JP5244670B2 - 機能性繊維成形体の製造方法 - Google Patents
機能性繊維成形体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5244670B2 JP5244670B2 JP2009076123A JP2009076123A JP5244670B2 JP 5244670 B2 JP5244670 B2 JP 5244670B2 JP 2009076123 A JP2009076123 A JP 2009076123A JP 2009076123 A JP2009076123 A JP 2009076123A JP 5244670 B2 JP5244670 B2 JP 5244670B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- functional
- dispersed
- molded body
- functional powder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A30/00—Adapting or protecting infrastructure or their operation
- Y02A30/24—Structural elements or technologies for improving thermal insulation
- Y02A30/244—Structural elements or technologies for improving thermal insulation using natural or recycled building materials, e.g. straw, wool, clay or used tires
Landscapes
- Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
- Building Environments (AREA)
Description
このような機能性繊維成形体は、例えば、吸放湿性を有する吸放湿材(調湿材)や消臭剤、抗菌剤等の種々の機能性を有した粒状(粒子状)の機能性粉粒体を、植物性繊維に添加して成形される。
この特許文献1には、上記調湿材をボード中に分散させて保持させる方法として、調湿材を分散させた液体状のバインダーをリグノセルロース繊維にスプレーしたり含浸させたりする方法や、調湿材をリグノセルロース繊維に分散させた後、バインダーを含有させる方法、リグノセルロース繊維、バインダー、調湿材を同時に混合する方法などが挙げられている。
ここに、上記機能性粉粒体は、吸放湿性や消臭性、防虫性、抗菌性等の種々の機能性を有した粉粒体であって、粒状、細片状、粒子状、微粒子状及び粉状のものも含む。
上記機能性粉粒体の散布を、上記解繊混合綿に対して行う態様とした機能性繊維成形体の製造方法においては、前記機能性粉粒体を内部に分散させて含有させた後、加熱加圧してボード状に硬化させて成形するようにしてもよい。
一方、上記構成とされた本発明によれば、気流を発生させることで、これら植物性繊維及び機能性粉粒体を混合し、その混合した状態で堆積させることで、該機能性粉粒体を内部に分散させて含有させることができるので、簡易な方法で適度に機能性粉粒体を分散させて含有させることができ、また、乾式の製造方法で機能性繊維成形体を製造することができる。また、乾式の製造方法であるので、製造工程において発生する機能性粉粒体の製造ロス分を容易に再利用することもできる。
図1及び図2は、本実施形態に係る機能性繊維成形体の製造方法の一例を説明するための概念的な説明図である。図3は、同製造方法を用いて製造された機能性繊維成形体の実施例の一例と比較例とを評価試験の結果とともに示す表である。
上記機能性繊維ボード16は、図1に示すように、植物性繊維11を主材料とし、後記するように、該植物性繊維11に、バインダーとしての合成樹脂繊維12を添加して形成された解繊混合綿10に対して、機能性粉粒体13を散布し、後記する気流分散工程2において、これら各繊維11,12及び機能性粉粒体13を分散させながら、気流を発生させることで、これらを混合し、その混合した状態で堆積させることで、該機能性粉粒体13を内部に分散させて含有させた後、後記するように種々の工程を経て、加熱加圧してボード状に成形されている。
また、この機能性繊維ボード16の表面に、適宜、使用態様に応じて、表面仕上げのための通気性を有する化粧シートや壁紙等を更に貼着するようにしてもよい。
また、該機能性繊維ボード16の裏面に、適宜、使用態様に応じて、石膏ボードや木質ボード、樹脂ボードなどを更に貼着するようにしてもよい。
