≪第1実施形態≫
[デジタル放送システムの概要]
最初に、図1を参照して、第1実施形態に係るデジタル放送システム(メッセージ配信システム)SAの構成の概要について説明する。
デジタル放送システムSAは、複数の放送事業者A,B,…が有するデジタル放送送信装置1A(1),1A(1),…と、各家庭等に設置されたデジタル放送受信装置5A(5),5A(5),…とで構成され、デジタル放送送信装置1Aからデジタル放送で送信されるコンテンツ(放送番組)をデジタル放送受信装置5Aにおいて受信し、視聴者が視聴するシステムである。なお、放送波Wは、地上デジタル放送、衛星放送、ケーブル放送等、無線、有線を問わない。
このデジタル放送システムSAでは、デジタル放送受信装置5A,5A,…が予め固有の識別子(個別識別子ID2〔ID21,ID22,…〕)を有している。そして、デジタル放送受信装置5Aが個別識別子ID2をデジタル放送送信装置1Aに通知することで、デジタル放送送信装置1Aから放送波Wを介してデジタル放送受信装置5A宛の個別のメッセージ情報を送信することを可能にしている。また、デジタル放送システムSAは、個々のデジタル放送受信装置5A,5A,…に対して、任意の単位のグループで一度にメッセージ情報を送信したいという要望に応えることができるように、個々のデジタル放送受信装置5A,5A,…をグループ化することを可能にしている。なお、以下の実施形態においても、この基本的特徴は同一である。
デジタル放送送信装置1Aは、放送波Wを介して、コンテンツをデジタル放送受信装置5Aに送信するものである。また、デジタル放送送信装置1Aは、個別識別子ID2を宛先として、個々のデジタル放送受信装置5Aに対して、放送波Wを介してメッセージ情報を送信する機能を有する。さらに、デジタル放送送信装置1Aは、個々のデジタル放送受信装置5Aをグループ化し、特定のグループにメッセージ情報を送信する機能を有する。
デジタル放送受信装置5Aは、放送波Wを介してコンテンツを受信するものである。なお、デジタル放送受信装置5A内には、予め個別識別子ID2が設定されている。この個別識別子ID2をデジタル放送送信装置1Aに通知し、登録することで、デジタル放送受信装置5Aは、デジタル放送送信装置1Aから放送波Wを介して送信される個別識別子ID2宛のメッセージ情報を取得する機能を有する。
なお、ここでは、デジタル放送受信装置5Aの有する個別識別子ID2は、視聴者によって、電話等によって、放送事業者に通知され、デジタル放送送信装置1Aに登録されるものとする。
次に、図2を参照して、第1実施形態に係るデジタル放送システムの動作の概要について説明する。
まず、視聴者は、デジタル放送受信装置5Aの表示画面に表示される個別識別子ID2を、電話、ハガキ、インターネット等によって、放送事業者に通知する(ステップSA1)。そして、放送事業者が、デジタル放送送信装置1Aに個別識別子ID2を登録する。そして、デジタル放送送信装置1Aは、以降の動作において、個別のデジタル放送受信装置5Aを個別識別子ID2によって特定し、個別のメッセージ(個別メッセージ)を送信することができる。
また、放送事業者がデジタル放送受信装置5Aを所定のグループに分けて管理したい場合、例えば、放送チャンネルの契約の有無、視聴地域等でデジタル放送受信装置5Aをグループ化したい場合、デジタル放送送信装置1Aは、個別識別子ID2を宛先とした個別メッセージで、デジタル放送受信装置5Aにグループの種別を特定するメッセージ制御情報を送信する(ステップSA2)。そして、デジタル放送送信装置1Aは、すべてのデジタル放送受信装置5Aに共通のメッセージである共通メッセージ内に、宛先としてメッセージ制御情報を記述し、メッセージ情報を送信する(ステップSA3)。これによって、共通メッセージであっても、メッセージ制御情報でグループ化されたデジタル放送受信装置5Aのみが、当該メッセージ情報を受信することになる。
このように、第1実施形態に係るデジタル放送システムSAは、デジタル放送受信装置5Aが、予め固有の個別識別子ID2を有し、放送事業者側に通知するため、従来のCASカード等のようなICカードを個別に受信装置ごとに配布する必要がなく、ICカードの識別子(カード番号)管理を行う必要がない。
以下、第1実施形態に係るデジタル放送システムSAにおけるデジタル放送送信装置1Aおよびデジタル放送受信装置5Aの構成および動作について詳細に説明する。
[デジタル放送送信装置の構成]
まず、図3を参照(適宜図1参照)して、第1実施形態に係るデジタル放送送信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送送信装置1Aは、個別識別子登録手段10と、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13と、識別子記憶手段14と、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16と、放送送信手段17と、を備えている。なお、図3では、デジタル放送受信装置5Aを識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送送信装置の機能、例えば、コンテンツ配信に関連する構成については図示を省略している。
個別識別子登録手段10は、デジタル放送受信装置5A固有の識別子である個別識別子ID2と視聴者の個人情報PDとを入力し、記憶手段(識別子記憶手段14)に識別子データベースとして登録するものである。例えば、個別識別子登録手段10は、デジタル放送送信装置1Aを操作するオペレータによって、視聴者から電話、ハガキ、インターネット等によって通知された個別識別子ID2と視聴者の個人情報PDとを、キーボード等の入力手段(図示せず)により入力されることで、個別識別子ID2を個人情報PDと対応付けて識別子記憶手段14に書き込み記憶(登録)する。ここで、個人情報PDは、視聴者(使用者)を特定する情報であって、例えば、視聴者の氏名、住所、電話番号等である。
さらに、個別識別子登録手段10は、入力された個別識別子ID2を個別メッセージ生成手段16のメッセージ制御情報通知生成手段161に出力する。なお、このメッセージ制御情報通知生成手段161への出力は、個別識別子ID2を入力された段階で、デジタル放送受信装置5Aに登録を受け付けた旨の個別メッセージを配信するためである。
メッセージ情報記憶手段11は、デジタル放送受信装置5Aに送信するメッセージ情報Msgを記憶するもので、ハードディスク等の一般的な記憶媒体である。このメッセージ情報Msgは、コンテンツ以外にデジタル放送受信装置5Aに通知するデータであって、その内容は特に限定するものではない。例えば、画面上にスーパーインポーズ表示するテキスト、メール等のデータである。
このメッセージ情報記憶手段11に記憶されるメッセージ情報Msgは、入力手段(図示せず)を介して入力され、共通メッセージ生成手段15のメッセージ情報通知生成手段151によって読み出され利用される。なお、予めメッセージ情報Msgを送信する日時等が放送番組(コンテンツ)等により定まっている場合は、放送番組の配信時間に対応付けてメッセージ情報Msgを記憶しておく。
メッセージ制御情報記憶手段12は、デジタル放送受信装置5Aに送信するメッセージ制御情報Mcを記憶するもので、ハードディスク等の一般的な記憶媒体である。このメッセージ制御情報Mcは、デジタル放送受信装置5Aに蓄積させる情報であって、デジタル放送受信装置5Aに対してメッセージ情報Msgの取得、処理等を制御するための情報である。例えば、このメッセージ制御情報Mcによって、デジタル放送受信装置5Aがメッセージ情報Msgを取得するか否かを制御することができる。
具体的には、メッセージ制御情報Mcとして、放送チャンネルの視聴契約の有無、視聴地域等で固有の値を予め定めておく。例えば、メッセージ制御情報Mcを、“0x0000”〜“0xFFFF”の2バイトデータで管理し、“0x0000”が「放送チャンネル契約なし」、“0x0001”が「放送チャンネル契約あり」と予め定めておく。このようなメッセージ制御情報Mcを用いることで、「放送チャンネル契約なし」のデジタル放送受信装置5Aにおいて当該放送チャンネルが選択された場合、メッセージ情報Msgとして、契約されていない旨のメッセージを表示させる等の制御を行うことができ、デジタル放送受信装置5Aをグループ化することができる。
このメッセージ制御情報記憶手段12に記憶されるメッセージ制御情報Mcは、入力手段(図示せず)を介して入力され、メッセージ制御情報通知生成手段161によって読み出され利用される。なお、メッセージ制御情報記憶手段12には、放送チャンネルの視聴契約により設定する値、放送番組(コンテンツ)ごとの視聴契約により設定する値等、複数の値をメッセージ制御情報Mcとして記憶しておくことができる。
メッセージ制御情報個別更新手段13は、デジタル放送受信装置5Aに記憶させたメッセージ制御情報Mcを、個別に更新するものである。ここでは、メッセージ制御情報個別更新手段13は、外部から入力手段(図示せず)を介して、更新の対象となるデジタル放送受信装置5Aの個別識別子ID2と、新たなメッセージ制御情報Mcとを入力し、個別メッセージ生成手段16に対して、メッセージ制御情報Mcをデジタル放送受信装置5Aに送信する個別メッセージを生成する旨を指示する。
これによって、例えば、あるデジタル放送受信装置5Aに登録されているメッセージ制御情報Mcが、「放送チャンネル契約あり(0x0001)」となっている状態で、視聴契約を解除する場合、メッセージ制御情報個別更新手段13は、このデジタル放送受信装置5Aに対応する個別識別子ID2と、「放送チャンネル契約なし」を示すメッセージ制御情報Mc(0x0000)とを入力されることで、個別メッセージにより、個別識別子ID2に対応するデジタル放送受信装置5Aのメッセージ制御情報Mcを、「放送チャンネル契約なし(0x0000)」に更新することができる。
識別子記憶手段14は、個別識別子登録手段10により入力された個別識別子ID2を記憶(登録)するものであって、ハードディスク等の一般的な記憶媒体である。この識別子記憶手段14は、個別識別子ID2ごとに、視聴者の個人情報PDを対応付けてデータベース化するものとする。なお、識別子記憶手段14のデータベースには、個別識別子登録手段10によって個別識別子ID2が登録されるまでは、識別子と認識されない予め定めた初期値が設定されているものとする。
共通メッセージ生成手段15は、デジタル放送受信装置5Aに共通に送信するメッセージ(共通メッセージ)を生成するものである。ここでは、共通メッセージ生成手段15は、メッセージ情報通知生成手段151を備えている。
メッセージ情報通知生成手段151は、メッセージ情報Msgをデジタル放送受信装置5Aに送信するためのメッセージを共通メッセージとして生成するものである。このメッセージ情報通知生成手段151で生成された共通メッセージは、放送送信手段17に出力される。
ここでは、メッセージ情報通知生成手段151は、メッセージ制御情報Mcを宛先、メッセージ情報Msgを内容としたメッセージ(メッセージ情報通知)を生成する。すなわち、メッセージ情報通知生成手段151は、同じメッセージ制御情報Mcを保持しているデジタル放送受信装置5Aに対して共通のメッセージを生成する。
なお、メッセージ情報通知生成手段151は、入力手段(図示せず)を介して、メッセージ制御情報Mc、メッセージ情報Msgを入力されることで、共通メッセージを生成することとしてもよいし、時刻に応じて、メッセージ情報記憶手段11に記憶されているメッセージ情報Msgや、メッセージ制御情報記憶手段12に記憶されているメッセージ制御情報Mcを読み出して共通メッセージを生成することとしてもよい。
個別メッセージ生成手段16は、個々のデジタル放送受信装置5Aに個別に送信するメッセージ(個別メッセージ)を生成するものである。ここでは、個別メッセージ生成手段16は、メッセージ制御情報通知生成手段161を備えている。
メッセージ制御情報通知生成手段161は、メッセージ制御情報Mcをデジタル放送受信装置5Aに送信するためのメッセージを個別メッセージとして生成するものである。このメッセージ制御情報通知生成手段161で生成された個別メッセージは、放送送信手段17に出力される。
ここでは、メッセージ制御情報通知生成手段161は、個別識別子ID2を宛先、メッセージ制御情報Mcを内容としたメッセージ(メッセージ制御情報通知)を生成する。すなわち、メッセージ制御情報通知生成手段161は、個別識別子ID2を保持しているデジタル放送受信装置5Aに対して個別のメッセージ(メッセージ制御情報通知)を生成する。このメッセージ制御情報Mcがデジタル放送受信装置5Aに送信されることで、個々のデジタル放送受信装置5Aは、メッセージ制御情報の値に応じてグループ化されることになる。
このメッセージ制御情報通知生成手段161は、入力手段(図示せず)を介して、メッセージ制御情報Mc、個別識別子ID2を入力された段階で、個別メッセージを生成することとしてもよいし、予めメッセージ制御情報記憶手段12に、メッセージ制御情報Mcの配信時刻や配信先を記述したタイムテーブルを記憶しておき、そのタイムテーブルに従って、個別メッセージを生成することとしてもよい。
ここでは、メッセージ制御情報通知生成手段161は、個別識別子登録手段10から、個別識別子ID2を入力された段階で、メッセージ制御情報記憶手段12から、予め定めたメッセージ制御情報Mcを読み出して、個別メッセージを生成することとする。例えば、メッセージ制御情報通知生成手段161は、個別識別子ID2を入力された段階で、放送チャンネルの視聴契約がされたことを示す値(「放送チャンネル契約あり(0x0001)」)をメッセージ制御情報記憶手段12から読み出し、個別メッセージを生成する。
さらに、メッセージ制御情報通知生成手段161は、メッセージ制御情報個別更新手段13から、個別識別子ID2で示されるデジタル放送受信装置5Aに新たなメッセージ制御情報Mcを送信する旨の通知が入力された場合、入力された個別識別子ID2およびメッセージ制御情報Mcを用いて個別メッセージを生成する。これによって、デジタル放送受信装置5Aに新たなメッセージ制御情報Mcが登録されることになる。
また、ここでは、図示を省略するが、個別識別子ID2宛にメッセージ情報Msgを送信するための個別メッセージを生成する個別メッセージ情報通知生成手段を個別メッセージ生成手段16に備える構成としてもよい。
ここで、図49,50,53,54を参照(適宜図3参照)して、共通メッセージ生成手段15のメッセージ情報通知生成手段151および個別メッセージ生成手段16のメッセージ制御情報通知生成手段161において生成される各メッセージのフォーマットについて説明する。
メッセージ情報通知生成手段151は、図49(a)に示すように、メッセージの宛先を「メッセージ制御情報(Mc)」、メッセージの内容を「メッセージ情報(Msg)」として、共通メッセージであるメッセージ情報通知を生成する。
また、メッセージ情報通知生成手段151は、メッセージ情報通知を、図50に示すように、メッセージ情報Msg以外に、受信機種別PKにより、メッセージ情報Msgを受信するデジタル放送受信装置5Aを区分することとしてもよい。この受信機種別PKは、デジタル放送受信装置5Aの種別を示すもので、例えば、図50(a)に示すように、「00:固定テレビ(液晶、PDP等)」、「01:チューナのみ」、「02:移動体テレビ」、「03:携帯電話テレビ」、「04:パソコンテレビ(USB型等)」、「05:録画機器」、「06〜99:未定義」等である。
また、この受信機種別PKは、図50(b)に示すように、ビットごとに種別を割り当てることとしてもよい。これによって、複数の種別を一度に指定することができる。
なお、この受信機種別PKは、メッセージ情報通知を生成する際に、外部から入力することとしてもよいし、予めメッセージ情報記憶手段11にメッセージ情報と対応付けておいてもよい。
このようなメッセージ情報通知のフォーマットは、放送波Wで配信するストリームデータをMPEG−2 TS(トランスポートストリーム)とした場合、社団法人電波産業会(ARIB)のSTD−B25で規格化されているEMM(Entitlement Management Message)共通メッセージのデータ形式としてもよい。
すなわち、メッセージ情報通知生成手段151は、図53に示すように、EMM共通メッセージセクション構造のEMMメッセージセクションヘッダ内の領域R1に、メッセージ制御情報Mcを記述し、EMMメッセージ本体のメッセージコード本体の領域R2にメッセージ情報Msgを記述することで、共通メッセージを生成する。
メッセージ制御情報通知生成手段161は、図49(b)に示すように、メッセージの宛先を「個別識別子(ID2)」、メッセージの内容を「メッセージ制御情報(Mc)」として、個別メッセージであるメッセージ制御情報通知を生成する。
このメッセージ制御情報通知のフォーマットは、STD−B25で規格化されているEMM個別メッセージのデータ形式としてもよい。
すなわち、メッセージ制御情報通知生成手段161は、図54に示すように、EMM個別メッセージセクション構造のEMMメッセージ本体(1,2,…,N)の識別子情報領域R3に、個別識別子ID2を記述し、EMMメッセージ本体(1,2,…,N)のメッセージコード領域R4にメッセージ制御情報Mcを記述することで、個別メッセージを生成する。
図3に戻って、デジタル放送送信装置1Aの構成について説明を続ける。
放送送信手段17は、共通メッセージ生成手段15で生成された共通メッセージと、個別メッセージ生成手段16で生成された個別メッセージとをストリームデータとして、送信アンテナ(図示せず)を介して、放送波Wにより、デジタル放送受信装置5Aに送信するものである。例えば、放送送信手段17は、MPEG−2 TS(トランスポートストリーム)システムを用いて、各メッセージを多重化して送信する。なお、放送送信手段17は、共通メッセージ、個別メッセージ以外にも、一般的なデジタル放送送信装置と同様に、コンテンツ(放送番組)、番組特定情報(PSI:Program Specific Information)、番組配列情報(SI:Service Information)等を多重化したストリームを生成し、デジタル放送受信装置5Aに送信する。
このように、デジタル放送送信装置1Aは、従来のCASカードのカード番号のように、放送事業者において、予め受信装置ごとに固有の識別子を管理しておく必要がない。
なお、デジタル放送送信装置1Aは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ送信プログラム)により動作させることができる。
[デジタル放送受信装置の構成]
次に、図4を参照(適宜図1参照)して、第1実施形態に係るデジタル放送受信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送受信装置5Aは、放送受信手段50と、共通メッセージ処理手段51と、個別メッセージ処理手段52と、記憶手段53と、表示手段54と、初期化手段55と、を備えている。なお、図4では、デジタル放送受信装置5Aを識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送受信装置の機能、例えば、コンテンツ受信に関連する構成については図示を省略している。
放送受信手段50は、受信アンテナ(図示せず)を介して、放送波Wにより送信されるストリームデータを受信するものである。この放送受信手段50は、デジタル放送送信装置1Aから送信されたストリームデータから、共通メッセージおよび個別メッセージを分離する。この分離された共通メッセージは、共通メッセージ処理手段51に出力され、個別メッセージは、個別メッセージ処理手段52に出力される。
なお、ストリームデータには、共通メッセージ、個別メッセージ以外にも、コンテンツ(放送番組)、番組特定情報(PSI)、番組配列情報(SI)等が多重化されているが、放送受信手段50は、それらを分離することで、一般的な番組ガイド表示手段(図示せず)やコンテンツ再生手段(図示せず)等によって、番組ガイドの表示や、コンテンツの再生を行う。
共通メッセージ処理手段(共通メッセージ受信手段)51は、放送受信手段50を介して受信したデジタル放送受信装置5Aに共通のメッセージである共通メッセージを解析し、メッセージに応じた処理を行うものである。ここでは、共通メッセージ処理手段51は、メッセージ情報通知解析手段511を備えている。
メッセージ情報通知解析手段511は、共通メッセージとして送信されたメッセージ情報通知(図49(a)参照)が、当該デジタル放送受信装置5Aを含むグループ宛のメッセージであるか否かを解析し、そのグループに属する場合に、メッセージ情報通知で通知されるメッセージ情報を処理するものである。
具体的には、メッセージ情報通知解析手段511は、メッセージ情報通知(図49(a)参照)の宛先であるメッセージ制御情報Mcが、記憶手段53に記憶されているメッセージ制御情報Mcと一致する場合に、メッセージ情報通知の内容であるメッセージ情報Msgをメッセージ表示手段542に出力する。
例えば、メッセージ情報通知解析手段511は、記憶手段53に記憶されているメッセージ制御情報Mcが、「放送チャンネル契約なし(0x0000)」であるときに、宛先としてメッセージ制御情報の値が“0x0000”のメッセージ情報通知を受信した場合、メッセージ情報通知の内容であるメッセージ情報をメッセージ表示手段542に出力する。これによって、放送チャンネルの契約がなされていない受信装置グループにおいては、当該メッセージ情報通知で通知されるメッセージ情報、例えば、「このチャンネルは未契約です」等のメッセージを表示画面に表示させることができる。一方、放送チャンネルの契約がなされている受信装置グループにおいては、当該メッセージを表示画面に表示することがなく、視聴者は放送番組を視聴することができる。
なお、共通メッセージとして送信されるメッセージ情報通知のフォーマットが、図50で説明したフォーマットである場合、メッセージ情報通知解析手段511は、メッセージ制御情報Mcが記憶手段53に記憶されているメッセージ制御情報Mcと一致するか否かを判定するとともに、受信機種別PKが当該デジタル放送受信装置5Aの種別と一致するか否かを判定し、両方が一致する場合にのみ、メッセージ情報通知の内容であるメッセージ情報をメッセージ表示手段542に出力することとする。ただし、デジタル放送受信装置5Aの種別は、予め記憶手段53に記憶されているものとする。
個別メッセージ処理手段(個別メッセージ受信手段)52は、放送受信手段50を介して受信したデジタル放送受信装置5Aごとに個別のメッセージである個別メッセージを解析し、メッセージに応じた処理を行うものである。ここでは、個別メッセージ処理手段52は、メッセージ制御情報通知解析手段521を備えている。
メッセージ制御情報通知解析手段521は、個別メッセージとして送信されたメッセージ制御情報通知(図49(b)参照)が、当該デジタル放送受信装置5A宛のメッセージであるか否かを解析し、当該デジタル放送受信装置5A宛のメッセージである場合に、メッセージ制御情報通知で通知されるメッセージ制御情報を処理するものである。
具体的には、メッセージ制御情報通知解析手段521は、メッセージ制御情報通知(図49(b)参照)の宛先である個別識別子ID2が、記憶手段53に記憶されている個別識別子ID2と一致する場合に、メッセージ制御情報通知の内容であるメッセージ制御情報Mcを記憶手段53に書き込む。
