しかしながら、特許文献1に記載の車両用灯具200においては、図25(a)に示すように、導光板210は平板形状の導光板であり、光源220はその導光板210の端面に対向した状態で配置されている関係上、出射面212上の水平線に対応するラインL近傍に光源220からの光線を集めることができないため、特許文献1で光源220として想定されているLED光源の現状の明るさでは、ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンに対応する高輝度部分を含む輝度分布を形成することができないという問題がある。
また、特許文献1には、図26に示すように、導光板210を傾斜させた状態で配置した例が開示されているが、導光板210は平板形状の導光板であるため、車両用灯具200の奥行き寸法をそれ以上短くすることができないという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンを形成することが可能な、導光板を用いた車両用灯具を提供することを第1の課題とする。また、車両用灯具の奥行き寸法を従来以上に短くすることが可能な、導光板を用いた車両用灯具を提供することを第2の課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、光軸を含む水平面と像面との交線である焦点カーブが楕円形状又は円弧形状となる投影レンズ、可視光領域で透明な材料からなる導光板及び光源を備えた車両用灯具において、前記導光板は、基端部、前記基端部に対し、前記投影レンズの焦点カーブ近傍において前記投影レンズ側に湾曲した導光板本体、及び、反射面を含んでおり、前記導光板本体は、前記投影レンズ側に傾斜した第2出射面としての円柱面又は錐面、その反対側の第2裏面、及び、プリズム面を含んでおり、前記第2出射面の下端縁は、前記焦点カーブに沿った形状に形成されており、前記基端部は、前記光源から照射される光線を前記導光板内部に入射させるための入射面、前記第2出射面の下端縁を下方に引き延ばした第1出射面及びその反対側の第1裏面を含んでおり、前記第1出射面及び第2出射面は、前記投影レンズ側に形成されており、前記第1裏面及び第2裏面は、前記投影レンズとは反対側に形成されており、前記反射面は、前記第1裏面と第2裏面の間、又は、前記第1裏面に形成されており、前記プリズム面は、前記入射面から前記導光板内部に入射して導光され、当該プリズム面に到達した前記光源からの光線を、前記第1出射面及び第2出射面に対する入射角が臨界角内となるように当該第1出射面及び第2出射面に向けて反射し、当該第1出射面及び第2出射面上に輝度分布を形成するためのレンズカット面であり、前記反射面は、前記入射面から前記導光板内部に入射して導光され、当該反射面に到達した前記光源からの光線を、前記第1出射面及び第2出射面に対する入射角が臨界角内となるように前記投影レンズの焦点カーブ近傍に向けて反射し、前記第1出射面及び第2出射面上に周囲の輝度よりも高い高輝度部分を形成するための反射面であり、前記投影レンズは、前記第1出射面及び第2出射面上に形成された輝度分布を反転、拡大投影し、所定配光パターンを形成するためのレンズであることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、導光板本体は、基端部に対し、投影レンズの焦点カーブ近傍において投影レンズ側に湾曲しており、第1裏面と第2裏面の間(又は、第1裏面)には、反射面が形成されている。このため、入射面から導光板内部に入射して導光され、当該反射面に到達した光源からの光線は、当該反射面によって第1出射面及び第2出射面に対する入射角が臨界角内となるように投影レンズの焦点カーブ近傍に向けて反射され、第1出射面及び第2出射面から出射する。これにより、第1出射面及び第2出射面上に周囲の輝度よりも高い高輝度部分を含む輝度分布(ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンに対応する高輝度部分を含む輝度分布)が形成される。この高輝度部分を含む輝度分布は投影レンズによって反転、拡大投影される。これにより、ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンを形成することが可能となる。
また、請求項1に記載の発明によれば、導光板本体は、基端部に対し、投影レンズの焦点カーブ近傍において投影レンズ側に湾曲している。このため、導光板本体の光軸方向の寸法を短くすることが可能となる。このため、車両用灯具の奥行き寸法を従来以上に短くすることが可能となる。
また、請求項1に記載の発明によれば、第2出射面の下端縁は、投影レンズの焦点カーブに沿った形状に形成されている。このため、導光板本体(例えば、第1出射面と第2出射面の間の折れ線)を投影レンズの焦点カーブに沿わせた状態(例えば、第1出射面と第2出射面の間の折れ線が焦点カーブよりもやや上となるように)で配置することが可能となる。これにより、シェード上端縁を焦点カーブに合わせることができるため、明瞭なカットオフラインを有する配光パターンを形成することが可能となる。
