JP5204343B1 - テストシステム及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】タッチパネルに対する操作の認識に関するテストを実行可能なテストシステム等を提供する。
【解決手段】スマートフォンは、タッチパネルに対する操作における指の接触領域を特定可能な接触領域情報とタッチパネルに表示された画面の情報(画面情報)とを順次PCへ出力する。PCは、接触領域情報からなるテストスクリプトを記憶するとともに、画面情報を接触領域情報と対応付けて記憶する。そして、PCはテストスクリプトの接触領域情報を変更できる。スマートフォンは、接触領域情報が変更されたテストスクリプトをPCより入力すると、そのテストスクリプトに基づいて動作し、タッチパネルに表示された画面の情報(画面情報)をPCへ出力する。PCは、スマートフォンから出力された画面情報と、先に記憶しておいた画面情報との一致度合いを判定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、主に、タッチパネルを有するデバイスの操作認識に関するテストを行うことを可能にする技術に関する。
従来、タッチパネルを有するデバイスのテストを行う技術として、例えば、下記の特許文献1に記載された技術が知られている。
この技術は、いわゆる複合機の画面表示の動作テストを行うものである。まず、テスターの操作によって得られた操作信号(タッチパネル上の座標)と表示部に表示された画面画像とをテストケースとして複合機内に記録しておく。テストの際には、テストケースに含まれる操作信号が、テスターによって操作部が操作されたときと同様に、複合機の機能を司るコントローラ部に伝達される。そして、表示部に表示された画面画像を改めて取得し、この画面画像とテストケースに含まれる画面画像とを比較する。両画面画像が一致すればテストは成功と判定し、一致しなければテストは失敗と判定する。
なお、このテストは、画面の遷移が正しく行われるかどうかの画面遷移テストであり、タッチパネルに対する操作が正しく認識できる限度を調べるような操作認識に関するテストではない。
特開2012−038162号公報
近年、スマートフォンやタブレット端末をはじめとするスマートデバイスの機能が向上し、タッチパネルに対してフリック操作やスライド操作などと呼ばれるなぞり操作が行えるようになった。ところが、特許文献1に記載された技術のような、押下された操作座標を記録するだけでは、なぞり操作を再現してテストするはもちろんのこと、操作が正しく認識できる限度をテストすることはできない。例えば、タッチパネルに対する接触面積や接触圧力を変化させて操作したり、タッチパネルに対する接触時間を極めて短くしたりした場合の動作テストを行うことはできない。また、近年のタッチパネル操作では、複数本の指を用いたマルチタッチなど複雑な操作が行われている。そのような操作に対して、どこまでが正常に認識できる操作であり、どこからが正常に認識できない操作であるかの判断が非常に困難となっている。
本発明は、このような問題にかんがみなされてものであり、主として、タッチパネルに対する操作の認識に関するテストを実行可能なテストシステム等を提供することを目的とする。
(1)第1の発明
第1の発明のテストシステムは、タッチパネルを有するテスト対象装置と、テスト対象装置と通信可能な管理装置とを備えるテストシステムである。テスト対象装置は、タッチパネルに対する操作における指の接触領域を特定可能な接触領域情報を取得して管理装置へ出力する接触領域情報出力手段と、タッチパネルに表示された画面の画面情報を取得して管理装置へ出力する画面情報出力手段と、管理装置より入力されたテスト情報に基づいてテスト対象装置を動作させるテスト動作手段と、を備える。一方、管理装置は、テスト対象装置より出力された接触領域情報と画面情報とを対応付けて記憶するための記憶手段と、記憶手段に記憶された接触領域情報を読み出して変更する変更手段と、変更手段により変更された接触領域情報を少なくとも含むテスト情報を、テスト対象装置へ出力するテスト情報出力手段と、テスト情報に基づいてテスト対象装置が動作することによりテスト対象装置より出力された画面情報と、記憶手段に記憶されている画面情報であって変更手段により変更される前の接触領域情報に対応する画面情報との一致度合いを判定する判定手段と、を備える。
すなわち、テスト対象装置のタッチパネルに対する操作を点ではなく領域で捉え、その捉えた情報を画面情報と対応付けて管理装置が記憶することができる。そして、その領域を特定可能な情報を管理装置において変更することができ、変更した情報に基づいてテスト対象装置を動作させ、新たに取得した画面情報と、記憶しておいた画面情報とを比較して一致度合いを判定することができる。
したがって、このようなテストシステムによれば、タッチパネルに対する操作の認識に関するテストを実行することができる。
(2)第2の発明