例えば、メッセージ制御情報通知解析手段521は、個別メッセージの宛先が記憶手段53に記憶されている個別識別子と同一の個別識別子であって、個別メッセージの内容であるメッセージ制御情報が「放送チャンネル契約あり(0x0001)」であった場合、記憶手段53のメッセージ制御情報Mcに“0x0001”の値を書き込む。
記憶手段(制御情報記憶手段)53は、デジタル放送受信装置5A固有の情報を記憶するものであって、不揮発性メモリ(NVRAM:Non Volatile Random Access Memory)等の一般的な記憶媒体である。この記憶手段53には、少なくともメッセージ制御情報Mcと個別識別子ID2とが記憶される。ここでは、さらに、視聴者を特定する情報となる個人情報PDも併せて記憶している。
メッセージ制御情報Mcは、共通メッセージのメッセージ処理を行うか否かを制御するための情報であって、メッセージ情報通知(図49(a)参照)の宛先(グループの宛先)となる情報である。例えば、“0x0000”〜“0xFFFF”の2バイトデータであり、予め定めた初期値を設定しておくこととする。
また、例えば、メッセージ制御情報Mcとして、“0x0000”が「放送チャンネル契約なし」、“0x0001”が「放送チャンネル契約あり」とした場合、メッセージ制御情報Mcには、初期値として、“0x0000”を設定しておく。
これによって、登録処理が完了していないデジタル放送受信装置5Aにおいて、コンテンツの視聴を制限することができる。
なお、メッセージ制御情報Mcは、放送事業者ごとに管理され保持される情報である。具体的には、図54に示したEMM個別メッセージの事業体識別によって、放送事業者ごとに固有の値で識別される。これによって、記憶手段53には、放送事業者ごとに複数のメッセージ制御情報Mcが記憶されることになる。また、メッセージ制御情報Mcは、さらに、放送チャンネルごとに複数存在してもよい。例えば、メッセージ制御情報Mcの2バイトデータのうち、予め定めた領域を放送チャンネル固有の値として定めることで、放送チャンネルごとにメッセージ制御情報Mcを設定することができる。
個別識別子ID2は、デジタル放送受信装置5Aを個別に識別するための識別子である。この個別識別子ID2は、予め固有の値が設定されているものとし、例えば、受信装置のメーカ固有の値と、メーカが独自に付与した製造番号(管理番号)とを組み合わせた個別番号やチェックサム(CRC)の値が設定されているものとする。
なお、個別識別子ID2は、図52に示すように、個別番号PN、チェックサムCRC以外に、受信機種別PKを付加することとしてもよい。この受信機種別PKは、デジタル放送受信装置5Aの種別を示すもので、例えば、図52(a)に示すように、「00:固定テレビ(液晶、PDP等)」、「01:チューナのみ」、「02:移動体テレビ」、「03:携帯電話テレビ」、「04:パソコンテレビ(USB型等)」、「05:録画機器」、「06〜99:未定義」等を設定しておく。なお、受信機種別PKには、複数の種別を記述する形態であっても構わない。また、この受信機種別PKは、図52(b)に示すように、ビットごとに種別を割り当てることとしてもよい。
これによって、放送事業者側で、デジタル放送送信装置1Aで登録を受け付けたデジタル放送受信装置5Aの種別の割合を把握することができる。
個人情報PDは、視聴者を特定する情報であって、例えば、視聴者の氏名、住所、電話番号等である。この個人情報PDは、初期設定時にリモコン装置等の入力手段(図示せず)によって入力される情報である。この第1実施形態においては、必ずしも記憶手段53に個人情報PDを記憶しておく必要はないが、一般的なデジタル放送受信装置において、例えば、視聴地域等によってチャンネルやデータ放送の内容を切り替える等の処理を行うため、ここでは、記憶手段53に個人情報PDを記憶しておくこととする。
表示手段54は、液晶ディスプレイ等の表示装置(図示せず)に表示データを表示するものである。ここでは、表示手段54は、個別識別子表示手段541と、メッセージ表示手段542と、を備えている。
個別識別子表示手段541は、記憶手段53に記憶されている個別識別子ID2を、表示データとして表示するものである。この個別識別子表示手段541は、例えば、リモコン装置等の入力手段(図示せず)によって、初期設定画面の表示を指示されることで、記憶手段53から、個別識別子ID2を読み出し、初期設定画面内の予め定めた領域に、個別識別子ID2の値をテキストデータ(10進数の数字等で表現した文字列)として表示する。
この画面上に表示された個別識別子ID2は、視聴者が、電話、ハガキ、インターネット等によって、氏名等の個人情報とともに放送事業者に通知することとする。
メッセージ表示手段542は、メッセージ情報通知解析手段511から通知されるメッセージ情報を、表示データとして表示するものである。このメッセージ表示手段542は、メッセージ情報としてテキストデータが入力された場合、当該テキストデータを表示装置の画面上に表示する。また、メッセージ表示手段542は、メッセージ情報として、予め定めたメッセージ番号が入力された場合、記憶手段53に予め記憶されているメッセージ番号に対応するテキストデータ(図示せず)を読み出して表示することとしてもよい。
例えば、メッセージ表示手段542は、メッセージ情報通知解析手段511から入力されるメッセージとして、「このチャンネルは未契約です」等のメッセージを表示画面に表示する。
なお、表示手段54は、番組特定情報(PSI)、番組配列情報(SI)等から、電子番組ガイドを生成し表示する番組ガイド表示手段や、コンテンツ(放送番組)を再生するコンテンツ再生手段等の一般的なデジタル放送受信装置の構成を備えているがここでは図示を省略している。
初期化手段55は、記憶手段53に記憶されているメッセージ制御情報Mcを初期化するものである。この初期化手段55は、スイッチ等の入力手段(図示せず)からの初期化指示、あるいは、初期設定画面により初期化を指示されることで、記憶手段53に記憶されているメッセージ制御情報Mcを初期値の値に設定する。
例えば、メッセージ制御情報Mcとして、“0x0000”が「放送チャンネル契約なし」、“0x0001”が「放送チャンネル契約あり」とした場合、初期化手段55は、メッセージ制御情報Mcを、初期値である“0x0000”に設定する。これによって、デジタル放送受信装置5Aの所有者が変わる場合であっても、デジタル放送受信装置5Aを初期状態に設定し直すことができる。
このように、デジタル放送受信装置5Aは、予めデジタル放送受信装置5A内に記憶されている個別識別子の値を視聴者が放送事業者に通知することで、デジタル放送受信装置5A固有のメッセージを受信することが可能になる。また、従来のような受信装置ごとのCASカード等のICカードが不要となり、コストを軽減させることができる。
なお、デジタル放送受信装置5Aは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ受信プログラム)により動作させることができる。
[デジタル放送システムの動作]
次に、図5を参照(構成については、適宜図3,4参照)して、第1実施形態に係るデジタル放送システムSAの動作について説明する。
(識別子登録動作)
まず、デジタル放送受信装置5Aは、初期設定時において、表示手段54の個別識別子表示手段541によって、記憶手段53に記憶されている個別識別子ID2を読み出して、画面上に表示する(ステップS10)。そして、視聴者は、画面上に表示された個別識別子ID2の値を、電話、ハガキ、インターネット等によって、氏名等の個人情報PDとともに放送事業者に通知する(ステップS11)。
そして、放送事業者が、デジタル放送受信装置5A固有の個別識別子ID2と個人情報PDとを取得する(ステップS12)。ここで、放送事業者のオペレータは、デジタル放送受信装置5Aにおいて、入力手段(図示せず)によって、視聴者から通知された個別識別子ID2の値を個人情報PDとともに入力する(ステップS13)。そして、デジタル放送送信装置1Aは、個別識別子登録手段10によって、ステップS13で入力された個別識別子ID2の値を個人情報PDと対応付けて識別子記憶手段14の識別子データベースに登録する(ステップS14)。このステップS10からS14までの動作によって、デジタル放送送信装置1Aには、デジタル放送受信装置5A固有の識別子(個別識別子ID2)が登録される。
(グループ化処理)
そして、デジタル放送送信装置1Aは、個別メッセージ生成手段16のメッセージ制御情報通知生成手段161によって、ステップS13で入力された個別識別子ID2を宛先、メッセージ制御情報Mcを内容とした個別メッセージ(メッセージ制御情報通知)を生成する(ステップS15)。例えば、ここでは、このメッセージ制御情報通知のメッセージ制御情報Mcを、「放送チャンネル契約あり(0x0001)」とする。
そして、デジタル放送送信装置1Aは、放送送信手段17によって、ステップS15で生成された個別メッセージ(メッセージ制御情報通知)を、放送波Wを介して、デジタル放送受信装置5Aに送信する(ステップS16)。
一方、デジタル放送受信装置5Aは、放送受信手段50によって、放送波Wを介して、個別メッセージを受信する(ステップS17)。そして、デジタル放送受信装置5Aは、個別メッセージ処理手段52のメッセージ制御情報通知解析手段521によって、ステップS17で受信した個別メッセージのメッセージ制御情報通知が、当該デジタル放送受信装置5A宛のメッセージであるか否かを解析し、当該デジタル放送受信装置5A宛のメッセージである場合に、メッセージ制御情報通知で通知されるメッセージ制御情報Mcを、記憶手段53に書き込み記憶する(ステップS18)。
これによって、デジタル放送受信装置5Aの記憶手段53には、メッセージ制御情報Mcとして、「放送チャンネル契約あり(0x0001)」が書き込まれることになる。
その後、デジタル放送送信装置1Aは、共通メッセージ生成手段15のメッセージ情報通知生成手段151によって、メッセージ情報を通知する共通メッセージを生成する(ステップS19)。例えば、ここでは、メッセージ情報通知生成手段151は、「放送チャンネル契約なし(0x0000)」のメッセージ制御情報を宛先、「このチャンネルは未契約です」のメッセージ情報を内容とする共通メッセージ(メッセージ情報通知)を生成する。
そして、デジタル放送送信装置1Aは、放送送信手段17によって、ステップS19で生成した共通メッセージ(メッセージ情報通知)を、放送波Wを介して、デジタル放送受信装置5Aに送信する(ステップS20)。
一方、デジタル放送受信装置5Aは、放送受信手段50によって、放送波Wを介して、共通メッセージを受信する(ステップS21)。そして、デジタル放送受信装置5Aは、共通メッセージ処理手段51のメッセージ情報通知解析手段511によって、ステップS21で受信した共通メッセージのメッセージ情報通知の宛先が記憶手段53に記憶されているメッセージ制御情報Mcと一致するか否かにより、共通メッセージが当該デジタル放送受信装置5A宛のメッセージであるか否かを解析する。
そして、デジタル放送受信装置5Aは、ステップS21で受信した共通メッセージが、当該デジタル放送受信装置5A宛のメッセージである場合に、メッセージ情報通知で通知されるメッセージ情報Msgを処理する(ステップS22)。例えば、記憶手段53に記憶されているメッセージ制御情報Mcが、「放送チャンネル契約なし(0x0000)」であるときに、共通メッセージの宛先であるメッセージ制御情報が「放送チャンネル契約なし(0x0000)」、共通メッセージの内容であるメッセージ情報が「このチャンネルは未契約です」のメッセージ情報通知を受信した場合、デジタル放送受信装置5Aは、メッセージ表示手段542によって、画面上に「このチャンネルは未契約です」を表示する。一方、記憶手段53に記憶されているメッセージ制御情報Mcが、「放送チャンネル契約あり(0x0001)」であれば、メッセージ表示手段542は、画面上に「このチャンネルは未契約です」の表示を行わずに動作を終了する。
このように、デジタル放送受信装置5Aは、メッセージ制御情報Mcによって、グループ化(ここでは、契約の有無によるグループ化)されることになる。
≪第1実施形態の変形例≫
次に、第1実施形態の変形例について説明する。図4のデジタル放送受信装置5Aでは、個別識別子ID2を視聴者から放送事業者に通知してもらうために、表示手段54の個別識別子表示手段541によって、個別識別子ID2を設定画面等の画面上に表示する形態としていた。
この変形例においては、データ放送として表示される画面上に、個別識別子ID2を表示する機能を付加することとした。
なお、この変形例におけるシステム構成は、図1に示したデジタル放送システムSAのデジタル放送送信装置1Aおよびデジタル放送受信装置5Aを、それぞれ後記するデジタル放送送信装置1A2(図6)およびデジタル放送受信装置5A2(図7)に置き換えた構成となる。
[デジタル放送送信装置の構成]
まず、図6を参照して、第1実施形態の変形例に係るデジタル放送送信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送送信装置1A2は、図3で説明したデジタル放送送信装置1Aに、データ放送用データ記憶手段23と、データカルーセル符号化手段24と、を付加して構成している。なお、図6では、デジタル放送受信装置5A2(図7)を識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信、データ放送に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送送信装置の機能、例えば、データ放送以外のコンテンツ配信に関連する構成については図示を省略している。
ここで、データ放送用データ記憶手段23およびデータカルーセル符号化手段24以外の構成については、図3で説明したデジタル放送送信装置1Aの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
データ放送用データ記憶手段23は、デジタル放送受信装置5A2(図7)に送信するデータ放送用データであるBML(Broadcast Markup Language)データDtを記憶するもので、ハードディスク等の一般的な記憶媒体である。このBMLデータDtは、社団法人電波産業会(ARIB)のSTD−B24で規定されているデータ放送符号化方式で利用するデータ放送のコンテンツ(プログラムコード)であり、BML文章や、スクリプトデータであるECMAScriptデータで構成される。
ここでは、BMLデータDtは、通常のデータ放送用のデータ以外に、デジタル放送受信装置5A2(図7)の記憶手段53に記憶している個別識別子ID2を読み出して画面上に表示する旨の指示(手順)を記述したプログラムを付加している。
この個別識別子ID2を表示させるプログラムは、例えば、個別識別子ID2を、16進数表現で表示させたり、10進数表現で表示させたり等、その表示形式については、放送事業者が独自に決めることができる。
なお、このBMLデータDtは、デジタル放送受信装置5A2(図7)の記憶手段53に記憶しているメッセージ制御情報Mcを参照し、データ放送で表示する画面を切り替えるプログラムとしてもよい。これによって、例えば、記憶手段53に記憶されているメッセージ制御情報Mcが、「放送チャンネル契約なし(0x0000)」であるときに、データ放送の画面上で「チャンネルが契約されていません。」等を表示させることができる。
データカルーセル符号化手段24は、BMLデータDt(BML文章、ECMAScriptデータ)を、放送波における繰り返し伝送であるカルーセル伝送により伝送可能なセクションデータ(パケットデータ)に符号化するものである。
具体的には、このデータカルーセル符号化手段24は、BMLデータDtを、ARIBのSTD−B24で規定されているDSM−CC(Digital Storage Media Command and Control)データカルーセルのパケットとして生成する。すなわち、データカルーセル符号化手段24は、BMLデータDtを、ブロックに分割したDDB(Download Data Block)と、そのデータ構成を示すDII(Download Info Indication)としてセクション化する。
このように生成されたパケットデータは、放送送信手段17を介して、データ放送として、デジタル放送受信装置5A2(図7)に送信される。
[デジタル放送受信装置の構成]
次に、図7を参照して、第1実施形態の変形例に係るデジタル放送受信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送受信装置5A2は、放送受信手段50と、共通メッセージ処理手段51と、個別メッセージ処理手段52と、記憶手段53と、表示手段54Eと、初期化手段55と、データカルーセル復号手段61と、を備えている。なお、図7では、デジタル放送受信装置5A2を識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信、データ放送に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送受信装置の機能、例えば、データ放送以外のコンテンツ受信に関連する構成については図示を省略している。
ここで、データカルーセル復号手段61および表示手段54E以外の構成については、図4で説明したデジタル放送受信装置5Aの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。なお、ここでは、放送受信手段50は、放送波Wにより送信されるストリームデータから、DIIやDDBを分離し、データカルーセル復号手段61に出力することとする。
データカルーセル復号手段61は、放送受信手段50を介して受信したセクションデータ(DII、DDB)を復号するものである。この復号されたデータは、BMLデータ(BML文章、ECMAScriptデータ)として、表示手段54Eに出力される。
表示手段54Eは、液晶ディスプレイ等の表示装置(図示せず)に表示データを表示するものである。ここでは、表示手段54Eは、個別識別子表示手段541と、メッセージ表示手段542と、BML復号手段544と、を備えている。ここで、BML復号手段544以外の構成については、図4で説明したデジタル放送受信装置5Aの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
BML復号手段544は、データカルーセル復号手段61で復号されたデータ放送のコンテンツであるBMLデータを可視化(レンダリング)するものである。すなわち、BML復号手段544は、BMLデータであるBML文章やECMAScriptデータを解析し、画面上に表示するブラウザである。
なお、BML復号手段544は、BMLデータに、個別識別子ID2を表示する旨の指示(手順)が記述されている場合、記憶手段53から個別識別子ID2を読み出して、画面上に表示する。このとき、BMLデータが、個別識別子ID2を16進数表示するプログラムであれば、画面上に16進数で個別識別子ID2が表示され、10進数表示するプログラムであれば、画面上に10進数で個別識別子ID2が表示されることになる。
これによって、データ放送によって、個別識別子ID2の画面表示形態が、すべてのデジタル放送受信装置で共通化されることになる。
ここで、データ放送の画面からBML復号手段544によって個別識別子ID2の表示を行うか、受信装置固有の設定画面から個別識別子表示手段541によって個別識別子ID2の表示を行うかは、視聴者の自由な選択であって、どちらを使用しても構わない。例えば、放送事業者が視聴者に個別識別子ID2を問い合わせる場合は、すべてのデジタル放送受信装置で表示形態が共通化されたデータ放送による表示を視聴者に選択してもらうほうが好ましいといえる。
また、BMLデータが、メッセージ制御情報Mcの値によって、表示する画面を切り替える動作が記述されたプログラムである場合、BML復号手段544は、記憶手段53のメッセージ制御情報Mcの値を参照し、画面を切り替える。
これによって、放送事業者は、視聴者の契約内容によって、デジタル放送受信装置5A2におけるデータ放送の提示内容を変更することができる。
[デジタル放送システムの動作]
この第1実施形態の変形例に係るデジタル放送システムの動作は、基本的に、図5で説明した動作と同じである。ただし、デジタル放送受信装置5Aが、図5のステップS10において、個別識別子表示手段541によって、設定画面に個別識別子ID2を表示するのに対し、デジタル放送受信装置5A2は、BML復号手段544によって、データ放送の画面に個別識別子ID2を表示する機能が付加された点が異なっている。
すなわち、デジタル放送送信装置1A2(図6)は、図5のステップS10の前に、データカルーセル符号化手段24によって、データ放送として個別識別子ID2等を表示するためのBMLデータDtを送信する。そして、デジタル放送受信装置5A2(図7)は、データカルーセル復号手段61によって、カルーセル伝送で送信されるデータ(DII、DDB)をBMLデータDtに復号し、BML復号手段544によって、記憶手段53から個別識別子ID2を読み出して、画面上に表示する(ステップS10)。
以降の動作については、図5で説明したデジタル放送システムSAの動作と同一であるため、説明を省略する。
≪第1実施形態の変形例2≫
次に、第1実施形態の変形例2について説明する。図3のデジタル放送送信装置1Aでは、1つのメッセージ(個別メッセージ、共通メッセージ)を、デジタル放送受信装置5A(図4)に送信する形態としていた。
この変形例2においては、複数のメッセージを同時に配信し、受信装置側で切り替えて受信させる機能を付加することとした。ここでは、複数のメッセージ情報は、例えば、受信装置側の限定受信方式の種類ごとに異なるメッセージとする。
なお、この変形例2におけるシステム構成は、図1に示したデジタル放送システムSAのデジタル放送送信装置1Aおよびデジタル放送受信装置5Aを、それぞれ後記するデジタル放送送信装置1A3(図8)およびデジタル放送受信装置5A3(図9)に置き換えた構成となる。
[デジタル放送送信装置の構成]
まず、図8を参照して、第1実施形態の変形例2に係るデジタル放送送信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送送信装置1A3は、図3で説明したデジタル放送送信装置1Aにおいて、共通メッセージや個別メッセージを生成するための構成(メッセージ生成手段70)を複数備え、さらに、各メッセージ生成手段70が生成するメッセージ情報を識別するための情報を付加するCAT生成手段71を備える構成とした。
メッセージ生成手段70は、共通メッセージや個別メッセージを生成するための構成を複数(701,…,70n)備えている。このメッセージ生成手段70の数は、特に限定するものではないが、少なくとも同時に送信したいメッセージの数だけあればよい。
なお、図8では、デジタル放送受信装置5A3(図9)を識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送送信装置の機能、例えば、データ放送を含むコンテンツ配信に関連する構成については図示を省略している。
メッセージ生成手段70は、複数のメッセージを一度に生成可能なように、メッセージを生成する構成(ここでは、個別識別子登録手段10と、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13と、識別子記憶手段14と、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16)を複数備える。