特に、近年、枯渇化が叫ばれている木材資源ではなく、非木材資源である麻類植物やヤシ科植物から得られる麻類植物繊維やヤシ科植物繊維を植物性繊維11として採用すれば、環境資源にも配慮した機能性繊維ボード16を製造することができる。また、そのような麻類植物やヤシ科植物から採取される繊維は、従来の繊維板に使用されている針葉樹や広葉樹から採取される繊維よりも引張強度が2倍〜14倍程度大きい。従って、これら麻類植物やヤシ科植物から採取される繊維を機能性繊維ボード16に採用することで、機能性繊維ボード16自体の強度をより効果的に高めることができ、内装建材や家具材等として好適なものとなる。
また、上記植物性繊維11が主材料となるように配合比を調整すればよく、その他、ロックウールやスラグウール、ミネラルウール、グラスウールなどの人造鉱物繊維をさらに混合して配合するようにしてもよい。
上記植物性繊維11の繊維長が、上記の範囲より短いと、繊維同士の絡み合いが不足してボード自体の強度や通気性が低下する傾向があり、また、繊維長が、上記の範囲より長いと、後記するように植物性繊維11によってマット状中間成形体14を形成する際に所定の形状にし難くなる傾向がある。
上記植物性繊維11の平均繊維径は、20μm〜500μm、好ましくは、50μm〜200μm程度となるように解繊したものとしてもよい。
上記植物性繊維11の平均繊維径が、上記の範囲より小径であると、繊維間の接着面積が増加するためボード自体の強度は高くなるが、繊維間の空隙が小さくなり、通気性を阻害する傾向がある。また、平均繊維径が上記の範囲より大径であると、繊維間の空隙は大きくなり、通気性が高くなるが、繊維間の接着面積が少なくなりボード自体の強度が低下する傾向がある。
このような合成樹脂繊維12をバインダーとした場合は、上記植物性繊維11と、互いに適度に絡み合わせ、熱プレスによって該合成樹脂繊維12を溶融させた後、硬化させることで、上記植物性繊維11同士を連結固化するバインダーとして機能する。このように、合成樹脂繊維12をバインダーとすることで、適度な空隙を保つことができる。
また、上記芯鞘構造の合成樹脂繊維12を採用した場合には、芯部が溶融しない温度で加熱することで、芯部を残して上記植物性繊維11同士を連結固化することができ、その芯部と植物性繊維11との絡み合いによって上記空隙をより効果的に確保することができる。
また、上記合成樹脂バインダー(接着成分)としては、上記のように繊維状のものに限定されず、上記合成樹脂繊維12に代えて、または加えて、粉状の熱可塑性樹脂バインダーを採用するようにしてもよい。
さらに、上記した熱可塑性樹脂からなるものに限られず、ユリア樹脂や、メラミン樹脂、ユリア・メラミン共縮合樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を含有する粉状のバインダーとしてもよい。
上記合成樹脂バインダーの割合が上記より小さくなれば、後記するように合成樹脂繊維12が溶融して硬化することによる上記植物性繊維11の連結固化が十分になされない傾向があり、植物性繊維11がばらけたり、表面硬度が低くなり、剥離が生じたりする傾向がある。また、上記合成樹脂バインダーの割合が上記より大きくなれば、植物性繊維11同士の接着性は高められるが、ボード自体の通気性(透湿性)が阻害される傾向があるとともに、後記する機能性粉粒体13を繊維間に捕捉させるための空隙も十分に確保され難くなる傾向がある。
上記調湿材としては、例えば、木炭、竹炭などの炭類、タルク、ゼオライト、珪藻土、シリカゲル(好ましくはB型シリカゲル)、モンモリロナイト、セピオライトなどの粘土鉱物、アルミナ、シリカなどの無機物等が挙げられる。或いは、調湿材としては、粒子状の高分子吸放湿材(有機系ポリマー吸放湿材)としてもよい。この高分子吸放湿材は、可逆的な吸湿機能、放湿機能を有するもので、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などを主成分として重合した重合体、アクリロニトリルを主成分とした重合体のニトリル基を加水分解させたものなどで架橋構造を有するアクリル系樹脂等が挙げられる。
本実施形態のように、ボード状の機能性繊維成形体を製造する場合においては、一般的に、2.0mm程度〜12mm程度の板厚とされており、上記機能性粉粒体13の粒径を、大きくすれば、局所的な密度差や厚み差等が生じ易くなる傾向があり、ボードの強度が低減することも考えられる。また、上記機能性粉粒体13の粒径を、大きくすれば、後記する気流分散工程2において、分散性が低減する傾向がある。
特に、上記機能性粉粒体13の粒径を、500μm以下のものとすれば、例えば、2.0mm〜5.0mm程度の比較的、板厚の薄いボードを製造する際にも、局所的な密度差や厚み差等が生じ難くなり、比較的、均質なボードを製造することができる。
尚、上記機能性粉粒体13の粒径としては、特に下限はないが、取扱い性やコスト的な観点から、10μm以上のものとしてもよい。また、上記各種の機能性粉粒体13は、一種あるいは二種以上を組み合わせて採用してもよい。
また、平均粒径の異なる機能性粉粒体13、例えば、比較的、粒子径の大きいシリカゲルと、微粉状の消臭剤や抗菌剤等を混合して採用するような態様としてもよい。
<機能性粉粒体散布工程1>
