JP5172749B2 - 信号探索装置、信号探索方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、入力信号の信号探索装置、信号探索方法及びプログラムに関する。
特許文献1では、テンプレート画像照合に関して、テンプレート画像を移動しても類似度が急激に変化しない性質を利用して、テンプレート画像周囲の類似度の上限を求め、類似度が予め与えられた閾値θを下回る領域の照合を省略することによって照合を高速化した。この手法はアクティブ探索法と呼ばれる.
また、特許文献2では、2つの窓間の類似度を用いた特徴抽出処理に関して、窓を移動しても類似度が急激に変化しない性質を利用して、その類似度を算出した窓の位置の周辺において、類似度が予め与えられた閾値θを明らかに下回らない位置での照合処理を省略することによって特徴抽出処理を高速化した。
特許第3474131号公報 特開2008−65265公報
2つの窓を伸縮させながらその間の類似度を算出する処理において、例えば1.25倍などの経験的な倍率で窓の大きさを変化させた。そのため、原理的に探索もれが生じるという問題点があった。
そして、データの性質に応じて倍率を変更する必要がある。例えば、画像エッジ検出で複数の角度の線を検出したり、顔検出で複数の角度の顔を検出したりする場合には、複数の識別器を並列動作させる必要があるため、処理の高速化が求められていた。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、探索窓の伸縮に関して処理を高速化でき、探索漏れを生じない信号探索装置、信号探索方法及びプログラムを提供する。
本発明は、入力信号上の領域に任意の大きさの第1の探索窓と第2の探索窓をそれぞれ配置する注目領域抽出部と、前記各探索窓の前記両特徴量が類似する程に値が大きくなる特徴量をそれぞれ抽出する特徴抽出部と、前記各特徴量を用いて、前記探索窓間の類似度を算出する類似度算出部と、前記類似度が予め定めた閾値より大きくなる場合には、前記探索窓の大きさと前記領域の位置を出力する結果出力部と、前記類似度が前記閾値を下回り得ないように、前記探索窓の大きさを伸縮する伸縮率を、前記閾値と前記類似度とを用いて算出する伸縮率算出部と、前記伸縮率によって前記各探索窓の大きさを伸縮し、(1)前記伸縮した探索窓の大きさが予め定められた大きさになれば信号探索処理を終了し、(2)前記伸縮した探索窓の大きさが前記予め定められた大きさにならなければ、前記特徴抽出部へ前記伸縮した前記探索窓の大きさを出力し、前記特徴抽出部の前記抽出処理、前記類似度算出部の前記算出処理、前記結果出力部の前記出力処理、及び、前記伸縮率算出部の前記算出処理をそれぞれ繰り返すように制御する繰り返し制御部と、を有することを特徴とする信号探索装置である。
本発明によれば、探索窓の伸縮に関して処理を高速化でき、探索漏れが生じない。
本発明の実施例1による画像エッジ検出で用いる探索窓の説明図である。 本発明の実施例1による画像エッジ検出で行う動作の説明図である。 本発明の実施例1に係わる信号探索装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1の動作を示すフローチャートである。 探索窓を拡大しても右側が暗いエッジを検出しないことが明らかな例を説明するための図である。 探索窓縮小時の伸縮率下限の算出方法を説明するための図である。 探索窓拡大時の伸縮率上限の算出方法を説明するための図である。 従来方法によって伸縮率を変化させながら照合する様子を説明するための図である。 本発明の実施例1によって伸縮率を変化させながら照合する様子を説明するための図である。 実施例1と同様に類似度を算出できる探索窓の例を説明するための図である。 面積比率の異なる探索窓の例を説明するための図である。 複雑な形状の探索窓の例を説明するための図である。 ショット境界検出での探索窓縮小時の伸縮率上限の算出方法を説明するための図である。 ショット境界検出での探索窓拡大時の伸縮率上限の算出方法を説明するための図である。 Viola−Jonesらの顔検出方法で用いるHaar−based特徴を説明するための図である。 Viola−Jonesらの顔検出方法の動作を説明するための図である。 探索枠と探索窓の位置関係の例を説明するための図である。 探索枠内での探索窓の位置の違いを説明するための図である。 探索枠内での探索窓の位置の違いによって入力画像上の探索範囲領域を変化させることを説明するための図である。 本発明の実施例に係る信号探索装置のハードウエアの構成を示す図である。
以下、本発明の実施例の信号探索装置について図面に基づいて説明する。本発明の実施例の信号探索装置は、音声信号の話者交代検出、動画の映像信号のショット境界検出、文字列信号のテキスト話題分割、画像信号の画像エッジ検出、画像信号の顔検出、時空間画像信号の部分画像境界検出、3次元ボリュームデータの3次元境界検出、などに適用できる。
また、実施例1、実施例1の変更例1,2,4、実施例2及び実施例3において用いる類似度は、比較する対象が近いほど値が小さくなる距離で表し、一方、実施例1の変更例3及び変更例5にヒストグラム重なり率の説明で用いた類似度は、比較する対象が近いほど値が大きくなる値で表している。そのため、実施例1、実施例1の変更例1,2,4、実施例2及び実施例3において用いる類似度は、最小になったときに比較対象が最も類似している状態となる。また、実施例1の変更例3及び変更例5にヒストグラム重なり率の説明において用いる類似度は、最大になったときに比較対象が最も類似している状態となる。
本発明の実施例1に係る信号探索装置を図1〜図12に基づいて説明する。
本実施例では、信号探索装置が入力画像に含まれる縦方向のエッジ検出を信号探索処理するものであるが、図5に示すように、入力画像全体について左側がだんだん暗くなるグラデーションであるにも関わらず、左側の探索窓よりも右側の探索窓の方が暗いエッジを探索する場合を想定して説明する。
(1)信号探索装置の構成
本実施例の信号探索装置について図3に基づいて説明する。図3は本実施例に係る信号探索装置の構成図である。
信号探索装置は、信号入力部101、検出器102、伸縮率算出部103、類似度選択部104を有する。
信号入力部101は、画像信号を入力して記憶する。
