JP5285402B2 - 傘 - Google Patents
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Description
ところで、このような従来の傘においては、例えば、強風が吹く状況下での使用中に風が傘内部に入り込むと、傘シートの内面に作用する風圧によって、該傘が吹き飛ばされたり親骨が反転して破損したりする虞があった。
なお、本発明の好ましい実施形態においては、上記シート片が布素材から成っていて、上記傘シートが互いに隣合う該シート片の接合代を両面側からバイアステープで挟持すると共に、これらシート片及びバイアステープを相互に縫合して接合することにより形成されている。
この傘1は、ビニール、ポリオレフィン等の合成樹脂製で柔軟性を有する傘シート2と、該傘シート2が張設された金属製の傘骨4とからなっている。
そして、図1に示すように、上記傘骨4は、基端部に柄6が取り付けられた直線状の軸棒5と、該軸棒5の先端部に固着された上ろくろ7と、上記軸棒5に対し、その軸に沿って摺動自在に外嵌された摺動ろくろ8と、上記上ろくろ7から放射状に延びて上記傘シート2が張設された複数本の親骨9と、一端が該親骨9に連結されるとともに他端が上記摺動ろくろ8に連結されて、該各親骨9を支持するための複数本の受骨10とを有している。
上記軸棒5は、細長い金属製の丸棒であって、上記上ろくろ7は、円盤状に形成され該軸棒5の先端部に貫通固定されている。この上ろくろ7の外周には、上記複数本の親骨9の基端が、それぞれ上記軸棒5の軸に対し回動自在に連結されており、これら親骨9は、上記上ろくろ7の軸を中心として、等角度間隔に放射状に設けられている。なお、本実施形態では上記親骨9の本数は計8本で構成されているが、これに限るものではない。
上記摺動ろくろ8は、上記軸棒5に対し上記上ろくろ7と柄6との間において外嵌されてた第1摺動ろくろ8aと第2摺動ろくろ8bとを有しており、これら2つの摺動ろくろ8a,8b間は、上記上ろくろ7側に付勢された圧縮コイルばね11により連結されている。
また、上記第2摺動ろくろ8bの外周には、上記受骨10と同じ本数の支持骨12の一端が、それぞれ上記軸棒5の軸に対し回動自在に連結されている。該支持骨12は、上記各受骨10を支持するためのもので、該受骨10の角度位置に対応させて放射状に配されており、該支持骨12の他端は、上記受骨10に対しその長さ方向の中間位置において、回動自在に連結されている。
一方、傘1を閉じるにあたっては、上記圧縮コイルばね11の弾発力に抗して上記摺動ろくろ8を柄6側に移動させると、それに伴って、支持骨12及び受骨10が畳まれるとともに、該受骨10を介して各親骨9も畳まれていく。
また、上記摺動ろくろ8には、上記第2摺動ろくろ8bの下端部に、使用者が把持し該摺動ろくろ8を軸棒5の軸に沿って摺動させるためのスライド部13が一体に設けられている。そして、該スライド部13には、後述するハジキ15に係脱可能で、傘1を窄めた状態において、上記摺動ろくろ8を軸棒5に対し固定するための固定孔13aが形成されている。
一方、上記軸棒5における上記摺動ろくろ8と柄6との間には、図示しないばねの弾発力により該軸棒5内に対し出没可能なハジキ15が突設されていて、このハジキ15を上記スライド部13に開設された固定孔13aに係合させることにより、傘1を不使用時に窄めた状態に保持することができるようになっている。
なお、上記軸棒5はその先端に石突き5aを有しており、該石突き5aと上記上ろくろ7との間に傘シート2の中心が挟持され固定されている。また、上記親骨9の先端には、上記傘シート2の周縁に固定されたキャップ部材2aが被せられ、それにより、傘シート2の周縁が親骨9の先端に固定されている。
そして、図4及び図5に示すように、該スリット19は、通常の使用時には上記縁片20の内面同士が当接して閉じているが、強風下での使用時に該傘1の内側に風が吹き込んで該傘シート2の内面に風圧が作用した際には該縁片20が離反して開口し、その風が傘1の外側すなわち傘シート2の外面側へと通り抜けるのを許容するように構成されている。そのため、たとえ傘シート2の内面に風圧が作用しても、その風圧を緩和することができ、傘1が風で煽られて飛ばされたり壊れたりするのを防止することができる。また、上記一対の縁片20が傘シート2の外面側に突出していて、しかも、寝た状態となり易いため、傘シート2の外面側からの雨風の侵入を阻止することができる。
また、該スリット9は、同じく図2に示すように、傘シート2における、上記親骨9と受骨10との連結点Aに対応する位置を相互に結んだ円形領域B内で、該連結点A側に偏寄させて配されていると、風圧を効率的に緩和することができて望ましいが、それに限られることなく、傘シート2の大きさ等に応じて、当該領域B外に形成したり、その両方に形成したりしても良い。
また、上記スリット19の長さすなわち縁片20の長さlは、親骨9の長さの約6〜7%(例えば、親骨9が60cmである場合、約4cm前後)であることが望ましいが、特にそれに限られることなく、傘シート2の大きさや、開設するスリット9の数等に応じて適宜に設定することが可能である。