この機能性粉粒体散布工程1では、図1に示すように、供給機20から供給された解繊混合綿10を、ベルトコンベア21aを介して搬送しながら、該解繊混合綿10に対して、その上方から機能性粉粒体13を、粉粒体散布機21によって散布する。
上記粉粒体散布機21は、上記解繊混合綿10に対して略定量の機能性粉粒体13が散布できるものとすることが好ましい。
このような粉粒体散布機21としては、例えば、振動フィーダやスクリューフィーダ等、公知の粉粒体の定量供給装置を適用するようにしてもよい。
また、上記液体17は、水等の液体状のものであれば、どのようなものでもよい。或いは、水その他の溶媒に、粘着剤を溶解または分散させた粘着剤含有溶液17としてもよい。このような粘着剤含有溶液としては、アクリル系エマルション等の加熱前に粘着性があり、後記するように加熱により乾燥、硬化するものが好ましい。また、粘着剤含有溶液としては、その他、水性エマルションや、加工澱粉等を溶解させた澱粉溶液、水性糊の希釈液等としてもよい。
或いは、上記したような粘着剤含有溶液17に代えて、または加えて、調湿性を向上させる(または付与する)ために、シリカゾル液を散布するようにしてもよい。
上記のように、液体17を、機能性粉粒体13を散布する前に、植物性繊維11(本実施形態では、合成樹脂繊維12も含む)に散布して、表面を濡らした状態とすることで、散布される機能性粉粒体13が各繊維11,12に付着し易くなる。従って、後記する各工程を実行する際や搬送時における振動等に起因する該機能性粉粒体13の抜け落ちや飛散を防止することができる。
次いで、上記のように機能性粉粒体13が散布された解繊混合綿10を、気流分散装置22に導入する。この気流分散装置22は、大略的に、繊維分散機22aと、気流発生マット形成部とを備えている。該気流発生マット形成部は、ブロアやファン等からなる一対の送風機22b,22bと、その下流側(繊維分散機22aの下方)に設けられたメッシュ状コンベア22cと、該メッシュ状コンベア22cの下方に配されたブロア等の吸引機(不図示)を有した吸引ライン22dとを有している。
上記繊維分散機22aでは、上記のように機能性粉粒体13が散布された解繊混合綿10を、多数の掻き取り刃が周面に設けられたローラ体を回転させることで、上記植物性繊維11、上記合成樹脂繊維12及び機能性粉粒体13を吹き飛ばすようにして分散させて落下供給する。
このように、上記気流による混合と堆積とがなされることによって、該マット状中間成形体14の内部には、上記機能性粉粒体13が上記各繊維11,12間に捕捉されるようにして適度に、ほぼ均一に分散して含有された状態となる。
また、上記吸引ライン22dの吸引によって、上記メッシュ状コンベア22cを通過した少量の機能性粉粒体13及び上記各繊維11,12を、循環ライン22eを介して、上記ベルトコンベア21aに、循環供給するようにしてもよい。
或いは、上記吸引ライン22dの吸引によって、上記メッシュ状コンベア22cを通過した少量の機能性粉粒体13及び上記各繊維11,12を、集塵フィルタ(集塵サイクロン)等で集塵した後、振動ふるい等を用いたり、または分級機等を用いたりして、機能性粉粒体13と、各繊維11,12とを分離させて、これらをそれぞれ再利用するようにしてもよい。
本実施形態では、上記のように、気流作用によってマット状中間成形体14を形成するようにしているので、上記のような製造ロス分を、容易に循環供給したり、再利用したりすることができる。
上記のように、内部に機能性粉粒体13を適度に分散させて含有させたマット状中間成形体14を、メインコンベア28によって搬送しながら、図2に示すように、加熱圧締機23に導入する。この加熱圧締機23では、上記合成樹脂繊維12を溶融させて、植物性繊維11同士を連結固化させる。この加熱圧締機23は、上記マット状中間成形体14を、ある程度の保形性のあるものとするために、予備的に比較的、低圧で圧締し得るとともに、加熱して上記合成樹脂繊維12を溶融し得るものであれば、どのようなものでもよい。
<通気冷却工程4>
上記加熱圧締機23において加熱圧締されて該加熱圧締機23から導出されたマット状中間成形体14を、メッシュ状コンベア24aを搬送させながら、下方からブロア等の吸引機(不図示)を配した吸引手段24によって吸引することで、該マット状中間成形体14に、常温の空気を通気させて冷却する。これにより、上記のように溶融した合成樹脂繊維12が硬化し、機能性繊維マット15が形成される。この状態では、持ち運び可能な程度まで硬化した状態となる。
<予備切断工程5>
上記のようにある程度、硬化した機能性繊維マット15を、後記する熱プレス工程6の熱プレス機26への導入が可能な程度の形状とするために、裁断機25によって所定の大きさに裁断する。
次いで、上記機能性繊維マット15を、一対のプレス板を備えた熱プレス機(ホットプレス機)26に導入して、熱プレス(加熱加圧)を行う。この熱プレス時の条件、すなわち、プレス圧、プレス時間、及びプレス型面温度は、上記機能性繊維マット15に含まれる各繊維11,12の目付けや、成形後の機能性繊維ボード16の密度や板厚、上記合成樹脂バインダーの種類(溶融温度、硬化温度等)や含有量等により適宜、設定可能である。