第2の発明のテストシステムは、テスト対象装置の接触領域情報出力手段が、タッチパネルに対する操作における指の最初の接触領域と、指がタッチパネルを離れる最後の接触領域とを特定可能な情報を取得して接触領域情報として管理装置へ出力することを特徴とする。なお、それぞれの時点における接触圧力についても取得して接触領域情報として管理装置へ出力するようになっているとさらによい。
このようなテストシステムによれば、タッチパネルに対するなぞり操作を記録し、それを変更してテストを行うことができる。
(3)第3の発明
第3の発明のテストシステムは、接触領域情報が、接触領域の略中心位置とその面積とを少なくとも含み、管理装置の変更手段が、接触領域情報に含まれる前記面積を縮小又は拡大させることが可能であることを特徴とする。
このようなテストシステムによれば、効率よく接触領域情報を記憶することができ、タッチパネルに対する指の接触面積を小さくしたり大きくしたりするテストを行うことができる。なお、好ましくは、変更手段は、接触領域形状を変形させることや、接触圧力を増大又は減少させることもできるようになっているとよい。このようになっていれば、指の接触形状の変形や接触圧力を増減した場合の認識可能な境界値のテストを行うことができる。
(4)第4の発明
第4の発明のテストシステムは、接触領域情報が、指の接触継続時間を少なくとも含み、管理装置の変更手段が、接触領域情報に含まれる接触継続時間を短縮又は延長させることが少なくとも可能であることを特徴とする。
このようなテストシステムによれば、タッチパネルに対する指の接触時間を短くしたり、長くしたりするテストを行うことができる。
(5)第5の発明
第5の発明のテストシステムは、判定手段が判定する対象の画面領域を指定するための指定手段を管理装置がさらに備え、管理装置の判定手段は、指定手段によって指定された画面領域に対応する各画面情報について、一致度合いを判定することを特徴とする。
このようなテストシステムによれば、判定の必要な画面領域のみ指定して判定することができるため、効率よく判定を行うことができる。また、例えば、画面内に時刻表示などの不一致要素があったとしても、そのような不一致要素を除外して判定することができ、判定精度を高めることができる。
(6)第6の発明
第6の発明のテストシステムでは、テスト対象装置は、外部から受信した信号(外部信号)に基づく動作も可能であり、外部信号を管理装置へ出力する外部信号出力手段をさらに備える。そして、管理装置の記憶手段は、テスト対象装置より出力された外部信号と画面情報とを対応付けてさらに記憶することができ、管理装置の判定手段は、外部信号に基づいてテスト対象装置が動作することによりテスト対象装置より出力された画面情報と、記憶手段に記憶されている画面情報であって外部信号に対応する画面情報との一致度合いをさらに判定することを特徴とする。
このようなテストシステムによれば、タッチパネルに対する操作の結果として外部へ信号を送信し、その結果が外部から信号として得られ、その信号に基づく画面がタッチパネルに表示されるような場合に、そのテストを実施することができる。外部からの信号としては、例えば、カーナビゲーション装置に入力される車両等の速度信号、スマートフォンに対する電話の着信信号などが挙げられる。
(7)第7の発明
第7の発明のテストシステムは、タッチパネルは複数の指による操作も可能であり、接触領域情報出力手段は、タッチパネルに対してなされた操作の指毎に接触領域情報を取得して記管理装置へ出力することを特徴とする。
このようなテストシステムによれば、複数指による操作の認識に関するテストを実施することができる。
(8)第8の発明
第8の発明のテストシステムは、テスト対象装置が複数台存在し、管理装置の各手段は、テスト対象装置毎に上述の処理を行うことを特徴とする。
このようなテストシステムによれば、タッチパネルに対する操作の結果として別のテスト対象装置へ信号を送信し、その信号を受けたテスト対象装置においてタッチパネルに正しく画面が表示されたかどうかというテストを実施することができる。
(9)第9の発明
第9の発明は、コンピュータを、第1〜第8の発明のいずれかのテストシステムにおけるテスト対象装置の各手段として機能させるためのプログラムである。
このようなプログラムを、タッチパネルを有するコンピュータに実行させれば、そのコンピュータは、上述したテスト対象装置と同様の作用及び効果を奏する。また、プログラムはネットワーク等を用いて流通させることも可能である上、コンピュータにおけるプログラムの入れ替えは、部品の入れ替えに比較して容易である。したがって、テスト装置としてのコンピュータの機能向上を容易に行うこともできる。
(10)第10の発明
第10の発明は、コンピュータを、第1〜第8の発明のいずれかのテストシステムにおける管理装置の各手段として機能させるためのプログラムである。
