以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
図1はパチンコ機の前側全体を示す正面図であり、図2はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれ、その本体枠の一側に更に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1及び図2においては遊技領域における装飾部材を省略して示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図1及び図3に基づき説明する。
図3はパチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図2参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン59が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図2及び図3に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75とを備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠の構成について] 図2乃至図4に基づき説明する。
図4はパチンコ機の後側全体を示す背面図である。
図2及び図3に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図9参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
一方、図4に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えた基板ホルダ91が設けられている。この基板ホルダ91の後側には、波形制御基板、電飾制御基板等の周辺制御基板92が収納された周辺制御基板ボックス93が装着され、その周辺制御基板ボックス93の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板94が収納された主制御基板ボックス95が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対し基板ホルダ91、周辺制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなく基板ホルダ91、周辺制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
図7はパチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図8は本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部111、レール装着部112、及び払出装置装着部113等がそれぞれ形成され、タンク装着部111には球タンク114が装着されている。球タンク114は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク114の遊技球の貯留状態が球タンク114の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク114の底板部115の後側隅部には遊技球を放出する放出口116が形成されるとともに、底板部115は放出口116に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部111に下方に接近してレール装着部112が一体に形成され、そのレール装着部112にレール構成部材117が装着されることでタンクレール118が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部111は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール118の前壁部119とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図8に向かって左端)から他端(図8に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚120が形成されている。そして、レール棚120の横方向に延びる上向き面をレール受け部121としている。
レール装着部112に装着されてタンクレール118を構成するレール構成部材117は、レール装着部112の前壁部119との間にレール通路を構成する後壁部122と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材117は、レール装着部112に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール118が構成されている。そして、球タンク114の放出口116から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール118の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材117は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材117の後壁部122を透して視認可能となっている。
タンクレール118(レール装着部112)の前壁部119は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えば役物)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚120の後端と、タンクレール118の後壁部は、球タンク114の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク114の後壁部に対しタンクレール118の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール118が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール118の前壁部119との間に装備品(例えば役物)の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール118の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体123がその上部において軸124を中心として揺動可能に装着されている。この整流体123には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)125に対応する縦長の払出装置装着部113が形成されている。払出装置装着部113は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部113の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置125の払出用モータ126(図3参照)が突出可能な開口部127が形成されている。
払出装置装着部113の凹部に球払出装置125が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部113の周壁部後端、レール棚120の後端、球タンク114、タンクレール118及び球払出装置125のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置125は、タンクレール118におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図3及び図4に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図4に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ128等が取付基板129に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット130が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板131を収容する電源基板ボックス132が装着され、その電源基板ボックス132の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板133を収容する払出制御基板ボックス134が装着されている。払出制御基板133は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板94から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ126を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図4及び図5に基づき説明する。
図5はパチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス135(図6参照)及び主制御基板ボックス95の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部113の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体136がカバーヒンジ機構137によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体136は、略四角形状の後壁部138と、その後壁部138の外周縁から前方に向けて突出された周壁部139とから一体に構成されている。後カバー体136の周壁部139のうち、一側の壁部139aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン141を下向きに有するヒンジ体142が一体に形成されている。また、後カバー体136の周壁部139のうち、他側の壁部139bには、払出装置装着部113の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体143が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体136は、その上下及び中間のヒンジ体142の各ヒンジピン141が機構装着体13の側壁部のヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン141を中心として後カバー体136が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体143を払出装置装着部113の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体136が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体136によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス135(図6参照)全体及び主制御基板ボックス95の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体136によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス95の上部に露出された主制御基板94の基板コネクタ(主として表示装置制御基板と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス95の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体136によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス95の下部には、その主制御基板94上に配置された検査用コネクタ144が露出されており、後カバー体136が閉じられた状態で主制御基板94上の検査用コネクタ144に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体136には、多数の放熱孔145、146、147、148が貫設されており、これら多数の放熱孔145、146、147、148から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体136には、その周壁部139から後壁部138に延びる多数のスリット状の放熱孔145が貫設され、後壁部138の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔146が貫設され、後壁部138の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔147と所定数の横長四角形状の放熱孔148が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔148は、主制御基板ボックス95の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部149の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の複数の並列状の封印部149が放熱孔148の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の封印部149の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体136を安価に製作することができる。
後カバー体136の周壁部139のうち、上側壁部139cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体150が上方のタンクレール118の後壁面(レール構成部材117の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体150の先端部には、同コード保持体150を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板151の基板コネクタ152に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体136にコード保持体150を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機1を運搬、保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図1及び図6に基づき説明する。
図6は、図5に示すパチンコ機の斜視図から後カバー体及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体153が装着されている。この下皿用球誘導体153は、球払出装置125の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体153の後壁外面には、インタフェース基板154を収納している基板ボックス155が装着されている。なお、インタフェース基板154は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板133との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板133との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[遊技盤の概略構成について] 図9乃至図16に基づき説明する。
図9は、遊技領域を有した遊技盤の正面図である。図10は遊技盤を右上斜め前方から示す斜視図であり、図11は遊技盤を左上斜め前方から示す斜視図である。図12は、遊技盤を斜め後方から示す斜視図である。図13は図9におけるA−A断面図であり、図14は図9におけるB−B断面図である。図15は遊技盤を主要な構成部品毎に分解して斜め前方から示す分解斜視図であり、図16は遊技盤を主要な構成部品毎に分解して斜め後方から示す分解斜視図である。
本例の遊技盤5には、上述した通り外レール76、及び内レール77からなる案内レール78が備えられており、この案内レール78の内側には、遊技領域37が区画形成されている。換言すると、前構成部材79の案内レール78によって遊技領域37の外周が区画形成されている。この遊技領域37には、その略中央部分に枠状の中央役物200が配設されていると共に、中央役物200の後方に中央役物200の枠内を通して前方(遊技者)から視認可能とされた演出表示手段としての演出表示装置202が備えられている。また、遊技領域37には、中央役物200の左側に、遊技球が通貨可能なゲート204が設けられており、このゲート204内には、ゲート204を通過した遊技球を検出するゲートセンサ206が設けられている(図10及び図11参照)。
また、遊技領域37には、中央役物200の中央下方には、可変入賞装置210が配設されている。この可変入賞装置210は、上方に常時開口し遊技球が入賞可能な第一始動口212と、第一始動口212の下方に設けられた第二始動口214と、第一始動口212に入賞した遊技球を検出する第一始動口センサ216(図40参照)と、第二始動口214に入賞した遊技球を検出する第二始動口センサ218(図40参照)と、第二始動口214の両側に配置され始動口ソレノイド220(図40参照)により下部を支点として回動し第二始動口214を開閉可能な一対の可動片222とを備えている。
この可変入賞装置210における第二始動口214は、通常、上方に位置する第一始動口212と、第二始動口214の両側に位置する可動片222により塞がれて遊技球が入賞不可能な閉塞状態となっており、始動口ソレノイド220の駆動によって一対の可動片222を拡開するように回動させ、遊技球が左右方向から入賞可能な開放状態に制御する。この可動片222の開閉制御は、ゲート204を遊技球が通過してゲートセンサ206によって検出されたことに基づいて、制御されるようになっている。なお、本例では、第一始動口212に遊技球が入賞し、第一始動口センサ216によって検出されたことに基づいて所定数(例えば、3個)の遊技球の払い出しが行われ、第二始動口214に遊技球が入賞し、第二始動口センサ218によって検出されたことに基づいて所定数(例えば、4個)の遊技球の払い出しが行われる。
また、遊技領域37には、常時開口し遊技球が入賞可能な複数の一般入賞口224も設けられており、一般入賞口224に遊技球が入賞したことに基づいて所定数の遊技球の払い出しが行われる。なお、一般入賞口224に入賞した遊技球は一般入賞口センサ226(図34及び図40参照)によって検出され、一般入賞口224に遊技球が入賞し、一般入賞口センサ226によって検出されたことに基づいて所定数(例えば、10個)の遊技球の払い出しが行われる。また、遊技領域37には、その最下部に、流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球を「死球」として遊技領域37から排出するアウト口228が設けられている。
なお、本例では、上記の可変入賞装置210及び各一般入賞口224が、入賞口ユニット234として、一体に組立てられたものとされている。
更に、遊技領域37には、図9に示すように、その前面に多数の障害釘230が所定のゲージ配列をなして設けられていると共に、中央役物200前面の適宜位置に風車232が設けられており、遊技球の流下方向を変化させて、遊技球の挙動が面白くなるようにしている。なお、障害釘230については、図9のみに示すものとし他の図については省略してある。
また、本例の遊技盤5は、図13乃至図16に示すように、正面視における大きさが遊技領域37と略対応した大きさとされると共に前後方向に所定量の奥行きを有し発光可能な発光装飾体238を備えた枠状の装飾ユニット240と、装飾ユニット240の前側に配置され遊技領域37に配置される中央役物200、ゲート204、入賞口ユニット234、及び所定のゲージ配列で配置される複数の障害釘230等を前面側に保持可能な透明板状の保持板242と、保持板242の外周を支持すると共に前側に保持板242を挟むように前構成部材79が取付けられ後面側に装飾ユニット240が取付けられる枠状の保持板支持枠244とを更に備えている。
この装飾ユニット240の後側に、その枠内を通して遊技者から視認可能となるように演出表示装置202が取付けられるようになっており、装飾ユニット240の枠の内形と中央役物200の枠の内形が略同じ大きさとされている。
この遊技盤5は、図9乃至図11に示すように、障害釘230等を保持する保持板242が、透明な板材とされているので、保持板242の後側に配置された装飾ユニット240の全体(前面側)を遊技者側(前側)から視認できるようになっていると共に、保持板242に保持される障害釘230等が空中に浮いたように視認させられるようになっている。
また、遊技盤5には、アウト口から排出される遊技球や、入賞口等に入賞して遊技領域37外へ排出する遊技球を遊技盤5の後側外部へ誘導排出するための基板ホルダ91が、保持板支持枠244の後面側の下部に取付けられている。この基板ホルダ91の後側には、周辺制御基板ボックス93と主制御基板ボックス95とが前から順番に取付けられている(図13参照)。なお、基板ホルダ91には、遊技盤5から排出される遊技球を検出可能な球排出センサ248が備えられている。
演出表示装置202は、本例では、液晶を用いたLCDとされており、種々の演出画像を表示することができると共に、第一始動口212又は第二始動口214への遊技球の入賞を契機として、複数の装飾図柄が所定の順序で列設された三つの図柄列を変動表示させた上で夫々を停止表示させ、停止表示された装飾図柄の組合せによって、第一始動口212又は第二始動口214への始動入賞に係る抽選結果を表示できるようになっている(図36乃至図39参照)。
[遊技盤における保持板の保持構造について] 図17乃至図20に基づいて説明する。
図17は、遊技盤における前構成部材、保持板、及び保持板支持枠の関係を示す正面図である。図18は、図17における断面側面図である。図19は、図17を分解して示す分解斜視図である。図20は、保持板支持枠と装飾ユニットとの関係を示す分解斜視図である。
保持板支持枠244は、遊技領域37に対応する位置に配置されると共に正面視において遊技領域37を略包含する大きさとされ前後方向に貫通する貫通口250と、貫通口250内に向かって突出し平面視で遊技領域37内にかからないように形成された複数の突出片252と、及び複数の突出片252のうち本例では三つの突出片252に夫々形成された突出ピン254とを備えている。この突出ピン254は、上側の突出片252と、左右下側の突出片252に夫々前方側に突出するように形成されている(図19参照)。
また、保持板支持枠244は、前方側から貫通口250内に保持される保持板242を係止可能な複数の係止爪255を更に備えている(図19参照)。この係止爪255は、前方側から貫通口250内に保持板242を挿入嵌合させると、弾性変形して保持板242を着脱可能に係止保持するものである。
また、保持板支持枠244は、後面側に開口する凹部256が複数形成されており、この凹部256により後面側から肉抜きされた形態とされ、中実無垢に形成した場合と比較して保持板支持枠244の重量が大幅に軽減されている(図18及び図20参照)。なお、本例の保持板支持枠244は、所定の樹脂材(例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂など)にて成形されている。また、保持板支持枠244の厚さW1は、従来のパチンコ機における遊技盤ベースの厚さと略同じ厚さの約20mmとされている。
更に、保持板支持枠244の後面側には、図20に詳しく示すように、その四隅と貫通口250との間に、斜めに列設された複数の取付孔258が形成されており、各取付孔258が所定径のボスの略中心に形成されていると共に、各ボスが壁状のリブによって夫々連結された状態となっており、取付孔258を有したボスが変形し難いようになっている。つまり、取付孔258の取付強度が高められている。この取付孔258は、装飾ユニット240や基板ホルダ91等、保持板支持枠244の後面側に取付固定される各種部材を取付固定するためのものである。
保持板242は、保持板支持枠244の貫通口250の内周形状と略対応した外周形状とされ、保持板支持枠244における上側の突出ピン254と嵌合する嵌合孔260と、保持板支持枠244における左右の突出ピン254が挿入され上下方向に延びる長孔262とを備えている。この保持板242は、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等の透明な樹脂を、押出し成形した透明樹脂板により形成されている。また、保持板242の厚さW2は、打設される障害釘などを充分に保持することのできる必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされており、保持板支持枠244の厚さW1の略半分の厚さとされている。
また、保持板242には、その外周に保持板支持枠244の係合爪255と係合する係合段部264が、各係合爪255と対応するように形成されている。この係合段部264は、保持板242の前面側が陥没したような形態とされている(図19参照)。また、保持板242には、中央役物200、ゲート204、及び入賞口ユニット234等を所定位置に保持し前後方向に貫通する複数の開口266を備えている。この開口266の前面側から中央役物200等が開口266内に挿入されるようになっている。
この遊技盤5では、枠状の保持板支持枠244の枠内、つまり、保持板支持枠244の貫通口250内に保持板242を挿入した状態で、前方から保持板支持枠244に前構成部材79を固定することで、保持板242を保持板支持枠244の各突出片252と前構成部材79とで挟持するようになっている。つまり、保持板242の後面側が突出片252と当接し、保持板242の前面側が前構成部材79と当接することで、突出片252と前構成部材79とで挟持されるようになっている。
図18に示すように、本例では、保持板242の前面と、保持板支持枠244の前面とは、略面一となるように配置されている。つまり、保持板支持枠244の突出片252の前面位置が、保持板242の厚さW2に対応して、保持板242と保持板支持枠244の前面が略面一となる位置に配置されている。これにより、保持板支持枠244と保持板242との間で前後方向の段差が生じないようになっている。
また、保持板242と保持板支持枠244とは、保持板242を貫通口250内に挿入する際に、保持板支持枠244の上側の突出ピン254がベース本体の嵌合孔260と嵌合すると共に、保持板支持枠244の左右の突出ピン254が保持板242の左右の長孔262に夫々挿入され、嵌合孔260においては移動不能に固定され、長孔262においては移動可能に固定されるようになっている。
図17及び図18に示すように、保持板支持枠244における貫通口250の内周と、保持板242の外周との間には、所定量のクリアランス(隙間)が形成されるようになっており、気温やパチンコ機1の環境温度などの温度変化や、経時変化などによる保持板242や保持板支持枠244の相対伸縮が許容されて、保持板242等が歪んだりするのを防止できるようになっている。
また、本例の保持板242及び保持板支持枠244は、前方から保持板支持枠244の貫通口250内へ保持板242を嵌合挿入して、係合爪255と係合段部264とを係合させることで、保持板支持枠244に保持板242を保持させることができると共に、保持板242と保持板支持枠244の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくても保持板242を保持板支持枠244に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
更に、遊技領域37を有した遊技盤5を、保持板242、保持板支持枠244、及び前構成部材79に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘230や入賞口等の位置が変化する保持板242を交換パーツとすると共に、保持板支持枠244及び前構成部材79を共通パーツとすることができ、保持板支持枠244や前構成部材79等をリサイクル可能とすることができると共に保持板242のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤5を備えたパチンコ機1となっている。
また、保持板支持枠244に予め複数の取付孔258が所定配列で備えられているので、機種に応じて保持板支持枠244の後面側に取付固定される装飾ユニット240や基板ホルダ91等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔258の位置と対応させるように設計することで、保持板支持枠244を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[遊技盤における中央役物の構造について] 図21乃至図23に基づいて説明する。
図21(A)は中央役物の正面図であり、(B)は隔壁板を外した状態で示す中央役物の背面図である。図22は、中央役物を右上斜め前方から示す斜視図である。図23は、中央役物に備えられたアタッカ装置の概略構成を示す正面図である。
本例の中央役物200は、遊技領域37の幅方向のうち3分の2以上の幅を占める大きさであり(図9等参照)、後側に配置された演出表示装置202が遊技者から視認可能となるように略矩形状の開口部268を有している。この開口部268によって中央役物200が枠状に形成されており、その前面側が略全周に亘って岩を模したように造形されている。
この中央役物200の上縁部には、アタッカ装置270が配置されており、このアタッカ装置270には、遊技球が進入可能な大入賞口272と、大入賞口272を開閉可能な一対の開閉部材274と、開閉部材274を開閉動作させるためのアタッカソレノイド276(図23参照)とから構成されている。また、アタッカ装置270には大入賞口272に入賞した遊技球をカウントするカウントセンサ278が備えられており、遊技球がカウントセンサ278に検出されることで、所定数(例えば、13個)の遊技球を払出すようにしている。なお、アタッカ装置270には、カウントセンサ278によって検出された遊技球を、中央役物200の後側に配置された装飾ユニット240へ受渡すための受渡口279が更に備えられている(図21(B)等参照)。
このアタッカ装置270は、図23に示すように、開閉部材274の所定位置に一端が固定された回転軸280と、回転軸280の他端側に固定され回転軸280の軸芯に対して偏芯した位置に伝達ピン282を有した回転リンク部材284と、回転リンク部材284の伝達ピン282が挿通されると共に略水平方向に摺動可能な長孔状の伝達孔286を有しアタッカソレノイド276の駆動によって上下方向に移動するリンク部材288とを更に備えている。
この、回転軸280は、一対の開閉部材274に対して、それら開閉部材274の下部で互いに遠ざかった位置に配置されており、回転軸280の他端側に固定された回転リンク部材284の伝達ピン282が、互いに接近する方向に回転軸280より偏芯した位置に夫々配置されている。なお、図示するように、一対の開閉部材274が閉状態の時は、回転軸280と伝達ピン282と略水平方向に並ぶように回転リンク部材284が回転軸280に固定されている。
このアタッカ装置270は、一対の開閉部材274が夫々独立したアタッカソレノイド276により駆動されるようになっており、アタッカソレノイド276によってリンク部材288が上昇すると、一対の開閉部材274の上端が互いに離反した状態となり(図21(A)参照)、大入賞口272へ遊技球が受入可能な開状態となる。一方、リンク部材288が下降すると、一対の開閉部材274の上端が互いに接近した状態となり(図23等参照)、大入賞口272へ遊技球が受入不能な閉状態となる。
なお、本例では、図示するように、アタッカ装置270における一対の開閉部材274が、夫々その前面側が木製看板を模したような形状に造形されているので、従来の遊技機における左右に開閉する可変入賞装置(所謂、電動チューリップ)とは異なる形態となっており、これまでと違うアタッカ装置の形態によって、遊技者の関心を引き付けられるようになっている。
また、本例では、アタッカソレノイド276へ通電させることで、リンク部材288を上昇駆動させるようにしており、非通電時には、開閉部材274やアタッカソレノイド276のプランジャ等の自重等によって、一対の開閉部材274が自動的に閉状態となるようになっており、アタッカソレノイド276等の不具合によってアタッカ装置270が開状態となり続けるのを防止するようになっている。
本例のアタッカ装置270は、詳細は後述するが、遊技球が第一始動口212や第二始動口214への入賞によって大当り判定乱数が抽出(抽選)され、その大当り判定乱数が「2R当り」、「15R当り」及び「小当り」等の「当り」を示唆するものであると、その「当り」に応じて開閉部材274が所定の開閉動作をするようになっている。
ここで、「当り」とは、アタッカ装置270の開閉部材274を開放状態として、その間に所定数の遊技球が大入賞口272に入賞するか、又は所定時間経過すると開閉部材274を閉塞状態とし、その開閉部材274の開閉動作を複数回繰り返すことで、遊技球が大入賞口272に入賞し易くしてより多くの遊技球が払い出されるようにするものであり、開閉部材274の一回の開閉動作を1ラウンドと呼ぶものである。
具体的には、本実施形態では、「15R当り」の場合は、開閉部材231が開放状態の時に大入賞口272に所定数として例えば9個の遊技球が入賞するか、又は所定時間として例えば30秒経過すると1ラウンドとして開閉部材274を閉塞状態とするものであり、そのラウンドを15回繰り返すものである。また、「2R当り」の場合は、開閉部材231が開放状態の時に大入賞口272に所定数として例えば9個の遊技球が入賞するか、又は所定時間として例えば0.8秒が経過すると1ラウンドとして開閉部材274を閉塞状態とするものであり、そのラウンドを2回繰り返すものである。なお、「15R当り」と比較して「2R当り」は蓋然的に大入賞口272に入賞させる機会が少なく、遊技球の払い出しが少ないものとなっている。
なお、本例では、「2R当り」及び「15R当り」には、「2R当り」及び「15R当り」が抽選される確率を、次回の抽選から低確率時の確率よりも高確率に変更する「2R特定当り」及び「15R当り」を有している。なお、本例では、低確率時の確率を「1/319.25」とした場合、高確率時の確率を「1/31.925」としている。
中央役物200の上縁部には、アタッカ装置270の他に、中央役物200の上側に流下供給された遊技球を、中央役物200の左右へと導く誘導棚289を備えている。この誘導棚289は、アタッカ装置270より左側に流下した遊技球を中央役物200の左側へ、アタッカ装置270よりも右側に流下した遊技球を中央役物200の右側へ、夫々導くようになっている。なお、本例では、アタッカ装置270よりも右側へは殆んど遊技球が流下しないようになっている。
この中央役物200には、その左縁部の上部で外周側に開口するワープ口290と、ワープ口290に受入れられた遊技球を中央役物200の内周に沿って略垂直に下方へ誘導するワープ誘導路292と、ワープ誘導路292によって誘導された遊技媒体が左右方向に転動可能とされ中央役物200における下縁部の内周側(上面側)に配置されたステージ294とを更に備えている。このステージ294は、図示するように、第一始動口212の直上部分が最も下がった湾曲面とされており、遊技領域37内で中央役物200の左側を流下する遊技球が、ワープ口290に受入れられると、ワープ誘導路292を介してステージ294上へと送られ、遊技球が第一始動口212や第二始動口214へ高い確率で受入れられるように放出することができるようになっている。
また、中央役物200には、アタッカ装置270よりも右側に流下した遊技球を遊技者から視認不能な状態で中央役物200の右縁部に沿って誘導する縁部誘導路296と、縁部誘導路296によって誘導された遊技球を遊技者から視認可能な状態として中央役物200における下縁部の内周側(上面側)でステージ294とは異なる位置を転動させて第一始動口212に受入れられないように下流側へ放出する下縁転動部298とを更に備えている。
なお、本例では、ワープ誘導路292、ステージ294、及び下縁転動部298が、透明な部材により構成されており、転動流通する遊技球が視認できると共に、後側に配置される装飾ユニット240や演出表示装置202等が視認できるようになっている。
また、中央役物200には、開口部268を閉鎖するように後側に取付けられる透明な板状の隔壁板300を更に備えており、この隔壁板300によって、ステージ294や下縁転動部298を転動する遊技球が、中央役物200の後側に流出するのを防止している。また、この隔壁板300によって、遊技領域37と中央役物200よりも後側の空間とが分離区画されるようになっている。
更に、中央役物200には、その下縁部の下部に、特別図柄表示器302と、特別図柄保留表示器304、及び状態表示器306が更に備えられており、詳細は後述するが、特別図柄表示器302及び特別保留表示器304が夫々四つのLEDからなり、状態表示器306が一つのLEDによって構成されている。
[遊技盤における装飾ユニットの構成について] 図24乃至図35に基づいて説明する。
図24は、装飾ユニットの正面図である。図25は、装飾ユニットを斜め前方から示す斜視図である。図26は、装飾ユニットを主要な構成部材毎に分解して示す分解斜視図である。図27は、演出空間を主に構成する主要な構成部材毎に分解して示す分解斜視図である。図28(A)は演出ユニットを示す斜視図であり、(B)は(A)とは異なる方向から示す演出ユニットの斜視図である。図29は、演出ユニットにおける振分装置を分解して示す分解斜視図である。図30は、図29とは異なる方向から示す振分装置の分解斜視図である。図31は、振分装置における振分動作を説明する説明図である。図32は、図31から続く振分装置における振分動作を説明する説明図である。図33は、図14におけるC−C断面図である。図34は、ユニット支持部材を外した状態で装飾ユニットを斜め後方から示す斜視図である。図35は、装飾体の一部を演出ユニットの一部と共に後方から示す斜視図である。
本例の装飾ユニット240は、上述したように、前面側に障害釘230等が備えられる保持板242及び保持板支持枠244の後側に配置されるものであり、遊技領域37とは独立した空間とされアタッカ装置270の大入賞口272に入賞した遊技球が流通可能とされた遊技球演出空間308を有した演出空間310と、演出空間310の外周部に配置される複数の装飾体312と、装飾体312の後側に配置され前方に向かって発光可能な発光手段314(図40参照)と、発光手段314と装飾体312との間に配置され発光手段314からの光を拡散させる拡散装飾部材316と、大入賞口272に入賞した遊技球に対して所定の演出動作を付与可能な演出ユニット318と、少なくとも、遊技球演出空間310、装飾体312、発光手段314、拡散装飾部材316、演出ユニット318、及び演出表示装置202を夫々所定位置に保持した状態で保持板支持枠244の後面側に取付固定されるユニット支持部材320とを備えている。