また、上記熱プレス時に、成形後の機能性繊維ボード16の密度が、500kg/m3以上、1200kg/m3以下となるように熱プレスをするようにしてもよい。これにより、成形後の機能性繊維ボード16の強度を高められるとともに、その通気性を阻害するようなことがないので、含有された機能性粉粒体13の機能性を十分に発揮できる機能性繊維ボード16を製造できる。
上記のように熱プレスをした後、脱型し、適宜、所定の大きさに裁断して、上記機能性繊維ボード16の製造がなされる。このように成形された機能性繊維ボード16は、上記のように合成樹脂繊維12によって連結固化された植物性繊維11の絡み合いによって通気性のある多孔質(マトリクス)状態となり、また、その絡み合った植物性繊維11間に、上記のように機能性粉粒体13が適度に分散され、捕捉されて含有された機能性繊維ボード16となる。
さらに、本実施形態では、上記機能性粉粒体13の散布を、上記植物性繊維11にバインダーとなる合成樹脂繊維12を添加して解繊した綿状の解繊混合綿10に対して行うようにしているので、比較的、直線性の強い植物性繊維11を、合成樹脂繊維12を添加して解繊することで、植物性繊維11を絡み易い状態にできる。この結果、上記のように気流を発生させることで、内部に分散して含有される機能性粉粒体13を、植物性繊維11間に捕捉させ易くなり、該機能性粉粒体13が後の工程において抜け落ちたり、飛散したりすることを低減できる。
さらにまた、上記のように、機能性粉粒体13を、内部に適度に分散させて含有させることができるので、加熱加圧して機能性繊維ボード16を形成した場合に、該機能性繊維ボード16の厚み内や面域方向において、局所的な密度差や厚み差等が生じ難く、比較的、均質なボード16を製造することができる。
また、上記気流分散工程2において、植物性繊維11に合成樹脂繊維12を混合した解繊混合綿10と機能性粉粒体13とを分散、堆積させてマット状中間成形体14を形成する態様、すなわち、バインダーを合成樹脂繊維12とする態様に代えて、または加えて、上述の粉状のバインダーを植物性繊維11に添加、混合するようにしてもよい。この場合は、上記機能性粉粒体13に粉状のバインダーを予め添加しておき、機能性粉粒体散布工程1において、機能性粉粒体13とともに粉状バインダーを散布するような態様としてもよい。このような態様によっても、その後の気流分散工程2において、植物性繊維11と混合されながら堆積、積層されることで、粉状バインダー及び機能性粉粒体13が内部に適度に分散して含有されたマット状中間成形体14を形成することができる。
或いは、上記のような合成樹脂バインダーを含有させずに、例えば、常温プレスによって機能性繊維ボード16を製造するような態様としてもよい。
さらにまた、本実施形態では、上記気流分散工程2において、繊維分散機22aによって、上記機能性粉粒体13が散布された解繊混合綿10を分散させる態様を例示しているが、このような態様に限られない。例えば、予め繊維片状に分散させた植物性繊維11及び合成樹脂繊維12に対して、機能性粉粒体13を散布した後、または機能性粉粒体13を散布しながら、上記気流発生マット形成部に、これらを落下供給するような態様としてもよい。
さらにまた、加熱加圧せずに、例えば、比較的、密度の低いマット状の成形体、すなわち、上記機能性繊維マット15を機能性繊維成形体として把握するようにしてもよい。
また、本実施形態では、加熱圧締工程3及び通気冷却工程4を経た機能性繊維マット15を予備切断工程5において裁断して、熱プレス機26に導入し、加熱加圧する態様を例示しているが、これら加熱圧締工程3、通気冷却工程4及び予備切断工程5を介さずに、例えば、上記マット状中間成形体14を、加熱加圧ローラに導入し、該加熱加圧ローラによって、連続的に加熱加圧工程を実行するような態様としてもよい。
尚、図3に示す各例では、植物性繊維11として、ジュートを採用し、合成樹脂繊維12として、鞘部分の溶融温度が110℃の芯鞘構造のポリエステル繊維を採用し、これらをそれぞれ50重量%づつ配合した上記解繊混合綿10を使用した。
また、図3に示す各例では、機能性粉粒体13として、調湿材としてのB型シリカゲルを採用し、平均粒径が30μmのものを使用した。
また、図3に示す各例では、上記加熱加圧工程10におけるプレス条件を、プレス型間(スペーサー(ディスタンスバー)厚)が2.5mm、プレス温度が150℃、プレス圧が25kg/cm2(約2.45MPa)、プレス時間が180秒として設定し、成形後のボードの比重が0.65程度、厚さが2.5mmとなるように設定した。
上記解繊混合綿10に対して、上記シリカゲルを200g/m2程度の散布量で上記機能性粉粒体散布工程1を実行し、次いで、上記気流分散工程2を実行し、上記繊維11,12全体の目付けが1500g/m2程度となるように、上記マット状中間成形体14を形成した後、上記各工程3〜6を経て、実施例1に係るボードを得た。
(実施例2)
