JP5171585B2 - ジャック端子の拡隙工具および拡隙方法ならびにジャック板 - Google Patents

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この発明は、ファストン端子接続用ジャック端子の拡隙工具および拡隙方法に関し、詳しくは、絶縁カバーの貫通孔に収められたジャック端子の先端の係合部同士の対向間隙を拡大するジャック端子拡隙工具およびジャック端子拡隙方法に関する。
また、本発明は、複数のジャック端子を植設したジャック板にも関し、特に、絶縁カバーを装着してその貫通孔にジャック端子を一つずつ収めたジャック板に関する。そのようなジャック板としては、鉄道の運転保安設備のリレー架に装備されてファストン端子非接続側から多極リレーを着脱されるE形ジャック板(ロック機能付き)が典型例である。
ジャック板や,ジャック端子,ファストン端子について、本願発明の課題提起に役立つ程度に、従来品を説明する。図5は、(a)がファストン端子10の底面図、(b)がファストン端子10の斜視図、(c)がジャック端子22の斜視図、(d)がジャック板20の展開斜視図、(e)がジャック板20の斜視図、(f)がジャック片30の正面図、(g)がジャック端子40の底面図、(h)がジャック端子42の底面図である。
基本的なファストン端子10は(図5(a),(b),特許文献1参照)、金属等の電気良導体からなり、電線8を繋ぎ込む圧着部14が一端部に形成され、他端部にはスリーブ状の雌嵌合部11が形成されたものであり、その雌嵌合部11にはジャック端子を抜き差し可能な中空12が形成されており、雌嵌合部11の圧着部14寄り端部には中空12端面に達する係合段差13が形成されている。
基本的なジャック端子22は(図5(c)参照)、短冊状の電気良導体からなり、中空12に差し込まれると雌嵌合部11の弾性力によって嵌合状態・接続状態が維持され、強く引かれると雌嵌合部11から抜けるようになっている。
従来のカバー付きジャック板20は(図5(d),(e),特許文献2参照)、絶縁体からなるベース板21に複数・多数のジャック端子22を植設したジャック板本体に対し、そのジャック端子22に対応した配置で複数・多数の貫通孔24を形成した絶縁カバー23を装着して、ジャック端子22を貫通孔24に一つずつ収めたものである。
このようなジャック板20の場合、貫通孔24の解放開口からファストン端子10を差し込んでジャック端子22に嵌合させることにより、絶縁カバー23の無い場合と同様の容易さで、電線8を接続させることができる。
ファストン端子10の抜け落ち防止のためロック機能付きジャック片30やロック機能付きジャック端子40,42も開発されている(例えば特許文献1参照)。
ジャック片30は(図5(f)参照)、ジャック端子22に相当する雄嵌合部31に加えて、それと並走する弾性変形容易な可撓部32と、雄嵌合部31の先方に位置する係合部33とを具えたものである。可撓部32の基端部が雄嵌合部31の基端部と繋がっており、その可撓部32の先端部に係合部33が形成されているので、片持ち梁のような可撓部32によって支持された係合部33は、横に(図5(f)では紙面を貫く向きに)押されると容易に位置ずれするものとなっている。
ジャック端子40は(図5(g)参照)、二枚のジャック片30の基端部・中間部(図では右側部分)に例えば連結部41を挟んで相互固定する等のことで一体化したものであり、二枚のジャック片30が一定の間隙を保って対向している。その状態では、一方のジャック片30の雄嵌合部31と他方のジャック片30の可撓部32とが向かい合い、その先方(図では左側部分)で、双方の係合部33,33が向かい合っている。その対向間隙Gは、ファストン端子10の板材の厚さEより広いが、雌嵌合部11の厚さFより狭いので、二個のファストン端子10を稠密に接続することができる。
ジャック端子42は(図5(h)参照)、ジャック端子40において対向する係合部33を外側へ曲げて、そこの間隙をファストン端子10の雌嵌合部11の厚さFより広くなるよう拡大したものである。