検出器102は、画像上の全ての位置について探索窓を走査して、類似度が予め与えられた閾値θ(0≦θ≦1)を下回る場合に探索窓の位置、大きさ及び類似度を出力する。
類似度選択部103は、同じ大きさの探索窓について検出器102から出力される類似度を入力し、その中の最小の類似度を出力する。
伸縮率算出部104は、類似度選択部103で求めた最小の類似度に基づいて、探索窓を縮小する伸縮率を算出する。また、この伸縮率算出部104は、以上の処理をまず最大の探索窓の大きさβmaxで行い、求めた伸縮率で探索窓を縮小しながら処理を繰り返し、最大の探索窓の大きさβmin以下になるまで行うように制御する繰り返し制御部の機能も兼ねている。
検出器102は、注目領域抽出部105、特徴抽出部106、類似度算出部107、部分結果出力部108を有する。
注目領域抽出部105は、信号入力部101に記憶された画像上のある位置に、2種類の探索窓、すなわち、第1の探索窓内と第2の探索窓内を設定して、それらの中に含まれる画素を出力する。探索窓は伸縮率算出部103で指定された大きさとする。
特徴抽出部106は、第1の探索窓内と第2の探索窓内のそれぞれの画像の平均輝度を算出して特徴量をそれぞれ抽出する。
類似度算出部107は、第1の探索窓と第2の探索窓の間の類似度を算出する。
結果出力部108は、類似度算出部107で求めた類似度が予め与えられた閾値θ(0≦θ≦1)を下回る場合に探索窓の位置、大きさ及び類似度を出力する。
信号探索装置は、図20に示すように装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)等の制御部11と、各種データや各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)14やRAM15(Random Access Memory)等の記憶部と、各種データや各種プログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)やCD(Compact Disk)ドライブ装置等の外部記憶部16と、これらを接続するバス17とを備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。また、信号探索装置には、情報を表示する表示部13と、ユーザの指示入力を受け付けるキーボードやマウス等の操作部12と、外部装置の通信を制御する通信I/F(interface)18とが有線又は無線により各々接続される。
なお、この信号探索装置は、例えば、汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。すなわち、信号入力部101、検出器102、類似度選択部103、伸縮率算出部104、注目領域抽出部105、特徴抽出部106、類似度算出部107、結果出力部108は、上記のコンピュータに搭載されたプロセッサにプログラムを実行させることにより実現することができる。このとき、信号探索装置は、上記のプログラムをコンピュータに予めインストールすることで実現してもよいし、CD−ROMなどの記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して上記のプログラムを配布して、このプログラムをコンピュータに適宜インストールすることで実現してもよい。また、信号探索装置に設けた記憶部は、上記のコンピュータに内蔵又は外付けされたメモリ、ハードディスクもしくはCD−R、CD−RW、DVD−RAM、DVD−Rなどの記憶媒体などを適宜利用して実現することができる。
(2)探索窓の説明
図1a〜hは、本実施例に係る信号探索装置において、画像のエッジ検出で用いる第1の探索窓と第2の探索窓である。
図1aは、注目領域抽出部105が有する第1の探索窓w1と第2の探索窓w2を、画像上に左右に隣接して配置して横方向のエッジを検出する。図1bから図1hは、図1aを時計回り方向に少しずつ回転させたエッジを検出するための各探索窓を表す。
入力画像をグレースケール画像とし、探索窓w1、w2の平均輝度値をL1、L2、探索窓w1、w2の平均輝度値の差分値である輝度差分値をDをとすると、D=L1−L2となる。但し、0≦L1≦1、0≦L2≦1、0≦D≦1である。輝度は0〜1の値をとり、0が最も明るく、1が最も暗いとする。D>θの場合にその位置をエッジとして検出する。但し、0≦θ≦1とする。
検出器102は、入力画像内を走査して、図1aの探索窓の組を用いて、縦方向のエッジを検出する。なお、輝度差分値Dは、輝度差分値Dとは距離を意味している。すなわち、距離差分値Dは類似度の逆数であり、輝度差分値が大きくなると、類似度は小さくなる。
図2に示すように、信号探索装置は、上記処理を最初に最大の大きさを有する探索窓βmaxで行い、探索窓を縮小しながら処理を繰り返し、最小の大きさの探索窓βmin以下になるまで行う。
(3)画像中に明らかにエッジがない場合に照合を省略して高速化する例
図5は、探索窓を多少縮小してもエッジを検出しないことが明らかな例を説明するための図である。
左側の第1の探索窓w1の方が右側の第2の探索窓w2より明るいエッジを検出するためのものとする。入力画像はこれとは逆に、左側より右側が明るいグラデーション画像である。このような場合では、各探索窓を多少縮小しても輝度差分値は大きく変化せず、エッジを検出しないという問題点がある。
(4)探索窓の縮小率を算出する方法
図6は、本実施例において、探索窓の縮小率の算出方法を説明する図である。
検出器102は、上記したように第1の探索窓w1の方が第2の探索窓w2より明るいエッジを検出するためのものである。縮小前の左右の探索窓の輝度値をL1、L2とすると、輝度差分値はD=L1−L2となる。但し、D>0とする。
各探索窓w1、w2を縮小した各探索窓w1’、w2’として、それらの輝度値をL1’、L2’とすると、輝度差分値はD’=L1’−L2’となる。
縮小によって輝度差分値D’が最も減少する場合を考える。第1の探索窓w1’に関して縮小によって第1の探索窓の範囲外となった全ての領域の輝度が1で、第2の探索窓w2’に関して縮小によって第2の探索窓の範囲外となった全ての領域の輝度が0の場合に、輝度差分値D’が最も減少する。この場合の縮小率をαとすると、L1’、L2’、D’は以下の式で表せる。