上記実施例1の工程に加えて、上記機能性粉粒体散布工程1の前に、上記液体散布工程を実行した。該液体散布工程においては、上記液体散布機27による液体(水)17の散布量を、150g/m2程度の散布量とした。
上記解繊混合綿10を、上記繊維分散機22aのみによって、すなわち、上記気流発生マット形成部の気流発生を生じさせない状態で、分散、堆積させて、目付けが1500g/m2程度となるように、マット体とし、このマット体を、厚み方向に2分割して、その上下のマット体層の間に、上記シリカゲルを挟みこむように散布した。該シリカゲルは、散布量が200g/m2程度となるように略均一に散布した。
次いで、このシリカゲルを挟みこんだマット体に対して、上記各工程3〜6を実行し、比較例1に係るボードを得た。
(評価試験)1)粉粒体歩留まり測定試験
上記実施例1及び実施例2におけるボードの製造ラインにおいて、それぞれ散布したシリカゲルの散布量に対するシリカゲルの回収量(抜け落ちや飛散等により落下したシリカゲルの回収量)の割合を、各製造ラインにおけるロス率として算出し、このロス率から粉粒体歩留まり率をそれぞれ算出した。
結果は、図3の表に示す通りである。
実施例2については、上述のように、液体散布工程を実行して、水を散布したので、シリカゲル同士及び各繊維に対するシリカゲルの付着性が向上し、シリカゲルの回収量が少なくなり(すなわち、シリカゲルの抜け落ちや飛散量が少なくなり)、実施例1の歩留まり率(70%)を大きく上回る歩留まり率(82%)となった。
一方、実施例1においても、上記気流分散工程2において、シリカゲルがほぼ均一に内部に分散して含有された結果、各繊維11,12間に捕捉されて、搬送時における抜け落ちや飛散等はそれほど認められず、概ね良好な結果となった。
尚、比較例1については、マット体の上下層の間に、シリカゲルを挟みこむ態様としているので、シリカゲルの抜け落ちや飛散等は、ほぼ認められなかったため、当該粉粒体歩留まり測定試験については省略した。
上記実施例1及び実施例2、並びに比較例1の各ボードを、小面積の試験片に裁断し、各試験片の重量を測定し、1平方メートル当りの重量差を、重量バラつきとして算出した。
結果は、図3の表に示す通りである。
実施例1及び実施例2については、上述のように、それぞれ気流分散工程2において、機能性粉粒体13がほぼ均一に分散されて含有されているので、成形されたボードの平面域方向において重量バラつきが比較的、小さくなり、良好な結果となった。
一方、比較例1については、上記のように、マット体の上下層の間に、シリカゲルを挟みこむ態様としているので、成形されたボードの平面域方向において局所的な密度差が発生したことが考えられ、重量バラつきが比較的、大きくなる結果となった。
上記実施例1及び実施例2、並びに比較例1のボードから得られた各試験体に対して、JIS A5905(繊維板)に規定された方法に従って、剥離強度試験を行った。
結果は、図3の表に示す通りであり、実施例1及び実施例2については、いずれも建築材料として一般的なMDF(Medium Density Fiberboard(中密度繊維板))の品質としてJIS規格で定められた剥離強さの基準値である0.3MPa以上となった。
一方、比較例1については、上記のように、マット体の上下層の間に、シリカゲルを挟みこむ態様としているので、厚み内において物性が不均一となったことが考えられ、剥離強度が比較的、小さくなる結果となった。
また、上記実施例2のように、液体散布工程を実行することで、製造ラインにおける機能性粉粒体13の抜け落ちや飛散等を効果的に低減することができ、簡易な方法によって機能性粉粒体13の歩留まりを向上することができた。
尚、上記実施例1及び実施例2は、それぞれ本実施形態に係る機能性繊維成形体の製造方法の一例を用いて製造した例を示しており、本実施形態に係る機能性繊維成形体の製造方法は、上述のように、種々の態様が可能であり、これらの例に限られるものではない。
11 植物性繊維
12 合成樹脂繊維
13 機能性粉粒体
15 機能性繊維マット(機能性繊維成形体)
16 機能性繊維ボード(機能性繊維成形体)
17 液体
Claims (4)
- 植物性繊維を主材料とし、機能性粉粒体を含有した機能性繊維成形体を製造する方法であって、
前記植物性繊維に、前記機能性粉粒体を散布して、これら植物性繊維及び機能性粉粒体を分散させながら、気流を発生させることで、これらを混合し、その混合した状態で堆積させることで、該機能性粉粒体を内部に分散させて含有させた後、成形して機能性繊維成形体を製造することを特徴とする機能性繊維成形体の製造方法。 - 請求項1において、
前記機能性粉粒体の散布は、前記植物性繊維にバインダーとなる合成樹脂繊維を添加して解繊した綿状の解繊混合綿に対して行うことを特徴とする機能性繊維成形体の製造方法。 - 請求項2において、
