JP5091344B2 - センサネットワーク構築装置および方法、並びにプログラム - Google Patents
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Description
その1つとして、非特許文献3に示すLEACHがある。この研究では、送信電力が送信先までの距離の2乗に比例するという前提に基づき、マルチホップを利用して省電力を実現している。しかし、屋内型センサネットワークにおける近距離無線では、無線の電波の送信よりも受信に電力が必要であるため、既存の省電力のための手法をそのまま屋内型センサネットワークに適応しても省電力にならず、無線の干渉を避けることも主な目的とはされていない。
センサノードでの実装は単純で実現は容易であり、確実にデータを収集できる。しかし、ノード1台ずつに順にデータを要求するため、データが発生してからデータが基地局に収集されるまでの遅延が大きくなる。さらにイベント駆動型センサを利用するため、センサデータが発生していないノードにもデータを要求しなければならず、効率が悪い。
[センサデータ収集システム]
まず、図1を参照して、本発明の一実施の形態にかかるセンサデータ収集システムについて説明する。図1は、本発明の一実施の形態にかかるセンサデータ収集システムの構成を示すブロック図である。図2は、センサノードの構成例を示すブロック図である。図3は、基地局の構成例を示すブロック図である。図4は、ネットワーク構築装置の構成例を示すブロック図である。
基地局20を構成する無線通信装置21および受信データ処理装置22については、それぞれ別個の装置から実現した場合を例として説明するが、これらのうち複数の装置を1つの装置で実現してもよい。また、これら装置での内部処理については、専用の信号処理回路で実現してもよく、コンピュータでCPUなどの演算処理装置とプログラムとを協働させてなる個々の機能処理装置で実現してもよい。
次に、図5を参照して、本実施の形態にかかるセンサデータ収集システムのセンサネットワークについて説明する。図5は、センサネットワークの階層クラスタ構造例を示す説明図である。
センサネットワーク50は、複数の階層を有するとともに、階層ごとに1つ以上のクラスタが設けられている階層クラスタ構造をなしている。
最上位階層LHのクラスタは、基地局20をクラスタヘッドとする1つのクラスタから構成されており、このクラスタの子ノードは、中間層LMの各クラスタのクラスタヘッドから構成されている。このため、最終的には最上位階層LHの基地局20に対してすべてのセンサノード10からセンサデータが集約される。
本実施の形態では、このような階層クラスタ構造を用いることで、各センサノード10でセンシングしたセンサデータを少ない遅延で並行して効率よく収集している。これにより、ポーリングを用いる手法とは異なり、効率よくデータが収集できる。また、時分割多重を用いる方法と異なり、実装もシンプルで容易に導入可能である。
次に、図6および図7を参照して、本実施の形態にかかるセンサデータ収集システムのデータ集約方法について説明する。図6は、本実施の形態にかかるセンサデータ収集システムのデータ集約処理を示すフローチャートである。図7は、階層クラスタ構造の一例を示すトポロジである。
ここで、所定の待ち時間が経過するまでに子ノードNciからデータを受信した場合(ステップ113:YES)、無線通信装置15により、その受信データを送信キューへ追加保存し(ステップ114)、変数iを1だけ加算する(ステップ115)。また、ステップ113において、データ要求メッセージの送信から待ち時間が経過するまでに子ノードNciからデータを受信できなかった場合(ステップ113:NO)、ステップ115へ移行する。
(a)ノードAとノードBはノードEへチャネルCh1でセンサデータを集約し、ノードCとノードDはノードFへチャネルCh1でセンサデータを集約する。
(b)ノードEとノードFは、それぞれの子ノードからチャネルCh1でデータを集約し終えると通信チャネルをチャネルCh2に切り替え、ノードGへセンサデータを集約する。
(c)ノードGとノードHは、それぞれの子ノードからチャネルCh2でデータを集約し終えると通信チャネルをチャネルCh3に切り替え、ノードIにデータを集約する。
図7のトポロジでは2分木を例としているが、クラスタ内のノード数は通信の効率を考慮して最適な値を決めるものとする。
・アルゴリズムの共通化:すべてのノードが単一のアルゴリズムで動作し、チャネルや自身の親ノードと子ノードのIDなど数個のパラメータを設定するだけで、センサネットワークを構築できる。このため、ユーザはセンサの種類を意識することなくセンサノードを設置できる。また、今後ノードの移動などを考慮したデータ収集方法についても、数個のパラメータを変更するだけでトポロジを変更できる。