また、請求項1に記載の発明によれば、導光板本体(第2出射面)が投影レンズを覆うこととなるため、当該導光板本体(第2出射面)を平板形状に形成する場合と比べ、投影レンズにより多くの光線を入射させること(光利用効率の向上)が可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記反射面は、第1焦点が前記光源近傍に設定され、第2焦点が前記投影レンズの焦点カーブ近傍に設定された楕円系反射面であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、導光板本体は、基端部に対し、投影レンズの焦点近傍において投影レンズ側に折り曲げられており、第1裏面と第2裏面の間(又は、第1裏面)には、楕円系反射面が形成されている。このため、入射面から導光板内部に入射して導光され、楕円系反射面に到達した光源からの光線は、当該楕円系反射面によって第1出射面及び第2出射面に対する入射角が臨界角内となるように投影レンズの焦点近傍(第2焦点)に向けて反射され、第1出射面及び第2出射面から出射する。これにより、第1出射面及び第2出射面上に周囲の輝度よりも高い高輝度部分を含む輝度分布(ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンに対応する高輝度部分を含む輝度分布)が形成される。この高輝度部分を含む輝度分布が投影レンズによって反転、拡大投影される。これにより、ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンを形成することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第1焦点は、前記導光板内部に入射して導光される前記光源からの光線が入射面で屈折することにより形成される虚像の中心近傍に設定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、第1焦点を虚像の中心近傍に設定することでより高い最大光度が得られ、ヘッドランプに適した配光パターンを形成することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記反射面は、前記第2裏面と傾斜角度が同一の平面形状又は曲面形状の反射面であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、導光板本体は、基端部に対し、投影レンズの焦点近傍において投影レンズ側に折り曲げられており、第1裏面と第2裏面の間(又は、第1裏面)には、第2裏面と傾斜角度が同一の平面形状又は曲面形状の反射面が形成されている。このため、入射面から導光板内部に入射して導光され、反射面(第2裏面と傾斜角度が同一の平面形状又は曲面形状の反射面)に到達した光源からの光線は、当該反射面によって第1出射面及び第2出射面に対する入射角が臨界角内となるように投影レンズの焦点近傍に向けて反射され、第1出射面及び第2出射面から出射する。これにより、第1出射面及び第2出射面上に周囲の輝度よりも高い高輝度部分を含む輝度分布(ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンに対応する高輝度部分を含む輝度分布)が形成される。この高輝度部分を含む輝度分布が投影レンズによって反転、拡大投影される。これにより、ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンを形成することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記反射面は、前記第2裏面と傾斜角度が異なる平面形状又は曲面形状の反射面であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、導光板本体は、基端部に対し、投影レンズの焦点近傍において投影レンズ側に折り曲げられており、第1裏面と第2裏面の間(又は、第1裏面)には、第2裏面と傾斜角度が異なる平面形状又は曲面形状の反射面が形成されている。このため、入射面から導光板内部に入射して導光され、反射面(第2裏面と傾斜角度が異なる平面形状又は曲面形状の反射面)に到達した光源からの光線は、当該反射面によって第1出射面及び第2出射面に対する入射角が臨界角内となるように投影レンズの焦点近傍に向けて反射され、第1出射面及び第2出射面から出射する。これにより、第1出射面及び第2出射面上に周囲の輝度よりも高い高輝度部分を含む輝度分布(ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンに対応する高輝度部分を含む輝度分布)が形成される。この高輝度部分を含む輝度分布が投影レンズによって反転、拡大投影される。これにより、ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンを形成することが可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、前記反射面には、前記光源からの光線を、前記第1出射面及び第2出射面に対する入射角が臨界角内となるように前記投影レンズの焦点カーブ近傍に向けて反射し、前記第1出射面及び第2出射面上に周囲の輝度よりも高い高輝度部分を形成するためのプリズム面が形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、導光板本体は、基端部に対し、投影レンズの焦点近傍において投影レンズ側に折り曲げられており、第1裏面と第2裏面の間(又は、第1裏面)には、プリズム面が形成されている。このため、入射面から導光板内部に入射して導光され、反射面(プリズム面)に到達した光源からの光線は、当該プリズム面によって第1出射面及び第2出射面に対する入射角が臨界角内となるように投影レンズの焦点近傍に向けて反射され、第1出射面及び第2出射面から出射する。これにより、第1出射面及び第2出射面上に周囲の輝度よりも高い高輝度部分を含む輝度分布(ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンに対応する高輝度部分を含む輝度分布)が形成される。この高輝度部分を含む輝度分布が投影レンズによって反転、拡大投影される。