L1’=(L1/2−(1−α)/2)/(α/2)
=(L1−1+α)/α
L2’=L2/α
D’=L1’−L2’
=(L1−L2−1+α)/α
=(D−1+α)/α

D’>θを解くと以下の関係を導ける。

α>(1−D)/(1−θ) ・・・(1)

縮小率αが、式1の範囲内であれば、エッジを検出し得ない。
縮小率αが1に近い場合には、探索窓の大きさがほとんど変化しないから、これを避けるために縮小率の下限Afixを定め、α<Afixの場合にはα=Afixとする。但し、Afixは固定値とし、0≦Afix≦1とする。
現在の探索窓の大きさをβ(i)とする。但し、iは繰り返し処理の回数を表し、i≧1である。
β(1)はβmaxに初期化しておく。画像上の全ての位置において輝度差分値Dを求めて、D≧θとなる全ての位置(x、y)について、位置(x,y)、輝度差分値D、探索窓の大きさβ(i)を出力する。但し、画像の大きさはx×yとする。それらの中でも最小の輝度差分値Dminを求める。
次の探索窓の大きさをβ(i+1)とすると、β(i+1)は以下の式2で表せる。

β(i+1)=β(i)×α
=β(i)×√((1−Dmin)/(1−θ))・・・(2)

以上の処理を繰り返して探索窓の大きさがβ(i)≦βminになるまで繰り返す。
(5)従来方法
図8は、探索窓の伸縮率を固定幅ずつ変化させながら探索する従来方法を示す。
従来方法では、図5に示す探索窓の大きさを多少変化させても明らかに輝度値が閾値を下回らない場合でも探索する必要があり、無駄が多かった。また、信号の種類や性質によって変化幅を経験的に変更する必要もあった。
(6)本実施例の方法
図9に本実施例によって伸縮率を可変に変化させながら探索する様子を示す。
本実施例では、式2より求めた明らかに輝度差分値が予め与えられた閾値θを下回らない大きさの探索窓での照合を省略して、探索窓の大きさをスキップしながら探索を進める。
図4に以上の処理手順を説明するフローチャートを示す。
まず、ステップ400において、伸縮率算出部104は、iを1に、探索窓の大きさβ(i)をβmaxに、伸縮率αを1に、最小差分値Dminを0に初期化する。
ステップ401において、伸縮率算出部104は、探索窓をα倍に縮小する。
ステップ402において、注目領域抽出部105は、入力画像上の位置(x,y)が第1の探索窓w1と第2の探索窓w1の重心になる位置に各探索窓w1、w2を配置する。特徴抽出部106は各探索窓w1、w2の平均輝度値L1、L2をそれぞれ算出する。類似度算出部107は両探索窓w1、w2の輝度差分値Dを、D=L1−L2から算出する。但し、0≦L1≦1、0≦L2≦1、0≦D≦1である。
ステップ403において、結果出力部108は、D>θの場合はその入力画像上の位置(x,y)をエッジとして検出し、両探索窓w1、w2の重心の位置(x,y)、輝度差分値D、探索窓の大きさβ(i)を出力する。但し、0≦θ≦1である。
ステップ404において、類似度選択部103は、D<Dminの場合は最小輝度差分値Dmin=Dとして更新する。
ステップ405において、注目領域抽出部105、特徴抽出部106、類似度算出部107、結果出力部108、類似度選択部103は、以上の処理を入力画像上の全ての位置についてステップ402に戻って繰り返し行い、全て処理した場合はステップ406に進む。
ステップ406において、伸縮率算出部104は、閾値θと最小輝度差分値Dminに基づいて式1によって伸縮率αを算出する。但し、αの下限値をAfixとすると、α<Afixの場合はα=Afixとする。
ステップ407において、伸縮率算出部104が兼ねている繰り返し制御部は、各探索窓w1、w2の大きさをβ(i+1)=β(i)×αとして求めて更新し、i=i+1とインクリメントする。
ステップ408において、伸縮率算出部104が兼ねている繰り返し制御部は、各探索窓の大きさβ(i)<βminの場合は処理を終了し、そうでない場合はステップ201に戻って検出処理を繰り返すように制御する。
(7)変更例1
また、本発明は上記実施例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
変更例1について説明する。
実施例1では両探索窓w1、w2を縮小したが、両探索窓w1、w2を拡大しても拡大幅の伸縮率を導ける。拡大前の左右の探索窓をw1、w2、輝度値をL1、L2とし、輝度差分値をDとする。拡大後の左右の探索窓をw1”、w2”、輝度値をL1”、L2”とし、輝度差分値をD”=L1”−L2”とする。
拡大によって輝度差分値D”が最も減少する場合を考える。第1の探索窓w1”に関して拡大によってはみ出した全ての領域の輝度が0で、第2の探索窓w2”に関して拡大によってはみ出した全ての領域の輝度が1の場合に、輝度差分値D”が最も減少する。拡大率をαとすると、L1”、L2”、D”は以下の式で表せる。

L1”=L1/α
L2”=(L2/2+(α−1)/2)/(α/2)
=(L2+α−1)/α
D”=L1”−L2”
=(L1−L2−α+1)/α
=(D−α+1)/α

D”>θを解くと以下の関係を導ける。

α<(1+D)/(1+θ) ・・・(3)