前記機能性粉粒体を内部に分散させて含有させた後、加熱加圧してボード状に硬化させて成形することを特徴とする機能性繊維成形体の製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記機能性粉粒体を散布する前に、前記植物性繊維に液体を散布し、該植物性繊維の表面を濡らした状態で、該機能性粉粒体を散布することを特徴とする機能性繊維成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009076123A JP5244670B2 (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | 機能性繊維成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009076123A JP5244670B2 (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | 機能性繊維成形体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010228176A JP2010228176A (ja) | 2010-10-14 |
JP5244670B2 true JP5244670B2 (ja) | 2013-07-24 |
Family
ID=43044514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009076123A Active JP5244670B2 (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | 機能性繊維成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5244670B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016035254A1 (ja) * | 2014-09-05 | 2016-03-10 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 繊維ボード及びその製造方法 |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012111063A (ja) * | 2010-11-22 | 2012-06-14 | Eidai Co Ltd | 木質繊維板の製造方法及び木質繊維板 |
JP6021070B2 (ja) * | 2013-05-10 | 2016-11-02 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 木質繊維板の製造方法 |
JP6021071B2 (ja) * | 2013-05-10 | 2016-11-02 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 木質繊維板の製造方法 |
JP6027489B2 (ja) * | 2013-05-10 | 2016-11-16 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 木質繊維板の製造方法 |
JP6103498B2 (ja) * | 2013-06-07 | 2017-03-29 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 繊維板の製造方法 |
JP6263933B2 (ja) * | 2013-10-03 | 2018-01-24 | セイコーエプソン株式会社 | シート製造装置 |
EP3470192B1 (de) * | 2017-10-16 | 2020-06-24 | SWISS KRONO Tec AG | Verfahren und vorrichtung zum herstellen einer holzwerkstoffplatte |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5038778A (ja) * | 1973-08-09 | 1975-04-10 | ||
JPS5831154A (ja) * | 1981-08-17 | 1983-02-23 | 日本特殊塗料株式会社 | 耐熱成形防音材の製造方法 |
JPS61181609A (ja) * | 1985-02-08 | 1986-08-14 | Noda Plywood Mfg Co Ltd | 成形用マツトの製造法 |
JPS62160639U (ja) * | 1986-03-31 | 1987-10-13 | ||
JPH0551466A (ja) * | 1991-08-23 | 1993-03-02 | Ikeda Bussan Co Ltd | 木質系成形基材 |
JP2008173834A (ja) * | 2007-01-17 | 2008-07-31 | Matsushita Electric Works Ltd | 調湿性植物繊維ボード |
-
2009