この装飾ユニット240における演出空間310は、前側が保持板242及び中央役物200の隔壁板300によって遊技領域37と仕切られ、上下左右の外周がユニット支持部材320に、そして、後側がユニット支持部材320と演出表示装置202によって夫々仕切られた空間とされており、遊技球の外形に対して約2〜10倍の奥行きとされている。この演出空間310内に、各種装飾体312、発光手段314、拡散装飾部材316、及び演出ユニット318が収容されている。
この装飾体312は、複数の部材からなり、演出空間310の外周部に沿って配置されることで、全体的に枠状となり、その枠内を通して後側に配置された演出表示装置202が遊技者から視認可能となっている。これら装飾体312は、図24等に示すように、左上に配置され「プロゴルファー猿」の文字が形成されたロゴ装飾体312a、ゲート204の左側に配置され岩を模したような背景装飾体312b、入賞口ユニット234の左右両端とロゴ装飾体312aの上側に配置され水しぶきを具象化した背景装飾体312c、ロゴ装飾体312aとは対角線上の右下に配置されゴルフボールを模したようなキャラクタ装飾体312dを有している。
また、装飾体312は、ロゴ装飾体312a及び背景装飾体312b,312cの後側に配置され、略透明で演出ユニット318の上側から左側を通って下側へ続くように水の流れを具象化した流水紋状の背景装飾体312eを更に有している。つまり、この背景装飾体312eは、ゴルフボールを模したキャラクタ装飾体312dに向かって流れる水を表現している。なお、本例では、ロゴ装飾体312aを挟んで上下に分割されている。この背景装飾体312eの左側内周から下側内周へと続き演出ユニット318の後側には、岩を模した背景装飾体312fが配置されている。また、装飾体312は、演出ユニット318の上部下側と装飾ユニット240の右内側に配置され、夫々岩を模した背景装飾体312g,312hを更に有している。
更に、装飾体312は、装飾ユニット240の左右方向の中央を中心としてロゴ装飾体312aとは反対側、つまり、装飾ユニット240の右上に配置され岩を模した背景装飾体312iを更に備えている。この背景装飾体312iには、二つのLEDからなる普通図柄表示器322と、同じく二つのLEDからなる普通図柄保留表示器324とが備えられている。
本例の装飾体312における岩を模した背景装飾体312b,312f,312g,312hは、透光性の低い部材により構成されており、これら透光性の低い背景装飾体312f,312g,312hによって演出表示装置202の外周が囲まれた状態となっている。これにより、発光手段314からの光が背景装飾体312f,312g,312hを介して演出表示装置202に照射されるのを防止して、演出表示装置202に表示される演出画像が見辛くなるのを防止するようにしていると共に、演出表示装置202の表示と、その周りに配置された装飾体312による発光装飾との間に区切りを付けて、演出表示装置202の演出画像が際立つようにしている。
また、装飾体312における水しぶきを具象化した背景装飾体312cは、透光性が抑えられた部材とされており、発光手段314による発光装飾によって全体が光りすぎるのを抑制し、発光装飾によるアクセントを加えて装飾効果が高められるようになっている。
発光手段314は、装飾体312の後側に配置され、具体的な構成については図示を省略するが、任意の色に発光可能な複数のLEDと、複数のLEDを保持するLED基板とから構成されており、遊技状況に応じて、所定の色で発光させたり、点滅させたりすることができ、例えば、流水紋状の背景装飾体312eの後側に配置された発光手段314の各LEDを、上側から下側(キャラクタ装飾体312d)に向かって順次点灯、消灯させることで、光の流れを作ることで発光演出させることができるようになっている。
拡散装飾部材316は、主に流水紋状の背景装飾体312eの後側に配置された発光手段314の前側に配置されており、図示するように、表面が細かな多面体形状とされており、後側に配置された発光手段314におけるLEDの光軸が当該パチンコ機1で遊技する遊技者の目に直接かからないように拡散させるものである。これにより、遊技者に対する眩しさを抑えることができるようになっている。
また、拡散装飾部材316によって、その後側に配置された部材からの間接光も拡散されるので、遊技者から拡散装飾部材316の後側を見難くすることができ、後側に配置された基板等の部材が見えて意匠性が損なわれるのを防止できるようになっている。
なお、装飾体312及び拡散装飾部材316は、基本的に、透光性を有した部材からなり、前面が装飾ユニット240の外周側から中央方向へ向かうに従って遊技者から遠ざかる(後側に向かう)ように形成されている。これにより、遊技者に対して、装飾ユニット240の外周側が手前に、中心側が奥に配置されるようになり、擬似的に遊技者の遠近感を錯覚させて、演出空間310の奥行きが実際よりも広いように見せることができ、これまでにない奥行き感のあるパチンコ機1となっている。
また、遊技球演出空間308は、背景装飾体312f,312g,312hによって区画される空間と正面視において略同じ空間とされている。
次に、装飾ユニット240における演出ユニット318について説明する。本例の演出ユニット318は、中央役物200におけるアタッカ装置270の後側に配置され、アタッカ装置270の大入賞口272に入賞した遊技球を受入れて、四方向のうち何れか一つに振分可能な振分装置330を備えている(図28参照)。
この振分装置330は、図29乃至図32に示すように、遊技球の外形よりも若干大きい幅で上下方向に延びる軸芯を中心として円環状に延びる案内通路332、案内通路332と連通しアタッカ装置270における大入賞口272に入賞しカウントセンサ278によって検出された遊技球が進入可能な進入口334、進入口334から案内通路332の周方向に沿って平面視時計回りの方向へ順次配置され遊技球が通過可能な第一振分口336、第二振分口338、及び第三振分口340、第一振分口336とは進入口334を挟んで反対側から第二振分口338及び第三振分口340の間へ案内通路332を短絡するように連絡する連絡通路342を備えた振分ベース部材344と、振分ベース部材344の軸芯周りに回転可能に保持され回転角度に応じて進入口334、第一振分口336、第二振分口338、第三振分口340、及び連絡通路342の何れか一つと連通可能な遊技球収容部346(図30参照・本発明の遊技媒体収容部に相当する)を備えた回転体348と、回転体348を回転駆動させる回転駆動手段としての振分モータ350と、振分モータ350を所定位置に保持すると共に振分ベース部材344の上側を覆う振分カバー部材352とを備えている。
この振分装置330における振分ベース部材344は、その円環状の案内通路332が、振分装置330の左右方向右端に配置されており、その外周径が遊技球の外径に対して、3〜5倍の径とされている(図31及び図32参照)。また、回転体348の外径は、案内通路332の外径より若干小さい径とされており、従来のパチンコ機で用いられる回転体の径よりも小径とされている。従って、図示するように、本例の振分装置330は前後方向の奥行きが小さく、左右方向に長い形態となっている。
なお、本例では、進入口334、第一振分口336、第二振分口338、第三振分口340、及び連絡通路342の周方向の位置関係は、第一振分口336の中心が進入口334の中心に対して約45゜平面視時計回りの方向へ移動した位置に配置されており、第二振分口338の中心が第一振分口336の中心に対して約40゜平面視時計回りの方向へ移動した位置に配置され、第三振分口340の中心が第二振分口338の中心に対して約60゜更に平面視時計回りの方向へ移動した位置に配置されている。また、連絡通路342の中心が第二振分口338及び第三振分口340の中心を通る位置に配置され、詳しくは、連絡通路342の中心が第二振分口338の中心に対して約30゜平面視時計回りの方向へ移動した位置に配置されている。つまり、連絡通路342の中心が進入口334の中心に対して約65゜平面視反時計回りの方向へ移動した位置に配置されている。なお、連絡通路342の中心線は、パチンコ機1の前後方向を向くように配置されている。
この振分ベース部材344には、遊技領域37に対して左右方向略中央に配置されアタッカ装置270の受渡口279と対向するように前側に開口し進入口334と連通可能な進入受入口354が備えられている。この進入受入口354は、遊技領域37に対して左右方向の略中央に配置されている。
また、振分ベース部材334には、進入受入口354と案内通路332の進入口334とを連通し左右方向に延びると共に所定数(例えば、5個(案内通路332内を含めると6個))の遊技球を貯留可能な貯留通路356が更に備えられている。この貯留通路356は、進入口334へ向かって低くなるように傾斜しており、進入受入口354に受入れられた遊技球を重力により転動させて進入口334へ送るようになっている。
また、振分ベース部材334には、進入受入口354に受入れられたものの貯留通路356に貯留されなかった遊技球を、遊技球演出空間308や遊技領域37内に戻すことなく外部へ排出するための排出通路358を更に備えている。この排出通路358は、図示するように、進入受入口354から貯留通路356とは反対方向の左方向へ延びる通路とされ、その左端へ向かうに従って低くなるように傾斜している。そして、貯留通路356内に遊技球が進入受入口354付近まで貯留された状態で進入受入口354に遊技球が受入れられると、貯留通路356への行き場を失った遊技球が自然と排出通路358へと移行し、排出通路358内を転動して振分ベース部材334の左端より排出される。
この振分ベース部材334は、図示するように、進入口334及び第一振分口336が案内通路332の外周に開口するように配置されており、第二振分口338及び第三振分口340が案内通路332上に開口する貫通孔とされている。
また、振分ベース部材334は、案内通路332上に第一振分口336へ向かって低くなるように形成された案内傾斜面360と、貯留通路356の後側に配置され第一振分口336から進入口334よりも左側へ延び第一振分口336へ振分けられた遊技球が転動可能な第一振分通路362とを備えている。この第一振分通路362は、左方向へ向かうに従って低くなるように形成されており、その左端には振分ベース部材334の下側へ遊技球を受渡すための開口部364が形成されている(図30参照)。
更に、振分ベース部材334は、案内通路332の遊技球を少なくとも進入口334が配置された位置で軸芯方向(案内通路332の内周側)へ移動するのを阻止する内周壁366を備えている。本例では、この内周壁336を貫通するように連絡通路342が形成されていると共に、連絡通路342が第二振分口338及び第三振分口340の方向へ向かって低くなるように傾斜している。
振分装置330における回転体348は、図30に示すように、その遊技球収容部346が、回転体348の中心を通り直径方向に延びると共にその一端側(回転体348の外周の一端側)と下側が開放された形態とされている。この遊技球収容部346は、その幅が案内通路332の幅と略同じ幅とされ、遊技球が流通可能とされている。なお、本例では、回転体348の遊技球収容部346内に振分ベース部材344の内周壁366を収容できるようになっている。
この回転体348は、遊技球収容部346と振分ベース部材344の進入口334とが互いに連通しない回転位置の時に、遊技球が進入口334を通過するのを妨げる障壁部368を備えている。この障壁部368によって回転体348が、外周に遊技球収容部346の一端が開口した円筒状の形態となっている。また、回転体348には、遊技球収容部346及び障壁部368の上側に配置され、障壁部358よりも小径で周方向の所定位置に切欠き状のスリット370を有した円筒状の検出部372と、回転体348の中心で上方へ延びるように配置され振分モータ350の駆動軸374と接続可能な軸部376とを備えている。
振分装置330における振分カバー部材352は、振分モータ350を固定保持するためのモータ固定部378と、モータ固定部378に固定された振分モータ350の駆動軸374が通過可能な挿通孔380とを備えている。本例では、振分カバー部材352の上部に所定のビスを用いて振分モータ350がモータ固定部378に固定されるようになっている。
また、本例の振分装置330は、貯留通路356上に配置され進入口334へ進入する遊技球を検出可能な進入検出センサ382を備えており、この進入検出センサ382は、振分ベース部材344と振分カバー部材352によって挟持されることで固定されるようになっている。また、振分装置330は、振分モータ350によって回転駆動される回転体348の回転位置を検出するための回転位置検出センサ384を更に備えており、振分カバー部材352のセンサ固定部386に固定され、回転体348の検出部372に形成されたスリット370を検出することで回転体348の回転位置を検出するものである。
なお、本例では、回転体348の遊技球収容部346が、進入口334と連通する回転位置の時に、回転位置検出センサ384が検出部372のスリット370を検出するようになっている。また、本例の検出部372及び回転位置検出センサ384が、本発明の回転位置検出手段に相当している。
更に、振分装置330は、振分ベース部材344の下側に配置固定され、第一振分口336に振分けられた遊技球を振分装置330の左端前側から下方へ放出する第一放出部材388と、第二振分口338に振分けられた遊技球を遊技領域37に対して左右方向略中央で振分装置330の略中央前側から下方へ放出すると共に第三振分口340に振分けられた遊技球を振分装置330の右端前側から下方へ放出する第二放出部材390とを更に備えている。これら、第一放出部材388及び第二放出部材390は、透明樹脂によって形成されており、放出される遊技球を外部から視認できるようになっている。
この第一放出部材388は、第一振分通路362の開口部364から遊技球を受取る第一放出受取部392と、第一放出受取部392に受取られた遊技球を振分装置330の左端前側へ誘導する第一放出誘導路394と、第一放出誘導路394によって誘導された遊技球を渦巻状に回転させた上で下方へ落下放出可能なクルーンからなる第一放出部396とを備えている。なお、第一放出誘導路394は、第一放出部396に向かって低くなるように傾斜している。
また、第二放出部材390は、振分ベース部材344の第二振分口338から落下する遊技球を受取る第二放出受取部398と、第二放出受取部398に受取られた遊技球を振分装置330の略中央前側で遊技領域37に対して左右方向略中央へ誘導する第二放出誘導路400と、第二放出誘導路400によって誘導された遊技球を渦巻状に回転させた上で下方へ落下放出可能なクルーンからなる第二放出部402と、振分ベース部材334の第三振分口340から落下する遊技球を受取る第三放出受取部404と、第三放出受取部404に受取られた遊技球を振分装置330の右端前側へ誘導する第三放出誘導路406と、第三放出誘導路406によって誘導された遊技球を渦巻状に回転させた上で下方へ落下放出可能なクルーンからなる第三放出部408とを備えている。なお、第二放出誘導路400及び第三放出誘導路406は、夫々第二放出部402及び第三放出部408に向かって低くなるように傾斜している。
本例の振分装置330は、全体的に演出表示装置202の上端よりも上側に配置され、第一放出部396、第二放出部402、及び第三放出部408が、演出表示装置202の上端と略同じ高さに配置されている。なお、第一放出部材388及び第二放出部材390は、第一放出部396、第二放出部402、及び第三放出部408を除いて背景装飾体312gにより隠蔽された状態となっている(図24等参照)。
本例の演出ユニット318は、振分装置330の他に、遊技球演出空間308の下部で遊技領域37に対して左右方向中央から左方向へ偏った位置に配置され振分装置330によって第一振分口336、第二振分口338、及び第三振分口340の何れかに振分けられた遊技球が受入可能とされた第一受入口410(図28等参照)と、振分装置330によって第一振分口336、第二振分口338、及び第三振分口340の何れかに振分けられ第一受入口410に受入れられなかった遊技球を受入れる第二受入口412(図27、図34、及び図35等参照)とを更に備えている。
また、演出ユニット318は、遊技球演出空間308の下部でその中央よりも左側に偏った位置に配置され低部付近に第一受入口410が開口し湾曲状に形成された転動受舞台414と、転動受舞台414よりも右側且つ第二放出部402の垂直下で第一受入口410よりも若干高い位置に配置された中央舞台416と、中央舞台416から転動受舞台414へ向かって遊技球を誘導案内可能な誘導案内舞台418と、中央舞台416よりも左側で少なくとも一部が第三放出部408の垂直下に配置される反発飛翔舞台420と、転動受舞台414、中央舞台416、誘導案内舞台418、及び反発飛翔舞台420よりも下側に配置され最底部に第二受入口412が開口し湾曲状に形成された回収舞台422(図34等参照)と、振分装置330の第一放出部396から放出された遊技球を受取って、回収舞台422よりも上側で転動受舞台414及び中央舞台416よりも下側を通るように反発飛翔舞台420へ転動案内する転動案内部材424とを更に備えている。
演出ユニット318における第一受入口410は、遊技球演出空間308の下部で転動受舞台414上に配置されており、図示するように、遊技者から非常に目立つ位置に配置されている。一方、第二受入口412は、遊技者からは殆んど見ることができない位置に配置されており、遊技球演出空間308において、第一受入口410が特別な意味合いを持った受入口であることを遊技者に認識できるようになっている。
転動受舞台414は、前後方向の中心よりも後側に第一受入口410が配置されており、第一受入口410よりも左側が高くなるような湾曲状に形成されている。この転動受舞台414には、第一受入口410の左側に左端から第一受入口410へ向かって転動する遊技球を転動受舞台414の前後方向中心よりも前側へ誘導する堰部426と、第一受入口410よりも右側で前後方向中心よりも前側に右側へ向かうに従って反上る反上り部428とを備えている。この反上り部428の右側延長上に中央舞台416が展開されている。
この転動受舞台414は、堰部426よりも上側(左側)に供給された遊技球が、堰部426によって反上り部428へと誘導されるようになっており、反上り部428に供給された遊技球の転動速度によっては、反上り部428から飛出して中央舞台416上に落下することもあり得るようになっている。なお、反上り部428から飛出さなかった遊技球は、転動受舞台414上を第一受入口410の方向へ転動するようになっている。
中央舞台416は、その上面に第二放出部402から落下してきた遊技球が殆んど反発することなく受取れるような低反発性部材が配置されていると共に、中央舞台416の上面が誘導案内舞台418に向かって低くなるように傾斜しており、第二放出部402から放出された遊技球を反発させることなく受取って誘導案内舞台418へ受渡せられるようになっている。なお、低反発性部材としては、「粘弾性を有したゴムや樹脂」、「発泡成形されたゴムや樹脂」、「液体や粘性流体を内包したもの」、「ゲル状物質を内包したもの」、「粉体又は粒状体を内包したもの」、「不織布」、「モケット」、「パイル織状物又はパイル状物」、等を用いることができ、本例では、例えば、内外ゴム株式会社の「ハネナイト(登録商標)」が用いられている。
誘導案内舞台418は、中央舞台416の前後方向後側と転動受舞台414とを繋ぐように配置され、その幅が遊技球の外径と略同じ幅とされた橋状に形成されている。この誘導案内舞台418には、転動受舞台414との境目に前側に向かって広がるように切欠かれた分岐部430が形成されており、誘導案内舞台418上を転動案内される遊技球の前後方向の位置や遊技球の転動速度等によっては、案内誘導される遊技球が分岐部430により、転動受舞台414の方向ではなく誘導案内舞台418の外側、つまり、誘導案内舞台418の下方に配置された回収舞台422へと誘導案内されるようになっている。
なお、本例では、第二放出部402から放出されて中央舞台416に受取られた遊技球が、高い確率で誘導案内舞台418を介して転動受舞台414の第一受入口410へ受入れられるようになっている。
転動案内部材424は、透明な樹脂部材からなり、振分装置330の第一放出部396から放出された遊技球を受取る受部432と、受部432によって受取られた遊技球を遊技球演出空間308の左端に沿うように略垂直に案内した上で、所定の曲率で曲線案内させ、遊技中央舞台416の下側で略水平な右方向に案内されるように転動案内する転動案内レール434と、転動案内レール434の右端に転動案内された遊技球を略水平右方向へ放出する放出口436とを備えている。なお、本例では、放出部436から水平方向よりも若干上向きの方向へ遊技球が放出されるようになっている。
反発飛翔舞台420は、転動案内部材424の放出口436から放出された遊技球を、中央舞台416の上を飛越して転動受舞台414上へ反発飛翔可能とされた第一反発飛翔部438と、第一反発飛翔部438よりも右側で第三放出部408の略垂直下に配置され第三放出部408から放出された遊技球を第一受入口410が配置された方向へ反発飛翔可能とされた第二反発飛翔部440とを備えている。これら第一反発飛翔部438及び第二反発飛翔部は、所定速度で衝突する遊技球を高い弾性反発力で反発飛翔させることのできる高反発性部材によって構成されており、高反発性部材として、ゴム、バネ(金属製、樹脂製など)、等の弾性部材を適宜用いることができ、本例では、高反発性樹脂が用いられている。
図示するように、第一反発飛翔部438は、右端が高く立上った傾斜面(第一傾斜面)とされている。これにより、転動案内部材424の放出口436から放出された遊技球が、折り返すように中央舞台416の上側を飛越して転動受舞台414に受取られ、第二放出部402から放出されて中央舞台416に受取られた遊技球が第一受入口410に受入れられる確率よりも低い確率で、第一受入口410に受入れられるようになっている。
また、第二反発飛翔部440は、左端が僅かに下がった傾斜面(第二傾斜面)と、その傾斜面の左端と第一反発飛翔部438の右端とをスムーズに繋ぐ曲面部とを備えている。これにより、第三放出部408から放出された遊技球が、第二反発飛翔部440の傾斜面か曲面部の何れかに衝突して、第一受入口410のある左方向へ反発飛翔することとなり、第一反発飛翔部438によって反発飛翔した場合よりも更に低い確率で第一受入口410へ受入れられるようになっている。
この演出ユニット318には、第一受入口410に受入れられた遊技球を検出可能な第一受入検出センサ442(図35参照)と、第二受入口412に受入れられた遊技球を検出可能な第二受入検出センサ444(図34参照)とが更に備えられている。なお、第二受入検出センサ444は、詳細は後述するが、ユニット支持部材320に支持されるようになっている。
この第一受入口410の下流には、図34及び図35に図示するように、回収舞台422が配置されており、第一受入口410に受入れられた遊技球が、第一受入検出センサ442で検出された後に、回収舞台422へと送られて第二受入口412を介して第二受入検出センサ444で再び検出されるようになっている。つまり、遊技球が第一受入口410に受入れられた場合は、第一受入検出センサ442と第二受入検出センサ444の両方で検出され、遊技球が第一受入口410に受入れられなかった場合は、第二受入検出センサ444のみで検出されるようになっている。
次に、装飾ユニット240におけるユニット支持部材320について説明する。このユニット支持部材320は、各装飾体312、発光手段314、拡散装飾部材316、及び演出ユニット318等を収容可能な演出空間310を有すると共にそれらを所定位置に保持可能とされいる。図26に示すように、ユニット支持部材320は、その外形が障害釘230等を保持する保持板242の外形と略同じ大きさとされ、外周を覆い後側へ所定量延びる外套部450と、外套部450の後側開口を閉鎖すると共に矩形状で演出表示装置202と略同じ大きさの開口窓452を有した背板部454と、外套部450の外周四隅に配置され外方へ延びだし夫々に複数の挿通孔456を有したフランジ状の取付固定部458とを備えている。
このユニット支持部材320における取付固定部458は、保持板支持枠244における後面側に取付孔258が列設された四隅と対応する位置に夫々配置されていると共に、挿通孔456が取付孔258に螺合される所定のビスを挿通可能な大きさとされている。この取付固定部458を、所定のビスを介して保持板支持枠244の取付孔258に取付固定することで、ユニット支持部材320が保持板支持枠244の後面側に取付固定されるようになっている。
また、ユニット支持部材320は、遊技球演出空間308内へ供給された遊技球を遊技領域37内へ戻すことなく外部へ排出するための演出球排出通路460を更に備えている。この演出球排出通路460は、演出ユニット318における振分装置330によって遊技球演出空間308内へ振分けられた遊技球が所定の演出動作をした後に、回収舞台422によって回収されて第二受入口412に受入れられた遊技球を排出するものである。なお、本例では、この演出球排出通路460の途中に第二受入検出センサ444が配置されている(図33参照)。
本例の装飾ユニット240は、図33に示すように、振分装置330によってその排出通路358へ振分けられた遊技球を受取って遊技領域37内へ戻すことなく遊技盤5の下方へ誘導排出するための誘導排出通路462を備えている。この誘導排出通路462は、正面視において演出表示装置202の左端に略沿うように、背景装飾体312fの左側に配置されており、誘導排出通路462内を流通する遊技球が遊技者から視認できないようになっている。
この誘導排出通路462は、演出表示装置202の左端に沿う部分では、略垂直に延びるように形成されており、その垂直部分の左右の内壁面には速度抑制手段としての複数の突起464が交互に形成されている。この誘導排出通路462では、これら交互に配置された複数の突起464に遊技球が当接することで、遊技球の流下速度が上昇するのを抑制することができるようになっており、遊技球が所定以上の速度で流通するのを防止して、下流側に配置された各種部材が遊技球の衝突によって破損するのを防止することができるようになっている。
また、誘導排出通路462は、その殆んどの部分において略垂直に遊技球が流下するようにしているので、遊技球演出空間308の上方から遊技盤5の下方へ遊技球を誘導排出する誘導排出通路462の占める割合を可及的に少なくすることができ、誘導排出通路462が他の部材の邪魔にならないようになっている。
本例の誘導排出通路462は、その一部が、背景装飾体312fとユニット支持部材320とで構成されている。具体的には、図33に示すように、誘導排出通路462の背景装飾体312fの左側で略垂直に形成された部分において、その右側の内壁が背景装飾体312fと一体に形成されており、左側の内壁がユニット支持部材320に形成されている。また、それよりも下流側の誘導排出通路462は、ユニット支持部材320に形成されている。
なお、図33に示すように、誘導排出通路462には、ユニット支持部材320に固定され、誘導排出通路462の内部を流通する遊技球を検出可能な誘導排出検出センサ466が備えられている。
ところで、本例の装飾ユニット240における装飾体312及び拡散装飾部材316には、装飾ユニット240の前面側に配置される保持板242に保持されたゲート204や入賞口ユニット234等の保持板242の後面から後方に突出した部分を挿通可能、或いは、一般入賞口224や第一始動口212及び第二始動口214へ入賞した遊技球を通過可能な開口部470,472が夫々対応するように形成されている(図26及び図35参照)。これら装飾体312(背景装飾体312e)及び拡散装飾部材316に夫々形成された開口部470,472内に、ゲート204や入賞口ユニット234における保持板242の後面から後方に突出した部分を挿通させることで、ゲート204や入賞口ユニット234と接続される所定の配線コードを後方へ延び出させることができるようになっていると共に、保持板242、装飾体312、及び拡散装飾部材316を透明樹脂により構成しても、ゲート204や入賞口ユニット234等の保持板242よりも後側に突出した部分を遊技者から目立ち難くすることができるようになっている。
本例の装飾ユニット240は、演出ユニット318の下部に配置された転動受舞台414が第一受入口410をカップとしたグリーンとされ、中央舞台416、誘導案内舞台418、及び反発飛翔舞台420がフェアウェイとされると共に、回収舞台422がバンカーとされている。また、各舞台414,416,418,420,422を囲むように岩を模した背景装飾体312f,312g,312hと、流水紋状の背景装飾体312eとが配置されている。そして、これらによって、岩と水に囲まれたゴルフ場のジオラマが演出空間310内に展開されており、遊技者に対して、本パチンコ機1のコンセプトを一見して認識させることができると共に、本パチンコ機1による遊技への期待感を高められるようになっている。
続いて、装飾ユニット240における演出ユニット318による遊技球の演出動作について詳細に説明する。まず、遊技領域37内に配置されたアタッカ装置270の一対の開閉部材274が開状態の時(後述する大当り遊技状態の時)に、アタッカ装置270の大入賞口272に入賞した遊技球が、その受渡口279を介して演出ユニット318における振分装置330の進入受入口354へと受渡される。
振分装置330の進入受入口354に受渡された遊技球Bは、図31(ア)に示すように、貯留通路356内に所定数の遊技球Bが貯留されていなければ、貯留通路356を介して案内通路332の進入口334へと送られる。その際に、貯留通路356内に配置された進入検出センサ382によって遊技球Bが検出されるようになっている。そして、図示するように、回転体348の遊技球収容部346が進入口334と連通する回転位置に位置すると共に、案内通路332内に遊技球Bがなければ、貯留通路356から進入口334を通過して案内通路332上で遊技球収容部346内に遊技球Bが収容される。
この時、案内通路332の内周には、内周壁366が備えられており、この内周壁366によって進入口334から案内通路332内へ進入した遊技球Bが、案内通路332の内周側へ移動するのを阻止されると共に、案内通路332及び遊技球収容部346の幅が遊技球Bの外径よりも若干大きい幅とされているので、進入口334からは一つのみ遊技球Bが案内通路332内へ進入する。つまり、回転体348の遊技球収容部346に遊技球Bが一つのみ収容される。
そして、遊技球収容部346内に遊技球Bを収容した状態で、この遊技球Bが第一振分口336へ振分けられる場合は、まず、同図(イ)に示すように、回転体348を平面視時計回りの方向へ約45゜回転移動させて、遊技球収容部346と第一振分口336とが互いに連通した状態とする。この第一振分口336が開口する案内通路334上の周方向位置には、第一振分口336へ向かって低くなる案内傾斜面360が形成されており、この案内傾斜面360によって遊技球Bが第一振分口336へ向かって自然と転動し、第一振分口336へ遊技球Bが振分けられることとなる。そして、第一振分口336へ振分けられた遊技球Bは、第一振分通路362を介して第一放出部396から下方へ放出されることとなる。
一方、同図(ア)に示すような遊技球収容部346内に遊技球Bを収容した状態で、第二振分口338又は第三振分口340へ遊技球を振分ける場合は、同図(エ)に示すように、回転体348を平面視反時計回りの方向へ約65゜回転移動させて、遊技球収容部346と連絡通路342とが互いに連通した状態とする。この連絡通路342はその前側端部よりも第二振分口338及び第三振分口340の配置された後側端部の方が低くなるように傾斜しており、連絡通路342の前側端部に送られた遊技球Bは、自然と後側端部へ向かって転動することとなる。なお、この連絡通路342は、案内通路332の内周壁366を貫通するように形成されており、遊技球Bが円環状の案内通路332を短絡するようにその内側を通って前側端部とは反対側の後側端部へ移動できるようになっている。
そして、図32(エ)に示すように、遊技球Bは、連絡通路342の後側端部、つまり、第二振分口338と第三振分口340との間に移動した状態となる。この状態では、回転体348の遊技球収容部346が、第二振分口338及び第三振分口340と夫々部分的に連通した状態となるが、遊技球Bが通過できるほどには何れの振分口338,340に対しても連通した状態とはならず、第二振分口338と第三振分口340との間に遊技球Bが留まった状態となる。
この同図(エ)に示すような状態から、回転体348を平面視反時計回りの方向へ約30゜回転移動させてその遊技球収容部346が第二振分口338と完全に連通した状態とすると、遊技球Bが第二振分口338へと振分けられ、第二振分口338を通って落下し第二放出部402を介し下方へ放出されることとなる(同図(オ)参照)。また、同図(エ)に示すような状態から、回転体348を平面視時計回りの方向へ約30゜回転移動させてその遊技球収容部346が第三振分口340と完全に連通した状態とすると、遊技球Bが第三振分口340へと振分けられ、第三振分口340を通って落下し第三放出部408を介し下方へ放出されることとなる(同図(カ)参照)。
なお、同図(イ)に示すように、回転体348の外周には円筒状の障壁部368が備えられているので、回転体348が回転することでこの障壁部368によって進入口334が閉鎖され、貯留通路356内の遊技球Bが進入口334を通過するのを阻止し、貯留通路356内に遊技球Bを留めておくことができるようになっている。
また、貯留通路356内に所定数(例えば、5個)の遊技球Bが貯留されると、貯留された左端側の遊技球Bは進入受入口354の近傍にまで達し、それ以上遊技球Bが進入受入口354に受入れられると、受入れられた遊技球Bは左側が低くなる排出通路358上に位置することとなり、排出通路358上を左方向へ転動して外部へ排出されることとなる。
次に、演出ユニット318における振分装置330よりも下流側での遊技球Bの演出動作について説明する。
まず、振分装置330によって第一振分口336へ振分けられた遊技球Bは、第一放出部396を介して、チューブ状の転動案内レール434(転動案内部材424)内に受取られ、遊技球演出空間308の左端を一気に下降して転動受舞台414及び中央舞台416の下側へ送られ、転動案内レール434の放出口436から反発飛翔舞台420の第一反発飛翔部438に向かって勢い良く放出される。そして、第一反発飛翔部438に向かって放出された遊技球Bは、第一反発飛翔部438を構成する高反発性部材によって、放出された方向とは逆方向(左方向)で、中央舞台416をジャンプするように飛越して転動受舞台414上へ落下するような動作をし、パチンコ機1内でダイナミックに飛び跳ねる遊技球Bを遊技者に見せることで、その動きを楽しませられるようになっている(図24中、一点鎖線で示したルート)。
一方、振分装置330によって第二振分口338へ振分けられた遊技球Bは、遊技球演出空間308の左右方向略中央に配置された第二放出部402から落下放出され、演出表示装置202の前面側を縦断するようにして中央舞台416上へ落下する(図24中、破線で示したルート)。そして、この中央舞台416へ落下した遊技球Bは、殆んど跳ねることなく中央舞台416に受取られ、誘導案内舞台418を介して転動受舞台414へ転動移動することとなる。これにより、遊技球Bは、中央舞台416上へは速い動きをし、中央舞台416から転動受舞台414までは比較的ゆっくりした動きとなり、遊技球Bに動と静の動きを付与して楽しませられるようになっている。
他方、振分装置330によって第三振分口340へ振分けられた遊技球Bは、遊技球演出空間308の中央よりも右側に配置された第三放出部408から反発飛翔舞台420の第二反発飛翔部440上に落下放出される。そして、第二反発飛翔部440に落下した遊技球Bは、その高反発性部材によって転動受舞台414の方向(左方向)へ直ちに反発飛翔することとなる(図24中、二点差線で示したルート)。この落下と反発飛翔による連続した動きを遊技球Bに付与することで、遊技球Bにリズミカルな動きをさせて遊技者を楽しませられるようになっている。なお、第二反発飛翔部440には曲面部が備えられているので、遊技球Bが落下する位置によって反発飛翔する方向や位置が異なるようになっており、遊技球Bの落下具合によってランダムに飛び跳ねる遊技球Bの動きを楽しませられるようになっている。
なお、反発飛翔舞台420(第一反発飛翔部438及び第二反発飛翔部440)から反発飛翔された遊技球が、転動受舞台414の左側へ飛ぶほど転動受舞台414上での転動が強くなり、転動受舞台414の右側に配置された反上り部428から中央舞台416へ向かってジャンプすることとなり、ジャンプした遊技球Bが中央舞台416に乗るか、はたまた回収舞台422へ転落してしまうかで、遊技者を楽しませられるようになっている。
[遊技盤の特徴について] 図36乃至図39に基づいて説明する。
図36(A)は発光手段等を点灯させた状態で遊技盤を正面から写した図面代用写真であり、(B)は発光手段等を消灯させた状態で遊技盤を正面から写した図面代用写真である。図37(A)は遊技盤のロゴ装飾体付近を斜め横から写した図面代用写真であり、(B)は遊技盤の一部を上方から写した図面代用写真である。図38(A)は本発明に係る遊技盤を正面から写した図面代用写真であり、(B)は従来の遊技盤を正面から写した図面代用写真である。図39(A)は本発明に係る遊技盤を左斜め前から写した図面代用写真であり、(B)は従来の遊技盤を左斜め前から写した図面代用写真である。
ところで、図38(B)及び図39(B)に示すように、従来のパチンコ機における遊技盤は、所定厚さの木製合板からなり前面側に所定のゲージ配列で障害釘が植設される遊技盤ベースと、遊技盤ベースの前側に固定され遊技領域の外周を区画形成すると共に遊技領域内に打ち込まれる遊技球を案内する案内レールを有した前構成部材とを備えている。この遊技盤ベースには前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、遊技盤ベースの前側から枠状の中央役物が貫通孔に固定されていると共に、中央役物の枠内を通して遊技盤ベースの後側に固定された演出表示装置の表示画面が遊技者から視認できるようになっている。このように、従来の遊技盤が構成されているので、中央役物の枠内においては、遊技盤ベースの前面よりも後側へ延びる空間を形成することができ、演出表示装置までの間の空間内で、ステージ等の役物や立体的に造形された装飾体を配置して、遊技盤が平面的なものとなるのを防止するようにしていた。
そして、従来の遊技盤に対して差別化を図るためには、演出表示装置をより大型のもの、つまり、より枠の大きい中央役物を遊技盤ベースに取付けることが考えられる。しかしながら、中央役物を大型化すると、その周りに形成される遊技領域が相対的に小さくなるので、遊技球の流下する範囲が狭くなり、遊技球の動きの変化が乏しくなって、遊技球の動きを楽しむことができなくなり、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。