これにより、ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンを形成することが可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の発明において、前記第1裏面及び第2裏面は、反射シートで覆われていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、第1裏面及び第2裏面から外部に透過した光源からの光線は、反射シートによって再び導光板内部に戻されるため、光利用効率を向上させることが可能となる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記反射シートは、前記第1裏面又は前記第2裏面から外部に透過した前記光源からの光線を、再び前記導光板に入射させ、前記第2出射面を介して前記投影レンズに入射させるように反射する外側に凸の反射面を含んでいることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、第1裏面又は第2裏面から外部に透過した光源からの光線は、外側に凸の傾斜した反射面によって、再び導光板に入射し、第2出射面を介して投影レンズに入射するため、光利用効率を向上させることが可能となる。
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれかに記載の発明において、前記第1出射面は、水平線に対応するラインに沿って伸びる上端縁を有する反射シートで覆われていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、第1出射面から外部に透過した光源からの光線は、反射シートによって再び導光板内部に戻されるため、光利用効率を向上させることが可能となる。また、請求項9に記載の発明によれば、第1出射面は、水平線に対応するラインに沿って伸びる上端縁を有する反射シートで覆われているため、すれ違いビームに適した明瞭なカットオフラインを有する配光パターンを形成することが可能となる。
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれかに記載の発明において、前記第1出射面は、当該第1出射面に到達した光源12からの光線を、導光板本体の端部に向けて反射する反射面として形成されていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、第1出射面に到達した光源からの光線は、当該第1出射面によって導光板本体の端部に向けて反射され、導光板本体に導光されるため、光利用効率を向上させることが可能となる。
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれかに記載の発明において、前記第1出射面と第2出射面の間には、前記第2出射面に近いほど傾斜が大きくなるように傾いた曲面が形成されていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、第1出射面と第2出射面の間に形成された曲面を透過する反射面からの反射光は、当該曲面の作用によって上側に曲げられる。このため、当該曲面を透過する反射面からの反射光は、投影レンズ(例えばシリンドリカルレンズ)の下半分にほとんど入射しない。
このため、請求項11に記載の発明によれば、当該曲面を透過する反射面からの反射光が投影レンズ(例えばシリンドリカルレンズ)の下半分に入射することに起因するグレア光を防止又は低減することが可能となる。
請求項12に記載の発明は、請求項1から11のいずれかに記載の発明において、前記第2出射面は、前記投影レンズ側に傾斜した円柱面を当該円柱面の一端面と側面とを通る平面で切断することにより形成されるハーフドーム形状であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明によれば、ハーフドーム形状の導光板本体(第2出射面)が投影レンズを覆うこととなるため、当該導光板本体(第2出射面)を平板形状に形成する場合と比べ、投影レンズにより多くの光線を入射させること(光利用効率の向上)が可能となる。
本発明によれば、最大光度を含む配光パターンを形成することが可能な、導光板を用いた車両用灯具を提供することが可能となる。また、車両用灯具の奥行き寸法を従来以上に短くすることが可能な、導光板を用いた車両用灯具を提供することが可能となる。
以下、本発明の第1実施形態である車両用灯具について図面を参照しながら説明する。
本実施形態の車両用灯具100は、ヘッドランプやフォグランプに適用されるものであり、図1(a)〜(b)に示すように、導光板ユニット10、投影レンズ20などを備えている。本実施形態の車両用灯具100においては、導光板ユニット10(導光板11)の投影レンズ20側の面(第1及び第2出射面11a2、11b1。図2、図3参照)に形成される輝度分布(光束発散度分布)が、投影レンズ20によって反転、拡大投影されることで、所定配光パターンが形成されるようになっている。以下、本実施形態の車両用灯具100をいわゆるプロジェクタ型のヘッドランプに適用した例について具体的に説明する。
まず、投影レンズ20について説明する。
投影レンズ20は、非球面凸レンズであり、可視光領域で透明な樹脂(例えば、アクリルやポリカーボネイトなどの透明又は半透明材料)を射出成型することにより(又はガラスにより)形成されている。投影レンズ20は、図4に示すように、光軸AXに対して水平方向の角度が異なる鉛直平面上で水平な複数の平行光線(図4は複数の平行光線L1〜L4等を例示)を出射面側(凸レンズ面側)から入射した場合に、入射面側に楕円形状(又は円弧形状)の焦点群F3(投影レンズ20の無限遠方に対する湾曲像面と光軸AXを通る水平面との交線。以下焦点カーブF3と称す)を形成する。