このようなプログラムを、タッチパネルを有するコンピュータに実行させれば、そのコンピュータは、上述した管理装置と同様の作用及び効果を奏する。また、プログラムはネットワーク等を用いて流通させることも可能である上、コンピュータにおけるプログラムの入れ替えは、部品の入れ替えに比較して容易である。したがって、管理装置としてのコンピュータの機能向上を容易に行うこともできる。
基本的な実施形態であるテストシステムの構成を示すブロック図である。 (A)テスト対象装置の一例であるスマートフォンのハードウェア構成を示すブロック図である。(B)管理装置の一例であるPCのハードウェア構成を示すブロック図である。 (A)テスト対象装置の一例であるスマートフォンのソフトウェア構成を示すブロック図である。(B)管理装置の一例であるPCのソフトウェア構成を示すブロック図である。 テスト手順を説明するためのラダーチャートである。 テストスクリプトの一例を説明するための画面例である。 テストスクリプトの一例を説明するための画面例である。 結果表示の一例を示す画面例である。 比較対象とする画面領域を指定する方法を説明するための画面例である。 (A)接触領域の特定方法の別例を説明するための説明図である。(B)接触領域の特定方法の別例の場合における接触領域の拡大及び縮小を説明するめの説明図である。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、下記の実施形態によって何ら限定して解釈されない。また、下記の実施形態の構成の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略した態様も本発明の実施形態である。また、下記の複数の実施形態を適宜組み合わせて構成される態様も本発明の実施形態である。また、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される発明の本質を逸脱しない限度において考え得るあらゆる態様も本発明の実施形態である。
図1は、本発明の基本的な実施形態であるテストシステム3の構成を示すブロック図である。テストシステム3は、テスト対象装置5a,5bと管理装置7とを備える。テスト対象装置5a,5bは、タッチパネル(液晶パネルのような表示部とタッチパッドのような入力部とが組み合わされたデバイス)を備えた情報処理装置であり、例えば、スマートフォン、スマートタブレット、パーソナルコンピュータ(デスクトップPC,ノートPC)、ナビゲーション装置、プリンタ、ファクシミリ、各種家電等である。
一方、管理装置7は、パーソナルコンピュータ(デスクトップPC,ノートPC)、サーバコンピュータ等である。
テスト対象装置5a,5bは、各種機能(アプリケーション)の実行時においてタッチパネルに対してなされた操作における指の接触領域の情報、押下されたハードキーを特定可能な情報、外部装置(図示しない装置または他方のテスト対象装置)からの信号(例えば、着信信号)等を、タッチパネルに表示される画面のキャプチャ画像と対応付けて管理装置7へ送信する。なお、この各種機能(アプリケーション)には、テスト対象装置5aからテスト対象装置5bに対して信号が送信されて動作するものも含まれる(例えば、電話やメールの発信に基づく着信画面の表示等)。
管理装置7は、これらを受けて図示しない記憶部に順に記憶する。そして、テストの内容に応じて記憶部に記憶された接触領域の情報を変更し、テスト対象装置5a,5bへ送信してテストを開始させる。
テスト対象装置5a,5bは、テストを開始すると、管理装置7より受信した接触領域の情報に基づいて、各種機能(アプリケーション)を動作させ、タッチパネルに表示される画面のキャプチャ画像データを管理装置7へ送信する。
管理装置7は、テスト時の画面のキャプチャ画像と、予め記憶させておいたキャプチャ画像とを比較し、その比較結果を出力する。
[具体的構成の説明]
次に、テスト対象装置5a,5bの具体例がスマートフォンである場合、及び、管理装置7の具体例がPCである場合について、詳細に説明する。
(1)スマートフォン11のハードウェア構成
まず、図2(A)を用いて、スマートフォン11のハードウェア構成について説明する。
スマートフォン11は、ハードウェアとして、マイクロコンピュータ12と、記憶部13と、無線通信部14と、有線通信部15と、タッチパネル16と、ハードキー17と、マイク18と、スピーカ19とを備える。
マイクロコンピュータ12は、プロセッサ(汎用プロセッサ、グラフィックプロセッサ、W−CDMA等のある種の通信を実現するプロセッサ等)、DRAM等のメモリ、通信インターフェース等を備え、記憶部13に記憶されたプログラム(オペレーティングシステム、アプリケーション等)を読み込んで各種の処理を実行する。
記憶部13は、SSD等の不揮発性のメモリからなり、各種のプログラムやデータを記憶することができる。
無線通信部14は、IEEE802.11a,b,g,n等の無線LAN、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信機能を実現する部位である。
有線通信部15は、USB2.0、HDMI等の有線通信機能を実現する部位である。