本例の遊技盤5は、上述した構成としているので、図36乃至図39に示すように、障害釘230等を保持する透明な保持板242の後側に配置された装飾ユニット240の立体的に造形された装飾体312等を視認することができ、遊技盤5全体が奥行きのあるものとなり、遊技者に対して、一見して従来の遊技盤と違った印象を与えることができると共に、種々のパチンコ機が設置されるホールの島設備において、本実施形態のパチンコ機1のより目立たせて遊技者の関心を強く引き付けることができるようになっている。
詳述すると、図38(B)及び図39(B)に示すように、従来の遊技盤では、障害釘が植設される遊技盤ベースの前面に、そのパチンコ機を特徴付ける所定の図柄が施されているが、その図柄は遊技盤の正面から見た時に立体的に見えるように描かれており(図38(B)参照)、遊技盤を正面以外の例えば横から見ると、図39(B)に示すように、その図柄が立体的には見えず平面上に施された図柄であることが、一見して判別できるものとなっていた。そして、従来の遊技盤は、どれもこのような構成となっており、遊技者にとっては、見慣れた周知のものであった。
しかしながら、本例のパチンコ機1における遊技盤5は、障害釘230を保持する保持板242を透明な部材とし、その後側に配置された装飾体312等を立体的に造形した部材としているので、図36乃至図39に示すように、どの角度から遊技盤5を見ても、そこに見える装飾体312が立体的に見え、奥行きがあり深みのある遊技盤5となっており、従来の遊技盤とは一見して明らかに異なる印象を与えられるようになっている。また、障害釘230を保持する保持板242が透明とされているので、遊技者からは保持板242が殆ど見えず、図37等に示すように、障害釘230が、立体的に造形された装飾体312の表面に植設されているように見せることができ、従来の遊技盤とは全く違った態様の遊技盤5となっている。そして、これらにより、従来の遊技盤に見慣れた遊技者にとっては、全く未見の遊技盤5となっており、遊技者の関心を強く引き付けて本例のパチンコ機1で遊技させることができるようになっている。
また、本例の遊技盤5は、装飾体312の後側に拡散装飾部材316を配置した上で、更にその後側に発光手段314を配置しており、装飾体312(背景装飾体312e)及び拡散装飾部材316を透明な部材として多層構造としているので、夫々の部材が奥行き方向に配置されているのが視認でき、より深みのある装飾となっている。また、最も後側に配置された発光手段314を、点状に発光させており、面状に発光させた場合と比較して発光手段314の前後方向の位置を認識させ易くすることができるので、拡散装飾部材316の更に後側の所定距離はなれた位置に発光手段314が配置されているのを認識させることができ、より深みを増させて奥行き感の強い遊技盤5となっている。このことは、図36の(A)と(B)とを比較することでも判るように、発光手段314を発光させることで、奥行き感が高められている。
更に、従来の遊技機では障害釘が植設された遊技盤ベースに施された図柄を発光させることができなかったが、本例の遊技盤5では、図示するように、障害釘230を保持する保持板242を透明な部材として、その後側に配置された発光可能な装飾ユニット240の装飾体212を配置しているので、障害釘230が保持された部分も発光装飾することができ、これまでにない、遊技盤5として遊技者の関心を引き付けることができるようになっている。
また、図37(B)に示すように、遊技盤5内に、ゴルフ場をイメージした大型のジオラマが備えられており、本パチンコ機1のコンセプトに係る舞台設定が一見して認識できるようになっていると共に、ジオラマ内のグリーン(転動受舞台414)上に備えられたカップ(第一受入口410)が目立つように配置されているので、そのカップ内に遊技球を受入れさせると、遊技者にとって良いこと(本例では、高確率状態に突入する)があるのを想起させることができ、パチンコ機1の遊技に対する期待感を高められるようになっている。
[主基板及び周辺基板の機能的な構成について] 図40に基づいて説明する。
図40は、パチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板500のグループと周辺基板502のグループとで分担されており、このうち主基板500のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板502のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板500は、主制御基板94および払出制御基板133により構成されている。主制御基板500は、図示するように、マイクロプロセッサとしての主制御MPU504と、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート506と、を備えている。主制御MPU504には、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵されている。また、不正を防止するための機能も内蔵されている。
主制御I/Oポート506を介して、カウントセンサ278、第一始動口センサ216、第二始動口センサ218、ゲートセンサ206、各一般入賞口センサ226、全入賞口入賞数計数センサ508、磁気検知センサ510、球排出センサ248等からの検出信号がそれぞれ入力されるようになっている。
なお、全入賞口入賞数計数センサ508は、具体的な配置位置については省略するが、遊技領域37に設けられた複数種類の入賞口(この例では、一般入賞口224、第一始動口212、第二始動口214、および大入賞口272)に入賞した全ての遊技球を検出するセンサであり、この全入賞口入賞数計数センサ508によって遊技球が検出されたことに基づいて入賞球数を、主制御MPU504によって計数するようになっている。また、磁気検知センサ510は、遊技盤5の後面側であって、遊技領域37における第一始動口212及び第二始動口214の近傍に設けられ、磁気変化を検出するものである。すなわち、磁気検知センサ510は、磁石等を用いて遊技球を第一始動口212及び第二始動口214に不正に入賞させる不正行為がなされたことを検出するセンサであり、この磁気検知センサ510によって磁気が変化したことを検出すると、主制御MPU504によって不正がなされたことを報知する処理を行うようになっている。
また、主制御MPU504は、上記した検出信号にもとづき、主制御I/Oポート506を介して始動口ソレノイド220、アタッカソレノイド276、特別図柄表示器302、特別図柄保留表示器304、状態表示器306、普通図柄表示器322、普通図柄保留表示器324、を駆動する駆動信号を出力する。
主制御基板94と払出制御基板133との基板間では、互いに、つまり双方向に各種コマンドがやり取りされ、主制御基板94と周辺制御基板92との基板間では、主制御基板94から周辺制御基板92へ、つまり一方向に各種コマンドが出力されている。
払出制御基板133は、図示するように、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU512と、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート514と、を備えている。払出制御MPU512には、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵されている。また、不正を防止するため機能も内蔵されている。
主制御基板94から出力された球払出装置125(払出用モータ126)を駆動するコマンドは払出制御I/Oポート514を介して入力され、払出制御MPU512は、このコマンドにもとづき、払出制御I/Oポート514を介して球払出装置125の払出用モータ126を駆動する駆動信号を出力する。これにより、球払出装置125は、所定数の賞球を払い出す。なお、払出制御MPU512は、図示しないプリペイドカードユニットから貸球要求信号が入力されると、貸球を払い出す。また、払出制御MPU512は、主制御基板94から出力された異常発生時(例えば、磁気検知センサ510により磁気変化を検出した)のコマンドが払出制御I/Oポート514を介して入力されると、このコマンドにもとづいて発射装置ユニット130における発射モータ128の駆動を停止する駆動停止信号を、払出制御I/Oポート514を介して出力する。これにより、発射モータ128は、異常発生時にその駆動が停止されるようになっている。
周辺基板502は、周辺制御基板92により構成されており、この周辺制御基板92は、図示するように、マイクロプロセッサとしてのサブ統合MPU520と、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するサブ統合ROM522と、高音質の演奏を行う音源IC524と、この音源IC524が参照する音楽および効果音等の音情報が記憶されている音源ROM526、を備えている。
サブ統合MPU520は、主制御基板94からコマンドを受け取ると、このコマンドにもとづいて表示演出に関する表示コマンドを作成し、液晶表示基板528に出力する。液晶表示基板528は、サブ統合MPU520から出力された表示コマンドに応じてLCDからなる演出表示装置202を制御して装飾図柄の変動表示、キャラクタ等の画像表示等を行う。
また、サブ統合MPU520は、パラレル入出力ポートやシリアル入出力ポート等を内蔵しており、主制御基板94からコマンドを受け取ると、このコマンドにもとづいて、演出に関する演出コマンドを作成し、この演出コマンドを、パラレル入出力ポートから音源IC524に出力する。音源IC524は、サブ統合MPU520から出力された演出コマンドに応じて、音源ROM526から音情報を読み込み、上述したスピーカ18,57から各種演出に合わせた音楽および効果音等が出るような制御を行う。また、サブ統合MPU520は、演出コマンドに合わせて、前面枠4に配置されたサイド装飾装置52等の装飾ランプ530を駆動する駆動データを出力する。
また、サブ統合MPU520は、演出コマンドに合わせて、シリアル入出力ポートからランプ駆動基板532に、遊技盤5に配置された各種発光手段314に搭載されるLEDを点灯/消灯(ON/OFF)するON/OFFデータと、振分モータ350を駆動する駆動データと、を出力する。
また、振分モータ350の回転位置を検出する回転位置検出センサ384、進入検出センサ382、誘導排出検出センサ466、第一受入検出センサ442、第二受入検出センサ444、等からの検出信号は、ランプ駆動基板532を介して周辺制御基板92に入力される。サブ統合MPU520は、回転位置検出センサ384、進入検出センサ382、誘導排出検出センサ466、第一受入検出センサ442、第二受入検出センサ444からの検出信号が入力されると、振分モータ350、液晶制御基板528等に制御信号を出力する。
サブ統合MPU520では、進入検出センサ382により検出された遊技球の数と、第二受入検出センサ444により検出された遊技球の数とを照合するようになっており、夫々で検出された遊技球の数が異なる場合は、演出ユニット318内において球詰まりが発生したと判断して、その旨を報知するようになっている。
このように本実施形態では、特別図柄を変動表示する特別図柄表示器302を主基板500に搭載される主制御MPU504で制御する一方、演出表示装置202、装飾ランプ530、各種発光手段314等を周辺基板502に搭載されるサブ統合MPU520で制御するようになっている。このため、主基板500(主制御MPU504)の制御負担を軽減することができるとともに、周辺基板502(サブ統合MPU520)の制御によって演出表示装置202や装飾ユニット240等によって多彩な演出を実行することができ、演出に対する興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
[遊技内容について]
次に、上述したパチンコ機1によって実現される遊技内容について詳細に説明する。図2及び図9等に示すように、遊技者が操作ハンドル32を操作することによりパチンコ機1の裏面側に設けられる発射装置ユニット130によって遊技球が打ち出される。発射装置ユニット130から打ち出された遊技球は、発射レール19及び案内レール78の外レール76と内レール77とによって囲まれる領域を通って遊技領域37の上部に放出され、遊技領域37を障害釘230等に衝突しながらアウト口228に向かって流下する。そして、遊技領域37を流下する遊技球がゲート204を通過し、ゲートセンサ206によって検出されると、普通図柄表示器322で普通図柄の変動表示が開始される。
なお、ゲートセンサ206により遊技球が検出されると、所定範囲の普通図柄当り判定乱数を更新するカウンタから普通図柄当り判定乱数を抽出する。そして、普通図柄表示器322にて普通図柄の変動表示を開始するときに、普通図柄当り判定乱数にもとづいて当りとするか否かの判定を行い、変動表示の結果、判定結果に応じた態様でLEDを停止表示する。具体的には、当りと判定された場合には、普通図柄表示器322の上側のLEDを点灯した状態で普通図柄の変動表示を停止させ、はずれと判定された場合には、普通図柄表示器322の下側のLEDを点灯した状態で普通図柄の変動表示を停止させる。
また、普通図柄表示器322にて普通図柄の変動表示を実行中、および、普通図柄表示器322の表示結果が当りとなったことにもとづいて可変入賞球装置210を開閉制御しているときに遊技球がゲート204を通過し、ゲートセンサ206により遊技球が検出されたことにもとづいて抽出された普通図柄当り判定乱数は、所定個数(この実施の形態では、4個)まで記憶可能とされ、記憶される普通図柄当り判定乱数の個数(普図保留記憶数)は普通図柄保留表示器324によって表示される。上述したように、普通図柄保留表示器324は、2個のLEDによって構成される。この例では、上側のLEDを点灯させることにより普図保留記憶数が1であることを示し、上下2個のLEDを点灯させることにより普図保留記憶数が2であることを示し、上側のLEDを点滅させて下側のLEDを点灯させることにより普図保留記憶数が3であることを示し、上下2つのLEDを点滅させることにより普図保留記憶数が4であることを示す。
また、普通図柄表示器322における普通図柄の変動表示は、所定期間経過後に停止し、停止時の普通図柄の表示結果が「当り」となったときに可変入賞球装置210を所定時間(例えば、0.5秒)開放状態に制御する。一方、普通図柄表示器322の表示結果が「はずれ」となった場合には、可変入賞球装置210を開放状態に制御することなく第二始動口214に遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態を維持するが、第一始動口212は遊技球を受け入れ可能な状態となっている。
すなわち、第二始動口214は、普通図柄表示器322に当りとなる表示結果が停止表示されたときに所定時間(例えば、0.5秒)開放状態に制御される。具体的には、普通図柄表示器322に当りとなる表示結果が停止表示されたことにもとづいて始動口ソレノイド220を可動して可動片222を回動し、可変入賞球装置210を開放状態に制御する。そして、所定期間経過したときに再び始動口ソレノイド220を可動して可動片222を回動し、可変入賞球装置210を閉塞状態に制御する。可変入賞球装置210を開放状態に制御することにより第二始動口214に遊技球を受け入れ可能な状態になり、可変入賞球装置210を閉塞状態に制御することにより遊技球を受け入れ不可能な状態になる。
また、遊技領域37を流下する遊技球が第一始動口212、又は、第二始動口214に入賞すると、特別図柄表示器302にて特別図柄の変動表示を開始可能な状態(例えば、大当り遊技中でない状態、および、特別図柄および装飾図柄の変動表示中でない状態)であれば、特別図柄表示器302にて特別図柄の変動表示を開始するとともに、演出表示装置202にて所定の装飾図柄の変動表示を開始し、所定期間経過後に特別図柄表示器302における特別図柄の変動表示、および、演出表示装置202における装飾図柄の変動表示を停止して表示結果を導出する。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動表示が許可される入賞口として、可変入賞球装置210に設けられる第一始動口212及び第二始動口214の2つの始動口が設けられているが、可変入賞球装置210に設けられる始動口の設置個数はこれらに限られず、例えば、第一始動口212又は第二始動口214の何れか一方のみ設ける構成であってもよい。また、第一始動口212に遊技球が入賞して第一始動口センサ216によって検出されたこと、及び、第二始動口214に遊技球が入賞して第二始動口センサ218によって検出されたことにもとづいて所定数(例えば、3個)の遊技球の払い出しが行われる。
また、第一始動口212に遊技球が入賞し、第一始動口センサ216によって遊技球が検出されたときと、第二始動口214に遊技球が入賞し、第二始動口センサ218によって遊技球が検出された時と、で異なる個数の遊技球を払い出すようにしてもよい。例えば、第一始動口212に遊技球が入賞し、第一始動口センサ216によって遊技球が検出された時に3個の遊技球を払い出し、第二始動口214に遊技球が入賞し、第二始動口センサ218によって遊技球が検出された時に4個の遊技球を払い出すようにしてもよい。
また、第一始動口センサ216及び第二始動口センサ218により遊技球が検出されると、所定範囲の大当り判定乱数を更新するカウンタから大当り判定乱数を抽出する。また、特別図柄表示器302にて特別図柄の変動表示を開始するとき(及び、演出表示装置202にて装飾図柄の変動表示を開始するとき)に、大当り判定乱数に基づいて当り(15R当り、2R当りまたは小当り)とするか否かの判定を行い、変動表示の結果、判定結果に応じた態様で特別図柄表示器302のLEDを点灯制御するとともに、演出表示装置202に装飾図柄を導出表示する。具体的には、当り(15当り、2当り、小当り)とする判定がなされた場合には、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様で点灯表示するとともに、演出表示装置202に装飾図柄の特定表示結果を導出表示する。一方、はずれと判定された場合には、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様とは異なる態様(はずれ図柄)で点灯表示するとともに、演出表示装置202にはずれ状態となる表示結果(はずれ図柄:非特定表示結果、この実施の形態では、少なくとも2種類以上の識別情報(図柄)の組み合わせ)を導出表示する。このように、特別図柄表示器302における特別図柄の表示結果と、演出表示装置202における装飾図柄の表示結果と、は対応している。
また、演出表示装置202にて変動表示される装飾図柄は特別図柄表示器302にて変動表示される特別図柄とは異なる演出用の図柄であり、特別図柄表示器302にて行われる変動表示の内容を、演出用の装飾図柄を用いてより演出効果を高めて遊技者に表示するものである。つまり、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様で点灯表示した場合には大当り遊技状態(15R当り遊技状態、2R当り遊技状態)または小当り遊技状態に移行制御するが、万が一、演出表示装置202にて装飾図柄の表示結果が特定表示結果となっても特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様とは異なる態様で点灯表示した場合には大当り遊技状態および小当り遊技状態に移行制御されないようになっている。なお、特別図柄表示器302は、演出表示装置202のように周辺制御基板92や液晶制御基板528を介することなく、主制御I/Oポート506から直接的に駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示が表示制御される。これにより、主制御基板94からサブ統合MPU520へのコマンド信号の送信にエラーが生じて演出表示装置202にて誤表示がなされたとしても、特別図柄表示器302では、当落判定の結果を遊技者に的確に通知することができる。
更に、この実施の形態では、特別図柄表示器302の4個のLEDによって点灯表示する特定の態様は、特別態様(特定図柄)と、特別態様とは異なる非特別態様(非特定図柄)と、特殊態様(小当り図柄)を含み、さらに、特別態様(特定図柄)には、高利益特別態様(15R特定図柄)と、低利益特別態様(2R特定図柄)と、を含み、非特別態様(非特定図柄)には、低利益非特別態様(2R非特定図柄)を含むものとなっている。
そして、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様のうち高利益特別態様(15R特定図柄)で点灯表示する場合には、演出表示装置202に装飾図柄の表示結果として特定表示結果のうち高利益特別表示結果(大当り図柄:この実施の形態では、同一の図柄の組み合わせ)を導出表示し、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様のうち低利益特別態様(2R特定図柄)で点灯表示する場合には、演出表示装置202に装飾図柄の表示結果として特定表示結果のうち低利益特別表示結果(チャンス目(はずれ図柄のうち予め定められた装飾図柄の組み合わせ):この実施の形態では、例えば、「123」、「234」等の順繰りに加算された図柄の組み合わせ)を導出表示するようになっている。
また、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様のうち低利益非特別態様(2R非特定図柄)で点灯表示する場合には、演出表示装置202に装飾図柄の表示結果として特定表示結果のうち低利益非特別表示結果(チャンス目(はずれ図柄のうち予め定められた装飾図柄の組み合わせ):この実施の形態では、例えば、「123」、「234」等の順繰りに加算された図柄の組み合わせ)を導出表示し、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様のうち特殊態様(小当り図柄)で点灯表示する場合には、演出表示装置202に装飾図柄の表示結果として特定表示結果のうち特殊表示結果(チャンス目(はずれ図柄のうち予め定められた装飾図柄の組み合わせ):この実施の形態では、例えば、「123」、「234」等の順繰りに加算された図柄の組み合わせ)を導出表示するようになっている。
この実施の形態では、特別図柄表示器302に低利益特別態様が導出表示されるときに演出表示装置202に導出表示される低利益特別表示結果と、特別図柄表示器302に低利益非特別態様が導出表示されるときに演出表示装置202に導出表示される低利益非特別表示結果と、特別図柄表示器302に特殊態様が導出表示されるときに演出表示装置202に導出表示される特殊表示結果と、を同一の図柄の組み合わせ(例えば、「123」、「234」等の順繰りに加算された図柄の組み合わせ)としている。そのため、演出表示装置202を視認している遊技者にとっては、小当り遊技状態であるか2R当り遊技状態であるを把握することが困難になるとともに、2R特定当りであるか2R非特定当りであるかを把握することが困難になる。
特別図柄表示器302の4個のLEDを特別態様(高利益特別態様および低利益特別態様)で点灯表示した場合には、大当り遊技状態に制御し、該大当り遊技状態終了後に通常状態よりも高い確率(この例では、通常状態の10倍の確率)で大当りと判定される高確率状態(この実施の形態では、高確率状態では、319.25分の1の確率で大当りと判定、低確率状態では、31.925分の1の確率で大当りと判定)に制御するようになっている。一方、特別図柄表示器302の4個のLEDを非特別態様(低利益非特別態様)で点灯表示した場合には、高確率状態に制御しない。
また、特別図柄表示器302の4個のLEDを特別態様(高利益特別態様、低利益特別態様)及び非特別態様(低利益非特別態様)で点灯表示して大当り遊技状態に制御した場合には、後述する所定条件が成立していることを条件に、大当り遊技状態終了後に特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示するまでの変動時間と、普通図柄表示器322により普通図柄の変動表示を開始してから普通図柄を停止表示するまでの変動時間と、を通常状態よりも短縮する時短状態に制御するようになっている。
なお、演出表示装置202による装飾図柄の変動表示は特別図柄表示器302による特別図柄の変動表示と同期している。具体的には、特別図柄表示器302により特別図柄の変動表示を開始するときに演出表示装置202により装飾図柄の変動表示を開始し、特別図柄表示器302により特別図柄を停止表示(特別図柄の表示結果を導出表示)するときに演出表示装置202により装飾図柄を停止表示(装飾図柄の表示結果を導出表示)する。すなわち、特別図柄表示器302による特別図柄の変動時間と、演出表示装置202による装飾図柄の変動時間とは同一の時間とされ、時短状態において特別図柄表示器302による特別図柄の変動時間が短縮されることに伴って演出表示装置202による装飾図柄の変動時間も短縮されるようになっている。
また、時短状態では、さらに、第二始動口214が開放状態にされる開放時間を通常状態よりも延長する制御(この実施の形態では、通常状態では、0.5秒、時短状態では、5秒)と、普通図柄表示器322における普通図柄の変動表示の結果が当り(この実施の形態では、普通図柄表示器322の上側のLEDを点灯表示)となる確率を高める制御と、が実行される。なお、通常状態とは、高確率状態および時短状態とは異なる遊技状態のことである。
また、時短状態の制御は、上記高確率状態の制御と並行して実行される場合がある。この場合には、大当りと判定される確率が通常状態よりも高められるとともに、時短状態の制御が実行されるため遊技者に極めて有利な状態である。一方、時短状態の制御が上記高確率状態の制御と並行して実行されない場合には、大当りと判定される確率は通常状態と同一であるが、時短状態の制御が実行されるため通常状態よりも遊技者に有利な状態である。このように、この実施の形態では、時短状態として高確率状態の制御が並行して実行される高確率時短状態と、高確率状態の制御が並行して実行されない低確率時短状態と、の一方に制御する。
また、高確率状態の制御が実行されているときに上記時短状態の制御が並行して実行されない場合には、時短状態の制御は実行されないが、大当りと判定される確率が通常状態よりも高められるため遊技者に有利な状態である。このように、この実施の形態では、高確率状態として時短状態の制御が並行して実行される高確率時短状態と、時短状態の制御が並行して実行されない高確率非時短状態と、の一方に制御する。なお、上記低確率時短状態では、大当りと判定される確率が通常状態と同一であるため、低確率時短状態と通常状態とを総称して低確率状態と呼ぶことがある。
この実施の形態では、特別図柄表示器302の4個のLEDを高利益特別態様(15R特定図柄)で点灯表示した場合には、大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態に制御する。また、特別図柄表示器302の4個のLEDを低利益特別態様で点灯表示した場合には、遊技状態に応じて高確率時短状態に制御する場合と、高確率非時短状態に制御する場合と、がある。具体的には、大当り遊技状態を終了するときに後述する時短状態の終了条件が成立しているか否かを判別し、時短状態の終了条件が成立していなければ高確率時短状態に制御し、時短状態の終了条件が成立していれば高確率非時短状態に制御する。
また、特別図柄表示器302の4個のLEDを低利益非特別態様(2R非特定図柄)で点灯表示した場合には、遊技状態に応じて低確率時短状態に制御する場合と、通常状態に制御する場合と、がある。具体的には、大当り遊技状態を終了するときに後述する時短状態の終了条件が成立しているか否かを判別し、時短状態の終了条件が成立していなければ低確率時短状態に制御し、時短状態の終了条件が成立していれば通常状態に制御する。また、この実施の形態では、特別図柄表示器302の4個のLEDを低利益非特別態様(2R非特定図柄)で点灯表示したことに基づいて大当り遊技状態終了後に低確率時短状態に制御した場合には、特別図柄表示器302で所定回数(この例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されたときに時短終了条件が成立したと判断し、低確率時短状態の制御を終了して通常状態に移行制御する。
また、上記低利益特別態様(2R特定図柄)には、第1低利益特別態様(2R特定図柄A)と、第2低利益特別態様(2R特定図柄B)と、を含み、特別図柄表示器302の4個のLEDを第2低利益特別態様(2R特定図柄B)で点灯表示したことに基づいて大当り終了後に高確率時短状態に制御した場合には、特別図柄表示器302で所定回数(この例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されたとき(時短終了条件が成立したとき)に高確率時短状態の制御を終了して高確率非時短状態に移行制御する。このように、第1低利益特別態様は、第2低利益特別態様よりも遊技者に有利な態様である。
なお、上述した例に限らず、時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)では、特別図柄表示器302および演出表示装置202における特別図柄および装飾図柄の変動時間を通常状態よりも短縮する制御、普通図柄表示器322における普通図柄の変動時間を通常状態よりも短縮する制御、普通図柄表示器322における普通図柄の変動表示の結果が当りとなる確率を通常状態よりも高める制御、可変入賞球装置210が開放状態にされる開放時間を通常状態よりも延長する制御、可変入賞球装置210が開放状態にされる回数を通常状態よりも増加する制御、のうち何れか一つ、又は、任意の組み合わせ(全部でもよい)を実行するようにしてもよい。
また、特別図柄表示器302の4個のLEDを特殊態様(小当り図柄)で点灯表示した場合には、小当り遊技状態に制御する。そして、小当り遊技状態の終了後には、小当り遊技状態を開始する以前の遊技状態を継続させる。具体的には、小当り遊技状態を開始する以前に高確率状態の制御が実行されていれば小当り遊技状態の終了後にも高確率状態の制御が実行され、小当り遊技状態を開始する以前に時短状態の制御が実行されている場合に上記時短終了条件が成立していなければ小当り遊技状態の終了後に時短状態の制御が実行される。例えば、遊技状態が上記高確率時短状態である場合に小当りとなったときに時短終了条件が成立していなければ小当り遊技状態終了後に高確率時短状態に制御し、時短終了条件が成立していれば(100回目の特別図柄の変動表示で小当りとなった場合には)小当り遊技状態終了後に高確率非時短状態に制御する。すなわち、小当り遊技状態は、大当り遊技状態とは異なり、遊技状態の変化に直接起因するものではなく、単に賞球の払い出しを得る機会を与えるものである。
また、本例では、演出表示装置202の3つの表示領域に対応する左・中・右の装飾図柄(図36乃至図39参照)は、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順に停止するように制御されるようになっている。この装飾図柄の停止図柄とは、左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始してから中装飾図柄が停止表示されることにより左・中・右の装飾図柄全てが停止表示された状態の図柄の組み合わせをいう。なお、この例では、中装飾図柄の変動表示が停止していない状態で、左装飾図柄と右装飾図柄が同一の図柄で停止した状態をリーチ又はリーチ状態と呼び、リーチ状態(リーチ)となってから中装飾図柄を停止表示するまでに演出表示装置202で実行される演出表示をリーチ演出と呼ぶ。
また、特別図柄表示器302にて特別図柄の変動表示を実行中、または、大当り遊技状態(15R当り遊技状態、2R当り遊技状態)及び小当り遊技状態の実行中、に第一始動口212又は第二始動口214に遊技球が入賞し、第一始動口センサ216又は第二始動口センサ218により遊技球が検出された(所定条件成立)ことに基づいて抽出された当り判定用乱数は、所定個数(この実施の形態では、4個)まで記憶可能とされ、記憶される当り判定用乱数の個数(特図保留記憶数)は、特別図柄保留表示器304によって表示される。上述したように、特別図柄保留表示器304は、4つのLEDによって構成される。この例では、1個のLEDを点灯させることにより特図保留記憶数が1であることを示し、2個のLEDを点灯させることにより特図保留記憶数が2であることを示し、3個のLEDを点灯させることにより特図保留記憶数が3であることを示し、4個のLEDを点灯させることにより特図保留記憶数が4であることを示す。このように、特別図柄保留表示器304は、所定条件が成立(第一始動口212又は第二始動口214に遊技球が入賞)したが未だ特別図柄の変動表示が開始されていない記憶数(特図保留記憶数)を表示するものである。
本例では、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様で点灯表示したことに基づく大当り遊技状態及び小当り遊技状態では、アタッカソレノイド276により大入賞口272の左右両側に配置する開閉部材274を回動して大入賞口272に遊技球を受け入れ可能な開放状態に制御するようになっている。なお、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様のうち高利益特別態様で点灯表示したときには、15R当り遊技状態に制御し、大入賞口272を開放状態に制御してから所定時間(例えば、30秒)が経過した時、或いは、所定個数(例えば、9個)の遊技球が大入賞口272に入賞したとき、にアタッカソレノイド276により再び大入賞口272の左右両側に配置する開閉部材274を回動して大入賞口272に遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態に制御するようになっている。
この大入賞口272に遊技球を受け入れ可能な開放状態に制御してから大入賞口272に遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態に制御するまでが大当り遊技状態及び小当り遊技状態における1ラウンド(1R)であり、15R当り遊技状態では、15ラウンド(15R)を実行したときに終了するものである。
また、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様のうち低利益特別態様及び低利益非特別態様で点灯表示したときには、2R当り遊技状態に制御し、大入賞口272を開放状態に制御してから所定時間(例えば、0.8秒)が経過したときにアタッカソレノイド276により再び大入賞口272の左右両側に配置する開閉部材274を回動して大入賞口272に遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態に制御するようになっている。2R当り遊技状態では、2ラウンド(2R)を実行したときに終了するものである。
また、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様のうち特殊態様で点灯表示したときには、小当り遊技状態に制御し、大入賞口272を開放状態に制御してから所定時間(例えば、0.8秒)が経過したときにアタッカソレノイド276により再び大入賞口272の左右両側に配置する可動片を回動して大入賞口272に遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態に制御するようになっている。小当り遊技状態では、2ラウンド(2R)を実行したときに終了するものである。
なお、状態表示器306は、遊技状態に応じて所定の態様で駆動制御するものであり、具体的には、15R当り遊技状態であれば、状態表示器306を点灯させ、2R当り遊技状態であれば、所定間隔で点灯及び消灯させることにより状態表示器306を点滅させ、小当り遊技状態であれば、前記所定間隔とは異なる間隔で点灯及び消灯させることにより状態表示器306を点滅させる。なお、通常状態、時短状態、及び高確率状態のうち実行中の遊技状態に応じた態様で駆動制御されるLED等の表示器を状態表示器306とは別個に設けるように構成してもよい。例えば、通常状態すなわち時短状態の制御及び高確率状態の制御が実行されていない場合には、2個のLEDを消灯状態で駆動制御し、時短状態の制御が実行されている場合には、2個のLEDのうち一方を点灯状態で駆動制御し、高確率状態の制御が実行されている場合には、2個のLEDのうち他方を点灯状態で駆動制御する表示器を設けてもよいし、フルカラーLEDによって構成されるLEDにより、通常状態では、1個のLEDを消灯状態で駆動制御し、時短状態の制御が単独で実行されている場合には、緑色の点灯状態で駆動制御し、高確率状態の制御が単独で実行されている場合には、赤色の点灯状態で駆動制御し、時短状態の制御と高確率状態の制御とが並行して実行されている場合には、赤色の点滅状態で駆動制御する表示器を設けてもよい。
なお、本例では、2R当り遊技状態で大入賞口272を開放状態にしてから閉塞状態にするまでの期間と、小当り遊技状態で大入賞口272を開放状態にしてから閉塞状態にするまでの期間と、を同一(見分けが付かない程度(例えば、100ms以内の差)であれば同一とみなす)としている。また、2R当り遊技状態で大入賞口272を閉塞状態にしてから再び開放状態にするまでの待機時間と、小当り遊技状態で大入賞口272を閉塞状態にしてから再び開放状態にするまでの待機時間と、を同一(見分けが付かない程度(例えば、100ms以内の差)であれば同一とみなす)としている。そのため、2R当り遊技状態に制御されているのか小当り遊技状態に制御されているのかを把握することが困難になり、小当り遊技状態であると把握されたときに高確率状態に対する期待が薄れ、遊技者の興趣を低下させることを防止できる。
また、状態表示器306は、遊技状態に応じて所定の態様で駆動制御するが、遊技者に積極的に遊技状態を報知するために設けられているものではない。すなわち、この実施の形態では、遊技領域37の右下方端部に状態表示器306が配置するため、演出表示装置202に注目している遊技者は状態表示器306が駆動制御されていることに気付き難い。また、状態表示器306の駆動態様と遊技状態との対応関係を遊技者に知らせないため、状態表示器306が駆動していることに気付いたとしても遊技状態に応じて駆動制御されていることに気付き難い。また、本例では、2R当り遊技状態の終了後に時短状態の制御を実行するか、高確率状態の制御を実行するかを遊技者に報知しない。そのため、現在の遊技状態を把握することが困難となり、遊技をやめ難くなる。
本例のパチンコ機1には、上述したように、アタッカ装置270の大入賞口272に入賞した遊技球(所謂、「死球」)を用いて演出動作をさせる演出ユニット318を備えている。この演出ユニット318では、2R当り遊技状態及び小当り遊技状態の終了後に、大当りと判定される確率を通常状態から、高確率状態に変更される可能性が高いこと、或いは、高確率状態が継続される可能性が高いことを、遊技球を用いて遊技者に認識させるものである。