次に、導光板ユニット10について説明する。
導光板ユニット10は、図2、図3、図5に示すように、導光板11、複数の光源12、反射シート13、14などを備えている。
導光板11は、図2、図3に示すように、基端部11a、基端部11aに対し、投影レンズ20の焦点カーブF3近傍において投影レンズ20側に湾曲した導光板本体11b、反射面11cなどを含んでおり、可視光領域で透明な材料(アクリルやポリカーボネイトなどの透明又は半透明樹脂など)を射出成型することにより一体的に形成されている。
導光板本体11bは、図7に示すように、第2出射面11b1、その反対側の第2裏面11b2、複数のプリズム面11b3(鋸歯形状のプリズムアレイ)などを含んでいる。なお、導光板本体11bに入射した光線を全て出射させるため、図3に示すように、導光板本体11bの断面形状は、先端に近づくにつれて先細りの形状となっている。
第2出射面11b1は、図2、図3に示すように、投影レンズ20側に傾斜した円柱面(又は円錐面や円錐台面等の錐面)である。第2出射面11b1は、例えば、図6に示すように、投影レンズ20側に傾斜した円柱面Cを当該円柱面Cの一端面C1と側面C2とを通る平面Pで切断することによりハーフドーム形状に形成されている。本実施形態では、円柱面Cは投影レンズ20に入射する光線量が最大となるように、当該投影レンズ20に対して傾斜しており、かつ、円柱面Cの半径は当該円柱面Cの切断面S(楕円の一部)が投影レンズ20の焦点カーブF3に沿うように(近づくように)調整されている。これにより、第2出射面11b1の下端縁は、投影レンズ20の焦点カーブF3に沿った形状に形成される。
このため、図3等に示すように、導光板本体11b(例えば、第1出射面11a2と第2出射面11b1の間の折れ線L1)を投影レンズ20の焦点カーブF3に沿わせた状態(例えば、第1出射面11a2と第2出射面11b1の間の折れ線L1が焦点カーブF3よりもやや上となるように)で配置することが可能となる。これにより、シェード(例えば表側反射シート13)を用いることなく、明瞭なカットオフラインを有する配光パターンを形成することが可能となる。
また、ハーフドーム形状の導光板本体11b(第2出射面11b1)が投影レンズ20を覆うこととなるため(図1(b)参照)、当該導光板本体11b(第2出射面11b1)を平板形状に形成する場合と比べ、投影レンズ20により多くの光線を入射させること(光利用効率の向上)が可能となる。
なお、円柱面Cの傾きは、当該円柱面Cを平面Pで切断したときに断面Sに現れる楕円(の一部)がどれだけ焦点カーブF3に近いかと、投影レンズ20への入光効率のバランスとを見て定めるのが好ましい。
第2出射面11b1は、導光板本体11bの投影レンズ20側に形成されており、第2裏面11b2は、導光板本体11bの投影レンズ20とは反対側に形成されている。
導光板本体11bは、基端部11aに対し、投影レンズ20の焦点カーブF3近傍において投影レンズ20側に湾曲している(図3参照)。このため、導光板本体11の光軸方向の寸法を短くすることが可能となる。このため、車両用灯具100の奥行き寸法を従来以上に短くすることが可能となる。
基端部11aは、図3に示すように、入射面11a1、第1出射面11a2、その反対側の第1裏面11a3などを含んでいる。
入射面11a1は、光源12からの照射光(光線又は光束ともいう)を導光板11内部に入射させるための入光面であり、例えば、図3に示す断面形状11a1が焦点カーブF3に沿って延びる水平面として、基端部11aの下端に形成されている(図2参照)。
第1出射面11aは、図2、図3に示すように、第2出射面11b1の下端縁(図6で示す切断面S)を下方に引き延ばした形状であり、本実施形態では、図3に示す断面形状11a2が焦点カーブF3に沿って延びる鉛直面として、基端部11aの投影レンズ20側に形成されている(図2参照)。第1裏面11a3は、例えば、図3に示す断面形状11a3が焦点カーブF3に沿って延びる鉛直面として、基端部11aの投影レンズ20とは反対側に形成されている(図2参照)。第1出射面11a2と第1裏面11a3の間の基端部11aにより、助走区間が形成される。
図3、図5に示すように、第1出射面11a2の一部は、表側反射シート13で覆われており、第1裏面11a3は、裏側反射シート14で覆われている。
入射面11a1には、図1(c)等に示すように、複数の光源12が光軸を上に向け、発光面12aを導光板11の入射面11a1に面接触させた状態で入射面11a1に沿って配置されており、例えば、透明樹脂などで当該入射面11a1に固定されている。
光源12は、例えば、白色(又はRGB三色)の一つ(又は複数)のLEDチップをパッケージ化したLEDパッケージなどのLED光源(又は、入光面11a1に沿って湾曲させた冷陰極蛍光ランプ(CCFL)などの線状光源)である。
本実施形態では、max光度を得るため、図1(b)に示すように、投影レンズ20の光軸AXを含む鉛直断面上に、少なくとも一つの光源12が配置されている。また、拡散された配光パターンを形成するため、光軸AXから両側にシフトした位置にも光源12が配置されている。
複数のプリズム面11b3は、図7に示すように、第2裏面11b2に形成された複数のレンズカット面である。複数のプリズム面11b3は、入射面11a1から導光板11内部に入射して導光され、当該複数のプリズム面11b3に到達した光源12からの光線を、第1及び第2出射面11a2、11b1に対する入射角が臨界角内となるように当該第1及び第2出射面11a2、11b1に向けて反射し、当該第1及び第2出射面11a2、11b1上に輝度分布を形成する。
次に、プリズム面11b3の作用について説明する。