これらのジャック片30,ジャック端子40,ジャック端子42は、何れにあっても、係合部33を軽く押して横にずらしながらファストン端子10の雌嵌合部11を雄嵌合部31に嵌合させると、係合部33が係合段差13に係合して、ファストン端子10の抜け落ちが防止されるようになっている。
ところで、このようなロック機能付きジャック片30,ロック機能付きジャック端子40,ロック機能付きジャック端子42をベース板21に植設したジャック板には、絶縁カバー23が装着されなかった(例えば特許文献2,3参照)。
ジャック端子42の場合、ベース板21でのジャック端子42の配置と絶縁カバー23での貫通孔24の配置とが対応しているとは言え、先端で対向する係合部33,33が外に開いている多数のジャック端子42を一斉に多数の貫通孔24に差し込むのが困難だからである。
また、ジャック端子40やジャック片30の場合、ベース板21に絶縁カバー23を装着するのは比較的容易であるが、先にジャック30,40を貫通孔24に収めてしまうと、その後にファストン端子10の雌嵌合部11で操作して係合部33を横にずらすのが困難だからである。特に、係合部同士33,33の対向間隙Gの狭いジャック端子40は、貫通孔24の中でファストン端子10をジャック端子40に接続させるのが難しい。
そのため、ロック機能付きジャック端子では、ファストン端子10との接続箇所を一つずつ絶縁チューブで囲うことで、相互絶縁がなされている(例えば特許文献3参照)。
実開平6−48174号公報 実開平5−6629号公報 特開平11−297393号公報
もっとも、一つずつ絶縁チューブで囲う絶縁手法は、手間が掛かって作業能率が悪いばかりか、絶縁信頼性の確保も難しい。
このため、端子接続維持の確実性も相互絶縁の信頼性も同時に確立するには、係合部を曲げ加工していない真っ直ぐなロック機能付きジャック端子を複数・多数植設したベース板に対し、複数・多数の貫通孔を対応配置で形成した絶縁カバーを、予め装着しておくことが望まれる。
しかしながら、それには、上述したように貫通孔の中ではファストン端子がジャック端子の雄嵌合部より先に係合部に当接して嵌合接続が妨げられるという困難が伴うので、それを克服することが求められる。
そこで、絶縁カバーの貫通孔の中でファストン端子の進入を妨げないよう且つロック機能を失わない程度に貫通孔中のジャック端子について雄嵌合部の先方から係合部の位置をずらせる簡便な手法を案出することが技術的な課題となる。
本発明のジャック端子拡隙工具は(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、ファストン端子の雌嵌合部に嵌合しうる雄嵌合部とこの雄嵌合部に沿って延びた可撓部とこの可撓部にて前記雄嵌合部の先方に支持されていて前記雌嵌合部と前記雄嵌合部との嵌合時には前記雌嵌合部の係合段差に係合して前記ファストン端子の抜けを防止する係合部とを具備したジャック片を対向配置したジャック端子をベース板に複数植設したジャック板本体に対し絶縁カバーを装着して前記ジャック端子を前記絶縁カバーの貫通孔に収めたジャック板を対象にしてファストン端子接続に先立ち前記貫通孔の中で前記ジャック端子の前記係合部同士の対向間隙を拡大するのに用いるジャック端子拡隙工具であって、前記貫通孔に遊挿しうる直棒状の作用部の表裏面それぞれに、前記貫通孔への前記作用部の挿入時に前記雄嵌合部を変形させることなく前記雄嵌合部に沿って滑動する逃げ面と、前記貫通孔への前記作用部の挿入時に前記可撓部に沿って滑動しながら前記可撓部を曲げ変形させる傾斜面とが形成されていることを特徴とする。
また、本発明のジャック端子拡隙工具は(解決手段2)、上記解決手段1のジャック端子拡隙工具であって、前記逃げ面と前記傾斜面との外側部に側壁が形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明のジャック端子拡隙方法は(解決手段3)、上記解決手段1,2のジャック端子拡隙工具を使用するジャック端子拡隙方法であり、具体的には、ファストン端子の雌嵌合部に嵌合しうる雄嵌合部とこの雄嵌合部に沿って延びた可撓部とこの可撓部にて前記雄嵌合部の先方に支持されていて前記雌嵌合部と前記雄嵌合部との嵌合時には前記雌嵌合部の係合段差に係合して前記ファストン端子の抜けを防止する係合部とを具備したジャック片を対向配置したジャック端子をベース板に複数植設したジャック板本体に対し絶縁カバーを装着して前記ジャック端子を前記絶縁カバーの貫通孔に収めたジャック板を対象にして、ファストン端子接続に先立ち、請求項1又は請求項2に記載のジャック端子拡隙工具を用い、その作用部を前記貫通孔に差し込むことにより、前記貫通孔の中で前記ジャック端子の前記係合部同士の対向間隙を拡大することを特徴とする。