具体的には、第一始動口212又は第二始動口214への遊技球の入賞によって抽出(抽選)される大当り判定乱数に基づいて「2R当り」又は「小当り」とする判定がなされたときに、アタッカ装置270の開閉部材274が、2回(2ラウンド)開放状態となり、開放状態の時に大入賞口272へ入賞した遊技球が振分装置330へ送られる。この時、振分装置330の貯留通路356には最大で5個(又は6個)まで遊技球が貯留される。なお、貯留通路356に遊技球が貯留されたか否かは進入検出センサ382によって検出できるようになっている。
そして、2R当り遊技状態及び小当り遊技状態の2ラウンドが終了すると、開閉部材274が駆動されて大入賞口272への入賞が不能な状態にすると共に、振分モータ350を回転駆動させて、貯留通路356に貯留された遊技球を一つのみ回転体348の遊技球収容部346に収容させ、大当り判定乱数に基づいて、具体的には、2R当り遊技状態及び小当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか否かに基づいて、第一振分口336、第二振分口338、及び第三振分口340の何れかに振分ける。なお、ラウンド中に遊技球を振分装置330で振分けるようにしても良い。
この振分装置330による遊技球の振分制御は、周辺制御基板92におけるサブ統合MPU520の所定の演算処理によって制御されており、主制御基板94から送られる大当り判定乱数に基づいた所定の制御コマンドを受信すると、その制御コマンドに従って所定の振分判定用乱数を抽出し、その振分判定用乱数に基づいて第一振分口336、第二振分口338、及び第三振分口340の何れかに振分けるようになっている。
この演出ユニット318では、上述したように、遊技球が、第二振分口338へ振分けられると第一受入口410へ受入れられる確率が最も高く、第三振分口340へ振分けられると第一受入口410へ受入れられる確率が最も低くなっている。そして、例えば、抽選された大当り判定乱数が、「2R特定当りA」又は「2R特定当りB」等の「特定当り」を示唆する場合、及び高確率状態の制御を実行中に小当り遊技状態となった場合には、高い確率で第一受入口410へ遊技球が受入れられるように、第二振分口338へ遊技球を振分けるようになっている。つまり、2R当り遊技状態及び小当り遊技状態のラウンド終了後に、大入賞口272に入賞した遊技球が第一受入口410へ受入れられると、大当り遊技状態及び小当り遊技状態の終了後に高確率状態の制御が実行される可能性が高いことを示唆するものである。
なお、2R当り遊技状態及び小当り遊技状態の終了後に高確率状態の制御を実行するときに、必ずしも遊技球を第二振分口338へ振分けるようにしているものではなく、周辺制御基板92で抽出される振分判定用乱数によっては第一振分口336や第三振分口340へも振分けられるものである。
一方、例えば、2R当り遊技状態及び小当り遊技状態の終了後に高確率状態の制御を実行しないときには、第一受入口410に遊技球が受入れられないように、主に第三振分口340又は第一振分口336へ遊技球を振分けるようになっている。
ところで、振分装置330によって遊技球を振分ける際に、サブ統合MPU520によって各種発光手段314を発光制御して、興趣を高められる効果的な発光演出を行うようになっている。例えば、第一受入口410へ遊技球が受入れられる可能性が高い場合は、ゴルフボールを模したキャラクタ装飾体312dを種々の色に発光させて、第一受入口410へ遊技球が受入れられる可能性が高いことを示唆して、興趣を高められるようになっている。或いは、第一振分口336へ振分ける場合は、流水紋状の背景装飾体312e後方の発光手段314のLEDを上側から下側に向かってその光が流れるように点滅させて、第一振分口336へ振分けられた遊技球を、発光手段314の光の流れに沿うように転動案内レール434により転動させて期待感を高められるようになっている。
これにより、遊技球の始動入賞によって、「特定当り」が抽選されると、アタッカ装置270の開閉部材274の開閉動作の際に大入賞口272に受入れられた遊技球が、遊技球演出空間308内の第一受入口410に受入れられるように振分けられるので、あたかも遊技球が第一受入口410に受入れられたことで、抽選確率が高確率状態に変更されたように思わせることができ、演出画像を用いたものと比較して遊技球が第一受入口410に受入れられるのを直接見せるので、確実に「特定当り」であると遊技者に認識させることができ、物理的な安心感を与えて、興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、遊技者は「特定当り」が抽選されて抽選確率が高確率状態に変更されることを強く望み、第一受入口410へ遊技球が受入れられると抽選確率が変更されるような遊技球による演出をしているので、第一受入口410に受入れられるのを期待させることができ、第一受入口410に遊技球受入れられるか否かで、ハラハラ、ドキドキさせることが可能となり、遊技球が何れの振分口336,338,340に振分けられても興趣を高めることができるようになっている。
更に、「特定当り」が抽選されても、必ずしも第一受入口410へ遊技球が受入れられるとは限らないので、第一受入口410へ遊技球が受入れられないことで興趣を低下させてしまっても、大当り遊技状態終了後に高確率状態に変更される場合があり、この場合、遊技者にとっては突然高確率状態となったような感じとなり、遊技者を驚かせることができると共に得した気分にさせることができ、興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
なお、逆に「特定当り」以外のときに、第一受入口410へ遊技球が受入れられてしまうこともあり、第一受入口410へ遊技球が受入れられたのにも係らず低確率状態のままであったり、低確率状態に戻ってしまったりすることもあるが、この場合、例えば、第一受入検出センサ442が遊技球を検出するので、その検出に基づいて演出表示装置202に特定の演出画像を表示させるようにして、遊技者に対してそのイレギュラーを楽しませて興趣が低下するのを抑制するようにしても良い。
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技領域37内に打ち込まれた遊技球が振分装置330へ送られると、まず、貯留通路356を通って進入口334へと送られることとなるが、この際に、貯留通路356内に所定数の遊技球が貯留されていると、振分装置330へ送られた遊技球は振分けられることなく排出通路358を介して排出される。そして、貯留通路356に貯留された遊技球は、回転体348が回転してその遊技球収容部346が進入口334と連通すると、進入口334を通って一つのみ案内通路332内で且つ遊技球収容部346内に進入し収容される。そして、遊技球収容部346に遊技球を収容させた状態で回転体346を第一振分口336の方向へ回転させて、第一振分口336と遊技球収容部346とを互いに連通させると、遊技球収容部346に収容された遊技球が第一振分口336へと振分けられる。一方、遊技球収容部346に遊技球を収容させた状態で回転体346を第一振分口336とは反対の方向へ回転させて遊技球収容部346を連絡通路342と連通させると、遊技球収容部346に収容された遊技球が第二振分口338及び第三振分口340の方向へ向かって下がるように傾斜する連絡通路342を通って第二振分口338と第三振分口340との間に送られる。この状態で、回転体348を第一振分口336へ振分けた方向とは反対方向に回転させて遊技球収容部346を第二振分口338と連通させると、遊技球収容部346に収容された遊技球が第二振分口338へと振分けられ、回転体348を第一振分口336へ振分けた方向と同じ方向に回転させて遊技球収容部346を第三振分口340と連通させると、遊技球収容部346に収容された遊技球が第三振分口340に振分けられる。その後、何れかの振分口336,338,340へ振分けられた遊技球は、各振分口336,338,340の下流側に配置されたクルーンからなる第一放出部396、第二放出部402、及び第三放出部408へと送られ、そのクルーン内で渦巻状に回転して放出部396,402,408の略中心から下方へ放出される。なお、回転体348に備えられた障壁部368によって進入口334が遊技球収容部346以外と連通しないようになっている。また、案内通路332の外周に開口している第一振分口336に対しては、案内通路332の対応する位置に形成された案内傾斜面360によって遊技球が第一振分口336へ転動するようになっている。
これにより、一つの回転体348を回転させるだけで三つの振分口336,338,340の何れかに遊技球を振分けることのできる振分装置330とすることができ、この振分装置330をパチンコ機1に用いることで、上述したような、第一受入口410へ向かう流路のうち、第一受入口410へ高い確率で受入れられる流路、第一受入口410へ殆んど受入れられない流路、の他に第一受入口410に所定の確率で受入れられる第三の流路を備えることができ、従来のような二者択一ではなく両流路に対して中間的な意味合いを持たせられる第三の流路等にも振分けられるものであり、遊技球が振分装置330により振分けられた後でも、その結果を判別し難くすることができるので、振分け後の遊技球に対する関心が低下するのを抑制することが可能となり、振分けられた遊技球の動きを充分に楽しませられるものとすることができ、興趣が低下するのを防止することができる。
また、従来の振分装置を用いた場合のように複数の振分装置を用いる必要がなく、遊技球を振分ける振分装置330が大型化するのを抑制してパチンコ機1に占める割合が増加するのを防止することができ、遊技領域37が減少するのを抑制してより広い範囲に遊技球を流下させて遊技球の動きが単調となるのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、振分装置330が大型化するのを抑制することができるので、振分装置330がパチンコ機1に備えられたアタッカ装置270等の他の部材と干渉し難くすることができ、他の部材と干渉することで他の部材を配置することができなくなって変化に乏しいパチンコ機1となるのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、進入口334から回転体348の遊技球収容部346内に進入した遊技球が案内通路332内に留まると共に、案内通路332の幅が遊技球の外形よりも若干大きい幅とされているので、進入口334から遊技球収容部346内へ遊技球が一つのみ進入することとなり、遊技球を一つずつ何れかの振分口336,338,340に振分けることができ、一度の振分で複数の振分口336,338,340に遊技球が振分けられるのを防止して、振分装置330により振分けられた遊技球の動きを一つずつ確実に視認させて、その動きを充分に楽しませて遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、回転体348に進入口334への遊技球の進入を阻止する障壁部368を備えるようにしているので、進入口334と回転体348の遊技球収容部346とが連通していない時には、回転体348の障壁部368によって進入口334を閉鎖することができ、遊技球が進入口334を通って、遊技球収容部346以外の場所に侵入して不具合の原因となったり、遊技球が振分けられずに排出されてしまったりするのを防止することができる。
更に、案内通路332の外周又は軸芯方向下側(案内通路332上)に進入口334や振分口336,338,340を開口配置するようにしているので、案内通路332の内周側に進入口334等を開口させた場合と比較して、内周側のスペースを可及的に小さくすることができる。つまり、案内通路332の内径を可及的に小さくすることができるので、振分装置330をより小型化することができ、パチンコ機1における振分装置330の占めるスペースを可及的に少なくして、遊技球の流通空間を広くしたり、演出用役物や装飾体等の他の部材を配置可能としたりすることができ、より遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、回転体348の軸芯を上下方向に延びるようにしているので、回転体348の回転面が略水平方向となり、振分装置330の上下方向の高さを可及的に少なくすることができ、相対的に振分装置330よりも下流側の高さが高くなり、遊技球の流路を含んだ遊技球流通空間308を広くして、遊技球に種々の動き(転動演出)をさせることが可能となり、より遊技球の動きを楽しませて遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、連絡通路332が第二振分口338及び第三振分口340の方向に向かって低くなるように形成されているので、進入口334から連絡通路332の端部に送られた遊技球が、重力によって自然と第二振分口338及び第三振分口340の方向へ転動し、第二振分口338と第三振分口340との間へ確実に移動させることができ、軸芯を上下方向に延びるように配置しても、遊技球を確実に何れかの振分口336,338,340へ振分けることができる。
更に、案内通路332の外周に開口する第一振分口336に向かって低くなる案内傾斜面360を備えているので、案内通路332が略水平方向に延びるように配置されていても、案内通路332上に形成された案内傾斜面360に遊技球を移動させると、案内傾斜面360に沿って遊技球が第一振分口336へと転動して第一振分口336を通過させることができるので、遊技球を確実に第一振分口336へ振分けることができる。
また、回転体348の回転位置を検知可能な回転位置検知手段としての検出部372と回転位置検出センサ384とを備えているので、回転位置検知手段によって回転体348の回転位置を検知することができ、回転体348の遊技球収容部346を進入口332や振分口336,338,340等と確実に連通するように回転させることができる。
また、一度に多くの遊技球が進入口332の上流側に供給されても、供給された遊技球を所定数まで貯留通路356に貯留させると共に、貯留通路356から溢れた遊技球を排出通路358によって排出するようにしているので、進入口332の上流側で遊技球が不要に滞るのを防止することが可能となり、滞った遊技球によって不具合が発生するのを防止して、不具合によって遊技が中断して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、振分口336,338,340に振分けられた遊技球を、各放出部396,402,408のクルーンによって渦巻状に回転させた後に下方へ放出するようにしており、このクルーンによって遊技球の動きが整流されるので、振分装置330から下流側への遊技球の受渡しを均一化することが可能となり、下流側の流路で遊技球に所望の演出動作を確実に付与させることができ、その演出動作によって遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。また、各クルーンにおいて、渦巻状に回転する遊技球を視認することができるので、クルーン内での遊技球の動きを楽しませることができると共に、クルーン内で回転することによって遊技球が放出されるまでに一瞬遊技球の流れが停止したような状態となり、その一瞬の時間によって下流側で演出動作する遊技球への期待感を高めてより興趣を高められる効果を期待することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。
また、本実施形態では、パチンコ機1のコンセプトとしてゴルフをイメージしたものを示したが、例えば、野球、テニス、バスケットボール、バレーボール、等の球技の他に、格闘技、アドベンチャー映画やゲームのシーン等をイメージしたものでも良く、躍動感に溢れた遊技媒体の動きを見せることで、興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態では、パチンコ機1における遊技盤5の後側に固定された装飾ユニット240の演出空間310内に、各種装飾体312、発光手段314、及び演出ユニット318等によって立体的に構成されたジオラマを配置したものを示したが、演出空間310内に、例えば、遊技状況によって可動する可動演出役物や可動装飾体などを配置しても良く、これにより、他のパチンコ機との差別化を図ることができると共に、可動する演出役物や装飾体の動きを楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、本実施形態では、振分装置330における回転体348の軸芯を上下方向に延びるように配置したものを示したが、例えば、その軸芯を略水平方向に延びるように配置しても良い。
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて主制御基板94で実行される種々の制御処理について説明する。図41は、主制御基板94に搭載される主制御MPU504が実行するメイン処理の一例を示すフローチャートである。図42は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図43は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理は、主制御基板94に搭載される主制御MPU504により所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。
図41に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、主制御基板94に搭載される主制御MPU504は、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、主制御MPU504に内蔵されるRAMに記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAMに記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAMをクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定:割込タイミングの設定等)を行う。なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAMに現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAMに記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAM消去スイッチがオンであれば、RAMをクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理にてRAMにバックアップデータが保存されていない場合には、RAMをクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行したときに周辺制御基板92に主制御基板94が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板94が起動したことを周辺制御基板92に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAMにバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理が終了すると、主制御MPU504は、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、主制御MPU504は、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成する。すなわち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板94に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主制御基板94に搭載される主制御MPU504により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧が(この実施の形態では、24V)復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAMにバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、すなわち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
図42は、電源断発生時処理(ステップS4)の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理は、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。主制御MPU504は、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、RAMのチェックサムを算出し、RAMの所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAMの内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
次いで、主制御MPU504は、RAMの所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、主制御MPU504は、RAMへのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることによって、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例の主制御MPU504には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。この結果、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、図42の無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスで主制御MPU504が起動することになる。
図43は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、この実施の形態では、メイン処理の実行中に主制御基板94に搭載される主制御MPU504により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、主制御MPU504は、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS19の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したセンサ(ゲートセンサ206、第一始動口センサ216、第二始動口センサ218、カウントセンサ278、一般入賞口センサ226等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号にもとづいて払出制御基板133に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを送信する。ステップS13の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS14の遊技処理では、遊技の進行状態に応じてパチンコ機1を制御する処理が実行される。ステップS15の普通図柄遊技では、普通図柄表示器332に関わる制御処理を実行する。ステップS16の普通電動役物遊技では、始動口ソレノイド220により可動片222を可動制御し、可変入賞球装置210を開閉制御する処理を実行する。ステップS17の特別図柄遊技では、遊技処理(ステップS14)の処理の結果にもとづいて特別図柄表示器302を変動表示する制御を実行する。ステップS18の特別電動役物遊技では、アタッカソレノイド276により開閉部材274を可動制御し、大入賞口272に遊技球を受け入れ可能に開閉制御する処理を実行する。ステップS19のコマンド伝送出力処理では、遊技処理(ステップS14)でセットされた演出コマンドを周辺制御基板92に送信する処理を実行する。また、コマンド伝送出力処理(ステップS19)では、パチンコ機1への電力供給が開始されたときに電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドを周辺制御基板92に送信する処理も行われる。ステップS20のI/Oポート出力処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特別図柄保留表示器304に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS11からステップS20の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS21)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS13)および乱数更新処理2(ステップS3)で主制御基板94に搭載される主制御MPU504により更新される各種乱数について図44を参照して説明する。図44に示すように、この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態または小当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定または小当り判定)に用いられる大当り判定乱数、大当り時において特別図柄表示器302に表示される特別図柄の停止図柄を決定する大当り図柄乱数、小当り時において特別図柄表示器302に表示される特別図柄の停止図柄を決定する小当り図柄乱数、大当り遊技状態および小当り遊技状態のいずれも発生させない判定がなされたときにリーチ態様を伴うはずれとするか否かの判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、特別図柄表示器302に表示される特別図柄の変動表示パターンを決定する変動表示パターン乱数、特別図柄の変動時間に加算される加算時間を決定する加算時間決定乱数、可変入賞球装置210における可動片222を可動制御するか否かの判定(普通図柄当り判定)に用いられる普通図柄当り判定乱数、等がある。
なお、特別図柄表示器302に表示される特別図柄の変動表示パターンの決定には、変動表示パターン乱数を用いているが、リーチ判定乱数を兼用してもよい。また、大当り遊技状態または小当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定または小当り判定)には、大当り判定乱数を用いているが、大当り判定乱数とは別の小当り判定乱数を設け、大当り判定乱数を用いて大当り遊技状態を発生させない判定がなされたときに、小当り判定乱数を用いて小当り遊技状態を発生させるか否かの判定(小当り判定)を実行してもよい。さらに、大当り遊技状態やその後の遊技状態(大当り確率、時短状態等)の発生に関わる大当りの当選種(15R当り、2R特定当りA,Bまたは2R非特定当りのいずれか)については、後述するように大当り図柄乱数を用いて決定される特別図柄の停止図柄に基づくが、大当り図柄乱数とは別の乱数を設け、この乱数を用いて大当りの当選種を決定してもよい。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り判定乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、および普通図柄当り判定乱数の更新を行う。すなわち、遊技者に有利な遊技状態(大当り遊技状態や終了後の遊技状態、小当り遊技状態)の発生および可変入賞球装置210における可動片222を可動制御するか否かの判定に用いられる乱数は、所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態を発生させると判定する確率、可変入賞球装置210における可動片222を可動制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者不利な状態となることを防止できる。一方、乱数更新処理2では、遊技者に有利な遊技状態の発生および普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定乱数、変動表示パターン乱数および加算時間決定乱数の更新を行う。なお、主制御基板94で更新される乱数は、上記したものに限られず、乱数更新処理1および乱数更新処理2では、大当り判定乱数、大当り図柄乱数および小当り図柄乱数の各々を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる各々の乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
図45は、遊技処理(ステップS14)の一例を示すフローチャートである。遊技処理において、主制御MPU504は、まず、第一始動口212および第二始動口214に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS30)。具体的には、第一始動口センサ216または第二始動口センサ218から検出信号が出力されたか否かを判別し、第一始動口センサ216または第二始動口センサ218から検出信号が出力された場合には第一始動口212または第二始動口214に遊技球が入賞した(ステップS30にてYES)と判別し、第一始動口センサ216および第二始動口センサ218からの検出信号が出力されていなければ第一始動口212および第二始動口214に遊技球が入賞していない(ステップS30にてNO)と判別する。ステップS30にて第一始動口212および第二始動口214に遊技球が入賞したと判別したときには、各種乱数(大当り判定乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、等)を取得し、RAMに設けられている保留球数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS31)。そして、ステップS31で保留球数カウンタが4未満であれば、始動記憶格納処理を行う(ステップS32)。なお、ステップS30で第一始動口センサ216または第二始動口センサ218がオンしていない場合、およびステップS31で保留球数カウンタの値が4である場合、には、始動記憶格納処理を実行しない。その後、主制御MPU504は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS40〜ステップS47のうちいずれかの処理を行う。
始動記憶格納処理(ステップS32)では、保留球数カウンタに「1」を加算する処理と、保留球数カウンタの加算に伴って特別図柄保留表示器304の表示態様(点灯・点滅表示させる二つのLEDの表示態様)を変更する処理と、取得した乱数値(この実施の形態では、大当り判定乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)をRAMに設けられた始動記憶の保存領域に保留球数カウンタのカウント値に対応させて記憶する処理と、を行う。このように、保留球数カウンタは、始動記憶の保存領域に記憶される乱数値の数を示すカウンタである。また、ステップS31において保留球数カウンタの値が上限値である場合にはステップS30で取得した乱数値を破棄する。なお、ステップS30で第一始動口212または第二始動口214に遊技球が入賞したと判別したときには、ステップS30〜ステップS32の間で各種乱数を取得すればよく、例えば、ステップS30で各種乱数を取得せずに、ステップS31で保留球数カウンタが上限値未満であることを判別した後に、各種乱数を取得してもよいし、始動記憶格納処理(ステップS32)で取得するようにしてもよい。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS40)では、始動記憶数を確認し、始動記憶数が0でなければ、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが、始動記憶の保存領域に記憶された大当り判定乱数から大当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定)を行い、大当り遊技状態を発生させない判定がなされた場合には、さらに小当り遊技状態を発生させるか否かの判定(小当り判定)を行う。また、処理選択フラグが「1」のときに実行される変動停止図柄設定処理(ステップS42)では、変動開始処理(ステップS40)での大当り判定または小当り判定の判定結果に基づいて特別図柄の変動表示における停止図柄を決定する処理を行う。詳しくは後述するが、例えば大当り遊技状態を発生させる判定がなされた場合には、決定された特別図柄の停止図柄に基づいて、大当り遊技状態やその後の遊技状態(大当り確率、時短状態等)の発生に関わる大当りの当選種(15R当り、2R特定当りA,Bまたは2R非特定当りのいずれか)を決定する処理についても行われる。
また、処理選択フラグが「2」のときに実行される変動表示パターン設定処理(ステップS42)では、特別図柄の変動表示に関わる設定を行う。詳しくは後述するが、特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器302にて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットする。また、処理選択フラグが「3」のときに実行される変動中処理(ステップS43)では、変動表示パターン設定処理(ステップS42)にて変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことに基づいて、変動停止図柄設定処理(ステップS42)にて決定された停止図柄で特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。このとき、変動開始処理(ステップS40)にて大当り遊技状態を発生させる判定がなされていれば、処理選択フラグを「4」に更新し、小当り遊技状態を発生させる判定がなされていれば、処理選択フラグを「6」に更新し、大当り遊技状態および小当り遊技状態のいずれも発生させない判定がなされていれば、処理選択フラグを「0」に更新する。
また、処理選択フラグが「4」のときに実行される大当り遊技開始処理(ステップS44)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが、変動停止図柄設定処理(ステップS42)にて決定された大当りの当選種(15R当り、2R特定当りA,Bまたは2R非特定当りのいずれか)に応じて大当り遊技状態の開始表示の実行を指示する大当り開始コマンドを周辺制御基板92に送信するとともに、大当り遊技状態にて繰り返し実行されるラウンド回数(アタッカ装置270の開閉回数)やアタッカ装置270の開放時間等の設定を行う。また、処理選択フラグが「5」のときに実行される大当り遊技中処理(ステップS45)では、大当り遊技開始処理(ステップS44)にて設定されたラウンド回数やアタッカ装置270の開放時間に基づいて、アタッカ装置270を開閉させる処理を行う。そして、大当りの当選種に応じたラウンド回数が実行されたとき、大当り遊技状態の終了表示の実行を指示する大当り終了コマンドを周辺制御基板92に送信するとともに、処理選択フラグを「0」に更新する。
また、処理選択フラグが「6」のときに実行される小当り遊技開始処理(ステップS46)では、小当り遊技状態を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが、小当り遊技状態の開始表示の実行を指示する小当り開始コマンドを周辺制御基板92に送信するとともに、小当り遊技状態にて繰り返し実行されるアタッカ装置270の開閉回数や開放時間等の設定を行う。また、処理選択フラグが「7」のときに実行される小当り遊技中処理(ステップS47)では、小当り遊技開始処理(ステップS44)にて設定されたアタッカ装置270の開閉回数や開放時間に基づいて、アタッカ装置270を開閉させる処理を行う。そして、アタッカ装置270の開閉回数が実行されたとき、小当り遊技状態の終了表示の実行を指示する小当り終了コマンドを周辺制御基板92に送信するとともに、処理選択フラグを「0」に更新する。なお、小当り遊技状態では、小当り遊技開始処理(ステップS44)にて設定されたアタッカ装置270の開閉回数が実行されていなくとも、小当り遊技状態の開始から所定個数(例えば、9個)が入賞したときには、残りの開閉回数を実行させていない。
図46は、変動開始処理(ステップS40)の一例を示すフローチャートである。変動開始処理において、主制御MPU504は、保留球数カウンタの値が0であるか否か判別する(ステップS401)。上述したように、保留球数カウンタの値は、始動記憶の保存領域に格納される乱数値の数を示すものであるため、ステップS401で保留球数カウンタの値が0であれば、始動記憶がないと判別されて処理を終了する。
一方、ステップS401で保留球数カウンタの値が0でなければ、始動記憶移行処理を実行する(ステップS402)。始動記憶移行処理では、保留球数カウンタを1減算する処理と、RAMに設けられた始動記憶の保存領域に記憶される各種乱数をシフトした後、始動記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される各種乱数(大当り判定乱数等)を読み出す処理と、を行う。具体的には、始動記憶の保存領域にて保留球数カウンタのn(n=1、2、3、4)に対応する保存領域に記憶されている各種乱数を始動記憶の保存領域における保留球数カウンタのn−1(n=0、1、2、3)に対応する保存領域に記憶させる。
次いで、ステップS402で保留記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域から読み出した大当り判定乱数を用いて、大当り遊技状態または小当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定または小当り判定)がなされる当り判定処理を行った後(ステップS403)、処理選択フラグを「1」に更新する(ステップS404)。処理選択フラグを「1」に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(ステップS14)が実行されたときに変動停止図柄設定処理(ステップS41)が実行可能となる。