導光板本体11bに導光された各光源12からの光線は、図7に示すように、各プリズム面11b3と第2出射面11b1で全反射を繰り返す。この光線の第2出射面11b1に対する入射角は、各プリズム面11b3で全反射されるごとに小さくなる。このため、導光板本体11bに導光された各光源12からの光線は、やがて入射角が臨界角内に達し、その時点で第1及び第2出射面11a2、11b1から出射される。これにより、第1及び第2出射面11a2、11b1のほぼ全域にわたって、輝度分布(光束発散度分布)が形成される。
第1及び第2出射面11a2、11b1から出射される光線量は、プリズム面11b3のプリズム角α(頂角)が大きくなるにつれて増加する。このため、プリズム面11b3のプリズム角αを調整することで、第1及び第2出射面11a2、11b1のほぼ全域にわたってヘッドランプに適した輝度分布(光束発散度分布)を形成することが可能となる。例えば、反射面11cから離れるにつれ、プリズム角αを徐々に変化させることで、高輝度から低輝度に自然に変化する輝度分布を形成することが可能となる。また、プリズム面11b3のプリズム角αを調整することで、第1及び第2出射面11a2、11b1のほぼ全域にわたってヘッドランプ以外の例えばフォグランプに適した輝度分布(光束発散度分布)を形成することも可能となる。
次に、反射面11cの技術的意義について説明する。
反射面11cは、図3などに示すように、第2裏面11b2と第1裏面11a3の間に形成されている。
反射面11cは、例えば、第1焦点F1が光源12近傍(例えば、図8に示す光源12の虚像F0の中心近傍)に設定され、第2焦点F2が投影レンズ20の焦点カーブF3近傍に設定された楕円系反射面であり、max光度を得るため、図8に示すように、光源12の光軸を含む所定範囲に形成されている。反射面11cは、図8に示すように、入射面11a1から導光板11内部に入射して導光され、当該反射面11cに到達した光源12からの光線を、第1及び第2出射面11a2、11b1に対する入射角が臨界角内となるように投影レンズ20の焦点カーブF3近傍に向けて反射し、当該第1及び第2出射面11a2、11b1上に周囲の輝度よりも高い高輝度部分を形成する。
図9に示すように、光源12(発光面12a)から照射された光線は、入射面11a1で内側に屈折する。この屈折した光線は、図9に示す虚像F0から照射されたとみなせる。第1焦点F1は、この光源12の虚像F0の中心近傍に設定されている。このように、第1焦点F1を虚像F0の中心近傍に設定することで、第2焦点F2への集光性が上がり、F2付近の出射面がより高輝度になるため、高い最大光度が得られ、ヘッドランプに適した配光パターンを形成することが可能となる。なお、虚像F0の位置、大きさ及びピントの合い具合は入射面11a1の形状及び第2出射面11b1の大きさなどから決まる。発光面12aが平面の場合、比較的ぼやけた像となる。
図8に示すように、導光板11内部に入射して導光され、反射面11cに到達した光源12からの光線は、当該反射面11cで第1及び第2出射面11a2、11b1に向けて反射され、当該第1及び第2出射面11a2、11b1を透過し、投影レンズ20の焦点カーブF3近傍(第2焦点F2)に集光する。これにより、第1及び第2出射面11a2、11b1に周囲の輝度よりも高い高輝度部分が形成される。
例えば、図3、図8に示すように、第2焦点F2を投影レンズ20の焦点カーブF3に対してやや上側(例えば上側1mmの位置)に設定した場合には、第1及び第2出射面11a2、11b1の水平線に対応するラインLよりも上側約1°の部分に、周囲の輝度よりも高い高輝度部分が形成される。この高輝度部分を含む輝度分布(光束発散度分布)は、投影レンズ20によって反転、拡大投影される。これにより、水平線よりも下側部分(例えば下側約1°に対応する範囲)の光度が周囲の光度よりも高いすれ違いビームに適した配光パターンが形成される。
また、例えば、第2焦点F2を投影レンズ20の焦点カーブF3に設定した場合には、第1及び第2出射面11a2、11b1の水平線と鉛直線の交点に対応する部分に、周囲の輝度よりも高い高輝度部分が形成される。この高輝度部分を含む輝度分布(光束発散度分布)は、投影レンズ20によって反転、拡大投影される。これにより、水平線と鉛直線の交点近傍の光度が周囲の光度よりも高い走行ビームに適した配光パターンが形成される。なお、走行ビームに適した配光パターンを形成する場合、表側反射シート13を省略するのが好ましい。
表側反射シート13は、第1出射面11a2から外部に透過した光源12からの光線を反射し、再び導光板11に入射させるための反射シートであり、図3、図5に示すように、第1出射面11a2の水平線に対応するラインLよりも下側を覆っている。裏側反射シート14は、第1裏面11a3及び第2裏面11b2から外部に透過した光源12からの光線を反射し、再び導光板本体11bに入射させるための反射シートであり、第1裏面11a3及び第2裏面11b2を覆っている。
第1裏面11a3及び第2裏面11b2などから外部に透過した光源12からの光線は、各反射シート13、14によって再び導光板11内部に戻されるため、光利用効率を向上させることが可能となる。各反射シート13、14は、例えば、銀、アルミなどの金属蒸着シート、発砲樹脂シートなどの高反射率シートである。なお、各反射シート13、14は、各面11a3などに対して平行に配置するのが好ましい。
表側反射シート13は、図3、図5に示すように、第1及び第2出射面11b1、11a2から投影レンズ20に向けて照射される光線の一部を遮蔽し、カットオフラインを形成するシェードの役割を兼ねている。表側反射シート13にシェードの役割を持たせるため、当該表側反射シート13は、上端縁13a(中央にZ型の段差部が形成されている)が投影レンズ20の焦点カーブF3に沿うように湾曲した状態で配置されている。この表側反射シート13により、すれ違いビームに適した明瞭なカットオフラインを有する配光パターンを形成することが可能となる。