拡大率αが、式3の範囲内であれば、エッジを検出し得ない。
式1と式3をまとめると以下の式を導ける。

(1−D)/(1−θ)<α<(1+D)/(1+θ) ・・・(4)

縮小及び拡大を含めて、伸縮率αがこの範囲内であれば、エッジを検出し得ない。
なお、本明細書では、「伸縮」とは、拡大、又は、縮小を意味する。
(8)変更例2
変更例2について説明する。
実施例1では、最小輝度差分値Dminを画像全体から求めたが、画像を複数に分割して、それぞれの領域毎に独立して探索してもよい。また、全ての位置を一つの領域とみなしてもよい。
すなわち、実施例1では、一点でも輝度差分値Dが閾値θを下回るとスキップすることができない。画像全体について最小輝度差分値Dminを求めると、その可能性が高くなり、スキップできない場合が増える。画像は微小な領域では均一な変化をすることが多く、その場合は輝度差分値Dも似た値をとることが多い。そこで、画像を微小な領域に分割して、その最小輝度差分値Dminを求めると、スキップできる可能性が高くなる。
また、前記分割した領域が、一つの点(例えば、一画素)でもよい。この場合には、実施例1のように、領域の中の最小輝度差分値Dminを求めるのでなく、その位置における輝度差分値自身を用いて式2から伸縮率を算出する。
(9)変更例3
変更例3について説明する。
実施例1では、各探索窓w1、w2内の輝度の平均値を特徴量とし、探索窓間の輝度差分値を求めた。しかし、探索窓の大きさの伸縮量から類似度の変化の上限を算出できるものであれば、特徴量の算出方法と、類似度の算出方法は何でもよい。
例えば、各探索窓内の輝度値のヒストグラムを特徴量とし、各探索窓間のヒストグラム重なり率を類似度として求めても良い。
各探索窓w1、w2に含まれる画素の輝度値に関するヒストグラムをそれぞれH=(h11,h12,・・・,h1n)、H2=(h21,h22,・・・,h2n)とする。但し、nは探索窓に含まれる画素数、すなわちヒストグラムの総度数を表す。縮小前後の左右の探索窓間の類似度をS、S’とする。類似度は以下の式で表されるヒストグラム重なり率で求める。
Figure 0005172749
縮小によってSが最も減少した場合を考える。縮小された各探索窓w1’、w2’から探索窓の範囲外となった全ての領域が類似度増加に寄与する場合にSが最も減少する。縮小率をαとすると、類似度S’は以下の式で表せる。

S’=(S−(1−α)/2)/α
=(S−1+α)/α

S’<θを解くと以下の式5を導ける。

α>(1−2S)/(1−2θ) ・・・(5)

一方、各探索窓w1、w2を拡大する場合は、拡大した各探索窓w1”、w2”によってはみ出した全ての領域が類似度増加に寄与しない場合にSが最も減少する。拡大率をαとすると、拡大後の類似度S”は以下の式で表せる。

S”=(S−(α−1)/2)/α

S”<θを解くと以下の式6を導ける。

α<(1+2S)/(1+2θ) ・・・(6)

式5と式6をまとめると以下の式7のようになる。

(1−2S)/(1−2θ)<α<(1+2S)/(1+2θ)

・・・(7)

両探索窓の伸縮率αが式7を満たす範囲内であればエッジを検出し得ない。
また、類似度の変更例としては、上記輝度差分値と上記ヒストグラム重なり率を用いるに代えて、探索窓の大きさの伸縮量から類似度の変化の上限を算出できる式そのものを用いてもよい。具体的には、aの式を用いても良い。
(10)変更例4
実施例1では、縮小時には伸縮率の下限、拡大時には伸縮率の上限のみを用いて信号探索処理を高速化した。この変更例4では、その両方を用いて信号探索処理を高速化する。実施例1と同様に、探索窓W(i)をα倍して探索窓W(i+1)に縮小する場合を説明する。但し、探索窓W(i)は探索窓w1と探索窓w2の組を表し、α<1とする。
探索窓W(i)の大きさがβ(i)、輝度差分値がDのときに、探索窓W(i)より小さい探索窓W(i+1)’を設定した場合に、探索窓W(i)’における伸縮率αpの上限をどのように表せるかを考える。
探索窓W(i)での輝度差分値はDであるので、式1より以下の式7−1で表せる。

α>(1−D)/(1−θ) ・・・(7−1)

一方、探索窓W(i+1)’の輝度差分値を仮に予測輝度差分値D’とすると、探索窓W(i+1)’から見た伸縮率の上限は式3より以下の式7−2のように表せる。

αp<(1+D’)/(1+θ) ・・・(7−2)

探索窓W(i)から見た探索窓の最小の大きさをβ(i)’とすると、β(i)’=β(i)×αと表せる。探索窓W(i+1)から見た探索窓の最大の大きさをβ”(i)とすると、β(i)”=β(i+1)/αpと表せる。β(i)<β(i)”ならば探索を省略できる伸縮の区間が連続する。この式を解くと以下の式7−3を導ける。

β(i+1)’<β(i)×α/αp
=β(i)×√((1−D)(1+θ)/(1+D’)(1−θ))
・・・(7−3)

式7−1は伸縮率の下限を利用した範囲であり、式7−2は伸縮率の上限を利用した範囲である。式7−3はこれらの両方を利用できるため、実施例1のように伸縮率の下限のみ利用したり、実施例1の変更例1のように伸縮率の上限のみ利用したりするのと比較すると、スキップできる伸縮率の範囲が広い。但し、探索窓W(i+1)’の大きさβ(i+1)’は式7−3を満たすものを選ぶ必要がある。
そこで、まず、予測輝度差分値D’を予測して、式7−3を満たす範囲内の値に探索窓W(i+1)の大きさβ(i+1)を設定する。なお、できるだけスキップ可能な伸縮幅を広げるために、β(i+1)は式7−3を満たす最小値付近に設定する。
例えば、伸縮率算出部104は、探索窓W(i)から探索窓W(i+1)まで輝度差分値がDのまま変わらないと仮定すると、β(i+1)は以下のように設定する。但し、Cpは例えば1.1などの1に近い定数とする。

