部を鉛直下向きにしてから、蓋3を外すことが好ましい。このように蓋3を外す際のルツボ1の周壁部の開口側の縁部を下向きにすることによって、蓋3の表面に付着した、石英粉や埃などの異物の侵入を回避することができる。
また、石英ガラスルツボ用の蓋は、洗浄することにより繰り返し使用可能である。現状のシートは洗浄困難のため、使い捨てが通常である。そして、蓋は、洗浄可能であることから、その清浄度を高めて提供することができる。ここで、蓋の清浄度としては、該蓋の少なくとも内面の金属成分の付着量を0.05ng/cm以下にすることが、ルツボ内面の清浄度を高める上で好ましい。
なお、蓋の清浄度は、蓋の内面などの測定対象面に塩化水素(HCL)水溶液を塗布し、該塗布液を回収し、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)により測定することができる。ここで、測定対象となる金属元素は、Na,K,Li,Al,Ca,Co,Cr,Cu,Fe,Mg,Mn,Ni,Ti,Zn,Zr,BaおよびP等である。
次に、図8のフローチャートを参照しつつ、多結晶シリコンの溶融を開始する前までの一般的な工程を説明する。まず、例えば、包装済みの多結晶シリコンやドーパント等の単結晶シリコンを製造するために必要な原料、該原料を溶融するための石英ガラスルツボ及びカーボンルツボを準備する。次いで、石英ガラスルツボの外面を包装しているラッピングを取り除く、ルツボ内面の汚染等に関する性状を検査する。汚染等の問題が検出されず検査に合格した場合には、かかる石英ガラスルツボをカーボンルツボにセットする。そして、上記した包装された単結晶シリコンなどの原料を開封し、その性状について検査する。検査に合格した場合には、石英ガラスルツボ内に単結晶シリコンを充填する。次いで、即座にドーパント等を充填することも可能だが、必要に応じて、ドーパント等を充填する前段階で、一旦待機させることも可能である。ドーパント等の充填後、即座に石英ガラスルツボ及びカーボンルツボを、溶融を行うための引き上げ装置内に組み込むこともできるが、必要に応じて、引き上げ装置内に組み込む前段階で、一旦待機させることも可能である。上記したフローチャートに示す基本的な工程を踏まえつつ、本発明に従う蓋3を用いた場合を以下に説明する。
本発明に従う蓋3Eを用いることによって、以下に示すルツボの取り扱いが可能になる。すなわち、図8に示すように、単結晶シリコンを製造する際、まず、図9(a)に示すように、蓋3Eを装着して出荷されてきたルツボ1は、図9(b)に示すように蓋3Eを外してから、図9(c)に示すように、ルツボ1内に多結晶シリコン10を装入し、直ちに、図9(d)に示すように、ルツボ1の周壁部102の開口側の縁部2に蓋3Eを装着する。その後は、蓋3Eの装着によってルツボ1の内部を外界と遮断した、図9(e)に示す状態のまま保管することによって、多結晶シリコン10の溶融を行うまでの待機期間を、ルツボ1内の原料シリコンが汚染されない状態に保持することができる。
その後、図10に示すように、ドーパントを充填する際、まず、図10(a)に示すように、蓋3Eの孔5上に貼着されたシール状の開閉部6を引き剥がして、孔5を露出させ、図10(b)に示すように、該露出した孔5を介してドーパントを充填する。そして、図10(c)に示すように、密封性を確保して汚染を防止するために、開閉部6を孔5上に貼着する。ルツボ1の内部を外界と遮断した図10(c)に示す状態のまま保管することによって、多結晶シリコン10の溶融を行うまでの待機期間を、ルツボ1内の原料シリコン及びドーパントが汚染されない状態に保持することができる。充填されるドーパントは、単結晶シリコンに所望される性質に応じて、窒化珪素、炭素等とすることが可能である。
ここで、ルツボ1内に原料シリコンを装入したことを石英ガラスルツボ用蓋3の装着状態にて視認可能なように、蓋3の少なくとも一部を透明又は半透明にして、ここをのぞき窓とすることが好ましい。勿論、蓋3全体を透明材料から作製することも可能である。かように、ルツボ1内の視認が容易であるなら、シリコン原料を装入済みのルツボと、中身が空のるつぼとの区別が容易につき便利である。あるいは、開閉部6の少なくとも一部を透明又は半透明にして、孔5を介するのぞき窓とすることが好ましい。勿論、開閉部6全体を透明材料から作製することも可能である。かように、ルツボ1内の視認が容易であるなら、シリコン原料を装入済みのルツボと、中身が空のるつぼとの区別が容易につき便利である。蓋3及び/又は開閉部6を透明又は半透明とする際の材質としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などが好適である。