上記構成の車両用灯具100よれば、基端部11aから入射した各光源12からの光線は、図7、図8に示すように、基端部11aの助走区間(第1出射面11a2と第1裏面11a3の間の基端部11a)を通過することで輝度ムラが低減された後、導光板本体11bに導光される(又は、反射面11cに到達する)。
図7に示すように、導光板本体11bに導光された各光源12からの光線は、各プリズム11dと第2出射面11b1で全反射を繰り返す。この光線の第2出射面11b1に対する入射角は、各プリズム面11b3で全反射されるごとに小さくなる。このため、導光板本体11bに導入された各光源12からの光線は、やがて入射角が臨界角内に達し、その時点で第1及び第2出射面11a2、11b1から出射される。これにより、第1及び第2出射面11a2、11b1のほぼ全域にわたって、輝度分布(光束発散度分布)が形成される。
一方、図8に示すように、反射面11cに到達した各光源12からの光線は、当該反射面11cで第1及び第2出射面11a2、11b1に向けて反射され、当該第1及び第2出射面11a2、11b1を透過し、投影レンズ20の焦点カーブF3近傍(第2焦点F2)に集光する。これにより、第1及び第2出射面11a2、11b1に周囲の輝度よりも高い輝度部分が形成される。
以上のようにして、第1及び第2出射面11a2、11b1には、高輝度部分を含む輝度分布(光束発散度分布)が形成される。
なお、図7に示すように、基端部11aの第1出射面11a2、並びに、第1裏面11a3及び導光板本体11bの第2裏面11b2から外部に透過した光線は、裏側反射シート14(表側反射シート13)によって再び導光板11内部に戻され、第1及び第2出射面11a2、11b1から出射されるため、光利用効率を向上させることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の車両用灯具100によれば、導光板本体11bは、基端部11aに対し、投影レンズ20の焦点カーブF3近傍において投影レンズ20側に湾曲しており、第1裏面11a3と第2裏面11b2の間には楕円系反射面としての反射面11cが形成されている(図3参照)。このため、図8に示すように、入射面11a1から導光板11内部に入射して導光され、当該反射面11cに到達した光源12からの光線は、当該反射面11cによって第1出射面11a2及び第2出射面11b1(主に第1出射面11a2)に対する入射角が臨界角内となるように投影レンズ20の焦点カーブF3(第2焦点F2)近傍に向けて反射され、第1出射面11a2及び第2出射面11b1から出射する。これにより、第1出射面11a2及び第2出射面11b1上に周囲の輝度よりも高い高輝度部分を含む輝度分布(ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンに対応する高輝度部分を含む輝度分布)が形成される。この高輝度部分を含む輝度分布は投影レンズ20によって反転、拡大投影される。これにより、ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンを形成することが可能となる。
また、本実施形態の車両用灯具100によれば、図3などに示すように、導光板本体11bは、基端部11aに対し、投影レンズ20の焦点カーブF3近傍において投影レンズ20側に湾曲している。このため、導光板本体11bの光軸AX方向の寸法を短くすることが可能となる。このため、車両用灯具100の奥行き寸法を従来以上に短くすることが可能となる。
また、本実施形態の車両用灯具100によれば、第2出射面11b1の下端縁は、投影レンズ20の焦点カーブF3に沿った形状に形成されている。このため、導光板本体11b(例えば、第1出射面11a2と第2出射面11b1の間の折れ線L1)を投影レンズ20の焦点カーブF3に沿わせた状態(例えば、第1出射面11a2と第2出射面11b1の間の折れ線L1が焦点カーブF3よりもやや上となるように)で配置することが可能となる(図3等参照)。これにより、シェード(例えば表側反射シート13)を用いることなく、明瞭なカットオフラインを有する配光パターンを形成することが可能となる。
また、本実施形態の車両用灯具100によれば、ハーフドーム形状の導光板本体(第2出射面)が投影レンズ20を覆うこととなるため(図1(b)参照)、当該導光板本体11b(第2出射面11b1)を平板形状に形成する場合と比べ、投影レンズ20により多くの光線を入射させること(光利用効率の向上)が可能となる。
また、本実施形態の車両用灯具100によれば、投影レンズ20として、シリンドリカルレンズと比べて安価な非球面凸レンズを用いることができるため、車両用灯具100を安価に構成することが可能となる。
また、本実施形態の車両用灯具100によれば、導光板本体11は回転体(円筒Cベース)であるため、複数のプリズム面11b3の金型加工を容易に行うことが可能となる。すなわち、導光板本体11が平面の場合には、複数のプリズム面11bはリニア加工機を用い、バイトで金型を直線状に引掻いて加工する。一方、導光板本体11が自由曲面の場合には、5軸NC加工機を用い、工具を回転させて加工することとなる。このため、リニア加工機と比べ、どうしてもプリズム先端のRが大きく、効率が悪い。しかし、本実施形態では、導光板本体11は回転体(円筒Cベース)であるため、旋盤で金型を回転させ、バイトで引掻くことで、リニア加工機と同様にプリズム先端のRを小さくすることが可能となり、効率が良い。
