JP5205661B2 - ネガ型平版印刷版原版及びそれを用いる平版印刷方法 - Google Patents
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Description
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルム等の原画を通した露光を行った後、画像記録層の画像部となる部分を残存させ、それ以外の不要な画像記録層をアルカリ性現像液又は有機溶剤によって溶解して除去することで親水性の支持体の表面を露出させる方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
機上現像の具体的方法としては、例えば、湿し水、インキ溶剤又は湿し水とインキとの乳化物に溶解し又は分散することが可能な画像記録層を有する平版印刷版原版を用いる方法、印刷機のローラー類やブランケット胴との接触により、画像記録層の力学的除去を行う方法、湿し水、インキ溶剤等の浸透によって画像記録層の凝集力又は画像記録層と支持体との接着力を弱めた後、ローラー類やブランケット胴との接触により、画像記録層の力学的除去を行う方法が挙げられる。
なお、本発明においては、特別な説明がない限り、「現像処理工程」とは、印刷機以外の装置(通常は自動現像機)を使用し、液体(通常はアルカリ性現像液)を接触させることにより、画像記録層のレーザー未露光部分を除去し、親水性支持体表面を露出させる工程を指し、「機上現像」とは、印刷機を用いて、液体(通常は印刷インキ及び/又は湿し水)を接触させることにより、画像記録層のレーザー未露光部分を除去し、親水性支持体表面を露出させる方法及び工程を指す。
上述したように、近年、製版作業の簡素化、乾式化及び無処理化は、地球環境への配慮とデジタル化への適合化との両面から、従来にも増して、強く望まれるようになってきている。
また、機上現像可能な平版印刷版原版としては、例えば、特許文献1には、親水性結合剤中に疎水性熱可塑性重合体粒子を分散させた像形成層を親水性支持体上に設けた平版印刷版原版が記載されている。この特許文献1には、上記平版印刷版原版を赤外線レーザーにより露光して、疎水性熱可塑性重合体粒子を熱により合体させて画像を形成させた後、印刷機のシリンダー上に取り付け、湿し水及び/又はインキにより機上現像することが可能である旨記載されている。
ここで機上現像性は例えば、機上現像開始時に非画像部にインキが転写しない状態にあるまでに要する印刷用紙、いわゆる損紙の枚数で評価することができる。
また、特許文献4には、支持体上に、赤外線吸収剤とラジカル重合開始剤と重合性化合物とを含有する画像記録層(感光層)を設けた平版印刷版原版が記載されている。
このような重合反応を用いる方法は、重合体微粒子の熱融着により形成される画像部に比べ、画像部の化学結合密度が高いため画像強度が比較的良好であるという特徴を有するが、実用的な観点から見ると、機上現像性、細線再現性及び耐刷性のいずれも未だ不十分であり、特にUVインキを使用すると耐刷性が極めて不十分であった。
しかし、この技術を用いることで、機上現像性は良好となるが、細線再現性(細線に挟まれた非画像部分の再現性、具体的には一定の幅の細線画像が同じ幅の非画像部を挟んで交互に設けられた画像チャートにおいて、印刷物の細線画像間の非画像部が汚れにより途切れていない性能を言う。以降、非画像部細線再現性と言う。)は未だ不十分である。
特にUVインキを使用した場合には、標準的に使用される印刷インキ(プロセスインキなど)よりも、非画像部細線再現性がさらに劣化する。
これとは別に、一般的に機上現像された光重合層成分が水着けローラやインキローラ上でカスとなり印刷機のメンテナンス性や印刷品質を低下させる問題もある。
これらの改良方法として、スルホンアミド基および親水性基を高分子化合物中に導入することが考えられるが、耐刷性が未だ不十分である。
従って本発明は、以下に向けられている。
(1)親水性支持体上に、マレイミド由来の環状構造、親水性基および側鎖にエチレン性不飽和結合を有する高分子化合物を含有する光重合層を有することを特徴とするネガ型平版印刷版原版。
(2)該マレイミド由来の環状構造が、下記一般式(I)で示される構造であることを特徴とする上記のネガ型平版印刷版原版。
(3)該前記一般式(I)のR1が置換基を有してもよいアリール基であることを特徴とする上記のネガ型平版印刷版原版。
(5)該前記エチレン性不飽和結合が下記一般式(1)、(2)又は(3)で示されることを特徴とする上記のネガ型平版印刷版原版。
(6)マレイミド由来の環状構造、親水性基及び側鎖にエチレン性不飽和結合を有する高分子化合物がバインダーであることを特徴とする上記のネガ型平版印刷版原版。
(7)該光重合層が、赤外線吸収剤、重合開始剤及び重合性モノマーを含有することを特徴する上記のネガ型平版印刷版原版。
(8)該光重合層が、マイクロカプセル又はミクロゲルを含有することを特徴する上記のネガ型平版印刷版原版。
(10)親水性支持体と該光重合層の間に、親水性支持体吸着性基および付加重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物を含有する下塗り層を有することを特徴とする上記のネガ型平版印刷版原版。
(11)該光重合層の非画像部が印刷インキ及び/又は湿し水により除去されることを特徴とする上記のネガ型平版印刷版原版。
(12)該印刷インキがUVインキであることを特徴とする請求項11に記載のネガ型平版印刷版原版。
(13)上記のネガ型平版印刷版原版を、印刷機に装着し、レーザーで画像様に露光した後、又は、レーザーで画像様に露光した後、印刷機に装着し、該ネガ型平版印刷版原版に油性インキと水性成分とを供給して、光重合層の未露光部分を除去し、印刷する平版印刷方法。
(14)該印刷インキがUVインキであることを特徴とする上記の記載の平版印刷方法。
また、マレイミド由来の環状構造を有することで、除去された成分が水成分に分散されやすくカスとして存在し難くなると推定される。さらに親水性基が存在することで、これらの性質が加速され、エチレン性不飽和基を持つことで、耐刷性が良好になり、さらに側鎖の柔軟性が増すことにより、現像性が良化する。
さらに本発明のネガ型平版印刷版原版は、UVインキを使用した印刷を行った場合においても良好な印刷物が多数枚得られる。
本発明のネガ型平版印刷版原版によれば、機上現像を採用した平版印刷方法を実施することができる。