β(i+1)=Cp×β(i+1)’
=Cp×β(i)×√((1−D)(1+θ)/(1+D’)(1−θ)) ・・・(7−4)

次に、検出器102が、探索窓W(i)を実際にβ(i+1)に縮小した探索窓W(i+1)を用いてエッジを探索し、類似度選択部103に実際の最小輝度差分値Daを記憶する。この際に結果出力部108が出力する結果には未決定のマークを付けておく。
次に、類似度選択部103に記憶された実際の輝度差分値Daを予測輝度差分値D’式7−3に代入してβ(i+1)’を算出し、以下の式7−5を満たすかどうかを、伸縮率算出部104は調べる。

β(i+1)>β(i+1)’ ・・・(7−5)

式7−5を満たす場合は、結果出力部108が出力した未決定のマークを付けられた出力結果に決定のマークを付けて有効な結果とし、探索を進める。
式7−5を満たさない場合は、β(i)’に1以上β(i)/β(i)’以下の固定値Cbを乗じてβ(i)に近づけて、式7−2を再び満たすか調べる処理を行う。この処理が「バックトラック」である。このバックトラックは、式7−2を満たすまで繰り返し行う。
以上の処理を繰り返すことによって、伸縮率の下限又は上限だけでなく、両方を同時に利用してさらに信号探索処理を高速化できる。
なお、拡大も同様に信号探索処理を行うことができる。すなわち、

β(i+1)’>β(i)×√((1+D’)(1−θ)/(1−D)(1+θ))

・・・(7−6)

を満たすまでバックトラックを繰り返す。
また、類似度としては、輝度差分値に代えてヒストグラム重なり率を用いてもよい。
(11)変更例5
変更例5について説明する。
変更例5では、複雑な形状の探索窓を用いた場合を説明する。
実施例1では、図6、図7に示したように、同じ大きさの長方形を左右に隣接させた第1の探索窓と第2の探索窓を用いて、正方形の中心について両探索窓を伸縮した。しかし、両探索窓は、図10、図11、図12に示すように、各探索窓が2以上の領域を有していても良い。以下、順番に変形例について説明する。
(11−1)探索窓の第1の変形例
複雑な場合の探索窓の第1の変形例について図10に基づいて説明する。
図10に示す両探索窓1600〜1604は、中心点から放射状に伸びた線分によって両探索窓の領域が区切られ、かつ、中心点について点対象な場合である。
両探索窓1600〜1604は、中心点について両探索窓の大きさを伸縮しても、互いに重なることはない場合であり、実施例1と同じ式を用いて伸縮率を算出できる。
(11−2)探索窓の第2の変形例
複雑な場合の探索窓の第2の変形例について図11に基づいて説明する。
図11に示す両探索窓1700〜1704は、中心点から放射状に伸びた線分によって両探索窓の領域が区切られるが、中心点について点対称ではない場合である。
両探索窓1700〜1704は、中心点について両探索窓を伸縮しても、互いに重なることはない場合だが、各探索窓の領域の面積が異なる。
(11−2−1)平均輝度の場合
そのため、特徴量に平均輝度を用いる場合は、輝度の平均値を算出する段階で単位面積当たりの値に換算する。これにより、両探索窓の面積が異なっても実施例1と同じ式を用いて伸縮率を算出できる。
(11−2−2)ヒストグラム重なり率の場合
一方、特徴量にヒストグラム重なり率を用いる場合は、実施例1と式が異なる。両探索窓w1、w2の面積の比率がγとする。両探索窓w1、w2を縮小する場合に、縮小前後の類似度をS、S’とする。縮小された両探索窓w1’、w2’から探索窓の範囲外となった全ての領域が類似度増加に寄与する場合にSが最も減少する。縮小率をα、ε=min(γ,1−γ)/max(γ,1−γ)、min(・)は最小値を出力する関数、max(・)は最大値を出力する関数とすると、S’は以下の式で表せる。

S’=(S−(1−α)/ε)/α
=(εS−1+α)/εα

但し、両探索窓w1、w2の領域間の面積が異なるため、類似度は最大でもεであり、0≦S≦ε、0≦S’≦εである。
S’<θを解くと以下の式8を導ける。

S’>(1−εS)/(1−εθ) ・・・(8)

但し、0≦θ≦εである。
両探索窓w1、w2を拡大する場合は、拡大した両探索窓w1”、w”によってはみ出した全ての領域が類似度増加に寄与しない場合にSが最も減少する。拡大率をα、拡大後の類似度をS”とすると、S”は以下の式で表せる。

S”=S/α

S”<θを解くと以下の式9を導ける。

α<S/θ ・・・(9)

式8と式9をまとめると以下のようになる。

(1−εS)/(1−εθ)<α<S/θ ・・・(10)