上記実施形態では、投影レンズ20に入射する光線量が最大となるように傾斜させた円筒Cを平面Pで切断するとともに、円筒Cの切断面S(楕円の一部)が投影レンズ20の焦点カーブF3に近づくように(沿うように)円筒Cの半径を調整することで、導光板本体11bを形成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、投影レンズ20への入光効率を上げるため、投影レンズ10の開口径にあうように円筒Cの半径と傾きを決定してもよい。この場合、第1出射面11a2が焦点カーブF3から離れている部分のカットオフラインがピンボケとなり、グレア光が増える。この対策として、例えば、図10に示すように、表側反射シート13の形状を正面視において両端が上に反った形状とすることで、グレア光を防止し、水平なカットオフラインを形成することが可能となる。
次に、変形例1について説明する。
図11、第1実施形態で起こり得る問題点を指摘するための図である。図12は、変形例1について説明するための図である。
上記第1実施形態では、助走区間を構成する第1出射面11a2は、鉛直面であるように説明した(図3参照)。
しかし、図11に示すように、助走区間を構成する第1出射面11a2が鉛直面であると、助走区間の長さと反射面11c(楕円系反射面)の形状によっては、第1出射面11a2で反射した光源12からの光線が反射面11c(又は裏側反射シート14)で入射面11a1側に向けて反射されるため、光利用効率が低下する。
この問題を解決するため、本変形例1では、図12に示すように、第1出射面11a2は、当該第1出射面11a2に到達した光源12からの光線を、導光板本体11bの端部に向けて反射する反射面として形成されている。図12は、第1出射面11a2を、投影レンズ20側に傾いた斜面(すなわち、入射面11a1から離れるにつれて基端部11aが厚くなるように傾いた斜面)として形成した例である。この斜面は、曲面であってもよいし、平面であってもよい。
本変形例1によれば、第1出射面11a2に到達した光源12からの光線は、当該第1出射面11a2によって導光板本体11bの端部に向けて反射され、導光板本体11bに導光されるため、光利用効率を向上させることが可能となる。
なお、図12では、表側反射シート13を斜面としての第1出射面11a2に沿わせた状態で配置しているが、光源12からの光線の入射角は通常、臨界角よりも大きいため、第1出射面11a2で全反射する。このため、第1出射面11a2を表側反射シート13で覆わなくても、光源12からの光線が第1出射面11a2から外部へ透過することがない。
次に、変形例2について説明する。
図13は、第1実施形態又は変形例1で起こり得る問題点を指摘するための図である。図14、図24は、変形例2について説明するための図である。
図13に示すように、助走区間の形状によっては、助走区間を構成する第1裏面11a3の下部と第1出射面11a2で反射した光源12からの光線が反射面11c(又は反射シート14)で入射面11a1側に向けて反射されるため、光利用効率が低下する可能性がある。
この問題を解決するため、本変形例2では、図14、図24に示すように、第1出射面11a2と第2出射面11b1の間は、当該第1出射面11a2に到達した光源12からの光線を、導光板本体11bの端部に向けて反射する反射面(コーナR)として形成されている。このコーナRは、第2出射面11b1に近くなる程傾斜が大きくなるように傾いた曲面になっている。
本変形例2によれば、反射面(コーナR)に到達した第1裏面11a3の下部からの反射光は、当該反射面(コーナR)によって導光板本体11bの端部に向けて反射され、導光板本体11bに導光されるため、光利用効率を向上させることが可能となる。
次に、変形例3について説明する。
図15は、第1実施形態又は変形例1、2で起こり得る問題点を指摘するための図である。図16は、変形例3について説明するための図である。
図15に示すように、各プリズム面11b3で全反射されず、第2裏面11b2から外部に透過し、裏側反射シート14によって再び導光板11内部に戻される光線(例えば、光源12の発光面12aの中央ではなく端からの光線)が存在する。この光線は、裏側反射シート14で反射されるため、第1及び第2出射面11a2、11b1から下向きに出射され、投影レンズ20に入射しない。このため、光利用効率が低下する。
この問題を解決するため、本変形例3では、図16に示すように、反射シート14は、第2裏面11b2又は反射面11cから外部に透過した光源12からの光線を、再び導光板11に入射させ、第2出射面11b1を介して投影レンズ20に入射させるように反射する、外側に凸の傾斜した反射面14aを含んでいる。当該外側に凸の傾斜した反射面14aは、例えば、全反射光と透過光が混在する第2裏面11b2と反射面11cの境界近傍を覆っている。
本変形例3によれば、第2裏面11b2又は反射面11cから外部に透過した光源12からの光線は、外側に凸の傾斜した反射面14aによって、再び導光板11に入射し、第2出射面11b1を介して投影レンズ20に入射する。このため、光利用効率を向上させることが可能となる。
次に、変形例4について説明する。
図17は、変形例4について説明するための図である。
上記第1実施形態では、反射面11c(楕円系反射面)を、導光板本体11bの第2裏面11b2と基端部11aの第1裏面11a3の間に形成した例について説明した(図3参照)が、本発明はこれに限定されない。
例えば、図17に示すように、反射面11c(楕円系反射面)を、導光板本体11bの第2裏面11b2にまで形成することで、反射面11cの反射領域を広げてもよい。本変形例4によれば、光利用効率を向上させることが可能となる。
次に、変形例5について説明する。
図18は、変形例5について説明するための図である。
上記第1実施形態では、反射面11cは、楕円系反射面であるように説明した(図3参照)が、本発明はこれに限定されない。
例えば、図18に示すように、反射面11cは、第2裏面11b1と傾斜角度が同一の平面形状(又は曲面形状)の反射面であってもよい。この場合、反射面11cからの反射光が投影レンズ20の焦点カーブF3に向かうように、導光板本体11bを基端部11aに対し、投影レンズ20の焦点カーブF3近傍において投影レンズ20側に折り曲げることが好ましい。
本変形例5によれば、入射面11a1から導光板11内部に入射して導光され、反射面11c(第2裏面11b2と傾斜角度が同一の平面形状又は曲面形状の反射面)に到達した光源12からの光線は、当該反射面11cによって第1出射面11a2及び第2出射面11b1に対する入射角が臨界角内となるように投影レンズ20の焦点カーブF3近傍に向けて反射され、第1出射面11a2及び第2出射面11b1から出射する。これにより、第1出射面11a2及び第2出射面11b1上に周囲の輝度よりも高い高輝度部分を含む輝度分布(ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンに対応する高輝度部分を含む輝度分布)が形成される。この高輝度部分を含む輝度分布が投影レンズ20によって反転、拡大投影される。これにより、ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンを形成することが可能となる。
なお、図18では、光源12からの光線が導光板本体11bの第2裏面11b2の一部(反射面11c)で全反射しても、透過してもよい。なぜなら、導光板本体11bの第2裏面11b2の一部(反射面11c)にはプリズム面11b3が形成されていないため、裏側反射シート14の法線を第2裏面11b2と同じにできる。このため、第2裏面11b2を透過しても、裏側反射シート14で反射され、再び導光板11の中に戻った光線の向きは、導光板本体11bの第2裏面11b2の一部(反射面11c)で全反射された光線の向きと同じになるからである。
次に、変形例6について説明する。
図19は、変形例6について説明するための図である。
上記第1実施形態では、反射面11cは、楕円系反射面であるように説明した(図3参照)が、本発明はこれに限定されない。
例えば、図19に示すように、反射面11cには、光源12からの光線(及び反射シート14からの反射光)を、第1出射面11b1及び第2出射面11a2に対する入射角が臨界角内となるように投影レンズ20の焦点カーブF3近傍に向けて反射し、第1出射面11b1及び第2出射面11a2上に周囲の輝度よりも高い高輝度部分を形成するためのプリズム面11b4が形成されていてもよい。
本変形例6によれば、入射面11a1から導光板11内部に入射して導光され、反射面11c(プリズム面11b4)に到達した光源12からの光線は、当該プリズム面11b4によって第1出射面11a2及び第2出射面11b1に対する入射角が臨界角内となるように投影レンズ20の焦点カーブF3近傍に向けて反射され、第1出射面11a2及び第2出射面11b1から出射する。これにより、第1出射面11a2及び第2出射面11b1上に周囲の輝度よりも高い高輝度部分を含む輝度分布(ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンに対応する高輝度部分を含む輝度分布)が形成される。この高輝度部分を含む輝度分布が投影レンズ20によって反転、拡大投影される。これにより、ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンを形成することが可能となる。
次に、変形例7について説明する。
図20、図21は、変形例7について説明するための図である。
上記第1実施形態では、反射面11cは、楕円系反射面であるように説明した(図3参照)が、本発明はこれに限定されない。
例えば、図20に示すように、反射面11cは、第2裏面11b1と傾斜角度が異なる平面形状の反射面であってもよいし、又は、図21に示すように、曲面形状(所定曲率の曲面)の反射面であってもよい。反射面11cが図21に示す曲面形状の場合、光源12が導光板11の厚さに比べて大きく、平行光線に近い光源12からの光線を、投影レンズ20の焦点カーブF3近傍に向けて反射することが可能となる。
本変形例7によれば、入射面11a1から導光板11内部に入射して導光され、反射面11c(第2裏面11b2と傾斜角度が異なる平面形状又は曲面形状の反射面)に到達した光源12からの光線は、当該反射面11cによって第1出射面11a2及び第2出射面11b1に対する入射角が臨界角内となるように投影レンズ20の焦点カーブF3近傍に向けて反射され、第1出射面11a2及び第2出射面11b1から出射する。これにより、第1出射面11a2及び第2出射面11b1上に周囲の輝度よりも高い高輝度部分を含む輝度分布(ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンに対応する高輝度部分を含む輝度分布)が形成される。この高輝度部分を含む輝度分布が投影レンズ20によって反転、拡大投影される。これにより、ヘッドランプに要求される最大光度を含む配光パターンを形成することが可能となる。
次に、変形例8について説明する。
図22、図23は、変形例8について説明するための図である。
上記第1実施形態及び各変形例1〜6では、プリズム面11b3を、導光板本体11bの第2裏面11b2に形成した例について説明した(図4参照)が、本発明はこれに限定されない。
例えば、図22に示すように、プリズム面11b3を、導光板本体11bの第2出射面11b1に形成してもよいし、図23に示すように、導光板本体11bの第2裏面11b2及び第2出射面11b1の両面に形成してもよい。
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。