JP5133950B2 - コンテクスト適応エントロピ符号化方法および装置,コンテクスト適応エントロピ復号方法および装置,並びにそれらのプログラム - Google Patents

コンテクスト適応エントロピ符号化方法および装置,コンテクスト適応エントロピ復号方法および装置,並びにそれらのプログラム Download PDF

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本発明は,高能率画像信号符号化におけるコンテクスト適応エントロピ符号化,復号技術に関するものである。
H.264/AVC等の代表的な動画像符号化方式に対応した動画像符号化装置では,量子化されたDCT係数や動きベクトルなどの各種の符号化シンボル(これをシンタックス・エレメントという)を,エントロピ符号化部によりエントロピ符号化する処理が行われる。
動画像復号装置では,動画像符号化装置のエントロピ符号化部によって符号化された符号化データを,エントロピ復号部によってシンタックス・エレメントに復号する。
H.264/AVC では,このエントロピ符号化処理として,CABAC(非特許文献1参照)と呼ばれる方式が採用されている。CABAC(Context-Adaptive Binary Arithmetic Coding )は,コンテクスト適応型の算術符号に分類される方式であり,以下の3つの処理から構成される。
(1)binarization:多値のシンタックス・エレメントを2値信号へ変換する処理である。
(2)context modeling:2値信号の符号化のために,符号化対象シンボルの確率モデル(コンテクストテーブル)を選択する処理である。また,コンテスクトテーブルは,符号化済みの2値信号を用いて,更新される。
(3)binary arithmetic coding:選択されたコンテクストテーブルを用いて,2値信号を2値算術符号化する処理である。
コンテクストテーブルは,符号化対象シンボルに対して,周辺シンボルとの条件付き発生確率をモデル化したものである。周辺シンボルによって決定される状態をコンテクストと呼び,さらにコンテクストを細分化(コンテクスト分類と呼ぶ)し,各コンテクストに応じて,適切な確率モデルを付与することで,符号化効率の向上が図られている。
図11に,CABACの構成例を示す。CABAC100は,シンタックス・エレメントである多値信号を2値信号に変換する2値化部101と,符号化すべき2値信号の発生確率を周囲の状況に応じて計算・更新するコンテクスト計算部102と,コンテクスト計算部102から与えられた2値信号発生確率に基づき2値信号を算術符号化する2値算術符号化部103からなる。
コンテクスト計算部102では,2値信号の発生確率を複数保持しており,現在の符号化対象や周囲の状況に応じて発生確率を切り替えて2値算術符号化部103に与える。2値信号の発生確率は,発生確率が高い0,1のいずれかのシンボル(MPS:Most Probable Symbol) とその発生確率テーブル(MPSの発生確率を持つテーブル。番号を指定すると対応した発生確率が得られる) の番号pStateIdx で保持されている(図11(B)参照)。
発生確率テーブル番号pStateIdx に対応するMPSの発生確率は,pStateIdexの値が大きくなるほど,MPSの高い発生確率に対応するようになっている。
CABACでは,コンテクスト計算部102が1つの符号化動作ごとにpStateIdx を更新することにより,2値信号の発生確率を適応的に切り替える。図11(C)は,発生確率テーブル番号の更新値の表を示している。この表では,MPS(Most Probable Symbol:0,1のうちで発生確率が高い方のシンボル) を符号化した場合の更新後のpStateIdx の値をtransIdxMPS ,LPS(Least Probable Symbol :0,1のうちで発生確率が低い方のシンボル) を符号化した場合の更新後のpStateIdx の値をtransIdxLPS として示している。この表に従って,MPSを符号化したか,LPSを符号化したかによって1符号化動作ごとに,発生確率テーブル番号pStateIdx が更新され,発生確率テーブルが切り替えられる。
この発生確率テーブル番号pStateIdx や,現在のMPS,符号化状態などの情報を1セットとして,マクロブロック(MB)タイプ,CBP,BCBP,MAP,MVD等の符号化対象のシンタックス・エレメントごとに切り替えて,CABACによるエントロピ符号化が行われる。
符号化対象シンボルに対して,その周辺シンボルによって決定される状態をコンテクストと呼ぶが,このような符号化シンボルの条件付き発生確率をモデル化した確率モデルの情報(CABACでは,発生確率テーブル番号pStateIdx や発生確率テーブル,現在のMPS等の情報)を示すものを,ここではコンテクストテーブルとして説明する。
D.Marpe, H.Schwarz, and T.Wiegand,"Context-Based Adaptive Binary Arithmetic Coding in the H.264 / AVC Video Compression Standard ", IEEE trans. CSVT, Vol.13, No.7, pp.620-636, July 2003 .