(11−3)探索窓の第3の変形例
複雑な場合の探索窓の第3の変形例について図12に基づいて説明する。
図12に示す両探索窓w1、w2は、中心点から放射状に伸びた線分によって領域が区切られておらず、かつ、中心点について点対称ではない場合である。
両探索窓w1、w2は、中心点について両探索窓の大きさを伸縮すると、互いに重なり、両探索窓w1、w2の領域の面積が必ずしも同じではない場合である。
このような探索窓w1、w2の場合は、探索窓の大きさを伸縮した際の類似度の上限を算出するときに、互いの重なり部分を増減させる必要がある。
増減の方法は、探索窓の形状によって異なり、単調増加とは限らないが、探索窓の伸縮率と重なりの面積の関係は明白なので、類似度の上限を算出することは可能であり、式は異なるが実施例1を適用することが可能である。
(12)変更例6
上記実施例では、伸縮率算出部104が、繰り返し制御部を兼ねていたが、これに限らず、別体で設けてもよい。
本発明の実施例2の信号探索装置について図13〜図15に基づいて説明する。
実施例1では画像のエッジ検出を例にとって説明した。画像は2次元の信号であるが、本発明はこれに限らず1次元の信号も処理できる。本実施例では、1次元の信号について説明する。本実施例では映像のショット境界検出を例にとって説明する。
図13は、映像のショット境界検出で用いる探索窓を示す。
本実施例に係る信号探索装置の構成は、図3に示した実施例1に係る信号探索装置の構成と同一である。すなわち、信号入力部101、検出器102、類似度選択部103、伸縮率算出部104を有する。
信号入力部101は映像信号(画像部分のみ)を入力して記憶する。
検出器102は時系列は、映像の中の一つのフレーム画像から抽出した特徴量を並べた時系列信号上において、同じ長さの第1の探索窓w1と第2の探索窓w2を隣接して配置し、これを信号列上で走査して、類似度が予め与えられた閾値θ(0≦θ≦1)を下回る場合に探索窓の位置、大きさ及び類似度を出力する。
類似度選択部103は、同じ大きさの探索窓について検出器102から出力される類似度を入力し、その中の最小の類似度を出力する。
伸縮率算出部104は、探索窓の大きさの伸縮率を算出する。また、この伸縮率算出部104は、以上の処理をまず最大の探索窓の大きさβmaxで行い、続いて求めた伸縮率で探索窓を縮小しながら処理を繰り返し、最小の探索窓の大きさβmin以下になるまで繰り返し行う繰り返し制御部の機能も兼ねている。
検出器102は、注目領域抽出部105、特徴抽出部106、類似度算出部107、結果出力部108を有する。
注目領域抽出部105は、時系列信号上のある位置に、同じ長さの第1の探索窓w1と第2の探索窓w2を隣接して配置し、それらの探索窓に含まれるフレーム画像を出力する。この際に伸縮率算出部103で指定された大きさの探索窓を用いる。
特徴抽出部106は、第1の探索窓w1内と第2の探索窓w2内のそれぞれに含まれるフレーム画像上の全ての画素について平均輝度を算出して特徴量をそれぞれ抽出する。
類似度算出部107は、第1の探索窓w1と第2の探索窓w2の間の類似度を算出する。
結果出力部108は、類似度算出部107で求めた類似度が予め与えられた閾値θ(0≦θ≦1)を下回る場合に、輝度差分値が極小となる位置をショット境界として検出し、探索窓の位置、大きさ及び類似度を出力する。
(1)縮小の処理
まず、信号入力部101には、映像としてグレースケール画像列が入力される。
次に、特徴抽出部106は、両探索窓w1、w2に含まれるフレーム画像の画素の輝度値を全て平均した平均輝度値を特徴量として抽出する。
次に、類似度算出部107は、両探索窓w1、w2間の輝度差分値を距離として求める。距離は類似度の逆数である。
伸縮率算出部104の動作の概念について説明する。
縮小前の両探索窓w1、w2の平均輝度値をL1、L2とし、縮小後をL1’、L2’とすると、縮小前後の探索窓w1、w2間の距離はD=L1−L2、Ld’=L1’−L2’となる。
ここで、縮小によって距離Dが最も増加する場合の距離の上限値を考える。縮小された探索窓w1’から探索窓の範囲外となった全ての領域の輝度が0で、探索窓w2’から探索窓の範囲外となった全ての領域の輝度が1の場合にDが最も増加する。縮小率をαとすると、D’は以下のように表せる。

L1’=(L1−1+α)/α
L2’=L2/α

D’=L1’−L2’のため、D’は以下の式で表せる。

D’=(L1−L2−1+α)/α

D’>θを解くと以下の式11の関係を導ける。

α>(1−L1+L2)/(1−θ) ・・・(11)

(2)拡大の処理
以上では、両探索窓w1、w2を縮小したが、各探索窓w1、w2を拡大しても拡大幅の伸縮率を導ける。
距離D>θ、0≦θ≦1のときに、各探索窓w1、w2の拡大によって距離Dが最も増加する場合を考える。L1”に関して拡大によってはみ出した全ての領域の輝度が0で、L4’に関して拡大によってはみ出した全ての領域の輝度が1の場合に、距離Dが最も増加する。拡大率をαとすると、L1”L2”、D”は以下のように表せる。

L1”=L1/α
L2”=(L2+α−1)/α
D”=L1”−L2”
=(L1−L2−α+1)/α
=(D+1)/α

Ld’>θをαについて解くと以下の式12の関係を導ける。

α<(1+D)/(1−θ) ・・・(12)

(3)まとめ
式11と式12をまとめると以下のようになる。

(1−D)/(1+θ)<α<(1+D)/(1−θ)

