JP5142115B2 - Dbf4/ask1蛋白質のヒト相同体、それに関連する核酸、及び方法 - Google Patents

Dbf4/ask1蛋白質のヒト相同体、それに関連する核酸、及び方法 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、DBF4/ASK1蛋白質の新規ヒト相同体をコードする核酸分子を対象とする。この新規蛋白質はDRF1(DBF4関連因子1(DBF4 Related Factor 1)より)と命名され、ここではこの用語で称する。本発明はまた、新規ポリペプチド、ならびにDRF1に結合する及び/又はDRF1の活性を変化させる化合物、及びDRF1関連複合体をスクリーニングするためのアッセイを対象とする。
【0002】
(発明の背景)
DNAの複製開始とCDC7/DBF4キナーゼの役割
真核生物において、DNAの複製は細胞周期において厳密に調節されており、S期に1回だけ起こる(Stillman,Science 274,1659−1664(1996))。広範囲の変種の真核生物で保存されるいくつかの因子が、DNA複製の開始と伸長の工程において決定的な役割を果たすことが知られている。これらは、ORC(複製開始点認識蛋白質複合体(Origin Recognition Complex)、MCM(ミニ染色体維持(Minichromosome Maintenance))、Cdc6、Cdc45、RPA(一本鎖DNA結合蛋白質(Single−stranded DNA binding proteins))、及びDNAポリメラーゼを含む。ORC、Cdc6及びMCM蛋白質の作用に関わる、複製起点での前複製複合体(プレRC)の構築がDNA複製の開始のために不可欠であるが(Diffleyら、Cell 78、303−316(1994);Newlon,Cell 91、717−720(1997)、そのような構築は、それだけではDNA合成の引き金となるには不十分である。出芽酵母サッカロミセスセレビシエ(S.cerevisiae)からの遺伝学的証拠は、DNA複製の開始にはセリン/トレオニンCDC7/DBF4キナーゼの作用が不可欠であることを示唆した。現在では、分子試験により、CDC7/DBF4キナーゼがDNA複製起点の作動において直接の役割を果たすことが明らかになった。この証拠を下記に要約する:
1)温度感受性cdc7及びdbf4突然変異体菌株は、制限温度への移行後G1 DNA内容物によって阻止される(Bousset(1998)、[公表されたGenes Dev 1988 Apr 1;12(7):1072には誤植があると思われる]Genes Dev 12,480−490)。
【0003】
2)CDC7活性は起点作動のためにS期を通じて必要である;それ故それは単なるG1とS間の分子スイッチではない、すなわち初期と後期起点の作動のために必要である(Bousseら、前出、Donaldsonら(1998)、Genes Dev 12,491−501)。
【0004】
3)DBF4蛋白質はインビボで起点DNA配列に集積する(Dowellら(1994)、[コメント参照]、Science 265,1243−1246)。
【0005】
4)CDC7/DBF4キナーゼは、起点で結合する前複製複合体の成分であるMCM蛋白質を選択的にリン酸化する(Satoら(1997)、EMBO J 16、4340−4351;Leiら(1997)、Genes Dev 11、3365−3374)。
【0006】
5)MCM5遺伝子における非常に特異的な突然変異がCDC7/DBF4キナーゼの必要性を回避することが認められたため、このリン酸化は重要であると考えられる(Hardyら(1997)、Proc Natl Acad Sci USA 94、3151−3155)。
【0007】
最近、出芽酵母Cdc7−Dbf4に関連するキナーゼ複合体の存在が、分裂酵母、ツメガエル(Xenopus)及び哺乳類を含めた他の真核生物において明らかにされた(Masaiら、EMBO J.14、3094−3104(1995);Satoら、EMBO J.16、4340−4351(1997);Kimら、J Biol Chem 273、23248−23257(1998);Jiangら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94、14320−14325(1997);Hessら(1998)、Gene 211、133−140;Kumagaiら、Mol.Cell.Biol.19、5083−5095(1999))。
【0008】
DNA複製におけるヒトCDC7/DBF4複合体の役割が抗体マイクロインジェクションアプローチを用いて評価された。最初に、特異的抗CDC7抗体のマイクロインジェクションはヒト腫瘍細胞におけるDNA合成を阻害する(Jiangら、EMBO J.18、5703−5713(1999))。第二に,2つの独立した抗DBF4抗体は、ヒト一次線維芽細胞KD細胞に注入したときDNA合成を阻害した(Kumagaiら、Mol.Cell.Biol.19、5083−5095(1999))。抗原を抗体と同時注入したときにはDNA複製が回復した。合わせて考えると、哺乳類CDC7関連キナーゼ複合体は、酵母で発見されたように、細胞周期の進行において、おそらくS期の開始において極めて重要な役割を果たす。
【0009】
ヒトCDC7/DBF4遺伝子及び蛋白質
CDC7キナーゼ相同体をコードするヒト完全長cDNAが3つの異なるグループによってクローン化された:
1)東京大学のSatoら、EMBO J.16、4340−4351(1997)。
【0010】
2)Salk Institute USAのJiangら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94、14320−14325(1997)。
【0011】
3)Pharmacia & Upjohn,Kalamazoo,USAのHessら(1988)、Gene 211、133−140。
【0012】
ヒトDBF4サブユニットをコードするcDNAは、1999年7月にKumagaiら、Mol.Cell.Biol.19、5083−5095(1999)によって初めて公表され、より最近ではJiangら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94、14320−14325(1999)によって発表されている。
【0013】
サイクリン依存性キナーゼと同様に、CDC7/DBF4キナーゼは触媒サブユニットCDC7と調節サブユニットDBF4から成り、後者はASK1(S期キナーゼの活性化因子(activator of S phase kinase)とも称される(Kumagaiら、Mol.Cell.Biol.19、5083−5095(1999))。キナーゼの活性は2つのサブユニット間の物理的相互作用に依存し、CDC7蛋白質単独ではキナーゼ活性を示さない(Kumagaiら、Mol.Cell.Biol.19、5083−5095(1999);Jiangら、EMBO J.18、5703−5713(1999))。
【0014】
キナーゼ活性は細胞周期中に変動する。CDC7レベルは一定であるので、この変動はアクチベーター蛋白質の使用可能な量を反映すると考えられる(Kumagaiら、Mol.Cell.Biol.19、5083−5095(1999);Jiangら、EMBO J.18、5703−5713(1999))。酵素の活性を調節することができる他の機構は現在まで認められていないが、完全に排除することはできない。
【0015】
CDC7は、S.cerevisiae CDC7蛋白質と強い相同性を共有する574アミノ酸のポリペプチドである(Satoら、EMBO J.16、4340−4351(1997);Jiangら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94、14320−14325(1997);Hessら(1998)、Gene 211、133−140)。DBF4蛋白質は酵母相対物と非常に限られた配列相同性を持つ。この相同性は、ASKモチーフ−N(N末端)とASKモチーフ−C(C末端)と呼ばれる2つのボックス内に限定される。モチーフ−CはCDC7との相互作用ドメイン内にあるが、これらのボックスの役割は明らかではない(Kumagaiら、Mol.Cell.Biol.19、5083−5095(1999))。現時点では、これら2つのボックスはDBF4関連蛋白質の固有の特徴であると思われる。DNA複製過程におけるCDC7/DBF4蛋白質の重要性の故に、関連する機能又は構造を備え、CDC7キナーゼ自体の活性を調節しうる遺伝子及び蛋白質を同定することは重要である。
【0016】
本発明は、ヒトDBF4/ASK1と機能的相同性を示す、ここでDRF1と称する新規ポリペプチドの予想外の発見、例えばCDC7キナーゼ活性を調節する際に鍵となる成分としてのその役割に関する。DRF1は、それ故、DRF1及び/又はCDC7キナーゼ活性を変化させる及び/又は制御することができる新規物質についての探索において有用である。本発明のこれらやその他の態様を下記に述べる。
【0017】
(発明の概要)
本発明は、一部には、配列番号1、又はそのフラグメント;配列番号2、又はそのフラグメント;配列番号1又は配列番号2の少なくとも一部に相補的なヌクレオチド配列;配列番号1又は配列番号2に相同なヌクレオチド配列、又はそのフラグメント;配列番号3を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、又はそのフラグメント、あるいは配列番号3に相同なアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、又はそのフラグメントを含む単離核酸分子を対象とする。
【0018】
本発明はまた、上述した核酸分子のいずれかを含む組換え発現ベクターを対象とする。
【0019】
本発明はまた、上述した核酸分子のいずれかを含む組換え発現ベクターで形質転換した宿主細胞を対象とする。
【0020】
本発明はまた、上述した核酸分子のいずれかを含む組換え発現ベクターを適合性宿主細胞に導入し、ポリペプチドの発現に適した条件下で宿主細胞を増殖させて、宿主細胞からポリペプチドを回収することにより、配列番号3、あるいはその相同体又はフラグメントを含むポリペプチドを作製する方法を対象とする。
【0021】
本発明はまた、上述した核酸分子のいずれかと許容される担体又は希釈剤を含む組成物を対象とする。
【0022】
本発明はまた、上述した核酸分子のいずれかによってコードされる単離ポリペプチドを対象とする。
【0023】
本発明はまた、上述した核酸分子のいずれかによってコードされるポリペプチドと許容される担体又は希釈剤を含む組成物を対象とする。
【0024】
本発明はまた、上述した核酸分子のいずれかによってコードされるポリペプチド上のエピトープに結合する単離抗体を対象とする。
【0025】
本発明はまた、上述した核酸分子のいずれかによってコードされるポリペプチドに結合する抗体と陰性対照抗体を含むキットを対象とする。
【0026】
本発明はまた、免疫応答を誘導するのに十分な量のポリペプチドを哺乳類に投与することにより、哺乳類において上述した核酸分子のいずれかによってコードされるポリペプチドに対する免疫応答を誘導する方法を対象とする。
【0027】
本発明はまた、DRF1又はDRF1含有複合体を化合物に接触させ、化合物がDRF1又はDRF1含有複合体に結合するかどうかを判定することにより、DRF1又はDRF1含有複合体に結合する化合物を同定する方法を対象とする。
【0028】
本発明はまた、DRF1又はDRF1含有複合体をコードする核酸分子を化合物に接触させ、化合物が核酸分子に結合するかどうかを判定することにより、DRF1又はDRF1含有複合体をコードする核酸分子に結合する化合物を同定する方法を対象とする。
【0029】
本発明はまた、DRF1又はDRF1含有複合体を化合物に接触させ、DRF1又はDRF1含有複合体の活性が変化するかどうかを判定することにより、DRF1又はDRF1含有複合体の活性を変化させる化合物を同定する方法を対象とする。
【0030】
本発明はまた、DRF1又はDRF1含有複合体を化合物に接触させ、化合物がDRF1又はDRF1含有複合体の活性を変化させる、DRF1又はDRF1含有複合体に結合する、あるいはDRF1又はDRF1含有複合体をコードする核酸分子に結合するかどうかを判定することによって同定される、DRF1又はDRF1含有複合体の活性を変化させる化合物を対象とする。
【0031】
本発明のこれらやその他の態様を下記でより詳細に説明する。
【0032】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明は、中でも特に、DRF1又はその一部をコードする単離精製ポリヌクレオチド、これらのポリヌクレオチドを含むベクター、これらのベクターで形質転換した宿主細胞、DRF1を作製する工程、上記のポリヌクレオチド及びベクターを使用する方法、単離精製したDRF1、及びDRF1活性を変化させる化合物をスクリーニングする方法を提供する。
【0033】
この明細書全体を通じて様々な定義が為されている。大部分の語は、当業者がそれらの語に帰属させる意味を有する。本明細書中下記又は他の箇所で特に定義される語は、全体として本発明に関連して与えられ、また当業者によって典型的に理解されるような意味を持つ。
【0034】
本明細書で使用するとき、「活性」の語は、直接又は間接の結合を示唆する又は明らかにする;応答に影響を及ぼす、すなわち、例えば本発明のポリペプチド又はポリヌクレオチドに直接結合するための化合物の親和性、あるいは例えば何らかの刺激又は事象後の上流又は下流蛋白質の量又は他の同様の機能の測定を含めて、何らかの暴露又は刺激に対する応答に測定可能な影響を与える、様々な測定可能な指標を指す。
【0035】
本明細書で使用するとき、小文字の略語drf1は遺伝子、cDNA、RNA又は核酸配列を指し、大文字バージョンのDRF1は蛋白質、ポリペプチド、ペプチド、オリゴペプチド又はアミノ酸配列を指す。
【0036】
本明細書で使用するとき、「抗体」の語は、完全な無傷の抗体、及びそのFabフラグメントとF(ab)フラグメントを指すことが意図されている。完全な無傷抗体は、マウスモノクローナル抗体、キメラ抗体及びヒト化抗体のようなモノクローナル抗体を含む。
【0037】
本明細書で使用するとき、「結合」の語は、2つの蛋白質又は化合物あるいはその関連蛋白質又は化合物又はそれらの組合せの間での物理的又は化学的相互作用を意味する。結合は、イオン性、非イオン性、水素結合、ファンデルワールス、疎水性相互作用、等々を含む。物理的相互作用である結合は、直接又は間接のいずれであってもよく、間接結合とは、もう1つの蛋白質又は化合物の作用を通してであるか又はもう1つの蛋白質又は化合物の作用によるものである。直接結合は、もう1つの蛋白質又は化合物の作用を通して又はもう1つの蛋白質又は化合物の作用によって起こるのではなく、他の実質的な化学的中間体を伴わない相互作用を指す。
【0038】
本明細書で使用するとき、「化合物」の語は、低分子量分子、ペプチド、蛋白質、糖、ヌクレオチド、又は核酸を含むがこれらに限定されない、何らかの同定可能な化学物質又は分子を意味し、そのような化合物は天然又は合成のいずれでもよい。
【0039】
本明細書で使用するとき、「相補的」の語は、核酸分子のヌクレオチド単位間のワトソン−クリック型塩基対合を指す。
【0040】
本明細書で使用するとき、「接触させる」の語は、直接又は間接的に、化合物を本発明のポリペプチド又はポリヌクレオチドに物理的に近接させることを意味する。ポリペプチド又はポリヌクレオチドは、緩衝液、塩、溶液等々のいずれかの中に存在しうる。接触させることは、例えば、DRF1又はそのフラグメントをコードする核酸分子又はポリペプチドを含む、ビーカー、マイクロタイタープレート、細胞培養フラスコ、又は遺伝子チップのようなマイクロアレイ、等に化合物を入れることを含む。
【0041】
本明細書で使用するとき、「相同ヌクレオチド配列」又は「相同アミノ酸配列」の語句、あるいはそのバリエーションは、ヌクレオチドレベル又はアミノ酸レベルで、配列番号1又は配列番号2の全体、あるいはコードされるポリペプチドの機能的ドメインをコードする配列番号1又は配列番号2の少なくとも一部分、あるいは配列番号3に対する少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%の相同性によって特徴付けられる配列を指す。相同ヌクレオチド配列は、DRF1蛋白質のアイソフォームをコードする配列を含む。そのようなアイソフォームは、例えばRNAの選択的スプライシングの結果として、同じ生物の異なる組織において発現されうる。あるいは、アイソフォームは異なる遺伝子によってコードされることもある。相同ヌクレオチド配列は、哺乳類を含むがそれに限定されない、ヒト以外の種のDRF1蛋白質をコードするヌクレオチド配列を含む。相同ヌクレオチド配列はまた、ここで述べる、天然に起こる対立遺伝子変異及びヌクレオチド配列の突然変異を含むが、それらに限定されない。相同ヌクレオチド配列は、しかしながら、DBF4/ASK1をコードするヌクレオチド配列を含まない。相同アミノ酸配列は、配列番号3における保存的アミノ酸置換、ならびにCDC7キナーゼ活性化作用を持つポリペプチドをコードするアミノ酸配列を含む。相同アミノ酸配列は、しかしながら、DBF4/ASK1のアミノ酸配列を含まない。パーセント相同性は、例えば、SmithとWatermanのアルゴリズム(その全体が参照してここに組み込まれる、Adv.Appl.Math.,1981、2、482−489)を使用する、デフォールト設定を用いたGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,Madison WI)によって決定することができる。
【0042】
本明細書で使用するとき、「単離」核酸分子の語は、その天然環境から移転された核酸分子(DNA又はRNA)を指す。単離核酸分子の例は、ベクター内に含まれる組換えDNA分子、異種宿主細胞内に維持された組換えDNA分子、部分的又は実質的に精製された核酸分子、及び合成DNA又はRNA分子を含むが、これらに限定されない。
【0043】
本明細書で使用するとき、「変化させる」又は「修飾する」の語は、特定の活性又は蛋白質の量、質、又は作用の上昇又は低下を意味する。
【0044】
本明細書で使用するとき、「オリゴヌクレオチド」の語は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)において使用されるのに十分な数の塩基を持つ一連の連結されたヌクレオチド残基を指す。この短い配列はゲノム又はcDNA配列に基づき(又はゲノム又はcDNA配列から設計され)、特定細胞又は組織において同一、類似又は相補的DNA又はRNAを増幅する、その存在を確認する、又は存在を明らかにするために使用される。オリゴヌクレオチドは、少なくとも約10ヌクレオチド、多くとも約50ヌクレオチド、好ましくは約15から30ヌクレオチドを持つDNA配列の部分を含む。それらは化学的に合成され、プローブとして使用しうる。
【0045】
本明細書で使用するとき、「プローブ」の語は、用途に依存して変更しうる長さ、好ましくは少なくとも約10から多くとも約6,000ヌクレオチドの長さの核酸配列を指す。それらは同一、類似又は相補的核酸配列の検出において使用される。より長いプローブは通常天然又は組換えソースから得られ、高度に特異的であって、オリゴマーよりもはるかに緩やかにハイブリダイズする。それらは一本鎖又は二本鎖で、PCR、ハイブリダイゼーション膜ベース、又はELISA様テクノロジーにおいて特異性を持つように慎重に設計されうる。
【0046】
本明細書で使用するとき、「ストリンジェントハイブリダイゼーション条件」又は「ストリンジェント条件」の語は、その条件下でプローブ、プライマー、又はオリゴヌクレオチドがその標的配列にハイブリダイズするが、他の配列にはハイブリダイズしない条件を指す。ストリンジェント条件は配列依存的であり、種々の状況によって異なる。より長い配列はより高い温度で特異的にハイブリダイズする。一般に、ストリンジェント条件は、規定されたイオン強度とpHでの特定配列についての融解温度(T)よりも約5℃低く選択される。Tは、標的配列に相補的なプローブの50%が平衡状態で標的配列にハイブリダイズする、(規定されたイオン強度、pH及び核酸濃度下での)温度である。標的配列は一般に過剰に存在するので、Tでは、平衡状態でプローブの50%が結合される。典型的には、ストリンジェント条件は、塩濃度が約1.0Mナトリウムイオン未満、典型的にはpH7.0から8.3で約0.01から1.0Mナトリウムイオン(又は他の塩)であって、温度が、短いプローブ、プライマー又はオリゴヌクレオチド(例えば10から50ヌクレオチド)については少なくとも約30℃、より長いプローブ、プライマー又はオリゴヌクレオチドについては少なくとも約60℃である条件である。ストリンジェント条件はまた、ホルムアミドのような不安定化剤を加えて達成することもできる。
【0047】
アミノ酸配列は、アミノからカルボキシ方向へ、左から右に示している。アミノ及びカルボキシ基は配列中に示していない。ヌクレオチド配列は、5’から3’方向へ、左から右に一本鎖だけで示している。ヌクレオチド及びアミノ酸は、IUPAC−IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨されているように、又は(アミノ酸については)3文字コードによって示している。
【0048】
本発明の1つの態様は、DRF1をコードする新規ヌクレオチド配列を含む核酸分子を対象とする。核酸分子は好ましくはRNA又はDNAのいずれかであるが、RNAとDNAの両方の単量体又はペプチド核酸単量体を含みうる。核酸分子は一本鎖又は二本鎖でありうる。核酸分子の単量体は、従来のホスホジエステル結合、又は例えばホスホロチオエート結合等のような修飾結合を通して連結されうる。さらに、単量体の糖部分は、例えばヌクレアーゼ耐性を付与するのを助ける及び/又は細胞取込みを助ける2’置換の付加によって修飾されうる。
【0049】
本発明の好ましい実施形態では、核酸分子は配列番号1を含み、配列番号1は3006塩基の長さであって、DRF1をコードする約1845ヌクレオチド(配列番号1内の約139位から約1983位まで)のオープンリーディングフレーム(ORF)を含む。ヒトdbf4/ask1 cDNAと配列番号1のdrf1 cDNAの比較は42.8%の全体的配列相同性(同一残基)を示した。
【0050】
代替的に、核酸分子は配列番号1のフラグメントを含む。好ましくは、フラグメントは、約10から約100ヌクレオチド、約101から約200ヌクレオチド、約201から約300ヌクレオチド、約301から約400ヌクレオチド、約401から約500ヌクレオチド、約501から約600ヌクレオチド、約601から約700ヌクレオチド、約701から約800ヌクレオチド、約801から約900ヌクレオチド、約901から約1000ヌクレオチド、約1001から約1100ヌクレオチド、約1101から約1200ヌクレオチド、約1201から約1300ヌクレオチド、約1301から約1400ヌクレオチド、約1401から約1500ヌクレオチド、約1501から約1600ヌクレオチド、約1601から約1700ヌクレオチド、約1701から約1800ヌクレオチド、約1801から約1900ヌクレオチド、約1901から約2000ヌクレオチド、約2001から約2100ヌクレオチド、約2101から約2200ヌクレオチド、約2201から約2300ヌクレオチド、約2301から約2400ヌクレオチド、約2401から約2500ヌクレオチド、約2501から約2600ヌクレオチド、約2601から約2700ヌクレオチド、約2701から約2800ヌクレオチド、約2801から約2900ヌクレオチド、約2901から約3000ヌクレオチド、約3001から約3006ヌクレオチド、及びそれらの何らかの組合せを含む。フラグメントは配列番号1のいずれの部分内にも位置しうる。
【0051】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、核酸分子は配列番号2を含み、配列番号2は1845塩基の長さであって、上述したORF(配列番号1内の約139位から約1983位まで)を含む。代替的に、核酸分子は配列番号2のフラグメントを含む。好ましくは、フラグメントは、約10から約100ヌクレオチド、約101から約200ヌクレオチド、約201から約300ヌクレオチド、約301から約400ヌクレオチド、約401から約500ヌクレオチド、約501から約600ヌクレオチド、約601から約700ヌクレオチド、約701から約800ヌクレオチド、約801から約900ヌクレオチド、約901から約1000ヌクレオチド、約1001から約1100ヌクレオチド、約1101から約1200ヌクレオチド、約1201から約1300ヌクレオチド、約1301から約1400ヌクレオチド、約1401から約1500ヌクレオチド、約1501から約1600ヌクレオチド、約1601から約1700ヌクレオチド、約1701から約1800ヌクレオチド、約1801から約1845ヌクレオチド、及びそれらの何らかの組合せを含む。フラグメントは配列番号2のいずれの部分内にも位置しうる。
【0052】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、核酸分子は配列番号1又は配列番号2の少なくとも一部に相補的なヌクレオチド配列を含む。好ましくは、核酸分子は、配列番号1又は配列番号2に列挙されている配列全体に相補的なヌクレオチド配列を含む。代替的には、配列番号1又は配列番号2の一部に相補的な(すなわち上述したフラグメントのいずれかに相補的な)ヌクレオチド配列を含む。配列番号1又は配列番号2の少なくとも一部に相補的なヌクレオチド配列は、例えば、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で配列番号1又は配列番号2の少なくとも一部にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む。好ましいオリゴヌクレオチドは、少なくとも約10ヌクレオチドから多くとも約50ヌクレオチド、好ましくは約15から30ヌクレオチドを含む。それらは化学合成され、プローブ、プライマー、及びアンチセンス物質として使用できる。
【0053】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、核酸分子は配列番号1又は配列番号2に相同なヌクレオチド配列を含む。好ましくは、ヌクレオチド配列は、配列番号1又は配列番号2の全体に少なくとも約60%相同、より好ましくは少なくとも約70%相同、より好ましくは少なくとも約80%相同、より好ましくは少なくとも約90%相同、最も好ましくは少なくとも約95%相同である。代替的には、ヌクレオチド配列は、配列番号1又は配列番号2によってコードされるポリペプチドの機能的ドメインをコードする配列番号1又は配列番号2の部分に少なくとも約60%相同、より好ましくは少なくとも約70%相同、より好ましくは少なくとも約80%相同、より好ましくは少なくとも約90%相同、最も好ましくは少なくとも約95%相同である。さらに、配列番号1又は配列番号2に相同なヌクレオチド配列はまた、上述した長さの配列番号1又は配列番号2に相同なヌクレオチド配列のフラグメントを含む。相同ヌクレオチド配列は、しかしながら、DBF4/ASK1をコードするヌクレオチド配列を含まない。
【0054】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、核酸分子は、配列番号3を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。核酸分子は、好ましくは配列番号2を含むか、又は遺伝暗号の縮重を反映するコドン置換を有する配列番号2を含む。当該技術において既知であるように、遺伝暗号の縮重のために、配列番号2によってコードされるのと同じポリペプチドをコードすることができる数多くの他のDNA及びRNA分子が存在する。本発明は、それ故、発現されたときに配列番号3のポリペプチドをコードする、これらの他のDNA及びRNA分子を想定する。単に特定アミノ酸についてのコドンの変化によって特徴付けられる、ここで特定して開示するもの以外のDNA及びRNA分子は本発明の範囲内である。
【0055】
当該技術において周知であるように、遺伝暗号の縮重のために、上述したdrf1遺伝子によってコードされるのと同じポリペプチドをコードすることができる数多くの他のDNA及びRNA分子が存在する。本発明は、それ故、発現されたときに配列番号3のポリペプチドをコードする、それらの他のDNA及びRNA分子を想定する。drf1遺伝子によってコードされるアミノ酸残基配列が同定されているので、各々の特定アミノ酸残基についてのすべてのトリプレットコドンの知識をもってすれば、そのようなすべてのコードRNA及びDNA配列を述べることが可能である。単に特定アミノ酸についてのコドンの変化によって特徴付けられる、ここで特定して開示するもの以外のDNA及びRNA分子は本発明の範囲内である。
【0056】
アミノ酸とそれらの代表的略語、符号及びコドンの表を下記の表1に示す。
【0057】
【表1】
Figure 0005142115
【0058】
当該技術において既知であるように、コドンはmRNA分子においてヌクレオチドのトリプレット配列を構成し、それ自体は、塩基チミジン(T)(これはDNA分子中に存在する)に代わる塩基ウラシル(U)によって特徴付けられる。ポリヌクレオチド内の同じアミノ酸残基についてのコドンの単純な変化は、コードされるポリペプチドの配列又は構造を変化させない。
【0059】
代替的に、核酸分子は、配列番号3をコードするポリペプチドのフラグメントをコードするヌクレオチド配列を含む。好ましくは、フラグメントは、約5から約20アミノ酸、約21から約40アミノ酸、約41から約60アミノ酸、約61から約80アミノ酸、約81から約100アミノ酸、約101から約120アミノ酸、約121から約140アミノ酸、約141から約160アミノ酸、約161から約180アミノ酸、約181から約200アミノ酸、約201から約220アミノ酸、約221から約240アミノ酸、約241から約260アミノ酸、約261から約280アミノ酸、約281から約300アミノ酸、約301から約320アミノ酸、約321から約340アミノ酸、約341から約360アミノ酸、約361から約380アミノ酸、約381から約400アミノ酸、約401から約420アミノ酸、約421から約440アミノ酸、約441から約460アミノ酸、約461から約480アミノ酸、約481から約500アミノ酸、約501から約520アミノ酸、約521から約540アミノ酸、約541から約560アミノ酸、約561から約580アミノ酸、約581から約600アミノ酸、約601から約610アミノ酸、及びそれらの何らかの組合せを含む。フラグメントは配列番号3のいずれの部分内にも位置しうる。
【0060】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、核酸分子は、配列番号3に相同なアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。代替的には、核酸分子は、配列番号3に相同なアミノ酸配列を含むポリペプチドのフラグメントをコードするヌクレオチド配列を含む。好ましくは、フラグメントは、約5から約20アミノ酸、約21から約40アミノ酸、約41から約60アミノ酸、約61から約80アミノ酸、約81から約100アミノ酸、約101から約120アミノ酸、約121から約140アミノ酸、約141から約160アミノ酸、約161から約180アミノ酸、約181から約200アミノ酸、約201から約220アミノ酸、約221から約240アミノ酸、約241から約260アミノ酸、約261から約280アミノ酸、約281から約300アミノ酸、約301から約320アミノ酸、約321から約340アミノ酸、約341から約360アミノ酸、約361から約380アミノ酸、約381から約400アミノ酸、約401から約420アミノ酸、約421から約440アミノ酸、約441から約460アミノ酸、約461から約480アミノ酸、約481から約500アミノ酸、約501から約520アミノ酸、約521から約540アミノ酸、約541から約560アミノ酸、約561から約580アミノ酸、約581から約600アミノ酸、約601から約610アミノ酸、及びそれらの何らかの組合せを含む。フラグメントは配列番号3のいずれの部分内にも位置しうる。
【0061】
本発明において開示されるヌクレオチド配列情報の知識により、当業者は、当業者に既知であり、例えば、その全体が参照してここに組み込まれる、Sambrookら、「Molecular cloning:a laboratory manual」、第2版、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor,NY(1989)によって開示される様々な手段を通して、種々のソース(すなわち種々の組織又は種々の生物)からDRF1をコードするヌクレオチド配列を同定し、入手することができる。
【0062】
例えば、DEF1をコードするDNAは、ここで提供するdrf1遺伝子配列情報から作製されるオリゴヌクレオチドプローブでmRNA、cDNA、又はゲノムDNAをスクリーニングすることによって入手しうる。プローブは、当業者に既知であり、例えばSambrookらによって述べられているような従来のハイブリダイゼーションアッセイで使用される手順に従って、蛍光群、放射性元素又は化学発光群のような検出可能な群で標識することができる。
【0063】
上述したdrf1ヌクレオチド配列のいずれかを含む核酸分子は、代替的に、ここで提供するヌクレオチド配列から生成されるPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)手法の使用によって回収することができる。Mullisらへの米国特許第4,683,195号及びMullisらへの米国特許第4,683,202号参照。PCR反応は、その配列がそれまで精製されておらず、特定試料中に単一コピーしか存在しないときでも、特定核酸配列の濃度を選択的に高めるための方法を提供する。かかる方法は、一本鎖又は二本鎖DNAを増幅するために使用できる。方法の骨子は、2つのオリゴヌクレオチドプローブを、所望する核酸分子の鋳型依存性のポリメラーゼを介した複製のためのプライマーとして使用することを含む。
【0064】
極めて多様な代替的クローニング及びインビトロ増幅法が当業者に既知である。これらの手法の例は、例えば、その全体が参照してここに組み込まれる、Bergerら、Guide to Molecular Cloning Techniques,Methods in Enzymology 152 Academic Press,Inc.,San Diego,CA(Berger)に認められる。
【0065】
本発明の核酸分子及びそれらから誘導されるフラグメントは、ある種の疾患に関連する制限断片長多型(RFLP)についてのスクリーニングのため、ならびに遺伝子マッピングのために有用である。
【0066】
DRF1をコードする本発明のヌクレオチド配列から誘導される、アンチセンスオリゴヌクレオチド、あるいは配列番号1又は配列番号2のフラグメント、あるいはそれらに相補的な配列は、様々な組織において遺伝子発現を探索するための診断ツールとして有用である。例えば、この酵素の天然発現又はそれに関連する病的状態を検討するための従来のオートラジオグラフィー手法により、検出可能な群を担うオリゴヌクレオチドプローブを用いて組織をインサイチューで探査することができる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、好ましくは、開始コドン、TATAボックス、エンハンサー配列、等を含むがこれらに限定されない、配列番号1又は配列番号2の調節領域あるいはそれらに対応するmRNAを対象とする。
【0067】
自動塩基配列決定法を使用してdrf1のヌクレオチド配列を入手又は確認した。本発明のdrf1ヌクレオチド配列は二本のDNA鎖について得られ、100%正確であると考えられる。しかし、当該技術において知られているように、自動シークエンシング法によって得られるヌクレオチドは誤りを含むことがある。自動シークエンシング法によって決定されるヌクレオチド配列は、典型的には所与の核酸分子の実際のヌクレオチド配列に少なくとも約90%、より典型的には少なくとも約95%から少なくとも約99.9%同一である。実際の配列は、当該技術において既知の手動塩基配列決定法を用いてより正確に決定しうる。1個又はそれ以上のヌクレオチドの挿入又は欠失をもたらす配列の誤りは、翻訳の際にフレームシフトを生じさせることがあり、その結果予想アミノ酸配列が、突然変異の点から始まる、核酸分子の実際のヌクレオチド配列から予想されるものとは異なることになる。
【0068】
本発明のもう1つの態様は、上述した核酸分子のいずれかを含むベクター又は組換え発現ベクターを対象とする。ベクターは、ここではDRF1をコードするDNA又はRNAを増幅するため及び/又はDRF1をコードするDNAを発現するために使用される。好ましいベクターは、プラスミド、ファージ、コスミド、エピソーム、ウイルス粒子又はウイルス、及び組込み可能なDNAフラグメント(すなわち相同的組換えによって宿主ゲノムに組込み可能なフラグメント)を含むが、これらに限定されない。好ましいウイルス粒子は、アデノウイルス、パルボウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、アデノ随伴ウイルス、セムリキ森林ウイルス、ワクシニアウイルス、及びレトロウイルスを含むが、これらに限定されない。好ましい発現ベクターは、pcDNA3(Invitrogen)及びpSVL(Pharmacia Biotech)を含むが、これらに限定されない。他の発現ベクターは、pSPORTベクター、pGEMベクター(Promega)、pPROEXベクター(LTI、Bethesda,MD)、Bluescriptベクター(Stratagene)、pQEベクター(Qiagen)、pSE420(Invitrogen)、及びpYES2(Invitrogen)及び一連のGateway発現プラスミド(Life Technologies)を含むが、これらに限定されない。
【0069】
好ましい発現ベクターは、DRF1をコードするDNA配列が、適当な宿主においてDRF1の発現を実現することができる適当な制御配列に作動可能に連結されている、複製可能なDNA構築物である。DNA領域は、それらが互いに機能的に関連するとき作動可能に連結されている。例えば、プロモーターは、それが配列の転写を制御する場合にはコード配列に作動可能に連結されている。増幅ベクターは発現制御ドメインを必要とせず、通常は複製起点によって与えられる、宿主において複製する能力、及び形質転換体の認識を容易にする選択遺伝子だけを必要とする。発現ベクターにおける制御配列の必要性は、選択する宿主と選択する形質転換法に依存して異なる。一般に、制御配列は、転写プロモーター、転写を制御するための任意のオペレーター配列、適当なmRNAリボソーム結合をコードする配列、及び転写と翻訳の終結を制御する配列を含む。
【0070】
好ましいベクターは、好ましくは宿主生物によって認識されるプロモーターを含む。本発明のプロモーター配列は、原核生物、真核生物又はウイルスのいずれでもよい。適当な原核生物配列の例は、バクテリオファージλのP及びPプロモーター(その全体が参照してここに組み込まれる、The Bacteriophage Lambda,Hershey,A.D.編集、Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY(1973);その全体が参照してここに組み込まれる、Lambda II,Hendrix,R.W.編集、Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY(1980))、大腸菌のtrp、recA、熱ショック、及びlacZプロモーター、及びSV40初期プロモーター(その全体が参照してここに組み込まれる、Benoistら、Nature,1981、290、304−310)を含む。さらなるプロモーターは、マウス乳腺癌ウイルス、ヒト免疫不全ウイルスのロングターミナルリピート、マロネイウイルス、サイトメガロウイルス前初期プロモーター、エプスタイン−バーウイルス、ラウス肉腫ウイルス、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、及びヒトメタロチオネインを含むが、これらに限定されない。
【0071】
さらなる調節配列も好ましいベクター内に含まれうる。適当な調節配列の好ましい例は、ファージMS−2のレプリカーゼ遺伝子及びバクテリオファージλの遺伝子cIIのシャイン−ダルガーノに代表される。シャイン−ダルガーノ配列は、そのすぐ後にDRF1をコードするDNAが続き、成熟DRF1蛋白質の発現をもたらすと考えられる。
【0072】
さらに、適当な発現ベクターは、形質転換した宿主細胞のスクリーニングを可能にする適切なマーカーを含みうる。選択した宿主の形質転換は当該技術の専門家に既知であり、Sambrookら、前出に述べられている様々な手法のいずれかを用いて実施される。
【0073】
複製の起点はまた、外来性起点を含むベクターの構築によって提供されるか、又は宿主細胞の染色体複製機構によって提供されうる。ベクターを宿主細胞染色体に組み込む場合には、後者が十分であると考えられる。代替的には、ウイルスの複製起点を含むベクターを使用するのではなく、当業者は、選択マーカーとDRF1 DNAを用いる同時形質転換の方法によって哺乳類細胞を形質転換することができる。適当なマーカーの例は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)又はチミジンキナーゼ(米国特許第4,399,216号参照)である。
【0074】
DRF1をコードするヌクレオチド配列は、ライゲーションのための平滑末端又は付着末端、適切な末端を提供する制限酵素消化、適宜に付着末端の充填、望ましくない結合を避けるためのアルカリホスファターゼ処理、及び適切なリガーゼによるライゲーションを含めて、従来の手法に従ってベクターDNAと組み換えることができる。そのような操作のための手法は、Sambrookら、前出に開示されており、当該技術において既知である。哺乳類発現ベクターの構築のための方法は、例えば、各々その全体が参照してここに組み込まれる、Okayamaら、Mol.Cell.Biol.,1983、3,280、Cosmanら、Mol.Immunol.,1986、23、935、Cosmanら、Nature,1984、312、768、EP−A−0367566号、及びWO91/18982号に開示されている。
【0075】
本発明のもう1つの態様は、上述した核酸分子のいずれかを含む発現ベクターを有する形質転換宿主細胞を対象とする。発現ベクターが適切な宿主細胞に導入されたときにヌクレオチド配列の発現が起こる。本発明のポリペプチドの発現のための適当な宿主細胞は、原核生物、酵母、及び真核生物を含むが、これらに限定されない。原核生物発現ベクターを用いる場合には、適切な宿主細胞は、クローン化した配列を発現することができる原核細胞であろう。適当な原核細胞は、エシェリキア(Escherichia)、バチルス(Bacillus)、サルモネラ(Salmonella)、シュードモナス(Pseudomonas)、ストレプトミセス(Streptomyces)、及びブドウ球菌(Staphylococcus)属を含むが、これらに限定されない。
【0076】
真核生物発現ベクターを用いる場合には、適切な宿主細胞は、クローン化した配列を発現することができる真核細胞であろう。好ましくは、真核細胞は高等真核生物の細胞である。適当な真核細胞は、ヒト以外の哺乳類の組織培養細胞及びヒト組織培養細胞を含むが、これらに限定されない。好ましい宿主細胞は、昆虫細胞、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)、アフリカミドリザル腎細胞(COS細胞)、ヒト293細胞、及びマウス3T3線維芽細胞を含むが、これらに限定されない。細胞培養でのそのような細胞の増殖は常用手順となっている(その全体が参照してここに組み込まれる、Tissue Culture,Academic Press,KruseとPatterson編集、(1973)参照)。
【0077】
さらに、酵母宿主が宿主細胞として使用できる。好ましい酵母細胞は、サッカロミセス(Saccharomyces)、ピヒア(Pichia)、及びクルイベロミセス(Kluyveromyces)属を含むが、これらに限定されない。好ましい酵母宿主はS.cerevisiae及びP.pastorisである。好ましい酵母ベクターは、2T酵母プラスミドからの複製起点配列、自律複製配列(ARS)、プロモーター領域、ポリアデニル化のための配列、転写終結のための配列、及び選択マーカー遺伝子を含みうる。酵母と大腸菌における複製のためのシャトルベクターもここに包含される。
【0078】
代替的に、昆虫細胞が宿主細胞として使用できる。好ましい実施形態では、本発明のポリペプチドはバキュロウイルス発現系を用いて発現される(各々その全体が参照してここに組み込まれる、Luckowら、Bio/Technology、1988、6,47、Baculovirus Expression Vectors:A Laboratory Manual,O’Riellyら(編集)、W.H.Freeman and Company,New York,1992、及び米国特許第4,879,236号参照)。さらに、MAXBAC(商標)完全バキュロウイルス発現系(Invitrogen)が昆虫細胞での生産のために使用できる。
【0079】
本発明のもう1つの態様は、上述した核酸分子又は組換え発現ベクターのいずれかと許容される担体又は希釈剤を含む、製薬組成物を含めた組成物を対象とする。好ましくは、担体又は希釈剤は製薬上許容される。適当な担体は、その全体が参照してここに組み込まれる、この分野の標準参照テキストであるRemington’s Pharmaceutical Sciences、A.Osolの最新版に述べられている。そのような担体又は希釈剤の好ましい例は、水、食塩水、リンガー液、デキストロース溶液、及び5%ヒト血清アルブミンを含むが、これらに限定されない。リポソーム及び不揮発性油のような非水性賦形剤も使用しうる。製剤は一般的に使用される手法によって滅菌される。
【0080】
本発明のもう1つの態様は、上述した核酸分子によってコードされる単離されたポリペプチドを対象とする。本発明の好ましい実施形態では、単離ポリペプチドは配列番号3に示すアミノ酸配列を含む。ヒトDBF4/ASK1と配列番号3のDRF1の比較は22.1%の全体的配列相同性(同一残基)を示した。
【0081】
代替的には、ポリペプチドは、配列番号3をコードするポリペプチドのフラグメントである。好ましくは、フラグメントは、約5から約20アミノ酸、約21から約40アミノ酸、約41から約60アミノ酸、約61から約80アミノ酸、約81から約100アミノ酸、約101から約120アミノ酸、約121から約140アミノ酸、約141から約160アミノ酸、約161から約180アミノ酸、約181から約200アミノ酸、約201から約220アミノ酸、約221から約240アミノ酸、約241から約260アミノ酸、約261から約280アミノ酸、約281から約300アミノ酸、約301から約320アミノ酸、約321から約340アミノ酸、約341から約360アミノ酸、約361から約380アミノ酸、約381から約400アミノ酸、約401から約420アミノ酸、約421から約440アミノ酸、約441から約460アミノ酸、約461から約480アミノ酸、約481から約500アミノ酸、約501から約520アミノ酸、約521から約540アミノ酸、約541から約560アミノ酸、約561から約580アミノ酸、約581から約600アミノ酸、約601から約610アミノ酸、及びそれらの何らかの組合せを含む。フラグメントは配列番号3のいずれの部分内にも位置しうる。
【0082】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、ポリペプチドは、配列番号3に相同なアミノ酸配列又は上述したようなそのフラグメントを含む。本発明が、ここで述べるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドに相同であり、且つ基本的に同じ生物学的特性を持つ蛋白質、すなわち変異体を包含することは明白である。この定義は、ここで述べるdrf1遺伝子のアイソフォーム及び天然の対立遺伝子変異体を包含することを意図している。これらの変異体形態は、例えば選択的スプライシング又は同じソース生物の異なる組織における異なる発現から生じうる。変異体形態は、例えばアミノ酸の挿入、欠失又は置換によって特徴付けることができる。これに関して、配列番号3に少なくとも約70%の配列相同性、少なくとも約80%の配列相同性、好ましくは約90%の配列相同性、より好ましくは約95%の配列相同性、最も好ましくは約98%の配列相同性を持つアミノ酸配列を含む変異体形態は本発明に包含されることが想定されている。好ましい相同ポリペプチドは、配列番号3に比べて少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を含む。アミノ酸の「挿入」、「置換」又は「欠失」は、アミノ酸配列への変化又はアミノ酸配列内の変化である。個々のアミノ酸配列において認められる変異は、合成によってペプチドを生成するか、又は組換えDNA手法を用いてdrf1配列においてヌクレオチドの挿入、欠失又は置換を体系的に創造することによって実験的に決定しうる。
【0083】
天然に生じるアミノ酸配列の変更は、多くの既知の手法のいずれかによって実施できる。例えば、各々その全体が参照してここに組み込まれる、Walderら、Gene,1986、42、133、Bauerら、Gene,1985、37,73、Craik、BioTechniques,1985年1月、p.12−19、Smithら、Genetic Engineering:Principles and Methods,Plenum Press(1981)、ならびに米国特許第4,518,584号及び同第4,737,462号に述べられている、オリゴヌクレオチド指定突然変異誘発のような当業者に既知の手順によって特定の位置でポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに突然変異を導入することができる。
【0084】
好ましくは、本発明のDRF1変異体は、天然に生じるDRF1ポリペプチドの生物活性を実質的に示す。「天然に生じるDRF1ポリペプチドの生物活性を実質的に示す」とは、本発明の範囲内のDRF1変異体が保存的に置換された配列を含みうること、すなわちDRF1ポリペプチドの1個又はそれ以上のアミノ酸残基が、DRF1ポリペプチドの二次及び/又は三次構造を変化させない異なる残基で置換されていることを意味する。そのような置換は、1個の脂肪族残基(Ile、Val、Leu又はAla)をもう1つの脂肪族残基で置換すること、あるいは塩基性残基LysとArg、酸性残基GluとAsp、アミド残基GlnとAsn、ヒドロキシル残基SerとTyr、又は芳香族残基PheとTyrの間の置換のような、同様の物理化学的特性を持つ残基によるアミノ酸の置換を含みうる。表現型上サイレントのアミノ酸交換を行うことについてのさらなる情報は、その全体が参照してここに組み込まれる、Bowieら、Science,1990、247、1306−1310に認められる。DRF1の生物活性を実質的に保持すると考えられる他のDRF1変異体は、アミノ酸置換が蛋白質の機能的領域の外側部分で生じたものである。
【0085】
そのような宿主細胞において発現されるポリペプチドはまた、異種蛋白質からの領域を含む融合蛋白質でありうる。そのような領域は、例えばポリペプチドの分泌、改善された安定性、又は精製の容易さを可能にするために含めることができる。例えば、適切なシグナルペプチドをコードする配列を発現ベクターに組み込むことができる。ポリペプチドがシグナルペプチドを含む融合蛋白質として翻訳されるように、シグナルペプチドについてのDNA配列(分泌リーダー)をポリヌクレオチド配列にフレーム内融合しうる。意図する宿主細胞において機能性であるシグナルペプチドは、ポリペプチドの細胞外分泌を促進する。好ましくは、シグナル配列は、細胞からポリペプチドが分泌される際にポリペプチドから開裂される。従って、DRF1のN末端が担体ペプチドに融合している好ましい融合蛋白質を生成することができる。
【0086】
1つの実施形態では、ポリペプチドは、ポリペプチドの精製を容易にするために使用される異種領域を含む融合蛋白質を含む。そのような機能のために使用される入手可能なペプチドの多くは、結合パートナーへの融合蛋白質の選択結合を可能にする。好ましい結合パートナーはプロテインAの1又はそれ以上のIgG結合ドメインを含み、例えばIgG結合Sepharoseでのアフィニティークロマトグラフィーによって容易に均質に精製される。代替的には、多くのベクターが、標的蛋白質のN末端又はC末端で発現されうるヒスチジン残基の伸長を担うという利点を持つ。そこで、対象蛋白質を金属キレート化クロマトグラフィーによって回収することができる。エンテロキナーゼ、第X因子、あるいはプロコラゲナーゼ又はトロンビンのような蛋白質分解酵素についての認識部位をコードするヌクレオチド配列は、融合蛋白質の開裂によって成熟DRF1蛋白質が得られるようにDRF1についての配列の直前に存在しうる。融合パートナーのさらなる例は、酵母第I因子、sf9昆虫細胞におけるミツバチメラチンリーダー、6−Hisタグ、チオレドキシンタグ、赤血球凝集素タグ、GSTタグ、及びOmpAシグナル配列タグを含むが、これらに限定されない。当業者には理解されるように、ペプチドを認識し、それに結合する結合パートナーは、金属イオン(例えば金属アフィニティーカラム)、抗体、又はそのフラグメント、及びFLAGタグのようなペプチドに結合する何らかの蛋白質又はペプチドを含めて、いかなる分子又は化合物であってもよい。
【0087】
本発明のポリペプチドは、それに対する抗体を惹起するための抗原として使用でき、またDRF1の活性を変化させる化合物をスクリーニングするために使用できる。DRF1はまた、組成物において使用することができる。従って、本発明は、薬剤として使用するための本発明に従ったDRF1又は抗体、ならびに癌のような制御できない細胞増殖によって引き起こされる疾患を対象とする薬剤の製造における該分子の使用に関する。本発明に従って薬剤として使用される分子は、ここで述べるポリペプチド又は抗体、ならびにここで述べるスクリーニング法において同定される何らかの新規物質でありうる。
【0088】
もう1つの態様では、本発明は、関連する天然パターンのグリコシル化、アシル化、シアリル化、又は他の翻訳後修飾を伴う又は伴わないDRF1ポリペプチドを提供する。酵母、昆虫又は哺乳類発現系において発現されるDRF1(下記で述べる)は、分子量とグリコシル化パターンにおいて天然のDRF1ポリペプチドと同様であるか、又は有意に異なっていてもよい。言うまでもなく、細菌発現系におけるDRF1の発現は非グリコシル化DRF1を生じる。
【0089】
本発明のもう1つの態様は、上述したポリペプチドのいずれかと許容される担体又は希釈剤を含む、製薬組成物を含めた組成物を対象とする。好ましくは、担体又は希釈剤は製薬上許容される。上述したようなポリペプチドを含む組成物は、例えば抗体形成を誘導するため、そして例えばワクチンの調製における使用のために免疫応答を誘導するのに使用できる。
【0090】
本発明のもう1つの態様は、上述した組換え発現ベクターのいずれかを適合性宿主細胞に導入し、ポリペプチドの発現のための条件下で宿主細胞を増殖させて、宿主細胞からポリペプチドを回収することを含む、配列番号3を含むポリペプチド、あるいはその相同体又はフラグメントを生成する方法を対象とする。真核生物系は、例えばグリコシル化、カルボキシ末端のアミド化、ある種のアミノ酸残基の酸化又は誘導体化、立体配座制御、等々をもたらす多様なプロセシング機構を提供することから、好ましい。
【0091】
本発明のポリペプチドは、好ましくは単離形態で提供され、好ましくは実質的に精製されており、最も好ましくは均一に精製されている。好ましくは宿主細胞を溶解し、宿主細胞の溶解産物からポリペプチドを回収する。代替的には、好ましくは宿主細胞を溶解せずに、宿主細胞から細胞培地を精製することによってポリペプチドを回収する。ポリペプチドは、硫酸アンモニウム又はエタノール沈殿法、陰イオン又は陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー及びレクチンクロマトグラフィーを含めて、既知の方法によって組換え細胞培養から回収し、精製することができる。
組換え手法によってこれらの蛋白質を生産することに加えて、自動アミノ酸シンセイサイザーもDRF1ポリペプチド、あるいはそのフラグメント又は相同蛋白質を生成するために使用しうる。
【0092】
本発明のもう1つの態様は、ここで述べるポリペプチドのいずれかのエピトープに結合する1又はそれ以上の抗体を対象とする。好ましくは、抗体は配列番号3内のエピトープに結合する。本発明に従った抗体はモノクローナル又はポリクローナルであり、天然に生じる(完全長)形態と組換え形態の両方の、個体、対立遺伝子、系統又は種変異体、あるいはそれらのフラグメントを含みうる。さらに、抗体は、天然の立体配置又は非天然立体配置の本発明の蛋白質に対して惹起される。抗イディオタイプ抗体も作製することができる。本発明のポリペプチドに結合する抗体を産生するハイブリドーマ、及び抗体そのものも、ポリペプチドの単離と精製において有用である。それに加えて、抗体はDRF1活性の特異的阻害因子であると考えられる。本発明のポリペプチドに特異的に結合する抗体は、既知の手法と容易に入手可能な出発物質を用いて天然ソースから蛋白質を精製するために使用できる。そのような抗体はまた、組換えDNA法によって蛋白質を生産するときに存在する物質から蛋白質を精製するためにも使用できる。
【0093】
抗体を作製する多くの方法が当業者に既知である。モノクローナル抗体を調製するための手法については、その全体が参照してここに組み込まれる、Stiitesら(編集)、Basic and Clinical Immunology(第4版)、Lange Medical Publications,Los Altos,CA、及びその中で引用される参考文献参照。ファージ又は同様のベクターにおける組換え抗体のライブラリー選択に関わる手法は、その全体が参照してここに組み込まれる、Huseら、Science,1989、246、1275−1281に述べられている。抗体の作製、及び完全な無傷の抗体、Fabフラグメント及びF(ab)フラグメントの蛋白質構造、ならびにそのような分子をコードする遺伝子配列の構築は既知であり、また例えば、参照してここに組み込まれる、Harlow,E.とD.Lane(1988)ANTIBODIES:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NYに記述されている。簡単に述べると、例えば、本発明のポリペプチドをマウスに注入する。マウスの脾臓を切除し、脾細胞を単離して不朽化マウス細胞と融合する。ハイブリッド細胞又はハイブリドーマを培養し、抗体を分泌する細胞を選択する。抗体を分析し、ポリペプチドに特異的に結合することが認められれば、それらを産生するハイブリドーマを培養して抗体の継続的供給をもたらす。
【0094】
本発明はまた、医薬キットを含めたキットを対象とする。キットは、上述した核酸分子のいずれか、上述したポリペプチドのいずれか、又は上述したような本発明のポリペプチドに結合する何らかの抗体、ならびに陰性対照を含みうる。キットは好ましくは、例えば指示書、保持体、数量化のために役立つ試薬、等のような付加成分を含む。
【0095】
本発明のもう1つの態様は、免疫応答を誘導するのに十分な量の本発明のポリペプチドを哺乳類に投与することにより、哺乳類において本発明のポリペプチドに対する免疫応答を誘導する方法を対象とする。その量は動物の種、動物の大きさ、等に依存するが、当業者によって決定されうる。
【0096】
本発明の下記の実施形態は、本発明のポリペプチド及び核酸の使用の他のいくつかの方法に関する。これに関して、「DRF1」の語は、DRF1ポリペプチド(又は小文字で書かれている場合にはそれをコードする核酸)それ自体か、又はDRF1がもう1つ別の分子(ポリペプチド又は核酸)と物理的に結合して生物学的に活性な複合体を形成しているDRF1含有複合体のいずれかを指すと解釈されねばならない。また、複合体の生物活性は複合体そのものの各々の成分の活性とは異なる場合がある点にも留意すべきである;しかし、ここで下記に開示する使用法はこれが起こった場合も影響を受けず、DRF1単独ならびにDRF1含有複合体の両方について言及される。そのような複合体の、限定ではないが代表的な例は、本特許明細書の実施例の章に示されているように生理的CDC7キナーゼ基質へのキナーゼ活性を備える、DRF1−CDC7複合体によって構成される。
【0097】
それ故、DRF1又はDRF1をコードする核酸分子を化合物に接触させ、化合物がDRF1又はDRF1をコードする核酸分子に結合するかどうかを判定することを含む、DRF1又はDRF1をコードする核酸分子のいずれかに結合する化合物を同定する方法が本発明のもう1つの態様である。結合は、例えば、その全体が参照してここに組み込まれる、Current Protocols in Molecular Biology,1999、John Wiley & Sons,NYに述べられている、ゲルシフト分析、ウエスタンブロット、放射性標識競合アッセイ、ファージベースの発現クローニング、クロマトグラフィーによる同時分別(co−fractionation)、共沈、架橋、相互作用トラップ/ツーハイブリッド分析、サウスウエスタン分析、ELISA、等を含むがこれらに限定されない、当業者に既知の結合アッセイによって判定できる。スクリーニングする化合物は(DRF1又はDRF1をコードする核酸分子に結合すると考えられる化合物を含みうる)、細胞外、細胞内、生物学的又は化学的由来のものを含むが、これらに限定されない。そのような試験で用いるDRF1ポリペプチド又はポリヌクレオチドは、溶液中に遊離しているか、保持体に結合しているか、細胞表面上に存在するか又は細胞内に位置していてもよい。当業者は、例えば、DRF1と試験する化合物間での複合体の形成を測定することができる。代替的には、当業者は、試験する化合物によって引き起こされるDRF1とその基質間での複合体形成の低下を調べることができる。
【0098】
本発明のもう1つの態様は、DRF1を化合物に接触させ、化合物がDRF1の活性を変化させるかどうかを判定することを含む、DRF1の活性を変化させる(すなわち上昇させるか又は低下させる)化合物を同定する方法を対象とする。被験化合物の存在下での活性を被験化合物なしでの活性と比較する。被験化合物を含む試料の活性が被験化合物を含まない試料における活性よりも高い場合には、化合物は活性を上昇させる。同様に、被験化合物を含む試料の活性が被験化合物を含まない試料における活性よりも低い場合には、化合物は活性を阻害する。
【0099】
本発明は、様々な薬剤スクリーニング手法のいずれかにおいてDRF1を使用することによって化合物をスクリーニングするために特に有用である。スクリーニングする化合物は(DRF1活性を変化させると考えられる化合物を含みうる)、細胞外、細胞内、生物学的又は化学的由来のものを含むが、これらに限定されない。そのような試験で用いるDRF1ポリペプチドはいかなる形態であってもよいが、好ましくは、溶液中に遊離しているか、保持体に結合しているか、細胞表面上に存在するか又は細胞内に位置しうる。当業者は、例えば、DRF1と試験する化合物間での複合体の形成を測定することができる。代替的には、当業者は、試験する化合物によって引き起こされるDRF1とその基質間での複合体形成の低下を調べることができる。
【0100】
本発明のDRF1ポリペプチドの活性は、例えば、被験化合物の存在下と不在下での、キナーゼ活性の検定、細胞増殖測定及びDNA複製活性によって決定することができる。これらの測定は、例えば:JiangとHumer,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.(1997)、94、14320−14325;HunterとSefton[編集者]、Methods in Enzymology(1991)、200、Academic Press,NY;Abelson,J.,Simon,Melvin I.及びDunphy,WG.[編集者]、Methods in Enzymology(1997)、283、Academic Press,NY;Pagano,M.[編集者]、Cell cycle:Materials and Methods、(1995)、Springer−Verlag,NYの中で述べられているように実施できる。
【0101】
例えば、その全体が参照してここに組み込まれる、Enzyme Assays:A Practical Approach,R.EisenthalとM.J.Danson編集、1992、Oxford University Pressに述べられている、光度測定、放射分析、HPLC、電気化学、等を含むがこれらに限定されない他のアッセイも、酵素活性を調べるために使用できる。
【0102】
本発明の好ましい実施形態では、DRF1活性を変化させる化合物をスクリーニングする方法は、化合物をDRF1に接触させ、化合物とDRF1間の複合体の存在に関して検定することを含む。そのようなアッセイでは、典型的にはDRF1を標識する。適当なインキュベーション後、結合形態で存在するものから遊離DRF1を分離し、遊離標識又は複合体化していない標識の量が、特定化合物がDRF1に結合する能力の測定値である。
【0103】
本発明のもう1つの実施形態では、DRF1に対して適当な結合親和性を持つ化合物についての高流量スクリーニングを用いる。簡単に述べると、多数の異なる低分子量ペプチド被験化合物を固体基質上で合成する。ペプチド被験化合物をDRF1と接触させ、洗浄する。その後当該技術において既知の方法によって結合DRF1を検出する。
【0104】
本発明の精製ポリペプチドはまた、上述した薬剤スクリーニング手法における使用のためにプレートに直接被覆することもできる。さらに、非中和抗体を使用して蛋白質を捕獲し、それを保持体上に固定化することができる。
【0105】
本発明の他の実施形態は、本発明のポリペプチドに結合することができる中和抗体がポリペプチドへの結合に関して被験化合物と特異的に競合する、競合的スクリーニングアッセイを使用することを含む。このように、抗体は、DRF1と1又はそれ以上の抗原決定基を共有する何らかのペプチドの存在を検出するために使用できる。放射性標識競合結合試験は、その開示全体が参照してここに組み込まれる、A.H.Linら、Antimicrobial Agents and Chemotherapy,1997、第41巻、No.10、p.2127−2131に述べられている。
【0106】
本発明の他の実施形態では、本発明のポリペプチドは、相互作用性の調節蛋白質の同定、特性指摘及び精製のための研究ツールとして使用される。当該技術において既知の様々な方法によって適切な標識を本発明のポリペプチドに組み込み、ポリペプチドを使用して相互作用性分子を捕獲する。例えば、分子を標識ポリペプチドと共にインキュベートし、洗浄して非結合ポリペプチドを除去し、ポリペプチド複合体を定量する。種々の濃度のポリペプチドを使用して得られたデータを用いて、ポリペプチドの数、親和性、及び蛋白質複合体との結合に関する数値を算定する。
【0107】
標識ポリペプチドはまた、阻害因子を含むがこれに限定されない、ポリペプチドが相互作用する分子の精製のための試薬としても有用である。アフィニティー精製の1つの実施形態では、ポリペプチドをクロマトグラフィーカラムに共有結合する。細胞とその膜を抽出し、様々な細胞サブコンポーネントをカラムに通過させる。分子はポリペプチドへの親和性によってカラムに結合する。ポリペプチド−複合体をカラムから回収し、解離して、回収した分子を蛋白質配列決定に供する。次にこのアミノ酸配列を使用して、捕獲した分子を同定する又は適切なcDNAライブラリーから対応する遺伝子をクローニングするための縮重オリゴヌクレオチドを設計することができる。
【0108】
代替的に、本発明のDRF1と類似した特性を示すが、より小さく、ヒト又は動物の体内でDRF1よりも長い半減期を示す化合物を同定することができる。有機化合物を設計するとき、本発明に従った分子を「先導(lead)」化合物として使用する。既知の製薬上活性な化合物の模倣物質の設計は、そのような「先導」化合物に基づく薬剤開発における既知のアプローチである。模倣物質の設計、合成及び試験は一般に、標的特性に関して数多くの分子を無作為にスクリーニングすることを回避するために使用される。さらに、本発明のDNAによってコードされる演繹アミノ酸配列の分析から生じる構造データは、より特異的な、それ故より高い薬理学的効力を備えた新しい薬剤を設計するために有用である。
【0109】
本発明の蛋白質配列と入手可能なすべてのデータベースに存在する配列との比較は、DBF4/ASK1のN末端モチーフ及びC末端モチーフに関して有意の相同性を示した。従って、他のDBF4/ASK1のN末端モチーフ及びC末端モチーフドメイン蛋白質の入手可能な情報に基づいて本発明の蛋白質の推定三次構造を開発するためにコンピュータモデリングが使用できる。それ故、DRF1の予想される構造に基づいて新しい酵素阻害因子を設計することができる。
【0110】
特定実施形態では、本発明に従ったスクリーニング方法によって同定される新規分子は低分子量の有機分子であり、その場合、その組成物又は製薬組成物は錠剤のような経口摂取用に調製することができる。ここで述べるスクリーニング法によって同定される核酸分子、ベクター、ポリペプチド、抗体及び化合物を含む組成物、又は製薬組成物は、経口、静脈内、経皮、皮下、鼻、筋肉内又は腹腔内を含むがこれらに限定されないいかなる投与経路用にも調製することができる。担体又は他の成分の性質は、個々の投与経路及び投与する本発明の個々の実施形態に依存する。これに関して有用な手法及びプロトコールの例は、中でも特に、その全体が参照してここに組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、Osol,A(編集)、1980に認められる。
【0111】
これらの低分子量化合物の用量は、治療する疾患の状態又は条件、及びヒト又は動物の体重や状態のような他の臨床要素、及び化合物の投与経路に依存する。ヒト又は動物を治療するためには、約0.5mg/kg体重から500mg/kg体重の化合物が投与できる。治療は典型的にはより低い用量で投与され、所望する治療結果が認められるまで継続される。
【0112】
本明細書で述べるスクリーニング方法によって同定される核酸分子、ポリペプチド、抗体、化合物を含めて、本発明の化合物及び方法は様々な医薬適用を有しており、例えば癌細胞及び腫瘍成長のような制御不能の細胞増殖を治療する又は予防するために使用しうる。遺伝子治療手順の総説については、例えば、その全体が参照してここに組み込まれる、Anderson,Science,1992、256、808−813参照。
【0113】
本発明を明らかにすることを意図する下記の実施例により、本発明をさらに説明する。これらの実施例は本発明の範囲を限定することを意図しておらず、また本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本発明がここで特定して述べられている以外のやり方でも実施しうることは明らかであろう。ここでの教示に照らして本発明の数多くの修正及び変法が可能であり、それ故、本発明の範囲内に包含される。
【0114】
下記に示す実施例1、2、3、4、5、6及び7は実際のものであるが、実施例8、9及び10は予言的である。下記の実施例において、「DRF1(含有)複合体」はDRF1とCDC7の複合体を表わす。
【0115】
添付の図面において:
図1は、種々の組織におけるdrf1 mRNAの発現を分析するための一連のノーザンブロットである。詳細については実施例3参照。
【0116】
図2は、DRF1がCDC7と相互作用することを明らかにするウエスタンブロット分析を示す。詳細については実施例4参照。
【0117】
図3は、DRF1が哺乳類細胞においてCDC7キナーゼを活性化することを明らかにしている:DRF1の存在下で、CDC7はその生理的基質MCM2をリン酸化することができる。詳細については実施例5参照。
【0118】
図4は、免疫蛍光顕微鏡検査によって証明されるように、哺乳類細胞におけるDRF1の細胞内局在を示す。A、抗HA免疫染色;B、DAPI染色;C、AとBの二重焼付け(併合)。詳細については実施例6参照。
【0119】
図5AからCは、細胞周期中のDRF1発現のレベルを調べるために実施したフローサイトメトリー分析を示す。詳細については実施例7参照。
【0120】
図6は、ノーザンブロットによるdrf1 mRNA発現の分析である。Tはチミジンブロック、Nはノコダゾール(Nocodazole)ブロックを表わし、レーンの上部の数字は遮断の解放後の時間(時)を示す。
【0121】
実施例
実施例1:ヒトDBF4/ASK1の相同体の同定
dbf4/ask1 cDNAのヌクレオチド配列(アクセス番号AF160249及びNM006716)、又はそれから演繹されるアミノ酸配列を、LGtemplatesFEB2000データベースのIncyte特許データベースに対する問い合わせ配列として使用した。これまでに同定され、注釈された配列を含むこのデータベースを、Gapped BLAST(その全体が参照してここに組み込まれる、Altschulら、Nuc.Acids Res.,1997、25,3389)を用いて類似性の領域に関して検索した。
【0122】
簡単に述べると、Basic Local Alignment Search Toolを表わすBLASTアルゴリズムは配列の類似性を決定するのに適している(その全体が参照してここに組み込まれる、Altschulら、J.Mol.Biol.,1990、215,403−410)。BLAST分析を実施するためのソフトウエアは、the National Center for Biotechnolory Information(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通して公的に入手しうる。このアルゴリズムは、最初に、データベース中の同じ長さのワードと整列したとき何らかの正の閾値のスコアTに適合する又はそれを満たす問い合わせ配列内の長さWの短いワードを同定することによって高いスコアの配列対(HSP)を同定することを含む。Tは近接ワードスコア閾値と称される(Altschulら、前出)。これらの最初の近接ワードのヒットがそれらを含むHSPを検出するための検索を開始する種子(seed)として働く。ワードヒットを累積整列スコアが増加しうる限り各々の配列に沿って両方向に伸長する。1)累積整列スコアがその最大達成値からX量だけ低下する;2)1又はそれ以上の負のスコア残基の整列の蓄積のために累積スコアがゼロ又はそれ以下になる;又は3)いずれかの配列の末端に達するとき、各方向のワードヒットについての伸長を停止する。Blastアルゴリズムパラメータ、W、T及びXは整列の感受性と速度を決定する。Blastプログラムは、11のワード長(W)、BLOSUM62スコアリングマトリックス(その全体が参照してここに組み込まれる、Henikoffら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1992、89、10915−10919参照)、50の整列(B)、10の期待値(E)、M=5、=4、及び二本鎖の比較をデフォールトとして使用する。
【0123】
BLASTアルゴリズム(その全体が参照してここに組み込まれる、Karlinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1993、90、5873−5787)及びGapped BLASTは、2つの配列間の類似性の統計分析を行う。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの測定値は最小総和確率(smallest sum probability)(P(N))であり、これは2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列間の適合が偶然に起こる確率の指標を提供する。例えば、被験核酸をdrf1核酸と比較した最小総和確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満であれば、核酸はdrf1遺伝子又はcDNAに類似しているとみなされる。
【0124】
LGtemplatesFEB2000データベースでの相同性検索をBLASTプログラムバージョン2.0.10で実施した。ASK1/DBF4ポリペプチド配列を問い合わせ配列として使用して特許Incyteデータベースを検索した。非常に低いスコア(10−8未満のE値)を持つ2つのIncyte鋳型を同定した。2つの鋳型(番号150210.1及び143458.1と同定した)は、Incyteによって「Incyteユニーク」と分類され、これは全く注釈がなされないことを意味した。Incyte「鋳型」とは、オーバーラップ配列タグに基づいてコンピュータ構築された配列を表わし、「鋳型」は必ずしも物理的クローンとして存在するわけではない。
【0125】
非常に低スコアであるにもかかわらず、鋳型143458.1は、蛋白質レベルで、ヒトDBF4/ASK1のC末端ドメイン内で40.5%の類似性と33.3%の同一性を示した。このドメインは様々な種のすべてのDBF4/ASK1蛋白質間で非常に良好に保存されており、CDC7への結合の役割を担うことを明らかにした。
【0126】
他方の鋳型、150210.1の翻訳物は、DBF4/ASK1のN末端部分内で配列類似性を示した。この領域も同様にDBF4/ASK1ファミリー内で保存されており、BRCTドメインとして知られている。BRCTドメインは乳癌感受性遺伝子1産物(BRCA)、ならびに転写調節、DNA修復、組換え及び細胞周期制御に関わるいくつかの蛋白質において認められる。CDC7−DBF4はこのドメインを利用してその下流標的を特定するのであろうと提議されている。BLAST検索における非常に低いスコアにもかかわらず、150210.1鋳型も、蛋白質レベルで、DBF4/ASK1のN末端部分と非常に高い配列類似性を示す(52.6%の類似性、37.2%の同一性)。
【0127】
N末端とC末端ドメインはDBF4/ASK1蛋白質において常に一緒に認められるので、我々は、それらが同じ遺伝子の一部であり、新しい遺伝子は新しいヒトDBF4/ASK1相同体を構成しうるという仮説を立てた。
【0128】
2つの同定された鋳型が同じ遺伝子に属することを確認するため、ゲノム配列のデータベースに対するTBLASTN検索を実施した。我々は、両方の鋳型を含む公開構築されたゲノムクローンを同定した。2つのIncyte鋳型はどちらも染色体17番のクローン296K1上に位置する。二本のDNA鎖上で完全、部分及び複数遺伝子を同定することができる遺伝子検出アルゴリズム、GENSCANを用いて、クローンのエクソン−イントロン境界予測を実施した。このプログラムは遺伝子構造/組成特性の確率モデルに基づいており、蛋白質配列相同性情報を使用しない(Burge,C.& Karlin,S.,1997、Prediction of complete gene structures in human genomic DNA、J.Mol.Biol.268,78−94)。
【0129】
予想されるエクソンをcDNAライブラリーに関するPCR分析によって構築し、それによって2つの領域が同じ遺伝子の部分であることを明らかにした(実施例2参照)。
【0130】
Incyte LIFESEQ GOLDデータベース(2000年2月発売)から2つの部分的cDNA分子、Incyteクローン477042(配列番号4)及びIncyteクローン3051528(配列番号5)を完全に配列決定した。
【0131】
クローン3051528は150210.1鋳型の5’配列の大部分である。クローン477042の5’末端は部分的にクローン3051528とオーバーラップする。クローン477042は約600アミノ酸のオープンリーディングフレームを含むが、開始メチオニンコドンを欠く。クローン3051528は5’非翻訳配列、ATG開始及びクローン477042で認められるORFの開始配列を含む。しかし、クローン3051528は、小さな挿入とORFを破壊する2つの大きなギャップを含み、それ故このクローンは有効なオープンリーディングフレームを含まない。
【0132】
2つのクローンのいずれもが完全長cDNA配列を含まず、またどちらも完全なオープンリーディングフレームを含まない。
【0133】
実施例2:drf1 cDNAのクローニング
AB1377蛍光ベースシークエンサー(Perkin Elmer/Applied Biosystems Division,PE/ABD,Foster City,CA)及びABI PRISM Ready Dye−Deoxy TerminatorキットとTaq FSポリメラーゼを使用してcDNAを直接配列決定した。各々のABIサイクルシークエンシング反応は約0.5μgのプラスミドDNAを含んだ。サイクルシークエンシングは、98℃で1分間の初期変性、次いで98℃で30秒間を50サイクル、50℃で30秒間のアニーリング、そして60℃で4分間の伸長を用いて実施した。温度サイクルと時間はPerkin−Elmer 9600熱循環器によって管理した。Centriflexゲルろ過(Advanced Genetic Technologies Corp.,Gaithersburg,MD)を使用して伸長産物を精製した。各反応産物をピペットでカラムに充填し、それを揺動バケット遠心分離(Sorvall型RT6000Bテーブルトップ遠心分離)において室温で4分間、1500×gで遠心分離した。カラム精製した試料を真空下で約40分間乾かし、次に5μlのDNA負荷溶液(83%脱イオンホルムアミド、8.3mM EDTA、及び1.6mg/ml Bleu Dextran)に溶解した。その後試料を3分間90℃に加熱し、ABI377シークエンサーによる配列分析のためにゲル試料ウエルに充填した。GeneWorksプログラム(Oxford Molecular Group)にファイルを取り込んで配列分析を実施した。一般に、500bpの配列読み取りが得られた。両方のDNA鎖から配列情報を得ること、及び配列決定上のすべての不明瞭性が排除されるまで様々な位置でプライマーを使用して難しい領域を再配列決定することにより、潜在的な配列決定の誤りを最小限に抑えた。生じた完全長cDNAの配列を配列番号1に示す。
【0134】
完全長drf1 cDNAを構築するため、138ヌクレオチドの非翻訳領域及び139位の開始コドンを含む大部分の5’配列のPCRフラグメントを、大部分の5’配列を除くすべてのdrf1 cDNA配列を含むIncyteクローン477042に挿入した。詳細には、drf1 cDNAフラグメントをcDNAライブラリーからポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によって増幅した。50μlのPCR反応混合物は、ポリメラーゼ混合物(0.2mM dNTP、1×PCR緩衝液及び0.75μl Expand High Fidelity Polymerase(Roche Biochemicals))、1μgの3206491プラスミド、及び50pmolの正プライマー、5’−AAAACGCCAAGAGATTGATGCTGTAGC−3’(配列番号6)及び50pmolの逆プライマー、5’−CCCCACTGCCTCCTCCACTGATGCTC−3’(配列番号7)及び5μlのヒト精巣組織又はHeLa細胞cDNAライブラリー(Marathon PCR ready libraries,Clontech,USA)を含んだ。Applied Biosystems PE9700熱循環器において次のプログラムを使用して増幅を行った:95℃で15秒間、59℃で30秒間及び72℃で240秒間;32サイクル反復。生じた634bp長の増幅産物をアガロースゲル電気泳動によって分離し、Qiaquickゲル抽出キット(Qiagen)によって精製して、TOPO−TAクローニング(Invitrogen,USA)によってあらかじめベクターに挿入した。形質転換後のコロニーを採取し、再増殖させ、プラスミドをQiagenミディプレップカラムによって精製した。プラスミド挿入部分を両方の鎖に関して完全に配列決定した。確認されたPCRクローンを制限酵素EcoRI及びXhoIで切断し、大部分の5’drf1配列に対応する180bpのバンドをゲル電気泳動によって単離して、Qiaquickで精製した。精製したバンドを、制限酵素EcoRI及びXhoIによって線状化しておいたIncyteクローン477042に挿入した。生じた形質転換体を単離し、再増殖させて、プラスミドを精製した。プラスミドを、150bp挿入部分についてEcoRI及びXhoIによって制限分析して試験した。その後陽性クローンを両方の鎖に関して完全に配列決定した(配列番号1)。
【0135】
実施例3:ノーザンブロット分析
drf1 mRNAの発現を調べるためノーザンブロットを実施した。センス方向のオリゴヌクレオチド、5’−AAAACGCCAAGAGATTGATGCTGTAGC−3’(配列番号6)とアンチセンス方向のオリゴヌクレオチド、5’−CCCCACTGCCTCCTCCACTGATGCTC−−3’(配列番号7)を、配列番号1のdrf1 cDNA配列の一部を増幅するためのプライマーとして使用した。増幅した1位から634位までのDNAフラグメントをプローブとして使用した。
【0136】
Clontechからの多数のヒト組織ノーザンブロット(ヒト#7760−1、ヒトII#7759−1、ヒト癌細胞系統#7757−1)をプローブとハイブリダイズした。ExpressHybハイブリダイゼーション溶液(Clontech)中68℃で30分間プレハイブリダイゼーションを実施した。
【0137】
プローブをMultiprime DNA標識システム(Amersham Pharmacia)によってα−32P−dCTPで標識し、Microspin G50カラム(Amersham Pharmacia)で精製して、約2×10cpm/mlの最終濃度で同じハイブリダイゼーション溶液に加えた。
【0138】
68℃で1時間ハイブリダイゼーションを実施した。フィルターを2×SSC、0.05%SDS中、室温で数回洗い、次いで0.2×SSC、0.1%SDS中50℃で2回洗った。フィルターを−80℃で増感紙を用いてAmersham Hyperfilm MPに暴露した。
【0139】
検査した組織の中で、3.1kbのdrf1転写産物が精巣において、次いで卵巣において高いレベルで検出された(図1参照)。骨格筋では6kbと1.5kbの2つのさらなるバンドを検出し、6kbのバンドは他の組織においても存在した。drf1 mRNAは検査したすべての癌細胞系統(A549肺癌を除く)において高レベルで発現され、増殖におけるこの遺伝子の役割を示唆している。
【0140】
実施例4:DRF1は哺乳類細胞においてCDC7キナーゼと相互作用する
哺乳類細胞でのDRF1の発現のために、drf1コード配列(配列番号1のヌクレオチド138から1986)をベクターpCDNA1−HA(もとのInvitrogen pCDNA1から改変した)においてクローン化した。このベクターは、抗HA抗体による組換え蛋白質の検出のためのN末端HAエピトープを担う。drf1コード領域の増幅のための正プライマーは:5’−CAGAGATCTAGCGAACCGGGAAAGGGAGAC−3’(配列番号8)であり、これは、Bg1IIクローニング部位を導入するための9ヌクレオチドの5’伸長と、開始コドンを含まないdrf1コード配列に適合する21ヌクレオチド(配列番号2のヌクレオチド4から25)を含む。ATG開始コドンはN末端のHAエピトープによって提供される。逆プライマーは:5’−TGCAGATCTCTAACCTGAGTCTACAGCCAG−3’(配列番号9)であり、これは、クローニングのためのBg1II制限部位を導入するための9ヌクレオチドの5’伸長と、終結コドンを含むdrf1配列の逆相補物(reverse complement)に対応する21ヌクレオチド(配列番号2の塩基1828から1849)を含む。PCR反応において使用したアニーリング温度は62℃であった。PCR産物をゲル精製し、ベクターのBg1II部位にクローニングした。ベクター内での挿入物の方向が正しいことを確認するため、適切な制限酵素による消化を行った。新しい構築物をpCDNAHAdrf1と称した。
【0141】
DRF1が哺乳類細胞においてCDC7キナーゼに結合する能力を調べるため、Qiagenマキシプレップカラムを用いて精製したpCDNAHAdrf1プラスミドを、pCdc7FLAG標識した又はキナーゼ陰性形態のCDC7(pCdc7FLAG K90R)あるいは制御ベクターpCMV−Tag2(Stratagene)と共に、293細胞において一過性にトランスフェクションした。このために、ヒトcdc7 cDNAを、CMVプロモーター及び組換え蛋白質の抗体検出のためのFLAGエピトープを含む哺乳類発現ベクターpCMV−Tag2にクローニングした。キナーゼ不活性形態のCDC7を生成するため、突然変異誘発キット(Amersham)を用いて触媒ドメインに存在する90位のリシンをアルギニンに突然変異させた。
【0142】
これらのトランスフェクションはリポフェクタミンと試薬(Gibco−BRL)を用いて実施した。トランスフェクションの48時間後に細胞を採集し、ペレット化して、PBSで洗い、プロテアーゼ阻害因子(Rocheカタログ#1836170)とホスファターゼ阻害因子(NaF 50mM、オルトバナジン酸ナトリウム100μM)のカクテルを含むNP40細胞溶解緩衝液(1%Nonidet P−40、50mM Tris−Cl pH7.5、150mM NaCl、1mM DTT)に溶解した。細胞溶解産物を遠心分離によって清澄化し、Bio−Rad蛋白質アッセイキット(カタログ#500−0006)を用いて蛋白質濃度を測定した。別のセットのトランスフェクションからの蛋白質2mgをNP40細胞溶解緩衝液1ml中で抗HA抗体(Rocheカタログ#1 867 423)(レーン1−4)又は抗FLAG抗体(Sigmaカタログ#F−3165)(レーン5−8)によって免疫沈降させた。免疫複合体を溶解緩衝液で3回洗い、変性10%SDS−ポリアクリルアミドゲル上に充填して、ニトロセルロース膜(Amersham)に移した。免疫沈降物中のDRF1−HA及びCDC7の存在を、それぞれ抗HA抗体(Rocheカタログ#1 867 423)又は抗CDC7ポリクローナル抗体を用いてウエスタンブロットによって検出し、強調化学発光(Amersham)によって視覚化した。
【0143】
図2に示すように、抗HA抗体は内因性及び過剰発現CDC7と共にDRF1を共沈させることができたが(レーン1−3)、DRF1が発現されなかったときには同じ抗体はCDC7を沈降させなかった(レーン4)。相反的に、抗FLAG抗体はDRF1を効率的に共沈させた(レーン6及び7)。これらの結果はDRF1がCDC7と相互作用することを明らかにしている。野生型(WT)と突然変異体CDC7の両方が同じ効率でDRF1を共沈させることができ(レーン1と2、及びレーン6と7の比較)、これら2つの蛋白質間の相互作用が触媒部位の突然変異によって影響を受けないことを示した。さらに、野生型CDC7又は内因性CDC7の存在下ではDRF1はバンドのスミアとして移動したが、K90R CDC7の存在下では移動せず、この蛋白質がCDC7によってリン酸化されることを示唆した(図6、レーン2及び3)。
【0144】
実施例5:DRF1はCDC7キナーゼ活性を誘導する
DRF1が哺乳類細胞においてCDC7キナーゼを活性化することができるかどうかを調べるため、上述したように生成した免疫沈降複合体を、ヒトMCM2蛋白質の組換え産生フラグメントをリン酸化する能力に関して試験した。MCM2アミノ酸1−285を細菌においてGST−融合蛋白質として発現し、グルタチオン−セファロースクロマトグラフィーによって精製した。精製後、特異的PreScissionプロテアーゼ(Amersham Pharmacia Biotech)によって蛋白質分解開裂し、次いでグルタチオン−ビーズに吸収することにより、GST部分を除去した。
【0145】
MCM2(1−285)は、CDC7の生理的基質であると思われることから選択した。免疫沈降後、ビーズをキナーゼ緩衝液(50mM Tris−Cl pH7.5、10mM MgCl、1mM DTT)でさらに2回洗い、0.5μgのMCM2、100μM ATP及び10μCi[γ−32P]−ATPを含む同じ緩衝液25μl中でインキュベートした。30℃で15分間反応を実施し、2×試料緩衝液25μlを加えて95℃で5分間インキュベートして反応を停止した。反応産物をランニング緩衝液(25mM Tris、192mMグリシン、0.1%SDS)中、変性10%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離した。その後、ゲルを10%酢酸と40%メタノール中に固定し、乾燥して、オートラジオグラフィーのために暴露した。
【0146】
結果を図3に示す。HA−DRF1及び野生型CDC7の存在下で、抗HA抗体と抗FLAG抗体によって得られた免疫沈降物(それぞれレーン2と7)においてMCM2(1−285)の効率的なリン酸化(レーン4、パネルBに示されているバックグラウンドの上部)が認められた。このキナーゼ活性は、突然変異体K90R(レーン1及び6)の過剰発現によって排除できることから、確実にCDC7によるものであり、CDC7単独では全く活性を持たないので(レーン8)、これはDRF1によって導入されたものである。
【0147】
この結果は、DRF1がDBF4(レーン5)と同等にCDC7のキナーゼ活性を誘導することができるCDC7の調節サブユニットであることを明らかにした。さらにDRF1は、DBF4と同様に、野生型CDC7と共に発現されたときにはリン蛋白質として検出されたが、キナーゼ陰性型の場合にはリン蛋白質として検出されなかった(図3、パネルA)。この結果は、DRF1がCDC7の活性化因子であり、基質であることを示した。
【0148】
実施例6:DRF1は哺乳類細胞の核に局在する
間接免疫蛍光法を用いて哺乳類細胞におけるDRF1の細胞内局在を検討した。HeLa細胞をカバーガラス上で中等度の密度に増殖させ、上述したようにpCDNA−drf1HAでトランスフェクションした。トランスフェクションの24時間後、細胞をPBSで3回洗い、室温でPBS中4%パラホルムアルデヒドにより20分間固定した。0.5%Triton中で透過性を上げたあと、細胞を洗い、PBS1%血清中で1:25に希釈した抗HAラット抗体(ROCHE)と共に1時間インキュベートした。PBSで3回洗ったあと、PBS1%血清中で1:50に希釈した抗ラットテキサスレッド複合二次抗体(Pharmingen)と共に試料を1時間インキュベートした。最後にPBS中で3回洗ったあと、カバーガラスをDAPI(4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール)と共にインキュベートして核を染色し、Mowiolで封入した。
【0149】
免疫蛍光顕微鏡検査により、DRF1蛋白質は核において明るい点として検出された(図4)。DRF1染色とDAPI染色を重ね合わせることにより(併合)核内画分における局在が確認された。
【0150】
実施例7:drf1 mRNAは細胞周期調節される
細胞周期中のDRF1発現のレベルを調べるため、同調培養からのHeLa細胞抽出物をノーザンブロットによって分析した。
【0151】
HeLa細胞を、2mMチミジンで19時間処理してG1/S期で遮断し、ノコダゾール(50ng/ml)で16時間処理してG2/M期で遮断した。細胞を遮断から解放することによって得られた同調培養を、フローサイトメトリーによりDNA含量に関して(図5AからC)及びノーザンブロットによりdrf1 mRNA発現に関して(図6)、平行して分析した。フローサイトメトリー分析については、細胞を最初に70%エタノールに固定し、次にヨウ化プロピジウム(40ng/ml)プラスリボヌクレアーゼA(50ng/ml)により37℃で30分間染色した。その後FACScan(Beckton−Dickinson)で試料を分析してG1、S、G2/M期におけるDNA含量を測定した。
【0152】
QiagenからのRneasyミニ抽出キット(カタログ#74104)を用いてノーザンブロットのためのRNAを抽出した。全RNA30μgをゲル電気泳動し、ニトロセルロース膜に写し取って、上述したようなdrf1 cDNAプローブでブロットした。
【0153】
細胞周期中drf1 mRNAの発現は調節され、チミジンブロック後、G1/S期には低く、細胞の大部分がG2 DNA含量を持つと思われるまで時間と共に上昇する。細胞がノコダゾール処理によってG2/M期でブロックされたときにも高いレベルのdrf1が認められた。
【0154】
実施例8:DRF1蛋白質の精製
1.COS細胞におけるDRF1の発現
COS7細胞におけるDRF1の発現のために、配列番号1のヌクレオチド1−1986として示される配列を持つポリヌクレオチド分子を、適切なDRF1コード配列を担うベクターpCDNA3.1(Invitrogen,USA)プラスミドにクローニングする。プラスミドは、配列番号1のヌクレオチド1−1983、抗v5抗体による組換え蛋白質の検出のためのV5エピトープ、ニッケルキレートクロマトグラフィーによる精製のためのC末端ポリヒスチジン、及び安定なトランスフェクタントの選択のためのゼオシン(Zeocin)耐性遺伝子を含む。このdrf1 cDNAの増幅のための正プライマーは:5’−AAGAATTCAAAACGCCAAGAGATTGATGCTGTAGC−3’(配列番号10)であり、これは、EcoRIクローニング部位を導入するための8ヌクレオチドの5’伸長とdrf1配列に適合する20ヌクレオチド(配列番号1のヌクレオチド1−20)を含む。逆プライマーは:5’−AAGCGGCCGCTAACCTGAGTCTACAGCCAG−3’(配列番号11)であり、これは、クローニングのためのNotI制限部位を導入するための10ヌクレオチドの5’伸長と、配列番号1の塩基1966−1986からのdrf1配列の逆相補物に対応する20ヌクレオチドを含む。PCR条件はアニーリング温度として58℃である。PCR産物をゲル精製し、ベクターのEcoRI−NotI部位にクローニングする。
【0155】
COS細胞培養から発現されるDRF1は、全細胞溶解産物を調製し、例えばクロマトグラフィーによって蛋白質を精製することにより、精製することができる。YM−10膜に取り付けたAmicon濃縮器で精製DRF1を0.5mg/mlに濃縮し、−80℃で保存する。
【0156】
2.昆虫細胞におけるDRF1の発現
バキュロウイルス系におけるDRF1の発現のために、配列番号1のヌクレオチド139−158として示される配列を持つポリヌクレオチド分子をPCRによって増幅した。正プライマーは:5’−AAGGATCCATGAGCGAACCGGGAAAGGG−3’(配列番号12)である。このプライマーの最初の8個のヌクレオチドはBamHIクローニング部位を付加する5’伸長であり、続く20個のヌクレオチドは配列番号1に示される配列のヌクレオチド残基139から158に対応する。逆プライマーは:5’−AAGGATCCCTAACCTGAGTCTACAGCCAG−3’(配列番号13)である。このプライマーの最初の8個のヌクレオチドはBamHIクローニング部位を導入する5’伸長であり、続く20個のヌクレオチドは配列番号1に示される配列のヌクレオチド残基1966から1986の逆相補物に対応する。
【0157】
PCR産物をゲル精製し、BamHIで消化して、3’にdrf1コード領域の挿入のためのBamHI部位を含むGSTフラグメントの挿入によって改変しておいたベクターpVL1393(Pharmingen,San Diego,CA)の対応する部位にクローニングして、融合GST−DRF1蛋白質を作製する。pVL1393発現ベクターはAutographa californica核多角体病ウイルス(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモーターを含む。リン酸化のための蛋白質キナーゼ部位と組換え蛋白質の切り出しのためのトロンビン部位が先行し、マルチクローニングサイトも存在する。言うまでもなく、pAcHTL−Aの代わりに、pAc373、pVL941及びpAcIM1のような多くの他のバキュロウイルスベクターが使用できる。ベクター構築物が、必要に応じて、フレーム内AUG及びシグナルペプチドのような転写、翻訳及び輸送のための適切に位置するシグナルを含むことを条件として、DRF1ポリペプチドの発現のための他の適当なベクターが使用できる。そのようなベクターは、中でも特に、Luckowら、Virology 170:31−39に述べられている。
【0158】
Summersら(A Manual of Methods for Baculovirus Vectors and Insect Cell Culture Procedures,Texas Agricultural Experimental Station Bulletin No.1555(1987))に述べられているもののような標準的なバキュロウイルス発現法を用いてウイルスを増殖させ、単離する。
【0159】
好ましい実施形態では、「BaculoGold」トランスフェクションキット(Pharmingen,San Diego,CA)を使用し、製造者によって確立された方法を用いて、drf1遺伝子を含むpVL1393−GSTをバキュロウイルスに導入する。生成されたウイルスを増幅のために2回再感染させる。
【0160】
GST−DRF1ポリペプチドの発現のために、High Five細胞をウイルスに感染させる。感染の48−72時間後に細胞を採集し、音波破砕と遠心分離によって溶解産物を調製する。GST−DRF1蛋白質を、例えばグルタチオン−アフィニティー精製によって単離することができる。
【0161】
DRF1を、例えばCDC7のような機能的パートナーと同時発現するために、High Five細胞を、GST−DRF1を発現するウイルスと、例えばCDC7をHIS標識融合蛋白質として発現するウイルスとに同時感染させる。その後、例えば金属アフィニティー精製によって、複合体を含むDRF1を溶解産物から単離し、抗GST抗体によるウエスタンブロットにおいて確認することができる。
【0162】
実施例9:相互作用トラップ/ツーハイブリッドシステム
他のDRF1相互作用性蛋白質について検定するために、相互作用トラップ/ツーハイブリッドライブラリースクリーニング法が使用できる。このアッセイは、その全体が参照してここに組み込まれる、Fieldsら、Nature,1989、340、245において初めて記述された。プロトコールは、その全体が参照してここに組み込まれる、Current Protocols in Molecular Biology 1999、John Wiley & Sons,NY及びAusubel,F.M.ら、1992、Short protocols in molecular biology、第4版、Green and Wiley−interscience,NYの中で公開されている。キットはClontech,Palo Alto,CA(Matchmaker Two−Hybrid System 3)から入手可能である。
【0163】
DRF1の全部又は一部をコードするヌクレオチドと酵母転写因子GAL4 DNA結合ドメイン(DNA−BD)の融合を、標準的なサブクローニング手法を用いて適切なプラスミド(すなわちpGBKT7)において構築する。同様に、GAL4活性ドメイン(AD)融合ライブラリーを、潜在的DRF1結合蛋白質のcDNAから第二のプラスミド(すなわちpGADT7)において構築する(cDNAライブラリーの形成に関するプロトコールについては、その全体が参照してここに組み込まれる、Sambrookら、1989、Molecular cloning:a laboratory manual、第2版、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor,NY参照)。DNA−BD/DRF1融合構築物を配列決定によって確認し、どちらもツーハイブリッド分析の成功を妨げる、自律的レポーター遺伝子活性化と細胞毒性に関して試験する。宿主細胞における発現と転写活性の欠如を確実にするためAD/ライブラリー融合構築物に関して同様の制御を実施する。酵母細胞を標準的手順に従って(その全体が参照してここに組み込まれる、Ausubelら、1992、Short protocols in molecular biology、第4版、Green and Wiley−interscience,NY)DRF1とライブラリー融合プラスミドの両方で形質転換する(約10形質転換体/mg DNA)。DNA−BD/DRF1とAD/ライブラリー蛋白質のインビボ結合は特定酵母プラスミドレポーター遺伝子(すなわちlacZ、HIS3、ADE2、LEU2)の転写をもたらす。酵母細胞を栄養欠乏培地で平板培養して、レポーター遺伝子の発現に関してスクリーニングする。Xgal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシド)補足培地で増殖させた後コロニーをβ−ガラクトシダーゼ活性に関して2回検定する(β−ガラクトシダーゼ活性に関するフィルターアッセイは、その全体が参照してここに組み込まれる、Breedenら、Cold Spring Harb.Symp.Quant.Biol.,1985、50、643に述べられている)。陽性AD−ライブラリープラスミドを形質転換体から回収し、もとの酵母株ならびに無関係なDNA−BD融合蛋白質を含む他の株に再導入して、特異的DRF1/ライブラリー蛋白質相互作用を確認する。挿入物DNAを配列決定して、GAL4 ADに融合したオープンリーディングフレームの存在を確認し、DRF1結合蛋白質の同一性を決定する。
【0164】
実施例10:DRF1活性を変化させる化合物を同定するためのアッセイ
スクリーニングのために、キナーゼ基質、例えばMCM2を、EZ−リンクビオチンキット(Pierce,USA)を使用して製造者の指示に従ってビオチニル化する。昆虫細胞において発現される精製組換えDRF1含有複合体(実施例5参照)を、阻害性化合物の存在下又は不在下で、キナーゼ緩衝液(50mM HEPES pH7.5、10mM MgCl、1mM DTT、10mM β−グリセロホスフェート(Sigma))、10μMビオチニル化基質、25μM ATP及び0.5μCi[γ−32P]−ATPを含む80μlの反応物中でキナーゼ活性に関して評価する。反応は30℃で30分間実施する。過剰のEDTA(最終濃度25mM)を加えて反応を停止する。反応物50μlをストレプトアビジン被覆プレート(Flasplate,NEN life science)のウエルに入れ、30分間インキュベートして、その後PBS中で3回洗う。次にβカウンター(Hewlett Packard)でプレートを計数して活性を決定する。
【0165】
上述した本発明の好ましい実施形態の一部を下記に概説しており、次の実施形態を含むが、それらに限定されない。当業者が認識するように、本発明の精神から逸脱することなく本発明の好ましい実施形態に数多くの変更及び修正を加えることができる。そのようなすべての変法が本発明の範囲内に含まれることが意図されている。ここで引用した各々の公表文献の開示全体が参照してここに組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 種々の組織におけるdrf1 mRNAの発現を分析するための一連のノーザンブロットである。詳細については実施例3参照。
【図2】 DRF1がCDC7と相互作用することを明らかにするウエスタンブロット分析を示す。詳細については実施例4参照。
【図3】 DRF1が哺乳類細胞においてCDC7キナーゼを活性化することを明らかにしている:DRF1の存在下で、CDC7はその生理的基質MCM2をリン酸化することができる。詳細については実施例5参照。
【図4】 免疫蛍光顕微鏡検査によって証明されるように、哺乳類細胞におけるDRF1の細胞内局在を示す。A、抗HA免疫染色;B、DAPI染色;C、AとBの二重焼付け(併合)。詳細については実施例6参照。
【図5A】 細胞周期中のDRF1発現のレベルを調べるために実施したフローサイトメトリー分析を示す。詳細については実施例7参照。
【図5B】 細胞周期中のDRF1発現のレベルを調べるために実施したフローサイトメトリー分析を示す。詳細については実施例7参照。
【図5C】 細胞周期中のDRF1発現のレベルを調べるために実施したフローサイトメトリー分析を示す。詳細については実施例7参照。
【図6】 ノーザンブロットによるdrf1 mRNA発現の分析である。Tはチミジンブロック、Nはノコダゾール(Nocodazole)ブロックを表わし、レーンの上部の数字は遮断の解放後の時間(時)を示す。
【配列表】
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Claims (42)

  1. a)配列番号1;
    b)配列番号2;
    c)配列番号1全体又は配列番号2全体に少なくとも90%同一な配列;
    d)配列番号3に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列
    から成る群より選択されるヌクレオチド配列を含む単離核酸分子であって、
    前記c)の同一なヌクレオチド配列が、配列番号3に示されるアミノ酸配列のポリペプチドの機能的ドメインを少なくとも1つコードすることを特徴とする、前記単離核酸分子。
  2. 該核酸分子がDNAである請求項1に記載の核酸分子。
  3. 該核酸分子がRNAである請求項1に記載の核酸分子。
  4. 該ヌクレオチド配列が配列番号2を含む請求項2に記載の核酸分子。
  5. 請求項1に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
  6. 該核酸分子が配列番号2を含む請求項に記載の発現ベクター。
  7. 該ベクターがプラスミドである請求項に記載のベクター。
  8. 該ベクターがウイルス粒子である請求項に記載のベクター。
  9. 該ベクターが、アデノウイルス、パルボウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、アデノ随伴ウイルス、セムリキ森林ウイルス(Semliki Forest virus)、ワクシニアウイルス、及びレトロウイルスから成る群より選択される、請求項に記載のベクター。
  10. 該核酸分子が、シミアンウイルス40、マウス乳腺癌ウイルス、ヒト免疫不全ウイルスのロングターミナルリピート、モロニーウイルス、サイトメガロウイルス前初期プロモーター、エプスタイン−バーウイルス、ラウス肉腫ウイルス、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、及びヒトメタロチオネインから成る群より選択されるプロモーターに作動可能に連結している請求項に記載のベクター。
  11. 請求項に記載のベクターで形質転換した宿主細胞。
  12. 該細胞が細菌細胞である請求項11に記載の形質転換宿主細胞。
  13. 該細菌細胞が大腸菌(E.coli)である請求項12に記載の形質転換宿主細胞。
  14. 該細胞が酵母である請求項11に記載の形質転換宿主細胞。
  15. 該酵母がサッカロミセスセレビシエ(S.cerevisiae)である請求項14に記載の形質転換宿主細胞。
  16. 該細胞が昆虫細胞である請求項11に記載の形質転換宿主細胞。
  17. 該昆虫細胞がS.frugiperdaである請求項16に記載の形質転換宿主細胞。
  18. 該細胞が哺乳類細胞である請求項11に記載の形質転換宿主細胞。
  19. 哺乳類細胞が、チャイニーズハムスター卵巣細胞、HeLa細胞、アフリカミドリザル腎細胞、ヒト293細胞、及びマウス3T3線維芽細胞から成る群より選択される請求項18に記載の形質転換宿主細胞。
  20. 配列番号3に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、そのフラグメント、又は配列番号3と少なくとも90%同一な配列を含むポリペプチドを作製する方法であって、
    a)請求項に記載の組換え発現ベクターを適合性宿主細胞に導入し、
    b)該ポリペプチドの発現のための条件下で該宿主細胞を増殖させ、
    c)該宿主細胞から該ポリペプチドを回収する
    ステップを含む方法。
  21. 該宿主細胞を溶解し、該宿主細胞の溶解産物から該ポリペプチドを回収する請求項20に記載の方法。
  22. 該宿主細胞を溶解せずに該宿主細胞からの培地を精製することによって該ポリペプチドを回収する請求項20に記載の方法。
  23. 請求項1に記載の核酸分子と許容される担体又は希釈剤を含む組成物。
  24. 請求項に記載の組換え発現ベクターと許容される担体又は希釈剤を含む組成物。
  25. 請求項1に記載の核酸分子によってコードされる単離ポリペプチド。
  26. 該ポリペプチドが配列番号3に示されるアミノ酸配列を含む請求項25に記載のポリペプチド。
  27. 該ポリペプチドが配列番号3に少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む請求項25に記載のポリペプチド。
  28. 前記配列番号3に少なくも90%同一な配列が、配列番号3に比べて少なくとも1個の保存的アミノ酸置換を含む請求項27に記載のポリペプチド。
  29. 該ポリペプチドが配列番号3に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドのフラグメントを含む請求項25に記載のポリペプチド。
  30. 請求項25に記載のポリペプチドと許容される担体又は希釈剤を含む組成物。
  31. 配列番号3に示されるアミノ酸配列のポリペプチド上のエピトープに結合する単離抗体であって、ただし、前記抗体は配列番号3の1位〜82位のアミノ酸配列からなるポリペプチドに結合する抗体ではない、単離抗体
  32. 該抗体がモノクローナル抗体である請求項31に記載の抗体。
  33. 請求項31に記載の抗体と許容される担体又は希釈剤を含む組成物。
  34. 請求項25に記載のポリペプチドに結合する抗体(ただし、該抗体は配列番号3の1位〜82位のアミノ酸配列からなるポリペプチドに結合する抗体ではない)と陰性対照抗体を含むキット。
  35. 付加的なキット成分をさらに含む請求項34に記載のキット。
  36. 該付加的キット成分が指示書を含む請求項35に記載のキット。
  37. 配列番号3に示されるアミノ酸配列のDRF1のポリペプチド又はDRF1含有複合体に結合する化合物を同定するための方法であって、
    a)DRF1又はDRF1含有複合体を化合物に接触させるステップと、
    b)該化合物がDRF1又はDRF1含有複合体に結合するかどうかを判定するステップ
    とを含み、
    前記DRF1がDBF4/ASK1のヒトのホモログをコードする核酸分子であり、前記DRF1含有複合体がDRF1−CDC7である、前記方法。
  38. DRF1又はDRF1含有複合体への該化合物の結合を蛋白質結合アッセイによって判定する請求項37に記載の方法。
  39. 該蛋白質結合アッセイが、ゲルシフト分析、ウエスタンブロット、放射性標識競合アッセイから成る群より選択される請求項38に記載の方法。
  40. 配列番号3に示されるアミノ酸配列のDRF1のポリペプチド又はDRF1含有複合体をコードする核酸分子に結合する化合物を同定するための方法であって、
    a)DRF1又はDRF1含有複合体をコードする該核酸分子を化合物に接触させるステップと、
    b)該化合物が該核酸分子に結合するかどうかを判定するステップ
    とを含み、
    前記DRF1がDBF4/ASK1のヒトのホモログをコードする核酸分子であり、前記DRF1含有複合体がDRF1−CDC7である、前記方法。
  41. 結合をゲルシフト分析によって判定する請求項40に記載の方法。
  42. DRF1ポリペプチド又はDRF1含有複合体のキナーゼ活性を変化させる化合物を同定するための方法であって、
    a)配列番号3に示されるアミノ酸配列のDRF1ポリペプチド又はDRF1含有複合体を化合物に接触させるステップと、
    b)DRF1ポリペプチド又はDRF1含有複合体のキナーゼ活性が変化したかどうかを判定するステップ
    とを含み、
    前記DRF1がDBF4/ASK1のヒトのホモログをコードする核酸分子であり、前記DRF1含有複合体がDRF1−CDC7である、前記方法。
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