本発明のネガ型平版印刷版原版は親水性支持体上にレーザー感受性の光重合層を有することを前提とする。以下、光重合層及びその他の構成要素について詳細に説明する。
<光重合層>
〔マレイミド由来の環状構造、親水性基及び側鎖にエチレン性不飽和結合を有する高分子化合物〕
光重合層は、バインダーポリマーとして、マレイミド由来の環状構造、親水性基及び側鎖にエチレン性不飽和結合を有する高分子化合物(以下、適宜、特定高分子化合物と称する。)を必須成分として含有する。
これらは、画像形成層のバインダーとして機能させることが好ましい。すなわち、光重合層において、連続した層を形成するために使用される。これらの高分子化合物は線状構造を有しているものが非画像部細線再現性の観点より好ましい。架橋構造を有するものは現像性、細線再現性、カス付着抑止の観点より好ましくない。
好適に用いられる1価の有機基としては、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数6〜14のアリール基が好ましく、耐薬品性を向上する観点からアリール基であることがより好ましく、フェニル基が特に好ましい。
有機基に導入可能な置換基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホンアミド基、活性イミド基等のアルカリ可溶性を示す酸基、アミド基、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アシル基等の水素結合可能な水素原子又はヘテロ原子を有する極性置換基、アルキル基、アリール基等の炭化水素基、及び窒素、酸素、硫黄等の原子を環内に有するヘテロ環基が挙げられる。アリール基への置換基としてはヒドロキシル基又はスルホンアミド基が好ましい。
、機上現像性、細線再現性(特に重合性モノマーを含有するUVインキを用いた場合の、細線に挟まれた非画像部の汚れ)および現像カス分散性の観点から、特定高分子化合物中に、10〜80mol%含有されていることが好ましく、より好ましくは30〜70mol%の範囲である。
このような親水性基としては、たとえば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、アルキレンオキサイド構造、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシエチル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホン酸基、リン酸基等などがあり、好ましいのはアミド基、ヒドロキシル基、ポリオキシエチル基、アルキレンオキサイド構造などが挙げられ、下記一般式(II)で表されるアルキレンオキサイド構造が最も好ましい。特定高分子化合物は該アルキレンオキサイド構造を側鎖に有していることが好ましい。
該アルキレンオキサイド構造は、イオン性基を含まず適当な親水性を有するため、機上現像性と画像部の耐久性のバランスに優れ、また直鎖構造による柔軟性も有するので現像カスを微細化し分散無害化する効果にも優れている。
これらの中で、一般式(1)で表わされるメタクリロイルオキシ基が好ましい。
ネガ型平版印刷版原版には、上記特定高分子化合物に加えて、従来公知のバインダーポリマーを制限なく使用できるが、なかでも皮膜性を有する線状有機ポリマーが好ましい。このようなバインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はアミドのポリマーであって、エステル又はアミドの残基(−COOR又はCONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−CR1=CR2R3、−(CH2)nCR1=CR2R3、−(CH2O)nCH2CR1=CR2R3、−(CH2CH2O)nCH2CR1=CR2R3、−(CH2)nNH−CO−O−CH2CR1=CR2R3、−(CH2)n−O−CO−CR1=CR2R3及び(CH2CH2O)2−X(式中、R1〜R3はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表し、R1とR2又はR3とは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表す。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。
アミド残基の具体例としては、−CH=CH2、−C(CH3)=CH2、−CH2CH=CH2、−CH2CH2−Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CH2CH2−OCO−CH=CH2が挙げられる。
バインダーポリマーは、湿し水に対する溶解性又は分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親水的な方が好ましいが、着肉性とのバランスにより、本発明においては、親油的なバインダーポリマーと親水的なバインダーポリマーを併用することも有効である。
バインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等の公知の化合物を用いることができる。
本発明の平版印刷版原版を、例えば760〜1200nmの赤外線を発するレーザー光源により画像形成する場合には、赤外線吸収剤を光重合層中に含有させることが好ましい。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有している。この際発生した熱により、後述する重合開始剤(ラジカル発生剤)が熱分解し、ラジカルを発生する。本発明において使用される赤外線吸収剤としては、波長760〜1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号等の公報に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等の公報に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等の公報に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許第434,875号明細書記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、本発明の赤外線吸収色素の好ましい他の例としては、以下に例示するような特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