- 2009-03-26 JP JP2009076123A patent/JP5244670B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016035254A1 (ja) * | 2014-09-05 | 2016-03-10 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 繊維ボード及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010228176A (ja) | 2010-10-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5244670B2 (ja) | 機能性繊維成形体の製造方法 | |
EP2459787B1 (en) | Method for manufacturing a mineral fibre-containing element and element produced by that method | |
US9238333B2 (en) | Method for manufacturing a fibre-containing element and element produced by that method | |
CA2769352C (en) | Method for manufacturing an aerogel-containing composite and composite produced by that method | |
US9975270B2 (en) | Method for manufacturing an aerogel-containing composite and composite produced by that method | |
US20130119294A1 (en) | Method for Manufacturing an Aerogel-Containing Composite and Composite Produced by that Method | |
JP5145280B2 (ja) | 機能性繊維成形体の製造方法 | |
JP2017154300A (ja) | パーティクルボード | |
JP5914825B2 (ja) | 繊維ボード | |
JP5175707B2 (ja) | 機能性繊維成形体の製造方法 | |
US9221965B2 (en) | Method for manufacturing a mineral fibre-containing element and element produced by that method | |
JP6064208B2 (ja) | 繊維板の製造方法 | |
JP6273596B2 (ja) | 繊維ボードの製造方法 | |
JP2014047553A (ja) | 軽量繊維板及びその製造方法 | |
JP4051036B2 (ja) | 木質成形体および木質成形体の製造方法 | |
JP2009143160A (ja) | 調湿パネル | |
JP5297335B2 (ja) | 調湿ボードの製造方法および調湿ボード | |
JP2013107279A (ja) | 木質板の製造方法 | |
JP6065552B2 (ja) | 繊維板の製造方法 | |
JP6132183B2 (ja) | 繊維板の製造方法 | |
JP2014151542A (ja) | 繊維板の製造方法と繊維板 | |
CN103538134A (zh) | 笋衣中高密度纤维板及其生产工艺 | |
PL212677B1 (pl) | Sposób wytwarzania płyt izolacyjnych, w szczególności płyt pilśniowych oraz płyta izolacyjna, w szczególności pilśniowa |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110217 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20120111 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121121 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121127 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130319 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130408 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160412 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5244670 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |