JP5102922B2 - バッテリー装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池部から漏洩した電解液の電気回路部への接触を防止する機能を有するバッテリー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、バッテリーは、その電力発生源となる電池部と、電池部から発生した電力が伝えられ、その出力を制御する制御回路を含む電気回路部とを有している。この電池部と電気回路部とは、バッテリー全体のサイズ制約上の理由から、近接して配置される場合が多く、その場合、電池部から漏洩した電解液の電気回路部への浸入を防止する策を講じる必要がある。これは、漏洩した電解液が電気回路部に浸入し、その電気回路を短縮或いは破損させてしまうことを防止するためであり、その具体的対策の1つとして、電気回路部を樹脂によって覆う方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来は、粘度の高い樹脂を用い、電気回路部全体を厚い被膜で覆う方法が一般的であったため、電気回路部全体が大型化し、バッテリーの小型化が図れないという問題点がある。
【0004】
また、厚い被膜で電気回路部全体を覆うこととした場合、電気回路部の修理時等におけるメンテナンス性が悪いという問題点がある。
【0005】
さらに、電気回路部を覆う被膜に電解液が付着した場合、その電解液によって被膜が腐食し、そのコーティング機能が低下してしまうという問題点もある。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、サイズの大型化を抑え、メンテナンス性が高く、電解液によるコーティング機能の低下を低く抑えることが可能な電解液接触防止機構を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明の他の目的は、サイズの大型化を抑え、メンテナンス性が高く、電解液によるコーティング機能の低下を低く抑えることが可能な機能を有するバッテリー装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、電池部から漏洩した電解液の電気回路部への接触を防止する機能を有するバッテリー装置において、前記電解液よりも分子間力が大きな材質によって構成され、前記電気回路部を構成する回路基板と、前記電解液よりも分子間力が小さな材質によって構成され、前記回路基板の少なくとも一部を100μm以下の厚みで覆う被膜と、前記電池部及び前記回路基板を収納し、前記電解液よりも分子間力が大きな材質によって構成されるケースとを有し、前記被膜の一部が前記ケースと接していることを特徴とするバッテリー装置が提供される。
【0009】
ここで、回路基板には電気回路が形成され、被膜は、回路基板よりも分子間力が小さな材質によって構成されることにより、付着した電解液を回路基板側に撥水し、100μm以下の厚みで構成されることにより、サイズの大型化を抑える。
【0011】
ここで、回路基板には、電気回路が形成され、被膜は、回路基板よりも分子間力が小さな材質によって構成されることにより、付着した電解液を回路基板側に撥水し、100μm以下の厚みで構成されることにより、サイズの大型化を抑える。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
まず、本発明における第1の実施の形態について説明する。
【0022】
図1は、本形態におけるバッテリー装置1の構成を示した平面図である。なお、実際のバッテリー装置1の上面は、カバー等によって覆われているが、図1では、説明のため、上面を覆うカバー等を省略して記載してある。
【0023】
バッテリー装置1は、電力を発生する電池2a〜2d、電池2a〜2dから出力された電力を伝える接続電極3a〜3h、底面及び側面を覆うケース4,電気回路部を構成する回路基板11、及び回路基板11を覆う被膜12によって構成される。ここで、回路基板11及び被膜12は、電解液接触防止機構10を構成し、電池2a〜2dから漏洩した電解液が電気回路部に接触することを防止する。
【0024】
電池2a〜2dは、例えばリチウムイオン電池等であり、その出力端子が接続電極3a〜3hと電気的に接続される。
【0025】
接続電極3a〜3hは、板状等に形成された導体であり、導電性が高く、水分や電解液等の付着によって腐食しにくい材料によって構成され、或いはそのような処理を施すことによって構成される。
【0026】
ケース4は、絶縁体によって構成され、内部が空洞の略直方体から上面を取り除いたような箱形状を有している。
【0027】
回路基板11は、その表面に配線パターンが形成され、さらに、その表面に半導体等の能動部品及びコンデンサ等の受動部品が実装されることによって電気回路部を構成する。ここで、回路基板11の材質としては、絶縁性を有し、ある程度の機械的強度を有するものであれば、ガラスエポキシ樹脂等特に制限なく使用することができる。また、配線パターンの材質としては、導電性が高く、回路基板11との膜密着性が高いものであれば、銅、銀、亜鉛等特に制限なく使用することができる。
【0028】
被膜12は、例えば、フッ素樹脂等の防水性及び絶縁性を有する樹脂である。ここで、被膜12、回路基板11及びケース4を構成する材質の選択は、電解液の分子間力が、被膜12を構成する材質の分子間力よりも大きく、回路基板11を構成する材質、及びケース4を構成する材質の分子間力よりも小さくなるように行う。例えば、電解液の分子間力が20〜30dyne/cm程度であった場合、被膜12を構成する材質に分子間力が15dyne/cm以下のものを用い、回路基板11及びケース4を構成する材質に分子間力が100dyne/cm以上のものを用いる。より具体的には、被膜12として、分子間力が10〜12dyne/cm程度のフッ素樹脂を用い、回路基板11に分子間力が100dyne/cm以上のガラスエポキシ樹脂を用いる。また、被膜12を熱可塑性の材料によって構成することとしても良い。この場合、被膜12を加熱することによって被膜を溶解することが可能となり、被膜12のメンテナンスが容易になる。
【0029】
図2の(a)は、図1における電解液接触防止機構10のA−A断面図である。図2の(a)に示すように、電解液接触防止機構10は、回路基板11の外部を被膜12で覆うことによって構成される。回路基板11への被膜12の被覆は、被膜12を構成するフッ素樹脂等の樹脂の粘度を1Pa・sec以下とし、その樹脂を回路基板11の外部に塗布することによって行われる。このように低い粘度の樹脂を塗布することによって被膜12を構成することにより、被膜12の厚みを薄くすることが可能となる。この様に構成された被膜12の厚みは、100μm以下にされることが望ましい。
【0030】
ケース4の内部には、電池2a〜2d及び電解液接触防止機構10が配置され、各電池2a〜2dは、接続電極3a〜3hを介し、電解液接触防止機構10の回路基板11と電気的に接続される。この際、電解液接触防止機構10の被膜12は、少なくとも一部をケース4に接触させた状態で配置される。
【0031】
図2の(b)は、図1におけるB部のA−A断面図であり、電解液接触防止機構10の表面に電池2a〜2dから漏洩した電解液20が付着した場合の様子を示している。
【0032】
前述のように、電解液20の分子間力は、被膜12を構成する材質の分子間力よりも大きく、ケース4を構成する材質の分子間力よりも小さい。このため、電解液接触防止機構10の表面に付着した電解液20は、分子間力の大きいケース4側に引き寄せられ、分子間力が小さい被膜12から引き離される。これにより、電解液20が被膜12の表面に残留することを防止し、残留した電解液20によって、被膜12が腐食し、このコーティング機能が低下してしまうことを抑制することができる。
【0033】
このように、本形態では、電気回路部を構成する回路基板11を100μm以下の薄い被膜12で覆うこととしたため、サイズの大型化を抑えることができる。
【0034】
また、被膜12の膜厚を薄くすることにより、被膜12位置の修正等のメンテナンスを容易に行うことが可能となる。
【0035】
さらに、被膜12の膜厚を薄くすることとしたため、被膜12を回路基板11の一部に選択的に配置する等、被膜12のパターン形成化が可能となり、例えば、特に被膜が必要な部分のみに被膜12を設け、全体のサイズの小型化を図る等、設計の自由度を向上させることが可能となる。
【0036】
また、電気回路部を構成する回路基板11を、電解液20よりも分子間力が小さな材料によって構成された被膜12によって覆い、電解液20よりも分子間力が大きなケース4と接触させて配置することとしたため、電解液20が被膜12の表面に残留することを防止し、残留した電解液20によって、被膜12が腐食し、そのコーティング機能が低下してしまうことを抑制することができる。
【0037】
ここで、本願発明において被膜12として使用されるフッ素樹脂、絶縁用の膜として一般的に使用されるウレタン樹脂、アクリル樹脂において体積抵抗率、表面抵抗率を測定した。なお、上記樹脂膜の体積抵抗率、表面抵抗率は、温度85℃環境下、85%RHにおいて、DC10Vの負荷を500時間与えた後に測定したものである。また、体積抵抗率、表面抵抗率の測定は、樹脂膜の膜厚を何れも200μmと同一にして行った。
【0038】
その結果、ウレタン樹脂、アクリル樹脂の体積抵抗率、表面抵抗率は、1012〜1014Ω・cm程度であり、フッ素樹脂の体積抵抗率、表面抵抗率は、1016Ω・cmを越える程度であった。つまり、フッ素樹脂の体積抵抗率、表面抵抗率は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂の体積抵抗率、表面抵抗率と比較して、100倍ほど高いことがわかる。
【0039】
したがって、フッ素樹脂からなる被膜12は、基板11上における被膜厚みが100μm以下、より好ましくは6μm程度と薄くしても、被膜厚みが200μm程度のウレタン樹脂、アクリル樹脂の被膜に匹敵する絶縁特性を、充分に有する絶縁体であるといえる。
【0040】
これより、本発明を適用した被膜12、即ちフッ素樹脂等からなる被膜12によれば、はんだくず、はんだボール、金属のくず等による電気回路の不具合、ショートを防止することができる。また、近接した電気回路異極間においては、絶縁性を有する皮膜により異極間への水分の浸入を防止することで、耐絶縁性能を向上させることもできる。
【0041】
次に、本発明における第2の実施の形態について説明する。
【0042】
本形態は、第1の実施の形態の変形例であり、回路基板の一部のみを被膜によって覆う点が第1の実施の形態と相違する。その他の点については第1の実施の形態と同様であり、以下では、この相違点を中心に説明し、共通する点については説明を省略する。
【0043】
図3の(a)は、本形態における電解液接触防止機構30の構成を示した平面図である。
【0044】
電解液接触防止機構30も、第1の実施の形態の場合と同様、回路基板31及び被膜32によって構成される。上述のように、第1の実施の形態との相違点は、被膜32が回路基板31の一部のみを覆うことであり、その他は、第1の実施の形態と同様である。
【0045】
図3の(b)は、図3の(a)のC−C断面図であり、電解液接触防止機構30の表面に電解液40が付着した場合の様子を示している。
【0046】
第1の実施の形態の場合と同様に、電解液40の分子間力は、被膜32を構成する材質の分子間力よりも大きく、回路基板31を構成する材質の分子間力よりも小さい。そのため、電解液接触防止機構30の表面に付着した電解液40は、分子間力の大きい回路基板31側に引き寄せられ、分子間力が小さい被膜32から引き離される。これにより、電解液40が被膜32の表面に残留することを防止し、残留した電解液40によって被膜32が腐食し、そのコーティング機能が低下してしまうことを抑制することができる。