次に、図8および図9を参照して、本実施の形態にかかるセンサデータ収集システムのネットワーク構築方法について説明する。図8は、本実施の形態にかかるセンサデータ収集システムのクラスタリング処理を示すフローチャートである。図9は、クラスタリング処理の一例を示す説明図である。
本実施の形態にかかるセンサデータ収集システム1のネットワーク構築装置30では、センサネットワーク50のトポロジを決定するために、図8に示すようなクラスタリング処理を行う。
続いて、変数iがクラスタ数kに達するまで、ステップ221〜224からなるループ2を繰り返し実行する。
この後、ネットワーク構築装置30は、クラスタリング処理装置34で決定したトポロジに基づいて、ネットワーク設定装置35により、各センサノード10に関する通信相手ノードと当該通信相手ノードに関する最小送信電波強度とを決定する。
このようにして、ネットワーク設定装置35は、各センサノード10に関する通信相手ノードと当該通信相手ノードに関する最小送信電波強度とを決定し、無線通信装置31からセンサネットワークを介して各センサノードへ通知する。これにより、センサデータ収集に適したセンサネットワーク50が構築されることになる。
(b)サンプルの中からランダムにクラスタヘッドを選択する。この例では3つのクラスタに分割するため、3つのクラスタヘッドP1、P2、P3を選択する。
(c)クラスタヘッド以外のサンプルノードをクラスタリングし、評価関数Fを計算し、Foldとする。各ノードは最小距離のクラスタヘッドのクラスタに所属するため、この例ではP1のクラスタには2個のノードが、P2のクラスタには0個のノードが、P3のクラスタには1個のノードがそれぞれ所属する。また、P1からC12への通信は、クラスタ外のP2,P3の2個のノードでも受信でき、P3からC31の通信はクラスタ外のP1、C11、C12,P2でも受信できる。このように通信の重なり、すなわち無線通信干渉度合いを数えることで評価関数Fを算出する。
(e)Nrandomとクラスタヘッドを入れ替えた場合のFcを計算し、最小となるものをFnewとする。この例では、クラスタヘッドが3つあるため、P1と入れ替えるパターン1、P2と入れ替えるパターン2、P3と入れ替えるパターン3の3つのパターンについて計算を行うことになる。3つのパターンの中では、狭い範囲に同一クラスタのノードが集中するパターン2やパターン3がパターン1や現在のクラスタヘッドの配置よりもFの値が小さく、無線通信干渉の少ない良好なクラスタリングとなる。ここでは、パターン3の場合にFnewが最小になったものとする。
(g)確定されたクラスタヘッドを用いて、すべてのノードを最短距離のクラスタヘッドのクラスタに所属させることでクラスタリングを行う。
すべての階層におけるクラスタリング処理が終了すると、データを収集するためのトポロジと、各ノード間の通信での最適な電波強度が決まるため、基地局20が、ノードのクラスタヘッド、子ノードの一覧、それぞれの通信における送信電波強度をすべてのノードに対して通知する。これによって、データ収集が開始できるようになる。
ここでは、本実施の形態にかかるセンサデータ収集方法と、従来のポーリング手法とについて、4つのセンサノードからセンサデータを基地局20へ収集する際に発生する遅延時間を測定した。本実施の形態にかかるセンサデータ収集方法では、図11のトポロジのセンサネットワーク50を用いた。また、無線通信にはIEEE802.15.4準拠の無線通信モジュールを用いた。評価の結果、センサノード数が少ないにもかかわらず、従来のポーリング手法に比べて、本実施の形態にかかるセンサデータ収集方法の方が、データ収集に要する所要時間、すなわち遅延が少なくなる傾向にあることが分かる。
Claims (5)
- 複数の階層を有するセンサネットワークを無線通信により構成する複数のセンサノードと、各センサノードでセンシングした当該センサノードの周囲状況を示すセンサデータを前記センサネットワークを介して収集する基地局とを含み、前記センサネットワークは、前記階層ごとに1つ以上のクラスタを有し、任意のセンサノードからなる1つ以上の子ノードと1つのクラスタヘッドとから前記クラスタが構成され、当該クラスタ内の前記子ノードと前記クラスタヘッドとが無線通信を行うとともに、前記クラスタヘッドが1つ上位の階層における任意の上位クラスタの子ノードとして動作し、最上位階層に構成する1つのクラスタのクラスヘッダが前記基地局からなる、階層クラスタ構造を有するセンサデータ収集システムにおいて、
前記各センサノードで検出した当該ノードと他のノードとの間で無線通信可能な最小送信電波強度値を、前記センサネットワークを介してそれぞれ収集する最小送信電波強度収集装置と、
これら最小送信電波強度値に基づいて、任意の階層における、各クラスタに属する子ノードとクラスタヘッドとの組合せを示す任意のクラスタ構成について、異なるクラスタに属するセンサノード間における無線通信干渉度合いを示す評価値を算出する評価値算出装置と、