図47は、当り判定処理(ステップS403)の一例を示すフローチャートである。当り判定処理において、主制御MPU504は、大当り遊技中処理(ステップS45)でセットされる高確率フラグがON状態であるか(セットされているか)否かを判別する(ステップS51)。高確率フラグがON状態であれば、高確率時大当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS52)、高確率フラグがON状態でなければ(OFF状態であれば)、低確率時大当り判定テーブル(図示しない)を選択する(ステップS53)。なお、高確率時大当り判定テーブルには、大当りとなる確率である大当り確率が1/31.925となるように、0〜1276までの1277個の大当り判定乱数のうち大当り判定乱数と一致することにより大当り遊技状態を発生させる判定がなされる大当り判定値が40個設定されている。一方、低確率時大当り判定テーブルには、大当り確率が1/319.25となるように、大当り判定値が4個設定されている。
そして、ステップS52,S53で選択された高確率時大当り判定テーブルまたは低確率時大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される大当り判定乱数の値)と、が一致するか否かによって、大当り遊技状態を発生させるか否か判定する(ステップS54)。ステップS52,S53で選択した高確率時大当り判定テーブルまたは低確率時大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値と、が一致することにもとづいて大当り遊技状態を発生させる判定がなされたときには、大当りフラグをON状態とする(ステップS55)。
また、ステップS54で大当り遊技状態を発生させない判定がなされたときには、小当り判定テーブル(図示しない)を選択する(ステップS56)。なお、小当り判定テーブルには、小当りとなる確率である小当り確率が1/182.43となるように、0〜1276までの1277個の大当り判定乱数のうち大当り判定乱数と一致することにより小当り遊技状態を発生させる判定がなされる小当り判定値が7個設定されている。
そして、ステップS56で選択された小当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される大当り判定乱数の値)と、が一致するか否かによって、小当り遊技状態を発生させるか否かを判定する(ステップS57)。そして、小当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値と、が一致することにもとづいて小当り遊技状態を発生させる判定がなされたときには、小当りフラグをON状態(セット)とする(ステップS58)。
なお、この実施の形態では、図48(A)の大当り判定乱数振分テーブルに示すように、大当り判定乱数の値が0〜1276までの1277個だけ用意されている。これに対し、低確率時には、4個の乱数値が大当り判定値と一致し、7個の乱数値が小当り判定値と一致し、1266個の乱数値がはずれとなる判定値(大当り遊技状態および小当り遊技状態のいずれも発生させない判定値)と一致するように設定されている。一方、高確率時には、40個の乱数値が大当り判定値と一致し、7個の乱数値が小当り判定値と一致し、1230個の乱数値がはずれとなる判定値と一致するように設定されている。すなわち、高確率時には、低確率時よりも大当り確率が高くなる一方で、小当り確率が大当り確率(高確率時であるか否か)に影響されることがない。
また、大当りフラグおよび小当りフラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、主制御MPU504のRAMに記憶される。大当りフラグおよび小当りフラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、ON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。具体的には、大当りフラグが大当り遊技状態への移行制御を示すフラグであり、大当りフラグがセットされていれば、大当り遊技開始処理(ステップS44)にて大当り遊技状態を開始する。一方、小当りフラグは、小当り遊技状態への移行制御を示すフラグであり、小当りフラグがセットされていれば、小当り遊技開始処理(ステップS46)にて小当り遊技状態を開始する。そして、大当り遊技中処理(ステップS45)にて大当り遊技状態を終了するとき、または、小当り遊技中処理(ステップS47)にて小当り遊技状態を終了するときには、各々のフラグ(大当りフラグまたは小当りフラグ)をリセットする処理が行われる。
図49は、変動停止図柄設定処理(ステップS42)の一例を示すフローチャートである。変動停止図柄設定処理において、主制御MPU504は、当該大当り判定の結果が大当りであるか否か、すなわち大当りフラグがON状態(セット)であるかを判別し(ステップS431)、大当りフラグがON状態(セット)であれば、大当り時の特別図柄の停止図柄が設定された大当り図柄テーブル(図示しない)を選択する(ステップS432)。なお、特別図柄の停止図柄とは、特別図柄の変動表示停止時における表示態様であり、特別図柄表示器302の4個のLEDにおける点灯/消灯の組み合わせを示すものである。また、大当り図柄テーブルには、大当り図柄乱数が大当り時の特別図柄の変動表示停止時における表示態様(停止図柄)に各々対応するように設定されている。
そして、ステップS432で選択された大当り図柄テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り図柄乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される大当り図柄乱数の値)と、が一致する特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS433)。
なお、この実施の形態では、大当り図柄乱数の値が0〜199までの200個だけ用意されている。これに対し、大当り図柄テーブルには、61%の乱数値が15R特定図柄(15R当りに対応する特別図柄の停止図柄)となる判定値と一致し、7%の乱数値が2R特定図柄A(2R特定当りAに対応する特別図柄の停止図柄)となる判定値と一致し、6%の乱数値が2R特定図柄B(2R特定当りBに対応する特別図柄の停止図柄)となる判定値と一致し、26%の乱数値が2R非特定図柄(2R非特定当りに対応する特別図柄の停止図柄)となる判定値と一致するように設定されている。すなわち、大当りの当選種(15R当り、2R特定当りA,Bまたは2R非特定当りのいずれか)については、大当り図柄乱数が対応付けられた特別図柄の停止図柄に基づいて決定されている。ステップS434では、大当り時の特別図柄の停止図柄に基づいて大当りの当選種を決定し、当該大当りの当選種に応じた大当り種別フラグをON状態(セット)とする。
ここで、15R当り、2R特定当りA,Bまたは2R非特定当りに対応する特別図柄の停止図柄は、各々が特別図柄の変動表示停止時における表示態様(停止図柄)を複数種類有している。また、後述する小当りに対応する特別図柄の停止図柄についても、特別図柄の変動表示停止時における表示態様(停止図柄)を複数種類有している。これにより、特別図柄表示器302の4個のLEDにおける点灯/消灯の組み合わせを遊技者が視認しただけでは、当選種(大当りの当選種または小当り)を特定することが困難となる構成としている。
なお、大当りの当選種に応じた大当り種別フラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、主制御MPU504のRAMに記憶される。大当りの当選種に応じた大当り種別フラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、ON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
また、主制御MPU504は、ステップS433で決定された大当り時の特別図柄の停止図柄に基づいて、大当り遊技状態にて繰り返し実行されるラウンド回数や、大当り遊技状態の実行後における大当り判定にて用いられる大当り確率、大当り遊技状態の実行後に付与される時短作動の種類(継続回数)についても決定する(ステップS435)。図48(B)の大当り時の変動停止図柄関連テーブルには、これらの決定すべき事項の組み合わせが大当り時の特別図柄の停止図柄に各々対応するように設定されている。なお、大当り時の変動停止図柄関連テーブルにおいて、時短作動の種類とは、大当り遊技状態の終了後に時短作動が継続される期間を示している。具体的には、「時短A」とは、大当り遊技状態の終了後に次回の大当り遊技状態が開始されるまで時短状態が継続される一方、「時短B」とは、大当り遊技状態の終了後に特別図柄の変動表示が所定回数(この実施の形態では、100回)行われるまで時短作動が継続されることを示している。
図48(B)の大当り時の変動停止図柄関連テーブルからも明らかなように、特別図柄の停止図柄が「15R特定図柄」である場合には、ラウンド回数が「15ラウンド」、大当り確率が「高確率」、時短未作動時または時短A,B作動時のいずれかに関わらず時短作動の種類が「時短A」を決定する。また、特別図柄の停止図柄が「2R特定図柄A」である場合には、ラウンド回数が「2ラウンド」、大当り確率が「高確率」、時短未作動時であれば時短作動が付与されないが、時短A,B作動時であれば時短作動の種類が「時短A」を決定する。また、特別図柄の停止図柄が「2R特定図柄B」である場合には、ラウンド回数が「2ラウンド」、大当り確率が「高確率」、時短未作動時であれば時短作動が付与されないが、時短A,B作動時であれば時短作動の種類が「時短B」を決定する。さらに、特別図柄の停止図柄が「2R非特定図柄」である場合には、ラウンド回数が「2ラウンド」、大当り確率が「低確率」、時短未作動時であれば時短作動が付与されないが、時短A,B作動時であれば時短作動の種類が「時短B」を決定する。
このように、この実施の形態では、大当り遊技状態にて「15ラウンド」が実行される場合、当該大当り遊技状態の終了後に大当り確率が「高確率」に設定されるとともに、時短未作動時または時短A,B作動時のいずれかに関わらず「時短A」が付与される。一方、大当り遊技状態にて「2ラウンド」が実行される場合には、当該大当り遊技状態の終了後に大当り確率が「高確率」または「低確率」のいずれに設定されるか、また時短A,B作動時であれば「時短A」または「時短B」のいずれが付与されるかも規定されていない。このとき、時短未作動時には、時短作動が付与されることがない。
また、主制御MPU504は、ステップS431で大当りフラグがON状態(セット)でなければ、当該小当り判定の結果が小当りであるか否か、すなわち小当りフラグがON状態(セット)であるかを判別する(ステップS436)。小当りフラグがON状態(セット)であれば、小当り時の特別図柄の停止図柄が設定された小当り図柄テーブル(図示しない)を選択する(ステップS437)。なお、小当り図柄テーブルには、大当り図柄乱数が小当り時の特別図柄の変動表示停止時における表示態様(停止図柄)に各々対応するように設定されている。
そして、ステップS437で選択された小当り図柄テーブルに設定されている判定値と、ステップS402の始動記憶移行処理で読み出した大当り図柄乱数の値(保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される大当り図柄乱数の値)と、が一致する特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS438)。
なお、小当り図柄テーブルには、大当り図柄乱数の全ての乱数値が小当り図柄(小当りに対応する特別図柄の停止図柄)となる判定値と一致するように設定されている。また、図48(C)の小当り時の変動停止図柄関連テーブルには、小当り遊技状態にて繰り返し開閉されるアタッカ装置270の開閉回数が小当り時の特別図柄の停止図柄に各々対応するように設定されているが、特別図柄の停止図柄が「小当り図柄」である場合には、アタッカ装置270の開閉回数が「2回」のみを対応させている。すなわち、ステップS435では、小当り時の特別図柄の停止図柄に基づいて、小当り遊技状態にて繰り返し開閉されるアタッカ装置270の開閉回数が決定されるが、アタッカ装置270の開閉回数が「2回」に規定されており、大当り時の特別図柄の停止図柄のような種別がない。
また、主制御MPU504は、ステップS436で小当りフラグがON状態(セット)でなければ、当該大当り判定および小当り判定の結果がはずれであり、はずれ時の特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS439)。
次いで、主制御MPU504は、小当りを含む当選種(大当りの当選種および小当り)を示す当落フラグに応じた当落コマンドをセットするとともに(ステップS440)、処理選択フラグを「2」に更新する(ステップS441)。処理選択フラグを「2」に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(ステップS14)が実行されたときに変動表示パターン設定処理(ステップS42)が実行可能となる。
なお、当落フラグとは、当落の結果を特定するための大当りフラグ、大当り種別フラグ、小当りフラグの総称であり、ステップS440では、これらの当落フラグに応じた当落コマンドがセットされている。具体的には、大当りフラグがON状態である場合に、15R当りの大当り種別フラグがON状態であれば15R当りコマンド、2R特定当りAの大当り種別フラグがON状態であれば2R特定当りAコマンド、2R特定当りBの大当り種別フラグがON状態であれば2R特定当りBコマンド、2R非特定当りの大当り種別フラグがON状態であれば2R非特定当りコマンド、が各々セットされる。また、小当りフラグがON状態である場合には、小当りコマンド、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもON状態でない場合には、はずれコマンド、が各々セットされる。これらの当落コマンドが周辺制御基板92に送信されると、周辺制御基板92に搭載されるサブ統合MPU520は、当該特別図柄の変動表示の結果がいずれとなるかを認識することができる。
なお、この実施の形態では、後述する変動表示パターンコマンドにも当落の結果を特定する情報が含まれており、周辺制御基板92に搭載されるサブ統合MPU520は、変動表示パターンコマンドと当落コマンドとの示す当落の結果が一致するか否かを判別している。これにより、サブ統合MPU520に当該変動表示の当落の結果を確実に認識させることができ、外部ノイズの影響等が原因でコマンド受信に失敗し、演出表示装置202にて誤った当落の結果を表示するといった誤動作を防止することができる。
図50は、変動表示パターン設定処理(ステップS42)の一例を示すフローチャートである。変動表示パターン設定処理において、主制御MPU504は、当該特別図柄の変動表示の結果が大当り(大当りフラグがON状態)であるか否かを判別し(ステップS411)、大当り(大当りフラグがON状態)であれば、大当り時に用いられる変動表示パターンが設定された大当り時変動表示パターンテーブル(図51参照)を選択する(ステップS412)。ここでは、大当りフラグに加えて大当り種別フラグおよび時短フラグも判別し、大当りの当選種が15R当り、2R特定A当り、2R特定B当り、2R非特定当りのいずれであるか、時短状態が時短未作動時、時短A作動時、時短B作動時のいずれであるかに応じて、ステップS412で選択される大当り時変動表示パターンテーブルを異ならせている。
また、主制御MPU504は、ステップS411で大当り(大当りフラグがON状態)でなければ、当該特別図柄の変動表示の結果が小当り(小当りフラグがON状態)であるか否かを判別し(ステップS413)、小当り(小当りフラグがON状態)であれば、小当り時に用いられる変動表示パターンが設定された小当り時変動表示パターンテーブル(図52参照)を選択する(ステップS414)。ここでは、小当りフラグに加えて時短フラグも判別し、時短状態が時短未作動時、時短A作動時、時短B作動時のいずれであるかに応じて、ステップS414で選択される小当り時変動表示パターンテーブルを異ならせている。
さらに、主制御MPU504は、ステップS411,S413で大当りおよび小当り(大当りフラグおよび小当りフラグがON状態)でなければ、当該特別図柄の変動表示の結果がはずれであると判別し、はずれ時に用いられる変動表示パターンが設定されたはずれ時変動表示パターンテーブル(図52参照)を選択する(ステップS415)。ここでは、小当りフラグに加えて時短フラグも判別し、時短状態が時短未作動時、時短A作動時、時短B作動時のいずれであるか、さらにリーチ判定によりリーチ態様を伴うはずれとするか否かに応じて、ステップS415で選択されるはずれ時変動表示パターンテーブルを異ならせている。
なお、リーチ判定では、主制御MPU504がリーチ判定乱数を取得し、RAMの所定の保存領域に記憶するとともに、リーチ判定テーブル(図示しない)に設定されている判定値と、取得したリーチ判定乱数の値と、が一致するか否かによって、リーチ態様とするか否かを判定している。また、リーチ判定テーブルでは、リーチ確率(リーチ態様とする割合)が1/10程度となるように、すなわち、0〜240までの241個のリーチ判定乱数のうち24個の判定値がリーチ判定テーブルに設定されている。
そして、主制御MPU504は、変動表示パターン乱数を取得し、RAMの所定の保存領域に記憶するとともに、ステップS412,S414,S415で選択された大当り時変動表示パターンテーブル、小当り時変動表示パターンテーブル、はずれ時変動表示パターンテーブルのいずれかに設定されている判定値と、取得した変動表示パターン乱数の値と、が一致する変動表示パターンに決定する(ステップS416)。
次いで、主制御MPU504は、ステップS416で決定された変動表示パターンが変動番号3〜10のいずれかであるか否かを判別する(ステップS417)。変動表示パターンが変動番号3〜10のいずれかであれば、加算時間パターンに応じた加算時間決定テーブル(図53(A),(B)参照)を選択する(ステップS418)。ここでは、加算時間パターンに加えて時短フラグも判別し、時短状態が時短未作動時、時短B作動時のいずれであるかに応じて、ステップS418で選択される加算時間決定テーブルを異ならせている。
そして、主制御MPU504は、加算時間決定乱数を取得し、RAMの所定の保存領域に記憶するとともに、加算時間パターンに応じた加算時間決定テーブルに設定されている判定値と、取得した加算時間決定乱数の値と、が一致する変動表示パターンコマンドのステータスを決定する(ステップS419)。変動表示パターンコマンドのステータスには、変動表示パターンに設定された特別図柄の変動時間に加算される加算時間、および、演出への加算内容が「10H」〜「14H」の各々に関連付けて設定されている。また、ステップS417で判別された変動表示パターンが変動番号3〜10でなければ、変動表示パターンコマンドのステータスを「10H」に決定する(ステップS420)。
次いで、主制御MPU504は、ステップS416で決定された変動表示パターンと、ステップS419,S420で決定された変動表示パターンコマンドのステータスと、を組み合わせることにより、演出コマンドとして変動表示パターンコマンドをセットする(ステップS421)。なお、ステップS421でセットされた変動表示パターンコマンドは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)にて周辺制御基板92に送信される。
この実施の形態では、特別図柄の変動時間に加算時間を加算するか否かに応じて「10H」または「11H」〜「14H」を1バイト目(ステータス)のデータとして選択し、決定された変動表示パターンの2バイト目(モード)のデータと組み合わせた2バイト構成の変動表示パターンコマンドをセットしている。これにより、特別図柄の変動時間に加算時間を加算するか否かに応じて変動表示パターンを複数種類用意する必要がない。すなわち、一つの変動表示パターンに対応する特別図柄の変動時間に所定の加算時間だけ加算された別個の変動表示パターンを設定する必要がなく、主制御MPU504に内蔵されるROMのデータ量を削減することができる。
ここで、変動表示パターンコマンドには、当落判定の結果、装飾図柄の変動時間(演出時間)、リーチ態様の形成の有無、リーチ態様の形態(例えば、シングルまたはダブル等の種別)、再変動表示の有無、および時短状態の有無等、数多くの変動要素が特定可能に構成されている。従来の遊技機では、これらの変動要素を各々組み合わせ、複数の変動要素に関する情報を一つの変動表示パターンに集約するとともに、変動表示パターンと変動表示パターンコマンドのモードとを個々に対応付けさせていた(このとき、変動表示パターンコマンドのステータスは、当該コマンドが変動表示パターンである旨を示すのみである)。この場合には、各々の変動要素が付加されるのに比例して、変動表示パターンの個数(変動表示パターンコマンドのモードの個数)も増加する。
しかしながら、変動表示パターンの個数(変動表示パターンコマンドのモードの個数)は、記憶領域となるROMの容量等を考慮すると、送信コマンドの最小限の情報量である1バイトのデータ(「01」〜「FF」)に抑えて構成されることが好ましい。すなわち、1バイトのデータを用いた場合には、変動表示パターンの個数が256個以内に制限されることになる。この場合、例えば複数種類の演出モードの各々に特有の演出を実行させようとしても、変動表示パターンの制限個数から演出のバリエーションを抑えなければならず、結果として演出内容が単調となり、遊技の興趣が低下する虞があった。また、2バイトのデータを用いた場合には、変動表示パターンの制限個数を増加させることが可能となる一方で、ROMの容量不足や制御負荷の増大を招いてしまう。この実施の形態では、変動表示パターンコマンドのステータスにて特別図柄の変動時間に加算時間を加算するか否か(後述する「連続変動」の演出内容を付加するか否か)を特定可能なデータが含まれることで、演出モードを複数種類有しながらも変動表示パターンの制約を受けることなく、演出のバリエーションを豊富にすることが可能となる。
また、この実施の形態では、決定された変動表示パターンの2バイト目(モード)のデータに対して、特別図柄の変動時間に加算時間を加算するか否かに応じて「10H」または「11H」〜「14H」の1バイト目(ステータス)のデータを組み合わせることによって変動表示パターンコマンドをセットしているが、特別図柄の変動時間に加算時間を加算するか否かに応じて変動表示パターンコマンドの1バイト目を「10H」から「11H」〜「14H」に書き換えるようにしてもよい。この場合には、先ず、決定された変動表示パターンの2バイト目(モード)のデータに対して、「10H」の1バイト目(ステータス)のデータを組み合わせることによって変動表示パターンコマンドをセットし、特別図柄の変動時間に加算時間を加算するときに、変動表示パターンコマンドの1バイト目を「10H」から「11H」〜「14H」に書き換えればよい。
また、この実施の形態では、変動表示パターンコマンドが2バイト構成のデータであり、変動表示パターンコマンドには、特別図柄表示器302にて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示されるまでの特別図柄の変動時間や演出表示装置202にて表示制御されるリーチ演出を特定するためのデータが含まれている。この2バイト構成の変動表示パターンコマンドのうち1バイト目(ステータス)は、変動表示パターンである旨を示すとともに、変動表示パターンに対応する特別図柄の変動時間に加算される加算時間を特定可能なデータである。一方、2バイト目(モード)は、変動表示パターンの変動番号から特別図柄の変動時間やリーチ演出を特定可能なデータである。すなわち、変動表示パターンコマンドが周辺制御基板92に送信されると、周辺制御基板92に搭載されるサブ統合MPU520は、1バイト目のデータに基づいて変動表示パターンである旨を認識可能であるとともに、特別図柄の変動時間に加算される加算時間を特定可能であり、2バイト目のデータに基づいて変動表示パターンの変動番号から特別図柄の変動時間やリーチ演出を特定可能である。このように、変動表示パターンに対応する特別図柄の変動時間および加算時間から演出表示装置202にて表示制御される演出時間を算出することができる。
次いで、主制御MPU504は、ステップS420で変動表示パターンコマンドをセットした後、当該変動表示パターンに対応する特別図柄の変動時間に所定の加算時間だけ加算された時間をRAMに設けられたタイマ(この実施の形態では、有効期間タイマ)にセットする(ステップS422)。そして、処理選択フラグを「3」に更新する(ステップS423)。なお、変動表示パターンコマンドをコマンド伝送出力処理にて周辺制御基板92に送信するときには、特別図柄遊技(ステップS17)にて有効期間タイマをスタートさせるとともに、特別図柄表示器302に駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を開始させる制御を行う。
また、変動表示パターン設定処理では、遊技状態を示す演出コマンドとして、高確率フラグまたは時短フラグがセットされているか否かを判別し、高確率フラグがセットされているときに遊技状態が高確率状態であることを示す遊技状態コマンドや、時短フラグがセットされているときに遊技状態が時短状態であることを示す遊技状態コマンドをセットする処理が実行される。遊技状態コマンドは、変動表示パターンコマンドおよび当落コマンドとともにコマンド伝送出力処理(ステップS19)にて周辺制御基板92に送信される。周辺制御基板92に搭載されるサブ統合MPU520は、遊技状態コマンドによって遊技状態が高確率状態や時短状態である旨を認識することができる。
また、表示装置に複数の表示領域を設け、それぞれの表示領域にて図柄を変動表示する場合には、上述した大当り判定処理にて大当りとする判定がなされたときに、特定の表示結果で停止表示する表示ラインを複数有する場合には、いずれかの表示ラインにて未だ停止していない図柄が所定の図柄で停止することにより当該表示ラインに停止表示される図柄が特定の表示結果となる状態、または、いずれかの表示ラインにて全ての図柄が特定の表示結果となるような組み合わせで同期して変動表示している状態、をリーチ態様という。すなわち、リーチ態様とは、特定の表示結果(大当り表示)の一歩手前を表す態様(大当りとなる直前の態様)である。
この実施の形態では、上述した表示ラインを1つだけ有し、演出表示装置202に表示される左中右装飾図柄のうち左右装飾図柄(任意の2つの装飾図柄の組み合わせでもよい)が同一の図柄で停止し、中装飾図柄(任意の2つの装飾図柄の組み合わせが停止した状態では残りの装飾図柄)については変動表示している状態、または、演出表示装置202に表示される全ての装飾図柄が同一の図柄の組み合わせで同期して変動表示している状態(例えば、左中右装飾図柄が常に同一の図柄となるように同期して変動表示している状態)をリーチ態様といい、リーチ態様となった後、演出表示装置202、発光手段314、振分モータ350、装飾ランプ530、スピーカ18,57等により実行される演出(例えば、演出表示装置202にて所定の画像表示、発光手段314や振分モータ350、装飾ランプ530を所定の態様で点灯・点滅、スピーカ18,57にて所定の音声出力)をリーチ演出という。
図51および図52には、ステップS412,S414,S415で選択される大当り時変動表示パターンテーブル、小当り時変動表示パターンテーブル、はずれ時変動表示パターンテーブルを示す。主制御MPU504のROMには、少なくとも特別図柄の変動時間が設定された変動番号1〜25の25種類の変動表示パターンが記憶されており、各々の変動表示パターンテーブルには、これら25種類の変動表示パターンのうち当落判定の結果や演出モードが対応する所定の変動表示パターンに251個の判定値が振分けられている。
また、変動番号1〜25の変動表示パターンには、特別図柄の変動時間に加えて、当落判定の結果や、特別図柄の変動時間に所定の加算時間を加算するか否かの決定に用いられる加算時間パターン、周辺制御基板92に変動表示パターンコマンドが送信されたときにサブ統合MPU520に変動番号を特定させる変動表示パターンコマンドのモード、周辺制御基板92に変動表示パターンコマンドが送信されたときに特別図柄の変動時間に対応して演出表示装置202にて表示制御されるリーチ演出、等が関連付けられて各々設定されている。なお、特別図柄の変動時間と、周辺制御基板92に変動表示パターンコマンドが送信されたときに演出表示装置202にて表示制御される装飾図柄の変動時間(演出時間)と、は略同一に設定されているが、完全に一致しなくともよい。
なお、各々の変動表示パターンテーブルでは、現在の時短作動の種類が時短未作動時、時短A作動時、時短B作動時のいずれであるかに応じて、選択可能な変動表示パターンを異ならせているが、時短作動の種類と演出モードとは密接に関連するものである。この実施の形態では、演出モードが「通常モード」に滞在している場合に、当落判定の結果が2R当り(2R特定当りA,Bおよび2R非特定当りの総称)または小当りのいずれかとなると、「猿丸チャンス演出」にて遊技球が第一受入口410に受け入れられたか否かに応じて、演出モードが「雷電モード」に移行するか否かを決定している。この場合には、演出モードが「通常モード」から「雷電モード」に移行するか否かに関わらず、時短作動が付与されていない。すなわち、時短未作動時には、演出モードが「通常モード」または「雷電モード」に滞在しており、大当り確率が高確率状態にあるか否か判別することができない。
ここで、各々の変動表示パターンテーブルのうち時短未作動時には、変動番号1〜13の変動表示パターンに判定値が振分けられている。なお、変動番号1の「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動表示パターンであり、変動番号2の「短縮変動」とは、特別図柄の変動時間が変動番号1の「通常変動」よりも短縮された変動表示パターンである。これらの変動表示パターンは、当落判定の結果がはずれ時(変動表示パターンテーブルの当落にて×が付される)に選択可能となる。なお、変動番号1の「通常変動」は、当落判定の結果がリーチを伴わないはずれ時に全選択されるが、リーチ確率(この実施の形態では、1/10程度)が然程高くないことから、当落判定の結果がはずれ時(リーチはずれ時を含む)にもっとも選択割合が高い変動表示パターンといえる。
ただし、変動番号2の「短縮変動」については、時短B作動時に加えて、時短未作動時であっても、第一始動口センサ216または第二始動口センサ218による遊技球の検出に基づいて抽出される大当り判定乱数の記憶数を示す保留球数カウンタの値が上限値(この実施の形態では、4個)に近づく、等の条件が成立したときにも選択可能となる。これにより、保留球数カウンタが上限値となると、それ以上に保留球数がカウントされないことから遊技を一時的に停止してしまう虞があるが、特別図柄の変動時間が短縮された変動表示パターンを選択可能とすることで、保留球数の消化を早めることができる。
また、変動番号3,4の「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴って、未だ停止表示されていない装飾図柄(この実施の形態では、中装飾図柄)が停止表示されるか否かのノーマルリーチ演出が実行される変動表示パターンである。また、変動番号5〜10の「リーチ演出A」〜「リーチ演出C」とは、各々ノーマルリーチ演出後の演出として、未だ停止表示されていない装飾図柄(この実施の形態では、中装飾図柄)をキャラクタにより放たれたゴルフボールの行方に対応させたリーチ演出が実行される変動表示パターンである。これらの変動表示パターンは、当落判定の結果がリーチはずれ時(変動表示パターンテーブルの当落にて×が付される)または15R当り時(変動表示パターンテーブルの当落にて◎が付される)に選択可能となる。
なお、上記した変動番号5〜10の「リーチ演出A」〜「リーチ演出C」における各々のリーチ演出では、当落判定の結果が15R時とリーチはずれ時とで特別図柄の変動時間に対応する演出時間が略同一であるとともに、同一または類似した演出が表示制御される。これにより、演出表示装置202にて表示制御される装飾図柄が停止表示されるまでは、当落判定の結果が認識困難であり、各々のリーチ演出をハラハラ、ドキドキさせる演出とすることができ、遊技の興趣を低下させることがない。
また、上記した変動番号3,4の「ノーマルリーチ」および変動番号5〜10の「リーチ演出A」〜「リーチ演出C」の変動表示パターンには、リーチ演出の種別に応じて大当り期待度(当該リーチ演出が実行される割合(全出現率)のうち大当りとなる割合(大当り時の出現率);大当り期待度=大当り時の出現率/全出現率)が異なるように、各々の変動表示パターンテーブルにて判定値が振分けられている。具体的には、各々の変動表示パターンテーブルにて、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」の順序で大当り期待度が高くなるように、当該リーチ演出に対応する変動表示パターンに判定値が振分けられている。
また、変動番号11の「全回転リーチ」とは、リーチ態様を伴って、未だ停止表示されていない装飾図柄(この実施の形態では、中装飾図柄)が大当り図柄通過時に、全ての装飾図柄を同期変動させるリーチ演出が実行される変動表示パターンである。この変動表示パターンは、当落判定の結果が15R当り時(変動表示パターンテーブルの当落にて◎が付される)に選択可能となる。
また、変動番号12,13の「猿丸チャンス演出/時短未作動時猿丸コメント演出」とは、演出モードが「通常モード」に滞在している場合に「猿丸チャンス演出」が実行される一方、演出モードが「雷電モード」に滞在している場合に「猿丸コメント演出」が実行される変動表示パターンである。これらの変動表示パターンは、当落判定の結果が2R当り時(変動表示パターンテーブルの当落にて●が付される)または小当り時(変動表示パターンテーブルの当落にて△が付される)に選択可能となる。また、これらの変動表示パターンに応じた変動表示パターンコマンドをコマンド伝送出力処理にて周辺制御基板92に送信すると、特別図柄の変動時間(特別図柄の変動時間に対応する演出時間)が同一でありながらも、周辺制御基板92に搭載されるサブ統合MPU520は、現在の演出モードを判別し、「猿丸チャンス演出」または「猿丸コメント演出」のいずれかを実行する。
なお、上記した変動番号12,13の「猿丸チャンス演出/時短未作動時猿丸コメント演出」における各々の演出では、当落判定の結果が2R当り時と小当り時とで特別図柄の変動時間に対応する演出時間が同一であるとともに、現在の演出モードに対応する同一の演出が表示制御される。また、「猿丸チャンス演出」にて遊技球が第一受入口410に受け入れられたか否かに応じて、演出モードが「通常モード」から「雷電モード」に移行するか否かの違いはあるが、「猿丸チャンス演出」または「猿丸コメント演出」のいずれかの実行を契機に、大当り確率が高確率状態に移行または継続するか否かを判別することができない。これにより、小当り時の「猿丸チャンス演出」または「猿丸コメント演出」のいずれかを実行し、大当り確率が低確率状態を継続していても、高確率状態に対する期待感を継続させることができ、遊技の興趣が低下することがない。
次いで、この実施の形態では、演出モードが「バトルモード」に滞在している場合に、当落判定の結果が15R当り、2R特定当りA、小当りのいずれかとなると、演出モードが「バトルモード」で継続されるとともに、時短作動の種類も「時短A」で継続される。また、演出モードが「通常モード」または「雷電モード」のいずれかに滞在している場合に、当落判定の結果が15R当りとなると、演出モードが「バトルモード」に移行するとともに、時短作動の種類が「時短なし」または「時短B」から「時短A」に切替えられえる。すなわち、時短A作動時には、演出モードが「バトルモード」に滞在しており、大当り確率が高確率状態にある旨を判別することができる。
ここで、各々の変動表示パターンテーブルのうち時短A作動時には、変動番号16〜25の変動表示パターンに判定値が振分けられている。なお、これらの変動表示パターンは、時短未作動時および時短B作動時には選択されることがなく、時短A作動時にて演出モードが「バトルモード」専用の変動表示パターンといえる。また、これらの変動表示パターンに応じた変動表示パターンコマンドをコマンド伝送出力処理にて周辺制御基板92に送信すると、演出表示装置202にて変動番号1〜11の変動パターンのように装飾図柄の変動表示を中心として表示制御することがなく、キャラクタ同士のゴルフ対決(バトル)を楽しませる別個の演出を表示制御する。
なお、変動番号16の「時短A時通常変動」とは、キャラクタ同士のゴルフ対決(バトル)が開始されるか否かの演出が実行される変動表示パターンであり、変動番号17の「時短A時短縮変動」とは、特別図柄の変動時間が変動番号16の「時短A時通常変動」よりも短縮された変動表示パターンである。これらの変動表示パターンは、当落判定の結果がはずれ時(変動表示パターンテーブルの当落にて×が付される)に選択可能となる。ただし、変動番号17の「時短A時短縮変動」については、変動番号2の「短縮変動」の時短未作動時と同様に時短A作動時にて、第一始動口センサ216または第二始動口センサ218による遊技球の検出に基づいて抽出される大当り判定乱数の記憶数を示す保留球数カウンタの値が上限値(この実施の形態では、4個)に近づく、等の条件が成立したときにも選択可能となる。
また、変動番号18,19の「擬似短縮変動」とは、変動番号17の「時短A時短縮変動」に類似させて、キャラクタ同士のゴルフ対決(バトル)が開始されるか否かの演出が実行される変動表示パターンである。これらの変動表示パターンは、当落判定の結果が2R特定当りA時(変動表示パターンテーブルの当落にて○が付される)または小当り時(変動表示パターンテーブルの当落にて△が付される)に選択可能となる。
なお、上記した変動番号18,19の「擬似短縮変動」における各々の演出では、変動番号17の「時短A時短縮変動」と特別図柄の変動時間に対応する演出時間が同一であるとともに、類似した演出が表示制御される。すなわち、「時短A時短縮変動」に「擬似短縮変動」の演出を類似させることで、当落判定の結果が2R特定当りA、小当りのいずれかである旨を判別し難くしている。上記したように、時短A作動時には、演出モードが「バトルモード」に滞在しており、当落判定の結果が2R特定当りA、小当りのいずれかとなったとしても、大当り確率が高確率状態で継続されるとともに、時短作動の種類も「時短A」で継続される。また、演出モードも「バトルモード」で継続されることから、遊技状態に加えて演出上でも、何ら変化が生じることがない。これにより、当落判定の結果が2R特定当りA、小当りのいずれかである旨を判別されると、当りであったにも関わらず15R当りが得られなかった損失感が生じる虞があるが、当落判定の結果を判別し難くすることで、当該損失感を抑制することができ、遊技の興趣が低下することがない。
また、変動番号20〜22の「バトルリーチショート」および変動番号23〜25の「バトルリーチロング」とは、キャラクタ同士のゴルフ対決(バトル)における勝負の行方に対応させた演出が実行される変動表示パターンである。ここで、変動番号23〜25の「バトルリーチロング」は、変動番号20〜22の「バトルリーチショート」よりも特別図柄の変動時間に対応する演出時間が長く設定されている。これらの変動表示パターンは、当落判定の結果がはずれ時(変動表示パターンテーブルの当落にて×が付される)、15R当り時(変動表示パターンテーブルの当落にて◎が付される)または2R特定当りAを除いた2R当り時(変動表示パターンテーブルの当落にて●が付される)に選択可能となる。