【0047】
このように、本形態では、電解液40よりも分子間力が大きな材質によって構成される回路基板31の一部を、電解液40よりも分子間力が小さな材質によって構成された被膜32によって覆うこととしたため、電解液40が被膜32の表面に残留することを防止し、残留した電解液40によって、被膜32が腐食し、そのコーティング機能が低下してしまうことを抑制することができる。
【0048】
ところで、上述した被膜12,32として好適なフッ素樹脂被膜を成膜する従来の方法としては、吹きつけ塗装、真空蒸着等の蒸着法等が挙げられる。
【0049】
しかしながら、吹きつけ塗装の場合、フッ素樹脂溶液の失損率が略60%と大きく、基板に付着するフッ素樹脂量に対して、使用するフッ素樹脂溶液量が大幅に多くなるため、塗布効率が低下してしまい、生産コストが上昇してしまうという問題がある。
【0050】
また、蒸着法の場合、装置が高価で大がかりなものとなるため、フッ素樹脂被膜の成膜を、一度に多量の処理を行うバッチ処理とせざるを得ない。この結果、フッ素樹脂被膜の成膜をインライン化することが困難となり、また、フッ素樹脂被膜成膜済み基板の仕掛かり在庫を多く有することとなり、生産コストが上昇してしまうという問題がある。
【0051】
そして、これらの方法により成膜したフッ素樹脂被膜の膜厚を測定するためには、例えば金属顕微鏡等を用いて光学的に直接的な測定をする必要があるが、この測定法の場合、測定装置、測定技術、測定操作等が繁雑となり、インライン化することが困難であるという問題がある。
【0052】
そこで、上述した被膜12,32として好適なフッ素樹脂被膜は、本発明を適用したフッ素樹脂被膜成膜装置及びその成膜方法により、次のようにして成膜することができる。
【0053】
図4は、本発明を適用したフッ素樹脂被膜成膜装置101の構造を概略的に示したものである。フッ素樹脂被膜成膜装置101は、樹脂被膜の成膜を行う本体部102と基板の制御を行う基板制御部103とにより構成されている。
【0054】
本体部102は、ケース104と、当該ケース104の下部に配された浸漬領域であるフッ素樹脂溶液槽105と、当該フッ素樹脂溶液117層の上方に隣接して配された乾燥領域106と、当該乾燥領域106の上方に隣接して配された冷却領域107と、当該冷却領域107の上方に配された自動開閉シャッター108と、分離槽109と、フィルタータンク110とを備えて構成されている。
【0055】
ケース104は、適当な強度を有し、フッ素樹脂溶液117、当該フッ素樹脂溶液117の溶剤及び水分等に対して、耐食性を有する材料よりなるものである。このような材料としては、例えば、ステンレススチールSUS304,SUS316,アルミニウム等の腐食し難い金属、又は、アクリル,ポリエチレン,ポリカーボネート等の樹脂等を好適に用いることができる。
【0056】
フッ素樹脂溶液槽105は、基板111に対してフッ素樹脂溶液117の浸漬を施す領域であり、所定の濃度に調整されたフッ素樹脂溶液117が満たされている。そして、フッ素樹脂溶液槽105は、抵当な強度を有し、フッ素樹脂溶液117、当該フッ素樹脂溶液117の溶剤及び水分に対して耐食性を有する材料からなるものである。このような材料としては、例えば、ステンレススチールSUS304,SUS316,アルミニウム等の金属、強化ガラス、又はポリエチレン,ポリカーボネート等の樹脂等を好適に用いることができる。また、フッ素樹脂溶液槽105の高さは、基板111を全て浸漬させることができる所定の高さとする。また、フッ素樹脂溶液槽105の側部には、当該フッ素樹脂溶液槽105の底部と貫通しており、フッ素樹脂溶液槽105におけるフッ素樹脂溶液117の液面112の位置を示す液面計125が備えられている。この液面計125により、フッ素樹脂溶液槽105内のフッ素樹脂溶液117の液面112の高さを確認することができ、フッ素樹脂溶液117の管理を簡便に行うことができる。
【0057】
また、フッ素樹脂溶液槽105の上端部であり、乾燥領域106との境界部には、フッ素樹脂溶液117をオーバーフローさせる際に、溢れたフッ素樹脂溶液117をフィルタータンク110に導く配管113が配され、その反対側の先端はフィルタータンク110に接続されている。そして、フッ素樹脂溶液槽105の底部であり、上述した配管113の下方にも、循環ポンプを介して、フィルタータンク110からフッ素樹脂溶液117をフッ素樹脂溶液槽105に流入するための配管115が配され、その反対側の先端は、フィルタータンク110に接続されている。
【0058】
フッ素樹脂溶液117は、フッ素樹脂を溶剤に所定の濃度で溶解させたものである。ここで、溶剤としては、例えば、パーフロロポリエーテル、パーフロロカーボン、ハイドロフロロポリエーテル、ハイドロフロロエーテル、HCFC−225(ハイドロクロロフロロカーボン)、ハイドロフロロカーボン、パーフロロジブチルエーテル、キシレンヘキサフロライド等の、常温において乾燥可能な揮発性のフッ素系溶剤や、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、酢酸ブチル、シクロヘキサン、工業用ガソリン等の、常温において乾燥可能な揮発性有機溶剤を用いることができる。また、エマルジョン化すれば水も溶剤として用いることが可能である。その中でも、パーフロロポリエーテルは、沸点が70℃と低く、低温で蒸発するため、好適に用いることができる。また、上述したような溶剤は、単独で用いても良く、また、複数種を混合して用いても良い。
【0059】
乾燥領域106は、フッ素樹脂溶液槽105で浸漬により基板111に塗布されたフッ素樹脂溶液117中の溶剤を蒸発、乾燥させ、フッ素樹脂被膜が基板111上に成膜される領域である。
【0060】
乾燥領域106の雰囲気温度は、常温程度に保たれていれば良い。具体的には、フッ素樹脂溶液117を調製するのに用いた溶剤を確実に乾燥させることができる温度とされていれば良い。
【0061】
また、乾燥領域106は、加熱設備を設けて加熱することにより雰囲気温度を常温以上の所定の温度に保持するようにしても良い。なお、乾燥領域106を常温以上の温度に加熱する場合には、上述したフッ素樹脂溶液117の溶剤としては、当該乾燥領域106をその加熱した際の雰囲気温度において乾燥可能な溶剤も用いることが可能である。
【0062】
冷却領域107は、乾燥領域106で基板111表面から蒸発した溶剤、及びフッ素樹脂溶液117の液面112より蒸発した溶剤を冷却することにより液化、結露させる領域である。また、乾燥領域106では、装置内の空気に含有される水分、及び装置外から装置内に流入する外気に含有される水分を液化、結露させて除去する役割も担っている。
【0063】
乾燥領域106で基板111表面から蒸発した溶剤、及びフッ素樹脂溶液117の液面112より蒸発した溶剤は冷却されることにより液化して、冷却領域107の内壁118に結露する。そして、冷却領域107の内壁118に結露した溶剤は、当該内壁118をつたって冷却領域107の内壁118下端部に配された排水溝119に溜められ、さらに、当該排水溝119と分離槽109とを接続して配された配管116により分離槽109に回収される。これにより、装置外に出ていく溶剤量、すなわち溶剤の損失量を低減及び制御することができる。
【0064】
また、装置内の空気に含有される水分、及び装置外から装置内に流入する外気に含有される水分も溶剤と同様にして、分離槽109に回収される。
【0065】
そして、分離槽109に回収された溶剤は、フィルタータンク110を介してフッ素樹脂溶液槽105に戻されるため、フッ素樹脂溶液117の溶剤の損失を大幅に低減させることができ、且つ溶剤の損失量を制御することが可能となる。
【0066】
ここで、冷却領域107は、その外周縁部に当該冷却領域107を囲うように冷却装置120を備えており、この冷却装置120により当該冷却領域107を冷却し、溶剤及び水分を冷却、液化させて冷却領域107の内壁118に結露させる。
【0067】
ここで、冷却装置120により冷却する際の冷却領域107の雰囲気温度は、フッ素樹脂溶液117に用いる溶剤の種類等にもより、特に限定されるものではなく、その他の諸条件により適宜設定されれば良い。
【0068】
冷却装置120は、特に限定されるものではなく、冷却領域107を所定の温度に冷却することができるものであれば、ペルチェ素子や冷却パイプ等、従来公知のものを用いることができる。その中でも、ペルチェ素子は、素子自体が小さく、軽いため、冷却装置120を小型軽量化することができ、本体部102の小型軽量化が可能となるため、好適に用いることができる。
【0069】
自動開閉シャッター108は、本体部102の蓋の役目を果たすものであり、フッ素樹脂被膜の成膜作業が行われていないときは、当該自動開閉シャッター108を閉じることにより、不純物、及び外気が本体部102内部に侵入することを防止する。
【0070】
分離槽109は、冷却領域107で液化され集められた溶剤及び水を回収し、さらに、水を外部に排出し、溶剤のみをフィルタータンク110に送る。
【0071】
フィルタータンク110は、分離槽109から送られた溶剤を、タンク内のフィルター121を介して不純物を除去した後、再びフッ素樹脂溶液槽105に戻す。また、フィルタータンク110には、フッ素樹脂溶液槽105からオーバーフローしたフッ素樹脂溶液117が上述した配管113により戻されるため、このフッ素樹脂溶液117についても、フィルター121を介して不純物を除去した後、循環ポンプにより再びフッ素樹脂溶液槽105に戻す。
【0072】
基板111制御部103は、基板取り付けアタッチメント122と、当該基板取り付けアタッチメント122を保持するアタッチメント装着ラック123と、自動制御昇降機124とを備えて構成されている。
【0073】
基板取り付けアタッチメント122は、基板111を保持するものであり、所定の枚数、例えば4枚の基板111を取り付け、保持可能な形状、大きさとされている。基板取り付けアタッチメント122に取り付け可能な基板111枚数は、特に限定されることはなく、基板111の大きさ、形状、フッ素樹脂溶液槽105の大きさ等の諸条件を勘案して適宜変更可能である。
【0074】
アタッチメント装着ラック123は、基板取り付けアタッチメント122を保持するものであり、所定の数量、例えば2つの基板取り付けアタッチメント122を装着、保持可能な形状、大きさとされている。アタッチメント装着ラック123に装着可能な基板取り付けアタッチメント122の数量は、特に限定されることはなく、基板取り付けアタッチメント122の大きさ、形状、フッ素樹脂溶液槽105の大きさ等の諸条件を勘案して適宜変更可能である。
【0075】
そして、基板取り付けアタッチメント122に複数枚の基板111を取り付け、また、アタッチメント装着ラック123に複数個の基板取り付けアタッチメント122を装着してフッ素樹脂被膜の成膜を行うことにより、単位時間当たりの処理枚数を大幅に増やすことができ、生産効率を向上させることができる。
【0076】
また、基板取り付けアタッチメント122及びアタッチメント装着ラック123を基板111の形状、大きさに合わせて複数種類用意することにより、異なる種類の基板111に同時にフッ素樹脂被膜を成膜することができるため、樹脂被膜成膜装置は、汎用性に優れたものとなる。
【0077】
自動制御昇降機124は、アタッチメント装着ラック123を所定の速度で上下方向に移動させることにより、基板111を本体部102に進入させ、また、本体部102から引き上げるものであり、図示しないモータを駆動源とし、図示しない自動制御装置により制御されるものである。また、この自動制御装置は、自動制御昇降機124と連動させて上述した自動開閉シャッター108も制御する。
【0078】
