以下、この発明にかかる遊技機の一実施の形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、各図を参照しつつ詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について]
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
同図1に示されるように、パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について]
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
同図2及び図4に併せて示されるように、本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について]
図1及び図2に併せて示されるように、前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
[施錠装置の構成について]
図1及び図4に併せて示されるように、前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について]
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図であり、図11及び図12は遊技領域37の構成を示す斜視図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3、図11、図12及び図13に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘(図示しない)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車(図示しない)が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、センター役物91が配設されており、このセンター役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。なお、センター役物91の詳細については後述する。
また、センター役物91の後方には、抽選結果を演出表示する演出表示装置115が設けられている。演出表示装置115は、装飾図柄画像情報、背景画像情報、キャラクタ画像情報等を合成した画像情報を表示可能な適宜の表示装置が用いられる。本実施の形態では、演出表示装置115として液晶表示装置が用いられている。
また、上記遊技領域37には、
・ゲート式の始動口として形成されている先用図柄始動口(第2の始動口)96。
・上記遊技盤5の横孔として形成されている特別図柄始動口(第1の始動口)82。
・上記特別図柄始動口82への遊技球の入球の必要条件となる動作を行う先用電動役物(可動片)81。
・センター役物91外の領域(第2の遊技領域)からその内部の領域(第1の遊技領域)への遊技球の進入の確率が高くなるように動作可能な特別電動役物142。
・アタッカ装置(第2の入賞装置)98。
等々、が配設されている。
ここで、上記先用図柄始動口96に遊技球が受け入れられたとき(先用図柄始動口96を遊技球が通過したとき)は、後述の第2の始動口センサ318(図41参照:第2の入球検出手段)によって遊技球の通過が検出される。そしてこのときは、後述の先用図柄表示器333に表示される先用図柄が所定の時間だけ変動表示される(先用図柄の変動表示制御)。また併せて、予め定められた数値範囲内で更新(生成)される乱数に基づいて上記先用電動役物81の動作契機となる当たりについての当落にかかる抽選処理が行われる(第2の抽選手段)。そして、この抽選処理の結果、上記当たりが当選されたときは、後述の先用役物駆動機構334(図41参照)の駆動制御が行われる。これにより、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球が可能となるように上記先用電動役物81が動作するようになる。なお、上記先用役物駆動機構334は、先用電動役物81を動作させるためのものであり、例えばソレノイドなどを有して構成される。
また後述するが、上記先用電動役物81は、上記横孔としての特別図柄始動口82内を上記遊技盤5の盤面に対して垂直方向に摺動動作する舌片(図40:受止誘導部材535)を備えて構成されている。このような構成では、上記先用役物駆動機構334(図41参照)の駆動制御が行われたとき、上記舌片は、上記特別図柄始動口82の内側からその外側に延出されるかたちで摺動動作し、これによって遊技球がこの摺動動作した先用電動役物81に案内されつつ、上記特別図柄始動口82に入球し得るようになる。
また、これも後述するが、上記先用電動役物81の摺動動作によって入球可能とされた上記特別図柄始動口82に遊技球が入球(入賞)されたときは、後述の第1の始動口センサ317(図41参照:第1の入球検出手段)によって遊技球の入賞が検出される。そしてこのときは、後述の特別図柄表示器332(図41参照)に表示される特別図柄が所定の時間だけ変動表示される(特別図柄の変動表示制御)。また併せて、上記特別電動役物142の動作契機となる小当たり(第1の大当たり)及び後述の特別遊技(第2の特別遊技)の実行契機となる大当たり(第2の大当たり)についての当落にかかる抽選処理が行われる(第1の抽選手段)。そして、こうした抽選処理の結果、上記小当たりが当選されたときは、後述の大入賞口開閉機構335(図41参照)の駆動制御が行われる。これにより、大入賞口141が開放されるかたちで上記特別電動役物142が動作するようになり、上記センター役物91内の領域(第1の遊技領域)への遊技球の進入が可能となる補助遊技(第1の特別遊技)が行われるようになる(第1の遊技実行手段)。なお、上記大入賞口開閉機構335は、特別電動役物142を動作させるためのものであり、例えばソレノイドなどを有して構成される。また、これも後述するが、上記センター役物91内の領域(第1の遊技領域)に遊技球が進入するときは、適宜の箇所に設けられた入賞口センサ330によって遊技球の当該第1の遊技領域への進入が検出されるとともに、当該検出に応じた数だけ賞球が払い出される。ただし、上記大当たりが当選されたときは、こうした補助遊技が行われることなく、より多くの賞球が遊技者に払い出される後述の特別遊技が行われることとなる。なお、この実施の形態にかかるセンター役物91は、上記特別電動役物142や、後述する複合誘導装置293及び回転式振分装置294(図24)などを備えて構成されている(第1の入賞装置)。
また、上記アタッカ装置98は、上記第2の遊技領域にて開閉動作する開閉部材99と、この開閉部材99による開閉動作を通じて同じく第2の遊技領域にて開放される下部側大入賞口83とを備えて構成されている。この実施の形態では、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球による抽選処理の結果が上記大当たりであるとき、若しくは、上記特別電動役物142の開閉動作を通じて上記第1の遊技領域内に進入した遊技球が後述の特定領域(特別入球口)344(図31参照)に受け入れられたとき、上記開閉部材99による開閉動作を通じた上記下部側大入賞口83の開放により遊技者にとって有利な特別遊技(第2の特別遊技)が行われる(第2の遊技実行手段)。なお後述するが、遊技球が下部側大入賞口83に入球するときは、適宜の箇所に設けられたカウントセンサ319(図41参照)によって遊技球の当該下部側大入賞口83内への入球が検出される。また、上記開閉部材99は、ソレノイドなどを有して構成されるアタッカ駆動機構339(図41参照)の駆動制御によって開閉動作する構成となっている。
ここで、上記大当たり(第2の大当たり)であるときに行われる特別遊技(第2の特別遊技)は、例えば上記開閉部材99を一定パターンで開閉させる動作をラウンド遊技とするとき、このラウンド遊技が任意の回数だけ繰り返し実行されることによって行われる。なお、この実施の形態では、大当たり時に繰り返し行われるラウンド遊技の回数は「15」である。
これに対し、遊技球が後述の特定領域344(図31参照)に受け入れられたときに行われる特別遊技(第2の特別遊技)は、補助遊技(第1の特別遊技)から続く一連の遊技として行われるものである。すなわち、上記特別電動役物142の開閉動作を伴う補助遊技を、いわば1回のラウンド遊技とし、上記特定領域344に遊技球が入球したことを条件に上記補助遊技に続くかたちで上記アタッカ装置98においてラウンド遊技が任意の回数だけ繰り返し実行される。なお、この実施の形態では、こうした補助遊技に続く一連の遊技として行われる特別遊技のラウンド遊技の回数は、「16」である。すなわちこの場合、上記アタッカ装置98では、この「16」から「1」減算した「15」の回数のラウンド遊技が行われることとなる。
また、上記遊技盤5のその他の構成として、上記センター役物91の斜め左下には、上記先用図柄表示器333(図41参照)として機能する3つのLED84と、先用図柄の変動表示制御の保留状態を示す4つのLED85からなる保留球ランプ111(図41参照)とが設けられている。
ここで、上記先用図柄表示器333では、上記3つのLED84が各別に点滅されることによって上記先用図柄の変動表示制御が行われる。そして、この変動表示制御が所定の時間だけ行われた後は、上記先用図柄についての抽選処理の結果が、当該先用図柄表示器333としての3つのLED84の表示態様(点灯の組み合わせ)によって表示され、遊技者に報知されることとなる。
また、上記保留球ランプ111では、保留の状態にある先用図柄の変動表示制御の数である先用図柄の保留数が表示される。すなわち、後述するが、後述の主制御基板131(図41参照)は、上記先用図柄の変動表示制御を行うとき、この変動表示制御を一旦保留の状態とするものとなっている。この実施の形態では、この先用図柄の変動表示制御は、最大4つまで保留され、その保留数(「0」〜「4」)は、上記保留球ランプ111としての4つのLED85の点灯態様をもって遊技者に報知される。
また、上記先用図柄表示器333及び保留球ランプ111の下方には、上記特別図柄表示器332(図41参照)として機能する四つのLED86が設けられている。この特別図柄表示器332では、上記4つのLED86が各別に点滅されることによって上記特別図柄の変動表示制御が行われる。そして、この変動表示制御が所定の時間だけ行われた後は、上記特別図柄についての抽選処理の結果が、当該特別図柄表示器332としての4つのLED86の表示態様(点灯の組み合わせ)によって表示され、遊技者に報知されることとなる。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
このような遊技盤5を有するパチンコ機1では、遊技者はまず、上記先用図柄始動口96に遊技球が受け入れられるように操作ハンドル32を操作する。そしてこの結果、上記先用図柄始動口96に遊技球が受け入れられると、上記先用電動役物81が上記特別図柄始動口82の内側からその外側に延出されるかたちで摺動動作し、これによって上記特別図柄始動口82に遊技球が入球可能となる。そこで、遊技者は、上記先用図柄始動口96に遊技球が受け入れられた後は、上記特別図柄始動口82に遊技球が入球(入賞)するように操作ハンドル32を操作する。そしてこの結果、上記特別図柄始動口82に遊技球がさらに入球(入賞)すると、上記大入賞口141が開放されるかたちで上記特別電動役物142が動作し、これによって上記センター役物91内の領域が予め定められた時間だけ開放される補助遊技が行われるようになる。そしてこの結果、上記センター役物91内の領域に遊技球が進入し、この進入した遊技球が上記特定領域344(図31参照)にさらに受け入れられると、多くの賞球が遊技者に払い出される特別遊技が上記下部側大入賞口83の開放によって行われるようになる。
次に、上記先用電動役物81及び上記特別図柄始動口82を有する特別始動口ユニット530について図36〜図40に基づいて説明する。なお、図36は、特別始動口ユニット530を示す正面図である。また、図37は、特別始動口ユニット530を示す右上前方から見た斜視図である。また、図38は、特別始動口ユニット530の内部機構を左上前方から見た斜視図である。また、図39は、特別始動口ユニット530を縦方向に切断した状態を示す切断斜視図である。また、図40は特別始動口ユニット530を右上後方から見た斜視図である。
同図36〜図40に示されるように、上記特別始動口ユニット530は、遊技盤5(図3参照)の盤面に対して開口した特別図柄始動口82、及び特別図柄始動口82に連通し遊技盤5の奥側に延出された入賞通路531(図39参照)を有する特別入賞装置532と、入賞通路531内に位置する没入位置と特別図柄始動口82から遊技者側に突出する突出位置との間で摺動可能に支持された上記舌片としての受止誘導部材535と、受止誘導部材535を前後方向に摺動させる先用役物駆動機構334とを備えて構成されている。
ここで、上記入賞通路531は、入賞装置ケーシング538内に上記遊技盤5の横孔として設けられてなり、その開口部が上記特別図柄始動口82として形成されている。なお、特別図柄始動口82は、下部側が上部側よりも横幅が広くなるように凸状に形成されている。
また、上記受止誘導部材535は、上述の通り、上記遊技盤5の横孔としての上記入賞通路531内を上記遊技盤5の盤面に対してほぼ垂直方向に摺動動作する舌片状の部材として設けられている。ただし、より正確には、この受止誘導部材535は、上記入賞通路531の奥側に向って下り勾配に形成された傾斜面534を有してなり、この傾斜面534によって遊技球の上記特別図柄始動口82への入球を案内するようにしている。すなわち、同受止誘導部材535は、上記特別図柄始動口82の内側からその外側に延出された状態(突出位置)にあるときには、上記傾斜面534を通じて遊技球の上記特別図柄始動口82への入球を案内するように機能する。一方、同受止誘導部材535は、上記特別図柄始動口82の内側(没入位置)にあるときには、上記遊技領域37を流下する遊技球を受け止めることなく、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球を案内しない。こうした受止誘導部材535の機能を通じて、上記先用電動役物81は、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球の必要条件となる摺動動作を行うこととなる。
ところで、上記受止誘導部材535は、舌片状の部材であることから、遊技球を受け止めた場合であっても、受け止められた遊技球が上記特別図柄始動口82に到達する前に、受止誘導部材535が没入位置に復帰すると、遊技球は特別図柄始動口82に入賞(入球)することなく遊技領域37へ排出される。すなわち、受止誘導部材535を没入位置に変位させる際、受止誘導部材535上の遊技球は慣性力によってその場に留まろうとすることから、受止誘導部材535の先端から落下することとなる。このように、遊技球を受止誘導部材535上に載せることができても、その遊技球は特別図柄始動口82に入賞するとは限らないことから、遊技球が入賞するまで遊技者をハラハラさせることが可能になる。
また、この実施の形態では、上記受止誘導部材535が没入位置にあるときは、その傾斜面534の先端部(最も位置の高い部分)が上記特別図柄始動口82の開口部付近に位置するようにしている。すなわちこの場合、上記受止誘導部材535の先端部よりも上方の空間が上記特別図柄始動口82の実質的な開口部(遊技球が特別図柄始動口82に入球されるときの入口)となる。そして、上記受止誘導部材535が没入位置にあるときの上記実質的な開口部を、遊技球が入球不可能となる程度まで小さく形成する(遊技球の直径よりも上記実質的な開口部の高さを小さくする)ことによって、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球が妨げられるように上記先用電動役物81を配設するようにしている。
これに対し、上記受止誘導部材535が上記没入位置から摺動動作され、上記突出位置まで変位したときは、その先端部よりも位置の低い部分(受止誘導部材535の中央部や根元部分)が上記特別図柄始動口82の開口部付近に位置するようになる。すなわちこの場合、上記受止誘導部材535の中央部(若しくは根元部分)よりも上方の空間が上記特別図柄始動口82の実質的な開口部(遊技球が特別図柄始動口82に入球されるときの入口)となる。そして、このときの実質的な開口部を、遊技球が入球可能となる程度まで大きく形成する(遊技球の直径よりも上記実質的な開口部の高さを大きくする)ようにしている。これにより、上記先用電動役物81の摺動動作によって上記特別図柄始動口82への遊技球の入球が可能となる。
ところで、受止誘導部材535は、球噛みする箇所が極めて少なくなるように、遊技者側に向って先端の尖った尖形形状を呈している。このため、受止誘導部材535の先端が遊技球の中心に当接した場合には、球噛みする可能性が残されているものの、受止誘導部材535の先端が遊技球の中心から僅かでもずれている場合には、受止誘導部材535の先端から離れる方向の力が遊技球に加わり、遊技球は挟持されないようになる。
また、受止誘導部材535の左右縁部から壁部539が立設されており、これらの壁部539は入賞通路531の奥側に向って延出されている。これによれば、受止誘導部材535で受け止められた遊技球を、受止誘導部材535の左右側方から排出(落下)させることなく、特別図柄始動口82側に向って誘導することができる。また、受止誘導部材535を平板状に形成することが可能となり、その結果、特別図柄始動口82及び入賞通路531の高さが比較的低くても、受止誘導部材535を入賞通路531の内部に収容すること、及び受止誘導部材535の上方に遊技球を入賞させるための空間を設けることが可能となる。なお、受止誘導部材535の先端部分は、左右縁部に壁部539を備えない平板状の形状に形成されているため、遊技者が受止誘導部材535を左右斜め前方から見た場合でも、受止誘導部材535上を転動する遊技球の挙動を明瞭に視認させることができる。また、先端部分の壁部を省くことにより、先端側における左右方向の間口が広くなり、受止誘導部材535が没入位置に復帰する際に、受止誘導部材535上の載置された遊技球を受止誘導部材535の先端部分から容易に排出させることが可能になる。
また、図39に示すように、入賞装置ケーシング538の底面中央部分には、特別入賞装置532に入賞した遊技球を入賞通路531から流出させる流出口541が穿設されており、受止誘導部材535の後方における一対の壁部539の間には、受止誘導部材535の位置に拘らず常に流出口541と連通する開口部542が形成されている。このため、受止誘導部材535が突出位置のとき(実線で示す)は勿論、遊技球が入賞通路531から流出される前に受止誘導部材535が没入位置となった場合(二点鎖線で示す)にも、その後、開口部542及び流出口541を通して遊技球を流出させることが可能になる。特に、開口部542の後方における一対の壁部539間には、入賞した遊技球を流出口541に誘導する可動誘導壁543が設けられ、可動誘導壁543は、受止誘導部材535が突出位置の時に流出口541の後方近傍に位置するように構成されている。このため、特別図柄始動口82に入賞した遊技球が可動誘導壁543よりも後方に入り込むことを防止し、流出口541に向って自然に落下させることが可能になる。また、可動誘導壁543は一対の壁部539間に横設されているため、一対の壁部539を平行に支持するとともに、壁部539の変形を抑制することができる。
また、図40に示すように、入賞装置ケーシング538は、不透明の前側ケース部545と、光透過性部材からなる後側ケース部546とに分割されており、前側ケース部545の前面に形成されたフランジ部547が遊技盤5の盤面に固定されるようになっている。つまり、フランジ部547には、二つの取付孔557が穿設されており、ネジ等(図示しない)を取付孔557に挿通させて遊技盤5に螺着させることにより、遊技盤5の盤面に取付けられる。後側ケース部546の内部には、一対の壁部539の摺動を前後方向に規制するガイド部544が壁部539を挟むように形成されており、受止誘導部材535を滑らかに摺動させることを可能にしている。特に、ガイド部544は後側ケース部546と一体に成形されているため、入賞通路531とガイド部544との位置関係を精度よく保つことが可能になり、受止誘導部材535を一層滑らかに摺動させることができる。
また、図38に示すように、後側ケース部546の内部には、受止誘導部材535の駆動源として機能するソレノイド548が収容されている。ソレノイド548は、プランジャー549の先端が遊技者側を向くように配設されている。プランジャー549と壁部539との間には、アーム部材551が設けられており、プランジャー549の往復直線運動が反転して壁部539に伝達されるようになっている。さらに詳しく説明すると、アーム部材551は、一対の壁部539を挟むとともに下端が壁部539に対して外側から掛止され、壁部539を前後方向に付勢する一対の腕部551aと、夫々の腕部551aから外方へ突出するとともに前側ケース部545及び後側ケース部546の間で支持されることにより腕部551aを回動可能に支持する支持軸部552と、夫々の腕部551aの上端間に横設されるとともにプランジャー549の先端に当接する当接部551bと、当接部551bに対して略平行となるように一方の腕部551aの上端から延出されプランジャー549に係止された係止部551cとから構成されている。なお、プランジャー549の周囲には、ソレノイド548の非通電時にプランジャー549が突出するように付勢するコイルバネ(図示しない)が巻かれている。これによれば、プランジャー549の先端と壁部539とがアーム部材551を介して連結されており、プランジャー549の運動方向が反転して壁部539に伝達される。具体的には、ソレノイド548に通電がなされていない場合には、プランジャー549はコイルバネの付勢力によって突出した状態となり、壁部539及び受止誘導部材535は没入位置となる。一方、ソレノイド548に通電がなされると、プランジャー549はコイルバネの付勢力に抗して没入状態となる。すると、アーム部材551の当接部551b及び係止部551cを介して、腕部551aの上端部分がソレノイド548側に引張られ、腕部551aは支持軸部552を軸心として回動する。この結果、腕部551aの下端に接続された壁部539が遊技者側に摺動し、壁部539及び受止誘導部材535は突出位置となる。
また、図37及び図40に示すように、特別図柄始動口82の上方には、遊技盤5の盤面よりも遊技者側に突出して形成された制動ゲート部材554が設けられている。この制動ゲート部材554は、遊技領域37を流下する遊技球を制動させながら通過させるものであり、内径が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように設定されている。これによれば、制動ゲート部材554を通過し勢いを抑えられた遊技球が受止誘導部材535の上面に載せられるため、遊技球を受止誘導部材535上に落ち着かせることが可能となる。したがって、受止誘導部材535上に落下した遊技球を特別図柄始動口82に向って確実に誘導することが可能となる。また、受止誘導部材535が受ける衝撃も弱くなり、受止誘導部材535の変形や破損を防止することが可能になる。また、制動ゲート部材554の内周面における遊技者側の側面には、通過する遊技球の転動方向を特別図柄始動口82側に変更する突起555が形成されている。このため、受止誘導部材535の突出長さが比較的短い場合でも、制動ゲート部材554を通過した遊技球を受止誘導部材535上に載せることが可能となる。また、特別図柄始動口82側に向って転動させることから、受止誘導部材535の傾斜面534における傾斜度合が比較的緩やかであっても、特別図柄始動口82に向って滑らかに誘導することができる。