なお、上記した変動番号20〜22の「バトルリーチショート」および変動番号23〜25の「バトルリーチロング」における各々の演出では、キャラクタ同士のゴルフ対決(バトル)における勝負の行方が、当落判定の結果がはずれ時に引き分けとなり、15R当り時に勝ちとなり、2R特定当りB時または2R非特定当り時に負けとなる。上記したように、時短A作動時には、演出モードが「バトルモード」に滞在しており、当落判定の結果が15R当りまたははずれとなると、演出モードが「バトルモード」で継続されるとともに、時短作動の種類も「時短A」で継続される。一方で、当落判定の結果が2R特定当りBまたは2R非特定当りとなると、演出モードが「雷電モード」に移行するとともに、時短作動の種類が「時短A」から「時短B」に切替えられる。すなわち、当落判定の結果が2R特定当りB時または2R非特定当り時には、演出モードが「雷電モード」に移行するのに伴って、キャラクタ同士のゴルフ対決(バトル)における勝負の行方を負けとしている。
次いで、この実施の形態では、演出モードが「バトルモード」に滞在している場合に、当落判定の結果が2R特定当りBまたは2R非特定当りとなると、演出モードが「雷電モード」に移行するとともに、時短作動の種類が「時短A」から「時短B」に切替えられる。すなわち、時短B作動時には、演出モードが「雷電モード」に滞在しており、大当り確率が高確率状態にあるか否か判別することができない。
ここで、各々の変動表示パターンテーブルのうち時短B作動時には、変動番号2〜11および変動番号14,15の変動表示パターンに判定値が振分けられている。なお、変動番号2〜11の変動表示パターンは、時短未作動時にも選択可能であるが、変動番号14,15の変動表示パターンは、時短未作動時および時短A作動時には選択されることがなく、時短B作動時にて演出モードが「雷電モード」専用の変動表示パターンといえる。
また、変動番号14,15の「時短B時猿丸コメント演出」とは、変動番号12,13の「猿丸チャンス演出/時短未作動時猿丸コメント演出」のうち演出モードが「雷電モード」に滞在している場合と同様に、「猿丸コメント演出」が実行される変動表示パターンである。これらの変動表示パターンは、当落判定の結果が2R当り時(変動表示パターンテーブルの当落にて●が付される)または小当り時(変動表示パターンテーブルの当落にて△が付される)に選択可能となる。
なお、上記した変動番号14,15の「時短B時猿丸コメント演出」における各々の演出では、当落判定の結果が2R当り時と小当り時とで特別図柄の変動時間に対応する演出時間が同一であるとともに、同一の演出が表示制御される。すなわち、変動番号12,13の「猿丸チャンス演出/時短未作動時猿丸コメント演出」に類似して、「猿丸コメント演出」の実行を契機に、大当り確率が高確率状態に継続するか否かを判別することができない。これにより、2R非特定当り時の「猿丸コメント演出」を実行し、大当り確率が低確率状態に移行したとしても、高確率状態に対する期待感を継続させることができ、遊技の興趣が低下することがない。
図53には、ステップS418で選択される時短未作動時加算時間決定テーブルおよび時短B作動時加算時間決定テーブルを示す。図53(A)は、時短未作動時加算時間決定テーブルであり、図53(B)は、時短B作動時加算時間決定テーブルであり、図53(C)は、変動表示パターンコマンドのステータスに対応する加算時間および加算内容テーブルである。
ここで、時短未作動時の加算時間決定テーブル(図53(A)参照)および時短B作動時の加算時間決定テーブル(図53(B)参照)では、変動番号3〜10の変動表示パターンに関連付けられた加算時間パターンに応じて、選択可能な変動表示パターンコマンドのステータスを異ならせている。また、主制御MPU504のROMには、8種類の加算時間パターン(加算時間パターン1〜加算時間パターン8)が記憶されており、加算時間パターンに対応する各々の加算時間決定テーブルには、所定の変動表示パターンコマンドのステータスに103個の判定値が振分けられている。
また、変動表示パターンコマンドのステータスには、特別図柄の変動時間に加算される加算時間、周辺制御基板92に変動表示パターンコマンドが送信されたときに演出表示装置202にて表示制御されるリーチ演出への加算内容、が関連付けられて各々設定されている。なお、変動表示パターンコマンドのステータスが「10H」である場合には、変動表示パターンに設定された特別図柄の変動時間に加算時間が加算されることがなく、リーチ演出への加算内容が追加されることもない。
この実施の形態では、変動表示パターンコマンドのステータスが「11H」である場合に、変動表示パターンに設定された特別図柄の変動時間に「3000」msを加算し、周辺制御基板92に変動表示パターンコマンドが送信されたときに演出表示装置202にてリーチ態様が形成されるよりも前に「すべり変動」を表示制御する。なお、「すべり変動」にかかる演出時間が、特別図柄の変動時間に加算される加算時間に相当している。
ここで、「すべり変動」とは、リーチ態様を形成するか否かを判別するための装飾図柄が一旦はリーチ態様とはならない図柄で停止表示するかのように変動表示する(仮停止表示する)が、再び別の図柄まで移行して停止表示される態様である。例えば、装飾図柄の変動表示にて各々の装飾図柄を順次切替えて変動表示する場合、リーチ態様を形成するか否かを判別するための装飾図柄をリーチ態様とはならない図柄で仮停止表示した後、再び当該装飾図柄を切替えて停止表示する態様であってもよいし、装飾図柄の変動表示にて各々の装飾図柄をスクロールして変動表示する場合、リーチ態様を形成するか否かを判別するための装飾図柄を高速変動から低速変動に移行した後、当該装飾図柄を数コマだけコマ送りさせてリーチ態様とはならない図柄で仮停止表示するが、再び高速変動へと移行し、高速変動から低速変動に移行した後に停止表示する態様であってもよい。
具体的には、ステータスが「11H」の変動表示パターンコマンドが周辺制御基板92に送信されると、リーチ態様を形成するか否かを判別するための装飾図柄(この実施の形態では、左装飾図柄に対する右装飾図柄)が一旦はリーチ態様とはならない図柄で仮停止表示するが、再びリーチ態様を形成する図柄まで移行した後に停止表示する「すべり変動」を表示制御することで、リーチ態様を形成している。
また、この実施の形態では、変動表示パターンコマンドのステータスが「12H」〜「14H」のいずれかである場合に、変動表示パターンに設定された特別図柄の変動時間に「12000」msの所定の倍数を加算し、周辺制御基板92に変動表示パターンコマンドが送信されたときに演出表示装置202にてリーチ演出よりも前に複数回の「連続変動」を表示制御する。なお、複数回の「連続変動」にかかる演出時間が、特別図柄の変動時間に加算される加算時間に相当している。
ここで、「連続変動」とは、変動番号1の「通常変動」に類似して、装飾図柄の変動表示にて全ての装飾図柄をリーチ態様とはならないはずれ図柄で仮停止表示(例えば、上下(または/および左右であってもよい)に小刻みに揺れて完全には停止していない状態:揺れ変動表示)した後、再び装飾図柄の変動表示を開始し、変動表示パターンコマンドのステータスに対応する回数だけ連続して(繰り返して)はずれ図柄で仮停止表示する態様である。
具体的には、例えばステータスが「12H」の変動表示パターンコマンドが周辺制御基板92に送信されると、装飾図柄の変動表示にて全ての装飾図柄をリーチ態様とはならないはずれ図柄で仮停止表示する「連続変動」を1回だけ表示制御した後、再び装飾図柄の変動表示を開始し、当該変動表示パターンコマンドのモードに対応するリーチ演出を表示制御する。また、変動表示パターンコマンドのステータスが「13H」である場合には、当該変動表示パターンコマンドのモードに対応するリーチ演出よりも前に「連続変動」を2回連続して表示制御し、変動表示パターンコマンドのステータスが「14H」である場合には、当該変動表示パターンコマンドのモードに対応するリーチ演出よりも前に「連続変動」を3回連続して表示制御することになる。
15R当り時の加算時間パターン5〜8の加算時間決定テーブルでは、はずれ時の加算時間パターン1〜4の加算時間決定テーブルよりも多くの判定値が、変動表示パターンコマンドの「12H」〜「14H」のステータスに対して振分けられている。すなわち、当落判定の結果が15R当り時には、当落判定の結果がはずれ時よりも高い割合で「連続変動」の変動表示が実行される。このように、変動表示パターンコマンドのステータスに対応する「連続変動」の変動表示が実行開始されると、当該変動表示パターンコマンドのモードに対応するリーチ演出にて当落判定の結果が15R当りとなる割合が高く、大当り遊技状態に対する期待感が高められる。なお、加算時間パターン1〜4は、当落判定の結果がはずれ時に選択可能な変動表示パターン(変動番号3,5,7,9の変動表示パターン)に各々対応しており、はずれ時の加算時間パターンといえる。一方、加算時間パターン5〜8は、当落判定の結果が15R当り時に選択可能な変動表示パターン(変動番号4,6,8,10の変動表示パターン)に各々対応しており、15R当り時の加算時間パターンといえる。
また、15R当り時の加算時間パターン5〜8の加算時間決定テーブルでは、はずれ時の加算時間パターン1〜4の加算時間決定テーブルよりも多くの判定値が、「連続変動」の連続回数が多い旨を示す変動表示パターンコマンドのステータス(例えば、「12H」よりも「14H」のステータス)に対して振り分けられている。すなわち、当落判定の結果が15R当り時には、当落判定の結果がはずれ時よりも高い割合で「連続変動」の連続回数が多く実行される。このように、変動表示パターンコマンドのステータスに対応する「連続変動」の連続回数が多く実行されるほど、当該変動表示パターンコマンドのモードに対応するリーチ演出にて当落判定の結果が15R当りとなる割合が高く、大当り遊技状態に対する期待感が高められる。
また、各々の加算時間決定テーブルでは、大当り期待度が高くなる変動表示パターンに対応する加算時間パターンであるほど多くの判定値が、変動表示パターンコマンドの「12H」〜「14H」のステータスに対して振分けられているとともに、当該変動表示パターンコマンドのステータスにて「連続変動」の連続回数が多くなるように振り分けられている。例えば、各々が「ノーマルリーチ」を実行する変動番号3,4の変動表示パターンに対応させた加算時間パターン1,5の加算時間決定テーブルでは、殆どの判定値が変動表示パターンコマンドの「12H」〜「14H」のステータスに対して振分けられていない。一方、大当り期待度が高くなる変動番号9,10の変動表示パターンに対応させた加算時間パターン4,8の加算時間決定テーブルでは、多くの判定値が変動表示パターンコマンドの「12H」〜「14H」のステータスに対して振分けられているとともに、当該変動表示パターンコマンドのステータスにて「連続変動」の連続回数が3回まで振り分けられている。すなわち、大当り期待度が高いリーチ演出ほど、高い割合で「連続変動」の連続回数が多く実行される。このように、変動表示パターンコマンドのステータスに対応する「連続変動」の連続回数が多く実行されるほど、当該変動表示パターンコマンドのモードに対応するリーチ演出が大当り期待度の高い演出である割合が高く、リーチ演出と相乗的に大当り遊技状態に対する期待感が高められる。
上記したように、「連続変動」では、変動番号1の「通常変動」に類似して、装飾図柄の変動表示にて全ての装飾図柄をリーチ態様とはならないはずれ図柄で仮停止表示している。なお、「連続変動」の1回当りの加算時間は、変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンに対応する特別図柄の変動時間(演出時間)と同一に設定されており、はずれ図柄での停止表示タイミング(仮停止表示タイミング)が同じである。すなわち、変動番号1の「通常変動」との違いは、仮停止表示することなく停止表示するか否かであり、変動番号1の「通常変動」に類似させることで、一見すると変動番号1の「通常変動」との違いを判別することができない。これにより、ステータスが「12H」〜「14H」のいずれかの変動表示パターンコマンドが周辺制御基板92に送信されたときに演出表示装置202にて「連続変動」を表示制御すると、第一始動口センサ216または第二始動口センサ218による遊技球の検出が一回でありながらも、当該変動表示パターンコマンドのモードに対応するリーチ演出に亘って複数回の変動表示が実行されたかのように見せることができる。また、遊技者にとっては、当落判定の機会が増大されたかのようであり、当落判定の結果に対する期待感が擬似的に高められる。
また、変動番号1の「通常変動」では、停止表示される図柄がリーチ態様ともならないことで、装飾図柄の変動表示に対して何ら期待することができない。しかしながら、変動番号1の「通常変動」が「連続変動」に類似することで、一見すると、大当り遊技状態に対する期待感が高められる「連続変動」との違いを判別することができない。このように、変動番号1の「通常変動」と「連続変動」との違いを判別することができないことで、変動番号1の「通常変動」が実行されたとしても、大当り遊技状態に対する期待感が高められる。また、変動番号1の「通常変動」が連続して実行されたとしても、「連続変動」の連続回数が多く実行されたと錯誤させることで、大当り遊技状態に対する期待感がさらに高められる。
また、時短B作動時の加算時間決定テーブルでは、判定値が変動表示パターンコマンドの「11H」のステータスに対して振分けられていない。すなわち、時短B作動時には、「すべり変動」が実行されることがない。これにより、保留球数カウンタが上限値となると、それ以上に保留球数がカウントされないことから遊技を一時的に停止してしまう虞があるが、特別図柄の変動時間に加算時間が加算されながらも大当り遊技状態に対する期待感が高められない「すべり変動」を実行しないことで、保留球数の消化を早めることができる。
また、時短B作動時の加算時間決定テーブルでは、時短未作動時の加算時間決定テーブルよりも多くの判定値が、変動表示パターンコマンドの「12H」〜「14H」のステータスに対して振分けられている。すなわち、時短B作動時には、時短未作動時よりも高い割合で「連続変動」の変動表示が実行される。上記したように、時短作動の種類と演出モードとは密接に関連するものであり、時短B作動時には、演出モードが「雷電モード」に滞在している。このように、演出モードが「雷電モード」に滞在中には、変動表示パターンコマンドのステータスに対応する「連続変動」の変動表示が実行される割合が高く、演出モードと相乗的に大当り遊技状態に対する期待感が高められる。
また、各々の加算時間決定テーブルでは、変動表示パターンコマンドのモードに対応する演出がリーチ演出である一部の場合(変動番号3〜10の変動表示パターン)のみ、変動表示パターンコマンドのステータスに対応する「連続変動」の変動表示を実行する構成としているが、変動番号1の「通常変動」、変動番号2の「短縮変動」、変動番号11の「全回転リーチ」、等の変動表示パターンに対しても加算時間パターンを設け、変動表示パターンコマンドのモードに対応する演出がリーチ演出でなくとも、「連続変動」の変動表示を実行するように構成してもよい。
図54は、変動中処理(ステップS43)の一例を示すフローチャートである。変動中処理において、主制御MPU504は、変動表示パターン設定処理(ステップS42)にてセットされた有効期間タイマがタイムアウトしたか否かを判別し(ステップS491)、有効期間タイマがタイムアウトしていれば、演出コマンドとして変動停止コマンドをセットする(ステップS492)。なお、ステップS492でセットされた変動停止コマンドは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)にて周辺制御基板92に送信される。そして、周辺制御基板92では、変動停止コマンドを受信したことに基づいて装飾図柄の停止を確定表示するための制御を行う。また、変動停止コマンドをコマンド伝送出力処理にて周辺制御基板92に送信するときには、特別図柄遊技(ステップS17)にて特別図柄表示器302に駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を停止させる制御を行う。
次いで、主制御MPU504は、当該特別図柄の変動表示の結果が大当り(大当りフラグがON状態)であるか否かを判別し(ステップS493)、大当り(大当りフラグがON状態)であれば、処理選択フラグを「4」に更新する(ステップS494)。処理選択フラグを「4」に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(ステップS14)が実行されたときに大当り遊技開始処理(ステップS44)が実行可能となる。
また、主制御MPU504は、ステップS493で大当り(大当りフラグがON状態)でなければ、当該特別図柄の変動表示の結果が小当り(小当りフラグがON状態)であるか否かを判別し(ステップS495)、小当り(小当りフラグがON状態)であれば、処理選択フラグを「6」に更新する(ステップS496)。処理選択フラグを「6」に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(ステップS14)が実行されたときに小当り遊技開始処理(ステップS46)が実行可能となる。
さらに、主制御MPU504は、ステップS493,S495で大当りおよび小当り(大当りフラグおよび小当りフラグがON状態)でなければ、当該特別図柄の変動表示の結果がはずれであると判別し、処理選択フラグを「0」に更新する(ステップS497)。処理選択フラグを「0」に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(ステップS14)が実行されたときに変動開始処理(ステップS40)が実行可能となる。
図55は、大当り遊技開始処理(ステップS44)の一例を示すフローチャートである。大当り遊技開始処理において、主制御MPU504は、大当り種別フラグに応じた大当り開始コマンドをセットする(ステップS451)。具体的には、15R当りフラグがセットされていれば、15R当り開始コマンドを大当り開始コマンドとしてセットし、2R当りフラグがセットされていれば、2R当り開始コマンドを大当り開始コマンドとしてセットする。なお、大当り開始コマンドは、大当り遊技状態の開始の演出表示を指定する演出コマンドである。
次いで、主制御MPU504は、大当り種別フラグに応じたラウンド数を開閉回数カウンタにセットする(ステップS452)。具体的には、15R当りフラグがセットされていれば、ラウンド数として「15回」を開閉回数カウンタにセットし、2R当りフラグがセットされていれば、ラウンド数として「2回」を開閉回数カウンタにセットする。
また、主制御MPU504は、大当り種別フラグに応じた開放時間を開放タイマにセットする(ステップS453)。具体的には、15R当りフラグがセットされていれば、開放時間として「30秒」を開放タイマにセットし、2R当りフラグがセットされていれば、開放時間として「0.8秒」を開放タイマにセットする。なお、セットされた開放タイマは、割込処理内で減算される。
また、主制御MPU504は、大当り種別フラグに応じた大当りラウンド開始コマンドをセットする。具体的には、15R当りフラグがセットされていれば、15R当りラウンド開始コマンドを大当りラウンド開始コマンドとしてセットし、2R当りフラグがセットされていれば、2R当りラウンド開始コマンドを大当りラウンド開始コマンドとしてセットする。なお、大当りラウンド開始コマンドは、後述する大入賞口開放フラグとともにセットされるコマンドであり、所定回数のラウンドのうち何ラウンド目であるかの演出表示を指定する演出コマンドである。
そして、主制御MPU504は、大入賞口開放フラグをセットする(ステップS454)。なお、大入賞口開放フラグがセットされると、上述した特別電動役物遊技(ステップS18)にてアタッカソレノイド276を可動制御して開閉部材274を開放状態にすることにより大入賞口272を開放状態に制御する。そのため、大入賞口開放フラグをセットした後、開閉回数カウンタを1減算する(ステップS455)。また、大当り遊技開始処理を終了するときには、処理選択フラグを「5」に更新する。これにより、次回の割込処理にて大当り遊技中処理(ステップS45)が実行可能な状態となる。
図56は、大当り遊技中処理(ステップS45)の一例を示すフローチャートである。大当り遊技中処理において、主制御MPU504は、待機フラグがセットされていれば(ステップS461)、待機時間タイマがタイムアウトしたか否かを判別する(ステップS462)。なお、待機フラグは、大入賞口272を閉塞状態にした後、再び開放状態に制御するまでの待機中であることを示すフラグであり、待機時間タイマとは、大入賞口272を閉塞状態にした後、再び開放状態に制御するまでの待機時間を示すタイマである。すなわち、待機時間タイマがタイムアウトすると、大入賞口272を開放状態にするための処理を行う。
待機時間タイマがタイムアウトしていれば、待機フラグをリセットして(ステップS463)、大当り種別フラグに応じた開放時間を開放タイマにセットする(ステップS464)。そして、大当り種別フラグに応じた大当りラウンド開始コマンドをセットするとともに、大入賞口開放フラグをセットし(ステップS465)、処理を終了する。
また、待機フラグがセットされていなければ、開放タイマがタイムアウトしたか否かを判別する(ステップS466)。開放タイマがタイムアウトしていなければ、大入賞口272に遊技球の入賞検出があったか否か判別し(ステップS467)、遊技球の入賞検出があれば、入賞検出数に応じた大入賞口検出コマンドをセットする(ステップS468)。なお、大入賞口検出コマンドは、スイッチ入力処理(ステップS11)で大入賞口272のカウントセンサ278により遊技球が検出されたと判別したときに、検出した遊技球の個数を遊技者に通知する演出表示を指定する演出コマンドである。
なお、大当り遊技状態では、大入賞口272を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの1回のラウンドにて大入賞口272のカウントセンサ278により所定個数として「9個」の遊技球を検出したときに(ステップS469)、開放タイマにセットされた開放時間が経過していなくても大入賞口272を閉塞状態に制御する。具体的には、スイッチ入力処理(ステップS11)で、大当りフラグがセットされているときに「9個」の遊技球を検出した場合、開放タイマをクリア(「0」)する。また、ステップS466で開放タイマがタイムアウトした場合にも、大入賞口272を閉塞状態に制御するための処理を行う。
この実施の形態では、2R当り遊技状態において、15R当り遊技状態にて開放状態とされる「30秒」に比べて格段に短い「0.8秒」しか大入賞口272が開放状態に制御されないため、当該開放時間内に大入賞口272に所定個数の遊技球が入賞することはほとんどなく、15R当り遊技状態よりも払い出される遊技球の個数が格段に少なくなる。
次いで、主制御MPU504は、大当り種別フラグに応じた大当りラウンド終了コマンドをセットする。具体的には、15R当りフラグがセットされていれば、15R当りラウンド終了コマンドを大当りラウンド終了コマンドとしてセットし、2R当りフラグがセットされていれば、2R当りラウンド終了コマンドを大当りラウンド終了コマンドとしてセットする。なお、大当りラウンド終了コマンドは、後述する大入賞口閉塞フラグとともにセットされるコマンドであり、当該ラウンドを終了した後に次回のラウンドが開始されるまでのインターバル期間における演出表示を指定する演出コマンドである。
そして、主制御MPU504は、大入賞口閉塞フラグをセットする(ステップS470)。なお、大入賞口閉塞フラグがセットされると、上述した特別電動役物遊技(ステップS18)にてアタッカソレノイド276を可動制御して開閉部材274を閉塞状態にすることにより大入賞口272を閉塞状態に制御する。
また、主制御MPU504は、開閉回数カウンタが0であるか否かを判別する(ステップS471)。開閉回数カウンタが0でなければ、開閉回数カウンタを1減算し(ステップS472)、待機時間を待機時間タイマにセットするとともに(ステップS473)、待機フラグをセットして(ステップS474)、処理を終了する。
また、開閉回数カウンタが0であれば、大当り種別フラグに応じた大当り終了コマンドをセットする(ステップS475)。具体的には、15R当りフラグがセットされていれば、15R当り終了コマンドを大当り終了コマンドとしてセットし、2R当りフラグがセットされていれば、2R当り終了コマンドを大当り終了コマンドとしてセットする。なお、大当り終了コマンドは、大当り遊技状態の終了(ラウンド数の終了)の演出表示を指定する演出コマンドである。
次いで、主制御MPU504は、大当り種別フラグに応じた高確率フラグをセットする(ステップS476)。具体的には、15R当りフラグおよび2R特定当りAフラグ、2R特定当りBフラグがセットされていれば、高確率フラグをセットし、2R非特定当りフラグがセットされていれば、高確率フラグをリセットする。ここで、高確率フラグがセットされるか否かは、上述した変動停止図柄設定処理(ステップS42)のステップ435にて大当り時の特別図柄の停止図柄に基づいて既に決定されており、高確率フラグがセットされることで、大当り遊技状態の終了後の大当り確率を「高確率」に制御する。
また、主制御MPU504は、大当り種別フラグに応じた時短フラグをセットする(ステップS477)。具体的には、時短未作動時であるか否かに関わらず、15R当りフラグがセットされていれば、時短Aフラグをセットする。また、時短未作動時に2R当りフラグがセットされていれば、時短フラグをセットすることがないが、時短Aまたは時短B作動時に2R特定当りAフラグがセットされていれば、時短Aフラグをセットし、2R特定当りBフラグまたは2R非特定当りフラグがセットされていれば、時短Bフラグをセットする。ここで、時短フラグがセットされるか否かは、上述した変動停止図柄設定処理(ステップS42)にて大当り時の特別図柄の停止図柄に基づいて既に決定されており、時短Aフラグがセットされることで、大当り遊技状態の終了後に次回の大当り遊技状態が開始されるまで時短作動を継続して制御する。また、時短Bがセットされることで(ステップS478)、所定回数として「100回」を時短回数カウンタにセットし(ステップS479)、大当り遊技状態の終了後に特別図柄の変動表示が所定回数(この実施の形態では、100回)行われるまで時短作動を継続して制御する。なお、セットされた時短回数カウンタは、当り判定処理(ステップS403)内で減算される。
そして、主制御MPU504は、大当りフラグおよび大当り種別フラグをリセットし(ステップS480)、処理選択フラグを「0」に更新して処理を終了する(ステップS481)。処理選択フラグを「0」に更新することにより、次回の割込処理にて変動開始処理(ステップS40)が実行可能な状態となる。
図57は、小当り遊技開始処理(ステップS46)の一例を示すフローチャートである。小当り遊技開始処理において、主制御MPU504は、小当り開始コマンドをセットする(ステップS511)。なお、小当り開始コマンドは、小当り遊技状態の開始の演出表示を指定する演出コマンドである。
次いで、主制御MPU504は、小当りフラグに応じた開閉回数を開閉回数カウンタにセットする(ステップS512)。具体的には、2R当り遊技状態に類似して、開閉回数として「2回」を開閉回数カウンタにセットする。
また、主制御MPU504は、小当りフラグに応じた開放時間を開放タイマにセットする(ステップS513)。具体的には、2R当り遊技状態に類似して、開放時間として「0.8秒」を開放タイマにセットする。なお、セットされた開放タイマは、割込処理内で減算される。
また、主制御MPU504は、小当りフラグに応じた小当り開閉開始コマンドをセットする。なお、小当り開閉開始コマンドは、後述する大入賞口開放フラグとともにセットされるコマンドであり、所定回数の開閉回数のうち何回目であるかの演出表示を指定する演出コマンドである。
そして、主制御MPU504は、大入賞口開放フラグをセットする(ステップS514)。なお、大入賞口開放フラグがセットされると、上述した特別電動役物遊技(ステップS18)にてアタッカソレノイド276を可動制御して開閉部材274を開放状態にすることにより大入賞口272を開放状態に制御する。そのため、大入賞口開放フラグをセットした後、開閉回数カウンタを1減算する(ステップS515)。また、大当り遊技開始処理を終了するときには、処理選択フラグを「7」に更新する。これにより、次回の割込処理にて小当り遊技中処理(ステップS47)が実行可能な状態となる。
図58は、小当り遊技中処理(ステップS47)の一例を示すフローチャートである。小当り遊技中処理において、主制御MPU504は、待機フラグがセットされていれば(ステップS521)、待機時間タイマがタイムアウトしたか否かを判別する(ステップS522)。なお、待機フラグは、大入賞口272を閉塞状態にした後、再び開放状態に制御するまでの待機中であることを示すフラグであり、待機時間タイマとは、大入賞口272を閉塞状態にした後、再び開放状態に制御するまでの待機時間を示すタイマである。すなわち、待機時間タイマがタイムアウトすると、大入賞口272を開放状態にするための処理を行う。
待機時間タイマがタイムアウトしていれば、待機フラグをリセットして(ステップS523)、小当りフラグに応じた開放時間を開放タイマにセットする(ステップS524)。そして、小当りフラグに応じた小当り開閉開始コマンドをセットするとともに、大入賞口開放フラグをセットし(ステップS525)、処理を終了する。
また、待機時間タイマがタイムアウトしていなければ、開放タイマがタイムアウトしたか否かを判別する(ステップS536)。開放タイマがタイムアウトしていなければ、大入賞口272に遊技球の入賞検出があったか否か判別し(ステップS527)、遊技球の入賞検出があれば、入賞検出数に応じた大入賞口検出コマンドをセットする(ステップS528)。なお、大入賞口検出コマンドは、スイッチ入力処理(ステップS11)で大入賞口272のカウントセンサ278により遊技球が検出されたと判別したときに、検出した遊技球の個数を遊技者に通知する演出表示を指定する演出コマンドである。
なお、小当り遊技状態では、大入賞口272を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの開放状態にて大入賞口272のカウントセンサ278により所定個数として「9個」の遊技球を検出したときに(ステップS529)、開放タイマにセットされた開放時間が経過していなくても大入賞口272を閉塞状態に制御する。また、1回目の開放状態にて大入賞口272のカウントセンサ278により所定個数として「9個」の遊技球を検出したときには、開閉回数カウンタにセットされた開閉回数が開閉されていなくても次回の開放状態に制御することがない。具体的には、スイッチ入力処理(ステップS11)で、小当りフラグがセットされているときに「9個」の遊技球を検出した場合、開放タイマをクリア(「0」)するとともに、開閉回数カウンタをクリア(「0」)する(ステップS531)。また、ステップS526で開放タイマがタイムアウトした場合にも、大入賞口272を閉塞状態に制御するための処理を行う。
ここで、小当り遊技状態では、2R当り遊技状態に類似して、15R当り遊技状態にて開放状態とされる「30秒」に比べて格段に短い「0.8秒」しか大入賞口272が開放状態に制御されないため、当該開放時間内に大入賞口272に所定個数の遊技球が入賞することはほとんどなく、15R当り遊技状態よりも払い出される遊技球の個数が格段に少なくなる。
次いで、主制御MPU504は、小当りフラグに応じた小当り開閉終了コマンドをセットする。なお、小当り開閉終了コマンドは、後述する大入賞口閉塞フラグとともにセットされるコマンドであり、当該開放状態を終了した後に次回の開放状態が開始されるまでのインターバル期間における演出表示を指定する演出コマンドである。
そして、主制御MPU504は、大入賞口閉塞フラグをセットする(ステップS531)。なお、大入賞口閉塞フラグがセットされると、上述した特別電動役物遊技(ステップS18)にてアタッカソレノイド276を可動制御して開閉部材274を閉塞状態にすることにより大入賞口272を閉塞状態に制御する。
また、主制御MPU504は、開閉回数カウンタが0であるか否かを判別する(ステップS532)。開閉回数カウンタが0でなければ、開閉回数カウンタを1減算し(ステップS533)、待機時間を待機時間タイマにセットするとともに(ステップS534)、待機フラグをセットして(ステップS535)、処理を終了する。
また、開閉回数カウンタが0であれば、小当りフラグに応じた小当り終了コマンドをセットする(ステップS536)。なお、小当り終了コマンドは、小当り遊技状態の終了(開閉回数の終了)の演出表示を指定する演出コマンドである。
次いで、主制御MPU504は、小当りフラグをリセットし(ステップS537)、処理選択フラグを「0」に更新して処理を終了する(ステップS538)。なお、小当り遊技中処理(ステップS47)では、大当り遊技中処理(ステップS45)でのステップS475〜S479に相当する処理が行われない。すなわち、当落判定の結果が小当り時には、小当り遊技状態の終了後の遊技状態(大当り確率や時短作動の種別)を変更することなく制御する。処理選択フラグを「0」に更新することにより、次回の割込処理にて変動開始処理(ステップS40)が実行可能な状態となる。
この実施の形態では、15R当り遊技状態が実行された場合に、演出表示装置202にて所定の演出表示を指定する演出コマンドを選択し、例えば、15R当り開始コマンドによる15R当り遊技状態の開始の演出表示のように、15R当り遊技状態の開始や実行中を遊技者に明確に通知している。一方、2R当り遊技状態または小当り遊技状態が実行された場合には、演出表示装置202にて所定の演出表示を指定する演出コマンドを選択し、例えば、2R当り開始コマンドによる2R当り遊技状態の開始の演出表示や小当り開始コマンドによる小当り遊技状態の開始の演出表示を行っているが、15R当り遊技状態とは異なり、2R当り遊技状態や小当り遊技状態の開始や実行中を遊技者に明確に通知していない。これは、2R当り遊技状態および小当り遊技状態では、大入賞口272への遊技球の入賞が困難であり、15R当り遊技状態よりも払い出される遊技球の個数が格段に少なくなるが、開始や実行中を遊技者に明確に通知しないことで、当落判定の結果が当りであったにも関わらず多くの遊技球が得られなかった損失感を抑制している。ただし、演出モードが「通常モード」に滞在し、2R当り時または小当り時を契機に実行される「猿丸チャンス演出」では、大入賞口272に入賞する遊技球が第一受入口410に受け入れられたか否かの演出に用いられるため、2R当り遊技状態や小当り遊技状態の開始や実行中を遊技者に明確に通知している。
次に、周辺制御基板92に搭載されるサブ統合MPU520によって実行される処理について説明する。図59はサブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図60は16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。
図59に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、サブ統合MPU520は、初期設定処理を行う(ステップS71)。この初期設定処理は、RAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS71)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS72)。
この実施の形態では、サブ統合MPU520は、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS72で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS73)、16ms定常処理を行う(ステップS74)。
この16ms定常処理では、主制御基板94から受信した演出コマンドにもとづいて演出表示装置202、発光手段314、振分モータ350、装飾ランプ530、スピーカ18,57等を制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS72に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS73〜ステップS74を繰り返し行う。一方、ステップS72で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図60は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、サブ統合MPU520は、ステップS91〜ステップS96の処理を実行する。ステップS91のコマンド解析処理では、主制御基板94から受信した演出コマンドを解析する。ステップS92の演出制御処理では、変動表示パターンコマンドにもとづいて演出表示装置202に関わる制御処理を実行する。
また、ステップS93の音制御処理では、スピーカ18,57に関わる制御処理を実行する。ステップS94のランプ制御処理では、発光手段314、振分モータ350、装飾ランプ530に関わる制御処理を実行する。ステップS95の情報出力処理では、液晶制御基板528に表示コマンドを送信するとともに、ランプ駆動基板532に駆動信号およびランプ点灯信号を送信する。ステップS96の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS92)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、ランプ制御処理(ステップS94)では、変動表示パターンコマンドのステータスが「12H」〜「14H」のいずれかであると、当該変動表示パターンコマンドのモードに対応するリーチ演出までの複数回の変動表示の仮停止表示タイミング(再変動表示が開始されるまでのはずれ図柄の仮停止表示の前後のタイミングであればよい。)に、発光手段314を白色のフラッシュ点灯で発光させる制御を行う。すなわち、「連続変動」におけるはずれ図柄の仮停止終了タイミングでは、発光手段314を白色のフラッシュ点灯で発光させることで、装飾体312を中心とした遊技盤5の全体を白色で発光装飾し、一瞬の発光(フラッシュ点灯)であっても、当該装飾図柄の変動表示でのはずれ図柄が仮停止表示である旨を強烈に印象付けている。これにより、変動番号1の「通常変動」との違いを判別し、「連続変動」の変動表示が実行開始または継続された旨を認識させることで、大当り遊技状態に対する期待感がさらに高められる。