Xa -は後述するZa -と同様に定義され、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
また、特に好ましい他の例としてさらに、前記した特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
光重合層の吸光度は、光重合層に添加する赤外線吸収剤の量と光重合層の厚みにより調整することができる。吸光度の測定は常法により行うことができる。測定方法としては、例えば、アルミニウム等の反射性の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの光重合層を形成し、反射濃度を光学濃度計で測定する方法、積分球を用いた反射法により分光光度計で測定する方法等が挙げられる。
光重合層には重合開始剤を用いることができる。用いられる重合開始剤は、光、熱あるいはその両方のエネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物であり、使用する光源の波長により、特許、文献等で公知である種々の重合開始剤、又は2種以上の重合開始剤の併用系(重合開始系)を適宜選択して使用することができる。
Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号の各公報、M.P.Hutt”Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」筆に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物:S−トリアジン化合物が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化コハク酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
上記オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979 )1653-1660)、J.C.S.Perkin II (1979)156-162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202-232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報記載の化合物、具体的には下記の構造式で示される化合物が挙げられる。
本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(RI−I)〜(RI−IVで表されるオニウム塩である。
以下に、本発明において重合開始剤として好適に用いられるオニウム塩の例を挙げるが、本発明はこれら制限されるものではない。
本発明の光重合層には、効率的な硬化反応を行うため重合性モノマーを含有させることが好ましい。本発明に用いることができる重合性モノマーは、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、及び単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらにハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
(ただし、R4及びR5は、H又はCH3を示す。)
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。また、光重合層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板や後述の保護層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
重合性モノマーは、光重合層中において、バインダーポリマーと該重合性モノマーとの質量比(バインダーポリマー/重合性モノマー)が、4/1〜1/3となる量で用いるのが好ましく、3/1〜1/3となる量がより好ましく、3/2〜1/3となる量が最も好ましい。ここでバインダーポリマーは、上述の特定高分子高分子単独であるか、あるいは該特定高分子高分子に加えて他のバインダーポリマーを用いるときには、該特定高分子高分子と他のバインダーポリマーとの合計となる。
本発明においては、上記の光重合層構成成分及び後述のその他の成分を光重合層に含有させる方法として、いくつかの態様を用いることができる。一つは、例えば、特開2002−287334号公報に記載のごとく、該構成成分を適当な溶媒に溶解して塗布する分子分散型光重合層である。他の一つの態様は、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の全て又は一部をマイクロカプセルに内包させて光重合層に含有させるマイクロカプセル型光重合層である。さらに、マイクロカプセル型光重合層において、該構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させることもできる。ここで、マイクロカプセル型光重合層は、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性構成成分をマイクロカプセル外に含有することが好ましい態様である。さらに他の態様として、光重合層に架橋樹脂粒子、すなわちミクロゲルを含有する態様が挙げられる。該ミクロゲルは、その中及び/又は表面に該構成成分の一部を含有することが出来る。特に重合性モノマーをその表面に有することによって反応性ミクロゲルとした態様が、画像形成感度や耐刷性の観点から特に好ましい。
光重合層が機上現像可能な光重合層であるためには、マイクロカプセル又はミクロゲルを含有することが好ましい。
例えばマイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457号明細書、同第2800458号明細書にみられるコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号明細書、特公昭38−19574号公報、同42−446号公報にみられる界面重合法による方法、米国特許第3418250号明細書、同第3660304号明細書にみられるポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書に見られるイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に見られるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号明細書、同第4087376号明細書、同第4089802号明細書にみられる尿素−ホルムアルデヒド系又は尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号公報、同51−9079号公報にみられるモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号明細書、米国特許第3111407号明細書にみられるスプレードライング法、英国特許第952807号明細書、同第967074号明細書にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
上記界面重合を利用する方法としては、上述した公知のマイクロカプセル製造方法を応用することができる。
本発明において、光重合層には、塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、光重合層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜7質量%であるのがより好ましい。
本発明では、さらに必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、及び特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
本発明の光重合層には、焼き出し画像生成のため、酸又はラジカルによって変色する化合物を添加することができる。このような化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
本発明の光重合層には、光重合層の製造中又は保存中において(C)ラジカル重合性モノマーの不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、光重合層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
光重合層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で光重合層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、光重合層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
光重合層は、機上現像性を向上させるために、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。
可塑剤の含有量は、光重合層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
本発明の光重合層は、画像部の硬化皮膜強度向上及び非画像部の機上現像性向上のために、無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウム又はこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは光熱変換性でなくても、皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。
無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲であると、光重合層中に安定に分散して、光重合層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。
上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
無機微粒子の含有量は、光重合層の全固形分に対して、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
本発明の光重合層は、機上現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有してもよい。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類及びそのエーテル又はエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類及びその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類及びその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類及びその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類及びその塩、イソシアヌル酸誘導体類等が挙げられる。このなかでも、イソシアヌル酸誘導体類が耐刷性の劣化なく機上現像性を向上させることができ、好ましく用いられる。
本発明の光重合層は、上記感光性組成物の必要な成分を溶剤に分散、又は溶かして塗布液を調製し、支持体上に塗布、乾燥して形成される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独又は混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
本発明の光重合層は、同一又は異なる上記各成分を同一又は異なる溶剤に分散又は溶解した塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状物であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム及びアルミニウム板が挙げられる。なかでも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流又は直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2であるのが好ましく、1.5〜4.0g/m2であるのがより好ましい。この範囲で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