ところで、上記接合代18は、図3(a)に示すように、その一部に溶着されていない所定長さの非接合部18aを介在させて、互いに接合されている。また、該非接合部18aにおける一対の接合代18の先端には、それぞれ該接合代18を一体に延長して成る舌片21が設けられている。そして、これら非接合部18aにおける一対の接合代18及び舌片21により、上記スリット19の一対の縁片20が形成されている。なお、上記舌片21は、必ずしも必要ではなく、接合代18の高さが十分に確保されている場合には、図3(b)に示すように、上記非接合部18aにおける一対の接合代18のみにより、上記スリット19の一対の縁片20を形成しても良い。
本実施形態に係る傘30は、例えば、日光を遮る日傘或いは大型のビーチパラソル等に利用されるもので、上記第1の実施形態に係る傘1と同様に、傘シート2と傘骨4とから構成されているが、該傘シート2が柔軟性を有する布素材から成っている。該傘シート2は、略二等辺三角形状で互いに同形同大に形成された複数枚の布製シート片3を、互いに縫合により接合することにより形成されている。具体的には、該傘シート2は、図7に示すように、互いに隣接するシート片3における該接合代18を、共に傘シート2の外面側に立ち上げて互いに突き合わせた状態で、これら一対の接合代18をバイアステープ31で両面側から挟持して被覆し、それらを互いに縫合で接合することにより形成されている。
例えば、傘シート2及びシート片3を形成する材料については、上述のようなビニール、ポリオレフィン等の合成樹脂や布素材に限定されず、布素材と合成樹脂フィルムとの積層体等であっても良く、傘の用途に応じて適切な材料を採用することができる。また、傘骨4を構成する軸棒5、親骨9及び受骨10等の各部材についても、金属、合成樹脂を問わず、必要に応じて、FRP、カーボン又は木等の様々な材料により形成することが可能である。さらに、上記各実施形態においては、傘骨4として、圧縮コイルばね11の弾発力を利用して展開される構造を有するものを例示したが、それに限られるものではなく、一般的な手動で開閉される構造を有する傘骨をはじめ各種形態の傘骨を採用することができるのは勿論である。
2 傘シート
3 シート片
4 傘骨
5 軸棒
6 柄
7 上ろくろ
8 摺動ろくろ
9 親骨
10 受骨
18 接合代
18a 非接合部
19 スリット
20 スリットの縁片
21 舌片
A 親骨と受骨との連結点
B 傘シートの円形領域
Claims (6)
- 略三角形状の複数のシート片から成る傘シートと、該傘シートが張設された傘骨とを有していて、
上記傘シートは、互いに隣合うシート片の側縁同士を接合代で互いに接合することにより形成され、
上記傘骨は、基端部に柄を有する軸棒と、該軸棒の先端部に連結されて放射状に延びるとともに、上記傘シートの内面に取り付けられた複数本の親骨とを有しており、
上記傘シートには、放射方向に延びるスリットが開設されていて、
上記スリットが、上記傘シートの外面側に立ち上げて互いに突き合わせた一対の縁片を含んで形成されており、
上記傘シートが、互いに隣合うシート片の上記接合代を、共に傘シートの外面側に立ち上げて互いに突き合わせた状態で接合することにより形成されていて、該接合代の一部を非接合部とすることで、該非接合部の接合代により上記スリットの縁片の少なくとも一部が形成されており、
上記一対の縁片が上記傘シートの内面側から作用する風圧により互いに離反して、上記スリットが開口し、上記傘シートの外面側への風の通り抜けを許容するように構成されている、
ことを特徴とする傘。 - 上記親骨が、上記スリットに沿って配されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の傘。 - 上記シート片が合成樹脂から成っていて、上記傘シートが互いに隣合う該シート片の接合代を相互に熱溶着して接合することにより形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の傘。 - 上記スリットが、上記傘シートに対し等角度間隔に開設されており、
上記傘骨が、上記親骨の中間部にそれぞれ連結されて該親骨を支持するための複数本の受骨を有していて、
上記スリットが、上記傘シートにおける、上記親骨に対する受骨の連結点を相互に結んだ円形の領域内に形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の傘。 - 上記スリットの各縁片が、上記非接合部における接合代の先端を一体に延長して成る舌片を含んで形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の傘。 - 上記シート片が布素材から成っていて、上記傘シートが互いに隣合う該シート片の接合代を両面側からバイアステープで挟持すると共に、これらシート片及びバイアステープを相互に縫合して接合することにより形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の傘。
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