また、制動ゲート部材554の左右両側には、一対の進入防止部材558が斜め下方に延出されている。進入防止部材558は、制動ゲート部材554の外側を通過する遊技球が、受止誘導部材535に向って転動することを阻止するものであり、これによれば、制動ゲート部材554を通過した遊技球のみを受止誘導部材535に載せることが可能になるとともに、受止誘導部材535で受け止められた遊技球が、制動ゲート部材554を通過しない他の遊技球、すなわち勢いの強い遊技球によって弾き出されることを防止できる。
また、図38に示すように、入賞通路531内の受止誘導部材535の上方には、入賞防止部材561が配設されている。この入賞防止部材561は、受止誘導部材535が突出位置のときに特別図柄始動口82を開放し、受止誘導部材535が没入位置のときに特別図柄始動口82を塞ぐものである。具体的には、先端側の部位で特別図柄始動口82を塞ぎ遊技球の進入を防止する進入防止位置と、入賞通路531の奥側に後退することにより特別図柄始動口82を開放し遊技球の進入を可能とする進入許可位置との間で前後方向に摺動する。このため、受止誘導部材535が没入位置の場合には、たとえ遊技領域37を流下する遊技球が特別図柄始動口82側に跳ね返っても、特別図柄始動口82から進入することを阻止できる。
なお、入賞防止部材561は、連結部材562を介してソレノイド548のプランジャー549に連結されている(先用役物駆動機構334)。すなわち、この先用役物駆動機構334では、プランジャー549が動作すると、その往復直線運動が、連結部材562を介して入賞防止部材561に伝達されるとともに、アーム部材551を介して受止誘導部材535に伝達されるようになっている。なお、アーム部材551は、プランジャー549の往復直線運動における運動方向を反転させて伝達する部材であり、これによって上記入賞防止部材561と上記受止誘導部材535とは相反方向に変位する。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について]
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
同図8及び図9に示されるように、本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について]
図8及び図9に併せて示されるように、本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について]
図4及び図5に示されるように、本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について]
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
図5及び図6に示されるように、遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図11参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図11参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213Cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について]
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後ろカバー210及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
図2及び図7に併せて示されるように、本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[センター役物の具体的な構成について]
図11は遊技領域37を斜め右上前方から示す斜視図であり、図12は遊技領域37を斜め左上前方から示す斜視図であり、図13はセンター役物91を示す正面図であり、図14はセンター役物91の前側ユニット120と後側ユニット121とを分離した状態を示す分解斜視図であり、図15は前側ユニット120を機能単位で分離した状態を示す分解斜視図であり、図16は後側ユニット121を機能単位で分離した状態を示す分解斜視図である。
図11及び図12に示すように、センター役物91は、額縁状の外観を呈しており、遊技領域37の中央に配設されるとともに、上側から右側に亘る外周部分が、遊技領域37の右側周縁まで延出されている。つまり、センター役物91の右側には、実質的な遊技領域37が形成されておらず、遊技球が通過しないようになっている。なお、センター役物91の大きさは特に限定されるものではないが、本例では、遊技領域37全体の約2/3を占める極めて大きな役物として構築されている。
図13乃至図16に示すように、センター役物91は、前側に配置される前側ユニット120と、その後側に配置される後側ユニット121とに大別されている。前側ユニット120は、遊技領域37から前方に突出した状態で配設されており、遊技領域37と内部空間とを区画する装飾フレーム125を備えている。なお、装飾フレーム125の外周面のうち特に左側の部分には、遊技球を誘導するための誘導壁123が形成され、また、装飾フレーム125の中央には表示窓として機能する開口部124が設けられている。
装飾フレーム125は、表面に装飾が施されており、その左上部には、演出に応じて光を放射する上側電飾体127が配設され、装飾フレーム125の右下部には、上側電飾体127とは別の形態の下側電飾体128が配設されている。さらに、装飾フレーム125の右側には、周面に沿って円弧状に配設された複数の発光手段からなる枠電飾体129が設けられている。
また、装飾フレーム125の上部側は、右上部分が左上部分よりも上方に突出しており、その内側に拡張開口部140が形成されている。この拡張開口部140は、後述する装飾物246や横断誘導部材247を収容する空間として機能しており、開口部124と連通した状態で形成されている。拡張開口部140の左側壁の誘導壁123には、遊技球が入賞可能な大入賞口141が装飾フレーム125の周面を貫通して設けられており、特別電動役物142によって開閉可能となっている。なお、図面では、特別電動役物142によって大入賞口141が閉鎖された状態を示しており、この状態では、大入賞口141に遊技球を入賞させることができないようになっている。そして、特別電動役物142による開放動作によって上記大入賞口141外の領域(第2の遊技領域)から上記大入賞口141内の領域(第1の遊技領域)に入賞(進入)した遊技球は、横断誘導部材247等から構成された誘導通路143によって誘導され、後述する回転式振分装置294に送られる。
また、装飾フレーム125の左側面には、遊技球が入球可能な流入口144(図12参照)が設けられており、流入口144から入球した遊技球を装飾フレーム125の内部に取り入れることが可能になっている。装飾フレーム125の内側底面には、後述するステージ461から流出する遊技球を、先用図柄始動口96に向かって案内する入賞案内部145が設けられている。
以下、装飾フレーム125に組みつけられた上記の各構成についてさらに詳細に説明する。
[上側電飾体127について]
上側電飾体127は、図15に示すように、オートバイのライトを模したものであり、発光可能な比較的大型のヘッドランプ部148と、その両側に配置された小型のサイドランプ部149と、ヘッドランプ部148及びサイドランプ部149を支持するランプ支持部160とを有して構成されている。また、これらの下方を覆うように底面から後方に延出された装飾カバー(図示しない)が設けられている。
[下側電飾体128について]
下側電飾体128は、図15に示すように、所定の文字(例えば「爆」)の形状が切り抜かれた文字盤164と、その後方に配置された反射板(図示しない)、及び発光手段(図示しない)とを有して構成されている。つまり、発光手段の光を、反射板によって乱反射させるとともに、その光を文字盤164に形成された文字窓を通して放射させることにより、文字盤164の文字を光らせることを可能にしている。
[特別電動役物142及びその駆動機構について]
大入賞口141を開閉する特別電動役物142は、上側電飾体127の後方に配設された開閉部材駆動機構184によって回動するように支持されている。つまり、特別電動役物142は、前後方向に延出された支持軸185を中心として回動可能に軸支され、開閉部材駆動機構184によって支持軸185を回動させることにより、起立状態(閉鎖状態)から傾斜状態(開放状態)、または傾斜状態から起立状態に変位させることが可能になっている。開閉部材駆動機構184の詳細について、図17乃至図19に基づいて説明する。図17は特別電動役物142及び開閉部材駆動機構184を斜め左上後方から示す斜視図であり、図18は特別電動役物142及び開閉部材駆動機構184の構成を示す背面図であり、図19は開閉部材駆動機構184の各構成を分離した状態を示す分解斜視図である。
開閉部材駆動機構184は、プランジャー186(図19参照)の先端が下方を向くように配設されたソレノイド187と、プランジャー186の先端に取付けられ上下方向に往復運動するブロック状の往復動部材188と、往復動部材188の上面後端部分から上方(すなわちソレノイド187の後側)に向かって延出され往復動部材188と一体成形された延出部189と、延出部189の往復運動を特別電動役物142の支持軸185に伝達し支持軸185を回転させるリンク機構204とを有して構成されている。なお、往復動部材188の左右両側面には、左右外方向へ突出する一対のフランジ225が形成されており、延出部189の上部側には、前後方向に貫通し左右方向に長い長孔205が穿設されている。
リンク機構204は、長手方向が延出部189の往復運動方向に対して略垂直になるように配設され、右側端部が回動軸200を介して回動可能に軸支されたアーム部201と、延出部189の上端近傍とアーム部201とを連結し、延出部189の直線往復運動をアーム部201の回動運動に変換する運動変換部材202と、アーム部201の先端側(左側端部)と特別電動役物142の支持軸185とを連結し、アーム部201の回動運動を支持軸185に伝達する双眼鏡形状の回動伝達部材203とから構成されている。なお、運動変換部材202は、アーム部201の軸支部分(すなわち回動軸200が接続された部分)と回動伝達部材203が連結された部分との間に連結されている。また、回動伝達部材203は、連結ピン206を介してアーム部201に連結されるとともに、アーム部201の先端から内側(右方向)に向かって延設されている。また、運動変換部材202は、延出部189の上部に形成された長孔205に挿入されており、延出部189が往復直線運動する際、アーム部201の角度に合わせて左右方向に摺動するようになっている。つまり、アーム部201に対する接続点の位置を変えることなく、延出部189の往復直線運動をアーム部201の回動運動に変換させることを可能にしている。なお、延出部189及びソレノイド187は、アーム部201の回動軸200と特別電動役物142の支持軸185との間に配置されており、開閉部材駆動機構184における上下方向の長さが短くなるように構成されている。
ところで、開閉部材駆動機構184には、ソレノイド187が取付けられた基板183(図15参照)と、ソレノイド187及び往復動部材188を挿通させる透孔208を有し基板183全体を後側から覆う透明の第一ケース209と、その第一ケース209の外面から突出して形成され回動軸200の一端側が挿入される筒状の第一軸受部220と、第一ケース209を貫通するとともに第一ケース209の外面から突出して形成され、支持軸185が挿通される第二軸受部221とが備えられている。つまり、第一ケース209に形成された第一軸受部220によって回動軸200が支持され、第二軸受部221によって特別電動役物142の支持軸185が支持されている。また、第一ケース209の前面側の周縁には、第一ケース209を装飾フレーム125の背面に固定するための複数の取付部222が突出して形成されている。
また、図19に示すように、第一ケース209における透孔208の左右周縁には、第一ケース209の外面から後方に突出して形成されたガイド部223が設けられている。このガイド部223における左右方向の内寸は、往復動部材188の両側面に形成された一対のフランジ225間の外寸と略一致する大きさ(厳密に言えば外寸よりも僅かに広い大きさ)に形成されており、ガイド部223の内面がフランジ225の側面に当接するようになっている。つまり、左右一対のガイド部223によって往復動部材188における左右方向への動きが規制され、上下方向へのみ摺動するようになっている。
また、第一ケース209の外面には、開閉部材駆動機構184全体を覆う透明な第二ケース224(図19参照)が組付けられており、ガイド部223の前面側から透孔208内に突出した支え部223aと第二ケース224の先端面とによって、フランジ225を前後方向に挟持している。つまり、第一ケース209及び第二ケース224を利用して往復動部材188における前後方向の動きも規制されている。なお、第二ケース224の背面には、基板に接続された複数のハーネス(図示しない)を結束するためのハーネス掛止片226が配設されている。
[誘導通路143について]
装飾フレーム125内に配設された誘導通路143について、図14、及び図20〜図23に基づき説明する。図20は誘導通路143の構成を示す拡大斜視図であり、図21は誘導通路143及び装飾物246の構成を示す平面図であり、図22は図21におけるA−A断面及びB−B断面を示す断面図であり、図23は誘導通路143の排出口付近の構成を示す断面図である。
図14及び図20に示すように、誘導通路143は、装飾フレーム125と略同一の突出量となるように配設された透明の管状部材からなり、大入賞口141に入賞した遊技球を装飾物246の前方で横断させる横断誘導部材247と、その横断誘導部材247の下流端に連通し横断誘導部材247によって誘導された遊技球を装飾フレーム125の内周面に沿って誘導する周面誘導部280と、周面誘導部280の下流端に連通し、周面誘導部280によって誘導された遊技球を装飾フレーム125の中心側に向かって略水平方向に誘導する内方向誘導部281と、内方向誘導部281に連通し内方向誘導部281によって誘導された遊技球を装飾フレーム125の奥側に向かって誘導する奥方向誘導部284と、を具備して一体的に形成されている。
横断誘導部材247は、装飾フレーム125の拡張開口部140内を横断しており、右側が下方となるように僅かに傾斜して配置されている。また、横断誘導部材247は、略直線状に延出されており、その内部には遊技球が通過する大きさの通路が形成されている。なお、横断誘導部材247は、透明の部材で形成されており、内部を通過する遊技球、及び横断誘導部材247の後方に配設された装飾物246を、横断誘導部材247を通して視認させることが可能になっている。
周面誘導部280は、装飾フレーム125における前後方向の厚みと略同等の奥行を有しており、その内部には、流下する遊技球を前後方向にジグザグ状に方向転換する複数の方向変換部282が形成されている。つまり、周面誘導部280に案内された遊技球を、前後方向にジグザグ状に流下させることにより、周面誘導部280における上下方向の長さが比較的短い場合でも、通路の長さを比較的長く形成し、遊技球の挙動を十分に楽しませることを可能にしている。なお、方向変換部282の形状及び配列は特に限定されるものではないが、本例では、内方向に向かって尖った断面略三角形状の外観を呈する複数の方向変換部282を、高さ方向に対し千鳥状となるように、互いに対向する前内面及び後内面から交互に突出させている。また、各方向変換部282の上流側根元部分には、前内面または後内面から僅かに突出した半円柱形状の突起283が設けられており、これにより、遊技球の流下速度を抑制している。
内方向誘導部281は、装飾フレーム125の中心側に向かって略水平方向に延出されており、横断誘導部材247と同様に、装飾フレーム125と略同一の突出量となるように装飾フレーム125の前側にのみ配置されている。つまり、略直線状に形成されており、その内部には遊技球が通過する大きさの通路が形成されている。なお、内方向誘導部281の前側内面及び後側内面においても、周面誘導部280と同様に、半円柱状の突起283が一定の間隔で配設されており、遊技球の流下速度を抑制するようにしている。ただし、内方向誘導部281には、方向変換部282に相当するものは設けられていない。
奥方向誘導部284は、装飾フレーム125の前側から奥側に向かって延出された直線状の部材であり、奥方向誘導部284の背面には、遊技球を排出する排出口285が設けられている。すなわち、奥方向誘導部284に到達するまでの間、装飾フレーム125の前面付近で誘導されてきた遊技球が、奥方向誘導部284によって後方に向かって誘導されることになる。このように構成することにより、前方から見る遊技者にとっては、遊技球が一瞬止まっているかのように見えるようになる。特に、奥方向誘導部284の底面が内方向誘導部281の底面よりも垂下されているため、内方向誘導部281及び奥方向誘導部284を前方から見た場合、正面視が、水道の蛇口のように鉤状となる。このため、内方向誘導部281によって誘導された遊技球が、奥方向誘導部284の底面から流出するように見せつつ、遊技球を奥方向に向かって誘導させることが可能となる。したがって、遊技球が止まっているかのような感覚を一層強く喚起させることが可能になる。
また、図23に示すように、奥方向誘導部284の内側底面には、後方に向かって下り勾配の突起部286が形成されており、奥方向誘導部284内で遊技球の勢いが弱くなりすぎた場合でも、突起部286によって遊技球を後方に誘導させることを可能にしている。
なお、図23に示すように、奥方向誘導部284の下流側には、奥方向誘導部284から排出された遊技球を受取り、所定の振分装置321(詳細は後述する)へ案内する案内通路369が配設されている。ここで、奥方向誘導部284の排出口285は、案内通路369の入球口よりも高い位置に配置されており、排出口285と入球口との間に段差部288が形成されている。つまり、段差を設けることにより、案内通路369から奥方向誘導部284内に遊技球が逆流することを防止している。
ところで、本例では、大入賞口141に遊技球が勢いよく入賞した場合でも、横断誘導部材247内で遊技球をゆっくりと転動させることができるように、横断誘導部材247と大入賞口141との間には、大入賞口141に入賞した遊技球の勢いを抑制する速度低減部材248が介装されている。図22に示すように、速度低減部材248は、大入賞口141に入賞した遊技球を後方に向かって案内する後方ガイド部260と、後方ガイド部260に連通し遊技球を僅かに斜め前方へ落下させる降下ガイド部261と、降下ガイド部261に連通し遊技球を前方に向かって案内する前方ガイド部262とから構成されている。なお、後方ガイド部260及び降下ガイド部261は、誘導通路143とは別のガイド通路形成部材によって形成され、前方ガイド部262は誘導通路143の先端において横断誘導部材247と一体に形成されている。
また、降下ガイド部261には、大入賞口141に入賞した遊技球を検出するための入賞状態検出手段263が配設されており、入賞状態検出手段263での検出信号を出力する信号線が、降下ガイド部261の背面側に設けられたコネクタ(図示しない)に接続されている。
また、本例では速度低減部材248を前方から遮蔽するための遮蔽カバー264(図14参照)が装飾フレーム125の前面に取付けられており、大入賞口141に入賞した遊技球を、一旦遮蔽することにより、横断誘導部材247に遊技球が出現する際のワクワク感を高めている。また、遮蔽カバー264によって入賞状態検出手段263を遮蔽し、見栄えの低下を防止している。なお、遮蔽カバー264は、装飾フレーム125の一部として機能しており、その後方に配設された発光手段(図示しない)によって遮蔽カバー264全体が光るように構成されている。
[後側ユニット121の概略構成]
一方、後側ユニット121は、図14及び図16に示すように、演出表示装置115を視認可能な開口部291を有する枠状の後側フレーム292と、その後側フレーム292の右上に配置されオートバイを模した形状の装飾物246と、後側フレーム292の右側に配置され、誘導通路143によって誘導された遊技球を振分けて誘導する複合誘導装置293と、複合誘導装置293によって誘導された遊技球を回転体によって振分ける回転式振分装置294と、後側フレーム292の下側に配置され遊技球を左右方向に転動させることが可能な転動装置295と、流入口144に流入した遊技球を転動装置295に誘導する誘導装置296と、転動装置295の後方に配設され、演出としてオートバイのスピードメータを視認させるメータ表示装置297とを具備して構成されている。また、後側フレーム292の開口部291には、開口部291を閉鎖する透明の仕切板298が設けられており、転動装置295とメータ表示装置297とが仕切板298によって仕切られている。以下、後側ユニット121における各構成について詳細に説明する。
[後側フレーム292について]
後側フレーム292は、前面が開放された略四角形の枠状部材であり、開口部291が形成された板状の背面板300と、背面板300の周縁から前方に延出された側面板301とから構成されている。つまり、上記した各構成が後側フレーム292の内部に収容されるように箱状に形成されている。なお、図示していないが、後側フレーム292の周囲、特に左側方及び右下方には、入賞した遊技球または排出される遊技球を所定の部位に案内するための案内通路構成部材が組付けられるようになっている。
[装飾物246について]
装飾物246は、装飾フレーム125における拡張開口部140に対応する位置、すなわち横断誘導部材247の後方の空間に配設されている。装飾物246は、オートバイの模型である装飾物本体302と、装飾物本体302における前輪が持ち上がるように装飾物本体302を回動可能に支持する支持軸部(図示しない)と、回転力を発生するモータ303と、モータ303の回転を支持軸部に伝達し支持軸部を回動させるリンク機構(図示しない)とから構成されている。つまり、装飾物本体302は、遊技状態に基づいて変動する可動役物であり、例えば、抽選への期待値が高くなると、モータ303を駆動して通常の走行状態から前輪を持ち上げた走行状態へと切替えるようになっている。なお、装飾物本体302の後方には、装飾物本体302の背景となる背景装飾板304(図13参照)が設けられており、背景装飾板304の表面には装飾性を有する凹凸模様が形成されている。
[複合誘導装置293について]
複合誘導装置293の具体的な構成について、図24乃至図29に基づき説明する。図24は複合誘導装置293及び回転式振分装置294を示す斜視図であり、図25は複合誘導装置293及び回転式振分装置294を示す正面図であり、図26は図25におけるC−C断面を示す断面図であり、図27は主に振分装置321付近の構成を示す断面図であり、図28は図25におけるD−D断面を示す断面図であり、図29は図25におけるE−E断面を示す断面図である。
図24〜図26に示すように、複合誘導装置293は、軸心方向が略垂直方向となるように配設された円筒状の円筒部材306と、その円筒部材306内で螺旋状に形成され遊技球を所定の第一領域307まで誘導する内側誘導通路308と、円筒部材306の外周面に沿って螺旋状に形成され遊技球を所定の第二領域309まで誘導する外側誘導通路320と、誘導通路143によって誘導された遊技球、すなわち大入賞口141に入賞した遊技球を、内側誘導通路308と外側誘導通路320とに振分ける振分装置321とを具備して構成されている。つまり、誘導通路143によって誘導された遊技球が、振分装置321によって内側誘導通路308及び外側誘導通路320に振分けられ、夫々螺旋状に形成された通路に沿って旋回しながら、互いに異なる第一領域307及び第二領域309に誘導されるようになっている。特に、互いに区画された二つの誘導通路308,320が内外二重に構成され、しかも螺旋状に形成されているため、互いに区画された比較的長い二つの経路を、装置を大型化させることなく構築することが可能になる。
また、円筒部材306、内側誘導通路308、及び外側誘導通路320は、いずれも透明の樹脂部材で形成されており、内側誘導通路308及び外側誘導通路320を通過する遊技球の挙動、すなわち旋回している様子を視認させることが可能となっている。
また、内側誘導通路308における螺旋の方向と、外側誘導通路320における螺旋の方向とは、互いに逆周りに形成されている。つまり、内側誘導通路308における遊技球の転動方向と、外側誘導通路320における遊技球の転動方向とが、互いに逆向きになるように構成されている。このため、どちらの通路を通過中であるのかを容易に把握させることが可能になるとともに、互いに反対方向に転動する遊技球によって演出の面白みを高めることができる。
なお、詳細は後述するが、第二領域309は第一領域307よりも、遊技者にとって有利性の高い領域となっており、遊技球が外側誘導通路320を通過するか否かを特に注目させるようにしている。つまり、遊技球の存在を明瞭に認識させることが可能となる外側誘導通路320を、遊技者が注目すべき通路とすることにより、外側誘導通路320への関心を高めるようにしている。また、有利な第二領域309に向かって誘導する外側誘導通路320の方が長い経路となるため、期待感を次第に高め、その後の展開に対してワクワクさせることが可能となる。
また、外側誘導通路320の内面には、遊技球の流下速度を抑制する複数の突起325が所定の間隔で形成されている。このため、有利性の高い外側誘導通路320を通過する際、遊技球は、複数の突起325と衝突することとなり、遊技球の勢いが抑制され、ゆっくりと転動するようになる。したがって、遊技球の挙動を十分に視認させることができ、第二領域309で行われる処理と第二領域309に送られるタイミングとの関係に対して、ハラハラドキドキさせることができる。
ところで、外側誘導通路320の流出口327は、外側誘導通路320の下部前側に配置されている。このため、外側誘導通路320から第二領域309に流出する際の挙動や排出のタイミングを明確に視認させることができる。特に、外側誘導通路320の流出口327近傍にはクルーン326が設けられており、漏斗状の斜面に沿って旋回させながら排出するように構成されている。したがって、排出されるタイミングが最後まで分かり難くなり、排出されるタイミングに対して一層ハラハラさせることが可能になる。
これに対し、内側誘導通路308の流出側には、図29に示すように、流出口340までの通路を後方に向かって延出させた延出流出路329が設けられており、流出口340が外側誘導通路320よりも後方に位置するように構成されている。このように、延出流出路329を備えることにより、内側誘導通路308及び外側誘導通路320における螺旋の径が比較的小さい場合でも、内側誘導通路308の流出口340と外側誘導通路320の流出口328とを離間させることが可能となり、第一領域307及び第二領域309において、比較的大型の役物等を配設することが可能となる。
一方、図27及び図28に示すように、内側誘導通路308の流入口341aは、振分装置321の左側に延出された流入通路341の先端に形成され、外側誘導通路320の流入口342aは、振分装置321の右側に延出された流入通路342の先端に形成されている。
振分装置321は、揺動可能に軸支された揺動片363と、プランジャーを往復直線運動させるソレノイド365と、プランジャーの往復直線運動を揺動片363の揺動運動に変換するクランク機構366とを有して構成されている。また、振分装置321に遊技球を案内する案内通路369は、樋状に形成されており、奥方向誘導部284の後端から排出された遊技球を受取って後方に誘導するとともに、その後、Uターンさせ揺動片363の左側真上に案内するようにU字形に形成されている。つまり、ソレノイド365の左側から前方の揺動片363上に向かって流出するように構成されている。そして、揺動片363は、後側から揺動片363上に向かって流出された遊技球を、揺動片363の上面勾配によって、左側に配置された内側誘導通路308の流入口341aと、右側に配置された外側誘導通路320の流入口342aとに振分けるように構成されている。したがって、振分状況を明瞭に視認させることが可能になるとともに、後方から前方に向かって排出された遊技球を左右に振分けるため、揺動片363での跳ね返りがなく滑らかに振分けることができる。
なお、揺動片363とソレノイド365との間には、表面が鏡面加工された装飾仕切板380が設けられ、ソレノイド365及びクランク機構366等を装飾仕切板380によって遮蔽している。また、図24及び図25に示すように、振分装置321の前面側は透明なケース382によって覆われ、案内通路369の上方は透明なカバー(図示しない)によって覆われている。つまり、ケース382やカバーを設けることにより、遊技球の逸脱及び外部からの進入を防止している。
さらに、揺動片363の前方下側には、交互に点滅する二つの発光部を有する電飾部381が設けられており、これにより意匠性を高めるとともに、遊技球が二つの経路に振分けられることを喚起させるようにしている。
[回転式振分装置294について]
続いて、回転式振分装置294について、図24、図26、及び図30〜図33に基づき説明する。図30は回転式振分装置294の構成を示す平面図であり、図31は回転体347を取外した状態を示す平面図であり、図32は図30におけるF−F断面を示す断面図であり、図33は図30におけるG−G断面を示す断面図である。
図26及び図30に示すように、回転式振分装置294は、複合誘導装置293の内側誘導通路308または外側誘導通路320によって誘導された遊技球を、回転体347を用いて、有利な状態と不利な状態とに振分けるものである。回転式振分装置294は、凹状の特定領域344、普通領域345、及びリターン領域346を有し、回転可能に支持された円盤状の回転体347と、回転体347を回転させる回転体駆動手段343と、回転体347の周囲を囲う外周壁385を有する回転体ケース384とを具備して構成されている。
また、図31に示すように、回転体ケース384の上面には、回転体347の回転に伴って特定領域344、普通領域345、及びリターン領域346に一時的に連通される流入口367と、内側誘導通路308によって誘導された遊技球を流入口367に案内する案内通路349と、リターン領域346に入球した遊技球をリターン領域346から流出させるリターン流出口389と、リターン流出口389から流出した遊技球を再び流入口367に戻すリターン通路400とが形成されている。さらに、回転体ケース384において回転体347を収容する回転体収容部384aの底面には、特定領域344に入球した遊技球を特定領域344から流出させる第一流出口388と、普通領域345に入球した遊技球を普通領域345から流出させる第二流出口387とが形成されている。また、第一流出口388には、遊技球が第一流出口388から流出されたことを検出する遊技球検出手段(V入賞センサ331)が設けられており、この遊技球検出手段によって遊技球が検出された場合には、上記特別遊技が行われるようになっている。
以下、回転式振分装置294における各構成について詳細に説明する。
回転体347は、中央部分が最も高く周縁に向かって緩やかに低くなる笠形状を呈しており、その周縁には、夫々外周に沿って開口した、一つの特定領域344と、回転体347の回転軸405を中心として特定領域344と対向する位置に形成された一つのリターン領域346と、回転体347及びリターン領域346の間に等間隔で形成された六個の普通領域345とが設けられている。つまり、特定領域344とリターン領域346との位相差が180°となり、それらの領域344,346を繋ぐ線を境界線として、三個の普通領域345が線対象に配設されている。各領域344,345,346の底面には、夫々遊技球が排出可能な貫通孔が形成されており、その貫通孔と回転体収容部384aの底面との組合せによって遊技球が流出される状態と流出されない状態とが切替えられるようになっている。具体的に説明すると、特定領域344における貫通孔は、回転体収容部384aの底面に形成された第一流出口388と合致し、第二流出口387とは合致しない位置に形成され、一方、普通領域345における貫通孔は、回転体収容部384aの底面に形成された第二流出口387と合致し、第一流出口388とは合致しない位置に形成されている。ここで、「合致する」とは、少なくとも遊技球を排出させることができる程度に連通する状態を示しており、「合致しない」とは、譬え重ね合っても連通部分が遊技球の直径よりも小さく遊技球を通過させることのない状態を示している。したがって、特定領域344に遊技球が入球した場合には、その遊技球は回転体347とともに回転し、特定領域344が第一流出口388と合致した際、第一流出口388から流出される。また、普通領域345に遊技球が入球した場合には、その遊技球は回転体347とともに回転し、普通領域345が第二流出口387と合致した際、第二流出口387から流出される。なお、第一流出口388には、V入賞センサ331(図41参照)が配設されており、特定領域344から遊技球が流出したことをV入賞センサ331によって検出するようになっている。また、第二流出口387には、排出センサ313(図41参照)が配設されており、普通領域345から遊技球が流出したことを排出センサ313によって検出するようになっている。
また、特定領域344及び普通領域345の外周縁には、遊技球が各領域344,345から径方向に流出することを防止する円弧状の流出防止壁408が形成されている。つまり、特定領域344及び普通領域345が、回転体ケース384に形成されたリターン流出口389と一致しても、そのリターン流出口389に流出しないように堤が形成されている。換言すれば、リターン領域346における貫通孔は、第一流出口388及び第二流出口387のいずれも合致することはないが、外周縁には流出防止壁408が設けられていないため、リターン流出口389と一致した場合には、リターン流出口389から流出するようになっている。
なお、図33に示すように、リターン流出口389の底面は、流出防止壁408の上面よりも低い位置に形成されリターン通路400に向かって下り勾配となっているため、特定領域344及び普通領域345がリターン流出口389に合致した場合には、流出防止壁408が有効となり、特定領域344及び普通領域345から遊技球が流出することを確実に防止することができる。これに対し、図32に示すように、流入口367の底面は、流出防止壁408の上面よりも高い位置に形成されている。このため、流入口367では流出防止壁408が無効となり、流出防止壁408の有無に拘らず、全ての領域に対し周面開放部分から遊技球を入球させることが可能となる。
このように、流入口367に到達した遊技球は、回転体347の特定領域344、普通領域345、またはリターン領域346に向かって流入可能な状態となる。つまり、遊技球が流入口367に達しても、その流入口367が回転体347における特定領域344、普通領域345、またはリターン領域346に連通するまではその場所で待機し、回転体347の回転に伴って一時的に連通すると、その特定領域344、普通領域345、またはリターン領域346に入球し、回転体347とともに軸心周りに回転する。そして、特定領域344に入球した遊技球は第一流出口388から流出し、普通領域345に入球した遊技媒体は第二流出口387から流出する。また、特定領域344から遊技球が流出したことに基づいて、上記特別遊技が行われる。
一方、リターン領域346に入球した遊技球はリターン流出口389から流出し、その後、リターン通路400を通って再び流入口367に戻される。つまり、特定領域344に入球させることができない場合であっても、リターン領域346に入球した場合には、特定領域344に入球させる機会を再び付与することから、遊技者に得した気分を与え、遊技意欲を高めることが可能になる。
特に、遊技球を流入口367に戻すためのリターン通路400は、案内通路349とは別の通路で構成されている。このため、最初に流入口367に到達するまでの遊技球の挙動と、再び流入口367に到達する際の遊技球の挙動とを互いに異ならせることができ、異なる挙動によって振分けの単調さを軽減することができる。特に、リターン通路400は、回転体347の外周に沿って形成され、案内通路349は、リターン通路400の外側に配設され、リターン通路400と略並行に形成されている。このため、リターン通路400は、リターン流出口389及び流入口367を最短距離で連通することができ、回転体347付近での遊技球の挙動が必要以上に長くなることによるイライラ感を抑制することができる。また、二つの遊技球を並んで転動させることができるようになり、力動的な挙動を醸し出すことができる。
また、案内通路349には、保留装置360が介装されており、案内通路349を通過する遊技球を一旦停留させ、その後、所定のタイミングで放出させることができるようになっている。保留装置360は、停留可能な遊技球の保留数を一つのみに制限する球収容部406と、球収容部406を、案内通路349に対して垂直とし遊技球を保留可能とする保留位置、及び案内通路349に対して並行とし保留した遊技球を流出可能とする開放位置との間で回動させる保留駆動機構338(図41参照)とを具備して構成されている。なお、球収容部406が保留位置のときに球収容部406から溢れる遊技球を案内通路349から排出する排出路407が、案内通路349から分岐して形成されている。このように、案内通路349に保留装置360を介在させたことにより、流入口367に到達する遊技球のタイミングが予測し難くなり、特定領域344を狙った特殊な打ち方を抑制することが可能になる。また、リターン通路400には保留装置360が設けられていないため、リターン通路400の傾斜が比較的緩やかであっても、遊技球を円滑に転動させることができる。また、保留装置360に球収容部406が設けられているため、大入賞口141に入賞する遊技球の個数を増やしても、回転体347の特定領域344に入球可能となる遊技球の数を制限することができる。したがって、入賞による遊技者の期待感を高めながらも、遊技店における負担の増大を抑制することが可能となる。
ところで、図24に示すように、回転体347の各領域に遊技球を入球させる経路として、内側誘導通路308を経由して流入口367から入球させる場合と、外側誘導通路320を経由して回転体347の上面に直接供給する場合とがある。そして、回転体347の上面には、遊技球が入球可能となる普通領域345の個数を制限する入球規制壁421が設けられている。具体的には、図30に示すように、六個の普通領域345のうち、四個の普通領域345の周囲を囲むようにU字形の入球規制壁421が四つ設けられており、二つの普通領域345と、特定領域344及びリターン領域346とにのみ入球させることを可能にしている。すなわち、外側誘導通路320によって第二領域309である回転体347の上面に誘導された場合には、内側誘導通路308によって流入口367に誘導された場合よりも、入球可能となる普通領域345の数が少なくなり、特定領域344またはリターン領域346に入球する確率が高くなる。換言すれば、上記特別遊技が行われる期待値が高くなる。
ところで、リターン流出口389は、流入口367よりも後方で且つ上方の外周壁385に形成されている。そして、リターン流出口389を流入口367よりも高い位置に形成することにより、リターン通路400を、下流側に向かって下り勾配に形成することが可能となり、リターン流出口389から流出された遊技球を、自重を利用して自然に戻すことが可能になる。ところが、リターン流出口389を流入口367よりも高い位置に形成する場合には、リターン領域346に入球した遊技球を高い位置に持ち上げる必要があり、回転体347の機構が複雑になったり大型化したりする虞がある。そこで、本例では、図26に示すように、回転体347の回転軸405を、回転体347に対して垂設するとともに、上端が下端よりも前側に位置するように前方に傾斜した状態で支持している。つまり、回転体347の上面を前側に傾斜させることにより、回転体347の後側の高さを前側の高さよりも高くし、流入口367からリターン領域346に入球した遊技球を、回転体347の回転力を利用して流入口367よりも高いリターン流出口389まで持ち上げるようにしている。また、これによれば、回転体347の上面を前側に傾斜しているため、流入口367から各領域に遊技媒体が入球する様子や、リターン流出口389からリターン通路400に流出する様子を、明瞭に視認させることが可能となり、回転体347を用いた効果的な演出を容易に行うことができるようになる。
回転軸405を回転させる回転体駆動手段343は、回転力を発生するモータ422、モータ422の回転を回転体347の回転軸405に伝達し、回転体347を一定方向(本例では平面視時計回転方向)に回転させる伝達機構423、モータ422及び回転体ケース384を支持するとともに回転体347の回転軸405を回転可能に支持する支持部材424、及び、回転体347を常時回転させるとともに、回転軸405の回転速度を定期的に異なる速度に切替える速度切替手段409(図41参照)を備えている。
ところで、回転体347の速度が常に一定の場合には、リターン流出口389から流出した遊技球が流入口367に戻る際に、常に同じ領域に入球する可能性があり、これによれば、流入口367に戻る前から、さらにはリターン領域346に入球した時点から、どの領域に戻るのかを把握することが可能となり、リターン領域346を設けたことによる面白みが半減する虞がある。これに対し、本例では、速度切替手段409が備えられ、回転体347の回転速度を定期的に変化させるように構成されている。このため、リターン通路400を通って再び流入口367に戻った遊技球が入球可能となる領域を、随時変化させることが可能になり、ひいてはリターン領域346に入球した際に、その後の遊技球の挙動に注目させることができる。
特に、速度切替手段409は、リターン領域346がリターン流出口389に合致した後、リターン領域346から流出された遊技球がリターン通路400を通って流入口367に達するのに要する時間が経過するまでの間における回転体347の回転速度を、定期的に、通常とは異なる速度に変化させている。具体的に説明すると、速度切替手段409は、回転体347を回転させる際、リターン領域346がリターン流出口389に合致する位置を基準点とし、回転体347が半回転のn倍(nは整数:本例では「4」)回転するまでを高速回転させる高速回転モードと、その後、回転体347が半回転のm倍(mは整数:本例では「1」)回転するまでを低速回転させる低速回転モードとを有し、高速回転モード及び低速回転モードを交互に繰り返すようにしている。
これにより、リターン領域346から流出された遊技球が再び流入口367に到達するまでの間において回転する、回転体347の角速度を確実に変化させることが可能になり、再び入球可能となる領域を定期的に切替えることが可能になる。また、回転速度が一度切り替わると、少なくとも180°回転するまではその速度が継続されるため、回転体347の速度が変化するタイミングを把握させることが可能となり、回転体347の速度と特定領域344に入球する可能性とを関連付けて、遊技球の行方を予測させることが可能となる。換言すれば、回転体347の回転速度にも注目させることが可能となり、振分における興趣を一層高めることが可能になる。なお、この場合、リターン領域346から流出された遊技球が特定領域344に入球する確率は、高速回転モードと低速回転モードとの比率によって決まることとなり、例えば、本例のように、高速回転モードと低速回転モードとの比率を4:1とし、低速回転モード時に特定領域344に入球するように設定した場合は、リターン領域346から流出された遊技球が特定領域344に入球する確率は、1/5となる。つまり、大入賞口141に入賞した遊技球が全て案内通路349を通って流入口367に到達すると仮定した場合、流入口367に到達した遊技球がリターン領域346に入球する確率は1/8となり、その1/5(全体の1/40)が特定領域344に入球することとなる。
[転動装置295及び誘導装置296について]
図14に示すように、後側フレーム292の下部前側には、遊技球を左右方向に揺動させながら落下させるステージ461が設けられている。ステージ461は、奥側の転動面と手前側の転動面とを有しており、手前側の転動面の中央部分には、球導出口461aが設けられている。なお、この球導出口461aは、装飾フレーム125に形成された入賞案内部145と連通しており、ステージ461で転動した遊技球が球導出口461aの中央から放出されると、入賞案内部145を通ることとなり、先用図柄始動口96に入球する可能性が高くなる。なお、ステージ461は半透明の部材から構成されており、ステージ461の下方に配設された発光手段(図示しない)の光をステージ461から放射させる構成となっている。
一方、誘導装置296は、装飾フレーム125の周面に形成された流入口144(図12参照)から入球した遊技球をステージ461に誘導するものであり、本例ではコイル状の形成された通路形成部材296aを縦方向に配置し、流入口144とステージ461とを連通している。つまり、通路形成部材296aは、螺旋状の形状を呈しており、遊技球を螺旋状に回転させながらステージ461に誘導する。また、通路形成部材296aは、後側フレーム292における内側の左側面を塞ぐ閉塞部材424に取付けられ、立設状態で保持されている。なお、閉塞部材424の表面には、細かな凹凸模様が形成されており、遮蔽板としても機能している。
[メータ表示装置297について]
次に、メータ表示装置297について、図14、図34及び図35に基づき説明する。ここで、図34はメータ表示装置297を右上後方から示す斜視図であり、図35はメータ表示装置297を右上前方から示す斜視図である。メータ表示装置297は、後側フレーム292の下部に収容されるとともに昇降可能に支持され、上昇させることにより開口部291内に出現する表示枠部429と、その表示枠部429を昇降させる昇降機構440とを具備して構成されている。
さらに詳しく説明すると、表示枠部429は、左右方向に並んだ一対の円環状の窓枠448を有し、オートバイのスピードメータのケーシングを模した形状を呈している。一対の窓枠448の間には、演出表示装置115とは関係なく発光する第一電飾部449が設けられ、各窓枠448の周囲には、円環状の第二電飾部460が設けられている。第一電飾部449は、上下方向に分離された複数の表示窓を有し、遊技状態に基づいて、発光する表示窓の数が切り替わるようになっている。なお、第一電飾部449及び第二電飾部460は、表示枠部429が出現する場合にのみ点灯し、没入した場合には消灯する。
昇降機構440は、後側フレーム292に固定状態で取付けられたベース部材466と、ベース部材466において横長で前後方向に穿設された左右一対の下側長孔部467と、表示枠部429の底面近傍において横長で前後方向に穿設された左右一対の上側長孔部468と、交差部503が軸支されたX字形のリンク機構469と、そのリンク機構469の下端から前後方向に突出し、夫々の下側長孔部467に対して左右方向に摺動可能な状態で挿入された一対の下側支持ピン480と、リンク機構469の上端から前後方向に突出し、夫々の上側長孔部468に対して左右方向に摺動可能な状態で挿入された一対の上側支持ピン481と、リンク機構469の交差部503を上下動させることにより、表示枠部429を昇降させる昇降駆動手段482とから構成されている。
特に、ベース部材466は、下側長孔部467が設けられた底面部486と、その底面部486の左右両端から立設された一対の側壁部487とを有し、内部に表示枠部429を収容可能とする収容室が形成されている。また、側壁部487の内側面には、表示枠部429の可動方向を上下方向に案内するガイド部488が設けられている。また、昇降駆動手段482は、回転力を発生するモータ489、及びモータ489の回転を直線運動に変換するピニオン500及びラック501等の運動変換機構によって構成されている。
したがって、昇降駆動手段482によってリンク機構469の交差部503が上昇すると、X字形のリンク機構469は、一対の下側支持ピン480及び一対の上側支持ピン481における夫々間隔(左右方向の間隔)が狭くなり、下側支持ピン480と上側支持ピン481との間隔(リンク機構469における高さ方向の長さ)が長くなるように変形する。すなわち、高さ方向に延びるように変形し、これにより表示枠部429を上昇させる。この際、交差部503の変位を増幅して表示枠部429を変位させることが可能となる。具体的には、本例ではリンク機構469における交差部503の位置が上端と下端との中間部位にあるため、上側支持ピン481の変位量は交差部503の変位量の約二倍となる。換言すれば、昇降駆動手段482におけるラック501のストロークが比較的短い場合でも、表示枠部429をストロークの2倍の長さだけ変位させることが可能になる。また、表示枠部429をX字形のリンク機構469によって支えることから、表示枠部429を安定して昇降させることが可能になる。また、ベース部材466における側壁部487の内側面には、表示枠部429の可動方向を上下方向に案内するガイド部488が設けられているため、表示枠部429を滑らかに昇降させることが可能となる。
このように、後側フレーム292の下部には昇降可能に支持された表示枠部429が収容されており、表示枠部429を昇降機構440によって上昇させると、表示枠部429は開口部291内に出現する。表示枠部429には、一対の円環状の窓枠448が設けられているため、後側フレーム292の開口部291内に出現すると、窓枠448の内側を通して演出表示装置115の表示画面を視認させることが可能になる。特に、演出表示制御手段443(図50参照)が設けられており、表示枠部429が開口部291内に出現した際、演出表示装置115の表示画面を、窓枠448の内側を通して視認される第一表示領域(図示しない)と、表示枠部429の外側において視認される第二表示領域(図示しない)とに区分けし、第一表示領域及び第二表示領域に対して互いに異なる演出画像を表示させる。特に、本例では,第一表示領域を、右側の窓枠448を通して視認可能となる領域と、左側の窓枠448を通して視認可能となる領域とに区分けし、互いに異なる演出画像を表示させる。例えば、一方の第一表示領域にはスピード(速度)を表示させ、他方の第一表示領域にはエンジンの回転数を表示させるようにしている。
また、領域変位制御手段444(図50参照)を備えており、表示枠部429の上昇途中及び下降途中においては、第一表示領域と第二表示領域との相対位置を、表示枠部429の昇降に追随させて変位させるようにしている。つまり、表示枠部429の内側を通して視認される演出画像を、表示枠部429の可動位置に追随させて変位させることにより、その演出画像が表示枠部429からはみ出さないように制御している。
このように、表示枠部429の内側と外側とで互いに異なる演出画像を表示させることにより、恰も二つの表示手段があるかのように見せることができ、演出の興趣を高めることが可能になる。特に、表示枠部429の昇降に合わせて第一表示領域が変位するため、表示枠部429の可動中も常に表示枠部429を通して特定の演出を視認させることができ、表示枠部429と演出表示装置115が別々のものであるという印象を喚起させない。また、表示枠部429が出没可能であるため、出現により遊技者に驚きを与えることができる。
なお、図14及び図16に示すように、後側フレーム292の開口部291を閉塞する透明の仕切板298が設けられており、これにより、ステージ461とメータ表示装置297とが仕切られている。このため、ステージ461を転動する遊技球がメータ表示装置297側に流下すること、すなわち表示枠部429が障害物となることを防止できる。また、仕切板298の右下隅部には、平板状の仕切板298から前方に突出し複合誘導装置293及び回転式振分装置294を覆う透明カバー504が一体的に形成されており、これにより、ステージ461を転動する遊技球が、複合誘導装置293及び回転式振分装置294が配置された領域に進入することを防止している。
次に、このようなパチンコ機1の電気的な構成を詳述する。
[パチンコ機の電気的構成について]
図41は、この実施の形態にかかるパチンコ機1の電気的構成をブロック図として示したものである。
パチンコ機1は、大きくは、主基板310と、周辺基板311とを備えて構成されている。
ここで、上記主基板310は、
・遊技球の検出。
・各種当たりの当落にかかる抽選処理。
・特別図柄や先用図柄についての変動表示制御。
・賞球の払い出しにかかる制御(払い出し制御)。
等々、遊技が予め定められたルールに従って進行するよう各種の制御を行う部分である。
一方、上記周辺基板311は、
・発光装飾。
・音響出力。
・液晶表示。
等々、上記主基板310によって進行される遊技に各種の演出を付加し、これによって遊技の興趣の向上を図る部分である。
[主基板について]
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。そしてこのうち、上記主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。
ここで、上記CPU314は、上記第1の始動口センサ317、及び上記第2の始動口センサ318、及び上記カウントセンサ319、及び上記入賞口センサ330、及び上記V入賞センサ331、及び上記排出センサ313など、各種のセンサからの検出信号に基づいて上記ROM315に格納されている制御プログラムを実行する部分である。すなわち、こうした制御プログラムの実行を通じて、上記先用役物駆動機構334、及び上記大入賞口開閉機構335、及び上記振分装置321の揺動片363を揺動させるためのアクチュエータを有して構成される振分装置駆動機構336、及び上記速度切替手段409、及び上記保留駆動機構338、及び上記アタッカ駆動機構339など、各種のアクチュエータに適宜に駆動信号が出力されるようになり、これによって当該パチンコ機1にて行われる各種の遊技が予め定められたルールに従って進行するようになる。なお、後述するが、この主制御基板131のCPU314は、上記特別図柄表示器332、及び上記先用図柄表示器333の表示制御や、上記周辺基板311、及び上記払出制御基板197に遊技の進行状況を示す信号(コマンド)を出力することも行う。
また、上記RAM316は、上記主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種のデータやフラグ(有利状態フラグなど)、入力信号等の情報が一時的に記憶される部分である。なお、後述するが、この実施の形態にかかる主制御基板131では、例えば下部側大入賞口83内への遊技球の入球数をカウンタ値として得る入球カウンタや、上述の先用図柄の保留数をカウンタ値として記憶保持する先用保留数カウンタなど、各種のカウンタを備えており、当該RAM316にはこれらカウンタによるカウンタ値もそれぞれ格納される。
一方、上記払出制御基板197(賞球払出手段)は、上記主制御基板131からのコマンドに基づいて球払出装置170に駆動信号を出力する部分であり、大きくは、中央演算装置としてのCPU351、読み出し専用メモリとしてのROM352および読み書き可能メモリとしてのRAM353を備えて構成されている。
ここで、上記ROM352には、遊技の進行状況に応じて遊技者に賞球を払い出すための制御プログラムが格納されている。より具体的には、この制御プログラムには、上記第1の始動口センサ317や、上記カウントセンサ319などによって遊技球の入球が検出されたときに払い出される賞球の数が各々規定されている。すなわち、このような制御プログラムの実行を通じて、上記CPU351は、上記球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、上記球払出装置170が、こうした制御プログラムに従って遊技者に賞球を払い出すようになる。なお、この実施の形態では、上記払出制御基板197のCPU351は、補助遊技(第1の特別遊技)が実行されるときに遊技者に払い出される賞球の数よりも、特別遊技(第2の特別遊技)が実行されるときのほうがより多くの賞球が払い出されるように上記賞球の払い出しにかかる制御を行う。
ここで、上記主制御基板131と上記払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施される。例えば、上記主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK(Acknowledge)信号が返される。
[周辺基板について]
一方、周辺基板311には、サブ統合基板355のほかに例えば複数の電飾制御基板356,357、波形制御基板358、昇降機構駆動基板397、及び装飾体駆動機構398等が含まれる。上記主制御基板131とサブ統合基板355との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板355へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板355も、CPU370をはじめROM371やRAM372等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行する。サブ統合基板355とその他の電飾制御基板356、357や波形制御基板358との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。
1つ目の電飾制御基板356には、上記保留球ランプ111、及びサイド装飾装置52(図2参照)等を含む装飾ランプ394などが接続されている。この電飾制御基板356では、上記サブ統合基板355から当該基板356に対して保留球ランプ111や装飾ランプ394の点灯態様についての演出コマンドが送信されることに基づいて各ランプ111,394を点灯させる処理を行う。
2つ目の電飾制御基板357には、上記抽選処理の結果に応じた演出コマンドが上記サブ統合基板355から受信されるようになっている。同電飾制御基板357は、こうして受信される演出コマンドに基づいて演出表示装置115及び演出ランプ395の表示制御を行うことで、上記抽選処理の結果に応じた表示制御を行う。
波形制御基板358は、例えば上記先用電動役物81の動作契機となる当たりについての当落にかかる抽選処理の結果を可聴音波として出力する音響制御を行う部分である。ただし、この実施の形態では、上記波形制御基板358は、不可聴である超音波等の波形信号を生成・送受信する処理も実行する。例えば、サブ統合基板355から演出コマンドが波形制御基板358に送信されると、これを受けて波形制御基板358は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板358には超音波送受信装置396が接続されており、この超音波送受信装置396は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置396を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板356,357、及び波形制御基板358にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU374,377,390、読み出し専用メモリとしてのROM375,378,391、及び読み書き可能メモリとしてのRAM376,379,392を備えている。
また、昇降機構駆動基板397は、メータ表示装置297の表示枠部429を昇降させるためのモータ489を駆動するものであり、装飾体駆動機構398は、装飾物246を揺動させるためのモータ303を駆動するものである。これらの昇降機構駆動基板397及び装飾体駆動機構398は、遊技状態に基づいて各モータ489,303を正転及び逆転させる。
次に、主制御基板131(特にCPU314)で実行される制御処理の例について説明する。
[遊技処理について]
図42(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記主制御基板131のCPU314によって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図42(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板131はまず、ステップS1の処理として、各種のレジスタやRAMに格納されているデータを初期化する。次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で生成される数である乱数の更新を行う。
すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板131では、
・上記先用図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される乱数(先用図柄の変動パターン決定用乱数)。
・上記先用電動役物81の動作契機となる当たりの当落にかかる抽選処理に供される乱数(先用図柄の当たり判定用乱数)。
・上記先用図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される乱数(先用図柄決定用乱数)。
・上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される乱数(特別図柄の変動パターン決定用乱数)。
・上記小当たり及び上記大当たりの当落にかかる抽選処理に供される乱数(特別図柄の当たり判定用乱数)。
等々、といった乱数を保持する乱数カウンタ(乱数保持手段)を備えている。そこで、このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(先用図柄の変動パターン決定用乱数、特別図柄の変動パターン決定用乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。
こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4ms毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図42(b)は、上記主制御基板131のCPU314によって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図42(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記第1の始動口センサ317、及び上記第2の始動口センサ318、及び上記カウントセンサ319、及び上記入賞口センサ330、及び上記V入賞センサ331、及び上記排出センサ313など、各種のセンサからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上述の乱数のうち、当落に関わる乱数(特別図柄の当たり判定用乱数、先用図柄の当たり判定用乱数、先用図柄決定用乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板131のCPU314は、ステップS14の処理として、上記小当たり及び上記大当たりの当落にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記RAM316に格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグに基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板131のCPU314は、ステップS15の処理として、上記先用電動役物81の動作契機となる当たりの当落にかかる抽選処理を含む先用図柄プロセス処理を実行する。なお、この先用図柄プロセス処理についても後述することとするが、ここでも、基本的に、遊技の進行状況を示す先用図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、これも後述するが、上記主制御基板131のCPU314は、上記特別遊技が行われる条件が満たされた場合、この特別遊技の終了後の所定の期間は当該期間が経過した後の通常の期間よりも上記遊技領域37に所定数の遊技球が打ち込まれたときの上記センター役物91内の領域(第1の遊技領域)に入球される遊技球の数が多くなるように上記先用電動役物81の駆動制御を行う構成となっている(遊技者にとって有利な遊技状態)。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び先用図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板131のCPU314は、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて上記RAM316の所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺基板311などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記先用図柄プロセス処理にて同じくRAM316の所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺基板311などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板131のCPU314は、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板131のCPU314は、ステップS19の処理として、上記第1の始動口センサ317、上記カウントセンサ319、上記入賞口センサ330などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板197に払出制御コマンドを出力する。これにより、上記払出制御基板197が、上述のROM352に格納されている制御プログラムに従って遊技者に賞球を払い出すようになる。
また、同主制御基板131のCPU314は、次にステップS20の処理として、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータ(回転体347を回転動作せしめるモータ422など)の駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図43は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新(生成)されたとすると(ステップS13)、同図43に示されるように、この主制御基板131のCPU314はまず、上記第1の始動口センサ317による検出信号がオン状態(特別図柄始動口82への入球あり)にあることを条件に(ステップS30)、例えば特別図柄の当たり判定用乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを上記RAM316に格納するなどの特別図柄始動口通過処理を実行する(ステップS40)。そしてその後は、上述の特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の9つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
・上記RAM316に格納されている特別図柄の当たり判定用乱数に基づいて上記小当たり及び上記大当たりの当落にかかる抽選処理などが行われる特別図柄通常処理(ステップS100)。
・上記小当たり及び上記大当たりの当落にかかる抽選処理の結果に応じて予め定められている特別図柄の表示態様が決定される特別図柄停止図柄設定処理(ステップS200)。
・上記変動パターン決定用乱数に基づいて上記特別図柄表示器332に表示される特別図柄の変動態様についての抽選処理などが行われる変動パターン設定処理(ステップS300)。
・上記特別図柄表示器332における上記特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する特別図柄変動処理(ステップS400)。
・上記特別図柄停止図柄設定処理(ステップS200)にて決定された特別図柄が上記特別図柄表示器332に表示されるように上記特別図柄の変動表示を停止させる特別図柄停止処理(ステップS500)。
・上記小当たりが当選されたとき、上記特別電動役物142の駆動制御等が行われる補助遊技処理(ステップS600)。
・上記大当たりが当選されたとき、あるいは上記補助遊技処理にて遊技球が特定領域344に入球したとき、上記特別遊技状態に移行する旨などの遊技者への報知が上記周辺基板311によって行われるまで待機する下部側大入賞口開放前処理(ステップS700)。
・上記大当たりが当選されたとき、あるいは上記補助遊技処理にて遊技球が特別入球口93に入球したとき、上記開閉部材99による開閉動作を通じて上記下部側大入賞口83が開放される下部側大入賞口開放中処理(ステップ800)。
・上記特別遊技状態が終了する旨の遊技者への報知が上記周辺基板311によって行われるまで待機する下部側大入賞口開放後処理(ステップS900)。
なお、上記特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図42参照)において、上記特別図柄通常処理(ステップS100)を行うべき旨を示すよう操作されている。
次に、上記特別図柄始動口通過処理(ステップS40)、及びこうした9つのプロセス処理(ステップS100〜S900)の具体的態様についてそれら処理の別に詳述する。
<特別図柄始動口通過処理>
図44は、上記特別図柄始動口通過処理(ステップS40)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS30の処理において、上記第1の始動口センサ317がオン状態にあり、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図44に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS41の処理として、上記乱数カウンタにより保持されている乱数の取得待ち状態にあるか否かを判断する。例えば、後述の乱数取得フラグがオン状態にあるような場合には、上記乱数の取得待ち状態にない判断し、この時点で当該処理を終了することとなる。
一方、このステップS41の処理において、上記乱数の取得待ち状態にあると判断されると、次にステップS42の処理として、上記特別図柄の当たり判定用乱数を上記乱数カウンタから取得する。次いで、ステップS43の処理として、こうして取得された乱数を、上記RAM316のうちの予め定められた特定の領域に格納する。そして次に、ステップS44の処理として、上記特別図柄の当たり判定用乱数が取得された状態にあることを示す乱数取得フラグをオン状態に操作した時点で、この処理を終了する。
<特別図柄通常処理>
図45は、上記特別図柄通常処理(ステップS100)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図45に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS101の処理として、上記特別図柄の変動表示制御を開始することができる状態にあるか否かの判断を行う。例えば、上記特別図柄の変動表示制御が実行中であるような場合や、上記特別遊技が行われる状態にあるような場合には、上記特別図柄の変動表示制御を開始することができない状態であると判断し、この時点で当該処理を終了することとなる。
一方、こうした処理を通じて、上記ステップS101の処理において、上記特別図柄の変動表示制御を開始することができる状態にあると判断されるようになると、上記主制御基板131のCPU314は、次にステップS102の処理として、上記乱数取得フラグがオン状態にあるか否かの判断を行う。この結果、上記乱数取得フラグがオン状態にあると判断された場合には、次にステップS103及びS104の処理として、上記RAM316の特定の領域に格納されている特別図柄の当たり判定用乱数を同RAM316から読み出すとともに、上記乱数取得フラグをオフ状態に操作する。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された特別図柄の当たり判定用乱数に基づいて上記小当たり及び上記大当たりの当落についての抽選処理を行う。この抽選処理では、上記読み出された乱数と上記ROM315に格納されている当たり判定値(図示略)とが比較される。そして、この比較の結果、上記読み出された乱数が上記大当たりに当選したことを示す当たり判定値と一致するときは(ステップS106)、上記大当たりの状態にあることを示す大当たりフラグをセットする(ステップS107)。そして、こうして大当たりフラグがセットされた後、上記特別図柄停止図柄設定処理(ステップS200)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS108)、この処理を終了する。ただし、上記読み出された乱数が上記大当たりに当選したことを示す当たり判定値と一致しないときは(ステップS106)、上記大当たりフラグをセットすることなく、上記ステップS108の処理を実行することとなる。
なお、この実施の形態では、図46に示されるように、上記特別図柄の当たり判定用乱数の値は347種類だけ用意されている。これに対し、上記ROM315には、そのうちの345種類の乱数値が小当たりに当選したことを示す当たり判定値と一致し、2種類の乱数値が大当たりに当選したことを示す当たり判定値と一致するように上記当たり判定値がそれぞれ登録されている。
<特別図柄停止図柄設定処理>
図47は、上記特別図柄停止図柄設定処理(ステップS200)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図47に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS201の処理として、上記大当たりフラグがセットされているか否かを判断する。この結果、上記大当たりフラグがセットされているときは、次にステップS202の処理として、大当たり時の特別図柄(停止図柄)として予め定められている図柄を決定する。次いで、ステップS203の処理として、
(a)上記特別遊技にて繰り返し実行されるラウンド遊技の回数(ラウンド数)。
(b)上記特別遊技の実行後に付与される有利な遊技状態が継続される期間(継続期間)。
をそれぞれ決定する。なお、この実施の形態では、上記所定の期間としての継続期間は、上記特別遊技が実行されてから上記特別図柄の変動表示制御が所定回数だけ行われるまでの期間として設定されている。ちなみに、上記ステップS203の処理では、大当たり時のラウンド数及び所定の期間として、予め定められているラウンド数(15回)及び変動表示制御の回数(7回)がそれぞれ決定されることとなる。
そして、こうして停止図柄及び上記ラウンド数、継続期間(変動表示制御の回数)がそれぞれ決定された後は、ステップS204の処理として、上記当落にかかる情報も含めて、こうして決定された事項が上記周辺基板311に送信されるようコマンドをセットする。これにより、こうして決定された事項に基づく演出制御(表示制御及び音響制御)が上記演出表示装置115や上記スピーカ18、57を通じて行われるようになる。そしてその後は、ステップS205の処理として、上記変動パターン設定処理(ステップS300)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
一方、上記ステップS201の処理において、上記大当たりフラグがセットされていないときは、次にステップS211の処理として、小当たり時の特別図柄(停止図柄)として予め定められている図柄を決定する。そしてこの場合も、以下のステップS212〜S214の処理として、上記小当たり時のラウンド数及び上記継続期間として予め定められているラウンド数及び変動表示制御の回数を決定することとなる。
ただし、この実施の形態では、まず、後述の有利状態フラグに基づいて上記遊技者にとって有利な遊技状態にあるか否かが判断される(ステップS212)。なお、この有利状態フラグとは、遊技者にとって有利な遊技状態(有利状態)にあるか否かを示すフラグである(期間情報)。そしてこの結果、上記有利な遊技状態にない(通常時)と判断されるときは、小当たり時且つ通常時のラウンド数及び継続期間として予め定められているラウンド数(16回)及び変動表示制御の回数(2回)をそれぞれ決定する(ステップS213)。一方、上記有利な遊技状態にある(有利状態)と判断されるときは、小当たり時且つ有利状態時のラウンド数及び継続期間として予め定められているラウンド数(16回)及び変動表示制御の回数(7回)をそれぞれ決定する(ステップS213)。このような構成では、上記有利な遊技状態が継続する確率(継続率)が変化するようになり、遊技者は、上記有利な遊技状態に一旦突入した後も、この有利な遊技状態がより高い確率で継続される状態に移行することを願って遊技するようになる。すなわち、遊技者は、上記継続率の高い状態に移行するか否かのドキドキ感を感じるようになり、これによって遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
なお、こうして停止図柄及び上記ラウンド数、継続期間(変動表示制御の回数)がそれぞれ決定された後は、上記ステップS204及びS205の処理をそれぞれ実行した時点で、この処理を終了する。
<変動パターン設定処理>
図48は、上記変動パターン設定処理(ステップS300)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図48に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS301の処理として、上記乱数カウンタから上記特別図柄の変動パターン決定用乱数を取得する。そして、上記大当たりフラグがセットされているときは(ステップS302)、大当たり時の変動パターンとして予め定められている変動パターンに決定する。また、上記大当たりフラグがセットされていないときは(ステップS302)、上記取得した変動パターン決定用乱数に基づいて上記特別図柄の変動パターンについての抽選処理を行う(ステップS304)。
ここで、上記大当たりフラグがセットされていないときの上記抽選処理は、上記ROM315に格納されている小当たり時の変動パターンテーブル(図示略)に基づいて行われる。このテーブルには、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動パターン決定用乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。この点、この実施の形態にかかる主制御基板131のCPU314では、上記取得された変動パターン決定用乱数に対応して関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。
そして、こうして特別図柄の変動パターンについての抽選処理が行われると、次にステップS305の処理として、上記特別図柄表示器332における上記特別図柄の変動表示制御を開始するとともに、上記決定された特別図柄の変動パターンを上記周辺基板311へのコマンドとしてセットする。これにより、こうして決定された変動時間だけ、上記特別電動役物142の動作契機となる当たりについての当落にかかる抽選処理の結果に応じた表示制御及び音響制御が、上記演出表示装置115や音響制御を通じて行われるようになる。また、特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS306の処理として、後述の継続期間カウンタや有利状態フラグなどが操作される有利状態処理を行うとともに、上記特別図柄変動処理(ステップS400)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS307)、この処理を終了する。なお、上記有利状態処理(ステップS306)については、図54を参照して後述することとする。
<特別図柄変動処理>
図49は、上記特別図柄変動処理(ステップS400)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図49に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS401の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS300)が行われてから当該処理にて決定された変動時間が経過するまで待機する。そして、このステップS401の処理において、上記決定された変動時間が経過したと判断されると、次にステップS402の処理に移行する。すなわち、このステップS402の処理において、上記特別図柄停止処理(ステップS500)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
<特別図柄停止処理>
図50は、上記特別図柄停止処理(ステップS500)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図50に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS501の処理として、上記ステップS202、S211の処理にて決定された停止図柄を上記特別図柄表示器332(図41参照)に表示させるための表示制御を行う。
そしてその後は、上記大当たりフラグがセットされているときは(ステップS502)、上記下部側大入賞口開放前処理(ステップS700)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS503)、この処理を終了する。一方、上記大当たりフラグがセットされていないときは(ステップS502)、上記補助遊技処理(ステップS600)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS513)、この処理を終了する。
<補助遊技処理>
この補助遊技処理では、
・上記特別電動役物142が予め定められた時間(例えば1.68秒)だけ開動作するように上記大入賞口開閉機構335の駆動制御を行う処理。
・前述の高速回転モード及び低速回転モードを交互に繰り返す処理(速度切替手段409)。
・上記振分装置321の揺動片363が予め定められた時間だけ揺動するように上記振分装置駆動機構336の駆動制御を行う処理。
・案内通路349を通過する遊技球を一旦停留させ、その後、所定のタイミングで該保留された遊技球が放出されるかたちで上記保留駆動機構338の駆動制御を行う処理。
等々、といった処理が行われる。そして、こうした処理を通じて上記V入賞センサ331がオン状態になった場合には、上記大当たりフラグをオン状態に操作するとともに、上述のラウンド遊技が行われる旨を示すラウンド遊技開始コマンドをセットする。そして、上記下部側大入賞口開放前処理(ステップS700)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。ただし、上記V入賞センサ331がオン状態になることなく、当該補助遊技処理に要する時間として予め定められた時間が経過した場合には、上記特別図柄通常処理(ステップS100)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了することとなる。
<下部側大入賞口開放前処理>
図51は、上記下部側大入賞口開放前処理(ステップS700)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該下部側大入賞口開放前処理を行うべき旨を示しているときは、同図51に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS701の処理として、上記周辺基板311によって上述のラウンド遊技に移行する旨を遊技者に告知するための移行告知時間が経過するまで待機する。なお、この周辺基板311による告知は、上記ラウンド遊技開始コマンドが同周辺基板311に送信されることによって行われる。そして、このステップS701の処理において、上記移行告知時間が経過したと判断されると、次にステップS702の処理に移行する。そして、このステップS702の処理において、上記下部側大入賞口開放中処理(ステップS800)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
<下部側大入賞口開放中処理>
図52は、上記下部側大入賞口開放中処理(ステップS800)についてその手順を示すフローチャートである。なお上述の通り、この下部側大入賞口開放中処理は、上記ラウンド遊技が繰り返し実行されることによって行われる。
上記特別図柄プロセスフラグが当該下部側大入賞口開放中処理を行うべき旨を示しているときは、同図52に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS801の処理として、上記アタッカ駆動機構339の駆動(オン状態)を通じて上記下部側大入賞口83を上記第2の遊技領域にて開放させる。そして次に、ステップS802の処理として、上記カウントセンサ319による検出信号に基づいて当該下部側大入賞口83内への遊技球の入球があったか否かを判断する。そして、この入球があることを条件に、ステップS803の処理として、上記下部側大入賞口83内への遊技球の入球数をカウンタ値として得る入球カウンタをカウントアップする。そしてその後は、ステップS804の処理として、上記下部側大入賞口83の開放終了条件(ラウンド遊技の終了条件)が成立するまで待機する。なお、この開放終了条件は、例えば上記下部側大入賞口83内に遊技球が9個だけ入球すること、及び当該ラウンド遊技の開始から予め定められた時間が経過すること、のいずれかの条件が満たされることである。
そして、こうして下部側大入賞口83の開放終了条件が成立するようになると、次にステップS805の処理として、上記アタッカ駆動機構339をオフ状態とすることで、上記下部側大入賞口83の開放を終了する。次いで、ステップS806の処理として、このようなラウンド遊技の連続実行回数をカウンタ値として得るラウンドカウンタをカウントアップする。そして次に、ステップS807の処理として、このカウントアップされたカウンタ値が、上述のステップS203、S213、S214の処理(図47参照)にて決定されたラウンド遊技の回数(ラウンド数)と等しいか否かを判断する。そして、このステップS807の処理において、上記ラウンドカウンタのカウンタ値が上記決定されたラウンド遊技の回数よりも小さいと判断された場合には、上記入球カウンタをリセットするとともに、上記ラウンド遊技開始コマンドをセットする(ステップS818)。なおこのとき、ラウンド遊技開始コマンドには、上記ラウンドカウンタのカウンタ値を示す情報も持たせられる。そして、上記下部側大入賞口開放前処理(ステップS700)に再度プロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS819)、この処理を終了する。これにより、上記下部側大入賞口開放前処理(ステップS700)において、上記ラウンド遊技が継続して行われる旨が遊技者に報知されるようになる。
一方、こうした処理を通じて、上記ステップS807の処理において、上記ラウンドカウンタのカウンタ値が上記決定されたラウンド遊技の回数と等しいと判断されるようになると、次にステップS808の処理に移行する。このステップS808の処理では、上記ラウンドカウンタ及び入球カウンタをそれぞれリセットするとともに、こうしたラウンド遊技が終了する旨を示すラウンド遊技終了コマンド(図示略)をセットする。そして次に、ステップS809の処理として、上記下部側大入賞口開放後処理(ステップS900)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
<下部側大入賞口開放後処理>
図53は、上記下部側大入賞口開放後処理(ステップS900)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該下部側大入賞口開放後処理を行うべき旨を示しているときは、同図53に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS901の処理として、上記周辺基板311によって上述のラウンド遊技が終了する旨を遊技者に告知するための終了告知時間が経過するまで待機する。なお、この周辺基板311による告知は、上記ラウンド遊技終了コマンドが同周辺基板311に送信されることによって行われる。そして、このステップS901の処理において、上記終了告知時間が経過したと判断されると、次にステップS902の処理に移行する。そして、このステップS902の処理において、遊技者にとって有利な遊技状態(有利状態)にあることを示すように上記有利状態フラグを更新するとともに、上記ステップS203、S213、S214の処理にて決定された継続期間を示すように上記継続期間カウンタをセットする。なお、この継続期間カウンタとは、例えば当該下部側大入賞口開放後処理(ステップS900)にて上記決定された継続回数がセットされた後、上記変動パターン設定処理のステップS306の有利状態処理にて、そのカウンタ値が「0」になるまでカウントダウンされることで、上記有利な遊技状態の継続回数をそのカウンタ値として示すカウンタである。なお、このステップS902の処理にて上記有利状態フラグが更新され、上記継続期間カウンタがセットされた後は、上記特別図柄通常処理(ステップS100)に再度プロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS903)、この処理を終了する。
ここで、上記有利状態処理(図48:ステップS306)について詳述する。
図54は、この有利状態処理についてその具体的な処理手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS305の処理(図48参照)において、上記特別図柄表示器332における上記特別図柄の変動表示制御が開始され、上記決定された特別図柄の変動パターンが上記周辺基板311へのコマンドとしてセットされたとすると、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS361の処理として、上記継続期間カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該継続期間カウンタをカウントダウンした後(ステップS362)、同継続期間カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS363)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記有利状態フラグを上記有利状態でないことを示すように更新した時点で(ステップS364)、上記ステップS307の処理(図48参照)に移行する。
ただし、上記ステップS361の処理にて継続期間カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合や、上記ステップS363の処理にて継続期間カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点で上記ステップS307の処理(図48参照)に移行することとなる。
図55は、上記先用図柄プロセス処理(図42:ステップS15)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上述の先用図柄プロセス処理が実行されたとすると(ステップS15)、同図55に示されるように、この主制御基板131のCPU314はまず、上記第2の始動口センサ318による検出信号がオン状態(先用図柄始動口96での通過あり)にあることを条件に(ステップS2030)、例えば先用図柄の当たり判定用乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを上記RAM316に格納するなどの先用図柄始動口通過処理を実行する(ステップS2040)。そしてその後は、上述の先用図柄プロセスフラグに応じて、以下の4つのプロセス処理の1つが選択的に実行されることとなる。
・上記RAM316に格納されている先用図柄の当たり判定用乱数に基づいて上記当たりの当落にかかる抽選処理などが行われる先用図柄待機中処理(ステップS2100)。
・上記先用図柄表示器333における上記先用図柄の変動表示が停止されるまで待機する先用図柄変動処理(ステップS2200)。
・上記当落にかかる抽選処理の結果に応じた先用図柄が上記先用図柄表示器333に表示されるように上記先用図柄の変動表示を停止させる先用図柄停止処理(ステップS2300)。
・上記先用電動役物81の駆動制御が行われる先用電動役物駆動処理(ステップS2400)。
なお、上記先用図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図42参照)において、上記先用図柄待機中処理(ステップS100)を行うべき旨を示すよう操作されている。
次に、上記先用図柄始動口通過処理(ステップS2040)、及びこうした4つのプロセス処理(ステップS2100〜S2400)の具体的態様についてそれら処理の別に詳述する。
<先用図柄始動口通過処理>
図56は、上記先用図柄始動口通過処理(ステップS2040)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS2030の処理において、上記第2の始動口センサ318がオン状態にあり、上記先用図柄始動口96への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図56に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、ステップS2041の処理として、まず、上記先用保留数カウンタによるカウンタ値をRAM316から取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の先用図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS2041の処理において、上記先用図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記先用図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS2042〜S2044の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS2042の処理として、上記先用保留数カウンタをカウントアップする。次いで、ステップS2043の処理として、上記先用図柄の当たり判定用乱数及び上記先用図柄決定用乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS2044の処理として、こうして取得された当たり判定用乱数及び図柄決定用乱数を、上記RAM316の記憶領域のうちの上記先用保留数カウンタによるカウンタ値に対応する乱数記憶領域に格納した時点で、この処理を終了する。
ただし、上記ステップS2041の処理において、上記先用図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記先用図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、上記ステップS2042〜S2044の処理を行うことなく、上記先用図柄の保留数がその最大値であると判断された時点で、この処理を終了する。
<先用図柄待機中処理>
図57は、上記先用図柄待機中処理(ステップS2100)についてその手順を示すフローチャートである
上記先用図柄プロセスフラグが当該先用図柄待機中処理を行うべき旨を示しているときは、同図57に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS2101の処理として、上記先用図柄の変動表示制御を開始することができる状態にあるか否かの判断を行う。例えば、上記先用図柄の変動表示制御が実行中であるような場合や、上記先用電動役物81が開放動作中であるような場合には、上記先用図柄の変動表示制御を開始することができない状態であると判断し、この時点で当該処理を終了することとなる。
一方、こうした処理を通じて、上記ステップS2101の処理において、上記先用図柄の変動表示制御を開始することができる状態にあると判断されるようになると、上記主制御基板131のCPU314は、次にステップS2102の処理として、上記先用保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある先用図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある先用図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS2103の処理として、上記RAM316の乱数記憶領域に格納されている先用図柄の当たり判定用乱数及び先用図柄決定用乱数のうちの最先に格納された各乱数を同RAM316から読み出す。また併せて、上記乱数カウンタから先用図柄の変動パターン決定用乱数を取得する。そして次に、ステップS2104及びS2105の処理として、上記先用保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記RAM316の乱数記憶領域に格納されている上記先用図柄の当たり判定用乱数を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。これにより、上記先用図柄の変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS2106の処理として、上記読み出された先用図柄の当たり判定用乱数に基づいて上記当たりの当落についての抽選処理(当たり判定処理)を行う。なお、この抽選処理では、上記読み出された当たり判定用乱数と上記ROM315に格納されている当たり判定値(図示略)とが比較される。
ただし、この実施の形態では、
・上記特別図柄始動口82に遊技球が入球されるために必要な上記先用電動役物81の動作時間として最低限の時間(例えば「108ms」)を示す動作時間情報が対応付けられている短当たり。
・上記特別図柄始動口82に遊技球が入球されるために必要な上記先用電動役物81の動作時間として十分長い時間(例えば「5700ms」)を示す動作時間情報が対応付けられている長当たり。
といった2種類の当たり(短当たり、長当たり)が上記先用電動役物81の動作契機となる当たりとして含まれている。したがって、こうして上記当たりの当落についての抽選処理が行われた後は、ステップS2107の処理として、当該抽選処理の結果に応じて上記先用電動役物81の動作時間(より正確には先用役物駆動機構334の駆動時間)が決定される動作時間決定処理を行う。なお、この動作時間決定処理については、後述することとする。
そして、こうして上記先用電動役物81の動作時間が決定されると、次にステップS2108〜S2110の処理として、上記先用図柄の変動パターン(先用図柄の変動表示制御に要する変動時間など)を上記有利状態フラグによって示される情報に応じて決定することとなる。
例えば、上記有利状態フラグが上記有利状態にないことを示しているときは(ステップS2108)、通常時用の変動パターンテーブルに基づいて上記先用図柄の変動パターンを決定する(ステップS2110)。一方、上記有利状態フラグが上記有利状態にあることを示しているときは(ステップS2108)、有利状態時用の変動パターンテーブルに基づいて上記先用図柄の変動パターンを決定する(ステップS2109)。なお、上記通常時用の変動パターンテーブルとは、上記先用図柄の変動表示制御に要する変動時間として比較的長い時間(例えば「3880ms」〜「63100ms」)を示す複数の変動時間情報が上記先用図柄の変動パターン決定用乱数の別に各々対応して関連付けされるかたちで記憶されているものである。また、上記有利状態時用の変動パターンテーブルとは、上記先用図柄の変動表示制御に要する変動時間として比較的短い時間(例えば「2880ms」〜「3100ms」)を示す複数の変動時間情報が上記先用図柄の変動パターン決定用乱数の別に各々対応して関連付けされるかたちで記憶されているものである。
そして、こうして先用図柄の変動パターンについての抽選処理が行われると、次にステップS2111の処理として、この決定された変動パターンに応じて上記先用図柄表示器333における上記先用図柄の変動表示制御を開始するとともに、上記当落にかかる情報及び上記有利状態にあるか否かを示す期間情報も含めて、上記決定された先用図柄の変動パターンを上記周辺基板311へのコマンドとしてセットする。これにより、上記先用電動役物81の動作契機となる当たりについての当落にかかる抽選処理の結果に応じた表示制御及び音響制御が、上記演出表示装置115や上記スピーカ18、57を通じて高い頻度で行われるようになる。そして次に、ステップS2112の処理として、上記先用図柄変動処理(ステップS2200)にプロセス移行されるよう上述の先用図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
ここで、上記動作時間決定処理(ステップS2107)について詳述する。
図58は、この動作時間決定処理についてその具体的な処理手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS2106の処理において、上記当たりの当落についての抽選処理が行われたとすると、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS2171の処理として、上記読み出された当たり判定用乱数が上記当たりに当選したことを示す当たり判定値と一致したか否かを判断する。なお、この実施の形態では、図59(a)に示されるように、上記先用図柄の当たり判定用乱数の値は151種類だけ用意されている。これに対し、上記ROM315には、そのうちの84種類の乱数値が当たりに当選したことを示す当たり判定値と一致し、67種類の乱数値がハズレ(落選)であることを示す当たり判定値と一致するように上記当たり判定値がそれぞれ登録されている。
そして、このステップS2171の処理において、上記読み出された当たり判定用乱数が上記当たりに当選したことを示す当たり判定値と一致したときは、次にステップS2172の処理として、上記当たりの状態にあることを示す当たりフラグをセットする。次いで、ステップS2173の処理として、上記有利状態フラグに基づいて遊技者にとって有利な遊技状態にあるか否かを判断する。そしてこの結果、遊技者にとって有利な遊技状態にないと判断されたときは、次にステップS2175の処理として、上記先用図柄決定用乱数に基づいて上記当たりの当選種(短当たり及び長当たり)についての抽選処理をさらに行うこととなる。なお、この抽選処理では、上記読み出された先用図柄決定用乱数と上記ROM315に格納されている当選種判定値(図示略)とが比較される。また、この実施の形態では、図59(b)に示されるように、上記先用図柄決定用乱数の値は84種類だけ用意されている。これに対し、上記ROM315には、そのうちの2種類の乱数値が上記長当たりに当選したことを示す当選種判定値と一致し、82種類の乱数値が上記短当たりに当選したことを示す当選種判定値と一致するように上記当選種判定値がそれぞれ登録されている。
そして、こうして当選種(短当たり及び長当たり)についての抽選処理が行われた後は、該当する当選種に応じた動作時間を決定する。すなわち、上記長当たりが当選されたときは、上記先用電動役物81の動作時間として当該長当たりに応じた動作時間(例えば「5700ms」)を決定する(ステップS2175、S2176)。また、上記短当たりが当選されたときは、上記先用電動役物81の動作時間として当該短当たりに応じた動作時間(例えば「108ms」)を決定する(ステップS2175、S2177)。
ただし、この実施の形態にかかるCPU314は、上記ステップS2173の処理において、遊技者にとって有利な遊技状態にあると判断されたときは、上記長当たりに対応付けられている動作時間(例えば「5700ms」)を決定するようにしている(ステップS2174)。すなわちこの場合、上記当選種(短当たり及び長当たり)についての抽選処理を行うことなく、上記先用電動役物81の動作時間として上記長当たり時の動作時間(例えば「5700ms」)を決定することとなる。これにより、上記有利状態にあるときに上記短当たりが当選された場合には、該当する動作時間(例えば「108ms」)よりも長い動作時間(例えば「5700ms」)だけ上記先用電動役物81が動作するように上記先用電動役物81の駆動制御が行われるようになる。
一方、上記ステップS2171の処理において、上記当たりに当選したことを示す当たり判定値と一致しなかったと判断されたときは(ハズレであるときは)、その時点で上述のステップS2108の処理に移行する。
<先用図柄変動処理>
図60は、上記先用図柄変動処理(ステップS2200)についてその手順を示すフローチャートである。
上記先用図柄プロセスフラグが当該先用図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図60に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS2201の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS2100)が行われてから当該処理にて抽選された変動時間が経過するまで待機する。そして、このステップS2201の処理において、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると、次にステップS2202の処理に移行する。すなわち、このステップS2202の処理において、上記先用図柄停止処理(ステップS2300)にプロセス移行されるよう上述の先用図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
<先用図柄停止処理>
図61は、上記先用図柄停止処理(ステップS2300)についてその手順を示すフローチャートである。
上記先用図柄プロセスフラグが当該先用図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図61に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS2301の処理として、上記先用図柄決定用乱数に応じた図柄を上記先用図柄表示器333(図41参照)に表示させるための表示制御を行う。
そしてその後は、上記当たりフラグがセットされているときは(ステップS2302)、上記先用電動役物駆動処理(S2400)にプロセス移行されるよう上述の先用図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS2303)、この処理を終了する。一方、上記当たりフラグがセットされていないときは(ステップS2302)、上記先用図柄待機中処理(ステップS2100)にプロセス移行されるよう上述の先用図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS2304)、この処理を終了する。
<先用電動役物駆動処理>
図62は、上記先用電動役物駆動処理(ステップS2400)についてその手順を示すフローチャートである。
上記先用図柄プロセスフラグが当該先用電動役物駆動処理を行うべき旨を示しているときは、同図62に示されるように、上記主制御基板131のCPU314は、まず、ステップS2401の処理として、上記先用役物駆動機構334がオン状態にあるか否かを判断する。そして、この先用役物駆動機構334がオフ状態であるときは、上記先用電動役物81を駆動すべく、同駆動機構334をオン状態とする(ステップS2412)。
一方、上記ステップS2401の処理において、上記先用役物駆動機構334がオン状態にあれば、次にステップS2402の処理として、当該先用役物駆動機構334がオン状態になってから上記ステップS2174、S2176、S2177の処理にて決定された動作時間が経過したか否かを判断する。そしてこの結果、当該動作時間が経過したと判断されることを条件に、次にステップS2403の処理として、先用役物駆動機構334をオフ状態とする。そしてその後に、上記先用図柄待機中処理(ステップS2100)にプロセス移行されるよう上述の先用図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS2404)、この処理を終了する。
なお、上記ステップS2402の処理では、上記特別図柄始動口82内に遊技球が所定個(例えば2個)だけ入球すること、及び上記先用役物駆動機構334がオン状態とされてから上記ステップS2174、S2176、S2177の処理にて決定された動作時間が経過したこと、のいずれかの条件が満たされたことを条件に上記ステップS2403の処理に移行するようにしてもよい。
[演出表示装置における演出表示の詳細について]
このような主制御基板131のCPU314による制御に対し、上記サブ統合基板355では、同主制御基板131からの各種のコマンドに応じた演出制御を行う(演出制御手段)。図63は、サブ統合基板355(図41参照)のCPU370によって行われる演出制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図63に示されるように、上記サブ統合基板355のCPU370では、まず、ステップS3101の処理として、上記主制御基板131から上記特別図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンド(ステップS204及びS305)が受信されたか否かを判断する(演出判断手段)。そして後述するが、このコマンドが受信された旨判断されるときは、上記先用図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドの受信の有無に関わらず、次にステップS3110の処理として、上記特別図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドに応じた演出態様を決定する(特別図柄の表示制御)。そして次に、ステップS3130の処理として、上記ステップS3110の処理にてセットされた上記電飾制御基板356、357及び波形制御基板358に対する演出コマンドを、上記各制御基板356、357、358に送信する。これにより、上記特別図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドに応じた表示演出(動画など)が上記演出表示装置115での主要な表示演出として行われるようになる。
ただし上述の通り、上記特別図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドは、
・上記先用図柄始動口96に遊技球が入球すること。
・上記先用電動役物81の動作契機となる当たりが当選されること。
・上記先用電動役物81の動作によって入球可能とされた上記特別図柄始動口82に遊技球がさらに入球すること。
といった条件が満たされない限り受信されない。しかも、この実施の形態では、上記先用電動役物81の動作契機となる当たりとして、上記短当たり及び長当たりを用意するとともに、そのうちの短当たりが頻繁に当選されるかたちで上記抽選処理を行うようにしている。したがって、上記ステップS3101の処理では、上記特別図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドが受信されていない旨判断されることが多く、この場合、上記サブ統合基板355のCPU370は、まず、ステップS3102の処理として、上記主制御基板131から上記先用図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンド(ステップS2111)が受信されたか否かを判断する。そしてこの結果、上記先用図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドが受信されていない旨判断される場合には、同コマンドが受信されるまで待機する。そして、こうした処理を通じて、上記コマンドが受信された旨判断されるようになると、次にステップS3120の処理として、上記先用図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドに応じた表示態様を決定する(先用図柄の表示制御)。これにより、上記先用図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドに応じた表示演出が行われた後の上記演出表示装置115にて、上記特別図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドに応じた表示演出が上記演出表示装置115での主要な表示演出として行われるようになる。
なお、このステップS3120の処理については後述する。そして次に、ステップS3130の処理として、上記ステップS3120の処理にてセットされた上記電飾制御基板356、357及び波形制御基板358に対する演出コマンドを、上記各制御基板356、357、358に送信する。これにより、上記先用図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドに応じた表示演出が上記演出表示装置115での主要な表示演出として行われるようになる。
図64は、上記特別図柄の表示制御(ステップS3110)についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図64に示されるように、上記サブ統合基板355のCPU370では、まず、ステップS3111の処理として、上記ステップS3101の処理にて受信したコマンドに基づいて上記大当たりに当選したか否かを判断する。そしてこの結果、上記大当たりが当選された旨判断されることを条件に、上記大当たり時の演出態様(例えば、大当たりに当選した旨を遊技者に報知する動画など)を上記電飾制御基板356、357及び波形制御基板358に対する演出コマンドとしてセットする。これにより、次のステップS3130の処理において、上記セットされた演出コマンドが上記各制御基板356、357、358に送信されるようになる(図63参照)。すなわち、上記制御基板356、357、358を通じて、上記大当たり時の演出(表示演出や音響演出など)が上記演出表示装置115での主要な表示演出として行われるようになる。
これに対し、上記小当たりに当選した旨判断されるときは(ステップS3111)、小当たり時の演出態様(例えば、小当たりに当選した旨を遊技者に報知する動画など)を上記電飾制御基板356、357及び波形制御基板358に対する演出コマンドとしてセットする(ステップS3113)。これにより、次のステップS3130の処理において、上記セットされた演出コマンドが上記各制御基板356、357、358に送信されるようになる。すなわち、上記制御基板356、357、358を通じて、上記小当たり時の演出(表示演出や音響演出など)が上記演出表示装置115での主要な表示演出として行われるようになる。
図65は、上記先用図柄の表示制御(ステップS3120)についてその処理手順を示すフローチャートである。なおここでは、上記演出表示装置115にて表示される装飾図柄(例えば上記先用図柄に対応した3つの装飾図柄)についての変動パターンが決定される。また併せて、上記装飾図柄の変動停止時に現れる図柄(停止図柄)が決定される。
すなわち、同図65に示されるように、上記サブ統合基板355のCPU370では、まず、ステップS3121の処理として、上記受信したコマンドに基づいて上記有利状態にあるか否かを判断する。そしてこの結果、上記有利状態にないときには、次のステップS3122の処理として、上記受信したコマンドに基づいて上記当たりの種類が長当たりであるか否かを判断する。そして、当選種が長当たりであることを条件に、上記長当たり時の演出態様(例えば、3つの装飾図柄が同一の図柄となって停止する表示演出)を上記電飾制御基板356、357及び波形制御基板358に対する演出コマンドとしてセットする(ステップS3123)。なお、この演出コマンドには、上記3つの装飾図柄のうちの2つの図柄を一致させた状態にて、残りの1つの図柄が他の2つの図柄と一致するかどうかの演出(リーチ演出)を行うべき旨を示す情報も含まれる。これにより、次のステップS3130の処理において(図63参照)、上記セットされた演出コマンドが上記各制御基板356、357、358に送信されるようになる。すなわち、上記制御基板356、357、358を通じて、上記長当たり時の演出が上記演出表示装置115での主要な表示演出として行われるようになる。
これに対し、上記当選種が長当たりでないときには(ステップS3122)、上記当選種が短当たりであるときも含めて、ハズレ時の演出態様(例えば、3つの装飾図柄がそれぞれ異なる図柄となって停止する表示演出)を上記電飾制御基板356、357及び波形制御基板358に対する演出コマンドとしてセットする(ステップS3124)。なお、この演出コマンドにも、上記リーチ演出を行うべきか否かを示す情報が含まれる。これにより、次のステップS3130の処理において(図63参照)、上記セットされた演出コマンドが上記各制御基板356、357、358に送信されるようになる。すなわち、上記制御基板356、357、358を通じて、上記ハズレ時の演出が上記演出表示装置115での主要な表示演出として行われるようになる。
一方、上記ステップS3121の処理において、上記有利状態にある旨判断されるときは、次にステップS3125の処理として、上記受信したコマンドに基づいて上記当たり(短当たり、または長当たり)が当選されたか否かを判断する。そして、上記当たりが当選されているときには、その当選種にかかわらず、上記長当たり時の演出態様(例えば、3つの装飾図柄が同一の図柄となって停止する表示演出)を上記電飾制御基板356、357及び波形制御基板358に対する演出コマンドとしてセットする(ステップS3126)。
これに対し、上記当たりが当選されていないときには(ステップS3125)、上記ハズレ時の演出態様を上記電飾制御基板356、357及び波形制御基板358に対する演出コマンドとしてセットすることとなる(ステップS3127)。
以上説明したように、この実施の形態にかかる遊技機によれば、以下のような多くの優れた効果が得られるようになる。
(1)上記先用電動役物81を、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球が妨げられるように配設し、これによって上記先用電動役物81の駆動制御が行われない期間は、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球が不可能となるようにした。また併せて、上記特別図柄始動口82を、上記主制御基板131のCPU314による駆動制御に応じた上記先用電動役物81の動作によって当該特別図柄始動口82への遊技球の入球が可能となるように設けることとした。すなわち、入賞装置が開放される特別遊技の実行契機となる大当たりが抽選結果に含まれる抽選処理(第1の抽選手段による抽選処理)の実行条件として、
(イ)上記先用図柄始動口96に遊技球が入球されることに基づいて行われる抽選処理にて、上記先用電動役物81の動作契機となる当たりが当選されること。
(ロ)上記(イ)の条件が満たされることによって入球可能とされた上記特別図柄始動口82に遊技球がさらに入球されること。
といった、条件(イ)及び条件(ロ)の論理積条件を採用することとした。したがって、いわゆるデジパチ遊技機でありながら、上記条件(イ)の設定を通じて、上記特別図柄始動口82に遊技球が入球されたときは、上記小当たり(第1の大当たり)及び上記大当たり(第2の大当たり)のいずれかが必ず当選されるようにすることができるようになる。すなわち、上記特別図柄始動口82に遊技球が入球されることに基づいて行われる抽選処理の結果にハズレを含ませないようにすることが可能となり、これによって遊技の興趣の低下を抑制することができるようになる。
(2)上記2つの抽選処理を順次(段階的)に行うこととしたため、遊技者側から見て、上記2種類の始動口(特別図柄始動口82、先用図柄始動口96)のいずれの始動口に遊技球が入球されるようハンドルを操作すればよいかが明確となり、これによって遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
しかも、上記特別図柄始動口82に遊技球が入球されたときは、上記小当たり(第1の大当たり)及び大当たり(第2の大当たり)のいずれかが必ず当選されるようにすることで、上記デジパチ遊技機に、前述の羽根物遊技機の遊技仕様を付加することとした。この点、上記実施の形態では、上記小当たり(第1の大当たり)及び大当たり(第2の大当たり)のいずれかが選択的に当選されるようにしたため、上記デジパチ遊技機としての遊技と上記羽根物遊技機としての遊技とが同時に進行されることが好適に回避されるようになり、これによっても遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
(3)上記特別図柄始動口82への遊技球の入球の必要条件となる摺動動作を行う先用電動役物81を上記遊技領域37上に設けた上で、上記先用図柄始動口96に遊技球が入球されることに基づいて上記先用電動役物81の動作契機となる当たりについての当落にかかる抽選処理を行うようにした。また併せて、この抽選処理にて上記当たりが当選されることに基づいて上記先用電動役物81の駆動制御を行うようにした。そして、こうした駆動制御に応じた上記先用電動役物81の摺動動作によって入球可能とされた上記特別図柄始動口82に遊技球がさらに入球されたとき、上記特別電動役物142の駆動制御を行うこととし、これによって上記特定領域(特別入球口)344が設けられる領域(第1の入賞装置)を開放するようにした。したがって、上記遊技領域37に所定数の遊技球が打ち込まれたときの上記特別遊技が付与される確率(出玉率)を設定するにあたり、「始動口(特別図柄始動口82)に遊技球が入球したときは上記特定領域(特別入球口)344が設けられる領域が開放される」といった補助遊技を採用する遊技機としての基本的な遊技性を好適に維持しつつ、上記特別遊技の実行の必要条件となる抽選処理にて当たりが当選される確率(先用電動役物81の動作契機となる当たりが当選される確率)をより低く設定することが可能となる。そしてこれによって、上記遊技領域37に所定数の遊技球が打ち込まれたときの上記先用図柄始動口96に遊技球が入球される確率(始動率)を積極的に高く設定することが可能となる。すなわち、補助遊技を採用する遊技機でありながら、上記特別遊技の実行の必要条件となる抽選処理の結果を上記遊技領域37の中央に配設された演出表示装置115にてより高い頻度をもって表示演出することができるようになり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
また、上記表示演出の対象となる抽選処理は、このように当該遊技機としての出玉率との兼ね合いからその当たり確率が低く設定される。このため、このような抽選処理の結果を表示演出するようにすることで、遊技者は上記特別遊技の実行の必要条件となる抽選処理にて当たりが当選されるか否かのドキドキ感を感じるようになり、これによって遊技の興趣の低下を期待できるようにもなる。
(4)上記先用電動役物81の動作時間の長短が、上記特別図柄始動口82に遊技球が入球される確率の高低、さらには上記特別遊技が付与される確率の高低と関係することに鑑み、複数種類の当たり(長当たり及び短当たり)を用意するようにした。これにより、補助遊技を行うにあたり、上記長当たり時の演出や上記短当たり時の演出など、当該補助遊技が行われる確率の異なる表示演出を行うことができるようになる。しかも、上記特別図柄始動口82に遊技球が入球されるために必要な時間として十分な動作時間を示す動作時間情報が対応付けされた当たり(長当たり)が当選されたときには、「上記先用図柄始動口96に遊技球が入球したときは上記第1の遊技領域が開放される」といった遊技性を実現することもできるようになる。またさらに、上記複数種の当たりの各当選確率の調整を通じて、
・補助遊技を採用する遊技機としての基本的な遊技性。
・上記出玉率。
・上記始動率。
をいずれも好適に維持しつつ、当該抽選処理(上記先用電動役物81の動作契機となる当たりについての当落にかかる抽選処理)にて当たりが当選される確率を適宜に設定することも可能である。
(5)上記先用電動役物81の動作時間の長短が、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球確率の高低、さらには上記先用図柄始動口96に遊技球が入球したときの上記特別遊技が付与される確率の高低と関係することに鑑み、所定の期間中に上記短当たりが当選されたときは、該当する短当たりに応じた動作時間よりも長い動作時間だけ上記先用電動役物81が動作するように上記先用電動役物81の駆動制御を行うようにした。すなわちこの場合、上記先用電動役物81が動作するときの動作時間を可変設定する手段をさらに備えるだけで、上記特別遊技の実行の必要条件となる内部抽選を行うために設けられる始動口(先用図柄始動口96)に上記遊技球が入球したときの上記特別遊技が付与される確率、及び遊技球の入球が上記特別遊技の実行の必要条件となる特別図柄始動口82への上記遊技球の入球確率をより高い確率にそれぞれ可変設定することができるようになる(確率変動状態及び時短状態)。
しかも、所定の期間中に上記短当たりが当選されたときは、予め定められている動作時間(長当たり時の動作時間)だけ上記先用電動役物81が動作するように上記先用電動役物81の駆動制御を行うようにした。したがって、上記所定の期間中は、上記先用電動役物81の駆動制御を行うにあたり、上記当選種を判断する必要がなくなり、当該抽選処理にかかる処理負荷の軽減が図られるようになる。
(6)上記特別遊技が行われた後の所定の期間(決定された継続期間)は当該期間が経過した後の通常の期間よりも上記遊技領域37に所定数の遊技球が打ち込まれたときの上記センター役物91内の領域に入球される遊技球の数が多くなるように上記先用電動役物81の駆動制御を行うこととした(有利な遊技状態)。したがって、遊技者は、上記有利な遊技状態に突入した後も上記決定された継続期間が経過する前に上記大当たり、若しくは上記特定領域(特別入球口)344に遊技球が入球するか否かのドキドキ感を継続的に感じるようになり、これによって遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
(7)上記小当たりが当選されたときは、上記通常の期間及び上記所定の期間(有利状態の継続期間)のいずれの期間中に当該当たりが当選されたかを判断する。そしてこの結果、上記通常の期間中に当該小当たりが当選されたと判断されるときは、上記所定の期間としての第1の期間(特別図柄の変動表示制御が2回行われるまでの期間)だけ上記センター役物91内の領域に入球される遊技球の数が多くなるように上記先用電動役物81を駆動制御することを決定することとした(図47:ステップS213)。一方、上記所定の期間(有利状態の継続期間)中に上記小当たりが当選されたと判断されるときは、上記第1の期間よりも長い上記所定の期間としての第2の期間(特別図柄の変動表示制御が7回行われるまでの期間)だけ上記センター役物91内の領域に入球される遊技球の数が多くなるように上記先用電動役物81を駆動制御することを決定することとした(図47:ステップS214)。これにより、上記有利な遊技状態が継続する確率(継続率)が変化するようになり、遊技者は、上記有利な遊技状態に一旦突入した後も、この有利な遊技状態がより高い確率で継続される状態に移行することを願って遊技するようになる。すなわち、遊技者は、上記継続率の高い状態に移行するか否かのドキドキ感を感じるようになり、これによって遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
(8)上記通常の期間中に上記小当たりが当選されたときは、上記有利な遊技状態に突入したときの当該遊技状態の継続期間(所定の期間)として比較的短い第1の期間を決定することとした(図47:ステップS213)。このため、当該第1の期間の上記第2の期間に対する短縮期間分だけ、上記小当たりの当選確率、ひいては上記先用図柄始動口96に遊技球が入球される確率をさらに高めることができるようになる。また、こうして上記先用図柄始動口96に遊技球が入球される確率を高めつつも、上記所定の期間中に上記小当たりが当選されたときは、上記有利な遊技状態に突入したときの当該遊技状態の継続期間(所定の期間)として上記第1の期間よりも長い第2の期間を決定することとした(図47:ステップS214)。このため、この継続率の高い遊技状態に突入した後にはより多くの賞球が遊技者に払い出されるようになり、これによって遊技の興趣の向上を図ることができるようになる。
(9)上記演出表示装置115を通じた表示演出を行うにあたり、上記主制御基板131から上記特別図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンド(ステップS204及びS305)が受信されたか否かを判断し、当該コマンドの受信がないときは、上記先用図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドに応じた表示演出を上記演出表示装置115での主要な表示演出として行うこととした。また、上記主制御基板131から上記特別図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドの受信があるときは、上記先用図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドに応じた表示演出が行われた後の上記演出表示装置115にて、上記特別図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドに応じた表示演出が上記演出表示装置115での主要な表示演出となるかたちで当該表示演出を行うこととした。したがって、上記大当たり及び小当たりの当落にかかる抽選処理の結果に応じた表示演出を、上記先用電動役物81の動作契機となる当たりについての当落にかかる抽選処理の結果に応じた表示演出の発展的な表示演出として同一の表示部にて行うことができるようになる。これにより、上記特別遊技の実行の必要条件となる2つの異なる抽選処理の結果を一連の表示演出を通じて遊技者に報知することができるようになる。
(10)上記先用電動役物81の動作契機となる当たりに落選したことを示すハズレであるときの表示演出と、上記短当たりが当選されたときの表示演出とが同一の演出態様となるかたちで上記演出表示装置115を通じた表示演出を行うこととした(ステップS3113、S3115)。したがって、遊技者は、上記ハズレであるのか、上記短当たりが当選されたのかを判断しがたくなる。すなわちこの場合、上記短当たりの当選によって入球可能とされた上記特別図柄始動口82に遊技球が入球されたとき、遊技者から見れば、上記特別図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドに応じた表示演出(通常は、先用図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドに応じた表示演出の後に発展的に行われる演出)が突然行われるようになり(ステップS3103、S3104)、これによって遊技の興趣の低下の好適な抑制が期待できるようになる。
(11)上記短当たりが上記長当たりよりも頻繁に当選されるかたちで上記抽選処理を行うようにしたため、上記先用図柄始動口96に遊技球が入球される確率をより高い確率に設定することができるようになり、ひいては上記抽選処理の結果としての当たりを上記演出表示装置115にてより頻繁に演出表示することができるようになる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。以下、特に断り書きのない構成については、上記実施の形態と同様の構成である。
・上記実施の形態において、上記先用電動役物81の動作契機となる当たりについての当落にかかる抽選処理は、上記特別遊技が行われている間も継続的に行われる。ただし、この特別遊技が行われる期間は、上記サブ統合基板335では、上記ラウンド遊技時の専用の演出制御(表示制御や音響制御)を行うようにすることがより望ましい。
・上記ラウンド遊技時の専用の演出制御(表示制御や音響制御)が行われるときは、上記先用電動役物81の動作契機となる当たりについての当落にかかる抽選処理の結果に応じた演出制御(表示制御及び音響制御)についてはこれを一旦中止するか、上記ラウンド遊技時の専用の演出制御に対して補助的に行うようにすることが実用上望ましい。ただしこの場合、上記ラウンド遊技が終了するタイミングによっては、上記抽選処理の結果に応じた演出制御が途中から上記演出表示装置115にて行われることにもなりかねない。したがって、上記ラウンド遊技が終了するときは、現在実行されている先用図柄の変動表示制御の残り時間に基づいて上記表示制御の態様を調整した上で、当該抽選処理の結果に応じた表示制御を行うようにすることがより望ましい。
・上記特別遊技が行われる間は、上記先用電動役物81の動作契機となる当たりについての当落にかかる抽選処理を中止してもよい。
・上記先用電動役物81を2回以上動作させたときの総動作時間が上記ステップS2174、S2176、S2177にて決定された動作時間となるように上記先用電動役物81の駆動制御を行うようにしてもよい。
・上記所定の期間としての第1の期間及び第2の期間は、上記第2の期間よりも上記第1の期間のほうが短い関係にあればよく、上記特別図柄の変動表示制御の回数については任意に設定してもよい。また、上記有利な遊技状態の継続期間(所定の期間)として、例えば、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球に基づいて行われる抽選処理が所定回数だけ行われるまでの期間や、上記特定の条件が満たされてから上記特別電動役物142の駆動制御が所定回数だけ行われるまでの期間などを採用してもよい。
・上記特別電動役物142の動作契機となる抽選処理の結果に応じた表示制御(上記特別図柄の変動パターン及び当落の結果等を示すコマンドに応じた表示演出)については必ずしも行わなくてもよい。
・上記先用電動役物81の動作契機となる当たりについての当落にかかる抽選処理の結果に応じた表示演出では、上記演出表示装置115にていわゆる予告演出を行うようにしてもよい。
・上記所定の期間中に上記短当たりが当選したときは、予め定められた長当たり時の動作時間だけ上記先用電動役物81が動作するように該先用電動役物81の駆動制御を行うこととした。ただし、上記所定の期間中、上記短当たりが当選したときに上記先用電動役物81が動作する動作時間は、予め定められた短当たり時の動作時間よりも長い動作時間であればよい。
・上記所定の期間中に上記長当たりが当選したとき、予め定められた長当たり時の動作時間よりも長い動作時間だけ上記先用電動役物81が動作するように該先用電動役物81の駆動制御を行うようにしてもよい。
・上記所定の期間中に上記先用電動役物81が動作するときの動作時間は、上記通常の期間中に上記先用電動役物81が動作するときの動作時間の平均時間をAとするとき、この動作時間Aよりも長い時間に設定されるものであればよい。また、上記所定の期間中に上記先用電動役物81が動作するときの動作時間として、複数の時間を選択的に用いてもよい。
・予め定められた特定の条件については、例えば特別電動役物142の駆動制御を通じて上記第1の遊技領域内に進入した遊技球が特別入球口に受け入れられることなど、適宜に設定することができる。
・上記短当たりは、上記特別図柄始動口82に遊技球が入球されるために必要な上記先用電動役物81の動作時間としての最低限の時間であればよく、上記長当たりは、上記特別図柄始動口82に遊技球が入球されるために必要な上記先用電動役物81の動作時間として十分長い時間であればよい。
・上記先用図柄の当たり判定値として、短当たりの判定値及び長当たりの判定値をそれぞれ用意し、上記読み出された先用図柄の当たり用乱数が上記短当たりの判定値及び長当たりの判定値のいずれの判定値と一致するかを判断するようにしてもよい。すなわちこの場合、上記先用図柄決定用乱数及び当選種判定値を割愛することができるようになる。
・上記長当たり及び短当たりを含むものであれば、上記先用電動役物81の動作時間として各々異なる3つ以上の動作時間を示す動作時間情報がそれぞれ対応付けられた複数種の当たりを用意してもよい。
・上記特別図柄始動口82を上記遊技盤5の横孔として形成したが、この特別図柄始動口82は、要は、上記先用電動役物81が動作するときにのみ当該特別図柄始動口82への遊技球の入球が可能となるように設けられるものであればよい。
・上記先用電動役物81は、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球が妨げられるように配設されるものであればよい。ただしこの場合、上記先用電動役物81は、上記主制御基板131のCPU314による駆動制御が行われるときは、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球が可能となるように動作することとなる。上記先用電動役物81は、要は、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球の必要条件となる動作を行うものであればよい。
・上記乱数カウンタは、例えばランダムカウンタなど、予め定められた数値範囲内で生成される数である乱数を保持する手段であればよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(技術的思想1)
遊技領域に設けられる第1の始動口と、
前記遊技領域に設けられる入賞装置と、
前記第1の始動口への遊技球の入球を検出する第1の入球検出手段と、
前記第1の入球検出手段により前記第1の始動口への遊技球の入球が検出されることに基づいて、前記入賞装置が開放される特別遊技の実行契機となる大当たりが少なくとも抽選結果に含まれる抽選処理を行う第1の抽選手段と、
前記第1の抽選手段により前記大当たりが当選されることに基づいて前記入賞装置が開放される特別遊技を行う遊技実行手段と、
前記遊技実行手段により開放された前記入賞装置に遊技球が入球されることに基づいて遊技者に賞球を払い出す賞球払出手段と、
前記遊技領域に設けられる第2の始動口と、
前記第2の始動口への遊技球の入球を検出する第2の入球検出手段と、
前記第1の始動口に遊技球が入球されるように動作可能な可動片と、
前記第2の入球検出手段により前記第2の始動口への遊技球の入球が検出されることに基づいて、前記可動片の動作契機となる当たりが抽選結果に含まれる抽選処理を行う第2の抽選手段と、
前記第2の抽選手段により前記当たりが当選されることに基づいて前記可動片の駆動制御を行う駆動制御手段と、を備える遊技機として、
前記第1の始動口は、前記駆動制御手段による前記可動片の駆動制御が行われるときにのみ当該第1の始動口への遊技球の入球が可能となるように設けられており、
前記駆動制御手段による駆動制御に応じた前記可動片の動作によって入球可能とされた前記第1の始動口に遊技球が入球されることに基づいて行われる前記第1の抽選手段による抽選処理の結果には、前記入賞装置が開放される特別遊技の実行契機となる大当たりのみが第1の大当たり及び第2の大当たりとして含まれ、
前記入賞装置は、第1の入賞装置及び第2の入賞装置を備え、
前記遊技実行手段は、
前記第1の抽選手段により前記第1の大当たりが当選されることに基づいて前記第1の入賞装置が開放される前記特別遊技としての第1の特別遊技を実行する第1の遊技実行手段と、
前記第1の遊技実行手段により開放された前記第1の入賞装置内の特別入球口に遊技球が入球されること、及び前記第1の抽選手段により前記第2の大当たりが当選されること、のいずれかの条件が満たされることに基づいて前記第2の入賞装置が開放される前記特別遊技としての第2の特別遊技を実行する第2の遊技実行手段と、を備え、
前記第2の遊技実行手段は、前記賞球払出手段は、前記第1の特別遊技が実行されるときに前記賞球払出手段により遊技者に払い出される賞球の数よりも多くの賞球が払い出されるように前記第2の特別遊技を実行する
ことを特徴とする遊技機。
このような構成では、上記第1の始動口を、上記駆動制御手段による上記可動片の駆動制御が行われるときにのみ当該第1の始動口への遊技球の入球が可能となるように設け、上記可動片の駆動制御が行われないときは、当該第1の始動口への遊技球の入球が不可能となるようにした。すなわち、上記大当たりが抽選結果に含まれる抽選処理の実行条件として、
(イ)上記第2の始動口に遊技球が入球されることに基づいて行われる抽選処理にて、上記可動片の動作契機となる当たりが当選されること。
(ロ)上記(イ)の条件が満たされることによって入球可能とされた上記第1の始動口に遊技球がさらに入球されること。
といった、条件(イ)及び条件(ロ)の論理積条件を採用することとした。したがって、いわゆるデジパチ遊技機でありながら、上記第1の始動口に遊技球が入球されたときは、上記第1の大当たり及び第2の大当たりのいずれかが必ず当選されるようにすることができるようになる。すなわち、上記第1の抽選手段による抽選処理の結果にハズレを含ませないようにすることが可能となり、これによって遊技の興趣の低下を抑制することができるようになる。
また、上記構成では、上記2つの抽選処理を順次(段階的)に行うこととしたため、遊技者側から見て、上記2種類の始動口のいずれの始動口に遊技球が入球されるようハンドルを操作すればよいかが明確となり、これによっても遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