また、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であるのが好ましい。この範囲で、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
支持体に表面処理を施した後又は下塗り層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。なかでも、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(OC3H7)4、Si(OC4H9)4等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
本発明において、平版印刷版原版は、必要に応じて、光重合層と支持体との間に下塗り層を設けることができる。下塗り層は、未露光部において、光重合層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、現像性が向上する利点がある。また、赤外線レーザー露光の場合は、下塗り層が断熱層として機能することにより、露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率よく利用されるようになるため、高感度化が図れるという利点がある。
本発明において、特にUVインキを使用した場合においては、細線再現性を向上させる目的で、親水性支持体表面への吸着性基および付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物を下塗り層に含ませることが好ましい。
下塗り層用化合物(下塗り化合物)としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物等が好適に挙げられる。
最も好ましい下塗り化合物としては、吸着性基を有するモノマー、親水性基を有するモノマー、及び架橋性基を有するモノマーを共重合した高分子樹脂が挙げられる。
試験化合物を易溶性の溶媒に溶解させた塗布夜を作製し、その塗布夜を乾燥後の塗布量が30mg/m2となるように支持体上に塗布・乾燥させる。次に試験化合物を塗布した支持体を、易溶性溶媒を用いて十分に洗浄した後、洗浄除去されなかった試験化合物の残存量を測定して支持体吸着量を算出する。ここで残存量の測定は、残存化合物量を直接定量してもよいし、洗浄液中に溶解した試験化合物量を定量して算出してもよい。化合物の定量は、例えば蛍光X線測定、反射分光吸光度測定、液体クロマトグラフィー測定などで実施できる。支持体吸着性がある化合物は、上記のような洗浄処理を行っても1mg/m2以上残存する化合物である。
酸基は、酸解離定数(pKa)が7以下であることが好ましい。酸基の例は、フェノール性ヒドロキシル基、カルボキシル基、−SO3H、−OSO3H、−PO3H2、−OPO3H2、−CONHSO2−、−SO2NHSO2−及びCOCH2COCH3を含む。なかでもOPO3H2及びPO3H2が特に好ましい。またこれら酸基は、金属塩であっても構わない。
カチオン性基は、オニウム基であることが好ましい。オニウム基の例は、アンモニウム基、ホスホニウム基、アルソニウム基、スチボニウム基、オキソニウム基、スルホニウム基、セレノニウム基、スタンノニウム基、ヨードニウム基を含む。アンモニウム基、ホスホニウム基及びスルホニウム基が好ましく、アンモニウム基及びホスホニウム基がさらに好ましく、アンモニウム基が最も好ましい。
が1乃至3のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子又はメチル基であること
が最も好ましい。R2及びR3は、水素原子であることが特に好ましい。Zは、親水性支持体表面に吸着する官能基である。
式(iii)において、Xは、酸素原子(−O−)又はイミノ(−NH−)である。Xは、酸素原子であることがさらに好ましい。式(iii)において、Lは、2価の連結基である。Lは、2価の脂肪族基(アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基)、2価の芳香族基(アリレン基、置換アリレン基)又は2価の複素環基であるか、あるいはそれらと、酸素原子(−O−)、硫黄原子(―S―)、イミノ(−NH−)、置換イミノ(−NR−、Rは脂肪族基、芳香族基又は複素環基)又はカルボニル(−CO−)との組み合わせであることが好ましい。
脂肪族基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は、1乃至20が好ましく、1乃至15がさらに好ましく、1乃至10が最も好ましい。脂肪族基は、不飽和脂肪族基よりも飽和脂肪族基の方が好ましい。脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、芳香族基及び複素環基を含む。
芳香族基の炭素原子数は、6乃至20が好ましく、6乃至15がさらに好ましく、6乃至10が最も好ましい。芳香族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を含む。
複素環基は、複素環として5員環又は6員環を有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環又は芳香族環が縮合していてもよい。複素環基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R、Rは脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を含む。
Lは、複数のポリオキシアルキレン構造を含む二価の連結基であることが好ましい。ポリオキシアルキレン構造は、ポリオキシエチレン構造であることがさらに好ましい。言い換えると、Lは、−(OCH2CH2)n−(nは2以上の整数)を含むことが好ましい。
式(iv)において、Yは炭素原子又は窒素原子である。Y=窒素原子でY上にLが連結し四級ピリジニウム基になった場合、それ自体が吸着性を示すことからZは必須ではなく、Zが水素原子でもよい。Lは式(iii)の場合と同じ2価の連結基又は単結合を表す。
以下に、式(iii)又は(iv)で表される代表的な化合物の例を示す。