本実施例に係る信号探索装置の処理手順は、実施例1に係る信号探索装置の処理手順と同一であり、説明を省略する。
(4)変更例1
実施例2の変更例1について説明する。
実施例2では、輝度差分値と距離としたが、探索窓の大きさの変化量から類似度の変化の上限を算出できるものであれば、特徴量の算出方法と類似度の算出方法は何でも良い。
例えば、探索窓に含まれるフレーム画像の平均輝度を求め、その平均輝度値のヒストグラムを特徴量とし、それらの間のヒストグラム重なり率を類似度としても良い。
図13に基づいて、このヒストグラム重なり率を用いて、探索窓w1、w2の縮小率を算出する方法を説明する。
両探索窓w1、w2に含まれる特徴量のヒストグラムをH=(h11,h12,・・・,h1n)、H=(h21,h22,・・・,h2n)とする。但し、nは探索窓に含まれる特徴量の個数、すなわち、ヒストグラムの総度数を表す。両探索窓w1、w2の間の類似度Sをヒストグラム重なり率で算出する。
縮小前後の類似度をS、S’とする。類似度が最も減少する場合を考える。縮小によってはみ出した全ての領域のヒストグラムが合致する場合にSが最も減少する。この場合の縮小率をαとすると、S、S’の関係は以下のように表せる。

S’=(S−(1−α))/α
=(S−1+α)/α

S’>θを解くと以下の式13を導ける

α>(1−S)/(1−θ) ・・・(13)

探索窓を拡大する場合は、拡大後の探索窓をw1”、w2”、類似度輝度差分をS”とすると、拡大によってはみ出した全ての領域のヒストグラムが合致しない場合にSが最も減少する。よってS”は以下のように表せる。

S”=S/α

S’>θを解くと以下の式14の関係を導ける。

α<S/θ ・・・(14)

式13と式14をまとめると以下の式15のようになる。

(1−S)/(1−θ)<α<S/θ ・・・(15)

(5)変更例2
実施例2の変更例2について説明する。
実施例1では2次元の信号である画像に、実施例2では1次元の信号である画像列について説明したが、本発明はこれに限らずn次元の信号を処理できる。例えば、MRIなどで取得した3次元ボリューム信号や、画像列を時間方向に連結した時空間画像は3次元のデータである。
距離(すなわち、類似度の逆数)を輝度差分値で算出する場合は、以下の式16の関係を導ける。

(1−D)/(1+θ)<α<(1−D)/(1−θ) ・・・(16)

類似度をヒストグラム重なり率で算出する場合は、以下の式17の関係を導ける。

(1−S)/(1−θ)<α<S/θ ・・・(17)
本発明の実施例3の信号探索装置について図15〜図19に基づいて説明する。本実施例では、信号探索装置を顔検出装置に用いた場合を説明する。
本実施例の顔検出装置は、Viola−Jonesらの顔検出方法を用いる(Paul Viola, Michael J. Jones, 「Robust Real−Time Face Detection」 International Journal of Computer Vision, Vol.57, No.2, pp.137-154, 2004.参照)。すなわち、図15に示すようなHarr−based特徴を用いた弱識別器を検出器102として用い、この弱識別器を図16に示すようなm段(但し、m≧1である)に直列に接続し、識別器を構成する。
Harr−based特徴は、両探索窓w1、w2間の輝度値の差の符号を検出する。両探索窓w1、w2間の輝度差分値が正なら1、負なら0とする。図15aを例に取ると、第1の探索窓w1の輝度が15、第2の探索窓w2の輝度が3の場合、特徴量は15−3>0だから1となる。この処理は図16aの第1段の弱識別器で行われ、輝度差分値が1の場合は、図16bの第2段の弱識別器の判定に進む。
2段目の弱識別器では、1段目の弱識別器とは異なるHarr−based特徴を用いる。
この処理を画像上の全ての位置について繰り返して、全ての弱識別器で1と判定された位置を顔として検出する。この処理は、まず大きさβmaxの両探索窓w1、w2で行い、少しずつ両探索窓w1、w2の大きさをα倍に縮小しながら、両探索窓w1、w2が大きさβminになるまで検出を繰り返す。
この検出器102では両探索窓w1、w2間の輝度差分値Dの符号のみを用いる。式4にθ=0を代入すると以下の式18を導ける。

1−D<α<1+D ・・・(18)

(1)顔検出方法
以下に実施例1を適用して顔検出方法を説明する。
顔検出装置は、図17に示すように、探索したい探索領域を設定し、この探索領域の中で第1の探索窓w1、第2の探索窓w2を用いて顔を探索する。また、顔検出装置は探索枠を有している。この探索枠は、各段の両探索窓w1、w2と、各段の探索窓w1、w2をどのように配置するかという位置情報も有している。
最初に、入力画像を均等に16分割する。そして、それぞれの分割領域毎に、次の処理を行う。
例えば、第1の分割領域において、図16aに示した第1段の両探索窓w1、w2を用いて輝度差分値D(1)を算出し、伸縮率α(1)を求める。この両探索窓は図1aに示したエッジ検出のための第1の探索窓w1と第2の探索窓w2と同じ形状である。例えば、図16に示すように、この第1段の両探索窓w1、w2が、両目を探索する検出器102とする。なお、この第1段の両探索窓w1、w2の中心P1は、図18に示すように、第1の分割領域の左上を原点P0とすると、斜め下にずれている。
式18よりα(1)の取り得る範囲は以下の式19のように表せる。

1−D(1)<α(1)<1+D(1) ・・・(19)