このメッセージ生成手段70を構成する各手段については、すでに図3で説明したデジタル放送送信装置1Aの構成と基本的に同一であるため説明を省略する。ただし、共通メッセージ生成手段15A(15)や個別メッセージ生成手段16A(16)は、外部から入力手段(図示せず)を介して、各メッセージ生成手段701,…,70nが生成するメッセージ(EMMメッセージ)を識別するための情報となるTS(トランスポートストリーム)のパケット識別(PID)を入力し、放送送信手段17A(17)に通知することとする。
また、放送送信手段17A(17)は、図3で説明したデジタル放送送信装置1Aと基本的に同じものであるが、後記するCAT生成手段71が生成するCATをMPEG−2 TSシステムを用いて多重化して送信する。また、放送送信手段17Aは、各メッセージ生成手段701,…,70nが生成するメッセージ(EMMメッセージ)を、通知されたPIDを付加したTSパケットデータとして送信することとする。
CAT生成手段(メッセージ識別テーブル生成手段)71は、メッセージを識別するための情報を記述したテーブルを生成するものである。
このCAT生成手段71は、複数のメッセージから1つのメッセージを限定して受信するための受信装置側に予め記憶されている識別子である限定受信方式識別と、共通メッセージおよび個別メッセージを送信するパケットの識別子であるパケット識別子とを外部から複数入力し、限定受信方式識別ごとに、当該限定受信方式識別を含んでメッセージ送信を行っている旨を示すCAサービス記述子(サービス記述子)と、限定受信方式識別とパケット識別子とを対応付けた限定受信方式記述子とを複数含んだメッセージ識別テーブルを生成する。
このメッセージ識別テーブルは、ARIBのSTD−B10で規格化されているCAT(Conditional Access Table)のデータ形式とすることができる。
このCAT生成手段71が生成するCATは、図55(a)に示すように、当該テーブルを識別するテーブル識別等を含んだセクションヘッダと、各種の記述子を配置する記述子領域と、CRC(チェックサム)とで構成される。
なお、この記述子領域には、後記するCAサービス記述子生成手段711が生成するCAサービス記述子や、限定受信方式記述子生成手段712が生成する限定受信方式記述子を複数配置することとする。
ここでは、CAT生成手段71は、CAサービス記述子生成手段711と、限定受信方式記述子生成手段712とを、それぞれ複数備えている。この手段(711,712)の数は、特に限定するものではないが、少なくとも同時に送信したいメッセージの数だけあればよい。
CAサービス記述子生成手段711は、メッセージの配信(メッセージサービス)を実施している事業体を特定するための情報を記述した記述子を生成するものである。ここでは、CAサービス記述子生成手段711は、図55(a)で示したCATに配置するCAサービス記述子を生成する。
このCAサービス記述子は、図55(b)に示すように、記述子タグと、記述子長と、限定受信方式識別と、事業体識別と、メッセージ制御と、拡張領域とを各項目としたデータで構成される。
「事業体識別」は、メッセージサービスを実施する事業体を識別すための固有のコードである。このコードは、個々のCAサービス記述子生成手段7111,…,711nにおいて、それぞれ予め既知の情報であるものとする。
「限定受信方式識別」は、受信装置側における限定受信方式の種類を識別するための識別子(CA System id)である。この識別子は、外部から入力手段(図示せず)を介して、入力することとする。
なお、他のCAサービス記述子の内容については、一般的なCAサービス識別子の内容と同一であるため、説明を省略する。
このように、CAサービス記述子生成手段711は、図55(b)に示すようなCAサービス記述子を生成することで、受信装置側に、当該事業体において、メッセージサービスを実施していることを認識させることができる。また、CAサービス記述子生成手段711は、CAサービス識別子に、限定受信方式識別(CA System id)を設定することで、後記する限定受信方式記述子生成手段712が生成する限定受信方式記述子と対応付けることができる。
限定受信方式記述子生成手段712は、複数のメッセージのうちで、受信装置で受信させたいメッセージを識別するための情報を記述した記述子を生成するものである。ここでは、限定受信方式記述子生成手段712は、図55(a)で示したCATに配置する限定受信方式記述子を生成する。
この限定受信方式記述子は、図55(c)に示すように、記述子タグと、記述子長と、限定受信方式識別と、限定受信PIDと、拡張領域とを各項目としたデータで構成される。
「限定受信方式識別」は、図55(b)で説明した限定受信方式識別と同じ識別子(CA System id)である。この識別子は、外部から入力手段(図示せず)を介して、入力することとする。この識別子によって、限定受信方式記述子とCAサービス識別子とが対応付けられることになる。
「限定受信PID」は、受信装置側でメッセージを識別して受信するための識別子である。具体的には、限定受信PIDは、共通メッセージ生成手段15や個別メッセージ生成手段16が生成するEMMを、MPEG−2 TSで配信する際のパケット識別子(PID)とする。この識別子は、外部から入力手段(図示せず)を介して、入力することとする。この識別子によって、受信装置側では、どのPIDで配信されるEMMを受信するのかを識別することができる。
このように、CAT生成手段71は、複数のCAサービス記述子や限定受信方式記述子を含んだCATを生成し、生成したCATを、放送送信手段17A(17)に出力する。
これによって、デジタル放送送信装置1A3は、異なるメッセージを異なるPIDで複数同時に送信することができる。
[デジタル放送受信装置の構成]
次に、図9を参照して、第1実施形態の変形例2に係るデジタル放送受信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送受信装置5A3は、放送受信手段50A(50)と、共通メッセージ処理手段51と、個別メッセージ処理手段52と、記憶手段53と、表示手段54と、初期化手段55と、記憶手段62と、CAT処理手段63と、を備えている。なお、図9では、デジタル放送受信装置5A3を識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送受信装置の機能、例えば、データ放送を含むコンテンツ受信に関連する構成については図示を省略している。
ここで、放送受信手段50A、記憶手段62およびCAT処理手段63以外の構成については、図4で説明したデジタル放送受信装置5Aの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
放送受信手段50Aは、基本的には、図4で説明した放送受信手段50と同じであるが、以下の機能において異なっている。
この放送受信手段50Aは、デジタル放送送信装置1A3(図8参照)から送信されたストリームデータから、CATを抽出し、抽出したCATを、CAT処理手段63に出力する。なお、放送受信手段50Aは、CATに予め定められているTSのPIDを探索することで、ストリームデータからCATを抽出することができる。
また、放送受信手段50Aは、後記するCAT処理手段63から通知されるEMMのPIDに基づいて、受信したストリームデータから、当該PIDに対応する共通メッセージおよび個別メッセージを分離して抽出する。この抽出した共通メッセージは、共通メッセージ処理手段51に出力され、個別メッセージは、個別メッセージ処理手段52に出力される。
記憶手段(限定受信方式識別記憶手段)62は、メッセージ(共通メッセージ、個別メッセージ)を当該デジタル放送受信装置5A3へのメッセージであるか否かを識別するための識別子を記憶するものであって、ROM等の一般的な記憶媒体である。この記憶手段62には、予め当該識別子を記憶しておくこととする。なお、ここでは、識別子として、限定受信方式の種類を識別するための識別子である限定受信方式識別(CA System id)を用いることとする。
CAT処理手段(メッセージ識別テーブル受信手段)63は、CATを解析し、当該デジタル放送受信装置5A3へのメッセージのパケット識別子(PID)を取得するものである。すなわち、このCAT処理手段63は、限定受信方式識別を含んでメッセージ送信を行っている旨を示すサービス記述子と、当該限定受信方式識別とパケット識別子とを対応付けた限定受信方式記述子とを複数含んだCAT(メッセージ識別テーブル)を、放送受信手段50Aを介して受信する。
ここでは、CAT処理手段63は、CAサービス記述子解析手段631と、限定受信方式記述子解析手段632と、を備えている。
CAサービス記述子解析手段(サービス記述子解析手段)631は、CATに記述されているCAサービス記述子(サービス記述子)を解析し、メッセージサービスが実施されているか否かを判定する。具体的には、CAサービス記述子解析手段631は、記憶手段62に記憶されている限定受信方式識別(CA System id)を有するCAサービス記述子(図55(b)参照)を、CAT(図55(a)参照)内において探索し、同一の限定受信方式識別を有するCAサービス記述子が存在する場合に、メッセージサービスが実施されていると判定する。ここで、メッセージサービスが実施されていると判定された場合、その旨が限定受信方式記述子解析手段632に通知される。
限定受信方式記述子解析手段632は、CATに記述されている限定受信方式記述子を解析し、メッセージ(共通メッセージ、個別メッセージ)を送信しているパケットの識別子(PID)を抽出するものである。具体的には、限定受信方式記述子解析手段632は、CAサービス記述子解析手段631から、メッセージサービスが実施されている旨の通知を受けた後、記憶手段62に記憶されている限定受信方式識別(CA System id)を有する限定受信方式記述子(図55(c)参照)を、CAT(図55(a)参照)内において探索し、同一の限定受信方式識別を有する限定受信方式記述子から、EMMのPID(限定受信PID)を抽出する。ここで抽出したPIDは、放送受信手段50Aに出力される。
このように、デジタル放送受信装置5A3を構成することで、同時に複数のメッセージが送信された場合であっても、限定受信方式記述子によってEMMのPIDを特定できるため、デジタル放送受信装置5A3を対象とするメッセージのみを抽出することができる。
≪第2実施形態≫
[デジタル放送システムの概要]
次に、図10を参照して、第2実施形態に係るデジタル放送システムSBの構成の概要について説明する。
デジタル放送システムSBは、複数の放送事業者A,B,…が有するデジタル放送送信装置1B(1),1B(1),…と、各家庭等に設置されたデジタル放送受信装置5B(5),5B(5),…とで構成され、デジタル放送送信装置1Bからデジタル放送で送信されるコンテンツ(放送番組)をデジタル放送受信装置5Bにおいて受信し、視聴者が視聴するシステムである。
このデジタル放送システムSBは、デジタル放送受信装置5B,5B,…が予め固有の識別子(個別識別子ID2〔ID21,ID22,…〕)を有し、デジタル放送受信装置5Bが個別識別子ID2をデジタル放送送信装置1Bに通知することで、デジタル放送送信装置1Bから放送波Wを介してデジタル放送受信装置5B宛の固有のメッセージ情報を送信することを可能にしている点については、デジタル放送システムSA(図1参照)と同じである。しかし、デジタル放送システムSBは、デジタル放送受信装置5Bから、デジタル放送送信装置1Bに個別識別子ID2を通知する際に、電話回線、インターネット回線等を用いたネットワークNを介して通知する点が相違している。
以下、第2実施形態に係るデジタル放送システムSBにおけるデジタル放送送信装置1Bおよびデジタル放送受信装置5Bの構成および動作について、第1実施形態に係るデジタル放送システムSA(図1参照)との相違点を中心に説明する。
[デジタル放送送信装置の構成]
まず、図11を参照(適宜図10参照)して、第2実施形態に係るデジタル放送送信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送送信装置1Bは、個別識別子登録手段10Bと、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13と、識別子記憶手段14と、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16と、放送送信手段17と、通信送受信手段18と、を備えている。なお、図11では、デジタル放送受信装置5Bを識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送送信装置の機能、例えば、コンテンツ配信に関連する構成については図示を省略している。
ここで、個別識別子登録手段10Bおよび通信送受信手段18以外の構成については、図3で説明したデジタル放送送信装置1Aの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
個別識別子登録手段10Bは、デジタル放送受信装置5B固有の識別子である個別識別子ID2と視聴者の個人情報PDとを、通信送受信手段18を介して受信し、記憶手段(識別子記憶手段14)に識別子データベースとして登録するものである。また、個別識別子登録手段10Bは、受信した個別識別子ID2を個別メッセージ生成手段16のメッセージ制御情報通知生成手段161に出力する。
通信送受信手段18は、ネットワークNを介して、デジタル放送受信装置5Bとの間で通信データを送受信するものであって、例えば、通信制御ボードである。ここでは、通信送受信手段18は、個々のデジタル放送受信装置5Bから、個別識別子ID2と個人情報PDとを通信データとして受信し、受信した個別識別子ID2と個人情報PDとを個別識別子登録手段10Bに出力する。
このように、デジタル放送送信装置1Bは、従来のCASカードのカード番号のように、放送事業者において、予め受信装置ごとに固有の識別子を管理しておく必要がない。また、デジタル放送送信装置1Bは、識別子(個別識別子ID2)を登録する際にオペレータ等の人手を介することなく、識別子登録処理を自動化することができる。
このデジタル放送送信装置1Bは、個別識別子登録手段10Bが、個別識別子登録手段10(図3参照)と同様に、視聴者から電話、ハガキ、インターネット等によって通知された個別識別子ID2と個人情報PDとをキーボード等の入力手段(図示せず)を介して入力されることで、個別識別子ID2と個人情報PDとを識別子記憶手段14に書き込み記憶(登録)する機能をさらに有することとしてもよい。これによって、デジタル放送送信装置1Bは、通信機能を備えていないデジタル放送受信装置5については、オペレータにより登録処理を行うことができる。
なお、デジタル放送送信装置1Bは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ送信プログラム)により動作させることができる。
また、ここでは、デジタル放送送信装置1Bは、1つのメッセージを、デジタル放送受信装置5B(図12)に送信する形態としたが、図8で説明したように、複数のメッセージを同時に送信する形態であっても構わない。
この場合、デジタル放送送信装置1Bは、図8で説明したデジタル放送送信装置1A3と同様に、共通メッセージや個別メッセージを生成するための構成(メッセージ生成手段)を複数備え、さらに、各メッセージ生成手段が生成するメッセージ情報を識別するための情報を付加するCAT生成手段71を備えて構成すればよい。
また、この場合、メッセージ生成手段は、個別識別子登録手段10Bと、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13と、識別子記憶手段14と、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16と、で構成すればよい。そして、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16とが、外部から入力手段(図示せず)を介して、各メッセージ生成手段(図示せず)が生成するメッセージ(EMMメッセージ)を識別するための情報となるTSのパケット識別(PID)を入力し、放送送信手段17に通知することとする。そして、放送送信手段17が、CAT生成手段71(図8)が生成するCATをMPEG−2 TSシステムを用いて多重化することとする。
これによって、デジタル放送送信装置1Bは、異なるメッセージを複数同時に送信することができる。
[デジタル放送受信装置の構成]
次に、図12を参照(適宜図10参照)して、第2実施形態に係るデジタル放送受信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送受信装置5Bは、放送受信手段50と、共通メッセージ処理手段51と、個別メッセージ処理手段52と、記憶手段53と、表示手段54Bと、初期化手段55と、個別識別子登録要求手段56と、通信送受信手段57と、を備えている。なお、図12では、デジタル放送受信装置5Bを識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送受信装置の機能、例えば、コンテンツ受信に関連する構成については図示を省略している。
ここで、表示手段54B、個別識別子登録要求手段56および通信送受信手段57以外の構成については、図4で説明したデジタル放送受信装置5Aの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
表示手段54Bは、液晶ディスプレイ等の表示装置(図示せず)に表示データを表示するものである。ここでは、表示手段54Bは、図4で説明した表示手段54から、個別識別子表示手段541を省いて構成している。
個別識別子登録要求手段56は、記憶手段53に記憶されている個別識別子ID2と個人情報PDとを登録する旨の要求(識別子登録要求)を、通信送受信手段57を介して、デジタル放送送信装置1Bに送信するものである。この個別識別子登録要求手段56は、例えば、チャンネル設定等の初期設定時に、記憶手段53から個別識別子ID2と個人情報PDとを読み出し、識別子登録要求を生成し、デジタル放送送信装置1Bに送信する。
この個別識別子ID2をデジタル放送送信装置1Bに登録することで、デジタル放送送信装置1Bは、個別識別子ID2を宛先としたメッセージを、デジタル放送受信装置5Bに送信することが可能になる。
なお、ここでは、個人情報PDが記憶手段53に記憶されていることを前提として説明したが、この個人情報PDは、必ずしも記憶手段53に記憶されている必要はない。ネットワークNに接続された環境であれば、キーボード等の入力手段(図示せず)を介して個人情報PDを入力し、記憶手段53に記憶することなく、通信送受信手段57を介して、放送事業者に通知することとしてもよい。
通信送受信手段57は、ネットワークNを介して、デジタル放送送信装置1Bとの間で通信データを送受信するものであって、例えば、通信制御ボードである。ここでは、通信送受信手段57は、個別識別子登録要求手段56から入力された識別子登録要求を、デジタル放送送信装置1Bに送信する。
このように、デジタル放送受信装置5Bは、予めデジタル放送受信装置5B内に記憶されている個別識別子の値をデジタル放送送信装置1Bに登録することで、デジタル放送受信装置5B固有のメッセージを受信することが可能になる。また、従来のような受信装置ごとのCASカードが不要となり、コストを軽減させることができる。
なお、デジタル放送受信装置5Bは、表示手段54Bが、表示手段54(図4参照)と同様に、個別識別子表示手段541を備える構成としてもよい。これによって、デジタル放送受信装置5Bの設置場所に通信環境が整備されていない場合に、視聴者が、画面上で個別識別子ID2を確認し、放送事業者に通知することができる。
また、デジタル放送受信装置5Bは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ受信プログラム)により動作させることができる。
また、ここでは、デジタル放送受信装置5Bは、1つのメッセージを、デジタル放送送信装置1B(図8)から受信する形態としたが、図9で説明したように、複数のメッセージからデジタル放送受信装置5Bへのメッセージを抽出して受信する形態であっても構わない。
この場合、デジタル放送受信装置5Bは、図9で説明したデジタル放送受信装置5A3と同様に、記憶手段62と、CAT処理手段63とをさらに備え、放送受信手段50を図9で説明した放送受信手段50Aに置き換えて構成すればよい。
これによって、デジタル放送受信装置5Bは、異なるメッセージから、自身へのメッセージを抽出して受信することができる。
[デジタル放送受信装置の他の構成]
次に、図13を参照(適宜図10参照)して、第2実施形態に係るデジタル放送受信装置の他の構成について説明する。ここでは、デジタル放送受信装置5B2は、放送受信手段50と、共通メッセージ処理手段51と、個別メッセージ処理手段52Bと、記憶手段53Bと、表示手段54Bと、初期化手段55と、個別識別子登録要求手段56Bと、通信送受信手段57と、を備えている。
デジタル放送受信装置5B(図12参照)は、固有の識別子として、メーカ等が予め記憶手段53に設定した個別識別子ID2を用いたが、デジタル放送受信装置5B2は、固有の識別子として、通信送受信手段57が有する固有の識別子を用いる点が異なっている。
個別メッセージ処理手段52B、記憶手段53Bおよび個別識別子登録要求手段56B以外の構成については、図12で説明したデジタル放送受信装置5Bの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
個別メッセージ処理手段(個別メッセージ受信手段)52Bは、放送受信手段50を介して受信したデジタル放送受信装置5B2ごとに個別のメッセージである個別メッセージを解析し、メッセージに応じた処理を行うものである。ここでは、個別メッセージ処理手段52Bは、メッセージ制御情報通知解析手段521Bを備えている。
メッセージ制御情報通知解析手段521Bは、図4で説明したメッセージ制御情報通知解析手段521と同一の機能を有するものである。ただし、メッセージ制御情報通知解析手段521Bは、個別メッセージとして送信されたメッセージ制御情報通知(図49(b)参照)が、当該デジタル放送受信装置5B2宛のメッセージであるか否かを解析する際に、記憶手段53に記憶されている個別識別子を用いるのではなく、通信送受信手段57に予め設定されている個別情報を用いる点が異なっている。
この通信送受信手段57に設定されている個別情報は、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC:Network Interface Card)のMACアドレスである。このMACアドレスは、NICごとに固有のアドレスが付与されている。そこで、デジタル放送受信装置5B2は、固有の識別子(個別識別子ID2)として、MACアドレスを用いることとする。
記憶手段53Bは、個別識別子ID2を記憶していない点を除き、図4で説明した記憶手段53と同じものである。
個別識別子登録要求手段56Bは、通信送受信手段57に設定されている個別情報(個別識別子ID2)と記憶手段53Bに記憶されている個人情報PDとを登録する旨の要求(識別子登録要求)を、通信送受信手段57を介して、デジタル放送送信装置1Bに送信する点を除き、図12で説明した個別識別子登録要求手段56と同じものである。