CABACは,マクロブロック(MB)の集合であるスライス(slice) と呼ばれる単位で,コンテクストテーブルの内容を初期化している。すなわち,スライスの符号化開始時に,あらかじめ与えられた固定のテーブル値を初期値として使用している。しかし,スライス内の信号は,必ずしも統計的性質が類似した信号であるとは限らない。例えば,動物体領域と背景領域とが混在する場合,両者は,統計的に異なる性質を有する。
本来,こうした統計的性質の異なる信号は,別のコンテクストへ分類することで,さらに,符号化効率の向上が見込める。つまり,前述のような統計的性質の異なる信号が混在した条件下では,コンテクスト分類による符号化効率の向上には改善の余地が残る。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって,コンテクスト分類に基づく適応エントロピ符号化において,マクロブロックを時空間領域においてクラスに分類し,クラス毎にコンテクスト分類に基づく適応処理を行う適応エントロピ符号化方法を確立することを目的とする。
本発明では,時空間領域においてマクロブロック(以下,MBと記すこともある)を,性質の類似した集合(クラスと呼ぶ)に分類する。この分類は,マクロブロックの各符号化シンボルごとに行ってもよい。なお,分類するクラス数Mは,符号化器・復号器間で予め取り決めた値を用いるものとする。この値以外を用いる場合には,符号化データの付加情報として,復号器に伝送するものとする。ここで性質の類似した集合に分類するとは,画像の統計的性質が同じであったり,画像における位置がある特定領域であったりというように,あらかじめ定められた何らかの分類基準によって分類することをいう。
スライス等の単位で符号化を開始するときに,コンテクストテーブルの初期設定に用いる情報は,符号化開始時における符号化対象マクロブロックと同一クラスに属する符号化済みのマクロブロックから継承するものとする。この継承元となる符号化済みマクロブロックを参照マクロブロックという。参照マクロブロックはフレーム番号,スライス番号,MB番号に基づき同定されるものとする。
参照マクロブロックの指定方法は,以下のとおりである。特に本発明では,下記の指定方法のうち指定方法2,3を用いる。
[フレーム番号の指定方法1]:フレーム番号を指定する情報を付加情報として伝送する。
[フレーム番号の指定方法2]:対象マクロブロックがPピクチャ(p-picuture)の場合,フレーム間予測の参照フレームを用いる。この場合,参照マクロブロックを指定する情報は,フレーム間予測の情報を共有するため,新たな付加情報は発生しない。
[スライス番号の指定方法1]:スライス番号を指定する情報を付加情報として伝送する。
[スライス番号の指定方法2]:対象マクロブロックがPピクチャの場合,フレーム間予測の参照フレームにおいて,対象マクロブロックのスライス番号と同一番号のスライスを用いる。この場合,参照マクロブロックを指定する情報は,フレーム間予測の情報を共有するため,新たな付加情報は発生しない。
[スライス番号の指定方法3]:上記の「スライス番号の指定方法1」および「スライス番号の指定方法2」を適宜,切り替える。この方式の場合,切替えは1ビットのフラグで指定する。
[MB番号の指定方法1]:MB番号を指定する情報を付加情報として伝送する。
[MB番号の指定方法2]:対象マクロブロックがPピクチャの場合,フレーム間予測における参照領域に基づき参照マクロブロックを同定する。参照領域が複数のマクロブロックをまたぐ場合には,最大面積を占めるマクロブロックを参照マクロブロックとする。この場合,参照マクロブロックを指定する情報は,フレーム間予測の情報を共有するため,新たな付加情報は発生しない。
このように本発明では,同一クラス内において情報の継承を行い,コンテクストテーブルの初期設定を行う。クラス分類の基準および具体的な分類方法は,符号化器側で自由に設定できるものとする。クラス分類方法は,符号化効率と演算量のトレードオフがあるため,このトレードオフにどのような解を与えるかは,符号化器側の裁量とし,クラス分類の枠組みを与えることが本発明の目的である。これは,動画像符号化において,動きベクトルの推定が符号化器が一定の自由度をもって設計できるフレームワークと同様の設計思想である。
例えばスライスは,マクロブロックの集合として,H.264に規定されている。本発明では,クラスの一例としてスライスを利用することができる。
復号時にも,スライス等の復号を開始するときに,コンテクストテーブルの初期設定に用いる情報は,復号開始時における復号対象マクロブロックと同一クラスに属する復号済みのマクロブロックから継承し,それによってコンテクストテーブルの初期化を行う。
本発明により,同一の統計的性質をもつマクロブロックから構成されるクラスに対して,コンテクストテーブルの初期化が行われるため,クラス内の信号に特化した適応処理が可能となり,符号量削減が期待できる。
本発明の一実施形態に係るコンテクスト適応エントロピ符号化装置の構成例を示す図である。 コンテクスト適応エントロピ符号化装置による符号化処理のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るコンテクスト適応エントロピ復号装置の構成例を示す図である。 コンテクスト適応エントロピ復号装置による復号処理のフローチャートである。 コンテクストテーブル初期値設定処理(その1)のフローチャートである。 コンテクストテーブル初期値設定処理(その2)のフローチャートである。 コンテクストテーブル初期値設定処理(その3)のフローチャートである。 コンテクストテーブル初期値設定処理(その3の続き)のフローチャートである。 コンテクストテーブル初期値設定処理(その4)のフローチャートである。 ソフトウェアプログラムで実現するときのハードウェア構成例を示す図である。 従来のCABACの説明図である。