α(1)>Afixの場合は、エッジが検出されないとして、第1段の両探索窓w1、w2の伸縮率αを式19の下限値に設定して、α=√(1−D(1))とし、第1段の両探索窓w1、w2を縮小して、第1の分割領域において探索を継続する。なお、ここでは伸縮率を最大にするためにαを式19の下限値に設定したが、αに設定する値は式19を満たす範囲ならばどの値でも良い。
α(1)≦Afixの場合は、図16bに示した第2段の両探索窓w1、w2を用いて輝度差分値D(2)を算出し、伸縮率を求める。
図17に示すように、この検出器102では両探索窓w1、w2をそのまま用いるのではなく、探索枠は、第2段の両探索窓w1、w2をどの位置に配置するかという情報も持つ。そこで、第1段の両探索窓w1、w2の位置と第2段の両探索窓w1、w2の位置の相対的な差分だけ、第1段の探索領域をずらした範囲で類似度を算出する必要がある。第2段の両探索窓w1、wは、例えば、図16に示すように左頬を探索するものとすると、両目を探索する第1段の両探索窓w1、w2との位置関係は明確である。すなわち、第1段の両探索窓w1、w2の探索領域より斜め下の位置を探索領域にすると、効率よく左頬の領域を探索できる。
図18に、第1〜3段の両探索窓w1、w2の位置を示す。P1、P2、P3は第1段、第2段、第3段の両探索窓w1、w2の中心を表す。第2段の両探索窓w1、w2を用いた探索では図19に示すようにずらした探索領域で輝度差分値D(2)を算出し、伸縮率α(2)を求める。
この検出器102では、第1段の輝度差分値D(1)は探索領域内で全て求めるが、第2段の輝度差分値D(2)は第1段でD<0となった位置についてしか求めない。また、第2段による探索領域のうち、第1段による探索領域に含まれない位置についても第2段の輝度差分値D(2)は求まっていない。そこで、第2段の両探索窓w1、w2による伸縮率を算出する際には、これらの輝度差分値が求まっていない位置でも新たに輝度差分値を求める必要がある。
α(2)>Afixの場合は、α=√(1−D(2))に設定し、第2段の両探索窓w1、w2を縮小して、第1の分割領域の探索を継続する。
α(2)≦Afixの場合は、図16cに示した第3段の両探索窓w1、w2を用いて輝度差分値D(3)を算出し、伸縮率α(3)を求める。この第3段の両探索窓w1、w2が、鼻を探索する検出器102とする。
以上の処理を繰り返してm段全てについて処理を繰り返し、最終的にα(m)≦Afixとなった場合は、α=Afixに設定し、両探索窓w1、w2を縮小して探索を継続する。
このように、本実施例では、Viola−Jonesらの顔検出方法を適用すると、探索窓の伸縮方向についてもれなく探索でき、顔らしくない領域については探索をスキップできるので信号探索処理を高速化が期待できる。
101 信号入力部
102 検出器
103 類似度選択部
104 伸縮率算出部
105 注目領域抽出部
106 特徴抽出部
107 類似度算出部
108 結果出力部

Claims (10)

  1. 入力信号上の領域に任意の大きさの第1の探索窓と第2の探索窓をそれぞれ配置する注目領域抽出部と、
    前記各探索窓の特徴量をそれぞれ抽出する特徴抽出部と、
    前記各特徴量を用いて、前記探索窓間の前記両特徴量が類似する程に値が大きくなる類似度を算出する類似度算出部と、
    前記類似度が予め定めた閾値より大きくなる場合には、前記探索窓の大きさと前記領域の位置を出力する結果出力部と、
    前記類似度が前記閾値を下回り得ないように、前記探索窓の大きさを伸縮する伸縮率を、前記閾値と前記類似度とを用いて算出する伸縮率算出部と、
    前記伸縮率によって前記各探索窓の大きさを伸縮し、(1)前記伸縮した探索窓の大きさが予め定められた大きさになれば信号探索処理を終了し、(2)前記伸縮した探索窓の大きさが前記予め定められた大きさにならなければ、前記特徴抽出部へ前記伸縮した前記探索窓の大きさを出力し、前記特徴抽出部の前記抽出処理、前記類似度算出部の前記算出処理、前記結果出力部の前記出力処理、前記伸縮率の前記算出処理を前記信号探索処理が終了するまでそれぞれ繰り返す繰り返し制御部と、
    を有することを特徴とする信号探索装置。
  2. 前記類似度算出部が前記入力信号の前記領域中の位置毎に算出したそれぞれの前記類似度から最大類似度を選択する類似度選択部をさらに有し、
    前記伸縮率算出部は、前記最大類似度を用いて、前記伸縮率を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号探索装置。
  3. 前記入力信号を複数の領域に分割し、前記分割された領域毎に前記探索窓の大きさを伸縮させる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の信号探索装置。
  4. 前記伸縮率算出部は、前記伸縮部で伸縮した前記両探索窓の現在の大きさを用いて、次に伸縮したい前記両探索窓の大きさを予測し、
    前記類似度算出部は、前記予測した大きさの前記両探索窓を用いて前記類似度を求め、
    前記繰り返し制御部は、前記予測した大きさから求めた前記類似度から計算される前記伸縮率が、前記両探索窓の伸縮可能な範囲外の場合には、前記予測した両探索窓の大きさを、前記両探索窓の現在の大きさに近づけるバックトラックを行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号探索装置。
  5. 前記第1の探索窓と前記第2の探索窓が隣接し、かつ、同じ形状であるか、前記第1の探索窓と前記第2の探索窓のそれぞれが複数の領域を有するか、又は、前記第1の探索窓の面積と前記第2の探索窓の面積が異なる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号探索装置。
  6. 前記特徴抽出部が算出する前記特徴量は、前記入力信号の信号値のヒストグラム、又は、信号値の平均である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号探索装置。
  7. 前記類似度算出部が算出する前記類似度は、前記入力信号の信号値の平均値の差、又は、前記信号値のヒストグラム重なり率である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号探索装置。
  8. 前記類似度算出部が算出する前記類似度は、前記探索窓の大きさが前記伸縮率によって変化するときの前記類似度の上限を求める式で表されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号探索装置。
  9. 前記入力信号は、映像信号、画像信号、時空間画像信号、音声信号、文字列、又は、3次元ボリューム信号である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号探索装置。
  10. 前記類似度として、前記探索窓間の前記両特徴量が類似する程に値が小さくなる距離の逆数を用いる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号探索装置。
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