以上のように構成されたフッ素樹脂被膜成膜装置101は、冷却領域107を備えていることにより、本体部102内から外部へ出ていくフッ素樹脂溶液117の溶剤の量を所定の割合に制御することができる。冷却領域107においては蒸発した溶剤を液化するが、冷却領域107における蒸発した溶剤の液化割合は100%でなく、わずかな量が本体部102の外部へ蒸気として出てしまう。そこで、このフッ素樹脂被膜成膜装置101においては、この本体部102の外部へ出る蒸気の量を制御する。
【0079】
すなわち、本体内部から外部へ出ていくフッ素樹脂溶液117の溶剤の量を多くするためには、フッ素樹脂溶液117の温度を上げ、フッ素樹脂溶液117面112からの溶剤の蒸発量を増加させる。これにより、本体部102の外部へ出る溶剤の蒸気の量を多くすることができる。また、冷却装置120の設定を調整し、冷却領域107の温度を高くすることによって、液化、結露する溶剤の量を減少させ、本体部102の外部へ出る溶剤の蒸気の量を多くすることができる。
【0080】
また、本体内部から外部へ出ていくフッ素樹脂溶液117の溶剤の量を少なくするためには、フッ素樹脂溶液117の温度を下げ、フッ素樹脂溶液117面112からの溶剤の蒸発量を減少させる。これにより、外部へ出る溶剤の蒸気の量を少なくすることができる。また、冷却装置120の設定を調整し、冷却領域107の温度を低くすることによって、液化、結露する溶剤の量を増加させ、本体部102の外部へ出る溶剤の蒸気の量を少なくすることができる。
【0081】
そして、基板111にフッ素樹脂被膜として成膜され、フッ素樹脂溶液117から外部に持ち出されることによるフッ素樹脂の減少量は、基板111により略一定量である。
【0082】
したがって、本体部102の外部へ出ていく溶剤の量、すなわち溶剤の損失量を制御して、溶剤の損失割合とフッ素樹脂の減少割合との比率を一定とすることにより、フッ素樹脂溶液槽105内のフッ素樹脂溶液117の濃度を常に一定に保持することができる。すなわち、このフッ素樹脂被膜成膜装置101では、複雑な操作を伴うことなく、簡便な操作により、フッ素樹脂溶液117の濃度を常に一定に保持することができる。これにより、フッ素樹脂被膜の部位によりフッ素樹脂の濃度が異なる、部位により膜厚が異なる等の不具合のない、常に均質で、品質の良好なフッ素樹脂被膜を成膜することができる。
【0083】
また、このフッ素樹脂被膜成膜装置101は、冷却領域107を備えていることにより、装置内の空気に含有される水分、及び装置外から装置内に流入する外気に含有される水分を除去することが可能である。これにより、フッ素樹脂溶液117に水が浮く等の、不純物である水がフッ素樹脂溶液117に含有されることを防止することができるため、常に均質で、品質の良好なフッ素樹脂被膜を成膜することができる。
【0084】
また、このフッ素樹脂被膜成膜装置101は、フィルタータンク110を備えてることにより、液化、結露して、フッ素樹脂溶液槽105に戻される溶剤、又はオーバーフローにより循環するフッ素樹脂溶液117に含まれる不純物を効果的に除去することができる。これにより、フッ素樹脂溶液槽105内のフッ素樹脂溶液117を、常に不純物のない良好な状態に保持することができるため、常に均質で、品質の良好なフッ素樹脂被膜を成膜することができる。
【0085】
また、このフッ素樹脂被膜成膜装置101では、浸漬法を用いているため、フッ素樹脂溶液117は、フッ素樹脂被膜の成膜に必要な量のみが基板111に塗布され、本体部102外へと持ち出されるため、吹きつけ塗装の場合のように、フッ素樹脂溶液117の失損量が多くなることがなく、塗布効率が高く、生産コストを低く抑えることができる。
【0086】
そして、このフッ素樹脂被膜成膜装置101は、構成が簡略であるため、小型化、低価格化することができ、インライン化することが可能である。そして、このフッ素樹脂被膜成膜装置101を用いることにより、他の工程ラインに合わせて必要時に、必要分だけを成膜することができるため、仕掛かり在庫を持つことがなく、生産コストを低く抑えることができる。
【0087】
次に、以上のように構成された樹脂被膜成膜装置を用いて、基板111上にフッ素樹脂被膜を成膜する方法を説明する。図5に、樹脂被膜成膜装置を用いたフッ素樹脂被膜成膜工程のフローチャートを示す。
【0088】
まず、ステップ1において、所定の枚数の基板111を基板取り付けアタッチメント122に取り付ける。このとき、全て同種の基板111を取り付ける必要はなく、異なる種類の基板111をそれ専用の基板取り付けアタッチメント122に取り付けて複数種の基板111を用意しても良い。
【0089】
次に、ステップ2において、基板取り付けアタッチメント122をアタッチメント装着ラック123に装着する。この時点のアタッチメント装着ラック123の位置、すなわち、基板111の位置が図6に示すように基板111初期位置となる。
【0090】
次に、ステップ3において、自動制御装置のスタートボタンをONにする。この後の操作は、自動制御装置により自動的に制御される。
【0091】
次に、ステップ4において、ステップ3におけるスイッチングにより、自動制御装置の制御により自動開閉シャッター108が開く。
【0092】
次に、ステップ5において、自動制御昇降機124により、アタッチメント装着ラック123が所定の速度で降下し、基板111を図6に示すように本体部102内に進入させる。
【0093】
次に、ステップ6において、自動制御昇降機124により、アタッチメント装着ラック123を本体部102内においてさらに降下させ、冷却領域107、乾燥領域106を通過してフッ素樹脂溶液槽105のフッ素樹脂溶液117内の、基板111全体がフッ素樹脂溶液117に浸漬する所定の位置まで降下浸液させる。
【0094】
次に、ステップ7において、基板111を所定の時間だけフッ素樹脂溶液117に浸漬させる。基板111の浸漬時間は、アタッチメント装着ラック123、すなわち基板111の降下及び上昇速度やフッ素樹脂溶液117の濃度等の諸条件により適宜設定されれば良い。
【0095】