また、本発明のジャック板は(解決手段4)、上記解決手段3のジャック端子拡隙方法を実施したことにより出来上がる結果物であり、具体的には、ファストン端子の雌嵌合部に嵌合しうる雄嵌合部とこの雄嵌合部に沿って延びた可撓部とこの可撓部にて前記雄嵌合部の先方に支持されていて前記雌嵌合部と前記雄嵌合部との嵌合時には前記雌嵌合部の係合段差に係合して前記ファストン端子の抜けを防止する係合部とを具備したジャック片を対向配置したジャック端子をベース板に複数植設したジャック板本体と、複数の貫通孔が形成されており前記ジャック板本体に装着されていて前記ジャック端子を一つずつ前記貫通孔に収めている絶縁カバーとを備えたジャック板であって、前記可撓部が曲げられたことにより前記係合部同士の対向間隙が前記雄嵌合部同士の対向間隙より広くなっていることを特徴とする。
また、本発明のジャック板は(解決手段5)、上記解決手段4のジャック板であって、前記係合部同士の対向間隙が前記ファストン端子の前記雌嵌合部の厚さより広く、前記係合部の内側面が前記雄嵌合部の外側面から外へはみ出ている量が前記ファストン端子の板材の厚さより狭くなっていることを特徴とする。
このような本発明のジャック端子拡隙工具(解決手段1)やそれを用いたジャック端子拡隙方法(解決手段3)にあっては、拡隙工具の作用部を絶縁カバーの貫通孔に解放開口から差し込むと、先ず、貫通孔の中のジャック端子において対向している一対の係合部の間に拡隙工具の作用部が入り込んで、係合部同士の対向間隙が広がって係合部が横へ逃げるので、拡隙工具を更に押し込むことができる。そこで、拡隙工具の作用部を孔奥へ向けて更に押し込むと、ジャック端子において対向している雄嵌合部と可撓部との間に拡隙工具の作用部が進入して、雄嵌合部と可撓部との対向間隙も広がることとなる。
しかも、その際、雄嵌合部が作用部の逃げ面に沿うのに対し可撓部が作用部の傾斜面に沿うため雄嵌合部と可撓部とが作用部を介して押し合うことになることと、雄嵌合部より可撓部の方が変形しやすいことから、雄嵌合部は変形しないが、可撓部は傾斜面に倣って曲がる。そのため、ジャック端子の可撓部の材料力学的特性に基づいて作用部の傾斜面の傾斜を適切に設定しておけば、拡隙工具を抜いた後でも可撓部には適度な塑性変形・永久変形が残り、それに応じて係合部同士の対向間隙も拡大したままとなる。また、ワンアクション即ち一回の操作で二個の可撓部を変形させることができるので、容易かつ迅速に、本発明のジャック板(解決手段4)が出来上がる。
さらに、その操作で広がった対向間隙がファストン端子の雌嵌合部の厚さより広く、且つ、横ずれした係合部の内側面が雄嵌合部の外側面から更に外へはみ出ている量がファストン端子の板材の厚さより狭い、という条件が満たされていれば、言い換えるとその条件が満たされるよう傾斜面の傾斜などを設定しておけば、本発明のジャック板(解決手段5)が出来上がる。そして、絶縁カバーの貫通孔の中でファストン端子の接続を行っても、ファストン端子の進入が妨げられることがなく、接続したファストン端子は単に引っ張られただけでは抜け落ちることのないようロック(鎖錠)されることとなる。
したがって、この発明によれば、絶縁カバーの貫通孔の中でファストン端子の進入を妨げないよう且つロック機能を失わない程度に貫通孔中のジャック端子について雄嵌合部の先方から係合部の位置をずらせることを簡便に行うことができる。
また、本発明のジャック端子拡隙工具(解決手段2)やそれを用いたジャック端子拡隙方法(解決手段3)にあっては、ジャック端子拡隙工具の作用部において逃げ面と傾斜面との外側部に側壁が形成されているため、ジャック端子拡隙工具の作用部を絶縁カバーの貫通孔に解放開口から差し込んだとき、ジャック端子の雄嵌合部と可撓部とが作用部の両側壁の間に収まり、それに随伴して作用部が案内・位置規制されるので、気軽にジャック端子拡隙工具を押し込んでも、雄嵌合部は逃げ面だけに沿い、可撓部は傾斜面だけに沿い、作用部が適切に進入する。
したがって、この発明によれば、絶縁カバーの貫通孔の中でファストン端子の進入を妨げないよう且つロック機能を失わない程度に貫通孔中のジャック端子について雄嵌合部の先方から係合部の位置をずらせることを簡便かつ的確に行うことができる。
このような本発明のジャック端子拡隙工具およびジャック端子拡隙方法法について、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1により説明する。
本発明のジャック端子拡隙工具の一実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、(a)がジャック端子拡隙工具50の全体正面図とその右側面図と作用部52の拡大正面図、(b)が拡隙工具50の全体底面図とその右端面図と作用部52の拡大底面図、(c)が作用部52のCC断面図、(d)が作用部52のDD断面図である。
拡隙工具50は、例えばステンレス等の硬い丸棒を加工して作られ、指先で摘んだときに滑らないよう外周面に例えばローレット加工を施した丸棒状の摘み部51と、既述した絶縁カバー23の貫通孔24に遊挿しうるよう外周部分を切削して貫通孔24より一回り細くした直棒状の作用部52とを具えている。この例では、貫通孔24の断面が長方形なので作用部52の断面も例えば4mm×6mmの長方形に近い形状になっており、作用部52の断面は先端部と基部を除けば例えば全長30mmのほぼ全域に亘って一定であるが、作用部52の例えば6mm長の先端部は、貫通孔24の解放開口やジャック端子40の対向間隙に差し込み易いよう、表裏面すなわち対向する二面が斜めに削られてテーパ状になっている。
さらに、そのような角棒状の作用部52には、表裏面それぞれに、軸心と傾斜した例えば小型フライスでの彫り込み加工によって傾斜面54とその外側部の側壁53とが形成され、軸心と平行な例えば小型フライスでの彫り込み加工によって逃げ面55とその外側部の側壁56とが形成されている。逃げ面55と側壁56は作用部52の先端から基部までほぼ全長に及んでいるが、傾斜面54と側壁53は作用部52の先端部にだけ形成されている。作用部52における表側の傾斜面54及び逃げ面55と裏側の傾斜面54及び逃げ面55は、ジャック端子40において一対のジャック片30が線対称状態で対向していることに対応して、軸心に関して線対称になるよう配置されているので、表側の傾斜面54と裏側の逃げ面55とが表裏で対向し、表側の逃げ面55と裏側の傾斜面54とが表裏で対向している。
作用部52の最先端における表側の傾斜面54と裏側の逃げ面55との距離Hも表側の逃げ面55と裏側の傾斜面54との距離Hもジャック端子40における係合部33,33同士の対向間隙Gより小さいので、作用部52はジャック端子40に容易に差し込めるものとなっている。また、作用部52の最先端における表側の側壁53と裏側の側壁56との距離も表側の側壁56と裏側の側壁53との距離もジャック端子40における係合部33,33同士の対向間隙Gより大きく、作用部52の表裏面いずれにおいても側壁53,56の間の距離がジャック端子40における雄嵌合部31と可撓部32との外幅より広いので、側壁53,56は挿入時の進行方向案内部材になっている。
さらに、逃げ面55は、雄嵌合部31より幅広で且つ長いので、貫通孔24への作用部52の挿入時にジャック端子40の雄嵌合部31を変形させることなく雄嵌合部31に沿って滑動する面となっている。また、傾斜面54は、貫通孔24への作用部52の挿入時にジャック端子40の可撓部32に沿って滑動しながら可撓部32に対する押し量を増すので可撓部32を曲げ変形させる面となっている。作用部52の軸心に対する傾斜面54の傾斜は、十数度ほどが差し込み容易で使いやすいがそれに限定されるものでなく、作用部52の軸心に対する傾斜面54の傾斜や作用部52の表裏の厚みは、可撓部32の形状に応じた剛性や材質に応じた弾性限などに基づき、拡隙後の即ち対向間隙を広げた後のジャック端子40の係合部33,33同士の対向間隙Kがファストン端子10の雌嵌合部11の厚さFより広くなるが、雄嵌合部31の外側面から外へ向かった係合部33の内側面のはみ出し量Jがファストン端子10の板材の厚さEより狭くなるように、決められている(図3(c)参照)。