タッチパネル16は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示部と、静電容量式等の方式による操作認識部とからなる。このため、タッチパネル16は、テキストや画像等を表示することができ、その表示面に対する指の操作を認識することができる。なお、指の操作は、なぞり操作や複数指による操作も認識することができる。
ハードキー17は、メカニカルなキースイッチであり、押下された場合にそのキースイッチを特定可能な情報を出力することができる。
マイク18は、音声を電気信号に変換して出力することができる。
スピーカ19は、電気信号を音声に変換して出力することができる。
(2)PC31のハードウェア構成
次に、図2(B)を用いて、PC31のハードウェア構成について説明する。
PC31は、ハードウェアとして、マイクロコンピュータ32と、記憶部33と、有線通信部34と、キーボード35と、マウス36と、表示部37とを備える。
マイクロコンピュータ32は、プロセッサ(汎用プロセッサ、グラフィックプロセッサ等)、DRAM等のメモリ、通信インターフェース等を備え、記憶部33に記憶されたプログラム(オペレーティングシステム、アプリケーション等)を読み込んで各種の処理を実行する。
記憶部33は、ハードディスク、SSD等の不揮発性の記憶デバイスからなり、各種のプログラムやデータを記憶することができる。
有線通信部34は、USB2.0、イーサネット(登録商標)等の有線通信機能を実現する部位である。
キーボード35は、手指によってキーが押されることによりそのキーに対応付けられたキーコードをマイクロコンピュータ32へ出力するデバイスである。
マウス36は、手に持って水平に移動させることにより、センサで検知された移動量をマイクロコンピュータ32へ出力するデバイスである。
表示部37は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等からなり、文字や画像を表示することができるデバイスである。
(3)スマートフォン11のソフトウェア構成
次に、図3(A)を用いてスマートフォン11のソフトウェア構成について説明する。
スマートフォン11は、ソフトウェアとして、アプリケーション21a,21b,21cと、テストエンジン22と、オペレーティングシステム23とを備える。
アプリケーション21a,21b,21cは、WWWブラウザ、メール管理アプリ、地図アプリ、各種の設定アプリ等のソフトウェアである。
テストエンジン22は、後述するテストを実現可能なソフトウェアである。
オペレーティングシステム23は、ハードウェアを抽象化したインターフェースをアプリケーションソフトウェアに提供するソフトウェアであり、ウインドウマネージャ24、タッチパネルドライバ25、デバッグデーモン26、その他のOSモジュール27を備える。
ウインドウマネージャ24は、タッチパネル16に表示させる画面(ウインドウ)に関する制御を司るソフトウェアであり、画面の情報(画像データ)を出力することができる。
タッチパネルドライバ25は、タッチパネル16に対して行われた操作を検知し、操作に応じた操作情報(操作位置を示す座標、接触領域の面積等)を逐次(例えば、1ns毎に)アプリケーション21a,21,21c等へ出力するソフトウェアである。
デバッグデーモン26は、デバッグを行う際にデバックに必要な各種情報(例えば、タッチパネル16に表示させる画面の情報(画像データ)や、タッチパネル16に対して行われた操作に基づく操作情報等)を、ウインドウマネージャ24やタッチパネルドライバ25等から取得して、PC31へ出力するソフトウェアである。
その他のOSモジュール27は、カーネルやその他のデバイスドライバ等からなるソフトウェアである。
(4)PC31のソフトウェア構成
次に、図3(B)を用いてPC31のソフトウェア構成について説明する。
PC31は、ソフトウェアとして、データファイル群41と、テストマネージャ42と、SDK43と、オペレーティングシステム44とを備える。
データファイル群41は、後述するテストスクリプト等が記憶されたファイルである。
テストマネージャ42は、後述するテストを実現可能なソフトウェアである。
SDK43は、ソフトウェアの開発環境を提供するソフトウェアであり、テストマネージャ42と連携して、後述するテストを実現する。
オペレーティングシステム44は、ハードウェアを抽象化したインターフェースをアプリケーションソフトウェアに提供するソフトウェアである。
[具体的動作の説明]
次に、テスト手順について、図4のラダーチャートを参照しながら説明する。なお、テストは、スマートフォン11とPC31とが有線(例えばUSBケーブル)によって接続されて通信可能になった後に開始される。