このように、デジタル放送受信装置5B2は、予めデジタル放送受信装置5B2の通信送受信手段57に設定されている個別情報(MACアドレス)を個別識別子としてデジタル放送送信装置1Bに登録することで、デジタル放送受信装置5B2固有のメッセージを受信することが可能になる。また、従来のような受信装置ごとのCASカードが不要となり、コストを軽減させることができる。また、メーカが受信装置ごとに固有の識別子を記憶手段53Bに書き込む手間を省くことができる。
なお、デジタル放送受信装置5B2は、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ受信プログラム)により動作させることができる。
[デジタル放送システムの動作]
次に、図14を参照(構成については、適宜図11,12参照)して、第2実施形態に係るデジタル放送システムSBの動作について説明する。
(識別子登録動作)
まず、デジタル放送受信装置5Bは、個別識別子登録要求手段56によって、記憶手段53に記憶されている個別識別子ID2と個人情報PDとを読み出す(ステップS10B)。そして、デジタル放送受信装置5Bは、通信送受信手段57によって、ステップS10Bで読み出した個別識別子ID2と個人情報PDとをデジタル放送送信装置1Bに送信する(ステップS11B)。
一方、デジタル放送送信装置1Bは、通信送受信手段18によって、ステップS11Bで送信された個別識別子ID2と個人情報PDとを受信する(ステップS12B)。そして、デジタル放送送信装置1Bは、個別識別子登録手段10Bによって、ステップS12Bで受信した個別識別子ID2の値を個人情報PDと対応付けて識別子記憶手段14の識別子データベースに登録する(ステップS14)。このステップS10BからS14までの動作によって、デジタル放送送信装置1Bには、デジタル放送受信装置5B固有の識別子(個別識別子ID2)が登録される。
なお、図13で説明したデジタル放送受信装置5B2においては、ステップS10Bにおいて、通信送受信手段57の個別情報(MACアドレス)を個別識別子ID2として読み出す点のみが異なり、以降の動作は同じである。
(グループ化処理)
ステップS15以降の動作(グループ化処理)については、図5で説明したデジタル放送システムSAの動作と同一であるため、説明を省略する。
≪第3実施形態≫
[デジタル放送システムの概要]
次に、図15を参照して、第3実施形態に係るデジタル放送システムSCの構成の概要について説明する。
デジタル放送システムSCは、複数の放送事業者A,B,…が有するデジタル放送送信装置1C(1),1C(1),…と、各家庭等に設置されたデジタル放送受信装置5C(5),5C(5),…とで構成され、デジタル放送送信装置1Cからデジタル放送で送信されるコンテンツ(放送番組)をデジタル放送受信装置5Cにおいて受信し、視聴者が視聴するシステムである。なお、放送波Wは、地上デジタル放送、衛星放送、ケーブル放送等、無線、有線を問わない。
このデジタル放送システムSCは、デジタル放送受信装置5Cが生成する個別識別子を、デジタル放送送信装置1Cに通知することで、デジタル放送送信装置1Cから放送波Wを介してデジタル放送受信装置5C宛の個別のメッセージ情報を送信することを可能にしている。
デジタル放送送信装置1Cは、放送波Wを介して、コンテンツをデジタル放送受信装置5Cに送信するものである。また、デジタル放送送信装置1Cは、デジタル放送受信装置5Cから通知される個別識別子について重複確認を行い、重複しない個別識別子を用いて、デジタル放送受信装置5C宛のメッセージ情報を送信する機能を有する。さらに、デジタル放送送信装置1Cは、個々のデジタル放送受信装置5Cをグループ化し、特定のグループにメッセージ情報を送信する機能を有する。
デジタル放送受信装置5Cは、放送波Wを介してコンテンツを受信するものである。なお、デジタル放送受信装置5Cは、自身が生成する個別識別子をデジタル放送送信装置1Cに通知し、デジタル放送送信装置1Cから放送波Wを介して送信される個別識別子宛のメッセージ情報を取得する機能を有する。
次に、図16を参照して、第3実施形態に係るデジタル放送システムの動作の概要について説明する。
まず、デジタル放送受信装置5Cが自ら生成した個別識別子を表示画面に表示し、視聴者は、その表示された個別識別子ID2を、電話、ハガキ、インターネット等によって、放送事業者に通知する(ステップSC1)。そして、放送事業者が、デジタル放送送信装置1Cに個別識別子ID2を登録する。そして、デジタル放送送信装置1Cは、以降の動作において、個別のデジタル放送受信装置5Cを個別識別子ID2によって特定し、個別のメッセージ(個別メッセージ)を送信する。
また、放送事業者がデジタル放送受信装置5Cを所定のグループに分けて管理したい場合、例えば、放送チャンネルの契約の有無、視聴地域等でデジタル放送受信装置5Cをグループ化したい場合、デジタル放送送信装置1Cは、個別識別子ID2を宛先とした個別メッセージで、デジタル放送受信装置5Cにグループの種別を特定するメッセージ制御情報を送信する(ステップSC2)。そして、デジタル放送送信装置1Cは、すべてのデジタル放送受信装置5Cに共通のメッセージである共通メッセージ内に、宛先としてメッセージ制御情報を記述し、メッセージ情報を送信する(ステップSC3)。これによって、共通メッセージであっても、メッセージ制御情報でグループ化されたデジタル放送受信装置5Cのみが、当該メッセージ情報を受信することになる。
このように、第3実施形態に係るデジタル放送システムSCは、デジタル放送受信装置5Cが生成した個別識別子ID2を放送事業者側に通知するため、従来のCASカード等のようなICカードを個別に受信装置ごとに配布する必要がなく、ICカードの識別子(カード番号)管理を行う必要がない。
以下、第3実施形態に係るデジタル放送システムSCにおけるデジタル放送送信装置1Cおよびデジタル放送受信装置5Cの構成および動作について詳細に説明する。
[デジタル放送送信装置の構成]
まず、図17を参照(適宜図15参照)して、第3実施形態に係るデジタル放送送信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送送信装置1Cは、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13と、識別子記憶手段14と、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16と、放送送信手段17と、識別子登録手段19と、を備えている。
ここで、識別子登録手段19以外の構成は、図3で説明したデジタル放送送信装置1Aの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
識別子登録手段19は、デジタル放送受信装置5Cで生成された識別子である個別識別子ID2と視聴者の個人情報PDとを外部から入力し、記憶手段(識別子記憶手段14)に識別子データベースとして登録するものである。ここでは、識別子登録手段19は、個別識別子重複判定手段191と、個別識別子登録手段192と、を備えている。
個別識別子重複判定手段191は、外部から入力された個別識別子ID2が、識別子記憶手段14に登録(記憶)されているか否かを判定するものである。この個別識別子重複判定手段191は、すでに個別識別子ID2が識別子記憶手段14に登録されている場合、その旨を表示装置(図示せず)に表示する。このとき、デジタル放送送信装置1Cのオペレータは、個別識別子IDが重複している旨を、電話等によって、視聴者に通知し、デジタル放送受信装置5Cにおいて、再度、個別識別子を生成してもらうこととする。
一方、まだ個別識別子ID2が識別子記憶手段14に登録されていない場合、登録の指示を個別識別子登録手段192に通知する。
個別識別子登録手段192は、個別識別子ID2と視聴者の個人情報PDとを識別子記憶手段14に登録(記憶)するものである。ここでは、個別識別子登録手段192は、個別識別子重複判定手段191から、個別識別子ID2の登録の指示があった段階で、個別識別子ID2を個人情報PDと対応付けて識別子記憶手段14に登録する。
また、ここでは、個別識別子登録手段192は、入力された個別識別子ID2を個別メッセージ生成手段16のメッセージ制御情報通知生成手段161に出力する。なお、このメッセージ制御情報通知生成手段161への出力は、個別識別子ID2を入力された段階で、デジタル放送受信装置5Cからの登録を受け付け、メッセージ制御情報を通知する個別メッセージを配信するために行うものである。
このように、デジタル放送送信装置1Cは、従来のCASカードのカード番号のように、放送事業者において、予め受信装置ごとに固有の識別子を管理しておく必要がない。
なお、デジタル放送送信装置1Cは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ送信プログラム)により動作させることができる。
また、ここでは、デジタル放送送信装置1Cは、1つのメッセージを、デジタル放送受信装置5C(図18)に送信する形態としたが、図8で説明したように、複数のメッセージを同時に送信する形態であっても構わない。
この場合、デジタル放送送信装置1Cは、図8で説明したデジタル放送送信装置1A3と同様に、共通メッセージや個別メッセージを生成するための構成(メッセージ生成手段)を複数備え、さらに、各メッセージ生成手段が生成するメッセージ情報を識別するための情報を付加するCAT生成手段71を備えて構成すればよい。
また、この場合、メッセージ生成手段は、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13と、識別子記憶手段14と、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16と、識別子登録手段19と、で構成すればよい。そして、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16とが、外部から入力手段(図示せず)を介して、各メッセージ生成手段(図示せず)が生成するメッセージ(EMMメッセージ)を識別するための情報となるTSのパケット識別(PID)を入力し、放送送信手段17に通知することとする。そして、放送送信手段17が、CAT生成手段71(図8)が生成するCATをMPEG−2 TSシステムを用いて多重化することとする。
これによって、デジタル放送送信装置1Cは、異なるメッセージを複数同時に送信することができる。
[デジタル放送受信装置の構成]
次に、図18を参照(適宜図15参照)して、第3実施形態に係るデジタル放送受信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送受信装置5Cは、放送受信手段50と、共通メッセージ処理手段51と、個別メッセージ処理手段52と、記憶手段53Cと、表示手段54と、初期化手段55と、個別識別子再設定手段58と、計時手段59と、個別識別子生成手段60と、を備えている。なお、図18では、デジタル放送受信装置5Cを識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送受信装置の機能、例えば、コンテンツ受信に関連する構成については図示を省略している。
ここで、記憶手段53C、個別識別子再設定手段58、計時手段59および個別識別子生成手段60以外の構成は、図4で説明したデジタル放送受信装置5Aの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
記憶手段53Cは、デジタル放送受信装置5C固有の情報を記憶するものであって、不揮発性メモリ(NVRAM)等の一般的な記憶媒体である。この記憶手段53Cには、メッセージ制御情報Mcと、個別識別子ID2と、個人情報PDと、受信機情報Tiとが記憶される。メッセージ制御情報Mcおよび個人情報PDは、図4のデジタル放送受信装置5Aの記憶手段53において説明したものと同一であるため、説明を省略する。
個別識別子ID2は、デジタル放送受信装置5Cを識別するための識別子である。この個別識別子ID2は、個別識別子生成手段60によって生成され、書き込まれる。
なお、個別識別子ID2は、予め識別子として用いない初期値を設定しておくものとする。例えば、各識別値の初期値として、値“0”を設定しておく。これによって、初期設定時前に、当該デジタル放送受信装置5C宛のメッセージでないメッセージを誤って受信することを防止することができる。
受信機情報Tiは、デジタル放送受信装置5Cのメーカ、機種等の固有の情報である。例えば、受信機情報Tiは、メーカ名、機種名(型番)等の文字コードを数値化したデータである。なお、この受信機情報Tiは、デジタル放送受信装置5Cのメーカによって、予め登録されているものとする。
個別識別子再設定手段58は、個別識別子ID2を再設定するための指示を外部から入力するものである。この個別識別子再設定手段58は、スイッチ等の入力手段(図示せず)からの再設定指示、あるいは、再設定画面により再設定を指示されることで、個別識別子生成手段60に対して、新たな個別識別子を生成する旨の指示(個別識別子再生成指示)を通知する。
ここでは、後記する個別識別子生成手段60によって個別識別子ID2を生成するため、各デジタル放送受信装置5Cで個別識別子ID2が重複する場合がある。そこで、この個別識別子再設定手段58は、個別識別子表示手段541によって画面上に表示された個別識別子ID2を、視聴者が電話等によって放送事業者に通知し、個別識別子ID2が重複していることを放送事業者から通知された場合、視聴者によって、再度、個別識別子ID2を設定し直す際に使用される。
計時手段59は、時刻を計時し、現在時刻を保持する内部時計である。例えば、計時手段59は、現在時刻として、年月日時分秒を計時する。ここでは、計時手段59で計時された現在時刻は、個別識別子生成手段60によって読み出される。
個別識別子生成手段60は、デジタル放送受信装置5Cの内部情報に基づいて、デジタル放送受信装置5Cを識別するための識別子(個別識別子ID2)を生成するものである。ここでは、個別識別子生成手段60は、乱数発生手段601と、仮識別子生成手段602と、ハッシュ関数演算手段603と、を備えている。ここでは、個別識別子生成手段60は、内部情報である乱数、現在時刻、受信機情報を用いて個別識別子を生成することとする。
乱数発生手段601は、乱数(擬似乱数)を発生させるものである。この乱数発生手段601における乱数発生アルゴリズムは、一般的な手法を用いることができ、合同法、M系列等、その手法は限定されるものではない。ここでは、乱数発生手段601は、数バイト(例えば、6バイト)とする。この乱数発生手段601で生成された乱数は、仮識別子生成手段602に出力される。
仮識別子生成手段602は、個別識別子ID2を生成するための仮の識別子(仮識別子ID1)を生成するものである。ここでは、仮識別子生成手段602は、記憶手段53Cに記憶されている受信機情報Tiと、計時手段59で計時される現在時刻と、乱数発生手段601で生成された乱数とを連結することで、仮識別子ID1を生成する。例えば、受信機情報Tiとして、メーカ名10バイトと機種名10バイトとを用い、現在時刻の情報が6バイト、乱数が6バイトであった場合、仮識別子生成手段602は、10+10+6+6=32バイトの仮識別子ID1を生成する。この仮識別子生成手段602で生成された仮識別子ID1は、ハッシュ関数演算手段603に出力される。
ハッシュ関数演算手段603は、仮識別子生成手段602で生成された仮識別子ID1のハッシュ値(ダイジェスト値)を演算することで、個別識別子ID2を生成するものである。このハッシュ関数演算手段603で用いるハッシュ関数は、特に限定するものではないが、MD5、SHA−1等である。例えば、ハッシュ関数演算手段603は、ハッシュ関数としてMD5を用いた場合、16バイトの個別識別子ID2を生成し、SHA−1を用いた場合、20バイトの個別識別子ID2を生成する。このとき、ハッシュ関数演算手段603は、ハッシュ関数の演算結果にチェックサムを付加して個別識別子ID2としてもよい。このハッシュ関数演算手段603で生成された個別識別子ID2は、記憶手段53Cに書き込み記憶される。
なお、ここでは、仮識別子生成手段602において、生成する個別識別子ID2のランダム性を確保するため、内部情報である受信機情報Tiと乱数と現在時刻とを用いて仮識別子ID1を生成したが、受信機情報Ti、乱数、現在時刻の少なくとも1つの内部情報で仮識別子ID1を生成することとしてもよい。なお、1つの内部情報から個別識別子を生成する場合、構成から仮識別子生成手段602を省略し、ハッシュ関数演算手段603が、受信機情報Ti、乱数または現在時刻の内部情報に対してハッシュ値を演算すればよい。
この個別識別子生成手段60は、デジタル放送受信装置5Cの初期設定時に動作するものとする。また、この個別識別子生成手段60は、個別識別子再設定手段58から、新たな個別識別子を生成する旨の指示(個別識別子再生成指示)が通知された場合にも動作するものとする。
なお、個別識別子生成手段60は、図52に示したフォーマットで個別識別子ID2を生成することとしてもよい。この場合、個別識別子生成手段60は、さらに、受信機種別付加手段(図示せず)を備える構成とし、受信機種別付加手段が、ハッシュ関数演算手段603の演算結果であるハッシュ値を個別番号PNとし、受信機種別PKを付加し、さらにチェックサムCRCを付加することで個別識別子ID2を生成する。このとき、受信機種別PKは、予め記憶手段53Cの受信機情報Tiに記述しておくこととする。
このように、デジタル放送受信装置5Cは、個別識別子生成手段60によって、受信機情報Tiと乱数と現在時刻とを用いて生成したランダムな仮識別子ID1から、個別識別子ID2を生成した。これによって、個別識別子ID2が個々のデジタル放送受信装置5Cにおいて重複する可能性を極力抑えることができる。
また、デジタル放送受信装置5Cは、デジタル放送受信装置5Cが生成する個別識別子により、デジタル放送受信装置5C固有のメッセージを受信することが可能になるため、従来のような受信装置ごとのCASカード等のICカードが不要となり、コストを軽減させることができる。
なお、デジタル放送受信装置5Cは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ受信プログラム)により動作させることができる。
また、ここでは、デジタル放送受信装置5Cは、1つのメッセージを、デジタル放送送信装置1C(図17)から受信する形態としたが、図9で説明したように、複数のメッセージからデジタル放送受信装置5Cへのメッセージを抽出して受信する形態であっても構わない。
この場合、デジタル放送受信装置5Cは、図9で説明したデジタル放送受信装置5A3と同様に、記憶手段62と、CAT処理手段63とをさらに備え、放送受信手段50を図9で説明した放送受信手段50Aに置き換えて構成すればよい。
これによって、デジタル放送受信装置5Cは、異なるメッセージから、自身へのメッセージを抽出して受信することができる。
[デジタル放送システムの動作]
次に、図19を参照(構成については、適宜図17,18参照)して、第3実施形態に係るデジタル放送システムSCの動作について説明する。
まず、デジタル放送受信装置5Cは、初期設定時において、個別識別子生成手段60によって、個別識別子ID2を生成する(ステップS10C)。具体的には、デジタル放送受信装置5Cは、まず、個別識別子生成手段60の乱数発生手段601によって、乱数を発生させる。そして、デジタル放送受信装置5Cは、仮識別子生成手段602によって、記憶手段53Cに記憶されている受信機情報Tiと、計時手段59で計時される現在時刻と、乱数発生手段601で発生させた乱数とを連結することで、仮識別子ID1を生成する。さらに、デジタル放送受信装置5Cは、ハッシュ関数演算手段603によって、仮識別子ID1のハッシュ値を演算することで個別識別子ID2を生成する。
そして、デジタル放送受信装置5Cは、個別識別子生成手段60(ハッシュ関数演算手段603)によって、ステップS10Cで生成した個別識別子ID2を、記憶手段53Cに書き込み記憶する(ステップS10D)。
そして、デジタル放送受信装置5Cは、表示手段54の個別識別子表示手段541によって、ステップS10Cで生成した個別識別子ID2を、表示画面上に表示する(ステップS10)。
ステップS11以降の動作については、図5で説明したデジタル放送システムSAの動作と基本的には同じであるため、説明を省略する。ただし、デジタル放送システムSCでは、ステップS11〜13において、個別識別子が重複している場合は、ステップS10Cに戻って、再度、個別識別子を生成する手順から動作が行われる。
≪第3実施形態の変形例≫
次に、第3実施形態の変形例について説明する。図18のデジタル放送受信装置5Cでは、個別識別子ID2を視聴者から放送事業者に通知してもらうために、表示手段54の個別識別子表示手段541によって、個別識別子ID2を設定画面等の画面上に表示する形態としていた。
この変形例においては、図6,7で説明した第1実施形態の変形例と同様、データ放送として表示される画面上に、個別識別子ID2を表示する機能を付加することとした。
なお、この変形例におけるシステム構成は、図15に示したデジタル放送システムSCのデジタル放送送信装置1Cおよびデジタル放送受信装置5Cを、それぞれ後記するデジタル放送送信装置1C2(図20)およびデジタル放送受信装置5C2(図21)に置き換えた構成となる。
[デジタル放送送信装置の構成]
まず、図20を参照して、第3実施形態の変形例に係るデジタル放送送信装置の構成について説明する。このデジタル放送送信装置1C2は、図17で説明したデジタル放送送信装置1Cに、データ放送用データ記憶手段23と、データカルーセル符号化手段24とを付加して構成している。
ここで、データ放送用データ記憶手段23およびデータカルーセル符号化手段24は、図6で説明したデジタル放送送信装置1A2と同一の構成である。また、データ放送用データ記憶手段23およびデータカルーセル符号化手段24以外の構成については、図17で説明したデジタル放送送信装置1Cと同一の構成である。
そこで、ここでは、デジタル放送送信装置1A2(図6)およびデジタル放送送信装置1C(図17)と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
[デジタル放送受信装置の構成]
次に、図21を参照して、第3実施形態の変形例に係るデジタル放送受信装置の構成について説明する。このデジタル放送受信装置5C2は、図18で説明したデジタル放送受信装置5Cに、データカルーセル復号手段61を付加し、さらに、表示手段54にBML復号手段544を付加して新たな表示手段54Eとして構成している。
ここで、データカルーセル復号手段61およびBML復号手段544は、図7で説明したデジタル放送受信装置5A2と同一の構成である。また、データカルーセル復号手段61およびBML復号手段544以外の構成については、図18で説明したデジタル放送受信装置5Cと同一の構成である。
そこで、ここでは、デジタル放送受信装置5A2(図7)およびデジタル放送受信装置5C(図18)と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
[デジタル放送システムの動作]