上述した拡隙工具50の使用対象となる拡隙前のジャック板60の具体的な構成を、図面を引用して説明する。図2は、(a)が絶縁カバー23の左側面図と正面図、(b)がジャック板本体61の左側面図と正面図、(c)がジャック板60の左側面図と縦断正面図、(d)がジャック端子40の左側面図と正面図と底面図である。
拡隙前のジャック板60は、端的に言えば、既述した従来のジャック板20についてジャック端子22をジャック端子40で置き換えたものである。
すなわち、ジャック板60はジャック板本体61に対して絶縁カバー23を装着したものであり、ジャック板本体61は既述のベース板21にジャック端子40を複数植設したものであり、ジャック端子40は既述のようにロック機能付きジャック片30を所定間隙Gで対向配置したものであり、絶縁カバー23は既述したようにジャック端子40に対応した配置で複数・多数の貫通孔24が形成されたものであり、ジャック板本体61に絶縁カバー23を装着したジャック板60では、ジャック端子40が一つずつ即ちジャック片30が一対ずつ絶縁カバー23の貫通孔24に収まっている。
なお、ジャック片30は、既述したように、ファストン端子10の雌嵌合部11に嵌合しうる雄嵌合部31と、この雄嵌合部31に沿って延びた可撓部32と、この可撓部32にて雄嵌合部31の先方に支持されていて雌嵌合部11と雄嵌合部31との嵌合時には雌嵌合部11の係合段差13に係合してファストン端子10の抜けを防止する係合部33とを具備したものであり、ジャック端子40には二個のジャック片30が線対称状態で対向する配置で組み込まれている。拡隙前では、雄嵌合部31も可撓部32も係合部33も、平板から打ち抜き等にて加工された真っ直ぐな状態のままであり、曲がっていない。
上述したジャック板60に対し拡隙工具50を用いて行う本発明のジャック端子拡隙方法と、それによって出来上がった拡隙後のジャック端子40を備えたジャック板60とを、図面を引用して説明する。図3は、(a)が拡隙工具50とジャック端子40の要部に係る正面図と底面図、(b)も拡隙工具50とジャック端子40の要部に係る正面図と底面図、(c)が拡隙後のジャック端子40の左側面図と正面図と底面図である。
本発明のジャック端子拡隙方法は、ジャック板60の絶縁カバー23の貫通孔24それぞれに一回ずつ拡隙工具50の作用部52を差し込んで抜き取るというものであり、その際、作用部52の先端がジャック端子40の連結部41に当接して止まるまで作用部52を十分に押し込むよう留意すれば良いので、容易に実施することができる。貫通孔24の断面は大抵長方形になっており、作用部52の断面形状がそれに対応しているので、作用部52の向きを迷うおそれもない。
拡隙工具50の作用部52を絶縁カバー23の貫通孔24に解放開口から差し込むと、貫通孔24に案内されてそこに進入した作用部52の先端が貫通孔24の中でジャック端子40の先端と対峙するが(図3(a)参照)、作用部52の先端の厚みHがジャック端子40の先端の間隙Gより小さいので、貫通孔24の中のジャック端子40において対向している一対の係合部33,33の間に拡隙工具50の作用部52が円滑に入り込んで、係合部33,33同士の対向間隙が広がって係合部33,33が横へ逃げるので、拡隙工具50の作用部52を更に押し込むことができる。
そこで、拡隙工具50の作用部52を孔奥へ向けて更に押し込み作用部52の先端がジャック端子40の連結部41に当接して止まるまで押し込むと、ジャック端子40において対向している表側の雄嵌合部31と裏側の可撓部32との間や裏側の雄嵌合部31と表側の可撓部32との間に拡隙工具50の作用部52が進入して、雄嵌合部31と可撓部32との対向間隙も広がる(図3(b)参照)。しかも、そのとき、表側の雄嵌合部31が作用部52の表側の逃げ面55に沿うのに対し裏側の可撓部32が作用部52の裏側の傾斜面54に沿うため表側の雄嵌合部31と裏側の可撓部32とが作用部52を介して押し合い、強い雄嵌合部31は変形しないが、弱い可撓部32は傾斜面54に倣って曲がる。同時に、同様にして、裏側の雄嵌合部31は変形しないで裏側の逃げ面55に沿い、表側の可撓部32は表側の傾斜面54に倣って曲がる。
それから、拡隙工具50の作用部52を抜くと、残された貫通孔24の中のジャック端子40においては、ジャック端子40の可撓部32の材料力学的特性と作用部52の傾斜面54の形状とに応じた曲げ変形が残り続ける(図3(c)参照)。そのため、拡隙後のジャック端子40では、可撓部32が曲げられたことにより係合部33,33同士の対向間隙Kが雄嵌合部31,31同士の対向間隙Gより広く、係合部33,33同士の対向間隙Kがファストン端子10の雌嵌合部11の厚さFより広く、係合部33の内側面が雄嵌合部31の外側面から外へはみ出ている量Jがファストン端子10の板材の厚さEより狭くなっている。また、ジャック板60は、そのような拡隙後のジャック端子40を一つずつ絶縁カバー23の貫通孔24に収めているものとなっている。
本発明のジャック端子拡隙方法を実施した後に行うファストン端子装着方法を、図面を引用して説明する。図4は、(a)〜(e)何れもファストン端子10とジャック端子40の底面図である。
ファストン端子10の雌嵌合部11を絶縁カバー23の貫通孔24に差し込むと、雌嵌合部11の先端が貫通孔24の中でジャック端子40の先端と対峙する(図4(a)参照)。雌嵌合部11の外寸が貫通孔24の内寸より小さいので、雌嵌合部11の進入状態によっては雌嵌合部11の先端がジャック端子40の係合部33の先端に突き当たって止められることもあるが、雌嵌合部11の厚さFが拡隙後のジャック端子40の先端の間隙Kより小さいので、ファストン端子10を軽く揺すったりして雌嵌合部11を横に(図では上下に)ずらすと簡単に、貫通孔24の中のジャック端子40において対向している一対の係合部33,33の間にファストン端子10の雌嵌合部11が入り込む。
そして(図4(b)参照)、雄嵌合部31,31同士の対向間隙Gが雌嵌合部11の厚さFより狭いので、雌嵌合部11の先端がジャック端子40の雄嵌合部31の先端に突き当たって止められる。そこで(図4(c)参照)、ファストン端子10を横に(図では上に)動かすと、雌嵌合部11に押されて雌嵌合部11と一緒に係合部33も横にずれるので、ファストン端子10の雌嵌合部11の中空12がジャック端子40の雄嵌合部31の先方に来たところで、更にファストン端子10を押し込んでその雌嵌合部11とジャック端子40の雄嵌合部31とを嵌合させる。
十分に嵌合すれば(図4(d)参照)、係合部33が雌嵌合部11から外れて元の位置に戻る。そうすると、係合部33の内側面が雄嵌合部31の外側面から外へはみ出ている量Jがファストン端子10の板材の厚さEより狭くなっているため、係合部33が係合段差13に係合するので、ファストン端子10がロックされ、ファストン端子10を引っ張っただけでファストン端子10がジャック端子40から抜け落ちることは無くなる。
なお(図4(e)参照)、ジャック端子40にはもう一組の雄嵌合部31及び係合部33が軸心線対称位置に組み込まれているので、同様にしてもう一つのファストン端子10を接続することができる。
本発明のジャック端子の拡隙工具および拡隙方法を適用するジャック端子を複数植設したジャック板としては、既述した鉄道用のロック機能付きE形ジャック板に限られるものでなく、ファストン端子接続側の要件さえ満たされれば、ファストン端子非接続は、リレー以外のものを装着するようになっていても良く、リレーといった他の部材や装置を装着するようになっていなくても良い。
本発明の実施例1について、ジャック端子拡隙工具の構造を示し、(a)が全体正面図と右側面図と作用部拡大正面図、(b)が全体底面図と右端面図と作用部拡大底面図、(c)が作用部のCC断面図、(d)が作用部のDD断面図である。 本発明のジャック端子拡隙工具の使用対象となるジャック板の構造を示し、(a)が絶縁カバーの左側面図と正面図、(b)がジャック板本体の左側面図と正面図、(c)がジャック板の左側面図と縦断正面図、(d)がジャック端子の左側面図と正面図と底面図である。 本発明のジャック端子拡隙方法を示し、(a)が拡隙工具とジャック端子の要部に係る正面図と底面図、(b)も拡隙工具とジャック端子の要部に係る正面図と底面図、(c)がジャック端子の左側面図と正面図と底面図である。 本発明のジャック端子拡隙方法実施後のファストン端子装着方法を示し、(a)〜(e)何れもファストン端子とジャック端子の底面図である。 従来品を示し、(a)がファストン端子の底面図、(b)がファストン端子の斜視図、(c)がジャック端子の斜視図、(d)がジャック板の展開斜視図、(e)がジャック板の斜視図、(f)がジャック片の正面図、(g)がジャック端子の底面図、(h)がジャック端子の底面図である。
符号の説明
8…電線、
10…ファストン端子、11…雌嵌合部(接続部)、
12…中空、13…係合段差(ロック部)、14…圧着部、
20…ジャック板、21…ベース板、
22…ジャック端子、23…絶縁カバー、24…貫通孔、
30…ジャック片、31…雄嵌合部(接続部)、
32…可撓部(ロック部)、33…係合部(ロック部)、
40…ジャック端子、41…連結部、42…ジャック端子、
50…拡隙工具、51…摘み部、52…作用部、
53…側壁、54…傾斜面、55…逃げ面、56…側壁、
60…ジャック板、61…ジャック板本体

Claims (5)

  1. ファストン端子の雌嵌合部に嵌合しうる雄嵌合部とこの雄嵌合部に沿って延びた可撓部とこの可撓部にて前記雄嵌合部の先方に支持されていて前記雌嵌合部と前記雄嵌合部との嵌合時には前記雌嵌合部の係合段差に係合して前記ファストン端子の抜けを防止する係合部とを具備したジャック片を対向配置したジャック端子をベース板に複数植設したジャック板本体に対し絶縁カバーを装着して前記ジャック端子を前記絶縁カバーの貫通孔に収めたジャック板を対象にしてファストン端子接続に先立ち前記貫通孔の中で前記ジャック端子の前記係合部同士の対向間隙を拡大するのに用いるジャック端子拡隙工具であって、前記貫通孔に遊挿しうる直棒状の作用部の表裏面それぞれに、前記貫通孔への前記作用部の挿入時に前記雄嵌合部を変形させることなく前記雄嵌合部に沿って滑動する逃げ面と、前記貫通孔への前記作用部の挿入時に前記可撓部に沿って滑動しながら前記可撓部を曲げ変形させる傾斜面とが形成されていることを特徴とするジャック端子拡隙工具。
  2. 前記逃げ面と前記傾斜面との外側部に側壁が形成されていることを特徴とする請求項1記載のジャック端子拡隙工具。
  3. ファストン端子の雌嵌合部に嵌合しうる雄嵌合部とこの雄嵌合部に沿って延びた可撓部とこの可撓部にて前記雄嵌合部の先方に支持されていて前記雌嵌合部と前記雄嵌合部との嵌合時には前記雌嵌合部の係合段差に係合して前記ファストン端子の抜けを防止する係合部とを具備したジャック片を対向配置したジャック端子をベース板に複数植設したジャック板本体に対し絶縁カバーを装着して前記ジャック端子を前記絶縁カバーの貫通孔に収めたジャック板を対象にして、ファストン端子接続に先立ち、請求項1又は請求項2に記載のジャック端子拡隙工具を用い、その作用部を前記貫通孔に差し込むことにより、前記貫通孔の中で前記ジャック端子の前記係合部同士の対向間隙を拡大することを特徴とするジャック端子拡隙方法。
  4. ファストン端子の雌嵌合部に嵌合しうる雄嵌合部とこの雄嵌合部に沿って延びた可撓部とこの可撓部にて前記雄嵌合部の先方に支持されていて前記雌嵌合部と前記雄嵌合部との嵌合時には前記雌嵌合部の係合段差に係合して前記ファストン端子の抜けを防止する係合部とを具備したジャック片を対向配置したジャック端子をベース板に複数植設したジャック板本体と、複数の貫通孔が形成されており前記ジャック板本体に装着されていて前記ジャック端子を一つずつ前記貫通孔に収めている絶縁カバーとを備えたジャック板であって、前記可撓部が曲げられたことにより前記係合部同士の対向間隙が前記雄嵌合部同士の対向間隙より広くなっていることを特徴とするジャック板。
  5. 前記係合部同士の対向間隙が前記ファストン端子の前記雌嵌合部の厚さより広く、前記係合部の内側面が前記雄嵌合部の外側面から外へはみ出ている量が前記ファストン端子の板材の厚さより狭くなっていることを特徴とする請求項4記載のジャック板。
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