次に、ステップ8において、自動制御昇降機124により、所定の速度でアタッチメント装着ラック123すなわち、基板111を上昇させ、図6に示すようにフッ素樹脂溶液117から引き上げる。このフッ素樹脂被膜成膜方法においては、基板111をフッ素樹脂溶液117に浸漬させることにより基板111にフッ素樹脂溶液117を塗布し、基板111をフッ素樹脂溶液117から引き上げる際にフッ素樹脂溶液117の溶剤が蒸発、乾燥することにより基板111上にフッ素樹脂被膜が形成される。
【0096】
ここで、フッ素樹脂被膜の膜厚は、基板111をフッ素樹脂溶液117から引き上げる速度により制御することができる。ステップ6〜ステップ9を実施した場合、すなわち基板111の浸漬〜フッ素樹脂溶液117の溶剤の乾燥、を実施してフッ素樹脂被膜を成膜した場合、フッ素樹脂溶液117からの基板111の引き上げ速度が遅いほど膜厚の厚いフッ素樹脂被膜を成膜することができる。
【0097】
すなわち、フッ素樹脂被膜の膜厚を薄くしたい場合には、基板111の引き上げ速度を早くすれば良い。また、フッ素樹脂被膜の膜厚を厚くしたい場合には、基板111の引き上げ速度を遅くすれば良い。したがって、フッ素樹脂溶液117からの基板111の引き上げ速度を調整することにより所望の膜厚のフッ素樹脂被膜を成膜することができる。
【0098】
また、基板111を上昇させる速度は、基板111を降下させた速度と同一とする必要はなく、成膜したいフッ素樹脂被膜の膜厚、フッ素樹脂溶液117の濃度等の諸条件を勘案して適宜設定されれば良い。
【0099】
次に、ステップ9において、自動制御昇降機124により基板111を所定の速度でさらに上昇させ、基板111を乾燥領域106内を所定の速度で通過させることにより、フッ素樹脂溶液117への浸漬により基板111に塗布されたフッ素樹脂溶液117の溶剤を蒸発、乾燥させる。これにより、基板111上にフッ素樹脂被膜が形成される。
【0100】
次に、ステップ10において、自動制御昇降機124により、基板111をさらに上昇させ、冷却領域107を所定の速度で通過させて、基板111を本体部102上方の初期位置に戻して停止させる。冷却領域107は、上述したように、冷却領域107を囲うように配された冷却装置120により所定の温度に冷却されている。これにより、乾燥領域106で基板111表面から蒸発した溶剤、及びフッ素樹脂溶液117の液面112より蒸発した溶剤を冷却して、液化させ、冷却領域107の内壁118に結露させる。そして、冷却領域107の内壁118に結露した溶剤は、当該内壁118をつたって冷却領域107の内壁118下端部に配された排水溝119に溜められ、さらに、当該排水溝119と分離槽109とを接続して配された配管116により分離槽109に回収される。
【0101】
そして、分離槽109に回収された溶剤は、フィルタータンク110を介してフッ素樹脂溶液槽105に戻されるため、フッ素樹脂溶液117の溶剤の外部への損失を大幅に低減させることができ、また、溶剤の損失量を制御することが可能となる。これにより、乾燥領域106で基板111表面から蒸発した溶剤、及びフッ素樹脂溶液117の液面112より蒸発した溶剤が、装置外に出ていく量を低減及び制御させることができる。
【0102】
また、装置内の空気に含有される水分、及び装置外から装置内に流入する外気に含有される水分も溶剤と同様にして、分離槽109に回収し、さらに除去することができる。
【0103】
次に、ステップ11において、自動制御装置の制御により自動開閉シャッター108が閉じる。基板111が本体部102内に入っていないときは自動開閉シャッター108を閉じておくことにより、フッ素樹脂溶液117の溶剤の蒸発、本体部102内への外気の侵入及び本体部102内への不純物の侵入を防止することができる。
【0104】
次に、ステップ12において、ステップ11と略同時に自動制御装置の制御により循環ポンプが作動し、フッ素樹脂溶液117を循環させる。すなわち、循環ポンプにより、フィルタータンク110内のフッ素樹脂溶液117をフッ素樹脂溶液槽105内に流入させる。そして、フッ素樹脂溶液槽105のフッ素樹脂溶液117がオーバーフローし、溢れたフッ素樹脂溶液117は、上述した配管113によりフィルタータンク110に流入する。これによりフィルタータンク110内及びフッ素樹脂溶液槽105内のフッ素樹脂溶液117を循環させることができ、フッ素樹脂溶液117の濃度の均一化を図ることができる。また、フッ素樹脂溶液117を循環させる際、フッ素樹脂溶液117はフィルタータンク110内のフィルター121を通過させることで、フッ素樹脂溶液117内に混入した不純物をろ過することができる。これにより、フッ素樹脂溶液117を、常に不純物のない良好な状態に保持することができる。
【0105】
次に、ステップ13において、アタッチメント装着ラック123より基板取り付けアタッチメント122を外す。
【0106】
最後に、ステップ14において、基板取り付けアタッチメント122から基板111を取り外すことにより、フッ素樹脂被膜の成膜が完了する。
【0107】
以上、ステップ1〜ステップ14を実施することにより基板111にフッ素樹脂被膜を成膜することができる。
【0108】
上述したフッ素樹脂被膜を成膜方法においては、膜厚の薄いフッ素樹脂被膜を成膜したい場合は、ステップ1〜ステップ14を上述した順序で行えば良い。
【0109】
それに対して、膜厚の厚いフッ素樹脂被膜を成膜したい場合は、上記においてステップ1〜ステップ9まで終了した時点で再度ステップ6に戻り、ステップ6〜ステップ9を繰り返し実施させる。すなわち、乾燥領域106においてフッ素樹脂溶液117の溶剤を乾燥させてフッ素樹脂被膜を成膜した後、再び基板111をフッ素樹脂溶液117に浸漬させ、引き上げ、乾燥領域106においてフッ素樹脂溶液117の溶剤を乾燥させてフッ素樹脂被膜を積層させる。これにより、膜厚の厚いフッ素樹脂被膜を成膜することができる。
【0110】
すなわち、ステップ6〜ステップ9の繰り返し回数を制御することにより所望の膜厚のフッ素樹脂被膜を成膜することができる。また、ステップ6〜ステップ9の実施回数、すなわち、基板111の浸漬〜フッ素樹脂溶液117の溶剤の乾燥までの実施回数は特に限定されることはなく、フッ素樹脂被膜の膜厚や基板111の引き上げ速度等の諸条件により適宜変更可能である。
【0111】
また、フッ素樹脂被膜の膜厚は、フッ素樹脂溶液117の濃度を調整することによっても制御可能である。ステップ6〜ステップ9を実施した場合、すなわち基板111の浸漬〜フッ素樹脂溶液117の溶剤の乾燥、を実施してフッ素樹脂被膜を成膜した場合、フッ素樹脂溶液117の濃度が高いほど膜厚の厚いフッ素樹脂被膜を成膜することができる。すなわち、膜厚の薄いフッ素樹脂被膜を成膜する場合には、フッ素樹脂溶液117の濃度を低く設定すれば良い。また、膜厚の厚いフッ素樹脂被膜を成膜する場合には、フッ素樹脂溶液117の濃度を低く設定すれば良い。
【0112】
したがって、フッ素樹脂溶液117の濃度を調整することにより所望の膜厚のフッ素樹脂被膜を成膜することができる。
【0113】
ただし、フッ素樹脂溶液117の濃度を高くしすぎた場合、フッ素樹脂被膜にクラックが生じやすくなるため、注意を要する。フッ素樹脂溶液117を乾燥させ、フッ素樹脂被膜が成膜される際に、フッ素樹脂被膜には収縮応力が働く。そして、フッ素樹脂被膜は、硬いが脆いため、この収縮応力によりクラックが生じる。
【0114】
しかしながら、フッ素樹脂被膜にクラックが生じる場合には、再度、ステップ6〜ステップ9、すなわち基板111の浸漬〜フッ素樹脂溶液117の溶剤の乾燥、を実施してフッ素樹脂被膜を積層させることにより新たなフッ素樹脂被膜がクラック部にも入り込み、埋めるため、クラックのない良好なフッ素樹脂被膜を成膜することができる。すなわち、膜厚の薄いフッ素樹脂被膜を積層させることにより、クラックのない良好なフッ素樹脂被膜を成膜することができる。
【0115】
さらに、フッ素樹脂被膜の膜厚は、上述したようにフッ素樹脂溶液117からの基板111の引き上げ速度によっても制御可能である。ステップ6〜ステップ9を実施した場合、すなわち基板111の浸漬〜フッ素樹脂溶液117の溶剤の乾燥、を実施してフッ素樹脂被膜を成膜した場合、フッ素樹脂溶液117からの基板111の引き上げ速度が遅いほど膜厚の厚いフッ素樹脂被膜を成膜することができる。したがって、膜厚の薄いフッ素樹脂被膜を成膜する場合には、基板111の引き上げ速度を早くすれば良い。また、膜厚の厚いフッ素樹脂被膜を成膜する場合には、基板111の引き上げ速度を遅くすれば良い。
【0116】
したがって、フッ素樹脂溶液117からの基板111の引き上げ速度を調整することにより所望の膜厚のフッ素樹脂被膜を成膜することができる。
【0117】
また、フッ素樹脂溶液117の濃度、基板111の引き上げ速度及び浸漬回数とフッ素樹脂被膜の膜厚とは、相関関係がある。このため、上述したフッ素樹脂被膜の成膜方法では、これらの相関関係を予め確認し、換算データを自動制御装置に入力しておくことにより、金属顕微鏡等を使用して直接的に測定しなくても、成膜条件によりフッ素樹脂被膜の膜厚を確認することができる。したがって、この方法によれば、成膜したフッ素樹脂被膜の膜厚を簡便に確認することができる。
【0118】
なお、上記においては、被膜12,32としてフッ素樹脂被膜を用いた場合について説明したが、被膜12,32としては、シリコン樹脂被膜等も用いることが可能である。また、上記においては、フッ素樹脂被膜を成膜する場合について説明したが、本発明に係る樹脂被膜成膜装置及び成膜方法は、フッ素樹脂被膜以外にも、シリコン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の種々の樹脂に適用可能である。
【0119】
そして、上記においては、フッ素樹脂被膜成膜装置101及びその成膜方法について説明したが、本発明は上述の記載に限定されることはなく、本発明に係る樹脂被膜成膜装置及びその成膜方法は、例えば液晶画面やガラス基板等の反射防止膜、いわゆるARコート等の種々の用途の樹脂被膜の成膜に適用可能である。
【0120】
したがって、本発明は、上述の記載に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、電気回路部を構成する回路基板の少なくとも一部を100μm以下の薄い皮膜で覆うこととしたため、サイズの大型化を抑え、メンテナンス性を向上させることが可能となる。
【0122】
また、電解液よりも分子間力が大きな材質によって構成された回路基板の少なくとも一部を、電解液よりも分子間力が小さな材質によって構成された被膜によって覆うこととしたため、電解液が被膜の表面に残留することを防止し、残留した電解液によって、被膜が腐食し、そのコーティング機能が低下してしまうことを抑制することができる。
【0123】
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、バッテリー装置の内部に電解液接触防止機構を構成し、電池から電気回路部への電解液流入を防止することとしたが、電化製品等の電気回路部を被膜で覆い、電化製品等に装着された電池から漏洩した電解液の電化製品等の電気回路部への浸入を防止する構成としても良い。
【0124】
また、防水対策として電化製品等の電気回路部を被膜で覆い、これにより、この電気回路部が外部の水滴等と接触することを防止する構成としても良い。
【0125】
さらにまた、絶縁対策として電化製品等の電気回路部を被膜で覆い、これにより、この電気回路部が、はんだくず等の金属片と接触することを防止する構成、ならびに、異極間の絶縁性能を向上させる構成としてもよい。
【0126】