この第3実施形態の変形例に係るデジタル放送システムの動作は、基本的に、図19で説明した動作と同じである。ただし、デジタル放送受信装置5Cが、図19のステップS10において、個別識別子表示手段541によって、設定画面に個別識別子ID2を表示するのに対し、デジタル放送受信装置5C2は、BML復号手段544によって、データ放送の画面に個別識別子ID2を表示する機能が付加された点が異なっている。
すなわち、デジタル放送送信装置1C2(図20)は、図19のステップS10Dの後、ステップS10の前に、データカルーセル符号化手段24によって、データ放送として個別識別子ID2等を表示するためのBMLデータDtを送信する。そして、デジタル放送受信装置5C2(図21)は、データカルーセル復号手段61によって、カルーセル伝送で送信されるデータ(DII、DDB)をBMLデータDtに復号し、BML復号手段544によって、記憶手段53Cから個別識別子ID2を読み出して、画面上に表示する(ステップS10)。
以降の動作については、図19で説明したデジタル放送システムSCの動作と同一であるため、説明を省略する。
≪第4実施形態≫
[デジタル放送システムの概要]
次に、図22を参照して、第4実施形態に係るデジタル放送システムSDの構成の概要について説明する。
デジタル放送システムSDは、複数の放送事業者A,B,…が有するデジタル放送送信装置1D(1),1D(1),…と、各家庭等に設置されたデジタル放送受信装置5D(5),5D(5),…とで構成され、デジタル放送送信装置1Dからデジタル放送で送信されるコンテンツ(放送番組)をデジタル放送受信装置5Dにおいて受信し、視聴者が視聴するシステムである。
このデジタル放送システムSDは、デジタル放送受信装置5D,5D,…が生成する個別識別子を、デジタル放送送信装置1Dに通知することで、デジタル放送送信装置1Dから放送波Wを介してデジタル放送受信装置5D宛の固有のメッセージ情報を送信することを可能にしている点については、デジタル放送システムSC(図15参照)と同じである。しかし、デジタル放送システムSDは、デジタル放送受信装置5Dから、デジタル放送送信装置1Dに個別識別子ID2を通知する際に、電話回線、インターネット回線等を用いたネットワークNを介して通知する点が相違している。
以下、第4実施形態に係るデジタル放送システムSDにおけるデジタル放送送信装置1Dおよびデジタル放送受信装置5Dの構成および動作について、第3実施形態に係るデジタル放送システムSC(図15参照)との相違点を中心に説明する。
[デジタル放送送信装置の構成]
まず、図23を参照(適宜図22参照)して、第4実施形態に係るデジタル放送送信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送送信装置1Dは、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13と、識別子記憶手段14と、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16と、放送送信手段17と、通信送受信手段18と、識別子登録手段19Bと、を備えている。なお、図23では、デジタル放送受信装置5Dを識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送送信装置の機能、例えば、コンテンツ配信に関連する構成については図示を省略している。
ここで、通信送受信手段18および識別子登録手段19B以外の構成については、図17で説明したデジタル放送送信装置1Cの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
通信送受信手段18は、ネットワークNを介して、デジタル放送受信装置5Dとの間で通信データを送受信するものであって、例えば、通信制御ボードである。ここでは、通信送受信手段18は、個々のデジタル放送受信装置5Dから、個別識別子ID2と当該デジタル放送受信装置5Dの使用者の個人情報PDとを通信データとして受信し、識別子登録手段19Bに出力する。
識別子登録手段19Bは、デジタル放送受信装置5Dで生成された識別子である個別識別子ID2を、通信送受信手段18を介して受信し、同じく通信送受信手段18を介して受信した個人情報PDとともに記憶手段(識別子記憶手段14)に登録(識別子データベースに登録)するものである。ここでは、識別子登録手段19Bは、個別識別子重複判定手段191Bと、個別識別子登録手段192Bと、個別識別子再要求手段193Bと、を備えている。
個別識別子重複判定手段191Bは、通信送受信手段18を介して受信した個別識別子ID2が、識別子記憶手段14に登録(記憶)されているか否かを判定するものである。この個別識別子重複判定手段191Bは、まだ個別識別子ID2が識別子記憶手段14に登録されていないと判定した場合、個別識別子ID2を登録する指示を個別識別子登録手段192Bに出力する。一方、すでに個別識別子ID2が識別子記憶手段14に登録されていると判定した場合、個別識別子重複判定手段191Bは、他の個別識別子ID2を要求(再要求)する旨の指示を、個別識別子再要求手段193Bに出力する。
個別識別子登録手段192Bは、個別識別子ID2を識別子記憶手段14に登録(記憶)するものである。ここでは、個別識別子登録手段192Bは、個別識別子重複判定手段191Bから、個別識別子ID2の登録の指示があった段階で、個別識別子ID2を、通信送受信手段18を介して受信した個人情報PDと対応付けて識別子記憶手段14に登録する。なお、ここで個人情報PDとは、例えば、視聴者の氏名、住所、電話番号等である。
また、ここでは、個別識別子登録手段192Bは、受信した個別識別子ID2を個別メッセージ生成手段16のメッセージ制御情報通知生成手段161に出力する。なお、このメッセージ制御情報通知生成手段161への出力は、個別識別子ID2を入力された段階で、デジタル放送受信装置5Dからの登録を受け付け、メッセージ制御情報を通知する個別メッセージを配信するために行うものである。
個別識別子再要求手段193Bは、デジタル放送受信装置5Dに対して、個別識別子ID2を要求するものである。ここでは、個別識別子再要求手段193Bは、個別識別子重複判定手段191Bから、個別識別子ID2の再要求の指示があった段階で、他の個別識別子ID2を要求する旨の指示を、通信送受信手段18を介してデジタル放送受信装置5Dに送信する。これによって、他の個別識別子ID2がデジタル放送受信装置5Dから再送信され、重複したものでなければ、識別子記憶手段14に登録されることになる。
このように、デジタル放送送信装置1Dは、従来のCASカードのカード番号のように、放送事業者において、予め受信装置ごとに固有の識別子を管理しておく必要がない。また、デジタル放送送信装置1Dは、識別子(個別識別子ID2)を登録する際にオペレータ等の人手を介することなく、識別子登録処理を自動化することができる。
なお、デジタル放送送信装置1Dは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ送信プログラム)により動作させることができる。
また、ここでは、デジタル放送送信装置1Dは、1つのメッセージを、デジタル放送受信装置5D(図24)に送信する形態としたが、図8で説明したように、複数のメッセージを同時に送信する形態であっても構わない。
この場合、デジタル放送送信装置1Dは、図8で説明したデジタル放送送信装置1A3と同様に、共通メッセージや個別メッセージを生成するための構成(メッセージ生成手段)を複数備え、さらに、各メッセージ生成手段が生成するメッセージ情報を識別するための情報を付加するCAT生成手段71を備えて構成すればよい。
また、この場合、メッセージ生成手段は、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13と、識別子記憶手段14と、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16と、識別子登録手段19Bと、で構成すればよい。そして、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16とが、外部から入力手段(図示せず)を介して、各メッセージ生成手段(図示せず)が生成するメッセージ(EMMメッセージ)を識別するための情報となるTSのパケット識別(PID)を入力し、放送送信手段17に通知することとする。そして、放送送信手段17が、CAT生成手段71(図8)が生成するCATをMPEG−2 TSシステムを用いて多重化することとする。
これによって、デジタル放送送信装置1Dは、異なるメッセージを複数同時に送信することができる。
[デジタル放送受信装置の構成]
次に、図24を参照(適宜図22参照)して、第4実施形態に係るデジタル放送受信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送受信装置5Dは、放送受信手段50と、共通メッセージ処理手段51と、個別メッセージ処理手段52と、記憶手段53Cと、表示手段54Bと、初期化手段55と、個別識別子登録要求手段56Cと、通信送受信手段57と、計時手段59と、個別識別子生成手段60と、を備えている。なお、図24では、デジタル放送受信装置5Dを識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送受信装置の機能、例えば、コンテンツ受信に関連する構成については図示を省略している。
個別識別子登録要求手段56Cおよび通信送受信手段57以外の構成については、図18で説明したデジタル放送受信装置5Cの構成と同一のものであるため、同一の符号を付して説明を省略する。
個別識別子登録要求手段56Cは、記憶手段53Cに記憶されている個別識別子ID2と個人情報PDとを登録する旨の要求(識別子登録要求)を、通信送受信手段57を介して、デジタル放送送信装置1Dに送信するものである。この個別識別子登録要求手段56Cは、例えば、チャンネル設定等の初期設定時に、記憶手段53Cから個別識別子ID2と個人情報PDとを読み出し、識別子登録要求を生成し、デジタル放送送信装置1Dに送信する。
また、個別識別子登録要求手段56Cは、デジタル放送送信装置1Dから、個別識別子ID2の再設定を要求された場合、個別識別子生成手段60に対して、個別識別子ID2の生成を指示する。そして、個別識別子登録要求手段56Cは、新たな個別識別子ID2が生成された段階で、この新たな個別識別子ID2と個人情報PDとを登録する旨の要求(識別子登録要求)を、通信送受信手段57を介して、デジタル放送送信装置1Dに送信する。
通信送受信手段57は、ネットワークNを介して、デジタル放送送信装置1Dとの間で通信データを送受信するものであって、例えば、通信制御ボードである。ここでは、通信送受信手段57は、個別識別子登録要求手段56Cから入力された識別子登録要求を、ネットワークNを介してデジタル放送送信装置1Dに送信し、デジタル放送送信装置1Dから識別子の再設定が要求された場合その旨を個別識別子登録要求手段56Cに出力する。
なお、デジタル放送受信装置5Dは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ受信プログラム)により動作させることができる。
また、ここでは、デジタル放送受信装置5Dは、1つのメッセージを、デジタル放送送信装置1D(図23)から受信する形態としたが、図9で説明したように、複数のメッセージからデジタル放送受信装置5Dへのメッセージを抽出して受信する形態であっても構わない。
この場合、デジタル放送受信装置5Dは、図9で説明したデジタル放送受信装置5A3と同様に、記憶手段62と、CAT処理手段63とをさらに備え、放送受信手段50を図9で説明した放送受信手段50Aに置き換えて構成すればよい。
これによって、デジタル放送受信装置5Dは、異なるメッセージから、自身へのメッセージを抽出して受信することができる。
[デジタル放送システムの動作]
次に、図25を参照(構成については、適宜図23,24参照)して、第4実施形態に係るデジタル放送システムSDの動作について説明する。
まず、デジタル放送受信装置5Dは、初期設定時において、個別識別子生成手段60によって、個別識別子ID2を生成する(ステップS10E)。そして、デジタル放送受信装置5Dは、個別識別子登録要求手段56Cによって、通信送受信手段57を介して、ステップS10Eで生成した個別識別子ID2と記憶手段53Cに記憶されている個人情報PDとをデジタル放送送信装置1Dに送信する(ステップS10F)。
一方、デジタル放送送信装置1Dは、通信送受信手段18によって、ステップS10Fで送信された個別識別子ID2と個人情報PDとを受信する(ステップS12B)。
そして、デジタル放送送信装置1Dは、識別子登録手段19Bの個別識別子重複判定手段191Bによって、ステップS12Bで受信した個別識別子ID2が、識別子記憶手段14に登録(記憶)されているか否かを判定(重複確認)する(ステップS13B)。
このとき、個別識別子ID2がすでに登録されている場合、個別識別子再要求手段193Bは、他の個別識別子ID2を要求する旨の指示を、通信送受信手段18を介してデジタル放送受信装置5Dに送信する。そして、デジタル放送受信装置5Dは、再度、個別識別子生成手段60によって、個別識別子ID2を生成し、個別識別子登録要求手段56Cによって、個別識別子ID2を再送信する(重複確認処理:ステップS11C)。
その後、デジタル放送受信装置5Dでは、個別識別子生成手段60によって、ステップS10Eで生成(または再生成)した個別識別子ID2を記憶手段53Cに登録する(ステップS11D)。一方、デジタル放送送信装置1Dでは、識別子登録手段19の個別識別子登録手段192Bによって、個別識別子ID2を個人情報PDと対応付けて識別子記憶手段14に登録する(ステップS14)。
なお、ステップS15以降の動作については、図19で説明したデジタル放送システムSCの動作と同一である。
以上の動作によって、デジタル放送システムSDは、予め受信装置にICカードを付与することなく、個々の受信装置の識別子宛にメッセージを送信することが可能になる。
≪第5実施形態≫
[デジタル放送システムの概要]
次に、図26を参照して、第5実施形態(本発明)に係るデジタル放送システムSEの構成の概要について説明する。
デジタル放送システムSEは、複数の放送事業者A,B,…が有するデジタル放送送信装置1E(1),1E(1),…と、識別子管理装置3と、各家庭等に設置されたデジタル放送受信装置5E(5),5E(5),…とで構成され、デジタル放送送信装置1Eからデジタル放送で送信されるコンテンツ(放送番組)をデジタル放送受信装置5Eにおいて受信し、視聴者が視聴するシステムである。
このデジタル放送システムSEは、デジタル放送送信装置1Eが、識別子管理装置3が管理する識別子(指定識別子)を、デジタル放送受信装置5E,5E,…ごとに個別に配信し、その指定識別子を用いて、デジタル放送受信装置5E宛の個別のメッセージ情報を送信することを可能にしている。なお、この指定識別子は、前記した第1〜第4実施形態で説明したデジタル放送受信装置で保持、あるいは生成される個別識別子とは異なり、放送事業者側で個々のデジタル放送受信装置を管理するために個々のデジタル放送受信装置に付与する識別子である。すなわち、この指定識別子は、放送事業者側で体系化された識別子である。
デジタル放送送信装置1Eは、放送波Wを介して、コンテンツをデジタル放送受信装置5Eに送信するものである。また、デジタル放送送信装置1Eは、デジタル放送受信装置5Eから通知される個別識別子を宛先として、識別子管理装置3から取得した指定識別子をデジタル放送受信装置5Eに送信する機能を有する。さらに、デジタル放送送信装置1Eは、個々のデジタル放送受信装置5Eをグループ化し、特定のグループにメッセージ情報を送信する機能を有する。
識別子管理装置3は、デジタル放送受信装置5E,5E,…ごとに個別の識別子を管理するものである。この識別子管理装置3は、デジタル放送送信装置1Eから通知されるデジタル放送受信装置5Eの個別識別子に対して、識別子管理装置3が管理する新たな識別子(指定識別子)を生成し、デジタル放送送信装置1Eに送信する機能を有する。
デジタル放送受信装置5Eは、放送波Wを介してコンテンツを受信するものである。なお、デジタル放送受信装置5E内には、予め個別識別子ID2が設定されている。この個別識別子ID2をデジタル放送送信装置1Eに通知し、デジタル放送送信装置1Eから放送波Wを介して個別識別子宛に配信される指定識別子を保持することで、デジタル放送受信装置5Eは、デジタル放送送信装置1Eから放送波Wを介して送信される指定識別子宛のメッセージ情報を取得する機能を有する。
なお、ここでは、指定識別子を識別子管理装置3で生成することとしたが、指定識別子は、必ずしも個別に用意した識別子管理装置3で生成する必要はない。例えば、予め定めたデジタル放送送信装置1E内に組み込んで構成してもよい。
次に、図27を参照して、第5実施形態に係るデジタル放送システムの動作の概要について説明する。
まず、視聴者は、デジタル放送受信装置5Eの表示画面に表示される個別識別子ID2を、電話、ハガキ、インターネット等によって、放送事業者に通知する(ステップSE1)。そして、放送事業者が、デジタル放送送信装置1Eに個別識別子ID2を登録することで、デジタル放送送信装置1Eは、新たな識別子(指定識別子ID3)を識別子管理装置3から取得する(ステップSE2)。そして、デジタル放送送信装置1Eは、個別識別子ID2を宛先とした個別メッセージで、デジタル放送受信装置5Eに指定識別子ID3を送信する(ステップSE3)。そして、デジタル放送送信装置1Eは、以降の動作において、個別のデジタル放送受信装置5Eを指定識別子ID3によって特定し、個別メッセージを送信する。
また、放送事業者がデジタル放送受信装置5Eを所定のグループに分けて管理したい場合、例えば、放送チャンネルの契約の有無、視聴地域等でデジタル放送受信装置5Eをグループ化したい場合、デジタル放送送信装置1Eは、指定識別子ID3を宛先とした個別メッセージで、デジタル放送受信装置5Eにグループの種別を特定するメッセージ制御情報を送信する(ステップSE4)。そして、デジタル放送送信装置1Eは、すべてのデジタル放送受信装置5Eに共通のメッセージである共通メッセージ内に、宛先としてメッセージ制御情報を記述し、メッセージ情報を送信する(ステップSE5)。これによって、共通メッセージであっても、メッセージ制御情報でグループ化されたデジタル放送受信装置5Eのみが、当該メッセージ情報を受信することになる。
このように、第5実施形態に係るデジタル放送システムSEは、デジタル放送受信装置5Eから通知される個別識別子ID2に対して、固有の指定識別子ID3を割り振るため、従来のCASカード等のようなICカードを個別に受信装置ごとに配布する必要がなく、ICカードの識別子(カード番号)管理を行う必要がない。
以下、第5実施形態に係るデジタル放送システムSEにおけるデジタル放送送信装置1E、識別子管理装置3およびデジタル放送受信装置5Eの構成および動作について詳細に説明する。
[デジタル放送送信装置の構成]
まず、図28を参照(適宜図26参照)して、第5実施形態に係るデジタル放送送信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送送信装置1Eは、個別識別子登録手段10Cと、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13Bと、識別子記憶手段14Bと、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16Bと、放送送信手段17と、通信送受信手段20と、指定識別子取得手段21と、を備えている。
個別識別子登録手段10C、メッセージ制御情報個別更新手段13B、識別子記憶手段14B、個別メッセージ生成手段16B、通信送受信手段20および指定識別子取得手段21以外の構成については、図3で説明したデジタル放送送信装置1Aの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
個別識別子登録手段10Cは、デジタル放送受信装置5E固有の識別子である個別識別子ID2と視聴者の個人情報PDとを入力し、記憶手段(識別子記憶手段14B)に識別子データベースとして登録するものである。例えば、個別識別子登録手段10Cは、デジタル放送送信装置1Eを操作するオペレータによって、視聴者から電話、ハガキ、インターネット等によって通知された個別識別子ID2と視聴者の個人情報PDとを、キーボード等の入力手段(図示せず)により入力されることで、個別識別子ID2を個人情報PDと対応付けて識別子記憶手段14Bに書き込み記憶(登録)する。
なお、個別識別子登録手段10Cは、個別識別子ID2と視聴者の個人情報PDとを入力された段階で、指定識別子取得手段21に対して、指定識別子ID3を取得する旨の指示を出力する。
メッセージ制御情報個別更新手段13Bは、デジタル放送受信装置5Eに記憶させたメッセージ制御情報Mcを、個別に更新するものである。ここでは、メッセージ制御情報個別更新手段13Bは、外部から入力手段(図示せず)を介して、更新の対象となるデジタル放送受信装置5Eの指定識別子1D3と、新たなメッセージ制御情報Mcとを入力し、個別メッセージ生成手段16Bに対して、メッセージ制御情報Mcをデジタル放送受信装置5Eに送信する個別メッセージを生成する旨を指示する。
識別子記憶手段14Bは、個別識別子登録手段10Cにより登録される個別識別子ID2および個人情報PDと、指定識別子取得手段21で取得した指定識別子ID3とを対応付けて記憶するものであって、ハードディスク等の一般的な記憶媒体である。この識別子記憶手段14Bは、個別識別子ID2、指定識別子ID3ごとに、視聴者の個人情報PDである氏名、住所、電話番号等の情報を対応付けてデータベース化する。なお、識別子記憶手段14Bのデータベースには、個別識別子ID2や指定識別子ID3が登録されるまでは、識別子と認識されない予め定めた初期値が設定されているものとする。
個別メッセージ生成手段16Bは、個々のデジタル放送受信装置5Eに個別に送信するメッセージ(個別メッセージ)を生成するものである。ここでは、個別メッセージ生成手段16Bは、メッセージ制御情報通知生成手段161Bと、指定識別子通知生成手段162と、を備えている。
メッセージ制御情報通知生成手段161Bは、メッセージ制御情報Mcをデジタル放送受信装置5Eに送信するためのメッセージを個別メッセージとして生成するものである。このメッセージ制御情報通知生成手段161Bで生成された個別メッセージは、放送送信手段17に出力される。
ここでは、メッセージ制御情報通知生成手段161Bは、指定識別子ID3を宛先、メッセージ制御情報Mcを内容としたメッセージ(メッセージ制御情報通知)を生成する。すなわち、メッセージ制御情報通知生成手段161Bは、指定識別子ID3を保持しているデジタル放送受信装置5Eに対して個別のメッセージ(メッセージ制御情報通知)を生成する。このメッセージ制御情報Mcがデジタル放送受信装置5Eに送信されることで、個々のデジタル放送受信装置5Eは、メッセージ制御情報の値に応じてグループ化されることになる。
このメッセージ制御情報通知生成手段161Bは、入力手段(図示せず)を介して、メッセージ制御情報Mc、指定識別子ID3を入力された段階で、個別メッセージを生成することとしてもよいし、予めメッセージ制御情報記憶手段12に、メッセージ制御情報Mcの配信時刻や配信先を記述したタイムテーブルを記憶しておき、そのタイムテーブルに従って、個別メッセージを生成することとしてもよい。
さらに、メッセージ制御情報通知生成手段161Bは、メッセージ制御情報個別更新手段13Bから、指定識別子ID3で示されるデジタル放送受信装置5Eに新たなメッセージ制御情報Mcを送信する旨の通知が入力された場合、入力された指定識別子ID3およびメッセージ制御情報Mcを用いて個別メッセージを生成する。これによって、デジタル放送受信装置5Eに新たなメッセージ制御情報Mcが登録されることになる。
指定識別子通知生成手段162は、指定識別子ID3をデジタル放送受信装置5Eに送信するためのメッセージを個別メッセージとして生成するものである。この指定識別子通知生成手段162で生成された個別メッセージは、放送送信手段17に出力される。
ここでは、指定識別子通知生成手段162は、個別識別子ID2を宛先、指定識別子ID3を内容としたメッセージ(指定識別子通知)を生成する。すなわち、指定識別子通知生成手段162は、個別識別子ID2を保持しているデジタル放送受信装置5Eに対して個別のメッセージ(指定識別子通知)を生成する。この指定識別子ID3がデジタル放送受信装置5Eに送信されることで、以降の個別メッセージを、放送事業者側が管理する指定識別子ID3を宛先として配信することができる。
ここでは、指定識別子通知生成手段162は、個別識別子登録手段10Cにより個別識別子ID2および個人情報PDが登録され、指定識別子取得手段21により指定識別子ID3を取得した段階で、個別メッセージ(指定識別子通知)を生成することとする。なお、指定識別子通知生成手段162は、指定識別子ID3を通知する際に、併せて、メッセージ制御情報Mcを通知することとしてもよい。
ここで、図51,53,54を参照(適宜図28参照)して、共通メッセージ生成手段15のメッセージ情報通知生成手段151および個別メッセージ生成手段16Bのメッセージ制御情報通知生成手段161B,指定識別子通知生成手段162において生成される各メッセージのフォーマットについて説明する。
メッセージ情報通知生成手段151は、図51(a)に示すように、メッセージの宛先を「メッセージ制御情報(Mc)」、メッセージの内容を「メッセージ情報(Msg)」として、共通メッセージであるメッセージ情報通知を生成する。
このメッセージ情報通知のフォーマットは、ARIBのSTD−B25で規格化されているEMM共通メッセージのデータ形式としてもよい。
すなわち、メッセージ情報通知生成手段151は、図53に示すように、EMM共通メッセージセクション構造のEMMメッセージセクションヘッダ内の領域R1に、メッセージ制御情報Mcを記述し、EMMメッセージ本体のメッセージコード本体の領域R2にメッセージ情報Msgを記述することで、共通メッセージを生成する。
メッセージ制御情報通知生成手段161Bは、図51(b)の(b−1)に示すように、メッセージの宛先を「指定識別子(ID3)」、メッセージの内容を「メッセージ制御情報(Mc)」として、個別メッセージであるメッセージ制御情報通知を生成する。
指定識別子通知生成手段162は、図51(b)の(b−2)に示すように、メッセージの宛先を「個別識別子(ID2)」、メッセージの内容を「指定識別子(ID3)」として、個別メッセージである指定識別子通知を生成する。なお、指定識別子通知生成手段162は、指定識別子ID3と併せてメッセージ制御情報Mcを通知する場合、図51(b)の(b−3)に示すように、メッセージの宛先を「個別識別子(ID2)」、メッセージの内容を「メッセージ制御情報(Mc)」および「指定識別子(ID3)」として、個別メッセージである指定識別子通知(メッセージ制御情報付き)を生成する。
なお、図51(b)の個別メッセージには、当該個別メッセージが、メッセージ制御情報通知であるか、指定識別子通知であるか、指定識別子通知(メッセージ制御情報付き)であるか等の種別が別途付加されていることはいうまでもない。
このメッセージ制御情報通知および指定識別子通知のフォーマットは、STD−B25で規格化されているEMM個別メッセージのデータ形式としてもよい。
すなわち、メッセージ制御情報通知生成手段161Bおよび指定識別子通知生成手段162は、図54に示すように、EMM個別メッセージセクション構造のEMMメッセージ本体(1,2,…,N)の識別子情報領域R3に、メッセージの宛先を記述し、EMMメッセージ本体(1,2,…,N)のメッセージコード領域R4にメッセージの内容を記述することで、個別メッセージを生成する。
図28に戻って、デジタル放送送信装置1Eの構成について説明を続ける。
通信送受信手段20は、ネットワークNを介して、識別子管理装置3との間で通信データを送受信するものであって、例えば、通信制御ボードである。ここでは、通信送受信手段20は、指定識別子取得手段21から入力された指定識別子ID3を取得する旨の要求(指定識別子要求)を通信データとして識別子管理装置3に送信し、識別子管理装置3から返信される指定識別子ID3を通信データとして受信する。この受信した指定識別子ID3は、指定識別子取得手段21に出力される。
指定識別子取得手段21は、通信送受信手段20を介して、識別子管理装置3から指定識別子ID3を取得するものである。ここでは、指定識別子取得手段21は、指定識別子要求手段211と、指定識別子登録手段212と、を備えている。
指定識別子要求手段211は、指定識別子ID3を取得する旨の要求(指定識別子要求)を生成し、識別子管理装置3に指定識別子要求を送信するものである。ここでは、指定識別子要求手段211は、個別識別子登録手段10Cから、指定識別子ID3を取得する旨の指示が通知された段階で、指定識別子要求のメッセージを生成し、通信送受信手段20を介して、識別子管理装置3に指定識別子要求を送信する。
指定識別子登録手段212は、識別子管理装置3から取得した指定識別子ID3を識別子記憶手段14Bの識別子データベースに登録するものである。ここでは、指定識別子登録手段212は、通信送受信手段20を介して、指定識別子ID3を取得した段階で、指定識別子ID3を識別子記憶手段14Bに登録する。
なお、指定識別子登録手段212は、指定識別子ID3を識別子記憶手段14Bの識別子データベースに登録した後、指定識別子ID3によりデジタル放送受信装置5Eを一元管理できるため、当該指定識別子ID3に対応する個別識別子ID2を初期化または無効化することとしてもよい。
あるいは、指定識別子ID3と個別識別子ID2とを両方登録する場合、指定識別子登録手段212は、指定識別子ID3を参照する優先順位を、個別識別子ID2を参照する優先順位よりも高く設定することとしてもよい。これによって、個別メッセージ生成手段16Bでは、指定識別子ID3が登録されるまでは、個別識別子ID2を用いて個別メッセージを生成し、指定識別子ID3が登録された後は、指定識別子ID3を用いて個別メッセージを生成することも可能になる。
また、ここでは、指定識別子登録手段212は、デジタル放送受信装置5Eに対して、指定識別子ID3を通知するため、指定識別子ID3を取得した段階で、個別メッセージ生成手段16Bに指定識別子ID3を出力することとする。
このように、デジタル放送送信装置1Eは、予め受信装置にICカード(CASカード等)を配布しておかなくても、後から個々の受信装置に識別子(指定識別子)を設定することができる。これによって、ICカードのコストやそれらを管理するコストを削減することができる。
なお、デジタル放送送信装置1Eは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ送信プログラム)により動作させることができる。
また、ここでは、デジタル放送送信装置1Eは、1つのメッセージを、デジタル放送受信装置5E(図30)に送信する形態としたが、図8で説明したように、複数のメッセージを同時に送信する形態であっても構わない。
この場合、デジタル放送送信装置1Eは、図8で説明したデジタル放送送信装置1A3と同様に、共通メッセージや個別メッセージを生成するための構成(メッセージ生成手段)を複数備え、さらに、各メッセージ生成手段が生成するメッセージ情報を識別するための情報を付加するCAT生成手段71を備えて構成すればよい。
また、この場合、メッセージ生成手段は、個別識別子登録手段10Cと、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13Bと、識別子記憶手段14Bと、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16Bと、指定識別子取得手段21と、で構成すればよい。そして、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16Bとが、外部から入力手段(図示せず)を介して、各メッセージ生成手段(図示せず)が生成するメッセージ(EMMメッセージ)を識別するための情報となるTSのパケット識別(PID)を入力し、放送送信手段17に通知することとする。そして、放送送信手段17が、CAT生成手段71(図8)が生成するCATをMPEG−2 TSシステムを用いて多重化することとする。
これによって、デジタル放送送信装置1Eは、異なるメッセージを複数同時に送信することができる。
[識別子管理装置の構成]
次に、図29を参照(適宜図26参照)して、第5実施形態に係る識別子管理装置の構成について説明する。ここでは、識別子管理装置3は、通信送受信手段30と、指定識別子配信手段31と、指定識別子生成手段32と、指定識別子記憶手段33と、を備えている。
通信送受信手段30は、ネットワークNを介して、デジタル放送送信装置1Eとの間で通信データを送受信するものであって、例えば、通信制御ボードである。ここでは、通信送受信手段30は、デジタル放送送信装置1Eから通信データとして受信したメッセージである指定識別子要求を、指定識別子要求受信手段311に出力する。また、通信送受信手段30は、指定識別子送信手段312から出力される指定識別子ID3を、通信データとして、要求のあったデジタル放送送信装置1Eに送信する。
指定識別子配信手段31は、通信送受信手段30を介して、指定識別子ID3を、要求のあったデジタル放送送信装置1Eに配信(送信)するものである。ここでは、指定識別子配信手段31は、指定識別子要求受信手段311と、指定識別子送信手段312と、を備えている。
指定識別子要求受信手段311は、通信送受信手段30を介して、指定識別子ID3を取得する旨の要求(指定識別子要求)を、デジタル放送送信装置1Eから受信するものである。この指定識別子要求受信手段311は、指定識別子要求を受信した段階で、指定識別子生成手段32に対して、指定識別子ID3を生成する旨の要求を出力する。
指定識別子送信手段312は、指定識別子生成手段32で生成された指定識別子ID3を、通信送受信手段30を介して、要求のあったデジタル放送送信装置1Eに送信するものである。
指定識別子生成手段32は、デジタル放送送信装置1Eごとに固有の識別子(指定識別子ID3)を生成するものである。この指定識別子ID3の生成手法は、重複した値とならなければ特にその手法は問わない。例えば、指定識別子生成手段32は、要求のあった段階で順次連続番号となるように指定識別子ID3を生成する。
ここでは、指定識別子生成手段32は、指定識別子要求受信手段311から、指定識別子ID3を生成する旨の要求を入力した段階で、指定識別子ID3を生成し、指定識別子送信手段312に出力するとともに、指定識別子記憶手段33に書き込み記憶する。
指定識別子記憶手段33は、指定識別子生成手段32で生成された指定識別子ID3を記憶するものであって、ハードディスク等の一般的な記憶媒体である。
このように、識別子管理装置3は、個々のデジタル放送送信装置1Eを識別するための識別子(指定識別子ID3)を、要求に応じて順次生成するため、ICカード(CASカード等)のカード番号のように予め識別子を管理しておく必要がなく、ICカードのコストやそれらを管理するコストを削減することができる。
[デジタル放送受信装置の構成]
次に、図30を参照(適宜図26参照)して、第5実施形態に係るデジタル放送受信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送受信装置5Eは、放送受信手段50と、共通メッセージ処理手段51と、個別メッセージ処理手段52Cと、記憶手段53Dと、表示手段54Cと、初期化手段55Bと、を備えている。なお、図30では、デジタル放送受信装置5Eを識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送受信装置の機能、例えば、コンテンツ受信に関連する構成については図示を省略している。
ここで、個別メッセージ処理手段52C、記憶手段53D、表示手段54Cおよび初期化手段55B以外の構成については、図4で説明したデジタル放送受信装置5Aの構成と同一のものであるため、説明を省略する。
個別メッセージ処理手段(個別メッセージ受信手段)52Cは、放送受信手段50を介して入力されたデジタル放送受信装置5Eごとに個別のメッセージである個別メッセージを解析し、メッセージに応じた処理を行うものである。ここでは、個別メッセージ処理手段52Cは、メッセージ制御情報通知解析手段521Cと、指定識別子通知解析手段522と、を備えている。
メッセージ制御情報通知解析手段521Cは、個別メッセージとして送信されたメッセージ制御情報通知(図51(b)(b−1)参照)が、当該デジタル放送受信装置5E宛のメッセージであるか否かを解析し、当該デジタル放送受信装置5E宛のメッセージである場合に、メッセージ制御情報通知で通知されるメッセージ制御情報を処理するものである。
具体的には、メッセージ制御情報通知解析手段521Cは、メッセージ制御情報通知(図51(b)(b−1)参照)の宛先である指定識別子が、記憶手段53Dに記憶されている指定識別子ID3と一致する場合に、メッセージ制御情報通知の内容であるメッセージ制御情報を記憶手段53Dに書き込む。
例えば、メッセージ制御情報通知解析手段521Cは、個別メッセージの宛先が記憶手段53Dに記憶されている指定識別子と同一の指定識別子であって、個別メッセージの内容であるメッセージ制御情報が「放送チャンネル契約あり(0x0001)」であった場合、記憶手段53Dのメッセージ制御情報Mcに“0x0001”の値を書き込む。
指定識別子通知解析手段522は、個別メッセージとして送信された指定識別子通知(図51(b)(b−2)参照)が、当該デジタル放送受信装置5E宛のメッセージであるか否かを解析し、当該デジタル放送受信装置5E宛のメッセージである場合に、指定識別子通知で通知される指定識別子を処理するものである。
具体的には、指定識別子通知解析手段522は、指定識別子通知(図51(b)(b−2)参照)の宛先である個別識別子が、記憶手段53Dに記憶されている個別識別子ID2と一致する場合に、指定識別子通知の内容である指定識別子を記憶手段53Dに書き込む。なお、個別メッセージの指定識別子通知のフォーマットが、図51(b)(b−3)に示したように、メッセージの内容として、「メッセージ制御情報(Mc)」および「指定識別子(ID3)」が付加されたフォーマットの場合、指定識別子通知解析手段522は、宛先である個別識別子が、記憶手段53Dに記憶されている個別識別子ID2と一致する場合に、指定識別子通知の内容である指定識別子を記憶手段53Dに書き込むとともに、指定識別子通知の内容であるメッセージ制御情報を記憶手段53Dに書き込む。
記憶手段53Dは、デジタル放送受信装置5E固有の情報を記憶するものであって、不揮発性メモリ(NVRAM)等の一般的な記憶媒体である。この記憶手段53Dには、メッセージ制御情報Mcと、指定識別子ID3と、個別識別子ID2と、個人情報PDとが記憶される。指定識別子ID3以外の情報は、図4のデジタル放送受信装置5Aの記憶手段53において説明したものと同一であるため、説明を省略する。
指定識別子ID3は、デジタル放送送信装置1Eから、個別メッセージの指定識別子通知によって通知されたデジタル放送受信装置5Eを識別するための識別子である。この指定識別子ID3は、指定識別子通知解析手段522によって書き込まれる。
この記憶手段53Dに記憶される情報のうち、指定識別子ID3は、予め識別子として用いない初期値を設定しておくものとする。例えば、各識別値の初期値として、値“0”を設定しておく。これによって、初期設定時前に、当該デジタル放送受信装置5E宛のメッセージでないメッセージを誤って受信することを防止することができる。
表示手段54Cは、液晶ディスプレイ等の表示装置(図示せず)に表示データを表示するものである。ここでは、表示手段54Cは、個別識別子表示手段541と、メッセージ表示手段542と、指定識別子表示手段543と、を備えている。指定識別子表示手段543以外の構成は、図4のデジタル放送受信装置5Aの表示手段54において説明したものと同一であるため、説明を省略する。
指定識別子表示手段543は、記憶手段53Dに記憶されている指定識別子ID3を、表示データとして表示するものである。この指定識別子表示手段543は、例えば、リモコン装置等の入力手段(図示せず)によって、初期設定画面の表示を指示されることで、記憶手段53Dから、指定識別子ID3を読み出し、初期設定画面内の予め定めた領域に、指定識別子ID3の値をテキストデータ(10進数の数字等で表現した文字列)として表示する。視聴者は、この画面上に表示された指定識別子ID3を、電話等によって放送事業者に通知することで、視聴契約や契約の変更等を行うことが可能になる。
なお、この指定識別子表示手段543は、指定識別子ID3が記憶手段53Dに登録された後に機能するものとする。
初期化手段55Bは、記憶手段53Dに記憶されているメッセージ制御情報Mcおよび指定識別子ID3を初期化するものである。この初期化手段55Bは、スイッチ等の入力手段(図示せず)からの初期化指示、あるいは、初期設定画面により初期化を指示されることで、記憶手段53Dに記憶されているメッセージ制御情報Mcおよび指定識別子ID3を初期値に設定する。
例えば、メッセージ制御情報Mcとして、“0x0000”が「放送チャンネル契約なし」、“0x0001”が「放送チャンネル契約あり」とした場合、初期化手段55Bは、メッセージ制御情報Mcを、初期値である“0x0000”に設定する。
また、初期化手段55Bは、指定識別子ID3に、識別子として用いない初期値(例えば、値“0”)を設定する。これによって、デジタル放送受信装置5Eの所有者が変わる場合であっても、デジタル放送受信装置5Eを初期状態に設定し直すことができる。
このように、デジタル放送受信装置5Eは、予めデジタル放送受信装置5E内に記憶されている個別識別子の値を視聴者が放送事業者に通知し、放送事業者が管理する指定識別子が割り振られることで、デジタル放送受信装置5E固有のメッセージを受信することが可能になるため、従来のような受信装置ごとのCASカード等のICカードが不要となり、コストを軽減させることができる。
なお、デジタル放送受信装置5Eは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ受信プログラム)により動作させることができる。
また、ここでは、デジタル放送受信装置5Eは、1つのメッセージを、デジタル放送送信装置1E(図28)から受信する形態としたが、図9で説明したように、複数のメッセージからデジタル放送受信装置5Eへのメッセージを抽出して受信する形態であっても構わない。
この場合、デジタル放送受信装置5Eは、図9で説明したデジタル放送受信装置5A3と同様に、記憶手段62と、CAT処理手段63とをさらに備え、放送受信手段50を図9で説明した放送受信手段50Aに置き換えて構成すればよい。
これによって、デジタル放送受信装置5Eは、異なるメッセージから、自身へのメッセージを抽出して受信することができる。
[デジタル放送システムの動作]
次に、図31を参照(構成については、適宜図28〜30参照)して、第5実施形態に係るデジタル放送システムSEの動作について説明する。
(識別子登録動作)
まず、デジタル放送受信装置5Eは、初期設定時において、表示手段54Cの個別識別子表示手段541によって、記憶手段53Dに記憶されている個別識別子ID2を読み出して、画面上に表示する(ステップS10)。そして、視聴者は、画面上に表示された個別識別子ID2の値を、電話、ハガキ、インターネット等によって、氏名等の個人情報PDとともに放送事業者に通知する(ステップS11)。
そして、放送事業者が、デジタル放送受信装置5E固有の個別識別子ID2を取得する(ステップS12)。ここで、放送事業者のオペレータは、デジタル放送受信装置5Eにおいて、入力手段(図示せず)によって、視聴者から通知された個別識別子ID2の値を個人情報PDとともに入力する(ステップS13)。そして、デジタル放送送信装置1Eは、個別識別子登録手段10Cによって、ステップS13で入力された個別識別子ID2の値を個人情報PDと対応付けて識別子記憶手段14Bの識別子データベースに登録する(ステップS14)。このステップS10からS14までの動作によって、デジタル放送送信装置1Eには、デジタル放送受信装置5E固有の識別子(個別識別子ID2)が登録される。
(グループ化処理)
ステップS14で識別子記憶手段14Bの識別子データベースに個別識別子ID2が登録された後、デジタル放送送信装置1Eは、指定識別子取得手段21の指定識別子要求手段211によって、指定識別子ID3を取得する旨の要求(指定識別子要求)を生成し、通信送受信手段20を介して、識別子管理装置3に指定識別子要求を送信する(ステップS30)。
そして、識別子管理装置3は、指定識別子配信手段31の指定識別子要求受信手段311によって、通信送受信手段30を介して、指定識別子要求を受信する(ステップS31)。その後、識別子管理装置3は、指定識別子生成手段32によって、指定識別子ID3を生成する(ステップS32)。さらに、識別子管理装置3は、指定識別子生成手段32によって、ステップS32で生成された指定識別子ID3を、指定識別子記憶手段33(識別子データベース)に書き込み記憶する(ステップS33)。
そして、識別子管理装置3は、指定識別子配信手段31の指定識別子送信手段312によって、ステップS32で生成された指定識別子ID3を、通信送受信手段30を介して、要求のあったデジタル放送送信装置1Eに送信する(ステップS34)。
そして、デジタル放送送信装置1Eは、指定識別子取得手段21の指定識別子登録手段212によって、通信送受信手段20を介して、識別子管理装置3から指定識別子ID3を受信し(ステップS35)、識別子記憶手段14Bの識別子データベースに登録する(ステップS36)。
そして、デジタル放送送信装置1Eは、個別メッセージ生成手段16Bの指定識別子通知生成手段162によって、ステップS13で入力された個別識別子ID2を宛先、メッセージ制御情報McおよびステップS35で受信した指定識別子ID3を内容とした個別メッセージ(指定識別子通知〔メッセージ制御情報付き〕)を生成する(ステップS37)。例えば、ここでは、このメッセージ制御情報Mcを、「放送チャンネル契約あり(0x0001)」とする。
そして、デジタル放送送信装置1Eは、放送送信手段17によって、ステップS37で生成された個別メッセージ(指定識別子通知〔メッセージ制御情報付き〕)を、放送波Wを介して、デジタル放送受信装置5Eに送信する(ステップS38)。
一方、デジタル放送受信装置5Eは、放送受信手段50によって、放送波Wを介して、個別メッセージを受信する(ステップS39)。そして、デジタル放送受信装置5Eは、個別メッセージ処理手段52Cの指定識別子通知解析手段522によって、ステップS39で受信した個別メッセージの指定識別子通知(メッセージ制御情報付き)が、当該デジタル放送受信装置5E宛のメッセージであるか否かを解析し、当該デジタル放送受信装置5E宛のメッセージである場合に、指定識別子通知で通知されるメッセージ制御情報Mcを、記憶手段53Dに書き込み記憶し(ステップS40)、指定識別子通知で通知される指定識別子ID3を、記憶手段53Dに書き込み記憶する(ステップS41)。
これによって、デジタル放送受信装置5Eの記憶手段53Dには、メッセージ制御情報Mcとして、「放送チャンネル契約あり(0x0001)」が書き込まれることになる。
その後、デジタル放送送信装置1Eは、共通メッセージ生成手段15のメッセージ情報通知生成手段151によって、メッセージ情報を通知する共通メッセージを生成する(ステップS42)。例えば、ここでは、共通メッセージ生成手段15は、「放送チャンネル契約なし(0x0000)」のメッセージ制御情報を宛先、「このチャンネルは未契約です」のメッセージ情報を内容とする共通メッセージ(メッセージ情報通知)を生成する。
そして、デジタル放送送信装置1Eは、放送送信手段17によって、ステップS42で生成された共通メッセージ(メッセージ情報通知)を、放送波Wを介して、デジタル放送受信装置5Eに送信する(ステップS43)。
一方、デジタル放送受信装置5Eは、放送受信手段50によって、放送波Wを介して、共通メッセージを受信する(ステップS44)。そして、デジタル放送受信装置5Eは、共通メッセージ処理手段51のメッセージ情報通知解析手段511によって、ステップS44で受信した共通メッセージのメッセージ情報通知の宛先が記憶手段53Dに記憶されているメッセージ制御情報Mcと一致するか否かにより、共通メッセージが当該デジタル放送受信装置5E宛のメッセージであるか否かを解析する。
そして、デジタル放送受信装置5Eは、ステップS44で受信した共通メッセージが、当該デジタル放送受信装置5E宛のメッセージである場合に、メッセージ情報通知で通知されるメッセージ情報Msgを処理する(ステップS45)。例えば、記憶手段53Dに記憶されているメッセージ情報Msgが、「放送チャンネル契約なし(0x0000)」であるときに、共通メッセージの宛先であるメッセージ制御情報が「放送チャンネル契約なし(0x0000)」、共通メッセージの内容であるメッセージ情報が「このチャンネルは未契約です」のメッセージ情報通知を受信した場合、デジタル放送受信装置5Eは、メッセージ表示手段542によって、画面上に「このチャンネルは未契約です」を表示する。一方、記憶手段53Cに記憶されているメッセージ情報Msgが、「放送チャンネル契約あり(0x0001)」であれば、メッセージ表示手段542は、画面上に「このチャンネルは未契約です」の表示を行わずに動作を終了する。
このように、デジタル放送受信装置5Eは、メッセージ制御情報Mcによって、グループ化(ここでは、契約の有無によるグループ化)されることになる。
≪第5実施形態の変形例≫
次に、第5実施形態の変形例について説明する。図30のデジタル放送受信装置5Eでは、個別識別子ID2を視聴者から放送事業者に通知してもらうために、表示手段54Cの個別識別子表示手段541によって、個別識別子ID2を設定画面等の画面上に表示する形態としていた。
この変形例においては、図6,7で説明した第1実施形態の変形例と同様、データ放送として表示される画面上に、個別識別子ID2を表示する機能を付加することとした。
なお、この変形例におけるシステム構成は、図27に示したデジタル放送システムSEのデジタル放送送信装置1Eおよびデジタル放送受信装置5Eを、それぞれ後記するデジタル放送送信装置1E2(図32)およびデジタル放送受信装置5E2(図33)に置き換えた構成となる。
[デジタル放送送信装置の構成]
まず、図32を参照して、第5実施形態の変形例に係るデジタル放送送信装置の構成について説明する。このデジタル放送送信装置1E2は、図28で説明したデジタル放送送信装置1Eに、データ放送用データ記憶手段23と、データカルーセル符号化手段24とを付加して構成している。
ここで、データ放送用データ記憶手段23およびデータカルーセル符号化手段24は、図6で説明したデジタル放送送信装置1A2と同一の構成である。また、データ放送用データ記憶手段23およびデータカルーセル符号化手段24以外の構成については、図28で説明したデジタル放送送信装置1Eと同一の構成である。
そこで、ここでは、デジタル放送送信装置1A2(図6)およびデジタル放送送信装置1E(図28)と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
ただし、この変形例においては、個別識別子ID2以外にも、指定識別子ID3をデータ放送によって画面上に表示させることが可能である。この場合、BMLデータDtには、デジタル放送受信装置5E2(図33)の記憶手段53Dに記憶している指定識別子ID3を読み出して画面上に表示する動作を記述したプログラムを付加することとする。
[デジタル放送受信装置の構成]
次に、図33を参照して、第3実施形態の変形例に係るデジタル放送受信装置の構成について説明する。このデジタル放送受信装置5E2は、図30で説明したデジタル放送受信装置5Eに、データカルーセル復号手段61を付加し、さらに、表示手段54CにBML復号手段544を付加して新たな表示手段54Fとして構成している。
ここで、データカルーセル復号手段61およびBML復号手段544は、図7で説明したデジタル放送受信装置5A2と同一の構成である。また、データカルーセル復号手段61およびBML復号手段544以外の構成については、図30で説明したデジタル放送受信装置5Eと同一の構成である。
そこで、ここでは、デジタル放送受信装置5A2(図7)およびデジタル放送受信装置5E(図30)と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
ただし、BMLデータDtに指定識別子ID3を画面上に表示する動作が記述されている場合、BML復号手段544は、記憶手段53Dから指定識別子ID3を読み出して画面上に表示する。
[デジタル放送システムの動作]
この第5実施形態の変形例に係るデジタル放送システムの動作は、基本的に、図31で説明した動作と同じである。ただし、デジタル放送受信装置5Eが、図31のステップS10において、個別識別子表示手段541によって、設定画面に個別識別子ID2を表示するのに対し、デジタル放送受信装置5E2は、BML復号手段544によって、データ放送の画面に個別識別子ID2を表示する機能が付加された点が異なっている。
すなわち、デジタル放送送信装置1E2(図32)は、図31のステップS10の前に、データカルーセル符号化手段24によって、データ放送として個別識別子ID2等を表示するためのBMLデータDtを送信する。そして、デジタル放送受信装置5E2(図33)は、データカルーセル復号手段61によって、カルーセル伝送で送信されるデータ(DII、DDB)をBMLデータDtに復号し、BML復号手段544によって、記憶手段53Dから個別識別子ID2を読み出して、画面上に表示する(ステップS10)。
以降の動作については、図31で説明したデジタル放送システムSEの動作と同一であるため、説明を省略する。
≪第6実施形態≫
[デジタル放送システムの概要]
次に、図34を参照して、第6実施形態に係るデジタル放送システムSFの構成の概要について説明する。
デジタル放送システムSFは、複数の放送事業者A,B,…が有するデジタル放送送信装置1F(1),1F(1),…と、識別子管理装置3と、各家庭等に設置されたデジタル放送受信装置5F(5),5F(5),…とで構成され、デジタル放送送信装置1Fからデジタル放送で送信されるコンテンツ(放送番組)をデジタル放送受信装置5Fにおいて受信し、視聴者が視聴するシステムである。
このデジタル放送システムSFは、デジタル放送送信装置1Fが、識別子管理装置3が管理する識別子(指定識別子)を、デジタル放送受信装置5F,5F,…ごとに個別に配信し、その指定識別子を用いて、デジタル放送受信装置5F宛の個別のメッセージ情報を送信することを可能にしている点については、デジタル放送システムSE(図26参照)と同じである。しかし、デジタル放送システムSFは、デジタル放送受信装置5Fから、指定識別子を配信する宛先となる個別識別子ID2をデジタル放送送信装置1Fに通知する際、並びに、デジタル放送送信装置1Fから、指定識別子ID3をデジタル放送受信装置5Fに通知する際に、電話回線、インターネット回線等を用いたネットワークN2を介して通知する点が相違している。
なお、デジタル放送システムSFの動作の概要は、図27で説明したデジタル放送システムSEの動作とほぼ同様であるが、図35に示すように、ステップSF1において、デジタル放送受信装置5Fから、通信(ネットワークN2)により個別識別子ID2をデジタル放送送信装置1Fに送信し、ステップSF3において、デジタル放送送信装置1Fから、通信(ネットワークN2)により指定識別子ID3を送信する点が相違している。
以下、第6実施形態に係るデジタル放送システムSFにおけるデジタル放送送信装置1Fおよびデジタル放送受信装置5Fの構成および動作について、第6実施形態に係るデジタル放送システムSE(図26参照)との相違点を中心に説明する。識別子管理装置3は、デジタル放送システムSEと同一の構成であるため説明を省略する。
[デジタル放送送信装置の構成]
まず、図36を参照(適宜図34参照)して、第6実施形態に係るデジタル放送送信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送送信装置1Fは、個別識別子登録手段10Dと、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13Bと、識別子記憶手段14Cと、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16Cと、放送送信手段17と、通信送受信手段20と、指定識別子取得手段21と、第2通信送受信手段22と、を備えている。なお、図36では、デジタル放送受信装置5Fを識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送送信装置の機能、例えば、コンテンツ配信に関連する構成については図示を省略している。
ここで、個別識別子登録手段10Dと、識別子記憶手段14C、個別メッセージ生成手段16Cおよび第2通信送受信手段22以外の構成については、図28で説明したデジタル放送送信装置1Eの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
個別識別子登録手段10Dは、デジタル放送受信装置5F固有の識別子である個別識別子ID2と視聴者の個人情報PDとを、第2通信送受信手段22を介して受信し、当該個別識別子ID2を送信したデジタル放送受信装置5FのネットワークアドレスAdrとともに、識別子記憶手段14Cに登録(記憶)するものである。
なお、個別識別子登録手段10Dは、個別識別子ID2と視聴者の個人情報PDとを受信した段階で、指定識別子取得手段21に対して、指定識別子ID3を取得する旨の指示を出力する。
識別子記憶手段14Cは、個別識別子登録手段10Dにより登録される個別識別子ID2、個人情報PDおよびデジタル放送受信装置5FのネットワークアドレスAdrと、指定識別子取得手段21で取得した指定識別子ID3と、を対応付けて記憶するものであって、ハードディスク等の一般的な記憶媒体である。この識別子記憶手段14Cは、個別識別子ID2、指定識別子ID3ごとに、視聴者の氏名、住所、電話番号等の個人情報PDを対応付けてデータベース化する。なお、識別子記憶手段14Cのデータベースには、個別識別子ID2や指定識別子ID3が登録されるまでは、識別子と認識されない予め定めた初期値が設定されているものとする。
個別メッセージ生成手段16Cは、個々のデジタル放送受信装置5Fに個別に送信するメッセージ(個別メッセージ)を生成するものである。ここでは、個別メッセージ生成手段16Cは、メッセージ制御情報通知生成手段161Cと、指定識別子通知生成手段162Cと、を備えている。
メッセージ制御情報通知生成手段161Cは、図28で説明したメッセージ制御情報通知生成手段161Bと同様の機能を有するものである。ただし、メッセージ制御情報通知生成手段161Cは、生成した個別メッセージ(メッセージ制御情報通知)を、第2通信送受信手段22により、ネットワークN2を介して、デジタル放送受信装置5Fに送信する点が異なっている。すなわち、メッセージ制御情報通知生成手段161Cは、識別子記憶手段14Cで対応付けされている指定識別子ID3に対応するネットワークアドレスAdr先のデジタル放送受信装置5Fに対して、個別メッセージ(メッセージ制御情報通知)を送信する。
指定識別子通知生成手段162Cは、図28で説明した指定識別子通知生成手段162と同様の機能を有するものである。ただし、指定識別子通知生成手段162Cは、生成した個別メッセージ(指定識別子通知)を、第2通信送受信手段22により、ネットワークN2を介して、デジタル放送受信装置5Fに送信する点が異なっている。すなわち、指定識別子通知生成手段162Cは、識別子記憶手段14Cで対応付けされている個別識別子ID2に対応するネットワークアドレスAdr先のデジタル放送受信装置5Fに対して、個別メッセージ(指定識別子通知)を送信する。
この指定識別子通知生成手段162Cは、第2通信送受信手段22により指定識別子通知を送信し、受信確認通知を受信したタイミングで、識別子記憶手段14Cから個別識別子ID2を削除することとしてもよい。以降の動作において、指定識別子ID3により、デジタル放送受信装置5Fを特定することができるからである。
なお、個別メッセージ生成手段16Cは、すべての個別メッセージを通信データとして送信する必要はなく、メッセージ制御情報通知生成手段161Cが生成するメッセージ制御情報通知や、指定識別子通知生成手段162Cが生成する指定識別子通知以外の個別メッセージ、例えば、メール等については、放送送信手段17を介して放送データとして送信することとしてもよい。
第2通信送受信手段22は、ネットワークN2を介して、デジタル放送受信装置5Fとの間で通信データを送受信するものであって、例えば、通信制御ボードである。ここでは、第2通信送受信手段22は、個別メッセージ生成手段16Cで生成される個別メッセージを、通信データとして、ネットワークN2を介してデジタル放送受信装置5Fに送信する。また、第2通信送受信手段22は、デジタル放送受信装置5Fから、登録を行う個別識別子ID2と個人情報PDとを受信し、個別識別子登録手段10Dに出力する。
このように、デジタル放送送信装置1Fは、従来のCASカードのカード番号のように、放送事業者において、予め受信装置ごとに固有の識別子を管理しておく必要がない。また、デジタル放送送信装置1Fは、識別子(個別識別子ID2)を登録する際にオペレータ等の人手を介することなく、識別子登録処理を自動化することができる。
なお、デジタル放送送信装置1Fは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ送信プログラム)により動作させることができる。
また、ここでは、デジタル放送送信装置1Fは、1つのメッセージを、デジタル放送受信装置5F(図37)に送信する形態としたが、図8で説明したように、複数のメッセージを同時に送信する形態であっても構わない。
この場合、デジタル放送送信装置1Fは、図8で説明したデジタル放送送信装置1A3と同様に、共通メッセージや個別メッセージを生成するための構成(メッセージ生成手段)を複数備え、さらに、各メッセージ生成手段が生成するメッセージ情報を識別するための情報を付加するCAT生成手段71を備えて構成すればよい。
また、この場合、メッセージ生成手段は、個別識別子登録手段10Dと、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13Bと、識別子記憶手段14Cと、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16Cと、指定識別子取得手段21と、で構成すればよい。そして、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16Cとが、外部から入力手段(図示せず)を介して、各メッセージ生成手段(図示せず)が生成するメッセージ(EMMメッセージ)を識別するための情報となるTSのパケット識別(PID)を入力し、放送送信手段17に通知することとする。そして、放送送信手段17が、CAT生成手段71(図8)が生成するCATをMPEG−2 TSシステムを用いて多重化することとする。
これによって、デジタル放送送信装置1Fは、異なるメッセージを複数同時に送信することができる。
[デジタル放送受信装置の構成]
次に、図37を参照(適宜図34参照)して、第6実施形態に係るデジタル放送受信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送受信装置5Fは、放送受信手段50と、共通メッセージ処理手段51と、個別メッセージ処理手段52Dと、記憶手段53Dと、表示手段54Dと、初期化手段55Bと、個別識別子登録要求手段56Dと、通信送受信手段57Bと、を備えている。なお、図37では、デジタル放送受信装置5Fを識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送受信装置の機能、例えば、コンテンツ受信に関連する構成については図示を省略している。
ここで、個別メッセージ処理手段52D、表示手段54Dと、個別識別子登録要求手段56Dおよび通信送受信手段57B以外の構成については、図30で説明したデジタル放送受信装置5Eの構成と同一のものであるため、同一の符号を付して説明を省略する。
個別メッセージ処理手段(個別メッセージ受信手段)52Dは、通信送受信手段57Bを介して入力されたデジタル放送受信装置5Fごとに個別のメッセージである個別メッセージを解析し、メッセージに応じた処理を行うものである。ここでは、個別メッセージ処理手段52Dは、メッセージ制御情報通知解析手段521Dと、指定識別子通知解析手段522Dと、を備えている。
メッセージ制御情報通知解析手段521Dは、図30で説明したメッセージ制御情報通知解析手段521Cと同様の機能を有するものである。ただし、メッセージ制御情報通知解析手段521Dは、個別メッセージ(メッセージ制御情報通知)を通信送受信手段57Bにより、ネットワークN2を介して受信する点が異なっている。
指定識別子通知解析手段522Dは、図30で説明した指定識別子通知解析手段522と同様の機能を有するものである。ただし、指定識別子通知解析手段522Dは、個別メッセージ(指定識別子通知)を通信送受信手段57Bにより、ネットワークN2を介して受信する点が異なっている。
表示手段54Dは、液晶ディスプレイ等の表示装置(図示せず)に表示データを表示するものである。ここでは、表示手段54Dは、図30で説明した表示手段54Cから、個別識別子表示手段541を省いて構成している。
個別識別子登録要求手段56Dは、記憶手段53Dに記憶されている個別識別子ID2と個人情報PDとを登録する旨の要求(識別子登録要求)を、通信送受信手段57Bを介して、デジタル放送送信装置1Fに送信するものである。この個別識別子登録要求手段56Dは、例えば、チャンネル設定等の初期設定時に、記憶手段53Dから個別識別子ID2を読み出すとともに、同じく初期設定時に設定される個人情報PDを用いて、識別子登録要求を生成し、デジタル放送送信装置1Fに送信する。
なお、個別識別子登録要求手段56Dは、識別子登録要求を送信後、個別メッセージ(指定識別子通知)が通知されるか、あるいは、指定識別子ID3が記憶手段53Dに登録されるか否かを監視し、予め定めた時間内に通知あるいは登録が行われない場合、再度識別子登録要求を送信することとしてもよい。これによって、確実に指定識別子の登録が行われることになる。
また、この個別識別子登録要求手段56Dは、図13で説明した個別識別子登録要求手段56Bと同様に、通信送受信手段57Bに設定されている個別情報は、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC)のMACアドレスを個別識別子ID2として用いることとしてもよい。
通信送受信手段57Bは、ネットワークN2を介して、デジタル放送送信装置1Fとの間で通信データを送受信するものであって、例えば、通信制御ボードである。ここでは、通信送受信手段57Bは、ネットワークN2を介して受信した個別メッセージを個別メッセージ処理手段52Dに出力する。また、通信送受信手段57Bは、個別識別子登録要求手段56Dから入力された識別子登録要求を、ネットワークN2を介してデジタル放送送信装置1Fに送信する。
なお、デジタル放送受信装置5Fは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ受信プログラム)により動作させることができる。
また、ここでは、デジタル放送受信装置5Fは、1つのメッセージを、デジタル放送送信装置1F(図37)から受信する形態としたが、図9で説明したように、複数のメッセージからデジタル放送受信装置5Fへのメッセージを抽出して受信する形態であっても構わない。
この場合、デジタル放送受信装置5Fは、図9で説明したデジタル放送受信装置5A3と同様に、記憶手段62と、CAT処理手段63とをさらに備え、放送受信手段50を図9で説明した放送受信手段50Aに置き換えて構成すればよい。
これによって、デジタル放送受信装置5Fは、異なるメッセージから、自身へのメッセージを抽出して受信することができる。
[デジタル放送システムの動作]
次に、図38を参照(構成については、適宜図36,37参照)して、第6実施形態に係るデジタル放送システムSFの動作について説明する。
(識別子登録動作)
まず、デジタル放送受信装置5Fは、個別識別子登録要求手段56Dによって、記憶手段53Dに記憶されている個別識別子ID2と個人情報PDとを読み出す(ステップS10B)。そして、デジタル放送受信装置5Fは、通信送受信手段57Bによって、ステップS10Bで読み出した個別識別子ID2と個人情報PDとをデジタル放送送信装置1Fに送信する(ステップS11B)。
一方、デジタル放送送信装置1Fは、第2通信送受信手段22によって、ステップS11Bで送信された個別識別子ID2と個人情報PDとを受信する(ステップS12B)。そして、デジタル放送送信装置1Fは、個別識別子登録手段10Dによって、ステップS12Bで受信した個別識別子ID2と、個人情報PDと、当該個別識別子ID2を送信したデジタル放送受信装置5FのネットワークアドレスAdrとを対応付けて識別子記憶手段14Cの識別子データベースに登録する(ステップS14)。このステップS10BからS14までの動作によって、デジタル放送送信装置1Fには、デジタル放送受信装置5F固有の識別子(個別識別子ID2)が登録される。
なお、ステップS30以降の動作については、基本的に図31で説明したデジタル放送システムSEの動作と同一である。ただし、デジタル放送送信装置1Fが、ステップS38Bにおいて、個別メッセージを通信(ネットワーク)により送信する点が異なっている。
以上の動作によって、デジタル放送システムSFは、予め受信装置にICカードを付与することなく、個々の受信装置の識別子を管理し、メッセージを送信することが可能になる。
≪第7実施形態≫
[デジタル放送システムの概要]
次に、図39を参照して、第7実施形態に係るデジタル放送システムSGの構成の概要について説明する。
デジタル放送システムSGは、複数の放送事業者A,B,…が有するデジタル放送送信装置1G(1),1G(1),…と、識別子管理装置3と、各家庭等に設置されたデジタル放送受信装置5G(5),5G(5),…とで構成され、デジタル放送送信装置1Gからデジタル放送で送信されるコンテンツ(放送番組)をデジタル放送受信装置5Gにおいて受信し、視聴者が視聴するシステムである。
このデジタル放送システムSGは、識別子管理装置3が管理する識別子(指定識別子)を、デジタル放送受信装置5G,5G,…ごとに個別に配信し、その指定識別子を用いて、デジタル放送受信装置5G宛の個別のメッセージ情報を送信することを可能にしている。
このデジタル放送システムSGは、識別子管理装置3が管理する指定識別子を用いて、デジタル放送受信装置5G宛の個別のメッセージ情報を送信することを可能にしている点については、デジタル放送システムSE(図27参照)と同じである。しかし、デジタル放送システムSGは、デジタル放送受信装置5Gからデジタル放送送信装置1Fに通知する個別識別子ID2を、デジタル放送受信装置5Gで生成する点が相違している。
なお、デジタル放送システムSGの動作の概要は、図27で説明したデジタル放送システムSEの動作と同様であるため説明を省略する。
以下、第7実施形態に係るデジタル放送システムSGにおけるデジタル放送送信装置1Gおよびデジタル放送受信装置5Gの構成および動作について、他の実施形態との相違点を中心に説明する。識別子管理装置3は、デジタル放送システムSEと同一の構成であるため説明を省略する。
[デジタル放送送信装置の構成]
まず、図40を参照(適宜図39参照)して、第7実施形態に係るデジタル放送送信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送送信装置1Gは、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13Bと、識別子記憶手段14Bと、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16Bと、放送送信手段17と、識別子登録手段19Cと、通信送受信手段20と、指定識別子取得手段21と、を備えている。
ここで、識別子登録手段19C以外の構成は、図28で説明したデジタル放送送信装置1Eの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
識別子登録手段19Cは、デジタル放送受信装置5Gで生成された識別子である個別識別子ID2と視聴者の個人情報PDとを外部から入力し、記憶手段(識別子記憶手段14B)の識別子データベースに登録するものである。ここでは、識別子登録手段19Cは、個別識別子重複判定手段191Cと、個別識別子登録手段192Cと、を備えている。
個別識別子重複判定手段191Cは、外部から入力された個別識別子ID2が、識別子記憶手段14Bに登録(記憶)されているか否かを判定するものである。この個別識別子重複判定手段191Cは、すでに個別識別子ID2が識別子記憶手段14Bに登録されている場合、その旨を表示装置(図示せず)に表示する。一方、まだ個別識別子ID2が識別子記憶手段14Bに登録されていない場合、登録の指示を個別識別子登録手段192Cに通知するとともに、指定識別子取得手段21に対して、指定識別子ID3を取得する旨の指示を通知する。
個別識別子登録手段192Cは、個別識別子ID2と視聴者の個人情報PDとを識別子記憶手段14Bに登録(記憶)するものである。ここでは、個別識別子登録手段192Cは、個別識別子重複判定手段191Cから、個別識別子ID2の登録の指示があった段階で、個別識別子ID2を個人情報PDと対応付けて識別子記憶手段14Bに登録する。
また、ここでは、個別識別子登録手段192Cは、入力された個別識別子ID2を個別メッセージ生成手段16Bの指定識別子通知生成手段162に出力する。なお、この指定識別子通知生成手段162への出力は、個別識別子ID2を入力された段階で、デジタル放送受信装置5Eからの登録を受け付け、指定識別子ID3を通知する個別メッセージを配信するために行うものである。
このように、デジタル放送送信装置1Gは、予め受信装置にICカード(CASカード等)を配布しておかなくても、後から個々の受信装置に識別子(指定識別子)を設定することができる。これによって、ICカードのコストやそれらを管理するコストを削減することができる。
なお、デジタル放送送信装置1Gは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ送信プログラム)により動作させることができる。
また、ここでは、デジタル放送送信装置1Gは、1つのメッセージを、デジタル放送受信装置5G(図41)に送信する形態としたが、図8で説明したように、複数のメッセージを同時に送信する形態であっても構わない。
この場合、デジタル放送送信装置1Gは、図8で説明したデジタル放送送信装置1A3と同様に、共通メッセージや個別メッセージを生成するための構成(メッセージ生成手段)を複数備え、さらに、各メッセージ生成手段が生成するメッセージ情報を識別するための情報を付加するCAT生成手段71を備えて構成すればよい。
また、この場合、メッセージ生成手段は、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13Bと、識別子記憶手段14Bと、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16Bと、識別子登録手段19Cと、指定識別子取得手段21と、で構成すればよい。そして、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16Bとが、外部から入力手段(図示せず)を介して、各メッセージ生成手段(図示せず)が生成するメッセージ(EMMメッセージ)を識別するための情報となるTSのパケット識別(PID)を入力し、放送送信手段17に通知することとする。そして、放送送信手段17が、CAT生成手段71(図8)が生成するCATをMPEG−2 TSシステムを用いて多重化することとする。
これによって、デジタル放送送信装置1Gは、異なるメッセージを複数同時に送信することができる。
[デジタル放送受信装置の構成]
次に、図41を参照(適宜図39参照)して、第7実施形態に係るデジタル放送受信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送受信装置5Gは、放送受信手段50と、共通メッセージ処理手段51と、個別メッセージ処理手段52Cと、記憶手段53Eと、表示手段54Cと、初期化手段55Bと、個別識別子再設定手段58と、計時手段59と、個別識別子生成手段60と、を備えている。なお、図41は、デジタル放送受信装置5Gを識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送受信装置の機能、例えば、コンテンツ受信に関連する構成については図示を省略している。
ここで、放送受信手段50、共通メッセージ処理手段51、個別メッセージ処理手段52C、表示手段54Cおよび初期化手段55Bについては、図30で説明したデジタル放送受信装置5Eの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
また、個別識別子再設定手段58、計時手段59および個別識別子生成手段60については、図18で説明したデジタル放送受信装置5Cの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
また、記憶手段53Eに記憶する各種情報は、図30の記憶手段53Dに記憶する各種情報に、図18の記憶手段53Cに記憶する受信機情報Tiを付加したものである。
このように、デジタル放送受信装置5Gは、ランダムな仮識別子ID1から、個別識別子ID2を生成することで、個別識別子ID2が個々のデジタル放送受信装置5Gにおいて重複する可能性を極力抑えることができる。
また、デジタル放送受信装置5Gは、放送事業者が管理する指定識別子により、デジタル放送受信装置5G固有のメッセージを受信することが可能になるため、従来のような受信装置ごとのCASカード等のICカードが不要となり、コストを軽減させることができる。
なお、デジタル放送受信装置5Gは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ受信プログラム)により動作させることができる。
また、ここでは、デジタル放送受信装置5Gは、1つのメッセージを、デジタル放送送信装置1G(図40)から受信する形態としたが、図9で説明したように、複数のメッセージからデジタル放送受信装置5Gへのメッセージを抽出して受信する形態であっても構わない。
この場合、デジタル放送受信装置5Gは、図9で説明したデジタル放送受信装置5A3と同様に、記憶手段62と、CAT処理手段63とをさらに備え、放送受信手段50を図9で説明した放送受信手段50Aに置き換えて構成すればよい。
これによって、デジタル放送受信装置5Gは、異なるメッセージから、自身へのメッセージを抽出して受信することができる。
[デジタル放送システムの動作]
図42には、第7実施形態に係るデジタル放送システムSGの動作を示すフローチャートを示している。
ここで、ステップS10CからステップS14までの動作は、図19で説明したデジタル放送システムSCの動作と同一である。また、ステップS30以降の動作については、図31で説明したデジタル放送システムSEの動作と同一である。よって、ここでは、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
≪第7実施形態の変形例≫
次に、第7実施形態の変形例について説明する。図41のデジタル放送受信装置5Gでは、個別識別子ID2を視聴者から放送事業者に通知してもらうために、表示手段54Cの個別識別子表示手段541によって、個別識別子ID2を設定画面等の画面上に表示する形態としていた。
この変形例においては、図6,7で説明した第1実施形態の変形例と同様、データ放送として表示される画面上に、個別識別子ID2を表示する機能を付加することとした。
なお、この変形例におけるシステム構成は、図39に示したデジタル放送システムSGのデジタル放送送信装置1Gおよびデジタル放送受信装置5Gを、それぞれ後記するデジタル放送送信装置1G2(図43)およびデジタル放送受信装置5G2(図44)に置き換えた構成となる。
[デジタル放送送信装置の構成]
まず、図43を参照して、第7実施形態の変形例に係るデジタル放送送信装置の構成について説明する。このデジタル放送送信装置1G2は、図40で説明したデジタル放送送信装置1Gに、データ放送用データ記憶手段23と、データカルーセル符号化手段24とを付加して構成している。
ここで、データ放送用データ記憶手段23およびデータカルーセル符号化手段24は、図6で説明したデジタル放送送信装置1A2と同一の構成である。また、データ放送用データ記憶手段23およびデータカルーセル符号化手段24以外の構成については、図40で説明したデジタル放送送信装置1Gと同一の構成である。
そこで、ここでは、デジタル放送送信装置1A2(図6)およびデジタル放送送信装置1G(図40)と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
ただし、この変形例においては、個別識別子ID2以外にも、指定識別子ID3をデータ放送によって画面上に表示させることが可能である。この場合、BMLデータDtには、デジタル放送受信装置5G2(図44)の記憶手段53Eに記憶している指定識別子ID3を読み出して画面上に表示する動作を記述したプログラムを付加することとする。
[デジタル放送受信装置の構成]
次に、図44を参照して、第7実施形態の変形例に係るデジタル放送受信装置の構成について説明する。このデジタル放送受信装置5G2は、図41で説明したデジタル放送受信装置5Gに、データカルーセル復号手段61を付加し、さらに、表示手段54CにBML復号手段544を付加して新たな表示手段54Fとして構成している。
ここで、データカルーセル復号手段61およびBML復号手段544は、図7で説明したデジタル放送受信装置5A2と同一の構成である。また、データカルーセル復号手段61およびBML復号手段544以外の構成については、図41で説明したデジタル放送受信装置5Gと同一の構成である。
そこで、ここでは、デジタル放送受信装置5A2(図7)およびデジタル放送受信装置5G(図41)と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
ただし、BMLデータDtに指定識別子ID3を画面上に表示する動作が記述されている場合、BML復号手段544は、記憶手段53Eから指定識別子ID3を読み出して画面上に表示する。
[デジタル放送システムの動作]
この第7実施形態の変形例に係るデジタル放送システムの動作は、基本的に、図42で説明した動作と同じである。ただし、デジタル放送受信装置5Gが、図42のステップS10において、個別識別子表示手段541によって、設定画面に個別識別子ID2を表示するのに対し、デジタル放送受信装置5G2は、BML復号手段544によって、データ放送の画面に個別識別子ID2を表示する機能が付加された点が異なっている。
すなわち、デジタル放送送信装置1G2(図43)は、図42のステップS10Dの後、ステップS10の前に、データカルーセル符号化手段24によって、データ放送として個別識別子ID2等を表示するためのBMLデータDtを送信する。そして、デジタル放送受信装置5G2(図44)は、データカルーセル復号手段61によって、カルーセル伝送で送信されるデータ(DII、DDB)をBMLデータDtに復号し、BML復号手段544によって、記憶手段53Eから個別識別子ID2を読み出して、画面上に表示する(ステップS10)。
以降の動作については、図42で説明したデジタル放送システムSGの動作と同一であるため、説明を省略する。
≪第8実施形態≫
[デジタル放送システムの概要]
次に、図45を参照して、第8実施形態に係るデジタル放送システムSHの構成の概要について説明する。
デジタル放送システムSHは、複数の放送事業者A,B,…が有するデジタル放送送信装置1H(1),1H(1),…と、識別子管理装置3と、各家庭等に設置されたデジタル放送受信装置5H(5),5H(5),…とで構成され、デジタル放送送信装置1Hからデジタル放送で送信されるコンテンツ(放送番組)をデジタル放送受信装置5Hにおいて受信し、視聴者が視聴するシステムである。
このデジタル放送システムSHは、識別子管理装置3が管理する識別子(指定識別子)を用いて、デジタル放送受信装置5H宛の個別のメッセージ情報を送信することを可能にしている点については、デジタル放送システムSF(図34参照)と同じである。しかし、デジタル放送システムSHは、デジタル放送受信装置5Hからデジタル放送送信装置1Hに通知する個別識別子ID2を、デジタル放送受信装置5Hで生成する点が相違している。
なお、デジタル放送システムSHの動作の概要は、図35で説明したデジタル放送システムSFの動作と同様であるため説明を省略する。
以下、第8実施形態に係るデジタル放送システムSHにおけるデジタル放送送信装置1Hおよびデジタル放送受信装置5Hの構成および動作について、他の実施形態との相違点を中心に説明する。識別子管理装置3は、デジタル放送システムSEと同一の構成であるため説明を省略する。
[デジタル放送送信装置の構成]
まず、図46を参照(適宜図45参照)して、第8実施形態に係るデジタル放送送信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送送信装置1Hは、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13Bと、識別子記憶手段14Cと、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16Cと、放送送信手段17と、識別子登録手段19Dと、通信送受信手段20と、指定識別子取得手段21と、第2通信送受信手段22と、を備えている。なお、図46では、デジタル放送受信装置5Hを識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送送信装置の機能、例えば、コンテンツ配信に関連する構成については図示を省略している。
ここで、識別子登録手段19D以外の構成については、図36で説明したデジタル放送送信装置1Fの構成と同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
識別子登録手段19Dは、デジタル放送受信装置5Hで生成された識別子である個別識別子ID2を第2通信送受信手段22から受信し、記憶手段(識別子記憶手段14C)の識別子データベースに登録するものである。ここでは、識別子登録手段19Dは、個別識別子重複判定手段191Dと、個別識別子登録手段192Dと、個別識別子再要求手段193Dと、を備えている。
個別識別子重複判定手段191Dは、ネットワークN2を介して第2通信送受信手段22で受信した個別識別子ID2が、識別子記憶手段14Cに登録(記憶)されているか否かを判定するものである。この個別識別子重複判定手段191Dは、まだ個別識別子ID2が識別子記憶手段14Cに登録されていないと判定した場合、個別識別子ID2を登録する指示を個別識別子登録手段192Dに出力する。一方、すでに個別識別子ID2が識別子記憶手段14Cに登録されていると判定した場合、個別識別子重複判定手段191Dは、他の個別識別子ID2を要求(再要求)する旨の指示を、個別識別子再要求手段193Dに出力する。
個別識別子登録手段192Dは、個別識別子ID2と、個人情報PDと、当該個別識別子ID2を送信したデジタル放送受信装置5FのネットワークアドレスAdrとを識別子記憶手段14Cに登録(記憶)するものである。ここでは、個別識別子登録手段192Dは、個別識別子重複判定手段191Dから、個別識別子ID2の登録の指示があった段階で、個別識別子ID2と個人情報PDと、ネットワークアドレスAdrとを対応付けて識別子記憶手段14Cに登録する。
また、ここでは、個別識別子登録手段192Dは、個別識別子ID2を個別メッセージ生成手段16Cの指定識別子通知生成手段162Cに出力する。なお、この指定識別子通知生成手段162Cへの出力は、個別識別子ID2を受信した段階で、デジタル放送受信装置5Hに登録を受け付け、指定識別子ID3を通知する個別メッセージを配信するために行うものである。
このように、デジタル放送送信装置1Hは、従来のCASカードのカード番号のように、放送事業者において、予め受信装置ごとに固有の識別子を管理しておく必要がない。また、デジタル放送送信装置1Hは、識別子(個別識別子ID2)を登録する際にオペレータ等の人手を介することなく、識別子登録処理を自動化することができる。
なお、デジタル放送送信装置1Hは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ送信プログラム)により動作させることができる。
また、ここでは、デジタル放送送信装置1Hは、1つのメッセージを、デジタル放送受信装置5H(図47)に送信する形態としたが、図8で説明したように、複数のメッセージを同時に送信する形態であっても構わない。
この場合、デジタル放送送信装置1Hは、図8で説明したデジタル放送送信装置1A3と同様に、共通メッセージや個別メッセージを生成するための構成(メッセージ生成手段)を複数備え、さらに、各メッセージ生成手段が生成するメッセージ情報を識別するための情報を付加するCAT生成手段71を備えて構成すればよい。
また、この場合、メッセージ生成手段は、メッセージ情報記憶手段11と、メッセージ制御情報記憶手段12と、メッセージ制御情報個別更新手段13Bと、識別子記憶手段14Cと、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16Cと、識別子登録手段19Dと、指定識別子取得手段21と、で構成すればよい。そして、共通メッセージ生成手段15と、個別メッセージ生成手段16Cとが、外部から入力手段(図示せず)を介して、各メッセージ生成手段(図示せず)が生成するメッセージ(EMMメッセージ)を識別するための情報となるTSのパケット識別(PID)を入力し、放送送信手段17に通知することとする。そして、放送送信手段17が、CAT生成手段71(図8)が生成するCATをMPEG−2 TSシステムを用いて多重化することとする。
これによって、デジタル放送送信装置1Hは、異なるメッセージを複数同時に送信することができる。
[デジタル放送受信装置の構成]
次に、図47を参照(適宜図45参照)して、第8実施形態に係るデジタル放送受信装置の構成について説明する。ここでは、デジタル放送受信装置5Hは、放送受信手段50と、共通メッセージ処理手段51と、個別メッセージ処理手段52Dと、記憶手段53Eと、表示手段54Dと、初期化手段55Bと、個別識別子登録要求手段56Cと、通信送受信手段57Bと、計時手段59と、個別識別子生成手段60と、を備えている。なお、図47では、デジタル放送受信装置5Gを識別するための識別子および当該識別子を用いたメッセージ配信に関連する構成のみを図示し、一般的なデジタル放送受信装置の機能、例えば、コンテンツ受信に関連する構成については図示を省略している。
ここで、記憶手段53E、個別識別子登録要求手段56C、計時手段59および個別識別子生成手段60以外の構成については、図37で説明したデジタル放送受信装置5Fの構成と同一である。
また、個別識別子登録要求手段56C、計時手段59および個別識別子生成手段60については、図24で説明したデジタル放送受信装置5Dの構成と同一であり、記憶手段53Eは、図41の記憶手段53Eと同一である。よって、ここでは、同一の符号を付して説明を省略する。なお、デジタル放送受信装置5Hは、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(メッセージ受信プログラム)により動作させることができる。
また、ここでは、デジタル放送受信装置5Hは、1つのメッセージを、デジタル放送送信装置1H(図46)から受信する形態としたが、図9で説明したように、複数のメッセージからデジタル放送受信装置5Hへのメッセージを抽出して受信する形態であっても構わない。
この場合、デジタル放送受信装置5Hは、図9で説明したデジタル放送受信装置5A3と同様に、記憶手段62と、CAT処理手段63とをさらに備え、放送受信手段50を図9で説明した放送受信手段50Aに置き換えて構成すればよい。
これによって、デジタル放送受信装置5Hは、異なるメッセージから、自身へのメッセージを抽出して受信することができる。
[デジタル放送システムの動作]
図48には、第8実施形態に係るデジタル放送システムSHの動作を示すフローチャートを示している。
ここで、ステップS10EからステップS14までの動作は、図25で説明したデジタル放送システムSDの動作と同一である。また、ステップS30以降の動作については、図38で説明したデジタル放送システムSFの動作と同一である。よって、ここでは、同一のステップ番号を付して説明を省略する。