エステル残基の具体例としては、−CH=CH2、−C(CH3)=CH2、−CH2CH=CH2(特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CH2CH2O−CH2CH=CH2、−CH2C(CH3)=CH2、−CH2CH=CH−C6H5、−CH2CH2OCOCH=CH−C6H5、−CH2CH2NHCOO−CH2CH=CH2、及びCH2CH2O−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CH=CH2、−C(CH3)=CH2、−CH2CH=CH2、−CH2CH2O−Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CH2CH2OCO−CH=CH2が挙げられる。
下塗り層用高分子樹脂の架橋性基を有するモノマーとしては、上記架橋性基を有するアクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はアミドが好適である。
下塗り層用の高分子樹脂は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。
下塗り層塗布液を支持体に塗布する方法としては、公知の種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
下塗り層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2であるのが好ましく、1〜30mg/m2であるのがより好ましい。
本発明の平版印刷版原版には、酸素遮断性付与、光重合層での傷等の発生防止、高照度レーザー露光時に生じるアブレーション防止等のために、必要に応じて光重合層の上に保護層(オーバーコート層)を設けることができる。
通常、平版印刷版の露光処理は大気中で実施する。露光処理によって生じる光重合層中での画像形成反応は、大気中に存在する酸素、塩基性物質等の低分子化合物によって阻害され得る。保護層は、この酸素、塩基性物質等の低分子化合物が光重合層へ混入することを防止し、結果として大気中での画像形成阻害反応を抑制する。従って、保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性を低くすることであり、さらに、露光に用いられる光の透過性が良好で、光重合層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像処理工程で容易に除去することができるものである。このような特性を有する保護層については、例えば、米国特許第3,458,311号明細書及び特公昭55−49729号公報に記載されている。
A(B,C)2−5D4O10(OH,F,O)2
〔ただし、AはLi,K,Na,Ca,Mg,有機カチオンの何れか、B及びCはFe(II),Fe(III),Mn,Al,Mg,Vの何れかであり、DはSi又はAlである。〕で表される天然雲母、合成雲母等の雲母群、式3MgO・4SiO・H2Oで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、リン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
上記天然雲母としては白雲母、ソーダ雲母、金雲母、黒雲母及び鱗雲母が挙げられる。また、合成雲母としては、フッ素金雲母KMg3(AlSi3O10)F2、カリ四ケイ素雲母KMg2.5Si4O10)F2等の非膨潤性雲母、及びNaテトラシリリックマイカNaMg2.5(Si4O10)F2、Na又はLiテニオライト(Na,Li)Mg2Li(Si4O10)F2、モンモリロナイト系のNa又はLiヘクトライト(Na,Li)1/8Mg2/5Li1/8(Si4O10)F2等の膨潤性雲母等が挙げられる。また合成スメクタイトも有用である。
層状化合物の粒子径は、その平均径が1〜20μm、好ましくは1〜10μm、特に好ましくは2〜5μmである。粒子径が1μmよりも小さいと酸素や水分の透過の抑制が不十分であり、効果を十分に発揮できない。また20μmよりも大きいと塗布液中での分散安定性が不十分であり、安定的な塗布を行うことができない問題が生じる。また、該粒子の平均の厚さは、0.1μm以下、好ましくは、0.05μm以下、特に好ましくは、0.01μm以下である。例えば、無機質の層状化合物のうち、代表的化合物である膨潤性合成雲母のサイズは厚さが1〜50nm、面サイズが1〜20μmである。
保護層中の無機質層状化合物の含有量は、保護層に使用されるバインダーの量に対し、質量比で5/1〜1/100であることが好ましい。より好ましくは2/1〜1/5である。複数種の無機質の層状化合物を併用した場合でも、これら無機質の層状化合物の合計量が上記の質量比であることが好ましい。
ここで、R1〜R4がアルキル基、アルコキシ基又はアルキルチオ基であるときの炭素数は通常1〜20、アルケニル基又はアルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、シクロアルキル基であるときの炭素数は通常3〜8であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が、アリールオキシ基としてはフェノキシ基、ナフチルオキシ基等が、アリールチオ基としてはフェニルチオ基等が、複素環基としてはフリル基、チエニル基等が、それぞれ挙げられる。また、これらの有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、スルフィノ基、スルホ基、ホスフィノ基、ホスホリル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基及びハロゲン原子等が挙げられる。なお、これらの置換基はさらに置換基を有していてもよい。
X-の表すアニオンとしては、Cl-、Br-、I-などのハロゲン化物イオン、ClO4 -、PF6 -、SO4 -2などの無機酸アニオン、有機カルボン酸アニオン、有機スルホン酸アニオンが挙げられる。有機カルボン酸アニオン、有機スルホン酸アニオンの有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等が挙げられる。これらの中で、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -等が好ましい。本発明において好適なホスホニウム化合物の具体例を以下に示す。