なお、上述したところはこの発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を交互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。
(実験1)
次に、図6に示す挿入部を具える蓋をルツボの周壁部の開口側の縁部に装着した際において、単結晶シリコンを充填する前の、ルツボ内面に混入する石英粉数および単結晶化成功本数について、調査した。また、比較として、ルツボをラッピングシートにて被覆する場合と、ルツボの周壁部の開口側の縁部をそのまま開放した場合とについても、同様の調査を行ったその調査結果を、表1に示す。
ここで、ルツボ内面に混入する石英粉数は、単結晶シリコン製造の引き上げ工程へ搬送され、多結晶シリコンを充填する前に、当該蓋を外し、目視にてルツボ内面に付着していた石英粉及び石英片の個数を測定したものであります。なお、個数の単位は、「個」とする。また、単結晶化成功本数は、1回の引上げにて得られる高品質の単結晶の本数を調べたものであります。
Figure 0005287677
(※)測定条件:単結晶シリコン製造の引上げ工程への搬送後確認
(実験2)
次に、図6に示す挿入部を具える蓋をルツボの周壁部の開口側の縁部に装着した際において、単結晶シリコンを充填し、製品となる結晶領域のTOP部位の狙い抵抗率が10Ωcmとなる量のボロンをドーパントとして充填した後の、ルツボ内面に混入する石英粉数および結晶収率について、調査した。また、比較として、図11に示すような、挿入部を具えない蓋を採用した場合と、ルツボの周壁部の開口側の縁部をそのまま開放した場合とについても、同様の調査を行ったその調査結果を、表2に示す。
Figure 0005287677
(※)測定条件:原料溶解後に表面に浮遊した石英粉を確認(10バッチ分を集計)
1 ルツボ
101 底部
102 周壁部
2 周壁部の開口側の縁部
2a 周壁部の開口側の縁部の外周端
2b 周壁部の開口側の縁部の周端面
3、3A、3B、3C、3D、3E (石英ガラスルツボ用)蓋
4 フランジ部
5 孔
6、6A、6B、6C 開閉部
7、7A、7B、7C 挿入部
8 蓋の上面
9 ビード
10 多結晶シリコン

Claims (6)

  1. 椀状の底部、及び、該底部から延在し、該底部から離間する側に開口した周壁部からなる有底円筒状の石英ガラスルツボを密閉するための蓋であって、
    該石英ガラスルツボの周壁部の開口側の縁部の外周端と密着するフランジ部と、ドーパントを該ルツボ内に挿入するための、開閉可能な挿入部を具え、
    前記挿入部は、前記蓋の内外を連通させる孔と、該孔上に貼着された着脱自在なシールを有し、
    該蓋は、可撓性を有する樹脂からなり、
    該蓋の少なくとも一部が透明であることを特徴とする石英ガラスルツボ用蓋。
  2. 請求項1に記載の蓋において、該挿入部の少なくとも一部が透明であることを特徴とする石英ガラスルツボ用蓋。
  3. 請求項1又は2に記載の蓋において、識別子を有することを特徴とする石英ガラスルツボ用蓋。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓋において、前記フランジ部は、ルツボ側に向かって2段階に屈曲して径方向外側に延びる段差形状を有するものであって、
    径方向内側に位置し、前記周壁部の開口側の縁部の周端面に接触する第1の屈曲部と、
    径方向外側に位置し、前記周壁部の開口側の縁部の前記外周端に接触する第2の屈曲部を有することを特徴とする石英ガラスルツボ用蓋。
  5. 単結晶シリコンを製造するに際し、石英ガラスルツボ内に多結晶シリコンを装入後、該多結晶シリコンの溶融を行うまでの待機期間は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓋を、前記石英ガラスルツボの周壁部の開口側の縁部に装着することを特徴とする石英ガラスルツボの取り扱い方法。
  6. 請求項5に記載の石英ガラスルツボの取り扱い方法において、前記待機期間後、前記多結晶シリコンを溶融する前に、前記挿入部を開放し、該挿入部を介してドーパントを充填してから、該挿入部を閉塞する工程を更に含むことを特徴とする石英ガラスルツボの取り扱い方法。
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