ここで、上述した乱数更新処理(ステップS96)で周辺制御基板92に搭載されるサブ統合MPU520により更新される各種乱数について図61を参照して説明する。図61に示すように、この実施の形態では、左装飾図柄の停止図柄の決定に用いられる左装飾図柄乱数、中装飾図柄の停止図柄の決定に用いられる中装飾図柄乱数、右装飾図柄の停止図柄の決定に用いられる右装飾図柄乱数、連続変動時に順次仮停止表示されるはずれ図柄の仮停止図柄のうち右装飾図柄の組み合わせ(連続変動時右図柄パターン)の決定に用いられる連続変動時右図柄パターン乱数、連続変動時の初回変動において「すべり演出」を実行するか否かの判定(初回変動すべり演出パターンの決定)に用いられる初回変動すべり演出判定乱数、「通常モード」に対応する背景画像として描写される待機位置の背景予告キャラクタを用いた「背景予告」を実行するか否かの判定(背景予告パターンの決定)に用いられる背景予告判定乱数、等がある。なお、各種乱数は、コマンド解析処理(ステップS91)にて主制御基板94から受信した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであるときに取得される。
また、16ms定常処理におけるステップS91〜ステップS96の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(後述するステップS91のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS72で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS96)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図62は、コマンド解析処理(ステップS91)の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、サブ統合MPU520は、まず、主制御基板94から演出コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS601)。この実施の形態では、主制御基板94から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込処理を発生させ、受信したコマンドを、サブ統合MPU520に搭載されるRAMにおける受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド格納領域は、演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられ、コマンド受信割込処理では、演出コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。ステップS601では、受信コマンド格納領域の内容を確認し、受信コマンドが記憶されていれば、受信コマンド格納領域の受信順が先の演出コマンドを読み出す(ステップS602)。
そして、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであるか判別し(ステップS603)、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであれば、変動表示パターン受信フラグをセットするとともに、サブ統合MPU520に搭載されるRAMにおける変動表示パターン格納領域に格納する(ステップS604)。なお、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであるときには、乱数更新処理(ステップS96)で更新される各種乱数(左装飾図柄乱数、中装飾図柄乱数、右装飾図柄乱数、連続変動時右図柄パターン乱数、初回変動すべり演出判定乱数、背景予告判定乱数、等)を取得し、RAMの所定の保存領域に記憶する処理も行う。
一方、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドでなければ、読み出した演出コマンドが当落コマンドであるか判別し(ステップS605)、読み出した演出コマンドが当落コマンドであれば、各々の当落コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS606)。また、読み出した演出コマンドが当落コマンドでなければ、受信した演出コマンド(例えば、遊技状態コマンド、変動停止コマンド、大当り開始コマンド、等)に対応するフラグをセットする(ステップS607)。
なお、各々の当落コマンドに対応するフラグは、後述する装飾図柄変動処理(ステップS701)で装飾図柄の変動表示を停止させるとき、具体的には、変動停止コマンドを受信したときにリセットされる。また、当落コマンドが当選を示すコマンドである場合には、これらのフラグがリセットされる時期はこれに限らず、例えば、後述する当り表示処理(ステップS702)にて大当り遊技状態または小当り遊技状態のいずれかを開始するときにリセットするようにしてもよいし、終了するときにリセットするようにしてもよい。
図63は、演出制御処理(ステップS92)の一例を示すフローチャートである。演出制御処理において、サブ統合MPU520は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS700〜ステップS702のうちいずれかの処理を行う。
処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS700)では、変動表示パターンコマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、変動表示パターンコマンドおよび当落コマンドに応じて装飾図柄の停止図柄、等の設定を行い、処理選択フラグを「1」に更新する。
処理選択フラグが「1」のときに実行される装飾図柄変動処理(ステップS701)では、変動停止コマンドを受信したときに液晶制御基板528に表示コマンドを送信して装飾図柄の変動表示を停止させる制御を行い、主制御基板94から大当り開始コマンドまたは小当り開始コマンドを受信していれば処理選択フラグを「2」に更新し、主制御基板94から大当り開始コマンドおよび小当り開始コマンドを受信していなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
処理選択フラグが「2」のときに実行される当り表示処理(ステップS702)では、主制御基板94から大当り開始コマンドを受信していれば演出表示装置202にて大当り遊技状態の開始表示を行うとともに、主制御基板94から大当り遊技中に送信されるコマンド(大当りラウンド開始コマンド、大当りラウンド終了コマンド、大入賞口検出コマンド)に応じて大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示やカウント表示等)を行い、大当り終了コマンドを受信していれば大当り遊技状態の終了表示を行い、処理選択フラグを「0」に更新する。また、主制御基板94から小当り開始コマンドを受信していれば演出表示装置202にて小当り遊技状態の開始表示を行うとともに、主制御基板94から小当り遊技中に送信されるコマンド(小当り開閉開始コマンド、小当り開閉終了コマンド、大入賞口検出コマンド)に応じて小当り遊技状態中の表示(例えば、大入賞口開閉表示やカウント表示等)を行い、小当り終了コマンドを受信していれば小当り遊技状態の終了表示を行い、処理選択フラグを「0」に更新する。
図64は、装飾図柄変動開始処理(ステップS700)の一例を示すフローチャートである。装飾図柄変動開始処理において、サブ統合MPU520は、まず、変動表示パターン受信フラグがセットされているか判別する(ステップS711)。変動表示パターン受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS91)のステップS604でセットされ、主制御基板94から変動表示パターンコマンドを受信したことを示すフラグである。すなわち、ステップS711で変動表示パターン受信フラグがセットされていなければ、変動表示パターンコマンドを受信していないと判別して処理を終了する。
一方、変動表示パターン受信フラグがセットされていれば、変動表示パターン受信フラグをリセットした後(ステップS712)、装飾図柄パターンテーブル(図65参照)を選択し、受信した変動表示パターンコマンドのモードに対応する装飾図柄パターンを決定する(ステップS713)。なお、装飾図柄パターンには、図65に示すように、当落判定の結果に基づく左右中の図柄決定テーブルの組み合わせ(パターン)が設定されている。ステップS714では、装飾図柄パターンに応じた左右中の図柄決定テーブル(図66参照)を各々選択する。
そして、サブ統合MPU520は、装飾図柄パターンに応じた左右中の図柄決定テーブルに各々設定されている判定値と、コマンド解析処理(ステップS91)で取得した各々図柄が対応する左右中の装飾図柄乱数の値と、が一致する全ての装飾図柄の停止図柄を決定する(ステップS715)。ここでは、装飾図柄の停止図柄を視認するだけで少なくとも当落判定の結果が15R当りであるか否かを判別可能となるように、左右中の装飾図柄の停止図柄の組み合わせが決定される。
具体的には、受信した変動表示パターンコマンドから15R当り時の変動表示パターンが特定された場合に、装飾図柄の停止図柄として、左右中の装飾図柄が同一の図柄の組み合わせとなる大当り図柄を決定する。また、リーチはずれ時の変動表示パターンが特定された場合には、装飾図柄の停止図柄として、左右の装飾図柄が同一の図柄(リーチ態様)となり、且つ、中装飾図柄が左右の装飾図柄とは異なる図柄の組み合わせとなるはずれ図柄を決定する。また、リーチ態様を伴わないはずれ時の変動表示パターンが特定された場合には、装飾図柄の停止図柄として、左右の装飾図柄が同一とはならない図柄の組み合わせとなるはずれ図柄を決定する。
また、2R当り時および小当り時の変動表示パターンが特定された場合には、装飾図柄の停止図柄として、はずれ図柄のうち予め定められた装飾図柄の組み合わせ(この実施の形態では、「123」、「234」等の順繰りに加算された装飾図柄の組み合わせ)となる「チャンス目」を決定する。なお、リーチ態様を伴わないはずれ時の変動表示パターンが特定された場合にも「チャンス目」が決定されることから、装飾図柄の停止図柄を視認しただけでは2R当りであるか否か(および2R当りの当選種)および小当りであるか否かを判別することができない。
また、サブ統合MPU520は、装飾図柄の停止図柄を決定した後、変動表示パターンコマンドのステータスが「12H」〜「14H」のいずれかである場合に「連続変動」にて順次仮停止表示されるはずれ図柄の仮停止図柄を決定する連続変動時仮停止図柄設定処理(ステップS717)を実行する。ステップS717の連続変動時仮停止図柄設定処理では、連続変動時右図柄パターン乱数の値と一致する連続変動時右図柄パターンに基づいて、変動表示パターンコマンドのステータスに対応する仮停止表示の回数分だけはずれ図柄の仮停止図柄を決定している。
また、サブ統合MPU520は、現在の演出モードが「通常モード」である場合に背景画像として描写される背景予告キャラクタを、待機位置から出現位置へと移動する「背景予告」を実行するか否かの判定を行う背景予告判定処理(ステップS718)を実行する。ステップS718の背景予告判定処理では、背景予告判定乱数の値と一致する背景予告パターンに基づいて、「背景予告」を実行するか否かを決定している。
次いで、サブ統合MPU520は、変動表示パターンと、ステップS715で決定された装飾図柄の停止図柄(およびステップS717で決定された「連続変動」にて仮停止表示されるはずれ図柄の仮停止図柄)と、現在の演出モードと、ステップS718で決定された背景予告パターンと、に応じた表示コマンドをセットする(ステップS719)。そして、当落フラグや遊技状態フラグ、「猿丸チャンス演出」を契機に演出モードの移行先を決定する演出モード設定処理(ステップS720)を実行し、処理選択フラグを「1」に更新して処理を終了する(ステップS721)。なお、ステップS719でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS95)にて液晶制御基板528に送信され、液晶制御基板528により当該表示コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置202にて装飾図柄の変動表示の実行を開始する。
なお、演出モード設定処理(ステップS720)では、受信した当落フラグや遊技状態フラグ、「猿丸チャンス演出」を契機に演出モードの移行先を決定する制御を行う。具体的には、演出モードが「通常モード」または「雷電モード」のいずれかに滞在している場合に、当落判定の結果が15R当りを示す当落フラグを受信すると、演出モードが「バトルモード」に移行し、当落判定の結果が15R当り、2R特定当りA、小当りのいずれかを示す当落フラグを受信する限り、演出モードが「バトルモード」で継続される。また、演出モードが「バトルモード」に滞在している場合には、当落判定の結果が2R特定当りBまたは2R非特定当りを示す当落フラグを受信すると、演出モードが「雷電モード」に移行する。
また、演出モードが「通常モード」に滞在している場合には、当落判定の結果が2R当り(2R特定当りA,Bおよび2R非特定当りの総称)または小当りのいずれかを示す当落フラグを受信すると、「猿丸チャンス演出」にて遊技球が第一受入口410に受け入れられたか否かに応じて、演出モードが「雷電モード」に移行するか否かを決定する。また、演出モードが「雷電モード」に滞在している場合には、所定回数(例えば、20回)の経過、または、時短作動の種類が「時短B」から「時短なし」を示す遊技状態フラグへの切替を条件に、演出モードが「通常モード」に移行する。なお、演出モードに対応する表示コマンドが情報出力処理(ステップS95)にて液晶制御基板528に送信されると、液晶制御基板528により当該表示コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置202にて演出モードに対応する背景画像に切替えられる。
図65には、ステップS713で選択される装飾図柄パターンテーブルを示す。また、図66には、ステップS714で選択される装飾図柄パターンに応じた左右中の図柄決定テーブルを示す。図66(A)は、左図柄決定テーブルの一覧表図であり、図66(B)は、右図柄決定テーブルの一覧表図であり、図66(C)は、中図柄決定テーブルの一覧表図である。
ここで、装飾図柄パターンテーブルでは、変動表示パターンコマンドのモード(変動番号1〜25の変動表示パターン)に関連付けられた装飾図柄パターンに応じて、左右中の図柄決定テーブルの組み合わせを異ならせている。また、サブ統合MPU520のROMには、はずれ時の6種類の装飾図柄パターン(装飾図柄パターン1H〜6H)、15R当り時の5種類の装飾図柄パターン(装飾図柄パターン1A〜5A)、および、2R当り時または小当り時の1種類の装飾図柄パターン(装飾図柄パターン1E)が記憶されている。
また、装飾図柄パターンに設定された左図柄決定テーブルには、左装飾図柄を構成する図柄「1」〜図柄「8」の8種類の数字図柄のうち所定の図柄に157個の判定値が振分けられている。また、装飾図柄パターンに設定された右図柄決定テーブルには、左装飾図柄に対して所定数を加算または減算した右装飾図柄に139個の判定値が振分けられている。また、装飾図柄パターンに設定された中図柄決定テーブルには、左装飾図柄に対して所定数を加算または減算した中装飾図柄に163個の判定値が振分けられている。
具体的には、リーチ態様を伴わないはずれ時の変動表示パターンが装飾図柄パターン1Hに対応する場合に、左図柄決定テーブル1Hおよび右図柄決定テーブル1Hとともに、中図柄決定テーブル1Hの組み合わせを選択する。ここで、右図柄決定テーブル1Hでは、左装飾図柄に対して加減算のない右装飾図柄(リーチ図柄)に判定値が振分けられていない。すなわち、当落判定の結果がリーチ態様を伴わないはずれ時には、装飾図柄の停止図柄として、装飾図柄パターン1Hからリーチ態様を伴わないはずれ図柄(左右の装飾図柄が同一とはならない図柄の組み合わせ)が導出される。
また、リーチはずれ時の変動表示パターンが装飾図柄パターン2H〜5Hのいずれかに対応する場合には、左図柄決定テーブル1H〜3Hおよび右図柄決定テーブル2Hとともに、中図柄決定テーブル2H〜4Hの組み合わせを選択する。ここで、右図柄決定テーブル2Hでは、左装飾図柄に対して加減算のない右装飾図柄(リーチ図柄)に全ての判定値が振分けられている一方で、中図柄決定テーブル2H〜4Hでは、左装飾図柄に対して加減算のない右装飾図柄(リーチ図柄)に判定値が振分けられていない。すなわち、当落判定の結果がリーチはずれ時には、装飾図柄の停止図柄として、装飾図柄パターン2H〜5Hからリーチ態様を伴うはずれ図柄(左右の装飾図柄が同一の図柄となるが、中装飾図柄が左右の装飾図柄とは異なる図柄の組み合わせ)が導出される。
ただし、演出モードが「バトルモード」に滞在しており、はずれ時(リーチはずれ時を含む)の変動表示パターンが装飾図柄パターン6Hに対応する場合には、装飾図柄パターン2H〜5Hとは異なり、左図柄決定テーブル2Hおよび右図柄決定テーブル3Hとともに、中図柄決定テーブル4Hの組み合わせを選択する。ここで、右図柄決定テーブル3Hでは、左装飾図柄に対して+2加算された右装飾図柄に全ての判定値が振分けられている一方で、中図柄決定テーブル4Hでは、左装飾図柄に対して+1加算された右装飾図柄に全ての判定値が振分けられている。すなわち、当落判定の結果がはずれ時(リーチはずれ時を含む)であっても、後述する2R当り時または小当り時の装飾図柄の停止図柄と同じく、「チャンス目」(「123」、「234」等の順繰りに加算された装飾図柄の組み合わせ)が導出される。このように、演出モードが「バトルモード」に滞在している場合には、2R当り時または小当り時の装飾図柄の停止図柄と同じくすることで、装飾図柄の停止図柄を視認しただけでは2R当りおよび小当りであるか否かを判別することができず、装飾図柄の変動表示ではなく、キャラクタ同士のゴルフ対決(バトル)を楽しませる別個の演出に注目させることができる。
また、15R当り時の変動表示パターンが装飾図柄パターン1A〜5Aのいずれかに対応する場合には、左図柄決定テーブル1A〜5Aおよび右図柄決定テーブル1Aとともに、中図柄決定テーブル1Aの組み合わせを選択する。ここで、右図柄決定テーブル1Aおよび中図柄決定テーブル1Aでは、左装飾図柄に対して加減算のない右装飾図柄(リーチ図柄)および中装飾図柄に各々全ての判定値が振分けられている。すなわち、当落判定の結果が15R当り時には、装飾図柄の停止図柄として、装飾図柄パターン1A〜4Aから大当り図柄(左右中の装飾図柄が同一の図柄の組み合わせ)が導出される。
また、2R当り時または小当り時の変動表示パターンが装飾図柄パターン1Eに対応する場合には、左図柄決定テーブル1Eおよび右図柄決定テーブル1Eとともに、中図柄決定テーブル1Eの組み合わせを選択する。ここで、右図柄決定テーブル1Eでは、左装飾図柄に対して+2加算された右装飾図柄に全ての判定値が振分けられている一方で、中図柄決定テーブル1Eでは、左装飾図柄に対して+1加算された右装飾図柄に全ての判定値が振分けられている。すなわち、当落判定の結果が2R当り時または小当り時には、装飾図柄の停止図柄として、装飾図柄パターン1Eから「チャンス目」(「123」、「234」等の順繰りに加算された装飾図柄の組み合わせ)が導出される。
リーチ態様を伴わないはずれ時の装飾図柄パターン1Hに設定された左図柄決定テーブル1Hでは、リーチはずれ時の装飾図柄パターン2H〜5Hに設定された左図柄決定テーブル1H〜3Hおよび15R当り時の装飾図柄パターン1A〜4Aに設定された左図柄決定テーブル1A〜4Aの中でももっとも少ない判定値が、図柄「7」に対して振分けられている。すなわち、装飾図柄の停止図柄がリーチ態様を伴う場合には、リーチ態様を伴わない場合よりも高い割合で左装飾図柄が図柄「7」で停止表示される。このように、左装飾図柄が図柄「7」で停止表示されると、左右の装飾図柄がリーチ態様を形成する割合が高く、大当り遊技状態に対する期待感が高められる。なお、装飾図柄パターン1H〜6Hは、当落判定の結果がはずれ時に選択可能な変動表示パターンに各々対応しており、はずれ時の装飾図柄パターンといえる。一方、装飾図柄パターン1A〜5Aは、当落判定の結果が15R当り時に選択可能な変動表示パターンに各々対応しており、15R当り時の装飾図柄パターンといえる。
また、15R当り時の装飾図柄パターン1A〜4Aに設定された左図柄決定テーブル1A〜4Aでは、リーチはずれ時の装飾図柄パターン2H〜5Hに設定された左図柄決定テーブル1H〜3Hよりも多くの判定値が、図柄「7」に対して振分けられている。すなわち、当落判定の結果が15R当り時には、当落判定の結果がリーチはずれ時よりも高い割合で左右の装飾図柄が図柄「7」でリーチ態様を形成する。このように、左右の装飾図柄が図柄「7」でリーチ態様を形成すると、リーチ演出にて当落判定の結果が15R当りとなる割合が高く、大当り遊技状態に対する期待感が高められる。
また、リーチはずれ時の装飾図柄パターン2H〜5Hに設定された左図柄決定テーブル1H〜3Hおよび15R当り時の装飾図柄パターン1A〜4Aに設定された左図柄決定テーブル1A〜4Aでは、大当り期待度が高くなる変動表示パターンに対応する装飾図柄パターンであるほど多くの判定値が、図柄「7」に対して振り分けられている。例えば、各々が「ノーマルリーチ」を実行する変動番号3,4の変動表示パターンに対応させた装飾図柄パターン1H,1Aである場合、当該装飾図柄パターン1H,1Aに設定された左図柄決定テーブル1H,1Aでは、各々3個,17個の判定値が図柄「7」に対して振分けられている。一方、大当り期待度が高くなる変動番号9,10の変動表示パターンに対応させた装飾図柄パターン5H,4Aである場合、当該装飾図柄パターン5H,4Aに設定された左図柄決定テーブル3H,4Aでは、各々17個,45個の判定値が図柄「7」に対して振分けられている。すなわち、大当り期待度が高いリーチ演出ほど、左右の装飾図柄が図柄「7」でリーチ態様を形成する。このように、左右の装飾図柄が図柄「7」でリーチ態様を形成すると、リーチ演出が大当り期待度の高い演出である割合が高く、リーチ演出と相乗的に大当り遊技状態に対する期待感が高められる。
また、15R当り時の装飾図柄パターン2A〜4Aに設定された左図柄決定テーブル2A〜4Aでは、リーチはずれ時の装飾図柄パターン3H〜5Hに設定された左図柄決定テーブル2H〜3Hよりも多くの判定値が、各々特定の図柄に対して振分けられている。すなわち、当落判定の結果が15R当り時には、当落判定の結果がリーチはずれ時よりも高い割合で左右の装飾図柄が特定の図柄でリーチ態様を形成し、当該特定の図柄に対応するリーチ演出が実行される。このように、左右の装飾図柄が特定の図柄でリーチ態様を形成し、当該特定の図柄に対応するリーチ演出が実行されると、リーチ演出にて当落判定の結果が15R当りとなる割合が高く、大当り遊技状態に対する期待感が高められる。また、左右の装飾図柄が特定の図柄でリーチ態様を形成し、当該特定の図柄に対応するリーチ演出が実行されると、大当り期待度の低いリーチ演出(例えば、変動番号5,6の「リーチ演出A」)であっても大当り遊技状態に対する期待感が減退することがなく、遊技の興趣が低下することがない。
具体的には、各々が「リーチ演出A」を実行する変動番号5,6の変動表示パターンに対応させた装飾図柄パターン3H,2Aである場合、15R当り時の左装飾図柄パターン2Aに設定された左図柄決定テーブル2Aでは、リーチはずれ時の装飾図柄パターン3Hに設定された左図柄決定テーブル2Hよりも多くの判定値(21個に対して37個の判定値)が、図柄「4」に対して振分けられている。また、各々が「リーチ演出B」を実行する変動番号7,8の変動表示パターンに対応させた装飾図柄パターン4H,3Aである場合、15R当り時の左装飾図柄パターン3Aに設定された左図柄決定テーブル3Aでは、リーチはずれ時の装飾図柄パターン4Hに設定された左図柄決定テーブル2Hよりも多くの判定値(21個に対して各々27個,26個の判定値)が、図柄「1」および図柄「5」に対して振分けられている。また、各々が「リーチ演出C」を実行する変動番号9,10の変動表示パターンに対応させた装飾図柄パターン5H,24Aである場合、15R当り時の左装飾図柄パターン4Aに設定された左図柄決定テーブル4Aでは、リーチはずれ時の装飾図柄パターン5Hに設定された左図柄決定テーブル3Hよりも一段と多くの判定値(17個に対して45個の判定値)が、図柄「7」に対して振分けられている。
上記したように、装飾図柄の変動表示時には、装飾図柄がリーチ態様を形成するか否かだけでなく、装飾図柄がいずれの図柄で停止表示されるか(例えば、図柄「7」や特定の図柄で停止表示されるか否か)にも注目させることができる。ここで、各々の装飾図柄は、図67に示すように、図柄「1」〜図柄「8」の8種類の数字図柄とともに、各々が対応するキャラクタ等の絵図柄から構成されている。これらのキャラクタは、装飾図柄の一部分に描写されるだけでなく、各々のリーチ演出に特有のキャラクタとしても出現させている。
例えば、変動番号5〜10の変動表示パターンでは、未だ停止表示されていない装飾図柄(この実施の形態では、中装飾図柄)をキャラクタにより放たれたゴルフボールの行方に対応させたリーチ演出を実行しているが、変動番号5,6の「リーチ演出A」では、図柄「4」に対応するキャラクタがゴルフボールを打ち放つ演出が実行され、変動番号7,8の「リーチ演出B」では、図柄「1」および図柄「5」に対応する三兄弟のキャラクタがゴルフボールを打ち放つ演出が実行され、変動番号9,10の「リーチ演出C」では、図柄「7」に対応する主人公のキャラクタがゴルフボールを打ち放つ演出が実行される。なお、図柄「7」に対応するキャラクタは、ロゴ装飾体312aに形成された「プロゴルファー猿」の名前を有する演出全体の主人公である。また、変動番号20〜22の「バトルリーチショート」および変動番号23〜25の「バトルリーチロング」では、図柄「7」に対応する主人公のキャラクタが図柄「2」,「3」,「6」に対応するキャラクタとゴルフ対決(バトル)する演出が実行される。
この実施の形態では、左右の装飾図柄が特定の図柄でリーチ態様を形成し、当該特定の図柄に対応するリーチ演出が実行されると、リーチ演出にて当落判定の結果が15R当りとなる割合が高くなるが、上記したように、当該特定の図柄とリーチ演出とは同一のキャラクタで関連付けられている。このように、装飾図柄の一部分に描写されたキャラクタがリーチ態様や大当り図柄を形成するか否かの判別に用いられるのとは別の役割も果たし、特定の図柄とリーチ演出との関連性を遊技者が認識しやすく構成することで、数字図柄ではなくキャラクタ(絵図柄)を視認するだけでも、特定の図柄に対応するリーチ演出であるか否かを判別することができる。
また、当落判定の結果が15R当り時には、当落判定の結果が2R当り時とは異なり特定当り(大当り遊技状態後に高確率状態に制御する当り)であるか又は非特定当り(大当り遊技状態後に通常状態に制御する当り)であるかの違いがなく、大当り遊技状態終了後には、必然的に高確率状態に制御される。すなわち、当落判定の結果が15R当り時には、演出表示装置202に停止表示される装飾図柄の停止図柄が大当り図柄(同一の図柄の組み合わせ)となるが、装飾図柄が8種類のいずれの図柄で停止表示されても、大当り遊技状態後の遊技状態が高確率状態であることには変わらず、各々の図柄の価値が同一であるといえる。しかしながら、この実施の形態では、各々の図柄の価値が同一でありながらも、装飾図柄が8種類のいずれの図柄で停止表示されるかによってリーチ演出が実行されたときの大当り遊技状態に対する期待感が異なることから、装飾図柄がリーチ態様を形成するか否かだけでなく、装飾図柄の停止図柄に対する興趣も加味させることができる。
また、変動表示パターンテーブルには、変動番号5〜10の「リーチ演出A」〜「リーチ演出C」を実行する変動表示パターンを設けているが、各々のリーチ演出後にさらに演出を継続させたリーチ発展演出を実行する変動表示パターンを設けてもよい。なお、リーチ発展演出を実行する変動表示パターンは、リーチ発展演出に含まれるリーチ演出のみを実行する変動表示パターンよりも大当り期待度が高くなるように設定される。このとき、リーチ発展演出を実行する変動表示パターンでは、リーチ演出のみを実行する変動表示パターンよりも大当り期待度が高いことから、左右の装飾図柄が図柄「7」でリーチ態様を形成する割合が高く、また、左右の装飾図柄が特定の図柄でリーチ態様を形成し、当該特定の図柄に対応するリーチ演出が実行される割合も高くなるように装飾図柄パターンが関連付けられて設定される。このように、左右の装飾図柄が特定の図柄でリーチ態様を形成し、当該特定の図柄に対応するリーチ演出が実行されると、リーチ演出にて当落判定の結果が15R当りとなる割合が高いが、リーチ発展演出に発展する割合も高く、リーチ演出と相乗的に大当り遊技状態に対する期待感が高められる。
図68は、連続変動時仮停止図柄設定処理(ステップS717)の一例を示すフローチャートである。連続変動時仮停止図柄設定処理において、サブ統合MPU520は、まず、受信した変動表示パターンコマンドのステータスが「12H」〜「14H」のいずれかであるか判別する(ステップS811)。変動表示パターンコマンドのステータスが「12H」〜「14H」のいずれかであれば、ステップS812〜S820の処理を実行し、変動表示パターンコマンドのステータスに対応する「連続変動」の回数分だけはずれ図柄の仮停止図柄を決定するとともに、連続変動時の初回変動において「すべり演出」を実行するか否かの判定が行われる。なお、連続変動時の2回目以降の変動においては、「すべり演出」を実行するか否かの判定に関わりなく「すべり演出」を実行する。
ステップS812では、変動表示パターンコマンドのステータスに対応する「連続変動」の連続回数を連続変動実行回数カウンタにセットする。具体的には、変動表示パターンコマンドのステータスが「12H」であれば、「連続変動」の連続回数として「1回」を連続変動実行回数カウンタにセットし、「13H」であれば、「連続変動」の連続回数として「2回」を連続変動実行回数カウンタにセットし、「14H」であれば、「連続変動」の連続回数として「3回」を連続変動実行回数カウンタにセットする。なお、連続変動実行回数カウンタは、サブ統合MPU520に搭載されるRAMに設けられる。
次いで、サブ統合MPU520は、変動表示パターンコマンドのモードに応じた連続変動時右図柄パターンテーブル(図69(B)参照)を選択する(ステップS813)。そして、変動表示パターンコマンドのモードに応じた連続変動時右図柄パターンテーブルに設定されている判定値と、コマンド解析処理(ステップS91)で取得した連続変動時右図柄パターン乱数の値と、が一致する連続変動時右図柄パターンを決定する(ステップS814)。なお、連続変動時右図柄パターンには、図69(A)に示すように、連続変動時に順次仮停止表示されるはずれ図柄の仮停止図柄のうち、左装飾図柄に対する右装飾図柄の組み合わせ(パターン)が設定されている。
次いで、サブ統合MPU520は、装飾図柄変動開始処理のステップS714,S716で決定された大当り図柄またははずれ図柄のうち左装飾図柄の停止図柄に基づいて、「連続変動」にて仮停止表示される左装飾図柄の仮停止図柄を決定する(ステップS815)。具体的には、連続変動実行回数カウンタの値を判別し、当該連続変動実行回数カウンタの値に対応する変動表示(例えば、連続変動実行回数カウンタ=3であれば、停止表示される最終変動から3回前の変動表示)での左装飾図柄の仮停止図柄を、左装飾図柄の停止図柄(数字図柄)から当該連続変動実行回数カウンタの値の分だけ手前の図柄(例えば、連続変動実行回数カウンタ=3であって左装飾図柄が「7」の停止図柄であれば、左装飾図柄が「4」の仮停止図柄)に決定する。すなわち、「連続変動」の各々の変動表示では、最終変動における左装飾図柄の停止図柄(数字図柄)に向けて「1」ずつ図柄が加算されるように左装飾図柄の仮停止図柄が仮停止表示される。
また、サブ統合MPU520は、ステップS814で決定された連続変動時右図柄パターンに基づいて、「連続変動」にて仮停止表示される左装飾図柄に対する右装飾図柄の仮停止図柄を決定する(ステップS816)。具体的には、連続変動実行回数カウンタの値を判別し、当該連続変動実行回数カウンタの値に対応する変動表示(例えば、連続変動実行回数カウンタ=3であれば、停止表示される最終変動から3回前の変動)での右装飾図柄の仮停止図柄を、ステップS814で決定された連続変動時右図柄パターンに基づいて、ステップS816で決定された左装飾図柄の仮停止図柄に対する前後いずれかの図柄(例えば、左装飾図柄が「4」の仮停止図柄であれば、右装飾図柄が「3」または「5」の仮停止図柄)に決定する。すなわち、「連続変動」の各々の変動表示では、左装飾図柄の仮停止図柄と同一の図柄とならず、リーチ態様が形成されないように右装飾図柄の仮停止図柄が仮停止表示される。なお、「連続変動」にて仮停止表示される中装飾図柄の仮停止図柄は、各々の変動表示での右装飾図柄の仮停止図柄と同一の図柄に決定する。
そして、サブ統合MPU520は、連続変動実行回数カウンタを1減算し(ステップS817)、連続変動実行回数カウンタが0であるか否か判別する(ステップS818)。連続変動実行回数カウンタが0であれば、変動表示パターンコマンドのステータスに対応する仮停止表示の回数分だけはずれ図柄の仮停止図柄が決定されており、ステップS819に移行する。また、連続変動実行回数カウンタが0でなければ、変動表示パターンコマンドのステータスに対応する仮停止表示の回数分だけはずれ図柄の仮停止図柄が決定されておらず、連続変動実行回数カウンタが0となるまで、ステップS815〜S818の処理を繰り返し実行する。
図69には、ステップS813で選択される連続変動時右図柄パターンテーブルを示す。図69(A)は、連続変動時右図柄パターンの一覧表図であり、図69(B)は、連続変動時右図柄パターンテーブルである。
ここで、連続変動時右図柄パターンテーブルでは、変動表示パターンコマンドのモード(変動番号3〜10の変動表示パターン)に応じて、選択可能な連続変動時右図柄パターンを異ならせている。また、サブ統合MPU520のROMには、4種類の連続変動時右図柄パターン(連続変動時右図柄パターン0〜連続変動時右図柄パターン3)が記憶されており、変動表示パターンコマンドのモードに対応する各々の連続変動時右図柄パターンテーブルには、所定の連続変動時右図柄パターンに251個の判定値が振分けられている。
また、連続変動時右図柄パターンには、連続変動時に順次仮停止表示されるはずれ図柄の仮停止図柄のうち、左装飾図柄に対する右装飾図柄の組み合わせ(パターン)が設定されている。そして、ステップS816で右装飾図柄の仮停止図柄が決定される場合には、連続変動時右図柄パターンに設定された最終変動から3回前までの右装飾図柄の組み合わせのうち、変動表示パターンコマンドのステータスに対応する「連続変動」の回数分だけが参照される。なお、連続変動時に右装飾図柄が仮停止表示される際には、演出表示装置202にて連続変動時右図柄パターンに設定された右装飾図柄に向けて「すべり演出」を表示制御する。
ここで、「すべり演出」とは、「連続変動」の各々の変動表示にてリーチ態様を形成するか否かを判別するための装飾図柄が一旦はリーチ態様を形成する図柄で停止表示するかのように変動表示するが、リーチ態様とはならない図柄まで移行して仮停止表示する演出である。具体的には、「すべり演出」が実行されると、連続変動時右図柄パターンに基づいて、リーチ態様を形成するか否かを判別するための装飾図柄(この実施の形態では、左装飾図柄に対する右装飾図柄)がリーチ態様を形成する図柄から前後いずれかの図柄まで移行する態様で表示制御することになる。
なお、「すべり演出」では、変動表示パターンコマンドのステータスが「11H」である場合の「すべり変動」に類似して、リーチ態様を形成するか否かを判別するための装飾図柄が一旦は所定の図柄で停止表示するかのように変動表示した後、再び別の図柄まで移行して仮停止表示しているが、所定の図柄がリーチ態様を形成する図柄であるか否かの態様を異ならせている。すなわち、「すべり演出」と「すべり変動」との違いは、一旦は停止表示されるかのように変動表示される図柄の態様から判別可能である。
また、「すべり演出」には、左装飾図柄に対する右装飾図柄として、リーチ態様を形成する図柄から手前の図柄への移行を伴う「図柄すべり戻り」(図69(A)には、「−1図柄」と記載)と、リーチ態様を形成する図柄から次の図柄への移行を伴う「図柄すべり」(図69(A)には、「+1図柄」と記載)と、の種別がある。この実施の形態では、連続変動時右図柄パターンが「0」または「1」である場合に、「連続変動」の各々の変動表示にて「図柄すべり戻り」および「図柄すべり」を交互に繰り返し表示制御する。一方、連続変動時右図柄パターンが「2」または「3」である場合には、「連続変動」の各々の変動表示にて「図柄すべり戻り」または「図柄すべり」のいずれか一方を繰り返し表示制御する。
15R当り時の変動表示パターン(変動番号4,6,8,10の変動表示パターン)に対応する連続変動時右図柄パターンテーブルでは、はずれ時の変動表示パターン(変動番号3,5,7,9の変動表示パターン)に対応する連続変動時右図柄パターンテーブルよりも多くの判定値が、連続変動時右図柄パターン2,3に対して振分けられている。すなわち、当落判定の結果が15R当り時には、当落判定の結果がはずれ時よりも高い割合で、「連続変動」の各々の変動表示にて「図柄すべり戻り」または「図柄すべり」のいずれか一方が繰り返し実行される。このように、連続変動時右図柄パターンに対応する「すべり演出」にて同一の種別が繰り返し実行されると、変動表示パターンに対応するリーチ演出にて当落判定の結果が15R当りとなる割合が高く、大当り遊技状態に対する期待感が高められる。
また、連続変動時右図柄パターンテーブルでは、大当り期待度が高くなる変動表示パターンであるほど多くの判定値が、連続変動時右図柄パターン2,3に対して振分けられている。例えば、各々が「ノーマルリーチ」を実行する変動番号3,4の変動表示パターンに対応させた連続変動時右図柄パターンテーブルでは、判定値が連続変動時右図柄パターン2,3に対して振分けられていない。一方、大当り期待度が高くなる変動番号9,10の変動表示パターンに対応させた連続変動時右図柄パターンテーブルでは、多くの判定値が連続変動時右図柄パターン2,3に対して振分けられている。すなわち、大当り期待度が高いリーチ演出ほど、高い割合で「連続変動」の各々の変動表示にて「図柄すべり戻り」または「図柄すべり」のいずれか一方が繰り返し実行される。このように、連続変動時右図柄パターンに対応する「すべり演出」にて同一の種別が繰り返し実行されると、変動表示パターンに対応するリーチ演出が大当り期待度の高い演出である割合が高く、リーチ演出と相乗的に大当り遊技状態に対する期待感が高められる。
上記したように、「連続変動」の各々の変動表示では、仮停止表示されるはずれ図柄の仮停止図柄に向けて「すべり演出」が実行される。一方、変動番号1の「通常変動」では、停止表示されるはずれ図柄の停止図柄に向けて「すべり演出」が実行されることがない。これにより、「連続変動」が変動番号1の「通常変動」に類似することで、一見すると変動番号1の「通常変動」との違いを判別することができないが、装飾図柄の仮停止表示に対して「すべり演出」が実行されると、当該装飾図柄の変動表示が「連続変動」の一部または全部であり、「連続変動」の実行中である旨を判別することができる。従って、装飾図柄の変動表示では、リーチ態様が形成されるか否かだけでなく、当該装飾図柄の変動表示が「連続変動」の一部または全部であるか否かを判別するべく停止表示(または仮停止表示)に至るまでの態様にも注目させることができる。