保護層の塗布量としては、乾燥後の塗布量で、0.01〜10g/m2の範囲であることが好ましく、0.02〜3g/m2の範囲がより好ましく、最も好ましくは0.02〜1g/m2の範囲である。
本発明の平版印刷版原版を露光する光源としては、公知のものを用いることができる。具体的には各種レーザーを光源として用いることが好適である。本発明の平版印刷方法においては、平版印刷版原版を赤外線レーザーで画像様に露光する。用いられる赤外線レーザーは、特に限定されないが、波長760〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーが好適なものとして挙げられる。
露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等のいずれでもよい。赤外線レーザーの出力は、100mW以上であるのが好ましい。また、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザーデバイスを用いるのが好ましい。1画素あたりの露光時間は、20μs以内であるのが好ましい。また、照射エネルギー量は、10〜300mJ/cm2であるのが好ましい。
具体的には、平版印刷版原版を赤外線レーザーで露光した後、現像処理工程を経ることなく印刷機に装着して印刷する方法、平版印刷版原版を印刷機に装着した後、印刷機上において赤外線レーザーで露光し、印刷する方法等が挙げられる。
ここで、最初に版面に供給されるのは、水性成分でもよく、油性インキでもよいが、本発明の機上現像型の平版印刷版原版では、機上現像を速やかに行うために水性成分を最初に供給するのが好ましい。水性成分及び油性インキとしては、通常の平版印刷用の、湿し水と印刷インキが用いられる。
このようにして、平版印刷版原版はオフセット印刷機上で機上現像され、そのまま多数枚の印刷に用いられる。
〔実施例1〜5及び比較例1〜3〕
1.平版印刷版原版の作成
(1)支持体の作製
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミ表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温は50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
−下塗り液(1)−
・下塗り化合物(1)(質量平均分子量:60,000) 0.051g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
上記下塗り層形成済みの支持体上に、下記表1の組成(単位:グラム)の成分を溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテル/メチルエチルケトン/メチルアルコール/水=55/20/15/10(質量比))12.00gに溶かした溶液(光重合層塗布液)を、乾燥塗布量が1.2g/m2になるようワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で40秒間オーブン乾燥し光重合層を形成した。
引き続き、下記組成の保護層塗布液を前記光重合層上にバー塗布し、125℃、75秒間オーブン乾燥し、乾燥塗布量0.18g/m2の保護層を形成することで実施例1〜5の平版印刷版原版及び比較例1〜3の平版印刷版原版を得た。
なお、光重合層塗布液は、表1記載の感光液と下記ミクロゲル液(1)を塗布直前に混合し、攪拌することにより得た。使用した例示化合物の符号は、前述した本発明で使用する特定高分子化合物の具体例に付けた符号に該当する。
なお、比較例においては、本発明の特定高分子化合物に代えて、ポリメチルメタクリレート(Mw5万)、下記構造の比較特定高分子(R−1)(Mw7万)又は比較特定高分子(R−2)(Mw10万)を用いた。
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N、75質量%酢酸エチル溶液)8.4g、タケネートD−110NとユニオックスM−4000(日本油脂製)の重量比1:1の付加体(50質量%酢酸エチル溶液)3.15g、重合性モノマーとしてSR399E(サートマー社製)6.30g、パイオニンA−41−C(竹本油脂(株)製)0.19gを酢酸エチル16.39gに溶解した。この油相成分と蒸留水39.4gを混合し、ホモジナイザーを用いて12,000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水24gに添加し、40℃で4時間攪拌した。このようにして得られたミクロゲル分散液の固形分濃度を、21質量%になるように蒸留水を用いて希釈し、ミクロゲル分散液(1)を得た。平均粒径は0.23μmであった。
・下記無機層状化合物分散液(1) 1.50g
・ポリビニルアルコール 0.01g
(PVA405、クラレ製、ケン化度81.5mol%)
・ポリビニルアルコール 0.03g
(CKS-50、日本合成化学工業製、ケン化度99mol%、アニオン変性)
・界面活性剤 0.01g
(エマレックス710、日本エマルジョン社製)
・シリカフィラー 0.05g
(MP−1040、日産化学工業社製)
・水 3.51g
イオン交換水193.6gに合成雲母ソマシフME−100(コープケミカル(株)製)6.4gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた層状化合物分散粒子のアスペクト比は100以上であった。
1.平版印刷版原版の作製
実施例1〜5で用いられたのと同様のアルミニウム基板それぞれに、下記表2の組成(単位:グラム)の成分を溶媒(n−プロパノール/水/2−ブタノン=76/20/4(質量比))500gに溶かした溶液(光重合層塗布液)を、乾燥塗布量が1.5g/m2になるようワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で90秒間乾燥した。
※2:ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート/スチレン/アクリロ二トリル=10/20/70共重合体の21質量%のn−プロパノール/水=80/20混合溶媒分散液
※3:トリメチロールプロパンテトラアクリレート(サートマー社製)