PC31においてキーボード35又はマウス36がオペレータによって操作されてテストマネージャ42を起動させることを意味する指令が入力されると、マイクロコンピュータ32は記憶部33からテストマネージャ42を読み込んで起動させる(S101)。テストマネージャ42が起動すると、マイクロコンピュータ32は有線通信部34を介してスマートフォン11へテストモードに移行させることを意味する指令を送信する。
スマートフォン11のマイクロコンピュータ12は、有線通信部15を介してPC31から上記指令を受信すると、テストエンジン22を記憶部13から読み込んで起動させる(S103)。
続いて、PC31においてキーボード35又はマウス36が操作されてテスト内容の記録開始が指示されると、マイクロコンピュータ32は、有線通信部34を介してスマートフォン11へテスト内容の記録開始を意味する指令を送信する(S105)。
スマートフォン11のマイクロコンピュータ12は、有線通信部15を介してPC31から上記指令を受信すると、各種情報をPC31へ送信することを開始する(S107)。
各種情報の具体例としては、タッチパネル16及びハードキー17に対して何も操作されていない初期状態でタッチパネル16に表示されている画像の情報(キャプチャした画像のデータ)が挙げられる。他には、タッチパネル16に対して操作がなされた場合のその操作を特定可能な情報(指の接触領域の中心位置とその面積、接触継続時間等)と、その操作によってタッチパネル16に表示された画像(操作結果のキャプチャ画像)の情報とが挙げられる。なお、タッチパネル16に対してなぞり操作が行われた場合は、最初の接触領域を特定可能な情報(接触領域の中心位置とその面積)と指がタッチパネルを離れる最後の接触領域とを特定可能な情報(接触領域の中心位置とその面積)が挙げられる。また、それぞれの操作の時刻、各操作間の時間、又は基準時点からのカウント値も挙げられる。これらの情報のうち対応するもの同士が対応付けられて順次、PC31へ送信される(S109)。
一方、これらの情報を受信したPC31のマイクロコンピュータ32は、受信した情報のうち、画像の情報(画像データ)を除いたものを順に並べてテストスクリプトを構成し、そのテストスクリプトをデータファイル群41の一つであるテストスクリプトファイルとして作成する(S111)。画像の情報(画像データ)については、テストスクリプトとは別に、テストスクリプト中の操作情報と対応がわかる態様で(例えば、ファイル名を操作情報と対応付け)、データファイル群41の一つである画像ファイルとして作成する。
このように、スマートフォン11のマイクロコンピュータ12と、PC31のマイクロコンピュータ32とで、S109とS111とを繰り返す。そして、テスト対象の操作が終わると、PC31のオペレータよりテスト内容の記録終了を意味する操作がキーボード35又はマウス36に対してなされ、マイクロコンピュータ32は有線通信部34を介してスマートフォン11へテスト内容の記録終了を意味する指令を送信する(S113)。
スマートフォン11のマイクロコンピュータ12は、有線通信部15を介してPC31から上記指令を受信すると、上記各種情報をPC31へ送信することを終了する(S115)。
ここで、図5を参照しながら、テストスクリプトの一例について説明する。図5に示す画面例は、PC31の表示部37に表示される画面であり、テストスクリプトの内容を表示させたものである。画面の左側領域51に「Operation」として操作の名称が時系列順に表示されており、その「Operation」の中から選択された操作について、画面の右側領域52に「Parameter」として操作属性の媒介変数名と、「Value」として各媒介変数の具体的な値とが表示されている。
「Operation」の具体例としては「SCREEN_TAP」があり、これはタッチパネル16に対してタップ操作(単純な接触操作)を意味する。その具体的な「Parameter」としては、「Tap Major」,「X axis」,「Y axis」,「Action Time」があり、順に、指がタッチパネル16に接触する面積、接触領域の中心位置のX座標、接触領域の中心位置のY座標、接触の持続時間(単位はナノ秒)を意味する。
なお、「Operation」の別の具体例としては「interval Time」、「SCREEN_SLIDE」、「KEY_PRESS」などがあり、「interval Time」は各操作(Operation)間の時間であり、「SCREEN_SLIDE」はスライド操作(なぞり操作)であり、「KEY_PRESS」はハードキー17の押下操作である。
特に、「SCREEN_SLIDE」について説明すると、図6の画面例の右側領域55に表示されているように、「SCREEN_SLIDE」の具体的な「Parameter」としては、「Tap Major(down)」,「X axis(down)」,「Y axis(down)」,「Tap Major(up)」,「X axis(up)」,「Y axis(up)」,「Action Time」(これについては図示せず)がある。そして、それぞれが意味するものは、順に、指がタッチパネル16に接触した際の面積、その際の接触領域の中心位置のX座標、その際の接触領域の中心位置のY座標、指がタッチパネル16から離れる直前の面積、その際の接触領域の中心位置のX座標、その際の接触領域の中心位置のY座標、スライド操作にかかった時間(単位はナノ秒)を意味する。