以下,図面を用いながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は,本発明の一実施形態に係るコンテクスト適応エントロピ符号化装置の構成例を示す。
コンテクスト適応エントロピ符号化装置1は,クラス分類情報記憶部10,コンテクストテーブル初期値設定部11,コンテクスト計算部12,2値化部14,2値算術符号化部15を備える。コンテクスト計算部12は,内部のメモリ領域にコンテクストテーブルを記憶するコンテクストテーブル記憶部13を有する。
このコンテクスト適応エントロピ符号化装置1は,H.264/AVC等の動画像符号化装置において,量子化されたDCT係数や動きベクトルなどの各種の符号化シンボルをエントロピ符号化するときに用いられる。ここでは,例として主にCABACをベースに,本発明を組み込む処理例を説明するが,本発明の対象は,CABACに限定されるものではなく,コンテクスト適応符号化であれば,他の方式にも同様に適用可能である。
2値化部14は,図11に示した従来のCABAC100における2値化部101と同様に,符号化対象であるシンタックス・エレメントの多値信号を2値信号に変換する処理を行う。なお,符号化対象信号が多値信号でないような場合には,2値化部14を省略する構成としてもよい。
2値算術符号化部15は,2値化部14の出力である2値信号を,コンテクスト計算部12から与えられた2値信号発生確率に従って算術符号化し,符号化ストリームの符号化ビットを出力する。2値算術符号化部15についても,図11に示した従来の2値算術符号化部103と同様なものにより構成することができる。
コンテクスト計算部12も,現在の符号化対象や周囲の状況に応じてコンテクストテーブル記憶部13に記憶されている発生確率を切り替えて,2値算術符号化部15に2値信号発生確率を与える処理を行う点に関しては基本的に従来技術と同様である。ただし,スライス符号化開始時などの符号化単位ごとに,コンテクストテーブル初期値設定部11によって初期化されたコンテクストテーブルを用いる点が従来技術と異なる。
クラス分類情報記憶部10には,複数フレームもしくは複数スライスについての各符号化済みマクロブロックがどのクラスに分類されているかの情報,また,そのマクロブロックの符号化終了時のコンテクストテーブルの情報(例えば発生確率テーブル番号やMPS等の情報)が記憶される。
コンテクストテーブル初期値設定部11は,ある符号化単位,例えばスライスの符号化開始時に,符号化開始時における符号化対象マクロブロックと同一クラスに属する参照マクロブロックのコンテクストテーブルの情報を,クラス分類情報記憶部10から取得し,その情報をもとにコンテクストテーブル記憶部13に記憶されたコンテクストテーブルの初期化を行う。例えば,CABACの場合,発生確率テーブル番号pStateIdx として,参照マクロブロックの符号化結果によって更新された発生確率テーブル番号pStateIdx を初期値とする設定を行う。
これにより,2値算術符号化部15では,クラス内の信号に特化した適応符号化が行われることになり,符号化効率が向上することになる。
次に,コンテクスト適応エントロピ符号化装置1の処理の流れについて,図2に示すフローチャートに従って説明する。ここでは,スライスの符号化開始時にコンテクストテーブルを初期化する場合の処理の流れを説明するが,他の符号化単位の開始時にコンテクストテーブルを初期化する実施も同様に可能である。また,符号化対象マクロブロックのクラスが他のクラスに変わったときに,コンテクストテーブルを初期化するようにしてもよい。
[ステップS10]:すべてのスライスについて,以下のステップS11〜S110の処理を繰り返す。
[ステップS11]:符号化対象スライス内の全マクロブロックについて,コンテクスト適応エントロピ符号化の対象となるシンタックス・エレメントを読み込む。これは,例えばDCT係数,マクロブロックのモード情報,動きベクトル等である。
[ステップS12]:シンタックス・エレメントごとに,コンテクストテーブルの更新に用いる符号化済みスライスにおけるシンタックス・エレメントのコンテクストテーブル情報を指定する。ここでのコンテクストテーブルの更新とは,コンテクストテーブルの初期化を意味し,コンテクストテーブル情報を指定するとは,図1に示すクラス分類情報記憶部10に記憶されている該当するクラスのコンテクストテーブル情報を指定することを意味する。従来のCABACでは,シンタックス・エレメントごとに固定のテーブルを用いて,コンテクストテーブルを初期化していたのに対し,本発明では,クラスにチューニングされたコンテクストテーブル情報を用いてコンテクストテーブルを初期化する。このコンテクストテーブル情報を指定する処理の詳細については,後に図5〜図9を用いて説明する。
[ステップS13]:次に,現在のスライス内のすべてのマクロブロック(MB)ごとに,以下のステップS14〜S19の処理を繰り返す。
[ステップS14]:2値化部14により多値のシンタックス・エレメントを2値信号へ変換する。この2値信号を以降では2値シンボルと呼ぶ。
[ステップS15]:2値シンボルに対して,符号化済みの周辺マクロブロックの同種の2値シンボルの情報を用いて,コンテクストテーブルを選択する。CABACを用いる場合には,非特許文献1に示されているCABACの規定に従う。
[ステップS16]:コンテクストテーブルを同一クラスに属する符号化済みの2値シンボルを用いて更新する。CABACを用いる場合には,CABACの規定に従う。CABACの場合,図11(C)に示した発生確率テーブル番号の更新値に従って,発生確率テーブル番号を更新することになる。スライスの先頭では,このコンテクストテーブルの更新を,ステップS12で指定されたコンテクストテーブル情報を用いて行うことになる。
[ステップS17]:更新されたコンテクストテーブルを用いて,符号化対象の2値シンボルを,2値算術符号化部15によってエントロピ符号化する。
[ステップS18]:更新されたコンテクストテーブルの情報をクラス分類情報記憶部10のメモリに書き出す。この書き出しは,後段のスライスの符号化開始時に,参照情報として本MBにおいて更新されたコンテクストテーブルを参照するために行われる。なお,スライスのMB集合を1クラスとした場合,すなわち後述する図5のコンテクストテーブル初期値設定処理(その1)の情報の指定方法を用いた場合,コンテクストテーブルの情報の書き出しは,スライス単位で行う。その他の場合には,MB単位でコンテクストテーブルの情報を書き出す。
[ステップS19,S110]:以上の処理をスライス内のすべてのMBに対して繰り返し,さらにすべてのスライスに対して同様に処理を繰り返して,スライスが終了したならば処理を終了する。
図3は,本発明の一実施形態に係るコンテクスト適応エントロピ復号装置の構成例を示す。
コンテクスト適応エントロピ復号装置2は,クラス分類情報記憶部20,コンテクストテーブル初期値設定部21,コンテクスト計算部22,2値算術復号部24,シンタックス・エレメント変換部25を備える。コンテクスト計算部22は,内部のメモリ領域にコンテクストテーブルを記憶するコンテクストテーブル記憶部23を有する。
このコンテクスト適応エントロピ復号装置2は,H.264/AVC等の動画像復号装置において,動画像の符号化ストリームを復号するときに用いられる。ここでも符号化の場合と同様に,CABACをベースにした処理例を説明するが,コンテクスト適応復号であれば,他の方式にも同様に適用可能である。
2値算術復号部24は,復号対象の符号化データを,コンテクスト計算部22から与えられた2値信号発生確率に従って算術復号し,復号した結果の2値信号(2値シンボル)を出力する。シンタックス・エレメント変換部25は,算術復号して得られた2値信号を多値のシンタックス・エレメントに変換する。これらは,従来のCABACにおける復号方法と同様である。
コンテクスト計算部22も,現在の復号対象や周囲の状況に応じてコンテクストテーブル記憶部23に記憶されている発生確率を切り替えて,2値算術復号部24に2値信号発生確率を与える処理を行う点に関しては基本的に従来技術と同様である。ただし,スライス復号開始時などの復号単位ごとに,コンテクストテーブル初期値設定部21によって初期化されたコンテクストテーブルを用いる点が従来技術と異なる。
クラス分類情報記憶部20には,複数フレームもしくは複数スライスについての各復号済みマクロブロックがどのクラスに分類されているかの情報,また,そのマクロブロックの復号終了時のコンテクストテーブルの情報(例えば発生確率テーブル番号やMPS等の情報)が記憶される。
コンテクストテーブル初期値設定部21は,ある復号単位,例えばスライスの復号開始時に,復号開始時における復号対象マクロブロックと同一クラスに属する参照マクロブロックのコンテクストテーブルの情報を,クラス分類情報記憶部20から取得し,その情報をもとにコンテクストテーブル記憶部23に記憶されたコンテクストテーブルの初期化を行う。例えば,CABACの場合,発生確率テーブル番号pStateIdx として,参照マクロブロックの復号結果によって更新された発生確率テーブル番号pStateIdx を初期値とする設定を行う。
次に,コンテクスト適応エントロピ復号装置2の処理の流れについて,図4に示すフローチャートに従って説明する。ここでは,スライスの復号開始時にコンテクストテーブルを初期化する場合の処理の流れを説明するが,他の復号単位の開始時にコンテクストテーブルを初期化する実施も同様に可能である。また,復号対象マクロブロックのクラスが他のクラスに変わったときに,コンテクストテーブルを初期化するようにしてもよい。ただし,この初期化の単位は,符号化時の処理と合わせる必要がある。
[ステップS20]:すべてのスライスについて,以下のステップS21〜S210の処理を繰り返す。
[ステップS21]:復号対象スライス内の全マクロブロックについて,コンテクスト適応エントロピ復号の対象となるシンタックス・エレメントの符号化データを読み込む。これは,例えばDCT係数,マクロブロックのモード情報,動きベクトル等をエントロピ符号化したデータである。
[ステップS22]:シンタックス・エレメントごとに,コンテクストテーブルの更新に用いる復号済みスライスにおけるシンタックス・エレメントのコンテクストテーブル情報を指定する。ここでのコンテクストテーブルの更新とは,コンテクストテーブルの初期化を意味し,コンテクストテーブル情報を指定するとは,図3に示すクラス分類情報記憶部20に記憶されている該当するクラスのコンテクストテーブル情報を指定することを意味する。従来のCABACでは,シンタックス・エレメントごとに固定のテーブルを用いて,コンテクストテーブルを初期化していたのに対し,本発明では,クラスにチューニングされたコンテクストテーブル情報を用いてコンテクストテーブルを初期化する。このコンテクストテーブル情報を指定する処理の詳細については,後に図5〜図9を用いて説明する。
[ステップS23]:次に,現在のスライス内のすべてのマクロブロック(MB)ごとに,以下のステップS24〜S29の処理を繰り返す。
[ステップS24]:復号済みの周辺マクロブロックの同種の2値シンボルの情報を用いて,コンテクストテーブルを選択する。CABACを用いる場合には,非特許文献1に示されているCABACの規定に従う。
[ステップS25]:コンテクストテーブルを同一クラスに属する復号済みの2値シンボルを用いて更新する。CABACを用いる場合には,CABACの規定に従う。スライスの先頭では,このコンテクストテーブルの更新を,ステップS22で指定されたコンテクストテーブル情報を用いて行う。
[ステップS26]:更新されたコンテクストテーブルを用いて,復号対象の2値シンボルを,2値算術復号部24によってエントロピ復号する。
[ステップS27]:復号された2値シンボルを,シンタックス・エレメント変換部25によって多値のシンタックス・エレメントに変換し,出力する。
[ステップS28]:更新されたコンテクストテーブルの情報をクラス分類情報記憶部20のメモリに書き出す。この書き出しは,後段のスライスの復号開始時に,参照情報として本MBにおいて更新されたコンテクストテーブルを参照するために行われる。なお,スライスのMB集合を1クラスとした場合,すなわち後述する図5のコンテクストテーブル初期値設定処理(その1)の情報の指定方法を用いた場合,コンテクストテーブルの情報の書き出しは,スライス単位で行う。その他の場合には,MB単位でコンテクストテーブルの情報を書き出す。
[ステップS29,S210]:以上の処理をスライス内のすべてのMBに対して繰り返し,さらにすべてのスライスに対して同様に処理を繰り返して,スライスが終了したならば処理を終了する。
次に,図2に示すステップS12および図4に示すステップS22の詳細な処理について,いくつかの例を説明する。これらの例の違いは,コンテクストテーブルの更新(初期化)に用いる情報の指定方法の違いであり,どの参照マクロブロックのコンテクストテーブル情報を継承するかの指定の方法の違いである。
参照マクロブロックを指定する場合には,基本的にはフレーム番号,スライス番号,MB番号を特定する必要があるが,例えば他の情報で特定することができる場合には,番号の指定を省略して符号化における付加情報の発生を抑えることもできる。例えば,フレーム間予測で参照が指定されたフレーム内の情報を用いる場合には,フレーム番号の指定を省略することができる。また,例えば1クラスが1スライスに対応しているような場合には,スライス単位で指定し,マクロブロック単位での指定を省略するような実施も可能である。
図5のコンテクストテーブル初期値設定処理(その1)は,ステップS12(図2)およびステップS22(図4)で行う処理であるが,コンテクストテーブルの更新に用いる情報をスライス単位で指定する方法の場合であり,MB単位での指定は行わない。
図5の処理では,参照フレーム指定方法フラグF1と参照スライス指定方法フラグF2を用いる。参照フレーム指定方法フラグF1は,“1”のときフレーム番号を指定する情報を付加情報として伝送することを指定し,“0”のときフレーム間予測において参照しているフレーム番号を共有することを指定するフラグである。また,参照スライス指定方法フラグF2は,“1”のときスライス番号を指定する情報を付加情報として伝送することを指定し,“0”のとき参照マクロブロックを指定する情報としてフレーム間予測の情報を共有することを指定するフラグである。これらのフラグF1,F2は,どの指定方法を用いるかによってスライスなどの符号化前に事前に設定される。または,符号化の状況に応じて,切り替える実施も可能である。
まず,参照フレーム指定方法フラグF1が,“1”かどうかを判定する(ステップS50)。フラグF1が“1”の場合,フレーム番号を指定した情報を参照フレームインデックスとして読み込む(ステップS51)。フラグF1が“0”の場合,符号化対象MBがフレーム間予測において参照しているフレーム番号を参照フレームインデックスとして読み込む(ステップS52)。
次に,参照スライス指定方法フラグF2が,“1”かどうかを判定する(ステップS53)。フラグF2が“1”の場合,スライス番号を指定した情報を参照スライスインデックスとして読み込む(ステップS54)。その後,参照フレームインデックスで指定されたフレームにおいて,参照スライスインデックスにより指定されたスライスの最終MBのコンテクストテーブルを読み込み,それをコンテクストテーブルの更新(初期化)に用いる情報として利用する(ステップS55)。フラグF2が“0”の場合,参照フレームインデックスで指定されたフレームにおいて,符号化対象MBがフレーム間予測のスライス番号と同一番号のスライスの最終MBのコンテクストテーブルを読み込み,それをコンテクストテーブルの更新(初期化)に用いる情報として利用する(ステップS56)。
図6のコンテクストテーブル初期値設定処理(その2)は,ステップS12(図2)およびステップS22(図4)で行う処理であるが,図5では,スライス単位でコンテクストテーブルの更新に用いる情報を指定したのに対し,図6では,MB単位で指定する。
図6の例では,前述した参照フレーム指定方法フラグF1と参照スライス指定方法フラグF2の他に,参照マクロブロック指定方法フラグF3を用いる。参照マクロブロック指定方法フラグF3は,“1”のときMB番号を指定する情報を付加情報として伝送することを指定し,“0”のときフレーム間予測における動きベクトル情報を利用し,MB番号を指定する情報として新たな付加情報は用いないことを指定する。
まず,参照フレーム指定方法フラグF1が,“1”かどうかを判定する(ステップS60)。フラグF1が“1”の場合,フレーム番号を指定した情報を参照フレームインデックスとして読み込む(ステップS61)。フラグF1が“0”の場合,符号化対象MBがフレーム間予測において参照しているフレーム番号を参照フレームインデックスとして読み込む(ステップS62)。
次に,参照スライス指定方法フラグF2が,“1”かどうかを判定する(ステップS63)。フラグF2が“1”の場合,スライス番号を指定した情報を参照スライスインデックスとして読み込む(ステップS64)。フラグF2が“0”の場合,参照フレームインデックスで指定されたフレームにおいて,符号化対象MBのスライス番号を参照スライスインデックスとして読み込む(ステップS65)。
次に,参照マクロブロック指定方法フラグF3が,“1”かどうかを判定する(ステップS66)。フラグF3が“1”の場合,MB番号を指定した情報を参照MBインデックスとして読み込む(ステップS67)。その後,参照フレームインデックスで指定されたフレームにおける,参照スライスインデックスにより指定されたスライスにおいて,参照MBインデックスにより指定されたMBのもつコンテクストテーブルを読み込み,それをコンテクストテーブルの更新(初期化)に用いる情報として利用する(ステップS68)。フラグF3が“0”の場合,符号化対象MBに対してフレーム間予測の動きベクトル情報を読み込む(ステップS69)。その後,参照フレームインデックスで指定されたフレームにおける,参照スライスインデックスにより指定されたスライスにおいて,動きベクトルにより,フレーム間予測の参照領域として指定された領域において最大面積を占めるMBのもつコンテクストテーブルを読み込み,それをコンテクストテーブルの更新(初期化)に用いる情報として利用する(ステップS610)。
図7および図8のコンテクストテーブル初期値設定処理(その3)は,図6と同様に,ステップS12(図2)およびステップS22(図4)で行う処理であり,コンテクストテーブルの更新に用いる情報をMB単位で指定する例である。ただし,この例では,スライス番号の指定方法を適宜切り替えることを行う。
まず,参照フレーム指定方法フラグF1が,“1”かどうかを判定する(ステップS70)。フラグF1が“1”の場合,フレーム番号を指定した情報を参照フレームインデックスとして読み込む(ステップS71)。フラグF1が“0”の場合,符号化対象MBがフレーム間予測において参照しているフレーム番号を参照フレームインデックスとして読み込む(ステップS72)。
次に,参照スライス指定方法フラグF2が,“1”かどうかを判定する(ステップS73)。フラグF2が“1”でない場合,図8のステップS710へ進む。フラグF2が“1”の場合,スライス番号を指定した情報を参照スライスインデックスとして読み込む(ステップS74)。
次に,参照マクロブロック指定方法フラグF3が,“1”かどうかを判定する(ステップS75)。フラグF3が“1”の場合,MB番号を指定した情報を参照MBインデックスとして読み込む(ステップS76)。その後,参照フレームインデックスで指定されたフレームにおける,参照スライスインデックスにより指定されたスライスにおいて,参照MBインデックスにより指定されたMBのもつコンテクストテーブルを読み込み,それをコンテクストテーブルの更新(初期化)に用いる情報として利用する(ステップS77)。フラグF3が“0”の場合,符号化対象MBに対してフレーム間予測の動きベクトル情報を読み込む(ステップS78)。その後,参照フレームインデックスで指定されたフレームにおける,参照スライスインデックスにより指定されたスライスにおいて,動きベクトルにより,フレーム間予測の参照領域として指定された領域において最大面積を占めるMBのもつコンテクストテーブルを読み込み,それをコンテクストテーブルの更新(初期化)に用いる情報として利用する(ステップS79)。
参照スライス指定方法フラグF2が“0”の場合,次に参照マクロブロック指定方法フラグF3が“1”かどうかを判定する(図8のステップS710)。フラグF3が“1”の場合,参照フレームインデックスで指定されたフレームにおいて,符号化対象MBのスライス番号と同一番号を参照スライスインデックスとする(ステップS711)。また,MB番号を指定した情報を参照MBインデックスとして読み込む(ステップS712)。その後,参照フレームインデックスで指定されたフレームにおける,参照スライスインデックスにより指定されたスライスにおいて,参照MBインデックスにより指定されたMBのもつコンテクストテーブルを読み込み,それをコンテクストテーブルの更新(初期化)に用いる情報として利用する(ステップS713)。
ステップS710の判定におけるフラグF3が“0”の場合,符号化対象MBに対してフレーム間予測の動きベクトル情報を読み込む(ステップS714)。その後,参照フレームインデックスで指定されたフレームにおける,参照スライスインデックスにより指定されたスライスにおいて,動きベクトルにより,フレーム間予測の参照領域として指定された領域において最大面積を占めるMBのもつコンテクストテーブルを読み込み,それをコンテクストテーブルの更新(初期化)に用いる情報として利用する(ステップS715)。
図9のコンテクストテーブル初期値設定処理(その4)は,図6と同様に,ステップS12(図2)およびステップS22(図4)で行う処理であり,コンテクストテーブルの更新に用いる情報をMB単位で指定する例である。ただし,図9の例は,スライス内のMBの指定を,フレーム間予測における参照領域に基づき参照マクロブロックを決める方法に固定した方法である。したがって,この例では参照マクロブロック指定方法フラグF3は用いない。
まず,参照フレーム指定方法フラグF1が,“1”かどうかを判定する(ステップS80)。フラグF1が“1”の場合,フレーム番号を指定した情報を参照フレームインデックスとして読み込む(ステップS81)。フラグF1が“0”の場合,符号化対象MBがフレーム間予測において参照しているフレーム番号を参照フレームインデックスとして読み込む(ステップS82)。
次に,参照スライス指定方法フラグF2が,“1”かどうかを判定する(ステップS83)。フラグF2が“1”の場合,スライス番号を指定した情報を参照スライスインデックスとして読み込む(ステップS84)。フラグF2が“0”の場合,参照フレームインデックスで指定されたフレームにおいて,符号化対象MBのスライス番号を参照スライスインデックスとして読み込む(ステップS85)。
次に,符号化対象MBに対してフレーム間予測の動きベクトル情報を読み込む(ステップS86)。その後,参照フレームインデックスで指定されたフレームにおける,参照スライスインデックスにより指定されたスライスにおいて,動きベクトルにより,フレーム間予測の参照領域として指定された領域において最大面積を占めるMBのもつコンテクストテーブルを読み込み,それをコンテクストテーブルの更新(初期化)に用いる情報として利用する(ステップS87)。
図5〜図9に示す各種の指定方法の例のように,フレーム番号の指定方法,スライス番号の指定方法,MBの指定方法として,どのような指定方法を用いるかをフラグなどにより切り替えてコンテクストテーブルの更新に用いる情報を指定することができる。
どの指定方法を用いるかについては,例えば各種の指定方法の一つに固定する方法,各種の指定方法について,総当りの探索によって符号量を最小化できる指定方法を選択する方法,マクロブロックの指定方法はいずれかに固定し,フレーム番号とスライス番号の指定方法については,総当りの探索によって符号量を最小化できる指定方法を選択する方法などの中から,符号化前または各スライスの符号化開始時に選択するというような実施が可能である。
符号化開始の前に一つの指定方法に固定する場合,例えば符号化前にトレーニング画像を用いて予備実験を行い,その結果,符号量が最も小さくなった指定方法を選択するというようにしてもよい。
以上の各種の参照マクロブロックの指定方法によって定まるマクロブロックのコンテクストテーブルを継承し,コンテクストテーブルを更新(初期化)することによって,適応的にクラスにチューニングされたコンテクストテーブルを用いて,エントロピ符号化を行うことができるようになる。
図10に,本システムをソフトウェアプログラムを用いて実現する場合のハードウェア構成例を示す。本システムは,プログラムを実行するCPU30と,CPU30がアクセスするプログラムやデータが格納されるRAM等のメモリ31と,カメラ等からの符号化対象の画像信号を入力する画像信号入力部32(ディスク装置等による画像信号を記憶する記憶部でもよい)と,CPU30に実行させるソフトウェアプログラムであるH.264に代表されるような動画像符号化プログラム34が格納されたプログラム記憶装置33と,CPU30がメモリ31にロードされた動画像符号化プログラム34を実行することにより生成された符号化ストリームを,例えばネットワークを介して出力する符号化ストリーム出力部36(ディスク装置等による符号化ストリームを記憶する記憶部でもよい)とが,バスで接続された構成になっている。
特に,本実施例に係るコンテクスト適応エントロピ符号化をCPU30に実行させるためのコンテクスト適応エントロピ符号化プログラム35は,動画像符号化プログラム34の一部として,または動画像符号化プログラム34とは別に,プログラム記憶装置33に格納され,符号化時にはメモリ31にロードされて実行される。
本実施例に係るコンテクスト適応エントロピ復号方法をソフトウェアプログラムによって実現する場合にも,同様なハードウェア構成を用いて実現することが可能である。
1 コンテクスト適応エントロピ符号化装置
2 コンテクスト適応エントロピ復号装置
10,20 クラス分類情報記憶部
11,21 コンテクストテーブル初期値設定部
12,22 コンテクスト計算部
13,23 コンテクストテーブル記憶部
14 2値化部
15 2値算術符号化部
24 2値算術復号部
25 シンタックス・エレメント変換部

Claims (6)

  1. 符号化対象シンボルの条件付き発生確率をモデル化した確率モデル情報を保持するコンテクストテーブルを用いて,符号化対象データをエントロピ符号化するコンテクスト適応エントロピ符号化方法において,
    符号化対象となるブロックまたはシンボルの符号化対象データを,あらかじめ定められた分類基準に従って複数のクラスに分類した情報と,符号化済みの符号化対象データに対する確率モデル情報とを記憶するクラス分類情報記憶手段を参照し,ある符号化単位の符号化開始時に,これから符号化する符号化対象データと同一のクラスに属する符号化済みの符号化対象データの確率モデル情報を用いて,コンテクストテーブルを初期化するコンテクストテーブル初期値設定過程と,