階層ごとに複数選択したクラスタ構成について前記評価値算出装置で前記評価値を算出し、得られた評価値に基づき階層ごとにクラスタ構成を決定することにより、前記センサネットワークのトポロジを決定するクラスタリング処理装置と、
前記トポロジに基づいて個々のセンサノードに関する通信相手情報と当該通信相手ノードに関する最小送信電波強度値とを、前記センサネットワークを介して前記各センサノードへ通知するネットワーク設定装置と
を備えることを特徴とするセンサネットワーク構築装置。 - 請求項1に記載のセンサネットワーク構築装置において、
前記クラスタリング処理装置は、任意の階層についてクラスタ構成を決定する際、当該階層に含まれるノードからランダムにサンプルノードを選択し、
このサンプルノードから各クラスタのクラスタヘッドをそれぞれ任意に選択し、
前記クラスタ以外のサンプルノードを当該サンプルノードから最も小さい電波強度で通信可能なクラスタヘッドのクラスタにそれぞれ割り当てて当該階層の基準となるクラスタ構成を生成して、前記評価値算出装置により前記基準クラスタ構成に関する基準評価値を算出し、
前記基準クラスタ構成のうちクラスタヘッド以外のサンプルノードからランダムに選択して当該クラスタのクラスタヘッドと入れ替えた候補クラスタ構成を順次生成して、前記評価値算出装置により前記候補クラスタ構成に関する候補評価値を算出し、
前記候補評価値のうち最も小さい最小候補評価値と前記基準評価値とを比較し、いずれか小さい方のクラスタ構成を当該階層のクラスタ構成として決定することを特徴とするセンサネットワーク構築装置。 - 複数の階層を有するセンサネットワークを無線通信により構成する複数のセンサノードと、各センサノードでセンシングした当該センサノードの周囲状況を示すセンサデータを前記センサネットワークを介して収集する基地局とを含み、前記センサネットワークは、前記階層ごとに1つ以上のクラスタを有し、任意のセンサノードからなる1つ以上の子ノードと1つのクラスタヘッドとから前記クラスタが構成され、当該クラスタ内の前記子ノードと前記クラスタヘッドとが無線通信を行うとともに、前記クラスタヘッドが1つ上位の階層における任意の上位クラスタの子ノードとして動作し、最上位階層に構成する1つのクラスタのクラスヘッダが前記基地局からなる、階層クラスタ構造を有するセンサデータ収集システムにおいて、
最小送信電波強度収集装置が、前記各センサノードで検出した当該ノードと他のノードとの間で無線通信可能な最小送信電波強度値を、前記センサネットワークを介してそれぞれ収集する最小送信電波強度収集ステップと、
評価値算出装置が、これら最小送信電波強度値に基づいて、任意の階層における、各クラスタに属する子ノードとクラスタヘッドとの組合せを示す任意のクラスタ構成について、異なるクラスタに属するセンサノード間における無線通信干渉度合いを示す評価値を算出する評価値算出ステップと、
クラスタリング処理装置が、階層ごとに複数選択したクラスタ構成について前記評価値算出装置で前記評価値を算出し、得られた評価値に基づき階層ごとにクラスタ構成を決定することにより、前記センサネットワークのトポロジを決定するクラスタリング処理ステップと、
ネットワーク設定装置が、前記トポロジに基づいて個々のセンサノードに関する通信相手情報と当該通信相手ノードに関する最小送信電波強度値とを、前記センサネットワークを介して前記各センサノードへ通知するネットワーク設定ステップと
を備えることを特徴とするセンサネットワーク構築方法。 - 請求項3に記載のセンサネットワーク構築方法において、
前記クラスタリング処理装置が、任意の階層についてクラスタ構成を決定する際、当該階層に含まれるノードからランダムにサンプルノードを選択し、このサンプルノードから各クラスタのクラスタヘッドをそれぞれ任意に選択し、前記クラスタ以外のサンプルノードを当該サンプルノードから最も小さい電波強度で通信可能なクラスタヘッドのクラスタにそれぞれ割り当てて当該階層の基準となるクラスタ構成を生成して、前記評価値算出装置により前記基準クラスタ構成に関する基準評価値を算出し、前記基準クラスタ構成のうちクラスタヘッド以外のサンプルノードからランダムに選択して当該クラスタのクラスタヘッドと入れ替えた候補クラスタ構成を順次生成して、前記評価値算出装置により前記候補クラスタ構成に関する候補評価値を算出し、前記候補評価値のうち最も小さい最小候補評価値と前記基準評価値とを比較し、いずれか小さい方のクラスタ構成を当該階層のクラスタ構成として決定することを特徴とするセンサネットワーク構築方法。 - コンピュータを、請求項1または請求項2に記載のセンサネットワーク構築装置を構成する各部として機能させるためのプログラム。
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