説明を図4に戻し、続いて、必要に応じ、オペレータによってPC31のキーボード35及びマウス36が操作されることにより、その操作内容に基づき、データファイル群41の一つであるテストスクリプトファイルの内容の変更が行われる(S117)。具体例としては、図5の右側領域52及び図6の右側領域55における「Value」の値を変更することである。変更は自動的に行われてもよい。例えば、実行回数に応じて接触面積を拡大又は縮小するように構成されていてもよい。
続いて、オペレータによってPC31のキーボード35又はマウス36が操作されてテスト開始が指示されると(S119)、マイクロコンピュータ32は、オペレータに指定されたテストスクリプトファイルをデータファイル群41から読み出して有線通信部34を介してスマートフォン11へ送信する(S121)。
スマートフォン11のマイクロコンピュータ12は、有線通信部15を介してPC31からテストスクリプトファイルを受信すると(S123)、受信したテストスクリプトファイルに基づいてテストエンジン22が処理を開始する(S125)。具体的には、テストスクリプトファイルに記述された操作内容を、タッチパネル16が実際に指によって操作された場合と同じように再現する(アプリケーション等に操作情報を渡す)ことを順次行う。
それとともに、スマートフォン11のマイクロコンピュータ12は、タッチパネル16に表示された画像(操作結果のキャプチャ画像)の情報を、有線通信部15を介してPC31へ送信する(S127)。
一方、画像の情報を受信したPC31のマイクロコンピュータ32は、受信した画像の情報を、データファイル群41の一つである画像ファイルとして作成する(S129)。
このように、スマートフォン11のマイクロコンピュータ12と、PC31のマイクロコンピュータ32とで、S127とS129とを繰り返す。そして、スマートフォン11のマイクロコンピュータ12は、テストスクリプトファイルに記述された操作内容を全て再現すると、操作の再現が終了したことを示す指令を、有線通信部15を介してPC31へ送信する(S131)。
PC31のマイクロコンピュータ32は、有線通信部34を介して上記指令を受信すると、S129で作成した画像ファイルと、S111で作成した画像ファイルとを、対応するもの同士で比較する(S133)。その結果、全ての画像ファイルの組が一致していれば、PC31のマイクロコンピュータ32は、テスト結果は正常であることを表示部37に表示させ、一方、ひとつでも一致しないものがあれば、テスト結果は異常であることを表示部37に表示させる(S135)。なお、比較する画像同士の全画素が完全に一致していた場合に「一致」と判定してもよいが、画素の所定割合(例えば95%)以上が一致している場合に「一致」と判定してもよい。
ここで、図7を用いて表示の一例を紹介する。図7の画面では、「case1」というテストスクリプトを1度実行し、1度成功していることが文字で表示されている。図7に示唆されているように、テストスクリプトを連続して複数回実行させることもでき、そのうち何回成功したかを表示することもできる。なお、図7の例では、成功有無(すなわち、一致しているか否か)を表示させているが、一致率を表示させてもよい。
[実施形態の効果]
以上の実施形態のテストシステム3によれば、タッチパネル16に対するタップ操作やなぞり操作(スライド操作)を記録し、その内容(例えば、接触面積、接触時間等)を変更して、認識に関するテストを実行することができる。具体的には、従来のテストシステムでは、PC上のシミュレーターに対して、すなわち、テスト対象装置を模した画面に対してキーボードやマウスでテスト対象装置の対する操作を仮想的に行うことによってテストスクリプトが作成されるようになっていた。したがって、直感的な操作ではないため、テストスクリプトの作成に手間を要していた。しかし、上記の実施形態のテストシステム3では、テスターが通常のスマートフォンを操作する際と同様の操作をすることにより、テストスクリプトが生成されるので、効率よくテストスクリプトを作成できる。
[他の実施形態]
(1)上記実施形態のS109では、スマートフォン11は操作情報等をPC31へ順次送信していたが、PC31から記録終了の指令を受けた後にまとめて送信するようにしてもよい。また、画像情報(画像データ)は全ての操作に対応付けてPC31へ送信されるようになっていてもよいが、最後の操作に対応する画像情報だけがPC31へ送信されるようになっており、PC31では、その最後の操作画面についてのみ画像比較が行われて結果が報知されるようになっていてもよい。