また、「連続変動」の各々の変動表示では、装飾図柄の仮停止表示に対して「すべり演出」が実行されることで、リーチ態様を形成するか否かを判別するための装飾図柄がリーチ態様を形成する図柄で停止表示するかのような態様が繰り返し表示制御される。このように、装飾図柄がリーチ態様を形成する図柄で停止表示するかのような態様が繰り返されると、当該装飾図柄の変動表示にてリーチ態様が形成されなくとも、次回以降の装飾図柄の変動表示にてリーチ態様を形成する図柄での停止表示を遊技者に意識させることができる。
また、「連続変動」の各々の変動表示では、最終変動における左装飾図柄の停止図柄(数字図柄)に向けて「1」ずつ図柄が加算されるように左装飾図柄の仮停止図柄が仮停止表示される。このように、装飾図柄の変動表示毎に左装飾図柄の仮停止図柄が順次切替えられると、最終変動までの装飾図柄の変動表示の回数によって左装飾図柄の停止図柄が異なり、いずれの図柄で停止表示されるかを判別できず、リーチ態様を形成する図柄に注目させることができる。
連続変動時仮停止図柄設定処理(ステップS717)では、ステップS818に次いで、初回変動すべり演出判定テーブル(図70(B)参照)を選択する(ステップS819)。そして、初回変動すべり演出判定テーブルに設定されている判定値と、コマンド解析処理(ステップS91)で取得した初回変動すべり演出判定乱数の値と、が一致する初回変動すべり演出パターンを決定する(ステップS820)。なお、初回変動すべり演出パターンには、図70(A)に示すように、連続変動時の初回変動において「すべり演出」を実行するか否かが設定されている。
なお、この実施の形態では、初回変動すべり演出判定乱数の値が0〜210までの211個だけ用意されている。これに対し、初回変動すべり演出判定テーブルには、初回変動すべり演出パターン0(「すべり演出」を実行しないパターン)に対して150個の判定値が振分けられる一方、初回変動すべり演出パターン1(「すべり演出」を実行するパターン)に対して61個の判定値が振分けられている。
具体的には、ステップS820で連続変動時の初回変動において「すべり演出」を実行するか否かが判定され、初回変動すべり演出判定乱数の値が初回変動すべり演出パターン0の判定値と一致したときに「すべり演出」を実行しない判定がなされ、初回変動すべり演出判定乱数の値が初回変動すべり演出パターン1の判定値と一致したときに「すべり演出」を実行する判定がなされる。すなわち、初回変動すべり演出判定テーブルには、連続変動時の初回変動において「すべり演出」を実行する判定確率が61/211となるように設定されている。
上記したように、「連続変動」では、変動番号1の「通常変動」に類似して、装飾図柄の変動表示にてはずれ図柄を仮停止表示しているが、変動番号1の「通常変動」では、停止表示されるはずれ図柄の停止図柄に向けて「すべり演出」が実行されることがない。すなわち、連続変動時の初回変動において「すべり演出」を実行すると、当該装飾図柄の変動表示が「連続変動」の一部または全部であるか否かを判別可能となり、変動番号1の「通常変動」に対して何ら期待することができなくなる。この実施の形態では、連続変動時の初回変動において「すべり演出」を高い割合で実行しないことで、変動番号1の「通常変動」と「連続変動」との判別を困難とし、変動番号1の「通常変動」が実行されたとしても、大当り遊技状態に対する期待感が高められる構成としている。
連続変動時の初回変動において「すべり演出」を実行しない場合には、当該装飾図柄の変動表示でのはずれ図柄が仮停止表示である旨を判別することができない。しかしながら、装飾図柄の変動表示にてはずれ図柄が仮停止表示された後、再び変動表示が開始される切替タイミングでの発光手段314による白色のフラッシュ点灯、次回の変動表示での「すべり演出」の実行、特図保留記憶数の減少(保留球数カウンタの減算に伴う特別図柄保留表示器304や後述する保留表示態様202dの態様変化)、等を判別することで、はずれ図柄が仮停止表示であり、「連続変動」の実行中である旨を認識することができる。従って、装飾図柄の変動表示では、リーチ態様が形成されるか否かだけでなく、当該装飾図柄の変動表示が「連続変動」の一部または全部であるか否かを判別するべく停止表示(または仮停止表示)された後にも、「連続変動」の実行中である旨が通知されるか否かに注目させることができる。
また、連続変動時の初回変動において「すべり演出」を実行する場合には、当該装飾図柄の変動表示でのはずれ図柄が仮停止表示であり、「連続変動」の実行中である旨を認識することができる。従って、初回の変動表示から「連続変動」の一部または全部であるか否かを判別することができ、大当り遊技状態に対する期待感が早い段階から高められる。
図71は、背景予告判定処理(ステップS718)の一例を示すフローチャートである。背景予告判定処理において、サブ統合MPU520は、まず、現在の演出モードが「通常モード」に滞在しているか判別する(ステップS831)。現在の演出モードが「通常モード」に滞在していれば、ステップS832,833の処理を実行し、「通常モード」に対応する背景画像として描写される待機位置の背景予告キャラクタを用いた「背景予告」を実行するか否かの判定が行われる。なお、演出モードが「通常モード」に滞在している場合には、受信した変動表示パターンコマンドのモードが「01H」〜「13H」のいずれかである。
ステップS832では、変動表示パターンコマンドのモードに応じた背景予告判定テーブル(図72(B)参照)を選択する。そして、変動表示パターンコマンドのモードに応じた背景予告判定テーブルに設定されている判定値と、コマンド解析処理(ステップS91)で取得した背景予告判定乱数の値と、が一致する背景予告パターンを決定する(ステップS833)。なお、背景予告パターンには、図72(A)に示すように、「通常モード」に対応する背景画像として描写される待機位置の背景予告キャラクタを用いた「背景予告」を実行するか否かが設定されている。
図72には、ステップS832で選択される背景予告判定テーブルを示す。図72(A)は、背景予告パターンの一覧表図であり、図72(B)は、背景予告判定テーブルである。
ここで、背景予告判定テーブルには、「通常モード」に対応する背景画像として描写される待機位置の背景予告キャラクタを用いた「背景予告」を実行しないパターン(背景予告パターン0)と、「背景予告」を実行するパターン(背景予告パターン1)と、が用意されている。これらの背景予告パターンは、サブ統合MPU520のROMに記憶されている。また、変動表示パターンコマンドのモード(変動番号1〜13の変動表示パターン)に対応する各々の背景予告判定テーブルには、所定の背景予告パターンに201個の判定値が振分けられている。
具体的には、ステップS833で「通常モード」に対応する背景画像として描写される待機位置の背景予告キャラクタを用いた「背景予告」を実行するか否かが判定され、背景予告判定乱数の値が背景予告パターン0の判定値と一致したときに「背景予告」を実行しない判定がなされ、背景予告判定乱数の値が背景予告パターン1の判定値と一致したときに「背景予告」を実行する判定がなされる。例えば、変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンに対応させた背景予告判定テーブルには、「背景予告」を実行する判定確率が50/201となるように設定されている。
ここで、「背景予告」とは、「通常モード」に対応する背景画像として描写される待機位置の背景予告キャラクタを、通常変動時間(左右装飾図柄がリーチ態様を形成するか否かまでの時間)にて待機位置から出現位置へと移動する演出である。具体的には、「背景予告」が実行されると、通常変動時間の開始に合わせて背景予告キャラクタが待機位置から出現位置へと移動し、通常変動時間の終了に合わせて背景予告キャラクタが出現位置から待機位置へと戻る態様で表示制御することになる。一方、「背景予告」が実行されなければ、通常変動時間にて背景予告キャラクタが待機位置に固定された態様で表示制御することになる。
なお、背景予告キャラクタは、「通常モード」に対応する背景画像が描写される限り、演出表示装置202の画面上に常に描写されるキャラクタである。すなわち、演出モードが「通常モード」に滞在している場合には、変動表示パターンに対応するリーチ演出の演出時間を除いて、通常変動時間(左右装飾図柄がリーチ態様を形成するか否かまでの時間)、次回の変動表示が開始されるまでの待機時間、等に背景予告キャラクタが描写される。
15R当り時の変動表示パターン(変動番号4,6,8,10の変動表示パターン)に対応する背景予告判定テーブルでは、はずれ時の変動表示パターン(変動番号3,5,7,9の変動表示パターン)に対応する背景予告判定テーブルよりも多くの判定値が、背景予告パターン1に対して振分けられている。すなわち、当落判定の結果が15R当り時には、当落判定の結果がはずれ時よりも高い割合で「背景予告」が実行される。このように、通常変動時間(左右装飾図柄がリーチ態様を形成するか否かまでの時間)にて「背景予告」が実行されると、変動表示パターンに対応するリーチ演出にて当落判定の結果が15R当りとなる割合が高く、大当り遊技状態に対する期待感が高められる。
また、背景予告判定テーブルでは、大当り期待度が高くなる変動表示パターンであるほど多くの判定値が、背景予告パターン1に対して振分けられている。例えば、「ノーマルリーチ」を実行する変動番号3の変動表示パターンに対応させた背景予告判定テーブルでは、半数以上の判定値が背景予告パターン0に対して振分けられている。一方、大当り期待度が高くなる変動番号9の変動表示パターンに対応させた背景予告判定テーブルでは、当落判定の結果がはずれ時にも関わらず、当落判定の結果が15R当り時と遜色のないほど多くの判定値が背景予告パターン1に対して振分けられている。すなわち、大当り期待度が高いリーチ演出ほど、高い割合で「背景予告」が実行される。このように、通常変動時間(左右装飾図柄がリーチ態様を形成するか否かまでの時間)にて「背景予告」が実行されると、変動表示パターンに対応するリーチ演出が大当り期待度の高い演出である割合が高く、リーチ演出と相乗的に大当り遊技状態に対する期待感が高められる。
また、変動番号11〜13の変動表示パターンに対応させた背景予告判定テーブルでは、判定値が背景予告パターン1に対して振分けられていない。すなわち、「全回転リーチ」や「猿丸チャンス演出」を実行する変動パターンに対しては、「背景予告」が実行されることがない。これは、「全回転リーチ」では、通常変動時間(左右装飾図柄がリーチ態様を形成するか否かまでの時間)を有しておらず背景予告キャラクタを出現位置まで移動することができない、「猿丸チャンス演出」では、「通常モード」に対応する背景画像が描写されていない、等の理由による。
次に、演出表示装置202にて表示制御される「連続変動」の演出例について図73および図74を参照して説明する。図73および図74は、変動番号4の「ノーマルリーチ」の変動表示パターンに対して「連続変動」の変動表示を1回のみ実行する演出例を示す説明図である。
周辺制御基板92に搭載されるサブ統合MPU520は、受信した変動表示パターンコマンドのステータスが「12H」(特別図柄の変動時間に「12000」msを加算し、「連続変動」を1回のみ実行するステータス)であり、モードが「04H」(変動番号4の「ノーマルリーチ」の変動表示パターンに対応するモード)を受信すると、装飾図柄変動開始処理のステップS719で当該変動表示パターンコマンドと、装飾図柄の停止図柄および「連続変動」時の装飾図柄の仮停止図柄と、演出モード(ここでは、「通常モード」)と、に応じた表示コマンドをセットし、これらの表示コマンドを情報出力処理(ステップS95)で液晶制御基板528に送信する。そして、液晶制御基板528は、受信した表示コマンドにもとづいてROMからプロセスデータを読み出し、当該プロセスデータにもとづいてタイマ(表示画像の切替タイミング等を示す)を設定するとともに、演出表示装置202に駆動信号を出力して装飾図柄202a〜202cの変動表示を開始する。
なお、装飾図柄202a〜202cは、「1」〜「8」の8種類の数字図柄とともに、各々が対応するキャラクタ等の絵図柄から構成され、液晶制御基板528のROMに記憶されている。これらの装飾図柄202a〜202cは、各々が演出表示装置202の上方から下方に向けての縦ラインにて順繰りに加算された数字図柄の順序(具体的には、「1」、「2」、…、「8」の順序)で繰り返し表示制御される。
前回の変動表示にて装飾図柄202a〜202cを停止表示(確定表示)したときには、演出表示装置202にて保留球数カウンタに対応する保留表示態様202dが2個を表示制御しているが(図73(A))、装飾図柄202a〜202cの変動表示を開始すると、保留球数カウンタを減算し、保留表示態様202dを1個に変更して表示制御する(図73(B))。また、変動表示の開始時には、装飾図柄202a〜202cが不透明の表示態様であるが、プロセスデータにもとづいて装飾図柄202a〜202cが高速変動に移行する過程で、背景画像を見通せるように限りなく透明に近い半透明の表示態様に変更される。これらの装飾図柄202a〜202cは、プロセスデータにもとづいて各々が停止表示(仮停止表示)される前の低速変動に移行する過程で、再び遊技者が認識しやすい不透明の表示態様に変更される。
次いで、所定時間経過後に装飾図柄202a〜202cの変動表示が停止動作を開始すると、まず、左装飾図柄202aを所定の仮停止図柄(同図中では、「1」を例示)で仮停止表示する(図73(C))。また、左装飾図柄202aの停止動作の期間にて右装飾図柄202cの停止動作も開始し、変動番号1の「通常変動」に類似して、右装飾図柄202cを左装飾図柄202aとは異なる仮停止図柄(同図中では、「8」を例示)で仮停止表示する(図73(E))。なお、仮停止表示される右装飾図柄202cは、リーチ態様を形成する図柄の前後いずれかの図柄(例えば、左装飾図柄202aの仮停止図柄が「1」であれば、「8」または「2」のいずれかの仮停止図柄)で仮停止表示される。
この演出例では、右装飾図柄202cの停止動作の期間にて「すべり演出」を実行し、右装飾図柄202cを左装飾図柄202aと同一の仮停止図柄(同図中では、「1」を例示)で仮停止表示するかのような低速変動で表示制御する(図73(D))。そして、連続変動時右図柄パターン0,2に基づいて、右装飾図柄202cの変動表示の進行方向に逆行し、演出表示装置202の上方に向けて1図柄だけ戻す「図柄すべり戻り」を実行している。
なお、連続変動時右図柄パターン1,3に基づく「図柄すべり」を実行した場合には、左装飾図柄202aと同一の仮停止図柄(同図中では、「1」を例示)から右装飾図柄202cの変動表示の進行方向に1図柄だけ移行する。すなわち、「すべり演出」では、右装飾図柄202cの変動表示の進行方向に関わらず、「図柄すべり」または「図柄すべり戻り」によって左装飾図柄202aと同一の仮停止図柄から右装飾図柄202cがいずれの方向にも移行される可能性がある。このように、高速変動から低速変動に移行したとしても、右装飾図柄202cがいずれの図柄で仮停止表示されるかを予測することができず、右装飾図柄202cの変動表示に最後まで注目させることができる。なお、「図柄すべり」および「図柄すべり戻り」では、各々が左装飾図柄202aと同一の仮停止図柄から1図柄だけの移行に限られず、数図柄に亘って移行してもよい。
また、連続変動時の初回変動において「すべり演出」を実行しない判定がなされていれば、右装飾図柄202cを左装飾図柄202aと同一の仮停止図柄(同図中では、「1」を例示)で仮停止表示するかのように表示制御することなく、リーチ態様を形成する図柄の前後いずれかの図柄(例えば、左装飾図柄202aの仮停止図柄が「1」であれば、「8」または「2」のいずれかの仮停止図柄)で仮停止表示する。
さらに、中装飾図柄202bの停止動作も開始し、中装飾図柄202bを右装飾図柄202cと同一の仮停止図柄(同図中では、「8」を例示)で仮停止表示する(図73(F))。仮停止表示された装飾図柄202a〜202cの組み合わせが同一図柄の組み合わせとならないことで、変動番号1の「通常変動」に基づくはずれ図柄が停止表示されたかのように遊技者に認識される。この時点では、連続変動時の初回変動において「すべり演出」を実行しなければ、変動番号1の「通常変動」と「連続変動」との違いを判別することができず、変動番号1の「通常変動」が実行されたとしても、大当り遊技状態に対する期待感が高められる。
次いで、「連続変動」におけるはずれ図柄の仮停止表示タイミング(装飾図柄202a〜202cの仮停止表示から再び変動表示が開始される切替時)には、サブ統合MPU520からランプ駆動基板532にON/OFFデータを出力し、発光手段314を白色のフラッシュ点灯で発光させる制御を行う。すなわち、図74(G)に示すように、装飾体312を中心とした遊技盤5の全体を白色で発光装飾し、一瞬の発光(フラッシュ点灯)であっても、当該装飾図柄202a〜202cの変動表示でのはずれ図柄が「連続変動」での仮停止表示であった旨を強烈に印象付けている。また、遊技盤5の周囲に位置するサイド装飾体54も、発光手段314によるフラッシュ点灯に合わせて、効果的に発光装飾される。これにより、変動番号1の「通常変動」との違いを判別し、「連続変動」の変動表示が実行開始された旨を遊技者が認識することができる。
そして、再び装飾図柄202a〜202cの変動表示を開始するが、保留球数カウンタを減算することがなく、保留表示態様202dの表示態様も1個から変更されることがない(図74(H))。変動番号1の「通常変動」であれば、保留球数カウンタを減算し、保留表示態様202dを0個に変更することから、これによっても変動番号1の「通常変動」との違いを判別し、「連続変動」の変動表示が実行開始された旨を遊技者が認識することができる。
次いで、所定時間経過後に装飾図柄202a〜202cの変動表示が停止動作を開始すると、まず、左装飾図柄202aを所定の停止図柄(同図中では、「2」を例示)で仮停止表示する(図74(I))。また、左装飾図柄202aの停止動作の期間にて右装飾図柄202cの停止動作も開始し、右装飾図柄202cを左装飾図柄202aと同一の停止図柄(同図中では、「2」を例示)で停止表示する(図74(J))。停止表示された左右装飾図柄202a,202cが同一図柄となることで、リーチ態様が形成される。
さらに、中装飾図柄202bの停止動作も開始するが、変動番号4の「ノーマルリーチ」の変動表示パターンに基づくノーマルリーチ演出では、未だ停止表示されていない中装飾図柄202bを、停止図柄の数図柄前からコマ送りで表示制御する(図74(K))。そして、中装飾図柄202bを所定の停止図柄(同図中では、「2」を例示)で停止表示(確定表示)する(図74(L))。停止表示された装飾図柄202a〜202cの組み合わせが同一図柄の組み合わせとなることで、当該装飾図柄202a〜202cの変動表示の結果が大当り図柄であり、15R当り遊技状態が実行される旨を遊技者が認識することができる。
次に、演出表示装置202にて表示制御される「リーチ演出」の演出例について図75および図76を参照して説明する。図75および図76は、変動番号8の「リーチ演出B」の変動表示パターンを実行する演出例を示す説明図である。
周辺制御基板92に搭載されるサブ統合MPU520は、受信した変動表示パターンコマンドのステータスが「10H」(特別図柄の変動時間に加算時間が加算されないステータス)であり、モードが「08H」(変動番号8の「リーチ演出B」の変動表示パターンに対応するモード)を受信すると、装飾図柄変動開始処理のステップS719で当該変動表示パターンコマンドと、装飾図柄の停止図柄と、演出モード(ここでは、「通常モード」)と、に応じた表示コマンドをセットし、これらの表示コマンドを情報出力処理(ステップS95)で液晶制御基板528に送信する。なお、装飾図柄の停止図柄には、変動番号8の「リーチ演出B」の変動表示パターンが装飾図柄パターン3Aに対応しており、装飾図柄パターン3Aに設定された左図柄決定テーブル3Aからもっとも選択割合の高い図柄「1」の組み合わせを決定している。
そして、液晶制御基板528は、受信した表示コマンドにもとづいてROMからプロセスデータを読み出し、当該プロセスデータにもとづいてタイマ(表示画像の切替タイミング等を示す)を設定するとともに、演出表示装置202に駆動信号を出力して、前回の変動表示にて装飾図柄202a〜202cを停止表示(確定表示)している態様(図75(A))から新たに装飾図柄202a〜202cの変動表示を開始する(図75(B))。
次いで、所定時間経過後に装飾図柄202a〜202cの変動表示が停止動作を開始すると、まず、左装飾図柄202aを所定の停止図柄(同図中では、「1」を例示)で仮停止表示する。また、左装飾図柄202aの停止動作の期間にて右装飾図柄202cの停止動作も開始し、右装飾図柄202cを左装飾図柄202aと同一の停止図柄(同図中では、「1」を例示)で停止表示する。停止表示された左右装飾図柄202a,202cが同一図柄となることで、リーチ態様が形成される(図75(C))。
さらに、中装飾図柄202bの停止動作も開始するが、リーチ態様を形成した後のノーマルリーチ演出では、未だ停止表示されていない中装飾図柄202bを、数図柄だけコマ送りで表示制御する(図75(D))。そして、中装飾図柄202bを左右装飾図柄202a,202cの+1図柄(同図中では、「2」を例示)で停止表示するかのような低速変動で表示制御するが、再び中装飾図柄202bが低速変動から高速変動に移行して表示制御する(図75(E))。
また、中装飾図柄202bは、高速変動に移行するのに伴って半透明の表示態様に変更される。そして、中装飾図柄202bの背面側から前面側に向けて主人公のキャラクタが出現し(図75(F))、ノーマルリーチ演出を実行した後のリーチ演出の行方を告知する分岐演出が実行される。分岐演出では、リーチ演出のタイトル名(同図中では、「見せろ怒涛の三連ショット」を例示)が明記され、複数種類のリーチ演出のうち「リーチ演出B」の演出表示が実行開始される旨を遊技者が認識することができる(図76(G))。
次いで、「リーチ演出B」の演出表示が実行開始されると、演出表示装置202の画面左上隅にリーチ態様を形成する左右装飾図柄202a,202cを表示制御するとともに、演出表示装置202の画面中央部に家の中から三兄弟のキャラクタを出現させる態様を表示制御する(図76(H))。このように、「リーチ演出B」の演出時間では、左右装飾図柄202a,202cの一部分に描写された三兄弟のキャラクタ(厳密には、三兄弟のキャラクタのうちの二人)と、リーチ演出で出現した三兄弟のキャラクタと、を演出表示装置202の同一画面上で視認することができる。すなわち、図柄「1」(特定の図柄)に対応するリーチ演出であるか否かを判別するためには、演出表示装置202の同一画面上に表示制御されたキャラクタを対比するだけでよく、「リーチ演出B」が図柄「1」(特定の図柄)に対応するリーチ演出である旨を遊技者が明確に認識することができる。また、図柄「1」(特定の図柄)に対応するリーチ演出が実行されることで、リーチ演出にて当落判定の結果が15R当りとなる割合が高く、大当り遊技状態に対する期待感が高められる。
ここで、リーチ態様を形成する左右装飾図柄202a,202cは、演出表示装置202の左上隅に「リーチ演出B」の演出時間に亘って表示制御される。このように、リーチ態様を形成する左右装飾図柄202a,202cがリーチ演出の演出時間に亘って表示制御されることで、リーチ演出の演出時間が通常変動時間(左右装飾図柄202a,202cがリーチ態様を形成するか否かまでの時間)よりも長く、左右装飾図柄202a,202cの一部分に描写されたキャラクタがリーチ演出で出現するキャラクタと同一であるか否かを判別する機会が長期間に亘って得られ、リーチ演出が特定の図柄に対応するリーチ演出である旨を遊技者が見逃すことがない。
また、「リーチ演出B」では、三兄弟のキャラクタが順次、樹木の枝にぶら下がって高速回転をしている中装飾図柄202bに向けてゴルフボールを打ち放ち、未だ停止表示されていない中装飾図柄202bを停止表示させる演出を表示制御する(図76(I),(J))。このとき、未だ停止表示されていない中装飾図柄202bは、演出表示装置202の画面左上隅のリーチ態様を形成する左右装飾図柄202a,202cよりも広い表示領域で表示制御される。このように、未だ停止表示されていない中装飾図柄202bが左右装飾図柄202a,202cよりも広い表示領域で表示制御されることで、図柄「1」(特定の図柄)に対応するリーチ演出であるか否かを判別するために左右装飾図柄202a,202cを表示制御しながらも、未だ停止表示されていない中装飾図柄202bが大当り図柄で停止表示するか否かに注目している遊技者の視認を妨げることがない。
そして、中装飾図柄202bを所定の停止図柄(同図中では、「1」を例示)で停止表示(確定表示)する(図76(K))。停止表示された装飾図柄202a〜202cの組み合わせが同一図柄の組み合わせとなることで、当該装飾図柄202a〜202cの変動表示の結果が大当り図柄であり、15R当り遊技状態が実行される旨を遊技者が認識することができる(図76(L))。
次に、演出表示装置202にて表示制御される「背景予告」の演出例について図77を参照して説明する。図77は、変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンに対して「背景予告」を実行する演出例を示す説明図である。
周辺制御基板92に搭載されるサブ統合MPU520は、受信した変動表示パターンコマンドのステータスが「10H」(特別図柄の変動時間に加算時間が加算されないステータス)であり、モードが「01H」(変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンに対応するモード)を受信すると、装飾図柄変動開始処理のステップS719で当該変動表示パターンコマンドと、装飾図柄の停止図柄(この実施の形態では、「781」の図柄の組み合わせ)と、演出モード(この実施の形態では、「通常モード」)と、背景予告パターン(この実施の形態では、背景予告パターン1)に応じた表示コマンドをセットし、これらの表示コマンドを情報出力処理(ステップS95)で液晶制御基板528に送信する。
そして、液晶制御基板528は、受信した表示コマンドにもとづいてROMからプロセスデータを読み出し、当該プロセスデータにもとづいてタイマ(表示画像の切替タイミング等を示す)を設定するとともに、前回の変動表示にて装飾図柄202a〜202cを停止表示(確定表示)している態様(図77(A))から新たに装飾図柄202a〜202cの変動表示を開始する(図77(B))。なお、前回の変動表示および今回の変動表示のいずれも、演出モードが「通常モード」に滞在している。
演出モードが「通常モード」に滞在している場合には、前回の変動表示にて装飾図柄202a〜202cを停止表示(確定表示)したときに、「通常モード」に対応する背景画像として背景予告キャラクタ(この実施の形態では、犬のキャラクタ)が中装飾図柄202bの右下となる待機位置(この実施の形態では、犬小屋)で仮眠する態様を表示制御する(図77(A))。
この演出例では、通常変動時間(左右装飾図柄がリーチ態様を形成するか否かまでの時間)にて「背景予告」を実行し、装飾図柄202a〜202cの変動表示を開始すると、背景予告キャラクタが目を覚まし、出現位置(この実施の形態では、家屋の引戸の手前)に向けて走り出す態様を表示制御する(図77(B))。そして、背景予告キャラクタが待機位置(この実施の形態では、犬小屋)から出現位置まで移動すると(図77(C))、リーチ演出にて当落判定の結果が15R当りとなる割合が高く、大当り遊技状態に対する期待感が高められる。
なお、待機位置の背景予告キャラクタを用いた「背景予告」を実行しない判定がなされていれば、背景予告キャラクタが出現位置(この実施の形態では、家屋の引戸の手前)に向けて走り出す態様を表示制御することなく、通常変動時間(左右装飾図柄がリーチ態様を形成するか否かまでの時間)にて背景予告キャラクタが待機位置(この実施の形態では、犬小屋)で仮眠したままの態様で表示制御する。
次いで、所定時間経過後に装飾図柄202a〜202cの変動表示が停止動作を開始すると、背景予告キャラクタが出現位置(この実施の形態では、家屋の引戸の手前)から待機位置(この実施の形態では、犬小屋)に向けて戻る態様を表示制御する。そして、左装飾図柄202aを所定の停止図柄(同図中では、「7」を例示)で停止表示した後(図77(D))、左装飾図柄202aの停止動作の期間にて右装飾図柄202cの停止動作も開始し、右装飾図柄202cを左装飾図柄202aとは異なる停止図柄(同図中では、「1」を例示)で停止表示する。
さらに、中装飾図柄202bの停止動作も開始し、中装飾図柄202bを所定の停止図柄(同図中では、「8」を例示)で停止表示する(図77(E))。停止表示された装飾図柄202a〜202cの組み合わせが異なる図柄の組み合わせとなることで、当該装飾図柄202a〜202cの変動表示の結果がはずれ図柄であり、15R当り遊技状態が実行されない旨を遊技者が認識することができる。
全ての装飾図柄202a〜202cを所定の停止図柄で停止表示したときには、背景予告キャラクタが出現位置(この実施の形態では、家屋の引戸の手前)から待機位置(この実施の形態では、犬小屋)に向けて戻っている中途の過程であり、未だ背景予告キャラクタが待機位置まで移動していない。未だ待機位置まで移動していない背景予告キャラクタは、全ての装飾図柄202a〜202cの停止を確定表示したときに、待機位置に到達して仮眠する態様に戻して表示制御する(図77(F))。なお、周辺制御基板92に搭載されるサブ統合MPU520は、主制御基板94から受信した変動停止コマンドに基づいて装飾図柄202a〜202cの停止を確定表示するための制御を行っている。
この実施の形態では、演出モードが「通常モード」に滞在している場合に、「通常モード」に対応する背景画像として待機位置(この実施の形態では、犬小屋)の背景予告キャラクタが演出表示装置202の画面上に常に描写されている。このように、「背景予告」を実行するか否かに関わらず背景予告キャラクタが常に描写されることで、背景予告キャラクタが待機位置から出現位置(この実施の形態では、家屋の引戸の手前)に移動するか否かを遊技者に常に意識させることができる。
また、この実施の形態では、「通常モード」に対応する背景画像として描写される背景予告キャラクタを演出表示装置202の画面上の特定の位置で固定表示するとともに背景画像を移動表示することで、背景予告キャラクタの動的な表示態様を実現している。ここで、演出表示装置202の画面上の特定の位置とは、背景予告キャラクタの待機位置または出現位置であり、画面上の同一位置に相当する。すなわち、画面上の特定の位置に固定された背景予告キャラクタを視認していれば、背景予告キャラクタが待機位置から出現位置に移動するか否か(「背景予告」が実行されるか否か)を遊技者が判別することができる。このように、背景予告キャラクタが演出表示装置202の画面上の特定の位置に固定表示されることで、遊技者の視点を無闇に移動させる必要がなく、背景予告キャラクタが待機位置から出現位置に移動するか否か(「背景予告」が実行されるか否か)を遊技者に容易に認識させることができる。
また、この実施の形態では、「通常モード」に対応する背景画像として描写される背景予告キャラクタが待機位置(この実施の形態では、犬小屋)および出現位置(この実施の形態では、家屋の引戸の手前)のいずれの位置であっても、背景予告キャラクタが中装飾図柄202bの右下に配置されており、装飾図柄202a〜202cの各々の停止図柄と重なり合わない領域(非重複領域)に表示制御されている。このように、背景予告キャラクタが装飾図柄202a〜202cの各々の停止図柄と重ならないように配置されることで、装飾図柄202a〜202cが各々いずれの図柄で停止表示するかに注目している遊技者にとって各々図柄の視認が妨げられることがない。また、装飾図柄202a〜202cの各々の停止図柄によって背景予告キャラクタの視認が妨げられることもなく、背景予告キャラクタの待機位置までの移動が停止されたか否か(すなわち、装飾図柄202a〜202cの停止が確定表示されたか否か)を見逃すことがない。
また、この実施の形態では、「通常モード」に対応する背景画像として描写される背景予告キャラクタが待機位置(この実施の形態では、犬小屋)および出現位置(この実施の形態では、家屋の引戸の手前)のいずれの位置であっても、背景予告キャラクタが中装飾図柄202bを変動表示する表示領域(変動表示領域)の一部と重なり合う領域(重複領域)に表示制御されている。しかしながら、装飾図柄202a〜202cの変動表示の開始に伴って低速変動から高速変動に移行したときには、装飾図柄202a〜202cの表示態様が不透明から半透明に変更するように表示制御されている。このように、装飾図柄202a〜202cの変動表示が行われている期間においても、装飾図柄202a〜202cの各々の図柄によって背景予告キャラクタの視認が妨げられることがなく、背景予告キャラクタが待機位置から出現位置に移動するか否か(「背景予告」が実行されるか否か)を見逃すことがない。
なお、この実施の形態では、演出表示装置202の表示領域が15インチと大型化されており、これに伴って装飾図柄202a〜202cが演出表示装置202の表示領域に見合った大きさ(この実施の形態では、表示領域の半分程度)で表示制御されている。また、演出表示装置202の画面上には、「通常モード」に対応する背景画像として描写される背景予告キャラクタよりも装飾図柄202a〜202cの各々の図柄のほうが広い表示領域で表示制御されている。このように、装飾図柄202a〜202cの各々の図柄が広い表示領域で表示制御されることで、背景予告キャラクタの視認が妨げられないながらも、装飾図柄202a〜202cが各々いずれの図柄で停止表示するか注目している遊技者にとって各々図柄を容易に認識することができる。
図78には、変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンに対して実行される「背景予告」のタイムチャートを示す。図78に示すように、第一始動口センサ216または第二始動口センサ218による遊技球の検出がなされると、主制御基板94に搭載される主制御MPU504は、特別図柄表示器302に駆動信号を直接的に出力して特別図柄の変動表示を開始するとともに、周辺制御基板92に変動表示パターンコマンドを送信する。周辺制御基板92に搭載されるサブ統合MPU520が変動表示パターンコマンドを受信したときには、演出表示装置202の画面上にて装飾図柄202a〜202cの変動表示を開始するとともに、待機位置の背景予告キャラクタが出現位置への移動を開始する。
そして、主制御基板94に搭載される主制御MPU504は、変動番号1の「通常変動」の変動表示パターンに設定された特別図柄の変動時間(この実施の形態では、「12000」ms)が経過すると、特別図柄表示器302への駆動信号の出力を停止するとともに、周辺制御基板92に変動停止コマンドを送信する。周辺制御基板92に搭載されるサブ統合MPU520が変動停止コマンドを受信したときには、演出表示装置202の画面上にて装飾図柄202a〜202cの停止を確定表示するとともに、出現位置の背景予告キャラクタが待機位置への移動を完了する。
この実施の形態では、演出表示装置202の画面上にて装飾図柄202a〜202cの停止を確定表示するよりも前に、装飾図柄202a〜202cを停止表示するための制御を行っている。この装飾図柄202a〜202cを停止表示してから確定表示までの時間には、装飾図柄202a〜202cが仮停止表示(例えば、上下(または/および左右であってもよい)に小刻みに揺れて完全には停止していない状態:揺れ変動表示)の状態にある。従来の遊技機では、装飾図柄202a〜202cの仮停止表示の状態から再び装飾図柄202a〜202cの変動表示(例えば、再変動表示や連続変動)が開始される可能性も残されているが、その実行割合は非常に低く、装飾図柄202a〜202cの仮停止表示に対する期待感が高められるものではなかった。すなわち、演出表示装置202の画面上に注目している遊技者には、装飾図柄202a〜202cが停止表示されたときに、特別図柄の変動表示が終了したかのように認識されてしまう。これにより、保留球数がカウントされている場合、装飾図柄202a〜202cの変動表示が終了したにも関わらず次回の変動表示が早々に開始されないため、次回の変動表示が開始されるまでの待機時間に苛立ちや違和感を生じる虞があった。
しかしながら、この実施の形態では、演出表示装置202の画面上にて装飾図柄202a〜202cの停止を確定表示するまで、背景予告キャラクタが出現位置から待機位置に向けて移動するように表示制御している。このように、装飾図柄202a〜202cを停止表示してから確定表示までの時間においても、背景予告キャラクタが出現位置から待機位置に向けて移動することで、装飾図柄202a〜202cの停止表示が特別図柄の変動表示の終了ではない旨を遊技者に意識させることができる。従って、装飾図柄202a〜202cを停止表示してから確定表示までの時間には、装飾図柄202a〜202cが仮停止表示の状態にあって再び装飾図柄202a〜202cの変動表示(例えば、再変動表示や連続変動)が開始されるのではないかと期待し、次回の変動表示が開始されるまでの待機時間に対する違和感を抑制することができる。
また、この実施の形態では、特別図柄表示器302にて特別図柄の変動表示を開始するのに伴って演出表示装置202の画面上にて待機位置の背景予告キャラクタが出現位置への移動を開始し、特別図柄表示器302にて特別図柄の変動表示を停止するのに伴って演出表示装置202の画面上にて出現位置の背景予告キャラクタが待機位置への移動を完了するように表示制御している。このように、特別図柄の変動時間の経過に合わせて演出表示装置202の画面上にて背景予告キャラクタの移動を停止することで、背景予告キャラクタの移動の停止によって特別図柄の変動表示の終了を遊技者に認識させることができる。
すなわち、従来の遊技機では装飾図柄202a〜202cの変動表示の停止によって特別図柄の変動表示の終了を知らせていたが、特別図柄の変動表示の終了が装飾図柄202a〜202cの変動表示の停止に関わらず、演出表示装置202の画面上にて装飾図柄202a〜202cの変動表示をいずれのタイミングで停止表示してもよく、装飾図柄202a〜202cの変動表示の自由度を上げることができる。従って、演出表示装置202の画面上にて背景予告キャラクタの移動が停止されるまでは、特別図柄の変動表示の終了ではない旨を遊技者が認識することで、装飾図柄202a〜202cの変動表示が早々に停止表示されても再び装飾図柄202a〜202cの変動表示(例えば、再変動表示や連続変動)が開始されるのではないかと期待し、次回の変動表示が開始されるまでの待機時間に対する興趣の低下を抑制することができる。
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。