※4:2質量%水溶液
※5:プロピレンカーボネート中のヨードニウム(4−メトキシフェニル[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヘキサフルオロリン酸)の75質量%溶液(チバスペシャルティケミカルズ社製)
※6:PCAS社(仏)から入手可能なメルカプト−3−トリアゾール−1H,2,4
※7:キシレン/メトキシプロピル酢酸溶液中の変性ジメチルポリシロキサンコポリマーの25質量%溶液(BYKケミー社製)
上記実施例及び比較例で得られた各平版印刷版原版を水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。露光画像には細線チャートを含むようにした。
一般に、ネガ型平版印刷版原版の場合、露光量が少ないと感光層(本発明では光重合層)の硬化度が低くなり、露光量が多いと硬化度が高くなる。光重合層の硬化度が低すぎる場合には、平版印刷版の耐刷性が低くなり、また、小点や細線の再現性が不良となる。一方、光重合層の硬化度が高い場合には、耐刷性が高くなり、また、小点や細線の再現性が良好となる。
本実施例では、以下に示すように、上記で得られたネガ型平版印刷版原版を、上述した同一の露光量条件で耐刷性及び細線再現性を評価することにより、平版印刷版原版の感度の指標とした。すなわち、耐刷性における印刷枚数が高いほど、また、細線再現性における細線幅が細いほど、平版印刷版原版の感度が高いと言える。
印刷インキとして(i)通常インキ(TRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製))、又は(ii)UVインキ(ベストキュアーUV−BF−WRO標準墨インキ(T&K TOKA社製))を用いて、機上現像を以下のように行った。
得られた露光済み原版を現像処理することなく、三菱重工業社製ダイヤIF−2印刷機のシリンダーに取り付け、湿し水(EU−3(富士フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))と上記印刷インキを供給した後、毎時6,000枚の印刷速度で印刷を行った。この時、光重合層の未露光部(非画像部)に、インキが転写しない状態になるまでに要した印刷用紙の枚数(機上現像性)を評価した。枚数が少ないほど、機上現像性に優れると評価する。評価結果を表3に示す。
(2)細線再現性
上述したように、100枚印刷して非画像部にインキ汚れがない印刷物が得られたことを確認した後、続けて500枚の印刷を行った。合計600枚目の印刷物の細線チャート(10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、60、80、100及び200μmの細線画像部と非画像部が同じ幅で交互に存在するチャート)を25倍のルーペで観察し、途切れることなく再現された細線幅により、細線再現性を評価した。評価結果を表3に示す。
(3)機上現像カス
上述したように、細線再現性の評価において印刷を行った後、同時に水着けローラ上の除去カスの付着状況を評価した。指標は以下の通りである。
○:水着けローラ上にカスは見られない
△:かすかに水着けローラ上にカスが見られる
×:水着けローラ上にカスが多く見られる
(i)通常インキを使用した印刷
機上現像カスの評価を行った後、さらに印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に光重合層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。評価結果を表3に示す。
(ii)UVインキを使用した印刷
機上現像カスの評価を行った後、さらに印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に光重合層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。評価結果を表3に示す。
Claims (13)
- 親水性支持体上に光重合層を有することを特徴とするネガ型平版印刷版原版であって、該光重合層が、マレイミド由来の環状構造、親水性基及び側鎖にエチレン性不飽和結合を有する高分子化合物を含むバインダーポリマーと重合性モノマーとを含有し、前記バインダーポリマーと前記重合性モノマーとの質量比が、3/2〜1/3であるネガ型平版印刷版原版。
- 前記一般式(I)のR1が置換基を有してもよいアリール基であることを特徴とする請求項2記載のネガ型平版印刷版原版。
- マレイミド由来の環状構造、親水性基及び側鎖にエチレン性不飽和結合を有する高分子化合物がバインダーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のネガ型平版印刷版原版。
- 該光重合層が、更に赤外線吸収剤及び重合開始剤を含有することを特徴する請求項1〜6のいずれか一項に記載のネガ型平版印刷版原版。
- 該光重合層が、マイクロカプセル又はミクロゲルを含有することを特徴する請求項1〜7のいずれか1項に記載のネガ型平版印刷版原版。
- 親水性支持体と該光重合層の間に、親水性支持体吸着性基および付加重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物を含有する下塗り層を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のネガ型平版印刷版原版。
- 該光重合層の非画像部が印刷インキ及び/又は湿し水により除去されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のネガ型平版印刷版原版。
- 該印刷インキがUVインキであることを特徴とする請求項10に記載のネガ型平版印刷版原版。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載のネガ型平版印刷版原版を、印刷機に装着し、レーザーで画像様に露光した後、又は、レーザーで画像様に露光した後、印刷機に装着し、該ネガ型平版印刷版原版に油性インキと水性成分とを供給して、光重合層の未露光部分を除去し、印刷する平版印刷方法。
- 該印刷インキがUVインキであることを特徴とする請求項12に記載の平版印刷方法。
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