(2)上記実施形態において、テストを開始する際(S119の際)に、PC31の表示部37にスマートフォン11より取得済みの画像を表示させ、オペレータがキーボード35又はマウス36を操作することによって、画像の比較を行う際の対象領域を指定できるようになっているとよい。例えば、図8に示すように、表示部37に表示された画像に矩形の選択枠61を重畳表示させ、この選択枠をキーボード35又はマウス36が操作されることによって移動及び変形することにより、対象領域を指定できるようになっているとよい。そして、画像比較を行う際(S133の際)には、この対象領域のみを比較対象として画像比較を行い、結果を報知するようになっているとよい。
このようになっていれば、判定の必要な画面の領域のみ指定して判定することができるため、効率よく判定を行うことができる。また、例えば、画面内に時刻表示などの不一致要素があったとしても、そのような不一致要素を除外して判定することができ、判定精度を高めることもできる。
(3)上記実施形態では、タッチパネル16に対する指の接触領域を、その中心位置の座標と面積とで特定していたが、これに限らない。例えば、図9(A)に示すように、タッチパネル16に対する指の接触領域71を、外縁の形状線72で特定してもよい。このように特定しても、上記実施形態と同様の効果を奏する上、より正確なテストを行うことができる。
なお、タッチパネル16に対する指の接触領域を外縁の形状線で特定する場合、それを変更してテストを行うときには、接触領域をスケール変換(変換前の形状と変換後の形状が相似関係になるように拡大又は縮小)するとよい。例えば、図9(B)に示すように、実際の接触領域の外縁の形状線73を、その領域の重心を中心として縮小(形状線74)又は拡大(形状線75)するとよい。
(4)タッチパネル16が複数の指による操作も可能である場合は、指毎に接触領域を特定可能な情報を記録できるようになっているとよい。そして、指毎の接触領域の情報を指毎に変更でき、複数の指による操作を再現するテストができるようになっているとよい。このようになっていれば、ピンチインやピンチアウト等と呼ばれる複数指による操作の認識に関するテストを行うことができる。
(5)スマートフォン11のテストエンジン22は、タッチパネル16及びハードキー17に対してなされた操作のみならず、電話のメールの着信についても検知できるとよい。そして、その検知情報と検知した後の画面(着信画面)の情報もテストエンジン22による動作によってPC31へ送信されるとよい。一方、PC31には、同様の構成のスマートフォン11が2台接続され、上述したテスト手順をそれぞれのスマートフォン11に対して独立して実行できるとよい。
このようになっていれば、一方のスマートフォン11において他方のスマートフォン11に対して電話をかける操作がタッチパネル16に対して行われた際に正しくその操作が認識されて呼び出し中の画面が読み出し元のスマートフォン11のタッチパネル16に表示されることをテストできる。そしてこれと同時に、呼び出された側のスマートフォン11で電話の着信が検知されて着信中の画面がタッチパネル16に正しく表示されることをテストできる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲に記載した用語との対応を示す。
接触領域情報出力手段及び画面情報出力手段の一例が、テストエンジン22が実現するS109である。テスト動作手段の動作の一例が、テストエンジン22が実現するS125、S127及びS131である。記憶手段の一例が記憶部33である。
変更手段の一例が、テストマネージャ42が実現するS117である。判定手段の一例が、テストマネージャ42が実現するS133である。
指定手段の一例が、キーボード35又はマウス36であり、外部信号出力手段の一例が、上記他の実施形態の欄の(5)で説明したテストエンジン22が実現する動作である。
3…テストシステム、5a,5b…テスト対象装置、7…管理装置、11…スマートフォン、12…マイクロコンピュータ、13…記憶部、14…無線通信部、15…有線通信部、16…タッチパネル、17…ハードキー、18…マイク、19…スピーカ、21a,21b,21c…アプリケーション、22…テストエンジン、23…オペレーティングシステム、24…ウインドウマネージャ、25…タッチパネルドライバ、26…デバッグデーモン、27…その他のOSモジュール、31…PC、32…マイクロコンピュータ、33…記憶部、34…有線通信部、35…キーボード、36…マウス、37…表示部、41…データファイル群、42…テストマネージャ、43…SDK、44…オペレーティングシステム。

Claims (10)

  1. タッチパネルを有するテスト対象装置と、前記テスト対象装置と通信可能な管理装置とを備えるテストシステムにおいて、
    前記テスト対象装置は、
    前記タッチパネルに対する操作における指の接触領域を特定可能な接触領域情報を取得して前記管理装置へ出力する接触領域情報出力手段と、
    前記タッチパネルに表示された画面の画面情報を取得して前記管理装置へ出力する画面情報出力手段と、