また、上述した樹脂被膜成膜方法は、基板に樹脂被膜を成膜する樹脂被膜成膜方法であって、基板を樹脂が溶剤に溶解された樹脂溶液に浸漬させて基板に樹脂溶液を塗布する浸漬工程と、浸漬工程の後に基板を樹脂溶液から引き上げ基板に塗布された樹脂溶液の溶剤を蒸発、乾燥させる乾燥工程と、乾燥工程の後に冷却手段により基板に塗布された樹脂溶液から蒸発した溶剤及び樹脂溶液の液面から蒸発した溶剤を冷却して液化する冷却工程を備え、液化した溶剤を樹脂溶液に戻すことにより樹脂溶液における溶剤の失損量を制御して樹脂溶液の濃度を制御することを特徴とするものである。
【0127】
以上のような樹脂被膜成膜方法では、冷却工程において、外部へ出ていく樹脂溶液の溶剤の量を所定の割合に制御する。そして、基板に樹脂被膜として成膜され、樹脂溶液から外部に持ち出されることによる樹脂の減少量は、基板により略一定量である。
【0128】
したがって、この樹脂被膜成膜方法では、液化せずに外部へ出ていく溶剤の量、すなわち溶剤の損失量を制御して、溶剤の損失割合と樹脂の減少割合との比率を一定とすることにより、樹脂溶液の濃度が常に一定に保持することができる。
【0129】
また、この樹脂被膜成膜方法は、浸漬法を用いるため、樹脂溶液の失損量が少なく簡略な構成により実施できるため安価に実現でき、またインライン化することが可能である。
【0130】
また、上述した樹脂被膜成膜方法によれば、常に均質で、品質の良好な樹脂被膜の成膜を安価に実現することができる。
【0131】
また、上述した樹脂被膜成膜装置は、基板に樹脂被膜を成膜する樹脂被膜成膜装置であって、基板を移動させる基板移動手段と、基板を樹脂が溶剤に溶解された樹脂溶液に浸漬させて基板に樹脂溶液を塗布する浸漬領域と、浸漬領域の直上に配され基板に塗布された樹脂溶液の溶剤を蒸発、乾燥させる乾燥領域と、乾燥領域の直上に配されるとともに冷却手段を備え、冷却手段により基板に塗布された樹脂溶液から蒸発した溶剤及び樹脂溶液の液面から蒸発した溶剤を冷却して液化する冷却領域を備え、液化した溶剤を樹脂溶液に戻すことにより樹脂溶液における溶剤の失損量を制御して樹脂溶液の濃度を制御することを特徴とするものである。
【0132】
以上のように構成された樹脂被膜成膜装置は、冷却領域において、樹脂被膜成膜装置から外部へ出ていく樹脂溶液の溶剤の量を所定の割合に制御する。そして、基板に樹脂被膜として成膜され、樹脂溶液から外部に持ち出されることによる樹脂の減少量は、基板により略一定量である。
【0133】
したがって、この樹脂被膜成膜装置では、樹脂被膜成膜装置の外部へ出ていく溶剤の量、すなわち溶剤の損失量を制御して、溶剤の損失割合と樹脂の減少割合との比率を一定とすることにより、樹脂溶液の濃度を常に一定に保持することができる。
【0134】
また、この樹脂被膜成膜装置は、浸漬法を用いているため簡略な構成なため安価に実現でき、またインライン化することが可能である。
【0135】
これにより、上述した樹脂被膜成膜装置によれば、常に均質で、品質の良好な樹脂被膜の成膜を安価に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バッテリー装置の構成を示した平面図である。
【図2】(a)は、図1における電解液接触防止機構のA−A断面図であり、(b)は、図1におけるB部のA−A断面図である。
【図3】(a)は、電解液接触防止機構の構成を示した平面図であり、(b)は、図3の(a)のC−C断面図である。
【図4】本発明を適用したフッ素樹脂被膜成膜装置101の一構成例を示す縦断面図である。
【図5】図4に示すフッ素樹脂被膜成膜装置101を用いたフッ素樹脂被膜成膜工程のフローチャートである。
【図6】図4に示すフッ素樹脂被膜成膜装置101における基板111の移動の流れを示した図である。
【符号の説明】
1 バッテリー装置、2a〜2d 電池、3a〜3h 接続電極、4 ケース104、10,30 電解液接触防止機構、11,31 回路基板、12,32被膜、20,40 電解液、101 樹脂被膜成膜装置、102 本体部、103 基板制御部、104 ケース、105 フッ素樹脂溶液槽、106 乾燥領域、107 冷却領域、108 自動開閉シャッター、109 分離槽、110 フィルタータンク、111 基板、112 液面、113 配管、114 循環ポンプ、115 配管、116 配管、117 フッ素樹脂溶液、118 内壁、119 排水溝、 120 冷却装置、121 フィルター、122 基板取り付けアタッチメント、123 アタッチメント装着ラック、124 自動制御昇降機、125 液面計

Claims (6)

  1. 電池部から漏洩した電解液の電気回路部への接触を防止する機能を有するバッテリー装置において、
    前記電解液よりも分子間力が大きな材質によって構成され、前記電気回路部を構成する回路基板と、
    前記電解液よりも分子間力が小さな材質によって構成され、前記回路基板の少なくとも一部を100μm以下の厚みで覆う被膜と、
    前記電池部及び前記回路基板を収納し、前記電解液よりも分子間力が大きな材質によって構成されるケースとを有し、
    前記被膜の少なくとも一部が前記ケースと接していることを特徴とするバッテリー装置。
  2. 前記被膜は、粘度が1Pa・sec以下の樹脂を塗布することによって構成されることを特徴とする請求項記載のバッテリー装置。
  3. 前記被膜は、熱可塑性の材質によって構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のバッテリー装置。
  4. 前記被膜の分子間力は、15dyne/cm以下であり、前記回路基板の分子間力は、100dyne/cm以下であることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか1項記載のバッテリー装置。
  5. 前記被膜は、前記回路基板の外部を覆うことを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか1項記載のバッテリー装置。
  6. 前記被膜が積層されていることを特徴とする請求項記載のバッテリー装置。
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