また、上記構成では、上記第1の抽選手段による抽選処理が行われるときは、上記第1の大当たり及び第2の大当たりのいずれかが必ず当選されるようにすることで、上記デジパチ遊技機に、前述の羽根物遊技機の遊技仕様を付加することとした。この点、上記構成では、上記第1の大当たり及び第2の大当たりのいずれかが選択的に当選されるようにしたため、上記デジパチ遊技機としての遊技と上記羽根物遊技機としての遊技とが同時に進行されることが好適に回避されるようになり、これによっても遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
(技術的思想2)
遊技領域に設けられる第1の始動口と、
前記遊技領域に設けられる入賞装置と、
前記第1の始動口への遊技球の入球を検出する第1の入球検出手段と、
前記第1の入球検出手段により前記第1の始動口への遊技球の入球が検出されることに基づいて、前記入賞装置が開放される特別遊技の実行契機となる大当たりが少なくとも抽選結果に含まれる抽選処理を行う第1の抽選手段と、
前記第1の抽選手段により前記大当たりが当選されることに基づいて前記入賞装置が開放される特別遊技を行う遊技実行手段と、
前記遊技実行手段により開放された前記入賞装置に遊技球が入球されることに基づいて遊技者に賞球を払い出す賞球払出手段と、
前記遊技領域に設けられる第2の始動口と、
前記第2の始動口への遊技球の入球を検出する第2の入球検出手段と、
前記第1の始動口に遊技球が入球されるように動作可能な可動片と、
前記第2の入球検出手段により前記第2の始動口への遊技球の入球が検出されることに基づいて、前記可動片の動作契機となる当たりが抽選結果に含まれる抽選処理を行う第2の抽選手段と、
前記第2の抽選手段により前記当たりが当選されることに基づいて前記可動片の駆動制御を行う駆動制御手段と、を備える遊技機において、
前記可動片は、前記第1の始動口への遊技球の入球が妨げられるように配設されており、
前記第1の始動口は、前記駆動制御手段による駆動制御に応じた前記可動片の動作によって当該第1の始動口への遊技球の入球が可能となるように設けられており、
前記駆動制御手段による駆動制御に応じた前記可動片の動作によって入球可能とされた前記第1の始動口に遊技球が入球されることに基づいて行われる前記第1の抽選手段による抽選処理の結果には、前記入賞装置が開放される特別遊技の実行契機となる大当たりのみが第1の大当たり及び第2の大当たりとして含まれ、
前記入賞装置は、第1の入賞装置及び第2の入賞装置を備え、
前記遊技実行手段は、
前記第1の抽選手段により前記第1の大当たりが当選されることに基づいて前記第1の入賞装置が開放される前記特別遊技としての第1の特別遊技を実行する第1の遊技実行手段と、
前記第1の遊技実行手段により開放された前記第1の入賞装置内の特別入球口に遊技球が入球されること、及び前記第1の抽選手段により前記第2の大当たりが当選されること、のいずれかの条件が満たされることに基づいて前記第2の入賞装置が開放される前記特別遊技としての第2の特別遊技を実行する第2の遊技実行手段と、を備え、
前記第2の遊技実行手段は、前記第1の特別遊技が実行されるときに前記賞球払出手段により遊技者に払い出される賞球の数よりも多くの賞球が払い出されるように前記第2の特別遊技を実行する
ことを特徴とする遊技機。
このような構成では、上記可動片を、上記第1の始動口への遊技球の入球が妨げられるように配設するようにすることで、上記駆動制御手段による駆動制御が行われない期間は、上記第1の始動口への遊技球の入球が不可能となるようにした。また併せて、上記第1の始動口を、上記駆動制御手段による駆動制御に応じた上記可動片の動作によって当該第1の始動口への遊技球の入球が可能となるように設けることとした。すなわち、上記大当たりが抽選結果に含まれる抽選処理の実行条件として、
(イ)上記第2の始動口に遊技球が入球されることに基づいて行われる抽選処理にて、上記可動片の動作契機となる当たりが当選されること。
(ロ)上記(イ)の条件が満たされることによって入球可能とされた上記第1の始動口に遊技球がさらに入球されること。
といった、条件(イ)及び条件(ロ)の論理積条件を採用することとした。したがって、いわゆるデジパチ遊技機でありながら、上記第1の始動口に遊技球が入球されたときは、上記第1の大当たり及び第2の大当たりのいずれかが必ず当選されるようにすることができるようになる。すなわち、上記第1の抽選手段による抽選処理の結果にハズレを含ませないようにすることが可能となり、これによって遊技の興趣の低下を抑制することができるようになる。
また、上記構成では、上記2つの抽選処理を順次(段階的)に行うこととしたため、遊技者側から見て、上記2種類の始動口のいずれの始動口に遊技球が入球されるようハンドルを操作すればよいかが明確となり、これによっても遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
また、上記構成では、上記第1の抽選手段による抽選処理が行われるときは、上記第1の大当たり及び第2の大当たりのいずれかが必ず当選されるようにすることで、上記デジパチ遊技機に、前述の羽根物遊技機の遊技仕様を付加することとした。この点、上記構成では、上記第1の大当たり及び第2の大当たりのいずれかが選択的に当選されるようにしたため、上記デジパチ遊技機としての遊技と上記羽根物遊技機としての遊技とが同時に進行されることが好適に回避されるようになり、これによっても遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
(技術的思想3)
前記第1の抽選手段は、予め定められた数値範囲内で生成される数である第1の乱数と予め定められている第1の当たり判定値とを比較し、この比較結果に基づいて前記第1の大当たり及び第2の大当たりのみが抽選結果に含まれる抽選処理を行うものであり、
前記第2の抽選手段は、予め定められた数値範囲内で生成される数である第2の乱数と予め定められている第2の当たり判定値とを比較し、この比較結果に基づいて前記可動片の動作契機となる当たりについての当落にかかる判断処理を行うものである
技術的思想1または2に記載の遊技機。
また、技術的思想1または2に記載の遊技機においては特に、技術的思想3に記載の遊技機によるように、前記第1の抽選手段は、予め定められた数値範囲内で生成される数である第1の乱数と予め定められている第1の当たり判定値とを比較し、この比較結果に基づいて前記第1の大当たり及び第2の大当たりのみが抽選結果に含まれる抽選処理を行うものとし、前記第2の抽選手段は、予め定められた数値範囲内で生成される数であって前記第1の乱数とは異なる第2の乱数と、予め定められており前記第1の当たり判定値とは異なる第2の当たり判定値とを比較し、この比較結果に基づいて前記可動片の動作契機となる当たりについての当落にかかる判断処理を行うものとすることが実用上望ましい。
(技術的思想4)
技術的思想1〜3のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記可動片の動作契機となる当たりについての当落にかかる前記第2の抽選手段による抽選処理の結果に応じた表示演出を所定の表示部にて行う演出制御手段をさらに備え、
前記第2の抽選手段による前記抽選処理の結果には、前記可動片が動作するときの動作時間として各々異なる動作時間を示す動作時間情報がそれぞれ対応付けされた複数種の当たりが前記可動片の動作契機となる当たりとして含まれ、前記駆動制御手段は、前記可動片の駆動制御を行うときは該当する当たりの種類に応じた動作時間だけ前記可動片が動作するように前記可動片の駆動制御を行う
ことを特徴とする遊技機。
また、技術的思想1〜3のいずれか1つに記載の遊技機において、技術的思想4に記載の遊技機では、上記可動片の動作時間の長短が、上記第1の始動口に遊技球が入球される確率の高低、さらには上記特別遊技が付与される確率の高低と関係することに鑑み、例えば、
(A)上記第1の始動口に遊技球が入球されるために必要な時間として十分な動作時間を示す動作時間情報が対応付けされた当たり。
(B)上記第1の始動口に遊技球が入球されるために必要な時間として最低限の動作時間を示す動作時間情報が対応付けされた当たり。
等々、といった複数種類の当たりを用意するようにしている。これにより、補助遊技が行われるのに先立って、上記(A)の当選時の演出や上記(B)の当選時の演出など、上記補助遊技が行われる確率の異なる表示演出を行うことが可能となる。しかも、上記構成では、上記複数種の当たりの各当選確率の調整を通じて、
・上記遊技領域に所定数の遊技球が打ち込まれたときの上記特別遊技が付与される確率(出玉率)。
・上記遊技領域に所定数の遊技球が打ち込まれたときの上記第2の始動口に遊技球が入球される確率(始動率)。
をいずれも好適に維持しつつ、当該抽選処理にて当たりが当選される確率を適宜に設定することも可能である。
(技術的思想5)
前記駆動制御手段は、
予め定められた特定の条件が満たされた後の所定の期間中であるか否かを示す期間情報が記憶される期間情報記憶手段と、
前記可動片の駆動制御を行うにあたり、前記期間情報記憶手段に記憶されている期間情報に基づいて前記所定の期間及び当該期間が経過した後の通常の期間のいずれの期間中であるかを少なくとも判断するとともに、前記所定の期間中に前記可動片の駆動制御を行うときは該当する当たりの種類に応じた動作時間よりも長い動作時間だけ前記可動片が動作するように前記可動片の駆動制御を行う実行手段と、を備える
技術的思想4に記載の遊技機。
すなわち、前述の第1種タイプの遊技機では通常、
(X)上記特別遊技の実行契機となる大当たりが当選される確率をより高い確率に可変設定する手段。
を備え、予め定められた条件が満たされたときは、該手段(X)を通じて、始動口に上記遊技球が入球したときの上記特別遊技が付与される確率をより高い確率に可変設定するようにしている(いわゆる確率変動状態)。また併せて、前述の第1種タイプの遊技機では、
(Y)始動口への遊技球の入球確率が高くなるように動作可能である手段。
(Z)上記(Y)の動作頻度をより高い頻度に可変設定する手段。
を備え、これらの手段(Y)及び(Z)を通じて、遊技の興趣の低下を好適に抑制するようにしている(いわゆる時短状態)。この点、上記構成では、上記所定の期間中に上記可動片の駆動制御を行うときは、該当する当たりの種類に応じた動作時間よりも長い動作時間だけ上記可動片が動作するように上記可動片の駆動制御を行うこととした。すなわちこの場合、上記技術的思想4に記載の遊技機において、
・上記可動片が動作するときの動作時間を可変設定する手段。
をさらに備えるだけで、いわゆる確率変動状態(例えば長当たりの当選確率が高い状態)及び時短状態(第1の始動口への入球確率が高い状態)を実現することができるようになり、ひいては遊技の興趣の低下を好適に抑制することができるようになる。
(技術的思想6)
前記実行手段は、
前記特定の条件が満たされるとき、前記期間情報記憶手段に記憶されている期間情報に基づいて前記通常の期間及び前記所定の期間のいずれの期間中に当該条件が満たされたかを判断する判断手段を備え、
前記通常の期間中に前記特定の条件が満たされたと前記判断手段により判断されるときは、前記所定の期間としての第1の期間が経過するまで、該当する当たりの種類に応じた動作時間よりも長い動作時間だけ前記可動片が動作するように前記可動片の駆動制御を行うとともに、前記判断手段により前記所定の期間中に前記特定の条件が満たされたと判断されるときは、前記第1の期間よりも長い前記所定の期間としての第2の期間が経過するまで、該当する当たりの種類に応じた動作時間よりも長い動作時間だけ前記可動片が動作するように前記可動片の駆動制御を行う
技術的思想5に記載の遊技機。
上記構成では、上記通常の期間中に上記特定の条件が満たされたと判断されるときは、上記所定の期間としての第1の期間が経過するまで該当する当たりの種類に応じた動作時間よりも長い動作時間だけ前記可動片が動作するように前記可動片の駆動制御を行うとともに、上記所定の期間中に上記特定の条件が満たされたと判断されるときは、上記第1の期間よりも長い前記所定の期間としての第2の期間が経過するまで該当する当たりの種類に応じた動作時間よりも長い動作時間だけ前記可動片が動作するように前記可動片の駆動制御を行うようにした。すなわちこの場合、上記確率変動状態及び上記時短状態が継続する確率(継続率)が変化するようになり、遊技者は、上記確率変動状態及び上記時短状態に一旦突入した後も、この遊技状態がより高い確率で継続される状態に移行することを願って遊技するようになる。これにより、遊技者は、上記継続率の高い状態に移行するか否かのドキドキ感を感じるようになり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
またさらに、上記構成では、上記通常の期間中に予め定められた特定の条件が満たされたときは、上記確率変動状態及び上記時短状態に突入したときの当該遊技状態の継続期間(所定の期間)としてまずは比較的短い第1の期間を採用することとした。このため、当該第1の期間の上記第2の期間に対する短縮期間分だけ、上記第2の始動口に遊技球が入球される確率をさらに高めることができるようになる。また、こうして第2の始動口に遊技球が入球される確率を高めつつも、上記所定の期間中に予め定められた特定の条件が満たされたときは、上記確率変動状態及び上記時短状態に突入したときの当該遊技状態の継続期間(所定の期間)として上記第1の期間よりも長い第2の期間を採用することとした。このため、この継続率の高い遊技状態に突入した後にはより多くの賞球が遊技者に払い出されるようになり、これによって遊技の興趣の向上を図ることができるようになる。
(技術的思想7)
前記実行手段は、前記所定の期間中に前記可動片の駆動制御を行うときは該当する当たりの種類に関わらず、予め定められている動作時間だけ前記可動片が動作するように前記可動片の駆動制御を行う
技術的思想5または6に記載の遊技機。
また、技術的思想5または6に記載の遊技機において、技術的思想7に記載の遊技機では、前記実行手段が、前記所定の期間中に前記可動片の駆動制御を行うときは該当する当たりの種類に関わらず、予め定められている動作時間だけ前記可動片が動作するように前記可動片の駆動制御を行うようにした。このような構成では、上記所定の期間中は、上記可動片の駆動制御を行うにあたり、上記第2の抽選手段による抽選処理にて当選された当たりの種類を判断する必要がなくなり、当該抽選処理にかかる処理負荷の軽減が図られるようになる。ただしこの場合、上記通常の期間中に上記可動片が動作するときの動作時間の平均時間をA、上記所定の期間中に上記可動片が動作するときの動作時間(予め定められている動作時間)をBとするとき、これら時間は「A<B」なる関係に設定されることとなる。
(技術的思想8)
前記予め定められている動作時間は、前記複数種の当たりに各々対応付けされている動作時間情報のうちの最も長い動作時間である
技術的思想7に記載の遊技機。
また、技術的思想7に記載の遊技機においては特に、技術的思想8に記載の遊技機によるように、前記予め定められている動作時間として、前記複数種の当たりに各々対応付けられている動作時間情報のうちの最も長い動作時間を採用するようにすることが、上記「A<B」なる関係を設定する上でより望ましい。
(技術的思想9)
前記第2の抽選手段は、前記動作時間情報のうちの短い動作時間が対応付けされている当たりを短当たり、前記動作時間情報のうちの長い動作時間が対応付けされている当たりを長当たりとするとき、前記短当たりが前記長当たりよりも頻繁に当選されるかたちで前記抽選処理を行う
技術的思想4〜8のいずれか1つに記載の遊技機。
また、技術的思想4〜8のいずれか1つに記載の遊技機において、技術的思想9に記載の遊技機によるように、前記第2の抽選手段が、前記動作時間情報のうちの短い動作時間が対応付けされている当たりを短当たり、前記動作時間情報のうちの長い動作時間が対応付けされている当たりを長当たりとするとき、前記短当たりが前記長当たりよりも頻繁に当選されるかたちで前記抽選処理を行うようにすれば、
・上記出玉率。
・上記始動率。
をいずれも好適に維持しつつ、上記可動片の動作契機となる抽選処理にて当たりが当選される確率をより高い確率に設定することができるようになる。これにより、上記第2の抽選手段による抽選処理の結果としての当たりを例えば遊技領域の中央に配設された液晶モニタなどの表示部にてより頻繁に演出表示することが可能となる。また、上記通常の期間と上記所定の期間とで、上記第1の始動口への遊技球の入球確率を大幅に可変設定することができるようになり、これによって遊技の興趣の低下が好適に抑制されるようになる。
(技術的思想10)
前記演出制御手段は、前記可動片の動作契機となる当たりについての当落にかかる抽選処理の結果に応じた表示演出として、前記短当たり及び前記長当たりの当選種に応じた表示演出を前記所定の表示部にて行うものである
技術的思想9に記載の遊技機。
また、技術的思想9に記載の遊技機においては特に、技術的思想10に記載の遊技機によるように、前記演出制御手段は、前記短当たり及び前記長当たりの当選種も含めて、前記可動片の動作契機となる当たりについての当落にかかる抽選処理の結果に応じた表示制御を前記所定の表示部にて行うようにすることが、遊技の興趣の低下を抑制する上でより望ましい。すなわちこの場合、上記第1の特別遊技(補助遊技)に先立って、上記短当たり時の演出や上記長当たり時の演出など、当該補助遊技が行われる確率(ひいては特別遊技の付与される確率)の異なる表示演出(いわゆる予告演出やリーチ演出)を行うことができるようになる。
(技術的思想11)
前記演出制御手段は、前記第1の抽選手段による抽選処理が行われるとき、前記第2の抽選手段による抽選処理の結果に応じた表示演出が行われた後の前記所定の表示部にて前記第1の抽選手段による抽選処理の結果に応じた表示演出をさらに行うものである
技術的思想10に記載の遊技機。
上記構成では、上記第2の抽選手段による抽選処理の結果に応じた表示演出が行われた後の上記所定の表示部にて上記第1の抽選手段による抽選処理の結果に応じた表示演出をさらに行うこととしたため、上記第1の抽選手段による抽選処理の結果に応じた表示演出を、上記第2の抽選手段による抽選処理の結果に応じた表示演出の発展的な表示演出として同一の表示部にて行うことができるようになる。これにより、上記特別遊技の実行の必要条件となる2つの異なる処理結果を一連の表示演出を通じて遊技者に報知することができるようになる。
(技術的思想12)
前記演出制御手段は、前記所定の表示部を通じた表示演出を行うにあたり、前記第1の抽選手段による前記抽選処理が行われるか否かを判断する演出判断手段を備え、前記演出判断手段により前記第1の抽選手段による抽選処理が行われる旨判断されないときは、前記第2の抽選手段による抽選処理の結果に応じた表示演出が前記所定の表示部での主要な表示演出となるかたちで前記所定の表示部を通じた表示演出を行うとともに、前記演出判断手段により前記第1の抽選手段による前記抽選処理が行われる旨判断されるときは、前記第1の抽選手段による抽選処理の結果に応じた表示演出が前記所定の表示部での主要な表示演出となるかたちで前記所定の表示部を通じた表示演出を行う
技術的思想11に記載の遊技機。
また、技術的思想11に記載の遊技機においては特に、技術的思想12に記載の遊技機によるように、前記演出制御手段は、前記所定の表示部を通じた表示演出を行うにあたり、前記第1の抽選手段による抽選処理が行われるか否かを判断し、当該抽選処理が行われる旨判断されないときは、前記第2の抽選手段による抽選処理の結果に応じた表示演出が前記所定の表示部での主要な表示演出となるかたちで前記所定の表示部を通じた表示演出を行うとともに、前記第1の抽選手段による抽選処理が行われる旨判断されるときは、前記第1の抽選手段による抽選処理の結果に応じた表示演出が前記所定の表示部での主要な表示演出となるかたちで前記所定の表示部を通じた表示演出を行うようにすることが、上記特別遊技の実行の必要条件となる2つの異なる処理結果を一連の表示演出を通じて遊技者に適切に報知する上でより望ましい。
(技術的思想13)
前記演出制御手段は、前記第2の抽選手段による抽選処理の結果が前記可動片の動作契機となる当たりに落選したことを示すハズレであるときの表示演出と、前記第2の抽選手段による抽選処理の結果が前記動作時間情報のうちの最も短い動作時間が対応付けされている当たりであるときの表示演出とが同一の演出態様となるかたちで前記所定の表示部を通じた表示演出を行う
技術的思想11または12に記載の遊技機。
また、技術的思想11または12に記載の遊技機において、技術的思想13に記載の遊技機によるように、前記演出制御手段が、前記第2の抽選手段による抽選処理の結果が前記可動片の動作契機となる当たりに落選したことを示すハズレであるときの表示演出と、前記第2の抽選手段による抽選処理の結果が前記動作時間情報のうちの最も短い動作時間が対応付けされている当たりであるときの表示演出とが同一の演出態様となるかたちで前記所定の表示部を通じた表示演出を行うようにすれば、遊技者は、上記ハズレであるのか、上記最も短い動作時間が対応付けされている当たりが当選されたのかを判断しがたくなる。すなわちこの場合、上記最も短い動作時間が対応付けされている当たりの当選によって入球可能とされた上記第1の始動口に遊技球が入球されたとき、遊技者から見れば、上記第1の抽選手段による抽選処理の結果に応じた表示演出(通常は、第2の抽選手段による抽選処理に応じた表示演出の後に発展的に行われる表示演出)が突然行われるようになり、これによって遊技の興趣の低下の好適な抑制が期待できるようになる。
(技術的思想14)
前記所定の期間は、前記予め定められた特定の条件が満たされてから前記第2の抽選手段による抽選処理が所定回数だけ行われるまでの期間である
技術的思想5〜13のいずれか1つに記載の遊技機。
(技術的思想15)
前記駆動制御手段は、前記第1の抽選手段による抽選処理が行われる都度、該抽選処理の結果が前記所定の表示部とは別の図柄表示部に表示される図柄の表示態様として現れるように前記図柄を変動表示制御するものであり、前記所定の期間は、前記特定の条件が満たされてから前記駆動制御手段による変動表示制御が所定回数だけ行われるまでの期間である
技術的思想5〜13のいずれか1つに記載の遊技機。
(技術的思想16)
前記所定の期間は、前記特定の条件が満たされてから前記第1の特別遊技が所定回数だけ行われるまでの期間である
技術的思想2〜13のいずれか1つに記載の遊技機。
なお、上記所定の期間としては、例えば、技術的思想5〜13のいずれか1つに記載の遊技機において、技術的思想14に記載の遊技機によるように、
・前記予め定められた特定の条件が満たされてから前記第2の抽選手段による抽選処理が所定回数だけ行われるまでの期間
若しくは、技術的思想5〜13のいずれか1つに記載の遊技機において、技術的思想15に記載の遊技機によるように、
・前記駆動制御手段が、前記第1の抽選手段による抽選処理が行われる都度、該抽選処理の結果が前記所定の表示部とは別の図柄表示部に表示される図柄の表示態様として現れるように前記図柄を変動表示制御するものであるとき、前記特定の条件が満たされてから前記駆動制御手段による変動表示制御が所定回数だけ行われるまでの期間。
若しくは、技術的思想2〜13のいずれか1つに記載の遊技機において、技術的思想16に記載の遊技機によるように、
・前記特定の条件が満たされてから前記第1の特別遊技が所定回数だけ行われるまでの期間。
等々、といった期間を採用することができる。
(技術的思想17)
前記所定の表示部は、前記遊技領域の中央に配設される液晶モニタである
技術的思想4〜16のいずれか1つに記載の遊技機。
なお、技術的思想4〜16のいずれか1つに記載の遊技機にあって、上記所定の表示部としては、前記遊技領域の中央に配設される液晶モニタを採用するようにすることが、遊技の興趣の低下を抑制する上でより望ましい。