    前記コンテクストテーブル初期値設定過程によって初期化されたコンテクストテーブルが持つ確率モデル情報に従って符号化対象データを符号化し,その符号化結果に従って前記コンテクストテーブルが持つ確率モデル情報を更新するとともに,その更新された確率モデル情報を前記クラス分類情報記憶手段に書き出す符号化過程とを有し,
    前記コンテクストテーブル初期値設定過程では,これから符号化する符号化対象データと同一のクラスに属する符号化済みの符号化対象データの確率モデル情報を参照する際に,フレーム間予測で参照が指定されたフレームの参照位置情報が示す位置に対応する符号化対象データの確率モデル情報を参照する
    ことを特徴とするコンテクスト適応エントロピ符号化方法。
  2. 符号化対象シンボルの条件付き発生確率をモデル化した確率モデル情報を保持するコンテクストテーブルを用いて,符号化対象データをエントロピ符号化するコンテクスト適応エントロピ符号化装置において,
    符号化対象となるブロックまたはシンボルの符号化対象データを,あらかじめ定められた分類基準に従って複数のクラスに分類した情報と,符号化済みの符号化対象データに対する確率モデル情報とを記憶するクラス分類情報記憶手段と,
    ある符号化単位の符号化開始時に,前記クラス分類情報記憶手段を参照し,これから符号化する符号化対象データと同一のクラスに属する符号化済みの符号化対象データの確率モデル情報を用いて,コンテクストテーブルを初期化するコンテクストテーブル初期値設定手段と,
    前記コンテクストテーブル初期値設定手段によって初期化されたコンテクストテーブルが持つ確率モデル情報に従って符号化対象データを符号化し,その符号化結果に従って前記コンテクストテーブルが持つ確率モデル情報を更新するとともに,その更新された確率モデル情報を前記クラス分類情報記憶手段に書き出す符号化手段とを備え,
    前記コンテクストテーブル初期値設定手段は,これから符号化する符号化対象データと同一のクラスに属する符号化済みの符号化対象データの確率モデル情報を参照する際に,フレーム間予測で参照が指定されたフレームの参照位置情報が示す位置に対応する符号化対象データの確率モデル情報を参照する
    ことを特徴とするコンテクスト適応エントロピ符号化装置。
  3. 復号対象シンボルの条件付き発生確率をモデル化した確率モデル情報を保持するコンテクストテーブルを用いて,復号対象データをエントロピ復号するコンテクスト適応エントロピ復号方法において,
    復号対象となるブロックまたはシンボルの復号対象データを,あらかじめ定められた分類基準に従って複数のクラスに分類した情報と,復号済みの復号対象データに対する確率モデル情報とを記憶するクラス分類情報記憶手段を参照し,ある復号単位の復号開始時に,これから復号する復号対象データと同一のクラスに属する復号済みの復号対象データの確率モデル情報を用いて,コンテクストテーブルを初期化するコンテクストテーブル初期値設定過程と,
    前記コンテクストテーブル初期値設定過程によって初期化されたコンテクストテーブルが持つ確率モデル情報に従って復号対象データを復号し,その復号結果に従って前記コンテクストテーブルが持つ確率モデル情報を更新するとともに,その更新された確率モデル情報を前記クラス分類情報記憶手段に書き出す復号過程とを有し,
    前記コンテクストテーブル初期値設定過程では,これから復号する復号対象データと同一のクラスに属する復号済みの復号対象データの確率モデル情報を参照する際に,フレーム間予測で参照が指定されたフレームの参照位置情報が示す位置に対応する復号対象データの確率モデル情報を参照する
    ことを特徴とするコンテクスト適応エントロピ復号方法。
  4. 復号対象シンボルの条件付き発生確率をモデル化した確率モデル情報を保持するコンテクストテーブルを用いて,復号対象データをエントロピ復号するコンテクスト適応エントロピ復号装置において,
    復号対象となるブロックまたはシンボルの復号対象データを,あらかじめ定められた分類基準に従って複数のクラスに分類した情報と,復号済みの復号対象データに対する確率モデル情報とを記憶するクラス分類情報記憶手段と,
    ある復号単位の復号開始時に,前記クラス分類情報記憶手段を参照し,これから復号する復号対象データと同一のクラスに属する復号済みの復号対象データの確率モデル情報を用いて,コンテクストテーブルを初期化するコンテクストテーブル初期値設定手段と,
    前記コンテクストテーブル初期値設定手段によって初期化されたコンテクストテーブルが持つ確率モデル情報に従って復号対象データを復号し,その復号結果に従って前記コンテクストテーブルが持つ確率モデル情報を更新するとともに,その更新された確率モデル情報を前記クラス分類情報記憶手段に書き出す復号手段とを備え,
    前記コンテクストテーブル初期値設定手段は,これから復号する復号対象データと同一のクラスに属する復号済みの復号対象データの確率モデル情報を参照する際に,フレーム間予測で参照が指定されたフレームの参照位置情報が示す位置に対応する復号対象データの確率モデル情報を参照する
    ことを特徴とするコンテクスト適応エントロピ復号装置。
  5. 請求項1記載のコンテクスト適応エントロピ符号化方法を,コンピュータに実行させるためのコンテクスト適応エントロピ符号化プログラム。
  6. 請求項3記載のコンテクスト適応エントロピ復号方法を,コンピュータに実行させるためのコンテクスト適応エントロピ復号プログラム。
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