    前記管理装置より入力されたテスト情報に基づいて前記テスト対象装置を動作させるテスト動作手段と、
    を備え、
    前記管理装置は、
    前記テスト対象装置より出力された前記接触領域情報と前記画面情報とを対応付けて記憶するための記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記接触領域情報を読み出して変更する変更手段と、
    前記変更手段により変更された前記接触領域情報を少なくとも含む前記テスト情報を、前記テスト対象装置へ出力するテスト情報出力手段と、
    前記テスト情報に基づいて前記テスト対象装置が動作することにより前記テスト対象装置より出力された前記画面情報と、前記記憶手段に記憶されている前記画面情報であって前記変更手段により変更される前の前記接触領域情報に対応する前記画面情報との一致度合いを判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とするテストシステム。
  2. 請求項1に記載のテストシステムにおいて、
    前記テスト対象装置の前記接触領域情報出力手段は、前記タッチパネルに対する操作における指の最初の接触領域と、指がタッチパネルを離れる最後の接触領域とを特定可能な情報を取得して前記接触領域情報として前記管理装置へ出力すること、
    を特徴とするテストシステム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のテストシステムにおいて、
    前記接触領域情報は、前記接触領域の略中心位置とその面積とを少なくとも含み、
    前記管理装置の前記変更手段は、前記接触領域情報に含まれる前記面積を縮小又は拡大させることが少なくとも可能であること、
    を特徴とするテストシステム。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のテストシステムにおいて、
    前記接触領域情報は、前記指の接触継続時間を少なくとも含み、
    前記管理装置の前記変更手段は、前記接触領域情報に含まれる前記接触継続時間を短縮又は延長させることが少なくとも可能であること、
    を特徴とするテストシステム。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のテストシステムにおいて、
    前記管理装置は、前記判定手段が判定する対象の画面領域を指定するための指定手段をさらに備え、
    前記管理装置の前記判定手段は、前記指定手段によって指定された前記画面領域に対応する前記各画面情報について、一致度合いを判定すること、
    を特徴とするテストシステム。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のテストシステムにおいて、
    前記テスト対象装置は、外部から受信した信号(外部信号)に基づく動作も可能であり、前記外部信号を前記管理装置へ出力する外部信号出力手段をさらに備え、
    前記管理装置の前記記憶手段は、前記テスト対象装置より出力された前記外部信号と前記画面情報とを対応付けてさらに記憶することができ、
    前記管理装置の前記判定手段は、前記外部信号に基づいて前記テスト対象装置が動作することにより前記テスト対象装置より出力された前記画面情報と、前記記憶手段に記憶されている前記画面情報であって前記外部信号に対応する前記画面情報との一致度合いをさらに判定すること、
    を特徴とするテストシステム。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載のテストシステムにおいて、
    前記タッチパネルは複数の指による操作も可能であり、
    前記接触領域情報出力手段は、前記タッチパネルに対してなされた操作の指毎に前記接触領域情報を取得して前記管理装置へ出力すること、
    を特徴とするテストシステム。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載のテストシステムにおいて、
    前記テスト対象装置は、複数台存在し、
    前記管理装置の前記各手段は、前記テスト対象装置毎に上述の処理を行うこと、
    を特徴とするテストシステム。
  9. コンピュータを、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のテストシステムにおける前記テスト対象装置の前記各手段として機能させるためのプログラム。
  10. コンピュータを、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のテストシステムにおける前記管理装置の前記各手段として機能させるためのプログラム。
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